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【艦これ】提督「俺と……高雄と愛宕」

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496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/09(金) 23:04:09.84 ID:QEzo5k+x0
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 00:46:13.06 ID:/lhlWB800
>>1乙 待ってたぞ
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 01:29:29.89 ID:LuUsKvqD0
乙 更新あるだけ嬉しいです
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 02:27:09.71 ID:2E797I7qo
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 15:20:15.14 ID:EvlHH94Go
更新がある喜び
501 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:31:26.33 ID:iMCABlzh0

< 穿ち過ぎ >







雲龍「男っていうのはスッピンが好きなんじゃなくてスッピンでも綺麗な女が好きなのよ」

初月「そりゃあそうだろうな」

雲龍「まぁ、私は大丈夫だしあの人は私のスッピンでも綺麗って言うけれど」

初月「そりゃあそ……好きなだけで真に愛されてはいないとか、そういう意味か? 」
502 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:32:21.90 ID:iMCABlzh0

< だから穿ち過ぎですってば >







雲龍「まぁ、でもナチュラルの方がいいとは聞くわね」

提督「大体はまぁ。でも俺は真っ赤なルージュとかシャドーとかも好きだぞ」

雲龍「そう……でも、そういうのが似合う女が好きなんでしょう? 」

提督「そうかもしれないけどさ……」
503 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:40:12.03 ID:iMCABlzh0

< 何気無く言ってみるのにも勇気がいるんですよ? >







提督「あー……年始行きたいところとかある? 時流的に人多いとこは厳しいかもしれないけど」

雲龍「アダルトグッズの福袋でも買いに行きましょうか? 」

提督「……………………」

雲龍「対して欲しくもないけれど。……? …………ごめんなさい」
504 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:41:38.03 ID:iMCABlzh0

< 歪んでるとかなんとか言われても、困る >







山城「拗らせ過ぎといえばまぁそうよね」

雲龍「性的嗜好拗らせているのと蜘蛛の巣張った処女拗らせているのとどちらがより酷いのかしら」

龍田「あらもしかしてそれ私? 」

山城「あなた以外いないでしょうが。……それでなお言うけれど、純潔保っている方がまだマシではなくて? 」

雲龍「龍田より、なお? 」

山城「龍田より、なお」

雲龍「……………………へこむ」

山城「反省しなさいな」

龍田「あのねぇ……」
505 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:43:05.45 ID:iMCABlzh0

< 仕方無いね >








龍田「今の話で私に悪いところあった? 」

山城「滲み出る生き方」

雲龍「存在」

龍田「私相手だと思って好き勝手……これでも傷付くことあるのよ? 」

506 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:44:54.62 ID:iMCABlzh0

< ひととせにありふれた、そんな、ひととき >








愛宕「ふぁ……眠いわねぇ」

高雄「寝てしまえばいいでしょう。喫緊の問題も無いわけだし」

愛宕「うーん……私も本持ってこようかしら」

高雄「そうね。こんなにもゆったりと読書に没頭できることもいつかはできなくなるかもしれないし」

愛宕「ん……でも面倒ね。何読んでるの? 」

高雄「『オイディプス王』」

愛宕「つまらなさそうね。やっぱ、いい。マニキュアもまだ乾いてないし」

高雄「そう……」

愛宕「……」

高雄「……」

提督「……君らさ、他人の膝一つずつ占領して満足?
手下げたらぶつかるから本も読みにくいし音楽聴こうとしたら立ち上がらせてもくれねぇし、何なの? 」
507 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:45:45.17 ID:iMCABlzh0

< 悪くはないという至高 >








愛宕「膝貸すだけで視覚的に姉妹丼できてるんだからいいでしょう? 」

高雄「品が無いのは兎も角として……甘えさせてくださいな。これくらい、いいでしょう? 」

提督「悪くはないけどな……悪くは」
508 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:47:10.60 ID:iMCABlzh0

< 否定できない無力に嘆くよりも、先を >







愛宕「ま、読書中の高雄はあれだけど私は暇よ? 」

提督「お話でもするって? 」

愛宕「ええ。……気付けば忠犬すっ飛ばして狂犬ばかりになってる部下について、とか」

提督「耳に痛い話をする気分ではないな」

愛宕「喜んでいればいいじゃない。今なら絶賛肉の壁だらけよ? 」

提督「痛みを遮断し壁となり長くても数日で復帰する化け物ならば俺の為に身命を賭すことが寧ろ快感だと? 」

愛宕「違う? 」

提督「違わない、違わないだろうな、お前たちにとっては何らの疑問も無く、真実だ」

愛宕「あなたが悲しむことまで含めて私たちの快楽なのよ? 」

提督「…………」

高雄「本来ならば己が死んで悲しむ想い人の姿など見れませんし、その先の安堵した顔も同じこと」

愛宕「化生の者の快楽くらい認めてよ」

提督「…………」

高雄「まぁ、それが無理で苦しみ続けるあなたをこそ……結局は、こういう終端であるからこそ輝く、私たちなのです」

愛宕「毎日が特別、なんてよく言ったものよねぇ〜……」
509 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:48:41.36 ID:iMCABlzh0

< ちなみにまだお昼寝タイムな時間です >







愛宕「月が綺麗ですね」

高雄「私、死んでもいいわ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………身籠った後の月夜に言ってたりしたらストレート辞世じゃない? 」

高雄「そうね。…………本当に身籠もれば、の話ではあるけれど」

提督「…………」
510 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:50:47.02 ID:iMCABlzh0

< 夕方頃なんとはなしにストリーミング >







提督「ある意味二刀流って合理的じゃねぇのか、ロボモノだと」

明石「はぁ」

提督「生身の人間なら身体の負担もスタミナもあるしそもそも圧倒的に筋力が足りねぇだろうけどな」

明石「どうせ機械だし部品交換で済むなら出力さえ上げれば問題無いと? 」

提督「あぁ。だからお前らがこうこの先白兵戦メインの世界に降り立ったとすれば、って話をな」

漣「元が化け物体質なキャラが転生ってあんまり見ないと思うんすよね」

明石「なるほど……なるほど」

能代「でも体質引き継げるなら艤装なんて無くても石ころ全力投擲で覇権取れますよね」

提督「…………」

漣「…………」

明石「…………ロマンが無いとかよく言われません? 」

能代「はい? 」
511 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:54:48.55 ID:iMCABlzh0

