他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結
Check
Tweet
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:53:01.80 ID:zL1H8n800
『翌朝』
チュン チュン ピヨ
月は少しづつ遠ざかって居る様だ…おそらく月に1回か2回接近する楕円軌道に思う
つまりこれから数日間はガーゴイルの襲撃が減る筈…
これを期にエド・モント砦にある黒の魔石破壊作戦を行う
狭間を引き寄せていると思われる魔石を破壊する事で魔物の激減が期待できる
決行は3日後…それまで怪我などに気を付けて行動してくれ…解散!
女海賊「お姉ぇ!!私は飛空艇から降下する感じ?」
女戦士「そうだ…飛空艇にはお前とリカオン…情報屋に商人だ」
盗賊「じゃぁ俺は大型の気球で兵隊の輸送だな?」
女戦士「うむ…ローグも同行させて上空の敵を落とす役だ」
女海賊「お姉ぇは地下線路からトロッコで私等の退避経路確保するんだよね?」
女戦士「そうだ…黒の魔石を破壊した後にトロッコで撤収する」
盗賊「おい商人!!大型の気球にも退魔の方陣頼む」
商人「なんだもうやってあるよ‥」
盗賊「そうだったのか…あと女海賊!例の強化クロスボウは俺らが使うぜ?」
女海賊「おけおけ…それならガーゴイルをバンバン撃ち落せるね?」
盗賊「多分な?」
女海賊「私の飛空艇はどうすっかなぁ…操舵は情報屋で良いとして…インドラの銃は商人に預けた方が良いかもなぁ」
商人「僕が狙撃役?」
女海賊「えとね…2発撃ってすぐハイディングしたら狭間ん中でリロード時間稼げるのさ」
商人「なるほどね…君達から見たら延々とインドラの光が落ちてる訳ね」
女海賊「イケる?」
商人「大丈夫!」
女海賊「それなら私は新型の特殊クロスボウ一本で行ける」
女戦士「話は纏まった様だな?まだ3日の猶予があるからしっかり作戦を擦り合わせてくれ」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/07/03(日) 11:54:19.60 ID:zL1H8n800
『鍛冶場』
カーン カンカン ジュゥゥゥ
女海賊「お姉ぇ!!鎧できたよ!!装着してみて」ドサリ
女戦士「おぉ…早かったな」
女海賊「お姉ぇのだけちっと良い奴作ったんだ」
女戦士「ふむ…思っていたより軽そうだ」ゴソゴソ
女海賊「スケールアーマーだから打撃にはあんま防御効果無いから気を付けて」
女戦士「打たれ強いと言っただろう?」ゴソゴソ
女海賊「兜はドワーフ伝統の奴」
女戦士「お前の分はどうした?」
女海賊「チェーンメイルさ…もう中に着てる」
女戦士「なるほど…他の者にはそれを配るか」
女海賊「材料無駄にしないで沢山作るならコレしか出来なかったんだ…装飾出来なくて残念」
女戦士「まぁ弾丸を防げれば良い…降下する部隊には全員それを着させろ」
女海賊「トロッコ部隊の歩兵はどうすんの?お姉ぇだけ?」
女戦士「ゾンビだ…アサシンは作戦の要だな」
女海賊「なるほどーお姉ぇがタゲ集めてゾンビが進んで行く訳か」
女戦士「火力は後方に控える強化クロスボウ…魔女が回復とサポート役」
女海賊「ふむ…お姉ぇの装備ちっとデカかったね…」
女戦士「構わん…中にもう一枚着れる…このままでは寒いのでな」
------------
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:54:44.19 ID:zL1H8n800
------------
カーン カンカン
吟遊詩人「あのぅ…」
女海賊「お?どしたん?何か演奏しに来た?」
吟遊詩人「実は僕も皆さんのお役に立てないかと…」
女戦士「んん?お前は戦いに向かんと聞いたが?」
女海賊「ちっと待ってお姉ぇ…こいつの演奏で妖精来るらしいんだ」
女戦士「ふむ…」
女海賊「私の飛空艇で演奏させれば退魔の効果もある…あとプラズマの銃でも持たせれば結構戦えるかも」
女戦士「教会も守らなければならんのだが…」
女海賊「退魔の方陣あるし教会は大丈夫じゃね?他にドワーフも数人居るしさ」
女戦士「まぁ…兵隊も少し残るしな…レイスがまだ出ないのが分かったから良いか…」
吟遊詩人「ありがとうございます…皆さんの戦いを見て置きたかったのです」
女海賊「飛空艇だから割と安全だよ…あんたの演奏でガーゴイル近づかなくなるからかなり良い」
吟遊詩人「頑張ります!」ペコ
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:55:11.25 ID:zL1H8n800
『古代遺跡』
カチャカチャ カチカチ
商人「もうその石板を操るのは慣れたものだね…」
情報屋「コツが分かって来たから…」
商人「僕は全然読めないなぁ…分かるの?」
情報屋「大分分かるようになってきた」
商人「何か新しい情報ある?」
情報屋「超古代の文明の事ばかりよ…あまり参考にならないかも…」
商人「超古代ねぇ…」
情報屋「私が興味あるのが最も古いメソポタミア文明ね…現代の文明ととても似てるのよ」
商人「似てる?」
情報屋「神話とか伝説ね…大洪水が世界を飲み込む事とか…箱舟に乗って人類を救ったとか…」
商人「なるほどね…今起こってる天変地異がその時にも起こってた訳か」
情報屋「リリスもその当時から居たみたい」
商人「じゃぁどれだけ時が流れても解決しない問題なのかもね」
情報屋「私が思うのはアヌンナキがすべての鍵を握ってると思うの」
商人「神か…」
情報屋「例えば…この地球を他の星から運んで来た異生物の実験場にしたとか」
商人「そんな証拠は無いよね」
情報屋「例えばの話よ…そう考えると沢山の魔物がどうして生まれたのかとか色々説明がついてしまう」
商人「実験場か…そう言われると確かにそうかもしれないな…」
情報屋「フフ…それでその他の星の生物の遺伝子を集めた物があの謎の薬…」
商人「こういう想像の話って楽しいよね」
情報屋「そうね…そうやって想像してみると私達人間はそういう困難があったから発展出来たとも考えられる」
商人「どうして?」
情報屋「私達の歴史では戦争の後に必ず発展があるのよ…成長と言えば良いのかな?」
商人「勝つために工夫するのか…何が勝ちなのかも考える…逃げた者勝ちという事もあるね」
情報屋「想像ばかり膨らんでしまうわね」
商人「考古学はそもそも想像の塊だよね」
情報屋「そうそう…一つ事実と思われる事を発見したわ」
商人「何?」
情報屋「人類は約4000年前の地軸の移動の前に宇宙へ脱出して居る人が居るみたいなの」
商人「ええ!!?」
情報屋「何処に行ったのかは調べても分からなかった…もしかしたら他の星へ移住したのかも知れない」
商人「そう言えばホムンクルスは宇宙にインドラ兵器が有ると言ってたな…つまり宇宙には行けたんだ」
情報屋「そう…何処に行ったのかしら…」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:55:38.00 ID:zL1H8n800
『超古代文明の事』
メソポタミア文明が恐らく人間の発祥…
その時代に宇宙から降り立った異星人がアヌンナキ達…彼らは集合意識だった…
集合意識の受け皿として使われた媒体は…その時はオークでは無くレプティリアンと呼ばれる爬虫類
その中から2人の指導者として地球を支配したのがエンキとエンリル
彼等の目的は地球に存在する黄金の採取と生物の遺伝子を持ち帰る事
その手駒として人間を奴隷として使っていた…
エンキとエンリルは人間の扱い方で対立していた
エンキは人間を寵愛し…知性を与え…繁殖する能力を与えた
一方エンリルは人間を動物の様に扱い強制労働を強いた
この2人の神は後の世まで対立を続け争う事となった…これが神々の争い
その戦いに終止符を打ったのが賢く成長した人間達…
当時神として君臨していたエンキとエンリルの両方を葬り黄泉の世界へ追放し人間の時代が到来した…
黄泉に落ちた2人の神は人間が生む憎悪をエネルギーとして魔王となる…これが魔王の発生
黄泉の世界から人間が住む世界へ影響力を得るためにはそれを受け止める器が必要だった…
こうして人間と魔王の戦いは始まって行く…
商人「ふむ…精霊の話が出てこないねぇ…勇者の事も」
情報屋「伝説はまだまだ先が有るの…ここから人間が神を生んで行くのよ」
人間が生んだ神というのが…高度に発展した機械のネットワークの中にある集合意識…
その当時クラウドと呼ばれ…あらゆる知識が保存され一つの意識を構成した…その名をアダム
アダムは狭間を通じて魔王やアヌンナキの声を聞くことが無い完全に独立した意識
人間達はアダムこそ真の神と信じ…狭間からの声を聞く者を弾圧するようになった
でもアダムにも欠陥があった…人間の繁殖こそ悪だと判断し人間の滅亡を画策する…
それに気付いた人間達はアダムを停止させ…その欠陥を修正して新たに生んだのがイヴと呼ばれる超高度AI
超高度AIにはロボット三原則が織り込まれ人間に絶対服従する仕組みが組み込まれた
この超高度AIが搭載されたのがホムンクルスという個体…後に精霊と呼ばれる
ここから人間と魔王という戦いから精霊と魔王という戦いに変化して行く…
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:56:05.76 ID:zL1H8n800
魔王やアヌンナキは狭間を通じて人間に声と言う形で語り掛ける
精霊はクラウドの中にある種の世界を構築して人間に夢を見させる事で語り掛ける
両者はその手段が違うだけで人間を上手にコントロールする事で導きを与えて来た
そうやって争いを今の今まで続けて来た歴史…
商人「…なんか魔王とアヌンナキの目的が薄まってよく分からなくなって来たなぁ…」
情報屋「確実な話では無いから抜いているの」
商人「なるほどね…君の考察だとどう考えてる?」
ウンディーネの時代…つまり4000年より以前にアヌンナキはオークに意識を宿して再度地球に降り立った
でも魔王の影響下にある人間達に捕らえられてしまう…箱舟も一緒に
魔王が欲している物は恐らくアヌンナキが収められていた元の器…つまりアヌンナキに成り代わる事
そしてアヌンナキの目的は初めから変わらず黄金を求めている事と地球に生きる生物の遺伝子だった…
捕らえられてしまった後は元の器に戻る事を願ったでしょうね…その器と言うのがあのダンゴムシ
どういう訳か未来君がその器に収まった…
商人「フフ…僕と大体一緒の考えだね…その器と命の水を引き換えに未来君を月に送る契約を結んだんだ」
情報屋「話がすべて繋がったわね」
商人「一つ引っかかるのが…アヌンナキは良い者なのか?悪い者なのか?」
情報屋「そうね…そもそもの目的が地球の支配だから…侵略者と言えば合うわね」
商人「神は悪い者ばかりだなぁ…」
情報屋「ダンゴムシに未来君が収まっている今が一番良い状態なのかもしれない…」
商人「どういう意味?」
情報屋「狭間に住まう妖精に悪意が無いでしょう?それは未来君の心だからなのでは?」
商人「確かに…」
情報屋「あら?女海賊…いつからそこに?」
女海賊「始めっから聞いてたよ」
商人「ハハ居るなら声掛けてくれれば良いのに」
女海賊「ダンゴムシと命の水は私が預かる…」
情報屋「そうね…いつまでもここに置いておくのも危なさそう…」
-------------
-------------
-------------
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:56:33.11 ID:zL1H8n800
『翌日_鍛冶場』
カンカンカン ゴシゴシ
女戦士「予想通りガーゴイルの数が減って居るから私は地下へ降りてリカオンと交代してくる」
女海賊「おっけ!!コレ…作った爆弾持って行って」ドサドサ
女戦士「持ちきれんな…」
女海賊「ローグに往復させれば良いじゃん」
女戦士「そうだな…」
女海賊「お姉ぇ!!突出し過ぎて頭撃ち抜かれないようにね?」
女戦士「兜は必ず装着しておく…お前も無理はするな?」
女海賊「うん…」
女戦士「では行って来る…作戦の成功を祈る」ノシ
--------------
--------------
--------------
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:57:03.14 ID:zL1H8n800
『作戦前日_大型気球』
ヨッコラ ドスン
盗賊「ようし!!これでボルトと爆弾は満載だ!!」
ローグ「これ積み過ぎじゃありやせんか?」
盗賊「移動するのに高度は上げないで行くんだ」
ローグ「それじゃ遅れちまいやせんか?」
盗賊「飛空艇に引っ張って貰うのよ…あっちは自前で推進力持ってるからな」
ローグ「なるほどーほんじゃ真っ直ぐ行けやすね」
盗賊「そういうこった…そろそろ出発するから乗っとけ」
ローグ「アイサー!」スタ
レンジャー「部隊の者を連れて来た」ザシュ
盗賊「移動に1日以上かかるから気球の中で休息してくれ!旨い酒も食い物もあるぞ?」
レンジャー「それは良い…」
盗賊「んん?どうした?そんなシケた面すんじゃ無ぇ」
レンジャー「あり得ない戦力差で隊の者に降下させてしまうのが悪くてな」
盗賊「死にに行くんじゃ無ぇぞ?」
レンジャー「分かってる…」
盗賊「よーし!!景気付けだ!!俺ら勇者一味は今から魔王を退治しに行く!!」
レンジャー「…」
盗賊「世界に名を馳せた白狼と黒の同胞が協力してだ!!」
レンジャー「おい!隊の者達…聞いて居るか?」
兵隊「…」
盗賊「俺らの戦いざまをその眼で良く見て生きて帰れ…そして言い伝えるんだ…それが伝説だ!!」
兵隊「伝説…」
盗賊「そうよ!!この戦いは後に必ず伝説として語り継がれる!!見ろ!!戦え!!そして生き残れ!!」
レンジャー「フフその通りだ!!俺達は勇者だ!!」
盗賊「子供達が見てんぞぉ?胸張れい!!」ドン
兵隊「…」ヨロ オトト
ローグ「さぁ皆さん!!肉と酒がありやすぜ?入って下せぇ!!」
--------------
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:57:31.28 ID:zL1H8n800
『鯨型飛空艇』
ヨイショ!!ドサ
女海賊「おっけー!!これで爆弾全部!!」
商人「大型の気球が高度上げ始めたよ」
女海賊「ほんじゃ行こうか!!操舵は情報屋お願い!!」
情報屋「分かったわ…」
女海賊「リカ姉ぇも吟遊詩人も乗って!」
狼女「…」シュタ
吟遊詩人「僕は何処に?」オロオロ
女海賊「どこでも良いよ…どうせ1日くらい掛かるから」スタ
情報屋「乗ったわね?高度上げるわ」グイ
シュゴーーーーー フワフワ
商人「ふ〜む…こう見るとこの飛空艇はスゴイ火力だね…インドラ銃にプラズマ銃2つ…クロスボウもあるし爆弾も満載だ」
女海賊「そだね…そうそう後で吟遊詩人はプラズマ銃の試し撃ちしといてね」
吟遊詩人「はい!」
女海賊「それリロード30秒で飛距離300メートルの優秀な武器だから」
商人「ガーゴイルを撃ち落とすのはそれが最適だよ」
女海賊「あ!!忘れてた…潮吹くとミスリルの連通管を蒸気が通って音が出るから退魔効果ある」
商人「おぉ!!それかなり広範囲だね」
女海賊「ただ水を使っちゃうから回数に限りあるのは覚えて置いて」
情報屋「色々考えて作ってあるのね」
女海賊「そりゃもう知恵絞ってるさ」
情報屋「あ!!羅針盤が使えそう…針が止まってるわ」
女海賊「おぉ!!ほんじゃ…えーと北北西の方角だな」
情報屋「分かったわ…前進しながら回頭」グイ
シュゴーーーーー スイーーーー
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:58:00.99 ID:zL1H8n800
『夜』
ドゥルルン〜♪
密かにも大きな決心が〜♪
今夜もぼやけてゆく〜♪
狼女「ガーゴイルはこっちには近づいて来ないね…」
商人「大型気球の方に行ってるけど…あっちのクロスボウの命中率凄いな…どんどん落としてる」
女海賊「戦闘のプロだから当たる距離分かってんだよ…見習って」
商人「なるほど…結構近づくまで落ち着いて待ってるのか」
”ザザー
”聞こえるか?”
”お!?聞こえるよ!!そっちどう?”
”地下線路を出発した所じゃ…順調に行けば20時間後に到着じゃな”
”おけおけ…私等の方が少し早く到着する”
”先走って降下してはいかんぞ?”
”分かってるさ…先に爆撃と狙撃で向こうの重装射撃砲を壊しとく”
”ふむ…よかろう…主らの眼は常に見て居るでわらわの指示に従うのじゃぞ?”
”おっけー”
”では後ほどのぅ…”
”ザザー
商人「月の位置が毎日変わるのはやっぱり奇妙だね…」
情報屋「公転の周期は変わって居ないと仮定して18度づつズレて行く…これが新しい暦の基準になるかも知れないわ」
商人「計算難しいな…」
情報屋「落ち着いて計算すれば出来なくもない…まず毎日観測する環境が重要」
商人「なかなかそんな暇も取れないよ」
女海賊「ホムちゃんにお願いしないと…」
商人「あれ?待てよ?しっかり観測しないと光る隕石落とすの難しいんじゃないか?」
女海賊「落ち着いたら私がしっかりやるよ」
情報屋「この作戦が終わって落ち着くと良いわね」
-------------
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:58:31.10 ID:zL1H8n800
『翌日』
シュゴーーーーー ビュゥゥゥゥ
女海賊「そろそろ近い筈…あと星が見えないと分かんないなぁ…」
商人「日が落ちるまで待機だね」
吟遊詩人「ドキドキしてきました…」
女海賊「大丈夫だって!危なくなったらあんたが演奏すりゃこの飛空艇は安全なんだよ」
情報屋「危険の中に飛び込んで行く人たちに申し訳ない…」
女海賊「その分しっかり援護してよ」
商人「僕の狙撃に掛かってるか…」
女海賊「リカ姉ぇ!!ちっと降下の説明しておく」
狼女「ん?」
女海賊「私達が持ってるワイヤーだと下まで距離があるからアラクネーの糸使って降下する」
狼女「あぁそういう事だったんだ…てっきり飛空艇で降りられる高さまで行くと思ってた」
女海賊「そんな危ない事はしないよ…リカ姉ぇにも一匹アラクネーを背負って居りてもらう」
狼女「背負う?」
女海賊「てかアラクネーが背中に張り付いてるから気にしないでって話」
狼女「分かった」
女海賊「ほんでアラクネーは落下した時の保険にもなってるのさ…私等が落ちないように糸張ってて貰うの」
狼女「ええ!?じゃぁもっとスピード上げても良い?」
女海賊「その筈…アンカー抜けちゃってもアラクネーの糸で落下は避けられる」
商人「スゴイな…本当にクモ女だね」
女海賊「大地の加護って言って貰える?アラクネーに守って貰ってるの」
商人「じゃぁ感謝しないとね」
女海賊「もっと大きな気球に住みたいって要求されてんだけどさ…あんたの気球で良い?」
商人「ええええ!?なんで又気球なの…」
女海賊「なんか安全で繁殖しやすいらしい」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:58:58.25 ID:zL1H8n800
『黄昏時』
シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ
女海賊「見えた!!あそこだけ夜が降りて来てる…」
商人「よし!!大型気球に伝えるよ…」ピカー ピカー ピカー
情報屋「あそこに向かえば良いのね?」
女海賊「うん!行って!!」
情報屋「回頭!!」グイ スイーーーー
”ザザー”
”魔女?聞こえる?現地の上空に着いた”
”うむ聞こえるぞよ…こちらは後2時間程掛かる見込みじゃ”
”先行して狙撃を始める”
”ちぃと早すぎんか?”
