【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】

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301 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/18(土) 01:04:57.54 ID:HVBBH5f8O


サンダーキラーがグローカーボーンに、メビウスがギャラクトロンへと走り出す

共に戦う二体が、背を向けて敵に向かい走る

ギャラクトロンへと走るウルトラマンメビウスが、素早くその胴体に蹴りを打ち込む


メビウス「タァッ!」


炎を纏ったその蹴りを受けて怯むギャラクトロンを、さらにメビウスは左腕のブレードを振るう

その一閃がギャラクトロンの胴体を傷つけ、火花を散らす


一方のサンダーキラーはアスファルトを砕き、土を巻き上げて走る

グローカーボーン二体が放つ光弾を体から放つ電撃で相殺し、接近

今更その程度の敵が二体で、怯む京太郎でもない


京太郎『弾けろォ!』


巨大な左腕でグローカーボーンの頭部を掴むと、そのまま稲妻を放つ

黒い煙をあげるグローカーボーン

そして頭部を掴んだその左腕を振るって、もう一体のグローカーボーンへとぶつける


サンダーキラー「―――!」


禍々しい咆哮を上げながら、さらにサンダーキラーは口部からカッターのような光線を放つ

その一撃で、倒れているグローカーボーン一体の片腕が吹き飛んだ

さらにもう一撃をくわえようとするが、倒れたまま両腕が健在なグローカーボーンが光弾を放つ


京太郎『ッ!』


素早く背後へと下がり回避するも、サンダーキラーは稲妻を放つ

二体のグローカーボーンがさらに怯む

弱くは無いが、やはり二体は厄介


京太郎『ッ!』


302 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/18(土) 01:25:28.68 ID:HVBBH5f8O


メビウスが、メビュームブレードを振るう

ギャラクトロンはその一撃を自身のブレードを受け止めた

鉤爪のついた右腕を振るおうとするギャラクトロンの、それをメビウスは凌ぐ術をもたない


照『まずい……!』

京太郎『まずくねぇ!』


その腕を凌いで、弾き返すのはサンダーキラー

ギャラクトロンとサンダーキラーが向かい合う

素早く鉤爪のついた左腕を引くサンダーキラー


照『京ちゃん!』

京太郎『一緒にやらせていただく!』


サンダーキラーの左拳と、メビウスの右足が同時に突き出される

その打撃を打ち込まれ、後ろへと下がるギャラクトロン

メビウスとサンダーキラーのがら空きの背中に、グローカーボーン二体が同時に光弾を放つ

片腕がないグローカーボーンがいるので計三発の光弾


京太郎『照さん!』

照『わかってるよ、京ちゃんッ!』


振り返ると同時に、メビウスがブレードを振るって三発の光弾を斬り裂く

サンダーキラーの背を向けて立つメビウス

再び、二人が同時に動き出す
303 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/18(土) 01:54:48.27 ID:HVBBH5f8O


ギャラクトロンへと、左腕を振るう

その左腕の攻撃を尾を使って凌ぐサンダーキラーはさらに素早く、口部からの光線を放つ

ギャラクトロンは目から光線を放ち相殺


京太郎『こいつはやるッ!!』


さらに、サンダーキラーは尾から電撃を放つ

相性故なのか、ギャラクトロンが明らかなダメージを受けている

サンダーキラーが左腕を振るいさらにギャラクトロンにダメージを与えた


京太郎『かってぇなぁ!』


電撃でのダメージを与え続けつつ、ギャラクトロンに攻撃をくわえていく

劣勢ではないものの、優勢とも言いづらい

その装甲を貫く一撃をくわえなくてはならない、故に……


京太郎『だったらァ!』


左腕を振るい、さらに斬撃を与える


ギャラクトロン「―――!」


独特の機械音と共に、その後ろ髪のようなパーツの先端についたクローがサンダーキラーの右腕を掴む

だが、サンダーキラーは電撃を与えるのを忘れない

万力のように締め上げられる右腕


京太郎『照さんと一緒に戦えるなんてなぁ、当時は想像もしてなかったよなァ!』


サンダーキラーが咆哮、そして左腕でギャラクトロンの右腕を掴む

そして、足をギャラクトロンの胴体にかける


京太郎『この、ポンコツがァァ!』


勢いよく力を込めると、ギャラクトロンの右腕を引きちぎり、放った

宙を舞うブレードのついた右腕が、地に突き刺さった


サンダーキラー「―――!!」


―――咆哮

304 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/18(土) 02:10:42.65 ID:HVBBH5f8O


メビウスが、左腕を振るう

その一撃がグローカーボーンの片腕を落とす

両腕がなくなったグローカーボーンと両腕が残ったグローカーボーン


照『京ちゃんと一緒に戦える、こんな機会を……』


両腕が残ったグローカーボーンが光弾を放つも、メビウスはその体を燃やす

その炎が、放たれた光弾を燃やし尽くす


照『邪魔、するな……!』


こんな戦いを共にしたかったわけではない、だがそれでも……

305 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/18(土) 02:35:45.18 ID:HVBBH5f8O


メビウスの姿が、変わる


照『バーニングブレイブ!』


“本来のメビウスバーニングブレイブ”の過程を通っていない変身

だが、志を持ってはいるはずだ

仲間たちとの絆、此度の“燃える勇者”は確かにそれを知っている


照『バーニングメビュームダイナマイト!』


走り出したメビウスがグローカーへと取りつくと、そのまま―――爆散

二体のグローカーボーンはメビウスごと木端微塵

メビウスは赤い粒子が集まり炎と共に不死鳥よろしく復活、その姿はメビウスバーニングブレイブ

だが、その消耗は激しいのかカラータイマーが激しく点滅する


照『ッ京ちゃん……』

306 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/18(土) 03:07:20.02 ID:HVBBH5f8O


サンダーキラーが、さらに襲い掛かるギャラクトロンシャフトを口部の光刃で斬り裂く

さらに地上に落ちるギャラクトロンシャフト、残った鉤爪のついた右腕を振ろうとするもサンダーキラーの尾がその右腕を拘束

電撃を浴びせながら、左腕でギャラクトロンの頭部を掴んだ


京太郎『サンダァデスチャァァジィッ!』


その腕から放たれた電撃がギャラクトロンの頭部を爆散させ、吹き飛ばす


京太郎『潰れろォォ!!』


そして―――爆散する

307 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/18(土) 03:14:23.52 ID:HVBBH5f8O

短いけどここまでー
明日またやるけどもー

そんじゃまたー!
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 18:49:28.31 ID:fDObdbQl0
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 22:13:21.63 ID:pQgpUCzMO
おつ
310 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 01:40:03.88 ID:M2HHlvS/O
やってくー

てかギャラクトロンの右腕斬られたのに京ちゃん引きちぎっちゃった
なんか再生しとる……
311 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 01:59:31.32 ID:M2HHlvS/O


爆煙を払い、現れるのはサンダーキラー

メビウスの方を見れば、お互いに頷き合う

宮永照は限界なのか空に飛び立つでもなく、光の粒子となって消えた


京太郎『俺も……ッ!』キュピンッ


妙な感覚がして、そちらを見る

遠く離れたビルの上に……金色の髪をなびかせる少女がいた

青い瞳が、サンダーキラーを、京太郎を貫く……


京太郎『大星、淡……!』

淡?「ベリアル……」


遠くにいる少女の呟き、だがはっきりと聞こえた気がした

確かに聞いたことがある大星淡の声だった


淡?「……」


大星淡が右手に先ほどと同じくアイテムを持っている

そして左手に……スパークドールズと呼ばれる人形


淡「……ギャラクトロンMKU(マークツー)」


右手のアイテムをスパークドールズの足につける

そして、黒い輝きと共に現れる―――

312 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 02:14:22.01 ID:M2HHlvS/O


