他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】
Check
Tweet
401 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/17(月) 01:46:25.82 ID:3zAhCPluO
今回はここまでー
よーやっと進みそうやー
また明日、少しだけでもやりたいとこ
そんじゃまたー
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/17(月) 07:16:28.28 ID:CeYeLAmUO
乙
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/17(月) 16:54:29.79 ID:UvHFUyng0
乙
京ちゃん性格荒くなってる?
404 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 00:04:37.14 ID:8bGmCPRoO
やってくー
>>403
ご察しの通り!
405 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 00:31:57.24 ID:8bGmCPRoO
テンペラー星人「なにをしようと今更ァ!」
放たれた光線それが氷の壁に阻まれる
少しばかり弾くも、その氷の壁は見る間に貫かれた
そしてその向こう、ストロング・ゴモラントを―――
テンペラー星人「消え去れぇ!」
―――貫く
テンペラー星人「いや!」
だが違う、貫き砕け散ったそれは……
テンペラー星人「氷の虚像!!?」
ハッと背後へと向きストロング・ゴモラントを確認
真ウルトラ兄弟必殺光線を放とうとするも、ストロング・ゴモラントが懐へと飛び込む方がはやい
紅の角がテンペラー星人の鳩尾部分に突き刺さる
テンペラー星人「ぐおぉぉお!!?」
京太郎『こいつでぇぇぇぇ!』
さらに冷気が集まる
ストロング・ゴモラントの角から氷が伸び、巨大な剣角を形成
テンペラー星人の体に大穴を開ける
テンペラー星人「べ、ベリアルがいないというのに……み、見事だ」
406 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 00:46:14.81 ID:8bGmCPRoO
テンペラー星人を貫いた氷部分から、さらに氷が広がる
それがテンペラー星人の全体を氷漬けにした
京太郎『……』
なにかを言おうとするも、すぐに口をつぐむ
そして赤き瞳を鋭く細め力を込める
ストロング・ゴモラントが頭部を振るうと、氷の剣角ごとテンペラー星人の体が粉々に砕け散る
京太郎『……ふぅ』
周囲に散るダイヤモンドダスト
ストロング・ゴモラントはその中心で白い息を吐く
京太郎『次ッ!』
バロッサ星人の方に視線を向ける
すでに追い込まれているようで、地を蹴り飛び上がった
光りの羽を広げてメビウスから逃げようとするも、ストロング・ゴモラントが素早くその前に飛んだ
京太郎『逃がすかぁ! 弘世さんを!』
照『仲間を、返してもらう……!』
地上のメビウスが炎をメビウスブレスから胸へと集め、火球を生成した
上空のストロング・ゴモラントが角を赤く輝かせて咆哮、重力を発生させる
落とせないまでも、動きを封じた
バロッサ星人「バルゥッ!? しゃ、シャープシュートもできないばろっさぁ!」
京太郎『させるかよ! さらに……もう一回お借りします。デスローグさん!』
ストロング・ゴモラントの前方に火球が生成されていく
二つの巨大な火球がバロッサ星人を狙う
バロッサ星人「二体一とは卑怯じゃなイカ!?」
407 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 00:57:13.01 ID:8bGmCPRoO
だが、聞く耳持たず
京太郎『このダブロンで、ハコ割れだァ!』
バロッサ星人「大きなお耳が必要なんじゃなイカバルぅ!」
そして、メビウスとストロング・ゴモラントが同時に火球を放つ
照『メビュームバースト!』
京太郎『ブレイズヘヴィキャノン!』
放たれた二つの火球が、真っ直ぐにバロッサ星人へと迫る
前方にも後方にも自分とほぼ同等の大きさの火球
バロッサ星人「俺が死んでも第二第三の……ってメダルだからいないばろっさぁ!」
そして―――爆散
408 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 01:15:36.66 ID:8bGmCPRoO
ゆっくりと地上へと降りるストロング・ゴモラント
メビウスと視線を交差させる
頷くメビウスに、ストロング・ゴモラントはなにを言うわけでもない
メビウス「……テヤッ!」
飛び上がるメビウスが空へと消えていく
ストロング・ゴモラントこと京太郎が視線を動かす
レイブラッド星人メダルを投げた男が、遠くで自分を見ている
京太郎(あれは……!)
だが、次の瞬間に視界から消えた
追おうとするも変身を解けばどうなるかなど理解している
だからこそ今は諦めた
京太郎(咲、和……ちょっとずつだが、確実に追い込んでいるか?)
暗い光と共に、ストロング・ゴモラントが消える
409 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 01:26:33.10 ID:8bGmCPRoO
地上へと立つ京太郎
歩き出そうと一歩を踏み出すが、ふらつく
なんとか耐えようとするも、前のめりになった体勢では―――
「おっと」ギュッ
京太郎「……智葉、さん?」
智葉「ん、お疲れ」フッ
抱き留められていることに気づく
離れようとはするも、体の違和感と痛みに顔をしかめる
鼻から血がボタボタと垂れた
京太郎「毛細血管が……」
智葉「ん、そこに座ろうか」
数適が智葉の服に付着するも、気にする様子もない
そっと手で鼻を押さえつつ、智葉の助けを借りて近くのベンチに腰掛ける
こみあげてくる感覚に手を口に当てるも、咳と共に血を吐きだす
京太郎「えほっ」
智葉「な、なんでっ!」
京太郎「あの姿、負担が凄いんっすよ……いや、いかんせん強敵だったもんで」ケホッ
智葉「っ……」
涙を浮かべる智葉が、そっと京太郎の頭を抱く
驚愕で、その柔らかな感触を満足に感じることもできない
京太郎「さ、智葉さんっ!?」
智葉「ごめん、それと……ありがとう」ギュッ
京太郎「……俺がやりたいことっすからね。俺のために」
智葉「それでも、だ」
京太郎「うっす……」フッ
笑みを浮かべ返事をする京太郎の口元の血が、智葉の服にしみる
410 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 01:46:00.11 ID:8bGmCPRoO
突如、智葉が引きはがされる
智葉「うおっ」
照「……なにおっぱいで京ちゃんのぬくもり感じちゃってるの?」
智葉「み、宮永っ! そ、そういうわけじゃっ」カァッ
照「くっ、強い」
京太郎(なんの話?)
しかし、とりあえず戦いが終わったことは確かだ
照の背後には菫が寝かされている
やはりウルトラマンのメダルが入っている影響で筋力なども高まっているのだろう
京太郎「お疲れさん、です」
照「京ちゃんもね……むしろ京ちゃんの方が」
京太郎「まぁ、ウルトラマンの力を借りてるわけじゃあないっすからね、多少は」
そう応えて、口の中の鉄の味に顔をしかめる
京太郎「戻りますか……」
照「ん、無理しないで、お迎え待とう」
京太郎「……ん」コクリ
京太郎(ダークネスファイブ、三人目……)
その左手にあるのはテンペラー星人メダル
存在しないはずの記憶にあるのは……テンペラー星人、ヴィラニアス
ベリアルの“仲間”の一人
京太郎(ベリアルさん、引き続きお力……借りますよ)
411 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 02:11:28.12 ID:8bGmCPRoO
―――【特異課東京基地:廊下】
智葉と共に歩いていると、服の裾が引かれる
そちらを見ればもちろん宮永照
照「ところで京ちゃん」
京太郎「はい?」
照「私もこけて鼻血出た……一緒だね」フッ
京太郎「……?」
照「?」
二人して首をかしげる
京太郎「え、俺が悪いんっすか?」
智葉「いや、宮永が悪い」
照「!!?」
智葉「そんなんだったか?」
照「……いつまで京ちゃんの血がついた服抱いてるの?」
先ほどのスーツから着替えた智葉
京太郎の血の付いたワイシャツを抱えているのだが、その顔が真っ赤に変わる
智葉「ちがっ、洗濯しようと!」
京太郎「すみません、新しいの買いましょうか?」
そう聞くと、智葉はギュッと服を握りしめる
智葉「いや、いぃ……」フイッ
照「……あざとい」
智葉「あ、あざとくない!」
京太郎「ちょっとグッとくるのでそういうのやめてもらっていいですか?」
智葉「!?」マッカ
照「京ちゃん……」ゲシッ
京太郎「一応負傷者なんだから脛蹴らないでっ」
ネリー「なにやってるのあれ」
明華「むぅ」
ハオ「お熱いことですね」
メグ「今ラーメンの話しました?」
ネリー・明華・ハオ「してない!」
412 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 02:18:03.09 ID:8bGmCPRoO
第26話【須賀京太郎、抹殺指令】 END
413 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/18(火) 02:28:52.33 ID:8bGmCPRoO
今回はここまでー
久々にちゃんと進んだ
ガイトさんのヒロインムーブ
たぶんちゃんと再開できるのは明後日かなーって感じで
安価置いてそんじゃまたー
◆どっちへ向かう!
1、長野
2、鹿児島
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い方の選択肢を採用
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/18(火) 02:41:51.91 ID:0GcvTG0X0
2
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/18(火) 03:29:44.40 ID:2wzgQN0V0
2
ダークネスファイブいいね
なにがあるかわからんがとうとう鹿児島いけるか?
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/18(火) 04:45:22.35 ID:1niZxFdpo
2
おかしい…テルーがヒロインだったはずでは…
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/18(火) 05:18:07.54 ID:MzvjT2LHO
乙
一応1
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/18(火) 09:10:58.33 ID:lU2lLQM80
2
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/18(火) 11:42:45.38 ID:nFKlIoeL0
テルーはマスコットだった!?
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/19(水) 00:18:40.96 ID:IGMeBjmy0
おもちのない雑魚は引っ込んでろですのだ!
421 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 19:23:38.19 ID:fdCCQQwdO
ちょっち次回予告のみ
続きは22時頃やるー
422 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 19:44:25.85 ID:6UAkRROQO
2、鹿児島
―――次回予告
京太郎:異様な感覚だなぁ
慕:いらっしゃい
晴絵:色々渦巻いてるねぇ
霞:彼が須賀京太郎……
京太郎:くるか!?
晴絵:くるね
葵:きやがった……ッ!
京太郎:花田さん!
煌:これが絆で受け継がれた光です!
次回【獣-Beast-】
京太郎:光を塗りつぶす漆黒の闇でェ!
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/19(水) 20:42:27.69 ID:nPpFr7Qy0
ネクサスか?
424 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 22:03:02.06 ID:6UAkRROQO
おっし続きはじめてくー
425 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 22:36:24.23 ID:6UAkRROQO
―――【???】
テーブルに置かれているのは雀牌
その一つを、軽く指で弾くのは―――宮永咲
麻雀卓にバラバラに置かれている牌、弾かれた牌は開いている天窓に落ちていく
咲「デスレ星雲人、グローザ星系人、テンペラー星人……よくもまぁここまで」
息をつきながら、どこか不敵に笑う
咲「……そろそろ力は、戻った?」
そう言って視線を右に動かす、その先には原村和
和「手痛い攻撃を受けましたからね」
咲「使えないなぁ」
和「……そんな喋り方でしたか、あなた」
咲「お互い様、力が強いこの器に引っ張られている」
顔をしかめてそう言う咲の赤い瞳が揺れる
そして、その先には新たな影
暗い部屋、対面にいるのは―――男。しかし視えない
咲「……まぁ私は私のやりたいようにやる」
和「私もまた然り、です」
咲「道中は同じ、着地点が違う。そろそろ集まってやるのもよくないかもね」
?「お互い、な」
咲「……で、須賀京太郎はどうするの?」
?「自分の始末は自分でつけなければな、私がやる……」
咲「ふぅん、で……次は鹿児島か」
和「誰かいくなら私は別の場所で動かさせてもらいます」
咲「どうするの?」
それぞれが立ち上がる
今やるべきは一緒、しかしてこれからは……
?「奴を倒す―――それも私だ」
男はメダルを弾いて見せた
426 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 22:46:54.84 ID:6UAkRROQO
―――【鹿児島県:霧島市】
空港を出る京太郎
相変わらずのスーツ姿で、アタッシュケースを持っている
なにかしようものなら今にも止められかねない
京太郎「異様な感覚だなぁ」
淀んでいるようにも感じるが、どこかで感じたことのあるタイプの違和感ではある
最近、最も近く感じた時はいつだったか……
京太郎「……奈良、か?」
顎に手を当てて呟き、すぐに頭を振る
考えるのは後にしようと頷いてすぐに動き出す
腕時計型の端末を開いて、送られてくる位置を確認
京太郎「さてと……」
今回、須賀京太郎が鹿児島へとやってきたのは、咲や和の目撃があったからではない
怪獣が出現したということ、それも何度も……
京太郎「怪獣が途中で消える現象、それと―――ウルトラマンの確認、か」
427 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 22:58:11.62 ID:6UAkRROQO
歩いて合流地点まで行くと、すっかり見慣れた顔を見つけた
女性の長い髪が揺れている
眼が合うと、手が振られるので京太郎も手を振りかえす
京太郎「どうも、慕さん」フッ
慕「ん、いらっしゃい」フフッ
車の助手席に乗り込む京太郎、運転席には慕
走り出した車の中、京太郎は視線を動かす
京太郎「さて、今回はなにが出ますかねぇ」
慕「怪獣じゃないかなぁ」
京太郎「やっぱり?」
慕「うん」
溜息をつく京太郎は顔をしかめる
智葉たちにもたっぷり絞られた、あまり反動が強い力は使いたくはない
だが、それでも……
京太郎(やるしか、ないかぁ)
だがそれでも、今の自分にはそれがやりたいことなのだ
428 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 23:08:05.40 ID:6UAkRROQO
走り去って行く慕の運転する車
それを見送るように視界を動かして“赤土晴絵”は一歩前に出た
顔をしかめるのは、京太郎と同じ理由か……
晴絵「色々渦巻いてるねぇ……」
葵「……」
晴絵「相変わらず無愛想なんだから」
葵「放っといて……」
すでに小さくなっている車の影を見て、葵は上空を見上げる
葵「嫌な感じ、たぶん二人と違うけど」
晴絵「そなの?」
葵「ん……これは、メダルの怒り? 嫉妬?」
晴絵「大変だねぇお互い、変なメダル入っちゃってさ」
その言葉に、なにを返すでもなく葵は歩き出す
晴絵はそのあとを追って歩いていく
429 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 23:22:56.11 ID:6UAkRROQO
―――【特異課鹿児島基地:駐車場】
そこそこに大きな施設だった
ガレージではなくしっかりと駐車場が存在している
車から降りる京太郎と慕の二人
京太郎「ちゃんとしてる」
慕「まぁ神代のお膝元だしね」
その言葉に、なるほどとうなずく
京太郎「とりあえず作戦会議ですか、なにかわかんないっすけど」
慕「そうだね……一応、目撃情報があるからそこの調査、お願いしようかな」
京太郎「慣れたもんですよ」ハハハッ
そんな二人を、基地の最上階―――五階から見つめる人物が三人
一人は熊倉トシだ
トシ「ん、きたか」フッ
?「彼が須賀京太郎……」
430 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/19(水) 23:47:28.71 ID:6UAkRROQO
―――【特異課鹿児島基地:】
京太郎は静かに息をついた
慕の後を追って作戦室に入った京太郎は座っている
二人だけだとは思っていなかったが……
京太郎「えっと、初めまして須賀京太郎です」
圧倒されていた。その存在感に―――石戸霞に
霞「石戸霞よ」タユン
京太郎(おぉう超弩級……玄さんにも見せてやりたかったぁ)
トシがコホン、と咳払いをする
ハッとした京太郎が頷いて立ち上がった
隣にいる霞だけに自己紹介をすれば良いわけでは無い
京太郎「えっと、須賀京太郎です。今回は応援という形で一応―――長野支部からの出向、的な?」
トシ「まぁ京ちゃんに限ってはどこ所属とかはないんだけど、形として長野支部所属にはなってるね」
京太郎「そうだったんっすか?」
頷くトシ、まぁなんでも良いだろう
京太郎「まぁなにはともあれお願いします」ペコリ
そう言うと、他の面々が頷いた
まずは薄墨初美、そしてとなりの滝見春
初美「よろしくなのですよー」
春「ん、よろしく」ポリポリ
京太郎(あ、やっぱ黒糖食べてるんだ……)
トシ「それと京ちゃんと同じくこっちに来てる……」
京太郎「花田さん」フッ
煌「花田煌です、すばらな再開です」ニコッ
431 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/20(木) 00:16:06.39 ID:9K+y7gzLO
軽い自己紹介を終えると、京太郎は座る
部屋が軽く暗くなると慕がリモコンのようなものを操作
モニターに映るのは、怪獣―――そして、ウルトラマン
京太郎「なんかやけにリアルっぽい怪獣ですね」
トシ「スペースビーストってとこだね。でもこの感じみたことない?」
京太郎「……」
似た系統の怪獣というのであれば―――ガルベロス
京太郎「で、それが一体?」
トシ「まぁこの怪獣が出てくるとこの―――ネクスト、いやネクサスと言おうかね。このウルトラマンが出てくる」
京太郎「なるほど、それから消えると……」
トシ「そーゆーこと」
京太郎「率直な感想を言っても?」
慕「ん、どうぞ」
京太郎「……こっちがなにもしないってわけにもいきませんけど、現状安定しているならば俺が手伝うもなにもないんじゃ?」
トシ「いや……」
慕がさらにリモコンのスイッチを押す
映し出されるのは……
京太郎「……なるほど」
そうつぶやいて霞、初美、春に視線を向けてからモニターに視線を戻す
京太郎「神代小蒔と野依理沙、ですか」
トシ「……」コクリ
慕「この二人が目撃されたのちにスペースビーストの出現が確認されてるらしいの」
京太郎「なるほど、ねぇ」ハァ
煌「数々の事件を解決しているという須賀君のお力、お借りしたいと思っているということです」
京太郎「……俺なんかでよければ」フッ
霞たちも安堵したように息をついた
京太郎(しかしまぁ、この異様な感覚も……放っておけないしな)
432 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/20(木) 00:40:10.80 ID:9K+y7gzLO
今回はここまでー
次回は明後日とか明々後日になる予定っすー
やってきた鹿児島、まぁまた色々大変って感じで
そんじゃまたー
◆安価!
