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安価とコンマで異世界転生!その9

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253 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 02:06:30.47 ID:BouMd8iMo
本日はここまでです
ありがとうございました
254 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 18:16:23.95 ID:StTpEW5kO
人形「…船を壊せ。船底まで行けばそれで良いと言われた」

男「どういうことだ?」

人形「さぁ、私には分からない。ただ……」

男「ただ?」

人形「『火口までの正規ルートは一本しかないのだから』とも言われた」


非常に謎めいた発言だが、
火口というのは何かしらのヒントになるだろう
255 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 22:09:35.79 ID:BouMd8iMo
男「そうか、情報ありがとう」

人形「ふん……」

男「じゃ」


彼は手短に別れを告げてその場を去ろうとする
船室のドアに手をかけると人形から話しかけられた


人形「……え?解放するのか?」

男「船底さえ守りゃいいんだろう。それに気をつければお前なんて怖かないね」

人形「だが……殺さないのか?」
256 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 22:12:05.93 ID:BouMd8iMo
男「なんか嫌な予感がするんだよ」

人形「へ?」

男「船底までいけば船が壊れるってんだろ?で、君はなにも知らされていないと」

人形「そうだけれど」

男「……小突いたら爆発しそうだ。君、爆弾人形なんじゃないか?」

人形「……爆弾……人形……?」

男「そうだよ。だってありえないだろ。なにも方法を知らないなんてな」
257 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/15(金) 22:17:07.23 ID:BouMd8iMo
人形「私は……私は人形なのか?」

男「……さぁな。だがベリアルって奴の策謀で君の体に爆弾が埋め込まれてる可能性が高いって話だ」

人形「そ、そんな!これまでの私の人生は一体……」

男「そう思うなら、船底には近寄らないことだ。そこで君は死ぬことになる」

人形「……ふざけるなッ!馬鹿にするのも大概にしてくれ!私が……私がそんなおぞましいモノだって証拠がどこにあるっていうんだ!?」

男「……見せてやることはできるさ……ただ、君じゃ多分耐えられないだろうな……」
258 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 03:57:44.01 ID:8fXLIJCVo
本日はここまでです
ありがとうございました
259 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 20:25:21.54 ID:63TUpu/lO
すみません遅れました


人形「……本当に、そうなのか……?」

男「脅しておいてなんだが、絶対そうって訳じゃないぞ。そういうことする奴に心当たりがあるってだけだ」

人形「だったら、はっきりさせてくれませんか?」

司書コピー「それだけはお勧めしないです」


彼女は意を決した表情で船室に入ってきた


人形「……お前は」

司書コピー「私はあなたのようなものです。見て分かるでしょう?」

男「……知りたいというならその意志は尊重する。それでも自分がなんなのか知りたいなら、言うといい」

人形「>>下1」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/16(土) 20:29:56.98 ID:V47nKs8tO
………そ、そこまで言うなら、はっきりさせよう。 貴方が言うように、私が人間なのか、人形なのか。

そ、それではっきりするなら私は……
261 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 21:22:25.90 ID:63TUpu/lO
人形「………そ、そこまで言うなら、はっきりさせよう。 貴方が言うように、私が人間なのか、人形なのか。」


彼女は絞り出すような声で語る
すっかり憔悴しており、瞳孔が震えている


司書コピー「本当にいいのですか?あなたは……本当に……」

人形「そ、それではっきりするなら私は……」

男「わかった。だが、取り乱して暴れるようなことだけはしてくれるなよ」
262 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/16(土) 22:17:45.83 ID:8fXLIJCVo
彼はそう言って例のドアノブを取り出した


司書コピー「おぞましい……」

男「そんなこと言うなよ、こいつが傷つくだろ?」

司書コピー「……理解できません」

男「実はこいつ生き物なんだよ、それじゃあいくぞ」


男は人形の肉体にそれを接着し、ひねり開ける
やはり中には魔翌力の籠った綿が詰まっていた


>>下1……爆弾は入っていたか
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/16(土) 22:33:05.92 ID:RwB3wMWf0
爆薬は入ってはいなかったが、1枚の札があり綿が異様に火薬臭い
264 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 04:07:41.71 ID:W8rj5CzAo
本日はここまでです
ありがとうございました
265 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 19:26:44.07 ID:W8rj5CzAo
人形「こ……これが……!」

