ひかり「スクールアイドル…?」海未「舞台少女?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 22:56:59.98 ID:iu4Zg7nk0
※少女☆歌劇レヴュースタァライト×ラブライブ!のクロスオーバーSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1582811819
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 22:59:09.74 ID:iu4Zg7nk0
まひる「ひかりちゃん、何読んでるの?」

ひかり「……雑誌。」

まひる「雑誌はわかるけど、何の雑誌?」

華恋「ひかりちゃんね、次の授業の演目でスクールアイドルの役をするんだって!」

まひる「そうなんだ。じゃあそれは、スクールアイドルの雑誌?」

華恋「そう!一緒に見てたんだけど、すっごい可愛いんだよ〜!ほら、この子とか、この子とか!」

まひる「わぁ〜…!目がおっきくてまん丸で、ふわふわの衣装を着こなして…とっても可愛い!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 22:59:45.50 ID:iu4Zg7nk0
華恋「でもでも、こんなにキリッとしたカッコいいアイドルもいるんだよ?」

まひる「本当だ!ひかりちゃん、次の授業は確か天堂さんとクロちゃんと3人でやるんだよね?カッコいいだろうなぁ……」

華恋「あ、それが……」

真矢「それが『カワイイ』アイドルの役なんです、露崎さん」

華恋「わっ、ご本人登場!」

まひる「カワイイ…?どんな役なの?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:00:27.25 ID:iu4Zg7nk0
真矢「私が主演の、熱血で、友達2人をアイドルに引き込む役。そして」

ひかり「…私は『スクールアイドルなんて恥ずかしくて出来ない』と拒む役。」

クロ「そして私はふわふわしてて天然っぽいけど、2人の仲を取り持つ役よ」

華恋「クロちゃんも来たんだ!」

真矢「最後にはアイドルを3人で結成し、ライブを行うシーンで終わるのですが……」

クロ「その最後のシーンに至るまでを作り上げる、って課題なのよね」

ひかり「役の設定が1行で……まだ役のことがわからないの。だから何か参考になるかと思って」

まひる「なるほど……難しそうだね」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:01:27.02 ID:iu4Zg7nk0
なな「みんな何してるのー?」

真矢「授業で配られた、次の演目の話をしていたんです」

なな「それってもしかして、スクールアイドルの?それなら純那ちゃんが詳しいよ!」

純那「ちょっと、なな!どうして言うのよ…!」

なな「だって、スクールアイドルの話をしてる時の純那ちゃん、とってもキラめいてるんだもの♪」

真矢「それは丁度よかったです」

純那「な、何が?」

真矢「実は今、スクールアイドルのダンスのことで困っていまして」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:02:18.11 ID:iu4Zg7nk0
まひる「あ…確かにアイドルのダンスって、ミュージカルのダンスとも違うし、複雑だよね」

真矢「ええ。一から振りを考えるのは大変なので、どこかのスクールアイドルの曲を演る、というのは先生にお伝えしているんですが……誰の歌が適切なのか、を測りかねていまして」

クロ「そうなの。友達3人組で、初ライブをする時にやる曲。何かないかしら?」

純那「そのキーワードだと……うぅ」

華恋「どうしたのじゅんじゅん?どっか痛い?」

純那「違うわよ!ただ、ちょっと邪道っていうか…」

なな「邪道?」

純那「今は9人で活動してるグループがあるんだけど、そのグループ、初期は友達同士3人組で、初ライブをその3人でやってたの」

まひる「今は9人だから、それを勧めるのが邪道ってこと?」

純那「ええ…。とりあえず同じ曲で9人で演ってるヤツがあるから、それから見てもらえるかしら?」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:03:02.77 ID:iu4Zg7nk0
♪〜♪〜♪

華恋「わぁ……!すごい…すごい!」

なな「どの子も可愛いよねー!」

真矢「落ち着いた色の制服で踊っているのに、これほどのキラめき…」

クロ「ダンスのキレと表情と歌声、どれも隙が無いわね…」

ひかり「ダンスのシーン、いつもどれかに集中して、どれかが疎かになる……」

まひる「確かに…。楽しそうにしてるけど、すごい集中力とパワーを使ってるんだろうね」

双葉「皆ー、風呂今空いてるぞ〜…って、何してるんだ?…動画?」

香子「あ、これ。μ'sやないの」

純那「!花柳さん、知ってるの?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:04:25.25 ID:iu4Zg7nk0
香子「ええ。ウチの…まぁええわ、とりあえず勧められたから見とったんよ」

双葉「そういえば最近、部屋で良く動画見てたよな。これだったのか?」

香子「そ。ま、ウチの方が可愛いですけど♪」

双葉「はいはい」

華恋「ねえじゅんじゅん、この子なんて名前?なんかひかりちゃんに似てるなって思ったの!」

ひかり「この子?わたしに?……髪型?」

華恋「そうかも!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:05:13.48 ID:iu4Zg7nk0
純那「ああ、その人…そう、私も言いたかったんだけど、その人ね、」