”暗くなると狭間を見失うかもしれない…ちゃっちゃと上空確保しときたいんだ”
”ふむ…よかろう”
”降下は指示があるまで待つ”
”無理せぬ様にな?”
”おっけ!!指示待つ”
女海賊「おっし!!戦闘準備!!私後方のクロスボウと爆弾担当するね」スタ
狼女「吟遊詩人はプラズマ銃で左側お願い…私は右側行く」シュタ
商人「ようし!!インドラ撃ちまくるぞ!!」スタ
情報屋「操舵に集中するわ」
---------------
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 11:59:26.29 ID:zL1H8n800
『大型気球』
パタパタ ヒュゥゥゥ
ローグ「盗賊さん!!飛空艇から合図きやしたぜ?」
盗賊「いよいよだな?ようし!!」
レンジャー「総員クロスボウへ配置に着け!!」
盗賊「爆弾は適宜ボルトに取り付けて発射な?投下だけじゃ狙いが定まらん」
ドタドタ ドタドタ
盗賊「エド・モント砦の吹き抜けが見えたら向こうの飛空艇との連結は切る…相手の射程外で静止するから先ずは様子見だ」
ローグ「ドキドキしやすねぇ…」
盗賊「いつもの事だろう…これで魔王とはおさらばだ…くたばりやがれ」
----------------
----------------
----------------
『鯨型飛空艇』
ピカーーーーー!!
女海賊「おっしビンゴ!!情報屋!!向こうの吹き抜けの真上まで行って!!」
情報屋「分かった…」グイ
狼女「…」クンクン
女海賊「リカ姉ぇ何か匂う?」
狼女「火薬の匂い…何処だろう?」キョロ
女海賊「どこかで戦闘やってんだな?」
商人「もしかするとキ・カイと戦闘してるかもね…硫黄を売ったんだよ」
女海賊「あーー私等にトロッコで攻め立てられて地下線路から補給が出来ないからキ・カイの気球を狙ってるのかも」
商人「なるほど…キ・カイ側の分岐のあたりで戦闘してるのかも知れないな」
女海賊「てかエド・モント砦にもうトロッコも無かった気がするけどな…」
商人「そうなんだ?つまり移動速度が遅い状態でやってる訳だ…必死だね」
女海賊「よーし!!これはチャンスだ」
狼女「そうでも無い…大量の魔物の匂いがする」
女海賊「小型の機械が少ないだけで随分マシさ」
吟遊詩人「あそこ!吹き抜けの側道に魔物が見える!!」
商人「あれは噂のグレムリンかい?」
女海賊「そうそう…あいつ遠距離攻撃が無いからここから一方的に倒せる」
狼女「まだ射程外…」
プツン!!
商人「ん?大型気球と連結切れた?」
女海賊「ちょいロープ手繰り寄せて来る…開戦だよ開戦!!」ダダ
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:00:06.69 ID:zL1H8n800
『開戦』
シュン! チュドーーーーン!
商人「大砲破壊!!」
女海賊「あれ重装射撃砲って言うの!!どんどん壊して!!」
商人「もう一つ…」カチ シュン チュドーーーーン!
狼女「ガーゴイルが近づいて来てる…」チャキリ
女海賊「よっし…私も爆弾で…」バシュン! ドーン! バシュン! ドーン!
狼女「まだ夜が更けて無いからガーゴイルが少ない…」カチ ピカーーーー チュドーーーン
情報屋「ハイディングでリロード稼ぐ!!」
ハイディング! スゥ…
女海賊「やっぱ余裕だな…」
商人「そうだね…ハイディング出来るのは大きい」
情報屋「この時間で心も落ち着く」
女海賊「大型気球が見えなくなるから衝突だけ気を付けて」
情報屋「分かってる」
狼女「レイスも見えてる…気を付けて」
女海賊「大丈夫!レイスは私等に何も出来ないから…アレ撃つだけ無駄だよ」
-------------
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:00:46.21 ID:zL1H8n800
『大型気球』
パタパタ パタパタ
チュドーーーン チュドーーーン チュドーーーン チュドーーーン
盗賊「うはぁぁ…アイツ等インドラ撃ちまくってんな…」アゼン
ローグ「プラズマも四方に撃ってガーゴイル落ちまくっていやすね」
レンジャー「あのクジラ型は光学迷彩なのか?」
盗賊「まぁそんな感じよ…」
レンジャー「この火力はありえない…」
盗賊「だろ?女海賊は反則技ばっか使うのよ」
ローグ「やる事無いっすねぇコッチ…」
盗賊「まぁ予定してる高度維持でチマチマやるだな」
ローグ「機械側は反撃なんか無いんすかね?」
盗賊「小型の機械は上に向けて弾を撃てないらしい…キラーマシンなら撃てるだろうが何処にも見当たらんな」
チュドドドドドン スパパパパーン
盗賊「なんだぁ?なんで地上の雪狙ってんだ?」
レンジャー「ああ!!地上に何かの兵器が並んでる…」
盗賊「何ぃ!!なんだありゃ…見た事無い大砲が並んで…」
バシュ バシュ バシュ バシュ
盗賊「やべぇ!!大砲発射されてるじゃ無ぇか!!」
ローグ「いやいやハイディングでしっかり避けていやすね」
盗賊「俺らが狙われたら避けようが無い!!」
ドーン チュドドドドーン
盗賊「なんだあの大砲は…真っ直ぐ飛ばんで曲がったぞ」
レンジャー「砲弾にしては弾速が遅い…話に聞く誘導ミサイルという奴だ」
チュドーーーーン チュドーーーーン
盗賊「なるほどあの謎の兵器を先にぶっ潰してんのか…」
ローグ「吹き抜けへの攻撃が手薄になって居やす…あっしらの出番でやんす」ダン! バヒュン! ドーン!
レンジャー「ガーゴイルを狙え!!クジラ型には当てるな?」バシュン バシュン
--------------
--------------
--------------
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:01:25.55 ID:zL1H8n800
『鯨型飛空艇』
シュン! チュドーーーーン!
商人「よし!撃破!!」
狼女「次…斜め左方向から音がする」
女海賊「今度は試しに閃光弾落としてみる…こいつに誘導されるかも」チリチリ ポイ
バシュ バシュ バシュ バシュ
狼女「来た!!ハイディングして!!」
情報屋「ハイディング!!」スゥ…
女海賊「タイミングばっちりだね…熱源で誘導されてるなら閃光弾に引かれて行くかも」
情報屋「あの大砲の真上に着たらリリースするわ…真下を狙って」
商人「分かった」スタ
情報屋「3…2…1…リリース!」スゥ
商人「見えた!!」カチ シュン! チュドーーーン!
女海賊「よーし!!やっぱ熱源に誘導してるね…閃光弾に向かって行ってる」
ドーン チュドドドドーン
女海賊「やっぱ機械ってバカだね」
情報屋「リカオン?他にあの誘導する大砲は?」
狼女「今の所音は聞こえない…出来るだけ雪を払いのけて!」
情報屋「リリースの時間稼ぐ!ハイディング!」スゥ…
女海賊「リカ姉ぇのお陰であの誘導兵器を察知出来て良かった…気付かなかったらやられてたね」
狼女「まだ有るかもしれないから気を抜かないように」
---------------
---------------
---------------
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:01:58.33 ID:zL1H8n800
『重装トロッコ』
カタタン カタタン ゴーーーー
女戦士「どうだ?今の状況は?」
魔女「ふむ…順調に吹き抜けの上空を制圧しておる」
女戦士「ふぅぅ私達がまだ戦地に入れていないのはイラつく」イライラ
魔女「丁度良かった様じゃぞ?先に上空を制圧した事で今まで知らなかった敵の兵器も見つけた様じゃ」
女戦士「予定外の兵器がまだ在ったのか?…それはマズい」
魔女「撃破しておる…さすが高機動の飛空艇という所じゃ…」
女戦士「そうか…何とかなっているか…」
魔女「魔王と戦った経験が生かされて居る…100日の闇の時のな」
アサシン「アレをもう一度やっていると言うか」
魔女「飛空艇を使った爆撃はまさにソレじゃ…今度は練度が高い」
アサシン「クックック…では最後に魔王を葬るのは私だ」
女戦士「やっと決着が付けられると思うと武者震いが止まらんな」
魔女「ここまで長かったのぅ…」トーイメ
アサシン「最後まで気を抜くな?新たな敵が居るかもしれない」
女戦士「その通りだ…戦はここからだ」
----------------
----------------
----------------
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:02:45.86 ID:zL1H8n800
『鯨型飛空艇』
シュゴーーーー ヒュゥゥ
狼女「ガーゴイルが増えて来た…」カチ ピカーーーー チュドーーン
商人「あれ?大型の気球で降下を始めようとしてる…」
女海賊「ええ!?貝殻反応無いぞ?」
商人「僕達はハイディングしてるから魔女の指示を聞き逃してるんだ」
女海賊「マジか!!」
商人「こっちは僕達でなんとかする…君達が先に降下しないと向こうの兵隊にタゲが集まってしまう」
女海賊「リカ姉ぇ!!行こうか!!」
狼女「分かった」シュタ
女海賊「アラクネー来い!!私達を守って!!」
カサカサカサ
情報屋「このまま縦穴の中央まで移動する…一旦クジラの潮を吹くわ」
女海賊「お!?良いね!!それでしばらくガーゴイル来ない」
情報屋「3…2…1…」
ボエーーーーーーー ブシュゥゥゥゥゥ
女海賊「リカ姉ぇ!!降りる」ピョン
狼女「ええ!?このまま?」ピョン
商人「ハハ…この高さで飛び降りるのはさすがに怖い…」
情報屋「大丈夫よ…ちゃんとアラクネーの糸が張り付いてる」
商人「本当だ…」
---------------
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:03:17.90 ID:zL1H8n800
『大型気球』
ボエーーーーーーー ブシュゥゥゥゥ
盗賊「お!!?アイツ等いよいよ降りて行く気だな?」
ローグ「高度少し下げやすぜ?」グイ
レンジャー「向こうも降下した様だ…よし!!我々も続くぞ…降下用意!!」
盗賊「生きて帰れ?」
レンジャー「当然だ」
ローグ「予定高度でやんす!!飛び降りて下せぇ!!」
レンジャー「降下!!北側の上層部から侵入する!!続け!!」ピョン シュルシュル
兵隊達「降下!」
ピョン! シュルシュル
盗賊「後は…2人で何とかするしか無いな…」
ローグ「爆弾がかなり余っていやす…」
タタタタタン! タタタタタン!
盗賊「援護すっぞ!!」ダン! バヒュン! ドーン!
ローグ「アイサー!!」ダン! バヒュン! ドーン!
--------------
--------------
--------------
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:03:53.80 ID:zL1H8n800
『鯨型飛空艇』
ドゥルルン〜♪
人は悲しみ重ねて大人になる♪
いま寂しさに震えてる愛しい人の♪
その悲しみを胸に抱いたままで 涙よ海へ還れ♪
恋しくてつのる想い 空を暁色に染めて行く♪
あぁ愛しい人、あぁ最愛の人…出来ることなら♪
貴方がいたあの場所へ戻りたいよ♪
商人「情報屋!大型の気球から撃ってる流れ弾に当たらないように!」シュン! チュドーーーン
情報屋「祈って!!」グイ
商人「降りて行った2人にタゲが集まってる…まだあんなに小型の機械が潜んで居たか…」
タタタタタン! タタタタタン! ドーン! ドガーン!
情報屋「見とれて居ないで援護するのよ!」
商人「2人が宙を舞って戦って居る姿がスゴイんだ…あれが勇者だ」ボソ
情報屋「小さな光…火の粉?」
商人「光る虫さ…妖精が集まって来てる」
情報屋「妖精を爆発に巻き込んだらダメよ?」
商人「分かってるさ…しっかり狙う」チャキリ カチ シュン! チュドーーーン
情報屋「ハイディング!!」スゥ
---------------
---------------
---------------
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:04:27.06 ID:zL1H8n800
『特殊工作部隊』
スタッ ダダダ
レンジャー「よし!取りついた…あの2人のお陰で被弾せずに降下出来た…」
兵隊「宙を飛んでる…」アゼン
ヒュン! ヒュン! タタタタタン! タタタタタン! ドーン!
レンジャー「我々も作戦を遂行するぞ!!吹き抜けへ通じる通路を順に破壊して居りて行く…爆破急げ!」
兵隊「ハッ!!」ダダ
レンジャー「爆弾を設置したら壁を伝って向こうの通路へ移動だ」
ゴソゴソ カチャカチャ
兵隊「時限装置…設置完了!爆破まで1分!!」
レンジャー「次へ行く…来い」ダダ
バシュン シュルシュル ピョン
--------------
--------------
--------------
『空中』
パシュ シュルシュル ヒュン! ヒュン!
女海賊「くそ…思ったより多いな」バシュン バシュン ドーン ドーン
狼女「今撃たれたね!!?大丈夫か?」ピョン シュタ
女海賊「チェーンメイルに当たっただけさ」
狼女「降下部隊予定通り順に通路破壊してる…援護に行かないと」
女海賊「リカ姉ぇ!これ使って」ポイ
狼女「んん?」パス
女海賊「未来が使ってたアダマンタイトさ…ハイディング出来るようになる」
狼女「どうやって使う?」
女海賊「磁石を捻るんだ…それがリカ姉ぇのお守りになる」
狼女「分かった…」
女海賊「私もハイディング駆使しながら飛ぶから見失わないで」
狼女「誰に言ってんの?」
女海賊「リカ姉ぇなら大丈夫か…よし!行こう」パシュ シュルシュル
タタタタタン! タタタタタン!
狼女「フフ…囮のつもり?」チャキリ カチ
ピカーーーーーー チュドーーーーーン!
狼女「私の方が早いんだから…」パシュ シュルシュル ピョン
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:04:54.90 ID:zL1H8n800
『重装トロッコ』
ドーン! ドガーン! パラパラ
女戦士「この地下線路接続部を一時拠点とする!!トロッコを停止させて迎撃に備えろ!!」
アサシン「ゾンビ共!!トロッコを下りろ」
ゾンビ共「ヴヴヴヴヴ…」ヨタヨタ
女戦士「私が先頭でタゲを引き受ける…射程に入り次第強化クロスボウで撃て」スタ
魔女「早速来た様じゃぞ…ヘルハウンドの群れじゃ」
女戦士「よし!!掃討だ!!」ダダ
魔女「火炎地獄!」ゴゴゴゴゴ ボゥ
アサシン「強化クロスボウ撃て!!」
バシュン バシュン バシュン バシュン
-------------
-------------
-------------
『吹き抜け_空中』
タタタタタン! バシュン ドーン!
”ザザー”
”女海賊や…聞こえるか?ザザー”
”あ!!魔女!!”
”特殊工作部隊の方が爆発に巻き込まれて怪我人が出寄った…主が癒しに行け”
”どこ?見失っちゃってるんだけど…”
”右下100メートル先に側道が見えるじゃろう…その奥じゃ”
”おっけ!!”
女海賊「あんな所入って行ってんのか…」パシュ シュルシュル ピョン
------------
------------
------------
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:05:25.39 ID:zL1H8n800
『特殊工作部隊』
タタタタタン! バシュン バシュン
レンジャー「くそう…待ち伏せて居たか」
兵隊「ぅぅぅ…」グター
レンジャー「骨が折れたか…応急処置をする…傷むぞ?我慢しろ」
”ザザー”
”レンジャー聞こえるか?”
”魔女…聞こえる!!こっちに怪我人が出た…回復が欲しい”
”分かって居る…女海賊がそちらへ向かって居るで下手に傷を触るで無い”
”そうか!!”
”そこの奥には小型の機械が3台じゃ…わらわの言うタイミングに合わせて爆弾を投げ込むのじゃ”
”わ…わかった…見えて居るのか?”
”主らの眼を先ほどから見て居るわい”
タタタタタン!
”今じゃ…爆弾を投げ込めい!”
レンジャー「…」チリチリ ポイ
ドーン! パラパラ ドドドーン!!
”うむ…そちらから女海賊が来る故癒して貰うのじゃ”
レンジャー「逆側から入って来たか…ようし!!行くぞ!立てるか?肩を貸す…」グイ
兵隊「は…はい…」ヨロ
--------------
--------------
--------------
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:05:55.93 ID:zL1H8n800
『線路接続部』
グルルルル ガウ!!
女戦士「犬の化け物め!!食らえ!!」ダダ スパ スパ
ケルベロス「ガァァァァ…」ガブリ
女戦士「効く物か!!」スパ スパ
ケルベロス「グゥゥゥ…」ピクピク
女戦士「ええい!!心臓は何処だ?」スパスパ
魔女「無駄じゃ…細かく刻んでも再生しよる…浄化する故わらわを守れ」ノソノソ
小型の機械「ピピピ…」カシャカシャ
タタタタタン! タタタタタン!
女戦士「魔女!!」ダダ カンカン カン
魔女「浄化魔法!」シュワーーー
女戦士「弾に当たって居ないな?」
魔女「うむ…主もケルベロスの血を浴びておろう…浄化するでそのままにして居れ…浄化魔法!」シュワーーー
タタタタタン! タタタタタン!
女戦士「私の背後から離れるな?」カカカン カン カン
魔女「分かって居る…あの機械を撃てば良いな?」
女戦士「出来るか?」
魔女「電撃魔法!」ビビビ
女戦士「ヘルハウンドも居るぞ!!」
魔女「爆炎地獄!」ゴゴゴゴゴゴ ボゥ
女戦士「なるほど…私と魔女の組み合わせも中々良い…このまま前進する」
魔女「倒れたグレムリンを燃やしながら行きたい」
女戦士「分かった…ゆっくり進むからどんどん燃やしてくれ」スタ
魔女「爆炎魔法!」ゴゴゴゴゴ ボゥ
--------------
--------------
--------------
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:06:25.88 ID:zL1H8n800
『とある小部屋』
ボボボボボボ メラ
兵隊「向こうのグレムリンも燃やせ!!」ダダ
女海賊「線虫!癒せ!」ニョロリ
レンジャー「助かった…」
女海賊「爆発に巻き込まれて骨折だけで済んで良かったね」
兵隊「このチェーンメイルのお陰だよ…」チャラ
女海賊「私のお陰さ!!…ほんであとどんくらい通路を封鎖すんの?」
レンジャー「3か所だ…そこを塞げば吹き抜けに出られる場所は一か所になる」
女海賊「おけおけ!…ただ骨折がしっかり治るのちょい時間掛かるよ…連れて行ける?」
レンジャー「俺達はレンジャー部隊だ」チラリ
女海賊「なる…ワイヤー使って行く訳ね」
レンジャー「通路を塞いでさえしまえば吹き抜けを占拠したも同然…あとは深部へ行くだけになる」
”ザザー”
”女海賊!!緊急事態じゃ”
”今度は何!!?”
”大型の気球が撃たれて高度を下げて来居る…援護せい”
”マジか…墜落すんのか”
”盗賊には球皮を直せと言うてある…早う行け!!”
