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【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」不知火「その3です」

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618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/17(金) 17:37:18.26 ID:7XDi4fnV0
留提督が大和の存在知ったらまた暴走すんだろな
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/18(土) 19:38:14.21 ID:LIvc/NqH0
>>618ありそうで怖い
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/28(火) 18:26:01.11 ID:9ec7IEnk0
>>618
そういえば今まで提督は大和について触れてなかった...!?
そうなる可能性は微レ存というか十分にあると見た
621 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:05:52.35 ID:pZt3Y4vNo
それでは続きです。
622 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:06:46.63 ID:pZt3Y4vNo

 * 食堂 *

 ガヤガヤ…

陸奥「へーぇ、潮ちゃんが代筆したの?」

潮「は、はい! あの船の乗組員さんに渡すお手紙だそうです……!」

長門「潮がいきなり呼び出されたから、何があったかと思ったんだが……」

潮「私の字の方がしっかりしてるから、と……」

陸奥「それで実際に効果があったのよね。すごいじゃない」

潮「あ、ありがとうございます……!」

長門「……それにしても、遠大佐は事の重大性を理解しているのか?」

陸奥「できてないんじゃないかしら。仁提督のときは、彼自身がこの島のことを理解してなくて、話し合いで済んだからそれまでだったけど」

陸奥「今、来てる人たちは最初から轟沈経験艦を引き取る目的で来てるわけでしょ?」

陸奥「本営の意図を無視してタブー視されていることをやろうとしてるからこそ、上に報告せずにここへ来たんじゃないの?」

初春「そうであろうなあ」ズイッ

陸奥「!」

不知火「失礼します」
623 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:07:33.96 ID:pZt3Y4vNo

長門「おお、初春と不知火か。お前たちも夕餉か」

不知火「はい。遠大佐の顔も見ておけと司令からの指示がありまして」

初春「近くに座らせてもらって、様子を探ろうと思っての。少し遅めに参じたわけじゃ」

陸奥「ふぅん。どんな人なのかしら」

初春「秘書艦が雷と聞いておるが、どのような人物かは掴めておらんでの」

不知火「まだ遠大佐はこちらに来ていませんね」

長門「ああ……おや? あれは……」

潮「もしかして……あの人たち、ですか?」


霧島「こちらが食堂です」

雷「ありがとう霧島さん!」

遠大佐「なかなか賑やかだな。一度轟沈した艦娘が多いとは思えないほどだ」

敷波「!」

朝雲「!」

敷波「……」ヒソヒソ…

朝雲「……」コクコク

敷波「……」タタタッ

朝雲「……」タタタッ
624 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:08:16.39 ID:pZt3Y4vNo

遠大佐「……歓迎はされていないようだが、当然か。仕方ない」

雷「司令官、大丈夫よ。私がいるじゃない!」ニコッ

遠大佐「ああ、ありがとう」


不知火「目標確認。近くに行きましょう」

初春「うむ、それでは参ろうかの」

陸奥「気を付けてね」ヒラヒラ


加古「はぁ……やっと外に出られた。留提督ってば話を聞かないくせに、しつっこいんだよぉ」

雷「加古さん、そんなに戻りたくないの……?」

加古「だって、戻ったらこれから先、ずーっとあいつがついて回るんでしょ? 悪いけど、あたしはこっちの鎮守府のほうがいいよ」

雷「……」

加古「ていうかさ、留提督がいないから訊きたいんだけど、遠大佐もなんであんな奴の言うことに何も口出ししないのさ」

鳥海「それは私も同感です。留提督の説得は説得と呼べるものではなく、ただのご自身の希望の押し付けでしかありません」

鳥海「あらかじめ着地地点が決まっていて、是も非もなく強引にそこへ持ち込もうとしている……そんな印象を受けました」

遠大佐「……」
625 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:09:01.14 ID:pZt3Y4vNo

鹿島「あの……私たちは、何のためにこの島に連れてこられたのでしょうか?」

鹿島「言われるがままにこの島に来て、言われるがままに艤装を外し……今の私たちはなんの戦力にもなりません」

鹿島「遠大佐、あなたは……あなたたちはいったい、何をしようとしているのですか……!?」

山風「……」

ガンビアベイ「……」

雷「司令官……!」

遠大佐「……すまない。今はまだ、話すことはできない」

雷「……」

ガンビアベイ「E, Excuse me, わ、私たちが、この島の鎮守府に入ったのは、ここの提督准尉? の、お考え、ですよね?」

遠大佐「……ああ、それはそうだ」

ガンビアベイ「それは、どうしてなんでしょうか……? 私、疑問です」

山風「う、うん、それは、不思議……あの人、ずっと、私たちを、睨みつけてた……」

鹿島「どういうことなんでしょう……」

雷「うーん……」
626 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:10:01.14 ID:pZt3Y4vNo

霞(エプロン着用)「随分辛気臭い顔してるわね」

ガンビアベイ「!?」ビクッ

山風「!?」ビクッ(←鹿島の陰に隠れる)

千歳「あら、霞ちゃん! 久し振りね!」

霞「お久し振りです、千歳さん。摩耶さんから聞いたけど、夕餉を準備してなかったんですって?」

千歳「そうなの。私と足柄、それからこちらの3人……」

鹿島「練習巡洋艦、鹿島です。こちらは駆逐艦山風と、航空母艦ガンビアベイです」

霞「ふぅん……」

山風「……」オドオド

ガンビアベイ「H... Hello...」ビクビク

霞「そんなに怯えなくていいわよ。もうすぐご飯ができるから、もう少し待ってなさい」クルリ スタスタ…

雷「あ、ありがとう……!」

摩耶「お、みんな来たんだな。とりあえず適当な場所に座ってくれよ」

雷「ええ、それじゃあ、お言葉に甘えましょ! 司令官! みんなも座って!」イスヒキ

遠大佐「ああ、ありがとう」ニコ
627 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:10:46.91 ID:pZt3Y4vNo

霧島「あなたたちも、気分はすぐれないかもしれないけれど、良かったら食べていって」ニコニコ

鹿島「あ、ありがとうございます……」

山風「……」ジー

ガンビアベイ「……? 山風、どうしたの?」

山風「う、ううん、なんでもない……」

雷「私たちのお弁当はあるけど、みんなのご飯が来てから頂きましょ! みんなで食べたほうがおいしいもの!」

遠大佐「そうだな、雷」ニコニコ

三隈「私たちも一緒にいただくんですの?」

最上「特に何も言われてないから、自由でいいんじゃない?」

不知火「失礼します、こちらにご一緒よろしいでしょうか」

最上「うん、いいよ!」

三隈「提督の代わりに遠大佐の見張り……ですか?」ヒソヒソ

初春「うむ、まあそんなところじゃ」ヒソヒソ

加古「あたしもこっちに座っていい?」

最上「うん!」
628 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:11:31.54 ID:pZt3Y4vNo

鳥海「私もこちらに失礼しますね……」

三隈「あら、鳥海さんもですか?」

鳥海「ちょっと離れて冷静になろうかと思いまして……」

足柄(エプロン着用)「待たせたわね! 今日の夕餉を持って来たわ!」バーン!

霞「ちょっ、足柄さん!? わざわざ配りに行かなくても、取りに来させればいいじゃない!」

足柄「あ、そっか、ごめんね?」テヘペロー

千歳「足柄、あなた厨房のお手伝いしてたの?」

足柄「話の流れでね。私たちの夕餉が用意されてなかったのはこっちの不手際だし、ただで御馳走になろうだなんて不作法だと思わない?」

千歳「そうだったの……ごめんね霞ちゃん、いきなり押しかけて、迷惑だったでしょう?」

霞「大丈夫、全然迷惑じゃなかったわ。むしろ足柄さんの手際が良いからすごく助かっちゃって」

千歳「だったら良かったけど……そういえば、足柄は波大尉のところでも厨房でいろいろ作ってたものね」

足柄「以前はゲン担ぎと私の好みでトンカツばかり揚げてたけどね〜」

千歳「全然野菜が出ないから、波大尉から『艦娘と一緒にするな』って、叱られちゃったのよね」

霞「え……」
629 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:12:31.62 ID:pZt3Y4vNo

千歳「ほら、足柄って一点豪華主義的なところがあるじゃない? 火力第一みたいなところとか」

霞「あー……そんなところまで『飢えた狼』してなくてもいいのに」

足柄「そ、そんな呆れたような顔しないでよ!?」

霞「足柄さんらしいと言えばらしいのよね、そういうとこ」

霞「でも、この島じゃあ肉も卵も貴重品だから、トンカツはあまり作る機会ないのよね……」

千歳「それで今日のメニューが魚の竜田揚げなのね」

最上「それと高菜のチャーハンと中華スープかー! おいしそうだね!」

三隈「ここが離島であることを忘れてしまいますわね……」

雷「みんなのご飯もきたみたいだし、私たちも食べましょ、司令官!」ベントウヒラキ

 弁当『いかにもな愛妻弁当です!』

千歳(……ご飯にピンクのハートマークが……)

足柄(あれ、キャロットグラッセかしら……ハート型になってる……)

霞(手が込んでるわね……卵焼きにハムとチーズが巻かれてるし、ちゃんと彩りも考えられてるわ)

雷「ちょっ、どうしたの!? みんなこっち見て固まってる!?」

千歳「あ、ああ、すごいわね、って……」

比叡「あれ? みんなどうしたの?」

霞「べ、別に何でもないわ、大丈夫よ」
630 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:13:17.20 ID:pZt3Y4vNo

千歳「ちょっと、なんで比叡さんが厨房から出てきたの」ヒソヒソ

足柄「これ作ったの比叡さんよ?」ヒソヒソ

千歳「ちょっ……!?」

足柄「そんな顔しないの! 私も驚いたけど、絶対おいしいから大丈夫よ!」

千歳「そ、そう? 足柄がそう言うなら、信じるけど……」

加古「いやもうあたし、お腹すいたし眠いし、早く食べて寝たいんだけど……」

摩耶「まあ、そうだな、食べるかあ」テアワセ

不知火「ええ、いただきます」テアワセ

雷「それじゃ、私たちもいただきます!」チャッ

遠大佐「ああ、いただきます」

霞「……ちょっと待って、なんで遠大佐がお箸を持ってないの……」ハッ

雷「司令官、はい、あーん!」ニコー

遠大佐「あーん」

霞「!?」ピキッ

千歳「!?」カシャーン(箸を落とした音)

