西住まほ「大洗玉球物語2」

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102 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:30:20.01 ID:FbHHfINNO
桃「……ふふ、ふふふふふ……余り私を舐めるなよ西住! ふん!」ボコーン

柚子「やったね桃ちゃん、一両倒したよ! これで相手はあと6両!」

みほ「へぇ……河嶋先輩にプレッシャーかけ過ぎたらまた泣いて喚くかと思いましたけど……」

桃「それは昨日までの私の話だろう? 泣いても喚いても事態は好転しない……勝利を掴めるのは……いつだって最後まで足掻いた者だけだ! 行くぞ、はぁっ!」ボコーン

柚子「またやられたぁ! 後2両しかないよ桃ちゃぁぁぁん!」

みほ「…………華さん、お願いします」パチン

華「はぁーーい! さ、かーいちょ……まぐまぐしましょうねぇ……っ!」マグマグ

杏「そんっ! あっ、そんな人前でこんなっ! だ、駄目だよぉ……っ!」クネリ

桃「すみません会長ぉぉぉーーーーっっ!!」ガタガタ

まほ「……全く、何をやっているんだか……何時如何なる勝負でも油断は禁物だというのに……ふんっ!」ボコーン

まほ「よしよし、ベルの調子が戻ってきたな。引きも命中率も良い感じだぞ!」ニコニコ
103 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:30:59.65 ID:FbHHfINNO
まほ「黒森峰側は後3両だが、此方も3両残っているからな……何とか隊長同士の闘いまで持っていき……たいっ!」ボコーン

まほ「ふぅ……何とか黒森峰副隊長のエリカを引きずり出したぞ! ふん! ふん! 当たれぇ!」スカッ スカッ

エリカ「くくっ……我ながら良く避けるわねー。良い気味だわー」ニコニコ

小梅「もう、エリカさん! そんな事言ってるとまた隊長に怒られますよ!」

エリカ「負けても勝っても営倉行きならここで隊長を苦しめてくれた方が私の溜飲が下がるってもんよ。ガルパンGの私……頑張りなさい!」ニコニコ

まほ「エリカの奴……また勝手な事を言ってくれる! おい、エリカ……次避けたらビンタだぞ!」

エリカ「ぷぷぷ……台にビンタって……台パンでもする気かしら」プププ

小梅「いえ、多分……本体のエリカさんに言ってるのかと。隊長もこっち見てるし」チラッ

エリカ「嘘でしょ!? あ、めっちゃこっち見てる! ちょ、お願い当たって……私!」ボコーン

まほ「よし、エリカは撃破だ! さぁ残りは黒森峰の隊長……西住まほ、つまり私だな!」

アリサ「むぅー、まほさんが調子良いわね……大洗の副隊長はあのまま自滅しそうだし……何とか勝ちたいけど、黒森峰の連中は回避率高すぎるのよ! 避けすぎぃー!」プンプン

ケイ「アリサー! 負けてるわよー! このままじゃ本当に反省会よ? ゴーゴー!」

アリサ「反省会……も嫌だけど……今はまほさんの男装デートの方が欲しい! まほさん、一つ伺ってもいいですかっ!?」グッ

まほ「お、おぉ……どうした、何でも聞いてくれ。私の好きな食べ物ならカレーだぞ?」ニヤリ
104 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:31:33.88 ID:FbHHfINNO
アリサ「……カレー……は置いといて、私が勝ったらまほさんに男装して貰いますけど……どこまでオーケーなんですか? あの……その……」ゴニョゴニョ

まほ「男装は決定なのか……そうだな、アリサに全て任せよう。立ち居振舞いから在り方まで全てアリサの望む私を演じてみようじゃないか。私は不器用なので何処までアリサを満足させられるかは疑問だがな」ハハハ

アリサ「…………今の録音しましたからね! よっしゃ、気合い入ってきたわよ! おらおらおらぁーーーっ! 黒森峰のモブ共、とっとと消え失せなさい!」ボコーン ボコーン

アリサ「ふふふふ……まほさんがサンダースに来たら……待ち合わせ……デート……ハプニング……バー……ハプニング……ホテル……ハプニングッ!」カッ

まほ「ハプニング多すぎだろ!?」

ケイ「最後はライスシャワー! ライスシャワー!」キャッキャッ

まほ「待てケイ、止めろ。アリサを煽るな! 男装ってあくまで一日だけの話だろ!」

アリサ「一日あれば……出来ます!」グッ

まほ「何がだ! 恐ろしいことを言うな!」

アリサ「まほさん、私はですね……優しくて格好良くて凛々しくて家柄も良くて頭が良くて私と趣味が合ってスラッとした体型でちょっと良い声で私に優しくて私が盗聴しても盗撮しても受け入れてくれて一緒に過ごすだけで安らぎを得ることができてマイナスイオンを放出してくれて最後にそっと抱き締めてくれるまほさんが欲しいです!」グッ

まほ「私はマイナスイオンなんて放出していない! 落ち着けアリサ!」

アリサ「全部は無理でも出来るだけ付き合ってくれるんですもんね? まほさんにぴったりな服がありますから……覚悟してくださいね?」ニコッ

まほ「あ、あくまで勝負に負けたらだぞ! くっ……これは益々負けられなくなったな、負けたら何をされるか分からんな……うーむ、そういえば桃ちゃんはどうなったんだ?」チラッ
105 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:32:06.79 ID:FbHHfINNO
杏「んっ……んっ……なにこれぇ、こんなのだめだよぉ……」クネッ クネッ

華「駄目な事なんて一つもありませんわぁ……さぁ会長の奥の細道を皆様に見て頂きましょうねぇ……」クイッ クイッ

桃「あわわわ……えらいこっちゃ……会長がどえろいことに……」ブルブル

みほ「河嶋先輩のチーム……後1両しか残っていませんよ? もし河嶋先輩がその最後の1両を落としてしまったら、私はこの指を鳴らさなければなりません。そうすると会長がどうなるかは……分かりますよね?」ニコッ

桃「に、西住ぃそれは止めてくれ! くっ……こ、怖くてレバーがた、叩けない!」プルプル

華「女性は誰しも己の華道をお持ちになっております。さぁ会長の華道を皆様に御披露目する時が近づいております……さぁ最後の1両ですよぉ……準備しておきましょうねぇ……」グイッ グイッ

杏「あふっ……あっ、だめぇ……こじあけないでぇ……」ビクンッ

みほ「河嶋先輩……どうしますか? もうこの指を鳴らしちゃいますか?」スリスリ

桃「ま、待ってくれ! はぁ……はぁ……すぅーーーーはぁぁーーーーー……」グッ

桃(落ち着け、先ずは呼吸を整えて戦況を確認だ! 私の台は1対3、俄然不利な状況……しかしこのままいつまでもじっとしていても埒が明かない。まほの言葉を思い出せ! 己を奮い立たせろ、河嶋桃! ここはもう不退転の覚悟で切り抜けるしか……ない!)カッ

桃「会長ぉぉぉーーーっっ! か、会長の貞操……私に預けて貰います!」バッ

杏「えぇぇ……貞操はもう大分汚されちゃってるんだけど……あんっちょ、まだしゃべってるのにぃ」キュッ

桃「はいぃぃぃぃーーーーっっ!」コツーン ボコーン コツーン ボコーン

みほ「よし、河嶋先輩が立ち直った……これで三人共黒森峰のエピソードバトルに入ったね。ここまで来たら後はもう祈るしかない……っ!」ギュウウ
106 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:32:43.17 ID:FbHHfINNO
まほ「ほう、三人共エピソードバトルに辿り着いたか。どうやらここで決着がつきそうだな。だがこのガルパンGの私は手強いぞ、準備はいいか?」チラッ

アリサ「ふふ……勿論ですとも。黒森峰のエピソードバトルの突破率は33%。三人なら確率的にも丁度良いですね……勝ち抜けるのは私です!」

桃「私が負ければ会長の純潔は散らされてしまうかもしれない……そんな事を許すわけにはいかない! この勝負は絶対に負けられない! 勝つのは私だ!」

まほ「二人とも気合い充分といったところか……しかし私とて負ける気はさらさら無い! さぁ行くぞ!」
107 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:33:15.79 ID:FbHHfINNO
まほ 「勝負!」白タイトル
アリサ「ふんっ!」白タイトル
桃 「どっこい!」赤タイトル

みほ「赤タイ、この流れなら行けるっ! 河嶋先輩勝ってください! 本当にお願いしますぅぅ!」ギュウウ

まほ 「レア役来い! レア役来い!」白テロップ
アリサ「金テロ来なさいよぉ!」赤テロップ
桃 「会長の操を守るのは私だ!」赤テロップ

みほ「行ける行けるぅぅ! これ勝てるよぉ! ついでにレア役を引いて駄目押しして欲しいよぉ!」ギュウウ

まほ 「白タイ白テロ……だがボタンを押すまでは……!」テン テテテテテン プッシュ
アリサ「経験上赤テロだけでも充分に押し切れる、きっと大丈夫よ……!」テン テテテテテン プッシュ
桃 「今、私はまほを超える……!」テン テテテテテン プッシュ

みほ「神様仏様八幡大菩薩様お願いします、これから暫くの間は良い子にしますからどうか今回だけは河嶋先輩を勝たせてください……っっ!」グググ

まほ 「当たれぇぇぇーーーっっ!」ズドドドドドーン
アリサ「とったぁぁぁぁーーっっ!」ポスン
桃 「貰ったぁぁーーーーっっ!」ポスン

まほ 「……勝った……のか?」キョトン
アリサ「ああああぁぁぁああーーー…………」ガクリ
桃 「…………お?」キョトン

みほ「…………は?」キョトン

桃「…………え?」クルッ

みほ「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁーーー…………っっ! 本当にもう……!」パチン

華「どうやら大勢は決まったようですね。では会長……お覚悟を!」

杏「いやいやいや、これ以上は本当にまずいって! ちょ、誰か助けて!」ジタバタ

桃「か、会長ぉぉーーーっ! 私の力が及ばなかったばかりに……くそぅ!」ガクリ
108 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:34:14.53 ID:FbHHfINNO
まほ「……こらこら、みほももういいだろう? 杏を離してやってくれ」チラッ

みほ「……うぅーー、はい……」シュン

華「あらら、残念。折角これからでしたのに……ね、会長?」

杏「いやぁもう充分でしょ……私、恥ずかしくてもうこのお店に来れないよ……」

華(ちなみにみほさんの裏西住流は私よりすんごいですよぉ? それこそもう戻れなくなってしまう程に……)ボソッ

杏(…………それってまじ?)ゴクリ

華(まじ、です……)ボソリ

ーーーーーーーーーー
109 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:34:45.76 ID:FbHHfINNO
まほ「さて、黒森峰を突破した私も続く6回戦で負けてしまったが……私が率いる黒森峰チームが優勝ということで皆も異論は無いな?」

ダージリン「そうね。まほさん、おめでとう!」パチパチ

カチューシャ「悔しいけどカチューシャの負けね……」グスン

アンチョビ「我々も良い所までは行ったんだがなぁ……次こそは! とはいっても次なんてあるのか、これ」

みほ「うぅ……合法的にお姉ちゃんの深層心理に私を刻み付けてお姉ちゃんの優先順位を塗り替えるチャンスだったのに……」ボソッ

桃「西住……その言葉はちょっと怖いが……私の力が及ばずに負けてしまったな。すまなかった……」

みほ「あっ、そんなに気にしないでください! 私もVストックやアンツィオを渡せませんでしたし、河嶋先輩には申し訳ありませんでした……」

エリカ「でへへ、隊長ぉ流石ですぅ! やっぱ隊長がナンバー1ですよぉ! やた1! やた1! 私は初めから隊長が勝つって信じてましたから、でへ、でへへへ……」スリスリスリスリ

まほ「エリカ……胡麻を擂るにしても、もう少し上手くやれないのか? まぁいい、勝てたのだからエリカへの罰は無しとする。これでいいんだろう?」

エリカ「よっしゃ、せふせふぅ! あー助かった!」グッ

まほ「全く、調子の良い奴め。これが来年の黒森峰を引っ張っていくのかと思うと私は心配だよ」ハァ

小梅「あの様な態度を取るのは隊長にだけですから、きっとあれがエリカさんなりの甘え方なんですよ。それにエリカさんが隊長の背中を見て頑張ってきたのは私達皆が知っているので……だから心配はいりません」

まほ「そうかな……いや、そうだな。こうして小梅も側にいるのだから、心配は無用だな」フッ

小梅「ふふ……はいっ! 私も新しい隊長と一緒に頑張ります!」グッ
110 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:35:19.24 ID:FbHHfINNO
みほ「お姉ちゃん……それで、優勝賞品の憧れの人一日独占権だけど、誰を選ぶの?」ジー

まほ「む? むぅ……そうだな……」フーム

みほ(選べなくても選ばれれば一日一緒に居られるけど、こっちからは何も言えないからなぁ。相手の支配欲を煽ってコントロールするのって難しいんだよねぇ……お姉ちゃんって嗜虐心とか無さそうだし尚更だよ。やっぱり勝負に勝ちたかったなぁ……)ボー

アリサ(……もし私が選ばれたら私が男装するのかしら? んなわけないか……でもマジハロ5での会話も良い感じだったし、私が選ばれる可能性もあるはず! お願い、この想い……届いて!)グッ

桃(もしかして、私の時代が来るのか? まほはサンダーを打ってる時から何か私に気がありそうだったし……まほの桃ちゃん呼びも慣れてきてしまったし……これはもしかするともしかするかも……っ!)ジー

まほ「若干数名から変な気を感じるが……それは置いといて、賞品の確認をしたいがいいか? えーと、一日独占権を提言したのは秋山さんだったな。この一日独占権には人数の指定はされていなかった……そうだな?」チラッ

みほ(…………優花里さん、期待してるよ!)グイッ

優花里「どわっとぉ! に、西住殿、はむふぇすの時間ですか!?」ビクンッ

まほ「はむふぇす? はむふぇすって何だ?」

麻子(……はむふぇすって何だろう。後で秋山さんに聞いてみようかな?)

優花里「あば、あばばばばばちちちが違うんです! 何ですか、何で皆さん此方を見るんですかあばばばば……っ!」ブクブクブクブク

まほ「ふーむ、まぁいい。秋山さん、先ずは落ち着いてくれ。さて、憧れのあの人を一日独占権には人数の指定はされていなかった、と解釈していいかな?」

優花里「は、はい! 多人数プレイでも何でもオーケーです!」

まほ「……プレイ?」

優花里「はわわわはわわ……たた、多人数でもオーケーです!」プルプル
111 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:35:50.49 ID:FbHHfINNO
まほ「……むぅ、よし。では私はここにいる全員を指名するとしよう!」バンッ

みほ「全員……? 全員を……侍らせるの?」

ダージリン「んまぁ! 侍らせるなんて……まほさんったら、破廉恥ですわね!」

カチューシャ「……ノンナみたいな同志が欲しいの?」

ノンナ「私はカチューシャ以外に付き従う気はありません!」ビッ

まほ「違う! 何でそうなるんだ。私はただ、皆で過ごすこの心地良い喧騒の中にまだ暫く浸っていたいと、そう言ったんだ。だからもう少しだけ皆で過ごしたい。勿論自由参加で構わない、用事があるものもいるだろうし……」

ケイ「うーん、つまり……今からパーティーがしたいのね!?」グッ

まほ「ん……まぁ、そうなる……かな?」テレッ

杏「いいんじゃない? 優勝者が望んだことだもん、参加者は出来る限り叶えてあげないとね! ま、大洗女子学園の敷地内だったら好きに使っちゃってよ。パーッと行こ、パーッと!」ニヤッ

ペパロニ「何すか、何が始まるんすか? ドゥーチェ、私らは何をすればいいんすか!?」

アンチョビ「そうだな、やっぱりアンツィオの生徒としてはパーティーの料理では負けられないだろ! よぉーし、大洗女子学園で湯と釜の準備だぁーーーっ!」

カルパッチョ「たかちゃんの為に美味しい特製パスタを作るわね!」ニコッ

カエサル「私のために作ってくれるなんて……ひなちゃん、嬉しいよ」ニコッ

おりょう「その特製パスタとやらはカエサルが食べる前に食い尽くしてやるぜよ」ペッ

左衛門佐「おいおい、いいのかそんな事をして」ニヤニヤ

エルヴィン「また体重計の上で立ち尽くす事にならなければいいがな」ニヤニヤ

おりょう「う、うるさいうるさい! 後で運動するから問題ないぜよ!」
112 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:36:21.63 ID:FbHHfINNO
まほ「……さて、では出玉の交換もあるから、一旦解散して各自大洗女子学園に集合という形でいいか?」クルッ

ケイ「オーケー! ナオミ、アリサ、ついでに食材とか買い込みましょ! ヒアウィーゴー!」

アリサ「全員……かぁ……まぁ個人で誰か私以外を選ばれるよりかはいいかも」ハァ

ナオミ「アリサはまほに随分と熱心だけど、タカシから鞍替えでもしたのかい?」

アリサ「違うわ! 男ならタカシ、女ならまほさん。ただそれだけの事よ!」フンッ

ナオミ「どちらも求めるだなんて、そんなに寂しがってる子猫ちゃんがいるなら私に任せてくれればいいのに……」スッ

アリサ「あんた、方々で女を泣かせてるらしいじゃない。そんな奴は御免だわ!」フイッ

ナオミ「泣かせてるなんて心外だな、まぁ結果的に子猫ちゃん達は鳴いているかもね」フフ

アリサ「あーうっさいうっさい、とりあえず隊長の所に行きましょ。まほさんに料理でアピールするチャンスなんだから! この機を逃す手は無いわ!」グッ

ナオミ「……ふーん。そう言うからにはアリサは料理が出来るのかい?」チラッ

アリサ「…………ハンバーグなら、多分ギリギリ出来る」プイッ

ナオミ「それはすごいね。それならまほはカレーが好きだと言っていたし、私と一緒にカレーも作ってハンバーグカレーといこうじゃないか」ニコッ

アリサ「ふん! 余計な気遣いよ……でも、ありがと」ボソッ

ナオミ「ふふふ、どういたしまして」ニコッ

ケイ「ナオミー! アリサー! ハリアーップ!」ブンブン

ナオミ「おっと、うちの隊長がお怒りだ。さぁ行こうか?」スッ

アリサ「手を繋ごうとするな! 一人で行けるわい!」ペシン

ナオミ「おぉ怖い怖い。ケイ、お待たせ」シュタッ

ケイ「ナオミったらまたフラれちゃったわね。さぁ行きましょ! ゴーゴー!」
113 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:36:52.98 ID:FbHHfINNO
ダージリン「あらあら、皆さん続々と離れてしまいましたわね……」

オレンジペコ「皆様色々なお料理を用意するようですね。私達は何をご用意すればいいのでしょう?」

ダージリン「ペコったら、私達が用意するものなんて一つしかないでしょう?」ニコッ

オレンジペコ「……そうですね! 私達が用意するのは……」

ダージリン「……うなぎのゼリー寄せ。そうでしょ?」ダジィ

アッサム「絶対に止めてください。ダージリンは普通にお料理が出来るんですから、出すならせめてもっとちゃんとしたお料理にしましょうよ」

ダージリン「ですけど、やっぱり私達の特色を出したいわ。うなぎのゼリー寄せが駄目ならハギスにしましょう? それともスターゲイジーパイ?」

アッサム「んもう、ダージリンってば分かってて言っているでしょう? これだけの人達は集まるんですもの、私達はそれらを繋ぐ物を用意しましょう」

オレンジペコ「ふふふ……色々な料理が出てきそうですもんね。それならやっぱり色々な紅茶を用意しましょう! きっと皆さん喜んでくれますよ!」ニコッ

アッサム「えぇ、それが良いと思うわ。ダージリンもそれで良いですよね?」チラッ

ダージリン「ふふふ……冗談よ冗談。そうね、紅茶が良いと思うわ。でも今はパーティーより楽しみな事があるのよ?」フフッ

オレンジペコ「ダージリン様、楽しみな事って何ですか?」

ダージリン「それはね……あ、まほさーん! 丁度良かったわ、一つ伺いたい事があるのだけれど……」

まほ「む、ダージリンか。私に何を聞きたいんだ?」

ダージリン「んもう、分かっている癖にぃ! あら、丁度良い所に……カチューシャさん、捕まえましたわよ!」ダキッ

カチューシャ「きゃっ! な、何よ! カチューシャはこれからボルシチとビーフストロガノフをノンナ達と準備するから忙しいのよ! こっこの! 離しなさいよ!」ジタバタ
114 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:37:23.40 ID:FbHHfINNO
ノンナ「その手を離しなさい! なんて羨まし……いえ、カチューシャに失礼ですよ!」ガッ

