まどか「ゲッターロボサーガ!!」

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102 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 21:23:58.19 ID:ncqnQwti0

ガチャ…。


ザーーーーッ


ザーーーーッ


「まだこの長雨は止みそうにないわね……ちぇ!」


ザーーーーッ


ゴロゴロゴロ…!


「ん…?」


(今…一瞬だけど雷鳴に照らされて、遠くの空に大きな影が見えたような…?)


ザーーーーッ


(まさかあれは…あの満月の夜に見たのと同じ生物なのでは……!?)

103 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 21:32:41.48 ID:ncqnQwti0

ザーーーーッ


(もう視えないわね……気のせい……だったのかしら?)


(…そうよね。いくら『奴ら』が人類と敵対していて、挑発的な行動を繰り返しているからといって)


(こんな昼間から堂々と空を飛び回ったりしないわよね…)



ザーーーーッ



(…だけど…だけどもし、この季節はずれの長雨が『奴ら』の手によるものだとしたら……?)

104 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 21:41:10.94 ID:ncqnQwti0

ザーーーーッ…


(もし『奴ら』が天候を自在に操作できる技術を持っていて)


(この長雨と巨大な雨雲を隠れ蓑に)


(昼間でも活動しているのだとしたら……!?)


ザーーーーッ…!


ゴロゴロゴロ……!!







(……なんてね…。働きすぎで思考回路がネガティブになってるのね…私ったら…!)フフッ…。
105 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 21:53:17.17 ID:ncqnQwti0

(だいぶ疲れが溜まっているんだわ…)


(自室に戻って、少しの間だけでも仮眠をとらせてもらいましょう…)フラフラ…。


(あのおかしな官房長官の相手をするのは…それからでも十分でしょう…)ウトウト…。


(…おやすみなさい…)


(……まどか……)


ガチャ…。


ザーーーーッ…!


ザーーーーッ…!


ザーーーーッ…!


ゴロゴロゴロ……!!!







翼竜『……ギエエエエーーーー!!!!!』




バリバリバリ……ッ!!!




ドオオオオオオオオォォォォォォォン!!!!!

106 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 22:06:12.02 ID:ncqnQwti0
…いかがでしたか?

本日の更新は以上になります。

私の拙い文章力で原作の面白さをどれだけ伝えられるか分かりませんが、少しでも興味を持っていただければ幸いです。

次回からは早乙女研究所を飛び出して、杏子が大暴れする予定なのでお楽しみに!

ド ワ オ オ ! !
107 : ◆7A1Uz7NjhuaO [aga]:2021/08/29(日) 18:13:59.05 ID:0Okysxxf0
皆様お待たせしました。

諸事情により来週の更新が難しくなったので、今日続きを投下させて頂きます。

あと、前回の投下でいくつか誤字脱字を見つけたのでここで訂正しておきます。

96:の博士のセリフ、正しくは「とにかく捜し続けるのよ!強靭な肉体と、強い意思を持った者たちを…!」

99:の黒服Bのセリフ、正しくは「『巴マミ』、『美樹さやか』、『佐倉杏子』の3人の少女を捜索するという件ですね」

どうもすみませんでした…(土下座)
108 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 18:17:37.06 ID:0Okysxxf0
それでは続きを投下させていただきます。

お楽しみください!

ドワッ!ドワワ〜〜!!
109 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 18:27:39.90 ID:0Okysxxf0
…。
……。
………。


ズサッ!


『……痛いよぉ、お父さん…』グスッ…。


『…いいか杏子』


『空手に重要なのは判断力だ』


『判断が早く、正しければお前の繰り出す技は速度を増し、より正確なモノとなる…!」』


『だから二度と泣くな杏子−−−−』







『−−−−涙は判断を鈍らせる』

110 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 18:36:56.58 ID:0Okysxxf0

東京都内 全日本武道大会 会場


ザーーーッ


ザーーーッ


ーー季節外れのこの雨はすでに一週間目に入っていた………。


ザーーーッ


ピチャ…。ピチャ…。


「………」


『全日本武道大会』


(……ここか……)


ザーーーッ


「行くぜ、親父…!」


サッ…!

111 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 18:39:04.90 ID:0Okysxxf0

まどか『ゲッターロボサーガ!!』
第1話「杏子が行く」

112 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 18:44:54.27 ID:0Okysxxf0

ザーーーーッ


受付「…また大雨か。こう天気の悪い日が続くと、気が滅入っちまうなぁ…」ハア…。


警備員「あぁ。まったくだ……」



スーーーッ…



受付「あっ?」

113 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 18:54:00.83 ID:0Okysxxf0

「………」


受付(なんだあの紅い髪の少女は…?)


受付(ボロボロの空手着の上に男もんの学ランなぞ羽織って)


受付(みすぼらしい格好だな…あの年でホームレスか?)


受付(…それに両手で何かを抱えてるな…あれは…もしかして…)


受付(……『遺影』か!?)ゾ〜ッ…!

114 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 18:59:38.71 ID:0Okysxxf0

受付「………」



ピチャ…。ピチャ…。



受付「……きみ、招待券は?」


ムズ


「…………」


バシッ!


受付「あっ」


警備員「! きさま、会場に無断侵入するつもりか!」


ガシッ!


115 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:06:20.73 ID:0Okysxxf0

「止めときなよ、おっさん……ケガするぜ」


警備員「あぁン!?」


「警告はしたからな…!」



ビュンッ!!



ビーーーン!!!



受付「ひっ…!」


受付(ノールックで裏拳を耳に直撃させた!?)


