【安価】騎士を夢見て

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145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 17:23:20.52 ID:MjkPbTGi0
大きくなっていく違和感について話す
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 12:13:58.90 ID:xOAL31nXO
「「違和感がある?」」

「うん」

扱っている魔力が自分のものではないように感じること。そして、何か不純物のようなものが混じっているような感覚があることを伝える。

アンリは首を傾げて意味が理解出来ていないような表情をする。

それに対して、セコナオットは黙考していた。

「…言葉通りに受け取るなら、エナメルの中に”もう一人”いるかもしれないね」

「それも独自の魔力を持っているのなら、異物感を覚えても不思議じゃない」

「それか、ただ単に第二属性を持っていることを知覚していなかっただけかも。魔力を扱い始めてから分かるってのも、ままあることらしいからね」

「一人が複数の魔力を持つってあり得るのか?」

「先日いた騎士の目付きが悪い方。彼は、『氷』と『炎』の二属性持ちだよ」

「マジかよっ!じゃあ、あのお堅い感じの騎士は?」

「あの方は『赫雷』と呼ばれる特異属性を持つんだよ。一度お目にかかったが、感嘆の声しか上げられなかったね」

「へぇ。色々あるんだなぁ」

「まぁ、属性がいっぱいあるってのは悪いことじゃあないさ。ひたすら特訓をして、自覚するしかない」

「それか、先生に相談だなー。クリスタルで診てもらえるかも」

「ん、ありがとう」

原因が何なのかまでは分からなかったが、仕方のない部分もあるだろう。

これは、エナメル個人の問題。他人にどうこう出来ない領域もあるのだ。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 12:14:25.15 ID:xOAL31nXO
エナメルの行動を下2に
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 12:17:33.16 ID:Q43w1HrJo
先生に相談だ
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 12:22:22.51 ID:JVw3p4Pa0
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 12:32:23.95 ID:xOAL31nXO
「今はオフなんだが…」

眼鏡を掛けて、書類を作成しているウルフ。筋骨隆々な体格にはアンバランスにも思えるが、不思議とマッチしていた。

野生的なのに、どこか知的な印象を受ける。本人が意外とインテリ系だからなのか。

「…用は何だったっけな。ああ、魔法のことか」

「あと5分で仕事が終わる。それまで待ってろ」

「オフなのに仕事してるんですね」

「サービス休日出勤だ。手間の掛かる奴が多いからな、しょうがなく時間を削ってるんだよ」

「手間掛けてすみません」

「その分、誰かの助けになりゃチャラだ。精々頑張るこったな」

手を止めず、エナメルに応対するウルフ。スピーディに仕上げられる書類。

まるで、教科書そのもののような綺麗な文字が、びっしりと書類を埋め尽くしていた。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 13:01:28.18 ID:xOAL31nXO
「で、魔法のことで何を相談したいんだ?」

水晶玉を片手に指導室に入ってきたウルフ。眼鏡は外したらしい。

「魔力を扱ってると、違和感を覚えるんです。自分のものじゃあないような。変なものが混じっているような」

「他には?思い当たるものを片っ端から言え」

ウルフはこちらを見ながら、カリカリとメモを取っていく。

「…それと、偶に眠気を感じるような気がします」

「眠気…な。これで全部だな」

「はい」

ならばと、徐に取り出したのは真っ黒な瓶。コルクを抜いて、中の液体を水晶玉に掛けていく。

机から零れると思ったそれは、ピタリと動きを止め、綺麗な円形を保っている。

「これでよし…と。ほれ、魔力を流してみな。やり方は分かるだろ」

「えっと、はい」

水晶玉に両手を翳し、魔力を込める。中心で淡い光が瞬いた。

「もっとだ。最後の一滴まで絞り出せ」

「ぐ…ぐぐ………!!!」

筋肉が震え、汗が流れる。それに呼応して、光は更に眩く輝く。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 13:02:05.94 ID:xOAL31nXO
エナメルの属性を下2に 光と闇は除外です
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 13:02:36.19 ID:FFQ+N9so0
kskst
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 13:12:28.23 ID:9b3oV/3DO
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/10(水) 18:25:40.19 ID:xOAL31nXO
「はあぁぁぁ……!」