< 保護者属性とかなんかその辺的に >







涼風「チンチロリンでさりげなく〜 ♪ 」

江風「さりげなくねーぞこれ」

旗風「これはまた……ごっそり持っていかれましたね」

伊13「酷い……話」






山城「負け込んだのから周りと変わっているわけだけれどね、あれ」

龍田「? 」

山城「こう外から見ると実に不健全で嘆かわしい絵面よね」

龍田「まぁ……あれで真ん中にあの人がいると不思議なことにそうでもないんだけど」
512 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:56:51.74 ID:iMCABlzh0

< all for one, one for someone >







赤城「皆はあなたの為に、あなたは誰かの為に」

提督「恣意的過ぎるだろうが。……なんというか否定は、できねぇけど」
513 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/10(土) 23:58:56.11 ID:iMCABlzh0

< 絡め取って好き勝手 >







雲龍「……蜘蛛」

天城「蜘蛛ですね」

雲龍「立派な巣を巡らせて、誰かを捕まえて、こうやって寒さに堕ちてしまうの」

天城「まぁ、急に寒くなったりすれば」

雲龍「はぁ……」

天城「ぁ、息、白いですね」

雲龍「…………絡新婦になりたいわ」

天城「……は? 」
514 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 00:00:31.42 ID:JtA5M5fp0

< 身体跳ねて、嘆息ひとつ >







提督「ふぅ……」

雲龍「っ……腹筋、お、さえてないと、まだ跳ねそう」

提督「派手にイったもんな。結構重かったんじゃない」

雲龍「ん…………っ……ぅん…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………そんなデカいタトゥーシールってあるんだな」
515 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 00:02:21.50 ID:JtA5M5fp0

< ワンポイントって割にキたよね >







雲龍「たまには愉しいでしょう? 」

提督「そりゃこんだけ盛ったら否定はできねぇけど……うぅん」

雲龍「シャネルの五番が許されるならタトゥーシールも着る、と言えるでしょう? 」

提督「衣装だと思えと? 」

雲龍「女の嘘は宝石なのよ? 」

提督「せめて涙が、って言ってほしいな。……ってもさ」

雲龍「……ん」

提督「なんか、エロいなそれ」

雲龍「でしょう? 」
516 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 00:05:17.17 ID:JtA5M5fp0

< それで相手違ったらいっそ笑っちゃうかもしれない >








雲龍「…………ん……Zzz」

提督「相変わらずの寝付き……待てよ? こいつ肩胛骨とかウエストの後ろとかにもあるよなタトゥー」

雲龍「…………Zzz」

提督「器用通り越したようなやつではあるけども……」

雲龍「Zzz……」

提督「…………天城にもお仕置きというか落とし前付けさせてやらねぇと」
517 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 00:05:59.64 ID:JtA5M5fp0

ありがとうございました
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 00:07:09.40 ID:gU4l0nLo0
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 09:38:58.73 ID:I52PYptEo
お疲れ様です
520 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 23:06:34.52 ID:z6x3sKEJ0

< 時と場合は選べない >






雲龍「まぁ、でもね? 」

天城「ええ」

雲龍「これで時々弱い男を徹底的に管理して呼吸にも許可を求めさせるくらい染め上げたいときもあるのよ、妄想では」

天城「はぁ……いえ、姉様ってそういうの上手そうではありますけれどね。
満足のMとかそういう話ではなくて単純に思考と発想が」

雲龍「あの人時々でいいからいきなりドMでひ弱な低身長とかに変化してくれないものかしら」

天城「姉様って身長高いですしね。……それで」

雲龍「? 」

天城「何故、天城との枕会話でこんな話を? 」
521 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 23:08:01.02 ID:z6x3sKEJ0

< 莫迦女と馬鹿な女と >







雲龍「他に話すことが無かったから? 」

天城「さすがに傷付くのですけれど……姉様の好きそうな話であれば」

雲龍「ええ」

天城「どこが良かっただとか次はこういう触り方にしてほしいだとかあるのでは? 」

雲龍「構わないけれど……どちらかというと相手の反応を見ながら手探りでいく方が好みなの。
それか頭ごなしに指図されたり無理矢理されるのが」

天城「それはあの人に頼んでくださいね。……雲龍姉様」

雲龍「うん? 」

天城「…………」

雲龍「…………? 」

天城「…………ん……やっぱり、傷付きました。大切に想ってくださるなら……抱き締めて寝てください」

雲龍「はいはい。…………ぁ、そういえばさっき投げたショーツが箪笥に引っかかっ痛いっ! 」
522 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 23:08:48.54 ID:z6x3sKEJ0

< さりとて自らが拒めるとは言えなくて >








龍田「フゥ-……姉妹で絡まるって楽しいのかしらねぇ〜……」

提督「愉しいんじゃねぇの。俺が見てる限りは普通に愉しんで悦んで堕ちていくよ」

龍田「今度会ったら天龍ちゃんに頼んでみようかしら」

提督「すんなりいけそうだな」

龍田「そこが怖いのよねぇ……天龍ちゃんって何でも許してくれちゃうからぁ」

提督「半分くらいお前の所為だろう」

龍田「そうだけど、ね。…………フ-……やってらんないわ」
523 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/11(日) 23:09:16.80 ID:z6x3sKEJ0

ありがとうございました
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 23:23:09.18 ID:gU4l0nLo0
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/12(月) 09:04:12.28 ID:PDuJgCaxo
お疲れ様です
526 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:17:26.12 ID:F6ovCAlG0

< 平日朝の方が安いんです許してください >







提督「じゃあ行ってくるわ。夕方過ぎには帰る」

愛宕「はいはーい。いってらー」

高雄「怪我は無いようにしてくださいね。いい年齢なんですから」

提督「はいよ。…………それとな」

愛宕「うん? 」

高雄「はい」

提督「格闘訓練なんてやってもまぁいいけどな、俺に暴露ないように隠蔽しておけよ? や、本当はよくもねぇけど」

高雄「はいはい。……遅れますよ? 」

提督「ん……」

愛宕「よくこんな早朝から行くわねぇ……しっかりメイクして見送る私も私だけど」
527 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:18:07.27 ID:F6ovCAlG0