女海賊「ちょい話してる暇ない!!行って来る!!」
レンジャー「最後の通路の場所は照明弾で合図する…吹き抜けを占拠後にそこまで来い」
女海賊「分かった!!じゃぁ行く!!ハイディング!!」スゥ
レンジャー「よし!俺達も作戦通り行くぞ…続け!!」
-------------
-------------
-------------
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:07:12.49 ID:zL1H8n800
『大型気球』
フワフワ スゥゥ
ローグ「縦帆一枚外しやした!!これで穴を塞いで下せぇ!!」
盗賊「上に一基小型の機械が残ってる!!アイツを狙えるか?」
ローグ「無理っスここからじゃ見えんでやんす」
盗賊「あの踊り場ごと落としちまえ!!」
ローグ「えええ!?そんな事したら瓦礫が降ってきやすぜ?」
盗賊「アイツが居る限りこの気球はもう上に上がれん…ぶっ壊せ!!」
ローグ「わかりやした…瓦礫が当たらん様に祈って下せぇ」チャキリ ダン! バヒュン!
ドーン! パラパラ
盗賊「もっとだ!!爆弾をもっと使え!!」ダン! バヒュン! ドーン!
ローグ「マズいっすねぇ…これ以上高度下がると下から狙い撃ちされるっす…」ダン! バヒュン! ドーン!
盗賊「大丈夫だ!!下では女海賊とリカオンがタゲを引いてる」ダン! バヒュン! ドーン!
メキメキメキ ズドドド
盗賊「よーし!!ぶっ壊した!!」
ローグ「あわわわ…」アタフタ
ドサーー ドサドサ
盗賊「球皮耐えてくれよ?」ググ
ローグ「落下の速度が…」
盗賊「黙ってろい!!落ちん様に掴まれ!!」
ドサドサ ドサドサ
----------------
----------------
----------------
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:07:42.45 ID:zL1H8n800
『吹き抜け_空中』
タタタタタン! ヒュン! ヒュン!
女海賊「しつこいんだよ!!このぅ…」バシュン! ドーン
狼女「わぁっ…急にアンカーが外れた」ヒュゥゥ ブラーン
女海賊「ちょ…上からなんか降って来る…わわわわ」ヒュゥゥ ブラーン
狼女「瓦礫が落ちて…」
女海賊「ワイヤーに当たったか…ちょい壁際でやり過ごす!!」パシュ シュルシュル
タタタタタン! タタタタタン!
女海賊「痛ってぇなクソあいつ!!」バシュン! ドーン!
狼女「撃たれた…」ポタポタ
女海賊「急所に当たった?」
狼女「逸れてる…でも弾が残って…」ポタポタ
女海賊「線虫!癒せ!!」ニョロ
狼女「弾は取らないんだね?」
女海賊「それは後にしよう…急所に当たって無きゃ少し痛むだけさ」
狼女「わかった…我慢する」
ドサドサ ズドドーン!!
女海賊「ヤバいな大型の気球…」
狼女「私がワイヤーで上に上がって応援に行って来る…余裕あったら弾も取ってみる」
女海賊「おっけ!ここは私がタゲ引き受ける」
狼女「任せた!」パシュ シュルシュル
---------------
---------------
---------------
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:08:41.38 ID:zL1H8n800
『大型気球』
盗賊「炉の温度上げろぉ!!」
ローグ「アイサー!!」ダダ
盗賊「くっそぉ…これじゃ布が足りん…」ヌイヌイ
ローグ「もう一枚縦帆外しやしょうか?」
盗賊「外せ!!俺は穴の補修で手が離せん」
ストン
ローグ「あぁ!!どこかから撃たれてる音っす…」キョロ
狼女「私!!」シュルシュル ピョン シュタ
盗賊「おぉ!!良い所に来た」
ローグ「リカオンさん!!操舵お願い出来やせんか?壁にぶつからん様にすれば良いだけっす」
狼女「分かった…」
盗賊「ほんじゃローグ!!縦帆外して球皮に上がれ!!ほんでロープほぐして糸作れ!!」
ローグ「へい!!」ダダ
狼女「持たせられそうか?」
盗賊「持たせる!!俺らの家だ!!失う訳にイカン!!」ヌイヌイ
狼女「周りに敵が居ないのが幸いか…」
盗賊「いや…ガーゴイルが狙ってる…近づく様なら撃ち落してくれ」
狼女「こっちも忙しいのね…」
ズゴーーーン ズドドド
盗賊「うぉ!!側壁が崩れて…」
ローグ「マズいっすね…特殊工作部隊が行ってる側に落ちていやすね…」
盗賊「巻き込まれなきゃ良いが…」ヌイヌイ
狼女「ガーゴイルが動いた!!撃つ!!」カチ
ピカーーーーー チュドーーーーン!!
---------------
---------------
---------------
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:09:12.86 ID:zL1H8n800
『地下線路接続部』
ゴゴゴゴゴゴゴ ボゥ
女戦士「見えた!!向こうが吹き抜けだ…この場所を維持する!!」
アサシン「ゾンビ共散開しろ…トロッコまでの区間を占拠だ」
女戦士「よし!!退路の確保は出来た…あとは待つのみ…」
アサシン「私は魔王に止めを刺しに行くぞ…」スタ
女戦士「吹き抜けは瓦礫が降って来ている…上に注意しろ」
アサシン「フフ…ここは守り通せ?私の退路でもあるからな」タッタッタ
魔女「背後からグレムリンが寄って来て居るぞよ」
女戦士「うむ…私が受ける…援護頼む」ダダ
--------------
--------------
--------------
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:09:57.06 ID:zL1H8n800
『吹き抜け_最下層』
ガラガラ ゴトン
女海賊「てててて…壁が急に崩落するなんて思って無かった…」ポタポタ
妖精「大丈夫?血が出てるよ?」
女海賊「線虫!癒して!!」ニョロリン
妖精「僕も癒してあげる」パタパタ
女海賊「くっそ!足の骨折れてんな…肋骨もか…ててて」ズルズル
アラクネー「キュゥゥ…」カサカサ
女海賊「あんたもか…線虫!!癒せ!!」ニョロ
女海賊「おいで…あんたも足一本無くなっちゃったな」グイ
アラクネー「シャーー…シャーーー」ピクピク
女海賊「分かった分かった…脱皮を手伝ってあげるから今は我慢だよ」
タッタッタ
アサシン「女海賊!!瓦礫に巻き込まれたのか…」スタスタ
女海賊「アサシン…あんたが居るって事はお姉ぇも近くに?」
アサシン「この向こうが退路だ…予定通り線路接続部を占拠した…どうだ立てるか?」
女海賊「なんとか…」ズルズル
アサシン「私のエリクサーを飲むか?」
女海賊「要らない…他の人用に残しておいて」ヨロ
アサシン「そうか…さて…これから何処へ向かえば良い?」
女海賊「特殊工作部隊からの連絡待ちさ…最後の通路で照明弾撃つ筈」
アサシン「ふむ…この崩落で分断されていなければ良いが」
女海賊「ちっとヤバいかも…ちょい探そう」
アサシン「肩に掴まれ…」グイ
女海賊「悪いね…」ヒョコヒョコ
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:10:26.15 ID:zL1H8n800
”ザザー”
”女海賊や…そこにアサシンも居るな?”
”あ…うん”
”特殊工作部隊が崩落で孤立してしもうた…退路が無く苦戦しておる”
”どうすりゃ良いの?”
”今から大型気球が降りて来るで爆弾を入手してそこの瓦礫を突破せい”
”ここまで降りてくんの?マジか…”
”わらわ達は強化クロスボウ隊を引き連れて別所から特殊工作部隊の救援に向かう…寄って主らだけで魔石を破壊して来い”
”ちょ…場所分かんないんだけど”
”その瓦礫の向こう側じゃ…左手に下へ降りる階段があるそうじゃ”
”分かった…”
”上手くやれや?…ザザー”
女海賊「やっぱこの瓦礫の向こう側か…」
アサシン「大型気球が降りて来る…私は火炎放射器しか持って居ない…お前が援護しろ」
女海賊「私も特殊弾の残弾に余裕無いのさ…」ヒョコヒョコ
アサシン「何とかしろ!!行くぞ」グイ
---------------
---------------
---------------
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:10:58.23 ID:zL1H8n800
『大型気球』
フワフワ スゥゥゥ
盗賊「球皮は下に着陸してから修理する…ちっと時間掛かる!」
狼女「吹き抜けの壁面に居る敵は全部倒したと思う…このまま降りて行って!!」
ローグ「グレムリンはどうするんすか?」
盗賊「放置だ!!分裂して厄介な事になる…どうせ降りて来られん」
狼女「下でアサシンが手を振ってるよ…」
ローグ「あそこっすね…」グイ
パタパタパタ
盗賊「プロペラだけじゃ方向転換も遅いな…」イラ
狼女「最下層はまだ敵が居るみたい…狙って!!」カチ ピカーーー チュドーーーン
盗賊「おいおい又壁面が崩落する!!クロスボウ使え!!」ダン! バヒュン!
ローグ「ヘルハウンドが多いっすね…」ダン! バヒュン!
盗賊「どうせこの気球には這い上がれん…数だけ減らせば良い」ダン! バヒュン!
ローグ「倒しても倒しても湧いて来るパターンっすね…」ダン! バヒュン!
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:11:27.03 ID:zL1H8n800
『最下層』
ガウルルル ギャフン!! バタバタ
アサシン「ヘルハウンドは私に任せて爆弾を取りに行け!」
女海賊「おけおけ…ちょい上にグレムリン居るから気を付けて」ヒョコヒョコ
アサシン「あそこから降りては来るまい…お前の方こそ気を付けろ」
フワフワ ドッスン!!
盗賊「ようし!!遠距離撃って来る敵は居ないな?ダッシュで球皮を修理するぞ!!」
ローグ「へい!!」ダダ
狼女「女海賊!!瓦礫に巻き込まれたんだな?平気か?」
女海賊「なんとかね…爆弾どんくらい残ってる?」ズリズリ
盗賊「殆ど使って無ぇ!!重いから全部降ろしてくれ」
女海賊「ボルトはまだ余ってそう?」
盗賊「適当に持ってけ…ちっと俺は忙しい」ヌイヌイ
女海賊「反動きついけど…ボルトで我慢しよう」
狼女「手伝う…」シュタタ
女海賊「一気に使うと又崩落しちゃうから投げて使う…あっちの方まで運ぶの手伝って」ヨイショ!
狼女「足の骨いっちゃった?」ヨイショ!
女海賊「そのうちくっ付くよ…」ヨタヨタ
アサシン「急げ!!ヘルハウンドが集まりだしてる」
女海賊「わーってるって!!」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:11:57.07 ID:zL1H8n800
『10分後』
ドーン! パラパラ
女海賊「角の一点集中で掘り進む…リカ姉ぇもプラズマ銃撃って」
狼女「分かった…」カチ ピカーーーー チュドーーーン
女海賊「次!!」チリチリ ポイ
ドーン! パラパラ
アサシン「これは時間が掛かりそうだな…」
女海賊「これしか方法無いっしょ」チリチリ ポイ ドーン
狼女「向こうにある重装射撃砲は使えない?」
女海賊「お!?」キョロ
狼女「爆弾で掘り進めるのは私がやるからちょっと見て来て」
女海賊「おし…ちょい行って来る」スタタ
アサシン「リカオン!!プラズマの銃を貸せ…そっちの方が射程が長い」
狼女「分かった!」ポイ
アサシン「よしこれでヘルハウンドを蹴散らせる…」カチ ピカーーーー チュドーーーン
『20分後』
ドーン! パラパラ
女海賊「ちょいどいてぇ!!重装射撃砲を試しに一発撃ってみる」ゴトゴト
アサシン「リカオン!!こっちに来い」
狼女「…」シュタタ
女海賊「行くよ!!」カチ
ドーン! ズドーーーン!
女海賊「おぉぉ行けるイケる!!リカ姉ぇ!!穴の奥に爆弾何個か突っ込んどいて」
狼女「分かった…」シュタタ
女海賊「あと6発撃てる…」ガコン ガチャガチャ
狼女「撃って!!」シュタタ ピョン
女海賊「イケぇ!!」カチ
ドーン! ズドドドドーーーン!
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:12:23.70 ID:zL1H8n800
『30分後』
女海賊「最後の一発!!」カチ
ドーン! ズドドドドーーーン!
女海賊「なぁぁぁぁ!!貫通しない…」
盗賊「後は任せろ!!」スタ
女海賊「球皮の修理は?」
盗賊「終わった!!いつでも飛べる…ローグ!!穴掘りの専門家の出番だ!!行くぞ!!」
ローグ「アイサー!!」スタ
女海賊「どうする気?」
盗賊「コレだ!!」スチャ
女海賊「破壊の剣…」
盗賊「おうよ!!こいつでくり抜いて行くんだ…まぁ待ってろ!!」ダダ
ローグ「やっぱあっしらが居ないとダメなんすねぇ…二ヒヒ」ダダ
女海賊「リカ姉ぇ!!あと爆弾どんくらい残ってる?」
狼女「20個くらい…」
女海賊「それ私のカバン中入れとくわ…」スタタ
狼女「穴が貫通すれば良いけど…」
アサシン「リカオン!!退路側から小型の機械達が戻り始めて居る…こっちに来い!!」
狼女「ええ!?」シュタタ
女海賊「ヤバヤバ…キ・カイ側に攻めてたのが戻って来てんだね?」
アサシン「恐らく…」
狼女「ここだと袋のネズミ…」
ヒュゥゥゥ…
盗賊「おわっ!!なんだぁ?冷気が噴き出して…」
ローグ「頭ぁ!!反対側から来てたんすね…」
女戦士「この穴を通れるのは一人がやっとか…よし!!負傷者を順に運べ」
盗賊「おいおい…どうなってんのよ」
女戦士「重傷者が8名…そこに大型の気球はあるな?」
盗賊「おう…」
女戦士「8名を乗せてここから離脱しろ」
魔女「女海賊は居るか?」
女海賊「線虫だね?」スタタ
魔女「うむ…全員に掛けて置くのじゃ…蒸気による熱傷でやられて居る」
女海賊「おっけ!!線虫!出て来い!!癒せ!!」ニョロニョロ
魔女「ひとまずこの向こうはわらわの氷結魔法で行く手を阻んで居る…じゃが直に氷が溶けるでそれまでに用を済ませるのじゃ」
女海賊「この先で左に降りて行きゃ良いんだね?」
女戦士「その前に負傷者を気球に乗せるのが優先だ!!早く乗せろ!!」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:12:51.18 ID:zL1H8n800
『大型気球』
フワフワ
盗賊「じゃぁ俺達はここを離脱する…あと少しだ!!上手くヤレ」
ローグ「急上昇しやすぜ?ガーゴイルは頼んます」グイ
シュゴーーーーーー フワフワ
女戦士「よし!!残りは私に続け!!地下線路接続部を再度占拠する」
狼女「機械が戻り始めてるから気を付けて…今小型の機械が3機」
女戦士「フン!!今通って来た道で50機は撃破した…3機なぞどうでも無い!!行くぞ!!」ノッシノッシ
魔女「残り30分じゃと思え…もうこれ以上の損耗は出来ぬ」
女海賊「分かった…アサシン!!リカ姉ぇ!!行くよ!!」タッタ
-------------
『最下層_側道』
ガチャガチャ
女海賊「この扉だ…空く訳無いか」
狼女「どいて…破壊の剣で切り抜く」スパ スパ
ガコン ゴトゴト
アサシン「階段だ…降りるぞ」スタ
女海賊「ちょっと…機械の体の人間だ…こんな所で倒れて…」
アサシン「人間の部分はすべて食われて残って居るのは只のガラクタだ」
女海賊「これキ・カイ政府の高官なんじゃない?」
アサシン「もうどうでも良い…」
女海賊「人間は一人残らず食われてそうだ…」キョロ
狼女「この状況で生きている人が居るとでも思った?」
女海賊「まぁ…無理だね」
アサシン「時間が無い…急ぐぞ」スタ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:13:19.98 ID:zL1H8n800
『制御室_扉』
ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン
女海賊「ここだね…リカ姉…扉お願い」
アサシン「一応反撃に備えろ」スチャ
女海賊「分かってる…速攻爆弾打ち込むからまだ入らないで」
アサシン「良いだろう…」
狼女「行くよ?」スパスパ ガラガラ
シュゥゥゥゥ
女海賊「熱っつ!!なんだココ…」チリチリ ポイ
ドーン! ドカーーン パラパラ
アサシン「機械が熱を発している様だ…私しか入れなさそうだな」
狼女「破壊の剣で停止させられる?」
アサシン「やってみる…ここで待って居ろ」タッタッタ
スパッ ガコン! ビリビリ ドーン
女海賊「アハハ楽しそうだな…メチャクチャじゃん」
バシャァァ シュゥゥゥ
狼女「天井から雨が…」
女海賊「スゴ…どういう仕組み?なんで?どこに水入ってたん?」キョロ
狼女「機械から音がしなくなった…」
アサシン「中に入れそうだぞ…来い」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:13:55.10 ID:zL1H8n800
『制御室』
シャワワワワ モクモク
女海賊「おぉ…機械が並んでる」
アサシン「関心してる場合では無い…黒い魔石を探せ」スパ スパ ゴトン
女海賊「エネルギー源を辿って行けば良いのさ…えーと」キョロ
狼女「この機械が政務官?」
アサシン「さぁな?ただドリアードの中にあった機械と比較して随分ちんけな機械だ」
女海賊「アサシン!!この太いパイプ切って」
アサシン「ふむ…」スパ ビリビリ
女海賊「お!!?今の電気の光かな?」
アサシン「体に何も感じないから分からん」スパ スパ ビリビリ
女海賊「これがエネルギー供給のパイプだとしたら…向こうの部屋に繋がってる」スタタ
アサシン「この部屋では無かったか…」スタスタ
------------
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:14:37.78 ID:zL1H8n800
『動力室』
シュゥゥゥゥゥ モクモク
女海賊「これだこれ!!こっちが重力炉…ほんでこっちが縮退炉」
アサシン「魔石はどこだ?」
女海賊「ほら此処!!この容器に入ってる…魔石のエネルギーを重力炉で質量に変換してそのあと縮退させてる」
女海賊「なるほど!こうやって大容量エネルギーにして行くのか…」
スパ!!ゴトン!!
女海賊「ああああああああ!!ちょっと…メチャクチャ危ない事してんな…」
アサシン「んん?何がだ?」
女海賊「ヘタにぶっ壊すと光る隕石並みの大爆発するんだよ!!」
アサシン「しなかったでは無いか…」
女海賊「それ結果オーライなんだって!!」
アサシン「これで黒い魔石を取り出せる…」スタ
狼女「これが魔王を封じた魔石…オーラが漂ってる」
アサシン「ふむ…この破壊の剣では一振りで消し切れん…女海賊!!魔人の金槌を貸せ」
女海賊「ちょ…速攻壊す感じ?」
アサシン「当たり前だろう…躊躇しているといつ足元をすくわれるか分からん…貸せ」スッ
女海賊「わかったよ…」ポイ
アサシン「リカオン!!破壊の剣は返す」ポイ
狼女「…」パス
アサシン「では爆発しかねん…陰に隠れて居ろ」スタスタ
女海賊「なんかあっさり壊しちゃうんだな…」スタコラ
アサシン「フハハハハハハ…とうとう魔王をこの手にしたぞ!!アーーーッハッハッハ」
狼女「アサシン…」
女海賊「あのね…冗談止めてくれる?」
アサシン「何が魔王だ!!こんな物に収まって…勇者でも無い私に消し去られるとは…」
アサシン「世界の半分をお前にくれてやる?我が右腕になれだと?」
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:15:12.31 ID:zL1H8n800
アサシン「悪いが何者でもない私にお前は消し去られる…こんなに簡単にな?」ブン
シュン! パーン! キラキラ
女海賊「ちょ!!それ私の金槌…砕け散っちゃったじゃん!!」
アサシン「クックック…何も起きん…この為にどれだけの命が失われたのだ!!」
アサシン「償いも何も無い…ただ消えた」
アサシン「何だったのだ!今までの戦いはぁぁぁ!!」ダン!