ダージリン「あらあらぁ……お二人とも分かっていらっしゃるでしょう? さぁまほさん、罰ゲームはどう致します?」ニヤリ

カチューシャ「うぐっ、もう罰ゲームの話は別にいいじゃない! ケイもアンチョビも行っちゃったし、カチューシャ達もパーティーの準備をしたいの!」プイッ

まほ「……あぁ、罰ゲームの話か。何だかあやふやになってしまったし、私としては
別に無しでもいいかと思ったのだがな」

ダージリン「そんなの駄目ですわ! カチューシャさんも先程仰っていたでしょう? ルールはルール、罰は隊長がしっかり受けると! さぁどんな罰ゲームにしますか?」ニヤニヤ

まほ「どうしてダージリンがそんなに楽しそうなんだ……」

オレンジペコ「ダージリン様、本当に凄く楽しそうですね……」

アッサム「ダージリンってあぁ見えて結構バラエティ番組とかも好きなのよ。この前もお仕置き系のバラエティを見ながら安全である事の愉悦がどうとか言っていたわ」

オレンジペコ「それ何処の会長なんですか……それにしても、一体どんな罰なんでしょうか……」

ダージリン「うふふふ……さぁカチューシャさん、何が良いかしら。鉄骨渡り? 指ギロチン? あ、そうだわ折角プラウダの方なんですもの。本場さながらのロシアンルーレットは如何かしら?」ワクワク

カチューシャ「ひぐぅ! あ、あまり痛いのは止めなさいよ!」ビクッ

ノンナ「まほさん、まほさん! 罰は私が受けます! だからどうかお願いします、お願いしますぅっ!」グググ

まほ「ぐぐぐぇ、首が絞まってる……ちょ、死ぬ……」グググ

ダージリン「ノンナさん駄目よ? 罰は隊長が受けるとそう決めてあるのですからぁーーっ! うふふふふ……っ!」ニヤニヤ

カチューシャ「うぅ……早く決めなさいよぉ……」ヒック ヒック

まほ(皆一体何を言っているんだ。何だか混乱してきた……あと苦しい……)グググ
115 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:38:05.22 ID:FbHHfINNO
みほ「…………」パチン

ねこにゃー「フィンファンネルが行きますぞぉ!」ダッ

ぴよたん「こっちはハイファミリアだっちゃ!」ダッ

ももがー「あぁ、えっと……ドラグ……インコム……? 否、ファング行くぞな!」ダッ

ノンナ「あぁっ!」グイッ

まほ「うぅ……すまない。助かったよ」フゥ

ねこにゃー「西住隊長! まほさんを救出しましたぞ!」ファー

みほ「はい、ありがとうございます。アリクイさんチームには特別ポイントを付与しておきますね」ニコッ

ぴよたん「これでまた目標に一歩前進ずらー!」キャッキャッ

ももがー「さぁ我等も学園に戻って準備するぞな!」キャッキャッ

みほ「お姉ちゃん、大丈夫だった? それにしても優勝者であるお姉ちゃんに対して詰め寄るなんて……カチューシャさん、部下の躾がなっていないんじゃないですか?」ジー

ノンナ「カ、カチューシャは悪くありません! 私が……私が悪いんです! ですからカチューシャには痛いことをしないでください!」

まほ「ま、まぁまぁみほもノンナも落ち着け。この程度でどうにかなる程私も脆弱では無いつもりだ。さて、肝心の罰ゲームだが……そうだな……」フーム

ダージリン「一人ロシアンルーレット! 一人ロシアンルーレット!」キャッキャッ

まほ「何でダージリンがそんなに乗り気なんだ……? よし、決めたぞ! みほ、ちょっといいか? ごにょごにょ……」ボソッ

みほ「……うん、多分あるよ。ちょっと待ってね、優花里さん!」

優花里「……はいはーい! えーと、それなら確かリュックに……ありましたぁ!」ペカー

みほ「はいお姉ちゃん、これでいいかな?」サッ

まほ「ん、ありがとう。ではこれを……ダージリン、受け取ってくれ」サッ
116 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:39:07.21 ID:FbHHfINNO
ダージリン「んまぁ! 大きなクッションですわね。ほらほらカチューシャさん、見てごらんなさい、まるでパンツァープッシュを模したような形ですわ! さぁ持ってみて!」キャッキャッ

カチューシャ「……PUSHって書いてあるわね。柔らかくて気持ち良いわ。それで、これで何をするのよ」フンッ

まほ「……む? えーと、それで後は罰ゲームに使うのはこれだな。ダージリン、これを」スッ

ダージリン「これは何かしら……格言集? どんな罰ゲームが始まるのかしらねぇ、さぁカチューシャ……どうぞ」スッ

カチューシャ「うぅ、何よこれぇ……」ブルブル

まほ「待て待て、さっきから何で道具をカチューシャに渡すんだ?」

ダージリン「だって、罰ゲームなんでしょう?」クリッ

まほ「あぁ、罰ゲームだぞ?」フーム

ダージリン「…………え?」ジー

まほ「…………お?」ジー

ダージリン「…………は?」ジー

まほ「…………あっ!?」ポンッ

まほ「どうやら勘違いしているようだが……罰ゲームを受けるのはお前だぞ、ダージリン」フゥ

ダージリン「…………え?」キョトン

カチューシャ「…………そうなの?」キョトン

ダージリン「で、でもカチューシャさんは4回戦敗けで、私は5回戦の黒森峰まで到達したんですのよ?」アタフタ

まほ「確かにダージリンの言う通りだが、今回は最初に言った通り出玉勝負だぞ? ガルパンGは1セットのゲーム数が不定期だからな、ベルを引いて粘れればそれだけ枚数が増える。それを踏まえれば一番最初にATが終わってしまったダージリンが一番出玉が少ないのは道理だろう?」

ダージリン「えぇ……そんな……そんなはずは……」プルプル

まほ「小梅、結果枚数は記録しているな?」チラッ

小梅「あ、はい! ダージリンさんが389枚、次に少ないのはアンチョビさんで405枚、カチューシャさんは421枚ですね。一応写真も撮ってあります」サッ

まほ「うーむ、オレンジペコがアンツィオ相手に即敗北してたのが響いたかな。アンツィオテーブルは獲得枚数が少なくなりがちだから、仕方ない事だが……」
117 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:39:42.37 ID:FbHHfINNO
ダージリン「はわ、はわわわ……」プルプル

カチューシャ「ねぇねぇノンナ、カチューシャは助かったの?」チラッ

ノンナ「はいカチューシャ! 偉大で可愛く尊大な同志カチューシャが罰ゲームを受ける道理は御座いません! さぁその忌まわしいクッションはダージリンさんに投げ付けてしまいましょう!」ニコニコニコニコ

カチューシャ「ふーん、へぇ、なるほろ…………おらーっ!」ブンッ

ダージリン「へぶぅ!」ボスッ

カチューシャ「さっきは随分とこのカチューシャに色々と言ってくれたわね! さぁ罰ゲームの時間よ! ノンナ、罰ゲームは何だったかしら?」フンッ

ノンナ「ダージリンさんは確か一人ロシアンルーレットを熱望していたかと……ご安心ください、既に準備は出来ております」サッ

カチューシャ「もう準備がしてあるなんて、流石ノンナだわ。さぁダージリン、引き金を引くタイミングはあなたに任せてあげるわ!」ケラケラ

アッサム「ちょっと! それ散弾銃のヴェープル12じゃない! リボルバーが無い散弾銃でロシアンルーレットなんて出来る訳ないでしょう!? 絶対に弾が出ちゃうじゃないの!」

カチューシャ「一人でロシアンルーレットをするならいつかは必ず弾が出るんだもの! 空打ちの心配を態々このカチューシャが無くしてあげたのよ! 感謝しなさい、アハハハハハ……ッ!」ケラケラ

ノンナ「あぁカチューシャ……勝負に負けた負け犬にも配慮するとは……本当にお優しい人……っ!」ジーン

ダージリン「ひぇぇ…………」プルプル

まほ「……言うほど配慮してるか?」チラッ

小梅「いえ、全然。カチューシャさんも先程までは言われ放題でしたから、その反動ですかね。カチューシャさん、まるで水を得た魚ですもの……」

まほ「もうそろそろ止めるか。さぁ二人とも、そこまでだ!」ビシッ
118 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:40:36.84 ID:FbHHfINNO
カチューシャ「止めないでマホーシャ! さっきまで散々言ってきたのはダージリンの方なのよ、言うだけ言って立場が逆転したら知らんぷりなんて通る筈が無いでしょ!?」

ダージリン「ちょ、ちょっとした冗談ですのよ! 私がカチューシャさんにあんなこと本気で言う訳がありませんわ! だから……ね?」ニコッ

ノンナ「…………足から打ちましょうか?」サッ

まほ「おい! 止めろ!」バッ

カチューシャ「ノンナ! 小指から順番にしましょう! 右足の小指からよ!」

ダージリン「えっちょ、きゃーっ! ぺ、ペコ、助け……」ガタガタ

カチューシャ「アハハハハハッ! ダージリン、良い様だわっ!」ケラケラ

まほ「あぁもう! お前らいい加減に……っ!」

ノンナ「カチューシャ、射撃ならお任せください!」サッ

みほ「…………っ!」ドンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

カチューシャ「ひっ!」ビクンッ

ダージリン「きゃっ!」ビクンッ

ノンナ「くっ!」ビクンッ

まほ「あんっ!」ビクンッ

みほ「……お姉ちゃんが喋っているでしょ? 少し黙ってね?」ニコッ

カチューシャ「あわわわわわ……」プルプル

ダージリン「ひぃぃぃ……」プルプル
119 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:41:08.48 ID:FbHHfINNO
まほ「あぁ、えーと……あの、喋ってもいいですか?」チラッ

みほ「勿論だよぉ! 私がお姉ちゃんの邪魔をするわけ無いでしょ、さぁどうぞ」ニコッ

まほ「あっ……はい。おほん! さて、ダージリンへの罰ゲームだが……『リアルダージリンのこんな格言を知ってる?』にしようかと思う」

ダージリン「そんな事で良いんですの? はぁー助かりましたわ、では早速……ごほん!」バッ

まほ「だから待てと言うのに。何のためにPUSHクッションと格言集を渡したと思っているんだ。ダージリンが格言を言う相手はな…………」ゴニョゴニョ

ダージリン「え、えぇーっ!? そそそもそも私はあの方とそれほど面識は御座いませんのよ!? 問題になったらどうしてくださるの?」ビクッ

まほ「その時は私とみほが上手く取り成すさ。みほ、居場所は分かるか?」チラッ

みほ「うん、任せて!」グッ

まほ「では行こうかっ!」バッ
120 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:42:00.07 ID:FbHHfINNO
ーーーー路地裏ーーーー

???「あぁ……流石に一日中打つのは身体に負担が大きいわね……」チラッ

???「勝負も決着が付きませんでしたし、とりあえず何か飲みにでも行きましょうか……」フゥ

しほ「そうね、今日は遅くなると伝えてあるし……これからゆっくりと飲みましょう?」

千代「それなら蝶野さんも呼びましょうか、でも呼ぶには少し時間が遅いかしら……」チラッ

まほ「ターゲット確認、全員配置に付け!」サササッ

みほ「うわぁ……お母さんと島田流の家元両方居るじゃん。ダージリンさん、御愁傷様……」サササッ

ダージリン「ちょっとぉ! あの方達相手は絶対に無理よっ! 無理無理無理無理エスカルゴなのっ!」

まほ「まだちょっと言い回しに余裕があるな。流石は聖グロリアーナの隊長だ、安心したよ」ハハハ

ダージリン「あぁっ! そんな、ちょっとしたジョークなの! カチューシャさん、お願い助けて!」グッ

カチューシャ「一人ロシアンルーレットよりマシじゃない! さっさと行って来なさいよ!」

ダージリン「……この渡された格言集を見てもそう言えますの?」サッ

カチューシャ「…………あっ……ほ、骨はこのカチューシャが拾ってあげるわ!」グッ
 
ダージリン「そんなご無体なっ! お願いだから別の罰ゲームにしましょう!?」ウルウル

オレンジペコ「あぁダージリン様……おいたわしや……」ウルウル

アッサム「ねぇまほ、本当に大丈夫なんでしょうね? 殺されたりしないわよね?」
121 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:42:33.82 ID:FbHHfINNO
まほ「まぁ大丈夫だろう、あの二人から逃げ切れればな。さて、ガルパンGに於ける『ダージリンのこんな格言を知ってる?』と言えばVストック特化ゾーンだが、今回はそれを模して『リアルダージリンのこんな格言を知ってる?』を行う!」

まほ「あそこに居る二人に此方が用意した格言を言って貰う訳だが……もし、用意した格言8個全てを言う事が出来ればガルパンGにもある『8つの格言革命』達成としてダージリンの願いを一つ叶えてやろうと思うが……皆もそれでいいか?」クルッ

みほ「全部言えたならそれぐらいの恩恵が有っても良いよね、私達はおっけーだよ!」

カチューシャ「……カチューシャ達も了承するわ。でも理解できないぐらい早口とか日本語以外で伝えるのは当然禁止よ!」

ダージリン「あぁ、そんなっ! ペコぉ! それなら手話の準備をお願い!」

まほ「手話も禁止に決まっているだろ、格言は口頭で尚且つ日本語以外禁止だ。始まりの音源は先程携帯で送っておいたから使ってくれ。そうだな……一応補佐として誰かを連れていってもいいが……」チラッ

ダージリン「……ペコ、アッサム! ペコとアッサムを補佐として指名しますわ!」

アッサム「……私は走るのが余り得意では無いので……ダージリン、ごめんなさい……」プイッ

オレンジペコ「ダージリン様すみません。もしもの時、私も逃げ切れる気がしないので今回だけは遠慮させて頂いてもよろしいですか……?」プイッ

ダージリン「……カチューシャさん? ノンナさん?」チラッ

カチューシャ「絶対に嫌よ! 何でこのカチューシャが補佐とはいえ罰ゲームの場に行かなきゃなんないのよ!」プイッ

ノンナ「ダージリンさん、ご安心してください。罰ゲームの様子はこの通りクラーラがばっちり撮影しております」ニヤニヤ

クラーラ「…………っ!」グッ

ダージリン「みほさぁん! まほさぁん!」グイッ

みほ「絶対に嫌です、ごめんなさい!」ペコ

まほ「ははは、当然断る!」ビシッ

ダージリン「…………うぅ……あんまりですわ……」ウルウル
122 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:43:04.45 ID:FbHHfINNO
まほ「ではそろそろ行って貰おうか。私達は此処等に隠れているから、何かあったら全力でここに走って来るんだぞ? いいか、ここだぞ?」

ダージリン「……了解したわ」ジー

まほ「よし、では『リアルダージリンのこんな格言を知ってる?』スタートだ!」バッ

ダージリン「……では、行ってくるわね……」トボトボ

オレンジペコ「あぁ……ダージリン様の歩くお姿に哀愁が漂っていますぅ……」ウルウル

まほ「……行ったな。では此方も少し場所を移すぞ」

みほ「うん、あの三人に見付からないように後ろからまわっていこう!」トテトテ

アッサム「ちょっとまほ! 何処へ行くつもりなの!?」

まほ「何処って、ダージリン達がよく見える場所だが? 此処以外のな」ニヤリ

オレンジペコ「何で移動するんですか!? ダージリン様はもしもの時は此方に走って来るんですよ? まほさんがそう言ったじゃありませんか!」

まほ「そうだな、ダージリンはもしもの時にはここに走って来るだろう。但し、怒り狂ったモンスターを二人引き連れてだが……」ニヤリ

オレンジペコ「そ、そんな! ダージリン様を生け贄にするつもりですか! まほさんも此処等で待っている……と……此処……等……?」ピクッ

まほ「そう、嘘は言っていない。此処ではなく此処等で待っていると言った。さぁもたもたしていると良いところを見逃してしまうぞ、何処に移動しようか」チラッ

みほ「お姉ちゃん、あそこが良いんじゃないかな? というか、ここ以外だとあそこぐらいしかよく見えそうにないし……」

まほ「よし、総員速やかに移動だ!」

カチューシャ「ま、カチューシャは罰ゲームが見れれば何処でもいいわ!」トテトテ

ノンナ「そうですね、後で撮影したのを何回も見直しましょう」ニコニコ

オレンジペコ「あぁ、ダージリン様……それでも移動してしまうペコをどうかお許しください……」

アッサム「ダージリン……無事を祈るわ……」
123 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:43:36.11 ID:FbHHfINNO
ーーーーーーーーーーーー

千代「蝶野さんが電話に出ないわね……どうします?」チラッ

しほ「出るまでコールしましょう。今日はとことん付き合わせてあげます」ニヤリ

千代「まぁそうなるわね。だけどこういう時はバミューダの三人でも近くに居ればいいのだけど……彼女達も忙しいかしらね……あら? あなたは……?」チラッ

ダージリン「西住流の家元……ご無沙汰しておりました。ダージリンで御座います……」ペコリ

ダージリン「島田流の家元……初めてお目に掛かります、私……聖グロリアーナ女学院で戦車道の隊長を務めさせて頂いております、ダージリンと申します。以後お見知りおきをどうぞ宜しくお願い致します……」ペコリ

しほ「そう……妙な所で会うのね。あなたにはまほとみほがお世話になっているわね。母としてお礼を言わせて貰います、いつもありがとう……」ペコリ

千代「あらあら、あなたがあのダージリンなのね。お噂は予々伺っておりましたわ。先の大学選抜の試合でもあなたの実力をお見せ頂きました。此方こそどうぞよろしく」ペコリ

ダージリン「……ではお二方、準備はよろしいですね!? それでは始めさせて頂きますっ! スイッチオーーンッ!」ポチッ

ーチャッチャラッチャッチャッチャー

ダージリン「ダージリンのぉー! こーんな格言を……知ってるぅーーっ!?」バンッ

しほ「…………?」キョトン

千代「…………?」キョトン

みほ(ダージリンさん、もう何か振り切ってるね……)ボソボソ

まほ(くくく……ノリノリじゃないか。それに対して二人は何が始まっているか分かっていないようだな……唖然としている)

オレンジペコ(どうかダージリン様が五体満足で帰れますように……)ギュウ
124 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:44:33.96 ID:FbHHfINNO
ダージリン「パンツァーーー! おプーーーッシュ!」サッ

しほ「…………?」ボーゼン

千代「…………?」ボーゼン

ダージリン「……パンツァーーー! おプーーーッシュ!」グッ

まほ(ぷふっ……二人とも困ってる困ってる……しかしダージリンの奴め、あれだけ嫌がっていたのに……やるときはやると言うことか、流石だな)ウンウン

カチューシャ(PUSHクッション持ちながらジェスチャーしてるわね。これ誰かがクッションをプッシュするまで続くの?)

ダージリン「……パ、ン、ツァーーー! おプーーーッシュ!!」グイグイ

しほ「これを押せと言っているのかしら……どうします?」チラッ

千代「そうねぇ、押せと言うのなら押してあげるのも先達の務めかしら……えいっ」ポシュ

ダージリン「男盛りは30から……女盛りは30までぇぇぇーーーーっっ!」バンッ

しほ「……は?」ジトッ

千代「……あ?」ジトッ

ダージリン「ひぃっ!」ビクンッ

まほ(ふふふふ……二人とも滅茶苦茶怒ってるな。これでとりあえず格言一つ目……ダージリン、ここからが勝負所だぞ!)

