【安価】騎士を夢見て

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 16:30:44.55 ID:iPnJ5AB+O
世界には四つの大陸があった。それぞれには異なる種族が住まい、支配していた。

北の大陸には人類、西の大陸には天使、東の大陸には魔族、南の大陸には亜人が、多様な文化を築いていた。

数百年も前の話だが、各々の思惑が交錯し、世界規模の戦争が勃発し、ものの数年で終結した。

その立役者が『勇者』と呼ばれる者。彼らは終戦後、世界各地に散らばり、一住人と化す。

「…その内の一人が、ここ『メンツゼ村』を作ったのさ。今から300年くらい前の話かねぇ」

「へー」

長老の話を聴き流す子供達。やれやれと首を横に振り、長老は微笑する。

「**や、つまんない話だったかい?」

大欠伸をしていた子供が頷く。ぽんぽんと頭を撫で、長老は言い聞かせるように口を開いた。

「お前さんは『模造勇者(レプリカ)』。つまり、『勇者』の力を宿した稀有な人間なんだ」

「婆さんは、お前さんには嘗ての勇者のように、沢山の人を救う偉大な人間になってほしいんだよ」

「どうしてゆうしゃだってわかるの?」

子供の問い応え、長老はある一点を指差す。その先には、件の子供の胸が。

「その聖痕さ。それは、力を宿した証明なんだよ」

「それに、お前さんは聖剣を引き抜ける唯一の人間だ。先週、こっそり扱ってたのは知ってるからね」

「え」

「はっはっは。別に怒っちゃいないさ」

長老の笑い声と時を同じくして、集会所の扉が開かれる。親が仕事から戻ってきたようだ。

「さ、今日の読み聞かせはお終い。早く親御さんのところに行きなさい」

「はーい」

元気な子供の声を合図に、子供たちは親の元に進む。その中でただ一人、集会所から動こうとしない子供がいた。

「**や。今日はブーモさんのところが預かってくれるようだから、早いとこ行っておいで」

「ん。わかったー」

模造勇者(レプリカ)の子供に、親はいない。彼だけが、その理由を知らない。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1561966244
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 18:04:49.17 ID:EbWXyxFo0
その日の夜、聞き慣れない喧騒に目が醒める。身体に違和感を憶えながら、寝惚け眼を擦り部屋を出る。

「あれ?」

部屋を出ると、そこにはリビングが広がっている”はずだった”。

霞んだ瞳に映るのは、燃える家々と見知った顔の骸ばかり。血は流れ、臓物が撒き散らされる、惨憺たる光景。

「ばーさん?」

達磨になって転がっている長老の頬を突く。反応などあるわけがなく、冷たい感覚だけが指を伝う。

「なんでしんでるんだろ。ほかのひともぜんいん…」

「おいっ!生存者がいるぞ!!!」

「一人だけ、か…。酷いものだな…」

「…待て。”一人だけ”?」

子供の元に走り寄ろうとする騎士を、もう一人の騎士が制止する。

「何言ってんだ!?まずは救助が先だろが!」

「…そうだな。俺が周りを見張る。お前は子供を頼んだ!」

「解ってるっつの!」

「おい坊主!ここは危ないから兄ちゃんと一緒に…っ!?」

手で触れた瞬間、騎士の背筋が凍った。これは、この、感覚は。

「お…おい…坊主、お前…?」

「なーに?」

「何で、血塗れなんだ…?何で、傷一つ無いんだ…?」

「どういうこと?」

「鏡見てみろよっ!!!」

「あれ?ほんとうだ」

鏡に映る子供の顔は、赤黒く汚れていた。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 18:23:55.92 ID:EbWXyxFo0
「…その報告をする気か?荒唐無稽過ぎて、却下されそうだけどな」

「仕方ないだろう。状況証拠から推測すれば、こう判断せざるを得ない」

「いやいや…。『生存者の子供が、村に踏み入った賊を全員殺害する』って。御伽噺じゃあるまいし」

「…彼は模造勇者(レプリカ)だ。だとすれば、可能性はどうだ?」

「なっ…!?」

「それに、聖剣にも適合している。夥しい量の血液が付着していたから、それを用いたのだろう」

「…なら、あり得なくも無い、な」

それだけ言い、二人は黙りこくる。机の書類には、推薦書が置かれていた。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 18:26:54.90 ID:EbWXyxFo0
クッソ雑な導入お終い

