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ドラえもん「え、ええ〜!? 本物のポケモンを出してくれってぇ!?」
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36 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 16:57:37.23 ID:jUuadZBT0
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
ドラえもん「エッホッエッホッ! ああ、まったく、こりゃ大変だ!」タッタッタッタッ
のび太「大変なんてもんじゃないやい!」タッタッタッタッ
のび太「もしこれでポケモンを貰えなかったら……ああ、考えなくない、考えたくない!」プルプル
ドラえもん「心配するなよ、家追い出されたってさ、いざとなったらまた原始時代にでも住めばいいんだ」
のび太「そ、そういう問題じゃなぁい!」ハアハア
ドラえもん「しっかし、君も運がないよなあ」
のび太「うう……言うなよお! 気にしてんだから」ハアハア
のび太「」ハアハア
ドラえもん「」エッホッエッホッ
のび太「……う、うう」ハアハア…ゼェハァ
のび太「うううぅう……!」ゼェ…ゼェ…ゼェ…
37 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 16:58:32.65 ID:jUuadZBT0
のび太「ああ、あああ! もう無理ぃ……もう限界! 僕ぁもう、一歩だって走れな〜い!」バタン…
ドラえもん「ち、ちょっと……! おいこら、のび太!」
ドラえもん「もう! 君の進退がかかってんだぞ? 今走らないでどうする!」
のび太「だってぇ〜」
ドラえもん「だってじゃないよ! ったくもう!」
???「あれ、のび太? のび太じゃん!」
のび太「ん……んぇ? だ、誰?」キョロキョロ
ドラえもん「あ、のび太くん! あそこ!」
のび太「え?」
ジャイアン「よお!」
のび太「ジ、ジャイアン……!」
ジャイアン「のび太、お前どうしたの? こんなとこで」
38 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 16:59:15.15 ID:jUuadZBT0
のび太「べ、別に……」
ジャイアン「ま・さ・か」ニヤーッ
のび太「な、なにさ」
ジャイアン「いやな? まさかとは思うけどさ、これから学校行こうってんじゃないよなあって思ってよ」
のび太「っ!」ギクッ!
のび太「べ、別に関係ないだろ!」
ジャイアン「へへ、そりゃあな。関係ないっちゃないけどさ」
ジャイアン「」ニヤニヤ
のび太「……なんだよお」
ジャイアン「そんな身構えんなってば。いやな? これからお前、必死こいて走るんだろうなあと思うとさ」
ジャイアン「そんな可愛いそ〜な、の〜〜び太くんを一言応援してやるのも漢気だなって。俺様の心意気よ」ニヤニヤ
のび太「……どの口が」ブツブツ
39 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:00:03.39 ID:jUuadZBT0
ジャイアン「いいか? じゃあ、心して聞いてくれよな」ユビサシ ビシッ!
ジャイアン「のび太! 今日遅刻するようじゃあ、お前はポケモントレーナーとして最初っからコケってる!!」
のび太「へ?」パチクリ
ドラえもん「のび太くん……君今バカにされたんだよ!」コソコソ
のび太「え?……あ」カアァッ!
ジャイアン「ふっ、くく、く……ガッハハハハハ!」
のび太「な……ん」
のび太(ま、またバカにしてぇ!!!?)
ジャイアン「ヒッヒヒヒヒ、ハハハハハッ!」
のび太「……そ、そうやって僕のこと」
ジャイアン「?ん?」
のび太「僕のことバカにするんだから、君はよっぽどすっご〜いポケモン受け取ったってことでいいんだろ!! それを見せてみろよ!」
ジャイアン「なんだぁ?」
40 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:00:39.15 ID:jUuadZBT0
のび太「だってそうだろ!」
ジャイアン「……へえ、言うじゃんよ」
のび太「言うよ、ああ、言ってやる! ジャイアン、覚悟しろっ! もしも、これで君のポケモンがショボいのだったら!」
ジャイアン「へえ、ショボいのだったら?」
のび太「ショボいのだったら?……え、え〜と……うんとぉ」
ドラえもん「な、何も考えてなかったのか!?」
のび太「だ、だってぇ〜……」
ジャイアン「俺様のポケモンがショボかったら、一体全体どうするんってんだよ、ええ? 言ってみろよ、のび太!」
のび太「そ、それは……」
のび太(こ、怖い……でも、このままバカにされてばっかりで居られようか……! よーし、言ってやる……! 言ってやるったら、言ってやるんだ!)グッ!