1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音
14、宮永照
15、亦野誠子
16、弘世菫
17、石戸霞
18、薄墨初美
19、滝見春
20、白築慕
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/20(木) 00:44:13.65 ID:eeh144eY0
乙。17
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/20(木) 02:22:28.09 ID:3O1bOn6O0
乙1宥ねぇ
敵も動き出したみたいだがまさか男は父親とかか?
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/20(木) 08:49:39.48 ID:Eeez8GchO
3
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/20(木) 09:31:39.45 ID:u8lNyQlk0
1松実玄
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/20(木) 11:21:13.39 ID:87gaT/FE0
18
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/20(木) 13:19:24.70 ID:XjqW1z800
ネームドの男キャラといえば大沼プロかハギヨシぐらいしかいないような
クロス物ならアカギとかご無礼とか色々いるんだけど…
まさか大穴で京ちゃんのクラスメイト来る?
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/01/20(木) 17:59:23.93 ID:g8RiqJRq0
日本保守右派系の大嘘
「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↓大嘘です
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、
日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピン(フィリピン・コモンウェルス=フィリピン独立準備政府)は
アメリカ議会からすでに1945年の独立(フィリピン・コモンウェルス成立から十年後)を約束されており、
日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。
よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、
またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、
日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。
日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、
同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。
「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。
「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。
「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。
事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。
「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で化け物扱いした」
大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。
開戦前に真珠湾奇襲で多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
そもそも日本側も、アメリカとイギリスだけを鬼のように扱っていました。日本と開戦した連合国国家は他にもあります。(棚上げ)
日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。
詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 慰安婦」で検索してください。
他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/21(金) 16:11:33.34 ID:QXXJsLcN0
地味にのよりん出てるけどなんだろう
441 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/21(金) 22:36:35.04 ID:p3GJn9zmO
まったりやってくよー
鹿児島編、これ終わったらまた色々ある
442 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/21(金) 22:58:59.95 ID:p3GJn9zmO
17、石戸霞
3、福路美穂子
―――【特異課鹿児島基地:休憩所】
作戦室を出てからしばらくして、京太郎は休憩所にいた
コーヒーを一口飲んで、息をつく
京太郎(味が違うな、美味いけど……)フゥ
とりあえずやるべきことは、野依理沙と神代小蒔の捜索
それと後手に回るしかないものの怪獣かウルトラマンが出るのを待つ
京太郎(こっちから攻めたいけど、できることは怪獣メダルが完全に覚醒する前に、雀士を潰すってことか)
今の京太郎であれば並以上の雀士であれど倒すことも無理ではないだろう
誰かと組んでいれば、勝率はさらに上がる
京太郎「しかしまぁ、感慨深いもんだなぁ」
あの永水の生徒たちにまで名前が知れ渡っている
数ヶ月前のあの時であれば考えもしなかったであろう状況
望んでいた形ではないものの、やはり思うところがある
京太郎(にしても結局、なんで家に……いや、なんで親父がゼットライザーを持ってメダルまで……)
わからないことが、多すぎる
となれば……
京太郎(やれることを、やるしかか……)
ピピピピ
京太郎「ん、なんだろ……って福路さん?」
443 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/21(金) 23:15:01.49 ID:p3GJn9zmO
連絡先を確認して、端末を開く
周囲には誰もいないということを確認してから通話する
モニターに映し出される美穂子
美穂子『あ、京太郎』ホッ
京太郎「どうもって……怪我してんじゃないっすか!」
美穂子『まぁ大した怪我じゃないのよ? ちょっと怪獣相手に事故っちゃって』
京太郎「え〜大丈夫っすか?」
京太郎(機械音痴だし、てか車って機械に含むのか? というより生きててなによりだけど)
頭に包帯を巻いた美穂子
美穂子『まぁ大した怪我じゃないから、跡も残らないそうだし』
京太郎「美穂子さんの綺麗な顔に傷ついたらたまったもんじゃないっすよ」ハハハ
美穂子『っ、もぉ……からかわないの』
京太郎(からかったつもりはないけど……)
美穂子『でも京太郎も無事そうでよかった……東京では無茶したって聞いたけど』
京太郎「あ〜」メソラシ
美穂子『そこ以外でもね』
京太郎「う゛っ」
美穂子『もぉ、心配するんだから……ね?』
京太郎「……はい」コクリ
444 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/21(金) 23:37:50.39 ID:p3GJn9zmO
少しばかり、画面の向こうの美穂子の表情が曇ったように見える
そういうところに敏感になってきたのか、京太郎は察して少しばかり黙る
迷った様子で、美穂子は口を開く
美穂子『それにね……』
京太郎「?」
言い淀むような様子、だがそれでも……
何度も話をして何度も一緒に戦った京太郎だからか、頷いて話す
美穂子『色々と、迷っちゃって』
京太郎「そんなことが?」
美穂子『……私って、どっちだろうなって』
京太郎「へ?」
美穂子『光として生きた方がいいのか、人として生きた方がいいのか』
そんな言葉に、京太郎は応えようとして……口を紡ぐ
他人がどうこういう問題だろうかというような、そんな悩みより先に……
“自分が答えるべきか”という考えが浮かんだ
自分はウルトラマンではない。ハッキリとそう言える
京太郎(俺は俺のために、戦ってるだけだしな……)
ベリアルは自分がウルトラマンではないと言っていた。京太郎もまたウルトラマンになれるタイプではないと……
既に自分としても自覚はある
自分にやれることとは……
京太郎「探してくしかないっすよ。俺も……美穂子さんも」
美穂子『そっか……なら、やっぱり早く会いたいな』
京太郎「へ?」
美穂子『やっぱり直に会って、直に京太郎を感じたい、かな』ニコッ
京太郎「……」
美穂子『きょ、京太郎?』
京太郎「あ、すみません……俺も早く、美穂子さんに会いたいかな」フッ
美穂子『うんっ……ありがとうっ』ニコッ
京太郎(あぶねー! あやうく好きになるところだったぜ!)
445 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/21(金) 23:52:49.03 ID:p3GJn9zmO
美穂子との通話を終えて、京太郎は街を見て回ろうとロビーに出る
しかし、どうにも動き方を見誤った
一人で見知らぬ街に出るわけにもいかないだろう
京太郎(花田さん、頼めば良かったな……いや、花田さんもわかるのか?)
彼女とは片岡優希、原村和と関係で話したことがある
知り合いではあるし話しやすい相手なので、少しは話をしても良かったなとも思う
京太郎「まだいるかなぁ花田さん」
?「花田さんを探してるの?」
京太郎「……石戸さん?」
霞「さっきぶりね」クスッ ドタプン
京太郎(超弩級……)
霞「?」
446 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 00:09:04.21 ID:UZTjJrIYO
咳払いを一つ、落ち着きを取り戻す
とりあえずは頷く
京太郎「知り合いってトシさん慕さん花田さんしかいないんで……出かけようにもって感じっすね」
霞「花田さんなら一人で行ったみたいよ」
その言葉に頷く
京太郎「なら……」
霞「私が案内しましょうか、雀荘とかなら」フッ
京太郎「じゃぁお言葉に甘えて……」
霞「ええ、行きましょう」フフッ
その言葉に、少しばかり感慨に浸る
京太郎(まさか石戸さんに案内されることがあるなんてな……人生なにがあるかわからんぜ、咲)
石戸霞と死闘を繰り広げた自らの親友を思い出して、口角を緩める
霞の後を歩きながら、京太郎は静かにあの夏を思い出す
447 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 00:27:33.63 ID:UZTjJrIYO
―――【鹿児島:街中】
霞と二人で歩いていると、やはり思うところがある
しかしまぁ、現状はそれどころでもないのだが……
京太郎(まずは、ここにいる奴だ……今ままでの傾向からして指揮官って言うかボスっぽいやつがいるはずだ)
デスレ星系人、グローザ星雲人、テンペラー星人
おそらく大阪ならばメフィラス星人
京太郎(……長野ってどいつになるんだ? レギュラン星人、とは違うか、スヒュームもまた違う気がする)
ならばゾグだろうか
京太郎(わかんねぇな……)
霞「須賀君?」
京太郎「へ?」
気付けば、霞の顔がすぐ傍にあった
驚いて後ろに仰け反りバランスを崩すも、どうにか体勢を整える
ハッとして霞の方を見るが眉をひそめて笑っていた
京太郎「えっと……」
霞「少し怖い顔してたから、色々考えることあるのかもしれないけれど」
京太郎「ああいや、すみません」
霞「ううん、いいのよ……私たちも、たぶん貴方に期待をし過ぎてしまってるから……たぶん、プレッシャーよね」
京太郎「いやそういうんじゃないんですよ。元々の性分もありますし」
霞「……」
京太郎「本当ですって、ただちょっと……仲間のことが」
霞「そっか、それは私もわかるわ」
そう言ってやはり眉をひそめて笑う霞
どこか儚いその笑顔に、今度は京太郎が眉をひそめた
京太郎(こんな良い人に、こんな顔させて……)
448 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 00:54:22.58 ID:UZTjJrIYO
―――【特異課鹿児島基地:作戦室】
そこにいるのは、熊倉トシと白築慕
二人して難しい表情をしながらモニターを見つめる
そこには先ほど京太郎たちが見たウルトラマン、とはまた少し違うウルトラマン
トシ「ネクスト、そしてネクサスってとこか……」
慕「?」
トシ「いや、これが確認されたのは確か……」
慕「ん、福岡ですね」
トシ「……」
眉をひそめて考える様子を見せてから、笑う
トシ「なるほどね、結局因果は因果か……まともじゃいられないねぇ」
慕「へ?」
トシ「いいや、白水たちは?」
慕「白水哩さん、安河内美子さん、江崎仁美さんは未だに意識不明みたいです」
トシ「鶴田は?」
慕「えっと、行方不明だそうで……一時は発見情報あったんですけど、あっそれで言うと広島のちゃちゃのっ、佐々野いちごさんも」
トシ「……受け継がれる絆、ね」
慕「へ?」
トシ「いいやなんでも……とりあえず今後も注目してくべきなのと」
慕「……アレですか?」
トシ「そ、アレの完成具合は?」
慕「いやぁ、急場で頑張りましたよ」
トシ「そりゃそうか……でも、いずれにせよだね」
慕「いっつもわけわかんないこと言いますね」
トシ「あんたはたまに遠慮なくモノ言うね」
449 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 01:29:00.20 ID:UZTjJrIYO
―――【鹿児島:街中】
雀荘から出てくる京太郎と霞
背を伸ばした彼と、その後ろで一息をつく霞
さらに後ろから担架で運ばれていく少女、そしてスーツ姿の男性が数人出てくる
京太郎「ビンゴでしたね」
霞「ええ……」
京太郎「怪獣メダル、回収と」
その手にあるのはゴキグモンの怪獣メダル
メダルホルダーにそれを納めて、端末で次の目的地を確認する
横へとやってきた霞が京太郎の端末を覗いた
京太郎(おっぱい当たる……)
霞「次は、ん〜近くの駅から電車に乗って10分ぐらいね」
京太郎「うっす」コクリ
霞「それにしても、本当に強いのね。話題になってなかったのが驚くぐらい」
京太郎「最近、ですからね」
ベリアルと融合して、麻雀を何度もやった
正規の方法ではないが、それで強くなった
言えはしないが……今は確かにその力を引き継いで自分なりに上手くやっているつもりだ
京太郎「さて、次ですね」
霞「ええ……」
京太郎「……の前にお昼でもいきますか」
霞「あ、もうそんな時間……それじゃあ私のおすすめのお店行きましょう。ここらへん詳しいのよ」クスッ
京太郎「それじゃあエスコートお願いしますよ。お姉さん」フッ
霞「お姉ちゃんでも良いわよ?」クスッ
京太郎「魅力的ですけど遠慮しときます」ハハ
450 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 02:01:42.46 ID:UZTjJrIYO
―――【???】
花田煌が、走っていた
雑木林の中、木々をかきわけて辿り着いた開けた場所でガッツハイパーを構える
その銃口の先には―――
煌「ここまでです。野依理沙さん……」
理沙「……」
煌「終わらせます。佐々野さんと姫子から受け継いだ光で」
右手にガッツハイパー、左手に謎の銃を持つ
両方から放たれる光弾を、野依理沙は懐から取り出した黒いロッドのようなもので弾く
虚ろな瞳の野依理沙が、花田煌をしっかりと視界に映す
煌「闇の力に飲まれて、野依さん!」
理沙「……!」
ロッドの先端が煌に向けられると、そこから光弾が放たれる
それを転がって回避する煌だが、起き上がった煌にさらに“銃口”が向けられた
光弾が放たれようとしたその瞬間―――黒い影が迸る
煌「!!?」
理沙「!」
すぐにその場から退こうとする理沙だが、既に遅い
?「アァァアァァッ!」
腹部に拳が突き立てられ、そのまま理沙が吹き飛び地を転がる
そしてそんな理沙を攻撃した本人は―――“赤い瞳”を爛々と輝かせていた
なにかに耐えるように歯を食いしばり、そこにいる
煌「ッ……誰ですか!」
?「人の、いやこのメダルの……力を勝手に!」
煌「闇の、力……?」
?「闇、だけどっ……明け透けに物を言う!」
本来なら真ん中分けされていた髪が垂れる
?「赤土っ、あの人また勝手に……!」
そして“宇夫方葵”は立ち上がる野依理沙を今一度―――睨みつける
451 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 02:11:50.98 ID:UZTjJrIYO
―――【鹿児島市:街中】
一軒の定食屋を出る霞と京太郎の二人
楽しげに笑みを浮かべる二人を見る人が見れば、勘違いもするだろう
趣味も一緒、目的も、職業も一緒―――特異課という共通点があれば会話も弾む
京太郎「ごちそうさまです。おいしかったぁ」
霞「満足いただけたようでなによりよ」クスッ
京太郎「正直、高級至高な人だと思ってました。神代家の関係者ですし」
霞「そうでもないわ。ただの女子高生よ」クスッ
京太郎(女子高生感皆無だけどね)
霞「余計なこと考えなかった?」ニコリ
京太郎「いいえ決して」メソラシ
とりあえず話をそらすために次の目的地を確認する
緊急連絡などもまだ来ていないようだった
そうしていると気配を近くに感じる
京太郎「ちょっと近」
晴絵「よっ」
京太郎「ドワォ! 晴絵さん!?」
晴絵「ん、丁度近くよったからね」
京太郎「近く寄っても会うのはまた別でしょうに」
晴絵「確かにそりゃそっか」
霞「えっと、赤土晴絵さん? 阿知賀の?」
晴絵「お、私ってば有名人」
京太郎「そりゃそうでしょレジェンド」
晴絵「え〜そ〜お〜?」ニヤリ
満更でもなさそうに笑う彼女に、京太郎は苦笑を浮かべる
京太郎「てか何用ですか?」
晴絵「ちょっとね、て用しかないんだよねここ」
その言葉に、ひっかかる
彼にとって赤土晴絵はなんでもない、特異課のメンバー
そして穏乃たちの先生なのだから……
京太郎「赤土さん」
ピピピピ
京太郎「端末、緊急通信!?」
452 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 02:22:52.41 ID:UZTjJrIYO
第27話【獣-Beast-】
453 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/22(土) 02:24:59.64 ID:UZTjJrIYO
今回はここまでー
まぁわかる人はサブタイでわかる感じの話
と見せかけてちょっとひねりはあるよー
明日もできるかもー
そんじゃまたー
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/22(土) 07:32:48.29 ID:pFSbTE/n0
乙
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/22(土) 11:50:17.64 ID:wZ7fvpOr0
乙
京ちゃんは一回り達観してるのはやっぱベリアルといたからか?
