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勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結
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628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:05:56.38 ID:bVSMz8780
学者「ヌフフフフフ…良いから飲んで下せぇ」キュポン
女オーク「飲めば良いのね…むぐっ」ゴクゴク プハー
学者「どうっすか?」
女オーク「これも美味しい…どうして好みの味を?」ゴクゴク
学者「ウハハハハハやっぱりそうっすか!!」
剣士「ねぇねぇ…どういう事?」
学者「その海藻も蒸留酒もポーションを作る時に使う薄め液になるんす…多分それが造血剤になりやす」
女オーク「私の体でポーションが作られてる?…と言う事?」
学者「結論を言うとそうっすね…それがオークの生命力の秘密…」
学者「ポーションが効かないんじゃ無くて元々ポーション飲んでるのと同じなんすよ」
剣士「僕はお酒酔っぱらっちゃうんだよなぁ…」グビグビ クァァァァ
学者「ミライ君は人間っすからね…でも食べ物の好みはオークに似てるんでちっとだけポーション作られてるかもっすね」
女オーク「これって蒸留酒と海藻が有れば戦場で死ぬオークが減る…という事?」
学者「そう期待してるっす…大体オークが死ぬのは失血死なんすよ…体半分無くなっても血が有る限り死なんっす」
剣士「なんか良い発見したね」
学者「ミライ君も覚えておいて下せぇ…リッカさんが血を流した時は蒸留酒と海藻食わせて湯に浸かる」
剣士「覚えた…」
学者「海藻からエキスを取り出した薬も効果あると思いやす」
女オーク「あぁぁぁなんか…ポカポカして来た」
学者「その状態で寝ると効果倍増っすよ?」
剣士「ちょっと昼寝しようかぁ!!」
学者「俺っちはこれをちっと文章に残さんとイカンすね…」ドタドタ
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629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:06:23.27 ID:bVSMz8780
『孤児院』
ワーイ キャッキャ エーン
盗賊「…」スタスタ
管理人「誰かに面会で?」ジロジロ
盗賊「いや…ここにニーナと言う女オークが通って居ただろう?」
管理人「あぁ…最近姿を見せなくなりましてね…お知り合いでしょうか?」
盗賊「これを…」スッ
管理人「え?…遺骨…」
盗賊「それからこれが最後の援助金だ…金貨30枚ある」ジャラリ
管理人「彼女はお亡くなりに…そうですか…残念です」
盗賊「アイツは良く此処に通っていた…多分稼いだ金は此処に落として行った筈…」
管理人「はい…ご存じでしたか」
盗賊「孤児を放って置けなかったのは知ってるんだ…アイツも身寄りがない…せめて遺骨は此処にと思って訪ねて来た」
管理人「そうでしたか…どうですか?子供達をご覧になって行きませんか?」
盗賊「俺は人相が悪い…怖がらせてしまうだろう」
管理人「遠慮なさらず…ニーナさんが良く座っていた場所にご案内しますよ?」
盗賊「座っていた?」
管理人「ええ…昔を思い出すと言って居ましたね」
盗賊「案内してくれ…」
管理人「ではどうぞ…」スタ
---------------
630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:06:52.84 ID:bVSMz8780
『地下室』
ピチョン ポタッ
管理人「こちらです…そこの箱に腰かけて良く子供達を見て居ました」
盗賊「中々辛気臭い場所を選んだもんだ…」
管理人「済みませんねぇ…子供達を見るなら他にも良い場所は有るのですが…」
盗賊「まぁ…ちっと俺もニーナが何思ってたのか感じて見るわ…」
管理人「どうぞごゆっくり…私は上に居ますので帰りの際はお声を…」
盗賊「分かった…」
管理人「では…」スタ
盗賊「…」---木箱か…こんな所に座って何思ってたんだろうな---
ヒソヒソ
誰あの怖い人…
きっと僕達をさらいに来たんだ
姉御!どうする?
シーーーッ黙ってな
大事な物はちゃんと仕舞っとくんだよ
盗賊「…」---大事な物---
盗賊「…」---まてよ?---
盗賊「…」---キ・カイの8番---
盗賊「…」---そうだ俺達の隠し場所がある---
盗賊「…」---既にソコに隠してる可能性が…---
盗賊「…」---なるほど…そういう計画だったのか---
盗賊「…」スック
子供達「うぉ!!」タジ
盗賊「お前等!!仲良くやれよ!?」タッタッタ
子供達「え!?何?何?」
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631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:07:22.77 ID:bVSMz8780
『宿屋_大部屋』
ガチャリ バタン
学者「兄貴ぃ!!シーーーーーッ!!リッカさんが寝てるんす…静かに…」
盗賊「ゲス!ちょい金貸せ…金貨2枚で良い」
学者「兄貴の金はもう使っちまったんすか?」
盗賊「姉御の葬式代で全部使った」
学者「うは…もう…」
盗賊「俺はちっと2日くらい外に出る…出航までには戻るからお前等此処でリコルと一緒に居ろ」
学者「ちょちょ…急にどうしたんすか?」
盗賊「キ・カイに忘れ物よ…今から列車に乗ってキ・カイにとんぼ返りだ…金出せ」
学者「マジすか…」チャリン
盗賊「リコル!!こいつ等頼むな?」
戦士「ハハハ何が有ったか知らないが気を付けて行って来い」
盗賊「ゲス!ロボの許可証だ…一応お前に渡しておく」パス
学者「へ…へい…」タジ
盗賊「じゃぁな?行って来る」タッタッタ
学者「あらら…」ポカーン
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632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:07:50.58 ID:bVSMz8780
『地下鉄道_列車』
ボエーーーーーー プシューーーーー
盗賊「…」ギラリ
盗賊「…」---前の時とは随分気持ちが違う---
盗賊「…」---姉御は多分こんな感じで列車に乗った筈---
盗賊「…」---いつ襲われても良い様に常に武器に手を掛け---
盗賊「…」---フードとマントを深く被る---
盗賊「…」---そうだ…8番に居た頃はいつもそうだった---
盗賊「…」---この世界じゃそうしないと生きて行けない---
ガコン ガタン ゴトン
盗賊「…」---姉御…もうすぐ追い付くぜ?---
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633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:08:18.45 ID:bVSMz8780
『翌日_宿屋』
ガチャリ バタン
少女「!!?母ぁーーー!!」シュタタ ピョン
中年の女「…」ガシ
戦士「よっ!!」ビシ
学者「あ…ど…どうも」ペコリ
女オーク「こんにちは…ミライも挨拶して?」ペコリ
剣士「あぁ…は…初めまして」ペコ
中年の女「ん?ミライ?…君の名前かな?」クンクン
剣士「うん…珍しい名かな?」ハテ?
中年の女「もしかして…虫使い?」ジロジロ
剣士「え?虫?いや…嫌いじゃ無いけど…どうして?」
中年の女「ふふ…人違いだったみたいね…」---まさかね---
戦士「リカ…あぁいや…フィン・イッシュに向かう件はどうなって…」
中年の女「…」ペシ!!
戦士「あたっ…」
中年の女「余計な事は話さないで」
戦士「ハハ…済まん」
中年の女「先ず例の物は?」スタ
女オーク「え?…わ…私?」タジ
少女「母ぁ!!色々事情有る…もう一人の男持ってくる」
中年の女「3人と聞いて居たけれど…変更が有ったの?」
少女「母ちょっと内緒の話し…向こうで」シュタタ
ヒソヒソ… ヒソヒソ…
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634 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:08:51.42 ID:bVSMz8780
『数分後』
スタスタ…
中年の女「事情は理解したわ…ただこちらも慈善事業では無いから…船を担保に頂くわ」
学者「ええと…どういう話になってるか分からんのですが…」
中年の女「例の物が手に入らない場合…船を頂く…お分かり?」
剣士「フィン・イッシュに行くと言う話は?」
中年の女「そこまでは約束する」
戦士「君達良かったね…まだ旅は続く様だ」
中年の女「リコル!あなたは少しおしゃべりだと聞いたわ?」
戦士「あいたたた…まぁこいつらは信用出来る…俺の目に狂いは無い」
中年の女「ふーん…」チラリ
剣士「ハハ…」タジ
中年の女「まぁ良いわ…とりあえず船を見たいから案内して」
戦士「外を出歩いて良いらしい…良かったじゃ無いか」
学者「ちっとマズイ事が起きてるんすよ…」
中年の女「聞いたわ?…でも大丈夫…仲間は他にも居るから」
学者「おぉ…そうなんすね?」
中年の女「試しに露店で買い物でもして様子を伺いましょう」
剣士「買い物!!?欲しい物いっぱい有るんだ」
学者「俺っちも薬とか色々入手したかったんすよ」
中年の女「では物資調達後に船へ向かうと言う事で…付いて居らっしゃい」スタ
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635 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:09:20.60 ID:bVSMz8780
『露店』
ワイワイ ガヤガヤ
シン・リーン産のハチミツ酒!!安いよ〜!!
寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!錬金の材料各種揃ってまっせぇ!!
金属繊維は如何ですか?金属糸もありますぜ〜〜?
少女「父ぃ!!新鮮な生肉ある!!骨付きだ…」
戦士「ほら少し金貨あげるから好きに買っておいで…」チャリン
少女「うぉぉー!!」シュタタ
学者「俺っちも薬仕入れて来やすね」スタ
剣士「姉さん!!僕金床が欲しい…それから細工用の工具」
女オーク「ウフフ…お金が足りれば…」
剣士「少し大きめの炉も欲しいなぁ…」アレモ コレモ
戦士「ミライ君は重たい物が欲しいんだねぇ…」
剣士「運ぶの大変かな?」
戦士「まぁ手ぶらだから手伝ってあげよう…」
ワイワイ ガヤガヤ
大麻草!!大麻草有るよぉ!!
フィン・イッシュ直産の野菜…他じゃ中々買えない物ばかりだよ?買ってけ〜い
お客さんお客さん…こりゃ時計っていう物でね?ホラ…機械仕掛けで時間を刻むんすよ…
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636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:09:50.51 ID:bVSMz8780
『広場のベンチ』
ワイワイ ガヤガヤ
剣士「ゲスさん!!炉とフイゴがすごい安かったんだけどアレが相場なの?」
学者「あぁぁアレは旧式の気球から回収した中古品っすね…今は使う人が居らんですよ」
剣士「そうなんだ?あの炉を使えば簡単な金属の精錬が出来る」
学者「船を燃やさん様に頼みやすぜ?」
剣士「うん!なんか使うの楽しみだなぁ…」ワクワク
学者「今までの炉は小さすぎやしたかね?」
剣士「そうだね…魚一匹焼くのにも苦労してたから」
スタスタ
女オーク「食べ物を買って来たわ…」
学者「おぉ?パンじゃないっすか…」
女オーク「少し食べておいしかったから…」
学者「食べて良いっすか?」
女オーク「どうぞ…」
学者「これチーズとワインがすごく合うんすよ…向こうの大陸の食べ物っす」パク モグ
剣士「僕も食べる…」パク
女オーク「どう?」
剣士「おいしい!!レーションの味がする…」モグモグ
女オーク「レーションよりも安いの…そして大きい」
学者「レーションは戦闘食なんで高いだけっすね…味はパンの方が良いっすよ」モグ
剣士「姉さんも食べてよ」ムシャ
女オーク「じゃぁ一つ…」パク モグ
剣士「なんか買い物しながら食べるの楽しいね」
ピョン クルクル シュタ
剣士「うわっ!!何処から飛んで…」キョロ
中年の女「買い物は済んだ様ね?見回った感じ怪しい人は見当たらない…」
学者「そら良かったっす」
中年の女「そろそろ船へ案内して」
学者「分かりやした…こっちっす」スタ
中年の女「リコルーー!!行くわよ!!」スタ
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637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:10:29.82 ID:bVSMz8780
『キャラック船』
ザブン ギシギシ
中年の女「思ったより大きな船に乗って来たのね…」
戦士「なかなか味のある船だろう?」
中年の女「小型のスクーナーあたりを想定していたのよ…少し計画を変更しなくては…」
戦士「少しくらい話してくれないか?」
中年の女「…」チラ
戦士「まぁ…無理なら良い」
中年の女「ここは話を聞かれる事も無さそうだから良いわ…」
戦士「お!?」
中年の女「他にもフィン・イッシュ行きの商船を用意しているの…この船は囮の予定だった」
戦士「囮?」
中年の女「沈没させて海に消える…そういうシナリオ」
戦士「俺達は他の船に乗る予定だったと?」
中年の女「そう…私達家族はその船に乗る予定」
戦士「おい!それは話が違うじゃないか…」
中年の女「だからあなたには話さなかった…ギルドに依頼が来て居るのはあの3人からだけでは無いの」
戦士「まさか敵側からも…」
中年の女「敵と言うのは何処を想定して?」
戦士「う…」
中年の女「まっとうな依頼主…機動隊よ…極秘情報を盗んだニーナという傭兵の処理…これがどういう意味か分かって?」
戦士「待てあいつらは信用出来る…考え直せ」
中年の女「フフでも事情が変わった…もうニーナという傭兵は処理されたのよ…でも何故か生きている…面白いわ」
戦士「リッカはその傭兵とは別人だ」
中年の女「知ってる…私はリッカを処理しろと言う依頼は受けて居ない…だから計画変更なのよ」
戦士「ふぅぅ頼むぞリカオン…俺は友を裏切るのは許せん」
中年の女「友人?あなたの友人になるにしては若すぎると思うけれど?」
戦士「その…なんだ…気が合うというだけではダメか?」
中年の女「まぁ良いわ…今回の件で密書が入手出来なくても彼女を保護する事で何が起こるのか楽しみになって来た」
戦士「もう想像は出来る…電脳化した者のあぶり出しになるだろう」
中年の女「あなたは出来るだけ関わらない様に…」
戦士「剣一本でどうにかなるなぞ思って居ない…ただ人は守れる」
中年の女「そうよ…あなたは守っているだけで良い」
中年の女「どうも宿屋よりこの船の方が安全そうね」
戦士「そうだな…」
中年の女「私は荷の入れ替え指示と…少し情報のリークをして来るから船からは降りないで居て貰える?」
戦士「分かった…」
中年の女「出来るだけ早く戻る様にするわ…」
中年の女「あ…そうそう…盗賊ギルドの仲間はあなた達が思うより沢山居るから下手に動いて邪魔しない様に」
戦士「大人しくして居る…違うな…大人しくさせて置く」
中年の女「フフ…じゃぁ行って来るわ」シュタタ
--------------
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:11:00.99 ID:bVSMz8780
『船首楼』
ガサゴソ ゴトン
学者「炉は此処で良いっすか?」
剣士「おけおけ!小さな炉は船尾楼の方に移そう」
学者「金床は何処に置きやすか?」
剣士「やっぱり炉の直ぐ近くが良いなぁ…レイアウトは後で僕がやるからその辺に置いといて」
学者「なんか本当…作業場になっちまいやしたね?」
剣士「もう早く作り物したくてウズウズしてるんだ…これで好みの工具が自由に作れる」
学者「工具が作りたかったんすね…」
スタスタ
戦士「妻と話して来たんだが…」
学者「お?何か聞き出せやしたか?」
戦士「どうも宿屋に居るよりこっちの方が安全だから此処に居ろと…」
剣士「本当!!?」
戦士「まぁ食べ物も買って来たし良いと思う」
剣士「こっちの方が静かだし落ち着くよ」
戦士「これから荷の出し入れがあるから静かにはならないだろうけどね…ハハ」
学者「まぁ部屋に籠っているよりは太陽に当たれるんで良いかも知れやせんね」
剣士「よーし!!姉さん!!要らない鉄くず溶かして精錬したい…教えて?」
女オーク「こんな小さな炉で?」
剣士「フイゴで温度上げられるんだ!!試してみようよ!!」
戦士「ハハ退屈はしない様だ…私はデッキで休んで居るから何か有ったら呼んでくれ」スタ
学者「じゃぁ俺っちはロボの手入れでもやりますかねぇ…」
ロボ「ピポポ…」クルリン
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639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:11:29.89 ID:bVSMz8780
『夕方』
カーン カンカン
女オーク「この炉では錬鉄を熱して叩く位しか純度を上げる方法が無い様ね…」
剣士「効率悪いけど…ちょっとでも鋼鉄が出来るならこれでも仕方ない」
女オーク「火花が飛ぶから何か敷物をしないと火事になってしまうわよ?」
剣士「あぁそうだね…敷物かぁ…」
学者「流石に船の上で鉄の精錬はちっと厳しく無いすか?」
剣士「レンガか何かが欲しいなぁ…」」
学者「鉄板で囲ったらどうっすかね?」
剣士「そんなに材料無いよ…」
学者「ほんじゃ金属繊維とかどうっすか?露店で売っていやしたよ?」
剣士「お!?金属繊維ねぇ…敷物じゃ無くても他に色々使えそうだ…」
学者「あの女の人帰って来たら又露店に連れて行って貰いやしょう」
剣士「そうだね…よし!鉄の精錬は諦めて…宝箱とか作って見ようかな」
学者「良いっすねぇ…この船入れ物が全然無いんで荷物が整理できんすよ」
剣士「うん…武器保管するラックとかも欲しいね…色々作んなきゃなぁ…」
--------------
640 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:11:58.43 ID:bVSMz8780
『夜_甲板』
ターン!!
学者「ん!!?銃声…これ近いっすね…」ダダ
剣士「どこだろう?」キョロ
学者「音からして火薬を使った銃っす」
スタスタ
戦士「船からは降りない様に…」
学者「何処から撃ったか分かりやせんでしたか?」
戦士「さぁ?横になっていたものだから…」
少女「火薬の匂い…あっち…でも気にするな」ユビサシ
剣士「気にするなって…気になっちゃうよ」キョロ
学者「あぁぁ…向こうの船の監視台にうっすら煙が見えやす…あれっすね」ユビサシ
戦士「…」---どうやら何か始まって居る様だ---
学者「どっか狙撃したっぽいっす…」
少女「気にするな…それよりミライが作った宝箱…貰って良いか?」
剣士「お?気に入った?」
少女「お前何でも作る…母に言っておく」
剣士「アハ…嬉しいなぁ」
学者「俺っちも欲しいっす」
剣士「おけおけ!皆の分作るよ」
戦士「ふむ…作り物の材料を少し融通してもらおうか」
剣士「それ助かるなぁ…もう木材も鉄も残り少ないんだ」
戦士「私からも妻に言っておく」
剣士「やったね!!」
--------------
641 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:12:26.25 ID:bVSMz8780
『翌日』
ドタドタ
降ろせぇ!!木箱は4人一組で運んで行くんだ!!
硫黄と硝石は船底の方だ!
学者「なーんか…これ危ない物運ぶ感じっすね…」
剣士「危ない?」
学者「あのは木箱の中は多分重装射撃砲の部品っすよ…運んだ先で組み立てるんす」
戦士「中身を見て居ないのに良く分かるねぇ」
学者「いやいや戦場にはあの木箱で運んで来るんす…組み立てた事あるんす」
戦士「では海賊に奪われてしまっては大変だ…」
学者「本当そうっすよ…護衛無しでこんな物運んで良いんすかね…」
戦士「この船以外に護衛する船も行くのでは?」シラー
学者「だったら良いんすが…」
剣士「なんか木材と比べて荷が重そうだから荷室ガラガラになりそうだ」
学者「そうっすね…」
剣士「食材とか邪魔だったんだよ…荷室に置けると助かる」
学者「リコルさんの奥さんは軍の関係と繋がり有るんすね…普通じゃ手に入らん物っすよ」
戦士「ハハ…私はあまりその辺の事を知らないんだよ」
学者「な〜んか…昨夜の銃声といい…キナ臭い感じっす」
シュタタ スタ
中年の女「遅くなったわ…順調に荷入れが進んで居る様ね」
戦士「忙しいのかい?」
中年の女「仕事は粗方終わりね…ふぅ…少し休むわ…」
学者「すんません…又露店に物資調達行きたいんすが…」
中年の女「あぁ…私は少し休むからリコル!あなたが付いてあげなさい」
戦士「お?もう良いのか?」
中年の女「フフ…昨夜いろいろ有ってね?あちらの方は忙しい様よ?」
学者「ああ!!昨夜の銃声っすね?」
中年の女「聞こえて居た様ね…リコル?露店は良いけど…傭兵ギルドの方へは近づかない方が良いわ…気が立って居るから」
戦士「相変わらず説明不足だが…まぁ良い…露店へ行く許可は出た様だ…どうする?」
学者「行きやす!!」
剣士「行く!!」
---------------
642 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:12:57.24 ID:bVSMz8780
『街道』
ザワザワ ヒソヒソ
おい聞いたか?鼻無しの傭兵団の奴らがお手柄だってよ
ん?昨夜の騒ぎでか?