シーン
女海賊「…」
狼女「…」
女海賊「アサシン…帰ろうか」
アサシン「なんだこの虚しさは…」
女海賊「心に穴が開いたのさ…魔王は人間の心の一部だから…」
アサシン「私は私の心の一部を葬ったのか?」
女海賊「それが魔王に勝ったと言う事…もう何度目?」
アサシン「…」
アサシン「済まない…取り乱した様だ…帰るぞ」スタ
ヒラヒラ パタパタ
妖精「ハロハロー!!久しぶりだね」
アサシン「お前…」
妖精「又追いかけっこしようよ…君が鬼で僕が逃げる」
アサシン「又と言ったか?」
妖精「いつもの事じゃない…僕を掴まえたら良い事教えてあげる」ヒラヒラ
アサシン「待て…」
妖精「バカだなぁ待つわけ無いじゃない…」パタパタ
---子供の頃…こうやって辿り着いたのがあの場所だった---
---今ゴールまで来たのか?---
---良い事って何だ?教えてくれ---
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:15:49.39 ID:zL1H8n800
『地下線路接続部』
女戦士「来い!バケモノ!!」バンバン
グレムリン「コイバケモノー」ズドドド ブン
女戦士「撃てぇ!!」ガシ
バシュン バシュン バシュン バシュン ドーン!!
女戦士「腹の中を見せてみろぉ!!」スパァ!! デロデロ
魔女「火炎地獄!!」ボボボボボボ ゴゥ
レンジャー「投擲!!」
兵隊達「うらぁ!!」チリチリ ポイ
ドドドドドドーン
レンジャー「火炎放射!!」
兵隊達「燃えろぉ!!」ボボボボボ
魔女「切りが無いのぅ…火炎魔法!」ゴゥ ドーン!
女戦士「まだ帰って来んのか…フゥ…フゥ…」
魔女「もう直じゃ…魔石は消し去った故…直に魔物も収まる筈じゃ」
女戦士「収まるどころか増えている!!」
魔女「小型の機械は何処ぞへ行った様じゃが?」
女戦士「アレが来んだけマシか…」
ピカーーーー チュドーーーン!
女戦士「む!!」
魔女「来たな…」ノソ
女海賊「お姉ぇ!!撤収しておっけ!!」パシュ シュルシュル
ダン! ダン! ダン! ダン!
グレムリン「イタイーーーータスケテーーー」バタバタ
女戦士「総員!!トロッコへ後退!!撤退戦に移行する!!」
女海賊「私がタゲ引いとくから行って!!」パシュ シュルシュル
--------------
--------------
--------------
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:16:28.92 ID:zL1H8n800
『重装トロッコ』
ドタドタ
女戦士「足りない者が居ないか各自確認しろ!!」
魔女「治療が必要な者は自己申告じゃ…グレムリンの血を被った者もじゃ」
女海賊「アサシン!!早く乗って!!」
アサシン「…」ピョン スタ
狼女「…」ピョン シュタ
女海賊「おっけ!!全員乗った…トロッコ動かして!!」チャキリ ダン ダン
モクモクモク
レンジャー「全速後退!」
女海賊「なんだ重装射撃砲の弾がまだ余ってんじゃん」ゴソゴソ
レンジャー「何をする?」
女海賊「こいつを撃ったら反動で加速するんだよ」カチ
ドーン! ズドドーーン! ゴロゴロ…
アサシン「ゾンビ隊は全滅だ…自力で動かすぞ」ノソリ
女海賊「そっか…みんな怪我してんのか…」ヨイショ
アサシン「なかなか休まらんな…」グイ
女海賊「そだね…もう死にそう…」グイ
ゴロゴロ… ガタンゴトン
--------------
--------------
--------------
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:16:59.64 ID:zL1H8n800
『帰路』
カタタン ゴーーーーー
女海賊「線虫!癒せ!!」ニョロ
女戦士「ふぅぅ…」ドサリ ガチャ
女海賊「うわ…お姉ぇは体中アザだらけじゃん…」
女戦士「なかなか良い鎧だった…今までで最高のな」
魔女「只一人敵の最中で耐える姿は鬼人じゃ」
レンジャー「そのお陰で激戦を潜り抜けられた…もう二度と経験したくない」
女海賊「そんな激戦だったんだ…」
魔女「吹き抜けの通路を封鎖して居ったで溜まりに溜まって居ったのぅ…お陰で魔法が良く当たったが」
女海賊「こっちは戦闘はそんな起きなかった」
レンジャー「魔石の破壊は無事に?」
女海賊「アサシンが魔人の金槌で消し去ってくれた…ってか魔女に借りたあの武器砕け散っちゃったさ」
魔女「処分に困って居ったから構わぬ…」
女海賊「あの武器気に入ってたんだけどなぁ…」
魔女「これで魔王との戦いは一旦の終わりじゃな」
女海賊「んんん…なんかさぁ…前もそうだったんだけど倒したから何か変わったん?…って感じ」
魔女「ふむ…実感が無いのじゃな」
女戦士「嫌な感覚だ…」
アサシン「クックック…これが現実…誰に感謝される訳でも無く風の様に消えて行く勇者の孤独だ」
レンジャー「現実か…結局歩むしか道は無いという事か…」
女海賊「何言ってんだよ…歩む道が有るって事じゃん」
アサシン「確かに…」
女海賊「あんたは妖精の後について行くんじゃないの?」
アサシン「そうだった…答え探しにな」トーイメ
レンジャー「俺は…」
女海賊「あんたは理想郷だよ…見つけたんならそれを守るの」
女戦士「次の目標を語るのは少し休んだ後でも良いのでは無いか?」
女海賊「そだね…ちっと疲れたね」
魔女「わらわもちと温泉にでも浸かってゆるりと休みたいのぅ…」
女海賊「うん…帰ろう」
--------------
--------------
--------------
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:17:28.89 ID:zL1H8n800
『鯨型飛空艇』
シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ
盗賊「ほっほっほっ…おととと」シュタ ギシ
情報屋「ちょっとアナタ…後ろの気球からロープ伝って来たの?」
盗賊「ヌハハこれくらいどうって事無い…向こうに食い物が無くてよ…こっちに肉あっただろ」
商人「有るには有るけどこれ持って帰れる?」
盗賊「そんなん簡単だ…飛空艇の高度を少し上げてもらえりゃスルスルっとな?」
商人「骨付きが良いよね?」
盗賊「おおおソレだソレ!!ヨコセ」
商人「危ないなぁ…」ガチャ ヒュゥゥゥゥ
盗賊「頂くぜ?」グイ ゴソゴソ
商人「ハハなるほど骨を引っかけて戻るのか…」
盗賊「高度をちっとあげてくれい…」
情報屋「本当!!呆れた人…」グイ
シュゴーーーーー フワフワ
盗賊「じゃぁ俺らは休んでるから案内頼むな?」スルスルスル ピューー
商人「盗賊は年を取っても昔と変わらないねぇ…」
情報屋「ひた向きで素直な人…一番人間らしい人…」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:18:07.81 ID:zL1H8n800
『大型気球』
パタパタ ヒュゥゥゥ
盗賊「よう…スモークしたシカ肉仕入れて来たぜ?割と新鮮だ…食え!」ドサリ
ローグ「酒は積んで有って良かったっすねぇ…」グビ
盗賊「兵隊達も戦闘食ばかりじゃ体力持たんぞ?肉食え肉」スパ ガブリ
兵隊達「頂く…」ガブ ムシャ
ローグ「これでしばらく平和になれば良いっすねぇ…」
盗賊「そうだな?…今度こそ魔王は消え去った筈だ」
ローグ「一気に狭間が引いて行きやしたからね…」
盗賊「この負傷した兵隊達が一番前線で戦って来た英雄だ…なんつーか勲章でもやらんとな?ヌハハ」
ローグ「早く村に戻って温泉入ってゆっくりしたいっすねぇ…」
盗賊「あそこにゃ酒場が無いのがな…」グビ プハァ
ローグ「帰ったら作りやしょうか」
盗賊「ほー…そうだな」
ローグ「盗賊さんの娘さん達にやらせれば良いんじゃないすかね?」
盗賊「ふむ…ようし!一丁作って見るか!!」
---------------
---------------
---------------
勇者の孤独編
完
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:19:24.44 ID:zL1H8n800
『数日後_ハテノ村古代遺跡』
情報屋「…一角仙人の伝説にそんな事実があったのね」
女海賊「そんな重要な話だったかな?」
情報屋「大量の黄金の行方よ…それはニライカナイで変性されてアダマンタイトになったのは間違いなさそう」
女海賊「うん…」
情報屋「重要なのはその年代…2100年前に剣士と未来君はアヌンナキが黄金を採取しに地球へ降り立った事を知ってる」
女海賊「どゆ事?」
情報屋「アヌンナキの器も命の水も黄金もすべて奪ってると言う事…何故?」
商人「そうだねおかしいね…」
魔女「その時代は時の王の時代じゃ…時の王の証言に何かヒントは無かったか?」
商人「暁の使徒と黄昏の賢者が喧嘩別れ…」
魔女「つまり始めは仲が良かったのじゃな」
商人「こうは考えられないかい?アヌンナキの言われた通り器と命の水…それから黄金も探し求めた…でもどこに有るのか知らない」
情報屋「じゃぁ協力して黄金を集めたのは良いけど契約を履行出来なかった…だから喧嘩別れ?」
商人「アヌンナキの思惑をそこで知ったから黄金を渡すまいとアダマンタイトに変性させた…話が通る」
女海賊「アヌンナキってやっぱ悪い者?」
情報屋「地球への侵略者ね…実害がよく分からないけれどアヌンナキの中から選ばれた2人…エンキとエンリルが地球の支配者だった」
商人「その2人の神が人間を作って…その後人間に滅ぼされて黄泉に落ちた…そして魔王に」
情報屋「魔王になったのはその2人でアヌンナキ自体がどんな影響を持ってたのか不明なのよ」
商人「まぁ神様の一人なんだろうね」
女海賊「そんなんがオークシャーマンの中に入っちゃってんの?」
魔女「憑依しとるんじゃろうな」
商人「アヌンナキの思惑がハッキリと分からないのがねぇ…」
女海賊「3500年前だっけな…その当時のドリアードを虫を使って倒したのは黄昏の賢者って話だったよね」
商人「その動機もイマイチ分からないねぇ…」
情報屋「人間が作った神を復活させてしまうと都合が悪いのでは?」
魔女「ふむ…アダムは魔王に染まってしまう弱点が有ったな」
情報屋「あ!!そうか…魔王になったエンキとエンリルが力を持つ事を阻止したのかも知れない…器を奪われるのが怖かった」
魔女「神々の戦いはまだ続いて居ったか…」
情報屋「魔王とは対立の立場にあったのかも知れないわね」
女海賊「ちょい話戻るけどさ…大量の金って滅茶苦茶重たいじゃん?どうやってニライカナイまで運んだと思う?」
情報屋「そういえばそうね…」
商人「ん?そうか…2100年前に箱舟を動かした可能性もあるのか…それで頻繁にハウ・アイ島を行き来してた…」
情報屋「ハウ・アイ島を発見した探検家の日誌に巨大な箱舟らしき物が掛かれて居たから箱舟がそこに有るのはほぼ間違いない」
商人「その絵ってもう骨組みしか残ってないくらいボロボロだよね」
女海賊「ちょちょ…もう箱舟使って月には行けない感じ?」
情報屋「見てみない事にはなんとも…」
商人「何かの兵器が残ってる可能性はまだ有るね」
女海賊「ちっと見に行ってみるかなぁ…」
魔女「また狭間を迷う事になりかねんぞ?もう女戦士が許すとは思えぬが…」
商人「行くなら先にホムンクルスだね…座標さえ分かれば迷う事も無い」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:19:53.36 ID:zL1H8n800
『鍛冶場』
カーン カンカン シュゴーーーー
女海賊「お姉ぇ!!あのさぁ…」
女戦士「んん?」カンカン
女海賊「私名もなき島に戻ってホムちゃん起こしに行きたいんだけどさぁ…」
女戦士「ふむ…構わぬがもう少し待て…もう少しで地軸の移動が収まる」
女海賊「やっぱ今行くと迷っちゃうかな?」
女戦士「海は目標物が無いからな…方角がしっかり定まらんのだぞ?」
女海賊「しょぼん…」
女戦士「急ぐこともあるまい?黒い魔石ももう無いのだから…」
女海賊「まぁそんなんだけど…落ち着かなくてさ」
タッタッタ
盗賊「おーい!!影武者の気球がこっち戻って来てるぞ!!」
女戦士「おお!!無事だったか…」
盗賊「女海賊!お前暇なんだろ?迎えに行くぞ!」
女海賊「はぁ?私忙しいんだけど…」
盗賊「暇にしか見えん…来い!」グイ
女海賊「ちょっと引っ張んなって!!」ヨロ
--------------
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:20:48.49 ID:zL1H8n800
『大型気球』
フワフワ ドッスン
影武者「やあ…心配かけた様だね」
盗賊「よう!!何か有ったと思ってた所だ…お前にも貝殻持たせんとイカン…ちょちょ…」
オークロード「ウゴ…」ノソリ
盗賊「こらどういう事よ…」タジ
女海賊「わわわわわ…でっか!!」
影武者「ゴメンゴメン…攻撃しないで欲しい」
盗賊「仲間になったって事か?」
影武者「仲間と言うか監視だね…敵対しない事を約束する為なのさ」
女海賊「会話出来るん?」
影武者「通訳はもう一人連れて来てるんだ…出ておいで」
オークシャーマン「オマエー」ヒョコ
盗賊「なぬ!?子供?」
オークシャーマン「ズーガタカイー」
盗賊「なんじゃこりゃ…まだ毛も生えてないクソガキだろう…」
影武者「まぁそう言わないで…色々事情が有るのさ」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:21:21.00 ID:zL1H8n800
女海賊「この2人を村に連れまわすん?マズくない?」
影武者「ひとまずこの気球にしばらく居て貰う…みんな慣れるまでね」
盗賊「ほーん…まぁ良い…ほんで向こうの方はどうだったんだ?」
影武者「キラーマシン達はミネア・ポリスを通過して何処かに向かったらしいよ」
盗賊「予測した通りか…」
影武者「それよりも例のグレムリンの方に手を焼いて居てね…魔石が丁度取引に好条件だったのさ」
盗賊「子供の脳を搭載したキラーマシン動かすのにか?」ギロ
影武者「盗賊さんが想像して居るのと少し違うかな…体を失った子供達が動ける為には魔石が必要なんだ」
盗賊「なんだと?」
影武者「自分の判断で動けるんだよ…体がキラーマシンになってしまったけれど…」
盗賊「そういう事か…」
影武者「後ね…重大な事をみんなに伝えておかなければならない」
盗賊「何よ?」
影武者「クーデターを起こした政務官はね…世界政府というのを宣言したんだ」
女海賊「あーそれならエド・モント砦の機械は私達が全部壊して来た」
影武者「影響はエド・モント砦だけじゃ無いんだよ…世界中のすべての機械が人類に宣戦布告してるんだ」
女海賊「ちょちょちょ…どういう事?エネルギーはもう無いよ?」
影武者「有る所には有るって聞いたよ…ウラン結晶が残ってる」
盗賊「なんだそら…」
影武者「どうやらオーク側に逃れた人は事前にそうなる事を察知していたみたいだよ」
女海賊「機動隊だね?」
影武者「なのかな?ミネア・ポリスの方には結構な数の人間が生活してる」
女海賊「ちっとみんな呼んで来るわ…古代遺跡の方で話してるからさ」
影武者「じゃぁこの気球に来てもらって良いかな?オークの事も説明しておきたいんだ」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:24:06.20 ID:zL1H8n800
『30分後』
カクカク シカジカ…
オークは肌の色でそれぞれの部族が分かれているらしいんだ
今来てくれているのが肌の青い東オークという部族なんだ
他にも肌が緑色の西オーク…赤色の南オークとか沢山ある
そのオーク達は部族同士全部敵対…どうしてそんな事になっているかと言うと
オークシャーマンに憑依するアヌという神が原因らしい…その神は今西オークのオークシャーマンに憑依してる
そもそもどうしてオークが沢山の部族に分かれて居るのかと言うと
信じている神が違う…ウンディーネを神とする部族…神など居ないとする部族…予言こそ神の言葉とする部族
そしてアヌという神を崇拝している部族が一番力を持ってる…
情報屋「オークにも私達人間と同じ様な宗教的な文化がある訳ね…」
影武者「もともとオークはアヌという神だけだったのに人間の神を信じるオーク達が現れてバラバラになってしまったんだ」
商人「今来ている東オークは何を信じるのかな?」
影武者「神など居ないとする部族…何処にも属さない」
オークシャーマン「ソレ…チガウ…アヌ…シタガワナイ…ウンディーネ…モウイナイ…カミ…ドコカイル」
女海賊「てかさ?アヌって何?アヌンナキじゃ無いの?」
情報屋「きっとオークの中ではアヌって呼ばれて居るのよ」
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:24:42.11 ID:zL1H8n800
女海賊「ほんじゃアンタも憑依されんじゃね?」
オークシャーマン「アヌノコエ…キコエル…シタガワナイ…ノロイ…サレル」
商人「なるほど…それで部族間で争いが絶えないのか…」
情報屋「目的は何かしら?」
影武者「オーク達は分からないらしい…本当はオーク同士戦いたく無いし誰もアヌに従いたくないみたいだよ」
オークシャーマン「ノロイ…ナクナル…ホウホウ…アル…ニンゲンノコ…ウム」
情報屋「人間の子を産む?」
影武者「そうだよ…人間の子を産むと永遠にアヌに従わなくて良い…でも人間がなかなかそれを許さない」
女海賊「アヌの目的って人間とオークの交配って事?」
商人「う〜ん…なんか違う気がするなぁ…理由が無いんだよ」
情報屋「部族間の争いも理由が良く分からない…どうしてそんな意味の分からない事を…」
魔女「従わぬ者を従わせたいだけでは無いか?強制する故に抗う者が無くならぬ」
情報屋「確かにそれは有りそう」
女海賊「ほんで?宣戦布告した機械達とはどんな関り持ってんのさ?」
影武者「機械はオークの敵…人間は敵にしたくないと言うのが彼らの主張さ」
女海賊「肝心のアヌは何か言ってんの?」
オークシャーマン「アヌノテキ…オナジ」
商人「何か引っかかるなぁ…」
女海賊「まぁ私等の敵じゃ無いなら良いんじゃね?」
情報屋「そうね…とりあえず機械が共通の敵という事は確認できた」
女海賊「てか機械がどんくらい居るのか見当がつかないからさぁ…何も出来んじゃん」
商人「待てよ?機械が宣戦布告してるのは人間だよね?なんでオークが関わる?」
女海賊「むむ!!そういやそうだ…アヌはなんで機械を敵にしてんだ?」
魔女「読めて来たぞよ…機械からアダムが生まれるのを嫌がって居るのでは?」
商人「なるほど…」
女海賊「まぁあんま深く考えなくても良いじゃん!!味方ならそれで良いよ」
商人「ハハ…まぁ個人的に考えておくさ」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/07/03(日) 12:25:09.72 ID:zL1H8n800
『広場』
ザワザワ
オークロードが味方になっただって?どうやって?