闇と共に、現れるのはギャラクトロンMK2

先ほどのギャラクトロンとは違い、両手の武装は消えておりギャラクトロンシャフトすらもない

だがその手は人のようで、後頭部には巨大な斧が装備されていた


京太郎『次から次にと……!』


メビウスが消えた場所を見れば、照がいる

片膝をついて、辛そうにしている様子だ。そんな彼女を出させるわけにもいかない

咆哮するサンダーキラー


京太郎『オレが、スクラップにしてやるよ、ガラクタァ!』


ギャラクトロンMK2の後頭部の斧が射出され、それは手持ち武器になる

大斧を握ったギャラクトロンMK2が走り出す

313 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 02:18:50.47 ID:M2HHlvS/O


遠くビルの上で、大星淡の口元が綻ぶ

その青い瞳が赤く輝いた


淡「今はまだ、だが……いずれすべてをスパークドールズへと変える」


右手に持った“ダークスパーク”を強く握る


淡「すべての生命体の時を、止める……」

314 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 02:33:02.18 ID:M2HHlvS/O


ギャラクトロンMK2が斧を振るう

それを受け止めるサンダーキラーだが、電撃を流すよりも早くパワー負けする

力任せに吹き飛ばされ、サンダーキラーが背中からビルに倒れ込む


京太郎『グアアァッ!』


激痛に顔をしかめつつも、迫るギャラクトロンMK2から距離を取ろうと離れる

素早く尾を伸ばして電撃攻撃をしようとするも、ギャラクトロンMK2が斧を振るう。その一撃が、サンダーキラーの尾を切断した

例えようのない痛みに顔をしかめる京太郎

ギャラクトロンは『ラー』と歌うような音を発しながらサンダーキラーに接近していく


ギャラクトロンMK2「―――」

京太郎『ッ―――ならなぁ!』


遠距離から、電撃と共に口からカッター光線を放つ

だが、ギャラクトロンMk2の両肩と両膝が輝くとバリアを作り出す


京太郎『相性的には、接近戦……なら!』



―――【インナースペース】


赤く輝く京太郎の瞳

そして目の前に浮くのは三枚のメダル

勢いよく、その三枚のメダルを掴む


京太郎「面子は揃ったァ!」

315 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 02:42:07.51 ID:M2HHlvS/O

やばねむなのでここまでー
明日もやるつもりー

戦闘終わらせて日常回とかもやりたいとこー

次は新フォーム、フォームって言うのかな

そんじゃまたー
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 11:58:18.41 ID:gngCwc9Y0

ギャラクトロンメダル手に入れたか
キングジョーメダルは持ってたっけ?
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 17:47:11.02 ID:4hks5WDoO
おつ
やはりあわあわだったか
318 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 22:52:42.96 ID:slGFzyAIO

やってく所存ー
319 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 23:12:01.48 ID:slGFzyAIO


握りしめた三枚のメダルの中の一枚。ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く

赤い瞳が爛々と輝く


京太郎「奇機械改竜、宇宙ロボット―――」


今しがた手に入れたギャラクトロンメダルと、トシから預かったキングジョーメダルを挿入

そして落ちてきたベリアルメダルを取ると―――


京太郎「ベリアルさん!」


さらにそれを差し込んでブレードを可動させる


『Gyarakutoron. King-Joe. Belial. 』


音声が鳴り響き、紫電が周囲に迸る


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く


『 Kingu Gyarakutoron.』


京太郎「ベェリアァル!」


320 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/19(日) 23:50:52.41 ID:slGFzyAIO


暗い光と共に現れる巨大な怪獣

先ほど戦った怪獣、ギャラクトロンと似た姿のベリアル融合獣

ギャラクトロンがキングジョーの装備を纏ったような、姿だがやはりその端々にはベリアルの面影


京太郎『この力ならァ!』


咆哮をあげるキングギャラクトロン

左腕には鉤爪、右腕にはペダニウムハードランチャー

京太郎が戦ったキングジョーは装備していなかったカスタムパーツの一つ


京太郎『MK2だかなんだか知らないがぁ!』


キングギャラクトロンがギャラクトロンMK2へと接近していく

ギャラクトロンMK2が胸部からビームを放つものの、キングギャラクトロンは右腕のペダニウムハードランチャーからビームを放った

二つの光線がぶつかり合うものの、ぶつかりあいにすらならず、ペダニウムハードランチャーはギャラクトロンMK2の光線を消し去りそのまま直撃

吹きとび、倒れるギャラクトロンMK2


京太郎『なんて火力だよ!』


一歩一歩、倒れているギャラクトロンMK2に接近していくキングギャラクトロン

起き上がることもなく、キングギャラクトロンが目からレーザーを放つ

そのレーザーもやはりキングギャラクトロンの方が火力が高く、その頭部を損傷させる


京太郎『オォォォッ!』


立ち上がったギャラクトロンMK2が斧を振るうも、左腕の爪でそれを弾く

321 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/20(月) 00:06:55.75 ID:TNEQ51X5O


ギャラクトロンMK2が弾かれた腕でもう一度、斧を振るうより速くキングギャラクトロンは左腕に虹色の魔法陣を纏いて突き出す

それが魔法陣を通して高速で突き放たれる。何度も何度も連続で……


京太郎『ペダニウムパンチング!』


連続して突きだされる左腕

その連打を受けて体を浮かすギャラクトロンMK2が、さらなる一撃で上空へと吹き飛ぶ

真上へと打ち上げられたギャラクトロンMK2に、キングギャラクトロンは右腕を向けた


京太郎『こいつでラストシューティングだ!』


右腕のランチャーの銃口に、エネルギーが集まる

先ほどまでと比べ物にならないほどのエネルギー

バーニングベムストラのペイルサイクロンとはまた違った高火力ビーム砲


京太郎『ペダニウムハードランチャーァ!』


放たれた一撃が上空のギャラクトロンMK2を貫き―――粉々に爆散させる


地上に立つキングギャラクトロンは、咆哮と共に暗い闇と消えていく

322 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/20(月) 00:22:16.61 ID:TNEQ51X5O


地上、黒い粒子共にそこに現れる京太郎

静かに息をついて体の状態を確認して頷く

やるべきことはやれたし、彼女たちの心配する怪我もない


京太郎「あとは、照さんか……」


そう呟くと、ポリポリと音が聞こえて視線を下げる

そこには……


京太郎「照さん、なにお菓子くってんっすか」

照「ん、栄養補給……疲れちゃったから」

京太郎「そっすか」


苦笑を浮かべながら頷くと、歩き出す


京太郎「帰りますか……今回は怒られないと良いっすけど」

照「大丈夫だよ、たぶん」

京太郎「たぶんが怖ぇなぁ……」

323 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/20(月) 00:34:17.53 ID:TNEQ51X5O


    第25話【銀河よりの正義】 END

324 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/20(月) 00:56:09.21 ID:TNEQ51X5O


―――次回予告


京太郎:愛ですか?

明華:愛のようですね

智葉:なぜそこで愛!

ハオ:絡みありましたっけ?

メグ:またラーメンの話ですか?

ネリー:一回もしてないよ

照:京ちゃんお菓子

京太郎:俺はお菓子じゃない

テンペラー星人:人の話を聞けぇ!


次回【須賀京太郎、抹殺指令】


京太郎:社会的に殺される!

