勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結

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178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:32:26.43 ID:Xx1bIi7d0
『付近の小島』


ギシギシ ユラ〜リ


女戦士「気球が帰って来るまでここで一時待機だ…小島で水を補給するから小舟を降ろせ!!」

海賊共「へ〜い!!」ドスドス

女海賊「…」トボトボ

情報屋「そんなに寂しいの?」

女海賊「リカ姉ぇが好きだったんだよ」

魔女「何て言えば良いのか分からぬが…主の飛空艇でいつでも会いに来れるじゃろう?何故それほど悲しむかのぅ…」

女海賊「あれ?そういやそうだな…いやそうじゃない…リカ姉ぇが取られちゃうのがさ…」

魔女「取られるとはどういう事じゃ?」

女海賊「なんか地庄炉村に気になる男の人が居るんだってさ…」

魔女「なんじゃそんな事か…主の脳みそは本真に何を考えてるか分からんわい」

女海賊「ほんなん知るもんか!!本能だよ本能!!」


トコトコ


ホムンクルス「女海賊さん…リカオンさんへ祝砲を撃ってみるのはどうでしょう?」

女海賊「お!!?イイね!!」ダダダ


女海賊「お姉ぇ!!お姉ぇ!!大砲試し撃ちして良い?」


女戦士「火薬を無駄に使うな…」

女海賊「改造した後まだ一回も撃って無いのさ」

女戦士「そうか…では流れて来る流氷に当ててみろ」

女海賊「おけおけ…おっし!!海賊共!!大砲の撃ち方教えるからコーーイ!!」ダダダ

179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:33:08.06 ID:Xx1bIi7d0
『水平迫撃砲』


…この大砲は砲弾の装填が特殊なんでしっかり覚えて

後装式といってこの後ろの蓋を開けて砲弾入れるの…ほんでしっかり蓋閉める

次に火薬を入れるのがコッチ…こっちもやっぱ入れた後蓋をしっかり閉める

照準は2軸式…水平射撃用と遠距離射撃は使う照準器が違うから注意

最後に射撃時は真後ろに立ったらダメね…反動で砲身が動くようになってるからパンチ食らうよ


海賊共「ほう…これはキ・カイの技術かいな?」

女海賊「私のアレンジも入ってるさ…ほんじゃ一発向こうの流氷狙うから見てて…」グイ カチ


ドコーン!!


海賊共「うほーーー」

女海賊「んあぁぁぁ…色々工夫したけど重装射撃砲と同じだなぁ…」

ホムンクルス「砲身が短いのが原因ですね」

女海賊「ホムちゃん分かる?」

ホムンクルス「直進性を増す為にライフル砲を採用している様ですがそれも初速が落ちる原因です」

女海賊「これ無いと狙った所に行かないのさ」

ホムンクルス「では…すこし射角を上げて精度よく当てらる様に照準を工夫すれば良いのでは無いですか?」

女海賊「それさ…相手との距離が正確に分かんないと当たんないんだよ…だから水平にこだわってんのさ」

ホムンクルス「望遠鏡を使って測量していますよね?」

女海賊「ダメダメ…精々300メートルくらいしか精度出せない」

ホムンクルス「分かりました…右目と左目を使って双眼鏡で三角測量する器具を作れば良いと思います」

女海賊「え!!?なるほどそうか…三角法で距離求めるのか」

ホムンクルス「この大砲でしたら測量さえ精度良く行えば600メートル程度の精密砲撃が出来ると思われます」

女海賊「よっし!もうちょいだな…」スタタタ


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180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:33:43.78 ID:Xx1bIi7d0
『荷室』


ガサゴソ


女海賊「使えそうな鋼材余って無いかなぁ…余ってるクロスボウバラシて鋼材にでもすっかぁ…」ゴロン

女海賊「ん?なんだコレ?」スッ

女海賊「黒い壺?なんだこれ?」

女海賊「あぁぁ思い出した…リリスを封じてた封印の壺だ…蓋が無くなっちゃったんだっけ…」

女海賊「そういや魔女に貰ったんだ…忘れてた」

女海賊「てかコレ蓋作れないんかな?…ちっと魔女に聞いてみるか」


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『居室』


ガチャリ バタン


女海賊「魔女居る?」キョロ

魔女「んん?何事じゃ?」

女海賊「荷室に封印の壺置きっぱなしだったんだけどさ…これもっかい蓋作れないの?」

魔女「付呪師なら作れるがわらわには作れんのぅ…蓋は無うても入れ物としては優秀じゃと言うた筈じゃが?」

女海賊「すっかり忘れてたさ…どうやって使うんだっけ?」

魔女「只のカバン替わりじゃな?主は持ち物が多かろう…その壺にはようけ物が入るぞよ?」

女海賊「まぁ良いや…蓋は自分で作るかぁ」

魔女「そうじゃな?逆さにすると落ちてしまうで簡単な蓋は有った方が良かろう」

女海賊「なんか入れてみっか…」スポ

魔女「長い物も入る故に主にはピッタリの壺じゃ」

女海賊「お?お?お?うおぉぉメッチャ入るじゃん」スポスポ


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181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:34:13.10 ID:Xx1bIi7d0
『小島』


エッホ!!エッホ!!


女戦士「樽に入れるのは雪だけでは無く漂着した氷も入れて持ち帰る」

海賊共「がってん!!」ドスドス

アサシン「流氷があれば水には困らん様だな」

女戦士「こまかくするのが難義だ…」スパ スパ ゴトン

アサシン「しかし何処から流れて来て居るのか…」

女戦士「この様子だと直に氷山も流れて来そうだ…」スパ スパ

アサシン「インドラの銃で破壊出来んか…」

女戦士「やはり今の内に内海を出るのが正解だな」

アサシン「ふむ…商船をこちらによこすのは厳しそうだな…」

女戦士「いやそうでも無いぞ?この辺りは比較的海が浅いのだ…大きな氷山はもっと沖の方になる」

アサシン「ほう?つまり陸沿いならなんとか来られる訳か」

女戦士「問題は海流が逆だと言う所…船底の浅いスクーナーが必要になる」

アサシン「ううむ…フィン・イッシュには少ないタイプの船だな…」

女戦士「我々海賊がスクーナーを好む…逃げやすいのでな?」

アサシン「フフ…味方で良かった」


シュン! パパパパーン! チュドーーーン!


女戦士「んん?」キョロ

アサシン「空に向かって撃って居るな…」

女戦士「まさか…ガーゴイル?」

アサシン「どうやらゆっくり出来ん様だ…」スック

女戦士「海賊共!!引き上げるぞ!!」

海賊共「へ〜い!!」ドスドス
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:34:40.80 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ドタドタ


女海賊「ちょっと商人!あんま遠くのガーゴイル倒しても意味無いから」

商人「そうだったね…精度良すぎるからツイ使っちゃう」

女海賊「ガーゴイルなんか20メートルくらい近付くまで放置で良い」

情報屋「ねぇ…月が出てる」ユビサシ

女海賊「本当だ…」

商人「なんか計算合わないねぇ…今頃北半球の側に月が有る筈なのに」

女海賊「水平線なぞって横に移動すんじゃね?」

情報屋「多分そうね…今からしばらく月が見えっぱなしに思うわ」

商人「地軸の移動も合わさってるから分からなくなるね」

女海賊「落ち着くまで観測も無駄さ…それよりガーゴイルが今の時点で出てるってのがなぁ…」

商人「まぁ僕が見張っておくよ」

女海賊「はいはい…私作り物してるから居室入っとくわ」スタ


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183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:35:08.75 ID:Xx1bIi7d0
『しばらく後_居室』


ガチャリ バタン


女海賊「お姉ぇ帰ってきたんだ?」

女戦士「インドラの光を見て慌てて帰って来たが大した事無かった様だ」

女海賊「月が出て狭間が近づいてるのさ」

女戦士「うむ…今観測をさせている」

女海賊「意味無くね?」

女戦士「月の公転の傾き具合が分かるぐらいか…」

女海賊「早い所ホムちゃんに衛星見つけてもらうだね」

女戦士「ところで今度は何を作っているのだ?」

女海賊「距離観測用の双眼鏡さ…望遠鏡だとあんま精度無いから三角法も併用すんの」カチャ

女戦士「ほう?面白そうだ」

女海賊「これお姉ぇの方が上手く作るかもね」

女戦士「双眼で見てどう距離に換算する?」

女海賊「基準になる照準と目標にピント合わせた時の差分を測るのさ…覗いてみ?」ポイ

女戦士「ふむ…なるほど」クリクリ

女海賊「いま触ってるダイアルに数値書いてるんだ…それが補正係数…あとは普通の測量だよ」

女戦士「これで対象までの距離を精度よく求めるのか」

女海賊「そそ…あとは大砲の射角調整すればドンピシャで当たる…筈…」

女戦士「大砲を撃たせるのは測量士にやらせた方が良いな」

女海賊「そだね…計算早い人が良い」

女戦士「よし!双眼鏡の構造は理解した…後は私がやろう」

女海賊「ホムちゃんが言うにはちゃんと測量すればあの大砲で600メートルの精密砲撃が出来そうだってさ」

女戦士「…という事は対象が大型の船だった場合はもっと遠距離から狙えるな」

女海賊「こっちも船で揺れてるからそう簡単には行かないと思うけどね…」



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184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:35:40.54 ID:Xx1bIi7d0
ドタドタ


ローグ「頭ぁ!!戻ってきやしたぜ?」

女戦士「ご苦労!!物資調達はどうだ?」

ローグ「布とロープを仕入れて来やした…食料もボチボチでやんす」

女戦士「よし!では出港させろ」

ローグ「へい!!…で?頭は何を作ってるでやんすか?」

女戦士「測量用の双眼鏡だ」

ローグ「あぁ望遠鏡の一種っすね…」

女戦士「悪いが私は手を離せん…海賊共に出港させて来い」

ローグ「わかりやしたぁ!!」ダダ



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女海賊「おーーーし!!これで私が賭け金全部頂きさ」ジャラジャラ

女戦士「…」チラリ

アサシン「フフ…」

商人「良く我慢したねぇ…」ボソ

女戦士「商人!余計な事を言うな!」

女海賊「んん?まぁ良いや…ほんじゃちっと命の泉まで行って来るわ」

女戦士「誰を連れて行く?」

女海賊「どうすっかなぁ…ホムちゃんは衛星探すのに連れて行くとして…」

女戦士「やはり商人と情報屋か?」

女海賊「なんか毎回同じなんだよなぁ…安定っちゃ安定なんだけど…」

情報屋「私はもう少し体力をつけてからにしたいわ」

女海賊「おけおけ…ほんじゃ商人とローグかな」

女戦士「…との事だ…ローグ!お前が女海賊の見張り役だ」

ローグ「へい…わかりやした」

女海賊「何さ見張り役って…」

女戦士「お前は鎖を付けておかないと直ぐに何処かへ行ってしまうのでな」

女海賊「なんだよちゃんと帰って来るさ」

女戦士「幽霊船は陸沿いに外海側からフィン・イッシュを目指す予定だがどこで合流する?」

女海賊「フィン・イッシュまでハイディングしないで航海したら結構掛かるよね…まぁ海岸沿い探して戻って来るさ」

女戦士「インドラの銃は借りて置くぞ?光の石で照らして置けば空からも探しやすかろう」

女海賊「お!?それ良いね…晴れてたらメッチャ遠くから見えるわ」

女戦士「では決まったな?」

女海賊「まぁこっちはハイディングして移動すっから直ぐに戻るさ」

女戦士「そうしてくれ」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:36:11.17 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』


シュルシュル スタ


女海賊「はいホムちゃん飛空艇に乗って」

ホムンクルス「はい…」ピョン

ローグ「次あっしが行きやすぜ?」シュルシュル

商人「ほっ!!」ピョン

ローグ「ワイヤー装置有るとラクっすねぇ…」ピョン

女海賊「おっし!!ロープほどいて…」グイグイ ポイ

ローグ「姉さんはいつも商人さんを連れて行くのは理由があるんすか?」

女海賊「商人は寝ないからさ…見張りとか操舵をずっと任せられるんだよ」

商人「ハハ…まぁそうだね」

ローグ「理解しやした…姉さんにとってラクなんすね」

女海賊「食事も要らないし何処行ってもお金に困んないし…捨て駒にしても死なないし」

商人「捨て駒とは酷いな…」

ローグ「いやいやこれは姉さんの誉め言葉なんすよ…出来る男に出来るって言わないでやんす」

女海賊「はいはいもう出発するよ…ホムちゃん操舵の仕方を教えるからこっち来て」

ホムンクルス「はい…」

女海賊「ほんじゃ良く見ててね」グイ シュゴーーーーーー


フワフワ
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:36:42.27 ID:Xx1bIi7d0
『上空』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


ローグ「これ北に向かうだけじゃ向こうの大陸に着かんのですかね?」

商人「それダメだね…外海のど真ん中飛んじゃう可能性がある」

女海賊「羅針盤はアテに出来ないんだ…陸の形を見ながら方向定める感じ」

ホムンクルス「南極では全部の方向が北です…そして今磁極がどこにあるのか分からないのです」

女海賊「だからホムちゃんの衛星頼りなのさ」

商人「そういえばさ?衛星は黒色惑星の影響を受けて居ないかな?」

ホムンクルス「静止軌道から外れている可能性が高いので出来るだけ早く修正しないと落下します」

女海賊「えええ!!それ超マズイじゃん」

商人「修正とは?」

ホムンクルス「推進力を制御するエンジンが搭載されていますので軌道の修正が可能です」

商人「エンジン?」

ホムンクルス「皆さんに分かる言い方ですと風の魔石と言う所でしょうか」

商人「なるほど…」

女海賊「それに乗って月に行けたりしない?」

ホムンクルス「女海賊さんが乗って行く事は不可能です…1万パーセント無理と言えば理解してもらえますか?」

商人「1万パーセントw」

女海賊「めっちゃ分かりやすい」

商人「月の公転がすごい変わってるけど平気なのかな?」

ホムンクルス「およそ200年程で元の軌道に戻ると予測します…数十年は洪水の影響が一番大きいかと思われます」

商人「情報屋も同じ事言ってたな…海抜100メートル変わる場所もあるとか」

ホムンクルス「その通りです…しかし現在の文明圏では20メートルくらいでしょうか」

商人「そうか…僕達は未踏の地がどうなってるのか知らないだけか…」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:37:14.40 ID:Xx1bIi7d0
『外海へ抜ける海峡_上空』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「おっし!分かったぞ…こっから右方向に行けばフィン・イッシュ領方面だ」

ホムンクルス「もう少しで高緯度域を出ると思われますので羅針盤も少しはアテになるでしょう」

商人「船が5隻くらい外海に出た所に居るね…」

女海賊「どれどれ…何の船だろう?」スチャ

ローグ「あっしにも望遠鏡貸して下せぇ」

女海賊「あんたに何処の船か分かる?」パス

ローグ「そらあっしも海賊歴長いでやんすからね…ええと…」

商人「今の状況で航海しようとする船はロクな船じゃないと思うな」

ローグ「当たりでやんす…豪族があそこで出待ちしてるみたいっすね…ちっと頭に連絡しておきやす」

女海賊「迫撃砲の試し撃ち出来んじゃん」

ローグ「外海の方まで出たらハイディング出来るんで多分大丈夫でやんすよ」

女海賊「インドラの銃もあるんだから全然心配してないよ…」


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188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:37:45.51 ID:Xx1bIi7d0
『幽霊船_甲板』


女戦士「使い方は分かったな?…次はもう一つ向こうの流氷までの距離を測ってみろ」

測量士「がってん!!」クリクリ

女戦士「どうだ?」

測量士「1.278×660メートル…843メートルでごわす!!」

女戦士「あとは迫撃砲の射角だな…撃ってみるか…」

測量士「任せてがってん!!」

女戦士「ふむ…やってみろ…」ツカツカ


ノソノソ


魔女「女戦士や…ローグから連絡じゃ…貝殻を持てい」スッ

女戦士「んん?進路に何か妨害を見つけたな?」スッ


”頭ぁ…聞こえていやすかね?”

”どうした?”

”外海に出る海峡で豪族の船が5隻出待ちしてるんす”

”ふむ…船の大きさは?”

”キャラック船1隻とスクーナー4隻っすね…多分セントラル軍船崩れでやんす”

”分かった…距離を開けつつ様子を伺う”

”流氷もポツポツ流れてるんで気を付けて下せぇ”

”哨戒ご苦労!”

”じゃぁまた何か有ったら連絡しやす…ザザー”


女戦士「測量士!豪族と海戦になるかもしれん…今の内に迫撃砲の着弾精度を上げておけ」

測量士「距離はどの位で?」

女戦士「800メートル以上で当てられる様に工夫しろ…それだけ離れれば向こうの大砲はこちらに届かん」

測量士「がってん承知の助!!」ドタドタ


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189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:38:17.55 ID:Xx1bIi7d0
『翌日_外海に出る海峡』


ザブ〜ン ユラ〜リ


アサシン「やはり向こうもこちらに気付いて居そうだ」

女戦士「なかなか優秀な見張りが居るらしい…」

アサシン「このまま直進か?」

女戦士「先ずは出方を見ん事にはな…既に一隻私達の後方に回ろうとしている様だが…」

アサシン「主力は大きなキャラック船か?」

女戦士「さぁな?アレに近付かないようにこちらが動くと思って居るのだろう」

アサシン「どうする?インドラの銃なら先制で打ち込めるぞ?」

女戦士「まぁ待て…それは奥の手だ…こちらの迫撃砲も試してみたかったのだ」

アサシン「砲弾が随分小さいから決定力が無さそうだが?」

女戦士「着弾させて追い散らせば良いのだ…貴重な船をわざわざ壊す事もあるまい」

アサシン「クックック私は高みの見物と行こう」スタ


海賊「頭ぁ!!こっちの射程に入るでがんす!!」


女戦士「まだ撃つな!!キャラック船とは1kmの距離を置いて少し左に転進しろ!!」

海賊「へい!!」ドドド

女戦士「4隻のスクーナーに囲まれる筈だから狙うのはスクーナーだ!外すな!?」

測量士「がってん!!」

女戦士「有効射程に入り順次当てて行け!!」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:38:51.65 ID:Xx1bIi7d0
『海戦』


ドコーン!!


アサシン「フフ…そう簡単に動く的には当たらんか」

魔女「向こうは撃ち返して来んのぅ…」ノソリ

女戦士「射程外だからな…」


ドーン ドーン ドーン ドーン


アサシン「クックック届かんのも分からんのか奴らは…」

女戦士「こちらに大砲が1門しか無い事を知って居るのだ…包囲してるぞという合図」

アサシン「なるほど…」

女戦士「測量士!!何をしている!!当ててやれ!!」

測量士「がってん!!次こそ…」


ドコーン!!


アサシン「お?着弾か?」

魔女「ほぅ…高みの見物もなかなか見物じゃな…」ノソノソ

測量士「この距離だと2〜3発に一発当たる感じでごわす」

女戦士「どんどん撃て…スクーナーを散らせば私達の勝ちだ」

測量士「がってん!!」


ドコーン!!


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191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:39:23.85 ID:Xx1bIi7d0
『10分後』


ドコーン!!


