まどか「ゲッターロボサーガ!!」

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2 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 17:56:03.76 ID:wHbaGeEk0

まどか「ゲッターロボサーガ!!」
プロローグ−1−
『閃光!!願いの果て!』


3 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 18:09:30.24 ID:wHbaGeEk0

見滝原市 中心街


ほむら「う…ぐ…!」


遠のいていた意識が身体中を走る激痛によって無理矢理呼び戻される。

か細い少女の身体は傷つき、血にまみれていた。
特に彼女の両脚は崩れたビルに押しつぶされ、完全にその場から動けなくなっていた。


ほむら「どうして…何度やってもあいつに勝てない…」


そうつぶやいて少女…暁美ほむらは天を仰いだ。

 
4 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 18:31:36.45 ID:wHbaGeEk0


キャハハハハハハハハハ


見滝原の上空に浮かぶ巨大な異形の姿。

『ワルプルギスの夜』…別名『舞台装置の魔女』。
スーパーセルを伴い、姿を顕現させる度に何千人もの犠牲者を出す最凶最悪の魔女。

ほむらにとって、絶対に越えなければならない障害といえる存在なのだが…その壁は彼女にとって、あまりにも高すぎる壁だった…。

ほむらは親友である鹿目まどかを救う為に数え切れないほど時間を逆行し、ワルプルギスの夜に戦いを挑み続けていた。

しかし…いまだかつて1度たりとも戦いに勝てたことはなく、そして今回も同じ結果に終わってしまった…。

5 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 18:45:05.61 ID:wHbaGeEk0

ほむら「…繰り返せば、その度にまどかの因果が増える…」

ほむら「…う…っうう…ッ」


ポタッ…ポタッ…。


あまりの悔しさ、無力さにほむらの目からとめどなく涙がこぼれる…。


ほむら「私がやってきた事は結局……!」





ーーもういいんだよ、ほむらちゃん。





ほむら「!!」

聞きなれた人なつっこい声にほむらは伏せていた顔を上げる。
6 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 18:54:27.00 ID:wHbaGeEk0

ほむら「あ……まどか……」

いつの間に来たのだろうか。

ほむらの目の前には彼女のかけがえのない大切な友人、鹿目まどかが立っていた。


ほむら「まさか……」


ほむらの問いかけにまどかは申し訳なさそうに…けれど優しくほほ笑みながら答えた。





まどか「…ごめんね」
7 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 19:04:59.44 ID:wHbaGeEk0

キュウべえ「ーー数多の世界の運命を束ね因果の特異点となった君ならば」

キュウべえ「どんな途方もない望みであろうと叶えられるだろう」


ほむら(インキュ…ベーター…!)


まどかの影から静かにキュウべえ…いや、インキュベーターが姿を現す。

その瞬間、ほむらはようやく自らの置かれた致命的な状況を理解した。

8 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 19:11:16.67 ID:wHbaGeEk0

ほむら「そんな…やめて…」

ほむら「まどかぁ…!」



まどか「ほむらちゃんわたしやっと解ったの」

まどか「叶えたい願い事見つけたの」



まどか「だから…その為にこの命、使うね」

9 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 19:30:13.77 ID:wHbaGeEk0


ほむら「やめてよッ!!」


胸の奥から込み上がる激情に、思わず叫んでしまう。


ほむら「それじゃあ私は今まで何の為に…!」


ほむらの脳裏を走馬灯の様にこれまでのループの記憶が記憶が駆け巡る。

ーー巴マミの惨劇が。

ーー美樹さやかの末路が。

ーー佐倉杏子の最期が。


…そして。
穢れで黒く染まったソウルジェムを差し出しながら見せた…



ーー鹿目まどかの哀しい笑顔が。



ほむら(ーー彼女たちを『犠牲』にしてきたというのよ……?)


これまでのループで押し殺してきた悲しみが、大きな涙の粒となってほむらの頬を伝い落ちていった……。
10 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 19:39:21.56 ID:wHbaGeEk0

まどか「……」


ほむら「ううぅ……ひっく……」


幼い子供のように大粒の涙を流しながら嗚咽するほむらにまどかが近づいていく…。
そして…。


スッ…。


ほむら(!!)


力なく地面に置かれていたほむらの手に、まどかの暖かい手がそっと重ねられた。
11 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 19:46:41.17 ID:wHbaGeEk0

まどか「…大丈夫だよ、ほむらちゃん」

まどか「これまでずっと、ほむらちゃんに守られて望まれてきたから今の私が在るんだと思う」

まどか「そんな私がやっと見つけた答えなの」

まどか「だから…信じて」ニコッ


ほむら(…まどか…)
12 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 20:02:34.26 ID:wHbaGeEk0

キュウべえ「…まどか。取り込み中のところすまないけど、そろそろ決断してくれないかな?」

キュウべえ「見てごらん、ほむらのソウルジェムはもう限界だよ」

キュウべえ「…もし君が僕と契約をして彼女を助けなければ、ほむらは手遅れになってしまうよ?」


まどか「…わかったよ…」


まどかは名残惜しそうにほむらと重ねた手を離し、立ち上がる。


ほむら「…まどか…」


まどか「……」ニコッ



ーー大丈夫。後はわたしに任せてーー



言葉を交わさなくても、まどかの想いはたしかにほむらの胸へと伝わっていた。

13 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 20:19:47.74 ID:wHbaGeEk0

キュウべえ「…では、始めようか…」



さあ鹿目まどか



その魂を対価にして



君は何を希(ねが)う…?



…数え切れないほどの魔法少女達を破滅へと導いておきながら、自らをただの『傍観者』だと騙る悪魔(インキュベーター)は、いつもの口上を
形式的に…そして機械的に述べた。



まどか(…私は…)


まどか(私の願いは……!)


