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安価とコンマで異世界転生!その10

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53 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 03:42:05.40 ID:CvXKJUXo0
狙撃少女「それでは、いただきます」


どう見ても葡萄にしか見えないその鱗を、
おずおずと口に運ぶ


男「……うまい!芳醇な甘味が暴力的なまでに弾けている!」

中華「確かにこれは……すごいね!」


一体の魔獣が、生涯をかけて溜め込んだ栄養や魔力が込められたその葡萄は、全身を活性化させるようなエネルギーに満ちている
54 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 03:48:14.81 ID:CvXKJUXo0
本日はここまでです
ありがとうございました
55 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 19:57:22.93 ID:CvXKJUXo0
炎魔「全身が喜ぶのを感じます」

氷魔「……本当に葡萄みたいですね……かなり甘いですが……」


一行はあっさりとデザートを平らげ、
その日の食事を終えた


やる気「いやぁ、こんなに食事で満足したのは初めてっすね」

ぶりっ子「ですです、私は幸せ者ですよぉ」
56 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/17(土) 21:34:06.54 ID:CvXKJUXo0
怪盗「まったく、今日はいい日ですねぇ」


どうやらワインをずっと飲んでいたので酔ってしまったようで、顔が真っ赤だ
向かいの席にいるガーゴイル姉は全く酔っていない


狙撃少女「あの、お酒はその辺にしておいた方が……」

怪盗「いや、まだ飲めますよぉ」

ガーゴイル姉「随分酒に弱いんだな」

ガーゴイル妹「姉さんがザルなだけです」

男「ほら、今日はもう終わり!な?」


男はワインの瓶を奪い、栓をした


怪盗「>>下1」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 19:40:10.07 ID:bXRTY8880
むーこんな時に、ワインやを出してくれる魔物が居れば良いのにー

落札した本に書いてないですかー?
58 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/18(日) 19:55:19.38 ID:i2WdZe510
怪盗「むーこんな時に、ワインやを出してくれる魔物が居れば良いのにー」

中華「まさか、ワインを出す魔物なんているわけないだろう?相当酔ってるな……」

怪盗「落札した本に書いてないですかー?」

男「あぁ、禁域の話?まぁ、ドアノブみたいな奴もいるんだし、いてもおかしくはないが……」


男はそう言って冒険記を開く
以前の持ち主の趣味か、奇妙な生物や物体の登場するページには皺が多く、よく読まれていることが分かる
59 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/18(日) 20:06:27.06 ID:i2WdZe510
そうした皺などから奇妙な描写を斜め読みしていき、
ワインを出すような存在がいないかを探した


氷魔「……まさか……いたんですか……?」

男「いや、流石にワインを出すような化物はいなかったな」

怪盗「つまんないですねぇ!」

男「でも、>>下1を出す生物は存在するらしい」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:10:29.24 ID:ghhXgEBH0
純金の卵
61 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 03:23:46.82 ID:694qj6GD0
男「純金の卵を出す生物は存在するらしい」

やる気「へぇ、どんな生き物なんすか?」

男「乱獲されたら困るから教えないって書いてある。乱獲っていうか、禁域に人が立ち入りまくるのが嫌みたいだけど」

中華「なるほど……まさか?」

ぶりっ子「金の烏骨鶏、ですかぁ?」

中華「ああ、もしかしたら禁域に潜んでいるのかもしれない……あまり進んで行きたい場所じゃないけど」
62 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 03:29:30.71 ID:694qj6GD0
本日はここまでです
ありがとうございました
63 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 19:40:11.71 ID:694qj6GD0
それから、ガーゴイル姉妹は依頼の全手続きを終えたので去っていった
男たちも、時間的にもそろそろ眠ることとなる


狙撃少女「怪盗さんはもう寝ちゃいましたね」

男「勝手なもんだな。だが、酒は飲んでたしそんなもんだろう」

中華「あれだけのものを食べたんだし、寝てるうちに体が成長したりして」

氷魔「……いいですね……」
64 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/19(月) 21:59:01.28 ID:694qj6GD0
〜翌日・陰週月曜日〜


やる気「いい朝っすね……」

ぶりっ子「おはようございまぁす」


日当たりのいい部屋なので、
日光によって目覚めることができる
彼はカーテンを引き、窓を開く


やる気「……!?」

ぶりっ子「どうかしましたぁ?」
65 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 03:02:37.20 ID:Iy6kDPpd0
炎魔「おはようございまーす!!」