香子「似とるのは髪型だけじゃありまへん、華恋はん」

華恋「へっ?どういうこと?」

純那「なんていうか…歌声がそっくりなのよ。待ってね、今の曲を3人で踊ってるやつの方、流すから」

♪ 〜 ♪ 〜 ♪

華恋「おおー…ひかりちゃんだ……」

純那「華恋が言ってくれて、なんか安心したわ。私だけがそう聞こえるのかもって思ってたから」

真矢「しかし…神楽さんは納得されてないようですが」

ひかり「私…こんな声?」

華恋「えー?こんな声だと思うけど…」

クロ「今の部分、歌ってみたら?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:06:07.61 ID:iu4Zg7nk0
ひかり「………♪あきらめちゃだめなんだ その日が絶対来る〜」

香子「いや本物やん」

双葉「本物だな」

ひかり「…そんなに?」

純那「そんなに、よ。正直、ここまで似てるとは思ってなかったわ」

真矢「素晴らしいです、神楽さん。何かしら運命的なものを感じました。演じるのはこの曲にしましょう」

クロ「…ってことは、私はこの歌い出しの緑の子を演るのね。歌声は似せれないけど…魅せれる何かを考えなくちゃ」

真矢「星見さん、ありがとうございました」

純那「あ、いえ、こちらこそ。楽しみにしてるわ」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:06:48.21 ID:iu4Zg7nk0
華恋「うーっ、なんか見てたら踊りたくなっちゃった!」

ひかり「もう夜よ、華恋」

華恋「じゃあ、明日朝からレッスン室行こ!」

まひる「土曜だけど、早起きできる?」

華恋「できる!」

なな「じゃあ、お風呂に入って早めに寝なくちゃ!」

華恋「うん!れっつごー!」

ひかり「………」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:08:11.11 ID:iu4Zg7nk0
双葉「…神楽?皆、風呂行ったぞ?」

ひかり「……私はもう入った。もう少し、ここで、考える」

双葉「そっか。寝るなら部屋で寝ろよ?おやすみ」

ひかり「うん……」

ひかり「(さっきの雑誌にプロフィール…あった。園田海未。好きな食べ物、おまんじゅう。嫌いな食べ物、炭酸)」

ひかり「(日本舞踊に剣道に弓道……大和撫子系スクールアイドル。書いてあるのはそれくらい。)」

ひかり「(この人がどういう人か、わからないけど……少なくともこの曲をやっている時間は、私は"園田海未"になる)」

ひかり「(とはいえまだライブシーンのお手本が固まっただけで、役のことは全く分からない…)」

ひかり「(そもそもスクールアイドルが普段どんなことをやってるのかわからない)」

ひかり「…………ううん」

ひかり「(せめて1日だけでも……)」

ひかり「(この人と入れ替われたら……)」zzz
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:09:38.72 ID:iu4Zg7nk0


穂乃果「海未ちゃん?険しい顔してるよ」

海未「え…本当ですか?」

ことり「うん。むむむ……って顔してた!」

海未「す、すみません…」

穂乃果「作詞?」

海未「ええ……少し、詰まってしまっています」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:10:32.69 ID:iu4Zg7nk0
ことり「私達が手伝えることって、何かある?」

海未「ううん…大抵こういう時は、日々の生活に慣れ切ってしまっている時なので、何か新鮮なことを体験すれば良いとは思うのですが…」

ことり「新鮮なこと、かぁ……うーん……」

穂乃果「あ、生徒会宛のポストの中、何か入ってる」

ことり「せいしょう…舞台?」

希「お、それは舞台少女ってやつやね」

海未「希!舞台少女、ですか?」

絵里「そう。聖翔音楽学園は演劇の学校よ。私達と同じ高校生で演劇の勉強してる子達のことを、舞台少女って呼ぶの」

穂乃果「じゃあ、みんな俳優さんってこと!?」

希「そのとおり!卒業後は、皆舞台やテレビの俳優さんになっとるん」

海未「すごいですね…」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:11:18.69 ID:iu4Zg7nk0
絵里「って言っても、俳優育成科と別に舞台創造科っていうのもあって、そっちは衣装とか脚本とか大道具とかを作ってるみたい」

ことり「衣装!」

穂乃果「それ、なんだかスクールアイドルみたいだね!ぜーんぶ自分達、みたいな!」

希「まぁ、ウチらは放課後で向こうは学校のカリキュラムやから、全然違うけどね」

ことり「確かに……こんな細かいドレスとか、放課後だけじゃ作れないもん」

穂乃果「え、じゃあ、このチラシに載ってる人、全部高校生ってことだよね?凄いなぁ…」

ことり「あ、海未ちゃん、この舞台見に行ってみる?ほら、新しい体験!」

海未「ああ…確かに、良いかもしれませんね」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:12:10.15 ID:iu4Zg7nk0
穂乃果「あ、裏面に制服の写真もある」