すうっ


…覚悟は決まった。
まどかは大きく息を吸い込むと、無機質なインキュベーターの目を真っすぐに見つめながら、自らの魂と対になる……否、世界の運命を左右する
願いを叫ぶーー。

14 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 20:32:05.31 ID:wHbaGeEk0




まどか「私は『私の存在と引き換えに』全てのインキュベーターをこの宇宙から消し去りたい」


まどか「過去、現在、未来…あらゆる時間軸の全てのインキュベーターという存在を、この宇宙からーー!」



15 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 20:46:51.82 ID:wHbaGeEk0

キュウべえ「!?その祈りはーーーー」


カッ!!


次の瞬間、まどかを中心として眩い光が周囲を疾(はし)った。

魔法少女の契約が結ばれ、まどかの魂をソウルジェムへと変換するプロセスが始まったのだ。


これまで本当の感情を見せたことのないインキュベーターの貌(かお)に、初めて『恐怖』の表情が浮かぶ。


ーー賽は投げられた。


今まで安全な位置から全てを俯瞰し、舞台の登場人物たちの悲劇を嘲笑ってきた『傍観者』は、たった1人の小さな少女の手によって、
ついに同じ舞台上へと引きずり堕とされたのだ…!
16 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 21:05:21.96 ID:wHbaGeEk0

キュウべえ「ま、まどか!!君は自分が何をしたのか、理解しているのかい!?」

キュウべえ「前にも言ったけど、君たち人類の繁栄は僕たちインキュベーターによってもたらされたものなんだよ!?」

キュウべえ「もし僕たちインキュベーターの存在がこの宇宙から消えたら、君たち人類は再び有史以前の原始的な生活に戻ってしまう!!」

キュウべえ「…いや、そもそも今この瞬間に宇宙が存在できているのは、僕たちインキュベーターがこれまで宇宙の各地で魔法少女を作ることで
希望と絶望の相転移からエネルギーを回収し、延命してきたおかげだ!!」

キュウべえ「その事実を消し去り、宇宙を終焉へ誘う君の願いは、明確な因果律への『叛逆』に他ならない!!」

キュウべえ「鹿目まどかーー君はこれまでの宇宙の歴史を…『進化』の全てを破壊するつもりなのかッ!!?」



まどか「……そうだよ」



キュウべえ「…なっ…!?」
17 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 21:15:38.03 ID:wHbaGeEk0

まどか「あなた達インキュベーターはこれまで数え切れないほどの魔法少女たちの運命を弄んできたけれど」

まどか「……それは私も同じだよ」

まどか「私はインキュベーターを倒すために、この願いで今在る世界のすべてを破壊する」

まどか「…魔法少女になる運命だった子たちから『希望』を取り上げて、パパやママ、タツヤみたいな何も知らない大勢の人たちの運命を
自分勝手に作り変える…」

まどか「解る?…あなたとわたしは『同罪』なの」
18 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 21:24:10.92 ID:wHbaGeEk0

まどか「誰かの運命に悪戯に干渉して全てを作り変えてしまう…そんなの、神様にだってきっと許されていないことだよ」

まどか「だから歴史に介入して人類の運命を大きく変えてしまうような『罪』を犯した存在は、この宇宙から消えなくてはならないんだよ…!」

まどか「あなたも…そして…」


まどか「…私も」


キュウべえ「!!!」
19 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 21:36:03.06 ID:wHbaGeEk0

まどか「…私には解る…。この願いが叶う時、世界はきっと…今よりもずっと…ずっと…すばらしい世界に生まれ変わっているんだって…」


まどか「…ただ、その新しい宇宙にあなたとわたしが行くことはない…!」


まどか「さぁキュウべえ…もういいでしょ?」


まどか「終わりにしようよ…全てを!」



ピカーーーーッ!!!!



まどかの決意に応えるように、まどかから放たれる光はより強く、そして大きくその輝きを増していったーー。


20 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 21:44:50.75 ID:wHbaGeEk0

ほむら「キャアッ!?」

キュウべえ「こ…この光は…!?」

インキュベーターの瞳が驚きに大きく見開かれる。

まるでまどかを護るように展開される神秘的な緑色の輝き。

それは魔法少女の契約で生まれるソウルジェムの光とはまったく別の…異質な光だった。
21 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 21:58:56.09 ID:wHbaGeEk0

キュウべえ(……な、なんだこれは!?こんな現象、今まで観測されたことがない!)

永き時を生き、宇宙で起こる様々な事象を観測し、解明してきたインキュベーターですら解らない謎の発光現象にキュウべえはただただ戸惑う。

キュウべえ(わ、わけがわからない…!わけがわからないよ…ッ!!)

キュウべえ(自己を犠牲にして宇宙の歴史とインキュベーターの存在を消し去ろうとするまどかの精神状態もそうだけど…)

22 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/15(土) 22:01:48.02 ID:wHbaGeEk0
すみませんが本日の更新は以上になります。
続きは近日中に投稿させてもらいますので、よろしくお願いします!
23 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/16(日) 18:37:17.46 ID:TozLbfG20

キュウべえ(この正体不明の発光体は…す、凄いエネルギーだッ…!!)

キュウべえ(エントロピーどころじゃない…!)

キュウべえ(このままこのエネルギーが無尽蔵にまどかの元に集結し続ければ、じきにビッグバンに匹敵するほどのエネルギーの総量になる!!)

キュウべえ(い…いくらまどかほどの素質を持つ少女が世界のリセットを望んだからといって、こんな事が起こりえるのか…!?)


キュウべえ(…ま、まさか…)


ーーまさか『別の次元』から、何者かの『意思』がこの宇宙に介入しようとしているのかーー!?


キュウべえ「いったい…いったい何が起こっているというんだ!!!?」


…理解を超えた事態の連続に、インキュベーターの『恐怖』は今、最高潮に達しようとしていた。


24 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/16(日) 18:49:37.49 ID:TozLbfG20


まどか「…キュウべえ…」


キュウべえ「ひッ!?」



ゴ オ オ オ ッ ! ! !