< 思ってしまった時点でそれは >







愛宕「あれを譲歩っていうの? 格闘したら隠せって」

高雄「まぁ……暴露ないように騙してくれるなら、というのは妥協なのじゃない? 」

愛宕「浮気は暴露ないようにしてくれ、ってやつね」

高雄「そうかしら」

愛宕「違う? 別に違うなら違うでいいけど……企画してもいないわよね」

高雄「そういう裏切りはよくないものだものね」

愛宕「ええ。…………やっぱり、浮気と同じじゃない? 」
528 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:19:20.73 ID:F6ovCAlG0

< 実際普通にやっても接待になるのは少し悲しいけれど >







叢雲「ゴルフねぇ……」

漣「時々嬉々として行ったりつまんなそうに行くけど楽しいのかなあれ」

叢雲「競技自体に思い入れは無さそうよね。友達と行くか付き合いで行くかの違いみたいな」

漣「ん……接待ゴルフ得意でしょあんたー、だからつまんないんでしょ? とか言ったら」

叢雲「ええ」



『接待ゴルフをできる程上手くないから好きじゃないんだ』



漣「とか言ってたよ」

叢雲「んんっ……あいつらしいわねそれ」
529 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:20:34.37 ID:F6ovCAlG0

< で、その後 >






江風「玉入れってこういう競技だったか? ゴルフってこういう競技だったか? 」

涼月「どう考えても違いま……そっち行ったよー! 」





愛宕「はい、じゃあ次加賀さーん」

加賀「ゴルフボールというのはどうも小さくて……クラブも折っちゃいそうだし」

明石「海上に向けて打ってドラム缶に入れさせるってねぇ……駆逐の皆さんもよくあれちゃんとゲットできるなぁ」
530 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:23:39.25 ID:F6ovCAlG0

< 力だけでは無いと思いつつも >







雲龍「ようはこう体幹を意識してヘッドを真っ直ぐ当てつつ振り抜けばいいわけでしょう? 」

涼風「なんだこいつ」

明石「知ってた」

瑞穂「何故こうも易々と早々に美しいスイングができるのか」

山城「最近気持ち悪いをまた一周回って凄いと思えるような位置にきたわ」

龍田「んー? 450yd? それって凄いの? ふぅん? 」

愛宕「これはこれであの人に見せたら機嫌悪くしそうよね」

高雄「まぁ、私たちでもこと力と体感の微調整は化け物だけれど……格闘訓練よりはマシじゃない? 」
531 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:25:14.58 ID:F6ovCAlG0

< 試しに力任せ >







雲龍「でもほら、プロのドラコン選手は500yd越すらしいわよ? 」

天城「ドラコン? 」

阿賀野「ドラコンっていうのはアテナイの立法者で不文ほ

江風「ドライビングコンテストの略。どンだけ遠くまで飛ばせるかって競技」

阿賀野「むー……」

能代「それちゃんと分かってくれるの司令だけでしょ」

高雄「ぁ……」

Littorio「……何故、こう、折れてしまったのでしょう? 」

Roma「そもそも地面が抉れかかっているのだけれど、姉さん」

明石「着火しなかっただけ幸運でしたねぇ……」
532 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:29:09.36 ID:F6ovCAlG0

< 単純な程に、怖い >







提督「ふぃー疲れた疲れた。たでーま」

愛宕「おかえりー。お風呂? 」

提督「や、終わった後近くの温泉行ってきたからいいや。テキトーに飲ませて」

愛宕「はいはーい」

高雄「おかえりなさい。一応真実ですが格闘訓練なんてしていませんよ」

提督「知ってる。……さすがに折れたドライバー持って謝ろうとしてるLittorio見て遊びの殺し合いしたとか思いたくねぇわ」
533 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/13(火) 23:32:57.35 ID:F6ovCAlG0

< 捧げ持ってこられた物を見つつ >






提督「え? いいよ別にそんなの。かなり前に上官から貰ったけど持て余してたやつだし」

Littorio「それでも、です。勝手に持ち出して圧し折ってしまったわけですから」

提督「まぁ、そう、かな? 取り敢えず、赤いの飲ませてよ」

Littorio「ええ、こちらに」






江風「圧し折る……? 」

海風「殆ど消し飛んだみたいなものだよね」

Roma「……あの男がドン引きするって久々に見た気がするわ」
534 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2020/10/13(火) 23:36:08.21 ID:F6ovCAlG0

ありがとうございました
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 23:36:42.93 ID:2Ich0Q4T0
536 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 22:47:44.52 ID:FbObf6Yi0

< 当然のように回答はございませんが >







漣「明石さんって最高レベルのセキュリティにアクセスできる権限持ってるから戯言に聞こえるでしょーけど」

明石「持ってませんよ。信じなくても構いませんが」

漣「漣たちってギアス的な変な嚮団とか島とかが始まりだったら面白そうっすよね」

明石「あー……いいとこ突いてる」

漣「は? マジ? え、まじ? うっそおっ? 」

明石「冗談です。……そんな感じならこんな酷いことになってねぇんですよねぇ……」
537 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 22:49:21.12 ID:FbObf6Yi0

< じわり…… >







漣「この前さ、酔った勢いとゲームな気分なのに一人でやる気しない面倒くさい気分の所為で頭おかしくなってて」

叢雲「ええ」

漣「たまたまご主人様引っ掛け終えてお風呂入って着替えようとしてた雲龍さんいたから」

叢雲「え、ええ」

漣「冗談で着替えてるの見させてくださいよー、とか言っちゃったのね」

叢雲「あなたね……着替えって女は見られたくないもの上位に入ると思うけど」

漣「雲龍さんならイケるとか思ってたんだよねー」

叢雲「はぁ。……でもまぁこういうなら見させてくれたわけでしょ? そもそも雲龍だし」

漣「うん。エロかったなぁ……」

叢雲「そりゃあ素材だけは極上なわけだから」

漣「ガーターベルトの正しい吊り方とか初めて知ったよ漣。今着けてるのも雲龍さんと選んだやつだし」

叢雲「……うん? 」
538 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 22:50:36.78 ID:FbObf6Yi0