のび太「よ、よよよ容赦しないぞって、そう言おうとしたんだ! 君のポケモンがもしショボいのだったら、その時は僕に誠心誠意、心の底から謝れよな!」
41 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:01:14.19 ID:jUuadZBT0
ドラえもん「えらい! のび太くん、よく言った!」
のび太「おうとも!」フンスフンス
のび太(こんだけ言えば……)チラッ
ジャイアン「へえ、言うじゃん?」ニヤニヤ
のび太(あ、あれぇ、やけに自信ありげだぞぉ? イヤな予感……)
ジャイアン「おい、のび太!」
のび太「ふえっ!? な、なに」
ジャイアン「じゃあ、俺様のポケモンがショボくなかったら、お前どうすんだよ!」
のび太「え……それは」
のび太「ええっとお〜……」
ジャイアン「なんだよ、何も考えてないっての?」
のび太(た、確かに、ここまで言って、もしジャイアンのポケモンがよっぽどのやつだったら……どうしよう)
のび太(間違いなく、酷い目に……)ダラダラダラ
のび太「……あ、あのう、そのお……やっぱり」
ジャイアン「ん?」
のび太「今の無しってことにはーー」
42 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:02:21.53 ID:jUuadZBT0
ジャイアン「なると思う?」
のび太「じ、じゃあ、容赦しないのは僕じゃなくて、ドラえもんがってことにはーー」
ドラえもん「え、ええッ!? 何言ってるんだよ!」
のび太「いや、その……」アハ、アハハ…
ドラえもん「君ってやつは! カッコつけるなら最後まで責任もってやれ!」
のび太「だ、だってぇ〜」
ドラえもん「だって、じゃない! 君はボクをなんだと思ってるんだ!使い勝手のいい人形かなんかと勘違いしてるんじゃない??!」
のび太「そ、そんなこと思っちゃいないよ! 君は僕の親友だ! ただ……ただ、勇気を出しきれなかっただけなんだよお」
ドラえもん「今更、親友なんて、白々しくて聞いちゃいらんないや!」プイッ
のび太「ごめんよ、ごめんってばあ」
ドラえもん「ふんっ!」
43 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:03:02.74 ID:jUuadZBT0
のび太「ちょっとドラえもぉん!」
ドラえもん「ふんったら、ふ〜んっ!」
ジャイアン「……」
ジャイアン「」ゴホンッ
のび太「ちょっと、ねえ、ドラえもん。ホントに本気で怒ってる? ね、ね?」
ドラえもん「見て分からないの。怒ってる」
のび太「ねえ、僕が悪かったからさ許してくれよお。君のこと傷つけるような事しないって約束するからさ」
ドラえもん「ボクはそんな口先だけの謝罪じゃぜ〜ったいに許さない! 尻軽じゃないぞぉ!」
のび太「そりゃ、体型的に見ても尻は重ーー」
ドラえもん「」ギロッ!
のび太「つ、つい本音が……じゃ、なくてだね?」
のび太「頼むよ、口先だけなんて思わないでおくれよ。ここ数日で君には迷惑かけ通しだけど、ホントに僕は……」
ドラえもん「」ツーン
44 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:06:49.50 ID:jUuadZBT0
のび太(参ったなあ、すっかりへそ曲げちゃって……いや、そうだ、こんな時は)
のび太「どら焼き! いろいろお礼したいしさ、後で奢るよ!」
ドラえもん「」ピク…
ドラえもん「……ホントに?」
のび太「ホントに!」
ドラえもん「……約束する?」
のび太「約束する」
ドラえもん「……何個?」ボソ
のび太「う……2個、とか?」
ドラえもん「2個ぉ?」
ドラえもん「はーあ……いーんだいーんだ、別にいーんだ。君の誠意がそんなもんなら……ボクは、やっぱりーー」
のび太「わっわっわっ! 待って待って! じゅっ、10個買うよ!」
ドラえもん「……もう一声」
のび太(しょうがない!)
のび太「に、20個ッ!」
45 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:08:44.75 ID:jUuadZBT0
ドラえもん「のび太くん……」
のび太「……」ドキドキ
ドラえもん「ほんと〜う!?」パァアア…!
のび太(ま、満面の笑みだ)コクコク
ドラえもん「よ〜し、許してやる!」
のび太「あ、ありがとう?」
のび太(で、良いんだよね……? これは……)
ドラえもん「」ウフフフッ!
のび太「」エ、エヘヘ………ハァ
のび太(漫画…おやつ…我慢しなきゃなあ……)
ジャイアン「……なんだこりゃ」
ジャイアン「……」
ジャイアン「俺のこと置いてけぼりにしてやんの」
46 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:12:21.83 ID:jUuadZBT0
ジャイアン「」ゴホンッ
ジャイアン「……」
ドラえもん&のび太「「あ……!」」エヘヘヘ
ドラえもん「ごめんごめん、そうだった、すっかり忘れてたよ」ウフフフ
のび太「うん、僕もごめんよ。ジャイアン」ヘヘ
ジャイアン「……話戻すけど、いい?」
ドラえもん&のび太「「いいよ、いいよ!」」
ジャイアン「」ゴホンッ
ジャイアン「では」スゥー…
ジャイアン「のび太だろうがドラえもんだろうが、俺様にとっちゃあ屁の河童よお! 容赦しなけりゃしないでいいぜ!」
ジャイアン「ま、とにかくだ! こんだけせがまれてんだもん、俺様のポケモン見せるっきゃーー」
ドラえもん「なにを勘違いしてるんだ! 僕ら別にせがんじゃいないやい!」
のび太「?そうだそうだ!何言ったって、 どうせ見せびらかす気だったんだろうしさあ。ちょっと自意識過剰なんじゃないの〜?」
47 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:14:26.94 ID:jUuadZBT0
ジャイアン「いーんだよ! 展開上、そーゆうことにしとくの!」
のび太「あーんなこと言ってら」
ドラえもん「しょうが無い、自慢したがりなんだよ」
ジャイアン「うるせぇッ!! 俺が見せるったら見せるの! 余計な茶々入れんなよな! ったくもう!」
ジャイアン「よーし! ほんじゃあ、目ん玉(※耳)かっぽじってよ〜く見てろよぉ!」
ドラえもん&のび太「「……!」」ゴクリッ
ジャイアン「行くぜぇ!! 俺様の、あいッぼぉぉおぉうッ!」
ピカッ!!