魔力を込めて早数分。流石に、そろそろ限界が見えてくる。

ウルフの視線は水晶玉に釘付けで、光が消えかけた瞬間に、叫んだ。

「何かイメージしろ!生き物でも道具でも何でもいい!物体を思い浮かべるんだ!」

「は…はい……っ!」

エナメルが咄嗟に記憶から取り出したのは、死の伝播者。直近で殺し合った相手故に、強く印象に残っていた。

ふと見ると、水晶玉の下の液体がどす黒く濁っていた。ウルフの視線はそちらへと向けられているようだ。

「…なるほど。もう充分だから休め」

「はぁ……はぁ………」

全身が脱力し、椅子にだらしなく倒れるエナメル。それを見ても、ウルフは咎めるようなことはしなかった。

まだ夕方にもなっていないが、瞼が重くてしょうがない。肉体を酷使したからなのか。

「…ふむ。単純に診た限りだと、お前の属性は3…いや、二つだ」

「一つはご存知の通り、模造勇者の証たる『光』。もう一つは…そうだな。『幻』と言えるか」

「『幻』ですか…あふ…」

ウルフは頷き、説明を始める。先生が言うには、黒く染まった液体の奥で、死の伝播者が見えたらしい。

エナメルもそれをイメージしたと伝えると、ウルフは一人で納得した。説明を求む。

「つまり、だ。お前が想像した虚像を、他者に押し付けるんだよ。幻覚を見せるって言う方が分かりやすいか」

「上手く使えば、相当やれる属性だ。五感すらも思いのままに操れるかもな」

「そうですか…ふぁぁぁ……」

大欠伸をするエナメル。ウルフは溜め息を一つ吐き、席を立つ。

「今日はもう寝ろ。明日から、本格的に講義が始まるからな」

「ありがとうこざいましたー……」

ふらふらと揺れながら、エナメルは指導室を出る。狭い部屋の中で一人、面倒そうに呟いた。

「…三属性持ち、か。困ったものだぜ…」

そして、くしゃくしゃにしたメモをゴミ箱に投げ捨てる。チラリと見えた部分には、『光』、『幻』、『闇』の三文字が書かれていた。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 15:00:20.38 ID:CL2kHXE+O
「…ってわけで、どの『冥徒(ノスフェラトゥ)』も闇属性を持っている。場合によっちゃ、他の属性も追加で持つがな」

「先生、冥徒は『四裂戦役(クアッド・ウォー)』の前にも確認されてたのですか?」

「ああ。最古の文献である『ヨハネの聖典』に冥徒に該当する存在が記されていた」

「聖典が書かれたのが、今から2000年くらい昔の話だ。それよりも前からいたんだろうな」

「発生機序は判明してないのかなぁ?」

「捕獲が難しいから、研究が進んでねぇんだよ。お前らだって知ってるはずだ」

「冥徒は光の下での生存が不可能…だから、光魔法が有効だってことを。だから、夜は灯りを点けるってことを」

ウルフの講義を受ける生徒たち。今回の内容は『冥徒』についてのことで、基本的な性質を学んでいる。

「また、一部の冥徒は『再誕(リバース)』という性質を持つ。これは、光属性でトドメを刺さなかった場合、世界のどこかで復活するって性質だ」

「知られている範囲では『ヨハネの四冥獣』が、この性質を持ってる。他にもいるんだが、まぁ、それは放っておく。カテゴライズされてねぇし」

「四冥獣はそれぞれ能力が異なってて、第一の獣『絶望の蹂躙者(ホワイトライダー)は…」

そこで、講義終了を告げる鐘が鳴る。話の腰を折られたウルフは、チョークを片付けた。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 15:13:17.70 ID:CL2kHXE+O
「魔物学の講義はこれで終わりだ。質問とかあれば、次回の講義までに来い」

「次は選択科目だ。遅れたりして、先生方に迷惑掛けんなよ」

「意味分からん」

「俺も」

「男二人は…」

「そ、そんなこと言ったら駄目ですよ…。ナルシアさん…」

「いや、俺は流石にヤバいと思うね」

「名家出身のお二方には分かるまい!俺達民間人の苦悩は!」

「何言ってるのアンリくん」

「マジトーンで返された!?」

休憩時間を過ごす六人。アンリとエナメルは椅子に座っており、他の四人はその近くで立ち話をしている。

「今日の科目、私は『魔術』にしよう」

「俺は『模擬戦』かな。どれだけ戦えるか知っておきたい」

「俺は『武術』!実戦でやらかさないようにならないと不味いからな…」

「事故で味方が死ぬかもしれないからね」

「おう…」

「私は『カウンセリング』です…。色々とはっきりさせたいものがあるので…」

「私は不参加かなぁ。絶対参加ってわけじゃないし」

「俺は…どうしよう。そこまで考えてなかった」

荷物を用意し始める皆をよそに、エナメルは天井を見上げて思考する。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 15:19:38.68 ID:CL2kHXE+O
どの科目を選ぶか下2に