上手くやればトリガートゥルースと似た感じになりそうだ
456 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/23(日) 22:50:51.48 ID:bgcJVvDxO
やってくよー
トリガー最終回よかったのー
映画も楽しみー
457 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/23(日) 23:06:46.75 ID:bgcJVvDxO
緊急通信に応えるべく、京太郎はボタンを押す
モニターに映ったのは白築慕だった
彼女がわざわざ緊急通信でかけてくるということは、それなりの状況なのだろう
慕『高エネルギー反応が京太郎くんたちの近くの、神社に! 異常だよこれ!』
京太郎「神社!? 雀荘じゃなくてか!」
慕『わかんないけど、でも確かに神社、どんどん膨れ上がってる』
マップが出てくると京太郎は霞の方を見る
少しばかり迷った表情をして、頷いた
小首をかしげる霞
京太郎「霞さんに切り替えて!」
慕『あ、うん』
霞「え、ええ」
通信を霞の方の端末に切り替える
霞が腕時計型端末で慕への通信を引き継ぐのを見ると、霞に近寄った
晴絵が驚いたような表情をするが、いたしかたないのだ
京太郎「移動しながら話しましょう」
霞の方と膝裏に手を回して、抱えると走り出す
霞「ちょ!? 須賀君っ!?」カァッ
慕『な、なにしてるの!』
京太郎「しょうがないでしょ! マップ開いて!」
開かれたマップを見て、そちらに走り出す
確かに霞を連れて走るよりも速いだろう
異常な身体能力だが、見せるのも戸惑われるがいたしかたない
京太郎「その神社なんか特別なんっすか!?」
晴絵「龍脈ってあるじゃん?」
霞「レイライン?」
京太郎「えっと、地脈がどーたらとか?」
晴絵「そうそう、そういう“力”が集まるのが……神代の本殿なわけなんだけど」
慕『こっちも結構な数が通ってる!』
晴絵「そゆこと」
京太郎「どうでもいいけど晴絵さん運動能力高いっすね」
隣を走る晴絵にそう言う
晴絵「まぁ雀士だからねぇ」ケラケラ
458 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/23(日) 23:19:49.66 ID:bgcJVvDxO
その言葉に、京太郎は少し考えを巡らすも―――中断する
やるべきことは今は赤土晴絵について考えることではない
神社の誰か―――神代小蒔か野依理沙を確保することだ
京太郎「どうなってます!」
慕『依然変わらずだよ。いや、突然変わらなくなった? これって……』
晴絵「収束をはじめてる、か……」
そう言って止まる晴絵と京太郎
見上げるのは階段、その上にいる
そして凄まじい力を感じる……
京太郎「石戸さんはここで!」
晴絵「私もここで」
霞「なっ、私もせめて手伝うくらい」
晴絵「まぁまぁここはベテランに任せようよ」
霞「赤土さん!?」
驚愕する霞の方に手を置いて笑う晴絵
京太郎は顔をしかめるも、すぐに頷く
察してくれたということは理解した
京太郎「お願いします!」
そう言って、地を蹴り数段を飛ばして階段に足をつくと、さらに蹴って数段を飛ばして跳ぶように昇って行く
霞「っ……」
晴絵「まぁ大丈夫でしょ、こっちには“ウルトラマン”がいるでしょ?」
霞「……はい」コクリ
459 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/23(日) 23:47:47.43 ID:bgcJVvDxO
―――【鹿児島:???】
開けた林の中、煌と葵が退治する野依理沙
体を前のめりにして肩で呼吸をする葵は目を見開いて野依理沙の“中心”を見つめる
“メダル”が入っているからこそ理解できるもの……
煌「何者ですか! デュナミスト!?」
葵「ハッ、オリジナルぅ……それより先に、こいつか!」
飛び上がった葵が爪を立てた腕を理沙へと振り下ろすが、理沙はロッドことダークエボルバーでそれを凌ぐ
理沙がダークエボルバーを振るうと、葵は吹き飛ぶも空中で体勢を整えて着地
口から白い息が吐かれ、その口の端から涎が垂れる
煌(普通じゃない! それにこの妙な感覚っ)
理沙「……ダークザギ」
葵「わかってるならさっさと返しなさいよっ、私の力ァ!」
前へと跳びだそうとした瞬間、葵は咄嗟に後ろに跳ぶとそこに銃撃
すぐに着地して、そちらを見ればそこには―――
煌「仮面の、男?」
葵「お前も、嫌な感じするなぁ……」
そこに立っているのは仮面をかぶった男だった
四つの目が描かれた白き歪な仮面
仮面の男「闇の皇帝も根源破滅天使すらも、か……まぁここは私のフィールドとしよう」
煌「誰なんですか一体……!」
仮面の男「……須賀京太郎はいないか」
煌「須賀君!?」
葵「お前かっ、中途半端なダークザギメダル入れてからにっ」
仮面の男「暴走しなかったのは予想外だが、そろそろか」
葵「ッ!」
仮面の男「野依理沙、出番だ」
野依理沙が、ダークエボルバーを両手で持って前に出す
瞬間、葵と煌が同時に距離をとった
そして野依理沙は両手でダークエボルバーを―――引く
460 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/23(日) 23:59:48.35 ID:bgcJVvDxO
―――【鹿児島:神社】
階段を上り、鳥居をくぐる
そしてそこにいる人物を見て、遅かったことを理解した
いたのは―――神代小蒔
京太郎「神代、小蒔さん……」
腕時計型端末から声が聞こえる
視線の先にいる神代小蒔はいつも結わいている髪がほどけて黒髪がなびいていた
そして虚ろな瞳は、なにを映しているのか……
京太郎「なら……ッ!」バッ
ゼットライザーを取り出す京太郎
神代小蒔が凄まじい光を発すると共に、光の柱を生み出す
それが高く上り―――
京太郎「ゲートオープンだ!」
トリガーが引かれ、京太郎がゲートの中に消える
そして光の柱が消えると共に現れる―――怪獣
離れた場所で、霞と晴絵がそちらを見る
ハッとした表情をする霞の肩にてを置く晴絵
晴絵「大丈夫だよ」
霞「須賀君がっ」
晴絵「まぁあの子はベテランだから……にしてもそうか、そういうこと」
顔をしかめる晴絵、その視線の先に現れた怪獣
晴絵「マガゼットン……!」
461 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 00:25:36.63 ID:b+a00aKjO
―――【???】
そして同時刻、現れるのは黒い巨人
地上に着地すると―――煌と葵を見下ろす
赤い瞳の黒い巨人は、右腕に鉤爪を持って雄叫びを上げるように両腕を広げて上空をむいた
煌「あれは……」
葵「ダークメフィスト……」
煌「佐々野さんが倒したのにっ」
葵「所詮はメダル、それと“力”さえあればいくらでも後継者をつくれる。メダルを回収しとくべきだったね」
その言葉に、煌が顔をしかめた
ダークメフィスト見上げて顔をひきしめる
やるべきは一つ―――
煌「ならもう一度、何度でも……それが受け継いだ私の!」
ガッツハイパーをしまうと、謎の銃を持つ
それ―――“エボルトラスター”を鞘から抜き放つ
銃のように見えたそれは短剣に近いように見える
煌「絆−――ネクサス!」バッ
そしてそれを、真上に掲げた
462 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 00:33:17.47 ID:b+a00aKjO
ごめんミスったー
銃(ブラストショット)とエボルトラスターが一緒のもんみたいに書いちゃったけど別物っすね
ちょっち修正する
463 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 00:37:02.07 ID:b+a00aKjO
(
>>461
の修正
―――【???】
そして同時刻、現れるのは黒い巨人
地上に着地すると―――煌と葵を見下ろす
赤い瞳の黒い巨人は、右腕に鉤爪を持って雄叫びを上げるように両腕を広げて上空をむいた
煌「あれは……」
葵「ダークメフィスト……」
煌「佐々野さんが倒したのにっ」
葵「所詮はメダル、それと“力”さえあればいくらでも後継者をつくれる。メダルを回収しとくべきだったね」
その言葉に、煌が顔をしかめた
ダークメフィスト見上げて顔をひきしめる
やるべきは一つ―――
煌「ならもう一度、何度でも……それが受け継いだ私の!」
ガッツハイパーをしまうと、謎の銃のようなものをしまい新たな鞘に収まった短剣のようなものを持つ
それ―――“エボルトラスター”を鞘から抜き放ち、下に振りかぶる
煌「絆−――ネクサス!」バッ
そしてエボルトラスターを、真上に掲げた
464 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 00:50:07.70 ID:b+a00aKjO
―――【鹿児島:街中】
神社に現れた怪獣“マガゼットン”が顔面の赤い“マガクリスタル”を輝かせる
火球を放つマガゼットンだが、その射線上に黒い光が立ち上りその火球が消え去った
『 Red King. Gomora. Belial. 』
『Skull Gomora.』
闇の中から現れたベリアル融合獣スカルゴモラ
マガゼットンはその場で立ったまま、軽く火を放つ
それを真正面から受けるものの、相性がいいのか別段問題はない
京太郎『本気でかかられたらやべぇか……?』
借りにも魔王獣、その強さは良くわかっている
おそらくストロング・ゴモラントを使うことになりかねないが、ギリギリまではこちらの姿で戦うべきだろう
地を軽く蹴って構えるスカルゴモラ、【光ノ魔王獣マガゼットン】がマガクリスタルを輝かせる
京太郎『ッ、この感覚! くるか!?』
晴絵「くるね」
465 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 00:56:36.22 ID:b+a00aKjO
―――【???】
マガゼットンとスカルゴモラが退治する場所から離れたその地に現れる巨人―――ネクサス
白銀の体を持ち、カラータイマーの代わりに赤いエナジーコアを持つ巨人
花田煌が変身したそのウルトラマンは静かに両腕を構える
ネクサス「ハァア……」
ダークメフィスト「グウウウウッ!」
そして地上の葵が、顔をしかめる
葵「っ……」
その胸には赤い光、ネクサスのエナジーコアと同じ形
光が点滅しているが、それがおさまった時に真上を見上げる
妙な感覚、特殊な力で“マガゼットン”の復活を予感した
仮面の男「マガゼットン、予定通りだな」
葵「きやがった……ッ!」
仮面の男「起きろ“この地球の怪獣たち”よ!」
466 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 01:07:54.54 ID:b+a00aKjO
―――【特異課鹿児島基地:作戦室】
モニターを見ていた慕が驚愕に表情を浮かべる
すかさずキーボードを叩いてモニターに映像を表示させる
共にいた熊倉トシが眉をひそめた
トシ「わかってはいたけど、マガゼットンの影響か……」
慕「怪獣が各地に出現しました。けどこれっ」
トシ「ああ……“元々この地球で眠っていた怪獣”だろう?」
慕「そんな、聞いてません!」
トシ「ほんとはまだまだ眠っていたはずのやつらだ」
そう言うトシが、各地で目覚めた地球怪獣たちを見据える
慕「っウルトラマン出現、メビウスとダイナ、他の怪獣たちのところにも!」
トシ「とりあえず自分たちのとこは自分たちでやってもらうしかないね」
慕「?」
トシ「援護ってわけにもいかない。とりあえず通信できる子たちは回収を急ぎ」
慕「りょ、了解です!」
トシ(頼んだ京ちゃん、花田……それにたぶん、動き出したね。奴も)
467 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 01:14:54.00 ID:b+a00aKjO
―――【鹿児島:街中】
ぶつかりあうスカルゴモラとマガゼットン
殴り合いの打撃勝負となっているが、流石に魔王獣、マガゼットンの方が優位に見える
避難する人々、霞もその中にいた
霞「赤土さん! どこに……!」
避難しろとだけ言って去ってしまった晴絵を探しながら基地の方へと走って行く
そしてそんな霞とすれ違うように怪獣の方へと走って行く影
それは―――西田順子だった
順子「でたあの怪獣、とうとう見つけた! やっぱりなんか法則があるはず!」
大介「ちょっとあぶないですって!」
順子「絶対なにかあるはず! 特異課が隠してるなんかを見つけるチャンスなのよ!?」
大介「命あってのもんでしょうに!」
順子「ちょい! はなっ、はなしなさいよぉ!」
大介「逃げますよ!」
順子「あ〜すくーぷー!」
468 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 01:23:22.95 ID:b+a00aKjO
―――【???】
ネクサスが腕を真上に上げた
光線が真上に上ると拡散、同時にドーム状に形作られていく
ハッとする葵が胸に手を当てる
ネクサス「!」
そしてフィールドが変わる―――フェイズシフトウェーブにより転移
戦闘用不連続時空間メタフィールドを展開し周囲に被害が及ばない場所へと、戦場を切り替える
その場にいるのはネクサスとダークメフィスト、そして葵
前に葵が形成したダークフィールドGと同じような空間
ネクサス「!」
ダークメフィスト「!」
だがダークメフィストが腕を上げると、その“メタフィールド”がダークフィールドGと同じ姿に変えられてしまう
それは闇の力が、ダークメフィストが戦いやすい空間
ネクサスはパワーダウンを感じるようで少しばかり怯む
葵「あのダークメフィスト、パワーが!」
晴絵「よ」
葵「っ」
隣に現れるのはジャグラス ジャグラーの姿をした赤土晴絵
日本刀を肩にかついでいる
葵「……手も貸せないでっ」
晴絵「まぁ本来の役目じゃないし良いんじゃないの」
葵「本来とか関係ないでしょっ」
晴絵「違いないね。私も、私の生徒が守れればなんでも良いってだけだし」ハッ
そして、駆けだしたネクサスとダークメフィストがぶつかりあう
469 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 01:58:59.25 ID:b+a00aKjO
―――【鹿児島:街中】
京太郎『インフェルノ・マグマ!』
スカルゴモラの口から放たれた火球
だがマガゼットンが消えるとスカルゴモラの背後に現れる
火球はマガゼットンがいた場所を素通り、背後に現れたマガゼットンはスカルゴモラの背後から拳を打ち込む
京太郎『がっ!?』
吹き飛んだスカルゴモラが地上に転がる
即座に起き上がるも、今度はマガゼットンが火球を放つ
それを受け止めるものの、先ほどまでとは比にならない威力にそれを受け止めたまま後ろに下がっていきビルにぶつかる
京太郎『っ!?』
スカルゴモラ「―――!」
火球は凌いだものの、ダメージに顔をしかめる
マガゼットンは強力だしこの感じからしてスカルゴモラで勝てる相手でもない
京太郎『ならッ!』
黒く輝くスカルゴモラ
『Galactron. King-Joe. Belial. 』
『 King Galactron. 』
現れるのはベリアル融合獣、キングギャラクトロン
開幕、ペダニウムハードランチャーを放つも、マガゼットンはシールドを展開してそれを防御
だが爆煙でその視界は曇る
マガゼットン「……」ピピピピ
京太郎『もらったぁ!』
爆煙の中、接近したキングギャラクトロンがマガゼットンとの間に魔法陣を展開
引き絞った左腕を下からすくいあげるように振るう
魔法陣を通して、その左腕の連打がマガゼットンに直撃する
京太郎『ペダニウムパンチング!』
マガゼットン「―――」
拳の連打を受けて吹き飛んだマガゼットンが地上に倒れる
さらにペダニウムハードランチャーを構えた、その瞬間―――火球が背中に直撃する
京太郎『がっ!? な、にっ!?』
そちらに顔を向ければそこには―――パンドンがいた
性格には左手と右足が機械になった改造パンドン
そしてその傍のビルの屋上に立つ“仮面の男”
470 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 02:07:44.53 ID:b+a00aKjO
京太郎『誰だっ!』
仮面の男「須賀京太郎、マガゼットンはいましばらく怪獣を出現させる役目がある。邪魔をしてくれるな」
京太郎『勝手なことをっ……!』
互いに聞こえない距離のはず、だが会話が成立する
不思議な力だがおそらくそれも仮面の男の力なのだろう
体勢を整えたキングギャラクトロンが、ペダニウムハードランチャーを改造パンドンの方に向け、放つ
京太郎『チャージできなかろうと!』
仮面の男「無駄だ」
だがその一撃が改造パンドンを貫くことはない
改造パントンの前に現れたマガゼットンがシールドでそれを凌いだ
顔をしかめた京太郎、だがすぐに両足を地につけて、シールドが消えるより速くその砲口にエネルギーを集めていく
京太郎『こいつで!』
仮面の男「……チャージなどさせるものか」
その声と共に、マガゼットンが押しのけられ改造パンドンが火球を放つ
完全な直撃コース
京太郎『くそがッ!』
だがその瞬間―――なにかがキングギャラクトロンの前に現れた
京太郎『!?』
そのなにかが、火球を弾く
上空へと飛んでいく火球
キングギャラクトロンの前に現れたそれは―――立ち上がった
京太郎『ウルトラマン……!』
ウルトラマン―――ネクサスがキングギャラクトロンの前に立った
471 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 02:25:47.57 ID:b+a00aKjO
仮面の男「ダークメフィストは、まだパワーを出し切れていないか……」
ネクサスがマガゼットンと改造パンドンを前に構えを取る
煌『ベリアルさんですね。ネクサスの力を借りている者です』
京太郎(花田さん!)