足柄「!?」バキィ(箸を圧し折った音)
631 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:14:01.63 ID:pZt3Y4vNo

雷「おいしい?」ニコー

遠大佐「うん、おいちー」ニヘラー

霞「」シロメ

千歳「」シロメ

足柄「」シロメ

霧島「んがぐっ!? げほ! げっほ!」ドンドンドン

摩耶「き、霧島さん大丈夫っすか!?」セナカサスリ

不知火「」ブボァ

初春「」ブボァ

三隈「」ベチャア

最上「三隈!? ちょっと待って、ふきんを持ってくぅわああ!?」ガシャーン

鳥海「最上さん!?」

比叡「」アッケ

鹿島「チャーハンおいしいですね!」タニンノフリ

ガンビアベイ「お魚もおいしいです!」タニンノフリ

山風「もぐもぐ……」カンゼンムシ

加古「……うん、やっぱここのご飯おいしいわ……」モキュモキュ


陸奥「なにあの地獄絵図……」

潮「長門さん、なんだか見覚えのある光景が……」

長門「えらく久々な気がするな……3度目か?」

陸奥「そうなの!?」
632 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:14:46.44 ID:pZt3Y4vNo

 * 一方 会議室 *

留提督「まったく! ふざけやがって、あのバカ准尉!」モッチャモッチャ

クルー1「ほんっとに失礼な奴ですよね!」

留提督「お父さんへも電話したし、明日の朝には准尉もこの鎮守府から追放だ!」

留提督「僕が大佐になったら呉で過労死するまでこき使ってやる!」

クルー1「そうしてください。こんな態度の悪い提督、初めてです!」

クルー4「そうなったら、この島に代わりの人を立ててもらわないといけないですけど……いくら海軍でもこんな島に来る人いますかね?」

留提督「うーん、どうだろ?」

クルー6「……というか、この島、本当に大丈夫なんですかね」

留提督「ん? どういう意味?」

クルー6「准尉がさっき言ってましたけど、この島の艦娘が提督に歯向かった、って話ですよ」

留提督「どうせ嘘でしょ。准尉の言うことは聞いてたじゃんか」

クルー4「でも、さっきも言いましたが俺も長門からはそう聞きましたよ? 我々が声をかけてた島風とか潮って艦娘もそうだって言ってました」

留提督「えー、ほんと?」

クルー3「私もさっき、工廠にいた艦娘から話を聞いてきたんですが……」

クルー3「そいつが言うには、艦娘が鎮守府を火の海にしたことがあるみたいな口振りでして……」

クルー3「さっき准尉も同じこと言ってましたから、嘘じゃないのか、って……」

クルー全員「「……」」
633 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:15:31.40 ID:pZt3Y4vNo

留提督「それこそ嘘なんじゃないの? なんでそんな危ないやつが、この鎮守府であの生意気な提督におとなしく従ってるのさ?」

留提督「第一、少佐でも大尉でもなく、准尉だよ准尉! 下っ端だよ! 裏で話を合わせてるんじゃないの?」

クルー6「だとしたら、あの人、本当に准尉なんですかね?」

留提督「……どういう意味?」

クルー6「裏で話を合わせられるくらいなら、本当はもっと偉いか……権限っていうか、権力があってもいいじゃないですか」

クルー6「准尉のくせに遠大佐にも噛み付いてたの、気になりません? 実は身分を隠してるとか……」

クルー4「なんのために……?」

クルー2「あの見た目で実は将官だなんてことはなさそうですが……齢いくつなんでしょうね、あの人」

クルー1「20近いガキに見えるけどなあ……威厳とか全然なさそうだろ」

留提督「憲兵や特警がいないから調子に乗ってんじゃないの? 人間が一人もいないとしたら、威張り放題じゃん」

クルー6「……そうだとしたら、この鎮守府で一番偉いのに、なんで階級が准尉なんすかね?」

クルー全員「「……」」

クルー2「それは……」

クルー1「……お前、どう思う?」

クルー7「い、いや、なんでですかね……」

クルー5「単純に左遷されたとかじゃないのか?」
634 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:16:16.55 ID:pZt3Y4vNo

クルー6「だとするとまずいっすね」

クルー5「なんでだよ」

クルー6「左遷させられるような人材が一人で管理させられてるわけっすよね? マジでヤバイんじゃないすか、この島」

クルー全員「「……」」

クルー6「人骨転がってたのもそういう理由じゃ……」

クルー2「縁起でもないこと言うな!!」

クルー1「空気読めねえ奴だな!」

クルー6「あー……すんません。もう黙ってます」

クルー6(……でもヤバイことは確実だよな……)ウーン

クルー4「いや、でも、あり得るか……?」

クルー1「なんだよさっきから!」

クルー4「いや……ふと思ったんだけど、もしかして、准尉が本営に敵対してて謀反を企てているとか、だったら……」

クルー全員「「!?」」

クルー4「おかしいと思ったんですよ。艦娘が提督に逆らうなんて話、これまで聞いたことなかったし!」

クルー2「轟沈したり、反逆したことのある艦娘を集めてるとなると……うわっ、洒落にならないぞ!?」
635 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:17:01.88 ID:pZt3Y4vNo

留提督「うーん、そこまでヤバイかなあ?」

留提督「本当に危険だったら、お人好しの鳥海から、ここの准尉は危ないよ、って話が聞けてたと思うんだけど?」

クルー7「……弱みを握られてるとか?」

留提督「そうかなあ? あいつ、他人庇って轟沈するくらいだよ? 嘘なんかつけなさそうだし、じゃなきゃ挙動不審になってると思うんだ」

留提督「それにこの島、骨を見つけた以外は本当に何もなかったんだよね。みんな、外で他に何か見つけたりした?」

クルー7「すみません、俺は見つけられませんでした」

クルー5「俺は見つけましたよ! 北の岩山に洞穴があったんです!」

クルー1「お!」

クルー5「丁度人が入れそうなくらいの穴が開いてて、奥の方が広々としてて!」

クルー5「隠れ家に使えそうな、いい感じに不気味な穴でしたよ!」

クルー4「へーえ……」

留提督「人が入った形跡とかは?」

クルー5「そこまでの道に踏み固めた跡があったんで、そこは間違いないです!」

留提督「それは怪しいなあ……!」

クルー5「明日はそこを探索してみますか!」

留提督「そうだね! 明日の朝にもこの島を提督准尉から取り上げて、改めてカメラを回して探索開始だ!」
636 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:17:45.95 ID:pZt3Y4vNo

クルー2「面白いネタが撮れるかもしれませんね!」

クルー1「それじゃあさっそく、下見に行ってきます!」スクッ

 ガチャ!

大和「……」ニコニコ

武蔵「どこへ出かけるつもりだ?」ニヤニヤ

クルー1「」

武蔵「なんだその顔は。貴様らの監視のためにわざわざこの大和型が出向いてやったのだ、不服か?」

大和「提督から、もしあなた方がこの部屋から出ようものなら、即座に砲撃して良いと仰せつかっています」

武蔵「私も、好きに叩きのめせと提督にお墨付きをいただいた」

全員「「……」」

大和「そういえば、あなたでしたね? 朧さんに粗相した人間は」ギロリ

クルー1「ひっ」

武蔵「畑を荒らした上に仲間に狼藉を働いたとあっては、捨て置けというほうが無理というもの」ギロリ

武蔵「これ以上この鎮守府で好き勝手させるわけにはいかん」

武蔵「一歩でもこの部屋から外に出てみろ。その時は……ふんっ!!」ブンッ!

 (武蔵が右ストレートを放ち、クルー1の顔の前で寸止めすると、その衝撃で、ぶわっ、と風が舞う)

クルー1「ひえ……!」ヘナヘナ
637 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:18:31.41 ID:pZt3Y4vNo

武蔵「次は止めんぞ。この部屋諸共、貴様の首から上が吹き飛ぶと思え」

武蔵「さあ、ドアを閉めてやろう。挟まれて脚が体とおさらばしないように気を付けろ?」ニィッ

クルー1「ひ、ひいいい!!」ズザザザッ

 扉<パタム

留提督「……」

クルー3「留さん本当に大丈夫なんですか!?」

クルー7「大和と武蔵ですよ!?」

クルー2「なんでこの鎮守府に大和型が揃ってるんだ!?」

クルー4「すげー……初めて見た」

クルー6「どっちもでかかったっすね……」

クルー5「けど、これじゃ下見は無理ですね……」

留提督「いいよいいよ、今は大人しくしておこう。そっか、大和と武蔵もいるんだ〜。うちの艦隊、豪華になるね!」

クルー1「え? ええ、まあ……そういう話でしたね」

留提督「この島の指揮権、どうせ准尉から取り上げるんだ。あの二人も呉に連れて帰って、みんなをびっくりさせようよ」ニヤニヤ
638 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:19:46.46 ID:pZt3Y4vNo

 * 一方 部屋から少し離れて *

武蔵「これで良かったのか?」

大和「ええ、良かったと思うわ。もし私がやっていたら、寸止めせずに平手打ちしてたかもしれないし……」

武蔵「だとしたら間違いなく奴の頭がすっ飛んでいただろうな……」

大和「感情が抑えきれなかったのよね……提督のお部屋に無断で入った時点で、到底許してはおけない存在と認識してたから」ドロリ

武蔵「ま、まあ、そう、か」ヒヤアセ

大和「あ、でも武蔵は別よ? この島の艦娘だし、この島の規律のことを思ってやったわけだし」ニコニコ

武蔵「目の濁りというか……その笑顔が怖いんだが」ヒキッ

大和「そ、そう? 私も未熟ね……」ウーン

提督「よう。悪いな、門番みたいな真似させて」

大和「提督……!」

武蔵「気にするな。私も初雪を拐かそうとした奴らの顔を見ておきたかったところだ」

武蔵「しかし、いろいろと良かったのか? あいつらはこの鎮守府から艦娘の引き抜きを狙っているんだろう?」

提督「そうらしいな。ま、俺としては連中の本性を早めに見ておきたくてなあ」

武蔵「本性?」
639 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:20:46.28 ID:pZt3Y4vNo