325 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/20(月) 00:58:10.05 ID:TNEQ51X5O

また短いけどここまでー

マジでゆっくりじっくり書ける日そろそろ欲しいとこ
とりあえず箸休め回のようなそうでもないような

一応本筋は進んだりしたり

そんじゃまたー
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 01:00:39.30 ID:Y+/ZWsI1O
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 16:46:33.22 ID:su4z3liy0

ギャグ回か!
328 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/24(金) 22:03:12.04 ID:Jt3AcvePO

やってくよー

ウルトラも色々と新情報尽きなくてすげーわ
スパロボ30のDLえかった
329 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/24(金) 22:23:42.61 ID:Jt3AcvePO


―――数ヶ月前【東京・雀荘】


雀荘で、宮永照が前のめりに雀卓に倒れ込む

雀牌が散らばるが、起き上がろうとするもその体に力を込めることもできない


照「っ……」


呼吸はか細く、対面の“敵”を向いたその状態で視線を動かす

同じ卓を囲んでいた右の“多治比真佑子”はすでに意識はないようだった

左にいる“弘世菫”も同じく、のようだ


照「さ、き……」

咲「……」


赤い瞳を輝かせ、対面にいるのは“敵”こと宮永咲だった

麻雀をすることになった。ただそれだけだ


照「な、に、これ……」

咲「さすがにこの力じゃ無理か」


そう言いながら、手に持ったメダル二枚を投げる

メダルは数秒間宙に浮かんだその後、勢いよく二人の体に入り込む


照「っ……」

咲「姉、宮永照……幹部クラスになるだけのポテンシャルはあるな」

照「咲を、返せ……わた、しの、妹、を……ッ」

咲「……」


何を応えるでもなく、宮永咲はメダルを取り出し投げる


照「ッ」


だがその瞬間、どこからか飛んできた一枚のメダルが投げられたメダルを弾く


咲「なに!?」

照「ひ、かり……?」


投げられたメダルを弾いた、輝くメダル

その明るい光、暖かく、希望の満ちるそのメダル

描かれた赤と銀の……


照「うるとら、まん……」

咲「メビウス……!」


そのメダルから溢れる光が、照を包み込んだ

330 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/24(金) 22:41:59.17 ID:Jt3AcvePO


―――現在【特異課東京基地】



勢いよく起き上がる照

暗い部屋、ベッドの上で荒く呼吸をしつつ周囲を見渡す

状況は理解している


照「……」


少しばかり力を込めて出現させたメビウスブレスを見やった


照「咲、必ず……」


だがそのオーラと本能的なもので感じた

あれは今までの敵の比では無い

麻雀とリアルとで戦ってきはしたが、レベルが違う


照「メビウス、力を貸して……私に」グッ


メビウスブレスに手をそえて、立ち上がる

窓に近寄りカーテンを開く

空に浮かぶ月を見上げた


照「……やるべきことは、わかってるよ」グッ


強い眼差しで、月を見上げる

331 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/24(金) 23:10:30.90 ID:Jt3AcvePO


―――朝【特異課東京基地:休憩所】


椅子に座った京太郎は、一口飲んだコーヒーのカップをそっとテーブルに置く

息をついて周囲を見るが、人はまばら

早朝ということもあるだろう……


京太郎「……」


スタッフたちが周囲で食事をしたり休憩をしたり


京太郎(俺だけが暇か……)


有事の際にはもっとも前線で戦うことにはなるのだが、知らぬ者は知らぬ話だ


京太郎「……」

???「あれ、こんな早く珍しい」

京太郎「ん、ネリー……と、カネゴン」


少女が一人と、怪獣が一体


京太郎「俺はちょっと夢見が悪くてな、そっちこそ早いな」

ネリー・カネゴン「早起きは三文の徳!」

京太郎「ちょっと意味が違う気もするけどな」


そう言いながら、コーヒーを啜る


京太郎(東京、これまでの傾向なら……テンペラー星人か?)

ネリー「ちゃんと考えてそうな顔してるね」

カネゴン「ねー」

京太郎「ちゃんと考えてんの!」

332 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/24(金) 23:14:28.09 ID:Jt3AcvePO

短いけどここまでー

明日はもーちょっとやりたいとこ
そんじゃまたー


◆安価!

1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)

3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用

333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/24(金) 23:24:17.59 ID:PEV7ZxdH0
6
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/24(金) 23:27:50.14 ID:0xf8kBIDO
おつ。7
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/24(金) 23:35:18.22 ID:MKBLXoq+0

10
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/24(金) 23:44:56.50 ID:8HFwrEfh0
1宥
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/24(金) 23:48:04.78 ID:oup1c9dj0
2 智葉
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/25(土) 15:10:51.71 ID:3M+LoM230
ヒッサはようやくだな
美穂子からコンタクト取った方が良さそうとアドバイスされるぐらいだから何かありそうだけど
339 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/25(土) 23:10:13.60 ID:1d6quU8AO

やってくでー
年末はやだなー

そういえばウルトラマンに刀って新鮮ね
340 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/25(土) 23:30:11.13 ID:1d6quU8AO
6、竹井久
2、臨海(辻垣内智葉)



ネリー、カネゴンが去り、京太郎は再び一人

静かにコーヒーを啜りつつ手にあるメダルに視線を向けている


京太郎(ベリアルさん……)


皇帝ベリアル、そのメダル

漆黒の―――陛下のメダル


京太郎(まぁ、今やることは咲の中の奴……そいつを炙り出すことか)


瞬間、手首の端末が音を鳴らす

小首をかしげてモニターを開くと、そこには竹井久の表示

意外なところだと思いつつも、そろそろ自分から連絡するつもりでもあったので丁度良いと頷く


ピッ

京太郎「はいはい」

久『ん、須賀君……久しぶりね』クスッ

京太郎「そうっすか?」フッ

久『まぁ色々と濃い日々だからね。無茶してることも知ってるのよ?』

京太郎「え〜っと、あはは」ポリポリ


画面内の久は困ったように笑う

久が聞いていたようなおかしな部分は見えない

だが、感覚的ななにかではやはり……違和感を感じた

341 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/25(土) 23:44:49.69 ID:1d6quU8AO


京太郎「なんか、ありました?」

久『ん?』

京太郎『いや、一応……』

久『なにもないわよ。良いことならいくつか』


その言葉に、小首をかしげた

端末の向こうから聞こえる声に聞き覚えのあるものが混じっている


京太郎「まこ先輩?」

久『そういうこと……ウルトラマン様様ね』


そう言いつつ苦笑する久


京太郎「嫌だったんですか?」

久『ん、いいえ……ただ、なんでかなって』

京太郎「この状況が、っすか?」

久『ううん』


首を横に振るう久


久『須賀君は、ずっと私たちと一緒にいると思ってた』

京太郎「一緒ですよ。そのつもりですけど」

久『一人で戦ってる。今は……私たちの手の届かないところに行っちゃった気がする』

京太郎「一緒っすよ」

久『え?』

京太郎「いや、なんでも……」


なんだか、妙な気分だった

自分が感じていた疎外感、それとはまた別のなにかがあるのだろう

みんなが先に行っていたと感じていた。だが今は違う……自分は並んで戦っていると思っていた


京太郎「部長」

久『ん?』

京太郎「伝えたいことがあるんっすよ」

久『なに?』

京太郎「大事なことなので、ちゃんと会ってからで」


その言葉に、久が―――ソワソワとしだした

頬を紅潮させて眼を泳がせている


久『う、うんっ……』コクリ

京太郎「それじゃあ、また」フッ

久『うん、怪我しないでとは言わないけど……大事なく、帰ってきてね』

京太郎「はい、必ず……」

342 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/26(日) 00:02:55.45 ID:QcVwA/TlO


久との通話を終えてから、京太郎は朝食を終えて街へとくりだそうとする

雀荘いくつかに目星をつけて、そこへと行くつもりだ

麻雀を打ちたい気持ちもある


京太郎「フリーで適当に入って確かめないとなぁ」


今のご時世、雀荘はそこそこ多いし需要もある

故に、当たりが探しにくい

感じるものも近くにいかなければ意味がないしベリアルがいない今、それなりに接近する必要もある


京太郎「……ま、いいか」


とりあえず出ようと廊下を歩いていると、後ろから腕を掴まれる

振り向けばそこには―――


京太郎「智葉さん……」

智葉「また一人で、この前だって宮永と二人で怪我して帰ってくるし」


ギャラクトロンMk2との戦いのことだろう

なんとか、この場を納めようととりあえず口にするのは……


京太郎「あ〜一緒に行きます?」

智葉「当然」ジト

京太郎「あ〜あはは……」


腕をグイッと惹かれる


智葉「とりあえず作戦室、新情報があるかもしれないしな」

京太郎「うっす」コクリ
343 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/26(日) 00:19:38.00 ID:QcVwA/TlO

