ひかり「スクールアイドル…?」海未「舞台少女?」

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55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:24:43.16 ID:2Ri7Tr8G0

ひかり「(柔軟してる。遠くでやってるから声は聞こえないけど、普通の柔軟。)」

ひかり「(…うーん……確かに、星見さんの言うとおり、私達の役柄は穂乃果、ことり、海未の3人に近い)」

ひかり「(当初この3人で始めたということであれば、穂乃果がことりと海未を誘った構図…だと思う)」

ひかり「(でも、どうして海未が了承したのかがわからない。穂乃果に押し切られた…?)」

ひかり「(…ううん、何かもっとこう、この人の中で湧き上がるものがあったはず。)」

ひかり「(…この人の考えていることは、今は分からない……)」

ひかり「(…いえ、役や話の流れまでここで全て作り上げる必要はない。とにかく、スクールアイドルの日常を捉えなければ)」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:25:44.66 ID:2Ri7Tr8G0

絵里「あー…海未?体調はどう?」

ひかり『少しウトウトしていました…。身体は元気なのですが、少し頭がぼーっとしています。転けてご迷惑をかけるわけにもいきませんし、申し訳ないのですが今日は見学させてください』

絵里「(喋ると驚くほど普段の海未ね…まぁ、海未なんだけど……)わかったわ。じゃあ私と一緒にダンス見てくれる?」

ひかり『はい。すみません』



絵里「じゃあ、頭から、ワン、ツー、スリー、フォー」

ひかり「……!」

ひかり「(すごい……身体のキレが、全然違う…!)」

ひかり「(拍で分かりやすく動いて止まって、それでキレ良く見える)」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:26:20.86 ID:2Ri7Tr8G0

絵里「花陽、遅れてるわ」

花陽「はっ…はい!」

ひかり「(厳密に言えば遅れてはいない。手の移動速度が周りよりゆっくりなだけで、拍には合ってる)」

絵里「凛、ステップ!」

凛「にゃ!はい!」

ひかり「(よく見たらとても複雑な足の動き…右足を寄せると同時に、左足も動いている…?)」

ひかり「(そしてそのステップをしながら、ポジションを移動…)」

ひかり「すごい……」

絵里「海未、何か言った?」

ひかり『いえ、何も』

穂乃果「(…今、『すごい』って言ってた気がする)」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:26:59.86 ID:2Ri7Tr8G0

希「(海未ちゃん、キラキラした目でこっちを見てる。普段とは違う……なんやろ…)」

にこ「(初めてアイドルを見た人、みたいな顔してるわね、海未…)」

ひかり「(息も当然切れてないし、手先まで集中も切れていない。歌も伸びやか)」

絵里「真姫、笑って」

ひかり「(笑って…!?)」

ひかり「(そうか、スクールアイドルはアイドル。本分は笑顔を届けること。自身も笑顔でないといけない)」

ひかり「(絵里の一言でみんな一層笑顔になった。笑顔になると、キラめきが倍増したみたい)」

ひかり「(すごい……)」

ことり「(海未ちゃん、目がキラキラしてる。ちっちゃい頃、あんな顔良くしてたなぁ)」

真姫「(海未が近距離の観客みたいで、落ち着かないわ)」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:29:11.62 ID:2Ri7Tr8G0

絵里「はい。お疲れ様。久しぶりだけど、良かったわ」

ひかり「(一曲歌い踊り終わった後とは思えない平静…すごい)」

ひかり「(舞台少女は、長く舞台に立っているから、エネルギーを低出力で長く保とうとするけど)」

ひかり「(アイドルのダンスは真逆。高出力で、一つ一つを魅せ続ける)」

ひかり「(このダンスを…私が……)」

ひかり「(…………見てるだけじゃ、学んで帰れない……)」

ひかり「(……よし。)」

絵里「海未、どうだった?」

ひかり『…先に、お話したいことがあります』

ひかり「(……あれ、役が抜けない)」

絵里「えっ……な、なあに?」

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:30:09.88 ID:2Ri7Tr8G0

ひかり『えっと…ですね…。私が、私でないと言ったら、信じて頂けますか?』

凛「????」

花陽「…えっと、どういうこと?」

ひかり『実は私は、園田海未さんではありません。聖翔音楽学園2年、出席番号29番、神楽ひかりと申します』

ひかり「(役が抜けないけど、まぁいいわ。初対面だから、敬語の方がいいだろうし)」

希「聖翔…あ、この前チラシが入ってた…」

穂乃果「海未ちゃんと似てるって話してた、あの子!」

ことり「たしかに、ひかりってお名前だったような…」

ひかり『どういった力なのかはわかりませんが、私と園田海未さんが入れ替わってしまったみたいなんです』

絵里「それは、いつから?」

ひかり『今日の朝からです』
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:31:37.73 ID:2Ri7Tr8G0