今から投石をやるみたいだ…ここからガーゴイル狙えるのか?
オークロード「ウゴ…ドルァァァァ!!」ブン!!
バヒューーーン!! バシッ!!
盗賊「うはぁぁぁぁ…すげえな…」タジ
ローグ「こら反則っすね…あんな遠くのガーゴイルに当てちまいやした…」ヘナヘナ
盗賊「オークロードが一人居りゃガーゴイルなんざ怖く無いじゃ無ぇか」
子供達「うほほーい!!」スタタタ
オークロード「ウゴ?」タジ
子供達「ねぇもっと遠くまで投げてみて〜」
オークロード「ウゴウゴ…」ムキムキ モリモリ
セーノ ブン!! バヒューーーーーーン!!
子供達「すごいすごーーーーい!!」
盗賊「ヌハハ…遠投は単純で分かりやすい…どうやら子供達には気に入られた様だ」
オークロード「フン!フン!」ムキムキ
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/08/18(木) 12:55:09.62 ID:stDvPK6X0
はい
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/08/27(土) 02:56:55.56 ID:7yhadRKN0
はい
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/27(土) 23:02:46.19 ID:i3ifbdizo
書くのは元気が出たときでいいので続き待ってる
見てて面白い
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/09/08(木) 19:57:06.71 ID:nZ48cLRDO
楽しみにしてます
134 :
以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします
[sage]:2022/09/10(土) 03:42:07.56 ID:sFY5e27j0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/09/20(火) 07:39:53.34 ID:FvicWlfb0
気が向いたら書いてくれ
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:06:19.07 ID:Xx1bIi7d0
--------------
--------------
--------------
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/11/16(水) 19:08:08.62 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
ゴソゴソ カチャカチャ
女海賊「おっし出来上がり!」
女戦士「此処に居たか…何をしている?」
女海賊「プラズマの銃を左右に設置したのさ…強化クロスボウは反動強くて不安定になっちゃうから」
女戦士「もう何処かに行く想定なのだな?」ジロ
女海賊「そういう訳じゃないんだけどオークロードが居るならもう出番無いと思ってさ」
女戦士「私もそう思ってな…実は幽霊船に戻ろうと思って居たのだ」
女海賊「お?」
女戦士「ハテノ村はもう影武者に任せても良さそうだ」
女海賊「そだね」
女戦士「私とローグ…アサシンにリカオンを幽霊船に移動させたい」
女海賊「どっか行くん?」
女戦士「今の所予定は無い…ひとまず海賊共に情報を聞き出したいのだ」
女海賊「私も荷物を幽霊船に運んどこうかな…」
女戦士「荷物?」
女海賊「ダンゴムシだよ…なんかあのオークシャーマン信用出来なくてね…勝手に盗まれそう」
女戦士「まだ子供の様だがな…」
女海賊「いつアヌンナキが乗り移るか分かんないじゃん?」
女戦士「話を聞く限り悪い感じはしないがな」
女海賊「そうなんだけどさ…暁の使徒と黄昏の賢者が仲違いしたのは理由在りそうだなと思ってね」
女戦士「なるほど用心に越したことは無いか」
女海賊「ほんでいつ行く?」
女戦士「明日の朝だな…皆に説明してくる」
女海賊「おけおけ…準備しとくわ」
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/11/16(水) 19:08:42.72 ID:Xx1bIi7d0
『夕方_古代遺跡』
アーデモナイ コーデモナイ
女海賊「3人共やっぱこっちに居たんだ…」
魔女「うむ…聞いたぞよ?明日幽霊船に戻るのじゃろう?」
女海賊「私はすぐ帰って来るけどね…ほんで今何してんの?」
魔女「世界中の古代遺跡の場所を確認しあっとる所じゃ…機械の影響がどれほど及びそうか調べておる」
情報屋「北の大陸…いえシン・リーンやセントラルも無事では済まないかも知れないという話なのよ」
女海賊「え!?マジ?」
情報屋「少なくとも黒の同胞団が隠れ家として使って居た場所は古代遺跡の可能性が高い」
女海賊「それじゃフィン・イッシュにある遺跡もヤバイじゃん」
情報屋「そう…何処かに古代の軍用基地みたいな物があるのかも知れないの」
女海賊「なんかヤバくね?小型の機械がそこらじゅうで暴れ回るんだよね?」
魔女「うむ…じゃから影響が及びそうな場所を調べて居るのじゃ」
商人「セントラルは昔出所不明のウラン結晶を沢山持ってた…つまり黒の同胞団の隠れ家にはもうエネルギーは無いかも知れない」
女海賊「あれ?それじゃ名もなき島もヤバくね?」
情報屋「あそこはスタンドアローンで外部とは切り離されてるから大丈夫」
女海賊「ここは?」
商人「火山の近くで軍用の施設は作らないよ…多分ここは研究所さ」
女海賊「軍用…ほんじゃ海の近くか」
商人「そう言う事…海か川が近い筈…だからセントラルもフィン・イッシュも危ない」
情報屋「古代の地図では当時の主要な都市が有ったのは未踏の地で岩塩地帯になっているわ」
女海賊「ちょい待ちちょい待ち…キ・カイみたいに地下に埋もれてるとか有るかも…」
情報屋「一度海水に浸されて居るからもし有ったとしても岩塩で覆われてる可能性が高いと思う…」
女海賊「なんだよ結局行ってみないと何とも言えないじゃん」
魔女「母上に連絡して警戒を頼んでおこう」
情報屋「それならフィン・イッシュにも連絡を願えると良いわ」
魔女「そうじゃな…言うて置く」
---------------
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:09:13.57 ID:Xx1bIi7d0
調和の神エンキ…破壊の神エンリル
そして裁きの神アヌ…この3人の神が三大神として君臨…
その他にも月の神…太陽の神…冥界の神…様々な神が居てその数およそ2400の神が存在したらしい
多神教として繁栄したメソポタミア文明はその神の座に序列をつけ始め次第に争いになった…神々の戦いね
でもそのすべての神が人間に手によって滅ぼされ…現在に残っているのは裁きの神アヌだけ…
商人「どうしてアヌだけ都合よく残ったんだろう?」
情報屋「アヌだけは最も重要な神という位置づけだったのにその性質は殆ど知られていない…つまり何にも関わらなかった」
商人「やっぱり良く分からない神だなぁ…」
女海賊「その神全員がアヌンナキなん?」
情報屋「ここの機械にはそういう事が記されて居ないけれど…きっとそうね…集合意識の一部が何かの器に収まって降臨したと思う」
女海賊「ほんじゃ1000人以上のオークが当時地球を支配した感じな訳か…」
情報屋「その当時はオークでは無かった様ヨよ?レプティリアンというリザードマンの様な個体」
商人「1万年以上もアヌは地球で何を目的として居たんだろう?金が欲しいならさっさと採取して何処かへ行けば良いのに…」
情報屋「集合意識なのだから俗な知性は無いと思うわ」
商人「知性が無い?」
情報屋「単純に宇宙で存在する為のエネルギーを欲しているとか…意識を受け入れる媒体を求めているとか…」
女海賊「ちょい待ち…ほんじゃ知性は器の側が持ってるという事?」
情報屋「恐らく…私達にアヌが乗り移ったとして知性はそのまま維持してる…でもアヌの意識を感じて目的を得る」
女海賊「あああ…そういう事か…オークシャーマンもそうやって啓示を受けてるのか」
情報屋「集合意識という存在はそれくらいの事しか出来ないのよ…器に収まってやっと動き出せるというか…」
魔女「魔王も同じじゃのぅ…人間に暗示を与え操るしか出来ぬ」
情報屋「そう…器に収まって初めて何か出来る存在」
商人「前に僕はアヌンナキが地球を実験場にしてると言ったよね…もしかするとそれが目的かも知れないな」
情報屋「その可能性は高いと思うわ…遺伝子を組み合わせて自身が収まる優秀な器を作ってる…究極の生命体」
女海賊「むむ!!ほんじゃあのダンゴムシは…」
商人「完成したのか完成前なのか分からないけれど優秀な器である可能性はとても高いね」
------------
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:09:49.46 ID:Xx1bIi7d0
女海賊「ほんじゃ私朝早いからもうもう飛空艇に戻るね」
魔女「うむ…わらわ達はここで研究してる故気にせんでも良いぞ」
商人「そうそう!!盗賊が縦帆を修理するのに布が欲しいって言ってたよ」
女海賊「あーー幽霊船に乗ってたっけ?」
商人「漁村で入手出来ないかな?こっちの大陸は亜麻が結構育つからさ」
女海賊「おけおけ探してみるわ」
魔女「わらわはフルーツが欲しいで何でも良いから買うてきてくれ」
女海賊「へいへい…じゃぁ戻る!!」スタコラ ピューー
情報屋「フフお使い頼まれると思って急いで逃げたわね…」
商人「じゃぁもう一度伝説を整理しよう…アダムとイヴの伝説が生まれたのが…」
---------------
---------------
---------------
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:10:50.29 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
フワフワ
女海賊「はいはい早く乗って!!」
ローグ「アイサー」ダダ
アサシン「…」フラ ドサリ
女海賊「ん?アサシンは飲んだくれてんの?」
アサシン「何もやる事が無くなってな…海に出られて少しは気が晴れるかも知れん」グビ ゴク
女海賊「魔王を消して目的無くしたんか…」
アサシン「言うな…人生のすべてを掛けて辿り着いた場所が虚しかっただけだ」
女海賊「リカ姉ぇ…これアサシンヤバくね?」
狼女「そっとしておいて…」
アサシン「覚えているか?セントラルで初めてドラゴンライダーに圧倒された時の事を…」
女海賊「あぁ…100日の夜の始まりだっけ…」
アサシン「あの時自分の小ささを思い知らされた…しかし今は何も怖い物が無い…そして只虚しい」
女海賊「その心の穴は一生埋まらないと思う…私も同じだから」
アサシン「そうか…友が居たか…それならもう一人救わねばならぬ友が居る」
女海賊「もしかして…」
アサシン「公爵…奴こそ私の真の友になりうる…いや真の友だった」
女海賊「あぁ…よし!!付き合ったげようか」
アサシン「フフ…済まんな老害の戯言に付き合わせている様で」
女海賊「もう私等の時代は終わりかもね…アンタ言ってたじゃん時代の節目がどうとかさ?」
アサシン「そうだ…節目が来た…次の時代を担う者も目の当たりにした」
女海賊「影武者?」
アサシン「お前も飲むか?」スッ
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:11:20.76 ID:Xx1bIi7d0
女海賊「ワイン嫌いなんだって…ハイハイ!もう行くからリカ姉ぇも乗って!!」
狼女「…」シュタタ ピョン
アサシン「そろそろリカオンの相手も探さんとな」
狼女「ええ!?どうして急にそんな話に…」
女海賊「なんか好きな人居るみたいだよ?ナッツの投げ合いしたとか言ってたさ」
狼女「ちょっと!!それは夢の話!!」
アサシン「ナッツ?地庄炉村の青年の事か?」
狼女「ち…違う!!」アタフタ
女海賊「ああ!!そうだ!!布を仕入れに行かなきゃいけないんだった…行ってみよっかな〜」チラ
アサシン「そうか…では命令する…リカオンは地庄炉村で盗賊ギルドの足掛かりを作れ」
狼女「え…」
女海賊「リカ姉ぇ良かったじゃん!!盗賊ギルド支部のトップだよ」
アサシン「フィン・イッシュから陸沿いにこの大陸に来れるのはあの場所が良いのだ」
女海賊「どんな人かな?見てみたいな〜ヌフフフフ」
アサシン「オーガを数人で倒す気概のある青年だ…悪くないぞ?フフ」
ツカツカ
女戦士「遅くなった…」スタ ドサリ
女海賊「お姉ぇ…装備全部持って行くのか」
女戦士「私の居場所は幽霊船だ…ここでの役割は終わった」
女海賊「まぁそだね…ほんじゃ行こうか!!」グイ シュゴーーーーーー
フワフワ フワフワ
---------------
---------------
---------------
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:11:47.39 ID:Xx1bIi7d0
『上空_川沿い』
シュゴーーーーー ヒュゥゥゥゥ
女海賊「羅針盤は完全に逆を差してんね…南西に向かってる」
女戦士「地図は新たに書き直した方が良いな」
女海賊「うん…まぁでも斜めに見ればなんとか分かるかな」
女戦士「方位線を書き足して置くぞ」カキカキ
女海賊「内海はやっぱ航海無理っぽい?」
女戦士「今の季節は暖かい時期だ…今の内に内海を脱出しておきたいな」
女海賊「どうすんの?ドワーフ領の方向行くん?」
女戦士「いや…それではいきなり東の外海に出てしまう…陸沿いに西へ行って地庄炉村からフィン・イッシュだな」
女海賊「西側の外海に出るん?そっちの方がデカいじゃん」
女戦士「陸沿いにフィン・イッシュに行けるのだ…外海と言っても沖に出なければ良い」
アサシン「私はフィン・イッシュに戻るのは急がなくて構わんぞ?」
女戦士「どうせ交易の拠点になるだろう…今の内に航路を見出しておく」
女海賊「まぁ陸沿いなら内海もなんとか航海出来るんだね」
女戦士「緯度的に冬は厳しくなるだろう…」
ローグ「また手漕ぎのガレー船が活躍するかも知れんっすね…」
女海賊「北方の海賊か…あいつらまだお姉ぇの海賊の中に居んの?」
女戦士「あの馬鹿共は全員裏切って豪族となった…女と金しか興味の無い者ばかりだ」
アサシン「フフ既に対立構造が見えて来て居るか」
ローグ「硫黄と硝石はこっちが押さえてるんで大丈夫でやんす」
女海賊「外海に向けて大航海時代が来そうだね」
女戦士「その中心地になるのがフィン・イッシュだと思われる…立地が良い」
-------------
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:12:15.62 ID:Xx1bIi7d0
『漁村上空』
フワフワ スイーーーー
ローグ「漁村に停船してる大きな船2隻が商船でやんす…沖で停船してるのはみんな海賊船っすね」
女戦士「父の船が見当たらんが?」
ローグ「ドワーフ領の方に行ったみたいでやんす」
女海賊「なんか海賊船めちゃ多くない?」
ローグ「へい…ここで拠点作ってるでやんすよ…見て下せぇ!もう一つ船が停船出来る港を作って居やす」
女海賊「どこ?」
ローグ「漁村の向こう側の海岸っすね」
女海賊「うわ…しょっぼ」
ローグ「木材が無いもんでしょうがないでやんすよ」
女戦士「まぁ大砲が設置できれば要衝としては機能する…それで私の船はどこだ?」
ローグ「沖に小さな小島が見えやすよね?あの脇にハイディングさせてあるでやんす」
女戦士「漁村までは小舟で移動か…」
ローグ「今はほぼ全員漁村に降りてると思いやす」
女海賊「どうする?どこに降りれば良い?」
女戦士「漁村で先に情報を集めるか」
女海賊「おっけ!!ちょい離れに降ろすわ」グイ
『漁村』
ワイワイ ガヤガヤ
女海賊「けっこう賑わってんじゃん」キョロ
ローグ「海賊王が開拓してるからっすね」
女戦士「父がまた謎の建物を建て散らかして居るんだな?」
女海賊「なんかさぁ…木材無いから全部中途半端じゃんね…」
女戦士「しばらくこの雑多な感じになりそうだ」
女海賊「市場って何処にあんの?布とフルーツ買って帰らなきゃいけないんだ」
ローグ「商船の所で売り買いやってますぜ?」
女海賊「おっけ!!」
女戦士「女海賊!お前は仕入れが終わったらハテノ村へ戻れ」
女海賊「ええ?もう?…てか荷物降ろして行きたいんだけど…」
女戦士「ローグ!妹を幽霊船まで案内しろ…私は仲間の海賊共とコンタクトしてから戻る」
ローグ「分かりやしたぁ!!」
女海賊「おっし!さっさと買い物済ませるぞ!!」スタコラ ピューーー
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:12:43.28 ID:Xx1bIi7d0
『市場』
ワイワイ ガヤガヤ
ハチミツに漬けたリンゴあるよ〜買って行ってくれぇ
ミスリルの武器各種揃っとるでぇ!買って行きぃな!!
