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男「綾鷹を選ぶ者」
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53 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:45:29.58 ID:uMTTeTyH0
友(♀)「えっと、じゃあ突然だけど自己紹介します!」
男「友さんですよね。よく姉さんが話をするので…」
友「あれっ?知ってたの?」キョトン
男(…飽くまでこっちは、一人の友人としての貴女しか知らなかったんですけどね……)
姉「友さんは私の中では親友クラスを突破していますから。家族に話していいという判定になりました」
友「何それぇ!普通に話してくれてもいいのに!」
姉「私の中で家族に話す、という事はつまり、婚姻を結ぶか否かを決めるくらいの重大さなので…」
男「重っ…!?姉さんの中の友さんどうなってんの!?」
姉「聞きたいですか?」
友「い、いいよ!今はやめて!やるならあたしが居ないところでやって!!」
姉「……そうですか」ムスッ
54 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:45:55.86 ID:uMTTeTyH0
男「……で、どうして友さんがここに?」
姉「それはですね。弟君が意外にも深手を負わされて長い間気絶していたからです」
友「あたし、こう見えて治癒の聖なる光が使えるんだ〜!それだけじゃないけどね!!」フンス
姉「えらいです。撫でてあげます」ナデナデ
友「あっ!……えへへ…」
男「えっ………あ……。ありがとう、ございます…」
男(そういえばパワー系に吹き飛ばされたんだっけ)
姉「……あの程度の相手に出し抜かれるとは。明日は私が直々に稽古をつけますから、準備しておいてください」
男「」
友「……ワンツーマン……」
姉「貴女も来ますか?」
友「いっ!?いや、あたしは明日用事あるかな〜って…」
姉「……そうですか…」ムスッ
友「あぁっ!やっぱり予定消えた!消え失せた!!薄まって消えた!!!」
男「なんだそりゃ…」
姉「ならば、貴女も明日稽古ですね」ニコニコ
友「……あ、あたしは見学とか…」
姉「え?」
友「すみませんでした」
55 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:46:23.23 ID:uMTTeTyH0
?「…あれ、そいつ起きたのか。あんたの妹だけあるな」
男「え…?妹…!?」
姉「不良さん。彼は弟です。いくら華奢だからって、性別を間違えないであげてください」
不良(♀)「えっ、そうだったのか?なんだよ。髪長いからわかんなかった」
男「…なんだ……間違えただけか…」
男(妹も回復してるのかと思った)
姉「しっかりしてください」
不良「悪い悪い!…でも、あんたら本当に面白いな」
姉「…?というと?」
不良「男みたいな腕力に女みたいな弟!デコボコじゃん!あははは!」
男「ちょっそんな事言ったら…」
姉「」
男「……って効果抜群!?ここまで効いてる姉さん始めてみたぁ…っ!!」
友「なはは…」
友「あの子もね、あたしの…、いや。君のお姉さんの友達なんだよ!」
不良「私は友達っつーか、仲間?コンビ?みたいな感じだけどな」
友「こ、コンビは譲るけどペアは譲らないからね!!」
不良「へーへー。奪うつもりはねぇよ」
姉「………腕の筋肉削ぎ落としましょうか……」ボソッ
男「姉さん!?」
56 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:46:56.08 ID:uMTTeTyH0
友「本当はあと一人、居る筈なんだけど…」
男「あの帽子の人ですよね」
友「あれ?知ってるの?」キョトン
男「昨日、病院で倒れてたので……」
不良「……あー!お前、あんときの厨房か!気が付かなかったぜ!」
男「いえ、気にしないでください。あれはなんというか…妹も悪かったんで…」
友「似たもの同士って感じだよね」
姉「ん、妹と馬鹿丸出しを比べないで頂きたい」
男「と、友達を馬鹿丸出し扱いって……」
不良「……お前、ナチュラルに酷いよな…」
不良「まぁそのなんだ。あんときのお詫びにこれやるよ」スッ
男「これは…綾鷹?」
不良「ラベルはな。中身は午後の紅茶さ」
男「…!ありがとうございます!俺、午後ティー好きなんですよね!」
不良「へぇ!センスいいじゃねぇか!綾鷹馬鹿とは違うな!」
姉「……………」ムスッ
友「お、抑えて抑えて〜!」ギュッ
57 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:47:46.85 ID:uMTTeTyH0
男「…それにしても、姉さんが友達をこんなに呼ぶなんて、始めてじゃない?」
姉「…………そうですね」ウツムキ
不良「えっそうなのか?」
男「俺の記憶だと…」
姉「…あ、あの。あまりその話はしないで頂けると助かります」
男「えっ、わかったよ…」
友「あれ?でも普通に友達沢山居るよね。確か。なんで?」
姉「……その…………」
姉「…友さん達は、特別なので……」
友「……〜っ!!顔、顔見せて!今絶対照れてるでしょ!」
姉「なっ!やめてください友さん!ちょっ…///」
友「やっぱりだ〜!!」ギュッ
不良「…特別……か…」
男「………なんか、人の事なのに俺まで嬉しいな…」ニコニコ
不良「え?」
男「いや、姉さんって基本完璧人間じゃないですか。家族でも完璧だから、愚痴を言ったりとか、誰かを頼ったりしないんです」
男「…だから、嬉しくて…」
不良「……あいつはまだ、誰かを頼ってるって感じじゃないけどな」
男「えっ?」
不良「いや、なんでもねぇよ」ブーッ ブーッ
不良「っとあいつから電話だ」スッ
男「…マナーモードなんすね…」
不良「授業中に鳴ったら迷惑だしな…」
58 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:48:17.21 ID:uMTTeTyH0
ガララッ!!