煌『こちらも少し手こずってしまいまして』
そうは言うものの、倒し切れてはいない
途中でダークメフィストには逃げられてしまっている
だからこそ、余力を残したままこれたのだが……
仮面の男「些細な変更か、まぁ良い……」
改造パンドンと組み合うネクサス
そしてマガゼットンへと射撃を行うキングギャラクトロン
仮面の男が、金色のメダルを握る
『Absolute Tartarus』
現れる金色のゲート、次元の扉
仮面の男「光の巨人……宇宙の調停者、そして守護神たる存在」
京太郎『お前は一体……!』
仮面の男「彼らは超絶的な破壊力と深い慈悲の心を併せ持ち、悠久の時を生きている……まさに神を具現化した存在と言えよう」
京太郎『ウルトラマンはっ』
仮面の男「私は宇宙の調停者となる」
そして、次元の扉の中へと消える
京太郎『くそっ!』
煌『須賀君ですか!?』
京太郎『今更っすか、ともかく……やるぞ!』
煌『ッ……了解!』
472 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 02:39:52.30 ID:b+a00aKjO
赤い改造パンドンに相対するネクサス
光弾を放つも、改造パンドンはそれを受けても多少怯む程度
接近した改造パンドンが鉤爪になった左手を振るうも、ネクサスは転がってそれを回避
煌『これが絆で受け継がれた光です!』
立ち上がったネクサスが片腕を振るう
それと共にその姿が―――青いジュネッスブルーへと変わった
煌『姫子、この姿を借りる!』
◆BGM:青い果実【
http://www.youtube.com/watch?v=P020SANNcGs
】
ネクサスが腕を上げると再び、フェーズシフトウェーブが放たれる
それは改造パンドンと、マガゼットンとキングギャラクトロンを包んで怪獣たちを異空間、メタフィールドへと飛ばした
ダークフィールドGと違うその空間に驚愕する京太郎だが、次に飛んできた火球を避けてすぐに意識を切り替える
煌『須賀君、そっちは任せます!』
京太郎『任された!』
各々と戦いが始まる
473 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/24(月) 02:52:58.80 ID:b+a00aKjO
今回はここまでー
だいぶ話が動いた感じっす
まぁまだ不明なことも一杯だけどもー
そんじゃまたー
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/24(月) 08:27:33.39 ID:S1p33NiIO
乙
475 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/24(月) 17:34:32.41 ID:DItlIgom0
乙
すばらは3人目のネクサスなのか
敵の幹部出てきて話がだいぶややこしくなってきたな
476 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/26(水) 19:23:43.19 ID:gIzMG1KR0
乙。
477 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/26(水) 22:45:29.03 ID:NGs7pVqDO
ちょっちやってきますー
ネクサス関係は話結構進んでるというかなんというかって感じでー
478 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/26(水) 22:56:55.37 ID:NGs7pVqDO
ネクサスが素早く改造パンドンに走って行く
放たれる火球を、体操選手のように軽い身のこなしで回避していき、接近し回し蹴りを放つ
煌『まだ!』
それを改造された右手でガードする改造パンドンだが、メビウスは蹴りを放った方とは逆の足で改造パンドンを蹴り腕を上げさせる
ネクサス「タアッ!」
空中でパンドンから離れつつ、右腕に装備されたアームドネクサスから光弾を放つ
それを受けて改造パンドンが再び怯むも、すぐに火球を放ち反撃
ネクサスは同じくアームドネクサスから出現させた光剣でその火球を斬り裂いた
煌『強い……!』
だがそれでも、負けるわけにはいかないのだ
煌『まだまだ!』
479 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/26(水) 23:17:15.39 ID:NGs7pVqDO
キングギャラクトロンが目部分からレーザーを放つ
マガゼットンはそれを輝くバリアで防御すると、火球を放つ
魔法陣を展開して、防御するキングギャラクトロン
京太郎『こいつ、いつまでも……!』
バリアを張られるよりも速く、低出力でハードペダニウムランチャーを放つ
マガゼットン「!」
その一撃は、直撃
威力を絞ったというのもあってか、ひるみ確かなダメージになるも致命傷にはならない
そもそも、ハードペダニウムランチャーならば必殺で撃たなくては意味がなかった
京太郎『ともなれば仕方ないかッ!』
やるべきことは一つ、バカの一つ覚えと言われればそこまでだが……
京太郎『今の俺の、最強の力で!』
―――記憶の中、魔王獣を探る
魔王獣とは火・水・風・土・光・闇の六つの属性を持つ怪獣たち
災害を引き起こすまさに魔王というにふさわしき獣
ベリアルから引き継いだ断片的な記憶
京太郎『マガゼットン、光ノ魔王獣……!』
だが、それを思い出したとてやることは一つ
京太郎『光を塗りつぶす漆黒の闇でェ!』
480 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/26(水) 23:32:39.89 ID:NGs7pVqDO
―――【インナースペース】
タイラントメダルを握りしめ、赤き瞳を輝かせる
周囲の雷の勢いが増す、闇の濃さもだ
体が悲鳴をあげる感覚、そのダメージが最後に跳ねあがることも理解していた
京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」
メダル三枚をセットしブレードを可動させる
激しい雷、その輝きと共に京太郎の姿にベリアルがかぶった
『Gomora. Tyrant. Belial.』
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く
京太郎「ベリアァルッ!」
『Strong Gomorant』
481 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/27(木) 00:02:16.67 ID:g3qOjbf4O
―――【メタフィールド】
現れたストロング・ゴモラントが雄叫びを上げる
マガゼットンが放った炎を腹部から吸収――――そして放出
京太郎『自分の炎をくらえ!』
マガゼットン「!」
頭部を光らせながら、バリアを張る
だが自らのバリアより攻撃の方が上だったのか、バリアが砕けてその直撃を受ける
吹き飛んで倒れるマガゼットン
京太郎『よーやくちゃんとしてやった感でたな!』
マガゼットン「!」
逆戻しするように起き上がったマガゼットンが、消える
ハッとするが、わかりきったことだ
他の形態ならわからないが、ストロング・ゴモラントの火力ならば可能なことがある
京太郎『後ろだろ!』
バラバラバテールを振るいながら振り返ると、背後にテレポートしていたマガゼットンはその一撃を受け止めて見せた
だが、完全にダメージを消すことができなかったのか受け止めつつも後ろに下がる
京太郎『マガバッサー、マガジャッパ、マガパンドン……次はお前だァ!』
バラバラバテールを受け止めたマガゼットンに対して、ストロング・タイラントが咆哮を上げる
そして京太郎は一枚のメダルをゼットライザーに入れて使う
京太郎『グロッケンさん!』
『Glocken』
京太郎『グローザコールドバスター!』
ストロング・タイラントの口から放たれた冷凍ビーム
その蒼き一撃がマガゼットンへと直撃、並の怪獣であれば貫かれるほどの攻撃だが、さすがに魔王獣
マガゼットン「―――!」
京太郎『わかってんだよ、んなことォ!』
だが確実に、ダメージによって弱ってきている
ならばと、バラバラバテールを振るう
吹き飛んだマガゼットンが―――改造パンドンにぶつかる
京太郎『煌ェ!』
煌『すばらです!』
482 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/27(木) 00:32:36.34 ID:g3qOjbf4O
倒れているマガゼットンと改造パンドンが、同時に起き上がる
そして、空中でその二体を見据えるネクサス
右腕を真っ直ぐに伸ばし、左腕をまげて添える
煌『姫子の技で……!』
アームドネクサスから光剣を出したまま、その左右からさらに光が新たな姿を形作る
それは弓のようで、添えた左手を手前に引くとそのまま光剣動く
動こうとするマガゼットンと改造パンドンだが、直後その二体に対して超重力が襲い掛かる
京太郎『動くなよ!』
ストロング・ゴモラントの赤き角が輝いていた
そして上空のネクサスの右手がひときわ輝く
煌『オーバーアローレイ・シュトローム!』
そして、放たれた一撃
マガゼットンがどうにか動きだし、バリアを張った
オーバーレイ・アローシュートが改造パンドンを貫き、さらにマガゼットンを貫こうとする
だが―――
煌『耐えて見せる……!!?』
京太郎『ッ!』
改造パンドンが爆散―――爆煙の中、バリアを解くマガゼットン
京太郎『終わりじゃねぇぞ!』
483 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/27(木) 01:04:17.71 ID:g3qOjbf4O
爆煙の一部が晴れ、なにかがマガゼットンの目の前に何かが現れる
京太郎『これでオーラスだァ!』
『Arstron. Bemular. Belial』
京太郎『ベェリアァル!』
『Burning Bemustra』
それは―――バーニング ベムストラ
咆哮をあげて口部から放つ一撃
京太郎『ペイルサイクロォン!』
ほぼゼロ距離で放たれた一撃が、マガゼットンを上空へと吹き飛ばす
必殺技の連続に、マガゼットンはボロボロだ
しかし―――倒すに至っていない
京太郎『だから! 連続和了って奴だァ!』
『Gomora. Tyrant. Belial.』
京太郎『ベリアァルッ!』
『Strong Gomorant』
暗い光が上空へと飛び上がると、それはストロング・ゴモラントへと変わった
口に獄炎が集まって行く
さらに京太郎は新たなメダルを握りしめる
京太郎『極悪のヴィラニアスさん!』
『Villanias』
ベリアル配下のダークネスファイブが一人、テンペラー星人“極悪のヴィラニアス”のメダルの力
そしてかつてはヴィラニアスとタイラントのコンビは無二のコンビネーションを誇っていた
赤き瞳のタイラントとテンペラー星人、極悪宇宙人と暴君怪獣
京太郎『極暴タッグの力、お借りします!』
ストロング・ゴモラントの口の炎に、新たな光が宿る
京太郎『必殺のォ!』
マガゼットンがバリアを張るがそれは中途半端で、この一撃で十分貫くことができるであろう
胸のカラータイマーが激しく点滅している
京太郎『必勝大火炎、ハイパーデスファイヤーァッ!!』
放たれた紫色の光が混じった獄炎が、バリアを貫きマガゼットンへと―――直撃した
484 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/27(木) 01:31:18.39 ID:g3qOjbf4O
―――【鹿児島:神社】
市内、マガゼットンが現れた神社
マガゼットンが現れた影響で本殿も半壊、さらに地上もクレーターができている
だがそんな中、破損していない石畳の上に倒れている少女が一人
京太郎「っ……神代、小蒔」
神代小蒔が、そこにいた
現れた京太郎は、ボロボロである
服こそ破損していないものの、体中から血が流れているし、両目からも血が流れていたようだった
京太郎「ッ……」
近づいて、横に膝をつく
体中を労りながら、そっと上着を脱いで小蒔の後頭部に敷いた
荒く呼吸をしながら、ワイシャツの袖で目元や鼻、口の血を拭う
京太郎「こういう感じじゃぁないだろぉ……」
つぶやきながら、傍に落ちている三枚のメダルを拾う
それは―――
京太郎「マガゼットンじゃ、ない」
―――ゼットンメダル
通常のゼットンと、漆黒のメダル、そして何も描かれていないメダルだ
なんのメダルかはわからないが、漆黒のメダルからは嫌な感覚がする
京太郎「なっ」
突如、何も描かれていないメダルに映し出されるマガゼットン
京太郎「そうか、ゼットンメダルと黒いメダルで、マガゼットンを出現させて……マガゼットンメダルを手に入れるため、に」
つまり漆黒のメダルは
京太郎「魔王獣?」
????「大魔王獣だ」
京太郎「ッ!」
突如の衝撃に、後ろに数メートル吹き飛ぶ
転がった京太郎が痛みをおして即座に起き上がる
手に握られているメダルは、一枚だけだった
京太郎「お前っ!」
仮面の男「マガゼットンメダル、生まれたか……」
京太郎「やっぱ……!」
485 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/27(木) 01:40:12.90 ID:g3qOjbf4O
小蒔の傍にたつ仮面の男の手には、漆黒のメダルとマガゼットンメダル
残ったゼットンメダルを握りながら、京太郎はしっかりと立ち上がる
手に持つのはガッツハイパー
仮面の男「無理をするな。そもそもウルトラマンのなりそこないが扱える力ではない」
京太郎「ベリアルさんに感謝だよ……」
仮面の男「父親が残したメダルか」
京太郎「ッ、親父のことっ!」
その言葉に、応えるでもなく仮面の男はなにかを察したのかまた金色のゲートに消える
首をかしげる京太郎が、膝から崩れ落ちた
さすがに限界なのだろう
朦朧とする意識、もやのかかる視界の先、神代小蒔が見える
「須賀君!」
京太郎「あぁ〜?」
声が聞こえた
誰の声かはわからないが、聞きなれた声ではない
なにはともあれが
京太郎「世界全快、おーるおっけー」
「どこが!?」
そして、真っ暗な闇に意識を落とした
486 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/27(木) 01:46:10.71 ID:g3qOjbf4O
とりま今回はここまでー
次回は明後日ぐらいになるかもー
話進んできたー
487 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/28(金) 00:08:31.86 ID:xi7L3JsH0
乙
仮面の男の正体は次に持ち越しか……
488 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/28(金) 16:28:21.91 ID:HGAm0uCy0
乙
上手く色んなシリーズの要素落とし込んでていいな
489 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/01/28(金) 22:18:13.26 ID:qgFz7X8CO
ごめんなさいー
今日はお休みでー
申し訳程度に安価おいとくー
◆どうする?
1、長野に帰る
2、鹿児島に残る
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い方の選択肢を採用
490 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/28(金) 22:45:14.16 ID:jWePTyP0O
わからんが2
491 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/28(金) 22:45:21.99 ID:HGAm0uCy0
了解2で
492 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/28(金) 23:29:34.93 ID:hdE+0tWL0
2
493 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/29(土) 00:55:33.65 ID:d86gTNM7o
2
494 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/29(土) 03:49:23.71 ID:UEDBQhlC0
1
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/29(土) 14:32:49.39 ID:3+wwBEvX0
永水女子と仲良くなれそうなのは2だけど
1の方選んだら何かメリットあったんだろうか?ヒッサイベント追加とか?
496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/01/30(日) 02:29:44.88 ID:K/UJg/GO0
このイッチのことだから選ばなかった方に不幸が降り注ぎそう(震え声)
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/02(水) 23:29:09.26 ID:BZ2CQkKW0
そろそろ来るかな?
498 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/08(火) 22:46:16.60 ID:fskeHkCWO
久しぶりにやってくっすー
コロナにかかっておったよ、死ぬかと思た
京ちゃん大ピンチからのー
499 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/08(火) 22:58:13.76 ID:fskeHkCWO
2、鹿児島に残る
―――【???】
いつだったかの記憶
父も母もまだ家をそれほど空けていなかった頃だ
テレビの前で座っている幼い京太郎―――を見ている今の京太郎
京太郎「ここ……」
確かな家、そして父と母も笑っている
父に何かを話す自分、そして父は笑って頷いていた
京太郎「なんで今更……」
溜息をついて頭を掻く
その瞬間、景色が止まり―――暗い穴に沈んでいく
浮遊感に戸惑いながらも、京太郎は抵抗はしない
所詮、泡沫の夢だ
500 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/08(火) 23:05:17.37 ID:fskeHkCWO
次に眼を覚ませば、天井
そのままじっとしているものの、すぐに起き上がる
痛みに顔をしかめて上体だけを起こすと、左腕につながった点滴が気になった
京太郎「そんな重傷だった?」
「ええ、とても」
京太郎「あれ、花田さん……」
煌「……須賀君も、色々あったようですね」
その言葉に、顔をしかめて笑う
あまり深くは言葉にできないし、彼女もそれを察してかそれ以上はなにも言わない
煌「とりあえず起きたことを報告してきますね」
それだけ言って立ち上がり医務室を出ていく煌
近くにあった端末を取って開く
メッセージなども来ていたようだがそれらを一旦無視して、日付を確認
京太郎「……一日は眠ってなかったみたいだな」
せいぜい16時間程度
日は跨いだが、大した問題ではなさそうだ
しかしまぁ……
京太郎「もうちょっとここかな」
501 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/08(火) 23:24:49.74 ID:fskeHkCWO
―――1時間後【医務室】
精密検査などをしてから京太郎は霞などから小言をもらっていた
まぁ無茶をしたのは確かだ、初美と春にも心配をかけたとは思う
もちろん煌や慕にも……
煌「ところで須賀君」
京太郎「はい?」
いま、ベッドにて上体を起こしている京太郎
そのベッド横で座っている煌
医務室には二人だけだ
煌「黒髪の女性、御存知じゃないですか?」
京太郎「一杯いますけど」
煌「うーん、前髪が長い……」
京太郎「まだ範囲が広いっす」
煌「う〜ん……」
京太郎「……どういう人でした?」
煌「助けてくれたんですけど、どこかずっとしんどそうというか……獣みたいな雰囲気でした。でパワーも」
ふと、頭によぎる相手が一人
京太郎「宇夫方さんか、赤土さんもいたしあの二人関係が?」
煌「知っていましたか、あの方は?」
京太郎「全然わかんないっす。神出鬼没だし、そろそろまとまりたいとこなんっすけどね」
煌「妙な感覚なんですよ。あの人」
京太郎「……特別に?」
煌「はい、すばらな感覚ではないように感じますが……」
そう言って取り出すのはエボルトラスター
煌「それでも私は―――絆でつないだ光で、戦うのみです」
京太郎(知ってはいたけど、光の人だなぁ)フッ
502 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/08(火) 23:29:37.75 ID:fskeHkCWO
第27話【獣-Beast-】 END
503 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/08(火) 23:45:35.02 ID:fskeHkCWO
―――次回予告
トシ:本格的に作るよ
京太郎:なにを?
トシ:戦闘機!
煌:私が戦うべきは!
晴絵:じゃじゃーん!
葵:殺す!
京太郎:戒能良子!
良子:ウジュイカ、レエガミヨ……
次回【亡霊-GHOST-】
煌:諦めるな!