男「おとなしくしておけ。だが……これは……」


そこに爆薬とおぼしき物体は入っていなかった
しかし、一枚の札が入っていた


司書コピー「なんでしょうか、そのお札」

男「分からんが……嫌な予感がするな。それになんだか綿が火薬臭いぞ」

人形「結局……爆弾なのか!?私は!?」
266 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 19:48:32.18 ID:W8rj5CzAo
人形は不安に耐えきれず叫び出しまったが
男は至って冷静だった


男「ほぼ100パーセントそうだ」

人形「そ……そんな……」

男「なにが悪さしてるかといえば多分この札なんだが……触れたらドカンの可能性もある。迂闊に手出しはできないと言っておこう」

人形「は……はは……」

男「おっと、早まるなよ。俺以外ならどうにかできるかもしれないからな。仲間を呼んでくるから待っていろ」


男はそう言って船室を出た


>>下1……誰を呼ぶ?
1.中華
2.氷魔
3.やる気
4.ぶりっ子
5.怪盗 
6.狙撃少女
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/17(日) 19:56:31.45 ID:+Ytk2oyy0
3.やる気
268 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/17(日) 20:13:54.77 ID:W8rj5CzAo
やる気「いやー釣った釣った……うぉわあ!」

男「やる気!助けてくれ!」


魚を持ち運ぶ彼の前に男が突如現れる
やる気は思わず魚を取り落としそうになる


やる気「な、なんすか!?」

男「実はこれこれこういうことで……」

やる気「よく分からないっすが、とにかく行くっすよ!」
269 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 01:07:34.03 ID:YDgr1xVMo
男はやる気を船室まで連れてきた
そして人形の腹に取り付けたドアノブを再び回す


男「とにかくこの札を見てくれ」

やる気「うえっ」

男「どうだ?なにか分かったりしないか?」

やる気「実家で見たことあるっすよこれ……」

男「となると……」

やる気「呪爆札っすね、まぁ要するに遠隔起動できる起爆剤っす」

人形「……実質、爆弾か」

やる気「遠隔起爆できるんで、高性能な爆弾っすね」
270 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 01:25:13.84 ID:YDgr1xVMo
本日はここまでです
ありがとうございました
271 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 20:30:45.27 ID:YDgr1xVMo
すみません遅れました


人形「……はっはっは」

男「再度言うが自棄にはなるなよ。どうだやる気、これ、取り出せそうか?」

やる気「うーん……確実に、とはいかないっすけど、手はあるっす」

男「だ、そうだ。やるぞ」

人形「え?私の意思は?」

男「死にたければ助かった後に死ぬんだな。上級氷魔法っ!」


男は魔法で人形の手足を拘束した
272 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/18(月) 21:02:35.03 ID:YDgr1xVMo
やる気「暗闇にしてくれるっすか?」

男「分かった」


男は備え付けられているタンスで窓の光を遮った


やる気「よし……行くぞっ!」


彼は目を光らせて魔王の力を解き放ち、
勢いよく札を掴んだ


人形「えっ!?」

やる気「こいつを魔物に変えるッ!!」


彼がそう叫ぶと札はみるみるうちに姿を変えていく


>>下1……どんな魔物になった?
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/18(月) 21:07:31.80 ID:iVpvKQ7ZO
鎖に雁字がらみなっている蜘蛛
274 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 01:37:45.38 ID:PXlR5SLJo
本日はここまでです
ありがとうございました
275 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 19:18:21.59 ID:PXlR5SLJo
蜘蛛「ジャァァッー!」

やる気「はああああっ!!」


彼は鎖で絡め取られた蜘蛛をがっちりと掴み、
人形の体外へと引きずり出した


男「おおっ!」

やる気「ちゃりゃあああああッ!!」


そのまま全力で蜘蛛を握りつぶす
鎖が変形する奇妙な音が鳴り響く
276 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 19:42:52.58 ID:PXlR5SLJo
すると轟音を立てて蜘蛛が爆発する
しかしやる気はその爆風をも握り潰してしまった
鎖の欠片だけがその勢いのまま部屋中に飛び散る


男「つっ」


凄まじい勢いで飛んできたので、
かすっただけでも怪我にはならないが痛かった


人形「な……なんなんですか……あなた……」

やる気「丁寧なフリをどうも。俺は魔王だ」

人形「っ!」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/19(火) 20:04:32.71 ID:S5Gu1NknO
ま、魔王様って何人もいんの!?
278 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/19(火) 21:01:19.76 ID:PXlR5SLJo
>>277
安価は取ってませんでしたがなんかいい感じなので採用します


