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【モバマス×ポケモン】藍子「めざせポケモンマスター! …ポケモン、マスター?」
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264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2020/11/01(日) 00:47:23.92 ID:jYtN3juVO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
ポケモンプラチナ『vs金ネジキ』Part1
『ポケモンプラチナ 金ネジキ 一回チャレンジ』
(0:02〜放送開始)
https://youtube.com/watch?v=fnMjYrrq0SA
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/01(日) 12:18:45.84 ID:WbJT4Mut0
乙
>>263
ゴテゴテしているって点なら凛のキーストーンはペンダント型だから
Zリングとダイマックスバンドを右手左手に分ければ行けるんじゃないか?
まあ今んとこガラルの一部エリア内でしかダイマックスできないから
強くなることを目標にしてんならメガシンカとZ技極める事優先した方がいいんじゃと思う
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2020/11/01(日) 20:32:41.53 ID:jYtN3juVO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
ポケモンプラチナ
バトルフロンティアvs金ネジキPart2
『ポケモンプラチナ 金ネジキ 21連勝〜』
(20:02〜放送開始)
https://youtu.be/rW2ammdrtUo
267 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:38:05.51 ID:qzQj1JRV0
ゼンリョクポーズを決めるしぶりん、うーんシュール
今回はずっと前から出そうと思ってた子が初登場です
投下します
268 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:38:34.48 ID:qzQj1JRV0
数時間後 再びバウスタジアム
ランターン「ランター……!」バタンキュー
ゲッコウガ「ゲコ……」ガクッ
ドローンロトム『ランターン、ゲッコウガ、共に戦闘不能!』
凛「お疲れ、ゲッコウガ」
美波「よく頑張ったね、ランターン」
凛(……ここまで3対1。かなり余裕を持って戦えている)
凛(だけど美波の最後の1匹はアシレーヌ……おそらくZワザっていうのも使ってくるだろう)
凛(あれがどのタイミングで、どのくらいの頻度で使われるかわからない以上、まだ気は抜けないな)
凛「サンダース、いくよ!」ポンッ
サンダース「ダース!」
269 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:39:15.26 ID:qzQj1JRV0
美波「最後までゼンリョクでいきますよ、アシレーヌ!」ポンッ
アシレーヌ「アシ!」
凛「やっぱり来たか、アシレーヌ……」
凛「できれば一撃で仕留めたい……サンダース、じゅうでん!」
サンダース「ダース!」バチバチバチ
美波「阻止します! うたう!」
アシレーヌ「アシレー」ラララ
サンダース「ダース!」ヒョイッ
美波「外しましたか……」
凛「よし、サンダース、戻って!」シュゥゥ
凛「いくよ……ダイマックス!!」ブンッ
サンダース「ダァァァァァァス」ドンッ
270 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:40:14.24 ID:qzQj1JRV0
美波「! さすがにこの状態でダイサンダーを受けたら、ひとたまりもないですね……!」
美波「アシレーヌ、こちらもゼンリョクで迎え撃ちますよ!」
アシレーヌ「アシレー!」
キランッ
凛(! 来る……あの構え、Zワザだ!)
美波「母なる海に抱かれて…響け、波の彼方まで!」
アシレーヌ「アシ!」コォォォォォォォォ
美波「この磨き抜いたZワザで……ダイマックスを超えてみせます! わだつみのシンフォニア!!」
アシレーヌ「アシレー!!」
シュゥゥゥゥゥゥ
271 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:41:15.54 ID:qzQj1JRV0
凛「ダイサンダー!!」
サンダース「ダァァァァァァス!!」ゴロゴロゴロ
カッ
ズドォォォォォン
『おおっ!!』
藍子「! 威力は互角……!」
凛「くっ……」
凛「有利なでんき技でも押し切れないなんて、すごいパワーだね、Zワザ……!」
美波「はい。何せトレーナーとポケモンが力を合わせて繰り出す技ですから」
美波「私は……もう負けるわけにはいかないんです! アシレーヌ!!」
アシレーヌ「アシレェェェェェ!!」
凛「!! すごい気迫だ……こっちまで呑み込みそうなくらい」
凛「でもね美波、私だって負けるわけにはいかない。後輩が見ててくれてるからね……!」
272 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:42:01.92 ID:qzQj1JRV0
凛「サンダース!!」
サンダース「ダァァァァァァス!!」
グンッ
美波「……!」
ドゴォォォォン
アシレーヌ「アシレー……」パタリ
美波「……また、負けた……」
ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・凛!!』
ワァァァァァァァ
藍子「すごい……さすが凛さん。Zワザにも打ち勝つなんて……!」
美波「……」
美波(うん、決めた)
273 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:42:54.60 ID:qzQj1JRV0
美波「お疲れ様です。すごく強かった……完敗です。約束通り、これを差し上げますね」
凛はマーメイドバッジを手に入れた!
凛は技マシン「クイックターン」を手に入れた!
美波「それと、凛ちゃん。私、凛ちゃんを見込んでお願いしたいことがあるんです」
凛「お願い?」
美波「うん。今夜19時に、町の南にあるレストラン『防波堤』に来てくれませんか?」
美波「事情はそこで話します。……大丈夫かな?」
凛「わかった、『防波堤』だね。もう一日この町に留まる予定だったから、大丈夫だよ」
凛「そうだ、藍子も一緒に来ていいかな。私の連れなんだ」
美波「藍子ちゃん……あ、さっきのチャレンジャー? そっか、二人は知り合いだったんだ」
美波「はい、もちろん。それじゃ、また後でよろしくお願いしますね!」
274 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:43:35.59 ID:qzQj1JRV0
ガラッ
藍子「今回も絶好調でしたね、凛さん!」
凛「ありがとう。……まあ正直、相手の調子が悪かったっていうのもあるけどね」
ガヤガヤ
観客A「……美波ちゃん、また負けちまったなあ」
観客B「珠美ちゃんに連敗してからもうずっとあの調子だよ。どうしちゃったのかな」
観客C「ガラル最強ジムリーダーも落ちぶれたモンだな。そろそろ世代交代かね」
凛「……」
藍子「……やっぱり今日の美波さん、本調子じゃなかったんでしょうか。それでも十分強かったですけど」
275 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:44:18.71 ID:qzQj1JRV0
凛「かもね。なにか悩み事でもあるのかも」
藍子「悩み事、ですか?」
凛「うん。藍子、今夜の予定なんだけど」
凛「実は美波に食事に誘われたんだ。19時に『防波堤』ってレストランで待ち合わせをしてる」
藍子「え、美波さんとですか? 初対面でお食事に誘われるなんて、いつの間にそんなに仲良く……」