主人公の名前を下2に募集
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 18:28:39.51 ID:H4i6+SQfO
リリー
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 18:29:02.20 ID:mZu0B8+T0
エナメル
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 18:29:30.04 ID:pR1NLI6DO
エメク
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 19:38:34.66 ID:FDMAQXGZO
小さな子供だったエナメルは、成長して少年となった。村にあった聖剣は預かられたままだが、特に気にしてはいない。

「今日から騎士学校に入るのか。費用は全額負担してくれる…って、良いのか?」

一瞬だけ頭を過ぎった疑問だが、すぐにどこかへと消えていく。

思えば、村が壊滅した時もそうだった。年齢を抜きにしても、悲しく思うようなことも無かった。

自分はそういう人間なのだろうと納得する。気にしたところで、現状は変わらない。

「エナメル、時間だ。馬車に乗ってくれ」

「すぐそこなのに過保護なんですね」

「お前はワケありだ。なるべく一人の状況を作りたくない」

つんとした態度を崩さない騎士。もう一人の不良らしい方の方が、人付き合いが良く感じる。

分かりました、と返事をし、エナメルは荷物を持って馬車に向かう。

期待に胸を膨らませながら、馬車に乗るエナメル。その腰には、支給された鉄剣が差されていた。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 19:49:36.32 ID:O5xBdb3/o
きたい
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 20:46:19.90 ID:FDMAQXGZO
下5までに同級生の名前と設定
魔法の属性は基本何でもありますが、光と闇だけは抜きです
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 20:50:50.87 ID:Iw5GiTdM0
アンリ ♂雷
中肉中背(に見える細マッチョ)の少年
うっかり屋でトラブルメーカーだが、秘めたる才能がある
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 20:51:03.80 ID:rscwbD6k0
リアン
おかっぱで目隠れの小柄な少女 髪の色は薄緑色 性格は気弱で常にオドオドしている
魔法の属性は風
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 20:52:54.29 ID:XCGk0otQ0
セコナオット 男 火
名家の嫡男、陽気でおおらかだがプライドが高く、リーダーシップにこだわる。剣の達人だが実戦経験はない。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 20:53:39.51 ID:7YyOeU7A0
名前:レイラ
性別:女
外見:青髪ツインテールの小柄な少女
性格:おっとり、だが怒らすと怖い
特徴:外見とは裏腹に怪力、自分の背丈以上のハンマーを振り回す
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 20:55:30.64 ID:rEdnVdB10
ナルシア 女 水
名家の出身の次女、男勝りだが真面目で凛としているリーダーシップがあり頼りになる。剣の使い手で英才教育で実戦経験あり
因みに実は可愛いもの好きの女の子
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 20:56:13.02 ID:rEdnVdB10
>>15はできたら黒髪ロングで(胸はCカップくらいで)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 20:58:52.15 ID:7YyOeU7A0
>>14属性は地で
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 21:14:55.39 ID:Wr2FVh3mO
火、水、地、風、雷の5つの属性が被らずに出たか
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 22:31:45.12 ID:FDMAQXGZO
属性はゲームでポピュラーなやつ(火とか水とか)に加えて『時』とか『剣』とかそういうのもあります
だから、なんでもです


教室に入ったエナメルはまず、落胆の溜め息を漏らした。悲しいことに、彼と同年代の人はいなかった。

最低でも、齢15を超える者のみが在籍するこの騎士学校。まだ12歳辺りの子供は、場違いでしかなかった。

「不満そうだな。好みの女子がいなかったか?」

ずいと近寄ってきたのは、艶やかな黒髪を伸ばした女性。華麗な装飾が施された鎧を着ていることから、貴族に連なる血筋であることは理解出来た。

「ああ、私は『ナルシア』と言う。よろしく頼むよ」

「…『ナルシア』。うん、憶えた。よろしくお願いします」

最低限の礼儀は、騎士達に教えられている。一礼したエナメルは、指定された席に座る。

「…あのような子供が入学するなど、贔屓されているとしか思えないが。それを言えば、私もそう言われてもおかしくない、か」

「複雑だ。私は、実力で勝ち取ったというのに…」

独り言ちたナルシアは、教師が来る前に席に着いた。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 22:40:01.65 ID:FDMAQXGZO
「髪、跳ねてるよ」

