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安価とコンマで異世界転生!その10
- 453 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/14(火) 19:56:33.74 ID:dJcEX4nv0
- 炎魔「この辺でいいんじゃないでしょうか?」
そのまま地面に石を置く
湯気すら立ち上るそれの前に、氷魔が立つ
氷魔「……それでは……いきます……極大氷魔法……!!」
彼女の両手から氷の波動が迸る
石だけでなく、洞窟の中じゅうに氷が張っていく
- 454 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/14(火) 23:46:57.99 ID:dJcEX4nv0
- 男「相変わらず、すごい衝撃だな……!」
氷魔「……今です……もう一度……!」
彼女がそう合図すると、炎魔が後ろから現れる
炎魔「今度こそ!ぶっ壊れなさーい!」
高跳びの選手のように全身をしならせ、
回転のねじりを加えて全力で石を殴った
- 455 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/15(水) 02:23:29.78 ID:npjJz9RU0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 456 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/15(水) 19:03:21.38 ID:npjJz9RU0
- すると、石は見事に破砕され、弾け飛んだ
中華「やった!」
炎魔「ゴブリンさん!壊せました……よ……?」
ゴブリンはといえば、
先程の氷魔の魔法によって凍りついていた
やる気「ま、あんなやつは放っておくっすよ。しかし、なんなんすかね?この石は」
- 457 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/15(水) 19:05:58.65 ID:npjJz9RU0
- 市長「解析してみましょう」
彼女は粉々になったそれのかけらや粉末を手に取って調べている
手触りを確かめたり、硬度を検討したり、
果ては口に入れたりもした
ぶりっ子「うひぃ、なんてことしてるんですかぁ」
市長「大丈夫です。私はただのAIなので」
怪盗「……そういうことにしておきましょう。それで、その虹色の石がなんなのか分かりましたか?」
市長「>>下1」
- 458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/15(水) 20:21:40.44 ID:/iY1WrMDO
- 極僅かに生命反応が感じられますね
何らかの生物が生きたまま加工された魔道具でしょう
- 459 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/16(木) 00:16:03.19 ID:pkyAqKrY0
- 市長「極僅かに生命反応が感じられますね」
狙撃少女「ということは……」
市長「何らかの生物が生きたまま加工された魔道具でしょう」
鉱物かと思ったが、どうやら鉱物ではなかったらしい
あるいは、鉱物のような生物か
男「残酷なもんだな」
市長「結界の構成に使うアイテムとしてはとても利にかなっていると思います。霊的ですし、丈夫ですし、小さい」
- 460 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/16(木) 02:32:15.43 ID:pkyAqKrY0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 461 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/16(木) 19:51:46.47 ID:pkyAqKrY0
- 中華「これはかなりいい手がかりだね」
市長「ええ、生体反応を探ることで結界の触媒を見つけられそうです」
氷魔「……できそうですか……?」
市長「今すぐは無理そうです。あらゆる生体反応が反応してしまいます。さっきの鉱夫さんのような人や、そこのゴブリンにも」
やる気「じゃ、一回帰るっすかね」
- 462 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/16(木) 21:07:59.27 ID:pkyAqKrY0
- 一行は元来た道を戻り、
市長のオフィスへと帰ってきた
少女「あ……お帰りなさい」
ぶりっ子「なにか困ってることはありませんかぁ?」
少女「今は特にありません」
彼女は先ほどに比べればかなりリラックスした様子で、
心から休息できていることが分かる
- 463 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/17(金) 03:08:21.95 ID:vIj4zjlg0
- 怪盗「彼女も、ここのホテルに泊めるんですか?」
市長「はい、お金もないでしょうし、行くあてもないので……今のうちはそのつもりです」
少女「すみません、私からもなにかしてあげられればよいのですが……」
市長「あなたは施す側ではなく、施される側ですよ。そのことを覚えておいてください」
狙撃少女「罪悪感に潰された人間は、見ていて辛いものがありますしね」
- 464 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/17(金) 03:09:29.00 ID:vIj4zjlg0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 465 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/17(金) 19:41:55.87 ID:qSam5cvCO
- それから市長が解析作業に入るとともに、
ギルドの一行は宿泊する部屋に向かった
男「なんだかんだうまく行きそうでよかった」
中華「そうだね、魔神と戦闘になるかもしれないと思ってたときは大変な心労だったけど……」
まだ夕食までは時間がありそうだ
>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.市長と話す
9.少女に会いに行く
