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【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】

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550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/21(日) 21:30:10.52 ID:hq7+pM2+0
「見つけたのはいいけど、一体どこから探せばいいのやら...」

カズミには崖上からでも巨大に感じられたが、近づくとよりその規模の大きさを実感した。

「本社跡、というよりは街だよ。これは全部捜索するのにとてもじゃないけど数日じゃ足りないなぁ」

そう呟きながらカズミはADMを接近させる。

「ここのひとたちは海のうえにすんでたってこと?」

「うーん、どうだろ。アダムの考えは?」

「どうかなぁ。だって海上に住むメリットがなくないかい?それに船の、まぁ船と呼んでいいのか分からないほどの大きさと複雑さだけど、とにかく構造も何か少し変なんだよね」

「ふーん。...取り敢えず、着いたよ」

ADMは地面に斜めに埋まった甲板に立っていた。甲板には多くの建物が建造されている。

「なにをさがすの?」

人だよ、とアダムが言った。

「ガーディアンオブエデンが探している記者がここにいるかもしれないんだ」

「こんな所に本当にいるのかなぁ?仮にいたとしても会えるかどうかも怪しいよ。でも、ま、行くとしようかな」

「でもADMははいれないよ?」

エヴァの疑問に答えるように、カズミは自身とエヴァが身につけている潜水用スーツに不備がないかを確認した。

「前言った、泳ぐのを教えてあげるって訳じゃないけど、泳いでいこっか」

「やったー!」

「いやいや、これ任務だからね。僕からの通信が届くかも分からないし、しっかり頼むよ」

「任せてって」

そう言ってカズミはエヴァの手を繋ぐと、ハッチを開けて外に出た。

「よしよし、問題なし。エヴァも大丈夫?」

「うん」

「じゃあ中に入ろう」

カズミとエヴァは傾いた建物の扉まで移動した。

「開くかな?」

カズミが押すと、簡単にドアは開いた。

「幸先いいね!さあ、行こう」

そうして2人は船内へと足を踏み入れた。
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/21(日) 21:32:45.77 ID:hq7+pM2+0
「くらいねー」

「うん...」

電気系統が生きているはずもなく、船内は真っ暗であった。

カズミはヘッドライトを起動し、エヴァの手を引っ張りながら進んでいく。

水中には様々なものが浮かんでいた。筆記用具やオフィス用品のような物から、娯楽の為の本や漫画、家族写真、そして人骨も。

「...」

カズミはエヴァの様子を窺ったが、特に怖がってもいないようだ。むしろ初めて見る人骨に興味津々と言ったところだ。

しばらく進むと2人は開けた空間に出た。

「ここでごはんをたべてたのかな?」

エヴァの言う通り食器やトレーが水中を漂っている。

「多分ね。それにしても広すぎるよ...。アダムが何か見つけてないかな?」

カズミはアダムに通信を試みる。

「やあ、カズミ、通信は良好だよ。何か見つけたかい?」

「何も。アダムは?」

「少し面白いものがね。どうやら一部の区画にはまだ電気が通ってるみたいだよ。取り敢えずそこを目指したらどうかな?」

「わかった。で、それは何処?」

「どうやら下層部に位置してるみたいだよ」

それを聞いたカズミは下に目線をやった。そこには沈没の途中に破損したのだろうか、複数の階層にまたがった大きな穴が空いていた。

「それじゃあ、下に行くよ」

そう言ってカズミは通信を切るとエヴァと共に、まるで何かの口のような穴へと降りていった。

2人は暗闇の中を進みながら、いくつかの部屋や扉を通過していった。

そしてまた一つの扉を抜けると、そこには小さな空間が待っていた。
すると突然通ってきた扉が閉じたかと思うと、異様な音が聞こえてきた。

「エヴァ、捕まって!」

「うん」

カズミの警戒に反して悪い事は起きず、ただ水が部屋から排出されていくだけだった。

「成程、エアロックって訳か。ということはつまりここが電気が生きてる場所だね」

「ヘルメットとっていい?」

「駄目。何があるか分からないからね」

「はーい」

そして2人は扉を開けて奥へと進んだが、室内の様子が先ほどまでとは少し変わっている。まるで研究施設のようだ。

「これなら探し物も期待できそう、かな?」

2人が捜索中に見つけたものは?(PEMや兵器、日記や資料などの文献など。それ以外でも可)
↓3まででコンマの値が1番高いもの
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 21:40:55.44 ID:uTH4T/in0
反重力装置に関する資料
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 21:41:29.74 ID:jbkcA2Y6o
ここにいた人の日記
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 21:43:19.10 ID:cY+EzVsx0
よくわからない図式(太陽系の地図)
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/21(日) 22:32:17.82 ID:hq7+pM2+0
矛盾なくいけそうなので3つとも採用します。

建物内を捜索する途中カズミはいくつかの文献を見つけた。

「これは、日記かな?」

表紙には題名はなく数字が書かれているだけだ。

『まさか本社に配属になるなんて、オマケに妻も一緒にここに住んでいいらしい!一体何が評価されたんだろう?まあ、何にせよここに居れば将来はきっと安泰だ!』

「でも...結局こうなっちゃったんだよね?何だか可哀想」

日記はまだ続いている。

『やっぱりここは凄い!僕が着任した時でさえ凄い大きさだったのに、今でも増築が続いている!ソラ・テックの業績は右肩上がりだし、最近はウチが主導で世界統一協約なんてのが締結されるなんて噂も聞こえてきている。ひょっとするとここは惑星エデンの首都になるかもしれない!』

「歴史で少し習ったけど、ソラ・テックってやっぱり強い影響力があったんだ...。そんなに凄かったなら、なんで倒産、というか滅亡?したんだろう」

『...最近活気が無くなってきた。噂では色んな国や企業からウチに対して、原材料やエネルギー、食料の輸入規制が取られているらしい。上層部は本社にある農場や施設で賄っていけると言っているが...』

「雲行きが怪しくなってきたよ...」

『...妻が死んだ。何故だ?何故僕らは襲われたんだ?僕らが一体何をしたんだ?むしろ分け隔てなく色々な国や企業に技術提供や支援を行ってきたのに...これを書く気力も湧かない』

「本社が襲撃されたってことかな?でも、襲撃と同時に滅んだわけじゃないってこと?」

『上層部が言うには新天地を見つけたらしい。そこにいけば平和が待っているとか。...僕にとってはもう遅い話だ』

「新天地...?」

『どうやら僕らは嫉妬深き大地の悪魔の怒りを買ったらしい。この船はじき沈むだろう。...だけど僕にしてみれば、ようやく無意味な人生を終わらせられる。今、会いに行くよ』

何とも後味の悪い結末にカズミは顔を歪めた。

「...はぁ。それにしても、大地の悪魔って何のことだろう?どっかで聞いたことあるような気がするんだよなー」

取り敢えず今日はここまで。
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 22:35:24.10 ID:cY+EzVsx0
乙でした
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 22:50:05.56 ID:jbkcA2Y6o
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 23:38:18.43 ID:5s7lGIze0
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/24(水) 20:35:39.76 ID:hTirq3CD0
忙しくて更新できずすみません。
金曜の夜は更新できると思います。
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/24(水) 20:40:34.20 ID:tnwlYMAeo
報告おつー
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/24(水) 21:32:51.70 ID:OqoPEOhk0
了解ー
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 20:10:13.78 ID:Tb+taLtC0
カズミは日記を閉じると、近くの机の上に置いてあった紙に視線を移した。

「何だろ?色々数字とかが書いてあるけど。書いてあることも難しくてよくわかんないなー」

何かの設計図のようだがカズミには何が書いてあるのかさっぱり分からなかった。分かったのは船の図面が描かれていることと、反重力という単語だけだ。

「うーん、つまりこの設計図に書かれた船に反重力装置がついてるってこと?でもこんな規模のもの、作れるはずないよ...」

カズミはしばらく考え込む。

仮に作れたとして、ソラ・テックの本社は海と空、両方に対応した船だったということだろうか?それともそもそも海ではなく空を飛ぶためのものだったのだろうか?

「それなら日記に書かれてた新天地は空にあるってこと?」

しかし惑星エデンの空に人が住めるような場所があるとは聞いたことがない。もしかするとさらにその上、宇宙と呼ばれる場所にあるのかもしれない。

どちらにせよ惑星エデンの空は非常に危険な場所だ。ある程度の高度に到達すると飛行物体を狙い撃ちするように気流が荒れ、必ず墜落する。

「お姉ちゃん、面白いものみつけたよ」

エヴァによってカズミの思考は中断された。

「どれどれ?」

エヴァが見つけたのは巨大な球を中心として、その周囲に大きさの異なる幾つかの球が描かれた図形だ。

「はぁ、これも意味わかんない。字は掠れて読めないし」

カズミは訳の分からない図形を机の上に放り出すと、再び周りを探り始めた。

「手がかりなし、か」

両手を腰に当てながらカズミはため息をついた。

「そろそろ進もっか。よくわかんない資料はほっといても大丈夫でしょ。それより記者を探さないと」

そう言うとカズミはエヴァの手を引いてその部屋を後にした。

しばらく廊下を歩いていると、先の方から声が聞こえてきた。2人はすぐに物陰に隠れる。

「おい、あの女は何処に行った!」

「分からない」

男と女が荒々しい口調で話している。

「ったく、データはあいつが持ってるんだろ?さっさと見つけないとゼウスさんにどやされるぞ」

「ああ。シュタイナー達は西側を探してる、私たちはこの先を調べよう」

「ああ!」

遠ざかっていく2人の足音を聞いてから、カズミは頭を出して様子を窺う。

「ゼウスってことは、あいつらガーディアンオブエデンだよね。どうやってここに...?」

するとアダムから通信が入った。

「カズミ、悪い知らせだよ。船が大きすぎるせいで分からなかったけど丁度僕らと反対側の位置にPEMを数機確認した。レーダーに識別番号が映らなかったから、少なくとも特務機関じゃないね」

「私もそいつらに丁度あったとこだよ。ガーディアンオブエデンが記者を探してるみたい」

「ふむ。捉えようによっては朗報かもね」

「どういうこと?」

「少なくとも記者は奴らの手にないんだろ?なら無理に戦う必要はないよ、相手より早く見つけて逃げたらいいさ」

「...確かに!じゃあ急ぐよ!」

カズミは通信を切ると、エヴァを連れて足早に移動し始めた。

↓1
01〜50 敵に遭遇
51〜 無事に通過
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 20:10:59.51 ID:7ori55wE0
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 20:11:30.93 ID:LBU6Q8FP0
a
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 20:35:52.78 ID:Tb+taLtC0
コンマ51 無事に通過

「どうだ、見つけたか?」

「いや。少なくともこの区画にいるはずなんだけど...」

「くそっ、とにかく虱潰しに探すぞ!」

するとガーディアンオブエデンの2人はその場から離れていった。

「よしよし、まだ見つけられてないみたいだね。私たちも急がないと」

それからカズミは部屋をいくつか捜索したものの、記者は見つからなかった。

「急がないとダメなんだけど...」

「ねえ、お姉ちゃん、ここは?」

エヴァが指差したのは電気の切れた部屋だった。

「取り敢えず見てみよっか」

カズミはヘッドライトを点灯し、部屋に入る。
中はぐちゃぐちゃに荒れており、足の置き場が少ない。

部屋の奥まで進んだが何も見つからない。

「ここには居ないか...」

そう呟いて部屋から出ようとした時、暗闇で何かが動くのが見えた。

明かりをそちらに向けると、拳銃を手にした女性がこちらを狙っていた。

「動くと撃つぞ」

その女性は冷静に警告してきた。

「...」

「お姉ちゃん?」

カズミは言葉が出なかった。そこには見慣れた顔があったからだ。

カズミと同じオレンジの髪をポニーテールに束ねたその女性は彼女の姉、アルト・アーディガンだ。

(喜ぶべきかどうかわかんないけど、ヘルメットのお陰で顔は見られてない...)

カズミは姉との再会を喜ぶべきなのか、こんな厄介ごとに巻き込まれていることを嘆くべきなのか分からなかった。

(どうしよう、どうやって連れて行けば?正体を明かす?でも私は死んだことになってるし...。というかそもそも何でお姉ちゃんがここにいるの!?)

↓1 どのようにアルトを説得する?
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 20:42:40.98 ID:E4omnO3zo
ここにいても奴ら…ガーディアンオブエデンに捕まるだけ。助かりたいなら付いてこいと言う
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 20:43:23.69 ID:LBU6Q8FP0
自分が国の特務機関である事と、ガーディアンオブエデンが来ている事を伝える
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 20:59:41.19 ID:Tb+taLtC0
(やっぱり正体は明かせないよね。お姉ちゃんはちょっとガサツだけどしっかりしてるし、私より頭もいい。だから利点を提示すれば着いてきてくれるかも)

「銃を下ろせ、私はお前の敵ではない」

侮られないように威厳を出そうと、突然口調を変えたカズミを見てエヴァがポカンと口を開ける。

「にあってない...」

そんなエヴァの呟きを無視して、アルトが口を開く。

「そんな言葉を信じるとでも?」

「それはそちらの勝手だが、いずれ奴ら、ガーディアンオブエデンがここに来るぞ。死にたくないならついて来い」

「...」

「私が奴らの一員ならとっくに大声を出している」

↓1
01〜40 信用されなかった
41〜 信用された
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 21:02:52.54 ID:LBU6Q8FP0
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 21:02:56.07 ID:tBOPAs9Eo
ぬん
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 21:39:12.93 ID:Tb+taLtC0
コンマ54 信用された

アルトは拳銃を腰のホルスターに入れると、やれやれといった感じで両手を挙げた。

「わかったよ。少なくともここを出るまではアンタに付いてったほうが良いかもな」

「分かってもらえて何よりだ。では行くぞ」

カズミは念のため拳銃を取り出すと、2人を連れて部屋を出た。

「潜水用の装備はあるのか?」

先導しながらカズミがアルトに問う。

「奴らから逃げる時に壊れた」

「そうか...」

カズミはアダムに通信を入れる。

「目標を確保したが、潜水用の装備がない。こっちまで来てくれるか?」

「いいけど...何だいその口調?」

笑いを必死に押し殺しながらアダムは返答した。

「いいから来い!」

「ごめんごめん!分かったよ、5分後にこのポイントで。じゃ」

(何も笑わなくてもいいじゃん!確かに自分でも変だと思うけど...)

そんな事を考えながら端末に送られてきた位置を確認する。

「それで、アンタは何者だ?それにこの女の子は?」

「はろ〜」

「とにかくお前を助けにきたということだけは言える」

「そうかい」

アルトは不満気に応えると、ポケットからタバコを取り出した。

「今吸うのか?」

「悪いか?」

「奴らに臭いとかでバレるだろ」

「すぐにに迎えが来るんだろ?なら大丈夫さ」

「まったく...」

姉がヘビースモーカーである事は知っていたが、まさか命がかかっている時にまで吸いたがるとはカズミは思わなかった。

(それとも死にそうだからこそ吸いたいのかな?どっちにせよ、私には分かんないや)

「それで、何故奴等に追われてる?」

「...ま、話したところで特に問題ないか。ある事情からソラ・テックの事を調べることになったんだが、見ての通り海中にあるだろ?」

煙を吐きながらアルトは続ける。

「とてもじゃないが自腹でPEMなんて用意できなくてな。会社もネタが取れるかどうか分からないから金を出してくれないし。そしたら海洋探査を行ってるNGOに声をかけられてな」

今思えば話がうますぎたな、とアルトは舌打ちをした。

「ところが蓋を開けてみれば、可愛い妹を殺したテロリスト集団じゃないか。こんな奴らの片棒を担ぐのはゴメンだって思って、今に至る。それで何とか奴らのPEMを奪って逃げようとしていた時に、アンタと会ったって訳さ」

「そうか...」

今すぐここで自分は生きていると叫びたい気持ちを抑えながらカズミは進む。

「できることならこの手で全員殺してやりたいぐらいだよ」

「...やめておけ。妹もそれは望まないだろう」

「だろうな...」
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 21:50:52.96 ID:Tb+taLtC0
カズミ達は時間ぴったりに所定の位置に着いた。

「そろそろ来る筈だが...」

突然通信が入った。アダムからだ。

「到着したよ。じゃあちょっと揺れるよ」

「待て、何をするつもり──」

すると突然ADMの腕が壁を突き破ったかと思うと、それを左右に広げて引きちぎった。当然、莫大な量の水が流れ込んでくる。

「早く乗って!」

アダムに急かされ、3人はコックピットに乗り込んだ。
コックピット内に入り込んだ水が排出されるとアルトは大きく息を吸った。

「アンタらふざけてんのか?溺れ死ぬかと思ったぞ」

「...すまない」

「それよりカ──」

アダムはカズミの名を口に出しかけたが、カズミの眼力とエヴァの合図で何とか踏みとどまった。

「えーと、パイロット、直ぐに敵が来る!」

「分かった」

カズミはソラ・テック本社が位置する巨大な窪地から抜け出そうと、フライングボードを起動しようとした。

しかし背後から飛んできた銃弾がADMを掠めた。

「もう追手が!」

↓1 敵の数
01〜40 1
41〜80 2
81〜90 3
91〜 4
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 21:52:00.38 ID:HSWlEakP0
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 21:56:52.36 ID:Tb+taLtC0
コンマ38 1機

↓1 敵パイロットの腕前は?
01〜20 素人
21〜60 兵卒
61〜90 熟練
91〜 エース
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 21:57:06.35 ID:LBU6Q8FP0
a
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 21:57:43.89 ID:E4omnO3zo
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 22:03:18.46 ID:Tb+taLtC0
コンマ35 兵卒

カズミ 熟練
敵 兵卒

↓1
01〜30 被弾
31〜 撃破した
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 22:03:43.07 ID:tBOPAs9Eo
ぬい
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 22:17:40.52 ID:Tb+taLtC0
コンマ07 被弾

潜水仕様のアブマットが水中銃を放ちながら、傾いた甲板の上を歩いてくる。

「これしき!」

フライングボードで弾を防いだが、敵は直ぐそばに迫っていた。
アブマットは右手に銛を持つと、ADMのコックピット目がけて突き出してきた。

いつもの様にカズミは避けてから反撃しようとしたが、慣れない水中戦のせいか行動がワンテンポ遅れ、被弾してしまった。

「陸地なら遅れは取らないのに!」

カズミ 熟練
敵 兵卒
↓1
01〜10 撃破された
11〜30 被弾
31〜 撃破した
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 22:21:09.19 ID:E4omnO3zo
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 22:21:58.87 ID:LBU6Q8FP0
勝負は時の運とはいえ怖いな
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 22:22:26.08 ID:E4omnO3zo
ADM水中適正ないなコイツ!
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/26(金) 22:33:36.04 ID:Tb+taLtC0
コンマ19 被弾

銛で傷を受けながらも、ADMはレーザーブレードを振るう。

しかし後一寸というところで、刃は届かなかった。

「おい、大丈夫なのか?」

「だ、大丈夫だ!」

アルトに空返事をしながら、カズミはアブマットから距離を取るために後退しながらレーザーライフルを放つ。
しかし光線はアブマットに直撃する事はなかった。

するとアブマットが再び銛を構えた。

「もしかして...!」

気づいた時にはアブマットは銛を射出していた。

「まずい!」

回避は間に合わず、ADMは2度目の直撃を喰らった。これも地上なら避けれていた筈だ、そのような思いがカズミをさらに焦らせていく。

カズミ 熟練
敵 兵卒
↓1
01〜10 撃破された
11〜30 被弾
31〜 撃破した

今日はここまで。
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 22:35:27.59 ID:7ori55wE0

兵卒なんかに屈しないんだから!
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 22:36:22.69 ID:E4omnO3zo
おつおつ
姉にはバレるのかはたして…
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/26(金) 22:36:49.67 ID:LBU6Q8FP0
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 18:41:47.57 ID:JpAFg2h60
コンマ59 撃破した

「水の抵抗に、海流の影響、全部計算に入れないと...」

カズミは焦りを抑える様に呟く。

それと同時にアダムも計算を行なっていた。

(僕のナビゲート付きでも上手く動けていない...。機体の補佐を捨ててもっと計算に集中するべきだろうか...)

「お姉ちゃん、いつもどおりだよ」

エヴァの言葉でカズミの目は覚めた。

「...そうだね」

カズミは目を瞑り、深呼吸をした。

(そもそも私に小難しい計算なんて無駄。なら直感に頼るしかない。幸い敵の腕前自体は私より下のはず...)

アブマットがトドメを刺そうとADMに接近、銛を構えた時、カズミは目を見開いた。

「そこっ!」

それは一瞬だった。火花が散ったと同時に、アブマットは袈裟斬りにされ、崩れ落ちた。

「やった!さすがカ、いや、パイロット!」

「全くヒヤヒヤさせられたぞ。アタシを守るってんならしっかりしてくれよ」

「...分かってる。追手が来る前に移動するぞ」

急いでその場から去ろうとしたが、気付かぬ間に、カズミの行手を塞ぐように一機のPEMが武器を構えていた。

↓1
01〜25 サノス
26〜50 カスケード
51〜75 ライ
76〜 ケヴィン
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 18:42:17.81 ID:F6j5zXt2o
ぬん
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 18:51:09.11 ID:JpAFg2h60
↓1 ケヴィンの腕前は成長した?
01〜70 素人のまま
71〜85 兵卒に成長
86〜95 熟練に成長
96〜 エースに成長
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 18:52:38.91 ID:AQl6IZNq0
a
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 18:59:50.79 ID:y1aTPYmSo
つよい
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 19:18:23.75 ID:JpAFg2h60
コンマ91 熟練に成長

カズミの行手を阻むようにカタラが道を塞ぐ。

「怪しい船を見かけたって話は聞いてたけど、まさかここでお前に会うなんてな、白騎士!」

ケヴィンは不敵な笑みを浮かべる。

「前回の借りは返す!」

カタラはADMに襲いかかった。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 熟練
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 ケヴィン 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 19:27:22.64 ID:AQl6IZNq0
2
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 19:32:05.87 ID:JpAFg2h60
カズミ 3/3 滑空
ケヴィン 3/3 遠距離
相性有利により+10

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 ケヴィン −1
71〜90 ケヴィン −2
91〜 ケヴィン −3
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 19:32:20.69 ID:DIjAXRA10
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 19:48:44.62 ID:JpAFg2h60
69+10=79 ケヴィン−2

カタラはADM目がけて、水中戦仕様にカスタマイズされた突撃銃を構える。

「おい、大丈夫なんだろうな?」

アルトの疑問に、カズミは何も言わず頷きで答えた。

フライングボードを起動し、水中を華麗に舞うADMに銃弾が襲い掛かる。

「ちっ!当たらない!」

接近してくるADMを斬り落とそうと、カタラは銛を構える。

「白騎士め、落としてやる!」

ADMは突き出された銛をサッとかわすと、通り過ぎざまにカタラの胴体に一撃を加えた。

被害はコックピット部分にまで及んでおり、浸水が始まった。
ケヴィンは慌てて穴を塞ぐ。ひとまず浸水は止まったが、カタラに残された時間はそう長くないだろう。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 熟練
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 ケヴィン 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 19:54:59.08 ID:F6j5zXt2o
1
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 19:57:57.72 ID:JpAFg2h60
カズミ 3/3 近接
ケヴィン 1/3 滑空
相性有利により+10

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 ケヴィン −1
71〜90 ケヴィン −2
91〜 ケヴィン −3
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 20:00:16.95 ID:AQl6IZNq0
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 20:03:18.54 ID:F6j5zXt2o
オーバーキルですやん
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 20:07:47.70 ID:y1aTPYmSo
さらば幼馴染……?
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 20:29:12.55 ID:JpAFg2h60
95 ケヴィン−3

ADMはフライングボードを抱えながら甲板に着地すると、レーザーブレードを構え、正面からカタラに向かってきた。

「なめやがって!」

ケヴィンは悪態をつきながらも次の一手を考えていた。

(真っ向勝負だと速度で負ける!なら意表をつくしかない!...一か八か、訓練したアレ、やるか)

カタラはフライングボードを足下に展開し、その上に乗った。しかし銛を構えたまま動かない。

「何のつもりだろう...。とにかく気をつけてね、パイロット」

「ああ」

カタラに十分接近し、ADMはブレードを振るう。するとカタラは突如フライングボードを起動し、バク宙をするように後ろに一回転してブレードを避け、その勢いをぶつける様に銛を突き出す。

(取った...!)

もしケヴィンとの戦いが1戦目であれば、あるいはよりスペックの高い機体であれば、カズミはこれに反応できなかっただろう。
だがケヴィンにとっては運の悪いことに、彼女は先の戦いを終えたことで水中戦に慣れ、体が完全にあったまっていた。

今からブレードを構え直す時間はないと直感で判断したカズミは、ブレードを持っていない方の手でパンチを繰り出した。それと同時に銛をかわすために、横へのステップも行う。

「なっ...!」

予想だにしていない動きにケヴィンは絶句する。

(無様な姿を見せて以来、血の滲むような訓練をしてきたのに、それでも俺はコイツに敵わないのか?俺は所詮、理想だけを語る頭でっかちだったってことなのか?)

ケヴィンの脳裏に走馬灯の様に記憶が過ぎ去っていく。

↓1
01〜40 ケヴィン死亡
41〜50 ケヴィン捕縛
51〜80 顔が見えた
81〜 逃げられた
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 20:38:55.14 ID:nsR3i+yB0
悲しいけどこれ戦争なのよね
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 20:54:12.33 ID:F6j5zXt2o
出てこなければやられなかったのに!
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 21:11:57.03 ID:JpAFg2h60
コンマ14 ケヴィン死亡

ADMが繰り出したパンチはコックピットに直撃こそしなかったが、胴体を貫通する様に命中した。

ADMが腕を引き抜くと同時に火花が散り始め、回路が音を立てて壊れ始めた。

(いいや、それでも俺のやってきた事は間違ってなんかいない)

死の間際にもかかわらずケヴィンは穏やかな表情をしていた。

(白騎士、お前がいくら足掻こうと俺たちの正義は止められない。カスケードさんやライさん、それにイヴとゼウスさん達がきっと──)

くぐもった爆発音と共にカタラ、そしてケヴィンは姿を消した。

「おお、一時はどうなるかと思ったがなかなかやるんだな、アンタ」

「...ああ」

「大丈夫、お姉ちゃん?」

声にいつもの調子が見られないカズミを心配してエヴァが声をかける。

カズミは胸のどこかに妙な違和感を覚えたが、それを押し殺す様に大丈夫だと返事した。

「とにかくさっさと海から出ないか?」

アルトに急かされる形でカズミは海面を目指し始めた。

追手に追いつかれることもなく、カズミ達は何とか海から出ることができた。
だがどうやらちょうど嵐が直撃しているようで、海上は大きく荒れていた。

「これじゃ迎えは来ないんじゃないか?どうするんだ、アンタ達」

「...アダム、通信は?」

「駄目だよ。嵐の影響か、繋がらない」

(これ以上は燃料が持たない...。それに慣れない海中での連戦で体力も...)

どうするべきかカズミが考えていると、海中から何かが現れた。

「ウソ...」

それは今最も会ってはいけない存在、ヘルミラーだった。

↓1
01〜70 被弾した
71〜 何とかかわした
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 21:13:13.93 ID:AQl6IZNq0
お互い知らずに逝けたのはせめてもの幸運か
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 21:34:35.31 ID:JpAFg2h60
コンマ93 何とかかわした

何の前触れもなしにロケットが発射される。

「このっ!」

叫び声で疲れた身体に喝を入れると、カズミは飛来する二つの弾頭を回避した。

「...今のは危なかった」

するとオープンチャンネルを通してイヴが語りかけてきた。

「少しは腕前を上げたんだね」

「...イヴ!」

「提案があるの」

思いがけないイヴの言葉にカズミは面喰らう。

「そっちにいる記者を渡せば、この場は見逃してあげる」

「見逃して"あげる"?随分上から目線な奴だな」

アルトはそうボソリと呟いた。

「もし渡さないなら...」

それだけ言ってヘルミラーはロケットの狙いをADMに定めた。

「さあ、どうする?」

イヴの提案を受けるべきか、否か。カズミは悩んでいた。

(私を見逃してでもお姉ちゃんが、というよりはお姉ちゃんの持ってる情報が欲しい?なら、それこそ渡すわけには行かない)

とはいえこれから更にヘルミラーの相手をするというのはいささか無理がある。

(情報を渡せば見逃してもらえる...。でもお姉ちゃんは連れてかれちゃう...)