パリン
男「な、なんだぁ!?」
姉「…はぁ……」
ダッ
魔法使い「もしもし不良!?今何処に居るの!??大変な事が起きたわよ!!いい!すぐに合流しましょう!」
魔法使い「私様は今、ようやくあいつの家に辿り着いたわ!玄関がわからないから窓を突き破ったけどね!!」
魔法使い「ふふんっ!私様の心配はしなくて結構!朝から走り回ってるけど今だに息切れの一つもしていないわ!」
魔法使い「なんせ!魔法使いだもん!」フンス
不良「……おー。…そーか……」
魔法使い「ふっ、不良!?どうなってるの!?今、目の前に不良がもう一人居るわ!!」
魔法使い「これはまさか、幻術系の能力者!?くっ…!私様の才能はここまで妬まれるのか…」ツルッ
男「あ……」
魔法使い「ぎゃふっ!!」グシャッ ザクッ
男「自分で割った窓の破片に自分で突っ込んでいった…」
魔法使い「あえっ」バタッ
男「…そのまま気絶した……」
59 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:48:59.20 ID:uMTTeTyH0
男「って!流血してるじゃないですか!大丈夫なんすかこの人!!」
不良「平気だろ。ほっといても」
友「なはははは…」
姉「我が家のほうが大事です。窓を割られてしまいましたから…」
男「それもそっか……」
男「いや大事だけどさ!この人、友達じゃないんですかぁっ!?」
不良「そいつ来週には復活するタイプのキャラだから…」
男「毎週死ぬポジション!?どんだけ扱い雑なんだよ…」
不良「ま、でも大変な事があったとか言ってるからな。一応聞いてやるか」スッ
不良「起きろー」ペチンッ
魔法使い「はえぇ…」シトッ
不良「おわっ!?こいつ汗だらけじゃん汚ねー!!」
友「拭いてあげよっか…」
姉「綾鷹かけるだけで大丈夫ですよ」ビシャッ
男「…本当に扱いひっでぇな……」
魔法使い「ん…なに?なにがあったの…?」ムクッ
男「あんたもそれでいいのか」
60 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:49:35.33 ID:uMTTeTyH0
魔法使い「んくっ…んくっ……」グビグビ
姉「貴女の良いところは無駄に作ってしまった綾鷹の処理が出来ることですね」
魔法使い「んくっ…んくくっ…」グビグビ
チャリンッ
姉「お金も帰ってくるし良いことづくめです」
魔法使い「…ぷはぁっ!ありがとう!生き返ったわ!!あんた、私様が大賢者になった暁には…」
不良「いいからさっさと何があったのか話せ」ブンッ
魔法使い「はわぁっ!!」ゴツン
魔法使い「いてて…不良は酷すぎるわよ……」ウルウル
男「…おでこ大丈夫ですか…?バンドエイドいります…?」
魔法使い「!ありがとう!貰っとくわ!!」
魔法使い「それでね!大変な事があったの!!」ペタペタ
男(おでこを怪我してんのに腕に貼るのか……)
不良「おう。何があったよ」
魔法使い「えっとね、大変な事!!」
友「……?何があったの?もっと詳しく!」
魔法使い「病院が襲撃されて、あの小娘が持ってかれちゃったの!」
姉「…!」
61 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:50:04.84 ID:uMTTeTyH0
男「妹がッ!?何処に攫われたんですか!!」ガシッ
魔法使い「はわっ!!」
魔法使い(お、男の子がこんなに近いのは始めてかもしれないわね…)
魔法使い(…こいつ結構いい顔してるじゃない…。あれの弟だし当然か…)
魔法使い(バンドエイドくれるし…唯一優しいし…なんだか……)
姉「早く教えてください!魔法使いさん!」ガシッ
魔法使い「あばばばばば教え、教えるから!頭潰さないで!!死ぬ!死んじゃうから!!」ミシミシ
不良「こんだけ耐久力高いならマジで前衛やればいいのに…お前…」
友「なんだかんだすぐ気絶するし役立つだよ!」ニコッ
不良「笑いながら酷ぇ」
魔法使い「えっとね、こっちよ!着いてきて!!」ダッ
姉「はいッ!!」ダッ!!
魔法使い「ちょっ足早すぎでしょ!?」
62 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:50:47.84 ID:uMTTeTyH0
魔法の屋敷
男「………なんだここ…すっげぇ禍々しい…!」
魔法使い「あっ、わかっちゃった?ここ私様の家なのよね〜♪」
姉「貴女の仕業でしたか!!」ガッ
魔法使い「私様じゃない!私様じゃーないからー!」ミシミシ
不良「なら、どういうこったよ」
魔法使い「歩きながら説明するわ。着いてきて」
友「…………っ」
友「平気だよね、女ちゃん」
姉「………えぇ。何かあれば、私が守ります」
姉「選ばれし者が選んだものを守れなくてどうしましょうか」
友「へへ…っ!それでこそ!」
男「………っ」
男(…今度は、助けるからな…!)