< 太腿辺りに着けるアレ >







漣「お手洗い考えないならいいけど」

叢雲「ええ」

漣「普段使いで合わせるならショーツが最後なんだってさ」

叢雲「まぁ……そうでしょ。モデルは基本ガーター見せなきゃいけないんだから」

漣「言われればそうなんだけどねー。……あとその次のときも見せてくれたんだけど」

叢雲「あなたそれあいつや雲龍本人とは違う変態に陥り始めてるって理解してる? 」

漣「知らない知らない。……ガーターリングってヤバくね? 」

叢雲「何がどうヤバいのよ」

漣「なんてーかこうさ、取り敢えずご主人様の反応が一段階上がるっていうの分かった」

叢雲「あ、そう……まぁ、それがヤバいに入るかどうかは謎だけど。どうせ盛るのは変わらないんだし」
539 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 22:51:56.99 ID:FbObf6Yi0

< 新郎主体のイベントっていうのがまた…… >







漣「あとさ、世界にはガーター・トスっていうエロいイベントがあるみたいだよ」

叢雲「変態レベルが上がったのは兎も角あなたと雲龍は何の話をしているのよ」

漣「まぁまぁ。……新郎が新婦のドレスに潜ってガーターリング取るとかやべぇ」

叢雲「それはまぁ、ヤバいわね」

漣「何をとち狂ったのか酔ってフラッフラのご主人様にやらせた雲龍さんがやべぇ。結婚式のイベントだよあれ」

叢雲「…………きも。不憫でもあるけど」






提督「! ……? 」

愛宕「? 何? 」

提督「や、なんてーか本能的に不味いというか不義理を働いた気がしたというか……うぅん? 」
540 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 22:52:48.44 ID:FbObf6Yi0

< 脳が(変な方向に)壊れる >







愛宕「高雄に資料整理押し付けて逃げてきたからじゃない? 」

提督「まぁ……うん、ぅぅん? 」

愛宕「いいからいいから。……浮気と純愛を同時に楽しめるって、お得よねぇ〜」

提督「んー……? 」
541 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 22:57:34.55 ID:FbObf6Yi0

< 心に積もる雪はきっと真っさらでは無くて >







漣「や、てーかもう最近本気で雲龍さんに堕ちかかってる自分を恐れてるんだよね」

叢雲「……救えないわよ」

漣「いいよ別に。……なんか最近さ、すっごい寂しいの。幸せなのに」

叢雲「それは一過性の

漣「一過性の、中二病か何かだって? 本気で言ってる? 」

叢雲「……いいえ」

漣「別に叢雲とか__さんに恨みなんて無いけど、でも、辛いの」

叢雲「…………」

漣「雲龍さんでも誰でも抱かれたからってたぶん何も変わらないけど。
…………お酒じゃ忘れられないこと、積もってきちゃったのかもね」
542 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:02:40.97 ID:FbObf6Yi0

< 咲くことを諦める花なんてきっと無い >






漣「恋に恋する乙女、なんて代物に今からなれればいいのに」

叢雲「…………」

漣「せめて、一緒に笑いながら堕ちていける誰かがいてくれればいいのに」

叢雲「…………」

漣「そうやって思うんだけどさ、駄目なんだ、わたしには」

叢雲「…………」

漣「俯瞰して、見下ろして、常に冷静に周りを見る自分がいる。
それは間違ったことだって、つまらないことだって、自分を不幸にするって思おうとしても、できないの」

叢雲「…………」

漣「それならさ、いっ時でもわたしを壊してくれるヒトが、関係があったって良いと

叢雲「ねぇ」

漣「……何? 」

叢雲「だから、私もあいつもあんたのこと、好きなのよ。……それしか、言えないけれど」

漣「…………………………………………」
543 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:05:26.91 ID:FbObf6Yi0

< 時雨というのは晴れ間があってこそ >







時雨「ふぅ……ところであきつ」

あきつ丸「何だ」

時雨「鹿島さんとはどこまでいったわけ? 」

あきつ丸「何も。あれを受け入れていれば多少浮かばれるとして、許された気になって踏み躙るに等しいからな」

時雨「相変わらず強情なこと言うね君。……彼女の気持ちはどうなるのさ」

あきつ丸「どうにも。……どうにも、ならんさ」

時雨「満潮に呪い殺されてしまえばいいのに」

あきつ丸「満潮が時雨殿に迫られて股を開く女ならばそうかもしれんな。
自分は鈴谷に嘘を吐きたくないし、そんな女として鹿島に顔を合わせることはできない」

時雨「そうかい。…………ふふ、今の君になら開くかもしれないよ? 僕ですら」
544 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:07:09.66 ID:FbObf6Yi0

< 何もしなかった、のです >







あきつ丸「まぁ、心を開かれるよりは股の方が余程高い可能性ではあるだろうな」

時雨「また君はそういうこと言う」

あきつ丸「一応これくらいは許される仲で……隠れさせてほしいであります。鹿島がいる」

時雨「いいけど……本当に君何もしてないんだよね? 冗談の類いでいいんだよね? さっきの僕を信じていいんだよね? 」
545 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:13:12.52 ID:FbObf6Yi0

< ” 漣 ”っていうのは涙を流す様でもあるんだよ? 知ってた? >






漣「うん、それは素直に嬉しいよ。わたしもそれでいいと思う」

叢雲「…………」

漣「でもさ、やっぱり、きついとき、あるよね」

叢雲「…………」

漣「はぁ……やっぱ雲龍さんより__さんの方がいいのかなぁ……」

叢雲「…………あいつは、あんたのこと、拒まない」

漣「それがまた嫌なんだよね。決して使ってはいけない最高の親愛って感じで」

叢雲「…………」

漣「なーんか裏切ってる感じしてさ。……ただの我儘なんだけど」

叢雲「…………」

漣「走り出して、その先に光があって、なーんて分かりやすいご都合主義の世界に行けないかなぁ……」
546 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:14:04.87 ID:FbObf6Yi0

