ぐだ男「アーサー王の死?」マシュ「はい先輩。」

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43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 19:52:54.60 ID:m0F9aSEs0


水着スカサハ(湖の乙女)「ああ、アイアンサイド卿。お前は私を『あ・い・し・て』いるだろう?」ニマー

オルタニキ(赤騎士)「あぁん?」ブチッ

ドバキッ

水着スカサハ(湖の乙女)「愛しているだろう?」グッ(拳ニギリー)


オルタニキ(赤騎士)「…だったら、どーした?」イライラ


水着スカサハ(湖の乙女)「これを見ろ!アイアンサイド。」サッ


メイヴ(?)  「…チーン(槍にハリネズミにされている)」


水着メイヴ(?)「…アノアマ(同上)」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 19:55:51.18 ID:m0F9aSEs0
オルタニキ(赤騎士)「…なんだ。その無残な死体は。」


水着スカサハ(湖の乙女)「こいつらは私の親族なのだが、見ての通りこのように殺されてしまったのだ。(ぽいっ)
             そして、この残虐な手口、どう考えても円卓の騎士ガウェイン卿か、ランスロット卿の仕業に
             違いないだろう。」トイウコトニシテオケ


オルタニキ(赤騎士)「…それを俺に告げて、お前は俺に何を望む?」

水着スカサハ(湖の乙女)「はっはっは。(ぽい)皆まで言わせてくれるなアイアンサイド。当然お前は愛する私の敵討ちのために、
             あの円卓の騎士ガウェイン卿か、ランスロット卿と命をかけて戦って、
             奴らを討ち取ってくれるのだろう?」


オルタニキ(赤騎士)「…」


水着スカサハ(湖の乙女)「どうした黙って?私のために命がけで戦えることがうれしくて
             照れているのか?カワイイヤツメ。」

ぐだ男「そう。赤騎士の真の目的は愛する湖の乙女の仇討のため、円卓の騎士を呼び寄せ討ち取ることだったのです!」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 19:56:38.41 ID:m0F9aSEs0

オルタニキ(赤騎士)「…というわけで俺は年齢不詳の妖怪ババア…じゃなくて、湖の乙女から、
           騎士を討ち取り彼らの亡骸を辱める度に強くなるという呪い…もとい祝福を
           賜った。これが、俺の日中7倍といわれる力の秘密だ。」


マリー(ボーメイン)「なるほど、危険の城を包囲したのも、あの兄弟達が貴方に協力したのも、円卓の騎士を
           呼び寄せるためだったのね。」

邪ンヌ(ライネット)「そのために、姉さんを苦しめて…」

マリー(ボーメイン)「赤騎士さん。遺恨があるというのなら、キャメロットのガウェイン卿とランスロット卿に、
           まず話し合いにいくべきだったわ。彼らは素晴らしい騎士。必ず真相を話してくれるはずよ。」

オルタニキ(赤騎士)「…かもな。だが今や詮無き事。さっさと[ピーーー]がいい。」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 19:57:50.14 ID:m0F9aSEs0

マリー(ボーメイン)「いえ、今からでも遅くないわ!キャメロットにお行きなさい。
           そして、今回のことと、真相を本人からお聞きなさい。」

           
オルタニキ(赤騎士)「なに?これほどの殺戮をした俺をお前は許すというのか?」


マリー(ボーメイン)「許すのではありません。私は貴方の話を聞いて、真実を知ったわ。
           だから貴方もまた、彼らから話を聞いて真実を知るべきよ。
           すべての処遇は、真実が明らかになってからでなければならないわ。」

オルタニキ(赤騎士)「いいだろう。俺はお前に敗れた身だから従おう。だが、一つだけ教えてくれ。」


マリー(ボーメイン)「はい?」


オルタニキ(赤騎士)「俺は、赤の国の赤騎士、アイアンサイド。どうか、俺を倒した貴方の名前を教えてくれ。」

マリー(ボーメイン)「そうね…いいでしょう。」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 19:59:13.71 ID:m0F9aSEs0
マリー(ボーメイン)「私の名は、ガレス。」

マリー(ガレス)「今は亡きオークニーのロット王の息子、ガレスというわ。」

オルタニキ(赤騎士)「なんだと!あの、偉大なるロット王の…!」

邪ンヌ(ライネット)「ロ、ロット王ですって!?ボーメイン、なんでずっと黙っていたの!?」

マリー(ガレス)「…フフ。そうね、だって私のこととなると、
         皆枕言葉にまずお父様がついてしまうのですもの。」


マシュ「そう!ボーメインとは、あのガウェイン卿の弟の、ガレス卿だったんですね。」

ぐだ子「ガレス?どっかで聞いたような…」

ぐだ男「確かベディがちゃん付けで読んでなかったっけ。」

ぐだ子「そういえばそれっぽい子にどこかで会ったような…ちなみにロット王って、もう亡くなっているの?」

マシュ「はい。伝説によってはアーサー王のよき協力者になるロット王ですが、
    アーサー王の死の中では、ある理由によって反アーサー王の鬼となり、ペリノア王に
    討ち取られたとされています。」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:01:17.77 ID:m0F9aSEs0
ぐだ男「こうして、赤騎士は、キャメロットに赴き、直接ガウェイン卿と、ランスロット卿と話し合います。
    円卓の騎士たちが、どのような真相を語ったのかは記されておりませんが、赤騎士は二人の話に驚愕し、
    逆恨みをしたことを詫びます。」


======キャメロット===========


オルタニキ(赤騎士)「アーサー王よ、俺は貴方の騎士に敗れた身。今後は貴方に剣を預け王と、その配下の騎士のために
           戦うことを約束しよう。」

アルトリア「アイアンサイド卿よ。その荒ぶる心を抑え、正義のために力をふるうと誓うのならば、
      我々は卿と、卿の配下のものたちを歓迎しましょう。」


ベデヴィエール「あ、あの赤騎士が、我が王に平服するとは」

アグラヴェイン「…まったく、たいしたものだな。」

ガウェイン(お見事ですね。まさかこれほどとは。)

ランスロット(ああ。)
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:02:43.98 ID:m0F9aSEs0
49

ぐだ男「こうして、赤騎士達、ガレスに敗れた騎士たちは今後はキャメロットの恭順し、
    アーサー王もまた、快く受け入れたのでした、と…」

ぐだ子「えーっと、黒の騎士は死んじゃったけど、他に緑の騎士と赤の騎士、それに藍色の騎士が仲間になって…
    大手柄じゃない。」

マシュ「ええ、騎士たちの配下や領土もそのままキャメロットが併合されるわけですから、素晴らしい功績ですね。」

ぐだ子「でも、まだボーメインが何者か、アーサー王や皆は知らないのね。」

マシュ「ランスロット卿だけは、実は騎士に任命する際に教えてもらったそうですが、それでもガレスのために
    秘匿しているようですね。」

ぐだ男「読む限りだとガウェインも気をつかっているから、内心気づいてそうだけどね。
    …そしてとうとうボーメインの正体を知る人物が、キャメロットを現れました。」


50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:04:08.90 ID:m0F9aSEs0
===キャメロット========



アルトリア「只者ではない、ということは一目見てわかりましたが、まさかこれほどの活躍をしてくれるとは
      いささか驚きですね。」

ガウェイン「全くですね。実に喜ばしいことです。ねぇ?ガヘリス卿、アグラウェイン卿。」

サンソン(ガヘリス)「ん?まぁ確かにすごいことだが」

アグラウェイン「その口ぶり。もしやガウェイン、卿はあのボーメインが何者なのか知っているのか?」

ガウェイン「…貴方たち、ひょっとしてガチで気づいていないのですか?彼は…」

ベデヴィエール「た、たた大変です。我が王!」

アルトリア「どうしました、ベデヴィエール卿。騎士がそのように慌てたら、周囲の者まで
      動揺してしまいますよ」

ベデヴィエール「失礼、では申し上げます。オークーニーのロット王妃が、我が王にお会いしたいとおいでです!」

アグラウェイン「なっ!?」

アルトリア「なんだと!?すぐにもてなしなさい、丁重に!」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:04:40.87 ID:m0F9aSEs0
====謁見の間===========


ぐだ男「ロット王妃は、それはそれは美しいご婦人でした。」


酒呑童子(?)「〜♪」

アルトリア「…」

円卓の騎士's「…ゴクリ」


酒呑童子(?)「久しぶりやなぁ。アーサー。」

アルトリア「お久しぶりです姉上。ご機嫌麗しゅう。」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:05:28.91 ID:m0F9aSEs0

酒呑童子(?)「そんな固くならんとき。姉弟なんやから、もっとざっくばらんになぁ?(ふー)」


アルジュナ(?)「…ぐ、ぐはぁ!」

金時(?)「兄弟!?」

カルナ(?)「あんちゃん!?」

アルジュナ(?)「…じゃ、弱体無効が無ければ魅了だった…」

金時(?)「…あいつが、ロット王妃のモルゴースか。」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:07:42.06 ID:m0F9aSEs0
ぐだ子「あれ?ガウェイン達のお母さんってモルガンって名前じゃないの?」

マシュ「アーサー王の死では、アーサー王には3人の異母姉。モルゴース、エレイン、モルガンがいることになっており、
    長女のモルゴースがロット王妃になっています。とても美しい女性であり、
    その気がなくても男性を魅了し、骨抜きにしてしまうほどだったそうです。」

ぐだ子「エッチな割に押しが弱そう…うーんなるほど。それで、モルガンとモルゴースは一緒くたにされたり
    するってこと?」

マシュ「伝説によっては混同されます。しかし、モルゴースの名前の語源は『オークーニーのモルガン』だという
    説もあるため、彼女はモルガンから派生して誕生した、ともいわれているようですね。」


ぐだ男「そこはなんか鶏と卵な気もしてくるね。」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:08:55.79 ID:m0F9aSEs0

アルジュナ(?)「聞きしに勝る美しさ…だが気をしっかり持たねば、
         心身とも溶かされる…そんな鬼気迫る恐ろしさまで感じさせますね。」

金時(?)「おい、しっかりしろ兄弟。なんせあの兄弟達の母上だ。おっかない奴に違いねえぞ。」


アルトリア「それで、今日はなぜわざわざこのキャメロットに?」

酒呑童子(モルゴース)「ああ、うちの息子、ガレスのことよ」


ガウェイン「…」


サンソン(ガヘリス)「!」


アグラヴェイン「ま、まさか…」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:10:26.62 ID:m0F9aSEs0
酒呑童子(モルゴース)「ガレスがなぁ、お兄様たちみたいな立派な騎士になるゆーて
            聞かんもんやからなぁ、うちも涙を呑んで送り出したんやけど…」


