照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「2度も言った!」

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284 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:39:45.85 ID:JDP2hIKe0



咏「宮永はさすが、危なげない勝ち上がりだったね。団体戦は残念だったけどさ」

照「…ありがとうございます」

咏「去年も決勝前にここで本読んでたっしょ?思い出して来てみたらさ、あの宮永がなんか男と仲良く喋ってんし」

京太郎「あの、俺は」

咏「皆まで言うな。…よく見たらチームメイトだったから一安心ってとこだね、知らんけど」

京太郎「えっ…俺のこと、知ってもらえてるんですか」

咏「そりゃあ、天下の白糸台から男子が大会に出るってなれば知っとかないとね…解説としちゃあそのくらい」

京太郎「えっ…いや、マジか……」

照「…三尋木プロ、あんまり後輩をいじめないでください」

咏「うっひょー、いい先輩やってんねぇ」ケラケラ
285 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:40:46.72 ID:JDP2hIKe0

咏「…須賀、だっけ。どうだった、初めての全国大会は?」

京太郎「そっすね…いいところまでは行けたかなって」

咏「いいとこ、で満足していいのかー日本男児!」バシバシバシ

京太郎「す、すいません!おっしゃる通りで」

咏「…まっ、男子のトップと打つ機会なんて今までなかっただろうし頑張ったほうじゃね?知らんけど」

照「…あの」

咏「うん?」

照「京…須賀君は私たちと一緒に卓を囲んで練習してきたんです」

咏「あー、知ってる知ってる。インタビューで部長さんが言ってたっしょ?」

照「そのやり方では駄目だったってことでしょうか?」

咏「うんにゃ?そうやっていい環境の中で揉まれて…もちろん当人の努力もあるだろうしさ、それでここまで勝ち上がってこれたんじゃね?」

照「じゃあ…」

咏「だからまあ、ここからさらに上を目指すにはって話よ」

286 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:43:09.51 ID:JDP2hIKe0


咏「…いろいろあるけど、一番はやっぱ男子と女子だと麻雀が違うんだよね」

京太郎「…それはまあ、なんとなく」

咏「わかるっしょ? 対策もしてただろうし、予選から打っていく過程で調整していったとは思うけどー」

咏「直接やり合わないとわっかんねーことってあるじゃん? 知らんけど」

照「…男子と実戦で打つべきだった、と?」

咏「今後のことも考えると必須じゃね?と思うけどねぇ」



京太郎「…そうっすね…」

咏「どうすりゃいいんだ、ってとこだろ?知り合いがいるわけでもなし」

咏「…まっ、安心しな。私が話つけとくから」

京太郎「…へ?」

咏「んな素っ頓狂な声出さなくてもいいだろ…顧問とか部長とか経由で情報いくようにしとくから、交流試合も直に組めるさ」

京太郎「な、なんで俺なんかのために」

咏「いや…こんなんだけど一応プロだし?若手発掘は責務っしょ。須賀がプロ行こうか行くまいが、高校麻雀のレベルが上がるならそれに越したことないし」

咏「まあ正直男子の方まで面倒見る義理は無いっちゃ無いけどさぁ…男の同年代は頼りねーし?爺さんたちはフットワーク遅ぇし」

照「…三尋木プロ」

咏「ああやっちったねえ…今のはオフレコでな?な?」

京太郎「あっはい」

287 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:44:24.22 ID:JDP2hIKe0


咏「んじゃそういうわけで…邪魔して悪かったねえ。二人ともがんばんなー」フリフリ







京太郎「き、緊張した…」ヘナヘナ

照(…かわいい)

照「…こういうこともある」

京太郎「いやあ…レアケースでしょう?」

照「そうかな…学校によっては知り合いのプロに直接コーチングしてもらったりとか」

京太郎「知り合いのプロ…だと…」

照(…情報量オーバーしてる)
288 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:45:44.76 ID:JDP2hIKe0

照「…そろそろ、戻ろうか」

京太郎「そんな時間か…そうっすね…」

照「…手、出して」

京太郎「え?はい」スッ

照「……」ギュッ

京太郎「!」

照「…ベストを尽くせるように、おまじない」

京太郎「…照さんからのなら百人力ですね」ハハッ

照「…頑張って」スッ

京太郎「照さんも」

照「うん。…じゃあね」

テクテク バタン






京太郎(…手、)

京太郎(…小さかったな)


京太郎「…よし!」

289 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:47:29.50 ID:JDP2hIKe0





えり「夏のインハイもいよいよ大詰め、女子個人決勝はオーラス一本場。親の福路選手、先程のツモ上がりでわずかな差ですが3位浮上です」

咏「手堅いし冷静だねぇ…えりちゃんもだけどさ」

えり「…何を言い出すんですか」

咏「ラスもラスなんだからテンション高めでお送りしてもいいんじゃね?知らんけど」

えり「…無責任な発言は控えてもらえると助かります。…っとここで愛宕選手早くも聴牌ですが、逆転には足りません。張り替えていきますね」

咏「トップに跳満直撃で逆転だけど…どうなるかねぃ」

えり「トップ目はディフェンディングチャンピオン宮永照、…今のツモで手が進みました、七対子イーシャンテン」

咏「手替り見ながらだろうねぇ…一番難しいところかも」

えり「三尋木プロならどうされますか?」

咏「んー…そもそも僅差の勝負にならないように序盤でぶっ飛ばすかな!」ケラケラ

えり「…ありがとうございました」イラッ

咏「いやえりちゃんキレてるけどね、これはマジ。こういう細かいこと考えるとあったま痛くなってほんっとに嫌だから、なるべくこういうシチュエーションにならないような打ち回しになるわけでさ…えりちゃん?」

えり「…ツモは七巡目に入りました」

290 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:48:44.77 ID:JDP2hIKe0


咲「……」

咲(カンはできる…けど、有効牌が来ない)

咲(ここまで来たんだから…!)コトン

照「ポン」

咲「!」


咲(…ちょっと焦っちゃった。でも手が進んじゃったのは事実)

咲(急ぐしかない…)スッ

咲(この牌!ここでっ)

