【あんこ】迷宮の探索者【安価】

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54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 09:06:45.93 ID:9T9jaLKCO
面白そう
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 09:23:21.83 ID:9T9jaLKCO
ついでに案
求める秘宝:竜王の心臓
目的:処刑人の子として産まれ、処刑は正義の行いと信じてきた貴女。そんな貴女に転機が訪れたのは三ヶ月前。家族が処刑された罪人の遺族に殺されてしまったのだ。貴女はその時母に火を消した暖炉の中に隠され、殺されることはなかった。しかし、そこから見えた憎悪に満ちた顔、怨嗟しか感じられない声、その恐怖は貴女の正義に罅をいれた。その後遺品整理で資料を纏めた際そのときの処刑の資料を発見する。……なんと言うことはない。家族は冤罪だったから殺されたのだ。罪は貴族に反逆したとされる。だが、その罪人は、強き冒険者だった男はその時間、玄関先に持っていた本をぶちまけた貴女とその本をまとめていたのだ。……その事で貴女の正義は一度完全に崩壊した。正しくない処刑があった。正しいことは握りつぶされた。……今までの処刑は本当に正しかったのか?その疑問が頭をもたげた時、ふと思った。"正しい処刑をしよう""私が決めよう。""強い冒険者でも権力に逆らえなかった。""だから""誰にも妨げられない強さを得よう"……善の性質を持っていたからこその極端な思考。その野望を抱えて貴女は冒険者の門を叩く。自らの一族の処刑の正しさを証明するために。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 09:26:12.67 ID:FTvkJj5v0
あんこって安価コンマの略じゃ無いぞ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2023/02/25(土) 09:34:15.65 ID:knOhWvCy0
最初<楽園扉>の案考えていたけどもう案が出ていたので
求める神の秘宝 <竜王の心臓>
目的 処刑人の家系に生まれた彼女は、処刑人の歴史を調べる中で些細な理由で罪をでっち上げられた者、実際に罪を犯した人間の身代わりとなった者、権力争いの巻き添えになった者等明らかに罪の無い者もそれを知っていながら処刑してきた歴史を知る。
結局処刑人の家系はただ『強者』の代わりに汚れ仕事を引き受け、時には『強者』に言われるがまま罪のない『弱者』をも手にかける存在であること、それを理解しながらその現状を変えられない自分もまた『弱者』であることを強く痛感する。
人を殺すにも人を救うにも強さが必要。だから彼女は<竜王の心臓>を求める。弱い自分を変えて世界中の『弱者』を救う『強者』になるために。
……それはそれとして竜となって世界中を旅して、世界中で体験したことをもとに沢山の本を書いていきたい。 願わくば自分が死んだ後でも永久に世界の本棚に遺り、世界の人々に語り継がれていくようなものを。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 10:40:16.58 ID:9T9jaLKCO
>>56
最初主人公のステータスダイス振ろうとしてたからどう動くとか何するとかの行動方針とかは安価で、その判定は自分でしようとしてたんじゃない?
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 10:44:50.03 ID:m4T8mXnDO
多数決参加出来るか分からないけど取り敢えず案出してみる

目的 〈女神の魔眼〉

理由 処刑人の子として生まれ育った彼女は子供の頃から処刑の執行を間近で見ていた。
老若男女関係無く泣き叫びながら命乞いする罪人を見るのについに耐えきれなくなり、彼女は泣きながら処刑以外の罰を与えて欲しい、生きてこそ出来る償いがあるはずと訴えるも、家族は「死の間際で怯えているだけ。あいつらは死んで当然クズだ」と一蹴。
その事にどうしても納得出来なかった彼女はある時〈女神の魔眼〉の存在を知る。これがあれば罪人を処刑せずとも生きて罪に応じた償いをさせることが出来る(殺人犯にはより多くの人を救う様に生きるように支配するなど)のでは無いのかと考え、〈女神の魔眼〉を求める

これが正しい事なのかは分からないが死んで終わってしまうよりは多くの人の為になるはずだと自分の善の良心に言い聞かせて今日も探索をする
60 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/25(土) 11:09:00.26 ID:TdrKVusQ0
>>52
その辺りのシステムについては、物語開始時に説明します。
さらっと触れると死亡後のコンテニューは回数限定であり、PCのステータスが条件付きでの変動有りにしようと思っています。
現在の計画では、かなり難易度高めですね。
恐らくノーコンテニューでのクリアは不可能かな……。

>>56
最初はあんこスレにしようと思っていたんですよ、ダイスを振れないの知らなくて……。
次スレでは名前を変更しておきます。



案が出揃いました。
深夜から午前中という中途半端な時間ながら、思ったより多くの案を出して頂けて嬉しいです。

では、>>48>>53>>55>>57>>59の五つの案の中から投票する案を安価で指定してください。
一人につき、投票一回でお願いします。

投票期限は本日の午前0時までとします。

本日はちょっと用事があるので、これ以降の更新は有りません。

投票以外にも、コメントや相談したりも大丈夫です。
61 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/25(土) 11:10:24.60 ID:TdrKVusQ0
間違えました。
期限は翌日の午前0時です。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 11:14:45.39 ID:9T9jaLKCO
当然自分のは無しだよね?なら>>48
自分で書いてなんだけど暗くしすぎた……このぐらい軽い方が良さそう……
63 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/25(土) 11:17:14.78 ID:TdrKVusQ0
>>62
あ、書き忘れてました。
自分のにも投票はありです。
>>62さんが改めて自分の案に投票する場合、>>62の投票は取り消しておきます。
64 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/25(土) 11:20:01.48 ID:TdrKVusQ0
すみません、更に追記です。
キャラクター作成時は可能な限り、案をそのままの形で採用しますが、
自分が思い描いている世界観とのすり合わせの為に一部を変更する場合があります。

