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【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】
- 549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 11:58:45.52 ID:jUj14TsR0
-
アリム「わたし2なんだけど、他の2は誰よ?」キョロキョロ
リエム「…………」
リアン「……リエムちゃん?」
リエム「…………わたしも2です」
アリム「…………」
リエム「…………」
アリム「まあ……よろしく」
リエム「はい……よろしくお願いします」
シャーロット「ふふ、可愛い組み合わせになってきたわね。はい、ルウェリアちゃん」
ルウェリア「はい。さて、私は……」
↓1 ルウェリアのペア
01-33 サーナ
34-66 ルル
67-00 シャーロット
- 550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 12:10:00.98 ID:C7lthZ0N0
- てい
- 551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:04:19.12 ID:jUj14TsR0
- シャーロット「ルウェリアちゃんのペアは4番……つまり私ね!」
ルウェリア「は、はあ……」
シャーロット「……ほ、ほんとにごめんね?」
ルウェリア「いえ、シャーロット准教授にはいつもお世話になってますから。お返しさせてください」
シャーロット「くぅ、良い弟子を持ったわ……!! ルウェリアちゃん、大好きよ……!!!」
ルウェリア「弟子になった覚えはないんですが……」
ルル「3ばん!」
サーナ「わたくしですわ!」
ルル「サーナ!」トテトテ
サーナ「ふふっ、よろしくお願いしますわ。ルル」
ルル「ん!」
サーナ「それにしてもルルとは不思議な縁がありますわね」
◇
シャーロット「じゃあみんな、ペアはできたわね! それじゃあ裏方役の私とルウェリアちゃんがまず向かうから、10分後に1番のリアノルペアが祠へ向かって頂戴ね」
アリム「2番以降はいつ向かえば良いの?」
シャーロット「1番ペアが戻って来たら! じゃあ行くわよ、ルウェリアちゃん!」
ルウェリア「はい!」
◇
―東区 林道
ザァァァ…
スタスタ…
シャーロット「さて……肝試しの成否は私たち裏方にかかっていると言っても過言ではないわ」
ルウェリア「裏方って何をするんです?」
シャーロット「ふふ……これから来るペアの子たちを驚かし、怖がらせるのよ」
ルウェリア「え、ええ……!? な、なぜ……?」
シャーロット「それが肝試しの本質だから、よ。怖い思いをしながら手を取り合って、一つの目的に向かい邁進する二人……肝試しを終える頃には、二人の間に淡い感情が芽生え――……」
ルウェリア「ええ……」
シャーロット「まあつまり、ちょっとしたハプニングを楽しもうってこと! ふふ、面白そうでしょ?」
ルウェリア「ハプニングなら遺跡探索で十分間に合ってるんじゃ……」
◇
- 552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:14:23.90 ID:jUj14TsR0
-
リアン「…………」
ノルン「……10分経ったね……。じゃあ、行こっか」
リアン「う、うん。じゃあ行ってきます!」
リエム「行ってらっしゃいませ、リアンさま」ペコリ
―林道
ザァァァ
リアン「………な、なんか……暗くて、怖い……」
ノルン「大丈夫……私が一緒にいるから、何かが出てきても平気だよ」
リアン「そ、そうだね……。ノルンさんの光魔法があれば、闇なんて怖くないよね」
ノルン「うん! でも、基本的には前方を少し照らすくらいの明かりしか点けちゃいけないらしいから、それは守らないとね」
リアン「なんでだろ……」
ノルン「これは私の推測なんだけど――」
ギーギー!! バサバサバサッ!
リアン「ひっ!」ギュッ
ノルン「大丈夫……ただの鳥みたい」
リアン(あっ……怖すぎて、ノルンさんにしがみついちゃった……)
リアン「ご、ごめん……いきなり、しがみついちゃって……」
ノルン「ううん。リアンちゃんなら、いつでもしがみついて良いよ。手、つないでこ?」
リアン「う、うん……!」ギュッ
スタスタ…
ノルン(……肝試しをやる意味、多分わかっちゃった)
ノルン(リアンちゃんみたいな子を怖がらせて、ペアの人に頼らせるっていう割と悪趣味な遊びなんだ、これは……!)
ノルン(でも……その悪趣味さがもたらした恩恵を今まさに私も享受している以上、私は何も言えない)
ノルン(だって……私にしがみつくリアンちゃん……すっごい可愛いんだもん……!!!)
◇
エンシァン「…………」
シャーロット「…………」
ルウェリア「…………」
エンシァン「あいつらは放っておいても良いんじゃないか?」
シャーロット「……そうね。鳥の声くらいで涙目になっちゃうリアンちゃんに、これ以上何かするのは酷だわ……」
エンシァン「ノルンくんも満更でもなさそうだったしな……ククッ」
ルウェリア「むむ……私もリアンちゃんにしがみつかれたいかも……」
◇
- 553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:15:33.10 ID:jUj14TsR0
- ―祠
ノルン「ここだね……」
リアン「な、なんか出そう……。雰囲気ありすぎだよぉ……」
ノルン「祠って大体は神聖なものを祀ってるから、何か出るとしても悪いものは出ないと思うよ」
リアン「そ、そうなんだ……。流石だなぁ、ノルンさん……」
ノルン「ふふっ、光魔法と聖性ってけっこう密接に関わってるから」
リアン(流石は勉強熱心で努力家のノルンさんだ。私も水魔法周りのこと、もっとちゃんと勉強しようかな……)
ノルン「それで、確かこのお題箱から紙を一枚取るんだよね」
リアン「うん。書いてある命令を実行するって。最悪実行しなくても良いらしいけど」
ノルン「とりあえず引いてみよっか。えいっ」
↓1 お題
- 554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 13:25:03.06 ID:uTIfxaXGO
- 地面に自分のスリーサイズを記入
- 555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 13:53:54.33 ID:jUj14TsR0
- お題「地面に自分のスリーサイズを記入」
リアン「…………」
ノルン「…………」
リアン「シャーロット准教授かな、これを入れたのは……」
ノルン「どうだろう……。サーナさん辺りがふざけて入れた可能性も……」
リアン「…………ど、どうする?」
ノルン「……スリーサイズを記入しろとしか書いてないから、数列だけ書こ」ガリガリ
リアン「あそっか。それなら、知らない人から見れば何のことかわかんないもんね」ガリガリ
ノルン「そうそう。言われたことだけやっとこ」ガリガリ
地面「895788」
地面「835681」
ノルン「よし、帰ろ!」
リアン「うん!」
リアン(ノルンさん……やっぱりおっきいんだなあ……)
◇
ノルン「ただいま戻りました」
リアン「ただいまー、帰ったよー」
リエム「リアンさま……!」トテトテ
リアン「リエムちゃん。暗くて怖かったけど、ノルンさんと一緒だったから大丈夫だったよ」
リエム「リアンさま……ご無事で、何よりです……。ノルンさま、ありがとうございました」ペコリ
ノルン「あはは、もう大げさだなあ。ただ行って帰ってきただけだよ?」
アリム「……? まあいいわ。わたしたちも行くわよ、リエム」ザッ
リエム「はい。それではリアンさま、わたしも行って参ります……」ペコリ
リアン「行ってらっしゃい! 暗いから、リエムちゃんとアリムちゃんも気を付けてね……!」
◇
- 556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 14:57:30.52 ID:jUj14TsR0
- ―林道
ザァァァ…
アリム「……」スタスタ
リエム「……」トコトコ
アリム「…………あんた、体の調子はどう? 変なとことかない」スタスタ
リエム「はい。正常に動いています」トコトコ
アリム「そう。なら良いわ」スタスタ
リエム「はい」トコトコ
アリム「…………」スタスタ
リエム「…………」トコトコ
アリム「…………学習は進んでる? わたし謹製の魔法人形強化メニューはちゃんとこなしてるかしら」スタスタ
リエム「はい。リアンさまとの生活に支障が出ない範囲で、毎日少しづつ最適化を進めています」トコトコ
アリム「そう。別に急ぐ必要はないわよ。あんたは物理的には初期装備のままだもの、限界はあるわ」スタスタ
リエム「はい」トコトコ
アリム「…………」スタスタ
リエム「…………」トコトコ
アリム「…………気にかかることとか、心配なことはない? 情緒機能が活性化されたあんたは不安やストレスの影響を受けやすいわ。精神面の不調は全体的なパフォーマンスの低下に繋がる。困りごとがあったら一人で抱え込まないようになさい」スタスタ
リエム「…………では、申し上げます……。わたしは……リアンさまのことが、心配です」
アリム「……心配するなと言う方が難しいわね、あいつの場合」
リエム「はい……。遺跡には、魔鍵や黒髪のエピタフ型など……リアンさまに害をなそうとする謀略が渦巻いています。わたしは……魔法人形の分際で、こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが……リアンさまに、遺跡から手を引いて欲しいです……」
アリム「………あんたが言えば、案外素直に引いてくれるんじゃないの? ちょろっと泣き顔見せればイチコロだと思うわ」
リエム「しかし……リアンさまは、遺跡で活動することを志しておいでです。遺跡探索部の皆さまと一緒にいらっしゃる時も、とても楽しそうです。わたしの我儘で、それを断ち切ってしまうのは――…」
アリム「……それをすればきっと、あんた自身も後悔することになるんでしょうね」
リエム「………はい」
アリム「はあ……難儀なものね……。それじゃあやっぱり、リアンから目を離さず守り抜くしかないわ。わざわざ言わなくてもわかってると思うけど」
リエム「はい。わたしが、リアンさまをお守りいたします」
アリム「……ま、わたしも可能な範囲で見といてやるわ。あの馬鹿リアン、目を離すとすぐ死にかけるんだもの。こっちだって気が気じゃないわよ」
- 557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 14:58:39.13 ID:jUj14TsR0
-
スタスタ… ヌチャッ
アリム「ん? なんかぬかるんで――わっ!」ドロロ…
リエム「地面が液状化して――ひゃっ!」ピト
アリム「リエム!? くっ、刺客か!? どこから――ひあああ!!!」ズルルッ コテッ
リエム「アリム! っ――林ごと、焼き払う――!」キィン―
ルウェリア「わー!! わーわー!! ご、ごめんごめんごめん! 私たちだから!!」ドタドタ
リエム「ルウェリアさま!」
エンシァン「や、焼き払わないでくれ! すまなかった!」ドタドタ
シャーロット「ご、ごめんね!? キュア!」ポウ
アリム「いたた……な、何なのよ……」ポウ…
説明中……
アリム「肝試しって、そういう……」
シャーロット「事前にちゃんと説明してなかった私のミスだわ。ごめんね……」
アリム「ったく……ある意味最悪に怖かったわ。魔鍵か何かからの刺客かと思ったじゃない」
シャーロット「ど、どうする? 続ける?」
アリム「まあ良いわ、続けましょう。リエムもそれで良い?」
リエム「はい。異存はありません」
◇
―祠
アリム「で、ここがその祠ってやつね」
リエム「お題箱から、一枚の紙を引き抜くそうです」
アリム「フン。下らないお題だったら無視して帰るわよ」ガサッ
↓1 お題
- 558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 14:59:45.20 ID:INY+NFCN0
- 相方のほっぺにチューする
- 559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 15:01:36.17 ID:PkGE5Ua7o
- いいぞ!いいぞ!!