人形「ま、魔王様って何人もいんの!?」

男「いるな」

やる気「正確には魔王の資格を持つ者だ。その力を行使できるので実質的には魔王だろう」

人形「へ、へぇ?……」

男「救世主とか魔王とか、そういうのって実質的に存在しているだけで今は資格を持つ者が世界に散らばっているだけだそうだ」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/19(火) 21:14:53.47 ID:yHzcnpC+0
>>278 すみません。 勘違いしてました
280 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:18:58.35 ID:bgDMdBTyO
すみません寝落ちしました


やる気「……とても精神的に疲れた。また海でも見に行くよ」

男「ごめんな、呼びつけて」

やる気「いいってことよ。戦闘以外で役に立てるのは貴重だからな」


そう言って彼は船室のドアを開けて去っていった
281 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:21:20.87 ID:bgDMdBTyO
男が動かしたタンスを元の位置に戻していると、
人形が話しかけてきた
ふとそちらを見ると、
司書のコピーはもういなくなっていた


人形「あの」

男「どうした?」

人形「私、思い出せないんだ。私はこれまで十数年生きてきたように思っているのに、その記憶がないんだ」

男「……忘れろ、そのことも」
282 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:26:23.51 ID:bgDMdBTyO
人形「……分かってるよ、本当のことぐらい。さっき見せつけられたから」

男「もう考えるな」

人形「嫌だね。でもどうしたらいいのか分からない。……どうしてか涙も出ない」

男「………………」


船室は重い空気に支配された
しかし、それを打ち払うように人が入ってきた


>>下1「うぇぇぇぇ……」


どうやら船酔いがきついようだ


入ってきたのは
1.中華
2.氷魔
3.ぶりっ子
4.怪盗
5.狙撃少女
6.司書コピー
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/20(水) 18:31:55.17 ID:98rIolQ20
284 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 20:28:05.19 ID:05yKmE03o
ぶりっ子「うぇぇぇぇ……」


彼女は嗚咽を漏らしながら船室に入ってきた
そしてあなたと人形を見て固まる


男「……船酔いか?」

ぶりっ子「……ナンパしたんですか?」

男「違う!最近なんかみんな俺のこと誤解してないか!?」

人形「無理やり連れ込まれました……」

ぶりっ子「うーわ……」

男「それはそうなんだけど……」

ぶりっ子「えっ本当なんですか!?……うーわ……」
285 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 00:47:59.18 ID:JX3uCvjmo
本日はここまでです
ありがとうございました
286 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 19:55:37.15 ID:JX3uCvjmo
男「前もやったわこういうの!」

人形「再犯ですか」

男「ぐぉぉぉぉっ!!!」

ぶりっ子「……で、真面目に誰なんですかぁ?」

男「司書コピーの仲間か……同じ種族?まぁそんな感じだ。顔とかそっくりだろ」

ぶりっ子「そうですねぇ」
287 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 20:29:55.25 ID:JX3uCvjmo
男「……丁度いい。彼女のこれからについて話し相手になってくれないか?」

ぶりっ子「えっ、私ですかぁ?」

男「適任だろう?……どうしてとは言わないが、覚えはあるはずだ」

ぶりっ子「……そう、かもしれませんねぇ」

人形「?」

男「そういう訳だ。後は二人でしっぽり頼むぞ」


彼は具体的なことは何一つ言わないまま、
船室を後にしてしまった
288 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 01:10:30.92 ID:fr86GrkIo
ぶりっ子「強引ですねぇ……」

人形「そうだね」

ぶりっ子「で、これからのことってなんなんですかぁ?」

人形「いや、別にこれからについて話していた訳じゃないんだけれど……」

ぶりっ子「え?」

人形「私がなんなのか……ということです」

ぶりっ子「あぁ、なるほど」
289 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 01:29:37.31 ID:fr86GrkIo
本日はここまでです
ありがとうございました
290 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 19:59:28.37 ID:fr86GrkIo
人形「……知っているんですね?」