女戦士「フフやはりマストは折られたく無いから近づけんか…」

アサシン「距離800メートルではそこそこ当たる様だ…この迫撃砲の最大射程はどの位だ?」

女戦士「分からん…射角を上げ過ぎると砲弾の着水が見えんのだ」

アサシン「2km先ぐらいまでは数を撃てば当たりそうだ…」

女戦士「陸上戦では無いからそれほど長い射程は不要に思う…今の射程で十分だ」

魔女「相手を追い払えば不毛な消耗戦をせんでも良いな?良い武器じゃ」


海賊「頭ぁ!!キャラック船が遠ざかってるでがんす!!」ドタドタ


女戦士「だろうな?スクーナーの追跡だけ注意して陸沿いにフィン・イッシュを目指す」

海賊「へい!!」

アサシン「余裕だったな…」

魔女「さて情報屋と談話でも楽しむとするかのぅ…」ノソノソ


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『どこかの上空』


リリース! スゥ…


女海賊「商人!ちょい地形確認して」

商人「ええと…北側はすごく遠くに山脈…東側が低地で針葉樹がポツポツ生えてる…どこだ?」

ローグ「多分大分フィン・イッシュ通り越していやすね…」

商人「海が見当たらないなぁ…」キョロ

ローグ「セントラルの北西じゃないっすか?昔砂漠だったら辺…」

女海賊「なんかそんな感じだね…」

商人「砂漠といえば龍の巣って言われた砂嵐どうなっちゃったんだろう?」

ローグ「前の噴火で寒冷化した後は無くなったらしいですぜ?」

女海賊「ええ?知らんかった…なんかあんの?」

ローグ「詳しくは知らんです…リザードマンが沢山居て人が近づかんでやんすよ」

女海賊「折角だからソコ通って行こうか」


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192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:40:00.69 ID:Xx1bIi7d0
『荒野上空』


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「また遺跡っぽいのがある…」

商人「リザードマンはこんな所に住処を持ってたんだね」

女海賊「情報屋を連れて来れば良かったなぁ…」

商人「見た感じキ・カイの様な高度な文明跡では無さそうだ」

女海賊「いつの時代とかアンタ分かんない?」

商人「う〜ん…1000年とか…2000年とか?」

ローグ「でも砂嵐の中で良く生活していやしたね?」

商人「リザードマンは耐環境性があるとか誰かが言ってたな…あと変温動物だから食料少なくても良いらしい」

ホムンクルス「私が名も無き島の端末で調べた範囲内でお答えできますよ?」

商人「あーそういえば生物学者の研究所だったね」


リザードマンは超古代から生息している人型ミュータントで地球外来種です

およそ1万年前に絶滅したとされていますが化石に残った遺伝子から人間の手により復活させられました

その生態は今おっしゃっていた様に地球上のあらゆる環境に適応する強い耐環境性を持って居ます

しかし手先が器用では無い事により文字を残す事や高度な道具を作る事が出来ない為

現代に至っても独自の文明を残すに至って居ません


商人「オークと同じ感じか…」

ホムンクルス「オークは人間までとは行きませんが独自の生活圏を少し作っていますね」

女海賊「アヌンナキが始めて地球に来た時って…なんつったっけな…ペルティリアン?」

商人「レプティリアン…多分リザードマンの御先祖さんさ」

ホムンクルス「皆さんのお話からするとその可能性が高いですね」

女海賊「1万年前に絶滅したってどういう事?」

ホムンクルス「それは名もなき島の端末の情報にありませんでした」

商人「きっと人間の手によって駆逐されたのさ…神々の戦いだよ」

ローグ「そういやリザードマンはあんまり強く無いでやんす」

ホムンクルス「人間より優れているのは耐環境性の他に長寿であるという事です…およそ1000年の寿命があります」

商人「ドラゴンと一緒か…」

女海賊「今の話からするとリザードマンはここの遺跡に住み着いてるだけっぽいね」

ホムンクルス「人間に追われて誰も近づかない砂嵐の中へ逃避したのかと…」

女海賊「なんか可哀そうになって来たなぁ…」

ホムンクルス「因みに人間との交配をさせる実験はされていた様ですが遺伝子配列が違い過ぎて適合しません」

商人「ん?じゃぁ共存は無理という事かな?」

ホムンクルス「共存出来るか否かは人間の側に問題がある様です」

女海賊「なんかみんな魔物だと認知してる時点で共存は無理っぽいな…」

ローグ「しょうがないっす…リザードマンの方から襲って来るもんで…」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:40:35.44 ID:Xx1bIi7d0
『遺跡上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥ


商人「結構リザードマンの数が多い…」

女海賊「飛空艇に気付いて騒いでる…よーし!!」スック

ローグ「何する気っすか?撃っちゃダメでやんす」

女海賊「撃つんじゃないよ…ちっと挨拶さ」グイ


ボエェーーーーーー ブシューーーーーー


商人「ハハハ…クジラの潮吹きか」

ローグ「あらららら?あらら…リザードマンがひれ伏していやすぜ?」

商人「向こうからしたら神様に見えるかもね?」

女海賊「ふ〜ん…そういう事か…」

商人「んん?」

女海賊「アヌンナキがどうやって神様になったのかって事さ…人知を超えた事を見せるだけで神様になるんだ」

商人「なんだそういう事か…」

女海賊「その当時の神様がなんでポンポン人間にやられたのか…実は大したこと無かったって感じじゃね?」

商人「なるほど…神々の戦いと言うのは後の人間がそう伝えただけで実際はもっと現実的な感じか…」

女海賊「ポンポンやられちゃうから今度はメチャ強いオークに乗り変えて来たんじゃないの?」

商人「フフ…君のそういうズケズケ言う所は好きだよ」

女海賊「なんか私…アヌが神様なのか良く分かんないんだよなぁ」

商人「同感さ…僕達に何をもたらしてくれるのか…謎ばかりだよ」


---どうせ何ももたらしてくれない---

---何故なら人間に興味なんか無いからさ---

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:41:43.63 ID:Xx1bIi7d0
『山脈上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥ


ローグ「うはぁぁ…川が氾濫しまくっていやすね…」

商人「赤道に近くなったから雪が溶けて居るのと…雨も降っているんだろうね」

女海賊「これ目印の山とか全然分かんなくなっちゃったんだけど…」

ホムンクルス「皆さん…衛星の行方が分かりました」

女海賊「おお!!ほんじゃホムちゃんに案内お願いする」

ホムンクルス「軌道を修正して元の静止軌道へ戻るのにおよそ2日掛かります」

女海賊「そんな遠く行っちゃってんの?」

ホムンクルス「それ程遠くではありませんが急いで戻すと落下の危険がありますので…」

商人「まぁ見つかって良かった…」

ホムンクルス「衛星が救難信号をキャッチして居ます」

女海賊「んん?救難?どっから?」

ホムンクルス「座標からして宇宙からの模様…エネルギー供給を要求しています」

女海賊「宇宙!!?ちょちょ…どういう事?」

ホムンクルス「識別コードOV-277機…私のデータに機体のデータがありません…旧式のシャトルと想定されます」

女海賊「ちょい何言ってるかさっぱり分かんない…なんで救難信号?誰か居んの?」

商人「もしかしてそれは箱舟の事かい?」

ホムンクルス「分かりません…ですが古代の人が生存している可能性があります」

商人「ハッ!!情報屋が宇宙に逃れた人が居るのを見つけてる…それの事か」

女海賊「もしかしてそれに乗って月に行けたりする?」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:42:14.84 ID:Xx1bIi7d0
ホムンクルス「今までの提案の中で最も可能性が高いです…動かす事が出来れば99%月へ行けるでしょう」

女海賊「おっし!!それ奪って動かすぞ」

ホムンクルス「但し…動かせる可能性は非常に低いです」

女海賊「ホムちゃんが居れば何とかなるさ…ほんで?エネルギー供給って何?」

ホムンクルス「インドラの光です…指定の座標へ撃てば供給完了します」

女海賊「おっけ!!供給してあげよう」

商人「良いのかい?良く分からない相手にさ?」

女海賊「何言ってるのさ!やっと月に行ける方法見つけたんだ…私は逃さないよ」

商人「ハハ君と言う人は…」

女海賊「ホムちゃん!インドラの光を撃ってあげてよ」

ホムンクルス「承認…インドラシステムを起動します」


座標同期完了…姿勢制御オート


ホムンクルス「発射します…」

女海賊「…」キョロ

商人「…」ポカーン

ローグ「ええと…何か起きやしたかね?」

ホムンクルス「完了しました…未確認機からの応答はありません」

女海賊「ん?…終わり?」

ホムンクルス「はい…」

女海賊「降りて来ないの?」

ホムンクルス「分かりません…」

女海賊「なんだよ…期待して損したわ」

商人「こんなに簡単にエネルギー供給出来るのか…スゴイな」

女海賊「あ…ちょいヤバかったかも…機械が人類に戦線布告してるとか言ってたじゃん?」

商人「ああああああああ!!まさか敵に塩を送っちゃったか…」

ホムンクルス「未確認機に動きがあれば分かりますのでご心配なく」

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:42:54.45 ID:Xx1bIi7d0
『夕方_山岳部の崖際』


フワフワ ドッスン


女海賊「おっし…ここなら魔物も来ないっしょ」

ローグ「外で焚火でもしやしょうか」

女海賊「そだね…一応ローグと商人はプラズマの銃を持って行って」

ローグ「へい!!あっしは薪を集めてきやす」ダダ

商人「じゃぁ僕はガーゴイルを警戒しておくかな」

女海賊「命の泉行くのにこんな迷うと思わなかったさ…地形覚えた筈なんだけどなぁ…」

商人「どれだけ雪が溶けたのか分からないね」

女海賊「これホムちゃんの衛星待ちになっちゃうかも…」

商人「そうそう…衛星と通信出来るなら月の公転とかどうなったか分からないかな?」

ホムンクルス「基準が無くなってしまったので今は観測出来ません…」

商人「そうか…君は衛星からこちらを見る事も出来るのかな?」

ホムンクルス「はい…今は地球に接近しつつ地表の形状を以前と比較して居ます」

女海賊「おぉそんな事出来るんか…どう?メッチャ変わってそう?」

ホムンクルス「そうですね…内海に大きな津波が到達して居ないので皆さんには影響が分かり難い様です」

商人「外海はスゴイ事になってるんだ?」

ホムンクルス「海底で大きく分断している個所もある様で以前とは少し違った世界地図となるでしょう」

女海賊「まぁ海の占める割合が7割以上だから影響の7割は海だよ」

ホムンクルス「海面の上昇で沈んだ島や隆起で新しく生まれた島が沢山ある様です」

女海賊「なんちゅーか…大した苦労も無く生き残ったな…」

商人「そうでも無いよ?影響の少ない地域に人を誘導したお陰もある」

女海賊「アンタなんかやったん?」

商人「僕は物流で人の流れを少しコントロールしただけさ…公爵はもっと強引にやったよね」

女海賊「私石になってたから良く分かんないのさ」

商人「豪族使って追いはぎみたいな事やったり…海軍を全部外海に移動させたり…」

女海賊「ほ〜ん…」

商人「結果論なんだけど救われた人は多いと思うな」


ダダダ


ローグ「皆さんお待たせしやした…焚火を焚いたんで暖まって下せぇ」

女海賊「お!!山賊焼きでも焼くかぁ!!」スタ

197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:43:27.07 ID:Xx1bIi7d0
『焚火』


メラメラ ジュゥゥ


ローグ「姉さん…何処にその肉仕舞ってたんすか?」

女海賊「魔女に貰った壺に何でも入るから適当に詰めて来たのさ」

ローグ「酒は有りやすかね?」

女海賊「ほい!!」ドン

ローグ「おぉぉぉ!!姉さんが居たら物資に困らんじゃないっすか…」

女海賊「あんま入れすぎると中でグチャグチャになる」

商人「他に何入ってるの?」

女海賊「爆弾とかボルトとか重たい物ばっかだよ」

商人「それって本当は魔物を封じる壺だよね…」

女海賊「どうやってこん中入れるか知ってる?」

商人「呼んで返事したら吸い込むらしい…後は量子転移の魔法?」

女海賊「お!?ほんじゃ商人の名前呼んで返事したら吸い込まれる?」

商人「ちょっと止めて欲しいな…いくら不死者だからと言って…」

女海賊「ヌフフフフ…ねぇ商人?」

商人「だからぁ!!それで遊ばないで欲しい!!」


シュゥゥゥゥ スポン!!


ローグ「あららららら…こら偉いこってすわ…」

商人「おーーーい!!高くてそこまで登れないよ!!出してぇぇ」

女海賊「いでよ!!商人!!」


シュゥゥゥゥ スポン!!


商人「ちょっと止めてって…」

女海賊「面白い!!どんくらいの高さだった?」

商人「2〜3メートルだよ…何か積めば出られそうだけど」

女海賊「ほんじゃロープで出られるか…コレ使い方次第で檻の中とか入れるな」

ローグ「何する気なんすか?」

女海賊「通れない向こう側に商人を行かせる事が出来るじゃん?」

商人「あのね…なかなかそういう場面が無いと思うんだけど…」

女海賊「ムフフフフ…これで盗賊を出し抜ける…ようし!見てろよ?ウヒヒヒヒ」ニマー

ローグ「いやぁぁ姉さん…カリスマっすね」

商人「ヤレヤレ…」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:44:07.71 ID:Xx1bIi7d0
『十日夜の月』


ギャァァ バッサ バッサ


女海賊「やっぱ夜になるとガーゴイル出てくんな…」

商人「近づいては来ないね」

女海賊「飛空艇にはそうそう襲って来ないよ…プラズマの無駄撃ちはしない様に」

商人「僕が見張っておくから君は休んで良い」

女海賊「そうするわ…ホムちゃんまだ妖精とくっちゃべってるかな?」

商人「そうだね…まぁ見ておくから心配しないで」


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『鯨型飛空艇_荷室』


ガサゴソ ガサゴソ


女海賊「あれ〜〜?何処に置いたっけなぁ…」

ローグ「何か探してるでやんすか?」

女海賊「どんぐりとか種類を小分けしておいてた筈なんだけどなぁ…」ゴソゴソ

ローグ「姉さんの虫が食べて居やしたぜ?てっきりあっしは姉さんがあげたのかと…」

女海賊「えええ!!?種は食うなって言ってんのに!!」

ローグ「どっかその辺に隠れて居やせんかね?」

女海賊「あ!!良く見たらウンコいっぱいあるじゃん!!何やってんだよ…ワーム!!掃除しろ!!」


ニョロニョロ モソモソ


女海賊「あのね!!種は食うなって言ってんじゃん!!」

ワーム「プギャー…」パクパク

ローグ「姉さん…その虫じゃないでやんす」

女海賊「種食うのはワームしか居ないんだよ…」


カサカサ モソモソ


女海賊「んん?あああああああああああ!!ダンゴムシ動いてる…」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:44:44.44 ID:Xx1bIi7d0
ダンゴムシ「!!?」クルン コロコロ

女海賊「死骸じゃ無かったのか…てかいつの間に飛空艇に乗ってんだよ…」

ローグ「その虫は未来君の生まれ変わりなんすよね?姉さんが連れて来たと思って居やした」

女海賊「おい妖精出て来い!!どうなってんのさ!!」


スポン!! ヒラヒラ


妖精「呼んだ!?」パタパタ

女海賊「このダンゴムシはアンタの本体じゃないの!?」

妖精「何の事かな?僕は僕だよ?ダンゴムシはダンゴムシ…何を言ってるのか分からないよ」

女海賊「どういう仕組みなのか私にもさっぱりさ…まぁ良いやダンゴムシって生き返ったん?」

妖精「僕が分かる訳無いじゃないか…ダンゴムシに聞いて見なよ」

女海賊「そりゃそうだ…おい!!ダンゴムシ!!?」ツンツン

ダンゴムシ「…」コロコロ

女海賊「あんた未来じゃないの?」

ダンゴムシ「…」ジーー

ローグ「あ…姉さん…独り言喋りながら虫をつつく姿は他の人に見られちゃイカンですわ…」

女海賊「うっさいな!!あんた妖精の声聞こえないの?」

ローグ「なんか聞こえるんすが聞き取れんのです…姉さんの一人芝居に見えるんすよ」

女海賊「ちっと一人にしといて…」

ローグ「へい…あっしは姉さんを疑っちゃ居やせんぜ?」

女海賊「はいはい分かったから…ほんで妖精!!どういう訳か聞かして貰うよ」

妖精「ハチミツ欲しいなぁ…」

女海賊「あとであげるから…もっかい聞くよ?アンタどっから来たん?」

妖精「妖精は狭間に住んで居るんだよ?」


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200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:45:25.08 ID:Xx1bIi7d0
『焚火』


メラメラ パチ


ローグ「こっちは異常無しっすか?」スタ

商人「あぁ…相変わらずガーゴイルは遠くに居るね…ローグは飛空艇を追い出されたのかな?」

ローグ「そんな所っすね…姉さんが独り言話し始めたもんで…妖精と話してるんですがね」

商人「そうか…ローグは妖精の声が聞こえないんだ」

ローグ「小さな光と聞き取れない声は聞こえるんすが…」

商人「僕は不死者になってからコッチ良く聞こえる様になったよ」

ローグ「ホムンクルスさんも聞こえているみたいっすね」

商人「うん…さっきから盗み聞きしてるのさ」

ローグ「どんな事話してるんすか?」

商人「大した話じゃない…おっぱいの大きさと温度で揉めてる」

ローグ「あたたたた…本当どうでも良い話でやんす」

商人「でも不思議なんだ…ホムンクルスがどんどん人間らしくなっていくのがさ」

ローグ「変わりやしたね?運動すると言いだしたり…いつの間に寝てたり」

商人「本能的な事を妖精から教えて貰ってるのかもね」

ローグ「不死者は本能的になにか無いんすか?」

商人「う〜ん食欲も睡眠欲も性欲も無い…あ…生き血が欲しくなるのは欲求だな…なんでだろう?」

ローグ「生への渇望っすね」

商人「ワインで渇きが癒えるのは命が宿って居るからなのかも…ん?…ちょっと待て」

ローグ「どうしたんすか?」

商人「命の水…アヌがどうしてこれを集めたのか…生への渇望かもしれない」

ローグ「また閃きやしたね?」

商人「どうやって集めたのか…そうか分かって来たぞ…地球の命をどうにかして吸い取ってるんじゃないかな?」


それで地球も死にかけてる…だから生を渇望する

生き血が欲しい…戦争が終わらない理由はそれだ


女海賊「ビンゴ!!」

ローグ「姉さん…」

女海賊「明るくなってきたら出発するよ」


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201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:45:53.66 ID:Xx1bIi7d0
『早朝』


シュゴーーーーー フワフワ


女海賊「とりあえず尾根沿いに一番高い山を探す」グイ

商人「僕は右側を見ておくよ…ローグは左側おねがい」

ローグ「アイサー!!」

女海賊「ホムちゃんはぐっすりか…」

商人「昨夜も筋力トレーニングやってたから疲れているのかもね」

女海賊「マッスル系ホムちゃん…なんかイメージ違うなぁ…」

商人「良いじゃ無いか…歩き方もヨタヨタしなくなってるし」

ローグ「ちょちょちょ…ヤバイっす!!ロック鳥が飛んで居やす」

女海賊「ええ!?」

ローグ「早く進んで下せぇ…まだ遠くなんすがドラゴン並みにデカい鳥でやんす」

女海賊「マジか…」グイ


シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ


ローグ「あららら…下の方からも4匹程追加でやんす」

女海賊「ハイディングで凌げると思う?」

商人「鳥とか虫はハイディング意味無いね…」

女海賊「くっそ!プラズマ銃のリロードだけハイディングで稼ごう」


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202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:46:30.25 ID:Xx1bIi7d0
『空中戦』


ピカーーーーーー チュドーーーーン!!


