ぐだ男「アーサー王の死?」マシュ「はい先輩。」

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143 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:07:36.10 ID:nxOdqQw70

====裁判会場================


アキレウス(マドール)「さぁ、ボールス、決着をつけようぜ!」

小次郎(ボールス)「あいや、またれい。」

アキレウス(マドール)「何だと。臆したか?」

小次郎(ボールス)「貴殿の望みは、暗殺犯の処刑であろう、決闘するにせよそれを整えてからでも遅くはないであろう。」

アキレウス(マドール)「…それもそうか、よし」テキパキテキパキ

ぐだ子「決闘?裁判ではなくって?」

ダヴィンチちゃん「決闘裁判といって、被告と原告が決闘をすることで判決を決めていたのさ。
         王妃は決闘できないから、その役目をボールスに頼んだということだね。」

ぐだ子「物騒ね…。」


144 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:08:09.04 ID:nxOdqQw70

サンソン(ガヘリス)「火刑の準備はできたぞ。」

アキレウス(マドール)「さあ、ボールス、これでいいな!いくぜ!!」

小次郎(ボールス)「折角だし、決着と同時に、すぐ執行できるようにもしておくべきでござろう。」

アキレウス(マドール)「それもそうか?…じゃあ王妃、こっちへ!」

天の衣(ギネヴィア)「えー…」

サンソン(ガヘリス)「恐ろしいですか?」

天の衣(ギネヴィア)「死を恐れはしないわ。恐れるのは真実が闇に葬られてしまうことよ。」

ガウェイン「流石は、王妃。ご立派な覚悟です。
      あ、猿轡をどうぞ。」

天の衣(ギネヴィア)「…」ぎゅー
145 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:08:47.04 ID:nxOdqQw70

アキレウス(マドール)「よし、これでいつでも執行できるな。さぁ…」

小次郎(ボールス)「待たれよ。腹が減っては決闘ができぬゆえ。今弁当を食っておる」もぐもぐ

アキレウス(マドール)「お前さん、いい加減に…」

小次郎(ボールス)「貴殿の分もあるぞ?」もぐもぐ

アキレウス(マドール)「お、おう…」ムシャムシャ



アキレウス(マドール)「…さぁ、これもうやり残したことはないな!」


小次郎(ボールス)「うむ。潮時よな。では…拙者は身を引くとしよう。」

アキレウス(マドール)「!」

アルトリア「なっ…!」

天の衣(ギネヴィア)「むー!むー!(ちょ、ちょっとどういうことボールス!)」
146 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:09:41.83 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「決闘するにあたり、ボールスはマドールを待たせておいて、辞退することを宣言します。」

小次郎(ボールス)「王妃殿、最初に申したはず。真に王妃殿の潔白をはらさんという騎士が現れば拙者は身を引くと!」

天の衣(ギネヴィア)「むむー!(な、なんですって!)」

ぐだ男「そう、自分が王妃のために戦うと謎の騎士が裁判の場に乱入したのです。」


??(謎の騎士)「Arrrrrrrrr!」

アキレウス(マドール)「ほう、お前が王妃の代わりに戦うということか、相手をしてやろう!」

??(謎の騎士)「oooooa!」ダダダダダダダダ


アルトリア「そこまで!!」

アキレウス(マドール)「ま、負けた、この俺が!!」

??(謎の騎士)「Arr…」

天の衣(ギネヴィア)「ぷはぁっ…あ、あなたは…一体誰?。まさか…」

ぐだ男「敗北により、マドールは王妃の無罪を認めます。それに喜んだアーサー王と、ギネヴィアは
    謎の騎士に何者か問うと騎士はおもむろに兜を外しました。」
147 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:10:12.14 ID:nxOdqQw70

アルトリア「ランスロット!!」

ランスロット「肝心な時にお傍にいることかなわず、申し訳ございませぬ。」

天の衣(ギネヴィア)「そんなこと!むしろ私は、あの時ひどいことを言ってしまったのに!」

ぐだ男「そう、騎士の正体は、一度キャメロットを叩きだされたランスロットだったのです!」

アキレウス(マドール)「しかし、王妃が犯人でないとすると、パトリスは一体誰に…」

スカサハ(?)「知りたいのならこの場を見渡してみるがいい。」

アルトリア「ニュミエ?」

スカサハ(ニュミエ)「都合が悪いのか、決着と同時に逃げたものがいるようだ。」

モードレット「(きょろきょろ)そういえば、ピネルがいないぞ。」
148 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:11:05.78 ID:nxOdqQw70
アキレウス(マドール)「あの野郎!逃げやがったか!よくも!!」ピュー

ガウェイン「お見事です。ランスロット卿。私達は無実の王妃を処刑してしまうところでした。」

マリー(ガレス)「流石ランスロット卿だわ!」

ランスロット「いや、君らは先にギネヴィア様に詫びをいれなさい。」

アルトリア「いえ、私からも礼いいます。ランスロット卿。」

ランスロット「我が王!」

アルトリア「今後も、どうか我妻の支えになってくれないか。」

ランスロット「そ、それはその…もちろん。」

天の衣(ギネヴィア)「本当にありがとう!ランスロット!」

アグラヴェイン(…どうしてこうなった!)

ぐだ男「そして、真相が判明し犯人のピネルは逃げ出しました。ギネヴィアは窮地に陥ったなか、円卓の騎士達が
    誰も味方になってくれない状況でランスロットだけが、ひどい仕打ちを受けたのにも関わらず駆け付けてくれた
    ことに深い後悔と感謝の念ををもち、二人の絆はより一層強化されたのでした。めでたしめでたし?。」
149 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:11:54.82 ID:nxOdqQw70
ぐだ子「文字通り、実に古典的なヒーローね。ちなみにギネヴィア王妃の扱いが悪かったけど、
    日常的に味方はいなかったのかしら?」

マシュ「日常的にどうだったかはともかく、アーサー王は、マーリンの反対を押しのけてまで、
    ギネヴィア王妃を妻として迎えたといわれていますから大事に思っていたのは間違いないはずです。」

ダヴィンチちゃん「もちろん結婚する際に、マーリンからいずれランスロットと不倫することも予言されているよ。」

ぐだ子「そこまでいわれても、アーサー王はギネヴィアを王妃に迎えたのね。」

ダヴィンチちゃん「そしてギネヴィアは王に信頼されたよ。例えば、アーサー王がローマに遠征する際には、
         ブリテンのことは王妃ギネヴィアに託された。ギネヴィアをアーサー王の後継である
         コンスタンチンと、老臣ボードウィンが補佐する体制になっていたようだからね。」


ぐだ子「プライベートはともかく、公的な面では頼りにされていたのね。どっちかというとキャリアウーマン?」

マシュ「アーサー王がギネヴィア王妃と結婚する際に、誰よりも立派な女性と評価していますので、能力のある方だったんでしょう。
    しかし、そのプライベートにおけるランスロット卿とのことで、円卓は崩壊に向かっていきます。」


ぐだ男「モーさんが何かするんだっけ。えーっと(ペラペラ)ある日、アーサー王のお部屋で
    ガウェイン卿が、兄弟達とおしゃべりしていました。」
150 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:12:30.62 ID:nxOdqQw70

===アーサー王のお部屋=========−−−−


アグラヴェイン「卿らはランスロットとギネヴィア王妃は不倫をしていることと、それを我が王が
        黙認されていることをどう考えている。」

マリー(ガレス)「我が王が黙認されておられるのなら、そこまでの関係ということでしょう。
         王妃が、王が最も信頼する騎士から奉公を受けることも、
         騎士が、敬愛する王の妻から祝福を受けることを至上の喜びとすることも、
         それにとどまることなのであればなにも恥じることはないわ。」


アグラヴェイン「…」


サンソン(ガヘリス)「まぁ、実際どうなのかは本人達しか預かり知らぬことだ。」

モードレット「知ろうとした者もいるだろうに誰も知らないということなら、それは
       そういうことだろうがよ。」


ガウェイン「その話題をするということはアグラヴェイン卿。あなたは王の名誉を守りたいのですか?
      それとも醜聞を理由にランスロット卿を排斥したいということですか。」

151 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:13:15.48 ID:nxOdqQw70

アグラヴェイン「先のガウェインの暗殺未遂事件。そしてメリアガーントによる誘拐事件。
        二人の関係がガレスの言以上になるという懸念は十分にある。故に
        奴を失脚させる必要がある。」

サンソン(ガヘリス)「馬鹿を言うな。ランスロットは国を保つ上で、重要な男だ。
           それがわからぬお前ではあるまい。」

マリー(ガレス)「そうよ。なんて乱暴なことをおっしゃるの!アグラヴェインお兄様は
         ランスロット卿を信用できないの?」

アグラヴェイン「王の妻と密通するような男を、なぜ信用できる!」

ガウェイン「…面白いものですね。」

モードレット「あん?」

ガウェイン「アグラヴェイン卿。ランスロットは逆にあなたを信用していなさそうですからね。」

アグラヴェイン「…何?」
152 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:14:27.11 ID:nxOdqQw70
ガウェイン「私の見る限り、ランスロット卿とアグラヴェイン卿は、同じくらい王に忠誠を誓っています。
      しかし二人の王に対する思いが100であっても、ランスロット卿は周囲の人間…いや、
      見知らぬ民草相手であっても80くらいはある騎士。一方でアグラヴェイン卿は、
      よほど仲良くなければ限りなく0に近い…といったところですね。」

アグラヴェイン「…」

ガウェイン「だから、ランスロット卿は、周囲や目下の人間にすら愛をもって接することのできない
      アグラヴェイン卿が、どうして主君である王を敬愛することができるかと疑っています。」

アグラヴェイン「だが、奴は…!