↓3まで多数決
1 提案を断る
2 提案に乗る
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 21:38:07.59 ID:AQl6IZNq0
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 22:03:59.36 ID:y1aTPYmSo
1
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/30(火) 22:15:30.60 ID:JpAFg2h60
1 断る

「決まった?」

「もちろん、断るよ」

その言葉を聞いて、後ろでアルトがほっと胸を撫で下ろした。

「そっか。なら、奪うよ。力づくで」

自身の腕前は上がったとはいえ、イヴにはまだまだ及ばない。

厳しい戦いになることを覚悟し、カズミは唾を飲み込んだ。


ということで今日はここまで。
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 22:17:06.34 ID:y1aTPYmSo
おつおつ
まだ負けイベっぽいがお姉ちゃんを守りきるんだカ、パイロット!
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/30(火) 22:21:46.57 ID:AQl6IZNq0
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/01(水) 20:06:44.63 ID:U4+CKD8v0
書き忘れてましたが熟練のケヴィンに勝利したのでカズミの操縦技能がアップしてます。
操縦技能
カズミ 熟練 2/4→3/4


(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 熟練
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 イヴ エースオブエース
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/01(水) 20:23:31.63 ID:SVDs8ZKko
2
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/01(水) 20:38:02.79 ID:U4+CKD8v0
カズミ 3/3 滑空
イヴ 3/3 近接
相性不利により−10
操縦技能の差により−10
(偶数なら嵐の影響で−5)
(奇数なら嵐の影響で+5)

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜45 カズミ −1
46〜55 拮抗
56〜90 イヴ −1
91〜 イヴ −
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/01(水) 20:41:38.86 ID:fXeqdsDVO
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/01(水) 20:52:42.11 ID:jJCWPmgB0
やるやん
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/01(水) 21:05:46.77 ID:U4+CKD8v0
86−25=61 イヴ −1

両機はフライングボードに乗りながら、空中で睨み合う。

先に動いたのはヘルミラーだった。
複数のロケットが発射され、カズミに向かって猛進する。

「みんな捕まって!」

カズミは一気に加速、ロケットを振り払おうとする。
追尾してくるロケットを1つ、2つと間一髪でかわしていく。

「後3発...!」

正面、そして左右から飛来するロケットを何とか回避する。

「やった!」

しかし安心できたのも束の間、突如視界外からヘルミラーが、不気味に光り輝くレーザークローと共に現れた。

「追い込まれてた!?」

更に運の悪いことに、嵐の猛風によってADMの体勢が崩れる。

「まずっ...!」

だがその時、カズミのパイロットとしての本能が働いた。

正確に胴体を狙ってきたヘルミラーのクローを、風に煽られた勢いで落下、そのまま片手でフライングボードにしがみついて回避した。
更に片手でブレードを振るい、ヘルミラーの脚部にダメージを与えた。

「...!」

これには流石のイヴも驚きを隠せなかった。

「思ったより、やる...」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 熟練
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 イヴ エースオブエース
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/01(水) 21:06:23.24 ID:jJCWPmgB0
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/01(水) 21:15:03.02 ID:U4+CKD8v0
カズミ 3/3 近接
イヴ 2/3 遠距離
相性不利により−10
操縦技能の差により−10
(偶数なら嵐の影響及び思考盗聴誘導型ロケットにより−10)
(奇数なら嵐の影響で+5)

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜45 カズミ −1
46〜55 拮抗
56〜90 イヴ −1
91〜 イヴ −2
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/01(水) 21:37:48.40 ID:jJCWPmgB0
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/01(水) 22:05:39.39 ID:U4+CKD8v0
40−30=10 カズミ−2

ヘルミラーは再び数多のロケットを放つ。

「おいおい、この量避けれるのか?」

焦燥を含んだ声色でアルトが問う。

「...やるしかない」

放たれたロケットは10発程度。全て回避するのは難しい、そう判断したカズミは幾つかをレーザーブレードで斬り落とすことにした。

襲い掛かる弾頭を避けながら、回避が間に合わないものは真っ二つにしていく。残るロケットはいよいよ、数発。

(よし、後は回避してやり過ごそう)

考えた通りにロケットを避けられた、そう思ったが視界の端にロケットが見えた。

(こ、こんな的確に!?)

遠くで雷が落ち、光で空が明滅するのと同時に至近距離でロケットが爆発した。

「うっ...ふぅ」

イヴはコックピットの中で額に汗を滲ませながら、呼吸を整える。

「イヴちゃん、大丈夫?」

ノアに対し、イヴは首を縦に振る。

「一機だけだから、負荷はいつもよりマシ...」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 熟練
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 イヴ エースオブエース
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度

今日はここまで。流石に勝てなさそうかな?と思いながらも勝負の行方にドキドキしています。
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/01(水) 22:07:14.87 ID:SVDs8ZKko
切込め1

おつー
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/01(水) 22:08:47.33 ID:jJCWPmgB0
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/04(土) 19:13:42.47 ID:kxEq7fi80
カズミ 1/3 近接
イヴ 2/3 滑空
相性有利により+10
操縦技能の差により−10
(偶数なら嵐の影響で−5)
(奇数なら嵐の影響で+5)

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜45 カズミ −1
46〜55 拮抗
56〜90 イヴ −1
91〜 イヴ −2
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 19:23:58.81 ID:PdCyzBgvo
うおおお
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/04(土) 19:47:02.71 ID:kxEq7fi80
81+5=86 イヴ−1

イヴが呼吸を整えるのと同時に黒煙の中からADMが飛び出す。

「しぶとい...!」

一直線に迫ってきたADMがブレードを振るう。イヴは頭の痛みに耐えながら、クローを交差させて防御体勢をとる。

鍔迫り合う両機の出力が上がるにつれて、ミシミシと軋む音が大きくなる。

(今度こそロケットで決める...!)

しかしカズミの方が先手を取った。

ブレードのレーザーをいきなり収納する事でヘルミラーのバランスを崩そうとしたのだ。

「ふん...」

しかしイヴもそれに反応し、直ぐにバランスを取る。その隙を逃す事なく、ADMは再度レーザーブレードを起動、突きを繰り出してきた。

「このっ!」

フライングボードから落ちる事はなかったが、攻撃を防ぐために右腕のクローを犠牲にしてしまった。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 熟練
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 イヴ エースオブエース
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 19:54:22.39 ID:NsFknCPRo
2
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/04(土) 19:59:16.24 ID:kxEq7fi80
カズミ 1/3 滑空
イヴ 1/3 滑空
操縦技能の差により−10
(偶数なら嵐の影響で−5)
(奇数なら嵐の影響で+5)

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜45 カズミ −1
46〜55 拮抗
56〜90 イヴ −1
91〜 イヴ −2
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 20:00:36.12 ID:PdCyzBgvo
勝てるぞ!
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 20:01:02.89 ID:PdCyzBgvo
あぁん!
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 20:01:17.03 ID:naBgFbDc0
これは仕方ない、よく食らいついた
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/04(土) 20:52:55.63 ID:kxEq7fi80
12 カズミ−1

「このまま押し切る!」

そう意を決したカズミは再びブレードを構えようとする。

しかしヘルミラーは背を向けて距離を取り、そのまま殆ど海面と垂直に上空へと移動する。

「待てっ!」

ここを逃せば勝機は無いと考えたカズミは急上昇していくヘルミラーに必死に食らいつこうとする。

そしていよいよブレードの間合いにヘルミラーが収まると思われたその時。

「っ!?」

ヘルミラーは突然フライングボードを片手に持ってADMへと投げつける。

(捨て身の攻撃!?)

当然足場を失ったヘルミラーもADMの方へと落下、すれ違いざまにクローを振るってくる。

カズミは何とか間一髪というところでかわす。ヘルミラーがどうなったのかを確認しようと振り返ろうとするが、それよりも早くロケットがADMの背後に直撃した。

(こっちが本命か!)

エンジンが重大な損傷を受けたのかコックピット内の照明が消えたかと思うと、赤色の非常灯が点灯、あらゆる種類の警告音がけたたましく鳴っている。

強烈な重力の負荷に加えて強風の影響で機体が大きく揺れている。

みんな掴まって、そう言おうとしたカズミはどこかに頭をぶつける。

「うぐっ...」

次第に薄れていく視界の中、最後に見えたのは悠々とフライングボードに乗りながらこちらを見るヘルミラーだった。

(イヴ...す、凄い──)

パイロット、その単語が頭に浮かぶと同時にカズミは意識を失った。




「んん...」

眩しい光に照らされ、カズミが目を覚ます。

「ここは...?」

コックピットの中にいる様だが、ハッチが開いており太陽の光が差し込んでいる。

「そ、そうだ、エヴァは!?それにお姉ちゃんも!」

↓1アルトの容態は?
01〜05 死亡
06〜30 重傷
31〜 気を失ってるだけ
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 20:56:34.89 ID:4+HH5WWYo
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 20:58:17.96 ID:naBgFbDc0
いやー負けたけど凄いライバルしてたよ
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/04(土) 21:25:46.32 ID:kxEq7fi80
慌てて周りを見渡すと、後部座席に倒れているアルトを見つけた。息はあるようだ。

「よかった...。でも──」

エヴァの姿はない。

湧き上がる不安を抑えながら、機体の調子を見る。

「燃料はあるけど、エンジンが駄目、か...」

ひとまずカズミはコックピットから外に出ることにした。

右手には砂浜と海、左手にはジャングルが広がっている。

「よく分かんないけど、どこかに不時着したっぽいね。島、かな?」

安全を確認したカズミは何とかアルトをコックピットから運び出した。

「お姉ちゃん、起きて!」

体を揺さぶると、アルトが呻き声を上げた。

「カ...カズ、ミ...」

うわ言のようにそう呟くと、目をパチクリさせながら体を起こす。

「...あ、アンタか。ここは?」

カズミはヘルメットの下で笑顔を浮かべながら、妹だとバレないように再び口調と声色を変えて話しだす。

「分からない、どこかの島かもな。それよりエヴァを探しに行くぞ」

「ちょっと待ってくれ、起きたばかりだぞ?」

「エヴァに何かあったら一大事だ」

目の前の人物が聞く耳を持たない事に気づいたアルトは渋々ながら後を追う。

極彩色の鳥やら見慣れない昆虫やらがひしめくジャングル歩く2人。
しばらく進むと、驚くべきものがそこにはあった。

「へ、ヘルミラー!?」

「一難去ってまた一難だな。でもパイロットは居ないみたいだぞ?」

「そんなことない」

「っ!?」

振り返るとノアと、エヴァに銃口を向けながら立っているイヴがいた。

「今すぐエヴァを放せ!!」

カズミはホルスターの銃に手を掛ける。

「放しても、いい。だけど──」

「これと交換か?」

アルトがポケットから取り出したUSBメモリを見せびらかす。

「そう」

「だとさ。どうする?こっちとしては別に渡してもいいが」

「...」

↓3まで多数決
1渡す
2渡さない
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 21:27:22.70 ID:naBgFbDc0
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 21:27:56.08 ID:PdCyzBgvo
うーーーん
1
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/04(土) 22:10:20.10 ID:kxEq7fi80
(ADMを動かすのに必要なエヴァを手放してまで欲しい情報...。本当なら渡すべきじゃない)

カズミはエヴァを見る。銃口を向けられているにも関わらず、落ち着いた表情をしている。

(私はエヴァを守るためにいる。なら選択肢は一つ)

カズミはアルトに向かって頷く。

するとアルトはUSBをイヴに投げ渡した。それと同時にエヴァは解放され、カズミのもとへ駆け寄る。

「無事でよかった...!」

「うん!」

2人は強く抱きしめ合う。

「酷いことされなかった?」

「うん」

そんな2人を他所にイヴはヘルミラーに乗りこみ、USBの中身を確かめている。

「これは...?」

そう呟くとヘルミラーから降りて3人に再び銃を構える。

「あなた達を殺すべき」

カズミ達は思わず息を呑む。

「本来なら」

そう言うとイヴは銃を下ろした。

「けど少し引っかかることがある。から今回は見逃してあげる」

(あ、相変わらず生意気な...!)

「ところで、燃料はある?」

「へ?...まあ、あるけど」

「燃料切れ。だから頂戴。代わりに仲間に通信させてあげる」

「そ、それなら...」

(どうせエンジンが壊れてるんだし、いいよね?)

そんな訳で燃料を供給するかわりに通信をさせてもらえる事になり、それぞれ仲間が迎えにくるまで待つこととなった。

迎えが来るまでにあった出来事(アルトやイヴとの会話やイベント等)
↓3まででコンマの値が1番高いものを採用

今日はここまで。
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 22:15:58.21 ID:PdCyzBgvo
滝を見つけて皆で水浴び(いわゆるサービスカット)
だがお姉ちゃんにバレるとマズイのでピンチのカズミ

おつおつー
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/04(土) 22:25:22.10 ID:naBgFbDc0

色々とボロが出てアルトはカズミの正体をなんとなく察するが空気を読んで口出ししない
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 21:33:19.51 ID:Xv1B3y/oO
謎の巨鳥(カラスっぽい)に追いかけ回される
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 21:33:48.02 ID:Xv1B3y/oO
↑あ、全員です
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/06(月) 20:15:38.92 ID:sr16Tf3y0
いい感じにいけそうなので全部採用します。


「本当に情報を渡してよかったのか?」

木陰に座りながら迎えを待つカズミがアルトに話しかける。

ヘルミラーの整備をしているイヴを見ながらアルトは口を開く。

「正直言って、妹を殺した奴らに利する行為はしたくなかった」

「なら、どうして」

アルトはエヴァを見ながら軽く笑った。

「別に。イヴとか言う奴に撃ち殺されるよりはマシだと思ったのさ」

「...」

昔からお姉ちゃんはこうだったな、とカズミは懐古に浸った。ハッキリと口には出さないが、周りの人間に気を回し、本人には気づかれないようにそれとなく助け舟を出す。
幼い頃は、カズミがやらかしたポカも知らぬ間にアルトが解決していたりしていた。

「ところでお前の家族は──」

「おっきいとりー!」

カズミの言葉はエヴァの興奮した声に掻き消された。2人はエヴァが指差した方を見て絶句した。

「おいおい、鳥っていうかもはや化け物じゃ...」

黒い羽毛に包まれた、PEMに匹敵すると思われるほど大きな鳥が空中で旋回している。
時折見える目は明らかに血走っており、カズミ達を敵視している事は間違いない。

「おい、アンタ何やってんだ!?」

アルトがふとイヴの方を見ると、彼女は何故か巨鳥にリンゴを差し出していた。

「これをあげれば落ち着く」

「そんな訳ないだろ!」

「こうなったら!」

カズミが銃を取り出し、巨鳥に狙いを定める。

「おい、待つん──」

アルトが制止するよりも早くカズミは引き金を引いた。

弾は巨鳥に命中したが特に傷ついておらず、むしろ更に怒らせてしまったようだ。

「ったくアンタ達は...!こっちだ!」

先導するアルトに従ってカズミ達はジャングルの中を駆け抜ける。

それから暫くの間走り続け、巨鳥の鳴き声が聞こえなくなった事を確認してカズミは一息ついた。

「はぁ、はぁ、はぁ...。みんな、居る?」

肩で息をしながら辺りを見渡すと、そばに居るのはイヴだけだった。

「はぐれた」

「そ、そうみたい。とにかくヘルミラーのところに戻ろう。エヴァ達もそこに行くはず」

「分かった。...ところでどっち?」

「...私も分からない」

方角は分からないが取り敢えずカズミとイヴは歩き出した。
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/06(月) 20:17:27.45 ID:sr16Tf3y0
道中会話を交わすこともなく歩き続けること数十分、2人は滝を見つけた。

「た、滝なんて近くに無かったよね...。ハズレかぁ〜」

肩を落とすカズミをよそにイヴはスーツを脱ぎ始めた。

「ちょ、何してるの!?」

「汗をかいたから」

「いや、それはそうかもだけど...」

イヴは手早く服を脱ぎ終えると、滝壺の中に入っていった。

(...お姉ちゃんがエヴァの手を握ってたのは見た。だからエヴァとお姉ちゃん、それと多分ノアは一緒に居るはず。お姉ちゃんがついてるなら安心だし、水浴びをする余裕くらいはあるよね?)

するとカズミもスーツを脱いで滝壺に飛び込んだ。

「ふぅ〜、気持ちー!」

心地よい水の冷たさを堪能しながら、イヴの方に視線を移す。
彼女も水深が浅いところに座り込んでリラックスしている。

(アダムなら興奮しすぎてオーバーヒートしちゃう状況だね。...本当にそうなるかは知らないけど)

カズミの視線に気づいたのかイヴがこちらを見る。しかし特に何も言わず、前を向いた。

(...やっぱり私と同い年か少し下だよね?スタイルもシュッとしてて悪くないし...。ってそんな事じゃなくて!どうしたら私もイヴくらいの腕前になれるんだろう?)

そんな事を考えていると背後で茂みを掻き分ける音がした。
慌てて振り向くとエヴァとノア、そしてアルトが居た。

(まままま、まずい!ヘルメット取っちゃってるよ!)

エヴァも一緒に水浴びをしたいと言ってきたが、とてもそれどころではなく上の空で答えた。

↓1アルトは気づいた?
01〜10 気づかなかった
11〜30 少し気になった
31〜70 疑いはじめた
71〜 完全に気づいた
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 20:21:03.91 ID:KQXhaF0to
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 20:21:30.28 ID:KQXhaF0to
ばればーれ
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 20:21:44.53 ID:RYR+xyE+0
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/06(月) 21:14:21.87 ID:sr16Tf3y0
見慣れたオレンジ色の髪の毛を揺らしながら、顔を背けたパイロットをアルトは見つめる。

(一瞬見えた顔、それにあのオレンジの髪。見間違えるはずもない、カズミだ。よくよく思い返せば声も似ていたし、見覚えのあるボディライン、それに巨鳥の時みたいに無鉄砲な行いをするのも...)

カズミが生きていたと知り、アルトの胸の中は喜びで満たされた。しかしそれと同時に様々な疑念も浮かんできた。

(どうして嘘の葬式なんか...。詳しくは分からないが、ガーディアンオブエデンと対立してるって事は、少なくともブルトニア政府の側ってことか?公にできない特殊部隊...いや、カズミに限ってそれはないか)

「はいらないのー?」

エヴァの呼びかけによってアルトの思考は中断された。

「ん、ああ。入るとするか」

アルトはわざとカズミの顔が見えるような位置に移動するが、カズミは素早く違う方を向いた。
アルトが怪しんでいる事に気づいたのか、カズミは体が冷えてきたなどと見え見えの芝居を演じ、4人より先に上がった。

(やはり生きていると知られるのはまずいということか。まぁ、どんな事情があるにせよ、五体満足、健康に生きているならそれでいい)

アルトは久々に気持ちが安心したのか、両手を上げて体を伸ばした。

(後は危ないことはやめて、平和に生きてくれれば万々歳なんだが。...そもそも軍人になるのだって反対だったんだ)

アルトはふとため息をつく。

(それにしても、久しぶりに妹と水浴びができると思ったんだが。最後に遊んだのはずっと昔だな。...いや、あれは水浴びなんて呼んでいいものじゃなかったな。何せメルクリウスの泉に落ちたんだ、死んでないのが不思議だよ。カズミは覚えてないみたいだが...)

そんなこんなでカズミを除く4人は水浴びを堪能したのだった。

そしていよいよ別れの時が来た。

「私たちはもう行く」

「ああ」

イヴとノアはコックピットに乗り込む。するとイヴが振り返った。

「次に戦場であったら容赦しない」

「...わかった」

やりとりを終えるとヘルミラーは海上で待つ仲間のもとへと去っていった。

「...我々もあと1時間もすれば迎えが来る。準備しよう」

「だな。そうだ、これをアンタに渡しとく」

アルトがカズミに渡したのは名刺だった。

「これは?」

「連絡先だ。何か困ったことがあったら連絡しろ」

「...助かる」

「あぁ、それと。アンタには命を救ってもらった恩もあるし、お姉ちゃんと呼んでくれてもいいぞ」

アルトは満面の笑顔でそう言った。

「な、何馬鹿な事を言っている!」

(や、やっぱりバレてる!?でも何も言ってこないし、いや、でもお姉ちゃんなら...。ば、バレてない!きっとそうだよ!)

その後カズミ達は無事に特務機関の仲間と合流した。ブルトニアに戻った後、監視付きではあるがアルトは解放された。勿論詳細は知らされなかった。



──中央大陸、とあるアジト──

「何だコレは!!」

手に入れた情報の内容を見てゼウスが机に拳を叩きつけた。

「これが事実なら私のやってきたことは全て、全て...!!」

いつもなら柔らかい彼の表情はまるで般若のようだった。

「フッ...まあいい。私のやる事はこれで決まった」

ゼウスはいつもの表情に戻り笑顔を浮かべたが、目は笑っておらずその奥には憤怒の焔が宿っていた。
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:15:42.98 ID:RYR+xyE+0
>>メルクリウスの泉に落ちた
おい
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/06(月) 21:16:35.75 ID:sr16Tf3y0
カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 熟練 3/4

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 兵卒 2.5/3
バーネット 熟練 0.5/4
ガルー 兵卒 2/3

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 3 3/4(やっぱり頼りになるかも?)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 1/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 1/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 1/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り3回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:19:24.82 ID:RYR+xyE+0
1 バーネットとオルデンリッジ
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/06(月) 21:34:37.80 ID:sr16Tf3y0
>>652
これどっちが勝っても上昇なしなんですけど、いいんですかね?
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/06(月) 21:44:49.84 ID:sr16Tf3y0
返事が来ないのでもう一度。

カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 熟練 3/4

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 兵卒 2.5/3
バーネット 熟練 0.5/4
ガルー 兵卒 2/3

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 3 3/4(やっぱり頼りになるかも?)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 1/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 1/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 1/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り3回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:45:44.85 ID:RYR+xyE+0
あ、離れてた。そうだったか、ごめんなさい 安価↓
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:56:21.27 ID:KQXhaF0to
お姉ちゃんに電話
お互い不器用ながらも相手を心配する会話
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:59:30.97 ID:5RpvoIWaO
3コミュニケーションをとる アダム

動植物の巨大化現象増加について
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/06(月) 22:06:38.48 ID:sr16Tf3y0
今日はここまで。次回はカズミとアルトの電話から始めます。

それとガザレム首長連邦の制式機を募集します。
↓3くらいまで
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 22:16:35.90 ID:RYR+xyE+0


PEM
【名前】スクエア
【武装】ビームスプレーガン、ビームサーベル
【概要】白い小型機体。性能はそこそこで安価な優良な量産機。平凡な機体だがビーム武装が標準装備の為、十分な脅威となる
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 00:23:56.01 ID:jHbIRaaT0
おつ

機体名:ヘキサ
武装:長距離用ビームキャノン×2、3連ミサイルアーム×2、胸部ガトリング砲
概要:長距離支援砲撃翌用PEM。強力なビームキャノンはチャージに多くの時間を割いてしまう
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 02:16:38.29 ID:QqtCpXXU0
PEM
【名前】G.W.002 シュヴァリエルージュ
【武装】ヒートランス、大型ビームマシンガン
【概要】グラディウス・ウェポン2型。ミツキ襲撃時に用いられた機体の量産型で、スパイヤーズの系譜
敵国の主力機をルーツに持つため、騎士の如きフォルムの真紅のカラーリングと、外装はがらりと変わった
物理兵器、ビーム兵器の両方に高い防御力を誇る名機で、主に精鋭部隊に配備されている。ヒートランスによる突撃は恐るべき威力を持つ
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 19:20:18.71 ID:YlTd32wT0
案の投下ありがとうございます。


カズミは自室でアルトから貰った名刺を眺めていた。

(あの後ちゃんと帰れたのかな...。それにお父さんとお母さんの事も気になるし、電話しようかな?でもなぁ...)

カズミは暫く項垂れた後、両頬を叩いて気合いを入れた。

「よし、電話しよう!」

特務機関から支給されている携帯を操作してアルトの番号を打ち込んだ。

「もしもし?」

アルトの声だ。

「わ、私だ」

「は?...ああ、命の恩人か」

「無事に戻れたのか?」

「何だ、心配してくれてるのか?」

アルトは暖かい声色で、それでいて揶揄うような調子だ。

「ま、まあな」

「安心しろ、何ともないよ。ネタがないんで上司にはどやされたけどな」

それを聞いてカズミは安心した。

「なら良かった。ところで...」

口籠もりながらカズミは続ける。

「その、無事に戻ってから家族には会ったのか?」

突然の話題転換を受けて、アルトは暫し思案する。

(カズミの奴、父さんと母さんの事を聞きたいのか?...少し意地悪してやるか)

「何でアンタがそんな事を気にするんだ?」

「い、いや、その、単なるきょ、興味だよ」

慌てふためくカズミの声を聞いて、笑いを堪えながらアルトが返事する。

「ふっ...。ああ、会ったよ。元気にしてたさ」

「そ、そうか。良かった」

「おいおい、何でアンタがそんなに安堵するんだ?」

久しぶりの妹との会話で気分が上がっているのか、柄にもなくアルトは揶揄い続ける。

(ま、まずい。これ以上話してるとボロが出そう!...もう十分でてるかもだけど)

「ふ、深い意味はない。もう切るぞ」

「分かった。...またいつでもかけていいからな」

「...ああ」

カズミはそう返事すると電話を切り、ため息をついた。

「この調子じゃまた電話するにしても疲れが溜まりそう...。でも、元気出たかな!」
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 19:20:53.08 ID:YlTd32wT0
カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 熟練 3/4

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 兵卒 2.5/3
バーネット 熟練 0.5/4
ガルー 兵卒 2/3

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 3 3/4(やっぱり頼りになるかも?)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 1/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 1/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 1/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り2回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/08(水) 19:23:25.04 ID:5Tgyzrfw0
3 スキー場でガルーとデート
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 19:47:41.91 ID:YlTd32wT0
その日、エヴァとカズミはガルーと共に食堂で昼食をとりながら会話を交わしていた。

「スキー、ですか?」

「おう!休暇が取れたから行こうと思ってな。折角だし予定が合うなら2人もどうだ?」

「確かにその日なら私も空いてますけど...」

カズミはエヴァを見る。

「すきーって?」

「えーとね、雪の上を2枚の板で滑るんだよ」

「それたのしいの?」

「最高に楽しいぜ!PEMとは違う疾走感が味わえるし、慣れれば簡単だ!」

「ふーん...。やってみたいかも」

「じゃあ私たちも行こっか。という事でよろしくお願いしますね、ガルーさん」

「おう!」

そしてスキー当日、3人はブルトニア北部のスキー場を訪れていた。

「しろいね〜」

「だね」

「じゃあ早速滑ろうぜ!そう言えばカズミはスキー得意なのか?」

↓1
01〜30 苦手
31〜70 普通
71〜 得意
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/08(水) 19:48:47.96 ID:jW3+Jk8Do
ぬん!
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 20:35:22.77 ID:YlTd32wT0
コンマ96 得意

カズミは腕を組むと胸を張り、自慢げな顔で答えた。

「よくぞ聞いてくれました!実は私、スキーはスッゴイ得意なんです!」

「へ〜、なら腕前を見せてもらうとするか!」

「はい!ただその前にエヴァにやり方を教えてあげないと」

「だな!俺も付き合うぜ」

「じゃあしゅっぱ〜つ!」

という訳でエヴァの為にひとまず、緩い傾斜のゲレンデで3人は滑る事にした。

「おもってたよりむずかしい...」

何回か転んで雪まみれになったエヴァはムスッとしている。

「そのうち慣れるよ!」

「安心しろエヴァ、転ぶ度に上手くなってるぜ!」

「ほんと〜?」

「おう!」

「...ならもうすこしがんばる」

その後暫くするとエヴァは普通に滑れるようにはなった。

やがてより傾斜のキツイところを滑りたいと言い出したので、3人は場所を変えた。

「じゃあ一緒に行こうね。危ないと思ったら周りをよく見て止まるんだよ」

「はーい」

「じゃあ行こう!」

カズミは難なくスルスルと滑っていくエヴァに後ろからついて行く。
そして特にコケることもなく2人は滑り終えた。

「上達したね、エヴァ!」

「うん!...あっ、ガルーがくるよ!」

するとガルーは時折トリックを織り交ぜながら華麗に滑り降りてきた。

「ガルーすごいね!」

「これは私も負けてられないです!」

「ハハハ!じゃあ次は俺がエヴァに付き添うから、カズミも好きに滑れよ!」

その後は半ばカズミとガルーのスキー勝負の様相を呈し始めた。
先行するエヴァを見守りながら2人はトリックのフォームやら難易度やらで競い始めたのである。

「って〜!」

ガルーがトリックに失敗し、思い切り転倒した。

カズミは尻餅をついたガルーの側に行くと手を差し出した。

「大丈夫ですか?」

ガルーは満面の笑みで差し出された手を取った。その笑顔はその日1番の表情だった。

「ああ!」

↓1
01〜70 ボーナスなし
71〜90 +1
91〜 +
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/08(水) 20:37:41.73 ID:q5nK15ZN0
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 20:44:27.45 ID:YlTd32wT0
コンマ73 +1

ガルー 5 1/6→3/6

そんな出来事もありながら3人は楽しく休暇を過ごした。

(心なしか今日はガルーさんが輝いて見えたなぁ。...まさか、いや、うーん...)