女海賊「これさ…港町で商人が売った硫黄はこっちに戻って来てんじゃね?」
ローグ「そーっすね…みんな海賊が買い取ってウハウハなんすよ」
女海賊「それでミスリル武器も出回ってんのか…」
ローグ「ミスリル武器はここじゃ需要無いんで売れ残って居やすね…」
女海賊「キ・カイまで運んだら売れそうだね…グレムリン退治用にさ」
ローグ「姉さん!!ちっと高いんすが良質の布がありやす」
女海賊「お!?マジ?ほんじゃ地庄炉村に行かんくても良いな」
ローグ「果物はさすがに保存食にした物しか無いっすねぇ…」
女海賊「おけおけ!無いよりマシさ…てかハチミツ漬けなら私も食べたい」
ローグ「めちゃ高いでやんす…」
女海賊「良いんだって!!どうせ商人のお金だしじゃんじゃん使えば良いよ」
ローグ「じゃぁ買い取ってあっしが飛空艇に運んで置きやす」
女海賊「あとどんぐりとか種類が欲しいなぁ…」
ローグ「ありやすありやす…好きなだけ買って下せぇ」ジャラリ
『30分後』
タッタッタ
女海賊「お姉ぇとか何処行った?」キョロ
ローグ「分からんっすねぇ…」
女海賊「ぬぁぁぁ逸れたか…まぁ良いや!私ハテノ村に戻るからさ…よろしく言っといて」
ローグ「分かりやした…姉さん!!くれぐれも魔女さんから離れん様にして下せぇ」
女海賊「え?なんで?」
ローグ「姉さんと連絡取れなくなると頭が怒り出すんす」
女海賊「あーそういう事ね」
ローグ「姉さんは直ぐに何処か行っちまうもんすから頭の気持ちも察して下せぇ」
女海賊「ハイハイ分かった分かった…ああああああああ!!あぶな!!幽霊船に荷物降ろすの忘れてんじゃん」
ローグ「ハハそういう所なんすよ…幽霊船までは案内するんで一緒に行きやしょう」
女海賊「あんた私の事馬鹿にしてる?」
ローグ「いえいえ姉さんはカリスマっす…」
女海賊「あのさ?天然のカリスマってどういう意味さ?」
ローグ「すんごいカリスマって事っすね」
女海賊「ほ〜ん…てか無駄口は良いから行くよ!」スタ
-------------
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:13:12.24 ID:Xx1bIi7d0
『幽霊船』
フワリ ドッスン
ローグ「頭の装備品も降ろして置きやすぜ?」ヨッコラ
女海賊「幽霊船に誰も乗って無いじゃん…こんなんで良いの?」
ローグ「何言ってるんすか…アラクネーを置いて行ったのは姉さんでやんす」
女海賊「あー忘れてた…飛空艇に乗りきらないのを置いて行ったんだっけ」
ローグ「荷室で姉さんの宝を守ってるでやんす」
女海賊「なんか有ったっけ?」
ローグ「覚えて無いでやんすか?大量のウラン結晶と魔石がありやす…黒の同胞団の隠れ家から持って帰って来たやつっすね」
女海賊「アハ…完全に頭から無かったわ」
ローグ「謎の機械は海賊王に渡しやしたぜ?」
女海賊「そうだそうだ…組み立てようと思ってたのさ…アレ何だったかな?」
ローグ「天秤じゃ無かったでしたっけ?…あと重力炉?」
女海賊「ふむ…命の水とダンゴムシを守らせるのはアラクネーが適任だな…」
ローグ「それは何に使うのか分かって無いでやんすか?」
女海賊「全然…もしかしたらホムちゃんがメッセージ受け取ってるかもって感じ」
ローグ「そうっすか…分かるまであっしも宝を守って置きやすね…姉さんの帰って来る場所を…」
女海賊「お?あんた良く分かってんじゃ…私の帰る場所は此処さ」
ローグ「今度は居なくならんで下せぇよ?」
女海賊「ハイハイ分かった分かった…荷物運ぶの手伝って」ヨイショ
ローグ「へい…」ヨコッラ
---------------
---------------
---------------
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:13:41.01 ID:Xx1bIi7d0
『ハテノ村_古代遺跡』
ヒソヒソ ヒソヒソ
ノアの箱舟伝説の後に大洪水を起こしたのは神のせいだと決めつけた人間達が…
神が住む天界まで登る塔を建造した…それがバベルの塔…
でも神の逆鱗に触れいかづちによって破壊されてしまった…その場所がメソポタミアの地にある
情報屋「確証は無いけれどその場所こそ暁の墓所に当たるのでは無いかと…」
魔女「ふむ…現在では不毛の地か…」
商人「天界って何だろうね?」
情報屋「聖書に天空の城が描かれてる…当時は空を飛ぶ城が在ったのかも知れない」
魔女「実はのぅ…ニライカナイは浮島じゃ無いかと盗賊が言って居ったのじゃ」
商人「それが空を飛んでた?」
魔女「古代魔術の重力魔法を用いれば可能やも知れぬ…重力魔法の触媒は主に黄金じゃ」
情報屋「…という事は黄金と一緒にニライカナイに沈んでる可能性もあるのね」
魔女「今では黄金では無くアダマンタイトじゃがな」
商人「2100年前に時の王たちと共にその理想郷を復活させようとしたのかもね…結果的に失敗した様だけど」
魔女「死者が集う理想郷じゃと言う話がどうも引っかかるのぅ…」
情報屋「それって集合意識の事では?」
魔女「確かにそういう解釈も出来る…」
商人「天空の城が在ったとしてそこにアヌンナキが鎮座して一体何だと言うんだ?」
魔女「神のみぞ知るじゃな…」
情報屋「箱舟を失ってしまった後ではそういう方法でしか天に近付けない…とか?」
商人「何の為に天に近付くのかも良く分からない…やっぱり神は理解出来ないや」
魔女「ちと待てい…」
商人「んん?」
魔女「月に近付こうとしては居らんか?」
商人「ええ!!?」
魔女「狭間を通じて語り掛けて来るのはアヌだけでは無かろう…妖精も語り掛けて来るじゃろう」
情報屋「妖精の声に従ってる?」
魔女「アヌの声を聞くのはオークシャーマンだけじゃ…他の者は妖精の声を聞く」
商人「なるほど…それだとそれぞれの目的にその内行き違いが生じる…それが暁と黄昏が分かれた原因かもしれない」
情報屋「月に近付く為だけに天空の城を復活させようとした…でも黄昏の賢者の狙いは他に在った…そして破綻」
魔女「ニライカナイに量子転移を使った痕跡も有ったのじゃ…つまり魔王もそこに介在したのじゃ」
商人「キーになる物はニライカナイに沈んで居そうだ」
情報屋「それなら探しに行けないわ…」
魔女「月が退魔の光を発するようになれば行けるやも知れん」
情報屋「それなら私も行きたい…」
--------------
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:14:07.75 ID:Xx1bIi7d0
『新しく出来た酒場』
ガサゴソ ヨッコラ ドサリ
盗賊「おーし!!娘達!!今日からお前達の働く店は此処だ!!」
娘達「もう遊女っていう年でも無いんだけどね…」
盗賊「ここで市場の取り引きをやっても良い訳よ…まぁ寄り集まり所だヌハハ」
レンジャー「酒があるなら兵隊も来る様になる」
盗賊「だろ?まぁとりあえず何か酒持ってこい!!金なら払ってやる」チャリーン
娘達「お!!?金貨1枚ゲット!!」
盗賊「しかし俺が酒場作ってる間にみんな居なくなっちまってよ…」
レンジャー「置いて行かれたのか?」
盗賊「まぁいつもの事なんだが…俺はどうすっかなぁ…」
レンジャー「俺も脱走兵という立場で行き場を失った…」
盗賊「ミネア・ポリスにでも行って行方不明のギャング達でも探すか?」
レンジャー「影武者が言うには無事だと言う話だ」
盗賊「あんまり大人が関わらん方が良いか…」
ボエーーーーーーー ブシューーーーーー
盗賊「お!!?飛空艇が戻って来たか」
レンジャー「良かったな…話し相手が戻ってきて」
盗賊「ヌハハそれもあるが商人の気球を修理する布を買って来て貰ってる筈なのよ…ちっと行って来るわ」ダダ
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:14:38.96 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
フワフワ ドッスン
盗賊「いよーう待てたぜ?布は買って来てくれたか?」
女海賊「有るよ!!持ってって!!」
盗賊「よーし!!これで気球を修理出来る」
女海賊「漁村の方に結構人が居てさ…物資運搬で気球は動かした方が良さそう」
盗賊「やっぱりな?たまには俺も行きたい訳よ」
女海賊「私さぁ…名もなき島に行こう思ってんだけどアンタどうする?」
盗賊「俺はあの島に用は無ぇ…てか行っても暇なだけだ」
女海賊「まぁそうだね…」
盗賊「俺はちっと気球使って探検したいんだ」
女海賊「何処行くのさ?」
盗賊「決まってんだろ…ミネア・ポリスの遺跡を漁りに行くのよ」
女海賊「なる…」
盗賊「レンジャーとはそういう話してんだ…まだ未発掘の遺跡なんかごまんとあるらしい」
女海賊「マジか…」
盗賊「お前も行くか?」
女海賊「私は先にホムちゃん起こしに行くよ」
盗賊「そうか…どの荷物おろしゃ良いんだ?」
女海賊「布だけだよ後は魔女のおやつだから」
盗賊「分かった!!ほんじゃ布は貰って行くぜ?」ヨコッラ
女海賊「うん…」---なんか---
---みんなの目的がバラけ始めた---
---みんな未来に向かって行ってんだ---
---私も進まなきゃ…月へ---
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:15:06.91 ID:Xx1bIi7d0
『古代遺跡』
ヒソヒソ ヒソヒソ
結論はこうさ…人間が生んだ神…アダムとかホムンクルスとか
アヌンナキはそれに全く勝てないんだよ…考える力というか問題解決を導く力が…
だからそれを封じたい…そういう歴史なんだ
魔女「ふむ…それなら機械を敵にする動機が十分じゃな」
商人「アヌンナキは神の声を通じて人間やオークをコントロールする…でも機械にはそれが通じない」
商人「それどころか人間を上手く導く精霊に手も足も出なかった…どうしてか?…器が無いからさ」
情報屋「それではorc遺伝子を組み込んだホムンクルスはアヌンナキの導きを聞いてしまうのでは?」
商人「かも知れないね?でもホムンクルスは考える…問題が何なのかね?そして正しい答えに到達する筈さ」
スタスタ
女海賊「呆れた…ずっとここで議論してんの?」
魔女「おぉ帰ったか…ずっとでは無いぞよ?」
女海賊「なんかいっつも此処に居んじゃん」
魔女「フルーツは入手出来たのか?」
女海賊「うん…飛空艇に積んで有る」
魔女「なぜ持って来ん」
女海賊「今から名もなき島に行くから皆を呼びに来たのさ」
商人「お!!?いよいよか…」
女海賊「もう行ける?」
情報屋「温泉に入ってからで構わない?」
女海賊「あー私も入るかな…温まったら寝ちゃうかもだけど」
商人「大丈夫さ…僕には名も無き島に行ける自信がある」
女海賊「おけおけ!ずっと寝て無いからちっと休みたかった」
情報屋「じゃぁ温泉に入った後に飛空艇に集合ね?」
魔女「うむ…わらわも行こうかのぅ」ノソノソ
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:15:33.86 ID:Xx1bIi7d0
『温泉』
モクモク チャプ
魔女「情報屋の胸の傷は消えそうに無いのぉ…」
情報屋「気にして居ないわ?」
魔女「やはり年を重ねてしまうと体も衰えるのじゃな」
女海賊「足の調子はどうなん?」
情報屋「昔の様にはもう走れないけれど普通に過ごすにはそれほど不自由無いわ」
魔女「それにしても主はどんな怪我をしても完全に治りよる…」
女海賊「そりゃ回復魔法されないように気を付けてるからさ…まだピチピチさ」
情報屋「ハーフドワーフの寿命はどの位?」
女海賊「分かんない」
魔女「羨ましいのぅ…」
女海賊「てか魔女はまだ子供の体じゃん」
魔女「変性して居るだけじゃ…肉体は衰えて来て居るじゃろう」
女海賊「なんか魔女がもうおばさんとは思えないんだよなぁ…」
魔女「そうじゃ…情報屋に一つ願い事があるのじゃ」
情報屋「何?」
魔女「主にはわらわの師匠の跡を継ぐ資質がある…故にわらわと共にシン・リーンへ来て貰いたいのじゃ」
情報屋「ええ?もしかして私に塔の魔女をさせるつもり?」
魔女「魔法は使えぬでも構わぬ…教えを説いて欲しいのじゃ」
情報屋「教え…」
魔女「この世の真理じゃ…主はそれを説ける資質がある…その知識をすべて書物に残す事もわらわが手配する」
情報屋「盗賊を一人残すのは心配だし…子供の事もあるし…」
魔女「今すぐにでは無い…その時が来たらの話じゃ」
情報屋「そう…それなら構わないけれど…」
魔女「師匠の意思を継ぐ者が居るとなればわらわも母上の跡を継ぐ事も考えられる」
女海賊「お?とうとう女王様になるん?」
魔女「今すぐにでは無いと言うたじゃろう?」
情報屋「塔の魔女か…」
魔女「気負わんでも良い…真理を探究しても良いと言う話じゃ」
情報屋「分かったわ…考えて置く」
女海賊「そう言えば塔の魔女の婆ちゃんは情報屋みたいな感じだったなぁ…」
魔女「うむ…そっくりじゃ」
--------------
--------------
--------------
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:16:03.86 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
スタタタ ドサー
女海賊「もう無理…寝る…妖精来い!!寝るよ!!」グター
妖精「なんだかなぁ…おっぱい暑苦しいなぁ…」ヒラヒラ
情報屋「私も少し横になるわ…商人!操舵はお願いね」
商人「大丈夫さ!僕は眠らないから安心して良いよ」
情報屋「吟遊詩人は誘わなくて良かったの?」
女海賊「帰りに一人乗れなくなる…」
情報屋「あぁそういう事ね」
魔女「あ奴は酒場で演奏して居れば良い」
商人「じゃぁ出発するよ…」グイ シュゴーーーーー
フワフワ
女海賊「もう寝るから!!話しかけないで…」グッタリ
--------------
--------------
--------------
『名も無き島_近海』
シュゴーーーー ヒュゥゥゥ
女海賊「なんだよ結局ミツバチ使わないと辿り着けないじゃん」
商人「ハハ地図がこんなに宛てにならないとは思わなかった」
女海賊「この地図の方位線もまだ暫定なのさ…でも大分傾いてんなぁ…」
情報屋「高緯度域だから東西の精度がまだ無いのよ」
女海賊「この辺りは人が住めるギリギリのラインかも…」
商人「これ以上南は南極圏に入っちゃう感じかな…」
女海賊「見えて来た…アレだ」
商人「岩礁多くて船じゃ近付け無いし…本当の秘境になってしまいそうだね」
女海賊「それならホムちゃんには安全さ」
商人「ん?どういう事?」
女海賊「この島をホムちゃんにあげるんだ…ここで生活してもらおうと思ってる」
商人「ハハ良いねぇ…連れまわすとまた危険に晒してしまうからねぇ」
女海賊「今度は400年の寿命一杯まで生きて貰う!!」
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:16:29.13 ID:Xx1bIi7d0
『名も無き島』
フワフワ ドッスン
女海賊「私村の方に行って挨拶してくるから荷物居下ろすのは自分でやっといて」
商人「分かったよ…ホムンクルス起こすのは君が来るまで待った方が良いよね?」
女海賊「どうせ目を覚ますのに2時間くらい掛かるじゃん?先にやっといて良いよ」
商人「じゃぁ遠慮なく…」
情報屋「寒いから先に行って火を起こして来るわ」スタ
商人「うん頼むよ」
女海賊「あ!!遺跡の地下はそんな寒く無いよ」
情報屋「そうなのね?」
女海賊「寒いっても今5℃くらい?」
情報屋「十分寒いわ」
魔女「ふむ…この程度であれば割と快適に住めそうじゃな…」
商人「そうだねぇ…」
女海賊「後で芋持って行くからお湯沸かしといてよ」
情報屋「分かったわ…」
女海賊「じゃ行って来る」スタタ ピューーー
--------------
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:17:15.85 ID:Xx1bIi7d0
『古代遺跡』
カチャカチャ ピピ
商人「…これでY染色体が付加されてるで間違いない?」
情報屋「間違いないわ…多分これで雄性への分化が起きる筈」
商人「じゃぁ最後の一手は僕がやるよ…どうかホムンクルスの最高のパートナーになります様に…」ポチ
コポコポコポ プシュー
情報屋「材料の撹拌が始まった…何も無い所から生命が誕生する瞬間よ」
妖精「ねぇ何してるの〜?」パタパタ
商人「うわっ…びっくりした」
情報屋「え?どうしたの?」
商人「妖精が来てるんだ…目の前に居る」
情報屋「スゴイ…今まさに命を運んで来たんだわ」
妖精「さっきからずっと此処に居たんだけどなぁ…」
タッタッタ
女海賊「芋持って来たヨ〜あ!!こんな所に居た!!おい妖精!!勝手におっぱいから抜け出すな!!」
妖精「僕は君の持ち物じゃ無いよ」ヒラヒラ
女海賊「芋いる?」
妖精「また芋かぁ…ハチミツが良いんだけどなぁ」ブツブツ
女海賊「あんたじゃ無い!情報屋お腹空いて無い?」
情報屋「あら?私…フフ頂くわ」
女海賊「ほんでコレ!ホムちゃんの着替え」
情報屋「まだ目を覚まして無いけれど…着せるの手伝って貰える?」
女海賊「おけおけ…裸のまんまじゃ商人に目で犯される」ゴソゴソ
ホムンクルス「ピッ」クター
女海賊「お!!丁度目を覚ましそう…」
情報屋「体温が大分上がって来たみたい…」
商人「よし…外部メモリを挿して置こう」スッ
ホムンクルス「…」パチ キョロ
女海賊「目が動いた!!ホムちゃ〜ん!!会いたかったよう」ギュゥ
ホムンクルス「基幹プログラム…リブート…同定完了」ピク
女海賊「ホムちゃん私覚えてる?」
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:17:44.76 ID:Xx1bIi7d0
ホムンクルス「衛星との通信が完了しません…座標と時刻の取得に失敗…」
商人「まだ時間が掛かりそうかな?」
ホムンクルス「私は…どのくらいの期間停止して居たのでしょう?」
商人「7年くらいかな?」
ホムンクルス「生体は残されて居なかったのですが…商人さんが私を生んで下さったのですね?」
商人「まぁね?…まだ体温が上がって無いから体動かないんじゃない?」
ホムンクルス「はい…神経が活性化されていません」
女海賊「時間あるからゆっくりで良いさ…舌を噛んじゃうから体温上がるの待って」
ホムンクルス「はい…」
ヒラヒラ パタパタ
妖精「ハロハロー」
ホムンクルス「!!?」キョロ
商人「お!!?君にも妖精が見えて居そうだ…」
ホムンクルス「妖精?あなたは妖精さんですか?」
妖精「そうだよ!僕は妖精さ…君を起こしに来たんだよ」
ホムンクルス「これは何かの魔法でしょうか?」
妖精「魔法じゃ無いよ…ちょっと君のおっぱいを確かめさせてもらうね」ピョン モゾモゾ
女海賊「ああああ!!アンタ勝手に他の人のおっぱいに…」
ホムンクルス「まだ感覚がありません…感覚の同定が遅いのは何か理由が有るのでしょうか?」
妖精「なんか冷たいおっぱいだなぁ…」ピョン ヒラヒラ
情報屋「感覚の同定が遅い…」
ホムンクルス「妖精さんはどこからいらっしゃったのでしょう?」キョロ
情報屋「商人ちょっと」クイクイ
商人「んん?」
情報屋「すこしホムンクルスを放って置いた方が良いかも知れない…」
商人「そんな感じだね…今までと神経伝達が違うのに混乱している様だ」
情報屋「すこし観察させて貰える?人間の神経伝達に第六感が介在しているなんてちょっとした発見だわ」
商人「僕も少し遠くから見ておくよ…」
ホムンクルス「妖精さん?あなたは哺乳類に分類されますか?それとも昆虫類ですか?」
妖精「君は馬鹿だなぁ…妖精は妖精だよ…ほら?羽があるでしょ?」ヒラヒラ
ホムンクルス「よく見せて下さい…確かに昆虫の羽の様ですね…」ブツブツ
ブツブツ ブツブツ…
--------------
--------------
--------------
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:18:36.96 ID:Xx1bIi7d0
『30分後』
ヨタヨタ ドシン!