穂乃果「えっ!?でも、穂乃果達の名前、知ってなかった?」

ひかり『授業でスクールアイドルの劇をすることになったので、皆さんの動画を見させていただきました。それで顔と名前を覚えていました』

ことり「じゃあ…朝から、海未ちゃんのフリをしてたってこと?」

ひかり『そうなります。起きた直後寝ぼけていて、これが夢だと思っていたので、練習になるかと思い、園田海未さん役としてエチュードをしていました』

にこ「エチュードって?」

希「即興劇のことよ」

真姫「……海未がこんな嘘つくわけないし、目が本当だって言ってるのはわかってるんだけど……」

絵里「そうね、どうしても非科学的で信じられないわ。まあ、証明なんて出来っこないから、信じるしかないんだけど…」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:34:48.47 ID:2Ri7Tr8G0
ひかり『あの、証明になるかはわからないのですが…私は今、「園田海未役」をやっています。別の役を仰っていただければ、その役をやりましょう』

希「じゃあ、シンデレラにかぼちゃの馬車をくれる、魔法使いのおばあちゃん!」

にこ「(希、こんな時でも冷静というか……マイペースね)」

ひかり『わかりました』?
真姫「(そしてこの人もすぐにやるのね……)」

穂乃果「(目を閉じた。開い…!?)」

ことり「(へっ…海未ちゃんがおばあちゃんに見える…)」

ひかり『シンデレラ、よーくお聴き。舞踏会に必要なものは……そう、かぼちゃ。私が杖を振れば、たちまち馬車になるわ、見てなさい。えーっと、呪文はなんだったかしら…あ、そうそう』
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:35:51.36 ID:2Ri7Tr8G0

絵里「あっ、えっと、海未…じゃなかった、ひかりさん、ありがとう。もう大丈夫よ」

ひかり「…わかってくれた?」

穂乃果「急に話し方が変わった!?」

ひかり「これが私の素。さっき話した時は役が抜けなかったけど、別の役を経由したら戻れた。」

真姫「…これは、信じるしかないわね」

凛「(ボソボソした声で、タメ口で話す海未ちゃん、すごい違和感にゃ)」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:37:13.54 ID:2Ri7Tr8G0

ことり「でも…じゃあ、さっきまでは海未ちゃんの体で海未ちゃん役をやってたってことだよね?」

ひかり「そういうことになる。」

穂乃果「ちょっと変だなとは思ってたけど、別の人が中に入ってるなんて全然わからなかった…!」

ことり「…私達、言われないと分かんなかったと思うんだけど…なんで私達に教えてくれたの?」

ひかり「…すごいと思ったから。教わりたかった。」

穂乃果「それは…スクールアイドルを?」

ひかり「そう。歌や踊りはもちろん、表情も手先も何もかも計算されて洗練されてて、すごいと思った。だから習いたい」

絵里「とても光栄ね。でも、何の曲を?」

ひかり「今やってた曲。次の授業で、3人で踊るの」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:38:25.59 ID:2Ri7Tr8G0

穂乃果「じゃあ、私とことりちゃんと3人でやったやつかな?」

ひかり「うん」

ことり「じゃあ、一緒に練習する?」

ひかり「本当?嬉しい」

花陽「(ちっちゃい子みたい…)」

絵里「じゃあ私達は個別のダンスの練習をしておくから、穂乃果達は向こうでひかりさんに教えるのでいいかしら?」

穂乃果「うん!」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:39:06.08 ID:2Ri7Tr8G0

穂乃果「じゃあ行こ、ひかりちゃん!」

ひかり「うん」

ことり「私とは左手〜♪」

ひかり「うん」

真姫「(海未の両手を取って行っちゃった…)」

希「(穂乃果ちゃんはともかく、ことりちゃんは完全に楽しんどるね…)」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:40:28.64 ID:2Ri7Tr8G0

にこ「……海未の中にその舞台少女?の人が入ってるってことは、その人の中に海未が入ってるってこと?」

絵里「そうなるんじゃないかしら。映画でよく見る展開ね!」

凛「海未ちゃんが劇の学校に…なんか、ハラハラしてきたにゃ」

花陽「正体バレたらどうなっちゃうのかな…?」

希「まぁ…こっちで神楽さん?が入ってるってわかってもなんともないんだし、大丈夫やないかな…?」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:41:05.30 ID:2Ri7Tr8G0



