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安価とコンマで異世界転生!その10
- 153 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 19:33:19.98 ID:23yssnpb0
- それから三人は頭と体を流し、
いざ入浴という段階になった
中華「……あれ?」
やる気「どうしたっすか?」
中華「あそこの風呂、見たことないね」
男「電気とか、水とかじゃないな。なんか書いてあるぞ」
そこにはこの宿オリジナルの湯があり、
そしてその名前も掲載されていた
>>下1……湯の名前
- 154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 20:09:33.94 ID:Jb541SLDO
- モフモフの湯
- 155 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 04:05:22.96 ID:MXxiIowR0
- そこには、モフモフの湯と書いてあった
実際、なにやら毛玉のような物体がいくつか浮いている
やる気「なんすか、あれ」
そのサイズはバスケットボールほどで、
片手で持てるギリギリのサイズ感だ
男「入れば分かるさっ!」
男はそう言うと湯船に飛び込んだ
- 156 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 04:37:46.08 ID:MXxiIowR0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 157 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 20:33:39.69 ID:MRUBIkrMO
- すみません遅れました
男に続いて二人も恐る恐る入っていく
浸かった感じはかなり普通の風呂であり、
浮いているモフモフの違和感が募る
中華「なんなんだろう、これ……」
そう言って一つのモフモフを掴む
すると、『それ』と目が合った
- 158 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 20:37:24.71 ID:MRUBIkrMO
- モフモフ「………………」
中華「ぇ………………」
二人は見つめあい、ただ沈黙する
やる気「どうしたっすか?」
中華「これ……」
彼はモフモフの顔をやる気に向ける
その顔は子猫のようであり、
客観的に見て非常にキュートだろう
- 159 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/09(土) 20:43:37.54 ID:MRUBIkrMO
- やる気「おぉ、これ動物だったんすね」
男「なかなかかわいいじゃないか。これと戯れる湯ということだな」
そう話していると、店主がカートにモフモフを入れて入ってきた
中華「あれ、どうしたんですか?」
店主「モフモフの交代だ。あんまり浮かべとくとこいつらものぼせるんでね」
やる気「このモフモフ……球体の毛玉みたいな生き物はなんなんすか?」
店主「>>下1」
- 160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:04:25.00 ID:5biNd+1DO
- よく分からんが気がついたら存在し増えている謎の存在だ
- 161 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/10(日) 05:33:40.52 ID:bcfpHBz90
- 店主「よく分からんが気がついたら存在し増えている謎の存在だ」
男「え……?」
店主「空から降ってきたんだ。庭にな……」
中華「確かに謎の出自ですね」
店主「それで、娘が飼いたいっていうもんだから仕方なく餌やって、洗って……そんときに風呂が好きだってのが分かった」
やる気「だから、浮かべてるんすか?」
店主「最初はそんなつもりなかったさ。娘が店先にモフモフを置いて接客してたら、やたら評判がいいもんでな」
- 162 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/10(日) 05:35:28.76 ID:bcfpHBz90
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 163 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/10(日) 19:39:40.42 ID:bcfpHBz90
- 男「はぁ」
店主「で、風呂に入れてみたらどうだってことでやってみたが……名物になった」
中華「謎の存在……なんですよね?なんか変なこととかしてないですか?」
店主「いやぁ、ないなぁ。大体なんでも食うし、暴力的でもないし」
やる気「すごい生き物っすね」
そう言ってやる気は近くのモフモフを掴んで店主に渡す
- 164 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/11(月) 19:01:34.74 ID:L6vTt3eM0
- すみません寝落ちしました
それから三人はモフモフの湯を楽しみ、
満足して部屋に戻ってきた
炎魔「じゃ、私もお風呂行ってきますね」
男「おう」
中華「あれ?そろそろ浴場は閉じるみたいだけど」
男「まぁ、色々あってな。炎魔だけ入ることになってるんだ」
やる気「事情は分からないっすが……まぁなんかありそうだし不思議ではないっすね」
- 165 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/11(月) 20:45:09.03 ID:L6vTt3eM0