???「ピィィィイイィ!!!」
ドラえもん「おお!」
のび太「あ、あれは!」
ジャイアン「へへ、どうだ? この俺様の! 文句なしのレアモン、その名もミニリュウだぜいっ!」
ミニリュウ「ピィ! ピィィイイ??」
ドラえもん&のび太「「……」」
48 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:18:46.15 ID:jUuadZBT0
ジャイアン「……? どうしたんだよ」
ドラえもん&のび太「「いやさ」」
ドラえもん「まあ、何というか……あんなに君が言ってくるもんだから?ーー」
のび太「ど〜んな凄いのが出てくるかと思ったら?ーーねえ?」
ドラえもん&のび太「「これぇ???」」
ミニリュウ「ピィ?」パチクリ
のび太「な〜んだいなんだい! こ〜んなにちっちゃいじゃないか!」
ドラえもん「それに、あんまり強くなさそうだね」
のび太「ち〜っとも怖くないしさ! これじゃあ、まるっきり口だけだね」
ジャイアン「な、何をぅ……!」
ジャイアン「だったら、さっき驚いてたのは何だったんだ!」
のび太「えーと……雰囲気かなあ。ドラえもんもだろ?」
ドラえもん「うん」
49 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:27:31.60 ID:jUuadZBT0
ジャイアン「な……ん……ぐぅ、ううぅうぅう……! 言わせておけば……!」ワナワナ…!
のび太「こりゃあ、さっきの話も僕の勝ちかな〜」ハハハハ!
ジャイアン「ーーッ!!」
ブチッ!
ドラえもん「!?」ビクッ
ドラえもん(なんか今、切れた音が……)
ジャイアン「……」ユラ…
ドラえもん(な、なんだかまずそうだぞお……!?)ダラダラダラ
ジャイアン「」ギンッ!
のび太「へ〜んだ! 凄んだって無駄だい!」
ドラえもん(の、のび太のバカ! これ以上煽ってどうすんだ!)
ジャイアン「目にもの…見せて、やる」ギリギリギリ
ジャイアン「う……うおぉ、おぉおぉぉおッ! ミニリュウッ! 【ふぶき】ッ!!!!」
ミニリュウ「ピィイ…!」キィィイイィ!
のび太「……ん」
のび太「なんだろ、首の珠が光って……?」パチクリ
ミニリュウ「ピィッ!」キンッ!
ビュウッ! ブゥオオオオオォォオォッ!!!!
のび太「ーーふぇっ!??」
50 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:39:02.43 ID:jUuadZBT0
のび太「な、なな、な、なぁああっ!?」ダッ! ミカワシ!
ゴォオオオオオォォオォッ!!!!
ドラえもん「……ん? ちょっと、ええ!? 何で!!」
ドラえもん「ふわッ!? うわあぁあ!!」ビュオッ! ピッキーン!
ドラえもん「う…うぅ」
ドラえもん「さ、寒……い……」カチッコチ
のび太「へ……へえぇぇあぁ……」ヘナヘナ…
のび太(道路までカチコチに……た、助かった)
ジャイアン「へ、へへ……! やっぱし大枚はたいてでも、わざマシン買って良かったぜ……!」ゼェ…ハァ
ミニリュウ「ピィ」スリスリ
ジャイアン「ん? ああ、よーしよし」ナデナデ
ミニリュウ「ピィ! ピィイ!」ニコニコ
ジャイアン「おつかれ、戻っていいぞ」
ミニリュウ「ピィ」
ピカッ!
ジャイアン「……さてと」
ジャイアン「どうだ、お前ら。まいったかっ!」
ドラえもん&のび太「「うう……」」
のび太「まいったあぁ〜……」
ドラえもん「まい……り……ましたぁ……」カチッコチ
ジャイアン「今度また俺の相棒を貶してみろ、そしたら、こんなもんじゃないぞ、ギッタンギッタンのメッタンメッタンにしてやるからな! 分かったか!」
ドラえもん&のび太「「はあぁあ〜い……」」
51 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:42:35.88 ID:jUuadZBT0
ジャイアン「ふんっ!」
ジャイアン「ホントは【はかいこうせん】でも撃ってやりたいとこだけど、それはさすがに可哀想だ。ここいらで勘弁しといてやらあ!」
ジャイアン「あばよ、のび太ぁ!」
オッレ-ハジャイアーン ガァキダッイッショーウ♪
のび太「……」
ドラえもん「……」
のび太「……行った」
ドラえもん「い……行った……みたいだね」カチッコチ
のび太「ふう〜」ドサッ
のび太「はあぁああ……ビックリしたあ」
ドラえもん「……」
のび太「……しっかし」
のび太「凄かったねえ、あれ。【ふぶき】って言ってた」
ドラえもん「うん…そうだね」カチッコチ
のび太「ねえ、ドラえもん? 僕の貰うポケモンもあんなに強いのかなあ」
ドラえもん「ど……う……だろうね……」カチッコチ
52 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:43:41.76 ID:jUuadZBT0
のび太「けど、強いだけじゃダメだな。僕ぁやっぱりカッコいいのが欲しいなあ」
のび太「ねえ、ドラえもんはどんなのがいい?」
ドラえもん「ボクも…カッコいいのが良いけど……そうじゃなくて……のび太くん……ちょっと」カチッコチ
のび太「可愛いのもいいなあ」
ドラえもん「ちょっと…のび太くんってばあ……!」カチッコチ
のび太「なあにぃ〜?」
ドラえもん「ボ……ボクのこと……たす……けてくれよお……!」カチッコチ
のび太「え……ああッ!! わ、忘れてたっ!」トビオキッ
ドラえもん「ひ…酷い……」カチッコチ
のび太「ごめんよお。何か、道具を使えばいいよね?」
ドラえもん「う、ん」
のび太「……」
ドラえもん「……」カチッコチ
のび太「……う、う〜ん」
ドラえもん「……どう……した?」
のび太「凍っちゃってて、ポケットが開かないんだよ……ど、どうしたもんかなあ」
ドラえもん「……そ…それは……どうしたもんか」
53 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:44:54.27 ID:jUuadZBT0
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
〜学校 校門付近〜
のび太「ようやく校門が見えてきたあ!」タッタッタッ! ハァッハァッ!