警備員「ぎゃあ!!?」ジタ、バタ!!


「……ふん……」


ピチャ…。ピチャ…。

116 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:13:00.57 ID:0Okysxxf0

ワーッ! ワーッ!

 ワーッ! ワーッ! 


選手1「とうっ!」


選手2「グワァァ…!」


ワーッ! ワーッ!


選手2「おっ!」


バシッ!


選手2「ドアッ!!」


ブワアアーー!!


選手1「うわあああ!!!」

117 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:21:33.14 ID:0Okysxxf0

ドサッ!


選手2「オオーー!!」


シューーッ!!


ピタッ


選手1「うっ!」


審判「それまで!」


ワーーーッ! ワーーーッ!


館長「ほう」


来賓1「みごと!」


来賓2「日本一は決まったな」







「  ま  だ  だ  !  !  」



「…まだ何も決まっちゃいないよっ!」

118 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:34:16.18 ID:0Okysxxf0

ザワ…!ザワ…!


館長「!」


選手2「?」


「オイオイオイ!何遊んでんのさ、アンタたちは!!」


ズカ!ズカ!


「まだ相手は五体満足でまいっちゃいねえんだ、戦え!」


ズカ!ズカ!


「相手を仕留めてもいないのに武道だって!?」


「笑わせんじゃねえよ!!」


審判「きみはなんだ!退場したまえ!!」



「 ヒ エ イ イ イ イ ! ! ! ! 」



ババーーーン!!!



観客1「きゃーーー!!?」


観客2「げえぇー!赤髪の小柄な女の子が、審判を一発でのしちまった!?」


119 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:42:35.76 ID:0Okysxxf0

(ふふふ…驚くのはこれからさ…!)


シューーーー…!


選手2「!?」ビクッ!


「ウオアーーッ!」


ガキッ!


館長(!!…ぬう!顎を狙って壊しよるとは…なんと残酷な…!!)


「ハオーーーッ!!」


バシーーーッ!!!


選手2「」ブクブク…!


ビシュッ!

120 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:48:32.73 ID:0Okysxxf0

「 わ は は は ! ! ! 」


「これが優勝候補かよ!!」


「どうやらあたしの知らない間に、日本の武道は地に落ちちまったようだな!!」


「「「きさまあっ!」」」


ゾロ…!ゾロ…!


館長「待ちんしゃい!!」


空手家1「館長……?」

121 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:55:04.70 ID:0Okysxxf0

館長「……おんし、なんのこんたんがあってこの神聖な試合のじゃまをする?」


「神聖!?……ふふふ………」


「わははは!!…戦いに神聖もくそもあるかよ!」


「あるのは勝つことだけに決まってんじゃん!!」


「……いいさ。特別にあんたにおしえてやるよ、あたしの正体を…!」


122 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 19:59:35.41 ID:0Okysxxf0

グイ…!


館長「……遺影じゃと!?」


「あんたならこの顔に見覚えがあるんじゃないの?」


「こいつは…あたしの親父さ!」


館長「あの顔は…まさか……!」


館長「流一岩(ながれいちがん)!!」

123 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 20:10:21.25 ID:0Okysxxf0

空手家1「流一岩?」


館長「昔の空手家だ…神父の家系に生まれながら神の教えに背き、荒んだ生活を送っていた破戒者よ…!」ムゥ…。


館長「…ただ、その腕のすさまじさは日本全土の武道家に恐れられていた」


館長「…道場破りとしてな…!」


「はぁ…!?親父を道場破りにしたのはどこのどいつさっ!」


「てめえらじゃねえかっ!!」

124 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 20:19:38.95 ID:0Okysxxf0

「親父に勝てもしないてめえらが、悪評を立てて親父の道場を建てさせなかったんだろうが!!!」


館長「……たしかにわれわれにも非はある」


館長「しかし!きみの親父さんの空手はそれほどに危険なものだった!」


館長「あれは空手ではない…勝つことだけが目的の、ただのけんかじゃった!!」


「……今となっちゃあそんなことどうでもいいさ……ところでその後の親父の顛末を、あんたは知ってるかい?」

125 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 20:35:42.70 ID:0Okysxxf0

館長「あぁ…。失意の底に沈んだ一岩は、やがて幼い自分の娘たちに」


館長「虐待まがいの方法で空手を教え込んだが」


館長「自分ほどの才能が娘たちに無いことを悟ると、それに絶望し…」


館長「妻と2人の娘…なんの罪もない彼女たちを巻き込んで」


館長「一家心中で家ごと焼け落ちた、と聞いておったが……?」


「大体は合ってるよ……けど、『一家心中』ってところは間違ってるね…」


「……なぜならばっ!2人の娘の片割れはしぶとく火事を生き延びて」


「こうしてあんた達の前に立っているんだからねぇ……!!」ニィ…!


空手家1「おぉ……!?」


ザワ…!ザワ…!




126 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 20:48:41.05 ID:0Okysxxf0

館長「……おんしが流一岩の2人の娘の生き残りであることはわかった」


館長「じゃが…どちらだ?」


館長「姉の『杏子』か?妹の『モモ』か?」


「ん…? …ああ、そういやまだ自己紹介が済んでなかったね…!」


「それじゃあ改めて名乗らせてもらうよっ!」







「……あたしは『杏子』!」


「……親父に出来損ないと罵られ続け、いっしょにあの世へ連れて行ってさえもらえなかった」


「流家の不肖の長女……!」


「『流杏子』さっ!!」



ドワオーーーッッ!!!


127 : ◆lbC/yC1U5XAE [saga]:2021/08/29(日) 20:55:32.51 ID:0Okysxxf0
……いかがだったでしょうか?