63 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:51:17.55 ID:uMTTeTyH0
魔法使い「……私様の一族は、伝説の勇者の仲間として活躍して、最後は裏切ったとされる魔法使いの末裔なの」
魔法使い「昔はそのせいで非常に落ちぶれていたわ。けど、とある超能力を得てから一気にのし上がったの」
男「…っ」ゴクリ
男(伝説の魔法使いは、たしか勇者の集めた力を使って魔王になったんだよな…)
姉「…その能力とは?」
魔法使い「"魔法使い"。能力を魔法、別の術式として変化させ、一人で大量に使用する事を可能とする能力よ」
友「…!?」
不良「なっ…!なんだそりゃぁ!?そんなことができんなら…!」
魔法使い「えぇ。とても強いわ。…没落貴族からすぐに立て直すことくらい、造作も無かった」
魔法使い「それだけにしておけば良かったんだけどね。…先代は何を考えたか、全ての超能力を収集する事を選んだの」
友「え…?なんで…?沢山あれば、強いから?」
魔法使い「詳しくは知らないけど…なんでも、世界の全ての能力を集めれば世界の全てを知ったことになり、神になれるから…。だとか…」
姉「……なるほど、魔神ですか………」
男「…?」
64 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:51:46.20 ID:uMTTeTyH0
友「……魔神ってなぁに?」
姉「私達のよく知る歴史では、伝説の魔法使いは魔王になったとされています」
姉「この時、伝説の魔法使いは魔王になるのではなく、魔神になりたかったからこういうことをしたとか」
男「…そんなん初めて聞いたよ…」
姉「うちの蔵書にありましたので、確かでしょうね」
魔法使い「…なぜ、先代が貴方達の妹を攫ったのかはわからないけど…。恐らくは収集の一環ね…」
魔法使い「そして、着いたわ。魔力炉よ。あそこに貴方達の妹が居る」
男「…!」
男(妹……!)
魔法使い「…私様はね。それを聞いた時、馬鹿だと思ったわ」
不良「…!」
魔法使い「私様はね"魔法使い"の能力を継いだわ。だけどその思想は継がなかった」
魔法使い「どう考えても馬鹿丸出しだからね」
魔法使い「……さぁ、あの小娘助けて逃げるわよ!先代に見つかる前に!」
友「…うん!」
男「おう!」
姉「…」
不良「…………」
65 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:52:19.26 ID:uMTTeTyH0
不良「…………なァ」ダンッ
男「っ!」
友「…不良ちゃん…?」
不良「……もう案内はいいからよ。そろそろ下手な芝居は終幕といこうや」
魔法使い「え……?何を言ってるの…?」
魔法使い「私様が信じられないの!?折角、友達の為にここまで…!」
姉「…魔法使いさんの一人称は、"僕様"でした。また、私の妹のことは厨房と呼ぶ事が多いのです」
男「…っ!?」
魔法使い?「……………」
魔法使い?「あらら。またバレちゃった」
男「……………そういうことか!」
友「ど、どういうことなの!?」
男「…ストーカー!お前の仕業だな!!」
ストーカー「………ふふっ!うふふふふ!!なんだ!あいつ一人称変えてたんだぁ!!」
66 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:52:48.53 ID:uMTTeTyH0
不良「オイ…魔法使いを何処にやった!」
ストーカー「知らないわよ。馬鹿だからどっか彷徨ってるんじゃないの?」
不良「…くっそ!あいつがスマホなんて使える訳が無い事くらい知ってたのに…!」
姉「…おかしいですね。私はあの時、確かに貴女を気絶させた筈です」
姉「なのに傷一つ無い。…貴女は一体、何者なんです」
ストーカー「選ばれし超能力者」
男「選ばれし…」
友「…超能力者?」
ストーカー「うん!…私はね、ただの能力者じゃないの。能力者の中でも選ばれし、頂点の存在」
ストーカー「私は、この家に生まれた次女。あんたらが魔法使いって呼んでた女の妹よ」
姉「…!」
不良「…妹が居たのかよ!」
ストーカー「ま、妹といってもずっと家出してたんだけどね。けれど、"魔法使い"の能力は継承できた」
ストーカー「ひひひ…。真の意味で選ばれし血族はね。超能力すら平等に継ぐのよ」
ストーカー「勇者とは違ってね」クスッ
男「……っ」
姉「………………………」
不良「…勇者…」
67 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:53:22.58 ID:uMTTeTyH0
ストーカー「…にしても、どこの家も妹は不憫で悲しいわ」
ストーカー「あの子には用は無かったけど、あの子を引っ張ってきたら案の定勇者が全員集合したもの!」
姉「…!くっ…まさか……!」ガシッ
友「え?ちょっ…」