海未「…あの、これ、ほとんど私達の結成時の話そのままですけど……」

真矢「ここから話の肉付けや会話の流れをアレンジ…脚色していきます」

クロ「昨日まで1行の設定だったのに…すごいわね」

真矢「ええ。園田さん、貴女のお陰です。感謝しています」

海未「は、はぁ…どうも…」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:43:41.05 ID:2Ri7Tr8G0

真矢「ではこの流れで、軽く演ってみましょうか」

海未「へっ?でも、今これノートのプロットですよ?台本とか…」

クロ「これだけ流れがしっかりしてれば、台本は不要よ。それに大丈夫、貴女は私と天堂真矢がことりと穂乃果だと思って自然に話して貰えばいいから」

海未「そ、そんな…」

海未「(劇には台本が付いているものだとばかり思っていましたが…台本無し、というのもあるんですね)」

真矢「では、いきましょう」

クロ「ええ」

海未「は、はい…?」

海未「(お二人とも、目を閉じて…役に入られているのでしょうか……あ、目が開い……!)」

真矢『もう、うーみーちゃーん!やーろーうーよー!アーイードールー!』

海未「(すごい、穂乃果だ…!)」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:44:18.05 ID:2Ri7Tr8G0

海未『で、ですから恥ずかしいと何度も言っているではありませんか!』

真矢『確かに恥ずかしいかもしれないけどさ!海未ちゃんだって学校なくなるの嫌でしょ?』

海未『そ、それはそうですが…』

海未「(なんですか、これ…本当に穂乃果と喋っているようです…)」

クロ『まあまあ、穂乃果ちゃん…海未ちゃん、困ってるよ?』

海未「(!?)」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:45:18.05 ID:2Ri7Tr8G0

真矢『ことりちゃん!ことりちゃんは、やってくれる?!アイドル!』

クロ『うぅーん…カワイイ衣装もカワイイ踊りも好きだけど…』

真矢『うんうん!』

クロ『でも、やるなら3人が良いなぁ』

真矢『てことは…海未ちゃんがやるって言ってくれたら、3人でアイドルできるってことだよね?!』

クロ『えっと…』

真矢『だよねだよね!』

海未『穂乃果、ことりはまだ何も言ってませんよ』

海未「(ことりも、驚くほどことりですね…声が似ている訳ではないのに、何故か錯覚してしまいます)」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:46:09.27 ID:2Ri7Tr8G0

純那「…………」

なな「純那ちゃん、3人が気になるの?」

純那「わぁっ!?な、なな!…そりゃ、気になるわよ。だって天堂さんと西條さんは後2人の口調は知らないはずなのに、完全再現してるんだもの」

なな「ひかりちゃん…じゃなかった、海未ちゃん、」

純那「っ!」

なな「ふふっ♪…海未ちゃんが真矢ちゃん達に2人の話を沢山してたもの。役を入れるには充分だったわ」

純那「そ、そうなのね…」

なな「純那ちゃんも話聞きたかったの?」

純那「……ええ、だって、好きだし、その、興味があるから。……で、でも、皆には内緒よ?」

なな「はーい♪」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:47:28.02 ID:2Ri7Tr8G0

クロ『あのね。海未ちゃん』

海未『は、はい。なんでしょう、ことり』

クロ『覚えてるかな…昔、幼稚園の時、隣町の公園に穂乃果ちゃんが行こうって言った時のこと』

海未『(!そんな話、していませんが…)え、ええ』

クロ『あの時の私達には、隣町でも大冒険で…困ってるだけだった私と、行きたいって言ったけど行き方は知らない穂乃果ちゃんに、道を調べて教えてくれたよね』

海未『(…話をしていませんが、似たような話は確かに小さい頃よくありましたね…)ええ。行き先を決めるのは穂乃果。そこまでの道のりを探すのが私でした』

クロ『そして2人に、絶対についていくのが、私』

海未「…まさに、その通りです」

クロ『ねえ海未ちゃん?穂乃果ちゃん、今はスクールアイドルで日本一になりたいって、行き先を言ってるよね』

海未「………」

クロ『海未ちゃん、また私達と、道のりを探してくれないかな』

海未「…かないませんね…ことりには……」

クロ「(!)」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:48:06.42 ID:2Ri7Tr8G0