絵里「あら?この子、海未に似てるわね」

ことり「本当だ〜!可愛い〜♪」

海未「ええ…?髪型だけではありませんか?」

希「表にある役の写真だと、この子やね。まるで別人やな…」

穂乃果「すごい!表情も全然違う…!」

海未「別人……ですか」

絵里「招待券も入ってるみたいだし、折角だからみんなで観に行きましょうか」

穂乃果・ことり「さんせーい!」

海未「………」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:12:50.69 ID:iu4Zg7nk0
海未「(演劇を見る、確かに新しい体験ですが…)」

海未「(恐らく私に今必要なのは、全く別人の人生を歩むような体験)」

海未「(演劇を演じることは、ある種そういった側面があるかもしれません。舞台の上では別人として過ごす訳ですし)」

海未「(演劇を見る、というより、やる、の方が今の私には必要かもしれませんが)」

海未「(…無理ですね。穂乃果達に、言い出せるわけもないですし)」

海未「(1日、例えばこの人と入れ替われたら、多分とても刺激になるとは思うのですが…)」

海未「(って、いけませんね、また妄想になってしまいました)」

穂乃果「海未ちゃーん?練習行くよー?」

海未「はい、今行きます!」

海未「(集中しなければ…)」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:13:41.20 ID:iu4Zg7nk0


☆?♪

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:17:23.37 ID:iu4Zg7nk0
翌朝 学生寮 星光館

海未「ん……ここは……?」

華恋「むにゃむにゃ……ひかりちゃーん……」zzz

海未「(!?だ、誰ですこの人は!?)」

まひる「華恋ちゃん……ダメだよ……」zzz

海未「(こちらにも人が…!?)」

海未「(両サイドのベッドで知らない人が寝ていて、自分はその間に布団を敷いて寝ている…な、なんですか、この状況は)」

海未「(どちらかを起こして、ここがどこなのか確認すべきなのでしょうか…しかし、全く知らない人ですし、少し怖いような…ん?)」

海未「(これは…ぬいぐるみ?白熊、でしょうか…)」

海未「(手触りが中々良いですね…少々汚れていますが、この手触りなら触り過ぎてしまうのかもしれません)」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:18:27.24 ID:iu4Zg7nk0
華恋「ん……おはよ、ひかりちゃん」

海未「……」さわさわ

華恋「ひーかーりーちゃーん!」

海未「わぁっ!!わ、私ですか?」

華恋「?どうしたの、役?」

海未「や、役…?」

まひる「ん…おはよう、2人とも」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:19:18.26 ID:iu4Zg7nk0
海未「お、おはよう、ございます…」

まひる「?ひかりちゃん、また役入りっぱなし?」

海未「え、ええと……」

華恋「多分そうだと思う!レッスンやる気満タンってことだよね!今日はレッスン室に1番乗りしよ!」

海未「あの、ち、ちょっと待ってください」

華恋「?どうしたの?着替えないの?」

海未「えっと…どこから話せばいいのか……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:20:15.65 ID:iu4Zg7nk0
まひる「…もしかして、制服とレッスン着、どこに片付けたか、またわからなくなったの?」

海未「ま、また…?」

まひる「はぁ…ちょっと待ってね。洗濯物は昨日の夕方渡したから……部屋に戻ってとりあえずミスターホワイトを抱きに行って……うん、あった。はい、これ。次はちゃんと片付けてね?」

海未「は、はい、わかりました。ありがとうございます」

まひる「普段はそんな素直にお話聞いてくれることなんか無いのに…今回の役は素直で嬉しいなぁ」

華恋「ひかりちゃん、役によってキチンとお片付けできたりできなかったりするもんね」

海未「(ひかりさんという方と間違われているのですね…。それにしても、あのぐちゃぐちゃのスーツケースといい、あまり綺麗好きではなさそうですね…後で片付けましょう)」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:21:45.01 ID:iu4Zg7nk0
華恋「さ、着替えよ!こっちがひかりちゃんの制服だよ!」

海未「(制服は綺麗ですね…。いえ、きっとまひるさんが綺麗にしてくださっているのですね)」

華恋「あっ、ひかりちゃん。その靴下私のだよ!ひかりちゃんはいっつもタイツだよ?ひょっとして、寝ぼけてる?」

海未「あ、あの」

まひる「あっちで顔洗ってきたら?」

海未「…はい、わかりました」

海未「(あちらに行けば、鏡が…)」

海未「(…!)」

まひる「あれ、ひかりちゃん、鏡見てびっくりしてる…?」

華恋「ひかりちゃん、喋らなくてもわかりやすいよねぇ」

海未「(これは…昨日チラシで見た人ではありませんか…!)」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:22:40.65 ID:iu4Zg7nk0
海未「(昨日入れ替わってみたいと願ったからでしょうか…。それにしてもどんな仕組みで…)」

