照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「2度も言った!」

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184 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:01:15.40 ID:l8tXnTcfo


ダヴァン(これでテンパイ、と…そして張ってマスね白糸台も)

ダヴァン(リーチすれば逆転も見える)

ダヴァン(なら…悪いデスけど追いつかせてもらいマス!決闘(デュエル)!)

ダヴァン「リーチ」チャラッ









誠子(…釣れた)

185 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:02:31.24 ID:l8tXnTcfo
誠子(私だって鳴かなきゃ和了れないわけじゃないんだ。前は普通に打ってたんだし)

誠子(だから『三鳴きしないと和了できない』っていうミスリードが効くと思った。だけど清澄はそんなの気にしてないみたいだし、どうやらこのメガン・ダヴァンは私が聴牌してると気づいてる)

誠子(…まあ照先輩からそういうことは聞いてたから想定内なんだけど)



誠子(そしてダヴァンは私の撒き餌に引っかかってリーチ。そりゃあ点数上げたいから誰だってそうする。私はしないけど)

誠子(ここで私がするべきは…そう、その牌!)

誠子「チー!」カチャッ






恒子『おおっとぉぉ!亦野選手無駄鳴きで聴牌を外したぁぁ!何を考えているぅぅぅぅ!』

186 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:03:58.57 ID:l8tXnTcfo

ダヴァン(ンナッ!)

ダヴァン(holy sh◯t!…って叫びかけマシタね。銃もWestern Americaも掻き消えて)

ダヴァン(ここは川…デスか)


誠子「ポン!」カチャッ

パシャ

ダヴァン(ナルホド、あのテンパイはdummyの餌だったわけデス)

ダヴァン(あのFisherが落とすはずだった私の和了り牌は他家に流れてしまいマシタ…ベタオリしているようデスし多分出てこナイ)

カチャッ

ダヴァン(…そして、こういう時に来る牌はたいてい“掴まされた”ヤツなんデスよ)

コトン

誠子「ロンッ!」
パシャン

ダヴァン(……ヤレヤレ、私もマダマダってところデスね、これはサトハから一喝もらっても仕方がナイ)



187 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:06:12.23 ID:l8tXnTcfo




ガチャ
誠子「…ただいま戻りました」

京太郎「先輩!やりましたねっ!」ガタッ

照「…よかったよ。本当によかった」パチパチ

菫「ああ、今までで一番いい打ちっぷりだった。点数どうこうではなくてね」

誠子「そ、そうっすか?」



尭深「…誠子ちゃん」

誠子「任せろって言ったでしょ?」

尭深「……」グスン

誠子「尭深、泣くなって」ポンポン

尭深「そんなこと…言ったって」ヒッグヒッグ

誠子「あーよしよし」

188 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:08:49.46 ID:l8tXnTcfo
堯深「重ね重ねご迷惑かけました」フカブカ

誠子「気にすんなって。落ち着いて良かった」

堯深「お茶、淹れるね」

誠子「ありがと。…淡はもう出たんですね」

菫「途中で会わなかったのか?」

照「お手洗い寄っていくって言ってたから」

誠子「ああ、それで…まあ淡は迷子にはならないでしょう」

菫「それはそう。淡はな」

照「……」


189 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:09:46.68 ID:l8tXnTcfo
京太郎「それはともかく、淡は大丈夫ですかね」

菫「…というと?」

京太郎「朝も様子が少しおかしかったじゃないですか。帰ってきたら持ち直してましたけど」

誠子「あの…そのことなんですけど」

菫「なんだ?」

誠子「あいつに訊ねても『大丈夫』としか返ってこなかったんですが…どうも一昨日のことを引きずってるようで」

尭深「一昨日…?」

照「私が話したこと。だよね?」

誠子「…はい」

照「…そうだと思った」








淡「……」テクテク
190 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:10:18.01 ID:l8tXnTcfo


淡「……」スタスタ

淡(…亦野先輩に会わなくてよかった)

淡(だって全然見てなかったし。…先輩が何点取られようが取ろうが関係ない。私が勝てばいいんだもん)

淡(そう…宮永咲に)






191 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:11:17.27 ID:l8tXnTcfo

菫「どういうことだ?」

照「昨日淡の最終調整に付き合ったんだけど…とても気合いが入ってて」

尭深「それは確かに…すごく熱心そうでしたけど」

照「うん。何かに急かされているような、誰かより何がなんでも強くなりたいっていう貪欲さ」

照「私の前だから口に出しては言わないけど、その相手は咲だった」

京太郎「あの話を聞いて?…なんで咲なんか」




192 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:12:05.24 ID:l8tXnTcfo






淡(…勝つ)

淡(私よりも先にきょーたろーと会ってて、きょーたろーのこと知ってて)

淡(そんなの許さない)

淡(きょーたろーは白糸台の子なんだから)

淡(だから…私の居場所を取らないで!)
カツカツカツ



193 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:13:01.38 ID:l8tXnTcfo


誠子「…まあ、あいつ須賀に結構懐いてただろ?宮永先輩にもさ…妹分みたいな感じ」

京太郎「んまあ…そっすね」

誠子「だから自分の立ち位置が危ういと思ったんじゃないかな。ライバル視、っていうか。それにあいつ、気に食わなかったら麻雀でぶっ飛ばすって思考パターンじゃん?」

菫「それはそうだな」






淡(だからぜったいぶっ飛ばす。どうにもならなくなるまでぶっ潰す)