- 三人が寝る準備をしていると、炎魔が帰ってきた
炎魔「うーん、さっぱりしましたね」
中華「それはよかった」
炎魔「みなさんも、あのモフモフと話しました?」
やる気「あぁ、モフモフ……え?いや、話はしてないっすよ?」
男「なんか言ってたのか?」
炎魔「>>下1」
- 166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 20:56:47.18 ID:JQbHq2BJ0
- 「この女、チ○コがある!」って言われました
- 167 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 04:41:35.05 ID:kmZ4zDl40
- 炎魔「「この女、チ○コがある!」って言われました」
男「ぶっ」
中華「え……?」
やる気「ちん……え……?」
炎魔「そういえば皆さんにはお話ししていませんでしたね!私には______」
男「ちょっと黙れ!夜に大声でそんなこと話すな!聞かれたらやべぇぞ!」
- 168 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 04:54:18.55 ID:kmZ4zDl40
- 男は咄嗟に炎魔を取り押さえ、口を塞いだ
炎魔「んんっ!?」
男「いいか、冷静に話せ……今はいいが、いつか後悔することになるから、なるべく冷静になってくれ」
炎魔「分かりました」
男は炎魔から離れる
中華「それで、本当なの?『その話』……」
炎魔「ええ、本当です。どうも、フェニックスの力によるもののようです」
- 169 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 04:59:44.41 ID:kmZ4zDl40
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 170 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 19:53:35.18 ID:kmZ4zDl40
- 男は必死に炎魔を制していたが、
実は隣の女子部屋には聞こえていた
怪盗「……とんでもない話が聞こえてきましたけど!?」
狙撃少女「私たちが誘っても断ったのは……もしかして、男性だから……?」
氷魔「……4:4で合わせる為に男さんが部屋を分けたのかと思いましたが……まさか……本当に男女分けだったとは……」
ぶりっ子「でも……男の子だったら、もっと早くバレてると思うんですよねぇ」
- 171 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/12(火) 21:09:13.38 ID:kmZ4zDl40
- 怪盗「どうします?確かめます?」
狙撃少女「え、流石にデリカシーがないですよ」
氷魔「……でも……これから炎魔さんと顔を合わせるたびに……男の子なのかな……って考えなきゃいけないのは嫌ですね……」
ぶりっ子「聞けば教えてくれそうですけどねぇ」
怪盗「じゃあ、確かめましょう!」
怪盗は部屋から出ていった
- 172 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 04:28:56.47 ID:vo9HKwXg0
- 狙撃少女「えっ、どうします?」
氷魔「……代表者が現れたのなら……着いていきましょう……」
ぶりっ子「そんな気負うことでもないと思うんですけどねぇ」
三人も怪盗に続いて男子部屋に向かう
怪盗「なに話してるんですかー?」
やる気「うわっ!どうしたんすか急に!」
- 173 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 05:11:01.95 ID:vo9HKwXg0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 174 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 19:36:10.48 ID:vo9HKwXg0
- 男「……聞かれたか」
怪盗「ってことは、本当に?」
炎魔「はい、私には生えてますよ」
氷魔「……男の子だったんですね……」
三人も続いて入室する
中華「待った、そりゃ語弊がある。炎魔さんは『両方』だ」
- 175 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/13(水) 20:34:04.42 ID:vo9HKwXg0
- 炎魔「理由はよく分かりませんが、フェニックスの自己完結性から来ているのかもしれませんね」
やる気「へぇ〜」
ぶりっ子「そういえば、排泄とかするんですかぁ?」
真面目な顔でとんでもないことを聞いている
炎魔「ないですね」
狙撃少女「え?じゃあ食べたモノはどこに行くんですか?」
炎魔「>>下1」
- 176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/13(水) 20:46:56.72 ID:StQaoWJd0
- 火炎放射のエネルギーとなるのです
- 177 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 04:07:22.17 ID:jQyGz4ce0
- 炎魔「火炎放射のエネルギーとなるのです」
氷魔「……魔石の類を食べたら……火力出そうですね……」
炎魔「ええっ!?嫌ですよ!おいしい物だけ食べてたいです!」
冗談めかして話す氷魔に、露骨に頬を膨らませて返す
中華「もし必要なら、僕が魔石料理を作ろう!」
男「ははは、そりゃ期待できるな」