ご了承ください。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 11:22:34.99 ID:9T9jaLKCO
え、ありなん?
んー……でもそのままで
やっぱ重すぎる気がするしこのロールしてたら強迫観念とか復讐とか独善とかなんか悪い素質生えそう
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 11:36:47.23 ID:6lnGpHSko
>>59に一票
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 14:03:47.35 ID:zDZ7lCQO0
>>53
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 15:31:26.80 ID:GelD6E0jo
>>57
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 15:43:55.61 ID:HLG5eq3qo
>>48
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 17:09:02.21 ID:m4T8mXnDO
多数決に間に合った
せっかくだし自分以外の案に投票しようと思って迷ったけど>>57に投票
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/02/25(土) 22:52:10.41 ID:Seb5z1Cm0
>>59
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 23:24:25.22 ID:knOhWvCy0
>>53
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 23:40:33.01 ID:wVIjpjSZO
今のところ競ってんな
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 23:42:29.52 ID:03xMZLWV0
ギリセーフかな?
>>55
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 23:44:30.84 ID:wVIjpjSZO
おっと投票忘れてた
>>55ダークになりそうでいいじゃん
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/25(土) 23:59:33.53 ID:LeEd8WEs0
>>55
間に合うかな
愉悦を味わいたい
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 00:01:39.81 ID:iYwYnx/o0
>>76
ギリ間にあったみたいだよ
スゲーな滑り込みで決定したぞ>>55
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 00:35:59.33 ID:BoxiEjY1O
設定がなるべくこのまま……これ仲間作れんタイプでは?元々内向的(シャルル=アンリ・サンソンみたいな家系蔑視のせい?)で家族が殺されて天涯孤独、抱えてるものから人間不信か相当厳しく見るタイプなのでは?しかも体育会系みたいな押しが強いやつ苦手とか冒険者向いてないなぁ
これ変人か狂人しか仲間できないのでは?
てかこの主人公秘宝手に入れてもなまはげみたいな感じで「悪いことしたら○○が処刑しに来るよ!」とか躾に使われる伝説になりそうww
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 08:48:39.10 ID:PyFy8LcE0
善のカルマ・性格と経歴のギャップが壊れてる感が凄い
カルマや性格を決めた後に>>55決定したけど、>>55を経ても>>43のカルマや性格のままなのかそれとも>>43のカルマや性格が>>55を経てまた変わっちゃうのかな?
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 10:40:56.38 ID:c+qQ1gMgO
>>79
考え方次第じゃない?相手のためにって考えで悪いことしてもそれは本人にとって善行だし、内向的で夢想癖だからこそ自分の中で完結して極端に走ってもおかしくないし?
他作品だけどfate/の金ぴかとかあんな行動のわりには混沌・善だし?幽白の仙水とかも真面目で善性だからか価値観ぶっ壊れたら極端に走ってたからそういうタイプってことじゃない?
あとはメガテンの天使とかって善側なのに行動あんなんだしなぁ……多分この主人公正確なアライメント法の名のもとに処刑するのを正しいことと考えてる秩序・善から自分のしたいように善行と思うことをする混沌・善に変質したんじゃない?実際価値観ぶっ壊れてるくさいし
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 11:01:56.65 ID:+k8WxwbvO
>>28の基準的には大悪になりそうだよなこれはw
自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪ってやつ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 13:13:30.40 ID:k1RI7YlO0
善性の処刑人、夢想癖あって調子に乗りやすい、魔術師なのに知力と魔翌力が最低保証
起源は方向音痴なの?ってくらい迷走した人生を送る運命背負ってそう
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 14:53:58.83 ID:PBu56ZSNO
あれかもしれない、もしかしたらただ粛々と処刑人やるはずだったのが中途半端に運があるから魔術師の素養発見されてやるはめになったのかもしれない
……起源波瀾万丈?
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 15:57:08.51 ID:PBu56ZSNO
て言うか性格だけ見たらヤンキーとか陽キャに教室の隅でブツブツ言ってるオタク女のイメージになってきたんだが
85 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 17:06:07.51 ID:fUPi8LL40
採用案は>>55に決まりました。
そして世界観の詳細をまだ載せていなかったのが悪いのですが
事前に決まっていた世界観とのすり合わせの為にある程度の変更点があります。

案のエッセンスはそのまま抜き出して、細部を調整する形になります。

まず比較的大きな変更点として冤罪の被害者を強い部類の冒険者とすると、例え殺されてもその家族が報復に乗り出す
のは今考えている設定では考えにくいので、報復するのは家族ではない別の冒険者とします。
詳細は物語開始時に説明するのですが、冒険者の死亡率は非常に高く、冒険者になった時点でほぼ死んだようなものと
世間では見られています。

またある一定の段階まで神の秘宝に近づくと
冒険の途中で死ぬか、神の秘宝を手に入れるかの二択しか末路がなくなります。

下級の迷宮であれば秘宝を目指さずに金目当てで探索している者も居るので、弱い冒険者であれば家族の報復の
可能性はあったのですが。


また、罪状については貴族への反逆ではなく別のものとさせていただきます。
この世界での貴族は、封建的社会における軍事階級であり、自分への反逆、つまり名誉を傷つけられたり
危害を加えられた場合は自分、若しくは部下を恃んで、その場で殺します。

自分への反逆を理由に、裁判を経て処刑人に殺させるのは、例えば江戸時代の武士が町人に耐え難い侮辱を
されて、奉行に侮辱されたのであの者に罰を与えてください、と訴えるようなもので、同じ武士からは腰抜けと
馬鹿にされて相手にされません。

なので冤罪という部分は残しつつ、他の罪に変更させて頂きます。
86 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 17:10:50.62 ID:fUPi8LL40
今、前日譚を書いているのですが、思ったより長くなったので前編、後編に分けて投稿します。
まずは前編です。
87 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 17:11:48.63 ID:fUPi8LL40

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彼女の故郷は失われた。
かつて多くの人々で賑わっていた市場は物言わぬ骸や偽りの生を与えられた亡者に溢れ、人工物とは思えない程だった
堅牢な城は、一夜にして破られた。

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「あら、あの子は例の家の――、帰ってきていたのね」

「嫌ねえ、見てよあの体……、あんなに小さくてきっと一族の穢れのせいで呪われているんだわ」

彼女は深く刻まれた馬車の轍を避けながら、街中の道を一人歩いていた。

これだから生まれ故郷は嫌だ。
ここでは誰もが、彼女を処刑人一族の娘として色眼鏡で見てくる。

あなた達が安心して生活出来ているのも、法と秩序がちゃんと働いているから。
処刑人を穢れているなどと平気で宣う人は、自分がどうして犯罪に怯えずに暮らせているのか考えた事があるのか、と心中で
毒づいた。

彼女はこの町の領主様から、代々処刑人を任されている一族に生まれた。
戦場で殺し合う兵士とは違い、既に捕まり抵抗できないようにされ、時には泣き叫ぶ罪人に引導を渡す処刑人は、その殺人の光景が
町の人の目に触れやすいという事もあってか、多くの人から忌み嫌われる存在だ。

人の首を余計な苦しみを与えないように一度で切り落とすのは人体についての深い理解と、重たい刃物を精密に操る技術が
要求されるため処刑人とは高度な専門職である。
領主様からも法務に携わる役人の一種として遇されており、少なくとも分別ある大人からは嫌われているからと言って
目に見える形の嫌がらせをされたりする事は無いのだが、こういった陰口や忌避の視線まではどうにもならない。

せめて聞こえていない振りをして余計な反応は見せまいと、彼女は足早に家路を急いだ。

その時、右耳の上に大きな衝撃と共に痛みが走った。
じくじくと頭の中が疼くのを感じながら、痛む場所に手を当てて衝撃を受けた方向を向くと、路地に小さな影が入っていくのが見える。