まどかの元へと集束した光はさらに輝きを増し、今や天をも貫くほどに巨大な1本の光の柱と化していた。

その光の柱の中から、ゆっくりとまどかが姿を現す。

その小さな躰(からだ)の内に、揺るぎない決意と、熱き怒りの嵐を抱いてーーー!
25 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/16(日) 19:11:17.26 ID:TozLbfG20

まどか「…ねぇキュウべえ…私の願いを覚えてる…?」

まどか「私の願いはーー『私の存在と引き換えに』全てのインキュベーターをこの宇宙から消し去りたいーー」

まどか「…私は今からこの願いを叶えて、魔法少女のみんなから『希望』を奪う…」

まどか「…本当なら叶うはずだった願いを失うことで、みんなが『絶望』を味わうことに変わりはないのかもしれない…けど…!」

まどか「だけど…だけど…もし!魔女になった子たちや戦いの中で命を落とした魔法少女のみんなが…もう一度新しい世界で『人』として生きることができるなら!」

まどか「いなくなってしまったみんなが…また…ここに…帰ってきてくれるなら!!」ポロポロ…。


まどか「私は私の全てを、この願いの為に捧げるよ!!!」



まどか「…さぁ…叶えてよ…!」



まどか「インキュベーター!!!」





ド ワ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! ! !







26 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/16(日) 19:21:25.61 ID:TozLbfG20


ーー契約は果たされた。
まどかの手の中に魔法少女の契約の証であるソウルジェムが現れると同時に、天に向かって伸びていた光の塔は突然形を変え膨張したかと思うとそのままドーム状に爆発。閃光が、全てを呑み込んでいった……。


まどかも…。

ほむらも…。

インキュベーターも…。

ワルプルギスの夜も…。

見滝原の街も…いや、世界さえも…!


全て…全て…眩い緑の閃光の中へと消えていった……。
27 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/16(日) 19:22:13.20 ID:TozLbfG20


ーー契約は果たされた。
まどかの手の中に魔法少女の契約の証であるソウルジェムが現れると同時に、天に向かって伸びていた光の塔は突然形を変え膨張したかと思うとそのままドーム状に爆発。閃光が、全てを呑み込んでいった……。


まどかも…。

ほむらも…。

インキュベーターも…。

ワルプルギスの夜も…。

見滝原の街も…いや、世界さえも…!


全て…全て…眩い緑の閃光の中へと消えていった……。
28 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/16(日) 19:24:53.35 ID:TozLbfG20
間違えて2回送信してしまいました…。大事な場面ですみません…。
29 : ◆pnE8/WoUNM [sage]:2021/05/16(日) 19:29:33.77 ID:TozLbfG20




ーーーそうか…そうだったんだーーー。





ーーー今のわたしになら解るーーー。





ーーー宇宙の全てがーーー。





ーーーあぁ。…こんなにも…簡単なことだったんだーーー。





………。

……。

…。
30 : ◆pnE8/WoUNM [age]:2021/05/16(日) 19:40:03.21 ID:TozLbfG20
今回の投稿は以上になります。

ゲッターを知っている皆様には「どういう事だおい…こいつさっそく虚無ってるじゃねーか!」とツッコマれているかもしれませんが、ちゃんと次回はあるので安心してください。

筆者は遅筆なので更新は遅くなると思いますが、このssが虚無らないように完走を目指して頑張らせてもらいます。

次回はタイトルだけ決まっていて、『伝説〜legend〜』になります。

ご期待ください!


31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/12(月) 13:00:02.71 ID:P2aj+8TNO
虚無りやがった
32 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/07/17(土) 22:30:25.73 ID:NL7y7+YI0
みなさま、お待たせしてしまってすみません……(土下座)

この2ヶ月、ssの続きを何回も書いてはやり直してを繰り返した結果、改めて自分には文才がカケラも無いことを痛感しました…orz

なのでこれからはssの初心に帰って地の文を廃止し、セリフとモノローグと擬音を中心にssを書くことで更新速度をあげていきたいと思います。

分かりづらい部分が多々あると思いますが、どうかお許しください…。

それでは、これより続きを投下します。

今回からいよいよゲッター線濃度が急上昇してくると思うので、お楽しみにッ!!

ドワオッ!!


33 : ◆Q1Sh5uYLj6 [sage]:2021/07/17(土) 22:36:32.78 ID:NL7y7+YI0

まどか「ゲッターロボサーガ!!」
プロローグー2−
『伝説〜Ⅼegend〜』

34 : ◆Q1Sh5uYLj6 [sage]:2021/07/17(土) 22:49:30.86 ID:NL7y7+YI0

…。
……。
………。


ほむら「……ここは…」


ーー目が醒めると私は緑色の光に包まれた不思議な空間にいた。


ほむら(…何が…起こったんだっけ…?)

ほむら(たしか…私はワルプルギスの夜と戦っていてーー)


『ーーもういいんだよ、ほむらちゃん』


ほむら(!!!)
35 : ◆Q1Sh5uYLj6 [sage]:2021/07/17(土) 23:03:05.00 ID:NL7y7+YI0

ほむら「あ…あぁ……!」ガクガク…!


霧がかかったように曖昧だった記憶がしだいに、鮮明に甦っていくーー。


『ごめんね』


『だから…私を信じて』


『私の願いはーー』




『私の存在と引き換えに、全てのインキュベーターをこの宇宙から消し去りたいーー!』



36 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/17(土) 23:42:05.30 ID:NL7y7+YI0

ほむら「ああああぁぁぁぁ!!!!」

ーーそう。
彼女は願ってしまった…。
憎きインキュベーターを倒すために…。
散っていった魔法少女たちのために…。
弱りきった私を救うために…。
そして……全ての悲劇を終わらせるために……。


彼女は奇跡を祈り、恐らくそれは果たされてしまったのだろう…。


『鹿目まどか』という、かけがえのない存在と引き換えにーー……!
37 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/17(土) 23:52:41.84 ID:NL7y7+YI0

ほむら「そ、そんなの嘘よ…!」

ほむら「まどかが…まどかの存在が、消えてしまったなんて……!」



ほむら(……すべて、私のせいだ……)



ほむら(…私が…私がいつまでたっても弱いままだから…!)