いつの間にか外に出ていたらしく、
開けた窓から突貫してくる


怪盗「うわぁ!なんですか!」


眠りこけていた怪盗も、あまりの物音に目覚める


狙撃少女「びっくりしました、その……非常にアグレッシブになりましたね」
66 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 03:13:15.49 ID:Iy6kDPpd0
本日はここまでです
ありがとうございました
67 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 19:56:34.92 ID:Iy6kDPpd0
男「随分機嫌がいいな」

炎魔「はい、世界が輝いて見えます」

男「そうなのか?」

炎魔「今まで単なる物体でしかないと思っていたものにも、意味があったように思えるのです」

中華「随分極端に感受性が上がったものだね」

炎魔「私が今ここにいるのにも、きっとなにか意味があるんですよ!」
68 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/20(火) 21:27:39.95 ID:Iy6kDPpd0
やたらテンションの高い彼女をよそに、
チェックアウトするため受付までやってきた


受付「代金ですか?昨日、女性のお二方が払っていかれましたよ」

氷魔「……え……随分気前がいいですね……」

やる気「礼言う前に逃げられたっすね」

ぶりっ子「まぁ、ラッキーってことで行きましょう!」
69 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/21(水) 03:54:05.80 ID:TkBvAyhb0
本日はここまでです
ありがとうございました
70 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/21(水) 19:36:34.22 ID:TkBvAyhb0
この街ですべきことはあらかた終わったため、
一行は馬車を探すことにした


怪盗「そういえば、輸送ギルドの支部が昨日のオークション会場の近くにありました。そこに行きませんか?」

男「確実そうだな、行ってみよう」


目的地を目指し、例のオークション会場の付近を通ると、会場の付近に>>下1がいた
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 19:50:15.55 ID:IYcWtxec0
ズタボロにされた進行役の道化師の姿
72 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/21(水) 20:58:27.62 ID:TkBvAyhb0
道化師「……………………」

狙撃少女「え……」


そこには、先日オークションの進行をしていた道化師が横たわっていた
まだ息はあるようだが、
全身を痛めつけられたようだ


中華「どうして?」

氷魔「……話を聞きますか……?」

やる気「待つっす、こいつらには自爆するタイプもいるっすからもうちょっと慎重になるべきっすよ」
73 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 01:15:48.29 ID:Cvk3gHQf0
炎魔「私なら大丈夫だと思いますよ」

男「……浚われない?」

炎魔「もちろんです」

ぶりっ子「いいんじゃないですかぁ?」


合意が取れたため、炎魔は道化師に話しかけた


炎魔「そこの方、こんな所でなぜ寝ているのですか」

道化師「寝たくて寝ているように見えますか……」

炎魔「どうやら元気はまだあるようですね」
74 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 01:26:55.25 ID:Cvk3gHQf0
本日はここまでです
ありがとうございました
75 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 19:38:53.48 ID:Cvk3gHQf0
怪盗「落とし前でも取らされたんじゃないですかね」

炎魔「そうでしょうか?」

道化師「いや……まだ落とし前をつけさせられてはいない」

狙撃少女「あの組織の落とし前、普通に死にそうですからね」

炎魔「じゃあなんでこんなことになってるんですか?」
76 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 20:29:26.98 ID:Cvk3gHQf0
道化師「そういえば、あなたたちはもういなくなった後でしたね……」

男「俺たちがいなくなった後?となるとあれか」

中華「揮毫だね」

道化師「我々はオークションに……かの司祭の熱狂的な信者が訪れるという情報を掴んでいた」

氷魔「……そうですか……」

道化師「ですから我々は、内通者を用意し……その値段を吊り上げる予定だったのです」
77 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/22(木) 21:00:32.25 ID:Cvk3gHQf0
やる気「ひでぇっすね」

道化師「しかし奴ら……ある程度までは応戦したものの、あっさり諦めてしまったのです」

ぶりっ子「読めてきましたよぉ」

道化師「結局、落札したのは我々ですから、我々が保管することになったのですが……先ほど、奴らから襲撃に遭ったのです」

やる気「道化師連中が、数人に襲撃された程度で負ける訳なくないっすか?」

道化師「あなたたちが我々をどう評価しているのかは分かりませんが……我々の敗因は、奴らが>>下1を使ってきたことです」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/22(木) 21:09:07.65 ID:0znugJDw0
とある兄弟の本に描かれてる様な魔獣を使役して来た
79 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 04:07:40.63 ID:yYSfeoGu0
道化師「とある兄弟の本に描かれてる様な魔獣を使役して来たことです」