なんでも機械化した奴らを捕らえたらしい
また威張り散らして来そうだな?
剣士「ねぇ今の噂話って…ロストノーズの事だよね?」
学者「そうっすね…なんか街中でやり合ってるっぽいっすね」
剣士「良くある事なの?」
学者「あいつら揉め事ばっかり起こすんで珍しい話じゃ無いっすよ…街中でやってるってのが気になるんすが…」
剣士「リコルさんの奥さんが言ってたのってきっとこの事だね」
学者「関わるとロクな事にならんっすよ…ロストノーズはそういう傭兵団なもんで」
少女「父ぃー!!」シュタタ
戦士「んん?どうした?」
少女「何処かでアランの匂いする」
学者「お!!兄貴帰って来やしたね?」
戦士「宿屋から出てしまったからな…船まで来るだろうか…」
学者「居ないの分かったら探しに来るんじゃないっすかね?」
少女「注意して探してみる…」クンクン
---------------
643 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:13:53.58 ID:bVSMz8780
『傭兵ギルド裏路地』
スタスタ
受付の叔母さん「なんだいこんな所に呼び出して…あたしゃ忙しいんだよ」
盗賊「…」ギロリ
受付の叔母さん「何か言いたい事でもあるんかいね?」
盗賊「…」ダダ グイ
受付の叔母さん「あ痛たた…あんたこんな事して良いと思って…」
盗賊「フン!どうやら電脳化はしていない様だな…」グイ ドン
受付の叔母さん「なんだいニーナちゃんの事かい?」
盗賊「なんでニーナが味方の砲弾でやられた事をお前が知って居るかって事だ…そんな情報は軍から簡単に漏れん筈だ」
受付の叔母さん「それは聞いた話だよ」
盗賊「誰にだ?」ズイ
受付の叔母さん「あんたを尋ねに来た人さ…昨夜何処かに連れて行かれた様だけどねぇ…」
盗賊「それとこりゃ何だ?お前ニーナが手配されてる事知ってて情報ベラベラしゃべっただろう」パサ
受付の叔母さん「そ…それは情報開示令出されちゃ仕方なかったのさ」
盗賊「つまりお前はどうしてニーナが殺されたのか知ってた訳だ」
受付の叔母さん「殺されるなんて思って無かったさ…気の毒に…」
盗賊「黙れ…身内を庇えないギルドなんざクソくらえだ」ドン
受付の叔母さん「うぐぅ…」ズザザ
盗賊「ニーナに戦地への招集令が掛かった時も分かってた筈だ…お前がニーナを戦地に行かせたんだぞ?」
受付の叔母さん「…」
カサ…
盗賊「!!?」スゥ…
受付の叔母さん「え!!…消え…」キョロ
スゥ…
謎の女「!!?」ギク
盗賊「誰だお前?さっきから監視してただろう…」チャキ
謎の女「う…」タラリ
盗賊「俺は機嫌が悪い…このまま首切って体とおさらばさせても良いんだぜ?」
ターン! ターン!
盗賊「ぐはぁ!!クソがぁ!!」ズブリ ジョキン!
644 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:15:08.52 ID:bVSMz8780
謎の女「ゲフッ…ゴポゴポ」ガクリ ドピュー
受付の叔母さん「ひ…ひぃ…」タジ
謎の女「ゴボゴボ…」ドクドク ビクビク
盗賊「くっそコイツ!!」ザクザク
受付の叔母さん「あ…あんた…やり過ぎだよぅ…もう首が繋がって居ないじゃないか…」ガクガク
盗賊「うるせぇ!!こいつが何者なのか黙って見てろ!!」ザクザク ドピュ
謎の女の首「…」グチャ
盗賊「見つけたぜゴルァ!!こいつが機械に操られてる証拠だ!!」ブチブチ
受付の叔母さん「頭に機械が…」ガクブル
シュタタ シュタタ
少女「見つけたぞ!!」
学者「あ…兄貴ぃ!!」ダダ
盗賊「ゲス!!良い所に来た…こいつは電脳化した奴だ…死体このままにしとくと騒ぎになっちまう…処理手伝え!」グイ
学者「あいやいや…こりゃえらいこっちゃじゃ無いっすか…」タジ
少女「アラン!お前も血が出てるぞ…」ジュルリ
盗賊「俺は後で…ん?」ガク
学者「ちょちょちょ…!!兄貴も撃たれてるじゃ無いっすか…」
盗賊「ぅぅ…何だ?足が動か無ぇ…」ヨロ
学者「マズイっすマズイっす…背中にこぶし大の穴が空いてるっすよ」
645 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:15:38.22 ID:bVSMz8780
少女「ゲス!お前何とかしろ」
学者「兄貴!!応急処置するんで横になって下せぇ…ミライ君!!兄貴の上着をナイフで切って脱がして下せぇ」ゴソゴソ
剣士「え…あ…うん!」イソイソ
少女「マズいな…騒ぎに気付いてもう直ぐ人が来るぞ」クンクン
学者「これ今動かせないっす…」ゴソゴソ
盗賊「そ…その首切った女の死体を…何処かに隠せ…ゲフッ」ボタボタ
学者「兄貴…喋らんで下せぇ」ヌイヌイ
少女「急いで母呼ぶ…待ってろ」ガブリ
戦士「お…おいまさか…」
少女「この死体持って行くぞ…」ムクムク
女オーク「ええ!!?ウェアウルフ…」タジ
子ウェアウルフ「待ってろ…ぐるる」シュタタ シュタタ
盗賊「あ…あいつ…」ヒック ブルブル
学者「マズイっすね…死戦期呼吸出初めてるじゃ無いっすか…」ヌイヌイ
戦士「ここに人が立ち入らない様に私が止めて来る…ゲス君はそのまま治療を」ダダ
剣士「姉さん…これ…」
女オーク「ダメ…力を使ってはダメ…」フリフリ
剣士「このまま死んじゃいそうだ…」
盗賊「…」パクパク
---声が出無ぇ---
---俺はこんな所じゃまだ死ね無ぇ---
---まだ神の手を超えて無ぇんだから---
---たった2発撃たれただけで死ぬ訳に行か無ぇ---
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:16:17.45 ID:bVSMz8780
『遠くの声』
腹側から切開して傷つついた臓器を縫合していきやす…
出て来る血を管で吸い取ってそっちの容器に移して行って下せぇ
固まった血は薄めた食塩水で洗い流しやす
あれ?さっきこの血管切れてた筈なんすが…何かやりやした?
見間違いっすかねぇ…バイパス処置しなくて良さそうなんでこのままゆっくり血を流して行きやす
オークの血で上手い事縫った場所が回復してくれれば良いんすが…
よしよし上手い事四肢に血が回って居やすね…次の処置に行きやす…
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647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:17:09.47 ID:bVSMz8780
『夢』
タタタターン! ドドーン!! パラパラ
僕「おい!!大丈夫か!?」
男「ぁぁぁぁ…目が見え無ぇ…げふげふっ…げほぉ!!」ボタボタ
姉「瓦礫から掘り出すんだ!!」ガッサ
男「上手い事瓦礫で塞がった様だな…ハァハァ」
僕「姉御…手…手が無い…」プルプル
男「おい小僧…何処だ?こっちへ来い」
僕「今腕を縛って血を止める…」ダダ
男「おい良く聞け…俺の装備品を持ってお前等は逃げろ…地上に出て何とか逃げ延びろハァハァ」
僕「逃げるって…何処に!?そこら中機械だらけだ」
男「俺の左手に小さな石を握っていた筈だ…そいつを使えば消える事が出来る」
姉「これだ!!有った!!」ダダ
男「小僧!装備品は全部お前にやる…だから必ず生き延びろ…分かったな?」
シャカシャカ…
姉「マズイ…裏手に回られ始めてる…」キョロ
男「俺はもう手遅れだ…早く行け…ここでお別れだ」
僕「ダメだ!!置いて行けない!」ガサガサ
男「もう手も足も感覚が無い…構わず行け」
姉「くぅぅ…い…行くよ」グイ
僕「姉御…」
男「おい忘れてるぞ?俺の腰にミスリルダガーと銃がある…それを使って身を守れ」
僕「ダガー…銃…あ…有った」ガチャ
タタタターン
姉「来たぁ!!くぅぅ…」
僕「こ…このぉ!!」ギリ
小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ
僕「来るなぁぁぁ!!」ダーン! ジャラジャラ
ドーン!!
小型の機械「…」プシューーー ドタリ
男「や…やれば出来るじゃ無ぇか…さっさと行け」グター
姉「行くぞ!!撒かれる…」グイ
僕「くぅぅぅ…」タッタッタ
タッタッタ…
---まだ俺はその男を超えていない---
---まだ死ぬ訳に行か無ぇ---
---------------
648 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:18:03.10 ID:bVSMz8780
『キャラック船_荷室』
ユラ〜リ ギシ
盗賊「んぁぁ…」パチ
中年の女「…」ジロリ
盗賊「こ…ここは…」キョロ
中年の女「船の荷室だ…」
盗賊「誰だ?お前…ぐぁぁ痛てぇ…」
中年の女「動かないで…傷が広がるわ」
盗賊「ちぃぃ記憶が飛んでんな…」
中年の女「このダガーと銃をどうした?」スッ
盗賊「そりゃ俺の物だ…返せ!」ガバ
中年の女「動かないでと言って居るでしょう?」
盗賊「返してくれ…親の形見なん…だ…うぐぐ痛てぇ…!!」バタバタ
中年の女「ファルクリード…」
盗賊「何!?なんでその名を…」
中年の女「フフ…やっぱり似ている…」
盗賊「俺の親父を知って居るのか?」
中年の女「アランと言うそうね?」
盗賊「おい!俺の質問に答えろ!」
中年の女「同じギルドだったのよ…盗賊ギルド」
盗賊「そうだったのか…お前は盗賊ギルドの者だな?」
中年の女「フフ…だったら?」
盗賊「ガキンチョの使いしか見て無ぇからな…やっと話の分かる奴に会えたわけだ」
盗賊「俺はアランクリード…泥棒だ…自己紹介したぞ?お前は誰だ?」
中年の女「なかなか良い腕をしている様ね…例の書簡頂いたわ…それからコレも」スッ
盗賊「んん?おい!!そりゃ電脳化のデバイス…そんなもん持ち歩いて全部会話筒抜けだろうが」
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:18:32.38 ID:bVSMz8780
中年の女「大丈夫…魔石は回収してあるから」コロン
盗賊「ホッ…心臓に悪い事すんない」
中年の女「それであなた…この書簡の事をどこまで知って?」
盗賊「何も知ら無ぇよ!読めもし無ぇ!何だそりゃ?」
中年の女「ニーナから何か聞かされて居ないの?」
盗賊「半年前から殆ど会話して無ぇんだ…今回の件もそいつが取り引きの物だと知らなかった」
中年の女「そう…結果的に手に入ったのは運が良かったわ」
盗賊「おい!まだお前俺の質問に答えて無いぞ?俺は名乗ったんだ…名前ぐらい教えろ」
中年の女「そうね…まぁ良いわ…私はリカオン…白狼の一党と言えば通じて?」
盗賊「やっぱりそうか…あのガキンチョもその手の者か」
中年の女「秘密を知ったからには分かっているでしょうね?」
盗賊「俺は何にも縛られない…だが裏切る様な事はしない…その辺はわきまえてる」
中年の女「フフ…リコルが気に入る訳ね」
盗賊「ちっと血が足りんらしい…何か食い物を持って来て貰いたいんだがよ」
中年の女「分かったわ…少し待って居なさい」スタ
--------------
650 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:19:01.23 ID:bVSMz8780
『数分後』
ドタドタ
学者「兄貴ぃーー!!やっと目を覚ましやしたね?」
剣士「アランさん!!良かったぁ…」
学者「兄貴!ミライ君とリッカさんに感謝っす…兄貴が死ななかったのは2人のお陰っス」
盗賊「なぬ?」
学者「銃で撃たれて内臓やられてたんすよ…リッカさんの血とミライ君の謎の治癒でなんとか助かったんす」
盗賊「そんなに酷かったんか…」
剣士「もう一週間寝たきりだったんだよ?」
盗賊「なんだと!?俺はさっきやられたと思って…あだだだ」
学者「傷むのは俺っちの縫合痕っすね…ちっと筋肉ぶった切っちゃったもんで…」
盗賊「まぁ良い…兎に角腹減って動けん様だ…何か食わせろ」
学者「いきなり食うのは良く無いっす…今リッカさんに流動食作って貰ってるんでもうちょい待って下せぇ」
盗賊「飲み物で良いから何か腹に入れさせろ」
剣士「持ってきたよ…ワインなら良いんだよね?ゲスさん?」
学者「少しだけっすよ?」
盗賊「おぉよこせ!!」キュポン グビ
盗賊「ロボは何処行った?」キョロ
学者「兄貴の代わりに船の操舵っすよ」
盗賊「あんな重い舵をロボが動かせる訳無いだろう」
剣士「僕が舵輪に改造したよ…グルグル回す奴」
盗賊「なるほど…ロボに任せて大丈夫なんか?」
学者「先導する他の船に付いて行くだけなんで大丈夫っすね」
盗賊「船隊組んで航海してんのか…」
剣士「他の商船と合わせて6隻くらいかな?」
盗賊「なるほど…そりゃ安全そうだ」
学者「ところで兄貴がやった奴から装備剥ぎ取りやしたぜ?」
盗賊「んん?何か持ってたか?」
学者「火薬使う2連装デリンジャーっすね…あと防弾ベストとか色々持っていやした」
盗賊「デリンジャーか…隠し持つにゃ丁度良いが…弾込めに時間掛かり過ぎて使えんな」
学者「兄貴は使わんのですか?弾丸は20発くらいありやしたぜ?」
盗賊「俺は要らん…護身用でミライ辺りが持ってりゃ良いんじゃ無ぇか?」
剣士「お!?だったら分解して仕組みが知りたいな」
盗賊「使って良いぞ…防弾ベストは欲しいがサイズが合わんだろうな」
剣士「それは僕が直せるかも」
盗賊「あぁ任せる…悪い!ちっとワイン飲んで気分が悪くなって来た…横になる」ドテ
学者「あらら言わんこっちゃ無いっすね…もうちょい安静が良さそうっすね」
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651 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:20:14.52 ID:bVSMz8780
『デッキ』
ザブ〜ン ユラ〜
少女「母…アランに正体バラシて良かったか?」
中年の女「大事な仲間の遺児だったのよ…驚いた」
戦士「んん?誰の?」フリムキ
中年の女「ファルクリード…神の手を持つ男」
戦士「伝説の男…アランがその遺児か…どうだ?似て居るのか?」
中年の女「若い頃の生き写しね…いつも違う女を連れ歩いてたのが気に入らなかった」トーイメ
戦士「ハハもしかして初恋か?」
中年の女「どうかしら?…でも憧れだった…自由な生き方も…その信条も」
少女「神の手とはどういう意味だ?」ハテ?