そんな事を考えながらカズミは帰路についた。


カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 熟練 3/4

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 兵卒 2.5/3
バーネット 熟練 0.5/4
ガルー 兵卒 2/3

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 3 3/4(やっぱり頼りになるかも?)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 1/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 3/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 1/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り1回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/08(水) 21:18:43.36 ID:q5nK15ZN0
3 カズミとエヴァ ちょっとエヴァの過去とか突っ込んだ事聞いてみる
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 22:19:26.35 ID:YlTd32wT0
「ふぃ〜」

「気持ちいいね」

その日の夜、カズミとエヴァはお風呂に入っていた。

(ここ最近忙しかったからゆっくりできて嬉しいや。...まさかお姉ちゃんに会う事になるとは思わなかったけど)

カズミは湯船に浸かりながら目を瞑り、体の力を抜く。

(そう言えばお姉ちゃんで思い出したけど、エヴァとノアって姉弟なんだよね?島にいるときはそれどころじゃなくてあんまり気にしてなかったけど)

カズミは潜水を楽しんでいるエヴァを横目に見る。

(聞いても...大丈夫かな?出会ってから随分一緒に過ごしたし、そろそろ過去のことを聞いても...)

エヴァが水中から顔を出したタイミングに合わせてカズミが口を開いた。

「ノアって弟なんだよね?」

「うん」

特にエヴァの態度が変わらなかった事に安心しながら、カズミは続けて問う。

「久々に会えて嬉しかった?」

「んー、よく分かんないかな」

「分から、ない?」

仲の良い姉を持つカズミにとってその答えは予期せぬものだった。

「うん。たしかにノアは弟だけど、うまれがおんなじだけだもん」

(産まれてすぐ離れ離れになったって事?)

「そうなんだ。ちなみに他に家族は?」

「おやが1人、かな」

(片親なのかな?うーん、複雑な家庭環境っぽい?)

「そもそも何でADMと──」

カズミの言葉を遮るようにエヴァが口を開く。

「かぞくってどういうものかよく分かんないけど、でもなんとなく分かる気がするよ。だってカズミお姉ちゃんがいるから」

「...うん」

エヴァの言葉は心のこもった、真摯なものだった。しかし同時に露骨に話を逸らされたこともカズミは理解していた。

「いつかエヴァのヒミツをおしえてあげるね」

エヴァは無邪気な笑顔でそう答えた。そんな彼女の表情を見て、カズミは湧き上がっていた疑念を振り払った。

「うん!」

↓1
01〜70 ボーナスなし
71〜90 +1
91〜 +
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/08(水) 22:20:53.63 ID:5aoeN0X00
a
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 22:38:14.50 ID:YlTd32wT0
コンマ63 ボーナスなし

エヴァ 3→4 (大好きなお姉ちゃん!)


 

──中央大陸、とあるアジト──

薄暗い、しかし丁寧に手入れされた客室らしき部屋でゼウスが2人の人物と話している。

「それで、何のようですか?」

優しい笑みを携えたゼウスの質問に、眼鏡をかけた男も笑顔で返す。

「いえ、なに。貴方達が西方大陸に拠点を移すとの噂を聞きましてね」

「ああ、その事ですか。暫く中央大陸にかかりっきりだったので、そろそろ西方大陸でも活動を再強化しようかと思いましてね」

そうでしたか、と男は笑顔で答える。しっかりと目も笑っているが、どことなく不穏な気配が漂っている。

「ただ、貴方達への資金援助の条件が中央大陸での活動という事をお忘れではないか確認したかっただけですよ」

「ハハハハ、"我々"、ですか。それは一体どこを指しているんでしょうかね?」

ゼウスの言葉を聞いて、眼鏡の男の横にいた険しい顔の女性が口を開く。

「勿論セントラル・ソロニティに決まっていますわ」

セントラル・ソロニティ──ブルトニア勃興以前に中央大陸で権勢を誇っていた旧貴族達による反ブルトニアの秘密結社だ。
今ではその目的は他の犯罪組織と変わらないものになりつつある。内部には様々な派閥が存在し、複雑怪奇なパワーバランスを保持している。そしてそれ故に様々な組織や会社、国家との繋がりを持つ団体でもある。

「ああ、失敬、そうですよね。少し再確認しただけですよ」

そう言うとゼウスはコーヒーに口をつける。部屋は静まり返り、空調の音だけが聞こえてくる。

静寂を破ったのは眼鏡の男だった。

「では引き続き中央大陸でも活動すると、そう捉えて宜しいんですね?」

「勿論ですとも!」

「なら安心です。西方大陸の活動を強化されると言う事なら、我々も後日そちらに人を向かわせますね。何ならアジトもハイオネル・ファミリーかデームロファミリーを通じて提供しますよ?」

「いえいえ結構。ただでさえ多大な援助を頂いているのに、これ以上はとても」

「随分と殊勝な態度ですわね。西方大陸のこんな諺を知っています?『礼ある者こそ計あり』。一体何を考えていらっしゃるのかしら」

眼鏡の男が女の言葉を嗜めるように咳払いをした。

「これはウチのものがすいません。彼女は疑り深い性格でね」

「構いませんよ。それでこそ信頼できると言うものです」

「そう言っていただけるとありがたいです。ではそろそろ我々は失礼します」

そう言うと男は部屋を出た。続いて女も部屋を出ようとしたが、扉の前で立ち止まりゼウスに一瞥をくれる。

「そう言えばこんな諺もありますわ。『笑顔の者にこそ背中を向けるな』。我々は貴方がたをいつも見ていますわ」

そんな捨て台詞を吐いて、彼女は部屋を後にした。
それと入れ替わるようにライが部屋に入ってきた。

「あの人たち、いつ見ても信用できません。セントラル・ソロニティの代理人なんて名乗ってますけど、それも怪しいです」

「いや、セントラル・ソロニティの代理人なのは確実だよ。まぁ、背後に誰がいるかは彼らが今回派遣してきた人間とPEMからして透けて見えるけどね」

「そう、ですね」

「それでも彼らは十分役に立つ。今はまだ、ね」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/08(水) 22:38:43.95 ID:YlTd32wT0
今日はここまで。
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/08(水) 22:52:47.65 ID:q5nK15ZN0
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/08(水) 23:06:05.86 ID:PdyY//Hlo
おつ
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/10(金) 19:53:54.36 ID:pHgOnyii0
ゼウスがセントラル・ソロニティの代理人と会合を終えてから数日後、シエラ=レオネはブルトニア北部山中の巨大な廃鉱山を、少し離れた山稜から眺めていた。

「ふむ、アルテミス偵察隊の報告通り、随分と数が多いな」

双眼鏡を覗きながら呟く。

「鉱山とは厄介な場所を選ぶ。ブルトニア軍の十八番、デュナミスの編隊による遠距離攻撃は屋内ではできないからな」

デュナミス──ブルトニア軍の制式機の1つだ。フライングボードと一体化した飛行型の機体であり、高機動、高射程で遠距離戦ならば大体の相手を圧倒することができる。

背後に控えていた特務機関の兵士が、準備ができた事を彼女に報告する。

「ようやく軍部の連中も着いたか。では予定通り、所定の時間になったら作戦開始だ」

「はっ!」

今回特務機関が人里離れた廃鉱山にやってきたのは、一時的にではあれガーディアンオブエデンと共に行動していたアルトの情報提供によって明らかになったアジトを掃討するためである。
中央大陸のアジトとしてはかなりの規模である事が予想されたので、軍部との共同作戦となった。その為特務機関は例のごとく軍部に雇われたPMCという事になっている。




──廃鉱山、入り口──

「廃鉱山なんて鬱屈な場所だと思ってたけど、いざ離れるとなると少し寂しいな」

「そういや、お前は西方大陸組だったな」

カタラに搭乗したガーディアンオブエデンのメンバーが無線を介して会話している。襲撃が来るとは微塵も思っていない様子だ。

「ああ。向こうで何をやるかは分からんが、ゼウスさんなら考えあってのことだろう。俺たちがいない間中央大陸は任せたぜ」

「おう。地道に妨害活動でもやっとくよ」

そうして会話を終えたパイロットが欠伸をしたその時、隣にいたカタラが光線に貫かれた。

「...は?」

事態が飲み込めずモニターを眺める。

「...てっ、敵襲!!」

それと同時にブルトニア軍による総攻撃が始まった。

「敵の数は!?」

「分からない!だがスパイヤーズの大部隊って事はブルトニア軍だ!」

「一歩も通すな!!」

「鉱山内の連中にも伝えろ!」

「サリバンがやられた、クソ!」

突然の襲撃によってガーディアンオブエデンの間では、様々な内容の無線が飛び交っていた。

その中で彼らが最も聞きたくない無線が飛び込んできた。

「しし、白騎士だぁ!」

「くそっ、戦力を集中させろ!」

↓1 カズミに向かっていったのは?
01〜50 1機
51〜80 2機
81〜 3機
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 20:02:33.69 ID:fPbJsz5do
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/10(金) 20:08:08.18 ID:pHgOnyii0
コンマ69 2機

↓1 敵の腕前は?
01〜10 素人
11〜70 兵卒
71〜 熟練
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 20:09:54.93 ID:WYGD2ov50
a
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/10(金) 20:27:00.09 ID:pHgOnyii0
コンマ93 2機

「左右から1機ずつ、来るよ!」

アダムの忠告通りカニコフが2機、連携を取りながら接近してくる。カズミは初めて見る機体だ。

「アダム、あの機体は!?」

「あれはカニコフだよ。テロリスト御用達のアブマットシリーズの中でもハイグレードの機体だね。ただその分値も張るから簡単には用意できないはずだよ」

「ってことはそれだけガーディアンオブエデンには資金があるって事か...。とにかく、気は抜けない!」

↓1
01〜10 撃破された
11〜20 被弾
21〜55 拮抗
56〜 撃破した
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 20:37:03.50 ID:fPbJsz5do
こちとら熟練や!
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 20:38:03.80 ID:IW47j3sG0
最強のアブマットきたか
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/10(金) 20:53:13.88 ID:pHgOnyii0
コンマ50 拮抗

先に攻撃してきたのは右側から来たカニコフだった。ブレードを構えると上段から斬り下ろしてきた。

ADMはそれをレーザーブレードで受け流す。そのまま追撃を仕掛けたかったが、それを遮るように左側からブレードの突きがやってきた。

「くっ!」

頭部を狙った突きを避けたと思えば、左側のカニコフはハンドガンを片手に持って、狙いをADMのコックピット部分につけていた。

しかし引き金が引かれる瞬前に、ADMはそれを払い除け相手の胴に蹴りを入れる。
蹴られたカニコフは転がりながらも素早く立ち上がる。

「高い機体に乗ってるだけはある、この人たち、できる!」

カズミは改めて敵の練度を確認したのと同時に、これだけの兵力がいるならここは重要な拠点なのだろうかと思い、気を引き締めた。

↓1
01〜10 撃破された
11〜30 被弾
31〜55 拮抗
56〜 撃破した
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 21:12:36.90 ID:VA6vQ2tPO
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 21:27:40.42 ID:fPbJsz5do
強強
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/10(金) 21:58:58.49 ID:pHgOnyii0
コンマ90 撃破した

再び右側のカニコフが仕掛けてくる。相手が繰り出してきた突きの連続攻撃を、ADMはブレードで軌道を逸らしながら避ける。すると目の前のカニコフは突然一歩下がった

「左だ!」

アダムの声を聞いたのと同時にカズミはフライングボードを構えて、左方からの銃撃を防ぐ。
フライングボードを収納してライフルを手に取ろうとするが、再び右方のカニコフがブレードを上段から振り下ろす。

「危なっ!」

ADMは半身を逸らしすんでのところで攻撃を避けた。同時に振り下ろされた右手を踏みつけカニコフの動きを封じる。

するとカズミの耳に弾が装填される音が聞こえてきた。もしやと思い左方のカニコフの方を見ると、銃を構えていた。

(味方ごとやるつもり!?)

そこからADMの動きは早かった。ブレードで目の前の動けないカニコフの胴体を貫くとその機体を引き寄せ、盾がわりにした。
弾を撃ち切ったカニコフは銃を捨てるとブレードを構え、ADMへと向かう。
引き寄せられていた手が離されるのと同時にカニコフは地面へと倒れ込むが、ADMは倒れゆく機体の腰に提げられたハンドガンを取ると同時に、こちらへと向かってくるカニコフに全弾を叩き込む。

「嘘っ!?」

しかし流石はカニコフ、装甲に傷は付いたが致命傷ではなかった。

ADMはハンドガンを投げつけるが、それを意に介することもなくカニコフは突っ込んでくる。
下段からの斬り上げを横に避けると、相手は蹴りを入れ、それもかわすと今度は薙ぎ払ってきた。

「こんのっ!」

それもかわされるとカニコフは上段にブレードを構えた。

「今だっ!」

ADMはレーザーブレードでカニコフの両手を斬り落とし、そのまま流れるように胴体に一撃を入れた。

「よし!」


操縦技能
カズミ 熟練→エース
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/10(金) 22:01:39.84 ID:pHgOnyii0
ADMはブレードをおさめ、ライフルを構えて周囲を窺う。

「今のところブルトニア軍が優勢だね」

アダムは呑気な声で言った。

「でも油断できない。まだイヴや他の人達が来てない」

「確かに。それにまだ鉱山内にも敵は居るだろうしね」

そんな風に一息ついていたカズミのもとに再び敵機が向かってきた。

↓1 カズミに向かってきたのは?
01〜50 1機
51〜80 2機
81〜 3機

↓1 敵の腕前は?
01〜10 素人
11〜70 兵卒
71〜 熟練
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 22:01:53.35 ID:Qv6E7J/9o
そい
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 22:03:16.87 ID:WYGD2ov50
下2の間違いかな?
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/10(金) 22:08:10.89 ID:pHgOnyii0
>>690 そうですね、ミスってました。

という訳で今日はここまで。
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 22:10:54.31 ID:fPbJsz5do
おつおつ
成長えぐ!
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/10(金) 22:17:51.10 ID:WYGD2ov50
乙でした
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/13(月) 19:07:49.85 ID:GiwT//qn0
↓1 35 1機
↓2 87 熟練

「またカニコフ...!でも今度は単機、それなら!」

カズミは残弾数と機体の燃料を確認する。

「どっちもまだまだいけるね...。アイツを仕留めてさっさと鉱山に入ろう!」

↓1
01〜10 撃破された
21〜30 被弾
20〜40 拮抗
41〜 撃破した
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 19:09:29.23 ID:ghQF/mtl0
でやっ
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/13(月) 19:26:12.88 ID:GiwT//qn0
23 被弾

カニコフはサブマシンガンを両手に持ち、銃弾の雨を降らせながらADMに接近してくる。

(大丈夫、あれはただのコケ脅し。向こうの射程外だからそうそう当たらないはず。落ち着いて狙えばいい...)

息を整えると、カズミはレーザーライフルの照準をカニコフに合わせる。

そしてトリガーを引こうとしたその時、機体に衝撃が伝わった。

「撃たれた!?」

「2時の方向、上だよ!」

どうやら崖の上に陣取っていたカニコフに狙撃されたようだ。
しかしそのカニコフはブルトニア軍のデュナミスによってカウンタースナイプにあい、爆散した。

その間にも正面のカニコフは着実に接近していた。

↓1
01〜20 撃破された
21〜30 被弾
31〜40 拮抗
41〜 撃破した
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 19:46:53.59 ID:fp0soTozo
どーん
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/13(月) 20:23:46.37 ID:GiwT//qn0
59 撃破した

ADMは改めてライフルを構え、射撃態勢をとる。

「...そこだ!」

トリガーが引かれレーザーがカニコフの胸部に命中する。命中した箇所からは煙が上がっているが、致命的な損害ではない。

「流石に硬い!でも!」

カニコフはフライングボードを構えようとするが、それよりも早くADMが2発目を放つ。
今度は脚部に直撃し、カニコフの速度が大幅に落ちた。その機を逃すまいとADMは続けて3発目、4発目を放ち、その全てが命中したカニコフは地面に崩れ落ちた。

「よし!」

「敵戦力は大幅に削いだ。ここは軍に任せて我々は内部に入るぞ」

シエラ=レオネからの通信だ。カズミも含め特務機関の面々は返事をすると、シエラ=レオネに続いて坑道に足を踏み入れた。

内部は真っ暗で、感じるのはブルトニア軍の砲撃による揺れだけだ。

「こんな暗いとこでガーディアンオブエデンの奴らは過ごしてたのか?」

「いや、大方私たちを暗闇から奇襲しようと考えているのだろう。いかにもテロリストが考えそうな事だ」

バーネットとガルーの会話は気にもとめず、シエラ=レオネが4人に暗視装置を起動するよう促す。

「分かれ道ですね、どうしますか長官?」

「オルデンリッジ、お前はどう思う」

「...通常なら戦力の分散は避けたいですが、こちらにはカズミが居ます。であれば少なくともヘルミラーが出張ってこない限りは何とかなるかと」

「...そうだな。ここで奴らを逃すわけにもいくまい。カズミ、誰を連れて行く」

話を振られると思っていなかったカズミは慌てながらも、返事する。

「私が決めていいんですか?」

「ああ」

「え、えーと...」

↓1誰と行動する?
1 シエラ=レオネ
2 オルデンリッジ
3 バーネット
4 ガルー
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 20:26:54.60 ID:q3QCa5b2o
2
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/13(月) 20:56:54.17 ID:GiwT//qn0
2オルデンリッジ

「では、オルデンリッジさんで。私はついつい突っ込みがちなので、支援が丁寧なオルデンリッジさんとなら安心して戦えます」

「わかった。では私とバーネット、ガルーは右を行く。お前達は左だ。では、健闘を祈る」

そうして3人は機敏の動きで闇の中へと消えていった。

「俺たちも行くとするか。先導する」

「分かりました!」

そして2人も坑道を進むことにした。幅は大体PEMが3機並べる程だ。さらに道の両側には採掘のためか窪みや小道が点在しており、侵入者を待ち構えるには最適な環境となっている。

(気をつけないとね...)

好感度上昇
オルデンリッジ 4 1/5→2/5



先導するクラックロードの後を追いながら、カズミは呟く。

「そういえばこの鉱山って何を採掘してたんだろう?」

「ああ、それはね──」

「メルクリウスだよ。すこしだけどかんじるよ」

エヴァに言葉を遮られたアダムはムッとした表情の顔文字をモニターに映した。

「...エヴァの言う通りここはメルクリウスの採掘地だったんだ。今ではもうすっかり枯れて、廃山になってるわけだけど。アジトにはうってつけな訳だね」

「ふーん...」

↓1 敵の奇襲!
01〜30 被弾
31〜 気づいた
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 21:00:37.68 ID:fp0soTozo
ぬん
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/13(月) 21:22:02.67 ID:GiwT//qn0
68 気づいた

突然クラックロードが停止した。

カズミが無線で状況を問うよりも早く、何かの衝撃音と共に火花が散るのが見えた。

(奇襲!?)

カズミはすぐにブレードを展開し援護に向かおうとしたが、直感が働いた。

(違う、後ろ!)

急いで振り向くと、見慣れない、角ばった白色のPEMがビームサーベルを振り上げていた。ADMはそれを受け流すと反撃するが、相手はそれをかわした。

「あれは!?」

「うーん、スクエアだね。ガザレムの制式機だけど...大方ブラックマーケットに流れた代物じゃないかな?」

「気をつけた方がいいことはある!?」

「量産機だからさした脅威は無いけど、つまりそれだけ汎用性があって扱いやすいってことだね。あとビーム兵装が標準装備ってことかな」

「オッケー!」

↓1 敵の腕前は?
01〜60 兵卒
61〜90 熟練
91〜 エース
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 21:33:42.36 ID:vJEuWJ0Z0
a
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/13(月) 21:36:57.03 ID:GiwT//qn0
36 兵卒

↓1
01〜10被弾
11〜30 拮抗
31〜 撃破した
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 21:42:17.47 ID:b/BEIZd20
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/13(月) 22:03:29.95 ID:GiwT//qn0
47 撃破した

スクエアは一歩踏み出すと、ビームサーベルを振るった。ADMもそれを防ぐように動く。

そうして何度か斬り合う中でカズミはある印象を得た。

(今まで戦ってきた相手──ガーディアンオブエデンの人達とは少し戦い方が違う?何というか、より洗練されているというか...)

しかしそれと同時に先程戦ったカニコフのパイロット達の方が純粋な力量で言えば上だったとも感じた。

(何にせよ、次で決める!)

何度目かの応酬の後、勝負がついたのは一瞬だった。

鍔迫り合いの状態からADMがスクエアの左膝めがけて蹴りを入れた。それをかわせなかったスクエアは左膝を地面につく形となり、そこをADMのブレードが襲ったのだった。

「よし!...オルデンリッジさんは!?」

↓1
01〜10 撃破された
11〜40 苦戦中
56〜 撃破した

今日はここまで。ちょっと戦闘が多すぎたかも、ごめんなさい。
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 22:05:46.71 ID:fp0soTozo
ぬん
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 22:07:09.17 ID:q3QCa5b2o
おつおつ
すっかりつよつよになったねぁ
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/13(月) 23:12:15.50 ID:vJEuWJ0Z0
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/16(木) 19:25:18.20 ID:6UVskL1X0
71 撃破した

振り返ると、丁度クラックロードがブレイククローによる超音波でスクエアを破壊したところだった。

「大丈夫ですか?」

「ああ。そちらも無事みたいだな、先に進むとしよう」

カズミは返事をすると、先を行くクラックロードの後をついて行った。

暫く暗闇の中を進むと、かなり開けた空間に出た。高さもそこそこあり、それなりの技能は要求されるだろうが滑空もできそうな場所だ。

「ふむ...どうやらここは採掘されたメルクリウスの集積所だったようだな。奥で採れたものをここに一旦集め、それからまた外に運び出していたのだろう」

「つまり、これだけの広さが必要な程メルクリウスが採れてたって事ですね」

「ああ。しかし一体どこまで──」

↓1 敵の奇襲!
01〜30 被弾
31〜 気づいた
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 20:05:50.79 ID:tB7F7RFio
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/16(木) 20:22:17.06 ID:6UVskL1X0
79 気づいた

「気づいたか、カズミ?」

「...はい」

「なら、合図で撃つんだ。生憎だが鉱山内で俺の爆弾は使えない」

カズミは返事をするとトリガーに指をかけた。

「今だ」

ADMは空間上部に張り巡らされた連絡用の通路の辺りにレーザーを放つ。

そこには高所から奇襲を仕掛けようとしていたPEMが居た。

↓1
01〜50 モブ
51〜 ネームド
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 20:23:35.21 ID:1CgITJmHo
ほーい
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/16(木) 20:35:39.05 ID:6UVskL1X0
21 モブ

↓1 敵の数
01〜20 1機
21〜70 2機
71〜90 3機
91〜 4機

↓2敵の腕前は?
01〜65 兵卒
66〜95 熟練
96〜 エース
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 20:50:27.98 ID:C56NNOg2O
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 21:01:13.85 ID:tB7F7RFio
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/16(木) 21:24:53.83 ID:6UVskL1X0
98 4機
85 熟練

「バレた!?」

バンダナを頭に巻いた男のパイロットが冷や汗を流しながら狼狽える。

「落ち着け、数はこっちが上だ!」

壮年の男の鼓舞に続いて女性が仲間を諭す。

「訓練を思い出すのよ、囲んで叩く。白騎士と言えども中身は人!」

「...ああ!ケヴィンのアニキの敵討ちだ!」

青年の猛りと同時に4機のカニコフがカズミ達に襲い掛かる。

カズミ エース オルデンリッジ 熟練
敵4人 熟練
奇襲看破により+5(初回のみ)
↓1
01〜10 撃破された
11〜20 被弾
21〜50 拮抗
51〜 撃破した
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 21:30:37.07 ID:pZ8Ic8wK0
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 21:47:30.16 ID:tB7F7RFio
あぶねええ
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/16(木) 21:54:50.76 ID:6UVskL1X0
07+5=12 被弾

カニコフは4機の内3機が通路から降り、2機はかADMへ、1機はクラックロードへと向かった。残る1機は通路から援護射撃にまわった。

「この数...まずいかも!」

危機感を覚えながらも、カズミは交互に襲いかかってくるカニコフのブレードを何とか受け流す。
攻防は一進一退でADMは何とか反撃を試みようとするも、2機のカニコフは連携によってその隙を与えさせない。

膠着状態なのはオルデンリッジの方も同じであり、カズミの援護に赴こうとするクラックロードの行手を度々カニコフが塞ぐ。

「このっ!」

怒涛の連撃を防ぎ切ったADMは正面に並ぶ2体のカニコフを斬り伏せようと真一文字にブレードを振るった。しかし両機とも一歩下がってそれを回避する。

その時、上の通路から放たれた徹甲弾がADMを貫いた。

カニコフはライフルのボルトをコッキングすると再びADMに狙いを定めた。

カズミ エース オルデンリッジ 熟練
敵4人 熟練
↓1
01〜20 撃破された
21〜30 被弾
31〜50 拮抗
51〜 撃破した
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 22:36:58.53 ID:GJWfEY5so
ヌッ
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/16(木) 22:49:46.97 ID:6UVskL1X0
今日はここまで。
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 22:59:09.77 ID:pZ8Ic8wK0
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/16(木) 23:33:21.62 ID:tB7F7RFio
おつ
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/18(土) 19:29:55.12 ID:BfsMrAOh0
53 撃破した

先に戦況が動いたのはオルデンリッジの方だった。

クラックロードは近くに落ちていた岩塊を拾うと、それをカニコフに向けながら超音波爪で粉々にした。

「くそっ、目眩しか!」

バンダナを巻いたパイロットは悪態をつきながらも、奇襲を警戒して壁際に移動した。

「これなら──」

奇襲は防げる、そう考えたが土煙が晴れてもクラックロードの姿はない。

「何処に行った!?」

自分を素通りしたのかと思って仲間達の方に視線を移すがやはりどこにもいない。その時、後方で援護射撃をしていた仲間から通信が入った。

「上だよ!」

その言葉に従って頭上を仰いだ時には既にクラックロードはフライングボードから飛び降りており、そのままレーザーソウでカニコフは両断された。

クラックロードは素早く方向転換すると、ADMと戦っていたカニコフの1機にタックルを仕掛けた。

「やらせない!」

それを後方から眺めていたカニコフはライフルの銃口をクラックロードに向ける。しかし引鉄を引く前に一筋の飛来する光が目に入った。

「な...!」

絶句したパイロットはなす術もなく、ADMが投げたレーザーブレードに貫かれた。

「クソッ!」

一気に形勢が悪化し余裕を失った青年はADMに対し一気呵成に攻め立てる。

(アニキの仇...刺し違えてでも!)