怪盗「ってことは、禁域の生物ですね。いやぁ、関わりたくない!」

男「全くだ、カルト的人気の司祭と、それを信奉する禁域の関係者……非常にきな臭い」

狙撃少女「しかしながら、彼らを助ける義理はないことが幸運でしたね」

男「そうだな、こいつらを助ける義理はないが……一応、うちのギルドの目的は世界平和だ。いざとなれば禁域の魔獣を使役できる奴らの存在は……あまり歓迎できない。傲慢なことだが」
80 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 04:17:20.78 ID:yYSfeoGu0
本日はここまでです
ありがとうございました
81 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 19:37:17.18 ID:yYSfeoGu0
中華「じゃあ、そいつら倒すの?」

男「優先的な目標じゃないし、警戒にとどめておくのもいいかな」

氷魔「……そうですね……私たちは……まず極北の地を……目指さなければなりませんから……」

やる気「そういう訳で!」

道化師「ひぃっ!?」


彼は道化師の眼前に槍を突き立て、
見下し、威圧する


やる気「その狂信者共がどこに行ったのか、分かる範囲で教えるっす」

道化師「>>下1」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 20:21:14.24 ID:NWp+Cpvu0
地下水道のエリアのどこかだと思う
83 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/23(金) 22:18:39.61 ID:yYSfeoGu0
道化師「地下水道のエリアのどこかだと思う」

ぶりっ子「下水ですかぁ?」

道化師「いや、下水じゃない。この大陸には、天然の巨大な地下水道が広がっているんだ」

男「……でかい地震でも来たら最悪だな」

道化師「そして……奴らはそれを拡張し、ねぐらとしている」

怪盗「つまり、この大陸のどこへでも行けるってことですね?」

道化師「時間は馬車より遥かにかかるが、そういうことになる」
84 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 03:11:05.19 ID:A+fTAOZ00
狙撃少女「もしかしたら、旅の最中でその地下水道への入り口も一つは見つけられるかもしれませんね」

男「ああ、そうだな。情報提供に免じて、生かしておいてやる」


一行は這いつくばる道化師を尻目に、
輸送ギルドの支部へと歩いていった


中華「で、ここが輸送ギルドだね」


そこには、赤いレンガ造りの簡素な建物があった
85 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 03:44:28.69 ID:A+fTAOZ00
隣に倉庫のような建物があり、
そちらの方が整備されている


氷魔「……すみませーん……」

受付「はい、ご依頼ですか?」

やる気「そっすね、俺っちらが移動するための馬車を手配して欲しいっすよ」

受付「なるほど、それでしたらすぐにご用意できます。ポイントカードはありますか?」

ぶりっ子「ポイント……カード?」

受付「なければお作りすることもできますが」
86 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 03:51:00.25 ID:A+fTAOZ00
本日はここまでです
ありがとうございました
87 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 18:42:18.00 ID:EQ5JF1n2O
男「なんか特典とかあります?」

受付「輸送距離に応じてポイントがつきます。あと、初回は街一つぶんの移動はタダになりますよ」

男「いい感じですね、じゃあ作ります」

受付「はい……あぁ、一応聞きますが、みなさまはギルドですよね?」

中華「そうだね」

受付「よかったです。ギルド名義で作成するものなので」
88 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/24(土) 20:18:13.56 ID:EQ5JF1n2O
一行はポイントカードを作成し、
手配された馬車に乗り込んだ


御者「どこまで行かれます?」

氷魔「……ここから北にひたすら……日が落ちるまでには適当な街に降ろしていただけると助かります……」

御者「分かりました。ではお乗りください」

やる気「ちなみに、どの街まで行けそうっすか?」

御者「>>下1」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 20:23:13.80 ID:0SRcRK1P0
ここからなら、『図書の街』に着くだろう。調べ物があるなら利用するも良し、美人の『AI市長』に会うも良しだ
90 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 04:44:53.43 ID:yy8X6uYb0
御者「ここからなら、『図書の街』に着くだろう。調べ物があるなら利用するも良し、美人の『AI市長』に会うも良しだ」

炎魔「おお、図書の街ですか!ぜひ行ってみたかったんです!」

ぶりっ子「調べものも、できるならしたいですしねぇ」

怪盗「しかし、AI市長ってなんですか?」

御者「知らないんですか?……旅の方であれば無理もないですね。AI市長とは、まぁそのままの意味で、市長がAIなんですよ」

狙撃少女「AIとはなんですか?」

御者「人工知能……と言われているが、あれが本当に人によって作られたものなのかは疑問だね」
91 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 04:45:49.84 ID:yy8X6uYb0
本日はここまでです
ありがとうございました
92 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 19:50:25.21 ID:yy8X6uYb0
馬車は走りだし、
数日滞在した金満な街から遠ざかっていく