「やった! 頭に当たったから俺の勝ちな!」

「骨女に呪われるぞぉ、逃げろ!」

彼女は石を投げつけられたのだと気が付いた。
やったのは町の子供だろう。

子供の脚だし、追いかければ捕まえるのは容易い。

彼女の家は、一応は領主様に仕える譜代の家臣でもあるし、子供の親に詰めれば謝らせる事も出来るだろう。

だけれど、彼女は路地を向いていた踵を返して家へと帰る事にした。
石を投げつけられるくらいは子供の頃から慣れているし、泣きながら帰った彼女がされた事に激怒した父親が犯人の家に
押しかけて、犯人の子供を怒鳴り散らした事もある。

しかし、それで相手が謝っても本当に悪いと思っている訳ではないと子供心に分かっていたし、それよりも父親の
町での立場を悪くしてしまって居るのではないかという申し訳なさの方が大きかった。

痛む場所に当てた掌を見ると、薄っすらと血が付いている。
どうやら皮膚が切れたらしいが手で押してみた感じではあまり痛まず、骨に異常はないようだ。

彼女は昔から背が低く、十歳くらいの頃から大人になった現在まであまり背が伸びていない。
幾ら食べても肉のつかない体質のせいで、年頃の女性らしいふくよかさもなく、ニ十歳になった今でも十三歳くらいに間違えられる
事が多かった。
しかし身体は不思議な程に丈夫で、体重の軽さもあってか、三階建ての屋根から地面に落ちても軽い打ち身程度で済んだこともある。

気弱な性格もあり昔から鼠だの骨女だのと言われて虐められ、今日のように石を投げられる事もあったが、
多少の怪我をした事はあっても大きな怪我は一度もなかった。

先程も言ったように彼女の身体の丈夫さは筋金入りだったし、手加減を知らない子供の無邪気な暴力に晒され慣れているせいで
先程のような不意打ちでなければ、大抵の攻撃を避けられるようになったからだ。
それに誰よりも体が小さかった彼女は、他の子どもが通れない狭い隙間にも容易に入り、簡単に逃げられた事も幸いした。

だが両親としては彼女をこの領地で生活させるのに不安を覚えていたらしく、彼女が十歳くらいの時に五十人に一人と言われる
魔力持ちで、何とか魔術師を目指せるだけの魔力を持っている事が分かると、大きな街にある魔術師に弟子入りさせて住み込みで
魔術を学ばせる事にした。

それから十年間近く、彼女なりに懸命に魔術を学んだ結果、師匠から一人前の魔術師としてのお墨付きを貰ったが
高齢だった師匠が病で急死してしまい、特に行く宛てもなかったので一旦実家に戻ってきたのだ。

将来、魔術師として働き続けるにせよ、結婚して家庭を持つにせよ、この領地の中では何かと不便だろうと
現在両親が、伝手を辿って他の領地での働き口を探してくれている。

彼女が我慢する事に決めたのは、いい年になって両親の世話になりっぱなしなのに、これ以上の心配は掛けられないという
負い目のせいでもあった。

88 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 17:12:43.26 ID:fUPi8LL40
彼女の実家は外壁沿いの、肉屋や皮革屋など、独特の臭いをまき散らすような商店が集合して押し込められている区画に存在した。
処刑人としての収入は良いので屋敷の造りは役人として相応のものだが、やはり生臭い血の匂いと、皮革の加工に使う尿の匂いが
漂ってきて良い環境とは言えない。

子供の頃はあまり感じなかったが、久しぶりに実家に帰ると、やはり処刑人がどう扱われているのかが分かり、気分が沈む。

「あ、お父様。 今、帰りました」

「おう……、腹減ってるだろ、もう飯は出来てるみたいだ」

彼女の父は五十歳を少し過ぎたくらいで、髪には白いものが混じり始めているが、若い頃から処刑人としての鍛錬を続けてきた
おかげか肉体には張りがあり姿勢も良い。

彼女が久しぶりに父と再会した時は、これならまだまだ長生きしてくれそうだと安心した。

「お帰り」

「あ、うん、ただいま」

台所へ行くと、母が食卓にパンを置きスープをよそってくれていた。
母は父より何年か年下で、彼女に似た背が低い細身で、髪も彼女と同じ赤毛だ。

ただ目だけは似ておらず、彼女の目は母のような切れ長の細目ではなく、父親似のぎょろりとした大きな目だった。

家族はあと一人、兄が居るが、今はどうやら仕事か何かで外に出ているらしい。
聞いた話では最近では彼女の兄は、父の仕事の引継ぎを殆ど終えているらしく、処刑人の職務も現在は兄が行う事が多いらしい。

彼女にとって兄は、嫌いではないが、少し苦手といった存在だ。
気弱で体が小さな彼女が良く虐められていたのに対して、身体が大きく勝気だった兄は、同じく嫌われてはいたが同時に畏れられても
居た。
兄は自分と同じように他の子供から爪弾きに遭っている、飲んだくれの子供や皮革屋の子供等を手下のように引き連れ
自分の陰口を叩く町の子供を泣かせていた。

そんな兄だが妹である彼女には優しく、彼女が虐められたと知れば手下と一緒に仕返しに行ってくれた。

だが一度報復として子供を樽の中に詰め込んで、坂道から落とし危うく殺しかけた事がある。

幸い、大きな怪我はなかったのと相手の子供にも非があるという事で親同士で穏便に済んだらしいが、それ以来彼女は兄がどんな仕返し
をするのか怖くなり、兄に助けを求められなくなった。
89 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 17:13:27.74 ID:fUPi8LL40
彼女はテーブルに着き、食前の祈りの為に手を組んだ。

「フロラウスよ、日々の糧を与えて頂き、感謝いたします」

彼女の一家の信仰神は裁定と契約を司る女神、フロラウスだ。
死に携わる職業に就く者は、鎮魂と夢を司る女神ソニアか、死を司る男神ミーダニョルズを信仰する事が多いが、彼女の家は
自分達の職務が単なる殺人ではなく、正義と秩序を保つ為に必要な行いだという誇りを再確認する為にフロラウスを信仰していた。

パンを口に運んでいると、母がふと眉を潜め、彼女に近づいた。

「あなた、髪の所……、もしかして血? ちょっと見せて」

「えっ、あ、いや……、ちょっと書院の扉にぶつけちゃってさ。 ぼうっとしてて……」

彼女は焦って髪に手をやると、髪が血で固まっているのに気が付いた。
傷口は髪で隠れるから気づかれないだろうと思っていたが、迂闊だったと悔やむ。

「木の扉にぶつけたくらいで、血が出る訳ないでしょう。 もしかして誰かに――」

「本当に何でもないんだって! ……ごめん、もうお腹一杯になっちゃった」

彼女は食事を中断して、自室へと無理やり向かう。
これ以上母に心配を掛けたくないし、同情されて惨めな気分も味わいたくなかった。

自室には机とベッド、クローゼット、そして二十冊程の本が収められた本棚があった。
本棚の粗悪な植物紙に木版で印字した安物の本ばかりで、彼女が好きな冒険物語が書かれた小説が多い。