しかし焦りによって動作は雑になっており攻撃は全てかわされてしまった。そして隙を見つけたADMはカニコフを投げ飛ばすと、ライフルでとどめを刺した。

「ふぅ...」

カズミはオルデンリッジの方を見たが、そちらも既に戦闘は終わっておりペチャンコになったカニコフの残骸が佇むだけだった。

「無事だな?」

「はい!」

「よし。...かなり奥まできたがヘルミラーもゼウスとやらも居ないな」

「とっくに逃げたんでしょうか?」

「分からない。もしかすると長官たちが見つけているやもしれん。いずれにせよもう少し進むとするか」

「了解です!」

操縦技能
オルデンリッジ 熟練 0.5/4→1.5/4



一方その頃、シエラ=レオネの部隊は...

↓1
01〜50 サノス
51〜70 カスケード
71〜90 ライ
91〜 イヴ

↓2 護衛が...?
01〜10 2機いた
11〜40 1機いた
41〜 いなかった
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 19:33:23.55 ID:cPnq2Qhpo
ヌッ
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 20:06:46.17 ID:l0vJx1N3o
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/18(土) 20:43:35.02 ID:BfsMrAOh0
55 ゾロ目ボーナスで引き下げ サノス
17 1機

「白騎士はいない...。とはいえ数では負けてる、慎重に行かないとな」

カズミ達と同じくメルクリウスの集積所で、カニコフに搭乗するサノスはシエラ=レオネ達と睨み合っていた。

戦闘の主導権を握ろうと動きを待つサノスだが、シエラ=レオネも同じ事を考えていた。

「さて、どう動くか...」

「部下に相手を拘束させてレーザーで焼き払うのはどうですか?」

シエラ=レオネが搭乗する機体、RLTHのAIであるリリスが淡々と言う。

RLTHはウイングブレードとフロートブーツによってフライングボード無しで飛行可能な機体である。操縦は難しいがフライングボードとは異なった機動が可能だ。更に通常の装甲を簡単に融解させるメガレーザーランチャーをも搭載している。しかしその分出力も割りを喰うので飛行と同時には展開出来ない。

そのような特徴を考えればリリスの提案にも一理あると言えばある。

「却下だ。鉱山内で使えば崩落の危険がある。それ以前に部下諸共チリになるぞ?」

「そうですね」

「...とにかく機先を制さなくてはな」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 特務機関
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 20:44:16.07 ID:c0YRzvgu0
遠距離
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/18(土) 20:56:22.18 ID:BfsMrAOh0
特務機関 3/3 遠距離(熟練2、エース1)
相手 3/3 滑空(熟練2)
操縦技能の差により+5
人数差により+5
相性不利により−10

↓1
01〜10 特務機関−2
11〜30 特務機関 −1
31〜45 拮抗
46〜70 敵 −1
71〜90 敵 −2
91〜 敵 −3
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 20:56:48.85 ID:FHJ2Yc1z0
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 21:15:03.11 ID:l0vJx1N3o
つよい
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/18(土) 21:32:15.60 ID:BfsMrAOh0
85 敵−2

動いたのは同時だった。

シエラ=レオネはサノスと、ガルーは護衛のカニコフと当たった。残るバーネットは、屋内戦にうってつけのホバーを持つダートの特性を活かして背後に回り込み、適宜援護する。

「背後に回られるのはマズイ...!」

サノスは傭兵ということもあり一対多になれているのか、ダートに背後を見せないように上手く立ち回りながらRLTHの相手をしていた。

一方、護衛はナルカミのパワーアームから繰り出される打撃を受け流すのに精一杯だった。

「援護してやらないと!」

サノスは仲間の援護をしようとブレードでRLTHの相手をしながら、背後に回り込もうとしているダートにライフルを向ける。

「相手を前によそ見とは私も舐められたものだな」

シエラ=レオネはそう呟くとレバーを握る手に力を入れる。

RLTHは一瞬でサノスに接近すると、フロートブーツによる飛行の応用で、サマーソルトキックを喰らわせた。

「グハァッ!?」

激しい衝撃に襲われ、サノスの視界は明滅する。

その間にダートは護衛の後ろに回り込みバンカープレートを用意すると、至近距離から背中に大量の釘を打ち込んだ。

「遅かったんじゃねえか、バーネット!」

「フン、お前に活躍の場をやろうと思ってただけだ」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 特務機関
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 21:34:39.85 ID:cPnq2Qhpo
近接
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/18(土) 21:40:20.97 ID:BfsMrAOh0
特務機関 3/3 近接(熟練2、エース1)
相手 1/3 遠距離(熟練2)
操縦技能の差により+5
人数差により+5
相性不利により−10

↓1
01〜10 特務機関−2
11〜30 特務機関 −1
31〜45 拮抗
46〜70 敵 −1
71〜90 敵 −2
91〜 敵 −3
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 21:41:51.36 ID:c0YRzvgu0
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/18(土) 21:58:16.33 ID:BfsMrAOh0
36 拮抗

サノスは痛む頭を片手で押さえる。

「っ...!くそ、囲まれた!」

三方を相手に囲まれたサノスは冷や汗を流す。

(これはどう考えても無理だ...)

その時サノスにある考えが浮かんだ。

("アレ"を使えば、逃げられるかも...。ゼウスさんの策が役に立ったな)

一方でシエラ=レオネは動かないサノスに違和感を感じていた。

(何を考えている...?)

すると目の前のカニコフは何かのスイッチを取り出した。

「よく聞け、これはここに仕掛けられた爆弾のスイッチだ。しかも余裕でここが崩落するほどのな」

オープン回線でサノスが特務機関に話しかける。

「諸共生き埋めになりたくなかったらそこを動くなよ!」

特務機関の3人の動きが止まる。

「どうしますか、長官?」

「バーネット、ビビってんのか?どうせハッタリだぜ?」

「...今は動くな」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 特務機関
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 22:02:40.48 ID:l0vJx1N3o
1
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/18(土) 22:17:54.90 ID:BfsMrAOh0
特務機関 3/3 近接(熟練2、エース1)
相手 1/3 滑空(熟練2)
操縦技能の差により+5
人数差により+5
相性有利により+10

↓1
01〜10 特務機関−2
11〜30 特務機関 −1
31〜45 拮抗
46〜70 敵 −1
71〜90 敵 −2
91〜 敵 −3

今日はここまで。
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 22:20:15.65 ID:DQxSrmr40
おつ
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/18(土) 22:50:16.28 ID:l0vJx1N3o
おつおつ
長官つよつよ
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/22(水) 19:16:48.89 ID:fcELccer0
65 敵−1

サノスがジリジリと後ろに下がっていると、突然大きな揺れが鉱山を襲った。

(な、なんだ!?俺は押してないぞ!)

爆弾が誤作動したのかと思ったサノスの動きが一瞬止まった。

(今だ!)

シエラ=レオネはその隙を見逃さずに動いた。

マイクロミサイルを発射し、起爆スイッチを持ったカニコフの腕を吹き飛ばす。
続けてフロートブーツを起動すると、宙を蹴るように移動して相手の背後に回り込み、腕部のレーザーカッターを振るう。

耳をつん裂くような切断音と共にカニコフのコックピットが大きく揺れる。

「ま、マズイッ!」

↓1
01〜30 死亡
31〜80 捕縛
81〜 逃げられた
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 19:23:40.72 ID:oq0Rey09o
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 19:23:41.99 ID:4tzCeV+R0
せいや
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/22(水) 20:13:14.96 ID:fcELccer0
72 捕縛

コックピットにまでカッターが到達し、一巻の終わりかと思われたその時、サノスの目と鼻の先で刃は止まった。

「2つの選択肢をやろう。捕虜となり生きて我々と共にここから出るか、この暗闇の中で朽ち果てるか、だ」

「っ...」

サノスはゴクリと唾を飲み込む。

(仕方ない...ゼウスさんの代替案に従うとするか)

「分かった、投降する」

そう言うとサノスは両手を挙げながらカニコフから降りた。

「よし。バーネット、任せたぞ」

「はっ!」

すると再び大きな音と共に鉱山が揺れた。

「これ、なんなんすかね?」

ガルーの問いにシエラ=レオネが答える。

「おそらく軍部のアグニ砲撃隊だろう」

アグニ──長距離用のビームやミサイルによる砲撃を用いた、後方支援を主としたPEMだ。キャタピラによる走破性と命中率の高さから各国で用いられており、それはブルトニアも例外ではない。

「大方、鉱山を崩落させテロリストを一網打尽にする算段だろう」

「でも俺たちはまだ中に居るんすよ?」

「彼らからしてみれば我々はあくまで傭兵。正規兵ならともかく、簡単に替えがきく消耗品という訳だ。だからこそ早くここを出るぞ、移動だ」

そうしてサノスを含めた4人はその場を後にした。

操縦技能
バーネット 熟練 0.5/4→1.5/4
ガルー 兵卒→熟練


今更だけど前回のオルデンリッジと、今回のガルーの操縦技能を本当は兵卒なのに熟練だと誤解してました。でもまあプラスの勘違いだったので良しとしましょう。
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/22(水) 21:13:35.37 ID:fcELccer0
「だから言っただろう。俺が知ってるのは、彼らは西方大陸にあるテルース教の禁足地を目的地にしてることだって」

「そこに行く理由はなんだ!答えないと──」

取調室で行われているサノスと尋問官の会話を、シエラ=レオネはマジックミラー越しに聞いていた。

「テルース教って、カナアンの国教ですよね?」

すぐ隣の机で書類を作成している部下が尋ねる。

「そうだ。カナアンの成立それ自体は比較的近年のことだが、テルース教は遥か昔から存在している。もっともカナアンができるまでは各地に離散していたがな」

「確かグランスタインとガザレムの継承戦争の時に、彼らのネットワークを通じた支援を得ようと考えたグランスタインが半ば強引に成立させたんですよね」

「ああ。...他にも多くの国家、勿論我が国も一枚噛んでいたがな」

「確かに色々と政治的な意図がありましたが、テルース教徒にしてみれば『約束の地』に戻れた訳ですから万々歳でしょうね。とはいえ西方大陸の火薬庫なんて言われてますけど。ですがガーディアンオブエデンは何故そんな所を目指しているのでしょうか?」

「分からん。だが彼女から貰った情報と関係があるのは間違いない」

「彼女って...ああ、カズミちゃんのお姉さんですか」

実はアルトは情報を保存したUSBを2つ持っていたのだ。だからこそイヴに簡単に情報を渡した訳である。しかし隠し持っていた予備のUSBはADM墜落時の衝撃により破損しており、なんとか特務機関が復元したものの肝心の内容は一部しか残っていなかった。

そこに書かれていた内容は以下の通りだ。

『興味深いことに、この調査の結果からはメルクリウスは1つの時点を境に突如現れたものとしか捉えようがない。これはつまり──────ということを意味しており、我々の──────説を裏付ける1つの証拠となるだろう』

『どうやらテルース教の禁足地には天文学的な規模のエネルギーが認められるようだ。これは────ということなのかそれとも────なのだろうか?いずれにせよ現地に赴けば我々の仮説の妥当性も明らかになることだろう。もし正しければ──────も可能かもしれない。それこそは我々の悲願とも言える』

このように肝心な部分は抜けていたが、特務機関は禁足地に関する情報を既に握っていた。

「だが、問題なのはその禁足地はガザレムの最奥にあるという事だ。つまり、奴らの足取りを追うのが困難になる」

どうしたものかとシエラ=レオネが腕を組んでいると、取調室にカズミが入ってきた。

「俺の口を割ることができないからって、こんな女の子まで使うのか?」

サノスの口調にはカズミに、と言うよりは特務機関への侮蔑か嫌悪か、そう言った類のものが篭っていた。

(この人はサノス・アイン、私が一度負けた相手。諜報部門の人が調べた所では、行方をくらました友人の借金を肩代わりする羽目になったとか。だからこそ傭兵としてガーディアンオブエデンと仕事をしていた。ってことは信念とかで動いてた訳じゃなくて、その分説得もしやすいはず!頑張ろう!)

そんな風に意気込むカズミをマジックミラー越しに見ていた特務機関の職員が溜息をついた。

「本当にカズミちゃんに説得できますかね?」

「...試す価値はある」

↓1
どのように説得するか自由安価
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 21:20:16.69 ID:L0CO0aVG0
協力してくれるなら僅かながら家族への給付金と行方をくらました友人の捜索を行ってもいい。何より貴方はとてもいい人な気がする。
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/22(水) 21:57:06.38 ID:fcELccer0
「サノスさん」

サノスはカズミの呼びかけに返事こそしなかったが、彼女の目を見つめた。

「もう傭兵なんて辞めにしませんか?」

「は?」

「ご家族とご自分の為に傭兵をしてるんですよね。でも...肩代わりした借金を返すためとはいえお金で人に暴力を振るうなんて、本当にサノスさんのやりたいことですか?」

カズミの問いを聞いて、サノスの瞳が揺れる。

「...借りたものは返す。自分が借りたものじゃなくても、俺が引き受けると言ったんだ。そう言った以上は約束は守らないと」

「真面目なんですね」

真面目すぎるくらいだ、とカズミは思った。

「...融通が効かないだけだ」

「とにかく傭兵は好きでやってる訳じゃないんですよね?それなら私達が借金を清算します、ご家族への支援だって。協力してくれるなら...いや、協力してくれなくてもこれはお支払いします!居なくなったご友人だってお探ししますよ!」

「...そんな事を言って上司に怒られないのか?」

カズミに対しサノスはただ純粋な気持ちで疑問をぶつけた。

「あ...えっと、な、なんとか納得させます!ボイコットだってやってやりますよ!」

その様子を見ていた職員は思わず頭を抱える。

(な、何言ってんのカズミちゃん!!)

それとは対照的にサノスは思わず吹き出した。ひとしきり笑って落ち着いた後、彼は口を開いた。

「お前バカなんだな」

俺も人の事は言えないか、とサノスは呟いた。

「...どうしてそこまで熱心に?」

「サノスさんの言う通り私はバカですから、思ったまま動いてしまうんです。...つまり、サノスさん、私は貴方がとても良い人だと、そう思ったんです」

↓1
01〜65 成功
66〜 失敗

今日はここまで。
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 21:58:09.81 ID:oq0Rey09o
ほい
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/22(水) 21:58:49.04 ID:gjctjS7P0
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 20:24:21.43 ID:cwdFBBsg0
81 失敗

「そうか...純粋なんだな。お前の申し出は、正直いってありがたい」

それなら、と思わずカズミは椅子から身を乗り出す。

「だがそれだけに、その純粋さを利用しようとしているヤツらの思惑が透けて見える。それに雇用主との契約はまだ終わってない。だから裏切るなんて選択肢はない」

「サノスさん...」

その様子を別室で見ていた職員が溜息をつく。

「やっぱり駄目でしたね。カズミちゃんが、と言うよりは私達に対する敵意みたいですけど」

「そうでもない」

シエラ=レオネの口の端が僅かに上がった。

「カズミが部屋に入ってきた時、奴はこう言った。俺の口を割ることができないからって、とな」

その言葉を聞いて職員の目の色が変わった。

「自分の口はまだ割れていない、そう認識している以上は、まだ何か情報を隠し持っていると?」

「そうだ」

「なるほど...。ではどの様に喋らせますか?」

「家族の事を脅せばいい。最悪、例の自白剤を使ってもいい。だがあくまでそれは最終手段だ」

「そうですね...。アレを投与された人間は廃人まっしぐらですからね」

職員は過去に見た光景を思い出して身震いした。

「では指示通りに進めます」

職員はシエラ=レオネに敬礼をすると部屋を出て、カズミと入れ替わりサノスに対する尋問を始めた。
そして尋問室を出たカズミはシエラ=レオネのいる別室に押しかけた。

「サノスさんのご家族を脅迫するって本気ですか!?」

カズミの剣幕を意にも介さずシエラ=レオネは頷いた。

「そ、そんなの許されないですよ!」

するとシエラ=レオネの鋭い眼光がカズミを射抜いた。今までに何度かだけ見た優しい目とは大違いだ。

「何を勘違いしている」

「え?」

「我々は正義の味方などではない。我々の目的はブルトニア共和国を守る事だ」

「でも──」

「頭を冷やしてこい」

シエラ=レオネは怒鳴る事なくそう告げたが、その声は感情や心を殺すような冷たさを帯びていた。

「わかり...ました」

カズミは特務機関やシエラ=レオネに対して渦巻く感情を必死に抑えながら部屋を出た。

「...あの年の少女には酷か」

それにそもそもカズミは特務機関に自発的に入った訳ではない。カズミとどう向き合うべきか悩みながらも、シエラ=レオネは再びサノスに視線を移したのだった。
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 20:25:38.29 ID:cwdFBBsg0
カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 エース

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 1.5/4
バーネット 熟練 1.5/4
ガルー 熟練

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 4(大好きなお姉ちゃん!)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 1/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 3/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 2/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り3回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 20:28:48.60 ID:5w5alGZp0
1 ガルー バーネット
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 20:34:18.92 ID:cwdFBBsg0
↓1 勝ったのは?
01〜20 引き分け
21〜60バーネット
61〜 ガルー
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 20:39:02.77 ID:HjJJNh5B0
a
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 20:49:37.55 ID:cwdFBBsg0
77 ゾロ目ボーナスで2人とも+1
バーネット 熟練 1.5/4→2.5/4
ガルー 熟練 0→1/4



カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 エース

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 1.5/4
バーネット 熟練 2.5/4
ガルー 熟練 1/4

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 4(大好きなお姉ちゃん!)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 1/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 3/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 2/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り2回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:02:27.72 ID:qSEqao7h0
3 カズミ バーネット コーヒー奢ったりして励ましてくれる先輩
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:37:47.45 ID:cwdFBBsg0
食堂の横に併設されたカフェで飲み物を片手にカズミとバーネットは話していた。

「なるほど。頭では理解しようとしているが、それに気持ちが追いつかないと」

「はい...」

カズミは項垂れながらコーヒーを啜った。

「確かに私たちと違って、後輩は事情が色々と特別だからな...」

「それなら...バーネット先輩も、その、汚れ仕事をやる覚悟があるんですか?」

「ああ。後輩やエヴァ、一部の特殊な境遇の者を除けば、我々は皆その心積もりはできている」

「そう...ですか」

自分だけが未熟なのだと感じたカズミは視線を落とす。

「...はっきり言おう。今抱えている問題は一朝一夕には解決しない。その上、私は答えを与えてやれないし、克服できるのは本人だけだ」

(やっぱりそうだよね...。これは結局"私"の問題なんだ。どんな形であれ決着をつけられるのは私だけ...)

バーネットは紅茶を飲み終えてティーカップを置くと、口を開いた。

「しかし、だ。その手助けをする事なら私達にもできる。いいか、後輩。自分の問題だからといって1人で悩む必要はない。周りの助けを借りればいい、それだけの事だ」

未だ悩みの解決には至っていないが、その言葉を聞いてカズミの気分は少し晴れた。

「ありがとうございます!」

「先輩が後輩の面倒を見るのは当然のこと、構わんさ」

「コーヒーも奢っていただいてありがとうございました!」

「気にするな。気分も晴れたようだし、今日はここでお開きとしよう」

そう言うとバーネットは立ち上がった。

「ああ、それと。後輩よ、こういった時は自分を見つめ直すのがいい、深いところまでな」

カズミの返事を聞くと、バーネットはそのまま立ち去った。

↓1
01〜70 ボーナスなし
71〜90 +1
91〜 +2
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:42:57.57 ID:bFmFsg/q0
へい
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:50:13.58 ID:cwdFBBsg0
57 ボーナスなし
バーネット 5 1/6→2/6


カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 エース

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 1.5/4
バーネット 熟練 2.5/4
ガルー 熟練 1/4

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 4(大好きなお姉ちゃん!)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 2/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 3/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 2/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り1回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない

今日はここまで。
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/27(月) 00:01:21.58 ID:pb/Hpe7To
おつおつ
お姉ちゃんの声聞きたい…電話する
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/27(月) 01:09:51.92 ID:q0TrohFH0
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 21:09:27.32 ID:aJnFzVmt0
「ふぅ...ったく、デスクも人使いが荒い」

アルトは自分が務める報道機関のビルの窓から、星空を眺めていた。夜空に輝く光に目を奪われながらタバコの煙を吐く。
可愛い妹は何をしているのだろうかと、そんな考えがふと頭をよぎったその時、携帯が鳴った。

「もしもし?」

こんな時間にかけてくるなんてなんて非常識な奴だと思いながら電話に出ると、聞き慣れた妹の声が耳に入った。

「ああ、アンタか。どうしたんだいきなり?」

本人から明かされたわけでもないので相変わらず他人のふりをしながら尋ねる。しかしアルトには違和感があった。他人ぶって声色を変えている事を加味しても、いつもより妹の声の調子が低いのだ。

「声が聞きたかった?ただの他人の声をか?」

いつもの調子に戻してやろうとカズミを揶揄うが、今日ばかりは上手くいかなかった。

(こりゃ重症だな...)

以前にカズミがひどく落ち込んだのはいつだったかと記憶を探る。それは自分が気に入ってたぬいぐるみを、ピクニックの時にカズミが無くして以来だ、とアルトは思い出した。

「ところでアンタ、姉は居るのか?」

突然の質問にカズミは口籠った。

「よし、じゃあ仮に居るとしよう。妹が居たことがあるから分かるんだが、きっとお姉さんはこう言うだろうな」

アルトは親に反対されながらも記者になる夢を叶える為に家を出ると決心した時に、カズミに言われた事を思い出す。

「どうすべきか悩んでいるなら己を信じろ。その結果どんな事が起ころうとも、そのケツは姉であるアタシが拭いてやるってな」

あの時だけはいつもアタシに世話を焼かれていた妹が、逆に支えてくれたっけか、そんな事を思いながらアルトは微笑む。

アルトの言葉を聞いたカズミはしばらく黙り込む。
そして開いた口から発せられた言葉は短い返事だけだったが、その声には少し明るさが戻っていた。

「ハハ、元気出たか?なら良かったよ」

元気を取り戻したカズミはその後しばらくアルトと会話を交わすと電話を終えた。

「ったく、騒がしい妹だ」

その言葉とは裏腹にアルトの表情は明るかった。

「おっと、最後の一本か。仕方ない、これを味わったら仕事に戻るか」

タバコに火をつけるとアルトは再び星を見上げる。

「頑張れよ、カズミ」
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 21:12:43.33 ID:aJnFzVmt0
──ブルトニアのどこか──

「成程、ヤツらの狙いはテルース教の禁足地か...」

豊かに蓄えた髭をさすりながらアルジオットは目を細める。

「目的地が分かっているなら話は早い...と、言いたいところだが」

アルジオットは窪んだ眼孔の奥で鋭く光る眼をシエラ=レオネにむける。

「はい。問題はその禁足地がガザレムの奥地に位置する事です。おそらく民間人や研究者に偽装しても近づくのは困難かと」

「ふむ...」

そう低い声で唸ると、アルジオットはニタリと笑う。その顔は酷く邪悪だったが、同時におもちゃ見つけた子供の笑顔のように純粋だった。

「ならうってつけだ。丁度考えていた良い計画がある」

「計画、ですか?」

「ああ。禁足地がガザレムにあって簡単に立ち入れないのなら、立ち入ることのできる理由を作れば良い」

「それは、そうですが...」

「確かカナアンとガザレムの国境付近では頻繁に小競り合いが起きていたな」

その言葉を聞いてシエラ=レオネはアルジオットが何を考えているのかを察した。

「それを利用するのだよ。貴様ら特務機関がガザレムの兵士に扮装、カナアンの前哨基地を襲撃しろ。それを受けて我々は同盟国であるカナアンの救援として、ガザレムに侵攻する。これなら世論も反対するまい。」

「...ですが、勝利の見込みはあるのですか?」

「...貴様の任務は口答えをする事じゃない。それに心配せずとも、軍部との擦り合わせは既に行なっている」

アルジオット大統領と軍部は犬猿の仲だったはず。にも関わらずこのような大規模な侵攻作戦に協力させる手筈が整っている。やはりこの老人の牙は衰えていないのだとシエラ=レオネは実感した。

「一つ、捕らえた捕虜は目的地が禁足地である事を我々に伝えるよう指示されていたようです。つまりは、罠かと」

その言葉を聞いてアルジオットは鼻で笑った。

「だからなんだ?罠だと分かったのなら綿密な対策を立て、それごと踏み潰すだけだ」

「...は。では作戦に移るため、私は失礼します」

「ああ。さっさと行け」
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 21:17:32.77 ID:aJnFzVmt0
──カナアン、ガザレムとの国境付近──

「お姉ちゃん、元気だして?」

エヴァの呼びかけにカズミは上の空で答える。

(結局サノスさんを脅迫してまで手に入れたのは罠かもしれないって情報だけ...)

もし、もしもっと重要な情報、例えばガーディアンオブエデンの目的や計画を聞き出す事ができたなら、カズミもここまで思い悩みはしなかっただろう。

(さらに今回の任務...これだって、酷すぎる。戦争を起こすための理由をでっち上げるなんて...)