ぶりっ子「そうですけど……」


彼女は後ろを向き、窓を眺めて話しだす


人形「私は彼にそんなことは忘れろと言われました」

ぶりっ子「あらら……そりゃ随分ひどい話ですねぇ」

人形「……そうなのでしょうか?」

ぶりっ子「ええ」
291 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 20:25:25.76 ID:fr86GrkIo
人形「言うことが違いますね」

ぶりっ子「当たり前です、人間みんな意見が合わなくて当然ですからねぇ」

人形「……人間、ですか」

ぶりっ子「自分が人間か、というのは自分の心持ち次第ですよ。尤も、考えなければ気にしなくても済むから、男さんはああ言ったのでしょうけれど」

人形「誰かにそんなこと言われたところで……」

ぶりっ子「……ふふ、私も実はあなたのような存在なんですよ」

人形「え?」
292 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 03:30:01.83 ID:FsHeFSL5o
ぶりっ子「私のこの体、母親の腹から産まれたものじゃないってことですよ」

人形「……よく、言えますね」

ぶりっ子「言いたくないですよ。でも、最近向き合うことができました」

人形「なぜですか?私にはそれが必要だ」


彼女は縋るような目でぶりっ子を見る
『それ』の指すところは広いが、
ぶりっ子は淀みなく話を続ける


ぶりっ子「それでも私はここにいていいからです。私は、受け入れられている」
293 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 03:43:14.17 ID:FsHeFSL5o
本日はここまでです
ありがとうございました
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/23(土) 07:14:25.74 ID:cbTNqVueO
295 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 19:04:49.51 ID:z11wuvaIO
人形「……私にそれはあるの?」

ぶりっ子「探せばいくらでもありますよ」

人形「例えばどこに?」


そう聞かれると難しいので彼女は頭をひねった
そうしてからまた話し始める


ぶりっ子「ここです」

人形「船ですか?」

ぶりっ子「ここで働きたいって言えば、それなりの対応はしてもらえるんじゃないでしょうか。船長さんはいい人ですよ」
296 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 19:34:46.74 ID:z11wuvaIO
人形「あはは……それなんですけど、実は私密航してて……」

ぶりっ子「えぇっ!?」

人形「存在がバレたらアウトなんですよ」

ぶりっ子「……じゃ、私と謝りに行きましょう!」

人形「なんでですか!?」

ぶりっ子「あなたみたいな精神状態の人が悪いことしたら、もっと悪い方向に進んで行くんですよ!心にしこりを残さないように、絶対謝るべきです!」
297 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 20:57:12.97 ID:FsHeFSL5o
人形「わ、分かった!分かりましたから!引っ張らないでぇ!」


ぶりっ子はかなり強引に彼女を船長室まて連れてきた
そして丁寧にノックをすると入るよう中から声がした


船長「おお、お嬢さん。いかがしたかね?」

ぶりっ子「こっちの子の話なんですけどぉ……ほら、言える?無理そうなら私から伝えておきますけど」

人形「……いや、言うよ」

ぶりっ子「流石です!さぁどうぞ!」

人形「私、密航してました。理由もひどいものです。……本当に、すみませんでした!」


そう言って頭を下げる
船長は驚いた顔をしてそれを見ている


船長「>>下1」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/23(土) 21:07:07.68 ID:4D43GjA10
密告か!? それよりも怪我とか無かったか!? 下手な事してたら出航前に死んでたぞ
299 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 03:45:30.10 ID:xMFj44N/o
本日はここまでです
ありがとうございました
300 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 18:49:36.11 ID:Dfu0fJL1O
船長「密告か!? それよりも怪我とか無かったか!?」

人形「え……いや……そんな」

船長「下手な事してたら出航前に死んでたぞ」

ぶりっ子「ほらね、そんな気負わなくていいんですよぉ」

人形「……まぁ、ヤバい奴との関係はもう切れたと思うんで、大丈夫です」

船長「……それならいいんだ」
301 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 18:54:43.58 ID:Dfu0fJL1O
人形「……でも私、もう行くとこなくて」

船長「ふむ」

人形「一応密航したし……償いも兼ねて、ここで働かせて欲しいです」

船長「そうか……だが、海の仕事はかなりハードだ。肉体的に追い詰められる仕事が多いだろう」

人形「はい」

船長「見たところ君は華奢な部類のようだが……それでもやれるなら、歓迎しよう」

人形「……やらせてください。たとえなんだってやります」
302 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 02:23:29.59 ID:8fHYz2jGO
船長「そうかい?じゃあ夕食の配膳を手伝ってくれるかな。みんな早く食べたがるから、配膳を進んでしてくれる人がいないんだ」

