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商人「夢に染まる林檎の果実」
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1 :
◆cZ/h8axXSU
:2020/05/15(金) 22:44:59.90 ID:kC1nNXbZ0
商人「ちょっとちょっとそこのお兄さん方!」
「なんだ?」
「あ、コイツ最近村で変なガラクタ売りつけまわってるって奴じゃないか?」
商人「ハハ、言いおる」
「見慣れん服着てるし異国のモンか!」
「行こうぜ、変な物かわされちまうぞ」
商人「テメーらに売るもんなんてねーよ!!こんな村潰れろバーーーーーーカ!!」
「本性現したぞこの娘!?」
商人「まー物の価値も分からん連中にこれ以上突っ張っても仕方ないか……そろそろ場所を移しますかね」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1589550299
2 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 22:48:12.16 ID:kC1nNXbZ0
……
商人「……」
商人(国を出て早数年)
商人(最初はまぁ……目的も無く何の気無しに気ままに行商をしていたものの)
商人(最近ではそうもいかなくなってしまった訳で)
少女「お姉ちゃんまーた村の人達と喧嘩したの?」
商人「あんなもん喧嘩でもなんでもないですよ。まだ子供の貴女が気にすることじゃないです」
少女「童顔がよく言うよ」
商人「うるせぇよ」ビシッ
3 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 22:49:30.25 ID:kC1nNXbZ0
商人一人、子一人の……ちょっと不思議なこの旅路
少女「それよりも次はもっと大きい町へ!お姉ちゃんの売ってる物の良さが分かる人はきっといるから」
商人「励ましてくれるのは嬉しいですけど……ま、いいか」
彼女たちと出会い、全てが始まった
商人「さて、風の行くまま気が向くままに」
商人「明日は何処へと行くのだろうか」
4 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 22:53:51.94 ID:kC1nNXbZ0
そう
これは……そう、うん!そうだね!
これは、貴女が生まれる物語
5 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 22:54:54.01 ID:kC1nNXbZ0
――――――
―――
―
商人「うっし、場所の許可は貰ったし陳列もこんなもんでいいかな」
少女「……」ワッセワッセ
商人「何してんの」
少女「並べ替え」
商人「一体何が気にいらない!?」
少女「見栄え悪すぎでしょ。大体値札も付いてないし」
商人「そこは応相談ですよ。ここの売り場は値段掲示の義務無いですし、最低金額悟られない為に控えてますし。ほら、あっちでもやってますよ」
少女「時価だと流石にお客さん警戒するよ。大体私達はまだここでの経験は無いし信頼もされない、取り扱ったことの無い商品もある。市場調査したの?」
商人「最低限は」
少女「これいくら?」
商人「なんと39800(サンキュッパ)!!フフン、これでも随分とお値打ちなんですよ?実はこれここを捻ると……」
少女「誰が買うんのこんなガラクタ」ポイッ
商人「オイふざけんな!?そいつ手に入れるのにどれだけ苦労したと思ってんだ!?」バッ
6 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 22:55:58.80 ID:kC1nNXbZ0
商人「汚れついちゃったらどうするんですかもう……」フーフー
少女「お姉ちゃんが価値を決めるのは別にいいしそれは当然、でもコレ逆にお姉ちゃんなら買う?」
商人「買いますよ。それ、年代物で希少価値があります。ただ使い道は知る人しか知りませんが……それはちゃんと相手を選んで売るつもりです。コアな人はいますからね」
少女「さっきそこの店で3分の1で売ってたよ」
商人「ファッ!?ちょっとマテ!?なんだその安値の暴力は!?物の価値分かってねぇなぁ!?」
少女「分かってないのお姉ちゃんだよ。他で安値で売ってるものをこんな値段で買う訳ないじゃん、何か有効な売り文句がある訳でもないし。それにあっちで売れ残ってたんだし買い手なんてつかないよ」
商人「ぐぬぬ……昔だったらセールストーク得意だったのになぁ……というかおっかしいなぁ、そんなのも見逃してたのか私は。いやむしろ同じもん買い占めて独占販売……」ブツブツ