- 466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/17(金) 19:45:57.37 ID:jeloZvpT0
- 8
- 467 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/17(金) 20:30:01.12 ID:qSam5cvCO
- 男は備え付けのモニターの電源を点け、
市長と対面する
市長「どうされました?」
男「世間話だ」
市長「ああ、そういえばそういう方でしたね」
嫌な物言いだが、顔に嫌味らしさはまったくない
本心からそう言っているのだ
- 468 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/18(土) 04:03:07.28 ID:AXsHudmG0
- 男「解析は順調ですか?」
市長「とりあえず、この生体のかけらを探知できるようにはしています」
男「それならよかった」
市長「真に私が知るべきなのは、その生物の正体なのですが……」
男「それは……少し辛抱してくれ。世の中は本質じゃない所で回るが、最後にものを言うのは本質だ」
- 469 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/18(土) 04:24:47.21 ID:AXsHudmG0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 470 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/18(土) 19:29:49.34 ID:DFBcTR+KO
- それからしばらく、無言でいた
市長「……違和感があります」
男「え?」
市長「私が大抵、誰かと話しているとき……相手はなにか命令をしてきます。そうでないなら、用はないのでいなくなるのですが」
男「あぁ、相手がAIならそうなる人が多いね」
市長「それ以外にも、あなたからは多くの違和感を感じています。なにかが少し違うのです」
男「空気が読めないってこと?」
市長「違いますが……質問があります。>>下1」
- 471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/18(土) 19:55:20.17 ID:0qgL7//Z0
- 封印されてた少女と同じ『世界』で暮らしてました?
- 472 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 03:11:56.08 ID:CRCs3Uqh0
- 市長「封印されてた少女と同じ『世界』で暮らしてました?」
薄々、彼女の言う違いが異世界によるものなのだと勘づいてはいた
だが、それを告白するつもりはなかった
それらしくはぐらかしていたが、核心に迫られたのだ
この世界に来てから、体験したことのない緊張感が全身に走る
男「……世界?なんのことだ?」
市長「なにか心当たりはあるようですね。彼女は、こことは異なる世界の……『シズオカ』という場所から喚ばれたそうなのです」
- 473 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 03:17:16.58 ID:CRCs3Uqh0
- 高度なAIにとぼけても仕方ないのだ
彼女は大抵の嘘は見破れる存在である
男「……そりゃ、とんだ偶然だ」
市長「ということは、あなたも?」
男「ああ、ちょっと離れてるが、その辺りといえばその辺りだ」
市長「なんと興味深い……色々、お聞かせ願えませんか?向こう側について……」
男「……いいが、条件がある」
- 474 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 03:51:40.55 ID:CRCs3Uqh0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 475 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 19:44:22.23 ID:CRCs3Uqh0
- 市長「なんでしょう」
男「みんなには言わないでくれ。俺と市長と……あの少女だけの秘密だ」
市長「……分かりました。では、お風呂の後に私のオフィスまでお越しください」
彼女はそう言ってモニターの接続を切った
そろそろ夕食の時間だ
- 476 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/19(日) 21:55:17.37 ID:CRCs3Uqh0
- それから、一行は先日と同じ食事を摂った
方向性として正しい献立なのかが先日まで確定していなかったので、
まだ他のバリエーションは開発中だそうだ
氷魔「……そろそろお風呂ですね……」
やる気「あのお風呂にいる存在も、少女の友達だと分かれば安心して触れ合えそうっすね」
ぶりっ子「そうですねぇ」
- 477 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/20(月) 02:56:57.49 ID:RcmRWosl0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 478 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/20(月) 19:50:13.38 ID:RcmRWosl0
- それから男は風呂に入ったが、
先ほど市長に看破されたことが深刻に心へ陰を落とし、中華ややる気と下らない話をしたような気もするが、まるで覚えていなかった
男「失礼します」
そして、彼は市長のオフィスへとやってきた
訳は言わず、こっそり抜け出してきたのだ
そこには、あの少女もいた
市長「お待ちしておりました。ソファにおかけになって下さい」
- 479 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/20(月) 22:13:14.96 ID:RcmRWosl0
- 少女「………………」
彼女は男をじっと見ている
市長から既に男の正体を知らされているのだ
市長「さて、では異世界について調査するとしましょうか」
男「ああ、なんでも聞いてくれ」
- 480 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 01:12:48.89 ID:v+5/PAPE0