アルトリア「もしや…」


酒呑童子(モルゴース)「聞いた話ではまる一年も、厨房の下働きでこき使ってくれたんかい!一体どういう了見や!」


アルトリア「そうか異父姉上。彼は貴方の息子だったのですね。」


ぐだ子「ここで、ネタ晴らし!」

マシュ「はい。特に彼の兄たちは驚いたでしょうね。」


56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:11:40.44 ID:m0F9aSEs0
酒呑童子(モルゴース)「そして、そこの小僧ども!」

ガウェイン「はい。」

サンソン(ガヘリス)「う。」

アグラヴェイン「むむ。」


酒呑童子(モルゴース)「一年も一緒にいて、あの子が自分の弟だって気づきもしなかったんかい?」

アグラウェイン「え、ええ。しかし母上。最後にガレスと私たちがあったのはもう随分と昔で…」

酒呑童子(モルゴース)「…そうよなぁ。なんせあんたらが弟に出仕してからこの12年間一度も、
            オークーニーに顔を見せにすら来んかったもんなぁ!?」

アグラヴェイン「そ、それは(ギクッ)」

酒呑童子(モルゴース)「あー。こんな息子たちに嫌われてもうて、うち悲しいわぁ。(はぁ〜)」

円卓の騎士's「うぐあっ(魅了)」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:13:28.01 ID:m0F9aSEs0

ガウェイン「…ええ、母上。確かに我が王に仕えてから、私たちはオークーニーに戻りませんでした。
      しかし、それは母上がオークーニーの地を立派に治めてくれていたからです。」

サンソン(ガヘリス)「我々が王のために力を尽くすことができているのも、
           母上に故郷を安心して任せていられているからにほかなりません。」


アグラヴェイン「そこはその…感謝しておりますとも(ボソッ)」


ぐだ子「…あれ、意外と親子仲っていいの?これ」

マシュ「アーサー王の異父姉、モルガンは邪悪な魔女として描かれていますが、モルゴースは過去にひと悶着あったとはいえ、
    アーサー王と比較的友好関係だったようですね。ガウェイン卿達もこの場では母親との再会を素直に喜んでおり、
    親子仲は悪くなかったみたいですね。…少なくともこの時点では。」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:14:16.27 ID:m0F9aSEs0

酒呑童子(モルゴース)「全く、口ばっかり達者になって…本当に、ちゃんと役に立ってるんやろなぁ?」


アルトリア「ええ、彼らには何時も助けられております。」


ガウェイン「そして母上、一つ伺いたいのですが、母上がガレスを送り出すとき、どのような準備をされましたか?」


酒呑童子(モルゴース)「そりゃあもう、今は亡きあの人に恥じないよう、金銀財宝土産にさせて…」


ガウェイン「ははは、そうでしょうね。しかし、あの子がここを訪れたとき、彼はとてもそのような姿で
      はありませんでした。ぼろぼろのように疲弊し、従者の肩をたよりやっとのことで辿り着いたような風体でした。」


酒呑童子(モルゴース)「なんやって?…それじゃあの子は。」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:14:45.66 ID:m0F9aSEs0
サンソン(ガヘリス)「金遣いが悪く、あっという間に散財してしまったか!」


アグラヴェイン「いや、人の好さが災いしてだまし取られてしまったのかもしれん!」


ガウェイン「君たち、ちょっと黙ってなさい。」


アルトリア「彼は、自分の身分も、素性も頼りにせず、あくまで独力で円卓の騎士になりたかったんでしょうね。」


ぐだ男「このように事の真相は、ガレス卿がオークニーの王子であるとい素性に頼らず騎士に
    なろうとしたからだ。とモルゴースは悟ります。」

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:16:04.04 ID:m0F9aSEs0
ぐだ子「ケイやランスロットと戦うとき武装してたけど、必要なものはお母さんが実は用意していたのね。」

マシュ「他の兄たちがアーサー王に仕えてしまったため、モルゴースはとくに手元に残ったガレスを
    特に溺愛していたといわれています。だからこそ、過保護な母親から自立したいという思いも
    ガレスにはあったのかもしれませんね。」


酒呑童子(モルゴース)「ほんに、あの子らしいけど…少しはうちの気持ちをくんでくれてもええのになぁ。」


アルトリア「…姉上。」

ぐだ男「ここで聡明なアーサー王はなぜ今頃になって、異父姉が自分のもとを訪れたのか察します。
    そう、彼女は大きな手柄を上げ、今まさに円卓の一員として認められ祝福されようとする
    ガレスを一目見るためにわざわざキャメロットにやってきたのでした。」


アルトリア「…このように、私たちは、ガレスの意思を尊重しその通りに扱い、ガレスもまたそれに応えてくれました。
      そして、ついに冒険をやりとげ、今まさに我々は、彼を再び迎え入れようとしているところです。」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:17:08.43 ID:m0F9aSEs0

ベディヴィエール「そうですね。そしてガレス卿が来てから今日まで、彼を不当に扱おうとしたものはこのキャメロットに
         ただ一人しかおりません。」

ランスロット「うむ。ケイ卿だけだな。」

ガウェイン「ケイ卿だけです。」

サンソン(ガヘリス)「ケイ卿だけか。」

アグラヴェイン「ケイ卿だけだな。」

アルトリア「ケイ卿だけですね。」

イアソン(ケイ)「え?」

酒呑童子(モルゴース)「…」

イアソン(ケイ)「ちょ、ちょっと待てお前たち!」

酒呑童子(モルゴース)「…その話。ゆっくりうちに聞かせてくれる?(ニマー)」

イアソン(ケイ)「おっ、お助けー!」ダダダ

酒呑童子(モルゴース)「にがさへんよぉ?」シュ

62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:17:57.93 ID:m0F9aSEs0
62

ランスロット「さぁ、ケイ卿が時間を稼いでいる間に、急いでガレスをキャメロットに呼び寄せよう!」

アルトリア「時間が惜しい。ここは私が直接危険の城に行く!」


===危険の城=======


ジャンヌ(ライオネス)「ガレス卿ですか?新しい冒険の旅に出かけましたよ?」

アルトリア「なんですって?」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:18:47.12 ID:m0F9aSEs0

ぐだ男「実は、アイアンサイド卿がキャメロットに向かっている間、危険の城でもひと悶着あったのです。」

==危険の城===========

邪ンヌ(ライネット)「駄目です。認めません。」

マリー(ガレス)「何故です?私はこのために、冒険をやりとげのよ?」」

ジャンヌ(ライオネス)「ライネット。あなたは私たちの結婚を許さないというのですか!」

邪ンヌ(ライネット)「たぐいまれな幸運と私の力添えがあったとはいえ、確かにガレス、あなたは私の姉を救ってくれました。
           しかしだからといってすぐに結婚するというのは時期尚早です。いきなりすぎます。よくないです。」

ぐだ男「危険の城が解放されたあと、ガレスとライネットは、自分達の従者や、弟を通じて探りを入れあい、
    お互いの素性、気持ちを確かめ合います。しかし、それでもすぐに結婚するのは早すぎないか、という結論になっていしまいました。」

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:19:20.08 ID:m0F9aSEs0

マリー(ガレス)「でも私たち、相思相愛よ?」


ジャンヌ(ライオネス)「相思相愛ですよ。」


邪ンヌ(ライネット)「いいガレス。そもそも貴方は姉と結婚するには若いです。若すぎます。今はよくてもいずれ心が変わるかもしれないわ。
           たとえば、自分にはもっと年齢相応の、若い乙女が似合うんじゃないか?とか…」

マリー(ガレス)「?」


ジャンヌ(ライオネス)「?」


邪ンヌ(ライネット)「と、ともかく、まずは健全なお付き合いから始めるべきです!結婚をするのはそれからでも遅くはないでしょう!」

65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:20:06.38 ID:m0F9aSEs0

マリー(ガレス)・ジャンヌ(ライオネス)「「はーい」」バタン



邪ンヌ(ライネット)「…まったく、なによ、あんなにデレデレしちゃってはしたない。ずっと
           貴方を支えていたのは、誰だと思ってるのよ(ブツブツ)」

サンタリリィ(?)「支えていた?ずっと罵倒してたの間違いじゃないですか?」


邪ンヌ(ライネット)「…うるさいわねグリンガモー!生意気な弟よ。…これはそうね、
           あのドラ〇エ5に例えれば、ビア○カじゃなくて、フロー〇を初回プレイで
           選ぶような暴挙よ!全く信じられないわ!」

サンタリリィ(グリンガモー)「でも、それがガレスさんの旅の目的だったのですよ?」ロンパデス!

