邪神ちゃん「100日後に死ぬヘビ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:19:54.18 ID:OoTzgBfJ0
※注意 神保町哀歌ばりに長いです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1593865194
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:25:47.78 ID:OoTzgBfJ0
〜1日目〜



・花園家


邪神ちゃん「いやぁ〜、今日と明日はゆりねが出掛けてるからゆっくり羽が伸ばせますの〜♪」

メデューサ「邪神ちゃん、ダラけすぎ。お行儀悪いよ」

ミノス「別にゆりねちゃんが居る時だって好き放題やってるじゃんかよ」

邪神ちゃん「お前みたいな単細胞には分からんだろうがな、誰かと同居するってのは何かと気を遣うものなんだよ」

ミノス「なんだよぉ、同居ならあたしだってしてるぜ? ペルちゃんと」

邪神ちゃん「……二世、お前こいつと一緒に住んでて何も問題ねーんですの?」

ペルちゃん「えっ」

ペルちゃん「だ、大丈夫だよ? ミノスお姉ちゃん、私に体力が付くようにっていつも協力してくれるし……」

ミノス「だよなー♪」

ペルちゃん(時々その特訓がハード過ぎるのが難点だけど……)

邪神ちゃん「ふーん」

メデューサ「健康は大事だものね」


単眼ちゃん「ご歓談中にお邪魔いたします」ガチャ


邪神ちゃん「おお! 単眼ちゃんが来たという事は、また私のレベルが上がったんだな?」

単眼ちゃん「いえ。そうではなく、先日行われた魔界健康診断の結果をお持ちしたのです」

邪神ちゃん「魔界健康診断?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:26:45.25 ID:OoTzgBfJ0
ミノス「そういえば、このあいだ魔界の使者が来てあれこれ検査していったよな」

邪神ちゃん「ああ。そーいやそんな事ありましたの」

単眼ちゃん「はい。邪神ちゃん様、ミノス様、ペルセポネ二世様は人間界で活動しておられるので、検査係を派遣したのです」

単眼ちゃん「さて、それでは早速結果をお伝えします。まずは、ミノス様」

ミノス「おお」

単眼ちゃん「現状なんの問題もありません。きっちり健康管理されているようですし、理想的な状態といえます」

ミノス「はっはっは! それほどでも」

単眼ちゃん「ただし、己の体力を過信しすぎて思わぬケガなどしないよう、充分注意して生活してください」

ミノス「わかったよ。あんがとな」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:27:16.10 ID:OoTzgBfJ0
単眼ちゃん「次に、ペルセポネ二世様」

ペルちゃん「う、うん……」

単眼ちゃん「やはり元々の体質がおありですので、内臓関係や骨密度などにいささかの問題はみられます」

ペルちゃん「そっかぁ。やっぱり……」シュン

単眼ちゃん「ですが、魔界におられた頃の健康状態と比較すれば、めざましい回復をとげています」

ペルちゃん「ほんと!?」パアアァァ

単眼ちゃん「きっと、こちらでの暮らしとミノス様とのトレーニングの成果でしょう」

単眼ちゃん「今の調子で規則正しい生活を続けていけば、完璧な健康体になるのも夢ではありません」

ペルちゃん「わーい♪ 陰で血ヘド吐きながら頑張った甲斐があったよ! ミノスお姉ちゃんありがとう!」

ミノス「いいっていいって」

ミノス「てか、血ヘド吐いてたんだ……知らなかったよ。ゴメン……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:28:41.87 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん「メデューサ、お前は受けてねーんですの? 健康診断」

メデューサ「私は魔界の方で受けてきたよ」

メデューサ「基本的に問題はないんだけど、健康の為にもう少し日光を浴びるようにしなさいって言われちゃった」

邪神ちゃん「お前もしょっちゅう人間界に来るけど、外歩くときは紙袋被らなきゃいけないもんなぁ」

メデューサ「うん。でも、なるべく邪神ちゃんと一緒に居たいから……///」

邪神ちゃん「おいおい、私たちの寿命はまだまだ長いんだぞ?」

邪神ちゃん「100年もして、ゆりねがくたばって魔界に帰った後でだって幾らでも一緒に居られるっしょ」

メデューサ「そうだけどぉ……」


単眼ちゃん「最後に、邪神ちゃん様」

邪神ちゃん「私は別にそんなもんの結果なんて興味ね〜ですの」

単眼ちゃん「残り寿命100日です」

邪神ちゃん「は?」



死まであと99日
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:29:15.35 ID:OoTzgBfJ0
〜2日目〜