少女「売れてないって言ってんでしょうが。価値が分からないからこそ誰も手を出さない。そんなものを売っていたって商売にならないよ」
商人「価値を見出して値段を付けるのが商人ですよ。確かにそっちの言う通りですけど、私はちゃんと理解できる人の手に私の商品が渡ってほしいと思っています」
少女「……」
少女「あとコレ贋作(ニセモノ)」ポイッ
商人「ファッ!?」
7 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 22:57:43.47 ID:kC1nNXbZ0
……
商人「ウェーイラッシャイラッシャイ」パンパン
商人「ヤスイヨヤスイヨー」パンパン
少女「お姉ちゃんお姉ちゃん」
商人「はいはいなんでしょう」
少女「人通り多いねー」
商人「多いですねー」
少女「……」
商人「……」
8 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 22:58:12.76 ID:kC1nNXbZ0
商人「なんで誰も来ねぇんだよ!?誰かちょっとは足を止めてみるとかしねぇのか!?」
「ッ!?」ビクゥッ
「ヒェッ」
「何あの娘怖い……」
商人「ハッ!?いかん地が出てしまう……」
少女「一生客来ねぇよ……というか騒ぎ起こすとまた売り場から追い出されるよ。ただでさえ他の商人さんたちも露店開いてるのに」
9 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:02:44.20 ID:kC1nNXbZ0
商人「まったく……今日はもう店じまいにするかね」
少女「お客さん来なかったね」
商人「こういう日もありますよ」
少女「そういう日しか知りません」
商人「痛い所をついてくる……」
少女「大体お姉ちゃん商売人向いてないよ」
商人「そこハッキリ言っちゃう?」
10 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:03:31.63 ID:kC1nNXbZ0
少女「売る物ぐらい搾ったら?いくらなんでも雑多過ぎるしイロモノすぎるし……どの層狙ってんのさ」
商人「搾ったら旅商人やってる意味が無いですよ。色んな地方の色んな物を売ってこその旅商人ですから!!」
少女「今日はなにか売れましたか?(震え声)」
商人「HAHAHA☆」
少女「……」
商人「……」
「「ひもじい……」」
11 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:04:15.55 ID:kC1nNXbZ0
商人「やれやれ、最初は物珍しさに見に来る人も多かったですけど……流石にこのラインナップじゃ客足も遠のくか」
少女「意見聞き入れてくれる気になった?」
商人「ま、私も長年国で店構えてて、こうして旅して商売するのなんて超久々の事ですしー。リハビリ期間ってヤツですよ今は」
少女「国出て数年とか言ってたろオイ。というかよく店構えられたな」
商人「時代は移り変わるもんなんですかね。仕方ない、明日から少し方針変えてみるか……」
少女「でもさ、多分お客さん来ないの他に理由があるよ」
商人「あぁん?なんでぇ?」
少女「それは……」
商人「ん?」
12 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:05:05.19 ID:kC1nNXbZ0
商人「やれやれ、最初は物珍しさに見に来る人も多かったですけど……流石にこのラインナップじゃ客足も遠のくか」
少女「意見聞き入れてくれる気になった?」
商人「ま、私も長年国で店構えてて、こうして旅して商売するのなんて超久々の事ですしー。リハビリ期間ってヤツですよ今は」
少女「国出て数年とか言ってたろオイ。というかよく店構えられたな」
商人「時代は移り変わるもんなんですかね。仕方ない、明日から少し方針変えてみるか……」
少女「でもさ、多分お客さん来ないの他に理由があるよ」
商人「あぁん?なんでぇ?」
少女「それは……」
商人「ん?」
13 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:06:17.89 ID:kC1nNXbZ0
「お!お嬢ちゃん、いいかな」
商人「はい、どうぞ」
「へへへ、それじゃあこれ貰おうかな。あとさ、この後俺と……うげぁ!?」ガッ
商人「テメェ誰に向かって舐め回すような目で見てんだオイ」ギリギリギリ
商人「私が身体売ってるように見えるか!?あぁ!?○○潰すぞゴルァ!!」
「し、失礼しましたーーー!!」
商人「まてパリピ!!てめえ末代まで祟ってやろうか!?いやむしろ私の強靭な足でお家断絶させてやってもいいんだぞ!?」