魔術…魔力を用いるもの全般を学び、修練する。新魔法の習得も可能。『魔導』と呼ばれるものとは別物である。

武術…武器の扱いや体術など、戦闘に関わる技術を磨く。必殺技的なものを開発出来る。

模擬戦…実際に他キャラと戦う。経験を積む他、何かを識ることや仲を深めることが出来るかも。

カウンセリング…教師やカウンセリングの先生と話をする。アドバイスをもらえたり問題解決の一助になる。

フリー…自由時間。好きな行動を一回出来る。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 15:21:45.04 ID:S7s+OcNd0
魔術
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2019/07/12(金) 15:22:01.33 ID:DMqJjn9d0
魔術
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 15:22:07.06 ID:iJo9vVhDO
カウンセリング
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 15:23:31.05 ID:CL2kHXE+O
魔術専門の先生が必要なので、教師の設定を下2に
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 15:31:45.65 ID:1dbBXigr0
怪しげな魔女風の教師、口数は多くない
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 15:33:01.01 ID:S7s+OcNd0
ksk
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 15:51:49.03 ID:iJo9vVhDO
>>163
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 16:36:56.75 ID:CL2kHXE+O
「では、講義を始める…」

漆黒のローブ、如何にもといった三角帽子。傍目で見れば、魔女以外の感想が出ないほどに、魔女魔女していた。

一方で、こちらから両目を確認することは出来なかった。前髪や影が遮っているわけではなく、物理的に覆われ、隠されていた。

ローブと同じ色の包帯が巻かれており、その上で奇妙な紋様が描かれている。何か、悍ましい印象さえ受ける。

「…我は『ミーク』。別に憶えなくても構わん」

「手元のプリント通りに進めよ。我は寝る…」

それだけ言ったミーク先生は、穏やかな寝息を立てる。職務放棄だこれ。

そう思ったエナメル達だが、プリントを確認すると、講義中は寝ていることを堂々と書いてあった。

また、用があれば叩き起こせとも併記されている。機嫌を悪くしたりはしないだろうか。

「大丈夫なのかな。あの先生で」

「私達が口を言える立場じゃあないさ。…それに、彼女もまた、天才だ」

「『滅魔の聖賢』…それが、彼女の異名。ミーク女史によって滅ぼされた魔物の数は計り知れない」

「なんでそんな人が教師なんかやってるんだろう」

『…疲れただけだ。命を奪うことにな』

「うぇっ!?」

突然耳元で囁かれ、喫驚して思わず振り向いたエナメル。だが、そこには誰もいない。

「何か聞こえたのか?」

「…気のせい…なのかな?」

首を傾げるエナメルだが、時間が過ぎていることを気にして、練習台になる人形を取りに行く。

あの声は、ミークのものに似ていた。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 16:37:48.67 ID:CL2kHXE+O
魔法関係の特訓内容、または先生に尋ねたいことを下2に
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 17:04:26.67 ID:1dbBXigr0
先生の分身と魔法対決
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 17:59:46.29 ID:Wyuj5Hxu0
>>168
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 18:49:00.26 ID:CL2kHXE+O
人形に向けて、魔力の塊をぶん投げる。触れた途端に弾けたそれは、人形を壁まで吹き飛ばした。