真矢『あー!ことりちゃんと海未ちゃん、こんなところに居た!ねえねえ、これ見てほしいんだけど…』

海未「穂乃果!!」

真矢「(!)」

海未「…やるからには、半端は許しませんからね」

真矢「(この感じ…園田さんの「園田海未役」が、完璧に演じられている…!)」

真矢『もっちろん!絶対になるよ!日本一!』

海未「でしたら今から特訓です!行きましょう」

真矢『へっ、今から!?』

クロ『も、もう夕方だけど…』

海未「時間は有限です!初ライブに向けて、少しでも高めてゆきましょう!」

真矢『ちょ、ちょっと待ってえ……』
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:52:18.72 ID:2Ri7Tr8G0

真矢「……と。お疲れ様でした」

海未「…はっ、あ、ありがとうございました」

クロ「本人にこう言うのも変な話だけど、すごく上手に『園田海未役』ができていたと思うわ。舞台、向いてるんじゃない?」

海未「す、すみません、仰ってる意味が…」

真矢「初めは私達の言葉を聞いて、どう受け答えるか考えてから『セリフ』として役の言葉を言っていました、それが途中から、自然に「自分の言葉」として、役の言葉を話していました。例え自分自身の役をやっていたとしても、なかなかできないことです」

海未「ほ、褒められているのですか、今…?」

クロ「もちろん、凄く褒めてるの。はじめての即興劇でここまで出来るなんて、才能あると思うわ」

真矢「ともあれ、助かりました。後は神楽さんが帰ってきてから内容を詰めれば、完成すると思います」

海未「いえ。お役になれたのでしたら何よりです」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:53:18.01 ID:2Ri7Tr8G0

華恋「あ!天堂さん達も練習終わるところ?」

クロ「ええ。その様子だと、華恋達も終わるところなのね」

華恋「うん!ほらひかりちゃん、ご飯行こ?」

海未「わぁっ!え、あの」

華恋「あっ、そっか。今は海未ちゃん…なんだよね。…うう、わかっててもひかりちゃんに見えちゃうよ……ねえ、ひかりちゃんって呼んでもいい?」

海未「か、構いませんが…」

華恋「ありがとう!ひかりちゃん、ご飯行こ?ばなながサンドイッチ作ってくれてるよ!」

海未「は、はい」

海未「(すっかり忘れていましたが、鏡には相変わらず神楽ひかりさんの顔が写っています…)」

海未「(先程天堂さんは『戻ったら』と仰いましたが、ずっとこのままだったら……)」

まひる「華恋ちゃんとひかりちゃん?中庭でみんな待ってるよ」

華恋「はーい!」

海未「は、はいっ」

海未「(今は考えても仕方ありませんね。明日になったら戻っている、という前提で今は過ごしましょう)」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:54:25.38 ID:2Ri7Tr8G0

なな「…純那ちゃん、もう眼鏡拭くの5回目だよ」

純那「へっ…そ、そうだったかしら?」

双葉「お、来た来た」

香子「待ちくたびれましたわぁ」

華恋「お待たせ!」

海未「わぁ…!美味しそうなサンドイッチ……これはどなたが?」

双葉「(喋り方、前にモナリザやってた時の神楽っぽいな)」

なな「はーい♪私です♪」

海未「お一人で作られたんですか!?」

なな「うん♪さぁ、みんなお腹空いてるし、早く食べよ?」

華恋「いただきまーす!」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:55:54.97 ID:2Ri7Tr8G0

まひる「それで、この後はどうするの?」

海未「天堂さん達は、レッスンはもう大丈夫、と仰っていましたが…」

華恋「ふぁあ、ふぅふぁく、」

海未「口に物を入れたまま話すのはお行儀が悪いですよ?」

華恋「!ふぉめんなはい……」

海未「よく噛んで食べてください。待っていますから」

まひる「(ひかりちゃんからそんなセリフが……)」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:58:18.72 ID:2Ri7Tr8G0

華恋「ふー、美味しかったー!それでね、数学!出来るなら、教えて貰いたいなって!」

海未「ということは、こちらもテスト期間なのですか?」

純那「はい。でも、あの…得意な教科は国語って」

海未「ああ、確かにプロフィールにはそう書いていますが…『教える』の程度によりますが、簡単なものでしたら数学でも何でも大丈夫ですよ」

純那「や、やっぱり穂乃果さんとかに…?」

海未「お察しの通りです……。後は凛や花陽にも聞かれることがあります」

純那「〜〜〜〜!!そ、そうなんですねぇ……!!」

なな「純那ちゃん、とっても楽しそう♪」

香子「あれはもうただのファンやな」

海未「というわけで…数学でも何でも、ある程度でしたら大丈夫ですよ」

華恋「本当〜〜!?ありがとう、ひかりちゃん〜!!」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 22:00:02.35 ID:2Ri7Tr8G0

