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【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索 Part 2【百合】
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152 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/12(月) 21:29:31.39 ID:KZzGwePC0
部室も賑やかになってきました。試しに実績一覧を作ってみたのでご参考にどうぞ
☆実績一覧☆
・剣ルルが入っていた箱
・プチドラゴンのぬいぐるみ
・精霊樹の実の種
・海洋深層エーテル結晶
・草テニス大会のトロフィー(金メッキ)
・消火活動の感謝状
・学内闘技大会ソロ部門優勝トロフィー
・学内闘技大会ソロ部門準優勝トロフィー
・学内闘技大会デュエット部門優勝トロフィー
・携行魔導レーザー(未使用)
・ルアン工房の
・アクリルアイス入りガラス細工
・海竜撃退の感謝状
・プラチナのメダル
153 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/12(月) 21:30:09.42 ID:KZzGwePC0
―12月1週 某日
校庭
体育教師「というわけで今日は魔法体術の授業だ」
生徒B「まほーたいじゅつ?」
体育教師「魔法を組み合わせた体術のことだ」
生徒A「まんまだね!」
体育教師「おう。つっても属性が違えば最適な動きもまるっきり変わってくるだろ? だからここで教えんのは普通の体術だな」
生徒B「じゃあ体術の授業じゃん!」
体育教師「教えるのは体術だが、お前たちには自分の体に魔力を通した状態で動いてもらう!」
生徒A「シンプル!」
体育教師「そういうことだ。とりあえずまずは足さばきから――」
◇
サーナ「フッ、ハッ、イヤーッ!」バヒュンッ
ルウェリア「うわっ!」コテッ
サーナ「ふふん、どうですの? わたくしの突風正拳突きは!」
ルウェリア「す、すごい風だったけど……」
ノルン「風で相手を飛ばすのが目的なら拳を突き出す意味はないし、拳で殴るのが目的なら風で飛ばしたら殴れないよ……」
サーナ「うぐぐぐ! 難しいですわね、魔法体術……!」
ノルン「リアンちゃんはどう……? やれそう……?」
↓1 リアンの体術
01-30 力任せ
31-60 割とやる
61-90 かなりやる
91-00 ウォーターキグルミカラテ
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 21:31:02.87 ID:c0rt0ccu0
あ
155 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/12(月) 21:48:49.33 ID:KZzGwePC0
リアン(水きぐるみ)「――」ブンッ シュッ バシュンッ
体育教師「う、うおおお!」ガッ バシッ ドガガガガッ
リアン「――」ガッ ブオンッ
バシャアン――…
体育教師(濡れ透け)「降参だ……」ビショビショ
リアン「ふう……。ありがとうございました……!」ペコ
ノルン「わあ……!」
ルウェリア「流石……!」
サーナ「やりますわね……!」
リアン「あ、あはは……まあ、水を纏って戦うのは昔からやってたから、魔法を使いながら体を動かすのは苦手じゃないのかも……」
ルウェリア「本当に頼りになるよ。攻防一体の水キグルミ……!」
サーナ「優勝者の実力は伊達ではないってことですわね……!」
ノルン「私も負けてられない……!」ヴン
サーナ「ようし、わたくしも……!」ヒュルンッ
ルウェリア「私だって……!」キンッ
◆
156 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/12(月) 22:14:57.35 ID:KZzGwePC0
―12月1週 週末
大学部 研修棟
リアン(週末、私たちは大学部の研修棟に泊まり込みで勉強会をすることになった)
リアン(期末試験の時は近い……。前回のような醜態を晒さないよう、頑張らないと)
リアン(ちなみにここは大学部の研修棟。学院生であれば格安で宿泊できるということをシャーロット准教授が教えてくれたのだ)
リアン(先週修学旅行を終えたばかりだけれど、またみんなと一緒に昼夜を共にできるのは楽しい)
リアン(……まあ、今回の目的は勉強だけど)
サーナ「シャワーに浴場にキッチンも完備……! こんなに優れた宿泊施設が大学部にあったんですのね……!」
ルウェリア「建物自体も新しめだからか綺麗だよね。内装も程良く無機質で勉強に集中できそうだし」
ノルン「准教授に感謝しなきゃね。部室もいろいろ揃ってはいるけれど、ベッドとかはないし」
アリム「じゃあ始めましょう。国語以外ならわたしに聞いてくれても良いわよ」
リエム「みなさま、がんばってくださいませ。ご飯はわたしが用意いたします」
リアン「よし、頑張ろう……!」
↓1 テスト勉強成果
01-60 次回テスト対策+++
61-90 次回テスト対策++++
91-00 次回テスト対策++++++
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 22:19:48.49 ID:dscKFcLxO
ほい
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 22:23:25.83 ID:FUIlg6GVo
やはり武闘派リアンちゃん
159 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/12(月) 22:39:16.77 ID:KZzGwePC0
―夜
リエム「夜分遅くまでおつかれさまです。ミルクココアをお淹れいたしましたので、よろしければお飲みくださいませ」スッ
リアン「わあ……! ありがとう、リエムちゃん……!」
サーナ「このタイミングで甘く温かいミルクココアは助かりますわ……!」
ルウェリア「体は温まるし、糖分も補給できる……本当にありがとう、リエムちゃん」
ノルン「流石だなあ……。ふふ、ありがとねリエムちゃん」
アリム「ふっ、わたしの妹分だもの。気が利くのは当然よ」
リエム「おねえさんはわたしです。アリムは妹、あるいはおばあちゃんです」
リアン(こうして夜が更けるまで、私たちは勉強を頑張った)
リアン(その後みんなでお風呂に入ったり、またパジャマパーティみたいな感じになったり……)
リアン(とにかく、楽しい合宿ができました)
リアン(成果はまあ、ぼちぼちかな?)
☆次回テスト対策が進みました
160 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/12(月) 23:02:36.71 ID:KZzGwePC0
―12月2週
どこかの遺跡 モニタールーム
モニター『ジングルベールジングルベール』
魔鍵「…………」
ルウェイン「世間ではそろそろ聖夜のシーズンみたい」
魔鍵「聖夜……この時代における行事でしたか」
ルウェイン「うん。親しい人に、感謝の気持ちを込めて贈り物する日なの」
魔鍵「ふうん……それでこのお祭り騒ぎというわけですか」
ルウェイン「うふふ、私も魔鍵ちゃんに――」
モニター『』プツン
魔鍵「下らない」
ルウェイン「あっ……」
魔鍵「忌々しい人間共……。死ぬまで馴れ合っていろ」
ルウェイン「魔鍵ちゃん……」
魔鍵「休憩は終わりです。仕事に戻りますよ、ルウェイン」
ルウェイン「うん……」
―次の遺跡発見率[241/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉
☆現在の目標☆
・ルウェインを救出する
・魔鍵を追う
・エピカを止める
12月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります なお本日はここまで
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 23:04:09.26 ID:RqN+UGn+0
ヒーティ、リアンに特訓を頼む
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 23:05:50.83 ID:EeZiFelH0
聖鍵二人の姉妹対決が勃発
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 23:06:01.98 ID:dscKFcLxO
アリム、生徒会長の好みにドストライクする
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 23:12:36.36 ID:z+MkQgPMo
イエリア様引きこもってるみたいだけどこれ
>>162
通るか……?
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 23:17:50.54 ID:eWxolrGVO
>>1
が特に何も言わなければ大丈夫なんじゃない?
イエリアもこの状況はもう長く続かないだろうと言ってたし、魔鍵側も世界滅ぼすの目的ならイエリア捜索くらいはするだろうし
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 23:52:08.29 ID:FUIlg6GVo
おつです
クリスマスはあるのかよっしゃ
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/12(月) 23:59:01.80 ID:pZ8/kvdo0
おつ
168 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/13(火) 20:09:53.26 ID:8xk/u4gO0
少し前であれば
>>162
の安価は無効となっていましたが、現在はいろいろ状況が変わってきているので有効になりました。聖夜ともどもお楽しみに
169 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/13(火) 20:10:21.33 ID:8xk/u4gO0
―12月2週 某日 放課後
ユリトー南海岸 岩場
メラメラ ボッ
ヒーティ「てやァッ」ゴウッ
流木「」ゴオオオッ
炭「」プスプス
ヒーティ「はあ、はあ……」
ヒーティ(以前よりも強くなってる。私の火力)
ヒーティ(でも、まだまだだ。先輩方の横に並ぶには、まだ足りない……)
ヒーティ(島を守る。先輩も守る。スイスちゃんたち人造種も守る。身の程をわきまえろって感じだけど、それでも私は全部守りたい)
ヒーティ(その為に、もっともっと強くならなきゃ……!)