しほ「ダージリン、あなた今なんと仰いました? 事と次第によっては……」ジロリ

千代「まぁまぁしぽりん、とても愉快な方じゃない……ですのでこれは是非私達が付きっきりで指導してあげるべきではなくて……?」ジロリ

ダージリン「ひぃぃぃ! パパ、パンツァーーー! おプーーーッシュ!」バッ

まほ(そうだ! その勢いで押し切れダージリン!)
125 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:45:12.22 ID:FbHHfINNO
千代「あらあらぁ……この状況で続ける気かしら。成る程ねぇ、聖グロリアーナの隊長はその豪胆さを持たないと務まらないということかしら?」ジトー

しほ「さて、どうかしらね。それもこれを押せばハッキリする事……うらぁっ!」ドスッ

ダージリン「おごっぷ……くっ……」プルプル

みほ(あんなの完全にボディーブローじゃん。思い切り腰から振り抜いてるし、クッション越しだとしても超痛そうだよ……)

まほ(ダージリンの奴、かなりプルプルしているな。ここで退くのか……?)

ダージリン「…………熟した果実は籠の中、熟した女は腐るだけぇぇーーーっっ!」プルプル

まほ(言ったぁぁぁーーーーーーっっ!)

しほ「〈●〉〈●〉」ジー

千代「〈●〉〈●〉」ジー

ダージリン「あわわわわわわ…………っ!」ブルブルブルブル

しほ「……素敵な格言をどうもありがとう。代わりに私も格言を一つお返ししましょう……」

しほ「人は頭部を破壊されると……のた打ち回って死ぬ! 良い言葉でしょう? さぁ早速あなたの頭部で試してみましょうか……」グッ

ダージリン(もうこれ以上は無理っ!)

ダージリン「……と、まほさんが仰っていました!」クルッ ダダダダダダダダ

しほ「あ、待ちなさい!」ダダダ

千代「逃がさないわよ!」ダダダ
126 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:46:12.43 ID:FbHHfINNO
まほ(ダージリンめ……私に濡れ衣を着せたな!)

みほ(濡れ衣っていうかお姉ちゃんが黒幕でしょ! それにしてもダージリンさんって足が凄く早いんだね……あれならこのまま逃げ切るんじゃない?)

オレンジペコ(ダージリン様は文武両道を地で行くお方ですから……)

まほ(足は早くともダージリンの向かう先には誰も居ない。あのまま二人を引き連れて逃げてくれれば我々は安全だ!)ニヤリ

ダージリン(……とか何とかまほさん達は思っているでしょうけど甘いですわ! まほさんの先程の口振りからすると元の場所には当然居ないでしょう。そうなるとあの場所以外で私達三人を見渡せる場所……つまりぃ……っ!)クイッ

ダージリン「此方に集まっていますわね! ほーら、見つけたわよぉ!」ダダダダダダダダ

まほ「あっ! ダージリンが二人を引き連れてこっちに向かってきたぞ! おい、全員急いで離脱だ、急げぇ!」ダダダッ

みほ「えぇっ! あの速さなら逃げ切れたのに何で態々こっちに来るの!?」ダダダッ

ダージリン「お黙りなさい! 私だけがこんな目に合うのは真っ平御免の介ですわ!」ダダダダダダダダ

しほ「むっ!? 糞ガキ共ぉ! 見つけたぞぉぉーーっっ!」ダダダダダ

千代「あっ! みほさん、あなたねぇ愛里寿に何て言ったのよぉ! お陰で恥をかいたじゃないの! 絶対に許さないわよ!」ダダダダダ

みほ「私は全然関係無いじゃないですか! 元はと言えば自分から夜の島田流がどうとか言ったからでしょ!?」

小梅「よ、夜の島……ぶふっ! よ、夜の島田流って、そんな嘘でしょ!? あはははははっ!」プププ

千代「…………全員ぶち殺してくれるわぁーーっ!」ダダダダダ

しほ「おらぁーーっ! 貴様等から若さを絞り出してドモホルンリンクルにしてくれるっ!」ダダダダダ

まほ「ドモホルンリンクルに若さは入っていません! 勘弁してください!」ダダダダダ
127 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:47:27.66 ID:FbHHfINNO
エリカ「…………」トテトテ

まほ「む!? エリカが二人の方に歩いて行く、そっちは危ないぞエリカァ!」

しほ「あなたは……逸見エリカ! 観念して自らその身を差し出してきたのね……!」

エリカ「……家元? そんなに急いで何かあったんですか?」コテッ

ダージリン「まさか……関係無いフリをして誤魔化すつもり……!?」

まほ「意外に大胆な奴だな、お母様にそんな誤魔化しが成功するのか?」

しほ「……あなたはあの糞ガキ共とは何も関係無いのですか?」ジー

エリカ「糞ガキって……誰の事です? 今日は少し用事があるのでこれで失礼します」ペコリ

しほ「…………むぅー?」ジー

ダージリン「あぁ……様子を伺っていますわ……疑わしきは罰せずと言いますし、もしかするとこれは成功するのでは?」

まほ「いや、エリカだけを逃がすわけにはいかない! お母様ぁー! 先程の格言は全部エリカが考えましたっ!!」

みほ「あと『はぁーマジ頭西住流の奴ぷっぷくぷーだわ!』とか言って西住流を馬鹿にしてましたっ!」

しほ「制裁ぃっ!」ベチン

エリカ「へぶぅ!」ビタン

千代「足を持ったわ!」ギュウ

しほ「手は任せなさい!」ギュウ

エリカ「えっちょ、はな、離してください!」ジタバタ

しほ「せーの、若さ抽出一番しぼりぃぃーーっ!」ギュウウウウウウ
千代「せーの、若さ抽出一番しぼりぃぃーーっ!」ギュウウウウウウ

エリカ「ぎゃあああぁぁーーー! 捻れるぅぅぅーーーー!」ギュウウウウウウ

小梅(うわぁやっぱエリカさんの顔えっぐいなぁ……)
128 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:48:52.19 ID:FbHHfINNO
カチューシャ「あわわわ、ノンナ! 早く逃げましょ!」トタテテ

まほ(ん、カチューシャの足が思ったより遅いな……ということは……ダージリン、準備はいいか?)チラッ

ダージリン「…………む! 了解ですわ!」ピクン コクッ

まほ「さぁエリカが犠牲になっている間に早くこの場から離れるんだ! 我等大洗連合隊の大隊長であるみほと副隊長のカチューシャだけは絶対に逃がさなきゃならないぞ!」ダダダ

ダージリン「えぇ、さぁ早くお逃げなさい! この企画を考えた二人だけは絶対に逃がしますわよ!」ダダダ

カチューシャ「え、カチューシャが副隊長なの?」キョトン

ノンナ「あのゴミ共はカチューシャを生け贄にして逃げようとしているのです! とにかく早く逃げましょう!」

しほ「ちよきち、聞きましたね?」チラッ

千代「えぇ、どうやら首謀者が居るようね……しぽりん、行きますわよ!」ダダダダダダダダ

みほ「うわ二人とも年の割りには早い! ちょっとお姉ちゃん、ダージリンさん! 都合が悪くなると私をスケープゴートにするの止めてよ!」ダダダ

まほ「それ逃げろぉ! 捕まったら絞られるぞぉーー!」ダダダダダダダダ

みほ「あぁもう!」ダダダ
129 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:50:15.41 ID:FbHHfINNO
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130 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:50:53.68 ID:FbHHfINNO
カチューシャ「くぅーー! はぁ……はぁ……駄目、カチューシャの足じゃ逃げ切れない!」トテトテ

ノンナ「カチューシャ! このままでは捕まってしまいますから、少しの間だけ失礼します!」バッ

カチューシャ「あっ! でも抱っこされてもあの二人からは逃げ切れないわ、カチューシャを置いてせめてノンナだけでも逃げて!」

ノンナ「カチューシャ……私が一度でもカチューシャの期待を裏切った事がありましたか? あなたは私にこう言えば良いのです、『私を抱えて逃げなさい』と」ニコッ

カチューシャ「ノンナ……分かったわ! ノンナ、このカチューシャを抱えて逃げなさい! ついでにカチューシャに濡れ衣を着せた奴に制裁よ!」バッ

ノンナ(先ずは深呼吸をしてカチューシャ成分を摂取、そしてそのままエンドルフィンを分泌し身体の機能を全解放する。今私が抱えているのはこの世で最も愛しき人……決してゴミ共に汚させはしない! カチューシャは永遠に穢れ無きカチューシャ! 全身全霊全力全開……行きますっ!)スゥゥゥゥゥゥゥーーーーーースンスンスンスン

カチューシャ「んふふ……ちょっとノンナ! く、くすぐったいわよ……っ!」クネクネ

ノンナ「ウラーーーーーーーーーッッッッ!!!」ダダダダダダダダダダダダダダダダ

まほ「カチューシャを抱えたままであれだけのスピードが出せるとは! このままでは次に捕まるのは……」チラッ
131 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:51:39.06 ID:FbHHfINNO
アッサム「はぁ……はぁ……駄目……このままじゃつかまっ」ガシッ

しほ「あら素敵なお嬢さん、そんなに急いで何処へ行くの? ところで、あなたは一体どんな音色で鳴くのかしら?」ギュウ

千代「それは是非聞きたいわね……せめて可愛く鳴いて頂戴……」ギュウ

アッサム「ちょ、やばっ離してください!」ジタバタ

しほ「行くわよ、若さ抽出一番しぼりぃぃーー!」ギュウウウウウウ
千代「せーの! 若さ抽出一番しぼりぃぃーー!」ギュウウウウウウ

アッサム「ぎええぇぇぇぇぇーーーーっっ!」ギュウウウウウウ

ダージリン「アッサム! もっと他に淑女の叫び声があるのではなくて!?」

オレンジペコ「アッサム様もきっとそんな余裕無いですよぉ! それより早く逃げましょ!」

まほ「とにかく逃げろぉぉぉーーーーーーっっっ!!」ダダダダダダダダ

………………………………

……………………

…………
132 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:52:47.82 ID:FbHHfINNO
ーーーー大洗学園某所ーーーー

杏「いやーこれは中々豪勢なパーティーになったんじゃない? やっぱアンツィオ生が居ると料理の出来映えが違うねぇー!」ニコニコ

ケイ「もうアンジー! そんな言い方じゃまるでアンツィオ以外は料理が駄目って言ってるようなもんじゃない! 私達の料理だって中々でしょ? ね?」ニコッ

杏「ごめんごめん、分かってるよ。いつも干し芋ばかり食べてるけど、フライドポテトもハンバーグも美味しいよ! サンキュー、おケイ!」ニコッ

???「注文をお願いしようかしら……あら? まほは何をしているのかしら……?」チラッ

まほ「あぁはいはい、ご注文ですね。お伺いします……お母様」ガクリ

しほ「シェフのきまぐれパスタとシーフードピザのSで」

千代「私はトマトのブルスケッタとフリッティでお願いするわ」

蝶野「うーん、先ずはサルティンボッカだけにしておきましょう!」

まほ「畏まりました……」ペコリ

杏「ところで……あの一角は何なの?」

ケイ「さぁ? レストランごっこでもしてるんじゃない?」

まほ「…………安斎シェフ! オーダー入りました!」バンッ

アンチョビ「安斎って呼ぶな、アンチョビだ! そしてシェフではない、ドゥーチェだぁ!」

まほ「それでいいから頼むぅ! 頼むから作ってくれぇーっ!」ペコォー

ペパロニ「ちょっとちょっと、一体何があったんすか? いきなりパーティー会場にあの三人ですもん、完全に場が凍り付きましたよ」ハァ

まほ「お母様達を罰ゲームのダシにしたら物理的に捻り切られそうになった……だから美味しいイタリアンを出す場所に案内しますから勘弁してくださいと言って連れてきたんだ……すまん」
133 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:54:01.90 ID:FbHHfINNO
アンチョビ「何だよ物理的に捻り切られそうって……めっちゃ怖いな。まぁいい! とりあえず作るぞ、ペパロニ、カルパッチョ!」

ペパロニ「うぃーっす!」カチャカチャ

カルパッチョ「はーい!」カチャカチャ

愛里寿「あ、あの……」トテトテ

アンチョビ「おーっ! 愛里寿じゃないかぁー! 久し振りだな、一体どうしたんだ?」ニコニコ

愛里寿「うぅ……お、お母様が迷惑をかけてごめんなさい……」ペコリ

アンチョビ「おいおい、何もそんな愛里寿が頭を下げる事なんてないって! そうだ、愛里寿は何か食べたい物はあるか? このドゥーチェアンチョビが何でも好きな物を作ってやるぞ!」ニコッ

愛里寿「…………いいの?」コテン

アンチョビ「勿論だとも! 私はイタリア料理なら大体作れるからな、何でも好きな物を言ってくれ!」

愛里寿「じゃあ……ピザ! 美味しいピザ食べたい!」ピョンピョン

アンチョビ「よぉーし! じゃあえっと……一緒にボコのピッツァを作ろう! 確かボコが好きなんだよな?」

愛里寿「うん! 大好き! でも私はピザなんて作った事が無い……私にも作れる?」

アンチョビ「このドゥーチェアンチョビが隣に居るから大丈夫だ! 先ずはそうだな……ピザとピッツァの違いから教えてやろう! ハーハッハッハッハーーーッ!」

ペパロニ「流石ドゥーチェっす! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!」

カルパッチョ「ドゥーチェ! ドゥーチェ! さぁ愛里寿ちゃんも!」クイッ

愛里寿「どぅ……どぅーちぇ! どぅーちぇ! どぅーちぇ!」ピョンピョン

アンチョビ「アーハッハッハッハッハッハーッ!」

まほ「……はぁ、料理は安斎に任せて私も何か食べに行くか……」トテトテ
134 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:54:51.78 ID:FbHHfINNO
まほ「ん……この匂いは……」クンクン

アリサ「あ、まほさーん! 探しましたよ、私とナオミは一緒にカレーを作ったんです! 是非まほさんに少しでも食べて頂きたくって……食べて頂けますか?」キャルーン

まほ「ほう……いいのか? では少し食べさせて貰おうかな」ニコリ

アリサ「はい、特製ハンバーグカレーです。どうぞ!」サッ

まほ「ハンバーグカレー! そうか、ハンバーグとカレー……皆が憧れる二大スターが夢の共演と言うことだな?」ニヤリ

アリサ「え、えぇまぁそうなりますかね。ところであそこの三人は何故来たんですか……?」

まほ「聞かないでくれ」

アリサ「何か持ち込んだお酒で酒盛り始めましたけど……」

まほ「見ないでくれ! 私はもうあそこには近付かん!」プイッ

アリサ「それでぇ、あのぉ、お味の方は……どうですか?」チラッ

まほ「うん、美味しいよ。このハンバーグは手作りなのかな? カレーに良く合っている」ニコッ

アリサ「…………っ!」グッ

まほ「アリサは料理が上手なのだな。私は余り手先が器用じゃないから羨ましいよ」

アリサ「でへ、でへへ……そんなに誉められると困っちゃうなぁ……」ニタニタ

ナオミ「あんなにニヤニヤしちゃって……まぁ手伝った甲斐があったかな」ニコッ

ケイ「良い事だわ! タカシをモニター越しに見詰めているより、あぁしてまほを直接見ていた方が乙女チックで健全よ!」

ナオミ「健全……って言っていいのかな?」

ケイ「ふふっ! ナオミがそれを言うの?」

ナオミ「おっと、藪蛇だったかな。さて、私も可愛い子猫ちゃんでも可愛がりに行こうかなっと」クルッ

ケイ「あら? ちょっと待って、あれは……」チラッ
135 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:55:31.39 ID:FbHHfINNO
典子「いつも!」バッ

あけび「心に!」バッ

忍「バレー!」バッ

妙子「ボール!」バッ

典子「でも、今日はこの手にバレーボール……」ギュウ

あけび「キャプテン……流石に今は皆さん食事をしていますしバレーをするのは憚られます……」ジッ

典子「だけど、大洗に他の学園艦の人達がこんなに沢山来てるんだから……」

典子「みんなの心にもバレーボールを刻みたい!」グッ

忍「……やりましょうキャプテン!」

妙子「怒られても平気へっちゃらです!」

あけび「みんなの心にバレーボール……素敵だと思います!」

典子「よし! 根性で行くぞっ! そーれっ!」バシィ

ナオミ「おっと! ヘイ、子猫ちゃん達! ちょっと食事のマナーがなってないんじゃないのかい?」ポスッ

典子「あっ! サンダースのフィジカルエリート達だ!」

ケイ「まぁまぁナオミ、いいじゃない。食事のマナーは駄目だけれど、今日はパーティーよ? だからぁ……相手してあげましょ!」トスッ

ナオミ「ふふ……そういうことなら……イエスマム!」バッシィ

典子「何の! 大根性回転レシーブ! 皆、フィジカルエリート達には根性で対抗するんだ!」バシッ

あけび「キャプテンナイスレシーブ! トス上げますぅ!」トスッ

忍「おっけー! アターーック!」バシッ

ナオミ「くっ! しまった!」ベチン
136 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:56:24.42 ID:FbHHfINNO
アリサ「ーーーそれでなんですけどぉ、あのもしよかったら連絡先を……」ボスッ

アリサ「はぶぅっ!」ベチョ

まほ「お、おい! 大丈夫かアリサ!」アタフタ

アリサ「…………この顔に付いたカレーを見ても大丈夫に見えます?」ベットリ

まほ「うっ……とりあえず洗って来たらどうだ? カレーは私が片付けておくから……」

アリサ「すみませんそうします、では失礼します」クルッ ダダダダダダ バンッ

まほ「…………」

ケイ「あっちゃー……」

ナオミ「アリサ……すまない……」

アリサ「…………っ!」バンッ

アリサ「このバレーボールを私に打った奴はどこのどいつだぁーーーーっ!」バシッ

典子「大根性回転レシーブ! はっ、つい身体が反応してしまった!」バシッ

妙子「っとぉ、トースッ!」トスッ

忍「もう三回目だから相手に返すしか……アターーック!」バシィ

アリサ「やんのかこらぁーーーっ!」バシィ

ケイ「アリサ! ナイスレシーブよ! 上げるわナオミ、お願いねっ!」トスッ

ナオミ「イエスマム! 次は……決めるよ!」バッシィ

典子「うっ早い! あぁーー……」バシッ ガクリ

ケイ「ナオミ、ナイスアタックだったわ! アリサもナイスレシーブ!」グッ

ナオミ「ふぅーっ、良いセットだったね!」

アリサ「ふん! 大洗の連中なんかに負けるもんですか! じゃっなーーい! 食事中にバレーすんな! 会話の邪魔すんな!」ガルルル
137 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:57:30.85 ID:FbHHfINNO
典子「でも……アリサさんのレシーブ……良かったです。これでアリサさんの心にもバレーボール……宿りましたか?」

アリサ「へへっ、そうね。私の心にもバレーボール……って宿るかバカ!」

典子「そんな……それならもう一度だ! それっ!」バシッ

アリサ「だから……止めろっての!」バシッ

ケイ「アリサーこれも負けたら反省会だからねー!」フフッ

アリサ「えっ、また!? ま、負けてたまるかぁーー!」バシィ

まほ「…………御馳走様でした、と。アリサも忙しいようだし、他を見て回るか……」テクテク

まほ「……うーむ、エリカ達も見ないし、みほも居ないな。こうなると少し手持ち無沙汰な感じではある……。ん、これ美味いな」モグモグ

まほ「誰が作ったかは知らないがやはり年頃なだけあって皆も料理が上手なんだな。いつかは私も料理を練習して誰かの為に作る日が来るのだろうか……? 全く想像が付かない事だが……」モグモグ
138 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:58:20.64 ID:FbHHfINNO
???「にしず……ま、まほっ!」バッ

