【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】

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205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/13(月) 00:53:00.28 ID:UGLOAqFDO
3
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/13(月) 01:40:22.68 ID:CTM3peSN0
P(休憩がてらはづきさんと話すか)

P(昼休みになったら話しかけてみよう)


はづき「んっ、あぁあぁ〜」

P「ははっ、お疲れ様です。コーヒーでも淹れましょうか?」

はづき「あ、お願いします〜」

P「今日はデスクワークなんですね」カチャ

はづき「ええ、そうですね」

はづき「ありがたいことにこの283プロも忙しくなってきてるわけですけど」

はづき「忙しくなったぶん、こうしてプロデューサーさんと何気なく会話するのも久々な気がしますね〜」

P「そうかもしれないですね」コポポポ

はづき「そういえば、思ったんですけど」

はづき「プロデューサーさんとnoctchillのみんなの距離感って、なんだか不思議なものを感じるというか」

P「え、そうですか?」

はづき「はい。あ、別に変な意味とかじゃないですよ」

はづき「ただ、こう、どこか隠れた絆を感じるといいますか」

P「……俺のプロデュースがうまくいってる証拠ですかね」ドヤッ

はづき「ふふっ、いまのプロデューサーさんの顔、いい感じにうざいですね〜」

P「そ、そうですか……」

はづき「冗談ですよ〜」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/13(月) 01:44:58.64 ID:CTM3peSN0
P「まあ、何というか、良い意味で新鮮さはないですね。懐かしい感じというか、昔から知っていたような……」

P「昔から……」

P「……」

はづき「プロデューサーさん?」

P「はっ……はい」

はづき「それ、わかりますよ〜って思ったんです」

はづき「旧知の仲みたいな感じがあるんですよね〜」

はづき「特に、透さんとか」

P「透ですか」

P「……初めて会った気はしないんですよね」

P「ただ、それもあんまりはっきりとはしてなくて」

P「……」

はづき「ドラマですね」

P「そういうロマンチックなものなんですかね、これって」

はづき「透さんがプロデューサーさんに向ける視線っていうのが、アイドルとプロデューサー、とは少し違う感じがするんですよ」

はづき「何かに期待しているような、一方で何かを不安に感じているような」

はづき「何かを待っているような、一方で何かを悲しんでいるような」

はづき「そんな感じですかね〜」

P「そ、そうですか……」

P「まあ、アイドルが不安を抱えてるなら、俺がケアしてやらないとですね」

はづき「私が力になれることがあれば、言ってくださいね」

はづき「私だって、アイドルのケアをしたいんですから」

P「はい。その時はお世話になります」

P「女性にしかわからないことってあるでしょうし」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/13(月) 01:52:40.11 ID:CTM3peSN0
はづき「あっ、プロデューサーさんプロデューサーさん」

はづき「アイドルのケアもいいですけど、私のケアもしてみませんか?」

P「は、はづきさんのケア……ですか?」ドキッ

はづき「いつもアイドルのことを考えてるプロデューサーさんかもしれませんけど」

はづき「同僚の私としては、私の話も聞いて欲しいな〜って」

P「あ、はあ……そういうことですか」

はづき「?」

P「ええ、喜んで」

はづき「やった。プロデューサーさんとお話タイムです〜」

はづき「えっとですね、プロデューサーさん」

はづき「最近、私が会得したスキルがあるんですよ」

はづき「なんだと思いますか〜?」

P「はづきさんの新しいスキル、か……」


1.「フッ……ついに、必殺「よし、楽しく話せたな」を会得したな!! はづきよ!!」
2.「もしかして……まさかのはづきルート誕生!?」
3.「正解したらはづきさんシール114514枚くれますか?」

選択肢↓1
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/13(月) 02:00:47.08 ID:RR7ZvHAP0
1
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/13(月) 02:09:00.54 ID:CTM3peSN0
P「ククククク……」

はづき「?」

P「フッ……ついに、必殺「よし、楽しく話せたな」を会得したな!! はづきよ!!」

はづき「ふっふっふ〜。ばれちゃ仕方ないですね」

はづき「何を隠そうこの七草はづき、なんとプロデュースのスキルを身につけ始めました!」

P「フッフッフ……え、マジですか?」

はづき「マジですよ〜」

はづき「あ、もちろんプロデューサーさんのお仕事をとっちゃうつもりはないですからね」

はづき「いまはこの283プロも少人数ですけど、このまま成長していくと社長も人員補填を考えるでしょうし」

はづき「そうなったら、私がいましてる仕事も新しい人たちに引き継いでいくかなーと考えて」

はづき「アイドルも変化が求められる時代ですから、何があっても良いように、プロデュースとは、とか勉強してるんです」

P「そうだったんですね」

はづき「例えば、noctchillのメンバーの1人がソロで活動し始めたとすると」

はづき「それがうまくいけば、私がnoctchillのプロデューサになることで、プロデューサーさんはそのソロ活動をしてる子の専属になれる」

はづき「とか思ったわけです」

はづき「もちろん、可能性の話ですし、私はプロデューサーさんとアイドルの子達の意見を尊重しますけどね」

P「はづきさんのすごさには頭があがりませんよ」

P「なんでもできるじゃないですか」

はづき「なんでもはできませんよ〜できることだけ」

P「ははっ、どっかで聞いたことのあるセリフですね」

はづき「眼鏡をかければよりそれっぽくなるでしょうか」

P ジーッ

はづき「……」

はづき「もう、プロデューサーさん? 視線がえっちですよ〜」

P「ご、ごめんなさい、つい……」

はづき「プロデューサーさんなので、許してあげちゃいますね」

P「面目ない……」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/13(月) 02:12:29.16 ID:CTM3peSN0
P(昼休みははづきさんと話した)


はづき「もう、プロデューサーさ〜ん? ふふっ」


P(よし、楽しく話せたな)

P(アイドルではないけど、はづきさんもふつうに――いや、かなり可愛いよな)

P(……スカウトしたらノッてくれるかな)

P「……」

P(さて)

P(あいつらが帰ってくるのを待つか)
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/13(月) 02:15:17.88 ID:CTM3peSN0
P(もう少しであいつらも帰って来る頃だな)

ヴーッヴーッ

P「……? LINEか」

P「透から、だな」


透『いまそっちに向かうとこ』

透『このあと』

透『みんなが解散したあと、時間ある?』

透『よかったら、話したい』

透『他のみんなには内緒で』


P(何か込み入った事情があるのか?)

P(他のみんな……っていうのはnoctchillのメンバーのこと、だよな)

P(どう返信したものか……)

P(あの3人を撒くんだよな)

P「……」

ガチャ

P(え、もう来たのか?)

P(ど、どうしよう)

円香「お疲れ様です」

P「あ、あぁ、円香か……お疲れ」

円香「疲れてるところにそういう顔で出迎えられるととても腹立たしく思いますね」

P「ごめんな。別に円香だからどうってわけじゃないぞ。気にしないでくれ」

円香「……そんなこと言ってないし」

円香「……そうだ」

P(し、舌打ち……)

円香「このあと、時間、ありますか?」

P「へ?」

円香「大変不本意ですが、それもあなたがプロデューサーとしての力があると思って、相談したいことがあるんです」

P(こ、これは……)


1.円香に応える。
2.透に応える。
3.2人とも断る。

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/13(月) 02:31:10.47 ID:RR7ZvHAP0
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/13(月) 02:55:09.91 ID:pyhzMmXC0
3
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/13(月) 18:54:20.06 ID:EBNh75mH0
今更だけどsR樋口のコミュ溶ける言葉で浅倉普通にコーヒー買って飲んでたから若干違和感が
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/14(火) 00:39:59.60 ID:LBFKsxQh0
>>215

>>1です。私の書き方が悪かったのかもしれないのですが、コーヒーが嫌いというわけではなくて、(私としては)透はPが淹れたばかりの激熱(熱々?)のコーヒーはちょっと……ってなってるだけ(のつもり)です。透のMorningGで「熱いの苦手なんだ(選択肢:「マグも、ちゃんと置いて」)」「うん……コーヒー、そんなに得意じゃないのに(選択肢:「シミになるかな」)と言ってるので、それをもとに書きました。まあ、コーヒー苦手じゃないならなんで(円香の件のコミュで)コーヒー買ってるんだって話なんですけどね。

見落としてる点があったらすみません。

では、再開します。
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/14(火) 00:45:22.10 ID:LBFKsxQh0
P(どちらかを特別扱いするのは……)

P(プロデューサーとして、どうなんだろうか)

P(……よし)

P「すまない、まだやらなきゃいけないことが残ってるんだ」

P「埋め合わせはするから、今日は勘弁してくれ」

P「ごめんな」

円香「……そうですか。じゃあもういいです」

P(もういいです、か)