- 178 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 04:09:46.18 ID:jQyGz4ce0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 179 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 19:23:45.11 ID:jQyGz4ce0
- やる気「それより、気になるのはあのモフモフが喋ったってことじゃないっすか?」
氷魔「……話したのですか……?」
男「ああ、炎魔が話しかけられたと」
ぶりっ子「へぇ、なんで私たちの時は黙ってたんでしょう?」
怪盗「こうは考えられませんか?『炎魔ちゃんだけはモフモフの声を聞くことができる』……とね」
- 180 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/14(木) 19:25:05.69 ID:jQyGz4ce0
- 狙撃少女「充分ありえます。ラジオのチャンネルが合ったように、たまたま聞き取れるのかもしれません」
中華「……ちょっと不気味になってきたね、あのモフモフ」
男「俺もそう思っていたところだ」
ぶりっ子「炎魔ちゃん、あのモフモフ……仲間内でなんか話してませんでしたか?」
炎魔「えぇ?そうですね……>>下1」
- 181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/14(木) 19:53:59.14 ID:IMtwiEGDO
- もっともっとモフモフが欲しいねぇ
- 182 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/15(金) 01:42:02.96 ID:jVt3Hpfl0
- 炎魔「もっともっとモフモフが欲しいねぇ、って言ってましたよ」
怪盗「意外と平和的ですね」
狙撃少女「侵略を企んでいるのかと思いましたが、違いそうですね」
男「なんか増えるらしいし、もっと増殖するつもりかもしれないがな。だとしたら……」
中華「侵略とかしてきてもおかしくはないけれど、なにかした訳じゃないし、とりあえず安全と見てもいいね」
- 183 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/15(金) 02:28:47.32 ID:jVt3Hpfl0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 184 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/15(金) 19:47:04.16 ID:jVt3Hpfl0
- それから一行は再び部屋に分かれ、眠った
〜翌日・陰週火曜日〜
氷魔「……揃いましたね……」
全員が朝食を終え、部屋を出てロビーに集まる
やる気「ほんじゃ、チェックアウトするっすよ」
スイートルーム代は高く付いたが、
他に手がなかったので仕方ないだろう
【ギルドの資金】72285295
- 185 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 03:23:54.92 ID:jrIEiAd70
- 怪盗「じゃ、張り切って行きましょう!」
狙撃少女「どこにですか?」
男「時間はいっぱいある。図書館の塔に向かおう」
乱反射するその塔は非常にシンボリックで、
この街はそれを中心に造られている
十分ほど歩けば、塔の前に着いた
中華「しかし、本当に大きな塔だ。本当に魔神がいるなら、これだけの物で封じるのも頷けるね」
ぶりっ子「うちの屋敷のちんけな地下でも封印できてましたけどねぇ」
- 186 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 03:29:48.34 ID:jrIEiAd70
- 氷魔「……しかし……高低差はなかなかのものでした……それが重要なのかもしれません……」
そんな仮説を検討しつつ、一行は図書館に入っていく
炎魔「すごい……!」
どこまでも続いていくような螺旋階段が上へ上へと伸ばされており、
沿った壁面には無数の本棚が並んでいる
そして数メートルおきに足場で階層が作られており、
それらの階層ごとにもジャンルで分けられた本が本棚に入れられて陳列されている
氷魔「……これだけの本があれば当分飽きない……いや……永住できますね……許されるなら……」
- 187 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 04:08:25.34 ID:jrIEiAd70
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 188 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 19:49:12.37 ID:jrIEiAd70
- 本を探そうと思った所で、
階段の前で準備運動をしている大男が目についた
やる気「何してるんすか?」
大男「本回収のバイトだよ。体力に自信のない人やご老人は、上階まで本を探しに行くのが大変だからな」
ぶりっ子「なるほど……」
怪盗「これからどうします?」
>>下1……図書館での行動
1.本を探す
2.地下に行ってみる
3.自由安価
- 189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 19:53:26.28 ID:2QotgElDO
- 1
- 190 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/16(土) 20:32:47.66 ID:jrIEiAd70
- 男「よし、なんか本探すか」
大男「この図書館は上階に行けば行くほど、専門的なジャンルの本が増えていくぜ」
狙撃少女「ということは、一階や二階ではあまりめぼしい本はなさそうですね」