まほ「ん? 桃ちゃんじゃないか。これは……何だ?」スッ

桃「私達は生徒会の三人で大洗名物の鮟鱇鍋を作ったんだ! お、美味しくできたから是非まほに食べて欲しくてな……」テレッ

まほ「さっきから食べてばかりだが……折角だからな、頂こう。桃ちゃんありがとう」スッ

桃「ど、どうだろうか……まほの口に合えば良いのだが……」チラッ

まほ「んむんむ……鮟鱇鍋は初めて食べるが……美味いな。身体が暖まるよ」

桃「美味いだろう! 大洗と言えば鮟鱇鍋だからな! 鮟鱇の七つ道具を余すところ無く贅沢に使った鍋だぞ、私も大好きなんだ!」ニコニコ

まほ「鮟鱇の七つ道具……スパナでも入っているのか?」キョトン

桃「違う違う、鮟鱇は食べるとき骨以外は殆ど残らない貴重な魚なんだ。鮟鱇を解体したとき、肝、皮、えら、水ぶくろ、ぬの、ひれ、そして柳と大身を合わせた身を入れて七つ道具と言われている。この鍋にも勿論入っているからな、得も言われぬコクがあるだろう?」

まほ「へぇ……ずずず……うん、んまい」ニコッ

桃「…………んふっ」ドヤァ

まほ「桃ちゃんも料理が出来るのだな。食べてばかりの私は少しばかり恥ずかしいところだ……」テレッ
139 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 00:59:02.52 ID:FbHHfINNO
桃「……ふふふ、何を隠そうこの葱は私が切ったんだ!」ンフー

まほ「それぐらいは私にも出来る」

桃「は、白菜も切った!」グイッ

まほ「それも出来る」ジー

桃「…………やさい、あらった……」グスッ

まほ「…………」ジー

桃「あじみもいっぱいしたぁ……っ!」グスッ グスッ

まほ「ふふ……そうか、そういう事ならこの鮟鱇鍋は差し詰め桃ちゃんの味ってところだな。美味しいよ、ありがとう」ニコッ

桃「だろっ!? そうだろ!? そうそう、そういうことなんだ! ふふふ、一生懸命に味見したからな、柚子にも大分無理を言ってしまった。だけどそのお陰で妥協の無い完璧な味に仕上がった筈だ!」ニコニコ

桃「会長も柚子も料理一つとっても凄い腕前でな、そこら辺の料理人では足下にも及ばないぐらいなんだ。二人とも多才だし、本当に凄いんだぞ! 他にもだなぁ……っ!」ニコニコ

柚子(もう、桃ちゃんったら私達の事はいいから自分の事を話さないと!)コソコソ

杏(これじゃ何を売り込んでるのか分かんないね。あれだけなるべく自分の事を話せって念を押したのになぁ……)コソコソ

柚子(いっそあんこう鍋も自分が作ったぞって言ってもいいのに……鍋なんてそう難しくない料理なんだから……)コソコソ

杏(いやー、かーしまにそういう嘘は難しいっしょ。直ぐにバレそうだし、だからかーしまはあれでいいんだよ)

柚子(そうですかね……あぁ……何か私達の事を滅茶苦茶誉めてる……こそこそ聞いてる私の方が恥ずかしくなってきましたぁ……)テレッ
140 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:00:03.64 ID:FbHHfINNO
桃「……でな! それでな! 会長はそこで身を翻して足を踏ん張り大見得を切ってだな……っ!」フンスフンス

まほ「ははは……桃ちゃんは本当に二人の事が好きなのだな。聞いている私でも桃ちゃんが二人をどれ程慕っているか良く分かるよ。これでは二人に少し嫉妬してしまいそうだ」ニコッ

桃「えっ、あっいや……その、勿論二人共尊敬しているし、大事な友人だと思っているが……その、出来ればなんというかまほともそういう関係が……」ゴニョゴニョ

杏(む!? かーしま、この会話の流れはチャンスだぞ! 行けっ! 言っちゃえ!)ジトー

柚子(んふふ……甘酸っぱい雰囲気が出てきましたね……良い感じですぅ。桃ちゃんったらあんなにドギマギしちゃって……はぁぁぁ……可愛い……)

桃「ま、まままほともそそ、そういう関係をだな……っ!」ゴニョゴニョ

桃「きっ築いていきたいと思っているっ!!」ビシィッ

杏(言ったぁぁぁぁーーーーーっっ! かーしま、良く言ったぞ! 途中でヘタレるかと思ったけどよく言い切った!)ワクワク

柚子(まほさんは!? まほさんは何て返事をするの!? あーんもう! どうなのぉ!?)テカテカ

まほ「桃ちゃん……」ジッ

桃「うぅ……っ!」タジッ

まほ「ありがとう。桃ちゃんの気持ち、とても嬉しいよ。そうだな、折角こうして縁が出来たんだから、これから先お互いにもっと仲良くなれると良いな」ニコッ

桃「ま、まほっ!」ジーン

杏(良い展開じゃん、これは充分前進したって言ってもいいっしょ! やったな、かーしま!)ニコニコ

柚子(あんないっぱいいっぱいな桃ちゃん……久し振りに見たよぉ……はぁぁーーん、桃ちゃん可愛いよぉ……)ハァハァ
141 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:00:46.62 ID:FbHHfINNO
柚子(よーし、今日は桃ちゃん頑張ったからちょっとサービスしてあげる! ペンシルロケット、発射!)ババババシュ

桃「どわっ!」ビビビビシッ ツルッ

まほ「……っとぉ! 桃ちゃん大丈夫か?」ダキッ

桃「あわ、あわわわちちちか、近いっ!」ワチャワチャ

まほ「おいおい、暴れないでくれ。そんなに暴れると桃ちゃんを落としてしまう」

桃「し、しかしちょ、ちょっとこれはまだ心の準備がぁ……っ!」ドキドキ

まほ「落ち着け。とりあえず体勢を立て直すんだ、いいな?」クイッ

桃「う、うん……」グッ

まほ「よっと、これでよし。それにしても桃ちゃんが転ばなくてよかった」ニコニコ

桃「……あ、ありがとう。助かった……」

杏(こうしてしおらしくしてる分にはかーしまも可愛いもんだけどねぇ……)

柚子(何言ってるんですか会長! 桃ちゃんはあの意地っぱりな所も含めてぜーんぶ可愛いんですよ! ほら見てください、あの照れて真っ赤な顔! あーん、撮っとこ!)パシャパシャ

桃「…………っ!」ズイッ

まほ「そんなに近付いてどうした? 身体の何処かを捻ったのか?」チラッ

桃「どうやらそうみたいだ、少しまほの肩を借りていいか……?」

まほ「む、大丈夫か? ほら、しっかりしろ」グッ

桃「…………えいっ!」ギュウ
142 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:01:41.50 ID:FbHHfINNO
まほ「おいおい、いきなり抱き着いてどうしたんだ。待ってろ、椅子まで連れて行ってやる」

桃「いや、ここでいい。すまないが暫くこのままでいいか……?」ギュウウ

まほ「それは構わないが……大丈夫か?」

杏(おいおいまさかかーしまの奴、まさかここでおっぱじめる気じゃ……?)

柚子(違いますよぉ、桃ちゃんの顔をよーく見てください。あれは……)

桃「ん、大分良くなったよ。色々すまなかった、助かったよ」パッ

まほ「それならば良いが……誰か呼んでやろうか? せめて椅子まで……」サッ

桃「いや、それには及ばない。会長、柚子……ちょっと来てくれませんか?」チラッ

杏(完全にばれてる……)

柚子(当たり前じゃないですか。私達が桃ちゃんの事を知ってる分、桃ちゃんも私達の事を知っているんですから。さ、行きましょ?)トテトテ

杏(ま、そんなもんかぁ……)トテトテ

杏「うぃーす、どもどもー。いやぁかーしまが世話になったね、ありがとー」トテトテ

柚子「ほらほら桃ちゃん大丈夫? こっちに掴まって?」クイッ

桃「……ん。すまんな」グイッ

柚子「まほさん、ありがとうございました」ペコリ

まほ「いやいや、此方こそ美味しい物を食べさせて貰ったよ。ありがとう」ペコリ

杏「ま、今度はもっとゆっくり出来る時に食べにきてよ。鮟鱇鍋は〆まで食べてこそだからね」ニヤリ
143 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:02:07.90 ID:FbHHfINNO
まほ「そうだな、次は是非最後まで頂きたいものだ。桃ちゃんもありがとう」

桃「いやなに、私は大したことは……」テレッ

柚子「桃ちゃんったら照れてるぅ! さ、向こうで少し休みましょ?」

桃「照れてない! 断じて照れてないからな! ふん、ではな」プイッ

杏「はいはい、んじゃねー」フリフリ

まほ「んむ。さて、次は……」クルッ トテトテ

桃「……会長も柚子も始めから覗いてましたね?」ジトッ

柚子「うふふ、桃ちゃんの一世一代のイベントだもの。勿論応援してたよ!」ニコッ

桃「応援って言われても……まぁお陰で助かりはしたが」

柚子「またまたそんなこと言って……本当は足なんて挫いてないんでしょ? 私にはお見通しだよ?」

桃「うっ、そこまでバレてるのか。どうもまほの前では緊張してしまってな……」

杏「そっかそっか、フリまでしてまほに抱き着くなんてかーしまもやるねぇ! こっちはあんなところでおっ始めるかと思ってドキドキしちゃったよ」

桃「いやいや流石にそこまでは考えてませんでした! 今の私ではまほを求めるなんてとても出来ません。あれだけでも充分なんです、それに……」

杏「……それに?」チラッ

桃「……あれ以上は後で西住が怖いので」フイッ

杏、柚子「それなー……」ハァ

ーーーーーーーーーーーー
144 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:02:56.79 ID:FbHHfINNO
まほ「……少し食べ歩きすぎたか、ちょっと休みたいな……」フゥ

ツチヤ「あ、西住隊長のお姉さん! 丁度良い所に!」

まほ「君は……確かレオポンさんチームの……ツチヤさんだったかな?」

ツチヤ「ハハハ、レオポンにはさん付けしなくていいですよぉ。勿論私もです、ツチヤって呼んでください!」

まほ「そうか、私もまほと呼んでくれていい。それで何かあったのか?」チラッ

ツチヤ「いやぁー私達レオポンチームはマジックショーを披露しているんですけど、よかったら見ていきませんか? 中々観客が集まらなくって困ってたんですよぉ!」ニコニコ

まほ「マジックショー……そんな出し物まであるのか……そうだな、是非見させて貰おう!」

ツチヤ「ほっ……よかった……これで怒られなくて済むよ……」ボソッ

まほ「……ん? 今何か言ったかな?」チラッ

ツチヤ「いやいや、何でもないです。さぁこっちこっち!」グイグイ

まほ「おっとっと……む、ここは……」

ホシノ「おっ! 遂に来たね、では私は奥で準備に取り掛かるとしようか!」バッ

ツチヤ「ささ、まほさんはここに座ってください!」

まほ「……ふむ。観客は私一人なのか……?」

ツチヤ「えへへ……まぁまぁお気になさらず。さぁ始まりますよぉ!」

ナカジマ「れでぃーす、えーんど……れでぃーす! 世紀のマジックショーがここ大洗特別室にやってきたよ! さぁ観客の皆様、盛大な拍手をお願いします!」ババッ

まほ「……………………」ジー

ナカジマ「……すみません、お願いします」

まほ「う、うおぉぉーーっ! どんどんぱふぱふー! どんどんぱふぱふー!」ドンパフドンパフ パチパチパチパチ

ナカジマ「ありがとう、ありがとーう! どうやら会場のボルテージは既にマックスの様です! それでは早速究極のマジックをお披露目だぁーーーっ!」
145 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:04:58.18 ID:75V8wf/GO
ナカジマ「マジック……この言葉を聞いてあなたならどんなマジックを想像するのでしょうか……縄脱け、マジックボックス、瞬間移動、ナイフマジック……色々なマジックをあなたの脳裏には浮かんでいるのでしょう……だがしかし! 今回はなんと今挙げた全てのマジックが一つに! 正に究極のマジックが始まろうとしているのです! さぁ観客の方、此方にどうぞぉーーーっ!」ババッ

まほ「……私しかいないのだが……仕方が無いか」トテトテ

ナカジマ「この勇気あるお方に称賛の拍手をお願いします!」

ニーナ「へへ……やっと手品が始まるだな」パチパチパチパチ

アリーナ「んだな。隠れて待ってて良かったべや」パチパチパチパチ

まほ(ん、観客は私だけではなかったのか? あの二人は一体何処に隠れていたんだ……?)

スズキ「はーい、では今からまほさんを縄で縛りますけど後ろ手でこの縄の端を持っててください。マジックの最後にそれを引っ張ると縄が解けるようになってますから」ボソッ

まほ「ふむ……こうか」ギュッ

スズキ「はいそうです! 縄を引っ張れるだけの遊びは作っておきますけど、皆の手前ですので動けない振りをしてくださいね」ボソッ

まほ「了解した。成る程……マジックの被験者になるとは貴重な体験だ、楽しみだな」ニコニコ

ナカジマ「さぁここに居りますは縄で縛られた可憐な少女! ご覧の通り、縄で何重にも縛られております! さぁさぁお二方も近寄って見てください、種も仕掛けもありませんよーっ!」バッ

アリーナ「どらどら……うっへぇガッチガチ固められてら、こっだらことさったら動けねーべや」ニコニコ

ニーナ「んだげども……うちのちびっこ隊長に比べたらすっげぇ身体だぁ、こげなむっちむちな身体ではもう少女の枠は越えてるんでねーか」ケラケラ

アリーナ「ニーナ、そったらこと言ってっとまた隊長にどやされっど。触らぬ神になんとやらだべ」ケラケラ

まほ「そうマジマジと見られると照れるべや……いや、照れるな」テレテレ
146 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:05:35.36 ID:75V8wf/GO
ナカジマ「はーい、二人とも席に戻ってくださーい! 縄でぐるぐる巻きにされた少女……しかし先述の通り、今回は世紀の大マジック! 続いてお出でましたるは……この大きな箱でござーい!」バッ

スズキ「ツチヤー、準備はいーい?」チラッ

ツチヤ「オッケーだよ! まほさん、動かないでくださいね……そーれっ!」バッ

まほ「えっ……うわぁーっ!」ビクッ ガターン

ツチヤ「よっとぉ……はい、準備完了!」ニコッ

まほ「び、吃驚したな……大きな箱を被せられてしまった。顔の辺りはくり貫かれているので視界が塞がれるという事は無いが……」キョロキョロ

スズキ「まほさん、いよいよマジックが始まります。なので本当に危ない時の為にスタッフ間の符丁を決めておきますね。いいですか、我慢できなくなったら大声で『かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこあわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ』と叫んでください。直ぐにマジックを中止して助けますから」ニコッ

まほ「舌噛んじゃうよ! 素直に助けてと言ったら助けてくれないのか!?」

スズキ「いやぁー、そこらへんの言葉はマジックの臨場感を出すために必要なんで、スタッフ間だけで分かる言葉じゃないと駄目なんですよぉ……すみません、頑張って言ってください!」ペコリ

まほ「お、おいおいせめて別の言葉で……行ってしまった。私はあんな早口言葉を噛まずに言えるだろうか……心配だな……」フゥ

ナカジマ「では我等が自動車部が誇る大洗一のスピードスターが……今宵限りはトリックスターに転身しての登場だぁぁーーーっ! 稀代の大魔術師、ホーシノォーーッ!」バッ

ホシノ「……やっと出番だね! 皆、今日は来てくれてありがとう! 先程司会のナカジマに紹介された大魔術師……ホシノだ! よろしくっ!」ウインクバチーン

ニーナ「んはぁ……こっちもいろっぺぇかっこさしてっぺなぁ……」ポー

アリーナ「似合ってっぺや、やっぱ都会さ住んでる人は進んでっぺな」

まほ「……冷静に考えたら、縄を解いても箱の中では身動きが出来ないな……」ボソッ
147 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:06:09.87 ID:75V8wf/GO
ホシノ「まほさん……今日は私のマジックに付き合ってくれてありがとう。では早速私の魔術でもう一人のゲストを呼ぶ事にしよう……マジカルカーテン、カモン!」ババッ

ツチヤ「はいはーい!」トテトテ

ホシノ「このマジカルカーテンは何の変哲も無い只のカーテン……しかし私が魔術を送ると……はぁぁぁぁーーーー……せいっ!」バッ

カチューシャ「……………………」ドーン

まほ「…………え?」

ニーナ「ちびっこ隊長が出てきたべ、はぁーどっから紛れ込んだんだ?」ホエー

アリーナ「……これは……魔術だべ」ゴクリ

カチューシャ「…………ご苦労だったわ、大洗の自動車部の皆。このカチューシャが労ってあげる」ニヤリ

まほ「…………は?」ゴクリ

カチューシャ「さて、ノンナ! 少し前にこのカチューシャを囮にして逃げようとした愚か者はどこのどいつかしら!?」バンッ

ノンナ「偉大なる同志カチューシャ、ご覧の通りその愚か者は既に捕らえております」スッ

まほ「…………えぇ……?」ドキドキ

まほ「まさか……罠に嵌められたのか……?」ドキドキ

ニーナ「なーんか変な空気が流れてんな、何が始まるんだべか」

アリーナ「……きっと魔術だべ!」ドキドキ

カチューシャ「……ノンナ、愚か者には?」チラッ

ノンナ「……血の粛清を!」サッ

ニーナ「ありゃーでっげぇ包丁だぁ、あんなもんで何するんだべか」ホエー

アリーナ「決まってるでねか、マジックで包丁さ出てきたら刺すだけだべ」ニコニコ
148 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:06:42.71 ID:75V8wf/GO
まほ「……い、嫌だぁぁぁーーーーーっっ! くっ、縄は解けても箱から出れん! おい、おーーーい! 出せ、出してくれぇぇーーっ!」ジタバタ

スズキ「まほさん、迫真の演技ですね! その調子ですよ!」グッ

まほ「演技な訳があるか、バカ! ぐぬぬ……かえるぴょきょっ!」ガチッ

まほ「うぎゅ……舌噛んだ……」ヒリヒリ

カチューシャ「あらあら、大丈夫かしら? でも何も心配しなくてもいいわ、このカチューシャに全て任せておきなさい!」ニヤリ

まほ「おと、囮にしようとしたのは悪かった! ほら、この通り謝ってるだろう!? 許してくれ、カチューシャ!」ジタバタ

カチューシャ「私を見下ろしながら頭を下げたと言われてもねぇ……到底納得できないわ……ノンナ、そうでしょ?」チラッ

ノンナ「その通りですカチューシャ。しかしこのような愚か者でも、カチューシャが手に持っている特製ナイフを刺したとき、滴る血と共に愚か者はその頭を力なく下げる事でしょう。己の罪を反芻しながら……ね」ニヤリ

まほ「箱に入れられてるんだからこれ以上頭の下げようがないだろ! これ以上動けないんだぞ! か……かえるぴょこぴょきょっ! ふぐぅ……っ!」ガチッ

カチューシャ「随分生意気な口をきくのね、自分の立場を理解していないのかしら?」プスッ プスッ

まほ「いでっ! いでっ! やめ、やめてください! 反省していますから!」ジタバタ

カチューシャ「あはははははっ! 良い気味だわぁ! それそれそれぇーっ!」プスプスプス

まほ「いだだだっ! ちょ、ちょっとタイム、ターイム! たす、助けてくれエリカァーーーッッ!」
149 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:07:08.82 ID:75V8wf/GO
…………

……………………

エリカ「…………はっ!」ビクッ

小梅「エリカさん、どうかしましたか?」チラッ

エリカ「こうしちゃ居られないわっ! 小梅、急ぎましょう!」タタタ

小梅「は、はい! わかりました!」タタタ

エリカ「…………ちょっと待ったぁぁーーーっ!」バーン

沙織「うわっ吃驚したぁ! エリリン、そんなに急いでどうしたの?」ビクッ

エリカ「そのお菓子……頂いてもいいかしら?」ニヤリ

沙織「え、えぇ……勿論良いけど……はい、どうぞ!」スッ

エリカ「ありがとう。美味しいお料理も良いけど、私達も女子高生だものやっぱスイーツは外せないわよねー!」ニコニコ

小梅「もー、エリカさんったらそんなに走ってまで食べたかったんですかー? 私も食べちゃおっかな!」パクパク

エリカ「んー美味しー! スイーツ(笑)!」ニコニコ

小梅「スイーツ(笑)!」ニコニコ

……………………

…………
150 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:07:41.24 ID:75V8wf/GO
まほ「誰も助けに来ないじゃないか! カ、カチューシャ……話せばわかる! だから……な?」ジッ