ほむら(だからまどかは追いつめられて、あんな決断をしてしまったんだ……!!)


38 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 00:03:04.13 ID:7fRr/n1J0

ほむら「なにが『まどかを救う』よ……!」ギリリ…ッ!


ほむら「…私が…私がまどかを死なせたようなものじゃない……!!」


ーーポタッ。


ほむら「う…うぅ……まどかぁ……」


ほむら「まどかぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」








『ーー大丈夫だよ。ほむらちゃん』


ほむら「!!」
39 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 00:19:59.07 ID:7fRr/n1J0

…嘘…この声は……!?
………でも、あの子の声を、私が忘れるはずなんてない!

私は背後から聞こえてきた愛らしい声の主を確かめるために、ゆっくりと後ろへと振り返った…。


ほむら「あ……」


……あぁ。やっぱり、聞き間違えなんかじゃなかった……!



ほむら「……まどか…なの?」



まどか『ーーそうだよ。また会えたね……ほむらちゃん』


ニコッ…。


ーーそう言うと、まどかは以前と何ひとつ変わらない優しい笑顔で、私に微笑みをかけてくれたーー……。



ーーー

ーー




40 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 00:37:37.40 ID:7fRr/n1J0
西暦2011年 浅間山麓 早乙女研究所 地下実験場



ピィーーーー



所員A「博士、成功です!!」


所員A「ゲッター線が回路を走ってます!!」


 
41 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 00:45:21.55 ID:7fRr/n1J0



ギュオオオ!!!



所員B「よし、いいぞ!!」

所員B「予定通り、ゲッター線が体中にまわります!!」

所員A「いけ!!そのままゆけ〜〜〜!!」




「………」



42 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 01:02:27.61 ID:7fRr/n1J0



ピュオオ……!



所員C「おお……!これはいける…いけるぞぉ〜〜!!」


ピシュッ!


所員C「!?」

所員C(モニターの波形に乱れが……!?)



バシュウーーー!!!



所員D「う!!」



バシュオオオ!!!



「「「「何!?」」」」





43 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 01:08:11.72 ID:7fRr/n1J0




ズバババッッ!!




所員A「どうした?」


所員B「ああっ〜…」



「………」


44 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 01:13:22.43 ID:7fRr/n1J0


シュオオ……


所員C「博士っこれは!」



「ゲッター線の量が多すぎたのね………」



所員A「えっ?まさかショートしたってことですか?」


45 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 01:27:10.73 ID:7fRr/n1J0

「そうよ……見なさい。送入したゲッター線が粒子の霧となって、次々と機体の胸部から漏れ出しているわ」


所員D「あぁ、なんてことだ……」


「これだけ大量のゲッター線を体全体にまわすには……」

「もっと細部まで研究を進めなきゃダメみたいね」




「……ふう……どうやら、また1から出直しね……」フフ…。




「「「「…………」」」」





敷島「ゲゲーッ!!」




46 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 01:36:58.68 ID:7fRr/n1J0
…いかがだったでしょうか?

中途半端ですみませんが、今回の投稿は以上になります。

題材が題材なので「コイツ虚無ったんじゃないか?」と心配をおかけしたかもしれませんが、ssの書き方を変えたのでこれからは投稿頻度を上げられると思います。

申し訳ありませんでした……(土下座)
47 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/18(日) 01:47:16.42 ID:7fRr/n1J0

……ところでついに、ついにゲッターロボアークの放送が始まりましたね!

次回以降の内容はアニメのED「Dragon2021」の冒頭で流れる部分をアレンジした物となりますので、原作未見の方は楽しみにしていてください!

それでは、近いうちにまたお会いしましょう!

ドワオッ!!
48 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/07/27(火) 20:46:47.39 ID:JWHlSO3A0
お待たせしました。これから続きを投下します。

ところで原作マンガを再現する為に始めたこのSSですが、独自の設定や展開の楽しさがあるOVAや外伝の多さもゲッターの魅力の一つだと思うので、今回原作にはないいくつかの設定をSSで使わせてもらいました。

解説とかいらないという方も当然いるとは思いますが、ゲッターを知らない方のために作ったSSですので、本文を書き終わった後に簡単ではありますがSSオリジナルの設定とその元ネタを説明させていただきたいです。

それでは続きの投下をさせてもらいます。ドワオ!!



49 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 21:01:08.92 ID:JWHlSO3A0

所員A「…ゲッター線を止めろ!!」


「待って。原因を突き止めたいわ」


「エネルギー量を三分の一に減らして、はねた部分をすべてチェックしてちょうだい」


所員B「あ、はい……」



主任「……さあ、みんな!博士の指示を聞いただろう!?」

主任「俺たちが落ち込んでいたら、いつまでたっても実験は成功しないぞ!!」


主任「大丈夫!次こそは必ず成功するさ!!」ニコッ!


所員C「た、達人(たつひと)主任……!」ジ〜ン…!



50 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 21:09:59.92 ID:JWHlSO3A0

所員E「…そうだな、よしっ!」


所員F「今度こそ絶対に成功させるぞ〜〜!!」



「「「うおおおーーー!!!」」」



「……さすがは達人さんね」


達人「お、そうだ。『元気』……じゃなかった。博士も少し休んでこいよ」


「え?

51 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 21:25:02.24 ID:JWHlSO3A0

達人「『こいつ』は俺たちが見張っといてやる。だからお前は展望台に行って、きれいな満月を眺めながらコーヒーでも飲んでこい」


達人「そうすればきっと何か良いアイデアが浮かんでくるさ!」


達人「……なにせお前は父さんの才能のすべてを受け継いだ、本物の『天才』なんだからな!」ニコッ!