海未「(似ている、とは言っていましたが、入れ替わっていると気付かれないほどだとは思いませんでした…)」

海未「(声に違和感がありませんが…お二人がそれについて違和感を覚えてないのを見るに、きっと声も似ていたのですね)」

まひる「ひーかーりーちゃーん…?」

海未「…!も、もう大丈夫です」

華恋「さ!着替えて学校に出発〜!」

海未「(い、言い出せません……)」

まひる「うーん…前役に入っちゃった時は、こんな記憶喪失みたいにはならなかったと思うんだけどなぁ……」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:24:03.50 ID:iu4Zg7nk0


海未「(門に『聖翔音楽学園』とありました。やはり、あの演劇の学校なのですね)」

華恋「出席番号1番!愛城華恋!入ります!」

海未「!?!?」

まひる「出席番号17番、露崎まひる、入ります」

海未「(そ、そういう作法なのですね…ええと、確かロッカーには『29 神楽』と書かれていましたから…)」

海未「出席番号29番、神楽ひかり、入ります」

海未「(…2人に突っ込まれないということは、これで良かったということなのですね)」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:25:22.89 ID:iu4Zg7nk0
華恋「さ!柔軟柔軟!」

海未「(この辺りは、普段の練習と変わりませんね…)」

海未「(しかし、いつ2人に『私はひかりさんではない』と打ち明けましょうか…そもそも、そんな突拍子もない話が通じるのでしょうか)」

真矢「出席番号18番、天堂真矢、入ります」

海未「(新しい人が…!?)」

クロ「出席番号11番、西條クロディーヌ、入ります」

真矢「神楽さん、おはようございます。昨日の曲、早速踊ってみようと思うのですが…如何ですか?」

海未「あ、お、おはようございます…」

真矢「……?」

華恋「あ、ひかりちゃん、役ができてるから大丈夫だと思うよ!抜けてないけど…」

真矢「あら、そうでしたか」

海未「(先程から『役が抜けてない』で口調含め納得されてる感がありますが……どういったことなのでしょうか…そもそも、昨日の曲とは…?)」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:29:38.76 ID:iu4Zg7nk0
クロ「私も完璧よ。『南ことり』さんの所、完璧に出来る様になったわ。歌い出しまでバッチリ」

海未「えっ……ことり、ですか?」

クロ「あら、本当に役に入り切ってるのね」

真矢「ええ。私も完璧な『高坂穂乃果』さんを演じて見せます」

華恋「3人とも、頑張って!」

海未「あの…私は…」

真矢「神楽さんの『園田海未』さん、期待しています」

海未「(…???私が私を…?)」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:31:04.78 ID:iu4Zg7nk0
海未「(しかし、やる曲はわかりました。私と穂乃果とことりの3人で歌った曲で、ことりが歌い出しの曲。START:DASH!ですね)」

海未「(勿論やれます、が…)」

なな「出席番号15番、大場なな、入りまーす♪」
純那「出席番号25番、星見純那。入ります」
香子「出席番号22番、花柳香子、入りますぅ」
双葉「出席番号2番、石動双葉!入ります!」

海未「(…こんな近くで知らない方から見られるのは、初めてですね…)」

クロ「?ひかり、どうしたの?」

海未「い、いえ。少し恥ずかしい、と言いますか…」

なな「!すごい、もう役作りできたんだ」

双葉「昨日悩んでたもんな。頑張ったんだな」

海未「(次から次に『役』ということにされてしまいます…)」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:31:55.35 ID:iu4Zg7nk0
真矢「歌無しの音源を使いますから、覚えているところだけで結構ですので歌ってください」

クロ「当然、私は全部覚えてきたわよ♪」

海未「は、はい」

真矢「では、再生お願いします」

♪〜♪〜♪

海未「(問題なく身体は動く……大丈夫そうですね)」

クロ「♪産毛のことり達も いつか空に羽ばたく♪」

海未「(!?声色は違うのに、ことり…!?)」

純那「さすが西條さんね…声質をものともせず、細かい仕草や雰囲気で演じてるわ」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:33:18.19 ID:iu4Zg7nk0
香子「さ、次は神楽はんの……」

海未「♪諦めちゃダメなんだ♪」

真矢・クロ「!?」

純那「(昨日より似てる…というか、本物…!?)」

双葉「(……鳥肌立った…なんだ、これ…)」

海未「(よし、振り返って、穂乃果とハイタッチ…!?)」

真矢「♪君も感じてるよね♪」

海未「(別の方なのに、穂乃果とハイタッチをしたかのような…今の感じ、なんでしょうか…)」

真矢「(神楽さんの、振り返った表情…前からは見えないのに、とびきり明るい笑顔……)」

真矢「(完璧にアイドルをしている…!)」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:34:15.37 ID:iu4Zg7nk0
海未「♪悲しみに閉ざされて 泣くだけの君じゃない♪」