純那「華恋!だからこの人は神楽さんじゃなくて……」

海未「いえ、大丈夫です。先程そのように約束しましたし…皆さんも見た目と呼び名に違和感があるようでしたら、ひかりさんのお名前で呼んでいただいて大丈夫です」

華恋「そーだよ!大丈夫なんです!」

海未「ちなみに、私は皆さんのことをなんとお呼びしたら良いですか?」

双葉「…そういえば、神楽から名前呼ばれたこと、無いかもしれない」

香子「ウチもやわ」

海未「よ、呼ばないのですか?名前を?」

純那「神楽さんが誰かに話しかけるよりは、神楽さんに誰かが話しかけることの方が多いからですかね……」

華恋「はい!私は「華恋」って呼ばれてたよ!」

まひる「私も、「まひる」って呼ばれてた」

海未「では、お二人のことは名前でお呼びします。同じお部屋ですし、よろしくお願いしますね、華恋、まひる」

華恋「うん!よろしく、ひかりちゃん!」

まひる「う、うん…よろしく……」

まひる「(なんだろう……ひかりちゃんと喋ってる感じがしなくて、ちょっと落ち着かない……」

まひる「(そもそも、ひかりちゃんじゃないし)」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 22:00:49.83 ID:2Ri7Tr8G0

華恋「じゃあじゃあ!テスト勉強に、教室へれっつごー!」

海未「わぁっ!いきなり手を引くのはやめてください!…あ、大場さん、ごちそうさまでした!」

なな「はーい♪」

華恋「ほら、まひるちゃんもれっつごー!」

まひる「うひゃあっ!?わ、わかったからちょっと待ってえっ…」

華恋「ふんふ〜ん♪お勉強はヤだけど、ひかりちゃんに教えてもらえるのは嬉しいな〜♪」

海未「(……なんとなく、少し穂乃果に似ていて安心しますね)」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:25:11.71 ID:fmKRkz1i0



華恋「…で、コレがわからないの」

海未「証明問題ですね。この式の時、この式であるを証明する…ということは、こっちがスタート、こっちがゴールで、ゴールの形になるまで変形をさせていけばいいんです」

まひる「(……教え方上手だなぁ)」

華恋「なるほど…わかった!ひかりちゃんすごい!すっごい分かりやすい!」

海未「そんな、普通に教えただけですよ。それより…テスト範囲はどこまでですか?」

まひる「あ、私プリント持ってるよ」

海未「ありがとうございます、まひる」

まひる「!う、うん」

まひる「(ひかりちゃんがちゃんとお礼言えてる……)」

海未「やはり、まだ範囲の1ページ目ではないですか!テストはいつです?」

華恋「今週の水曜日……です……」

海未「あと3日ではありませんか!こういったことはもっと計画的に…」

まひる「(私に叱られるどころか、華恋ちゃんを叱ってる…)」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:25:48.96 ID:fmKRkz1i0

海未「あの、まひる」

まひる「は、はいっ」

海未「この、演劇史というのは、ひょっとしてここが演劇学校だから…?」

まひる「ああ……うん、そうだよ。古典を演じる機会も多いから、演劇史の授業があるの。他にもソルフェージュとか、もちろん実技もあるし…だから5教科の授業は少ないんだ」

海未「では、演劇の鍛錬に加えて、勉強もしてらっしゃるということですね」

華恋「おぉ〜、なんだかそう言われると、すごくすっごいみたいだね、私たち!」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:26:19.08 ID:fmKRkz1i0

まひる「でも、勉強に加えて、スクールアイドルもしてるのも、すごいと思うなぁ」

華恋「確かに!ひかりちゃんもすごいよ!」

海未「そうでしょうか…って華恋、それは何ですか?」

華恋「えっ、これ?ばななに貰ったばななマフィンだけど……」

海未「先程お昼ごはんを食べたばかりではありませんか。太りますよ?」

華恋「平気平気!今勉強して、脳をたっぷり使ってるし!」

海未「まったく……」

まひる「(完璧なひかりちゃん…欠点のないひかりちゃん……)」

華恋「あっ!まひるちゃんとひかりちゃんの分貰い忘れちゃった!貰ってくるねー!」

まひる「あ、ちょっと!」

華恋「すぐ戻るから!」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:26:59.41 ID:fmKRkz1i0