ガウェイン「ランスロットのように周囲に分け隔てなく接するような男であれば、敬愛の対象もいつか王から
      別の誰かにうつるかもしれない、と怖がっているのでしょう。」

アグラヴェイン「…ああ、そうだ。だから奴は危険すぎる。」


ガウェイン「はぁ。いいですか?あっくん。考え方からして水と油のあなた達に、今更わかりあえとは
      言いません。あなたとて、ランスロットの必要性は理解できているでしょう。それを劇薬と
      とらえるかもしれませんが。」


アグラヴェイン「…いや、しかしだな。」
153 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:15:20.39 ID:nxOdqQw70
モードレット「…ばかばかしい。ランスロットの何が危険だだって?問題はそこじゃないだろう。」

マリー(ガレス)「どういうこと?」

モードレット「ランスロットの王に対する忠誠は本物かもしれない。
       だが、それはブリテンに対しての忠誠ではない。決してな」

アグラヴェイン「…そうだ。そのとおりだ。」

モードレット「それこそ、お優しいランスロットがブリテンの在り方そのものに対して
       異議を唱えたら、父上は果たしてどうされるかね。」

ガウェイン「…」


ガウェイン「アグラヴェイン卿、モードレット卿。分をわきまえるのであるのならば、
      ランスロットがあなた達をどれほど非難しようとも私はあなた達を守ります。
      しかし、彼を排斥しようとするのならば、その報いを受けることになるでしょうね。」


サンソン(ガヘリス)「そもそもお前ら如きがランスロットをどうこうできるとでも思っているのか?」
154 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:16:12.80 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「すると、そこにアーサー王が戻ってきました。」

アルトリア「おや、卿達はここで一体何を話し合っているのです。」

ガウェイン「いえ、話は終わりました。失礼します。」

サンソン(ガヘリス)「…ふん。あいつらが馬鹿をしたら、円卓も終わりだな。」


ぐだ男「ガウェイン達は退室し、残ったアグラヴェインに対しアーサー王は尋ねます。」


アルトリア「ランスロット卿と、ギネヴィアの件について、ですか。」

アグラヴェイン「はい。二人は不貞の関係にあり、我が王が黙認されていらっしゃいます。
        私はこれを由々しき自体だと考えております。」


アルトリア「面と向かって妻を侮辱されると私も穏やかではいられぬが。」

アグラヴェイン「故に私も死を覚悟して申し上げます。」
155 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:17:02.10 ID:nxOdqQw70
アルトリア「当然、今の円卓においてランスロットが失脚した場合大きな混乱…下手をすれば
      崩壊につながりかねないということも理解していますか?」

アグラヴェイン「逆に言えば、瑕疵を正すには今しかないと考えております。」

アグラヴェイン「不義を黙認することは、我が王の理想とかけ離れていると理解しております。
        黎明期では、確かにそのようなことも必要だったでしょう。しかし、ブリテンが形作られつつある今
        永遠にそれを内包することがあってはなりません。」      


アグラヴェイン「円卓を再建しなければならない状況です。
        今黙認されてきた過ちを排除することができれば、より我が王の
        理想にそった形で再び築き上げることができるでしょう。」

アグラヴェイン「王よ、お願いがございます。一度だけで構いません。どうか私に機会をお与えください。」


アルトリア「そこまでの覚悟があるなら、いいでしょう。今度狩猟でその日は帰らないと
      ギネヴィアに伝えましょう。」

アグラヴェイン「…感謝いたします。」
156 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:17:55.03 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「アグラヴェインは、アーサーにランスロットとギネヴィアの不貞について、
    訴えます。そしてアーサーは訴えを認めアグラヴェインにチャンスを与えるのでした。」

ぐだ子「…アグラヴェインは嫌な奴だったけど、ガウェイン達と相談しているし、ちゃんと
    王様に訴えているし、独断専行はしていないのね。」

マシュ「暗殺事件の時のように、決闘裁判を申し付けることもできたはずですが、
    この伝説では、アーサー王も現場をおさえるよう協力しているようですね。」

ぐだ子「決闘裁判だと、相手が間違いなくランスロットになるものね…。」


ぐだ男「チャンスを得たアグラヴェインは、モードレットとともに浮気現場を取り押さえる準備をします。」


モードレット「父上はどうだった?」

アグラヴェイン「訴えは認めていただけた。今度、我が王に狩猟に出かけた晩、浮気現場を抑えるぞ。」

モードレット「上々。こっちも協力してくれそうなやつを募っといたぜ。」
157 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:18:55.45 ID:nxOdqQw70

メカエリチャンT(?)「いよいよです。外様の不倫男を排除して、正しき円卓を取り戻します。」
メカエリチャンU(?)「まったくです。そもそも王の親族がよそ者の機嫌を伺うようなことあってはなりません。」

アグラヴェイン「ラヴェルにフローレンス!ガウェインは承知しているのか?」

メカエリT(ラヴェル)  「お父様は反対しましたが、この機を逃すことはできません。」
メカエリU(フローレンス)「お父様は甘いところがありますので、私たちでなしとげます。」


ぐだ男「アグラヴェイン達は、ガウェインの息子等、10名程の仲間とともに、武装して王妃の
    部屋まで向かいました。」


====王妃の部屋======


天の衣(ギネヴィア)「ランスロット…」
ランスロット「王妃様…」
158 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:20:01.35 ID:nxOdqQw70
天の衣(ギネヴィア)「先の暗殺事件の時、あなただけが私を信じてくれた。
           このまえ誘拐されたときも、貴方が私を助けてくれた。
           …もう私にはあなたしかいないのかもしれない…」

ランスロット「ギネヴィア様…」


モードレット 「様子はどうかな…と」じー
アグラヴェイン「どうやら話をしているようだ。」じろり

モードレット 「言い逃れのできない状況で、確保するってことでいいな。」
アグラヴェイン「うむ。まだ決定的ではない。」

モードレット 「…」
アグラヴェイン「…」

モードレット 「…」
アグラヴェイン「…」

モードレット 「…!!」
アグラヴェイン「…!!!」


モードレット 「…そこまでだ!!」
アグラヴェイン「…そこまでだ!!!」

159 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:21:24.73 ID:nxOdqQw70


ぐだ男「とうとうランスロットとギネヴィアは、現場をおさえられてしまいました。」


アグラヴェイン「ランスロット…そして、王妃!!やはり我が王を裏切っていたな!
        この、不埒物が!!」


天の衣(ギネヴィア)「わ、私は…」

ランスロット「…裏切り…?不埒物…だと?」ブチッ

ランスロット「王妃が今までどれだけ王に尽くし、また心を痛めてきたかも知らずに侮辱する気か!」

ランスロット「ほざくなアグラヴェイン!」


ぐだ男「ランスロットは、現場を取り押さえた騎士達と戦い、やっつけました。
    しかし、モードレットだけは重傷をおいつつも逃げることに成功し、このことを王に報告しました。」

ぐだ子「えーっと。MINAGOROSHI?ガウェインのお子さんも?」

マシュ「はい。」
160 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:22:11.29 ID:nxOdqQw70

アグラヴェイン「む、無念」ガクッ

ランスロット「…ギネヴィア様。お怪我はありませんか?」

天の衣(ギネヴィア)「平気よ。…でも、これからどうするの?」

ランスロット「王の騎士を殺めた以上、私は王に裁かれなくてはなりません。
       …ギネヴィア様、いそぎボールスをお頼りください。彼ならあなたを
       フランスまで逃がしてくれるでしょう。」


天の衣(ギネヴィア)「いえ、アーサーに裁かれなければならないのは私の方よ。
           王妃として、私はこれ以上あの人を裏切れないわ!
           だから、ランスロットあなたは逃げて。」


ランスロット「…申し訳ございません!」


ぐだ男「ランスロットは逃げようと提案しましたが、王妃はアーサー王の裁きを受けなければ
    ならないといい、ランスロットは一人で逃げました。」
161 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:22:48.90 ID:nxOdqQw70

ランスロット「いずれアグラヴェインとは、こうなるかもしれない予見があったが、
       ガウェイン卿の息子まで手にかけてしまうとは…」トボトボ

ぐだ男「そして、ランスロットは甥のボールスと再会を果たします。」


小次郎(ボールス)「やぁランスロット殿。此度の件。おどろかしてくださいますな。」

ランスロット「ボールス…!すまぬ。」

メディア(?)「全く、滅茶苦茶するんだから。」

ランスロット「不甲斐なき叔父を許してくれ、ライオネル」

エミヤオルタ(パロミデス)「ふっ、それにしてもうまくやったものだな。」

ランスロット「…パロミデス。卿も一緒か。どうか皮肉を言ってくれるな。」

メドゥーサ(?)「兄様…本当に大変な騒ぎになっていますよ。」

ランスロット「そうだろうな。エクター。」
162 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:25:03.81 ID:nxOdqQw70

ランスロット「このような大罪を犯し、許されぬ身だ。
       身内や友に捕縛されるのならば、それも運命かもしれんな。」

メディア(ライオネル)「…はい?」

小次郎(ボールス)「…この御人はなにを言っておられるのだ?」

ランスロット「卿らは、王の騎士を殺めた私を捕縛にきたのだろう。」

メドゥーサ(エクター)「えーっと…いや、その…
            すみませんこれ、どういうことなんです?」

エミヤオルタ(パロミデス)「貴様自分がおかれている状況をわかっていないようだな。」

ランスロット「…なぜだ。話がかみ合わぬ。」
163 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:25:33.69 ID:nxOdqQw70