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/08(火) 23:58:15.56 ID:Q+Tr6/GM0
乙。ぶっちゃけインフルエンザよりキツイからお大事に
505 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/09(水) 00:26:11.58 ID:kgi+cuwLO
―――【特異課鹿児島支部:作戦室】
あれから4日ほどが経った
怪我も治り、小蒔も起きた
京太郎(にしても、だ)
チラリと視線を動かす
初美、春、小蒔、霞が並んでいる
京太郎(基本 デ カ い ! )
心の中で強く頷く
椅子に座ったまま、京太郎はトシと慕の話に耳を傾ける
トシ「あれから四日なわけだけど、各地での怪獣被害が後を引いてるね……まぁ同時多発だったから当然だけど」
煌「ウルトラマンも手が回らなかったわけですか」
トシ「そういうこと、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、メビウス……それにコスモスとマックスも戦ってくれたようだけどどうにもね」
京太郎(にしてもコスモスとマックス、知らなかったウルトラマンだな……)
マガゼットンの出現の影響で蘇った“この地球の怪獣たち”の討伐
とりあえずはその日の内に倒すことはできたようだが……
トシ「まぁ結果、防衛費ってものがね……ついでにこっちにも恩恵が」
京太郎「へぇ……」
トシ「昔どっかの研究者が言ってたんだけどね、怪獣と宇宙からの脅威については」
煌「笑い話に、されたわけですか」
トシ「まぁそれは置いといて……本格的に作るよ」
京太郎「なにを?」
トシ「戦闘機!」
京太郎(正気か?)
慕「正気ですか?」
トシ「もちろん」
小蒔「カッコいいと思います!」
京太郎(まじかぁ)
506 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/09(水) 00:37:41.77 ID:kgi+cuwLO
とりあえず今回はここまでー
まだ全快じゃないらしいっすわー
ちょくちょく新情報出しつつー
そんじゃまたー
◆安価!
1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音
14、宮永照
15、亦野誠子
16、弘世菫
17、石戸霞
18、薄墨初美
19、滝見春
20、神代小蒔
21、花田煌
22、白築慕
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/09(水) 00:40:17.11 ID:1EIQEVxYO
乙14
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/09(水) 00:50:08.32 ID:hnqVc0Vp0
21
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/09(水) 01:01:38.40 ID:x55g2U0W0
乙1宥
コスモスとマックスは誰だろう
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2022/02/09(水) 02:13:34.81 ID:rQzqeRUJ0
3
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/09(水) 06:47:21.49 ID:ubPYcbOR0
17
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/10(木) 17:26:58.81 ID:nJVV8/LDO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/11(金) 13:52:39.41 ID:zyPOTfQ60
そのうち京ちゃんパパも出てきそうだな
514 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/14(月) 00:20:17.96 ID:LKnJoRYC0
コロナ大丈夫?
515 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/14(月) 23:40:21.70 ID:esrx/YBU0
ちょっちやってくー
これいつ全快になるんやろか
516 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/14(月) 23:53:53.02 ID:esrx/YBU0
3、福路美穂子
17、石戸霞
―――【特異科鹿児島基地:休憩所】
何の気なしそこに立ち寄り、何の気なしにコーヒーをすする
ただ普通に、日常的にそうしていた
視界の端に―――“自分が映る”までは
京太郎「ッ!」
立ち上がったガッツハイパーを構える
誰もいないその場で、ただ自分だけがいた
京太郎?「おいおい、そろそろ見慣れてほしいもんだな」
京太郎「見飽きてるんだよ……」
そう良いながらトリガーに指をかけるも、止まる
京太郎(いつもみたいに実体がないのだとしたら……)
いつだって攻撃は奴をすりぬける
いつだって奴はふと消える
京太郎(ならばこいつ……)
京太郎?「あれ、気づきかけてるか?」
京太郎「……お前、まさか」
京太郎?「言ってるだろ。俺はお前だよ」
そうとだけ言うと―――水色にぼやけて消えた
京太郎「……」
ガッツハイパーをしまうと、息をついて座りなおす
京太郎「そろそろガチでなんとかしないとな」
?「どうしたの?」
京太郎「っ……霞さん」
霞「ええ」ニコリ
517 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 00:02:58.18 ID:pwimCAx80
向かいに座る霞は、手に温かい緑茶を持っていた
それを両手で持ち暖を取りながら京太郎に笑いかけつつ、霞は窓から外を見つつ口を開く
霞「姫様が戻ってきて……京太郎くんが取り戻してくれて、かな」
京太郎「俺は大したことできちゃないですよ」
霞「いいえ、大けがしながらとりもどしてくれたじゃない」クスッ
自分がベリアルだということはバレていないはずだ。おそらく……
状況が状況だしバレてもおかしくはないし、別にそこまで隠しておかなければならない事情だとも思っていない
しかし、やはりバレないほうが良いこともある
京太郎「怪我してただけっすよ」
霞「見ず知らずの人のために……?」
京太郎「見ず知らずってことないっすよ。うちの優希が世話になったし、永水の方たちには」
霞「大事な仲間、なのね」
京太郎「みなさんと一緒、っていうと厚かましいか……隣に立ててない人間が言うことじゃぁないか」
笑ってコーヒーを一口
霞「麻雀、強いのに?」
京太郎「今強くたってですよ。やっぱりみんなの隣で戦ったって胸張って言いたいんっすよ」
霞「案外気にしてるの京太郎くんだけだったりしない?」
京太郎「……たぶんそうです」フッ
霞「なら」
京太郎「あ〜霞さん相手だとべらべら話してしまう……」
霞「信頼されてるってことかしら」フフッ
京太郎(年齢らしからぬ抱擁感のせいとは、言いづらいな)
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/15(火) 00:03:57.26 ID:7L0HGD+lo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
519 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 00:09:52.84 ID:pwimCAx80
背中を伸ばすと、骨が鳴る
京太郎「あ〜、今日はどうするんっすか霞さんたち?」
霞「そうね。特にこれといって……」
小蒔の方は、父も行方不明ということもあり忙しくしている
霞、春、初美はそれぞれ小蒔をサポートしているようでもあるが……
霞「今日は小蒔ちゃんも落ち着いてられるようだし」
京太郎「ん、それじゃ小蒔さんたちといる感じっすか?」
霞「京太郎くんは?」
京太郎「俺は……まぁいつも通り雀荘めぐりっすかね」
動いている人物ということもあれば煌や晴絵あたりと合流することもできる
霞「それじゃあ、私も行こうかしら」
京太郎「俺とっすか?」
霞「ええ……デートね」クスッ
京太郎「う、うっす……」
素直に照れてしまう
霞「……ひ、否定してもいいのよ」カァッ
京太郎(自爆してるのかわいいな)
少しばかり照れくさそうにする霞に、京太郎は頬を緩ませた
京太郎「それじゃいきますか、デート」
霞「も、もぉ、からかわないでっ」マッカ
京太郎(かわいいやんけ……)
520 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 00:18:05.10 ID:pwimCAx80
霞と二人で出かけることとなり、昔ならば小躍りもしたこの状況
京太郎は一人でロビーのベンチに腰かけていた
霞を待っているのだが、色々とあるのだろう……
京太郎(変わったのは状況か、俺か……)
ふと、腕時計型端末を開いて通信履歴を探る
京太郎「履歴も結構多いけど……」
何人かには怒られている
理由はもちろん無茶して怪我したことにあるのだが……
京太郎「あ、美穂子さん」
ふと、通信をかけてみた
数十秒ほどの待機音の後、繋がる
京太郎「あ、美穂子さん」
美穂子『京太郎から連絡くれるなんて、珍しいこともあるのね』クスッ
京太郎「そういわれると音信不通のひどい奴じゃないっすか」フッ
美穂子『みんなに心配かけるのが良い子なのかしら?』
京太郎「う゛っ……」メソラシ
美穂子『ふふっ、冗談……』
そう言って笑う美穂子に、妙な違和感を抱いた
京太郎「なんか、ありました?」
美穂子『……ううん、平気』フッ
521 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 00:27:22.67 ID:pwimCAx80
どこか儚げに笑う少女を前に、京太郎は眉をひそませた
絶対に、確定で、なにかはあるのだろう
京太郎「なにかあったら周り、頼るんっすよ?」
美穂子『京太郎に言われると思わなかった』クスッ
京太郎「俺は頼りますよ。なんでも……」
美穂子『そう思ってるの京太郎だけよ?』ジト
そんなはずはない。つもりだ
京太郎「ま、まぁまぁ、そっちには部長だって池田さんだっているでしょ?」
美穂子『……うん、みんな良くしてくれる』
京太郎「?」
今どこか、美穂子の表情が曇った気もした
京太郎「……行きますから、近々」
美穂子『いいのよ、京太郎忙しいの知ってるから』
京太郎「そうでもないっすよ。だからいきます」
美穂子『……そっか、うん』
その言葉をかみしめるように、笑みを浮かべた
美穂子『待ってる……』
京太郎「はい」フッ
美穂子『あのね。そうしたら、帰ってきたら……』
京太郎「?」
美穂子『ぎゅ〜って、してね』カァッ
京太郎「っ……ど、努力します」
京太郎(ぐおぉ! 好きにされる! 好きになってしまう!)
美穂子『なにそれ』クスッ
京太郎「色々あるんっすよ、男には」
照れくさそうに頭を掻いて、京太郎はぼやいた
522 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 00:34:28.13 ID:pwimCAx80
美穂子との通信を切ってから、京太郎は背を伸ばす
そうして腕を伸ばしたその先で―――なにか柔らかなものにあたった
京太郎「へ?」
ふと腕をおろして、後ろを振り返る
そこには―――
霞「っ……」マッカ
京太郎「……すみませんっした」
つぶやくような謝罪だけが、口からこぼれた
赤い顔のまま、霞が咳払いをして頭を振るい、深呼吸
霞「お、お待たせ」フフッ
京太郎(なかったことにした。こっちにしちゃありがたいけど……やらかかったぁ、弾力えぐい)
霞「ど、どうして黙ってるの!?」ワタワタ
京太郎「ああいえ、すみません」
霞「だ、大丈夫、だからっ……」
真っ赤な顔で視線を泳がす霞を見ていると、妙な感情が生まれそうにもなるがそれを封印
京太郎「それじゃ、行きます?」
霞「う、うんっ」コクリ
523 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 00:43:15.00 ID:pwimCAx80
街中を歩く二人
結局、やることはいつもと変わらぬ探訪だ
それが一番成果も出るし、それがなによりも精神衛生上にも良い
霞「そういえば、さっきの通信は……その、恋人?」
京太郎「っげほ! ごほっ!」
動揺に、むせる
霞「図星?」
京太郎「ち、違いますよ。俺みたいなのがあんな人……」
霞「……京太郎くんがそこまで言う人なんだ」クスッ
京太郎「いやいや、俺の周りには俺にはもったいないような人ばっかだから」
そう言いながら顔をしかめる
美穂子が恋人……かつては憧れもした相手ではある
原村和だってそうだ
京太郎「まぶしすぎて目がくらみますよ」
霞「相手が京太郎くんの隣を選んでも、同じこと言うの?」
京太郎「まさか、俺みたいなの好きになる人なんて……」
そういう京太郎は、嘘偽りない本心を話しているようだった
実際にそうなのだが、霞にとって彼はそこまで自分を卑下する理由がわからない
霞「……なんだか大変そう」
京太郎「へ、なにがっすか?」
霞「京太郎くんを好きになる子」
京太郎「……いればっすよ」
霞「案外いるかも」
京太郎「まさか……」
霞「私は、かっこいいと思うわよ。見た目、も含めて……見ている限り」フフッ
京太郎「へ?」
霞「……」
すぐに大胆なことを言ったと気づいたのか、霞の顔が茹蛸のごとく赤くなった
524 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 00:53:51.78 ID:pwimCAx80
それからしばらく歩き、雀荘めぐりもした
やはり霞と打っているという事実に、ほんのりとした昂揚感を抱きながらも京太郎は店を出ると続いて霞も出る
昼過ぎということもあり冬場と言えども日差しに温かさを感じた
京太郎「ふぅ……寒くないっすか?」
霞「ええ、ありがとう」コクリ
スーツのネクタイをゆるめて顔をしかめた
サングラスの奥の瞳を細めて周囲を確認
京太郎(妙な感覚……)
霞「少しコンビニ、寄ってくるわね?」
京太郎「うっす」コクリ
近くのコンビニへと向かうと霞はそのまま店内へ
京太郎はコンビニに入ることなくその前で待つ―――つもりだった
そう、異様な気配を感じるまでは
京太郎「ッ!」キュピンッ
禍々しい力を感じて、ケータイを取り出し霞に一言を送ってから走り出す
京太郎(覚えがある……これは!)
525 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 01:02:39.56 ID:pwimCAx80
―――【公園】
走って勢いのまま腰ほどまである柵を飛び越えて、敷地内に入った
人気がやけに少ないその地で、スライディングするように止まる京太郎
そこには―――
京太郎「煌さんッ!」
煌「須賀くん!」
花田煌が立っており、さらに数人の影
晴絵「あ〜あ」
葵「須賀っ……!」
京太郎「晴絵さんに葵さん、それに……!」
視線の先には、野依理沙
京太郎「戒能良子!」
滝見春の従姉妹、神代の関係者である女性
明らかに雰囲気が違うし禍々しい感覚は、怪獣メダルのものだ
もちろん、それだけではないが……
京太郎「デビルスプリンター……ベリアルさんの破片かっ!」
理沙「……」
良子「ベリアルの縁者……いいや、元器か」
京太郎「ご説明どうも」
ガッツハイパーを抜いて銃口を理沙と良子の方へと向ける
煌も手に謎の銃、ブラストショットを持っていた
晴絵と葵はなにも持っていない
526 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 01:13:05.23 ID:pwimCAx80
良子「ダークザギ、本能に抗うか?」
葵「うるっさいんだよ。いちいちと!」
戒能良子が不敵に笑うと、葵は顔をしかめて吠える
葵「ノアをつぶせって、今はんなことやってる場合じゃないのに!」
晴絵「面倒なメダル持ってるからに」
葵「お互いさまでしょっ」
京太郎「晴絵さんも?」
晴絵「ほらぁ、余計なこと言うから」
葵「遅かれ早かれだよ」
そういう葵に肩をすくめる晴絵
煌はどこか焦っているようにも見えるが、京太郎は静かに息をつく
やるべきことは理沙と良子の制圧
京太郎「……」カチッ
迷わず引き金を引くと、放たれたスタン弾は理沙の持つダークエボルバーで弾かれる
良子「迷わず引くか、やはり光の戦士の戦い方ではないな」フッ
晴絵「光の戦士の戦い方とか腹立つから言わないでくれる?」
良子「……」
晴絵の言葉に、一瞥するのみで戒能良子は反論するでもない
良子「良いのか花田煌、いやノア……ダークザギを放っておいて」
京太郎(ダークザギ、葵さんだよな。放っておいて良いのかってどういう……?)
煌「もちろん貴方たちです。私が戦うべきは!」
良子「つまらん役者だな、所詮は光の戦士か―――そのあり方は人でありながらウルトラマンに近い」
瞬間、煌の背後になにかが接近する
京太郎が銃口をそちらに向けようともするが……
京太郎?「よぉ」
京太郎「ッ!」
目の前に現れた“京太郎”によりタイミングを失う
527 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 01:30:24.60 ID:pwimCAx80
京太郎「てめっ」
視線の先、煌の背後から現れた仮面の男
それが手を煌の背中へと向けている
彼女も気づいたが、間に合うわけもない
煌「ッ!」
晴絵「!」
だがその瞬間、晴絵が黒い影となり、仮面の男を弾き飛ばす
弾かれた仮面の男が数メートル下がって着地
そして煌の背後には晴絵―――否、ジャグラス ジャグラー
京太郎「晴絵!?」
晴絵「じゃじゃーん、今明かされる衝撃の真実〜」
そう言いながら、夢幻魔人ジャグラス ジャグラー魔人態こと赤土晴絵は人の状態に戻る
刀を肩にかつぎながら、その切っ先は仮面の男へと向けた
軽口をたたきながらも、その瞳は真っ直ぐに仮面の男を捉える
仮面の男「時空を操作するノアの力も手に入れるつもりだったが……欲をかいたな」
葵「殺すッ!」バッ
仮面の男へと飛び出した葵だが、その手の先の仮面の男は“ビームサーベルのようなもの”を取り出し葵を弾く
その攻撃を受け流す男もだが、相殺されるような葵も葵だ
怪我はなさそうだが、その瞳は鋭い
仮面の男「ダークザギの力か、厄介だな」
葵「ノアは私が潰す!」
仮面の男「……」
『Absolute Tartarus』
金色のゲートが現れると、男はその中へと消えていく
京太郎「逃げるな! お前一体!」
京太郎?「わからないか?」
京太郎「知るかよっ」
528 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 01:50:37.71 ID:pwimCAx80
消えた仮面の男、葵と煌と晴絵は良子たちの方へと向き直る
一方の京太郎は自分自身と相対していた
だが、どこかおかしい……
京太郎(この違和感の正体は……!)
