【モバマスSS】ウサミン星からの物体P

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46 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:42:24.26 ID:gbQFV3/70
P「家の庭でお母様とくつろいでいた時のこと」

P「菜々さんがコロンと転がりました」

P「ウサミン星の言葉では『寝返り』と言います」

菜々「地球でもそうですよ」

P「....その時」
47 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:42:50.91 ID:gbQFV3/70
P「偶然庭に落ちていた1人用のポッドに入り」

P「偶然発射のスイッチを押してしまったんです....!」

P「自動操縦によって宇宙空間を旅した後」

P「ウサミン星人が最も暮らしやすい惑星」

P「地球へと降り立ったんです....」

菜々「....」

菜々「????」
48 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:43:19.99 ID:gbQFV3/70
菜々「すみません、よく意味が分からないんですけど....」

菜々「まずポッドってなんですか?」

P「これです」スッ

菜々「あぁーっ!」

菜々「これ漫画やアニメでちょくちょく出てくる丸型の宇宙船じゃないですか!?」

P「元々はこっちが先で、地球の漫画やアニメにアイデアが輸入されたんですよ」
49 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:45:02.86 ID:gbQFV3/70
菜々「しかもこれ!」

菜々「赤ちゃんの時のナナが、これに寝てる写真が実家のアルバムに何枚かありますよ!?」

P「宇宙空間での使用を前提に作られていて」

P「大気圏の突入の衝撃にも余裕で耐えられるものですからね」

P「赤ちゃんを守るには十分すぎるベッドですよ」

菜々「随分奇抜なベビーベッドだと思ってはいましたけど....」

菜々「親がドラゴ○ボールファンだったのでテッキリ趣味だとばかり....」

P「奇妙な偶然ですねぇ....」

P「いや、これもまた必然なのかもしれません....」

菜々「そうですねぇ....」
50 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:45:34.27 ID:gbQFV3/70
菜々「アレ!?ちょっと待ってください!?」

菜々「ということは私」

菜々「今の両親とは血が繋がってないってことですか!?」

P「んー」

P「そうすね」

菜々「反応薄すぎですよ!?」

菜々「これ、ナナにとっては超重大な新事実なんですけど!?」

P「ウサミン星人は血縁を重視しないんです」

菜々「絶妙に都合のいい文化を持ってますね!?」
51 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:46:01.86 ID:gbQFV3/70
菜々「(ハッ!?そういえばお母さんよく)」

菜々「(『あんたは橋の下で拾ってきた』って言ってたような....)」

菜々「(よくある冗談だと思ってたけどあれ本当だったんだ....)」

菜々「....」

P「....」
52 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:46:59.61 ID:gbQFV3/70
P「すみません、いきなりこんな話」

菜々「いえ、いずれは知らなきゃいけないことだったんだと思います」ニコ

P「....」

P「....ショックですか?」

菜々「うーん....」

菜々「驚きはしましたけど、ショックというほどではないかもしれません」

菜々「不思議ですねぇ....」
53 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 22:48:37.38 ID:gbQFV3/70
菜々「さっきの話が事実だとしても」

菜々「お母さんとお父さんに○○年大事に育てられたという事実は揺るぎませんし」

菜々「それに」

菜々「血縁よりももっと強い親子の証をたくさん貰ってきましたから」ニコニコ

P「....そうですね」ニコ

P「ウサミン星人は血縁を重視しませんからね」グッ

菜々「そういう話じゃないんですよ!?」
54 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:40:16.59 ID:gbQFV3/70
P「菜々さんの出自の真実はこんなところです」

菜々「もうここ数時間驚きっぱなしで疲れました....」

菜々「....1つ疑問なんですけど」

P「はい」

菜々「なんでナナは、ウサミン星から来たアイドルに辿り着いたんでしょうか」

菜々「私がウサミン星人であることなんてついさっき知りました」

菜々「そもそもウサミン星の存在すら....」

P「....なんででしょうねぇ」
55 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:41:02.83 ID:gbQFV3/70
P「俺は菜々さんがあれだけウサミン星やらウサミン星人やら連呼しているので」

P「自分のことを覚えていると思ってたんですよ」

菜々「だから最初から、ウサミン星を知っている前提で話が進んでいたんですね」

P「そりゃウサミン星人要素をアイドルのキャラクターに取り込んでるんですよ?」

P「ウサミン星産まれウサミン星育ちの生粋のウサミン星人でもそんなことしませんよ」

菜々「知らなかったからこそ出来たことでした....」アハハ
56 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:41:31.99 ID:gbQFV3/70
P「おそらく」

P「ここまでの完璧な一致は偶然ではないんだと思います」

菜々「やっぱりそうなんでしょうか....」

P「短いとはいっても、数か月はウサミン星で暮らしていたわけですからね」

P「乳児期の記憶なんてほとんどの場合残りませんが」

P「記憶よりもさらに深いところに刻み込まれていたのかもしれません」

菜々「そう言われるとしっくりきます」
57 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:42:07.66 ID:gbQFV3/70
菜々「小さい頃」