メディア(ライオネル)「…いや、ランスロット卿。あなた、王に取り巻く奸臣を
            成敗したんじゃないの?」

ランスロット「…何を言っている!私はギネヴィア様との…その逢瀬を…抑えられ」

メドゥーサ(エクター)「義兄様、だから、今はもうそんなこと言っている場合じゃないんです!」


エミヤオルタ(パロミデス)「…こういうことだ。ランスロット。」

ランスロット「?」


===楽しいブリテン一家====

アナタスシア(領民)「ああ、ひもじい。貧しいわカドック。どうして
           こんなに生活が苦しいのかしら。」シクシク

カドック(領民)「それは、あのアーサー陛下の甥たちが、偉大なる王を欺いて好き勝手にしている
         からに決まっているさ。」
164 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:25:59.71 ID:nxOdqQw70
アナタスシア(領民)「ガウェイン卿とその兄弟達ね。でも彼らは立派な騎士達でないの?」シナ

カドック(領民)「とんでもない。奴らは、王の甥の立場を利用して、邪魔になる立派な騎士を
         ころしたりしているんだぞ。」

アナタスシア(領民)「まぁ、信じられないわ。」スリスリ


カドック(領民)「それだけじゃない。陰謀ばっかり企んで、騎士として研鑽を怠り、
         王の御前で、サラセン人相手に兄弟まとめて敗北してしまったりしたじゃないか。」

アナタスシア(領民)「あれは本当にひどかったわ。混迷する暗黒の時代に、守るべき教えを
           くれたアーサー王の甥が、それを汚すなんてあってはならないわ。」ギュー

カドック(領民)「それに、このまえ聖杯探索で円卓の騎士達が大勢なくなったけど、
         あれもガウェイン卿が真っ先に手を挙げたらしいんだ。」

アナタスシア(領民)「まぁ!王の甥が手をあげるのであれば、ほかの騎士達は、それがどんな危険な任務で
           あっても甥にならって手をあげざるをえないじゃない!」チュ

カドック(領民)「アーサー陛下もそれに苦言を呈したらしいからね。よっぽどさ。」
165 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:26:26.45 ID:nxOdqQw70

ベリル(領民)「おい、大変だカドックどん!」ガラッ

カドック(領民)「何があったベリルどん!」

ベリル(領民)「あのガウェイン卿の弟、アグラヴェイン卿とモードレット卿が、ランスロット卿を
        失脚させようと謀略をしかけたそうだ!」

カドック(領民)「なんてことだ、円卓一素晴らしいといわれているあのランスロット卿をか!」


ベリル(領民)「おう。しかもそれなんだが、ランスロット卿ってギネヴィア王妃と不倫しているって噂があるじゃないか。
        奴ら、それを告発しようとしたらしいぜ!」

アナタスシア(領民)「信じられないわ。そんなゴシップを?王妃様や、王様の名誉を著しく傷つけるような
           謀略を企てるなんて、本当にあの立派な王の甥だというの?」

166 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:27:15.78 ID:nxOdqQw70

ベリル(領民)「ああ、だが、そこは流石のランスロット卿だ。見事アグラヴェイン達を返り討ちにしてやっつけたらしい!」

カドック(領民)「流石あのランスロット卿だ!…だがベリルどん、ランスロット卿が王の甥を倒したってことは…」

ベリル(領民)「そうだ、ついにあのランスロット卿が、これからは俺たちのために立ち上がってくれるんだよ!」

ベリル(領民)「ランスロット卿は立派な騎士だったが、それゆえ、今までは悪い奴らでも王の甥たちを
        ないがしろにはせず、ずっと我慢して顔を立ててきた…」

カドック(領民)「だが、とうとう堪忍袋の緒が切れて誅殺したんだ!これからランスロット卿は、
         王をとりまく悪い奴らをやっつけてくれるに違いない!」

ベリル(領民)「ああ、俺たちも応援しなきゃな!」

アナタスシア(領民)「ラーン―スー!ラーンースー!」

167 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:28:00.41 ID:nxOdqQw70

ランスロット「…」

エミヤオルタ(パロミデス)「…」

ランスロット「…あの、これは。」

メドゥーサ(エクター)「はい兄様。残念ながら民衆はこんなかんじです。」

小次郎(ボールス)「ほれランスロット卿。あちらをご覧くだされ。」

粛清騎士の群れ ザッザッザッ 

粛清騎士「ウェールズから来ました。」

兵士「コーンウォールから来ました。」

エミヤオルタ(パロミデス)「はっきり言う。国中の反ガウェイン派の連中がお前を旗頭にと集まってきている。」

ランスロット「…。」
168 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:29:07.45 ID:nxOdqQw70
メディア(ライオネル)「…何を呆けているの。チャンスでしょう。王妃様がどうなるかもわからないのよ?」

ランスロット「そ、そうだ。ギネヴィア様は、我が王の裁きを待つ身…。」

エミヤオルタ(パロミデス)「そして、万が一の際王妃を救うにあたり、平身低頭で許しを請うのと、
              ある程度の対抗勢力を率いて交渉するのと、どちらが有効か」

ランスロット「むむ…やむを得んか。」

エミヤオルタ(パロミデス)「先手を打って示威行動に出てもよいと思うが。…どうだ?」

ランスロット「それはできん!我が王に弓引く真似は決して行わない!」

ぐだ男「ランスロットはボールスと会い、味方を探しました。すると、円卓騎士のパロミデスなど、
    多くの騎士が仲間になりました。」

ぐだ子「…この場面で、アグラヴェインって別に悪いことはしてないわよね。」

マシュ「はい。」

ぐだ子「言い逃れのしようもない状況だけど、ランスロットのもとにも仲間が集うのは…ちょっと意外ね。
    日頃の行いかしら?こっちの方のアグラヴェインとモーさんって少なくとも
    人の理解を得ようするタイプじゃなかったけど、嫌われていたのかもしれないわね。」

ダヴィンチちゃん「あるいは、ランスロット卿を見殺しにできなかったのか。じゃ、王様の方を見てみようか。」


169 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:29:37.54 ID:nxOdqQw70

=====キャメロット======


アルトリア「…」


イアソン(ケイ)「身内であるボールス、ライオネル、マリスあたりは
         あっち側か。他に情報はあるか、グリフレッド。」

子ギル(グリフレッド)「パロミデス卿と…弟のサフィアもランスロット卿についたようですね。
            それと今は亡きトリスタンとラモラックの旧臣もランスロット卿のもとに集っているそうです。」


アーラシュ(?)「ランスロットが王を裏切っただの、ランスロットが王のために立ち上がっただの
         民衆には混乱が広がっている。諸侯も混乱を抑えるのに手いっぱいだな。」

子ギル(グリフレッド)「ですが少なくとも、我が王を中傷し、これに弓を引こうというような
            愚かな反乱は誘発しておりません。」

イアソン(ケイ)「対処を誤らなければ、穏便に抑えられるだろう。」
170 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:30:26.95 ID:nxOdqQw70

ベデヴィエール「…それとギネヴィア様の件ですが」

アルトリア「結果として、アグラヴェインをはじめ、多くの騎士が犠牲なりました。
      また、不貞が白日のもととなった今、ギネヴィアの死刑は免れないでしょう。」

イアソン(ケイ)「おい、本気か?」

子ギル(グリフレッド)「ギネヴィア様を処刑すれば、ランスロット卿との和解は絶望的になるでしょう。
            王は、今回の騒動をすべて、力によってのみ解決を図るおつもりですか?」

ガウェイン「…我が王。私もギネヴィア王妃の処刑には反対します。」

アルトリア「…なぜです。アグラウェインが死に、モードレットも重症を負い、あなたの子供たちも
      ランスロットに殺されました。引き金になったギネヴィアを許すというのですか?」

ガウェイン「いえ、なぜならば今回の騒動の原因は我が兄弟にあるからです。ご存知のとおり我々が謀略をもって
      同胞排除を試みたのは、今回が初めてではありません。」
171 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:30:52.68 ID:nxOdqQw70

アルトリア「…。」

子ギル(グリフレッド)「あぁ、そうでした。あの悲しみの子が、あなた達を恐れてキャメロットに近寄らなく
            なったのもその頃でしたね。」


ガウェイン「私達兄弟は、我が王とブリテンのために全力を尽くしてまいりました。しかし、その過程で、
      騎士道に反する行いもありました。時に我が王の甥という立場を利用し、不満を押さえつけました。」

ガウェイン「王の威光と成果により、悪しき行いを覆い隠しておりました。」

ガウェイン「今回、ここまでブリテン全土に渡る混乱に発展したのは、今までの我ら兄弟が関わったブリテンの統治が、
      ランスロット卿の働きにより完璧でなかったことが暴かれたからにすぎません。」

ガウェイン「我が兄弟のやり方に、皆が不満を持っていた。今回の件でそれがはじけた。我々兄弟の不徳のなすところで
      ある故に過ちを認め、彼らに寛大に接しなければなりません。」


ガウェイン「だからランスロット卿との和解は可能です。いえ、和解しなければなりません。
      そのためにどうか、王妃の処刑だけはご再考ください。」


イアソン(ケイ)「ふん。わかってたのかよ。」ボソッ

アルトリア「…ガウェイン卿。そなたの考えはわかりました。
      しかし、王妃の件は、また不義の件。この騒動とは別に、ケリをつけねばなりません。」
172 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:31:29.64 ID:nxOdqQw70
ベデヴィエール「そんな!」

イリヤ(コンスタンチン)「この非常時に、まだこだわるんですか!」

アルトリア「…グリフレッド。執行に関しては任せます。近日中に。
      ガウェイン卿も立ち合いを。」

子ギル(グリフレッド)「…はい。」

ガウェイン「…我が王よ。」

マリー(ガレス)「いえ、立ち合いは私のやらせて。」

ガウェイン「ガレス…?」

マリー(ガレス)「王妃様が処刑されるとなれば、必ずランスロット卿は助けにくるわ。
         その時、ランスロット卿を私が、説得します。」

サンソン(ガヘリス)「…まて、ガレス。僕も行く。」

マリー(ガレス)「…兄様。」

サンソン(ガヘリス)「今回の件、多少なりとも、僕も責任は感じている。」

ぐだ男「王様は、王妃様を処刑することにしました。ガウェイン卿は反対しましたが、
    王は考えを改めず、逆にガウェインに立ち会いを命じました。でもガウェインは、
    嫌だったので、ガヘリス・ガレスの兄弟に代わってもらいました。」