ローグ「ダメっす!!届かんでやんす!!」

商人「なかなか射程に入って来ない…」チャキリ

女海賊「最悪の場合私が妖精の笛吹いて凌ぐからそのつもりで居て」

ローグ「へい!!」

商人「ロック鳥の方が全然早いな…どうして襲って来ない?」

ローグ「気球が大きいんで警戒してるんじゃないすかね?」

女海賊「潮吹いて見るか…」

ローグ「ビビらせるんすね?」

女海賊「いくよ!?」グイ


ボエーーーーーーーー ブシューーーーー キラキラ


ホムンクルス「はう!!?」ガバ キョロ

女海賊「あぁホムちゃん起こしちゃったね…今戦闘中なのさ」

ホムンクルス「沢山の妖精さんとお話を…」

商人「寝ぼけて居るのかい?」

女海賊「ホムちゃん飛空艇の操舵お願いできる?」

ホムンクルス「は…はい…」

女海賊「おっし!!これで私も特殊クロスボウ撃てる」スチャ

ローグ「この距離で届きやすか?」

女海賊「射角上げれば届く…閃光弾で威嚇する」ガチャコン


ダン! ダン! ピカーーーー ピカーーーー


商人「効果ありそうだ…距離が離れて行く」

ローグ「このまま諦めてくれれば良いんすが…」

ホムンクルス「あのー…あの大きな鳥は襲って来ないと思います」

女海賊「え!?そうなん?」

ホムンクルス「私がお話して居た妖精さんに関係するのでは無いかと…」

商人「昼間は夢の中に出て来るのか…トロールが肩に乗せてる鳥みたいなもんか」

女海賊「ロック鳥に何かの虫が引っ付いてる?」

ホムンクルス「少し様子を見て下さい」

女海賊「ホムちゃんがそう言うなら…」

ローグ「どうせこっちも攻撃が届きやせん」

女海賊「まぁ良いや!後ろに注意しながら命の泉を探そう」


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203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:47:06.05 ID:Xx1bIi7d0
『命の泉付近』


シュゴーーーー ヒュゥゥゥ


商人「さすがにこの高度までロック鳥は追って来れないみたいだね」

女海賊「今海抜7000メートルくらい…正面に見える一番高い山の下が命の泉だよ」

商人「日が落ちる前に見つけられて良かった…」

ローグ「この高さより高い山が有ったんすね…」

商人「息苦しくない?」

ローグ「クラクラしやす」

女海賊「あのね?急な運動するとすぐ体調壊すから呼吸は意識して整えて」

ローグ「高山病でやんすか?」

商人「ホムンクルスも気を付けた方が良いよ」

ホムンクルス「はい…気を付けておきます」

女海賊「ええと…何処だったっけなぁ…」

ホムンクルス「右側の谷の緑化している所ですね」

女海賊「あれ?あんな緑あったっけ?」

ホムンクルス「癒し苔が増えているのですね」

女海賊「おぉぉ!!商人!!アレ集めておいて」

商人「そういえば僕も癒し苔にお世話になったなぁ」

女海賊「積めるだけ積んで帰る…封印の壺にも入れるから沢山集めてよ」

商人「分かったよ」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:47:41.81 ID:Xx1bIi7d0
『命の泉』


サラサラ キラキラ


女海賊「ドラゴンは居なさそうだな…」ジャブジャブ

ローグ「ほーーここが話に聞く命の泉なんすか…」

女海賊「ハイディングして隠してあるけどエクスカリバーを泉に刺してるんだ…何処だっけな?」ウロウロ

ローグ「姉さんは此処に来るの3回目でしたっけ?」

女海賊「そだね…そういやドラゴンのねぐらもあるんだよ」

ローグ「ドラゴンは見当たりやせんね?気配も無いでやんす」

女海賊「ドラゴンはエルフの所に居るさ…精霊樹守ってるんだよ」

ローグ「そのねぐらにはもしかしてお宝どっさりじゃないっすよね?」

女海賊「メッチャある…ドラゴンの寂しさ紛らわす宝物なのさ…あんま手を付けない方が良い」

ローグ「そうなんすね」

女海賊「見るだけなら良いかも」

ホムンクルス「ご案内しましょうか?」

女海賊「泉に入ってると寒いからドラゴンのねぐらで暖まってて良いよ…私もすぐ行くから」

ホムンクルス「はい…こちらです」スタ

ローグ「いやぁぁ楽しみっすねぇ…」スタ

女海賊「さてぇ!!さっさと命の水を撒こうかな…」スッ


キュポン! ジャブジャブ


女海賊「よーし!!やったった!!…フフ予想した通り…だから何?って感じだね」

女海賊「どうせ効果出るの100年とか200年とかいう奴だよね…ほんでエクスカリバー何処だっけなぁ…」ジャブ

女海賊「有った有った…」シャキン!!


ピカーーーーーーーー!!


女海賊「アハハ光は健在だ…」


アハハ…ウフフ… ヒラヒラ ヒラヒラ


女海賊「うお!?妖精がいっぱい…」キョロ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:48:13.73 ID:Xx1bIi7d0
妖精「やばやば!!遅刻する!!おっぱいに挟まってる場合じゃ無い!!」ヒョコ スポン!

女海賊「ちょちょちょ…あんた何処行くのさ!?」

妖精「命を運ばなきゃいけないんだ!!僕は旅に出る!!」パタパタ

女海賊「ちょっとぉ!!アンタ居なくなると困るんだけど!!」

妖精「狭間はどこにでも繋がってるよ!!急いでるから行くね!!」ピュー

女海賊「あぁぁぁ!!ちぃ…何なんだよ」


タッタッタ スタスタ


ホムンクルス「あ…女海賊さん…剣を抜いてくださったのですね?」

女海賊「んん?コレ?」スチャ

ホムンクルス「はい…トゲが刺さってると痛いそうです」

女海賊「ええ?どゆ事?」

ホムンクルス「妖精さんが教えてくれました…大地が痛がっていると…」

女海賊「マジか…知らんかったわ」

ホムンクルス「前に来た時は傷口が金属で埋められて居ましたよね?」

女海賊「あぁぁそいややそうだったね…今ミスリル銀しか持って無いんだけど…」

ホムンクルス「それで埋めて行っては如何でしょう?」

女海賊「そだね…ちっと傷口癒して行くわ」ゴソゴソ


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206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:48:52.45 ID:Xx1bIi7d0
『ドラゴンのねぐら』


グルルルル スゥゥ


女海賊「おわっ!!ドラゴン居るんじゃん!!」

ローグ「姉さん!!こっちっす…ドラゴンの心臓の近くは焚火みたいにあったかいんす」

女海賊「おぉぉ…水に濡れて寒かったのさ…ドラゴンは寝てんの?」スタ

ホムンクルス「はい…少しだけ話をしたら安心して眠りにつきました」

ローグ「なんか卵を抱えてるみたいですぜ?」

女海賊「おぉぉそういう事か…卵産んだ後なんだね?」

ホムンクルス「その様です…今はゆっくり休んだ方が良いですね」

ローグ「ほんで命の水はどうなりやした?」

女海賊「撒き終わったよ…毎度の事ながらなーんも変化した感じ無いさ」

ホムンクルス「妖精さんが慌てて飛んで行かれましたよ?」

女海賊「あぁそだね…命運ぶとか言ってどっか飛んでった」

ローグ「じゃぁ上手く行った感じでやんす」

女海賊「これどうすれば良いと思う?」スラーン ピカーーー

ローグ「姉さん剣を使えるんすか?」

女海賊「無理だなぁ…切るんじゃなくて横になってビターンて感じになる」

ローグ「ウヒヒ剣を鈍器にして使うんすねw」

女海賊「てかこの剣はシン・リーンの遺跡で見つけたんだけど…なんか縁があるんかな?」

ホムンクルス「エクスカリバーの元の持ち主は時の王ですよ?」

女海賊「ホムちゃん何か知ってんの?」

ホムンクルス「はい…以前シャ・バクダにある星の観測所で時の王にお話を聞かされましたので記憶しています」

女海賊「あああ思い出した!時の王のおっさんがホムちゃん捕まえてなんか話してたね」

ホムンクルス「はい…支離滅裂なお話だったのですが要約しますと…」

207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:49:28.81 ID:Xx1bIi7d0
2400年前に時の王は暁の使徒と黄昏の賢者に出会って居るのです

その時は仲間として共に魔王島に根城を構える魔王と戦ったとか…

そこで使ったのがその聖剣エクスカリバーでした

時の王は魔王の手下となっていたメデューサを討ち取りその生き血を飲みました

その理由は暁の使徒を未来で目覚めさせる為…そういう契約を暁の使徒と結んでいたのです

ですが暁の使徒は魔王を打倒した後忽然と姿を消してしまった…

そしてメデューサの生き血によって不死を得た事を知った黄昏の賢者は激怒し…時の王を敵として扱う様になったのです


時は流れて2100年前…再び世界が闇に染まり始めた頃…暁の使徒と再会します

この時すでに時の王は世界を平定し世界中の魔術師を集めてシン・リーンを建国していました

時の王は暁の使徒に右腕となるように言いましたが…記憶を失って居た暁の使徒は一人旅立ってしまった

後を着けた時の王は暁の使徒がかつての魔王島に黄金を運び理想郷を作ろうとしている事を知った…

しかしそこに黄昏の賢者も居た事から対立する立場になってしまった…

首の無いメデューサやゴーレムを自在に操る黄昏の賢者の姿を見て不審に思った時の王は

黄昏の賢者こそ魔王の化身と思い込み聖剣エクスカリバーでその首を落としてしまう…

それと同時に暴れ始めたメデューサの血を浴びた暁の使徒と時の勇者は石となってしまった


時は過ぎ1700年前…

かつての友を裏切った形になってしまった時の王はその罪に苛まれていました

そこに現れたのがエルフを従えた精霊シルフ

自らの寿命が尽きてしまう前に暁の使徒を目覚めさせるべくエリクサーを携えて…

石造となってしまった暁の使徒と時の勇者をシン・リーンまで運び込んで居た時の王は

直ぐに2人を目覚めさせ時が過ぎ去った事を伝えました

暁の使徒は語りました…魔王島に黄金を運び込んで居た理由…それは神を復活させる為の事

そして再び魔王島へ行く事になったのです

208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:50:11.02 ID:Xx1bIi7d0
女海賊「んん?オシマイ?ほんで魔王島に行ってどうなったの?」

ホムンクルス「この後は精霊シルフとの思い出話ばかりで…話が繋がらないのです」

女海賊「なんだよ折角良い所なのにさ…」

ホムンクルス「時の王は精霊シルフに一目ぼれだった様ですね」

女海賊「どうでも良いんだよそんな話は…魔王島に何が有ったのかってのが聞きたいんだ」

ホムンクルス「結論だけ分かっています…暁の使徒は神と話した後に魔王島を封じてしまった事…」

女海賊「集めた黄金をアダマンタイトに変えた訳か…」

ホムンクルス「時の王はその手段を知りませんでした…そして精霊シルフに世界の真理を聞きその剣を置いたのです」

女海賊「コレ?」スチャ ピカーーーー

ホムンクルス「はい…シン・リーンの遺跡にその剣と光の石が残されて居たのはそういう理由です」

ローグ「英雄がなんで剣を置いたんでしょうね?」

ホムンクルス「本人に聞いてみないともう分かりませんね」

女海賊「どうせ魔王の正体が何なのかとか聞いたんでしょ?」

ホムンクルス「それも有るでしょうけれど暁の使徒が時を超える者という事を知ったのでは無いでしょうか?」

女海賊「ん?どういう意味?それで戦う意味が無くなった?」

ホムンクルス「はい…未来を変えようが無い事を知ったのかと…」

ローグ「そういやそうでやんすね?それを知るとやる気無くなるかも分らんです」

女海賊「あ!!そうか…それでシン・リーンの壁画は次の時代に勇者が時を超えると言う解釈なのか…」

ホムンクルス「時の王にはそう見えて居たのだと思います」

女海賊「なるほどねぇ…そういう歴史のある剣だったのかぁ…」スラーン

ホムンクルス「一つ分かって居るのはメデューサを始め幾多の伝説的魔物を葬って居る事」

女海賊「へぇ?他にも居たんだ?」

ホムンクルス「バフォメットやベルフェゴールなど伝説の魔物ですね」

ローグ「黄昏の賢者の首を切ったのもその剣でやんすね…」

女海賊「なーんか気になる剣だなぁ…」


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209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:50:58.05 ID:Xx1bIi7d0
ヒュン ヒュン!


ローグ「全然ダメっすねぇ…叩くんじゃ無くて切るんでやんす」

女海賊「うっさいな!わかってんよ!!何か特殊な効果無いか調べてんのさ」

ローグ「その武器使うんなら突きだけで使ったらどうっすか?」

女海賊「使う気なんか無いさ…お姉ぇにでもあげるかな」

ローグ「なんか光りっ放しなんで鞘に納めた方が良さそうでやんす」

女海賊「そだね…その辺に丁度良い武器の鞘とか落ちてないの?」

ローグ「いっぱいありやすぜ?装飾の沢山ついた謎の宝剣が…」ガサガサ

女海賊「剣なんか興味無いんだよな…」ガサガサ

ローグ「これなんかどうっすか?丁度長さが合いそうでやんす」スラーン

女海賊「んんん…なんか微妙だな…まぁ良いや!封印の壺に突っ込んどけば良いじゃん!」

ローグ「明かりに使うだけっすね?」

女海賊「そうそう…それで邪魔になんない」スポ

ローグ「じゃぁそろそろ戻りやしょうか…商人さんが待っていやすぜ?」

女海賊「そだね…ホムちゃん帰ろうか」

ホムンクルス「はい…」



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210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:52:08.18 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』


ヨイショ ヨイショ ドサドサ


女海賊「商人!!終わったよ!!」

商人「あれ?早かったねぇ…どうだった?」

女海賊「毎度の事さ…何も変化無いよ」

商人「ハハやっぱりね…効果が出るのは何年も先ってやつだね」

女海賊「癒し苔結構集まったね?」

商人「ちょとづつしか採れないからなかなか大変だよ」

女海賊「まぁ良いや…こんだけあれば当分ダンゴムシの餌には困んない」

商人「え?餌にするの?」

女海賊「放って置くとダンゴムシが種食っちゃうのさ…言う事聞かないんだよ」

商人「そうかい…それで?用が済んだからもう行く?」

女海賊「うん…幽霊船に戻る」


”ザザー”

”女海賊や…聞こえるかえ?”

”あ!!魔女!!?どしたん?”

”シン・リーンの母上から連絡があってのぅ…暁の墓所が墓荒らしに在ったらしいのじゃ”

”ええ!?どゆ事?”

”暁の使徒のご神体がオークに奪われてしもうたのじゃ”

”ちょ…”

”もう随分前の事の様じゃ…行き先は分からぬ”

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:52:50.03 ID:Xx1bIi7d0
商人「前に港町でオークに襲われたよね…もしかして…」

女海賊「あああ!!オークシャーマンもそこに居たじゃん!!」


”それでのう…暁の墓所に未来が残したと思われる壁画もあった様なのじゃ”

”マジか…ちょい行って来る”

”場所が分からんじゃろう…母上は今暁の墓所におるで母上に会うのも叶わんぞよ?”

”魔女はどこら辺とか知らないの?”

”シン・リーンの東側としか聞いて居らぬ…わらわが母上の眼を通じて壁画を写して居る故…一度幽霊船に戻るのじゃ」

”あぁぁなんかイラつく…ダッシュで戻るわ”

”うむ…今暁の墓所へ行ってもご神体がある訳では無い故に…早まって行動せぬ様にな?”

”分かった…”

”帰りを待って居る…ではのぅ…ザザー”


女海賊「…」グググ

商人「オークシャーマンの行先に心当たりは?」

女海賊「ある!!」ギラ

ローグ「姉さん…」

女海賊「ニライカナイ!!そこは昔魔王島だったの!!未来はそこで神を復活させようとした!!」

商人「神?」

女海賊「行きゃ分かるさ」

ローグ「姉さん…急ぎやしょう…日が落ちちまいやす」


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212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:53:36.93 ID:Xx1bIi7d0
『幽霊船_居室』


カキカキ スラスラ


情報屋「…では暁の墓所で未来君達が生活した痕跡は無いのね?」

魔女「何処にも見当たらんそうじゃ…他に在るのは王家のご神体ばかりじゃな」

情報屋「では壁画は何処からか運ばれた…そういう事ね?」

魔女「うむ…暁の使徒が安置されている部屋へは王家の者も入った事が無かったのじゃ…誰が運んだのかは既に分からぬ」

情報屋「壁画の暦からするとドリアードの時代ね…黄昏の賢者と一緒にドリアードを倒してる…」

魔女「これで壁画のピースがすべて集まったのかのぅ?」

情報屋「その当時未来君達が何処を拠点として居たのかが分かればもう少し調べられるけれど…」


タッタッタ ガチャリ


女戦士「魔女!手を貸してくれ…ガーゴイルの数が増えて直に攻めて来そうだ」

魔女「またかいのぅ…」ノソリ

女戦士「ボルケーノで一気に焼ければこちらのボルトを消費しないで済む」

魔女「情報屋…また船が揺れるで怪我をせぬ様にな?」

情報屋「わかったわ…気を付けておく」

魔女「では行って来る」ノソノソ


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213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:54:14.76 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ギャァァ ギャース バッサ バッサ


魔女「ふむ…ボルケーノは3つ程出さぬと全部は焼き払えんのぅ」

女戦士「横帆は全部畳んだ…準備は出来ている」

魔女「ボルケーノには巻き込まれぬ様にな?」

女戦士「海賊共!!風向きが荒れるぞ!!帆角をすぐに変えられる様に準備しろ!!」

海賊共「がってん!!」ドスドス

魔女「では行くぞよ?竜巻魔法!竜巻魔法!竜巻魔法!」


ビュゥゥゥゥ ゴゴゴゴゴ


女戦士「帆角2番!!面舵一杯!!」

海賊共「うらぁぁぁぁぁ!!」ドドドド


ユラ〜 ギシギシ


魔女「海賊共は頼もしいのぅ…そろそろ火柱に変えるで火の粉を浴びん様にせい」

女戦士「大丈夫だ!既に火薬は退避してある」

魔女「良かろう…では!爆炎地獄!爆炎地獄!爆炎地獄!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ボゥ


女戦士「さすが魔女…ガーゴイルが一気に焼かれて行く…」

アサシン「又私の出番は無しか?」

女戦士「その様だ…光の石は元の場所に戻して辺りを照らしてくれ」

アサシン「夜の海で光を灯すとクラーケンが出るのだがな…」

女戦士「エルフもオークも乗せて居ない…襲っては来ないだろう」

アサシン「まぁ良い…私は見張って置こう」スタ

魔女「わらわの仕事は終わりじゃな…戻って書き物をして居るでのぅ」ノソノソ

女戦士「ふぅぅ…月の近い夜は海も安全では無いな…」


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214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 19:54:43.27 ID:Xx1bIi7d0
『翌日_デッキ』


ザブ〜ン ユラ〜リ


情報屋「随分暖かくなってきたわね…」ノビー

女戦士「体の調子は良いのか?」

情報屋「貧血は無くなって来たから気分が良いわ」

魔女「わらわも少し日光浴じゃ…」ノソノソ

情報屋「昼間は平和な海ね」

女戦士「豪族に襲われなければな?」

魔女「んん?見当たらん様じゃが?」

女戦士「こちらは光の石で光って居るから向こうには見えている筈なのだ」

情報屋「あぁぁ…女海賊が戻るまで光の石を隠せないのね」

女戦士「フフ…そういう事だ」

魔女「今度は真っ直ぐ帰って来るじゃろう」

アサシン「賭けるか?次どうするかを…」

女戦士「お前はもう金を持って居ないだろう」

アサシン「私はな?3日程閉じこもると思って居る…つまりその間にフィン・イッシュへ到着する」

女戦士「同意だ…賭けにならん」

魔女「アサシン…主はフィン・イッシュに戻った後はどうするつもりじゃ?」

アサシン「そうだな…どうにか公爵を追いたいとは思って居るが…」

魔女「もう放って置けばよかろう」

アサシン「友なのだ…事情を知ってしまった今…放って置けなくなった」

女戦士「歩んだ道が違っただけで目指した場所は同じか…」

魔女「わらわにとっては父上を貶めた仇なのじゃがな…」

アサシン「シン・リーンの王もうぬが信じた道を行っただけ…私達はすれ違ったのだよ」

魔女「理解して居る…じゃからもう公爵には会いとう無い…済んだ話じゃでのぅ」

情報屋「フィン・イッシュに女狐が居るのでしょう?」

アサシン「その筈だ」

情報屋「彼女に足の不自由な孤児が無事だと伝えないと…」

アサシン「隠し子だったか…誰の子なのやら」

魔女「むむ!!女海賊がこちらの船を見つけたぞよ」

女戦士「ほう?早かったな」

魔女「光の石のお陰じゃ…かなり遠くから見えて居った様じゃな」

女戦士「よし…船尾で待つとしよう」スタ


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215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:12:16.86 ID:Xx1bIi7d0
『船尾』


シュルシュル スタ


女海賊「はいホムちゃん到着!」

ホムンクルス「そのワイヤーの装置を私にも作って下さいませんか?」

女海賊「おっけ!後で作っとく」

ホムンクルス「ありがとうございます」ペコ

ローグ「姉さ〜ん!!あっしも降りるんでそこどいて下せぇ!!」

女海賊「はいはい…お姉ぇ!!コレお土産」ポイ

女戦士「んん?」

女海賊「時の王のおっさんの剣さ…エクスカリバーだよ」

女戦士「これが…」スラーン ピカー

女海賊「鞘が無いと眩しすぎるから作った方が良い」

女戦士「私は小細工に向かん…ミスリル銀でお前が作れ」

女海賊「んぁぁ何か作る物一杯だな…てか魔女は?」

女戦士「居室に戻った筈だ…」

女海賊「ちょい事情聞いて来るから!!」スタタタ ピュー


シュルシュル スタ


ローグ「頭ぁ無事に連れ戻しやした…ささ商人さん降りて下せぇ」

商人「あぁ悪いね…」ピョン

女戦士「む!!何だアレは!!」ズダダ

ローグ「あいやいや…あのデカイ鳥は襲って来んでやんす」

女戦士「どういう事だ?ロック鳥を連れて来たと言うのか?」

ローグ「勝手に付いて来たでやんすよ…なんもしてこないんで安心して下せぇ」

女戦士「まさかロック鳥が味方していると?」

ホムンクルス「妖精さんのお友達の様です」

女戦士「ほう?」

ホムンクルス「クジラに興味が有って付いて来ました」

ローグ「安心して下せぇ…ロック鳥が居るとガーゴイルも近づいて来んでやんすよ」

女戦士「ふむ…それは良いな」


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216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:13:01.55 ID:Xx1bIi7d0
『居室』