菜々「どれだけ周りからからかわれても、バカにされても」

菜々「なぜか『ウサミン星はある』って確信は揺らがなかったんです」

菜々「ふふっ....」

菜々「....本能のようなものだったんでしょうか」クスリ

P「今となっては確かめようがありませんね」フッ
58 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:43:02.08 ID:gbQFV3/70
菜々「理由はどうあれ」

菜々「アイドルになって、今こうして活動できているのは」

菜々「ウサミン星のおかげなんです」

菜々「早くお礼を言わなきゃいけません!」

P「安心してください」

P「もうそろそろ着きますよ」

菜々「東京駅を出てから、ちょうど1時間....!」

P「東京-ウサミン星間の所要時間知ってる人が」

P「まさかウサミン星の存在すら知らないなんて誰が思いますか?」

菜々「確かにその通りですね〜」クスクス
59 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:43:29.17 ID:gbQFV3/70
P「菜々さん」

P「見えましたよ」

P「あれがウサミン星です」

菜々「!」

菜々「あれが....!!!」
60 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:44:26.49 ID:gbQFV3/70
菜々「....」

菜々「なんだか物凄くウサギの形してません?」

P「そうですね」

菜々「あと色も明るいピンク色に見えるような....」

P「真っピンクですから」

菜々「....」

菜々「あんな惑星現実にあるわけないじゃないですか!?」

菜々「長い耳が2本も生えてますよ!?」

P「いやいや、思いっきり目の前に見えてますし」

P「そもそも今からあそこに上陸するんですから疑いようがありません」
61 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:46:00.69 ID:gbQFV3/70
菜々「惑星があんな形と色になるわけないですよ!」

P「....菜々さん、月のクレーターってどうやってできるか知ってますか」

菜々「え?それは隕石の衝突でできるんだったような....」

P「その通りです」

P「例えば」

P「周辺の惑星や引力等、様々な事象が絡み合った結果」

P「隕石が衝突しやすいポイントがあるとしたら」

菜々「!?」
62 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:46:50.73 ID:gbQFV3/70
菜々「つ、つまり」

菜々「あれは2本のウサギの耳ではなく」

菜々「耳と耳の間に見える部分に隕石が数え切れないほど衝突し」

菜々「そこが窪んでしまった、ということなんですか!?」

P「あれは前の前の国王が国策として掘らせたくぼみです」

菜々「今の話なんだったんですか!!!」プンスカ

菜々「というか惑星の外見を大幅に変えてしまうレベルの工事っていったい....」

P「不必要な公共事業が経済を回すんです」

菜々「星が違ってもすることは同じなんですねぇ....」ゲンナリ
63 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/26(日) 23:47:17.84 ID:gbQFV3/70
続きます
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 20:20:01.80 ID:I/tcKkI+o

何だこれは……? 何だこれは……
65 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:51:27.59 ID:l6TDwS+c0
プシュー

菜々「....」

菜々「ここが....ウサミン星....」

P「はい....」

P「ここが菜々さんの故郷」

P「そして」

P「追い続けていた場所です」

菜々「....」
66 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:52:26.13 ID:l6TDwS+c0

菜々「なんというか....」

菜々「地元感が凄い....」

菜々「今までのは全てドッキリで」

菜々「最後は地元の駅に降ろされてネタバラしってわけではないんですよね?」

P「正真正銘ここがウサミン星です」

菜々「あそこにいる黒いマスクをしたお兄さんも?」

P「ウサミン星人の若者です」

菜々「あんな格好を好んでする人が地球人以外にいるわけないですよ!」

P「ここ最近流行っているみたいです」

菜々「えぇ....」
67 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:53:06.27 ID:l6TDwS+c0
謎の男「ウサミン!」

菜々「はい?」

謎の女「おぉウサミン....よく来たわね....」ウルウル

菜々「あぁ泣かないでください!」アクシュ

菜々「応援ありがとうございます!」

謎の男「会えて嬉しいよ」

菜々「こちらこそ、ありがとうございます!」アクシュ

謎の女「ぅぅ....生きててよかったわ....」グスン

P「いやー熱烈な歓迎ですね」

菜々「アイドル冥利に尽きますよ....」ニッコリ
68 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:55:49.98 ID:l6TDwS+c0
菜々「....」チラ

【ウサミン饅頭】【ウサミン大福】【ウサミン落花生】

菜々「....」チラ

【ウサミンを探せ!】【ウルトラスーパーウサミンシスターズデラックス】【メルヘンデビュー!】

菜々「....」ジー

【ウサミンの耳】【ウサミンの腰】【ウサミンの湿布】

菜々「駅のお土産屋さんがナナだらけ!?」

P「定番のお菓子から児童書やゲーム、さらには菜々さんの身体の一部を模したアイテムまで」

P「選り取り見取りですね」
69 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:56:26.57 ID:l6TDwS+c0
菜々「ちょ、ちょっとPさん!」ツンツン