のび太「それにしたって、まったくもう! ジャイアンのせいでとんだ道草食ったもんだ!」タッタッタッ! ハァッハァッ!
ドラえもん「ああ、まったくだ」タッタッタッ!
のび太「」ハァッハァッ!
のび太(そういえば、今何時なんだろ……ああ、なんだか考えただけで不安になってきた……!)
のび太「ねえ、ドラえもん? 今何時かわかる?」ハァハァ
ドラえもん「ええ? 走りながらそれ聞く? まったくもう、ちょっと待ってくれよ……」ゴソゴソ
ドラえもん「あっ、あったあった! 普通の目覚まし時計ぃ〜〜」
のび太「んなことやってる場合か!」ハァッハァッ
ドラえもん「いいの、いいの。ファンサービスなんだから」
54 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:46:52.49 ID:jUuadZBT0
ドラえもん「そんなことより。え〜と、どれどれ? 今はねぇ……って! うわぁっ、もう8時半過ぎだ!」
のび太「8時半……!? う、嘘でしょお!?」ピタ…
ドラえもん「嘘なもんか、ほら、見ろよ!」ピタリ
時計「8:35」
のび太「僕の目がおかしくないとすると、確かにこれはどう見ても……」
のび太「わ、分かっていたこととはいえ、先生怒ってるだろうなあ」
ドラえもん「まあ、そうかもね」
のび太「考えてもみろよ……今日みたいな日に遅刻なんて、廊下に立たされるだけで済めばもう奇跡だ。それに、もしこれでポケモン貰えなかったらママが……」
ドラえもん「鬼になるって?」
のび太「そうだよ、その通りだよ! ジャイアンやスネ夫だってバカにしてくるだろうし……しずかちゃんにまで情けないとこ見られて」
のび太「はぁあ……」
ドラえもん「もうっ! そうやって悪い方悪い方って考えるの君の悪いとこだぞ!」
のび太「でもぉ……」
ドラえもん「でも、じゃない! 遮二無二やるっきゃない!」
のび太「ううう……わかったよお!」
タッタッタッ
55 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:50:47.03 ID:jUuadZBT0
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
〜教室〜
先生「?ーーいやはや、本当に面目次第もありませんで……せっかくここまで御足労いただいたのに……」
???「いえいえ、お気になさらず。ままある事です」ハッハッハッ!
先生「そう言っていただけると……いやしかし」
先生(まったく、野比のやつめ。よりによってこんな大事な日に遅刻などしおって!)
ダダダダダダッ!!!!
先生「ん?」
ガラッ!!!!!
ドラえもん&のび太「「とうちゃ〜くっ!!」」
先生「っ!?」ビクッ!
のび太「は〜! つかれたよぉ〜」ヘナヘナ…ドサ
ドラえもん「おつかれ、のび太くん!」
ドラえもん「ん〜?」パチクリ
先生「……」
ドラえもん「あっ! これはこれは先生方、本当にお待たせしてしまいまして、どうも」ニコニコ
ドラえもん「ほら、のび太くん! 君もあいさつ!」
のび太「そうだったそうだった」
のび太「おはようございます、先生! あと、遅れちゃってホントにごめんなさいっ!」
先生「……むぅう」ワナワナ
ドラえもん(こりゃ、まずい!)
ドラえもん「あ、あのお!」
ドラえもん「のび太くん、確かに寝坊はしたんですけど、でも一生懸命走ってきてたんですっ! 今日をずっと楽しみにしてて……」
56 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 17:59:44.36 ID:jUuadZBT0
のび太「ごめんなさい、先生」ペコッ
先生「」ムッ
先生「……簡単に謝るが、君は?ーー!」
???「まあまあ、先生。どうやらこの子も反省しとるようですし」
先生「し、しかし! 私一人ならまだしも、博士までーー」
???「いやいや」
???「この子のせっかくの門出です。先生としてもどうせなら、と思わんことも無いでしょう?」ニコ
先生「それは …!」
先生「……」ハァ
先生「それを言われると……弱いですなあ」
???「」ニコニコ
のび太「……」
先生「顔を上げなさい、野比」
のび太「」ビクッ
のび太「なっ、なんですか?」
57 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:03:56.09 ID:jUuadZBT0
のび太「」ピシッ!