彼女は気分転換に読書でもしようかと思ったが、小説を楽しめる気分でもなかったので、クローゼットを開けて
中に入り、天井板を外して油紙に包んだ一冊の本を取り出した。

本棚の廉価本とは違う、革で丁寧に装丁され高価な羊皮紙を使った本だった。

これは師匠が亡くなった時に形見分けとして彼女が貰った魔術書だ。。
家財の殆どは離れて暮らしていた師匠の子供が相続したが、その彼は魔術に関しては門外漢だからと、彼女にこの魔術書を譲ってくれた。

売ればかなりの金額になる物なので彼女は恐縮したが、偏屈だった父の元で住み込みで修業しつつ炊事洗濯なども手伝ってくれていた
礼だと気前良くくれたのだ。

内容としては高度な専門書というより、広く浅く魔術の基礎について記された入門書だが、復習の役に立つので
手元に置いておけるのはありがたい。

普段は泥棒対策に、屋根裏に雨漏りや湿気から守るための油紙に包んで隠していた。

淡々と本を読み進めていく内に少しずつ心が落ち着いてきて、思考が冷静に働くようになっていく。
しかし、それと同時に何とも言えないやるせなさも強く感じた。

彼女の実家の家業である処刑人は確かに人を殺す職業ではあるし、残酷と見られるのも理解は出来る。
でも、その処刑は法律に基づいて行われているし、処刑の命令を出すのは判事、若しくは領内での裁判権を持つ領主様だ。

そして大元となる法律を作っているのは国王である。

なぜ、こんなに大きな法という制度を守るために働いている役人の中で、末端の処刑人だけが穢れとして見られるのか。
正しい仕事をしている筈なのに、どうして嫌われなければならないのか。

彼女はぐるぐると重苦しい思考の渦に囚われてしまった。

==============================================

悲しかった。
やり切れなかった。
でもここまでは日常だった。 
今までの世界は、唐突に終わってしまった。

==============================================
90 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 17:14:11.32 ID:fUPi8LL40
前編はここまでです、後編は少しお待ちください。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 17:19:02.36 ID:iYwYnx/o0
うむ、ダークな感じ
てかこの主人公もしかしてサンソンと同じ感じで医術に明るい?もしそうなら探索に結構役立つのでは?
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 19:36:36.76 ID:4crDKRQJo
たんおつ
93 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:37:29.30 ID:fUPi8LL40
後編を投稿します。
94 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:40:23.24 ID:fUPi8LL40
それからまた一つ、大きめの変更点が。
冒険者の冤罪の証拠ですが、主人公の家族の処刑人は、あまり裁判には深入りせず、上から命じられた処刑を熟すだけなので
遺品に冤罪であると証明出来るだけの物証があるのはちょっと考えにくいかな……、と考えました。
なので、冤罪の証拠は見つかりますが、ちょっと形を変えています。
95 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:41:40.66 ID:fUPi8LL40
とうに太陽が落ち、酒場すらも閉まった深夜の町。
町を取り囲む外壁の上に、二人の人影があった。

一人は黒い鱗に覆われた皮で作られた鎧で胴から腰を守り、黒いマントを夜風にたなびかせる筋肉質の男。
腰には美麗な装飾が施された鞘に入った長剣を佩いており、頭には黒い金属製の兜を身に着けていた。
兜は視界が確保出来る頭のみを覆う型のもので、鼻から下は顔当てで覆っている。

歳の頃は三十になるかどうかだろう。


もう一人は、暗い赤色のローブを纏い、僅かな月明かりでも爛々と輝く赤い宝石が杖頭にはめ込まれた長杖を抱えた女。
金髪の髪を男のように短く切っており、顔は垢と埃で汚れている。
おおよそ女として見られる事に対して無頓着な様子であり、彼女が普通の町女などではない事を物語っていた。

歳は男よりも少し若いくらいだろうか。

女は空を見上げていた。

「雲、出て来たね」

「……月明かりが消えて丁度いい。 雨が降るかも知れんし、そろそろ行くか」

「はいはーい、じゃ、アタシは打ち合わせ通りに逃げようとする奴を足止めしとくから、城は頑張ってね」

「ああ……、アイツの仇討ちも兼ねてるしな」

「ま、そだね。 私はあんまり面識ないけど。 ……この町なら多分千人くらいは居るよね。 今回だけで行けるかな、千人斬り」

男は女の言葉には答えなかった。
男の右手の中指に嵌められた指輪が光ると同時に、男はまるで縄に吊り上げられたように宙へと浮き上がる。
そのまま男は街の中心にある領主の城へと向かっていった。
96 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:42:37.74 ID:fUPi8LL40
夜の闇を切り裂くような甲高い悲鳴がどこかから響いた。
彼女はベッドの上で目を覚まし、半覚醒の朦朧とする意識の中で、鳥肌が立つような嫌な予感を感じて
窓扉を開けてから、表の通りの様子を伺う。

するとそこには真夜中だというのに人が数人いて、松明やランプを片手に慌てた様子で道を急いでいる。
尋常ではない事が起こったらしいと察知し、彼女は階段を降りて居間へと向かう。

既にそこには同じく飛び起きたであろう、父母と兄の姿もあった。

「一体、何が起こってるの?」

髪を乱しながら父に問いかける母だが、父も今の状況を理解できていないらしく首を振る。

「分からん。 もしかしたら、町中に危険な魔物でも侵入したのかも知れん。 兎に角、俺達は領主様の城へと向かわねば。
お前達は避難して……、いや、良く分からない内に無暗に動く方が危険か。 この家に隠れていなさい。 二階の部屋に鍵を
掛けていれば、魔物の襲撃でも凌げるだろう。 この家にはお前しか戦える者が居なくなる。 お母さんを頼んだぞ」

「は、はい、お父様」

短く慌ただしいやり取りが終わると、父と兄は家の外へ飛び出して城の方へと走っていった。
領主様に仕える役人である父と兄は、有事の時にはまず登城しなければならない。

二人を見送り、暫く彼女は、不安がる母と二人で二階の部屋に鍵を掛けて、僅かに開けた窓から外を伺っていた。
せわし気に部屋を行き来する母は、何だか子供の時よりも小さく見えた。


もう守られているだけの子供ではいられない。
父の言う通り、私が母を守らなければ。

彼女は内心でそう決意を固めるが、窓から見える外の状況は悪くなる一方だった。

人の形はしているが、猫背の獣のような速さで走る何かが通りを幾度も通り過ぎたのだ。
そして断続的に苦痛に満ちた人の悲鳴が聞こえ続け、人の形をした何かは数を増している。

更に悪い事には、何時しか焦げ臭い煙もどこかから漂ってきた。
町のどこかで火事が起こっている。

もしここまで火が回って来れば最悪、化物が闊歩する外に焼け出される事になるかも知れない。
これが自分一人であれば、彼女は家を抜け出し、城や教会への避難を試みただろう。