菜々「これ一体どうなっているんですか?」

菜々「ライブの物販の時よりナナグッズが多いんですけど!?」

P「菜々さんはここウサミン星も国民的アイドルですから」

菜々「えぇっ!?」

P「だって、自分の住む星の名を冠したアイドルが」

P「遠く離れたところで頑張っているなんて」

P「そりゃあみんな応援しますよ」

菜々「なるほど....」

菜々「ありがたい話ですねぇ....」
70 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:56:54.85 ID:l6TDwS+c0
菜々「じゃなくて!」

菜々「そもそもどうして菜々のことが知られているんですか!?」

P「....」

P「ウサミン星では」

P「アンテナを地球の方に向けると電波が拾えるんです」

菜々「どれだけ高性能なアンテナなんですか....」

P「おかげで菜々さんの活躍はウサミン星全域で視聴されていて」

P「今やウサミン星にいる全てのアイドルを凌ぐ人気です」

菜々「なんだかウサミン星で活動する方々から恨みを買いそう....」

P「大丈夫です、その人たちもファンなので」

菜々「平和ですねぇ」
71 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:58:18.17 ID:l6TDwS+c0
菜々「そういえば菜々のCDもありましたね」

P「あれは密輸入品です」

菜々「え゛」

P「だってウサミン星と地球は国交を樹立してないじゃないですか」

菜々「だ、だからってそれはちょっと....」

P「菜々さんの出演するライブはライブビューイングもされてますよ」

菜々「....」

P「映画泥棒ですけど」

菜々「そうだと思いました!」
72 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 22:58:45.46 ID:l6TDwS+c0
菜々「お土産屋さんに会った数多のグッズたちは....」

P「当然事務所を通していません」

菜々「ですよね....」

菜々「応援してもらえるのは嬉しいんですけど」

菜々「その手段が非正規のルートだとナナも複雑ですよぉ....」

P「菜々さん、安心してください!」

菜々「?」

P「地球の法律は地球の法律」

P「ウサミン星では適用されません」

P「よって犯罪ではありません!」

菜々「余計に複雑な気持ちになりました」
73 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:00:06.97 ID:l6TDwS+c0
P「さらに」

P「ウサミン星人は」

P「知的財産権に対する順守意識が希薄な民族なんです」

菜々「どんな民族なんですか....」
74 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:01:17.09 ID:l6TDwS+c0
謎の男「ウサミーン!」

謎の女「こっち向いてー!」

菜々「さっきの!」

P「こちらの方々」

謎の男「やぁ」

謎の女「(ニコニコ)」

菜々「第二ウサミン星人発見!の時のお2人ですよね?」

菜々「てっきりもうお帰りになったのかと」

P「菜々さんの実の親です」

菜々「」
75 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:01:51.11 ID:l6TDwS+c0
菜々「ファンの方では....?」

P「いえ、お父様とお母様です」

P「産まれて数か月で生き別れて以来数十年ぶりの再会に感極まってしまったそうです」

菜々「そんなテンションには見えませんよ....」

父「いつもテレビやライブビューイング、Blu-rayで姿を見ていたが」

父「まさか本当に会うことが出来るなんてな....」

母「あなたがいなくなった時は、もう二度と会えないと思っていたもの....」

菜々「....」

菜々「すみません、ナナ、2人のことはほとんど覚えていなくて....」
76 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:02:52.81 ID:l6TDwS+c0
父「そんなの当然だ」

父「産まれて数か月で宇宙に放り出すなんて」

父「偶然とはいえ我々の不注意のせいでもある」

父「親失格だ」

菜々「そんなことは....」

父「ウサミンにとっては既に地球が故郷で」

父「そこにいるご両親が本物の親なんだろう」

菜々「....」
77 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:03:54.55 ID:l6TDwS+c0
父「私はね、ウサミンをここまで育ててくれた今のご両親には感謝しかないんだ」

母「私たちがウサミンの活躍をテレビで見られたのも」

母「こうして実際に会えたのも」

母「ご両親のおかげなんだから....」

菜々「....」

菜々「....そう言ってもらえると、きっと喜ぶと思います」
78 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:04:35.44 ID:l6TDwS+c0
父「これから、少しだけいい」

父「私たちのことも想ってくれるなら」

父「こんなに嬉しいことはないよ」ニッコリ

母「....」ウンウン

菜々「....」

菜々「ありがとう....ございます....」ペコ
79 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:05:26.22 ID:l6TDwS+c0
P「ちなみにこのお二方」

P「ウサミン星のトップ」

P「国王と王妃です」

菜々「」

菜々「」

菜々「」
80 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/01/30(木) 23:05:52.41 ID:l6TDwS+c0
続きます
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 01:05:30.40 ID:xIsk5DnaO
これあとでウサミン星の王位をかけて5人の王女とバトルになったりしない?
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 19:01:35.40 ID:Svob9JJVo

