「核のボタンを押してください!」

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4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/10(金) 21:10:34.10 ID:rBcPHpC60

「抵抗なんてしないでください、その瞬間にあなたを撃ちます」

周りの誰も止めなかった。武器を持つワカモトが危険だとしり込みしたからか?

……違う、皆分かっていた。残された手段はそれしかないと。

人類が生き延びるにはこの兵器に望みを賭けるしかないということを。

「ふっ、まぁ、それも良かろう」

局長が椅子から立ち上がった。

まるでボタンの前へ招くようにワカモトの進路を空けて言った。

「その方がアッサリ[ピーーー]て楽かもしれん」

「……強情をっ!」

「強がってないさ。遅かれ早かれ一日のズレだ」

もう言い返す気分にもなれなかった。局長は既に事態の解決を諦めているとワカモトには直感で理解できた。

――しかしいざボタンの前に立つと緊張が増した。

その手で握りしめる武器も機械相手では自信をつけてくれなかった。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/10(金) 21:11:56.67 ID:rBcPHpC60

「核を……使うならもう、これ以上は……」

自身に言い聞かせるようにワカモトが呻る。

事態を静観していた全職員からの注目が彼の指先へと注がれている。

モニターには依然とカウントダウンの表示。

プレッシャーで息苦しくなったワカモトがゴクリと喉を鳴らした瞬間、

「どうした、ボタンを押さないのか?」

局長の声が背中を押した。

ワカモトの指先が吸い込まれるようにボタンに触れる。

次いで無機質な合成音声がミサイルを発射したことを施設内の全職員に告げた。

「ああ……!」

ワカモト含め、職員達の視線がモニターの変化に釘付けとなった。

誰ともなしに声が上がり、そこには新たなアイコンが表示された。

ミサイル。それが先程から映し出され続けていた巨大隕石の表示と今重なる。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/10(金) 21:13:13.84 ID:rBcPHpC60

「やったか!?」

職員の一人が思わず立ち上がった。

しかし隕石の表示は消えなかった。

それはこれまでと全く同じ結果――旧時代に作られた強力な爆弾、放たれた核よりも何倍も威力を持つ
数々の破壊兵器がそうであったように――地球へと迫る巨大隕石に傷の一つもつけられやしなかったのだ。

最早人類、いや、地球にはその崩壊を免れる為の手段が残っていない。

局長が悟った様子で顔を伏せた。

「そらみろ」

カウントダウンは依然止まらず。

センター内の緊張は先程までと比べられない。


「だから押すのが早いと言ったんだ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/05/10(金) 21:14:22.18 ID:rBcPHpC60
>>4 訂正

〇「その方がアッサリ死ねて楽かもしれん」
×「その方がアッサリ[ピーーー]て楽かもしれん」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/10(金) 21:40:51.42 ID:jzQAPG/5O

「やったか!?」

脳内職員の一人が思わず立ち上がった。

しかしウンコ表示は消えなかった。

それはこれまでと全く同じ結果――旧時代に作られた強力な下痢止め、放たれた整腸剤よりも何倍も効果を持つ
数々の内服薬がそうであったように――肛門へと迫る巨大ウンコに傷の一つもつけられやしなかったのだ。

最早俺、いや、肛門にはその決壊を免れる為の手段が残っていない。

脳内局長が悟った様子で顔を伏せた。

「そらみろ」

我慢による脂汗は依然止まらず。

電車内での周りの人々の視線は先程までと比べられない。


「だから電車に乗るのが早いと言ったんだ」







「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 07:08:43.42 ID:Gt4kkGmfo
>>8
しね
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