「…あ、あなたは私のことを買いかぶりすぎよ…‖‖‖‖」


「けど…そうね。それじゃあお言葉に甘えて、少しだけ休憩を頂こうかしら」


所員A「あ、博士。僕もご一緒していいですか?」


「えぇ。どうぞ」

52 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 21:37:20.19 ID:JWHlSO3A0

早乙女研究所 展望台


コツ…。コツ…。


「……星がきれいね」


所員A「そうですね……本当に」


「……そういえばこんな夜だったそうね」


所員A「えっ?」


「私の父……『早乙女賢』博士がゲッター線を発見したのは……」


「」
53 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 21:45:07.86 ID:JWHlSO3A0

「それはまさに世紀の発見だったわ……」


「微量で膨大なエネルギーになる……魔法の光体」


「ゲッター線の発見により私達の研究にも……いえ、人類の未来にあらゆる可能性が出てきたわ」


所員A「……ですが、すべてが順風満帆だったわけじゃないんですよね……」


「……そうね……ここまでくるのに、本当に多くの血が流れてしまったわ……」

54 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 22:01:37.54 ID:JWHlSO3A0

「幾度となく起こったゲッター炉心の暴走に巻き込まれた所員たちや」


「父が立ち上げた宇宙開発計画……通称『ゲッター計画』に志願したものの」


「プロトゲッターの殺人的な性能に耐え切れずに命を落とした自衛隊のパイロットたち……」


「こんにちにいたるまでのゲッター線の研究成果のすべてと、『ゲッター計画』がここまでこられたのは」


「彼らの尊い犠牲のおかげであることを、私達は決して忘れてはならないわ……」


所員A「そうですね……しかし、彼らの死はもちろん痛ましい出来事ですが」


所員A「我々にとって何よりつらかったのは、貴女のお姉さんの『早乙女ミチル』さんと、お父上である『早乙女賢』博士の死でしたよ……」


「!!!」


55 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 22:20:44.30 ID:JWHlSO3A0

所員A「……ミチルさんがプロトゲッター・モデル『D1』の演習中に起きた事故で亡くなられた直後に」


所員A「今度はゲッター線の発見者である早乙女博士が新たに開発されていた『真』型炉心の暴走事故でミチルさんの後を追うように命を落とされた……」


所員A「正直にいって、僕はあの時この早乙女研究所はもうお終いだと諦めていましたよ……ハッ!?」



「…………」ジロー…。



所員A「あ、あわわわ……!す、すすすすみません、博士のお気持ちも考えずに失礼なことを言ってしまって……!!」


「…別にいいわ。2人が亡くなったことは事実だし……」ムスッ…



所員A「で、ですが我々には博士……あなたがいた!!」




56 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 22:26:16.33 ID:JWHlSO3A0
いかがでしたか?

中途半端になりますが、今回の更新は以上になります。

それではこれより原作にない小ネタ…もとい設定の解説と元ネタを説明させていただきます。
57 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 22:46:32.63 ID:JWHlSO3A0
『早乙女博士の娘の元気』…元ネタはアニメ『真ゲッターロボ 世界最後の日』。原作の『元気』は小さな男の子なのでゲッターの開発に関わったりしてません。


『早乙女賢博士』…元ネタは漫画『偽書ゲッターロボダークネス』。原作者である石川賢先生へのリスペクトから使わせていただきました。ちなみに原作やアニメでは博士の本名は謎のままです。


『早乙女ミチルの事故死』…『真ゲッターロボ 世界最後の日』から。個人的には生かしてあげたかったのですが…。


『プロトゲッター・モデルD1』…絶賛放送中の『ゲッターロボアーク』に登場する『ゲッターロボD2』が元ネタ。D2はゲッタードラゴンの量産型なのでD1の正体は…。
58 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/07/27(火) 22:52:38.49 ID:JWHlSO3A0
原作だけでも凄い面白いのに、派生作品までダイナミックかつ面白いのがゲッターの良さですよね!

続きはまた近いうちに投稿させてもらいますので、すみませんが少しの間だけお待ちください。

それではみなさんまたお会いしましょう!

ドワオ!!!
59 : ◆Q1Sh5uYLj6 [age]:2021/08/10(火) 19:30:24.03 ID:0q23vdDf0
お待たせしました。それでは続きを投下します。
60 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 19:47:12.24 ID:0q23vdDf0

所員A「あの時、貴女はまだ中学生になったばかりだというのに、早乙女博士の遺した資料のすべてを完璧に理解し!」


所員A「さらには博士でも解決できなかった数々の問題点の解決方法を僕たち所員一同に提示して見せた!」


所員A「あなたは……まさに『天才』だ!!」


「………」


所員A「あなたをプロジェクトの中枢に招いたことにより、『ゲッター計画』は飛躍的に進み…」


所員A「ついに今日!完成形のゲッターの起動実験にまでこぎ着けることができたんです!」

  
61 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 19:58:31.42 ID:0q23vdDf0

所員A「……まぁ今日の起動実験自体は失敗に終わってしまいましたが」


所員A「きっと天国にいる早乙女博士とミチルさんも、あなたの成長と成果を見て喜んでいるはずですよ!」ハハハ!


「……そうね。ありがとう…」







(…『天才』か…。やっぱり、私の行動は他の人にはそう映るのね…)

62 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 20:13:52.48 ID:0q23vdDf0

(私だってゲッター線のすべてを理解できてるわけじゃないわ……)


(だけど彼や達人さんをはじめとするこの研究所の大人たちの誰よりも)


(私のほうがゲッター線について先を行っていることは間違いないようね……)


(なぜなら『今の』私にとってゲッター線に関わることは)


(小さな子供が頭の中で簡単な暗算をすぐに解くことができるように、出来て当たり前なことなんだもの)


63 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 20:22:33.65 ID:0q23vdDf0

(……ゲッター線の意思を汲み取り、その導きに従い彼らの望む『器』を造りあげること……)


(それこそがこの『新しい世界』で私に与えられた……)



カシャン!