野暮なツッコミかもしれないけどウサミン星人も日本語通じるのね
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 19:57:34.24 ID:Cb8ifacfo
アイマス世界のファンは訓練されてるからね
ウサミンが常用する日本語くらい完璧にマスターしてるよね、当然だね
84 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:17:23.11 ID:9sCpRTt80
菜々「事情は大体分かりました」

菜々「俄かには信じがたい話ですし」

菜々「すぐに全て受け入れられるというわけではありませんけど....」

菜々「嘘を言っているとも思っていないので....」

菜々「その、よろしくお願いします」ニコ

国王「!!!」
85 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:18:20.20 ID:9sCpRTt80
王妃「ウサミン....」グスン

国王「ウサミン!!!」ガシッ

王妃「ウサミン!!!」ギュッ

菜々「あわわわわわわわわ」アタフタ

国王「よかった....よかった....」ナデナデ

菜々「....」

菜々「....」ギュゥ

P「....」ニッコリ
86 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:18:48.70 ID:9sCpRTt80
菜々「あのぅ....」

国王「ん?どうしたんだ?」

菜々「先ほどから気になっていたんですが」

菜々「私、安部菜々という名前でして....」

国王「?」

国王「当然知っているぞ?」

菜々「えーっと....」
87 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:19:16.44 ID:9sCpRTt80
菜々「なぜウサミン呼びなのかなぁと....」

国王「....」

国王「我々の娘のために、我々が名付けたんだから当然じゃないか」

国王「なあ?」

王妃「ええ」ニコ

菜々「???」
88 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:19:43.50 ID:9sCpRTt80
菜々「いえ、あの、私が使っているウサミンという名前は本名ではなく」

国王「いや、ウサミンが産まれた時に我々が考えたんだぞ?」

菜々「?????」

P「菜々さんが産まれた時にこのお2人がそう名付けたんですよ」

菜々「えぇっ!?」

P「これもまた、脳のどこかが無意識のうちに覚えていたんでしょうね....」

国王「親にとってこんなに嬉しいことはないなぁ」

王妃「そうねぇ」
89 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:20:09.86 ID:9sCpRTt80
菜々「ちょっと待ってください!」

菜々「私のウサミン星での本名は本当にウサミンなんですか!?」

P「らしいですよ」

菜々「えぇ....」

菜々「それって地球で言えば」

菜々「自分の子供に『地球ちゃん』ってつけるようなものじゃないですか!?」

P「そういうことになりますね」

菜々「とんでもない名前じゃないですか!?」

P「まあでも最近のキラキラネームならあり得なくはないかもしれませんよ」

菜々「言われてみるとそうかも....」

菜々「いやナナは最近産まれたわけじゃありませんよ!?」

P「確かに」
90 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:20:56.26 ID:9sCpRTt80
P「ということで」

菜々「アッサリ仕切り直されても困りますよ....」

P「別に悪いことじゃないからいいじゃないですか」

菜々「良い悪いの話じゃありません!」

菜々「突然重要事項を立て続けに聞かされたので」

菜々「身も心も混乱してるんですよ....」

P「○○年ぶりの帰省ですからね」

P「そうなるのも仕方ないです」
91 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:21:35.58 ID:9sCpRTt80
P「まーいつまでも混乱してても仕方ないので」

P「適当に街ブラでもしましょうか」

菜々「国王さんたちもそうするのがいいって言ってましたからねぇ」

P「ウサミン星のことを菜々さんに知ってほしいんだと思いますよ」
92 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:22:25.46 ID:9sCpRTt80
菜々「....」スタスタ

菜々「....」スタスタ

P「....」スタスタ

P「どうですか、この星は」

菜々「うーん....」

菜々「なんだかどこもかしこも地球と変わりませんねぇ」

菜々「もっというと私が普段生活している日本とほとんど変わりません」

菜々「こうして歩いていても、ここが異国どころか異星であることを忘れてしまいます」エヘヘ

P「同じ銀河内ですからね」

菜々「ぎ、銀河って....」
93 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:22:56.32 ID:9sCpRTt80
P「地球でも近くの国や地域は似た文化を持っていることが多いじゃないですか」

菜々「ナナにはとてもそんな小規模な話と同等には思えません....」

P「宇宙規模で考えたら、地球規模よりさらに小さな話なのかもしれませんよ」

P「分かっている部分だけでも想像すらできないような広さです」

P「分かっていない部分は想像しようと思うだけ無意味ですし」

菜々「私も詳しくは知りませんけどその通りなのかもしれませんねぇ....」
94 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:23:23.05 ID:9sCpRTt80
菜々「そういえば」

菜々「地球には私やPさんみたいに」

菜々「ウサミン星の人がたくさん紛れて暮らしているんですか?」

P「いや、そんなことはないですよ」

P「基本的にこの辺りの銀河では」

P「国交を結んでいない星へのむやみやたらな介入は禁止されているんですよ」

菜々「どうしてですか?」
95 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:24:08.18 ID:9sCpRTt80
P「星が違えば文化や文明レベルの差も大きく開いている場合があります」

