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勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結
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578 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/11(日) 13:01:49.77 ID:ckhR7HQw0
『帆走』
ザブ〜ン バサバサ
盗賊「うほーーー倍ぐらいのスピード出る様になったじゃ無ぇか!!」
学者「船が重いせいか安定していやすね…操舵しやすいっす」
戦士「帆装が今流行のキャラベル船ですが荷の積載量が多いので遠洋航海向きの船ですね」
盗賊「あんま違いが分からんのだがよう…」
戦士「小型のキャラベル船は快速で小回りが利くので商船に良く使われています…浅瀬でも帆走出来るのが特徴」
戦士「この船は船底が深いので浅瀬には不向き…でも荷が多く積めるので補給無しで海を渡れる」
戦士「船が大きくなればなるほど横帆の重要性が増すのですが…これだけ速度が出るなら縦帆でも良いでしょう」
盗賊「なるほど…じゃぁ沖に出ても良い訳だ?」
戦士「その場合ちゃんと測量出来る航海士を雇った方が良いですな」
盗賊「もうちょっと楽に話して貰って良いぞ?」
戦士「ハッハッハ初対面だとどうしても…慣れれば地も出て来るでしょう」
少女「ちちーーー」シュタタ ピョン
盗賊「おっとぉ!!その手は食わんぞ」ササ
少女「この男!夜に隠れて家まで来てた!」
盗賊「おいおい何を言いだす」タジ
戦士「ハッハッハ勘が良くて驚いて居るでしょう…」
少女「消える技を持ってる!秘密をしゃべらせろ!」
戦士「まぁまぁ…アランさん…隠して居てもしょうがないので話して置きますが…」
盗賊「んん?何だ?」
戦士「この子達は特殊な感覚で意思伝達できる能力があるんですよ…匂いとか音とか…感覚が鋭いのです」
盗賊「ほう?」
戦士「因みに私にはその感覚が有りません…だからアランさんの思うその手の者とは関わって居ないのです」
盗賊「おいおい…それってもしかしてウルフの遠吠えか?」
戦士「ハッハッハ…お気付きで?…遠吠えだけでは無いのですがね」
盗賊「なるほど分かったぞ…情報伝達は俺らの知らない方法で共有されてる訳か…」
戦士「察しの通り…そして私にはそれを教えて貰えない」
少女「ちち秘密を話すな!ははに言うぞ!」
戦士「同じ船に乗って居るのだから互いの探り合いで関係を悪くしたくないだろう?」
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/11(日) 13:02:49.08 ID:ckhR7HQw0
盗賊「…」---盗賊ギルド…こりゃレベルクソ高けぇな---
少女「お前に言っておく…敵も違う方法で情報のやり取りする」
盗賊「敵?なんだ敵ってのは?」
少女「お前達の敵…機械だ…秘密の手紙がソレだ」
盗賊「マジか…白黒の模様が記された…そうか俺らには読めない…つまり密書だった訳か」
少女「お前いろいろ遅い!!トロイ!ノロマ!」
盗賊「おぉ悪りぃ…今全部理解したわ…」
少女「だったらもう口に出して喋るな!誰が聞いてるか分からないから!」
戦士「この船に機械の者は誰も乗って居ないのはもう確認しただろう?」
少女「普段からそうしろと言ってる」
盗賊「分かった分かった…背中撫でてやるから許せ」
少女「お!!?早く撫でろ」クルリ
盗賊「ほらよ…」ナデナデ
少女「もっと優しく撫でろ」
戦士「ハッハッハ娘の扱いもご存じで…」
盗賊「しかしまぁ…これで色々分かったわ」ナデナデ
戦士「快適な船旅になりそうですな?ハッハッハ…」
盗賊「そうだと良いな?」ナデナデ
---どうも俺は盗賊ギルドを舐めてた様だ---
---機械化兵団も…機動隊の連中も---
---相当レベルの高い情報戦をやってんだ---
---そこに姉御が首を突っ込んだ訳か---
---こりゃマジ本気でやらんと足引っ張っちまうな---
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:08:47.45 ID:X4eygvxo0
『甲板』
ザブ〜ン ユラ〜リ
盗賊「波で樽が転がって行かん様にしっかりロープで縛って置いてくれ」グイ ギュゥ
学者「食材は何処に置きやす?」
盗賊「船尾楼はもうパンパンだな…」
剣士「船首楼側の小部屋…あそこを作業場にしたいんだけどさ」
盗賊「作業場?」
剣士「ほら?作り物すると音が出るじゃない?」
盗賊「なるほど…構わんが…食材もそこに置けんか?」
剣士「作業用のテーブル置いたから…調理場としても使おうか」
盗賊「それが良い」
剣士「僕と姉さんも船首楼側に移動するよ…船尾楼の居室が広く使える様になる」
盗賊「良いのか?寒いんじゃ無いのか?」
剣士「大丈夫!寒さ対策はしてあるから」
盗賊「じゃぁそうするか」
剣士「姉さん!!部屋の引っ越しだよ!!」メパチ
女オーク「分かったわ…」メパチ
学者「そうそうミライ君!作業場作るなら俺っちの錆びたクロスボウも整備してくれやせんかね?」
剣士「んん?」
学者「ボルトが無いもんで作れたら作って欲しいんす」
剣士「あぁボルトかぁ…心材で木を使って先端にガラクタから切り出した鉄を使えば作れそうだな…」
学者「ソレソレ!そういうので良いんす」
剣士「おけおけ!!材料を運んどいて」
盗賊「ふむ…船尾楼からガラクタが無くなればちったぁマシな居室になる」
剣士「ハハ…船首楼は物置小屋になっちゃうけどね」
-------------
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:10:33.50 ID:X4eygvxo0
『船首楼』
ヨッコラ ドサ
学者「へぇ?結構良い作業台を作りやしたね?」
剣士「金床が無いのが残念だけどね?」ゴソゴソ
学者「ガラクタの鉄板は好きに使って良いですぜ?」
剣士「うん!そうさせて貰う…鉄板があるだけで大分違うから」
学者「これ資材入れたら寝るスペース無くなるんじゃ無いすかね…」
剣士「大丈夫!僕と姉さんはずっと小さな馬車の中で生活してたんだ…慣れてるよ」
女オーク「馬車よりも少し広いわ?」
学者「なら良いっすね!」
剣士「ここに調理場が有ると言う事は…調理担当は僕かな?」
学者「そうなりそうっすね…大丈夫っすか?」
剣士「味付けが薄いって良く言われるんだけど…大丈夫かな…」
学者「まぁ食えりゃ何でも良いんすが…」
剣士「後で作ってみる」
学者「楽しみにして居やす…じゃぁ資材運んで来るっす」タッタ
-------------
582 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:11:16.82 ID:X4eygvxo0
『船尾楼』
ボフッ ボフボフ
少女「このおが屑のクッション気に入ったぞ!!」ノビー
盗賊「ボロキレとおが屑で簡単なベッドを作った訳か…ミライの奴考えたな」ウムウム
戦士「寝床は此処で?」
盗賊「奥の方使ってくれ…手前側はテーブルに海図を広げておきたい」
戦士「中々味のある居室な様で…」キョロ
盗賊「古臭いってか?確かに…30年前の雰囲気はあるな?」
戦士「ほとんどの物が手作り…ほぅ?ランプまで工夫が見える…ここで湯を沸かすのですな?」
盗賊「そうだ…それが意外と暖かいのよ」
戦士「癒されますなぁ…静かな海に…ランプで沸かす湯の音…営みを感じますな」
盗賊「そうか?まぁ…海の静かさは格別だな…どうだ?一杯やるか?」クイ
戦士「私も少し持って来ているのです」
盗賊「ヌハハ話が分かるじゃ無ぇか…片づけは後にして先ずは景気付けだ…飲め」トクトク
戦士「では遠慮なく…」グビ プハァ
盗賊「ウハハハハ病みつきになりそうだ…船で飲むのはよぅ…」グビグビ
------------
583 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:13:28.11 ID:X4eygvxo0
『船首楼_作業台』
ゴシゴシ ガリガリ
剣士「よしよし大分溜まったな…集めておかないと」ゴソゴソ
学者「クロスボウの錆びなんか集めて何するんすか?」
剣士「これね…染料になるのさ…他にも色々使い道があるんだよ」
学者「いやぁぁぁ大したもんっすね…そんな物まで使うんすね」
剣士「大体これで錆は落ちた…後は貝殻の粉で擦ればピカピカさ」ゴシゴシ
学者「勉強になるっすわ…何処で覚えたんすか?」
剣士「キ・カイで拾った書物だよ…みんな引っ越した後に書物とか邪魔だから放置して行くんだ」
学者「そうだったんすね…キ・カイも意外と宝が落ちてるんすね」
剣士「ゲスさんは医術を学んだとか?」
学者「俺っちは半端に学んだんで戦場医くらいでしか活用出来んす…どっちかと言うと機械工学の方を勉強しやした」
剣士「機械工学も面白そうだなぁ…」
学者「結論を言うとですね…人殺しの兵器を作るって事なんすよ…人間はそういう風にしか知識を活用出来んのです」
剣士「なんか…深い事を言った?」
学者「まぁ俺っちの戯言なんで気にせんで良いっす」
剣士「まぁ何となく分かったよ…良かれと思って作っても結局戦いの道具に利用されるだけ…何作ってもそうなっちゃう」
学者「おろろ?理解早いっすね?」
剣士「僕は色んな物作るけどさ…例えばこのおが屑で作ったクッションも…便利だから戦いに使われちゃう」
学者「そうそう…そんな感じで何作っても人殺しの道具にされるのが機械工学なんす」
剣士「でも今の時代は戦う相手は機械なんでしょ?」
学者「今までは…と言った方が良いかもしれんす」
剣士「どうして?」
学者「人間の中に機械化…いえ電脳化した人間が入り込んでるんす…内ゲバを起こす為っすね」
剣士「じゃぁ味方同士で戦う事になる?」
学者「かもしれやせん…ほんで機械と戦うために作った兵器はそのうち人間に向けられるんす」
剣士「ハッ!!それってもしかして機械がそうさせてる?」
学者「恐ろしい話しっすよね…」
584 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:14:03.48 ID:X4eygvxo0
実はっすね…機械化兵団の奴らは人間の住む領地に攻め込んで来る事なんか無いんすよ
多分自分たちの守る場所から遠くまで離れられんのです
だからここ20年ぐらいは人間側が攻める一方だったんす
機械は自分たちが動ける為にエネルギーが必要なんすが
今の所人間に奪われっぱなしで勢力が小さくなってる様に見えやす
でもですね?
もし人間のお偉いさんに電脳化した人間が混ざるとどうなると思いやすか?
剣士「奪ったエネルギーをこっそり機械に渡す…かな?」
学者「正解!…多分そうなるっす…戦って獲得した意味が無くなるんすね…でも戦死した人は帰って来ない」
剣士「もしかしてそういう事がもう起こってる?」
学者「多分そうっすね…ミライ君達と出会ったのもその中の出来事だと思って居やす」
剣士「じゃぁ船を盗んでフィン・イッシュに行こうとしてるのもその一環なの?」
学者「兄貴はそういう流れにあまり首を突っ込みたがらないんでフィン・イッシュに行く目的はちょっと違いやすね」
学者「でも…多分電脳化した人間が入り込んでるのはフィン・イッシュも同じだと思いやす」
剣士「関わらなくても巻き込まれてしまうという事か…」
学者「俺っちの予想では直に大きな戦争になると思いやす…だから姉御は危険を承知で盗賊ギルドに接触した…」
剣士「知らなかったよ…世界がそんな事になってるなんて…」
学者「要らん話をしちまいやしたねぇ…知らんくて良かったんすよ」
ガチャリ バタン!!
少女「お前ーー!!その話を他でしゃべるな!!」
学者「おわっ…びっくりしやしたよ…」ドキドキ
少女「分かったか!!今の話を陸でするな!!」
学者「へいへい…なんなんすかねこの子は…」
少女「お前口軽い!!しゃべったら超ウルフの餌になる!!覚えておけ!!」
剣士「まぁまぁ…撫でてあげるからこっちにおいで」
少女「撫でる…許す」クルリ
剣士「君は僕と一緒で耳が良いんだね?」ナデナデ
少女「ふむ…お前は通ずる物があるな…ふにゃー」コテン
剣士「…」ナデナデ
---なんか進まなきゃいけない方向が見えて来た気がする---
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585 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:14:47.89 ID:X4eygvxo0
『数日後』
カン カン コン
盗賊「ふぅぅやるな?老体のクセに」ズザザ
戦士「まだまだ!!」ダダ ブン
学者「まだ立ち合いやるんすか?そろそろ甲板開けて欲しいんすが…」
盗賊「ちと休憩にするか…」
戦士「フフ良い汗をかいた…ふぅ」スタ
学者「俺っちはクロスボウの試し撃ちをっすね…」ゴソゴソ
タッタッタ
剣士「リコルさ〜ん!!出来たよぉ〜!!」
戦士「お!?」
剣士「装着して見て」ガサリ
戦士「ふむ…中々に…」ガチャガチャ
盗賊「おいおい…ガラクタから鉄の鎧を作ったってか?」
剣士「盾もあるよ…ホラ」ドサ
盗賊「今時そんな重装着てる奴なんか居ないんだがな…銃弾は良いが榴弾でポーンよ」
戦士「良いでは無いか…私は戦地では無く魔物から村を守るのが仕事だ」
盗賊「そんなもん来てバン・クーバを歩いてたら笑いの的だがな?ヌハハ」
剣士「まぁまぁ…ガラクタはどうせ邪魔だったし僕の趣味だよ」
バシュン ストン!
盗賊「おっと!危無ぇな馬鹿野郎!」
586 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:15:20.14 ID:X4eygvxo0
学者「ミライ君…やっぱり少し狙いが逸れやすね…クロスボウの調整じゃ限界っすかね?」
剣士「それ多分ボルトの側が問題なんだよ…心材に木材を使ってるから微妙に曲がってるのさ」
学者「ボルトが軽い分威力も微妙なんすよね…」
剣士「飛距離は相当出るから火矢みたいな使い方が良いかもね…ボロキレと油は一杯有るからさ」
学者「火矢…なんつーか使う想定が出来んっす」
戦士「そうでも無い…陸沿いの航海は海賊船に遭遇しやすいから対海賊船であれば使い道も…」
盗賊「海賊?」
戦士「この船では海賊達が乗るスクーナーからは逃げられない…だから火矢で対向するのは有効だと思う」
盗賊「なるほど!!帆を燃やしちまえば勝ちか」
学者「大砲の飛距離に勝てるとは思えんのですが…」
戦士「そのクロスボウの飛距離は?」
学者「目視で200〜300メートルっすね…大砲は1000メートル以上飛ぶっす」
戦士「それは戦場で使って居る大砲の話…海賊の持つ大砲は大きくて丸い砲弾」
学者「丸い砲弾?それ旧世代の大砲じゃないっすか…」
戦士「そもそも揺れる船で1000メートル向こうの標的には命中しないから近距離で威嚇目的で使うのだよ」
学者「あぁぁそれなら旧式で十分って事っすね…」
戦士「だから連射の聞く火矢が有効だと思う…200メートルでそこそこの命中があれば脅威な筈」
剣士「火矢を作るのは簡単だから作りためておくよ」
戦士「もしも一気に接弦されて乗り込まれる様な事があれば…この鎧と盾が役に立つ」バンバン
盗賊「立た無ぇよ!!そんなもん銃器で一掃だ」
剣士「相手が銃器を持って居た場合は?」
盗賊「そらお前…ドンパチになっちまう」
戦士「フンフン!!」バンバン
盗賊「その鎧と盾で耐えるってか?マジか…人間キラーマシンだな…」
戦士「戦士とはそういう役だ」
学者「なんか連携の取り方が分かってきやしたねぇ?」
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587 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:15:57.79 ID:X4eygvxo0
『海賊船?』
ザブ〜ン ギシ
剣士「…やっぱり追いかけて来て居そうだよ」
盗賊「ちぃぃ…言った傍から遭遇しちまうとは…」
戦士「望遠鏡は持って居ないのか?」
盗賊「無い…」
戦士「4本マストのスクーナーか…只の商船の可能性もある」
盗賊「こりゃ望遠鏡も必須だったな…しゃぁ無ぇ…備えるか」
戦士「日暮れまで逃げきれば追っては来ない筈…」
学者「このままの感じだと2時間後くらいって感じっすか?」
盗賊「向こうが速度上げなけりゃな?」
剣士「ダメだやっぱり近づいてる!!僕火矢を船尾楼の上に準備する!!」ピョン シュタ
学者「木材しか積んで無いのを見せればなんとか見逃して貰えやせんかね?」
盗賊「いや…海賊ならむしろ木材が欲しいだろ」
学者「あらら…そういうもんなんすかね?」
戦士「ううむ…もしもドワーフ国の海賊船なら何もしてこない…望遠鏡が無いとどうにも確認が出来ん」
盗賊「向こうはこっちが見えてんだろ?こっちが何者か分かる様にすれば良いんじゃ無いか?」
学者「あ!!旗印っすね…そういやこの船は旗印が無いっす」
戦士「何も旗を掲げて居ないから只の商船だという認識になるのだよ…」
盗賊「それでも近づいて来るって事はやるしか無いか…」
戦士「仕方ない…備えよう」ダダ
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588 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:16:51.63 ID:X4eygvxo0
『1時間後』
ザブ〜ン ユラ〜
剣士「向こうの大砲は船尾の方に1台…後ろ向いてる!!」
戦士「どうやら海賊に間違いない…こちらに大砲が無いと知って追い越しを掛けて船首側から接弦してくる」
盗賊「真後ろに居てどうして大砲を持って居ないと分かる?」
戦士「乗っている人数だ…大砲を1門使うのに4〜5人必要なのだ」
剣士「向こうは10人以上居るよ!!」
盗賊「くそう!折角手に入れた俺の船に大砲なんぞ当てられたく無ぇ!!」
剣士「少し進路変えた!!右側から追い越して来そうだ」
盗賊「ようしやってやる…クロスボウ2台はゲスとリコルが使え!向こうが後方に居る内に俺らの方から寄せて行く」
戦士「先制するのか?」
盗賊「やらなきゃやられる!戦いはそういうもんだ…ミライ!!お前は監視台の上でしっかり観察しとけ!!」
剣士「分かったぁぁ!!」
盗賊「右に寄せて行くぞ?」グイ
グググググ ユラ〜
盗賊「射程に入ったらじゃんじゃん撃ってけ!!」
学者「ほっほっほっほ…炉と油を持って来やしたぜ?」ドタドタ
戦士「炉で火を点けてからから撃つのか…」
盗賊「リッカ!!乗り込まれたらお前が敵を引き付けろ!!戦闘の準備だ」
女オーク「え!!?私が人間と戦う…の?」
盗賊「戦わなきゃ皆やられるぞ…黙って準備しろ」
女オーク「そんな…」オロオロ
剣士「姉さん!!向こうの船の人はやる気みたいだ…もう武器を振り回してる」
女オーク「分かった…」ダダ
---------------
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:17:23.86 ID:X4eygvxo0
『海賊船』
バサバサバサ グググググ
海賊1「ぐへへへへ…あいつらビビッて船尾楼の上で立ちんぼだ…船ごと奪っちまうぞ!!」
海賊2「女が走り回ってるな?こりゃ楽しみだ」
海賊1「おい!!あいつらクロスボウ準備していやがる…ちぃぃ何処ぞの傭兵が乗ってるな?」
海賊2「この距離じゃ当たりゃしねえよ…そんな事よりお前等ぁ!乗り込む準備だ!!」
海賊共「うおぉぉぉぉ!!」バンバン
シュン! ストン! ボゥ…
海賊1「何ぃ!!火矢だと?」
海賊2「弓だ!!撃ってる奴を撃ち落とせぇぇぇ!!」ドタドタ
海賊1「馬鹿野郎!!こっから弓で届く訳無いだろう!!」
シュン! ストン! ボゥ…
海賊1「ええい!!火を消せ!!ゴルァ舵は何やってる!!距離開けろタワケ!!」
舵取り「向こうの方から近づいて…」グルグル ググググ
海賊2「水だ水!!海水でも何でも良い!!火を消せぇ!!」ドタドタ
シュン! ストン! ボゥ…
---------------
---------------
---------------
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:18:25.05 ID:X4eygvxo0
『キャラック船_デッキ上』
ガチャコン バシュン!
学者「でっかい的なら結構当たりやすね?」ガチャコン
戦士「こちらの作戦勝ちか…」バシュン!