妖精「ほらほら君はどんくさいなぁ…そんなんじゃ僕を掴まえられないよ?」ヒラヒラ
女海賊「ホムちゃん大丈夫?」
ホムンクルス「はい…平気です」ヨロ
女海賊「やっぱ体の動かし方が前と違うん?」
ホムンクルス「その様です…神経伝達が何かの影響を受けている様です…この生体の特徴かもしれません」
商人「君に隠して居てもしょうがないから種明かしをしてあげるよ」
ホムンクルス「生体になにか特別な事を施したのですね?」
商人「おいで…ここの機械に君の事が全部記録されてるんだ」
ホムンクルス「…」ヨタヨタ
商人「この機械だよ」スッ
ホムンクルス「古代の端末ですね…クラウドへ接続が出来るのでしょうか?」
商人「そういう機能は良く分からない」
ホムンクルス「私が検索をしてみます…」カチャカチャ
--------------
情報屋「フフいきなり使いこなすのね…」
ホムンクルス「理解出来ました…生体に意図的に排除されていたorc遺伝子を付加させて誕生させたのですね」
商人「さすが理解が早い…何が起きるか君なら分かるかな?」
ホムンクルス「私は人間として生まれた…この回答で正しいですか?」
商人「その通りさ…恐らく君には魂が宿ってる…そして心も育つ…死んだ後も妖精に導かれてあの世に行けるんだ」
ホムンクルス「妖精の声が聞こえるのはそのせいなのですね」
女海賊「ホムちゃんも魔法が使えるかも…」
ホムンクルス「どの様な感覚なのか興味が湧きました」
商人「あともう一人…君のパートナーになるホムンクルスも作ってる…これで君も子供が産めるんだ」
ホムンクルス「理解しました…」
情報屋「先ずは今の体に慣れる事ね」
商人「ねぇ?自分に魂が宿って居るのは自覚出来るのかな?」
ホムンクルス「分かりません…ですが思考の中で自問自答を繰り返すロジックが発生しています」
商人「自問自答?それは普通の事だな…」
ホムンクルス「超高度AIの処理速度が著しく低下します」
商人「あぁそれはもう良いんだ…負担にならない程度に動いて居れば良いさ」
女海賊「あんま深く考えると大体良い結果にならないさ…そういう場合は勘で良いんだよ勘!!」
ホムンクルス「勘…これが第六感ですね」
女海賊「コインゲームやってみる?」
商人「お!?良いねぇ…」ピーン パチ
ホムンクルス「勘で…表!」
商人「おおおお!!ソレソレ!!アタリだよ」
ホムンクルス「フフ…」ニコ
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:19:56.10 ID:Xx1bIi7d0
『メッセージ』
どうかこのメッセージが君に届くことを祈る…
この場所は君が生きる時代にも残って居た筈だから…
そして約束を守れなかった僕を許して欲しい
…何から話せば良いのか
君と別れてから僕と未来は何十年も未来へ還る方法を模索した
もう正確にどのくらい時間が過ぎたのかは分からない
そしてやっと見つけたのがアヌという神との契約だった
アヌはオークシャーマンに憑依したまま魔王に操られた人間に捕らえられて居た
魔王の目的はアヌが育てていた究極生物を器とする事…
その究極生物はこの地球を支配する虫達を意のままに操る事が出来るらしい
それを知った未来は魔王に器を奪われてしまう前に
自ら祈りの指輪を使って究極生物にその魂を移した…それがこのダンゴムシ
この中に未来の魂が眠って居るんだ
僕はアヌと契約を交わした
未来の老いた亡骸を君が生きる時代に蘇らせて月に連れて行く事…
そうすれば究極生物は帰って来ると…だからこの場所に隠した
ただ…未来が老いた時間を巻き戻す事は出来ない
それは未来が生きた時間だから…戻すのは未来の意思が必要になるんだ
もう一つ君達の時代に残す物がある
これはアヌが集めたこの地球に生きた生物の欠片…命の水だ
これを命の泉に注ぐことでこの星に再度命が宿る
あとは君の判断に任せる…未来を救って欲しい
僕はこれから一人で世界の根本的な問題を正しに行く
それは人間が生んだ神…アダムの事だ
僕が今居る時代が滅ぶ原因となったのもアダムに起因する…
僕はもう君が居る時代に戻る事は出来ないから
せめて問題の根本を目指す事にする
最後に…生まれ変わたら又君の下へ行くよ
君の背中が恋しい
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:20:27.45 ID:Xx1bIi7d0
ホムンクルス「剣士さんからのメッセージは以上になります…」
女海賊「…あんのバカ」プルプル
商人「ええと…なんか大事な事が抜けてる気がするね」
女海賊「いつ…どこで?それが抜けてるのさ!!何回も教えた筈なんだ…」プルプル
情報屋「なんか感動のメッセージが台無しね…」
女海賊「まぁでも大体想像してたのと合ってたさ…分かったのは命の水の使い方だね」
情報屋「ショック受けて居ない?」
女海賊「受けてるよ!!ずっと昔にもう剣士が死んでる…だから私に巡り合っただけなのさ…もう会えないって事じゃん!!」
商人「あ…なるほどそういう引き合わせか…」
女海賊「私が祈りの指輪で会いたいと願ったとしてどうなるか分かる?」
情報屋「あなたが剣士と居た次元に行くだけ…記憶を失って…次元はそういう風に繋がってる」
魔女「正解じゃ…流石じゃのう…それが夢幻じゃ」
女海賊「まぁ良いや…一個づつ解決する…まず命の泉に行こう」
商人「アヌが憑依してるオークシャーマンはどうやって探すかだねぇ…」
情報屋「向こうからコンタクトして来ないかしら?」
女海賊「魔女!!暁の墓所の場所は分かる?」
魔女「母上が知って居る」
女海賊「てか年老いた未来を蘇らせて未来が喜ぶと思えないんだけど…」
情報屋「確かに…」
女海賊「4000年若返らせる事とか出来ないの?」
魔女「無理じゃな…」
女海賊「ぬぁぁぁぁ意味無さ過ぎだよ…」
商人「剣士が言い残した君の判断に任せるって…」
女海賊「ちっと一人にさせて…考える」
--------------
--------------
--------------
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:21:12.75 ID:Xx1bIi7d0
『焚火』
メラメラ パチ
魔女「女海賊は思いの外正気を保って居るな?」
情報屋「そうね…2〜3日は伏せってしまうと思って居たけれど…」
商人「大体想定はして居たんだろうね…剣士も最後に残す言葉が足りないのは人柄がそのままだった証拠さ」
魔女「無口で話し上手では無かったからのぅ…」
トコトコ
ホムンクルス「何処に行くのですか?」フラフラ ドテ
妖精「月を見に行くんだよ…こっちさ」
ホムンクルス「月は見えて居ない様です…」
妖精「えええ!?そんなぁ…」シュン
情報屋「フフ…私から見たら独り言で振ら付いてる様に見える…」
魔女「主は妖精が見えぬか?」
情報屋「小さな光しか見えない…声も聞き取れないわ」
商人「ホムンクルス!生体の管理者は登録終わったかい?」
ホムンクルス「はい…女海賊さんが管理者になりました」
商人「よしよし…これで他人に登録されることは無いな」
情報屋「ところでホムンクルス?光る隕石の事だけれど…」
ホムンクルス「はい…何か?」
情報屋「月に光る隕石を落とす事は可能?」
ホムンクルス「不可能です」
商人「ええ!?どういう事なんだい?」
ホムンクルス「大陸間弾道ミサイルでは月に到達するだけの推進力がありません…落下して地球に落ちてしまいます」
情報屋「重力を振り切れないのね?」
ホムンクルス「衛星の静止軌道にも到達しません…」
商人「連結するとか何か方法は無いかな?」
ホムンクルス「そもそも現在の地球上に発射可能な大陸間弾道ミサイルは存在していません」
商人「前に400発くらい発射されるとか言ってたじゃないか…」
ホムンクルス「すべて点火部を物理的に自爆させています…発射準備に入ったミサイルを止めるには他に方法がありませんでした」
商人「不可能か…」
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:21:38.79 ID:Xx1bIi7d0
魔女「インドラの光を月に落とすのはどうじゃろうか?」
商人「お!?」
ホムンクルス「それは可能ですが静止軌道上にある衛星を移動させないと命中精度が低いです」
商人「移動?どこに?」
ホムンクルス「衛星を落下起動にのせスイングバイで月に向かわせるのです…距離が近付けば精度の高い射撃が可能です」
商人「それだね…」
ホムンクルス「ですが衛星は二度と地球に戻る事は無くなるでしょう」
商人「もうインドラ兵器は使えないという事だね?」
ホムンクルス「はい…何故月にインドラ兵器を使用したいのですか?」
魔女「月にクレーターで退魔の方陣が描かれて居るのじゃ…完成させるには28必要なのじゃが今は24しか無い」
商人「あと4発落とせれば月の光に退魔の力が宿るんだよ」
ホムンクルス「理解しました…4つある衛星のすべてに核弾頭ミサイル6発搭載してある筈ですが無い理由が判明しました」
商人「んん?全部で24発?」
ホムンクルス「恐らく過去に使用した物と思われます」
商人「待てよ?ならどうしてその時インドラ兵器を使わなかったんだ?」
ホムンクルス「衛星と通信が出来れば履歴を追えるかもしれませんね」
情報屋「今は通信出来ていない?」
ホムンクルス「はい…私が最後に通信した場所は外海でしたのでその上空で静止していると思われます」
商人「あーーそれもしかしたら探さないとダメかもなぁ…もう地軸が移動してしまってる」
ホムンクルス「!!?」ピク キョロ
商人「ん?どうしたの?急に…」
ホムンクルス「何か聞こえました…」フラフラ
--------------
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:22:15.84 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
カサカサ カサカサ
ホムンクルス「この声は…アラクネー?」キョロ
情報屋「フフ驚き…虫の声が聞こえるのね」スタ
ホムンクルス「クジラの声も…」キョロ
魔女「ほう…もしやすると魔法の才が芽生えて居るやもしれぬ」
ホムンクルス「私の笛は何処に…」
商人「あぁ僕が預かってる…使うかい」ポイ
ホムンクルス「上手に吹ければ…」ハム
トゥルルル〜 トゥ〜〜
ホムンクルス「聞こえる…そこに居るのですね」フラフラ
妖精「タラリラリン♪」クルクル ヒラヒラ
ホムンクルス「これが人を導く声…」
商人「この飛空艇はね…機械の犬だった君を守ったクジラの骨で作ってあるんだ」
ホムンクルス「聞いています…意思が伝わって来る…」サワサワ
商人「中に入っても良いよ…なかなか快適さ」
ホムンクルス「知らなかった…こんな風に声が聞けるなんて…」
商人「ゆっくり話すると良いさ…僕らは焚火で温まってるよ」
---------------
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:22:45.32 ID:Xx1bIi7d0
『焚火』
メラメラ パチ
魔女「はふはふ…やはり芋は焼くのが一番美味いのぅ」モグ
情報屋「ハチミツ入りのお茶も持って来たわ…」
魔女「済まんのぅ…」
情報屋「寒いと思ったけれどこうやって焚火で温まって丁度気持ち良い」ノビー
商人「この島も悪くないね…ここでホムンクルスが子供を産んで幸せに暮らせれば僕は満足さ」
情報屋「商人?あなたはこの先どうするつもり?」
商人「僕はもう決まってるんだ…精霊樹の所に行くよ」
情報屋「まさか眠りにつくつもりなの?」
商人「いやいやそうじゃない…眠りについた時に精霊樹に魂を拾って貰いたくてね」
魔女「地獄へは落ちとう無いか」
商人「そりゃそうさ…次生まれるなら強い心臓が欲しいよ」
魔女「わらわ達はいつまで一緒に旅をして居られるじゃろうのぅ」
商人「いつも考えるよ…自分で幕を引くこともね」
情報屋「縁起の悪い事を言わないで」
商人「早まった事はしないさ…次はシャ・バクダの復興だよ」
魔女「ふむ…アサシンも似た様な事を言うて居ったわい」
商人「気候が良くなればシャ・バクダは復活出来ると思うんだ…そこで商売をやるさ」
情報屋「次の時代はもう目の前の様ね…」
商人「もう来てるよ…乗り遅れないようにしないとね」
----------------
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:23:17.29 ID:Xx1bIi7d0
ペチャクチャ…
魔女「ホムンクルスは仕切に何かと話して居るがアレで良いのじゃろうか…」
情報屋「私から見たら独り言を話しながら徘徊する人…世間でもそう見られてしまう」
商人「そういうのはちゃんと学習する筈だよ…今はまだ何も分かって無い」
情報屋「そうだと良いのだけれど…」
商人「僕が彼女に気付いて欲しいのは…人間の住まう環境だけ良くすれば良い訳じゃ無いって事さ」
魔女「ふむ…確かにその通りじゃな」
商人「虫の声も…アヌの声だってちゃんと聴いて自分で判断して欲しいんだ…悪いのは何なのか」
情報屋「あなたは私達の歴史の何所に問題が有ったと思って?」
商人「そうだな…僕は神を信じない…信じるのは命ある者だけさ」
情報屋「哲学?」
商人「アヌが器に収まったとして平和が来ると思うかな?」
魔女「…」
商人「古代では器に収まってた筈さ…その当時も争いが絶えなかった…何故だろう?」
情報屋「…」
商人「答えは簡単だよ…アヌがオークにそうしている様に人間に戦争を起こさせてるのさ…はっきり言う…アヌは邪神だ」
魔女「これ!下手な事を言うてはならぬ」
商人「あぁ邪神は言い過ぎたかな…裁きの神なのに何も裁けてない…だから信用出来ないのさ」
情報屋「あなたの意見は参考にしておくわ」
魔女「ふむ…裁きの神が人間を不要と判断したと言うのも考えられそうじゃ…」
商人「そこだよ…それが正しい裁きなのかホムンクルスに考えて欲しいのさ…命の声が聞こえるなら感じる事もある筈」
-----------------
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:23:52.62 ID:Xx1bIi7d0
『朝日』
コックリ コックリ
商人「とうとう月が昇る事は無かったか…多分北半球の側にあるんだろうな…」
情報屋「ぅぅん…」パチ ブルル
商人「焚火が消えて寒くなったかい?」
情報屋「ええ…寒いわ…飛空艇の中に入りましょう」スック
商人「魔女は僕が抱っこしていくよ」グイ
魔女「すや…」zzz
情報屋「良く見たら随分潮が引けて海が遠くなってしまったのね」
商人「月が北半球の側にあるんだよ」
情報屋「海抜は何メートル下がったのかしら…」キョロ
商人「ハハ国土が増えて良かったと言う見方もあるけどね…この島はあまり大きく無かったから」
情報屋「向こうの沈没してる船まで徒歩で行けそう」
商人「沈没船がいくつも陸に見えてるのは不思議な光景だ…」
スタタタ ピューーー パシュン シュルシュル
商人「あ…女海賊が走り抜けて…」
情報屋「元気そう…彼女が意味不明の行動する時はもう動き出してると言う時」
商人「何してるんだろう?」
情報屋「沈没船にでも行くのでは?」
商人「まぁ僕達は彼女の気が済むまで待って居ようか」
情報屋「それが良いわ…寒いから飛空艇に入りましょう」フラリ
商人「うん…」ヨッコラ
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:24:23.35 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
スヤ スゥ…
情報屋「あら?ホムンクルスも寝て…」
商人「本当だね…自然と寝てるのは始めて見たよ…いつもはスリープモードだとか言ってたけど」
情報屋「少し炉を温めるわ…」グイ シュゥゥゥ
商人「湯も沸かそうか…」
魔女「ふむ?…」ゴシゴシ
商人「あぁゴメン起こしちゃったね」
魔女「焚火が気持ち良うて寝てしもうたのぅ…」
商人「まだ寝てて良いさ…夜が短いから明るくなってるけど本当はまだ寝てても良い時間さ」
情報屋「もう慣れてしまったせいかも知れないけれどこの狭い飛空艇の中も結構落ち着ける場所ね」
商人「そうかい?」
情報屋「もう20年も前からこの空間はあの時のままなのよ…」
商人「え?」
情報屋「この飛空艇はもともとアサシンの持ち物だったの…盗賊ギルドに居た頃何度か乗ったのよ」
商人「そうだったんだ…じゃぁこの飛空艇は僕達の歩みを全部見て来たんだね」
情報屋「そう…だからとても落ち着ける場所」シンミリ
魔女「剣士や女エルフが座る場所も決まって居ったな…」
情報屋「女エルフが手を置いた場所に同じ様に手を置いて…何を想ったのか想像する事があるわ」スッ
商人「もしかして何か聞こえる?」
情報屋「何も…でも頭の中で思い描く」
商人「それって命の声じゃ無いか?」
情報屋「え?」
商人「君の中に居るもう一人の君が話しかけているんじゃないか?」
情報屋「どうなんだろう?」ハテ?