人形「分かりました!お任せ下さい!」


そう言って彼女は船長に連れられ、
食堂へと向かっていった


ぶりっ子「よかったですねぇ……」

司書コピー「そうですね」

ぶりっ子「ひょわぁっ!?どこにいたんですかぁ!?」

司書コピー「ずっと見てましたよ」


どこがずれたその返事に、ぶりっ子は恐怖を覚えた
303 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 02:31:10.66 ID:8fHYz2jGO
本日はここまでです
ありがとうございました
304 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 18:56:57.85 ID:Zd/bKOuIO
夕食の準備がなされていることからも分かる通り、
今はもう夕暮れである
人食い岩を通過するのは今晩であり、
その時は刻々と迫ってきている


男「綺麗な夕焼けだけど、なんか不吉にすら見えてくるなぁ」


>>下1……何しよう?
1.中華に会いに行く
2.氷魔に会いに行く
3.やる気に会いに行く
4.ぶりっ子に会いに行く
5.怪盗に会いに行く
6.狙撃少女に会いに行く
7.司書のコピーに会いに行く
8.人形に会いに行く
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/25(月) 19:06:53.49 ID:Ki/+y0gWO
7.司書コピー
306 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 20:48:27.17 ID:nHuVh/1+O
司書コピー「……人をつけ回して何の用ですか」

男「君も人形をつけ回してたじゃないか」

司書コピー「………………」


無言で睨まれる
センシティブな問題に対して臆さず物を言いすぎたようだ


男「すまんすまん。で、どう思う?あいつのこと」

司書コピー「それが私にどう関係するというのですか」

男「関係しかないだろ?」
307 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:27:04.24 ID:pGC3bnKvO
司書コピー「いいんじゃないですか?彼女が望むなら、私がなにか言うこともありません」

男「……」


彼女はとても葛藤しているが、
なぜ人形はあんなにもあっさりと道を決められたのか
男はそれがなぜか分からなかったので問いかけた


司書コピー「私が面倒くさい女だって言いたいんですか?」


しかし、これも地雷だった


男「いや、そういう訳じゃなくて……」


そんなことを聞く時点で面倒くさい女だろう、と言いたい気持ちをぐっと堪えて男は会話を続ける
308 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:31:48.71 ID:99uJk/lFO
司書コピー「……助けてあげよう、みたいな気持ちはありました。でも……多分それは余計なお世話だったんです」

男「それはないと思うが」

司書コピー「人形さんはそう思っていないでしょうね。でも……多分私がなにかしなくても結果は変わらなかった。結局私は怯えているだけだった」

男「………………」

司書コピー「とんだ道化です、私は。なぜ……なぜ、私はこんなにも……」


彼女の表情はほとんど変わらないが、
冷や汗を流して蹲る


男「それ以上はいけない。戻れなくなるぞ」

司書コピー「……あなたはなぜ、昨晩の私の脱走を否定しなかったのですか?なぜ、それなのに気遣う?」
309 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:46:18.37 ID:A6ACs4v0O
本日はここまでです
ありがとうございました
310 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/26(火) 21:00:27.26 ID:wxPe/yuBo
すみません遅れました


男「脱走しても行く場所がないとか言ってた君が、脱走するつもりになったってことは……それだけ人間社会に希望が持てたってことだろう」

司書コピー「っ!」

男「……素直になれてないだけなんだよ、君は……でもそれでいい。俺たちは、君が素直になれるまで君の面倒を見る」

司書コピー「………………」

男「どうだ?やってみたいことはできたか?」

司書コピー「>>下1」
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/26(火) 21:05:48.65 ID:CPvtlAg60
本物の司書さんを見つけて仲良くなってみたい
312 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/26(火) 22:03:12.14 ID:wxPe/yuBo
司書コピー「本物の司書さんを見つけて仲良くなってみたい」

男「素晴らしいことじゃないか」

司書コピー「本当にそう思う?」

男「ああ。なにかやりたいことが出来たなら大丈夫だ。目的があって、感情がある。人間それで十分なんだ」

司書コピー「そうなんですか?」

男「……少なくとも俺はそう思う。じゃあいい図書館のある街に出会えることを願って旅を続けようじゃないか」
313 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 00:13:38.67 ID:EcR6C65Jo
司書コピー「いつもいる城下町より大きな図書館がある街ってあるんですか?」