盗賊「休まないで撃て!!距離を開けられ始めてるぞ!!」
剣士「やったぁぁ!!見て!!帆の一枚が燃え始めてる!!」
盗賊「ヌハハこりゃ火消しに必死だな…ようし!!進路戻して振り切るぞ」グイ ググググ
学者「いやぁぁぁ…火矢なんて古典的な方法で結構いけるもんすね…」バシュン!
盗賊「まさか射程の長い火矢を使って来るとは思って居なかっただろうな…」
戦士「待て!!まだだ…こっちの火矢が届かない距離で並走している!!」
盗賊「なぬ!?まだやるのか?」
学者「あ…あ…あぁぁ…マズいっすね…大砲を触り始めやした」
盗賊「クソがぁ!!帆を焼かれてまだ食いついて来るか!!」
ドーン!! ポチャ
戦士「大砲1門…アレは3分置きに撃って来るぞ!!」
剣士「あの船…大砲を撃つと横にすごく揺れてる…」
盗賊「船底が浅いからあんな風になるんだ…そのまま転覆しちまえば良いのに…」
学者「ゆっくり追い抜かれて行ってやすぜ?」
盗賊「うむむ…どうする?」
学者「こっちに火矢がある事がバレてるんで近付いては来んっすよね?」
盗賊「転進して距離開ける!!ミライ!降りて来い!!帆を張り替えるぞ!!」
剣士「ええ?」
盗賊「この船の回頭性を今発揮する時だ!!お前は前の帆を張り替えろ!!リッカはメインの帆だ!!ゲス!!操舵変われ!!」
学者「へい!!」ダダ
盗賊「もうすぐ凪で風向き変わる…上手く風に乗って逃げる!!」ダダ
---------------
---------------
---------------
591 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:19:15.13 ID:X4eygvxo0
『凪時』
ユラ〜 ギシ
盗賊「ようし…この距離なら大砲も当てらんないだろう」
学者「風が無くなってお見合い…すか」
盗賊「陸から吹き下ろす風に変わる…それまで待ちだ」
少女「お前ーー!!腹減ったぞ!!」シュタタ
盗賊「ええい今忙しいんだ…スッ込んでろ」
戦士「アラン!!その子は風を読む…今来るぞ!!」
盗賊「なぬ!?」
ソヨ〜
盗賊「ミライ!!帆で風拾って上手く回頭させろ!!沖へ向かう!!」
剣士「今やってる!!…ぐぬぬ」バサバサ
盗賊「リッカ!!メインの帆を張ってくれぇ!!沖へ逃げろぉ!!」グイ バサバサ
女オーク「むむむ…」グイ グイ バッサー
学者「このまま沖っすね?」グイ グググググ ギシ
戦士「おぉ…海賊船は回頭しない…」
盗賊「どうやら向こうさんは回頭させる為の帆を無くしてんだ…その分差が出る」
戦士「フフこれは逃げられそうだ…」
盗賊「よしよしよし!どんどん離れて行ってんぞ!!」
学者「兄貴ぃ!!帆船に慣れて来やしたね?」
盗賊「まぁな?後で反省会すっぞ!!色々足りない物が分かったからな」
少女「お前ー!!話聞いてるのか!!飯ぃぃ!!」
盗賊「ぬぁぁうるせぇな…ミライ!!帆を張り終わったら魚でも食わしておけ!!」
--------------
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:19:53.71 ID:X4eygvxo0
『夜_バーベキュー』
ジュゥゥゥ モクモク
少女「はむ…」ガブ モグモグ
盗賊「まず足りない物が…クロスボウを設置するスタンド…これが有れば命中率が格段に上がる」
盗賊「それから篝火を焚く台…鉄板に余りあんだろ?どうにか工夫して作ってくれ」
盗賊「あとな?雨に備えて雨除けも必要だ」
剣士「あ!!雨だと火矢が使えないじゃない!!」
盗賊「雨で濡れている場合は油が有効になる…油でヒタヒタの矢を撃ち込むのもそれなりに効果が在る」
学者「濡れた所に油があるとツルッツルなんす…そこに上手く着火したら延焼も狙えやすね」
盗賊「まぁ兎に角…こっちの射程でどんだけ撃てるかがカギだ…もっとクロスボウが有れば良いんだが…」
学者「あの重クロスボウはガラクタを漁らんと中々手に入らんすね…骨董品すよ」
盗賊「無い物はしゃー無ぇ…今のでやりくりするだ…後何か気付いた事は無いか?」
戦士「帆角を調整する時に目印となる番号か何かを記してみたらどうだ?」
盗賊「おぉ確かに…どの角度で固定したいか…今の所それぞれの勘便りだな…」
盗賊「ようし!!それは俺がやるわ」
女オーク「こっちの船に火矢を撃たれた場合は?」
盗賊「ふむ…水の入った樽は消火用でバラけて配置したほうが良い訳か…」
剣士「マストの下にくくり着けたら?登りやすくもなるし」
盗賊「それで行くか…まぁ今晩はもう追っては来んだろうから明日明るくなったら準備しよう」
学者「いやぁ…よくよく考えたら良く凌ぎやしたねぇ…」
盗賊「決め手は帆が一枚燃えた事だな?」
戦士「その後こちらの小回りを活かして逃げ回る機転も良かった」
盗賊「帆の操作は体力使うのが難点だ…もう体がクタクタよ」
学者「さぁて!!夜の交代に備えて俺っちは先に寝るっす」スック
盗賊「おう!休んでおけ…しばらくは俺が見て置く」
--------------
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:20:43.62 ID:X4eygvxo0
『数日後』
ザブ〜ン ユラ〜リ
学者「海賊船の対策で色々作ったは良いんすが…あれっ切り出会わんすね…」
盗賊「そうそう出会わんってこった」
学者「もう陸地を見失ってるんすが…現在地も見失っていやすよね?」
盗賊「うむ…羅針盤頼りよ」
学者「やっぱ航海士居ないとこうなっちゃうんすね…」
盗賊「海賊に追いかけまわされるよりは良いと思うがな?」
学者「しっかし…随分暖かくなりやしたねぇ…折角ロボの筐体に白金カイロ仕込んだんすが…」
盗賊「おぉ!!いつの間に…」
学者「一日一回油を差してやって下せぇ」
盗賊「おぉ分かった」
学者「それにしても暇っす…な〜んもやる事無いっす…」グター
盗賊「ミライが何冊か書物持ってただろ?お前も読んでみろ」
学者「アレは魔術の本で俺っちには読めないんすよ」
トンテンカン トントン
盗賊「ミライは常に何か作ってんな?」
学者「面白そうなんでちっと見て来やす」スック
盗賊「おう!!ついでに後で酒を持って来てくれぇ」
学者「へいへい…」ダダ
--------------
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:21:35.59 ID:X4eygvxo0
『船首楼_作業場』
ガチャリ バタン
剣士「よし!出来たぁ!!…あれ?ゲスさん?」
学者「何作ってるのか見に来たんすよ…退屈なもんで」
剣士「そんな大した物じゃ無いよ…コレさ」ジャーン
学者「木槌…なんかやたらデカい木槌っすね…」
剣士「姉さんがさ…人間の血を見たく無いって言うから代わりの武器を作ったんだよ」
学者「なるほどーリッカさんが持つなら丁度良さそうっすね」
剣士「この木槌なら鉄の鎧だってへこませられる…結構強力な武器だね」
学者「そこで乾かしてる卵みたいな奴って…もしかして爆弾っすかね?」
剣士「あぁコレ?火薬があれば爆弾になるけど…これには油を入れるつもりなんだ」
学者「へぇ…上手く作りやしたね?」スッ
剣士「あああ!!まだ触ったらダメ!!」
学者「済まんっす…これ何で出来てるんすか?」ツンツン
剣士「貝殻の粉と骨粉を練った物だよ…乾いたら卵の殻みたいになる」
学者「手投げ用の火炎瓶みたいなもんすね…」
剣士「僕…思うのがさ?何もしないで船に接近させて確実に火を点けた方が良いと思うんだ…その為の備え」
学者「良く考えていやすねぇ…」
剣士「接近戦なら姉さんに勝てる人なんかそうそう居ないから木槌で暴れて貰う…その隙に向こうの船を燃やせば良い」
学者「いやぁ…そんな木槌でぶっ叩かれたく無いっすね…」タジ
剣士「積んでたソリを解体して材料にしちゃったからアランさんに謝らないと」
学者「どうせもう使わんので好きにして良いっすよ」
剣士「それ聞いて安心した」
--------------
595 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:22:32.47 ID:X4eygvxo0
『船尾楼』
アーデモナイ コーデモナイ
盗賊「そろそろ外海に出る海峡の筈なんだが…」
戦士「ふうむ…確かに羅針盤と進路は合って居る…」
盗賊「真っ直ぐ進んでる様に見えて少し横に流れ続けて居たのかもなぁ…」
戦士「海図を見る限り何処に流れていたとしても直に陸地が見える筈…」
少女「少し左に煙匂う…」クンクン
盗賊「煙?」
少女「火薬匂い違う…なにか燃える匂い」クンクン
盗賊「陸で何かやってるのかもな…ちっと進路修正するわ」グイ
戦士「海賊が何処かの漁村を焼き討ちしているのでは?」
盗賊「なぬ!?」
戦士「地庄炉村に商船が入って来なくなったのはそもそも海賊に襲われるリスク回避…この辺りに居てもおかしく無い」
盗賊「くぁぁぁ無法地帯だな」
少女「父…悪い海賊倒せ」
戦士「海の上では分が悪い…陸ならどうにか…」
盗賊「もしも襲われてるとしたら…なんか放って置けんな…」
戦士「海賊船が漁村の焼き討ちで手隙になっているとしたらどうする?」
盗賊「焼き討ち…誰かが襲われてるか…行くしか無えだろ…船さえ無けりゃ只のごろつきだ」
戦士「決まりだな?」ギラリ
盗賊「おぉぉ…その眼…好きだぜ?」
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596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:23:43.87 ID:X4eygvxo0
『漁村_近海』
モクモクモク
盗賊「やっぱり焼き討ちに会ってんな…丁度日が落ちてこっちに気付いて居ない…チャンスだ!」
戦士「スクーナー2隻か…30人近く村に降りて行ってるな…」
盗賊「船を燃やせばもうこっちには近づいて来ん!!後は様子見ながらクロスボウ撃てば良い」
学者「兄貴ぃ!!見張りの一人が気付いて騒いでいやすぜ?」
盗賊「一気に接近して燃やすぞ!!ミライ!!油玉投げる準備は良いか?」
剣士「いつでも投げられる!!姉さんも一緒に投げるよ?」
女オーク「う…うん…」ドタドタ
学者「射程に入ったんで火矢を撃ちやすぜ?」
盗賊「撃て撃てぇ!!」
バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!
学者「うほーースタンド有るとやっぱ安定して狙えるっす!!」ガチャコン
盗賊「無駄口は良いから撃て!!」
バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!
剣士「もっと寄せて…もっともっと…」
盗賊「やってる!!慌てんな!!」グイ
少女「父ぃーー!!悪い海賊気付いた!!戻って来る」
戦士「そのまま見張り役を頼む…」バシュン! ガチャコン
剣士「届けぇ!!」ポイ
女オーク「フン!!」ポイ
ボゥ メラメラメラ
剣士「行ったぁ!!」ガッツ
盗賊「どんどん投げろ俺は帆を畳んで船を停める」ダダ
剣士「姉さん!!あっちの船も!!」ダダダ ポイ
女オーク「フン!」ダダダ ポイ
ボゥ メラメラメラ
学者「これはもう火消し出来んすね…」アゼン
戦士「奇襲成功だ…次はこの船に乗り込んで来るかもしれん…クロスボウで迎え撃つ」ダダ
学者「小さい的に当てる自信無いんすが…」ダダ
ドーン ドカーーーン パラパラ
盗賊「うぉ!!火薬に火が付いたか!!」タジ
剣士「うわっ…こっちにも火の粉が…」
盗賊「帆を畳んでセーフだ!!船に燃える物が乗っかって無いか確認しろぉ!!」
剣士「分かったぁ!!」シュタタ
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597 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:25:07.44 ID:X4eygvxo0
『撃ち合い』
バシュン! バシュン!
戦士「高さの利が有ってこちらが有利…」ガチャコン バシュン!
学者「ボルト足りやすかね…」バシュン!
シュン ストン!
盗賊「やっぱ弓で応戦して来んな…」
戦士「向こうに火矢が無いのが救いだ」ガチャコン バシュン!
シュンシュン ストンストン!
戦士「ミライ君!!盾を持って来てくれ!!」
剣士「分かった!!姉さんも盾で矢から身を守って!!」ダダ
女オーク「盾ね…」ドスドス
盗賊「ええいクソ!!弓を作って置けば良かったな…」ウロウロ
学者「これで船体に刺さった矢を回収したら次から弓矢使えやすね」
ヒュルヒュルヒュル ドスン!バキバキ!
盗賊「どわっ!!危無ぇ!!投げ斧まで使って来るか…」
戦士「フフ必死だな向こうは…武器がタダで手に入ると思えば良い」
盗賊「俺の船が傷んじまうんだが…」
剣士「盾を持って来た!!」ドタドタ
盗賊「おぉ…俺はコレで投げ斧と矢を受けりゃ良いんだな?」スチャ
剣士「僕も盾を構えておくよ」スチャ
ヒュルヒュルヒュル カーン!
盗賊「うらぁ!!ゲッツだ!!」
学者「ええと…この船に矢を撃って何がしたいんすかね?アイツ等は…」
戦士「逆上しているのだよ…やらせて居れば良い」
学者「そろそろこっちもボルトが無くなるんすが…向こうも同じっすよね?」
盗賊「次は泳いで来るんじゃ無ぇか?」
学者「泳いで来ても船体丸いんで這い上がれんと思うんすが…」
ヒュルヒュルヒュル カーン!
剣士「おぉぉ!!剣も投げて来てる…やったぁ!!」
盗賊「アイツ等…もしかすると相当アホだぞ?接近武器無くしてその後どうすんだ?」
戦士「挑発とはな?こうやってやるんだ…見てろ」スタ
ジョロジョロジョロ
盗賊「だはははは…ションベンすんのか!!俺にもやらせろ!!」ダダ
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:25:38.81 ID:X4eygvxo0
学者「俺っちもやるっす!」ダダ
剣士「ええと…じゃぁ僕も?」シュタタ
女オーク「…」アゼン
ジョロジョロジョロ
盗賊「見ろ!!泳いで来る奴が居る!!だははははは!!」
学者「これ完全に怒ってるっすね…アハハハ」
ヒュルヒュルヒュル カラーン! カラン!カラーン!
剣士「あぁぁ武器が一杯手に入る…」シュタタ
盗賊「さて…馬鹿共は投げる物が無くなった訳だが…こりゃどうする?」
学者「高みの見物で良いんじゃないすか?船降りると一気に乗り込んで来そうっすよね?」
盗賊「ううむ…村の方が心配ではあるんだ…」
アオ〜〜〜ン アオ〜〜〜ン
少女「超ウルフが仲間呼ぶ…餌いっぱいある」
盗賊「おぉ…そんな手が使えるんか」
戦士「ミライ君…矢尻は無くて良いから簡単なボルトは作れないかい?」
剣士「ん?木材をちょっと切り出すだけなら直ぐ出来る…ただ真っ直ぐ飛ばないよ?」
戦士「良いんだ…海賊達を少し手負いにするだけで良い」
剣士「じゃぁ直ぐに切り出して来る…待ってて」シュタタ
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599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:26:30.17 ID:X4eygvxo0
『10分後』
ジャブジャブ
ゴラお前等ぁ!!こんな事してタダで済むと思ってんのかぁゴラァ!!
船から降りて来やがれ!!どこのどいつだゴルァ!!