咲「カン!」カチャッ コトン
スッ

咲(これで一向聴、…行くしか)コトン

「ロン」

咲「!」



照「…2900」
291 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2021/01/31(日) 23:50:45.31 ID:JDP2hIKe0
こーこちゃんって基本叫ばせればいいから書くの楽なんだと実感
2月中に書き溜められればというところです
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/31(日) 23:51:14.37 ID:hNNXmqnco
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/01(月) 08:34:28.35 ID:j7cjVNNA0
乙ー
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/03(水) 07:19:28.19 ID:IHocml8z0
おつ!
ほんと丁寧で面白い…キャラのやりとりがすごい魅力的だ
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/04(木) 05:32:10.60 ID:LZ17KwN20
男子麻雀が単に女子より下なんじゃなく競技の質自体が違う感じの扱いなの好き
チーム虎姫で揉まれてたからと言ってそれだけでイケる訳でもないと
296 : ◆oiHx77pVqQ [saga sage]:2021/03/29(月) 18:04:08.09 ID:6BMJTt/Go
空いて申し訳ありません
書き溜めは少々ありますが多忙ゆえ投稿来週以降になります
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 11:49:35.18 ID:T/R2U1iNo
まっ照
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/28(月) 19:03:51.40 ID:Z+Kgt4cMo
3ヶ月経ってしまったか
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/05(木) 01:55:24.24 ID:afdj8odZo
まだまだまっ照
300 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 00:50:46.01 ID:lCIlMwEA0

えり『決まりました!最後は落ち着いた和了りでディフェンディングチャンピオン宮永照、貫禄の連覇達成です!』

咏『やるねー。えりちゃんもやればできるじゃん』パタパタ





洋榎「…あー、間に合わんやったか。カンのおかげで手牌キラッキラやったんに、残念やわ」

美穂子「お疲れ様でした。…牌が光るの…?どういうことかしら」

洋榎「自分、ネト麻とかせえへん?わかりやすいようにか知らんけど、たいていドラはキラキラ光って表示されてるんや」

美穂子「まあ!そうなの。わたし…機械の類とは本当に相性が悪くて」

洋榎「はーそらもったいないわ。多分ネト麻でもええ成績出せるで?きっとうちとも勝負になるわ」

美穂子「華菜に相談すればなんとかなるかしら…」



301 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 00:51:58.30 ID:lCIlMwEA0

照「…ありがとうございました」ペコリ

洋榎「チャンピオン!…やっぱ強いな。この先考えると気が重いわ」

照「…愛宕さんも。逆転手作っていたから私も急ぐしかなかった」

洋榎「あちゃー、バレとったんか…うちもまだまだやな、うん」

洋榎「…っし、あんたのこと『チャンピオン』って呼ぶの辞めるわ。そんなんやからいつまでも勝てへん」

照「……?」

洋榎「なに怪訝そうな顔しとるんや、当然プロ行くんやろ?いつか追いついて、追い越したる。楽しみにしとき、宮永」フンス

照「……うん」
302 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 00:53:13.67 ID:lCIlMwEA0


美穂子「宮永さんには県予選のリベンジ、決められちゃったわね」フフッ

咲「……あっ、私か。そんな、たまたまです」

美穂子「…そう!二人とも宮永さんなのね!今気がついたわ」パチン

洋榎「ほんま、珍しいこともあるもんやなー。1、2フィニッシュやし。うちらW宮永に負けてしもたんや」

咲「あ、あはは…」

照「……」
303 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 00:53:56.48 ID:lCIlMwEA0

>これより閉会式ならびに表彰式が行われます。選手の皆さんは…



美穂子「名残惜しいけど、移動しなきゃね」

洋榎「くよくよせんで胸張っていくで!あっ、宮永はそら胸張れるわな…」

美穂子「変なこと言ったらダメよ」メッ

洋榎「堪忍な!ほな行くで」

テクテク

咲「……」

照「……行こうか」

咲「!」

照「…また、ね」
テクテク

咲(…はっ、置いてかれたらまた迷子になっちゃう!)ダッ




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
304 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 00:57:12.72 ID:lCIlMwEA0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


都内 某駅前



京太郎「…日陰でこの暑さなのはヤバいっすね」パタパタ

菫「…ああ。十日連続で真夏日だとかなんとか」

京太郎「温暖化の影響ですか」

菫「どうだろうな…ん?」ブー

菫「…亦野からだ、席が取れたらしい」

京太郎「こっちも…着いたみたいですよ」

305 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 00:58:24.11 ID:lCIlMwEA0

?「京ちゃん!」

京太郎「走んなって咲…コケたらどうすんだ」

咲「ちょっと駆け寄っただけじゃない…なに、過保護?」

京太郎「危なっかしいじゃん」

咲「私だっていつまでも子供じゃないんだよーだ」

菫「…二人とも仲が良いようで結構」

咲「ご、ごめんなさい。……あの!」

菫「なんだ?」

咲「…姉が、お世話になってます」ペコリ

菫「いや…それはこちらこそだな」フッ
306 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 00:59:34.19 ID:lCIlMwEA0

まこ「…話には聞いとったが、おんしが『京ちゃん』か、なるほどのう…」

京太郎「須賀京太郎です。染谷まこさんですよね?」ペコ

まこ「お、ご丁寧にお名前までどうも」ペコ

咲「…『なるほど』ってどういうことですか」

まこ「なるほどはなるほどじゃ、それ以上でも以下でもないわ。しかし…ふぅーん…」

京太郎「…俺の顔なにか付いてます?」

まこ「いーや。後でよーく報告するよう言われとるから」

咲「はあ…部長の差し金かぁ」

まこ「人聞きの悪い…一応心配はしとったぞ、半分は興味本位じゃろうけど」

咲「ほらやっぱり!」
307 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:00:57.36 ID:lCIlMwEA0

京太郎「…それはともかく、清澄高校の優勝、おめでとうございます。あと咲の準優勝も」

咲「…ありがとう。京ちゃんも…7位だっけ。入賞おめでとう」

京太郎「よく覚えてんじゃん」

咲「帰ってから京ちゃんの試合の映像見返したんだから」

京太郎「…それはどうも」

咲「…照れてる?」

京太郎「…ミスもあったしなぁ。正直見返したくないとこも」

咲「頑張ってたと思うけどね」
308 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:02:37.25 ID:lCIlMwEA0