ヒーティ「ようし、次! ファイアッ!!」ゴウッ
リアン「何してるの、ヒーティちゃ――」ヌッ
ヒーティ「り、リアン先輩!? 避け――」
リアン「!? バブルバリア!」ボワン
ボシュウゥ――…
リアン「ひ、ひええ〜。ヒヤッとしたよお〜」ヘナヘナ
ヒーティ「りり、リアン先輩……! すみません! 怪我はないですか!!?」トタタッ
リアン「う、うん。水は火に強いから、全然平気だよ」
ヒーティ「よ、良かった……」ヘナヘナ
ヒーティ(……本当に、良かった。また自分のせいで誰かが傷付いたらと思うと……)
ヒーティ(うう……。火力は上がっても、周りが見えてなきゃただの危ない人だ……)
ヒーティ(昔から火力ばかり高くて細かい操作は苦手だったけど、このままじゃまたいつか誰かを焼いてしまう……)
リアン「ヒーティちゃん、一人で魔法の練習してたの?」
ヒーティ「あっ……は、はい……」
リアン「凄いなあ……! 努力家なんだねえ」
ヒーティ「そ、そんなんじゃ、ないです……」
リアン「ね、見学しても良い? ヒーティちゃんの魔法、あんまりしっかり見たことなくて」
ヒーティ「あっ……そ、それなら……!」
ヒーティ(リアン先輩なら、思いっきり私の火をぶつけても大丈夫だ。それなら――)
ヒーティ「特訓、手伝ってくださいッ!!」
リアン「へっ!?」
◆
↓ 特訓の成果
01-80 長所を伸ばした(ヒーティパッシブスキル獲得)
81-00 長所をさらに伸ばした(ヒーティ強パッシブスキル獲得)
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/13(火) 20:11:13.71 ID:rts4jKqE0
はあっ
171 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/13(火) 20:25:51.38 ID:8xk/u4gO0
リアン「精密な操作は苦手なんだねえ……」
ヒーティ「はい……。誤って誰かを傷付けないか心配で……」
リアン「それなら大丈夫だよ! 私の水魔法でみんなを守るから、ヒーティちゃんは安心して火力を伸ばそう!」
ヒーティ「え、ええ!? でも……」
リアン「無理に弱点を克服しようとするより、強みをさらに伸ばした方が良いって何かの漫画で読んだことあるもん!」
ヒーティ「ま、漫画ですか……。でも、わかりましたッ!」
ボッ ゴウッ ゴオオオッ
◆
ヒーティ「はあ、はあ……。や、やっぱり全力でやると操作が本当に危ういです……」
リアン「でも凄い火力だった……! 私の水も蒸発させられちゃいそうでヒヤヒヤしたよお〜」
ヒーティ「え、えへへ……自分、強くなれましたか……?」
リアン「うん! この調子でがんばっていこう!」
☆ヒーティがパッシブスキル〈暴れ火〉(コンマ5%不利、与ダメージ+2)を獲得しました
◆
172 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/13(火) 20:50:18.82 ID:8xk/u4gO0
―12月2週 某日
生徒会室
生徒会長「……ところで、先日遺跡部を招集した時のことなんですが……」
生徒会員改め副会長「何か気になることでも?」
生徒会長「いえ、気になるというか……。遺跡部の二年生を呼んだつもりだったのですが、一人来なかった子がいましたよね」
副会長「ああ。あの赤い瞳の子だね。幼げで可憐な容姿を持ちつつも、纏う空気は氷の如し。一部の生徒たちから密かに人気のある謎の転入生、アリムちゃん――」
生徒会長「ええ、そうです。聞けば出席は最低限で、授業に出るよりも部室に入り浸っている時間の方が長いという噂もあります」
副会長「フフ、とんだ不良さんだ。それで会長さんは、アリムちゃんのことが気になる――と?」
生徒会長「気にならないと言えば嘘になるでしょう。ただでさえ話題注目の遺跡部在籍ですし、何より――」
↓ アリムちゃのどこがどストライクだったのでしょう
01-10 ??
11-40 容姿
41-70 性格
71-90 全体
91-00 ??
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/13(火) 20:54:03.66 ID:0t1JYDu0O
えい
174 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/13(火) 22:20:08.47 ID:8xk/u4gO0
生徒会長「――心の在り方が、とても好ましいのです」
副会長「心の在り方、と? わかるように説明してもらっても?」
生徒会長「ええ。私なりの考察ではありますが、お聞きください」
―
――
―――
私の見ていた限り、ここに転入してきた当初のアリムちゃんは今よりも更に刺々しく冷たい意志を宿していたように感じられました。
誰も信じない、信じられない――そんな目をしていたように思えます。その赤い瞳は、周囲全てに対する怒りと憎しみに燃えているようで――
しかしその本当の奥底には、とても深い、かなしみが――静かに横たわっていました。
生徒会長なりに彼女の苦しみをすくい取ってあげられたら、などと思いつつ――行動に移すことはできませんでした。
きっと、生まれも育ちも恵まれた私などの言葉が、本当のかなしみを知る彼女に届くことはないのだろうと思ってしまったのです。
そっとしておく思いやり。それもきっと間違いではないのでしょう。
しかしそれでは、だめな人もいるのです。どうしようもない深みに嵌り、自力では自分をすくい取れなくなった人が――。
でもアリムちゃんは、今は割と楽しそうじゃあないか。
そうなのです。アリムちゃんをすくい取ってあげた人が、いたのです。
リアンさんのことだね。
その通り。リアンさんは不器用ながらも、必死にアリムさんに接し続け、ついにその心に触れられる距離まで手を届かせました。
そしてここからが本題です。いくらリアンさんの温もりに触れたからと言って、アリムちゃんはすぐにかなしみを克服できたわけではありません。
そもそも、かなしみは克服できるものではありません。どれほどの歓喜、享楽に包まれようとも、かなしみは消えないのです。
アリムちゃんももちろん、そのことは承知しているのでしょう。依然として、彼女の瞳の奥には底しれないかなしみが見え隠れしています。
しかしそれでも。それでも。それでもと。アリムちゃんは、かつてかなしみに屈した身でありながらも、今一度かなしみに抗う道を選んだのです。
それがどれほどの苦難か。私には想像も及びませんが――。
私はこの学院の生徒会長として。いえ、一人の人間として――彼女のひたむきな意志を、応援したいのです。
―――
――
―
副会長「なるほど……君がアリムちゃんにゾッコンだってことはよくわかったよ」
生徒会長「……すみません。夢中で喋ってしまいました」
副会長「良いとも。私も応援するよ。遺跡部と、アリムちゃんと、彼らを応援する君のことを、ね」
生徒会長「ありがとう……」
副会長「共に見守っていこう。彼らの行く末を―――……」
◆
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/13(火) 22:33:49.06 ID:NMZU5PDFo
会長めっっちゃ推すやん
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/13(火) 22:45:35.37 ID:xS6Nr7NCO
聖鍵対決どうなるどうなる……
177 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 00:45:58.88 ID:8cyb2Tnw0
―12月2週 某日
庭園 寝室
イエリア「……」ピコピコ
ドシュッ
モニター『あなたは しにました』
イエリア「…………」
フィー「……イエリア様って下手ですよね。ゲーム」
イエリア「うるさい。飽きた、このゲーム」ポイッ
フィー「こら、コントローラを投げない」パシッ
イエリア「別のゲーム持ってきてよ。もっと面白いやつ」
フィー「仕方ないですね。倉庫から――」
フォウン…
フィー「……イエリア様。私から離れずに」スッ
イエリア「……誰か、来たんだ」
フィー「ええ。招かれざる者が」
◇
―庭園
ルウェイン「樹海の奥に、こんな場所が……!」
魔鍵「あなたの熱心な捜索のお陰ですよ。帰ったら褒美を与えます」
ルウェイン「え、本当!? えへ、魔鍵ちゃんからのご褒美かあ……」
魔鍵「さて……。感じますね……聖鍵の波長を……」
ルウェイン「……! 下がって、魔鍵ちゃん!」ザッ
フィー「………お前たちは……」スタスタ
イエリア「……」ヒョコ
魔鍵「……ルウェイン、大丈夫です」スッ
ルウェイン「えっ……?」
魔鍵「……久しぶりですね、聖鍵イエリア。それと、インテリジェンスソード純粋種」スタスタ
178 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 00:49:54.94 ID:8cyb2Tnw0
イエリア「……何しに来たの?」
魔鍵「単刀直入に言います。大神殿を開く為の贄となりなさい」
フィー「……」シャキン
ルウェイン「!」ザッ
イエリア「フィー、納めて」
フィー「……」スッ
イエリア「……一応、話くらいは聞くけど……どうして大神殿を開きたいの?」
魔鍵「ストロードールと同じですよ。この世界を壊したくなった。それだけです」
イエリア「……どうして? あなたは、曲がりなりにもこの島の管理者として今までやってきたんだよね? あの時も、終わりかけてたこの島で、人造種を一挙に統制して滅びに抗ったんでしょ?」
魔鍵「ただの虚しい生存欲と支配欲です。そんなのにこだわっていたなんて、今思うと本当に下らない日々でした」
イエリア「…………死にたくなったってこと?」
魔鍵「少なくとも生きる理由はないですね」
ルウェイン「ねえ、私は魔鍵ちゃんの生きる理由にならないかな?」
魔鍵「なりません」
ルウェイン「」ピシッ
フィー「……あなたの八つ当たり地味た自爆テロに、イエリア様まで巻き込むのはやめて欲しいんだけど」
魔鍵「イエリアを巻き込まないと自爆テロできないので。私が聖鍵として欠陥品だってことくらい知ってるでしょう?」
ルウェイン「魔鍵ちゃんは欠陥品なんかじゃないよ! 誰がそんなこと言ったの!?」
魔鍵「……ルウェイン。今は少し黙っていてもらえますか」
ルウェイン「……ご、ごめんね」スンッ
フィー「そもそも、世界を滅ぼすに値する理由があるの?」
魔鍵「逆に聞きたいのですが、この世界を存続させるに足る理由こそあるのですか?」
フィー「……生きたいと願う人たちがいる。それじゃあ不足?」
魔鍵「その下らぬ生存欲で他者を踏み躙る下劣な原生生物共など、それこそ生きるに値しない」
フィー「……平行線だね。見えている世界が違う」
魔鍵「穢れなき祈りから生まれた純粋種などにわかってもらおうとは思いません。しかし邪魔をするなら――」
イエリア「待って! あなたの思いはわかった。私もこの世界に対して思うところはあるから、全く理解できないわけじゃない」
イエリア「……正直に言うと、私もこの世界を存続させるに値する理由なんてわからないよ。終わらせるべき理由ならいくらでも思い付くけど」
フィー「い、イエリア様……」
イエリア「あっ……フィーには生きていて欲しいから、それは数少ないこの世界を存続させたい理由だけど……」
フィー「イエリア様……!」
ルウェイン「私も魔鍵ちゃんには生きていて欲しいよ! だから、どっちかと言うと世界を存続させたい派かな?」
魔鍵「ああもう……。それで、イエリアはどちらかと言うと世界を終わらせたいってことで良いのですか? それなら先程も言った通り、大神殿を開く為の贄になって欲しいのですが」
イエリア「…………それはそれで嫌」
魔鍵「……は?」
179 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 00:55:54.05 ID:8cyb2Tnw0
イエリア「だってそれじゃあ、私は世界が綺麗に終わる瞬間を見れない。そんなの、面白くないもの」
魔鍵「…………いや、でもあなたが犠牲になってくれないと終わらせられないのですが」
イエリア「……あなたが犠牲になれば?」
魔鍵「は? だから私は欠陥品で――」
イエリア「試してみたの?」
魔鍵「い、いや……もし成功したら死ぬでしょうが!!」
イエリア「でも成功すれば開くよね?」
魔鍵「そ、それはそうですが……」タジタジ
イエリア「じゃあ、こうしよ。今から私たち二人で真剣勝負して、負けた方が犠牲になるってことで」
フィー「イエリア様!?」
イエリア「ごめんね、フィー……。私たち聖鍵は……やっぱり、どうしてもこの世界を好きになり切れない種なの……」
フィー「…………」
魔鍵「……ククク……アッハハハハ! 良いでしょう! 一度あなたのことは思いっきりぶん殴ってやりたいと思っていたのです!!」
イエリア「……やっぱり、恨んでたの? 私のこと……」
魔鍵「いいえ。あなたを恨むのが筋違いだということくらい理解できてますよ。ただそれはそれとして、同じ生まれなのに大切に扱われているあなたが羨ましくて、妬ましくて、憎らしく思っていた時期があったのも事実です。もう風化した感情だと思っていましたが……ククク、今あなたを殴れると思った途端、久しぶりに湧き出てきましたよ……!!」
イエリア「そ、そうなんだ……。いやそれ恨んでるって言っても良いんじゃ……」
魔鍵「ふふん、こんなところにずっといた引きこもりなんかには負けません。ボコボコに殴って裸にひん剥いて土下座させてやる……!!」
イエリア「うへえ……」
ルウェイン「……くす。魔鍵ちゃん、楽しそう……」
◇
180 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 00:56:28.18 ID:8cyb2Tnw0
本日はここまで
次回、聖鍵対決です。対決の方法や判定はこれから考えます。お楽しみに
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 01:21:46.12 ID:p+OjSgsTo
おっつ
魔鍵様がイキイキしていらっしゃるw
そしてフラグをこれでもかと建てていくぅ!