円香「帰りますので、それでは」

P「他の3人は待たなくていいのか?」

円香「私が1人で帰るのに理由が必要ですか? あの3人と帰らなきゃいけない義務でもあるんでしょうか」

P「い、いや、そんなことはない……ぞ」

P「お疲れ様」

円香「……っ」

P「……」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/14(火) 00:51:32.34 ID:LBFKsxQh0
透「プロデューサー」

P「あ、ああ、おかえり、透」

透「返事」

P「今日はまだやらなきゃいけないことがあるんだ」

P「すまん。頼む。埋め合わせはするから」

透「……いいよ、別に」

透「あれ、樋口は?」

P「えっ……円香なら、さっき1人で帰ったぞ」

透「えー」

透「もしかして、怒らせたの?」

P「そ、そんなことないぞ?」ギクッ

透「ふーん」

小糸「あっ、透ちゃん! 帰るの?」

雛菜「やは〜私も透先輩と帰る〜」

透「うん。あんまり帰りたくないんだけど、帰らなきゃいけないんだって」

小糸「?」

雛菜「そっか〜、じゃあ帰ろ〜」

雛菜「プロデューサー、ばいば〜い」フリフリ

小糸「ま、また明日です! プロデューサーさんっ」

透「まだやらなきゃいけないこと、ね……」ボソッ

小糸「透ちゃん……?」

透「ううん。なんでもない。帰ろ」

小糸「そ、そうだね」

雛菜「〜♪」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/14(火) 01:05:39.73 ID:LBFKsxQh0
P「……」

P(はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(事務所に1人、か)

P「……はぁ」

P(嘘なんだよな。やることがある、だなんて)

P(透と円香、どっちかをとるような真似は――できない)

P(俺はプロデューサーとして正しい判断をしたんだ)

P(そうだろ?)

プルルルルル、プルルルルル

P(電話か)

カチャ

P「はい。283プロダクションです」

「――……」

P「……?」

P「あの、もしもし?」

「――……」ザザザ

P(いたずら電話か?)

「……けてっ……」

P「っ! もしもし!? もしもし!?」

「……わた……し、は……」

「――……」ザザザザザ

プーッ、プーッ、プーッ

P「な、何が起こってるんだよ」

P(でも、いまの声……)

P(当たって欲しくない予想があった)

P(……円香の声に似てる、だなんて)
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/14(火) 01:08:51.87 ID:LBFKsxQh0
P(その後、俺はいてもたってもいられなくなり、事務所に鍵をかけて飛び出した)

P(頭をよぎってしまったことが嘘だと信じたくて)

P(それを立証したくて)

P(目的地なんてないのに、無意識に俺は走っていた)

P(円香はこの道で帰るんじゃないか……そんなことを思って)

P(そして――)


P(――嘘だと信じたかったことは、信じきることができなかった)

P(嘘じゃ、なかったから)
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/14(火) 01:26:54.36 ID:LBFKsxQh0
P(俺が足を止めたのは、円香の自宅付近の通学路付近の路地だった)

P(アイドルの通学・通勤路は事務所側で把握していたから知っていた。円香のそれをうろ覚えではあるが思い出しながらたどった)

P(正規に登録されている道順には“なにもなかった”)

P(俺は考えてしまった)

P(「気分転換に通るなら、例えばこの道では……」と)

P(……)

P(もう暗かった。その路地は街灯すらないようなところだった)

P(半ば道をふさぐようにして横たわる人影を見つけた)

P(さっきまで、会話をしていたシルエットと同じだと気づいたのは、暗さに目が慣れたのと同時だった)


P「っ!! 円香っ!!!」ガシッ

円香「……」クルッ

P「……ぁ」

P(致命傷。見た瞬間に二度と息を吹き返さないことがわかるような大きな傷を、円香は胴体に負っていた)

P(見たことのない、知識でだけ知っているものが、円香からこぼれてくる――)

P「――っ! はぁっ、はぁっ、……」

P(ただ、1つ、不自然なものが混じっていた)

P(それは……手紙のようなものだった)

P(円香の“中”から、それが現れた)

P(俺は、それを手にとった)

P「……」

P「『あなたへ』」

P ペリペリペリペリ

P ペラッ

「最近物騒。この辺で1人の女の子をねらった事件が起きてる。
 この子である必要はなかった。たまたま、1人で、ここに、あ
 の時間に、来たから。それだけ。

 それだけ」

P「アッ、エ、エエッ」

P「……」

P「??? ! !?!?」

P「――あぁあああぁぁぁああぁぁあぁああアァッ」

END.
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/14(火) 01:28:19.63 ID:LBFKsxQh0
1.直前の選択肢に戻る。 
2.冒頭に戻る。

選択肢↓1
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 02:15:28.46 ID:R6jVFOxDO
1
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/14(火) 02:37:28.88 ID:IoSOKthsO
P(もう少しであいつらも帰って来る頃だな)

ヴーッヴーッ

P「……? LINEか」

P「透から、だな」


透『いまそっちに向かうとこ』

透『このあと』

透『みんなが解散したあと、時間ある?』

透『よかったら、話したい』

透『他のみんなには内緒で』


P(何か込み入った事情があるのか?)

P(他のみんな……っていうのはnoctchillのメンバーのこと、だよな)

P(どう返信したものか……)

P(あの3人を撒くんだよな)

P「……」

ガチャ

P(え、もう来たのか?)

P(ど、どうしよう)

円香「お疲れ様です」

P「あ、あぁ、円香か……お疲れ」

円香「疲れてるところにそういう顔で出迎えられるととても腹立たしく思いますね」

P「ごめんな。別に円香だからどうってわけじゃないぞ。気にしないでくれ」

円香「……そんなこと言ってないし」

円香「……そうだ」

P(し、舌打ち……)

円香「このあと、時間、ありますか?」

P「へ?」

円香「大変不本意ですが、それもあなたがプロデューサーとしての力があると思って、相談したいことがあるんです」

P(こ、これは……)


1.円香に応える。
2.透に応える。
3.2人とも断る。

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 03:13:06.85 ID:LWBUxCt1o
ksk
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 07:02:17.41 ID:R6jVFOxDO
1
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 07:20:21.35 ID:VA9f3na7o
ぬ、フラグ立ててないと死亡ルートか
びっくりしたけど楽しませてくれるじゃないか…
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 10:38:39.58 ID:8IkCsz6E0
手紙の送り主は誰なんだ…
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 01:49:39.38 ID:2b5HVxQF0
P(透には悪いが、ここは円香に応えることにしよう)

P「ああ、時間ならあるぞ」

円香「わかりました。それでは、私は事務所に残りますね」

P(透に連絡しておこう)

P『すまない。別件があるから、今日は無理だ』

P『またの機会に埋め合わせするから、堪忍な』

P(これで、よし……)
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 01:51:16.40 ID:2b5HVxQF0
>>224

訂正


円香「……そうだ」

P(し、舌打ち……)


から


円香「……そうだ」

P(な、なんだろう……)



失礼いたしました。
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 01:52:34.00 ID:2b5HVxQF0
P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきて――)


透「プロデューサー」

P「あ、ああ、おかえり、透」

透「……」

透「……また今度、ね」

P「すまん。頼む」

透「いいよ、別に」

透「それじゃ、私は帰るから」

小糸「あっ、透ちゃん待って!」

雛菜「やは〜私も透先輩と帰る〜」

雛菜「あれ〜? 円香先輩は帰らないの〜?」

円香「うん、私は用事があるから、少しここに残る」

雛菜「そっか〜、じゃあね〜。ばいば〜い」フリフリ

小糸「ま、まま、またね! 円香ちゃん」

透「別件、か……」ボソッ

小糸「透ちゃん……?」

透「ううん。なんでもない。帰ろ」

小糸「そ、そうだね」

円香「……」


P(――という感じで、今に至る)

P(今は、事務所には俺と円香の2人だけだ。はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(気まずいな……)

円香「あの」

P「うぉわっ!」

円香「うわっ、びっくりした」

円香「女子高生相手に何キョドってるんですか? アイドルのプロデューサーともあろうお人が」

円香「もしかして、女の子と手をつないだこともなかったりして。ミスター・童貞」

P「……言ってくれるな。久々にキレちまったよ……」

円香「あ、そういうのいいんで」

P「そ、そうか」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 01:55:04.90 ID:2b5HVxQF0
円香「……」

円香「……さすがに今のは言いすぎでした」

円香「ごめんなさい」

P「いや、いいんだって。いつもの円香だろ」

円香「……」

円香「ふふっ……何それ」

P「それで、話って、なんだ?」

円香「……いま、この事務所に私たち以外の人はいますか?」

P「いないな」

円香「じゃあ別にいいか。いえ、他の人にはあまり聞かれたくないので」

P「安心しろ。聞き耳立ててるやつはいない」

円香「……」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 01:56:44.75 ID:2b5HVxQF0
P「……ソロでの仕事を増やして欲しい、か」