まひる「(…どうしよう、ひかりちゃんと普段、叱ったり面倒見たり以外で喋ったことない)」

まひる「(ひかりちゃんじゃないひかりちゃんと喋るの、どうしたら……?)」

海未「まひる?」

まひる「ひゃ、ひゃいっ!」

海未「普段、ひかりさんは、どんな人なんですか?」

まひる「え、普段?普段のひかりちゃんは…すぐものを散らかしちゃうし、お菓子の食べカスもすごいし、リビングで寝ちゃうし、お世話が大変だよ」

海未「…それは、子どものようですね……」

まひる「…でも、舞台に上がって、役に入ると凄いの!もうひかりちゃんじゃなくて、役の人そのものにしか見えなくなるの。だから皆、最初ひかりちゃんが役に入ってると思ってたんだよね」

海未「なるほど、朝言われた役というのはそういう意味だったのですね」

まひる「…どうかしたの?」

海未「いえ…私がひかりさんの体に入っているということは、ひかりさんが私の体に入っているのかもしれないな、と思いまして」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:27:30.36 ID:fmKRkz1i0

まひる「それは……そうだとしたら……あ、でも、ひかりちゃんなら役で乗り切っちゃうかも」

海未「役……?園田海未役をする、ということですか?」

まひる「うん。ひかりちゃんはエチュードが得意だから、1日くらいなら役のフリで乗り切れるかも」

海未「それは……穂乃果やことりは気付くでしょうか……」

まひる「どうだろう……そもそも中身がひかりちゃんで、園田さんじゃないなんて、なかなか気づかなさそうではあるけど……」

海未「もしそうだったら、まだ良いのですが……もし中身が私でないとわかった時に、穂乃果やことりが、面白がらないかと、少し心配で」

まひる「へっ?…お、面白がる?」

海未「ええ。特に、ことりは絶対面白がると思います」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:28:01.71 ID:fmKRkz1i0



園田家 海未の部屋

ことり「海未ちゃあん、ただいま♪」

ひかり『ことり、お帰りなさいませ。外は寒かったでしょう、どうぞ中へ』

穂乃果「おおー!海未ちゃん執事だ!」

ことり「着れなかったタキシード、取っておいて良かったぁ…!」

ひかり『ことりが御所望でしたら、どのような衣装でも着ますよ』

ことり「本当にー!?じゃあね、じゃあね…」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:28:51.48 ID:fmKRkz1i0

海未母「皆さん、お風呂が沸きましたよ」

穂乃果・ことり「はーい!」

穂乃果「ほら海未ちゃん、行こ!」

ひかり「お風呂……一人ずつじゃなくて?」

ことり「海未ちゃんちのお風呂おっきいから、3人でも入れるんだよ!」

穂乃果「海未ちゃんちのお泊まり会、すっごく久しぶりだね!」

ことり「まあ、ひかりちゃんも一人だと困っちゃうもんね」

ひかり「うん……ありがとう」

穂乃果「じゃあ、お風呂へれっつごー!」

ひかり「(この人、ちょっと華恋に似てる)」

ことり「お風呂上がったら、衣装の試着の続きしようね、海未ちゃん!」

ひかり『まったく……ほどほどにしてくださいね?』

ことり「はーい♪」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:29:51.33 ID:fmKRkz1i0



学生寮 星光館

なな「という訳で!今日は海未ちゃんのためにパーティでーす♪」

華恋「おお……美味しそう……!!」

海未「あ、ありがとうございます。これも全部、大場さんが?」

なな「ううん、まひるちゃんとか、双葉ちゃんとか、純那ちゃんに手伝ってもらったよ!」

双葉「メニューを考えてくれたのは、ばななだけどな」

海未「お手伝いできず、すみません……。とても、嬉しいです」

まひる「ううん、華恋ちゃんのお勉強見てくれたり、天堂さんたちとまた稽古したり……忙しかったと思うし」

なな「嬉しいって言ってもらえるだけで、私は嬉しいかな♪」

華恋「じゃあじゃあ、えっと…海未ちゃん?を歓迎して、いただきまー……」

海未「華恋、手は洗いましたか?」

華恋「……はっ!い、いってきまーす」

海未「あ、あとまひる」

まひる「ひゃ、ひゃいっ!」

海未「お部屋の片付けもしておきましたので、ひかりさんにお伝えいただければと……」

まひる「あ、ありがとう……」

まひる「(しっかりした人との接し方がわからない……)」

華恋「ただいま!じゃあ気を取り直して、いただきまーす!」

なな「はーい、召し上がれ♪」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:30:28.57 ID:fmKRkz1i0