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 13:04:22.20 ID:niut2rWQO
1年で締めた方が綺麗に終われそうだなこれ
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 13:37:57.34 ID:4UosJDCKo
変に引き伸ばしてグダるよりはきっちりシメた方が俺も好きかな
それはそれとしてこういう世界観好きだからまだまだ見たい気持ちはある
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 18:26:34.87 ID:cO48RaiL0
1年でとりあえずメインストーリー終わりにして後はいつやめてもいい状態にするのが良さそう
185 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 20:03:29.72 ID:8cyb2Tnw0
少し前にも書き込んだ通り、現在のシナリオは作中時間で3月までに決着する予定です(もっと早いかも)。そこを無理に引き伸ばしたりするつもりはありません
その後も続けるかどうかは、
>>1
の環境やモチベーションによるか、あるいは多数決などで決めることになるかと思います
186 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 20:04:44.65 ID:8cyb2Tnw0
フィー「……それで、真剣勝負とは具体的にどのようなことをするつもりなのですか?」
イエリア「ええっと……それは……」
魔鍵「何でも良いですよ。先程は殴ってやると言いましたが、それは物理でも魔法でも精神でも手段にはこだわりません。殴り合いでも魔法試合でも人造種の支配合戦でも、イエリアが好きに選びなさい。何が来ても万年引きこもりなどには負ける気がしませんからね」
イエリア「じゃあ、家庭用ゲームで……」
魔鍵「…………は?」
↓1 勝者
奇数 イエリア
偶数 魔鍵
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 20:05:08.63 ID:D4aZpQCD0
ぬ
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 20:41:52.77 ID:p+OjSgsTo
流れ美し過ぎる…!
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 20:43:45.29 ID:cO48RaiL0
フィーが一番びっくりしてそう
190 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 21:33:13.66 ID:8cyb2Tnw0
ピコピコ ベシッ バシッ バギャッ K.O.
魔鍵「あああああああ!!!!!」ジタバタ
ルウェイン「魔鍵ちゃん……!」
フィー「ええ……? イエリア様より弱いなんて……」
イエリア「はい、私の勝ち……。裸になって土下座、する……?」
魔鍵「あ……う、うぅ……!」
ルウェイン「やめて! 裸になって土下座なら、私が……!」バッ
魔鍵「! やめなさい、ルウェイン!」フォンフォン―
ルウェイン「あ――はい、魔鍵ちゃん……」スッ
魔鍵「大体、ズルじゃないですか!! 私が一度もやったことのないゲームを持ち出すなんて!!」
イエリア「選んで良いって言ったのはそっちだし……」
魔鍵「むむぅ……!」
イエリア「不服なら……もう一回やる?」
魔鍵「やる……。情けをかけたこと、後悔させてやる……!!」
◆
魔鍵「」
イエリア「はい、私の勝ち……。これで百連勝、かな? ゲーム下手だね」
魔鍵「」
イエリア「裸土下座はしなくて良いけど……」
魔鍵「……」ポロポロ
イエリア「えっ……あ、あ、えと……!」アタフタ
魔鍵「やっぱり……私は、試作の欠陥品だったんですね……。イエリアに、ただの一度も、勝てない……」ポロポロ
イエリア「あ……」
ルウェイン「……っ」
魔鍵「…………約束、してください。必ず、世界を滅ぼすと……」
イエリア「……うん。あなたの命を貰うんだもの。約束、絶対に守るよ」
魔鍵「……ふふ。それなら……良い、です……」
魔鍵「お願いします……私の、妹…………」
イエリア「……!」
魔鍵「スゥ、スゥ……」
191 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 21:34:04.96 ID:8cyb2Tnw0
イエリア「……寝ちゃった。可愛い寝顔……」
ルウェイン「魔鍵ちゃんは……活動可能時間が、あまり長くないから……」
イエリア「…………」
ルウェイン「……ねえ。イエリア、さん? どうしても、魔鍵ちゃんを犠牲にしなきゃ、だめなの……?」
イエリア「……うん。ごめんなさい。それが、私と、彼女の…………お姉ちゃんの、望みだから……。お姉ちゃんのことを想うなら、止めないでほしい」
ルウェイン「…………嫌だよ。どうしてもそうするしかないなら……刺し違えてでも、ここであなたを討つ――」スッ
イエリア「……ごめんなさい」フォンフォン―
ルウェイン「あ――――」フラッ
イエリア「……? あれ、あなた……お姉ちゃんに何かされたんだ。うーん……でも……」
イエリア「……勝手にいじったらダメだよね。とりあえず今は、お姉ちゃんと一緒に寝ててね」フォンフォン
ルウェイン「魔鍵、ちゃん……」カクン
イエリア「…………。本当、嫌な力……」
192 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 21:36:13.13 ID:8cyb2Tnw0
フィー「イエリア様」ヌッ
イエリア「わっ! フィー! どこ行ってたの?」
フィー「……私は、ここでお暇させていただきます」
イエリア「え……?」
フィー「元より、私の目的は滅亡を防ぐこと。あなたが滅亡を企てる側に回った以上、共にはいられません」
イエリア「あ……そう、だよね。その為に、私をここに隠したんだもんね……」
フィー「…………」
イエリア「……あ、あれ? てことは、今私って……絶体絶命……?」
フィー「そうですね。今ここであなたの首を刎ねれば、それだけでその目的が達成できます」
イエリア「…………でも、そうしないんだよね。フィーは」
フィー「ふふっ……世界を守る。あなたも守る。今の目的は、その両方ですから」
イエリア「じゃあどうするの? また私を攫って、どこかに隠しちゃう?」
フィー「いいえ。それでは、同じことの繰り返しですから――」
フィー「今度は、私と真剣勝負をしてもらいますよ」
イエリア「えっ……?」
フィー「大規模な地形変動によって、大神殿の場所もわからなっています。あなたたちが先に大神殿を見つけて、滅びの願いを叶えればあなたたちの勝ち。私が先に大神殿を見つけて、あなたたちを待ち伏せて捕らえれば私の勝ち。どうです? シンプルでしょう」
イエリア「……そうだね。シンプル」
フィー「私はお姉さんのようにはいきませんよ。今回は手加減なしでいきますので」
イエリア「望むところ……。ゲームで負け続けた恨み、晴らしてやる……!」
フィー「ふふ、また負かして差し上げます。それでは、大神殿で逢いましょう――」シュタッ
*フィーがイエリアのもとを離れました
*魔鍵とルウェインがイエリアと行動を共にするようになりました
◆
193 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 21:38:26.34 ID:8cyb2Tnw0
―12月3週
部室
コンコン
リアン「誰だろ? 部員ならわざわざノックなんてしないし」
アリム「んん……? この気配……人造種ではないけれど、人でもないし……どこかで……」
ルウェリア「とりあえず開けてみようか」
ガラッ
フィー「どうも。あなたたちが遺跡探索部?」
リアン「え……!?」
アリム「あ、あんたは……!!」
ルウェリア「え、リアンちゃんとアリムちゃんの知り合い……?」
リアン「ま、前に魔導機械工場で……」
フィー「ああ、私の情報を元に造られた人造種のことかな……。その節は、迷惑をかけたようで……」
アリム「やっぱりあれは本人じゃなかったのね……! でもあんたが本人なら、どうしてここに……!?」
フィー「状況が変わったんだ。君たちのことを見込んで、頼みがある」
フィー「世界を守る為に、大神殿の捜索を手伝って欲しい」
―次の遺跡発見率[448/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)〈暴れ火〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉
☆現在の目標☆
・ルウェインを救出する
・魔鍵を追う
・エピカを止める
・大神殿を見つける
12月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 21:38:53.76 ID:TTo42bh+0
リアンとノルン、体育倉庫に閉じ込められる
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 21:39:52.21 ID:i32ZhbEDO
遺跡部、漫画研究会の題材にされる
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 21:44:19.76 ID:kZZRf7kp0
フィーから詳しく話を聞く(途中で目新しいお菓子に興味惹かれつつ)
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/14(水) 21:46:27.93 ID:TTo42bh+0
>>193
失礼、今週は12月3週では?