P「円香からそういった提案があるとは、正直意外だったよ」

P「まあ、プロデューサーとしては、アイドル業に積極的になったのは嬉しいぞ」

円香「ええ、まあ……」

P(相変わらずの態度ではあるが)

P「一つ、聞いてもいいか?」

円香「なんでしょうか」

P「noctchillとして活動することに嫌気がさしたとか、そういうのはあるか?」

P「一応、聞いておきたくてな」

円香「そういうのはないです。別に」

P「なら良かった。お前ら仲良しだろうし、いらん心配だったかな」

P「それにしても、ソロの仕事、ね」

P「具体的にこうしたいっていうのはあるのか?」

円香「特には……あ、いえ、そうですね」

P「?」

円香「役者、とか」

P「お、……おお! そうか! 円香はそういうのがやりたいのか」

円香「ええ。演技を少し磨きたいですね」

P「いやぁ、なんだか、こう、ようやくプロデューサーとして円香に接することができたみたいで嬉しいよ」

円香「何を言ってるんだか。あなたは最初から私のプロデューサーでしょう?」

P「それもそうだな。いや、嬉しくてつい、な」

P「わかった。そういうことなら、頑張って仕事を見つけてみよう」

P「ただ、無理はさせたくないし、とりあえずいまの段階では円香はあくまでもアイドルとして売り出していくというのはOKか?」

円香「はい。それは大丈夫です」

P「そうか。まあ、あくまでもアイドルだから、こういうのがNGとかあったら、円香からも言ってくれよ。もちろん、事務所として、あるいはプロデューサーである俺として事前に設定することもあるけどさ」

円香「わかりました。どんだけ心配性なんですか。あとおせっかい」

P「だって……だって、なあ……」

円香「ニヤニヤしててキモい」

P「うぐっ、女子高生に言われると刺さるな……」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 01:59:24.61 ID:2b5HVxQF0
円香「それでは、帰りますので」

P「ああ、気をつけてな。仕事が片付かなくて送っていってやれないが」

円香「この時間なら気にする必要もないでしょ。もしかして、優男アピールですか? それなら遠慮しておきます」

P「はは、そうか。わかった。じゃあな」

円香「ええ」

タッタッタッ

ガチャ

バタン

P「……」

P「円香も変わった……な」
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 01:59:54.22 ID:2b5HVxQF0
P(それから、円香の要望どおり、俺は円香に役者としての仕事がまわってくるよう努めた)

P(もちろん、円香自身もオーディションに参加しながら)

P(そうして、チョイ役ではあるが仕事がくるようになった)

P(円香もそれを淡々とこなしている)

P(俺は素直に感心していた)

P(円香が仕事を楽しんでくれればいいな、と思った)

P(態度は相変わらずだけど)

P(新人役者の円香としての仕事には、俺もマネージャー的な役割でついていった)

P(自然と、円香と過ごす時間は長くなっていった)
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:01:01.42 ID:2b5HVxQF0
〜事務所〜

P「円香、円香はいるか?」

円香「連呼しなくても……ここにいますが、何ですか」

P「脇役だが準レギュラー的な仕事だぞ!」

円香「……そうですか」

P「ああ!」

円香「受けますので、その仕事。はい、もういいでしょ」

P「わかった! それじゃ先方にはそう連絡しておくよ!」ダダダ

円香「全く……ミスター・高燃費」

雛菜「あは〜、円香先輩、ニヤニヤしてて気持ち悪〜い」

円香「なっ! 何言って……」

雛菜「な〜んて、ニヤニヤしてるのはうそ〜」

円香「っ!」

雛菜「でも、なんかしあわせ〜って感じの顔だった〜」

円香「気のせいだから。ほんと」

雛菜「え〜? そうかなぁ」

円香「そうなの」

雛菜「じゃあ、そういうことにしといてあげるね〜」

円香「……ったく」
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:02:58.52 ID:2b5HVxQF0
雛菜「あ、見てみて〜」

円香「何?」

雛菜「いま雛菜が読んでる雑誌にね、ほら」

円香「……浅倉」

雛菜「そ〜透先輩が載ってるんだ〜」

雛菜「こうしてみると、透先輩ってやっぱかっこいいし綺麗〜」

円香「はいはい、よかったわね」

雛菜「え〜なんか円香先輩感じわる〜い」

円香「感じ悪くて結構」

雛菜「でもね〜」

雛菜「透先輩って、最近はアイドルの仕事よりも1人の仕事のほうを楽しみ〜にしてる感じがするな〜」

雛菜「円香先輩もそうだよ〜」

雛菜「雛菜はね、そういうの、少し寂しいな〜って思ったり〜」

円香「……別に私は」

雛菜「やは〜。先輩たちがnoctchillを避けてるとかいうつもりじゃないから安心して〜」

円香「!」

雛菜「雛菜はね、雛菜がしあわせ〜って思えることだけでいいの。noctchillのみんなでお仕事するのはしあわせ〜」

雛菜「先輩たちがそれぞれソロで仕事してても、2人ともしあわせ〜に思ってるなら、別に雛菜はしあわせ〜って感じ」

雛菜「ちょっと寂しいけどね〜」

円香「……ありがと」ボソッ

雛菜「ん〜?」

円香「ううん、なんでもない」
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:04:14.84 ID:2b5HVxQF0
〜某市街地、雑誌の撮影〜

P「透はこの雑誌によく呼ばれるようになったよなー」

透「イェーイ」

透「やったね」

P「円香に続いて透も……徐々にソロでの活動が増えてきているな」

透「……ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

透「撮影終わったらさ、あそこ、いきたい」

P「あそこって?」

透「ほら、さっき通りすがりに見かけた公園」

P「あぁ、ジャングルジムのあったところな」

透「! そう。行きたいな」

P「わかった。じゃあ、撮影が終わったら行こう」

透「うん」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:08:16.67 ID:2b5HVxQF0
撮影後。

P「ジャングルジムは……」

透「……使用禁止、って書いてあるね」

P「危険だから撤去するってことなのかな」

透「……」

P「登りたかったか?」

透「うん……」

P「それは、残念だったな」

P「まあ、でも、せっかく来たんだ。いい天気だし、そこのベンチに座ってゆっくり休まないか?」

P「あれなら、アイス買ってこようか? すぐそこにコンビニあるし」

透「……うーん」

透「アイスはいいや」

透「最近、たくさん食べてるからさ」

P「そうか……」

透「あ、そうだ」

透「おにぎり」

P「え?」

透「おにぎり。そのコンビニで一番美味しそうなやつ買ってきて。それ食べたい」

P「……俺の感覚で選んじゃっていいのか?」

透「いいから。早く買ってきて」

P「わかった」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:12:18.78 ID:2b5HVxQF0
P「おまたせ」

透「一番美味しそうなおにぎりは?」

P「お望みどおり、ほれ」

透「……」

透「……ふふふふっ、な、なにこれ……」プルプル

P「だから、一番うまそうなのを買ってきたんだ」

P「塩むすびな。たくさんあるぞ」

透「あははははっ、や、やられたよ、プロデューサー」

P「ああ、正直、俺もずっとにやにやしっぱなしだった」

P「どうする? 食うか? 一応普通のおにぎりもいくつか買ってきたけど」

透「ううん、いい。腹いせにそれ全部食べてやるから」

P「無理するなよ」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:14:39.64 ID:2b5HVxQF0
透「うう゛〜」

透「あ゛〜」

P「どうした?」

透「飽きた……」

P「まあ、あれだけ塩むすび食い続けたらな……」

P「体調崩さないか心配だ」

透「そのときはプロデューサーに看病してもらう」

P「えっ」

透「してくれないの?」

P「……透が、それでいいのなら」

透「ふふ、変なの。私がお願いしてるのに」

P「わかった。じゃあ、つらくなったら言ってくれ」

透「うん、そうする」
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:16:55.85 ID:2b5HVxQF0
透「……樋口」

P「?」

透「樋口、最近ソロでの仕事増えたよね」

P「それは透もだろう」

透「でも、樋口が一番ソロで仕事してる」

透「テレビでも時々見るようになった」

P「まあ、まだまだ駆け出しとはいえ役者もやってるわけだからな」

P「そのために個別にそのためのレッスンやオーディションを受けてるよ」

P「あいつも成長したよ……あ、こう言ってたって円香には言うなよ。何言われるかわかったもんじゃないし」

透「ふふっ……言わないよ」

透「いや、なんていうか」

透「プロデューサーはさ」

透「樋口が自分からソロで仕事するようになったのかな、って、思わない?」

透「樋口って、私が心配でアイドルになったようなものでしょ」

P「それは……、あいつもこの世界の仕事が楽しくなってきたとかじゃないのか?」

透「それがないとは言えないけど、でもどうかな」

透「他に理由があるんじゃないかな」

P「そう、なのか?」

透「うん。私の勘」

P「透と円香は付き合い長いから妙に信憑性があるなそれは」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:20:51.62 ID:2b5HVxQF0
透「あーあ」

P「どうした」

透「んー」

透「ジャングルジム、登りたいなって」

P「使用禁止だしそれは……」

透「「てっぺん」、目指したくて」

P「……」

透「今はまだ、登ってる途中だけど」

透「また、一緒に登りたい」

P「透?」

透「ねえ、プロデューサー」グイィッ

P「う、うわぁっ」ヨロッ

P(って、近っ!)