男「つまり、人間ではない存在……知性そのものが市長を行っているということですか」

御者「そうですね。図書の街というぐらいですから、知識や教養を人々は重んじます」

中華「奇妙なことだけど、住民性には合ってるってことだね」

御者「そうですね。あと、AI市長ならではの特長もあるみたいですよ」
93 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/25(日) 20:12:51.02 ID:yy8X6uYb0
氷魔「……そういえば……美人と言っていましたが……」

御者「そうそう、一つの知能を複数のインターフェイスで共有している……つまり、肉体的には沢山いるんですよね、市長」

やる気「怖くないっすか?」

御者「まぁ、それも感性だよね。でも、このお陰で市長が直接民の声を聞いて、市政に反映できているらしいよ」

ぶりっ子「そう考えると、すごいですねぇ」

御者「とはいえ、やっぱり不気味に感じる人はいるし、いまいち何考えてるのか分からないみたいで、不満な人もいるらしいよ」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:52:19.10 ID:9Us49Hc50
もしかして、シレッとベガバンクが目指してた偉業を達成してた?
95 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 04:44:33.18 ID:bMfz/lah0
それから三時間ほど馬車に乗っていると、
図書の街が見えてきた


怪盗「なんですかあれ!?」

狙撃少女「塔ですね……結晶体でてきてます」


その街の中央には、そびえ立つ巨大な塔があった
太陽の光を乱反射し、
神々しさすら感じる光を放っている


御者「あれが世界最大の図書館です」
96 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 04:46:09.56 ID:bMfz/lah0
本日はここまでです
ありがとうございました
97 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 19:06:36.77 ID:bMfz/lah0
男「あんなもの、どうやって作ったんだ?」

御者「実は、それがよくわかっていないらしいんです」

中華「え?」

御者「言い伝えでは、ずっと昔に高名な魔術師が大勢の建築家を引き連れて建造したと聞きますが……」

氷魔「……その頃から……図書館だったんですか……?」

御者「いえ、違うはずです。あの街が街と呼ばれるようになったのは、ここ数十年のことですから。あの塔は、それよりずっと前からあったのです」
98 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/26(月) 21:19:34.09 ID:bMfz/lah0
やる気「それが、今は図書館なんすね」

御者「ええ、色んな本がありますよ。この世に存在する書物の半分は、あそこで読めるとも言われています」

ぶりっ子「あれだけ高ければ、それほどの本も収まりそうですねぇ」

御者「実は、それだけじゃないんですよ」

怪盗「それ、とは?」

御者「確かにあの塔は高いですが、地下にも続いているんです。これは噂ですが、地下には>>下1があるとか」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 21:29:58.74 ID:TaU8vHac0
魔神を封印してる
100 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 03:05:10.10 ID:YV+cz0bp0
御者「魔神を封印してるとか」

狙撃少女「魔神……!?」

男「もしかしてあの塔が作られた目的も、魔神の封印だったりするのか?」

御者「噂話に憶測を重ねる形ですが、ありえる話でしょう」

中華「……そんな所に街、作っちゃったんだ」

御者「この大陸は、開拓がどんどん進んでいますからね。金になるんでしょう」
101 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 03:54:22.21 ID:YV+cz0bp0
本日はここまでです
ありがとうございました
102 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 19:28:23.87 ID:YV+cz0bp0
塔はどんどん近づいていき、
一行はついに街に到着した


氷魔「……ポイントカードの特典で……」

御者「はい、分かりました」


馬車が去っていき、街に放り出される
絢爛豪華なカジノの街とは異なり、
小綺麗で気品のある街だ


やる気「どこ行くっすか?」


>>下1……どこへ行く?
1.今晩の宿を探す
2.巨大図書館
3.市長を探してみる
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 19:31:39.74 ID:7iQ7+1TBO
1、先に宿を探して観よう
104 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 19:46:31.75 ID:YV+cz0bp0
ぶりっ子「……ここもなんか高級感ありますし、先に休めの宿探しときません?」

怪盗「賛成ですね」

狙撃少女「そうですね、じゃあその辺の方に聞いてみましょうか」


男は通行人に声をかける


男「すみません、この街に安くていい感じの宿はありませんか?」

通行人「うーん、俺はこの街のもんだから、宿に注意は払ってないなぁ。……あ、そうだ。公民館に宿案内のパンフレットがあるぜ」
105 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/27(火) 21:04:21.62 ID:YV+cz0bp0
男「そうなんですか?ありがとうございます」