カクカク シカジカ…


女海賊「ほんでこれが壁画の写し…」

情報屋「そうよ…あなたの持って居る書物にも写すと良いわ」

魔女「その他にも未来が使って居った刀も見つかったそうじゃ…光を失って折れて居るらしいが」

女海賊「流星の刀…」プルプル

魔女「気の毒じゃがご神体が無事かどうかは分からぬ…」

女海賊「無事さ…オークシャーマンは予言に従ってるのさ」

情報屋「そうね…それが剣士と交わした契約なのだから」

女海賊「ちっと私の書物に壁画を写す」

魔女「うむ…結構な情報量じゃでゆっくり書き写すが良い」


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217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:14:13.19 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ザブ〜ン ユラ〜 ギシ


女戦士「フン!」スン スン

ローグ「おぉぉその剣は残像が残って見えやすね…」

女戦士「私には軽すぎるが…」

ローグ「何か特殊な効果とか無いでやんすか?」

女戦士「破壊の剣のような効果は無さそうだ…ただ何か力がみなぎる感じはあるな…」

ローグ「あの剣はちっと危ないんすよね…戦闘中に急に夢見ちまうんで…」


ノソノソ


女戦士「む…魔女!?もう妹と話は終わったのか?」

魔女「うむ…今は壁画の写しとにらめっこじゃ…そっとしておくのが良かろう」

女戦士「そうか…魔女に聞きたい…このエクスカリバーの事なんだが…」

魔女「シン・リーンの遺跡で見つけた剣じゃな?どれ見せてみぃ」

女戦士「何か分かると良い…」スッ

魔女「どれどれ…ムム!!量子転移がエンチャントされて居るでは無いか…気が付かんかったわい」

女戦士「それはどういう効果がある?」

魔女「剣に力が宿る…倒した相手の力を吸い込んで居るのじゃ」

女戦士「それはつまり?」

魔女「この武器で何を倒したかじゃな…」

ローグ「メデューサの首を切ったらしいですぜ?他にもバフォメットやベルフェゴールや…」

魔女「皆悪魔では無いか…つまり悪魔の力を吸い込んで居るという事じゃ…これは魔剣じゃぞ」

女戦士「破壊の剣の様に何でも切れるのか?」

魔女「それは量子転移のエンチャントに失敗して制御出来んくなった効果じゃ…これは成功して居る」

女戦士「剣の能力としては只のオリハルコンの剣と言う事か?」

魔女「じゃが力を吸い込み強くなる…どちらが良いかのう?」

ローグ「メデューサの力って石化の効果っすかね?」

魔女「それもあるじゃろうが不滅の力も有るじゃろうな…バフォメットは金属を溶かす力…ベルフェゴールは怠惰の力…」

ローグ「おぉぉぉ…他に何を倒したのか気になりやすね」

魔女「魔力も吸い込んどる筈じゃぞ…何が起こるか分からぬ剣じゃ」

女戦士「さて…そのような魔剣を私に使いこなせるか…」

魔女「しかしおかしいのぅ…剣士はそれを振るって居った…何か起きた気配も無い」

ローグ「剣士さんはドラゴンに乗って殆ど魔法で戦って居やした…振るったのは魔王に使ったくらいっすね」

魔女「魔王をこの剣で倒せなんだのがのぅ…」

ローグ「実体が無いもんで切れんかったんすよ…なもんで殆ど使って無いんす」

魔女「そうだったか…ちと何が起きるかは注意せんとイカンな」

女戦士「ふむ…ここぞという時にだけ使う事にする」



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218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:15:00.15 ID:Xx1bIi7d0
『船長室』


アーデモナイ… コーデモナイ…


ホムンクルス「…地球内部約5000kmにある液体で構成された外核の内側が90°回転したと想定されます」

情報屋「それに引っ張られて地表が丸ごとツルリと移動した訳ね…」

ホムンクルス「地表に近い金属質の磁性が安定するまでは当面の間地軸が揺れている様に観測されるでしょう」

商人「それって行ったり来たりすると言う事?」

ホムンクルス「はい…核の回転は既に安定していますが外側が磁力によりフラフラしているのです」

情報屋「じゃぁ正確な暦をもう一度作るのは当分先なのね…」

ホムンクルス「何処で安定するか分かりませんので…」

商人「もうインドラの光を精度良く落とす事も出来ないか…」

ホムンクルス「残念ながら無理です…しかし大まかな座標は分かりますので指定の場所へのご案内は出来ます」

商人「因みに現在地は?」

ホムンクルス「地図上でいうとこの位置…北東に行けばフィン・イッシュです」


ユラ〜リ ググググ ギシ


情報屋「!!?また大きな波…」

ホムンクルス「津波です…外海では10メートル程度の津波が頻繁に発生している様ですね」

商人「外海側は影響大きそうだなぁ…」

情報屋「この逆さにした古代の世界地図はどの程度アテになるの?」

ホムンクルス「沿岸部の地形は全く異なります…海の浸食のせいですね…標高200メートル以上は殆ど変わりません」

商人「どんな風に変わったか君に描けるかな?」

ホムンクルス「絵に自信は無いのですがやってみます…少し時間を下さい」

219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:15:37.15 ID:Xx1bIi7d0
『船首』


ザブ〜ン ユラ〜


アサシン「…」グビ ゴク

魔女「暇そうじゃのぅ…」ノソノソ

アサシン「フフ…流氷が無くなってしまってはもう私にやる事が無い」

魔女「わらわもやる事が無うてのぅ…」

アサシン「ワインを飲むか?」スッ

魔女「そうじゃな…一口頂くとするか」クイ ゴクリ

アサシン「クックック…」

魔女「マズい酒じゃ…」フキフキ

アサシン「なぁ魔女?私達も付き合いが随分長いな…もう20年を超え記憶もおぼろだ」

魔女「狭間に居った期間が長い故にもっと長く感じるわい」

アサシン「そろそろ子でも産んだらどうだ?」

魔女「それは母上が決める掟じゃ」

アサシン「勝手には産めんかクックック…」

魔女「要らぬ世話じゃ…してアサシン…主の理屈で言うと魔王を滅ぼした者が魔王になる…じゃったな?」

アサシン「古い話を…クックック」

魔女「どうじゃ?魔王になった気分は?」

アサシン「そうか…私は魔王か…」

魔女「率直に答えよ…俗な考えは要らぬ」

アサシン「虚無だ…ただ虚しい」

魔女「虚無から何か生まれてきたりはせぬか?」

アサシン「んん?私が魔王に染まるとでも思って居るのか?」

魔女「一応心配して居るのじゃ…」

アサシン「妖精がな…私に導きを与えている」

魔女「ほう?如何に?」

アサシン「海の向こうへ行かねばならん様だ」

魔女「主はフィン・イッシュに帰るのでは無かったか?」

アサシン「最終的にはな?」

魔女「まだ続きがあると申すか…」

アサシン「海の向こうに…私は妖精を追う」

魔女「ふむ…どうやら主はまだ死んでおらん様じゃ」

アサシン「本当の事を教えてやろうか?」

魔女「何じゃ?」

アサシン「私の妹の事だ…海の向こうで妹が待って居る気がしてならないのだ」

魔女「んん?死者の集う楽園…ニライカナイの事かいな?」

アサシン「さぁな?ただ無性に…海へ惹かれる」

魔女「ふむ…」トーイメ


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220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:16:12.26 ID:Xx1bIi7d0
『夜_甲板』


シュン! チュドーーーン!


ガーゴイル「グェェェ…」ヒューー バシャーン

女戦士「ええい!又魔女の力を借りねばならんか…ロック鳥はどうした!?味方では無いのか!!」

ローグ「夜はどっか行っちまうみたいっすね…」

女戦士「ちぃぃぃ意味の無い鳥だ…」

アサシン「次撃てるまで10分だ…凌げ」


女海賊「うわわ…お姉ぇ!!レイスも出てんじゃん」


女戦士「何!?何処かに魔方陣の欠けがあるのか?」キョロ

ローグ「あっしが処理して…」ダダ

女戦士「全員ミスリルの武器に持ち替えろ!!レイスを優先して倒せ!!」

海賊共「がってん!!」ドドド

女海賊「ちっとガーゴイルは私が何とかすっから今の内に体制整えて」スタタ シュルシュル スタ


ノソノソ


魔女「騒がしいのぅ…ボルケーノが必要かえ?」

女戦士「魔女!!レイスが出て居るのだ…何処かに魔方陣の欠けがある…先にそっちを頼みたい」

魔女「ふむ…どこじゃろうのぅ?」

ローグ「魔女さん!!荷室の方でやんす!!荷入れで銀がどっか行っちまったんすよ」


レイス「キシャァァァ!!」


ローグ「出て来るなってんでやんす!!」スパ

レイス「キャァァァァ…」シュゥゥゥ

魔女「応急で砂銀を撒くでレイスを処理せい」

ローグ「はいなー!!」ダダ


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221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:16:51.57 ID:Xx1bIi7d0
『船長室』


ガチャリ バタン


女海賊「ホムちゃん達此処に居たね?」

商人「どうなって居るんだい?」

女海賊「船の中にレイスが出てちっとバラバラな感じさ…プラズマの銃を持って来たから商人もガーゴイル撃ち落して」

商人「あぁ分かった…」

女海賊「情報屋は動けそう?」

情報屋「ええ…走らない程度なら…」

女海賊「んんんんん…無理しない方が良いな」

ホムンクルス「私は動けますよ?」

女海賊「え!!?ホムちゃん?…まぁ良いや!!プラズマ銃の使い方分かる?」

ホムンクルス「はい…」

女海賊「おけおけ…リロード30秒だから落ち着いて撃って」

ホムンクルス「わかりました…」

女海賊「情報屋は此処に居て!!ここならレイス来ないから」

情報屋「御免なさいね戦力にならなくて…」

女海賊「良いの良いの!!ほんじゃ商人!ホムちゃん!行くよ!!」

商人「よーし!!」

ホムンクルス「はい!」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:17:23.67 ID:Xx1bIi7d0
『デッキ』


ピカーーーーーー チュドーーーン!

ピカーーーーーー チュドーーーン!


女海賊「おっし!!リロードしっかり待ってね!!食らえ閃光弾」ダン! ダン!


ピカーーーー


女戦士「見えた!!撃てぇ!!」

海賊共「へい!!」バシュン バシュン バシュン バシュン

女海賊「お姉ぇ!!エクスカリバー出しといて!!そしたら見える!!」

女戦士「確かに…取って来る」ダダダ

商人「これは何匹飛んでるか分からないな…」タジ

女戦士「プラズマの銃は2人で交互に撃ってガーゴイルを近づけさせるな!」

商人「そうだね…」

ホムンクルス「分かりました…」

女海賊「ほんじゃ次!!もっかい閃光弾行くよぉ!!」ダン! ダン!


ピカーーーー


女海賊「撃て撃てぇ!!」


バシュン バシュン バシュン バシュン

ピカーーーーー チュドーーーン!
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:18:00.04 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ダダダ スタ

女戦士「待たせた!!インドラの光だ!!」スラーン ピカーーーー

女海賊「おっし!!見えたぁぁ!!退魔の特殊弾食らえ!!」ガチャコン ダン! ダン!


ガーゴイル「ギャァァァァ…」ヒュゥゥゥ


女戦士「押し戻して居るな?」キョロ

商人「丁度射程さ!!」カチ ピカーーーー チュドーーン!

アサシン「フフこれでガーゴイルは近付けまい…」カチ シュン! チュドーーーン!

女海賊「退魔の方陣はどうなってる?」

女戦士「ローグと魔女が荷室に行ったきりだ」

女海賊「大丈夫かな…」

アサシン「私が行って来よう…丁度リロードで10分待つからな…」スタ


--------------


『荷室』


ダダダ スパ スパ スパ


レイス「キャァァァァ…」シュゥゥゥ

ローグ「やっぱなんやかんやでミスリルダガーが使い勝手良いでやんす」スチャ

魔女「ひとまず退魔の砂銀を撒いておるが…これは船を改修した場所を全部見て回らんとイカンぞよ?」

ローグ「マジっすか…」

魔女「主は把握しておるんか?」

ローグ「船底の竜骨を補強していやしたね」

魔女「クジラの骨に変えた所はすべて退魔の方陣を敷き忘れておるな…案内せい」

ローグ「へい…こっちでやんす」スタ


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224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:18:30.55 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ザブ〜ン ギシ


女戦士「アサシン!方陣の方はどうだ?」

アサシン「ミスリル銀の細工が必要な様だ…お前が行った方が良い」

女戦士「なぜミスリル銀を…」

アサシン「船を改修した後に退魔の方陣を敷き忘れているだろう?」

女戦士「なっ…そうか船内にも必要だったのか…」

アサシン「今からミスリル銀を打ち直すらしい…だからお前が行くべきだ」

女戦士「分かった…」

アサシン「ここは私がインドラの光を浴びせればガーゴイルは寄って来んと思う」

女戦士「そうだな…悪いが行って来る」ツカツカ

女海賊「んん?アサシンとお姉ぇが交代?」

アサシン「うむ…インドラの光があればお前達だけで凌げるな?」

女海賊「なんか余裕っぽいね…射程内に入って来なくなったさ」

アサシン「さぁて…私は又見張りへと戻るか…」スタ


コーン コーン


女海賊「お?ミスリルを打つ音だ」

アサシン「もう何物も近づかんだろう…ワインでも飲むとしよう」グビ


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225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:19:03.40 ID:Xx1bIi7d0
『翌日_デッキ』


進路1時方向!陸には近付きすぎるな?

このまま行けば日が落ちる前にフィン・イッシュ近海だ


海賊「頭ぁ!!左舷側に潮目が見えるでがんす」

女戦士「渦に巻き込まれるかも知れんな…2時方向に修正だ!!」

海賊「へい!!」ドタドタ


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!エクスカリバーの鞘出来たよ…真っ直ぐ抜けるか試してみて」スッ

女戦士「ふむ…」スラーン スチャ

女海賊「どう?」

女戦士「抜いた時に鞘が鳴るな?隠密出来んが?」

女海賊「あぁぁぁ音か…気を付けて無かった…やっぱ全部ミスリルで作っちゃダメか…」

女戦士「まぁ盾替わりに使えん事も無い」

女海賊「盾ねぇ…もうちょい大き目の鞘でも良い?そしたら音も消せるかも」

女戦士「任せる…ただ抜いた音があからさまに分かるのは止して欲しい」

女海賊「おけおけ!今度は気を付ける…もっかい作って来る」スタタタ


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226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:19:39.19 ID:Xx1bIi7d0
『1時間後』


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!もっかい作って来たよ」

女戦士「随分早かったでは無いか」

女海賊「まだ装飾して無いさ…今度は盾として使える様に結構重さある」スッ

女戦士「ほう?これは無垢のミスリルをくり抜いたか」

女海賊「ほんなん破壊の剣入れるだけでくり抜けるから簡単なんだ…抜いてみて」

女戦士「…」スチャ

女海賊「どう?」

女戦士「なかなか良いな…鞘も盾として強度十分の様だ」

女海賊「おけおけ!!あと持ち手付ければ良いね?」

女戦士「これは背負う形になるな…」

女海賊「そだね…腰につけるには重い…てか背負った方が邪魔にならないよ?」

女戦士「背負って抜けるか…」

女海賊「あぁぁ無理だね…まぁ急に抜く事なんかそうそう無いと思うけど…」

女戦士「確かにそうだな…まぁ良い…今のままで作ってくれ」

女海賊「おけおけ!!夜には間に合わせる」スタタタ


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227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:20:24.52 ID:Xx1bIi7d0
『船長室』


ホムンクルス「ふぅぅ出来た…」

情報屋「ご苦労様…見せて貰える?」

ホムンクルス「はい…どうぞ」

商人「どれどれ?」

情報屋「綺麗に書けて居そうね…でも地形が全然違ってて分からない…」

商人「これセントラルは内陸になってる?」

ホムンクルス「そうですね…海面が下がって遠浅だった場所がすべて陸になりました」

情報屋「フィン・イッシュも沿岸部の地形が変わり過ぎてて何処が何処なのか…」

ホムンクルス「港はすべて水没して居ますので何処に停船するか困ると思います」

商人「あれ?確か外海側に港を作ってるんじゃなかったっけ?」

情報屋「完成したという話は聞いて居ないわ」

商人「そうか…」

情報屋「ねぇ…命の泉のある山脈の北側…ここはもう未踏の地では無いのよね?」

ホムンクルス「はい…赤道付近ですので船で行く事が出来ると思われます」

情報屋「たしか超古代文明でそこら辺にインダス文明があったらしいの」

ホムンクルス「文明跡地でしたら他にも行ける様になった場所が沢山ありますね」

商人「なんだ君は更に考古学の高みを目指したいんだね」

情報屋「当たり前でしょう…すべて繋がって居るのだから」

商人「こう見ると僕達の今の文明圏って小さいねぇ…内海の周りにしか人は居ないんだろうか?」

ホムンクルス「居るかもしれません…外海の向こう側に別の文明が繁栄している可能性はゼロではありません」

情報屋「あぁぁワクワクしてきた」

商人「ホムンクルス…君は言う事が変わったね?」

ホムンクルス「そうですか?」

商人「確率の話をしなくなった…夢を語る様になったよ」

ホムンクルス「はい…私は人間ですから」

商人「それだよそれ!!それで良いんだ!!」


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228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:20:55.03 ID:Xx1bIi7d0
『フィン・イッシュ近海』


ザブ〜ン ギシギシ


海賊「頭ぁ!!この下の海底に棚があるんでこれ以上行くと津波の影響が出ちまうでがんす」

女戦士「そうだな…小島に寄せるのも座礁の危険がありそうだ…ここで碇を降ろせ!!」

海賊「がってん!!」ドタドタ

ローグ「気球はいつでも出せやすが?どうしやしょう?」

女戦士「私は船に残る…アサシンと魔女を連れて女王に挨拶へ行って来い」

ローグ「分かりやした!!」

アサシン「インドラの銃は借りて行っても良いか?」

女戦士「ふむ…ガーゴイル除けか…」

アサシン「こちらにはエクスカリバーが有るだろう?」

女戦士「分かった…それは戻って来るという意味と受け取って良いな?」

アサシン「フフ私は海の向こうに用事がある…もちろん戻って来るとも」

女戦士「海賊共ぉ!!小舟を2隻とも降ろして木材と鉄の買い付けに行って来い!!」

海賊共「へ〜い!!」

女戦士「交渉役に商人を同伴させるんだ」

商人「ええ!?僕が海賊達と?」

女戦士「何を言って居る…この船に乗って居るからにはお前も海賊だ」

商人「ええと…取り引き考えて無かったなぁ」

女戦士「硫黄を半分持って行け…そのつもりで乗せて来たのだから」


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229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:21:28.13 ID:Xx1bIi7d0
タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!エクスカリバー完成したよ」スッ