P(透に胸倉を掴まれるような形でひっぱられ、いまにも唇が触れてしまいそうなくらいに顔が向き合っている)

P(透の綺麗な顔立ちから、目が離せない。透の視線から、逃れられない)

P(捕獲されたような、そんな感じ)

透「プロデューサーは、さ」

P(透の吐息を感じる。声に熱を感じる)

透「いま、目の前に誰が見えてる?」

P「そんなの、透に決まって……」

透「そういうことじゃなくて、ね?」

透「……答えて」

P「……」


1.「円香が見えてる」
2.「透が見えてる」
3.黙秘する。(既読)

※以降、既に見たルートへの分岐には「(既読)」が付きます。

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 05:30:54.88 ID:O8LwXTwx0
2
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 05:31:27.13 ID:7P7XEGa7O
2
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 09:41:04.19 ID:y4kDakYDO
むしろ樋口が見えていたらどうなるんだ?
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 01:46:41.46 ID:mwxwaOIe0
P「透が見えてる」

P「俺には、透が見えてるよ」

透「……」

P「……」

透 ジッ

P ゴクリ

透「……もう」

透「嘘つき」

P「えっ?」

P(そう言うと、透はもとの体勢に戻った)

透「違うでしょ。プロデューサーの目に映ってるのは」

透「心の中では、私じゃない誰かを見てる」

P「透……」

透「でも、やばかった」

透「私が見えてるって言ってくれたとき」

透「刺さったかも」

透「……っ」

透「でも、でも、駄目だよ」ポロ

透「うっ……」グスッ

P「と、透……大丈夫か?」

透「だめ!」

P ビクッ

透「いまきちゃ、だめ」

透「……」

透「本当に、好きになっちゃうからさ」

P「……」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 01:58:14.50 ID:mwxwaOIe0
透「ごめんね。急に泣いたりして」

透「登ろ、ジャングルジム」

透「これで、最後だから」


P「よいしょっと」

P「ふぅ。久々に登ると運動不足を実感するな……」

透「ふふっ、プロデューサー、遅すぎ」

透「……あのときとは、順番が逆だね」ボソッ

P「え?」

透「なんでもない」

P「景色」

P「確かに普段とは違う目線の高さだけど、まあ、それだけって感じもする」

P「だけど、なんだろうな、この感じは」

P「無性に懐かしい気がするよ」

透「っ」

P「……昔さ」

P「男の子とジャングルジムに登ったんだ」

P「その子はさ、言うんだよ」

P「のぼってものぼっててっぺんに着かない、へんなジャングルジムがあるって」

P「たしか、そんなことを言ってたと思う」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:03:04.22 ID:mwxwaOIe0
P「もう古い記憶で、あんまりちゃんと思い出せなかったり、あいまいなところがあったりするけど」

P「なんだかとても大切な記憶な気がするんだよ」

P「って、変な話してごめんな。おっさんのよくわからない昔話とその感想なんて聞いてもしょうがないよな」

透「……ううん」

透「そんなことない」

透「きっと、喜んでるんじゃないかな」

透「その男の子も」

P「喜んでる?」

透「プロデューサーがそうやって、覚えていてくれて」

透「何気ない思い出だったとしても、その男の子にとっては、プロデューサーとジャングルジムを登れたことが、大きな一歩になってるかもしれないでしょ」

P「そういうものか?」

透「そういうものだよ」

P「じゃあ、そういうことにしておくか」

透「そういうことにしておいて」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:07:17.85 ID:mwxwaOIe0
透「そろそろ降りる」

P「満足したのか?」

透「あー」

透「うん、まあまあ、ね」

透「いまはいいかなって、思えたから」

P「?」

透「なんでもない」

透「よっと」

P「あ、透、待ってくれ」


P「っしょっと」

透「プロデューサー、降りる姿が頼りなかった」

P「そこは大目に見てくれ……」

透「もうちょっとかっこよくいて欲しかったかも」

透「んーっ」ノビーッ

透「はあっ。うん、スッキリした」

透「じゃ、帰ろ」

P「ああ」

透「あ、そうだ」

透「樋口と、仲良くね」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:21:23.42 ID:mwxwaOIe0
1ヵ月後。

〜ドラマの撮影所〜

P(よし、今日の撮影もうまくいったな)

P(ドラマの脇役の仕事――予想以上にうまくいってる)

P(自然体だが確かに演技はしていて、視聴者が日常とのギャップを感じずに入り込めるような、そういうスタイルなんだ、円香は)

P(円香の知名度もかなり上がっているし、次はメインキャラの仕事を取ってくることだってできるかもしれないぞ!)

円香「ふぅ」

円香「撮影、終わりました」

円香「……プロデューサー」

P「お、円香! お疲れ様」

P「今日の撮影もうまくいったな! プロデューサーとして鼻が高いよ」

P「お前は、俺の自慢のアイドルだ」

円香「っ/// そういう安直なコメントしかないんですか、ミスター・テンプレート」

P「と、とにかく、褒めてるってことだけは伝わってくれ……!」

円香「まあ、嬉しくないわけじゃないので」ボソッ

P「円香もとうとう俺に素直になってくれるようになったのか」

円香「……しくった。やっぱり今のナシで」

円香「というか、聞いてないフリするところなんじゃないですか? いまのは」

円香「あなたが困っているからと言って、優しくするようなことを言ったのを全力で後悔しています」

P「はは、円香は優しいよな」

円香「っっ!///」

円香「……うっさい! もう」

円香「ばか」

P「さ、じゃあ、帰るか。円香はもう家に直帰か?」

円香「……それもいいですが」

円香「スタジオで息がつまりそうなんで、どっか連れてってください」

P「どこか、ね。希望はあるか?」

円香「……」

円香「そうですね」

円香「遠くがいいです」

円香「ずっとずっと、遠いところ」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:21:58.73 ID:mwxwaOIe0
眠すぎるので寝ます。一旦ここまで。
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/16(木) 06:58:47.25 ID:QktL+d8go
おつ!
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 00:44:03.74 ID:eeV2iR6H0
P「なあ、円香」

円香「……なに」

P「遠くって、どこまで行けばいいんだよ」

P「ひたすら北上してるが……このままだと関東出ちまうぞ」

円香「わかってる。でも、もう少し進んで」

円香「あと二つ先で一般道に下りて」

P「……わかった」

円香「ふん……」


円香「そこ、左折して。あとはしばらく道なりだから」

P「了解した」

P「そろそろ目的地を聞いてもいいか?」

円香「そうやって急かすことしかできないんですか? ミスター・ハリー」

P「いや、でもな……目的地もわからずに運転させられてるっていうのは、こう、結構不安になるもんだぞ?」

P「円香にハイジャックされた気分だ」

円香「……ふふっ、なにそれ」

円香「私にハイジャックされるプロデューサー」

円香「……」

P「だから、な? 教えてくれよ」

円香「嫌です」

P「え?」

円香「嫌です」

円香「あなたをハイジャックできて、とても気分がいいので」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 00:51:54.28 ID:eeV2iR6H0
円香「はい、そこ、脇道に入っていって」

円香「行き止まりになったところが、目的地です」

P「はいよ。もう何も聞かないさ」


P「到着……か? ここって……」

P「温泉宿……いや、旅館か?」

P「幻想的な雰囲気だな。なんだか、非日常との邂逅という感じがする」

円香「一人思いにふけっているところ悪いですが、そろそろ降りませんか」

P「あ、そうだな。すまん」


P「案内されるままに来ちまったけど……」

P「え、その、泊まる、のか?」

円香「旅館って何のためにあるかご存じないんですか?」

P「泊まるため……」

円香「はい、正解」

P「予約とか必要なんじゃ……?」

円香「そんなあなたに、はい」

P「スマホの画面? ……予約済、か」

P「料金はどうしたんだよ」

円香「いま出演しているドラマのギャラで払いました」

円香「さ、入り口の前でたむろしてても迷惑でしょうし、早く入りましょう」

P「ま、円香……!」

円香「もう、なんなんです?」

P「円香は、俺と、泊まるってことで、いいのか?」

円香「っ///」

円香「……言わせないで、ばか」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 00:59:22.94 ID:eeV2iR6H0
〜某温泉旅館〜