学者「何か言っていやすねぇ…撃っちゃって良いすか?」
戦士「真下は狙いにくいが…」バシュン! グサ
海賊1「ぐぁ!!この野郎!!」
学者「ズルいっすよ…俺っちにもやらせて下せぇ」バシュン! グサ
海賊2「うがぁ!!くっそまだ矢が有るのか…野郎共!!潜って回避だ!!」ジャブン
学者「あたたたた…そんな息継ぎに出て来た所狙われるだけでしょうに…」
盗賊「どうやらそこら辺考える脳みそが足りん様だ…」
戦士「泳ぐために装備も脱ぎ捨てたな…」
盗賊「おいミライ!!まだ油玉残ってるか?」
剣士「有るよ?」
盗賊「一部海賊船の消火に行ってる奴が居る…武器とか持ち出しそうだから追加で燃やしてくれ」
剣士「おけおけ…でもちょっと遠いな」
盗賊「帆一枚で少し寄せてやる…」ダダ
ユラ〜 ググググ
海賊1「ゴルァ!!何処行くんじゃい!!」ジャブ
海賊2「おい…陸で何か騒いでるぞ?」
海賊1「村の奴らが反撃して来てんのか?」
海賊2「一旦戻るか…」
学者「何言ってるんすか…逃がさんですよ」バシュン! グサ
戦士「ボルト全部撃ち尽くすぞ」バシュン! グサ
剣士「届けぇ…」ダダダ ポイ
ボゥ メラメラメラ
盗賊「こりゃ引き上げても良さそうだが…まぁ暗いから朝まで待つかぁ…」
戦士「うむ…浅瀬だから座礁しては元も子もない」
盗賊「少しづつ風で流れてんのよ…碇降ろすと多分登って来るよな?」
剣士「碇の鎖に油を塗ろうか?錆び防止にもなる」
盗賊「おぉ!!そりゃ面白い絵が見れそうだ」
剣士「碇降ろして良いよ…油塗って来る」スタタ
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600 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:27:08.26 ID:X4eygvxo0
『翌朝』
ザブン ザブン
盗賊「夜が明けたら燃えた海賊船をちっと見に行こうと思ってたんだが…」
学者「漁村の住人に先越された感じっすか?ふぁ〜ぁ…」ゴシゴシ
盗賊「こりゃ…行けそうに無ぇなぁ…」
学者「良いんすか?兄貴は漁りに行くの好きっスよね?」
盗賊「そうなんだが…見ろ」
学者「死んだ海賊の死体囲んでケリ入れて居やすね?」
盗賊「まぁ多分犠牲者が出てんだろ…そんな中俺が海賊船漁りにも行けない訳よ」
学者「他の海賊共はウルフに追われて散った感じっすね?」
盗賊「だろうな?…さて…帆を開いてくっから舵頼む」
学者「へい!!」
盗賊「寝てる奴はまだ起こすな?」ダダ
学者「分かって居やすとも…」
学者「なんちゅぅか…漁村にも営み有ったんすよねぇ…誰か死んだらそりゃ悲しい…」
学者「どうしてこんなんなっちゃうんだか…」
バサッ グググググ
盗賊「碇上げるぞ?陸沿いに進め」ダダ
学者「へ〜い!!」グイ
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601 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/12(月) 18:28:12.42 ID:X4eygvxo0
『外海に出る海峡』
ザブ〜ン ユラ〜リ ギシ
盗賊「この灯台を超えたら左手に陸を見ながら行けばバン・クーバだ」
学者「あとどんくらいっすか?」
盗賊「丁度折り返しだな…1週間は掛からん筈」
学者「まだ先が長いっすねぇ…」
盗賊「陸沿いは海賊が出るらしいからまだ気は抜けん」
ガチャリ ギー
剣士「船体に刺さった矢を全部回収してきたよ」ドサリ
盗賊「おぉ!!何本くらいある?」
剣士「う〜ん…50本くらい?」
盗賊「無いよりマシだな…お前弓は作れんか?」
剣士「材料が無いなぁ…今の木材で作ってもあまり飛ばない」
学者「堅い木が必要なんすね?」
剣士「それもあるけど弦にも問題がある…ロープじゃダメだよ」
盗賊「まぁ仕方無ぇ…昨夜手に入れた武器類はどうだ?」
剣士「普通の炭素鋼の武器だね…僕は斧が欲しかったから満足してる」
盗賊「斧なんぞ使うんか?」
剣士「金床が無かったからさ…鉄を打つのに丁度良かったんだ」
学者「なんちゃって鍛冶屋が出来るんすね?」
剣士「釘を作る専門の鍛冶屋だね」
盗賊「釘がありゃもっと色々作れそうだな?」
剣士「うん!!木組みだけで作るのは結構大変だったんだよ…釘が有れば船の補修も出来るね」
盗賊「そうだ斧がぶっ刺さった所に板を張っといてくれよ…割れちまってんだろ」
剣士「一回戦闘すると結構傷んじゃうね?矢が刺さった跡も穴が開いちゃってさ」
盗賊「もうやりたく無ぇ…まだフィン・イッシュまで行かなきゃなんねぇからな…」
剣士「上手く補修するなら…骨粉でノリを作ってピッタリハマる木材貼り付けるか…」
盗賊「板を貼るだけじゃダメってか?」
剣士「それだと只のぼろ隠しになる…しっかり補修してから板を貼らないといけない」
盗賊「うは…手間が掛るな…」
--------------
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:29:04.11 ID:X4eygvxo0
『外海』
ザッパ〜〜〜ン ユラ〜〜〜
盗賊「やっぱ外海は波が全然違うな…」
戦士「風が強いな…」キョロ
盗賊「嵐が来るってか?」
戦士「いや…嵐とまでは行かんが雨が降るだろう」
盗賊「てことは視界も悪くなる…海賊に見つからんで済むという見方もある」
戦士「この船…見た所かなり古そうだが浸水は大丈夫だろうな?」
盗賊「おっとぉ!!考えて無かったわ…」
学者「丁度今ミライ君が船の補修やってるんで言ってきやしょうか?」
盗賊「おう!!…てかお前もゴロゴロして無いで手伝ってやれい!!」
学者「あちゃーー分かりやしたよ…トホホ」スタ
盗賊「しかし全然考えて無かったな…そういや甲板の板は隙間だらけだ…」
戦士「水を汲みだす準備もしておいた方が良かろう」
--------------
『甲板』
カクカク シカジカ…
剣士「ええええ!!?穴の補修だけじゃ済まない!?」
学者「俺っちも手伝いやすよ?」
剣士「そんな…甲板もだけどそこら中隙間全部埋めるなんて材料が足りない…」
学者「板貼るだけじゃやっぱダメなんすかね?」
剣士「水漏れは簡単に止まんないさ…どうしよう…」
学者「何が足りんのですか?」
剣士「隙間を埋める練り物…ええと骨粉と貝殻の粉の奴」
学者「油玉作った奴っすね?」
剣士「どうするかな…今から骨砕いて作るのに…」
学者「手伝いやすよ?」
剣士「船底に骨と貝殻が捨ててあるんだ…それを拾ってハンマーで細かく砕いて欲しい」
学者「分かりやした…どの位必要で?」
剣士「釜一杯分あれば足りると思う」
学者「えええええ!?そんなに…」
剣士「姉さん!!釜で湯を沸かしておいて!!骨粉で接着剤作る」
女オーク「いつもの奴ね?」
剣士「うん!!…ええと練り物を量増ししたいな…ボロキレ崩して繊維にするか…」
学者「骨砕くのに作業台使わせてもらいやすぜ?」
剣士「急いでね!!」
-------------
603 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:30:07.85 ID:X4eygvxo0
『練り物』
グツグツ…ポコ
剣士「ゲスさん!釜の中混ぜるの代わって!」グルグル
学者「これ時間掛かりやすね?」
剣士「骨がしっかり溶けるまで茹でなきゃいけない…」
学者「貝殻の粉とボロキレの繊維はいつ入れるんすか?」
剣士「それ姉さんに聞いて?僕は板の切り出しに行って来る」スック
学者「わかりやした…これ混ぜるのも力が居るんすね…」グルグル
剣士「焦がしたらダメだから!!休まないで混ぜて!!」タッタ
学者「ひぃ…ひぃ…」グルグル
--------------
『デッキ』
ザブ〜ン ユラ〜
盗賊「雲が張って来始めたな…」
戦士「やはり雨が来るか…」
盗賊「おい!嬢ちゃんよ…お前風が読めるんだろ?天気はどの位持ちそうだ?」
少女「お前…馴れ馴れしい」プイ
盗賊「くぁぁぁ頼む嬢ちゃん!水浸しにゃなりたく無いだろ」
戦士「持って半日か…私も手伝って来るか」ボソ
少女「舵やらせろ…お前も手伝え」
盗賊「んぁ?嬢ちゃんに舵動かせるか?こりゃクソ重いんだぞ?」
少女「うるさい…サッサと行け」グイ
盗賊「ヌハハやれるもんならやってみろ…壊すなよ?」
少女「ふぬぬぬ…」グググ
--------------
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:30:50.09 ID:X4eygvxo0
『甲板』
ヌリヌリ…
剣士「そうそう…隙間に入れ込む感じで塗り込むんだ」
学者「こりゃ全部やるの大変っすね…」
剣士「木材が縮んでそこら中スッカスカだよ…大きい隙間見つけたら教えて?下から板を当てて来る」
学者「へい!!」
盗賊「よう!!手伝いに来たぜ?」
剣士「あぁぁ助かる…練り物を板の隙間に塗り込んで欲しいんだ」
盗賊「これだな?」
剣士「うん!まだ甲板しかやって無いから船首の方とか船尾も全部塗って欲しい」
盗賊「こりゃ練り物足りるんか?」
剣士「姉さんが作り増してくれてるさ…えーと!大きな隙間を見つけたらソコに何か目印置いといて…後で処置する」
盗賊「分かった!ほんじゃ俺は船尾側行くわ」
剣士「船尾楼のスキ埋めはもう住んでるからその後ろ側ね」
盗賊「分かってる分かってる!!リコルは船首側頼むな?」
戦士「承知…」スタ
--------------
『2時間後』
ゴシゴシ ゴシゴシ
剣士「骨粉と貝殻の粉を撒いて行った所からブラシでしっかり擦って!」
学者「へいへい…」ゴシゴシ
盗賊「うはぁ…俺がミライに掃除させられる事になるとはよう…」ゴシゴシ
女オーク「ウフフ…」ゴシゴシ
剣士「…これで水が流れて行く所に上手く溜まってくれれば良い」マキマキ
盗賊「これで仕上げか?」
剣士「まだ!!油をしみこませたボロキレで全部拭く」
盗賊「まだ在んのか…そろそろ腰が痛くなって来たんだが…」
剣士「今までほったらかしにしたツケだね…時間一杯有ったのにさ」マキマキ
戦士「磨き終わった所から油で拭けば良いのか?」
剣士「うん!!油を直接垂らすのはダメ!!ボロキレに染み込ませて薄く塗る…その後おが屑撒く」
戦士「ハハ中々にいろいろ工程がある…」
剣士「船の手入れという意味だと本当は船内も全部やった方が良いね」
学者「あぁぁぁ…なんかミライ君がいつも作り物してる理由が分かって来やしたよ…」ゴシゴシ
盗賊「何やるにしても手間が掛ってんだ…」ゴシゴシ
学者「一朝一夕じゃ何も出来んてこってすね…」
--------------
605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:31:31.29 ID:X4eygvxo0
『雨』
ポツポツ ポツ…
盗賊「降って来やがったが…なんとか間に合ったか?」
剣士「雨漏りを受ける容器が沢山必要だよ!!食器を全部集めて!!」ドタドタ
盗賊「こりゃ休まらんな…」
剣士「積み荷の木材が水吸っちゃうと重くなりすぎて沈没するかもしれないよ」
盗賊「マジか…」
学者「容器持って荷室行きゃ良いっすかね?」ガサ
剣士「うん!漏れの多い所は補修しなきゃいけないから教えて欲しい」
盗賊「うっし!!久しぶりに体全部洗えると思って気合入れて行くか!!」ヌギヌギ
剣士「ええ?裸で?」
盗賊「おうよ!!溜まった雨水で体洗うんだ」
剣士「アハハ…良いね?」
盗賊「湯を沸かして樽に入れれば風呂にもなるぞ?」
剣士「おお!?それ採用!!よし…姉さんに湯を沸かして貰う」
盗賊「楽しみが増えたか?」
剣士「雨はそんな楽しみがあるかぁ…ワクワクしてきたぞぉ!」
--------------
606 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:32:21.58 ID:X4eygvxo0
『樽湯』
チャプン モクモク
剣士「姉さん!湯加減はどう?」
女オーク「すこし冷めて来たから足し湯が欲しいわ…」チャプ
剣士「これ…一緒には入れなさそうだね」チョロチョロ
女オーク「無理ね…湯が全部溢れてしまう」
剣士「この場所…船首楼で丁度隠れて良い水浴び場になりそうだ」
女オーク「良いの?雨漏りの処置に行かなくて?」
剣士「まだどこで雨漏りするか分からないからさ…もう少し雨が降ってからだね」
女オーク「雨に当たりながらの湯は気持ち良い…」
剣士「姉さん沢山働いたから体を温めてゆっくりしてて良いよ」
女オーク「ウフフ…」チャプン
シュタタ シュタタ
少女「ミライ!!何か来る!!休む暇無い!!」シュタ
剣士「え!!?」
少女「雨で匂い流れる…父…何処行った?」
剣士「荷室に降りてる筈…」
少女「急げ!!何か来る!!」シュタタ
剣士「ちょ…」キョロ
シュルシュル ガツン!
女オーク「え!!?」ザバァ
剣士「ロープが掛けられた音だ…マズい!!」
海賊1「うらぁぁぁ乗り込めぇぇ!!」
海賊2「ひゃっほーーーう!!」
女オーク「ミライ!!私が時間を稼ぐ!!皆呼んできて!!」ザブ ダダダ
剣士「姉さん…裸で戦うの?」
女オーク「気にならない…木槌で戦うから早く行って!!」ダダ
--------------
607 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:33:39.39 ID:X4eygvxo0
『乱戦』
ドヤドヤ
ロープもう一本引っかけろアホがぁ!!
おい止まるな!!早く乗り込めぇ!!
梯子はどうした!梯子は!!乗り遅れんぞ!!
海賊1「おやおや裸の女が飛び出して来るとはこりゃツイてる…ぐへへへへ」ブン ブン
海賊2「ウハハハ…デカい木槌で俺らをぶっ叩こうってのか?」ペロリ
海賊3「この女良く見たらオークだ…こりゃ毎晩楽しめるぞ?」ヘコヘコ
女オーク「…」---多い---
海賊3「さぁ大人しくしてりゃ殺しゃし無ぇ…武器を降ろ…」
女オーク「…」ダダ ブン
海賊3「ぶへぇぇ…」ポーン ボチャーン
海賊2「やりやがったなゴルァ!!」ブン スパ
女オーク「くぅ…これくらい!!」ダダ ブン
海賊2「げひぃぃ…」ポーン ボチャーン
海賊1「くそコイツ…」タジ
ヨジヨジ ヨジヨジ
女オーク「…」---ロープを伝ってどんどん登って来る---
女オーク「…」---時間を掛ければ不利になる---
女オーク「…」タジ
海賊1「お前等ぁ!!早く登って来い!!」
女オーク「…」---私の剣は船首楼の中---
女オーク「…」ダダ
海賊1「ウハハ逃げやがった…お前等ぁ!!早く乗り移れ!!船尾楼を占拠するぞ!」
海賊4「こりゃどうなってる?何で2人海に落ちたんだ?」スタ
海賊1「オークが乗ってたのよ…まぁ逃げたんだがな?…他に乗ってる奴探すぞ…女以外皆殺しで良い」
ガチャリ ダダダダ ブン!
海賊4「どわぁっ…」ポーン ボチャーン
海賊1「何だ?剣と木槌の二刀流か?」タジ
608 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:34:47.67 ID:X4eygvxo0
女オーク「…」ダダダ ピョン
海賊1「おい!!俺らの船に…飛び移る…だと?」
海賊5「何だ今の!?裸の女が飛んでったんだが…」
ガチャリ タタタターン!
海賊1「ぐはぁぁ…」ブシュー
学者「何勝手に乗り込んでるんすかねぇ…」タタタターン
海賊5「銃器…だと?」ガク ドクドク
学者「雑魚相手に使いたく無かったんすよね…」スタスタ
剣士「姉さんは!!?」キョロ
盗賊「おい!!ロープで乗り移って来る前に切っちまうぞ!!」
剣士「あああ!!姉さんが向こうの船に…」ダダ
盗賊「何ぃ!!」
コーン コーン コーン
盗賊「うぉ!!マスト切り倒そうってのか…」
剣士「ロープ切ったら姉さんが向こうの船に取り残される…」
盗賊「ちぃぃ…しゃぁ無ぇ!!乗り込む前に蹴り落とせ!!」ダダ ドカ
シュン! グサ
盗賊「ぐぁ!!くっそ下から弓撃って来やがる…」
学者「任せて下せぇ!!」タタタターン
海賊共「ぎゃぁぁ…」ボトボト ボチャーン
メキメキメキ ガッサー ザブーン
盗賊「うほーーメインマスト切り倒しやがった…」
剣士「姉さんが走ってロープに掴まった…他のロープを切っちゃおう!!」ダダ スパ
盗賊「リッカが掴まってるロープ引き上げるぞ!!」グイ
剣士「姉さん弓で撃たれてる…早く!!」グイ
学者「援護しやすぜ?」タタタターン
--------------
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:36:22.27 ID:X4eygvxo0
『甲板』
グイグイ ドタリ
盗賊「ふぅぅ…危機一髪だぜ…リッカ!!随分弓で撃たれた様だな?大丈夫か?」
女オーク「くぅぅ…背中の矢を抜いて」
盗賊「血だらけだな…ちっと痛むぜ?」ズボォ ドクドク
女オーク「ぅぅぅ…」
剣士「姉さん!!今治してあげる…」スッ
女オーク「ミライ駄目!目隠しを外しては駄目…その力は必要無い」グイ
剣士「でも血が…」
盗賊「ゲス!!治療出来るか?」
学者「へい!!ちっと見せて下せぇ…」ジロジロ
盗賊「他の矢も抜くぜ?」ズボォ ドピュー
学者「ポーションあるんで一口飲んで下せぇ…」クィ
女オーク「むぐっ…」ゴクン
学者「さすがオークっすね…筋肉の奥までは刺さって無さそうっす…ミライ君!!ボロキレ持って来て下せぇ」
剣士「直ぐに持ってくる!!」ダダ
学者「傷も縫わん方が良さそうっすね…圧迫止血だけで元通りっすよ」
盗賊「…だそうだ?まぁ…これぐらいでオークが死ぬとは思えんがなヌハハ」
女オーク「他の矢も抜いて欲しい…手が届かない」ググ ピュー ドクドク
学者「動かんで下せぇ!出血して勿体無いっす」
盗賊「抜くのは少し待て…ミライがボロキレ持って来てからだ」
剣士「持って来たぁ!!」ドサァ
学者「俺っちが矢を抜いた痕に圧迫止血していくんで順に矢を抜いて欲しいっす」グイグイ ギュゥ
剣士「姉さん痛く無い?」オロオロ
盗賊「…」---こいつ…何か力を隠し持ってる様だな---
---あの目隠しの下に秘密有りか---
---状況からみて治癒魔法の類---
---しかし何故隠す必要がある?---
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:37:17.41 ID:X4eygvxo0
『船尾』
ザザザザーーーー
盗賊「リコル!ここに居たか…何をしている?」
戦士「他の海賊船が居ないか見張って居るのだ…雨だと思って警戒を怠ってしまったからな」
盗賊「丁度ここは船尾楼の梁に隠れて雨に当たらんか…」
戦士「フフ…しかし何処から接近されたか分からなかったな?」
盗賊「船が並走していたから後ろから追い越して来たのだろう」
戦士「あの海賊船…帆を一枚焼いた船だ」
盗賊「そうだったのか…気付かなかった」
戦士「ここまでずっと追って来た事を思うと…仲間の海賊船が居るかもしれない」
盗賊「なるほど…」
戦士「娘の鼻は雨の日は役に立たない…私はここでしばらく監視を続ける」
盗賊「ふむ…ここは雨が当たらんから篝火を焚いても良さそうだ…」
戦士「それほど寒くは無いぞ?」
盗賊「老戦士へのいたわりだ…篝火で芋でも焼くと良い」
戦士「フフ…そうさせて貰う」
--------------
『船首楼』
ポタポタ ピチョン
剣士「姉さん…木の芽を蒸かしたよ…食べて?」
女オーク「私はもう大丈夫なのに…ミライが食べて?」
剣士「何言ってるんだ…血が足りないんだから…ほら」
女オーク「はむ…」モグモグ
剣士「なんだろう…姉さんの血を見ると落ち着かない…腹が立つ」イラ
女オーク「もうあの力を使っては駄目よ?約束して」
剣士「…分かってるさ…でも姉さんが死ぬくらいなら…使う」
女オーク「…」
剣士「危険な力なのは分かってる…魔術書で調べたから」
---そう---
---力を使うと僕が消える---
---でもその力は…僕の思い通り…世界を作る事が出来る---
---量子転移---
---究極の魔法---
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:38:12.22 ID:X4eygvxo0
『深夜』
ユラ〜 ギシ
剣士「すぅ…」zzz
女オーク「…」---またあの力を使ってしまうくらいなら---
女オーク「…」---旅になんか出ない方が良かったかも知れない---
あなたは力を使って
自分を犠牲にして…居なくなった
夢の中の出来事
でもそれは本当に有った出来事…暁の使徒の記憶
だからもう…失わせない
女オーク「生まれ変わって…幸せですか?」
剣士「むにゃ…ごにょごにょ…」zzz
女オーク「あなたを愛しても…良いのですか?」
剣士「すゃ…」zzz
女オーク「…」
--------------
--------------
--------------
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:38:48.35 ID:X4eygvxo0
『数日後』
ザブ〜ン ユラ〜
盗賊「また雨が降りそうだな…」