中年の女「彼に開けられない鍵は無かったのよ…そして盗めない物も無かった…白狼の盗賊その人…」
少女「アランも同じか?」
中年の女「さぁ?…でもあの大きな手は…まだ生きている気がする」
少女「父!まずいぞ!母が浮気しそうだ」
戦士「ハハ何を言って居る…年が離れすぎだ」
中年の女「でも彼が生きていると知ってしまったからには…導いてあげないと」
戦士「導く?」
中年の女「母親が生きて居るの…上手く誘導してあげたい」
戦士「連れて行ってやれば良いだろう」
中年の女「彼が親を離れた理由を引きずって居なければ良いけれど…」
戦士「訳有りか…ふむ」
中年の女「当面盗賊ギルドで彼らの面倒を見る様に父に進言するわ…リコル…あなたにも強力してもらうわよ」
戦士「やっと俺の価値が分かって来たか」
少女「母!私も忘れるな」
中年の女「そうね…良い子ね」ナデナデ
--------------
652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:21:22.88 ID:bVSMz8780
『甲板』
ユラ〜 ギシ
盗賊「おととと…」ヨロ
学者「兄貴ぃ…ちっと大人しくしてて下せぇよ」
盗賊「うるせぇ!一週間も大人しくしてたんだろうが…」
戦士「アラン!!もう動けるのか?」ノシ
盗賊「おうリコル!!どうやら世話掛けた様だ…リカオンもデッキに上がってんのか?」
少女「お前ーーー!!その名を口にするなぁ!!」バタバタ
中年の女「ミルク…もう良いのよ」
盗賊「ほーう?ガキンチョはミルクってのか…覚えたぜ?」
少女「ミルクレープだ!勝手にミルク呼ぶな」プン
盗賊「へいへい…んで?家族そろって日光浴か?」
戦士「まぁ…そんな所だ…風が気持ち良いぞ?上がって来るか?」
盗賊「いいや…家族に割入る気なんざ無ぇよ…俺の家族に心配掛けちまったからそっちが先だ」ヨロ
学者「兄貴ぃ…海に落ちちまいやずぜ?」グイ
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「おぉ!!ロボ…心配掛けたな?」ナデナデ
ロボ「ピポポ…」クルリン
盗賊「俺も操舵手伝ってやる…んん?」スタ
盗賊「誰だ?見張り台に上がってんのは…」クル
653 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:22:19.76 ID:bVSMz8780
学者「あぁ!!兄貴に教えて無かったっすね…ビックリする人がもう一人乗ってるんすよ」
盗賊「んん?女か?」
学者「シルエット見て誰か分かりやす?」ニマー
盗賊「まさか…ラシャニクア…」
学者「正解!!流石兄貴っすね!!」
盗賊「おいおいどういうことだ!?」
中年の女「傭兵で雇った…それ以上何か説明が居る?」
盗賊「マジかよ…」
学者「狙撃手が一人居るだけで安全に航海出来るらしいっす…ほんでこの船に乗ってるんすよ」
盗賊「そういやロストノーズの連中がなんか粗ぶってたんだが…」
学者「味方っすね…電脳化した機械の連中を追ってたんすよ」
盗賊「ロストノーズごと雇ってるってか?」
学者「そこら辺は分からんのですが…ラシャニクアは傭兵団抜けたらしいっす」
盗賊「ほう?なんで又…」ジー
女ハンター「…」シラー
盗賊「まぁ良い…今船に乗ってんのはこれで全員だな?」
学者「へい…8人とロボ…ほんでウルフ1匹っす」
盗賊「寝床無いもんだから俺は荷室行きか…」
学者「ベッドで寝れるのは荷室だけっすけどね…ミライ君がベッド作ったんすよ?」
盗賊「ほーん…」
学者「兄貴の荷物は全部ベッド横の宝箱に入れてあるんで後で確認して下せぇ」
盗賊「ったく俺の船だってのによ…」
--------------
654 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:23:31.77 ID:bVSMz8780
『船尾楼』
ドサ ギシ
盗賊「随分家具が増えたな?」キョロ
学者「全部ミライ君の手作りっすよ…良い居室になりやしたよね?」
盗賊「本棚に書物も入って居やがる…買ったんか?」
学者「俺っちが買って来やした…測量とか航海術とか…」
盗賊「俺に読めってか?」
ガチャリ ギーー
剣士「食事持って来たよ…」ドサ
盗賊「おぉ…今度はクソ薄いスープじゃ無いだろうな?」
剣士「パンとチーズ…あとスープね…ハハ」
盗賊「肉が無ぇな…」パク モグモグ
学者「病み上がりなんでゆっくり食って下せぇ…スープは全部飲み切って下さいね…造血剤入りなもんで」
盗賊「へいへい…あぁぁやっと落ち着いた」モグモグ
盗賊「しかしなんだぁ…リコル家族はなかなか優雅な航海してるじゃ無ぇか…デッキで風に当たりながら酒でも飲んでんだろ?」ガブ モグ
学者「まぁ良いじゃ無いっすか…お陰で安全に航海出来てるんすから」
盗賊「今どの辺に居るんだ?」
学者「外海のど真ん中っすね…この辺りっス」ユビサシ
盗賊「んん?陸沿いにフィン・イッシュ行く訳じゃ無いのか」
学者「一旦ゴールドラッシュ島に寄って行くらしいっすよ?」
盗賊「ほぅ?ちっと遠回りだが…海賊が出ない分安全か…」
学者「今商船の中継点になってるんでメチャ栄えてるらしいっす」
盗賊「ふ〜む…金稼ぎには都合良いか…」ギラ
学者「ちょちょ…また泥棒で騒動起こさんで下せぇ」
盗賊「俺ぁもう金が無いのよ…どうせ海から金塊サルベージして潤ってる連中が居んだろ?」
655 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/21(水) 20:24:30.61 ID:u2NeUNYR0
ありがとう
656 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:24:38.06 ID:bVSMz8780
学者「兄貴は船持ってるじゃ無いっすか…ちっと大人しくしてそん時に備えやしょう」
盗賊「酒飲む金も無ぇんだが…」
学者「はいはい分かりやしたよ…金貨10枚くらいで良いっすか?」ジャラ
盗賊「お?気前が良いじゃ無ぇか…」パス
学者「ウヒヒヒヒ…実はっすね…傭兵ギルドの叔母さんから餞別貰ったんすよ」
盗賊「なんだと!?あの婆ぁニーナを売ったんだぞ!」
学者「あの後ロストノーズの連中がドヤドヤやって来てっすね…色々事情を聞かれてたみたいなんすが」
学者「これで勘弁してくれって俺っちに金貨渡して来たんす」
盗賊「じゃぁ俺にも分け前有るだろうが!!」
学者「今渡しやした…俺っち10枚…兄貴も10枚…」
盗賊「だったら奢りますみたいな顔してんじゃ無ぇ!!」ボカ
学者「あたたたた…」スリスリ
盗賊「あのクソ婆ぁ…またベラベラ情報垂れ流すぞ…」ギリ
学者「もう良いじゃ無いすか…あっちの大陸にゃ戻らにゃ良い訳で…」
盗賊「まぁそうだが…残した物も多い」---孤児達もニーナの墓も---
学者「2〜3年もすりゃ忘れやすよ」
盗賊「金貨10枚か…当分はなんとかなるか…」
剣士「それだけあったら3年は暮らせるよ?」
盗賊「ヌハハハ…違い無ぇ…そうだ俺らはゴミ食って生きて来たんだもんな…」
剣士「何言ってるのさゴミなんか何処にも無いよ…全部宝さ」
盗賊「よ〜し!!宝探しに行くか!!」
剣士「おおおおお!!行く行く!!どんな宝があるかなぁ」ワクワク
盗賊「そりゃ箱を開けてからのお楽しみよ…箱開けは俺に任せろ」
---------------
657 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:25:45.88 ID:bVSMz8780
『デッキ』
ユラ〜リ ギシ
中年の女「フフ…」ニヤ
戦士「丸聞こえだな…フフ」
中年の女「まるでファルクリードの話を聞いて居るみたい…懐かしい」
戦士「不思議と周りを引き込んで行くのだな…」
中年の女「そういう男…人間らしくて正直で…裏が無い」
少女「母の初恋か?」チラリ
中年の女「憧れ…自由で気ままな生き方…それでいて暖かい所に惹かれた…喧嘩してばっかりだったのよ?フフ」
戦士「まぁ分かる…アランは良い奴だ…間違い無い」
盗賊「お〜し!!肉だ肉!!甲板でバーベキューやっぞ!!」ドタドタ
学者「兄貴ぃ…肉はまだ早いですって…」
盗賊「うるせぇ!!パンとチーズじゃ満足でき無ぇ!!」
学者「またそのちっこい炉で焼くんすか?」
盗賊「ぐじゃぐじゃうるせぇな…魚持って来い魚!!今から焼くぞ!!」
剣士「食材少し切って来るね」
盗賊「おらぁぁ!!ラシャニクア!!いつまでも見張り台に居無ぇでお前も降りて来い!!」
女ハンター「…」シラー
盗賊「降りて来いっつってんだろ」ドカッ ドカッ
学者「兄貴…酒飲んでるっすか?なんでそんなテンション高い…あ!!オークの血…ハイ状態に…」
盗賊「んあ?俺は普通だぞ?」
学者「あたたた…こりゃしばらく続きそうっすね…」
-------------
658 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:26:38.24 ID:bVSMz8780
『バーベキュー』
ジュゥゥゥ モクモク
盗賊「おら芋だ!!キノコも焼けたぞ」ポイ
戦士「ハハハなかなか小さな炉で頑張って居るな」
盗賊「ほらおっさん!!芋焼けてるぞ」ポイ
戦士「良いツマミだ…」パク モグ
中年の女「ラシャニクア!見張りは休んで居りていらっしゃい…豪華なバーベキューだそうよ?」
女ハンター「…」スルスル シュタ
盗賊「いよう…やっと降りて来たな?煙で燻してやろうと思ったんだが…」
女ハンター「…」ジロリ
盗賊「まぁ食え…キノコだ」ポイ
女ハンター「…」パス
盗賊「なんだ不満か?」
女ハンター「しょっぼ…」パク モグ
盗賊「なんだとぅ!!」
学者「まぁまぁまぁ…兄貴…こりゃ確かにショボイっす…」
盗賊「肉無ぇのか肉は!!」キョロ
剣士「ゴメンゴメン…鶏肉だけど…切って来たよ」
盗賊「そうよソレだ…肉がありゃ皆満足だ」ジュゥゥゥゥ
女オーク「皆さん…パンもどうぞ…私が焼きました」
戦士「頂こう…」パク ムシャ
女オーク「どう…ですか?」
戦士「砕いたナッツ入りか…中々良い」
剣士「姉さんやったね?やっぱりパンと豆は相性が良いみたい」
盗賊「おいおい肉に興味は無ぇのか?」ジュゥゥゥ モクモク
女ハンター「…」チラリ
盗賊「お前こっち見たな?骨付きだ…特別にお前から食わせてやる…ホラ」ポイ
女ハンター「…」ガブリ モグ
盗賊「ヌハハハやっぱ肉だよな?ゲス!!酒持ってこい酒ぇ!!」
学者「あいやいや…兄貴はちっと控えて下せぇよ」
盗賊「俺じゃ無ぇ!!ラシャニクアを酔わせて潰すぞ」
学者「ええ!?」
659 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:27:07.33 ID:bVSMz8780
盗賊「澄ました顔してっから酒で正体暴くんだ…お前が勝負してやれ」
女ハンター「私はお前と違って暇じゃない…仕事中だ」モグモグ
盗賊「うほーやっとしゃべったぞ?」
戦士「代わりに私が飲もう…」ズイ
盗賊「リコルはさっきから飲んでるだろうが…」
剣士「ワイン持って来たヨ…」スタ
女オーク「木製のタンブラーも…」トクトクトク…
盗賊「俺にもヨコセ」グイ
女ハンター「…」タジ
盗賊「逃げんなコラ…お近づきの一杯だ」
女ハンター「だから仕事中だと言って居る…」
中年の女「付き合いも仕事よ?」
女ハンター「ちぃ…」
中年の女「あなた達…同年代なのだから仲良くなさい?」
盗賊「ほぅ?同年代だったか…そりゃ乾杯しないとな」カツン!
女ハンター「…」ジロリ
盗賊「まぁ…仲よくしようぜ」グビ ゴクゴク
女ハンター「仕方ない…」グビ ゴクリ
学者「兄貴ぃ…その一杯で終わりっすよ?」
盗賊「俺の血は酒で出来てんだ…なんて事ぁ無ぇ!!ヌハハハ」
ワイワイ ワイワイ
---------------
---------------
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660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:27:56.35 ID:bVSMz8780
『夜_甲板』
ザブ〜ン ユラ〜
盗賊「んぁぁぁぁ…薬のせいか…全然眠れる気がしねぇな…」フラ
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「んん?心配で見に来たんか?」
ロボ「ピピ…」ピタ
盗賊「大丈夫だ…そうそう船から落ちやし無ぇよ…」
盗賊「はぁぁぁ…しかし…夜の海ってのは本当真っ黒けだな…星の光がちっと映っては居るが…」
盗賊「落ちたら真っ暗闇だろうな…怖い怖い…」
ガサリ
盗賊「んん?ラシャニクアか?…まだ見張り台に上がってんのか?」
女ハンター「眩しい…ランプの光をこっちに向けるな」
盗賊「お前ずっと其処に居んのか?」
女ハンター「定位置さ…文句あるか?」
盗賊「そっから何が見えんのよ…真っ暗闇だろ」
女ハンター「光はある…」
盗賊「ロボ!ちっと見張り台に上がるから居室入ってろ」
ロボ「ピポポ…」ウィーン
女ハンター「来るな…ランプが眩しい」
盗賊「フーーー…消しきゃ良いんだろ?こんな真っ暗で良く上がれるな…」ヨジヨジ
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661 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:28:51.49 ID:bVSMz8780
『見張り台』
ヒュゥゥゥ…
盗賊「風が吹きっ晒しじゃ無ぇか…凍える寒さじゃ無いが…毛皮だけじゃ寒いだろう」
女ハンター「来るなと言ったのに…」
盗賊「眠れなくて暇なんだよ…んで?どこに光が見えんのよ」キョロ
女ハンター「昔はここに登れば妖精が見えた…」
盗賊「妖精?」
女ハンター「大人になったせいか…光しか見えなくなった」
盗賊「どこよ?」
女ハンター「そこら中に…」
盗賊「暗闇にまだ目が慣れて無ぇな…」ゴシゴシ
女ハンター「今晩は新月…妖精が見える筈」
盗賊「なぬ?」
女ハンター「お前…何故人のスペースにズケズケと入って来る」
盗賊「ほんなん気にした事無ぇよ」
女ハンター「少しは気にしろ」プイ
盗賊「俺の船だから俺が何処に行こうが勝手だ」
女ハンター「ちっ…」
盗賊「ラシャニクア…戦場で聞く噂とは随分違うな?」
女ハンター「何がさ…」
盗賊「妖精追っかけてる乙女だとは聞いた事が無い」
女ハンター「なっ!!」
盗賊「ヌハハ冗談だ…戦場に行く割には随分華奢で小柄だと思ったんだよ」
女ハンター「狙撃に体格は関係無い…逃げる嗅覚と腕が有れば良い」
盗賊「なるほど…ほんで妖精探しは嗅覚磨きってか?」
女ハンター「フン!!」プイ
盗賊「…なんで傭兵団抜けたんだ?」
女ハンター「あいつ等はクズばっかりだからさ」
盗賊「ほう?でも金稼げんくなるだろう」
女ハンター「私の戦果も全部アイツらが持って行く…金なんか殆ど貰って居ない」
盗賊「なるほど…何処も同じな訳か…」
女ハンター「何処も?」
盗賊「船に乗ってるミライとリッカ…一生懸命働いても貰える金はほんの少しだった…」
女ハンター「そう…」
盗賊「お前…奴隷だったんだってな?孤児だったんか?」
女ハンター「だから何?」
盗賊「いんや…何って話は何も無い…俺もゴミ食って生きてたって言いたいだけだ」
女ハンター「…」
盗賊「キノコ美味かっただろ…ゴミん中じゃ最高の御馳走だ」
662 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:29:34.64 ID:bVSMz8780
女ハンター「肉が美味かった」
盗賊「ケッ!!そこはキノコ美味かったって言う所だろ…分かって無ぇな」
女ハンター「お前…変な奴だな」
盗賊「何がよ?」
女ハンター「普通は私の名を聞いて先ず鼻を見るんだ…お前は鼻を見もせずいきなりキノコ…」
盗賊「なんだお前…俺に鼻を見て欲しいって言ってんのか?」
女ハンター「いや…」
盗賊「船に乗ってるロボットが居るだろ…アイツは元々普通の女なんだ…鼻どころか全身全部削がれた」
女ハンター「話に聞く孤児機械化の…」
盗賊「俺はよ?アイツに生身の肉体を与えたくて旅してる…完全体のホムンクルスってのを探してな」
女ハンター「そうか…」
盗賊「もし見つけたらよ?お前にもちゃんとした鼻をつけてやれるぞ?」
女ハンター「硬化症が怖い…」
盗賊「完全体のホムンクルスは硬化症にならないらしい…これは信頼できる情報だ」
女ハンター「もし見つけたら…か」
盗賊「もしじゃ無ぇ…見つける!!」ギラリ
女ハンター「まぁ期待しないで待つ…木製の付け鼻も案外気に入って居るのさ」
盗賊「ヌハハそうか…ほんでお前は?この船に乗ったのは只の傭兵か?」
女ハンター「そうさ…でも目的は他に有る」
盗賊「何よ?」
女ハンター「海賊王の娘を探す」
盗賊「お!!?どういう事よ…丁度俺も探してんのよ」
女ハンター「何!?何処に居るのか知って?」
盗賊「いや…まだ知らん…だが知って居そうな人物が居るんだ」
女ハンター「それは誰だ?」
盗賊「まぁどうせ行先は同じだ…しばらく一緒だな?」
女ハンター「教えろよ…」グイ
盗賊「そのうち分かる…それよりお前が海賊王の娘を探す理由は何よ?鼻削がれた復讐か?」
女ハンター「復讐では無い…見たのさ…光を」
盗賊「光?」
女ハンター「奴隷として貴族の船に乗って居た時…見張り台で覗いた望遠鏡の奥にその人は居たんだ…」
663 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:30:09.06 ID:bVSMz8780
その人は幽霊船と言われた船に乗って居た…
突然消えたり…現れたり…
それまで見た事の無い光り輝く剣…
不思議なクジラ…
見た事の無い魔法も…
何も無い私の生活に…望遠鏡の中にだけ有る夢の世界
私は虜になってしまった…
盗賊「憧れか…」
女ハンター「今でもその船に乗って居た全員の顔を覚えてる…」
女ハンター「その人を目の前にして連れて行って欲しいと真剣に思った…」
盗賊「なるほど…それがお前の光か…」
女ハンター「しまった…恥ずかしい話をしてしまった…」
盗賊「ヌハハ気にすんない…その船にな?ホムンクルスの完全体が乗って居た筈なんだ…そう聞いた」
女ハンター「どの人の事だろう…」
盗賊「まぁお前の事は大体分かって来た…見張り台で昔の様に探してんだな?お前の光を…」
女ハンター「そうさ…そこにあんたがズケズケと入って来たのよ」
盗賊「そう言うない…」
ヒラヒラ…
盗賊「んん?」キョロ
女ハンター「来た…」スック
盗賊「これが妖精?」
女ハンター「そう…この光が行く先に幽霊船が見えた…」
ヒラヒラ…
盗賊「なんだこの光…踊って居るみたいに…」アゼン
女ハンター「スゴイだろう?」
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664 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:30:48.70 ID:bVSMz8780
『翌朝』
ザブ〜ン ユラ〜
学者「ふぁ〜ぁ…遅くなりやした…起こしてくれりゃ良かったんすが…」ゴシゴシ
盗賊「興奮して全然眠れないんだが…お前薬に何か入れたか?」
学者「んん?体調はどうっすか?」
盗賊「すこぶる快調だ…腹の傷は痛むが…」
学者「多分オークの血を輸血したせいなんすよ…それにしても回復が早いっす…」
盗賊「喉がやたら乾いてよ…」グビ
学者「何飲んでるんすか?まさか酒じゃ無いっすよね?」
盗賊「酒だ…リッカが持ってた…こりゃなんかの果実酒か?」
学者「ええ!?もしかして体がポカポカしてたりしやせんか?」
盗賊「言われてみればそうかもしれん」
学者「なんか分かって来やしたぜ?…蒸留酒でオークの血が希釈されて増えてるんすよ…輸血された人間にも効果が…」
盗賊「だから俺の血は酒で出来てるって言っただろ?」
学者「そういや姉御にも何回か輸血されて居やしたね…そういう事っすか」
盗賊「んな事より周りを見て見ろ…行き交う船が増えて来た」ユビサシ
学者「本当っすね…」キョロ
盗賊「こりゃ多分目的地が近いぞ」
学者「ゴールドラッシュ島…楽しみっすね」
盗賊「俺ぁシカ肉が食いてぇな…出来るだけ臭いやつを」
学者「良いっすねぇ…到着したら酒場でパーーっと行きやしょう」
盗賊「分かってるじゃ無ぇか!!」バン
学者「おわととと…兄貴の手はデカくて重いんでちっと手加減して下せぇよ…」
盗賊「ヌハハハ悪い悪い…」
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665 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:31:34.28 ID:bVSMz8780
『ゴールドラッシュ島_港』
ガコン ギシギシ
中年の女「到着した様ね…」スック
盗賊「ミライ!!碇降ろしてくれぇ!!」
剣士「分かったぁぁ!!」ダダ
中年の女「さて…この島では荷の積み替えがあるから次の出発は3日後…」
盗賊「おう!!俺らどうすりゃ良いんだ?」
中年の女「別行動よ…自由にして良いわ…船に残っても良いし…宿屋に行っても構わない」
学者「兄貴ぃ!!折角なんで宿屋行きやしょう」
中年の女「私達は別行動するから…そちらはそちらで上手くやりなさい?」
盗賊「おーし!!ラス!!降りて来い!!」
女ハンター「ラ…ラス?」キョロ
盗賊「お前の事だ馬鹿!!ラシャニクアじゃ呼びにくいだろ…降りて来い!!行くぞ!!」
女ハンター「私が雇われて居るのはお前じゃ無い!!」
盗賊「アホかお前!!向こうは家族で来てんだぞ?ちったぁ気を使え!!良いから降りて来い!!」
中年の女「フフ…付き合いも仕事だと言ったでしょう?」ニヤ
女ハンター「ちっ…分かったよ」スック
盗賊「ようし!!リッカとミライも降りる準備しろよ?今晩はパーーっと行くぞパーーっと!!」
剣士「おーーー!!姉さん!!パーーーっと行くんだってさ!!」ドタドタ
女オーク「ウフフ…」
中年の女「じゃぁ3日後に…此処で」ノシ
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666 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:32:35.79 ID:bVSMz8780
『街道』
ワイワイ ガヤガヤ
学者「ほえぇぇ…それほど大きな島じゃ無いのに栄えて居やすね…」キョロ
剣士「見た事無い形の建物だ…」キョロ
盗賊「古代遺跡らしいぞ?そこに後から色々建ててんのよ」
学者「確か20年ぐらい前に海賊王の娘達が発見したんすよね?」
盗賊「らしいな?海に沈んだ黄金郷もな?」
学者「黄金のサルベージってどうやってるんすかね?見たくないっすか?」
盗賊「フィン・イッシュに行く途中で見れるかも知れん…なんでもシン・リーンの魔術師達も居るらしいぞ」
剣士「黄金ってさ?金貨の材料?」
盗賊「さぁな?俺は大量の黄金を何に使ってるのか知らん…金貨になってるのはその一部だろう」
学者「俺っちは少し知ってますぜ?」
盗賊「んん?機械の部品だってか?」
学者「いやいやそれは極一部っすよ…黄金は錬金術で賢者の石を作る材料になるらしいっす」
盗賊「なるほど…それでシン・リーンも関わってるってか…」
学者「製法が解明されたかどうかは知らんすがね…賢者の石は命を生むとか言う話もあるんすよ」
剣士「そっかぁ…金貨を溜めれば賢者の石っていうのも作れるのかぁ…」ワクワク
盗賊「お?お前が作るんか?」
剣士「作れるなら作ってみたいなぁ…」
盗賊「そら結構!!俺にも作ってくれ」
学者「兄貴ぃ…賢者の石一欠けらで国が買えるとか言われてるんですぜ?」
盗賊「ヌハハハそりゃ作るしか無ぇな?」
学者「あたたた…そんだけ難しいって言いたかったんすが…」
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667 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:33:11.33 ID:bVSMz8780
『露店』
ワイワイ ガヤガヤ
シカ肉…シシ肉なんでもあるよ〜買ってってくれ〜い!!
金のアクセサリーは如何かね?世界最安値だよ〜?
ミスリル製の武器!!他では中々手に入らないぜ?ほら兄ちゃん見てってくれ
盗賊「おぉ…ミスリル製の武器なんか売ってんのか…」
学者「兄貴ダメっす!!高くて全然手が出んすよ」
盗賊「見るだけはタダだろうが…」グイ
店主「ハイハイお兄さん…お目が高いねぇ…好きなの触って良いよ?」
盗賊「ほーーーこれがミスリルの剣か…」スラーン
店主「その剣は護身用に最適だぁ…安くしとくよ?」
盗賊「確かに軽いな…だが俺にはちっと長い様だ」
店主「買ってってくれよぅ」
盗賊「あんま金持って無いんだ…悪いな」ノシ
学者「今の剣で金貨15枚…値切って10枚って所っすか…」
盗賊「くそう!!どっかに宝箱落ちて無ぇか?」
剣士「おぉぉぉ!!姉さんこれ見て!!琥珀だ琥珀!!」ダダ
女オーク「あら本当ね…何処かで採れるのね」
剣士「あぁでも高いなぁ…」ショボン
女オーク「良いのよ…もう体は平気だから…」
学者「ふふん…琥珀は樹液の化石…なるほどそういう事っすね…」フムフム
剣士「ゲスさん何ボーっとしてるのさ…弾丸も一杯売ってるよ?」
学者「ええ?何用の弾丸っすかね…」キョロ
ワイワイ ガヤガヤ
ほらこれは古代の遺物…ミステリーに興味のある人は必見だよぉ!!