――の1室。

P「ですよね――……」

円香「何か?」

P「いや、もうつっこまないぞ」

円香「出口の前に立ち尽くされたら目立つので、早く中に入ってきてください」

P「あ、ああ……」


P「ふぃー」ドカッ

円香「運転お疲れ様です。お茶淹れますね」

P「ありがとう」

P(円香……やっぱ変わったよな)

P(……変わりすぎなまである)

円香「どうぞ」コトッ

P「いただくよ」

P ズズズッ

P「はぁ〜」

円香「……」

円香「どうですか、少しは気が休まりましたか」

P「ああ、これで温泉に入れば完璧だよ」

P「……もしかして」

円香「それ、あなたが言うとかっこ悪くなるやつですよ」

円香「だから――」

円香「――私に言わせて」ダキッ

円香「……」ギュッ
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:06:14.76 ID:eeV2iR6H0
円香「ここに連れてきたのは、あなたを過労死させないためでもあるんです」ギュゥッ

P「そ、そんなに働いてるのか? 俺って」

円香「……いまにも倒れそうですよ」

P「それは大変だ……」

円香「運転、ずっとさせてしまってごめんなさい」

円香「私は、運転できないから」

P「高校生なんだ、仕方ないよ」

P「ん? 「あなたを過労死させないためで“も”ある」って、他に目的があるのか?」

円香「まあ……」

円香「……」

P「円香?」

円香「あっ、あなたと」

円香「っ……2人になりたくて!」

円香「一緒に、過ごしたくて」

P「円香……」

円香「いまの私の顔、見ないでください」

円香「見ないで……」

P「そもそも、円香が強く抱きしめてくるから、顔が埋もれちゃって見えないよ」

円香「ねえ」

P「なんだ?」

円香「もうしばらく、こうさせて」

円香「このままで……」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:17:57.70 ID:eeV2iR6H0
円香「……もう、大丈夫」

P「別に、遠慮しなくてもいいんだぞ?」

円香「遠慮なんてしていません」

円香「ふふっ、普段の態度から分かるんじゃないですか?」

P「確かに……」

円香「仕事」

円香「いま、順調です」

円香「おかげさまで」

円香「WINGにつづいて、またしてもあなたの力なしにはなし得ないことを、私はしてる」

円香「このままだと有名人ですね、私」

P「いいことじゃないか」

円香「ええ、仕事ではいいかもしれません」

円香「けど、有名になれば、それだけ世間の目を気にしないといけなくなる」

円香「そうなる前に、あなたとこうして旅をしたかった」

円香「そういうことです」

P「……また」

P「いや、いつだって、円香が臨むなら、俺は」

P「お前を連れて行くよ」

P「WINGの舞台に連れて行ったように、女優としてのステージに連れて行ったように」

P「どこにだって」

P「一緒に、歩んでいこう」

P「円k……ムグッ」

チュ

円香「んちゅ、はむっ……」

P「フグッ……ハフッ」

カツッ

円香「っ、いた……」

P「……」

P「歯、当たっちまったな」

円香「う、うっさい!」

円香「やっぱ……慣れないことなんてするんじゃなかった」ボソッ

円香「……」

P「……」

円香「//////」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:25:35.31 ID:eeV2iR6H0
P「ふぅ……」ポカポカ

P「いい湯だった」

P(家族用の貸し切り風呂も、混浴風呂もあったが)

P(円香はいなかったな)

P(さすがに欲しがりすぎか)

P「……」

P(何考えてるんだろうな、俺)


〜部屋〜

P「円香……遅いな」

ガチャ

円香「あ、もう来てたんですね」

P「円香こそ、ずいぶん長風呂だったみたいじゃないか」

円香「そうですか? 女子の風呂なんて、こんなもんでしょ」

P「そういうものかなぁ」

円香「そういうのに慣れてないプロデューサーには、わからないかもしれないですね」

P「あ、いまバカにされた気がするぞ」

円香「よくわかりましたね。日に日に知恵をつけているようで何よりです」

円香「がんばって知的生命体を目指してくださいね」

P「さらにバカにされた……」

円香 ニコニコ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:32:46.11 ID:eeV2iR6H0
P「飯も食ったし、もういい時間だよな」

円香「なんですか?」

P「いや、なんですか、って……」

P「もう寝ようかなって」

円香「随分と下手な誘い方ですね」

P「……別に、そんなんじゃないぞ?」

円香「まあ、でも――」

円香「――私はそのつもり」シュル

円香 ガバッ

P「え……うわっ」ドサッ

円香「……」

円香「あなたが、欲しいから」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:38:04.48 ID:eeV2iR6H0
P(それから、円香は役者として成長を続けた。一流の女優といっても良いくらいだ)

P(もちろん、アイドルとしてのnoctchillも健在だ。依然として人気は高い)

P(283プロには、事務員が数名新たに雇用されるようになった。まあ、事務所としてもお金を持つようになってきたから、ブラック同然の体制を変えようとしてのことだろう)

P(俺は、円香の専属プロデューサーになることを決めた。noctchillのプロデューサーには、人員補填で少しばかり暇になったはづきさんが就くこととなった)

P(最近は、デスクワーク以外の時間のほとんどは円香と過ごしている)

P(……もちろん、プライベートも含めて)

P(あれから、俺と円香は恋人同士になった)

P(円香がいつもあんな感じだから、あまり喧嘩というものがない気がする)

P(お互い遠慮してないような、そんな感じ)

P(仲睦まじく過ごしていた)
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:48:25.18 ID:eeV2iR6H0
数年後。

〜283プロが購入したプライベートビーチ〜

円香「ここが」

P「あの社長、実はこういうのに憧れてたんじゃ……」

円香「いいの? 私たちが使っちゃって」

P「社長も円香が事務所の看板だからって、利用者第1号の座を譲ってくれたんだ。まあ、遠慮しなくていいんじゃないか?」

円香「そう」

円香「まあ、静かでいいかもね」

円香「この子はそういうところのほうが好きだと思うし」ナデナデ

「……んっ」

P「はは、そうだな」

P「かわいいなー、俺も撫でちゃう」ナデナデ

「や」

P「えっ」

「……や」

P「拒否された……」

円香「私に似てよくわかってるみたい」

円香「あなたの安直さが」

P「えぇ」

P「でも、ほら、このつぶらな瞳とか、俺に似てるんじゃないか……?」

「わたし、ぱぱににてるの?」

円香「安心して、あなたはママ似だから」

「よかったー」

P「この母にしてこの子ありだ!」

P「俺はいま、妻と子にいじめられている!」

円香「でもそれが?」

P「幸せだ!! ……って、言わせるなよ」

円香「なに照れてるんだか」

円香「……」

円香「……ふふっ」

円香「私も、幸せよ!」

END.
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:49:12.67 ID:eeV2iR6H0
樋口円香のエンディングが1つクリアされました(2つめ)。

市川雛菜に関するエンディングに行くための条件が1つクリアされました(残り1つ)。

冒頭に戻ります。
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:51:11.81 ID:eeV2iR6H0
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!(既読)
3. 路地を歩けば涼しいかな……?

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 02:23:46.95 ID:MqB7j8mDO
3
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 07:11:38.08 ID:SnRSI5b5o
3
おつ
そっちがトゥルーとは
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:30:30.36 ID:OjAESxwq0
P(路地を歩けば涼しいかな……?)