- 市長「では、大きく違うところを教えてもらいましょう。その辺りの前提を理解していないと、聞いても分からないことが多いですからね」
少女「そうですね……」
男「まず、あっちに魔物はいない。あと、魔法もない。多分、神もいないんじゃないかな」
市長「……真実ですか?」
少女「そうですね……私もそう認識しています」
- 481 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 02:18:23.43 ID:v+5/PAPE0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 482 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 19:32:33.67 ID:v+5/PAPE0
- 市長「では、平和なのですか?」
男「こっちよりは平和かも。でも科学が魔法みたいなものだから、結局戦えば人は沢山死ぬ」
少女「街や地方を丸々一つ吹き飛ばすような兵器がありますからね……」
市長「そんなバカな……眉唾な古代兵器でもそうありませんよ、それほどの破壊規模のものは」
男「なんと、量産されている」
市長「……なぜ滅んでいないのでしょうか」
男「使ったら滅ぶからだ。だからこっちよりちょっと平和なんだよね」
- 483 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/21(火) 19:48:25.40 ID:v+5/PAPE0
- 市長「なるほど、参考になります」
少女「それはよかったです……参考?」
市長「なんでもありませんよ」
男「怖……」
少女「私からも男さんに聞きたいことがあるんですが……」
男「おう、なんでも聞いてくれ。この世界に来てから、まだ日が浅いだろうしな」
少女「>>下1」
- 484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/21(火) 20:05:48.48 ID:/UQW3Tio0
- …私の年号は『平成15年』でした。男さんはいつの『平成』で来ましたか?
- 485 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/22(水) 02:12:45.46 ID:oHwUDrAR0
- 少女「…私の年号は『平成15年』でした。男さんはいつの『平成』で来ましたか?」
一瞬、なにを言われているのか分からなかった
しかし、すぐに男はそれを理解した
男「どうかな、一つ前かもしれないぞ」
少女「えっ!?……そんなタイプには見えませんが」
男「それは正しいな、俺は『平成』より後だし」
少女「ええっ!?そ、そんな!未来人!?」
- 486 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/22(水) 02:15:26.22 ID:oHwUDrAR0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/22(水) 03:40:39.06 ID:/YNWON5D0
- 平成15年というと静岡市と清水市が合併した年だな
- 488 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/22(水) 19:28:05.30 ID:oHwUDrAR0
- 男「ああ、15年以上先の未来から俺は来ている」
市長「なんと興味深い……空間のみならず、時間をも超越してここにいるのですね」
少女「へぇー……」
男「まぁ、言うほど世界は変わってないさ。ちょっと厳格になったくらい」
少女「ないんですか?空飛ぶ車とか」
男「ないねぇ。飛ぶ車も、コールドスリープも、宇宙エレベーターもない」
- 489 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 01:59:33.92 ID:/aoWNDuk0
- 市長「面白い空想ですね、私も研究してみたいです」
少女「宇宙エレベーターは無理そうですが……」
市長「そうですね。ですが飛ぶ車やコールドスリープは魔法も応用すればできそうです」
男「というか、封印なんてコールドスリープみたいなもんじゃないか?」
市長「伝説の強力な魔法使いがやるような封印であれば、そういう効力もあるかもしれませんが……普通はそうもいきませんね」
- 490 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 02:04:26.24 ID:/aoWNDuk0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 491 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 19:50:05.90 ID:/aoWNDuk0
- 少女「……私はどうなのでしょうか……?」
男「魔神の力じゃないか?」
市長「そうでしょうね。それより、あなたたちの世界の発明が知りたくなってきました」
男「思い付くだけ教えるけど……こっちの世界には市長ほど高性能のAIはいない。あんまり参考にならないか、そもそも世界の仕組みが違うかもしれないけど……いいですか?」
市長「構いませんよ」
- 492 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/23(木) 20:38:06.94 ID:/aoWNDuk0
- それから、男は様々な発明品について話した
とはいえ、その構造まで知っているわけではないので、こういう機械があるとか、こういう兵器があるという話しかできなかった
男「こ……こんなところですかね」
市長「面白いですね」
少女「ほとんど、私も知っているものでした」
市長「特に、>>下1は作ってみたいところです」
- 493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/23(木) 21:26:54.64 ID:t77RUa3b0
- 全自動大根おろしや手動式包機とかの調理器具全般
- 494 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 01:15:56.70 ID:KKtyFig00
- 市長「全自動大根おろしや手動式包機とかの調理器具全般は作ってみたいところです」
男「平和的でよかった」
市長「強力な兵器は抑止にこそなれ、平和は作らないというのは分かりましたから」