提督「昔、N中佐がここに来て大和を見たとき、元の目的忘れて大和に懸想したんだよ」

提督「同じように連中がお前たちを見てどんな反応を示すのか、早く知っておきたくてなあ。大した反応を見せないならそれでいいし」

提督「調子に乗るようなら更に煽って持ち上げて、一番高いところから一気にぶち落とす」ニヤァ

武蔵「……なあ、この男は大丈夫なのか?」

大和「え、ええ、大丈夫よ?」

提督「連中に冷静な判断をさせないためとはいえ、二人を餌にしてるみたいでお前たちも気分が悪いと思うが、そこはまあ、勘弁してくれ」

武蔵「まあ、そういう策だというのなら従うが……今の口振りからすると、私たちが配属されている鎮守府は珍しいのか?」

提督「大和も武蔵も珍しいらしいぞ。箔がつくって意味でも、大和型の着任を望んでる鎮守府は多いって聞いてる」

大和「私が本営に行ったときも、私の周りに人だかりができていましたからね……」

提督「とりあえず中の様子は妖精たちに探らせてるんだが……さらっと聞いた感じだと、留提督の父親が呉の鎮守府の大将と知り合いらしいな」

武蔵「そういうコネがあるのか。大丈夫なのか?」

提督「こっちが優位なのは変わらねえよ。まず、轟沈した艦娘を連れ帰るってのがどれほどおおごとかを奴らは理解してねえし」

提督「仮にあいつの父親が呉のトップと懇ろだとしても、周囲からは猛反発を食らうことは間違いない」

提督「無理を通したリターンに比べてリスクが高すぎるし、そんなことすりゃ本営にも、最悪憲兵たちにも目を付けられるだろう」

提督「そもそも憲兵すらこの島に駐在するのを拒否されたほどだ。目を付けられるどころの話じゃねえだろうなあ」

提督「呉のトップがそこまで突っ走る無能なら、本営からもでかい釘がぶっ刺さるだろうさ。留提督の思い通りに動くなんて有り得ねえ」

武蔵「ふむ……だといいのだが」
640 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:21:31.57 ID:pZt3Y4vNo

提督「それにこっちには『あれ』がいるからな。どんな手を使ってでも、この島から連中を追い出してくれるさ」ニヤリ

大和「あれ……とは?」

提督「『あれ』は『あれ』だ。定時連絡で赤城に確認したが、あんな目に遭っても『あれ』は未だに大和にご執心だと」チッ

大和「まさか……」ゾワワッ

提督「その大和を新参の留提督が横から掠め取ろうとしてたとあっちゃあ、『あれ』も面白くもねえだろう」

提督「いい気味だぜ、殺したいほど憎い俺たちを守るために『あれ』が必死になるんだからなあ……!」

大和「」アオザメ

提督「腐ってても『あれ』が今の俺の直属の上司なんだ、せいぜいこの島を荒らされないよう、奔走して貰おうじゃねえか。ククク……!」ニヤァァ

武蔵(……この男、本当に大丈夫なんだろうな?)タラリ

大和「て、提督……」ガタガタ

提督「……あー、嫌なもん思い出させちまったか、大丈夫だ、心配すんな」

大和「提督……!」ヒシッ

提督「お前を中佐なんかにゃあ渡さねえよ。勿論、留提督にもな」ナデナデ

大和「うう……」グスン

武蔵「……」

武蔵(まあ、大和がこれほど信頼しているのなら、信じてもいいのかもしれんな)フフッ…
641 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:24:16.44 ID:pZt3Y4vNo

 * それからしばらくのち 執務室 *

提督「こちら××島鎮」

通信『どういうことだ准尉。なぜ部外者の侵入を許した!』

提督「守府……なんだ中佐か。これまでの状況は赤城に伝えたとおりだぞ」

提督「何の連絡もなしに呉の遠大佐と留提督が乗り込んできて、自分のところで沈めた艦娘2隻と話がしたいって言うんだ」

提督「大佐が相手じゃ、話を聞かないわけにもいかねえだろ」

通信『留とか言う奴は何者だ』

提督「芸能人らしい。スタッフと一緒にテレビカメラ数台引き連れてきやがった」

通信『っ! 何も撮影させてないだろうな……!!』

提督「撮影許可は出してねえよ、カメラもデジカメだが一台見せしめに潰してやった。それでも隠し撮りしてる可能性は否めねえな」

通信『なぜすぐ報告しなかった!』

提督「こっちで準備した会議室から奴等が脱走して家探しを始めたんだよ! 捕まえんのに苦労したぜ……ったく」

通信『ちぃ……! どいつもこいつも勝手な真似しやがって……!』

提督「今は全員とっ捕まえて会議室に閉じ込めて、艦娘に見張らせてる。あいつらが乗ってきた船も一旦呉に戻ったはずだ」
642 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:25:02.08 ID:pZt3Y4vNo

通信『待て、なんで船が呉に戻ったんだ。寝泊りさせる気か!』

提督「まあ、そうなっちまうが、それにはいくつか理由がある」

提督「留提督は、轟沈した艦娘をそのまま連れ帰って運用するつもりでいる。遠大佐はその危険性を見過ごそうとしている」

提督「だが、俺は、轟沈した艦娘をここ以外で運用する話は聞いてない」

通信『……』

提督「だから俺は、その船の乗組員に、遠大佐が本当に呉の上官に許可を得てこの島に来たのか、確認するよう手紙を送って依頼した」

提督「それでもし、呉の上官がそのことを把握してなかったら、遠大佐たちの独断だろうから一度日本に引き返すよう提案した」

提督「あいつらが轟沈したことのある艦娘を引き連れて呉へ戻るのを防ぐためにな」

提督「それから、この島で撮影したであろう写真や動画を持ち出すのを防ぐ目的もある。これは俺たちの都合の話だ」

提督「結果的に船がこの島から出港したってことは、上には連絡がいってない、って話で確定なんだろう」

通信『ふん、そういうことか……なら、まだ手は打てるな。貴様にしては上出来だ』

通信『それで、奴等の目的はなんだ?』

提督「まずはテレビに映すためのネタが欲しいんだろう。留提督が轟沈した艦娘を初めて助け出したって話題になれば、評価されると思ってるらしい」

提督「そしてそれを土産に、留提督が呉で何らかの地位を得られるような働きかけをしているようだ。大佐になる、とかほざいてたぜ」

通信『馬鹿な……!? どこでそんな話になっている!?』

提督「それはわからねえよ。もうひとつわからねえのが、遠大佐の目的だ。なんでそこまでして留提督を支援してるのか、まったく見当が付かねえ」
643 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:26:01.43 ID:pZt3Y4vNo

提督「轟沈した艦娘が深海化する話も、留提督の一味は信じちゃいないようだったが……」

提督「呉に轟沈艦を連れ帰ればどうなるか、少なくとも遠大佐は理解してないとは思えねえ。あいつは俺みたいに民間の出じゃねえらしいからな」

通信『……』

提督「それからもうひとつ。留提督は俺を島から追い出して、呉で働かすつもりらしい」

通信『はぁ!? どういうことだ!』

提督「自分が歓迎されなかった逆恨みだろ。そのついでに大和やら長門やら引き抜くつもりみたいだしな」

通信『んな……なんだとおおお!?』キーン

提督「く……マイクに向かって叫ぶんじゃねえよ、くそが……!」

通信『大和を引き抜くだと!? ふざけるな! 赤城! すぐに呉鎮守府に連絡を取れ!』

通信『准尉! 貴様はそいつらを見張っていろ! 歯向かうようなら牢屋にでもぶち込んでおけ! いいな!』

通信『ブチッ』

提督「……思ってた以上に効果覿面だな。あの様子じゃあ、まだ大和を諦めてねえってか……やれやれ、面倒臭え」

不知火「司令、これで良かったんですか?」

提督「ん? ああ、とりあえずはな。呉のお偉いさんの相手をする分には、あいつの方が多少手馴れてるだろう」
644 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:27:01.47 ID:pZt3Y4vNo

提督「それから、大和の話でぶっ飛んじまったが、あいつにとってもこの島を家探しされるのは不愉快みたいだ、ってのがわかったし……」

提督「少しは真面目にあいつらを島から追い出すために奔走するはずだ」

不知火「そうでしょうか……」

提督「そのはずさ。拠点としての価値に乏しいこんな島を、中佐が後生大事に確保しとくのには、なにか理由があるはずだ」

提督「ともあれ、あいつの弱みは、いくらでも握っとくに越したこたあねえからなぁ」ケッケッケッ

不知火「司令……顔が悪党になってますよ」ヒキッ

提督「おう……そんなに悪かったか」

不知火「はい。それから、人骨を見つけたと言っていますが……」

提督「それは別に驚かねえな。ここも戦場になってるんなら、ひとりやふたり人間が死んでてもおかしくねえだろ」

提督「だいたい、俺がここに来るより前の犠牲者だ。この話を追及されるべきは当時の管理者である中佐であって、俺は丸投げするしかねえ」ニヤニヤ

提督「精々、俺たちのために駆けずり回って苦労するがいいさ……!」

妖精「……顔が完全に悪役だ」

不知火「……悪役ですね」
645 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/05(火) 23:28:57.92 ID:pZt3Y4vNo