バイオレンスな描写をどうしようか悩んだのですが、それも含めて原作版の良さだと思ったので出来る限り再現させていただきました。

来週は更新をお休みさせていただきますが、必ず帰ってくるのでお待ちください!

それでは皆様、またお会いしましょう!!

ドワオーーーッッ!!!
128 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age ]:2021/09/10(金) 21:32:56.12 ID:idMbpjWE0
お久しぶりです。それではこれから続きを投下させていただきます。
129 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 21:48:18.74 ID:idMbpjWE0

館長「そうか……で、『流杏子』さん……おんしの目的は?」


杏子「……生前、親父はいつもこう言ってたよ」


ヒョイッ


空手家1(あいつ…!優勝トロフィーを手にとって、どうするつもりだ!?)


杏子「…空手をやるのは自分より強い奴がいるからだ…」


杏子「…そういう奴が目の前にいる限り、空手をやめない…とね」


杏子「…そういう奴らを全員この手でぶちのめすまで、ぜったいに空手をやめねえ…とねえ……!!」



ギュウウウ………!!!


130 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 22:00:57.09 ID:idMbpjWE0

ポイッ!


杏子「こんなものもらうためにやるのが武道かっ!」


杏子「これじゃただのダンスだっ!」


グワシャーーン!


空手家2「き、きさま!言わせておけばっ」


空手家3「なんだぁ!?てめえーー!!」


杏子「さぁ来やがれ!」


杏子「本物の空手をてめえらに教えてやる!」


杏子「そのためにあたしはここに来たんだ!!」



「 イ ャ ホ ッ オ ! ! ! 」



バギーーーーン!!!!



空手家1「げぶぅ!?」

131 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 22:12:46.61 ID:idMbpjWE0

杏子「りゃあ!」


バン!


空手家2「あがっ!」


ドッ…!


空手家3「!!」


バシッ!!


空手家4「ぎゃお!」



観客3「おっ、すっすごい!」


観客4「小さな女の子が、次々と大の男たちを倒していくぞ!?」


観客5「しかも彼女のほうは、相手から一発ももらってないわ!!」



杏子「これが空手だあっ!」



「 ウ ワ オ ッ ! ! 」



バキーーー!!!


132 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 22:19:37.66 ID:idMbpjWE0

ワーー! ワーー!


「「…………」」







黒服B「見たか?」


黒服A「ええ…こりゃすごい!」


黒服B「こいつはとんだほり出しもんだ…!」


黒服B「あいつなら博士の希望する人材にぴったりだぜ!」

133 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 22:29:04.93 ID:idMbpjWE0

ドッ! ドッ!


杏子(ちっ…!なんだよ、こいつら雑魚ばっかじゃねーか…!!)


杏子(ん…?)


館長「……」ムゥ…!


杏子(…へへへっ!いるじゃねーか…!空手界の超大物がよ!!)


杏子「行くぜぇ!館長さんよっ!!」


館長「!?」



杏子「ダアーーー!!!」


134 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 22:36:09.55 ID:idMbpjWE0

「 ワ ワ オ −−ーー ッ ! ! 」



ビキーーーーーーーン!!!!!



館長「グワッ!!」


杏子(!!?)


ブシューーーー!!!!


空手家11「ひぃ!飛び蹴りで、館長の額が割れたぁ!?」


バターーン……!

135 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 22:45:32.23 ID:idMbpjWE0

杏子(…い、今のケリをかわせねぇ歳じゃねえだろ…!?)


杏子「……ハッ!!」


空手家5「痛ぇ…!痛えよぉ……!!」


空手家8「げほ…!ごぼ…!」


空手家10「…だれか…たすけて……!!」



アアア……! ウウウ……!



杏子「………ッ!!!」


136 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 22:55:09.24 ID:idMbpjWE0

杏子(……くっ……!)グググ…!


杏子「……もういい。帰ろうぜ……親父…」


杏子(…なにが『全日本武道大会』だ…)


杏子(聞いてあきれらぁ…)


ツカ…。ツカ…。



シーーーーー……ン







黒服B「いかん!奴をのがすな!」


黒服A「どけっどけ!」


ドンッ!ドンッ!

137 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 23:04:16.44 ID:idMbpjWE0

黒服A「…しかしあいつを連れ出すにしてもあの強さだ…!」


黒服A「簡単にはいかないですよね?」


黒服B「な〜に俺に『考え』がある………」


黒服B「…とにかく今は近くにいる仲間たちを全員呼んで、奴を徹底的に監視・追跡するんだ!」


黒服A「はっ!」


黒服B「奴を見失うなよ…絶対にな!」

138 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 23:15:28.13 ID:idMbpjWE0

東京都郊外


ザーーーーッ


ピチャ…。ピチャ…。


杏子(…ウゼェ…超ウゼェ…!)


杏子(なんなんだよ、この胸のモヤモヤは……!!)


杏子(あいつらは親父たちの仇だ…!あいつらがどれだけもがき苦しんでも、それは当然の報いのはずだ……!!)


杏子(……でもあたしがこれまで空手をやってきたのは『自分より強い奴を倒したい』からだ……)


杏子(……あれじゃあ、ただの弱いものイジメだよ……)



ザーーーーッ…。



139 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 23:24:28.52 ID:idMbpjWE0

杏子(…親父たちに置いて逝かれちまって、自分の弱さを呪ったあたしは)


杏子(死に物狂いで体を鍛えながら、今日まで必死になんとか生き延びてきた…!)