学者「降ったり止んだりっすねぇ…」
盗賊「しゃー無ぇ…ミライに言われる前に床磨くかぁ…」ノソ
学者「もう雨漏りは大分良くなったんすがね…」
盗賊「多分アレだ…雨が降る前に必ずやっとかなきゃイカン系のやつだ」
学者「じゃぁ俺っちも粉作って来るっす」スタ
スタタタ
剣士「アランさん!!大変だ!!前方に大きな船が見える」
盗賊「なぬ!?どこよ!?」キョロ
剣士「船首から見えた…まだ遠いけどね」
学者「見に行きやしょう!!」タッタッタ
--------------
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:39:52.91 ID:X4eygvxo0
『船首』
ユラ〜リ ギシ
盗賊「おぉ!!アレか…帆の陰になってたんか…」
剣士「大きいよね?」
盗賊「ありゃ軍船だな…くそデッカイキャラック船だ」
スタスタ
戦士「どれどれ?」ジー
盗賊「おぅリコル…船尾の監視は飽きたんか?」
戦士「声が聞こえたから見に来たのだ…ふむ…もう海賊は出ないな」
盗賊「やっぱ軍船だよな?」
戦士「海の治安を守っている船だ…他にも沢山小さな船が居る筈」
剣士「あぁぁ!!居る居る!!三角帆一枚の小さな船」
戦士「高速のスループ船…3〜4人が乗って巡回しているのだ…スクーナーよりも早い」
盗賊「ってことはバン・クーバに近いんだな」
戦士「どうやら無事に辿り着けそうだ…なかなか楽しい航海だったなハハハ」
剣士「うわぁ…あの船早いなぁ…」アゼン
盗賊「こっちに近付いて来てるのは様子見に来てんだな?」
戦士「恐らく…」
剣士「小さな船が沢山こっちに来るよ」
戦士「ところでミライ君…君の目隠しはどういう仕組みなんだい?」
剣士「え?只の目の粗い布さ…透けて見えてるだけだよ」
戦士「目を隠さなくてはならない理由でも?」
剣士「姉さんが隠せって…その理由は言えない」
戦士「そうか…まぁ気にしないでくれ」
剣士「目隠しをしてた方が良い事もあるんだよ?すごく遠くが見やすいんだ」
戦士「ほう?」
剣士「そして近くを見る時は音とか匂いを感じながら見る…だから戦いの時に良く動けるんだ」
戦士「なるほど…今度理由を聞かれた時はそう答えると良い…余計な誤解を生まないで済む」
剣士「ハハそうだね…」
--------------
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:41:04.51 ID:X4eygvxo0
『行き会い』
ザブ〜ン ユラ〜リ
剣士「大きいなぁ…」フリフリ
学者「こっちと比較にならんっすね…」
剣士「あ!!向こうも手を振った!!やった!!」ブンブン
盗賊「いやしかし間近に見ると圧巻だな…」タジ
戦士「主力はスループ船とスクーナーの方だ…このキャラック船は補給船だぞ」
盗賊「俺がガキの頃はよ…このでかいキャラック船よりも更にデカい船が有ったんだ…機械で出来た船な?」
剣士「そんな大きな船が…」ポカーン
盗賊「キ・カイの軍港に良く出入りしてたのよ…機械の反乱の後は何処行ったか分からん」
学者「噂じゃ外海に行ったっきりっすね」
盗賊「近くで見て見たくて何回も軍港に忍び入ったんだが…毎回捕まってお袋が謝りに来てた」
学者「最近だと機械じゃなくて蒸気船ってのが出て来たらしいっす」
盗賊「ほう?何だソレ?」
学者「帆に加えて蒸気でプロペラを回すとか…ミネア・ポリスで造船されたらしいっすよ?」
盗賊「なぬ!?海に接して無いだろう」
学者「湖に流れてる川を登るらしいすよ?」
盗賊「マジか…逆流でもスイスイってか?」
学者「地下列車も蒸気で動かす様になったんでこれからは蒸気機関の時代っすね」
盗賊「魔石が入手出来なくなったからなぁ…」
学者「メチャクチャ高くなりやしたよね…俺っちのバヨネッタも魔石必要なんでいつまで使えるか…」
盗賊「ロボの魔石もそろそろ交換時期だ…バン・クーバに戻ったら買わなきゃならん…」
学者「金有るんすか?」
盗賊「んむむ…又ドロって来ないと足りんな…」
学者「兄貴は良いっすねぇ…どうにか資金調達出来るんで…」
-------------
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:42:36.71 ID:X4eygvxo0
『船尾楼』
ユラ〜 ギシギシ
盗賊「さっき見えた灯台が…海図で言うココだから…ちょい進路右だな」グイ
学者「これこのまま行ったら夜中の内に着いちゃうんじゃないっすか?」
盗賊「他の船と結構行違う様になったから速度落とさにゃならん…まぁ明日の朝だ」
学者「朝になったら雨止むと良いっすね」
盗賊「うむ…」
戦士「アラン達は到着した後どうする?」
盗賊「とりあえず姉御の事が心配だから一度傭兵ギルドの方へ顔を出す…リコルはどうするんだ?」
戦士「宿屋だな…」
盗賊「積み荷をどうするとか聞いて居ないのか?」
戦士「あぁ…それは向こうがこちらを見つけてくれるのを待つんだが…」
盗賊「向こうって何ヨ?」
戦士「まぁ隠して居ても無駄だから言うが…私の妻が先にバン・クーバに移動しているのだ」
盗賊「なるほど?つまり宿屋で待ち合わせという事か…」
戦士「う〜ん…ハッキリ言うと何処に居るか分からん」
盗賊「くぁぁぁ何だソレ!!」
少女「母…父来たの匂いですぐわかる」
盗賊「…なるほどな?」---母親もそっち系か---
戦士「実を言うと今回の船旅は私からすると家族旅行なのだ」
盗賊「んん?」
戦士「この子の他にあと2人姉が居てな…フィン・イッシュの祖父の所で世話になっている…家族で会いに行くという事なのだ」
盗賊「娘が3人居たってか…」
少女「父…秘密はしゃべるな…母に言うぞ」
盗賊「ヌハハなんかお前ん所の家族が大体分かって来たぞ…能力持って居ないのはお前だけだな?」
戦士「まぁ言うな…」
盗賊「家族全員揃うってのは羨ましい限りだ…ほんで?嫁と合流するまではどうなるか分からんと」
戦士「その通り…荷の入れ替えは少なくとも3日は必要になるだろう…それまで自由だ」
盗賊「俺も色々やりたい事があるからその方が良い」
少女「お前ー!!母は怖いぞ?…覚悟しておけ?」
盗賊「俺は何もして無ぇだろ…怒られる理由が無ぇ!!」
少女「手紙…」
盗賊「う…」ギク
少女「忘れるな?」ジロ
盗賊「わ…分かってらい!!」
--------------
616 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:43:32.11 ID:X4eygvxo0
『翌日_バン・クーバ港』
ガコン ギシギシ
盗賊「うっしゃぁぁ!到着!!」
学者「兄貴ぃ…これ船泊めとくのやっぱタダじゃないっすよね?」
盗賊「悪りぃ…ちっと立て替えて置いてくれ…後で返す」
学者「やっぱそうなりやすよねぇ…トホホ」
盗賊「リコル!!荷物持って居りて良いぞ!!…連絡は追ってだな?」
戦士「ハハハそう慌てなくても良い…と思う」
盗賊「わーってるわーってる!!嫁によろしくな?」
少女「うぉーーーー!!都会ぃぃ!!」シュタタ
ウルフ「ワフワフ!!」シュタタ
戦士「ハハハやっと船から降りられて嬉しい様だ…では又」ノシ
盗賊「おう!!又な?」ノシ
学者「兄貴ぃ!!俺っち先に金払って傭兵ギルド行っときやすね?」
盗賊「分かった…俺は後からミライとリッカ連れて向かう…おっと待て!!」
学者「なんすか?」
盗賊「お前のバヨネッタ…ロボの筐体ん中入れとけ」
学者「うおっと忘れて居やしたね…」ガチャ ガチャ
ロボ「ピポポ…」クルクル
学者「じゃぁ行っときやす!」タッタ
盗賊「さぁて…俺の荷物と言っても何も無ぇな…さっさと2人連れて行くか?」
ロボ「ピポポ…」ウィーン
--------------
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:45:08.83 ID:X4eygvxo0
『桟橋』
ギシギシ
盗賊「包帯はまだ取れ無いのか?」
女オーク「ゲスさんがまだ取るなって…もう痛く無いのに」
盗賊「アイツはまぁ腐っても医者だからな…何か理由あんだろうな」
剣士「姉さん!!剣忘れてるよ…」
女オーク「そうだったわね…」スチャ
盗賊「武器携帯か…禁止されちゃ居ないが…毛皮の中にしっかり隠しとけ」
女オーク「分かった…」ファサ
剣士「なんか…他の人はみんな薄着だね」キョロ
盗賊「割と温かいからな?まぁ…毛皮着こんだからと言っておかしい訳では無いぞ?」
盗賊「高級品だから洒落て着こむ奴も多い」
剣士「僕この港の方までは来た事無いんだ…遠くから見てるだけだった」
盗賊「軽く説明するか?」
ええと…こっち側の大陸じゃ珍しく殆どの建物が地上に建ってる
一応地下都市は有るんだが先の大戦で大部分が埋まっちまった
キ・カイよりかなり気候が良いもんだから皆こっちに移住した訳だ
ほんで今は建築ラッシュ…木材が必要な訳よ
剣士「へぇ…入り組んだ地形が港に適してるのかな?」キョロ
盗賊「それもあるんだろうが…古代でも港だった様で色々都合が良いらしい…防波堤とかな?」
剣士「今日は何処で寝るの?」
盗賊「宿屋でも良いんだが…傭兵ギルドに宿舎があってそこを自由に使えるんだ」
剣士「僕達ギルドに入って無いけど?」
盗賊「あぁ気にすんな…そんな奴他にいくらでも居る」
剣士「なんか人が多い所は姉さん怖がるんだ…」
盗賊「そうか…ほんじゃ俺らの隠れ家が良いな」
剣士「俺ら?」
盗賊「昔の連れが集まる場所だったんだがよう…今は誰も使って無い…まぁ物置だな」
剣士「物置の方が落ち着くかな…」
盗賊「とりあえず俺は傭兵ギルドに預けてる金を取りに行くんだ…まぁ観光だと思って付き合え」
剣士「分かった…姉さん行くよ」グイ
女オーク「手は繋がなくてもちゃんと付いて行くわ」スタ
--------------
618 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:45:59.63 ID:X4eygvxo0
『商店街』
ワイワイ ガヤガヤ
剣士「ああああああ!!松ぼっくりだ…マンドラの根もある…」アレモ コレモ
盗賊「ヌハハ買い物は後でたんまり買えるぞ?」
剣士「姉さん!!すごく安いよ…お金いくら持ってる?」
女オーク「銀貨70枚くらい…」
盗賊「おいおい…慌てなくても逃げんぞ?」
剣士「なんでこんなに安いの?」
盗賊「お前いつも何処で買い物してたのよ…」
剣士「地下の列車降りて直ぐの所…」
盗賊「そら向こうの大陸の物は港に近い方が安いわな…地下で安いのは硫黄とか鉱物系だ」
剣士「そうだったんだ…」
盗賊「まぁ傭兵ギルドまで行ったら船での働き分は俺が金を出してやる…そうだな…金貨10枚って所か」
剣士「うおおおおおおお!!姉さん!!3年は暮らせる!!」
盗賊「何言ってんだ!!サッサと行くぞ!!」スタ
---------------
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:47:45.20 ID:X4eygvxo0
『傭兵ギルド』
ザワザワ ヒソヒソ
ヒュー・ストンの大穴攻略失敗したんだってよ…
それでしばらく後退して再編成か…こりゃ又仕事が来そうだな
見ろ!ロストノーズの奴らが来た…目を合わすな
盗賊「いよう!!しばらくぶりだな?」
受付の叔母さん「あら?アラン君何処行ってたんだい?」
盗賊「ちっと野暮用でな?ほんで…預けた金を受け取りたいんだがよう…」
受付の叔母さん「はいはい…ええと…金貨40枚ね」パラパラ
盗賊「あれ?そんだけだったか?」
受付の叔母さん「嫌だねぇ…あんた酒場でツケ沢山有ったでしょう」
盗賊「ぬぁぁぁぁ忘れてた…」
受付の叔母さん「はい金貨40枚…袋に入れとくね」ジャラリ
盗賊「ちぃぃぃ…70枚のつもりだったんだが…」
受付の叔母さん「なんだい急にそんな大金が入用なのかい?」
盗賊「まぁちっと野暮用でな…ニーナ帰ってるよな?宿舎に居るか?」
受付の叔母さん「あらあら?あんたゲス君に聞いて居ないのかい?」
盗賊「なんだよ…」---まさか---
受付の叔母さん「ニーナちゃん気の毒だったねぇ…遺品の引き取り手が居なかったら部屋を片付ける所だったよ」
盗賊「お…おい!それってまさか…」
受付の叔母さん「部屋の方に遺骨が納めて有るから会いに行ってあげ…あら?ニーナちゃん?生きてるじゃないか」チラリ
女オーク「あ…いえ…」ハテ?
受付の叔母さん「じゃぁあの遺骨は一体誰の…」
盗賊「あぁぁ…違う…人違いだ」
受付の叔母さん「ええ?」ジロ
盗賊「悪りぃ…部屋見て来る…叔母さん騒がないでくれよ?」
受付の叔母さん「どうなって居るんだい?これは…」
盗賊「リッカ!ミライ!行くぞ!付いて来い…」グイ
女オーク「え…あ…」スタ
剣士「…」---なんだろう?視線が気になる---
--------------
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:48:49.93 ID:X4eygvxo0
『ニーナの部屋』
ガチャリ バタン
学者「うえっ…うええっ…姉御ぉ…なんでこんな…」ヨロ
盗賊「どけぇ!!」ドン ゴロゴロ
学者「姉御が…ぅぅぅぅ」
盗賊「こ…これが…」プルプル
学者「火葬して…骨だけに…ぅぅぅ」
盗賊「おいこりゃ夢だ…そうだ夢だ…こんな夢何回も見てる…」プルプル
女オーク「…」
盗賊「おかしいな何で冷め無ぇんだ」ゴン!
剣士「…」
盗賊「痛てぇな…おかしいな…」ポロポロ
学者「ぅぅぅ…」
盗賊「何でだよ…何でこんな事になってんだよ…何でこんなに小っちゃいんだよ…」ポロポロ
ロボ「ピ…」シュン
学者「俺っち達が…ヒック…地下列車に乗った時にはもう…死んでたらしいっす…」
盗賊「クッソ誰がやったんだ…」グググ
学者「味方の砲弾…2発直撃…うぇっ…そら死にやすよね…」プルプル
盗賊「だからこんなに小さく…」
女オーク「牙が残ってる…オークは死んだ仲間の牙を形見にする…」
盗賊「牙…そうだ…この牙をからかった事も有った」スッ
女オーク「その牙を持って居る限り…忘れない…ずっと心の中に生きる」
トントン
盗賊「誰だ!!」
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:50:50.71 ID:X4eygvxo0
受付の叔母さん「あんたにお客さんが来てんだよう…」
盗賊「取り込み中だと言ってくれ…そっとしといてくれ」
受付の叔母さん「そうかい?」スタスタ
盗賊「フー…フー…泣いてる場合じゃ無ぇ」ゴシゴシ
学者「兄貴ぃ…」
盗賊「書簡だ…姉御は書簡の秘密に気付いて殺されたんだ…探せ!!」
学者「ここは前に来た時に俺っちが見やした…」
盗賊「そうか…確かに誰でも入れる様な場所なら既に家探しされてるな…」ギラリ
盗賊「ロボ!姉御の遺骨は大事に預かっててくれ」パカ
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「ここの遺品持ってズラかるぞ…どっかに電脳化した奴が紛れてる」
学者「ズラかるって何処にっすか…」
盗賊「ギャング達の隠れ家だ…俺についてくりゃ良い」
剣士「さっき受付の所でスゴイ視線を感じたんだ…もしかして姉さんの姿見て勘違いして無いかな?」
盗賊「その可能性が高い…悪いな…騒動に巻き込んじまって」
女オーク「もしかして…狙われて?」
盗賊「相手はプロの暗殺者だと思って間違いない…窓から外に出るから準備しろ」ゴソゴソ
学者「扉に鍵を掛けて置きやすね」カチャ
盗賊「ロボ!先に窓から出すぞ…」グイ ポイ
ロボ「ピピ…」ガチャン プシュー
盗賊「最後に窓にも鍵かって行くから先に出ろ…」
学者「へい…」グスン スタ
盗賊「音を立てるな?」カチャカチャ カチン
盗賊「こっちだ…」タッタッタ
-------------
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/12(月) 18:52:25.10 ID:X4eygvxo0
『隠れ家』
シーン…
学者「ここが…兄貴たちの隠れ家…」キョロ
盗賊「ちぃぃ!!ここも荒らされて居やがる…」ガサガサ
学者「ギャング達しか知らない場所なんすよね?」
盗賊「なんでこの場所を知ってんだ!!?」ドン ガラガラ
学者「誰かが話した以外に考えられないんじゃないすか?…もう誰も信じられんすね」
盗賊「くっ…だから姉御は俺から距離を置いた…俺も疑われてた訳だ」
剣士「今日はここで泊る?」
盗賊「いや変更だ…こりゃ早い所盗賊ギルドに保護して貰わんと危ない」
学者「リコルさん達と合流っすね」
盗賊「うむ…しかしどの宿屋なのか…」
学者「兄貴ぃ…ここに装備品が色々あるんすが…変装しやせんか?」
盗賊「おぉ名案だ…特にリッカだな」
剣士「これどれ選んでも良いの?」ゴソゴソ
盗賊「今羽織ってる毛皮のマントはここに置いて行け…その辺の適当なやつに着替えろ」
剣士「姉さん!これなんかどう?」ファサ
女オーク「私は何でも良い…」
盗賊「顔を隠す必要が有るからフードの深い奴にしろ」ファサ
剣士「よし!僕も!!」ファサ
盗賊「そうだリッカ…先に金を渡して置く…金貨10枚だ」ジャラリ
女オーク「…」
盗賊「お前達は今回の件とは無関係だから…俺達に何か有った場合はその金使って上手く逃げろ」
盗賊「ここから列車でキ・カイに戻って元の生活をしても良い…商船に乗ってフィン・イッシュにも行ける」
女オーク「分かったわ…自分の命は自分で守る」
盗賊「うむ…ちっと俺は本気モードに入る…暗殺者をぶっ殺してやる」ギラリ
学者「…で?どうしやす?」
盗賊「今の所この場所は安全そうだ…ちっと俺が宿屋探して来るから待っててくれ」
剣士「じゃぁ装備品をゆっくり選ぼうかな」ゴソゴソ
盗賊「確か火薬も少し何処かに置いてあった筈だ…適当に持ってけ」
剣士「おぉ!!探してみる」ガサゴソ
盗賊「じゃぁな!」スゥ
剣士「ええ!!?き…消えた!!」キョロ
女オーク「え!?え!!?」キョロ
-------------
-------------
-------------
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/19(月) 19:23:05.51 ID:dZY0AJtp0
『1時間後』
スゥ…
剣士「うわ!!びっくりするなぁ…急に目の前に現れないでよ」ドキドキ
盗賊「これを装着しろ…」ポイ カラン
剣士「ん?木製の仮面…何コレ?」
盗賊「顔を隠すんだ…特にリッカな?」
剣士「こんなの付けてたら逆に目立たない?」
盗賊「今バン・クーバで流行ってる…手足の無い奴が木製の義足付けてるのと同じで…鼻を削がれた奴が付けてるんだ」
剣士「鼻?…あーそう言えば傭兵ギルドの中にも木製の鼻を装着してた人居たなぁ…」
盗賊「そいつらはロストノーズっていう有名な傭兵団だ…そん中のラシャニクアっていう女がこの仮面を流行らせた」
剣士「へぇ?」
学者「この辺じゃ有名っすよ?木製の鼻はその女が最初に付けてたんす…凄腕のスナイパーっすね」
盗賊「因みに俺らは元々パイアボーンっていう傭兵団だ…もう2人しか残って居ないがな」
学者「俺っちはその一人っすよ」
盗賊「リッカ!仮面を付けろ…宿屋に行くぞ」
女オーク「…」スチャ
剣士「もうリコルさん見つけたんだ?」
盗賊「あぁ…話は付けてある…大部屋に変更してそこに泊る」
学者「それが安全そうっすね…」
盗賊「行くぞ!!」スタ
-------------
624 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/21(水) 20:03:27.09 ID:bVSMz8780
『宿屋_大部屋』
ガチャリ バタン
盗賊「悪いな?分かれて直ぐに合流する事になっちまってよ…」
戦士「ハハハ気にしなくて良い」
少女「お前ー!やっと事態を自覚したな!?」
盗賊「保護を頼む…」
少女「グラスは3つだと聞いて居るぞ?1…2…3…4…多いな」
盗賊「俺は抜きで構わん」
少女「母は気まぐれだ…背中を撫でたら頼んでやっても良い」
盗賊「分かった分かった…」ナデナデ
少女「父ぃー…母遅いな」
戦士「気まぐれだから…ゆっくり待つしかない」
盗賊「さて俺はちっと調べたい事が有って出かける」
少女「何処行く…勝手に騒ぎ起こすな」
盗賊「分かってる…姉御の行先で思い出した事が有るんだ」
学者「え!?マジすか…」
盗賊「孤児院だ…姉御は孤児院に通ってただろう」
学者「あぁぁそうっすね…」
盗賊「遺骨は孤児院にでも埋めて来る…そこにもきっと姉御の心が宿ってるだろうから…」
少女「許す…行って来い」
盗賊「ロボ…これで姉御とはおさらばだ…」パカ
ロボ「ピ…」シュン
盗賊「じゃぁ行って来るな?」ダダ
---------------
625 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:03:55.48 ID:bVSMz8780
『談話』
…そのラシャニクアっていう女は
子供の頃不幸な事に奴隷として貴族に連れまわされてたんす
船での観測ってずっと見張りして無きゃいけないんで大変っすよね?