魔法を受けることを想定しているからか、人形には傷一つ付いていない。

「うーん、しょぼい」

「ただぶつけるだけじゃあ、威力は出ない。形を変えたり、試行錯誤するべきだ」

そう言うナルシアの周りには、10個ほどの水の棘がある。ふわふわと浮いているそれには、一つずつ人形が刺さっている。

「とは言っても、こればかりは個人の問題だ。私が出来るアドバイスは無いだろうな」

「じゃあ、先生に頼むか。すみません」

「ん…。あ…ふぁ…ぁ……」

「…何の用だ」

見るからに不機嫌そうなミーク先生。叩き起こせと書いていたじゃあないか。

「俺、マトモに撃てる魔法を知らないので。だから、ヒントを掴むために…」

「…傀儡を作る。それと戦り合え」

そして、ミークはまた眠りにつく。その横では、黒い液体が集まっていた。

形を変え、カタチを持ち。目の前の先生と何ら変わらない人間が作り出された。

「好きな魔法を撃て。それに我が対応する」

「だから、その魔法を知らないんですけど…。まぁ、いっか」

ぽりぽりと頭を掻いた後、徐に投擲のポーズを取る。

「いきまーす。そらっ!」

エナメルの右手から、人の頭部と同じ程度の光球が放たれた。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 18:50:22.11 ID:CL2kHXE+O
下1のコンマが5以上でヒントを掴みます 8以上だと、魔法を一つ覚えます
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 18:55:41.74 ID:XMCzmVKMo
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 19:03:08.81 ID:CL2kHXE+O
「ふん」

何の小細工もしていないものが、何かを起こすはずもなく。ミークの手前で、光の球は塵と消えた。

お返しと言わんばかりに、ミークは同じものを撃ち出す。が、形は酷く歪だった。

例えるならと言うより、たらいそのものが飛んでいく。それは綺麗に、エナメルの顔面を直撃した。

「いったぁぁぁぁぁぁ!!?!?」

「ミーク女史、それは光魔法では…?」

「…真似事に過ぎんよ。そういう属性と思え」

「馬鹿げたことには、我がお灸を据える可能性があること、憶えておけ」

「…我は還る。貴様らも、真面目にするようにな」

この時、生徒全員がお前が言えることか。そう心の中で叫んだらしい。
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 19:16:57.33 ID:CL2kHXE+O
「鼻が痛い」

「…そりゃあ、そんな真っ赤っかになってたらな」

「何をされたの?魔術を受けて、そんなことになるかな」

「光属性のたらいを食らいました」

「ギャグじゃあるまいし…」

昼休み。着替えを済ませ、教室に戻ってきたエナメル達。

エナメルはプチサイズのシュークリームを口に運んでいる。他の全員も、当然のようにそれをつまんでいた。
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 19:17:25.59 ID:CL2kHXE+O
エナメルの行動を下2に
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 19:30:43.01 ID:1dbBXigr0
お昼寝中のレイラを発見
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 19:35:48.79 ID:zwDhyQOf0
屋上で一休みしようとしたら>>176
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 19:56:03.55 ID:CL2kHXE+O
「偶には一人でゆっくりしたいよね…」

屋上行きの階段を登るエナメル。本人は気付いていないが、シニアが絶賛尾行中だ。

と言っても、本人がしているわけではないのだが。

「…よし、誰もいないな」

エナメルは落下防止用のフェンスに腰を掛ける。激しく吹き抜ける風が心地良い。

「んぅ…はふぅ…♪」

「………」

何か声がしたので、振り返ってみる。そこには誰もいない。

「ん………ぁ…………」

また声がした。今度は、音源の方に向かう。

向かった先は昇降口。その上にも、人が居られるスペースがある。

梯子をよじ登った先にいたのは。

「………♪」

「………」

自身の槌を抱き枕にして寝ていたレイラだった。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 19:56:49.78 ID:CL2kHXE+O
どんな行動を取るか、またはどんなアクシデントが起きるかを下2に
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 19:58:59.76 ID:YhZpwZz40
なんとなく彼女の寝言に合わせて会話
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 20:04:04.76 ID:XCctGKOX0
ひたすら真横で観察
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 20:11:16.44 ID:CL2kHXE+O
「………」

「んーふふー……」

槌をぎゅっと抱きしめたまま、ホワホワとした笑顔を浮かべるレイラ。どうやら、楽しい夢でも見てるらしい。

「ナルシアちゃん…ぬいぐるみ…」

「ぬいぐるみ」

『ナルシア』と『ぬいぐるみ』。水と油や光と闇といったように、決して共存しないであろう言葉。

エナメルの興味はその言葉に惹かれ、無為に時間だけが過ぎていく。

その後、二人は仲良く次の講義に遅刻した。
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 20:24:43.14 ID:CL2kHXE+O
「話を纏めると、魔導ってのは魔力を用いた科学技術のことだ。今だと、魔導弓とか魔導炉心ってのがそれに該当する」