葵「須賀はさっきから余計なもの見えてる!」
京太郎「!」
その言葉にハッとする
そもそも“自分自身”が見えるようになったのはいつか、初めて見たのは東京での夜
敵は魔頭鬼十郎、そして―――
京太郎「腕、こいつか!」
腕時計型端末を外して投げると、晴絵が刀を振るう
バラバラになった端末から落ちる黒い影―――
京太郎「!」
それは小さな肉片のようで、それがガンQと同じような笑い声と共に消えた
京太郎?「お前は俺、俺はお前だよ!」
青白い光となって、偽の京太郎は離れた場所で巨大に変わる
それは―――怪獣
巨大異形獣 サタンビゾー
京太郎「根源的破滅招来体……」
晴絵「精神生命体か、どぉりで」
京太郎「終わらす……!」
529 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 02:02:36.51 ID:pwimCAx80
第28話【亡霊-GHOST-】
530 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 02:12:19.71 ID:pwimCAx80
良子「こちらもだ……」
理沙「……」
野依理沙がダークエボルバーを両手で持ち、引く
それと共に、上空に現れたのは―――ダークメフィスト
京太郎と煌が隣に立つ
煌「お互い、妙な因縁のようですね」
京太郎「まぁそれもここで断ち切りますよ……!」
煌「そうですね。決して断ち切れない絆の力で!」
エボルトラスターを鞘から引き抜き、振りかぶってから真上へと上げる
京太郎はゼットライザーのトリガーを引きゲートへと消えた
残された葵と晴絵の二人
晴絵「どうする?」
葵「こっちのセリフだけど、ね……」
正体がばれたというのに、晴絵はどこか楽しそうに笑っている
晴絵「さて、厄介なことになりそうだなぁ……とりあえずアブソリュートタルタロスメダル、没収しちゃわないと」
葵「できたら苦労しないでしょ、あたしたちの―――変身も」
531 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 02:30:37.51 ID:pwimCAx80
―――【インナースペース】
京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持ち素早くアクセスカードを挿入
『 kyotaro Access Granted. 』
京太郎「新しい手でいくぜ……!」
手に持ったのは三つのメダル
ベリアルメダル、ベムスターメダル、そして―――ゼットンメダル
京太郎「小蒔さん……!」
前回回収したゼットンメダルを、握りしめる
タイラントの時ほどではないにしろ、強い力を感じた
京太郎「面子はそろった!」
ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く
ふぅ、と深く息をつき眼を開く
周囲に赤い雷が奔る
京太郎「宇宙大怪獣、宇宙恐竜―――」
ベムスターとゼットンのメダルを挿入
そして落ちてきたベリアルメダルを取り差し込む―――
京太郎「ベリアルさん!」
さらにそれを差し込んでブレードを可動させる
『 Bemstar. Zetton. Belial. 』
赤い双眸が輝く
京太郎「これでオーラスだ!」
『Bemuzedo.』
532 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 02:39:51.35 ID:pwimCAx80
上空でダークファウストと相対するネクサス
地上のサタンビゾーの前に現れるべリアル融合獣―――ベムゼード
ゼットンのような雰囲気を持ちながら体型はどことなくベムスターに近いようにも見える
京太郎『精神寄生体、ずいぶん長いことくっついてくれたもんだな……!』
サタンビゾー『お前は俺。俺はお前だ……お前の中の闇。力を持ったお前の象徴』
その言葉の意味が“まったくわからない”ほどの子供であれば、子供でいられれば楽だったのだろう
しかしてそうはいかなかった。環境がそうはいさせてはくれなかった
京太郎『消えろ―――いや、消す!』
サタンビゾー『ハハハハハハッ!』
自らと全く同じ声で、笑いながらその左腕のカギ爪で襲い掛かってくるサタンビゾー
その一撃を、ベムゼードの爪で凌ぐ
即座に、もう片方の手でその胴体に爪撃を放つと、蹴りを打ち込んで距離を取った
京太郎『俺のわりに弱いじゃあないか!』
サタンビゾー『そうだ。今は闇の力で強くなったじゃないか、なら共に目指せばいい!』
京太郎『共に? なにを……』
サタンビゾー『仮面の男と同じように新たな人類の祖を!』
京太郎『新たな、人類……?』
533 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 02:51:22.86 ID:pwimCAx80
上空でぶつかりあうネクサスとダークメフィスト
銀と黒がぶつかっては離れる
お互いに放った光弾も、当たることなく一進一退を繰り返す
煌『野依さん……! どうして今度は貴女が!』
悪態をつきつつも、高速で飛びダークメフィストからの光弾を回避していく
左腕を振るうネクサスから波紋のようなものが広がる
それと共に、ネクサスは赤い姿へと変わった
煌『佐々野さん、力を借ります!』
赤いネクサスが素早く光弾を放つと、ダークメフィストは右腕のメフィストクローで光弾を弾いた
だがその隙をついて接近したネクサスの拳を受けて、ダークメフィストは地上へと落ちていく
煌『被害が出る前に……!』
着地するダークメフィスト、それとほぼ同時にネクサスも降り立つ
近くで組み合っているベムゼードとサタンビゾー
ネクサスが腕を上げると輝く柱と共に―――メタフィールドが生成される
京太郎『これは!』
煌『メタフィールドに移行します!』
理沙『……無駄』
534 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 03:26:28.91 ID:pwimCAx80
メタフィールドに移動するネクサス、ダークメフィスト、ベムゼード、サタンビゾー
次の瞬間、ダークメフィストが腕を振るいメタフィールドを自らのダークフィールドGへと変えてしまう
被害を出さないために仕方ないとはいえ、自ら敵のフィールドに入りこまなければならない
煌『それでも、佐々野さんも姫子も戦って見せた!』
ネクサスが構えを取ると、ダークメフィストは方向するような動作をしてから、走り出す
二体の人型が組み合っているその近くで、サタンビゾーが頭頂部からビームを放つ
ベムゼードの左腕をだし、その掌にあるアトラクターパウターからそのビームを吸収、右腕で放つ
サタンビゾー『無駄だ!』
京太郎『んなわきゃねぇだろ!』
そのビームをカギ爪で弾くサタンビゾーへと接近したベムゼードがタックル
よろけるサタンビゾーへすかさず尻尾を振るうと、その一撃でサタンビゾーが吹き飛び岩にぶつかる
一回転してサタンビゾーの方へと体を向けたベムゼードが頭部からビームを放った
サタンビゾー『なぜ新人類の祖となることを拒否する! 選ばれたのに!』
京太郎『選んでくれとも頼んでねぇよ!』
サタンビゾー『特別に、スペシャルに憧れていただろ!』
京太郎『よく御存じで!』
半年前の夏、確かに特別なものに憧れていた
間近で見ていたから余計に、なのだろう……
サタンビゾー『お前は今、特別だ! だから俺が生まれた、生んだ!』
京太郎『それでもっとスペシャルに、か……笑わせるんじゃねぇよ!』
ベムゼードが近くの岩を原資分解し左手から吸収、右手から岩の弾丸を放つ
それを受けてサタンビゾーが怯んだ
京太郎『お前が俺だって言うなら理解してみせろよ!』
―――スペシャルや特別を求めていたのも確かだ。でも本質は違う
その身を焦がすほどの嫉妬や憧憬を持って、ベリアルと共に戦ったからこそ認められることがある
京太郎『俺が望んだのは、ただ―――隣にいれることだ!』
535 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/15(火) 03:35:00.40 ID:pwimCAx80
今回はここまでー
進んだ!
次は終わって長野までいけるといいなー
そんじゃまたー
536 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/15(火) 09:51:22.05 ID:b2AzGpx50
乙
知らないベリアル融合獣だった
サタンビゾーは本来のとはまた違う感じっぽいな
537 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 21:06:22.85 ID:qGXP9F8X0
のっそりやってく所存ー
まぁ本編と違う感じの怪獣とかがいてもメダルパワーとかってことでここはひとつー
538 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 21:13:02.88 ID:qGXP9F8X0
ネクサスとダークメフィストの蹴りがぶつかり合う
お互いが同時に離れて、ダークメフィストが放った光弾に合わせてネクサスも同じく光弾を放つ
それが相殺されるも、飛びかかってくるダークメフィスト
煌『そのぐらい!』
ネクサス「シュワッ!」
体を後ろに倒して、飛びかかってくるダークメフィストの腹部を下から蹴り上げる
真上にとんだダークメフィストを追って飛ぶネクサス
ダークメフィスト「オォオッ!」
咆哮と共に、光弾が放たれるもそれを拳で弾くとさらに接近
空中で組み合う形となるも、ダークメフィストがネクサスを蹴り飛ばす
回転しながら落下していくも、地上につくよりも早く体制を整えた
煌『野依さん、闇の力に飲み込まれないで!』
理沙『ウアァッ!』
煌『くっ!』
539 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 21:21:13.90 ID:qGXP9F8X0
地上のベムゼードが、左腕から再び岩を原資分解し吸収
右腕を向けると、放たれる岩石の弾丸
それをサタンビゾーが左腕のカギ爪で弾こうとするも―――凌ぎきれない
サタンビゾー「!」
京太郎『こいつで、終わりだァ!』
サタンビゾー『俺と一つになれ、こっちにこい』
京太郎『しつこいんだよ。やっぱお前は俺じゃあないな!』
そう叫ぶ京太郎、ベムゼードの頭部に集まるエネルギー
ゼットンの必殺攻撃、これにて何人ものウルトラマンたちが追い詰められてきた
その知識を、京太郎は今もっている
京太郎『トリリオンインフェルノ!』
放たれた火球が、サタンビゾーへと直撃―――そして、爆散
540 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 21:31:52.21 ID:qGXP9F8X0
サタンビゾーの残骸が周囲へと散らばる
そこにいたベムゼードが空中のネクサスの方へと顔を向けるが、すぐにサタンビゾーのいた方へと向き直った
その内側で、京太郎は顔をしかめる
京太郎『戒能良子!』
その視線の先にいるのは、戒能良子だった
両腕を前に出して組むと彼女は瞳を青く輝かせる
良子「レイブラッド……レイオニクスの真の力、見せてくれる」
彼女の身体からあふれる負の力が、サタンビゾーの残骸を青い光へと変えた
数多の光が上空へと舞い上がり、さらにどこからか現れた青い光がさらに集まっていく
良子「ウジュイカ、レエガミヨ……」
京太郎『まさか!』
思考ではなく、感覚で理解できた
なにをするのか、なにができるのか……
そして青い光が形を無し、サタンビゾーと戒能良子の力が怪獣を復活させる
良子「ビゾーム!」
サタンビゾーに似ながらも、もっと人に寄った怪獣―――ビゾームが現れた
541 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 21:48:28.70 ID:qGXP9F8X0
ビゾームは両腕に鋭い爪を持っている怪獣だ
単純に先ほどの二倍の攻撃が襲い掛かってくると思って良い
だからこそ、近くの岩を再び吸収、右手から射出
京太郎『スマッシュパウター!』
放たれる岩の弾丸を、ビゾームは素早く回避
ベムゼードが素早くそちらを向く
京太郎『テラービーム!』
頭頂部から放たれる光線
だが、ビゾームは右手に光剣を出現させてその光線を切り裂き弾いた
さらに攻撃をしかけようとするベムゼードだが、ビゾームが走って接近してくる
京太郎『チィッ!』
いつの間にか、戒能良子は消えていた
接近してくるビゾームの光剣を、爪で凌ごうとするがその一撃は爪を破壊してその身体を切り裂く
火花が散り、後ろへと下がるベムゼード
ベムゼード「―――!」
京太郎『ッ!』
ベムスターとゼットンの鳴き声を合わせたような声を出しながら、ふらついたベムゼードへともう一撃斬撃
さらに後退させたベムゼードに、ビゾームがさらに光剣を振るう
だがその瞬間、京太郎の瞳が紅に輝く
542 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 22:21:34.56 ID:qGXP9F8X0
―――【インナースペース】
右手のゼットライザー、左手には三枚のメダル
京太郎「面子は揃った!」
ベリアルメダルが弾かれると、周囲に赤い稲妻が迸った
さらに、手にあるゼットンメダルが闇の力を溢れさせる
京太郎「宇宙ロボット、宇宙恐竜―――ベリアルさん!」
三枚のメダルをセットすると、ブレードを可動させていく
『King-Joe. Zetton. Belial. 』
その紅の瞳を爛々と輝かせ、ゼットライザーを前に構える
京太郎「これでオーラスだ!」
そして、トリガーを引く
京太郎「ベェリアァルッ!!」
『Pedanium Zetton.』
543 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 22:58:59.01 ID:qGXP9F8X0
ビゾームの光剣が―――空を斬った
目の前にいたはずの敵が、京太郎がいない
ハッとして背後へと振り返った瞬間、衝撃と共に吹き飛ぶ
ビゾーム「―――!」
倒れたビゾームの、顔を向けた先に立っているのは新たなべリアル融合獣―――ペダニウムゼットン
ゼットンの身体にキングジョーの装甲が食い込んでいるかのような禍々しい容姿
もちろんカラータイマーはついているが―――すでに点滅をしている
ビゾーム『ゼットンのテレポート能力……』
京太郎『悪いけどこいつも消耗が激しいみたいでな、速攻で決める!』
ストロング・ゴモラントと比べればそれほどではないものの、やはり体は悲鳴をあげていた
強力な融合であるのは確かだが長時間、さらに能力を使えば使うほど消耗もフィードバックもすさまじいだろう
京太郎『もうかわす言葉もねぇ!』
ビゾーム『闇の力を持っていながら、お前は闇だよ。真っ暗な闇だ。永遠の闇だ。だからこそ破壊と』
京太郎『光だ闇だ!? そういうのはとっくに終わってんだよ!』
ベリアルと共に歩んで、自らが破壊したいものを破壊し、自らが戦いたいから戦っている
そこに光も闇も無い。今は闇が強いから使っているというだけだ
力であるならば光も闇も無い
京太郎『稲妻でぇ!』
角から放たれる電撃を光剣で凌ごうとするが、それは不可能
その一撃を受けてビゾームが後ずさる
さらにテレポートを使い接近、拳を打ち込み吹き飛ばす
ビゾーム『それほどの力を持ちながら、スペシャルになりながら……』
京太郎『だからこそやりたいことをやってんだよ』
ビゾームに馬乗りになったペダニウムゼットンが拳を何度も打ち込む
攻撃を受け続けるビゾームに、至近距離で赤いレーザーを放った
ビゾーム「―――!」
バラバラに爆散するビゾーム
だが、京太郎は理解していた
京太郎『まだだな!』
立ち上がったペダニウムゼットン
バラバラになったビゾームの破片が、小さなビゾームを作り出す
その数は10体にも及ぶ
544 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 23:16:02.52 ID:qGXP9F8X0
その10体のビゾームが、ペダニウムゼットンを囲み頭部から光線を放つ
京太郎『無駄だァ!』
ペダニウムゼットンがバリアを張り、それらを凌ぐ
さらに角から電撃を全方位に放ちビゾームの群れを一瞬で消し炭に変える
ビゾーム『お前は俺、俺はお前だ……!』
京太郎『そうは思わないな! その程度で、オレだなんてなぁ!』
残った一体のビゾームが周囲の青い光を集めて再び通常のサイズに戻った
ただ一体残ったビゾームを、京太郎は憐れむような表情で見る
京太郎『お前にはなにもないな、仲間もなにも……』
ビゾーム『お手手つないで仲良しこよし、そんな連中にぃ!』
京太郎『やっぱお前、オレじゃぁねぇわ』
走り出すビゾーム
ペダニウムゼットンの両腕に集まる炎が火球を作り出す
ベムゼードの放った火球、それが二つ
京太郎『オレの本質はそこにあるんでなァ!』
ペダニウムゼットン「―――!」
京太郎『ペダニウム・メテオ!』
放たれた火球が、ビゾームへと直撃―――巨大な爆発が広範囲をけし飛ばした
そこに立つペダニウムゼットンの頭部が発光し、独特の音が鳴り響く
545 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/16(水) 23:26:56.72 ID:qGXP9F8X0
上空で組み合い、格闘戦をくりひろげるネクサスとダークメフィスト
同時に相手を蹴って距離を取ると、ダークメフィストの方がしたを確認する
大爆発と共に、巨大なクレーターができああっていた
理沙『……ベリアル』
煌『野依さん!』
理沙『……』
ダークメフィストが、突如現れた黒い渦へと消えていく
煌『なっ!』
そのまま、戻ることは無い
気配もすっかり消えたようで、ネクサスは地上へと降りて腕を振るう
それによりメタフィールドは消え去り、ネクサスも共に光となって煌へと戻る
京太郎『……終わった、か』
ペダニウムゼットンの中で顔をしかめる京太郎
街中に突如現れた怪獣、ペダニウムゼットンは黒い光の粒子となって消えていく
546 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/17(木) 00:05:49.92 ID:s/5ONWaZ0
街中、元居た公園に現れる京太郎
ふらつきながらベンチの前で膝をついて上体をベンチに預ける
鼻から血が滴った
京太郎「くそっ、やっぱこうなんだよなぁ」
それを拭い、立ち上がろうとすると突如、引かれる
思ったより簡単に体が起き上がり驚くも、そちらを見れば……
京太郎「煌さん……」
煌「いつもボロボロですね」
京太郎「すんません、強いのを使うとどうにもね……」
煌「確かにすさまじい力ではありましたね。べリアル融合獣……」
そう、ウルトラマンすらもその気になれば圧倒できるであろう力
元々ベリアルにプラスで怪獣の力が加わっているのだから強くて当然ではあるのだ
だがベリアルなしで、人間の身一つでそれを扱っている反動というのはどうにも消せない
京太郎「ものにもよるんだけどなぁ」
煌「?」
京太郎「いいや、なんでも……」
そういうと、ベンチに座る
隣に座る煌が、息をついた
煌「京太郎君……」
京太郎「いやな予感がする」
煌「私もです」
京太郎「……まぁ、ここ最近はいつだって良いことの方が少ないけど」
煌「違いありませんね」ハハッ
547 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/17(木) 00:21:22.82 ID:s/5ONWaZ0
少しばかり、口の中に上ってきた鉄の味を感じて顔をしかめる
そうしながらも、煌の方に視線を動かし、口を開く
京太郎「そろそろ、去ります」
煌「色々と忙しいみたいですね。こちらは任せてください」
京太郎「煌さんなら安心っす」
そう言って笑みを浮かべて、息をついて口の中の鉄の味を吐き出す
煌が一瞬だけ驚いたような表情を浮かべるも、ハンカチを取り出して京太郎の口周りを拭う
京太郎「……ありがとうございます」
煌「はい」フフッ
京太郎「闇のもんなりにやれることをやりますんで、頼みます」
煌「……私も元々はウルトラマンじゃなかったんですよ」
京太郎「?」
煌「佐々野さん、そして姫子から受け継いでいまここにある光―――絆、ネクサス」
そう言って拳を握りしめる
京太郎「……そうか、受け継がれる力、か」
煌「京太郎君」
京太郎「……?」
煌「今度、あの方……宇夫方葵さんに会ったときに伝えておいてほしい言葉があるんです」
京太郎「ええ……」
煌「諦めるな! ……と」
京太郎「煽りになりません?」
煌「それは、彼女次第ですね」ハハッ
でも、どこか大丈夫だと信じているような表情で笑う
そんな煌を見て京太郎も、こじれたらこじれたでフォローしようと心に決めた
息をつき、空を見上げる
京太郎「……さ、私利私欲のために戦うか」
煌「それは、すばらです」フッ
京太郎「どーも」
離れたところ、公園の入り口に霞が見えた
見間違うわけもない。間違いない
京太郎「あ〜怒られる気がする」
煌「仕方ありませんね」
京太郎「……そうっすね。ありがたくお説教を、お受けします」フッ
自らから香る血の匂いに顔をしかめつつ、苦笑を浮かべた
548 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/17(木) 00:22:41.41 ID:s/5ONWaZ0
第28話【亡霊-GHOST-】 END
549 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/17(木) 00:52:31.02 ID:s/5ONWaZ0
―――次回予告
美穂子:それを返して!