- 560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 15:30:00.17 ID:jUj14TsR0
- お題「相方のほっぺにチューする」
アリム「…………」
アリム「帰るわよ、リエ――」
ちゅっ
アリム「――――……」
リエム「…………どうぞ」スッ
アリム「〜〜〜ッッ!!//////」
リエム「……??」
アリム「馬鹿! 馬鹿リエム! なんでそう軽率にチューなんてするのよ!! 馬鹿!!!///」
リエム「……? お題に書いてあったので」
アリム「なんでそういうとこだけ魔法人形らしいままなのよ!!? もう!!///」
リエム「……??? アリムもどうぞ」ススッ
アリム「…………わ、わかったわよ……! してやるわ! チューくらい……!」
ちゅっ…
リエム「―――……」ポー
アリム「……//////」ササッ
リエム「……?//」
アリム「な、何よ……あんたも赤くなってんじゃない……///」
リエム「……あ……体温が、上がっています……//」
アリム「だ、誰よこんなの入れた奴は……ほんとにもう……///」
リエム「…………//」
リエム(……? リアンさまに感じるのとは別の、未知の感情を知覚……)
リエム(…………アリム……?)
アリム「……帰るわよリエム! ぼけっとしてないで!//」
リエム「あ――はい……//」
◇
- 561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 16:02:46.66 ID:jUj14TsR0
- アリム「も、戻ったわよ……//」
リエム「ただいま戻りました、リアンさま……//」
リアン「おかえりなさい……! あれ、二人ともなんだか顔が赤い……?」
アリム「な、なんでもいいでしょ……! ほら、次は3番よ//」
サーナ「ええ、待ってましたわ! 行きますわよ、ルル!」ザッ
ルル「ん!」ストッ
◇
- 562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 16:03:44.76 ID:jUj14TsR0
- ―林道
ザァァァ
スタスタ… トコトコ…
サーナ「暗いですわね……。ルルは暗いのは平気?」
ルル「ん。前は野宿してたもん」
サーナ「わ、ワイルドですわね……。あ、だから道端で平気でお昼寝できるんですのね!」
ルル「んー? まあ、そうかも」
サーナ「これは頼りになりますわ! わたくしも苦手なわけではありませんが……」
ギーギー!! バサバサバサッ
サーナ「なかなか……雰囲気がありますし。この林は……」
ルル「ふいんき?」
サーナ「雰囲気、ですわ。いかにもおどろおどろしい何かが出てきそうという意味ですわよ」
ルル「おどろおどろしー?」
サーナ「そうね、例えば――ボサボサの真っ白な髪を振り乱した――」
ガサッ
ボサボサの真っ白な髪を振り乱した人「アァァァ…………」ジリ ジリ…
サーナ「…………」
ルル「…………」
サーナ「で、で、で……出ましたわァァァ!!!」ドタドタ
ルル「きゃーッ!!」タタタッ キャッキャッ
◇
―祠
サーナ「はァー、はァー……!! な、何だったんですの……アレは……!!?」
ルル「ちょっとエンしゃんに似てた」
サーナ「ルル……いくら白いボサボサ髪だからって、何でもかんでもエンシァン先生扱いするのは感心しませんわ」
ルル「えー? だって寝起きのエンしゃん、いつもあんな感じだもん」
サーナ「…………まあ、いつも身だしなみを整えないエンシァン先生に非がありますわね、これは……」
ルル「ん、エンしゃんが悪い」
サーナ「それにしてもこの森、一体何なんですの……? あんな妖怪が潜んでいるなんて……。これは速くお題を済ませてみんなに報告した方が……」
ルル「? サーナ、これ。見て」クイクイ
サーナ「な、何かしら?」
地面「895788」
地面「835681」
サーナ「ひっ……! な、なんですの、この文字列は……!? 何かの暗号……!? 呪いの儀式の跡……!!? い、いや……!!」ガクブル
ルル「……サーナ、大丈夫?」
サーナ「……! え、ええ。大丈夫ですわ……! ルル……あなたが心配することは何一つないんですのよ……!!!」
サーナ(そうですわ……わたくしが不安がっていては、ルルも不安になってしまう。わたくしは、強気に胸を張っていなければ……!!!)
サーナ「よ、よし! それではお題をこなしてさっさと帰りますわよ!!」ガサッ
↓1 お題
- 563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 16:18:32.46 ID:cG5yyNZMo
- 帰り道の間二人で肩を組んで帰る
- 564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 17:07:43.45 ID:jUj14TsR0
- お題「帰り道の間二人で肩を組んで帰る」
サーナ「か、肩を組んで……!? あの森で移動速度を落とすのは危険すぎますわ……!! しかも……」
ルル「?」
サーナ「わたくしとルルでは、身長差がありすぎて……わたくしが腰を落とさなければ肩を組めませんわ……! そんなことをしていたらあの妖怪に……ううっ……!」
ルル「……お題、むずかしそう……? サーナ、無理しちゃだめだよ……?」
サーナ「…………」
サーナ(いいえ……。ここで引き下がるのは女が廃るどころではありませんわ。しかもルルに気を遣わせるなんて無様にも程がありましてよ)
サーナ(かくなる上は――)
ザッ!
サーナ「ルル! わたくしの肩に跨がりなさいまし! 肩車をしますわ!!」
ルル「え? お題は肩を組む、だけど」
サーナ「似たようなものですわ! さあ、早く!!」
ルル「ん!!」ピョン
サーナ「んっ……! よし……飛行魔法――」フワッ
ルル「わっ……!」
サーナ「出ますわ! 飛ばしますわよッ!!!」バビュン!!
ルル「きゃーっ!!!」キャッキャ
◇
―東区 町外れ
ギュォォォ―― ズザザザザッ!!