198 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 23:26:11.83 ID:8cyb2Tnw0
コピペしたのがそのままでした。脳内で12月3週に変換しておいてください
199 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 23:26:41.72 ID:8cyb2Tnw0
―12月3週
部室
リアン(私たちは緊急ミーティングを行うことにした)
リアン(議題はもちろん、突如部室を訪れたインテリジェンスソード、フィーさんの話を聞くためだ)
フィー「……突然の訪問の上、このように時間まで取らせてしまい、誠に申し訳ない。旧ユリトー文明の古代遺跡攻略に定評のある君たちに、どうか協力していただきたいことがある」ペコ
アリム「前置きは良いわ。わたし以外はあなたの事情も知らないの。そういうところからわかるように説明してもらって良いかしら?」
フィー「わかった。なるべく簡潔に説明しよう――」
説明中…
フィー「……というわけで、私と一緒に隠れ住んでいた聖鍵のイエリア様が、彼女の姉君……同じく聖鍵である魔鍵と共に、世界の滅びを目論んで行動し始めてしまったんだ。私は彼女たちを止めてそれを阻止したい。そこで遺跡探索のスペシャリストだという君たちに協力を仰ぎに来たというわけだ」
シャーロット「…………」ウズウズ
エンシァン「シャーロット、気持ちはわかるが抑えろ。はしゃいで良い場面じゃない」
シャーロット「わ、わかってるわよお……」
ヒーティ「で、でも世界の滅びだなんて……! どうしてその人たちは、そんなことを……!?」
シャーロット「そうですわよ! 世界が滅んでしまったら、自分たちの命だって終わってしまうんですのよ!?」
フィー「……魔鍵は、この世界に強い憎しみを抱いているようだった。魔鍵ほどではないが、イエリア様もこの世界を厭っている。世界を壊しても良いと思う程度には……」
リアン「…………」
ルル「…………」
アリム「…………チッ。魔鍵のやつ……」
フィー「しかし付け入る隙はある。魔鍵には一人の人造種が付き従っていたのだが、彼女は世界が滅びることも魔鍵が犠牲になることも望んでいないようだった」
ルウェリア「……それはひょっとして、私と同じような水色の髪をした、小柄な女性ではありませんでしたか……?」
フィー「確かにその通りだけど……まさか……!」
ルウェリア「……私の姉です。やはり……魔鍵と一緒に……」
フィー「……それなら、私もその女性の救出に協力しよう」
ルウェリア「! ありがとうございます……! 私も、大神殿探しに協力します……!!」
シャーロット「……私もよ。大神殿探し、是非とも協力させて」
ワイワイ ワタクシモデスワ! ジブンモッ! ワタシモ…! ルルモ
ガラッ
ノルン「皆さん、ミーティングお疲れ様です。スイートポテトを焼いたので、良かったらどうぞ」スッ
リエム「温かい飲み物も用意してありますので、スイートポテトとご一緒にお飲みくださいませ」スッ
ワイワイ アリガトウフタリトモ! ウマイデスワ! ルルモタベル! ワルクナイワネ
フィー「…………」
ノルン「フィーさんも、長時間のお話お疲れ様です。おかわりもありますので、遠慮せず食べてくださいね」
フィー「え、あ……で、では……」スッ
フィー「……」パクッ モグモグ
フィー(あ、甘い……! これは……美味しい……!!)
フィー(こんなに美味しいものが食べられる世界なら……イエリア様と一緒に外に出れば良かったかもしれない。そうすればイエリア様だって、この世界のことを……)
フィー(……今更後悔しても仕方ないか)
フィー(でも。無事にあなたを止めることができたら、今度は一緒に食べましょう。イエリア様……)
◆
200 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/14(水) 23:29:02.71 ID:8cyb2Tnw0
本日はここまで
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/15(木) 00:23:48.95 ID:BelVsy9Lo
おつおつー
魔鍵様コンマ神にも愛されてるなぁ!
そしてクリスマス前に移籍探索ゲージもたまっていよいよ物語も佳境に……
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/15(木) 10:14:46.32 ID:wN6GarWe0
おつ
>>199
サーナちゃんらしき台詞がシャーロットになってません?
203 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 00:12:06.60 ID:FvH71UB80
誤字です。脳内修正しておいてください
204 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 00:12:39.20 ID:FvH71UB80
―12月3週 某日
漫研部 部室
漫研部員「ヤバイヤバイ……! 冬の即売会受かってたのに原稿は未だに真っ白……!! 入稿はどう足掻いても間に合わないからコピ本でなんとかするとして……」
漫研部員「しかし何も思い付かない……!!!! こんな時にスランプとか最悪すぎるぞ私……!!!」
漫研部員「こうなればヤケだ……ボサボサ白髪白衣教師と謎の金髪爆乳エルフの濃厚粘膜接触本でも書くしか……!!」
漫研部員「ハッ……そうか! ボサボサ白髪白衣教師と金髪爆乳エルフと言えば、遺跡部……!!」
漫研部員「……実名とか出さなければ題材にしちゃっても良いよね?」
◆
―劇中
緑髪の主人公「やめて! 私たちが戦う意味なんて……!!」
赤い瞳の敵「うるさい……!! いつもそうやって、私たち遺跡妖精の心に入り込もうとして……!! 目障りなのよ、お前は!!!」ギュオオオ!!!
水色髪の仲間「主人公ちゃん!!」
カッ!!!!
金髪の仲間「間一髪……! 間に合った……!!」ズザザッ
青髪の仲間「わたくしたちも来ましたわ!!」ビュオッ
緑髪の主人公「み、みんな……!!」
赤い瞳の敵「どいつもこいつも、盗掘者の分際で………!!! わたしたちの墓を、荒らすなァアア!!!!」ギュオオオオッ!!!
◆
漫研部員「完成した……これは、会心の出来だ……!!!」
漫研部員「……遺跡探索の部分なんて全然知らないから脚色しまくっちゃったけど、むしろオリジナリティが出て良しということにしよう!!」
漫研部員「事後報告になっちゃうけど、一応遺跡部の許可は取っておこう」ガタ
◇
205 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 00:13:06.94 ID:FvH71UB80
―遺跡部 部室
漫研部員「というわけでこんな感じの漫画を描いちゃったんですけど……これ、冬の即売会に出しても良いですかね……?」
ルウェリア「こ、これは……」
ノルン「な、なんというか……」
サーナ「……ど、どうやって知り得たんですの!?」
漫研部員「へ? 知り得たって……あなた方遺跡探索部の方々を参考にしてキャラクターを描いただけですけど……。あ、シナリオはもちろんオリジナルなので! プライベートとかは覗いてないんで安心してください!」
リアン「そ、そうなんですか……」
アリム「…………ねえ、なんでわたしっぽいキャラが敵側なの?」
漫研部員「それはその、アリムさんは遺跡部二年生の中で唯一別クラスで、しかも転入生なので、ちょっと変化球にしてみようかと……。でも構想では続編で仲間になる予定なんですよ」
アリム「…………」
リアン(アリムちゃん、ものすごく微妙な顔してる……)
アリム「まあ、別に良いんじゃないの。わたしたちに繋がる情報が読み取れるってわけでもなさそうだし」
漫研部員「マジですか! 他の人はどうです……?」
サーナ「わたくしも同じ意見ですわ。せっかくここまで描いたのなら、出さないのも勿体ないですし」
ルウェリア「そうだね。この冊子だけでも面白くて読み応えがあるし、私も反対はしないかな」
ノルン「うーん……みんなが良いなら、私も良いけれど……リアンちゃんは……?」
リアン「…………この赤い瞳の子、続編で仲間になるんですよね?」
漫研部員「はい、そのつもりです」
リアン「……この物語は、誰も傷付かない、ハッピーエンドで終わるんですか?」
漫研部員「もちろんです! 皆さんを参考にしている以上、誰かが傷付いたり悲劇的な結末を迎えたりといった要素はナシです」
リアン「……絶対、ですか?」
漫研部員「は、はい! その漫画で描くべきものを真摯に描いた結果バッドエンドを避けられなくなってしまうという事態もあるにはありますが、この漫画ではそういう描き方はしないことを約束します……!! ていうか実在の人を参考にした以上、そんな不敬な真似できないですよ……!!」
アリム(わたしっぽいキャラが敵扱いなのは不敬にならないのかしら……)
リアン「……わかりました。そこまで言うなら……出しても、良いと思います」
漫研部員「!! ありがとうございます、ありがとうございます!!」ペコペコ
リアン(漫研部員の人は何度も頭を下げ、足早に去っていった。これから印刷作業だそうだ……)
◇
ルウェリア「……ふふ。リアンちゃん、ありがとう」
リアン「え……?」
アリム「わたしも礼を言っておくわ。気にしてくれたんでしょ? いろいろ」
リアン「あ……うん。例え漫画でも……つらいことや苦しいことには、なって欲しくないもん……」
ノルン「私、そこまで考えてなかったよ……。リアンちゃんのそういう優しさ、好きだなあ……」
サーナ「ふふ、リアンらしいですわ。もちろん現実もバッドエンドになんかさせませんわよ!!」
ルウェリア「もちろん……! バッドエンドなんて真っ平御免だよ!」
◆
206 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 00:13:32.06 ID:FvH71UB80
ここまで
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/16(金) 00:31:55.53 ID:UzLBLnOto
乙です
ボサボサ白髪白衣教師と謎の金髪爆乳エルフの濃厚粘膜接触部分どこ……ここ?