少女「……」
商人「ゼーハーゼーハー」
少女「今日3人目」
商人「反省してまーす」
少女「してねぇなコレ」
14 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:07:04.52 ID:kC1nNXbZ0
少女「ただ引っ掛けようとしてきただけでこれだよ。お姉ちゃん可愛いんだからその見た目も武器にしなきゃ。適当に躱(かわ)しておけばいいだけなんだし」
商人「明らかにお近づきになろうとして来てるだけじゃないですか。ンなもん一々相手にしてたらこっちが疲れるだけですよ」
少女「まったくもう、男の人とまともに接した事が無いからって……」
商人「ンな事ぁないですよ。友達っぽいのはいましたし……あー片付けよっと」ガサガサ
少女「あ……お姉ちゃん、"これ"」
商人「おっとイケネ、落としたか」
「……」
商人「……」
少女「大事なものなんでしょ?私にはわらかないけど……もっと厳重に管理しとかないと」
商人「……そうですね、ちゃーんとここに仕舞っておきましょう」
「……」
15 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:09:23.29 ID:kC1nNXbZ0
……
商人「は?部屋取れなかった!?予約してたのに!?」
「も、申し訳ございません。その……大金を積まれたお客様が急に部屋を開けてほしいと……」
商人「ちょ……そんな無茶苦茶な!!ちょっとソイツ引っ張りだせ!!ぶん殴ってやる!!」
「お、お客様落ち着いてください!?」
商人「おうおうなんじゃ?なんなら嬢ちゃんの身体で分からせてやってもええんやでグヘヘ」ワキワキ
少女「おうおっさん、落ち着け」
商人「こっちはもう金払ってんですよ!!今更何を……」
「頂いたお金と御礼金でお返しします!!ど、どうか穏便に……」
商人「あ、はい、じゃあで失礼しますね」
少女「この変わり身よ」
16 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:10:29.64 ID:kC1nNXbZ0
ガチャ
商人「しっかしこの私から部屋を奪い取るたぁ生意気な奴が世の中に居たもんですね。お、結構金貰えたな、ラッキー」
少女「縁が無かったって事で潔く諦めるしかないよ。流石に私もお金だけ返されて追い出されたらキレて……フフフフフ」
商人「貴女が怒ると何やるか分からないから一番怖いわ……さてと」
少女「どうしたのそんな仁王立ちで待機して」
商人「大口の客って奴の顔でも拝んでいこうと思いましてね。腹は立つじゃないですか」
少女「……そうだね、ちょっと見てこうか。あわよくば一発」
商人(この娘はホントいらんところが私に似てるな)
17 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:11:19.14 ID:kC1nNXbZ0
商人「……」
少女「……」
商人「来ませんね」
少女「来ないね」
商人「まーいくら待っても来ないしとっとと宿探しますか」
少女「お姉ちゃんちょっとそこ……」
「邪魔です」ドカッ
商人「んげあ!?」
18 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:12:01.56 ID:kC1nNXbZ0
商人「蹴った!?ねぇ今蹴ったよね!?」ガバッ
「ウチは道歩いてただけです。邪魔したのはそっちじゃないですか」
商人「あぁん!?」
少女「お姉ちゃんやめとこう、私達普通に邪魔だったし」
「こっちの子は物分かりいいですね。それなのに姉の方と来たら……」
商人「ケッ、へいへい悪ぅございましたね。それより貴女……」
「ん、着物……もしかして遠ーーーい東の島国出身?」
商人「…………」
商人「えぇ、まぁ」
少女「?」
「おや珍しい!ウチと同郷ですね」
19 :
◆cZ/h8axXSU
[sage saga]:2020/05/15(金) 23:13:12.38 ID:kC1nNXbZ0
巫女「ウチは東の国で月の巫女というものをやってます"兎(うさぎ)"という者です。こんな遠く離れた地で同郷の人に会えるなんて思ってもみませんでした」
商人(ウサギ……か)
巫女「せっかくですし名前お伺いしてもいいですか?」
商人「私は……そうですね」
商人「林檎(りんご)です。まぁ別に覚えてもらわなくてもいいですけど」
巫女「見た目通り可愛い名前ですね。で、そっちの子は……」
商人「いーのいーの。さ、もう行きましょう。こっちは宿無しで急いでるので」
少女「えー」
巫女「おや、残念ですね。せっかく会えたのに」
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