大男「そうだな……冒険者ならば、いらないかもしれん」
情報提供に感謝し、一行は階段を上り始めた
- 191 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 03:56:15.61 ID:sZnAxShr0
- 中華「二階は……いわゆる生活雑誌だね」
階段脇の本棚を見ながら上っていく
雑誌は目を引くように作られているため、
モザイクアートのような色彩を放っている
やる気「男さん、こういうの読んだらいいんじゃないすか?」
男「えっ、俺?」
やる気「最近は大丈夫っすけど、前はちょくちょく生活の基本的なこととか知らなかったじゃないっすか」
男「ま、まぁな……」
- 192 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 04:06:42.78 ID:sZnAxShr0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 193 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 19:56:15.88 ID:sZnAxShr0
- 狙撃少女「えっ、そうだったんですか?」
ぶりっ子「そうですねぇ」
狙撃少女「すごくしっかりしてるイメージがあるんですけどね」
男「マニュアル人間だからな、俺は」
そんなことわ話しながら階段を上っていく
そんな彼らの目を引いたのは、>>下1のジャンルの本棚だった
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 20:09:48.54 ID:kqPZsnW50
- 神話・宗教の本棚
- 195 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/17(日) 20:41:37.37 ID:sZnAxShr0
- 怪盗「お、面白そうなやつありますよ」
一行は七階の本棚の前で立ち止まった
そこは、神話・宗教のコーナーだった
炎魔「難しそうなコーナーですね?」
中華「でも、僕たちはなるべくこれらについて学ばなければならないと思うよ」
氷魔「……さて……どれを読みましょうか……」
- 196 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 05:22:43.15 ID:2A9gHQWx0
- 怪盗「これおすすめです、これ」
彼女は飛び上がり、
専用の足場を使わずに一冊の本を取ってきた
やる気「なんすか……胡散臭い本っすね」
タイトルには『神格の上げ方』と仰々しく刻まれている
怪盗「なにが胡散臭いってんですか!」
やる気「……これ読んで嬉しいの神だけっすよ?うちには一人いるっすけど……売るつもりでこんなもん出版する奴が怖いっすよ」
氷魔「……神がごく僅かなのは言うまでもなく……自由に動き回れる柱ともなれば……さらに一握り……」
- 197 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 05:23:45.21 ID:2A9gHQWx0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 198 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 19:55:20.77 ID:2A9gHQWx0
- ぶりっ子「考えてみれば、超怪しいですねぇ」
狙撃少女「……そもそも、それをメソッド化して伝承できるような人物がいるのでしょうか?」
男「確かにな。だが、その答えは出すことができるぞ」
中華「うん、著者は書いてあるね」
本を開いた1ページ目、そこにはタイトルともに著者の書かれた頁だった
>>下1……著者の名前
- 199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 21:19:25.55 ID:fmPaHn5f0
- ピリッポス2世 (マケドニア王)
- 200 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/18(月) 21:33:00.20 ID:2A9gHQWx0
- そこにはピリッポス2世と書かれていた
氷魔「……変わった名前の……人ですね……」
男「なんでだ……?」
氷魔「……え……?」
男「いや、なんでもない……」
都合のいいことに、彼はその王について知っていた
そして、それが自分のいた世界の人間であることも当然分かっていた
- 201 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 02:08:01.11 ID:B4sMv3xa0
- ただ困惑しながら、次のページを開く
本来これを読むべきである中華を気にかけながらも、
目次のようになっているその頁に目を通す
やる気「おっ、面白いことが書いてある感じっすか?」
男「ああ、面白いかも」
いくつかの章に分けられており、
その始まりは著者の独白だった
ぶりっ子「まさか、本物ですかぁ?」
- 202 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 02:12:17.40 ID:B4sMv3xa0
- 素早くそれを開くと、
彼がいかにして神へと至ったのかが記されていた
かつて王であったことも語られており、
『本人』のものであることは間違いなかった
男「つまり______」
彼は転生し、この世界でも覇道を歩んだのだろう
そして、その果てが神だったのだ
怪盗「なんですか、急に?」
男「本物だ、これは」
論理的に確信したが、
いざ理由を聞かれれば勘だと答えることになる