先生「ハァ……」
先生「……そう身構えんでよろしい」
のび太「は、はあ」
先生「博士もこう仰られていることだし、今日のところは勘弁しよう」
のび太「え?」
のび太「そ、それってーー」
先生「ただし??!」
のび太「」ビクッ
先生「遅刻はいかん! 待つのが私だけならまだしも、今日のような日には来てくださった方に失礼になる! わかるかね? 返事は!」
のび太「は、はい!」
先生「以後、気をつけるように!」
のび太「はいっ!」
58 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:07:41.23 ID:jUuadZBT0
ドラえもん「許してもらえてよかったじゃない」
のび太「うん」
のび太(ホントに、良かったあ〜)
のび太(あとはポケモンを貰うだけ…どんなのがあるのかなあ……!)クフフ
先生「では博士。さっそくお願いできますか?」
???「ええ、そうですな。では?──」ゴソゴソ
のび太(よーし、いよいよ…!)
ツンツン
ドラえもん「のび太くん、のび太くん」ヒソヒソ
のび太「ん?」
ドラえもん「しっかし、僕ら運がいいね」ヒソヒソ
のび太「え? なんで?」ヒソヒソ
ドラえもん「なんでって……」キョトン
ドラえもん「ひょっとして君気づいてないの? ほら、あの人、たぶんオーキド博士だよ」ヒソヒソ
のび太「オ、オーキド博士ッ!? この人が?」
ドラえもん「わっ、声が大きいっ」
59 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:11:35.19 ID:jUuadZBT0
先生「何かね、野比くん! いきなり大声なぞ出して」
のび太「い、いえ! なんでもありません」エヘ、エヘヘ…
ドラえもん「」ハァ…
のび太「で、この人がホントにあの?」ヒソヒソ
ドラえもん「本当に気づいてなかったのか……」ヒソヒソ
のび太「君が気づいたのの方が驚きだい」ヒソヒソ
ドラえもん「ん? 別に驚くほどのことじゃないよ」ヒソヒソ
のび太「え?」ヒソヒソ
ドラえもん「ポケモンと言えば、22世紀でもまだまだ人気な作品なんだ。それこそ、僕のような子守りロボットの?ーー」ヒソヒソ
オーキド博士「?ん、んん? ありゃあ?」
ドラえもん&のび太「「……?」」
先生「どうされました、博士?」
オーキド博士「いや、そのですなぁ……なんと言って良いやら」
ドラえもん「どうしたんですか?」
のび太「ま、まさか、もうポケモンが残ってない……とか」
オーキド博士「ああいや、いるにはいるんじゃが……」
のび太「え? それならどうして……」
60 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:15:51.82 ID:jUuadZBT0
オーキド博士「いや、その……ちと問題が」
ドラえもん「問題ですか?」
オーキド博士「今回、坊やたちに配るポケモンを用意するにあたって、扱いやすいものを中心に集めたんじゃが……どうにもワシのうっかりで、妙なのが紛れ込んでしまったみたいでなあ」
オーキド博士「あまり扱いやすいとは言えない奴なんじゃが……どうしたものか」
のび太「それをください!」
オーキド博士「ん?……いや、しかしなあ」
のび太「遅刻した僕にも問題があります! それに、どうせなら今日、胸張って旅立ちたいんです!」
のび太(貰えるならどんなのでもいい! ここでポケモンもらえなきゃ、えらいことだぞ! ママに殺されちゃうよお〜!)
ドラえもん(なんて、考えてるんだろうな)
オーキド博士「ふ〜む」
オーキド博士「少し日数をくれれば、またポケモンを選ぶ機会は与えてやれんことも無いんじゃが……坊や、それでもか?」
のび太「はい!」
61 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:27:42.69 ID:jUuadZBT0
オーキド博士「意志は固い、か……よかろう! ならば!」
ピカッ!
???「ヤァ……ドォーン」
先生「ま、まさか」
ドラえもん「こ、これを初心者ってのはーー」
のび太「そんな! これって?ーー」
のび太「ーーなんてポケモン?」エヘヘヘ
ドラえもん&先生&オーキド博士「「「ハァ……」」」
のび太「え、な、なになに? なんでみんなそんな目で見てくるのさ」
先生「まったく…カントーのポケモンといえば3年までに習う内容だというのに」
ドラえもん(まあ、ゲームもしたことないんだ、知らなくても無理はないけど)
オーキド博士「じゃあ……ワシから説明しようか」
のび太「」コク
オーキド博士「コイツはヤドン。別名、まぬけポケモン。その名の通りマヌケでのろく、反応も遅い。いつもボーッとしているせいで意思疎通もしにくい」
のび太「そ、それじゃあ、バトルは」
オーキド博士「当然、弱い」
ヤドン「ヤァ?」
のび太「……」
オーキド博士「やはり、やめるかね?」
先生「野比、これは流石にーー」
62 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:41:05.06 ID:jUuadZBT0
のび太「いえ! 僕やっぱり行きます、ヤドンと一緒に!」
オーキド博士「ふーむ」
のび太「……」ドキドキ
オーキド博士「……そうか、男に二言はないか!」ニッ!