―――【特異課東京基地:作戦室】


中にいたのは琉音、明華、ハオ、メグの四人

そこに入ってくるのは京太郎


京太郎「おはざ〜す」


智葉に腕を掴まれたまま、否。智葉に腕を組まれたまま入る京太郎

京太郎の中ではただ単純な“拘束”ではあるのだが……


琉音「なんでいちゃつきながら入って来てんだよ」

智葉「いちゃっ!?」カァッ

京太郎「そのつもりないんっすけどね」


そう言いながら、面々を確認する


琉音「ラブじゃねぇかよ」

智葉「ち、違いますっ」バッ


智葉が離れると、京太郎は首を押さえながら歩いてキーボードを叩く

モニターに表示される雀士が行方不明になった場所や、メダル持ち雀士がいた場所

顔をしかめつつめぼしい場所を確認していく


琉音「いいよなぁそういうの」

京太郎「なに言ってんすか、人目もはばからずイチャイチャするくせに」

琉音「し、してねぇよ」

京太郎(してるだろ)

智葉(してる)

明華(してます)

ハオ(してますね)

メグ(ラーメン)


四人からの視線を感じて、バツが悪そうな表情を浮かべて立ち上がる琉音

出口の方へと歩いていく


琉音「そんじゃあたしはこれで」

ウィーン

栞「あ、琉音さん!」


入ってきた栞が琉音の腕に抱き着く


ハオ「ラブですね」

京太郎「愛ですか?」

明華「愛のようですね」

琉音「ちが! おいなんか言え!」

栞「愛なんですか?」

琉音「おい!」

智葉「なぜそこで愛!」
344 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/26(日) 00:37:39.14 ID:QcVwA/TlO


それから数十分後

作戦室にいるのは明華、ハオ、メグ、ネリーの四人

琉音と栞も、京太郎と智葉も出ている


ネリー「ん〜あ、GPS確認できるってことは、京太郎たちどこいったかわかるやつだ」

ハオ「やめてくださいよ、変なとこ行ってたら逆に恐いんで」

明華「変なとこ!?」

ハオ「反応しないでください」


そう言いながら、なにかPCのキーボードを叩くハオ


ハオ「プライベートもなにも……ってこれ臨時しか使えないじゃないですか」

ネリー「え、なに見ようとしてんの」ジトー

ハオ「な、一応昨日の確認のためですよ!?」

メグ「まぁまぁ」ズルルー


ラーメンをすすりながら自分の前にあるPCのモニターを確認するメグ

そうしていると、扉が開く

アレクサンドラかと思いきや、そこにいたのは……


メグ「ん、宮永サン」

照「ん、おはよ」

ネリー「昼前だよ?」

照「ん……京ちゃんは?」

明華「智葉ちゃんと出かけましたよ」

照「ッ! ……出遅れた」ムゥ

ネリー「京太郎のなにがそんなに良いんだろ」

明華「まぁ、顔は良いですよね。性格も……まぁ、ちょっと視線が胸にいきがちですけど」クスッ

ネリー「……」

照「……」

明華「……え、なんですか?」

照「脈あり?」

明華「なっ!? ち、違いますよ!」

345 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/26(日) 00:50:03.46 ID:QcVwA/TlO


わたわたと焦ったように弁明する

しかし、それが余計によろしくないのだろう


ネリー「まぁジュース奢ってくれるから良い奴だけど」

明華「チョロすぎないですか?」

ハオ「確かに」


そんな言葉に、今度はネリーがハッとする


ネリー「ジュース奢ってくれる人以上でも以下でもないよ!」

照「かわいそうな京ちゃん」

ネリー「しまった! 言いすぎた!」


泥沼である

そんな会話を聞きながらメグはラーメンをすすりながらモニターを見ていた

すると、少し驚いたような表情を浮かべて画面から目を離す


メグ「意外な人物見つけましたよ」

照「……」


そう言うと、モニターに表示されるメグが見つけた画像

どこかの監視カメラ。そこにうつる人物は……


照「ん、いく」

明華「……心配ですし私も」

照「ん」

ネリー「咲と一緒で方向音痴なんだっけ?」

照「おばあちゃんが言っていた。私が世界の中心だと」

ネリー「絶対嘘でしょ」

明華「とりあえず行きましょう照ちゃん」

照「ん」コクリ


二人が出ていく


ハオ「あの二人、絡みありましたっけ?」

メグ「またラーメンの話ですか?」

ネリー「一回もしてないよ」

346 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/26(日) 01:21:44.05 ID:QcVwA/TlO


―――【渋谷】


駅から出て、静かに息をつく京太郎

見渡す限りの人、人、人だ

隣には辻垣内智葉、長い髪をなびかせながらそこに立つ


京太郎「人酔いしそう」

智葉「大丈夫か?」

京太郎「まぁ……さてとりあえず」


近場の雀荘をチェックする


京太郎「適当に行きますか」

智葉「せっかくだし打って行こうか」フッ

京太郎「ですね、勝ってりゃ向こうから来る可能性もあるし」


テンペラー星人、釣るべき相手はそれだ


京太郎「いきますかぁ」

智葉「手でも握ってやろうか?」

京太郎「遠慮しておきますよ。好きになっちゃうんで」ハッ

智葉「そ、それはそれで悪くは……」ボソボソ

京太郎「行きますよー」

智葉「ん……あ、ああ」コクリ

347 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/26(日) 01:32:55.22 ID:QcVwA/TlO

今回はここまでー
また明日やりたいとこー

そろそろ戦闘あるようなないような

そんじゃまたー
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 10:38:26.16 ID:3wzT7/FV0

ヒッサこれ絶対告白されると思ってるよね?いいんか?
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 11:59:20.64 ID:xeywbwz/0

次は鹿児島選ぶつもりだったが長野も気になるな
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 22:11:34.83 ID:VhULaYDd0
智葉は積極的なくせにアプローチは下手くそだな
そこで引かず胸でも押し当てるぐらいじゃないと負けヒロインぞ
351 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/27(月) 01:00:52.48 ID:ljuLDtmfO
今日は無理やー

明日やることとしまするーぅ
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/27(月) 01:02:45.65 ID:gG4xc4e+0
了解じゃー
353 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/12/28(火) 01:55:59.88 ID:99jrEyHGO
いま帰った! ちくせう……

明後日には今度こそやりてぇなぁ……
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/28(火) 04:35:15.68 ID:8lcLJ7eQO
年末は大変だな…
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/01(土) 00:18:25.82 ID:HUs5EEG00
年は明けたがイッチは帰ってこないな……
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/04(火) 17:25:16.31 ID:dM1RfVSQ0
もしや咲さんにカンされてメダルいれられたんか
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/05(水) 23:25:11.74 ID:CXkYkcIb0
照なら咲さんにメダル入れられる直前にメビウスメダルに助けられてないか?
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 23:14:12.43 ID:XyMKtcNz0
更新できない時にあった近況報告もないのが気になるな
年末の過労で動けないのか?
359 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:08:10.30 ID:THAHMxUSO

明けましておめでとうございますー

連絡なしでしばらくお休みしてしまってたー
忙しくてどうにもこうにも……って言いつつちょっとやってくー
360 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:11:22.92 ID:THAHMxUSO