凛「いや、仲良くなったとかじゃないんだけど、バトルが終わったらいきなり向こうから誘われたんだ。なにかお願いしたいことがあるって言っていた」
凛「だから今から19時までは自由時間ってことにしよう。レストラン前でまた再集合ってことで」
藍子「わかりました!」
276 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:45:01.78 ID:qzQj1JRV0
19時 レストラン『防波堤』
ガラッ
店員「いらっしゃいませ。シーフードレストラン、『防波堤』へようこそ――」
美波「あ、凛ちゃん! こっちこっち!」
店員「……美波様のお連れの方ですね。あちらへどうぞ」
藍子「は、はい」
凛「……へえ。お洒落なレストランだね」
凛(美波は一番奥の席で待っていたようだ)
凛(そしてその隣には……黒髪を後ろで束ねた少女が座っている)
277 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:46:02.09 ID:qzQj1JRV0
美波「ここは私の行きつけのお店なんだけど、近くの海で採れた魚介を使っているからすごくおいしいの」
美波「せっかくバウタウンに来たんだから、海鮮料理は味わわないとねっ。今日は私のおごりだから、たくさん食べていってね!」
藍子「本当ですか、ありがとうございます!」
凛「ありがとう。それじゃ私は……シーフードチャーハンにしようかな」
藍子「じゃあ私は……お造りで!」
店員「かしこまりました。コック、オーダー入ります」
フェイフェイ「はーい! 美波サンのお客サン、いっぱいおもてなしするネー!」
美波「凛ちゃん、急なお誘いだったのに来てくれてありがとう。さ、挨拶して」
??「は、はじめまして」
278 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:47:27.85 ID:qzQj1JRV0
灯織「美波さんのもとで修行している、ジムリーダー見習いの灯織です。よろしくお願いします」ペコリ
藍子「藍子です。よろしくお願いします!」
凛「ジムリーダー見習い……?」
美波「うん。彼女は私の後任候補なの。ゆくゆくはジムリーダーになってもらうつもりで指導しているんだ」
凛(へえ、弟子か……そういえば真奈美さんも弟子を作っていたな)
藍子「そうなんですか、じゃあ私たちと同じですね、凛さん!」
凛「そうだね。私は藍子のコーチをやっているんだ」
美波「コーチ? 二人はそういう関係だったんだ……どうりでバトルのクセが似てると思った!」
藍子「あはは……じゃあ灯織ちゃんと私は同じ弟子繋がりだね!」
灯織「は、はあ……」
美波「じゃあそんな藍子ちゃんを育て上げた名コーチの凛ちゃんなら、安心してお願いできそうだね!」
凛「やめてよ、私は大したことはしてないよ……で、お願いって?」
279 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:48:38.82 ID:qzQj1JRV0
美波「凛ちゃんには、灯織ちゃんのコーチになってもらいたいの」
凛「灯織の……?」
美波「うん。さっきも言った通り、灯織ちゃんは次期ジムリーダーとして相応しいトレーナーになるために、今はジムに住み込みで特訓してもらっているんだ」
美波「でも最近の彼女、どうも伸び悩んでるみたいで……」
灯織「……はい。最近、特訓に気が乗らないというか、どうしても打ち込めない自分がいるんです。やる気はあるんですが……」
美波「それで今日、凛ちゃんと対戦した後に、一度環境を変えてみるのはどうかなって提案したんだ。新しい刺激を得られたら、きっと気分もリフレッシュできるんじゃないかなって思って」
280 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:49:26.89 ID:qzQj1JRV0
美波「それに凛ちゃんほど強いトレーナーなら、バトルの戦術やポケモンの動き一つ取っても、私が持っていない着眼点や技術があると思う。それを灯織ちゃんには学んできてほしいんだ」
美波「もちろんずっと、とは言わないよ。この町に滞在している期間だけでいいの」
凛「……」
灯織「凛さん。どうかよろしくお願いします」ペコリ
美波「私からも、お願い」ペコリ
凛「そ、そんな……二人とも、頭を上げてよ」
凛「うーん、私を頼ってくれる気持ちはありがたいんだけど……私は藍子のコーチなんだ。一度に二人も面倒を見るのは、どう、かな……」
281 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:50:14.07 ID:qzQj1JRV0
藍子「……」
凛「うーん……」
チラッ
凛「あ。それなら……」
美波「……それなら?」
凛「わかった。引き受けるよ」
凛「その代わり、美波には、藍子のコーチをしてもらいたいんだ」
藍子「……え、ええっ!?」
282 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:51:17.04 ID:qzQj1JRV0
美波「藍子ちゃんの……?」
凛「藍子。美波も私が持っていない視点をたくさん持っているトレーナーだと思う。それに現役のジムリーダーだし、バトルの経験はきっと私以上にあるかもしれない」
凛「いい機会だし、明日は美波から稽古をつけてもらったらどうかな。私以外のトレーナーから教わるのも、時には大事だと思うし」
藍子「凛さん……」
美波「私は大丈夫だよ。明日はジムは休みだし。藍子ちゃん、本当にそれでいい?」
藍子(……たしかに、凛さんの言うことはごもっともだ。離れることになるのは寂しいけど……)
藍子「凛さんがそう言うなら、わかりました。美波さん、明日はよろしくお願いします!」
283 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:51:56.63 ID:qzQj1JRV0
美波「うん、こちらこそ!」
灯織「凛さん、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」
凛「そんなに堅苦しくならないでいいよ。じゃあ美波、藍子のこと、よろしくね」
美波「私こそ、灯織ちゃんをよろしくね! それじゃ……」
コトン
フェイフェイ「お待ちどうさまデース! いっぱい食べてネー!」
凛・藍子・美波・灯織「いただきます!」
284 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/07(土) 00:57:15.28 ID:qzQj1JRV0
ひょんなことからお互いの弟子とコーチを入れ替えることになった凛、藍子
藍子は現役ジムリーダーの特訓についていけるのか
そして凛は灯織相手にパーフェクトコミュニケーションをとれるのか
今回は以上です
というわけで283から灯織登場です。書き始めたころからどこかで出したいと思っていたのでついに叶いました
ちなみに主はあさひ担当
シャニからはこれ以上は出てきません
ではまた来週。お疲れさまでした
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/07(土) 01:03:15.61 ID:e9uRqVoV0
乙 まさかの師弟トレードww既に藍子と美波は戦ってて実力は知ってるから修行やりやすいが
凛はまず灯織と戦って灯織の実力を知ってからかな?
286 :
以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします
[sage]:2020/11/07(土) 02:40:53.94 ID:jvzh+C5g0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/08(日) 12:22:21.41 ID:V8pRM1Kz0
>>1
で言ってるゲストは灯織の事だったのか
288 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 20:58:45.89 ID:BpcqB9Hd0
いやあ来年の配信ライブ楽しみですね!