身の軽さには自信があるし、狭い路地を通れば化物に見つからないで移動出来る可能性が高い。
だが母と二人では、もし化物に見つかった場合にどうにもならない。

一体だけなら魔法で何とか出来るかも知れないが、化物はどれだけ居るのかも分からない。

「大丈夫だよ、母さん。 家の鍵は頑丈だし、ここに居れば安全だから」

「そ、そうよね……、でもね、もしもの時はあなただけでも逃げて。 魔法が使えるあなたなら一人で逃げられるかも知れないわ」

「変な事言わないでよ! 母さんを見捨てる訳ないじゃない!」

母は怯えながらも自分の心配をしてくれている。
その姿に彼女は、何としても母を守らなければという決意を新たにした。
97 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:43:51.19 ID:fUPi8LL40
その時だった。
一階の玄関からドアを叩く音が聞こえ、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

「おおい、開けてくれ! 一緒に城に逃げよう」
「母さん、俺だ! 親父と俺が守るから城へ行こう」

紛れもない父と兄の声に彼女は玄関へ向かおうとする。
外にはまだ化物がうろついている筈だ。

恐らく父と兄は隠れながら、命懸けでここまで来たのだろう。
早く扉を開けなければ二人の命が危ない。

「ダメ! あれはお父様とあの子じゃない」

後ろから声を掛けられて母を見ると、明らかに引きつったような、彼女には読み取れない表情で母が訴えた。

「えっ! なに行ってるの母さん。 どう考えても二人の声だよ」

扉を開いて、一緒に行かなければ。
先程まで怯えていた母を見て、自分がしっかりしなければと言い聞かせてきたせいだろうか。

彼女は母を安心させるように微笑むと、静止を振り切って玄関へと向かった。

「駄目よ! 違うの、あれは二人じゃないの」

半狂乱で止めようとする母に足が止まりかけるが、父と兄も切羽詰まった様子で早く開けるようにと促しており
このままでは二人が危ないと思うと足を止める事は出来なかった。

「ごめん、今開けるから」

掛かっていた鍵を外し、二人を招き入れる為に扉を開ける。
するとそこに居たのは確かに彼女の父と兄だった。

彼女の父と兄と同じ顔、同じ服装をしたモノが、目を裏返らせて涎を垂らしながら、声だけは正常に

「早く扉を開けてくれ!」

「化物に食われてしまう」

と繰り返し続けていた。

「あ……、ひ――」

恐怖と困惑の余りに何も言えずに、ただ無意識に後退った彼女に二人の姿をした何かが近づいてくる。

人では有り得ない表情で、口だけは淡々と助けを求める言葉を繰り返していた。

助けて、ここを開けて、一緒に逃げよう、ダイジョうブダヨ、ミンなイルよ、あそコはあんゼンだ、タスけて―――。

言葉の羅列が響き渡り、二人の姿をした何かがゆっくりと彼女に覆いかぶさろうとする。

その時だった。

「あああぁぁぁぁぁあ!」

激しい叫びと共に、母が二人へと体当たりをして床へと突き飛ばした。

「ウぼぉぉオォォ」

もはや二人の形をした化物達は、人間の振りをする事を辞めたようで、母の腕や肩へと歯を突き立てる。
布が破れる甲高い音が響き、母の呻き声が響いた。

「や、やめて……やめてよぉ!」

彼女は手に持っていた杖で必死で母から化物達を引き離そうとする。

魔術を使おうという発想はなかった。
もしその考えが浮かんでも、冷静さを欠いた今の状況では複雑な魔術の詠唱は不可能だろう。

だが父と兄の姿をしたモノに対してはどうしても力が入らず、化物達は一向に母から離れる気配はない。

「逃、逃げ……げなさい。 二階に上がって……、隠れるの」

「だ、駄目、駄目、お母さんから離れて!」

半狂乱で杖を振るう彼女を、母は今まで見たことのない強い光が籠った目で見つめた。

「逃げなさい! あなたは生きるの!!」

彼女の方に向かおうとする化物を、母はその細い腕で必死で掴みとめながら叫んだ。

それは理屈ではなかった。
子が自分を守ろうとする親に従う本能として、彼女は杖を引き、弾かれたように二階に走る。

視界は滲んで見えなかったが、何よりも見知った実家の中で、躓く事は無かった。
98 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:44:21.47 ID:fUPi8LL40
彼女は自分の部屋に入ると扉の鍵を閉めて、隠れる場所を探す。
机やベッドの下は直ぐに見つかるだろう。

彼女はクローゼットの扉を開けると、まずは天井板を一つずらす。
そして内側から扉を閉めると、天井に空いた狭い隙間にその身を滑り込ませてしまった。

彼女の小柄な体躯と、その身軽さが成せた技だろう。
彼女が天井板を戻すのとほぼ同時に部屋の扉、凄まじい音を立てて叩かれ、それが数回続いた後、鍵を保持していた金具が
吹き飛んだ。

部屋の中をもはや意味を成していない呻き声を上げながら化物が徘徊し、クローゼットも開けられた。
彼女の真下、薄い板一枚越しの部屋からは、ベッドをひっくり返したであろう轟音や本棚が倒れる音が響く。
だがとても長く感じた捜索の後、誰も居ないと判断したらしく、化物達が部屋から出て行く気配がした。

変わり果てた父と兄、化物と化した二人に生きたまま喰われた母、そして母の忠告を聞かずに扉を開けてしまった愚かな自分。
あまりに多くの感情は彼女に耐えきれる量を超えており、彼女は意識を手放した。
99 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:45:14.59 ID:fUPi8LL40
千人以上の住民が居た街は一夜にして滅び、僅か数十人の生き残りを残すだけになった。

町に溢れた化物達は周辺の領地から救助に来た兵士達に三日後には討伐され、その間、家に隠れ続けていた彼女は兵士に保護された。
町を襲った者が何者か、なぜ町を襲ったのかは、調査により直ぐに明らかになったらしい。

領主やその家族、兵士、使用人を含むほぼ全員が殺されていたらしい城の中から、一つの石が見つかったそうだ。
記声石という、音声を一定時間記録する事が出来るその石の中には、領主が自分の罪を自白する声が入っていた。

元々素行の悪かった彼は仲間と共に酒に酔い、町中の裏道で見つけた女を廃屋に連れ込んで乱暴しようとし、
逃げようとした女を抑え込んでいる内に力加減を誤り殺してしまったという。