194 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:13:41.04 ID:l8tXnTcfo


照「…対抗心を燃やすのは悪いことじゃない…勝負だから。強い気持ちに結果が伴うこともある」

照「でも麻雀って四人でするものだから。視野が狭くなってなければいいけど」





淡(そして優勝も私がもらう。私なら取れる!)
バァーン


ガチャ ギギギギギ


195 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:14:27.19 ID:l8tXnTcfo

ネリー「遅かったね。待ちくたびれちゃった」

穏乃「ぃよぉーっし!打つぞー!」

咲「……よろしくお願いします」


淡「…よろしく」ギロッ

咲「……」

ネリー「怖い顔して。緊張してるのかな」

淡「違うっ」ガルルル

穏乃「まあまあ、とにかく打ちましょー?この四人で打つなんて二度とないかもしれないし。一期一会!」

淡「…そうだね。早く打と」ガタッ

ネリー「フフッ」

咲「……」



196 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:15:52.48 ID:l8tXnTcfo

淡「…リーチ」チャラッ


恒子『まさしく電光石火、東一からダブルリーチだーっ!』


淡(まずは力を見せつける。…ゼツボウしちゃえ)

コトン コトン

淡「カンッ」カチャッ
コトン

恒子『おーっと、なんと槓ドラモロ乗りだー!』

健夜『準決勝では裏が乗ってましたが、もし乗るとすれば』

197 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:16:47.18 ID:l8tXnTcfo




パシッ
淡「…ツ、モ」パララッ

恒子『その裏が…乗っているー!大星淡いきなり三倍満ツモ!大幅に突き放したーっ!』






ネリー(…やるね。予想以上)

ネリー(想定内ではあるけどね…今は我慢)



穏乃(…準決勝の時とも雰囲気が違う)

穏乃(星空?…ううん、これは宇宙そのもの)

穏乃(…もっと高く登らなきゃ、手が届かない!)



咲(……なるほど)
198 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:18:13.67 ID:l8tXnTcfo

淡「……」コトン

恒子『おっとー?今度はダブリーせずに聴牌外し!』

健夜『なにかやろうとしてますね』


淡「ポン」カチャッ

ネリー(白ポン…丁度いい、捨てておこう)コトン

淡「カンッ」

ネリー「え」

淡「…ツモ」




恒子『これは驚いたー!決勝卓で嶺上開花を咲かせたのは、なんと大星淡!』

健夜『…なるほど』



199 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:19:24.45 ID:l8tXnTcfo



誠子「淡…お前嶺上開花もできるのか」

照「……」

菫「目先を変えるのは悪くはないが…しかし」

尭深「意識し過ぎ、ですか」

菫「まあ…わざわざ見せつけたんだからな。それに安くなってちゃあまり効果的とは」

京太郎(たまたま出来たっていう可能性を考えないところ、信頼されてるというかなんというか)



200 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:20:15.71 ID:l8tXnTcfo

穏乃(…すっご!宮永さんだけじゃなかったんだ)

穏乃(でもでも…私もこの場所でなら追いつける!そんな気がする)


ネリー(…やられた。さほど高くないから助かったけど)

ネリー(まったく、メグがもっとしっかりしてれば楽だったのにさ…追いかける方が楽しいけど)

ネリー(でもネリーだってできることとできないことがあるんだから、あんまり抵抗しないでほしいなぁ)

ネリー(…ここからはネリーのターンだからね)フフン



咲(……)

咲(…ふぅん)


201 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:21:43.25 ID:l8tXnTcfo


淡(よし、これで私の親番!)

淡(…あれ、テンパイ…じゃない)




ネリー(今日の波はこの最序盤、そして第二波だってある)

ネリー(…あんまりしょっちゅうは出したくないけどね、この感じ)

ネリー(とにかくここで白糸台を削る。邪魔したりしないよね…ミヤナガサキ)

ネリー「ツモ」




202 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:22:46.64 ID:l8tXnTcfo


淡(またテンパイじゃない…こっちのちっこいのが邪魔してるのか)

淡(困るんだよねそういうの。私は宮永咲を倒したいだけ)コトン



淡(これで…ポンしたらカン、リンシャンカイホー。これぞカンペキ、なんちゃって)テヘ

穏乃「……」コトン

淡「ポンッ」カチャッ コトン

ネリー「それ、ロンだよ。よそ見してた?」

淡「…は?」



203 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:23:35.43 ID:l8tXnTcfo

恒子『ネリー選手、二局続けて三倍満ンンンン!ラスから一気に白糸台に肉薄してきたぁぁぁっ!』

健夜『肉薄は言い過ぎかな…跳満直撃で逆転ですね』

恒子『そんな小さいこと気にするからすこやんモテないんだ』

健夜『小さくないからね!?実況だよ実況!自覚してるの!?』




尭深「…止められませんね」

照「…淡は。他家はあえて止めなかったのかも」

京太郎「絶対安全圏も臨海の人には突破されてますしね。気づいてればいいんですけど」

菫「親被りも痛いがロンされたのがな…」

誠子「淡…」


204 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:24:23.65 ID:l8tXnTcfo

照「でも、次は止まる。臨海を野放しにするわけにはいかないだろうから」

菫「だといいがな」

照「…止まるよ」

京太郎「…どういうこと、あっ…準決と同じですか」








咲「…ツモ、嶺上開花」

205 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:27:34.38 ID:l8tXnTcfo

恒子『やはり花を咲かせた宮永咲、ここで親満ツモ!』

健夜『動じていませんね。この後も楽しみです』




咲(ふぅっ、ちょっと安心しちゃった)