ぐだ子「…うーん。緊急事態なのにちょっと固くないかな?王様。
    でも、子供まで殺されても、ガウェイン卿は冷静ね。覚悟が決まっているというか、
    なんというか…」
173 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:33:07.99 ID:nxOdqQw70

=====キャメロット==========


アルトリア「…まだ何かありますか?グリフレッド」

子ギル(グリフレッド)「…あなたは、本当に妻を殺したいのですか?」

アルトリア「…指示なら先ほど示したはずです。」

子ギル(グリフレッド)「偉大なる王、アーサー・ペンドラゴンには聞いておりません。
            かつてのわが友、アーサーに聞いています。」
アルトリア「…」

子ギル(グリフレッド)「…最近偶に思います。もしあなたが石に刺さった剣を抜く前のように
            友のままでいれたのなら、少しはあなたの苦しみを背負えたかもしれないと。」


アルトリア「あなたは騎士になることを望み、私はそれを認めた。それが嫌になったというのですか?」

子ギル(グリフレッド)「もちろんそのつもりはありません。今の僕は騎士ですから。
            王の望みを果たすことに、全身全霊を尽くしましょう。」

子ギル(グリフレッド)「ただ少し、騎士というものの無力さが情けなくなります。どんなに勤めても、
            周囲から助言者ともてはやされても、最後に決断を下すのは王であり、その苦悩を少しも
            背負うことができないのですから。」

子ギル(グリフレッド)「…もしあなたにまた、友と呼べる存在ができたのであれば、
            その時こそ、その方に本心をお話いただけることを切に願います。」 (ぺこり)
174 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:34:10.51 ID:nxOdqQw70

子ギル(グリフレッド)「…」スタスタ

イアソン(ケイ)「耄碌したか、グリフレッド?」

子ギル(グリフレッド)「…なんですか、ケイ卿。」

イアソン(ケイ)「お前のかつての友達ってのは、一度意地を張りだしたあとに、本音を吐いたことが
         ただの一度でもあったっていうのか?」

子ギル(グリフレッド)「…!ああ、そうでしたね。まったく忘れていました。本当に、歳はとりたくないものですね。」

子ギル(グリフレッド)「ケイ…アーサーのこと、頼みますね。」

イアソン(ケイ)「…馬鹿が。」


====ランスロット陣営==========

ランスロット「大変だ!我が王は、やはりギネヴィア様を処刑なされるおつもりのようだ!」

エミヤオルタ(パロミデス)「じゃ、頑張ってこい。」

小次郎(ボールス)「健闘を祈るでござる。」

メドゥーサ(エクター)「あ、お弁当もっていきます?」
175 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:36:13.76 ID:nxOdqQw70


ランスロット「…ま、待てい!なんで卿らはそんなに冷静なんだ?」

メディア(ライオネル)「何でって…、どうせあなたは王妃様を助けにいくんでしょう?」

ランスロット「だ、だが、王も襲撃に備えているはず、おそらく円卓の騎士達が…」

小次郎(ボールス)「これはまた、ランスロット殿らしからぬ弱音よなぁ。」

メディア(ライオネル)「アグラウェインの一党を倒しといて今更何いってるのよ。」

ランスロット「な、何より王妃を救おうというのは我が王に対する反逆、それを黙認するのか?」

メドゥーサ(エクター)「我が王に対する反逆って…兄様は、本当に我が王が奥様を処刑したいと思っているのですか?」

ランスロット「いや、勿論我が王も苦しくも決断されたであろうが…」

メディア(ライオネル)「なら十分じゃない。王が立場上できないことを代わりにかなえることも騎士の役目でしょ。
            騎士の役目は王の望みを果たすことなのだから」
176 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:37:26.62 ID:nxOdqQw70

ランスロット「む、いや王の為を考えれば当然王の決断を尊重し…」

エミヤオルタ(パロミデス)「余計なことを考えられるな。ランスロット。お前が何をしたいのかだけ考えろ。」

ランスロット「そ、それは、もちろん、ギネヴィア様を救うことだ。」

エミヤオルタ(パロミデス)「なら、とっとと行って来い。単純にお前はお前のやりたいと思ったことをなせ。
              それが一番ためになるのだから。」

ランスロット「・・・どういうことだ?」

エミヤオルタ(パロミデス)「じきにわかる。籠城のための準備は整えといてやるからさっさといってこい。」


ランスロット「・・・ええい、わかった。ではいってくるぞ!」

メドゥーサ(エクター)「…全く。あれも天然なんでしょうか?」

小次郎(ボールス)「見ている分にはあれほど愉快な方もおるまいて。」

177 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:37:53.26 ID:nxOdqQw70

=========処刑場================


プロトニキ(緑の騎士)「おいガレス、なんだよその恰好は!」

キャスニキ(赤の騎士)「いつランスロット卿が来るかもしれないのに、武装もせずに!」

マリー(ガレス)「だからこそよ、ペリーモンズ。ランスロット卿と私達は和解しなければならないわ。
         話し合いに武具は不要よ。」

キャスニキ(赤の騎士)「捨て身の信頼かよ…危険すぎるぜ。もし何かあったら…」



アルジュナ(?)「…ふん。本当にあの兄弟達は…む」

アルジュナ(?)「…来ましたね、ランスロット卿!!」


ドォン!!



178 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:38:40.55 ID:nxOdqQw70

マリー(ガレス)「な、なに?」

プロトニキ(緑の騎士)「下がってろガレス!敵襲だ!」

マリー(ガレス)「ランスロット卿…!」

ランスロット「アグロヴァル卿…立ちはだかるなら、容赦はせんぞ。」

アルジュナ(アグロヴァル)「…ふふ。ランスロット卿、あなたなら私の立場は理解してくれるはずでしょう。」

アルジュナ(アグロヴァル)「父と兄を謀殺され、弟パーシヴァルもまた騎士であることから退き、我が家系の
              武名は地に落ちた!そして、今ようやく、汚名を晴らせる最高の機会を得られたというわけだ!」

ランスロット「それが、貴公の騎士道というわけか。」

アルジュナ(アグロヴァル)「ああ、そうだ。最強の騎士が本気で殺しにかかってくる戦いだ。
              命を懸けるのにこれ以上の場面は二度とあるまい。…実にすばらしい!」


ぐだ男「ギネヴィア王妃が処刑されそうになるところ、ランスロット卿が、助けにきました。それを
    妨害しようと、円卓の騎士達との激しい戦いが始まります。」
179 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:39:24.15 ID:nxOdqQw70

プロトニキ(緑の騎士)「逃げろガレス!ランスロットは本気だ!話し合いが通じる状況じゃねえ、
            戦いに巻き込まれるぞ!!」

マリー(ガレス)「離してパートレープ!仲間同士でこんな、争いあってはいけないわ!」

ランスロット「騎士は徒手にて死せず!!」ダダダダダダダダダ!

バスッ

マリー(ガレス)「えっ…?これは、私の血?ランス…ロ…」ガクッ

プロトニキ(緑の騎士)「ガレス!そんな、流れ弾に当たって…!」

キャスニキ(赤の騎士)「ランスロット!てめぇえええ!」

ランスロット「貴様、ペリーモンズか!」ダダダダダダダダダ!


ぐだ男「激しい戦いの末、ランスロット卿は円卓の騎士達を倒しました。アーサー王が王になり、最初に
    騎士に任命したグリフレッド卿、パーシヴァル卿の兄のアグロヴァル卿など、多くの騎士が犠牲になりました。」
180 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:40:32.23 ID:nxOdqQw70

ランスロット「よし、片付いたな、ギネヴィア様、今まいります!」

サンソン(ガヘリス)「…ぐっ…」

サンソン(ガヘリス)「ごほっ…ガ…ガレス。…ガレス。目を開けてくれ…」

マリー(ガレス)「…。」

サンソン(ガヘリス)「ふっ、…ははは、これが因果…か。」

サンソン(ガヘリス)「かあ…さ…」(ガクッ)


ぐだ男「また、ガウェイン卿の弟のガヘリス卿、ガレス卿は、武具を身に着けていなかったため、戦いに巻き込まれる
    形で死にました。ランスロット卿は、残念ながら彼らを手にかけたことに気づくことすらありませんでした。」


ぐだ子「ああ、そんな。ガレスちゃんまで。」

マシュ「…あまりに激しい戦いだったのか、ランスロット卿は気づきもしなかったそうです。
    これが、あの皆に愛されたガレス卿の最後とすると…悲しいですね。」
181 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:41:07.29 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「さて、ランスロット卿は、ギネヴィア王妃を連れて、喜びの城に向かい、
    仲間の騎士達とともに籠城しました。」


====喜びの城==========


小次郎(ボールス)「愛する者を救うために過去の同胞と厭わず戦い、見事救出する…
          全く、絵にかいたような英雄でござるなぁ。」

ランスロット「やめてくれ、ボールス。もはや私は反逆者にすぎぬ。」

メドゥーサ(エクター)「ただ…困ったことにもなりましたね。外を見てください。」


〜外〜

ガウェイン「出てこい!臆病者め!その首、必ずこの手で叩き落してやるぞ!」


エミヤオルタ(パロミデス)「ガウェインめ、随分とご立腹のようだな。」

メディア(ライオネル)「はぁ、ランスロット卿、あなたガレスを殺したんですって?」

メドゥーサ(エクター)「残念ですね。あの子、兄様が説得したら多分味方になってくれましたよ。」

ランスロット「…すまない。まさか、あの場にガレスにいたことすら、気づくことができなかったのだ。」
182 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:42:41.41 ID:nxOdqQw70
アルトリア「…」