投下します
289 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:00:29.89 ID:BpcqB9Hd0
翌朝
藍子「あっ、美波さん! おはようございます」
美波「おはよう、藍子ちゃん! 朝、強いんだね」
藍子「はいっ。毎日、凛さんと朝練しているんで!」
美波「そうなんだ、偉いなあ」
美波「さて、凛ちゃんたちは5番道路を使うみたいだから、私たちはこっちに行こっか」
藍子「は、はい。一日、よろしくお願いします!」
第二鉱山
美波「ここは色んなポケモンが住み着いてるから、ポケモンを鍛えるのにちょうどいい場所なんだ」
藍子「本当だ、特訓してるトレーナーもたくさんいますね」
美波「実際に相手してもらうのは野生のポケモンだけどね。じゃ、始めよっか!」
290 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:01:34.23 ID:BpcqB9Hd0
5番道路
灯織「凛さん、おはようございます。今日は一日、よろしくお願いします」
凛「うん。よろしくね、灯織」
凛「……さて、まずは灯織の今の実力を知っておかないとね。とりあえず、ポケモンを出してみて」
灯織「は、はい……」
凛「……ん? どうかした?」
灯織「い、いえ……おいで、ヨワシ」ポンッ
ヨワシ「ヨ、ヨワ……」
*ヨワシ こざかなポケモン みずタイプ
たんどくのすがた
とても弱くとても美味しいので、常に誰からも狙われている
ピンチになると目が潤み、その涙に仲間が集まっていく
凛「とても弱いって、散々な言われようだね……」
灯織「……実はこのポケモン、私のポケモンではないんです。美波さんから修行用に譲ってもらったんですけど」
灯織「美波さん曰く、『そのポケモンをうまく扱えるようになったら一人前』らしいです。ただ……私はどうもうまく扱えなくて」
凛「なるほど。とにかく、一度バトルをしてみようか」
291 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:02:20.59 ID:BpcqB9Hd0
第二鉱山
藍子「ゴリランダー、攻撃を防いで!」
ゴリランダー「ゴリ!」
カマスジョー「カマース!」
ドガッ ドガッ
カマスジョー「カマース!!」ズバッ
ゴリランダー「ゴリッ……!」
藍子「ゴリランダー!」
美波「藍子ちゃん、怯まないで攻めて!」
藍子「は、はい! ゴリランダー、ドラムアタッ――」
美波「今からドラムを叩いていたら追撃をもろに受けちゃうよ!」
カマスジョー「カマース!」バッ
藍子「わわ、ゴリランダー!」
292 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:03:17.97 ID:BpcqB9Hd0
ゴリランダー「ゴリ!」ガキンッ
藍子「っ……アクロバットで――」
美波「アシレーヌ、ムーンフォース!」
藍子「!」
ドゴオッ
カマスジョー「カ、カマー!」ピューン
美波「そこまで。藍子ちゃん、相手のスピードに呑まれすぎだよ」
美波「さっきも言ったけど、カマスジョーのような素早い相手にはウッドハンマーやアクロバットで対応しなきゃ。ドラムアタックはたしかに使い勝手がいいけど、頼りすぎはよくないよ」
藍子「は、はい……」
美波「それから、全部の攻撃をガードして躱そうとしていなかったみたいだけど……あまり得策とは言えないかな」
美波「カマスジョーは見た目以上に様々なタイプの技を覚えるの。さっきみたいに、『どくづき』を覚えている個体も中にはいる」チラッ
ゴリランダー「ゴリッ……」ドクドク
293 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:04:07.25 ID:BpcqB9Hd0
藍子「! 毒が……」
美波「稽古だからまだいいけれど、実戦で今のどく状態に気づけないのは致命的だね。はい、モモンのみ」
藍子「ありがとうございます……」
藍子(……さすがジムリーダーだ。私以上に、色んなところに目をつけている)
藍子(それに美波さん、昨日レストランで話した時はあんなに優しそうだったのに、すごく厳しい……バトルのことになると、人が変わっちゃうのかな)
藍子「あの美波さん、そろそろ休憩を――」
美波「まだ正午にもなっていないよ。休憩はそれまでお預けです」
藍子「ひ、ひええ……」
…………………………………………………
美波「よし、そこまで!」
ゴリランダー「ゴ、ゴリ……」ゼーゼー
藍子「お、終わった……」
美波「お疲れ様。さ、休憩にしましょう♪」
294 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:05:08.03 ID:BpcqB9Hd0
5番道路
ヨワシ「ヨ、ヨワ……」バタンキュー
灯織「っ、ヨワシ……!」
ドリュウズ「ドリュ」シュタッ
凛「……どうだった? 私はヨワシのことはあまり詳しくないけど、使いこなせていた実感はある?」
灯織「……いえ」
灯織「ヨワシは『ぎょぐん』という特性を持っていて、体力が減ると仲間を呼び寄せる習性があるんですけど……なぜかこのヨワシは、うまく仲間を集められないんです」
凛「……それは仲間が近くにいないからじゃない?」
灯織「いえ、どこからでも仲間は駆けつけてくれるはずなんです」
凛「どういう仕組みなの……?」
※本来『ぎょぐん』は体力が1/4以上だと発動する特性ですが、本SSでは1/4以下になるとフォルムチェンジするというシステムです。ダルマモードみたいな感じ。ちなみに灯織のヨワシはレベル20を超えています
295 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:06:25.14 ID:BpcqB9Hd0
凛「でも、だいたい事情はわかったよ。その特性をうまく発動することが、美波のいう『うまく扱える』に当てはまることなんだね」
灯織「おそらくは……でも原因が何なのか、私にも美波さんにもわからないんです」
灯織「なぜなんでしょうか……」
凛「……悩んでいても仕方ない。ヨワシを回復させて、もう一度バトルしてみよう」
灯織「……はい」
………………………………………………
ヨワシ「ヨ、ヨワ……」バタンキュー
灯織「ま、また……」
凛「……結局ここまでうまくいかなかったね」
凛「よし、そろそろお昼だし、休んで気分転換しよう」
灯織「……はい」
296 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:07:29.08 ID:BpcqB9Hd0
第二鉱山
藍子「……おいしい! これ、美波さんが作ったんですか!?」
美波「そうだよ。料理は子供の頃からパパやママの手伝いをしていたから、多少はできるんだ」
藍子「そうなんですか。料理できるっていいなあ、私はカレーとかパンケーキくらいしか作ったことがないです」
美波「今度、凛ちゃんに作ってみたらどうかな? 心をこめて作ったなら、きっと喜んでくれると思うよ」
藍子「そうですねっ。……ところで美波さん」
藍子「昨日も使っていたZワザって、何なんですか?」
美波「ああ、たしかにガラルではZワザを見るのは珍しいかもね。あれはね、アローラ地方伝統の技なの」
藍子「アローラ地方の?」
美波「うん。トレーナーとポケモンのゼンリョクを解き放って、一度だけ強力な技を打つことができるんだ」チャキッ
297 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:09:02.00 ID:BpcqB9Hd0
美波「これがZリングっていうものなんだけど、この中にZクリスタルっていう結晶があるの」
美波「ポケモンにもこれと同じZクリスタルを持たせることで、その二つを共鳴させて技を繰り出すんだ。トレーナーの負担が大きいから、そう何度も出せはしないけれど」
藍子「へえ……ガラルにはダイマックスがあるみたいに、アローラにもそんな文化があるんですね」
美波「私が持っているZクリスタルはアシレーヌZっていうんだけど、これ、元々はパパが持っていたものなんだ」
美波「パパは海洋学者なんだけど、私と歳が近かった頃はアローラでしまめぐりをしていたんだって。――あ、しまめぐりっていうのは、若いトレーナーがZクリスタルを手に入れるためにアローラ中を巡るっていう風習なんだけど」
藍子「ジムチャレンジのようなものですか?」
美波「そうそう! それで私がジムリーダーを目指すって決めた時に、しまめぐりで手に入れたZクリスタルを譲ってくれたんだ」
298 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:10:26.61 ID:BpcqB9Hd0
美波「ただ、本来はガラルでZワザを使うことはできないみたいで。最初はお守りとして大事に持っていたんだけど……ある日突然、私も使うことができるようになったんだ」
美波「『もしかしたら『かがやきさま』がガラルを訪ねて来られたのかも』ってパパは言っていたんだけど」
藍子「かがやきさま……?」
美波「あ、気にしないで。でもこの力を使えるようになってから、ジムリーダーとしてどんどんいろんな人から認められていった気がするなあ」
美波「アローラではメジャーな存在だけど、どうやらガラル地方でZワザを使えるのは私以外には誰もいないみたい。だからいろんな人に珍しがられるんだ」
藍子「美波さんだけが……ということは、美波さんはアローラ地方からやって来られたんですか?」