ネリー「……」ジトー

咲(ごめんねネリーさん、大星さんを削ってくれたことは感謝するけど、これ以上稼がれてもこちらにメリットがないから)

淡「……」

咲(…私だって負けないよ、大星さん)


206 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:29:43.52 ID:l8tXnTcfo




ガチャッ
誠子「戻りましたー」

京太郎「お疲れ様です」

尭深「淡ちゃん、どうだった?」

誠子「んんー…伝えることは伝えたよ。真面目な顔して聞いてはいたけど」

菫「けど?」

誠子「どこかこう、意識がどこか遠くにあるような…あいつが私相手に神妙な顔してる方がおかしいでしょう?」

尭深「確かに」

誠子「そこはフォローするとこでしょうが!」

尭深「ごめんなさい」

京太郎「落ち着いてください先輩」

誠子「いやそんなマジにならないで、わたしが悪かったから」

207 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:30:55.07 ID:l8tXnTcfo

照「…最善は尽くした。あとは待つしかない」

菫「そうだな」

誠子「先輩方みたいにどっしり構えられればいいんですけど」

菫「お前たちがいるからこうしていられるんだよ。上がしっかりしていないとな」

誠子「…そういうのさらっと言えるのがすごいんですよ」


京太郎(そんな先輩たちに応えるのが後輩の役目じゃないか)

京太郎(頼むぞ…淡)


208 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:32:01.50 ID:l8tXnTcfo




恒子『ここまで前半戦と似た展開になっています』

健夜『手が総じて安くなってますが…東一局、大星さんはダブリーしましたが跳満止まり。次いで連荘、その後ネリーさんが和了りましたがいずれも安手でした』

恒子『様子を伺っている感じ?』

健夜『いえ…やりたいことができていないというか、何かに縛られているというか』

恒子『?…ともかく大将戦も大詰めです!』

健夜『そこはもうちょっと突っ込んでくるとこだよこーこちゃん…』



209 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:32:59.87 ID:l8tXnTcfo


ネリー(…まずい)

ネリー(見失ったよタカカモシズノ!)

ネリー(…見間違った?…違う)

ネリー(見損なった…じゃなくて、そう、見誤った!)

ネリー(……そんなこと言ってる場合じゃなくて)


ネリー(基本ネリーは鈍感というか気にしないほうなんだけど、今はっきり感じ取れる)

ネリー(このままじゃ最後に貯めた波でもろくに和了れない)

ネリー(……はあ。せめてもう一つくらい見せ場を作らなきゃか。スポンサーのご機嫌取りの足しくらいにはね)

ネリー(…メグには悪いけど、ネリーは十分追い上げたし)

ネリー(…ハァ)


210 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:34:02.94 ID:l8tXnTcfo

ネリー「…リーチ」ゴッ

恒子『ネリー選手、早い巡目でのリーチ!しかも高いぞー!』




咲(…今までとはちょっと違うかな)コトン


穏乃(…すごい。すごいよネリーさん。構わず突っ込んでくるなんて)

穏乃(くぅー!ワクワクしちゃうな)コトン


淡「……」

淡(突破されてるって、そういえば亦野先輩が言ってたような。どうだっけ)

淡(…みんな私のジャマばっかりして!)コトン

211 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:35:54.00 ID:l8tXnTcfo

コトン コトン

ネリー「…ツモ!」パララッ

カチャン

恒子『裏は…乗らない!倍満止まり!しかし逆転には十分だっ!ついに白糸台が首位を明け渡したぁぁぁっ!』

健夜『気迫で和了りきりましたね。ネリーさんにしては珍しい光景かもしれません』




212 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:36:39.78 ID:l8tXnTcfo



ネリー(ハァ…ハァ……ちょっと無理しちゃった)

ネリー(…せめてもう一局)







淡(…させないよ)ゴゴゴ

淡(もうガマンできない。…始末する)ドドドドドド

213 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:38:35.48 ID:l8tXnTcfo




恒子『すこやんすこやん、大星さんの手ヤバイよ、ダブル狙えるんじゃない?!』

健夜『ダブル役満は採用されてないから』

恒子『…そうだっけ?』

健夜『どちらにせよ普通は鳴いていくんですが…もしかすると珍しいものが見れるかもしれませんね』


穏乃(…うわうわうわ!大星さんの手が)コトン

咲(…奥の手かな。連発されなければいいけどな)コトン


ネリー(…どうにか繋がった。かき集めてたぐりよせて、仕上げきった)

ネリー(ここも…曲げる!)

ネリー「リーチ」カチャッ


淡「…ロン」
214 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:41:00.94 ID:l8tXnTcfo
ネリー「えっ」

恒子『出てしまったー!しかしこれは読みようがない!』

健夜『暗刻になった字牌も捨てていましたから、カモフラージュになりましたね』



  ___________________________   __
 │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  | |  |
 │東│東│南│南│西│西│北│北│  │  │發│發│中| |中|


恒子『字一色、いや大七星!白糸台再逆転!そして大きく突き放したぁぁぁっ!』

淡「……」ニヤッ

215 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:43:04.71 ID:l8tXnTcfo



ネリー(…うかつな…でもここしかなかった。けど)

ネリー(……)

ネリー(そっか…負けたくなかったんだ、ネリー)





216 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:44:47.93 ID:l8tXnTcfo




京太郎「よし!」ガッツポ

誠子「この和了りは大きいぞ!」パチパチ

菫「…やったな」

照「……」

尭深「…照先輩?」

照「…和了できたのは良かった。タイミングはもう少し後でも良かったけど」

照「ただ臨海から和了する必要はなかった。咲から直撃取るのがベスト、高鴨さんでもだいぶ楽になれたはず」

誠子「手厳しいですね」

照「淡はそれくらいできる子だから。それにここからが本当の勝負所」




217 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:49:30.82 ID:l8tXnTcfo

淡(これで一人黙らせた。あとは…)

淡「……」カチッ

淡(テンパイじゃないのはまあゆるすとして…霧?阿知賀の?)