なな「(さすがに、ダンスも歌も一晩で…は難しい、はずなのに)」

香子「(神楽はん、なんであんなに完璧ですの…!?)」

まひる「(…あっ、ひかりちゃんと目があった)」

海未「♪切り開くはずさ♪」ニコッ

まひる「(……!!)」

華恋「ま、まひるちゃん?」

まひる「あ、だ、大丈夫…ありがとう」

まひる「(今の、何…?ドキドキが、止まらない…)」

クロ「(今、ひかりがまひるに笑いかけた…?ファンサービスかしら?アイドルらしいし真似したいけれど、振りをなぞるので精一杯だわ)」

真矢「(なぜ神楽さんはあんなことができるのでしょうか…)」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:35:17.31 ID:iu4Zg7nk0
双葉「(元々神楽ってそんなダンスが大得意ってわけじゃないのに、天堂やクロよりも明らかにキレのある綺麗なダンスをしてる)」

純那「(ダンスのキレ、昨日よりも伸びのある歌声、そして笑顔とキラめき……これは、神楽さんというより……)」



海未「ふぅ……」

華恋「ひかりちゃん!」

海未「わぁ!ど、どうしたのですか!?」

華恋「ひかりちゃん、すごいよ!!いつ練習したの!?」

海未「れ、練習…?」

真矢「本当に…驚きました。μ'sそのものとしか思えない身のこなし、歌声……見事です」

海未「あ、ありがとうございます…?」

クロ「特にサイドステップのキレが全然違ったわ。曲中で良く使う動きな分、そこが鋭く動くだけで全然印象が違うのね」

海未「そうですね。サイドステップは、基本となる動きなので、1番練習しています。足の動き以上に、腕の振り方が大事で……」

香子「…なぁ、星見はん」

純那「……そうね、聞いてみる必要があると思うわ」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:36:00.55 ID:iu4Zg7nk0
海未「あと、踊る時は笑顔で!笑顔で腕立て伏せができるかやってみましょう!」

香子「レッスン中失礼しますえ。神楽はん、ちょっとええ?」

海未「!は、はい」

純那「あの……本物の、μ'sの園田海未さんですよね?」

海未「!!!」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:36:50.71 ID:iu4Zg7nk0
華恋「じゅんじゅん、何言ってるの?だからひかりちゃんは役に入ってて」

純那「役に入ってるだけじゃ、ダンスも踊れないし歌も歌えない。実際二番以降は、天堂さんたちだって歌詞が曖昧になってたわ。でも、神楽さんはそれがなかった」

双葉「そういや昨夜も、割と早くにリビングで寝落ちてたよな。私が部屋まで運んだけど」

なな「クロちゃんはどれくらい聞いたの?曲」

クロ「あの後、寝るまで動画を見通しだったから…30回くらい、かしら」

純那「西條さんが30回見ても、曖昧なところがあるのよ?数回見ただけで完璧に歌って踊れるなんてあり得ないわ」

華恋「でも、ひかりちゃん、役に入ったら自分でも出来ないことが出来るようになったってこと、良くあるし…」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:37:44.69 ID:iu4Zg7nk0

香子「それに、ダンスと歌が完璧なだけや飽き足らず、ファンサまでしはった。見てみ、そこの隅でまひるはんが真っ赤や」

まひる「い、言わないでよぅ……」

海未「(ああ…そういえばサビで目が合いましたね)」

香子「あんな自然なファンサービス、長いことアイドルしてはる人やないと出ん。ウチらは普通舞台の上で、お客さんと目が合ったってなんもせーへんやろ?」

なな「確かに…舞台の上のお話は続いてるから、仮に目が合っても目が合ってないフリをするよね」

香子「歌って踊っていっぱいいっぱいの時、反射的にやってしまうのが普段の仕草や。その仕草までアイドルっちゅうのは、おかしない?」

華恋「ううー…そうかもしれないけど…!」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:38:26.29 ID:iu4Zg7nk0
純那「何より、1番は」

華恋「まだあるのー?」

純那「園田海未さんは、敬語で喋るの」

海未「!」

純那「でも神楽さんが昨日見たのは雑誌と、あのPVだけ。神楽さんが昨日見てた雑誌には、園田海未さんは簡単なプロフィールしか載ってない。口調も性格も一切わからなかったはずよ」

なな「(あの雑誌、ひかりちゃんのためにリビングに置いてあげてた雑誌だもんね)」

純那「だけど、さっきから…神楽さんの口調が、完璧に園田海未さんの喋り方なのよ」

華恋「そうなの!?」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:39:36.57 ID:iu4Zg7nk0
純那「突飛な考え、って思うかもしれないけど……私には、何かしらの不思議な力が働いて、神楽さんの体の中に園田海未さんが入っているとしか思えないの」