それをやらされてたんす…その甲斐が有ってか今じゃ凄腕スナイパーっすよ
ほんである時…海賊王の娘が乗る船に遭遇して捕らわれの身っすよ
海賊王の娘はその船に乗ってた人全員の鼻を削いじまった
女も子供も全員っすね
剣士「鼻って削いだらもう生えて来ないよね?」
学者「そうっすね…でも命に係わる事は無いもんで良かったっすね」
剣士「それで鼻が無いのかぁ…気の毒だなぁ…」
学者「子供の鼻も削いじまったんすからねぇ…その後の生活で苦労は有ったと思いやす…差別とか…」
剣士「差別か…」チラ
女オーク「気にしてない…」ボソ
学者「まぁ今ではラシャニクアを知らん傭兵は居らんですね…戦場の女神なんて呼ばれてた事もありやす」
剣士「傭兵ギルドにその人居たの?」
学者「俺っちは見てないっす…只ギルドにロストノーズの連中が集まってたんで居るかも知れんっす」
少女「むふ…」ニヤニヤ
学者「何すか?」
少女「何でも無い…思い出し笑いだ」
学者「ちょっと何かお腹に入れたくなって来たっす…」
剣士「僕もお腹空いて来たなぁ…」
少女「父ぃーー!!何か買って来い」
戦士「んん?構わんが…何が食べたい?」
少女「松の実を見た」
剣士「おおおおお!!僕も見た!!松ぼっくりが安かったんだ!!」
戦士「そりゃ良い…丁度酒のつまみが欲しかった」
学者「俺っち肉が食いたいんすけど…」
戦士「適当に調達してくる…ここで待ってろ」スック
--------------
626 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:04:28.53 ID:bVSMz8780
『食事』
ガツガツ ムシャムシャ
学者「うんま!!うんま!!」ガブリ モグ
少女「死肉がそんなに美味いか?」
学者「死肉?…これ普通の肉っす」モグモグ
少女「ゾンビを食べてる様にしか見えん…」ウゲー
学者「生魚食べるのもどうかと思うっすよ?」ガツガツ
女オーク「ミライ?松の実だけ取り出したわ…食べて?」
剣士「半分こしよう…姉さんも食べてよ…血が足りないでしょ?」
学者「ああ!!忘れてた…リッカさん傷を見せて貰って良いっすか?」
女オーク「え…そろそろ包帯を外したいのだけれど…」
学者「実験中なんす…」スルスル
剣士「姉さんの体で実験!?」
学者「ふむふむ…やっぱりっすね…」
女オーク「何?」
学者「オークは薬草とかポーションの類に効果が無さそうっす…使う意味無いっすね」
剣士「え?」
学者「リッカさんにポーション飲ませたんすけど普通は反応が出るのに出ないんすよ…傷も薬草有り無しで差が無い」
剣士「傷はもう塞がってるけど?」
学者「元々治癒力が高いんで塞がってるんすね…皮膚の具合に差が無い…薬草塗るとそもそも変色するのにそれも無い」
女オーク「オークは傷付くと薬草を少し食べる…他には琥珀とか」
学者「回復のさせ方が人間と違うんすね…でもポーション飲んで反応出ないのはどうしてなんすかねぇ…」
女オーク「病気に掛からない…から?」
学者「あああ!!そういう事っすか…実はっすね…オークの血は人間への輸血にスゴイ適してるんすよ」
女オーク「え?そんな事初めて聞いた…」
学者「戦場では失血が命取りなんすけどオークが居るとスゴイ助かるんす…輸血要員として」
剣士「それってオークを道具にしてるという事だよ」
学者「分かって居やす…だからオークを癒すのはどうすれば良いのか考えてるんす」
剣士「姉さんを癒すのは温かい湯…それから食事」
学者「温度を上げる…湯に効果あり…うーむ」
戦士「そうそう…この宿屋には湯を張った水浴び場があるのだよ?」
剣士「お?姉さん!!」
女オーク「湯に浸かりたかった所」
少女「私も行く…お前危険ある」
女オーク「じゃぁ一緒に…」スック
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627 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:05:24.55 ID:bVSMz8780
『1時間後』
ホクホク
女オーク「ふぅぅぅ気持ち良かった…」ホクホク
学者「リッカさん戻ってきやしたね?」
女オーク「何か?」
学者「ちっと実験っす…これ食ってみて下せぇ」スッ
女オーク「これは…何?」
学者「オークは見た事無いっすよね?泳げないんで…これ海藻っすよ」
女オーク「食べられる…の?」
学者「良いからちっと食って見て下せぇ…ほんで感想が聞きたいっす」
女オーク「平気かしら…はむ」パク モグ
学者「どうっすか?」
女オーク「!!?お…美味しい」モグモグ
剣士「おお?ちょっと僕にも頂戴」パク モグ
学者「ウヒヒヒ…やっぱりそうっすね」ニヤー
剣士「あれ?何だこれ美味しい…」モグモグ
学者「次行きやすよ?…これ飲んで下せぇ」ゴトン
剣士「お酒…かな?」
学者「蒸留酒っすね…」
剣士「姉さんお酒は全然酔わないよ?」
628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:05:56.38 ID:bVSMz8780
学者「ヌフフフフフ…良いから飲んで下せぇ」キュポン
女オーク「飲めば良いのね…むぐっ」ゴクゴク プハー
学者「どうっすか?」
女オーク「これも美味しい…どうして好みの味を?」ゴクゴク
学者「ウハハハハハやっぱりそうっすか!!」
剣士「ねぇねぇ…どういう事?」
学者「その海藻も蒸留酒もポーションを作る時に使う薄め液になるんす…多分それが造血剤になりやす」
女オーク「私の体でポーションが作られてる?…と言う事?」
学者「結論を言うとそうっすね…それがオークの生命力の秘密…」
学者「ポーションが効かないんじゃ無くて元々ポーション飲んでるのと同じなんすよ」
剣士「僕はお酒酔っぱらっちゃうんだよなぁ…」グビグビ クァァァァ
学者「ミライ君は人間っすからね…でも食べ物の好みはオークに似てるんでちっとだけポーション作られてるかもっすね」
女オーク「これって蒸留酒と海藻が有れば戦場で死ぬオークが減る…という事?」
学者「そう期待してるっす…大体オークが死ぬのは失血死なんすよ…体半分無くなっても血が有る限り死なんっす」
剣士「なんか良い発見したね」
学者「ミライ君も覚えておいて下せぇ…リッカさんが血を流した時は蒸留酒と海藻食わせて湯に浸かる」
剣士「覚えた…」
学者「海藻からエキスを取り出した薬も効果あると思いやす」
女オーク「あぁぁぁなんか…ポカポカして来た」
学者「その状態で寝ると効果倍増っすよ?」
剣士「ちょっと昼寝しようかぁ!!」
学者「俺っちはこれをちっと文章に残さんとイカンすね…」ドタドタ
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629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:06:23.27 ID:bVSMz8780
『孤児院』
ワーイ キャッキャ エーン
盗賊「…」スタスタ
管理人「誰かに面会で?」ジロジロ
盗賊「いや…ここにニーナと言う女オークが通って居ただろう?」
管理人「あぁ…最近姿を見せなくなりましてね…お知り合いでしょうか?」
盗賊「これを…」スッ
管理人「え?…遺骨…」
盗賊「それからこれが最後の援助金だ…金貨30枚ある」ジャラリ
管理人「彼女はお亡くなりに…そうですか…残念です」
盗賊「アイツは良く此処に通っていた…多分稼いだ金は此処に落として行った筈…」
管理人「はい…ご存じでしたか」
盗賊「孤児を放って置けなかったのは知ってるんだ…アイツも身寄りがない…せめて遺骨は此処にと思って訪ねて来た」
管理人「そうでしたか…どうですか?子供達をご覧になって行きませんか?」
盗賊「俺は人相が悪い…怖がらせてしまうだろう」
管理人「遠慮なさらず…ニーナさんが良く座っていた場所にご案内しますよ?」
盗賊「座っていた?」
管理人「ええ…昔を思い出すと言って居ましたね」
盗賊「案内してくれ…」
管理人「ではどうぞ…」スタ
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630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:06:52.84 ID:bVSMz8780
『地下室』
ピチョン ポタッ
管理人「こちらです…そこの箱に腰かけて良く子供達を見て居ました」
盗賊「中々辛気臭い場所を選んだもんだ…」
管理人「済みませんねぇ…子供達を見るなら他にも良い場所は有るのですが…」
盗賊「まぁ…ちっと俺もニーナが何思ってたのか感じて見るわ…」
管理人「どうぞごゆっくり…私は上に居ますので帰りの際はお声を…」
盗賊「分かった…」
管理人「では…」スタ
盗賊「…」---木箱か…こんな所に座って何思ってたんだろうな---
ヒソヒソ
誰あの怖い人…
きっと僕達をさらいに来たんだ
姉御!どうする?
シーーーッ黙ってな
大事な物はちゃんと仕舞っとくんだよ
盗賊「…」---大事な物---
盗賊「…」---まてよ?---
盗賊「…」---キ・カイの8番---
盗賊「…」---そうだ俺達の隠し場所がある---
盗賊「…」---既にソコに隠してる可能性が…---
盗賊「…」---なるほど…そういう計画だったのか---
盗賊「…」スック
子供達「うぉ!!」タジ
盗賊「お前等!!仲良くやれよ!?」タッタッタ
子供達「え!?何?何?」
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631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:07:22.77 ID:bVSMz8780
『宿屋_大部屋』
ガチャリ バタン
学者「兄貴ぃ!!シーーーーーッ!!リッカさんが寝てるんす…静かに…」
盗賊「ゲス!ちょい金貸せ…金貨2枚で良い」
学者「兄貴の金はもう使っちまったんすか?」
盗賊「姉御の葬式代で全部使った」
学者「うは…もう…」
盗賊「俺はちっと2日くらい外に出る…出航までには戻るからお前等此処でリコルと一緒に居ろ」
学者「ちょちょ…急にどうしたんすか?」
盗賊「キ・カイに忘れ物よ…今から列車に乗ってキ・カイにとんぼ返りだ…金出せ」
学者「マジすか…」チャリン
盗賊「リコル!!こいつ等頼むな?」
戦士「ハハハ何が有ったか知らないが気を付けて行って来い」
盗賊「ゲス!ロボの許可証だ…一応お前に渡しておく」パス
学者「へ…へい…」タジ
盗賊「じゃぁな?行って来る」タッタッタ
学者「あらら…」ポカーン
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632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:07:50.58 ID:bVSMz8780
『地下鉄道_列車』
ボエーーーーーー プシューーーーー
盗賊「…」ギラリ
盗賊「…」---前の時とは随分気持ちが違う---
盗賊「…」---姉御は多分こんな感じで列車に乗った筈---
盗賊「…」---いつ襲われても良い様に常に武器に手を掛け---
盗賊「…」---フードとマントを深く被る---
盗賊「…」---そうだ…8番に居た頃はいつもそうだった---
盗賊「…」---この世界じゃそうしないと生きて行けない---
ガコン ガタン ゴトン
盗賊「…」---姉御…もうすぐ追い付くぜ?---
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633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:08:18.45 ID:bVSMz8780
『翌日_宿屋』
ガチャリ バタン
少女「!!?母ぁーーー!!」シュタタ ピョン
中年の女「…」ガシ
戦士「よっ!!」ビシ
学者「あ…ど…どうも」ペコリ
女オーク「こんにちは…ミライも挨拶して?」ペコリ
剣士「あぁ…は…初めまして」ペコ
中年の女「ん?ミライ?…君の名前かな?」クンクン
剣士「うん…珍しい名かな?」ハテ?
中年の女「もしかして…虫使い?」ジロジロ
剣士「え?虫?いや…嫌いじゃ無いけど…どうして?」
中年の女「ふふ…人違いだったみたいね…」---まさかね---
戦士「リカ…あぁいや…フィン・イッシュに向かう件はどうなって…」
中年の女「…」ペシ!!
戦士「あたっ…」
中年の女「余計な事は話さないで」
戦士「ハハ…済まん」
中年の女「先ず例の物は?」スタ
女オーク「え?…わ…私?」タジ
少女「母ぁ!!色々事情有る…もう一人の男持ってくる」
中年の女「3人と聞いて居たけれど…変更が有ったの?」
少女「母ちょっと内緒の話し…向こうで」シュタタ
ヒソヒソ… ヒソヒソ…
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--------------
634 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:08:51.42 ID:bVSMz8780
『数分後』
スタスタ…
中年の女「事情は理解したわ…ただこちらも慈善事業では無いから…船を担保に頂くわ」
学者「ええと…どういう話になってるか分からんのですが…」
中年の女「例の物が手に入らない場合…船を頂く…お分かり?」
剣士「フィン・イッシュに行くと言う話は?」
中年の女「そこまでは約束する」
戦士「君達良かったね…まだ旅は続く様だ」
中年の女「リコル!あなたは少しおしゃべりだと聞いたわ?」
戦士「あいたたた…まぁこいつらは信用出来る…俺の目に狂いは無い」
中年の女「ふーん…」チラリ
剣士「ハハ…」タジ
中年の女「まぁ良いわ…とりあえず船を見たいから案内して」
戦士「外を出歩いて良いらしい…良かったじゃ無いか」
学者「ちっとマズイ事が起きてるんすよ…」
中年の女「聞いたわ?…でも大丈夫…仲間は他にも居るから」
学者「おぉ…そうなんすね?」
中年の女「試しに露店で買い物でもして様子を伺いましょう」
剣士「買い物!!?欲しい物いっぱい有るんだ」
学者「俺っちも薬とか色々入手したかったんすよ」
中年の女「では物資調達後に船へ向かうと言う事で…付いて居らっしゃい」スタ
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635 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:09:20.60 ID:bVSMz8780
『露店』
ワイワイ ガヤガヤ
シン・リーン産のハチミツ酒!!安いよ〜!!
寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!錬金の材料各種揃ってまっせぇ!!
金属繊維は如何ですか?金属糸もありますぜ〜〜?
少女「父ぃ!!新鮮な生肉ある!!骨付きだ…」
戦士「ほら少し金貨あげるから好きに買っておいで…」チャリン
少女「うぉぉー!!」シュタタ
学者「俺っちも薬仕入れて来やすね」スタ
剣士「姉さん!!僕金床が欲しい…それから細工用の工具」
女オーク「ウフフ…お金が足りれば…」
剣士「少し大きめの炉も欲しいなぁ…」アレモ コレモ
戦士「ミライ君は重たい物が欲しいんだねぇ…」
剣士「運ぶの大変かな?」
戦士「まぁ手ぶらだから手伝ってあげよう…」
ワイワイ ガヤガヤ
大麻草!!大麻草有るよぉ!!
フィン・イッシュ直産の野菜…他じゃ中々買えない物ばかりだよ?買ってけ〜い
お客さんお客さん…こりゃ時計っていう物でね?ホラ…機械仕掛けで時間を刻むんすよ…
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636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:09:50.51 ID:bVSMz8780
『広場のベンチ』
ワイワイ ガヤガヤ
剣士「ゲスさん!!炉とフイゴがすごい安かったんだけどアレが相場なの?」
学者「あぁぁアレは旧式の気球から回収した中古品っすね…今は使う人が居らんですよ」
剣士「そうなんだ?あの炉を使えば簡単な金属の精錬が出来る」
学者「船を燃やさん様に頼みやすぜ?」
剣士「うん!なんか使うの楽しみだなぁ…」ワクワク
学者「今までの炉は小さすぎやしたかね?」
剣士「そうだね…魚一匹焼くのにも苦労してたから」
スタスタ
女オーク「食べ物を買って来たわ…」
学者「おぉ?パンじゃないっすか…」
女オーク「少し食べておいしかったから…」
学者「食べて良いっすか?」
女オーク「どうぞ…」
学者「これチーズとワインがすごく合うんすよ…向こうの大陸の食べ物っす」パク モグ
剣士「僕も食べる…」パク
女オーク「どう?」
剣士「おいしい!!レーションの味がする…」モグモグ
女オーク「レーションよりも安いの…そして大きい」
学者「レーションは戦闘食なんで高いだけっすね…味はパンの方が良いっすよ」モグ
剣士「姉さんも食べてよ」ムシャ
女オーク「じゃぁ一つ…」パク モグ
剣士「なんか買い物しながら食べるの楽しいね」
ピョン クルクル シュタ
剣士「うわっ!!何処から飛んで…」キョロ
中年の女「買い物は済んだ様ね?見回った感じ怪しい人は見当たらない…」
学者「そら良かったっす」
中年の女「そろそろ船へ案内して」
学者「分かりやした…こっちっす」スタ
中年の女「リコルーー!!行くわよ!!」スタ
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637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:10:29.82 ID:bVSMz8780
『キャラック船』
ザブン ギシギシ
中年の女「思ったより大きな船に乗って来たのね…」
戦士「なかなか味のある船だろう?」
中年の女「小型のスクーナーあたりを想定していたのよ…少し計画を変更しなくては…」
戦士「少しくらい話してくれないか?」
中年の女「…」チラ
戦士「まぁ…無理なら良い」
中年の女「ここは話を聞かれる事も無さそうだから良いわ…」
戦士「お!?」
中年の女「他にもフィン・イッシュ行きの商船を用意しているの…この船は囮の予定だった」
戦士「囮?」
中年の女「沈没させて海に消える…そういうシナリオ」
戦士「俺達は他の船に乗る予定だったと?」
中年の女「そう…私達家族はその船に乗る予定」
戦士「おい!それは話が違うじゃないか…」
中年の女「だからあなたには話さなかった…ギルドに依頼が来て居るのはあの3人からだけでは無いの」
戦士「まさか敵側からも…」
中年の女「敵と言うのは何処を想定して?」
戦士「う…」
中年の女「まっとうな依頼主…機動隊よ…極秘情報を盗んだニーナという傭兵の処理…これがどういう意味か分かって?」
戦士「待てあいつらは信用出来る…考え直せ」
中年の女「フフでも事情が変わった…もうニーナという傭兵は処理されたのよ…でも何故か生きている…面白いわ」
戦士「リッカはその傭兵とは別人だ」
中年の女「知ってる…私はリッカを処理しろと言う依頼は受けて居ない…だから計画変更なのよ」
戦士「ふぅぅ頼むぞリカオン…俺は友を裏切るのは許せん」
中年の女「友人?あなたの友人になるにしては若すぎると思うけれど?」
戦士「その…なんだ…気が合うというだけではダメか?」
中年の女「まぁ良いわ…今回の件で密書が入手出来なくても彼女を保護する事で何が起こるのか楽しみになって来た」
戦士「もう想像は出来る…電脳化した者のあぶり出しになるだろう」
中年の女「あなたは出来るだけ関わらない様に…」
戦士「剣一本でどうにかなるなぞ思って居ない…ただ人は守れる」
中年の女「そうよ…あなたは守っているだけで良い」
中年の女「どうも宿屋よりこの船の方が安全そうね」
戦士「そうだな…」
中年の女「私は荷の入れ替え指示と…少し情報のリークをして来るから船からは降りないで居て貰える?」
戦士「分かった…」
中年の女「出来るだけ早く戻る様にするわ…」
中年の女「あ…そうそう…盗賊ギルドの仲間はあなた達が思うより沢山居るから下手に動いて邪魔しない様に」
戦士「大人しくして居る…違うな…大人しくさせて置く」
中年の女「フフ…じゃぁ行って来るわ」シュタタ
--------------
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:11:00.99 ID:bVSMz8780
『船首楼』
ガサゴソ ゴトン
学者「炉は此処で良いっすか?」
剣士「おけおけ!小さな炉は船尾楼の方に移そう」
学者「金床は何処に置きやすか?」
剣士「やっぱり炉の直ぐ近くが良いなぁ…レイアウトは後で僕がやるからその辺に置いといて」
学者「なんか本当…作業場になっちまいやしたね?」
剣士「もう早く作り物したくてウズウズしてるんだ…これで好みの工具が自由に作れる」
学者「工具が作りたかったんすね…」
スタスタ
戦士「妻と話して来たんだが…」
学者「お?何か聞き出せやしたか?」
戦士「どうも宿屋に居るよりこっちの方が安全だから此処に居ろと…」
剣士「本当!!?」
戦士「まぁ食べ物も買って来たし良いと思う」
剣士「こっちの方が静かだし落ち着くよ」
戦士「これから荷の出し入れがあるから静かにはならないだろうけどね…ハハ」
学者「まぁ部屋に籠っているよりは太陽に当たれるんで良いかも知れやせんね」
剣士「よーし!!姉さん!!要らない鉄くず溶かして精錬したい…教えて?」
女オーク「こんな小さな炉で?」
剣士「フイゴで温度上げられるんだ!!試してみようよ!!」
戦士「ハハ退屈はしない様だ…私はデッキで休んで居るから何か有ったら呼んでくれ」スタ
学者「じゃぁ俺っちはロボの手入れでもやりますかねぇ…」
ロボ「ピポポ…」クルリン
-------------
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:11:29.89 ID:bVSMz8780
『夕方』
カーン カンカン
女オーク「この炉では錬鉄を熱して叩く位しか純度を上げる方法が無い様ね…」
剣士「効率悪いけど…ちょっとでも鋼鉄が出来るならこれでも仕方ない」
女オーク「火花が飛ぶから何か敷物をしないと火事になってしまうわよ?」
剣士「あぁそうだね…敷物かぁ…」
学者「流石に船の上で鉄の精錬はちっと厳しく無いすか?」
剣士「レンガか何かが欲しいなぁ…」」
学者「鉄板で囲ったらどうっすかね?」
剣士「そんなに材料無いよ…」
学者「ほんじゃ金属繊維とかどうっすか?露店で売っていやしたよ?」
剣士「お!?金属繊維ねぇ…敷物じゃ無くても他に色々使えそうだ…」
学者「あの女の人帰って来たら又露店に連れて行って貰いやしょう」
剣士「そうだね…よし!鉄の精錬は諦めて…宝箱とか作って見ようかな」
学者「良いっすねぇ…この船入れ物が全然無いんで荷物が整理できんすよ」
剣士「うん…武器保管するラックとかも欲しいね…色々作んなきゃなぁ…」
--------------
640 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:11:58.43 ID:bVSMz8780
『夜_甲板』
ターン!!