杏子(…親父にはよく『杏子、お前には空手の才能が無い!』なんて罵られてたけど…)


杏子(もしかして、あたしは強くなりすぎたんじゃないかな?)


杏子(…この日本に、あたしより強い武道家なんてもう誰も…いないんじゃないかな…?)

140 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 23:35:03.23 ID:idMbpjWE0

杏子(……もしそうなら、あたしはこれから何を目的に生きていけばいいんだ……?)


杏子(『家族』と『空手』だけがあたしの人生のすべてだったのに……!!)


杏子(その両方を失っちまったら…あたしは…あたしは……!!)ジワァ…!



ザーーー……!!



杏子(!!……ちくしょう!あ、あたしは泣いてなんかないぞっ!?)


杏子(流家の女は涙を流さないんだっ!!)ゴシゴシ…!

141 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 23:45:52.80 ID:idMbpjWE0

ザーーーーッ……!!


杏子(ちっ…!また雨脚が強くなってきやがった…)


杏子(今はとにかく…『家』に帰ろう)


杏子(『親父』にも今日の成果を報せてあげないといけないしね…)


杏子(これからのことは……それから考えればいいや……)


ピチャ…。ピチャ…。


ザーーーーッ……!!









カルロス「アミーゴ・キョーコ。相変わらず貧乏臭いネー!」


杏子「うっせぇカルロス!とっととメキシコに帰りやがれ!!」

142 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/10(金) 23:54:06.52 ID:idMbpjWE0
……いかがだったでしょうか?

本日の更新は以上になります。

…ところでついにアニメでゲッターエンペラーの合体シーンが描かれましたね!

長年の夢がかなって、感無量です!!

これを励みに、ssの更新も頑張りたいと思います!

それではまた近いうちにお会いしましょう。

ドワオ!
143 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/09/17(金) 21:18:27.21 ID:ZZxD0FoZ0
お待たせしました。これより続きを投下します。

ドーーワーーオオーー!!
144 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 21:27:10.61 ID:ZZxD0FoZ0

東京都郊外 流邸 跡地


ザーーーッ


ザーーーッ


コト…。


杏子(……こうして親父の遺影に話かけるのも、久しぶりだな……)


杏子「親父…かたきは取ったよ…」

145 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 21:34:49.53 ID:ZZxD0FoZ0

杏子「みんなの前であんたを陥れた連中に恥をかかせてやったよ」


杏子「今頃テレビで一部始終が流れてるんじゃないかな…いい気味さ…!」


杏子「…だけどさ、親父…」


杏子「……あたしはこれからどうしたらいいんだろうね……」


杏子「今…日本に真の武道家はいなくなっちまったよ…」

146 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 21:42:48.02 ID:ZZxD0FoZ0

杏子「…今日だってあたし一人で暴れてるみたいだったしさ…」


杏子「どいつもこいつも、まるで相手にならなかったよ」


杏子「……やっぱさ、武道には強い相手がいなくちゃだめだよ」


杏子「そいつをぶちのめすまでの修行だもんな……」


杏子「……そういや、親父はあたしに幼いころからこう教えてくれたよね……」


杏子「『強くなれ』って…!」

147 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 21:50:27.31 ID:ZZxD0FoZ0

杏子(…強くなることこそが『流』の生き方だ…)


杏子(…武道こそが『流』の人生だと…!)


杏子(ヨチヨチ歩きのあたしにゃ、そらつらかったよ…)


杏子(泣こうが、わめこうが、女だろうが許してくれるような親父じゃなかったしね…)

148 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 22:02:44.59 ID:ZZxD0FoZ0

杏子(小さい手がグローブみたいにハレあがってきても……)


杏子(それを塩水にひたして、また砂箱突き……!!)


杏子(しまいにゃデカい闘犬と素手で戦わされたりもしたっけな……)


杏子(今考えるとこんなんでよく生きてこられたもんだよ……)


杏子(………………)







杏子「……それが……!!」


杏子「それがどうしたぁ!!!」


杏子「なんにもなりゃあしねえじゃねぇかっ!!!?」


バンッッ!!!!!

149 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 22:14:22.30 ID:ZZxD0FoZ0

杏子「『武道を立て直す』だって……?」


杏子「女で、子供のあたしに…!」


杏子「大勢の人の目の前で、空手家たちをぶっ壊して見せたあたしなんかに……!!」


杏子「いったい誰がついて来てくれるっていうんだよ!!?」


杏子「こんなもん…笑い話にもならねえよ…!」


グググ………!!!


杏子「くそっ!あたしはこれからなにを『目的』に生きりゃいいんだ!!!」


バキーーーッッ!!!

150 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 22:24:29.74 ID:ZZxD0FoZ0

杏子「痛っ…!」


杏子(しまった…親父の遺影を叩き割ったひょうしに、ガラスで手を切っちまった…!)


杏子(馬鹿かよあたしは…。とりあえず包帯でも巻いとかねえと…)


グルグル……。


杏子(……そういや親父のしごきで手をケガすると、いつもこうして妹のモモが包帯を巻いてくれたっけな……)


杏子(……モモ……)

151 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 22:39:41.80 ID:ZZxD0FoZ0

杏子(モモは…あの鬼みたいな親父と血が繋がっているとは思えないくらい、優しくていい子だった…)


杏子(あたしと同じで空手の才能はまったく無かったけど……)


杏子(泣き言も言わずに、あの子なりのやり方で頑張って、親父やあたしについて来ようとしていた……)


杏子(必死について来ようとしてたんだ…!それなのに……!!)