華恋「美味しかったー!ごちそうさま!」

海未「ごちそうさまでした。本当に美味しかったです……!」

なな「(美味しいご飯に目を輝かせてるのは、ひかりちゃんと変わらないなぁ……)はい、お粗末様でした!」

純那「……あ、あの!」

海未「……?な、なんでしょう?」

純那「え、えっと…………」

なな「純那ちゃん、サインして欲しいんだって!」

純那「!」

海未「か、構いませんが……その、私は今、ひかりさんですが」

純那「いえ!もう、ぜひ、お願いします……!」

海未「わ、わかりました」

香子「(星見はん、もう完全にファンが隠せてへんなぁ。ウチのおかあはんと園田はんのおかあはんが知り合いや言うたらどんな顔するんやろな)」

双葉「おい、また悪い顔してるぞ」

香子「えー?ウチはいつでも可愛い顔しかしてませんけど?」

双葉「……ったく……」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:31:01.18 ID:fmKRkz1i0

クロ「海未、ちょっと良いかしら?落ちサビのところのポーズなんだけど……」

海未「!は、はいっ」

海未「(この人は普段の話し方は絵里に似ているのですね……」

純那「…………」

なな「良かったね、純那ちゃん」

純那「そんな、神楽さんのサインだけど、ああ、いやでもこれは、」

なな「(ちょっとそっとしておいた方が良さそうかな)」

海未「ああ、ここのポーズはですね……」

まひる「(あんなにしっかりしたひかりちゃんなら、毎日助かるけど……でも、園田さんが困っちゃうよね……)」

まひる「(ひかりちゃん……大丈夫かなぁ。園田さんのお部屋、散らかしてないと良いけど)」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:31:34.73 ID:fmKRkz1i0



穂乃果「海未ちゃんの部屋がこんなに散らかってるの、生まれて初めて見るかも!」

ひかり「……そうかもしれない。」

ことり「衣装も出しちゃったし、着替えを探すのに、いろいろひっくり返しちゃったもんね」

穂乃果「卒園アルバムが出てきたりして懐かしかったけどね!」

ことり「海未ちゃん、私たちが写ってるところに付箋貼ってたんだねぇ」

ひかり「…………園田海未さんにとって、二人は大切?」

穂乃果「えっ?逆じゃなくて?」

ひかり「うん。二人にとって園田海未さんが大切なのは、よくわかったから。」

ことり「……じゃあ、そのよく分かったみたいに、海未ちゃんにとっても私たちって大切なんだと思うよ」

穂乃果「そうだねぇ。あんまり、考えたことなかったな。海未ちゃんとことりちゃんが大切、なんて、当たり前すぎちゃって」

ひかり「……そう」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:32:00.55 ID:fmKRkz1i0

穂乃果「ひかりちゃんにも居る?そういう人」

ひかり「……大切な人は、いる。……でも、そんなに自信を持って、大切に思われてるとか、大切に思っているとか、言えないと思う」

穂乃果「人それぞれだよ!そういうのは!」

ひかり「……すっごくざっくり。」

穂乃果「いいのいいの!ね、おせんべい食べよ?」

ひかり「食べる。」

ことり「あ!朝、クッキー……」

ひかり「何?」

ことり「ううん、そうだったのかー、って思っただけ!」

穂乃果「(この時間のおせんべいを一緒に食べる海未ちゃん、新鮮だなぁ)」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:33:15.68 ID:fmKRkz1i0

ひかり「……今日1日、とても参考になった。ありがとう」

ことり「なんだかいつも通りに過ごしちゃったけど、良かったの?」

ひかり「うん。スクールアイドル以前に結ばれた強い絆が、スクールアイドルを通して更に太く、強い絆になっている……。役作りの、参考になった」

穂乃果「じゃあ、今はもっと上手に海未ちゃんができる?」

ひかり『ええ。できますよ』

ことり「わ……ちょっと眠そうなところも、すっごい海未ちゃん!」

穂乃果「じゃあ、海未ちゃんは、穂乃果達のこと大切?」

ひかり『なるほど……確かにそう聞かれると、窮してしまいますね。もちろん答えは「はい」なのですが、「大切」という言葉すら陳腐な気がします。穂乃果とことりは、唯一無二の存在ですから』

ことり「うん、私もそう思う。……あ、そのセリフ、歌詞ノートに書いておいたら?」

ひかり『歌詞のノートに……ですか?』

穂乃果「うん。海未ちゃん、作詞に詰まってるみたいだったから」

ひかり『なるほど……わかりました』
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:34:14.55 ID:fmKRkz1i0

穂乃果「ふぁ……」

ことり「穂乃果ちゃん、眠いの?」

穂乃果「うん……いつもより、ちょっと早く起きたから」

ひかり『では、もう寝ますか。布団は……』

ことり「3人で一緒に寝よ?」

ひかり『ことりはそう言うと思ってましたよ……わかりました』

穂乃果「おお、今の、海未ちゃんっぽい!」

ひかり「ありがとう。私も、ちょっと眠い」

ことり「はーい、じゃあ、おやすみ」

穂乃果「おやすみなさーい……」

ひかり「……ん」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:34:54.96 ID:fmKRkz1i0