P(よし、入社直後に開拓したルートを行くことにしよう)


〜事務所付近のとある路地〜

P「ここを曲がって真っ直ぐ行けば……!」

ドンッ

P「うわぁっ!」

「ぴゃっ!?」

P「あ、危ない!」ガシッ

P「すみません! 大丈夫ですか? お怪我は……」

「あ、はい。だ、大丈夫で――って、プロデューサーさん?」

P「え、小糸じゃないか」

小糸「あ、はい。わたしです」

P「ごめんな。ぶつかっちゃって」

小糸「い、いえ。私も、前をよく見てませんでしたから」

P「小糸はいつもこの道を通って事務所に行くのか?」

小糸「あ、えと、普通は人通りの多いほうの道で来るんですけど」

小糸「き、気分転換が、したくて」

P「ははっ、そうか」

P「俺は涼しいかなと思ってこの道にしたんだよ」

小糸「あ、それわかります! 確かに涼しいんですよね! この道」

P「ああ、こっちのルートにして正解だった」

P「小糸にも会えたしな」

小糸「ぴゃぅっ! な、なな、何を言うんですか、もうっ」

P「よし、じゃあ事務所に向かうか」

小糸「あ、待ってくださーい!」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:31:36.65 ID:OjAESxwq0
〜事務所〜

P「おはようございます」

小糸「お、おはようございますっ! ……あっ、円香ちゃんだ」

円香「おはよう、小糸」

円香「それに……」

円香「……ハァ」

P「さすがにひどくないか?」

円香「まだ何も言ってませんが」

P「言わずとも伝わることってあるんだぞ」

円香「そういう高度なコミュニケーションもとれたんですね。覚えておきます」

P「はいはい。よろしくな」

P「仕事はじめる前にコーヒーでも飲むか……」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:34:14.04 ID:OjAESxwq0
P「ひ〜か〜りあつ〜めて〜ひ〜びけとお〜くへ♪」カチャカチャ

P「む〜す〜んだ〜き〜ず〜な〜し〜んじて〜♪」コポポポポ

円香「気味の悪い鼻歌を歌いながらコーヒー淹れるのやめてくれますか?」

P「気味の悪いって……お前らの歌だぞ」

円香「ええ。ですから、私たちの大切な歌に傷がつくので、やめてほしいと言ってます」

P「ひどい……その「私たち」にはプロデューサーである俺は入ってないのかよ」

円香「それは……」

P「……ははっ、そこで言い返さないあたり、円香は優しいな」

円香「なっ……!! さっきからサビの同じ箇所しか歌ってない人に言われたくありません!」

P「正直、スマンカッタ。あ、いや、歌詞とんじゃってな」

円香「最低」

P「じゃあ、今度はバッチリ歌詞覚えて歌うから、な?」

円香「結構です。これからレッスンまでの間、宿題をやるので、静かにしていてください」

P「わかった。そうするよ」


小糸「あっ、ぷ、プロデューサーさんっ。コーヒー、淹れてるんですか?」ピョコ

P「そうだぞ。飲むか?」

P(あ、でも、これブラックだし、小糸はそういうの苦手かも……?)

P(しかし、何もあげないってのもな……)

P(小糸の視線がアツい――気がする)

P(よし)

P「ほら、飴をあげよう」つ飴

小糸「ぴゃ! い、いいんですか?」

P「口が寂しいっていったところだろ」

小糸「ま、まあ、そうかもしれません」

小糸「ありがとうございます! プロデューサーさん」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:35:55.75 ID:OjAESxwq0
タッタッタッ

透「あ、樋口。それに小糸ちゃんも。来てたんだ」

円香「うん……って、これから一緒にレッスンあるでしょ」

小糸「そうだよ、透ちゃん!」

透「あれ、そうだったっけ」

円香「じゃああんたなんでここに来たの」

透「まあ、いつもの?」

円香「何それ」

透「あ、そうだ。樋口、ちょっとそこでジャンプしてみてよ」

円香「は? なんで」

透「小銭欲しくて」

円香「最初からお金貸してっていいなさいよ……」

円香「いくら必要なの?」

透「あ、くれるんだね」

円香「あげるんじゃない、貸すの。で、いくら?」

透「150円」

円香「ジュース1本ぶんくらいだけど」

透「うん。それでいい」

透「さっき飲み物買いにコンビニ入ったんだけどさ」

透「財布、忘れちゃってて」

円香「いい加減学びなさいよ」

透「コーヒーの匂いがする。もしかして、プロデューサーいる?」

円香「……いる」

透「うわ、樋口、すごい顔」

円香「話しかけたいならそうすれば?」

透「そうだね。そうする」


透「プロデューサー、おはよ」

P「お、透か。おはよう」

透「コーヒー、淹れてるんだね」

P「ああ、見ての通りな」

P「飲むか?」

透「いや、いらない。熱いの苦手っていったでしょ」

P「はは、そうだったかもな」

透「プロデューサーって、記憶力あんまりよくなかったりする?」

P「いや、そんなことはないと思うけど」

透「……」

P「透?」


1.もしかして、怒ってるのか?
2.俺の顔に何かついてるか?
3.アイスコーヒーなら好きなのか?

選択肢↓1
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 01:47:55.70 ID:gr1SRWg50
2
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 01:48:49.78 ID:gr1SRWg50
2
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:57:07.29 ID:OjAESxwq0
P「俺の顔に何かついてるか?」

透「んー」

透「まあ、顔がついてるけど」

P「ははっ、なんだよそれ」

透「記憶力の良くなさそうな顔がついてる」

P「それは……困ったな」

P「印象が悪そうだ」

透「ほんと、困ってるよ」

透「私が」

P「透が困ることあるのか?」

透「うん」

透「ちゃんと、思い出してね」ボソッ

P「え?」

透「あっちでスマホいじってくる」

P「あ、ああ……」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:01:11.82 ID:OjAESxwq0
円香「何話してたの?」

透「うん。まあね」

円香「……何かいいことでもあった?」

透「?」

透「んー」

透「まあまあ、かな」

円香「あ、飲み物」

透「?」

円香「飲み物、買いに行くんじゃなかったの」

透「……」

透「ふふっ、忘れてた」

円香「もう」

透「ま、いいや」

透「プロデューサーが淹れてたコーヒー、氷り入れて飲む」

円香「……そ」


P「よいしょっと」ギィ

P「よ〜し、じゃあ仕事すっか」

円香「いちいち報告しなくていいので」

P「わ、わかったよ。ごめんな」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:05:39.83 ID:OjAESxwq0
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」

透「まあ、そんなとこ。あっ……」

透「はぁ」

透「まだ一回しか勝ててないや」

透「何周しても微妙」

P「なんのゲームなんだ?」

雛菜「マリカーってやつ〜」

雛菜「レーシングゲームってつい熱中しちゃうよね〜」

P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」

透「あーあ」

透「難しいね」

P「ははっ、苦戦してるみたいだな」

雛菜「透せんぱ〜い、がんばれ〜」

透「ふふっ、ありがと、雛菜」

P「ゲームか……久しくやってないな……」

P「……」

P「……仕事すっか」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:07:52.86 ID:OjAESxwq0
P(そういえば、気づかないうちに雛菜も来てたんだな)

P(noctchill全員集合、か)

P(今日も、がんばれ……!)

P(あいつらのためにも、仕事頑張らないとな)カタカタ


数時間後。

P(今日のnoctchillはレッスン漬けだったよな)

P(あいつらのことだから心配しなくてもいいかもしれないけど……)


1.まあでも、様子を見に行くか!
2.仕事で疲れたし昼寝でもしよう。
3.休憩がてらはづきさんと話すか。

選択肢↓1
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 02:12:38.59 ID:gr1SRWg50
2
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:15:42.72 ID:OjAESxwq0
P(仕事で疲れたし昼寝でもしよう)

P(体力回復に努めるんだ)

P「……」

P「zzzZZZ」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:34:43.27 ID:OjAESxwq0
「――サーさん」

「おー――う。お昼――は――したよ」

P「っ!!」ガバッ

「きゃっ」

P「い、いけない……つい爆睡してしまった……」

「もう――」

はづき「――いきなり飛び起きるからびっくりしちゃいましたよ」

P「あ、はづきさん」

はづき「おはようございます、プロデューサーさん」

P「ご、ごめんなさい。もう昼休み終わってますよね」

はづき「今終わったところなので、まだ大丈夫ですよ」

はづき「あと、お願いがあるんですけど」

はづき「先日メールで送ってもらった企画書、紙媒体でファイリングしたいので、コピーいただけますかー?」

P「わかりました。ちょっと待っててくださいね」

はづき「はーい。私のデスクで待ってますね」

P「はい。印刷が終わったら持っていきます」

はづき「ではでは」タタタ

P「えーっと」

P「確か……企画書が入ったUSBはデスクの引き出しの一番上に……」ガララ

P「……?」

P(なんだこれ)

P(手紙、だよな)

P「……」

P(中高生のときならラブレターかと思ってはしゃいでたかもしれないが……)

ペラッ

P(表には『あなたへ』とある)

P(裏には……『あけなきゃだめ』か)

P(とりあえず俺宛……ってことでいいのか?)

P(まあ、開けろって言われてるんだから、開ければいいんだろう)ペリペリ

P(えーと、なになに?)


『間違えないでね』


P「???」

P「一体何のことだ?」

はづき「プロデューサーさん? どうしました?」

P「い、いえ。企画書のコピーですよね!」

P カタカタ

P タンッ

P「はい、いま印刷機から出てきますので、もうちょっと待ってください」

はづき「はーい」

P「……」

P(俺は、手紙を元あった場所に戻した)
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:36:36.22 ID:OjAESxwq0
それからさらに数時間後。

P(もう少しであいつらも帰って来る頃だな)

ヴーッヴーッ

P「……? LINEか」

P「透から、だな」


透『いまそっちに向かうとこ』

透『このあと』

透『みんなが解散したあと、時間ある?』

透『よかったら、話したい』

透『他のみんなには内緒で』


P(何か込み入った事情があるのか?)