オーキド博士「偉いっ!」
のび太「え、ええ!?」
のび太「そ、そんな、僕なんか」
オーキド博士「いやいや、一度決めたことを貫くというのは、これでなかなか難しい」ニコニコ
ヤドン「ヤァ」
オーキド博士「ほれ、ヤドンも喜んでおるようじゃ」
のび太「え?」
ヤドン「ヤ!」
トテ…トテ…トテ
ヤドン「ヤァヤァ」
のび太「どうしたの?」シャガミ
ヤドン「ヤァヤァン」
のび太「ん〜?」ナデナデ
ヤドン「ヤァ」ペロペロ
63 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:49:25.85 ID:jUuadZBT0
のび太「わっわっ! 舐めてきた、舐めてきたよ、ドラえもん!」 パァア…!
ペロ…ペロ
のび太「もう、くすぐったいよぉ」エヘヘヘ
ドラえもん「いいなぁ、僕にも触らせてよ」
のび太「えー」
ドラえもん(露骨にイヤな顔)ムッ
ドラえもん「なんだいなんだい、のび太のケチンボ!」
のび太「ケチンボなんて、そんなあ。ちょっとした冗談じゃない」ハハハ!
ドラえもん「むう……」
のび太「ほら、どうぞ」
ドラえもん「ありがと」ナデナデ
ヤドン「ヤァ?」
ドラえもん「……かわいいね」
のび太「でしょお!?」
ドラえもん(嬉しそ〜な顔しちゃって、まあ)
64 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:52:20.37 ID:jUuadZBT0
ドラえもん「でも、なんでかなあ、似てるよね。のび太くんと」
のび太「え? どこが?」
ドラえもん「さて……うーむ、顔かなあ、雰囲気かなあ」
のび太「ええ〜? それって褒めてるの? それとも、ノロマって言ってるの?」
ドラえもん「さあ、どちらでしょ〜か」ウフフ
のび太「ちぇっ……」
のび太「ま、似たもの同士、頑張るさ。ねー、ヤドン」
ヤドン「ヤァ…!」
ドラえもん「」ウフフ
オーキド博士「さて、そろそろ」
のび太「あ、ごめんなさい」
オーキド博士「ふふ、いやいや。それで、だ。旅立ちにあたって餞別を」ゴソゴソ
オーキド博士「まずはモンスターボール。ヤドンのボールと、余分に5つ渡しておこう」ヒョイ
のび太「おっとっと」パシッ
のび太「へえ、これがモンスターボール」
65 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:56:57.40 ID:jUuadZBT0
ドラえもん「僕にも見せて」
のび太「うん」ヒョイ
ドラえもん「へぇ〜、ボールって大きさ変えられるんだ、凄いや」カチッカチッ
のび太「うわっ、ホントだ!」
ワイワイ
オーキド博士「」ゴホンッ
ドラえもん&のび太「「……あ」」
オーキド博士「喜んでもらえたようで何より。しかし、餞別はまだもうひとつあるぞ? それはな、このポケモン図鑑じゃ!」
のび太「ポケモン図鑑?」キョトン
オーキド博士「なに、知らんのか? 」
のび太「は、はい」
オーキド博士「……」チラッ
先生「……」ワナワナ
オーキド博士(やれやれ…)
オーキド博士「ならば、説明しよう。こいつの操作は簡単。しかし、それでいて相当な優れもの。知りたいポケモンにかざすだけで──例えば、このように」スッ
ヤドン「ヤァン?」
66 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 18:58:10.03 ID:jUuadZBT0
ピコンッ!
ポケモン図鑑「ヤドン まぬけポケモン。いつも ボーッとしていて なにを かんがえているか わからない。しっぽで エサを つるのが とくい」チカチカ
オーキド博士「基本的な図鑑説明に加えて、覚えている技なども見ることが出来る。他の機能については図鑑内にある説明書を読むといい」
のび太「わぁ、ありがとうございます!」
先生「私からも、本当にありがとうございます。他の生徒と同様、こんなにも良くしていただいて」
オーキド博士「いやいや、礼には及びません」
オーキド博士「さて、野比くんだったね?」
のび太「はい!」
オーキド博士「ポケモンを受け取った以上、君は大人への一歩を踏み出したことになる。しかし、まだまだ一人前にはほど遠い。冒険の中で経験を積み、常に己を研鑽することを忘れずにいなさい」
のび太「あ、ありがとうございます!」
オーキド博士「うんうん」
67 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:01:17.23 ID:jUuadZBT0
先生「野比くん」
のび太「はい、先生」
先生「ここからの旅の進み方で提案がある。聞くかね?」
のび太「お願いします!」
先生「うむ、では。まずは、ニビを目指して北西へ向かうといい」
のび太(トキワ? 町、だよね?)
先生「ニビでは遠すぎると思うなら、南下してタマムシに行くのもありかもしれんが……周りに生息するポケモンのレベルから見て危険度が高すぎるし、その先のヤマブキには不穏な噂もある」
先生「それに、もしジムの攻略を目標にするなら、尚のこと、ニビからハナダへ回って行った方がいい」
先生「まあ、まずはご両親と相談してみなさい」
のび太「わかりました!」
※ のび太の住所は練馬区とのことなので、タマムシ(世田谷想定)の北西あたりにある小さな町(タウン)という想定です
68 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:10:39.89 ID:jUuadZBT0
先生「それと近頃、物騒になってきているからね。もし何かあれば、直ぐに交番に駆け込むんだ。分かったかね?」
のび太「はい!」
先生(返事だけなら、一丁前だな)ハァ
先生「ま、よろしい」
先生「なら、後は早くお家に帰ってご両親に君のポケモンを自慢するだけかな」ニコ
のび太「え?」
先生「おおかた、急かされてきたんじゃないのかね?」
のび太「え、あ……それはそのお」カァ…
先生「ほら! だったらなおのこと!早く帰ってあげなさい!」
のび太「は、はい!」ペコッ
のび太「失礼します!」タッタッタッタッタッ
ドラえもん「あ、ちょっと、のび太くん待ってよ!」
69 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:13:17.60 ID:jUuadZBT0
ドラえもん「まったくもう、しょうがないんだから!」
ドラえもん「先生、博士、今日は本当にありがとうございました。のび太くんもきっと?──」
\ドラエモォーン! マダァー? /
ドラえもん「今、大事な挨拶してるんだから少し待っててよ!」
\エ! ゴメーン、ワカッタヨォ! /
ドラえもん「あ、あのお…」
先生「早く行ってやるといい」ニコ
ドラえもん「」パァア…!