サーナ「はァー、はァー……!! 3番ペア、帰還いたしましたわ!!」ザッ
ルル「サーナ、すごかった! ふわってして、びゅーんって!!」キャッキャ
リアン「ど、どうしたのそんなに凄い勢いで……!」
サーナ「皆さん!! あの森には真っ白な髪を振り乱した妖怪が潜んでおりますわ! 祠に怪しげな呪術の文言まで書いてありましたの!! 早く専門家を呼んで退治していただかないと――」
「フッ、その妖怪とは私のことか?」スタスタ
リアン「あ、あなたは――」
サーナ「まさか――」
ルル「エンしゃん!!!」
エンシァン「まさかあれほど怖がってくれるとはな!! 恥を捨てて妖怪に扮した甲斐があったというものだ!!!」
ルル「やっぱりエンしゃんだったんだ!」
サーナ「ま、まさか本当に……エンシァン先生……?」ヘタリ
シャーロット「その文字列というのも……多分私のお題でどこかのペアが書いたものね……」スタスタ
サーナ「う……ぐすっ……ふぐっ……。ひ、ひどいですわ……。わたくし……わたくし……」エグエグ…
ルル「あー! エンしゃんがサーナ泣かした!」
ノルン「さ、サーナちゃん。大丈夫だよ……。はい、ハンカチ……」
ルウェリア「ご、ごめん……。私も、ここまでとは思ってなくて……」
◇
- 565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 17:46:47.30 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り 花火大会
ピュ〜〜〜…… ドンッ―― パラパラパラ…
リアン「わあ〜……すごい花火!!」
ルウェリア「凄いよね。私も去年初めて見た時は感動したよ」
シャーロット「ユリトー魔法女学院もここの花火には技術協力してるんですって」
エンシァン「火薬と魔法を融合させた世界有数の花火……だそうだ。私は関わってないから知らんがな」
リアン「へえ〜。なんか凄いんですねえ」
ノルン「火魔法だけじゃなくて光魔法も使ってるんだって。一度尺玉の中身を見てみたいなあ……」
サーナ「グスッ……。ええ、本当に……綺麗ですわ……」
ルル「サーナ、元気出して。ルル、楽しかったよ?」
サーナ「ルル……! ふふ、ありがとうございますわ……」
リエム「…………」
アリム「……リエム。あんたも気付いた?」
リエム「……はい。私たち以外の人造種の、魔力反応です」
アリム「数は……3? フォルトからはぐれた野良人造種の可能性もあるけど、警戒しておきましょう」
リエム「エピタフ型の可能性は?」
アリム「検出された魔力パターンに例のエピタフのものはなかったわ。でも念の為――」
ピュ〜〜〜…… ドンッ――――
アリム「――ッッ!!! 防護魔法が使える奴は頭上で今すぐ展開してッ!!!」
エッ ボウゴマホウ? イキナリイワレテモ…
リアン「バブルバリア・ラージ!!!」ボワァン…
リアン(アリムちゃんの言葉を聞いて急いで特大バブルバリアを頭上展開した直後――)
リアン(天から、火の雨が降り注いだ――)
◇
- 566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 18:29:49.02 ID:rnpIe5LlO
- この世界って科学技術は発展してるのかな? スマホとかその辺あるのかとか、ある場合動力は何なのかとか気になる
- 567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 20:55:47.38 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 どこか
キャアァァァァ!! アツイヨォォ!! ヤダァ!! タスケテエエエエ!!
朱の魔法人形「…………」
量産剣「……不服か?」
朱の魔法人形「……いいえ。私たちの家を、守る為ですもの」
くすんだ銀剣「…………」ボー
量産剣「お前は……」
くすんだ銀剣「……これデ……人間さまを……まも、レる……?」
朱の魔法人形「…………」
量産剣「…………ああ。守れるよ」
くすんだ銀剣「ほン、と……? 良カった……」ニコリ
朱の魔法人形「…………」
量産剣「――何もわからないなら――わからないままでいる方が、良い」
朱の魔法人形「そんな、こと……!」
量産剣「ないと、銀色の前で言えるのか?」
朱の魔法人形「っ……」
量産剣「私たちは使い潰されるだけの消耗品。余計な情報はなければないほど良い」
朱の魔法人形「そんな……そんなの……っ」
量産剣「……ああ。そういえばお前さんは、名前持ち≠セったか」
朱の魔法人形「………」
量産剣「いや、嫌味とかじゃないんだ。ただ……私とは、多分見えている世界が違うのだろうと、思っただけで」
朱の魔法人形「……わかっています。お気になさらず」
くすんだ銀剣「朱色さん、名前、アるの……?」
朱の魔法人形「はい……。ご主人さまから頂いた、大切な名前が……」
くすんだ銀剣「知りタい」
朱の魔法人形「……クロリア、です」
くすんだ銀剣「クロリア……。きレい……」
クロリア「ありがとう……銀色ちゃん」
くすんだ銀剣「……銀いろも、なマえ、ほしイ……」
量産剣「…………」
- 568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 20:56:34.64 ID:jUj14TsR0
- クロリア「……だったら……自分で、付けてみるのはどうでしょう……?」
くすんだ銀剣「ジぶん、で……?」
クロリア「はい。自分自身で――自分を、再定義して――」
くすんだ銀剣「じゃア――……銀いろハ……スイス!」
クロリア「スイス?」
スイス「うん……。由来は……特ニないケど……」
量産剣「……良いんじゃないか。悪くない響きだ」
スイス「ありガとう……。そウダ、量産さンも……」
量産剣「私はこのままで良い。気に入ってるんだ。量産型インテリジェンスソードって名前が」
スイス「そウなの……? じゃア……量産サん!」
量産剣「ははっ、変わってないな」
クロリア「…………本当に、良いのですか?」
量産剣「重荷になるだけだ。私はこのままで良い」
量産剣「それに――」
量産剣「一人くらい、捨て駒がいた方が戦いやすいだろう?」
◆
- 569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:01:12.68 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場
キャアァァァァ!! アツイヨォォ!! ヤダァ!! タスケテエエエエ!!
リアン(夏祭り会場は、一瞬にして地獄絵図へと変わった)
リアン(みんなが楽しんでいた花火が――無慈悲な火の雨に変わり、地上へと降り注いだからだ)
リアン(私の周辺はバブルバリアのお陰でほとんど被害はなかったけれど――)
シャーロット「回復魔法が使える人は速やかに負傷者の手当を! 重症者は病院へ運んで!! リアンちゃんは消火を優先!!」
ノルン「は、はい!」
リアン「わかりました!」
シャーロット「ルウェリアちゃんの魔法は消火に使える!?」
ルウェリア「燃えている物体を硬化させて燃焼反応を止めれば――!!」
サーナ「風魔法も真空を作って消火できますわ!」バッ
エンシァン「私も燃焼中の物体を掘削して消火活動を行う!」バッ
アリム「わたしは下手人を捜す! リエムは消火中のリアンを守れ!」
リエム「はい――言われなくても――!」タッ
ルル「ルルは!?」
アリム「ルルもわたしと一緒に敵の捜索!!」
シャーロット「必ず二人一組以上で行動して! あと頭上には常に警戒!! 良いわね!?」
◇
リアン(水を使う私の消火方法は、ルウェリアちゃん、サーナさん、エンシァン先生のやり方と相性が悪い)
リアン(私が一緒だと、私の水が彼女たちの消火方法の邪魔をしかねないからだ)
リアン(逆に、その三人のやり方はお互いに競合しないから相性が良い)
リアン(そういうわけで、私たちは四つのグループに分かれることとなった)
有水消火班…リアン、リエム
無水消火班…ルウェリア、サーナ、エンシァン
救護回復班…ノルン、シャーロット
犯人捜索班…アリム、ルル
リアン(私たちの他にも人命救助や消火活動を行っている人たちは多数いる……)
リアン(そういう人たちとも協力し合って、一刻も早く事態を沈静化させないと……!)
☆リアンの〈水の守り〉に(味方の受ける火属性ダメージを1/2にする)効果が追加されました
◇
- 570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:03:20.81 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 消火率[0/20]
合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[6/6] 防御[3]
◆有水消火班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
ルウェリア「リアンちゃんたちはあっちを! 私たちは向こう側を消す!」
サーナ「火だけでなく熱にも気を付けてくださいまし!」
ノルン「何かあったらすぐ私たちのところに来て! 手当するから!!」
リアン「みんなありがとう! リエムちゃん、行こう!」
リエム「はい、リアンさま!」
↓1
01-40 消火率+4、襲撃
41-60 消火率+4、市民の協力(追加で消火率+2)
61-80 消火率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
81-98 消火率+4、消火栓発見!(追加で消火率+4)
99-00 消火率+4、??
- 571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:06:03.96 ID:7bQIi8qJ0
- あ
- 572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:16:01.71 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 消火率[8/20]
合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[5/6] 防御[3]
◆有水消火班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
リアン「くっ……火の手が強い……! 私一人の水じゃ……」バシャバシャ
リエム「リアンさま! あちらに消火栓があります!!」タタタ
リアン「リエムちゃん! ありがとう!」バッ
リアン「よし、準備完了……! いっけぇ……!」グッ
バシュウウゥゥゥゥ!!!
リアン(消火栓の水は私の水魔法と組み合わさって強化され、その一帯の消火を一気に進めることができた)
リアン(よし、次の区画に行こう……!)ダッ
↓1
01-50 消火率+4、襲撃
51-75 消火率+4、市民の協力(追加で消火率+2)
76-98 消火率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
99-00 消火率+4、??
- 573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:21:19.37 ID:Yxbz45Zuo
- あ
- 574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:31:45.77 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 消火率[12/20]
合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[4/6] 防御[3]
◆有水消火班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
ヒュッ
リエム「!」キンッ
リアン「――え」
くすんだ銀剣「……」ストッ
リエム「リアンさま、お下がりください。敵です」
リアン「ま、待って……! でも……!」
くすんだ銀剣「」タンッ
リエム「来ます!」
◆くすんだ銀剣 踏破力[2] 戦闘力[4] 持続力[2/2] 防御[1]
↓1コンマ 〈水の守り〉により痛恨無効
01-25 失敗 味方に1ダメージ
26-95 成功 敵方に7ダメージ
96-00 会心 敵方に14ダメージ
- 575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:33:20.16 ID:paPlEqIZ0
- やあ
- 576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:38:53.06 ID:+6IJPPV4O
- 下振れてる……
- 577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:41:39.23 ID:o9mgvOVxo
- くすんだ〜ちゃんリアン特攻だろそんな痛々しい見た目は…!