    第26話【須賀京太郎、抹殺指令】

361 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:27:12.68 ID:THAHMxUSO

―――【???】


真っ暗な空間、そこにテンペラー星人がいた

そしてその向かいには椅子に座す“宮永咲”、その隣には原村和

さらに、金色の髪をなびかせる少女“大星淡”がいる


和「ギャラクトロン二体も、グローカーも役には立たなかった」

テンペラー星人「ええい、また須賀京太郎か!」

咲「騒がしい……」


その一言で、テンペラー星人が黙る


咲「……メビウスもだ」

テンペラー星人「メビウス、そういえば聞いたことがある。我が同胞や貴様をやった」

咲「……次は、どうする?」

テンペラー星人「しっかり手は打っている」

淡「……」


肩を震わせながら笑うテンペラー星人が、両手を大げさに広げる


テンペラー星人「暗殺を行う!」

咲「へぇ……」

テンペラー星人「フフフ、そしてベリアル因子を手に入れさえすれば……フフフフ」

和(ダメそうですね)

テンペラー星人「頼んだぞ、我が刺客よ」

362 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:48:25.66 ID:THAHMxUSO


―――【渋谷】


雀荘から出てくる京太郎と智葉

体を伸ばして腕を回すと、京太郎は息をついて後ろの智葉を見た


京太郎「さすがっす」フッ

智葉「なにを言ってる。大したものだあそこまでやれるとは」

京太郎「まぁ修羅場くぐってますから」


勝たなければいけないのだ

経験は確かにものになっている


京太郎「さて、次の雀荘に向かいますか」

智葉「ああ」フッ

京太郎「まさかあの辻垣内智葉と麻雀やる日がくるとはなぁって思っちゃいますね」

智葉「私も半年前は清澄の男子と麻雀をすることになると思ってなかった……それに、その、色々とはじめてが、おおいし、な」カァッ

京太郎「?」

智葉「き、気にしなくて良い……いくぞっ」フイッ

京太郎「うっす」コクリ


先を行く智葉を追って、歩き出す京太郎



そして、そんな二人を遠くビルの屋上から見る影

長い髪をなびかせる少女は―――弘世菫


菫「……」フッ


口元に浮かぶは、笑み


菫「バ〜ロバロバロバロ! 須賀京太郎! 抹殺してやるでバロッサぁ!」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/08(土) 22:52:51.31 ID:7Pir9d650
おいたわしや菫さん……
そういうのはネキとかが適任だったろに……
364 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 22:57:06.91 ID:THAHMxUSO


―――【渋谷駅:構内】


1人、赤い髪をなびかせ立つのは―――宮永照


照「……」


共に来たはずの雀明華はどこにもいない


照「……どこ、ここ?」

365 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 23:14:19.24 ID:THAHMxUSO


―――【渋谷:街中】


再び、一件の雀荘から出てくる男女

嬉しそうに笑う京太郎と、そんな彼を微笑ましそうに見る智葉


京太郎「いやぁ、智葉さんに勝てるとは……」

智葉「役満をツモるとは予想外だったな」フム

京太郎「今日、ツイてるかも」

智葉「それは結構」フッ



一方、ビル屋上

弘世菫がライフルを片手にスコープから須賀京太郎を見る

トリガーにかけた指に、そっと力を込めた


菫「その綺麗な顔吹っ飛ばしてやるバロ!」


そして、引き金が引かれ銃弾が放たれる



そんなことに気づかず意気揚々と歩く京太郎

だが足元に、突如転がってくる空き缶

見事にその空き缶に足を乗せて、バランスを崩す


京太郎「どわっ!?」

智葉「京太郎!?」


体勢を崩す京太郎と、支えようとする智葉

そして人知れず放たれた弾丸は京太郎の頭のあった部分を通り過ぎる

受け止めた智葉と、なんとか体勢を整える京太郎




ビル屋上の菫が地団駄を踏む


菫「バロバロォ!? なんでどうして!?」

366 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 23:41:02.82 ID:THAHMxUSO


弘世菫が再びスコープを覗いている頃

意図せず、抱き合っているような形になる京太郎と智葉の二人

凛々しい智葉の、柔い感触に京太郎は顔を赤らめる


京太郎「あ゛……」

智葉「ッ!」バッ


二人が同時に離れて眼を逸らす

そして知れず二人の間を通り過ぎていく銃弾


京太郎「す、すみません」

智葉「い、いや……へ、平気っ」ウツムキ

京太郎(耳まで真っ赤やないですか)


突如、京太郎の脛が強打される

まるでつま先が突き刺さったかのような……否、しっかりつま先に突かれていた

即座にうずくまる京太郎


京太郎「ぐおぉ、なぜだ照さんっ」

照「京ちゃんが私置いてった」


そして再び、人知れず銃弾が京太郎の頭があった場所を通り過ぎていく


京太郎「え〜」

明華「ちょっと宮永さんっ、宮永さん見つけるだけでも大変だったんですからもう単独行動は……あぁ、智葉ちゃんに京太郎君」

京太郎「明華さんも?」

智葉「……むぅ」

367 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/08(土) 23:46:32.41 ID:THAHMxUSO


ビルの屋上、弘世菫が再び地団駄を踏む


菫「バロバロォ! こうなれば接近戦で手籠めにしてやる!」


ギラギラと瞳を燃え上がらせる菫

そしてそんな彼女の肩に、手がポンと置かれる


菫「?」


振り返れば、警備員が二人


警備員A「君、ここでなにやってんの?」

菫「黙るバル!」ゴッ

警備員A「ぐふぅっ!」

警備員B「めっちゃ綺麗なドロップキック!」

菫「やってやるバルゥ!」ダッ


走り去って行く菫


警備員B「もう冬なのに頭湧いてるJKがいる!」

警備員A「夏でも頭湧いてるJKはいねぇよ!」

368 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:03:58.53 ID:kYRkQAqeO


公園で四人

白い息を吐きながら、ホットコーヒーを飲む京太郎

他の三人もホットの缶を持っている


京太郎「でも四人だと雀荘行っても四人固まっちゃいません?」

照「それじゃ別れよ。京ちゃんと私、他二名」

明華「他二名って」

智葉「なっ、ずる……じゃなく、さ、最初の組み合わせで問題ないと思うが!!?」

明華「……まさか」

照「……ガイトさん」

智葉「知らない呼び方するな」

京太郎「えーっと」


もうジャンケンとかで良いんじゃないかとも思う

どうするかと頭をひねってみる

そもそもおびきよせたいのは―――


菫「見つけたバロッサァ!」

京太郎「そうそうああいう奴……」

照「菫だ」

京太郎「飛んで火に入った!」

菫「このムサシンソードの錆びにしてやるバル!」

明華「夏の虫ってレベルじゃねーですよ!?」


刀を持って突っ込んでくる弘世菫

だが京太郎たちの前に立つのは、智葉

いつから持っていたのかどこにひそませていたのか、小刀でその刀を受け止め逸らす


智葉「ッ!」バッ

菫「忍者!? シノビの者!?」

京太郎「智葉さん……」

智葉「私の大事な仲間を傷つけさせないっ!