少女「そうですね、私もそう思います」
男「しかし、調理器具か……中華が喜びそうだな」
市長「そういえば、料理人の方がパーティにいらっしゃいましたね。試作品完成の暁には、ぜひ使用感を教えていただきたいものです」
- 495 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 01:35:01.22 ID:KKtyFig00
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 496 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 19:47:14.49 ID:iBTz22iUO
- 夜も更けてきたので、そろそろ解散することになった
男「そろそろ寝たいしな」
市長「そういえば男さん、言っておきたいことがあります」
男「……なんですか?」
市長「あなたはギルドの方々に対し、できるだけ誠実でいようとしているようですが……そのつもりなら、あなたが異なる世界から来ていることを告白すべきです」
- 497 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/24(金) 21:31:33.85 ID:iBTz22iUO
- 男「……それは、あまりにも……大きすぎる特徴だ」
少女「ですね」
市長「みなさんとの関係が変わることを恐れているのですか?」
男「そう……ですね」
市長「……みなさんは、あなたを信じてついてきたはずです。それこそ、関係が変わってしまうかもしれないようなことをあなたに打ち明けた人だっているでしょう」
男「……それでも、怖い……みんなを信じるのが、俺のするべきことだと分かっていても、それでも……」
- 498 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/25(土) 03:54:02.09 ID:8jm+WKLV0
- 市長「……意外です」
男「俺のこともAIだと思ってました?」
市長「首尾一貫していたので」
男「……俺は、ここに来る前は誰も顧みることをしなかった。だから、人付き合いと呼べるものはほぼなかった」
市長「だから、今のようになったのですね」
男「他人を大切にする。それだけでどれだけ人生が豊かになるかということを実証しているんです」
市長「それは、自分を大切にしないということではありません。……辛いと思ったなら、恐れず打ち明けて下さい」
- 499 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/25(土) 03:57:47.59 ID:8jm+WKLV0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 500 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/25(土) 19:25:02.99 ID:JEG5Ys6GO
- 男は心に重大なしこりを作ったまま部屋に戻り、眠った
〜翌日・陰週金曜日〜
中華「……おっ、早いね」
男「相変わらず中華も起きるのが早い。まぁなんだ、眠れなかったんだ」
中華「もしかして……」
男「!?」
なにかを察したような彼の顔に、不安がよぎる
中華「……恋!?」
男「違うわ!」
- 501 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 04:36:17.80 ID:h7ay7hyS0
- そして準備を整え、再び地下へ向かうのだった
市長「あの生体結界を探査するレーダーを製作しました」
彼女はラジコンの操縦桿のような物体を操作している
周期的に音を放っており、ダウジングマシンのようなシステムのようだ
氷魔「……音で分かる……ということでしょうか……」
市長「小さいながら、モニターもつけています。二つの機構で効率的に探せますよ」
- 502 : ◆cUhskXlNTw :2024/05/26(日) 04:36:47.45 ID:h7ay7hySo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 503 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 19:57:51.35 ID:h7ay7hyS0
- そして、レーダーを携えながら歩き始めた
ここで新たな情報が手に入る
やる気「お、音が大きくなってきたっすね?」
市長「……おかしいですね。かなり離れているはずなのですが、いつの間にか接近しています」
ぶりっ子「地下全体に空間の歪みがあるってことでしょうかぁ」
怪盗「その可能性は高そうです」
- 504 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 23:14:31.26 ID:h7ay7hyS0
- もう少し近寄ると、道端にそれは落ちていた
狙撃少女「あ、ありましたね」
男「時間はかかるが、この前のようにして破壊するか」
例のごとく、炎魔に温めてもらい、
それから氷魔が冷やして破壊した
炎魔「楽しいですね、これ」
- 505 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:42:03.20 ID:VtTJDeV20
- 市長「よかったです。結構負担を強いているので」
炎魔「みなさんの役に立てるのが嬉しいんですよ」
中華「空間が歪んでいて、結界を構成するあれへの接近が容易ってことは……この近くから外に出たら、ものすごい遠くの街に出たりするのかな」
氷魔「……その可能性はかなりあります……オークション会場を襲撃した集団が逃走のために用いた理由も分かりますね……」
- 506 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:52:52.38 ID:VtTJDeV20
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 507 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 19:10:46.05 ID:VtTJDeV20
- それからさらにレーダーを伝って生体結界のパーツを探して歩いた
市長「……また、動いてますね」
手元のモニターではパーツが動いている様子が映し出されている
やる気「……あれっすね」
>>下1……パーツはどうなっていた?