???:光の力を使うことによって!
久:そうやって自分だけが特別だって思ってるのよ!
美穂子:片岡さん!!
和:さぁ、今こそ!
???:現れろ、闇の眷属よ!
久:光よォォ!!
次回【影を継ぐ者】
美穂子:私は、人だから!
550 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/17(木) 00:58:38.90 ID:s/5ONWaZ0
今回はここまでー
次回は長野へ帰還ー
ついでに色々あったり
そんじゃまたー
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/17(木) 07:52:53.97 ID:IBNpzKCyO
おつ
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/17(木) 08:45:23.93 ID:taHDyMiM0
乙
ヒッサがやばい?
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/17(木) 09:01:03.59 ID:SXkMlbhs0
コンビニに寄ってる途中でデートすっぽかされた霞さんもヤバそう
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/21(月) 07:23:41.08 ID:SHUxHxf6o
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/22(火) 22:57:21.91 ID:B5htZb9h0
そろそろ来るか?
まだ療養中か
556 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/26(土) 21:53:41.86 ID:2qYAPHsx0
あいだ空けちゃって申し訳ないー
明日はやりまするー
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/26(土) 23:57:11.83 ID:y6qN9une0
モバマスのジサツPみたいな病人イッチ多いなこの掲示板
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/27(日) 06:52:10.10 ID:W64909RD0
了解乙
559 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 21:32:01.38 ID:pXP0gRVa0
おっしやってくー
えいえいむんっ!
560 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 21:43:22.80 ID:pXP0gRVa0
【特異科鹿児島基地:作戦室】
―――京太郎は、土下座していた。
京太郎「すみません!」
霞「別に、ちょっと目を離した隙に花田さんとベンチで座ってても怒ってないわよ?」
京太郎(絶対怒ってるじゃん)
煌「あ、怪しい人がいたもので、その……ね?」
京太郎「!」ブンブンブン
初美(すげー勢いで頷いてるのですよー)
いや、石戸霞とて理解はしているのだ
そういう仕事であると
霞「……ほんと、怒ってないから」ハァ
京太郎「ほんとっすか? めっちゃ怖い笑顔してましたよ?」
霞(あの時に怒ってなかったかと聞かれると怒ってた気もするわね……)
小蒔「もしかしてその、二人は、大人な関係ということですか?」
場が凍った
京太郎「」
霞「こ、小蒔ちゃん!?」
京太郎「ち、違いますよ! 俺が霞さんとなんて恐れ多い!」
霞「むぅ」ムッ
京太郎「か、霞さんもなんとか言ってくださいよ」
霞「私、そこまで格式高い人間でもないけど?」ジトー
京太郎「え、いやいや!」
煌「……」ポン
京太郎「へ、煌さん?」
煌「……すばらくない」
京太郎「なんでっ!!?」
561 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 21:49:46.47 ID:pXP0gRVa0
第29話【影を継ぐ者】
562 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 22:05:55.06 ID:pXP0gRVa0
【長野・???】
福路美穂子が、一人草木が多い茂った山道を行く
上下共にスーツだが、山道を来たせいか汚れているし、もう昨晩から基地に戻っていない
上着の前ボタンはすべて外れていて、髪は後ろで一つに纏められている
美穂子「はぁっ……」
息を吐きつつ、登りが終わったことを理解しつつ置いてあるベンチに腰掛けた
頂上ではないようで階段がまだあったが、開けてい場所で木々のざわめきと鳥の鳴き声が耳に心地いい
美穂子「……こっちの方、よね?」
腕の端末を開くが、既に機能していないようだった
そもそも、機械音痴の美穂子にそこまで使いこなせるわけではないのだが……
美穂子「……」
なぜこうなっているかを、思い出す
ことの始まりは五日前、怪獣が大発生した日だろう……
563 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 22:39:59.74 ID:pXP0gRVa0
【五日前:長野:市街】
ティガがぜぺリオン光線を放って超古代怪獣ガルラを撃破した
空へと飛び去っていくティガ、それと共に、地上では光と共に美穂子が現れる
美穂子「ッ!」ガクッ
膝をついた美穂子の額を流れる汗が、そのまま地面に垂れる
怪獣の弱点を見つけることができなければ詰みだっただろう
美穂子「でも、やれた……」
今までの怪獣と違う感覚、そもそも地面を突き破り出てきたという異例
美穂子「まさか、この地球の怪獣……?」
???「その通り!」
瞬間、横からの衝撃に吹き飛んで転がる美穂子
下から蹴り上げられたのだと理解しつつ、倒れている美穂子は荒い呼吸のまま起き上がろうとする
視線を動かせば、そこには―――
美穂子「っ……原村さん、片岡さんっ」
原村和、片岡優希、そして……
美穂子「宇宙人……」
和「ヒッポリト星人、周囲の警戒を」
ヒッポリト星人「なぜ貴様が命令している。まぁ構わんが、私の目的はこのあと、フッフフフ」
長い鼻のようなものを持つ宇宙人が肩を揺らして笑う
そこに立っている片岡優希は何も言わないが、原村和と共に美穂子へと近づく
564 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 22:54:24.35 ID:pXP0gRVa0
呼吸を整えつつ、美穂子は懐から素早くガッツハイパーを抜いて和へと向けようとした
だが、それはかなわない
和「無駄!」ガッ
美穂子「うあっ!」
和が足を振るいガッツハイパーを弾き飛ばす
それでも素早く、美穂子は立ち上がった和に手を伸ばすもその拳が頬を打つ
ふらついた美穂子の腹に優希が蹴りを打ち込む
美穂子「がっ」
転がった美穂子が、あおむけに倒れる
口内が切れたのか口の端から血が垂れ、痛々しい姿でその表情は苦悶にゆがむ
起き上がるのも困難なのか、動こうとするが体中に痛みが奔る
美穂子「うぁっ、ぐっ……」
和「さて……」
倒れた美穂子へとまたがった和が、上着に手をかけるとボタンごと引きちぎり開く
そして内側に入っている“ソレ”を手に取った
和「スパークレンス、これですね」
美穂子「っ!」
和「行きますよ」
そう言って美穂子の上から退いた和の足を、美穂子が掴む
美穂子「それをっ、それを返して!」
和「邪魔です。器……いえ、代わりの中身」
掴まれていない方の足が、振るわれる
美穂子「っ!」
565 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 23:10:56.37 ID:pXP0gRVa0
【長野:山道】
その後、ボロボロの美穂子が見つかり治療を受けた
しかしスパークレンスも無く、どうすれば良いかと思っていたところで昨日ボイスメッセージが届いたのだ
誰かはわからないものの、確かに聞き覚えのある男の声だった
『探し物は一緒に添付したポイントにあります。福路美穂子さん、貴女が光を継ぐ者であるならば……向かってください』
なんとか一緒に添付したというポイントを導き出して、山を登りここまでやってくることに成功
今は向かっている最中なのだが……
美穂子「信じるしか、ないものね……」
いずれにせよ道は残っていないのだ
ティガの力を、取り返すためには……
美穂子「もうちょっと……」
近くにあった洞窟へと足を運ぶ
地下へと続く道
美穂子「……」コクリ
566 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 23:29:16.41 ID:pXP0gRVa0
【???】
原村和、ヒッポリト星人、片岡優希
三人がそこに立っていた
暗い空間で、ヒッポリト星人がなにか機械をいじるとその“洞窟内”をライトが照らす
和「へぇ……これが」
そう言いながら、手にあるスパークレンスを軽く振るう
二人と一体の前にあるのは、巨大な石像
その形はウルトラマンティガに酷似していた
和「片岡優希を中身としましょうか、貴方の計画に乗った甲斐があればいいのですけれど」
ヒッポリト星人「光コンバーターシステムを完成させたのだ、不可能ではない」
そう言いながら、巨人像のそばにある装置に近づく
和も同じく近づいていき、その装置にスパークレンスを設置する
ヒッポリト星人「フッフフフフ、必要なのはデータだ。その片岡優希を素材に巨人を蘇らせることができればそれでいい。即座にやられようともな」
和「……まぁ、拝見させてもらいましょうか、足を引っ張らなければなんでもいい」
567 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/27(日) 23:45:11.37 ID:pXP0gRVa0
【特異課長野基地:休憩所】
美穂子がいなくなって一日
自ら出て行ったこということはわかっているのだが……それでもなお、仲間は混乱の色を隠せない
明らかに落ち込んでいる面々も少なくはなかった
久「……」
だが竹井久は違う
どちらかといえば―――イラついていた
近頃の美穂子はどこかおかしかった
久「……」チラッ
こんな時に限って瑞原はやりも熊倉トシもいない
華菜「キャプテン……気づかなかった、きっとなにか抱えてたのにっ」
未春「華菜ちゃん……」
純代「必ず帰ってくる。きっとひょっこり」
星夏「そうですよ。案外熊倉さんあたりと!」
四人の姿を見て、顔をしかめる久
休憩所を離れて廊下を歩いてガレージの方へと向かった
そこにある車に拳を打ちつける―――
久「……あなたは、そうやって自分だけが特別だと思ってるのよ!」
568 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 00:05:04.50 ID:K/ndr8Vv0
【長野:山中洞窟】
美穂子が洞窟内を下っていく
ガッツハイパーを構えつつ、洞窟内を照らす明かりに警戒しながらゆっくりと……
美穂子(ここに、なにか……)
例のメッセージを信じるならばスパークレンスを取り戻す術かそれに近しいなにかがある
そして、たどり着いたのは空洞
一際まぶしいライトの光と共にそこにあったのは……
美穂子「ティガ……じゃ、ない?」
ティガに似た形状のウルトラマン、その石像
あの日みたそれに似たなにか……隣には怪獣の石像もあった
美穂子「……これ、は?」
???「どうやってきたのかはわからんが、ようこそ!」
美穂子「っ! ひ、ヒッポリト星人……!」
ヒッポリト星人「その通り、だがせっかくだから見ていくと良い!」
美穂子「な、なにを……片岡さん!」
坂の上、巨人の膝下ほどの高さの場所に立っている原村和と片岡優希
そしてヒッポリト星人と謎の装置、そこにはスパークレンスが設置されている
美穂子「なにをする気なの!?」
ヒッポリト星人「ウルトラマンをこちらに呼び込む、光の力を使うことによって!」
美穂子「なっ、邪悪な心を持ったまま巨人になるというの!?」
和「邪悪な心を持ったウルトラマンの前例がなかったわけではありませんから……ね」
569 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 00:37:12.37 ID:K/ndr8Vv0
脳裏によぎる黒い姿
ベリアル、京太郎が一つになっていたウルトラマンだ
ヒッポリト星人「それを今、見せてやろう……この光遺伝子コンバーターを使って!」
和「見ものですね」
ヒッポリト星人「少しばかり時間がかかるが、問題あるまいよ」
装置を操作し、起動ボタンを押す
スパークレンスを設置した装置が輝きだした
顔をしかめる美穂子がガッツハイパーを持ったまま、走り出す
美穂子「そんなことさせない! 光の力はッ!」
だが、坂を上る途中―――体中を突き刺すような電撃が美穂子を襲う
美穂子「ぐっ、う、ああぁっ!!?」
吹き飛び、坂を転がり落ちる美穂子
ボロボロになった美穂子が上体を起こすと、坂の両端に装置が設置してあることに気づく
それが電撃を発生させていたのだと気づくとそちらにガッツハイパーを向ける
和「大人しくみていなさい」
原村和が美穂子に手を向けると、そこから放たれた波動弾が美穂子に襲い掛かる
それに気づき、横に転がって回避した美穂子、だが―――
ヒッポリト星人「ふん!」
美穂子「っ!?」
接近してきていたヒッポリト星人が腕を振るうと、美穂子が吹き飛んで倒れた
起き上がろうとするも、近づいてきていた和が美穂子の腹を踏み躙る
ぐりぐりと足を動かすと、美穂子がうめき声をあげた
美穂子「ううぅっ!」
和「そろそろ邪魔ですよ。ウルトラマンティガ……眠りにつくときです」
手を美穂子の顔に向ける
美穂子「くぅっ……!」
瞬間―――銃撃
和「!」
即座に後ろへと跳んだ和
そちらを見やると、目を細める
和「……竹井久」
570 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 01:00:36.77 ID:K/ndr8Vv0
美穂子「ひ、久っ……?」
久「……」
ガッツハイパーを構える久
どうしてここにいるのか、どうやってここに来たのか……
ヒッポリト星人が腕を久の方に向け光弾を放つ、その瞬間―――
???「ったく危ないな」
ヒッポリト星人「ジャグラス ジャグラー!」
ジャグラー「よぉ……ご無沙汰」
和「……」
眉を顰めた和がジャグラス ジャグラーに手を向ける
波動弾を放とうとしたその瞬間、横に跳ねた
次の瞬間―――和がいた地面に拳が突き刺さり、破砕される
和「ダークザギっ!」
葵「チィッ!」
着地した和へと、追撃をかける葵
視線を一瞬、優希の方へと向けるも葵と共に別の道へと消えていく
ヒッポリト星人も、ジャグラス ジャグラーと共に別の道へと消える
久「優希……!」
坂の上、片岡優希が装置から放たれる光にさらされていた
今にも駆け寄らんとする久の腕を掴む美穂子
美穂子「ダメっ! そこから先にいけば電撃を食らうっ」
久「なんて用意周到」
美穂子「それに私が、私が行かないとっ……!」
久「っ、貴女は自分が特別な人間だと思いすぎなのよ!」
美穂子「そんなことっ」
久「じゃあ貴女はウルトラマンの、光の力をなんのために使ってるの!」
美穂子「ッ……人々を護る、仲間たちと護っていくための、そんな力だと思ってるわ」
571 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 01:14:32.60 ID:K/ndr8Vv0
その言葉は本心からのものだ、それを久は理解した。否、理解していた
彼女は本心からそれを言う、言える女性である
久「……」
美穂子「だから、私がやらなきゃ!」
久「やっぱり、貴女は特別よ」
美穂子「え?」
久「美穂子……貴女は光でウルトラマン」
自嘲するように、久は笑う
572 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 01:15:15.20 ID:K/ndr8Vv0
巨大空洞からずいぶんと離れた洞窟の中、宇夫方葵が振るった拳が壁を粉砕した
その両手には黒い光、そしてその瞳が赤く輝く
和「ダークザギの、闇の力ですか……」
葵「うるっさいんだよ。闇だとか光だとか」
和「事実、私達と同じ闇の力のはずです。まぁ私に限ってはまた違ってきますが」
葵「しつこいなぁ、私はなんの思い入れもないんだ。殺せるぞ原村ごとォ!」
和「模造品にできますか? 本物である私を……」
葵「私のことじゃないのに、イラっつくんだよォ!」
笑みを浮かべる和へと、葵が跳んだ
和が放つ波動弾
直撃コースのそれを、葵は両腕で受け止める
葵「ぐっ!」
両足を地に付けた
その威力に後ろへと下がっていくが、止まる
それと共に波動弾も消えた
葵「力が戻ってきた……いや、私が変わってきたのか」
和「そろそろ、時間ですね……」
葵「なに?」
573 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 01:22:46.96 ID:K/ndr8Vv0
葵と和が戦っているのとは別の道
ジャグラス ジャグラーこと赤土晴絵がヒッポリト星人とぶつかりあう
振るわれた刀を受けて、火花を散らしながら地を転がるヒッポリト星人
晴絵「こんなもんか、地獄星人は名前負けじゃないか?」
ヒッポリト星人「フッフッフフフフ……言っていれば良い」
そう言いながら立ち上がるヒッポリト星人
劣性にも関わらず余裕な様子
魔人態から人間の姿へと戻る晴絵
晴絵「……なに?」
ヒッポリト星人「時は来た!」
574 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 01:38:50.09 ID:K/ndr8Vv0
和「さぁ、今こそ!」
ヒッポリト星人「現れろ、闇の眷属よ!」
【長野:大空洞】
優希「アアァァアアァァッ!」
美穂子「片岡さん!!」
久「優希ッ!」
スパークレンスから放たれる光、装置から放たれる光
その二つが優希の身体を光へと変換し、それは―――石像の怪獣へと吸収されていく
驚愕する美穂子と久
だが次の瞬間、石像の怪獣が色と命を取り戻す
????「―――!」
犬が吠えるかのような鳴き声
超古代狛犬怪獣ガーディーが出現する
ガーディー「!」
久「これは……?!」
美穂子「ウルトラマンじゃぁ、ない……」
575 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/02/28(月) 01:40:08.82 ID:K/ndr8Vv0
今回はここまでー
ヒッポリト星人くんこれは恥ずかしい
とりあえずなんやかんや起こります
次は近々やりたいなー
576 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/28(月) 07:22:19.13 ID:WkZu5mKQO
乙
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/02/28(月) 23:32:26.26 ID:CZ+2cexY0
ヒッサがんばえー
578 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/18(金) 02:48:36.32 ID:MLfzSuih0
来ないな…
579 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/18(金) 21:37:37.40 ID:qs9YVhJ60
やってきたいー
マナカケンゴ帰ってきたしイッチも帰ってきたよ
580 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/18(金) 22:03:28.70 ID:qs9YVhJ60
巨大な像が怪獣へと変わり、咆哮と共に突如、後ろへと下がる
それと共に壁にぶつかり洞窟全体が揺れた
美穂子「きゃっ!?」
久「くっ!」
その振動にふらつく二人
怪獣の視界に映る前に久と美穂子は撤退しようとはするのだが……
美穂子「出口がっ!」
久「チィッ」
美穂子「え、待って……あの怪獣……」
ガーディーは襲ってはこない。そんな雰囲気でもない
ともなればと、久はそちらをじっと見る
あれの中身を理解しているからこそ……
久「まさか、優希?」
美穂子「片岡さんなの!?