- 203 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 04:12:46.38 ID:B4sMv3xa0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 204 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 19:57:28.81 ID:B4sMv3xa0
- 狙撃少女「そうなんですか?」
男「ああ、まぁ勘だが」
中華「えぇ……」
男「そんな顔をするな、とりあえず中華は読むべきだ」
そう言って彼に本を渡すと、
怪訝な顔をしつつも中華は本を読み出した
氷魔「……勘……ですか……」
- 205 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/20(水) 04:08:25.47 ID:RtksaVUf0
- やる気「俺っちもなんか本探してくるっすかね」
怪盗「私も!」
二人は恐るべき速さで階段を上っていった
ぶりっ子「どうやったら、人間の体であんなスピードが出せるんでしょうかぁ……」
狙撃少女「いつか私の弾丸よりも早く走るのではないかと恐れています」
- 206 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/20(水) 04:22:31.46 ID:RtksaVUf0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 207 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/20(水) 19:21:57.40 ID:rn6P+eJdO
- 去っていく二人を見失うと、
残った男と中華以外のメンバーは周りの本を見始めた
男「どうだ、中華。なにか自分の神格を上げる方法は見つかったか」
中華「うん、いくつか書いてある。章ごとに違うやり方が記されているみたいだ」
男「それはいい。それで、なにか自分でもできそうなものはあったか?勿論、最大限バックアップしよう」
中華「>>下1」
- 208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:54:53.83 ID:b5CwePkDO
- ひたすら座禅して無の境地に至れって
- 209 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 04:39:40.76 ID:qGiUbp+40
- 中華「ひたすら座禅して無の境地に至れって」
男「無か……」
中華「ひたすらやればできそうじゃない?」
男「どうかな。料理のことを考えずにいられるかい?」
中華「それは……どうだろう?」
男「まぁ、料理のことを考えながらでも無の境地に至れるのであれば何ら問題はないな。ただ……」
そこまで言って男は顔を曇らせる
- 210 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 04:43:27.62 ID:qGiUbp+40
- 中華「……どうした?」
男「いやぁ、いらぬ心配をしたのさ。まさか中華が料理のことを忘れる訳ないしな」
中華「態度は豪快だけど、結構繊細だよね」
男「褒めてる?」
中華「七割くらいは」
男「ははは、そうか。……うん、中華なら座禅だってやれそうだ」
- 211 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 04:50:29.27 ID:qGiUbp+40
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 212 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 19:30:39.09 ID:qGiUbp+40
- わけもなく空気感をしっとりさせていると、
怪盗が降りてきた
氷魔「……結構早かったですね……」
怪盗「変なことに興味はないのです」
ぶりっ子「やっぱり、上に行くほど変な本が増えるんですねぇ」
狙撃少女「それで、なんの本を持ってきたんですか?」
怪盗「ふっふっふ……>>下1」
- 213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 19:33:25.19 ID:nl32Mhet0
- 『真作と贋作の見極め方。これを知っていれば贋作でも本物と瓜二つ!!』
- 214 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 22:51:36.99 ID:qGiUbp+40
- 怪盗「『真作と贋作の見極め方。これを知っていれば贋作でも本物と瓜二つ!!』」
男「なにかを偽造する気満々じゃないか!」
怪盗「し……失敬な、偽物掴まされないように勉強するだけですよ!」
???「こら、図書館ではお静かに、ね?」
注意する声の方を見ると、
浮遊するホログラムの女性がそこにいた
男「すみません。ところで……あなたは?」
市長「ここの市長をやっております」
- 215 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 04:43:34.40 ID:NlhhfKwv0
- 男「ああ、あなたが」
氷魔「その姿は……?」
市長「かりそめの姿です。この塔は魔力が非常に豊富なので、素体がなくともホログラムで現れることができます」
やる気「んー……なんすか?」
彼もまた、本を取って戻ってきたようだった
市長「市長です」
やる気「ああ、話は聞いてるっすよ。異常に美人なんで、そうじゃないかと思ってたっす」