邪神ちゃん「───ぷはあっ!?」


メデューサ「あっ! 邪神ちゃん気が付いたの……? よかったぁ……」

邪神ちゃん「あ、あれ……? 私……なにして……?」キョロキョロ

メデューサ「びっくりしたよぉ。邪神ちゃん、健康診断の結果聞いた途端、また塩の柱になっちゃうんだもん……」

邪神ちゃん「健康診断の結果……」

メデューサ「それから丸一日固まったままだったんだよ?」

メデューサ「単眼ちゃんが不吉なこと言うものだから、私てっきり……うっ…ううっ……」ポロポロ

邪神ちゃん「………はっ!? そ、そうでしたの!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:29:54.26 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん「お、おい! 単眼ちゃんはどこに行ったんですの!?」

ミノス「とっくに爆発したよ」

邪神ちゃん「くっふぅ〜…! 言うだけ言って勝手なヤツめぇ……!」

ペルちゃん「単眼ちゃん『は』爆死しても魔界でより上級な悪魔として再生できるんだよね──(遠い目)」

邪神ちゃん「な、なぁ……ちょっと意識が飛んでたから、前後の記憶が定かじゃないんだけどさ……」

邪神ちゃん「なんか……私の残り寿命が……その、100日とか、なんとか……聞いた気が……」

メデューサ「ええっと……」

邪神ちゃん「そ、そんなワケないよな! 私の聞き間違いか! あはははは……」

メデューサ&ミノス&ペル「……」

邪神ちゃん「嘘だろおい……マジ、なのかよ……?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:30:24.22 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん「ま、まぁアレだよな! きっと向こうの検査ミスとかそんなオチだよなっ!」

メデューサ「そ、そうだよ! きっと何かの間違いだよ!」

ミノス「邪神ちゃんが死んじまったら、この物語終わっちゃうって!」

ペルちゃん「邪神ちゃんは殺したって死にそうにないもんね!」

邪神ちゃん「こいつぅ〜☆」

みんな「あはははは…… はは…… はははは……」

邪神ちゃん「──うっ!?」クラクラッ


…バタン!


メデューサ&ミノス&ペル「邪神ちゃん!?」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:31:21.48 ID:OoTzgBfJ0
メデューサ「どうしたの邪神ちゃん! やっぱりどこか苦しいの!?」

邪神ちゃん「な、なんでもない……ちょっと眩暈がしただけですの……」ヨロヨロ

ミノス「おいおい、このタイミングで倒れたりしたらマジで心配するじゃんか」

邪神ちゃん「へへへ……悪ぃ悪ぃ……」

ペルちゃん「んもう! 驚かさないでよ。こっちの寿命が縮んじゃうってば!」

邪神ちゃん(寿命……)ドクン


邪神ちゃん「──うぷっ!?」


メデューサ「邪神ちゃん?」


邪神ちゃん「お……おげえええええええええええええっ……!!」ゲロロロロ


メデューサ「きゃあああああああああああっ!? 邪神ちゃあああああああああん!!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:32:07.85 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん「はぁ…はぁ……ぜぇ…はぁ……」

メデューサ「邪神ちゃん大丈夫!? 背中さすってあげるね……」サスサス

邪神ちゃん(な……なんだよこれ……!? かつてないほどに気分が悪い……)ゼーハー

ミノス「な、なぁペルちゃん……もしかしてこれ、相当ヤバイんじゃ……」

ペルちゃん「う、うん……私も身体弱いから分かるけど、かなりの重症だと思う……」

邪神ちゃん「──!?」

メデューサ「そんな! 縁起でもないこと言わないでよ二人とも!」

ミノス「いや、だってさ……」

邪神ちゃん「……い、いいんだメデューサ」ヨロヨロ

メデューサ「あっ! 無理に立ち上がっちゃダメだよ……」

邪神ちゃん「自分の身体のことは、自分が一番よく分かる……」

邪神ちゃん「こりゃあ、確かに100日後にポックリ逝っても不思議じゃねーですの」クラクラ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:32:46.60 ID:OoTzgBfJ0
メデューサ「そ、そんな悲しいこと言わないで! お医者さんに診てもらおうよ!」

邪神ちゃん「ムダだ……こいつは現代の、それも人間界の医療じゃ手に負えるシロモノじゃなさそうですの……」

ペルちゃん「そ、それってつまり……」

ミノス「健康診断の結果が当たってるってことかよ……!」

邪神ちゃん「ま、そーいうこったな……」

メデューサ「そ、そんなワケないっ! 邪神ちゃんは絶対に死んだりなんかしないもんっ!」

邪神ちゃん「おいおい、私だって別に不死の存在ってワケじゃないんだ。いずれは死ぬ運命(さだめ)──」

邪神ちゃん「ただ、その時が皆よりちょっとばかし早く来たってだけの事ですの」ニコ

メデューサ「うっ…ううっ……ぐすっ……そんなのやだよぉ……! 邪神ちゃん……死なないでぇ……!」ポロポロ


邪神ちゃん「……おっと。それはそうと、もうこんな時間か」

邪神ちゃん「悪いけどお前ら、そろそろ帰ってくれ」


メデューサ「えっ?」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:33:31.42 ID:OoTzgBfJ0
ミノス「お、おい! 友達が命の危機だってのにこのまま帰れるワケないだろ!?」