提督「さてと、いい気分に浸るのは後にして……不知火、氷とクーラーボックスは千歳に渡したか?」

不知火「は、はい。釣りに使っているので、若干魚臭いですが……それと、酒保で売られているお酒も少々足しておきました」

提督「そうか」ニヤッ

 扉<コンコンコン

千歳「千歳です」

提督「おう、入ってくれ」

千歳「失礼します。准尉、クーラーボックスとお酒を届けて参りました。ついでに私が持ってきた缶ビールも一緒に冷やしておきましたけど……」

提督「そこまでやってくれりゃあ、向こうも気分いいだろ。お疲れさん」

提督「魚臭えのもビニール袋で包んどきゃいくらかましだろ。日本人は酒が冷えてねえとうるせえからな」

不知火「どういうことですか……?」

提督「敵に塩ならぬ、酒を送ってやっただけだ。まあ、それ自体が罠なんだが」

千歳「え?」

提督「酒に酔わせて寝たところを退治したのが八岐大蛇……丁度あいつらも8人だったよなあ」ニヤリ

千歳「あ、あの……というか、たったあれだけのお酒で酔っ払って寝るとは思えないんだけど……」

提督「気分が良くなって気が大きくなってくれりゃいいのさ。酔っ払いってのは後先考えねえからなあ」ニヤニヤ

千歳「悪い顔してるわね……」タラリ

不知火「ええ……いつものことです」ハァ

提督「日没と一緒にランプと酒のつまみと綺麗なお布団まで用意してやりゃあ、さぞかし羽目を外してくれるだろうぜぇ……!」クックックッ…
646 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2021/10/05(火) 23:30:03.85 ID:pZt3Y4vNo
というわけで、今回はここまで。
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sneg]:2021/10/06(水) 03:24:53.25 ID:/caWTwOK0
バケモン(留提督)にはバケモン(中佐)をぶつけンだよぉ!で笑ってしまった
大和が騒動の一つになるとは思ってたけどまさかここで中佐まで動かすとはwww
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 11:43:05.66 ID:vIHKNx7KO
毒を以て毒を制する、か…こりゃ荒れるぞ
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/06(水) 18:25:24.01 ID:4oL1MDjeO
乙!
更に面白くなって来たのね!
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/06(水) 19:25:56.82 ID:kcV1Cm6d0
oh..予想のだいぶ斜め上を行ってくれましたね...
にしても両陣営の思惑がサッパリわからない...
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 12:32:07.56 ID:B5GW3dTB0
俺らが予想を立てる度に予想外の展開を作りやすくなっている…なんて巧妙な罠!さすがです。
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/17(日) 19:36:29.66 ID:55oNo2Lc0
支援
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/29(金) 15:56:02.58 ID:ACBCtoamO
ここの提督さん、生い立ちからして大変なんだけど本人が陰徳を積み上げているのに、それに報いられそうな助けの手も敵対者と一緒に払い退けてしまって間接的に事態を悪化させてまっているのが切なく感じますねえ…はっちゃんの治療が上手く行って、少しずつでも前に進んで罠だらけバッドエンド回避してくれると良いんだけどなあ
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/31(日) 04:59:43.11 ID:1Zz/4l1GO
>>653
もう最終回っていうか最後どうなるかは完結してるよ
655 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 17:55:36.04 ID:txAHe89eo
続きです。
656 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 17:56:15.97 ID:txAHe89eo

 * 夕食後 会議室 *

留提督「8時消灯!? いくらなんでも早すぎだよ!」

提督「阿呆か。この鎮守府で夜中に騒ぐ必要がどこにある」

遠大佐「鎮守府そのものの防衛は大丈夫なのか……!?」

提督「うちの場合はこれまでこうやってやり過ごしてきたからな。そもそもこの辺の不安定な潮の流れのせいで寄ってこないってのも一因だ」

提督「それに、発電機の燃料代が馬鹿にならねえ。だから基本的に夜間は通信機と保冷庫を動かす電力だけ確保して節約運転してんだよ」

提督「ま、今夜はお前らがいるから、大和たちを夜間哨戒させてしのぐつもりだ」

留提督「え、大和を外に出すの?」

提督「万一に備えてうちの艦娘に見張らせんだ。やらなくていいってか?」

留提督「あ、いや……うん、しょうがないか……」

提督「寝室も一応用意した。寝るだけの部屋なんで、晩酌はここで済ませてからそっちに移動してくれ」

提督「部屋割りは遠大佐と秘書艦の雷で一部屋、留提督とテレビスタッフ7人は4人ずつで二部屋。誰がどっちで寝るかは適当に決めてくれ」

提督「あとは遠大佐の艦娘3人で一部屋、足柄と千歳が2人で一部屋。寝室の場所も広さもばらばらだが、まあ我慢しろ」

留提督「我慢しろ、ってその言い方……」イラッ
657 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 17:57:01.18 ID:txAHe89eo

提督「それから、艦娘たちはすぐに寝るそうだ」

留提督「えええ!? 一緒に呑まないの!?」

提督「艤装もねえし、役には立てないから、大人しくしてるとよ。だから酒の席も遠慮するって話だ。だよな、遠大佐?」

遠大佐「ああ。我々も今日は早めに就寝する」ウナヅキ

留提督「なんでそこで付き合いで一緒に呑めとか言わないんだ……!」ブツブツ

提督「そういうわけなんで、今さっき鹿島たちを風呂へ案内した」

留提督「えええええ!?」ガタッ

提督「何をそんなに驚いてんだよ」

留提督「……いや、なんでもない」ストン

提督「? よくわかんねえな……」

提督「とにかく、夜間哨戒のためにうちの艦娘は大半が海に出る予定だ」

提督「その分、鎮守府の中で何かあっても対応できねえから、くれぐれも、大人しくしてろよ?」ギロリ

全員「「……」」

提督「風呂については、大浴場の隣に個室の風呂が3つ併設してある」

提督「今は鹿島たち3人が入ってるから、出たら次に足柄と千歳を呼ぶ。あんたたちはその後でいいな?」
658 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 17:57:46.36 ID:txAHe89eo

遠大佐「私と雷は一緒で構わないぞ」

提督「……は?」

雷「どうかしたの? 准尉さん?」

提督「一緒に入るのか? 風呂に……」

雷「ええ! いつも私が司令官の背中を流してあげてるのよ!」

提督「」

クルー2(准尉が固まった……)

留提督(さすがにロリは範囲外……なのか?)

クルー1(如月はロリじゃないのか……?)

提督「……お前らも風呂に入りたいなら20時までに申請しろ。人数が多いから時間は守れよ、これ以上の特別扱いはしねえ」

クルー5(考えるのを拒否して話題を変えたな……)

留提督「個室にお風呂はついてないの?」

提督「ねえよ、そんなもの! ぶっちゃけ真水も蝋燭も貴重品なこの島で、そんな要求通ると思ってんじゃねえ」イライラ

留提督「……」

提督「ここで飲み食いするときも、電池式のランプは貸してやる。満月だから月明かりでも十分だと思うがな」
659 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 17:59:00.77 ID:txAHe89eo

提督「それから風呂の希望者はいねえのか? いなけりゃ風呂場が開くのは明日の朝だぞ」

クルー1「入らせてもらいましょうよ、汗もかいたし……」

クルー6「留さんの服も洗っとかないとまずいっすよ?」

クルー7「寝るときはパンツ一枚でもいいと思いますけど……」

クルー5「余所の番組でも野宿するようなロケあるじゃないですか。風呂に入れるならありがたいもんですよ」

クルー1「下着も使い捨てで買っておきましょうよ。経費はうちで出しますから」

留提督「……しょうがないなあ」ムスッ

クルー5「そんならついでに俺たちの下着も買いましょうよ。贅沢言ってられないんですから」

クルー2「お前、経費って聞いたからそれ言い出しただろ」

クルー1「自腹切れ、自腹」

クルー5「ひっでぇ!?」

 ハハハハ…

提督「……風呂の解放は19時15分から19時45分までだ。酒保はその前後15分開けておく」

提督「19時から20時までは案内役に武蔵を付けさせる。昼間みたいに逃げ出そうものなら、覚悟しておけよ……?」
660 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 17:59:46.09 ID:txAHe89eo

遠大佐「それは私から言って聞かせておくよ。これ以上君に手間はかけさせない」

提督「……? だといいがな。んじゃ、俺は執務に戻るぞ」

 扉<ガチャッ

伊8「あ、出て来た」

榛名「提督!」パァッ

提督「なんだお前たち、わざわざ部屋の外で待ってたのか?」

伊8「はい」コク

榛名「提督、今夜、榛名はお部屋にお邪魔いたしますね!」

全員「「!?」」ギョッ

提督「なんだそりゃ? 別にいいけどよ」

全員「「!?!?」」

榛名「本当ですか!? 榛名、感激です!!」ウデニダキツキー

全員「「」」
661 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:00:31.08 ID:txAHe89eo

提督「そんな話、別に今じゃなくてもいいだろ。で、はっちゃんは何の用だ」

伊8「はっちゃんは榛名さんの付き添いです。報告は報告でありますけど、それは執務室に戻りながら話します」

提督「ん、そうか……」

 扉<バタン

クルー4「……行ったか……」

クルー5「なんだったんだ、今の……」

クルー7「部屋に行くとか言ってたよな……」

クルー1「やっぱりそういうことなのか……?」

留提督「イチャイチャしやがって……本っ当にむかつくやつだな、あの准尉ってのは」イライラ

雷「もう、留提督! もともと私たちを追い出すつもりだったのに、お夜食まで出すって言ってくれたんだから、ひどいこと言っちゃだめよ?」

留提督「う……」

遠大佐「まあまあ、雷も落ち着いて」

雷「でも司令官? 私、いろいろと気になるわ! 加古さんたちを連れ戻すなんて話、もともとなかったじゃない!」

雷「いろんな鎮守府に聞いて回ったでしょ? 轟沈した艦娘は呼び戻しちゃ駄目だって!」

遠大佐「雷……」

雷「司令官、私は心配なの……司令官は、なにか無茶なことをしようとしてない……?」

遠大佐「大丈夫だよ雷。不安にさせてしまったのなら謝る。だが、心配はいらないよ」ニコ

雷「司令官……!」
662 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:01:15.95 ID:txAHe89eo