「!!」




64 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 20:37:15.93 ID:0q23vdDf0

所員A「……しかし博士。いくら宇宙開発のためとはいえ、『ゲッター計画』は急ぎすぎなのではないですか?」コーヒーヲドウゾ…。


「……否定はしないわ……」ドーモ…。


所員A「もう少し時間をかけても良かったのでは!?」




「……………………」




所員A「博士?」




「……ねぇあなた。あの満月の前を横切る『影』が見える……?」

65 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 20:49:04.77 ID:0q23vdDf0

所員A「え、影ですか…?…あぁ、たしかに満月の前を何かが通ってますね……ん!?」


所員A「なんだあれは…!!?」


所員A「なにか大きな生き物が連なって羽ばたいているけど……鳥?にしてはやけに大きいような……?」







「………急がなければ………!!!」

66 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 21:05:35.54 ID:0q23vdDf0

早乙女研究所 地下実験場


ズズ…。


所員F「!?」


ズオオ…!


所員F(え…!?なんだこれは…!!)


所員F「だ、だれか博士を大至急呼んで来てくれ!!」


所員B「どうしたんだ?」


所員F「大変なことが起こっているんだ!!!」





ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーー!!!!!

67 : ◆Q1Sh5uYLj6 [saga]:2021/08/10(火) 21:12:23.01 ID:0q23vdDf0
本日の更新は以上になります。

SSの書き方を変えたおかげで少しずつではありますがストックが貯まりはじめたので、これからは週一程度で更新できると思います。

それではみなさんまた来週お会いしましょう!

ドワオッッ!!!
68 :dwao2929 [age]:2021/08/17(火) 20:40:18.16 ID:tsDbSHFY0
お待たせしました。今回の更新で長かったプロローグもやっと終わりにできそうです(汗)

あと少しだけ、お付き合いください。

それでは続きを投下させていただきす、ドワオ!!
69 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 20:50:32.68 ID:tsDbSHFY0


タッタッタッ………!!!


達人「元気ーー!!大変だぁーーー!!!」


「!!」


所員A「?」


ーーー
ーー



ツカツカツカ……!


「そんな…バカな!?」


「…俺にもよく解らんが、所員(そいつ)の話じゃ」


「ゲッター線回路が次々と勝手に開いてると言うんだ!!」




70 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 20:59:16.52 ID:tsDbSHFY0

「ありえないわ…!!あれだけのショートを起こしたのよ!?」


(まさか…ゲッター線が自ら…!)


所員A「最初からたいした事故じゃなかったんですよ!」


所員A「ゲッター線の量を減らしたのがよかったんですよ!」


達人「…あ、あぁ。そうだな…きっとそうに違いない!!」


「………!!!」

71 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 21:08:24.68 ID:tsDbSHFY0

ウイィーーーン…!


「なにがあったの!?」


所員F「博士!!あれを見てくださいっ!」



マドオォ…!



所員C「ゲッター線が…! …ゲッターが、とつぜん緑色から『ピンク』に変色をし始めたんです!」



「「「オォッ!!?」」」


72 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 21:15:36.29 ID:tsDbSHFY0


マドオオォォ……!!


達人「なんだこれは!?」


所員F「達人主任が博士を呼びにいった直後から」


所員F「急にゲッター線の色が変わり始めたんです!!」


達人「そんな馬鹿な…!?」


達人「通常ゲッター線は蛍光色に近い緑の発光体のはずだろ!?」

73 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 21:22:49.56 ID:tsDbSHFY0

所員B「それだけではありません!」


所員B「ゲッター線の変色に合わせるように、ゲッターの出力も急激に上昇していきます!!」



ギュオオオオオーー!!



達人「いったい…いったいなにが起こっているんだ……!?」


「……『まどか』……?」


達人「え……?」

74 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 21:41:02.96 ID:tsDbSHFY0

(…間違いないわ…!)


(あのピンク色の耀きは『まどか』のソウルジェムと同じ物よ…!)


(まさか…そういうことだったの!?)


(私がこの『新しい世界』でゲッターの開発に関わっていることも…!)


(ゲッターがこうして再起動しようとしていることも…!)


(すべてはゲッター線の…『大いなる意思』の導きではなく…!)


(あなたの意思だったということなの……!?)







(『まどか』………!!!)
75 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 21:48:50.45 ID:tsDbSHFY0



マドオオオォォォーーー!!!



所員E「変色したゲッターエネルギー、機体の全身にまわります!」



……カッ!!



所員A「しゅ、出力限界値突破……!!」



所員A「『ゲッターロボ』起動しますッッ!!!」


76 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 22:00:59.33 ID:tsDbSHFY0

ズ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! ! ! ! ! ! ! ! ! 






ゲッターロボ『……グオワアアアアアアアアアアーーーーー!!!!!』





マドォォォォオオオオ………カアアアアアアーーーーーッッ!!!!!





「「「「「ああああ!!!!?」」」」」


達人「う…うぅ…!!」


(……まどか……!)



ゴ ゴ ゴ … !

ゴ ゴ …。

…。

77 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 22:08:44.15 ID:tsDbSHFY0
…。

……。

………。



ほむら「……まどか…なの?」



まどか『ーーそうだよ。また会えたね……ほむらちゃん』


ニコッ…。


ほむら「……ッ」


まどか『…ほむらちゃん…?』



ほむら「…まどかの…まどかの……馬鹿ァ!!」



まどか『!!?』

78 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 22:23:43.91 ID:tsDbSHFY0

ほむら「あなたは…いつもそうよ…!」


ほむら「自分の人生は貴いものだと…!家族を、友達を、なにより大切なものだと言っておきながら…!」


ほむら「いつもあなたは自分を犠牲にしてしまう!!」


ほむら「どうして解ってくれないの……!?」


ほむら「あなたが…まどかが犠牲になることで、あなたの大切な人たちがどれだけ大きく、深く傷ついているのかをッ!?」


ほむら「…私が…!私が…どれだけ悲しく、淋しい想いをしてきたのかを……!!」


ほむら「どうして解ってくれないのよ……まどかあああぁぁぁ……!!!」


まどか『………』


79 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 22:33:52.69 ID:tsDbSHFY0

ほむら「うぅ……ひぐ……!」


まどか『……そっか。そういうことだったんだ……』


ギュ…。


ほむら「!!?」


ほむら(まどかに…抱きしめられた…!!?)