男「うーん……俺はあまり世界に詳しくないからなぁ。まぁどっかにはあるんじゃないか」

司書コピー「適当ですね」

男「ギルドを始めてからはよく言われるようになったよ」

司書コピー「昔は真面目だったんですか?」

男「理由もなく、な」
314 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 00:51:56.35 ID:EcR6C65Jo
本日はここまでです
ありがとうございました
315 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 18:25:23.55 ID:HEeET/PXO
二人で話し込んでいるともう夜になっていて、
真上には月が浮かんでいる


船長「おお、甲板にいたか」

男「船長。もしや……」

船長「ああ、人食い岩が見えてきたぞ」


彼は船の先の方に立つと、一点を指す
そこに人食い岩があるのだ


>>下1……人食い岩とはどんなものか
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/27(水) 18:31:45.88 ID:KKYCXZSEo
剣山のように海から何本も鋭く突き出している岩
317 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 20:36:04.77 ID:EcR6C65Jo
そこはまるで剣山のようだった
釘のように鋭利な岩が海面から大量に突き出している


男「自殺者が出そうな岩だなぁ……」

船長「この岩々の隙間には魔物が住むと言われていましてな。いつも我々はこの付近を航行するとき、みな船内に籠るのだ」

男「……じゃあ船長も入っては?」

船長「はっはっは。みなさんなら倒せると信じておりますからな」


彼がそう言うとギルドの仲間たちも集まってきた


中華「信用しすぎですよ。そんな完璧な集まりじゃないんですから」
318 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 22:21:00.56 ID:EcR6C65Jo
船長「まぁそう言うな。だが、魔物に魅入られてしまった者は船の中にいても忽然と姿を消してしまうのだ」

氷魔「……それが……ここというわけですね……」

船長「そうだ。だからここを航行するときはいつもひやひやするのだよ」


しかし岩の間からはなかなか何も出てこない
それでも警戒し続けるしかない
319 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 22:36:22.66 ID:EcR6C65Jo
本日はここまでです
ありがとうございました
320 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 19:28:03.36 ID:EqGGF/JIo
やる気「居るなら出てこいッ!!」


彼は船から身を乗り出して岩々に叫ぶ
すると、岩から奇妙な音が聞こえてきた


ぶりっ子「……なんですかこの音!?」

怪盗「なにか素早い生き物が岩と岩の間を猿みたいに跳ね回ってます!」


ゴムのように岩の間を移動していたそれは、
ついに船にまで飛びかかってきた


>>下1……人食い岩に潜む魔物の正体
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/28(木) 20:14:50.53 ID:Y5kFa9WPO
322 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 22:20:34.42 ID:EqGGF/JIo
猿「キキーッ!!」


そこから出てきたのは本当に猿だった
船に降り立ったそれを見て、一行は息を飲んだ
やはりただの猿にしか見えないからだ


狙撃少女「……猿?」

船長「どうやらそのようだが……」

男「こんな海上に猿が生息できるわけがない。なにかカラクリがあるぞ」

中華「どうする?こいつ」
323 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 22:25:17.34 ID:EqGGF/JIo
氷魔「……むやみやたらに殺害するのは……気が引けます……」

やる気「確かにそうだな」

男「……仕方ない。航海に支障のないよう、早めに終わらせるしかないか」

船長「どうかしたのか?」

男「錨を降ろしてくれませんか?」

船長「なぜだ?」

男「探索します。この岩の群れの中を」

船長「まさか泳いで行くつもりか!?」


流石の船長も驚きを隠せないようだ
しかし、男にそのつもりはない


男「いえ、水上は歩けます」
324 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 02:32:21.00 ID:8JgbhIGNo
本日はここまでです
ありがとうございました
325 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 19:39:54.12 ID:61jKKfLdO
海神『私の出番だね!?』

男「そうだな。行くぞっ」


男は船から飛び降りて着水する
その体は海に沈むことはなく、
アメンボのように立っている


船長「……理屈は分からんが、とにかく行けそうだな」

やる気「錨を降ろすなら俺も手伝おう」
326 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 22:27:03.51 ID:8JgbhIGNo
男「みんなも降りてくるといい。今なら海神様の力で浮けるぞ!」