邪ンヌ(ライネット)「ぐぬぬ」

66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:20:39.17 ID:m0F9aSEs0
ジャンヌ(ライオネス)「では、まずは健全にお茶でもしましょうか。」トクトク

マリー(ガレス)「ええ、いい考えね。」ズズー

ジャンヌ(ライオネス)「…」

マリー(ガレス)「…」

ジャンヌ(ライオネス)「…ドキドキ」

マリー(ガレス)「…ドキドキ」

ジャンヌ(ライオネス)「…ガレス
マリー(ガレス)「…ライオネス」そー
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:21:10.46 ID:m0F9aSEs0

邪ンヌ(ライネット)「なにをふしだらな!!我が騎士よ!やっておしまいなさい!」

剣ジル(騎士)「エッチなのはいけませんぞー」ジャーン

マリー(ガレス)「…きゃあ!」スパーン!(騎士の首をはねる)


=====夜===============


ジャンヌ(ライオネス)「やれやれ、昼間にはひどい目にあいましたね。今日は休みましょうか。」(寝室に引っ込む)



マリー(ガレス)「ええ、おやすみなさい。」


マリー(ガレス)「…ドキドキ」


キィー(寝室のドアの開く音)
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:22:26.73 ID:m0F9aSEs0

マリー(ガレス)「…ライオネス、少しいいかしら?」ヨバーイ…

ジャンヌ(ライオネス)「ああ、ガレス!来てくれたのね!」


邪ンヌ(ライネット)「破廉恥です!!我が騎士よ!今度こそ懲らしめてやりなさい!!」

術ジル(騎士)「婚前交渉はよくないですぞー」ジャーン

マリー(ガレス)「…きゃあ!」スパーン!(騎士の首をはねる)


ぐだ男「こうして、二人は結婚を先延ばしにします。そして、結婚するまでの間二人が貞淑であるように
    ライネットは気をつかい、淫らなことをしないように配下の騎士をけしかけ、二人の貞節を守るのでした。」


ぐだ子「ひどいツンデレね。騎士たち首をはねられてるし。」

マシュ「はい、しかしこの騎士たちは、ライネットが治療をすると、すぐに息を吹き返します。
    ライネットもまた、すごい癒し手か、あるいは魔術師のようですね。」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:23:13.26 ID:m0F9aSEs0

ぐだ男「そして、エッチなことをしようとする度にライネットが邪魔してくるものだから、
    ガレスは欲求不満を晴らすために冒険に出てしまっていたのでした。」

===危険の城=======


アルトリア「それは、困ったことになりました。このままではケイ卿が骨抜きにされてしまう…。」

ジャンヌ(ライオネス)「陛下。ガレスを危険の城に呼び寄せるなら、いい方法がありますわ。
            ただ、そのために陛下の力をお借りしたいのですが…」

アルトリア「お聞かせいただきましょう。」

ジャンヌ(ライオネス)「はい。実は…」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:23:43.28 ID:m0F9aSEs0

====キャメロット===============

ベデヴィエール「なるほど、ライオネス婦人は危険の城がアーサー王の支配下になったことを記念して、
        槍試合を執り行いたいということですか。」

ランスロット「そして婦人はその優勝者と結婚をするつもりである…と。」


アグラウェイン「なるほど、それならばブリテンのどこにいたとしてもガレスは
        これを聞きつけ、危険の城に戻ってくるでしょうな。」


アルトリア「ガレスの活躍により、多くの騎士が仲間になった。彼らの実力を測り、
      また円卓の力を周囲に示すよい機会になるでしょう。」


ぐだ子「槍試合ってなに?」

マシュ「槍試合とは、騎士たちが武芸を示しあう中世騎士社会におけるビッグイベントですね。
    優勝者は素晴らしい武具を賞品にもらったり、あるいは今回のように高貴な身分の女性と婚姻を結んだりして、
    貴族達と血縁を結んだりしたそうです。名誉と地位を得るための大チャンスで、多くの騎士たちが
    命をかけて競い合ったといわれています。」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:24:34.34 ID:m0F9aSEs0

アルトリア「よって、相応のメンバーを揃えたいところです。我が甥達よ、参加してくれるか?」


サンソン(ガヘリス)「いいとも。」

アグラヴェイン「無論です。」

アルトリア「それと、ガウェイン。もし、既婚者が優勝した場合には優勝者の奥方に対して、素晴らしい賞品を用意
      されているそうだ。安心して妻のために奮闘してくれ。」

ガウェイン「勿論です。我が王のため(強調)、全身全霊を尽くします。」

アルトリア「…」

ぐだ子「ガウェインって妻帯者なんだっけ。」

ぐだ男「確かラグネルって女性と結婚してたって。」

マシュ「そうですね、アーサー王の死において、ガウェイン卿のお子さんも登場してますよ。
    ただその子たちのお母さん、どうもラグネルじゃないらしいんですけどね。」

ぐだ子「へー…結構やるのね。ガウェインも」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:25:10.23 ID:m0F9aSEs0
アルトリア「それと、若手にも活躍してもらいたいな。ド・ゲール兄弟!
      貴公らも武勇も示してもらおうか。」

金時(ラモラック・ド・ゲール)「おう!任せてくれ大将!」

カルナ(パーシヴァル・ド・ゲール)「命令とあれば。」


ぐだ男「槍試合のため、まず、アーサー王の甥であるガウェイン卿、ガヘリス卿、アグラウェイン卿が名乗りをあげます。
    そして、若いながらも優れた武勇をもつ、ド・ゲール兄弟などが、出場することとなりました。」

ぐだ子「流石によく知らない人たちもいるわね。まずガヘリスってのは?サンソンなのはマリーのつながり?」

マシュ「ガヘリス卿は、ガウェイン卿の弟騎士ですね。ガヘリス卿は優れた騎士ですが、
    一方で政敵の排除のために非道な手段も辞さない苛烈な面もあったようです。
    サンソンさんがイメージなのも、そのようなところからでないでしょうか。」


ぐだ男「うーん。はっきり言ってしまうと、無防備な女性の首を刎ねるのがうまそうな気がする。」

マシュ「先輩!」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:26:29.44 ID:m0F9aSEs0

ぐだ子「あとド・ゲール兄弟っていうラモラックとパーシヴァル。パーシヴァルは聞いたような気がするけど。」


マシュ「このお二人はペリノア王の息子とされています。お兄さんの赤の盾の騎士ラモラック卿は、若いながらもランスロット卿や
    トリスタン卿と並び評された、円卓最強と呼ばれる騎士のおひとりだそうですね。」


ぐだ男「のわりには、聞いたことないなぁ。」


マシュ「ええ…実はこのラモラック卿、若さ故のおごりか、かなり傲岸不遜な面があったようでランスロット卿や
    トリスタン卿など、多くの騎士と衝突を繰り返したそうです。しかし乱暴ですが根は正義感の強い人柄で、
    最終的には多くの騎士と友情をつちかっていくことが伝説に記るされています。」


ぐだ子「なるほど、ちょっと幼い腕白ヒーローってことね。んで、パーシヴァルが彼の弟なのね。
    配役がカルナなら、とっても高潔な騎士に違いなさそうね。」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:27:47.51 ID:m0F9aSEs0

マシュ「そうですね、弟さんの聖杯の騎士パーシヴァル卿も、円卓の騎士の中で特に素晴らしい騎士とされています。
    ただ、彼は他の騎士達とちょっと変わった経歴があるようです。」

ぐだ男「経歴?」


マシュ「はい。実はパーシヴァル卿のお母さんは、夫のペリノア王や子のラモラック卿が、いずれ謀殺されるであろうと
    予期していたんです。」

ぐだ男・ぐだ子「「え」」

マシュ「パーシヴァルまで毒牙にかかってしまってはいけない、と判断した賢母の計らいにより、
    幼少期は騎士社会から匿われ、野山を駆け巡ってパーシヴァル卿は育ちました。
    そして後に聖杯探索において重要な役割を担うことになります。」



ぐだ男・ぐだ子「「ひどいネタバレを聞いた気がする。」」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:28:27.36 ID:m0F9aSEs0

=============

アルトリア「さて、あとのメンバーとしては…」


フィン(?)「はっはっは、お困りかなアーサー!」


アルトリア「ユーリエンス王ではありませんか。」

フィン(ユーリエンス)「話は全てわかっているよアーサー。槍試合を行うのだろう?
            それならば、このユーリエンスもまた、一騎士として参加しようじゃないか!」

アルトリア「…よろしいのですか?」


フィン(ユーリエンス)「当然だ。かのアーサー王のもとに、このユーリエンス王あり!
            それを内外に示す絶好の機会!さぁ、輝いてしまおうか!!」

ディルムッド(?)「申し訳ありません。陛下。我が王がこのような…」

アルトリア「いえ、願ってもないことですよ。アコロン。」

ディルムッド(アコロン)「ありがたきお言葉です。」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:29:19.53 ID:m0F9aSEs0

ぐだ子「他の参加者に…王様?アーサー王の他にも王様っているの?」

マシュ「ユーリエンス王は、ゴールの地を治める王と言われています。最初はアーサー王をブリテンの主と認めず、
    他の諸侯たちと結託してアーサー王を苦しめたといわれています。
    しかし、戦ううちにアーサー王の力量を認め、アーサー王側に鞍替えしたそうですね。」


ぐだ子「へぇ、随分としたたかなひとね。」

ぐだ男「王を名乗ってるのは、日本的に言えば、大名織田信長に従属している別の大名徳川家康、みたいな感じなのかな?」


マシュ「うーん。ニュアンス的にはどうなんでしょうか?ただ、ユーリエンス王が、アーサー王から信頼されていたのは
    確かなようです。実は、このユーリエンス王、あの妖姫モルガンの夫なのです。」


ぐだ子「つまり、アーサー王のお義兄さん。」

マシュ「はい、ご存じモルガンは、アーサー王を憎んでいるため、様々ないじわるをして王を苦しめます。
    そのため、息子のユーウェイン卿は、とばっちりのようにアーサー王に罰せられたりもしますが、
    ユーリエンス王に対しては、特にそのようなことをしなかったそうです。」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:30:01.41 ID:m0F9aSEs0

ぐだ子「記述がないだけかもしれないけど…それで、アコロンってのは?」


マシュ「アコロン卿はゴールの騎士です。よって厳密には円卓の騎士でありません。
    しかし、それでもアーサーの覚えのよい騎士だったようですね。」

ぐだ男「つまり、太閤豊臣秀吉(アーサー)と、戦国大名上杉景勝(ユーウェイン)、そして執政官直江兼続(アコロン)の関係・・・!」


マシュ「…か、どうかはわかりませんが、アコロン卿はとても心の優しい騎士だったそうです。
    アーサーを憎む妖妃モルガンと、アーサーを信頼する王ユーリエンス。
    二人の関係は冷え切ってしまっており、アコロン卿はそれをなんとかしようと努力し、
    特に心をいためているモルガンを献身的に、心身ともに支えていたそうです。」


ぐだ子「そう。つまりモルガンの愛人なのね。」

マシュ「…ええ、そうともいいます。」

ぐだ男「ぶっちゃけ、この配役だと嫌いな妻を腹心の部下に押し付けてるようにすら見える。」

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:30:46.16 ID:m0F9aSEs0
==================


アルトリア「ふむ、大体メンバーが決まってきましたね。そうだ、ランスロット卿はどうです?」

ランスロット「…申し訳ありませんが、この試合、優勝するほどの活躍は私には…
      (もし、優勝してしまったらライオネス婦人と結婚することになってしまう。
       しかし、私には愛するあの方が・・・)」