キラーポッドの部品だぁ!!珍しい樹脂が回収出来るんだぞぉ…買う奴は居らんかぁ!!
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668 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:33:48.17 ID:bVSMz8780
『宿屋』
ガヤガヤ…
剣士「じゃぁ僕と姉さんは2人部屋の方に行くね…」
盗賊「俺らは大部屋だな…ちっと休んだら隣の酒場に行くからよ…そこで待ち合わせな?」
女ハンター「おい!私はあんたと一緒の部屋になるのか?」
盗賊「んあ?なんだお前…2人部屋が良いのか?」
女ハンター「違う!!なんであんたと同じ部屋なんだと言いたい」
盗賊「部屋が空いて無いんだからしょうがないだろう」
学者「まぁまぁラスさん!!どうせ兄貴は酒場に入り浸りで帰って来ないんで実質大部屋を一人で使ってるみたいなもんす」
女ハンター「フン!!鍵かける」
盗賊「ヌハハ好きにしろ…ロボは部屋に入れてやってくれな?」
ロボ「ピポポ…」クルクル
女ハンター「…」ジロ
学者「いやぁ…早速色々買い入れちゃって…荷物が邪魔っすね」
盗賊「おう!部屋に荷物置いてサッサと酒場行くぞ」
学者「そーっすね…肉!酒!」ダダ
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669 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:34:43.12 ID:bVSMz8780
『酒場』
チリンチリーン
マスター「いらっしゃいませ…お二人で?」
盗賊「あぁぁ後から連れが来るもんでよ…テーブルが良いんだ空いてるか?」
マスター「あいにくテーブルは一杯でして…空くまでの間カウンターでよろしければ…」
盗賊「おう!!どうせしばらく来やし無ぇ…カウンターで構わん」
マスター「…ではどうぞ」スス
盗賊「とりあえず酒と肉が欲しい」
マスター「何を飲まれますか?」
盗賊「そうだな…フィン・イッシュは米を使った酒が有っただろう…」
マスター「分かりました…」
盗賊「ボトルで頼む…これで足りるか?」チャリン
マスター「ハハお釣が出ますね…少々お待ちください」スタ
学者「はぁぁぁやっぱ兄貴は酒場が似合いやすね…どうっすか?さっき買った大麻吸いやす?」
盗賊「気が利くじゃ無ぇか…今度はお前の分も買ってるな?」
学者「へい!!火を点けやしょうか?」
盗賊「それぐらい自分でやる…」チッチ モクモク
学者「じゃぁ俺っちも…」チッチ モクモク
マスター「どうぞ…米酒をボトルでお持ちしました…肉料理はもう少しお待ちを…」ゴトリ
盗賊「ゲス!!早速飲むか?」キュポン トクトクトク
学者「米酒なんて飲んだ事無いっすねぇ…」スパーーー フゥゥゥゥ
盗賊「ワインよりかなりキツイ酒でな…飲み過ぎんなよ?」グビ プハァ
マスター「お二人は初めてで?」
盗賊「まぁな?さっき商船で到着したばかりよ」
マスター「見た所…バン・クーバからいらした様ですね」
盗賊「お?分かるか?」
マスター「恰好を見ればおおよそ…」
学者「兄貴ぃ…流行の恰好が多分違うんすね」
盗賊「そんな特徴的には思えんがな…どの辺が違うのよ?」
670 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:35:24.94 ID:bVSMz8780
マスター「腰に掛けているベルトに投げナイフが仕込んであったり…上着にも何か仕込んでありますよね?」
盗賊「ほーん…投げナイフや防弾ベストがそんなに珍しいかね?」グビ
マスター「フィン・イッシュではそのような格好の方は殆ど居ないですよ」
盗賊「ナイフぶら下げてちゃ怖いってか?」
マスター「ハハすみません…私が酒場のマスターで無ければ声を掛けないと思います」タラリ
盗賊「何もしやし無ぇよ…」グビ ゴクゴク
学者「兄貴は人相悪いんで余計に怖いんすよ」
盗賊「まぁ戦場にどっぷりだと自然にこうなる訳よ…ほんでマスター…なんか面白い話は無いか?」
マスター「はぁ…面白いかどうか分かりませんが…この島の奥に古代遺跡が有るのは知って居ますかね?」
盗賊「んん?聞いた事が有るぐらいだ…20年前に全部探索されてんだろ?」
マスター「瓦礫に埋もれた区画があってですね…未探索の場所が見つかったんですよ」
盗賊「おおお!!そりゃ面白れぇ…何が有るのよ?」
マスター「奥の方に扉が在って先に進めないらしいです」
盗賊「…」---開かずの扉…俺は開け方を知ってる---
学者「魔術師が居て開けられないっておかしくないっすか?」
マスター「無理に開けると爆発するとかで封印指示が出てるみたいですね」
盗賊「おい!その場所教えてくれ」
マスター「ハハもう有名になってるので明るい内は人で一杯ですよ…地図も売ってるんです」
盗賊「その地図あるんか?」
マスター「観光名所を記した地図…金貨1枚ですが買いますか?」パサ
盗賊「くぁぁぁ高いが…畜生足元見やがって…」チャリン
マスター「これも酒場の売り上げなんですよ」
学者「もしかして…酒場に立ち寄った人全員に売ってたりしやせんか?」
マスター「商売なので…」ニコ
盗賊「上手い売り方しやがる…でもまぁ楽しみ買ったと思って行って見るぞ」
学者「まさか今晩行くって事は無いっすよね?」
盗賊「ちっと色々準備が必要だ…明日の夜だな…今晩はパーーーとやるんだ」
マスター「さぁ…肉料理の準備が出来た様なのでお持ちしますね」スタ
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671 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:36:22.48 ID:bVSMz8780
『1時間後』
ワイワイ ガヤガヤ
だはははは…でも悪いがあんま金持って無ぇんだ…また今度な?
もう!本当は一杯持ってるクセに…
マジで持って無いんだ…用がある時はまた声を掛けさせて貰うからよ
剣士「あ!!居た居た…」
盗賊「おぉ!!お前等来たか…食い物用意しといたぞ」
学者「リッカさんとミライ君用に各種木の実…キノコにパン…全部食って良いっすよ!!」
盗賊「ラスも来たな?お前用に肉頼んどいた…焼きたてだから食え!!」
女ハンター「なんか…かじった痕が有るんだけど…」
盗賊「毒味だ毒味!!気にすんな!!」
剣士「あれ?見た事無い木の実が有る…」
学者「それオリーブっす…酒にメッチャ合うんすよ」
剣士「へぇ?姉さん座ってよ!食べよう」
盗賊「ロボは俺の隣な?」グイ
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「今日は特別に新しい魔石に交換してやる…食い物の代わりだ」カチャ
学者「あ!!それ電脳化デバイスの…」
盗賊「そうよ…交換して古い魔石は高く売りつける」カチャカチャ
学者「うは…セコイ稼ぎ方っすね」
盗賊「うるせぇ!!騙される方が悪いんだ」
学者「俺っちも替えの魔石欲しいんで買いますぜ?」
盗賊「なんだ身内に売るんじゃ儲けにならんのだが…まぁ良い!今晩の払いはお前な?」
学者「ええ!?そんだけで良いんすか?」
盗賊「文句あんのか?」ポイ
学者「ありーーーっす!!」パス
盗賊「どうよロボ?動きやすいか?」
ロボ「ピポポ…」ウィーン シャカシャカ
盗賊「ウハハハ動きやすそうで何よりだ…ホラお前等飲めぇ!!」
672 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:37:24.39 ID:bVSMz8780
女ハンター「…」---あのロボットの中身が普通の女の人だなんて…---
---食べれない---
---話せない---
---どんなに苦痛なんだろう---
---どうしてこんなに---
---心が揺さぶられる---
盗賊「おい!何気取ってんだ!肉だ食え!!」グイ
女ハンター「むぁ!!…自分で食べられる!!」イラ
ロボ「ピポポ…」クルリン シャカシャカ
女ハンター「はむっ…」ガブ モグモグ
---生きてる事に罪悪感を感じる---
---なんだこの気持ち---
ロボ「ピピ…」プシュー シャカシャカ
女ハンター「…」---数少ない表現で必死に表現してるんだ---
ロボは…機械と同じ…
存在する為にエネルギーが必要…
だから機械はエネルギーを求める…
そのエネルギーを奪って行くのは私達人間…
それが戦争を起こしてる
機械は存続する為に戦って居る
もし機械に命を与える事が出来れば
きっと戦いは終わる…
ロボを見て…そう思えて来た
機械が欲しい物は…多分命だ
でもどうやって命を得る?
盗賊「おいおい何神妙な面してんのよ…お前も飲め」グイ
女ハンター「じ…自分で飲めるって!!」ゴク
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:37:51.78 ID:bVSMz8780
盗賊「…」ジロ
女ハンター「何さ!?」
盗賊「ロボを見て感化されるのは分かるが…楽しむ時は楽しめ…それで良いんだ」
女ハンター「なっ…」---心を読まれてる---
女ハンター「そんなんじゃ…」
ロボ「ピピピ…」ピタ
盗賊「なぁ?ロボ!!こいつの顔に書いてるの分かるか?」
ロボ「ピポポ…」ウィーン グイ
女ハンター「分かった飲むから…」グビグビ
盗賊「よぉ〜しロボ!!良くやった!!明日新しい羽織り物買ってやる」
ロボ「ピピピ…」ウィーン クルリン
盗賊「ヌハハハ…しかし全然酔いが回って来無ぇ!!マスター!!酒をもう一本出してくれぇ!!」
---------------
674 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:38:46.18 ID:bVSMz8780
『翌日_宿屋』
ドンドンドン
学者「扉を開けて下せぇ…はぁぁなんで俺っちだけ廊下で寝てたんすかねぇ…」ウェップ
剣士「ゲスさんかぁ‥どうしたの」スタ
学者「よく覚えて無いんすが俺っちは廊下で寝ててっすねぇ…」
剣士「アハ…部屋に入れて貰えないんだ?」
学者「兄貴も何処に行ったか分からんす…部屋で寝てるかも知れんのですが…」
剣士「昨夜は遅くまで飲んでたんだ?」
学者「あんまり覚えて無いんすよ…」オエップ
ガチャリ ギーー
ロボ「ピ…」ウィーン
学者「あぁ!!やっと開けてくれやしたね?兄貴居やすか?」キョロ
ロボ「ピピ…」フリフリ
女ハンター「…」ギロ
学者「あれれ?ロボと2人だったんすか?」スタ
剣士「こっちの部屋広いねぇ…」キョロ
学者「兄貴…又どっか行っちまいやしたね…」
剣士「昨夜一緒に帰って来て無いの?」
学者「覚えて無いんすよ…」
剣士「なんか準備するって言ってたよね?今日は何処か行くんじゃ無かったっけ?」
学者「宝探しっすね…まぁ…多分夜になると思うんすが…」
女ハンター「宝さがし?聞いて居ない」
学者「古代遺跡の方で探索されてない場所が有るらしいんす…そこに行くつもりっすよ」
女ハンター「未探索の遺跡ならキラーポッドが居るかもしれない…」
675 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:39:22.10 ID:bVSMz8780
学者「なもんで準備するって言ってたんすが…」
剣士「キラーポッド?何それ?」
学者「小型の機械っすよ…自律で動く古代の兵器っすね」
剣士「へぇ?弾丸を連射してくるっていう奴?」
学者「そうっすね…遭遇するとかなり危ないっす」
剣士「姉さんの鎧とか盾は船に置きっぱなしだよ」
学者「もしもに備えて用意した方が良いかも知れんっす」
女ハンター「遺跡を探索する装備なんか持って無い…私は狙撃専門だから…」
学者「近距離用の武器が無い感じっすか?」
剣士「あ!!デリンジャー有るよ?弾が20発くらいしか無いけど」
女ハンター「見せて…」
剣士「これ…」チャキリ
女ハンター「新式の2連デリンジャー45口径…単発火力はある」
学者「それで行けそうっすか?」
女ハンター「かなり近づかないと当たらない」
学者「俺っちは22口径バヨネッタ…4発づつ撃つタイプっす」
女ハンター「連射が効くけどそれも近距離用…デリンジャーよりも当てやすいけれどキラーポッド相手に火力が…」
剣士「なんか話聞いてると相当危ない感じ?」
学者「そうっすね…機械の数にもよるんすがね…」
剣士「宝探しもそう簡単じゃ無いんだぁ…しっかり準備しないと…」
女ハンター「準備って何をするつもり?」
剣士「鉄板が入ってるんだけど防弾ベストとかも作ってあるんだ…兜もね」
学者「それ大事っす…こないだの兄貴みたいな致命傷は避けられるんで…」
女ハンター「榴弾は持ってる?」
学者「それは持って居やす…戦いになった場合は榴弾がメインになると思いやす」
剣士「榴弾って何?」
学者「手投げの爆弾っすよ」
剣士「あぁ!!それなら手投げの油なら有る」
学者「それも用意しておいた方が良いっすね…退路作るときに使えやす」
剣士「おけおけ…ちょっと姉さんと一緒に準備してくるよ」タッタッタ
女ハンター「なんか…不安しか無いんだけれど…」
学者「まぁ良いじゃないっすか…こういう刺激無いと腕鈍っちまいやすぜ?」
女ハンター「…」---確かに---
---------------
676 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:40:24.81 ID:bVSMz8780
『昼過ぎ』
ゴソゴソ ガチャガチャ
学者「兄貴遅いっすねぇ…」
剣士「姉さんどう?重すぎない?」
女オーク「大丈夫よ…」ガチャ
学者「鉄板で装備作ったのは良いすが…急所以外は金属繊維なんすね?」
剣士「うん…姉さんは動き回るタイプだからね…盾構えて見て?」
女オーク「こう?」スチャ
剣士「おけおけ…その盾なら多分弾丸も防げる」
スゥ…
学者「おわっ!!兄貴ぃ!!何処行ってたんすか!!」
盗賊「おう!!ちっと現場見に行ってた…なんだもう準備してんのか」
学者「兄貴が行くって言ってたからっすね…何を準備したら良いか分からんもんで…」
盗賊「ヌハハ戦場に行く様な装備してんな?」
女ハンター「未探索の遺跡はキラーポッドが出るでしょう!?」
盗賊「まぁ…俺はガチで戦うつもりなんか無かったんだがな?」
女ハンター「ちょっと!!どういう事?」
盗賊「今見ただろう?俺は姿を消せる訳よ…ちょいちょいっと欲しい物だけ取ってズラかる…そんなつもりだったんだが…」
剣士「えええ!?それは僕達が面白くない」
盗賊「分かった分かった…タダな?危ないと判断したら即撤収だ…イイな?」
女ハンター「そういう事ね…だったら良いわ」
盗賊「ラス!お前はライフル使わんのか?」
女ハンター「狙撃特化の単発式…持って行くだけ邪魔になる…だからコレよ!」スチャ
盗賊「なるほどデリンジャーか…ふむ…リッカもそこそこ耐えそうな装備してるか…」
剣士「僕はコレさ!!火炎玉!!」ジャーン
盗賊「ようし!!ほんじゃ日が落ちる前に現場行くぞ…」
学者「夜じゃ無いんすか?」
盗賊「扉を解錠するのに手間取りそうなんだ…早めに行きたい」
学者「じゃぁ行きやすかぁ…」
盗賊「ロボは悪いが留守番な?」
ロボ「ピポポ…」フリフリ
---------------
677 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:41:02.35 ID:bVSMz8780
『林道』
スタスタ
剣士「人が街の方へ戻って行く…」キョロ
盗賊「暗くなる前にこの林道抜けたいんだろう…俺らにしてみりゃ人が掃けてやり易い」
剣士「この林道の向こうなんだね?」
盗賊「そうだ…探索済みの遺跡は更にその奥にある…俺らは瓦礫の下に有った遺跡に向かう」
剣士「なんかワクワクが止まらないよ」ブルブル
盗賊「ヌハハそうだろうそうだろう!!それで良いのよ」
学者「兄貴ぃ…この林道…結構な数の弾傷がついていやすぜ?」キョロ
盗賊「瓦礫の下からその遺跡が発見されたのは数年前だそうだ…そん時にキラーポッドがわんさか出て来たらしい」
学者「じゃぁこの林道は戦地跡って事っすね」
盗賊「キラーポッドは全部駆逐されたみたいだぜ?」
学者「道理で…露店で弾丸出回ってるのはそういう理由だったんすね」
盗賊「買ったんか?」
学者「勿論買いやしたよ…500発は有りやす」
盗賊「撃ち放題だな?」
学者「魔石が無いもんで先にエネルギー切れが来やすね…このバヨネッタはメッチャ魔石効率悪いんす」
盗賊「もう魔石が手に入らんからな…出来ればそいつを使わないでロボに使いたい」
学者「未探索の遺跡に魔石がどっさり…とかありゃ良いんすが…」
女ハンター「ウラン結晶なら残って居るかもしれない…」
盗賊「そういやこっちの国でウラン結晶手に入れたらどうなるんだ?」
学者「見つかると取り上げられるのがオチじゃ無いっすか?」
盗賊「じゃぁ隠しとかんとイカンな…てか今考えても仕方無えか…あるかどうかも分かん無ぇし」
剣士「あ…林道抜ける」スタ
盗賊「左側の崖ん所だ」
剣士「うん…まだ人が居るね?」
盗賊「人が掃けるまで見学だ…先行って見てても良いぞ」
剣士「おっけ!!姉さん行こう」グイ
女オーク「手は繋がなくても良いから…」スタ
--------------
678 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:41:40.41 ID:bVSMz8780
『瓦礫の奥』
ザワザワ ヒソヒソ
そろそろ暗くなるから帰ろうか…
夜は林道でウルフが出るそうよ?