菫「さて時間のこともあるし、そろそろ移動しようと思うんだが」

京太郎「そっすね、待たせてますし。早く涼みたいし」

咲「私は京ちゃんに着いて行けばいいのかな?」

京太郎「迷子になるなよ」

咲「さすがに誰かと一緒なら大丈夫だもん」プクー

まこ「…須賀君も苦労しとったんか」

京太郎「…心中お察しします」

咲「もう!」
309 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:04:00.97 ID:lCIlMwEA0



まこ「で…わしはどうすれば?」

菫「染谷さんは私にご同行願おうか」

京太郎「…先輩、それじゃ容疑者引っ立てる刑事ですよ」

まこ「…お礼参りされるのか?もしかして最初から罠?」

京太郎「なーんも心配ありませんから!ね!じゃ行くぞ咲」

咲「…ご武運を」グッ

まこ「えっ…待って」

菫「ダ、メ」ムンズ

>イヤーッ! サキーッ!


スタスタ
京太郎「…冗談も度が過ぎるとまずいな」

咲「…私をからかった罰だよ」フフン

京太郎「知らんけどよ、世話になってる先輩だろ?」

咲「それはそれ、これはこれ。…で、どこに連れてってくれるの?」

京太郎「ん…雀荘」



310 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:05:34.62 ID:lCIlMwEA0

「いらっしゃいませー」

京太郎「あの、須賀で部屋を予約してるんですが」

「確認しますね。……はい、三名様でご予約の須賀様ですね。お一人すでにお待ちですので、ご案内いたします」

スタスタ
京太郎「…緊張する?」

咲「…ちょっとね」

京太郎「そう…」

咲「…京ちゃんもでしょ?」

京太郎「…バレた?」

咲「まあね。なんで?」

京太郎「…なんでだろうな」ハハッ

咲「…ねえ京ちゃん」

京太郎「ん?」

咲「ありがとうね」

京太郎「…まだ早いって」

ガチャッ ギィッ
311 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:07:29.77 ID:lCIlMwEA0




照「……お疲れ様」パタン

京太郎「お待たせ、しました」

咲「……」オズオズ

照「暑かった?…飲み物、来るから」

コンコン ガチャッ
>失礼します、オレンジジュース3つですねー


京太郎「ありがとうございまーす」
312 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:08:16.33 ID:lCIlMwEA0
ガチャッ


京太郎「…咲も座ったら?」

咲「…うん」

京太郎「俺たちを待っててくれたんですね、先に飲んでてもよかったのに」コトン コトン

照「…一緒じゃないと意味がないから。それに」ガサッ

京太郎「ああ…その荷物、やっぱり食べ物だったんですね」

照「ケーキ。持ち込み可なのは確認済み」グッ

京太郎「さっすが」
313 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:09:04.87 ID:lCIlMwEA0

照「……咲」

咲「!」ビクッ

照「来てくれて、ありがとう」

咲「…ううん、こちらこそ」

京太郎「…固いなー」

咲「し、仕方ないでしょ?」

照「仕方ない。私も緊張してる」

咲「…そう、なの?」

照「そう」

京太郎「いつも通りに見えますけど」

照「…そう、見えるだけ」

314 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:10:29.48 ID:lCIlMwEA0

照「で……麻雀、しようか」

京太郎「…唐突っすね」

照「…京ちゃんは知ってるでしょ」

京太郎「いやあ…前置きかなにかあるのかと」

照「でも打ちたいでしょう?」

京太郎「まあそれは」

咲「だいたいここまで来て麻雀しないわけないもんね」

照「それはそう。…この三人で打つことが大事、だと思ったから」

京太郎「…ケーキはどうしますか」

照「……先に食べていい?」




照「おいひい」モックモック

京太郎「オレンジジュースの酸味とこのチョコレートがよくマッチしてますね。さすが照さん」

照「ぶい」

咲(…京ちゃんこんなんだったっけ?……おいし)モグモグ


315 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:12:10.66 ID:lCIlMwEA0


咲「…ポン」カタン スッ
コトン

京太郎「ロン、3900」パタン

咲「はい。……上手くなったね、京ちゃん」

京太郎「…うっす」

咲「…京ちゃんが敬語っぽいの、なんかむず痒い」

京太郎「それはもうしゃーないのよ、照さんにタメ口で話すと示しつかなくなるだろ?」

照「…敬語でなく話す子もいるけど」

京太郎「ああ…俺はあそこまで振り切れないなあ。ほら、咲と決勝で相手した金髪の」

咲「ああ…」

照「…いい子だよ?」

京太郎「…悪い奴じゃないんだ、ちょっと調子乗りがちで向こうみずだけど」

咲「大丈夫、ちょっと怖かったけど」

京太郎「迷惑かけたな」

咲「…京ちゃんが言うのは、なんか嫌」プクー

京太郎「えぇ…」

照「……」
316 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:14:41.11 ID:lCIlMwEA0


照「…ツモ」

京太郎「速いっすよ」チャラッ

照「和了れるときは、ちゃんと拾わないとね」

咲「……頑張ろう」チャラッ

京太郎「ほどほどに頼むわ」

咲「京ちゃんにダメージがないくらいね」

京太郎「こうやって打ってた頃はそんなこと考えもしなかったけどなあ」

照「…楽しく打ってたから。……楽しかった?」

京太郎「そりゃあもちろん。…未練が残るくらいには、ですね」

咲「……ポン」カチャッ

京太郎「おっ、特急券」

咲「とりあえずね」コトン
317 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:23:55.31 ID:lCIlMwEA0
照「……」

京太郎「照さん?」

照「…だから、まず京ちゃんに謝りたかった」

咲「そう、だね」

京太郎「俺?」

照「うん。私たちのことに巻き込んだのはまだしも、京ちゃんは何も悪くないから」

照「それをまず伝えたかった」

京太郎「……」
318 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:25:17.06 ID:lCIlMwEA0