カチューシャ「確かに話せば解るかもね……でも、それはこれを刺したら終わる話じゃない? そろそろいたぶるのも飽きたわ……準備はいい?」

ニーナ「も、もすかすて……あんの包丁本物だっだりすて……」プルプル

アリーナ「いんやまさかまさか……んな馬鹿げたことは流石に……な?」プルプル

まほ「かえりゅぴょ! きゃえ! かえるぴょきょぴょきょ! こ、こんな状況で早口言葉なんて言えるかぁ!」ガチッ

ノンナ「まほさん、諦めてください。偉大で可愛く尊大な同志カチューシャを謀った罪は決して消えません。断罪の時間です」ニコッ

まほ「や、だ! い、や、だ! そこのニーナ、アリーナ! ナカジマスズキホシノツチヤ誰でもいいから助けてくれぇっ!」ジタバタ

スズキ「まほさん……ナイス演技!」グッ

ホシノ「あれは演技なのか……?」

ニーナ「あわ、あわわわわ……私達もすかすてどえらい修羅場に出くわしてるんじゃ……」プルプル

アリーナ「ん、んなまさか……まさかあの包丁が本物な訳ねえべっちゃ……」プルプル

カチューシャ「……さよなら、マホーシャ。次に生まれてくる時はこの偉大なカチューシャより小さく生まれてくる事ね! そうしたら今度はもっと可愛がってあげるわ……おらぁぁぁーーーーっ!」グッサァ

まほ「ぐえええぇぇぇぇぇーーーーーっっ!」ブッシャァ

アリーナ「ぎゃああああぁぁぁぁぁーーーーーっっ!」ブルブル

ニーナ「わあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!」プルプル

まほ「……………………がくり」ガクッ

ニーナ「…………きゅう」パタッ

アリーナ「…………きゅう」パタッ

カチューシャ「アーーーーーハッハッハッハッハッハーーーーーッッ! これでこのカチューシャが一番よ! ね、ノンナ!」チラッ

ノンナ「当然ですカチューシャ。クラーラ、きちんと撮影出来ましたか?」チラッ

クラーラ「…………っ!」グッ
151 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:08:55.45 ID:75V8wf/GO
カチューシャ「ふん、まぁこんな所で勘弁してあげるわ! ほら、さっさと起きなさいよ!」グイッ

まほ「…………はっ!」ビクッ

まほ「ん!? ん!? 刺された場所が痛くないぞ……一体どういう事だ……?」

ツチヤ「いやー素晴らしい演技でしたよー! カッちゃんに変なことを頼まれた時はどうしようかと思いましたけど、結構面白かったですね! あ、今直ぐ出しますね……」スッ

まほ「あ、あぁ……確かに刺されたと思ったが……これがマジックか?」チラッ

ホシノ「……そうなるねっ!」グッ

まほ「なんて悪趣味なマジックなんだ……こっちは本気で刺されるかと思ったよ……」ハァ

カチューシャ「このカチューシャを囮になんて使おうとするからよ! これに懲りたら二度と馬鹿な事は考えない事ね! 次は偽物じゃ済まないわよ!」フンッ

ノンナ「まほさんの可愛らしい早口言葉もきちんと録画しておりますから、後で皆様に配布しておきますね」プププ

まほ「く、屈辱的だな……まぁいい。自動車部の面々は別として、ニーナとアリーナもこの事を知っていたのか? 完全に意識を失っているが……」チラッ

カチューシャ「いいえ、二人とも単純にマジックショーを見ようとしただけよ。ほらほら、二人も起きなさい……」グイグイ

ニーナ「う、うー……ん……ん、んっ!?」ビクッ

アリーナ「うぅ、う……うっ!?」ビクッ

まほ「二人もカチューシャに付き合わされて災難だったな、大丈夫か?」サッ

ニーナ「……ぞ、ぞぞぞ……」プルプル

アリーナ「ぞぞぞぞ……」プルプル

ニーナ、アリーナ「ゾンビだぁーーーーっっっ!!!」ダダダダダ

まほ「…………え? あ、私の事か!? おいカチューシャ、完全に誤解されたじゃないか、どうしてくれるんだ!」

カチューシャ「さぁ? そんな事はこのカチューシャには関係無いわ。それじゃ私達も何か食べに行きましょ。ピロシキー」プイッ

ノンナ「えぇ、あちらに美味しそうなケーキがありましたよ。案内しますね」ニコニコ
152 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:09:28.15 ID:75V8wf/GO
ツチヤ「へへへ……まほさん、どうもすみません。それじゃ私達もこれで……」ペコリ

ホシノ「しかしこの衣装はちょっと露出が多くないか? ほぼバニーガールじゃないか……」トコトコ

スズキ「でも似合ってるって! ホシノも女の子なんだからこうしてたまにはツナギ以外も着なきゃ!」

ホシノ「だからってバニーガールは無いだろ! というかそういうお前らだってツナギ以外もだな……」ベラベラ

ナカジマ「まぁまぁ二人ともそこら辺にしてよ、ツチヤ達を追いかけなきゃ!」

カチューシャ「あんたたちー! 早く来ないとシベリア送りよー!」

ホシノ「やれやれ、着替えを待ってくれそうもないな……仕方がない、このまま行くか」フゥ

スズキ「カッちゃん待たせると怖いからねー! 行こ行こ!」トテトテ

ナカジマ「美味しい物……あるといいなぁ……」トテトテ

まほ「そして私は誤解されたままか。何て無責任な奴等なんだ……」

まほ「……二人の誤解は後で解いておかないとな。さて、また少し歩いて見るか……」トテトテ

ーーーーーーーーーー
153 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:10:07.08 ID:75V8wf/GO
まほ「こうして歩いていると、大洗の面々は元より他の面子も楽しそうに歓談しているな。む……あそこにいるのは……ダージリンか……?」ジー

ダージリン「むー、むー!」ジタバタ ギュウ

まほ「……ダージリンが棒に括り付けられているな……一体あいつは何をやっているんだ?」スッ

まほ「ダージリン、そんな所で何をやっているんだ? む、隣に立て看板が……」チラッ

まほ「何々『この者、ある界隈で人気第一位の魅力溢れる女性に楯突いた故……厳罰に処す』? 何だこれは。もしかしてお母様達がやったのかな……外すか」バラバラ

ダージリン「た、助かりましたわ……私がこのような辱しめを受けるとは……あの三人……絶対に許しませんわよ!」ギリギリ

まほ「止めとけ、また括られるのがオチだぞ。それより折角のパーティーだ、適当に過ごしたらいいじゃないか」

ダージリン「でも仮に私がもう一度括られても……まほさんがまた助けてくださるのでしょう?」チラッ

まほ「ん……まぁ助けるが……括られないのが一番だと思うぞ?」

ダージリン「そのお言葉だけで充分ですわ。さ、此方へどうぞ……」スッ

まほ「これは……」

ダージリン「今日は折角のパーティーなんですもの……私達もささやかながらおもてなしの準備をしていましたの……まほさん、さぁどうぞ……」

まほ「紅茶とスコーンか、ではすまないが頂くとしよう。んむんむ……んまいな」ムグムグ

ダージリン「あらあらまほさんったら、口元にチョコチップが……んもう、少しじっとしていらして……?」キュッ

まほ「むぐ……すまんな。しかし同い年の人に口元を拭われるとは……これは少し恥ずかしいな……」テレッ
154 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:10:50.59 ID:75V8wf/GO
ダージリン「うふふ……まほさんって戦車道ではあれほど凛々しくなさっているのに可愛いところもあるのですのね?」フフフ

まほ「……皆は私を買い被りすぎだと思うぞ。私は自分でも不器用な方だと思っているからな……戦車道では後輩の為に背伸びをしているだけだよ」

ダージリン「ですが背伸びが出来るのもまた才能の一つですわ。背伸びがままならぬ方達も大勢いらっしゃいますからね……」

まほ「おいおいダージリン、私をそう持ち上げられても反応に困るな……」テレテレ

ダージリン「そんなに謙遜なさらず……ささ、お茶菓子はスコーンだけではございませんことよ?」スッ

まほ(……いつの間にかダージリンが隣に移動している……?)ピクッ

ダージリン「あら、どうかなさいました?」

まほ「いや、少し近くないか? さっきまで対面に座っていただろう?」

ダージリン「それがなにか? 私がまほさんの隣に座りたくなったから……だけではいけませんの?」

まほ「いけなくはないが……」タジ

ダージリン「それならば問題ありませんわね。では紅茶のお代わりをどうぞ……」コポポ

まほ「む……あぁ、すまないな」タジタジ

ダージリン「……イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない……という言葉はご存知かしら?」

まほ「いきなりだな。ダージリンに昔聞かされた覚えがあるが、それがどうかしたか?」

ダージリン「ふふ……その先は……言わなくてもよろしいでしょう?」スッ

まほ「……ダ、ダージリン……むっ!?」ピクッ
155 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:11:24.73 ID:75V8wf/GO
オレンジペコ「ダージリン様ぁぁーーっ!」トテトテ

ダージリン「ペコ? アッサムまで……あなた達は一体何処に行っていたの? 私をあの様な仕打ちのまま放って置いて!」プンスコ

アッサム「だからその拘束を解く許可を頂きに行っていたんですよ! 家元達の許可を得るのは大変だったんですから!」

オレンジペコ「そうですよぉ! 家元にもちゃーんと『そうね、大人しくあのまま拘束を解かずに罰を受けていたのなら許してあげるわ』とお言葉を頂いたんですか……ら…………?」チラッ

ダージリン「…………え?」ピクッ

アッサム「……ダージリン、あなたは何故拘束を解いて優雅にお茶を頂いているのかしら?」プルプル

ダージリン「だ、だってまほさんが!」クルッ

ダージリン「いない! 一体何処へ!?」キョロキョロ

しほ「……あら、あなたには反省の色が見られないわねぇ。ちよきち、どうします?」チラッ

千代「そうねぇ、とりあえずもう一回縛っちゃいましょ!」ポンッ

蝶野「亀甲縛りにでもしちゃいましょうか! アハハハハ……ッ!」ケラケラ

ダージリン「え、えぇぇ…………」ガタガタ

千代「あらあらそれにしても縛り甲斐のある身体ですこと、酒の肴に花でも飾りつけましょう」ケラケラ

ダージリン「やめ、やめてくださいまし! 聞いていますの!?」ジタバタ

蝶野「はーい、お口も縛りまーす!」グルグル

ダージリン「んー! んー!」ジタバタ
156 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:11:50.34 ID:75V8wf/GO
しほ「さーて、花も飾り付けたし、次はここで花見酒にしましょう!」グイッ

蝶野「家元イエーーーイッ! ほらほら二人ともさーけ持ってこーい!」ケラケラ

オレンジペコ「は、はい……」オズオズ

アッサム「……ダージリン、嵐が過ぎ去るまで我慢よ? いいわね?」チラッ

ダージリン「むぐぐ……むぐぅ……」ガクリ

しほ「アハハハハハハハッ! ここにも花を咲かせましょう!」プスッ

ダージリン「…………んっ!」ピクッ

千代「しぽりーん、そこに花は攻めすぎぃー! うふふふふふっ!」ケラケラ

ダージリン(…………私をこんな目に会わせるなんて絶対に許しませんわよ! 必ず、いつか必ずこの恨みを何十倍にもして返してやるんですからね!)メラメラ

しほ「……その反抗的な目が気に入らないわ」プスッ プスッ

ダージリン「んっ! んっ!」ピクッ ピクッ

蝶野「家元グッジョブベリーナーイス! あはははははは……っ!」ケラケラ

ダージリン「んんんんんんんーーーーーっっ!」クネクネクネクネ

まほ(危なかったな、お母様の気配に気付いて身を隠せて助かった。ダージリンには悪いがこのまま逃げさせて貰おう)ソソクサ

ーーーーーーーーーーー
157 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:12:21.59 ID:75V8wf/GO
みほ「…………」キョロキョロ

沙織「あ、みぽりんだ。あの様子だともしかして誰かを探しているのかな?」

麻子「ふむ、それならちょっと聞いてみようか……っと、行ってしまったな」

沙織「あらら……麻子、どうする?」チラッ

麻子「どうするって言われてもな……まぁいいんじゃないか? 西住さんで見付けられない人を私達が見付けられる訳もないし……何かあれば連絡が来るだろう」

沙織「そうだね。それよりさー、さっきゆかりんに頼んで隠れて見させてもらったはむふぇすは凄かったね! ゆかりんがあんなに声出しちゃってさ……」ゴクリ

麻子「あぁ……秋山さんが何でマーガリンとかを買って行ったかを理解したな。二人とも私達の知らないところであんな……その……す、進んでたんだな……」テレッ

沙織「もうほんとに吃驚だよー。でもさー、みぽりん……多分私達に気付いてたよね? 途中からこっちに見えるようなポジションになってたし……」

麻子「あの西住さんだからな、私達に気付いていたというのも充分に有り得る。それにしても途中のはむはむあぶとろにくすは見応えがあったな。秋山さんの腹筋を西住さんがあんなに情熱的に……いかんいかん、思い出したら変な気分になってしまう……」フルフル

沙織「ゆかりんも声を抑えられて無かったもんねぇ……あんなに震えてさ、荒い呼吸みたいなくぐもった声が今でも耳の奥に残ってるような気がするよ……」ハァ

麻子「おい、止めろ。思い出しちゃうだろ。あんな……あんなの……友達同士でする事じゃない……だろ……」

沙織「そうだよね。友達っていうか、恋人?」チラッ

麻子「……それはどうだろうな。秋山さんは西住さん相手に好意以上の物があるのは確かだが……西住さんには恋人なんて意識は無さそうだ……」ウーン
158 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:12:56.05 ID:75V8wf/GO
沙織「……それにしてもあれってさ……そんなに気持ち、いいのかな?」

麻子「…………っ!」ピタッ

沙織「ほら、私ってあんな経験無いじゃん! あんな、あんなのって……どうなんだろうね?」チラッ

麻子「わ、私に聞くな! 私だってあんな経験あるわけ無いだろ!」プイッ

沙織「ねぇ、麻子……」スッ

麻子「おい沙織……その先は言うな」

沙織「麻子ぉ……私達も……はむふぇす……してみない?」ジッ

麻子「ばかっ! 言うなって言ったのに!」

沙織「だって気になるじゃん! だって私、麻子とだったら全然嫌じゃないし! あ……麻子は、私じゃ……嫌……なの?」

麻子「……違う。沙織となら嫌じゃないから言うなって言ったのに! 沙織に言われたらこんなの……断れないだろ……」プイッ

沙織「…………やだもー! 麻子ったら誘い受けじゃんもー! じゃあさじゃあさ、あっちの部屋、行こっか?」スッ

麻子「あ、あぁ……え、あの部屋って勝手に使って良いのか?」

沙織「ゆかりんが言ってたよ、そういう事する為の部屋だって。中から鍵をかけれるし、さ……行こ?」ギュッ

麻子「お、おい! 沙織、ちょっと待ってくれ!」ギュッ

沙織「なーに? 今更止めるなんて言わないでね?」

麻子「…………な、生クリームを……持っていかないか……?」ボソッ

沙織「んもう、麻子ったら……優しくはむはむしてね?」ギュッ

麻子「う、うぅ……本当にいいのかこれ……」ギュッ

……………………

…………

ーーーーーーーーーーーー
159 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:16:00.05 ID:75V8wf/GO
みほ「…………」キョロキョロ

エルヴィン「むっ! あそこに隊長が歩いているぞ!」ピクッ

左衛門佐「待て、おい待てエルヴィン! 行くな!」バッ

エルヴィン「しかし何かを探してるようだぞ。隊長が困っているならば助けねばならんだろ」

左衛門佐「それも一理あるが、先ずはこっちを助けるのが先決だ」チラッ

おりょう「うっ……うっ……やば、やばい……ぜよ……」プルプル

左衛門佐「あ、まずい! おいおりょう! 絶対にこんな所で吐くなよ! ほら、背中擦ってやるから……」スリスリ

おりょう「す、すまん……ぶふぅ……カ、カルパッチョに嵌められたぜよ……」プルプル

エルヴィン「無理をしてそんなになるまで食べなくてもよかっただろ……」

おりょう「リア充……討つべし……うっぷ、左衛門佐、すまないが擦ってくれぇ……」プルプル

左衛門佐「あぁもう、ほらしっかりしろ。いくら有言実行の為とはいえ無理があるだろ。カルパッチョさんの特製パスタを何皿食べたことやら……」ヤレヤレ

エルヴィン「後半はわんこパスタ状態だったからなぁ……向こうも面白がってたし。カエサルは今頃仲良くカルパッチョさんの特製パスタでも食べてるのかな」

おりょう「うぅ……よ、よし多少は体調が良くなってきたぜよ。二人ともすまん、助かったぜよ」ペコリ

左衛門佐「ふぅ、これで一段落か。それにしてもやはり流石というか、アンツィオの料理はどれも美味しかったな! パスタだけでは無く色々あってついつい食べ過ぎてしまった」

おりょう「……そんなに色々あったぜよ?」フム

エルヴィン「おりょうはカルパッチョさんの特製パスタばかり食べていたから目に入らなかったんだろう。ピザとかもあったぞ?」
160 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:16:44.03 ID:75V8wf/GO
おりょう「……ふん、この南蛮かぶれどもめ。次の機会があればその時は必ずあのリア充どものフラグをバッキバキに砕いてやるぜよ!」フンス

エルヴィン「落ち着け。アンツィオは南蛮では無く欧州だろ……自由と愛の国だ!」バッ

左衛門佐「それにかぶれというのも違うだろ。私達は料理を食べただけだぞ?」

おりょう「う、うるさいうるさぁい! 南蛮かぶれでも欧州かぶれでもそんなのどっちでもいいぜよ! リア充討つべし! 討つべし!」プンプン

エルヴィン「ははは……しかしまぁそんなに食べ過ぎてしまっては後が……大変だよな?」ニヤリ

おりょう「うぅ……」ビクッ

左衛門佐「そうだな、またダイエットを手伝ってやらねばならん……よな?」ニヤリ

おりょう「え、遠慮しておく……こ、今回は一人で頑張るから手伝いなどいらんぜよ!」

エルヴィン「いやいや、一人より二人の方が効率もよかろう。我々ソウルメイトにそんな遠慮など無用だ。なぁ左衛門佐?」チラッ

左衛門佐「勿論だとも。そして二人より三人、これも当然の事。今から楽しみだな、おりょう!」ニヤリ

おりょう「い、嫌ぜよ! お前ら二人は遠慮を知らんから毎回毎回体力が持たないぜよ!」

エルヴィン「嫌よ嫌よもなんとやら……それにおりょう、南蛮かぶれだの欧州かぶれだの好き勝手言ってくれるが、お前こそ自身が欧米かぶれである自覚はあるのか?」ニヤニヤ

左衛門佐「ほう、エルヴィン……その話を詳しく教えてくれ!」

おりょう「ちょ、ちょっと待つぜよ! この由緒正しき坂本家の紋付き羽織の何処が欧米かぶれだというんだ!」

エルヴィン「それはだな……おりょう、ちょっと失礼するぞ? よっと……」ギュッ

おりょう「急に抱き付くのは止めろ! んっ、ちょ、ちょっとくすぐったいぜよ……エルヴィン、脇腹を触るような戯れは止めるぜよ……」ピクッ ピクッ
161 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:17:28.54 ID:75V8wf/GO
undefined
162 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:17:58.01 ID:75V8wf/GO
エルヴィン「ふふふ……見ろ左衛門佐! 今私が掴んでいるこの脇腹にある柔らかな膨らみを欧米ではなんと……ラブハンドルと呼ぶのだぁーーーっ!」ギュッ ギュッ