学者「こりゃ…見慣れた感じの遺跡っすね…」キョロ
女ハンター「ミネア・ポリスとほぼ一緒…壁に開いた穴からキラーポッドが出て来る仕組み…」
盗賊「規模は随分小さい様だ…古代のちょっとした要衝だったんだな」
学者「隅に積んでるガラクタは壊れたキラーポッドっすね…アレは展示してるんすかね?」
盗賊「さぁな?あんな物欲しいか?」
学者「もう見飽きたんで要らんっすよ」
盗賊「例の扉は一番奥だ…先にミライとリッカが行ってんな」
女ハンター「解錠出来る自信は?」
盗賊「五分五分…開け方は知ってるんだが実践した事が無い」
女ハンター「どうして解錠の方法を知って?」
盗賊「そら秘密よ」
学者「兄貴は鍵開けが一番得意なんす…期待して下せぇ」
女ハンター「フン!なんか…色々準備して損した気分」
盗賊「まぁ焦るな…どうせ宿屋に居ても暇だろ?」
剣士「アランさ〜ん!!」シュタタ
盗賊「おう!!もう見飽きたか?」
剣士「あの扉って不思議だね?」
盗賊「何がよ?」
剣士「扉をノックしても奥から音が返って来ない」
盗賊「はぁ?」---コイツ---
剣士「だから奥に何も無いんだ…何の金属かも分からない」
盗賊「そら良く気付いたな…」
剣士「只の開かない扉だから見学終わったら直ぐに人が何処か行っちゃう」
盗賊「良く見て見ろ…ここの遺跡は全部その謎の金属で出来てんだぞ?」
剣士「ええ!?どうやって作ったんだろう…」
盗賊「大砲ぶっ放しても傷一つ付かん訳よ…つまりだ…大砲ぶっぱしてりゃ機械は全部掃討できる」
剣士「おぉぉ!!」
女ハンター「フフそんな状況に持ち込むまでが大変なんだけど…」
剣士「そっかぁ…そうやって機械と戦って来たんだね」
盗賊「ミライは戦場とは関係無いから知らんでも良いけどな」
剣士「あと2人…あの人達もそろそろ帰りそうだ」
盗賊「ようし…俺の出番だな?レーションでも食って待ってろ…」スタ
---------------
679 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:42:21.17 ID:bVSMz8780
『開かずの扉』
ギリリ ギリ ブチッ
盗賊「くっそ又切れた…手ごたえはあんのにな…」
女ハンター「本当に解錠出来るの?」シラー
盗賊「うっせぇあっち行ってろ!!」
女ハンター「ふふん…」ニマー
盗賊「次は金属糸寄ってやって見るか…」ヨジヨジ
盗賊「シャフト潜らせるのはまぁ…慣れればどうって事無ぇ」スルスル
盗賊「滑るから2回潜らせるのが…これが中々上手くイカン」カチャ
盗賊「ようし…こっから勝負よ…シャフトを少しづつ回して…」ギリリ
盗賊「結構回したと思うんだよなぁ…」ギリリ
ヒュゥゥ…
盗賊「っしゃぁ!!」
女ハンター「え!?何…開いたの?」ダダ
盗賊「こっから2時間程待つ」
女ハンター「ス…スゴイ…空気が入って行く音」タジ
盗賊「お前解錠の方法見たな?誰にも教えんなよ?」
学者「兄貴ぃ!!焼きレーションなんかどうっすか?」
盗賊「レーションはそのまま食う物だろ…」
学者「少し香ばしくなって以外とイケるっす…」モグ
盗賊「なんだ静かだと思ったらランプの火で炙ってたんか…ヨコセ」
剣士「焼きどんぐりもあるよ…」カリ モグ
盗賊「とりあえずな?後2時間もすりゃ扉が開く…その前に一応作戦だ」ガブ モグモグ
剣士「うん…」
盗賊「リッカが先頭で盾構えろ…その後ろでミライが明かりを持て」
剣士「ふんふん…」
盗賊「メイン火力はゲスの榴弾だ…撃ち漏らして接近される様ならラスのデリンジャーで仕留めろ」
女ハンター「分かった…」
盗賊「撤退する時は通路に油撒いて火を点ける…キラーポッドは胴体が樹脂だから熱に弱い」
剣士「おっけー!!」
--------------
680 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/23(金) 21:45:18.84 ID:rO0UWc+40
『2時間後』
ガコン ギーーー
盗賊「お!?開いた様だ…俺は斥候してくるから作戦通りゆっくり進め」
女オーク「私が先頭?」
盗賊「そうだ…もっと先で俺が斥候してるから大丈夫だ」
女オーク「分かったわ…」ゴクリ
盗賊「じゃぁ行って来る…」スゥ…
女ハンター「又…光学迷彩でも無いのにどうして…」
学者「兄貴は秘密をしゃべってはくれやせんよ…行きやすぜ?」スタ
剣士「姉さん!僕は直ぐ後ろに居るから…」
女オーク「離れないで…進むわよ」スタ
--------------
『古代遺跡の奥』
タッタッタ…
学者「あらら?兄貴が走って…」
盗賊「おい!!こりゃ当たりだ!!遺物がごっそりあるぞ」タッタッタ
女ハンター「キラーポッドは?」
盗賊「居無ぇ…お宝ごっそり持って帰れる!!」
女ハンター「ふぅぅ…拍子抜けだ…」
剣士「ハハ…大きな宝箱かぁ…」
盗賊「古代人の化石がある…そいつが銃を持ってるぞ?」
学者「化石?」
盗賊「生きたまんま真空にされたんだろう…ミイラ通り越して化石になってんだ」
女ハンター「探索しても?」
盗賊「おう!!手分けして持って帰るぞ…そんなに広い空間じゃ無い」
学者「俺っちは銃を回収してきやすね?」ダダ
盗賊「色々落ちてるから全部拾ってけ!」
--------------
681 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:47:03.84 ID:rO0UWc+40
『30分後』
ゴソゴソ ガチャガチャ
盗賊「んん?何か探してんのか?」
女ハンター「ウラン結晶が残って居ないかと思ってね…」
盗賊「そんな所に入ってんのか?」
女ハンター「こういう場所から回収して居るのを見た事がある…」カチャ
盗賊「ほ〜ん…バラすとなると結構時間掛かりそうだ…」
学者「兄貴ぃ!!」タッタッタ
盗賊「どうだそっちは?銃を回収出来そうか?」
学者「ダメっすね…化石が抱えてる奴はビクとも動かんっす」
盗賊「マジか…床に転がってる奴だけか…」
学者「アレ…エネルギー無いと使えんっすよ?」
盗賊「なんだゴミだってか?」
学者「一応持って帰りやすが…多分使えんです」
盗賊「ぬぁぁぁ…まぁ売れば金になるだろ」
学者「兄貴は何か見つけやしたか?」
盗賊「謎の機械だな…持って帰ってから調べる」
学者「な〜んか…ガラクタばっかりに気がしやすねぇ…」
盗賊「一個だけ即使えそうな物見つけた…コレだ」ピカー
学者「おぉ!!」
盗賊「これ一杯有んのよ…一つやる」ポイ
女ハンター「それ私にも頂戴…暗くて分解しにくかった…」
盗賊「使え使え!!」ポイ
学者「これエネルギー何っすかね?」ピカー
盗賊「知るか!!持ち帰ってから調べろ」
剣士「アランさ〜ん!!」タッタッタ
盗賊「おう!!何か見つけたか?」
剣士「なんか引き出しっぽい場所に銃が入ってた…これデリンジャーじゃない?」スッ
学者「ちっと貸して下せぇ…」カチャ
剣士「どう?」
学者「おぉぉぉ…これ機動隊が使ってる実弾の銃っすね…こういうのが使えるっす」
剣士「まだ有るよ」
学者「何処っすか?」
剣士「こっち!!」シュタタ
盗賊「こりゃ大収穫だ…」
ブーン ピピ
盗賊「んん?何の音だ?」キョロ
682 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:47:36.54 ID:rO0UWc+40
女ハンター「もしかして復電しているかも知れない…」キョロ
盗賊「モタモタして居られないって事か?」
女ハンター「有った!!ウラン結晶残ってる!!」カチャ
ポトポトポト カシャカシャ
盗賊「!!?マズイ…キラーポッドが上から…」
女ハンター「もう少し待って…もう少しでウラン結晶外せる…エネルギー無いとキラーポッドは止まる筈」カチャカチャ
盗賊「リッカ!!ゲス!ミライ!!こっちに来い!!」
剣士「ええ!?」
女オーク「!!?」
盗賊「まだキラーポッドは俺らを敵と認知して居ない…集まれ!!」
ポトポトポト カシャカシャ
女オーク「こ…これって…」ドスドス
学者「兄貴…これヤバくないっすか?」ダダ
盗賊「いや…良く見ろ…まだ動き始めで混乱している様だ…リッカ!!盾を構えておけ…」タジ
キラーポッド「…」シャカシャカ
剣士「入り口が反対側だよ…動き出したら逃げ場が無い…」タジ
学者「マズイっすねぇ…どんどん上から落ちて来るじゃないっすか…」タジ
女ハンター「もう少し…もう少し…」カチャ
システム(リブート カンリョウ ツウシン セツゾク エラー メイン デンゲン モシツ ホジョ カイロ キドウ)
学者「ななな…なんか始まりやしたね…」ゴクリ
盗賊「おい!!早くウラン結晶ぶっこ抜け!」
女ハンター「やってる!!」カチャ
システム(ガード システム 80% ソンショウ セキガイ タンチ フクデン シンニュウシャ サクテキ ゲートナイ シンニュウシャ アリ システム ホゴ ユウセン)
キラーポッド「ピピ…」クルリ シャカシャカ
盗賊「くっそ動き出した!!」
女ハンター「10秒耐えてぇぇぇ!!」カチャカチャ
タタタタタタタターン!! カカーン カカカカーン!!
女オーク「私の陰に隠れて…」ガシ
683 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:48:08.20 ID:rO0UWc+40
キラーポッド「ピピ…」シャカシャカ
盗賊「散開して居やがる…伏せろ!!」
学者「うわわわわ…」ガバ
タタタタタタタターン!! カカカーン! ドーン!!
女オーク「くぅぅ…盾で防ぎ切れない…」
女ハンター「抜けたぁぁぁ!!」ゴトン
ブーン プチ…
キラーポッド「ピ…」ピタ ガシャガシャ
盗賊「と…止まった…」アゼン
学者「危機一髪…」ヘナヘナ
剣士「姉さん!!怪我は!?」ダダ
女オーク「大丈夫…かすり傷よ…」タラリ
盗賊「ラス!グッジョブだ」
女ハンター「フフ…これは特別危険手当貰わないと釣り合わない…」
盗賊「ここに有る物全部俺らの物だ…均等割りしてやる…持って帰るぞ」
学者「兄貴ぃ!!俺っち無傷のキラーポッド欲しいっす」
盗賊「ダッシュで荷車取って来る…明け方まで運べる物全部運ぶぞ」
--------------
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:48:45.82 ID:rO0UWc+40
『林道』
サワサワ
少女「母…良いのか?やらせておいて…」
中年の女「良いのよ…あれが神の手を持つ男の力…あなたも良く見て置きなさい」
少女「神の手…」
中年の女「…」---扉を開けて次に進める力---
中年の女「…」---心の扉まで開けてしまう---
中年の女「…」---だから彼の周りに人が集まる---
中年の女「…」---世界の扉をどうか開けて欲しい---
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685 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:49:59.61 ID:rO0UWc+40
『翌日_キャラック船』
ザブン ギシギシ
盗賊「さぁロボ!!お前にプレゼントだ」
ロボ「ピポポ…」ハテ?
学者「それ一番高価な奴じゃ無いっすか…」
盗賊「こんなん処分出来んだろ…ロボの腹の中に入れておくのが一番なんだよ」パカ ゴトリ
学者「どっかでウラン結晶から魔石にエネルギー転換する装置を手に入れんとですねぇ…」
盗賊「この島に売って無いか?」
学者「そんなん普通に売ってる訳無いじゃ無いっすか…」
女ハンター「もしかしたらキ・カイに残って居るかも…」
盗賊「今更戻る気無ぇな…」
学者「お金に換えて魔石買った方がよっぽど利用価値有るんすがねぇ…」
盗賊「宛てはある!!」
学者「おお!?マジっすか…」
盗賊「俺の古い知り合いに闇商人が居ると言っただろう?」
学者「おおおおおお!!闇で売るんすね…熱い!!」
盗賊「まぁ今すぐに換金はダメだ…てかお前は十分色々手に入れただろ」
学者「キラーポッド4台だけっすよ…」
盗賊「十分すぎる!!そんだけで弾丸2000発は入ってるだろ?」
学者「まぁそうなんすが…」
盗賊「まぁ心配すんな…ちゃんと元通り鍵掛けてるから弾が無くなったら又取りに戻りゃ良い」
学者「魔石が無いんすよねぇ…」
686 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:50:27.27 ID:rO0UWc+40
女ハンター「あんたも火薬使う銃に変えたら?」チャキリ
学者「連射効かんもんで制圧力がっすね…」
盗賊「ラス!どうよその銃は?」
女ハンター「25口径ベレッタ…機動隊が護身用で持ってるのと同じ」
盗賊「2連のデリンジャーよりは良さそうだな?」
女ハンター「そうね…私はコレ2つ頂く」チャキリ
盗賊「弾倉も沢山あったな?」
女ハンター「20個くらいかな?…予備の弾丸は400くらい?」
盗賊「護身用か…俺は2連のデリンジャーで良いか…」
女ハンター「それは大口径だから威力はピカイチ…でも反動が大きい…私じゃ怪我するかも」
盗賊「結局使える銃は2つだけか?」
学者「他の銃はエネルギー銃なんで使えんっすよ…売るならそれが良いっすね」
盗賊「さっさと売って金にするかぁ…」
学者「俺っちが捌いて来やしょうか?」
盗賊「お前はピンハネするからな…」ギロリ
学者「あらら…バレバレっすね」
女ハンター「じゃぁ私が売って来る?」
盗賊「その方が良い…ラシャニクアが売ってるとなりゃ分かる奴は買うだろ」
女ハンター「この島にどれだけ私を知って居る人が居るんだか…」
盗賊「そいつを捌くのはお前に任せる…ほんでゲス!!キラーポッドはあのままじゃマズイ…早くバラせ」
学者「へいへい…ミライ君も中身見たそうだったんで手伝って貰いやす」
盗賊「おーし!!ほんじゃ俺は謎の機械を色々試してみる」
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687 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:51:31.80 ID:rO0UWc+40
『昼頃_甲板』
ドヤドヤ
一つづつ丁寧に運べぇ…全部船底だ!!
エッホ エッホ!!
学者「兄貴!兄貴!!積み荷は金塊っすよ…」
盗賊「なぬ!!?」ガタリ ドタドタ
学者「この島に重装射撃砲運んで金塊に変えたんすね…」
盗賊「おいおい!!今なんてった?」
学者「兄貴は積荷知らんかったんすね…重装射撃砲の部品と大量の砲弾運んでたんすよ」
盗賊「マジか!!なるほど…それで船団組んで移動してた訳か…」
学者「気付くの遅いっすね…積み荷の横で寝てたじゃ無いっすか…」
盗賊「この島で重装射撃砲が必要な状況ってどんなよ?」
学者「どっか他の島で古代遺跡見つけたとかじゃ無いっすかね?」
盗賊「あのリカオンて女とんでも無ぇな…軍と繋がって無きゃ絶対手に入らん」
学者「そーっすね…ガチ幹部っすよ」
盗賊「物量的にどんだけ組み立てられそうだ?」
学者「んんん…この船に乗ってた分だけで10台くらいっすか…他の船も乗せてたとすると…」
盗賊「海上で重装射撃砲…やっぱどっか攻略しようとしてる」
学者「兄貴そう言うのに首突っ込まないんじゃ無かったでしたっけ?」
盗賊「まぁ気になるだけよ…電脳化した連中がどの程度暗躍してるかもな…」
学者「でもあんなごっつい金塊見た事無いっすね…」
盗賊「まさか俺の船に金塊が乗るとは…」アゼン
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688 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:52:09.39 ID:rO0UWc+40
『船首楼_作業場』
カチャカチャ ビヨヨーン
剣士「よし!これで最後だ…」
学者「ミライ君どうっすか?部品取り出来やしたかね?」
剣士「うん…言われた通り全部外しておいた…ええと弾丸発射する部分が8個…通信する機械?これが4個」
学者「それは俺っちが分解するんで頂きやす…」カチャ
剣士「中に入ってた弾丸は邪魔だから持って行って欲しいなぁ」
学者「へいへい…木箱持ってくるんで待ってて下せぇ」
剣士「残りは全部貰って良いよね?」
学者「自由に使って良いっすよ…胴体の樹脂はかなり使えると思いやす」
剣士「バネ類も一杯あって嬉しいよ…こんなの中々作れないから」ボヨヨーン
学者「弾丸片づけたら食事しに宿屋へ戻りやしょう」
剣士「そうだね…昨夜も寝て無いからちょっと休みたいね」
--------------
689 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:52:51.16 ID:rO0UWc+40
『船尾楼』
ガチャリ バタン
盗賊「お!!?売れたか?」
女ハンター「全部売って金貨300枚…」
盗賊「おぉ!!やったな!?」
女ハンター「金塊をサルベージしてるだけ有って払いは良かった」
盗賊「誰が買ったんだ?」
女ハンター「さぁ?どうせバン・クーバで転売するに決まってる」
盗賊「5人で分けて一人60枚か…働きぶりを考えるとそうだな…お前100枚持って行け…俺らは50枚づつ分ける」
女ハンター「良いのかい?」
盗賊「どうせアブク銭だから文句無ぇよ!!皆に分けて来てくれ」
女ハンター「フフ…じゃぁ…10…20…30…40…50!」ジャラリ
盗賊「うほーーー!!よっしロボ!!エリクサー買いに行くぞ」
ロボ「ピポポ…」クルリン
盗賊「お前等先に帰っててくれ…俺とロボは後で宿屋に戻る」
女ハンター「分かった…」
盗賊「ロボ!!行くぞ!来い」ダダ
ロボ「ピピ…」ウィーン
女ハンター「…」---エリクサー?---
---何でエリクサーなんか---
---------------
---------------
---------------
690 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:53:37.56 ID:rO0UWc+40
『宿屋_大部屋』
ガチャリ バタン
盗賊「よう!戻ったぜ?」
学者「兄貴ぃ!!エリクサー買いに行ってたんすか?」
盗賊「おう…やっぱ高けぇな?エリクサー」
学者「いくらしやした?」
盗賊「一瓶金貨15枚だ…3つしか買えんかった」
学者「まぁ相場っすね…もう使ったんすか?」
盗賊「おう…これでしばらく大丈夫だ」
学者「俺っちも少し出しやすか?」
盗賊「良いんだ!これは俺の問題だから…まぁ直ぐに又稼げる」
女ハンター「なんだ?持病でもあるのか?」
盗賊「何でも無ぇ…ロボ!!来い!!ちっと寝るぞ」
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「悪いがちっと横になるな?夜になったら飯食いに行こう」
学者「俺っちもちっと寝やす…」
女ハンター「…」---エリクサーの使い道---
---ロボ以外に考えにくい---
---エリクサーで命を繋いでる?---
---多分そうだ---
---生きている部分を生かすのに---
---エリクサーで繋いで居るんだ---
691 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:54:18.40 ID:rO0UWc+40
『夜_窓際』
グゥ スピー
盗賊「んががが…ぐぅ」zzz
学者「むにゃ…すぅ」zzz
ロボ「…」zzz
女ハンター「…」---食事には有り着けそうに無いか---
女ハンター「…」カリ モグ
ヒラヒラ…
女ハンター「ぁ…」---妖精の光---
女ハンター「そうか…月の光が弱いから…」
女ハンター「昔みたいに話しかけてよ…」
ヒラヒラ…
女ハンター「ごめんよ…大人になって声が聞こえなくなったんだ」
女ハンター「でもそこに居るのは分かる…遊びに来たんでしょう?」
クルクル…
--------------
--------------
--------------
692 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:55:06.82 ID:rO0UWc+40
『翌日_街道』
ドタドタ バタバタ
盗賊「やべぇ!!盛大に寝過ごした…何で起こさ無ぇのよ!!」ドタドタ
学者「何回も起こしやしたよ…2度寝したのは兄貴の方っす」バタバタ
盗賊「ロボは何処行った?」キョロ
学者「ラスさんと一緒に先に露店の方行ってやす…リッカさんとミライ君も一緒っすね」
盗賊「ちぃぃリカオンより先に船乗って無ぇと何言われるか分かんねぇ…」ダダ
学者「だから何回も言ったじゃ無いっすか…それより何すか…寝言で妖精妖精言ってたんすが?」ダダダ
盗賊「知るか!!夢でも見てたんだろう」
シュタタ ピョン クルクル ドン!!
盗賊「だぁぁぁぁ!!」ゴロゴロ ズザザー
少女「お前ーーー!!」シュタ
盗賊「こんクソがきゃぁぁ!!」ムクリ
学者「あ…兄貴…大丈夫っすか…」タジ
少女「母揉め事…お前急げ…」
盗賊「ぬぁぁぁクソ…腹の傷が痛てぇ…」スリスリ
少女「おい聞いて居るか!!」
盗賊「なんだ…何処で揉め事だってんだよ!!あいつならなんとかするだろうが!痛てぇなクソがぁ…」
少女「威厳の問題だ…早く行け!!露店の方だ」
盗賊「はぁ?威厳?」
少女「そうだ!!母の威厳だ…お前も威厳に加われ」
盗賊「何意味の分かん無ぇ事を…」
学者「兄貴!!いやしたぜ?あそこ見て下せぇ…」ユビサシ
盗賊「んん?アレか…リカオンと…なんだあのど派手な女は?」
学者「行って見やしょうか…」
少女「威厳だと言っただろう…ヘボい恰好で行くな」
盗賊「おいゲス!!フード深く被れ…いつもの体で行くぞ」ファサ
学者「分かりやした…アレっすね?なんか絡まれてる系の奴っすね?」ファサ
盗賊「おら行くぞ!!」ダダ
---------------
693 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:55:38.92 ID:rO0UWc+40
『少し前_露店』
ザワザワ ヒソヒソ
おい!あのど派手な女…なんか絡んでるぞ?