咲「…改めて言うけど、ありがとう京ちゃん」

京太郎「な、なに咲まで」

咲「京ちゃんが諦めないでいてくれたから、またこうやって卓を囲めるんだよ」

照「本当に、そう」

京太郎「……」

照「ありがとう、京ちゃん」


京太郎「……」

咲「…泣くのはまだ早いよ、京ちゃん」

京太郎「バッ、泣いてねぇし!…ズズッ……あーもう…」

照「…京ちゃん」

京太郎「…あぁ、情けねーっすねホント。はー恥ずかし」

照「これでおあいこ」

京太郎「…そっすね」

咲「えっ?」

照「あっ。…秘密」

咲「……もう」

319 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:26:48.80 ID:lCIlMwEA0






京太郎「ポン」カチャッ

咲「はやいなあ」

京太郎「つって咲の手も進んでんだろ?」

咲「さて、どうでしょう」コトン

照「……」コトン


京太郎「テンパイ」

咲「テンパイ」

照「テンパイ」

京太郎「あぁ…単騎待ちで握られたか」

照「うん。前打った時とおなじだよね」

京太郎「…あー、わかりますよね流石に」

咲「…二人でわかんない話するのやめてくださーい」

照「……ごめん」
320 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:28:33.99 ID:lCIlMwEA0

京太郎「…そっか、咲には言ってなかったな。俺のこと」

咲「京ちゃんの? なんかしてるのが分かるってのじゃなくて?」

京太郎「そっちじゃなくて。…咲にも関係あるけどな」

咲「私?」

照「咲から学んだって言ってもいいんじゃないかな」

京太郎「そっすね。多分」

咲「多分?……何か教えたっけ」
321 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:30:26.19 ID:lCIlMwEA0

照「…咲のところにはカン材が集まる。そして王牌が見える。これが咲の出来ること。そうだよね?」プラマイゼロモアルケド

咲「うん。あっ、カン」カチャッ

京太郎「…片手間でカンするのやめてくれる?」

咲「つい」テヘ


照「京ちゃんができるようになったことは、それと近い部分がある」スッ

照「咲みたいに牌を引き寄せるような運はない。…けど来るかどうかは分かる」カチャッ カチャッ

咲「…合ってるの、京ちゃん」

京太郎「そりゃあ照さんは『見てる』んだから」

照「直接尋ねてないから推測だけど、鳴きがない場合に将来何かしらのカンができる時にそれが『分かる』。いつその牌が来るかは分からない」コトン

京太郎「…百点です。ぐうの音も出ない」

咲「…あ、だから前より鳴きが増えたんだ」

京太郎「そう。咲みたく嶺上開花できるかって言えばそんなことないし、他家に鳴かれても来るような運もない。でも不完全ではあるけど牌は集めやすいわけだろ?」
322 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:32:11.30 ID:lCIlMwEA0

照「あれは…そう、みんなで雀荘に行った時だよね」

京太郎「…よく覚えてますね」

照「何度か練習で同卓はするから、京ちゃんの新しい力に関しては把握できてた。菫には報告しそびれたけど」

京太郎「…さっきの部長のことな」

咲「あ、うん」

照「そう…あの時私から直撃を取ったんだよね、きちんと狙って」

京太郎「照さんからになったのは運もありましたけどね、一応」

咲「うん…話が見えるような、そうでもないような」

照「ちゃんと説明すればわかる。……あの時京ちゃんの手元に白が来て、それがカンできるって察知した。合ってる?」

京太郎「はい。対子にまでなって、そこで他家が鳴いてズラされました」

照「ズレると他の手も読めるから割と嬉しいんだと思うけどね」

咲「…あぁ!なるほど…自分の元に四枚来るはずだった牌が、誰の手元にあるかなんとなく読めるってこと?」

京太郎「何巡目に来るかは分からんから正確じゃないけどな。可能性が増える感じ」
323 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:33:24.58 ID:lCIlMwEA0

照「三枚目の白が出て、鳴いたらテンパイだったんだけど京ちゃんはスルー。代わりに他を鳴いて白待ちにした。4枚目の白が私のところに来るように」ポン

京太郎「東一だったから出してくれないかなと祈りも込めてですね」カチャッ コトン

照「ロン」パラララ

京太郎「…あちゃー」



咲「…じゃあ、私と練習したのも無駄じゃなかったんだ」

京太郎「無駄なんてとんでもない。もちろん龍門淵でみっちりデジタル打ちを身につけられたのも良かったんだけど、そのハイブリッドでどうにかやってきたようなもんだし」

京太郎「まあ、勝ち負けだけの話じゃなくてさ…」

照「…私が、それを見たから」

咲「…えっ?」

照「京ちゃんの中に、咲を見つけたから」
324 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 01:34:40.94 ID:lCIlMwEA0

照「わたしは怖がってばかりだったのに、京ちゃんも咲も行動していた。会いたい、って気持ちを強く感じた。それも…大きかったと思う」

咲「……」

京太郎「…咲?」

咲「…そんなの、ズルいよ…」グシグシ

咲「…わたし、何もできないって思ってた」

照「…ごめんね、咲」

咲「うん……うん」





325 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 21:54:39.19 ID:lCIlMwEA0


咲「…ツモ」パララララ

京太郎「普通に和了るじゃん!あーやられた」

照「…強くなったね、咲」

咲「まだまだだよ」フフッ

京太郎「いやー敵いませんなあ」ハッハッハ

咲「……私も私なりに頑張ってここに来たから、ね」

京太郎「ん。そうだな」

咲「…そうやって普通に返すのは違うじゃん!」ポカポカ

京太郎「いたいいたい」

咲「うー…」

照「……」フッ

咲「お姉ちゃん!今笑ったでしょ!」

照「見間違えじゃないかな」スンッ
326 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 22:22:49.59 ID:lCIlMwEA0

京太郎「…ははっ」

咲「…んもう。楽しくなってきちゃった」



照「久しぶり…だね」

咲「ほんと。もうこんな日は来ないって思ってた」

京太郎「でも、来た」

咲「うん。……ありがとう」

京太郎「…じゃ、もう一局行きますか」

327 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 22:35:46.58 ID:lCIlMwEA0