< 耳を擽る甘く噎せ返るような毒液滴る愛の声 >






雲龍「試してみたいなら……いいわよ」

漣「ひゃっ……」

叢雲「……突然現れた驚きは兎も角嫌悪感ではない何かに襲われたって顔を理解したわ。
細か過ぎて伝えようも再現のしようも無いけど」
547 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:15:27.44 ID:FbObf6Yi0

< ハリと柔らかさと薄い肉の絶妙な >







漣「て、てーか何を試せってんです。漣はこれでも乙女で初心な美少女なんすけど? 」

雲龍「うん? この前言ってたガーターリングのことだったんだけど……何か大事な話してたわけ? 」

漣「……はぁ」

叢雲「まぁ、こっちから誘わない限り漣の嫌がることなんてするわけな……何故、私の太腿を眺めているわけ? 」
548 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:19:13.80 ID:FbObf6Yi0

< 背後や足元果ては天井まで気になる >







大井「これでいい? 」

鈴谷「ん、いいよーありがと」

大井「私もカレーは好きだし。北上さんも待ってるから」

鈴谷「や、でもまさか大井が一緒にカレーつくってくれると思わなかったからさ」

大井「これでもそれなりにお料理は好きなのよ。別にあなたに変な気持ちも無いし」

鈴谷「そっかそっか。まっ、ありがとねー」

大井「いいえ。こちらこそいいリフレッシュになりました。最近戦闘続きだったから」

鈴谷「うん」

大井「……? 」

鈴谷「…………? 」

大井「…………? 」

鈴谷「や…………平和過ぎて困ることってあるんだなぁ。これでいいんだけど」
549 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:20:31.46 ID:FbObf6Yi0

< 気の緩みと言ってくれるな >







大井「? 偶然じゃない? 私普通にあのクソ男とか龍田とも仲良い方だし。
たぶん全体的にクズ側にいると思うけど」

鈴谷「それを本音っぽくストレートに言えるっていうのは素晴らしい女の子なんだよ……だよ……」

大井「……その疲れた顔が本音っぽく見えるのが本気で私の素晴らしさを表しているみたいで怖いわ」
550 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:24:51.45 ID:FbObf6Yi0

< 平和というものの尊さを知ったのです >







那珂「おっ、なーんか良い匂いしてると思ったら超平和で常識人しかいない空間じゃーん」

大井「あなたが来た所為で三割強常識人枠が削られたわ」

那珂「ひっどーい! 北上さんがカレーまだーって言いながら阿武隈弄ってたよ? 」

大井「はっ。私としたことが。サッと盛って一緒に食べる重要な使命が」

那珂「それ那珂ちゃんにもくれるんだよね? 」

大井「まぁ、かなり多めにはあるし。北上さんの余りでいいなら」

那珂「いいけど言い方。……ねぇ」

大井「うん? 」

那珂「なんで鈴谷さん、遂には顔押さえて崩れかけてるの? 」

大井「……? ……うん? 」
551 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:26:49.67 ID:FbObf6Yi0

< それから暫くしてカレーを食べつつ >







あきつ丸「…………」

時雨「…………」

あきつ丸「…………」

時雨「…………」

あきつ丸「…………まさか大井に本気で鈴谷をどう思っているか訊かれるとは思わなかったであります」

時雨「たぶん微妙に意味とかすれ違ってると思うけど、そうだね」
552 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:31:55.77 ID:FbObf6Yi0

< 一方その頃残念で愉快な人たち >







提督「あぁ^〜……血管透けてるおっぱいをただ眺める仕事したい」

明石「そんなんでお金貰えるのヒモくらいでしょう」

愛宕「ヒモですら寧ろ触れなきゃいけないんじゃない? 」

提督「何もやりたくないけど目だけ幸せにしたい」

愛宕「それなら私の目でも見てたら? 」

提督「それでもいいな」

愛宕「でしょ? 」

明石「何言ってんのこの人たち……」
553 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:34:15.30 ID:FbObf6Yi0

< たまには真面目な話でも >







加賀「私たちの戦いは正しいものなのでしょうか」

赤城「正しい戦いなどありませんよ、とはまぁ綺麗事ですね」

加賀「赤城さんらしくもない」

赤城「傷付きますね」

加賀「赤城さんらしくもない」

赤城「本当に傷付きますね。……私たちの戦いは、正しいでしょう」

加賀「……」

赤城「私と加賀さんの戦いが同じだとは言いません。
けれど、私は私の決断と判断にある種誇りを持っていますし、
加賀さんのそれは人間らしくもある素晴らしい生の尊さです」

加賀「…………」

赤城「どの道、もう戻れはしないし、逃げることさえできないんですよ、私たち」

加賀「そう……ですね、ええ、とてもとても、幸福なことに」
554 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:35:48.67 ID:FbObf6Yi0

< と、いうのは半分くらい冗談 >







赤城「ま、取り敢えずあの少将閣下ではありませんが」

加賀「え、ええ」

赤城「さすがに山と積まれたおでんを前に訊かなきゃいけないことでした? 」

加賀「…………いえ」
555 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:41:14.61 ID:FbObf6Yi0

< 大喜利じゃねぇんだからさ…… >







龍田「死んだ敵は幾らでも持ち上げていいのよねぇ〜……寧ろ持ち上げるべき」

伊14「分かった」

龍田「うん? 分かった? 」

伊14「この後山城さんが“ それならあの哀れにも龍田なんかに懸想して死んだ男も持ち上げてやりなさいよ ”と言うので」

山城「言うので? 」

伊14「” あら〜、敵じゃなくて蛆虫の間違いでしょ〜? ”とか宣うんでしょう? 違います? 」

山城「たぶん大体合ってるわね。寧ろ簡潔に纏めてあって素晴らしいわ」

龍田「あのねぇ……」
556 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:42:58.36 ID:FbObf6Yi0