取り巻きが武器に手を掛けてる…ヤバいなコレ
中年の女「オギン…どうしてあなたが此処に居るのよ…話が違うじゃない」
派手な女「予定が変わったの…例の物は私が引き取りに来た…これで理解した?」フフン
中年の女「それに何よその格好…あなた立場分かってるの?」
派手な女「見てわかるでしょう?アイリーンを演じてるの…海賊王の娘アイリーンをね?」フリフリ
中年の女「ちょっと!!目立ち過ぎよ!!あなた何してるか分かってるの!?」グイ
カチャ カチャ カチャ カチャ
手下共「あねさん!!」スチャ
中年の女「ちょっと何の真似?」タジ
派手な女「手を放して…じゃ無いと撃たれるわよ?」フフン
中年の女「勝手にこんな事して許されると思って居るの?」タジ
派手な女「勝手じゃ無いわ?マスターに確認してごらんなさいよ」
中年の女「父が…そんな…」アゼン
派手な女「それにしてもあなた…しばらく見ない内に随分老けたわね?もう引退したら?」
中年の女「何よあなたの方こそそのブヨブヨな体を曝け出して恥ずかしく無いの!?」
派手な女「あらあら?私はまだ現役よ?」フリフリ
中年の女「匂いで直ぐに分かるわ…このアバズレ!!」
派手な女「ウフフフ嫉妬ね?嫉妬…良い男なんか沢山居るの…あなたには田舎男がお似合いウフフフ」ニヤ
中年の女「くぅぅぅ…言わせておけば…」ギリリ
シュタタ シュタタ
少女「母ぁぁ!!」シュタ
中年の女「ミルク…出て来ないでって言ったでしょう」
派手な女「あら?小さな子供まで…心配しなくて良いのよ?私達はお友達だから…」フフン
盗賊「おい!!何事だこりゃ…」ズダダ
学者「ちょちょちょ…銃を持っとるじゃ無いっすか…」チャキリ
中年の女「ダメよ…それを見せないで」グイ
派手な女「お仲間も居た様ね?」フフン
中年の女「騒ぎになってしまうからここは私の方が引くわ…覚えてらっしゃい」ギロ
盗賊「おい誰だコイツ」ヒソ
中年の女「もう良いの…行くわよ…早く船に乗りなさい」グイ
少女「母ぁ…良いのか?…母の威厳が…」
中年の女「良いの…大人しくして」スタ
派手な女「ほら見た?負け犬が去っていくわ?あら失礼…負けウルフだったかしら?ウフフフ…」
手下共「あねさんに習え!!」ビシ
--------------
694 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:56:20.33 ID:rO0UWc+40
『露店』
ワイワイ ガヤガヤ
さっきの騒ぎは何だったんだ?
おい!!もしかしてアレが海賊王の娘かもしれんぞ?
どうせ又偽物だろう!!本物なら姉妹2人居るらしいぞ?
盗賊「いよーう!!ここに居たかぁ…探したぜ?」
剣士「アランさん!!見て見て!!ミスリルの剣買ったんだよぉ」スラーン
盗賊「おぉぉぉいくらしたのよ?」
剣士「値切って金貨10枚さ…姉さんにおねだりして買ってもらったんだ」
盗賊「良い買い物したなぁ…あぁぁクソ!!俺も欲しかったなぁ」
ロボ「ピポポ…」ウィーン クルクル
盗賊「おぉロボ!!機嫌良さそうだ」ナデナデ
女ハンター「アラン…さっきの騒ぎ…」
盗賊「あぁぁ見てたぞ?海賊王の娘じゃ無いかとか言われてるが…」
女ハンター「違う…あんな人見た事無い」
盗賊「やっぱりか…どうも偽物も多いらしいな?」
女オーク「…」チラリ
盗賊「んあ?リッカ!心配すんな…俺の知り合いは偽物掴まされるヘボじゃ無ぇ」
女オーク「それを聞いて安心したわ…」
盗賊「お前本物に会った事あんだろ?直ぐに見分け付くよな?」
女ハンター「ええ!?どういう事?」
盗賊「まぁ人にはそれぞれ事情がある…そういうのはゆっくり時間掛けて知り合え」
女ハンター「ふーん…」チラリ
女オーク「…」チラ
学者「兄貴ぃ!!早く船に戻らんと怒られやすぜ?」
盗賊「おぉそうだ!!急いで船に乗れ!!俺らが先に船乗って無いと何言われるか分かん無ぇ!」
剣士「そうだね?行こうか!!」グイ
女オーク「ミライ…手は繋がなくて良いから…」スタ
--------------
695 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:57:13.35 ID:rO0UWc+40
『キャラック船』
ザブン ギシギシ
盗賊「よっし!!まだアイツ来て無ぇ!!船出す準備するぞ!!」ダダ
学者「兄貴ぃ!!ちっと向こうの船見て下せぇ…ガレオン船っす」
盗賊「んん?」ダダ
学者「さっきのド派手な叔母ちゃんの船じゃ無いっすか?」
盗賊「うはぁぁ…船まで雰囲気合わせてんのか…本格的な偽物だな」
女ハンター「4本マストの二層甲板…大きさは幽霊船とほぼ同じ…でも違う…アレじゃない」
盗賊「ヌハハ分かるか?」
女ハンター「あんなに豪華じゃ無くて…もっとボロい…丁度この船みたいな継ぎはぎだらけの船」
盗賊「おい俺の船をバカにすんな…もうちっと金が入ったらしっかり修理する!」
スタスタ
戦士「やぁ諸君!!ゴールドラッシュ島は楽しんだかい?」スタ
盗賊「おぉリコル!!全然合わなかったな?何処行ってたのよ?」
戦士「ハハ妻に引きずりまわされてねぇ…やっと船で落ち着けると思ってホッとしている所だ」
盗賊「ヌハハそうかい…夫婦の営みは楽しんだか?」ヌコヌコ
戦士「聞くな…それより妻と娘を見なかったか?」
盗賊「さっきまで露店の方に居たんだが見失った…まぁ待ってりゃその内来るだろう」
戦士「そうか…妻が居ない内に話して置くが…」
盗賊「んん?何よ?」
戦士「随分気に入られた様だぞ?」
盗賊「俺か?」
戦士「全員だ…稀に見る逸材が揃って居るとな?」
盗賊「おい聞いたか!?こりゃ何か報酬出るかも知れんぞ?」
学者「おぉマジっすか…俺っち金塊が良いっすね」
戦士「おいおいあまり期待するな…船に積んで居る物も恐らく仕事上の物だ」
学者「ハハそらそうっすよね…」チッ
戦士「何か困りごとが有ったら相談して見ると良い…きっと助けになってくれるだろう」
盗賊「ほーう…そら心強い」
戦士「応援しているぞ?」バシン
盗賊「おわっととと…」ヨロ
---------------
696 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:57:54.00 ID:rO0UWc+40
『甲板』
ツカツカツカ…
中年の女「…」ギロ
盗賊「おう…待ってたぜ?」タジ
中年の女「コレ…」パサ
盗賊「んん?海図か?」
中年の女「予定変更よ…単独航海で行き先はフィン・イッシュ…最速で」
盗賊「なぬ!?」
中年の女「何度も言わせないで…サッサと出て」
盗賊「おいおいマジか…エライ物積んでんだが…」
中年の女「早く出せって言ってるの!!!!怒らせないで!!」ツカツカ
少女「母…粗ぶってる…言う事聞け」シュタタ
盗賊「お…おう…ミライ!!リッカ!!帆を開け!!碇上げるぞぉぉぉ!!」ガラガラ
学者「俺っちは舵っすか?」
盗賊「海図持って行ってロボと進路決めてくれ!!落ち着いたら俺も後で行く!!」
学者「分かりやした!!」ダダ
-------------
キィィィィィ何あのアバズレ!!
おいおいどうした?
何であの女がアイリーンの真似事なんかしてるのよ!! ビリビリビリ
落ち着け!!また洋服が台無しになる…
しかも私が調達した資金を勝手に使って!!どれだけ苦労したか分かって無い!! ビリビリビリビリ
だから洋服を破くのは止めろ…何が有った?落ち着いて話してみろ…
男にまたがるしか脳の無い女のクセにどうして!!キィィィィィ!! ビリビリビリ
分かった分かった…撫でてやるから…落ち着け…な?
フゥ…フゥ…
-------------
盗賊「…」ポカーン
学者「あは…」ポカーン
盗賊「…」チラ
女ハンター「…」フリフリ
盗賊「お…おら!!ちゃんと舵回せぇ…桟橋に激突すんぞ!!」
学者「へ…へい…」ガラガラ
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697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:58:32.67 ID:rO0UWc+40
『亀島』
ザブ〜ン ユラ〜
盗賊「左手に見えてるもっこりした島が亀島って言うらしい」
学者「亀の甲羅に似てるからっすかね?」
盗賊「さぁな?…ほんで正面に見えてるのが黄金郷をサルベージしてるって言うくそデカイ筏だ」
学者「まだ遠くて良く見えやせん…」
剣士「大きな船が一杯有るよ…上にも何か飛んでる」キョロ
学者「気球使ってるんすか…いやぁ魔石が勿体無い…」
盗賊「魔石使っても金塊サルベージすりゃ儲け出るんだろう」
学者「もっと近くまで行って良いっすかね?どうやってサルベージしてるか見て見たいっす…」
盗賊「これ以上はダメだ…色々沈んでて危ない様だ…ここで進路変更!」
学者「あぁぁ望遠鏡買ってくりゃ良かったっすよ…」グイ ガラガラ
女ハンター「おぉ!!何か魔法を使ってる…」ジーー
学者「ちっと俺っちにも望遠鏡覗かせて下せぇよ」
盗賊「又今度来りゃ良いだろ!今は進路安定させるのが先だ」
剣士「帆の角度変えるよぉぉぉ!!」グイグイ
盗賊「リッカもメインの帆角変えてくれぇ!!俺は後ろ行く!!」ダダ
女ハンター「スゴイ!!凍らせて浮かせるのか…」ジーー
学者「あぁぁ気になりやす…俺っちも見たいっす」ソワソワ
盗賊「ハハーン…氷に乗った金塊をデカい船を何隻も使って引っ張ってんだな?」グイグイ
剣士「なんかスケールが大きいね…船何隻あるんだろう…」
盗賊「パッと見20隻って所か?又いろんな形の船が有るもんだ…」
女ハンター「波!!大きい波来るよぉ!!」
ユラ〜 グググググ ギシ
盗賊「うほーーー!!デカい氷がプカプカしてりゃ波も出来るか…」
女オーク「帆角3番で速度乗るみたいよ?」グイグイ ギュゥ
盗賊「だそうだ!!ミライ3番だ!!」グイグイ ギュゥ
剣士「おっけー!!」グイグイ ギュゥ
盗賊「ようし!!これで安定させるぞ!!」
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698 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:59:15.09 ID:rO0UWc+40
『単独航海』
ユラ〜リ グググググ
盗賊「リコル!先っちょの長い棒の名前は何て言うんだ?」
戦士「バウスプリット…あの三角帆はジブセイルと言ったか…」
盗賊「ちっとメモる…」カキカキ
戦士「ふむ…さすがにジブセイルまで張ると速度に乗るな?」
盗賊「だな?…だが前方が見えなくなるのがちょっとな…」
戦士「様にはなって居るぞ?ハハハ…」
戦士「しかしこの船は大きさの割に少人数で動かせるのが良いな」
盗賊「おう!最悪俺一人で何とか出来る…ただ海賊に出会ったらちっとマズい訳よ」
戦士「狙撃手が居るから問題無いだろう…ピンポイントで火薬狙ってドーン!!ってな?」
盗賊「そう上手く行くんかね…」
戦士「まぁその為に狙撃手を雇ている…私の妻は人を見る目は確かだぞ?」
盗賊「そうか…ところで機嫌直したか?」
戦士「不貞寝した…これで落ち着けば良いが…」
盗賊「かなりブチ切れてた様だな?…あのど派手な婆ぁと因縁でもあんだろうなぁ…」
戦士「あまり聞かされて居ないんだが…ええと名を何と言ったか…シルヴァ・ギンジャールだったか」
盗賊「知らんな…ギンジャール…ギンジャール…んん?有名な貴族じゃ無いのか?」
戦士「私はその辺詳しくない」
盗賊「キ・カイの王家に嫁いだ貴族の名が確かギンジャール家…多分その関係だ」
戦士「ほう?田舎で育ったから疎くてすまん」
盗賊「今ミネア・ポリスで王権掲げてんのもその派閥だった筈…王権つっても批判回避の道具になっちまってんだが」
戦士「まぁ…妻をあまり刺激しないでやってくれ…そのとばっちりは大体私に降りかかる」
盗賊「ウハハハそら大事じゃ無ぇか…とりあえず食い物で機嫌良くさせるだ」
戦士「名案だ…荷室にナッツとオリーブが有ったな?」
盗賊「いっぱい買って有るから好きに使え」
戦士「言葉に甘える…」スタ
盗賊「恐妻を持つと中々大変そうだ…」ニヤ
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699 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 21:59:51.65 ID:rO0UWc+40
『荷室』
ゴソゴソ ガサガサ
学者「兄貴ぃ!ラスさん連れて来やしたぜ?」
女ハンター「何の用だ?私は見張りの仕事で忙しいんだ」
盗賊「遺跡で見つけた物の中にこんな物が有ったんだ…」コトン
女ハンター「んん?レンズ…」
盗賊「覗いてみろ」
女ハンター「まさかスコープか?」カチャ
盗賊「俺には倍率が高すぎてブレブレでよう…お前の使ってる望遠鏡と交換したいと思ってな」
女ハンター「どうやって使う?」カチャ
盗賊「使い方なんぞ自分で研究しろ…なんか色々付いてるだろ」
女ハンター「これは!!光学照準…スゴイ!ポインタまで付いてる」カチャ
盗賊「ヌハハやっぱりお前にピッタリの様だ…どうだ?お前の望遠鏡と交換しないか?」
女ハンター「ちょっと待って…一回使ってから考える…今の望遠鏡を無くすと精密射撃が出来ない」
盗賊「まぁ焦っては居ない…じっくり吟味しろ…それからゲス!お前にはコレだ」ポイ
学者「俺っちにも良い物があるんすね?…なんすかこの数字は?」カチャカチャ
盗賊「どうやら数字を計算する物の様だ…使って見ろ」
学者「おぉ!!これ四則演算出来るじゃ無いっすか…え?え?桁が…合ってるかどうか確認する方が大変に…」
盗賊「まだ有るぞ?暗視用のゴーグルに…多分これは口にくわえて使うガスマスクみたいな物だ…水中で呼吸が出来る」
学者「兄貴スゴイっす!!これ全部機動隊の兵装じゃ無いっすか?」
盗賊「多分な?奴らはこういうのを駆使して戦ってんだ…」
学者「貰って良いんすね?」ガサリ
盗賊「おう!!数が有るからラスも一つ持って行け!!」
学者「他の謎の機械は?」
盗賊「んんん…他の奴はどうやらエネルギーが無いと動かん様だ…イランな」
学者「分解して何か回収出来ないか見ても良いすかね?」
盗賊「おう好きにしろ!」
女ハンター「売った方が良いのでは?」
盗賊「売りたきゃ売って構わん…俺はめんどくせぇ」
女ハンター「フフ…あんた自分の取り分は?」
盗賊「俺が今欲しいのは望遠鏡だ!さっさとそのスコープってのを試して俺に望遠鏡よこしやがれ」
学者「ラスさん!!兄貴にあんまり損得勘定言っても意味無いっす…有り金全部使うタイプなんで無い方が良いんすよ」
盗賊「お前が金持ってりゃ俺の物と同じなのよ…俺の財布だ」
学者「ハハハじゃぁ兄貴!全部持って行きやすぜ?」
盗賊「もうそんなガラクタ見たく無ぇ!!さっさと片づけろ」
学者「へいへい…」ガチャガチャ
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700 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:00:52.27 ID:rO0UWc+40
『船尾楼』
グビグビ プハァ…
中年の女「フゥ…少し落ち着いたわ…」ヒック
盗賊「ヌハハ中々良い飲みっぷりな様で?」
中年の女「あなた…ちょっと事情が変わったわ…今日から正式にあなた達を登用する」
盗賊「なぬ!?俺は何にも縛られんと言ったはずだが?」
中年の女「あなた達は海賊王の娘を探して居るのでしょう?ホムンクルスの事も…」
盗賊「ヌハハお見通しってか…さすが地獄耳だ」
中年の女「だったら私に従いなさい…私達も海賊王の娘を探して居るの」
盗賊「なんだ…条件は同じじゃ無ぇか」
中年の女「ホムンクルスの完全体…ホムコの居場所は分かるかもしれない」
盗賊「何ぃ!?」
中年の女「それが条件よ」
盗賊「かも知れないってどういう事よ?」
中年の女「ホムコが生きて居るのは情報筋から確認済み」
盗賊「俺はそのホムコって奴に会うのが目的じゃ無ぇ…ホムンクルスの体をロボに与えたい」
中年の女「それはホムコに聞けば済む事」
盗賊「…なるほど?それで俺達に何させる気よ?」
中年の女「私の手足になってくれれば良いの…ギルドからの支援は約束するわ」
学者「兄貴ぃ…これ悪い条件じゃ無さそうっすよ?」
盗賊「手足って何だよ!」
中年の女「…」パサ
盗賊「んん?そりゃニーナが盗んだ謎の書簡だな?それがどうした?」
中年の女「私はコレの解読が出来る人物に会う必要がある…つまり忙しいの」
盗賊「ほう?」
中年の女「その間あのアバズレ女を放置するのは看過できない」
盗賊「なんだ俺らにあの婆ぁをヤレってか?」
中年の女「ウフフフそうよ婆ぁよ!!もっと言って!!婆ぁって!!」
盗賊「ヌハハあんたも相当イカれてるな…」
中年の女「でもギルドのルールで殺すのはご法度…どうするかはこれから決める…あなた達は私に従えば良いの」
盗賊「まぁ…どうするかまだ決まって無いって事か」
中年の女「あの婆ぁが何を目的にアイリーンを演じてるのか調べるのも一つ…」
盗賊「なるほど?でもな?俺にもあんま時間が無い訳よ…さっさとそのホムコっていう奴に会いに行きてぇ」
中年の女「情報が必要でしょう?あなたの邪魔をする気は無いわ…ただ少し私の手足になって貰うだけ」
盗賊「情報が揃い次第俺は旅に出る…それで構わないなら協力しない事も無い」
中年の女「フフ成立ね…ミライとリッカという子にもちゃんと伝えて置くのよ?」
盗賊「あいつ等は目的が少し違う…探してるのは海賊王の娘だ」
中年の女「私達が探してるのも海賊王の娘よ?目的が一致してる」
盗賊「分かった…言っておく」
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701 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:01:24.98 ID:rO0UWc+40
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リコル!!こっちへ来なさい!!
なんだ又感情的になって居るのか?
あのアバズレはあなたの事を田舎男と言ったのよ!!
そんな事気にしなくても良い
悔しくて眠れないわ!!あなたはこれからもっと表に出て!!
今のままで良いじゃ無いか…ほら… ナデナデ
キィィィィィ ビリビリビリ
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盗賊「…」ポカーン
学者「あは…」ポカーン
盗賊「やっぱイカれてんな…」アゼン
学者「ダメっす聞こえやす」ヒソ
ユラ〜リ グググググ…
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702 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:02:24.78 ID:rO0UWc+40
『夜_デッキ』
ザブ〜ン ユラ〜リ
学者「おぉぉぉ!!この暗視用ゴーグルメッチャ見えるじゃないっすか…」
盗賊「昼間は装着すんなよ?」
女ハンター「アラン!!これを使って見て…」ポイ
盗賊「おわっと…お前海に落としちまうだろうが」パス
女ハンター「要らなくなった…使って良いよ」
盗賊「おっしゃ!!望遠鏡ゲットだ」
女ハンター「暗視用ゴーグルと相性が良い…覗いてみて」
盗賊「どれどれ…」ジーー
盗賊「ほーーーう!!こりゃ良く見える!!」
学者「兄貴!!俺っちにも見せて下せぇ」
盗賊「おう!!落とすなよ?」パス
学者「こりゃ夜の見張りに便利っすねぇ…」ジーーー
盗賊「ラス!そっちのスコープって奴はどうだ?」
女ハンター「最高!!くっきり見える…照準合ってるか試したいよ」
盗賊「何メートル先狙えるんだ?」
女ハンター「ライフルの精度は変わらないから…船の上だと600メートルって所…地上だと1キロ行かないくらい」
盗賊「大砲の射程圏外で撃てるのはデカイな」
女ハンター「このスコープ…倍率変えられるの知ってた?」
盗賊「いんや…」
女ハンター「倍率変えても明るさ変わらないし歪まない…良く見える」
盗賊「ヌハハそら結構なこった…俺はこの望遠鏡で満足よ」
スゥゥゥ…
学者「兄貴…今船の下を何か横切りやした…」タジ
女ハンター「え!!?」チャキ
盗賊「おいおいおい…まさかクラーケンじゃ無いだろうな?」
703 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:03:15.83 ID:rO0UWc+40
女ハンター「本当だ!!何か居る…早い!!」ドタドタ
ザバァァァァ ドップーーーン
女ハンター「うわっ!!」ヨロ ガシ
学者「あらららら…」ゴロゴロ ドガ
盗賊「な…何だ今の…」タジ
ガチャリ ドタドタ
戦士「こ…この揺れは何だ!?何が起きた!!?」
盗賊「海から何か長い物が跳ねた…」
中年の女「何事!!」シュタタ
女ハンター「又来る…」チャキリ
中年の女「慌てないで…今はシーサーペントが居る海域…この船なら上がって来れないわ」
盗賊「今跳ねたぞ!?」
ザバァァァァ ドップーーーン
女ハンター「くぅぅ早くて狙えない…」ガシ
中年の女「大きい…」タジ
盗賊「何で船に当たらないで跳ねてんのよ!?」
中年の女「狙いは肉!!船じゃない!!こちらを確認したの!!」シュタタ
ダダダ シュタ!!