ヒッポリト星人「なぁにぃ!?」
突如響く声に、そちらを見ればヒッポリト星人と原村和
あの二人はどうしたのだろうかとも思うが、突如出てきて突如消えたので敵か味方かもわからない
そんな不確定要素に頼ってもいられない
和「やってしまいましたね、貴方……」ジト
ヒッポリト星人「くそ、なぜだ! 洗脳した状態だったはずだ。なぜとけた!?」
和「御託は良いので、この顛末は貴方がなんとかしなさい」
ヒッポリト星人「わかっている!」
和とヒッポリト星人の会話から、美穂子が頷く
美穂子「片岡さんの、洗脳が解けてる……ならっ」
久「待ちなさい、あの電撃のバリアは!?」
美穂子「それでも、私がやらないと!」
久「やっぱり貴女は自分を特別と思いすぎなのよ……!」
言い争いをしている間に、ヒッポリト星人はバリアの向こうへ
和は消えた
久「っ!」
美穂子「片岡さん逃げて!」
581 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/18(金) 22:22:29.79 ID:qs9YVhJ60
ガーディーが戸惑うような様子を見せる
ヒッポリト星人「消し去ってくれる失敗作!」
そう言うと、ガーディーの背後の壁が崩れ―――奥からなにかが現れる
ガーディー「!!?」
ヒッポリト星人「オルタナティブティガ……あの像を壊すわけにはいかん!」
奥から現れた“怪獣”がガーディーを背中から掴むと、翼を広げた
ヒッポリト星人が跳び、その怪獣の肩へと着地する
ヒッポリト星人「飛べ、ゴルバー!」
その怪獣、ゴルバーが咆哮を上げて空へと飛び立つ
天井をつきやぶり、ガーディーと共に……
久「優希!」
美穂子「片岡さぁぁぁん!」
和「……もうそろそろ、ようやく」
闇のゲートに入った和が消え去る
残されたのは二人、久がすぐに腕に装着されている端末を開く
通信でガーディーのことを説明するためだろう
久「出てよね……!」
ピッ
??『よーやく連絡きおった!』
久「きた! まこ、怪獣が出たはず!」
まこ『ああ、それで連絡したかったんじゃ! おんしいまどこに!』
久「そんなの良いから、二体のうち一体は良い怪獣だから! 犬のほう!」
まこ『はぁ!? 怪獣は一体じゃろ!?』
久「ッ、まだいないか!」
まこ『ちょぉ待ちんさい! なに言って……いや、新しい怪獣! 犬ってあの抱えられてる方か!』
久「そういうこと、優希なの!」
まこ『ハアァァッ!!?』
582 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/18(金) 22:38:27.45 ID:qs9YVhJ60
久たちがいた洞窟の最も近い街
そこには一体の怪獣が現れていた
赤い体を持つその怪獣はモンスアーガーだ
モンスアーガー「―――!!」
咆哮し、手から赤い光弾を撃ち口部から火炎を放つ
ビルが破壊されていく中、特異課の面々が銃撃
モンスアーガー「!」
桃子「ヤバくないっすか!?」
ゆみ「いつだってやばい……!」
智美「ワハハ違いないなー」
後退しながら銃撃をする面々
未春「キャプテン、大丈夫かなっ!」
華菜「きっとすぐにかけつけてくれるし」
星夏「かけつけるといえば、ティガは!?」
純代「む……」
佳織「あ、空に……」
睦月「ウルトラマンか?」
透華「いいえ、あれは……!」
空から落ちてくるのは、怪獣
凄まじい勢いで地上に叩きつけられ、地面が揺れた
それぞれがバランスを崩す
衣「些か、まずいな……」
一「落ちてきたのも怪獣、それにもう一体!?」
落ちてきたのはガーディー、そして降り立つのはゴルバー
走って合流してくる染谷まこが、面々の前に立ってガッツハイパーのカートリッジを交換する
まこ「みんな、あの落とされた怪獣を援護じゃ……あいつは、片岡優希じゃ!」
583 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/18(金) 23:00:44.09 ID:qs9YVhJ60
よろけながら、ビルに手を置いて立ち上がるガーディー
ハッとしてゴルバーの方を向いて、さらにモンスアーガーの方にも視線を向けた
迫る二体の怪獣に、後ずさる
ガーディー「!!」
焦る様子のガーディーに、ゴルバーの肩に乗っているヒッポリト星人が、ガーディーに手を向けた
ヒッポリト星人「やれぇ! 失敗作を消し去れば私の経歴は成功例のみ!」
ゴルバー「!」
モンスアーガー「!!」
光弾を放つモンスアーガーと、光線を放つゴルバー
その二体の攻撃を避けることもできず、直撃を受けるガーディー
ガーディー「!」
鳴き声をあげて、ガーディーがビルをなぎ倒しながら倒れる
横になるガーディーの視界には迫るモンスアーガーどゴルバー
だが突如、その二体の怪獣に光線や光弾が弱弱しくぶつかる
ヒッポリト星人「この地球の防衛隊か!」
584 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/18(金) 23:09:36.98 ID:qs9YVhJ60
華菜「オラァ! あたしらも混ぜろよぉ!」
ヒッポリト星人「下等生物が、そのような攻撃二体の巨大怪獣に!」
巨大なレーザーライフルを数人が持ち、放つ
怯むゴルバーに、乗っていたヒッポリト星人が焦る
ヒッポリト星人「そんなに死にたいか、いけ!」
モンスアーガーが特異課の面々の下へと歩き出す
ゴルバーはそのままガーディーの方へ、だ
倒れているガーディーが弱弱しく起き上がろうとする
ガーディー「―――」
弱った犬のような鳴き声をあげるガーディーの顔の近くに、誰かが走ってきた
ガーディー「!」
まこ「優希、優希なんじゃろ!?」
ガーディー「……」
頷くガーディーを見て、まこが頬を緩ます
まこ「逃げろ! わしらが時間稼ぐぐらいしたる!」
そう言いながら、手に持ったレーザーライフルをモンスアーガーに放つ
だが、ダメージが入っている様子はない
顔をしかめながらも、まこは続いて撃つ
まこ「大丈夫じゃ、はやく逃げろ……!」
ガーディー「……ッ!!」
立ち上がったガーディーは……前に出る
まこ「なっ!?」
ガーディー「―――!」
まこ「優希、よせ!」
585 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/18(金) 23:41:01.77 ID:qs9YVhJ60
―――【洞窟】
端末に映るのは、ガーディーがゴルバーに立ち向かい戦う姿
攻撃に苦しめられている姿を直視できずに、美穂子は目をそらす
美穂子「みんなが、戦ってる……!」
視線を向けるは、スパークレンス
走り出した美穂子が、電撃バリアにぶつかる
美穂子「あ゛ぁ゛っ! ぐっ、うぅっ、がっ……」
身体を押さえて、苦しむ美穂子
全身を刺し貫くような痛みに、涙さえ浮かぶが、それでも立ち上がろうとする
肩で呼吸をしながら、美穂子はもう一度、一歩を踏み出す
美穂子「わだしっ、が……私、が……!」
久「やめなさい、死ぬわよ」
うつむいた表情でそう言う久に、美穂子は笑みを浮かべる
見えてはいないだろう。それでも……
美穂子「私は戦うわっ、ここに生きる、人だから……!」
意を決して、走り出す
そして再び、電撃に晒される
美穂子「あ゛っ、う゛ぁ゛あぁぁっ!」
片腕が、そのバリアを抜けるが美穂子は限界だろう
久「ッ!」
腕は腕時計型端末を外して、地面に放り投げた
そしてそのまま、美穂子の下へと走っていく
ギリッと歯ぎしりをして、そのまま美穂子へと走る
久「退きなさい!」
美穂子を掴むと後ろへと下げ、そのままそこに久は突っ込む。
無理矢理、足を踏み込み……美穂子が腕を貫いたところを狙って体を全力で前に出す
ボロボロになりながらも―――抜ける
久「がっ!」
美穂子「ひ、ひさっ……! ば、バリア、解除する方法をっ」
久「はっ、ハハハッ……ハハハハハ!」
美穂子「ひ、ひさ……?」
586 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/19(土) 00:02:03.48 ID:dm/wZCQZ0
久「ひっ、ひひっ……ハハハッ!」
抜け出した久が、バリアの向こうで笑う
片手を顔を当てて、背をそらして笑う久
美穂子「ひさ、なにがっ……」
久「クッ、ハハハ……はぁ〜」
そのまま手を離すと、その瞳は―――冷たく感じる
久「そーやってまた戦おうとしてる。自分が特別だから、ティガになれるから?」
美穂子「ひさ、なにを……」
久「違う!」
美穂子「ひさ……!」
久「違う違う! 私も戦う! 私だって戦う! 人は誰でも光になれるはずよ!」
美穂子「なにをする、の?」
久「だって、呼んでたもの、さっきから」
そう言いながら見上げるのは二人には聞こえていなかったがヒッポリト星人が“オルタナティブティガ”と呼んだもの
久「まだ、起動できそうね」
近くにあったスイッチを押し込む
機械が再起動し、輝くスパークレンスと機械
先ほど優希がいた場所に、久が立つ
美穂子「な、なんでっダメ……久っ!」
久「ハハハッ、ハハッ! 美穂子っ、見てなさい。私が助けて見せるわ。優希を!」
美穂子「ど、どぉして……」
今にも気を失いそうな表情で、美穂子は呟いた
スパークレンスの輝きが、優希の時よりも激しくなっていく
そして久が、両腕を広げる
久「光よォォ!!」
美穂子「久ァァァッ!!」
一際激しい輝きと共に、久はそこから―――消え去る
587 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/19(土) 00:29:03.30 ID:dm/wZCQZ0
―――【街中】
モンスアーガーが一歩一歩を踏み出す
特異課の面々が銃撃をするが、やはりダメージは見られない
モンスアーガーが光弾を放つ
ゆみ「しまっ!」
桃子「っ!」
回避はできない。
だがその瞬間、黒い光と共に現れるナニか
華菜「怪獣!?」
星夏「あれって!」
上空から特異課の面々の前に現れたのは―――スカルゴモラ
咆哮を上げて、モンスアーガーと組み合うも、即座に頭突きで怯ませてから蹴りで距離を離す
さらに、胸を叩いてから咆哮するスカルゴモラ
変身者は―――。
京太郎『帰ってきて早々にこれたぁなァッ!!』
588 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/19(土) 00:54:40.05 ID:dm/wZCQZ0
京太郎が視線をもう一体の怪獣、ゴルバーの方へと向ける
犬型怪獣、ガーディーと戦っているようだがガーディーは劣勢だ
京太郎『とりあえず……こいつをぶっ潰せばいいんだろォ!』
モンスアーガーが火炎を吐くが、スカルゴモラはなんともないという風に体を払う
両手を構えるモンスアーガーを前に、スカルゴモラは地を踏みしめる
マグマを纏った岩が、スカルゴモラの周囲に浮遊
京太郎『ショッキングヘルボール!』
スカルゴモラ「―――!」
モンスアーガー「!」
光弾を放たれるも、それを相殺しても余りある溶岩弾がモンスアーガーに直撃、吹き飛ばす
それでもなお、モンスアーガーは立ち上がる
その硬さから並ではないことを理解し、京太郎はさらに一手を取ろうとする
京太郎『ていうか、なんだみんな……あっちの犬怪獣を援護してる?』
そう思いつつも、インナースペースにてゼットライザーとメダルを用意した
589 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/19(土) 01:11:24.56 ID:dm/wZCQZ0
ガーディーが、ゴルバーの光線を受けて吹き飛ぶ
再びビルにぶつかり、そのまま起き上がれなくなってしまう
弱弱しく鳴くガーディーに、近くにやってきたまこが顔をしかめた
まこ「優希もういい! 逃げんさい!」
ガーディー「―――!」
それでも、頭を横に振る
倒れたままそうした姿に、まこは涙を流しながらガーディーと同じく頭を横に振った
ゴルバーはレーザーライフルなどで多少怯みはするも、やはり力強く迫る
まこ「なんでこんなっ……わしらが一体なにしたって! わしだって、戦う力があればっ!」
ゆみ「なんだ、あれは!?」
桃子「ティガ!?」
瞬間、上空から光弾が一撃―――ゴルバーに直撃する。
怯むゴルバー、見上げる面々、まこも振り返りそちらに視線を向けた。
ゴルバー「―――!」
ヒッポリト星人「なんだ!?」
空から降り立つ光る巨人が降り立つ
ガーディーから離れた場所、そこに……
華菜「ティガ……?」
佳織「ううん、違う……」
まこ「ティガじゃ、ない!」
ゴルバーの肩に乗るヒッポリト星人がわなわなとふるえる
ヒッポリト星人「なぁぜオルタナティブティガがここに!」
徐々に光が収まっていく
そしてその身体がはっきりと見えだす
ヒッポリト星人「いや、違う。あれは―――」
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/19(土) 01:22:40.57 ID:h90F49vq0
ちゃおラジやはまち劇場と同じ雰囲気を感じる
591 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/19(土) 01:24:44.65 ID:dm/wZCQZ0
京太郎はペダニウムゼットンへと変身
ペダニウムゼットン「―――」
独特の鳴き声と共に、放たれる火球ペダニウムメテオ
京太郎『これでヤキトリだァ!』
モンスアーガー「!!?」
その一撃でモンスアーガーが爆散させた
そしてメルバ―の方へとすぐに視線を向けるが、気配は感じていたが巨人がいた
光りが収まったその“ティガによく似た巨人”の色をしっかりと確認、黒と銀
京太郎『ッ……あれ、は』
彼にとっては存在しない記憶
ベリアルが持っていたであろう記憶が、蘇る
黒い巨人が、両腕を構えた
京太郎『―――イーヴィルティガ』
イーヴィルティガ「シュアッ!」
592 :
◆dBIP2XuQhg
[saga]:2022/03/19(土) 01:33:49.74 ID:dm/wZCQZ0
今回はここまでー
よーやっとイーヴィル出せたんであと一人
終われば久々に安価もある
次は近々やりたいとこっすー
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/19(土) 01:51:47.91 ID:GJfgKUQP0
乙
ガーディーはやっぱ味方か
ヒッサ大丈夫かこれ
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/19(土) 08:50:19.56 ID:AO02DFwE0
もう少し頻繁に久に会っておけば闇堕ちせんかったのかな…
595 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/19(土) 17:29:41.03 ID:nJlhHANs0
たぶん久に関してはどうやってもなった気がする
ベリアル主人公ならイーヴィルティガ味方になりそうだし
596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/19(土) 23:07:06.80 ID:X0y4mary0
京太郎は雑用係でも文句を言わずに皆を支えてたからな。元々ヒーローの素質があった
ヒッサはちょっと美穂子への嫉妬でそのへんを見失ってるよな
597 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/20(日) 01:52:48.69 ID:f80WAOJi0
京太郎は嫉妬とか負の感情はベリアルと会ってわりと解決してるからな
上手いことヒッサの解決してくれれば良いけど
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/24(木) 11:28:08.24 ID:dz9KEzXxO
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/06/11(土) 01:51:48.86 ID:OuMEdMLv0
まってますよー
600 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2022/10/20(木) 17:55:46.18 ID:jl9apQUgO
『最強のウルトラ怪獣を作る。』
Switch:ウルトラ怪獣モンスターファーム初日
(19:00〜放送開始)
https://youtube.com/watch?v=oOtEXnngyK8
392.21 KB
Speed:0.5
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)