遠大佐「……ああ、そうだ、ところで雷。私たちがどの部屋に泊まるか聞いてなかったな。准尉に部屋がどこか聞いてきてもらえないか?」

雷「! そういえばそうね! 私が聞いてくるわね! 准尉さーん!」

 扉<ガチャバターン

遠大佐「……留君」テマネキ

留提督「は、はい」チカヨリ

 グイ

留提督「!」

遠大佐「君の思い通りにならずに苛立っているようだが……」ヒソヒソ

遠大佐「君に望みがあるように、私にも私の望みがあるからこそ、君に全面的に協力しているんだぞ?」

遠大佐「ここで君が軽率な行動をとろうものなら、君にも私にも未来はない」

留提督「……そ、そうかもしれないけど」

遠大佐「我々の……君たちの目的は、轟沈した艦娘を救い出し、英雄として君を海軍に大々的に迎え入れることだ。違うのかね」

遠大佐「いくら君のお父様が海軍に顔が利いたとしても、私の地位を君に譲るつもりだったとしても……」

遠大佐「今、ここにいる君は、私の客将だ。弁えたまえ……!」

留提督「……っ!」

 扉<コココンッ

雷「司令官! お風呂の後に教えてもらうことになったわ! お風呂へ行くときに私たちの荷物も持っていきましょ!」ガチャー

遠大佐「おお、そうか! それじゃ、準備しようか!」ニコニコ

留提督「……」
663 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:02:00.87 ID:txAHe89eo

 * 執務室へ向かう廊下 *

提督「やっぱり、あいつは鹿島を狙ってるってか」

伊8「鹿島さんたちからこれまでの反応を聞く限り、鹿島さんに好意っていうか下心を持ってる、って感じですかね」

提督「下心ねえ……」

伊8「榛名さんをあの場でけしかけたのも、ああいうシーンを見せておけば動揺するかと思いまして」

提督「お前の仕業かよ。で、どうだったんだ?」

伊8「すっごい反応してましたよ。表情が死んでるのに目が殺気立ってたっていうか、これ以上なく嫉妬してたっていうか」

提督「……」

伊8「あ、それと、はっちゃん見てる人も結構いましたよ。胸部とか臀部とか脚部とか。ちちしりふとももってやつですね」

提督「その表現……」アタマオサエ

伊8「黒潮ちゃんの危惧してた感じになりそうですか?」

提督「まー、そうなりそうだな……そうなって欲しくねえけどよ」

伊8「……最初から本性が見たくて煽ってたのに、今更になって怖じ気づいてるんですか」

提督「風呂に案内した時の鹿島の落ち込み様が半端なかったからな。萎縮しまくってて消え入りそうって言えばいいのか」

提督「艤装がなくて戦力にならねえ上に、この鎮守府に迷惑かけるって立場なもんだから、目に涙いっぱい溜めててよ」
664 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:02:46.66 ID:txAHe89eo

提督「罪悪感が少々キツいが、あいつらを暴走させるための餌だからな。悪いが人身御供になってもらうさ」

伊8「奇稲田比売ですね」

榛名「くしなだひめ……?」

提督「八岐大蛇の生贄に差し出された娘だよ。須佐之男が助けて嫁にしたっていう」

榛名「よめですか!?」

提督「どこに反応してんだよ」

伊8「提督は鹿島さんのことはお嫁さんにしないと思うけど」

榛名「そ、そうですよね!」

提督「つうか俺は結婚しねえから嫁も何もねえよ、って何度も言ってんだろ」

榛名「そ、そうですよね……」シュン

提督「お前はさっきから極端だな。ほれ、少し元気だせ」アタマナデナデ

榛名「はいっ! 榛名は大丈夫です!!」シャキーン キラキラキラッ

提督「だから極端に元気になりすぎだろ……少しでいいんだぞ」

伊8(ちょっとうらやましい)ムー
665 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:03:31.14 ID:txAHe89eo

提督「ま、ともかくだ、何事もなきゃあそれでいい。明日の朝になりゃあ中佐の息のかかった連中が、遠大佐たちを連れ戻しに来るからな」

伊8「だったら、何もしなくてもいいんじゃないですか?」

提督「俺があいつらにお灸を据えたいだけだ。勝手が過ぎるし、牢屋にぶち込んで一晩見張っておかねえと、何しでかすかわかんねえ」

提督「つうか、今一番の気になるところは遠大佐の企みだ。できればそっちを汲み取りたいんだが……あの秘書艦も、どこまで知ってんのかね」

伊8「なんとなくですけど、あまりよくわかってなさそうですね?」

提督「んー……やっぱそういう感じか。あの駆逐艦にとってろくでもねえ話じゃなけりゃいいんだが」

伊8(他人の秘書艦なのに、心配し過ぎだと思うんだけど)

榛名「提督は、人には厳しいですけれど、艦娘には本当にお優しいですよね」

提督「!」

伊8「!」

榛名「榛名、少し焼きもちを妬いてしまいます」シュン

提督「……」

伊8「……」

提督「俺、そんなに甘いか?」

伊8「少しは自覚したほうがいいと思いますよ?」ジト
666 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:04:16.04 ID:txAHe89eo

 * 21:00 会議室 *

朝雲「お刺身お持ちしましたー!」

電「空いたお皿はお下げするのです」カチャカチャ

吹雪「焼酎と氷とお水、ここに置いていきますね! 失礼しました!」ペコリ

 扉<ガチャ パタン

クルー7「ぐへへ……駆逐艦は可愛いなあ」ヒック

クルー4「お前なあ……」

クルー7「なーにカマトトぶってんですかセンパーイ。知ってますよ、4さん、俺と同じ趣味の先輩でしょー?」

クルー4「ぐ……っ」

クルー7「あー、つくづくここに雷ちゃんがいないのが寂しいぜ。あの子にお酌して欲しかったなあ」

クルー1「遠大佐がそれを許してくれるかねえ? それより、4ちゃん酒が足りねーな。昼間の話、まだ気にしてんのかよ」

クルー4「え、ま、まあ……」

留提督「昼間の話ってぇ、提督に歯向かう艦娘がいるって話?」

クルー4「そ、そうです」

留提督「そりゃあれだよ、外れ引いたんだよ、外れ。遠大佐のとこの艦娘も、ここの艦娘もみんな従順じゃん」

クルー5「あの横暴な提督准尉の言うことを、ここの艦娘は全員大人しくきいてんだぜ? 何かあったに違いないよなあ」

クルー1「ああ。ありゃー間違いなく、ヤることヤってるよな」

クルー7「うわー、マジすか!?」
667 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:05:01.22 ID:txAHe89eo

クルー1「俺がたまたま准尉の部屋に入ったとき、大和とか金剛とかいたからなあ」

クルー7「駆逐艦は!?」

クルー1「そういやいたよ、一人いた!」

クルー7「うっわああああ! マジすかあああ!!」

クルー5「真っ黒確定っすね!」

留提督「ってことは大和は中古かあ。もらっちゃおうと思ったけど、どうしようかなあ」

クルー2「もらうだけはもらっちゃいましょうよ。なんでも資材を大量消費するから、使いづらいらしいですよ?」

留提督「そうなんだ?」

クルー2「練度上げるだけなら、鹿島と一緒に演習だけに出すといいとか聞きました!」

留提督「ふーん……」

クルー5「いやー、それにしても鹿島って子、めっちゃエロいっすよね!」

クルー7「ほんとほんと、目の保養目の保養」

クルー2「お前ロリコンじゃなかったのかよ」

クルー7「見るだけならなんでもいいぜー? 手は出さねえからいいだろー?」

 ギャハハハハ…

クルー6「……」
668 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:05:46.14 ID:txAHe89eo

クルー6(話のノリについていけねー……)

クルー6(俺も3さんみたいに外に行きゃー良かったかな)グビッ

留提督「……」ポケー

クルー1「? どうしました?」ヒソヒソ

留提督「んー? ああ……鹿島ってマジでイイ体してんだよなあ。顔も小悪魔チックでよー……どう見ても男誘ってるとしか思えねー」

留提督「思い出したらもうムラムラしてきててさ。さっき便所に行ったとき、見張りらしい見張りがいなかったから……」

留提督「やるなら今がチャンスなんだよ。今頃ベッドでおやすみなんだろ? ……なあ?」

クルー1「お……ということは」

留提督「……やるか?」

クルー1「やりますか!」

留提督「ああ……ただ、ノリの悪い陰キャにチクられても面白くないし、なあ」チラッ

クルー5「6のやつですね……それだったら俺にいい考えがありますよ」コソッ

クルー5「千歳と足柄の部屋に連れてってサシで飲ませてやるんです」

クルー1「え?」

留提督「あいつそういう趣味なの?」

クルー5「あの二人と挨拶した時、顔赤らめてましたからね、あいつ」

クルー1「よく見てんなあ」ククッ

留提督「怖え〜」ヒヒッ
669 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:06:30.87 ID:txAHe89eo

クルー5「共犯者は多い方がいいっすからね。俺がここから連れ出して部屋に押し込めますんで、その隙に行っててください!」

クルー1「いいのか?」

クルー5「適度に出来上がったあたりで俺も後から合流しますんで、先に楽しんでていいですよ!」

クルー7「?」

クルー4「何の話だ?」

クルー6「?」

クルー5「よお、6! お前、ちょっと付き合え!」ガシッ

クルー6「えっ!? な、なんすかいったい!」

クルー5「お前が一人で寂しそーに飲んでるから、いいトコロに連れてってやろうって話じゃねーか!」グイッ

クルー6「は、はあ!?」

クルー5「ほら、ビールとつまみ持てよ!」オシツケ
670 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/10/31(日) 18:07:26.32 ID:txAHe89eo