美波「ううん。私、生まれも育ちもガラル地方なの。アローラにはまだ行ったことがないんだ」
299 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:11:16.36 ID:BpcqB9Hd0
美波「……憧れだったジムリーダーになれた。唯一のZワザ使いとして持て囃されて、最強だなんて持ち上げられるようになった。そんな時に、珠美ちゃんが現れたんだ」
藍子「……! 私も一度、バトルを見たことがあります。最強のジムリーダー、なんですよね」
美波「うん。……私は珠美ちゃんに二度も負けたの。それまで慢心していたわけではなかったんだけどね、改めて自分の実力を思い知った。どう足掻いても越えられない壁を感じたんだ」
藍子「……美波さんも充分強かったのに、そんなに力の差があったんですね」
美波「ちょうど珠美ちゃんに負けて落ち込んでいた時だったかな、灯織ちゃんが道場破りに来たのは」
300 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:12:06.88 ID:BpcqB9Hd0
藍子「そうなんですか……ど、道場破り!?」
美波「ふふ、嘘だと思うでしょ? あの子、最初は本気で私を倒してジムを乗っ取ろうとして押しかけてきたんだよ」
藍子「全然想像がつかないです……すごく大人しそうな子だったのに」
美波「……だけど、灯織ちゃんのギラギラした目を見た時に、私には一つの目標ができたんだ」
藍子「目標、ですか?」
美波「うん。灯織ちゃんを次期ジムリーダーに育てて、立派に自立させられたら――私、アローラに行ってみたいんだ」
藍子「!」
301 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:12:34.78 ID:BpcqB9Hd0
5番道路
凛「はい、灯織」
灯織「ありがとうございます。これは……凛さんの手作りですか?」
凛「うん。今日はシーフードピラフを作ってみたんだ。灯織、好きかなって思って」
灯織「ありがとうございます。もちろん海の幸は大好物です。いただきます」
灯織「! すごくおいしいです……!」
凛「口に合ってくれたなら嬉しいよ」
302 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:13:28.82 ID:BpcqB9Hd0
凛「そういえば、美波が使っていた技……Zワザだっけ。あれってどういうものなの?」
灯織「あれはガラル地方では美波さんだけが使えると言われている、アローラ地方に伝わる技のことです。……・私も詳しくは知らないのですが」
凛「アローラ地方……」
灯織「なんでもトレーナーとポケモンのゼンリョクをぶつけて繰り出すんだそうです。美波さんが持っているZリングというアクセサリーの中に、そういうポケモンの力を引き出す何かがあるみたいですね」
灯織「きっとダイマックスのようなものなんでしょう。ただ、ガラル地方ではあまり使っているトレーナーは見かけないですね。美波さんくらいなのではないでしょうか」
凛(……もしかしたら、モバPもこうしてZワザに触れたりしているのかな)
凛「ってことは、美波はアローラ地方出身なの?」
灯織「いえ、両親はアローラ地方出身だそうですが、美波さん自身はガラルで生まれ育ったんだそうです」
凛「そうなんだ」
303 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:14:53.49 ID:BpcqB9Hd0
凛「ねえ、灯織ってどういうきっかけで美波に弟子入りしたの?」
灯織「……」
凛「? もしかして私、変なこと聞いちゃった?」
灯織「い、いえ。……その……」
灯織「今となっては恥ずかしい話なんですが……もともとバウタウンには、道場破りのつもりで来たんです」
凛「道場破り?」
灯織「私はツバサ諸島というガラルから少し離れた島の出身なんですが、そこでは皆、バトルで強くなることにあまりこだわりがないみたいで……気づいたら私は、島の中で最強のトレーナーになっていたんです」
灯織「なので正直、島での暮らしには飽き飽きしていました。それで刺激を求めて島を出て、ガラルにやって来たんです」
灯織「そして手始めに、バウタウンにあるジムで自分の実力を示すことにしたんです。その時は、美波さんがガラル最強のジムリーダーだということも知らずに……」
凛「……」
304 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:15:38.05 ID:BpcqB9Hd0
灯織「あっけなく返り討ちにされて、私は自分の世間知らずを恥じました。自分が見ていた世界はちっぽけだったんだと実感して」
灯織「そして一から自分を鍛え直すつもりで島に帰ろうとしたのですが、美波さんに呼び止められてしまいまして……」
灯織「それからは、流れのままにと言いましょうか。どのみち寄る辺のなかった私は、美波さんのお世話になることになりました」
凛「……そんなことがあったんだ。思い出したくないこと、引っ張り出しちゃってたらごめんね」
灯織「いえ、いいんです。ただ……一つ、わからないことがあって」
凛「わからないこと?」
305 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/13(金) 21:16:06.58 ID:BpcqB9Hd0
続きはまた明日
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/13(金) 21:25:04.38 ID:fZs5QEOZ0
一旦乙 灯織自身の元々の手持ちって何だったんだろう?
307 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:35:50.51 ID:rDoczpC70
美波「私はガラルから出たことはないし、ジムリーダーになってからはバウタウンの外に出ることもほとんどなくなった。そんな縮こまった生き方をしていても、珠美ちゃんには勝てないって気づいていたけど、知らないふりをしていたんだ」
美波「今までは、ジムリーダーという立場が言い訳になっていた。でも灯織ちゃんと出会ったことで、やっと自分の心に素直になれたの」
美波「アローラに行って、自分を磨き直したい。アシレーヌZが生まれたいきさつも学んで、Zワザにももっと詳しくなりたい。それで、いつか珠美ちゃんにリベンジしたい」
美波「それが、今の私の目標。ふふっ、こうして言葉にしてみると、ちょっと恥ずかしいな」
藍子「……素敵ですね。美波さんの考え方、すごく尊敬できます」
美波「そ、そう?」
308 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:36:37.30 ID:rDoczpC70
藍子「はい。たくさん努力して、憧れだったジムリーダーになれたのに、それでもゼロから新しいことに挑戦しようとする……それって、すごく素敵なことだと思います」
美波「ふふっ、ありがとう。面と向かって言われると照れちゃうね」
美波「……ただね。気持ち的にはすぐにでもアローラに行きたいんだけど……やっぱり灯織ちゃんのことが気がかりなの」
藍子「気がかり……昨日も話されてましたけど、それは灯織ちゃんが伸び悩んでいるからですか?」
美波「それもあるけど……私は一人前になったと思っていても、灯織ちゃんはどう思っているのか、とか、私がいなくなっても本当に一人でうまくやっていけるのか、とか、本当に考え出したらキリがなくて」
309 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:37:21.54 ID:rDoczpC70
美波「うまく言葉にできないけど、とにかく不安なんだ。灯織ちゃんを置いていけないって気持ちが、日に日にどんどん強くなってきていて。私の決意、押しつぶされちゃいそうなんだ」
藍子「……」
藍子「それはきっと、美波さんが灯織ちゃんとずっと一緒にいたいと思っているから……じゃないでしょうか」
美波「え……?」
藍子「美波さん、昨日も灯織ちゃんのお話をするとき、すごく楽しそうにしていましたよね。きっと、自分が思っている以上に、美波さんにとって灯織ちゃんの存在は大きいんだと思うんです」
美波「……」
美波「……そうなのかも。私ね、あの子の目を見たら色んなことを思い出すんだ。ジムリーダーになるために必死でバトルに励んだことや、ジムリーダーになってから負けが続いて、悔しくて寝る間も惜しんで猛特訓したこと――」
美波「昔の自分を思い出して、原点に戻してくれるっていうのかな。……うん、灯織ちゃんは、私にとってそういう存在」
美波「灯織ちゃんとずっと一緒にいたい自分と、それでもアローラに行きたいって自分が両方いて……」
美波「やっぱり私、まだ迷っているのかな」
藍子「……」
スッ
310 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:38:03.82 ID:rDoczpC70
美波「……ありがとう、藍子ちゃん」
藍子「え、いや、私はそんな大したことは……」
美波「ううん、藍子ちゃんに言い当てられたことで、なんだかモヤモヤが晴れた気がする!」
美波「今はまだ答えを出せないけど……いつか、ちゃんと納得できる道を選べたらいいな」
美波「ねえ、藍子ちゃん。藍子ちゃんにとって、凛ちゃんはどういう存在なの?」
藍子「り、凛さんですか?」