淡(…イヤなカンジ)


咲(…なんだろう、空気が薄い…山の中?)

咲(そっか、これが高鴨さんの…)


穏乃(…よし)

穏乃(あったまってきたよ)
ズモモモモ




218 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:52:22.15 ID:l8tXnTcfo




穏乃「来た!ツモ!」パララッ


『止まりません!ここまでいいところがなかった阿知賀の快進撃!』

『前半ラス付近でそこそこの和了りはあったよこーこちゃん』

『…忘れてたぁ!とにかく快進撃です!』



菫「…高鴨には気を付けろと伝えたか」

誠子「はい、それはもう念入りに」

菫「そうか。…そうだよな」

京太郎「…多分淡なりに、なんとかしようとしてるはずなんです」

堯深「…うん」

照「……」
219 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:53:13.62 ID:l8tXnTcfo




淡「……」カチャッ

淡(…よし、これでリンシャンカイホー)

淡「カンッ!」カチャッ
スッ

淡「ツ……」

淡(違う!?)コトン


穏乃「ロンッ!」

220 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:53:52.12 ID:l8tXnTcfo
恒子『ただの喰いタンがカンのおかげで満貫直撃ィー!』

健夜『…不用意でしたね』



ネリー(…とか言ってるんだろうけど違うね。カンされたら乗ると知ってて手を作った)

ネリー(なんなら自分でカンすればいいんだから……嫌になっちゃうよね)

ネリー(ネリーがそんなこと言うかって感じだろうけど)

リーチ! チャラッ

ネリー「ポン」

ネリー(…一発消しくらいはさせてよ)


221 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/22(火) 23:55:35.38 ID:l8tXnTcfo


尭深「…さっきの役満の分の稼ぎがほぼ無くなりましたね」

京太郎「……もう一回、とはいかないですかね」

照「…0%じゃない、とは。もう狙ってはできないと思うけど」

誠子「そうっすか…」



菫「…あいつのふんばりに賭けるしかない。まだ辛うじてリードしてるわけだから」

京太郎「…そうっすよ、まだ負けてない」

誠子「…だな。がんばれ淡」

尭深「淡ちゃん…」


222 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/23(水) 00:02:42.89 ID:gWVTjMxbo
咲「カン」カチャッ
コトン

穏乃(リンシャン…じゃない、そうだよね。見えなくなってるはずなんだ)


淡(…なんだ、一緒じゃん)


ネリー(…何かある)




咲「ツモ」パララッ

淡「やっす」

穏乃(あ!思っても言わなかったことを!…連荘続かなかったか)


淡「すみません間違えました」

淡(思わず言っちゃったけどやっす!そんなんじゃ逆転は遠いよ?)フッ

223 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/23(水) 00:04:30.50 ID:gWVTjMxbo



咲(よし、調整完了)





224 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/23(水) 00:09:24.80 ID:gWVTjMxbo
恒子『泣いても笑ってもこのオーラス!一位の白糸台が親番、本当にこの局で優勝が決まります!』





穏乃(登る、登る、登るッ!)

穏乃(体が軽いし頭が冴えてる!今なら星だって掴める!もう目の前だ!)



淡(…なんでこんなにぐちゃぐちゃなの?)

淡(…わかんない)

淡(安い手で和了れば、…いやテンパイさえして流しちゃえばそれで解決なのに)

淡(…そのやりかたがわかんないよ)




ネリー(集中砲火にあって飛ばされないだけ有情だね。生温いとも言うけど)

ネリー(ネリーだって頑張って避けたからまあ…なんならむしろトップ目とは詰まってるくらいだし)

ネリー(…完全に無力化されてるみたいですごく腹立たしいけど)

ネリー(…あっ)

225 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/23(水) 00:09:59.64 ID:gWVTjMxbo
穏乃(これで引き込めばッ……)

穏乃(なに、これ……)

穏乃(いつの間に王牌が…)ゾワッ







咲「……」ゴゴゴゴゴゴ



226 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/09/23(水) 00:11:16.14 ID:gWVTjMxbo
咲「…カン」カチャッ

淡(やめて)

咲「カン」カチャッ

淡(やめてってば!)

咲「もう一個、カン!」カチャッ

淡(とまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!)