 * 鎮守府内 廊下 *

クルー5「さっきの駆逐艦、あの二人が9時まで厨房手伝うって言ってたよな? だとしたらそろそろ部屋に戻ってくると思ったんだが……」キョロキョロ

クルー6「ちょっと、勝手にうろうろしていいんすか……!?」

足柄「あら? あなたたち、どうしたの?」

千歳「飲み会はもうおしまい?」

クルー6「あ……!」

クルー5「いえいえ、待ってたんですよ、お二人を!」

足柄「待ってた? 私たちを?」

クルー5「そうそう。こいつ、俺たちと飲んでても全然楽しそうじゃないんで! だったら仕事してきた二人を労ってこいよと!」

クルー6「え? ええ、えええ!?」オロオロ

足柄「ふーん……まあ、やぶさかではないけど?」

千歳「……そうね。缶ビール1本くらいなら、付き合ってあげてもいいかしら」

クルー5「よぉし! それじゃあ、こいつのことはお願いします!」バシッ

クルー6「痛ってえ!? ちょっ、お、俺一人すか!? どこ行くんです!」

クルー5「野暮用! あと小便だ!」

クルー6「……」

千歳「なんだか大変ねえ」

足柄「それじゃ、軽くいただきましょうか」

千歳「ほら、君も早く部屋に入って」

クルー6「……は、はい」セキメン
671 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2021/10/31(日) 18:08:20.80 ID:txAHe89eo
というところで今回はここまで。
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/11/01(月) 06:45:44.02 ID:hU3aM3xE0
投稿お疲れ様です!毎回楽しみです。あいつら(クルー6以外)に何かバチが当たれと思います。
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 18:08:19.46 ID:HM+/2D7H0
6が不憫だなぁww
この調子で行ったら明日朝にとんでもないことになる予感...
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/01(月) 23:11:49.56 ID:E47MV3sY0
墓場島艦娘の事情知ってるからこそ留とクルーの態度が腹立つ
これだと提督のED発覚した時の反応が気になるな〜
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 09:03:35.21 ID:SFmAUNwlO
普通に提督が無能なだけだろ

1人くらい見せしめで首でも引きちぎればよかったのに
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/04(木) 13:12:39.67 ID:8a1Fwen70
>>675
んなことすればもっと面倒なことになるからやらんやろ…さすがに
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/11/06(土) 19:13:57.14 ID:iVU0iCaX0
コイツらマワす気なのか…何て外道な…
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/06(土) 21:34:04.89 ID:QFZZCwjk0
>>672 >>677
sageしような
679 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:27:41.62 ID:xRpQIcl0o
少々短めですが、続きです。
680 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:28:45.98 ID:xRpQIcl0o

 * 鎮守府埠頭 *

 ザザーン…

クルー3「……」

クルー3(わからないな……)

クルー3「……」

クルー3(ここの准尉は、轟沈した艦娘を私兵にして好き勝手していると聞いていたが、だいぶ話が違うようだ)

クルー3(准尉のあの態度からして、余程島に入られたくない、後ろめたいことをしているのかと思ったが……)

クルー3(艦娘たちは、話を聞いたように閉じ込められて虐げられているようでもなければ、性的な関係を強いられているようでもなかった)

クルー3(もし、ここの誰かが苦しんでいて、外部に助けを求めたいというのなら、俺の取材に誰かしら答えてくれてもいいはずなのに)

クルー3(まさか逆に、この島から出て行けと忠告されてしまうって、どういうことなんだ……?)

クルー3「……」

クルー3(そもそもこの島に来たのは、留さんたちのせいで沈んだ艦娘の回収のためであって)

クルー3(加古や鳥海を連れて行くことができればそれで良かったんだ)

クルー3(だが、鳥海はともかく、加古が反抗して帰るのを拒否した……これがまたわからない)
681 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:29:30.58 ID:xRpQIcl0o

クルー3(遠大佐の鎮守府を見学させてもらったときも、あの個性的な艦娘たちがちゃんと言うことを聞いていたし)

クルー3(轟沈したとはいえ、数日前までは遠大佐の下にいた艦娘が、明確に嫌だと反発する姿なんて初めて見た)

クルー3(轟沈して心変わりするのなら、同じ海軍にいる准尉にだって反発するだろうに……)

クルー3「……」

クルー3(そもそも、艦娘は、艦隊の司令官である提督には忠実で、彼の号令の下、命を賭して戦うものだと思っていた)

クルー3(それが、轟沈もしていないのに命令に歯向かっただの、鎮守府を火の海にしただの、他の艦娘に嫉妬しただの……)

クルー3(あの艦娘が言っていたことが本当だとしたら、あまりに想定外過ぎる)

クルー3(艦娘が人間に反抗しないという前提があるから、留さんみたいな我儘な人でも艦隊の指揮ができそうだと思っていたのに)

クルー3(そうじゃないとなると、あの人に制御しきれるのか? この企画、最悪途中で投げ出すかもわからないぞ……?)

クルー3(もしそうなったら、誰が責任を取るんだ……? いや、責任なんてレベルになるのか……!?)

クルー3「……」

クルー3(考えれば考えるほど矛盾してくるな……民間人から『提督』に適性のある人材を募ったというが、どのくらい成功してるんだ?)

クルー3(准尉だってそうだ。あの傍若無人な態度で、どうやってこの鎮守府の艦娘を従えてきたんだ?)

クルー3(色目を使ったり媚を売ったりするようなタイプには思えないし……)

クルー3(かといって無理矢理言い聞かせるようなタイプなら、彼に反発する艦娘だって出るはずだ)
682 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:30:16.27 ID:xRpQIcl0o

クルー3(それなのに、加古は彼には反発するような素振りを見せてない……)

クルー3(准尉は、この島でいったい何を任されているんだ……?)

クルー3「……」

クルー3「……」

クルー3(わからない。まったくわからない)

クルー3(……なにかあるはずだ、この島にしかない何かがあるはずなんだ。あの艦娘が言ったことを思い出せ)メモトリダシ

クルー3(ここは、轟沈した艦娘が集まる島……准尉以外に人間はいないと、あの艦娘は言った)

クルー3(誰も近寄らない理由がある。問題はそこだ……なんでこの島がそんな扱いなのか)

クルー3(なんでこの島に誰も近寄らないのか、それがわからないと何が悪いのかがさっぱりわからないぞ……?)

 ザザーーン…

クルー3「……艦娘が、この近海で哨戒してるんだったよな」

クルー3「地道に聞き込むか……」
683 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:31:00.70 ID:xRpQIcl0o

 * 千歳と足柄の部屋 *

足柄千歳「「カンパーイ!」」カンッ

クルー6「か、乾杯……」カンッ

千歳「……」グィーーーッ

足柄「……」グビグビグビ

クルー6「……ふ、二人とも、すげー飲みますね……」

足柄「ぷはぁ……んー、まあね。割と飲む方じゃない?」

クルー6「割と……」アッケ

千歳「そうね、でも今日は控えめにしてるわよ?」

クルー6「ひ、控えめっすか……!?」

足柄「控えめよ控えめー。というか、あなたも今時珍しい控えめな子よね? テレビ局のスタッフにしては、大人しいっていうか」

千歳「そうねえ? 取材なんかだともっとぐいぐい来る人ばっかりだったけど」

クルー6「や、まだバイトで、入って1か月なんすよ……思い切って入りのいいバイト探してたら受かりまして」

足柄「それで初仕事がここなの?」
684 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:31:46.11 ID:xRpQIcl0o

クルー6「ええ、まあ。シンカイセーカン? ってのが暴れ始めてから、景気悪くなって入る予定だった会社が潰れて」

クルー6「それからは浪人しながら自転車であちこち回って、就活しながらバイトで食いつないでたんですけど」

足柄「苦労してんのねえ」

千歳「で、まだ就活してるの?」

クルー6「ええ、まあ。人に恵まれないっつうか、どーも上司が問題ある人ばっかりで……正社員は夢のまた夢っす」

クルー6「こんなだから、誰かと仲良くなる前に、はいさよーなら、ってばかりで。パスポートもとったのにそこじゃ使わないまま辞めましたし」

クルー6「今の職場にバイトで入ってからも、荷物持ちと接待ばかりで出会いもなくて……人の名前や物や場所を覚えるだけで精一杯すよ」

クルー6「研修期間なんかも全然作ってもらえなかったし……なんかすいません、俺、愚痴ってばっかっすね」

千歳「それはいいわよ。いきなりこんな島に連れてこられて、気の合う人もいなくて、そんな気分になっちゃったんでしょ?」

クルー6「あ、いや、まあ……3さんにはそれなりに気にかけてもらってたんすけどね」

千歳「ああ、あのちょっと張り切ってた人?」

クルー6「ええ。報道の関係者の乗った船が襲われた事件、あったじゃないすか。あの船に仲のいい人が乗ってたみたいで」

クルー6「かたき討ちのために艦娘の取材をして、そんで少しでも艦娘の活動を支援しよう、って感じで張り切ってるんす」

クルー6「で、まあ、今回の取材も、沈んだ艦娘を返さないで独り占めにしてる人から取り返そうって話みたいで」

足柄「え?」
685 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:32:30.51 ID:xRpQIcl0o

クルー6「協力的ならそれはそれで交渉を……って、なんか俺、変なこと言いました?」

千歳「ええ……だいぶ変よ?」

足柄「轟沈した艦娘は、深海棲艦になる可能性がある、って話、聞いたことないの?」

クルー6「え……」

千歳「おかしいと思ったのよ。留提督が一方的に話を進めてるから、話が伝わってないのか確認したかったんだけど」

足柄「これで確信犯だってことが判明したわね。意図的にこっちが口を挟む暇も与えてくれなかったってことかしら」

クルー6「ちょっ、待ってください、艦娘が沈むと深海棲艦になるんすか……!?」

足柄「実際に見たことはないけど、そうだって言われてるの」

クルー6「それ、3さんも知らないすよ、多分……つか、その話、本当なんすか?」

クルー6「本当だったら留さんたちだって、そんな危ないことしようなんて考えないはずっすけど……!」

千歳「本当か、って言われると、それがわからないのよ。実際に誰かが見たわけじゃなくって、過去にそういうことがあったから、ってだけよね?」

足柄「確かに言われてみれば……この島に流れ着いた艦娘も、深海棲艦になったって話は聞いていないし……」

足柄「でも、この島だけの特例なんでしょ? 轟沈した艦娘を運用していい、って話自体が」

クルー6「マジすか……」
686 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:33:15.85 ID:xRpQIcl0o