咲「え、先輩帰っちゃったんですか!」

菫「なんか呼び出しがあったとかでね。ちゃんと送って行くから安心して」

咲「あー……部長なら仕方ないです」


京太郎「…実際のところは?」ヒソヒソ

誠子「咲さんに気を遣って、ね。送ってもらえるかな?」ヒソヒソ

京太郎「…了解っす」ヒソヒソ

誠子「電車賃は部費で賄うから、領収書をもらうかメモ書きにするのを忘れないように」

京太郎「あっはい」
328 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 22:53:06.23 ID:lCIlMwEA0


照「私は」

菫「居残り組にお菓子買って帰るから一緒に選んでくれるか」

照「行こう」

京太郎(ちょろい)

咲(ちょろい…お姉ちゃん)



京太郎「じゃあ、任されましたので」

菫「うん。頼んだ」

照「…咲」

咲「お姉ちゃん。……この夏にとは言わないけど、休みにでも帰ってきてね。お父さんもきっと喜ぶから」

照「…そうだね」

京太郎「…俺が一緒の方がいいかも」

咲「…それは、そうかも」

照「!……反駁の余地がない。京ちゃん、後で予定を相談しようね」

菫「切り替えが早い」
329 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 22:55:18.20 ID:lCIlMwEA0

咲「それでは、…みなさんたいへんお世話になりました。今後とも姉をよろしくお願いします」ペコリ

京太郎「…っす」ペコリ

誠子「なんでお前が頭下げてんだ須賀」

京太郎「つい」テヘ

照「よろしくねみんな」テルーン

菫「あ、ああ」





330 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/09/13(月) 23:48:20.11 ID:lCIlMwEA0




ガタンゴトン ガタンゴトン

咲「…人多いね、東京」

京太郎「まあなー、白糸台はもう少し田舎だけど。疲れた?」

咲「そうだね。あと暑い」

京太郎「それ。朝から暑いのよ……今思えば長野は涼しかったんだなって」ハッ

咲「そうかも」フフッ

331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 20:11:41.90 ID:1cRMBzfxo
復活してら
乙やで〜
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 04:07:17.39 ID:/aN/DxnB0
来てたー!おかえりなさいませ!
相変わらずキャラのやりとりにみんなすごくしっくりくる空気感があってほんと好き
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 12:25:05.99 ID:K8jtZ2dyo

生きとったんかワレ!
334 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:14:39.03 ID:y4S6iuVL0

咲「…京ちゃんは座んないの?」

京太郎「そんな長い時間でもないし、立ちっぱなしでもいけるっしょ」

咲「…そう?」

京太郎「座ったほうがいいか?」

咲「…イヤじゃなければだけど。隣りに知らない人が来ちゃうと…ちょっとこわい」

京太郎「それもそうか。なら…よっと、お邪魔します」ヨイショ

咲「ふふっ…お邪魔されました」

京太郎「なんだよそれ」

咲「なーんでも」
335 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:15:37.38 ID:y4S6iuVL0

咲「そうだ、ガム食べる?」

京太郎「いいね。何味?」

咲「なんだっけ、ピンク色…ベリー系? はいどうぞ」

京太郎「はいどうも」

咲「…実は今日のために買ったんだよね」

京太郎「…なに、ガム?」

咲「うん。お姉ちゃんと会話が行き詰まったら渡そうかなぁって」

京太郎「…それはちょっとおもろいかも」

咲「お、おもろい…かぁ…」

京太郎「まぁ、渡す機会なくてよかったじゃん。点棒の代わりにするくらいでさ」

咲「…怒られちゃうよ」フフッ
336 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:17:48.26 ID:y4S6iuVL0

京太郎「そういやさ」

咲「なぁに?」

京太郎「龍門淵の人と結構仲良いじゃん。思った以上」

咲「そうかな。普通じゃない?」

京太郎「いやまぁ…普通の人なら普通なんだけどさ。咲だし」

咲「えー……まあね。しょうがないと思うよ」

京太郎「素直じゃん」

咲「『己を知れば百戦危うからず』って言うじゃない?」

京太郎「…自己分析が大事ってことか?」

咲「そんなところ。京ちゃん良く勉強してるじゃん」

京太郎「漢文だろ?」

咲「そう。…なんか嬉しいね」

京太郎「なにが?」

咲「同じこと勉強してるでしょ…遠くにいても。クラスメートみたいに、話せる」

京太郎「なるほどね。確かに」
337 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:19:04.73 ID:y4S6iuVL0

京太郎「ほら、自分のほうから話しかけて俺のこと言ってたって聞いたからさ」

咲「あー…そうだったかも」

京太郎「どういう風の吹き回しかって思ったわ。でもさ」

咲「うん」

京太郎「なんなら自分から麻雀部に入るって言いだしたときから、か……なんていうの、しっかりしたなぁって」

咲「私?そう?」

京太郎「おう。…おどおどしなくなったっていうかさ」

咲「うーん…慣れるのって大事だなぁって気づいたかも。思い切ってやってみたら案外怖くなかった、的な?」

京太郎「……」スッ ナデナデ

咲「ふみゅっ」

京太郎「頑張ったな」

咲「……うん」プイッ
338 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:20:03.70 ID:y4S6iuVL0


咲「…もう!そうやって女の子たちを誑かしてるんでしょ!」

京太郎「誑かすって……いや、よっぽど親しくないとさすがに」

咲「……お姉ちゃんは?」

京太郎「…えっと」

咲「…わかったから。さっきも出た言えない件」

京太郎「いやまあ…言えないようなことはしてないけど…多分」

咲「多分、ね……」

京太郎「いや、してない!点棒に誓って」

咲「なにそれ…」

339 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:22:05.38 ID:y4S6iuVL0






咲「…まあ、仕方ないか」

咲「京ちゃん、昔からお姉ちゃんのこと好きだし」












京太郎「……えっ?」


340 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:24:00.40 ID:y4S6iuVL0


咲「…『えっ』じゃないよ。なに、自分の気持ちにすら鈍感だってこと?」

京太郎「えっ、いや、……いやそんな」

咲「じゃあ訊くけど、胸に手を当てて考えて。最近だって、お姉ちゃんのこと可愛いって思ったことあるでしょ」

京太郎「……」

咲「一回だけじゃないよね」

京太郎「……」

咲「昔から可愛いって思ってたでしょ」

京太郎「…俺、責められてんの?」

咲「違うけど……ある意味では」

京太郎「え?」

咲「…それは置いといて、何なら自分よりお姉ちゃんの方が大切だと思ってる」

京太郎「……それは」コクン

咲「何でもしたいと思ってる。……そのくらい大切で、可愛くてしょうがない人、普通は『好き』って言うと思うよ」
341 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:24:41.60 ID:y4S6iuVL0