ドラえもん「えへへ、それじゃ、僕もこれで」ペコリ
タッタッタッタッタッ
\ モウッ! オソイジャナイノサ! /
\キミガセッカチスギルンダ! /
70 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:14:28.94 ID:jUuadZBT0
先生「まったく、うかれおって」
オーキド博士「余程、楽しみだったようじゃ」
先生「ええ、そうなんでしょうが」
オーキド博士(ふーむ、しかし、あの青い……ポケットが付いていたことからしてガルーラ、いや、ラッキー?)
オーキド博士(見たことの無い姿、そして人語まで解するとは……研究用にサンプル採取を?──)
先生「ところで博士、この後のご予定はありますか?」
オーキド博士(いや、そもそもポケモンなのかすら分からんのがなあ)
先生「あの、博士? 博士」トントン
オーキド博士「ん?」パチクリ
オーキド博士「あ、ああ、これは申し訳ない。少し考えごとをしていたもので。それで、なんでしたかな?」
先生「この後のご予定なんですが……」
オーキド博士「予定? いえ、特には。それこそ、昼飯にどこか美味い定食屋でもさがそうかな、などと思っておったくらいでして」ハッハッハ
先生「ちょうど良かった! それなら、ここの近くに良い店があるんです。もし宜しければどうでしょう?」
オーキド博士「ほお、そりゃあ良い! 是非、行きましょう」ニコニコ
先生「それに、博士に少し相談したいこともありまして。実は、家で飼っているガーディなんですが、最近?──」
オーキド博士「それは確かに。ちなみに?──」
71 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:15:59.71 ID:jUuadZBT0
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
〜のび太の家 居間〜
ママ「石鹸持った? 着替えは? 歯磨きセット忘れてないわよね? あと、インスタント食品、日持ちしないのは持ってけないし、それから?ーー」
のび太「マ、ママ」
ママ「あとは、炊事用のゴム手袋と、そうそう、洗濯干す用のロープも買ってあったから持ってくるわね。その他には、えーっと?ーー」
のび太「ちょっと、ママってば!」
ママ「何、のびちゃん?」
のび太「こんなに持ってけないよお」コンモリ
ドラえもん「おわぁ、山になってるよ」
ママ「持っていけなくても、持っていくのよ。人間、がむしゃらにやる気を出せば無茶なんてものはありません」
のび太「そんなぁ」
ママ「情けない声出すんじゃないの。旅先でどんなトラブルがあるか分からないのよ?」
ママ「いっくらドラちゃんが付いてくれていても、あなたって子は大事な場面で必ずひとつ抜けの出るような子だってことを忘れちゃいけませんよ。用意周到、常備不懈、胸中に成竹ありとは昔の人もよく言ったものよねえ」
ママ「うーん……そういえば、お皿も20枚かくらい、お茶碗も20個くらい入れたほうがいいかしらねえ? 確かおかっての方に使わないものがあったような?ーー」スタスタ
72 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:17:23.44 ID:jUuadZBT0
のび太「ド、ドラえもんっ、あんなの全部持ったら潰れちゃうよ!」
ドラえもん「うーん……仕方ない、後でスモールライト貸してやる」
のび太「ありがと〜う! 持つべきものは親友だねぇ〜え」ウルウル
ドラえもん「君ってやつは調子がいいなあ」
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
〜玄関前〜
のび太「じゃ、行ってきます。数日中には連絡するけど、パパによろしく言っといて」
ママ「ええ、分かったわ。道中くれぐれも気をつけるんですよ」
のび太「うん、分かったよ」
ママ「じゃあ、ドラちゃん、のび太のことお願いね。あなたもちゃんと体に気をつけて、くれぐれも病気しないようにね、いいわね?」
ドラえもん「はい、ママ」ニコ
ママ「それじゃあ、2人とも。行ってらっしゃい」
ドラえもん&のび太「「行ってきま?ーー」」
\オォーイッ! チョットマッテクレェ!/
ドラえもん&のび太&ママ「「「?」」」
???「はぁはぁ……良かった、間に合った……!」
のび太「パ、パパっ!?」
73 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:18:12.09 ID:jUuadZBT0
パパ「はぁ〜……疲れたあ〜」フゥー…
ママ「あ、あなた、どうして?」
パパ「いやあ、早退してきたんだ。のび太にとって大事な日だからね。それに、渡したいものもあったから?」ゴソゴソ
のび太「なになに?」
パパ「見て驚くなよお?──じゃじゃ〜ん、ポケギア〜!」
のび太「ポケ……ギア?」
パパ「あれ、知らないかい? これを使えばポケモンセンターからでなくても電話ができるんだ。ラジオも聞けるっていうんで、お隣の地方からどんどん広まってきてるんだよ」
パパ「折角ならと思ってね、プレゼント」
ママ「でも、高かったんじゃない?」
パパ「小遣いの中から少しずつ貯めてたんだ、心配ないさ」ハハハ
のび太「パパ、ありがとう……僕、頑張るよ」
パパ「ん? ああ。でもね、のび太」
のび太「……?」
74 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:19:06.76 ID:jUuadZBT0
パパ「頑張るのはいいけど、あんまり気負わないように気をつけるんだよ。折角、色々なところを回るんだ。将来とかそんなことは二の次で良いから、一生懸命、楽しんでおいで」
のび太「うん……うん!」グス
ドラえもん「のび太くん。良かったね」
のび太「うん」
ママ「これ、使いなさい。ね」ハンカチ ヒョイ
のび太「ありがと、ママ」
ドラえもん「別れは惜しいけど、のび太くん。そろそろ」
のび太「そうだね……うん、そうだ」ゴシゴシ
のび太「よーし……! 行こう、ドラえもん」
ドラえもん「うん!」
のび太「それじゃあ?──」
ドラえもん&のび太「「行ってきま〜す!」」
パパ「はい、行ってらっしゃい!」
ママ「体調にはくれぐれも気をつけるのよ〜!」
タタタタタッ!