千歳「むしろそれ以外でも評判悪くて、みんなこの島に近寄らないって話だものね」

クルー6「え、なんすかそれ」

千歳「この島に立ち寄った人は、みんななにかしらの災難に遭ってる、って話よ」

クルー6「えええ……」

足柄「……実際、波大尉も、この島への上陸こそしなかったけど、あの後荒れまくったしねぇ……」

千歳「まあ、ひどかったわね。喧嘩別れになっちゃったのが本当に悲しいわ」

足柄「あれってさ、自分の幸福論を全否定されても仕方がない人と出会っちゃったのが致命的だったわよね、やっぱり」

千歳「だからって准尉を責めるのも筋違いだし、こればっかりはねえ……」

クルー6「もしかして……俺たち、すごい場所に放り込まれた感じっすか」

千歳「そうかもしれないわね。私たちもどうなることやらだけど」

 * * *

 * *

 *

687 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:34:00.45 ID:xRpQIcl0o

 * 鹿島たちの部屋 *

ガンビアベイ「Zzz...」

山風「」スヤァ…

鹿島「……」

鹿島「……」

鹿島「……眠れない……!」

鹿島「仕方ない……わよね。いつもなら夜間演習で駆逐艦のみなさんを指導してる時間なのに……」ムクッ

鹿島「みんなは、どうしているのかな……」

鹿島「……」

鹿島「どうして遠大佐は私たちを連れてきたのかな……」

鹿島「こんなことを、している場合じゃないのに……」ウツムキ

鹿島「……」

鹿島「……?」
688 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:34:45.60 ID:xRpQIcl0o

鹿島「窓の外に誰か……?」スクッ

 スタスタ…

 窓<ギィ…

鹿島「……」

鹿島「……」

鹿島「誰もいない……誰かの気配があったような気がしたんだけど」

鹿島「……」

 扉<コン…コン…コン…

鹿島「……!?」

鹿島(弱々しいノックの音……!?)

扉の外からの声「た……す、けて……だれ、か……」

鹿島「こ、この声……テレビクルーの……」

声「クルー1……です……」

鹿島「ど、どうしたんですか!」

声「腹が……痛くて……!」

鹿島「……!」
689 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:35:30.73 ID:xRpQIcl0o

声「みんな……酔っ払って……誰も、起きない、ん、です……!」

声「誰でもいいから……ここの、艦娘に……助けを……!」

鹿島(……どうしよう……二人が寝ているのに、扉を開けて留守にする訳にはいかないわ……)

 ドサッ

鹿島「え……!?」

 シーン…

鹿島「ど、どうしたんですか!? しっかりしてください!」

鹿島「1さん! 1さん!? ……仕方ない……行くしか、ありません!」

 ガチャッ

部屋の前で倒れているクルー1「」

鹿島「1さん!? しっかりしてくださ……!」

クルー2「今だ!」ガシッ

留提督「よし、早く入れ!!」ダッ

鹿島「な……!」ガシッ

 ドタドタドタ バタン
690 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:36:30.95 ID:xRpQIcl0o

留提督「鍵かけろ! 急げ!」

クルー7「はいっ!」カチャッ

クルー4「……」

鹿島「……は、放しなさ……むぐっ!?」

留提督「静かにしててね、鹿島ちゃん……?」ニヤリ

クルー2「留さんの言う通りでしたね! 艤装外すと力が出なくなるって話!」

鹿島「……!」

留提督「ああ、昔の悪友に教えて貰ったんだよ。そいつはドジこいて捕まっちまったけどな」

クルー1「留さん、これで口塞ぎましょう、ついでにこれも……」タオルトロープトリダシ

留提督「おっ、準備いいなあ!」

クルー1「いやあ、留さんの着任が待ちきれなくて持って来ちゃいましたよ」ギリッ

クルー2「1さん縛るの好きだもんねえ」

留提督「そっかそっか、じゃあ僕が呉の鎮守府に着任したら好きな子選ばせてあげないとね〜」

鹿島「……!?」
691 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:37:15.43 ID:xRpQIcl0o

クルー7「っていうか、1さん演技うまかったっすねえ」

留提督「ほんとほんと! びっくりだよ!」

クルー1「バラエティとかやってると、たまに俺たちに演技しろとか無茶ぶり来るんすよねえ」シュル ギチッ

留提督「ああ、駆り出されるときあるもんねえ」

クルー7「うほおおお……山風ちゃんの寝顔、たまんねえええ……」ジュルリ

クルー1「お前ら、留さんに感謝しろよ? わざわざお前らの好みの艦娘を連れてくるように、遠大佐にお願いしたんだからな?」

クルー2「マジありがとうございます!」

クルー7「ありがとうございます! いやー、先輩もお目が高いっすね!」

クルー4「い、いや、俺はそんなつもりじゃ……」

留提督「さあて、鹿島ちゃんもそろそろ脱ぎ脱ぎしましょうねえ〜」ニタニタ

鹿島「むぐ……!」ジロッ

クルー1「お前らも手早くやれよ?」

クルー7「うーっす!」

クルー2「ぐへへへ、マジもんの洋モノ金パツ巨乳だぁ……!」
692 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:38:00.58 ID:xRpQIcl0o

山風「ん……え? な、なに……!?」キョロキョロ

ガンビアベイ「……!?!?」ビクッ

クルー7「なにって、これからナニしちゃうんだよぉ?」ノシカカリ

山風「……!? い、いやぁ……いやあああ……!!」ノシカカラレ

ガンビアベイ「No... 無理、無理です……!」

クルー2「何が無理なんだよ! どいつもこいつも、女どもはお高くとまりやがって……!」

クルー2「お前らはおとなしく股開いてイエスイエス言ってればいいんだよ!」バシッ

ガンビアベイ「!?」

鹿島「むぐー!(山風さん! ガンビアベイさん!!)」

留提督「ほらほら、あっちも始まったみたいだし、鹿島ちゃんもおとなしく……」

 ブンッ!

クルー1「危ない!」ガシッ

鹿島「……!」

クルー1「こいつ、留さんに蹴りを入れようだなんて……」
693 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:38:45.80 ID:xRpQIcl0o

留提督「ああ、いいよいいよ、こういうときは……」

 ブンッ!

鹿島「っ!」バキッ

留提督「2、3発殴っときゃおとなしくなるよ」

 ガッ! ゴスッ!

鹿島「ん、ぐ……っ!」アオアザ

クルー1「顔はまずくないですか?」

留提督「修復できるんでしょ? 大丈夫だよ」ニヤニヤ

鹿島(……どうして)

鹿島(どうして、こんなことに……遠大佐は、何を考えてるの……?)

鹿島(どうしてこんな男に、ここまで好き勝手させられるの……!? 悔しい……悔しい……ッ!!)

山風「いやぁ……くさいよぉ……! 酒臭い……煙草臭いぃ……!!」ジタバタ

ガンビアベイ「No... Help... Please heeelp us... !」

鹿島「……」ジワッ
694 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:39:45.88 ID:xRpQIcl0o

クルー7「そんじゃあ、早速いただきますかねえ!」

クルー4「……」

クルー4(おい、止めろ! ロリが好きなのは罪じゃないが、手を出すのはアウトだろ! Yesロリータ、Noタッチだろ!)

クルー4(ここで止めなきゃどうなるかわかんねえぞ!? 艦娘が絶対服従とは限らないって聞いただろう!)

クルー4(それに、こんなことを黙って見過ごすことが人として本当に正しいことかよ!! 守らなきゃいけないだろう!?)

クルー4「あ……」

クルー4(馬鹿言うな、こんなおいしい場面、そうそうあったもんじゃないぞ? ここまで来てヘタレる気か?)

クルー4(それに、俺一人でこいつらをなんとかできると思ってるのか? 止めたところで袋叩きに遭って終わりだぞ?)

クルー4(下手すりゃ殺されるかもしれないし、余計なことを言えばこの後の仕事にだってどう影響するかわかんねえよ!)

クルー4「……う……」

クルー4(それで得られるものがなんだって言うんだ! 止めなきゃ後悔するぞ!)

クルー4「……ぐ……」

クルー4(いいから一緒にヤっちまえ! タマついてんだろうが! 欲望に素直になっちまえよ!)

クルー4「……っ……」
695 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/06(土) 22:40:32.03 ID:xRpQIcl0o

クルー2「どうした……?」

クルー4「……や……」

クルー1「?」

クルー4「やめろおおおおおおおおおおお!!!」

クルー7「!?」ビクッ

クルー4「……はー、はー……」ドクン…ドクン…

留提督「……あーあ。しらけるなあ」

クルー1「黙らせますか」

 カチャンッ

留提督「……!」

クルー1「扉の鍵が……!?」

 扉<ガチャ

全員「「!?」」

提督「……よぉ」
696 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2021/11/06(土) 22:41:20.39 ID:xRpQIcl0o
今回はここまで。
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/11/07(日) 00:25:52.42 ID:7sIp7N0H0
流石4 同志の鑑
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 02:44:52.87 ID:NAN1t8IG0
4のやつ、やるやん。やっぱりロリコンは紳士だった!ロリコンに下衆はいねぇ!もしいたならそいつはロリコンじゃない…ただの変態だ!
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 06:05:11.69 ID:tCq6ccfP0

今回の無礼者一行には最大限に酷い目に遭って欲しい
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/11/07(日) 18:38:37.82 ID:4ucaHv6q0
南無阿弥陀仏
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/07(日) 23:50:19.33 ID:8zudNUCKo
裁きの時間だ
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/08(月) 01:21:28.97 ID:XU1RLXLN0
いざ、南無三っ
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/11/09(火) 12:05:36.50 ID:V+W2a8xQ0
次はまだか?
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 20:31:01.19 ID:9dmay0EU0
まんまとハマってくれましたねぇww
気になるのは4と6を提督がどうするかだよなぁ
毎度投稿を切る場所が丁度いい
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/10(水) 14:00:49.63 ID:Cem6l4RZO
阿部定の刑
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/19(金) 08:16:43.34 ID:T1WrqLRcO
レイプ未遂現場を実名付きでビデオに撮って脅すが妥当かな
707 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:53:48.20 ID:zSOq3Kobo
正直、この辺りの悪役の台詞回しを考えるのはかなり苦痛です。
どうしても陳腐な台詞しか出てこないし、表現を過激にするわけにも行かず……。

というわけでちょっと時間がかかりましたが、続きです。
708 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:54:32.51 ID:zSOq3Kobo