通行人「おう、公民館はすぐそこだ」


通行人の案内に従い、一行は公民館へとやって来た
玄関を通ると、街の案内図と受付があった


中華「あの、ここに宿をまとめたパンフレットがあると聞いてきたのですが」

受付「えぇ、ありますよ。これですね」


受付の女性は、『パンフレット』を取り出した


氷魔「……あの……これ……」

受付「情報の充実度には自信がありますよ」

氷魔「……これ……パンフレットなんですか……?」


そこに置かれたのはどう見ても本だった
しかも、かなり分厚く、一般的な辞書の半分ほどのサイズだ
106 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 02:28:21.84 ID:dz/w5NE+0
やる気「返却したほうがいいやつっすよね?」

受付「パンフレットですから、持っていっても構いませんよ?」

やる気「いや、ちょっと荷物増やしすぎるのもアレなんで……」


街の常識に面食らいながらも、
『パンフレット』で宿の情報を調べることにした


ぶりっ子「すごい、それぞれの宿の毎年の納税額まで書いてありますねぇ!」

怪盗「ノイズでしかないですけどね……きちんとかいつまめば、十分で確度の高い情報が得られるのはいいところですが」
107 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 02:33:04.81 ID:dz/w5NE+0
本日はここまでです
ありがとうございました
108 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 19:48:47.25 ID:dz/w5NE+0
予想外に時間を取られたが、
無事自分たちにも使いやすい宿を特定できた


狙撃少女「いいところですね、それなりに自然もあります」


そこは、街はずれの宿だった
土地が安いため、部屋の大きさの割には料金が安いのだ


炎魔「さっそくチェックインです!」
109 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/28(水) 20:30:58.81 ID:dz/w5NE+0
看板娘「あ、いらっしゃいませ」


居眠りをしていた彼女は扉が開くのを聞いて、
慌てて挨拶をする


男「あー、全員入れる部屋あります?八人いるんだけど」

中華(思いっきり寝てたな……)

看板娘「そうですね、>>下1」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 20:36:01.42 ID:FBK6E10J0
今はあいにく4室の
スイートルームしか
空いておりませんね
111 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/29(木) 03:39:00.35 ID:JCnVZ4Zf0
看板娘「今はあいにく4室のスイートルームしか空いておりませんね」

男「うっ、スイートルームか……」

看板娘「一部屋六人までなら入れますが……」

氷魔「……それなら……二部屋宿泊するしかなさそうですね……」

看板娘「いいんですか?」

やる気「今からまたパンフレット読むのは骨が折れるっすよ」
112 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/29(木) 03:44:37.28 ID:JCnVZ4Zf0
本日はここまでです
ありがとうございました
113 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/02/29(木) 19:55:00.43 ID:JCnVZ4Zf0
とりあえず部屋は取り終えたので、
一行は街に繰り出すことにした


ぶりっ子「物静かでおしゃれな街ですねぇ!」

怪盗「そうですけど……どこ言ってもあんな分厚い本読まされるんじゃ疲れちゃいそうですね」

狙撃少女「目が疲れそうです」


>>下1……どこへ行く?
1.巨大図書館
2.市長を探してみる
3.自由安価
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 20:00:31.62 ID:EYbun/5E0
3.本のあるカフェ 

魔神について知りたい
115 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 04:19:59.58 ID:pWHkA4hU0
男「……なんだかんだ、旅で疲れてるな」

炎魔「そうなんですか?」

中華「そうかも」

氷魔「……でしたら……カフェがありますよ……」

やる気「いいじゃないっすか、たまにはまったりするべきっすよ」

ぶりっ子「この街のカフェですから、調べものなんかもできそうですしねぇ」
116 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 04:22:38.91 ID:pWHkA4hU0
そのまま、一行はカフェに入っていった
まだオープン数年なのだろう、
相当新しい雰囲気をしている


怪盗「本、本、本……」

狙撃少女「壁一面に本ですね」

男「目的の本は、どう探したものかな」

炎魔「なにか探してるんですか?」

男「……まぁ、実際そうかと言われれば噂だが。地下にいるらしい魔神について知りたくてな」
117 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 04:32:16.90 ID:pWHkA4hU0
本日はここまでです
ありがとうございました
118 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 19:47:34.45 ID:pWHkA4hU0
店員「魔神についての本をお探しですか?」