「お姉ちゃん〜?」

カズミの膝の上に座るエヴァが頬を膨らませながら問う。

「ごめんごめん」

「しっかりしてね。...ふぅ」

息を吐いたエヴァの顔色はいつもよりも悪かったが、カズミは気分の落ち込み故にそれに気づくことができなかった。

「ほら、いつもより狭いんだからジッとしててね」

今回は任務の性質上ADMで来るわけにはいかなかったので、ブラックマーケットに流通していたスクエアに搭乗している。

「カズミ、調子は?」

↓1コンマ1桁
1〜3 バーネット
4〜6 オルデンリッジ
7〜9 ガルー
0 シエラ=レオネ
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 21:33:52.24 ID:lIMH2DI6o
ヌッ
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 22:01:41.80 ID:aJnFzVmt0
4 オルデンリッジ

「カズミ、調子は?」

無線越しにオルデンリッジが尋ねる。

「あ、はい。大丈夫ですよ」

「なら良い。所定の時間までに移動を終えなくてはならないからな、急ぐぞ」

「はい。...ガルー先輩とバーネット先輩は無事でしょうか?」

ガルーとバーネットはカズミ達とは別行動をとっている。その目的はカナアンの前哨基地に事前に潜入し、破壊工作の為に爆弾を設置する事だ。
その爆発を合図に、混乱に乗じてオルデンリッジ率いる奇襲部隊が"ガザレム軍"として攻撃を仕掛ける。

「連絡がないと言うことは上手くやっているということだろう。さて進むぞ。全機、周囲に警戒しながら前進だ」

そうして月夜に照らされながらオルデンリッジ達は鬱蒼とした森林を進んでいく。

暫く進んでいると、先頭を進むオルデンリッジのスクエアが停止した。合図を見て後続機はすぐに屈む。
すると上空からフライングボードの音が聞こえてきた。どうやらカナアンの哨戒機のようだ。

「全機、動くなよ」

↓1
01〜30 見つかった
31〜 見つからなかった

短いけど今日はここまで。
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 22:03:26.32 ID:Tn5CMADBo
おつおつ
来年もよろしく
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 22:12:28.76 ID:4HFJ3Vqv0
乙でした、良いお年を
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/01(土) 00:06:45.03 ID:nPKV5gTJ0
あけましておめでとうございます
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 18:30:47.05 ID:hrO/68gH0
明けましておめでとうございます。今年ものんびりやっていきます。


32 見つからなかった

木々の陰に身を潜めていると、やがて哨戒機はその場を去った。

「やり過ごしたな。よし、進むぞ」

その後も複数回カナアンの哨戒機に遭遇したが、全て見つからずに済んだ。
そしてオルデンリッジの先導のもと数時間後、カナアンの前線基地に到着した。

基地は森林の中を流れる川沿いの開けた所に建てられていた。

「よし、時間通りだ。後は合図を待つだけだな...」

すると地を揺らすような轟音と共に火柱が立ち昇り、基地は炎に照らされた。間もなく緊急事態を告げる警報音が鳴り響き、基地の内部が騒がしくなる。

「合図だ!作戦通り、複数に分かれ奇襲を仕掛けるぞ!今回の目的は殲滅ではなく混乱だ!深入りはせず、各自は機を見て撤退しろ!」

オルデンリッジの言葉を聞くと、特務機関の兵士達は隊を組み、基地へと向かって行った。

「俺たちも行くぞ!」

「はい!」

カズミとオルデンリッジは基地の東方面に向かう。2人はバーネット達の破壊工作によって崩れた壁から中へと侵入した。
するとすぐに敵が2人のもとへと向かってきた。

↓1 カズミ達に向かってきたのは?
01〜20 3機
21〜60 4機
61〜90 5機
91〜 6機
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 18:37:28.03 ID:vk28iRpzo
あけおめヌッ
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 19:00:30.53 ID:hrO/68gH0
03 3 機

3機のPEMが2人の前に立ち塞がった。それを見てオルデンリッジが呟く。

「カマエルが3機...想定より少ないな」

CH-929 カマエル──カナアン軍の制式機である。各地に離散していたテルース教の信者からなる国と言うことで、カナアンの国民は相対的には少ない部類に入る。従って戦力の大半をカマエルのような自律型無人PEMで賄っている。柔軟さ等では人間には及ばないが、物量でもってそれを補っている。

「とは言え念のためだ、油断はするなよ!」

「はい!」

カズミ エース オルデンリッジ 熟練
カマエル 兵卒
特務機関に対するカズミの疑心により−5
↓1
01〜30 被弾した
31〜 撃破した
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:05:08.26 ID:g54CH6wr0
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 19:22:49.89 ID:hrO/68gH0
26−5=21 被弾した

3機のカマエルはまずカズミの乗るスクエアに向かってきた。

「待てっ!」

そのうち1機はオルデンリッジによって道を塞がれたが、残りの2機はカズミのすぐそこまで来ていた。
カズミはスクエアのビームサーベルを起動すると、正面から向かってきたカマエルを斬りつける。

流石にその一撃はフライングボードにより防がれ、実体の刃にレーザーを纏ったソードでカマエルが切って返す。

「なんの!」

カズミはそれをいなすと、相手の胴体に一撃を加えた。

「よし!」

すると突然目の前のカマエルの腹部からソードが突き出してきて、攻撃を喰らってしまった。

「うそ!?」

もう1機のカマエルが味方ごとカズミを攻撃したのだ。

「これが無人機の闘い方...!」


カズミ エース オルデンリッジ 熟練
カマエル 兵卒
特務機関に対するカズミの疑心により−5
↓1
01〜10 撃破された
11〜30 被弾した
31〜 撃破した
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:52:19.03 ID:g54CH6wr0
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:53:06.62 ID:g54CH6wr0
うわ、>>26の連取りルールに従って取ったんだが、2連続でこれは、流石に申し訳ない……
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:56:32.52 ID:N6xrjp95o
序盤に似たポンコツ返りやな…懐かしい
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 20:17:58.49 ID:hrO/68gH0
03 撃破された

カズミは破損状況を確認しながら一度後退する。

「動力系は無事、だけどセンサーとカメラに不具合!」

やむを得ず、カズミは肉眼で視界を確保するためにコックピットのハッチを開ける。

「かなり危険だけどこうするしかない!」

そう言いながらカズミはオルデンリッジの方に視線をやる。
オルデンリッジは未だカマエルと格闘中のようだ。

それを確認して視線を正面に戻すと、相手が動き始めていた。

バルカン砲を放ちながらカマエルはこちらに走ってくる。すかさずフライングボードを構えて鉛弾を防ぐカズミ。

「見えない...けど!」

普段であればフライングボードを構えても頭部のモニターで状況を確認できるが、今の状況ではそれも叶わない。
しかしカズミはこれまでの経験と直感から接近する相手の位置を想定、ビームサーベルで薙ぎ払った。

「やった!」

見事、攻撃はブレードを持ったカマエルの右腕を切り落とした。
が、しかし。そこでカマエルは止まらなかった。カズミのスクエアに接近すると残りの左腕と両脚でしがみついたのだ。

「な、なに!?」

カマエルのエンジン部分から火花が走るような、不吉な音が聞こえ始めた。

「カズミ!?」

オルデンリッジは自らが相対するカマエルを斬り伏せるとカズミの方へと走る

↓1
01〜50 間に合わなかった
51〜 間に合った
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 20:21:36.33 ID:N6xrjp95o
ほい
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 20:57:46.05 ID:hrO/68gH0
ゾロ目なのでそれぞれのメリットとデメリットを公開した上で多数決します。

オルデンリッジが間に合った場合、カズミの負傷がなくなります。ただコンマ判定で20パーセントの確率でオルデンリッジが死亡します。
オルデンリッジが間に合わなかった場合、オルデンリッジは無事ですがカズミが敵に捕まります。

↓3まで多数決
1間に合わなかった
2間に合った
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 21:26:33.41 ID:98d2LKOU0
1
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 21:27:27.03 ID:vk28iRpzo
1
いのちだいじに
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 21:41:19.95 ID:g54CH6wr0
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 21:55:29.79 ID:hrO/68gH0
1 間に合わなかった

カズミは咄嗟にコックピットを閉じると、エヴァを守るように抱き抱えた。
カマエルはエンジンをオーバーヒートさせて自爆。スクエアは全壊、カズミも爆発の衝撃で気を失った。

オルデンリッジは駆け寄ろうとするが、足を止めた。

「ちっ...!」

何処からともなくカマエルが陸と空に10数機は現れた。無人機だからこそ成せる物量と戦術、それこそがガザレムに睨まれたカナアンが未だ主権国家として存している理由である。

「ここで俺が死ねば、救出も叶わん...!」

オルデンリッジは唇を噛みながら、後ろ髪を引かれる思いでその場を離れた。

今日はここまで。
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 22:36:11.01 ID:N6xrjp95o
おつ
新年早々ピンチ
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 23:22:58.67 ID:g54CH6wr0
乙でした
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 19:18:26.64 ID:IAxiRtZs0
目が覚めたとき、カズミはエヴァと共にカナアンの留置所に入れられていた。すぐに尋問室へと連れていかれ、所属や目的をカナアンの軍人に詰問された。

尋問室で飲まず食わすの状況で長時間拘束されたが、カズミが口を開かないでいるとやがて独房へと戻された。

そして寝て起きると尋問という日々を暫く過ごしていた。次第に拘束時間や尋問の方法が過激になっていく中、カズミは憔悴しきっていた。

「...」

その日も手酷い尋問を受けたカズミは床に座り込み、壁にもたれていた。

「お姉ちゃん...だいじょうぶ?」

エヴァがカズミの顔を覗き込む。

「ハハハ...へっちゃらだよ」

口ではそう言ったが、カズミの顔に笑顔は無かった。

「きっと...だい、ハァ...だいじょうぶ、だよ」

そう言うと突然エヴァが地面に倒れ込んだ。

「エヴァ!?」

先程までの疲れを忘れたかのようにカズミはエヴァに駆け寄る。

「酷い熱...!いつから!?」

「え...と、この国に...きてから、だよ」

エヴァは息も絶え絶えに返事した。

「な、なんでもっと早く言わなかったの!」

「だって、お姉ちゃんを、ふあんに...させたくなかった」

エヴァは笑顔でそう言った。

「くっ...!」

エヴァの異変に気がつくことができなかった自分に苛立ち、強く唇を噛む。
この熱はまずい、そう感じたカズミは看守を呼ぼうとする。

「誰か!エヴァが──」

しかしその声は爆発音で掻き消された。

「何!?」

するとカズミ達のいる独房の扉とは反対側の壁が音を立てて崩れた。

そこに現れたのは──

↓1
01〜90 ヘルミラー
91〜 RLTH
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 19:21:15.70 ID:XNoOX++U0
a
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 19:25:14.08 ID:nBUTNxcTo
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 20:16:28.26 ID:IAxiRtZs0
70 ヘルミラー

崩れた壁の向こう側には漆黒の装甲に身を包んだPEMが立っていた。

「へ、ヘルミラー!?どうしてここに!」

カズミは熱にうなされるエヴァを抱えると、ヘルミラーから距離を取ろうとする。
するとコックピットが開いて、パイロットスーツに身を包んだイヴが口を開く。

「居た。ノアの言う通り」

「やっぱりね。エヴァ姉ちゃん、しんどそうだね。ま、それは僕も同じだし早く行こうよ」

「分かった。ほら、カズミ」

そう言うとイヴはカズミに手を伸ばした。

その手を見てカズミは逡巡する。

(どうしてイヴがここに?)

それはいくら考えても分からないが、少なくともこのままでいるとカナアンに拘束され続けるのは確実だ。加えてこのような事態になってしまった以上、ここに残っても状況は悪化するのみだろう。

(イヴ達に助けられるのは嫌だけど、エヴァを助けるためにも...)

そしてカズミはイヴの手を取ることに決めた。2人がコックピットに入ったのを確認すると、ヘルミラーは直ぐに動き始めた。

どうやらイヴ達以外にもガーディアンオブエデンのメンバーが来ているようだ。周囲ではカニコフやカタラがカナアン軍と交戦している。

「どうしてここに?」

カズミの問いにイヴは沈黙で返した。

「そりゃ教えてくれるわけないよね...。この際それはどうでもいい、だけどエヴァを休ませないと!」

「...それは分かってる。直ぐにここから離脱する」

イヴの言葉通り、ヘルミラーは仲間の撤退を援護し終えると、あっという間に交戦地域から離脱した。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 20:38:11.46 ID:IAxiRtZs0
そしてそのままカズミとエヴァは以前のように目隠しをされると彼らの隠れ家へと連れて行かれた。ただし今回は拘束される事もなく、落ち着いて過ごすことのできる個室を与えられた。

「...お姉ちゃん...」

すぅ、すぅ、と寝息を立てながらベッドで寝ているエヴァがそう寝言を呟いた。

椅子に座っていたカズミはその言葉を聞いてエヴァの方を見る。

「彼女は大丈夫かな?」

正面に座る男の言葉によって、カズミの意識はエヴァから引き戻された。

「はい。ありがとうございます...ゼウス、さん」

「なら良かったとも」

そう言ったゼウスの表情は笑顔だ。それでもカズミには彼の瞳の奥に何らかの激情が宿っているように思われた。

「ですが、どうして私とエヴァを助けに?そもそも何故あそこに居ると知っていたんですか?」

「何故、か。それは立場が異なるとはいえ、君もまたこの星を守ろうとしていると、以前話した時に感じたからさ。場所に関しては──」

ゼウスがチラリとエヴァを見る。

「ノア君が教えてくれたよ。詳しくは彼に直接聞くといい」

「そう、ですか」

「それで、君たちはこの後どうするつもりだい?」

思わぬ質問にカズミは目を見開いた。

「どうするって...貴方たちに囚われるんじゃないんですか?」

「ハハハハ。まあ、そうなんだけどね」

一瞬でも逃してくれるのではないかと考えたカズミは、そんな自分を諌めるようにため息をついた。

「ただ、このまま特務機関に居続けるのかい?」

「え?」

「君がどれだけカナアンに捕まっていたのか正確なところは分からないが、我々がその事実を把握してから少なくとも1ヶ月以上は経過しているよ」

「そんなに...!」

度重なる尋問によって時間の感覚を失っていたカズミは捕まってからそれだけの日が経っていたことに驚いた。

「これだけの時間が経っているにも関わらず、君を助けたのは我々だった。これが何を意味するか分かるかい?」

ゼウスは顎の前で両手を組むと、カズミの眼を見据える。

「分かるかい?君は見捨てられたのさ。いや、最初から捨て駒だったと言う方が適切かな。彼らは目的のためなら手段は選ばない。君にも思い当たるところがあるんじゃないかな?」

「...」

カズミの脳裏にサノスの面影がよぎる。彼女の心に揺らぎがあると見たゼウスは更に続ける。

「そもそも特務機関への参加だって本意じゃなかったんだろ?それなら、私たちに加われとは言わないが、改めて自分の存在理由を考えてみたらどうかな?」

その言葉をきっかけに何人もの言葉を思い出す。

『ああ、それと。後輩よ、こういった時は自分を見つめ直すのがいい、深いところまでな』

『どうすべきか悩んでいるなら己を信じろ。その結果どんな事が起ころうとも、そのケツは姉であるアタシが拭いてやるってな』

「私は──」

↓1
01〜20 カズミ、ガーディアンオブエデンに協力
21〜60 カズミ、独自路線へ
61〜 カズミ、特務機関に残り続ける
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 20:39:46.45 ID:Jd9obPBeo
ぬん
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 21:57:37.14 ID:IAxiRtZs0
45 カズミ、独自路線へ

『私は部下を見捨てるつもりはない、安心しろ』

普段のカズミならシエラ=レオネのこの言葉を思い出していただろう。

しかし今のカズミはサノスの件によって心の目とも言えるものが曇っていた。
そんな彼女に思い出されたのは次の言葉だった。

『何を勘違いしている』
『我々は正義の味方などではない。我々の目的はブルトニア共和国を守る事だ』

(だけど、私の目的、やりたい事は...)

カズミはエヴァに視線を移す。彼女の体調は大分良くなり、今は穏やかな顔で眠っている。

(それはあの時に誓った事、何もかも失った自分だけど、せめてエヴァだけは守る事。そしてそれは、特務機関に居なくたってできる)

ゼウスはカズミの思考を読んでいるかのようにニヤついていたが、彼女はそれには気づかなかった。

(...もしかすると、いつかは特務機関がエヴァに牙を剥くかもしれない。そうじゃ無かったとしても、私は特務機関のやり方に納得いかない。そんなモヤモヤしたままじゃ、エヴァを守ることもできなくなっちゃう)

無論カズミは、特務機関、というよりはシエラ=レオネやバーネット、オルデンリッジ、ガルーに対する引け目を感じてはいた。しかし、それ以上にエヴァを守りたいという意識が上回っていた。

(だけど、だからといってガーディアンオブエデンにも加わりたくない。誰にも制約されることなくエヴァを守る。その為にはADMが必要。だから──)

カズミは両頬をパチンと叩くと、ゼウスに向かい合った。

「結論は出たかな?」

「はい。私は特務機関を抜けます。ですが貴方たちにも参加しません」

「ほう...?」

「そして、1つ協力してほしいことがあります。ADMの奪取です」

「...何故、我々に参加するわけでもない人間をわざわざ助けなくてはいけないのかな?」

「はっきり言ってヘルミラーに対抗できるのはADMだけです。そして今の所ADMを動かせるのは私とエヴァだけです。ですが、もしもADMが特務機関のもとに在り続ければ、代わりのパイロットが現れるかもしれません」

カズミの言わんとする事を察したゼウスの目つきが鋭くなる。

「それよりは、第三者である私の手にある方が貴方たちにとってはマシじゃないですか?」

「...確かにあの組織の手中に、我々に対抗可能な戦力があるのは好ましくないね」

ゼウスは目を瞑って暫く考えた後、口を開いた。

「よし、協力しよう」
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 22:03:55.99 ID:IAxiRtZs0
「ありがとうございます。ただ、1つ。貴方たちがするのは足止めだけ、誰も殺さないで下さい」

「...甘いね、甘い。自分の信念を貫くなら、雑念は捨て去るべきだよ」

そう呟いたゼウスの雰囲気は先ほどと少し違っていた。しかしすぐにいつもの、取ってつけたような優しい雰囲気が戻ってきた。

「それは呑んであげよう。ただコッチにも1つ条件がある。我々はいずれテルース教の禁足地に足を踏み入れる。その時がきたら、君たちも来るんだ」

「...何故、ですか?」

「そう心配せずとも君に危害はない。それに人類にとっても悪いことは起こらないよ」

正直なところこの条件を受け入れるべきか、カズミには分からなかった。とはいえ、拒むわけにもいかない。

「分かりました。その時が来たら私も禁足地を訪れます」

「うん。これで交渉成立だね。じゃあ細かい話し合いを進めようか」

そして2人は話し合いを始めた。

その話し合いの中でゼウスから聞いたところによると、特務機関の作戦は成功したらしい。つまりブルトニアとガザレムの戦争が既に始まっていたのだ。両国の同盟国や、利害に関わりのある国も巻き込み世界大戦の様相を呈しているらしい。
ガザレムはカナアンとブルトニアの同時侵攻により、本土へのブルトニアの上陸を許してしまったらしい。とはいえ中央大陸での反ブルトニア勢力によるサボタージュの影響もあって、今の戦況は一時的に膠着しているようだ。

話し合いを終えてゼウスが部屋から出て行くのを見届けると、カズミはエヴァが寝ているベッドに腰かけた。

「お姉ちゃん?」

するとエヴァが目を覚ました。

「エヴァ。もう元気?」

「うん!」

良かった、とカズミはエヴァを抱き締める。そしてエヴァの両肩に手を置くと、覚悟を決めて口を開いた。

「あのね、私、特務機関を抜けようと思うんだ。...その、エヴァはそれでもいい?」

「いいよ。エヴァはお姉ちゃんと一緒ならそれでいいよ」

エヴァは間を置くことなくそう答えた。

「...分かった。ずっと一緒だよ」


今日はここまで。
このスレを立てた時はこんな展開になるとは思っていませんでしたが、これもまたコンマスレの面白いところですね。
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 22:06:32.27 ID:nBUTNxcTo
おつおつー
部が変わったな
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 22:07:29.00 ID:XNoOX++U0
乙でした
…二人きりになってしまったなぁ
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/07(金) 21:51:09.63 ID:p2hZkkiWO
いうて、特務機関も必ずエヴァを守るとは思えんし
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 19:26:29.39 ID:mWcnGKE40
カズミはゼウスからもらった携帯で、ある人物に電話をかけた。

「誰ですか、私は忙しいんですが」

「ミツキさん?」

「...その声はあの時の。確かカズミ、とか言いましたね」

「はい。その、安全な場所を用意していただけませんか?」

「ふむ...。何故?」

「それは──」

カズミはミツキの疑問に答えようとしたが、その前に彼女は話し始めた。どうやらカズミに対してではなく、自身に対しての問いかけだったようだ。

「特務機関を通してではなく、わざわざ一個人として連絡してきた。そして要求は安全な場所の提供。その上、戦争時にもかかわらず例の機体の情報は入ってこない。これが意味するところは──」

するとミツキは黙りこくってしまった。

「も、もちろん見返りはあります。ADMのこと、調べてもいいですよ」

「本当ですか!?」

あまりの大声にカズミは思わず携帯を遠ざけた。

↓1
01〜20 断られた
21〜 協力を約束してくれた
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 19:27:16.13 ID:UemAYB0lo
ヌッ
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 19:57:23.40 ID:mWcnGKE40
13 断られた

「コホン。すいません、取り乱しました。確かに特務機関は私に"絶対"見せてくれないでしょうね」

「なら──」

「ですが無理です。正直に言うと私はそのADMとやらの研究さえできればそれでいいんですが。ですが今は戦時中という事もあって国からの監視やら締め付けやらが厳しいんですよ」

「そんな...」

「こんな状態では貴女の要求を満たしてあげる事もできませんし、もしバレてしまえば恐らく私は一生PEM開発に携われなくなります。...ですので協力したいのは山々なんですが、今回の話は無かったことに」

「わかり、ました...」

カズミは電話を切ると深いため息をついた。

(まさかアテが外れるなんて...。こうなったらガーディアンオブエデンに用意してもらうしかないや。ゼウスさん達に居場所を知られちゃうし本当は嫌だったけど、そうも言ってられない!)

カズミはそう喝を入れると、再び電話をかけた。

「もしもし?」

「...お姉ちゃん」

カズミの言葉を聞いてアルトは思わず息を呑んだが、すぐに口を開いた。

「どうした、カズミ?」

なんて事ない、いつもの調子のアルトの返事を受けてカズミはどうして何も聞かないの、と言いそうになったがそれをグッと飲み込んだ。

「...私のせいでお姉ちゃんがブルトニアに追われるかもしれない」

「ブルトニアに?」

「うん。だから安全なところに──」

「それなら心配ない」

「へ?」

「今はガザレムの首都にいる、取材でな。流石のブルトニアもアタシのためだけにここに部隊は送らないさ。それにボディーガードも雇ってるしな」

「そ、そっか...」

それよりも、とアルトが続ける。

「父さんと母さんはいいのか?」

「それはもう考えてあるよ。準備が整ったらすぐに動くつもり」

「...そうか。最近は2人でゆっくり過ごしているらしいから、多分家にいるだろう」

「分かった。それじゃ──」

カズミはふと口をつぐんだ。今までにあった事を全て感情のままにアルトにぶち撒けたくなったのだ。だが彼女はそうはしなかった。

「気をつけてね」

「ああ。...カズミ、よく泣きべそをかいてたのに、成長したな」

「...うん。絶対に守りたい子がいるから」

「そうか...。とにかくアタシのことは心配いらない。それじゃあな」

そう言うとアルトは電話を切った。

「あとはADMだけ...」
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 20:22:31.55 ID:mWcnGKE40
──中央大陸、特務機関の基地付近──

「おねーちゃーん、まだー?」

「こ、こら、静かに!もうすぐで時間だから騒がないでね」

「はーい」

エヴァを落ち着かせながらも、カズミも少し不安を感じていた。

(ホントにきてくれるんだよね...?)

しかしそんなカズミの心配も杞憂に終わった。

カズミ達がいるのとは反対側の上空にカタラやカニコフが現れた。そしてすぐに銃弾や砲弾が飛び交う戦場へと移り変わった。

「きた!行くよ、エヴァ!」

「はーい」

そうして2人はガーディアンオブエデンが陽動を仕掛けている間に、特務機関への基地へと忍び込んだ。

↓1
01〜35 見つかった
36〜 バレずにADMまで辿り着いた
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 20:26:24.36 ID:tmFkk3vVo
それ
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:05:00.26 ID:zEFvfjPk0
あっぶね
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 21:05:35.97 ID:mWcnGKE40
36 バレなかった

道中かなり危ない場面はあったものの、2人は何とかADMのある格納庫まで辿り着いた。

「あった...。よし、早く乗ろう!」

「うん!」

幸いなことに今の特務機関には操縦どころか起動すらままならないためか、周りに人はいなかった。

2人は慣れた手つきでADMに搭乗、起動した。すると聞き慣れた声が耳に入った。

「あれ?カズミ、エヴァ!?な、なんでここに!?」

「アダム...」

「久しぶりだね〜」

「う、うん。で、これはどういう状況なんだい!?」

カズミが悲痛な面持ちで口を開く。

「アダム、私たち、特務機関を抜けるよ」

「それって──」

アダムは何かを察したかのように言葉を止めた。


好感度による補正+10
↓1
01〜40 警報を鳴らされた
41〜 見逃してくれた
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:06:33.62 ID:zEFvfjPk0
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 21:12:27.11 ID:mWcnGKE40
62 見逃してくれた

「...そっか。なら、僕を停止するんだ」

アダムの思わぬ言葉にカズミは面食らう。

「え?」

「もしこの機体が特務機関の意思に反して起動された場合、僕はその位置情報や日時を常時報告するようにプログラムされている。だから...カズミがエヴァを守りたいなら僕を停止するんだ」

「わ、わかったよ。それじゃあ、いつか、特務機関とのゴタゴタが終わったらまた起動してあげるね」

「うん。さあ、これを押せばいいよ」

カズミはアダムに言われたボタンに手を伸ばす。

そしてアダムはコックピット内のカメラを通して、カズミとエヴァの姿を記録に焼きつけていた。なぜなら、この場合の"停止"とはアダムの削除を意味していたからだ。
本来ならカズミとエヴァだろうと許可のない搭乗があれば上述したものに加え、操縦のコントロールがすぐに停止されるはずだった。だがアダムは自らのプログラムに抗った。2人に情を抱いていたのだ。

(これだからAIに人格を持たせるべきじゃないんだよ)

「じゃあ2人とも、元気でね」

そんなアダムの呟きと同時にカズミはボタンを押し終えた。

「...アダム?」

何とも言えない胸のざわつきを感じたが、それはエヴァによって遮られた。

「はやくいったほうがいいんじゃないのー?」

「だ、だね。こっからはスピード勝負だ、行こう!」

↓1 基地に居たのは?
01〜30 バーネット
31〜60 オルデンリッジ
61〜90 ガルー
91〜 シエラ=レオネ
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:16:02.54 ID:LVma8aFk0
a
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:17:22.37 ID:zEFvfjPk0
思ったより辛いルート入ってる気がする!
けど撃墜→特務機関離脱→ミツキに断られるで3回失敗してると考えるとこれも仕方ないか……
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 21:48:25.59 ID:mWcnGKE40
54 オルデンリッジ

──特務機関の基地、敷地内──

「妙だな...。奴ら、攻め手に欠けているのか?」

オルデンリッジはそう呟いた。

奇妙なことに、ガーディアンオブエデンは奇襲を仕掛けてきたにも関わらず、その攻勢に激しさが見られないのだ。
戦時中のため特務機関も数多くの人員が前線に赴いている。ここに残っているのは後方部隊と支援要員のみ。つまり精鋭ではない。にも関わらず相手の押しが弱いことがオルデンリッジは引っかかった。

「そもそもここをどうやって知った...?」

すると仲間から通信が入った。

「オルデンリッジさん、ADMです!ADMが動いています!」

「何だと!?」

慌てて基地の方を振り返ると、崩れた壁からADMが飛び出してきた。

「無線の呼びかけは!」

「応答しません!どうしますか!?」

(アレを動かせるのはあの2人だけのはず...!一体誰が!)

「ちっ!素性が分からん以上仕方あるまい、撃ち落とせ!ただ損害はなるべく抑えろ!」

「了解です!」

↓1 腕前は?
01〜60 兵卒
61〜90 熟練
91〜 エース

↓2 向かってきた機体数
01〜55 1機
56〜90 2機
91〜 3機

今日はここまで。
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 22:01:58.84 ID:zEFvfjPk0
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 22:26:41.99 ID:7rAq+RT/0
おつ
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 23:07:37.89 ID:tmFkk3vVo
おつ
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 19:21:16.96 ID:Lfolo81x0
84 熟練
99 ゾロ目ボーナスで繰り下げ 2機

フライングボードで戦線を離脱しようとしていたADMの前に2機のスパイヤーズが立ち塞がった。

「押し通るしかない...よね」

(命は奪わずに...できる?いや、やるしかない!)

↓1
01〜30 被弾
31〜40 拮抗
41〜 撃破
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 19:40:36.25 ID:noybljN60
a
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 20:09:49.89 ID:Lfolo81x0
25 被弾

迫り来るADMのブレードに対してスパイヤーズの1機がアックスで応戦している隙に、もう1機が横へと回り込んだ。

「そう来るよね...!」

ADMは迫りくるアックスを受け流し、素早く相手の姿勢を崩すと、横から飛んできた弾をジグザグに動いて避けた。
そのまま距離を取るとライフルを構えて狙いをつける。

(...少しでもズレたらレーザーはコックピットに直撃する。そしたら──)

そんな一瞬の迷いをついてスパイヤーズがロケットを放ってきた。
激しい爆風と共に飛んできた弾頭の破片が装甲に突き刺さる。

「くっ...!」

↓1
01〜10 撃破された
11〜30 被弾
31〜40 拮抗
41〜 撃破
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 20:10:55.75 ID:QTVrSIXA0
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 20:36:47.51 ID:Lfolo81x0
75 撃破

「エヴァ、大丈夫?」

「うん」

エヴァの返事を聞きながらカズミはモニターに目を移した。

「燃料、ここで消費はしたくなかったけど...!」

背に腹はかえられないと、カズミは出力を一気に上げた。

「決める!」

何か仕掛けてくると勘づいた相手は咄嗟に距離を取ろうとする。が、間に合わなかった。

「遅い!」

一筋の白い線が走ったかとおもうと、次の瞬間には2機のスパイヤーズはフライングボードを一刀両断され、地面へと落下していった。

「ふぅ...」

カズミは無事に乗り切ったことに安堵しながらも違和感を覚えていた。

(なんだか速さが格段に上がってるような...?いや、今は先を急ごう!)