アルトリア「!ああ、そういうことですか。」

ランスロット「ぎくっ」

ぐだ子「…そっか、ランスロットはギネヴィア王妃が大好きだから、他の女性と結婚したくないのね。」

マシュ「もし優勝しておいて、結婚を拒否するようなことをすれば、顔に泥を塗ることになりますから。」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:31:42.00 ID:m0F9aSEs0
アルトリア「ガレス卿こそ、誰よりもライオネス婦人と結ばれたいと願っているはず。
      卿はそれを邪魔したくないということですね。大丈夫ですよ。
      いつものような活躍をしてくれなくても構いません。
      ただ参加してくれるだけでも私は十分です。」


ランスロット「…ハハハ」

ガウェイン「…」

アグラヴェイン「っち。」

ぐだ子「ぶっちゃけ、王様ってランスロットとギネヴィアの関係、どこまで知ってるんだろう?」

マシュ「…」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:32:40.53 ID:m0F9aSEs0
アルトリア「それと、ベデヴィエール卿。」

ベデヴィエール「はい、我が王。槍試合の準備は私にお任せください。
アルトリア「何を言っている?裏方ではなく、貴公にも騎士として出場してほしいのだ。」

ベデヴィエール「な、私のような隻腕の騎士が、この晴れ舞台によろしいのですか?」

アルトリア「そのような舞台で円卓の古参衆が力を見せないでどうするというのです?
      それとも調子がすぐれないのですか?」

ベデヴィエール「いえ王の望みとあらば、私は全身全霊を尽くします!」

ぐだ男「…このように、円卓の騎士のえりすぐりのメンバーが槍試合に出場することになるのでした。」

ぐだ子「なーんだ。ベディったら自分は手柄なんてないって言ってたけど、ちゃんと試合
    とかに選ばれているのね。やるじゃん」

ぐだ男「…まぁ、結果が出るかは別だけど。それと一方危険の城では…と。」

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:33:20.94 ID:m0F9aSEs0
===危険の城======

邪ンヌ(ライネット)「ちょっと、どういうことよ姉さん!槍試合を行って、しかもその優勝者と結婚するだなんて!」

ジャンヌ(ライオネス)「そのままの意味よ。他にガレスをここにすぐに呼び寄せる方法はないでしょう。」

邪ンヌ(ライネット)「だけど、他の誰かが優勝したらどうするのよ!彼を愛しているのでしょう?
           もしガレスが負けたら…あれ?」

邪ンヌ(ライネット)「そうよ…もし負けたら…」

===妄想==========


ガウェイン「この剣は太陽の現身。あらゆる不浄を清める焔の陽炎…」

ガウェイン「エクスカリバー・ガラティーン!!」ゴォォオ

マリー(ガレス)「きゃあああ!」

アルトリア「見事です。優勝はガウェイン卿です。」

ジャンヌ(ライオネス)「流石ガウェイン卿、素晴らしいです!」

ガウェイン「ははは、これも貴方を思ってのことです。レディ」

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:33:58.09 ID:m0F9aSEs0
マリー(ガレス)「ああ…負けてしまったわ。…ライオネス行ってしまうのね。(しくしく)」

邪ンヌ(ライネット)「全く、無様ですね。ガレス卿」

マリー(ガレス)「ライネット…貴方も私を笑いにきたの?」

邪ンヌ(ライネット)「ふん、情けなさすぎて、笑う気にもなれないわ。
           ガレス。あなたは確かに苦難を乗り越えて、姉さんを救ってくれました。
           でも、あくまであなたは一つの冒険を乗り越えただけにすぎないわ。
           それなのに、歴戦の騎士たちと渡り合おうなんて、笑止千万。もっての他よ。」

マリー(ガレス)「…そうね。確かに私は天狗になっていたかもしれないわ。」

邪ンヌ(ライネット)「…ただそれでも私は貴方がいずれ、歴戦の騎士をしのぐようになる素質がある
           ってことは認めているわ。」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:34:44.99 ID:m0F9aSEs0
マリー(ガレス)「…え?」


邪ンヌ(ライネット)「何よ、ずっと貴方と一緒に冒険をしてきた私の目を疑うというの?」


マリー(ガレス)「いえ、貴方が私をそんなに評価してくれていたなんて、嬉しくて…」


邪ンヌ(ライネット)「調子に乗ってはいけません。貴方はまだまだ半人前で、これから経験を積んでいかねばならないのだから。」


マリー(ガレス)「そうね、もう一度心を改めて、精進することにするわ。立派な騎士になるために。」

邪ンヌ(ライネット)「ええ、そうすべきです。た、ただその、わ、私はまぁ、貴方のことさっき言ったように評価してあげてるわ。
           だ、だから…」

84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:35:29.11 ID:m0F9aSEs0
マリー(ガレス)「…?だから?」

邪ンヌ(ライネット)「わ、わたしは、あ、貴方が本当に立派な騎士になれるように!一緒についていっても…構わないのよ!」

マリー(ガレス)「…ライネット…」

邪ンヌ(ライネット)「何よ!私は、貴方のその、ぱ、パートナーとして不服だっていうの?」


マリー(ガレス)「…そんなことないわライネット!ありがとう。本当に愛すべき人はこんなに、身近にいたなんて
         私は本当に愚かだったわ!!(ぎゅうー)」(抱きつく)


邪ンヌ(ライネット)「そ、そこまで言うなら仕方ありませんね。貴方が本当に素晴らしい騎士に
           なるように、ずっと、ずっと一緒にいてあげるわよ。もう!」ぎゅー

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:36:06.55 ID:m0F9aSEs0
===妄想終わり=======

邪ンヌ(ライネット)「うえっへっへへ…」

ジャンヌ(ライオネス)(我が妹ながら、考えていることが透けて見えます。)

邪ンヌ(ライネット)「そういうことなら仕方ないわ!さぁ、ブリテン中に、この槍試合の開催を
           知らしめるわよー!」(城から飛び出す)

ジャンヌ(ライオネス)「ふふふ。もう大丈夫のようですよ。ガレス」

ひょい。

マリー(ガレス)「うふふ。計画通りね。これで槍試合で私が優勝できれば、誰にも文句がつけようがなく、
         貴方と結婚できるわね。」


ジャンヌ(ライオネス)「ええ、頑張ってくださいね。ガレス卿」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:37:46.21 ID:m0F9aSEs0

ぐだ男「こうして、ガレスとライオネスの思惑通りに槍試合が開催されることとなりました。」

ぐだ子「この槍試合、ガレス達がとっとと結婚するための策謀だったのね。」

マシュ「なかなかライオネス婦人も強かですね。しかし、ライネットが調子にのって宣伝を
    しまくったせいか、この槍試合はブリテン中に知れ渡ってしまいます。」

ぐだ男「そして、いよいよ槍試合が開かれることとなりました…」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:38:44.47 ID:m0F9aSEs0

===試合会場==========


ワーワー ギャーギャー

ベディヴィエール「物凄い歓声ですね。一体どれほどの参加者がいるんでしょう。」

子ギル(?)「我々アーサー王の騎士たちと肩を並べて試合をするというだけでも
       これ以上にない名誉になりますからね。
       まして、活躍をすれば円卓の騎士の一員となることも夢ではない。
       ブリテン中の騎士が集っているといっても過言ではないでしょう。」

アーラシュ(?)「観客たちの数もすごいな。ベデヴィエール。空気にのまれず頑張って来いよ!」

アルトリア「ベデヴィエール。期待していますよ。」

ベディヴィエール「はい!頑張ります!」

イアソン(ケイ)「お、おい、古参組からは俺も参加してるからな!」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:40:49.85 ID:m0F9aSEs0

フィン(ユーリエンス)「ふむ。絶好の試合日和。私の力を存分に輝かせそうだ。」

マタハリ(?)「はぁーあ。馬鹿々々しい。」

ディルムッド(アコロン)「モルガン様そのようなこと…って、貴方この場面では登場しておりませんよね。」

マタハリ(モルガン)「それなら本来貴方はこの時点では(ピー)じゃない。今更よ。」

ディルムッド(アコロン)「…」

ぐだ子「そういえば、本のその章にのってないわよね?この二人。なんで出てきてるの?」

ぐだ男「…なんでかな?」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:42:51.44 ID:m0F9aSEs0

酒呑童子(モルゴース)「本当にガレスは来るんか?」

ガウェイン「間違いありませんね。ライオネス婦人のいる危険の城方に
      ついて我々と戦うことになるでしょう。」

サンソン(ガヘリス)「しかし危険の城の陣営も、すごい数の騎士がひしめいているようだ。」

アグラヴェイン   「先に我らの軍門に下った赤騎士達が中心のはずだが、
           はたしてガレスは、あれだけの騎士の中で名をあげることができるかな?」

酒呑童子(モルゴース)「あの子、槍試合の経験なんてないやろうしねぇ。」

ガウェイン「母上。そこは初陣でこのような大きい試合に臨めるのですから
      冥利につきる、というものですよ。」


ぐだ男「一方、アーサー王の騎士と肩を並べて戦おうと多くの騎士が参陣したように、
    危険の城側にも多くの騎士がはせ参じていたのです。しかもその中には、
    円卓の騎士に匹敵するような騎士も混ざっていました。」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:44:04.74 ID:m0F9aSEs0


==危険の城=====================


フェルグス(藍色の騎士)「はっはっは、この盛況ぶり。流石は円卓の騎士ども。
             まさかこれほどの試合に参加できるとはな。」

オルタニキ(赤騎士)「だが、ガレス卿が我々とともにある以上敗北は許されない。必ず勝つ。
           優勝の栄誉を受けるのはガレス卿だ。」

プロトニキ(緑の騎士)「大丈夫だって、なんせガレス卿だけじゃなく、あの有名な騎士もこっちについてくれたからな。
            勿論、俺もガレス卿以外の騎士負けるつもりはねーけどよ。」

キャスニキ(赤の騎士)「まぁ、そういこったな。だが頼りにしてるぜ?先生」

???「…ええ」









トリスタン「お任せください。」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:45:39.80 ID:m0F9aSEs0
ぐだ男「そう、その騎士とは、あの名高いコーンウォールのトリスタン卿、そしてサラセン人の王子パロミデス卿が
    危険の城側について試合に参加したのです!」