まどか『…ほむらちゃん…。わたしはね、自分の命なんてどうなったっていい…』


まどか『…そんな風に投げやりになったことなんて、今まで一度だってないよ?』


ほむら「え…?」


まどか『…わたしたちのこれまでの行動には、すべて「意味」があったんだよ…?』

80 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 22:46:16.85 ID:tsDbSHFY0

まどか『あの日、あの時、あの場所で…わたしがキュウべえにあの願いを願ったことにもーー』


まどか『マミさんやさやかちゃん、杏子ちゃんたちが一生懸命に魔女と戦って、その命を散らしたことにもーー』


まどか『わたしがこれまでのループで魔法少女になることを選び続けたことにもーー』


ほむら(え……?)


まどか『……そしてほむらちゃん。あなたがわたしのために頑張ってくれたこと何もかにもーー』


まどか『ーーそのすべてに、大きな「意味」があったんだよ?』ニコッ…。

81 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 22:52:28.28 ID:tsDbSHFY0

ほむら「…まどか、あなたまさか……!!」


まどか『うん…今のわたしにはね、過去と未来…』


まどか『かつてありえた宇宙…ありえるかもしれない宇宙…みんな解るの』


ほむら「!!」


まどか『「彼ら」が…「大いなる意思」たちが、わたしにすべてを教えてくれるの』

82 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 23:03:40.54 ID:tsDbSHFY0

まどか『だからね、わたしにもようやくほむらちゃんの言葉の「意味」が解ったよ』


まどか『何度も泣いて傷だらけになりながら』


まどか『それでもわたしの為に戦い続けてくれた…』


まどか『こんなにも大切な友達が側にいてくれたんだって…』


ほむら「あ…あぁ……」


まどか『ずっと気づいてあげられなくてごめんね』


まどか『今のわたしになったから、本当のあなたを知ることができた』


まどか『ほむらちゃん、あなたは……』




まどか『わたしの最高の友達だったんだね』


ニコッ…。

83 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 23:13:31.96 ID:tsDbSHFY0

ほむら「まどか…まどかぁ……うわあああぁぁぁん!!!」


ギュウゥ……!!


まどか『…さっきほむらちゃんは「なんで解ってくれないの?」って聞いてきたよね……』


まどか『わたしの答えはこうだよ』


まどか『「たとえあなたの想いを裏切ることになってもーー』


まどか『たとえわたしが命を落とす結果になったとしてもーー』


まどか『この結末を迎えられるのなら、わたしは何度だって運命に挑み続けたと思う」』

84 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 23:23:21.14 ID:tsDbSHFY0

まどか『だって……今のわたしになれたから、本当のほむらちゃんとーー』


まどか『ーーわたしの最高の友達と、こうして出会うことができたんだもん!』


まどか『これ以上の幸せなんて、きっと世界中を探したって見つからないよ……』



ほむら「まどか……」



まどか『ほむらちゃん……』



ギュッ……。



………。
……。
…。
85 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 23:42:21.82 ID:tsDbSHFY0

次回予告!!


運命の魔法少女、鹿目まどかの願いによってインキュベーターによる搾取の歴史は終わりを告げ、世界は新たな歴史を歩み始めた!


…しかし平和を取り戻したはずの世界に、再び邪悪な気配が忍び寄ろうとしていた…!


魔法少女が存在しない世界で、異形の『敵』に立ち向かえるのはもはや早乙女研究所と、彼らの開発した『ゲッターロボ』しかいないッ!!


…しかし、早乙女研究所はいまだゲッターのパイロットを見つけられないでいた…!


果たして彼らはパイロットを見つけだし、ゲッターを起動することができるのだろうか!?


そして新たな『敵』の正体とは…!



杏子「……あたしは『杏子』……『流(ながれ)杏子』さっ!!」



次回ッ!まどか「ゲッターロボサーガ!!」
第1話「杏子が行く」に…チェンジ!ゲッターーー1!!!(CV関智一)

86 :dwao2929 [saga]:2021/08/17(火) 23:48:26.80 ID:tsDbSHFY0
…今回の投稿は以上になります。


マギレコ2期は始まるし、ゲッターロボアークも黒い真ゲッターのおかげで盛り上がりを見せるし、大好きな作品が話題になるのはうれしいですね!!


それではみなさん、近いうちにまたお会いしましょう!


ドワオーー!!
87 : ◆Rl6vZ65UH6 [age]:2021/08/24(火) 19:12:34.32 ID:ncqnQwti0
皆様お待たせしました。

今回から本格的に漫画版ゲッターロボの物語の再現が始まります。

ゲッターロボアークを見て原作に興味を持った方、あるいはまどマギは知っているけどゲッターは知らない方に、少しでも石川賢先生の魅力を伝えられるように頑張りたいと思います!

それでは続きを投下します。

ド ワ オ ! !

88 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 19:30:57.37 ID:ncqnQwti0
………。
……。
…。


「……ねえまどか?……」


『……なぁに?ほむらちゃん』


「…どうしてあなたはまだこの宇宙に存在していられるの?」


「あなたの願いは…『自分の存在と引き換えに全てのインキュベーターを消し去りたい』という内容だったはず……」


「こうしてまたまどかと出会えたことはうれしい…本当にうれしいけど……!」


「もしまどかの願いが叶って、インキュベーターの存在が歴史から消えたのなら……」


「『鹿目まどか』の存在も……この宇宙から消えてしまうのではないの?」


『…それはね…。「彼ら」のおかげなんだよ』


「『彼ら』……?」


『そう。……「彼ら」とはーー……!』

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/24(火) 19:35:07.63 ID:4QnB7x+DO
90 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 19:36:37.49 ID:ncqnQwti0

西暦2011年 早乙女研究所 映写室


カチャン!カタカタカタ…。


黒服A「博士、後ろから来る男です」


タッタッタッタッ…!