< あとまぁそこそこすんなり一人になれることかな >







提督「フゥ-……煙草吸ってて良いこと、ねぇ……」

龍田「無いでしょうそんなの」

提督「訊いてきたやつがいうことじゃねぇだろうそれ。……強いて言えば」

龍田「ん」

提督「喫煙者の上官と二人きりになれること。その上官が時々本音っぽいことを言うこと」

龍田「くっだらな」

提督「そうだな。……それでもさ、くっだらない軍人はそれに縋ってみたりもするものなんだよ、マジで」
557 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:44:54.63 ID:FbObf6Yi0

< 成長と老化の境目って何処だったのかな >







龍田「そんな世知辛いサラリーマンみたいな」

提督「やってることは変わらねぇと思うけどな。官僚主義の民主主義なんてどこもこんなものだろう」

龍田「夢の無いお仕事ですこと」

提督「次世代の夢をつくる仕事だからな。今は無くてもいいんだ」

龍田「理想ねぇ……よくそんな綺麗事をすぐ吐けるわ」

提督「三十年くらい前の気持ちだけ浚って持ってくればいい」

龍田「残骸が海の底にあるくらいね」

提督「お前にやれとは言ってない。……それが自然にできるようになんてなったら、枯れ始めだしな」
558 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:46:23.34 ID:FbObf6Yi0

< それはそれで結構嬉しい >







明石「や、確かに運転は好きですけど雲龍さんたちが運転したいなら別にいいですよ。ふっつーに友達とドライブでしょ? 」

雲龍「乗るのも好きだけど私は乗られる方が好きだから任せるわ」

天城「……色のボケた旧車でも載せて差し上げましょうか? 」
559 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:53:19.55 ID:FbObf6Yi0

< 寒々とした廊下、部屋のドアを開けて >






雲龍「あ、そうそう」

漣「はい? 」

雲龍「あなたが本当に寂しくなっても私じゃなくて叢雲にしておきなさいな。じゃないと後悔するわよ」

漣「は? 」

雲龍「じゃ、また明日」

漣「や、ちょっ、何言っ……」

漣「…………」

漣「…………」

漣「…………何、言ってんのあのヒト」

漣「…………」

漣「…………」

漣「…………」

漣「…………」

漣「…………そんなの、分かってるし」

漣「…………」

漣「…………」

漣「……………………寝よ、叢雲ちゃんが戻ってくる前に」
560 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:55:16.13 ID:FbObf6Yi0

< まるで薄月に吸い寄せられるように >








雲龍「……………………」

加賀「……………………隣、良い? 」

雲龍「静かに飲んでいてくれるのなら」

加賀「一応は先輩相手でしょうが。……飲む? 」

雲龍「グラスがありません」

加賀「あなたの分もあるわ、何故か」

雲龍「何故か、ね……どうも」

加賀「……………………」

雲龍「……………………」

加賀「……………………」

雲龍「……………………風の音、綺麗ですね」

加賀「そうね。…………ええ、生き方が詩的なあなたといるからこそ」
561 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/14(水) 23:58:03.68 ID:FbObf6Yi0

< 吹けていった先に更けていく >






雲龍「…………ん、からい」

加賀「多少喉を灼いておかないと、寒くなってきたから」

雲龍「…………」

加賀「…………ん」

雲龍「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………賢しらなこと宣って、とか反省しようと思っていたんですけど」

加賀「ええ」

雲龍「どうでもよくなりました。……ありがとうございます、先輩」

加賀「どういたしまして。…………グラス、空いてる」
562 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2020/10/14(水) 23:58:33.07 ID:FbObf6Yi0

ありがとうございました
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 00:00:46.15 ID:QOGNgv0Q0
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 07:31:49.65 ID:iXiJDenjo
おつ
565 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:22:26.16 ID:WtUU9toJ0

< 悪意があるわけではないのだろうが >






時雨『……雨はまた降るさ』






春雨「あれってたぶん“ 陽はまた昇る ”って感覚で言うんだろうけど」

浜風「ええ」

春雨「次の日長距離の輸送任務で雨に降られたときちょっと恨んだよねさすがに」

浜風「……まぁ、そうでしょうね」
566 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:24:09.20 ID:WtUU9toJ0

< ジョークの意味を訊かれるアレにも似た >






春雨「や、本当別に珍しく悪意とか無くてあぁいうとこ時雨ちゃんにしか出せないカッコ良さだとは思うよ? 」

浜風「それくらいは分かります」

春雨「でもさ、大規模な戦闘でちょっとヤバいな帰還できるかな? ってくらいの危機的状況だと」

浜風「それがちょっとヤバい、なのかは置いておいて、何? 」

春雨「止まない雨は無いさ、って言うんだよね。どういう使い分けなんだろう」

浜風「ん……」

春雨「ちょっと謎なとこだよね」






時雨「……だからって本人に訊きに来るかな普通。恥ずかしいんだけど」
567 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:25:31.20 ID:WtUU9toJ0

< 撃てば(心に)響くように >








浜風「後学の為にお聞かせくださいませ。佐世保の時雨様」

春雨「幸運艦たる姉上様の武勇伝として語り継ぎますね、はい」

時雨「坊ノ岬組かつ救助のプロとソロモンの悪夢その二かつ護衛のプロに言われるとか嫌味かな? 」

春雨「結局沈んじゃったからね」

浜風「次は沈まずにいたいものです」

時雨「あ、そう……何で君たち早朝からやたら強烈に陰湿なこと言ってくるの? いじめ? 」
568 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:26:52.29 ID:WtUU9toJ0

< マッチポンプの押し付けと言えないことも無い >







春雨「まぁ、挨拶みたいなものだよね」

浜風「そうね」

若葉「そうだな」

時雨「何か増えたし」

若葉「うん? 若葉がいては嫌か? 」

時雨「違うけど…………ん、僕は基本的に雨が好きだよ、全て優しく流してくれそうな雨が」

春雨「うん」

時雨「でも雨って色んな雨があるよね。強く荒々しく時に生命を根刮ぎ刈り取るような雨だってある」

浜風「ええ」

時雨「だから、そのまま。心の傷を癒すなら優しい雨が欲しくなるし、
敵に絶望的な蹂躙を与える為なら嵐にだってなるさ」

若葉「なるほどさすがだな。…………そこで頬を染めるのは情緒不安定が過ぎるんじゃないか、春雨」
569 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:27:44.87 ID:WtUU9toJ0