藍子「……私にとっても、凛さんはかけがえのない人です。私を変えてくれた、憧れの存在。ずっと一緒にいたいし、凛さんもそう思っていてほしいです」
藍子「思っていてほしい、ですけど……」
藍子「……美波さん。今からする話は、凛さんにはしないで下さいね?」
美波「え? う、うん」
311 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:38:39.58 ID:rDoczpC70
藍子「私、ずっと凛さんに聞きたくて、聞けないことがあるんです。『ジムチャレンジが終わって、トーナメントも終わったら、凛さんはどうするんですか』って」
美波「……どういうこと?」
藍子「凛さんは、アイマス地方からガラルに来られたんです。それも、本当はポケモンの調査のために。なのに私が勝手にコーチになってほしい、ってお願いして……それでずっと一緒に旅をしてきたんです」
藍子「もちろん、凛さんは凛さんの意思で私と過ごしてくれていると思うんですけど……調査のために、ということは、ゆくゆくはアイマスへ帰られるんだと思うんです」
藍子「でも凛さんと別れることになるなんて想像もしたくなくて、もし聞いちゃったら、明日にでも凛さんが私の前からいなくなってしまう気がして……」
美波「そうだったんだ……私も藍子ちゃんの立場だったら、怖くてとても聞き出せないと思う」
312 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:39:33.39 ID:rDoczpC70
藍子「……いつかは凛さんの元を離れなくちゃいけないってわかっていても、ずっと一緒にいたくて。ふとした瞬間に、すごく不安になるんです」
藍子「トレーナーとしては、ちょっと自信がついてきたと思っていたんですけど。やっぱり私、まだまだ弱いなあって……・」
美波「そっか……」
美波「でも、藍子ちゃんの思い、伝わったよ。凛ちゃんは幸せ者だね」
美波「それに、藍子ちゃんは弱くないよ。一人で生きていける人なんて、世界中のどこにもいないんだから」
藍子「ありがとうございます。……ごめんなさい、なんだか湿っぽくなっちゃいましたね」
美波「ううん、気にしないで。さ、そろそろ再開しよっか!」
313 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:40:13.64 ID:rDoczpC70
灯織「どうして美波さんは、私なんかを後任候補に選んだのか、ということです。何の取り柄もない、世間知らずで意地っ張りな私を」
凛「美波は教えてくれないの?」
灯織「はい。何度か聞いてみたのですが、それっぽい言葉ではぐらかされてしましました」
灯織「……正直、私は自分のことがあまり好きではありません。何もするにも自分がやっていることは正しいことなのか迷ってしまって、結局中途半端になってしまう。そんな自分が嫌なんです」
灯織「それに、バウジムはガラルでもトップクラスのジムです。もちろん求められるレベルも高いので、すごくプレッシャーを感じていたりもします」
凛「理想と現実のギャップが苦しいんだね」
灯織「……はい」
314 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:40:41.80 ID:rDoczpC70
灯織「本当は美波さんのように、誰に対しても物怖じせずに堂々と振る舞えるトレーナーになりたいんです。きっと美波さんが求める次期ジムリーダーって、そういう人のことだと思うから」
凛「……灯織、それは違うんじゃないかな」
灯織「えっ?」
凛「美波のようになる必要なんてないと思うな。灯織は灯織らしくあるべきだし、美波もきっとそう望んでいるよ」
凛「たしかに美波の後を継ぐことには責任を感じるかもしれない。私にはそれがどれだけの大きさなのかは想像もつかないけど……」
凛「何があっても、灯織らしさは失くしたらダメだと思う。美波はきっと、灯織自身がまだ気づいていない自分らしさを見出して、灯織を選んだんだよ」
315 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:41:40.94 ID:rDoczpC70
灯織「……私らしさ……」
灯織「私らしさって、何なんでしょうか」
灯織「今はわからないですけど……もし見つかるのなら、見つけてみたいです」
凛「そうだね……私から言えるのは、とにかく歩き続けていないと見つからないってことぐらいかな」
凛「でも、それで見つけたものがどれだけ美波とかけ離れていても、きっとみんな受け入れてくれるよ」
灯織「……」
灯織「ありがとうございます。少し、心が軽くなった気がします。いつか私らしさを見つけられるまで、腐らずに前を向いていこうと思います」
凛「うん。灯織なら、きっと見つけられるよ」
316 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:42:25.73 ID:rDoczpC70
凛(……口に出してから気づいた。こんなこと、藍子には言ったことはなかった、って)
凛(藍子は私を慕ってくれている。私のようになりたいと、何度も私の前で夢を語ってくれている)
凛(今まではそれを否定しなかった。憧れられるのも悪い気はしなかったし、藍子がそうしたいならそうすべきだと思っていたから)
凛(……でも、それで本当にいいんだろうか。このまま私のようなトレーナーになることが、藍子らしさに繋がるのだろうか)
凛(それは、藍子にとって幸せなことなんだろうか)
317 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:43:01.97 ID:rDoczpC70
…………………………
凛「もう夕方か。じゃあ、今日はここまでにしようか」
灯織「はい。今日は本当にありがとうございました。……なんだか、いろいろと吹っ切れた気がします」
凛「私の力じゃないよ。灯織自身が変わりたいと思ったから、そう思えたんだ」
凛「次に会う時は、もっと自分のことを好きになれていたらいいね」
灯織「……はい。ありがとう、ございます」
灯織「お礼と言ってはなんですが、凛さんに見せたい景色があるんです。一緒に見に行きませんか?」
凛「へえ、どんな景色?」
灯織「バウタウンの景色です。一度、町に戻りましょうか」
318 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:44:03.13 ID:rDoczpC70
バウタウン
灯織「……ちょうといい時間帯ですね」
凛「……!」
凛「夕焼け……太陽が水面に反射して、すごくきれいだ」
灯織「……私、この港から見える夕焼けが大好きなんです。いつも一日の終わりに見に来ているんですけど、その度に心が洗われるというか……」
凛「うん、言いたいこと、わかるよ」
灯織「……凛さん。私は、町の皆が誇れるようなジムリーダーになれるでしょうか」
凛「きっとなれるよ。灯織なら」
319 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:44:42.58 ID:rDoczpC70
美波「ふふっ、仲良く黄昏ているみたいだね」
凛「あ、美波、藍子」
藍子「わあ、きれいな夕日ですね!」
凛「灯織に教えてもらったんだ。本当にきれいだよね、いつまでも見ていたくなる」
灯織「この景色が、お二人の心にずっと残っていてくれたら嬉しいです」
美波(……でも、夕焼けは永遠じゃない。いつかは日が落ちて、夜が来る……)
美波(……)
美波「灯織ちゃん、そろそろ晩御飯にしよっか」
320 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:45:16.96 ID:rDoczpC70
灯織「はい。凛さん、お世話になりました」
藍子「美波さん、ありがとうございました!」
美波「こちらこそ、ありがとう! 藍子ちゃんのおかげで、自分がどうしたいのかわかったよ」
灯織「……なんの話ですか?」
美波「ふふっ、なんでも。じゃ、またね!」
凛「元気でね」
藍子「また会いましょうね!」
ザッザッザッ……
321 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:45:45.80 ID:rDoczpC70
凛「どうだった? 美波との特訓は」
藍子「美波さん、すごく厳しかったです……でも、本当に勉強になりました」
藍子「いろんなことを学んで、結局うまくいかずじまいで終わっちゃったこともあるんですけど……それも含めて、私はまだまだ強くなれるんだって実感しました!」
凛「それはよかった。ところで美波、なんだかすごく晴れやかな顔してたけど」
藍子「ああ。実は、美波さんのお悩みを聞いていたんです」
藍子「凛さんも、灯織ちゃんと仲良くなれたみたいですね!」
凛「そうだね。私もバトルだけじゃなくて、お互いのこととか、いろんな話をしたよ」
凛(……)
322 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:46:36.12 ID:rDoczpC70
凛(藍子が美波の悩みを解決した、そのことを聞いて、私はとても嬉しくなった)
凛(最初は右も左もわからなかった藍子が、誰かの助けになったなんて。私が思っている以上に、藍子はもう自己を確立しているんだ。バトルの腕前も、精神的にも)
凛(つまりそれは……)
凛(私の役目も、いよいよ終わりに近づいているということなのかもしれない)
※美波との特訓により、藍子の手持ちがさらに強くなりました!