強い瞳で、バロッサ星人を睨む智葉

その後ろ姿を見る京太郎、その裾を引く照


京太郎「?」

照「女子高生忍者ってエッチだね」

京太郎「ちょっと黙っててください」


わからんでもないのだが……

369 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:06:45.09 ID:kYRkQAqeO
>>368 間違えてないけど間違った
×バロッサ星人
〇菫
370 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:29:56.83 ID:kYRkQAqeO


しかし、刀と小刀での戦力差は明らかだ

菫の中に入っているのが何メダルかはわからないが、おそらく身体能力も強化されていることだろう

智葉の隣に立つ京太郎


京太郎「俺だってやりますよ。むしろ俺がやる」


そう言いながらガッツハイパーを構えた


智葉「なっ、下がっていろ!」

京太郎「お断りなんっすよね、そういうの」


鋭い瞳を菫へと向ける

照は、その京太郎の背後に黒い何かを感じ取った

彼の力の由来を考えれば、それもそのはずなのだが……


照「ん、私もやる」

京太郎「ウルトラマンが味方とは心強い」

照「……」ジト

京太郎「ははは」


明華は端末で応援を呼んでいるようだった


菫「バルバルゥ……」

京太郎「てかなんだあれ、なんのメダルだ」

照「ん……えっと、バロッサ星人、な気がする」

智葉「知っているのか!?」

照「ぼんやり」

京太郎「バロッサ星人か」

菫「宇宙海賊バロッサ星人様バル!」

京太郎(愉快なタイプの異星人)
371 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:44:57.73 ID:kYRkQAqeO


菫「こうなれば……!」


真っ直ぐに立つ弘世菫ことバロッサ星人

どんな動きをしてくるかわからないと、面々が構える

だが、次の瞬間―――


菫「撤退バルー!」

京太郎「……」

智葉「……」

照「……」

京太郎「……逃げたァ!」

智葉「お、追うぞ!」

京太郎「了解!」


二人が走り出すと、明華は続いて状況を報告

走り出した二人に合わせて照も走り出すのを視界に入れるのだが……


照「!」ドテッ

明華「負傷者あり! 宮永さんがこけました! 顔面から!」

照「……ぃたぃ」

372 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/09(日) 00:49:33.60 ID:kYRkQAqeO

早いけど今回はここまでー

菫はバロッサ星人メダル、ろくでもない役回りでございやした
まぁいいことある、たぶん

そんじゃまたー
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 05:06:23.81 ID:J+eH1+40O
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/09(日) 09:19:08.52 ID:jmbnIG4t0
復帰乙!
せっかく智葉たちがラブコメ展開を頑張ったのに
菫プラスバロッサ星人のインパクトが全部持っていったな…
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/10(月) 21:15:59.23 ID:ZPBampqA0
乙。
376 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/10(月) 23:17:18.34 ID:x6FuaopHO
ちょっとやってくー
377 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/10(月) 23:39:07.95 ID:x6FuaopHO


バロッサ星人こと弘世菫を追う京太郎と智葉の二人

怪獣メダルが入った人間の身体能力というのは異常であり、徐々に距離を離されていく智葉

しかし、須賀京太郎はベリアル因子、所謂デビルスプリンターを濃く持った存在


京太郎「失礼!」

智葉「きゃぁっ!?」


所謂“お姫様抱っこ”で智葉を抱えた京太郎が―――加速する


京太郎「ッ!」


一歩一歩が確実に地を捉えて跳ねるように加速して菫を追っていく


菫「バロッサぁ!!? はえぇっ!!?」

京太郎「逃がすかぁ!」

菫「こうなりゃ逃げないでやってるバル!


振り返った菫が再び“ムサシンソード”を持ち、立ち止まる

砂煙をあげて止まる京太郎が、赤い顔をした智葉を降ろす


智葉「ッ!」


なにかを言いたそうにしているも、我慢して小刀を構えて菫を見やる智葉

京太郎も懐からガッツハイパーを出して構える

止まっている菫に、智葉が走り出す


菫「!」


だがしかし、所詮は人に毛が生えた程度の強さ

バロッサ星人は、振るわれるその刃をムサシンソードで受け流す


京太郎「一人じゃぁないんだよッ!」


ガッツハイパーから放たれるエネルギー弾を、ムサシンソードで弾く

しかしその隙に接近した智葉が蹴りをその腹部にみまう

吹き飛んで転がる菫だが、受け身をとって立ち上がる


智葉「こいつっ!」

京太郎「二人でもうちょい!」

「やらせるものかぁ!」


ハッとして京太郎が後ろに振り返って両腕で“次の衝撃”を受ける

吹き飛ぶも、地に着き転がるよりも早く両足で着地、智葉のすぐ後ろに立つ

そこにいるのは―――


京太郎「テンペラー星人!」

テンペラー星人「抹殺してやる!」
378 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/10(月) 23:54:51.35 ID:x6FuaopHO


背中合わせの京太郎と智葉

テンペラー星人とバロッサ星人に挟まれて絶体絶命というところだろう

しかし、どうするもこうするもない


京太郎「逃げろって言ったらどうします?」

智葉「どうやって、と聞く」

京太郎「ハッ、違いない……」


鼻で笑うと、静かに深呼吸

智葉も同じように深呼吸、そして―――息を吸う

それと同時に、ほぼ同時に足で地を蹴る


京太郎「!」


地を蹴って跳ぶようにテンペラー星人に接近しつつ、回転し蹴り

それを腕で凌ぐテンペラー星人を、力任せに吹き飛ばす

しかし、後ずさらせるのが関の山


京太郎「力技じゃぁな!」

テンペラー星人「わかっているならば消えろ!」


右腕ハサミから炎を拭きだすが、体勢を低くして接近、その腹部に蹴り

ひるませてから銃弾を数発放つも、左腕のビームウィップでそれらを弾き、ついでに京太郎へも攻撃

地を蹴り跳ねて距離をとりつつそれを回避、さらに追ってくるも壁を蹴ってさらに回避


テンペラー星人「バッタか!」

京太郎「ライダーって柄でもねぇだろ!」

379 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 00:17:00.76 ID:nIllX1ZWO


菫に接近した智葉が小刀を振るうも、ムサシンソードがそれを弾く

大きく腕を上げさせられるも、即座に体をひねって体を地に平行にして次の横一線を回避

上手く腕を使ってその腹部に蹴りを入れて吹き飛ばす


菫「バルッ! ただの人間がよくやる!」


そう言いながらも、やはり強化の影響かすぐに攻撃に転じる

智葉へと接近するために地を蹴るも、上からなにかが降ってくるのを察して止まった

目の前に現れるのは―――


菫「刀ァ!?」


落ちてきたのは―――智葉の刀、かつては錦田小十郎景竜という妖怪退治の専門家である剣豪の刀だ

智葉は即座にそれを握り、振るう

後ろに下がる菫の毛先が僅かに切れる


智葉「許せよ弘世ェ!」


刃の向きを変えて、さらに一歩前進しつつ刀を振るう

しかし、菫はそれを回避


菫「刀とか呼吸とか! 流行に便乗するなバロッサぁ!」

智葉「刀なのはお互い様だろ!」


しかして、相手は異星人

ムサシンソードで智葉の攻撃を受け止める

しかし、智葉のほうがやはり非力―――弾かれた


智葉「ッ!」


次の斬撃を受け止めるも、防戦一方


智葉「まだ足りないか!」


だが次の瞬間、なにかが現れる

その影が、菫の腹部に蹴りを打ち込んで吹き飛ばす

凄まじい勢いで地を転がる菫


菫「バルゥ!!!?」

智葉「はぁっ、はぁっ……」チラッ


そこにいたのは、長い黒髪の少女だった
380 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 00:42:07.14 ID:nIllX1ZWO


テンペラー星人へと銃撃をするも、それらがウィップで弾かれる

さらにそれが京太郎を追うも、走り出し回避

走って回避しながら銃撃を放つ


テンペラー星人「ちょこまかと!」

京太郎「でなきゃ勝てるか!」


地を蹴り壁を数歩―――走る


テンペラー星人「運動部か!」

京太郎「そのとぉぉりッ!!」


壁を蹴り飛ぶと、ビームウィップの間を縫うように接近、テンペラー星人のその顔面に蹴りを打ち込む

吹き飛ぶテンペラー星人が壁にぶつかる

着地した京太郎へと、向かいダメージを受けながらも火炎放射


京太郎「!」


回避しようとするも、目の前に影


京太郎「へ?」


炎が―――斬り裂かれる


京太郎「ッ―――トゲトゲ星人!」

ジャグラー「だからジャグラス ジャグラーだって! まぁ偽名だけど」


刀を持つ怪人、トゲトゲ星人がそこには立っていた

ハッとして智葉を見れば、離れた場所に転がっている菫

智葉の前には―――宇夫方葵がいた

381 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 00:55:35.94 ID:nIllX1ZWO