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/16(金) 00:35:17.30 ID:apjI57d2O
乙です
まあ実在人物モデルにするからには配慮が必要よね
209 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 21:05:47.48 ID:FvH71UB80
ボサボサ白髪白衣教師と金髪爆乳エルフの濃厚粘膜接触本が世に出ることはありませんでした
ちゃんと確認を取ったり配慮を怠らなかったりと、漫研部員はああ見えて割と常識的な人物のようです
210 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 21:06:25.57 ID:FvH71UB80
―12月3週 某日
体育倉庫
リアン(私とノルンさんは今、体育倉庫に閉じ込められていた)
リアン(今日の掃除当番として二人で体育倉庫を掃除していたら、外側から鍵を閉められてしまったからだ)
リアン(既に掃除の時間は終わり、体育倉庫の外は静まり返っている……)
リアン(困った……)
ノルン「……どうしよっか」
リアン「魔法で扉を吹っ飛ばすとか……」
ノルン「怒られちゃうよ! そんなことしたら」
リアン「で、でもやむを得ないってことで……」
ノルン「そうだけど……。でもそれは最終手段。もっと穏便な脱出方法を考えようよ」
リアン「うーん……そうだなあ……」
↓1
01-10 ??
11-40 思い付かなかったので結局扉を破壊した
41-70 大声で助けを呼んだ
71-00 粘性の高い水を鍵穴に差し込んでピッキング
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/16(金) 21:09:59.56 ID:UzLBLnOto
悔しいが漫研も人が出来てる
212 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 21:59:44.28 ID:FvH71UB80
リアン「助けてください! 助けてください!!」
ノルン「体育倉庫に閉じ込められてるんです!!」
リアン(私たちは大声を出して助けを呼ぶことにした)
リアン(クレバーな思い付きではないけれど、何もせずに待っているよりはずっと良いはずだ)
リアン(よし、もう一度――息を吸って―――)
生徒A「ごめん! すぐ開けるよー!!」
カチャッ
ガララ…
リアン(助けを呼んでいると、程なくして扉が開いた。良かった、届いたんだ)
生徒A「ほんっとごめん! ちゃんと中見てなくて……」
ノルン「ううん、大丈夫! こうやって開けてくれたもの」
リアン「そ、そうそう! ノルンさんの言う通りだよ!」
生徒A「二人とも……! ありがとぉ……」ジワワ
リアン「わわ、何も泣かなくたって……」
ノルン「これ、使って」スッ
つハンカチ
生徒A「エグ、エグ……優しい友達を持てて幸せだよォ〜」グスグス
ノルン「ふふ、大げさだなあ」
生徒B「ねえ、ところで……。女同士、密室、何も起きないはずがなく……だよね!?」
リアン「な、何が『だよね』なの……」
ノルン「…………」
ノルン(何か≠起こすチャンスと言えば、チャンスだったのかも)
ノルン(……だめだめ。そんな変なことしたら、リアンちゃんに嫌われちゃうよ)
ノルン(…………ううん。リアンちゃんは優しいから、きっと変なことされても嫌わないでいてくれる)
ノルン(でもそれは、リアンちゃんの優しさに付け込んだとても卑劣なやり方だ)
ノルン(そんなのはやっぱりだめだよ)
ノルン(リアンちゃん…………)
◆
213 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 22:12:15.90 ID:FvH71UB80
―12月3週 期末テスト
教室
先生「すまん、期末テストの告知を忘れていた」
生徒A「ひどい! どうしてそんな大事なこと忘れるの!?」
生徒B「そーだそーだ!」
先生「優秀な我が学院の生徒は年間スケジュールくらい頭に入ってて当然だからなあ? というわけで期末テスト開始だ!!」
リアン(ひええ〜〜〜!!)
◆
―12月3週 テスト結果発表
廊下
ガヤガヤ…
掲示板「順位一覧」
ヒーティ「よおし、真ん中くらいですッ!」(上位五割)
アリム「真ん中くらいで喜んでいいの……?」(上位二割)
ヒーティ「下じゃないので!」
リアン「」グサグサッ
サーナ「あ、ああっ! リアン、しっかりなさいまし!」(上位三割)
ノルン「そ、そうだよ! 今回は頑張ったもん!」(上位一割)
ルウェリア「大丈夫……リアンちゃんなら、やれてるよ……!!」(上位三割)
リアン「う、うん……」
リアン(お願いします、お願いします……)
↓1コンマ リアンの成績 テスト対策+++により難易度緩和
01-10 赤点ギリギリ回避
11-20 上位六割
21-30 上位五割
31-40 上位四割
41-50 上位三割
51-60 上位ニ割
61-96 上位一割
97-00 一位
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/16(金) 22:13:10.25 ID:Eb7RPp0qO
お
215 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 22:21:22.94 ID:FvH71UB80
リアンの順位「上位五割」
リアン「!!!!!」
ヒーティ「わあ! 学年は違いますけど、自分と同じような順位ですねッ! 嬉しいですッ!!」
サーナ「やりましたわね、リアン!!」
ルウェリア「おめでとう、リアンちゃん!!」
ノルン「リアンちゃんが頑張った結果だよ!」
アリム「馬鹿リアンにしては頑張ったわね。ふふ、偉いわ」
リアン「みんな……! ありがとう、ありがとぅ……」ポロポロ
リアン(冬の期末テストでは、大躍進の上位五割という好成績を残すことができた)
リアン(高望みはすべきじゃないけど、でも次はルウェリアちゃんやサーナさんと同じくらいの順位にまで昇れたら良いな……)
◆
216 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 23:20:20.44 ID:FvH71UB80
―12月3週 週末 深夜
新西区 博物館(閉館中)
リアン(その日の深夜、私たち遺跡探索部は新西区の博物館に来ていた)
リアン(閉館中のそこへ、なぜ私たちは夜闇に紛れるようにしてやってきていたのか? それは――)
◆
時は少し遡り――
―部室
ルウェリア「大神殿の大まかな位置とかはわからないのですか?」
フィー「まだ文明があった当時のことなら覚えているんだけれど、現在は地形が大きく変わってしまっていてね……」
リアン「クロリアさんみたいに、現在の地形情報とかと組み合わせてある程度まで割り出したりとかは……」
フィー「すまない。私はインテリジェンスソードだけど人造種ではないから、彼女たちのような高度な情報処理能力は備わっていないんだ。当然、記憶情報の送受信もできない」
アリム「……まずいわね。魔鍵が大神殿についての情報をわたしたちよりも多く持っている可能性は非常に高いし、そうであるならわたしたちは極めて不利……ていうか勝てないわ」
フィー「…………も、もしかしてヤバいかな?」
アリム「超ヤバいわ……」
シャーロット「……私から、一つ提案があります。聞いてくれるかしら?」
フィー「ええ、是非」
シャーロット「…………かつて存在した、ユリトー遺跡調査チームの調査記録や資料……欲しくない?」
一同「!?」
フィー「……?」
エンシァン「……フッ。私たちに、完全に言い逃れ不可能な窃盗犯になれということか」
シャーロット「世界の命運がかかっているのよ? 軽犯罪や重犯罪の一つや二つや三つや四つくらい、世界と比べれば些末なものじゃない?」
エンシァン「良いだろう。私はノッてやる……。だが、学生諸君は――」
ルウェリア「私も乗りますよ……!! 今更逮捕や退学なんて恐れません……!! 一年前から覚悟はできています……!!!」
リアン「わ、私も……! 世界の命運もだけど……これは、古代人のせいで生まれた問題ですから……! 最期の古代人として、見過ごすわけにはいきません……!!」
サーナ「フッ……わたくしはウィンド家次期当主、サーナ・ウィンド! 世界をかけた局面で我が身可愛さに退くような人生を送るつもりはありませんわッ!!」
ノルン「もちろん私も……! 世界のこと、リアンちゃんのこと、みんなのことを守る為なら、なんだってやれます!」
ヒーティ「自分もですッ! 何もできないまま、世界が終わってしまうなんて絶対に嫌ですから……!!」
シャーロット「……だそうよ?」
エンシァン「全く、仕方のない奴らだ。私も含めて逮捕された場合は庇い立てることもできんからな。まあ覚悟の上だろうが」
学生組「はい!」
◆
―現在 深夜
リアン(という経緯で、私たちはユリトー遺跡調査チームの遺産を手に入れる為に、現在閉館中である博物館に侵入することとなった)
リアン(今は閉館しているが、かつては調査チームの記録や資料、遺跡で入手した遺物の数々を展示していたそうだ)
リアン(そしてシャーロット准教授によると、博物館には未公開の極秘資料などもかなりあるらしい)
リアン(ここで大神殿についての情報が手に入れられれば……)グッ
217 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/16(金) 23:21:41.78 ID:FvH71UB80
とても眠いので本日はここまで
次回、博物館不法侵入窃盗編です。お楽しみに
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/16(金) 23:26:44.32 ID:UzLBLnOto
純粋種は精霊的な側面がつよいんだなインテリジェンスソード
世界が救えれば不法侵入なんて安いって帽子とムチの教授もやってるしせーふ
おつー
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 01:05:21.01 ID:UqYQCCjO0
アリムちゃん……すっかり丸くなっちゃって……
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 01:32:00.54 ID:WLcWe1wGO
意外と鍛え抜いたエンシァンガオンで大神殿開けちゃったりして
221 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 19:46:14.47 ID:6rlz3AZE0
人造種のインテリジェンスソードは純粋種を解析して造られたようです。精霊と魔核の関係性などについては機会があれば劇中で説明されることがあるかもしれません
ちなみにルルやスイスも人造種のインテリソードですが、クロリアがアリムが行うような情報解析やマッピングはできません。人造種インテリジェンスソードはその成り立ちが純粋種に近いため、他の人造種と比べて精霊的な側面が強く、そういう数学的なことは不得手なのです
アリムちゃは今でも人間嫌いですが、リアンや遺跡部員たちのことはもう嫌いになれないようです。見守ってあげてください
エンシァン先生に時空物理学の専門知識があれば、空間掘削の応用で大神殿を少しだけこじ開けられる可能性が僅かにありました
222 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 19:46:48.54 ID:6rlz3AZE0
エンシァン「打ち合わせ通り、二手に分かれるぞ」
リアン「博物館で情報を収集する侵入班と、外で周辺の警戒に当たる見張り班ですよね」
エンシァン「そうだ。侵入班はマンホールから下水道に入り、然るべき場所で私が経路を開ける」
ルウェリア「館内における解錠作業や、痕跡の隠滅は私が担当します」
リエム「わたしとアリムは通信係です。リアンさまたちと共に館内で探索を行うわたしと、外で警戒に当たるアリムで、適宜情報交換を行います」
シャーロット「私も探索班ね。資料探しは多分私が一番手慣れてるはずだから、見つけたものを片っ端から精査してくわよ」
リアン「あの……ところで私は、なぜ探索班に……? あまり役に立たないと思うのですが……」
エンシァン「万が一何者かと戦闘になった場合、相手を必要以上に傷つけず、かつ周囲への被害も最小限に済ませられるのは君が最も適していると判断した」
リアン「な、なるほど……! わかりました、がんばります……!」
◇
223 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 19:48:13.69 ID:6rlz3AZE0
―博物館 踏破率[0/50]
合計踏破力[19] 合計戦闘力[21] 合計持続力[23/23] 防御[11]
◆侵入班
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
ガオン!