- 508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/27(月) 20:03:07.08 ID:s003qYsq0
- 中身のない鎧の騎士がパーツを装飾品として胸辺りに着けていた
- 509 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:04:45.98 ID:KnkxuLK80
- リビングアーマー「ガコン……ガコン……」
そこにいたのは、がらんどうの騎士
ひとりでに動き回る鎧で、リビングアーマーと呼ばれる存在だ
ぶりっ子「げ……填まってますね……」
そして、その胸の辺りには丁度いい穴が開いていて、
そこにかの生体結界のパーツがつけられていたのだ
- 510 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:07:43.54 ID:KnkxuLK80
- 怪盗「あれって、意志疎通できるんですか?」
やる気「多分できるっすね。ただ……」
狙撃少女「なにか問題があるんですか?」
中華「ちょっと、堅物な感じかも。交渉とかできるかな……」
目的もなくただ彷徨っているように見えるそれだが、
実の所かなりの威圧感を放っている
新米冒険者が出くわしたら、
とりあえず逃げるべき相手だろう
- 511 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 19:44:19.96 ID:KnkxuLK80
- すみません寝落ちしました
炎魔「とにかく、話してみましょう!」
中華「うーん、分かった。じゃあ、話しかけてみるね」
一撃で首をはねられないよう注意しながら、注意はリビングアーマーに近寄る
リビングアーマー「………………」
中華「あの〜すみませ〜ん……その胸の石をいただくことってできませんか……?」
リビングアーマー「>>下1」
- 512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/28(火) 20:56:45.04 ID:p+WvabWf0
- 『モールス信号』「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」
- 513 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 01:56:04.78 ID:2glHhqtb0
- リビングアーマー「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」
中華「……?なにを言っているんですか?」
やる気「あぁ、モールス信号ってやつっすね」
男「分かるのか、モールス信号が」
やる気「実家じゃ必修っすよ。ともかく……代わりになる石と交換して欲しいみたいっすね」
- 514 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:03:17.41 ID:2glHhqtb0
- 氷魔「……石といえば……アレがありましたね……」
彼女はバッグから、深紅に輝く魔石を取り出した
今やその効力を失っていると目されるものの、
あらゆるモノの方向をねじ曲げる凶悪な赤石だ
ぶりっ子「確かに!めちゃくちゃ綺麗ですし、いいんじゃないでしょうか」
怪盗「……えっ、なんですかそれ。見たことないんですけど」
- 515 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:17:13.19 ID:2glHhqtb0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 516 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 19:16:08.81 ID:2glHhqtb0
- リビングアーマー「(それならいいだろう)」
カタカタと身を震わせて信号を発するリビングアーマーは、破砕音を立てて胸部から結界のパーツを出した
氷魔「……それでは……失礼して……」
そして、氷魔が赤石を窪みに嵌め込む
すると、変化が起こった
リビングアーマー「ガ……ガガ……!!」
- 517 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 22:57:55.75 ID:2glHhqtb0
- すると、洞窟内が深紅の光に照らされる
そして、その光が晴れると、
そこには赤熱する鎧があった
リビングアーマー「(力が満ちてくる。……ありがとう)」
その顔があるべき場所にはなに一つありはしないが、
上機嫌であることが誰にでも分かるほど楽しげにそれは去っていった
狙撃少女「……うまくいったようですね!」
- 518 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:32:22.18 ID:ke7LLYcm0
- それから、またもその結界パーツを破壊した
市長「……そろそろ、あの結界の先に進める頃だと思いますよ」
炎魔「ついにですね!」
男「なにがあるんだろうな?」
市長「まず間違いないのは……この結界の本体です。それを破壊すれば、完璧に結界の効力は消え去るでしょう」
中華「へぇ〜」
- 519 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:41:10.43 ID:ke7LLYcm0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 520 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:22:38.40 ID:ke7LLYcm0