四体一、否二体一が二組

しかも未知数なのが宇夫方葵

情報がまったくなく、テンペラー星人もどうするかとこまねいているものの……


ジャグラー「あ〜、破壊神チャン的にはどう?」

葵「その呼び方やめて」


そう言う葵のその胸に、赤い光がぼうっとうかび上がる

それは、カラータイマーのようにも見えるが今まで見てきた物と形がやけに違った

京太郎は首をかしげる


テンペラー星人「ダークザギ!」

葵「うるっさいなぁ!」

智葉「っ!」


その瞳すら、赤く輝いた

ビクッとする智葉と菫


菫「こうなればぁ……!」ゴゴゴゴ

葵「ッ!」


菫からあふれ出す黒いオーラに、葵は顔をしかめて智葉を肩にかついで走り出す

テンペラー星人がビームウィップを振るうも、それらを刀で弾いてジャグラス ジャグラーも走り出した

合わせるように京太郎もガッツハイパーを撃ちつつ撤退


テンペラー星人「ええい、バロッサ星人!」

菫「バールバルバルバル! 芋羊羹の方が好みバル!」


そして菫は、どこからか取り出した“タピオカミルクティー”を啜る

382 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 01:09:15.74 ID:nIllX1ZWO


巨大化したのはバロッサ星人

その中に、弘世菫はいるのだろう

刀を振るって、ビルを一つ斬り裂いた


バロッサ星人「バールバルバル! 早く出ろバロッサァ!」


そんなバロッサ星人から離れた場所で立ち止まる京太郎と葵

いつのまにやら現れるジャグラー

葵が智葉を降ろす


智葉「あ、ありがとう……」

葵「どういたしまして」


そう言ってバロッサ星人の方を見る葵が、顔をしかめる

その胸は既に輝いていない

バロッサ星人に合わせて、テンペラー星人も現れた


京太郎「たく、やるか……!」


ゼットライザーを取り出すと、智葉の方をチラッと見る

視線が合うが、智葉は心配するような顔をするもすぐに笑みを浮かべて頷く

トリガーを引けば、ゲートが真上に現れる


京太郎「潰す……!」

照「私も同行しよう」

京太郎「照さん!」


鼻に絆創膏をつけた照が、そこには立っていた

左腕にメビウスブレスを出現させ、構える

二人が同時に頷いた


京太郎「!」


ゲートが京太郎に振ると、そのまま消える

照はメビウスブレスに添えた右手を、振るう


照「メビウス!」

383 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 01:30:33.29 ID:nIllX1ZWO


―――【インナースペース】


そこに現れた京太郎が静かに息をつき、眼を見開く

その瞳の赤を輝かせ、ベリアルメダルを弾く

周囲に広がって行く赤い稲妻を纏う闇


京太郎「奇機械改竜、宇宙ロボット―――」


ギャラクトロンメダルとキングジョーメダルを差し込む

そして落ちてきたベリアルメダルを取ると―――


京太郎「ベリアルさん!」


それを差し込んでブレードを可動させる


『Galactron. King-Joe. Belial. 』


音声が鳴り響き、紫電が周囲に迸る


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く


『 King Galactron. 』


京太郎「ベリアァァル!」

384 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 02:14:34.33 ID:nIllX1ZWO


バロッサ星人とテンペラー星人の前方、現れるのはベリアル融合キングギャラクトロンと、ウルトラマンメビウス

まだ明るく、陽も昇っている

避難していく人々、警報が鳴り響く


京太郎『ぶっ潰す!』

照『京ちゃん、野蛮』

京太郎『上等ォ!』


走り出すキングギャラクトロンとメビウス

バロッサ星人がムサシンソードを片手に突っ込んでくる

メビウスが、メビュームブレードを展開させてそれを迎え撃つ


テンペラー星人「ベリアルは私が倒す!」

京太郎『やってみろよォ!』


テンペラー星人がはさみから放つのは―――ビーム


京太郎『ペダニウムハードランチャー!』

キングギャラクトロン「!」


それに合わせるよう魔法陣を纏う右腕から離れるレーザー

必殺技たるその一撃はテンペラー星人の放ったビームと相殺

爆発を起こし、メビウスとバロッサ星人を吹き飛ばした


京太郎『この威力ッ!!?』

テンペラー星人「私のウルトラ兄弟必殺光線を相殺する威力とは!?」

京太郎『ウルトラ、兄弟?』

テンペラー星人『ならば!』


ビームウィップが振るわれる

それらをキングギャラクトロンが目から放ったビームと左腕で弾きつつ接近していく

街中が破壊されていくが、それでも……


京太郎『さっさと潰す!』

テンペラー星人「ベリアルの器、闇の因子……我々の方に来ればいいものを!」

京太郎『願い下げだよ!』


接近したキングギャラクトロンが左腕を振るう

テンペラー星人がその攻撃を凌ぎ、二体は硬直状態へと陥る

385 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 02:44:01.16 ID:nIllX1ZWO


吹き飛んでいたメビウスとバロッサ星人が同時に起き上がる

ハッとしてから同時に刀とメビュームブレードで再び戦いが始まった


鍔競り合っていたキングギャラクトロンとテンペラー星人が同時に後ろに跳んだ

目と右腕から放ったレーザーを、テンペラー星人がハサミからのレーザーで相殺させる


テンペラー星人「ぐっ、消耗が激しいか……ならば!」


接近するめに走り出すテンペラー星人

だが、輝くキングギャラクトロン


京太郎『宇宙怪獣、異次元超人、ベリアルさん!』

『 Eleking. Ace-Killer. Belial. 』


現れるのはサンダーキラー

そのまま走り出し、テンペラー星人へとぶつかる

二体が怯む


『 Thunder Killer. 』

京太郎『さすがに幹部か!』

テンペラー星人「ぐぅ、一体一だというのに!」

京太郎『ウォオォッ!』

386 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/11(火) 02:44:38.03 ID:nIllX1ZWO
今回はここまでー
次回は明日か明後日かー

そんじゃまたー
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 18:19:32.30 ID:VaWM+4U0O
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 20:26:08.97 ID:bnOkV+mZ0

照のなってるメビウスは昔のメビウスっぽい
にしても京ちゃんはすっかり強キャラになってるな
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:48:44.02 ID:+cYuoN9i0
テンプラ星人は弱そうだな
390 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/13(木) 00:45:13.00 ID:ZDSjlJn0O
こんな時間になってしまった……
明後日にするっすー
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/13(木) 01:53:22.65 ID:or1HAUUO0
了解乙
392 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/15(土) 00:16:24.89 ID:CDju1rQQO
新年会でやばい
まじ新年はやばみなのでまた次ぃ……
393 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/16(日) 23:02:06.40 ID:vmxs8PmqO
よっしやってくー
お待たせしゃした!
394 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/16(日) 23:22:04.53 ID:vmxs8PmqO


とびだしたサンダーキラーが左手の鉤爪を振るう

それを右手のビームウィップで弾き、テンペラー星人は続けて左手で正拳突き

腹部に受けて怯むサンダーキラーだが、即座に尻尾をテンペラー星人の首に巻きつかせる


京太郎『ッ、離さねぇ!』

テンペラー星人「さすがは器と言ったところ、だがなァ!」

京太郎『器器と、いつまでもォ!』


電撃を放ちテンペラー星人に攻撃をしかける

しかし―――


テンペラー星人「ウオォ! 真ウルトラ兄弟必殺光線!」


―――放たれた光線が、サンダーキラーを吹き飛ばす

その一撃でテンペラー星人に巻き付けていた尻尾も外れ

そのままサンダーキラーはビルへと打ちつけられて倒れる


京太郎『ガアァッ!!?』

テンペラー星人「フハハハハハッ! これが真のウルトラ兄弟必殺光線、先ほどまでの低燃費のものとはわけが違う!」


大声で笑うテンペラー星人

京太郎は歯を食いしばりながら、痛みに耐えつつそちらを見据える

395 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/16(日) 23:46:46.31 ID:vmxs8PmqO