「うえっ!?マジ!?」

前の席に座る少年の髪が、大嵐に見舞われたが如く跳ねていた。

指摘して漸く気付いたようだが、逆に良く今まで気付かなかったものだ。

手櫛で髪を整えた少年は、椅子ごと回転させてエナメルの方を向く。からっとした笑顔で、素直に感謝を述べた。

「言ってくれてありがとな!俺は『アンリ』。雷魔法を得意としてる。お前は?」

「俺は…?」

エナメルは考え込む仕草をして、口を噤んだ。質問に答えようとしたが、回答を持っていなかった。

自問自答を繰り返し、数分。答えが出なかったエナメルは、名前だけを伝えて頭を下げる。

俺は、何が得意なのだろう。俺は、何なのだろう。そんな疑問だけが、頭の中でぐるぐると渦巻いていた。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 22:49:32.20 ID:FDMAQXGZO
始業の鐘が鳴り、教師が入室してくる。見知った顔の騎士が二人と、見慣れない顔が一人。

「先ずは諸君らに、感謝の言葉を贈らさせてもらおう。よくぞ、この道を選んでくれた」

俺は不可抗力だったけど。そう心の中で漏らすエナメル。そんな彼を知ってか知らずか、話は進んでいく。

「早速だが、皆にはある任務に携わってもらう。とは言っても、そこまで難しい話ではない」

「ただ、現時点での実力を識りたいだけだ。試験から2ヶ月経過している以上、何かしらの変化があるだろうからな」

「任務、とは具体的に何をするのでしょうか?」

クラスメイトの一人『セコナオット』が質問をする。うむと頷き、騎士は一枚の紙を見せる。

「簡単な話だ。皆には小隊を組んでもらい、こちらで取り決めた任務を成功させればいい」

「どれも難易度は変わらない。死ぬ可能性もあるが、その時はその時だ。実力不足だったと、諦めてもらう」

ぶっつけ本番とは酷い話だ。他の人は兎も角、自分は何も経験が無いというのに。

愚痴を漏らすが、誰も気に留めない。エナメルは溜め息一つ吐いて、配布資料に目を通す。

「任務は大まかに分けて3種。吟味して、選択するように」

それだけ言った騎士は、教室の片隅に移動した。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/01(月) 22:53:53.38 ID:FDMAQXGZO
選択してください 下2です


1:リオグールス鉱山の探索
2:冥徒(ノスフェラトゥ)の討伐
3:北西の村の異変解決
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:56:05.36 ID:8/Yp1kvp0
3
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:56:06.91 ID:pR1NLI6DO
3
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:56:17.80 ID:XCGk0otQ0
冥徒
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 22:57:36.83 ID:FDMAQXGZO
ついでに3つ安価を
不良騎士、真面目騎士、教師の名前募集

不良が下2、真面目が下3、教師が下4で、教師は設定もお願いします
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 22:59:11.14 ID:rEdnVdB10
ガロン
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:00:13.28 ID:8/Yp1kvp0
バーン
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:06:57.35 ID:XCGk0otQ0
カルロス
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:07:18.49 ID:O5xBdb3/o
イトリアス
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:07:45.14 ID:O5xBdb3/o
すまん安価下
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:07:57.35 ID:cOP3vB2AO
名前:ウルフ
性別:男
外見:狼の亜人・筋骨隆々・長身・目つきがコワイ
性格:生徒思い・クチが悪い
特徴:いろんな武器が使いこなせる・基本は生身の方が強い
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 23:16:01.79 ID:FDMAQXGZO
「んー…」