P(他のみんな……っていうのはnoctchillのメンバーのこと、だよな)

P(どう返信したものか……)

P(あの3人を撒くんだよな)

P「……」

ガチャ

P(え、もう来たのか?)

P(ど、どうしよう)

小糸「お疲れ様です!」

P「あ、あぁ、小糸か……お疲れ」

小糸「プロデューサーさん、もしかして疲れてますか?」

P「え? あ、いや、そういうわけじゃないぞ。気にしないでくれ」

小糸「それならいいんですけど……」

小糸「あ、あの!」

小糸「このあと、時間、ありますか?」

P「へ?」

小糸「プロデューサーさんに……その、相談したいことがあるんです」

P(こ、これは……)


1.小糸に応える。
2.透に応える。
3.2人とも断る。

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 02:38:24.47 ID:gr1SRWg50
3
おつ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 02:44:32.26 ID:i2Q/q+W2o
1
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:06:08.18 ID:fxOGDdjq0
P(透には悪いが、ここは小糸に応えることにしよう)

P「ああ、時間ならあるぞ」

小糸「わ、わかりました。それじゃ、わたしは事務所に残りますね」

P(透に連絡しておこう)

P『すまない。別件があるから、今日は無理だ』

P『またの機会に埋め合わせするから、堪忍な』

P(これで、よし……)
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:14:12.87 ID:fxOGDdjq0
P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきて――)


透「プロデューサー」

P「あ、ああ、おかえり、透」

透「また今度、ね」

P「すまん。頼む」

透「……」

透「帰るね」

円香「では、私もこれで」

雛菜「やは〜私も透先輩と帰る〜」

雛菜「あれ〜? 小糸ちゃんは帰らないの〜?」

小糸「う、うん! わたしは用事があるから、ここに残るね」

雛菜「そっか〜、じゃあね〜。ばいば〜い」フリフリ

小糸「みんな! ……ま、まま、またね!」

透「別件……」ボソッ

小糸「透ちゃん……?」

透「ううん。なんでもない。帰ろ」

雛菜「うん〜〜〜〜???」

円香「……」


P(――という感じで、今に至る)

P(今は、事務所には俺と小糸の2人だけだ。はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(さて……)

小糸「プロデューサーさん!」

P「うぉわっ!」

小糸「ぴゃぅ!! ご、ごめんなさい。驚きましたか?」

P「いや……大丈夫」

小糸「それで……あの……」

P「そうだ、話があるんだよな」

P「遠慮せずに言ってくれ」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:28:41.23 ID:fxOGDdjq0
P「え? 俺のオフ?」

小糸「は、はいっ。次はいつなのかなって」

P(小糸の相談……なんだよな?)

P「次の日曜とかは休みだけど」

小糸「それなら……」

小糸「わ、わわ、わたしと……!」

小糸「でっ、で、で……」

P「?」

小糸「でー、……」

小糸「……っ」

小糸「はぁ」

小糸「……一緒に、次のお仕事の下見に行って欲しいなって」

P「そういえば、今度街歩き系の番組に小糸1人でゲストとして呼ばれてたよな」

P(小糸にいろいろと餌付けしたら視聴者が癒される映像を流せる――ってのが制作側の魂胆ではあるが、これは黙っておこう)

P「確かにそろそろ収録の時期ではある」

小糸「ごめんなさい。迷惑ですよね」

小糸「プロデューサーさんだって、疲れてるのに」

小糸「連れ回すようなこと……」

P「いや、迷惑なんてことはないぞ」

P「小糸が仕事に対して真剣になっていると実感できて俺は嬉しいよ」

P「あ、いままでが真剣にやってきてなかったってわけじゃないからな」

P「改めてそう思ったってことだ」

小糸「は、はい……あ、いえ!」

小糸「このくらい余裕だし当然のことです! 私はプロなんですよ!」

P「はは、いつもだって人一倍努力して頑張ってるのに、小糸は偉いな」

P「よし、そういうことならこの俺が、全力で小糸に同伴しよう!」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:30:51.33 ID:fxOGDdjq0
(選択肢の前ですが多忙と眠気につき一旦ここまで)
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/19(日) 02:01:31.92 ID:SsV7dn+ho
おつおつゆっくりおやすみ
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 01:55:03.43 ID:Mf3ovw750
数日後。

〜ロケ予定地〜

P「田舎ではあるけど、ほどよく活気があって、いい街だな」

P「番組で回る予定のコースでいけばいいか?」

小糸「は、はい! それでお願いします」

P「よし、じゃあ、せっかくだし楽しもうな」

小糸「っ! そ、それはそうですね……!」


〜街の某食堂〜

P「ここ、創業60年以上の食堂だってよ」

小糸「ろ、60年……!」

P「俺が生まれる何十年も前だ」

小糸「想像つかないですね」

小糸「あ、プロデューサーさんは、何を頼むんですか?」

P「そうだなぁ。俺はガッツリいきたいし、このカツカレーにしようかな」

小糸「いいですね! おいしそうです」

小糸「うぅん……、でも量が多いです」

P「ははっ、確かにな。俺が腹いっぱいになるくらいの量だ」

小糸「今日は暑いので、わたしはこのおそばにしますね!」

P「おっ、いいね。涼しげだ」

小糸「カツカレーも魅力的だったんですけどね……えへへ」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:05:44.91 ID:Mf3ovw750
店員「はい、こちらカツカレーになります」

P「おうふ……空腹にトドメを刺された……」

店員「ふふ……、あ、はい、こちら、くるみそばですね」

小糸「あ、ありがとうございます」

小糸「わぁ……おいしそう」

P「じゃあさっそく」

P・小糸「「いただきます」」


P(小糸はうまそうにそばを食ってはいるが……)

P(チラチラと俺のカツカレーに熱い視線をよこしてるな)

P「……少し食べるか?」

小糸「ぴゃ!? い、いえ! プロデューサーさんのですし、そんな悪いですよ!」

P「でも、さっきから見てただろ?」

小糸「うぅ……ば、ばれてたんですか」

P「バレバレだったな」

P「いいよ、結構量あるし、全部食うのはしんどくても、シェアするくらいならちょうどいいんじゃないか?」

小糸「で、でも……」

P「まあ、無理にとは言わないけど」

小糸「そうじゃなくて……ですね」

小糸「プロデューサーさんからもらうと、その……」

小糸「か、かかか――」

小糸「――間接キスに……! ……なっちゃいます///」

P「あ、はは、そ、それもそうだな……」

P(なんかこっちまで照れてくるな)

P「そういうことなら、このカレーは俺が全部食うよ」

小糸「待ってください……!」

小糸「い、いやだなんて……その、言ってませんよ」

小糸「ください……プロデューサーさんのが食べたいです」

P「お、おう……ほれ、あーん」

小糸「あむっ」パクッ

小糸「! お、おいしい……!」

小糸「も、もっとください!」

P「ほい」

小糸 ハムッ

小糸「〜〜〜!」

P(癒されるな……これは)

P(いい番組になりそうだ)

P(なにより、小糸が幸せそうなのがいい)

P(この笑顔は、守りたいな)
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:22:21.45 ID:Mf3ovw750
小糸「じゃあ、わたしからも、はいっ!」

小糸「お返しです!」ニパッ

P「お、あぁ……ありがとう」

P(そばはビジュアル的にあーんの難易度が高そうだが)

P(……なんとかなったな)チュル

P「甘みと塩気が香りとともに引き立てられている……うまいな、これ」

小糸「えへへ……プロデューサーさんが食レポを始めてしまいました」

P「えぇ? いやいや、そんな大したことないって」

P(そうか、そうだったな)

P(これ、仕事の下見に来てるんだった)

P(でも……なんだかそういうの抜きで)

P(楽しいんだよな)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:42:13.68 ID:Mf3ovw750
P(その後も、小糸とロケ地となる店や施設を回った)

P(もちろん、仕事の準備として来てはいるが)

P(それとは別に、純粋に小糸との時間が楽しかった)

P(そして、楽しい時間というのは、早く過ぎるものだ)