↓1
01〜20 オルデンリッジが追いかけてきた
21〜 誰も追いつけなかった
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 20:54:13.35 ID:rMExc0+do
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 21:35:20.71 ID:Lfolo81x0
35 誰も追いつけなかった

「あの動き...いや、そんな筈は──」

オルデンリッジの脳裏にある顔が浮かぶ。

「にっ、逃げられます!」

「ちっ、俺が行く!」

ADMのスピードに追いつける見込みはほぼ無いと分かっていたが、オルデンリッジ、そして特務機関にとってあの機体を奪われるのだけは何としても避けなくてはならない。
そんな考えからADMの後を追おうとしたオルデンリッジだったが、1機のカニコフが立ち塞がった。

「押しつけられたとは言え、任務は任務。ここは通しません!」

そう意気込んだのはライだった。

本来ここに来るのはカスケードのはずだった。しかし命のやり取りのない戦場は己の居場所ではないとだけ言い残し、かわりに丸投げされたライがこの作戦の指揮を取ることになった。

「こんな時に!」

オルデンリッジは悪態を吐きながらカニコフへと向かって行った。

一方、カズミ達は全速力で特務機関の基地からそう遠くない場所にある街へと向かっていた。

「もうつく?」

「ここからそう遠くないし、この速さならあと30分くらいで着くよ」

「はーい」

カズミは改めてレーダーを見て追手がいない事を確認しながら、不安になる気持ちを抑えようとしていた。

(まだ私は捕まってると思われてるはず。だから、お父さんもお母さんも無事だとは思うけど...いつバレるか分からない。急がないと!)

そしてカズミの言った通り、30分程経過した頃には目的の街が見えてきた。

↓1
01〜10 特務機関がいた
10〜 誰もいなかった
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 21:36:30.66 ID:xOkM3uHFo
はい
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 22:22:53.21 ID:Lfolo81x0
66 誰もいなかった ゾロ目ボーナスで次のコンマ判定緩和

街は特に兵士や警察の巡回や封鎖があるわけでもなく、いつもと変わらない日常を送っている様子だった。

「良かった、誰もいない」

安全を確認したカズミは街のはずれにある住宅地へと向かい、ある一軒の家の前で止まった。

「着いた...」

久しぶりの実家に思わず感慨深い思いが込み上げる。

すると家の目の前に突然1機のPEMが現れたという事もあって、事態を確かめようとカズミの両親が出てきた。

「お父さん、お母さん...!」

「へー、あれがお姉ちゃんの家族なんだ。そっくりだね〜」

見ない間に少し老けた両親の顔を見て涙が溢れそうになるがそれをグッと堪えると、コックピットを開けて2人に呼びかける。

「早く車に乗って!私が運ぶから!」

コックピットから現れた予期せぬ人物を見て、カズミの両親は涙を流しながらしばらく呆けていた。
その様子に釣られてカズミも一筋の涙を流したが、それを拭うと声を張り上げた。

「早く!」

それを聞いて先に動いたのは母親だった。

「ほら、聞きましたか!行きますよ!」

「あ、ああ...」

返事をしながらも脚が動かない父親の手を引っ張ると、母親は車に無理やり押し込んだ。
それを確認するとカズミもコックピットを閉め、両親が乗った車をADMで抱えるとその場を去った。

↓1 ライとオルデンリッジは?
ゾロ目ボーナス補正+5
01〜05 ライ、死亡
05〜20 ライ、負傷
21〜70 オルデンリッジを圧倒した
71〜 オルデンリッジを圧倒し、サノスも救出した

今日はここまで。
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 22:32:59.34 ID:noybljN60
乙でした
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 22:39:25.09 ID:rMExc0+do
おつ
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 19:26:39.18 ID:wwhSjM3L0
正規ルート外れた感はあるけど今全体としてはどこなんだろう、中盤くらい?
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:12:51.98 ID:Ue2MZXXh0
>>825
がっつり終盤ですね。ちなみに特務機関ルートならガザレムとの戦争をもう少し詳しく描くつもりでした。


34 オルデンリッジを圧倒した

「コイツら、何が目的だ...?」

ライとの戦闘の最中、オルデンリッジは疑問を口に出した。

2人の操縦技能の差はとても大きく、オルデンリッジは戦闘が始まって以来未だにライに一撃を与えることさえできていない。それどころかライにしてみればオルデンリッジを仕留める機会は何度もあった。にも関わらずオルデンリッジは未だに生きている。明らかに殺しを避けようとしているのだ。仮に何らかの目的の為の時間稼ぎだとしても、それは敵機を撃破しない理由にはならない。

そんな疑問に頭を悩ませながらもオルデンリッジは何とかその場を突破しようとする。

そんなオルデンリッジの攻撃を華麗に捌いているライにカズミからの通信が入った。

「ライさん、目的は達しました。もう退いて頂いても大丈夫です」

「わかりました。...我々との約束、忘れないで下さいね」

「分かってます」

「では、また会える事を楽しみにしてますね」

そう言うとライはカズミとの通信を終え、部下たちに指示を出して特務機関の基地から撤退していった。

追撃するだけの残存兵力も無く、悠々と去っていくガーディアンオブエデンの背中を、オルデンリッジはただ見ていることしかできなかった。

「なんと長官に報告すればいいんだ...」
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:15:07.32 ID:Ue2MZXXh0
──中央大陸、どこかの隠れ家──

「──と言う訳で、こんな事になりました」

無事に両親を隠れ家に連れてきたカズミは、これまでのことの経緯を説明していた。

「なるほど...」

父親が深刻そうな表情をしながら、ため息混じりに呟いた。そんな様子を見てカズミは叱責される事を覚悟した。

「...何はともあれ、お前が生きていて良かった」

「え?」

カズミは思わず間抜けな声をあげた。

というのも彼女の記憶にある父親は国家への忠誠心が強い、いかにも軍人といった気質だったからだ。実際、姉のアルトが記者になると言った際には、それなりの一悶着があった。

自分も同じように、国を裏切るとは何事だ、と激怒されるかと思っていたが蓋を開けてみればこの態度で、カズミは驚きを隠せない。

「何だその顔は」

そんな父親の言葉を聞いて、母親がため息をつく。

「これまでの自分の態度を顧みたらどうですか?」

「む...。まあ、色々あったからな。考えも変わる」

「この人、あなたが軍に入るのを許可したこと、ずっと後悔してたんですよ。可愛い娘を手放すべきではなかったなんて言って」

「な、なにを!現に亡くなってなかったんだし、態々それを言わなくてもいいだろう!」

そんな2人の様子に釣られてカズミは思わず笑顔を浮かべた。そんな娘を見て父親と母親も互いに見合いながら微笑む。

「とにかくだ。お前の話し振りからも、決して半端な思いでこの道を選んだのではないことぐらい分かる。子供が自分でした選択なら、どんなものであろうとそれを受け入れるのが親というものだ」

「つまりは、好きにやっていいって事ですよ」

腕を組む父親の横で、人差し指を立てながら母親がそう付け足した。

「ありがとう、お父さん、お母さん!」

「ところで──」

すると不意に母親の視線がカズミの背後へと移った。

「ほえ?」

「あなたがエヴァちゃんね!とっても可愛らしいわ!でも少し髪がボサボサですね。...よし、一緒にお風呂に入りましょうか!それからお手入れをしてあげるから──」

そんな事を言いながら母親は有無を言わさずにエヴァを風呂場へと連れていった。

そんな様子を尻目に見ながら、父親が口を開いた。

「ところで、あいつは無事なのか?」

「お姉ちゃんのこと?それなら、うん。ガザレムの首都にいるらしいよ」

「そうか。なら良いが...」
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:16:34.55 ID:Ue2MZXXh0
──両親救出より、数週間後──

テレビを見ているカズミの目に思わぬ情報が飛び込んできた。

『ここで速報です。つい先程、ブルトニア軍がガザレムの山岳要塞を突破したとの報せが入りました。ガザレムの首都防衛の要衝となっていた山岳要塞が陥落した事から、ブルトニア軍のガザレム首都への侵攻が懸念されます。これを受けてスフィア連盟国は──』

「お姉ちゃん...!」

カズミあわてて携帯を取り出すとアルトに電話をかけた。

「カズミか?」

「お姉ちゃん、無事!?」

「ああ、無事だ。...ニュースのことだろ?」

「うん!きっと首都ももう安全じゃないよ!私が迎えに行くから──」

「アタシもそうして欲しいのは山々なんだか──」

↓1
01〜10 誰かに見張られている
11〜40 ガザレムの機密情報を知ってしまった
41〜 戒厳令で移動ができない
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 20:17:50.81 ID:XcCKaTyz0
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:33:15.66 ID:Ue2MZXXh0
81 戒厳令で移動できない

「戒厳令で移動が制限されててな、国外に移動できないんだ」

「...つまり、ガザレムに私が直接行かないといけないってことだよね。しかもガザレムとブルトニア、両方の軍を避けながら」

「まあ、そういう事になるな。だから別に来なくてもいいぞ。こっちはこっちで何とかする」

「な、何言ってるの!助けに行くに──」

「まあ、落ち着け。...お前には守りたい人が居るんだろ?ならそっちを優先しろ」

「でも...」

カズミの不安そうな声を聞いて、アルトは軽く笑った。

「心配するな。お前より頭はキレるからな、上手く立ち回るさ」

「...」

↓3まで多数決
1 助けに行く
2 助けに行かない
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 20:42:37.75 ID:XcCKaTyz0
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 20:44:15.82 ID:+D9DfnQdo
1
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 21:11:37.71 ID:Ue2MZXXh0
1 助けに行く

「確かに私には絶対に守りたい子がいる」

そう、自分の意思で入った訳じゃなかったけど、一緒に過ごしてきた人たちを裏切ってでも。

「分かってるよ。だから──」

「でもそれはお姉ちゃんを見捨てる理由にはならないよ」

「カズミ...」

もちろんエヴァのことは必ず守る。しかしエヴァの事を守った上で、せめて自分の手の届く範囲にいる人だけでもいいから守りたい。

それがカズミの導き出した信念だった。

「...カズミがそうしたいのなら、もう言うことはない。そうと決まればすぐにでも来てくれ。首都の国立図書館で待ってるから」

「分かった、すぐ行くね!」

カズミは電話を切ると両親、そしてエヴァに話の内容を伝えた。

「べつにいーよー」

カズミの母親の手によって綺麗になった髪を撫でながら、エヴァはいつもの調子で答えた。そして父親と母親が口を開く。

「...行ってこい」

「あら、そんな淡白な言い方をしなくても。あの娘を迎えに行く為にあなたがずっとあのPEMを動かせないか試してたの、知ってますからね?」

「い、言わなくていい!」

3人の言葉を聞いてカズミは頷いた。

「じゃあ、行ってきます!」

カズミは両親に一礼すると、エヴァに手を差し出した。

「それじゃあ行こう、エヴァ!」

「うん!」
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 21:32:41.62 ID:Ue2MZXXh0
──ガザレム首都──

カズミ達は首都を構成する特別区とその外側の地域との境目の上空を飛んでいた。

「やっぱり、もう戦いが始まってる...」

特別区を見下ろすカズミの目には無数の爆発や対空砲火が映っていた。
中でも一際目を引くのは特別区の中心に建てられた平和の塔と呼ばれるモニュメント兼通信塔だ。世界有数の観光名所として名を馳せていたが、今ではその面影は消え去り、改修によって強固な要塞として役割を果たしている。

「あそこが1番の激戦区みたいだね」

「お姉ちゃんのお姉ちゃんはどこにいるの?」

「お姉ちゃんがいるのは国立図書館だよ。地図で見る限り、特別区の北の端っこにあるっぽい」

それを聞いてエヴァは特別区の北側に目を向けた。

「あんまりさわがしくなさそうだね」

「うん。中心からは離れてる上に、戦略的な価値も余り無さそう。とはいえ、気は抜けないね」

それもそのはずでここに到達するまでにカズミは既に数回、ブルトニアの後続部隊や中継基地に出くわしている。
カズミの裏切りが特務機関にバレているのか、仮にそうだとしてブルトニア軍にどう伝わっているのかは分からない。いずれにせよ追手が来る可能性は高い。

「とにかく急ごう!」

↓1 遭遇したのは?
01〜50 ブルトニア軍
51〜 ガザレム軍
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 21:34:04.21 ID:PRNe5Yfto
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 21:34:11.80 ID:VAP2D9kV0
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 22:04:27.59 ID:Ue2MZXXh0
21 ブルトニア軍

雑居ビルの屋上に設置された簡易陣地で2機のスパイヤーズが監視任務を遂行していた。

「異常は?」

「ねえよ。だいだいこんなとこ敵も通らねえだろ」

「まあな...。とは言え、気を抜いてるとコックピットをスナイパーに撃ち抜かれるぞ?」

「ハッ、折角ガザレムの奴らを殺せると思ったのにこんな風にお預け状態なら、そっちの方がマシかもな」

そんな風に暇を持て余していた2人に、未確認の機体が接近している事をレーダーが指し示した。

「お、敵か!?」

「分からない...なんだ、速いぞ?新型か?」

「こんなとこにそんな戦力を投入するか?お、目視出来たぞ」

そう言ってモニターを覗き込んだブルトニア兵の目に見覚えのある姿が入ってきた。

「お、おい、あれ!」

「あ、ああ!」

出発前のブリーフィングで見た、白く凛々しい姿が印象的なPEMだ。
詳細は機密事項として知らされなかったがもしこの機体を見かけることがあったら、現在遂行中の如何なる任務よりも優先して捕らえるようにとの命令が下っていた。

「行くぞ!」

「ああ!こりゃ昇進のチャンスかもな!」

↓1 腕前は?
01〜60 兵卒
61〜90 熟練
91〜 エース

今日はここまで。
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 22:29:56.15 ID:XcCKaTyz0
乙でした
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 22:41:23.86 ID:PRNe5Yfto
おつ
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 19:50:10.85 ID:A6p/oEYU0
15 兵卒

↓1敵の数は?
01〜60 2機
61〜90 3機
91〜 4機
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 20:09:54.69 ID:/GsSRc52o
はき
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 20:21:23.94 ID:A6p/oEYU0
69 3機

上空を移動するADM目がけて、地上から弾丸が飛んできた。

「危なっ!」

それをサラリとかわすと、カズミは地上に目をやった。

「あれは...ブルトニアの」

ADMの速度で振り切ってしまうか、それとも念のために行動不能にしておくべきか。
カズミがそう悩んでいる間に、付近を巡回していた1機のスパイヤーズが異変に気づき、ADMの行く手を塞いだ。

「しまった...。なら、やるしかない!」

↓1
01〜15 被弾
16〜 敵撃破
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 20:24:28.48 ID:hRnXgPFH0
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 20:55:08.24 ID:A6p/oEYU0
48 敵撃破

「よし!トラバースがヤツの足を止めたぞ!」

「これで3対1だ、おまけに挟み撃ち!機密だか何だか知らねえが貰ったぜ!」

2人のブルトニア兵は鼻息を荒くしながらフライングボードを起動して上空へ移動すると、ADMへと向かっていく。十分近くまで背後に接近したと2人が思ったその時、ADMが動いた。

「なに!?」

「どこに──」

消えたADMの姿を見つけようと2人が辺りに目を向けていると、ADMの正面に位置取っていたスパイヤーズが突如地面へと落下する。それと同時にそのスパイヤーズの背後からADMが姿を現した。

「嘘だろ?」

そう兵士が呟き終えるのと同時にADMが動き出す。

「ま、まだ2対1だ!行くぞ!」

2機がかりでスパイヤーズはADMを攻撃するが、全て受け流されてしまう。そしてすぐに先程のスパイヤーズど同様にフライングボードを壊され、彼らは落下した。

そんな様子を見ながらカズミが呟く。

「私が言うのもなんだけど、こんな大事な戦いの時にあんな体たらくで大丈夫なのかな?」

「お姉ちゃんもつよくなったねー。はじめて会ったときとはおおちがい」

「まあね。というか私というよりは、殆どADMの性能のおかげな気もするけど。...と、とにかく、先を急ごう!」

↓1 道中敵に?
01〜30 遭遇した
31〜 遭遇しなかった
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 21:15:54.81 ID:/GsSRc52o
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 21:32:26.28 ID:A6p/oEYU0
81 遭遇しなかった

ひょっとすると先の戦闘で異変に察知されたかとも思ったが、追手は来ず、部隊にも会うことはなかった。

このあたりは主要な戦闘地域である中央部から離れており、また避難した民間人が多いことから、両軍ともに部隊は殆ど展開していないらしい。
実際ここに来るまでに着の身着のままで通りを歩く民間人を何度か目撃した。

「これが戦争か...」

そんな事を呟きながらもカズミは国立図書館へと向かい続けた。

そうして進み続ける事十数分後。

「着いた...ここが国立図書館」

↓1
01〜40 ブルトニアの部隊がいた
41〜 敵影なし
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 21:38:11.56 ID:hRnXgPFH0
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 22:12:25.98 ID:A6p/oEYU0
56 敵影なし

「周りにもPEMの姿はなしっ...と」

周囲の安全を確認し、カズミはアルトに連絡を入れる。

「もしもし、お姉ちゃん?国立図書館まで来たよ」

「分かった。外に...何の音だ?」

「音?」

疑問に思いながら耳を澄ますと、地面の方から何かの音が聞こえてくる。

「ゆ、揺れだした?」

地面の揺れと音は次第に大きくなり、やがて大きな衝撃が辺りを襲った。

「じ、地震?」

「いや、これは──」

アルトが言い終えるよりも早く、轟音が鳴り響いたかと思うと国立図書館の一部が崩落した。

「お姉ちゃん!?」

通信機越しに聞こえてくるのはただの雑音だけだ。

「一体何が...」

「何かいるよー」

エヴァが崩落した国立図書館の方を指さした。

カズミが目を凝らしていると、土煙の中からPEMが出てきた。

「な、何アレ!?あ、アダム...って、今は停止してるんだった」

煙の中から現れたのは、まるで紅い鎧を身に纏った騎士のような風貌のPEMだった。その立ち姿は返り血を浴びた様で、見る者を畏怖させる。
そしてさらにその背後からは六角形に似たフォルムに砲身の長いキャノンが特徴的な白いPEMが現れた。

「あれは特務機関の資料で見た!確か...ヘキサ。ガザレムの砲兵部隊が使ってるPEMの筈...って事はあれはガザレムの部隊!?」

どうして、どうやってここに。そんな疑問が尽きないが、それよりも姉の安否がカズミには気掛かりだった。

すると真紅のPEMと目があった。

「攻撃して...くる?」

ADMの姿を認めると、紅いPEMはヒートランスを構えた。

「やっぱり、やるしかないか!」

↓1 腕前は?
01〜70 熟練
71〜90 エース
91〜 エースオブエース


今日はここまで。
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 22:14:04.88 ID:/GsSRc52o
おつおつ!
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 22:14:47.49 ID:hRnXgPFH0
乙でした
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 19:54:09.12 ID:Q022zQAd0
88 ゾロ目ボーナスで繰り下げ 熟練

目の前に立つ白銀の騎士を思わせるPEMを見てガザレム兵は唸った。

「見たことない機体だ...。新型か?ふっ、だがこのシュヴァリエルージュに勝てるかな?」

彼が口に出した機体、G.W.002 シュヴァリエルージュはガザレムの首脳部がブルトニアとの戦争に備えて製造させた機体である。バウエル・インダストリから流出した技術を採用しており物理、実弾だけでなく、ビーム兵器にも高い耐久性を発揮する。
機体の製造には多額の費用がかかるため精鋭部隊にしか配備されておらず、まさにガザレムにとっての虎の子である。

接近戦は不得意なヘキサが撤退したのを確認すると、シュヴァリエルージュはADMへと突っ込んだ。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 20:19:50.92 ID:VOED10V8o
1
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 20:30:03.74 ID:Q022zQAd0
カズミ 3/3 近接
ガザレム兵 3/3 近接
操縦技能の差により+5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜35 カズミ −1
36〜45 拮抗
46〜70 ガザレム兵 −1
71〜 ガザレム兵 −2
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 20:48:09.32 ID:rKHCLGR9o
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 21:06:21.66 ID:Q022zQAd0
32+5=37 拮抗

シュヴァリエルージュはヒートランスの穂先をADMに向けながら突進する。

ADMはそれをひらりとかわし、ガラ空きになった敵の背中にブレードを振るった。
が、しかし、シュヴァリエルージュは素早く振り返りながらランスを振り回し、ブレードを払い退けた。続く振り下ろしをサイドステップでやり過ごすと、ADMは一歩下がった。

「止められた...」

見慣れない機体ということもあり、慎重を期すためにいつもより丁寧で遅めな振りかぶりではあったが、それでも十分速度のあるADMの攻撃が防がれた。
つまり、それは先程のブルトニア兵とは違って警戒する必要のある相手だという事を意味している。

「気は抜けない!」

姉のことが頭にチラつくが、そんな自分を戒めるかのようにカズミは声を張り上げた。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 21:15:37.50 ID:TB0wufFQ0
近接
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 21:15:47.43 ID:n3cBZ2/t0
近接
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 21:19:08.58 ID:Q022zQAd0
カズミ 3/3 近接
ガザレム兵 3/3 遠距離
操縦技能の差により+5
相性不利により−10

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜35 カズミ −1
35〜45 拮抗
46〜70 ガザレム兵 −1
71〜 ガザレム兵 −2
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 21:21:47.56 ID:VOED10V8o
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 21:45:26.27 ID:Q022zQAd0
56+5−10=51 ガザレム兵−1

ADMは再びブレードを構えるとシュヴァリエルージュに正面から向かう。

「随分と自信満々だな!」

ガザレム兵は久々の強敵との戦闘で逸る気持ちを抑えながらヒートランスを構えた。

ADMがブレードを横に薙ぎ払うが、縦に構えられたランスがそれを受け止めた。

「ここからっ!」

受け止められた状態のままADMはブレードで突きをお見舞いしようとする。だがシュヴァリエルージュはそれに反応してランスでブレードの軌道を力づくで逸らした。
その反動でADMが後ろによろめくと、シュヴァリエルージュは隙を狙っていつの間にかに取り出した大きなビームマシンガンを構えた。

「これを喰らいやがれ!」

そうしてビームマシンガンの引鉄が引かれるその寸前、ADMは回し蹴りを相手の腕に直撃させて狙いを逸らすとブレードを振るった。

「何だとっ!?」

シュヴァリエルージュは咄嗟にランスで防御行動を取るが、間に合わずに一撃を貰った。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 21:58:40.78 ID:n3cBZ2/t0
滑空
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 22:15:19.06 ID:Q022zQAd0
カズミ 3/3 滑空
ガザレム兵 2/3 滑空
操縦技能の差により+5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜35 カズミ −1
35〜45 拮抗
46〜70 ガザレム兵 −1
71〜 ガザレム兵 −2

今日はここまで。
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 22:21:02.10 ID:TB0wufFQ0
乙でした
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 22:54:29.87 ID:VOED10V8o
おつー
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 18:58:25.09 ID:6C0JGgcL0
10+5=15 カズミ−1

シュヴァリエルージュは距離をとって体勢を整えようとしたのか、フライングボードを起動すると上空へと移動した。ADMもそれに追随するように飛翔する。

「は、速い...」

ガザレムの秘密兵器ということもありシュヴァリエルージュの素早さは、ヘルミラーを除いて、これまでにカズミが遭遇したPEMの中でも突出していた。

「だけど!」

とはいえ流石にADMの速度には劣り、カズミは敵機の背後に張り付いた。

ADMのライフルから放たれたレーザーが紅い騎士を追いたてる。そしてカズミの思惑通りに誘導されたシュヴァリエルージュに背後からレーザーが迫った。

するとシュヴァリエルージュは振り返って、レーザーを正面から受け止めた。

「効いてない!?」

「ふっ...」

カズミの動揺とは裏腹にガザレム軍のパイロットは落ち着いた表情をしていた。

シュヴァリエルージュはバウエル・インダストリから流出した技術者の協力により、エネルギー兵器に対して高い防御性能を誇る。
それに加えてパイロットは精緻な操縦により、正面の最も装甲が厚い部分で攻撃を受ける事で被害を最小限に抑えたのだ。

「反撃の時間だ...!」

そう独りごちたパイロットはビームマシンガンの狙いをADMに定めた。

こちらに向かってくる光を見てカズミはすぐに回避行動を取ろうとしたが、あることに気づいた。

(背後に図書館!避ける訳には...)

被害が図書館に及ぶことを懸念したカズミは回避せず、こちらもレーザーを放つことで相殺を試みた。
しかし、撃ち漏らした1発がADMに直撃してしまった。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 18:59:32.97 ID:2w22M0We0
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 19:06:13.28 ID:6C0JGgcL0
カズミ 2/3 近接
ガザレム兵 2/3 滑空
操縦技能の差により+5
相性有利により+10

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜35 カズミ −1
35〜45 拮抗
46〜70 ガザレム兵 −1
71〜 ガザレム兵 −2
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 19:20:50.72 ID:6LQifWLw0
どうだ
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 20:11:05.67 ID:6C0JGgcL0
72 ガザレム兵−2

被弾した今が好機だと考えたシュヴァリエルージュはヒートランス片手にADMに突貫してきた。

「まずっ!」

何とかランスの直撃はかわしたものの体当たりを喰らってしまい、ADMは地面へと落下した。

落下の衝撃で視界がチカチカしながらもカズミはすぐにADMを立ち上がらせた。すると正面から接近してくるシュヴァリエルージュが目に入った。そしてそのままブレードとランスの激しい剣戟が始まった。

「はあっ!」

形勢はカズミが有利だが、相手はうまく攻撃をいなし致命傷を避けている。

「ちっ!」

とはいえガザレム兵の舌打ちが示すように、明らかにシュヴァリエルージュは追い詰められつつある。

その時だった。再び図書館の一部が崩落し始めた。

(お姉ちゃん...!)

その思考は一瞬のことだったが、それを相手は見逃さなかった。

「貰ったぜ!」

シュヴァリエルージュはランスで器用にブレードをADMの手から弾いた。そしてランスの穂先がADMの胴体に狙いを定める。

「死ねぇ!」

そうしてランスが突き出された。その筈だったのに、次の瞬間には何故か元の持ち主にランスが突き刺さっていた。

「ど、どういう事だ!?」

パイロットはランスを持っていた筈のシュヴァリエルージュの手に視線を移した。そこには穂先の少し手前で折られた柄だけが残っていた。

「ば、馬鹿な...。あの速度を捉えただと!」

パイロットは悪態を吐きながらも、何故か相手がトドメを刺してこないので急いで機体から脱出すると路地裏へと消えて行った。

「ふぅ...」

それを見届けたカズミは大きく息を吐いた。
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 20:13:45.14 ID:6C0JGgcL0
すると突然無線が飛び込んできた。

「ケホッ...おーい、カズミ、ここだ!図書館の入り口だ」

「お姉ちゃん!!」

そちらに視線を移すと、埃まみれになってはいるが五体満足のアルトが手を振っていた。カズミはすぐにアルトを回収した。

「せ、狭いな」

後部座席に座ったアルトが呟いた。

「久しぶりー、お姉ちゃんのお姉ちゃん」

「久しぶりだな」

ちょこんと膝の上に座ったエヴァに挨拶をすると、アルトはカズミに声をかける。

「遅れて悪かった。崩落のせいで混乱に陥った避難民たちでごった返してて身動きが取れなかったんだ」

「いや...お姉ちゃんが無事でよかったよ。あれは地震だったの?」

「違うだろうな。途中でチラッと見たが地面に大きな穴が開いていて、何処かに繋がってるみたいだったぞ。そう、地下通路みたいにな」

「そっか...」

(地下通路...ガザレムの作戦?そういえばさっき赤いPEM以外にもヘキサもいた。あれはガザレムの砲兵部隊...そしてこの辺りはブルトニアの警戒も薄い)

そんな風に思考を巡らせていたカズミだったが、それは突如飛来したビームによって中断された。

「スクエア!?」

(何が起きてるのかは分からない。けどお姉ちゃんは回収したし...)