- 話しながら、結界の本体まで移動することにした
氷魔「……術師がいる可能性も……高いでしょうか……」
市長「低くはありません。外へ抜ける穴が結界の中にあり、かつ自分の結界ならすり抜けられる使い手であればこれ以上なく安全ですから」
氷魔「……そうだと……困りますね……結界が弱まっているのは明らかのはず……」
市長「えぇ、戦闘も覚悟すべきです。ということで、これを」
- 521 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:25:57.28 ID:ke7LLYcm0
- 彼女は氷魔に瓶を渡した
氷魔「……ポーション……でしょうか……」
市長「はい。後々、魔力を回復させる効能が効くはずです」
氷魔「……ありがとう……ございます……」
氷魔はそれをちびちびと飲みながら歩いた
しばらく歩けば、結界のある場所の前だった
ぶりっ子「これは……」
以前まで視認できなかった道があり、
その先には目に見える水色の膜……結界の本体があった
- 522 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:28:12.12 ID:ke7LLYcm0
- 市長「あれを破壊すれば結界は完全に壊れます」
やる気「っしゃ!任せるっすよ!」
彼は槍を片手に走りだし、結界に飛びかかった
それは膜に食い込み、ひびを入れた
怪盗「流石の破壊力!」
やる気「うりゃぁぁっっ!!」
そして、ひびに向かって鈍器のように槍を叩きつけると、それは砕け散った
- 523 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:31:15.66 ID:ke7LLYcm0
- 砕け散ったそれは、ふわりと浮かんだかと思えば、
氷魔に流れるように吸い込まれていった
狙撃少女「え?大丈夫なやつですか?」
市長「さっきのは結界のかけらを魔力として補給できるようになる薬なので、安心してください」
彼女が持つ予備の瓶には、
効力が持つのは二時間だと書いてあった
それから、砕けた結界の奥へと進んでいく
>>下1……結界の先にはなにがあった?
- 524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 19:37:10.80 ID:GC2MrhADO
- d
(雪名ハウスで、ショタ晃と結婚したい灯里がイヤイヤしているのを輝莉が宥めてた?or窓で灯里と輝莉が覗いてた?or輝莉がR-18展開へ持ってこうとする灯里とベランダで異能バトルしてた?(&様子詳細 &雪名説教セリフ):窓で灯里と輝莉が覗いてた )
- 525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 21:04:18.62 ID:bk+EuGFyo
- 禁域の雰囲気がする空間
- 526 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 01:07:39.08 ID:NRp6XAWW0
- 炎魔「……空気が違います。これは……」
男「さ……最悪……多分禁域だぞここ……」
男たちにはそこがなんなのか分かってしまった
あの極寒の地に比べれば寒さこそないものの、
大気の組成すら違うのではないかと思わせる異様な空気
市長「ここがそうなのですか?話には聞いていましたが……ふむ、ほほう……面白いデータが取れそうです」
中華「能天気なことで……」
- 527 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 19:25:54.56 ID:2flysmO5O
- すみません寝落ちしました
氷魔「……ここから先は……理が通用しません……警戒しましょう……」
だが、少なくとも通路の見た目自体はこれまで歩いてきた地下道と変わらなかった
やる気「なにかを隠すために結界が張られているとばかり思ってたっすけど、これもしかしたら破っちゃいけないやつだったのかもしれないっすね」
ぶりっ子「でも、破っちゃったなら責任は取らないといけませんよねぇ……憂鬱ですぅ」
- 528 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:19:58.61 ID:d7TRE9640
- 警戒しながら歩いていると、梯子があった
行き止まりになっていて、周りにはなにもない
怪盗「えっ、この上どうなってるんですか?」
市長「全く分かりません。結界が空間を歪ませていた可能性も高いですし、私たちのいた街の近くに出る可能性は低そうです」
狙撃少女「……ですが、行くしかありませんね」
- 529 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:25:39.12 ID:d7TRE9640
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 530 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 19:30:59.59 ID:m0JaKbNtO
- 禁域特有の緊張感に包まれながら、梯子を上っていく
男「これでお宝がありました、とかで終わってくれればいいんだけどな」
中華「いや〜……厳しいんじゃない?」
氷魔「……そろそろ上りきりますよ……」
>>下1……梯子の上にはなにがあった?