ペンを回し、天井を見上げる。どれにするか、迷っているのだ。

ざっくりと任務を見てみたが、どれも一筋縄じゃいかないような雰囲気がある。

その中で一番厳しそうなのは、3番だ。一つだけ、内容が不明確なのだ。

「ま、いっか」

だが、それを気にするようなこともなく。さっと数字を丸で囲み、提出する。

一人が提出すると、他の生徒も後に続き提出する。時間は20分ほど設けていたのだが、半分以下で事が済んでしまう。

手早く集計し、結果を発表する。ある者は喜び、ある者は落胆し。

その様子を、エナメルはぼんやりと眺めていた。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 23:16:51.30 ID:FDMAQXGZO
下2、3にエナメルとチームを組むキャラ
今までに出たキャラ限定(騎士と教師除く)です
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:17:48.34 ID:Iw5GiTdM0
ksk
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:18:04.79 ID:rEdnVdB10
レイラ
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:18:17.02 ID:fIoZCO1oO
ナルシア
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:23:08.21 ID:8/Yp1kvp0
リアンとレイラ登場してないけど選べたの?
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:26:33.89 ID:/o/APzQF0
せっかくキャラ募集したんだし最初ぐらい全員参加にすればいいのに
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:27:26.23 ID:rEdnVdB10
>>39
それ
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 23:28:55.32 ID:FDMAQXGZO
「以上で、発表は終了する。昼には出発だ。数時間しかないが、準備を済ませて校門前に集合するように」

「では、解散」

騎士『カルロス』の号令とともに、一同は教室を飛び出す。傷薬の調達や物資補給。各々が為すべきと思ったことに勤しんでいる。

「ナルシアちゃんとエナメルくんかぁ。大丈夫なのかなぁ〜」

身の丈以上の槌に身体を預け、ゆらゆらと揺れる『レイラ』。緊張している様子は無い。

「力量が分からない以上、絶対と断言は出来ない。だが、個々の責任を果たせば、解決出来るだろう」

「さて、私達はどうする?僅かだが、時間はある。何かしらの対策は出来るが」

「ご飯とか用意したいなぁ。村で調達出来ないかもだし」

「私としては、全員の能力を把握したい。指示を出すとしたら、私がやることになるだろうからな」

「君は何を望む、エナメル。意見を聞かせてもらおうか」

ふむと黙考するエナメル。どうするべきか、正しい答えを模索する。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/01(月) 23:34:07.09 ID:FDMAQXGZO
1の技量不足が原因です ごめんなさい


一行が取る行動を下2に
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:38:15.34 ID:rEdnVdB10
まずは情報収集
村に何が起きているかなど地形などもと逃げるとしても逃げ道などを確保しておかない
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:39:33.95 ID:kKc3JpNT0
北西の村の情報収集
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 00:30:53.42 ID:6msL1YOXO
目的地が分かっているなら、情報収集が可能なはず。そう考えたエナメルの意見に、二人は賛同した。

騎士学校の書庫に入り、目的地周辺の情報を纏めた書籍を漁る。

つい先日保管された資料を見つけ、机に広げる。件の村は『レーカ村』と言うらしい。

「立地は…なるほど、森林の中にあるのか。それに、洞窟が一つ」

「この洞窟、儀式に使われたものみたい。『豊穣を祈る儀式』が100年前まであったって」

「ふむ。…エナメル、異変の方はどうだ?」

「えーと、先月から、急に体調を崩す人や家畜が増えてるらしいけど」

「それだけか?」

「いや、体調を崩した翌日に、その人は全員死んでるって書いてる」

「…逃げ出した人はいないのか?」

「そこまでは何とも言えないかな。情報が足りないんだ」

エナメルの報告を耳にして、ナルシアは黙り込む。険しい表情をしたまま、固まってしまった。

そして、昼休みを告げる鐘が鳴る。三人は荷物を纏め、校門前に向かった。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 00:58:05.83 ID:6msL1YOXO
馬車を走らせること1時間。鬱蒼と茂る木々の間、延々と続く道を、白馬が進む。