提督「邪魔すんぞ」ズカズカ

留提督「ちょっと、勝手に入ってこないでくださいよ」

提督「……」ミギミテ

提督「……」ヒダリミテ

提督「はぁ……気分が悪いな。吐きそうだ」

クルー7「だったら出ていきゃいいのに……邪魔しやがって」ボソ

提督「……」ジトッ

クルー2「おい4、おまえ、准尉が来るの知ってたのか?」

クルー4「い、いや、そんなつもりは」

クルー2「すっとぼけてんじゃねえぞ! 最初からグルだったんだろ!? こいつに尻尾振って、見逃してもらおうって考えてたんだろ!!」

クルー1「おい、そうなのか?」

留提督「准尉、うちのクルーを懐柔したというのは、本当ですか?」

提督「……」

クルー2「おい、無視してんじゃねえ!」

提督「……」スタスタ
709 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:55:18.02 ID:zSOq3Kobo

鹿島「……!」

提督「殴られたのか?」カシマニチカヨリ

留提督「ちょっと、勝手にうちの鹿島に触らないでくださいよ!」ウデツカミ

提督「……」グイ

留提督「ちょっ……ば、馬鹿力……っ!?」ヒッパラレ

提督「口を塞いでるタオルを外すぞ。痛かったら悪いな」シュル…

鹿島「……!」

留提督「おい! 俺の艦娘に、勝手な真似をするなって言ってんだろ!」

留提督「だいたい、勝手に鍵を開けて入ってくるのが非常識だろぉ!? プライベートの時間だってのがわからないのか? ねぇ?」ズイ

提督「……息がくせえ」ボソッ

留提督「……っ!」

 バキッ!

提督「……」

鹿島「ぷは……准尉さん!!」

提督「ふん……」
710 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:56:20.21 ID:zSOq3Kobo

留提督「生意気な態度もそこまでにしておけよ? 俺は日本に戻ったら大佐になるんだ」

鹿島「!?」

留提督「遠大佐は、日本に帰ったら俺に大佐としての全権を譲ってくれると約束してくれた」

留提督「呉の大将にも、俺の父さんを通してその話をしてある」

鹿島「そ、そんな権限、許されるわけありません!」

クルー1「ところが留さんの御父様にはあるんだよ……!」ニヤリ

クルー1「留さんの祖父はもと日本海軍の関係者、そして御父様もその流れで今の呉の大将とは大親友であると同時に、世界的な映画俳優でね」

クルー1「過去には災害のあった地域に、そして今回は深海棲艦の被害を受けた地域や、海軍に対して多額の寄付をしているんだ」

クルー1「いわば、留さんの御父様は海軍のスポンサーなんだ」

鹿島「だからって……!」

クルー1「留さんの御父様のお力添えがあって、今回の取材や、留さんの海軍への着任の件も含めて、お世話になれているんだ」

留提督「そういうこと。今回の企画でも、絶海の孤島に大破して漂流した艦娘が閉じ込められていることを大々的に放送する予定なんだ」

留提督「態度を改めれば、お前も協力者としてテレビに出してやろうと思ったけど、全然そんな感じじゃないしね?」

提督「……」
711 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:57:32.26 ID:zSOq3Kobo

留提督「そういうわけなんで。明日になったら、この島から、出てってもらいますよ」ニィ

留提督「文句を言ってもいいけれど、大佐の権限で、あなたを牢屋に入れてやることもできるんですよぉ?」

留提督「わかってますか? じゅ、ん、い?」

提督「……」チラッ

山風「……!」

ガンビアベイ「……!」

提督「おい、鹿島」

鹿島「! は……はい!」

提督「お前はどうする? これからどうしたい?」

留提督「おい、何を……」

提督「俺は艦娘と話をしに来たんだ。お前じゃねえ」ギロリ

留提督「っ……!」ビクッ

鹿島「……私たちと、話を……?」

提督「そうだ。この島に来た艦娘にはな、俺はよくこう聞いてんだよ」

提督「死にたいか、生きたいか……ってな」

全員「「……!?」」
712 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:58:17.52 ID:zSOq3Kobo

クルー4「し、死にたいって……」

提督「それがいなくもねえんだ。世を儚んで生きる希望もなく、ただ世界を恨んで、目に入るものすべてをぶち壊してからら死にたいってだけのやつがよ」

提督「でだ、鹿島。お前はどうする」

鹿島「……」

提督「死にたいって言うのなら見捨ててやる。どこへなりとも失せやがれ」

提督「生きたいって言うのなら手伝ってやるよ。お前に望みがあるのなら、俺のできる範囲で手を貸そうじゃねえか」

鹿島「……」

提督「俺は、お前が言葉に出さない限りは手を貸さねえ。テレパシーなんか使えねえからな」

留提督「おい、いい加減に……」

鹿島「准尉さん!!」

留提督「!」

鹿島「私は、死ぬ気はありません……ですが、こんな人たちの下で働く気もありません!」

鹿島「お願いです! 山風さんとガンビアベイを助けてください! 私はどうなってもかまいませんから!!」

留提督「……おい」

鹿島「こんな人たちに、国防を……この世界の守護を、任せるわけにはいきません!!」
713 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:59:02.13 ID:zSOq3Kobo

留提督「な、何を言ってんだ! 俺はお前たちの上官だぞ!? それを……」

鹿島「何が上官ですか! 泣いて嫌がる相手を嘲笑うような、情けない下衆を迎え入れるなんて、恥以外の何者でもありませんっ!!」

留提督「……」

提督「わかった。さて、山風とガンビアベイだったな? お前らはどうだ?」

ガンビアベイ「ワ、私も、鹿島さんと、同意見です! こんな人たち、無理です! 無理ー!!」

ガンビアベイ「だから早く……Please help us, hurryyy !!」

山風「私も……同じ、だけど……」

提督「だけど?」

山風「か、鹿島さんも、助けてぇ……!」

提督「ふふ……ああ。わかった」ニヤリ

クルー1「……」ジャキッ

鹿島「准尉さん! 後ろ!!」

 ガッ!
714 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 02:59:48.20 ID:zSOq3Kobo

クルー1「……!」

 (提督の背後から振り下ろそうとしたクルー1の警棒を持つ腕を、不知火が受け止めている)

不知火「……司令」

提督「んー?」

不知火「少し油断しすぎではありませんか?」ウデヒネリ

クルー1「あ、あだだだだだ!?」グリッ

提督「そんなことねえさ、無防備を装ってるだけだ。これでも、お前らを信頼してんだぜ?」ニヤ

提督「だからこの場は任せる」

提督「やれ」

不知火「了解しました。出番ですよ」スッ

 ババッ

クルー7「ぐえっ!?」ドガッ!

白露「よくも山風をいじめてくれたねえ……!」クミフセ

山風「し、白露、お姉ちゃん……!」

クルー2「ぐるじ……たす、け……」チョークスリーパー

黒潮「助けて? どの口が言うんよ……っ!」ギチッ

クルー2「あが……!」
715 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 03:00:32.00 ID:zSOq3Kobo

摩耶「おらっ! てめーも来やがれ!」

クルー4「ひぃい!?」エリクビツカマレ

山風「あ! あの……その人は、違うから……優しく、してあげて……!」

摩耶「ん? そ、そうなのか? あー……その、悪かったな」ポンポン

クルー4「げ、げほ……いや、いいんだ。俺も……悪い人間だ」

提督「とりあえず、現行犯、だな?」

不知火「はい」

留提督「……おい、なにやってんだよ」

提督「ん?」

留提督「お前! 俺たちに歯向かってんじゃねえよ! 俺は大佐になるんだぞ! お前の上にも、もう報告してんだぞ!」

留提督「俺たちに手を上げればどうなるか、わかってんのか!? テレビにだって放送されるんだぞ!!」

提督「……で?」

留提督「!? そ、そうじゃねえだろ! お前の、お前の立場は……おまえ、なんか……!」

提督「……」ジッ

留提督「……っ」タジッ

提督「……」ジーッ

留提督「よ……寄るな!」ダッ

白露「あ、逃げた」

黒潮「寄るな、て、司令はんは見てただけやん」

摩耶「なっさけねえな……」ハァ…
716 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 03:01:17.37 ID:zSOq3Kobo

留提督(また外に逃げれば……!)

 扉<バンッ!

三隈「あら、お待ちしておりましたわ」

 ズラッ…(廊下に居並ぶ巡洋艦娘たち)

留提督「……」

最上「で、どうしよっか? この部屋から逃げる人がいたら、好きにしていいって言われてたけど」

三隈「ねえ最上さん、私、この人を撃ってもいいかしら?」

五十鈴「三隈さん、また男の人の大事なところを撃つつもり?」

利根「気持ちはわかるが、それはさすがに……」

最上「いいんじゃないかな」

五十鈴「いいの!?」

由良「提督さんなら許してくれそうよね、ねっ」

神通「実弾はさすがに死んでしまいますから、演習用の弾を一人一発まででお願いしますね」

五十鈴「あれ、人間が受けても大丈夫なの?」

利根「う、うむ……当たり所に依る……いや、どこに当たっても骨折しそうじゃな」

留提督「……」ガクゼン

 扉<パタン

最上「あ、逃げた」

由良「残念」ムー
717 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/11/20(土) 03:02:17.95 ID:zSOq3Kobo

不知火「おや。部屋に戻ってきましたね。怖じ気づきましたか」

クルー1「留さん……!」

黒潮「大人しく『ごめんなさい』すればええのになあ?」ギチッ

クルー2「……っ」ピクピク

ガンビアベイ「そ、それで許してあげるんですか……」

白露「ううん! 絶対許さないよ!」ギリッ

クルー7「ぎゃああああ!」

摩耶「……なあ提督? わざと捕まえねーで泳がせてんだろ? 性格くそ悪いな、おまえ」ヒソヒソ

提督「まあな」ニヤ

留提督「……くそ」

留提督「くそおおおお!!」ダッ

 窓<バンッ!

  ダダッ

白露「で、今度は窓から逃げちゃった、と」

山風「お、追わなくて、いいの……?」

提督「ああ。そっちもそっちで罠はってるからな。それはそれとして……」
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