イアソン(ケイ)「どうする気だアーサー?連中、亀の子みたいに引っ込んじまってるぜ。」

ベディヴィエール「あくまで、我が王に弓引くつもりはない、ということでしょうか。」

アルトリア「…力攻めは無謀です。包囲を固めしめあげていきます。」

アーラシュ(?)「…間違いなく、長期戦になるな。」

イアソン(ケイ)「落としどころは考えてるんだろうな。」

ガウェイン「ここまでの騒動をしでかしたのです。ランスロットを討ち取り、首をさらす以外にはないでしょう。」

イアソン(ケイ)「お前には聞いていない。そんなに戦いたいなら、挑発の一つでもして
         奴らを誘い出してこい!」

ガウェイン「ふん。」

アルトリア「…」
183 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:43:31.39 ID:nxOdqQw70
ぐだ男「円卓の騎士達が殺されたことに、アーサー王とガウェインは悲しみ、ランスロットのいる
城を包囲し、戦いを挑みます。ランスロットたちを城の外におびき出そうと、ガウェインは
    外からランスロットの悪口をいいました。」

メディア(ライオネル)「流石にこうも挑発されっぱなしってのはよくないわね。
            士気が下がりつつあるわ。」

小次郎(ボールス)「うむ。ここは一つ、うってでるべきでござる。」

ランスロット「戦うしかない、か。」

エミヤオルタ(パロミデス)「当然だな。交渉するにしろ、まず相手から敬意を勝ち取らねばなるまい。
              騎士が敬意を勝ち取るのは、当然武勇を示すことによってだ。」

ランスロット「…我が王と、ガウェイン卿の命を奪うことはないようにな。」

メディア(ライオネル)「はいはい。」
184 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:44:04.44 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「ランスロットは戦いたくなったのですが、とうとう出撃することにしました。
    アーサー王たちは、迎え撃とうとします。」


アーラシュ(?)「ライオネルがうって出たぞ!」

ガウェイン「よし、ランスロットめ、今こそ討ち取ってやる。」

ベデヴィエール「…我が王、どうされます?」

アルトリア「当然、私も出ます。続きなさい。」

ベデヴィエール「…はい。」
185 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:45:34.25 ID:nxOdqQw70

ぐだ男「激しい戦いになり、アーサー王は乱戦に持ち込まれ、
    ランスロットの甥ボールスに追い詰められてしました。」


小次郎(ボールス)「心、ここにあらず…といった具合でござるか?」

アルトリア「…くっ。」

小次郎(ボールス)「全力の我が王と戦うことがかなわぬのは残念至極…が、
          ここでこの無益な戦を終わらすというのも、乙なものよな?」

アルトリア(ここまでか…みんな、すまない…)

??「待てい!!」


ぐだ男「ボールスが、アーサー王の首を落とそうとすると、誰かがそれを止めました。」


小次郎(ボールス)「これはこれは」

アルトリア「ランスロット!」
186 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:46:03.31 ID:nxOdqQw70
ランスロット「…言ったはずだ、ボールス。我が王を[ピーーー]ことは許さぬと。
       どうしてもというのならば、この場で私を倒してからにするのだな。」

小次郎(ボールス)「…ふむ。」

小次郎(ボールス)「ご無礼仕った。」チャッ

アルトリア「礼は言わぬぞ、ランスロット。」

ランスロット「…は。いずれ此度の戦い、卓を挟んで解決できることを願っております。」

アルトリア「…。」

ぐだ男「ランスロットは、敵になったのにアーサー王を助けたのでした。
    アーサー王は、ランスロットと戦わなければならないことを、とても悲しく感じました。そして…」


===喜びの城=========

メディア(ライオネル)「いったたた…」

小次郎(ボールス)「流石に、ガウェイン卿を五体満足で抑えきるのは無理な話よな。」

ランスロット「…すまぬ。私の覚悟が足りぬ故、このような大けがを負わせてしまった。」

小次郎(ボールス)「いえ、相手の方にもしっかり深手を与えてやった故。」

メディア(ライオネル)「強硬派のガウェインが動けなければ、しばらく戦いは避けられるわ。
            作戦は成功よ。…い、いたた。」
187 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:47:08.07 ID:nxOdqQw70

===アーサー王陣営========−


ガウェイン「まさか、ボールスめ。ここまで腕をあげていたとは…」

ベディヴィエール「しばらくは、戦いには出れそうもありませんね。」

ガウェイン「これしきの怪我…ぐっ。」

アルトリア「万全な状況でなければ勝てぬ相手とはわかっているはず。治療にあたりなさい。」



イアソン(ケイ)「…しばらくガウェインが動けない。今がチャンスだな。おい、ルーカン。」

アーラシュ(ルーカン)「わかった。任せておけ。」


ぐだ男「また、その後の戦いで、両軍の主力であったガウェイン卿、ボールス卿の双方が
    深手を負い、お互い戦い避け、またにらみ合うようになりました。」

ぐだ子「あんなにランスロットと戦うのが嫌だったガウェインが、
    こんなになっちゃって悲しいわね。」

マシュ「弟、息子を失ってなお抑えていたのですが、ガレス卿が殺されてしまい…
    本当にガレス卿のことを大事に思っていたんでしょうね。」
188 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:48:15.61 ID:nxOdqQw70


ガウェイン「もう、怪我は大丈夫です。さぁ王よ。戦いを再開しましょう。」

アルトリア「…ええ。」

ベディヴィエール「…。」

イアソン(ケイ)「ちょっと待った!クックック。そうはいかなくなったようだ。」

ガウェイン「…なぜです?」

アーラシュ(ルーカン)「我が王に、お客さんだ。」

アルトリア「客?」

ガウェイン「何?この戦時下に一体…」

アーラシュ(ルーカン)「このお方だ!」

ロムルス(?)「…!」ドォーン
189 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:48:54.92 ID:nxOdqQw70

ガウェイン「…?」

アルトリア「…誰です?」

ロムルス(?)「ローマである!」

ガウェイン「ロ、ローマだと!なぜ?」

イアソン(ケイ)「まーった!教皇だ。ローマ教皇からの、使者だ!」

アルトリア「ローマ教皇?…和睦の仲裁ですか?」

ガウェイン「…紛らわしい。」

ロムルス(司祭)「それもまたローマである。」

ガウェイン「だまらっしゃい!」

ぐだ男「両軍のにらみ合いは、ヨーロッパにも伝わりました。事態をおもくみた
    ローマ教皇は、勅使を派遣して和睦の仲裁を試みました。」

ぐだ子「よそから助け船がきたのね。これで解決するのかしら?」
190 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:50:06.05 ID:nxOdqQw70


アルトリア「ケイ卿、ルーカン卿。あなた達の差し金ですか?」

イアソン(ケイ)「さーって、な。」

アーラシュ(ルーカン)「どちらにせよ、ランスロットと和睦する機会だろう。」

アルトリア「これほどの混乱をよび、犠牲を出し今更ランスロット卿と和睦することが許されると
      卿らは思っているのですか?」

イアソン(ケイ)「決めるのはお前だ。いつだってな。
         グリフレッドもいってたじゃないか。俺たちは、無力だ。」

アルトリア「…。」

イアソン(ケイ)「そもそも何を迷っている?。この騒乱も予想していなかったわけではないだろう。」

アルトリア「どういうことです?」

アーラシュ(ルーカン)「…アグラヴェインが告発に動いたとき、ランスロットが王妃を守りきらないかと
            期待しなかったか?
           ギネヴィアを処刑するときに、ひょっとしたら、ランスロットが彼女を救ってくれる
          かもしれないと心のどこかで甘えていなかったか?」
191 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:52:05.57 ID:nxOdqQw70
アルトリア「それは…」

イアソン(ケイ)「ランスロット本人が意識しているのかは知らないが、
         あいつは、何時だってお前が本心で望んだことをやってきた。…違うか?」

アーラシュ(ルーカン)「だからこそ、ランスロット卿を友のように愛し、尊敬していたんだろう。」

アーラシュ(ルーカン)「…ケイもグリフレッドも友のままでいられなかった。俺もランスロットにはなれなかった。」

イアソン(ケイ)「だから、奴はお前が王であるために必要なはずだ。それじゃあな。」

アルトリア「…。」

子ギル(グリフレッド)(…もしあなたにまた、友と呼べる存在ができたのであれば、
            その時こそ、その方に本心をお話いただけることを切に願います。)

アルトリア「グリフレッド…すまない。」
192 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:52:37.59 ID:nxOdqQw70


=====和睦会場===============


ランスロット「和睦の条件は二つ。第一にギネヴィア様の助命嘆願をします。これは譲れません。」
 
アルトリア「わかりました。」

ガウェイン「私としても異論はありません。」


ランスロット「もう一つは、私に協力した騎士たちにどうか寛大な処置を。
       我が王に弓引くために集ったものはございません。」

 
アルトリア「いいでしょう。」

ガウェイン「当然。彼らには今後ともブリテンのため力を発揮していただく必要があります。」


アルトリア「では、最後に貴殿の処遇についてです。」

ランスロット「…王のお望みのままに。」
193 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:54:20.67 ID:nxOdqQw70