その中には、ナルシアとレイラ、エナメルがおり、軽食を取っていた。

「あと10分でレーカ村に着く。何か異常はあるか?」

「何も。死体一つ見えないね」

エナメルの言葉の通り、どこを見ても、何の変哲も無い普通の光景が広がっている。

蝶が舞い、鳥が唄う。自然豊かな場所なのだと、ひしひしと感じさせる。

「そうか…。分かった」

ナルシアがサンドイッチを飲み込むと、ガタンと馬車が揺れた。どうやら、段差を乗り越えたようだ。

木々を抜け、開拓された土地に入る。各地にあるような、小規模な集落がそこにあった。

「…酷い。お墓が沢山…」

10を超える墓と、30近い家畜の骸が、村の片隅にある。村人たちも、元気が無いように見えた。

「…誰だい、あんた達は」

枯れた声で青年が問う。レイラは『騎士学校から派遣された生徒』だと答える。

青年の反応は、芳しいものではなかった。

「はっ…。こんな若造を寄越すなんて、見捨てたってのかい…」

「悪いことは言わない。とっととお家に帰りな。でないと、死ぬぜ」

青年は虚ろな目をしたまま、家へと戻っていった。

「………。うーん?」

村に入って、出て。それを何度も繰り返し、エナメルは首を傾げる。

「どうしたのー?エナメルくん」

「いや、何か変な感じだなって」

「確かに、何だか村に入ってから疲れた気がするねぇ」

「疲れてはないんだけど。何というか…」

「『拒まれた』感じがしたんだ」

「それはそうだ。私達はまだ騎士見習い、候補生に過ぎない」

「あちらからすれば、素人を派遣されたも同然だ。信用せずに、追い出そうとしても不思議じゃない」

「そうじゃないんだよなぁ」

ナルシアの感じたことと、エナメルの感じたことは違う。だが、それを表す言葉を紡げない。

意思疎通も楽じゃないなと、エナメルは一つ学んだ。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 00:59:05.01 ID:6msL1YOXO
タイムリミットまで残り5ターン

一行が取る行動を下2に
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 01:06:11.26 ID:4ed6s9yp0
とりあえず家を一軒一軒調べる

そもそも村の人は本当に生きていたのか?
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 01:21:57.10 ID:vGU0pF9FO
村の散策調査
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 01:36:09.46 ID:6msL1YOXO
一行は、現状を把握する為に村を練り歩く。小さな村なので、然程時間は掛からない。

柵の中では、元気を無くした牛や鶏、豚がぐったりと寝転がっている。対照的に、子豚などの若い家畜は元気に動き回っている。

村の中では、老人の姿は殆ど見えない。見かけたとしても、息も絶え絶えの瀕死の状態だ。

薬を服用した形跡も見られたが、効果は全く無いようだった。

「生存者は、今のところは15人かな。老人が2人で大人が3人。残りは全員子供だ」

「家畜も、数は違うが似たような感じだな。因果関係がありそうだが…」

「病気じゃない、よねぇ。それだったら、薬を飲んでもぽっくり逝くのがおかしいし…」

「適切な対応をしていなければ、死にはする。…が、病気にしては死ぬまでが早すぎる」

「症状が軽い割に、翌日には即死しているなど、普通じゃあり得ない。そんなすぐに亡くなるのなら、かなり重い病気のはずなんだ」

「でも、そんな形跡は見られない。つまり、病気で死んでるとは考えにくい…ってこと?」

「ああ。老人ばかりが死んでいることに、何か意味があるはずだ。それが分かれば…」

分かれば、対処出来るかもしれない。何が原因なのか判明すれば、行動が見えてくる。

断片的な情報ばかりだが、少しずつ集まってきている。病気じゃないとすれば、考えられるのは。

「魔術的な干渉…?」

外傷も無く死んでいるのなら、暴力を振るわれて死んだことはあり得ない。その場合、何らかの痕が残る。

それが無いということは、直接肉体に干渉しないでも殺せる手段があるということだ。

そんなことが出来るのは、相応の力を持つものだけだ。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 01:36:49.60 ID:6msL1YOXO
タイムリミットまで残り4ターン

一行が取る行動を下2に
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 01:39:54.69 ID:vGU0pF9FO
加速
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 08:32:41.73 ID:YB9fFe+f0
洞窟の在り処とそこで行われていた儀式について調査する
54 :◇DCno15 [sage]:2019/07/02(火) 10:12:27.84 ID:LhgR+MHVO
てす
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 23:07:49.15 ID:6msL1YOXO
「洞窟と昔の儀式について調べたい?」

「うん」

エナメルの意見具申に、ナルシアはペンを動かす手を止めた。温かいミルクを口に含み、思案を開始する。

「…ほれ、牛肉のトマト煮だ。お代わりが必要なら言ってくれ」

机に皿が並べられる。間食用に頼んだ物だ。

「…気分が悪いというのに、済まないな」

「金は貰ってるんだ、仕事はキッチリとしないとな。…それに、仕事をやってる方が気が楽で良い…」

頭を抱え、椅子に腰掛ける青年。顔色は少し見かけなかった間に、更に悪くなっていた。

「…あ、一つ訊いても良いですか〜?」

「んだよ。知らないことには答えられないぞ」

「えーっと。昔、この村で儀式があったらしいんですけど。何か知ってますか?」

「…ああ。『童貢ぎ』のことか。それがどうかしたのか」

「さて、な。何があるかは分からないが、何かあるかもしれない」

「何をするにしても、情報は必要だ、特に、現地で収集出来る情報には、相応の価値がある」

「…ま、いっか。どうせ明日無くなる命だ。答えてやるよ」

「感謝する。では…」

それから、聞き取り調査が開始された。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 23:15:43.38 ID:6msL1YOXO
「まず、儀式の内容を教えていただきたい。豊穣を祈る割に、物騒な名前だが」