- 531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 20:12:18.03 ID:vZ/xIU9L0
- 禁書になった魔法の
秘伝書を集めた書庫
- 532 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:06:24.63 ID:XqUoOTWC0
- むせ返るほどの紙の匂いが漂う
そこは大きな書庫のようだった
やる気「……書庫?市長、ここ知らないっすか?」
市長「ふむ……データにありません。うちの市内ではないと見ていいでしょう」
ぶりっ子「どれどれ……うわっ、すっごい古い本ですねぇ……しかも、やたら難しいですぅ」
一冊の本をぶりっ子が手に取ってみせる
確かに古そうであることが全員に伝わるし、
表紙に書いてある文字列は、現代では使われていない古代のものだった
- 533 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:09:04.61 ID:XqUoOTWC0
- 男「……でも読めるな」
怪盗「え!?なんて書いてあるんですか?」
彼はいつの間にか手に入れていた万能通訳の力で、そのタイトルを読み取った
男「『封魂の魔術』……だな」
狙撃少女「よく分かりませんね」
市長「……もう本当だとしたら大変ですよ」
- 534 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:12:19.61 ID:XqUoOTWC0
- 炎魔「そうなんですか?」
市長「ええ、そのタイトルは『禁書一覧』にあったと記録しています」
男「……というと?」
市長「とてつもなく危険な魔術……その極意が記されているとみていいでしょう」
中華「と、とんでもないね……」
氷魔「……名前から察するに……生き物の魂を瓶などに封じ込め……保存や使役を行う……といったものでしょうか……」
市長「伝承にはときおり、そのような魔術もありますから……おそらく、その類でしょう」
- 535 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:14:31.42 ID:XqUoOTWC0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 536 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 19:47:26.44 ID:XqUoOTWC0
- 怪盗「へっへっへ、いただいていきましょう」
ぶりっ子「悪い顔してますねぇ」
炎魔「本に化物とか封じられてないといいんですけどね」
怪盗「……あ、そういうのあるんですか?」
何冊か抱えていた本を、恐る恐る本棚に戻した
男「お、この本……」
男は、禁書となった魔術書の中のうち、ある一冊に惹かれた
そのタイトルは、>>下1
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 19:55:15.70 ID:1qVNq6EDO
- 『鍵』の書
- 538 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 21:10:22.98 ID:XqUoOTWC0
- 『鍵』の書とあった
狙撃少女「なにか、気になる本でもあったんですか?」
禁書となるほどに危険な魔法、その秘伝が集積されているとおぼしきこの書庫において、『鍵』とは些か迫力に欠ける名詞だった
だからこそ、その内容が男は気になったのだ
男「ああ、『鍵』の書というらしい。解錠魔法といえば、上級の魔法使いなら使える者も少なくはないが……禁書になるほどの『鍵』って、なんなんだろう?」
- 539 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 03:24:20.79 ID:3AKFdH3o0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 540 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 19:58:43.86 ID:3AKFdH3o0
- 男は早速『鍵』の書を読み出した
知らない言語が沢山記されているが、
問題なく読み進めていく
氷魔「……鍵……?」
男「あぁ、普通になんでも開ける鍵魔法なんかも載っているが……?」
中華「なにかあったの?」
男「よく分からない。何らかの『鍵』で虚空に扉を開けて、どこかへと行こうとする実験が多いな」
- 541 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 21:54:20.24 ID:3AKFdH3o0
- やる気「へぇ、面白そうっすね」
男「最終的には、次元を超えて異世界に行くことを目指しているらしいな」
市長「異世界、ねぇ……」
男「………………」
ぶりっ子「どうかしましたかぁ?」
男「いや、なんでもない」
怪盗「それで、どうやったらその『鍵』は作れるんですか?」
男「複雑な手順を踏む必要があるな……例えば、>>下1とか」