アルトリア「ならばもし私が卿に死を命じれば、おとなしく処されますか?」

ランスロット「…。」

アルトリア「卿が死ぬことにならば、ギネヴィアも自ら命を絶つでしょう。
      それを命じれば最初の条件を破ることになります。」

アルトリア「ランスロット、再び私の力になるつもりはありますか?」

ランスロット「私は贖いきれぬほどの大罪を犯しました。あなたの妻と密通し、
       また、あなたの甥をはじめ、多くの騎士達を殺めました。」

アルトリア「今回の件は貴殿だけの責任ではない。
      …いや、責任は私にあります。ランスロット卿」

ランスロット「何をおっしゃられる、すべては、私の弱き心によるもので…」


アルトリア「そもそもです。ランスロット卿、あなたがギネヴィアと不義をなしたことすら、
      それは私の咎にすぎません。」

ランスロット「…馬鹿な!なぜそのようなことをおっしゃられますか!」
194 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:54:59.00 ID:nxOdqQw70
アルトリア「私は王になるにあたり、誓いました。私情を捨てこのブリテンのために己の全てを捧げると。」

アルトリア「そして、そんな在り方を私は妻に対しても押し付けてしまった。
      本来求められるべき、正しい在り方で妻と接することができなかった。」

アルトリア「言ってしまえば、私の都合にギネヴィアを巻き込んでしまった。私の勝手で彼女を苦しめ続けてしまった。
      私は己が幸せになるということは放棄した故、それを妻にまで強いたことを後悔していました。」


ランスロット「…馬鹿な!ギネヴィア様は、そんな我が王のことを理解されていた!
       理解されたうえで、それが王妃の役目と受け止め精一杯あなたに尽くし、あなたの愛を受け止められておられました。
       ただ少し…そこに、あった心の小さなわだかまりに、愚かな私がつけいってしまったのです。」


アルトリア「そうか。しかし、私は貴方とギネヴィアの関係を知ったとき、安心してしまいました。」

アルトリア「ランスロットならば私に代わって、正しい形でギネヴィアを幸せにしてくれるだろうと。
      愛する妻を、親愛なる友に託せると」

アルトリア「私がやらなければならないことを、貴方におしつけてしまいました。
      許してくれ、ランスロット卿」
195 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:55:45.78 ID:nxOdqQw70

ランスロット「そんなことは、ございません!貴方のためでなく、自分のために私はギネヴィア様を愛したのです。
       むしろ、私は…、ギネヴィア様について、時に我が王に憎しみに近い感情すら…」

アルトリア「そうか。やはり貴方はいつもそうやって、私が本当にやりたかったことを、自らの本心でやってきて
      くれたのですね。」

ランスロット「…そのようなこと、おっしゃらないでください。私は裏切り者です。あなたの大切な甥や
       騎士達を自らの意思で殺めた不忠ものです。どうか、私を罰してください!」

アルトリア「あれも私に責があります。私はギネヴィアを処刑するかにあたり、私情を捨て己の立場に固執してしまった。
      私が私情を捨てたからこそ、あなたは私情に固執しなければならなかった。私が立場に固執したからこそ、
      あなたは己の立場を捨てざるをえなかった。本当に、罪深き役割を与えてしまった。」

アルトリア「全ては私が理想の王であろうとしたがゆえに歪みが発生した結果。
      その歪みをランスロット、今までずっとあなたに押し付けてしまいました。
      ランスロット許してくれ。そして、もしあなたがまだ私を王として認めてくれるなら、
      友と思ってくれるのならまた力を貸してください。」
      
ランスロット「…私こそ愚か者です!いつも己のことばかりを考え、王に自分の理想を押し付け、
       挙句己の名前ばかり高めてしまい、王の名誉すら傷つけ…こんな不忠者であっても、
       本当に我が王が、必要だとおっしゃられるのなら…」

アルトリア「ランスロット卿…ランスロット―!」

ランスロット「…我が王ー!」

ぐだ男「和睦として、ギネヴィア王妃を助命すること、ランスロット一味の喜びの城からの安全な城外退去が認められました。
    そして、アーサー王とランスロット卿はお互い仲直りをしようとしました。」


ガウェイン「そんな愚にもつかぬオチが許されるとでも思っているのですか?」
196 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:57:43.34 ID:nxOdqQw70

ランスロット「…」

アルトリア「ガウェイン…」

ガウェイン「貴様はガレスを殺めた。あんなに貴様を慕っていたあの子を。」

ランスロット「…ガウェイン卿。私とてガレス卿を[ピーーー]つもりはなかった。
       せめて武装していてくれれば…」

ガウェイン「あの子は、話せばきっと貴様と分かり合えると信じていた。」

ランスロット「私とて、後悔している…今後、一生を王への奉公とガレスの弔いのために費やしてもよい。」

ガウェイン「ほんの少しでも申し訳ないと思うのなら今すぐ直接あの子に詫びを入れにいきなさい。」

ランスロット「死は恐れぬ…しかし、ギネヴィア様のためにも、命を絶つわけにはいかぬ。」

ガウェイン「…ランスロット。もしギネヴィア様が処刑されたら、我が王と和睦しようなどと考えますか?」

ランスロット「…!それは。」

ガウェイン「そういうことだ。もう貴様は私の生涯の敵だ。」

ぐだ男「しかし、ガウェイン卿が癇癪をおこしたので、アーサー王とランスロット卿は、
    仲直りできませんでした。ランスロット卿とその一味は、喜びの城から退去し、
    フランスに去っていきました。」

ぐだ子「これはまぁ、ガウェインからしたら、仕方ないわよね?」

マシュ「ええ。」
197 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:59:03.03 ID:nxOdqQw70

=====ウェールズ=======


イアソン(ケイ)「それで、ランスロットのいるフランスまで派兵するのか?」

アルトリア「そのつもりです。」

アーラシュ(ルーカン)「先の内戦で、とても遠征なんてできる状況じゃないぞ。」

アルトリア「和睦できなかった以上、このまま捨て置くこともできないでしょう。」

イアソン(ケイ)「なら、最低限の兵をつけ、ガウェインを大将にして出立させろ。
         どうせ、あいつの意見だろ」

アルトリア「それでは、みすみすガウェインを死なせるようなものです!」

イアソン(ケイ)「…聞き分けないガキは死んでもらうしかないだろう。」

アルトリア「ケイ卿、なんてことを!」

イアソン(ケイ)「あの怒り、在りし日のロット王に瓜二つだ!ペリノアだって、あの憎しみがお前の滅びにつながると
         言っていただろう。」
198 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 22:59:50.89 ID:nxOdqQw70


アーラシュ(ルーカン)「それに、ブリテンで厭戦感情が高まっているのはわかっているだろう。」

アーラシュ(ルーカン)「今までずっと王はブリテンを立派に統治し、戦い続けてきた。
            ウーサー様が亡くなってからの暗黒の時代から、随分と世の中をよくしてきた。」

イアソン(ケイ)「だが、よくなるにしても変化には違いない。古くからの因習との決別は
         ある種の負担になることは避けられない。」

アーラシュ(ルーカン)「そして俺たちは戦い続け、勝利の上に勝利を重ねることによって
            その負担から目をそらさせ続けてきた。が、今回の件で
            とうとうそれに陰りがでてしまった。」

アルトリア「これから、今までのツケが一気に跳ね返ってくるかもしれない、と?」

イアソン(ケイ)「そうだ。下手をすれば今まで積み上げてきたものが、一気に崩壊するかもしれないぞ。」
199 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 23:00:22.18 ID:nxOdqQw70


イアソン(ケイ)「それに今までの戦い…壁にぶつかることがあっても、必ずお前は乗り越えてきた。
         だが、今回ばかりはランスロットとどう決着をつけるか落としどころがみえていないだろう。」


アーラシュ(ルーカン)「先の見えない戦いが続けば間違いなく民は動揺するだろう。
            だからこそ、アーサー王は今回に限り戦ってはいけない。
            ブリテンの中央で民を安んずることを優先すべきだ。」


アルトリア「…それは、できません。」


イアソン(ケイ)「なぜだ?今更メンツにこだわっているのか!
         もうこれ以上落ちる余地があるとでも思っているのか…!?」


アルトリア「違う!私は…私は甥を、ガウェインを見捨てたくはない!!」

200 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 23:01:21.80 ID:nxOdqQw70
イアソン(ケイ)「…」

アーラシュ(ルーカン)「…」

アルトリア「…」

イアソン(ケイ)「意地を張ったお前が本音を吐くなんていつ以来だろうな?」

アーラシュ(ルーカン)「…わかったよ。それならいい。とことん付き合うよ。アーサー。」

アルトリア「すまないルーカン。…兄さん。」

イアソン(ケイ)「…ふん。」

ベディヴィエール「我が王、すみません。急ぎご報告したいことが。」

アルトリア「どうしました。ベディヴィエール?」

ベディヴィエール「…コンスタンチン卿が出仕を拒否しました。」

201 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 23:03:49.64 ID:nxOdqQw70
アルトリア「…なんですって?」

ベディヴィエール「今回の騒動、ギネヴィア王妃に近しい間柄なのに、防げなかったので
         責任とって謹慎する…と。」

イアソン(ケイ)「あてつけか、あの小僧!」

ベディヴィエール「それに他のギネヴィア派の者もそれに倣っています。」

アーラシュ(ルーカン)「…それじゃ普段の遠征時の留守役はほとんどボイコットってことか?」

アルトリア「…ボ、ボードウィンは?」

イアソン(ケイ)「ちょっと前に引退したぞ。あの爺さん。」

ベディヴィエール「となると国の統治、誰を宰相に任せましょうか?」

アルトリア「えーっと…」
202 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 23:04:35.78 ID:nxOdqQw70

アルトリア「…ユーウェイン?」

イアソン(ケイ)「モルガンの子にブリテンを託す気か!」

アルトリア「」ガクッ


ぐだ男「ガウェインがうるさいので、王はランスロットのところに戦いにいくことをきめますが、
    本当は仲良くなりたいランスロット卿と戦わなければならないことを悔やみ、
    王様は気を失ってしまうでした…と。続く!」