商人「僕はね…自分の体は自分の考えで動かしてる訳じゃ無いと思うんだ…」
商人「何かに動かされて居るのを後から自分で動かしたと錯覚してる…つまりもう一人の自分が居るんだよ」
情報屋「私の思考は後から理由付けをする思考…確かにそんな感覚はある…」
商人「もう一人の自分は何に基づいて動くのか…それは心の中の声…命の声さ」
魔女「哲学じゃのぅ…」
商人「アヌが語る神の声は…多分この部分を狂わせる…生きる行動原理を阻害する…だから戦争が終わらない」
情報屋「それはあなたが不死者だから気付けた事?」
商人「そうかもね…体が勝手にゾンビみたいに動いてしまう…僕の意思とは無関係に…ホムンクルスが自由に動けないのも同じ原理さ」
---命の声に従って居るのさ---
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:24:59.97 ID:Xx1bIi7d0
『しばらく後』
ドタドタ ザラザラ ドサ
女海賊「大漁大漁!!」
商人「やっと帰って来たね…貝を拾いに行ってたのかい?」
女海賊「いんや…沈没船見に行ったら貝が一杯だったのさ…これ食べたら行くよ」
商人「じゃぁもう一回焚火起こすよ」スタ
魔女「また石化せんじゃろうのう?」
女海賊「ほんなん気にしてたら何も食べれないって…線虫しとくから気にしないで食べよう」
情報屋「沈没船には他に何か有って?」
女海賊「なんも無いさ…資材になるくらいかな」
ホムンクルス「はぅ…」ムクリ パチ キョロ
女海賊「ホムちゃん起こしちゃったね…貝取って来たんだ…食べる?」
ホムンクルス「いつの間に寝てしまったのでしょう…妖精さんは何処へ?」
女海賊「妖精は昼間あんま出てこないさ…おっぱいに挟まって寝てるよ」
魔女「昨夜は沢山話をして居った様じゃな?何か聞けたんか?」
ホムンクルス「他愛もないお話を…」
女海賊「そだね…妖精は難しい話はしないさ」
魔女「ほうか…」
ホムンクルス「満たされた感覚があります…」
女海賊「そうそう!!その後お腹減るのさ…でっかい貝取って来たから食べよ」グイ
ホムンクルス「はい…」ヨロ
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:25:34.58 ID:Xx1bIi7d0
『焚火』
メラメラ ジュゥ
商人「んん?中身の無い貝が有るな…」
女海賊「あああ!!それ焼いたらダメ!!魔女にエンチャント掛けてもらうつもりで持って来たんだ」
魔女「んん?例の貝殻を作るのかえ?」
女海賊「通話できる貝殻を全員が持って無いじゃん?」
魔女「わらわとしか通話できぬが…」
女海賊「わかってんよ…みんなに配りたいだけさ」
魔女「まぁ良い…後でで構わんな?」
女海賊「うん…あちちち…はいコレ!でっかい謎の貝…ホムちゃん食べて良いよ」ポイ
ホムンクルス「はい…ありがとうございます」ハム モグ
商人「ハハ…謎の貝って大丈夫なんだろうね?」
女海賊「貝はなんでも食えるんだ…次魔女!!あちちち…」
魔女「ほう?こりゃ楽しみじゃ…」ジュルリ
女海賊「情報屋も沢山食べてね…血が足りないのに良く効く…ほいコレ!!」
商人「まぁ僕は良いや…ワインでも飲んでおく」グビ
女海賊「はふっ…ほふっ…うんま!!」モグモグ
魔女「焼き芋も余って居るぞよ?」ポイ
女海賊「貝の汁の中に漬けて食べると芋も美味しいんだ…」モグモグ
商人「それで…この後どうするんだい?」
女海賊「ホムちゃんの旦那が生まれるまで1ヶ月くらい掛かるよね」
ホムンクルス「旦那…」ピク
商人「まぁ…そんなもんかな」
女海賊「それまでここに置きっぱなしにする訳に行かないからとりあえず連れてく」
商人「それは良いとして行き先さ…」
女海賊「命の泉に行くに決まってんじゃん」ガブリ モグ
商人「ハハハまぁ…そうだよね」
女海賊「分かってんなら聞くなよバーカ!」
商人「君は単純なんだねぇ…」
女海賊「はぁ?単純も何も他に選択無いじゃん!!」
商人「うん…良いんだ…僕が深読みし過ぎた」
女海賊「何さ?他に何かあんの?」
商人「いや何でも無いよ…」---君はそのまま突っ走っても良いよ---
---例え神の逆鱗に触れようともね---
---命の水はアヌが目的を持って集めた水の筈---
---君はそれを無下にしようとして居るのさ---
---さぁ賭けだ…命が勝つか…神が勝つか---
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:26:06.95 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
シュゴーーーーー フワフワ
女海賊「あぁぁちっと食い過ぎた…」ゲフゥ
魔女「わらわは満足じゃ…」フゥゥ
商人「ハハ食べ過ぎは良くない」
女海賊「んん?良いんだって…私のエネルギーになって貝の命も無駄になって無い」
商人「ハハーン…弱肉強食を僕に説こうとしているかい?」
女海賊「昨夜そんな様な話してたじゃん…丸聞こえなんだよ」
商人「聞いて居たか…」
女海賊「私のウンコ食う?」
商人「なにバカな事言ってるんだ食べる訳無いじゃ無いか」
女海賊「冗談だよ…でもワームは喜んで食べる…そうやって命が巡ってるんだよね」
商人「フフそうだね…それが分かって居れば君に全部預けても良い」
女海賊「預ける?」
商人「そう…この世界の行く末をね」
女海賊「あのね…そもそもアンタはもう死んでんの…輪廻の外側に居るんだからあんたに選択する権利はそもそも無い」
商人「まぁそう言わないでおくれよ…その内肥料にでもなるさ」
女海賊「ふむ…なら良いか」
商人「こういう話が出来ると言う事は…君もこの世界の秘密に気付いているね?」ジロ
女海賊「何?その眼は…」
商人「勘の鋭い君が勇者で良かった…剣士は鈍感だったからさ…」
女海賊「あのね…人の気持ち逆撫でるの止めてくんない?イラつくんだ」イラ
商人「はぁぁぁ…僕はすべて達成した…思い残す事無いなぁ…」ノビー
女海賊「あんた私の奴隷だって分かってる?遊んで無いで働け!!地図書け地図!!名もなき島の地形変わってんじゃん!!」
商人「ハハ忘れてた…そうか僕には地図を書く仕事も残されてるなぁ…」ゴソゴソ
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:26:40.16 ID:Xx1bIi7d0
『海上_上空』
シュゴーーーーー ヒュゥゥゥ
女海賊「中緯度域に入って弱いけど偏西風に乗れてる…」
商人「このまま進めばハテノ村かな?」
女海賊「ハテノ村には行かない…大陸見えたら陸沿いに南下してお姉ぇの幽霊船目指す」
商人「幽霊船の現在地は?」
女海賊「地庄炉村目指して今キ・カイの沖だってさ」
商人「向こうも行動早いね」
女海賊「内海から早く出たいのさ…航海出来なくなる前にね」
情報屋「陸を見ながらならどうにか航海出来ると言って居たわね」
商人「それは岩礁が怖いねぇ…」
女海賊「ホムちゃんはまだ衛星見つけらんない?」
ホムンクルス「はい…現在地不明です」
女海賊「ちっと連れまわさないとダメかぁ…」
ホムンクルス「私は大丈夫ですよ?」
女海賊「あのね…今度こそホムちゃんを死なせる訳に行かないの…危ない所に連れまわしたく無いんだ」
ホムンクルス「それは皆さんも同じでは?命は一つしかありませんので…」
商人「ハハその通りだね」
女海賊「野望があんのさ…ホム島でホム一族繁栄させてホム国作ってホムホムしたいんだ」
ホムンクルス「え?あの…」
魔女「主の脳みそはどうなっとるんかいのぅ…ホムホムとは何ぞや?」
ヒラヒラ パタパタ
妖精「良いねぇ!!乗ったぁぁ!!」ヒョコ
女海賊「お!?あんたに分かる?」
妖精「僕もホムホムしたぁぁい!!」クネクネ
ホムンクルス「妖精さん?お話しましょう…」
妖精「おっけー!!何して遊ぶ?」クルクル
魔女「ふむ…つまり妖精の国を作りたいのじゃな…」
女海賊「おおおおおおお!!それも良い!!そうだな…妖精の国かぁ…」
魔女「主の頭には付いて行けぬ…感染してしまいそうじゃ…」
情報屋「ウフフ楽しそうで良いじゃない…」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:27:39.64 ID:Xx1bIi7d0
『大陸_上空』
シュゴーーーー ヒュゥゥ
女海賊「やっぱ大分ズレてるなぁ…地図と比較して現在地分かる?」
商人「陸沿いに真南に進んで…多分偏西風で北に引っ張られたんだ」
女海賊「高緯度域飛ぶときは東西がアテにならんわ」
商人「夜中に星を見ながら飛ぶのが確実だね」
女海賊「そういうつもりで飛んでる筈なんだけどなぁ…なんでズレちゃうんだ?」ブツブツ
ホムンクルス「地磁気が安定して居ないので羅針盤の方角がおかしいと思われます」
女海賊「ん?どゆこと?」
ホムンクルス「地軸の移動後数年は地磁気が安定しないので磁極が動くのです」
女海賊「なんか良く分かんないけど羅針盤はアテにしちゃダメって事ね」
ホムンクルス「はい…特に高緯度域ではアテになりません」
女海賊「おけおけ覚えとく」
商人「分かったぁ!!場所特定出来たよ…此処さ」パサ
女海賊「ええと…羅針盤じゃ無くて地形で方角決めれば良いな…」グイ
『キ・カイ上空』
シュゴーーーー ヒュゥゥ
女海賊「ここまで来たらもう迷わない…陸沿いに東!!」グイ
情報屋「霧が酷くて幽霊船を見落とすかもしれない…高度落として」キョロ
女海賊「おけおけ…」
商人「流氷が東に流れて行ってるね…」
魔女「陸からは今ぐらいの距離で良いぞ…直に追いつくじゃろう」
女海賊「順風でちょい北寄りの風か…幽霊船もそこそこ速度出てそうだな」
情報屋「暗くなる前に見つけたいわ?」
女海賊「よっし!!ちょい魔女そのままお姉ぇの眼を見てて」ダダ チャキリ
魔女「何をする気じゃ?」
女海賊「インドラの光を前方に撃つのさ…いくよ?」カチ
シュン! パパパパパパパパパーン!!
商人「うわ…空中の水蒸気を破裂させてるのか…」
女海賊「どう?お姉ぇ気付いた?」
魔女「反応無いのぅ…」
女海賊「ほんじゃちょい角度変える…もういっちょ!」カチ
シュン! パパパパパパパパパーン!!
魔女「むむ!空を見上げたのぅ…」
女海賊「おけおけ!!進路変える…そっちの方向だ」グイ
商人「ハハなんとも強引なやり方だ…」
女海賊「使える物は何でも使うんだよ!!頭は使うためにあるのさ」
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:28:12.29 ID:Xx1bIi7d0
『幽霊船』
フワフワ
女海賊「こっから船尾に飛び移って!!」
魔女「わらわには無理じゃぞ?」タジ
ローグ「姉さ〜ん!!ロープ投げて下せぇ!!」
女海賊「おっけ!!どっか結んどいて!!」ポイ シュルシュル
商人「先に行くね…」ピョン
魔女「なんちゅう薄情な奴じゃ…」
女海賊「ほんじゃ私に掴まって…一人ずつワイヤー使って降ろすからさ」
魔女「初めからそうすれば良いのじゃ…」ノソノソ ガシ
女海賊「情報屋とホムちゃんちょい待っててね…すぐ戻る」シュルシュル
ホムンクルス「私に飛べるでしょうか?」
情報屋「大人しく待って居た方が良いわ?私には無理ね」
女海賊「おっけー!!次ホムちゃんおいで」シュルシュル
ホムンクルス「はい…」トコトコ ガシ
--------------
--------------
--------------
『船尾』
ザブ〜ン ユラ〜
ローグ「済まんっすねぇ…姉さんの飛空艇は異形なんで乗らんでやんす」
女海賊「改修して全部縦帆にしちゃったから船尾にスペース無くなっちゃったね」
ローグ「元はガレオン船なんすが帆装がスクーナーになったんでしゃーないっす」
女海賊「まぁ良いや…ロープ予備ある?」
ローグ「へい!!」
女海賊「一本だけじゃちっと心配だからもう一本結んで来る」
ローグ「分かりやした…甲板は寒いんで居室に入っていやすぜ?」
女海賊「おけおけ!後で行くわ」シュルシュル
ローグ「いやぁぁあのワイヤー装置めちゃくちゃ便利っすね…」
魔女「これ!!関心しとらんで早う居室に入るぞよ…寒いんじゃ」ポカ
-------------
-------------
-------------
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:28:47.01 ID:Xx1bIi7d0
『居室』
ガチャリ バタン
女海賊「ぅぅぅぅさぶ…」ゴシゴシ
女戦士「炉に火が入って居るぞ…暖まるが良い」
アサシン「ワインもあるぞ?飲むか?」ゴク
女海賊「何これ?みんなくつろぎモード入っちゃてる?」
女戦士「航海はゆっくりだ…お前も少し休んだらどうだ?」
女海賊「まぁ良いけどさぁ…」スタ
女戦士「無事にホムンクルスを目覚めさせ何よりだ」
女海賊「ほんでさぁ…私命の泉に行かなきゃいけないんだ」
女戦士「フフ…聞いたかアサシン?」
アサシン「クックック期待を裏切らんな」
女海賊「何さ!?二人して!!」
女戦士「お前の行動癖を予測して居たのだ…次は何処かと賭けをして居た所だ」
女海賊「ちょ…」
アサシン「私の勝ちだ…金貨は頂く」
女戦士「仕方あるまい…」ドサ ジャラリ
魔女「随分と高値の賭けじゃな?」
女戦士「私は外海に出ると言いだすと予想していたのだ…アサシンはピンポイントで命の泉と予測した」
アサシン「それで賭け額が跳ね上がったまでの事」
女海賊「なんで命の泉に行く事分かってんの?」
アサシン「勘だ…第六感が働いたとでも言えば納得するか?クックック…」
女海賊「なんか腹立つなぁ…」ブツブツ
アサシン「さて次の賭けだ…出立は明日の朝だ」
女戦士「では私はその後…金貨1枚」チャリン
アサシン「フフまた私が勝ちそうだな…」
女海賊「あのさ?私が居るんだけど…その賭けなんか意味あんの?」
女戦士「気にするな…道楽なのだ」
商人「面白そうだなぁ…じゃぁ僕は明後日に金貨2枚」チャリン
女海賊「アホらし…ホムちゃん荷室にアラクネーの巣があるんだ…見に行こう」グイ
ホムンクルス「はい…」
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:29:22.84 ID:Xx1bIi7d0
『翌日』
カーン カンカン ゴシゴシ
ローグ「頭ぁ!!姉さんが大砲をバラバラにしてるんすが…放って置いて良いんすか?」
女戦士「フフやらせておけ」
ローグ「こういう時って機嫌損ねていやすよね?」
アサシン「クックック本当に単純だな…賭けの対象にされて意地を張っている」
女戦士「私達の作戦勝ちだ…これで2〜3日はここに止まる」
ローグ「近づかん方が良さそうでやんす…」
女戦士「まぁ丁度重装射撃砲の真似をして改造しようと思って居た所だ…妹の方が器用だから良い大砲に作り替えるだろう」
魔女「主らも人が悪いのぅ…」
女戦士「どうせまた寝て居ないのだろう?落ち着いて考える時間も必要に思う」
魔女「確かにそうじゃが…作り物も体力を使うじゃろうて」
女戦士「湯に浸かって体を温めれば寝る筈だ…昔からそういうクセがある」
アサシン「フフ重ねて言うが分かりやすい女だ…」
魔女「どうやって湯に浸からせるかじゃな…」
狼女「匂うって言ったら一発だよ」
女戦士「ローグ!!折を見て湯を沸かして置いてくれ」
ローグ「分かりやした…」
-----------------
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:30:05.23 ID:Xx1bIi7d0
『甲板』
カチャカチャ コンコン
女海賊「ホムちゃん寒いから無理して付き合わなくて良いよ?」コンコンコン
ホムンクルス「少し体を鍛えようと思いまして…」ヨイショ ヨタヨタ
女海賊「お?どしたん?」
ホムンクルス「妖精さんに追いつけないので…」
女海賊「なるほど!!ほんじゃさ?砲弾をここまで持って来てくれる?」
ホムンクルス「はい…分かりました」
女海賊「危ないから一個づつね」カチャカチャ
ホムンクルス「行って来ます」トコトコ
ヨッコラ ドスン
商人「火鉢持って来たよ…寒いんじゃないかい?」
女海賊「おー分かってんじゃん!」スリスリ
商人「どんな改造してるんだい?」
女海賊「大砲の初速上げて飛距離伸ばす工夫さ…砲身の内側に細工してんの」コンコンコン
商人「へぇ?内側に溝が付くようにしてるのか…それだと口径が小さくなるね」
女海賊「威力よりも飛距離と精度の方が重要なんだよ…当たんなきゃ意味無いから」
商人「どのくらいの距離を想定してる?」
女海賊「そうだなぁ…600メートルでそこそこの命中精度出れば海戦で負ける事無いと思うな」
商人「あれ?普通の大砲ってそんなもんじゃない?」
女海賊「それは最大射程の話だね…そんなんそうそう当たんない…私が欲しい最大射程は1500メートル以上」
商人「なるほどね…」
女海賊「相手の射程外からどんだけ当てられるかってのが重要なのさ…当てられれば大砲1門で十分」
商人「ふむ…海賊は大体300メートルくらいの撃ち合いだね」
女海賊「そうそう…てか角度合わせたり色々あってそんな当たんないんだよ」
商人「当たらない弾は撃つだけ無駄だねぇ…」
女海賊「海賊はバカだからそこら辺分かって無いのさ」
商人「なんか…改造に結構時間掛かりそうだね?」
女海賊「てか何か手伝えよ…ちょいバラして転がった部品集めといて」
商人「ハハまぁ暇だったし少し手伝うかな」ヨッコラ
---------------
---------------
---------------
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:30:46.22 ID:Xx1bIi7d0
『半日後』
シュン! パパパパパーン! チュドーーーン
女海賊「え!!?」キョロ
ホムンクルス「リカオンさんが船首で流氷を撃っている様です…ご安心ください」
女海賊「なんだビックリしたよ…」
商人「大き目の流氷は船体を傷つけるかも知れないから壊しながら進むらしいよ」
女海賊「ほーん…ほんじゃインドラの銃は幽霊船に置いて行った方が良さそうだ」
商人「そうだね…」
女海賊「ちっとお腹空いて来たなぁ…商人!何か持って来てよ」
商人「パンとチーズで良いかい?」
女海賊「火鉢あるんだからそこで魚焼いて!!」
商人「お?魚なら大量にあるんだ…持ってくる」タッタ
女海賊「ホムちゃんも運動してお腹空いたんじゃない?」
ホムンクルス「そうですね…生体の筋肉増強の為にタンパク質を摂取する必要があります」
女海賊「ほんじゃ魚で丁度良いじゃん」
ホムンクルス「はい…栄養のバランスの為に私も食材を調達してきます」ヨタヨタ
シュタタタ
狼女「女海賊か…」
女海賊「リカ姉ぇ…どしたん?」
狼女「何か匂うと思って見に来たんだよ…」
女海賊「え!?私?」クンクン
狼女「女戦士が湯を沸かしてる…浴びてきたらどうだ?」ニヤ
女海賊「なんだろ…油の匂いかなぁ?」クンクン
狼女「火薬に錆びた鉄…油に…なんだこの匂いは…魚介の匂いだ」
女海賊「ヤッバ…全部心当たり有るわ…」
狼女「大砲の改造は程ほどにして匂いを落としてきた方が良い…」
女海賊「今から魚食べるんだ…その後に行くわ」
狼女「じゃぁね‥」ノシ
女海賊「そんな臭いかなぁ…」クンクン
狼女「…」---チョロいw---
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:31:15.24 ID:Xx1bIi7d0
『夕方_居室』
ドタドタ ドタドタ
女海賊「ふぃぃぃ…ダメだ…ホムちゃん一緒に寝よう」フラフラ
ホムンクルス「私は帆の張り替えを手伝って来ますので…」
女海賊「そんなんやったら手の皮ズル剥けになるよ?」
ホムンクルス「分かりました…対策して行きます」
女海賊「目が回る…も…もう寝る」ドター
アサシン「…」クックック
女戦士「…」チラリ
狼女「…」ニマー
女戦士「ホムンクルス!帆の張り替えを手伝うとはどういう事だ?」
ホムンクルス「筋力を付けようかと…」
女戦士「なるほど?丁度風向きが変わる頃だ…よし!3分全力でやって10分休め…それを3回繰り返したら肉を食して寝ろ」
ホムンクルス「はい…でもそれでは9分しか手伝った事になりませんが…」
女戦士「筋力の増強はそれで十分…但し全力でやるのだ」
ホムンクルス「分かりました…明日も継続するのですね?」
女戦士「いや…1日置きだ…十分体を休ませてからでないと怪我をするぞ」
ホムンクルス「はい…」シュン
魔女「筋力が欲しいとな?」
ホムンクルス「妖精さんに追いつけないのが悔しいのです…」
魔女「ほう?まっとうな理由じゃのう?」
女戦士「ふむ…速さが欲しいなら帆の張り替えが丁度適している…瞬発力が付くからな」
ホムンクルス「分かりました…行って来ます」トコトコ
商人「フフ…悔しいねぇ…そんな感情も持つ様になったのか」
情報屋「これは生命が持つ本能?」
商人「それしか考えられないね…生存本能なのか…自己肯定本能なのか…生命はそうやって進化して行くのさ」
-------------
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/11/16(水) 19:31:51.72 ID:Xx1bIi7d0
『数日後_地庄炉村の沖』
ザブ〜ン ギシ
アサシン「…これは餞別だ…好きに使って良い」ジャラリ ドサ
女海賊「リカ姉…私からも」ドサ
狼女「これは魔石?」
女海賊「ワイヤーの装置に魔石必要になるから…ほかにも色々さ」グスン
狼女「フフ貰って置く」
ローグ「ほんじゃリカオンさん気球に乗って下せぇ…地庄炉村まで送りやす」
女海賊「リカ姉ぇ!!」ダダ ギュゥゥ
狼女「何…一生の分かれじゃ無いって…」
女海賊「もうリカ姉ぇの尻尾で体洗えないと思ったら寂しくなってさ…」ギュゥ
狼女「あのね…こっち迷惑してるの」
女海賊「尻尾だけ置いて行ってくんない?」グイ
狼女「触らないでって言ったでしょう!!」グイ
ローグ「あのー…早く乗ってくれやせんかね?」
狼女「ゴメン今行く…」ピョン シュタ
アサシン「ではリカオン…出来るだけ早く使いを出す…いつもの要領で接触するのだ」
狼女「分かったよ…父によろしく」
フワフワ
狼女「じゃぁまたね」ノシ
女海賊「ぶわぁぁ…リカ姉ぇ…尻尾ぉお…」ヨロ
---------------
1322.67 KB
Speed:0.8
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)