- 216 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 04:45:47.51 ID:NlhhfKwv0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 217 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 19:46:52.09 ID:NlhhfKwv0
- 男「そうだ、市長さん」
市長「いかがなさいました?」
男「この図書館について、知りたいことがあるんですが……質問しても?」
市長「ぜひどうぞ。しかし、私は司書ではございませんので、専門的なことはお答えできない可能性もあります」
非常に機械的な一文だった
そもそも、統合的AIにも答えられないほどの専門的質問とやらはあるのだろうか
男「……この図書館の地下に、魔神が封じられているとの噂がありますが……真実ですか?」
市長「>>下1」
- 218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/22(金) 19:54:37.71 ID:27O0croDO
- いますけど、とてもおとなしい子ですよ
- 219 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 22:11:48.11 ID:NlhhfKwv0
- 市長「いますけど、とてもおとなしい子ですよ」
怪盗「それはよかったです」
市長「みなさまで三組目ですかね」
狙撃少女「?」
市長「あの魔神を倒すつもりでやってきた方々です」
中華「まぁ……悪いやつだったら、実際倒すつもりだったね」
- 220 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 22:20:09.99 ID:NlhhfKwv0
- 氷魔「……まぁ……魔神って自由ですからね……」
かつて一行が遭った魔神は、
邪悪なものとしてこの世に喚ばれ、
しかしヒトの如く哲学的にもものを考えられる存在だった
市長「他の魔神に会ったことがあるのですか?」
やる気「そっすね、超危険っすけどコミュニケーションは全然取れるし、打ち解けることもできる感じだったっすよ」
市長「ふむ……やはり、現存する魔神の多くは、最初に与えられた使命については忘却しているか、あるいは……ともかく、さらにそれ以外の魔神も、話せば分かる者が多いと推察できます」
- 221 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 02:32:25.89 ID:cTz9Srcv0
- ぶりっ子「まぁ、安全じゃなかったらその上にこんな大きな図書館作りませんよねぇ」
市長「……図書館ができたのは、魔神を確認する前だったんです」
怪盗「適当ですね〜」
市長「そうですね、なにぶん私が市長になる前のことですから」
狙撃少女「あなたなら、そういったことはしないと?」
市長「勿論、その通りです。元々、私はかの魔神を観測し、情報を集めるためのAIとして製作されたのです。ベースの思考から、リスク管理にはかなりシビアであることが求められていたのですね」
- 222 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 03:02:12.31 ID:cTz9Srcv0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 223 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 19:08:10.49 ID:8W5fF1+OO
- 男「……なんで、それが市長に?」
明らかに繋がらない
最初から街を統御するために造られたAIだとばかり一行は思っていたが、そうではないようだ
市長「この街を守るには、それしかなかったのです。少なくとも、私の計算によれば」
中華「いや、どうやったんですか?」
市長「『開発』を進めようとする資本家やその手先を欺き、この街に手出しできないようにしました。彼らは魔神と戦うつもりだったので」
氷魔「……深く立ち入らないほうが良さそうな話ですね……」
- 224 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 19:46:15.19 ID:8W5fF1+OO
- 市長「そろそろ予定がございますので、私は行きますね」
そう言って彼女はその場から消滅した
やる気「すごい人だったっすね……いや、AIっすね」
ぶりっ子「そうですねぇ、なんかちょっと怖かったですよぉ」
怪盗「そういえば、やる気さんはなんの本を持ってきたんですか?」
問われると、本を胸のあたりまで持ち上げて返事をする
やる気「これっすか?>>下1っす」
- 225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 19:57:41.43 ID:GkEITseu0
- 埋蔵金伝説の本
- 226 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 04:35:47.03 ID:aDGEGDRl0
- やる気「埋蔵金伝説の本っす」
表紙には光り輝く金の延べ棒の絵が踊り、
内容もまたロマンを求める者を駆り立てるようなものだった
狙撃少女「こういうのが好きなんですか?」
やる気「嫌いじゃないっす。なんか、懐かしい気分になったんすよ」
男「そりゃまたなんで」
- 227 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 04:40:32.83 ID:aDGEGDRl0
- やる気「うちの親父が、探してたんすよね」
中華「実在する自信があったのかな」
そう聞くと、彼は意味ありげに笑う
やる気「半分、そうだったと思うっす。実際言い伝えは確かにあったんすよ。俺っちらの祖先が、未来に託したという埋蔵金が」