P「星はあくまで自発的な発展をするべきであって」

P「外的要因、つまり他の星がそれを妨げてはならない」

P「という考え方がスペーススタンダードなんです」

菜々「へぇ〜」

菜々「だから地球では宇宙人の存在が未だ確認されていないんですねぇ」

菜々「こんなにたくさんいるのに」
96 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:24:38.04 ID:9sCpRTt80
菜々「あれ?」

菜々「それじゃあどうしてPさんは地球にいたんですか?」

P「俺ですか?」

P「菜々さんのためですよ」

菜々「なっ....////」カァッ

菜々「何を言ってるんですか突然!」ペシペシ
97 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:25:32.03 ID:9sCpRTt80
P「俺、国王の直臣でして」

菜々「はぁ」

P「菜々さんが1人で地球に旅立ったその日に」

P「菜々さんの様子をウサミン星へ報告するため」

P「地球へ派遣されました」

菜々「」

菜々「それじゃあPさんって菜々が小さい頃から....?」

P「見てました」

菜々「」
98 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:27:40.45 ID:9sCpRTt80
P「最初は王妃が」

P「『ウサミンが地球へ辿り着く前に惑星ごと消滅させてからポッドの回収に行きます』」

P「って言って聞かなかったんですけど」

菜々「物騒過ぎませんか!?」

P「あの人普段は温厚なんですけど」

P「自分の子供のこととなると周りが見えなくなるんですよ」

P「何を犠牲にしても怖くない、みたいな感じになっちゃって」

菜々「犠牲の規模を考えて欲しいですよ....」
99 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:28:22.60 ID:9sCpRTt80
P「さすがに天の川銀河連盟から注意されまして」

菜々「そりゃあさっきの考え方に照らし合わせたらそうなりますよ....」

P「菜々さんを乗せたポッドが地球へ着陸した時点で」

P「こちらからの干渉はできませんからね」

P「そうなった以上俺が行って菜々さんを見ているくらいしかやりようがなかったんです」

菜々「なるほど....そういうことだったんですねぇ....」
100 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:30:39.97 ID:9sCpRTt80
菜々「ぁ」

菜々「....」

P「どうしました?」

菜々「....」

菜々「....1つ、質問なんですけど」

P「何でも聞いてください」

菜々「....」

菜々「Pさんが私をスカウトしたのも」

菜々「より自分の近くに置いて」

菜々「動向を把握しやすくするためだったってことですか....?」

P「....」
101 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:31:07.00 ID:9sCpRTt80
菜々「あーいえ!別にそれを恨んでいるとか」

菜々「怒っているとか」

菜々「そういうわけではないんですよ!」アタフタ

菜々「きっかけはどうあれ」

菜々「Pさんにスカウトされなければ今の私はいないわけですから!」グッ

P「....」

菜々「....」
102 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:32:37.79 ID:9sCpRTt80
菜々「....ただ」

菜々「ほんの少しだけ....」

P「....」

P「....菜々さんは」

P「俺が自分の都合で、打算的にスカウトしたと思ったんですか?」

菜々「....」

P「んなわけないじゃないですかぁ」

菜々「でもっ!」

P「俺の話聞いてました?」

菜々「聞いてましたよ!!!」
103 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:33:48.79 ID:9sCpRTt80
P「確かに俺は菜々さんをずっと見守ってきましたし」

P「それが国王から任された役目でもあります」

P「説明したとおりです」

P「でも地球で生活する以上はあくまで地球人として生活をしなきゃいけません」

P「だから事務所に入って、プロデューサーをやっているわけですよ」

P「要するに自分の生活があるわけです」

菜々「....」

P「被雇用者である俺がそんな自己中心的な理由でアイドルをスカウトしてたら」

P「とっくにクビになってますよ」フフッ

菜々「....」
104 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:34:14.53 ID:9sCpRTt80
P「俺はずっと菜々さんを見てきて」

P「ステージの上で」

P「シンデレラガールとして輝く未来を確信しました」

菜々「....」

P「今事務所にいるどの子よりも」

P「長い時間をかけた」

P「そして最も自信を持ったスカウティングでしたよ」ニヤリ

菜々「....よかったぁ」ヘナヘナ
105 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:36:55.88 ID:9sCpRTt80
菜々「ナナ、Pさんが自分のためにナナをスカウトしたんだって....思っちゃいました....」

菜々「もうそれに気付いた瞬間から」

菜々「ずっと動悸が止まらなくて....」

菜々「どうしようどうしようって....」

P「菜々さん....」

P「....」

P「救心、飲みます?」

菜々「いりません!!!」
106 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/02(日) 21:37:50.63 ID:9sCpRTt80
続きます
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 22:00:14.97 ID:0Y0/XaIDO
救心www
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 22:04:06.13 ID:ouu7ntMcO

結構高いよね救心
109 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:30:08.54 ID:Cdc1YK770
菜々「この辺りは随分人が多いですねぇ」