ぐだ子「えー?トリスタンがなんで危険の城についているの?円卓の騎士でしょ!」

マシュ「はい。ただし、トリスタン卿はもともとコーンウォールのマーク王の甥で、
    この時点ではまだ円卓メンバーにはなっていなかったのですね。」


====ちょい過去=====================


エミヤオルタ(?)「おい、トリストラム。聞いたか?あの話」

トリスタン「危険の城の槍試合の話ですか。パロミデス卿。」

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:46:50.03 ID:m0F9aSEs0


エミヤオルタ(パロミデス)「そうだ、それでお前も参加するつもりか?」

トリスタン「勿論ですとも。あのアーサー王の騎士と肩を並べて戦えるんですから。」

エミヤオルタ(パロミデス)「そうか。だがトリスタン。ここはあえて危険の城側につくのはどうだ?」

トリスタン「何故ですパロミデス?まさか、自分だけアーサー王の騎士側について、私を槍試合で討ち取ろうという
      つもりですか?」

エミヤオルタ(パロミデス)「ふん。わざわざかのアーサー王の御前でお前と決着をつけるつもりはない。
              俺がいいたいのは、あえて危険の城側について、アーサー王直属の円卓の騎士達を
              倒して見せた方が、より名誉が得られるのではないか?ということだ。」

トリスタン「ふむ。それは確かに…なにより、円卓の騎士と直接戦うというのも、実に面白そうですね!」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:47:52.81 ID:m0F9aSEs0
ぐだ子「まーた、濃い騎士が出てきたわね。」

マシュ「円卓騎士パロミデス卿。サラセン人の騎士と言われています。」

ぐだ男「トリスタンのライバルっぽい。」

マシュ「はい。彼らの因縁は、武者修行中のパロミデス卿がコーンウォールを訪れたことから始まります。
    パロミデスは、マーク王の妻であるイゾルデに一目惚れをして、お琴のコーチとしてコーンウォールの宮廷に
    転がりこむそうです。」

ぐだ子「人妻に一目惚れって…どっかで聞いたような気が」

マシュ「そして、レッスンの最中にイゾルデ(人妻)に向けられる情熱的なパロミデスの視線にトリスタンは
    不思議な感情をいただいていきます。そしてその感情が嫉妬に似たものであり、自分もまたイゾルデ(人妻)
    を愛していると気づきます。そして、トリスタンとパロミデスは、イゾルデ(人妻)の恋のライバル同士として
    争うようになり複雑な三角関係に発展し…」


ぐだ子「はい、この話はやめましょう!」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:48:44.35 ID:m0F9aSEs0


ぐだ男「トリスタンはもともと別の伝説から、アーサー王の伝説に組み込まれた騎士。
    当然他の騎士とは特別な扱いがされており、彼が登場したことで非常に会場は盛り上がります。」


パツシイ(観客)「見ろよ!あれはコーンウォールのトリスタン卿だ!」

ラヴィニア(観客)「トリストラム卿だわ…!」

トリスタン「ニコッ」(観客に手を振る)

ゲルダ(観客)「きゃー、こっちを向いてくださったわ!」

セルハン(観客)「おい、隣にはあのパロミデス卿までいるじゃねえか!」

ワー ワー
 トーリーカースー! トーリーカースー!
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:49:28.18 ID:m0F9aSEs0

イアソン(ケイ)「あ、あれはコーンウォールのトリスタン!あいつが危険の城についたってのか?」

ガウェイン「む、予想外のヒーローの登場で、危険の城側が盛り上がっている。これはよくない流れですね。」

ベデヴィエール「…」

ルトリア(ベデヴィエール。期待していますよ。)


ベデヴィエール「…ならば、私が相手になりましょう!いざ勝負!」ダッ


パツシイ(観客)「おい、円卓のベデヴィエール卿がトリスタン卿に仕掛けたぜ!」

ラヴィニア(観客)「い、いよいよ始まりね…!」


ぐだ男「こうして、戦いの口火が切られました。円卓の騎士ベデヴィエール卿が
    トリスタン卿と勝負を始めます。」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:50:23.45 ID:m0F9aSEs0

トリスタン「ほう、左片手で大槍を…いや、その右腕はまさか…義手?」ヒョイ


ベデヴィエール「…」キィン


トリスタン「…隻腕の槍闘士!貴方が円卓に名高き、恐るべき膂力のベディヴィアか!」シュッ


ベデヴィエール「!まさか、かの高名なトリスタン卿が、私のことを存じておられるとは」カン


トリスタン「…騎士を志すもので貴方の名を知らぬものなど、このブリテンの地におりますまい!」チャキッ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:51:14.37 ID:m0F9aSEs0

ぐだ子「ベディとトリスタンって仲がいいけど、ファーストコンタクトって試合だったんだ!」


マシュ「ファーストコンタクトかどうかはともかく、この槍試合では、戦われたようすね。」


ぐだ男「そして、他の騎士達も戦いをはじめます。」



ガウェイン「ベデヴィエール卿め、やってくれましたね。私たちも遅れはとりませんよ!」

エミヤオルタ(パロミデス)「そうか、ならば俺の相手をしてもらおうか!」バキュン

ガウェイン「なっ貴公は、パロミデス卿か!」ザッ

エミヤオルタ(パロミデス)「アーサー王の甥にして側近中の側近ガウェイン卿。打ち倒せばこれ以上の名誉はあるまい。」ジャキッ

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:52:04.98 ID:m0F9aSEs0
フェルグス(藍色の騎士)「さてガレス卿の話では、彼を騎士に任じられたのは貴公らしいな。湖の騎士ランスロット卿。」

ランスロット「卿は藍色の騎士、パーサント卿か。」

フェルグス(藍色の騎士)「我らの主が尊敬する騎士、一体どれほどの強さなのだろうな。(ニヤァ)」

ランスロット「いいだろう。円卓の騎士、アーサー王の武をここに示す!」



オルタニキ(赤騎士)「ガレス卿の敵はすべて排除する…が、大物はほとんど戦いをはじめたか。
           おいそこのガキ。お前、力だけなら上位の奴らに匹敵するんだったか?」

金時(ラモラック)「あん?さんざん女の子を泣かせてきたっつーお前にバカにされる筋合いはねぇぞ。
          いっちょ地獄を見ていけや。」ダンッ
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:52:49.06 ID:m0F9aSEs0



フィン(ユーリエンス)「ふむ、少し出遅れてしまったか…ん?」


ぐだ男「アーサー王の義兄ユーリエンス王は、危険の城側に、一人異彩を放つ騎士がいるのに気がつきます。」

謎の騎士「…」

フィン(ユーリエンス)「わかる。わかるぞ。君は大そうな実力を隠し持っているだろう。
            ちょうどいい、この私が相手になってやろう!」タタッ

謎の騎士「…えーい!」ドーン!

フィン(ユーリエンス)「ぐはっ、なん…だと?」

ぐだ男「そして、ユーリエンス王はその騎士に勝負を挑みますが、なんと簡単に倒されてしまいました!」

100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:53:15.71 ID:m0F9aSEs0

アルトリア「なにっ?」

観客’s「ユ、ユーリエンス王がっ!?」


ディルムッド(アコロン)「わ、我が王!?」

マタハリ(モルガン)「やったー!♪」


パツシイ(観客)「なんてこった、あのユーリエンス王が一発でのされちまったぞ。何者なんだ?」

ラヴィニア(観客)「これは…新しいヒーローの登場だわ。」

ワーワー

マタハリ(モルガン)「ねぇ、見た?見たアコロン?あの無様な負けっぷり。
           よし、あの宿六はここで死んだってことにして、貴方が代わりに…」

ディルムッド(アコロン)「いえ、試合ですから!生きてますから!」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:53:53.77 ID:m0F9aSEs0
謎の騎士「…(うふふふ)」


マリー(謎の騎士)「…(作戦成功ね)」


ぐだ男「そう、この謎の騎士こそ、また正体を隠しているガレス卿だったのです。」



===ちょっと前==================


オルタニキ(赤騎士)「ガレス卿。できれば貴方に主将として、槍試合を仕切ってほしいのだが。」

フェルグス(藍色の騎士)「そうだな。卿がわざわざ戦わずとも、我々が手足となり活躍すれば、
             それも立派な貴方の功績になるだろう。」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:54:36.21 ID:m0F9aSEs0
マリー(ガレス)「いいえ!私も一人の騎士として戦いたいわ!
         それにまだ私より、オークーニーの王子としての名前の方がずっとずうっと重いのよ。
         だから私はまだ名を伏せて戦わなければならないの。お願い。どうか協力して。」

フェルグス(藍色の騎士)「そこまで言われたら仕方ない。わかった。お好きなように存分に戦われよ。」


マリー(ガレス)「ありがとう、パーサント卿、アイアンサイド卿。
         ではライオネス、私もいってくるわ。」

ジャンヌ(ライオネス)「お待ちになってガレス卿、どうかこの指輪をお持ちになってください。」 アマデウスマスクー


マリー(ガレス)「この指輪は…」


103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:56:00.49 ID:m0F9aSEs0

ジャンヌ(ライオネス)「この指輪には、貴方の正体を秘匿する魔法が込められています。あなたの
            助けになりますよ。」


ぐだ男「ライオネスからもらった魔法の指輪によって、ガレス卿は自分の正体を隠しつつ、
    槍試合に参加していたのでした。」


ぐだ子「ガレスったら、まだ正体を隠してるのね。」


マシュ「はい。それにガレスはキャメロットにお母さんが来ていることもしらないですからね。」


ぐだ男「そして、激しい試合が行われる中、とうとうトリスタン卿と、ベデヴィエール卿の戦いに
    決着がつきました。」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:56:55.96 ID:m0F9aSEs0

ベデヴィエール「…私の負け…です。流石はあのトリスタン卿。…お見事…です。」ハァハァ

トリスタン「いえ、私もここまで死を覚悟したのははじめてでした。流石は円卓の騎士、ですね。」フゥ


ぐだ男「トリスタン卿が見事勝利し、お互い讃えあいました。そして、その他の戦いはというと…」


ガウェイン「受けていただく!」ギャン!

エミヤオルタ(パロミデス)「甘いな!」シュリン



ぐだ男「実は、危険の城側に参加した騎士たちもまた、ほとんどが後に円卓の騎士として活躍する勇者ばっかりだったのです。
    そのため、多くの試合でなかなか決着がつかず、拮抗してしまいます。そんな中、危険の城側の謎の騎士、ガレスだけが
    たやすく円卓の騎士達から勝利をつかみ取っていきました。」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:58:08.53 ID:m0F9aSEs0

マリー(謎の騎士)「どうかしら?」ドォーン!