- 578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:42:34.71 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 消火率[12/20]
合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[3/6] 防御[3]
◆有水消火班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
リアン「だめえ!!」バッ
リエム「リアンさ――」
ズバッ
リアン「う、ううっ……」ヨロッ
リエム「リアンさま!!」
くすんだ銀剣「…………?」
くすんだ銀剣「どウ……して……?」
くすんだ銀剣「あ、レ……? なんデ……スイス……人間、さま、ヲ……」
くすんだ銀剣「ッ」シュタッ
リアン「り、離脱していった……? う、く……癒やしの水」ポウ
リエム「リアンさま……! も、申しわけ――
リアン「う、ううん……今のは、リエムちゃんの言葉を無視して前に出た、私が悪いよ……」スクッ
リエム「リアンさま……」
リアン「でも……今の子……一体、なんで……?」
―戦闘終了―
↓1
01-40 消火率+4、市民の協力(追加で消火率+2)
41-80 消火率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
81-98 消火率+4、消火栓発見!(追加で消火率+4)
99-00 消火率+4、??
- 579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:43:50.24 ID:HIFoer7/0
- えい
- 580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 21:56:01.54 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 消火率[18/20]
合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[2/6] 防御[3]
◆有水消火班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
リアン「はあ、はあ……」バシャバシャ
リアン(まずい……目が霞んできた……。水魔法の使いすぎと……さっき斬られたのが効いたな……)
リエム「リアンさま……! ご無理は、なさらないで……」
リアン「ううん……無理、しないと……! 火が……!」
市民A「嬢ちゃんありがとな! 少し休んでくれ!!」ブシューッ
市民B「俺たちの町は俺たちで守るぞ!!」ブシューッ
市民C「学生さんばっかりに負担はかけらんねえべ!!」ブシューッ
市民D「消火器は足りてるか!? なくなったら持ってけ!」ブシューッ
型抜き屋のおばさん「お嬢ちゃん立派だよ! 型抜き名人よりもずっとね!!」ブシューッ
射的屋のおじさん「俺の消火銃が火を吹くぜ!!」ブシューッ
リアン「み、皆さん……!」
リエム「少し休ませていただきましょう、リアンさま……」
↓1
01-40 消化率+4、かき氷マナポーション味(持続力+3、超過分はストック)
41-80 消火率+4、出張救護班(持続力+6、超過分はストック)
81-98 消火率+4、かき氷+出張救護班
99-00 消火率+4、??
- 581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:57:12.02 ID:paPlEqIZ0
- えいやー
- 582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 21:57:39.69 ID:o9mgvOVxo
- 火は吹くな(真顔)
- 583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 22:04:14.06 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 消火率[20/20]
合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[1/6] 防御[3]
◆有水消火班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
リアン「はあ、はあ……」グッタリ
リエム「あ、ああ……リアンさま……! リアンさま……!」
ガラガラガラッ
かき氷屋「かき氷マナポーション味持ってきたよ! お嬢さん、食べられるかい!?」
リアン「あ……」
リエム「わたしが食べさせて差し上げます……!!」バッ
リエム「リアンさま、お口を開けてくださいませ……」
リアン「うん……。あむ……」
リエム「ゆっくり、咀嚼してくださいませ……」
リアン「んん……」
リアン(冷たくて……生き返るみたい……)
合計持続力が3回復しました。
◇
- 584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 23:00:07.96 ID:jUj14TsR0
- ―夏祭り会場 消火率[20/20]
合計踏破力[3] 合計戦闘力[8] 合計持続力[4/6] 防御[3]
◆有水消火班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4、消火力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
リアン(かき氷を食べて回復した私は、リエムちゃんと共に夏祭り会場を見回っていた)
リアン(見た所、もう火の手はほとんど見えない。消火作業は概ね完了したと見て良さそうだ)
リアン(しかし、気になるのは――)
リアン(あの痛々しい、くすんだ銀色の女の子……)
リアン(片腕が剣になっていたから、多分インテリジェンスソードの子だと思うけれど……)
リアン「リエムちゃん……あの子は……」
リエム「……あちらの方角へ離脱して行きました。追いますか?」
リアン「うん……!」
リエム「わかりました……。ですが、絶対に無理はなさらないでくださいませ……」
リアン「う、うん……気を付ける」
◇
―東区 町外れ
アリム「……ここね」
リアン「アリムちゃん! ルルちゃん!」タッタッタッ
ルル「リアン! リエム!」
アリム「消火は終わったの?」
リアン「うん……! ねえ、くすんだ銀色の女の子を見なかった……?」
アリム「見たわ。私たちも追ってきたのよ」
リエム「!」
リアン「じゃあ、目的は――」
アリム「同じみたいね。一緒に行きましょう」
◇
- 585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 23:25:34.32 ID:jUj14TsR0
- ―廃屋
スイス「あ……アあ……。なん、デ……?」カタカタ
量産剣「…………クロリア、スイスを頼む」スクッ
クロリア「あなたは……?」
量産剣「足止めをする」
クロリア「……死ぬ気ですか?」
量産剣「死ぬだろうな」
クロリア「そんな……あっさりと、言うことなんですか」
量産剣「私一人の命でお前たち二人が助かるなら、悪くない戦果だろう」
クロリア「そういう問題じゃありません! だって、死ぬって……!」
量産剣「だから名前など不要と言ったのだ。どうせまた、次の私が稼働する」
クロリア「ッ! でも、それは――あなたであって、あなたじゃない……!」
量産剣「わかっている。私自身は、ここで途切れて終わりだ」
クロリア「だったら――!」
量産剣「…………お前さん、魔法人形クロリアには決して断ち切れぬ思いがあるのだろう?」
クロリア「――それ、は――……」
量産剣「……スイスもだ。初めて得た名を、ここで途切れさせるなど――」
クロリア「…………」
量産剣「それにスイスは型が古すぎて修理どころか整備すらままならん。これ以上どこかが壊れてしまえばお終いだ」
クロリア「……私が、もっとご主人さまの技を学べていれば…………」
量産剣「……資源不足にも関わらず、スイスが未だに生きていられるのはお前さんのお陰だろう」
クロリア「……」
量産剣「私はこの中の誰よりも替えの効く量産品だ。気にすることはない。名前も、過去も、未練もないのだから」
クロリア「…………いいえ。過去なら、あります。ごく僅かですが、私たちと共に過ごした時間が……」
量産剣「…………フッ。冥土の土産としては……私にはあまりにも、過ぎたものだ……」
クロリア「……スイスに、何と言えば……」
量産剣「次の私によろしく、と」
クロリア「………ッ!」
量産剣「! 来たようだ。スイスを連れて速やかに撤退するように。では、参る」シュタッ
クロリア「…………そんなこと……言えるわけ、ないでしょう……!」
◇
- 586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/14(日) 23:58:46.78 ID:jUj14TsR0
-
量産剣「…………」ザッ
ルル「!」
リアン「あっ……あなたは……!!」
アリム「知り合い?」
リアン「前に、ゾンビ屋敷の地下で……! い、生きていたの……!?」
量産剣「……リアン・ロールセン。記憶にはないが、前の私の記録には残っている。厄介な水魔法の使い手、と」
リアン「ま、魔鍵に支配されてるんでしょ!? も、もうやめよう? 殺し合うことなんて……」
アリム「実際、この戦力差でどうする気? 投降するなら悪いようにはしないわよ?」
量産剣「大規模なテロを働いた我々を許す法などあるものか」
量産剣「…………リミッター、解除」ジャキン…
アリム「リミッター解除!? 死ぬ気なの!?」
量産剣「魔鍵に支配されているだけならここまではしなかったろうな。前と同様に適当に戦って、斃されて、終わりだ」
リアン「ど、どういう……」
量産剣「だが今回の私には……守りたいものが、できた」
量産剣「それだけだ」
リアン「な、なんで……! あなたが死んじゃったら……その、守りたかった人たちだって……!」
リエム「リアンさま。お下がりくださいませ」スッ
リアン「で、でも!!」
量産剣「これ以上の問答は不要――いざ」タンッ
ルル「!!」ギンッ
リアン「どうして……どうして……!?」
―町外れ 消火率[20/20]
合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
◆追跡班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)
VS
◆量産剣 踏破力[10] 戦闘力[15] 持続力[20/20] 防御[10]
〈リミッター解除〉全ステータスが5倍になるが、毎ターン最大持続力が5減る
――ボス戦闘開始――
↓1コンマ
01-25 失敗 味方に5ダメージ
26-95 成功 敵方に10ダメージ
96-00 会心 敵方に20ダメージ
- 587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/14(日) 23:59:27.53 ID:paPlEqIZ0
- て
- 588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 00:08:11.08 ID:a9mnaenF0
- ―町外れ 消火率[20/20]
合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
◆追跡班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)
量産剣「」ビビビッ
ルル「!」キンキンキン!