華恋「ひ、ひかりちゃんの体に…?」

香子「なぁ、そうやろ?そうやなかったら、むしろ神楽はんが怖いわ」

海未「…仰られるとおりです。信じて頂けるか分からず、言えずにいたのですが……」

海未「確かに私は、音ノ木坂学院2年、園田海未です」

純那「っ……!!!!」

海未「ど、どうしましたか?」

純那「いえ!なんでもありません!大丈夫です!」

双葉「なんで敬語…?」

なな「(…純那ちゃん、μ'sの載ってる雑誌いっぱい買ってるし…きっと大好きなんだろうなぁ)」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:40:22.23 ID:iu4Zg7nk0
真矢「なるほど…では私達は、本物のスクールアイドルと踊った、ということになるのですね」

クロ「納得がいったわ…Merci、海未。貴方のおかげで貴重な体験ができた」

海未「い、いえ…こちらこそ、穂乃果やことりと踊っているような気持ちになって、驚きました」

真矢「ありがとうございます。自分の演技プランが誤っていないことが分かって、安心しました」

クロ「…ねえ、課題の話、聞いて貰えるかしら?」

海未「か、課題?演技プラン?」

真矢「私と西條さんと神楽さんの3人で、次の授業で『スクールアイドル』を演じるのですが、設定が……」

双葉「…なんか、3人とも普通に話しはじめちゃったな」

なな「ああやって見ると普段の光景なのにね……本物のアイドル、かぁ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:41:38.36 ID:iu4Zg7nk0
華恋「ううーん、ひかりちゃんじゃなかったのかぁ」

まひる「確かに、物の場所がわからなくなったりしてたもんね」

香子「逆にその状態で気付かんやったのがすごいわ」

純那「ん……じゃあ、今神楽さんはどこに…?」

なな「…園田海未さんの、体の中?」

まひる「えぇ…そんなこと……」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 23:44:27.85 ID:iu4Zg7nk0
>>18
文字化け、正しくは
☆←→♪
です、すみません

今日はここまで
土日に完結予定です
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:13:30.70 ID:2Ri7Tr8G0


穂乃果「海未ちゃーん?」

ことり「海未ちゃん、起きてー」

穂乃果「うーみーちゃーん!!」

ひかり「……ん……?!」

ひかり「(見知らぬ人…いえ、知ってる人。昨日PVで見た、園田海未以外の2人。確か、高坂穂乃果、南ことり)」

ひかり「(昨日寝る前に願った、『入れ替わる』夢を見ているようね。)」

ことり「あ、起きた。海未ちゃんが寝坊って珍しいね!」

ひかり「(家に上がって起こしに来るほど、親しい間柄…)」

穂乃果「本当だよ!いっつも、『穂乃果!また寝坊ですか?』…って、言われてばっかりだもん」

ひかり「(この親しい間柄の穂乃果にも敬語。それならたぶん、誰に対しても敬語)」

ことり「海未ちゃん、寝ぼけてる…?」

ひかり「(穂乃果のことを穂乃果と呼び捨てにしてるなら、ことり、と呼んでる可能性が高い)」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:14:02.57 ID:2Ri7Tr8G0


穂乃果「海未ちゃん!今日は土曜日だけど、練習の後テスト勉強だよ」

ことり「本当に、大丈夫?体調悪い、とかじゃない?」

ひかり「(…よし、役としての園田海未、できそう)」

ひかり『いえ、大丈夫ですよ、ことり。すぐに着替えるので、少し待っていてください』

穂乃果「はーい!じゃあ下で待ってるね!」

ひかり「(…正解だったみたいね)」

ひかり「(さて、着替えなきゃ…あのスクールバッグを持っていくとして、制服は多分ここ…)」

ひかり「(…あった。さすが夢、都合が良い)」

ひかり「(スクールバッグの中も、レッスン着と教科書…荷物を前日に準備してる……すごい……)」

穂乃果「海未ちゃーん?」

ひかり『今行きます!』
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:14:44.54 ID:2Ri7Tr8G0
ひかり『お待たせしてしまって、すみません』

ことり「全然大丈夫だよ。集合時間まではまだあるし…」

ひかり「(確かμ'sは9人…そのうち、園田海未と同い年なのがこの2人。あとの6人は学年が違う……誰が先輩で、誰が後輩かわからない……)」

凛「あ、穂乃果ちゃーん!」

花陽「わっ、凛ちゃん、いきなり走らないで…!」

凛「置いてっちゃうよ、かよちん!ほら真姫ちゃんも、はやくー!」

真姫「言われなくても行くわよ」

穂乃果「おお!3人揃って登校?」

ひかり「(!リボンの色が、私や2人と違う…でも3人の色は一緒だから、3人の学年は同じ…)」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:15:20.07 ID:2Ri7Tr8G0
凛「うん、早めに行って、練習前に真姫ちゃんに勉強教えてもらおうと思って!」