咲「ツモ。嶺上開花、ホンイツトイトイ三暗刻三槓子ドラ4、数え役満」



227 : ◆oiHx77pVqQ [saga sage]:2020/09/23(水) 00:13:25.01 ID:gWVTjMxbo
※麻雀は雰囲気で書いてるのでミスは勘弁してください

今週中と言いながら週末2つ越えてんのどうかしてますね、見て気づいた
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 11:18:49.70 ID:DcvAdL7e0
久しぶりの投稿乙です
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 15:43:24.36 ID:ikekr1TD0
おつおつ
誠子ちゃんかっこいい
咲さん強い
淡ちゃんかわいい
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 16:54:46.85 ID:kd0xi9SPo

めちゃおもしろい
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 23:05:18.16 ID:oYPF+rTzO
染谷先輩がさらっと緑一色を上がっている…!
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 00:32:43.28 ID:4hB2GQQu0
乙です
この次元のあわあわは咲さんに叩き潰されたのか
でもあわあわ叩き潰したら姉妹仲直り、って本編の咲さんはどう考えたらそういう発想になったんだろう
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/09/28(月) 15:56:50.72 ID:NtXNaaqi0
また読めて嬉しい
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 02:34:57.06 ID:rW/JTpCN0
乙です!
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/07(水) 13:52:52.70 ID:yuX/0Nfh0
おつおつ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/12(木) 08:47:55.57 ID:zTPBHkDqO
保守
237 : ◆oiHx77pVqQ [saga sage]:2020/11/21(土) 12:10:10.97 ID:OKzfrMZuo
とりあえず生存報告
今月死ぬほど忙しいので投稿できません
来月はじめにはどうにか…どうだろ
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 18:02:29.43 ID:khIz4yAT0
生存報告来てたんか!それだけでも嬉しいです
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/21(月) 02:14:20.86 ID:0PxT4HEZ0
ゆっくり待ちます
240 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2020/12/24(木) 22:18:23.20 ID:zRYtnlYz0
読み返したら原作同様5決の直後に決勝設定なのに
>>135あたりで朝からやってるふうで書いてました、全然気が付かなかった

遅くなりましたが続き投下します
241 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:20:51.40 ID:zRYtnlYz0




咲「ツモ。嶺上開花、ホンイツトイトイ三暗刻三槓子ドラ4、数え役満」









『き、決まったぁぁぁぁぁぁぁっ!目まぐるしい展開の大将戦、最後に勝負を決めたのはなんと嶺上開花での数え役満、勝ったのは初出場の長野、清澄!』
242 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:22:29.44 ID:zRYtnlYz0

『二位は十年ぶりの復活、最後の怒涛の追い上げが印象的な奈良・阿知賀女子。三位に臨海、四位に白糸台と強豪の東京勢が後塵を拝する結果になりました』






照「……負けちゃった」

菫「……淡で負けるなら、仕方ない」

照「…そうだね」

京太郎「…俺、迎えに行ってきます!」

誠子「っ、わたしも行く!」
ドタドタ
バタン

243 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:24:09.00 ID:zRYtnlYz0

尭深「……」

菫「…責任を感じるか?」

尭深「それは…」

菫「それでいい。そうやって強くなればいいんだ。な?」

尭深「でも!……先輩たちの、だって…さいごの…」

菫「泣くなよ。…私まで泣きたくなるだろ」

ポロッ ツー





照「……」

照(できることは、やった。でも及ばなかった)

照(…相手が咲だったから、負けたのか)

照(だとすれば……)

244 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:25:40.54 ID:zRYtnlYz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

京太郎「…いますね」チラッ

誠子「終わってからずっとああなのかな…卓に突っ伏して」

京太郎「あわいー!戻るぞー!」

淡「……」モゾモゾ

誠子「呼んでこっち来たら苦労しないよ」

京太郎「すません」



誠子「ま、いつまでも会場に居座るわけにはいかないしな…」

京太郎「俺、入っても大丈夫ですかね」

誠子「うーん……」

245 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:29:05.67 ID:zRYtnlYz0

誠子「…あのさ、売店かコンビニ行って淡の好きそうなの買っといてよ。それで先に戻ってて」

京太郎「いいんすか?淡に直接渡してもいいですけど」

誠子「…淡にもいろいろあるから」

京太郎「…先輩がそう言うなら」

誠子「あっ、みんなで食べれるようなものにしといてね。お金は部費からか、最悪私が後で出すから」

京太郎「了解っす。じゃ、淡をよろしくお願いします」ペコッ

誠子「おう」




誠子「さて……手がかかる後輩よ」フッ

246 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:32:04.54 ID:zRYtnlYz0


スタスタ
誠子「淡」

淡「……」

誠子「須賀に泣き顔は見せたくないだろ」

淡「ないて…ひぐん、ないもん」

誠子「はいはい」クスッ

247 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:33:52.66 ID:zRYtnlYz0



淡「…みんなおこってるでしょ」

誠子「さあね。…いや、怒ってはないんじゃないかな」

淡「どうして?私が悪いじゃん」

誠子「…それぞれ責任を感じてるからね」

淡「…先輩も?」

誠子「もちろん。もっと点取れるところあったなとか、お前への伝令でもっと良い言い方があったんじゃないかとか、…なんなら準決勝で善戦してたら違う展開もあったんじゃないかとかさ」

淡「…負けたの私のせいだよ?」

誠子「……チームで戦うって、こういうことなんだよ、淡」

248 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:40:00.36 ID:zRYtnlYz0






コンコンコン
京太郎「はーい」

誠子「戻りましたー」
ガチャッ

誠子「どうも、お待たせしちゃって」

淡「……」


菫「おかえり、淡」

淡「ごめんなさい!」
ガタッ ペコッ

京太郎「淡……」
249 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:44:44.67 ID:zRYtnlYz0