姉「逃げてください!狙いは友さんです!!」
ストーカー「逃がさないよ」ピンッ
男「今の動き俺の…!おわぁ!?」ドカンッ
不良「…!入口が…!」
姉「くっ……!」
ストーカー「長年追い求めた聖なる光と例外運命を逃す訳無いじゃない!!」
ストーカー「それがあれば、全ての能力が手に入る。私に反抗する者が、世界から居なくなる!」
ストーカー「………これでやっと二人きりだね?男君?」ニッコリ
男「……………っ」
68 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:53:50.08 ID:uMTTeTyH0
姉「……私の選ばれた能力は綾鷹でした」
友「…!」
ストーカー「……はい?」
姉「それはつまり。皆に選ばれし綾鷹に、選ばれたという事です」
姉「……そんな私が、貴女に負けるとでも思いましたか?」チャキッ
不良「………その通りだ。そして、私達はこいつに選ばれた仲間」
不良「…覚悟しろ。ぶっ潰してやっから…」ギロッ
ストーカー「ふふ。お姉さん達怖ーい!年上なのに大人気無いね!」
不良「年上だからな。説教してやるよ!!」ドカッ
不良「…っ居ない!?瞬間移動か!?」
友「上だよ!!」
不良「う、上ぇ!?」バッ
69 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:54:20.17 ID:uMTTeTyH0
ストーカー「ふふふ」バッサバッサ
姉「…複数の能力を同時に使いましたか…」
ストーカー「うん!」バッサバッサ
ストーカー「水晶透過【クリスタルガイザー】。真に純粋な水は何者も受け付けない透明な色になれるの!」バッサバッサ
ストーカー「そして飛翔【レッドブル】。翼を授ける…のは、言わずもがなだよね?」バッサバッサ
男「くっ…なんでもありかよ…!」
ストーカー「まだまだいくよ!次はこれ、ドギツい緑色!」スッ
モコモコモコ…
不良「なっ、なんだ!?地面からなんか生えてくるぞ…!?」
姉「…!これは、魔物!?」
友「魔物って…!古に絶滅したんじゃ…!」
ストーカー「絶滅したなら作ればいいのよ」
ストーカー「この、魔剤【モンスターエナジー】でね!」
「………グオオオオオオオオオオ!!!!!!」
70 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:54:47.89 ID:uMTTeTyH0
不良「くっ…来るぞ!」
姉「………」チラッ
男「姉さん!?なんで棒立ちなんだよ…!?」
友「……OK!あたしに任せちゃってぇ…!」バチバチバチッ
「ギャオオオオオオオオオオオ!??」
男「止めたぁ!?あの光、バリアみたいにできるのか!?」
友「よしっ!」
姉「……お見事です!」ザンッ
「…………………!!!」ズシンッ
不良「…はっ、嘘だろ。あれを一太刀だなんて…!」
不良「私も負けちゃらんねぇ!」ヒュンッ
ストーカー「くっ!?投げた!?」ザクッ
不良「斧だからな。そりゃ投げられるさ!」ヒュンッ
男「……すっげぇ…」ポカーン
71 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:55:17.05 ID:uMTTeTyH0
男(…!妹……!)
男「……俺もぼおっとしていられるかっ!」ダッ
男「おい!妹!!」
妹「…」
男「…相変わらず寝てるか!よっし!」ガバッ
男(……背負ったらこんなに軽かったのか…こいつ…!)
男「…守って、やんなきゃな!」
ストーカー「…行かせない…!」ピンッ
男「…!どわぁ!!」ドカンッ
男「…ってあれ?効いてない…?」
友「っ!」b
男「…!」
ストーカー「…くう…!どいつもこいつも…!」
姉「………今度こそ、証明させて頂きますよ」フッ
ストーカー「…!?あんた、いつの間に…!」
姉「─どちらが、選ばれたものなのか」
ザンッ
72 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:56:03.66 ID:uMTTeTyH0
ストーカー「……」バタッ
男「姉さん!」
姉「大丈夫ですか、怪我は?」
男「俺は平気。だけど妹が!」
友「…!衰弱してる…!あたしに任せて!」
姉「…すみません、友さん。迷惑をかけてしまって……」シュン
友「いいのいいの!いつも助けてもらってるし!」
不良「それに、姉弟のことなら迷惑かけていいってあんたが言ってたんだぜ?」
姉「………それは、そうですが…」フイッ
男「…!姉さん、もしかして照れてる…?」
姉「なっ…!」
友「へっへー!…弟君もわかるようになってきたねぇ♪」
男「はは、それほどでも!」
姉「…………………稽古、覚えといてください」
男「あっ…」
73 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:56:35.58 ID:uMTTeTyH0
ドカーン!