バロッサ星人が刀を弾かれる

メビウスのメビュームブレードがさらに振られて、バロッサ星人が火花を散らして下がる

しかし、すぐにどこからか新たな剣を取り出した


照『次はなに……?』

バロッサ星人「聞いて驚け! これぞレギュラン星人が使っていた例の風車バロッサァ!」

照『誰?』

バロッサ星人「なぜ聞いたぁ!」


地団駄を踏んでから、飛びだすバロッサ星人

メビウスが腰をかがめて、攻撃にそなえる

だが―――


バロッサ星人「これでどうバル!」

照『!!?』


ぶつかる直前、向けられるのは光線銃

避けようとするが遅い

引き金が引かれてその光線銃は直撃


メビウス「ウァッ!」


火花を散らしてその攻撃を受ける

さらに、接近したバロッサ星人が風車でメビウスを攻撃

怯むと共に膝をつく


バロッサ星人「バ〜ルバルバル!」

照『ッ!』

396 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 00:10:18.89 ID:3zAhCPluO


追いつめられたメビウスにさらに近づくバロッサ星人

接近戦ではなく、光線銃を向ける

だが、照の瞳は死なない―――


照『こんなところで……まだ、菫を取り戻すために、仲間を……!』

バロッサ星人「?」

照『ハアァァァッ!』


腕に竜巻が巻き起こる感覚、それが体中へと広がっていき―――炎を纏う


メビウス「ハアァッ!」

バロッサ星人「ばろっさぁ!?」


そして現れるのは、新たなメビウス―――バーニングブレイブ

陽の力、火を纏う不死鳥、勇者の新たな姿

その姿のままメビュームブレードを展開させ、構える


照『様子見は私の特権、次からは連続和了で決める……!』

バロッサ星人『せいぜいほざくバルぅ!』


走り出したバロッサ星人へと、メビウスは構えた

再び放たれた光線銃をブレードで弾くと、さらに接近するバロッサ星人が振るう風車の持ち手を掴んで凌いだ

さきほどとは―――違う


照『言ったはず……!』

バロッサ星人「ばるぅっ!?」

397 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 00:32:46.15 ID:3zAhCPluO


迫るテンペラー星人に、サンダーキラーが立ち上がる

その姿はボロボロ、今にも崩れ落ちそうな体

そしてその中の京太郎もまたしかり―――それでも


京太郎『悪い、申し訳ないと思うよ。でもなァ!』


咆哮するサンダーキラー

そして京太郎



―――【インナースペース】


タイラントメダルを握りしめると、周囲の雷の勢いが増す、闇の濃さもだ

京太郎の赤い瞳が輝く

体が悲鳴をあげるも、浮かぶビジョン


京太郎「テンペラー星人にタイラント、ね……」フッ


それはベリアルの、ダークネスファイブの記憶


京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」


メダル三枚をセット

さらにブレードを可動させていく

激しい雷、二体の怪獣ではない

タイラントという合体怪獣の強大な力


『Gomora. Tyrant. Belial.』


ゼットライザーを構えた


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


京太郎「ベェリアァアァッ!」

『Strong Gomorant』

398 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 01:13:33.97 ID:3zAhCPluO


現れるのは、巨獣―――ストロング・ゴモラント

咆哮をあげ、その赤き角を輝かせその紅蓮の如き瞳でテンペラー星人を射ぬく

テンペラー星人がわずかに後ずさる


京太郎『燃費が悪いもんでな、速攻で決める!』

テンペラー星人「タイラントの力を使おうと―――ウルトラ兄弟必殺光線!」


放たれた光線を、ストロング・ゴモラントは腹部で吸収

さらにそのまま腹部から跳ね返すように放つ

だが、それをさらにウルトラ兄弟必殺光線で相殺


京太郎『ただのバカじゃぁないか!』

テンペラー星人「当然、舐めるな須賀京太郎ォ!」

京太郎『テンペラー星人、ダークネスファイブのヴィラニアスさんの同族、舐めるわけないさ!』


走り出したストロング・ゴモラント

テンペラー星人は思考する―――まず炎と交戦は無意味と

ならばやれることは―――


テンペラー星人「ハアァ!」


振るわれるビームウィップ

それを受けつつ、接近していくストロング・ゴモラント

驚愕するテンペラー星人


テンペラー星人「化物か!」

京太郎『耐えられりゃその呼び名も納得するんだが、なぁ!』


接近したストロング・ゴモラントが体をひるがえしバラバテールでテンペラー星人を吹き飛ばした

空中に吹き飛ん多テンペラー星人が体勢を整えて、両腕から炎を放つ

ストロング・ゴモラントの角が輝くと共に炎は直撃するより早く、超重力で地上へと落ちて行きそれと共に消え去る


テンペラー星人「ここまでとは!」

京太郎『ぐっ……まだァ!』
399 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 01:29:35.34 ID:3zAhCPluO


空へと飛び上がるストロング・ゴモラント

空中のテンペラー星人へと突っ込むが、寸前で回避

過ぎて行ったストロング・ゴモラントが止まり振り返る


テンペラー星人「決着をつける!」

京太郎『こっちの台詞なんだな、これが!』


空中でぶつかりあうストロング・ゴモラントとテンペラー星人

一方で、地上のメビウスはバロッサ星人を追いつめていく


防戦一方のバロッサ星人が光線銃を放つも、それすらも斬り裂き蹴りで手を打ち光線銃を弾き飛ばす

さらに振るわれる風車を根元からバッサリ斬り裂くとさらに一撃

後ろへと下がるバロッサ星人


バロッサ星人「バルバルゥ! こうなったらぁ……」


右手をバッと前に出すもメビウスは再び、即座に体を翻すと蹴りでその手を弾く


バロッサ星人「シャイニングフィンガーがばろっさぁ!」

照『なにそれは』

バロッサ星人「ぐぬぬぅ!」

照『終わらせる……!』

400 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2022/01/17(月) 01:43:21.20 ID:3zAhCPluO


上空のストロング・ゴモラントが放つ炎が、ビームウィップで斬り裂かれる

ハサミから放たれる炎を腹で吸収して吐き出すが、テンペラー星人はウルトラ兄弟必殺光線で相殺

京太郎はインナースペース内でデスレ星雲人―――否、デスローグメダルを使う


京太郎『炎で消え去れェ!』

テンペラー星人「バカの一つ覚えばかりなぁ!」


地上方向から上るように放たれる火炎弾

状況を機にしないのであれば四方八方から炎の雨をプレゼントしても良かった

しかして避けられた時のリスクを感がるとそういうわけにはいかない

だからこそ―――


京太郎『牽制で使うぜデスローグさん、今は!』


ストロング・ゴモラントが翼を翻し―――猛スピードで飛ぶ

その先はもちろん、テンペラー星人の咆哮だ

真下からの炎、下手に動けずにいるテンペラー星人


京太郎『ここでぇ!』

テンペラー星人「バカ正直に真っ向から、ならば――――真ウルトラ兄弟必殺光線!」


向けられたハサミ、発射されようとする光線

インナースペース内で、京太郎はグローザ星系人メダルを握る

黒い闇が、メダルを包み赤い雷がそのメダルに力を宿す


京太郎『グロッケンさん!』


ダークネスファイブ、グローザ星系人グロッケン

メダルが、それに変化した―――

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