ダビデ(?)「うわ、きいたー!」バタリ

ゲルダ(観客)「御覧なさい!あの騎士様、また円卓の騎士を圧倒しましたわ!」

セルハン(観客)「あのメリアガーント卿までああもたやすく倒すとは、こりゃ全く驚きだぜ。」

ワーワー

===アーサー王陣営==========


アルトリア「まずいですね。円卓の騎士が、正体の不明の騎士に立て続けに敗れてしまうとは。
      円卓の沽券に関わります。」

子ギル(?)「どうします?ランスロット卿を呼び戻しますか?」


アーラシュ(?)「…いや、ちょうど今、あの藍色の騎士に勝利して戻ってきたようだな。」

アルトリア「それはちょうどよい。ランスロット卿、お疲れのところ少しよろしいですか?」

106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:59:05.69 ID:m0F9aSEs0


ランスロット「ふむ。あの謎の騎士と戦え…という話ですか?」

アルトリア「そうです。あの凄まじさ、卿ほどの騎士でなければ相手はできないだろう。」

ランスロット「いえ、私の見込みが正しければ、私は、あの騎士と戦うことは許されないでしょう。」

子ギル(?)「…ああ、そういうことですか。」

アーラシュ(?)「なるほど、当初の目的はそうだったな。」

アルトリア「どういうことです?ですが、卿がそういのなら…」


ぐだ子「ひょっとして、王様当初の目的忘れてる?」

マシュ「戦いが熱狂して、ガレスのことはみんなすっかり忘れてしまっているようですね。」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 20:59:50.91 ID:m0F9aSEs0

ぐだ男「そうして、ガレスは多くの円卓の騎士達を倒していきますが、インターバルの際に、あるミスをしてしまいました。」

マリー(謎の騎士)「ふーう。これであと一息ね。」オミズゴクゴク

デオン(従者の小人)「…(我が主は、これほどの活躍をしているのに、誰も主の名前を知らないでいる。
          もう正体を隠す必要もないだろう。)」

デオン(従者の小人)「…よし。」ひょい

ぐだ男「なんと、いつまでも正体を隠す主に、とうとう従者の小人は我慢できなくなり、なんと魔法の指輪を
    とってしまったのです。そうとは知らない、ガレスは競技場に戻ってしまいます。」


マリー(ガレス)「さぁ、もうひと頑張りよ!」


108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:01:17.06 ID:m0F9aSEs0

==観客席==================

パツシイ(観客)「あれ…?さっきまで気づかなかったけど、よくみたらあの騎士、兜になにか書いてあるぜ?」


ラヴィニア(観客)「本当ね。ちっとも気づかなかったけど、何かしら?自分の名前でも書いているのかしら。」


ゲルダ(観客)「えーっと、あれは、が…レ…す?」

セルハン(観客)「ガレス…、ガレスだって!それはあの、オークーニーの王子様の名前じゃねぇか!!」

ワアアアアアアアアアアアアアア!!!

マリー(ガレス)「え、何何?」


ぐだ男「そう、お母さんが用意した兜だったからか、あるいは育ちがよいため自分の持ち物にちゃんと
    名前を書く習慣があったのか…ともかく、なんとガレスの兜には彼の名前が彫られておりました。」

109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:02:19.27 ID:m0F9aSEs0
パツシイ(観客)「すげぇぞ!あの多くの円卓の騎士達を倒していった謎の騎士は!」

ラヴィニア(観客)「ガレス卿よ!」

マリー(ガレス)「え?」

ゲルダ(観客)「自分たちの正体を秘匿する乙女の情報を信じて、冒険に赴く勇気を持ち合わせているという!」

セルハン(観客)「ガレス卿だったのか!」

マリー(ガレス)「ええ?」

アーノルド(観客)「そして、救援を求める城を目指し、敵対勢力の地をものともせず突破したという!」

マーブル(観客)「ガレス卿だったのね!」

マリー(ガレス)「ええええ?」

シドゥリ(観客)「さらに城を救うだけでなく、敵対した騎士たちを説得し、許す寛大さを持つオークーニーの王子である…」

ランドルフ   「ガレス卿というわけか!」


ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

マリー(ガレス)「なぜ!なんでばれてるのぉ?」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:02:51.03 ID:m0F9aSEs0

パツシイ (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

ラヴィニア(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

ゲルダ  (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

セルハン (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

アーノルド(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

マーブル (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

シドゥリ (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

ランドルフ(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

松平伊豆守(観客)「ガーレースー!ガーレースー!」

スルト  (観客)「ガーレースー!ガーレースー!」


ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

マリー(ガレス)「い、いやぁ、恥ずかしいわ!!」ダダダ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:04:54.21 ID:m0F9aSEs0


ぐだ男「正体不明のヒーローがガレス卿とばれてしまい、槍試合は凄まじい盛り上がりと
    なってしまいます。それに驚いたのか、なんとガレスはその場から逃げてしまいました。」


イアソン(ケイ) 「あー、もうめちゃくちゃじゃねぇか!どうしてくれるんだこの状況!」


ベデヴィエール  「まずいです。結局試合はどうなるんだと、観客たちが暴徒になりそうです。」


アグラヴェイン  「くそ、とりあえず混乱を抑えるぞガヘリス卿!」


サンソン(ガヘリス)「…いや、まってくれアグラヴェイン。」
 

アグラヴェイン   「どうした?」


サンソン(ガヘリス)「いつの間にか、ガウェインもいなくなっているぞ。」

112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:05:31.56 ID:m0F9aSEs0

ぐだ子「とうとう正体がばれましたと。…さんざん皆を振り回しておいて、いざ自分に想定外なことが
    起きると逃げ出すなんて、まだまだ子供ね」

ぐだ男「ちなみにこの危険の城、やっぱりまだ周囲に敵対勢力は残ってるんだけど、
    ついでとばかりにガレスは城を攻め落としたりしてる。」

ぐだ子「完璧な八つ当たりね。」


==とある森====================


マリー(ガレス)「ああ、どうしましょう。最後の最後に失敗してしまったわ。
         これから一体どうしましょう…あら?」

謎の騎士「…」

113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:06:20.57 ID:m0F9aSEs0

ぐだ男「そして、とある森を抜けようとしたときに、ガレスは謎の騎士と遭遇します。
    異様なまでに殺気を放つ騎士に、ガレスは警戒します。」

マリー(ガレス)「貴方、なにもの!?」

謎の騎士「真っ向勝負と参りましょう。」チャキッ

マリー(ガレス)「戦う気ね!」サッ

ぐだ男「こうして、謎の騎士はガレスに決闘を挑みます。ガレスもそれに応じ、戦いがはじまります。」

ぐだ子「ここにきて、謎の騎士?一体誰なんだ…」

114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:06:58.16 ID:m0F9aSEs0

謎の騎士(ふむ)ギン

マリー(ガレス)「…強いわね。」ビュン

謎の騎士(なかなかの腕前。しかも彼の強みはそれだけではない。)゙

マリー(ガレス)「でも負けないわよ!」

謎の騎士(これほどの強さがあり、また、敵対した者たちを引き込む心を持つのであるならば)゙


マリー(ガレス)「さぁ、受けてみなさい!」」チャキ

謎の騎士(仮に私や、他の兄弟が魔道に堕ちたとしても、この子さえいれば…)カチッ


謎の騎士「お見事、私の負けです。ガレス卿。」

ズバァ!

マリー(ガレス)「…え?」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:07:32.64 ID:m0F9aSEs0
ぐだ男「戦いの結果、ガレスは致命傷ともいえる一撃を謎の騎士に与えます。しかし、その結果
    謎の騎士の兜が割れ、その正体が明らかになりました。」


マリー(ガレス)「そ、そんな!」

ガウェイン「…」

マリー(ガレス)「お、お兄様!何故どうして、こんなことを!」

ガウェイン「ははは、やっと昔のように、私を兄と呼んでくれましたね、ガレス。」

マリー(ガレス)「な、何を言っているのよ、こんな、こんなぁ!!」グスー

ガウェイン「…貴方と同じですよ。ガレス。私は貴方と同じことがしたかったのです。」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:08:01.33 ID:m0F9aSEs0
マリー(ガレス)「え…?」

ガウェイン「私も、純粋に貴方の力を計りたかったのですよ。だからガレス。すべてが私の望んだことの結果。
      この敗北も私に責任があることですから、貴方が気に病むことはありません。」

マリー(ガレス)「え…あ…。」

ガウェイン「…」

マリー(ガレス)「…ごめんなさい。」

マリー(ガレス)「…ごめんなさい。ごめんなさい!私、私…」

マリー(ガレス)「こんな風にずっと、心配をかけてきてしまったのね!お兄様に、お母様に、
         そして周りのみんなに!、ごめんなさい!私、そんなつもりじゃ…」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:08:45.45 ID:m0F9aSEs0
ぐだ子「まぁ、ガレスも正体を欺いて危ない橋を渡ったりもしてきたからね、
    ここでガウェインの行いは責められないよね。」

マシュ「結果は残しておりますが、自分の都合で奇行に走っていた側面は否定できませんからね。
    良くも悪くも、周囲を振り回してしまいましたから。」

ぐだ男「ただ、そこは流石キャメロット、そういう未熟な若者の暴走を受け入れる
    寛容があったんだね。」


ガウェイン「…大丈夫ですよ。ガレス」(むくり)

ガウェイン「確かに私も、母上も、我が王もずっとあなたを案じていました。
      しかし、あなたは今そのことを反省できたから、皆それを許すでしょう。」

ガウェイン「さぁ、帰りましょうガレス、我が王のもとに。」

マリー(ガレス)「…はい。ありがとうお兄様!これからはずっと、ずうっと一緒に行きましょう!」ズビー

ガウェイン「…。ええ、そうでありたいものですね…。」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:09:18.81 ID:m0F9aSEs0


====アーサー王陣営========

ワイワイ
    ワイワイ

アルトリア「多少混乱は落ち着いてきましたね。」


イアソン(ケイ)「ったく、あのクソガキめ。本当に迷惑ばっかかけやがって。ブツブツ」


ベデヴィエール「おまけにガウェイン卿まで、どこかに行ってしまったようですよ?」


アーラシュ(?)「いやまった、向こうの森から誰か来るぞ、あれは、ガウェイン卿と…
         ガレス卿だ!二人が戻ってくるようだぞ!」

119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:09:48.71 ID:m0F9aSEs0

パツシイ (観客)「おーい、皆!今日の主役、ガレス卿が、ガウェイン卿と一緒に戻ってきたぞ!」

セルハン (観客)「はっはっは本当に大した小僧だぜ。よーしみんな!英雄様のご帰還だ。
          準備はいいな!」


ワァァァァア  ガレスー! ガレスー! ガレスチャーン!