姉「!」
不良「…今度はなんだ!?」
魔法使い「…ぜぇ……ぜぇ……やーっと辿り着いたー!!!」ボタボタ
不良「…なんだよ本物かよ……」
魔法使い「なっ…!?なによその態度!僕様に失礼極まりないわ!!」プンスコ
魔法使い「大体あんたらどこ行ってたのよ!!一日中走り回ることになったじゃない!!」ボタボタ
魔法使い「おかげで…僕様は汗まみれだわ!」ダバーッ
男「…あっ…!?汗の量じゃ無いだろそれ!?滝じゃん!!」
魔法使い「は…?あんた誰よ…」ボタボタ
男「えっ?…あぁ、さっきのはストーカーだったのか。こちらは本物…」
魔法使い「え、あんた今何て言ったの!?もう一度言いなさいよ!!」ガッ
男「うわぁ!汗が!汗が付く!」
魔法使い「美少女の汗なんだからいいでしょ!」ボタボタ
男「やだよ!!!離せ!離れろ!!」
ギャーギャー
友「……ま、何はともあれ、みんな無事で何よりって感じだね!女ちゃん!」
姉「…………」
友「女ちゃん……?」
姉「…………やられました……」
友「…女ちゃん!?」
バタッ
74 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:57:02.80 ID:uMTTeTyH0
男「…!?」
不良「なっ、なんでだよ!?あいつは倒したのに…!?」
友「女ちゃん!女ちゃん!!」
魔法使い「…!!こいつ、ここに居たのね…!」
男「…そういえば、貴女、ストーカーの姉なんですよね」
魔法使い「えぇ!この禁忌破りの、ね!」
不良「禁忌破り…?……おい、お前朝から何してたんだよ」
魔法使い「何って、こいつが例外運命を手に入れないように探してたのよ」
…ゴゴゴゴゴ
男「…例外運命って、なんすか?」
友「女ちゃんの能力!平均160円を使って空から綾鷹を降らせる能力なの!」
男「…あぁ、あれそういうことだったんだ…」
…ゴゴゴゴゴ
75 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:57:33.94 ID:uMTTeTyH0
不良「……おい。もしも、例外運命を手に入れたらどうなるんだ?」
魔法使い「どうなるって、昔封印された魔王の魂が復活するのよ」
友「で、でも私の能力も無いって!」
魔法使い「あー。なんか、綾鷹は剣、聖なる光は鞘の役割を持って分裂しちゃったらしいわよ。二つ合わせて封印の剣!みたいな?」
男「封印の…剣……!?」
不良「みたいな?じゃねぇよ!!なんでもっと早く来なかったこの馬鹿!!」
魔法使い「馬鹿とはなんなのよ!馬鹿とは!!」
友「………!封印が……!」
…ゴゴゴゴゴ
ストーカー「」ビクッビクッ
カッ…!
男「うわぁ!?」
76 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:58:04.87 ID:uMTTeTyH0
?「……………ふぅ…。漸く、覚醒したか…」
魔法使い「なによ!うるさいわね……ってあー!!!」
不良「いきなりどうした……、……おい。これって………」
?「そなたらが封印から解いたのか。…ふむ、血を感じるな。そうか、未来の子か……」
友「………っ。なにこれ…」ヘタリ
男「…………ッ!」
男(ただ立ってるだけなのに…!吹き飛ばされそうだ…!!)
?「む、勇者も居るのか。なんだ、悪落ちか?それも良し」
?「………"僕様"は許そうぞ…」
友「え」
男「僕…様………」
魔法使い「…!」
不良「なるほどね。こいつの先祖、魔王なわけだ……」ハァ
魔法使い「格好いい…!」キラキラ
不良「どこがだよ。糞ダセェだろうが」
魔王「………ダサい?」
77 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:58:34.04 ID:uMTTeTyH0
魔王「だ…ダサいとかふざけんなし!!この呼び方考えるのにどれほど時間使ったと思ってるのよ!!」プンスコ
友「あっ!魔王さん!キャラ!キャラ!!」
魔王「ッ!!………ごほん!…ダサいとは、貴様、どういうことだ…?」ギロッ
不良「いや…ダサいじゃんだって……」
魔法使い「たしかに人が使ってるとダサいわね。…今度から私に戻そうかしら……」
魔王「エ"ッ!??……おい!勇者の子孫!お前はどうなんだ!?」
男「え、俺ですか?」
魔王「そうだ!格好いいよね!僕様って!!!」
男「………か、格好いいと、思いますよ…?」
魔王「…あーはっはっは!やっぱり格好いいじゃん!!なんだよ!心配させないでよ!」ゲラゲラ
魔王「んっ!!ごほ!ごほっ!」
男「うわ!大丈夫ですか?綾鷹飲みます?」
魔王「ん!んん!」ガッ
男「うわ!」バッ
魔王「んくっ…んくっ………」
不良「……なんだか拍子抜けしちまったな…。…デコに斧当てたら気絶するんじゃねぇのか?あれ」
魔法使い「なんか…イメージと違ったわ。ああいう人にはなりたくないわね…」
友「もう手遅れかなーって」
魔法使い「…????」
78 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:59:03.80 ID:uMTTeTyH0
魔王「…!」
男「………大丈夫ですか…?」
魔王「………オイッ!!」ガッ
男「ぐっ…!?」
友「!?弟君!?」
魔王「…お前、これお茶か!!」
男「あっ、はい、そうですけど…」
魔王「緑茶か!!!」
男「はい…。茶葉の甘みですね。…?」
魔王「……………………………」
魔王「フンッ!」ブウンッ
男「ぐわあ!」ドンガラガッシャーン
不良「お、おい!…テメェ!」
魔王「…………………………これだから勇者は相容れん……!!!」ゴゴゴゴゴ…
魔法使い「な、なに!?なんで怒ってるわけ!?」
不良「わからん…だが!」
魔王「…勇者……殺す!!!」カッ
不良「色々守るぞ!!」
友「っうん!」
79 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 13:59:41.04 ID:uMTTeTyH0
魔王「…フンッ!」ドンドンドン
魔法使い「…そい!」ドンドンドン
魔王「…ならば!」キーン
魔法使い「…よいしょぉ!」キーン
魔王「…やるな!」スッ
魔法使い「あんたこそ!」スッ
ガラガラガラッ
不良「………すげー…」
友「普段からあれくらい頑張ればいいのに」
不良「無理だろあいつじゃ」
ドカーン
不良「それもそうか」
男「姉さん!姉さん!!」
友「…!」