京太郎「可愛くてって…」

咲「かわいいでしょ、お姉ちゃん」

京太郎「……まあ」

咲「『まあ』じゃないよ、ほんとに…」

京太郎「…咲から見ても、そう見える?」

咲「好きで追いかけて行ったってこと?…まあ、そう見られてもおかしくないよね、とは」

京太郎「そう、か…」

咲「今までも言われたんだ」

京太郎「事情知ってる人から、何度かね」

咲「事情知ってるって、龍門渕のみんなとそっちの部長さんくらいじゃないの」

京太郎「そうだな。…そうだわ」

咲「それで?」

京太郎「…そんなんじゃないって、その度説明してきた」

342 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:25:56.91 ID:y4S6iuVL0


京太郎「え、なんつーか……俺って最低じゃね?」

咲「…どうして?」

京太郎「上手く言えないけどさ……結局俺自身のために行動してただけじゃないかって」

咲「…そんなことないよ、って言うのは簡単だけど」

咲「そうやって自分を責めて欲しいわけじゃないのは分かってくれると思うけど、……何より京ちゃんは私たちのために動いてたよ」

咲「京ちゃんがいなかったら、こうやって仲直りできてないんだから。自信持っていいんだよ」

京太郎「…はあ、咲から慰められるとか世も末よ」

咲「…無理しなくていいから」

京太郎「…ありがとな」

咲「どういたしまして」

343 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:27:04.59 ID:y4S6iuVL0


咲「で、なんですけど」

京太郎「あっはい」

咲「実際どうなの?」

京太郎「……だいたい照さんが」

咲「お姉ちゃんがどう思ってるかは一回置いとこう」

京太郎「……なんか納得した、っていうか」

咲「…納得?」

京太郎「自分の行動とか感情とか振り返ってみて…そういう気持ちがあってのことだとしてもおかしくない、もっと言えばそれで説明できるってことね。そう気付かされた」

咲「…なんか理屈っぽい。男子ってそうなの?」

京太郎「どうだろ。俺が頭でっかちなだけかも知れん」

344 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:28:46.70 ID:y4S6iuVL0

咲「そういう話、友達としないの?」

京太郎「咲から友達という発想が出るとは」

咲「怒りますよ?」

京太郎「…わりーわりー」

咲「もう…」

京太郎「無くは無かったけど…なんだっけ、『今は部活が大事』とかなんとかはぐらかした気がする」

京太郎「いや…実際そうだったんだよね、全国決まったすぐ後くらいでさ。自分のこともそうだし、チームのためにできることはやろうって…」

咲「頑張ったんだ」

京太郎「自分なりにね。出来たかどうか知らんが」

345 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/10/31(日) 23:29:18.06 ID:y4S6iuVL0


咲「お姉ちゃんのために?」

京太郎「…まあ、それはそうなんすよね。約束しただろ?」

咲「うん。…やっぱり京ちゃんはすごいや」

京太郎「どうした急に」

咲「…改めてそう思っただけ。だから…」

京太郎「だから?」

咲「…ううん、なんでもない」

>キンコーン 次は〜

咲「あっ、降りなきゃ」スッ

京太郎「…次の駅だぞ」

咲「えっ」

京太郎「咲さんさぁ…」

咲「…えへへ」テヘペロッ
346 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/01(月) 00:14:29.00 ID:iLgLdMEY0

京太郎「ほんと、俺無しでよくやってるよ」

咲「……そうだよ。頑張ってるんだから。京ちゃんのおかげで」

京太郎「…俺のおかげ?どういうこと?」

咲「…ヒミツ。それは自分で考えてよニブチンさん」

京太郎「なんだよそれ…」

京太郎「…ああ、照さんのことは持ち帰って考えてみるよ。なんていうか、引っ掛かるものは今までもあったからさ」

咲「そう…わかった」

京太郎「あっでも、まだなにも確定じゃないからな。お願いだから先走って照さんに話したりするのはマジで勘弁。普通に死ねる」

咲「…どうしよっかなー」

京太郎「お願いです神様咲様仏様ー!」

咲「…そんなことするわけないじゃない。心配しないで」ニコッ

京太郎「さ、咲様ぁ…」

咲「はいはい、ウザイから辞めてね」

京太郎「ウザい!?咲がそんな言葉を…」

咲「…親じゃないんだから」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 00:55:37.73 ID:eEdP9ree0
乙!
あーー咲さんいじらしい…
好き
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 10:35:31.73 ID:ib4sOvxbo
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/02(火) 17:17:54.21 ID:tRxKRwTUO
このスレ京照も白糸台ももちろんとても可愛いのだけど京咲めっちゃ可愛い
おつ
350 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:07:54.71 ID:gxQy8acc0


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









一「…ご所望のミルクティーをお淹れしました」

透華「ありがとう。…ねえ、少しおしゃべりしていきませんこと?」

一「透華様のお望みとあらば。…エプロンくらい外しても?」

透華「もちろん。自分の飲み物も用意していいですわ」

一「ではお言葉に甘えて」

透華「こちらが冷めないうちに、ね?」

一「…もう、最初からそのつもりだったんじゃん」
カチャン コトン
トプトプトプ
351 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:09:43.55 ID:gxQy8acc0