花陽「真姫ちゃん、とっても教えるの上手で、だから凛ちゃんとお願いしたの」

真姫「ま、まあ1年生の範囲なんて、そんなに難しくないもの」

ひかり「(!)」

ことり「?海未ちゃん、どうかした?」

ひかり『い、いえ。何も。それより、行きましょう』

穂乃果「そうだね!それじゃ学校へしゅっぱーつ!」

ひかり「………」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:18:03.09 ID:2Ri7Tr8G0

ひかり「(この3人は1年生。確かに昨日の動画に居た気がするから、μ'sのメンバー。名前は凛、真姫、かよちん)」

真姫「凛は数学って言ってたけど、花陽は?」

ひかり「(…訂正、花陽。凛から穂乃果への喋り方を見るに、上下関係は薄そう。ここに居る後輩たちは勿論、これから会う先輩にも、たぶん園田海未は呼び捨てをしている)」

ひかり「(全員に対しての口調が変わらないのは、演じる方としてはありがたいけど…全員と同じ口調な分、誰と特に親しくしてるのかがわからない……)」

ひかり「(誰とも同じように接し、公平で、真面目……)」

穂乃果「海未ちゃーん?目が遠いよ?」

ことり「作詞、やっぱり詰まってるの?」

ひかり「(作詞?園田海未は作詞も担当してるんだ)」

ひかり『ええ…どうも、上手くいかなくて』

ひかり「(…さっきから知らないことばかりが出てくる。)」

ひかり「(もしかして…夢じゃなくて現実?)」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:18:32.80 ID:2Ri7Tr8G0
穂乃果「学校到着〜!さ、生徒会室に鍵取りに行こう!」

ひかり『穂乃果?廊下は走ってはいけません!』

ひかり「(ノッてきた。セリフが湧いてくる)」

穂乃果「う…いいじゃん誰も居ないんだし!」

ひかり『誰が居る、居ないは関係なく、廊下は走らないものです!』

ことり「まぁまぁ、走るのはこけると危ないし、やめた方がいいと思うけど…海未ちゃんも、朝から怒りすぎると顔が怖くなっちゃうよ?」

穂乃果「うっ…ごめんなさい……」

ひかり『……すみません』

ひかり「(天真爛漫な穂乃果と真面目な海未。その2人をゆるやかにつなぐことり)」

ひかり「(授業のスクールアイドルと同じ…)」

ことり「さ、生徒会室に行こう?」

穂乃果・ひかり「…はぁい」

ひかり「(……ちょっとまひるに似てる。)」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:19:17.03 ID:2Ri7Tr8G0

穂乃果「失礼しまーす!絵里ちゃーん!」

ひかり「(!また、PVで見た人)」

絵里「朝から元気ね、穂乃果。はい、部室の鍵」

希「もう練習?」

穂乃果「ううん、先に海未ちゃんにテスト勉強教えてもらおうと思って!」

ひかり「(!?!?)」

絵里「珍しいわね、穂乃果から勉強の話が出てくるなんて」

穂乃果「うん…次の英語が悪かったら、みっちり補習で、ライブに出られなくなっちゃうらしくて……」

ひかり「(え…英語……良かった……)」

希「それは由々しき事態やね。もし成績が悪かったらぁ……?」

穂乃果「ひぃ!が、がんばります!!」

ことり「あはは…」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:19:55.90 ID:2Ri7Tr8G0

絵里「ん…?海未、どうしたの?」

ひかり『ど、どうしたの、と言いますと?』

ひかり「(…まだ、3年生への態度が掴めてないのに)」

絵里「いえ。普段ならこのタイミングで穂乃果を叱ったりしそうなのに、って。『だいたい普段から勉強していないからこういうことになるのです!』…みたいな、いつものお小言」

ひかり「(なるほど…3年生の前でも、普段通りに振る舞っているのか)」

ひかり「(裏表がなくて、まっすぐで、頑固なくらいまじめ)」

ひかり「(…なんでこの人、アイドルしてるんだろう)」

ことり「今日、ちょっと海未ちゃんボーッとしてるみたいなの」

穂乃果「私達が家に着いたとき、寝てたもんね」

絵里「そうなの?体調が悪いなら、言ってね?」

ひかり『わかりました。お気遣い、ありがとうございます』

ひかり「(…よく考えたら、μ'sのダンス何も知らないし、練習には混ざらない方が良いかも。後で言おう)」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:20:25.16 ID:2Ri7Tr8G0

穂乃果「部室に到着〜あれ?」

にこ「おはよう」

ひかり「(!最後のメンバー、三年生)」

穂乃果「もしかして、ずっとここで待ってたの?」

にこ「そうよ。なんか悪い?」

穂乃果「生徒会室に行けば鍵あったのに、ずっと待ってたの?」

にこ「だって…希がいるじゃない!」

ひかり「(…不仲?)」

にこ「見つかったら、テスト勉強みっちりさせられて…」

希「ふぅーん?逃げとったってこと?」

にこ「ひいっ!」

ひかり「(…訂正。とても仲良さそう)」

希「ウチから逃げるにこっちには…みっちりお仕置きせんとなぁ?」

にこ「お、お助け……」

希「さ、にこっちは生徒会室でウチらと勉強〜♪穂乃果ちゃん達、また後でね〜♪」

ひかり『……穂乃果も勉強しますよ?』

穂乃果「は…はぁーい」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:21:18.76 ID:2Ri7Tr8G0