80 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:00:17.13 ID:uMTTeTyH0
友「弟君!」
男「友さん!…大変だ、姉さんが…!」
姉「…」
友「…!?脈が無い!?どうなってるの!?」
不良「は?死んだのか!?お前、シールド貼ってるよな!?」
友「うん!貼り続けてる!…これ、どういうことなんだろう!?」
不良「お前の光があるなら回復するじゃねぇか!現に、妹のほうは回復してるんだろ!?」
妹「…すぅ…すぅ…」
友「うん!…けど、女ちゃんは治らないの!!」
男「姉さん!姉さん!!」
81 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:00:53.92 ID:uMTTeTyH0
魔法使い「……はぁ…はぁ……」
魔王「やるではないか。子孫よ。だが、これはどうかな?」ヒューン
魔法使い「なんのっ…!」
魔法使い「…!?無い!存在しない能力…綾鷹か!!」
魔法使い「んえっ!?」ガコンッ
魔王「………ふっ!おでこが弱点なのは承知済みよ!」
魔法使い「…なっ…なによぉ…!」キッ
魔王「そらそらそらそら!」ヒューン ヒューン ヒューン
魔法使い「んべぁあ!!」ガコンッ ガコンッ ガコンッ
魔王「これで…っ終わりだ!」ヒューン
魔法使い「あえぇ!」グサッ
魔法使い「はぇ……」バタッ
不良「…あっ!?おい!!」
魔王「……ふっ…!勇者の子孫!!!」
男「…!」
友「っ!!不味い…!」
不良「ペットボトル当てられて倒れてんじゃねー!!ふざけんな!!」
魔王「ふざけているのはお前らだ!!」ピンッ
ドカーン!
友「くっ…!防ぎきれない…!」
男「ぐわぁっ!!」
不良「ぎゃっ!」
82 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:01:21.04 ID:uMTTeTyH0
………
男「…………………」
男「……ここは…」
姉「お母さま早く早くー!」タッタッタ
?「待ってくださいな。元気なのはいいけれど、転んでしまいますよっ」
男「…!またあの夢か!」
姉「もうっ!遅いよお母さま!」
?「ふふ。貴女は足が早いですね…」ナデナデ
男「…ということは…この後!」
ヒューン
男「んべっ!?」ガツンッ
男「土砂崩れが…!」
ガラガラガラッ!
男「くっ…!うわあああああ!!」
姉「お母さん!!」
ガラガラガラガラガラガラッッ!!
男「……また、同じように繰り返すのか…?」
83 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:01:55.44 ID:uMTTeTyH0
?「……………」
男「……そして、ここに来るわけか…!」
男「とするとこの人は…」
?「………そこに、誰か居るのですか…?」
男「母さん!!」
?「…すみません。私はもう、両目が見えないみたいです。居るのなら近くへ来てください」
男(くっそ…やっとわかった!)
?「……今、家族がふもとに居るんです。幼い双子の赤ん坊二人と、夫が…」
?「そのところに、この子を連れていってあげてください…」ガシッ
姉「……………」ボロッ
男(このまま岩が落ちてくるルートならば、姉さんは死ぬ!)
男(これはつまり、岩を避けられる選択肢が消滅したから…すなわち、例外運命の消滅を意味する!)
?「……………なんて。誰も居る筈無い…か………」
?「…………」バタッ
ヒューン
男「くっ…!」
男(だけど俺には何もできない…!)
男(選ぶ事のできない、凡人だから!)
男(…………だが…、それでいいのか…?)
84 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:02:28.41 ID:uMTTeTyH0
男(俺は綾鷹じゃない…!)
男(姉さんのように奇跡みたいな剣技も無い、妹のようにスゴい能力も無い)
男(夢を見ることも、理想を描くこともそこで無意味に終わる…)
男(選べる選択肢はただ一つしか無い…望めるものは絶対的な現実しか無い…)
男(…だが、それでいいのか?)
男(選べないから、それが現実だから諦めるのか?)
男(いや違う)
男(俺にはまだ…奇跡を祈れる!信じる選択を選ぶ事が出来る!)
男「諦める…もんか!!」
………ヒューン
ガコンッ
85 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:02:54.52 ID:uMTTeTyH0
男「んべっ!?」
コロコロ…
男「…!綾鷹!?降ってきたのは…岩じゃない!?」
タッタッタ…
?「おねーちゃーん!!」
?「かあさーん!」
姉「……」ボロッ
母「………良かった…」バタッ
男「……そうか、いつだって例外は絶対的な法則に穴を開ける存在…」
男「時間も、矛盾をも超えてそこに運命を成立させる…!」
男「……これで、姉さんは生き残る訳か…」
男(だが…母さんは…)
男(母さん………………)
男「……現実を、見なきゃな」グスッ
男(俺に出来るのはそれだけしかないんだから)
男「……もう、俺がここに居る理由は無い」サアァ…
86 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:03:23.64 ID:uMTTeTyH0
魔王「………む?」
男「………………」ザッ
魔王「ほう。まだ立つか勇者の子孫!……その目、漸く相変わらずのものに戻ったか!」
男「…あぁ…!」
魔王「茶さえ好きでなかったら、我が軍門に加えてやっても良かったものを…!」
魔王「では、あの頃のように問おう!貴様の戦う理由は何だ!勇者よ!!」
男「……俺は勇者じゃない」
男「だが、姉さんの弟だ!」
魔王「ほう、それで?」
男「…弟ならば…!」
男「頑張る姉さんを支えて、妹を守るのが役割だ!!」
男「うおおおおおおおおおっ!!!」ダッ
魔王「……ふふ!来い!!」
87 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:03:58.49 ID:uMTTeTyH0
魔王「そい!ほい!」ブウンッ
男「くっ…おら!」ガキンッ
男「ぐわぁ!」ズシャア
魔王「え……」
魔王「弱い!弱すぎだろお前!」
男「ぐ…」
魔王「…まさか、勇者の子孫じゃない!?」
男「…………っ…」スクッ
男「諦めない…!」
魔王「勇者でないなら用は無い!早く失せろ!」ピンッ
男「………っ!」ピンッ
ドカンッ!!