杏子「…クソ親父め…!どうせ巻き添えにするなら、モモじゃなくてあたしを連れて逝けばよかったんだ……!!」ギリリ…!

152 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 22:51:37.73 ID:ZZxD0FoZ0

杏子「なぁ神様…。親父はあんたの教えを裏切って、暴力ばっかふるっていたけど」


杏子「これはそれに対する罰なのか…?」


杏子「あんたは親父を許せなくて、その命を奪っただけじゃなく」


杏子「親父と同じ血を引くあたしの事まで苦しめようとしているのかよ…?」


杏子「……それともなにか?家族が全員死んだのに、あたしだけが取り残されたことになんか『意味』があるってのか?」


杏子「……あんたにはなにか壮大な『計画』があって、あたしはその一部だとでもいうのかよ!?」

153 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 23:06:26.65 ID:ZZxD0FoZ0

杏子「もしそうなら…なにか『合図』をくれよっ!!」


杏子「何だっていい…!今すぐ目の前で奇跡を起こしてみろって言ってるんじゃねえんだ!」


杏子「虫の知らせとか、普段なら起こらないようなちょっとした出来事でかまわない!」


杏子「…あたしにはもう『家族』も『空手』も残されちゃいねえんだ…!」


杏子「あたしがこの先も生きていくには……なにか、大きな『目的』がなければだめなんだよっ!!」









杏子(ーーだから…頼むよ、神様。こんな人生だったんだ…)


杏子(せめて一度くらい、『希望』を持たせてーー!)


ギュウウ……!!

154 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 23:21:12.21 ID:ZZxD0FoZ0

…………………………………。


杏子「……ハッ。馬鹿みてぇ……」


杏子「あーあ……やだやだ!この流杏子様が気の迷いとはいえ神に祈るだなんて、人に知られちゃ生きてけねぇよ!!」


杏子「クソ親父の遺影を片づけたら、さっさとここを出てどこか遠くへ行こーっと!」


杏子(…ここで暮らしていくには、つらい思い出が多すぎるし…)


杏子「さーて、ほうきはどこだっけかな……」



…ドン!ドン!ドン!



杏子「……あ……?」

  
155 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/17(金) 23:38:25.14 ID:ZZxD0FoZ0
…いかがだったでしょうか?

本日の更新は以上になります。

ほぼ杏子の一人芝居状態でしたが、孤独な彼女の心境(+原作版竜馬の悲惨な生い立ち)を伝えられるいい回だったと思います。

次回からはド派手なバトル描写がガンガン入る予定なので、お楽しみに!

それでは、またお会いしましょう!!

ドワーー!ズワワーー!!
156 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/09/22(水) 22:18:44.75 ID:1ca+SaJL0
お待たせしました。

いつもより早い更新になりますが、これより続きを投下します。


157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/22(水) 22:30:40.96 ID:rqZZYMho0
スパイクタンパク単体で心臓やその他臓器に悪影響を及ぼすことがわかっています

何故一旦停止しないのですか

何故CDCが接種による若い人の心筋炎を認めているのに情報発信がないのですか
20代はたった1ヶ月で接種後死亡がコロナ死と同等になってます
因果関係の調査は?
158 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 22:33:02.86 ID:1ca+SaJL0

ザーーーーッ…!


…ドン!ドン!ドン!


杏子(…………)


杏子(外はとっくに日が落ちてて、しかも大雨まで降っていやがる……)


杏子(そんな状況で、焼け落ちたあばら屋に『来客』だって……!?)


杏子(なんかの冗談か…それとも…まさか、本当に…!)


杏子(天から『合図』が来たってのかよ!?)

159 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 22:43:16.56 ID:1ca+SaJL0

ドン!ドン!ドン!



ドックン…! ドックン…!



杏子(……面白れぇ!!)ゾクゾク…!!


杏子(福音が鳴るか、それとも悪魔が出るのか…!)


杏子(どちらだろうとこの流杏子、逃げも隠れもするもんか……!!)


杏子(正々堂々、受けて立つ!!!)


ガラガラガラーーッ!!

160 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 22:56:44.19 ID:1ca+SaJL0

杏子「……ん?」


「…………」


「…………」


杏子(…何だこいつら…?)


杏子(…夜なのにグラサンをかけた木刀持った着物のおっさんに)


杏子(モモと同じくらいの身長しかないリーゼントの小男…)


杏子(ぜんぜん見覚えが無いけど、親父の知り合いか…?)


杏子「……お客さんですか。なにか?」


「…………」


チャキッ……!


杏子「!?」


161 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 23:04:03.89 ID:1ca+SaJL0

杏子(な…!?グラサンが持ってるのは木刀なんかじゃねぇ…!)


杏子(あれは……真剣じゃねえか!!)


刺客1「タァーーー!!!」



シューーーーーーッ!



ビュンッッ!!



162 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 23:07:34.16 ID:1ca+SaJL0

杏子「わっ!」


スタッ!


杏子「くそっ!さっき暴れた仕返しか!?」



バリーーーン!!!



杏子「うわあ!?」
163 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 23:18:24.76 ID:1ca+SaJL0

メリ…!メリ…!


杏子(な、なんだあっ!?壁をぶち破って、デカい腕が生えてきやがった!!?)


刺客3(ぐへへへ……)


杏子(今度は顔中傷だらけの外人の大男かよ…!?)


杏子(何がどうなってやがんだ…!!)


刺客1「ふふ…!」


刺客3「げへへ……!!」


杏子(それにこいつら…!ただ者じゃねぇ…!)


杏子(この殺気…!こいつらは……『殺し屋(プロ)』だ!!)
164 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 23:29:06.43 ID:1ca+SaJL0

スススッ……!!