「魔力自体、かなりの力を秘めてるからな。それを用いる以上、相応の性能は保証されている」

「特に魔導弓については、魔力さえ持っていれば誰でも扱える上、威力も充分だ。尤も、消費も激しいからすぐに疲れるが…」

「まだ研究中の技術だが、頭の片隅に入れておいて損はねぇ。興味がある奴は、専門書を読んでおけよ」

「これで今日の講義は終わり。夜遊びとかしないようにな」

「終わったー!もう座学嫌!」

「そう言うなよ。騎士には必要なことだよ?」

「「………」」

「正座、そろそろ解いていいだろうな。ウルフ先生も、そんな目線を送っていた」

「足が痺れた…」

「あーうー………。助けてぇ……」

「回復魔法とか効かないですもん…。我慢してください…」

「やー……」

項垂れるレイラだが、足を動したらビクンと跳ね起き、蹲る。

スカートとかを無視してそうやっているのだから、相当堪えたのだろう。

かくいうエナメルも、1ミリも足を動かさずにいた。これで何か衝撃が来たら、死ぬ。

「あっ、ごめん!」

「ああああああああああああ!!!!!!!」

アンリが落とした水筒が、エナメルの足裏を直撃する。

痛みに堪えかねたエナメルは、芋虫のように地べたを転げ回った。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/12(金) 20:25:12.12 ID:CL2kHXE+O
エナメルの行動を下2に
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 20:29:19.16 ID:YhZpwZz40
寮に戻る途中に買い物中のシニアと会い一緒に買い物することに
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 20:29:21.76 ID:iJo9vVhDO
図書室に寄って見たらリアンがいた
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/16(火) 22:38:21.61 ID:5I0V4WeYO
「いったぁ…まだ痺れてるや…」

ヨタヨタと廊下を歩くエナメル。シニアに助けてもらおうかと思ったが、絶対何かやらかすので自粛する。

最低でもお米様抱っこ、最悪の場合、お姫様抱っこを敢行するだろう。もしかしたら、もっと酷い運び方をするやもしれない。

「わっ…と」

手を突いた先にあったのは、施錠のされていない扉。体重を乗せるエナメルを受け止めることなく、音を立てて開いた。

すんでのところで踏み止まるが、更に足に負荷が掛かり、苦い思いをすることになった。

「何してるんですか…」

「足がまだ痛いんだよ…」

蹲るエナメルの傍で、リアンが足を止める。幾つもの書物を抱え、眼鏡を掛けていた。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/16(火) 22:39:17.09 ID:5I0V4WeYO
リアンとの話題やイベント、アクシデントなどを下2に
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 22:41:31.00 ID:GI0ipWG80
リアンにラキスケ
安価↓
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 22:44:21.11 ID:g+oMLeQ90
高い棚にあった本を片付けようとして脚立にのぼったらバランスを崩したリアン
とっさにかばって下敷きになるエナメル(ラキスケ風)
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/16(火) 23:02:08.06 ID:5I0V4WeYO
「その本は何なのさ?」

痺れが治ったため、本棚に寄り掛かりながらエナメルは問う。

「魔術書です。もっと、魔法のことを知りたいと思ったので…」

「へぇ」

理論的なことなど全く分からないエナメルは、感嘆の声を上げることしか出来ない。

馬鹿にしているような意図などは一切無く、真面目にやっていることへの賞賛、それをエナメルなりに表しているだけに過ぎない。

捻じ曲がった性格をしていないことは周知の事実と化しているので、リアンも特に気に留めない。

「よいしょ……」

「危なくないかな。手伝おうか?」

「大丈夫で…すぅ…!」

「ひゃぁ!?」

脚立に乗り、棚の最上部に本を戻そうとする。が、その途中でバランスを崩し、落下してしまう。

「ちょっ…!」

咄嗟に身体が動いたエナメル。落下地点に滑り込み、落ちるリアンを受け止めるのだが。

「ぶぼっ」

「ひゃぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

不幸にも、エナメルの顔面が控えめな山で押し潰されてしまう。

僅かに主張する柔らかさ。それを感じながら、エナメルは意識を失った。

人の落下エネルギーまでを受け止めることは叶わず、後頭部を強打したエナメルは、あっさりと気絶してしまったのだ。

そして、数分後。模造勇者故か、何事も無かったかのように目を覚ました。しかし、その数分の記憶は抜け落ちていた。
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/16(火) 23:02:44.24 ID:5I0V4WeYO
エナメルの行動を下2に
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 23:04:34.79 ID:wmp2elKS0
ksk
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 23:09:37.24 ID:Oz4lK96J0
>>185
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