マシュ「アーサー王と仲直りしたいランスロット卿
    復讐にに燃えるガウェイン卿
    ランスロット卿に未練をもちつつも、ガウェインを放っとけないアーサー王
    複雑な関係になってしまいました。」

ぐだ子「ランスロット卿、こっちだとアーサー王伝説の負の象徴っていうけど、
    この伝説でも、王であるがためアーサーが本心で望みつつもできなかったことを
    担っていたって感じなのね。それにしてもやりすぎだけど。」
203 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/05/12(日) 23:05:20.32 ID:nxOdqQw70
マシュ「だからこそ、アーサー王もランスロット卿のその部分に、ある種の
    敬意を感じていたのかもしれませんね。彼だからこそ、託したいというように。
    それでも甘すぎると思いますが!」

ぐだ男「逆に、この伝説におけるアグラヴェインはそれが許せなかった。ランスロットが憎かったというよりは、
    王にはあくまで完璧な存在でいてほしかった。理想の王であってほしかったように見えるね。」


マシュ「どちらも、騎士としての在り方として間違っていないかもしれません。
    だからこそ、円卓は崩壊に向かっていてしまいました。」

ぐだ子「…明確な悪者がいないというのも悲しいわ。」


マシュ「…ええ。ではこの争いは果たしてどのような結末を迎えるか、楽しみですね
    先輩!」

ぐだ男「いや、オチはもうわかってるけど。」

マシュ「先輩!」

モードレット「へくしっ…?」


204 : ◆/jG8XyHDyU :2019/06/09(日) 23:28:40.02 ID:GZxekZ9a0
1

ぐだ子「このあと、アーサー王達がフランスに戦争に出向いている間に、留守を任された
    モーさんが反逆するのよね?」

マシュ「そうですね。では、今回はアーサー王の死において、モードレット卿が
    どのように誕生されたかから読んでいきましょうか。」

ぐだ男「うん。えーっと、円卓が成立する前まで遡るね。むかしむかし、まだアーサー王が諸侯達から認められてすら
    いなかったある年の夏至の日のこと…」

205 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:29:06.95 ID:GZxekZ9a0
====キャメロット===========


粛清騎士「ヒソヒソ…」

兵士「フムフム…」

プロトアーサー(…なんだろう、この感じ?)

アーラシュ(ルーカン)「おいどうした、アーサー。怪訝な顔をして。」

プーサー「ルーカン。皆の様子がおかしくないか?どうも浮足だっているような。」

アーラシュ(ルーカン)「ああ、今ある噂でもちきりのようだぞ。」

プーサー「噂?」

アーラシュ(ルーカン)「なんでもだ、城下町にものすごく美しいご婦人がいらしてるんだってよ。」

206 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:29:36.05 ID:GZxekZ9a0

ぐだ子「るーかん?そういえば前の話でも出てきてたわね。」

マシュ「ルーカン卿はベデヴィエール卿のお兄さんです。円卓成立以前からアーサー王に
    仕えていた騎士の一人です。」


ぐだ男「ベディって弟キャラだったんだ。…そして、キャメロットにとても美しい婦人が
    訪ねてきたと評判になっていたのです。」



プーサー「…うーん。どこかの間者だったりしないか?」

アーラシュ(ルーカン)「もちろんその線もあるだろうな。だが、そのご婦人は4人の子供をつれているそうだ。
            従者も大勢連れているようだし密偵だとしたら、随分と悪目立ちしすぎな気もするな。」


プーサー「ちょっと気になるな。僕自身の目で確かめてこよう。」


ぐだ子「4人の子供?そして美女?ここから導かれる結論は…」
207 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:30:08.80 ID:GZxekZ9a0
====城下町=========



ガウェイン「…ここが、キャメロット。随分と活気のあるようですね。」

酒呑童子(モルゴース)「せやなぁ。これも王様の努力の賜物かしらねぇ。」



ぐだ子「やっぱり、モルゴースかー。家族旅行?それとも留学とか?」

ぐだ男「いや、そんな穏やかなものじゃなさそうだね。」
208 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:30:38.14 ID:GZxekZ9a0

====少し前のオークニー===============−


槍ウラド(?)「クックック…。」

酒呑童子(モルゴース)「ロットはん?どうしたん?」

槍ウラド(ロット王)「我が妻よ。異民族共の侵略もようやく対処できたところだ。
           今度こそあのアーサーなる小僧と決着をつけてみせよう。」

酒呑童子(モルゴース)「せやねぇ。…でもこういう時こそ、みんなで仲良く協力せんとあかんやないの?」

槍ウラド(ロット王)「そうはいかん。そもそもあの子倅めはフランスの王達と結び、彼らを
           ブリテンの覇権争いに介入させておるではないか。あのヴォーディガンのように外国の兵を
           引き入れ、己のものであるはずの民を手にかけさせているようなものだぞ。断じて捨て置けん。」

           
酒呑童子(モルゴース)「そないゆうたら、あんさんやってゴールの妹の旦那と組んどるやんけ。」

槍ウラド(ロット王)「…ユーリエンスは我が義弟。力を借りるのはおかしくあるまい。」

酒呑童子(モルゴース)「あの子もうちの弟よ。」

槍ウラド(ロット王)「そうだ。そして実の父親の仇の子であろう。」

酒呑童子(モルゴース)「…」
209 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:31:08.91 ID:GZxekZ9a0

ぐだ子「父の仇?」

マシュ「ウーサー・ペンドラゴンは、モルゴースやモルガンの父親、コーンウォール公の妻イグレインを妻にしようとして、
    そのために侵略したといわれています。そしてコーンウォール公は争いの中で死亡し、
    イグレインはウーサーの妻になったそうです。」

ぐだ男「略奪婚ってわけか…」


酒呑童子(モルゴース)「…それが世のならいやろ?」

槍ウラド(ロット王)「だからこそ、世を正せねばなるまい。無論、俺自らの手でな。」


酒呑童子(モルゴース)「あんさんの人生なんだからまぁえーけど。
            …覚悟決まっとるんならうちも一肌脱がんとなぁ。」

槍ウラド(ロット王)「うむ…感謝するぞ、妻よ。」

ぐだ男「モルゴースは、ロット王のスパイとして、派遣されてきていたのです。」


ぐだ子「正義か、野心か、仇討か…でもべつにロット王も悪人ってわけでもないのね。」

マシュ「ウーサー・ペンドラゴンは死の直前、アーサーを正式な後継とされていましたが、諸侯達にも
    譲れないものがあったのでしょうね。」
210 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:31:51.13 ID:GZxekZ9a0

====城下町=========


酒呑童子(モルゴース)(この子らがアーサーを気に入ってくれたら、あの人も無理に
            対抗しなくなるやもなぁ)

サンソン(ガヘリス)「ははうえ。ははうえー。」

酒呑童子(モルゴース)「あら、どないした?」

マリー(ガレス)「あっちに、りっぱなきしさまが、おはなししたいって。」

酒呑童子(モルゴース)「なんやって?」

プーサー「ごきげんよう。ようこそキャメロットにお越しくださいました。」

酒呑童子(モルゴース)「あらあら、ご丁寧に(この感じ…間違いあらへん。この子こそ、弟の…)」

211 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:32:21.76 ID:GZxekZ9a0
   
ぐだ子「モルゴースと一緒に来た4人の子、明言はされてないけど多分ガウェイン達よね。」


マシュ「そうかもしれませんね。ただアーサー王は即位後、さっそく治安維持に努め、
    人事を整え、数年のうちに領土を広げ堅持しました。ガウェイン卿達が幼い頃にその姿を
    目の当たりにしていたら、さぞ尊敬されたでしょうね」

ぐだ子「王が亡くなり、混迷する世に突然現れた正統な後継者たる若き英雄だもんね。こんなん惚れてまうやろ〜。」

マシュ「ええ。」

ぐだ男「そして、アーサー王は、モルゴースがスパイと気づかず王宮まで招き入れ、なんとエッチなことをしてしまうのでした…と。」
212 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:32:51.02 ID:GZxekZ9a0

ぐだ子「…」

マシュ「…」

ぐだ子「台無しじゃん!」

マシュ「…ええ。この時できた子こそ、モードレッドさんである。とアーサー王の死においては記されています。」

ぐだ男「えーっと、4人の子がガヴェイン達だとして…その裏でお母さんとってなると…」

ぐだ子「うっわあ…」

マシュ「…も、もちろんアーサー王は、モルゴースが異父姉と、この時点では知らなかったはずです。」

ぐだ子「そういう問題じゃないと思う。」

ダヴィンチちゃん「さて、ではなぜこのようなことが起きてしまったのかな?」

ぐだ男「ダヴィンチちゃん!」
213 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:33:20.61 ID:GZxekZ9a0

マシュ「…そうですね。一説によると、モルゴースとアーサー王が出会った日の巡りが関係しているといわれています。」

ぐだ男「えっと、夏至の日だっけ。」

ダヴィンチちゃん「夏至の日は、一年のうち最も昼の時間が長く、またこの日を境に
         昼が短くなっていく日だね。風水的に言えば、陽の気がもっとも高まるが、
         この日を境に減退していく。縁起のいい日でもあるのだが、あらゆるものが
         不安定になり、揺さぶられる日だからね。特に北半球ではある変化が人々に起きやすいとされている。」

ぐだ子「ある変化?」

ダヴィンチちゃん「性欲をかきたてる。」

ぐだ男「…」


マシュ「モルゴースは、非常に美しい女性でした。特に情報を引き出すためにアーサー王にも
    その…相応のかたちで接したのではないでしょうか。夏至の日の衝動もあって、さしもの
    アーサー王も…というのが、この伝説でのきっかけと推察されます。」