邪神ちゃん「いやぁ、明日にはゆりねが帰ってくるし、散らかした部屋を片付けとかないと殺されちまうからなぁ」

邪神ちゃん「──100日後を待たずに。なんつってww」ニヘラ

ペルちゃん「……やめてよ。全然笑えない」

メデューサ「お片付けなら私達も手伝うし、一緒に居ようよ」

邪神ちゃん「いいんだ……1人にしてくれ……」

メデューサ「そ、そんな事できないよ。ゆりねさんが戻ってくるまで皆で楽しく過ごそ。ねっ?」

ミノス「おっ、いいなそれ。あたし達も明日はちょうど配達のバイト休みだし」

ペルちゃん「徹夜でゲーム大会やろうよ♪」

邪神ちゃん「いいから! とっとと出てってくれ!!」

メデューサ「邪神ちゃん……」ウルウル

邪神ちゃん「あっ……」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:34:19.51 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん「ど、怒鳴ったりして悪かったですの……」

メデューサ「ううん。私の方こそ勝手なこと言ってゴメン。それじゃ、帰るね」

メデューサ「でも私、今日はミノスの所に泊めてもらう事にするから。いいかな、ミノス?」

ミノス「ああ、構わないぜ。邪神ちゃんも何かあったらすぐ訪ねてこいよ。隣の部屋なんだからさ」

ペルちゃん「私も話し相手になるよ。年上だからって変な意地張らなくていいんだからね」

邪神ちゃん「……すまないな。なんか、色々と」

メデューサ「いいよ。お友達だもん。こういう時こそ頼って貰えたら嬉しいよ」

邪神ちゃん「ならさ、お前らに頼みたい事があるんですの」

メデューサ「なぁに? なんでも言って?」


邪神ちゃん「──このこと、ゆりねには絶対に言うなよ」

メデューサ&ミノス&ペル「えっ」



死まであと98日
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:34:48.19 ID:OoTzgBfJ0
〜3日目〜 



悪魔A「アメリカの精神科医、キューブラ・ロスによれば、死の受容には五段階のプロセスがあるという」

悪魔A「第1段階《否認》 死にゆく事実を突きつけられた者は、まずその事実を否定しようとする」

悪魔A「第2段階《怒り》 自分の死に理不尽を感じ『なぜ自分が』『他に生きる価値のない者もいるのに』と激しい怒りを抱く」

悪魔A「第3段階《取引》 『善行を積むのでどうか延命させて欲しい』など、死を遠ざける為の取引として、神仏にすがりだす」

悪魔A「第4段階《抑うつ》 その取引も無駄と悟り、絶望と虚無感にとらわれる」

悪魔A「第5段階《受容》 死を拒絶したり回避する事を諦め、それが自然の摂理なのだと受け入れる心構えができる」


悪魔A「……ここに、死を宣告され、神保町をあてどもなく彷徨う哀れなヘビが一匹」

悪魔A「彼女の辿る死へのプロセスは、果たして──」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:35:32.44 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん(家に居るのがなんとなく落ち着かなくて、神保町をブラタモリ中ですの)

邪神ちゃん(いったい何時間こうして徘徊してるんだっけ?)

邪神ちゃん(昨日、メデューサ達を帰してすぐ私もアパートを出たからな……)


・回想


メデューサ『ゆりねさんには言うなって……どうして……?』

邪神ちゃん『どうしてもこうしてもない。言うなったら言うな』

ミノス『なぁ、これってかなり深刻な問題なんだぜ?』

ミノス『ゆりねちゃんには散々世話になってるだろ。きちんと伝えなきゃダメだって』

邪神ちゃん『へ〜ん! 世話になんかなってねーですのっ!』プイ
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:36:39.22 ID:OoTzgBfJ0
ペルちゃん『また意味不明な強がりして……さっき意地なんか張らなくていいって言ってあげたばかりなのに』

邪神ちゃん『うっせえ! お前はいちいち言うことが生意気なんだよっ!』

ペルちゃん『ひっど〜い! 邪神ちゃんが心配だから言ってるのに!』

邪神ちゃん『だからそれが生意気なんだよっ! ガキの分際で人様の心配なんざ100年はえーんですの!』

メデューサ『け、喧嘩はやめてよぉ……こんな時に……』オロオロ

邪神ちゃん『……とにかく、ゆりねには絶対に知られたくねーんだ』

邪神ちゃん『強がりとかそんなんじゃない。なんか……よく分かんないけど、なんか無性にイヤなんだよっ……!』

メデューサ『邪神ちゃん……』

邪神ちゃん『特にメデューサ! お前が一番言いそうなんだからなっ! 絶対に言うなよ! 言ったら絶交だかんなっ!』



邪神ちゃん「……ゆりね、とっくに帰ってきてるだろうなぁ」

邪神ちゃん「書置きもせず出てきちゃった。おまけにスマホも忘れてるし……」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:37:21.65 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん(んで、昨日から何百回も考えている事だが……)

邪神ちゃん(本当に私、100日後に死んじまうんですの……?)