氷魔「……鵜呑みにはしていなかった……ということですか……?」
やる気「鵜呑みにせざるを得なかったんすよ。一族の誇りとして、かつての栄華を象徴する埋蔵金が、『やっぱり無かった』なんてことはあっちゃいけないっす」
寂しそうな目で、彼は遠くを見ている
話しぶりから、ホームシックの類でないことは明らかだ
- 228 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 05:05:21.15 ID:aDGEGDRl0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 229 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 19:32:48.22 ID:oyasrpF4O
- ぶりっ子「かわいそうな話ですねぇ」
やる気「そっすね、でも埋蔵金探しに行ったのは宝探しみたいで楽しかったっす。いい思い出っすね」
怪盗「だから、それに興味を持ったんですね」
やる気「怪盗も好きそうっすよね」
怪盗「ええ!そういったロマンと生きるのが私ですから!」
それから一行は、三人の本をそれぞれ一緒に閲覧し、
夕方まで時間を過ごした
- 230 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/25(月) 04:04:10.68 ID:Qt5RgQO90
- 狙撃少女「もう夕方ですね」
男「今晩の宿についてだが、さっきあたりを付けておいた」
中華「ありがたいね」
男「例のパンフレットがここにもあったからな。一階の受付に置いてあった」
それから男は、ギルドの面々を宿まで連れていった
それは住宅地の中にあり、いかにも普通の宿だった
- 231 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/25(月) 04:32:38.03 ID:Qt5RgQO90
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 232 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/25(月) 19:54:07.27 ID:Qt5RgQO90
- 一行が宿に入っていくと、カウンターに店主がいた
店主「おお、冒険者の方々ですか?」
氷魔「……はい……そうですが……」
店主「うちは冒険者の方を割引で泊めてるんですよ、部屋も沢山空いてます!」
やる気「へぇ、そりゃいいっすね。……部屋が沢山空いてるってことは、あんまり冒険者来てないんすか?」
店主「ええ、実はそうなのです」
ぶりっ子「なんでですかぁ?いい街だし、いい宿だと思うんですけどねぇ」
店主「>>下1」
- 233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 20:16:35.76 ID:FV6o/Wrf0
- 何者かわかりませんが、最近冒険者を狙う恐ろしい集団がいるみたいで…
- 234 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 04:09:26.67 ID:Dw4TtJJo0
- 店主「何者かわかりませんが、最近冒険者を狙う恐ろしい集団がいるみたいで…」
怪盗「冒険者を……?」
狙撃少女「市民や商人ならともかく、武力のある冒険者を狙うとは、変わってますね」
店主「ええ。動機はともかく、それでまだ捕まっていないのが恐ろしいのです」
男「だが、俺たちはまだ遭っていないな」
中華「本拠地でも分かれば、倒しにいきたい所だね」
- 235 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 04:13:20.38 ID:Dw4TtJJo0
- 店主「そうしていただけるとありがたいのですが……それもそれで不安です」
氷魔「……彼らが……不死鳥より強いのでなければ……倒せなくてはいけませんから……」
炎魔「戦いですか……面白いんですか?」
やる気「人によるっすねー……炎魔は楽しめると思うっすよ」
ぶりっ子「私はなるべく戦いたくないですけどねぇ」
怪盗「スリの腕はそこまででもないので、直接対決しなきゃ盗めないものもありますから、手段として楽しんでますよ」
- 236 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 04:15:04.27 ID:Dw4TtJJo0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 237 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 19:05:07.69 ID:LNSG9CjFO
- 嘆く店主を尻目に、一行は部屋に向かった
いわゆる大部屋であり、全員宿泊できる
狙撃少女「夕飯はいつですか?」
男「ああ、今回は頼んでないんだ。中華に作ってもらおうかと思って」
中華「いいのかい?冷凍してあるとはいえ、肉は早めに使いたかった所なんだ」
氷魔「……期待できますね……」
男「厨房は手狭だが、本格的なキッチンのある宿はほぼない。許してくれ」
- 238 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 21:32:12.15 ID:Dw4TtJJo0
- 中華は充実した様子でキッチンへと入っていった
やる気「城下町に帰れば毎日食えるんすけどね」
ぶりっ子「今日図書館で調べたんですけどぉ、ここ、かなり極北に近いですよぉ」
怪盗「そうなんですね、あとどのくらいですか?」
ぶりっ子「ここからさらに北の港から行けるらしいですねぇ」
まだ夕食までは時間があるようだ
>>下1……どうする?