左衛門佐「な、何だってぇーーーっ!」

おりょう「お、おいこらっ! いい加減離すぜよ! んっ」ピクッ

エルヴィン「詳しく解説すると、こうして抱いたときに手が当たる位置、即ち腰回りにある丁度良いぐらいの肉付きをラブハンドルと言うのだが……この感触、これは正に欧米かぶれでは?」ニヤリ フミュッ フミュッ

左衛門佐「んむっ、むっ! これは……柔らかでありながらおりょうの一本気の通った芯を思わせる固さ……それにこの手に吸い付くようなジャストフィット感! 元々もち肌乙女であるおりょうの脇腹にこんな欧米染みた箇所があるとは……幕末躍動の波はここまで来たというのか……っ! やはりおりょうは鎖国派では無く開国派なのだな!」フミュッ フミュッ

おりょう「んっ……す、好き勝手言うんはぁ、い、言うなぁ!」ピクッ ピクッ

左衛門佐「うーむ、揉めば揉むほど病み付きになりそうだ。それにこうやって揉めばおりょう自身にもエステ効果が期待できるな。流石はエルヴィン、我が歴女チームの参謀よ!」

おりょう「んふっ、ちょ、一度落ち着け! このままでは……んっ!」モジッ

エルヴィン「ふふふ、そう褒めるな……おりょうのラブハンドルをにぎにぎする事で我々も嬉しいし楽しい。おりょうはマッサージによるダイエット効果で嬉しいし楽しい。一石二鳥だな!」フミュッ フミュッ

左衛門佐「ならばこれを止める手は無いな!? そうと決まればこのままあの部屋に行くとしよう! さぁさぁおりょう、逃げても無駄だぞ!」ズルズル

エルヴィン「無論、逃がすつもりもないがな。おりょう……今夜も寝かさないぞ?」ニヤリ

おりょう「い、嫌だぁー! ダイエットは一人で頑張るぜよ! だからこの手を離すぜよぉー!」ズルズル
163 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:18:27.28 ID:75V8wf/GO
カエサル「…………むぅ」ジー

カルパッチョ「たかちゃん、どうしたの?」チラッ

カエサル「あ、ひなちゃん。おりょうがパスタを食べ過ぎて余りにも苦しそうだったから胃薬を持ってきたのだが……後で渡すことにするよ。おりょうは今夜も大変そうだ」フゥ

カルパッチョ「うふふ……皆仲が良いのね……でも、今夜のたかちゃんは誰にも渡さないわ!」ニコッ

カエサル「おっと……それは私のセリフだよ。さぁ、行こうか……」ギュッ

カルパッチョ「うふふふふ……」ギュッ

ーーーーーーーーーーーー
164 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:19:08.55 ID:75V8wf/GO
みほ「…………」キョロキョロ

桂利奈「あ、西住隊長だ! たいちょふがっ!」グイッ

梓「こら桂利奈! 西住隊長をそんなに気安く呼んじゃ駄目だよ! あぁ……横顔だけでも神々しい……」ズサー

あや「まーた梓の西住隊長崇拝が始まったよ。梓、他の皆が怖がるから五体投地は止めてねって西住隊長に言われたばかりじゃん! ほらほら、止ーめーなーよー」グイッ

梓「四体! これ四体投地だからセーフなの! ほら見て見て、右手は微妙に浮いてるからセーフでしょ!?」ズサー

あゆみ「沙希先生……判定をお願いします……」スッ

沙希「…………」フルフル

優季「アウト判定出ちゃったね。桂利奈ー起こしちゃえ起こしちゃえ!」

桂利奈「あいあいあいぃーーっ!」グイィィ

梓「うぅ……あれも駄目これも駄目じゃ私の西住隊長への気持ちはどう表せばいいの!? 教えてよぉっ!」バンッ

あゆみ「とりあえず五体投地みたいなのは禁止って言ってたよね」

あや「梓が原因だね」フゥ

梓「西住隊長を見たら自然と身体が動くんだもん! 仕方無いでしょ!」バンッ

優季「社を建てるのも駄目だって言ってた」

あや「それも梓だよね」

梓「二度も学園を救ったヒロイン……いや救世主……んーん、現人神だよ! そんなの社で奉らなきゃむしろ失礼だよ!」バンッ

桂利奈「偶像崇拝? も禁止って言ってた!」ニパッ

あや「それは……秋山先輩だよね。凄く精巧なフィギュア作ってた!」

沙希「……パンツ……凄く食い込んでた……」ボソッ

梓「秋山先輩は私の事細かな注文に答えてくれただけなの! そういう細かいディテールは重要なんだよ!」バンッ

あや「じゃあこれも梓じゃん!」
165 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:19:42.77 ID:75V8wf/GO
あゆみ「後は……同人誌は発行禁止って言ってたね。ほら、あの……」

あや「限定30部で配布された奴? あれってさー、結局誰が書いてたのかなー? あれもまさか……」チラッ

梓「うぅ……秋山先輩との合同誌です……」

あや「やっぱり梓じゃん! あれ見た西住隊長凄く怒ってたもんね、流石にやり過ぎだよー!」

優季「あの同人誌の内容が凄すぎてあやってば眼鏡割れてたもんね!」

あや「あんなのいきなり見せられたらそりゃ眼鏡も割れるっての! あんな、駄目……とてもじゃないけど言えないわ! なに考えてあんなの書いたの!?」

梓「完璧な物程汚したくなるんです! 真っ白であればあるほど他の色が映えるんです!」バンッ

あゆみ「でもさー梓ってあんなに絵が上手かった? あの同人誌ってプロの漫画家みたいな絵だったよ」

あや「それなら絵の担当は秋山先輩なんじゃない? 秋山先輩って器用そうだから、何でもできそう……」

梓「…………んっ」ビッ

優季「沙希の方を指差してどうしたの? というか人を指で差すのはちょっと行儀が良くないよ……」

梓「違うの……あの同人誌の……絵を担当してくれた沙希先生です……」サッ

沙希「…………がんばりました」ボソッ

あや「え、えぇーーーーっ!? ささ、沙希があれを書いたの!?」ビクッ

沙希「…………」コクン

あゆみ「沙希が……あんな、ぐっぽんぐっぽんな絵を……」クラッ

優季「うわわ、あゆみ! 大丈夫っ!?」グッ

あや「いやでも、絵だけなら無理矢理書かされてって事もあるから……」
166 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:20:19.29 ID:75V8wf/GO
梓「プロットからガンガン口を挟んできて半分以上は沙希ちゃんの趣味なんです……」

沙希「…………やっちゃったぜ」グッ

あや「やっちゃいすぎだよ! あんな、あんなぐっぽんぐっぽんなのに、沙希の趣味だなんて……」プルプル

梓「でも、お陰様で完璧な同人誌になったんです! 沙希ちゃん、あの時はありがとう!」

沙希「…………」グッ

桂利奈「よくわかんないけど、沙希ちゃんは漫画が書けるの?」コテン

沙希「…………」コクリ

桂利奈「えー!? すごーい! 今度見せて貰ってもいい?」キャッキャッ

沙希「…………」グッ

優季「でもさー、つまりこれって沙希に頼んだら何か書いてもらえるの?」

沙希「…………」カモン カモン

あゆみ「……ヘタレモノクル参謀女リバ無しサンド総受けで書ける?」グイィィ

あや「あゆみが復活した!」

沙希「…………承知」グッ

梓「すみません先生、軍神総誘い受け淫乱堕ちでお願いできますか?」

沙希「…………任せろ」グッ

あや「えと、えーと……母性太眉と後輩六人リバ有りトロイチャは書けますか?」チラッ

沙希「…………棒は?」ボソッ

あや「ぼぼ、棒!? どどどっちに棒なの!?」ビクッ

沙希「…………そのシチュだと太眉に隠れ棒を付けて幼馴染みから寝取るシチュも併せると全体の構図が締まる」ボソッ

あや「じゃ、じゃあそれでお願いします……」ペコリ

沙希「…………かしこまっ」グッ
167 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:21:12.39 ID:75V8wf/GO
優季「あーん、皆ずるいよぉー。じゃあ私は……忠犬ズ下剋上失敗からの完堕ち躾救い無しでお願いしてもいーい?」

沙希「…………どんとこい」グッ

桂利奈「みんないーなー! じゃあ私は……」ウーン

梓(桂利奈ちゃん……桂利奈ちゃんはこの汚れきったうさぎさんチームに於ける最後の良心だよね……?)ジー

あや(桂利奈は何を書いて貰うんだろ……まぁ桂利奈はおこちゃまだからねー、アニメとか特撮とかのを書いて貰うのかな?)ジー

あゆみ(どうしよう、勢いに任せて己の欲望のままリクエストしたけど……桂利奈が世界平和みたいなのをリクエストしたら眩しすぎて桂利奈を直視できなくなっちゃうかも……?)ジー

優季(うーん、意外にこういうのに造詣が深かったり? いやいやまさか桂利奈に限ってそれはないでしょー)ジー

桂利奈「うーん、うーん……じゃあロボット! ゲッペラーとマジンガーが戦っている奴がいい!」ニパッ

沙希「…………余裕」グッ

桂利奈「やったぁ! 沙希ちゃん大好きぃー!」ギュウ

梓「うぅ……駄目だ眩しすぎるよ桂利奈ちゃん……ずっとそのまま真っ白で居てね……」ギュウ

桂利奈「うー?」クリッ

あや「桂利奈……こっちの汚れた世界には来ては駄目だよ……桂利奈はそのままでいいんだからね……」ギュウ

優季「真っ直ぐな桂利奈を前に忠犬ズとかリクエストした自分が恥ずかしいよ……」ギュウ

あゆみ「私もリバ無しサンド総受けだなんて……反省しなきゃ。桂利奈ごめんね、私達の話、聞いても全然わからないよね。きっと桂利奈は私達うさぎさんチームに残った希望の芽なんだね……」ギュウ
168 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:21:45.30 ID:75V8wf/GO
桂利奈「あっ、ううん、私……そういうのはもう卒業したから!」ニパッ

梓「……えぇーーーーっ!? 桂利奈ちゃん、私達の言葉……わ、わかるの……?」

桂利奈「あいー! LGBTTQQIAAP何でもござれです!」バンッ

あゆみ「…………今、うさぎさんチームの希望の芽は手折られましたね……」パタリ

あや「あゆみが倒れたぁーー!? え、衛生兵、衛生兵ーーーっ!」アタフタ

梓「あの、か、桂利奈……さん。もしその、言い辛いんだけど性癖的なのを沙希ちゃんに書いてもらうなら、どういうシチュを書いて貰うのかな?」ジー

桂利奈「うー? 沙希ちゃんが私達全員に凌辱の限りを尽くされるのを頼みますっ! そして自分が滅茶苦茶にされてるのを書きながら照れてる沙希ちゃんを隣で色々口を出しながら見守ります! あいっ!」ニパッ

沙希「…………っ!」テレッ///

梓、あや、優季「それは性癖歪みすぎぃーーーっ!!」バンッ

……………………

…………

ーーーーーーーーーーーーー
169 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:22:35.82 ID:75V8wf/GO
みほ「…………」キョロキョロ

愛里寿「……あ」ピクッ

アンチョビ「ん、愛里寿、どうかしたか? もうすぐ愛里寿オリジナルのスペシャルボコピッツァが焼き上がるぞぉー! ふふっ楽しみだなっ!」ニコニコ

愛里寿「うんっ! でもまだあのボコは完成じゃない……だよね?」チラッ

愛里寿(みほさん……何か探してるのかな。それなら呼び止めたら迷惑かも、でもこのスペシャルボコピッツァを見せたい。そうだ、スマフォで撮って後でみほさんに送ろう)ウンウン

アンチョビ「そうだぞ、まだボコの身体が未完成だからな! ピッツァもそうだが、料理でキャラ物を綺麗に作るコツは焼き上げた後、生でも食べれる物でキャラメイクすると綺麗に仕上がる! さぁそろそろ焼き上がる頃だぞ! 愛里寿、ペパロニ、準備はいいか?」ニカッ

愛里寿「う……うん! 頑張る!」グッ

ペパロニ「こっちも皿の準備は完璧っす! いつでもオーケーっすよ!」グッ

愛里寿「……ねぇどぅーちぇ。私、このピザを記念撮影したい。いい?」コテン

アンチョビ「ん? 勿論いいとも! 聞いたかペパロニ、先ずはそっちの受け杭付きの皿を取ってくれ。愛里寿が初めて作ったスペシャルピッツァだ、完成したら皆で記念撮影といこうじゃないか!」

ペパロニ「了解っす! うっしゃー、これで本当に準備完了っす!」グッ

アンチョビ「……うん、よし……焼けたな! ピッツァを上げるぞ、ここからは時間が勝負だ! よいしょぉーーーーっ!」ババッ

ペパロニ「あいよぉー! さぁちびっこ、準備はいいかぁー!?」

愛里寿「む、私はちびっこじゃない。でも、準備は出来てる」スッ

アンチョビ「さぁ仕上げだ! 全員喋ってないで手を動かせー! それそれそれぇ!」バババッ

愛里寿「……ん、よいしょ。よいしょ」スッ スッ

ペパロニ「よっ、ほいっほいっとぉ……」ササッ

…………
170 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:23:09.87 ID:75V8wf/GO
アンチョビ「スペシャルボコピッツァ、完成だぁーーーっ!」ババーン

ペパロニ「うっし。へへっちびっこも結構頑張ったな!」ポンッ

愛里寿「むっ。それは貴方もね……でも、これは……」ジー

アンチョビ「ん?」チラッ

愛里寿「……これは歴史に残る出来だと思う! とても良いボコピッツァが出来た! ありがとう、どぅーちぇ、ぺぱろに」ムフー

アンチョビ「あーはっはっはっはっはー! さぁ愛里寿、冷めない内に記念撮影だ!」

愛里寿「うん!」ニコッ

ペパロニ「よーし、じゃあ私が撮るっすよ! さぁさぁ二人とも、ピッツァの両脇に立って立って!」サッ

アンチョビ「ん、そうか、悪いなペパロニ。それじゃペパロニの言葉に甘えるとするか……」スッ

???「……いえいえ、どうぞ作られた皆さんで立ってくださいよ。記念撮影は私達がしますので!」ニヤリ

ペパロニ「あんたらは……あんたらはっ! うーんと、誰っすか?」コテン

???「あんたとは前に顔を合わせた事あるでしょーが!」

愛里寿「……メグミ、アズミ、ルミ。来てたの?」

メグミ「えぇ、まぁ……いきなり家元に呼び出されまして……」ガクリ

アズミ「来なければ射撃翌練習の的にすると言われて……」ガクリ

ルミ「えへへ、ま、まぁまぁそれより撮影しましょ! さぁさぁ冷めない内に早く早く!」

愛里寿「……ありがと。どぅーちぇ、ぺぱろに、撮ろ?」コテン

アンチョビ「よーしっ! このスペシャルボコピッツァを崩さないように立て掛けてっと……それじゃ、お願いしまーす!」ニコニコ

ルミ「はいはーい! 2枚撮りますよー! それじゃ、はい撮りまーす!」カシャッ
171 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:23:46.26 ID:75V8wf/GO
愛里寿「……ん、2枚撮るの?」コテン

メグミ(ちょっとルミ、1枚でいいんじゃないの?)チラッ

アズミ(何で2枚? 普通に1枚でいいんじゃ……?)チラッ

ルミ(だまらっしゃい! まぁ見ててよ、激レア写真撮ってみせるから!)グッ

ルミ「はい、じゃあ続いて2枚目も撮りますよぉー! それじゃポーズも変えてみましょうか……先ず両手でピースを作って、軽く顔を挟む感じで……そうそう流石隊長! 可愛いですよぉ!」ニコニコ

愛里寿「…………そう?」ピース

アンチョビ「ん、こうか?」ピース

ペパロニ「大勝利って感じっすね!」ピース

ルミ「あー良いですねぇ! それでは少し顎を引いて、視線は……あの天井に見えるライト辺りにお願いしまーす! あ、顔は正面を向いたまま、ピースも維持して視線だけ上にくださーい! あらー隊長ってば最高ですー!」ニコニコ

愛里寿「…………眩しい」ピース

メグミ(……これって)ピーン

アズミ(ルミ、一体何を……)ウーン

ルミ「はい、少しお口を開けてくださーい! はい完璧でーす! では最後の掛け声行きますよぉー!」ニコニコ

ルミ「天智天皇の第四皇女であり、草壁皇子の妃でもある第43代天皇……元明天皇の諱はー?」ニコニコ

愛里寿「阿閇ー」ポカーン ピース ピース

ペパロニ「あの人何言ってるんすか?」ピース

アンチョビ「……全然わからん!」ピース ピース

ルミ「ベストショット頂きました!」パシャ パシャ

アズミ「ぶふぅーーっ! ちょ、ちょっとルミ! あんた隊長に何て事を!」

ルミ「んふふふ……どうこの作戦。此方の意図を見せる事なく隊長のアへ顔ダブルピース写真をゲットよ!」ニヤリ

メグミ「ルミったらでかした! 早速私にも送っといてよ! んふふ、隊長のこんな破廉恥な写真……破廉恥な……は……?」ピタッ
172 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:24:56.24 ID:75V8wf/GO
ルミ「メグミーどうしたの? 隊長の姿が可愛すぎて言葉を失っちゃった?」ンフフ

メグミ「あのさ……この写真の右奥に見えてるの……家元じゃない?」プルプル

ルミ「えっ!? あ、本当だ……こっち……見てるぅうぅぅーーーーーーっっ!!! というかこれクラウチングスタートの体勢じゃん! に、逃げなきゃ……」ブルブル

???「……随分と楽しそうな写真を撮っているのね」スッ

ルミ「あわ、あわわわわわ……」ブルブル

千代「あなたたちは呼び出した私の元へも来ないで何をやっているのかしらぁ? 言い訳があるなら2秒で吐きなさい!」ポンッ

メグミ「全部ルミの独断であります!」ビシッ

アズミ「同上であります!」ビシッ

ルミ「ちょっと二人とも! 少しは助けてよぉ!」

千代「おらぁーーっ! カールの弾になるかそれとも的になるか選べぇぇーーーーっっ!」グググ

ルミ「ぎゃー! お助けぇーーーー!」グググ

愛里寿「……お母様、これを見てください。どぅーちぇとぺぱろに、それと私の三人で一緒に作りました。スペシャルボコピッツァです」スッ

千代「んまぁ! 愛里寿ったら、とっても良く出来てるわね。ピザを作れるなんて凄いわぁ!」ニコニコ

愛里寿「お母様、ピザではなくピッツァです。石窯を使った本場さながらのピッツァなんです。今日はどぅーちぇにピザとピッツァの違いも教わりました」ニコッ

ペパロニ「いやーピッツァとピザが別物だなんて初めて知ったっすよー! やっぱドゥーチェは何でも知ってるっすねー!」

アンチョビ「まぁピザはピッツァから派生したものだからほぼ同じものだけどな。それでも本場イタリアがピッツァの定義を掲げているのだから、一応別物として扱うべきだ。というかペパロニはアンツィオ生としてこれくらい知ってなきゃ駄目だろ!」ポコッ

ペパロニ「あてっ! たはは……すみませんっす!」テヘペロ
173 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:25:36.99 ID:75V8wf/GO
undefined
174 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:26:13.85 ID:75V8wf/GO
千代「あらまぁそうなのぉ? 愛里寿ったら博識なのねぇ……自慢の娘だわぁ! さぁそのスペシャルボコピッツァは急速完全冷凍して未来永劫ボコミュージアムに飾りましょう! 愛里寿の自慢の手料理だもの、国宝申請もしましょう!」グッ

愛里寿「いえ、これはボコミュージアムに飾るより、お母様にも食べて欲しいです。熱い内に皆で食べましょう。いいよね、どぅーちぇ?」チラッ

アンチョビ「勿論だとも! ピッツァは窯から上げた熱々が一番美味しいんだ! さぁそれじゃあ切り分けるぞぉー! ペパロニ、やるぞ!」サササッ

ペパロニ「うぃーす! ほいほいほい……」サササッ

メグミ「ピザ……いえ、ピッツァね。隊長の手作りを頂けるなんて光栄の至りです。頂きます!」サッ

アズミ「美味しそうだわ……これはもしかして隊長って私達より料理上手いんじゃ……?」サッ

ルミ「とりあえず危機は去ったわね……気を取り直して、頂きまーす!」スッ

千代「本当に美味しそうねぇ、愛里寿の多才な感性にはいつも驚かされるわぁ。ふふふっ食べるのが勿体無いくらいの出来ね!」スッ

しほ「ま、肝心なのは味よね、味。これでも私、舌には少し自信があるのよ?」ニヤリ
175 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:26:41.48 ID:75V8wf/GO
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176 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:27:16.12 ID:75V8wf/GO
千代(ちょ、ちょっとしぽりん何処から湧いて出たのよ! 愛里寿の折角の手料理なのよ!? 下手なことは絶対に言わないで頂戴!)グイッ

しほ(ふふふ……任せなさいちよきち。私とてこれでも二人の娘を持つ母です、なればこそ娘を持つ母親の気持ちが解らずに居られようか!)ニヤリ

千代(あなた最近まで末の娘と不仲だったじゃないの……というか今もそこまで仲がよくないわよねぇ?)