邪神ちゃん(いや、正確にはもう残り97日しかない……)

邪神ちゃん(だいたい深夜アニメ1クール分の命……)ドクン


邪神ちゃん「──うぷっ!?」

邪神ちゃん「おげえええええええっ……!」ゲロロビチャビチャ


通行人A「うわあっ!?」

通行人B「きったねえ!!」


邪神ちゃん「う゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛…… まただ……またやっちまった……」ゼーハー

邪神ちゃん(この凄まじい動悸と吐き気が、単眼ちゃんの予告が嘘ではない事を否が応にも突きつけてくる……!)
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:38:02.08 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん「昨日はメデューサ達の前でカッコつけて余裕ぶっちゃったけど……」

邪神ちゃん「怖ええええええよおおおおおおおおおお!! まだ死にたくねえよおおおおおおおおおお!!」ジタバタ

邪神ちゃん「ううっ……不安で不安でたまらない……誰かにそばにいて欲しい……」

邪神ちゃん「パパぁ……ママぁ……先生ぇ……」シクシク

邪神ちゃん「会いたい……! 死ぬならせめて、魔界で待ってる皆に会ってから死にたいですの……」

邪神ちゃん「い、いやダメだ。弱気になるな……! まだ何かの手違いである可能性だってゼロじゃない!」

邪神ちゃん「そう! 魔界役所に電話で問い合わせてみれば分かることですの!」

邪神ちゃん(でも……もしそれで間違いないって確定しちゃったら……)

邪神ちゃん(でもでも! 真実を恐れていてはいつまで経っても前に進めませんの!)


邪神ちゃん「はぁ……! はぁ……! か、かけるぞ……!」ドクドク

邪神ちゃん「………」ドックンドックン!

邪神ちゃん「……」ドックンドックンドックン!


邪神ちゃん「って、スマホ忘れてきてるんでしたの♪」ホッ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:38:31.30 ID:OoTzgBfJ0
邪神ちゃん「ああ、よかった♪」

邪神ちゃん「って、全然よくねーけどwwwwww んもう、私ったらうっかりさんですのぉwwwwww」

邪神ちゃん「スマホがないんじゃしょうがねーよなぁwwwwww 確認は帰ってからにしますの〜wwwwww」

邪神ちゃん「てか、別に今日じゃなく明日でもいっか。連絡なんていつでもできるし」

邪神ちゃん「あ〜、なんかすっげえ疲れましたの……緊張の糸が切れたのかな……」


邪神ちゃん「うぷっ!?」

邪神ちゃん「うおぼろええええええええぇぇぇぇぇ……」ゲロゲロゲロ


通行人A「うわあああっ!? またかよこのヘビっ!!」

通行人B「このご時世に何考えてんだ!!」


邪神ちゃん「はぁ…はぁ……ぜぇ…はぁ……」

邪神ちゃん(大丈夫だ大丈夫だダイジョウブだ……! この私が死ぬワケない……!)ガタガタ


邪神ちゃん「……帰ろ」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:38:59.64 ID:OoTzgBfJ0
・再び花園家


邪神ちゃん「……ただいまですの」ガチャ

邪神ちゃん「──!?」


ボッゴォ!!


邪神ちゃん「ごっふうううぅぅぅ!?」

ゆりね「……おかえりなさい。邪神ちゃん」


邪神ちゃん「痛ってえなぁーっ! 何なんだよいきなりっ!?」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/04(土) 21:39:31.96 ID:OoTzgBfJ0
ゆりね「何なんだはこっちの台詞よ。用事から戻ったらあんた居ないし、いつまで待っても帰ってこないし」

ゆりね「なに? 二日も家を空けてた私への当てつけってワケ?」

邪神ちゃん「そ、そんなんじゃねーし!」

邪神ちゃん「ただちょっと……外の空気が吸いたくて……」ゴニョゴニョ

ゆりね「それにどれだけ時間かけてるのよお馬鹿。連絡も寄越さないで」

邪神ちゃん「スマホ持ってくの忘れてたんだよ! てか、そんな事でいちいち暴力振るうなよ! もっと私を労われ!」

ゆりね「はぁ……? なんで私があんたなんか労わらないといけないのよ」

邪神ちゃん「お、お前なぁ! 私はもうすぐ──」
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