魔王「……相殺…!」
男「…それは俺の爆雷【サザンクロス】だ!!」
男「そう簡単に使いこなされてたまるか!!」
88 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:04:24.17 ID:uMTTeTyH0
…………
男「…………ぐ……」バタッ
魔王「……ただの人間にしてはよくやったな。だが、そこまでか」
男「俺は…まだ……!」
魔王「…ふん。何がサザンクロスだか」ゲシッ
男「………ぐうっ…!」ドサッ
魔王「まぁ、いいわ。ならばその能力自身で消し飛ばしてやろう」
男「………………く…」
男(諦めない…!)
魔王「…消えろ……」ピンッ
男「おおお……うおおおおおお!!!」ドカンッ
男「うおおおおおおおおおお!!!」ダッ
魔王「…なっ!?」
魔王「とでも言うと思ったか…?」ブンッ
男「がはっ…!」グサッ
魔王「残念だったな」
魔王「魔王を舐めるな」ザンッ
男「…」ドシャッ
男「……」
男「」
89 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:04:51.50 ID:uMTTeTyH0
魔王「…ふぅ…準備運動は完了か…」
魔王「……………ん?」ヒューン
ガコンッ!
魔王「あえっ!!」バタッ
魔王「ぐ…!?なんだこれ…!?」
「2リットルの綾鷹です」
「たかがペットボトルでも、高さがあればそれなりの威力になるのですね」
「ほらもう一本。たしか、おでこが弱いんですっけ」
魔王「あっ、もうやめ…!」ヒューン
魔王「あえぇっ!!」ガコン
「……ふむ。残金の減りが早いですね」
魔王「……っ」プルプル
「ですが、残念でしたね」
姉「…私、勇者の血筋なんです。多少はお金持ちなんですよ?」ニコッ
魔王「あ…あぁ…!!消える…!封印る…!」
アエーッ!
ガコンッ!
90 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:05:32.47 ID:uMTTeTyH0
男「…………」
男「…………」
男「……く………」
男「あぁ、俺死ぬのか…」
男「……ま、心臓に刺されてぶった斬られたんだもんな。仕方ないか…」
男「…仕方ない…死んで、仕方ない……」
男(…それで、いいのか……)
男(……いい…のか……?)
ヒューン
男「んべっ!?」
91 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:06:02.38 ID:uMTTeTyH0
病院
男「…!うわぁ!?」ガバッ
妹「兄さん!!起きたのね!」ダッ
男「妹!生きてたのか!よかっ…」ベシンッ
男「いってぇ!?なにしやがる!」
姉「私ですよ」
男「…!姉さん!?なんで叩い」ベシンッ
男「痛い!ちょっ!」
妹「ね、姉さん!?」
姉「…………」グッ
男「あっ…」
ベシンッ!ベシンッ!ベシンッ!
92 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:06:34.12 ID:uMTTeTyH0
姉「ふーっ!ふーっ!」プルプル
妹「ちょっと姉さん!!折角友さんが治してくれたのに!」
男「…なんで……」ボロッ
姉「……………っ」
姉「……無茶は駄目なんですよ!この…大馬鹿!!」ポロポロ
男「……あっ」
姉「……馬鹿…馬鹿!大馬鹿!!」ギュッ
男「……」
男「…ごめん……」
妹「………ふふふ……!」
姉「貴女も、何笑ってるんですか!」ブウンッ
妹「ぎゃひっ!?」バチンッ
姉「心配…したんですからねッ!!」ブウンッ ブウンッ
妹「ぐえぇ!!」バチンッ バチンッ
93 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:07:12.72 ID:uMTTeTyH0
男「……」ボロッ
妹「……ぐすっ」ボロッ
魔法使い「…それでこんなボロボロにした訳なのね……」
友「…………………………………………」
姉「………」シュン…
不良「……おっかね…」
姉「あ、あの!ですが!」
友「もう!いくら感極まったからって何してるの!!」
姉「…っ!)