< 丁度テレビで >







山城「場末の店で貝焼き味噌なんて食べていたら笑うわね」

扶桑「まぁ……でもこれ美味しそうね」

加賀「美味しいわよ。ご飯が必須なのもよく分かる」

扶桑「? どこかで食べてきたんですか? 」

山城「どうせあの男と遊びに行った帰りにで

加賀「飲み落ちて人数が二、三人になったらあの人や愛宕って材料さえあるなら大概のものつくってくれるのよ。諦めの顔で」

山城「……」

扶桑「……まさか嬉々として材料だけ用意していませんよね加賀さん」
570 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:29:45.32 ID:WtUU9toJ0

< 家庭内とか小規模ならまだ分からなくもないけれど >







加賀「まさか。あっちから頼んでくることもあるわけだし」

扶桑「比率は怪しいところですけれど……」

山城「んん……でも私たちも割と青森のものってかなり口にしましたよね。異動してきて暫く経ちますし」

扶桑「まぁ……私もじゃっぱだとか品川汁は勝手につくり方覚えているわ」

加賀「誰におしえられたわけでもないのに不思議なことね」

山城「誰かしらと厨房に立てば見て覚え……ん? 」

加賀「そう、そこなのよ、分からないのは」

扶桑「そういえば最初に幅広げていくのって誰なのかしら……」
571 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:32:09.22 ID:WtUU9toJ0

< 何か文句がありまして? >






加賀「とも和えが食べたいわ」

山城「知りませんよそんなの」

加賀「でも、食べたいの。ちょっと良いお酒下ろすから用意してくれない? 」

扶桑「そんな駄々っ子みたいな酔い方……それこそ材料があるなら構いませんけれど」






高雄「冷凍で良いなら鮟鱇もカスベもありますよ。丁度解凍していたところです」

加賀「やりました」

赤城「上々ね」

扶桑「まぁ、加賀さんが白雲去来なんて持ち出してきてる所為なのは分かりますけれどね……」

山城「どこから湧いて出てきたんです赤城さんは。……あと何故当然のようにあるのよ鮟鱇」
572 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:32:54.42 ID:WtUU9toJ0

< ここまでいつものこのあともいつもの >







高雄「? ここ、青森ですよ? 」

加賀「うん? 」

扶桑「また変なボケ……もしかしてボケではない? 」

山城「ボケでしょう。それに大湊であろうが前のあそこであろうが食材くらいありそうだし」

加賀「ボスがあれだものね。……誰がつくってくれるの? 」

赤城「加賀さんも十四代好きですねぇ……」

高雄「? とも和えで良いんですか? 」

山城「任せたわ」

扶桑「そうね。……ボケで流されかけたけれどそれ何人分つくるつもりなの? 」
573 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:33:37.97 ID:WtUU9toJ0

< そもそも人数分の適正量といえるのか >








高雄「愛宕や江風さんにも頼まれているんです」

扶桑「それにしても、よ」

加賀「結局あの人がいないと逆に集まって騒がないと寂しいのよ皆。ね? 」

愛宕「ですね〜。ちなみに江風はもう落ちましたよ? 」

赤城「早いですねぇ……ぁ、江風さんの分は私が戴いても? 」
574 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:39:30.19 ID:WtUU9toJ0

< ある夜から >






鹿島「今日って天城さんの誕生日ですね」

あきつ丸「そうでありますね」

鹿島「提督さんからは何を戴いているんだろうなー」

あきつ丸「さぁな」

鹿島「…………」

あきつ丸「…………」

鹿島「…………」

あきつ丸「…………」

鹿島「…………」

あきつ丸「…………自分で言うのもなんだが何故初心な子供並に会話が下手になったのでありますか」
575 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:43:54.74 ID:WtUU9toJ0

< 誰か助けられるものなら助けてみるであります頼みます >







鹿島「満潮さんが感染ったのかも」

あきつ丸「グイグイくるなんてレベルではないであります……」

鹿島「素面ですよ? 」

あきつ丸「とてもそうは見えないがだからどうした」

鹿島「私、ハジメテはお酒入れないって決めてるんです」

あきつ丸「つまり今日はもう無理ということだな」

鹿島「でも、それを越えて投げてしまいたいくらいの気持ちもあるんです」

あきつ丸「そうか。……………………何故こやつは無駄に酒を飲めるんだまったく」
576 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:47:36.97 ID:WtUU9toJ0

< 一つ笑んでくれるだけで >






天城「ん……」

提督「ふぅ……寒くなってきたな」

天城「そろそろ暖かいお部屋に着くんでしょう? 」

提督「あぁ……手、冷たいね」

天城「ふふ……温めていただく準備です」

提督「そ……」

天城「……」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………同じくらいの身長だったら、天城が俯いてても見れたのにね」

天城「? 」

提督「笑顔。……上向いてくれるのが嫌いってわけじゃあ、ないけど」
577 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/15(木) 23:49:12.70 ID:WtUU9toJ0

< 笑み深まるその瞬間の刹那が最も尊いとき >







天城「一笑千金というのは千金に値する微笑を浮かべることのできる美人を指すわけですけれど」

提督「天城みたいな子のことだね」

天城「言わせたみたいですね。……でも単純に美人の笑顔は得難い、という意味でもあるんです」

提督「反転するわけか。美人と笑顔が」

天城「反転というか相反というか切り替わりというか」

提督「んん……それで? 」

天城「天城は、笑えていますか? 」

提督「俺の方こそ訊きたいね。……天城は自分で認められる美人であれているの? 」
578 : ◆5z7C0EoTrg [saga sag]:2020/10/15(木) 23:49:38.85 ID:WtUU9toJ0

ありがとうございました
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/15(木) 23:55:01.06 ID:QOGNgv0Q0
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/16(金) 00:01:10.48 ID:F1T61owVo
お疲れ様です
581 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:40:59.96 ID:Wt+2OchD0