「はっ。薄々気付いているくせに、態々言わせるってのかい」

「人身御供だよ。洞窟に子供を数人閉じ込めて、恵みを受け取るんだ」

「何故廃れた?何か、不都合なことでも起こったのか?」

「そんな昔のこと知るかよ」

ナルシアの追求を、青年は鼻で笑いあしらった。

「では、別の質問をしよう」

「その洞窟はどこにある?」

「ここから徒歩で10分。あそこに見える大樹の根元だ」

「言っとくが、何かあっても責任は取らねえぞ。そんな余裕、こっちには無いんだ」

「別に良いよ。俺らが好きでやってることだし。でしょ?」

「…ああ。これは任務だ。私達が責任を持って解決するさ」

籠手に手を通しながら、ナルシアは凛々しい顔付きで言い切った。

ニコニコと微笑んだままのレイラは、無言で槌を握りしめた。
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/02(火) 23:16:19.57 ID:6msL1YOXO
タイムリミットまで残り3ターン

一行が取る行動を下2に
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 23:28:56.97 ID:ms50hcUH0
とりあえず洞窟向かう
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 23:30:01.09 ID:4ed6s9yp0
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/03(水) 00:06:53.73 ID:ahWeFLo5O
「本当にあったねー」

「人一人入るのがやっとの大きさか。確かに、外から閉鎖するのは容易だな…」

「中に死体とかあるのかな?」

「否定は出来ないが、気にするところが違う。手掛かりを見落とさないよう、注意を払うんだ」

「「はーい」」

松明を灯し、狭い道を進む。ここまで狭いと魔物すら出てこず、すんなりと奥へ進めた。

滴る水音と鳴り響く足音だけが反響する。心地良くも感じられ、不気味にも感じられた。

「…まただ。また、変な感覚がした」

「…うー…。しんどいなぁ…」

亀裂を抜け、空洞に差し掛かると同時に、身体が違和感を覚える。入り口に向けて押しやられるような、迫力の無い威圧感に似た感覚だった。

ふと後ろを見てみると、レイラの顔色が少しだけ悪かった。ナルシアの表情は変わってないが、何故か所作の一つ一つにぎこちなさを感じてしまう。

「…何かあるな。この先に」

踏み締めた白骨が砕ける音とともに、ナルシアはそう漏らした。
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/03(水) 00:33:24.71 ID:ahWeFLo5O
まさか、この空洞が最深部だったとは。あまりにも小規模な洞窟で、思わず落胆した。

これでは洞穴だ。洞窟などと大それた名前を付けるべきではない。

「何を落ち込んでいる。寧ろ、これは好機だ」

「こんな小さな洞窟で村と同じような感覚に苛まされるなど、ここに秘密があると自白しているようなものだ」

「そこまで広くないから、探すのにも手間は掛からないしねー…」

「そういうことだ。怪しいのはこの一帯だ。虱潰しに調べるぞ」

ナルシアの指示の元、捜索を開始する。しかし、何の成果も得ることは出来なかった。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/03(水) 00:41:04.28 ID:ahWeFLo5O
「おかしい…。ここに何かがあるはずなのに。無いとおかしいのに」

「でも、何も見つからなかったよぉ〜」

「………」

エナメルは岩に座り込み、記憶を辿っていた。今までの情報の中にヒントがあるはずだ。

ここは儀式の現場で、幼子の死に場所。そして、供物を捧げる祭壇でもある。

何かが姿を現わすとしたら、供物が捧げられるその瞬間だ。その何かが元凶だという確証は無いが、今打てるのはこの一手のみ。

もし、他に出来ることが無いのなら。これをやるしかない。

この中で一番若い自身を餌にして、獲物を誘き寄せる。
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