ぶりっ子「なんでもありですねぇ……っと!」

怪盗「いよっ!」

狙撃少女「海の上でもちゃんと狙撃できるでしょうか……」


口々に感想や懸念を言いながら、
ギルドの面々は全員海上へと降りてきた
327 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 02:19:32.14 ID:C7yCJDFio
男「なんか……声反響しないか?」


どうやら、人食い岩は普通の岩石ではないようで、
岩石群の中を歩く者の声がそれぞれによく反響する


中華「そうだね……他に猿はいなさそうだけど」

氷魔「……ちなみに……さっきの猿は……船長さんが預かってくれるそうです……」

やる気「船長には助けられっ放しだな」
328 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 03:49:13.22 ID:C7yCJDFio
ぶりっ子「……あっ、見てください、あれ」


彼女が指す先には、人一人が入っていけそうなほどの洞穴の入り口があった
岩の一つがくり貫かれたようになっており
そこから入っていけそうだ


怪盗「なにかありそうですね。お宝とかあるんじゃないですか?」

狙撃少女「屍のほうが沢山ありそうですが……」

男「入ってみれば分かることだ。ただ、警戒は十分にな」
329 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 04:34:02.31 ID:C7yCJDFio
本日はここまでです
ありがとうございました
330 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 19:49:27.66 ID:C7yCJDFio
洞穴の入り口に体をねじ込むと、
地下へと繋がる梯子がそこにはあった


中華「困ったね、こりゃ。完全に航海の予定狂わせちゃうかも」


予定外の冒険の予感に、中華がそう漏らす


氷魔「……そうですね……そのときは……賠償金でも払いましょう……」


一行はゆっくりと梯子を下っていく


>>下1……その先の空間はどうなっていたか
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/30(土) 21:03:16.67 ID:krjWibD80
牢屋の様な鉄格子付き(開錠済み)の空洞が26ヶ所と地底湖みたいな泉が有在った
332 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 03:50:46.88 ID:/ExdaVkRo
本日はここまでです
ありがとうございました
333 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 20:01:16.15 ID:X0pL8F+1O
やる気「……広いっすねー」


そこは大きなトンネルのようになっていて
大量の空洞が空いていてそこには鉄格子がかかっていた


ぶりっ子「牢屋……?」

怪盗「でも、なんにもいないですし、鍵開いてますよー」


手癖の悪い彼女は鍵に類する物を見るやいなやとりあえずいじり始める
334 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 20:05:21.86 ID:X0pL8F+1O
狙撃少女「……この先、開けてるみたいですよ?行ってみませんか」

男「そうだな」


大量の空洞がある空間をまっすぐ歩き
そこに開けた空間へとたどり着いた
それは広大な地底湖であり、非常に透き通っているがあまり降りたくはないと思わせる不気味さがあった


中華「……さて、どうしようか?」
335 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 21:04:07.98 ID:X0pL8F+1O
狙撃少女「んー……誰かいますね」


ライフルのスコープを望遠鏡代わりにしていた彼女がなにかを発見した


氷魔「……水上に……ですか……?」

狙撃少女「そうですね」

やる気「一体どんなやつだ?いかにも魔物らしいなら警戒しなければならないが……」

狙撃少女「>>下1」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/01(日) 21:25:59.61 ID:gupVilJH0
数十センチ程の小人?ですね
337 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 01:02:10.99 ID:yi0nMgPno
狙撃少女「数十センチ程の小人?ですね」

ぶりっ子「小人?」

狙撃少女「えぇ、そりゃ皆さんには見えないはずですよ。スナイパーのレンズを通さなければ見えません」

怪盗「どうしてこんな所に……?」

男「まぁ聞けば分かるだろう。小人なら軽いから水上に浮けるってことなのかな」


そういったことを考えながら身を翻し
空中で前転しながら着水する


中華「戦闘にはなるかもしれないから用心したほうがいいね」
338 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 01:03:30.63 ID:yi0nMgPno
本日はここまでです
ありがとうございました
339 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 19:16:01.71 ID:yi0nMgPno
一行は地底湖に着水した
湖だが、どうにも塩っぽいために海神の力が及んでいるようだ


氷魔「……こっちですね……?」

狙撃少女「はい」


最初は本当にいるのかと思われたが、
近付けばその姿が見えてきた


小人「!!!」

やる気「ん?」

小人「ひぃぃぃーっ!」


そこにいた小人は、一行に気付くや否や水面を疾走し一直線に逃げ始めた
340 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 20:33:17.33 ID:yi0nMgPno
ぶりっ子「敵意はなさそうですねぇ」