1.中華の料理を手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
- 239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 22:01:29.43 ID:CaPDctyDO
- 7
- 240 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/27(水) 00:38:53.55 ID:LNvNHsjO0
- 男「どうだ、炎魔。その力には慣れたか?」
炎魔「はい、日常で暮らすぶんには!」
男「そうか。……明るくなったな」
炎魔「前の方がお好きですか?」
男「いやぁ、そういうんじゃないさ。俺の好みはさておき、楽しそうでなによりだ」
炎魔「そうですか!」
男「……で、炎魔。これからどうするんだ?」
- 241 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/27(水) 00:55:58.12 ID:LNvNHsjO0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 242 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/27(水) 19:18:50.64 ID:LNvNHsjO0
- 炎魔「え、どうするって……?」
男「既に人間の感覚は得たし、ここは図書の街だ。ここで暮らすのがベストなんじゃないか?」
炎魔「うーん……そうかもしれないんですけど、私の元になった司書さんにも会ってみたいんですよね」
男「……あんまりネガティブなことは言わないようにしていたが。そもそも生きているのか?」
炎魔「それは分かりません。でも、諦めたら私はきっと後悔します」
- 243 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 04:27:51.11 ID:rUB0zay20
- 男「……そうか」
炎魔「なにか面白いですか?」
それを聞いて、男は笑顔になった
男「いや、すごいと思ったのさ」
炎魔「そうですか」
男「炎魔がそう言うなら、探し出そうじゃないか。君の元になった存在を」
- 244 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 04:36:04.45 ID:rUB0zay20
- 炎魔「あの、説明してくれませんか?細かい機微は私にはまだ分かりません」
男「君が自発的に、しかも感情的に発言したんだ。勝手なことだが、進歩と言っていい」
炎魔「そうですか?」
男「そうとも、性格が変わっても、心根まで変わるのは難しい。だが、君は間違いなく変わった。意識的でない行動からも分かる」
炎魔「それを聞いて、すごいと?」
男「ああ、嬉しかった」
- 245 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 04:41:55.89 ID:rUB0zay20
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 246 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 19:45:19.45 ID:rUB0zay20
- 炎魔「私も嬉しいです!」
そう言うと、体から炎が炸裂した
燃え移るタイプの炎ではないようだが、
とても心臓に悪い
また、部屋の気温が上がった
男「そ、そうか……だが、人前であまり燃えないほうがいいぞ。怒られるか、心配されるかだからな」
炎魔「はい!そういえば私、この力を得てから新たな特技を習得したんです!」
男「話の展開が強引だな……でも気になるな、なにができるようになったんだ?」
炎魔「>>下1」
- 247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 20:08:24.76 ID:2ykYOaZV0
- 少ししょぼいですが、『破魔の炎魔』と『焼魔』を覚えました
- 248 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 04:08:29.86 ID:24rABtDY0
- 炎魔「少ししょぼいですが、『破魔の炎魔』と『焼魔』を覚えました」
男「めちゃくちゃ強そうだけど」
炎魔「『破魔の炎魔』はその名の通りですが……」
男「いや、分からんよ!?」
大したことではなさそうに話を進めようとする彼女を止める
むしろ、そちらの方が分からない
炎魔「私の体と炎で立ちふさがり、邪な力の侵食を阻む技です」
男「肉壁かぁ。あんまり使わせたくないな」
- 249 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 04:12:58.75 ID:24rABtDY0
- 炎魔「しかし、この肉体はもはやか弱い人形のものではないのですよ」
男「ほう」
炎魔「神聖なる不死鳥の力は、あらゆる災いを跳ね退けるのです!」
そう言って羽ばたくようなポーズを取る
飛べば様になるものを、立ったままポージングしている
男「……まぁ、そういうならそうなんだろう。でも気分的に嫌だな」
炎魔「そして『焼魔』はなんと……魔物に非常によく効く炎を放つ技です!予想だにしなかったでしょう!」
男「いやいやいや、聞いたまんまだよ。随分面白くなったな」
- 250 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 04:32:28.73 ID:24rABtDY0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 251 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 19:09:15.21 ID:24rABtDY0
- 炎魔「人間とかには効かないので、みなさんを巻き込んだりしても大丈夫です!」
男「それは便利だな。ただ……状況次第で中華とやる気は燃えそうだ」
炎魔「ええっ!?魔物だったんですか!?」
男「いや、魔王の力を持ってるんだ。平時はともかく、力を解放してるときに撃つと燃えるかも」
炎魔「まだ改良が必要ですね……」
男「気に病むことはない。それよりも、もっと自分の人生を楽しむ技術を磨いたらどうだ?」
- 252 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 21:16:12.56 ID:24rABtDY0
- そんなことを話しているうちに、
夕食の時間となった
中華「はーいお待たせー」
彼は山盛りの肉を運んでくる
大皿から自由に取って食べる方式のようだ
氷魔「……すごい量ですね……」
やる気「よっしゃー!」
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