しかしカズミにはアルトの言葉が引っかかっていた。

『避難民たちでごった返してて身動きが取れなかったんだ』

(まだ中には民間人が居る!たぶん...このままだとここは交戦地域になる。そしたら中の人たちは...!でも長居すると危ない...)

「どうした、カズミ?」

「...」

↓3まで多数決
1避難民を助ける
2アルトとエヴァを優先する
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 20:15:28.05 ID:2w22M0We0
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 20:19:10.65 ID:27MMnfRho
1
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 20:34:39.72 ID:sQeyjTMIo
1
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 20:49:10.67 ID:6C0JGgcL0
1 避難民を助ける


「ごめん、2人とも。私、図書館の人たちを助けたい!」

それはカズミが姉に語った信念からくる決意だった。目の前に助けられる人がいるなら助ける。その想いが彼女を突き動かした。

「なるほどな...カズミらしいよ。わかった、助けよう」

「いーよー」

「2人とも...!」

本当に自分は周りに恵まれている、そう感じながら目頭が熱くなった。

「なら、私が彼らを安全なとこまで誘導しよう」

「...わかったよ。その間にできるだけ図書館からガザレムを遠ざけておくね」

「ああ。頼んだぞ」

そう言ってアルトはADMから降りると、図書館へと向かって行った。

「よし!」

そうしてカズミが気合を入れるのと同時にスクエアが接近してきた。

↓1 敵の腕前は?
01〜30 兵卒
31〜90 熟練
91〜 エース
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 21:09:31.84 ID:2w22M0We0
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 21:15:00.00 ID:6C0JGgcL0
↓1 敵の数は?
01〜30 2機
31〜80 3機
81〜 4機
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 21:16:47.96 ID:3foYT8qI0
a
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 21:16:50.46 ID:sQeyjTMIo
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 21:31:18.20 ID:6C0JGgcL0
アルトが言っていたであろう地下道から出てきたスクエアが4機、ADMのもとへと向かう。

「一体どうなってんだ、ここにブルトニアのクソ野郎共はいない筈だろ?」

「その筈だが...」

「おい見ろ、先行してた筈のアズブル軍曹の機体だ!」

「あの白いの、油断できないな...」

無線でやりとりをしながら、4人は図書館から離れていくADMの後を追った。

↓1
01〜30 被弾
31〜60 拮抗
61〜 撃破した
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 21:39:06.45 ID:2w22M0We0
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 22:19:54.90 ID:6C0JGgcL0
45 拮抗

「それで...わかった。東の学校なら安全なんだな?分かった、ありがとう」

図書館の他に避難に適した安全な場所があることを同僚から確認するとアルトは電話を切った。

埃まみれの図書館の中を進んで、避難している人たちが集まっているところまで向かった。そこでは子供や老人、その家族が恐怖で震えながら身を潜めていた。

「みなさん、聞いてください!このままだとここは戦場になります!東の学校は安全なので、そこに移りましょう」

アルトの大声を聞いて皆が彼女に視線を移した。

「もう安全な場所なんてどこにもないんだよ!」

初老の男性が顔を赤くしながら怒声を張り上げた。

「そうよ...」

「もう俺たちは終わりなんだ...」

アルトはこうなるであろう事を予期していた。

「はぁ...死にたい人はご自由にどうぞ、アタシはあの子程優しくないんでね。だけど、少しでも生きたいって思う奴はアタシに着いて来い」

だからこそこの言葉は彼女の本心だった。

暫く沈黙が流れた後、1人の少年が立ち上がった。

「ボクは行く!」

「お、おい...」

少年を引き止めようとする男の声を無視して、彼は一歩踏み出した。

「このお姉ちゃんはここにいる間、誰よりも励ましてくれた!...それにボクはまだまだやりたい事がある!もっといろんな事を知って、色んなところに行って、それに、まだ何の夢も叶えてないもん!」

少年はぐっと拳を握りしめる。

「...パパと、ママの分までボクは生きたい!」

そんな少年の心の叫びに突き動かされたのか、他の人々も立ち上がり始めた。

「...なら、アタシについて来い」

そう言ってアルトは避難民たちを外へと連れ出し、学校への誘導を始めた。

そんな中、遠くの上空でビームを避けながら駆ける白い騎士を見てアルトは呟いた。

「そっちは任せたぞ、カズミ」

↓1
01〜30 被弾
31〜60 拮抗
61〜 撃破した


今日はここまで。
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 22:27:35.62 ID:27MMnfRho
ヌッ
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/05(土) 22:46:49.63 ID:sQeyjTMIo
おうー
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/06(日) 22:04:39.30 ID:4RtrxWKy0
62 撃破した

「これだけ離れれば大丈夫かな...」

そう呟くとカズミはADMを反転させ、迫りくるスクエアのうち1機のフライングボードを撃ち落とした。

「くそっ、やられたぞ!」

「直撃はしてなかった、生きてはいる筈だ!」

残る3人のガザレム兵達は狼狽えながらもADMとの距離を詰めていく。そうしてADMを取り囲むと猛烈なビームの射撃が始まった。

「エヴァ、掴まってね!」

エヴァがうなづいたのと同時に、カズミはレバーを一気に倒した。

「なんだ!」

「速すぎて狙いがつけられないぞ!」

「取り敢えず撃て!」

ADMは3機のスクエアを翻弄するように空中を舞う。

ガザレム兵達は視界の端に出たり入ったりする白い影を追うのが精一杯だった。それに加えてあまりにも速い視点の移動のせいで狙いが徐々に雑になっていく。

「居た、そこだ!」

ようやくADMの姿を捉えた1機のスクエアがビームを放つと、ADMは瞬時に姿を消し、その背後にいたスクエアが姿を現した。

「俺を撃ってどうする、このマヌケ!後で覚えてろよ!!」

そんな恨み言を吐きながらスクエアがまた1機落ちていった。

「よし!」

このままの調子で行けば、と考えたカズミだったが、次の動きを予想していた1機のスクエアによって道を塞がれた。

振るわれたビームサーベルをブレードで受け止めると、そのまま近接戦に突入した。

「はっ、流石はトム!そのまま任せたぜ...」

獲物を狙うハンターのように舌なめずりをしながら、ガザレム兵は仲間と戦っているADMに狙いを定める。
息を吐き切るのと同時に放たれたビームは真っ直ぐにADMへと向かって行く。

「それなら!」

ADMはサーベルを振るってきたスクエアの左腕を斬り飛ばすとそれを掴んで、放たれたビームに対しての盾がわりにした。

そのまま正面のスクエアをフライングボードから蹴落とすと、斬り落とした左腕からサーベルを回収、遠方にいた最後のスクエアが乗るフライングボードに投擲した。

「よし...」

安堵するカズミにアルトから連絡が入る。

「カズミ、避難は終えた。迎えにきてくれ」

「すぐ行くね!」
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 22:05:33.05 ID:072Weh+B0
更新が早い、感謝
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/06(日) 22:05:42.74 ID:4RtrxWKy0
カズミはアルトに言われた地点に急行すると彼女を回収、脱出の準備を始めた。

「準備はいい?」

「ああ。いつでも行けるぞ」

「しゅっぱーつ!」

そしてその場から移動しようとしたその時。

「うそ...」

目の前にシュヴァリエルージュの小隊が立ち塞がった。

(1機だけでも手強かったのに!)

加えてレーダーに警告が表示される。

「これ、この識別番号はブルトニアの...!」

その数は少なくとも10数機、おそらくその後ろには予備兵力も控えているだろう。

ガザレム軍もそれに気付いたのか素早く片をつけようと武器を構えた。

「駄目だ...」

「どうした、カズミ?」

アルトの声はカズミの耳には入っていなかった。

「こんな数を相手に、逃げられる訳がない...!私のせいだ!私が...」

「いいや違う。アタシ"達"のせいだ。カズミを止めなかったアタシも悪い。だから...アタシも一緒だ」

「っ...!」

そんな2人のやり取りを見ていたエヴァがふと呟く。

「お姉ちゃんはずっとエヴァを守ってくれた。だから、こんどはエヴァがお姉ちゃんを守るよ」

「え──」

するとエヴァは目を瞑ってハミングを始めた。そのメロディーは戦場には似つかわしくないゆったりとした穏やかなもので、だけど少しの荘厳さが感じられる。

「え、エヴァ?」

「カズミ...見ろ」

アルトに促されてモニターを見ると、さっきまで晴天だった空があっという間に曇天に様変わりしていた。

「いったいどういう──」

カズミの疑問の言葉は、突如鳴り響いた轟音と辺りに走った光に打ち消された。

目の前のシュヴァリエルージュに雷が直撃したのだ。それも一度で終わらず、続けて他の機体にも雷が落ちている。

「ははっ!やったな、カズミ!エヴァは神の子か何かなのか!?」

「わ、わからない...」

2人の会話をよそになおもエヴァはハミングをやめない。

「とにかく今のうちに行こう!」

そうして3人はガザレムからの逃避行を始めた。

その道中で何度もガザレム、ブルトニアの軍に遭遇したが、その度に落雷が敵機を蹴散らした。何本もの閃光が枝分かれしながら降り注ぐその光景は、さながら神の怒りが地上に振るわれているかのようだった。

だが、やがてアルトが一つの異変に気づいた。

「おい、どうしたエヴァ!すごい熱じゃないか!」

そうアルトに問われ、肩を掴まれても、エヴァは歌い続ける。そしてそれに呼応するように雷がADMの行く道を切り開く。

「よく分からんが、早くエヴァを休ませてやらないと!」

「わかってる、飛ばすよ!」

カズミは操縦桿を握る掌が汗ばむのを感じながら、考えを巡らせる。

(前にもカナアンでエヴァの調子が悪くなったことはあった。...でも今回のは明らかに違う。きっとあのハミングだ。私たちを助けるために...!)

カズミは掌が痛くなるほど強く操縦桿を握りしめながら、必死でガザレムから脱出したのだった。
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/06(日) 22:07:28.66 ID:4RtrxWKy0
──隠れ家──

「エヴァは?」

部屋の奥から出てきた母親に向かってカズミが尋ねた。

「大丈夫よ。ぐっすり眠ってるし、熱もない」

「そっか...」

何とか隠れ家に辿り着いてから数日後、エヴァの体調は元に戻りつつあった。

膝を抱え込み、俯く娘を見て母親が声をかける。

「何はともあれ、皆無事だった。これ以上にいい事がありますか?」

「...いや」

「ならもっと明るい顔をしなさい。くだらない自己憐憫は慌てたお父さんと同じくらい役に立ちませんからね」

「そんな言い草はないだろう...」

カズミではなく父親が落ち込みながらそう呟いた。

「ところで...戦争の状況はどうなってるんだ?」

父親からの質問にアルトは携帯を見ながら答える。

「同僚から聞いたけどほとんど終わりに近いらしい。首都は制圧、ガザレム軍司令部は第二首都に移動したけど戦線の再構築は絶望的。政府首脳部は各地に亡命、中にはセントラル・ソロニティに潜伏してるのもいるとか」

「なるほど...おおかた傀儡政権が樹立して終戦、反対勢力は悪名高い憲兵団によって一掃と言ったところか」

「ああ、それと。今回の戦いは割と早く終わったけど、本当ならもっと長く続いてたらしいよ」

「どういう事だ?」

「本来ならガザレムの特殊部隊が首都の北部から奇襲を仕掛ける筈だったんだってさ。だけど謎の勢力によってそれが掻き乱されたおかげで首都の制圧がスムーズに進んだんだとさ。おかげで軍民問わず被害が軽く済んだって」

アルトはカズミの方に視線をやる。

「なあ、カズミ。お前たちはアタシだけじゃない、もっと多くの人達の命も救った。無駄じゃなかったのさ」

その言葉を聞いて、ようやくカズミは顔を上げた。

「そう、だね」

笑顔とまではいかないが少し表情が穏やかになった末娘を見て家族の雰囲気が和んだが、それはカズミの携帯の着信音によってかき消された。

「...もしもし?」

「私だ」

「ゼウスさん...」

「何やら派手にやったみたいだが、まあ私には関係ない。それよりも今度はお嬢さんが約束を果たす番だ。禁足地で待っているよ」

それはこの世界の運命を変える、最終局面への誘いだった。


今日の更新はこれだけです。
いよいよ次が最終章です。
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 22:17:06.97 ID:072Weh+B0
乙でした
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/06(日) 22:28:20.78 ID:YesbBxIRo
おつおつ
ほぼほぼトップクラスの実力者になったカズミだが作中最強決定戦はあるのだろうか
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 19:35:10.26 ID:SoPeP1pq0
──ガザレム西部──

カズミ達はゼウスと交わした約束を果たすため、ガザレム西部に位置するテルース教の禁足地へと向かっていた。

「エヴァ、体調は?」

「だいじょうぶだよ。それに、このままいけばすぐ...」

「?」

「なんでもない」

エヴァの態度が気にかかったものの、カズミは飛行に集中することにした。

このあたりは険しい山々が連なっており、風の流れも不安定になっている。気を抜けば岩に覆われた斜面に激突する羽目になる。

暫く進むと、カマエルの小隊が空路を封鎖していた。

「止まれ!識別番号を示すんだ」

カズミは予めゼウスから教えられていた英数字の羅列をカナアンの士官に伝えた。

「...よし。彼について行け」

するとカマエルの1機が編隊から離れ山中へと向かっていったので、カズミも遅れないように後をついていく。

それからも何度かカナアンの哨戒部隊に遭遇しながら、やがて惑星エデンでも最大級のカルデラである、ゲネシス・カルデラに到着した。

そこにはおそらくガーディアンオブエデンのほぼ全勢力とカナアンの大部隊が控えていた。当然その場にはヘルミラーも居た。
そして何よりも目を引いたのは黒き巨人のようなPEM、B-601アトラスだ。通常のPEMのおよそ2倍強の巨体で、重量のある装甲を備えているためただ腕を振るっただけでも脅威になりうるのは間違いない。

「ようやく来たな、お嬢さん」

どうやらそのアトラスに乗っているのはゼウスらしい。

「はい。ところでそんなもの何処で手に入れたんですか?...いや、そんなものが必要なんですか?」

「ハハハ、すぐにコイツの必要性がわかるよ」

ADMがアトラスのそばに降り立つのと同時に、ライから通信が入った。

「カズミさん」

「ライさん、久しぶりですね」

「はい。そうだ、1つ伝えておきたい事が。貴方の──」
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 19:41:33.25 ID:SoPeP1pq0
だがその声はゼウスからの通信で遮られてしまった。

「さて、と。聞こえているんだろう、ガキ。エヴァとか言ったか。お前ならここに来た理由も分かっているな?」

豹変したゼウスの態度に驚きながらも、カズミは後ろを振り返ってエヴァの表情を窺う。彼女の表情は険しかったが、それが何を意味しているのかまではカズミには分からなかった。

「ノアにはもう準備させている、後はお前だ」

「わかった...お姉ちゃん、ヘルミラーに通信をつないで」

「う、うん」

通信を繋ぐとすぐにノアの声が耳に入ってきた。

「エヴァ姉ちゃん、こっちはいつでも良いよ」

「わかった。じゃあ、始めるよ」

エヴァは目を瞑るとガザレムの時と同じようにハミングを始めた。違っているのはメロディーと、ノアも同時に歌っていることだ。

今までのことが頭に浮かんで、カズミはすぐにエヴァを止めようとしたが、他でもないエヴァ自身が片手でそれを制止した。

カズミの心配とは裏腹にエヴァの体調が悪化することもなく、歌はすぐに終わった。そして続いて聞こえてきたのは大きな地鳴りだ。地面が横に大きく揺れる。

そうして揺れが収まった時、カルデラの様相は一変していた。まさしく地が割れたかのように、地下への巨大な穴が空いていたのだ。

「い、いったい何が...?」

かなりの深さがあるようで下の様子は全く見えない。その裂け目はさながら世界の底に続いているかのようだった。

「さて、ここからが正念場だ。地下へ降りるぞ。もちろんお嬢さん、君もね」

カズミに拒否権はなく、地下へ降りる選抜隊、ヘルミラー、そしてアトラスと共に深い闇の中へと入る事となった。

底へと降る道中、カズミは見覚えのあるものを目にした。それは蒼く輝くメルクリウスだ。暗闇の中に蒼白の光が降り注ぐその絶景は、宇宙を知っている者であればそれに近いと思っただろう。

「はぁ...」

そうでなくとも言葉を失う程の眺めだった。

メルクリウスはカズミ達とは対照的に地上へと昇っていき、時折横へと移動して闇の中へと消えていった。

そんな幻想的な風景の中で、カナアンの人々とゼウスだけは憎悪が篭った目をしていた。

「ゼウスさん、奴らがきたぜ」

突然、外に置いてきた部隊を率いるカスケードからゼウスに通信が入った。

「異変を察知して慌ててやってきたってところかな。まあ、もう手遅れだろう。足止めは任せたよ」

「了解だ」
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 19:44:11.09 ID:SoPeP1pq0
目を見張る光景もやがて終わりを迎え、カズミ達は遂に底へと到達した。そこは天然の岩石で作られた大聖堂のようで、見る者を圧倒する。

そしてそんな広い空間の中心にメルクリウスと同じ輝きを放つ、光玉のようなものが鎮座していた。アトラスと同等、あるいはそれ以上の大きさだ。

「ようやく会えたな...エデン!!」

抑えようもない激情と共に、ゼウスはアトラスの背中に搭載されたミサイルを発射しようとトリガーに指をかけた。

が、トリガーを引き切る寸前で指の動きが止まった。

「な、なぜ動かない!」

より正確に言うのなら"何か"に止められた。

『まあ、そう焦らないで』

ゼウスの頭の中に声が響いた。それは男性とも女性とも取れる中性的な声音で、随分落ち着いていた。

そしてその声はその場にいた全員に聞こえていた。

『恨みを晴らすのはいいけど、ここまで来たんだ。みんなには色々と知る権利があるよね』

「あ、貴方は?」

『ああ、カズミ・アーディガン。久しぶりだね』

「え、と...」

『あれ、覚えてない?昔、メルクリウスの泉に落ちたよね?その時お話ししたんだけど...それにあなたの勘の良さはその出来事のおかげなのに...。ひどい、薄情ね!』

と、そんな風に恨み言を冗談めかして告げる。

「ご、ごめんなさい。覚えてないです...」

『なら丁度いいし、みんなに向けて自己紹介しようかな。コホン、ようこそ愛しい我が子達!私が、この惑星を形作る生命、惑星生命体の1つ、エデンだよ!』

カズミには彼、あるいは彼女、とにかくエデンと名乗った存在が何を言っているのか理解できなかった。

「つまり、この星は文字どおり生きてるんだよ。地表は皮膚で、地下を流れるメルクリウスは血液。そしてあの光は心臓」

エヴァが大人と変わりない話し方になっているのにも驚いたが、それ以上にその内容に耳を疑った。

「星が...生きている?」

「うん」

『わが眷属の言う通りさ』

「け、眷属?」

『ええ。エヴァ、そしてノアは私が生み出した存在。いわば私の端末とも言うべき存在だよ』

「わ、訳がわかんないや...」

カズミは話について行けず、頭が痛くなってきた。
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 19:45:12.48 ID:xX2qERSn0
成程、そうきたか
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 19:47:32.56 ID:SoPeP1pq0
『じゃあ順を追って話そっか。長くなるけど、ちゃんと着いてきてね。まず、遥か昔、地球という故郷を捨てた貴方達人類が私の元へ辿り着いた』

「地球って...あのお伽噺のですか?」

『ええ、実在する星だよ。とにかく、そうして貴方達は惑星エデンに定着して、私も貴方達を我が子のように愛し始めた』

「あ、愛ですか?」

誰かを愛すると言うのは分かるが人類丸ごと愛するとはどう言うことなのだろうと、カズミは思わず尋ねた。

『はい。泣き、笑い、怒り、楽しむ。そんな感情を表現に昇華した芸術。ある発明が誰かを助け、一方で誰かを殺す。人間である事に絶望しながらも、人間らしさを称賛する。そんな矛盾に悩みながらも、人であることをやめない。つまり、人が人であるが故に私は貴方達を愛しているのさ』

「は、はあ」

『とにかく!私はそんな貴方達と長い時を過ごしてきた。そしてその過程で私は自身の身を削り貴方達に資源を与え、貴方達はそれを活用してきた。私はそれで構わないんだよ、我が子のために死ねるんだから。でも宇宙に存在する他の惑星生命体、つまり私の仲間はそれをよくは思ってないようで』

そもそもカズミにとっては宇宙という概念もいまいち分からないが、それは置いておくことにした。

『私のために人類を滅ぼすなんて言い出したんですよ。流石にこのままじゃまずいと思って、ひとまず彼らの尖兵がやってこれないように空を封鎖して、それから彼らを説得したの。私とは別個の意志を持った存在を作り出して、彼らの意見次第で人類をどうするか決める、と。ま、何と言おうと滅ぼす気はないけど。ただ、貴方達を生き残らせる為に数を半分くらいにはするかも。私だってそれは身を削られる思いで嫌だけど、私の仲間に全滅させられるよりはマシ』

ここでようやくカズミにも合点がいった。

「つまり、私たちを見極めるための存在がエヴァ...」

『それとノアだね。そして2人を守護する存在としてADMとヘルミラーを創造したのさ』

話が壮大すぎて実感が湧かないものの、カズミが安堵したことが一つあった。それはエヴァが別個の意志を持った存在、つまりエヴァはちゃんとエヴァという1人の存在だということだ。

「え、えと、じゃあこの惑星、エデンさんは生きていて、エヴァとノアは私たちをどうするか決めるために生まれた。こういう事ですか?」

『その通り、100点!』

「な、なら、どうしてゼウスさんとカナアンの人達はここに?」

『そうだね〜。カナアンの人達は私を憎んでいるんだよ』

「憎んで、ですか?」

『そうさ。彼らが言う"約束の地"とは地球さ。いまあの国がある場所は、あくまで人類の到達と共に地球の土が埋められた聖地、と言うだけ。そして私はまさに地球への帰還を阻止する悪魔、だと思われている訳なんだね』
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 19:51:10.93 ID:SoPeP1pq0
「じゃあ、ゼウスさんは...?」

『それは本人の口から聞いたほうがいいんじゃない?その方が彼にとっても、この後の展開に良い方向に傾くかも』

そんなエデンの言葉をゼウスは苦虫を噛み潰したような顔で聞いていたが、やがて一つの溜息と共に口を開き、通信を通してカズミに語りかけた。

「...私はかつて特務機関の長官だった」

(い、いきなりトンデモない情報が!?)

「妻と娘にも恵まれ、仕事も順調。まさに順風満帆だった。だが...」

ゼウスの口調が一気に重くなる。

「だがある日、私達が住んでいたところにメルクリウスの鉱床が見つかり、立ち退きを要求された。もちろん従って、引っ越しした。まず最初に私たちを襲ったのは、学校での娘のイジメだ。馴染めなかったのか、他に理由があるのか分からないが、娘はイジメのせいで毎日が辛そうだったよ。だが、その時はまだやって行けてた」

彼の脳裏に娘の顔がよぎる。

「次に襲ったのは引っ越し先での大地震だ。...妻が死んだ。次?娘はこの惨状に耐えかねて自殺したよ」

ゼウスがコックピットの壁を叩いた音、それが無線越しにカズミにも聞こえた。

「娘が死んだことに私は絶望した。だがそれ以上に...私の支えでは足りなかったのか!!!」

部屋の暗闇の中で首を吊った愛娘の姿がゼウスの脳裏にフラッシュバックする。毎晩夢に見る光景だ。

「...後から家族を奪った大地震はメルクリウス採掘のせいだと聞いたよ。だから私はそれを憎んだ。そして自らの死を偽装し、ガーディアンオブエデンを設立した。だが、実際はどうだ?この目の前にいるクソッタレが奪ったんだよ!なあ!何故、あそこにメルクリウスを!?何故地震を起こした!!大勢が死ぬとわかっていただろうがっっ!!」

耳をつん裂くような怒声の後に聞こえてきたのは、変わらない調子のエデンの声だった。

『貴方達も可愛い子には旅をさせよと言うよね?つまり、私は人類を愛している。だからこそ甘やかすだけではなく、時には試練が必要なんだね』

「このっ...外道がァ!!」

ゼウスは必死に指を動かそうとするが、ピクリとも動かない。
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 19:54:15.56 ID:SoPeP1pq0
『ゼウス、私を殺したいという貴方の願いを受け入れるよ。今後に不安は残るけど...我が子のうちの1人に殺されるのならそれも本望。大丈夫、貴方達ならきっと、ね。ただ、その前にカズミとイヴに伝えておくべきことがあるから、少し待ってね』

突然、名を挙げられたカズミは驚きながらおずおずと尋ねる。

「な、何ですか?」

それと対照的にイヴは口を閉ざしたままだ。

『まず伝えておくべき事として、私が死んだ後、エヴァとノアはどれだけ存在していられるか分からない。最期がやってくるのは明日かもしれないし、10年後かもしれないし、もっと後かも』

「そ、そんな!!」

『でもそれを回避する方法もあるよ。それはエヴァとノアの魂をそれぞれのパートナー、つまり貴方達に移すこと』

「た、魂ですか?」

『はい。ただ留意すべきこととして、1つの肉体に2つの魂は存在できない。どちらかが消える必要がある訳ですが...つまりカズミとイヴ、貴方達のこと』

「消える...」

『はい、意味するのは、死。という事で貴方達には選択肢が幾つかある。1、私を殺させない為に彼らと戦う。2、私を殺す。3、私を殺した上で魂を移す。...あるいは何もせずに立ち去る。さあ、どうする?』

「そんなこと言われても...」

カズミはふと、エヴァを見る。

「好きにしていいよ」

「...」

↓3まで多数決
1 エデンを守る
2 エデンを殺す
3 エデンを殺して、エヴァを救う為に犠牲になる
4 何もせず立ち去る
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 19:57:19.31 ID:xX2qERSn0
1 エデンに守られてきたのならここでエデンを[ピーーー]のは筋が通らない気がする。対話できる存在ならば[ピーーー]よりもすべき事がある気がする
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 19:57:21.08 ID:Lw3A3heJo
ノアはどうするね

取り敢えず選択は3
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 20:06:05.94 ID:UtJe9t5Po
1
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 21:11:42.80 ID:SoPeP1pq0
1 エデンを守る

「...エヴァ、正直に教えて。エヴァは、どうしたい?」

カズミはエヴァの真っ赤な瞳を見つめる。

ここに来るまで共に長い間を過ごした瞳であり、カズミが守りたいと思った者の象徴でもある。

そんな瞳は戸惑うように少し左右に揺れたと思うと、しっかりとカズミを見据えた。

「エヴァは...」

少女は何かを呑み込むかのように開きかけた口を閉じ、そしてまた開いた。

「お姉ちゃんに死んでほしくない。エヴァの為にお姉ちゃんが居なくなるのが、一番嫌」

「...わかったよ」

するとカズミは正面の光玉に視線を戻した。

(正直、エデン...さんをどうすべきかなんて私には分かんない。私達は守られていたのかもしれないし、傷つけられていたのかもしれない。どうするのが皆にとって良いかなんて全然わかんない)

だが、彼女には1つだけ確信を持って言えることがある。

(1つだけ、私に分かるのは、ここまでやって来たのは全部エヴァを守る、ただその為。それを貫く為にやってきた自分の行いを裏切りたくない。私はエヴァに死んでほしくない。そしてエヴァも私のことをそう思ってくれている。それなら...!)