怪盗「分析してる場合ですか!?追いかけましょう!」

男「……思ったより速いぞ!?」


小人は滑走するように移動しており
走っても走っても距離は縮まらない


中華「埒があかないね!手分けして包囲しよう!」

氷魔「……そうですね……」
341 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 00:35:07.66 ID:5pr54CEco
しかし湖は非常に広く、数人程度では高速で動き回る小人を包囲することは容易ではなかった


やる気「海神様の力でなんとかなったりしないか?」

男「うーん……どう?」

海神『えっ、無茶振り!?』

男「あぁ、無理かぁ」

海神『いえ、やりますよ!やりますとも!』
342 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 00:50:27.91 ID:5pr54CEco
本日はここまでです
ありがとうございました
343 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 19:09:00.62 ID:5pr54CEco
男「無茶しないでくれよ」

海神『ふんぬぬぬぬ……』


彼女がなにやら唸り始めると、
水面もまたうねり始める


ぶりっ子「んっ?」

海神『そこですねぇーーっ!!』


その叫びとともに小人が走っていた水面が急に渦巻き
渦潮となって小人を捕らえてしまった
344 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 20:51:01.48 ID:5pr54CEco
小人「うわあぁぁぁぁ!!」

男「よし!みんな早く捕まえてくれ!」


そう言う男はと言えば、海神の奇跡を発生させるための魔翌力の支払いが嵩んできたために少々具合が悪そうだ


怪盗「お任せあれっ!」


彼女は右足で渦潮に飛び込みつつ小人を捕らえ
左足で跳ねて離脱する
345 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 20:54:06.65 ID:5pr54CEco
それから一行は捕まえた小人を湖のほとりに運んだ


小人「や……やめて……くれ……」

狙撃少女「待って下さい。私たちはあなたに危害を加えるつもりはありません」

小人「……そうなのか?」

男「あぁ。なぜ逃げたんだ?人間にトラウマでもあるのか?」

小人「>>下1」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/03(火) 20:55:52.68 ID:45YjCwDtO
そうです
347 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 01:03:28.20 ID:8JzQckKVo
小人「そうです」

中華「そりゃ同族が悪いことをしたね」

小人「我々小人族はただこの地底湖で暮らしていただけなんだけど……何十年も前にこの近海で行方不明が多発するってんで濡れ衣を着せられ、乱獲されたんだ」

氷魔「……ひどい話ですね……あの牢獄はそのために……」

小人「もはや小人はほとんどこの地底湖には残っちゃいないけど……なんだってここを訪ねた?」
348 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 01:03:59.40 ID:8JzQckKVo
本日はここまでです
ありがとうございました
349 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 19:47:28.21 ID:8JzQckKVo
やる気「丁度その話だ。この近海で行方不明者が出るというので……その原因を捕まえてやろうと思ってな」

小人「ぼ、僕たちじゃないぞ!?」

ぶりっ子「でしょうねぇ。食べても美味しくなさそうですし」

小人「食べ……!?」

怪盗「あー気にしないで下さい。こっちの話ですから!それで、なんか知りません?この辺に変なやつとか……」

小人「>>下1」
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/04(水) 20:02:50.68 ID:aVrbbrY1o
そういえばどこからともなく歌が聞こえてくる時があるんだ
351 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 20:42:13.91 ID:8JzQckKVo
小人「そういえばどこからともなく歌が聞こえてくる時があるんだ」

狙撃少女「歌?」

小人「うん」

男「具体的にどの辺か分かるとありがたいんだが……」

小人「多分、檻のほうだと思うよ……僕たちは檻には近付かないようにしてるから、どの檻かは分からないけど」

男「そうか、感謝する」
352 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/05(木) 00:37:28.20 ID:3ccNCUk+o
一行は湖のある地帯から戻って、
いくつも並んでいる鉄格子を確かめることにした


中華「出入りが多いやつが見分けられればいけそうだけど……」

氷魔「……そんな洞察力は……ないですね……」

やる気「状況や小人の話から考えるならば、いずれかの檻が知らない道へと続いているということだろう」

ぶりっ子「とりあえず一旦全ての檻を見て回りましょう」
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