学者「ん!!?銃声…これ近いっすね…」ダダ
剣士「どこだろう?」キョロ
学者「音からして火薬を使った銃っす」
スタスタ
戦士「船からは降りない様に…」
学者「何処から撃ったか分かりやせんでしたか?」
戦士「さぁ?横になっていたものだから…」
少女「火薬の匂い…あっち…でも気にするな」ユビサシ
剣士「気にするなって…気になっちゃうよ」キョロ
学者「あぁぁ…向こうの船の監視台にうっすら煙が見えやす…あれっすね」ユビサシ
戦士「…」---どうやら何か始まって居る様だ---
学者「どっか狙撃したっぽいっす…」
少女「気にするな…それよりミライが作った宝箱…貰って良いか?」
剣士「お?気に入った?」
少女「お前何でも作る…母に言っておく」
剣士「アハ…嬉しいなぁ」
学者「俺っちも欲しいっす」
剣士「おけおけ!皆の分作るよ」
戦士「ふむ…作り物の材料を少し融通してもらおうか」
剣士「それ助かるなぁ…もう木材も鉄も残り少ないんだ」
戦士「私からも妻に言っておく」
剣士「やったね!!」
--------------
641 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:12:26.25 ID:bVSMz8780
『翌日』
ドタドタ
降ろせぇ!!木箱は4人一組で運んで行くんだ!!
硫黄と硝石は船底の方だ!
学者「なーんか…これ危ない物運ぶ感じっすね…」
剣士「危ない?」
学者「あのは木箱の中は多分重装射撃砲の部品っすよ…運んだ先で組み立てるんす」
戦士「中身を見て居ないのに良く分かるねぇ」
学者「いやいや戦場にはあの木箱で運んで来るんす…組み立てた事あるんす」
戦士「では海賊に奪われてしまっては大変だ…」
学者「本当そうっすよ…護衛無しでこんな物運んで良いんすかね…」
戦士「この船以外に護衛する船も行くのでは?」シラー
学者「だったら良いんすが…」
剣士「なんか木材と比べて荷が重そうだから荷室ガラガラになりそうだ」
学者「そうっすね…」
剣士「食材とか邪魔だったんだよ…荷室に置けると助かる」
学者「リコルさんの奥さんは軍の関係と繋がり有るんすね…普通じゃ手に入らん物っすよ」
戦士「ハハ…私はあまりその辺の事を知らないんだよ」
学者「な〜んか…昨夜の銃声といい…キナ臭い感じっす」
シュタタ スタ
中年の女「遅くなったわ…順調に荷入れが進んで居る様ね」
戦士「忙しいのかい?」
中年の女「仕事は粗方終わりね…ふぅ…少し休むわ…」
学者「すんません…又露店に物資調達行きたいんすが…」
中年の女「あぁ…私は少し休むからリコル!あなたが付いてあげなさい」
戦士「お?もう良いのか?」
中年の女「フフ…昨夜いろいろ有ってね?あちらの方は忙しい様よ?」
学者「ああ!!昨夜の銃声っすね?」
中年の女「聞こえて居た様ね…リコル?露店は良いけど…傭兵ギルドの方へは近づかない方が良いわ…気が立って居るから」
戦士「相変わらず説明不足だが…まぁ良い…露店へ行く許可は出た様だ…どうする?」
学者「行きやす!!」
剣士「行く!!」
---------------
642 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:12:57.24 ID:bVSMz8780
『街道』
ザワザワ ヒソヒソ
おい聞いたか?鼻無しの傭兵団の奴らがお手柄だってよ
ん?昨夜の騒ぎでか?
なんでも機械化した奴らを捕らえたらしい
また威張り散らして来そうだな?
剣士「ねぇ今の噂話って…ロストノーズの事だよね?」
学者「そうっすね…なんか街中でやり合ってるっぽいっすね」
剣士「良くある事なの?」
学者「あいつら揉め事ばっかり起こすんで珍しい話じゃ無いっすよ…街中でやってるってのが気になるんすが…」
剣士「リコルさんの奥さんが言ってたのってきっとこの事だね」
学者「関わるとロクな事にならんっすよ…ロストノーズはそういう傭兵団なもんで」
少女「父ぃー!!」シュタタ
戦士「んん?どうした?」
少女「何処かでアランの匂いする」
学者「お!!兄貴帰って来やしたね?」
戦士「宿屋から出てしまったからな…船まで来るだろうか…」
学者「居ないの分かったら探しに来るんじゃないっすかね?」
少女「注意して探してみる…」クンクン
---------------
643 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:13:53.58 ID:bVSMz8780
『傭兵ギルド裏路地』
スタスタ
受付の叔母さん「なんだいこんな所に呼び出して…あたしゃ忙しいんだよ」
盗賊「…」ギロリ
受付の叔母さん「何か言いたい事でもあるんかいね?」
盗賊「…」ダダ グイ
受付の叔母さん「あ痛たた…あんたこんな事して良いと思って…」
盗賊「フン!どうやら電脳化はしていない様だな…」グイ ドン
受付の叔母さん「なんだいニーナちゃんの事かい?」
盗賊「なんでニーナが味方の砲弾でやられた事をお前が知って居るかって事だ…そんな情報は軍から簡単に漏れん筈だ」
受付の叔母さん「それは聞いた話だよ」
盗賊「誰にだ?」ズイ
受付の叔母さん「あんたを尋ねに来た人さ…昨夜何処かに連れて行かれた様だけどねぇ…」
盗賊「それとこりゃ何だ?お前ニーナが手配されてる事知ってて情報ベラベラしゃべっただろう」パサ
受付の叔母さん「そ…それは情報開示令出されちゃ仕方なかったのさ」
盗賊「つまりお前はどうしてニーナが殺されたのか知ってた訳だ」
受付の叔母さん「殺されるなんて思って無かったさ…気の毒に…」
盗賊「黙れ…身内を庇えないギルドなんざクソくらえだ」ドン
受付の叔母さん「うぐぅ…」ズザザ
盗賊「ニーナに戦地への招集令が掛かった時も分かってた筈だ…お前がニーナを戦地に行かせたんだぞ?」
受付の叔母さん「…」
カサ…
盗賊「!!?」スゥ…
受付の叔母さん「え!!…消え…」キョロ
スゥ…
謎の女「!!?」ギク
盗賊「誰だお前?さっきから監視してただろう…」チャキ
謎の女「う…」タラリ
盗賊「俺は機嫌が悪い…このまま首切って体とおさらばさせても良いんだぜ?」
ターン! ターン!
盗賊「ぐはぁ!!クソがぁ!!」ズブリ ジョキン!
644 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:15:08.52 ID:bVSMz8780
謎の女「ゲフッ…ゴポゴポ」ガクリ ドピュー
受付の叔母さん「ひ…ひぃ…」タジ
謎の女「ゴボゴボ…」ドクドク ビクビク
盗賊「くっそコイツ!!」ザクザク
受付の叔母さん「あ…あんた…やり過ぎだよぅ…もう首が繋がって居ないじゃないか…」ガクガク
盗賊「うるせぇ!!こいつが何者なのか黙って見てろ!!」ザクザク ドピュ
謎の女の首「…」グチャ
盗賊「見つけたぜゴルァ!!こいつが機械に操られてる証拠だ!!」ブチブチ
受付の叔母さん「頭に機械が…」ガクブル
シュタタ シュタタ
少女「見つけたぞ!!」
学者「あ…兄貴ぃ!!」ダダ
盗賊「ゲス!!良い所に来た…こいつは電脳化した奴だ…死体このままにしとくと騒ぎになっちまう…処理手伝え!」グイ
学者「あいやいや…こりゃえらいこっちゃじゃ無いっすか…」タジ
少女「アラン!お前も血が出てるぞ…」ジュルリ
盗賊「俺は後で…ん?」ガク
学者「ちょちょちょ…!!兄貴も撃たれてるじゃ無いっすか…」
盗賊「ぅぅ…何だ?足が動か無ぇ…」ヨロ
学者「マズイっすマズイっす…背中にこぶし大の穴が空いてるっすよ」
645 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:15:38.22 ID:bVSMz8780
少女「ゲス!お前何とかしろ」
学者「兄貴!!応急処置するんで横になって下せぇ…ミライ君!!兄貴の上着をナイフで切って脱がして下せぇ」ゴソゴソ
剣士「え…あ…うん!」イソイソ
少女「マズいな…騒ぎに気付いてもう直ぐ人が来るぞ」クンクン
学者「これ今動かせないっす…」ゴソゴソ
盗賊「そ…その首切った女の死体を…何処かに隠せ…ゲフッ」ボタボタ
学者「兄貴…喋らんで下せぇ」ヌイヌイ
少女「急いで母呼ぶ…待ってろ」ガブリ
戦士「お…おいまさか…」
少女「この死体持って行くぞ…」ムクムク
女オーク「ええ!!?ウェアウルフ…」タジ
子ウェアウルフ「待ってろ…ぐるる」シュタタ シュタタ
盗賊「あ…あいつ…」ヒック ブルブル
学者「マズイっすね…死戦期呼吸出初めてるじゃ無いっすか…」ヌイヌイ
戦士「ここに人が立ち入らない様に私が止めて来る…ゲス君はそのまま治療を」ダダ
剣士「姉さん…これ…」
女オーク「ダメ…力を使ってはダメ…」フリフリ
剣士「このまま死んじゃいそうだ…」
盗賊「…」パクパク
---声が出無ぇ---
---俺はこんな所じゃまだ死ね無ぇ---
---まだ神の手を超えて無ぇんだから---
---たった2発撃たれただけで死ぬ訳に行か無ぇ---
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:16:17.45 ID:bVSMz8780
『遠くの声』
腹側から切開して傷つついた臓器を縫合していきやす…
出て来る血を管で吸い取ってそっちの容器に移して行って下せぇ
固まった血は薄めた食塩水で洗い流しやす
あれ?さっきこの血管切れてた筈なんすが…何かやりやした?
見間違いっすかねぇ…バイパス処置しなくて良さそうなんでこのままゆっくり血を流して行きやす
オークの血で上手い事縫った場所が回復してくれれば良いんすが…
よしよし上手い事四肢に血が回って居やすね…次の処置に行きやす…
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647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:17:09.47 ID:bVSMz8780
『夢』
タタタターン! ドドーン!! パラパラ
僕「おい!!大丈夫か!?」
男「ぁぁぁぁ…目が見え無ぇ…げふげふっ…げほぉ!!」ボタボタ
姉「瓦礫から掘り出すんだ!!」ガッサ
男「上手い事瓦礫で塞がった様だな…ハァハァ」
僕「姉御…手…手が無い…」プルプル
男「おい小僧…何処だ?こっちへ来い」
僕「今腕を縛って血を止める…」ダダ
男「おい良く聞け…俺の装備品を持ってお前等は逃げろ…地上に出て何とか逃げ延びろハァハァ」
僕「逃げるって…何処に!?そこら中機械だらけだ」
男「俺の左手に小さな石を握っていた筈だ…そいつを使えば消える事が出来る」
姉「これだ!!有った!!」ダダ
男「小僧!装備品は全部お前にやる…だから必ず生き延びろ…分かったな?」
シャカシャカ…
姉「マズイ…裏手に回られ始めてる…」キョロ
男「俺はもう手遅れだ…早く行け…ここでお別れだ」
僕「ダメだ!!置いて行けない!」ガサガサ
男「もう手も足も感覚が無い…構わず行け」
姉「くぅぅ…い…行くよ」グイ
僕「姉御…」
男「おい忘れてるぞ?俺の腰にミスリルダガーと銃がある…それを使って身を守れ」
僕「ダガー…銃…あ…有った」ガチャ
タタタターン
姉「来たぁ!!くぅぅ…」
僕「こ…このぉ!!」ギリ
小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ
僕「来るなぁぁぁ!!」ダーン! ジャラジャラ
ドーン!!
小型の機械「…」プシューーー ドタリ
男「や…やれば出来るじゃ無ぇか…さっさと行け」グター
姉「行くぞ!!撒かれる…」グイ
僕「くぅぅぅ…」タッタッタ
タッタッタ…
---まだ俺はその男を超えていない---
---まだ死ぬ訳に行か無ぇ---
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648 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:18:03.10 ID:bVSMz8780
『キャラック船_荷室』
ユラ〜リ ギシ
盗賊「んぁぁ…」パチ
中年の女「…」ジロリ
盗賊「こ…ここは…」キョロ
中年の女「船の荷室だ…」
盗賊「誰だ?お前…ぐぁぁ痛てぇ…」
中年の女「動かないで…傷が広がるわ」
盗賊「ちぃぃ記憶が飛んでんな…」
中年の女「このダガーと銃をどうした?」スッ
盗賊「そりゃ俺の物だ…返せ!」ガバ
中年の女「動かないでと言って居るでしょう?」
盗賊「返してくれ…親の形見なん…だ…うぐぐ痛てぇ…!!」バタバタ
中年の女「ファルクリード…」
盗賊「何!?なんでその名を…」
中年の女「フフ…やっぱり似ている…」
盗賊「俺の親父を知って居るのか?」
中年の女「アランと言うそうね?」
盗賊「おい!俺の質問に答えろ!」
中年の女「同じギルドだったのよ…盗賊ギルド」
盗賊「そうだったのか…お前は盗賊ギルドの者だな?」
中年の女「フフ…だったら?」
盗賊「ガキンチョの使いしか見て無ぇからな…やっと話の分かる奴に会えたわけだ」
盗賊「俺はアランクリード…泥棒だ…自己紹介したぞ?お前は誰だ?」
中年の女「なかなか良い腕をしている様ね…例の書簡頂いたわ…それからコレも」スッ
盗賊「んん?おい!!そりゃ電脳化のデバイス…そんなもん持ち歩いて全部会話筒抜けだろうが」
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:18:32.38 ID:bVSMz8780
中年の女「大丈夫…魔石は回収してあるから」コロン
盗賊「ホッ…心臓に悪い事すんない」
中年の女「それであなた…この書簡の事をどこまで知って?」
盗賊「何も知ら無ぇよ!読めもし無ぇ!何だそりゃ?」
中年の女「ニーナから何か聞かされて居ないの?」
盗賊「半年前から殆ど会話して無ぇんだ…今回の件もそいつが取り引きの物だと知らなかった」
中年の女「そう…結果的に手に入ったのは運が良かったわ」
盗賊「おい!まだお前俺の質問に答えて無いぞ?俺は名乗ったんだ…名前ぐらい教えろ」
中年の女「そうね…まぁ良いわ…私はリカオン…白狼の一党と言えば通じて?」
盗賊「やっぱりそうか…あのガキンチョもその手の者か」
中年の女「秘密を知ったからには分かっているでしょうね?」
盗賊「俺は何にも縛られない…だが裏切る様な事はしない…その辺はわきまえてる」
中年の女「フフ…リコルが気に入る訳ね」
盗賊「ちっと血が足りんらしい…何か食い物を持って来て貰いたいんだがよ」
中年の女「分かったわ…少し待って居なさい」スタ
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650 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:19:01.23 ID:bVSMz8780
『数分後』
ドタドタ
学者「兄貴ぃーー!!やっと目を覚ましやしたね?」
剣士「アランさん!!良かったぁ…」
学者「兄貴!ミライ君とリッカさんに感謝っす…兄貴が死ななかったのは2人のお陰っス」
盗賊「なぬ?」
学者「銃で撃たれて内臓やられてたんすよ…リッカさんの血とミライ君の謎の治癒でなんとか助かったんす」
盗賊「そんなに酷かったんか…」
剣士「もう一週間寝たきりだったんだよ?」
盗賊「なんだと!?俺はさっきやられたと思って…あだだだ」
学者「傷むのは俺っちの縫合痕っすね…ちっと筋肉ぶった切っちゃったもんで…」
盗賊「まぁ良い…兎に角腹減って動けん様だ…何か食わせろ」
学者「いきなり食うのは良く無いっす…今リッカさんに流動食作って貰ってるんでもうちょい待って下せぇ」
盗賊「飲み物で良いから何か腹に入れさせろ」
剣士「持ってきたよ…ワインなら良いんだよね?ゲスさん?」
学者「少しだけっすよ?」
盗賊「おぉよこせ!!」キュポン グビ
盗賊「ロボは何処行った?」キョロ
学者「兄貴の代わりに船の操舵っすよ」
盗賊「あんな重い舵をロボが動かせる訳無いだろう」
剣士「僕が舵輪に改造したよ…グルグル回す奴」
盗賊「なるほど…ロボに任せて大丈夫なんか?」
学者「先導する他の船に付いて行くだけなんで大丈夫っすね」
盗賊「船隊組んで航海してんのか…」
剣士「他の商船と合わせて6隻くらいかな?」
盗賊「なるほど…そりゃ安全そうだ」
学者「ところで兄貴がやった奴から装備剥ぎ取りやしたぜ?」
盗賊「んん?何か持ってたか?」
学者「火薬使う2連装デリンジャーっすね…あと防弾ベストとか色々持っていやした」
盗賊「デリンジャーか…隠し持つにゃ丁度良いが…弾込めに時間掛かり過ぎて使えんな」
学者「兄貴は使わんのですか?弾丸は20発くらいありやしたぜ?」
盗賊「俺は要らん…護身用でミライ辺りが持ってりゃ良いんじゃ無ぇか?」
剣士「お!?だったら分解して仕組みが知りたいな」
盗賊「使って良いぞ…防弾ベストは欲しいがサイズが合わんだろうな」
剣士「それは僕が直せるかも」
盗賊「あぁ任せる…悪い!ちっとワイン飲んで気分が悪くなって来た…横になる」ドテ
学者「あらら言わんこっちゃ無いっすね…もうちょい安静が良さそうっすね」
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651 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:20:14.52 ID:bVSMz8780
『デッキ』
ザブ〜ン ユラ〜
少女「母…アランに正体バラシて良かったか?」
中年の女「大事な仲間の遺児だったのよ…驚いた」
戦士「んん?誰の?」フリムキ
中年の女「ファルクリード…神の手を持つ男」
戦士「伝説の男…アランがその遺児か…どうだ?似て居るのか?」
中年の女「若い頃の生き写しね…いつも違う女を連れ歩いてたのが気に入らなかった」トーイメ
戦士「ハハもしかして初恋か?」
中年の女「どうかしら?…でも憧れだった…自由な生き方も…その信条も」
少女「神の手とはどういう意味だ?」ハテ?