女戦士「ふむ…杖替わりに立てて置けば良いか?」ドン

女海賊「お?良いねぇ…デッキの上で仁王立ちしときゃ恰好つくわ」

女戦士「そろそろガーゴイルが出て来る時間だ…お前も戦闘に備えろ」

女海賊「ホムちゃんどこに行ったか知らない?」

女戦士「船長室で地図を作っていた筈だが?」

女海賊「おけおけ!!ホムちゃん用のワイヤー装置も作ったのさ」

女戦士「ホムンクルスを飛ばせるつもりか?」

女海賊「私のとはちょっと違うさ…飛空艇への乗り降りに使うんだよ」

女戦士「フフそうか…自発的に動くようになったか」

女海賊「ちっと行って来る」スタタ



『船長室』


アーデモナイ コーデモナイ


ホムンクルス「六分儀を使った星の観測では地軸の傾きが変わって居る様に見えますが実際は違います…」

情報屋「地球の地表がしっかり定まって居ないからなのね…」

ホムンクルス「はい…これは衛星を使った観測でないと知りえない事ですね」

情報屋「衛星はもう真上に?」

ホムンクルス「真上に来ているのは1基です…他の3基はそれぞれ違う場所に位置します」

情報屋「その全部がインドラ兵器を乗せているのかしら?」

ホムンクルス「いえ…現在稼働出来るのは1基だけです…残りの3基は4000年前にミラー部が損傷しています」

情報屋「ロストテクノロジーの最後の一基だった訳ね」

ホムンクルス「はい…」

情報屋「もしかしてウンディーネ時代の戦争は宇宙でも?」

ホムンクルス「衛星の履歴からするとその様ですね…私にはその記憶がありません」


ガチャリ バタン


女海賊「ホムちゃん!!ワイヤーの装置作って来たよ」

ホムンクルス「ありがとうございます」

女海賊「使い方分かる?」

ホムンクルス「分かります…見ていましたので」

女海賊「おっし!!ちっと今の内に練習しとこうか…メインマストに登ってみよう」

ホムンクルス「はい…ですが今情報屋さんとお話を…」

情報屋「良いのよ…私は見ておくわ」

ホムンクルス「分かりました…では行きましょう」スタ


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230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:22:01.04 ID:Xx1bIi7d0
『メインマスト』


パシュ シュルシュル


女海賊「おーーー一発で成功じゃん!!」

ホムンクルス「体のバランスを取るのが難しいのですね…」ジタバタ

女海賊「ワイヤーを片手で持てば良いよ…巻き取る時に怪我しない様に気を付けて」

ホムンクルス「はい…」シュルシュル スタ

女海賊「これが上手く使えると襲われた時にサッと逃げられるんだ」

ホムンクルス「そうですね…今度地上に降りたら練習してみます」

女海賊「あれ?商人もプラズマの銃持って行ったみたいだなぁ…」

ホムンクルス「一つは私が持って居ますよ?」

女海賊「今晩は魔女もアサシンも居ないのさ…2人で幽霊船守らないといけない」

ホムンクルス「頑張りましょう」

女海賊「私は特殊弾の無駄撃ちになっちゃうから実質的にホムちゃんだけになるんだけどさ…」

ホムンクルス「私には犬笛もあります」ハム


トゥルルルル〜♪


女海賊「おぉぉ!!それがあればホムちゃんは安全だな…そうかミスリル銀を…」

ホムンクルス「??」

女海賊「おっけ!!閃いた…波の揺れで鳴る鈴を作れば良い…速攻作って来る!!」スタタ ピューー



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231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:22:40.58 ID:Xx1bIi7d0
『夜_甲板』


リーン リンリン♪


情報屋「はぁぁぁ涼しい音…」

ホムンクルス「エクスカリバーの光で心なしか暖かいですね」

情報屋「気持ち良いわ」

女戦士「これは良く考えたな…ガーゴイルが寄って来ん」

女海賊「これ作るの超簡単なんだよ…フィン・イッシュに配っても良いかも」

女戦士「次に小舟が戻って来たら持たせよう」

女海賊「おけおけ!!作り増しとく」

女戦士「今晩はゆっくり出来そうだな?」

情報屋「何か食べる物でも作る?」

女海賊「そうだ…お腹空いてたんだ…」グゥ


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『バーベキュー』


ジュゥゥゥ モクモク


女海賊「…ええ!!?月にインドラの矢を落としても意味無い?なんでさ?」

ホムンクルス「インドラの矢は核弾頭ミサイルと比較して爆発エネルギーが小さいからです…ガラス質の生成に至りません」

女海賊「メッチャ爆発して津波とか起こしてたじゃん」

ホムンクルス「それは水蒸気爆発ですね…熱エネルギーとしては核反応に遠く及ばないのです」

女海賊「ぬぁぁぁ…ほんじゃ月に退魔を宿らせるのは無理って事?」

ホムンクルス「あと一つ残されている可能性があります」

女海賊「なになに?」

ホムンクルス「4つある衛星にはそれぞれ高純度のオリハルコン結晶が搭載されています」

女海賊「もしかして衛星を落とす?」

ホムンクルス「はい…チャンスは一度きり…そして二度と衛星を使う事が出来なくなります」

女海賊「…」ゴクリ

情報屋「それは座標や情報を得る事も出来なくなるという事ね」

ホムンクルス「はい…月の軌道が正確に分からない為どのくらいの確率で成功するか分かりません…」

ホムンクルス「衛星から送信される映像から私がコントロールして落とす事になります」

女戦士「際どい選択だな…座標が分からんとなると外海を渡れんぞ?」

女海賊「落とす!!失敗したら次の手考える!!」

女戦士「フフお前は直球勝負だな」

女海賊「ホムちゃんは人間として生きるんだ…もうインドラ兵器なんか要らない!!」

ホムンクルス「はい…」ニコ

女海賊「どんくらいで落とせる?」

ホムンクルス「少し時間を下さい…月の軌道と衛星の位置関係から確率の高い条件を算出します」

情報屋「女海賊?あなたは決断が早いのね?」

女海賊「迷いはあるさ…でも使う時使わないといつまで立っても宝の持ち腐れになるのも知ってるんだ」

女戦士「その通りだ…そうやって勝ちに持ち込む」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:23:12.84 ID:Xx1bIi7d0
『翌朝』


ザブン ギシギシ


女海賊「ふぅぅ結局ガーゴイル来なかったね…」トンテンカン

女戦士「お前も少し休んだらどうだ?」

女海賊「お姉ぇの方こそ休んで良いって…私は鈴作るのに忙しい」トントントン

女戦士「知って居るぞ?お前がモノ作りに勤しむ時は心が痛む時だと…」

女海賊「…」トンテンカン

女戦士「まぁ話したく無いならそれでも良いが…睡眠はしっかりとる様にしろ」

女海賊「未来の老いた姿を見たく無いのさ…気が狂いそう」

女戦士「お前が描き集めた壁画の写し…アレは未来の成長日記だな?」

女海賊「そうだよ…苦難の一生さ…そのすべての記憶があの壁画だよ」

女戦士「何を読み取った?」

女海賊「あの子だけ4000年も未来の為に戦い続けてるの…分かる?」

女海賊「命を運んで…命を繋ぎ続けて来た事…」プルプル

女海賊「どうすれば報われる?」

女海賊「…それを考えたら…月に連れて行ってあげるしか思い浮かばない」

女海賊「だから迷ってる…アヌとの契約をそのまま受け入れれば良いのか…」

女海賊「それとも違う方法で月に連れて行くのか…」

女戦士「現状他の方法で月に行く選択は無いな」

女海賊「知ってるよ…でも未来の老いた姿を見たくない…苦難の顔を見たくない」


リーン リンリン♪


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233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:23:46.83 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』


カサカサ モグモグ


女海賊「よしよし大きくなれよぅ?癒し苔は美味いか?」

ダンゴムシ「…」パクパク プリ

女海賊「ウンコはワームに食って貰うんだぞ?」ツン

ダンゴムシ「!!?」クルリン コロコロ

女海賊「ワームも癒し苔食って良いぞ…どっちが食べるの早いか競争だ」

ワーム「!!?」パクパク

女海賊「おぉぉオマイら友達になれそうだな?」

ダンゴムシ「…」ピク キョロ

女海賊「う〜む…良く見たら目が沢山ついてるんだなぁ…超ダンゴムシだな…」

ダンゴムシ「…」カサカサ パクパク

女海賊「ワームは口が目になってんのかな?」ツン

ワーム「!!?」ニョロニョロ ピョン

女海賊「うぉ!!飛ぶんか!!」

ダンゴムシ「…」ジー クルリン コロコロ

女海賊「へぇ?得意な事が違う訳ね…よーし!滑り台作ったげるわ」ゴソゴソ

ワーム「??」ニョロニョロ

女海賊「どうよ?葉っぱの滑り台だぞ?」

ダンゴムシ「…」カサカサ

女海賊「あれ?隠れるの?…ほんじゃこれでどうよ?葉っぱの上に小麦置いとく…食ってみ?」パラパラ

ダンゴムシ「…」カサカサ カサカサカサ

女海賊「なんだ滑って登れないのか…訓練だよ訓練!!」

ワーム「…」ニョロニョロ

女海賊「あぁぁヤバイ…先越される…」


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234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:24:24.43 ID:Xx1bIi7d0
『小舟』


ガコン ギシギシ


海賊「荷室の扉を開けてくれぇぇぇぇ!!」


ガラガラガラ ドターン!!


海賊「木材と鉄を早く運び入れるでがんす!!」ドタドタ

女戦士「商人!!フィン・イッシュの様子はどうだ?」

商人「ガーゴイルの事かい?」

女戦士「そうだ」

商人「銀装備が出回って居るからなんとかなってる…レイスが出てしまうと厳しい」

女戦士「退魔の鈴を作ったのだ…配って来い」

商人「おぉイイね!!」

女戦士「退魔の方陣は敷いて居ないのか?」

商人「昨夜兵隊が一気に動き出したよ…多分魔女の入れ知恵だね」

女戦士「それは良かった」

商人「銀が豊富にあるのが救いさ…」

女戦士「私達も銀を仕入れておいた方が良いな」

商人「安いから買いだね…次で持って来るよ」

女戦士「豪族はうろついて居ないか?」

商人「沢山居るよ…でも彼らの船は大体内海側の沖にあって自由に行き来出来ないみたいだよ」

女戦士「先に外海へ出た私達の勝ちだな…フフフ」

商人「南の海峡から回って来るかも知れないから一応注意しておいた方が良いね」

女戦士「分かっている…」

商人「今日は小舟で4回往復する予定だから昼間の内にフィン・イッシュへ少し出られるけどどうする?」

女戦士「いや…休息しておく…夜間に備えねばならん」

商人「そうかい?まぁ又お土産持って来るさ」


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235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:25:06.39 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ザブン ギシギシ


測量士「頭ぁ!!10km程南にキャラック船が見えるでごわす!!」

女戦士「例の豪族だな?スクーナーはどうした?」

測量士「見えんです!!」

女戦士「沖から回り込んでいるかも知れん…見張りを続けていろ」


スタスタ


情報屋「まだ狙われて居るの?」

女戦士「さぁな?こちらに近寄れないから離れた場所からフィン・イッシュで補給して居るのかも知れん」

情報屋「早いスクーナーが居ないのも変ね」

女戦士「夜間の奇襲には備えて置かんとな」

情報屋「ガーゴイルを掻い潜って来るかしら?」

女戦士「考え難いのだが…奴らは幽霊船にその危険を犯しても余る宝がある事を知って居るのだ」

情報屋「豪族の殆どは北方の海賊だったわね?」

女戦士「手漕ぎガレー船の馬鹿共だな…どこでスクーナーを手に入れたか知らんが金と女の為なら何でもやる連中だ」

情報屋「まさか泳いで来るとか無いでしょうね?」

女戦士「有り得る…この船を奪うつもりで全員泳ぎとかも考えられる」

情報屋「ガーゴイルは水の中には入って来ない…夜危ないわ」

女戦士「さて…どうしたものか…」


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236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:25:46.34 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』


シュルシュル スタ


女戦士「これは…」アゼン

女海賊「ふごーーー…すぅ…」zzz

ホムンクルス「すや…」zzz

女戦士「どうしたらこれほど散らかるのか…」


カサカサ ニョロニョロ


アラクネー「!!?」カサカサ

ミツバチ「!!」ブーン

ダンゴムシ「…」パクパク

ワーム「…」モソモソ

女戦士「まぁ…そっとしておくか…哨戒を頼みたかったが…」


ヒラヒラ パタパタ


妖精「ハロハロー!!君も遊びに来たのかな?」クルクル

女戦士「妖精か…お前が眠らせたのか?」

妖精「今遊んで居る最中さ」

女戦士「フフそうか…あいにくだが私は用事があって遊べん」

妖精「それは残念だなぁ…また遊びに来てね〜」ヒラヒラ

女戦士「そうだ妖精…」

妖精「何?やっぱり遊ぶ?」

女戦士「お前の友達にサメは居ないのか?」

妖精「居るよ?サメと遊びたいの?」

女戦士「サメを見てみたいと言う私の友達が居てな…」

妖精「そっかぁ…じゃぁ友達になれると良いね」

女戦士「呼んで欲しいのだが…」

妖精「おっけぇ!!…でもね?お腹空かせてるかも知れない…機嫌が悪いと言う事聞かないんだよ」

女戦士「そうか…では夜に餌を撒いてやる…それでどうだ?」

妖精「わかったぁ!!呼んで来るね〜」ヒラヒラ

女戦士「…」---なるほど…妖精とはこうやって付き合えば良いのか---


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237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:26:21.10 ID:Xx1bIi7d0
『貨物用気球』


フワフワ ドッスン


ローグ「頭ぁ!!物資運んできやしたぜ?」ヨッコラ ノソノソ

女戦士「アサシンと魔女はどうした?」

ローグ「フィン・イッシュの方もゴタゴタしててですね…戻るのに2〜3日掛かりやすね」

女戦士「ガーゴイルの襲撃か?」

ローグ「それもあるんすが港が水没して全滅なもんで物流止まってるんす」

女戦士「なるほど…」

ローグ「ほんで黒死病に効くポーションが余りまくってるもんすから沢山頂やした…荷室に入れときやすね」

女戦士「日が落ちる前に急ぎでお前に頼みたい事があるんだが…」

ローグ「お?そら早くせんといかんですね…」

女戦士「10km程南に豪族のキャラック船が停船しているのだが…誰の船だか確認して来て欲しい」

ローグ「気球から見えて居やしたぜ?」

女戦士「スクーナー3隻も何処に行ったか分からんのだ…」

ローグ「分かりやした…ちっと先に哨戒に回りやす」

女戦士「うむ…助かる…今夜辺りスクーナーで一気に乗り込んで来るかもしれん」

ローグ「ハイディングしとけば良いじゃないっすか」

女戦士「ガーゴイルやレイスと何日も戦い詰めになってしまう…今は戦力が無い」

ローグ「豪族相手の方がまだマシってこってすね」

女戦士「今晩はお前が主戦力になるから船に戻って来るのだぞ?」

ローグ「わかりやした!!じゃぁ哨戒に行って来やす」スタ


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238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:27:11.62 ID:Xx1bIi7d0
『夕方_甲板』


ええと…あのキャラック船は髭男爵の持ち物でやんすね…豪族に貸与してるんす

大砲は全部で40門くらい乗ったガチ物の軍船でやんす

乗って居るのは50人ぐらいっすか…10人くらいは下船して小舟で補給に行った感じっすね

3隻のスクーナーは気球から見ても何処行ったか分からんです


女戦士「なるほど…セントラルの軍船のままではフィン・イッシュに立ち寄れないから豪族を使って居るか」

ローグ「この海域に居るのは海上で他のセントラル軍船に補給させる為っすね」

女戦士「なかなかやり手が乗って居そうだとは思って居たが…髭男爵の息が掛かって居たか」

ローグ「頭の宿敵な訳でやんすが…どうしやす?」

女戦士「髭男爵の船と聞いたからには奪ってやる…それか完全に破壊だ」

ローグ「破壊は勿体無いっすねぇ…アレは一級品のキャラック船っすよ」

女戦士「とりあえず今晩をどうするか…」

ローグ「気球から見た感じ20km範囲内にスクーナーは見当たらんでやんすよ?」

女戦士「上手く風に乗れば2〜3時間で接近されてしまう」

ローグ「ガーゴイル無視して真っ直ぐ来るのは無理がありやせんか?」

女戦士「何か対策を打って居るかもしれん…」


ドタドタドタ


女海賊「寝すぎたぁぁぁ!!」ドタドタ

ローグ「ちょ…姉さん…顔を洗ってきた方が良いでやんす…どうしたんすかその顔」

女海賊「えええ!!?」

ホムンクルス「ごめんなさい…妖精さんの言われた通りに木炭で…」

女海賊「ホムちゃん落書きしたん!?」ゴシゴシ

ローグ「あらららら‥あらら」

女海賊「うっわ!!真っ黒じゃん…」

ホムンクルス「私が綺麗に拭きますのでこちらへ…」グイ

女海賊「イイヨいいよ!!これこすって薄く延ばしたら全体的にちょい日焼けした感じさ」ゴシゴシ

女戦士「呆れるな…良いから洗ってこい…真っ黒過ぎる」

女海賊「ええ?そんなに汚れてるん?」

ホムンクルス「はい…綺麗に拭きますので…」グイ


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239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:27:38.75 ID:Xx1bIi7d0
『日没』


ザブ〜ン ユラ〜


女戦士「碇を上げろぉ!!」

海賊共「がってん!!」ガラガラ

女海賊「お姉ぇコレどうすんの?…縦帆一枚?」

女戦士「そうだ…一枚だけで付近をゆっくり周遊だ」

ローグ「夜中にスクーナー3隻が突撃してくるかも知れんのです」

女海賊「ほ〜ん…ほんで明かり全部消してんだ…」

女戦士「今晩はエクスカリバーの光も無しだ…月明かりのみでガーゴイルと戦う」

女海賊「光って場所知られたく無い訳ね…」

女戦士「うむ…向こうからすると灯台の様な物だからな…プラズマの銃も使わない」

女海賊「おけおけ…理解した…私の特殊クロスボウとローグの強化クロスボウで落として行く訳ね」

女戦士「他の者は普通の2連クロスボウだ」

女海賊「スクーナー接近して来ちゃったらどうする訳?」

女戦士「視認出来れば迫撃砲を撃ちたいが…恐らく向こうも明かりを消して来る」

女海賊「てかあいつ等そんな頭回るんかな?」

女戦士「さぁな?まぁこちらも暗闇での戦闘は慣れて置いた方が良い…夜襲に備えてな」


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240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:28:17.83 ID:Xx1bIi7d0
『夜』


リーン リンリン


女海賊「あーーやっぱミスリルの鈴鳴ってるとあんま近寄って来ないな…」

ローグ「一応射程には入ってるんすがどうしやす?」

女戦士「数匹落としてサメに餌をやってくれ」

女海賊「サメ?」

女戦士「妖精にサメを呼んでもらったのだ…豪族共が泳いで来るのに備えてな」

女海賊「うは…泳いで来るとかあいつ等ならやりそう」

ローグ「落としやすぜ?」スチャ ダン!


ガーゴイル「グエェェェェ…」ヒューー ボチャーン


女海賊「ガーゴイルなんか食って美味いんかな?」スチャ ダン! ダン!

ローグ「サメは何でも食いやすぜ?」ダン!


バチャバチャ ザブザブ


女海賊「おぉぉぉ…どっかで食われてる音する…」

情報屋「この調子だと私は出番が無さそう…」

女戦士「無理はしなくて良いぞ?海賊共も控えているからな」

ローグ「頭ぁ!!例のキャラック船が光で合図送って居やすね…」

女戦士「何!?」ダダ

ローグ「こっちが明かり消してるもんで痺れ切らしてるんすよ…どうしやす?」

女戦士「様子見だ…このままゆっくり周遊で構わん」

女海賊「ちっとワナ張って見よっか?」

女戦士「何が出来る?」

女海賊「空き瓶に明かり入れてポイするのさ…明かりに吊られてそっちに突撃するんじゃね?」

女戦士「ふむ…やってみろ」

女海賊「おけおけ!ちっと遅延性の照明弾作って来る…すぐ戻るから」スタタタ


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241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:28:48.74 ID:Xx1bIi7d0
『閃光』


ポイ! ドブン!!


女戦士「樽?…あれが光るのか?」

女海賊「あの中に仕掛けたビンが何個も入ってんの…順番に光るから多分1時間ぐらい光ってる筈…」

ローグ「もう点火済みなんすか?」

女海賊「もうちょい離れたら私が特殊弾撃って点火する」

女戦士「即席に作ったにしては凝っている…」

女海賊「もともと照明弾は持ってたんだよ…ビンの中に入れて繋いだだけさ…おっし!そろそろ点火する」チャキリ ダン!