剣士「姉さんこの感じ…ヘビだ」キョロ
女オーク「シーサーペントよ…」ドスドス
盗賊「おいお前等!!出て来るな!!近接じゃ何も出来ん!!」
女ハンター「又来る!!」チャキリ スチャ
剣士「よーーし!!シーサーペントは音に弱い!!」ポイ ポチャ
盗賊「何する気よ!!?爆弾?」
ドーン ブクブク
女ハンター「ええ!?水中で爆発?」
剣士「こっちを見失ってる!!浮き上がったら撃って!!」ポイ ポチャ
ドーン ブクブク プカーーー
剣士「今ぁぁ!!」
女ハンター「見えた…」カチ ダーン!!
704 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:04:10.79 ID:rO0UWc+40
女ハンター「当たった!!」
学者「血が見えるっす…」ダダダ チャキリ
剣士「ゲスさんの銃じゃ意味無い!!」
盗賊「このデリンジャーを使う時が来たか…」チャキリ
剣士「あいつ多分気絶してる…動き出す前に…」
盗賊「分かってらぁ…」ダーン! ダーン!
剣士「よし!!…」
ジャブジャブ バシャバシャ
女ハンター「他の奴が共食いを始めてる…」
剣士「ふぅぅ…これで大丈夫」
女オーク「ミライ…いつも通りね?」
盗賊「こりゃたまげた…シーサーペント相手は初めてじゃ無いってか?」
剣士「こんな大きいのは初めてだよ…小さいのは良く姉さんと狩りに行ったのさ…目が売れるからね」
学者「俺っち…なんか空気っすね…」
中年の女「フゥ…シーサーペントが居る海域はもう少し続くから警戒するのよ」
盗賊「へいへい…」スタ
学者「ミライ君!!今使った爆弾はどうしたんすか?なんで水ポチャで爆発するんすか?」ダダ
剣士「フフフフ秘密知りたい?これ雨の日用にと思って作っておいたのさ…導線が樹脂でコーティングされてるんだよ」
学者「へぇぇ?キラーポッドの樹脂っすね?」
剣士「そうそう!!スゴイ便利なんだあの樹脂…」
中年の女「…」---あの子やっぱり…---
中年の女「…」---アイリーンに行動が似てる---
中年の女「…」---でも年齢が合わない---
中年の女「…」---若すぎる---
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705 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:04:49.16 ID:rO0UWc+40
『翌日』
ザブ〜ン ユラ〜
剣士「アランさ〜ん!!」シュタタ
盗賊「んあ?なんだぁ?」ムクリ
剣士「昨夜使ったデリンジャーの弾…薬莢は残ってる?」
盗賊「おぉ…弾込め直すの忘れてたわ」カチャ ポトン
剣士「あーおけおけ!!それ持って行くね」
盗賊「何に使うのよ?」
剣士「薬莢に火薬詰めて再利用するのさ」
盗賊「弾はどうすんだ?」
剣士「ゲスさんが一杯鉛の弾持ってるじゃない…鉛の加工なんか簡単なんだよ」
盗賊「おぉ!!ほんじゃ撃ち放題だな」
剣士「無駄に撃つのは止めてよ…」
盗賊「弾丸作れるならラスの分も作ってやれ」
剣士「もう作った…なんか色々注文されてお金貰っちゃったさ」
盗賊「ウハハそりゃ良い商売になったな?」
剣士「ミスリルの剣の分稼がないとね」
盗賊「お前ん所は姉と合わせて金貨100枚以上有るだろう…ケチケチしないで使っちまえ!」
剣士「そうだね!!使い道考えなきゃ…じゃぁ!!薬莢持って行くね!!」シュタタ
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706 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:05:42.44 ID:rO0UWc+40
『デッキ』
ユラ〜〜〜 グググググ
戦士「癒されるな…船でのんびり風に当たるのは…」ナデナデ
中年の女「もっと右…」グター
少女「父!!私も撫でろ…」
戦士「順番だ…」
中年の女「ミルクは私が…」ナデナデ
ダーン!
戦士「んん?」キョロ
中年の女「狙撃は任せて置いて良いわ…リコル続けて」グター
戦士「こんなくつろいでいる姿見せびらかして良いのか?」ナデナデ
中年の女「何?恥ずかしいの?」
戦士「いやそういう訳では無いが…お前の威厳を心配している」
少女「母…威厳無い」
中年の女「身内に対してそんな事気にして居ないわ…」
戦士「身内か…」
中年の女「あのアバズレは別…」ギリリ
戦士「おいおい…もう考えるな」ナデナデ
ダーン! チュドーン!
戦士「お?火薬に当てたか…」
中年の女「この匂い…豪族崩れの者共ね…」クンクン
707 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:06:17.54 ID:rO0UWc+40
戦士「見もしないで分かるか…」
中年の女「懲りない連中…どうせスクーナーでしょう?」
戦士「いや…スループ船だな」キョロ
中年の女「え!!?スループ船に火薬!?」スック
戦士「どうした?」
中年の女「突撃するつもりで…他に旗船が何処かに居る筈…」キョロ
少女「母…雨来る」
中年の女「どうして撃沈を狙って居るの?只の海賊じゃないの?」
戦士「これはマズイ感じか?」キョロ
中年の女「…」---この船は囮…沈没させる予定だった---
中年の女「…」---その情報を知って居る者にとって---
中年の女「…」---作戦はまだ続いてる---
中年の女「…」---しまった!作戦の変更を伝えきれてない---
中年の女「…」---単独航海になった時を見て襲って来てる---
中年の女「しまった!!これは私のミス!!ロストノーズに要らない情報を流してしまった…」シュタ
戦士「何ぃ?」
中年の女「この船を沈める計画を流してしまったの…彼らが海にも影響力を持ってるのを知らなかった…」
戦士「ロストノーズはこの船を沈めても利が無いだろう?」
中年の女「いえ…機動隊に対して大義が有る…功績として評価される」
戦士「どうやら戦うしかない様だ…アランに伝えて来る」ダダ
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708 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:07:07.32 ID:rO0UWc+40
『甲板』
ポツポツ ポツ
盗賊「…道理でおかしいと思ったぜ…1枚帆のスループ船が樽だけ積んで来てるからな」ドタドタ
戦士「他にも居る筈だ…気を抜くな!」
盗賊「リコルとリカオンはクロスボウ持ってデッキで待機してくれ…火矢の準備も頼む」
戦士「分かった!!」ダダ
盗賊「ラス!!聞いたか!?どうやらお前の狙撃頼りになりそうだ!!」
ダーン!
女ハンター「一発じゃ仕留められないから弾丸足りなくなる!!ミライに作らせて!!」ガチャコン
盗賊「分かった!!ミライ!!薬莢回収して直ぐに作ってくれぇ!!」
剣士「わ…分かった…」シュタタ
女ハンター「ちぃぃ雨で視界が悪くなって来た…」ダーン! チュドーン!
学者「逆側にもスループ船見えるっす!!」
盗賊「ゲスはそのまま見張りのサポート続けろ!!」
学者「へーい!!」ダダ
女ハンター「あのスループ船だけは取りつかせてはいけない…」ダーン!
女ハンター「外した…クソ!」ガチャコン
盗賊「スループ船で突撃させるってどういう根性して居やがる…決死の覚悟無いと出来ん技だ」
学者「兄貴ぃ!!救助のスループ船も動いてるっぽいっす…後方でチョロチョロしていやす」
盗賊「そういう作戦か…」
ダーン!
女ハンター「又外した…思ったより早い…」ガチャコン
盗賊「距離保って旋回してんな?…一気に来るつもりだ」
709 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:07:48.92 ID:rO0UWc+40
女ハンター「分かってる!!船の揺れが無ければ…くぅぅ」ダーン!
学者「マズイっす!マズイっす!!正面からアレ…多分ガレオン船っす」
盗賊「くっそ!!交差で一気に大砲撃ってくんな…ロボ!!左に旋回!!リッカは帆角7番に変えろ!!」ダダ
女オーク「分かった!!」ダダダ
盗賊「リコル!!後ろの帆を7番に張り替えてくれぇ!!」グイグイ
戦士「こ…これは忙しい…」グイグイ
女ハンター「ハァハァ…樽付きスループ船2つとガレオン船…後は!?」ダーン!
女ハンター「又外した…」ガチャコン
盗賊「焦るな!!もっと寄せてからでも良い!!」グイグイ ギュゥ
ドーン! ドーン! ドーン! ドーン!
盗賊「うぉ!!大砲撃って来やがった…」タジ
学者「見えやした!!一層式のガレオン船で甲板に旧式の大砲が8門!!火薬が狙えやす!!」
女ハンター「狙いをガレオン船に変える!!スループ船は撃ちまくって何とかして!!」ダーン!
学者「俺っちが?」
女ハンター「あんたしか居ないでしょ!!」ガチャコン!
盗賊「大丈夫だ!船操作してる奴が落ちれば爆発しない…スループ船には1人しか乗って無ぇ」ダダ
女ハンター「よし!!ガレオン船は回頭遅れてる…今がチャンス!」ダーン!
女ハンター「当たった!!…でも爆発しない…くそう!!」ガチャコン
盗賊「まだチャンスある!!焦らないで良い!!」
学者「スループ船来やしたぜ?」タタタターン! タタタターン!
女オーク「行けぇ!!」ダダダ ポイポイ
ドン!ドーン!! ザバーーーー
学者「おおおお!!火薬が海水被って…」
710 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:08:25.93 ID:rO0UWc+40
盗賊「その手が有ったか…リッカ!!俺にもヨコセ!!」ダダ
戦士「左側からスクーナー!!あれはぶつける気だ!!」
盗賊「くっそまだ他の船が居るか…ロボ!右に旋回!!帆角3番に戻せぇ!!」ダダ
女ハンター「当たれぇぇぇ!!」ダーン! チュドーン
学者「おぉ!!ガレオン船が…」
女ハンター「次スクーナー!!」
戦士「おい!!スクーナー進路変えたぞ!!ガレオン船の救助に向かってる様だ…」
女ハンター「残念賞…戦場はそんなに甘く無い」ガチャコン
盗賊「おい待て!!撃つな!!もう追って来ん…」
女ハンター「くっ…」プルプル
盗賊「落ち着け…機械相手じゃない…あそこに命がある」
女ハンター「い…命…いつの間に私は命を奪う側に…震えが…」プルプル
盗賊「リコル!!後方の見張り頼む!!
戦士「おう!!」ダダ
盗賊「ゲス!!他に近付く船が居ないか良く見てろぉ!!」
学者「へ〜い!!」ダダ
盗賊「ようし…この感じでなんとか切り抜けられそうだ…」
女ハンター「…」ボーゼン プルプル
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711 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:09:24.90 ID:rO0UWc+40
『船尾楼』
ピチョン ポタ
学者「いやぁビショビショになりやしたねぇ…」
盗賊「船首の方で湯を沸かしてる…雨が降ると湯に浸かれる楽しみが有るのはなかなか良いな」
学者「リッカさんはもう浸かってるみたいっすね」
盗賊「次は誰だ?」チラリ
女ハンター「…」プルプル
盗賊「ラス!湯にでも浸かって落ち着いて来い」
女ハンター「何人…死んだ…のかな?」プルプル
盗賊「直撃した訳じゃ無いんだろ?なんとかなってる…気にすんな」
女ハンター「ガレオン船に…女の子が乗ってるのが見えた…見張り台に上がってた」プルプル
盗賊「ほーん…」
女ハンター「その…真下の樽を…撃ち抜いた」ガクガク
盗賊「まぁ…こう言っちゃなんだが…やらなきゃやられる…そういう世界なんだ」
女ハンター「分かってたさ…でも機械の様に動いてる自分に気付いた時…これじゃダメだって…ぅぅぅ」ポロポロ
盗賊「お前のお陰で俺らは助かった…そう自分を責めるな」
女ハンター「くぅぅ…湯に浸かって来る…」スック ポタポタ
盗賊「おう!!ゆっくり入って来い」
女ハンター「…」スック ガチャリ バタン
学者「なんか…大分堪えてるみたいっすね?」
盗賊「まぁ仕方無ぇわな?被害者ゼロって事は無いだろうからよ…中には善良な奴も居たかもしれん」
学者「やっぱり…人間同士戦う感じになって行っちまうんすね…」
盗賊「それが機械の狙いなんだろう…ここ数年見てりゃ明らかだ」
ツカツカツカ…
中年の女「話に割り込むわ…それを阻止するのが…コレよ」パサ
712 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:10:02.28 ID:rO0UWc+40
盗賊「例の書簡か…一体何なんだソレ?」
中年の女「これと同じ様な物はこれから行く大陸の方でもいくつか有るの」
盗賊「ほう?」
中年の女「機械だけが翻訳できる情報…今までの調べでアダムという集中端末が何処かにある事が分かってる」
盗賊「集中端末?なんだそりゃ?」
中年の女「人間で言う脳の部分ね…それがすべての機械をコントロールしてる」
盗賊「じゃぁそのアダムってのをぶっ壊せば機械は只の鉄クズって事か?」
中年の女「そうね…でもその場所が分からない」
盗賊「ほんじゃその場所ってのがその書簡で分かるってのか?」
中年の女「それを期待してる…そしてこれを翻訳出来るのは…ある科学者…今シン・リーンで厳重に保護されてる」
今あなた達が来た大陸はアメ・リカ大陸
そしてこれから行く大陸はユー・ラシア大陸と言うの
両者は海で隔てられて居て機械達が通信する手段は20年前に失われて今はもう無い…
その代わりの通信の手段として現れたのがこの白黒の書簡…これを使って情報のやり取りをしている
その主な内容はエネルギーの状態と電送する場所に関する情報
恐らく電脳化された人間を使って所定の場所にエネルギーを移動させようとして居る
盗賊「なるほど…その場所が知りたい訳か…」
中年の女「ユー・ラシア大陸の人達は電脳化された人間への危機感が無いから好き勝手やられているわ…」
盗賊「やっぱそうか…電脳化した奴が何処に潜んでるか分からんのだな…」
713 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:10:43.44 ID:rO0UWc+40
中年の女「だから諜報機関として盗賊ギルドが国から支援を受けてるのよ」
盗賊「そんな情報を新入りの俺達に話す目的は何だ?」
中年の女「危機感を持って貰わないと困る…一角が崩れると一気に崩壊するから…」
盗賊「ほーん…話に割入った割に関係無い話しになったんだが…」
中年の女「人間同士争う事になって居るのは機械達の狙いでもあると言ったでしょう?それは私も感じている所…」
盗賊「感じる?どういう事よ…」
中年の女「無意識で機械に操作されている可能性…」
盗賊「俺は機械じゃ無いぞ?この船にも電脳化した奴は乗って居ない…」
中年の女「分かってるわ…でもこの言葉を覚えて置いて…」
盗賊「何よ?」
中年の女「アナログハック…」
盗賊「なんだそりゃ?意味が分からん…」
学者「あ…兄貴ぃ…こっちを見て下せぇ」ユビサシ
盗賊「んん?なんだ?なんかあんのか?」キョロ
学者「兄貴今…俺っちの指差した方向見やしたよね?」
盗賊「そら指差してたら見るだろう」
学者「それがアナログハックっす…俺っちが兄貴の行動を誘導したんす…」
盗賊「なんだとう!?」
学者「どうやら…なんか色々誘導されて居る可能性は否めんっすねぇ…」
ユラ〜リ グググググ
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714 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:12:22.45 ID:rO0UWc+40
『樽湯』
ザザー モクモク
女ハンター「!?誰だ?…今出る…待って」ザバー
盗賊「あぁ悪い…遅いから心配で見に来ただけだ…まだ入って居て良いぞ」
女ハンター「見たな?」チャプ
盗賊「悪い…見るつもりは無かった…」タジ
女ハンター「あんたも私を抱きたいのか?良いぞ…ここでシテも」
盗賊「そんな気は無ぇ…その鞭打ち傷…随分ひでぇ目に合った様だな」
女ハンター「奴隷の女はみんなこんなもんさ…あの船の女の子も多分…」
盗賊「そうか…悪い事を聞いた…俺は雨で体洗うからお前はゆっくりしてろ」
女ハンター「もう1000人以上…いや数え切れないぐらいの男とヤッた…汚いと思うか?」
盗賊「なんでそんな事を聞く…なんて言って欲しいのよ」
女ハンター「さぁ?…もう分からない…慰みを聞いて何か変化するとも思えない」
盗賊「ふむ…一つ確かな事があるぞ」
女ハンター「なにさ?」
盗賊「お前は…お前一人しか居ない」
女ハンター「…」
盗賊「自分を大事にしろ…きっと光に手が届く…じゃぁな」ノシ
女ハンター「…」ブワッ ポロポロ
ザザーー モクモク
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715 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:12:54.54 ID:rO0UWc+40
『甲板』
バタバタ ゲシゲシ
学者「あ…兄貴…裸で何やってんすか?虫の真似か何かっすか?」
盗賊「背中の傷がかゆくてよ…手が届か無ぇから甲板の板に擦ってんだ…」バタバタ
学者「ブ…ブラシで擦りやしょうか?」
盗賊「おう!名案だ!!早くやってくれぇ!!」
学者「あららら…俺っちが縫った跡が傷だらけじゃ無いっすか…」ゴシゴシ
盗賊「おぉぉソコだソコ…おぉぉぉぉ」ビクビク
学者「すんません忘れて居やした…痒いのは糸抜いて無いからっす…」
盗賊「ほんじゃ早く抜けぇバーロー!!」
学者「へい…」スルスル
盗賊「おぉぉソレだソレ…うはぁぁぁ…又痒くなって来た!!擦ってくれ!!」モゾモゾ
学者「ブラシで大丈夫っすか?」
盗賊「良いんだ!!ガシガシ行ってくれ!!」
学者「へい…」ゴシゴシ
盗賊「はぁぁぁ気持ちぃぃぃ…おぉぉスッキリしたぜぇ!!」プラーン カチカチ
学者「兄貴…姉御の牙をずっと首にぶら下げてるんすね…」
盗賊「お?拝んでくか?2本揃ってんぞ?」カチカチ
学者「姉御とずっと一緒っスか…」
盗賊「まぁな?俺の血の中に姉御が住んでると気付いた…この丈夫な体は多分…姉御のお陰よ」
学者「そーっすね…酒が強い理由も大体分かりやした」
盗賊「おぉ酒だ!!今飲みたかった所だ…酒さえありゃ俺は生きて行けるのよ」スック
学者「ウハハ…」---まんざら嘘でも無さそうっすね---
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716 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:13:28.32 ID:rO0UWc+40
『翌日_作戦会議』
アーデモナイ コーデモナイ…
盗賊「…この船の最大の強みはたった3人で…いやロボ合わせて4人か…で自由に方向転換出来る回頭性だ」
学者「ふむふむ…」ウンウン
盗賊「これでほとんどのケースで相手の船を後方に回らせる事が出来る」
学者「ガレオン船と当たったのがまさにソレっすね」
盗賊「ほんで課題が…大きく揺れ動く見張り台からの狙撃が中々当たらん事だ…だからラス!!」
女ハンター「!!?」ピク
盗賊「お前の定位置は船尾楼の上のデッキ…もう一人で見張り台に上がるのは止めろ」
女ハンター「あそこは私の定位置…」
盗賊「お前一人で全部抱え込ませる訳にもイカン…すぐ隣に俺らが居れば色々分担も出来る」
女ハンター「…」