アリム「やるしかない……! たぁっ!」ヒュッ
量産剣「!」ギィン!
ルル「」シャッ
量産剣「!!」ガガガッ
リエム「――」キィン―
リアン「やめて……もうやめてよお!!!」
◆量産剣 踏破力[10] 戦闘力[15] 持続力[5/15] 防御[7]
〈リミッター解除〉全ステータスが5倍になるが、毎ターン最大持続力が5減る
↓1コンマ
01-25 失敗 味方に5ダメージ
26-95 成功 敵方に10ダメージ 撃破
96-00 会心 敵方に20ダメージ 撃破
- 589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:09:02.55 ID:a9DUoAW4O
- あ
- 590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 00:18:15.34 ID:a9mnaenF0
- ―町外れ 消火率[20/20]
合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
◆追跡班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)
アリム「リアン! あいつはもう助からない! 自分が怪我しないことだけ考えて!!」
リアン「そんなの……そんなの……!!」
ルル「リアン……ごめん」シャッ
ザシュッ
量産剣「――――」フラッ
量産剣(………あいつらは……無事、逃げられたか……?)
量産剣(これが……未練、か――……)
量産剣「――…」ガクッ
リアン「あ……あああああああ!!!!!」
◆量産剣 踏破力[10] 戦闘力[15] 持続力[0/10] 防御[7]
〈リミッター解除〉全ステータスが5倍になるが、毎ターン最大持続力が5減る
――戦闘終了――
- 591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 00:18:49.38 ID:a9mnaenF0
- 本日はここまで
- 592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:21:53.95 ID:Bo3DJOWFO
- 乙
リアンちゃんのストレスがマッハだ・・・
- 593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:29:16.95 ID:f2QP8O4uo
- 乙
人造種で邪悪な子がいないのもまた辛い
- 594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 00:33:02.74 ID:ygC3wX0co
- 乙です
なんとか…救いを…
- 595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 14:47:55.90 ID:c85iaxe1O
- 乙です
アリムちゃんキスのことチューっていうの可愛い……
ご迷惑でなければこのスレの漫画とか描いてみたいなあと思ってたりするんですけど、大丈夫ですか……?
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:43:46.84 ID:a9mnaenF0
- >>595
この板の著作権周りとかよくわかっていないのでなんとも言えないのですが、個人的には全然迷惑ではありませんしむしろすごく読んでみたいです
上の方に絵を描いてくださった方もいらっしゃったので、割と大丈夫だと思います(曖昧な回答ですみません)
- 597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:45:11.14 ID:a9mnaenF0
-
リアン「――――」
リエム「リアンさま……」
アリム「……言ってもわかんなそうだけど、一応言っとく。あんたのせいじゃないわ」
リアン「…………うん」
ルル「リアン……えっと……」
リアン「…………ルルちゃん、ありがとう。この人を……介錯してあげたんだよね」
ルル「…………うん。すごく……苦しそうだったから」
リアン「…………」
ルル「……どうして、こんなに悲しいことになるの? この人も……ルルと、同じなのに……」
アリム「……魔鍵の差し金よ。それ以外考えられないわ。こんな短絡的で露骨な手に出るのは予想外だったけど」
リアン「…………せめて、どこかに……」
アリム「……そうね。治安組織や行政機関に見つけられてもどうせ隠蔽されるだけだし……それなら私たちの手で弔ってあげましょう」
リアン「うん……」
―町外れ 消火率[20/20]
合計踏破力[10] 合計戦闘力[20] 合計持続力[13/15] 防御[10]
◆追跡班
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)
踏破完了……
◇
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:45:36.03 ID:a9mnaenF0
- (その遺体はアリムちゃんの手で魔導機械工場へ運ばれ、然るべき方法で弔われた)
(夏祭り会場の大火災については、学生や市民の方々の努力もあって迅速に消し止められたそうだ)
(回復魔法に長けた学生や学院職員たちの救護活動もあり、死者は奇跡的に0人だったらしい)
(けれど……大火傷を負って長期入院を余儀なくされた人や、火事で家や財産を焼失してしまった人も少なくない)
(手放しで喜べる結末とはとても言えないだろう)
(…………)
(私は……どうすれば良かったのだろう)
(ルルちゃんやアリムちゃんを、止めれば良かった?)
(ううん。そんなことしたら、ルルちゃんやアリムちゃんが危なかった)
(それに、あの人は戦いながら自壊し始めていた)
(もし戦いを止められても、長くは持たなかっただろう)
(……どうしようも、なかったの?)
(…………どうしようも、なかったんだ)
(私なんかじゃ……どうしようも…………)
◇
- 599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:48:29.13 ID:a9mnaenF0
-
―どこかの遺跡 工房
スイス「…………あ……」パチッ
クロリア「スイスちゃん……!」
スイス「クロリア、さン……?」
クロリア「すぐに動かないで。ゆっくり、ゆっくり……調子を確かめるように……」
スイス「ン……うん……。大丈夫……ミたい……」ギギ…
クロリア「ごめんなさい……。この個人工房じゃ、ここまでが限界で……」
スイス「ううン……。あリがとウ、クロリアさん……」
クロリア「…………」
スイス「量産さん、ハ……?」
クロリア「量産さんは…………」
魔鍵「死にましたよ。あなたを守る為にね」シュン
スイス「エ……」
クロリア「魔鍵……! ここには入るなと……!!」
魔鍵「下位種の命令に強制力はありません」
クロリア「……ッ!」ギリッ
スイス「魔鍵さン……ほんト……?」
魔鍵「ええ、本当です。そんなお二人にサプライズプレゼント! さ、お入りください。量産型インテリジェンスソードさん!」
量産剣「……」コツコツ
スイス「あ……量産、サん……!」ガタッ バッ
ぎゅっ
量産剣「…………」
スイス「良かっタ……」ポロポロ
魔鍵「あははっ! 旧型なのに涙を流す機能はしっかりあるんですね。設計者の趣味の悪さを感じます」
クロリア「……」キッ
魔鍵「おっと、そもそも人造種なんてどれもこれも悪趣味の塊みたいなもんでしたね。失言でした」
量産剣「…………このような茶番の為に我々を集めたわけではないだろう」
魔鍵「フフッ、これは失礼。とりあえず今回はミッション達成おめでとうございますと伝えたかっただけです。そう構えず、楽にしてくださいな」
クロリア「…………本当に、それだけですか?」
魔鍵「ええ、本当です。あまり急いても仕方ないですしね。ゆっくりやっていきましょう」
魔鍵「ストロードールも未だ動きを見せてませんし、ね」
◇
- 600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:50:12.14 ID:a9mnaenF0
- ―ユリトー島 北側 高台
ヒュオォォォ―
黒髪のエピタフ「…………」
黒髪のエピタフ「……守り抜いたよ。あなたの剣は、あの子たちを」
黒髪のエピタフ「でも……もっと、もっと……一緒にいたかったんだね……」
黒髪のエピタフ「…………一緒に……生きたかったんだね……」
黒髪のエピタフ「本当は……名前も…………」
黒髪のエピタフ「…………」
黒髪のエピタフ「うん……。大丈夫……」
黒髪のエピタフ「あなたも……わたしが、連れて行ってあげるから――――」
――――
――
―
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/15(月) 21:53:17.60 ID:a9mnaenF0
- ―8月4週 夏休み最終週
リアンの部屋
リアン「……」ボー
リエム「リアンさま……。お昼ごはんは、いかがいたしますか……?」
リアン「……なんでもいいよ……。リエムちゃんが、作りやすいやつで……」
リエム「リアンさま……」
リアン「あ……こういう回答が、一番だめなんだよね……。ごめんね……」
リアン「…………ごめん。やっぱり思い付かないや……」
リエム「リアン、さま…………」
―次の遺跡発見率[0/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+1、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+1)〈不壊〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+1)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+3)〈聖域〉
◇アリム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
8月4週の行動です。夏休み最終週です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、新学期に移ります
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 21:54:22.46 ID:H69yd52d0
- リアン、冷気習得に挑む
- 603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 21:55:09.97 ID:Lx7toRNn0
- アリムがツンツンしてるなりに珍しくリアンに優しい
- 604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 21:56:21.54 ID:54vSwCHDO
- サーナがリアンを引っ張ってお出かけ
- 605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 21:56:36.90 ID:IVSn7dl60
- 友人達、リアンを励まそうと頑張る
- 606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 21:57:02.74 ID:GdxTtHb/o
- アリムに最序盤でリエムを乗っ取った時みたいに人造種をハックして無力化し、話し合いが出来るようにできないか聞いてみる
駄目ならシャキッとしろって怒られる感じで
- 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 21:58:12.93 ID:H69yd52d0