メラメラ


女海賊「おけおけ…これで順に点火して行く」

ローグ「あれ?空き瓶なんかありやしたっけ?」

女海賊「なんかポーション一杯あったよ?それ空けたさ」

ローグ「あららら…黒死病に効くポーション捨てたんすか?」

女海賊「他の容器に移し替えたに決まってんじゃん…私の壺の中に入ってるさ…居る?」

ローグ「あいやいや…姉さんは何でもありっすね…」

女海賊「何訳わかんない事言ってんだよ…」


ピカーーーーー


女海賊「お!!?よしよし上手く行ったぞ…ヌフフフ」

女戦士「総員警戒しろぉ!!」

ローグ「そろそろスクーナーが来ても良い時間でやんす…ちっと見て居やしょう」


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242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:29:45.64 ID:Xx1bIi7d0
『深夜』


ザブン ザブン


女海賊「お姉ぇ!!陸の方!!」

女戦士「何!!陸から来るだと!?」ダダ

女海賊「ウケる…筏作って手漕ぎだ…あいつらまだ樽だって気付いてないぞw」

女戦士「スクーナーはどうした!?」

ローグ「デカくて目立つからどっかに隠してるんすね」

情報屋「ガーゴイルがあっちに行った…」

女戦士「ほぼ裸で接近武器だけか…完全に船を奪うつもりで来たのだな」

ローグ「結構数いやすぜ?全部で40人くらいっすね…」

女海賊「やっぱ馬鹿だねあいつ等…」

女戦士「筏なぞ奪う気にもならんな…帆すら無い」

ローグ「なーんか…幽霊船に今あんまり人が乗って無いって事知って居そうでやんすね」

女戦士「うむ…あのキャラック船からこちらの人数を全部見られて居るのだ」

女海賊「ほんじゃ結構良い望遠鏡持ってそうだね」

女戦士「フフ…奪ってやる」ギラリ

ローグ「あの筏どうしやす?」

女戦士「放置してサメの餌にでもなって貰う…私達は少し沖に出るぞ」


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243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:30:31.78 ID:Xx1bIi7d0
『明け方』


ザブ〜ン ユラ〜


女戦士「よし…明るくなる前に攻勢に出るぞ」

女海賊「どうする気?」

女戦士「お前の飛空艇であのキャラック船まで行くのだ」

女海賊「ちょ…ぶっ壊すんか…」

女戦士「私に妖精の笛を貸せ…一人で乗り込んで全員生け捕りにする」

ローグ「うほ…マジっすか!!」

女戦士「無傷であのキャラック船を奪ってやる」ギラリ

女海賊「船動かす人員が足りないじゃん…」

女戦士「あと2人私の従士を連れて行く…お前は私が乗り込んだ後上空で合図を待て…その後従士2人を降ろせば良い」

ローグ「ちっと危ないっす…あっしも連れて行って下せぇ」

女戦士「ローグは幽霊船で指揮を取るのだ…ここは少数精鋭で行く」

女海賊「ほんじゃ私は上空から援護か…」

女戦士「うむ閃光弾と煙があれば十分だ」

女海賊「おけおけ…」

女戦士「ローグ!!くれぐれも幽霊船に豪族を取りつかせるな?」

ローグ「分かりやした…」

女戦士「よし行くぞ!!」ダダ



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244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:31:01.75 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』


シュゴーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「おっしそろそろ真上の筈…お姉ぇ準備良い?」

女戦士「いつでも行ける…」

女海賊「じゃぁ行くよ?」


リリース! スゥ…


女戦士「直ぐにハイディングして距離を取れ…出る!!」ピョン シュルシュル

女海賊「ヤバ…見張り塔の奴に見つかってんじゃん」グイ

海賊「見張りは武器持って無いでごわす…」

女海賊「お姉ぇは?…良し!!降りてんね…」


ハイディング! スゥ…


女海賊「ちっと距離取って援護する…」グイ シュゴーーーー

海賊「甲板に人が出てる気配は無かったでごわす…」

女海賊「ガーゴイル少なくなって気が抜けたっぽいね…おっし距離離れた!!」


リリース! スゥ…


女海賊「ちょいあんたら飛んでるガーゴイル撃って!…私はお姉ぇの援護する」チャキリ ダン! ダン!

海賊「がってん!!」バシュン バシュン ガチャコン


モクモクモク モクモクモク


女海賊「おけおけーーい!!あいつ等何起こってるか分かって無いぞ…」ダン! ダン! ダン! ダン!

海賊「飛んでるガーゴイルは幽霊船の方に向かってるでごわす…」

女海賊「あっちはローグに任せときゃ良いさ…食らえ閃光弾!」ガチャコン ダン! ダン! ダン! ダン!


ピカーーーーーー ピカーーーーーー


女海賊「ヌフフフ…煙と光で何にも見えなくなるんよ…さぁどうするどうする?」ニヤニヤ

海賊「これじゃぁ頭の合図も見えんでごわす…」

女海賊「だぁぁぁぁ忘れてた!!…調子に乗り過ぎた…」

海賊「むむ!!光る剣を振っているでごわす!!」

女海賊「おぉ!!それ合図だ…降りる準備して!!」グイ

海賊「がってん承知の助!!」ドタドタ


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245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:31:41.58 ID:Xx1bIi7d0
『フィン・イッシュ取引所』


ワイワイ ガヤガヤ

何!!?外海側に商船が入っているだと?

そうだ…それで一気に硫黄が出回ってるんだ

やっぱり噂通り闇商人が運んでるんだな…しかも外海か…


アサシン「…やはり此処に居たか…どうだ?調子は」

商人「アサシン!!そりゃもう忙しくてさ…ここから外海側まで馬車で運ばなきゃいけないから…」

アサシン「馬車を雇うのにも資金が必要だな」

商人「そうさ…儲けは全然無いよ」

アサシン「流通が回れば良かろう」

商人「まぁそうだけどね…港が遠いだけで何もかにもお金が掛かる…早く外海の港を作った方が良いね」

アサシン「資材を運ぶ船が無いらしい」

商人「内海の沖に居る船をそっちに回せば良いのに…」

アサシン「霧があってそう上手く行かんのだろう」

商人「…ところで僕に何か用が有って来たんだよね?何かな?」

アサシン「女狐から話を託けて居てな?礼を言いたいらしい」

商人「なんだそんな事か…自分で言いに来たら良いのに」

アサシン「セントラルの諜報で自由には動けんのだ」

商人「女狐は今何処に?酒場?」

アサシン「娼館だ」

商人「ぶっ…娼婦役?」

アサシン「娼館にもいろんな役割がある…情報収集にはもってこいの場所なのだ」

商人「なるほどねぇ…豪族とかベラベラ秘密をしゃべりそうだ」

アサシン「それは兎も角…お前も周りを良く見ていた方が良いぞ?」チラ

商人「んん?狙われてる?」キョロ

アサシン「闇商人が硫黄を運んでいる噂を流しただろう?…そして今硫黄が流通した…」

商人「あぁぁそういう事ね…セントラル側からしたら都合が悪い訳か」

アサシン「そして外海の謎の船にお前が物資を運んでいる…何も起きない方がおかしい」

商人「ふ〜ん…わざわざ警告しに来てくれた訳だ」

アサシン「フフやっと気付いたか…鈍ったな」

商人「どうすれば良いのかな?」

アサシン「昼間は民兵が多いから何も起きんだろうが夜は身を潜めておけ…ガーゴイル退治のどさくさで襲われ兼ねん」

商人「潜めると言ってもねぇ…」

アサシン「鈍い奴だ…娼館に行けと言って居る」

商人「僕が娼館に?ハハもうそんな欲求は無いよ」

アサシン「最後まで言わんと分からんか…女と居る間は誰も邪魔には来ん…安全だと言って居る」

商人「あーー偉い人御用達のアレね…邪魔が入ると色々起きる系の奴…」

アサシン「世話の焼ける…では伝えたぞ?私は戻る…」スタ

商人「伝えたぞって…そうかこれが女狐からのメッセージか…」


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246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:32:13.27 ID:Xx1bIi7d0
『馬車』


ゴトゴト ゴトゴト


海賊「ふむぅ…やはり動きが怪しい」

商人「襲うチャンス見てるかな?」

海賊「恐らく…向こうの数が揃うのを待って居るのかも知れん」

商人「不用意に往復出来なくなったな…」

海賊「商人さん…ここは一旦引き返して運搬は俺達だけの方が良い」

商人「僕は戦力外かい?」

海賊「いや商人さんは俺達と明らかに恰好が違うから狙われやすいんだ」

商人「軽装過ぎるか…」

海賊「調達だけやって貰えば運搬は俺達がやるから戻ってくれ」

商人「今日も4回往復する事になるけど?」

海賊「頭に事情を説明して一人応援を貰う」

商人「分かったよ…僕は少し目立ち過ぎたみたいだ…」

海賊「向こうもピリピリしてる時だったから仕方ない…馭者!!一旦引き返せ!!」

馭者「ええ?」

海賊「脇でタムロしてる連中に絡まれたく無いだろう?」

馭者「あいやいや…それはご勘弁」


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247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:32:44.10 ID:Xx1bIi7d0
『取引所』


ワイワイ ガヤガヤ


海賊「ここは民兵が沢山居るんで大丈夫…人気の無い場所には行かん様に」

商人「ハハ分かったよ」

海賊「じゃぁ俺達は運搬が終わったら小舟を隠して昨日の酒場に戻るからソコで落ち合おう」

商人「あぁぁどうするかな…ちょっと用事が有ってね」

海賊「護衛は?」

商人「大丈夫さ…アサシンも魔女も居る」

海賊「それなら良い…補給が終わるまでは兎に角穏便に行きたい」

商人「分かって居るさ…まぁそっちも気を付けて」


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248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:33:17.85 ID:Xx1bIi7d0
『娼館』


ウフフ…じゃぁ又ね…チュ


商人「ぁ…」ポカーン

男「何見てんだゴラ!!」

商人「あ…いや…たまたま目に入ったのさ…」タジ

娼婦「ペッ!!あんたみたいのが来る場所じゃないよ!!」ビチャ

商人「ハハまいったなぁ…」フキフキ


支配人「これはこれは…どちら様で?」スタ


商人「なんだ身分証が必要なのか…う〜ん…どうするかな」

支配人「お見せ頂けないのであればお引き取りを…」グイ

商人「なんか強引だなぁ…」ヨロ

支配人「すみませんこちらも仕事な物ですから」

商人「これで良いかな?」パサ

支配人「商人ギルド…マスター?…わざわざキ・カイからお越しで?」

商人「あのね…そう言う事を言葉で出して良いと思って居るのかい?」ジロ

支配人「ハッ!!失礼しました…どうぞこちらへ」ササ

商人「イラつく対応だねぇ…」イラ

支配人「どうかお許しを…アポ無しの来客時は要領が決まっていまして…」

商人「僕は娼館を良く知らないんだ…どうすれば良い?」

支配人「ご案内致します…お好きな嬢を選んで頂ければ後は嬢に従って…」


嬢達「はぁ〜い…」ニコ


支配人「ではわたくしはこれにて失礼…」スタスタ

商人「なんなんだこの独特な雰囲気は…」


嬢達「うふ〜ん…」フリフリ


商人「悪いけど僕は君達に全然興味無いのさ…何か気の利いた事言って見てくれないかい?」

女狐「こっちよ…」グイ

商人「おっと…」ヨロ

女狐「黙って付いて来て…」ヒソ

商人「何なんだ?この店は?」ヒソ

女狐「後で話すから…」グイ


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249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:34:17.11 ID:Xx1bIi7d0
『個室』


ガチャリ バタン


女狐「ふぅぅぅ成功!」

商人「どういう事だよ?」

女狐「私と闇商人が接触したという事がこれでセントラルに伝わる」

商人「ええと…良くその話が分かんないな」

女狐「ここにいる嬢達は全員諜報員なのよ…主にセントラル貴族と豪族の離反を諜報して居るの」

商人「離反って何だい?」

女狐「貴族同士の権力抗争…その手足になっている豪族が裏切るかどうか…」

商人「なるほど…フィン・イッシュの地までそういうのを持ち込んでるんだ」

女狐「私はこれで闇商人から取り引きされた硫黄がどれくらいなのか聞き出せば任務完了」

商人「ハハそれだけ?」

女狐「あなた達が来なければずっと此処で諜報させられる所だった…」

商人「君にとって具合が良かった訳だ」

女狐「そう…そして次は潜入という事であなた達に付いて行けるという訳」

商人「なかなか2重スパイというのも立ち回りが大変そうだ…」

女狐「これで南の大陸へも渡れる…」

商人「足の不自由な子は無事にハテノ村へ逃げ延びたよ」

女狐「それに関しては感謝してる…」

商人「詮索しない方が良いんだね?」

250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:34:47.21 ID:Xx1bIi7d0
女狐「勘違いしてるかも知れないけれど私の子では無いとだけ言っておく」

商人「えええ!?なんだてっきりそうかと思ってたよ…じゃぁますます気になるな」

女狐「知らない方が良いのよ…もう詮索しないで」

商人「分かったよ…それで…まだ昼間なんだけど明日まで此処に居る感じになるかな?」

女狐「豪族がザワついて居るから少し様子を見た方が良いわ」

商人「幽霊船が外海の沖に居るからだよね?」

女狐「それもあるけれど昨夜何か有ったみたい…あなた知ってる?」

商人「知らないなぁ…今日は船に行けてないんだ」

女狐「嵌められたってボヤいて居るのよ…離反のサイン」

商人「誰に嵌められる?」

女狐「外海にはあなた達の他に髭男爵の兄弟が居るのよ…私の雇い主ね」

商人「あぁ一度戦闘になったな」

女狐「アサシンに聞いたわ」

商人「じゃぁ豪族はその髭男爵の兄弟に嵌められたって言う事になってるのかな?」

女狐「多分…本当ならそろそろ誰か娼館に来る筈なのに今日はまだ来ない」

商人「あぁぁ何となく関係が読めて来たぞ…あのキャラック船への補給は君が絡んでるのか…」

女狐「私と言うか娼館は髭男爵がオーナーよ…公爵の派閥ね」

商人「なるほどねぇ…」

女狐「さて…私は伝令に硫黄の取引量を連絡に行って来るけれど…あなたはどうする?他の嬢をあてがう?」

商人「僕はその欲求がもう無い…あるのはワインが欲しいくらいだ」

女狐「じゃぁ此処で大人しくしてて…もしかしたら壁越しに良い話が聞けるかもしれない」

商人「退屈しのぎか…」

女狐「帰りにワインを持ってきてあげる」

商人「頼むよ…」


--------------

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251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:35:44.46 ID:Xx1bIi7d0
『壁の向こう側』


…あいつは俺らをコケにしやがった

自分は豪華な船で高みの見物してるクセに

俺らだけ樽に向かって特効させたのよ

このままじゃ仲間に示しがつかねぇ

だがあいつを裏切るとこの娼館にはもう出入り出来無くなる

イケ好か無ぇ奴だが我慢するしか無い訳だ

…あぁ分かってる

俺はスクーナー一隻で収まる男じゃ無ぇ

そうだお前にはもっと贅沢して貰いたい

だからここは少し辛抱してチャンスを伺う

必ずデカい山を当ててお前を迎えに来る

だから今日はこれで我慢してくれ


他の嬢にも同じ事を言ってたじゃない!!これっぽっちで私を安く見ないで!!


ドタドタ ドタドタ


商人「…」ニヤニヤ


---本当ワンパターンだな---

---これは死んでも治りそうにない---

---頑張りどころがどうもズレてる---

---バカ過ぎてむしろ可愛いな---
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:36:34.85 ID:Xx1bIi7d0
『夕方_キャラック船』


ドタドタ バタバタ


海賊「頭ぁ…使える資材の積み替えは終わったでがんす」ドスドス

女戦士「よし…幽霊船はハイディングさせて全員こちらへ乗り移れ」

女海賊「お姉ぇ!!今確認して来たんだけど退魔の方陣の代わりになんかあちこちお札貼ってるわ」

女戦士「なるほど…レイス対策はしっかりやってる訳か」

女海賊「抜けがあるかも知んないから一応ミスリルの鈴設置しとく」

女戦士「うむ…今晩はこちらの船を守備するから急ぐのだ」


ドタドタ


ローグ「頭ぁ!!豪族全員の鼻削いで来やしたぜ?どうしやす?コレ…」

女海賊「うわ…鬼だね…」

女戦士「サメの餌にでもしろ!反吐が出る」

ローグ「分かりやした!!」

女戦士「女海賊!!全員に線虫を掛けて来い」

女海賊「ええ?見たく無いなぁ…」

女戦士「船を血で汚されては掃除が面倒だ」

女海賊「捕らえた奴ら全員奴隷にすんの?」

女戦士「そうだ…鼻だけ削いだのは価値が下がらん様にする為の事」

ローグ「女も数人居たんすけどね…」

女戦士「知った事では無い…私に刃を向けた報いは見せ示める必要がある」

女海賊「こっわ…」

ローグ「髭男爵の弟はどうしやす?始末しとかんと後で面倒になるでやんす」

女戦士「アレは特別…個人的に恨みがあるのでな」ギラリ

ローグ「あっしは何も聞かされて無いんすが…何かあったでやんすかね?」

女戦士「お前は知らなくても良い…ドワーフの国がセントラルと戦争になった原因とだけ覚えておけ」


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253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:37:37.82 ID:Xx1bIi7d0
『荷室』


ぅぅぅ…来やがった…静かにしろ…


豪族共「…」

女戦士「…」ツカツカ

女海賊「お姉ぇ…線虫回して行くよ」

女戦士「ヤレ…」

豪族共「…」ビクビク

女戦士「お前!!前に出ろ…」ドカ

髭男爵の弟「ぐふぅ…久しいな?…今度は立場が逆か」ズルズル

女戦士「兄は何処にいる?」スラーン

髭男爵の弟「復讐するつもりか?」

女戦士「…」ブン スパ

髭男爵の弟「ぐぁぁぁぁ…足が…」ドクドク

女海賊「ヤバ!!線虫!!行け!!」ニョロ

豪族共「ひぃぃぃ…」タジ

女戦士「出血せん様にロープで四肢を縛り上げろ」

ローグ「分かりやした…」グイ ギュウ

女戦士「さて…質問にだけ答えろ…兄は何処だ?」スチャ

髭男爵の弟「外海に…ハウ・アイ島だ…ヤメロ!!お前は生きて返しただろう」タジ

女戦士「質問にだけ答えろと行った筈だ」ブン スパ

髭男爵の弟「ぎゃぁぁぁ…うぐぅ…」ドクドク

女海賊「ちょ!!お姉ぇ…」グイ グイ ギュゥ

女戦士「生きて返した?違うな…私の心はあの時死んだ…生きて帰ったのは体だけ」

髭男爵の弟「はぁ…はぁ…若気の至り…許せ」

女戦士「母は後に死んだぞ?」

髭男爵の弟「それは俺達のせいでは無い…」

女戦士「分かって居無い様だ…子を宿して生きると思ったか!!」ブン スパ

髭男爵の弟「あががが…こ…殺せ…殺してくれ」ドクドク

女戦士「ダメだ…お前はこれからダルマになって罪を思い知れ」ブン スパ


ぎゃぁぁぁぁ…


女戦士「ローグ!!後は舌を抜いて死なん様に処置をしろ」

ローグ「へ…へい…」

女海賊「お姉ぇ…ママが居なくなった理由って…」

女戦士「聞くな…死なん様に線虫で癒せ」スタスタ

ローグ「頭に従って下せぇ…死人が出やすぜ?」


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254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:38:35.91 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ギシギシ


奴隷には枷として両足に砲弾を付けさせろ…そして船内を汲まなく掃除させるのだ

逆らう者はその場で殺してサメの餌にして良い


ローグ「やり方がガチになって来やした…かなり機嫌悪いっす…」

女海賊「お姉ぇ…」

ローグ「頭は昔の事なんも話してくれんのでやんすが…」

女海賊「私もなんも知らんかったさ…」


ツカツカ


女戦士「無駄口を話して居る場合では無いぞ?まだスクーナー4隻居るのだ…夜に備えろ」

ローグ「へい!!」

女戦士「ミスリルの鈴を設置するのは終わったのか?」

女海賊「あぁぁまだだ…急いでやって来る」

女戦士「情報屋とホムンクルスは船尾楼の前から動くな…ガーゴイルはそこから狙え」

情報屋「大丈夫!」

ホムンクルス「はい…」

女戦士「今晩だけ耐えれば明日からはアサシンを呼ぶ…頑張ってくれ」


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255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:39:13.46 ID:Xx1bIi7d0
『娼館_個室』


ガチャリ バタン


女狐「お待たせ…ワインを持って来たわ」ポイ

商人「退屈してたんだ…君の用事は終わった?」

女狐「そうね…ところで幽霊船が何処かに消えたらしい…何か知ってる?」

商人「あぁハイディングしてるんだね…騒ぎになっちゃってるかな?」

女狐「いえ…どこかの商船という事になってる…幽霊船とは帆の張り方が違うから」

商人「そうか…大きなスクーナーに見えてるか…大砲も無いしね」

女狐「代わりに髭男爵の弟のキャラック船が近くまで来てるのよ…どうなっているのだか…」

商人「う〜ん…どういう事だろう?場所を移動したかな?」

女狐「連絡は取って居ないのね?」

商人「まぁ何か有れば連絡来ると思うんだけどね…」

女狐「ところで…この部屋に隠れて居るのは良いけど…タダでは無いと分かって?」

商人「ハハ…君はお金にガメツイねぇ…」

女狐「支配人へ売り上げの一部を渡さなければいけないのよ」

商人「相場が分からないなぁ…」

女狐「安くて一晩100金貨ね」

商人「うわ!!高い…」

女狐「あなたは持ってるでしょう?」

商人「持ってるけど此処に居るだけで金貨100枚か…」ジャラリ ドサ

女狐「さすが闇商人…これは頂いておく」

商人「君に呼ばれた立場なんだけどねぇ…」

女狐「私も生活が掛かって居るのよ」

商人「もしかして…孤児院?」

女狐「フィン・イッシュの孤児院は女王が出しているわ…このお金は口止めで使う必要があるの」

商人「なるほど…諜報役もお金が掛かる訳か」

256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:39:51.62 ID:Xx1bIi7d0

”ザザー”

”商人!聞こえるかえ?返事せい”

”あ!!魔女!!何か有ったんだね?”