盗賊「てな訳でミライ!!新しい武器の説明を頼む」
剣士「おっけー!!」
女ハンター「新しい武器?」
剣士「ラスさんのライフルの弾丸…ちょっと改造したんだ」
女ハンター「改造なんか頼んで無い…勝手な事をするな」
剣士「焼夷弾さ…殺傷力はあまり無いけれど…着弾すると油に火がついて発火する」
盗賊「小さな樽を狙わんでも狙いやすい帆に着火すれば良いって事だ」
女ハンター「帆なんか簡単に突き抜けてしまう」
剣士「あぁ…正確に言うと着弾する前に破裂して火の玉に変わる」
女ハンター「なるほど…レンジの長い火矢という事ね」
剣士「何種類か作ったから試し撃ちしてどれが良いか確認して欲しい」
女ハンター「分かった…」
盗賊「撃つのはデッキからだぞ?それも訓練の内だ」
女ハンター「フン!!」スタスタ
学者「ミライ君…俺っちのバヨネッタも何か工夫無いっすかねぇ?…な〜んか此処ん所空気なんすが…」
剣士「いやぁ…それは完成されてるって言うか…工夫され尽くされてるんだよね」
学者「残念っす…トホホ」
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717 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:14:01.57 ID:rO0UWc+40
『デッキ』
ダーン! ボボボボボ
女ハンター「ふむ…なるほど…」
剣士「どう?」
女ハンター「弾丸の重さを通常の物と揃えたい…だから焼夷弾は少し長い奴が良い様だ」
剣士「おけおけ!!中抜きして油入れてるから軽くなっちゃってるんだね…よーし!一番長い奴か」
女ハンター「焼夷弾が使えるとなると…クロスボウの火矢が無駄になる」
剣士「そうでも無いよ?ボルトに爆弾引っかければ遠くに飛ばせられる…そんなに精度も要らないし」
女ハンター「そういう使い方に…フフ君は良く考える」
剣士「なんかさ?初めから知ってたみたいに色々作れる…なんか不思議なんだ」
女ハンター「閃きっていう奴ね…」
剣士「閃きかぁ…なんだろうなぁ…手が自然に動く」
女ハンター「自然に…そう…自然に何も考えないで…次の敵を狙ってた」トーイメ
剣士「それも閃き?」
女ハンター「何か違う…まるで誰かに操られているみたいに…」
剣士「あーそうそう!!操られてるみたいに自然に手が動く…これ何だろう?」
女ハンター「…」---操られてる---
---なんだろう?---
---妙に引っかかる---
718 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:14:53.12 ID:rO0UWc+40
『数日後_フィン・イッシュ近海』
ザブ〜ン ユラ〜リ
盗賊「もうすぐ港が見えて来る筈なんだが…どうした?全員集めて…」
中年の女「到着する前にフィン・イッシュの事を少し教えておこうと思って…」
盗賊「アレか?剣と魔法の世界だから注意しろって話か?」
中年の女「それも有るわ…それより目立った行動は避けて欲しいと言う事…その為の知識よ」
盗賊「…だそうだ…特にゲスは良く聞いとけ!」
中年の女「じゃぁフィン・イッシュの話から…」
フィン・イッシュという国は領地に生える植物や作物全部…所有者は女王なの
畑で収穫された物は100%国に納めなければならない
その代わり生産者…農民たちは出来高に応じて有り余る金貨を貰える
だから最も裕福なのは畑を耕す農民なの
そのお金を使って装備を買うも良し…食べ物を買うも良し
そのお陰で民兵の質が何処国よりも異常に高いし人数も多い…
でも中にはお金を溜めようとする人が出て来る
いくらかまとまったお金が溜まるとある日突然泥棒に全部持って行かれる
それを皆が知って居るから国から貰ったお金はほぼ使い切る
学者「お金使い切ったら食って行けんくなるんじゃ無いっすか?」
中年の女「それは民の全員に毎日最低限の食料配給があるの…だから飢えている人は一人も居ない」
学者「おぉぉメッチャ良い国っすね…」
盗賊「言い変えりゃ生きて行くのに必須な食料を押さえられてる…奴隷みたいなもんだ」
中年の女「フフ…辛口だけれど…その通りよ…」
学者「でも畑耕せば又お金が手に入るんならそれでも良いっすね…」
中年の女「そうやって経済が回って居るの…」
そしてフィン・イッシュでは税金が全く無い
貿易も自由…鉱山で鉱物を掘ってもすべて掘った人の物…食料以外は完全に自由…
国の収入は税金という形では無く経済が回った余り分で…そのほぼすべてを農民に対して使ってる
だから国境に壁も無ければ城を守る城壁も無い…と言うのが建前
その実カジノや娯楽で出回ったお金の回収は出来ている…そしてその中に盗賊ギルドが含まれる…
中年の女「これで大体立ち位置が分かったわね?」
719 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:15:24.20 ID:rO0UWc+40
盗賊「纏まった金盗んで国に還付する役割か…」
中年の女「必要悪と言えば分かりやすいわね…それで注意して欲しいのが民兵と揉め事を起こさないで欲しい」
盗賊「もめる気なんざ更々無い」
中年の女「豪遊して女遊びしている人達を放っておける?」
盗賊「そんなん俺にゃ関係無ぇ」
中年の女「その女が子供だったとしてもよ」
盗賊「…」タラリ
中年の女「その子がお金を稼ぐ術を失ってしまう事になる…些細な事だけれど大きな問題に発展して行く可能性がある」
中年の女「そして盗賊ギルドとして…そういう国の政策に一切関与してはいけない」
盗賊「わーったわーった!!」
中年の女「それから…バン・クーバと違って魔物が多く出るからしっかり武装はしておく事」
学者「魔物って何が出るんすか?」
中年の女「色々よ…最近では猛獣も多く出る…向こうの大陸のオーガなんかと比べ物にならないから注意して」
盗賊「そんなに魔物出るのに壁で囲わんのか…」
中年の女「そういう政策…代わりに民兵の質が異常に高い」
盗賊「民兵が壁の役割ってか…」
中年の女「じゃぁこれで話は終わり…到着したら宿にでも入って連絡を待って」
盗賊「へいへい!!ほんじゃ停船の準備するぞぉ!!」スック
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---------------
720 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:15:56.98 ID:rO0UWc+40
『自由の国フィン・イッシュ』
ガラガラガラ ジャブーーン
盗賊「おーし!!碇落としたな?荷物纏めて降りて良いぞぉぉ!!」
中年の女「ご苦労…私は一足先に行くから後は上手くやって…」スタ
盗賊「おいおい!!一人で行くんか?リコル達はどうする?」
中年の女「詳しくはリコルに聞いて…急いでいるから私は行くわ…」シュタタ
盗賊「…」ポカーン
盗賊「おいリコル!!置いて行かれたぞ?どうすんのよ?」
戦士「ハハハいつもの事だ…私が一緒では邪魔なのだよ」
盗賊「ほーん…まぁ良いや…とりあえず宿屋だな?」
戦士「う〜む…新市街地と旧市街地とあるが」
盗賊「俺はどっちでも構わん」
戦士「旧市街地はここから馬車で2時間程移動する事になる」
盗賊「じゃぁ新市街地だな」
戦士「但し…カジノや娯楽が多いのが旧市街地だ」
盗賊「カジノか…うーむ…」
学者「兄貴ぃ…ここに何しに来たんでしたっけ?」
盗賊「おぉ!!俺の知り合い探さにゃならん…闇商人が何処に居るか知らんよな?」
戦士「私が知って居ると思うか?」
学者「闇取引やってる様な場所と言えば…何処っすかねぇ」
戦士「まぁ娯楽の多い旧市街地の方で聞いてみたらどうだ?」
盗賊「しゃぁ無ぇ…2時間馬車乗るかぁ…」
-------------
721 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:16:29.52 ID:rO0UWc+40
『馬車』
ガタゴト ガタゴト
剣士「やっぱり馬が引っ張ると早いなぁ…」キョロ
盗賊「んん?もしかしてよう…キ・カイのお前の家に有った馬車は人力で引っ張ってたか?」
剣士「そうだよ?馬なんか居なかったし」
盗賊「ヌハハとことん貧乏生活してたんだな」
剣士「今はもうお金持ちさ!!ねぇ姉さん!!」
女オーク「ウフフ…」
学者「いやぁぁフィン・イッシュってメッチャ栄えて居やすね…建物でびっしりじゃ無いっすか…」
盗賊「こっちは良質の木材が腐る程生えてるからな?」
戦士「少し離れると畑ばかりになる…まぁそれでも民家は一杯建って居るがね」
学者「行き交う馬車に乗ってる人はオークとかドワーフとか色々っすね…」
戦士「うむ…異種族全員平等なんだよ…地庄炉村も同じだね」
剣士「文化が違うってこういう事かぁ…」
ソヨソヨ〜
剣士「ん?何だこの匂い?」クンクン
少女「森の匂いだ…嗅いだ事無いか?」
学者「んん?何も匂いやせんが?」クンクン
少女「お前は鼻が鈍感なのだ…死肉を食ってるから鼻が曲がってる」
学者「なかなか毒舌っすねぇ…グリグリしちゃおぅかなぁ〜」
少女「父ぃ!!ゲスは歩きで良いぞ」
戦士「ハハハまぁまぁ…仲よくしなさい」
剣士「あぁぁ良い匂いだなぁ…」クンクン
少女「そうだろうそうだろう…」ウムウム
盗賊「おい!!内海側が見えて来たぜ?旧市街地も見える!」
学者「おぉぉぉぉ!!なんすかこの絶景…」
戦士「ハハハ建物が特徴的だからねぇ…左手の塔がいくつも建って居る所がフィン・イッシュの城だよ」
学者「感動っす…きっと歴史有る建物なんすね…」アゼン
盗賊「まぁ向こうの大陸は皆壊されちまってるからなぁ…歴史って意味じゃ古代遺跡使ったバン・クーバの方が古いだろうが…」
戦士「もっと言うと光の国シン・リーンも歴史が古いらしい…中立の国セントラルはそこそこ歴史が長いが…もう廃墟だ」
盗賊「セントラルは氷の城になったと聞いたぞ?」
戦士「暇があるならその辺りの歴史を調べてみてはどうだ?」
盗賊「俺は忙しいな…ゲスは暇だろうから適当に書物漁っとけ」
学者「へいへい…」
--------------
722 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:17:06.25 ID:rO0UWc+40
『馬宿』
ヒヒ〜ン ブルル
馭者「はい着いたよ〜…降りた降りたぁ!!」
学者「腰が…いたたたた」ヨロ
盗賊「たった2時間でも結構キツイな…」ノビー
剣士「見て!!気球が飛んでる…大きい!!」シュタ
フワフワ ソヨ〜
学者「珍しいっすねぇ…あぁぁアレは魔石使わんタイプの熱気球っすね…大きさの割に何も運べん奴っす」
剣士「人が乗ってるよ…ええと…6人くらいかな」
盗賊「馬車で移動するより大分ラクそうだ」
戦士「昔は気球がそこら中飛んで居たものなんだがね…」
盗賊「魔石が流通しなくなった事と…機械のミサイルで落とされまくったのが原因だな」
戦士「一部安全に飛べる場所なら定期便として飛んで居るんだよ?」
盗賊「ほう?こっから何処へ?」
戦士「シャ・バクダの方面だと聞いた…私は行った事が無い」
剣士「見る物全部初めての物ばっかりだ!ワクワクする!!」ワクワク
盗賊「おーし!!全員降りたな?暗くなる前に宿屋探すぞ!!」
剣士「おーーーー!!」シュタタ
--------------
723 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:17:39.94 ID:rO0UWc+40
『宿屋の納屋』
ガラガラ
宿屋の女将「…この納屋でしたらお使い頂いても宜しいですが…どうしましょう?」
盗賊「あぁ…他の宿屋も一杯でよう…納屋でも助かるわ」
宿屋の女将「なにも準備出来なくて申し訳ありません…」
盗賊「こっちの方こそ無理言って悪かった…ほら宿代」ジャラリ
宿屋の女将「ありがとうございます…水浴び場は自由にお使い頂いて結構ですので…ごゆっくり」ペコリ スタ
盗賊「ヌハハ…てな訳でやっとこ休める訳だ」
学者「これ薪を保管する納屋っすね…」キョロ
盗賊「まぁ建物の中で寝られるだけ良いだろ…住めば都だ」
剣士「すぅぅぅぅぅ…はぁぁぁぁぁ」ウットリ
少女「すぅぅぅぅぅ…はぁぁぁぁぁ」ウットリ
盗賊「何やってんだ?」
剣士「気に入ったよ此処!!木の香りがすごく良い!!」スゥゥ ハァァ
盗賊「そら結構!!まぁちっと片づけりゃしばらく住んでも良いな?」
学者「何日分の宿代出したんすか?」
盗賊「とりあえず持ってる分全部出した…金貨8枚か…何日かは良く分からん」
学者「えええ!!そんなに出したんすか…この納屋に」
盗賊「いやいや出る時に差額分は返して貰える」
学者「あぁそういう事っすね…」
盗賊「まぁ夏の内は自由に使って良いらしいから…ミライ!その辺の木材使ってテーブルとイスを頼む」
剣士「おっけーーー!!」シュタタ
盗賊「水浴び場に湯があるそうだから行きたい奴は言って来て良いぞ」
--------------
724 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:18:10.63 ID:rO0UWc+40
『1時間後』
ガラガラ ピシャン!
学者「買い出し行ってきやしたぜ?食い物に酒…あと油とランプっす」
盗賊「おーう!!酒くれぇぇい!!」
学者「もうくつろぎモードっすねぇ…」ドサドサ
戦士「私も酒を頂こう…お!!フルーツが有るじゃ無いか!!」ガブリ
学者「やっぱこっちの大陸はフルーツとか新鮮なんすよ…ランプ点けやすぜ?」チッチ ピカー
盗賊「ヌハハハこりゃ雰囲気あるな…馬車ん中みてぇだ」グビグビ
剣士「アハハ…そうだね…木製の大きな馬車みたいだね」
学者「木箱のテーブルに…生木を組んだだけの椅子…」
剣士「製材した木材じゃないからこんなもんさ…まぁ十分使えるよ」ギシ
ガラガラ…
少女「父ぃ!!黒いのが空飛んでる…」シュタ
戦士「んん?」
少女「初めて見る…見に来い」
盗賊「魔物か?」スック
学者「早速何か出て来た様っすね…」スック
--------------
725 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/23(金) 22:18:46.51 ID:rO0UWc+40
『裏路地』
バッサ バッサ
少女「アレだ…あの黒いの何だ?」
戦士「あぁ…ガーゴイルという魔物だ」
少女「他にも居るぞ…あっちだ」ユビサシ
盗賊「全部で4匹ぐらいか?」
学者「誰も慌てる気配が無いって事は…通常運転じゃないっすか?コレ…」
戦士「地庄炉村では殆ど見なくなったが…昔は沢山居たんだぞ?」
少女「そうだったか…雑魚なんだな」
戦士「ハハハ雑魚では無い…まぁ飛んで居るからミルクでは倒せんな」
少女「遠くで良く分からないが…結構大きいな」
戦士「ふむ…牛並みの大きさの物が飛んで居ると考えれば強さが想像出来るだろう」
少女「牛か…」
シュン! ドス!
少女「あ…」
盗賊「おぉ!!槍か何か飛んでったな…」
女ハンター「見えた…多分オークが弓を撃った」
学者「えええ!?アレが弓矢?…なんかデカくないっすか?」
女ハンター「又撃ちそう…」
シュン! ドス!
盗賊「うほーーーすげぇな…槍並みの矢を撃ってんのか…」
学者「もしかして…これが民兵?」
盗賊「オークならくそデカイ弓を使ってもおかしく無ぇ…」
学者「ハハ…誰も慌てて居ない…通常運転っすね」
盗賊「どうやら…俺らクソ雑魚かも知れんぞ…」
少女「落ちた黒いの燃やしてる…ちょっと見て来る」シュタタ
-------------
726 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/03/26(日) 07:22:20.37 ID:RKoe7B/E0
『納屋』
グビグビ プハァ
盗賊「水浴びからリッカ戻って来ないんだが…遅く無いか?」
女ハンター「あ…言うの忘れてた…お茶を買いに行くって…」
剣士「あぁ…姉さんお茶が好きなんだ…家に置いて来ちゃったからさ」
盗賊「まぁ安全そうだし良いかぁ…今日は寝るつもりだったが…ちっと俺も情報集めに散歩でも行って来るか」
戦士「私はここで酒でも飲んでゴロゴロして居るから…安心して行って来て良い…どうも船を下りた後は平衡感覚が…」
剣士「じゃぁ僕も姉さん探しに行こうかな」
学者「俺っちは眠たいんで寝やす…」ドター
盗賊「ロボ!!一緒に行くか?」
ロボ「ピポポ…」クルリン
盗賊「おーし!!ほんじゃ行くか!!」スタ
ガラガラ ピシャン!
-------------
『翌朝』
チュンチュン ピヨ
盗賊「ふぁ〜あ!!」ノビー
ロボ「ピポポ…」ウィーン クルクル
剣士「あ!!アランさんおはよう!!」
盗賊「おろ?ミライだけか?みんな何処行った?」キョロ
剣士「宿屋の外の広場で配給やってるんだ…貰いに行ってるよ」
盗賊「ほ〜ん…お前は貰って来たんか?」
剣士「うん!ホラ?」スッ
盗賊「米か…」
剣士「調理前のを貰って来たんだ…僕の携帯食料さ」
盗賊「俺ぁ要らんな…」
剣士「今日の予定は?」
盗賊「俺は闇商人が何処に居るか情報集めに行く予定だ…まぁ…各自自由にするだな」
剣士「そっかぁ…どうしようかなぁ…」
盗賊「宿屋前の張り紙に魔物の戦利品買い取りリストが有ったぞ?」
剣士「お?」
盗賊「ミスリルの剣を使ってみたいんじゃ無いのか?」
剣士「戦利品ってどんな?」
盗賊「牙とか角とか…リザードマンの鱗とか色々有った様だ…」
剣士「後で見に行ってみるよ」
盗賊「俺とロボは情報集めに行って来るからお前等自由にしてろ…」
剣士「分かった」
盗賊「ほんじゃロボ!!もっかい行くか!!」スック
--------------
727 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2023/03/26(日) 07:22:59.64 ID:RKoe7B/E0
『1時間後』
アーデモナイ コーデモナイ
剣士「あ!!みんなおかえり〜」
学者「あらら?兄貴は何処行っちゃいましたかね?」キョロ
剣士「なんか闇商人探すと言って又ロボと出て行ったよ…僕達は自由にしてて良いってさ」
学者「そーっすか…リッカさんどうしやす?買いに行きやす?」
剣士「んん?何か買い物?」
学者「昨夜オークが使ってる弓を見たじゃ無いっすか」
剣士「あーー凄かったね」
学者「どうやらこっちの大陸ではあれぐらいの弓を使うのが普通みたいなんす」
剣士「え?もしかして姉さんも弓使うの?」
戦士「飛んで居る相手に近接の武器だけでは何も出来ないのだよ」
学者「詳しく言うとこういう事っス…」
オークはもともと手先が器用じゃ無いんで武器とか弓はしょぼいのしか使って無かったんすが
ドワーフがオーク用の武器を作る様になってから
オークがエルフ以上に戦える事が認知されるようになってるんすよ
ほんでフィン・イッシュではオークがめちゃ良い装備をしてるのが普通になってるんす
剣士「あーーー姉さんの装備が見劣っちゃってる…って事だね?」
学者「早い話そうっすね」
戦士「今使って居る剣はかなり良い物だから問題無さそうだが…遠隔攻撃の手段が無いのは飛ぶ相手に対して無力なのだよ」
女オーク「弓を普段使いするのでは無くて…船で使うつもりで…と思って」
学者「重ねて言うと銃器では火力不足になる魔物に対して毒を塗った弓の方が効果的らしいんす」
剣士「毒…」
学者「こっちの大陸では弓の方がメジャーな武器なんすね…機械相手じゃ無いもんで」
剣士「まぁ…僕もミスリルの剣を買っちゃったから姉さんも弓くらい良いと思うよ」
学者「ほんじゃちっと見に行きやすかぁ」
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