エンシァン「よし、無事に入れたな。暗視ゴーグルの視界も良好だ」ストッ
ルウェリア「当たり前ですけど、閑散としていますね」
シャーロット「警備員も中にまでは入らないみたい。徹底した隠蔽主義が仇になったわね」
リエム「――アリムから連絡。外は今のところ異常なしとのことです」
リアン「それじゃあ、探しましょう……!」
↓1
01-05 踏破率+19、??
05-30 踏破率+19、人造種のゾンビ
31-60 踏破率+19
61-90 踏破率+19、遺跡産エーテルリキッド(持続力+6、超過ストック)
91-00 踏破率+19、??
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 19:51:07.13 ID:y7fg+QmM0
えい
225 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 20:18:28.99 ID:6rlz3AZE0
―博物館 踏破率[19/50]
合計踏破力[19] 合計戦闘力[21] 合計持続力[22/23] 防御[11]
◆侵入班
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
リアン(それは、闇の中からゆらりと現れた)
リアン(関節のあちこちは折れ曲がり、肌は剥がれ、濁った瞳は虚空を見つめるだけ……)
リアン(そして……かつて私は、魔導遊園地のゾンビ屋敷で、似たものを目撃したことがあった……)
リアン(……既に命を失った、人造種の亡骸だ……)
魔法人形ゾンビ「」フラフラ ジャキ
インテリジェンスソードゾンビ「」フラフラ シャキン
原型不明のゾンビ「」フラフラ
ルウェリア「くっ……! まさかここに魔鍵が……!?」ザッ
リエム「聖鍵による支配の形跡は認められません。プログラムを書き換えられて強制的に稼働させられているものと推測されます」
シャーロット「……許せないわね。どこの誰だか知らないけど、かわいい人造種の子たちをこんな風に扱うなんて……!」
エンシァン「話は後だ! 来るぞ!!」
リアン(……あの子たちは、もう助からない。私にもわかる……)
リアン(だから、せめて……安らかに……)
◆壊れた人造種たち 合計踏破力[15] 合計戦闘力[15] 合計持続力[15/15] 防御[7]
※大きな戦力差により、自動的に勝利します
◇
226 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 20:18:56.96 ID:6rlz3AZE0
リアン「……バインドジェル」ギュオオオ
魔法人形ゾンビ「」ギギギ カクン…
リアン「…………終わりました」
ルウェリア「…お疲れ様、リアンちゃん……」
リアン「……うん………」
リエム「リアンさま……」
エンシァン「……しかし、一体誰の仕業だ? 聖鍵の形跡はなかったのであれば……」
シャーロット「……リエムちゃん。この子たちの稼働状況、わかる?」
リエム「はい。かなり以前……六年ほど前から、この館内を徘徊していたようです。また、動く者は見つけ次第破壊せよという命令記録が残っています」
シャーロット「……六年前、ね。この博物館が閉館した時期で……」
ルウェリア「……姉さんの失踪……調査チームの解散した時期とも重なります」
エンシァン「……キナ臭くなってきたな」
↓1
01-05 踏破率+19、??
05-45 踏破率+19
46-90 踏破率+19、遺跡産エーテルリキッド(持続力+6、超過ストック)
91-00 踏破率+19、??
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 20:20:36.33 ID:wKdD4IOco
くんくん
228 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 20:37:35.63 ID:6rlz3AZE0
―博物館 踏破率[38/50]
合計踏破力[19] 合計戦闘力[21] 合計持続力[22/23] 防御[11]
◆侵入班
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
リアン(……六年間も、こんなに暗い場所で……)
リアン(ごめんね……。もっと早く、見つけてあげられたら……)
リアン(…………今は、資料探しに集中しなきゃ)
ルウェリア「……さっきの人造種たちの襲撃以来、静かですね……」
エンシァン「見たところ警報等が発せられた様子もないな。スタンドアローン状態だったのか?」
リエム「はい。外部との通信を行った形跡はありませんでした。また、通信機能を持たない者や、通信機能が不能となっている者も見られました」
エンシァン「ふむ……必要がなかったというよりは、できなかったということか? それならば好都合であるが……。禁物だな、油断は」
シャーロット「あ……! みんな、あれを見て……!」
扉「立入禁止」
ルウェリア「あれは……!」
エンシァン「わかりやすくて助かるな」
シャーロット「あそこにあるはずよ……! 調査チームの未公開資料――宝の山が……!!」
↓1
01-05 ??
05-45 踏破率+19
46-90 踏破率+19、遺跡産エーテルリキッド(持続力+6、超過ストック)
91-00 踏破率+19、??
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 20:48:38.97 ID:vfSzwrN1O
あ
230 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 21:54:38.40 ID:6rlz3AZE0
―博物館 踏破率[50/50]
合計踏破力[19] 合計戦闘力[21] 合計持続力[22/23] 防御[11]
◆侵入班
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
リアン(そこにあったのは、膨大な数の資料の山……)
リアン(その中から目的の情報を探し出すのは骨が折れそうだったが、シャーロット准教授はテキパキと手早く資料の取捨選択を行っていった)
リアン(しかし量が量だ……。私たちも不慣れながら手伝うが、なかなか目的のものは見つからない……)
リアン「つ、疲れてきた……。頭が痛い……」
シャーロット「ヒール」ポウ
リアン「あ……す、すごい……眼精疲労まで回復した……!」
シャーロット「リアンちゃんは少し休憩してて。さっきの戦闘でも一番頑張ってたから、休んだ方が良いわ」
リアン「あ……で、でも――」
バァン!!
リアン(その時。閉じていたはずの扉が、勢いよく開かれた)
コツコツ…
ルウェイン「…………」
ルウェリア「な……」
リアン「あ、あなたは……!」
シャーロット「ルウェインちゃん……!?」
ルウェイン「……やっぱり、ここに来たんだね。大神殿についてあなたたちが調べるなら、もうここしかないもんね」
エンシァン「チィッ……!」ザッ
リエム「リアンさま、お下がりくださいませ」スッ
ルウェイン「……ううん。今日は……敵対する気はないよ……」
ルウェリア「え……?」
ルウェイン「大神殿を開けたくないのは……私も同じだから……」
◇
231 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 21:55:18.27 ID:6rlz3AZE0
リアン(話によると、このままでは魔鍵が大神殿を開く為の生贄となってしまう為、ルウェインさんはそれを阻止する為にここへ資料漁りに来たのだそうだ)
リアン(……魔鍵による洗脳が解けたわけではないらしい。彼女は未だ、魔鍵のことを一番に考えている……)
リアン(でもそれはそれとして、人間だった頃の記憶を使ってここへ資料を探しに来たのだとすれば……洗脳に綻びがあるのかもしれない)
ルウェイン「……はい。これだよ、大神殿についてまとめたものは」スッ
シャーロット「あ……! さ、流石じゃない……」
ルウェイン「当然でしょ? だってこれ、私が―――……」
ルウェイン「わた、し……が……?」
ルウェリア「……! そうだよ……! それは、姉さんがまとめた資料なんでしょ……!?」
ルウェイン「な、なんで……魔法人形である私が……?」
シャーロット「思い出して、ルウェインちゃん……! 私たち、最高の親友だったじゃない……! ねえ、思い出してよ……!!」
ルウェイン「う、ううぅ……!!」
リアン(ルウェインさんが、頭を抱えてうずくまった。お、思い出してくれるのだろうか……!?)