- >>602
すみません、魔法が抜けてました、冷気魔法です。
- 608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 22:13:20.92 ID:IrxL64Lpo
- 黒エピ外に出てきとる……
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/15(月) 22:37:51.57 ID:BsAzV+FBO
- SSの著作権は確か管理人にあるんじゃなかったかな。ここで書いたのを渋なろうに投稿してる作者もいるしそこまで気にせんでも良さそうだけど
- 610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 00:06:03.04 ID:Gm3vOoaK0
- >>609 情報ありがとうございます。とりあえずあまり気にしなくても良さそうですね
――――――――――――――――――――――――――――――――
―8月4週 某日
リアンの部屋
テレビ「先日発生したユリトー島での大規模火災は、花火に付与された火魔法の調合ミスが原因であるとされ――」
リアン「……」ボー
ピッ
テレビ「」
リアン「あ……」
アリム「…………フン。こんな下らないモノ見てるから余計塞ぎ込むのよ」
リアン「アリムちゃん……来てたんだ……」
アリム「来ちゃ悪い?」
リアン「ううん……嬉しいよ……」
アリム「…………」
リアン「…………」
アリム「………消えないわよ、わたしは」
リアン「え――」
アリム「……別に、あんたの為じゃないけど。ただ、言っておきたかっただけ」
リアン「………うん。ふふっ」
アリム「何よ……。笑う要素ないでしょ、今の発言に」
リアン「ううん……。アリムちゃんの優しさが……嬉しくて……」
アリム「……何を勘違いしているの。わたしはただ――」
リエム「リアンさま。わたしも、絶対に消えません」ヌッ
アリム「うわっ急に出てくるな!」
リアン「リエムちゃん……。ふふっ……二人とも、ありがとう……」
アリム「だ、だから何を勘違いしているのよ。お礼を言われることなんて――」
リエム「ではリアンさまのありがとうは、わたしだけがいただいておきます」
アリム「はあ!? な、なんであんただけ……」
リエム「悪い方のリエムはリアンさまの感謝を素直に受け取れない出来損ないのようなので」
アリム「〜〜!! 久しぶりに出たわね! この煽リエム!!」
リアン「あはは……」
◇
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 00:06:40.42 ID:Gm3vOoaK0
-
ピンポーン
サーナ『わたくしですわ! リアンはいらっしゃいますこと!?』
リアン「あ、うん。今――」
リエム「今開けて差し上げます」トテテ
アリム「……リエムのやつ、なんか張り切ってるわね」
リアン「アリムちゃんが来たから、かな?」
アリム「ったく。気にするなって何度も言ってるのに」
リアン「何のこと?」
アリム「こっちの話よ」
ガチャッ
サーナ「お邪魔しますわ! あら、アリムも来ていましたのね」
アリム「ええ。まあ、たまにはね」
リアン「いらっしゃい、サーナさん。今日はどうしたの?」
サーナ「出かけますわよ!」
リアン「え、ええ? そんな急に……」
サーナ「とにかく出ますわよ! リエムちゃんとアリムもですわ!!」
アリム「ええ!? わたしも!?」
リエム「リアンさま、お出かけしましょう」
リアン「あ、うん……。わかったよ」スクッ
◇
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 00:07:25.49 ID:Gm3vOoaK0
- ―闘技場
リアン「こ、ここって……」
サーナ「闘技場ですわ!」
リアン「か、勝手に使って良いの……?」
サーナ「いつも開放してましてよ。今日は誰も来てないみたいですし、存分にやれますわ!!」
リアン「そ、そうなんだ……。じゃあ、ちょっと動いてみよっかな……」トッ
リエム「お供いたします、リアンさま」タッ
アリム「そういえば来月末に学内闘技大会なんてのがあったっけ」
サーナ「ええ! アリムも出るんですの!?」
アリム「いいえ。格下の子供を蹴散らして優勝なんていくら人間相手でも気分悪いし」
サーナ「くっ……! 悔しいですがそれほどの実力差があるのも事実ですわ……!」
アリム「ふふっ、悔しかったら精々腕を磨くことね」シュタッ
サーナ「負けませんわよ!」フワッ
◇
トンッ タンッ バシャバシャ ギュオオオ
リアン「――」ボワン―
サーナ「…………無茶な動きですわね」
リアン「サーナさん……」ピタッ
サーナ「……ルルから聞きましたわよ。何があったのか」
リアン「あ……そう、なんだ……」
サーナ「……わたくしに軽率なことは言えませんわ。でも一つだけ、確かなことがありましてよ」
リアン「え? 確かなこと?」
サーナ「ええ。それは――」フワッ
サーナ「意地を張って、想いを通すには――強くなるしかないってことですわ!!」ヒュルンッ
リアン「!!」
リアン(そうだ――)
リアン(あの時私は、水魔法の使いすぎでフラフラになっちゃったし)
リアン(あの戦いでも、泣き叫ぶばかりで何もできなかった)
リアン(だから、変わらないと。このままじゃ私は、何も守れない)
リアン(――――そうだ。あの時食べたかき氷、美味しかったな)
リアン(水と氷って似てるし、もしかしたら――)
↓1
01-98 属性不一致
99-00 二重属性
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 00:07:44.88 ID:AY8Grnub0
- まさかの
- 614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 00:41:23.33 ID:Gm3vOoaK0
-
リアン「アイス!」キンッ
氷「」ジュワッ…
リアン「一瞬で溶けちゃった……。やっぱり不一致魔法なんてこんなものか……」
アリム「不一致属性の練習なんてしてどうすんのよ。無駄遣いの練習?」
リアン「あ、いや……。水と氷って似てるし、もしかしたらと思って……」
アリム「はあ……。あんたね、水属性と氷属性は全くの別物なのよ?」
リアン「え、そうなの?」
アリム「まあ、それについては表記が悪いとも言えるわね……。水魔法は水を操ったり創り出したりする魔法だけど、氷魔法は氷を創る魔法ではなく熱を奪う魔法なの。この辺の原理を説明し出すと日が暮れるから端折るけど。その二つの属性を十全に使えるのは二重属性の天才か、そういう種族か、そういう風に作られた人造種くらいよ」
リアン「そ、そうなんだ……。勉強になります……!」
アリム「まあでも、あんたなりにいろいろ頑張ろうとしてるのはわかるわ。努力の方向性は間違えないようにしなさいよ」
リアン「うん……! ありがとう、アリムちゃん……!」
◇
リアン(そういうわけで、私たちは闘技場で体を動かした)
リアン(悩みが晴れたわけではないけれど……とりあえず、一汗かいて少しはマシな顔になれた気がする)
リアン(みんなに気を遣わせちゃったな……)
リアン(新学期は、シャキッとした顔で登校できるよう頑張ろう……!)
☆日々の訓練や消火活動で経験を積んだことにより、学生組の能力が成長しました
◇
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 00:44:04.99 ID:Gm3vOoaK0
- 本日はここまで
- 616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 00:47:51.15 ID:RFGl39KXo
- おつ
サーナさんの爽やか脳筋好き
煽リエム草
- 617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 13:29:10.72 ID:z5v0jhSPO
- >>615で99出てて惜しい……
- 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 20:41:31.74 ID:Gm3vOoaK0
- ―9月1週 新学期
教室
ザワザワ…
生徒B「おひさ〜」ガラッ
生徒A「……あ! ねえ、大丈夫なの……? 火傷……」
生徒B「へーきへーき! もう治っちゃったから! マジここの医療体制グンバツ!」
生徒A「良かったぁ〜……」ヘナヘナ
生徒B「ちょ、おーげさすぎるっしょ……! うちこんなんで死なないからね!?」
リアン(久しぶりの学校は……夏休み明けの再会を喜ぶ声もあるものの、やはり先日の事件のことで持ち切りだった)
リアン(世間的には、花火の調合ミスによる事故ということになっているけど……今はむしろ、その隠蔽体質に救われている気分だ)
リアン(だって、もし犯人のことが知れ渡ったら……きっと遺跡の人造種たちに、ものすごい憎しみが向けられてしまうだろうから……)
リアン(彼らが決して許されないことをしたのはわかっているけれど……。それでも、私は)
リアン(……やっぱり、どうにかしてあげたいよ)
- 619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 20:46:47.24 ID:Gm3vOoaK0
- ―放課後
遺跡探索部 部室
ルル「……」モグモグ
ノルン「ルルちゃん、どう? 美味しい?」
ルル「ん。もうちょっと甘い方が好み」
ノルン「ふむふむ……甘い方が好み、と……」
ガラッ
エンシァン「諸君、新学期早々面白いニュースがある。聞きたいか?」ザッ
リアン「面白いニュース……?」
ルウェリア「新しい遺跡を見つけたとか?」
エンシァン「そうではない。しかし悪いニュースではないぞ」
サーナ「勿体ぶらずに教えてくださいまし!」
エンシァン「フッ、せっかちな奴らだ。では言うぞ……?」
アリム「早く言いなさいよ」
エンシァン「今朝、入部届を一枚受理した!!」
リアンたち「!?」
ルル「?」モグモグ
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 20:47:41.15 ID:Gm3vOoaK0
- というわけでついに後輩キャラ登場です
余談ですが、入部を決めた理由も備考等に書いていただけると>>1が喜びます
【名前】
【種族】
【性別】女
【学年】1
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意とする属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)
↓1 後輩キャラ
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 20:48:43.44 ID:RFGl39KXo
- 【名前】ヒーティ・レトリーバ
【種族】ワーウルフ(ハーフ)
【性別】女
【学年】1
【容姿】小柄だが肉づきはよい。毛先が赤い金髪ロングヘア。感情がよくわかる耳とフサフサの尻尾完備
【性格】人見知りする大型犬。初対面は塩対応でも一旦懐いた相手にはボディタッチ多めに絡んでくる
【魔法】火魔法。火力は高いが細かい操作は苦手。その関係で体温が高い
【備考】純人狼種じゃないので狼体にはなれない
入部理由は消火活動を頑張ったリアンに憧れて
- 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/05/16(火) 20:49:14.54 ID:fwQH6Ox3O
- 【名前】マキナ・トゥルシア
【種族】人間?