黒服「…この男です」


「…………」

91 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 19:43:02.72 ID:ncqnQwti0

バーーーンッ!!!


黒服B「見ての通り足の力は高校一です」


黒服B「彼の所属するアメリカンフットボールチームの優勝回数は三十回……」


黒服B「そしてそのほとんどの得点を、彼が入れております」


「…………」


ジジ…。

92 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 19:51:32.32 ID:ncqnQwti0

黒服B「まさに博士が望んでいた人材でしょう」


黒服B「体力的にも今までよりずば抜けています」


ジジ……。


黒服B「鍛え方一つで使いものになると思いますが?」


黒服A「これが彼に関する細かい調査書です」


ジジジ……。


「……明かりを点けてもらえるかしら?」


黒服A「…わかりました」

93 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 20:01:29.83 ID:ncqnQwti0

パッ


(目が痛むわ…カーテンを開けましょう)


シャ―ッ


ザーーー……。


(…また雨が降ってる…これで何日目かしら?)


黒服A「見てもらえばわかりますが彼は学力的にもけっして劣っていません」


「……そうみたいね……」


パラ…。パラ…。


黒服B「さっそく連れて来ましょうか?」


「……いいえ、それには及ばないわ」ファサッ


「「なっ……!?」」

94 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 20:13:10.86 ID:ncqnQwti0

黒服A「博士…残念ながら今のところこれ以上博士の希望にかなう人物はいません…!」


「…………」


黒服B「われわれだって足を棒にして捜し回っているんですよ!?」


黒服A「これで三百四十九人目だ…!」


黒服A「どんなに体力の優れた男を捜してきても…みんなだめ!だめ!」


黒服B「正直いってこれ以上は捜しようがありません…」


「……『これ以上』がなんですって……!」


ギロリッ!!!

95 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 20:23:30.08 ID:ncqnQwti0

バンッッ!!


「『これ以上』なんて言葉は『ゲッター計画』には存在しないのよっ!!」


黒服B「…っ!!」


「とにかく捜し続けるのよ!強靭な意思と、強い意志を持った者たちを…!」


「どれだけ『器(ゲッター)』の性能がすばらしい物でも、それを乗りこなせる選ばれし『魂(パイロット)』たちを見つけられなければ」


「『ゲッター計画』のすべては水泡に帰してしまうのだからっ!!」


黒服A「……」

96 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 20:24:13.95 ID:ncqnQwti0

バンッッ!!


「『これ以上』なんて言葉は『ゲッター計画』には存在しないのよっ!!」


黒服B「…っ!!」


「とにかく捜し続けるのよ!強靭な意思と、強い意志を持った者たちを…!」


「どれだけ『器(ゲッター)』の性能がすばらしい物でも、それを乗りこなせる選ばれし『魂(パイロット)』たちを見つけられなければ」


「『ゲッター計画』のすべては水泡に帰してしまうのだからっ!!」


黒服A「……」

97 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 20:25:20.58 ID:ncqnQwti0
連投してしまいました…すみません…。
98 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 20:39:32.64 ID:ncqnQwti0

「第一に、あなたたちはまだ事態の重大さを自覚していないわ!!」


「これは『生存』か『消滅』かを賭けた……!!」


プルプルプル!


「……チッ!…もしもし!」


所員A『あ、博士?岩鬼将造内閣官房長官からお電話ですが…』



「待たせておきなさいっ!!」



ガチャッ!!!


「フーッ…!フーッ…!」


黒服A(…おいおい、この子マジかよ…)


黒服B(うちの官房長官は元極道で血の気の多い超危険人物だって知ってるだろうに…凄ぇな…!?)

99 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 20:50:50.40 ID:ncqnQwti0

「「とにかく手をつくしてみます……」」ペコ…。


「……えぇ」


ガチャ


「…待って」


黒服B「はっ?」


「あなたたち政府に頼んでいた『例の案件』だけど……彼女たちは見つかった?」


黒服B「『例の案件』……あぁ。群馬県の見滝原市周辺に住んでいるという」


黒服B「『巴マミ』、『美樹さやか』、『佐倉杏子』の3人のを捜索するという件ですね」

100 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 21:02:58.82 ID:ncqnQwti0

黒服A「…残念ですが博士、われわれの調査では見滝原市周辺で彼女たちに該当する人物」


黒服A「ならびに戸籍謄本を見つけだすことはできませんでした」


黒服A「お役に立てず申し訳ありません…」


「……そう……」シュン…。


黒服B「彼女たちは博士のお知り合いなのですか?」


「…そうね…。彼女たちは私にとって…古い…とても古い付き合いの友人であり…」


「失われてしまった過去の思い出のような存在かしら……」フフッ…。


黒服B「はぁ………」



101 : ◆Rl6vZ65UH6 [saga]:2021/08/24(火) 21:15:23.38 ID:ncqnQwti0

「…ごめんなさいね…。個人的な用件であなたたちを引き留めてしまって」


黒服A「いいえ、われわれはべつに……」


「…とにかく、引き続き『適任者(パイロット)』の捜索はあなたたちに任せるわ…!」


「そしてくれぐれも忘れないでね…人類の未来は、あなたたちの仕事に託されているということを……!!」


黒服B「…はい…!」


黒服A「われわれ政府の機関としても、今度の仕事には全力をそそいでいます」


黒服A「だから必ず見つけだしてみせますよ…!」


黒服A「ゲッターにふさわしいパイロット達を……!!」

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