323 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/14(土) 19:52:54.33 ID:rDoczpC70
バウタウン編 終幕
次回>>>ナックルシティ、の、その前に。。。
今回は以上です。デレステのコミュっぽさを意識しました
いよいよ残すはナックルジムのみ
次回は凛たちがナックルシティに向かうまでの閑話休題、サイドストーリーをお送りします
凛たちの活躍の裏で、ついにあの二人が動き出す……?
お疲れさまでした
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/14(土) 20:16:23.32 ID:tKLOkDgl0
乙 まあ凛は求道者タイプだから離れ離れになっても戦い続ける生き方を選べば再会可能だろうなと
このSSだと飛鳥も求道者タイプなんだっけ?
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/15(日) 11:57:00.46 ID:h7dmLSVv0
乙 外伝のアローラ編も期待できそうだな
326 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:16:52.90 ID:LD075bso0
求道者タイプってどういう人物を指すのかよくわかってないですけど多分そうじゃないですかね
あとアローラ編はありきたりな展開しか思いつかないんで今のところ書く予定はないです。。。
前回のコミュのミュージカルといい今回の演劇といい、今年のしぶりんは演技の試練がよく訪れますね
そんなしぶりんにエールを送るべくあの二人が立ち上がる。時系列はエンジンシティで何やかんやしてる前後くらいです
327 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:18:28.17 ID:LD075bso0
「カメラ、ピンボケしてないかな? 音声も……うん、大丈夫そう!」
未央「……というわけで! しまむーとちゃんみおがお送りするドキュメンタリー番組、『卯月と未央の』……せーの!」
未央「グレートジャーニー!」
卯月「グ、グレートジャーニー……」
サブストーリー『卯月と未央のグレートジャーニー!』
328 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:19:17.96 ID:LD075bso0
未央「やー、いよいよ始まったねー。あ、どうもどうも! メインMCの未央ちゃんだよ!」
未央「ほらしまむーも挨拶して! もうカメラ回ってるよ!」
卯月「は、はい〜。皆さんこんにちは、卯月です!」
卯月「あの未央ちゃん、本当にここから全部自撮りで録画していくの……?」
未央「もっちろん! さすがにバトル中は他の人に預けるけど、今日の模様は全部ライブ配信するよ! なんてったって密着ドキュメンタリーなんだもん!」
卯月「これってドキュメンタリーと呼べるのかな……」
未央「そりゃあもう、私としまむーの息の合ったコンビネーションに熱い絆、そしてバトルの強さ……全部を余すところなく見せるなんて、これぞ正真正銘ドキュメンタリーでしょ!」
329 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:20:34.61 ID:LD075bso0
未央「そう、この動画は私たち二人が色んな場所に旅立って、すっごい冒険をしちゃおう! という内容の動画なのだ!」
未央「というわけで、私たちは今、この場所の前に立っていまーす! どどん!」
卯月「アイマス地方、シジョウシティにあるバトルライブの会場ですね。今日もたくさんの人で賑わっています!」
未央「お、しまむーもノッてきたねー。じゃあ改めて、企画説明をしちゃおうかな!」
未央「コホン。しまむー、前に私たち、この施設のマルチバトルに一緒に挑んだよね?」
卯月「う、うん」
未央「そして幾多の困難を潜り抜け、バトルライブが誇る最強のトレーナー、ライブアイドルの二人に辛くも勝利した――あ、これ、その時にもらったコインね!」キラキラ
330 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:21:12.95 ID:LD075bso0
未央「だがしかぁし! あの時二人が言った衝撃の言葉、しまむーは覚えているかい?」
卯月「うん。たしか……」
莉嘉『良かったら、また挑戦してねっ! 『金』のコインもあるから!』
卯月「って言ってたよね」
未央「そうだよね。……というわけで!」
未央「私たち、これからゴールドコイン目指して、再びバトルライブに挑戦していきまーすっ!」
331 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:23:41.82 ID:LD075bso0
少し前
未央「しまむー、久しぶりだね!」
卯月「未央ちゃん! こちらこそ、久しぶり!」
未央「いやー、キミのウワサはかねがね聞いてるよー。P.C.S、テレビにコンテストに出ずっぱりじゃん!」
卯月「い、いやいや……」
未央「前にコメンテーターの人が言ってたんだけどね、もはやP.C.Sはチャンピオンに次ぐくらいの知名度と人気があるんじゃないかってさ!」
卯月「そんな、大袈裟だよ〜、チャンピオンなんて……」
※補足…現在のアイマス地方の正式なチャンピオンは不在。凛は期間を設けずにアイマスを旅立ってしまい、蘭子も繰り上げでの昇格を拒否したため
332 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:24:47.96 ID:LD075bso0
卯月「未央ちゃんは、今もチャンピオンを目指して特訓を続けているの?」
未央「うん! 今年こそはアイマスのテッペン、獲りたいからね!」
卯月「そっかあ、すごいなあ」
卯月「……チャンピオン、か。そういえば、凛ちゃんは元気にしてるかなあ」
未央「……」コホンッ
未央「ねえしまむー、実はちょっと聞いてほしい話があって……」
卯月「? どうしたの、急に改まって」
卯月「もしかしてヘレンさんのこと?」
未央「いや……ていうかアイツ最近私の前に現れないんだよなあ……ってそうじゃなくて」
未央「しまむー。もう一回、一緒にバトルライブ、出ないかな?」
333 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:25:39.80 ID:LD075bso0
卯月「え、バトルライブ? ポケモンリーグの前に挑戦した施設だよね」
卯月「私は構わないけど……突然どうしたの?」
未央「いやあ……前にライブアイドルを倒したときにさ、こんなこと言ってたじゃん」
莉嘉『良かったら、また挑戦してねっ! 『金』のコインもあるから!』
未央「あんなこと言われたら、俄然やる気になっちゃうじゃん! だから私、ずっと再挑戦したいなって思ってたんだ」
卯月「……そっか。たしかに私もあの言葉は気になっていたし」
卯月「私も、未央ちゃんがいれば百人力だよ。こちらこそ、また一緒に頑張ろう!」
未央「しまむーならそう言ってくれると思ったよ! でさ、ライブって言葉でひとつ提案があるんだけど」
334 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:26:57.46 ID:LD075bso0
未央「今度は私たちがバトルライブに挑んでいるところを、動画サイトでライブ配信しようと思うんだ」
卯月「ライブ配信……?」
未央「うん。ほら、動画サイトを使ったらさ、世界中のどこからでも私たちを見れちゃうわけじゃん。つまり私たちの名コンビっぷりを、全世界にアピールできるってわけ!」
卯月「あ、あはは……」
未央「――っていうのは建前でさ」
335 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:27:51.65 ID:LD075bso0
未央「しぶりんに見せてあげたいんだ。私たちも頑張ってるんだよって所を」
卯月「!」
未央「しぶりん、あの時勇気を出して一歩踏み出して、新しい世界で頑張ってるはずだよね。だから私たちもさ、負けてられないじゃん?」