しかもその女は平民ではなく、偶然町に滞在していた貴族の子女だった。

平民の娘であれば、そのまま犯人不明として事件を闇に葬る事も出来たが、貴族絡みとなると犯人を捕まえて処刑しない限り
親は絶対に納得しないし、領主の立場も悪くなる。

跡取り息子を殺人者として公にする訳にもいかず、かと言ってこのまま揉み消す事も出来ないとなった領主は、代わりの犯人を
でっち上げて処刑してしまう事を思いついた。

その結果、選ばれたのが偶然町に滞在していた冒険者の男だった。

冒険者は渡世の無頼であり、騒ぎ立てるような親類も居ない。
それに男は大酒飲みの上に喧嘩っ早く、頻繁に問題を起こしていたので、罪を着せやすいと領主は考えたのだ。

泥酔していた男は抵抗らしい抵抗も出来ずに装備を没収されて鎖に繋がれ、異例の速さで処刑された。
その処刑を担当していたのは彼女の父か兄か分からないが、二人の内のどちらかだろう。

記録されていた領主の声はここまでだが、最後にこれは義兄弟の復讐であると言い残す別の男の声が入っていた。

それを持って、この件を調査した人間はこれを刺青の誓いを結んだ冒険者による報復だと判断したらしい。

迷宮を求めて町から町への渡り鳥。
寄る辺無き冒険者達は、古来から略奪や陰謀の標的になりやすかった。

そこで何時しか始まったのが、互いに認め合った冒険者が、自分の血を含んだ特殊な魔法墨を使ってお互いの名を相手に刻む刺青の誓いである。

互いの血を含んだ墨を刻み合った者達の間では特殊な絆が生まれ、互いが死ぬ時には断末魔の光景と思念がもう片方にも知覚される。
もし誓い合った相手が、誰かに不当に殺された場合は、生き残った片割れが仇を討つ。

とは言え、現実には本当に大変な思いをしてまで仇を討つ義理堅い冒険者など稀で、特に相手が領主ともなれば
本気で神の秘宝を目指していない半端者では後生を気にして仇など討てない。

しかし本物の冒険者、すなわち本気で神の秘宝を手に入れて、この世界の王になろうと志す大馬鹿者にはそんな理屈は通用しない。
自分が神の秘宝を手にすれば、領主など歯牙にも掛けなくなるのだから、後の事など気にしないという訳だ。
過去には稀な例ではあるが、一国の王を討ち果たした冒険者も存在する。

結局、この惨劇を起こした冒険者は見つからぬまま、周辺の領主達にとってはこの事件は幕引きとなったらしい。
100 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:45:58.20 ID:fUPi8LL40
だが彼女にとっては、何一つ終わっていない。
冤罪を掛けられて殺された仲間の為に、領主を殺すというのなら分かる。
領主を守る兵士や、実際に手を下した処刑人を殺すのも理解は出来る。

だけれど、どうして町の者まで皆殺しにした?
領主により冤罪を掛けられた以上、殺された冒険者の死には法の正義など存在しなかった。

ならば報復した冒険者が正義なのか?

そもそも正義とは何なのか?


抜け殻のように町の人間の合同葬を終えて、誰も居なくなった屋敷で彼女は一人考える。

家族はどうして殺された?

ただ冤罪など知らずに法に従っただけだ。

法を守るのは良い事じゃないの?

領主が腐っていたのが問題なのか?

でも、法を作ったのは領主じゃなくて国王様だ。
そして、その法に民も賛同している。

父が何時か教えてくれた。
悪には罰が下らなければ、皆の平和は保てない。

悪かどうかは誰が決めるの?
この町を滅ぼした冒険者は、この町が悪だと判断したのだろう。

そう、そうだ、悪かどうかは強い奴が決める。
強い奴が悪ければ、皆の平和は守れない。

強い奴が悪くないと、どうすれば分かる?
分からない、その人の事はその人しか分からない。

そう、自分の事は自分にしか分からない。


「あ、あはは! そうだったんだ! 私が強くなれば、悪い奴の好きにはならない。 悪い奴の好きにはさせない」

彼女は自分の部屋から一冊の本を手に取り開く。

神の秘宝が一つ、それを食べたものに最強の力を与える秘宝、<竜王の心臓>。
かつてその秘宝を手にしたものは、大陸を救う英雄となった。

誰もが知る本当にあった御伽噺。

人が平和に生きる為には厳格な法が必要だ。
でも法を支配する者が悪ならば、法に従う者も知らず知らずのうちに悪に加担させられる。

ならば、ならば。

私が誰より強くなって、正しい法を守らなければ。
私の家族のような忠実に法に従う人達が、正義を行える世界にせねば。

お父様、お母さん、お兄ちゃん。

「見ててね、私、強くなるよ! この世界で一番強くなるよ!」

溢れ出る涙と共に彼女はそう宣言した。
101 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 21:46:46.84 ID:fUPi8LL40
前日譚は終了です。
ちょっと休憩します。
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 21:49:10.00 ID:ESw/KzqiO
うわぁ初期案よりえっぐぅ……巻き込まれただけじゃん……ナイス改編!
たんおつ
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 21:53:34.41 ID:iYwYnx/o0
ねぇこれホントに精神3?折れず曲がらずみたいな狂信者の風格あるんだけど……てかやはり病んでない?
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 22:22:30.15 ID:4crDKRQJo
おつおつ
ステータスの設定を回収していてとても良き
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 22:35:29.82 ID:iYwYnx/o0
読み返してて気付いたんだけど魔法と魔術どっちなの?いや設定によってはその区別が重要だったりするからどうなのかなって
106 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 22:54:39.59 ID:fUPi8LL40
コメント返しです。
>>91
主人公には、処刑人としての知識は殆ど有りませんね。 父が女である主人公に家業を継がせようと全く考えていなかったのと
そもそも処刑人の適性が明らかにゼロなので。
10歳くらいの頃から魔術の勉強しかしてません。本棚にある小説も、大体は実家からの仕送りで修業時代の余暇に買い揃えたものです。

>>103
まあ精神は、恐怖や誘惑などの精神異常に対する耐性なので、信念の強さとかとは別ですからね。
精神が低いと、平常心を失いやすいという感じです。

>>105
見返してみたんですが、自分では書き分けたつもりが結構、混乱してましたね……。
魔法とは、魔力を用いて様々な現象を起こす業を包括した呼称です(神の力を借りる奇跡とは区別される事が多いです)。
魔術とは、魔法の中でも人間が原理を解明して、才能と努力さえあれば誰でも使えるようになったものですね。

魔法という大枠の中で、人間が技術として扱えるようになったものが魔術です。
神の秘宝の力は、魔法であり魔術ではありません。
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:02:28.64 ID:iYwYnx/o0
なるほど、>>96で主人公魔法使えるの?って思ったけどただの誤字か
てか医療知識無いのか……そして精神は精神防壁と捉えればいいのね、納得
丁寧にありがとうございます
108 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 23:10:11.72 ID:fUPi8LL40
前日譚も終わりましたが、本編を始める前に、この主人公に名前を付ける必要があります。
本気で神の秘宝を目指す冒険者は仲間同士で争ったり、時には国を敵に回す事もあるので、冒険者になる時に家族との縁を切る事が
多いです。
名前も過去を辿るよすがになるので、冒険者になる時に慣例として以前までの名前を捨てます。