中年の女「彼に開けられない鍵は無かったのよ…そして盗めない物も無かった…白狼の盗賊その人…」
少女「アランも同じか?」
中年の女「さぁ?…でもあの大きな手は…まだ生きている気がする」
少女「父!まずいぞ!母が浮気しそうだ」
戦士「ハハ何を言って居る…年が離れすぎだ」
中年の女「でも彼が生きていると知ってしまったからには…導いてあげないと」
戦士「導く?」
中年の女「母親が生きて居るの…上手く誘導してあげたい」
戦士「連れて行ってやれば良いだろう」
中年の女「彼が親を離れた理由を引きずって居なければ良いけれど…」
戦士「訳有りか…ふむ」
中年の女「当面盗賊ギルドで彼らの面倒を見る様に父に進言するわ…リコル…あなたにも強力してもらうわよ」
戦士「やっと俺の価値が分かって来たか」
少女「母!私も忘れるな」
中年の女「そうね…良い子ね」ナデナデ
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652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:21:22.88 ID:bVSMz8780
『甲板』
ユラ〜 ギシ
盗賊「おととと…」ヨロ
学者「兄貴ぃ…ちっと大人しくしてて下せぇよ」
盗賊「うるせぇ!一週間も大人しくしてたんだろうが…」
戦士「アラン!!もう動けるのか?」ノシ
盗賊「おうリコル!!どうやら世話掛けた様だ…リカオンもデッキに上がってんのか?」
少女「お前ーーー!!その名を口にするなぁ!!」バタバタ
中年の女「ミルク…もう良いのよ」
盗賊「ほーう?ガキンチョはミルクってのか…覚えたぜ?」
少女「ミルクレープだ!勝手にミルク呼ぶな」プン
盗賊「へいへい…んで?家族そろって日光浴か?」
戦士「まぁ…そんな所だ…風が気持ち良いぞ?上がって来るか?」
盗賊「いいや…家族に割入る気なんざ無ぇよ…俺の家族に心配掛けちまったからそっちが先だ」ヨロ
学者「兄貴ぃ…海に落ちちまいやずぜ?」グイ
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「おぉ!!ロボ…心配掛けたな?」ナデナデ
ロボ「ピポポ…」クルリン
盗賊「俺も操舵手伝ってやる…んん?」スタ
盗賊「誰だ?見張り台に上がってんのは…」クル
653 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:22:19.76 ID:bVSMz8780
学者「あぁ!!兄貴に教えて無かったっすね…ビックリする人がもう一人乗ってるんすよ」
盗賊「んん?女か?」
学者「シルエット見て誰か分かりやす?」ニマー
盗賊「まさか…ラシャニクア…」
学者「正解!!流石兄貴っすね!!」
盗賊「おいおいどういうことだ!?」
中年の女「傭兵で雇った…それ以上何か説明が居る?」
盗賊「マジかよ…」
学者「狙撃手が一人居るだけで安全に航海出来るらしいっす…ほんでこの船に乗ってるんすよ」
盗賊「そういやロストノーズの連中がなんか粗ぶってたんだが…」
学者「味方っすね…電脳化した機械の連中を追ってたんすよ」
盗賊「ロストノーズごと雇ってるってか?」
学者「そこら辺は分からんのですが…ラシャニクアは傭兵団抜けたらしいっす」
盗賊「ほう?なんで又…」ジー
女ハンター「…」シラー
盗賊「まぁ良い…今船に乗ってんのはこれで全員だな?」
学者「へい…8人とロボ…ほんでウルフ1匹っす」
盗賊「寝床無いもんだから俺は荷室行きか…」
学者「ベッドで寝れるのは荷室だけっすけどね…ミライ君がベッド作ったんすよ?」
盗賊「ほーん…」
学者「兄貴の荷物は全部ベッド横の宝箱に入れてあるんで後で確認して下せぇ」
盗賊「ったく俺の船だってのによ…」
--------------
654 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:23:31.77 ID:bVSMz8780
『船尾楼』
ドサ ギシ
盗賊「随分家具が増えたな?」キョロ
学者「全部ミライ君の手作りっすよ…良い居室になりやしたよね?」
盗賊「本棚に書物も入って居やがる…買ったんか?」
学者「俺っちが買って来やした…測量とか航海術とか…」
盗賊「俺に読めってか?」
ガチャリ ギーー
剣士「食事持って来たよ…」ドサ
盗賊「おぉ…今度はクソ薄いスープじゃ無いだろうな?」
剣士「パンとチーズ…あとスープね…ハハ」
盗賊「肉が無ぇな…」パク モグモグ
学者「病み上がりなんでゆっくり食って下せぇ…スープは全部飲み切って下さいね…造血剤入りなもんで」
盗賊「へいへい…あぁぁやっと落ち着いた」モグモグ
盗賊「しかしなんだぁ…リコル家族はなかなか優雅な航海してるじゃ無ぇか…デッキで風に当たりながら酒でも飲んでんだろ?」ガブ モグ
学者「まぁ良いじゃ無いっすか…お陰で安全に航海出来てるんすから」
盗賊「今どの辺に居るんだ?」
学者「外海のど真ん中っすね…この辺りっス」ユビサシ
盗賊「んん?陸沿いにフィン・イッシュ行く訳じゃ無いのか」
学者「一旦ゴールドラッシュ島に寄って行くらしいっすよ?」
盗賊「ほぅ?ちっと遠回りだが…海賊が出ない分安全か…」
学者「今商船の中継点になってるんでメチャ栄えてるらしいっす」
盗賊「ふ〜む…金稼ぎには都合良いか…」ギラ
学者「ちょちょ…また泥棒で騒動起こさんで下せぇ」
盗賊「俺ぁもう金が無いのよ…どうせ海から金塊サルベージして潤ってる連中が居んだろ?」
655 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/12/21(水) 20:24:30.61 ID:u2NeUNYR0
ありがとう
656 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:24:38.06 ID:bVSMz8780
学者「兄貴は船持ってるじゃ無いっすか…ちっと大人しくしてそん時に備えやしょう」
盗賊「酒飲む金も無ぇんだが…」
学者「はいはい分かりやしたよ…金貨10枚くらいで良いっすか?」ジャラ
盗賊「お?気前が良いじゃ無ぇか…」パス
学者「ウヒヒヒヒ…実はっすね…傭兵ギルドの叔母さんから餞別貰ったんすよ」
盗賊「なんだと!?あの婆ぁニーナを売ったんだぞ!」
学者「あの後ロストノーズの連中がドヤドヤやって来てっすね…色々事情を聞かれてたみたいなんすが」
学者「これで勘弁してくれって俺っちに金貨渡して来たんす」
盗賊「じゃぁ俺にも分け前有るだろうが!!」
学者「今渡しやした…俺っち10枚…兄貴も10枚…」
盗賊「だったら奢りますみたいな顔してんじゃ無ぇ!!」ボカ
学者「あたたたた…」スリスリ
盗賊「あのクソ婆ぁ…またベラベラ情報垂れ流すぞ…」ギリ
学者「もう良いじゃ無いすか…あっちの大陸にゃ戻らにゃ良い訳で…」
盗賊「まぁそうだが…残した物も多い」---孤児達もニーナの墓も---
学者「2〜3年もすりゃ忘れやすよ」
盗賊「金貨10枚か…当分はなんとかなるか…」
剣士「それだけあったら3年は暮らせるよ?」
盗賊「ヌハハハ…違い無ぇ…そうだ俺らはゴミ食って生きて来たんだもんな…」
剣士「何言ってるのさゴミなんか何処にも無いよ…全部宝さ」
盗賊「よ〜し!!宝探しに行くか!!」
剣士「おおおおお!!行く行く!!どんな宝があるかなぁ」ワクワク
盗賊「そりゃ箱を開けてからのお楽しみよ…箱開けは俺に任せろ」
---------------
657 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:25:45.88 ID:bVSMz8780
『デッキ』
ユラ〜リ ギシ
中年の女「フフ…」ニヤ
戦士「丸聞こえだな…フフ」
中年の女「まるでファルクリードの話を聞いて居るみたい…懐かしい」
戦士「不思議と周りを引き込んで行くのだな…」
中年の女「そういう男…人間らしくて正直で…裏が無い」
少女「母の初恋か?」チラリ
中年の女「憧れ…自由で気ままな生き方…それでいて暖かい所に惹かれた…喧嘩してばっかりだったのよ?フフ」
戦士「まぁ分かる…アランは良い奴だ…間違い無い」
盗賊「お〜し!!肉だ肉!!甲板でバーベキューやっぞ!!」ドタドタ
学者「兄貴ぃ…肉はまだ早いですって…」
盗賊「うるせぇ!!パンとチーズじゃ満足でき無ぇ!!」
学者「またそのちっこい炉で焼くんすか?」
盗賊「ぐじゃぐじゃうるせぇな…魚持って来い魚!!今から焼くぞ!!」
剣士「食材少し切って来るね」
盗賊「おらぁぁ!!ラシャニクア!!いつまでも見張り台に居無ぇでお前も降りて来い!!」
女ハンター「…」シラー
盗賊「降りて来いっつってんだろ」ドカッ ドカッ
学者「兄貴…酒飲んでるっすか?なんでそんなテンション高い…あ!!オークの血…ハイ状態に…」
盗賊「んあ?俺は普通だぞ?」
学者「あたたた…こりゃしばらく続きそうっすね…」
-------------
658 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:26:38.24 ID:bVSMz8780
『バーベキュー』
ジュゥゥゥ モクモク
盗賊「おら芋だ!!キノコも焼けたぞ」ポイ
戦士「ハハハなかなか小さな炉で頑張って居るな」
盗賊「ほらおっさん!!芋焼けてるぞ」ポイ
戦士「良いツマミだ…」パク モグ
中年の女「ラシャニクア!見張りは休んで居りていらっしゃい…豪華なバーベキューだそうよ?」
女ハンター「…」スルスル シュタ
盗賊「いよう…やっと降りて来たな?煙で燻してやろうと思ったんだが…」
女ハンター「…」ジロリ
盗賊「まぁ食え…キノコだ」ポイ
女ハンター「…」パス
盗賊「なんだ不満か?」
女ハンター「しょっぼ…」パク モグ
盗賊「なんだとぅ!!」
学者「まぁまぁまぁ…兄貴…こりゃ確かにショボイっす…」
盗賊「肉無ぇのか肉は!!」キョロ
剣士「ゴメンゴメン…鶏肉だけど…切って来たよ」
盗賊「そうよソレだ…肉がありゃ皆満足だ」ジュゥゥゥゥ
女オーク「皆さん…パンもどうぞ…私が焼きました」
戦士「頂こう…」パク ムシャ
女オーク「どう…ですか?」
戦士「砕いたナッツ入りか…中々良い」
剣士「姉さんやったね?やっぱりパンと豆は相性が良いみたい」
盗賊「おいおい肉に興味は無ぇのか?」ジュゥゥゥ モクモク
女ハンター「…」チラリ
盗賊「お前こっち見たな?骨付きだ…特別にお前から食わせてやる…ホラ」ポイ
女ハンター「…」ガブリ モグ
盗賊「ヌハハハやっぱ肉だよな?ゲス!!酒持ってこい酒ぇ!!」
学者「あいやいや…兄貴はちっと控えて下せぇよ」
盗賊「俺じゃ無ぇ!!ラシャニクアを酔わせて潰すぞ」
学者「ええ!?」
659 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:27:07.33 ID:bVSMz8780
盗賊「澄ました顔してっから酒で正体暴くんだ…お前が勝負してやれ」
女ハンター「私はお前と違って暇じゃない…仕事中だ」モグモグ
盗賊「うほーやっとしゃべったぞ?」
戦士「代わりに私が飲もう…」ズイ
盗賊「リコルはさっきから飲んでるだろうが…」
剣士「ワイン持って来たヨ…」スタ
女オーク「木製のタンブラーも…」トクトクトク…
盗賊「俺にもヨコセ」グイ
女ハンター「…」タジ
盗賊「逃げんなコラ…お近づきの一杯だ」
女ハンター「だから仕事中だと言って居る…」
中年の女「付き合いも仕事よ?」
女ハンター「ちぃ…」
中年の女「あなた達…同年代なのだから仲良くなさい?」
盗賊「ほぅ?同年代だったか…そりゃ乾杯しないとな」カツン!
女ハンター「…」ジロリ
盗賊「まぁ…仲よくしようぜ」グビ ゴクゴク
女ハンター「仕方ない…」グビ ゴクリ
学者「兄貴ぃ…その一杯で終わりっすよ?」
盗賊「俺の血は酒で出来てんだ…なんて事ぁ無ぇ!!ヌハハハ」
ワイワイ ワイワイ
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660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:27:56.35 ID:bVSMz8780
『夜_甲板』
ザブ〜ン ユラ〜
盗賊「んぁぁぁぁ…薬のせいか…全然眠れる気がしねぇな…」フラ
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「んん?心配で見に来たんか?」
ロボ「ピピ…」ピタ
盗賊「大丈夫だ…そうそう船から落ちやし無ぇよ…」
盗賊「はぁぁぁ…しかし…夜の海ってのは本当真っ黒けだな…星の光がちっと映っては居るが…」
盗賊「落ちたら真っ暗闇だろうな…怖い怖い…」
ガサリ
盗賊「んん?ラシャニクアか?…まだ見張り台に上がってんのか?」
女ハンター「眩しい…ランプの光をこっちに向けるな」
盗賊「お前ずっと其処に居んのか?」
女ハンター「定位置さ…文句あるか?」
盗賊「そっから何が見えんのよ…真っ暗闇だろ」
女ハンター「光はある…」
盗賊「ロボ!ちっと見張り台に上がるから居室入ってろ」
ロボ「ピポポ…」ウィーン
女ハンター「来るな…ランプが眩しい」
盗賊「フーーー…消しきゃ良いんだろ?こんな真っ暗で良く上がれるな…」ヨジヨジ
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661 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:28:51.49 ID:bVSMz8780
『見張り台』
ヒュゥゥゥ…
盗賊「風が吹きっ晒しじゃ無ぇか…凍える寒さじゃ無いが…毛皮だけじゃ寒いだろう」
女ハンター「来るなと言ったのに…」
盗賊「眠れなくて暇なんだよ…んで?どこに光が見えんのよ」キョロ
女ハンター「昔はここに登れば妖精が見えた…」
盗賊「妖精?」
女ハンター「大人になったせいか…光しか見えなくなった」
盗賊「どこよ?」
女ハンター「そこら中に…」
盗賊「暗闇にまだ目が慣れて無ぇな…」ゴシゴシ
女ハンター「今晩は新月…妖精が見える筈」
盗賊「なぬ?」
女ハンター「お前…何故人のスペースにズケズケと入って来る」
盗賊「ほんなん気にした事無ぇよ」
女ハンター「少しは気にしろ」プイ
盗賊「俺の船だから俺が何処に行こうが勝手だ」
女ハンター「ちっ…」
盗賊「ラシャニクア…戦場で聞く噂とは随分違うな?」
女ハンター「何がさ…」
盗賊「妖精追っかけてる乙女だとは聞いた事が無い」
女ハンター「なっ!!」
盗賊「ヌハハ冗談だ…戦場に行く割には随分華奢で小柄だと思ったんだよ」
女ハンター「狙撃に体格は関係無い…逃げる嗅覚と腕が有れば良い」
盗賊「なるほど…ほんで妖精探しは嗅覚磨きってか?」
女ハンター「フン!!」プイ
盗賊「…なんで傭兵団抜けたんだ?」
女ハンター「あいつ等はクズばっかりだからさ」
盗賊「ほう?でも金稼げんくなるだろう」
女ハンター「私の戦果も全部アイツらが持って行く…金なんか殆ど貰って居ない」
盗賊「なるほど…何処も同じな訳か…」
女ハンター「何処も?」
盗賊「船に乗ってるミライとリッカ…一生懸命働いても貰える金はほんの少しだった…」
女ハンター「そう…」
盗賊「お前…奴隷だったんだってな?孤児だったんか?」
女ハンター「だから何?」
盗賊「いんや…何って話は何も無い…俺もゴミ食って生きてたって言いたいだけだ」
女ハンター「…」
盗賊「キノコ美味かっただろ…ゴミん中じゃ最高の御馳走だ」
662 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:29:34.64 ID:bVSMz8780
女ハンター「肉が美味かった」
盗賊「ケッ!!そこはキノコ美味かったって言う所だろ…分かって無ぇな」
女ハンター「お前…変な奴だな」
盗賊「何がよ?」
女ハンター「普通は私の名を聞いて先ず鼻を見るんだ…お前は鼻を見もせずいきなりキノコ…」
盗賊「なんだお前…俺に鼻を見て欲しいって言ってんのか?」
女ハンター「いや…」
盗賊「船に乗ってるロボットが居るだろ…アイツは元々普通の女なんだ…鼻どころか全身全部削がれた」
女ハンター「話に聞く孤児機械化の…」
盗賊「俺はよ?アイツに生身の肉体を与えたくて旅してる…完全体のホムンクルスってのを探してな」
女ハンター「そうか…」
盗賊「もし見つけたらよ?お前にもちゃんとした鼻をつけてやれるぞ?」
女ハンター「硬化症が怖い…」
盗賊「完全体のホムンクルスは硬化症にならないらしい…これは信頼できる情報だ」
女ハンター「もし見つけたら…か」
盗賊「もしじゃ無ぇ…見つける!!」ギラリ
女ハンター「まぁ期待しないで待つ…木製の付け鼻も案外気に入って居るのさ」
盗賊「ヌハハそうか…ほんでお前は?この船に乗ったのは只の傭兵か?」
女ハンター「そうさ…でも目的は他に有る」
盗賊「何よ?」
女ハンター「海賊王の娘を探す」
盗賊「お!!?どういう事よ…丁度俺も探してんのよ」
女ハンター「何!?何処に居るのか知って?」
盗賊「いや…まだ知らん…だが知って居そうな人物が居るんだ」
女ハンター「それは誰だ?」
盗賊「まぁどうせ行先は同じだ…しばらく一緒だな?」
女ハンター「教えろよ…」グイ
盗賊「そのうち分かる…それよりお前が海賊王の娘を探す理由は何よ?鼻削がれた復讐か?」
女ハンター「復讐では無い…見たのさ…光を」
盗賊「光?」
女ハンター「奴隷として貴族の船に乗って居た時…見張り台で覗いた望遠鏡の奥にその人は居たんだ…」
663 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:30:09.06 ID:bVSMz8780
その人は幽霊船と言われた船に乗って居た…
突然消えたり…現れたり…
それまで見た事の無い光り輝く剣…
不思議なクジラ…
見た事の無い魔法も…
何も無い私の生活に…望遠鏡の中にだけ有る夢の世界
私は虜になってしまった…
盗賊「憧れか…」
女ハンター「今でもその船に乗って居た全員の顔を覚えてる…」
女ハンター「その人を目の前にして連れて行って欲しいと真剣に思った…」
盗賊「なるほど…それがお前の光か…」
女ハンター「しまった…恥ずかしい話をしてしまった…」
盗賊「ヌハハ気にすんない…その船にな?ホムンクルスの完全体が乗って居た筈なんだ…そう聞いた」
女ハンター「どの人の事だろう…」
盗賊「まぁお前の事は大体分かって来た…見張り台で昔の様に探してんだな?お前の光を…」
女ハンター「そうさ…そこにあんたがズケズケと入って来たのよ」
盗賊「そう言うない…」
ヒラヒラ…
盗賊「んん?」キョロ
女ハンター「来た…」スック
盗賊「これが妖精?」
女ハンター「そう…この光が行く先に幽霊船が見えた…」
ヒラヒラ…
盗賊「なんだこの光…踊って居るみたいに…」アゼン
女ハンター「スゴイだろう?」
---------------
---------------
---------------
664 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:30:48.70 ID:bVSMz8780
『翌朝』
ザブ〜ン ユラ〜
学者「ふぁ〜ぁ…遅くなりやした…起こしてくれりゃ良かったんすが…」ゴシゴシ
盗賊「興奮して全然眠れないんだが…お前薬に何か入れたか?」
学者「んん?体調はどうっすか?」
盗賊「すこぶる快調だ…腹の傷は痛むが…」
学者「多分オークの血を輸血したせいなんすよ…それにしても回復が早いっす…」
盗賊「喉がやたら乾いてよ…」グビ
学者「何飲んでるんすか?まさか酒じゃ無いっすよね?」
盗賊「酒だ…リッカが持ってた…こりゃなんかの果実酒か?」
学者「ええ!?もしかして体がポカポカしてたりしやせんか?」
盗賊「言われてみればそうかもしれん」
学者「なんか分かって来やしたぜ?…蒸留酒でオークの血が希釈されて増えてるんすよ…輸血された人間にも効果が…」
盗賊「だから俺の血は酒で出来てるって言っただろ?」
学者「そういや姉御にも何回か輸血されて居やしたね…そういう事っすか」
盗賊「んな事より周りを見て見ろ…行き交う船が増えて来た」ユビサシ
学者「本当っすね…」キョロ
盗賊「こりゃ多分目的地が近いぞ」
学者「ゴールドラッシュ島…楽しみっすね」
盗賊「俺ぁシカ肉が食いてぇな…出来るだけ臭いやつを」
学者「良いっすねぇ…到着したら酒場でパーーっと行きやしょう」
盗賊「分かってるじゃ無ぇか!!」バン
学者「おわととと…兄貴の手はデカくて重いんでちっと手加減して下せぇよ…」
盗賊「ヌハハハ悪い悪い…」
--------------
665 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:31:34.28 ID:bVSMz8780
『ゴールドラッシュ島_港』
ガコン ギシギシ
中年の女「到着した様ね…」スック
盗賊「ミライ!!碇降ろしてくれぇ!!」
剣士「分かったぁぁ!!」ダダ
中年の女「さて…この島では荷の積み替えがあるから次の出発は3日後…」
盗賊「おう!!俺らどうすりゃ良いんだ?」
中年の女「別行動よ…自由にして良いわ…船に残っても良いし…宿屋に行っても構わない」
学者「兄貴ぃ!!折角なんで宿屋行きやしょう」
中年の女「私達は別行動するから…そちらはそちらで上手くやりなさい?」
盗賊「おーし!!ラス!!降りて来い!!」
女ハンター「ラ…ラス?」キョロ
盗賊「お前の事だ馬鹿!!ラシャニクアじゃ呼びにくいだろ…降りて来い!!行くぞ!!」
女ハンター「私が雇われて居るのはお前じゃ無い!!」
盗賊「アホかお前!!向こうは家族で来てんだぞ?ちったぁ気を使え!!良いから降りて来い!!」
中年の女「フフ…付き合いも仕事だと言ったでしょう?」ニヤ
女ハンター「ちっ…分かったよ」スック
盗賊「ようし!!リッカとミライも降りる準備しろよ?今晩はパーーっと行くぞパーーっと!!」
剣士「おーーー!!姉さん!!パーーーっと行くんだってさ!!」ドタドタ
女オーク「ウフフ…」
中年の女「じゃぁ3日後に…此処で」ノシ
---------------
666 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:32:35.79 ID:bVSMz8780
『街道』
ワイワイ ガヤガヤ
学者「ほえぇぇ…それほど大きな島じゃ無いのに栄えて居やすね…」キョロ
剣士「見た事無い形の建物だ…」キョロ
盗賊「古代遺跡らしいぞ?そこに後から色々建ててんのよ」
学者「確か20年ぐらい前に海賊王の娘達が発見したんすよね?」
盗賊「らしいな?海に沈んだ黄金郷もな?」
学者「黄金のサルベージってどうやってるんすかね?見たくないっすか?」
盗賊「フィン・イッシュに行く途中で見れるかも知れん…なんでもシン・リーンの魔術師達も居るらしいぞ」
剣士「黄金ってさ?金貨の材料?」
盗賊「さぁな?俺は大量の黄金を何に使ってるのか知らん…金貨になってるのはその一部だろう」
学者「俺っちは少し知ってますぜ?」
盗賊「んん?機械の部品だってか?」
学者「いやいやそれは極一部っすよ…黄金は錬金術で賢者の石を作る材料になるらしいっす」
盗賊「なるほど…それでシン・リーンも関わってるってか…」
学者「製法が解明されたかどうかは知らんすがね…賢者の石は命を生むとか言う話もあるんすよ」
剣士「そっかぁ…金貨を溜めれば賢者の石っていうのも作れるのかぁ…」ワクワク
盗賊「お?お前が作るんか?」
剣士「作れるなら作ってみたいなぁ…」
盗賊「そら結構!!俺にも作ってくれ」
学者「兄貴ぃ…賢者の石一欠けらで国が買えるとか言われてるんですぜ?」
盗賊「ヌハハハそりゃ作るしか無ぇな?」
学者「あたたた…そんだけ難しいって言いたかったんすが…」
-------------
667 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:33:11.33 ID:bVSMz8780
『露店』
ワイワイ ガヤガヤ
シカ肉…シシ肉なんでもあるよ〜買ってってくれ〜い!!