淡「ぜんぶ、ぜんぶ私が悪いの!だから、だから…」


照「……」スッ

照「…淡」

淡「テルー…わたしのせいで」

照「淡、それは傲慢だよ」

淡「…ごう、まん?」



照「…自分一人でぜんぶ背負えるほど私たちは強くない。だから仲間をつくる」

照「淡、淡は確かに強いよ。でもそれは淡だけの強さじゃないし、なにより限度がある。知ってた?」

淡「……」

照「…覚えておいて。そうすれば淡はもっと強くなれる」

淡「…うん」

照「淡はよく頑張ったよ、ありがとう」

淡「頑張った、がんばったけど…うう、うわーん!」ヒシッ

照「……」ナデナデ

250 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:46:31.30 ID:zRYtnlYz0



尭深「落ち着いた?お茶どうぞ」スッ

淡「ありがとうタカミー。…すき」ヒッグ

尭深「どういたしまして」ニコッ



誠子「…私じゃ力不足でした」

菫「お前なりの気遣いは伝わってるさ、大丈夫」

誠子「…そうですかね」

菫「亦野が淡を迎えに行こうとすぐに動いてくれたこと、私は嬉しかったよ」

誠子「……!あれは須賀が…ありがとうございます」ペコッ


251 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:47:46.19 ID:zRYtnlYz0



京太郎「美味いか?」

淡「…うん」

照「……」ハムハム

尭深「おかわりもありますよー」

菫「ありがとう。……そうそう、この後のことだが」

京太郎「パーティーだぞ、淡」

淡「…え?」

菫「…まあ、そんなところだ。残念パーティーとでも言おうか、部費からどうにか捻出してみんなで外食するんだが…淡、どこに食べに行きたい?」
252 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/24(木) 22:49:00.04 ID:zRYtnlYz0



淡「え?あ…うれしいけど、なんで私?」

京太郎「食べに行きたいって言ってたじゃん、お前」

尭深「須賀くんから聞いたから、じゃあみんなで行こうよってなったんだよ」

誠子(あっ…)

淡「……きょーたろーのばか」ボソボソ

菫「ん?」

淡「…ううん。お寿司!寿司食べたい!」

誠子「お、いいねえ寿司」

京太郎「贅沢だなあ」

淡「…食べたくないんだったら来なくていいよっ」

京太郎「ウソウソ、行くってー」

菫「…まあ、回転寿司ならなんとかなるか」

照「回転寿司……ケーキ回ってくる?」

尭深「店によってはあるかもです」フフッ

照「よし行こう」ガタッ

菫「こらこら」


253 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2020/12/24(木) 22:49:27.85 ID:zRYtnlYz0
明日もちょろっと投下予定
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/24(木) 23:12:38.81 ID:AodrA6sz0
乙ー
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/25(金) 00:21:45.58 ID:1peiLASZ0
乙です
かなりのお嬢様設定のある菫さんのポケットマネーなら回らない寿司も余裕余裕
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/25(金) 00:42:47.72 ID:439v5puE0
乙です
お忙しい中投稿感謝です
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/25(金) 02:10:32.54 ID:Q5A/kAXj0
来てたー乙です!
青春やなあ…みんな素敵な先輩しててとてもいい…
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/25(金) 15:37:45.63 ID:MvA9qMpbo
259 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 00:02:15.85 ID:REeAwpTH0





京太郎「サーモンうまっ」

淡「あっそれ私が取ってたやつ!」

京太郎「お前の皿そこにあるじゃん」

淡「え。…ほんとだ」

京太郎「食い意地張ってんな相変わらず」

淡「な、何をー!」


尭深「淡ちゃーん、私届かないからお茶入れてもらえるかな?」

誠子「私のもお願い!」

淡「えー…しかたないなー」

誠子「よっ、日本一!」

淡「それはちょっとよくわかんない」

誠子「あ、すいません」



照「ケーキ!……行っちゃった」

菫「いいから先に寿司食べろ寿司」

照「むー」





260 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 00:11:50.64 ID:REeAwpTH0




菫「…ここで先に言っておこうと思うんだが」

京太郎「…お会計のことですか?俺食べすぎたんじゃないかって」

菫「ぷっ……違う違う、…くくく」

照「…私も満足した」

誠子「照先輩だけデザートばかり食べてた印象なんですが」

照「3種のケーキと杏仁豆腐…美味しかったよ」キラッ

淡「ケーキおいしかったけど…テルーみたいにたくさん食べれないや」ケフッ

尭深「はしたないよ淡ちゃん」

淡「ごめんなさーい」

菫「…ああ、急に面白いこと言わないでくれ。不意を突かれた」

京太郎「そんなつもりじゃなかったんですけどね…」

261 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 01:02:14.98 ID:REeAwpTH0



菫「さて仕切り直して……次の部長なんだが、亦野に託そうと思っている」

誠子「…え」




京太郎「いいじゃないですか。よっ、部長!」

尭深「誠子ちゃんなら安心。頑張ろうね」


菫「え、ってなんだ亦野。気がついてなかったとか言わないだろうな」

誠子「いやいやいや、そりゃあわかってましたよ…段取りとか他校との交流とか、いろいろみっちりと学ばされたのでそういう流れとは。でもそうじゃなくて」

淡「自信、ないの?」

誠子「自信…まあそれもあるかな。みんながそんなに受け入れてくれるなんて思わなかったから…虎姫内だけだけどさ。私、お世辞にも強いとは言えないし」
262 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 02:11:47.19 ID:REeAwpTH0




照「……誠子は強いよ」

誠子「え?」

淡「そうだよ、亦野先輩強いじゃん」

照「大舞台でちゃんと仕事ができる人が弱いわけない。ただ点が取れるってだけじゃなくてね」

菫「そういうことだ。お前なら白糸台をまとめていける、これからも全国の舞台に皆を引っ張っていけると思ったんだ…尭深、淡、そして京太郎君はしっかり支えてやってほしい。一人でこなせるほど簡単な仕事じゃないからな」

誠子「先輩…」



263 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 02:12:48.67 ID:REeAwpTH0



淡「よし、カンパイしよっ」

誠子「…いやお前が仕切るんかいっ」

尭深「まあまあ。せっかくだし」

京太郎「じゃあ…音頭は部長に」

誠子「どっちだよっ」

照「…いいツッコミ」

菫「では僭越ながら…新しい部長と麻雀部の良き未来を願って!」

カンパーイ!