「決めました」

『では聞きましょうか』

「私はエヴァを守る。その為に、あなたを殺させはしない」

カズミの言葉を無線越しに聞いたゼウスがため息をつく。

「お嬢さんがどっちに転ぶかは予想できなかったが...残念だよ。こうなれば奥の手を出そう。あのクソッタレを守るというのなら、隠れ家は把握しているんだ、君の家族は殺す」

「っ...!」

カズミは思わず身を乗り出す。

(だけど...エヴァを...)
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 21:19:38.21 ID:SoPeP1pq0
そんな時、一通のメッセージが届いていた事に気づいた。

『下で何が起きてるかは分かりませんが、念のために先程伝えられなかったことを伝えておきます。貴方の家族は私の信頼できる部下が安全なところに移動させました』

「ら、ライさん!?なんで...」

続きにはこう書いてある。

『貴方がガザレムで民間人を助けたと聞きました。力があるのだから目の前の人間を助ける。...それはきっと、私がやりたかったけどできなかった事です。そして何より...そこには私の家族もいました。貴方の味方になるわけではありません。ですがお礼、いや、貴方の信念に敬意を表して、貴方の家族の安全は私が保証します』

メッセージはそれで終わっていた。

自分の行いはやはり無駄ではなかったと、その事を誇りに思いながらカズミは顔を上げた。

「ゼウスさん、私はエヴァを守ります」

「そうか、それ程までに...なら、私から言うべきことはない」

『ふむ。さて、イヴ、貴方は?』

「私は...唯一私に手を差し伸べてくれたゼウスを助ける。それだけ」

『成程。ノアは?』

「正直、ボクはなんでもいいよ。何にも興味はないから」

『ほうほう。この差はいったいどうして......まあ、いいでしょう。では私は運命を受け入れるのみです』

エデンがそう呟くと、ようやく身動きが取れるようになった。突然の出来事でみな意表をつかれたが、それぞれがすぐに行動に移った。

アトラスは全武装をエデンに向け、惑星殺しを完遂する腹積りだ。

ADMはそれを阻止しようと動いたが、ヘルミラーとその他のPEMに道を遮られる。

「この数は...!」

両者は互いに睨み合ったまま動かない。

(早くしないとエデンさんが...!)
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 21:21:37.45 ID:SoPeP1pq0
その時、巨大な赤い光線が辺りを薙ぎ払い、周囲のPEMを一掃した。

「聞きたいこと、言いたいことは色々とある。だが状況を見るに、少なくとも今の利害は一致しているみたいだな、カズミ」

聞こえてきたのは馴染みのある声、シエラ=レオネだった。

「は、はい!」

「周囲の雑魚どもは私がやる。ソイツは頼んだぞ」

「分かりました!」

カズミは正面に立つ黒い騎士を見る。

「イヴ、決着をつけよう」

「前は私が勝った。今回も結果は変わらない」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 イヴ エースオブエース
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 21:26:15.85 ID:Lw3A3heJo
最終決戦や…!2
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 21:26:33.40 ID:xX2qERSn0
見返すと>>649あたりでゼウスはエデンの真実を知ったのか。それまではガーディアンオブエデンの理念で活動してたのがここでエデン殺しに方針転換したのかね
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 21:40:41.47 ID:SoPeP1pq0
>>904
まさしくその通りです。


カズミ 3/3 滑空
イヴ 3/3 遠距離
相性有利により+10
操縦技能の差により−5
(偶数なら思考盗聴誘導型ロケットにより−5)
(奇数ならシエラ=レオネの援護で+5)

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜45 カズミ −1
46〜55 拮抗
56〜90 イヴ −1
91〜 イヴ −2
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 21:42:51.38 ID:xX2qERSn0
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 22:05:10.11 ID:SoPeP1pq0
38+10−10=38 カズミ−1

ヘルミラーは初手からロケットを放ってきた。

(これ...!よく分かんないけどこっちの動きにかなり合わせてくる。警戒しないと!)

最初に放たれたロケット3発は、通常のものだった。ADMはそれを何なくかわす。

(次だ!)

カズミの予想通り、次に放たれた2発は思考を読む例のロケットだった。

今回は予め警戒していたこともあって、カズミは思考盗聴による誘導を超える反応速度で何とかロケットを避けていく。

しかし続けざまに更なるロケットが発射される。

(これはどっち...!?)

放たれたのは5発。

最初の1発の時点でカズミには分かった。これは普通のロケットだと。

「コレなら避け切れる!」

そうして4発目まで難なくロケットをあしらったカズミだった。そうして5発目を避けたその時。それは突然急旋回し、避けたはずのADMに向かってきた。

「しまった!これは──」

激しい衝撃がカズミ達を襲う。

「っ!」

カズミはそれにほとんどギリギリの所で反応し、致命傷は避けられた。

だがヘルミラーの攻勢はまだ終わっていなかった。爆煙で視界が悪い中、突如背後から攻撃を受ける。

「うそっ!?」

カズミは確かに爆発の直前までヘルミラーの姿を捉えていた。しかし知らぬ間に背後に回り込んだヘルミラーによるレーザークローをもろに喰らってしまった。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 イヴ エースオブエース
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度


今日はここまで。
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 22:10:44.76 ID:UtJe9t5Po
近接
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 00:44:33.12 ID:ytqkwk7d0
真相を知った後だと最初にメルクリウス発見した組織が星を出ようとしたのも皮肉な……
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 17:27:46.56 ID:nJVV8/LDO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/10(木) 19:49:08.30 ID:coQGl7gU0
カズミ 2/3 近接
イヴ 3/3 遠距離
相性不利により−10
操縦技能の差により−5
(偶数なら思考盗聴誘導型ロケットにより−5)
)
(奇数ならシエラ=レオネの援護で+5)

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜45 カズミ −1
46〜55 拮抗
56〜90 イヴ −1
91〜 イヴ −2
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 20:01:37.20 ID:mFgF6mEro
うい
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/10(木) 21:02:45.80 ID:coQGl7gU0
20−20=00
正直判定をどうするかかなり悩みましたがぴったりゼロの強運を引いたということでイヴ−2

これ以上ロケットを発射されると分が悪い、そう考えたカズミはレーザーブレードを片手に一気に距離を詰める。

ヘルミラーは距離を取ろうとするも間に合わず、両者は肉弾戦へと移行する。
イヴとカズミはそれぞれ、これまで培ってきた実力を相手に全力でぶつけていた。そんな2人の戦闘はその高度さ故に、見る者によっては一種の舞踏だと勘違いするほど流麗だった。

しかしながらカズミの操縦技能はイヴのそれと比べて些か劣っていた。その差がいよいよ姿を現し始めた。

イヴの息もつかせぬ猛攻撃に、カズミは次第に押され始めていた。そして遂にカズミお得意の回し蹴りをかわされた後、持っていたブレードを弾き飛ばされてしまった。

「っ...!」

今からライフルを構える余裕はない。ならば距離を置くしかない。

しかしそれを見越したように、ヘルミラーはロケットを発射する。

(まずい!これじゃ後ろに下がってもあのやたら追っかけてくるロケットに狩られるだけ!...追いかけてくる...そうか!一か八か、やるしかない!)

ADMはヘルミラーに機体を密着させ、レーザークローが動かせないように両腕を掴んだ。

(もしあのロケットが私を追いかけてくるのなら、このままいけばイヴもダメージを受ける!そうなる前にきっとロケットをどうにかするはず!)

しかしそんなカズミの予想とは裏腹に、イヴは涼しい顔をしていた。

着実に二人に迫り来る弾頭。そうしてロケットが着弾する寸前、カズミはようやく気づいた。

(イヴは、避ける気なんて...もとからない!?)

文字通りイヴはゼウスに命をかける気だとカズミは察した。

(でも...私だってここで、終われない!)

自分にだって背負ってきたものがあるし、命をかけてでも守りたい人がいる。だからこそ、ここで死ぬわけにはいかない。

そんな思いに突き動かされ、カズミは半ば無意識に操縦桿を動かした。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 イヴ エースオブエース
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 21:27:16.68 ID:W0D4bbtC0
3
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/10(木) 21:32:23.47 ID:coQGl7gU0
カズミ 2/3 遠距離
イヴ 1/3 滑空
相性不利により−10
操縦技能の差により−5
(偶数なら思考盗聴誘導型ロケットにより−5)
)
(奇数ならシエラ=レオネの援護で+5)

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜45 カズミ −1
46〜55 拮抗
56〜90 イヴ −1
91〜 イヴ −2
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 21:36:03.89 ID:ytqkwk7d0
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/10(木) 22:08:22.22 ID:coQGl7gU0
89 イヴ−1

爆発の衝撃が両者を襲う中、イヴは舌打ちをした。

(やられた...爆発の寸前で位置を入れ替えて盾にされた!)

爆風によって壁面に打ち付けられたヘルミラーだったが、すぐに立ち上がりADMの姿を探す。
一方で当のADMは爆煙の中、地面に倒れたままだった。

「いない。どこに...!」

周囲を見渡しながらイヴはロケットの残弾を確認する。

(まだ余裕はある。ロケットで圧倒すればADMは...!)

そう考えていたイヴの視界にあるものが写った。

それはRLTHがアトラスに向けてメガレーザーランチャーを放とうとしている姿だった。

RLTHのレーザーは規格外の威力を備えている。通常のPEMなら一瞬で溶けて消えるほどだ。幾らアトラスの装甲が厚いとはいえ、流石にそれだけの威力のレーザーを喰らい続けたら、機体はもたないだろう。

そのことをイヴは直感で感じ取った。その後の行動は素早い。RLTHにロケットを放ち、クローで仕留めに向かう。

そしてようやく爆煙が晴れ、視界が明瞭になったカズミもその光景を捉えていた。

(今だ!実力で劣る私がここを逃すわけにはいかない!)

ヘルミラーとロケットの接近に気づいたRLTHがそちらに向けてメガレーザーランチャーを放つ。

それによりロケットは全て撃墜されたが、ヘルミラーだけはレーザーを避けきって、クローが届く距離までRLTHに接近していた。

そしてクローが振り上げられたその時、側面から飛来した一条の光がヘルミラーを射抜いた。

↓1
01〜60 イヴ死亡
61〜 イヴ負傷

今日はここまで。
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 22:10:23.45 ID:qz0aJVEio
どうなる
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 22:12:32.05 ID:edEgcmsso
おつおつ
なん…だと…?
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 22:15:20.12 ID:ytqkwk7d0
乙でした
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 20:07:49.51 ID:W4ILDZOR0
45 イヴ死亡

横から飛来してくる光を見てイヴが呟く。

「ゼウス...私っ──」

何かを恩人に伝えようとするイヴを見ながら、ノアはただ鼻で笑った。

そして光が2人を飲みこみ、その姿を消し去った。

膝立ちになりながらライフルを構えたADMの中から、カズミはその様を見ていた。

「...手加減なんてできる相手じゃなかった。確実に止めるにはコックピットを撃つしかなかった」

カズミは言い訳をするように自分に言い聞かせる。

「それでもっ...!」

一方で、視界の端でヘルミラーが撃墜されるのを見ていたゼウスは不思議な感情を覚えていた。
実のところ彼はイヴの事をただの駒としてしか考えていなかった。その姿がどこか娘を思い出させることから、むしろ嫌っている節すらあった。

(にも関わらず、この胸中でうねりを上げる感情は何だ。これは怒りか...?だが何に対してだ?)

するとアトラスはADMの方を向いた。

(さっきから攻撃を叩き込んでいるのに、クソッタレのエデンが死にそうな様子はない。どうやらじっくりやる必要があるみたいだ。その為にも、奴らを先に片付けるか。ついでだ、この怒りもぶつけてやる)

黒い巨体がADMの下へと動き出す。

「カズミ、奴が来るぞ!」

シエラ=レオネからの通信でようやくカズミは我に返った。

「分かりました!」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 ゼウス 兵卒
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度


ちなみにゼウスの操縦技能は>>68のコンマを参照して、コンマ表は以下を用いました。
01〜40 兵卒
41〜60 熟練
61〜80 エース
81〜 エースオブエース
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 20:12:14.99 ID:/9JsJiwqo
【朗報?】ゼウスさん戦、イベントバトルになる
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 20:12:15.14 ID:q8f6TDXoo
1
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 20:12:50.07 ID:/9JsJiwqo
すまんずらして…
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 20:31:01.26 ID:W4ILDZOR0
カズミ 3/3 近接
ゼウス 5/5 遠距離
操縦技能の差により+10
相性不利により−10
ゼウスの怒りにより−5
(奇数ならシエラ=レオネの援護により+5)

↓1
01〜15 カズミ−2
16〜40 カズミ −1
41〜50 拮抗
51〜90 ゼウス −1
91〜 ゼウス−2
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 20:35:43.98 ID:3rTubfMY0
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 21:07:25.94 ID:W4ILDZOR0
98+10−15=93 ゼウス−2

ADMが立ち上がったのと同時に、アトラスの背中から大量のミサイルが発射された。

しかし先のヘルミラーのものと比べると特筆すべき追尾性はない。とはいえ八門もの射出口から発射されるミサイルの数は凄まじく、当然ながら気は抜けない。

「懐に入ればっ...!」

そうすれば近接兵装を持たないアトラスにできる事は限られてくる筈だ。そう考えながらカズミは、地面を滑って移動しているかのようにADMを操縦する。

近くまで接近し、アトラスの背後に回り込んだADMは黒い装甲めがけて刃を突き立てようとする。

「うそっ!?」

だが、弾かれた。

(これじゃどうしようも...!)

カズミは焦りながら周りを見渡す。するとあるものが目に入った。

それはアトラスの背面に取り付けられた動力源だ。もちろん装甲はついているが、急造だったのか他の部分よりは薄い。

(あそこなら!)

そう思った矢先、シエラ=レオネから通信が入った。

「カズミ、動力源は狙うな!」

「な、何でですか!?」

「あれは核融合炉だ!下手に壊せばここにいる全員が死ぬぞ!」

「そ、そんな...」

ならばこの巨体をどう止めればいいのか、そう考えていたカズミを叩きのめさんと、アトラスは振り返って拳を上げた。

カズミはそれに気付いて慌てて回避する。

拳が振り下ろされた箇所を見ると、地面が軽く窪んでいる。

「ただのパンチでこの威力...」

その威力に恐れ慄きながら、カズミは考える。

(動力を壊せば爆発する...なら安全に止めるしかない。けどどうやって?...違う、止めるんじゃない。できる事をなくしてやればいい!武器を潰して...でもあの拳はどうすれば?)

その時、ふと先ほどの光景がフラッシュバックした。

(イヴは長官の攻撃を無理にでも止めようとした。...つまり、RLTHのレーザーは効く!ならそれでアトラスの手脚を潰してもらおう!)

そうと決めたカズミは早速、目の前に振り下ろされた右腕に付いていたビーム砲を破壊した。

(やった、やっぱり武装の部分は少し装甲が薄い!コレならイケる!)

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 ゼウス 兵卒
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 21:15:32.99 ID:cjdEp2M70
a
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 21:16:14.01 ID:cjdEp2M70
間違えた、3
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 21:18:15.07 ID:W4ILDZOR0
カズミ 3/3 遠距離
ゼウス 3/5 近接
操縦技能の差により+10
相性有利により+10
ゼウスの怒りにより−5
(奇数ならシエラ=レオネの援護により+5)

↓1
01〜20 カズミ−2
21〜40 カズミ −1
41〜50 拮抗
51〜90 ゼウス −1
91〜 ゼウス−2
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 21:18:56.84 ID:q8f6TDXoo
ヌッ
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 21:29:26.92 ID:W4ILDZOR0
84+20−5=99 ゼウス−2

「この調子で!!」

ADMはフライングボードを起動し、中空に移動した。

自らの周囲を飛び回る蠅を叩き落とすようにアトラスは腕を振り払う。しかしADMは両腕の間を縫って避ける。

そうして相手をしばらく翻弄した後、ADMは背面に回り込み、ライフルでミサイルの射出口を四門破壊した。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 ゼウス 兵卒
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 21:42:30.35 ID:3rTubfMY0
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 21:52:33.02 ID:W4ILDZOR0
カズミ 3/3 近接
ゼウス 1/5 遠距離
操縦技能の差により+10
相性不利により−10
ゼウスの怒りにより−5
(奇数ならシエラ=レオネの援護により+5)

↓1
01〜20 カズミ−2
21〜40 カズミ −1
41〜50 拮抗
51〜90 ゼウス −1
91〜 ゼウス−2


今日はここまで。
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 22:02:51.33 ID:q8f6TDXoo
むん
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 22:07:36.07 ID:/9JsJiwqo
おつー
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 19:24:00.81 ID:2oOwGv630
33 ゾロ目ボーナスで繰り上げ 拮抗

ADMに翻弄されているうちにアトラスは壁際まで移動していた。
その事に気づいたゼウスは壁と背中でADMを押し潰してしまおうとするが、間一髪、ADMはペシャンコになる前にその場から脱した。

「もう一度近づかないと...」

カズミはアトラスの武装を破壊する為に再度接近しようとする。とはいえゼウスもそれを黙って見逃す筈がない。

アトラスは辺りに転がっていた巨岩を掴むとそれをADM目がけて投擲した。

「わわっ!」

それをかわしたADMだったがまだ終わりではなかった。迫り来る巨岩がADMの視界を遮っている間に、アトラスは更に手近にあった大岩を掴んで軽く上に放り投げると、それを拳で粉砕した。

天然の散弾がADMに飛来する。

「っ!」

数発被弾したが、大した損傷ではない。とはいえアトラスとの距離は依然として縮まっていなかった。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 ゼウス 兵卒
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 19:25:21.34 ID:5J4p5twj0
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 19:29:27.12 ID:2oOwGv630
カズミ 3/3 滑空
ゼウス 1/5 遠距離
操縦技能の差により+10
相性有利により+10
ゼウスの怒りにより−5
(奇数ならシエラ=レオネの援護により+5)

↓1
01〜20 カズミ−2
21〜40 カズミ −1
41〜50 拮抗
51〜90 ゼウス −1
91〜 ゼウス−2
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 19:39:55.40 ID:e44zXBNso
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 19:43:22.54 ID:5J4p5twj0
よし!
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 20:50:32.74 ID:2oOwGv630
40+20−5=55 ゼウス−1

アトラスは続け様にミサイルを放つ。加えて先程と同じように投石も行ってきた。

とは言え、先程と違って今度は何をしてくるか分かっている。であれば、余裕も生まれる。

ADMは曲芸飛行の様な軌道を描きながら攻撃をかわし、一気にアトラスの背面に回り込む。そうして遂にミサイルの射出口を全て破壊した。

「クソッ!」

ゼウスの怒りを表すかの様に、アトラスが腕を振り回す。ADMはその場から素早く離脱すると、敵機の正面に回った。

「コレで決める!」

カズミの叫びと同時に、巨大な黒い拳がADM目がけて迫って来る。

それを紙一重で避けたADMはすれ違い様に、左腕のビームを破壊。

遂に、アトラスの全兵装が破壊された。

「クソッ!...まだだ、まだ最後の一手がある!」

そう呟いたゼウスはアトラスをエデンに向かって前進させる。

それを見たカズミは危険を感じ、急いでシエラ=レオネに連絡する。

「長官、アトラスの足と腕を!」

「分かった」

RLTHはメガレーザーランチャーの狙いをアトラスの腕に合わせる。

そうして放たれたレーザーはアトラスの右腕、次いで左腕を完全に、とまではいかないが少なくとも使用はできない程度に溶かした。

それでもアトラスは歩みを止めない。

次に、レーザーはアトラスの脚を狙う。

絶大な威力を誇るレーザーを浴び続けたアトラスの両脚が軋み始める。
そうしてアトラスがエデンの目の前まで到達した時にようやく両脚は動かなくなり、そのまま黒い巨体は光玉にもたれかかるようにして倒れた。
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 20:54:03.67 ID:2oOwGv630
「や、やった...」

搭乗者の心境を表すかのように座り込むADMだったが、RLTHは違った。シエラ=レオネはまだ戦いが終わっていないことを知っていた。

RLTHがレーザーで溶かし、アトラスのコックピットをこじ開ける。シエラ=レオネもRLTHのハッチを開け、拳銃をゼウスに向ける。

「やはり生きていましたか、長官」

「ふっ、今の長官は君だろう?」

ゼウスの瞳はまだ死んでいなかった。彼はあるスイッチに視線を移す。

「長官、やめてください。それを押そうとするのなら、私は貴方を撃たなくてはならない」

「君も知っているだろう。私は決めたことは必ずやり切る主義だと。ハハハ...この目でクソッタレが死ぬのを見れないのは残念だが、まあいい」

彼が見ているのは人類の悪意を結集したようなスイッチだ。

そもそもアトラスの運用方法とはどのようなものだったのか?絶大な装甲と破壊力のある武装を活用して、敵の戦線に穴をこじ開けることか?或いは動く要塞として防衛線を構築することか?はたまたその巨体によって敵国の兵士や市民の戦意を奪うことか?

そのいずれも違う。アトラス運用の核心はその動力源、核融合炉にある。アトラスはその強靭な装甲によって守られた歩く爆弾として用いられる機体なのだ。つまり、敵国の都市や重要地点まで確実に到達し、その後核融合炉を自爆させる。その事によって敵戦力の壊滅、或いは放射能汚染によって敵国の土地そのものを殺すことが目的だ。

そんな悪意の塊であるスイッチを、ゼウスは躊躇いなく押そうとする。

その瞬間、銃口から火が噴き、アトラスのコックピット一面に血が飛び散った。

「さようなら、長官。貴方を...尊敬していました」

シエラ=レオネは伏し目がちにそう呟いた。

一方、カズミはADMのコックピット内で泣きながらエヴァを抱きしめていた。

「良かった、本当に...!」

「お姉ちゃん...」
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 20:55:26.65 ID:2oOwGv630
すると、いつの間にかADMの前まで来ていたRLTHから通信が入る。

「カズミ、コックピットを開けろ」

カズミの額に冷や汗が流れる。

(開ける...しか、ないよね)

恐る恐るコックピットを開けると、そこには銃を構えたシエラ=レオネがいた。

「長官...私は──」

そう言いかけた声は銃声にかき消された。

発砲音が反響し、やがて静寂が訪れた時、カズミは自分が生きている事に気づいた。

「私の知る限り、ブルトニア国民の1人であるカズミ・アーディガンは既に死んでいる。...そして、特務機関の裏切り者も今、私が処刑した」

そう言うと彼女は拳銃をホルスターにしまった。

「長官...」

「幸い、お前はブルトニア人を殺さなかった。それに、ゼウスを止められたのはお前のおかげだ。それでチャラだ。エヴァは...いい。だが、ADMは渡していけ。それで良いな?」

↓3まで多数決
1 提案を受け入れる
2 提案を断る
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 20:56:16.81 ID:e44zXBNso
1
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 20:56:18.52 ID:5J4p5twj0
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 21:50:56.78 ID:2oOwGv630
「分かりました。その...すいませんでした」

「...ああ。では上まで行くぞ」

「はい」

シエラ=レオネが自らの機体に戻っていくのを見届けて、カズミはエヴァの方を見た。

「じゃあ、行こっか!」

「うん!」

2機のPEMがその場から離脱するのを見て、エデンは呟いた。

『こうなった、か。喜ぶのは彼女たちに任せるとして、私は...亡くなった子らに少しでも安らぎが在らん事を祈るとしましょう』

こうして、大勢の預かり知らぬところで、人類の命運を決する戦いは終わりを告げた。
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 21:55:21.07 ID:2oOwGv630
今回の一件を経て、特務機関はその目的を大きく変えることとなった。彼らの目的は外部あるいは内部からの脅威を排除する事から、エデンの監視及び調査、そして来る他の惑星生命体に対処する組織へと変貌した。
彼らはカズミとエヴァを秘密裏に監視しているが、ADMもなく、彼ら自身既にオリジナルとも言えるエデンと接触しているためエヴァに興味が向くことはそうそうないだろう。

グラジオット大統領は特務機関からの報告を受けて、エデンの存在を最重要機密に指定、他国に決して秘密が漏れない様にし、ひとまずエデンを生かす事に決めた。彼は自分ならばエデンを上手くコントロールできると踏んだのだ。それが人類にとって良かったのか、悪かったのか、今はまだ分からない。

一方で、エデンの存在を知っているカナアンとの情勢は急速に悪化し、ブルトニアとカナアンの間での戦争が近いとも噂されている。これと関連してガザレムの関係者の間で不穏な動きがあるとの報告もあり、争いの種は絶えない。

ガーディアンオブエデンはリーダーのゼウスを失った事によって瓦解しかけたが、若年ながらも誠実なライによって立て直された。彼女がリーダーになってからはテロ行為は減少した。紛争地域での人命救助や、メルクリウス採掘によって住む場所や仕事を失った人々にそれらを供給するなど、賛否両論はありつつもその存在感は増している。

一方、カスケードはガーディアンオブエデンとの関係を解消。今でも居場所を求めて紛争地域を渡り歩いている姿が確認されている。

サノスは特務機関の監視つきではあるが解放され、今でも友人を探している。ガザレムに友人がいるという情報を得て、今はガザレム各地を回っている。

ミツキが経営するバウエル・インダストリは、政府から極一部の信頼できる上層部に対してエデンの情報が開示され、調査、研究に参画。そこで得た技術を流用して作られたトンデモ兵器が世界に度々混乱の種を撒く事になる。

カズミの両親は念のため、ブルトニアの影響力が薄い東方大陸に移住。老後を優雅に暮らしている。

アルトは今でもジャーナリストとして世界を飛び回っている。ガザレムの復興を報道を通して支援し続けた事で世界に知られるようになる。

カズミは両親と共に東方大陸に移住。親や家族のいない子供たちを支援するNGOに所属した。死んだ事になっている為、表で称賛される事はなかったが、助けられ、支えられた子供たちによって後に彼女の理念を継ぐ財団が設立された。

そしてエヴァはカズミと共に東方大陸へ移った。そして学校に通い、友人を作り、さまざまな事を学んでいる。
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 21:56:42.32 ID:2oOwGv630
「ねえ、これ覚えてる?」

砂浜に座り込むカズミが、隣にいるエヴァにとある写真を見せた。

「もちろん!ヒューシャルの観覧車でしょ!」

「そうそう!...懐かしいな〜。はあ...アダムにも今のエヴァの姿を見せてあげたかったな」

「...きっと見てるよ」

「そう、だね。ところで、エヴァは学校を卒業したらどうするの?進学?就職?」

「んー...ワガママ言ってもいい?」

「どうしよっかな〜。なーんて、冗談!良いよ、言ってみて!」

「お姉ちゃんと世界を回りたいな」

「なるほど...。じゃあ、約束ね!」

「お姉ちゃん...うん!」

そうして笑ったエヴァの赤い瞳は、どんなものよりも眩しく光っていた。

──END──
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/12(土) 21:57:20.74 ID:2oOwGv630
という事で完結です。
反省点は色々ありますね。折角いただいた案を活かしきれてないとか、展開が雑、というかそこに至るまでの描写が雑というか。心情描写も足りない気がするし。
とはいえ楽しくできたことは確かです。少しでも皆さんも楽しんでいただけていたのであれば嬉しいです。
では、お付き合いくださりありがとうございました。
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 21:57:24.50 ID:5J4p5twj0
カスケードは最強の一角っぽかったが結局戦わなかったな
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 21:59:13.55 ID:5J4p5twj0
お疲れ様でした、楽しかった。設定の畳み方、風呂敷の拡げ方が凄く上手かった
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 22:04:02.19 ID:QLVH/c9M0

東方大陸を舞台にしなかったのとか凄いと思う。まぁ勢力案とかで出てたら使ってたかもしれないが、無闇に行動範囲を広げず安価全部上手に調理して着地させたの本当凄い
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 22:05:05.42 ID:e44zXBNso
お疲れ様です
安価でありながらカズミの成長物としてとても良くできていたと思う
1スレに収める進行もお見事
楽しかっです!ありがとうございました!
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 22:26:05.01 ID:SVMv/0CD0
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/13(日) 11:54:08.77 ID:25h5+4Mb0
>>ミツキが経営するバウエル・インダストリは、政府から極一部の信頼できる上層部に対してエデンの情報が開示され、調査、研究に参画
言う程信頼できるやろか……
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:26:33.08 ID:SHUxHxf6o
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