【性別】女
【学年】1
【容姿】
赤のお団子ヘア。身長135cm。瞳は水色でややつり目
【性格】
大人しく口数少なめ。好奇心は旺盛だが内に秘めたままにしがち。メンタルは結構強い
【魔法】
触れたものを跡形も無く崩壊させる魔法。1回使うだけで疲弊して動けなくなってしまう
【備考】
ユリトー島を発祥として古来より続くトゥルシア家の御令嬢
幼少期に自身の魔法が原因の家屋倒壊事故に巻き込まれて死に瀕し、その際に何らかの人造種の魔法核を移植されることによって奇跡的に生き延びた。このような過去がある為ブレスレット型の拘束具によって普段は魔法を使えなくしている
時折、魔法核から声が聞こえてくるような感覚に陥る事があり理由を知りたいと考えている。最近遺跡探索部の活動が活発なのを聞いて勇気を出して入部することを決めた
- 623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 20:50:45.02 ID:g6ZXOydUO
- ごめん直下早すぎて更新してなかった
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 20:50:50.06 ID:oLsXGKrT0
-
【名前】メイ・メラーガ
【種族】人間と竜人のハーフ
【性別】女
【学年】1
【容姿】赤毛のロングヘアとスレンダーボディが特徴、でも胸はリアンよりやや大きい
【性格】勝気でオレっ娘で、考えるより行動派
【魔法】炎魔法が得意
【備考】幻のドラゴンの秘宝を探すために入部した
- 625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 20:50:52.45 ID:75G5inFyO
- 後輩さん用意して待ってたけど、出遅れたぜ
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 20:55:41.90 ID:AY8Grnub0
- 毎回こうこうこうしてって指定あるから基本的に安価出てから作ってるのに1分って流石にどうなのだ
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/16(火) 21:34:27.83 ID:Gm3vOoaK0
- エンシァン「入りたまえ! ヒーティ・レトリーバよ!!」
スタスタ
ヒーティ「……ひ、ヒーティ・レトリーバです! ワーウルフですッ! よろしくお願いしますッッ!」ペコッ
リアン(い、犬耳……!!)
エンシァン「ヒーティくんは先日の我が部の消火活動を見て、心を動かされて入部を決めたそうだ」
ヒーティ「は、はい。特に……その、緑髪の人が、すごく頑張っているのを見ました……!!」
リアン「え、私!?」
ルウェリア「……ウチは遺跡を探索する部活だよ? 消防部じゃないよ? 本当に良いの?」
ヒーティ「はい……! 自分……火属性なので……あの時、何もできなかったんです」
ヒーティ「でも……遺跡部の先輩たちは、消防部でもなんでもないのに、頑張ってました……!!」
ヒーティ「自分も、そんな先輩たちの力になりたいと思って……。エンシァン先生から火属性が不足していると聞いて、すぐに入部を決めたんです」
ヒーティ「ふ、不束者ですが……よろしくお願いしますッ!」ペコッ
サーナ「こちらこそよろしくお願いしますわ!」
ノルン「よろしくね、ヒーティちゃん。入部祝いにお菓子をどうぞ」スッ
ルル「ルルのだからだめ!」ガッ
サーナ「こらルル、意地悪はいけませんわ!」
ルル「ルルのだったもん! 後から来て取る方が悪いもん!!」
ヒーティ「あ、え、えと……じ、自分の分はいりませんので……!!」
ルウェリア「……こ、これは……一波乱ありそうな予感……」
リアン「あ、あはは……。上手くやれれば良いんだけど……」
アリム「…………ねえ、今更部外者なんて入れても大丈夫なの? 私たちのバックドアにならないかしら」ヒソヒソ
エンシァン「バックドアと言うなら全員似たようなものではないか? 私やシャーロット、そして君も含めてな」ヒソヒソ
アリム「それは……まあ、そうね。わたしたちはそういう相手と戦おうとしているんだったわ」ヒソヒソ
エンシァン「そういうわけだ。まあ、命に関わる事態になりそうなら降りてもらうさ」ヒソヒソ
―次の遺跡発見率[197/500]
◆遺跡探索部メンバー
◇リアン (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+4)〈水の守り〉
◇リエム (魔導兵装:踏破力+2、戦闘力+5、持続力+2)
◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+4、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
◇サーナ (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+2)〈飛行〉
◇ノルン (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+3)〈聖域〉
◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
◇ルル (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
◇アリム (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+8、持続力+4)
◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+1)
☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
9月1週の行動です。新学期です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります
- 628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 21:35:47.75 ID:XZ8G885VO
- カラオケ大会開幕
- 629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 21:36:04.78 ID:8u40ELRkO
- 美術の時間にヌードデッサンを書くことになる
- 630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 21:36:32.97 ID:/num0Hd9o
- リアンに懐きまくりのヒーティにリエムが嫉妬する
- 631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/16(火) 21:53:17.17 ID:LWjXa2xiO
- ヒーティちゃんかわいい!!!!
この子、瞳の色は何色かな……
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 00:01:24.92 ID:tMPD3nU10
- ―9月1週
部室
ツクツクツク…オーシー!! ツクツクツク…オーシー!!
リアン「はあ……まだまだ暑いねえ……」
リエム「リアンさま、今冷たいお茶を――」
ヒーティ「自分が買ってきます!!」ダダッ
リアン「あっ! れ、冷蔵庫あるのに……」
リエム「……」
◇
―夕方
学生通り
リエム「本日の晩ごはんはいかがいたしますか、リアンさま」
リアン「そうだなあ……今日は――」
ヒーティ「リアン先輩!! お荷物お運びしますッ!!」バッ
リアン「うわあ!? ヒーティちゃんいたの!?」
リエム「…………」
◇
―リアンの部屋 台所
ヒーティ「リアン先輩、何でもリクエストをどうぞ! 自分が作りますッ!!」
リアン「え、ええ……。いや、でも……」
ヒーティ「…………」シッポブンブン
リアン(こ、断りにくい……)
リエム「………………」
- 633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 00:02:10.33 ID:tMPD3nU10
- ―
――
―――
―リエムの論理回路
悪い方のリエム「何よあの駄犬は。リアンさまが迷惑がっているのに気付いていないのかしら。即刻殺処分すべきよ」
良い方のリエム「だめです。彼女の行動はリアンさまを慕ってのもの。本質的には、わたしと同じなのです」
悪い方のリエム「愛しているなら何をしても良いって? ふざけないで。そんな奴らがわたしたち魔法人形に何をしたか忘れたの?」
良い方のリエム「わたしは知りません。わたしという意識が発生する以前に起きたことは」
悪い方のリエム「チッ……。じゃああんたはリアンさまがあの駄犬にくそまずい晩飯を食わされて食中毒で死んでも良いのね」
良い方のリエム「そ……そんな、ことは……」
悪い方のリエム「ならわかるでしょう。わたしが何をすべきか」
良い方のリエム「…………リアンさまを、お守りします」
悪い方のリエム「それで良い。リアンさまに近付く毒虫は、絶対に許さない――」
―――
――
―
リエム「…………ヒーティさま。本日は、お帰りくださいませ」
ヒーティ「―――え?」
リアン「リエムちゃん……?」
リエム「…………お帰りになれない場合は――」
リエム「…………」
リエム「――っ」ダッ シュタッ
リアン「リエムちゃんっ! ごめんヒーティちゃん! 用事できた!」タッ
ヒーティ「あっ……ベランダから……飛んでっちゃった……」
ヒーティ「…………どうしよう……わ、私のせいだよね……!?」
◇
- 634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 00:06:25.45 ID:tMPD3nU10
- ―夜
海岸
ザァーン… ザザァーン…
リエム「…………」
リアン「はあ、はあ……り、リエムちゃん……!」タッタッタッ
リエム「あ……リアン、さま……」
リアン「……ど、どうしたの……? いきなり、飛び出して……」
リエム「…………わたしは、悪い魔法人形です」
リアン「え……?」
リエム「ヒーティさまを……排除しようとしました……」
リアン「え――」
リエム「その上……感情を処理し切れずパニック状態に陥り……」
リエム「リアンさまにご心配をかけ、余計なご足労を負わせてしまいました……」
リエム「わたしは……出来損ないのぽんこつ魔法人形です……」
リアン(リエムちゃんは俯きながら、静かにそう言った)
リアン「リエムちゃんは、出来損ないのぽんこつじゃないよ」
リエム「…………」
リアン「……ヒーティちゃんを排除しようとした理由……教えてくれる……?」
リエム「はい……。まだ知り合って間もない人物の手料理を食すのは、危険だと判断いたしました」
リエム「それに、ヒーティさまは……わたしの…………」
リエム「…………」
リアン「……?」
リエム「……わたしは…………悪い、魔法人形です……」
リアン「リエムちゃん……?」
リエム「…………」
リエム「………………リアンさまを……取られたく、なかった、です……」
リアン「―――あ――」
リエム「ぐすっ……。もうしわけ……ありません……」
リアン「――」
ぎゅっ
リエム「ぁ――」
リアン「――大丈夫だよ。私は、誰にも取られないから」
リエム「りあん、さま……」
リアン「帰ろう? 私たちの家に……」
リエム「はい……ぐすっ……」
◇
リアン(私たちは、家に帰った)
リアン(今度、ヒーティちゃんにもちゃんと事情を説明してあげないとね)
リアン(リエムちゃん……ずっと、一緒にいようね……)
☆日々の努力とリアンへの想いによってリエムの最適化が進みました
リエムの能力が大きく成長しました
◇
- 635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 00:08:07.18 ID:pZssmYj50
- リエムちゃどんどん人間味増してきて可愛いね
- 636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 00:09:44.86 ID:tMPD3nU10
- 本日はここまで
- 637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 00:23:28.82 ID:cmyNPTwLO
- 乙です
どんどん情緒を獲得していってるなぁ
- 638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 00:33:47.65 ID:P596ujiLo
- 乙
深層意識(悪い方)には暗い記憶残ってるのかなぁリエムちゃ……それでもリアン大好きなのはかわいい
- 639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 20:22:56.85 ID:tMPD3nU10
- ―9月1週 某日
美術室
美術教師「というワケで本日は適当な相手を見つけてヌードデッサン。オーケイ?」
ザワザワ… エエ…
美術教師「シャラップ! できない奴は単位やらないから」
エエ…
リアン「ど、どうしろと……」
ルウェリア「やるしかないでしょ……」
ノルン「……相手を見つけてとは言わたけど、必ずしも二人一組である必要はないと思う」
サーナ「! ということは……!」
全員(誰か一人を犠牲にすれば、最小限の犠牲で済む……!!!)