男「え、あぁ、そうですけど。まず注文いいですか?」

店員「はい、構いませんよ」

中華「みんな、注文決めた?」


中華がそう聞くと、
一人ずつメニュー表を指差して注文していく


店員「……はい、かしこまりました」
119 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 21:08:12.69 ID:pWHkA4hU0
店員が去ってから五分ほどして、注文が運ばれてくる


氷魔「……おや……それは……?」


料理だけでなく、何冊かの本もそこにあった


店員「こちらの店では、食事とともに本の貸し出しも行っております」

男「ってことは、魔神の本も?」

店員「はい、リクエストがありましたら、それに従うようにしております。なければ、私どもの判断で選んでおります」
120 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/01(金) 21:11:25.97 ID:pWHkA4hU0
そうして全ての物品を提供すると、
店員はまた別の業務へと向かった


やる気「お、冒険モノっすね」


出された緑茶を飲みながら、彼は本を楽しんでいる


ぶりっ子「どうやら、みなさん大体趣味通りの本をもらっているようですねぇ」

怪盗「ぶりっ子さんはなんの本を……隠さないで下さいよ!?」

男(まぁ、大方の予想は付くけど……そういえば、炎魔はどういう本を出されたんだろう?)


>>下1……炎魔に貸し出された本とは
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/01(金) 21:31:58.49 ID:PohCgTKq0
フェニックスの力を得た者の末路 
122 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/02(土) 05:23:41.91 ID:wFWoyavO0
本日はここまでです
ありがとうございました
123 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/02(土) 19:28:48.05 ID:/mxqA6/wO
炎魔「……!?」


ちらりと本のタイトルを見やると、
そこには、『フェニックスの力を得た者の末路』と書かれていた


狙撃少女「どうかしましたか?」

炎魔「あ、いえ!なんでもないですよ!」


非常にショッキングな本だが、
どうにか平静を取り繕おうとしている
124 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/02(土) 19:40:03.67 ID:/mxqA6/wO
炎魔は神妙な面持ちで本を読んでいる
どうにかフォローを入れてやりたい、
と男は思ったが、その本のことが周りのメンバーに知られて大事になることを考えるとなにも言えなかった
それよりも、自分に貸し出された魔神についての本を読むことに専念すべきだと考えた


男「はぁ……」


魔神についてそのものの知識についてはそこそこに触れ、世界にいるとされる様々な魔神を考察している本のようだ
彼は目次から、塔の地下に眠る魔神についてのページを開いた


>>下1……大まかな記述
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:49:28.09 ID:eXcxBHgIO
道化師の悲恋:魔神誕生の切っ掛け

魔神に関して詩的、物語方式に記載せれてる本があった。手に取って読んでみる。

『王国軍と革命軍が争う中、忠臣の道化師が国王から離反し革命軍に寝返ったのが魔神誕生までの秒読みだった。

道化師の情報から革命軍幹部たちは次々と王国軍を蹴散らし本拠地まで攻め入った
降伏を促す為、革命軍リーダーと幹部五名、そして『革命の女神』が城に入城した

しかし、道化師は一抹の不安を抱き城へと侵入し、革命軍幹部全員が惨殺され『革命の女神』か凌辱され、ころされていたのを目撃した
道化師が激昂し、王以外の城の住人を皆殺しにし、仲間たちの屍を担ぎ、何処かに姿を消した

日が進み、月日が流れ、年月が経ち、戦争の記憶が風化した頃、『魔神』と化した道化師が仲間たちを身にまとい、火口へと逃げた王を追い廻す様になった』
126 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/03(日) 03:12:57.33 ID:sOZdBG3E0
中華「どう?なにか分かった?」


彼は自分に渡された紀行本を一旦閉じ、
男に問いかける


男「……分かったような、分からないような……難解だ。なんかの喩えか?」

中華「どういうこと?」

男「全ての魔神がそうであるのかは分からないが、塔の地下にいる魔神……奴は、道化師と何らかの関係があるのは間違いないだろう」

中華「へぇ」

男「そして、奴らの組織の行動原理……それに関して考察するにも足る内容が書かれている。伝承だから、完全な内容かは分からないが」
127 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/03(日) 03:26:05.54 ID:sOZdBG3E0
本日はここまでです
ありがとうございました
128 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/03(日) 19:52:51.79 ID:sOZdBG3E0
中華「それで、どうしたいの?」