透華「一は、この夏を楽しめました?」

一「…そりゃ楽しかったよ。大会出れなかったのは本当に残念だけど、…なんていうの、外から見れたのはいい経験になったと思うな。あらよっと」スッ


一「お待たせ、しました」カチャ カチャ チョコン

透華「良い茶葉でしょう?」

一「そうだね…屋敷で淹れるのには及ばないけど」

透華「ふふっ…これは一本、取られましたわ」

352 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:12:49.63 ID:gxQy8acc0


透華「…衣も楽しんでくれていたようで、何よりですわ」

一「そのためにこれまでやってきたからね…あそこのファミレスね」

透華「微笑ましかったですわ。エビフライを頬張る衣」

一「目線が保護者じゃん…ああ、落ち着く香り」

透華「夜分は温かい飲み物がやはりベスト。心地よい眠りには欠かせないですわ」

一「普通は冷たい麦茶でも飲んじゃうところだなあ」

透華「…そうなんですの?」

一「少なくとも昔のボクはそうだったね。住んでる環境から全然違うし比べようがないけど」

透華「でも悪くないでしょう?」

一「それはもちろん」カチャン

353 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:20:11.76 ID:gxQy8acc0

一「衣は…打ちたかっただろうな、とは思う」

透華「そう、ですわね…」

一「でもさ、あの決勝は……あれで良かったと思うんだよね。こんな言い方していいかわかんないけど」

透華「構いませんわ。続きを」

一「去年は…確かに手のつけようがないくらい強かったし、それでいいところまで勝ち上がれて、ボクたちも連れて行ってもらった」

一「けど…怖かった。最初に打った時のを引きずってるって言われればそうかもしれないけど…」

一「でも今は違う」

透華「…今の衣は、麻雀を打っていますわ」

一「そうだね。今は楽しんでると、思う」

透華「…宮永さんには感謝しなければいけませんわ。次は負けませんけど」

一「強気だね。…ボクも同意見だけど」

透華「それでこそ龍門渕四天王、ですわ」

一「…久々聞いたなぁそれ。正直誰も覚えてなさそうだけど」

透華「私たちの実力は一過性の流行り言葉で語れるものではないのですわ」

一「まあね」
354 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:22:42.13 ID:gxQy8acc0


透華「ところで……」

一「…ところで?」

透華「…一、ここでやり残したことはないんですの?」

一「……なんのことかな」

透華「一が一番分かっていると思いますが」

一「……はあ。……まあ透華だし、いいか。別に隠してたつもりじゃないし、言わなかっただけで」

透華「そうなんですの?」

一「まあね。…まずね、やり残したことはなんにも無いんだよ」

透華「えっ。…でも京太郎さんと次いつ会えるかなんて分かりませんわよ」

一「ああもう、伏せてたのに言っちゃった。もう!」

透華「ご、ごめんなさい…?」
355 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:23:32.24 ID:gxQy8acc0

一「まあいいんだよ。いつか透華にはちゃんと言うつもりだったから。……だから他の人には秘密。約束して?」

透華「…指切り、しましょうか?」スッ

一「…なんか透華が言うと冗談に聞こえないな。じゃあ…」スッ

一「指切りげーんまん、嘘ついたーら、…針千本は現実的じゃないよなぁ」

透華「なんでも仰いなさい」フンス

一「…嘘ついたーら、ええと、透華にボクの私服着てもーらう!」

透華「…断じて誰にも明かしませんわ」

一「そんな嫌がらなくていいじゃん…自分で言ったことだけどさあ」

356 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:27:39.49 ID:gxQy8acc0

透華「…とにかく、どう思っていらっしゃるのかしら?京太郎さんのこと」

一「…なんか修羅場めいた台詞だね」

透華「そ、そう?……確かにそうかもしれませんわね…」

一「お嬢様学校で高飛車な同級生に呼び出されて…みたいなね」

透華「…こんなときどう切り込んでいけば分かりませんの。なかなかこんな話をする機会もございませんし…」モジモジ

一「それもそうか」











一「うん、……好きだよ。彼のこと」
357 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:30:01.73 ID:gxQy8acc0




透華「おお…!」パアァァ

一「…なにその反応」

透華「初めて見ましたわ…他人への好意を告白するさまを」

一「そりゃそうでしょうよ。見せ物じゃないんだから」

透華「ね、どこが好きなんですの!?」

一「元気だなあ…さて、どこから話そうかな」
358 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:44:54.54 ID:gxQy8acc0

まあボクたちの環境下で、同世代の男子と接する機会なんてないわけでさ。警戒しちゃうのは仕方ないよね。

でもハギヨシさんが連れてくるっていうんだから、最低限の信頼は置いてたんだよね。見た目ちょっと…軽そうだなって思ったけど。

…思ったより話しやすかったのはそう。礼儀正しかったし、でもいつまでも他人行儀ってわけじゃなくて。

あと印象としては、麻雀にすごく真剣だなぁって。
一局ごとにいろいろ訊ねてきてさ…あんまり必死そうだからボクも真面目に答えるしかできなかったんだけど。


359 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:46:18.39 ID:gxQy8acc0
何日か経って突然聞いてきたんだよね。真面目な顔してさ、
『その鎖…重くないすか?』って。

…なんか可笑しくってさ、吹き出しちゃって。
『笑うなんてひどいじゃないすか、ずっと気になってたんすよ』とかなんとか言ってて、
あ、この子面白いなって。



…ボクの私服を初めて見たときの顔はホント傑作だったよ。目を白黒させてさ……
いやいや、見せるつもりは毛頭なかったんだよ?なんかタイミングが合っちゃっただけで。
その辺りから扱いが今みたいになっちゃったんだけどさ。

でもそういう…丁々発止? そんなやり取りができるのが楽しかったんだよね。
360 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:48:47.28 ID:gxQy8acc0

仲良くなるにつれて…まあこれはボクに限らず龍門渕の他の子もそうだけど、彼の事情もだんだん教えてくれるようになって。
チャンピオンが幼馴染で、追いかけて東京に行くんだって聞いて、
……まあ本人が言ってたのとニュアンスは違うけどさ。
でもそういうことじゃない? ボクはそういうことだとしか受け取れなかった。


そりゃ頑張らないと、とか言いながらすっごいモヤモヤが胸の奥に湧いてきて、

…ああ、これが嫉妬なんだ。
ボク、ついこの前の夏、東京で遠目に見たチャンピオンに妬いてるんだって。


その意味も…すぐに気づくわけで。
361 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:52:12.97 ID:gxQy8acc0