P「今俺たちがいるのはウサミン星の首都ですけど」

P「その中でもここら辺は一番の繁華街なんですよ」

菜々「へぇ〜」

ピ ピ ピ

ポーン

菜々「時報?」
110 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:30:42.69 ID:Cdc1YK770
『夢と希望でみんなを癒せ♪』

菜々「!?」

『メイドアイドル戦士ウサミン』

『いっきま〜す!』

菜々「!?!?!?!」
111 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:31:24.28 ID:Cdc1YK770
菜々「Pさん!」

菜々「ナナの歌ってる『メルヘン∞メタモルフォーゼ!』が」

菜々「街中の至るところのスピーカーやテレビから爆音で聞こえてくるんですけど!?」

P「ミンミンミン!」

菜々「何、口ずさんでるんですか!」

民衆「「「「「みんなの声援!!!!!」」」」」

菜々「!!?!?!?!?!?!?!?!?」

民衆「「「「「「「「「「「「ミンミンミン!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」

菜々「....」
112 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:32:24.33 ID:Cdc1YK770
菜々「ウサミン星の方々がナナのことを知ってくれているとは聞いてましたけど」

菜々「こ、ここまでとは....」

菜々「しかし....」

老婆「もにょもにょ(みなぎるラブ)」ムチャムチャ

菜々「これは....」

赤ちゃん「バブー(私はウ・サ・ミン!)」バブバブ

菜々「なんというか....」

犬「ワンワン(ピンチの時には)」バウバウ

菜々「....」

菜々「流石に浸透しすぎなんじゃ....」
113 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:33:12.29 ID:Cdc1YK770
P「まあウサミン星人にとっては」

P「国民全員、知らない人は皆無ってレベルの曲ですからね」

菜々「....」

菜々「そこまで皆さんに歌ってもらえているなら」

菜々「ナナ、すごくうれしいです....」ウル

P「菜々さん....」

菜々「あぁ、ダメですねぇ」

菜々「この歳になると涙腺が緩んじゃって....」ニコニコ

P「....」
114 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:33:40.79 ID:Cdc1YK770
P「この曲が発表されて、確か3日後でしたか」

P「ウサミン星のセイカになりまして」

菜々「せいか?」

菜々「あのかき氷にたっぷりの練乳をかけた物の上に」

菜々「ミカンやパイン、小豆をのせたカップアイスや」

菜々「餅に水あめを練りこんでボンタンの果汁を加えた求肥飴で」

菜々「包み紙はオブラートなのでそのまま食べることのできるボンタン飴等を販売している」

菜々「本社を鹿児島県に置く食品製造メーカーですか?」

P「そっちのセイカじゃないですよ」

P「なんでこの流れで、俺がいきなり日本の食品製造メーカーの話を始めるんですか」

菜々「すみません、ナナにとってせいかと言われるとそれしか思いつかなくて....」
115 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:34:08.65 ID:Cdc1YK770
P「固有名詞じゃなくて」

P「一般的に使われる単語でも成果とか青果とか製菓とかいろいろありますよ」

菜々「それもそうですねぇ」

菜々「それで『せいか』ってなんなんですか?」

P「惑星の『星』に『歌』ですよ」

菜々「はい?」

P「意味は読んで字の如くです」

菜々「....」

菜々「星の歌?」
116 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:34:38.39 ID:Cdc1YK770
P「分かりやすく言うと」

P「国歌の惑星版ですね」

菜々「!?」

菜々「こ、国歌って国が決めるものでは?」

P「国王が決めました」

P「これは憲法によって規定されています」

菜々「」
117 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:35:19.89 ID:Cdc1YK770
菜々「明らかに公権力の私的行使じゃありませんか!?」

P「改憲の際には3歳以上のウサミン星人による国民投票が行われまして」

P「199%の人が賛成票を投じたみたいですよ」

菜々「得票率バグってますよ!?」

菜々「都心の鉄道の混雑率か何かですか!?」

P「混雑率の方もバグみたいなもんですから」

菜々「そういう話ではないですよ....」
118 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:36:21.40 ID:Cdc1YK770
P「菜々さん」

P「ある著名な作曲家は国家の条件として」

P「『短い事、エスニックである事、好戦的でない事』の3つを挙げたらしいです」

菜々「なるほど....?」

菜々「そう考えると『メルヘン∞メタモルフォーゼ!』は....」

P「歌詞で度々『ウサミン』が出てくるのでエスニック成分はギリギリ満たしているかもしれませんね」

菜々「でも4分44秒の曲だから全然短くないし....」

菜々「歌詞の中に『おしりぺんぺん』とか『パンチ』とか『キック』とか思いっきり出てくるし....」

菜々「そもそも悪の怪人と戦う歌だし....」

P「全然ダメじゃないですか」アハハ

菜々「結果が分かりきっているのにどうして国家の条件の話をしたんですか!?」

P「ちなみに」

P「この前の国家は『メルヘンデビュー!』でした」

菜々「国歌のフットワークが軽すぎますよ....」
119 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/09(日) 21:36:52.77 ID:Cdc1YK770
続きます
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 21:50:28.48 ID:3v/CAwqWo