264 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 02:31:58.58 ID:REeAwpTH0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二日後



京太郎「頑張れよ淡。団体戦のリベンジだ」ポンポン

淡「そんなの言われなくてもわかってるし」

京太郎「ならいいけど」

淡「……きょーたろーもさ。せいぜい頑張りなよ」

京太郎「おう。やるだけやってみる」ニカッ



誠子「私たちは応援するしかできないのが歯痒いんですが…」

照「…大丈夫。今まで十分助けてもらった。あとは私がやる番」

菫「少し緊張してるな、照」

照「…さすがにね」



尭深「ずっと一人だけど大丈夫かな?」

京太郎「淡じゃないんですから」

尭深「それもそうか」

淡「なんだとー!」

京太郎「まあまあ…早く戻ってこないように頑張ります」

尭深「頑張って」フフッ



265 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 02:37:26.06 ID:REeAwpTH0





久「…案外ヒマね、見てるだけって」

優希「後輩二人が頑張ってる時になんてことを」

まこ「まあ、何もしようがないという点では同意するがの。自分が出たかったか」

久「できればね。でも…身に余る経験できたし、それを言うのは贅沢ってものよ」

衣「そうだぞ!」ヒョコッ

まこ「…おうびっくりした。聞いておったんか」

透華「この距離にいて聞かないほうが難しいくらいですわ…身を入れて応援しませんこと?」

久「反省してまーす」

まこ「おい。というかあんたはヒマでええんじゃ。安静にせい…痛々しいわ」

久「なになに、心配してくれるの?」

まこ「当たり前じゃろうがアホ。一言も言わんとか本当もう…」

266 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/12/26(土) 02:38:31.18 ID:REeAwpTH0


優希「池田!おねーさんの応援するじょ!」

華菜「こらチビ!…と言いたいがキャプテンのことなら話は別だし!一緒に見るか!」

優希「おう!」ニカッ


純「オレらは京太郎もだな」

一「もちろん。見逃してなんてやらないよ」ウズウズ

智紀「テンション高…私も応援するけど」

純「ぶっちゃけどこまでいけると思う?京太郎」

智紀「難しい質問。男子のレベル、よくわかんないし。一緒に打ったのもだいぶ前だし」

一「予選突破は堅いと思うなー」

智紀「そう?」

純「あ、智紀は知らないんだっけ。こいつずっとネト麻で繋がってたらしくてさ」

一「ちょっ、それここで言う必要ある?」

純「そりゃあ最新の雀力知ってる方が正確に言えるじゃねえか。別に後ろめたいことないだろ?」ニヤニヤ

一「無いよそりゃ!」

智紀「道理で仲良いわけ…謎は解けた」フンフン

純「ちな最後に一緒に打ったのいつ?」

一「…二週間前」

智紀「…大会直前か」

純「ガチじゃん」

一「ガチって何さ!」

267 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2020/12/26(土) 02:39:22.04 ID:REeAwpTH0
続きは多分来月下旬です
皆様良いお年を
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/26(土) 05:35:38.65 ID:N26dThIwo
乙 まさかの連続更新
良いお年を
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/26(土) 18:46:27.28 ID:PYcaAbTy0

この作品の誠子ちゃんほんと好き
そして国広くんくそかわいい
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/27(日) 04:03:13.15 ID:CSfTUbEsO
更新嬉しい…
いつもクオリティ高くて本当に面白い
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/28(月) 07:45:44.43 ID:XxcFD7GWo
乙です
来年も楽しみ
272 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:11:47.54 ID:JDP2hIKe0





一「ほらね」フフン

純「割と余裕で突破してんじゃん。やったね」

一「まっ、これくらいはやってくれないと」ニコニコ

智紀(すごく嬉しそう…嬉しいのは私もそうだけど)


衣「よし!皆勝ち上がったな!」ピョンピョン

透華「やりましたわね」

衣「とーか、やるぞ!」フリフリ

透華「?…なるほど、いきますわよ」

ハイタッチ パチン
「「いぇーい!」」

透華「ですわ」フフッ

273 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:13:21.13 ID:JDP2hIKe0


久「美穂子やるわねー、団体戦出場の有力選手に混じって上位で突破じゃない」

華菜「そうだろそうだろ、もっと褒めるがいいし!」ドヤァ

優希「もっと褒めるがいいじぇ!」フンス

まこ「なしておんしまで便乗しとるんじゃ…」


久「リーグ戦とかレート戦になると俄然強いのよね。安定して取りこぼさないから…いいところまで行くんじゃないかしら」

華菜「さっすが優勝校の部長、話がわかるし!…でもキャプテンは短期決戦でも十分強いぞ」

優希「このゆーきちゃんを手玉に取ったんだから間違いないじぇ…」

まこ「それはそうじゃ」
274 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:16:57.14 ID:JDP2hIKe0