男「……うぅん、魔神に会えば、いくつかの因縁について決着を着けるか、より深く知ることができそうだが……」


男は言葉を濁す


中華「リスク?」

男「あぁ、リスクだ。かつて俺たちが会った魔神のように、話のできる奴じゃなさそうだしな……」
129 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 04:44:13.25 ID:cpURwvN50
それから一行は、飲み物やデザートを食べるとともに書物を読み、店を出るのは夕方だった


【ギルドの資金】72225295


氷魔「……宿に戻ったほうが……いいかもしれませんね……」

やる気「今日は休んでばかりになっちゃうっすね」

ぶりっ子「まぁまぁ、たまにはいいじゃないですかぁ」

男「そうだな」
130 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 04:53:31.13 ID:cpURwvN50
本日はここまでです
ありがとうございました
131 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 18:57:31.88 ID:cpURwvN50
宿に戻ると、看板娘から声をかけられた


看板娘「あの、お部屋の準備はできていますが……それぞれ何人で泊まられるのですか?」

怪盗「そういえば、決めてませんでしたね」

狙撃少女「四人組を二つ、ということですから……」

男「男性三人と炎魔、あと女性四人でいいんじゃないか?」
132 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/04(月) 21:17:12.65 ID:cpURwvN50
男の提案通りの四人ずつに別れ、
宿泊することとなった


中華「……うん、いい部屋じゃないか」


スイートルームというだけあり、
設備は豪華で、整えられた植物たちが植わる庭もよく見える


やる気「俺っちはこういう部屋が一番好きっすね」


彼は備え付けのお茶菓子に早速手をつけながらそう語る
133 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 03:49:19.92 ID:oD+m7am70
一方、女子部屋


氷魔「……魔力が溜まっています……発散したいですね……」

ぶりっ子「え?」

氷魔「……体を休め……おいしい食事を摂っていると……魔力がどんどん溜まっていくんです……」

怪盗「上がるんですか?魔力が」

氷魔「……別にそんなことはないですね……もて余す感覚だけが……私を焦らせます……」
134 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 04:06:48.64 ID:oD+m7am70
本日はここまでです
ありがとうございました
135 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 19:48:23.09 ID:oD+m7am70
狙撃少女「そういうこともあるんですね」


彼女はそう言いながら、
巨大なライフルのメンテナンスをしている


ぶりっ子「しかし、そんな大きなライフル……重くないんですかぁ?」

狙撃少女「やっぱり重いです。メンテナンスもありますし、非常に肩が凝ります」

怪盗「そういえば、狙撃が得意なのは知ってますが、なにか上手になったきっかけとかあるんですかね?」

狙撃少女「>>下1」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/05(火) 19:55:47.09 ID:NaR1vaQD0
望遠鏡やスコープで遠く、遠くを見ていくうちに的や目標物に自然と当たる様になったのは覚えています
137 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/05(火) 20:08:38.04 ID:oD+m7am70
狙撃少女「望遠鏡やスコープで遠く、遠くを見ていくうちに的や目標物に自然と当たる様になったのは覚えています」

氷魔「……遠くを……」

狙撃少女「えぇ、私は遠くを見るのが……知れないモノを知ることができるのが、好きなんですよ」

ぶりっ子「探求心があるんですねぇ」

狙撃少女「そうなんですかね?……ともかく、私が頼み込んでみなさんに同行させてもらっているのにも、そういった私の趣味が関わっているんですね」
138 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 00:36:04.78 ID:9HRgy4AI0
それからしばらくすると、夕食が届いた
どうやら、ピザのようだ


怪盗「おお、ピザですよ!私チーズ好きなんです」

狙撃少女「ピザは初めて食べますね。……こんなに濃厚な物体、食べても大丈夫なんですか?」

氷魔「……けっこうおいしいですよ……ローブに付くので……あまり食べませんが……」

ぶりっ子「ううっ、太りそう……でもおいしいんですよねぇ」
139 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 01:53:52.93 ID:9HRgy4AI0
本日はここまでです
ありがとうございました
140 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 18:13:24.57 ID:9HRgy4AI0
一方、男子と炎魔の部屋


炎魔「これがピザですね」

男「ああ、ピザだ。パーティの時なんかに食べることが多いな」

中華「どんな食べ物でもお腹が空いてると美味しそうに見えるものだけど、ピザは特にだね」

やる気「あー分かるっす、それ。早速食べるっすよ」


やる気は付いてきたピザカッターを淀みなく操り、
綺麗にピザを切り分けた
141 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 20:58:44.96 ID:9HRgy4AI0
そして四人はピザを食べる