しほ(…………うるさい! 別にもう蟠りなんて無いのよ! あとは向こうからちょっとこう来てくれればぎゅっと抱き締めるぐらいは出来るの! でもあの娘が中々来てくれないから周りからはそう見えるだけで……)ゴニョゴニョ

蝶野(それならもういっそ自分から行けばいいじゃないですか……みほさんもきっと待ってますよ?)ニコッ

しほ(それはちょっと恥ずかしいじゃない! いいの! 西住の門戸は何時でもあの娘の為に開けてあるからしぽりんはこれでいいの!)プイッ

蝶野(素直じゃないんですから……)フフ
177 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:27:51.12 ID:75V8wf/GO
愛里寿「あの、家元のお口に合うかわかりませんが……どうぞ」サッ

しほ「あらありがとう、早速頂くわね……」ムグムグ

千代(しぽりん本当に変な事言わないでよ! 愛里寿が少しでも傷付いたらあんたのとこの娘達の粗を探して滅茶苦茶言ってやるんだからね!)

愛里寿「ど、どうですか……?」オドオド

しほ「……えぇ、とても美味しいわ。愛里寿ちゃんはきっと良いお嫁さんになれるわね……」ナデナデ

愛里寿「えへへ、照れます」ナデナデ

千代(しぽりんも人の子だったのね……そんな言葉が言えただなんて……感涙で前が見えないわぁ……)ブワッ

しほ(失礼な人ね……心にトラウマでも刻み付けてあげようかと思ったけれど、これは褒めるに値する物と思っただけよ。ただそれだけの事……)フンッ

愛里寿「お母様も冷めない内にどうぞ召し上がってください」ジー

千代「うふふ……そうね、冷めない内に頂くわね!」ムグムグ

千代「…………美味しい……とっても美味しいわぁ! うぅ……この御姿は正に愛娘の鏡……っ! どこぞの姉妹とは雲泥の差……っ!」ウルウル

しほ「おいちょ、おま、止まれや!」ガッ
178 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:28:56.25 ID:75V8wf/GO
愛里寿「……どぅーちぇとぺぱろにが手伝ってくれたので、とても美味しくできました。どぅーちぇはお料理の手際がよくてとても料理上手なんですよ」フンスフンス

千代「あらそうなの? それはしっかりとお礼を言わないと駄目ねぇ……」クルッ

千代「えぇと、どぅーちぇさん? 娘の愛里寿が大変お世話になったわ、それに先のイタリア料理もあなたが作ってくれたのね、どうもありがとう」ペコリ

アンチョビ「い、いえいえそんな家元に頭を下げられると此方が困るというか何と言うか……」アタフタ

ペパロニ「そーだそーだ! ドゥーチェにはアンチョビ姉さんって名前がちゃんとあるんだぞー!」ヤイノヤイノ

アンチョビ「お、おい止めろペパロニ! 変な事を言うな!」グイッ

千代「アンチョビ・ネイサン? 中東の方なのかしら? いえ、娘共々お世話になったのには代わりはないわね」ペコリ

アンチョビ「あわ、あわわ……ちち、違います! あ、安斎千代美と申します! アンツィオ高校で戦車道を率いさせて頂いております!」ペコペコ

ペパロニ「ドゥーチェ……いつもはあんなにアンチョビと呼べーって怒るのに……」ジー

アンチョビ「ペパロニのあほーっ! 私達の名前は聖グロの面々と違って学園から正式に拝命した訳じゃないんだぞ、大体私にアンチョビって名前をつけたのはお前だろ! そんな偽名紛いで家元に挨拶できるわけあるかーっ!」プンスコ

千代「そう……あなたがあのアンツィオ高校を建て直した安斎さんなのね……卒業した後の進学先は決まっているの? 勿論戦車道は続ける気なのでしょう?」

アンチョビ「あ、はい。進学先でも戦車道を続けるつもりです!」ビシッ
179 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:29:35.00 ID:75V8wf/GO
千代「あらそう、それは良い事を聞いたわね。実はバミューダの一人が明日の早朝にカールの砲弾として弾け飛ぶ予定だから丁度大学選抜に一人欲しかったのよー! あなたなら愛里寿も反対しないと思うし……是非考えておいて頂戴!」ガシッ

アンチョビ「え、えぇーーっ!?」ビクッ

ルミ「どぅえぇぇぇえぇーーーーーーっっ!? ちょちょ、ちょっと待ってください! その弾け飛ぶ予定の一人ってもしかして私の事ですか!? 謝りますからほんとに勘弁してくださいよぉ!」

メグミ「グッバイルミ! あなたの事……嫌いじゃなかったわ!」グッ

アズミ「フォーエバールミ! 今日がこのバミューダトリオの最後の日なのね!」グッ

ルミ「あんたら薄情過ぎるでしょ! もっと家元に食い下がってでも止める素振りぐらい見せなさいよ!」

メグミ「でも家元の言葉には逆らえないし……諦めて?」ニコッ

ルミ「いーやーだーっ! うぅ……隊長……お願いですから助けてくださぁい!」ガシッ

愛里寿「……もう、お母様」ジッ

千代「……ふぅ、愛里寿……分かったわ。安斎さん、バミューダの件は冗談としてもあなたの戦車道の素質を買っているのは本当です。何かあればこの名刺に連絡なさい、良いわね?」スッ

アンチョビ「あ、ありがとうございます! だ、大事にします!」ペコペコ

しほ「あら、ちょっと待ってくれるかしら。安斎さん、勿論私もあなたの才覚には注視しているわ。私の名刺も渡しておくから、何かあればちよきちより先に私に連絡なさい。いいわね?」スッ

アンチョビ「は、はい! ありがとうございます!」ペコペコ
180 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:30:42.35 ID:75V8wf/GO
千代「……まぁ優秀な人材に声を掛けるのも大事な仕事だものね、お互いが目をかけるのも優秀な人材の証としておきましょう。それにしても美味しいわねぇ……愛娘の手料理ともなるとそれも一入ねぇ……」ニコニコ

しほ「まほ……が料理をしているのは見たことがないけれど、みほは色々と作っていたわね。また食べられる日が来るといいけれど……」フゥ

蝶野「そうやって受け身のままだといつまで待っても食べれませんよー? みほさんもこの会場に居るんですから、声を掛けてみたらいかがですか?」チラッ

しほ「……いえ、止めておきましょう。あの娘も大洗で逞しくやっているのだから……それを邪魔するのも野暮だわ……」フゥ

千代「あなたって本当に素直じゃないわねぇ……」フフ

ルミ「うぅ……隊長……ありがどうございまずぅぅーー! おがげでだずがりまじだぁー……っ!」ガシッ

メグミ「うんうん、ルミ……良かったわね。やっぱり私達は三人じゃないと!」ウンウン

アズミ「そうね! これからも三人で仲良くやっていきましょう!」ウンウン

ルミ「うるさいぞ薄情者共! お前らがそういう奴等だって事はよーく覚えておくからなぁーっ!」プンプン

愛里寿「……それより、撮った写真を私に送ってほしい。出来れば直ぐに」

ルミ「あ、はい! 直ぐに送ります!」サササッ

愛里寿「ありがと……ん? もう一枚は?」チラッ

ルミ「…………い、要りますか?」ピクッ
181 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:31:12.49 ID:75V8wf/GO
愛里寿「ん、欲しい」

ルミ「お、送りますね……」サッ

メグミ(ちょっとルミ! 何で送るのよ!)グッ

アズミ(流石にあの写真はマズいでしょー、カールの的になっても知らないわよ)

ルミ(隊長が欲しいというなら……私には拒めないわ……)ガクッ

愛里寿「あっ来た……んふふ、やっぱり皆変な顔ね」フフフ

ルミ「あの、隊長……その写真は余り見せびらかしたら駄目ですよ? 本当に、マジで駄目ですからね?」グッ

愛里寿「そうなの? ん、分かった」コクリ

ルミ(ふぅ……とりあえずこれでセーフね……)

愛里寿「何度見ても間抜けな顔ね……んふふ、面白い。この写真のポーズは流行りなの?」プクク

メグミ「えぇ……まぁ……一部では流行ってますけど……一部では」

愛里寿「そうなんだ……それなら皆で撮影する時はこのポーズで撮ることにしよう」ポンッ

ルミ「…………え?」

愛里寿「流行っているんでしょ? なら問題無いはず」

アズミ(おーまいごっしゅ! 恨むわよ、ルミ!)グイッ

メグミ(こんなポーズ嫁入り前の娘がするポーズじゃないわよ! どーすんのよ!)グイッ

ルミ(うぐぐ、ギブギブ、死んじゃう……これ以上は私が死んじゃうぅぅ……っ!)グググッ

愛里寿「……駄目なの?」コテン

メグミ、アズミ、ルミ「…………隊長が望むなら、撮らせて……頂きます」ガクリ

愛里寿「んふ……ありがと。とりあえずこの写真は後でみほさんに送っておこう……」スッ

ルミ「あわわわわ……どうか何も起こりませんように……」プルプル
182 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:31:58.72 ID:75V8wf/GO
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183 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:32:34.10 ID:75V8wf/GO
アンチョビ「……何だか凄い名刺を二枚も手に入れてしまったな! 戦車道を代表する両家の名刺だぞ……何か緊張してきた……」プルプル

ペパロニ「ドゥーチェならスカウトされて当然っすよ! もっと自信を持ってください!」グッ

アンチョビ「そそ、そうかな? それにしても愛里寿と島田流の家元を見てると親子ってものを思い出すな……私もたまには実家に帰って料理でも作ってあげようかなぁ」フフ

ペパロニ「実家!? ドゥーチェの実家っすか!? 私も連れてってくださいよぉーーーっ!」グラグラ

アンチョビ「何でお前を連れて実家に帰らなきゃならないんだ。そういえばペパロニの口からアンチョビ姉さんって言葉を久し振りに聞いたな。最近はドゥーチェって呼ぶし……何かあったのか?」チラッ

ペパロニ「へへ……ドゥーチェも遂に卒業しちゃうじゃないですか。だから私も色々考えて姉さん呼びは卒業しようって考えたっす!」ニコッ

アンチョビ(そうか……来年はペパロニがドゥーチェとなり皆を率いていくんだし、いつまでも姉さん姉さんと甘えていてはいけないと考えて……ふふ、こうして後輩の成長を目の当たりにすると嬉しいもんだな)フフ
184 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:33:07.70 ID:75V8wf/GO
ペパロニ「ドゥーチェの事……自分なりに色々考えたんすよ! 姉さんって呼ぶのも勿論嫌いじゃないっす……でも、ある時気付いたんすよ!」バンッ

アンチョビ(私の事を越えるべき壁と考えているとか? こう正面から越えるべき目標と言われると何だか嬉しくなるな……ペパロニの奴め……後で何か好きな物でも作ってやるか……)ニコニコ

ペパロニ「私……ドゥーチェの事……姉さんじゃなくてお嫁さんにしたいんだって気付いて……だから姉さん呼びは卒業したっす! ドゥーチェ、私と結婚してくださいっす!」バンッ

アンチョビ「…………は?」キョトン

ペパロニ「だからドゥーチェの実家に連れてってくださいよぉ! ドゥーチェのご両親にご挨拶したいっす! お願いしますよぉーっ!」バンッ

アンチョビ「……あ、あほかぁーーーーーっ! このバカロニーーーーっっ!」ポコッ

ペパロニ「いてっ! へへへ……ドゥーチェ……大好きっすーーっっ!」ギュウウ

アンチョビ「だぁぁーーったくもう、本当にしょうがない奴だな……」ポンポン

ーーーーーーーーーーー
185 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:34:28.18 ID:75V8wf/GO
みほ「…………」キョロキョロ

アリサ「……ん? あそこに歩いているのは……サイコ女! 一体何して……」チラッ

ケイ「こらーアリサ、余所見をしない! ボールがそっちに行ったわよ!」

アリサ「えっあ、ちょ……へぶっ!」ビターン

典子「サービスエースが決まった! おおあらーい……ふぁいっ!」バンッ

あけび、忍、妙子「おーっ!」ババンッ

ケイ「んもー、アリサったら。ナオミ……取られたポイントは直ぐに取り返すわよ!」スッ

ナオミ「イエス、マム! こっちは何時でもオーケーさ!」グッ

アリサ「……ちょ、ちょっと待ってください! もういい加減バレーは止めませんか!? かれこれ数時間はやってますよ!?」

典子「なにー!? バレーは何時間やっても楽しいんだぞ! 皆、そうだろ!?」

妙子「楽しいです!」

忍「それに嬉しくもある!」

あけび「時には悔しさだってあります!」

典子「その悔しさだってバレーボールは全て受け止めてくれる! よし、根性で行くぞ!」バンッ

アリサ「待てぇぇーーーーっっ! ちょっと止まれぇっ!」グッ

ケイ「アリサ……どうかしたの? 大丈夫?」フゥ

アリサ「隊長! もう無理ですよぉ……身体が持ちませんって……少し休みましょうよぅ?」ジッ

ナオミ「うーん、流石にアリサもそろそろ限界かもね。ケイ、どうする?」チラッ

ケイ「でもまだ決着も付いていないし……向こうのチームに聞いてみましょう?」
186 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:35:38.32 ID:75V8wf/GO
典子「何々……メンバーの一人が限界……休みたいと……ふむふむ」フンフン

典子「分かりました! では休憩を取りましょう! よし、皆……休憩時間だ!」

アリサ「あぁぁーやっと休めるぅぅ……ほんっとスポーツなんて私には向いてないっていうか、そもそも私やりたいだなんて言ってないしまほさんはどっか行っちゃうし……」ブツブツ

典子「さぁこの休憩時間もいつも通りにバレーの練習をしよう! 行くぞ皆!」バシッ

アリサ「…………は?」

ケイ「ボールが来たわ! ナオミ、アリサ、行くわよ!」グッ

アリサ「あの、私の話聞いてました?」

忍「アターック!」バシィ

アリサ「うわっ、え、えーい!」バシッ

ナオミ「オーケー、直接叩き込んであげるよっ!」バッシィ

妙子「す、鋭いぃ……っ!」スカッ

ケイ「ナイスナオミ! 惚れ惚れしちゃうわ!」

典子「あの長身は厄介だな……でも私達には根性がある! よーし、次……行くぞ!」バンッ

アリサ「待って、何かおかしいわ! お願いだから一回止まってぇ!」グググッ

ケイ「もーそんなに慌ててどうしたのアリサ。何かあった?」チラッ

アリサ「あの、今って休憩時間ですよね!? バレーの休憩時間に何でバレーが始まるんですか!? ちょっとぐらい休ませてくださいよぉ!」

ケイ「うーん……そうねぇ、バレーボールが飛んできたから? でも安心して、今は休憩時間よ!」グッ

アリサ「休憩時間でもバレーボールが飛んできたらバレーが始まるんですか!? それなら休憩が終わったらどうするんです!?」

ケイ「……おそらく、バレーがまた始まるわね!」グッ

アリサ「だから休ませてくださいよぉ! あ、ほらあそこ、あそこにプラウダのーー」ビッ
187 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:36:17.93 ID:75V8wf/GO
カチューシャ「……あんた達こんな所で何やってんの?」

アリサ「ほら! ほらっ! プラウダのカチューシャが来ましたよ! さぁさぁちょっとでいいですからバレーはお休みしましょ!?」グッ

カチューシャ「何を騒いでんのよ、というかいくらここの天井がそこそこ高いからってバレーするってどうなの?」

典子「あっカチューシャさん、丁度いい所に。バレーやりませんか!?」バンッ

カチューシャ「嫌よ。何でこのカチューシャがそんなことしなくちゃならないのかしら」

典子「そうですかぁ……それなら仕方がない、皆……バレーをしよう!」グッ

妙子、忍、あけび「はいっ!」バンッ

アリサ「待て待て待て待て待って待って本当に待って! 何なの!? あんたらの頭の中はバレーしかないの!? 一度あんたらの頭の中見てみたいわ!」

ホシノ「……頭の中は見せられないが……思考の片鱗程度は見せられるよ!」バンッ

アリサ「はぁ? あんたそんな格好で何言ってんのよ、バニースーツみたいなの着て恥ずかしくないの!?」

ホシノ「……あれから着替える時間が無かったんだよ、あまり格好は気にしないでくれ。ま、それはともかく……スズキ、あれを持ってきてくれ」バッ

スズキ「はいはーい。一応作ってあった4つ全部持ってきたよ!」バンッ

アリサ「何よこれ、頭に嵌める……のかしら?」

ホシノ「そうそう、それでこっちの輪っかは手首に嵌めるんだ。折角4つあるんだし、誰か他に……」キョロキョロ

アリサ「ちょ、何で私が嵌める流れになってんのよ! あそこのバレー中毒の4人に付けなさいよ!」ビシッ
188 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:37:14.18 ID:75V8wf/GO
ノンナ「ーーお言葉ですが、カチューシャに限ってそれは決してありえません」ニヤリ

妙子「キャプテンこそが本物です! これは誰が相手でも譲れません!」フンス

アリサ「……何か言い争っているわね……隊長、何があったんです?」

ケイ「うーん、そうねぇ……つまり、どっちがピュアかって話かしら?」

アリサ「ピュア? 何言ってるんですかねあの人達は……付き合ってらんないわ。向こうにでも行こうかしら……」フゥ

ノンナ「くぅっ! 大洗には分からず屋が多いようですね……っ! 偉大なる同志カチューシャのピュアさが分からないとは……どうにかしてカチューシャの御心をこの人達に教えなければ……!」ギリギリ

あけび「そっちこそわかってないです! キャプテンのこの姿を見てわからないんですか!? ピュアさでいったらカチューシャさんは元よりどの学園の人よりピュアな筈ですっ!」ギリギリ

カチューシャ「…………ん? 皆何を言っているの?」チラッ

典子「……バレーの事以外だというのは確かですね、カチューシャさん!」

ホシノ「まぁまぁ諸君! 落ち着いてくれ! そんな君達に朗報だ! ここにあるこの機械はなんと……言った言葉を嘘かどうか見抜く事ができる!」

ホシノ「これを着けたまま質問すればその人がピュアかどうか……判明すると思わないか!?」バーン

ノンナ「いいでしょう、カチューシャ……奴等にカチューシャの偉大さを示すいい機会です。さぁこれを着けましょうね」カチャカチャ

カチューシャ「え、これは何なの? ちょっとノンナ、説明しなさいよ!」プンプン

忍「キャプテン、大洗の秘蔵っ子……いえ、隠れショタと言われる所以をプラウダの方達に見てもらいましょう!」カチャカチャ

典子「ショ、ショタって……私は女だよ! 一体何なの!?」プンプン
189 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:37:53.96 ID:75V8wf/GO
ケイ「アリサ……あなたはピュアとはむしろ対極に位置する娘だけど、面白そうだからこれをつけてね?」カチャカチャ