未央「気軽に写真やメールを送ったりはできないけど、インターネットを使えばしぶりんにも私たちの姿を届けられるはず」
未央「だから……なんていうのかな。今回の挑戦は、しぶりんに向けたプレゼントにしたいと思うんだ」
卯月「未央ちゃん……」
336 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:28:29.80 ID:LD075bso0
未央「そういうわけで、協力してくれないかな?」
卯月「……もちろん。私も頑張って……凛ちゃんに届くように、精一杯頑張るっ!」
未央「あはは、頑張るって二回言っちゃってるよ」
卯月「あっ……」カァッ
未央「……ありがと、しまむー。それじゃ、よろしくね!」
337 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:29:15.90 ID:LD075bso0
バトルライブ会場
ワァァァァァァァァ……
卯月「わあ……相変わらずすごい盛り上がりだね!」
未央「……」
卯月「未央ちゃん、どうかした?」
未央「へ? い、いや……しまむー、成長したなあって」
未央「初めて挑んだときはあんなにキンチョーしてたのに」
卯月「そ、そうだった……たしかにあの時はすごく緊張したけど、でもコンテスト会場だと思えば全然へっちゃらだよ!」
338 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:29:51.81 ID:LD075bso0
卯月「それに今日は美穂ちゃんや響子ちゃんの代わりに……未央ちゃんが隣にいてくれてるから!」
未央「……へへ、そっか」
未央「でもねしまむー、私はしまむーだけが隣にいるんじゃないと思うんだ」
卯月「?」
未央「なんでかはよくわからないけど……感じるんだ。しぶりんが、そばにいてくれてるって」
卯月「凛ちゃんが……」
卯月「……私も、凛ちゃんが応援してくれているって思いながら、頑張るね!」
339 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:30:48.59 ID:LD075bso0
美穂・響子「卯月ちゃーん、頑張れー!」
ザワザワザワ
『あれってもしかしてP.C.Sの美穂ちゃんと響子ちゃんじゃね……?』
ザワザワザワ
??(……変装もせず白昼堂々と人前に現れるなんて、あの娘たち、なかなか肝が据わっているわね)
??(さあ未央、私の好敵手(リバル)として恥ずかしくないバトルを見せて頂戴)
茜「卯月ちゃーん! 未央ちゃーん! カメラはバッチリ任せてくださーい!!」
340 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:31:53.53 ID:LD075bso0
『さあ始まりました! バトルライブマルチコース!』
恵磨『実況は恵磨が!』
瑞樹『解説は私、瑞樹がお送りするわ。久しぶりね、みんな』
恵磨『今回挑戦するのは……なんと! ポケモンリーグ出場経験もありながら、いまやP.C.Sとして不動の人気を誇る卯月選手と!』
瑞樹『四天王の一角であるアイマス最強格のトレーナー、未央ちゃんのコンビね。二人とも、前回の挑戦からすごく顔つきが凛々しくなったわね』
恵磨『まさに黄金コンビですね! さぁ、そんな二人の相手をするのはー!?』
未央「よし……いくよ、しまむー!」
卯月「うんっ!」
341 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:32:59.05 ID:LD075bso0
………………………………………………
ファイアロー「アロー」バタンキュー
颯「ああっ、ファイアロー!」
チルタリス「チル……」バタンキュー
凪「ミロワール、力及ばず。残念でしたね」
恵磨『勝負ありィィ!! 卯月・未央ペア、新進気鋭の凪・颯ペアを見事撃破ー!!』
ワァァァァァァァァ
未央「ふうっ……」
恵磨『……おおっとぉ!? これで卯月・未央ペアは現在46連勝!』
恵磨『次のバトルに勝利すれば、いよいよライブアイドルへの挑戦権が得られるぞ!』
恵磨『さあ、47戦目の相手はぁー!?』
342 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:33:40.45 ID:LD075bso0
ドンッ
ちとせ「フフン。ま、せいぜい楽しもーよ」
千夜「……悪気はありませんが、これもお嬢様のためです。お前たちにはこの場でご退場いただきます」
瑞樹『こちらも今絶好調のちとせちゃん&千夜ちゃんペア――通称ヴェルベット・ローズね』
卯月「未央ちゃん、あと一息だよ!」
未央「よーしっ! ちゃんみお、頑張りまーすっ!」
343 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:34:16.37 ID:LD075bso0
……………………………………………
クロバット「クロ……」
サーナイト「サナ……」
恵磨『決まったぁぁーー!! クロバット、サーナイト同時ダウーン!!』
恵磨『卯月・未央ペア、これで前人未到の47連勝だぁぁー!!』
ウワァァァァァァァァァァ
瑞樹『……ということは、とうとう彼女たちの出番ね』
恵磨『そう! 次の48戦目に待ち構えるのは……バトルライブ最強トレーナーであるライブアイドル!』
344 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:35:06.07 ID:LD075bso0
恵磨『今までとは比較にならないほどの強さを誇る相手ですが、チャレンジャーの2人! ここで一度出場ポケモンの再選定を行えますが大丈夫でしょうかっ!?』
未央「私は大丈夫!」
卯月「私は……」チャキッ
卯月「……はい、大丈夫です!」
恵磨『いい返事だね! それじゃあ登場してもらおう! ライブアイドルの2人だァァァ!!』
ウォォォォオオオオオオオオ
未央「いよいよだね、しまむー……!」
卯月「うん……!」
345 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:35:33.35 ID:LD075bso0
ボッ
ワァァァァァァァァァァァァァァ
「みんなーっ! ポケモンバトル、楽しんでるー!?」
イェェェェェェェェェェェェ
「いいねっ! それじゃ、今度はアタシ達のバトル、思いっきり楽しんでいってねー!!」
ドンッ
美嘉「美嘉だよーっ!」
莉嘉「莉嘉だよーっ!」
346 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:36:07.67 ID:LD075bso0
ウオオオオオオオオオオ
莉嘉「二人とも……ついにここまでたどり着いたんだね!」
美嘉「私たちを倒せば晴れてバトルライブ完全制覇、ゴールドコインもあげちゃうよ。だけど……」
バッ
美嘉「本気で挑ませてもらうから……カクゴしててね」
未央「……いくよ、しまむー!」
卯月「うんっ!」
347 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/20(金) 20:41:02.69 ID:LD075bso0
to be continued...
というわけで懐かしい人達がたくさん出てきましたね
個人的に最も大きな存在は恵磨と瑞樹さん。この二人がいるだけでバトルの描写すっごい書きやすい
なにかと理由つけてガラルにも来てもらおうかな…
やっぱりニュージェネを書くってなると気合いが入ってしまうのか、けっこう長いサイドストーリーになりそうです
しばらくお付き合いください。お疲れさまでした
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/20(金) 20:43:35.60 ID:uW0aGJzk0
乙 分かりにくくてすいません自分が思うのはチャンピオンとかの地位に固執せず強さを求め続けてるレッドさんみたいなタイプの事かなと
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/22(日) 13:04:01.89 ID:YQmwPygy0
乙
ポケスペには色んな地方の大会で司会者を務めているチェア太郎さんがいるし恵磨と瑞樹さんの出張ありじゃない?