75 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:20:30.37 ID:jUuadZBT0
パパ「……」
ママ「……」
パパ「もう見えない、か。なんだか寂しいね」
ママ「ええ……」
パパ「二人のこと、心配かい?」
ママ「そうなんだけど……ううん、違うのよ」
パパ「……」
ママ「……もう、二人とも居ないのね?」
パパ「うん、大丈夫」
ママ「そう……良かった」
ママ「ダメね……あの子の門出なのに」グス…
パパ「そんなことないさ。君だって、たまには良いんだよ……ね?」ニコ
ママ「……ありがとう」
??ーーーこれはまだまだ、少年のび太が辿るお話の、その始まりに過ぎない。
ポケットモンスター、縮めてポケモン。
いま旅立つ二人と一匹の前に壮大なポケモン世界の謎と冒険が待っている……とは言うものの、今の彼らはまだまだちっぽけ。
彼らの明日に待っているのは光……それとも闇……
ゆっくりと、しかし着実に歩みを進める先の未来は……!
その答えを知る日は、遥か先に君を待つ?ーーー
76 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:21:44.10 ID:jUuadZBT0
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
ママ「誇らしいような……なんとも言えないわね」
パパ「ああ、そうだねえ」
ヤドン「ヤァ」ポロポロ
ママ「ん? あらあら、ヤドンちゃんも泣いちゃって……」
パパ「ハハ、ホントだ……ん?」
ママ「……ん?」
ママ&パパ「「……」」
\チョット、ノビタ!! マチナサイ、ノビタァー!!!/
のび太「ん?」
?ーー君を待つ……?
? TO BE CONTINUED?
77 :
◆Qmf0OGtl5rPp
[sage saga]:2022/12/10(土) 19:26:51.52 ID:jUuadZBT0
一話目が終わりということで…すぐにでも二話目に行きたいところですが…
実を言うと『第二話』以降はまだまだ書けていません
今年、なかなか余裕がないので投稿できても何ヶ月か先になりそうです。忘れたころにやってきますので、その時にはまたよろしくお願いします
※補足
魔界大冒険を見るに、他世界線のものを元の世界に持ってくることもできなくはないかなと思うので
とりあえず冒険した後にポケモンをタイムマシン経由でスネ夫たちに見せびらかすのが、のび太の計画です
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/12/10(土) 20:11:07.74 ID:BvUSdp5tO
更新されたか分かりにくいしsageは外してもらえないかな?
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/20(火) 09:57:26.64 ID:cziSa2/I0
うむ
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/01/28(土) 13:29:11.89 ID:QagszdGmo
忘れてるんじゃ
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/03/11(土) 20:19:16.91 ID:LKL8DAmSo
忘れてんのか?
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/03/16(木) 02:58:16.47 ID:Umo0DmJ80
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/03/27(月) 23:16:40.30 ID:57n2Lndw0
みんなSSかこうze
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/04/12(水) 22:34:44.74 ID:ojuvlcQ90
ピヨピヨ
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 23:52:28.94 ID:N2l8zYux0
なんで書き溜めないのかな?
書き溜めないでスレ立てする時の心情ってどーなってるの?
普通に友達関係や上下関係作ってる人で人間関係の最低常識が解ってる
人ならこんな非常識な事を出来無い筈なんだがな?
一応は読物で素人の発表場所で読み手をイライラさせるって
なに考えてるの?
確かに俺はお前に金銭を渡してる訳じゃない
お前もプロ意識なんてある訳じゃないと思う
でも、書き手と読み手が居たらそれは一つの作品なんだよ
これはお前の作品であり可愛い子供なんだよ
それをネットで流して俺みたいな奴からダメ出し受けて
悔しくないのか?
なんでその場凌ぎの子供を世間に晒すんだ?
ちゃんと考えて書き溜めしてからスレ立てして
恥ずかしくないお前の子供を世の中に送れよ
お前の意識の問題だぞ
60.15 KB
Speed:0.1
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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