スピーカーから普通に流すんじゃなくてわざわざ爆音にする意味とは……
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 22:00:44.31 ID:OnClgoJDO
「爆音正しく高度を持して」という歌の歌詞があるぐらいだから
122 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/17(月) 00:36:01.65 ID:wCue7QYT0
今週末は忙しく書けませんでした、申し訳ありません
まだ続きます
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 01:35:53.39 ID:6qzbBhae0
しゃーない
待っとるで
124 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:19:10.74 ID:M88YbT3N0
菜々「というか」

菜々「一般的な国歌について詳しく知らないんですけど」

菜々「こういう音源って国、ウサミン星の場合は星が用意しているんですか?」

P「普通そうなんじゃないですか?」

菜々「やっぱりそうなんですかねぇ....」

P「何か気になることでも?」

菜々「あ、いえ」

菜々「なんというか」
125 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:19:52.84 ID:M88YbT3N0
菜々「国が正式に配布している音源にしては音質が悪いように聞こえるんですよ」

菜々「ところどころにノイズが入っているような気がしますし」

菜々「ってすみません、せっかく国歌、じゃなくて星歌に私の歌を使ってもらっているのに失礼なこと言っちゃって!」

P「まあこれこの前のライブ音源ですからねぇ」

菜々「またこのパターンですか....」
126 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:20:33.19 ID:M88YbT3N0
P「でも菜々さん」

P「お客さんの歓声をノイズ扱いなんて....」

菜々「菜々がそう思っているわけじゃありません!!!」

菜々「街中にある巨大スピーカーから大音量で流してるから」

菜々「ノイズみたいなよく分からない音になっちゃってるんですよ!!!」プンスカ

P「これは失敬」
127 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:24:25.84 ID:M88YbT3N0
菜々「しかし」

菜々「よくこんな音源手に入りますねぇ」

菜々「まだライブBlu-rayすら発売されていないのに」

P「うちの事務所の内部の内部」

P「アイドルにかなり近いところに内通者がいますからね」

菜々「そ、そんな人がいるんですか?」

P「俺です」

菜々「あぁ....」

菜々「確かにPさんならこんな音源用意するなんて楽勝ですもんね....」
128 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:25:31.03 ID:M88YbT3N0
P「俺だって本当は辛いんです....」

P「散々お世話になってる事務所を裏切っているみたいで....」

P「でもウサミン星と地球は国交がないし....」

P「それだと正規の手段じゃウサミン星人のみんなに....」

P「ナナさんの声を届けられないんです....!」

菜々「....」

菜々「まあこれを取り締まったところで売り上げが増えるわけではありませんし」

菜々「そもそも治外法権ですからねぇ....」

P「....」
129 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:27:40.19 ID:M88YbT3N0
P「なんだかんだ言って」

P「こんなに愛されているのを見てナナさんも嬉しいんじゃないですか」

菜々「....」

菜々「本当はいけないことかもしれませんけど」

菜々「すっごく嬉しいです」ニコニコ

P「ナナさんにこの光景を見せられて俺も嬉しいですよ」ニコ

菜々「ふふっ....」クスリ
130 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:48:57.05 ID:M88YbT3N0
P「せっかくですし、記念にウサミン星グッズでも買っていきます?」

菜々「いいですねぇ!」

菜々「あれ、でもこれって密輸になったりしません?」

P「大丈夫なんじゃないですか?」

P「帰りも東京駅着なんですから」

P「空港と違って税関もありませんし見つかり様がないですよ」

菜々「言われてみればそうですね」

P「そもそも見つかっても困る土産物なんてありませんし」

菜々「それなら買っちゃいましょうか!」ウキウキ
131 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:49:43.02 ID:M88YbT3N0
P「俺はちょくちょく帰ってますけど」

P「ナナさんは仕事が忙しいですし頻繁には来れませんからね」

菜々「何より」

菜々「人生初の里帰りです!」

菜々「これから何度来ても、人生初はありません!」

P「厳密には2度目ですよ」

菜々「ナナからしたらほぼ1度目みたいなものなので!」
132 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:50:32.03 ID:M88YbT3N0
P「何買います〜?」

菜々「う〜ん....」

菜々「駅で見たようなウサミン饅頭やウサミン大福はちょっと....」

P「自分の顔がでかでかとパッケージに載っているのは嫌ですか?」

菜々「嫌ではないですけど」

菜々「それを自分で買って食べたり」

菜々「人にあげたりする勇気はないです....」
133 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 22:51:10.42 ID:M88YbT3N0
P「ちなみに食べ物系の商品は大体」