友「一週間罰として口きかないからね!!」
姉「ああ…そんなぁ…!」
姉「ど、どうか許してください!」ウルウル
友「…謝るなら弟君達に謝って!あたしの能力もただじゃないんだからね!」
94 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:07:39.36 ID:uMTTeTyH0
姉「ずびばぜん!ずびばぜん!!」ゴンッゴンッ
妹「え"っ!?ちょ、ちょっと姉さんそこまでやるのぉ!?」
男「…土下座で連続……。……あはは…」
不良「やっべぇなこいつ」
魔法使い「ここまで来ると流石にワタクシも引くわね……」
不良「…お前が引くとか相当だな…」
不良「ってか一人称が違う!?お前誰だ!」
魔法使い「あえっ!?か、変えたのよ!ダサいじゃないあれ!」
不良「おいストーカー野郎!魔法使いは僕様だぞ!真似すんならもっと上手くやりやがれ!」
不良「ワタクシとかキャラに合わねんだよ!!」ブンッ
魔法使い「ちょ、話聞きなさいよ!!」ゴツンッ
魔法使い「あえっ!!」バタッ
不良「あぁなんだ本物か」
魔法使い「ちょっと!そんな確かめ方しないでよ!!」
不良「刺さなかっただけいいだろ」
95 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:08:09.70 ID:uMTTeTyH0
診察室
男「」
医師「大丈夫?聞いてる?」
男「」
妹「」
姉「ほう……」
医師「まぁ…能力でかなり回復したから、こうなったんだけど…」
医師「後遺症とか残らなかっただけマシだからね?」
医師「そりゃ能力が無くなるのは悲しいだろうが…」
男「そっちじゃ無いです!!」
医師「え?」
男「俺、女の子になっちゃったんですか!???」
医師「うん。そうみたい」
元男「そうみたいじゃないっすよ!!」
姉「…友さんは今まで、聖なる光で女の子の再生しかしてきませんでしたからね」
姉「男の子の身体の構造がわからなくても、無理はありません」ニコッ
元男「だからって!!」
姉「…弟君の小さい綾鷹が消えただけじゃないですか……」シュン…
元男「小さい言うな!!」
医師「ぶふぅwwww」ゲラゲラ
元男「あんたは笑うな!!」
妹「に、兄さんは消えて…姉さんが二人……?」ブルブル
元男「想像すんな!あーー!!!」
96 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:08:39.25 ID:uMTTeTyH0
魔法使い「………」ウロウロ
魔法使い「……」
魔法使い「……………うーん…」
魔法使い「やっぱり、帰ろ…」
不良「何してんだよ」
魔法使い「!な、なんでもないわよ!」
不良「行けよ」
魔法使い「えっ……」
不良「妹を助けるのは姉の仕事、だろ」ドンッ
魔法使い「はわっ!」
チョッ!?
……ナニハイッテキテンノ!?
ハ?アネニムカッテナニヨソノタイド!
アンタナンカアネジャナイ!
キーッ!
ドカーン
不良「はぁ…姉妹揃って馬鹿なのか…?」
不良妹「かもね。行こ。お姉ちゃん」
不良「あぁ」
不良「…早く、仲直りしろよな。魔法使い…」
97 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:09:09.61 ID:uMTTeTyH0
数カ月後
元男「…………」
姉「大丈夫ですか?女の子になって初の登校ですけど…」
元男「………なんかもう、泣くしか無ぇわ…!」
妹「だっ大丈夫よ姉さん!前の兄さんは引っ越して、姉さんは新しく引っ越してきたって事で先生もわかってくれたから!」
元男「姉さんって呼ぶなし…」シクシク
不良「まさか顔もあそこまで変わるとはな。元々悪くなかったから、女装もいけそうだったが。化粧したら姉と瓜二つだ」
魔法使い「ファッションはワタクシにお任せよ!!学園一の人気者になるように魔改造してあげるわ!!」
妹「…あんたのやったとこは全部直しとくわ………」
友「髪も伸ばしたし、綾鷹も持ったし!その他諸々も完璧だよ!さぁ可愛くなった弟君!いこっか!」
元男「……う、うぅ……!」グスッ
98 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:09:50.88 ID:uMTTeTyH0
キーンコーンカーンコーン
元男「……はぁ。変な気分だな…」
元男(まさか、女になるなんて…無茶はするもんじゃないな……)
元男「…こうやって、飲み物買いにくる時しか休める暇が無いや……」
元男「さてと…何買おっかな……」
「あ、あの…!」
元男「…!君は……!」
「………………また、私と友達になってくれませんか?」
元男「…どうかな……」
「え………」
元男「君のくれた伊右衛門が破裂したおかげで、死なずに女の子になっちゃったんだ」
元男「友達なんて、浅い仲じゃ無いと思うんだけど…?」
「……じゃあ!」
元男「でもああいうお弁当とかはやめてね?あんまり過剰にやると、また姉さんに怒られちゃうから…」
「………っはい……!」ポロポロ
元男「……飲み物、何にする?」
「…男君は、何を買うの?」
元男「え?そんなの決まってるだろ」
「…選ばれたのは、綾鷹でした!って奴!」
元男「あっ!言いやがったな!」
「ふふ!」
元男「まぁ、でもそうだな。俺はどちらかというと……」
「綾鷹を選ぶ者、かな」
99 :
◆X0lVDgvcQ2
[sage saga]:2020/06/02(火) 14:10:16.34 ID:uMTTeTyH0
これにておしまい
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/02(火) 18:41:26.86 ID:vnH5pIe+0
お・・・乙です!
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2020/06/02(火) 19:05:29.48 ID:Wy+LPkL7O
『今日はマインクラフトの
ハードコアモードをやってみようと思います。』
(18:44〜配信開始)
https://youtube.com/watch?v=jgtXUj3vUF8
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/10(水) 15:35:15.55 ID:457Y67YqO
全部読んだけどよくわからなかった
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