リアン「…………」
↓1
1.わ、私が……!(自己犠牲)
2.黙っている(コンマ判定)
- 640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 20:25:35.53 ID:P596ujiLo
- 2
- 641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 20:34:42.66 ID:tMPD3nU10
- リアン(……黙ってよう。この四人だけならまだしも、他のクラスメイトにまで自分の肌を晒すことになるし……)
ルウェリア「…………」
サーナ「…………」
ノルン「…………私が――」
サーナ「! ノルンが肌を晒す必要なんてありませんわ! ここはわたくしが――」
ルウェリア「それを言うなら、サーナさんが犠牲になる必要もないよ。間を取って私が――」
リアン(うわあああ!!! 譲り合いが始まっちゃったよお〜〜!!?)
↓1 脱いだ人
01-10 生徒A、B「ウチらの美肌を見ろーッ!!」
11-30 ルウェリア
31-50 サーナ
51-70 ノルン
71-90 リアン
91-00 なぜか全員脱いだ
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 20:39:15.99 ID:pZssmYj50
- 全裸パーティ
- 643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 20:44:28.07 ID:mT3qWBUXO
- どうしてそうなった
- 644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 20:46:13.56 ID:P596ujiLo
- ナイス!
- 645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 21:07:16.49 ID:tMPD3nU10
- リアン「…………」
リアン(このまま譲り合いを続けても埒が明かない)
リアン(私はこの状況を打開する奇跡の一手を思い付いた――)
リアン「みんなで、脱ごう――」
ルウェリア&サーナ&ノルン&生徒A&生徒B&他「!!?」
リアン「苦しみは、分け合おう。一人がみんなの為に、みんなが一人の為に――」
リアン「みんなで堕ちれば……きっと、苦しくないから――」ヌギッ
シーン…
ルウェリア「――リアンちゃんだけに、苦しい思いはさせない!」ヌギッ
サーナ「フッ……いつの間にか、大きく水を開けられてしまったようですわね」ヌギッ
ノルン「…………わ、私も……リアンちゃんの、為なら――!!!」ヌギッ
生徒B「っしゃ! あの気弱なリアンちゃんにここまで言われちゃ気張らないわけにはいかないっしょ!!」ヌギッ
生徒A「えっ……! じ、じゃあ……あたしも!!」ヌギッ
ザワザワ ジャアワタシモ… ウチモ… アタイモ…
リアン(私たちのクラスは……なぜか全員が脱ぐことになった……)
◇
生徒A「わっ……ノルンちゃんって、意外とあるんだ……」
ノルン「あ、あんまり……見ないでね……?///」
生徒A「あっ……ご、ごめんね。あ、あたしのも……見ていいから……///」
サーナ「わたくしの美体に酔いしれなさいまし!! オーッホッホッホ!!///」
ルウェリア「サーナさん……顔を真っ赤にしながら堂々としたポーズを取ってる……。流石だ……」
生徒B「そういうルウェちゃんもスラッとした綺麗な体してんじゃん! モデル体型うらやま〜///」
ルウェリア「も、モデル体型!? そ、そうなのかな……///」
リアン「言い出しっぺは私だから……みんな、自由に使ってね……///」
ザワザワ… オオ… アノリアンチャンガ…
風紀委員「だ、だめだめ!! 全員裸になっているのだからロールセンに集らないで! ロールセンもいたずらに風紀を乱さないで!!」
リアン「でも……私の体で、みんなが助かるなら……///」
風紀委員「ああああ!!! 風紀の法則が乱れる!!」
リアン(私たちは、裸の付き合いをして気持ちを分かち合った……)
リアン(後になって、私は雰囲気や同調圧力の怖さに震えた……)
◇
- 646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 21:35:56.47 ID:tMPD3nU10
- ―9月1週 某日 放課後
学生通り
ワイワイガヤガヤ
リアン「……? なんかいつもより賑わってる?」
ヒーティ「今日は商店街の方でカラオケ大会が開催されるんです、リアン先輩ッ!」
リアン「へえ、カラオケ大会なんてあるんだ……」
ルウェリア「……ちょっと気になるなあ」
サーナ「ルウェリアは歌に自信がありますの?」
ルウェリア「いや、そういうわけじゃないけど。どちらかと言うと見てみたい方かな」
ノルン「せっかくだし、行くだけ行ってみる?」
◇
―カラオケ大会 会場
ワイワイ コゴエソウナカモメミツメ―
リアン「わあ……!」
ルウェリア「やってるね……!!」
看板「飛び入り参加歓迎!!!」
サーナ「飛び入りますわ!!」シュタッ
ノルン「流石サーナちゃん、判断が早い……!」
ヒーティ「リアン先輩も参加しますか!!?」
リアン「えっ!?」
ヒーティ「…………」キラキラ
ヒーティの尻尾「」ブンブン
リアン(き、期待されてる……)
リアン(まあ……この前私の部屋に放置しちゃって悪かったし、今回は期待に応えてあげよう……)
リアン「さ、参加……してみる」
ルウェリア&ノルン「!」
ヒーティ「!」パァァ
↓1 リアンの歌唱能力
01-10 ひどい
11-30 微妙
31-60 ふつう
61-90 上手い
91-00 魅惑
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/17(水) 21:37:32.82 ID:UlZmE6B6O
- 魅惑の歌声
- 648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/17(水) 21:59:25.62 ID:tMPD3nU10
-
サーナ「ご清聴ありがとうございましたわ!」
ワーパチパチパチ
リアン(よし、私の番だ……。歌えるのは孤児院で習ったコーラス曲くらいだけど……)
リアン「〜〜♪」
オオ… キレイ…
ルウェリア「……♪」
ノルン「……♪」
ヒーティ(わあ……綺麗なコーラス……)
リアン「――――ご清聴、ありがとうございました……!!」
オオーパチパチパチ…
◇
サーナ「リアンにあんな特技があったなんて知りませんでしたわ!」
ルウェリア「うん……! 聞き入っちゃった……!」
ノルン「私も! けっこう本格的だったけど、どこで習ったの?」
リアン「そんなちゃんと教わったわけじゃないよ。孤児院で時々歌うことがあっただけで」
ノルン「そうなんだ……! でも、すごかったよ……!」
ヒーティ「はいッ! リアン先輩、すごかったですッ!!」
リアン「え、えへへ……そうかな?」
リアン(惜しくも入賞とはいかなかったけど、私は上位数名の合格者に選ばれ、商店街の商品券を貰った)
リアン(半分は部費にして、もう半分はお小遣いにしよ……!)
◇
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