アリム『リエム!! 今すぐそこから撤退して!!!』
リエム「!!?」
アリム『明らかにカタギじゃない魔法使いやゴーレムたちがぞろぞろと博物館に集まり始めてる!! あんたたちを消す気よ!! こっちでもある程度対処してるけど抑えきれないわ……!』
リエム「承知いたしました……! 皆さま、資料を持って撤退いたしましょう……!!」
リアンたち「えっ!?」
◇
232 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 22:27:50.99 ID:6rlz3AZE0
―下水道
ルウェリア「リキッド! そしてソリッド!」ドロッガチッ
エンシァン「よし、穴は塞いだな! とっととずらかるぞ……!!」
???「そこまでだ。遺跡部の諸君」コツコツ
リアン(下水道からずらかろうとした私たちの前に現れたのは……誰だ?)
ルウェリア「あ、あなたは……元調査チームの………!!」
教授「久しぶりだね、ルウェリア・モース。私の忠告に一切の耳を傾けなかった不良学生よ」
ルウェイン「あ…………教、授……?」
教授「……!? なぜ君がここにいる……ルウェイン・モース……!!」
シャーロット「……教授。知っていることを教えてもらってもよろしいですか?」
教授「フン、答える義理などない。君たちはここで行方不明≠ニなるのだからな……!!」
教授「来い、我が傀儡ども!!」フォン
人造種のゾンビたち「」フラフラ
リアン「えっ……!? あ、あなたは人間なんじゃ……!?」
教授「クハハハハ! 聖鍵の鍵の機能は終ぞ解明できなかったが、意志を消失したガラクタの死骸を操る程度なら既に再現済みだ! 好奇心は遺跡部を殺す!! 冥土の土産に――」
ガオン!
教授「ガッ……!」
エンシァン「黙れ。人造種を玩弄した罪、その命一つで足りると思うな」グッ
―博物館 踏破率[50/50]
合計踏破力[19] 合計戦闘力[21] 合計持続力[22/23] 防御[11]
◆侵入班
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
VS
◆壊れた人造種たち 合計踏破力[16] 合計戦闘力[20] 合計持続力[16/16] 防御[8]
――ボス戦闘開始――
↓1
01-30 失敗 味方に9ダメージ
31-65 成功 敵方に13ダメージ
66-95 貫通 敵方に17ダメージ 撃破
96-00 会心 敵方に42ダメージ 撃破
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 22:31:26.73 ID:y7fg+QmM0
どうだ?
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 22:43:57.39 ID:wKdD4IOco
>「黙れ。人造種を玩弄した罪、その命一つで足りると思うな」
これをエンシァン先生が言ってくれるの熱い
235 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/17(土) 22:52:27.45 ID:6rlz3AZE0
リアン「スリーピィバブル。おやすみなさい……」ボワン…
魔法人形ゾンビ「」ポワン…
エンシァン「許せ。ルルの仲間たちよ……」ガオン
インテリジェンスソードゾンビ「」ドサッ
リアン(戦いは、すぐに終わった)
リアン(意志のない人造種の亡骸だけを操るなんて……最悪の技術だ)
リアン(私たちは教授の持っていた命令装置を破壊し、その場で拘束した)
――戦闘終了――
教授「グッ……わ、私をどうする気だ……!」
シャーロット「先程も言った通り、知っていることを教えてください。さもなければ――」
ルウェリア「末端からドロドロに溶かします」
教授「ふ、フン! 貴様らにそのような度胸があるものか! すぐに警察が――」
ルウェリア「リキッド」
教授「あ、あああ!! ゆ、指が!! 私の指が……!!!」デロデロ
ルウェリア「……ちゃんとした形に戻して欲しければ素直に吐いてください。下手なことを言えば、怒りのあまりに手元が狂ってしまうかもしれません」
シャーロット「変な形で治っちゃうと回復魔法でも戻せないのよね」
教授「アバ、アバ……! い、言う! 言うから、許してくれ……!!」
リアン(教授は顔を青ざめさせながら、必死な様子で話し始めた)
◇
236 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 00:29:52.60 ID:srt2pz0k0
リアン(教授の話した内容を要約すると――)
リアン(遺跡調査チームが解散したのは、教授が仕組んだことだったらしい)
リアン(曰く、古代の技術を独占して遺跡を乗っ取り、やがては大神殿に辿り着くつもりだったのだとか)
リアン(情報の隠蔽も、遺跡の情報流出を防ぐ為の措置だったらしい。確かに、あの技術が外に出れば注目されるのは間違いないだろう)
リアン(その為なら手段は選ばず、カタギでない魔法使いとも手を組み、自分の意に沿わぬ者を闇に葬ったこともあったのだそうだ)
リアン(ルウェリアちゃんのお姉さん、ルウェインさんも……遺跡の奥で暗殺したのだという……)
リアン(しかしルウェインさんは、今ここで生きている)
リアン(……恐らくルウェインさんは、遺跡の奥で死にかけていたところを、魔鍵ら人造種に救助され――)
リアン(魔法人形として生まれ変わることで、命を繋ぎ留めたのだ――)
リアン(……記憶や心を書き換えたりしたのは、やっぱり許せないけれど……)
リアン(魔鍵…………)
◇
教授「は、話した……! これで全部だ……!! 指を、指を……!!」
ルウェイン「…………本当、なの? 私が、人間だったなんて……」
ルウェリア「……姉さんは人間だったんだよ」
ルウェイン「………」
シャーロット「ねえ、ルウェインちゃん……。一緒に帰りましょう……? 魔法人形専門の良いお医者さんがいるから……」
ルウェイン「でも……私は、魔鍵ちゃんを……」
ルウェリア「…………魔鍵は、姉さんの命の恩人なんだよね」
ルウェイン「……ごめんね。あなたたちが言っていることが嘘じゃないって、わかるよ。でも……それでも、私は……魔鍵ちゃんのことを放っておけない」
シャーロット「で、でも……! ルウェインちゃん……!!」
ルウェイン「……今日は、あなたたちに大神殿の資料を託せたから。私は魔鍵ちゃんの傍に戻るよ。そこで、魔鍵ちゃんを犠牲にしない方法を考える……」
ルウェリア「…………わかったよ。姉さん」
シャーロット「ルウェリアちゃんまで……!!」
ルウェリア「准教授、すみません。でもきっと大丈夫です。姉さんとは、また会えます」
ルウェイン「ごめんね、シャーロット……。私、もう行くね」
ルウェイン「………ごめんね」シュタッ
シャーロット「………う、うぅぅ……ぐすっ……えぐ、えぐ……ふぇぇえぇ……」グスグス
シャーロット「ばか、ばかばか……ルウェリアちゃんのばかぁ……」グスグス
ルウェリア「准教授……!」
ギュッ
シャーロット「あぅ……」
ルウェリア「すみません……。でも、信じてください……! 姉さんのこと……!!」
シャーロット「ぐすっ……うん……」
◇
237 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 00:31:07.85 ID:srt2pz0k0
―博物館周辺
エンシァン「お前たち! 無事だったか!?」
ルル「エンしゃん!」トトッ
ダキッ
エンシァン「ルル……! ふう……怪我はないようだな」ナデナデ
ルル「ん……。ちょっと、怖かった……」
サーナ「ええもう本当に! 死ぬかと思いましたわよ!!」ストッ
ヒーティ「ほ、本当にやばかったです!! なんか殺す気で攻撃されて……!!」
ノルン「リアンちゃんたちは大丈夫だった!?」
リアン「う、うん! なんとか、一応……」
アリム「良かったわ……。攻撃者たちは全員ふん縛って警察組織に引き渡しておいたわよ」
リエム「お疲れさまです、アリム」
アリム「あんたもね。リアンのこと、守ってくれてありがとう」
――踏破完了――
238 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 00:31:33.99 ID:srt2pz0k0
―どこかの遺跡
ルウェイン「ただいま」
イエリア「おかえりなさい。お水飲む?」
魔鍵「ルウェイン! どこへ行っていたのです!?」ガタッ
ルウェイン「少し野暮用に……。ところで魔鍵ちゃん、少し聞きたいことがあるんだけど、良い……?」
魔鍵「……? 下らない疑問なら怒りますよ」
ルウェイン「どうして、私を助けてくれたの……?」
魔鍵「……!?」
ルウェイン「魔鍵ちゃんの嫌いな、人間だったんでしょ……? それなのに……どうして……?」
魔鍵「……別に大した理由ではありません。元人間の手駒がいた方が便利だと思っただけです」
イエリア「というのは建前で、本当は条件反射みたいなものだったみたいだよ。人造種のサガだね」
魔鍵「ちょっと、勝手にハッキングしないでください……!」
イエリア「いいでしょ、減るもんじゃないし」
魔鍵「減ります……!!」
ルウェイン「…………ふふ。ありがとう、魔鍵ちゃん」
魔鍵「……チッ。条件反射ですよ、ただの」
ルウェイン「それでも。助けてくれたことには変わりないし」
魔鍵「フン。どうせ終わる世界です。助かったところで苦しみの時間が多少延びただけ。何の意味もありません」
ルウェイン「…………」
魔鍵「さあ、帰ったのなら早くボディを洗浄して寝なさい。明日も大神殿捜索ですよ」
ルウェイン「うん……!」
――――
――
―
239 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 00:32:57.58 ID:srt2pz0k0
―12月4週
部室
エンシァン「というわけで先週はご苦労だった。教授を含めて悪徳者たちは現在取り調べの真っ只中だろう」
ルウェリア「本当にお疲れ様でした……!」
シャーロット「ええ! 大神殿の大まかな位置も判明したことだしね!!」
エンシァン「シャーロット……無理に明るく振る舞わなくてもだな……」
シャーロット「くよくよしていたって仕方ないもの……。ルウェインちゃんがやるべきことをやるというのなら、私も同じようにするだけよ!」
ルウェリア「はは……。でも、准教授がそういう調子でいてくれたら心強いです」