小糸「これで全部……ですね」

P「そうだな。結構楽しかったな」

小糸「! は、はい! わたしも……楽しかったです」

小糸「あっという間でした」

P「はは、奇遇だな、俺もだ」

小糸「……お、お仕事の」

小糸「下見で来ましたけど」

小糸「……っ、わ、わたしは!」

小糸「プロデューサーさんとの、このお出かけを」

小糸「でっ、で、で……」

P「?」

小糸「でー、……」

小糸「……ふぅ。っ――」

小糸「――デートだって、思いました!」

P「小糸……」

小糸「えへへ、言えちゃいました」

小糸「最後の最後で出した勇気です」ポロ

小糸「あ、あれ……」ツー

小糸「わたし……」ポロポロ

小糸「なんで、泣いてるんだろ」

小糸「ご、ごめんなさい。今日の私、なんだか変ですね!」

小糸「帰りましょう……もう暗くなってきましたし」

P「……小糸!」

小糸「ぴゃ!? な、なな、なんですか?」

P「また行こう」

P「また、俺は小糸とデートがしたい!」

P「ははっ、こんなこと、俺みたいな歳のやつが言うのは変だろうけどな」

P「さ、さあ! 車に乗ってくれ。小糸の言うとおりもう暗く――」

ギュッ

P「――なって……」

小糸「えへへ……私もそう思います」

小糸「プロデューサーさんと、もっと一緒にいたいです」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:48:43.81 ID:Mf3ovw750
数年後。

P(noctchillは、グループとしての活動を継続しているものの、高校卒業を期に各々がソロで動くことが増えていった)

P(皆、大学に進学した)

P(特に、小糸は芸能活動と勉強を両立して、都内の有名な大学に進学できた)

P(いまは、クイズ番組に出ないことはないくらいの、インテリ系アイドルとして、小糸はテレビに出演している)

P(そして……)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:59:30.11 ID:Mf3ovw750
〜283プロ・カリフォルニア支部〜

小糸「ぴゃぅ!? た、高すぎますよこれ!」

P「ガラス張りの超高層ビルのオフィス……なんだか落ち着かないな」

P(俺は、アメリカの大学院に進学することになった小糸と、社長が新たに設けた海外支部を見に来ていた)

P(いまはエンターテイメントもオンラインの時代だからといって、IT業界で知らない者はいないシリコンバレーのあるこの地に居を構えたらしいが……)

P「あの社長、実はこういうのに憧れてたんじゃ……」

小糸「わたしがこっちに来たら、ここでお仕事を続けるんですよね」

P「ああ、しばらくは現地のテレビ番組やショーにコンスタントに出つつ、平行して動画配信サイトで知名度を上げていく方針だ」

P「もちろん、小糸の勉強に支障のないように配慮はするからな」

小糸「あ、はい。ありがとうございます」

小糸「でも、わたしが気になるのはそこじゃなくて……」ボソボソ

P「?」

小糸「だ、だって……! わたしがアメリカに来ちゃったら、もうプロデューサーさんとは……」

P「ああ、そのことなら気にしなくていいぞ」

P「ほら、これが俺の新しい名刺だ」

小糸「……! これって」

P「そうだ。今日から俺は――」

P「小糸担当、小糸専属のプロデューサーだ」

P「だから、俺も小糸と同じ時期からアメリカ暮らしさ」

P「うちの事務所も最近人員補填をしてな。noctchillのプロデューサーははづきさんが引き継いでくれるから心配しなくていいぞ」

小糸 パァァ

P(あ、嬉しそう)

小糸「に、にやけてなんてませんよ!」

P「別に言ってないが……」

小糸「でも……良かった」

小糸「これからもよろしくお願いしますね! プロデューサーさん!」


END.
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 03:00:18.15 ID:Mf3ovw750
福丸小糸のエンディングが1つクリアされました。

市川雛菜に関するエンディングに行くための条件のクリア状況には変化が起こりませんでした(条件は残り1つ)。

冒頭に戻ります。
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 03:00:50.36 ID:Mf3ovw750
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!(既読)
3. 路地を歩けば涼しいかな……?(既読)

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 04:27:11.98 ID:k5msxqYDO
1



誰か既読で、別ルートへの未読とか調べてないかな
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 07:40:29.10 ID:ctIzZ9TQo
1
おつ!
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 00:52:27.05 ID:qRX3ud1y0
〜駅前のコンビニ〜

P「ふぃ〜〜〜」

P(き、キンキンに冷えてやがるっ・・・・・・・・!)

P(コンビニは都会の避暑地だよなぁ)

P(まあ、長居すると体調が悪くなりそうな、それくらいの寒さだ)

P(さて……飲み物飲み物っと……)

「ふふっ」

P「あ」

透「待ってた」

透「プロデューサー」

P「透もコンビニに来てたのか」

透「うん。飲み物、買いたくてさ」

P「奇遇だな。俺もなんだよ」

P「……ん? いや、さっき待ってたって言ったか? 透」

透「言った」

透「プロデューサーがここに来ると思ったから」

P「はは、そうか」

透「気が合うね。私たち」

P「だな」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:02:34.93 ID:qRX3ud1y0
P「よし、特茶……君に決めた!」パシッ

透「おじさんくさいね」

P「健康を大切にしてると言ってくれ」

P「こんな暑い日には、なんか燃える気がするんだよ」

透「燃えるの?」

P「ああ、脂肪とかな」

透「ふふっ、なんかプロデューサー、車みたい」

P「車?」

透「だって、油燃やして動いてるじゃん」

P「いや、どちらかと言えば動いてるから油が燃えてる感じなんだがな」

P「……透は何を買うんだ?」

透「私はね、これ」

P「アイスコーヒー?」

透「アイドルデビューの次は、コーヒーデビュー」

P「コーヒーなら事務所で淹れてやるのに」

透「熱いの、苦手なんだ」

P「あ……だから、アイスコーヒーなのか」

透「そういうこと」

P「よし、じゃあ買うか」

透「……」

P「どうした?」

透「奢って」

P「……まさか」

透「そ」

透「財布、ないから」

P「前科持ちじゃねーか」

P「それとも、キャッシュレスデビューもしたっていうのか?」

透「んー、そういうのはよくわかんないや」

P「はあ……」

P「まあ、奢ってやるけどさ」

P「渡せよ。買ってくる」

透「ありがと」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:06:43.45 ID:qRX3ud1y0
P「ほれ、望みの品だ」

透「どうも」

P「お前……俺がコンビニ来なかったらどうするつもりだったんだよ」

透「え? 言ったじゃん」

透「待ってたって」

P「……マジかよ」

透「プロデューサーを信じてたから」

透「こういう一途なのって、どう?」

P「……切ない、か?」

透「えー、そうなるの?」

P「いや、わからんが……」

P「最初からたかるつもりってことだろ」

透「イェーイ」

透「あ、「僕はキメ顔でそう言った」って付け加えとく?」

P「怒られそうだからやめとけ」

透「僕……」ボソッ

P「透?」

透「ううん。なんでもない」

透「行こ」

P「ああ」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:10:55.27 ID:qRX3ud1y0
〜事務所〜

P「おはようございます」

透「ふふっ、……私が来た」

小糸「あ、おはようございますっ! プロデューサーさんに、透ちゃん!」

円香「おはよう、小糸」

円香「それに……」

円香「……ハァ」

P「さすがにひどくないか?」

円香「まだ何も言ってませんが」

P「言わずとも伝わることってあるんだぞ」

円香「そういう高度なコミュニケーションもとれたんですね。覚えておきます」

P「はいはい。よろしくな」

雛菜「ふわ〜〜、ちょっと寝ちゃってた〜〜〜〜」ムクッ

雛菜「あ! プロデューサーだ〜。おはよ〜」

P「おはよう、雛菜」

雛菜「目が覚めたらプロデューサーに会えるとか、雛菜しあわせ〜」

P「ありがとな」

雛菜「ん〜〜」ゴシゴシ

雛菜「! プロデューサーのとなりに透先輩だ〜」

雛菜「しあわせ〜」

P「……雛菜」

雛菜「な〜に〜?」

P「その、しあわせ〜、に、だな〜、ってつけて言ってみてくれ」

雛菜「しあわせだな〜」

P「……くくっ、よしっ」グッ

透「あ、なんだっけ、それ」

P「若大将だよ」

透「それそれ」

P「よく知ってたな」

P「……さてっ、特茶飲んで仕事すっか」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:13:48.84 ID:qRX3ud1y0
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」

透「そんなとこ。ふふっ」

透「いまいいところなんだ。勝てるかも」

P「なんのゲームか気になるな」

雛菜「マリカ〜」

P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」

透「……まだまだわからない」

P「ははっ、白熱してるな」

P「ゲームか……久しくやってないな……」

P「……」

P「……仕事すっか」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:16:12.22 ID:qRX3ud1y0
数時間後

P(今日のnoctchillはレッスン漬けだったよな)

P(あいつらのことだから心配しなくてもいいかもしれないけど……)


1.まあでも、様子を見に行くか!
2.仕事で疲れたし昼寝でもしよう。(既読)
3.休憩がてらはづきさんと話すか。

選択肢↓1
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 01:24:36.10 ID:Ka1A1zjAo
1
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