金のアクセサリーは如何かね?世界最安値だよ〜?
ミスリル製の武器!!他では中々手に入らないぜ?ほら兄ちゃん見てってくれ
盗賊「おぉ…ミスリル製の武器なんか売ってんのか…」
学者「兄貴ダメっす!!高くて全然手が出んすよ」
盗賊「見るだけはタダだろうが…」グイ
店主「ハイハイお兄さん…お目が高いねぇ…好きなの触って良いよ?」
盗賊「ほーーーこれがミスリルの剣か…」スラーン
店主「その剣は護身用に最適だぁ…安くしとくよ?」
盗賊「確かに軽いな…だが俺にはちっと長い様だ」
店主「買ってってくれよぅ」
盗賊「あんま金持って無いんだ…悪いな」ノシ
学者「今の剣で金貨15枚…値切って10枚って所っすか…」
盗賊「くそう!!どっかに宝箱落ちて無ぇか?」
剣士「おぉぉぉ!!姉さんこれ見て!!琥珀だ琥珀!!」ダダ
女オーク「あら本当ね…何処かで採れるのね」
剣士「あぁでも高いなぁ…」ショボン
女オーク「良いのよ…もう体は平気だから…」
学者「ふふん…琥珀は樹液の化石…なるほどそういう事っすね…」フムフム
剣士「ゲスさん何ボーっとしてるのさ…弾丸も一杯売ってるよ?」
学者「ええ?何用の弾丸っすかね…」キョロ
ワイワイ ガヤガヤ
ほらこれは古代の遺物…ミステリーに興味のある人は必見だよぉ!!
キラーポッドの部品だぁ!!珍しい樹脂が回収出来るんだぞぉ…買う奴は居らんかぁ!!
--------------
668 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:33:48.17 ID:bVSMz8780
『宿屋』
ガヤガヤ…
剣士「じゃぁ僕と姉さんは2人部屋の方に行くね…」
盗賊「俺らは大部屋だな…ちっと休んだら隣の酒場に行くからよ…そこで待ち合わせな?」
女ハンター「おい!私はあんたと一緒の部屋になるのか?」
盗賊「んあ?なんだお前…2人部屋が良いのか?」
女ハンター「違う!!なんであんたと同じ部屋なんだと言いたい」
盗賊「部屋が空いて無いんだからしょうがないだろう」
学者「まぁまぁラスさん!!どうせ兄貴は酒場に入り浸りで帰って来ないんで実質大部屋を一人で使ってるみたいなもんす」
女ハンター「フン!!鍵かける」
盗賊「ヌハハ好きにしろ…ロボは部屋に入れてやってくれな?」
ロボ「ピポポ…」クルクル
女ハンター「…」ジロ
学者「いやぁ…早速色々買い入れちゃって…荷物が邪魔っすね」
盗賊「おう!部屋に荷物置いてサッサと酒場行くぞ」
学者「そーっすね…肉!酒!」ダダ
--------------
669 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:34:43.12 ID:bVSMz8780
『酒場』
チリンチリーン
マスター「いらっしゃいませ…お二人で?」
盗賊「あぁぁ後から連れが来るもんでよ…テーブルが良いんだ空いてるか?」
マスター「あいにくテーブルは一杯でして…空くまでの間カウンターでよろしければ…」
盗賊「おう!!どうせしばらく来やし無ぇ…カウンターで構わん」
マスター「…ではどうぞ」スス
盗賊「とりあえず酒と肉が欲しい」
マスター「何を飲まれますか?」
盗賊「そうだな…フィン・イッシュは米を使った酒が有っただろう…」
マスター「分かりました…」
盗賊「ボトルで頼む…これで足りるか?」チャリン
マスター「ハハお釣が出ますね…少々お待ちください」スタ
学者「はぁぁぁやっぱ兄貴は酒場が似合いやすね…どうっすか?さっき買った大麻吸いやす?」
盗賊「気が利くじゃ無ぇか…今度はお前の分も買ってるな?」
学者「へい!!火を点けやしょうか?」
盗賊「それぐらい自分でやる…」チッチ モクモク
学者「じゃぁ俺っちも…」チッチ モクモク
マスター「どうぞ…米酒をボトルでお持ちしました…肉料理はもう少しお待ちを…」ゴトリ
盗賊「ゲス!!早速飲むか?」キュポン トクトクトク
学者「米酒なんて飲んだ事無いっすねぇ…」スパーーー フゥゥゥゥ
盗賊「ワインよりかなりキツイ酒でな…飲み過ぎんなよ?」グビ プハァ
マスター「お二人は初めてで?」
盗賊「まぁな?さっき商船で到着したばかりよ」
マスター「見た所…バン・クーバからいらした様ですね」
盗賊「お?分かるか?」
マスター「恰好を見ればおおよそ…」
学者「兄貴ぃ…流行の恰好が多分違うんすね」
盗賊「そんな特徴的には思えんがな…どの辺が違うのよ?」
670 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:35:24.94 ID:bVSMz8780
マスター「腰に掛けているベルトに投げナイフが仕込んであったり…上着にも何か仕込んでありますよね?」
盗賊「ほーん…投げナイフや防弾ベストがそんなに珍しいかね?」グビ
マスター「フィン・イッシュではそのような格好の方は殆ど居ないですよ」
盗賊「ナイフぶら下げてちゃ怖いってか?」
マスター「ハハすみません…私が酒場のマスターで無ければ声を掛けないと思います」タラリ
盗賊「何もしやし無ぇよ…」グビ ゴクゴク
学者「兄貴は人相悪いんで余計に怖いんすよ」
盗賊「まぁ戦場にどっぷりだと自然にこうなる訳よ…ほんでマスター…なんか面白い話は無いか?」
マスター「はぁ…面白いかどうか分かりませんが…この島の奥に古代遺跡が有るのは知って居ますかね?」
盗賊「んん?聞いた事が有るぐらいだ…20年前に全部探索されてんだろ?」
マスター「瓦礫に埋もれた区画があってですね…未探索の場所が見つかったんですよ」
盗賊「おおお!!そりゃ面白れぇ…何が有るのよ?」
マスター「奥の方に扉が在って先に進めないらしいです」
盗賊「…」---開かずの扉…俺は開け方を知ってる---
学者「魔術師が居て開けられないっておかしくないっすか?」
マスター「無理に開けると爆発するとかで封印指示が出てるみたいですね」
盗賊「おい!その場所教えてくれ」
マスター「ハハもう有名になってるので明るい内は人で一杯ですよ…地図も売ってるんです」
盗賊「その地図あるんか?」
マスター「観光名所を記した地図…金貨1枚ですが買いますか?」パサ
盗賊「くぁぁぁ高いが…畜生足元見やがって…」チャリン
マスター「これも酒場の売り上げなんですよ」
学者「もしかして…酒場に立ち寄った人全員に売ってたりしやせんか?」
マスター「商売なので…」ニコ
盗賊「上手い売り方しやがる…でもまぁ楽しみ買ったと思って行って見るぞ」
学者「まさか今晩行くって事は無いっすよね?」
盗賊「ちっと色々準備が必要だ…明日の夜だな…今晩はパーーーとやるんだ」
マスター「さぁ…肉料理の準備が出来た様なのでお持ちしますね」スタ
--------------
671 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:36:22.48 ID:bVSMz8780
『1時間後』
ワイワイ ガヤガヤ
だはははは…でも悪いがあんま金持って無ぇんだ…また今度な?
もう!本当は一杯持ってるクセに…
マジで持って無いんだ…用がある時はまた声を掛けさせて貰うからよ
剣士「あ!!居た居た…」
盗賊「おぉ!!お前等来たか…食い物用意しといたぞ」
学者「リッカさんとミライ君用に各種木の実…キノコにパン…全部食って良いっすよ!!」
盗賊「ラスも来たな?お前用に肉頼んどいた…焼きたてだから食え!!」
女ハンター「なんか…かじった痕が有るんだけど…」
盗賊「毒味だ毒味!!気にすんな!!」
剣士「あれ?見た事無い木の実が有る…」
学者「それオリーブっす…酒にメッチャ合うんすよ」
剣士「へぇ?姉さん座ってよ!食べよう」
盗賊「ロボは俺の隣な?」グイ
ロボ「ピポポ…」ウィーン
盗賊「今日は特別に新しい魔石に交換してやる…食い物の代わりだ」カチャ
学者「あ!!それ電脳化デバイスの…」
盗賊「そうよ…交換して古い魔石は高く売りつける」カチャカチャ
学者「うは…セコイ稼ぎ方っすね」
盗賊「うるせぇ!!騙される方が悪いんだ」
学者「俺っちも替えの魔石欲しいんで買いますぜ?」
盗賊「なんだ身内に売るんじゃ儲けにならんのだが…まぁ良い!今晩の払いはお前な?」
学者「ええ!?そんだけで良いんすか?」
盗賊「文句あんのか?」ポイ
学者「ありーーーっす!!」パス
盗賊「どうよロボ?動きやすいか?」
ロボ「ピポポ…」ウィーン シャカシャカ
盗賊「ウハハハ動きやすそうで何よりだ…ホラお前等飲めぇ!!」
672 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:37:24.39 ID:bVSMz8780
女ハンター「…」---あのロボットの中身が普通の女の人だなんて…---
---食べれない---
---話せない---
---どんなに苦痛なんだろう---
---どうしてこんなに---
---心が揺さぶられる---
盗賊「おい!何気取ってんだ!肉だ食え!!」グイ
女ハンター「むぁ!!…自分で食べられる!!」イラ
ロボ「ピポポ…」クルリン シャカシャカ
女ハンター「はむっ…」ガブ モグモグ
---生きてる事に罪悪感を感じる---
---なんだこの気持ち---
ロボ「ピピ…」プシュー シャカシャカ
女ハンター「…」---数少ない表現で必死に表現してるんだ---
ロボは…機械と同じ…
存在する為にエネルギーが必要…
だから機械はエネルギーを求める…
そのエネルギーを奪って行くのは私達人間…
それが戦争を起こしてる
機械は存続する為に戦って居る
もし機械に命を与える事が出来れば
きっと戦いは終わる…
ロボを見て…そう思えて来た
機械が欲しい物は…多分命だ
でもどうやって命を得る?
盗賊「おいおい何神妙な面してんのよ…お前も飲め」グイ
女ハンター「じ…自分で飲めるって!!」ゴク
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:37:51.78 ID:bVSMz8780
盗賊「…」ジロ
女ハンター「何さ!?」
盗賊「ロボを見て感化されるのは分かるが…楽しむ時は楽しめ…それで良いんだ」
女ハンター「なっ…」---心を読まれてる---
女ハンター「そんなんじゃ…」
ロボ「ピピピ…」ピタ
盗賊「なぁ?ロボ!!こいつの顔に書いてるの分かるか?」
ロボ「ピポポ…」ウィーン グイ
女ハンター「分かった飲むから…」グビグビ
盗賊「よぉ〜しロボ!!良くやった!!明日新しい羽織り物買ってやる」
ロボ「ピピピ…」ウィーン クルリン
盗賊「ヌハハハ…しかし全然酔いが回って来無ぇ!!マスター!!酒をもう一本出してくれぇ!!」
---------------
674 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:38:46.18 ID:bVSMz8780
『翌日_宿屋』
ドンドンドン
学者「扉を開けて下せぇ…はぁぁなんで俺っちだけ廊下で寝てたんすかねぇ…」ウェップ
剣士「ゲスさんかぁ‥どうしたの」スタ
学者「よく覚えて無いんすが俺っちは廊下で寝ててっすねぇ…」
剣士「アハ…部屋に入れて貰えないんだ?」
学者「兄貴も何処に行ったか分からんす…部屋で寝てるかも知れんのですが…」
剣士「昨夜は遅くまで飲んでたんだ?」
学者「あんまり覚えて無いんすよ…」オエップ
ガチャリ ギーー
ロボ「ピ…」ウィーン
学者「あぁ!!やっと開けてくれやしたね?兄貴居やすか?」キョロ
ロボ「ピピ…」フリフリ
女ハンター「…」ギロ
学者「あれれ?ロボと2人だったんすか?」スタ
剣士「こっちの部屋広いねぇ…」キョロ
学者「兄貴…又どっか行っちまいやしたね…」
剣士「昨夜一緒に帰って来て無いの?」
学者「覚えて無いんすよ…」
剣士「なんか準備するって言ってたよね?今日は何処か行くんじゃ無かったっけ?」
学者「宝探しっすね…まぁ…多分夜になると思うんすが…」
女ハンター「宝さがし?聞いて居ない」
学者「古代遺跡の方で探索されてない場所が有るらしいんす…そこに行くつもりっすよ」
女ハンター「未探索の遺跡ならキラーポッドが居るかもしれない…」
675 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:39:22.10 ID:bVSMz8780
学者「なもんで準備するって言ってたんすが…」
剣士「キラーポッド?何それ?」
学者「小型の機械っすよ…自律で動く古代の兵器っすね」
剣士「へぇ?弾丸を連射してくるっていう奴?」
学者「そうっすね…遭遇するとかなり危ないっす」
剣士「姉さんの鎧とか盾は船に置きっぱなしだよ」
学者「もしもに備えて用意した方が良いかも知れんっす」
女ハンター「遺跡を探索する装備なんか持って無い…私は狙撃専門だから…」
学者「近距離用の武器が無い感じっすか?」
剣士「あ!!デリンジャー有るよ?弾が20発くらいしか無いけど」
女ハンター「見せて…」
剣士「これ…」チャキリ
女ハンター「新式の2連デリンジャー45口径…単発火力はある」
学者「それで行けそうっすか?」
女ハンター「かなり近づかないと当たらない」
学者「俺っちは22口径バヨネッタ…4発づつ撃つタイプっす」
女ハンター「連射が効くけどそれも近距離用…デリンジャーよりも当てやすいけれどキラーポッド相手に火力が…」
剣士「なんか話聞いてると相当危ない感じ?」
学者「そうっすね…機械の数にもよるんすがね…」
剣士「宝探しもそう簡単じゃ無いんだぁ…しっかり準備しないと…」
女ハンター「準備って何をするつもり?」
剣士「鉄板が入ってるんだけど防弾ベストとかも作ってあるんだ…兜もね」
学者「それ大事っす…こないだの兄貴みたいな致命傷は避けられるんで…」
女ハンター「榴弾は持ってる?」
学者「それは持って居やす…戦いになった場合は榴弾がメインになると思いやす」
剣士「榴弾って何?」
学者「手投げの爆弾っすよ」
剣士「あぁ!!それなら手投げの油なら有る」
学者「それも用意しておいた方が良いっすね…退路作るときに使えやす」
剣士「おけおけ…ちょっと姉さんと一緒に準備してくるよ」タッタッタ
女ハンター「なんか…不安しか無いんだけれど…」
学者「まぁ良いじゃないっすか…こういう刺激無いと腕鈍っちまいやすぜ?」
女ハンター「…」---確かに---
---------------
676 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:40:24.81 ID:bVSMz8780
『昼過ぎ』
ゴソゴソ ガチャガチャ
学者「兄貴遅いっすねぇ…」
剣士「姉さんどう?重すぎない?」
女オーク「大丈夫よ…」ガチャ
学者「鉄板で装備作ったのは良いすが…急所以外は金属繊維なんすね?」
剣士「うん…姉さんは動き回るタイプだからね…盾構えて見て?」
女オーク「こう?」スチャ
剣士「おけおけ…その盾なら多分弾丸も防げる」
スゥ…
学者「おわっ!!兄貴ぃ!!何処行ってたんすか!!」
盗賊「おう!!ちっと現場見に行ってた…なんだもう準備してんのか」
学者「兄貴が行くって言ってたからっすね…何を準備したら良いか分からんもんで…」
盗賊「ヌハハ戦場に行く様な装備してんな?」
女ハンター「未探索の遺跡はキラーポッドが出るでしょう!?」
盗賊「まぁ…俺はガチで戦うつもりなんか無かったんだがな?」
女ハンター「ちょっと!!どういう事?」
盗賊「今見ただろう?俺は姿を消せる訳よ…ちょいちょいっと欲しい物だけ取ってズラかる…そんなつもりだったんだが…」
剣士「えええ!?それは僕達が面白くない」
盗賊「分かった分かった…タダな?危ないと判断したら即撤収だ…イイな?」
女ハンター「そういう事ね…だったら良いわ」
盗賊「ラス!お前はライフル使わんのか?」
女ハンター「狙撃特化の単発式…持って行くだけ邪魔になる…だからコレよ!」スチャ
盗賊「なるほどデリンジャーか…ふむ…リッカもそこそこ耐えそうな装備してるか…」
剣士「僕はコレさ!!火炎玉!!」ジャーン
盗賊「ようし!!ほんじゃ日が落ちる前に現場行くぞ…」
学者「夜じゃ無いんすか?」
盗賊「扉を解錠するのに手間取りそうなんだ…早めに行きたい」
学者「じゃぁ行きやすかぁ…」
盗賊「ロボは悪いが留守番な?」
ロボ「ピポポ…」フリフリ
---------------
677 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/12/21(水) 20:41:02.35 ID:bVSMz8780
『林道』
スタスタ
剣士「人が街の方へ戻って行く…」キョロ
盗賊「暗くなる前にこの林道抜けたいんだろう…俺らにしてみりゃ人が掃けてやり易い」
剣士「この林道の向こうなんだね?」
盗賊「そうだ…探索済みの遺跡は更にその奥にある…俺らは瓦礫の下に有った遺跡に向かう」
剣士「なんかワクワクが止まらないよ」ブルブル
盗賊「ヌハハそうだろうそうだろう!!それで良いのよ」
学者「兄貴ぃ…この林道…結構な数の弾傷がついていやすぜ?」キョロ
盗賊「瓦礫の下からその遺跡が発見されたのは数年前だそうだ…そん時にキラーポッドがわんさか出て来たらしい」
学者「じゃぁこの林道は戦地跡って事っすね」
盗賊「キラーポッドは全部駆逐されたみたいだぜ?」
学者「道理で…露店で弾丸出回ってるのはそういう理由だったんすね」
盗賊「買ったんか?」
学者「勿論買いやしたよ…500発は有りやす」
盗賊「撃ち放題だな?」
学者「魔石が無いもんで先にエネルギー切れが来やすね…このバヨネッタはメッチャ魔石効率悪いんす」
盗賊「もう魔石が手に入らんからな…出来ればそいつを使わないでロボに使いたい」
学者「未探索の遺跡に魔石がどっさり…とかありゃ良いんすが…」
女ハンター「ウラン結晶なら残って居るかもしれない…」
盗賊「そういやこっちの国でウラン結晶手に入れたらどうなるんだ?」
学者「見つかると取り上げられるのがオチじゃ無いっすか?」
盗賊「じゃぁ隠しとかんとイカンな…てか今考えても仕方無えか…あるかどうかも分かん無ぇし」
剣士「あ…林道抜ける」スタ
盗賊「左側の崖ん所だ」
剣士「うん…まだ人が居るね?」
盗賊「人が掃けるまで見学だ…先行って見てても良いぞ」
剣士「おっけ!!姉さん行こう」グイ
女オーク「手は繋がなくても良いから…」スタ
--------------
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