華菜「…だからキャプテンがいなくなる分、あたしが頑張るしかないんだ。次回は絶対勝ち抜く」

久「勇ましいわね」ケラケラ

まこ「久は気楽でよかろうが…うちは部員集めから始めなきゃならんと言うに」

久「どっちにしたって龍門渕に勝たなきゃいけないんだし、たいして変わらないんじゃない?」

華菜「そこなんだよなぁ…」



透華「…わたしたちがいること、忘れられていますの?」

衣「…そう易々とは負けぬ、龍門渕としても…衣個人としても」

透華「来年も必ず来ますわ、今度は選手として…約束よ、衣」

衣「うん!」

275 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:21:01.22 ID:JDP2hIKe0





「今から休憩に入ります。出場選手の皆さんは、最初にお知らせした区域内からは出ないでください。午後三時より、順位決定戦、決勝の順に行われます……」


バタン
京太郎「……ふぅ」

京太郎(こっちのロビーには…誰も出てこない。案外穴場だったりして…っと、まずはトイレトイレ)






ジャー ゴシゴシ
京太郎(…今気づいたけど、手汗すっげえや)

チラッ
京太郎(…髪よし、顔色よし、…その他もろもろは及第点で)
276 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:23:57.68 ID:JDP2hIKe0


テクテク
京太郎(さて…戻るかもう少し時間を潰すか)


バタン ススッ
京太郎(……あれ?)

京太郎「照さん?」





照「…奇遇」

京太郎「ほんとですよ。そちらも休憩時間ですか?」

照「…あと三半荘やったら決勝。フリーな時間だから一人で本読もうと思って」チョコン

京太郎「俺、邪魔になります?」

照「大丈夫だよ。…隣、どうぞ?」

277 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:28:02.24 ID:JDP2hIKe0
京太郎「じゃあ、失礼して」ヨッコラセ

照「失礼された」

京太郎「…余裕そうですね」フフッ

照「ひとまず勝ち抜けたから。…ほっとはしてる」

京太郎「さすが。…淡は?」

照「…あと一歩だった。この後打つからそれは見届けるつもり」

京太郎「…そっすか。悔しがってるだろうなあ」

照「うん。…京ちゃんは?」

278 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:29:05.03 ID:JDP2hIKe0





京太郎「…俺も負けちゃいました」

照「…そっか」

京太郎「でも入賞はワンチャン、あるのかな?この後頑張らないとダメですけど」

照「…悔しい?」

京太郎「うーん……満足感はあるんですよね。ここまで来れたこと、めちゃくちゃ強い人たちと打てたこと」

京太郎「でも…もっとやれたとも感じる」

照「全然届かない、って感じじゃなかったんだね」

京太郎「…そっすね、でも方法は見えてこない」

照「……」
279 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:33:17.63 ID:JDP2hIKe0

バタン
バタバタバタ
??「おっ」

ザザーッ
??「こんなところで、チャンピオンやんけ」

照「…どうも」

京太郎「……あなたは」

??「やー、同じ赤髪でなんとなく親近感?みたいの抱いとったんやけどな、この夏の決勝で手合わせ願えるなんて感謝カンゲキ雨嵐や、うん」

照「…あ、はい」

??「絶対負けへんで!…って普段なら言うんやけどな、さすがのうちもそこまでうぬぼれちゃいないってとこで…精一杯打たせてもらうから覚悟しとき!ほな後でな!」
タタタタタ


照「…行っちゃった」

京太郎「…ですね。俺に気づきもしなかった」

照「…お手洗いに走っていったから、そういうことだと」

280 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:35:41.91 ID:JDP2hIKe0


京太郎「初対面、ですか?」

照「顔も名前も一応知ってる、けど…話したことはあまりない」

京太郎「なるほど」


タタタタタ
京太郎「…戻ってきた」

チラッ
??「……」フリフリフリ

京太郎「こっちに手振ってますよ」

照「う、うん」

京太郎「ほら手でも挙げて反応してあげて」

照「こ、こう?」スッ

??「……」ニッ

バタン


照「…行っちゃった」

京太郎「喜んでそうだし、いいんじゃないっすか」

照「…うん」

281 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:36:42.07 ID:JDP2hIKe0


京太郎「決勝のメンツはもう分かってるんですか?」

照「うん…さっきの人と、咲と、あともう一人長野の人と」

京太郎「咲?咲って言いました?」

照「?…咲だよ」

京太郎「何気なく言うじゃないですか!マジか…」

照「負けるほうが驚きだと思うけど…」

京太郎「そうか…まあそれはそうですけど」

照「うん」

京太郎「楽しみ…ですね」

照「そうだね」

282 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:37:16.91 ID:JDP2hIKe0



照「…次、……」

京太郎「つぎ?」

照「……次の試合は、いつから?」

京太郎「俺ですか?…たしか三時から再開って言ってたので、まだ余裕ありますね。なんなら初戦じゃないし」

照「…そう」





?(ほほう)キュピーン
283 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2021/01/31(日) 23:38:30.72 ID:JDP2hIKe0


テクテク テクテク
?「これはこれは、珍しいこともあるもんだねぇ」



京太郎「えっ……えっ」

照「三尋木プロ、ご無沙汰してます」

京太郎「す、すいませんっ、俺だけ挨拶もせずに」ガタッ

咏「あー、いいのいいの、固っ苦しいのニガテだからさ?リラックスー」ザッ

京太郎「…わ、わかりました」チョコン

京太郎(…ガチで和服で扇子常備なのか…オーラすげえ)


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