杏子「……はっ!?」


刺客2「イヤホーッ!」



シャーーッ!!



杏子「ウッ!」


杏子(危ねぇっ!?…あのリーゼントの得物は、服の下に隠した大量の投げナイフかっ!!)


刺客2「ホイッ!ホイッ!」


ビューッ!ビーッ!
165 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 23:36:55.15 ID:1ca+SaJL0

杏子「…チッ!なめんなぁ!!」


ビーーン!


杏子「はっ!」


バシッ!


杏子「はっ!」



…グサーーッ!



杏子(うっ!)


杏子(しまった…肩が…!!)


フラッ…!
166 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 23:43:19.51 ID:1ca+SaJL0

刺客3「ウホホ〜〜〜ッ!!!」



バキ〜〜〜〜ンッ!!



杏子「がはっ…!!」



ドカアーーーッ!!!







黒服B(ふふ……。ついに始まったな…!)
167 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/22(水) 23:56:31.02 ID:1ca+SaJL0

黒服B(…あいつの実力はこの目で見ているが、やはりゲッターのパイロットを任せるにはもうひと押しの確信がほしい…!)


黒服B(もしあいつが刺客たちを返り討ちにして生き延びることができれば)


黒服B(それは博士の望む強靭な肉体と精神を持った人間であるという、『これ以上』ない証明になるはずだっ!)


黒服B(…頼むから死なないでくれよ…!)


黒服B(お前は俺たち人類の『希望』となる存在かもしれないんだからな……!!)
  
168 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/23(木) 00:02:29.16 ID:TQNLn5oy0

モク…。モク…。モク…。


刺客3「ぐへへ…!」


刺客1(埃が飛んできゃつの姿が見えんな…。殺ったか…?)



「…てめぇ…やるじゃねーか…!!」



「「「!!!」」」
169 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/23(木) 00:12:14.91 ID:TQNLn5oy0

スタ…。スタ…。


杏子「……なんの恨みか知らねえが、かかって来やがれ!」


バッ!!


杏子「この流杏子、一筋縄じゃあやられねえってとこを見せてやんぜ!!」



ドワオーーーッッ!!!



「「「ぐわわわ!!!」」」



杏子「 来 い っ ! ! 」
170 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/23(木) 00:24:07.91 ID:TQNLn5oy0
…中途半端ではありますが、今回の投稿は以上になります。

ところでゲッターアークのアニメがついに次回で最終回になりますね!

新規のファンの方たちにも初代ゲッターロボを知ってもらいたくて始めたSSですが、もっと早くに始めればよかったと今さら後悔しております…orz

…アニメは終りますが、SSはこれからもがんばって投稿するのでご期待ください!

それではまたお会いしましょう、ドワオ!!!
171 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/09/26(日) 19:52:40.69 ID:hqsIgqe/0
皆さん、こんばんは。来週の予定が忙しくなりそうなのと、本日ゲッターロボアークのアニメが最終回を迎えることを祝して、早めに続きを投稿することにしました。

それでは続きをお楽しみください、ドワワーー!!

172 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 19:57:25.49 ID:hqsIgqe/0

刺客3「シャアッ!!!」


ビーーーーーーーン!!


ガキッ!


バッ


杏子「 ハ オ ッ ! ! 」


ギャーーーン!!!


刺客3「ぶげぇっ!!?」
173 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 20:06:52.48 ID:hqsIgqe/0

シュタッ! ドスッ


杏子「ん!?」


刺客3(ふへへへ…!)ペロッペロッ


杏子「やろう…!あたしの全力の蹴りを側頭部に食らったってのに、ずいぶんと余裕じゃねーか……!!」ワクワク……!!


シュウーーーッ…。


刺客1「………」


刺客2「ひょほほ!」


杏子「うっ!」


杏子(他のも来やがった!!)
174 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 20:16:49.18 ID:hqsIgqe/0

刺客1「……ふんっ!」


シャアーーー!


杏子「とうっ!」


バッ!バッ!


…ヒュウーーッ!!!!!


杏子「わっ!」ストン!


ドカッ!
ドカッ!
ドカッ!
ドカッ!
ドカ!!


杏子(危ねぇッ!!?あと少ししゃがむのが遅れてたら、黒ひげ危機一髪みたいになるとこだった…!)


杏子(ん…?)
175 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 20:24:28.39 ID:hqsIgqe/0

刺客2「ぴゃほほ!!」ギラギラ!


杏子(こ、こいつ…目が完全にイッちまってるじゃねーか…!)ゾクッ…!


刺客1「ふふふ……!」ニヤニヤ…!


杏子「狂ってる…どいつもこいつも狂ってやがる!!」


杏子「わけもわからず…こんなイカれた連中に殺されてたまるかっ!」
176 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 20:29:50.02 ID:hqsIgqe/0

刺客3「ぬうんッ!!!」


杏子「うおっ!」


バシッ!


杏子(しまった!もう片方の腕でパンチが来るっ!!)



バ キ ッ ! ! !



杏子「ぐわっ…!!」


バキーーーーン!!
177 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 20:39:59.30 ID:hqsIgqe/0

黒服B(…おい、どうした…!?お前はこんなところで死ぬようなタマじゃないだろっ!)


……ザザーーッ!!