ガウェイン   「全くすごい歓声ですね。心の準備は大丈夫ですか?サー・ガレス。」

マリー(ガレス)「だ、大丈夫よ!お兄様こそその傷、浅くはないのですからしっかりと。」

ぐだ男「周囲の人間が一様になって祝福する中、ガレス卿はガウェイン卿と馬を並べて行進します。」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:10:49.73 ID:m0F9aSEs0

フィン(ユーリエンス)「…ふむ、あのロット王の息子だったというわけか。そしてこの歓声、
            いずれ、あのような若者が世を支えていくことになるのだろうな。」

マタハリ(モルガン) 「老害に居場所なんてあるわけないわよねー。」

フィン(ユーリエンス)「…そういう意味でユーリエンス王は、今日新時代の若者礎として
            重要な役目を担ったということだな。」

マタハリ(モルガン) 「あーら、それなら素直におっ死んでさっぱり消えてしまえば
            サマになるのに」

フィン(ユーリエンス)「そう思うだろう?アコロン。」 ハハハ

マタハリ(モルガン) 「そう思うでしょう?アコロン。」フフフ

ディルムッド(アコロン)「二人とも、そんなにギスギスしないでください!」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:11:32.04 ID:m0F9aSEs0
アルトリア「見ておられますか?お聞きですか?姉上。ガレスはこのとおり、立派な騎士になりましたよ。」

酒呑童子(モルゴース)「…ええ、そうやねぇ(くらっ)」


バタン


アルトリア「あ、姉上!大丈夫でせすか、」

酒呑童子(モルゴース)「あかんなぁ…かなわんなぁ。うちの汚れた身には、ほんに…あの子は…
            あの子はまぶしすぎるわぁ…。(ツー)」

アルトリア「…姉上。お疲れのようですね。誰か!
      姉上を休める場所に。」

粛清騎士「はっ!」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:12:10.11 ID:m0F9aSEs0

金時(ラモラック) 「…」

金時(ラモラック) (なんだよ、あの王妃、泣いていたのか?…調子狂うじゃねえか。)

カルナ(パーシヴァル)「どうした?あんちゃん。ぼーっとして」

アルジュナ(?)「何かありましたか?兄上。」

金時(ラモラック) 「な、なんでもねぇ!なんでもねぇったらよ!」ギクッ



ぐだ男「歓声の中アーサー王の元に赴くガレス卿はとても立派な姿でした。それを見たロット王妃は喜びのあまり
    気絶してしまうほどでした。そして、アーサー王はこの槍試合で、ガレス卿がもっとも活躍したことを認め、
    ガレスとライオネルは無事に結婚するのでした。…めでたしめでたし。」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:13:26.04 ID:m0F9aSEs0
ぐだ子「ちょっとまって、結局ライネットはどうなっちゃうの?」


ぐだ男「ガヘリスと結婚するみたい。」

ぐだ子「えー、なんか可哀想。」

マシュ「フフフ、実は先輩と同じ感想を持った人もいたのか、19世紀半ばにかかれた国王牧歌という伝説では、
    なんとガレスの結婚相手は、ライネットに変更されているそうですよ。」

ぐだ男「それにしてもガレスって、ガウェインと本当に仲がよさそうなんだね。」

マシュ「とても大切にされていたようでしたね。少しネタバレになりますが、アーサー王の死において、
    ガウェイン卿は必ずしも善良なだけの人物と描かれているわけではなく、謀略を仕掛けるところもあったりします。
    ただ、ほかの兄弟達はガウェイン卿に同調するものの、ガレスだけは一切かかわらなかったとされています。」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/04(土) 21:14:17.33 ID:m0F9aSEs0

ぐだ男「ひょっとしたら、ガレスはかかわらなかったじゃなくて、
    ガウェインが関わらせようとしなかったのかもしれないね。」

マシュ「ええ…年の離れた弟で、周囲の皆に愛された騎士だったので、自分や他の兄弟達が
    悪に堕ちたとしても、ガレスだけはアーサー王のもと、正しき道を歩んで行ってくれる…。
    そんな期待がガウェイン卿にあったのかもしれないですね。」


ぐだ子「そっかー。まぁ、ランスロットともめちゃくちゃ仲がいいみたいだしこのガレスちゃん。きっと
    さぞや立派な死に方をしたんだろうねー。」

マシュ「…あの先輩、それは…」


ぐだ子「?」


  完
125 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/04(土) 23:36:27.65 ID:m0F9aSEs0
またいずれ淡々と投稿していきたいと考えております。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/11(土) 02:26:55.23 ID:vBrxCBBGo
おつ
127 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 21:57:12.00 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「それじゃ、またお話を読んでみようか。」


ぐだ子「そうねー。今回はランスロットのところを見てみましょう。」

マシュ「え?」

ぐだ子「不倫関係なのに、このまえのガレスちゃんから尊敬されたり、王様から
    信頼されたりって、不思議じゃない?こう、みんなが納得するような格好いいエピソードとか…」


マシュ「うーん。気が進まないですけど、ランスロット卿とギネヴィア妃の関係はどうでしょうか。」


ぐだ男「了解…えーっと、パラパラ。話は聖杯探索の終わりまで飛んで…と。」


ぐだ男「ランスロット卿は、アーサー王のお妃さま、ギネヴィア王妃が大好きです。
    また、ギネヴィアもランスロットが大好きなので、二人はよく会ったりしていました。」
128 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 21:57:46.47 ID:nxOdqQw70

=====王妃の部屋============


天の衣(?)「いつもありがとね。ランスロット卿。次はいつお会いできるかしら?」

ランスロット「…ギネヴィア様。」

天の衣(ギネヴィア)「どうしたの?そんな顔をして。」

ランスロット「…私は、少しキャメロットを離れようと思っております。」

天の衣(ギネヴィア)「…え?」


ぐだ男「しかしある日ランスロットは、ギネヴィア王妃にキャメロットから距離をおくつもりであると告げます。」


129 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 21:58:20.87 ID:nxOdqQw70
ランスロット「…知っての通り、今円卓は弱体化しつつあります。原因は外敵との戦いだけではありません。
       ラモラック卿が謀殺され、トリスタン卿が王のもとを去り、
       また先の聖杯探索により、我が息子ギャラハッドやパーシヴァル卿をはじめ、
       多くの騎士が離脱しました。」

天の衣(ギネヴィア)「ええ、そうね。だからこそあなたがいてくれないと困るでしょう。」

ランスロット「…しかし最近、アグラヴェインとモルドレットが、私のことをよく監視する
       ようになりました。」

天の衣(ギネヴィア)「ガウェイン卿の弟の?」


ランスロット「…あの二人は、私を失脚させれば自分たちの天下とばかりに、悪い噂を流しています。
       私はこれまでギネヴィア様に、わずかばかりでもお力になれるようお傍に仕え尽力してまいりましたが、
       この行動をも不貞ではないかと中傷してきています。このままでは、王妃の、
       そして我が王の名誉まで傷つけてしまいます。」

ランスロット「…彼らには邪悪な面もありますが我が王の甥であり、円卓の中心にあるべき騎士です。
       円卓の力が弱まりつつある今、彼らと対立するわけにはいきません。
       故に一時この身を引き、ギネヴィア様とも距離を置くつもりでございます。」
130 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 21:58:51.45 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「ランスロット卿は、王妃とこっそり会うことを繰り返していましたが、アグラヴェイン卿やモードレット卿が、
    次第に監視してくるようになったので、一度王妃と距離をおき、潔白を証明しようと考えていたのです。」


ぐだ子「なんだ、ランスロットってばちゃんとしてるじゃない。」

マシュ「違います先輩!それは、先輩の解釈が著しく好意的にされているからにすぎません!」


ダヴィンチちゃん「聖杯探索の後ランスロット卿と王妃は、より頻度をあげて会うようになったといわれている。
         まぁ、つまり…ギャラハッド卿が、天に召されてからタガが外れたように、とも
         いえるかもしれないかな。」


マシュ「そして、アグラヴェイン卿が、ランスロット卿の監視をするようになったというのも、
    二人がよく逢瀬をするようになったからです。」

ぐだ男「うーん。息子がいなくなったとたん、主君の妻とよく会おうとする騎士…。」

マシュ「普通に考えれば本当に、最低です!」
131 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:00:11.62 ID:nxOdqQw70
ぐだ子「まぁ、まちたまえナスビちゃん。(ぐいっ)ランスロット卿も大切な仲間なんだし、
    なるったけこう…いいところもある!って感じに見ていこうじゃない。」

マシュ「ま、まぁ先輩がそういうのなら…」

ぐだ男「んじゃ、続き続き…」


天の衣(ギネヴィア)「…」

ランスロット「ギネヴィア様?」

天の衣(ギネヴィア)「…そう。私のことなんて、どうでもよくなったのね。」

ランスロット「…いえ!そのような…ことは決して!」

天の衣(ギネヴィア)「もうあなたのことなんて、知らない!出ていきなさーい!」


ぐだ男「が、王妃は、ランスロットは自分のことを嫌いになったのだと怒り、
    ランスロットはキャメロットから叩き出したのでした。」
132 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:01:07.63 ID:nxOdqQw70

小次郎(?)「それで叩きだされ申したか。」

ランスロット「違う!…ギネヴィア様は、素晴らしいお方だ。
       少しでも未練をみせたら、私の覚悟が揺らいでしまうとみて、
       あえて強いお言葉で拒絶してくださったのだ。」