”女戦士が豪族のキャラック船を無傷で手に入れてのぅ…”

”えええ!?それじゃぁ近くに来てるのって…”

”うむ…女戦士達が乗って居る…それでな?残りのスクーナー4隻も無傷で奪うつもりなのじゃ”

”どういう事?”

”スクーナーの豪族達はまだキャラック船が奪われた事に気付いて居らぬ”

”うん…”

”仲間じゃと思うて近付いて来た所をわらわの睡眠魔法で眠らせるのじゃ”

”あー上手く行きそうだね?”

”ちとこちらの戦力が足りん故に主にも来て貰えんかと思うてな”

”なるほど…どうすれば良い?”

”明日の早朝の暗い内にローグが気球で城まで来る事になっておる…主も合流せい”

”分かった…ええと…女狐も一緒で構わないかな?”

”どういう事じゃ?”

”詳しくは明日話す”

”まぁ良い…遅れぬ様にな?ザザー”


女狐「ちょっと今の話…」

商人「なんか色々有ったみたいだね…聞いた通りさ」

女狐「もしかして私の雇い主はもう居ない?」

商人「う〜ん…どうだろう?どうやってキャラック船を奪ったのか聞けなかったね」

女狐「大砲を撃った音も聞こえていないのに…」

商人「まぁとりあえず明日の朝に城へ行けばみんなと合流出来る…君はどうする?」

女狐「もう一度出かけて来る…朝までに戻るわ」

商人「なんだ又暇になっちゃうなぁ…」


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257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:40:51.74 ID:Xx1bIi7d0
『早朝_城』


魔女様とアサシン様がご搭乗だ!!射手!!援護射撃用意!!


ローグ「早く乗って下せぇ…明るくなるとバレちまいやすんで」

魔女「ほう?商人と女狐はもう乗って居るな…」ノソノソ

商人「暇だから早く来ちゃったんだ…」

アサシン「フフ…女狐は私達と一緒に居てはまずいのでは無いか?」

女狐「幽霊船に潜入するという事になってる」

アサシン「なるほど…上手く口実を作った訳か」

ローグ「飛びやすぜ?」グイ


フワフワ


アサシン「さてローグ…キャラック船は私が貰う…で良いのだな?」

ローグ「へい…頭は初めからそのつもりだった様でやんす」

アサシン「スクーナー4隻奪う理由はフィン・イッシュ外海の安全確保…」

ローグ「そうでやんす…キャラック船の火力とスクーナーの機動力があればちったぁ安全になりやす」

アサシン「なかなか良い仕事をする…これで外海の港建設も捗る筈だ」

魔女「それは無傷で手に入れた後に言えい…こちらは戦える者が15人程しか居らんじゃろう」

ローグ「そーっすね…スクーナーは1隻辺り15人くらいなんで戦う事になったら戦力差4倍でやんす」

商人「フィン・イッシュの軍隊は?」

アサシン「貴族が絡んでいる様だからフィン・イッシュは関わらない方が良い…政治的な理由だ」

ローグ「その通りでやんす…豪族と海賊の争いって事で片づけた方が後々の為っすね」

商人「物資調達で半分くらいドワーフの海賊達が陸に降りちゃってるのが痛いねぇ…」

アサシン「戦闘にならない様に上手くやるのだ…魔女頼みだな」


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258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:41:26.93 ID:Xx1bIi7d0
『キャラック船』


フワフワ


ローグ「こっから飛び移って下せぇ…船首楼が邪魔で着陸出来んでやんす」

魔女「暗くて足元が見えんわい…」

アサシン「魔女…掴まれ」グイ

魔女「すまんのぅ…」ノソ ギュゥ

アサシン「…」ピョン スタ

商人「ほっ!!」ピョン

女狐「…」ピョン


女戦士「ローグ!!早く気球を隠せ」


ローグ「分かりやした…直ぐに戻りやす」グイ フワフワ

女戦士「済まんな急がせてしまって…直に小舟で補給に行った豪族が戻って来ると思ってな」

商人「スゴイねこの船…幽霊船より大きいじゃ無いか…船幅が広いだけでこんなに広く感じるか…」

女戦士「私は船首楼が邪魔で好かん」

商人「これ乗ってた人はどうしたの?」

女戦士「全員奴隷にした…私を裏切った報いを受けてな」

アサシン「ほう…奴隷も私が貰って良いのか?」

女戦士「好きにしろ…私には不要だ」

アサシン「さて船を動かすのにどの程度従うか…」

女戦士「警告しておくが奴隷にしたのは北方の海賊…折り紙付きの馬鹿共だ…あとは分かるな?」

アサシン「フフ承知だ」

商人「みんな荷室の方かい?」

女戦士「足枷を付けて掃除をさせている」

商人「もう働かせて居るのか…」

女戦士「歯向かうと去勢か死のどちらかだと知って居る筈…」

商人「うわ…裏切りには容赦無いね」

女戦士「当然だ…殺された仲間も居るのだから」


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!ガーゴイル減ってそろそろ明るくなって来た…外から見えない位置に移動して」

女戦士「ふむ…船尾楼の中へ入れ…そこで事情を説明する」スタ


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259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:42:13.48 ID:Xx1bIi7d0
『船尾楼_居室』


ユラ〜 ギシ


女戦士「…恐らく幽霊船を取り逃がしたと思って居る筈…つまりこの船にスクーナーが不用意に近づいて来る」

商人「なるほど…そこで睡眠魔法な訳ね」

女戦士「そうだ…キャラック船とスクーナーが並んで停船していれば他のスクーナーも寄って来る」

魔女「また奴隷が増えてしまうのぅ」

アサシン「荷室にスペースは十分あるだろう」

魔女「まぁ良い…わらわは何処で隠れて居れば良いのじゃ?」

女戦士「魔女の身長なら甲板に出ても見えん筈だ」

女海賊「私等は此処で隠れて居れば良いんだね?」

女戦士「うむ…交代で仮眠しろ…情報屋とホムンクルスも寝て居ないだろう」

商人「まぁ見張りは僕に任せて」

アサシン「私は見張り塔に上がるぞ?」

商人「あ!!そうそう…今日も小舟で物資を運んで来る予定なんだ…陸に降りたドワーフの海賊達とは連絡取れてる?」

女戦士「私がキャラック船を奪った事はもう知って居る…落ち着くまでしばらく陸で待機しろと命令した」


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260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:42:47.65 ID:Xx1bIi7d0
『ベッド』


ギシ ドサ


情報屋「ふぅぅ…この船は広くて快適そうね」

女海賊「ん?広いけどお姉ぇの船より遅いんだよ…海賊はあんま使わない船さ」

情報屋「でも軍船よね?」

女海賊「本当は商船が行き来する航路を守る役なんだよ…まぁ固定砲台みたいなもんだね」

情報屋「へぇ?船の種類で役割があるのね…」

女海賊「海賊が好む船は大体排水量200トン位のスクーナーだね…これが早くて大砲2〜3門乗る」

女海賊「ほんでお姉ぇの船が500トンのガレオン船…まぁまぁ早くてメッチャ荷物乗る貨物船」

女海賊「このキャラック船は多分1000トン位…遅いけど大砲50門位乗るんじゃないかな…ほんで荷物も乗る」

情報屋「盗賊の商船はどんなタイプ?」

女海賊「盗賊の船ってか元々アサシンの船だね…300トン位のキャラック船…この船何処行っちゃったん?」

情報屋「商人に貸したままね…内海の何処かで荷物運んでる筈よ」

女海賊「あのキャラック船が便利だったなぁ…速度出る様に色々改造してたし」

情報屋「この船も改造すれば良いじゃない…」

女海賊「ダメダメ…動かすのに人数必要な船はそれだけで不便…盗賊の船は1人でなんとかなるのさ」

情報屋「へぇ?色々あって面白い」

女海賊「お姉ぇの船も帆を全部縦帆に改造しててスクーナーみたいなガレオン船だね…ただデカいから一人じゃキツイかな」

情報屋「どうして全部縦帆に?」

女海賊「旋回性さ…相手がスクーナーだとどうしても旋回性で不利なんだよ…」

情報屋「そういう事ね…旋回早くしてハイディングで加速…有利な位置に出来るだけ早く行きたい」

女海賊「そそそ…今までそれが出来なくて何発も砲弾食らってるんだ…まぁ反省を活かしてるんだね」

情報屋「フフ…どうしてあなた達ドワーフが海賊をやってるのか分かって来た」

女海賊「工夫が活かされるもんね…ドワーフはそういうの大好きだよ」


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261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:43:47.75 ID:Xx1bIi7d0
モクモクモク


出て来て良いぞ?既に眠って居る…


女海賊「お!?」

女戦士「待て…補給から戻った小舟だ…ここは数人で対処するからまだ出るな」

女海賊「おけおけ…」

女戦士「フフ物資をわざわざ運んで来るとは間抜けめ…」タッタッタ

ホムンクルス「出番は無さそうですね…」

女海賊「うん…私起きておくからホムちゃんも寝てて良いよ?」

ホムンクルス「いえ大丈夫です…それよりも…」

女海賊「んん?」

ホムンクルス「月へ衛星を落とす件ですが確率の計算が終わりました」

女海賊「お!!?いつやれる?」

ホムンクルス「今衛星を動かして月へ落下するのは7日後になります」

女海賊「結構掛かるね…そんな遠いのか」

ホムンクルス「真っ直ぐ行ければ20時間程なのですが推進力が足りない為一度スイングバイさせて月への落下起動に乗せます」

女海賊「ふ〜ん…よし!やっちゃおう!!」

ホムンクルス「承認…以後座標の取得は出来ませんのでご注意下さい」

女海賊「覚悟してるさ…これで魔物が出なくなる筈なんだ」

ホムンクルス「そうなると良いですね」


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262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:44:35.91 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ドタドタ


ローグ「頭ぁ!!これ見て下せぇ…」

女戦士「んん?航海日誌か…そうだ忘れてた」

ローグ「クラーケンを引き連れた謎の大型船ってどういう事でしょうね?」

女戦士「もう2週間前か…霧の中外海に出て行ったか…」

ローグ「オークが乗っている船だと思いやせんか?」

女戦士「うむ…スケッチから察するに奴隷船に使われていた船だな」

ローグ「やっぱ暁の使徒が連れて行かれた先はニライカナイっぽいでやんす」

女戦士「さてどうするか…長期航海になると思ってフィン・イッシュを拠点にと思って居たが…」

ローグ「船で外海の狭間行くのはちっと厳しくないすかね?」

女戦士「私もそう思う…延々ガーゴイルと戦う羽目になりそうだ」

ローグ「ここに船置いて飛空艇でちゃっちゃと行った方が良いじゃないすか?」

女戦士「行ける人数が限られるのがな…食料を乗せると4人くらいしか乗れんだろう」

ローグ「食料は姉さんの壺の中に入れれば8人乗れる筈でやんす…」

女戦士「オークと戦う事になった場合8人で十分だと思うか?」

ローグ「戦うんじゃ無くて未来君を帰して貰うでやんすよ」

女戦士「ふむ…まぁここが落ち着いたら妹と話してみる」

ローグ「そーっすね…一応この日誌を姉さんにも見せて来やすね?」

女戦士「荒立てん様に気を付けるのだぞ?」

ローグ「分かって居やす…隠しておくのは逆効果でやんす」

女戦士「うむ…行って来い」



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263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:45:21.68 ID:Xx1bIi7d0
『荷室』


スタスタ


女狐「…」キョロ

豪族「!!?お前…海賊王の娘とグルだったのか!!」ズリズリ

女狐「シィーーーッ…声が大きい」ヒソ

豪族「この野郎…」グググ

女狐「違う…勘違いしないで…潜入に成功しているの…私は髭男爵の弟に雇われている諜報員よ」

豪族「何?」

女狐「こんな事になってしまって居て私も驚いてる…髭男爵の弟は何処に?」

豪族「もう死に体だ…そこに転がってる手足の無いのがそうだ…舌も抜かれて話す事も出来ん」ヒソ

女狐「ええ!?そんな酷い事に…」タジ


髭男爵の弟「はぅぅぅ…はぅはぅ…」モゾモゾ


女狐「失った手足はキ・カイに行けばなんとか出来る…」

髭男爵の弟「…」グッタリ

豪族「お前は外と連絡出来るのか?」

女狐「理由を作ればなんとか…」

豪族「あいつ等は指示が無い限りこの船に来る事は無ぇ」

女狐「船は何処に?」

豪族「少し北に行った所にある川の上流だ…行けるか?」

女狐「一人で行って私の方が危ないわ」

豪族「ちぃ…何人か酒場に入り浸ってる筈だ…そいつらに話して何とかしろ」

女狐「それなら出来る」

豪族「海賊王の娘達は15人足らずだ…外に居る奴らが一気に来れば制圧出来る」

女狐「そうね…」

豪族「ただ魔術師が何処かに居るだろう?そいつだけお前が始末しろ…あとこの足枷を外す鍵を探して欲しい」

女狐「分かったわ…やってみるから大人しくしてて」スック

豪族「ようし…立場が逆になったら俺専属の奴隷にしてやる…グフフフ」


---懲りない男ね---

---そんな目的じゃ何も達成出来ないのに---
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:46:18.52 ID:Xx1bIi7d0
『船尾楼』


ガチャリ バタン


女狐「情報を仕入れて来たわ…他の4隻の船は指示が無い限りこの船には来ないそうよ」

女戦士「ほう?」

女狐「船は少し北にある川の上流に隠してるみたい…こちらに攻めさせる事も出来るけどどうする?」

女戦士「4隻一気に来られてはこちらも被害が出るな」

女狐「1隻づつとか器用な事が出来るかどうか分からない…」

女海賊「お姉ぇ…場所分かったんなら又妖精の笛で眠らせれば良くない?」

女戦士「その後どうするかだ…4隻一気に奪うのはさすがに人員不足…」

女海賊「ほんじゃ眠らせるのだけ私らがやって後はフィン・イッシュの軍隊にやって貰えば?」

女戦士「それもフィン・イッシュと豪族間で摩擦が起きる原因になる」

女海賊「う〜ん…この船で川は登れないしなぁ…」

女戦士「ただ指示が無い限りこちらに来ないのは好都合…アサシンと商人を呼んでくれ」


-------------


ガチャリ バタン


アサシン「どうした?作戦変更か?」

女戦士「どうやらスクーナーの豪族は指示が無い限りこのキャラック船には来んらしい」

商人「ハハ…それじゃもう戦闘は起きないね」

女戦士「うむ…それでだ?奴隷にした豪族をどうにかしたい…何か案は無いかと思ってな」

アサシン「女王に引き取って貰うか?」

女戦士「そんな事が出来るか?」

アサシン「海賊王の娘が捕らえた豪族を女王が金を払って身請けする事にするのだ…髭男爵の弟も一緒にな?」

商人「良いねぇ…恩を売る訳か」

アサシン「豪族はフィン・イッシュの経済を回している側面もある…利用価値はあるぞ」

女戦士「なるほど…私一人悪者になれば上手く回るか…よし!」

アサシン「どうする?」

女戦士「先ほど戻って来た小舟2隻に奴隷を乗せて女王に身請けして貰ってくれ」

アサシン「この船に残って居るドワーフを全員連れて行っても構わんか?…途中で逃げられてしまうかもしれん」

女戦士「そうだな…こうしよう…陸に居るドワーフの海賊と一旦合流してくれ」

商人「僕が案内出来るよ」

女戦士「そして豪族を身請けさせた後ドワーフの海賊全員でスクーナーを襲撃させろ」

アサシン「なに!?」

女戦士「私達はスクーナーに乗っている豪族を眠らせておく…そのままドワーフに襲撃させて4隻とも奪う」

アサシン「強引に奪うのだな…」

女戦士「刃を向けたのは向こうだ…きっちり報いを受けてもらう」ギラリ

商人「また鼻を削ぐのかい?」

女戦士「体の一部ならどこでも構わん…去勢でも良い…それが裏切りに対する海賊のルール」

商人「いやぁぁ怖い怖い…」

アサシン「フフそれでなければ荒くれ共をまとめられん…さぁ商人!!行くぞ」

商人「うん…」スタ

---------------
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:47:01.88 ID:Xx1bIi7d0
『小舟』


広範囲睡眠魔法! モクモクモク…


魔女「これで途中で暴れる事は無かろう…」

女戦士「では海賊共!!手筈通りに動け!!」

海賊共「がってん!!」ドスドス

アサシン「私と商人はドワーフの海賊と一緒に行動するぞ?」

女戦士「助かる…援護してやってくれ」

女狐「私も一緒に行くわ」タッタ スタ

女戦士「んん?どういうつもりだ?」

女狐「奴隷になった豪族達を女王に身請けさせたのは私が便宜を謀ったという事にしたいの」

女戦士「フフ…まだ2重スパイを続けるつもりか」

女狐「私の情報のお陰でこういう流れになったのよ?」

女戦士「分かった…お前が優秀だと言う事は認める…ただ下手に顔を晒してヘマをするな?」

女狐「当然…」

アサシン「では行って来る…スクーナーに乗っている連中をしっかり眠らせて置いてくれ」


---------------
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:47:48.53 ID:Xx1bIi7d0
『砲撃甲板』


スタスタ


女海賊「めちゃくちゃ広いなぁ…迷うわコレ…」

魔女「ふむふむ…退魔の方陣では欠けが出てしまうから呪符を貼って居るのじゃな…」キョロ

女海賊「このお札ってオークの呪術?」

魔女「シン・リーンにも昔呪術を研究して居った者が居る…恐らく黒の同胞になったのじゃろう」

女海賊「ほんじゃまだどっかで生きてるんだね」

魔女「そうじゃな…流れからして公爵と共に行動して居りそうじゃ」

女海賊「魔女はこの呪符ってやつ作れないん?」

魔女「作れるが手間が掛るであまりやらんのぅ…退魔のエンチャントの方が得意じゃ」

女海賊「まぁ同じようなもんか…」

魔女「呪符の方が効果が強い…じゃが紙じゃで耐久性に劣る」

女海賊「なるなる…」


ゴツン!