黒服B「…もしもし」


無線機『もしもし。あと少しで博士をそちらにお連れできますが…状況はどうですか?』


黒服B「どうなるかはまだ分からんよ…多勢に無勢だしな…」


無線機『そうですか……』
178 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 20:49:41.44 ID:hqsIgqe/0

黒服B「ただ……個人的な見解だが、奴はおそらく生き残れると思う」


無線機『えぇ…!本当ですか!?』


黒服B「あぁ…!これまで三百人以上の候補者たちを見てきた俺の直感がささやいているんだ…!」


黒服B「…奴が…奴こそが博士の言う、ゲッターに『選ばれし者』だとなっ!!」


無線機『………!!!』
179 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 20:58:28.98 ID:hqsIgqe/0

バシャーーーン!


杏子「……」


ザーーーーーッ…!


杏子(……う…うぅ…くそっ……!)クラ…!クラ…!


…チャキッ!


杏子「……はっ!?」


刺客1「もらった!」


シャアーーーッ!!








『ーーいいか杏子』


『空手に必要なのは判断力だーー』


杏子「!!」
180 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 21:07:38.39 ID:hqsIgqe/0

杏子(…こんな…ところで……死んで……たまるかよぉ!!!)


杏子「はおっ!!!」


バシッ!


刺客1「ひょお!?」


ギギギ……!!


刺客1(『真剣白刃取り』だとっ!?なんと豪気な……!!)


刺客1(…だが問題ない!このまま押し通る!!)


ギギ……!!
181 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 21:15:02.60 ID:hqsIgqe/0

グググ………!!!


ポタ…。ポタ…。


タラー……!


刺客1「ふひひ!」


杏子(…痛ってぇ…!…けど、絶対に離したりするもんか…!!)


刺客3「ぐわ〜〜!!」


ドドドドドーーーーー!!!!!
182 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 21:22:50.33 ID:hqsIgqe/0

杏子(くそ、背後から来やがったな!)


杏子(………こうなりゃ、いちかばちかだっ!!)



杏子「 お り ゃ あ ! ! 」



ザザーーッ!!


刺客1「ひえぇ!?」


刺客3「!!?」







ーービシュッ!!!


刺客3「」


杏子(殺った!!)
183 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/26(日) 21:31:07.49 ID:hqsIgqe/0
…いかがだったでしょうか?

原作の竜馬と刺客たちの闘いはまさに死闘という感じで大迫力のシーンの連続なので、ぜひ機会があったら読んでもらいたいですね!
(新ゲッターロボの1話でも再現されているので、そちらもどーぞ!)

来週の更新があるかはまだ未定ですが、もし出来たらまたその時にお会いしましょう!!

それでは、ドワォ!!
184 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/09/29(水) 21:17:19.24 ID:LdlZgyrG0
みなさんこんばんわ。

思っていたより早く予定の仕事が片付いたので、いつもより少し早いですが続きを投下したいと思います。

それでは、物語の続きをお楽しみくださいっ!

ドワオ!!
185 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 21:25:49.79 ID:LdlZgyrG0

刺客2「ひっ!?」


チャッ!


杏子(……これ(刀)でも喰らいなっ!!)


ブオンッッ!!



ゴーーーーー!!!!!



刺客2「……?」


ボトッ…。


刺客2「ひぎゃああ!」


杏子「はぁ…!はぁ…!」
186 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 21:32:51.08 ID:LdlZgyrG0

ザーーーー。


ザーーーーッ…。


刺客2「ぎゃあ!」


刺客2「ぴぎゃあ!?」


バシャ!バシャ!


刺客1「ひいぃ…!」


バシャ!バシャ!


刺客3「」


杏子「はっ…はっ…」


杏子(……や、殺っちまった……)
187 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 21:41:08.50 ID:LdlZgyrG0

杏子(…殺るか殺られるかの戦いだったんだ…殺るしかなかった…!)


杏子(他に選択肢なんてなかったんだ!!)


杏子(…分かってる……けど……)


ザーーーー…!


刺客3「」


杏子(………くそっ!いったいどこのどいつだ!?)


杏子(こいつらを雇って、こんな悪趣味なゲームをあたしにしかけてきやがったのは……!?)ギリリッ…!

188 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 21:47:10.66 ID:LdlZgyrG0

バシャ…。バシャ…。


杏子「…?」


ゾロ…!ゾロ…!


黒服B「………」


杏子(なんだ、こいつら…?)


黒服A「……博士、こいつがそうです」


杏子(…博士…だって…?)ボォー…。
189 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 21:58:40.20 ID:LdlZgyrG0

黒服B「な?俺が言った通りになっただろ」


黒服B「こいつは最後まで生き残る、ってな」


杏子(なんだって…?それじゃあこいつらが連中を雇った『黒幕』なのか…?)ハァ…ハァ…!


黒服B「どうですか博士。あのイカれた連中を相手にこいつは勝ち抜いて見せたんです」


黒服B「『これ以上』ないくらい、ゲッターにふさわしい人材だと思いませんか……?」フフ…。
190 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 22:11:22.00 ID:LdlZgyrG0

ザーーーーッ…!


「……なんだか含みのある言い方ね……意趣返しのつもりかしら?」


パシャ…。パシャ…。


杏子(あ…?若い女の声だと……)


黒服B「いいえ、そんなつもりはありませんよ…」フフ…!


ゴロゴロゴロ……!!


「……まぁいいわ。それじゃあじっくりと拝見させてもらいましょうか……」


「ようやく見つかった、最初の選ばれし『魂(パイロット)』の姿をーーー!」



ドカアアアアァァァァーーーーーーン!!!!!





「!!!!?」
191 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 22:24:27.93 ID:LdlZgyrG0

「あ……あぁ……!?」


杏子(あ…?若そうな声だとは思ったが、この『博士』とか呼ばれている女…)


杏子(あたしと同い年くらいじゃねーか…!?)