小次郎(?)「え〜本当でござるか〜?」

ランスロット「…。」

ランスロット「うっ、うっ、うっ…ギネヴィア様…」

小次郎(?)「難儀な御人よなぁ。」

ランスロット「ボールス…。私が不在のあいだギネヴィア様の力になってくれ…」

小次郎(ボールス)「心得た…が、無論貴公程とはいかぬ故、ほとぼりが冷めたら
          またお戻りくだされよ。」

ランスロット「ああ…。ぐすん。」

133 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:01:46.23 ID:nxOdqQw70
ぐだ子「結構、気が強いのね。王妃様。」

マシュ「ここは自業自得とはいえ、ちょっとランスロット卿がかわいそうかもしれませんね…。」

ぐだ子「そうそう。そんなかんじよ。」

ぐだ男「さて、それから、ギネヴィア王妃は円卓の騎士達の晩餐会を開くことになりました。」


====キャメロット============


アルトリア「ふー…。」ドサッ

ベディヴィエール「お疲れですか?我が王。少し休まれた方が…」


アルトリア「いえ、いくさや先の聖杯探索で、円卓の騎士達にも大きな被害が出てしまいました。
      その補填、復興ののためにも、今は休んでいられる場合ではありません。」おしごとおしごと


イリア(?)「それでも、今日くらいは羽を伸ばされてもいいのではないですか?」


アルトリア「なぜです。コンスタンチン?」

ベディヴィエール「ギネヴィア様が功のあった円卓の騎士達を招き、晩餐会を催されて
         おります。」
134 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:02:36.35 ID:nxOdqQw70

アルトリア「ああ、今日でしたね。ギネヴィアにも本当に力になってもらっています。彼女や騎士達が
      安心してくつろげるためにも、もうひと頑張りしないといけませんね。」

イリア(コンスタンチン)「…ランスロット卿がキャメロットを離れられて…ギネヴィア様は
              アーサー様にこそいらしてほしいのに…」ボソッ


=====晩餐会会場==========


マリー(ガレス)「今日もランスロット卿はおいでになられていないようね。」

アグラヴェイン「ふん。殊勝なことではないか。ようやくあの男も己を立場をわきまえるように
        なったのだからな。」

モードレット「そーそー。これでキャメロットに俺たちに対抗できるやつは
       いなくなったじゃねえか。」


ガウェイン「いずれ戻ってくるにせよ、ランスロットに頼りきるわけにもいきません。
      我々だけでもキャメロットを支えていけるくらい、頑張っていきますよ。」

アグラヴェイン「うむ。」

茨城童子(?)「…ギリッ」

ぐだ男「しかし、その晩餐会に参加した騎士に、邪なことを考える騎士がいました。」

135 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:03:17.86 ID:nxOdqQw70

茨城童子(?)(忌まわしきガウェインめ、今日こそ吾が従兄ラモラックの仇をとってやる!)

茨城童子(?)(本来ならば、吾が手で血祭にあげてやるところではあるが…)

茨城童子(?)(誇り高きラモラックは我が王の甥を手にかけることをよろしくとせず、
        死ぬその時まで彼奴らへの怒りを己の中に抑え込んだ男…)

茨城童子(?)(だのに、吾が直接手にかけては、面目たたぬ。)シュン

茨城童子(?)(…。)

茨城童子(?)(故に…暗殺をする。)キリッ


ぐだ男「ピネル卿は、敬愛する従兄ラモラック卿がガウェイン卿とその兄弟達に嬲り殺しにされたため、
    この晩餐会で復讐をしようと企んでいたのです。」

茨城童子(ピネル)「ふっふっふ」(リンゴを取り出す。)
136 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:03:48.26 ID:nxOdqQw70
ぐだ男「さて、ガウェイン卿は、林檎や梨が大好物。そのため、ギネヴィア王妃も彼のために
    果実をたくさん山盛りにして準備しておりました。」

ぐだ子「果物?じゃがいもじゃなくって?」

マシュ「果物がごちそうで、ジャガイモが主食だったんでしょうね。」



茨城童子(ピネル)(この果実の山に、この毒林檎を混ぜてやる。ククク己の強欲さを悔い、地獄に落ちるがよい!」(ひょい。)

ぐだ男「ガウェイン卿のために、用意された果実の山に、ピネルは毒林檎をまぜてしまいました。しかし…」


アタランテ(?)「おお…たわわな果実が山積みに!」

アタランテ(?)「一つくらいいただいてもよいだろう。いっただっきま〜す。」ぱくっ

ぐだ男「晩餐会に参加したアイルランドの勇士パトリス卿が、毒林檎を食べてしまいました。」


137 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:04:14.18 ID:nxOdqQw70
アタランテ(パトリス)「…!ぐ、ぐはぁっ!」

茨城童子(ピネル)(な、なにっ!)

アキレウス(?)「お、おいどうしたパトリス!!しっかりしてくれ!」

アグラヴェイン「何だ?何があった?」

アタランテ(パトリス)「ぐっ、り、りんごが…ぐふっ」

エミヤオルタ(パロミデス)「林檎…これは、毒入りか?」

サンソン(ガヘリス)「晩餐会の馳走は、すべてギネヴィア王妃が用意されたものだが…」

茨城童子(ピネル)「そ、そしてこの果物の山は、ガウェイン卿のために特別に用意されたものであろう!!」

アキレウス(?)「ってことは…王妃がガウェイン卿の暗殺をたくらんだんだな!それでパトリスが犠牲に…
         許せねぇ!」
138 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:04:52.26 ID:nxOdqQw70
天の衣(ギネヴィア)「え、ええ?」

アキレウス(マドール)「このマドール卿が、ギネヴィア王妃!あんたを暗殺の罪で告発するぜ!!」

天の衣(ギネヴィア)「そ、そんな!」


ぐだ男「毒林檎によりパトリス卿は死んでしまいました。
    晩餐会を準備したギネヴィア王妃が暗殺をしくんだとして、マドール卿が王妃を告発します。」

ぐだ子「山とつまれた果物をガウェインは一人で全部食べるつもりだったのかしら?」

ダヴィンチちゃん「まさか。ゴリラじゃあるまいし。」


ぐだ男「アーサー王は暗殺事件を聞きつけ、すぐに駆け付けました。そして事情を聞き、
    王妃の弁護をしてくれるよう期待し、円卓の騎士達に問いかけます。」

==========

アルトリア「残念なことが起きてしまった。何者かが暗殺を企み、パトリス卿が犠牲になりました。
      そして卿らは、晩餐会を開いたギネヴィアが犯人だと考えているようだが、私は
      ギネヴィアは無実と考えています。どうか我が妃の無実を訴えてくれる騎士は名乗りをあげてくれまいか?」

139 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:05:25.68 ID:nxOdqQw70

イアソン(ケイ)「…」

サンソン(ガヘリス)「…」

マリー(ガレス)(ねぇ、パーサント卿、アイアンサイド卿…王妃様がお兄様の命を狙う理由があるかしら?)

オルタニキ(赤騎士)(理由か。あるといえば…あるだろう。)

マリー(ガレス)(やっぱり、ランスロット卿関係かしら?)

フェルグス(藍色の騎士)(もしガウェイン卿がいなくなれば、さすがにランスロット卿を
             キャメロットに呼びもどさざるをえなくなるだろうな。)

オルタニキ(赤騎士)(あるいは、ランスロット卿不在のうちに、彼の政敵となりうるガウェイン卿を
           排除したかったか。)

マリー(ガレス)(…王妃様。本当にそこまでランスロット卿を?)

140 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:05:54.53 ID:nxOdqQw70

アグラヴェイン(…ありえなくは、ない。)

モードレット(とはいえ、口にはできない。王の御前で王妃とランスロットの関係に言及すれば
       父上の名誉をも傷つける。)
       
モードレット(いっそ擁護するか?王妃は対ランスロットのカードになるぞ?)


アグラヴェイン(…いや。どういった形であれ、ランスロットと王妃の繋がりが立たれるのであれば、
        いっそのこと…。)

モードレット(たとえ真実でなくてもこの場で処刑されてくれりゃ、それが一番父上の顔が立つ、か?)

アルトリア「だ、誰も擁護する気はないということですか?」

エミヤオルタ(パロミデス)「…」

ぐだ男「円卓の騎士達は、お互いを庇いあい、一様に口をつぐみました。王妃が無実であると主張するものは
    誰一人としておりませんでした。」

アルトリア「ああ…、もしここにランスロットがいれば、誰よりも早く妃の名誉のため名乗りをあげてくれたのに。」

アグラヴェイン(またあの男を頼りに…)


ぐだ子「うーん。王妃様って嫌われていたの?」

マシュ「そういうわけではなかったと思いますが、同胞に暗殺者がいるという事実を、円卓の騎士達
    は認めたくなかったようですね。」

141 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:06:23.40 ID:nxOdqQw70
===================


天の衣(ギネヴィア)「お願いボールス、力を貸して!」

小次郎(ボールス)「拙者が、でござるか?」

ぐだ男「ギネヴィアはランスロットの甥、ボールスの力を借りることにしました。」

小次郎(ボールス)「…ランスロット殿より、王妃殿に力を貸すように申し付けられております故。」

小次郎(ボールス)「真に王妃殿の潔白をはらさんという騎士が現れぬ限りは、お力になりましょうぞ。」

天の衣(ギネヴィア)「ありがとう。でも…私の力になってくれる騎士なんていないわよ。誰も私を擁護してくれないし…」

小次郎(ボールス)「…かつては、ござったはずでありますなぁ」

天の衣(ギネヴィア)「ううう…わかってるわよ。意地悪ね。」

ワイワイ

アルトリア「…」コソッ
142 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:07:06.41 ID:nxOdqQw70

アルトリア「…ボールスが引き受けてくれるか。ならばひとまずは安心ですね。」

イリヤ(コンスタンチン)「本当にいいの?アーサー様。ギネヴィア様のため…
             アーサー様が直接擁護すればいいじゃないですか!」

アルトリア「前にもいったはずです。王は訴えに対し裁きを与える立場。妻といえども、
      個人の擁護に回ることはできません。」


イリヤ(コンスタンチン)「だからってギネヴィア様のこと、ずっとランスロット卿に任せっきりで…
             ランスロット卿がいなくなってもほったらかしで、それでこんなことが起きて!
             いいんですか!こんなの!!」

アルトリア「コンスタンチン!あなたもいずれ王となる立場です。
      王たるものが私情に任せて判断をあやまってはなりません。」


ぐだ男「王様はボールスが、ギネヴィアの力になってくれると安心し、裁判を開くことにするのでした。」

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