炎魔「ピザ……うまい!」

男「そうかそうか……ん!?」


そう言った次の瞬間には、
炎魔はピザ一枚の半分ほどを食べてしまっていた


中華「ま、待った!分け合おう!」

炎魔「おっと、すみません。あまりにおいしくて」
142 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 21:02:26.00 ID:9HRgy4AI0
驚異の食欲に驚かせられながらも、
四人は夕食を終えた


やる気「ほんじゃ、風呂入るっすよ!」

中華「そうだね、早めに入ろうか」

男「……あっ、先行っててくれ。ちょっとだけ用事がある」

中華「そうかい?ま、なるべく早く来てくれよ」


そう言って二人は浴場へと向かっていった
143 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/06(水) 21:06:11.82 ID:9HRgy4AI0
男「……さて、炎魔」

炎魔「な、なんですか?」

男「俺には、お前と話さなければならないことがある」

炎魔「あっ、ああ……ピザ食べ過ぎました。ごめんなさい」

男「違うわ!」


深刻な表情をしていたものの、
炎魔が変なことを言うのでいつもの雰囲気に戻されてしまった


炎魔「じゃあ、なんですか?」

男「フェニックスの力を得た者の末路がどうとかって本を読んでいただろう。なにかお前の命に関わることがあるのなら、言ってくれ」

炎魔「>>下1」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/06(水) 21:11:03.41 ID:8+IZ4dhUO
…私って『女性』なのか『男性』なのか分からなくなってしまったくらいですね。

フェニックスになった者は狩られたり身を隠したり、表で行動したりしてたみたいですが、その中で『性別』が雌雄同体みたいな記述しか載ってませんでした
145 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 01:27:14.78 ID:bGv6QnJH0
炎魔「…私って『女性』なのか『男性』なのか分からなくなってしまったくらいですね」

男「……性別?」

炎魔「はい。フェニックスになった者は狩られたり身を隠したり、表で行動したりしてたみたいですが、その中で『性別』が雌雄同体みたいな記述しか載ってませんでした」

男「そ、そうか。命に関わることがないならよかった……いや、待て。これから風呂じゃないか」

炎魔「そうですね」
146 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 01:31:12.54 ID:bGv6QnJH0
男「そうですね、じゃないだろう!?いいか、世界には男湯と女湯があるんだ」

炎魔「あぁ……」


特に何も言われなければ、
そのまま女湯に入っていたのだろうか


男「もしお前にアレが付いてるなら女湯に入るのは困難を極める。だが、今の外見は完全に女性だから、男湯に入ろうものなら場が騒然としてしまう」

炎魔「そうかもしれません」

男「……で、どうするんだ?」

炎魔「隠します」
147 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 02:17:46.21 ID:bGv6QnJH0
本日はここまでです
ありがとうございました
148 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/07(木) 19:57:22.04 ID:bGv6QnJH0
男「隠すって、どうやって?」

炎魔「炎を出します。そうすれば分かりませんよね?」

男「怪しすぎるだろ!?」

炎魔「そうでしょうか……」

男「……仕方ない。交渉だ」

炎魔「交渉?」

男「そうだ。炎魔もついてこい」
149 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 02:30:48.68 ID:23yssnpb0
男は炎魔を連れ、カウンターへと向かった
そこには看板娘ではなく、宿屋の店主がいた


店主「どうかされましたかな?」

男「不躾なのですが、頼みがありまして」

店主「ふむ、なんでございましょう。なるべくご期待に添えるようにいたしますが」

男「こちらの方なのですが……」

炎魔「ああどうも。炎魔です。私、両性具有なんです」
150 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 02:33:09.95 ID:23yssnpb0
店主「なんと!それはそれは……」

男「えぇ、ですから浴場に入ると誤解を招いてしまうのです」

店主「そうかもしれませんな」

男「そこで、浴場の営業が終わった後すぐに彼女が入浴するための時間を設けていただきたいのです。無茶なお願いですが……」

店主「分かりました。お一人ならばいいでしょう」
151 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 02:49:40.21 ID:23yssnpb0
本日はここまでです
ありがとうございました
152 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/08(金) 19:24:18.14 ID:23yssnpb0
そうして約束を取り付けられた男は、
急いで風呂へと向かった


中華「やっと来た」

やる気「ほら、早く脱いで入るっすよ」

男「すまんな、急ぐわ」


全裸になった三人は早速浴場へと入っていく
そこはそれなりに広く、
スイートルーム四つ分ほどの面積があった
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