これについては小説でも良く記されている一般知識なので、主人公も当然知っています。

さて、主人公に冒険者としての名前を付けましょう。
冒険者が名前を付ける時は、本名ではないと分かりやすくする為に、普通とは異なる名付けを行います。

自分の胸の中で燃える理想、信念、欲望。
それらを表現する、いずれ神の秘宝を手に入れる英雄に相応しい名前を付けるのです。

例としては<紅蓮の剣鬼>、<獅子喰らい>、<天地統王>などです。
駆け出し冒険者なのに大袈裟な名前を付けるのは恥ずかしいなどと考えてはいけません。
主人公は、いずれ歴史に名を刻む大英雄になると決意したのですから。

という訳で、主人公の名前を募集し、その中から多数決により決定します。
案は一人につき、二つまでとします。

文字数は漢字を含む六文字まで。
ただ例えば、<紅蓮の剣鬼>という名前になった場合、その名前をそのまま使うと呼びにくいので、紅蓮や剣鬼と言った略称を普段使いします。

前日譚や主人公の性格、能力等にある程度沿った名前でお願いします。

遠慮して欲しい例)呪殺の悪魔、剛腕の破壊者、武王など



締め切りは明日、2/27の夜19時までとします。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:15:49.64 ID:iYwYnx/o0
明日の夜までだとIDの関係で4つ出す人出かねないのでは……?
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:16:17.85 ID:4crDKRQJo
真法従者
111 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 23:19:36.81 ID:fUPi8LL40
>>109
確かにそうですね……、困ったな。
でもまだ日付変わるまで時間もあるので、今日は一つのIDで一つまで書き込み可能で、明日は一つのIDで二つ書き込み可能とします。
こんな夜遅くまで見てくれている人も少ないと思うので、その人が三つ出す分にはサービスという事で。
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:21:55.99 ID:iYwYnx/o0
了解
じゃあとりあえずアスタロト
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:26:08.40 ID:ESw/KzqiO
エクテレスィ(意:スペイン語で処刑)
114 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 23:28:13.88 ID:fUPi8LL40
すみません、追記を。
名付けについては基本的には自由なのですが、世界観的に本名ではないと明らかに分かる名前にしたいです。
現実で外国人が名乗っていると、変わった名前だけど本名なのかな、と迷うような名前については申し訳ないですが除外とさせていただきます。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:29:33.38 ID:E+N5kLV8o
神罰代行
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:29:39.07 ID:PyFy8LcE0
無慈悲な慈悲
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/02/26(日) 23:34:40.40 ID:bZQRADUl0
粉塵爆発 真夏さん 顔選手権 エホバの証人 串カツ田中 ジャスコ あーちんどうする家康 アニナナ 羽生くん エンジェルブルー
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:34:50.13 ID:ESw/KzqiO
つまり俺たちの厨二心が試されている!
……他のNPCと会話するとき厨二ネームばっかりで把握難しそうだしもう役職名でいいんじゃね?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:36:10.34 ID:iYwYnx/o0
まじかぁ……ちなみに>>112アウト?
120 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 23:38:21.23 ID:fUPi8LL40
申し訳ありません、>>112>>113は格好いい名前ではあるのですが、ファンタジー作品だと普通に人名としてありそうなので……。
その分は除外させてください。
今日の投稿可能数は回復しておきます。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:41:31.03 ID:ESw/KzqiO
俺もかい!

†裁きの天秤†

記号が文字数に含まれるなら†無しで
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/26(日) 23:44:51.09 ID:iYwYnx/o0
やっぱりかぁ……
じゃあ黒の法典
123 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 23:51:26.59 ID:fUPi8LL40
>>118
仰る通り、殆どのキャラクターは役職名での表記にする予定です。
本編で詳しく語るのですが冒険者として自分の本名を捨てる者は、神の秘宝を求める本物の大馬鹿であり、総数は案外多くありません。
普通にモンスターと戦う事を生業にしている人間や、ある程度の金を稼げれば満足できるレベルの冒険者は、第二の名前は付けません。

寧ろ、付けているとヤバい奴だと色眼鏡で見られて損しかありませんので。
神の秘宝への道は、過去に数十万人が志して、その中たった数人しか行き果たせなかった道です。

つまり神の秘宝を求めている=どこか頭のネジが外れた人間です。
124 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 23:58:17.12 ID:fUPi8LL40
すみません。
>>99の前日譚に誤りがありました。
6行目の元々素行の悪かった彼は、の所は彼は息子は、の間違いです。
女性を殺したのは領主本人ではなく、領主の跡取り息子です。
125 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/26(日) 23:59:28.44 ID:fUPi8LL40
>>124
彼は息子は→彼の息子は
でした。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 00:07:32.43 ID:yPGRi4ot0
竜の外典(いずれ竜になるけど正当な物ではないから認められはしないだろうということで竜の外典)
魔の正典(魔術を習った正しい法を尊ぶ者なので魔の正典)
ついでに黒の法典(自分で選んで法のもとに裁こうとしてるから黒い法典そのもので黒の法典)
そう言えばこの世界リアルで言う東洋文化あるの?竜ってことは爬虫類みたいな西洋的なタイプだよね?だけど漢字があるってことは実は普通に忍者とか侍とか武将とか帝といる?武器や武術も?
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 00:11:20.39 ID:PR5Dd1RRO
不変なる掟 絶対の正義
すまんがおれはこれがげんかいだ。こころのふるきずがいたむからやすませてもらう。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 00:20:25.29 ID:ff3mi9K80
悪滅
裁きの僕(しもべ)
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/02/27(月) 09:32:29.01 ID:l/v2fnVa0
文庫(ふみぐら)の審判
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 09:33:42.50 ID:cvswOQxDO
あまり良いの思い付かなかったけど
不壊の正義
(髪の色から)紅き乙女
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/02/27(月) 10:08:12.71 ID:lhMfPcEo0
竜哭の裁き手 

其は古の空を統べし竜の鼓動
我が身、我が力、我が慟哭となりて
地を這う穢れし魂に裁きの咆哮を下さん

この歳で厨二全開のノリはきっついぜ…グハッ_:(´?`」 ∠):_
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 15:10:30.14 ID:DWfIz2aW0
正しき者
強竜王
133 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/27(月) 19:08:27.05 ID:c2rUq3pc0
今日はちょっと忙しいので、あまり進みません。


名前の案は締め切りです。
それでは、良いと思った案を一人につき三つ上げてください(それ以下でも可)。

最も得票数が高かったものを選ばせて頂きます。
一日当たりの制限数をオーバーしている場合は、書かれている名前を前から数えて制限数に達するまでの案のみを有効とします。