最悪下のポケモン連れてりゃどこいてもOKでしょ
カイリュー:最も速く飛べる (約2500km/h)
※他に記録があるのは
ピジョット (約2450km/h)
ゴルーグ (1225km/h以上)
ガブリアス (1225km/h以上)
ポケモンずかんの説明ではないがオメガルビー・アルファサファイアの公式サイトでは
メガラティアスとメガラティオスがマッハ4(約4900km/h)で飛ぶと説明されている。
350 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:40:03.56 ID:jbUvCAmo0
>>349
そんなポケモンを普通の服装のまま乗り回すORASの主人公っていったい…
では投下していきます
351 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:40:33.38 ID:jbUvCAmo0
恵磨『いよーし、それじゃいってみよー! バトル・スタァートォ!!』
卯月「行きます! バシャーモ!」ポンッ
バシャーモ「バシャ!」
未央「行っくよー、ゲンガー!」ポンッ
ゲンガー「ゲンガー!」
352 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:41:04.91 ID:jbUvCAmo0
莉嘉「行っけー! カエンジシ!」ポンッ
カエンジシ「カエン!」
美嘉「ラプラス、GO!」ポンッ
ラプラス「ラプ」
カエンジシ おうじゃポケモン ほのお・ノーマルタイプ
群れの中で一番大きなたてがみを持つオスが、リーダーとして仲間を率いる
摂氏6000度の息を吐き出し相手を威嚇する
ラプラス のりものポケモン みず・こおりタイプ
海の上を人を乗せて進むのが好き
機嫌がいいときれいな鳴き声で歌うこともあるらしい
353 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:41:36.76 ID:jbUvCAmo0
未央「カエンジシとラプラス……どっちにも弱点をつけるしまむーが先制のカギだね」
卯月「未央ちゃん、まずはどっちから攻める!?」
未央「うーん、じゃあラプラスかな!」
卯月「わかった! バシャーモ、スカイアッパー!」
バシャーモ「バシャ!」
恵磨『おおっと、まず動き出したのは卯月選手!』
美嘉「そうはさせないよ、ラプラス!」
ラプラス「ラプ!」
354 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:42:09.06 ID:jbUvCAmo0
美嘉「うたかたのアリ――」
未央「後ろががら空きだよっ!」
ゲンガー「ゲゲーン」ヌッ
美嘉「!?」
恵磨『なんと、ゲンガーが突然ラプラスの背後に現れたぁっ!?』
瑞樹『ゲンガーは影の中を自在に移動できるポケモンよ。バシャーモに気を取られて気づかなかったのね』
未央「あやしいひかり!」
355 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:42:43.42 ID:jbUvCAmo0
ゲンガー「ゲゲーン」ピカッ
ラプラス「ラプッ……」
恵磨『超至近距離からのあやしいひかりで混乱と同時にラプラスの目を眩ませたぞ!』
恵磨『そしてそこへ……』
バシャーモ「バシャ!」ドガァッ
恵磨『スカイアッパーが命中だぁぁ!!』
ウワァァァァァァ
未央「へへん、どんなもんだい!」
356 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:43:48.17 ID:jbUvCAmo0
卯月「――はっ、未央ちゃんっ!」
未央「え?」
ボッ
ゲンガー「!?」ボォォォォォ
未央「ええっ!? ゲンガーが燃えてる!?」
莉嘉「アタシのことも忘れないでよねー!」
恵磨『ゲンガーが突然現れた青白い炎に包まれています! これはいったい……』
瑞樹『『おにび』ね。あやしいひかりが点滅している間にゲンガーに近づいていたんだわ』
恵磨『ということは……』バッ
357 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:44:30.55 ID:jbUvCAmo0
カエンジシ「カエン!」
卯月「カエンジシが空中に!?」
莉嘉「へへ、ここからじゃ攻撃は避けれないでしょ!」
莉嘉、「カエンジシ、ハイパーボイス!」
カエンジシ「カエーン!」オォォン
バシャーモ「バシャ……!」ドドド
卯月「バシャーモ!」
ゲンガー「ゲゲーン……」ドサッ
未央「ゲンガー!」
358 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:45:22.01 ID:jbUvCAmo0
恵磨『ゲンガーもようやくおにびから解放されましたが、やけどを負ってしまったようです!』
瑞樹『一匹が大ダメージを与えられた上に混乱させられたライブアイドル達と、二匹が等しくダメージを受けた卯月ちゃん、未央ちゃんペア……一進一退の攻防ね』
未央「うーん……さすがライブアイドル、簡単には勝たせてくれないか」
未央「しまむー、引き続きラプラス狙いで行くよ! ゲンガー、シャドーボール!」
卯月「バシャーモ、スカイアッパー!」
ゲンガー「ゲゲーン!」ボッ
バシャーモ「バシャ!」バッ
359 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:46:09.23 ID:jbUvCAmo0
莉嘉「お姉ちゃん!」
美嘉「わかってる! ラプラス、いのちのしずく!」
ラプラス「ラプ」パァァァ
ドンッ ドゴォッ
恵磨『ラプラス、攻撃を受けると同時に体力を回復させました!』
未央「そんなっ、与えたダメージと同じくらい回復してる!?」
莉嘉「よーし、お姉ちゃん、伏せて!」
莉嘉「カエンジシ、ねっぷう!」
カエンジシ「カエーン!!」ブォォォォォ
360 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:47:05.83 ID:jbUvCAmo0
バシャーモ「バシャ……!」
ゲンガー「ゲゲーン……!」
恵磨『ラプラスの後ろに隠れていたカエンジシがすかさず攻撃! 二体同時ヒットだー!!』
瑞樹『……ライブアイドルの戦法が徐々に明らかになってきたわね』
瑞樹『耐久力の高いラプラスに攻撃を受けてもらって、カエンジシで遊撃する。簡単に言えばそんなところかしら。シンプルだけど強力なコンビね』
卯月「っ……」
未央「くーっ、あのラプラス、固すぎるよ!」
未央(最初にラプラスを狙ったのは間違いだったかなあ……でもカエンジシ狙いでもどっちみちラプラスの後ろに逃げ込まれていたかも)
未央(とにかく、あのラプラスを攻略しないと始まらないね……)
361 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:47:50.17 ID:jbUvCAmo0
ラプラス「ラプー」ピヨピヨ
未央「幸いラプラスはまだ混乱している……今のうちに突破するよ、しまむー!」
卯月「うん! でもどうやって……」
未央「まずはねっぷうを誘き出すね! ゲンガー、シャドーボール!」
ゲンガー「ゲゲーン!」ボッ
莉嘉「効かないよー、カエンジシ!」
カエンジシ「カエン!」ドガッ
362 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:48:28.73 ID:jbUvCAmo0
カエンジシ「カエン」ケロッ
莉嘉「焦ってタイプ相性のこと、考えてなかったのかなっ?」
莉嘉「カエンジシ、ねっぷう!」
カエンジシ「カエーン!!」ボォォォ
未央(やっぱり……さっき一度だけハイパーボイスを使ったけど、あれはゲンガーには効かないから撃ってこないと思ってた)
未央「ゲンガー、影に逃げて!」
ゲンガー「ゲーン」ヌッ
未央「しまむー、押し切れる!?」
卯月「えっ、押し切るってどういう――」
未央「」ニコッ
卯月「……! わかった、やってみる!」
363 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/11/27(金) 20:49:02.95 ID:jbUvCAmo0
卯月「バシャーモ!」
バシャーモ「バシャ!」
ボォォォォォォ
恵磨『ねっぷうがバシャーモを襲います!』
卯月「バシャーモ、ねっぷうを振り切って!」
バシャーモ「バ……バシャ……」
ググッ
バシャーモ「バシャ……!!」
ダッ
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