< ホルモン分泌が云々 >







初月「大きいヒトに揉まれると大きくなるって冗談みたいなのがあるだろう? 」

涼風「聞いたことはあるけど、それが? 」

初月「レズですらなくて品の無いおっさんが言いそうで馬鹿馬鹿しいにも程があるけどさ」

涼風「うん」

初月「雲龍さんに揉まれたら大きくなりそうな感じがするよな。
本人の大きさとかはどうでもよくてイメージと手付きで」

涼風「あー……なんか変な毒とか手から出しそうだもんな」

雲龍「出会い頭に巫山戯たこと言わないでほしいものね。……本当に揉むわよ? 揉みしだくわよ? いいのね? 」
582 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:42:29.76 ID:Wt+2OchD0

< ショートの中でも特に短い部類でした >







初月「揉みしだかれる程無いから遠慮しておく」

涼風「あたいも。……あのさ」

雲龍「? 」

涼風「平然とショーパンノースリーブなのは馬鹿なの? ふっつーに寒くない? 」

雲龍「別に。寒くなったら部屋に引き籠

加賀「弓、引きに行くから着替えてきなさい。天城がまだ帰っていないから今日は付きっ切りね」

雲龍「はい。…………」

初月「…………」

涼風「…………なんか滅茶苦茶にこえー笑い方してたんだけど、何? 」
583 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:43:48.23 ID:Wt+2OchD0

< 真面目に殺し合うというのもいっそまともに見える >






雲龍「あなたたちは来なくてもいいのに」

初月「自分でやるのは上手くないが加賀さんや雲龍さんのを見るのは好きなんだ」

涼風「あたいはまぁ暇だからね。興味が無いわけでもないし」

雲龍「そ……加賀さんも」

涼風「うん? 」

雲龍「何かにぶつけたいのよ。あの人は我が可愛い愚妹ちゃんに付きっ切りだから」

初月「それで高雄さんたちも何やら嫌な笑い方しながら格技室に行ったわけか」

雲龍「そうなの。……一応言っておくけれどそれあの人には言わないように。
まともに整理とかしてたとしてもあの人一瞬傷付くから」
584 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:45:13.25 ID:Wt+2OchD0

< 唐突に思い出したというか浮かんだ >






雲龍「そういえば私たちって暴力装置ではあるけれど産む機械にはなれないわね」

山城「…………」

龍田「政治家失言集だけなら混ぜっ返したりツッコんでもよかったんだけどぉ〜……」
585 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:45:57.38 ID:Wt+2OchD0

< つまり心から楽しいときは逆に……? >







龍田「あ、でも産ませる機械をつくる実験台にはなれるわね」

山城「…………」

雲龍「…………」

龍田「ふふ……」

扶桑「はぁ。……こういうときって心底から愉快そうな顔つくるけれどこういうときだけよね、その顔」
586 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:47:14.85 ID:Wt+2OchD0

< Q . ではギリギリ許容ラインとは? >







扶桑「せめて女はいくらでも嘘を吐ける、くらい穏当なので許してほしいわ」

伊14「時事ネタっすねー」

江風「穏当とかその他の意味勉強してきて……いやマジでさ」
587 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:52:15.14 ID:Wt+2OchD0

< というか嵩張って仕方無い >






提督「おかえりー」

高雄「ただいま。……おかえりなさい」

提督「はいはいただいま。何も無かった? 」

愛宕「いつも通りね。何か食べる? 」

提督「や、さっき食べたばっか。……これお土産」

高雄「りんごパイですか」

愛宕「私これ好き。……でもこのまるごとりんごパイ人数分ってちょっとしたトレーニングになるわよね」
588 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:55:48.59 ID:Wt+2OchD0

< 単純に顔見せにきたつもりでした >






初月「ん? なんだお早いお帰りだな」

提督「このご時世あんま好き勝手遊び回るのもな。仕事もあるし」

初月「その割に執務室には戻らないのか」

提督「一応? 大事な部下の皆さんの? 状態を見てね? それから? 」

初月「本気でいつも通りだぞ。今更お前の朝帰りでなんて何も思わない」

提督「そうかい。……いや、そういう意味じゃなかったんだけど、そうか」
589 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:58:00.44 ID:Wt+2OchD0

< 一日分を埋めないと >






加賀「というか、天城は? 」

提督「うん? 雲龍に手引かれてどっか消えた」

伊13「あ……恋人繋ぎで、お部屋、戻ってましたよ」

阿賀野「天城さんも丈夫だねぇ〜」

能代「……拒否権なんて無いでしょうしね」

590 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/16(金) 22:59:01.02 ID:Wt+2OchD0

< 夕食までで足りるでしょうか >








雲龍「ん……ぇろっ」

天城「んんっ……姉様っ、足、なんて、汚いですよ……」

雲龍「一緒にシャワー浴びて、綺麗にしてあげたじゃない」

天城「で、も……」

雲龍「まぁ、嫌ならやめるけれど……」

天城「ん……っ」

雲龍「気持ち良いの? 気持ち良くないの? 」

天城「…………」

雲龍「…………うん? 」

天城「…………気持ち良っ、あ、んっ…………」
591 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2020/10/16(金) 22:59:26.88 ID:Wt+2OchD0

ありがとうございました
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/16(金) 22:59:58.05 ID:f4VEtIvA0
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 07:58:40.47 ID:hX8cWPYyo
お疲れ様です
594 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/17(土) 23:04:34.68 ID:H7F1JYcm0

< だって、ねぇ……? >







漣「今日のお題は? 」

能代「おやつティータイムにお題とかあった? 」

阿賀野「まぁまぁ。あ、最近瑞穂さんが好きなコト! 」

漣「じゃーそれでー、どぞー」

明石「相変わらずぬいぐるみ集めが好きで昨日も住人が増え……なんでつまらなさそうな顔するんですあなたたち」
595 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2020/10/17(土) 23:06:09.49 ID:H7F1JYcm0

< 取り敢えず呼んでみました >






瑞穂「その……こう……執拗に片方の乳く…………胸だけ虐められるの、よかった……です」

阿賀野「なるほど」

能代「恥ずかしいなら言わなくてもいいのに」

漣「ふっつーに素面ですしねー」

明石「……これ実は一周回って私への羞恥プレイなのでは? 」
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