アリサ「え、い、嫌ですけど!? ちょ、嫌ですってば! はな、離してぇ!」ジタバタ

ナオミ「おっと、諦めなって。さぁさぁじっとして」カチャカチャ

アリサ「くっ……え、これ外れないんですけど!? 二人ともふざけないでくださいよ! 何で私がこんなものつけなきゃならないんですか、大体……」ブツブツ

ナカジマ「うーん、一個余ったね。どうする?」チラッ

スズキ「何だか各チームから一人ずつ出ているし、うちからも一人出そうか!」ウンウン

ホシノ「そうだね……ツチヤ、お願いできるかな?」クルッ

ツチヤ「え、嫌だよ?」キョトン

スズキ「うん、ありがとう。それじゃ早速……」カチャカチャ

ツチヤ「いやいやいやいや、それあれじゃん! 嘘言うと電気流れる奴じゃん! いーやーだー! やーだーやーだー!」クネクネ

ホシノ「ははは……まぁ少しの辛抱だよ。今度の金曜日にドリンクバーを奢ってやるからさ……」

ツチヤ「…………ケーキは?」チラッ

ホシノ「わかったわかった。好きなだけ頼んでいいよ」ニコッ

ツチヤ「……それなら……やる」

ナカジマ「よーし、全員準備完了!」バンッ
190 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:38:40.56 ID:75V8wf/GO
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191 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:39:36.53 ID:75V8wf/GO
ホシノ「それじゃ、皆に紙を配るからこの四人に聞きたい事書いてね。全員に聞くことになるから、個人宛の質問は駄目だよ? あ、一応何枚か渡しておくからね。書くことがなかったら白紙で出してくれればいいよ」

ケイ「オーケー! さーて、なに書こうかしらね……」スラスラ

アリサ「……これ、私も書くの? 別に聞きたい事なんて無いわよ……」スラスラ

ノンナ「奴等に偉大なる同志カチューシャを知らしめる質問……一体何を書けば……」

忍「……個人宛は禁止だけど全員に聞けばそれは個人宛と変わらない……つまり……」スラスラ

ホシノ「……これは丁度良い機会かもね……」スラスラ

ナカジマ「はいはーい、それじゃ紙を回収しするよー!」ワシャワシャ

スズキ「箱に入れて、と……」ガシャガシャ

ホシノ「それじゃルールを説明するよ! 今から読み上げる質問に答えて貰う訳だけれど、四人に嵌めてもらったのは嘘発見器だからね。嘘を言ってしまうと手首の輪から電気が流れるから嘘は言わない方がいいよ!」

ノンナ「ちょっと待ってください! 電気が流れるなんてそんな事は初耳ですよ。カチューシャに痛い思いはさせられません、直ぐに外してください! もしくは手首の輪だけ私に着けてください!」グッ

ナカジマ「いやーこれは頭のリングと連動して嘘を判断するんでどっちか片方を外す事なんてできないんですよー」

ノンナ「ならこんな茶番は結構です! さぁカチューシャ、そんな物外してしまいましょう」スッ

忍「……逃げるんですか?」ニヤリ

ノンナ「…………今なんと仰いましたか?」ジッ

あけび「所詮偶像は偶像ですぅ。崇めて奉っても張りぼてはキャプテンの様に本物にはなり得ません。外したければどうぞご自由に……」ニヤニヤ

ノンナ「……こいつら……っ! いいでしょう、この勝負……受けてたちます! カチューシャ……あなたの偉大さをこいつらに知らしめてあげましょう!」グッ
192 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:40:23.55 ID:75V8wf/GO
カチューシャ「……全然意味がわかんないんだけど、とりあえず質問に答えればいいのね?」

アリサ「下らないわね、さっさと終わらせなさいよ!」プンプン

典子「……私の質問が読まれるといいなぁ」ポケー

ツチヤ「……罰ゲーム用に作った機械がこんな所で使われるなんて……お願いだから答えられる質問にしてよ?」チラッ

スズキ「それは書いた人にしか分からないからねぇ……とりあえず一枚引いてみるよ!」ガサガサ

ホシノ「ん……『正直な話、試合で通信傍受機って引く?』」バンッ

ケイ「アリサ……あなた、気にしてたのね……」ホロリ

アリサ「…………」///

ホシノ「嘘をついたら針千本では無いけど、それなりの電気が流れるからね! それじゃ回答を……どうぞ!」

カチューシャ「……特に何の問題も無いわ。卑怯とも思わない、但し……勝てればの話よ」フンッ

典子「私も特に気にしてません! むしろそういう作戦もあると気付かせてくれる良い機会でした!」

ツチヤ「……うーん、あーいうの見てるとさ、そういうグレーな事ってどこまでやっていいのかなって思うな。あ、別に引いたりはしないけどねー」ニコニコ

アリサ「…………!」ホッ

ナオミ「ふふふ……アリサは気にしすぎさ。でも、良かったね」ニコッ

アリサ「べ、別に気にしてねーし! 良くともなんとも思ってないし!」フンッ ビリリリリリ

アリサ「んきゃぁぁぁぁーーーーーっっ!」ビクビクビクン

ホシノ「だ、駄目だよ嘘を言ったら! 大丈夫かい?」

アリサ「痛いじゃない! 何なのよバカ!」

ケイ「うふふっ! もう、アリサったら嘘は駄目よ? 人間素直に生きなきゃ……ね?」ウフフ

アリサ「くそっ! 機械を嵌めてるのを忘れてたわ……」

ノンナ「……矮小な人物の下らない質問でしたね。次の質問をお願いします」ジッ

スズキ「嘘をついたら機械が反応するから気をつけてくださいよーっと」ガサガサ
193 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:40:57.79 ID:75V8wf/GO
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194 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:41:26.65 ID:75V8wf/GO
ホシノ「次は……『バレーは好きですか?』と……誰が書いたか解りそうなものだが……」チラッ

典子「はい! 大好きですっ!」キラキラ

カチューシャ「バレーというか、スポーツ全般が余り好きじゃないわ。カチューシャの体型では不利な事はわかってるもの……」フンッ

典子「カチューシャさん、バレーにはリベロ制度というものがありますよ! それに私もカチューシャさんと同じで体型では余り向いていないかもしれません……でも、バレーが大好きです!」キラキラ

ノンナ「くっ……眩しい……っ!」バッ

妙子「キャプテンの真っ直ぐな気持ち……最高ですぅ! 主に下腹部辺りにキュンキュンきますよぉ!」フンフン

カチューシャ「ふーん、ま、気が向いたら調べてあげるわ。あくまで気が向いたらだからね!」フンッ

ツチヤ「いやー身体を動かすぐらいなら車を動かしてた方がいいよねぇー。だからバレーは好きでも嫌いでもないかなー」

アリサ「何時間もやらされたせいでさっき嫌いになったわ。大体ね、私はインドア派なのよ。あんな何時間もバレーやらされたら死ぬわ!」フンッ

典子「そんな!? 私達の行為がバレーから人を遠ざけてしまったのかぁーーっ! うぅ、アリサさん……私の事は嫌いでも、バレーは嫌いにならないでください!」

アリサ「そ、そんな事言われても……別にあんたの事は嫌いじゃないし……」
195 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:42:04.15 ID:75V8wf/GO
典子「バレーの事も嫌いにならないでください! 先ずは言葉からだけでもバレーが好きと言ってください、お願いします!」ペコペコ

アリサ「あーうっさいわねぇ、はいはいバレーが好きバレーが好き。これでいいんでしょ? しっしっ!」フンッ ビリリリリリ ビリリリリリ

アリサ「うわちゃぁぁぁぁーーーーーっっ!」ビクンビクン

ケイ「アハハハハハハハハッ! あなたも懲りないわねぇ、ふふふふ……っ!」ゲラゲラ

典子「あぁぁーーっ! すみませんすみません、私ったら機械嵌めてるのを忘れてアリサさんになんて事を……こうなったら私も嘘を吐いて電気を流すしか……っ!」グッ

アリサ「い、いいから……とりあえず離れて……」ピクピク

ツチヤ(うわぁ……流れる電気も結構痛そうだし、こりゃ絶対に嘘は吐けないねー)フゥ

スズキ「まだまだ行きますからねー、今度は私がっと……」ガサガサ

ホシノ「ん……ん? 随分と長いな……『どうも、偉大なる同志カチューシャのおはようからおはようまでを見守るノンナともうします。偉大なる同志カチューシャは……』いや、長いよ! えーと、質問は……『下の毛について、同志カチューシャはその純粋たる心を表すが如く当然天然無毛ですが、そちらのキャプテンとやらはどうせアマゾンの湿地林なのでしょう? お答えください』って……これ質問としてどうなの?」チラッ

ナカジマ「……もう滅茶苦茶だね、とりあえず皆さん回答をお願いします」サッ

ツチヤ「えぇっ!? これ私も答えるの!?」ビクッ

スズキ「そういう企画だから……ツチヤ、変な質問引いてごめーん」ペコッ
196 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:42:39.32 ID:75V8wf/GO
カチューシャ「……確かに生えてこないけど、それが何なのかしら?」///

ノンナ「いいえ、カチューシャはそれで良いのです。いつまでもそのままで居てください……」ギュウ

忍「……ふふふ、キャプテンを甘く見て貰っては困るな。キャプテン、言ってやってください!」バンッ

典子「……えーと、生えてないけど、いやいや本当に何なのこの質問は! 流石の私でもちょっと恥ずかしいよ!」///

ノンナ「ちぃっ! 土手は五分という訳ですか……やりますね」チッ

典子「土手とか言わないで!」///

あけび「キャプテンナイスバンクですぅ!」

ホシノ「…………」ジー

ツチヤ「いやいやそんな見られても皆でお風呂とか入ってるんだから知ってるでしょ。そりゃ生えてるよ、年相応でしょ!」///

ホシノ「確かに知ってはいるけど、改めて聞かされると……何か不思議な気分だね」チラッ

ツチヤ「もー何だよこの質問はー、何の意味があるんだよぉー」ブツブツ

スズキ(ツチヤ……いじけちゃった……可愛いなぁ……)

ナオミ「……最後はアリサの番だよ?」ジー

アリサ「……………………ぼ、ぼーぼーよ? 年頃だもの当然でしょ、それが何か?」プイッ ビリリリリリ

アリサ「あだちゃぁぁーーーーっっ!」ビクンビクン

ケイ「んふふふふ……っ! 何で電気が流れるのが分かってて言うのかしら、あなたも生えてこないじゃない!」ケラケラ

アリサ「ちょ、ちょっと隊長! プライベートな事をばらさないでくださいよ!」

ノンナ「つまりあなたもピュア土手と……そういう事ですね?」ニヤリ

アリサ「ピュア土手とか言うな、バカ!」ガルルル

ナカジマ「はぁ……もうちょっとまともな質問は……と、これはどうかな?」ガサガサ
197 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:44:01.85 ID:75V8wf/GO
ホシノ「んむ、何々、『ここから西を見るとお城を模した建物が見えます、あの建物について説明してください』と書いてある。西は……あっちだね」チラッ

スズキ(まぁ所謂ラブホテルだよねー、私は利用したことないけど……当たり前か……)フフフ

妙子(私の質問が出ましたね。ふふふ……キャプテンならきっとファンシーな感じのふわっふわした答えが返ってくる筈。プラウダの連中にキャプテンの存在を知らしめるチャンスです!)ニヤリ

ノンナ(あのような低俗な建物をプラウダに置きたくもありませんが、下賎な輩共は何処にでもいるもので、真に残念ながらプラウダにも似た建物が少なからずあります。ですが私は今日までカチューシャにあの建物についてピュアッピュアな説明を再三してきました。さぁ、大洗の愚か者共よ……純真無垢なカチューシャの答えを聞くがいい!)ニヤリ

カチューシャ「連れ込み宿ね、低俗な建物だわ」フゥ

ノンナ「カチュゥゥゥゥシャアアアアァァァァァァアーーーーーーッッ!!! そ、そんな下劣な言葉を何処で覚えたんですか!? 私はあの建物についてそんな説明はしていないでしょう!?」ガクガクブルブル

カチューシャ「ひぃぃっっ! に、ニーナとアリーナが話してて、それで知ったの……」ビクビク

ノンナ「あの糞ゴミ共おおぉぉぉーーーーーっっ!! 絶っ対に許さんっっ! 三度切り刻んで燃やしてくれるっっ!」グォォ

忍「ぷくく……皆、ノンナさんのあの狼狽えかたを見てよ」ニヤニヤ

あけび「まるで道化みたいですぅ!」ニヤニヤ

妙子「そんなに狼狽えなくてもいいのに……だって、張りぼてからメッキが剥がれた……ただそれだけの事でしょう? さぁキャプテン……回答をお願いします!」バッ

典子「え? ラブホテルだよね?」キョトン

妙子「いやああぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!! キャ、キャプテンの口からラブホテルだなんてそんな……もういやっ! 何でこの世はここまで私を苦しめるのっ! 大体何処でそんな言葉を知ったんですか! キャプテンのえっちっち!」
198 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:44:58.02 ID:75V8wf/GO
典子「そんな事を言われても……私、これでも妙子より年上なんだから、そりゃそういうことも少しは知ってるよ……」

忍「駄目っ! キャプテン、ちょっとタイム! それ以上の言葉は妨害行為ですよ、だから少し抑えてください!」バッ

あけび「がふ……っ!」ガクリ

忍「あけび、しっかりして……あけびぃぃーーー!」ギュウ

あけび「だ、大丈夫です。キャプテンがそういうことを認識していると知って、少し動揺しただけですから……」ニコッ

アリサ「阿鼻叫喚じゃない……何なのこいつら……」ハァ

ナカジマ「それじゃ、ツチヤー回答おねがーい」ニコッ

ツチヤ「……ファッションホテルだねー。もうこれくらいの答えじゃ何も感じないよ」

スズキ「でもちょっと顔が赤いねー」ニヤニヤ

ツチヤ「う、うるさいなー。ほっといてよ!」プイッ

ケイ「最後はアリサねー、電気流れる様な事は言っちゃ駄目よ?」チラッ

アリサ「……いや、あの……ホテル、ですよね?」オドオド

ケイ「そうよ? 何でそんなにおどおどしているの?」
199 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:45:34.27 ID:75V8wf/GO
アリサ「え、あ……いやー、皆なんか色々ホテルの前にくっ付けてるじゃないですか。ラブだのファッションだのと……だからホテルとはまた違うのかなーって思って……でもやっぱりホテルで合ってたんですね、良かったぁ……」エヘヘ

ケイ「ちょっと待って。アリサ……あなたあのホテルを何だと思っているの?」ピタッ

アリサ「そりゃホテルですから、泊まる所ですよね? サンダースにもちらほらありますし……」

ナオミ「アリサ……あのホテルについて誰かから聞いた事は?」

アリサ「え? パパとママは年齢制限があるから大人にならないと入れないよって言ってたけど? だからまだ入ったこと無いのよねぇ……」キョトン

ナオミ「……ちょっと聞いていいかな。ガルパンGを打っている時、まほにホテルでハプニングがどうとか言ってたけど……そのハプニングって何?」ジー

アリサ「私は行ったことが無いからわからないけど、ママは『あなたが将来愛した伴侶と色々な所へ行くときっと素敵なハプニングが起こるわ』って言ってたから。まほさんとあんなお城みたいなホテルに行ったら……きっと素敵な事が起こるのよ!」ニコッ

ナオミ「ケイ……ケイッ! アリサに電流が流れない……故障かもしれないな。修理をお願いしよう! 今すぐに!」バッ

ケイ「ナオミ、大丈夫よ落ち着いて。アリサもそんなに怯えなくて大丈夫、あなたはあなたのままで大丈夫だから……」ギュウ

アリサ「はぁ、別に怯えてませんけど……?」

ノンナ「くぅ……っ! その程度のピュアさで余り調子にのらないでもらいましょう。まだまだ勝負はついていないのですから……さぁ、次の質問を読んでください!」

スズキ「人は見掛けによらないというか……次は……これにしよう!」ガサガサ

ホシノ「思わぬ伏兵ってところだね……えーと『去年のクリスマスには誰からのプレゼントが枕元にありましたか?』」バンッ
200 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:46:07.15 ID:75V8wf/GO
ノンナ「っしゃぁ! 失礼、取り乱しました。これはとても良い質問ですね、皆さんの回答がとても楽しみです」ニコニコ

ノンナ(私は毎年毎年カチューシャの為にサンタという虚像を完璧に作り上げてきました。カチューシャと共にサンタさんへの手紙を書き、そして靴下を飾りました。クリスマスの夜にはサンタに扮しバレないように細心の注意を払ってプレゼントを靴下の中に入れてカチューシャの呼吸を採取しカチューシャの頬をスリスリしカチューシャの抜け毛を全て保管してきたのです。所詮大洗の仮バレー部などという作って一年も経っていない柔な絆とは年期が違うのですよ。ふふふ……奴等の回答が楽しみですね)

典子「……何も無かったよ。女子寮だし、今年も特には何も無いんじゃないかなぁ……」

忍「……もう一年、もう一年あればキャプテンの枕元にプレゼントを置けたのに! そうすればサンタを作れたのに……キャプテンのサンクチュアリにアタック出来たのにぃ!」バンッ

典子「サンクチュアリにアタックって何なの? 今日の皆はちょっと怖いよ……」ブルッ

ノンナ「ぷふぅーーっ! おっと失礼、余りの回答に口から息が漏れ出てしまいまぷふぅーーーっ!」ニヤニヤ

あけび「あいつマジでムカつきますぅ! でも今年はキャプテンにサンタさんがちゃーんと来ますから安心してください!」ムフー

妙子「今年のキャプテンはとってもいいこいいこでしたからねぇー。今度一緒にサンタさんへお手紙書きましょうね……」ニコリ

典子「いや私の方が年上だよ? そんな子供をあやすように言われても困るよ……」

ノンナ「今更取り繕っても無駄無駄無駄ぁ! さぁ次は誰が答えるんです!?」
201 : ◆DLwRpsYLYI :2020/05/12(火) 01:46:40.63 ID:75V8wf/GO
スズキ(去年のクリスマスはツチヤの枕元にプレゼント置いたっけ……バレバレだったけど、ツチヤも喜んでくれたなぁ……)ニコニコ

ホシノ(普段は年の差なんて感じさせないけど、ツチヤは私達の一個下だからね。もっと色々可愛がってあげたかったな……)ニコニコ

ナカジマ(今年も何か置いてあげないとね……来年は置けそうにないし……)フゥ

ツチヤ「えーとじゃあ私から言おうかなー、去年のクリスマスはサンタ達からのプレゼントが置いてあったよ。ふふ……あれは嬉しいサプライズだったね!」ニコッ ビリリリリリ

ツチヤ「どわっちゃああぁぁーーーーーーっっ!!?」ビクンビクン

ツチヤ「い、い……いったああぁぁぁぁーーーーいっっ!」ゴロゴロ

ホシノ「ツチヤッ!? 大丈夫か! 何で電流が流れて……あのプレゼントはサンタさんからという体だったよね?」チラッ

ナカジマ「もしかして……私達からって気付いてたからじゃない? そりゃバレバレだったしさぁ」

スズキ「あぁ……それで嘘と判定して電流が流れたんだ……ツチヤ、大丈夫?」サッ

ツチヤ「クリスマスの素敵な思い出が電流で上書きされたよぉ! 痛かったよぉ!」

スズキ「あーよしよし、いたいのいたいの飛んでけー……なんてね」ニコッ ギュウ

ツチヤ「うぅぅぅーーー……痺れたよぉぉーー!」ギュウ

ノンナ「サンタは純真無垢で素直な良い子の元にしかやって来ませんからね。そこのキャプテンさんもツチヤさんも資格を有していなかった……それだけの事です。さぁカチューシャ、あなたのピュア力を見せ付けてやりましょう! 偉大なる同志カチューシャからのお言葉です、愚民ども……心して聞くがいい!」バッ
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