「これは……いったい……どういうことなの……!?」サァーッ…。


杏子(…しかも人の顔見て、幽霊でもみたような青い顔色になってやがるし…)


杏子(なんか気味が悪ぃな…こいつ…)


黒服A「博士…?」


「どうして……?どうしてあなたがここにいるのよ……!?」フラッ…。




「『佐倉杏子』………!!!」

192 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 22:36:58.51 ID:LdlZgyrG0

杏子(あぁ…?『さくらきょうこ』だと…!?)


黒服A「先輩、それってたしか……」


黒服B「あぁ。博士からの依頼で行方を捜していた彼女の『古い友人たち』の一人だ」


黒服B(……言われてみれば、『こいつ』と『佐倉杏子』は共通点が多いな)


黒服B(まずは『名前』、次に『炎のような紅色の髪と瞳』、そして『特徴的な八重歯』)


黒服B(たしかに偶然にしては重なる点が多いような気もするが……?)フム…。
193 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 22:44:31.51 ID:LdlZgyrG0

黒服C「博士、落ち着いてください」


黒服B「残念ながら彼女は『佐倉杏子』ではありません」


「嘘よっ!…だって、どう見たってそこにいる彼女は私の知っている『佐倉杏子』そのものじゃない!?」


黒服A「しかし……」



杏子「……なぁ、そこのあんたぁ!!」



「「「「!!!!」」」」


194 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 22:53:11.48 ID:LdlZgyrG0

杏子「…さっきから黙って話を聞いてりゃ」


杏子「わけのわかんねえことばっか、ぺらぺらぺらぺらと喋っちゃってさ…!」


杏子「あんた…どっかおかしいんじゃないの…?」


グググ…!


黒服A「おぉ!!」


黒服B(ほぉ…!あれだけひどく痛めつけられたのに、すぐに立ち上がったうえに軽口とはな…!)ニヤリッ…!
195 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 23:01:28.55 ID:LdlZgyrG0

「『佐倉杏子』…!あなたまさか、私が誰か憶えていないの…!?」


杏子「はぁ?…あいにくあたしは修行、修行の毎日で、家族以外の誰かとまともに交流を持ったことがないんだわ」


杏子「だからあたしは自信を持って、きっぱりとあんたにこう言えるよ」


杏子「『あんたなんて……あたしは知らない』とね!!」キッパリ!


「……ッ!!」ズキン…!
196 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 23:16:27.44 ID:LdlZgyrG0

杏子「…だいたいあんた、さっきから『さくらきょうこ』って名前をやたらと連呼してるけど」


杏子「あたしを誰かと勘違いしているんじゃないのか…?」ハァ…ハァ…。


「!?…だって、あなたは『佐倉杏子』でしょう?」


杏子「いいや、ちがうねぇ…!」二ヤッ…!


杏子「……いいかい、その耳かっぽじってよく聞きなよっ!」


杏子「あたしの名は『流杏子』!!」


杏子「日本一の空手家『流一岩』の娘であり、日本最後の真の武道家でもある……!!」



杏子「……あたしは『杏子』……『流杏子』さっ!!」



ドワオーーーッッ!!!


197 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/09/29(水) 23:32:00.67 ID:LdlZgyrG0
…いかがだったでしょうか。

ようやくまどマギキャラ同士の会話ができてうれしいです!

あとはゲッターロボのカッコいい戦闘シーンを早く書ければいいんですけどね…(遠い目)

それとゲッターロボアークの最終回は最高にドワオでしたね!!

未完の原作に最大級の敬意をはらいつつ、最後に風呂敷をでっかく広げる作風はまさに石川賢イズムでした!

DVDを買ってモチベーションを維持しつつ、僕も最後まで走り抜ける覚悟なので応援お願いします!

もしかしたら今週中にまた続きを投下するかもしれません(なかったらごめんなさい)

それでは皆さん、またお会いしましょう!

…俺たちの戦いはこれからだ、ドワオッ!!
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/29(水) 23:44:42.57 ID:FqMZZRXuo
アークの最終回は最高でしたね
199 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/10/03(日) 14:59:38.67 ID:YWh2tYi/0
みなさまお待たせしました。

約束通り続きを投下します。

お楽しみください、ドワオ!!
200 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/10/03(日) 15:14:49.44 ID:YWh2tYi/0

(……『流杏子』ですって!?)


(そんな馬鹿な…!たしかに名字が違うし、以前の彼女よりもかなり荒んでいる様子だけど……)


(……彼女は間違いなく、私の知る『佐倉杏子』よ……!!)


(またこうして杏子と出会えたのは嬉しいことだけれど……)


(これはいったい…どういうことなのかしら……?)


(……まさか……!!?)







(彼女もまた私と同じように、この『新しい世界』でゲッター線に…『大いなる意思』に…!)


(『役割』を与えられていたということなの……!?)
201 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/10/03(日) 15:26:20.67 ID:YWh2tYi/0

(そう考えればすべてのつじつまが合うわ…!)


(私がこの『新しい世界』でゲッターロボの開発者である『早乙女博士』という『役割』を与えられたように)


(きっと杏子も新しい名前や境遇と、『ゲッターのパイロット』としての『役割』を与えられたのね…!)


(…武道家か…なるほど…!たしかに以前の杏子は魔法少女としては破格の強さだったけれど)


(彼女自身は別に体を鍛えたり、特別丈夫な身体の持ち主だったわけではないわ)


(……しかし!それではゲッターのパイロットを務めることは決してできない!!)
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