- 542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 22:04:49.41 ID:YushOLD+o
- 禁域の深部にいる虹色の球体の連なりに啓示を受ける
- 543 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 01:16:37.02 ID:ARJxpG3y0
- 男「禁域の深部にいる虹色の球体の連なりに啓示を受けるとか」
狙撃少女「?」
男「不思議そうな顔しないでくれよ!俺だってよく分からんのに」
炎魔「よく分かんないですけど、多分それは生きてるんでしょうね」
市長「それよりも恐ろしいのは……それが記されている事実ですね。どうにかそこへたどり着き、そしてそれを記した者がいるということです」
中華「魔術師っていうのは、やっぱりすごい執念があるものなんだね」
言われてみれば、一文字一文字に、なんらかの妄執が込められているような気がする
- 544 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 01:19:50.39 ID:ARJxpG3y0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 545 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 18:53:42.35 ID:ARJxpG3y0
- 氷魔「……すごい価値のある書庫です……誰のものなのでしょうか……」
やる気「確かめてみるっすか?」
市長「そうですね……誰のものでもなければ、面白いのですが」
市長は書庫の入り口である、古びた木製のドアを開く
>>下1……どこに続いていた?
- 546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/04(火) 19:11:44.27 ID:s4YSX64Zo
- 紫の海と緑色の砂浜
空は黄色で太陽が黒の海辺
- 547 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 19:54:44.13 ID:ARJxpG3y0
- その瞬間、異様な空気が外から流入するのを誰もが感じた
ぶりっ子「……!?」
市長「データにありません……!」
そこは海辺だった
だが、その海は紫に染まっており、
父なる海とは呼びがたい恐ろしいものだった
足元は緑が占めているが、踏み出してみれば、
それは植物の茂る大地ではなく砂であることが分かる
- 548 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 20:01:10.09 ID:ARJxpG3y0
- 怪盗「上も下も、全部おかしいです!」
空を見やれば、ジュースのように黄色が満ちており、
帝王のように黒き太陽は一行を見下していた
狙撃少女「これが……禁域……!?」
男「確かに、禁域じゃこれぐらいあってもおかしくはないが……あそこが最後の禁域のはすで、ここは明らかに違う場所のはず……なんだが……」
中華「増えたか、あるいは……」
氷魔「……現実と隣りあった……禁域が染み出してきた時空に……入り込んでしまった……といったところでしょうか……」
- 549 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 02:24:11.13 ID:jiV/9Ye70
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 550 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 19:20:26.26 ID:jiV/9Ye70
- やる気「探索したい気持ちはやまやまっすけど……これ、一介のパーティが単独で首を突っ込んでもいいんすかね?」
ぶりっ子「難しいところですね……」
市長「いずれにしても、脅威度は知っておく必要があります。そのためには、わずかにでも調査をせねばなりません」
そこにいるのは、ただの高性能AIではなく、市長である
自らの街で調査をするつもりであるからこそ、
ここで退く判断はなかった
- 551 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 22:20:18.01 ID:jiV/9Ye70
- 意を決して、一行は外へと踏み出した
太陽は鬱陶しいほどに輝いていたが、
どこか肌寒かった
市長は砂や水を採集し、いろいろと考えている
怪盗「なにもかも異常なこの世界で、私たちが来た小屋だけが普通ですね」
狙撃少女「この世界にとっては異物なのでしょうね。嘆かわしいことです」
波打ち際の数メートル内側を歩き続け、奇妙な模様の岩場までやってきた
そして、いくつかの岩の上には>>下1
- 552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/05(水) 22:24:32.44 ID:e+duL4XYo
- 様々な形のドアノブが群生している
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