だからって彼を止めたりできない。そんなのただのエゴだし…
だいたい会ってたった数ヶ月、歳が一つ上なだけでたいした人生経験もないボクに、彼の人生に口出しする権利なんてないし、彼のためになるとも思えない。
いくらそれなりに慕ってくれてるとはいえ、さ。



…彼がいよいよ東京行きの準備が忙しくなってこっちに顔を出さなくなってからも、どうにか振り向いてくれないかな、ってボクなりにいろいろ頑張ってはみたんだよね。
こまめに連絡とってさ、ネット麻雀も定期的に打つ約束して、出来るだけ話聞いたりして。
必死?…まあそうかもしれない。なんせ初めてのことだったからね、何もかも。
362 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:53:31.08 ID:gxQy8acc0
でもそうやって話を聞けば聞くほど、彼について知れば知るほど、彼の中にいるチャンピオンと、
その妹の……みんなは知らなかったわけだけど、宮永さんの存在の大きさに気づいちゃったんだよね。



ああ、ボクは二番目にすらなれないんだって。





だから…今のままがいいやって。
三枚目のポジション、誰にも埋められない位置でいようって。
もう…決心してたから。

363 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:54:24.69 ID:gxQy8acc0

透華「一…あなた」

一「頑張らなかったら、もっと楽でいられたのかも。知らなければ……」

一「でもね、後悔はしてないよ。やれることは十分やった。…そうそう」
スタッ テクテク
ガサゴソ

一「ほらこれ」スッ

透華「…京太郎さんとお二人で…いつ撮ったんですの?」

一「みんなで写真撮ったちょっと後にね。思い出くらい貰っても罰は当たらないでしょ」

透華「……いい写真」

一「そう!…なのにさ、あいつ『写真ください』の一言もないんだよ?だから…だから送ってやんない」

透華「……一」
364 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:55:27.24 ID:gxQy8acc0

一「はい!ボクの話はもうおしまい!」パンパン

透華「…私、なんて言えば……そう、感動いたしましたわ!」

一「えぇ…」

透華「一が人知れずそんなに心を痛めていたなんて…人を愛して…こういった話をするのが夢だったとか宣おうとしてた私が恥ずかしいですわ」

一「大袈裟だよ…言っちゃってるしさ」


一「…なら、次は透華が話す番だよね?」

透華「…えっ」

一「なに意外そうな顔してんのさ。恋バナってそういうもんでしょ?お互い持ち寄ってさ」

透華「そ、そうなんですの…?でも私…」
365 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:56:30.23 ID:gxQy8acc0

一「うーん、好きなタイプとかでもいいよ?…好き、とまではいかなくても、格好いいと思うくらいはあるでしょ?」

透華「……難しいですわね」

一「たとえば萩原さん…ハギヨシさんは?」

透華「…身近にいる以上、彼が基準になるといえばそうかもしれませんわね。…執事として95点」

一「満点じゃないんだ」

透華「ハギヨシが満足していないのにこちらで合格点を出すのは失礼でしょう?」

一「…ツッコミたいところはいろいろあるけど、ハギヨシさんのことよくわかってるのはわかった」

366 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/11/04(木) 23:57:50.16 ID:gxQy8acc0

透華「…言い訳でしかありませんが、受けてきた教育の影響は大きいと思いますわ」

一「まあわかんなくはないけど」

透華「それに…龍門渕家を背負って行く以上、自由恋愛が許されるとは到底思えませんの」

一「…それは透華が決めるべきことなんじゃないの、次期当主様?」

透華「…一も言うようになりましたわね……成程」

一「なにが成程なのさ、一人で納得しないでよっ」

透華「いえ……あなたみたいに、いつか私も誰かを愛する時が来るのかしらと」ニコッ

一「……来るといいね」




一「…透華はミーハーで面食いだと思ってたんだけどなあ」

透華「ミーハー…?よく分かりませんが、まずハギヨシ以上に見目麗しくなくてはダメですわ」フンス

一「あっ、そこはそうなんだ…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
367 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2021/11/05(金) 00:00:33.35 ID:2fQC9Q850
や っ と 夏 が 終 わ っ た

3年以上かかってるの笑うしかない
次の投稿はおそらく来月です
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/05(金) 06:52:31.76 ID:ec/D0EZqo
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/05(金) 10:55:31.86 ID:OrqQkdU+o

かなしい
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/09(火) 18:09:13.42 ID:dCyCEnhv0
乙乙はじめちゃんせつねえ…
こうして続いててくれるだけでもほんとありがたいです
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/10(水) 05:32:10.88 ID:a5OJEhIh0
心情描写すごくいい
なあに全然待てるぜ
372 : ◆oiHx77pVqQ [sage]:2022/01/31(月) 00:36:41.62 ID:m5l8PNYao
生存報告
1月中に上げたかったんですが今ひとつまとまらず
諸々忙しい時期ですが早めに来れるように頑張ります
ちなみに里帰り編の予定
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/31(月) 17:46:28.81 ID:JJ/lGAUHO
報告乙、生きてて何より
楽しみに待ってます
374 : ◆oiHx77pVqQ [sage]:2022/03/29(火) 22:18:43.98 ID:AsluJ4e0o
(書いてます、どうかお待ちを)
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/29(火) 23:02:01.23 ID:1HhhPknvO
生存報告乙
待ってますね〜
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/01(金) 01:20:28.31 ID:g04SOX5w0
まだまだ待ってますよ
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/16(月) 15:09:59.39 ID:CQWiEfJco
( ^ω^ 三 ^ω^ )ヒュンヒュン
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/16(木) 19:36:30.62 ID:eTAxUgzXo
( ^ω^ 三 ^ω^ )ヒュンヒュンヒュン
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/23(土) 15:04:13.20 ID:AY2Y8kkKo
( ^ω^ 三 ^ω^ )ヒュンヒュンヒュンヒュン
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 09:26:36.81 ID:dCcaH5HGo
( ^ω^ 三 ^ω^ )ヒュンヒュン
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/23(金) 22:12:09.67 ID:RnZ3kg6zo
(^ω:;.:...
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/12/20(火) 10:44:56.10 ID:WWTI6Q6L0
はい
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/12/01(日) 01:01:48.85 ID:QEtFuilz0
まってる
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