P「ウサミン星自慢の科学力によって開発された超高性能食品用プリンタを使って」

P「菜々さんの顔や全身像が鮮明に描かれています」

菜々「えぇ....」

菜々「食欲無くしませんか....」

P「でもこのポップには『売れ筋』って書いてますよ」

菜々「地球とソックリな星ですけど文化は結構違ってますよね....」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 23:08:53.68 ID:PlKwQwpDO
つまり、ウサミンおっぱ○プリンもあると
135 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:33:40.43 ID:M88YbT3N0
菜々「とりあえず」

菜々「ナナ絡みではない物を探してみましょう」

P「そうですね」
136 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:34:23.95 ID:M88YbT3N0
【ウサミン星ペナント】

菜々「懐かしい雰囲気の土産物がこんなところに....」

P「今も観光地に行けばあるにはありますよ」

P「誰が買っているのかは知りませんけど」

菜々「よくある三角形ではなくて」

菜々「ウサギの形になっているんですねぇ」

菜々「カ、カワイイ....?」

P「菜々さん、誤魔化されちゃいけません」
137 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:35:11.36 ID:M88YbT3N0
P「やたら昭和を感じる太くて躍動感のある暑苦しい書体と」

P「原色をふんだんに使ったデザインが」

P「ポップなウサギの形と強烈にミスマッチです」

菜々「でもこれがペナントに求められているものという可能性も....」

P「じゃあ買います?」

菜々「いやいいです」

P「....」
138 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:35:38.86 ID:M88YbT3N0
P「これどうです?」スッ

【ウサミン星提灯】

菜々「....」

菜々「なんというか....」

菜々「『和』の心を感じますね....」

菜々「ウサミン星で感じるものではないような気がしますけど....」

P「赤提灯に勘亭流っぽいフォントで『うさみん星』ですからね」
139 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:36:35.08 ID:M88YbT3N0
【ウサミン星の置物】

菜々「これ、ちょっといいですねぇ」

P「なんですかこれ」

菜々「ウサミン星を模した置物みたいです」

P「土台からバネが伸びていて」

P「その上にウサミン星がくっついてるんですか」

P「なぜ無駄にビヨンビヨンするような形にしたんでしょう」

菜々「浮いているからじゃないですか?」

P「それ宇宙の星全部ですよ」

菜々「ただ冷静になって見ると」

菜々「ウサミン星というかただのウサギがバネでくっついているだけにも見えます」

P「ウサギというかウサギの生首ですよ」
140 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:37:09.64 ID:M88YbT3N0
【ウサミン星記念メダル】

P「よくあるやつですね」

菜々「よくあるやつです」

P「えーっと」

P「500円」

P「メダルに日付と名前を刻印できるみたいです」

菜々「それ以外に何かあるんですか?」

P「600円のもありますよ」

菜々「それは?」

P「メダルの絵柄がちょっと豪華」

菜々「....」
141 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:37:53.02 ID:M88YbT3N0
【木刀】

菜々「ウサミン星関係なくなっちゃいました!」

P「一応関係あるっぽいですよ」

菜々「?」

菜々「木刀の材料がウサミン星の木なんですか?」

P「ウサミン星は一昔前の大規模国家事業で」

P「星中をピンクに塗りまして」

P「その過程で星の全ての木々が刈り取られたのでそれは有り得ないです」

菜々「サラっと怖い話するのやめてくださいよ....」
142 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:40:01.06 ID:M88YbT3N0
P「ウサミン星要素はここです」

菜々「?」

菜々「細かい字で何か書いてありますね....」

菜々「えと....」グイッ

菜々「んん....」スーッ

P「老眼始まってます?」

菜々「つ、疲れ目なだけですっ!」

P「ほら、よく見てください」

菜々「....」ジー

P「『うさみん星』って焼き印が押してあります」

菜々「申し訳程度過ぎます....」

菜々「しかもさっきの提灯と同じフォントですし....」
143 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:44:54.50 ID:M88YbT3N0
【よく分からない剣のキーホルダー】

菜々「観光地どころかこれもう修学旅行ですね」

P「ウサミン星人の小中学生にも需要があるんでしょう」

菜々「文化が違うのか同じなのかもう分かりませんよ」
144 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:45:30.17 ID:M88YbT3N0
【ご当地キティちゃんストラップ(ウサミン星)】

菜々「えぇ....」

P「どこにでもいますね」

菜々「もしかしてこれも無許可ですか....?」

P「えーっと」ジロジロ

P「や、これたぶん公式ですね」

P「それっぽいシールが貼ってます」

菜々「地球との国交は結んでないんじゃ....」

P「流石の仕事の選ばなさ」

菜々「そういう問題ですか!?」
145 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/02/22(土) 23:49:47.87 ID:M88YbT3N0
菜々「なんというか」

菜々「全体的にノスタルジックなものが多かったような....」

P「....ナナさん」

菜々「はい?」

P「おそらく若い子たちは」

P「これらのお土産にノスタルジーを感じないのかもしれません」

菜々「確かにそうかもしれませんねぇ」

菜々「ノスタルジーを感じるのは」

菜々「こういう昔の定番お土産を見てきた人ですからねぇ....」ノホホン
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