女海賊「あたっ!!大砲邪魔!!」ドカ

魔女「よそ見して歩くのは危ないぞよ?」

女海賊「この大砲デカいクセに飛ばないし無駄なんよ!!」

魔女「威圧にはなっとる様じゃが…」

女海賊「こんな大砲沢山乗ってても船に乗り込まれた時点で終わりだよ…大砲撃ってる奴なんか裸同然だから」

魔女「じゃから海賊は早い船を好むのじゃな」

女海賊「そそ…大砲なんか食らっても直ぐに沈まないから一気に乗り込む方が全然強い」

魔女「ではこの船はどう運用されるのじゃ?」

女海賊「どっしり構えて他の早い船に補給すんだよ…あとは休息?」

魔女「つまり早いスクーナーが主戦力なのじゃな?」

女海賊「海賊の戦い方はそんな感じ…海軍はこのクソでかい軍船沢山集めて包囲する感じで戦う」

魔女「なかなか奥が深いのぅ…」


----------------
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:48:31.45 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


ユラ〜リ ギシ


女海賊「あれ?お姉ぇは?」

ローグ「シィーーーッ…船尾楼の方で仮眠していやす…頭も全然寝て無いんでちっと休ませて下せぇ」

女海賊「情報屋とホムちゃんも寝てる?」

ローグ「へい…昼間の内は安全なんで寝れるのは今の内でやんす」

女海賊「やっぱ連日夜戦ってると皆キツイか…」

ローグ「豪族の動きが悪いのはそのせいもありそうっすね」

魔女「主らは仮眠せんでも良いのか?」

ローグ「あっしは大丈夫でやんす…姉さんは寝といた方が良いじゃないっすか?」

女海賊「眠いっちゃ眠いけど…そろそろスクーナー探しに行かないとヤバくね?」

ローグ「川の上流らしいんですぐ見つかりやすよ」

女海賊「どうすっかなぁ…妖精の笛だと音でバレそうだな」

魔女「わらわの睡眠魔法が良かろう」

女海賊「ちゃっっちゃと行って眠らせて来ようか?…効果時間ってどんなもん?」

魔女「個人差があるで何とも言えんのぅ…早くて2時間…良く眠った者は明日の朝まで寝るじゃろう」

女海賊「ほんじゃこうしよう…魔女の睡眠魔法で眠らせた後に私一人で笛吹きに行く」

魔女「ふむ…安全じゃな」

ローグ「あっしはどうしやす?」

女海賊「あんたはこの船守っててよ…起きてるのあんたしか居ないんだから」

ローグ「分かりやした…」

女海賊「魔女行こうか…」

魔女「うむ…」ノソリ

ローグ「ええと…幽霊船までロープを伝って行くんすが…」

魔女「なぬ!?」

女海賊「おけおけ…ここまで飛空艇持ってくるからちょい待ってて」スタタタ ピューー


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268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:49:15.01 ID:Xx1bIi7d0
『船尾楼』


ユラ〜リ ギシ


女戦士「…」ムクリ キョロ

情報屋「あら?お目覚め?」

女戦士「私はどれくらい寝て居た?」

情報屋「まだ昼過ぎね…もう少し休んでて良いのに」

女戦士「しまった…スクーナーを探しに行かねば…」

情報屋「それなら女海賊と魔女がもう行った様よ?」

女戦士「そうか…それなら良い」

情報屋「ローグは甲板で見張り…情報通り平和な様ね」

女戦士「ふぅぅ…仮眠とはいえ久しぶりに寝た気がする」

情報屋「ねぇ…この船の航海日誌読ませて貰ったんだけど…」

女戦士「んん?謎の船の事か?」

情報屋「それもあるけれど元々この船もハウ・アイ島へ向かう予定だったのよ」

女戦士「フフそうだったのか…行き遅れた訳だな」

情報屋「すごい数の船が向かった様よ?」

女戦士「朽ちた箱舟を探しにか?」

情報屋「私は興味ある…」

女戦士「海賊王の娘が行って仲間に入れるとは思わんな…向こうは古代兵装の準備もある様だし」

情報屋「そうね…」

女戦士「私達の目標は公爵とは違う…行き先はニライカナイ…そこが終着点に思う」

情報屋「幽霊船で行けると思う?」

女戦士「正直厳しい…この間も少し狭間に近付いただけでレイスが出ている」

情報屋「レイスはもう幽霊船に取り付け無いのでは?」

女戦士「ゴーストもワイトもまだ出て居ない…100日の闇の時はワイトが人に取り付いて病んで行ったらしい」

情報屋「アサシンの経験ね…」

女戦士「今は少しでも休息があるから何とかなる…全く休息が無いとなると話が変わる」

情報屋「どうしましょうね…」

女戦士「迷って居る…未だまともに生還した者が居ない…決死の覚悟が必要だ」


バシ バシバシ ドドドドン


女戦士「何事!!?」ガバ


--------------
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:50:07.39 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』


あたたたた…あたた


ローグ「頭ぁ!!フライフィッシュの大群でやんす…目に当たらん様に気を付けて下せぇ」ドタドタ

女戦士「魚?」

ローグ「こりゃ食い物に困らんすね…大漁でやんす」

情報屋「丁度お腹が空いて居たわ」

ローグ「新鮮なうちに焼いて食えばめちゃくちゃ美味いでやんす」

女戦士「急にフライフィッシュが飛んで来るのは近くに何か居る証拠だ」

ローグ「遠くでイルカがピョンピョン跳ねていやすが?」


ザブーーーン! バクリ


ローグ「うほーーーークジラも居やすね」

女戦士「さっきの夢はそういう事か…」

情報屋「え?夢で妖精を見た?」

女戦士「あまり覚えていないが誰かを迎えに行くと言って私は目が覚めた」


トゥルルル〜 トゥルルル〜


ホムンクルス「…」スタ

女戦士「犬笛…クジラを呼んで居るのか?」

ホムンクルス「これでお話が出来るのです」

女戦士「そうか…」

ローグ「頭ぁ!!フライフィッシュを焼いて食いやしょう…船尾楼に炉がありやしたよね」ビチビチ

女戦士「そうだな…新鮮なうちに少し食べるか」ツカツカ


--------------
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:50:40.55 ID:Xx1bIi7d0
『炉』


ジュゥゥゥ パチ


ローグ「串焼きの出来上がりっす…沢山あるんでどんどん食って下せぇ」

情報屋「おいしい!!」モグ

ローグ「生で食えやすぜ?切り身のオリーブオイル漬け…これが最高に美味いんす」ペロン モグ

女戦士「なかなかに贅沢な食べ方だ…」ハム モグ

ローグ「ホムンクルスさんも呼んできやすね」ダダ

情報屋「女戦士はあまり沢山食べないのね?」

女戦士「おかしいか?」モグ

情報屋「どうして体力があるのか不思議だなと…」

女戦士「あまり食べ過ぎると父のようになる」

情報屋「コントロールしているのね」

女戦士「そもそも少食だから苦では無い…気にするな」


ローグ「さささホムンクルスさんも串焼きを食って下せぇ…」スッ


ホムンクルス「はい…頂きます」ハム モグ

女戦士「クジラとは何か話せたのか?」

ホムンクルス「魔王島が浮上してしまったと…」

情報屋「ええ!!?それはどういう事?」

ホムンクルス「かつての魔王島が復活したのです…今で言うニライカナイですね」

情報屋「浮上…やっぱり海に沈んで居た…それが竜宮と言われた場所」

女戦士「魔王島と言われて聞捨てならんな…」

ホムンクルス「時の王の話では1700年前まではそこに有った様ですね…その後沈められた」

情報屋「クジラはその辺りの事何か知らないの?」

ホムンクルス「クジラは記憶を子孫に残す術がありませんので寿命の範囲でしか知らない様です」

情報屋「どのくらいの寿命?」

ホムンクルス「長く生きたクジラで1000年ほど…しかしその個体は既に死んで居ます」

女戦士「もしかしてそのクジラと言うのが…」

ホムンクルス「はい…飛空艇に生まれ変わったクジラですね…私の友達でした」

情報屋「犬笛でどの程度の会話が?」

ホムンクルス「単語で200種類程…言語能力は人間でいう6歳くらいの子供と同程度です」

情報屋「じゃぁ詳しい話は聞き出せそうに無いわね」

ホムンクルス「クジラは住処が無くなってしまって困っている様です」

女戦士「私達にどうにかしろと?」

ホムンクルス「それはお願いされていません…ただ行き場を失って居るのです」

情報屋「クジラにニライカナイまで案内させてみては?」

女戦士「ふむ…クジラが先導するのであれば帰って来られる可能性も高いな」

ホムンクルス「お願いしてみましょうか?」

女戦士「話してみてくれ」


-------------
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:51:16.74 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』


フワフワ


女海賊「おーーーい!!」

ローグ「姉さん!!どうっすか?上手く行きやしたか?」

女海賊「魔女が寝ちゃったんだよ…ちっとロープ降ろすから迎えに来て」シュルシュル

ローグ「どういう事っすか…」ヨジヨジ

女海賊「私の笛の音が聞こえちゃったのさ…」

ローグ「そら予定外っすね…」

女海賊「私魔女抱えてこのまま降りるからさ…あんたが飛空艇隠して来て」

ローグ「分かりやした…操舵交代しやす」

女海賊「ほんじゃ降りるね…あと頼んだ」シュルシュル スタ


-------------


『甲板』


ドタドタ


女戦士「どうだ?スクーナーの方は?」

女海賊「あいつ等仲間割れして半分くらいお宝持ってどっか逃げたっぽい」

女戦士「フフ負けが込むといつもそうだ…残りは眠ったな?」

女海賊「うん…多分全員眠ったと思う」

女戦士「よしこれでスクーナーを全部奪える」

女海賊「結構砲弾に当たって傷んでてさ…ドワーフの船大工に修理させた方が良いね」

女戦士「こちらまで来れそうか?」

女海賊「ギリ?」

女戦士「修理しながら戻って来るとなると厳しそうか…」

女海賊「切り揃えた木材がスクーナーに乗って無いのさ…もうあいつ等グチャグチャなんだよ」

女戦士「木材はどの位必要になる?」

女海賊「んん?スクーナーまで運ぶ?」

女戦士「うむ…貨物用の気球が遊んで居る」

女海賊「あーーー私壺持ってるわ…資材突っ込んで持って行こうか?」

女戦士「やってくれ…ローグを連れて行って構わん」

女海賊「おけおけ…もっかい私の飛空艇で行って来る」

女戦士「頼んだ…魔女頼むね〜」スタコラ ピューー


-------------
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:51:49.40 ID:Xx1bIi7d0
『日の入り』


ザブ〜ン ユラ〜


情報屋「そろそろガーゴイルが出て来る時間…飛空艇とスクーナーは大丈夫かしら…」

女戦士「もう豪族の脅威は無い…精鋭揃いなのだから何とかするだろう」

情報屋「私達も備えないと…」

女戦士「今晩はエクスカリバーを使えるからラク出来るぞ?」

情報屋「もうプラズマの銃を使っても?」

女戦士「良いだろう…」

情報屋「ホムンクルス!!引き続き犬笛を吹くのをお願いね」

ホムンクルス「はい…」


ボエーーーーーー ブシューーーーー


女戦士「飛空艇が潮を吹いたか…山手ではガーゴイルの出が早いのかも知れんな」

情報屋「向こうはもう始まって居るのね」



--------------



『スクーナー1隻目』


トンテンカン


海賊「応急処置はこれで終わりでがんす」

アサシン「こちらの船は死んだ豪族を使役して動かすから他のスクーナーへ応援に行ってくれ」

海賊「分かりやした…行くぞお前等!!」ドドド

商人「死体運んで来たよ…よっこら…」ドサリ

女狐「私も…」ドサ

商人「これ仲間割れ起こしてたのかな?」

アサシン「それしか考えられまい?」

女狐「他の死体も全部積む?普通の民間人の様だけれど…」

商人「ここで山賊まがいの事やってたんだね」

アサシン「豪族を掃討して正解だ…さて豪族以外の者を使役するのは心が痛むが…」

女狐「野ざらしにしておくのも悪いわ…せめて海葬に…」

商人「後でまとめて魔女に浄化してもらおう」

アサシン「分かった…死体は全部積んでくれ」

商人「うん…行って来る」スタ


--------------
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:52:26.16 ID:Xx1bIi7d0
『しばらく後』


よっこら!! ドサリ


商人「向こうの船が動き出した…修理が済んだみたいだ」

アサシン「少し時間が掛かったな…もうガーゴイルに襲われている」

商人「援護しないと…」

アサシン「分かっている…商人と女狐はまだ離岸して居ないスクーナに乗り込め」

商人「え?」

アサシン「私に使役されたいか?」

商人「あぁ…それは困る…」

アサシン「この船は私とゾンビ共だけでガーゴイルに襲われず自由に動けるのだ…その方が援護しやすい」

商人「分かった…女狐行こうか!!」

女狐「こっち!!」グイ


タッタッタ…


---------------



『スクーナー2隻目』


トンテンカン


商人「ふぅぅ間に合った…僕達もこの船に乗る」ダダ スタ

海賊「姉さんの飛空艇が空で援護してくれている間に移動するでごわす…帆を張れい!!」


がってん!! ドドドド…


商人「この船が最後尾になりそうだね」

海賊「商人さんが来てくれて助かったでごわす…例のプラズマ銃で守って下せぇ…」

商人「おけおけ…」チャキリ

女狐「私にも何か武器無い?」

海賊「残念ながらこの船には武器が乗って無いでごわす…これでも使って下せぇ」スッ

女狐「ミスリルの斧…」

海賊「レイス対策でごわす」

商人「そうだ!!退魔の処置はどうなってるんだ?」キョロ

海賊「無いと思って下せぇ…お札が見当たらんので…」

商人「まずいなソレは…」

海賊「俺らは全員ミスリルを装備しているでごわす…このまま強行突破しやすぜ」



ボエーーーーー ブシューーーーー


海賊「姉さんがガーゴイル追い払ってくれて居やすね…急ぐぞお前等ぁ!!」


へーい!! ドドドド…
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:53:09.67 ID:Xx1bIi7d0
『キャラック船』


ピカーーーー チュドーーーン


女戦士「始まったな…しかし遠くから見ると良く目立つ」

情報屋「何処に居るのかまるわかりね…」

女戦士「ふむ…鯨型飛空艇はあまり見えんのだな…」

情報屋「多分上空に上がれば狭間が深いから見えなくなるのかと…霧もあるし」

女戦士「こちらの位置も見せて置こう…」スラリ ピカーーーーー

情報屋「フフ眩しい…」


ピカーー ピカーー


女戦士「答えた…あそこにアサシンが居るのか」

情報屋「こっちも空でガーゴイルが舞ってる…」

女戦士「寄って来なければ落とさんでも良いぞ」


--------------

--------------

--------------
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:53:46.39 ID:Xx1bIi7d0
『翌朝_キャラック船甲板』


私達の完勝だ!!スクーナー4隻は功績の高い者に与える事とする

奪った財宝は均等配分!!これを使いそれぞれ船員を募集して来い


女海賊「やったね!!このキャラック船に乗ってた分も均等だよね?」

女戦士「当然だ…」

女海賊「ヤッバ!!めっちゃあるじゃん!!」

アサシン「キャラック船は私が頂くぞ?」

女戦士「フフ海賊には不要の船…好きにしろ」

女狐「配分は当然私にも?」

女戦士「勿論だ…お前の情報が決定的に完勝に導いた…どうだ?満足か?」

女狐「初めてまともに報酬を得たわ…」


ノソノソ


魔女「騒がしいと思うたら朝が来てしもうた様じゃ…ふむ…無事に4隻手に入れた様じゃな」

女海賊「あーー魔女ゴメンよ!!妖精の笛に巻き込んじゃってさ…」

魔女「構わぬ…良い夢を見れたわい」ノビー

女戦士「さて…今後の事を伝えて置く」


スクーナー2隻は商船としてフィン・イッシュと地庄炉村の交易をしろ

残りの2隻はフィン・イッシュ近海で女王の下外海の治安維持だ

尚海賊旗は立てるな…その役は幽霊船が引き受ける


アサシン「私のキャラック船はフィン・イッシュ近海で固定砲台か?」

女戦士「当面は幽霊船への補給役でどうか?」

アサシン「なるほど…移動する海士島みたいな船か…それも良い」

女海賊「お姉ぇ!!ドワーフがみんなスクーナーに乗っちゃったら幽霊船誰が動かすん?」

女戦士「幽霊船には私の従士2人とゾンビ共が乗る…ちなみにアサシンもだ」

アサシン「ふむ…ではキャラック船を誰かに任せねばな…」

女狐「私でどう?貴族や豪族側という立ち回りも出来る…」

アサシン「奪われるなよ?」

女狐「フィン・イッシュ軍隊の一部を回して欲しい」

アサシン「なるほど…そちら側も取り入りたいか」

女戦士「話は決まったな?取り急ぎスクーナー一隻を大至急商船に偽装して陸へ行くのだ…停滞している補給を急がせろ」

海賊共「がってん!!」ドタドタ


---------------
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:54:22.88 ID:Xx1bIi7d0
『商船』


トンテンカン ギコギコ


女海賊「商人は銀の釘打って退魔の方陣作って行って」トントン

商人「はいはい…」トントン

女海賊「やっぱ銀で装飾したら結構良い感じになるじゃん…」トンテンカン

ホムンクルス「染料をお持ちしました…」スタスタ

女海賊「おぉ待ってたのさ…それで一気に雰囲気変わる」

海賊「姉さん!!俺が塗っていくでがんす」

女海賊「おけおけ…補修した所がバレない様に上手く隠して」

海賊「へい!!」ドスドス

商人「バレないって?」

女海賊「逃げた豪族が居るじゃん?そいつらに豪族が使ってた船だってバレたく無いじゃん」

商人「う〜ん…なんか速攻バレる気がするけどねぇ…」

女海賊「あいつらバカだから船の色が違うと気付かないよ」

商人「そうなんだ?」

女海賊「てか昨日今日でガラリと変わってるなんて思わないさ」

商人「まぁそうだね…やっぱりドワーフが物作ると速攻終わるんだね」

女海賊「おーーし!!装飾終わり!!…スクーナーだったら私も欲しいなぁ…」

海賊「姉さん!!これは俺の船なんで…」ヌリヌリ

女海賊「これ商船にするんだからもう大砲要らなくね?」

海賊「いやいやそれは困るでがんす…姉さんの迫撃砲を真似て改造するでがんす」

女海賊「あぁそう言う事か…おけおけ頑張って!!」

海賊「へい!!」ヌリヌリ



---------------
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/11/16(水) 20:54:59.71 ID:Xx1bIi7d0
『キャラック船_甲板』


ザブ〜ン ユラ〜


女狐「捕らえた奴隷の身請けは私が行って来る…」

女戦士「ふむ…では又数名護衛でドワーフの海賊を付ける」

ローグ「頭ぁ!!奴隷全員商船の方に乗りやしたぜ?」

女戦士「女狐!!商船に乗るのだ」

女狐「分かったわ…」スタ

ローグ「あっしは気球で先に魔女さんと商人さん乗せて行きやすぜ?」

女戦士「うむ…今晩は宿に泊まりたい…用意しておくのだ」

ローグ「へい!!」

女戦士「商船を陸に向けて移動させろぉ!!」

海賊共「がってん!!」グイ


バサバサ ユラ〜


アサシン「よし…これでドワーフは全員陸に移動したな?」

女戦士「うむ…あとは私達が飛空艇で移動すればこちらに残るのはゾンビとアサシンだけだ」

アサシン「残りの船に退魔の方陣を張るのは終わらせていくのだぞ?」

女戦士「今妹がやっている…直に戻るだろう」

アサシン「さて…今晩は私一人ゆっくり妖精と話が出来そうだ」

女戦士「不死者だけだと気楽で良いな?」

アサシン「これを見られるとこの船も幽霊船と思われてしまうな?クックック…」

女戦士「ゾンビは幽霊船に乗せ換えて居た方が良いのだが…」

アサシン「んん?」

女戦士「ドワーフの海賊共が船の乗員を集めるのだ…こちらに寄る可能性が有る」

アサシン「なるほど…では移動させておこう…船をリリースさせるぞ?」

女戦士「構わん…」

アサシン「さて…沖で大型の船が集まっているのをフィン・イッシュではどう見えるか…」

女戦士「その反応も直接聞いて来るつもりだ」

アサシン「酒場にも行くつもりか?」

女戦士「私は飲まんが…顔を出してみても良いな」

アサシン「クックック…入り浸っている豪族の残党がどんな顔をするか…」

女戦士「まぁ…命を狙われるのがオチだが…既に向こうは散りぢりになっているだろう…取るに足らん」

アサシン「あまり街では荒らげるな?女王が困る」

女戦士「分かっている…」



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