海未「…………」

華恋「あれ……ひかりちゃん、寝ちゃった?」

真矢「朝から踊り通しで、慣れない1日だったと思いますから」

純那「もともと早寝早起きなのよ、園田海未さんは」

クロ「……海未のこと、フルネームで呼ぶのね」

純那「そ、そういうものなんです!」

まひる「しー。……じゃあ、お部屋に運ぼうか」

双葉「一人で大丈夫か?私も手伝うよ」

まひる「うん、ありがとう、双葉ちゃん」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:35:41.28 ID:fmKRkz1i0

華恋「ひかりちゃんは、ひかりちゃんじゃなかったんだねぇ。まだ信じられないや」

なな「役に入ったひかりちゃんも、よく見てきたもんね。確かに、あんまり違和感はなかったなぁ」

真矢「凄まじいまでのステージでのキラめき……とても刺激になりました」

華恋「……ひかりちゃんは、大丈夫なのかなぁ」

香子「入れ替わってるとしたら、園田はんのところやろ?大丈夫と違います?」

華恋「そっか……よし」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:36:13.03 ID:fmKRkz1i0

まひる「……あれ、華恋ちゃん?そこ、ひかりちゃんのお布団……」

華恋「今日はこっちで寝ようと思って。ほら、明日ひかりちゃんが帰ってきた時、私が居たら安心するでしょ?」

まひる「……そうかもね」

華恋「だからまひるちゃんも、こっち」

まひる「で、でも……」

華恋「いいから、ね?」

まひる「……うん」

海未「(……なんだか、とても温かいです。心地よい、人の温かさ……。穂乃果やことりと泊まっている時を思い出します)」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:36:41.45 ID:fmKRkz1i0



♪←→??


100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:37:14.78 ID:fmKRkz1i0
ひかり「……」

ひかり「……!もどった」

華恋「ん……ひかりちゃーん……?」

ひかり「……どうして私の布団で寝ているの、二人共」

まひる「あ、戻ったんだ……おはよう、ひかりちゃん」

ひかり「おはよう、まひる。華恋も、起きて」

華恋「ええ……?でも今日は、日曜日で」

ひかり『園田海未を演じたいのです!今すぐにでも!行きますよ、穂乃果!』

華恋『わ、わかったよ海未ちゃん、でも、ちょっと待って〜……」

まひる「(今の喋り方、昨日の園田さんのそのままだけど……パジャマが脱ぎっぱなしだから、間違いなくひかりちゃんだな)」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:37:43.90 ID:fmKRkz1i0

まひる「ひかりちゃん、向こうで迷惑かけなかった?」

ひかり「大丈夫。すごく楽しかった。」

まひる「……全然安心できないけど……でも、役作りはできたんだね」

ひかり『ええ。まひる。勿論です、今度こそ完璧に!やり遂げてみせます』

まひる「そっか、わかった」

華恋「じゃ、レッスン室へれっつごー!」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:38:16.18 ID:fmKRkz1i0



海未「……ん?穂乃果……、ことり?」

海未「も、戻ったのですか?」

ことり「ん……海未ちゃん……それとも、海未ちゃん役のひかりちゃん……?」

海未「また『役』ですか……って、ここ、私の部屋……どうしてこんなに散らかっているのですか?」

穂乃果「それは、昨日3人でお泊まりパーティーで……」

海未「パーティでも寝る前には片付けるものでしょう!ほら、起きてください!」

ことり「ああ、本当に海未ちゃんなんだねぇ」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/01(日) 23:38:42.89 ID:fmKRkz1i0

海未「あ、作詞ノート……み、見てませんよね?」

穂乃果「見てないよ。でも、昨日海未ちゃんが、何か書いてたよ」

海未「え、ええ……?」

 私にとって皆は
 大切と言うには陳腐だけど
 特別を伝える言葉が今はそれしか思いつかない

海未「(!これは、ひかりさんのノートに書いてあった筆跡と同じ……)」

海未「(本当に、入れ替わっていたのですね)」

穂乃果「……それで、海未ちゃん」

海未「何でしょう?」

ことり「できた?新しい体験!」

海未「!…………ええ、それはとても、素晴らしい体験ができました」

穂乃果「良かった、じゃあお話聞かせて……」

海未「それは部屋の片付けが済んでからです!」

おわり
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 21:26:00.14 ID:vy1CXmR1o
乙!
おもしろかった
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