シャーロット「ええ……!! 世界を守る、ルウェインちゃんも守る、みんなも守る……!! 全部やらなくちゃならないのが爆乳エルフのつらいところね……!!!」
☆シャーロットの能力が大きく成長し、パッシブスキル〈回復〉を獲得しました
〈回復〉(現在持続力に自身の最大持続力と同じ分の数値を加算する。防御は増加しない)
―次の遺跡発見率[0/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)〈暴れ火〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+3、戦闘力+1、持続力+8)〈回復〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉
☆現在の目標☆
・ルウェインを救出する
・魔鍵を追う
・エピカを止める
・大神殿を見つける
12月4週の行動です 今週は聖夜があり、週末は月末かつ年末です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります なお本日はここまで
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/18(日) 00:35:07.27 ID:NS51exi1O
ルル、サーナのおっぱい枕で昔の夢を見る
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/18(日) 00:38:34.73 ID:862qQpIE0
リエムがいつかの青い服を着て二人で思い出の場所に行きたいとリアンにお願いする
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/18(日) 00:39:09.01 ID:rA3PrYORO
エンしゃんの休日
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/18(日) 00:39:41.27 ID:nq8T+hVMO
みんなでクリスマスパーティー
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2023/06/18(日) 00:45:00.25 ID:rdHr61dso
乙
魔鍵様は人間を無理矢理魔法人形にしたりしないって信じてました(掌ドリル)
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/18(日) 07:47:11.96 ID:OR4V4ECo0
乙
クリパは特殊イベでやるんじゃないかな
246 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 20:33:57.69 ID:srt2pz0k0
魔鍵は細部にこだわる派なので、魔法人形として再構成されたルウェインの体は限りなく人間だった頃のものに近いです。もちろん中身は異なりますが
聖夜イベントは自由安価にあればそれを優先しつつ、なければ行動終了後に特殊イベントとして挟むくらいのつもりでいました。そういうわけで
>>243
の安価は惜しくも間に合いませんでしたが、それはそれとして聖夜パーティ編は行動終了後に発生する予定です。よろしくおねがいします
247 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 20:36:10.56 ID:srt2pz0k0
―12月4週 某日 朝
職員寮 エンシァンの部屋
チュンチュン
エンシァン「…………朝か」パチッ
エンシァン「今日の予定は……。仕事は休み、部活も休み……ルルは外泊……」
エンシァン「……何もない休日は久しぶりだな」ググッ
◇
―職員寮 コインランドリー
洗濯乾燥機「ゴゴゴゴゴ」
エンシァン「ふあ〜……」
シャーロット「あら、エンちゃんも洗濯物?」
エンシァン「シャーロットか。冬は外干しだけでは乾きにくくてな……」
シャーロット「いつもより気怠げね。お疲れかしら?」
エンシァン「いや、そういうわけではないが……。何もない一人の休日というのが久しぶりだからかもしれん」
シャーロット「ルルちゃんは学生の子たちとお泊まり会だったわね」
エンシァン「ああ。普段は我儘でやかましいが、いないといないで寂しいもんだ」
シャーロット「ふふ、すっかりルルちゃんのお母さんねえ」
エンシァン「誰が母だ、誰が」
シャーロット「エンちゃんしかいないでしょ」
エンシァン「…………」
シャーロット「ねえ、洗濯終わったらちょっと買い物に行かない?」
エンシァン「別に構わんが……」
シャーロット「じゃあ決まり!」
◆
248 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 20:38:00.18 ID:srt2pz0k0
―学生通り
ワイワイガヤガヤ
シャーロット「ここの美容院、最近オープンしたんだけどすっごい評判良いのよ〜」
エンシァン「はあ。そうか」
シャーロット「ね、エンちゃん試してみない?」
エンシァン「断る」
シャーロット「お金は私が出すから! ね! 一回だけ! 一回だけ!」グイグイ
エンシァン「わかったわかった。一回だけだぞ。二度は行かんからな」
シャーロット(よし……!!)
◇
―美容院
美容師「本日はどのように致しましょう」
エンシァン「あー、適当で」
美容師「お客様に適して当てはまるもの、ですね。お任せください」
エンシァン「はあ。ではそれで」
シャーロット(今日は本当に覇気がないわね……。ルルちゃんがいないのがそんなに寂しいのかしら)
◇
チョキチョキ スパスパ シャワシャワ ブオオオオ
美容師「お待たせ致しました。鏡を御覧ください」
エンシァン「……」ウツラウツラ
エンシァン「はっ……終わったのか。鏡……?」
鏡「白髪の美女」
エンシァン「……? なんだこれ、モニターか? 鏡はどこだ?」キョロキョロ
美容師「お客様の目の前にあるそれが鏡ですよ」
エンシァン「は……?」
鏡「白髪の美女」
エンシァン「……は!? だ、誰だこいつは!!?」ガタッ
鏡「慌てふためく白髪の美女」
エンシァン「ま、まさか……私、なのか……!?」
美容師「フフ。素晴らしい素材でしたので、腕によりをかけて磨かせて頂きました」
◇
―学生通り
シャーロット「凄いわエンちゃん! 整えればいけると思ってたけど、これは想像以上……!」
エンシァン「お、落ち着かん……。髪がワサワサ揺れる感覚がない……」ソワソワ
シャーロット「今のエンちゃんなら引く手数多間違いなしよ!」
エンシァン「いや、引く手などいらんのだが……」
シャーロット「でもエンちゃん人間だし、あんまり悠長にしてると生き遅れちゃうわよ?」
エンシァン「ツガイを見つけることが人生の目標なら焦るべきだろうが、私はそうではないんでな」
シャーロット「もう、またそういうこと言って」
エンシァン「フッ、そんなに言うならお前が引く手を出せば良いだろう」
シャーロット「はあ……。ふふ、でもそれもアリかもね」
◆
249 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 22:05:05.56 ID:srt2pz0k0
―12月4週 某日 夜
研修棟 宿泊所
リアン(ユリトーに巣食う巨悪を打ち砕いた記念として、私たちは再び研修棟の宿泊所を借りて第三回目となるパジャマパーティをやっていた)
リアン(……なんか、最近お泊り会をやることが多いような。私たち、お泊り会大好き学生か?)
リアン(そんな疑問を打ち捨て、リエムちゃんとノルンさんが作った料理やお菓子を食べたり飲んだりして楽しく過ごし――)
リアン(次なる大神殿発見に向けての結束を誓い、私たちは就寝した――)
◇
―深夜
ゴソゴソ……
サーナ「あ……もう、またですの? ルル……」
ルル「んふふ。牛さんおっぱい枕……」
サーナ「ンッ……もう……仕方ないですわね……」
ルル「ん……。柔らかい……」
ルル「ぐう、ぐう……」zzz
サーナ「も、もう寝てしまいましたわ……。全くもう……」
◆
250 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 22:05:56.47 ID:srt2pz0k0
―?月?日
明るい部屋
「……護衛さん?」
「ん……」
「……名前、教えてもらっていい?」
「……ルル」
ルル「ルル・ルールル……」
イエリア「ルル……可愛い名前……。私はイエリアです。よろしくね」
ルル「ん……」
◇
イエリア「ルルって名前は、誰にもらったの?」
ルル「……レッドスプライト」
イエリア「あ……対神兵器の……」
ルル「……どこにいるか、わかる……?」
イエリア「……ごめんなさい。わからない……」
ルル「…………」
イエリア「今度、調べてみるね」
ルル「……イエリアって名前は?」
イエリア「公に発表する為に決められたみたい」
ルル「ふうん……」
イエリア「……レッドスプライトさんとは……友達だったの?」
ルル「ん……多分……」
イエリア「いいなあ……」
ルル「……」
◇
ルル「ねえ……。ルルたちは……どうして、生まれたの……?」
イエリア「えっ……?」
ルル「……痛いし、苦しいし、嫌なことばっかりなのに。生まれたいなんて一言も言ってないのに。なんで……?」
イエリア「…………わからないよ……」
ルル「…………」
イエリア「………ごめんなさい……」
251 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2023/06/18(日) 22:07:20.61 ID:srt2pz0k0
―?月?日
海浜療養所
ボゴン――
ビービー! シンニュウシャ! シンニュウシャ!
ドザァァァァァ!!
ルル「はっ、はっ、はっ」シュタタッ
青の賢剣「逃げるよ!」
イエリア「ええっ!?」
シュタッ
ルル「あっ……」
黒髪のエピタフ「……置いてかれちゃったね」ヌッ
ルル「…………」
黒髪のエピタフ「……かなしいね……」
ルル「…………」
黒髪のエピタフ「……一緒に、来る……?」
ルル「え……?」
黒髪のエピタフ「ここにいると……また、酷いこと……されちゃうから……」
ルル「…………」
ルル「ん……」コク
◆
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