本日の夜八時三十分までを期限とします。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:12:52.21 ID:yPGRi4ot0
竜哭の裁き手
悪滅
自分のだけど黒の法典
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:17:06.17 ID:trO2Pn3+O
自分の選ばれたら痒くなりそうだなぁ……
136 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/27(月) 19:18:15.93 ID:c2rUq3pc0
>>126
文化は地域によって多少の違いは有れど、西洋的な文化のみですね。
しかし刀といった日本の武器や、居合いなどの武術は、地域によっては存在します。
東洋的な文化圏から伝来したものではなく、あくまで西洋的文化の中で偶然生まれたものですが。

漢字については日本の物がそのまま使われているというより、現地の言葉を日本語に訳すとそう言った意味になるという事で使っています。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:20:05.02 ID:trO2Pn3+O
おっと途中送信しちゃった
裁きの天秤
不壊の正義
竜の外典
てかこの歳で格好いいと思う厨二ネームを選ばせるとか実質性癖晒しじゃん……>>1の鬼畜!
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:22:51.86 ID:ff3mi9K80
裁きの天秤
不壊の正義
文庫の審判
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:24:54.76 ID:yPGRi4ot0
あぁファルシオンとかから突然変異して生まれた感じか……なるほど
斬り方も扱いも大きく違うのによく生まれたなぁ……了解です
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:30:50.87 ID:8+Kq8GJv0
神罰代行
悪滅
紅き乙女
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:31:54.08 ID:lhMfPcEo0
冷静にならずとも顔から火が出るぜ

竜の外典
神罰代行
裁きの天秤
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 19:37:38.95 ID:cvswOQxDO
無慈悲な慈悲
魔の正典
悪滅
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/02/27(月) 20:12:35.80 ID:+ew7wHIcO
裁きの天秤
竜哭の裁き手
悪滅
144 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/27(月) 20:36:17.55 ID:c2rUq3pc0
悪滅と、捌きの天秤が四票で同着となりました。
決戦投票を行います。
一人一つ、どちらかに票を入れてください

本日夜九時までとします。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 20:38:28.93 ID:yPGRi4ot0
まじか
なら悪滅
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 20:39:33.54 ID:trO2Pn3+O
裁きの天秤
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 20:39:55.69 ID:lhMfPcEo0
悪滅
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 20:40:44.30 ID:ZHSVgit3o
裁き
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 20:59:31.68 ID:8+Kq8GJv0
悪滅
150 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/27(月) 21:09:26.21 ID:c2rUq3pc0
主人公の名前は悪滅に決定しました。
決める事が多くてすみません、でもそろそろ大詰めになって来ました。

次は主人公の初期装備を決めます。
キャラクターが所持可能なアイテムの合計重量は、筋力と同値です。
所持アイテムには装備アイテムと、背嚢内に収納しているアイテムの二つがあります。

主人公の防具の装備箇所は頭、腕、胴体、腰、足の五か所と、その他、三点までの装飾品。
合計八枠の装備スロットがあります。

また、武器は右手装備と左手装備の二枠です。
大剣や槍などの大型武器は右手と左手両方のスロットを占有します。
また魔術師は短剣、若しくは杖以外の武器に習熟しておらず、それ以外の武器を使う場合には能力値ペナルティがあります。

そして、サブスロットとして四枠用意しており、そこに小型武器や矢筒、魔法薬などを入れて、戦闘中にも即座に取り出す事が出来ます。

現在の主人公の装備は以下の通りです。

右手武器:魔術師の杖
・<説明>主人公が一人前の魔術師になった際に師匠がくれた杖。 この杖に自分の魔力を通す事で、魔力性質を変化させ、魔術の威力を
 高める事が出来る。 硬い木で出来ており、殴打武器として使えない事もない。
・<重量>0.2
・<効果>魔術使用時、魔力+1。打撃武器、攻撃時に筋力+1。
左手武器:装備無し
サブ1:鉄の短剣
・<説明>一般的な護身用の短剣。
・<重量>0.1
・<効果>刺突・斬撃武器、攻撃時に筋力+1。
サブ2:装備無し
サブ3:装備無し
サブ4:装備無し


頭:装備無し
腕:装備無し
胴体:上質な旅用ローブ
・<説明>綿布で作られた仕立ての良いフード付きローブ。 厚手の生地で寒さから守ってくれる。
・<重量>0
・<効果>冷気属性攻撃に対する耐久値+2
腰:上質な布ズボン
・<説明>綿布で作られた仕立ての良いズボン。 特別な効果は無いが、身なりが良く見える。
・<重量>0
・<効果>魅力+1
足:上質な革ブーツ
・<説明>革製の良質なブーツ。 防具としての効果は無いが、歩きやすい。
・<重量>0
・<効果>敏捷+1

装飾品1:装備無し
装飾品2:装備無し
装飾品3:装備無し

背嚢内:魔術入門(魔術書) 重量0.1


合計重量/所持限界:0.4/1
151 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/27(月) 21:16:35.29 ID:c2rUq3pc0
そして、主人公の生まれが都市生活者(裕福)になった事により、家に伝わる家宝を一つ相続出来ます。
選択肢は以下の四種類です。

家宝

親しみの黄玉<マジックアイテム>
<説明>黄玉が嵌め込まれたペンダント。 所有者が対峙した人の緊張を解し、打ち解けやすくする。
<重量>0
<効果>魅力+2


安息の指輪<マジックアイテム>
<説明>装備者に安らぎを齎し、精神を鎮める効果を持つ指輪。
<重量>0
<効果>精神+1。 また二十四時間に一度、精神的な状態異常に掛かった際に、自動で状態異常を治癒する。


幸運猫<マジックアイテム>
<説明>金の猫があしらわれたペンダント。 不幸を避ける力があると伝わる。
<重量>0
<効果>二十四時間に一度だけ任意のタイミングで、ダイスを再ロールできる。


大猪の牙<マジックアイテム>
<説明>銀色の牙があしらわれたペンダント。 装備者に力を授ける。
<重量>0
<効果>筋力+2

二十四時間に一度使える等のチャージ時間が存在する効果は、装備者からエネルギーを吸い上げて魔法の力を充填しているので
装備してからそのチャージ時間が経過するまで、効果は使えません。
また、一度外すとチャージもリセットされます。


では、この中からゲーム開始時に所有する家宝を一人一つ選んでください。
締め切りは本日午後11時とします。
また、今日の投稿はここまでにします。

選択以外にも相談やコメントも書き込んで大丈夫です。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/27(月) 21:22:08.63 ID:yPGRi4ot0
筋力1とかこの子実質まともな装備無しになりそうだなぁ……それはそれとして質問
安息の指輪って精神状態異常治したら壊れる?
153 : ◆tybR/mt68A [saga]:2023/02/27(月) 21:25:07.33 ID:c2rUq3pc0
>>152
ここにある全てのアイテムは、効果を使用しても壊れません。
しかし精神状態の治癒は一度使えば、次に使えるまで二十四時間指輪を身に着けていなければなりません。
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