ひかり『次、この文章は?』

穂乃果「えっと…犬と猫は同じくらい良い?」

ひかり『ええ。as well as で、前と後ろが同じくらい良いと言う意味です』

穂乃果「やったー、合ってた!」

ことり「…あの、海未ちゃん。気を悪くしたらごめんね」

ひかり『(?)な、なんですか?』

ことり「あの…発音が、すごく良いなって。さっきのhad better〜ってやつとか、ネイティブすぎて私も聞き取れなかったもん」

ひかり「(!盲点。園田海未の英単語の発音はカタカナ発音なのか…)」

ひかり「(なんと言い訳しよう…)」

穂乃果「ひょっとして…私のために、勉強してくれてた?」

ひかり『(!)ええ…海外の方が話す動画を見て勉強していました。それで少し寝不足でして…』

ことり「ああ、だから調子も悪そうだったんだね。お疲れ様。クッキー食べる?」

ひかり「食べる。」

ことり「…へっ?」

ひかり『いえ!失礼しました。食べます』
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:21:48.83 ID:2Ri7Tr8G0



凛「にゃー!もうくたくた…」

真姫「って…結局3問くらいしか解いてないじゃない」

凛「数学の3問は30問だにゃ!それより、はやく練習!お着替えお着替え!」

花陽「はぁ…はぁ…凛ちゃん達、速いよ…」

凛「だって、はやく練習したかったんだもん!頭を動かした後は体を動かすんだよ!」

絵里「もうみんな揃ってるわね。じゃあ着替えて、屋上に行きましょうか」

全員「はーい!」

ひかり「(いよいよ、スクールアイドルのレッスン…)」

絵里「海未?行くわよ?」

ひかり『はい!』

ひかり「(……楽しみ。)」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:22:58.87 ID:2Ri7Tr8G0

凛「屋上にゃ!!!!」

花陽「あ、ちょっと凛ちゃん!」

ひかり「(!見事なジャンプと宙返り…捻りも加えてる)」

凛「じゃーん!」

真姫「もう、危ないでしょ」

ことり「海未ちゃん?」

ひかり「(私も)」

絵里「ちょっと、海未!?」

ひかり「(踏み切って…重心移動…着地しながら体を捻って…)」

ひかり「できた。」

凛「え、う、海未ちゃん…?」

ひかり「(!しまった…刺激されて、つい)」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:23:32.81 ID:2Ri7Tr8G0

希「さすが海未ちゃん、リリホワ直伝の一回転宙返り、もう習得したんやね」

ひかり「(!?)」

絵里「希が教えたの?危ないこと教えるのはやめてよ…そして海未も。希が言ったことを素直にやらないの、ね?」

ひかり『…すみません』

穂乃果「き、きっと寝不足ハイみたいな感じじゃないかな?」

ことり「う、うん、海未ちゃん、あんま寝られてないって言ってたし」

ひかり「………」

にこ「じゃあ、海未ちゃんは今日は見学にこ!」

ひかり『で、ですが』

真姫「にこちゃんに賛成。海未は力強いから止められなくて危なっかしいし、回復するまでどこかで寝てた方が良いわ」

絵里「私もにこに賛成。海未、ちょっと日陰で休んでて?」

ひかり『…はい、わかりました』

ひかり「(自分から言わなくても見学になった。ラッキー。)」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 21:24:06.49 ID:2Ri7Tr8G0

練習中

希「なぁ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん…なんかおかしいとは、思うんだけど…」

にこ「ちょっと怖い感じがするわ」
?
絵里「多分だけど、いつもみたいな表情の豊かさがないからかも」

花陽「そうかも。海未ちゃんって、笑顔で話すから、笑ってないと怒ってるのかな?ってなる」

穂乃果「私を叱る時は普段通りだったけどなぁ」

ことり「でも、あそこだけ怖いくらい普段通りの海未ちゃんで、逆に違和感っていうか……」

真姫「いくら直伝したところで、海未があんなジャンプを屋上でするとは思えないわ」

凛「それは間違いないにゃ。あーやって屋上でジャンプしたら、間違いなく海未ちゃんの雷が落ちるもん」

真姫「…わかってるならやめなさいよ…」

にこ「海未の様子がおかしいけど、どこがどうおかしいか上手く言えないから指摘もできない…って感じね」

絵里「まぁ、寝不足だけが理由かもしれないし…しばらくはお休みさせておきましょう」
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