ダヴィンチちゃん「まぁ、その日にモードレッドくんが宿ったというのも
         後々意味をなしていくことになるからね。」


ぐだ子「日の巡りね…運命かぁ。」

214 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:33:52.81 ID:GZxekZ9a0

ぐだ男「…そして、案の定モルゴースは妊娠してしまいました。」


===オークニー==============

酒呑童子(モルゴース)「うぅ…!(あかん、これは…)」


槍ウラド(ロット王)「これはいったいどういうことだ。妻よ。」

槍ウラド(ロット王)「腹の中の子は…、まさか、あの子倅めか!」

酒呑童子(モルゴース)「あっ…あんたぁ…」

槍ウラド(ロット王)「おのれ…おのれ、おのれぇぇ!」

酒呑童子(モルゴース)「ひっ」

槍ウラド(ロット王)「あの小僧め!!よくも我が愛する妻に、このような業を背負わせてくれおったなぁ!!」



ぐだ男「こうして、ロット王は、アーサー王を以前にもまして、とても憎むようになりました。」

ぐだ子「虚月館の時もそうだったけど、近親(ぴー)って悪いこととされているのよね。」

マシュ「深く妻を愛していたロット王の憎しみは推して知るべし。といったところでしょう。」

215 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:34:22.20 ID:GZxekZ9a0
12

ぐだ男「モルゴースの一件で、ロット王は怒り、アーサーと以前よりもまして、激しく争います。
    ブリテンをめぐって、アーサー王は、諸侯との戦争は続いていきますが、
    そして、ついに決着をつける時がやってきます。最後の戦いではマーリンの策略により敵軍の分断に
    成功し、アーサー王は戦いを有利に進めていきました。」


====戦場===================−


イアソン(ケイ)「クックック…ハーッハッハッハ!いける!いけるぞ!
         これでお前の天下だ、アーサー。」
                
プーサー「いやまて敵方の援軍が来ているぞ!先頭を走るのは…ロット王か!」

イアソン(ケイ)「ちっ、マーリンのうすのろめ、抜かったな。
         合流されると、厄介だぞ。」

プーサー「仕方がない、僕が出る。」

ベオウルフ(?)「待て、アーサー。俺が行く。お前はベイリン達とともにこのまま敵の主力を叩け。」

イアソン(ケイ)「ペリノア王。」

216 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:34:52.27 ID:GZxekZ9a0

プーサー「ロット王とは、何度も戦ってきたが、彼の僕に対する憎悪と執念は、凄まじいものだ。
     僕の手で直接決着を…」


イアソン(ケイ)「アーサー。ここはペリノア王に任せるべきだ。ロット王の妻が
         お前の姉ってことは知っているだろ。」

プーサー「ああ。どんな人かは知らないが。」


イアソン(ケイ)「ロット王の子供たちは、つまりお前の甥になる。将来的に味方につけることも
         できるだろう。だが、お前が直接ロット王を屠ってしまえば、遺恨が残るぞ。」


プーサー「…ペリノア。お前がそれを受けるというのか?」


ベオウルフ(ペリノア)「ああ。なぜならだ、ロット王のあの怒りはお前のほろびと必ずしも
            無関係でないからだ。」

14
217 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:35:33.32 ID:GZxekZ9a0

プーサー「なんだと?」


ベオウルフ(ペリノア)「いずれお前はあの憎悪と向き合うことになるから、今は俺が代わりに遺恨を背負う。
            その時がきたらアーサー、絶対に目をそらすんじゃねえぞ?」タッ

プーサー「待て、ペリノア!どういうことだ!」


ぐだ男「敵対する王たちの中で特に武勇に優れるロット王は、アーサー王陣営の中でも腕利きのペリノア王が
    戦いました。そして、戦いのすえ、ペリノアはロット王を見事討ち取りました。」


ぐだ子「ペリノア王って顧問監督官だっけ。この話だとガウェイン達が子供のころからアーサー王と一緒にいたのね。」


ぐだ男「そして、戦争は終わり、アーサー王の勝利に終わりました。そして、戦死した偉大なる王たちの葬儀も行われました。
    ロット王の葬儀にはモルゴースと4人の子供たちも参加しました。」


218 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:36:23.50 ID:GZxekZ9a0


===墓地================


酒呑童子(モルゴース)「あんたぁ…」

プーサー(…あの婦人。まさか…!)

マリー(ガレス)「おとうさま…おとうさまぁああ!!」(ウェーン)

アグラヴェイン「ガレス、なくな。ちちうえはりっぱにたたかわれたんだ…ぞ。」(グスン)


サンソン(ガヘリス)「…ガウェイン。あいつだ。あいつが父上の仇だ。」

ガウェイン「ええ…覚えておきましょうね。」

ベオウルフ(ペリノア王)「…ふん。」

16
219 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:37:19.33 ID:GZxekZ9a0
===オークニー====


モードレッド「なぜだ、なんでだよ!!」

粛清騎士「申し訳ございません、部屋から出すなと…」

モードレッド「ちちうえはしんだんだろ!どうしておれだけほうっておくんだよ!」

兵士「あの方を同行されないということは…やはり父親は」

粛清騎士「しっ、めったなことを言うな。」

モードレッド「どうして…おれだけ、のけものにするんだよ…」


ぐだ子「…こどもが一人増えているはずなのに4人。モーさんは連れて行ってもらえてないのね。」


マシュ「ええ。しかし、モードレッドの受難はまだこれからです。」


ぐだ男「アーサーとモルゴースとの間の不義により、ロット王は非常にお怒りになりましたが、
    じつは、もう一人この件をおもく受けたものがいました。」
220 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:37:59.49 ID:GZxekZ9a0
17


???「いやー。まさか、こんなことになるとはね!」

???「さすがにびっくりだぞう!うん。」
















マーリン「僕が手塩にかけて育て上げた王子様が、あんな虫に汚されるなんてね。」


ぐだ男「そう。魔術師マーリンは、二人の子がアーサーの国を滅ぼすことを知っていたんです。」
221 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:38:30.87 ID:GZxekZ9a0

====キャメロット==========


プーサー「…ふー。」

マーリン「やぁアーサー!統一戦争の勝利おめでとう。しかし、随分と
     お疲れのようだね。それとも…最近悪い夢に悩まされていたりするのかな?」

プーサー「…マーリン。君は本当になんでもお見通しだね。」

マーリン「もちろんさ。というわけで君に大切な予言をあげるとしよう。」

マーリン「5月1日に生まれた子が君の国を滅ぼすだろう。」

プーサー「…なんだって?」




ぐだ男「マーリンは滅びの予言をアーサーに告げます。
    それを聞いたアーサーは思い切った手をうつことになりました。」
222 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:39:02.23 ID:GZxekZ9a0
19

=======キャメロット=======


イアソン(ケイ)「正気か?アーサー。」

プーサー「…僕は予言を受けて未来を知った。未来を知った以上
     現在を生きるものとしてなさねばならない。」

子ギル(グリフレッド)「それで考えた結論が…随分とまた乱暴ですね。
            仮に予言のいう未来が変わったとしても、我が王の名誉は著しく傷つくでしょう。」


アーラシュ(ルーカン)「人心が離れ別の問題に発展するかもしれない。より悪い方向に転がるかもしれない。
            それでも改める気はないのか?」


プーサー「勿論だ。」

イアソン(ケイ)「…ちっ」

子ギル(グリフレッド)「はぁ。」

アーラシュ(ルーカン)「わかったわかった。任せておけ。」


ぐだ男「5月1日に生まれた子供をすべて船にのせ、追放する。それがアーサー王の結論でした。」
223 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:39:37.09 ID:GZxekZ9a0

===港===================

モードレッド「ははうえ、ははうえー!」

酒呑童子(モルゴース)「これは一体どういうつもりや!」

イアソン(ケイ)「5月1日に生まれた子供が、この国を滅ぼす旨の予言があった。
         該当する子どもは例外なく追放する!」


酒呑童子(モルゴース)「なんやって…アーサー王の騎士は、そんな命令に従うんか!」

アーラシュ(ルーカン)「ああそうだ。国に…王に仕えるということは、こういうこともひっくるめて、だ。」

酒呑童子(モルゴース)「犬どもめっ!」

子ギル(グリフレッド)「はい。どうぞお恨みください。それで直接王を恨むものが少しでも減るのなら、
            これほどうれしいことはありませんよ。」

モードレッド「ははうえー!」

酒呑童子(モルゴース)「メドラウトッ!」


プーサー「…」

ベディヴィエール「…我が王、何もわざわざご覧にならなくても…」

プーサー「…これは僕の選択だ。眼をそらさず見届けなければならない。」

ベディヴィエール「…。」
224 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:40:02.71 ID:GZxekZ9a0
21

ぐだ子「うーん。この伝説だと、モーさんがらみって、ガチで王様の黒歴史ね。」

マシュ「多くの子供が犠牲になったようです。生まれて4か月くらいの赤子や、もっと幼い子も
    連れていかれ、国中が悲しみに包まれたとありますね。」


ぐだ子「年齢判定なのに、ガバガバやん。」


ダヴィンチちゃん「無関係の子供も大勢巻き込まれて犠牲になったということだろうね。」


ぐだ男「子供たちを乗せた船は、ある島に向かっていきましたが、途中で船は難破し、
    海の藻屑となりました。」

ぐだ子「わお。」


===ウェールズの浜辺===========


オジマンディアス(?)「嵐は去り試練の時はすぎさった。」

モードレット「…。」

オジマンディアス(?)「…。」

オジマンディアス(?)「よかろう。」ひょい。
225 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:41:19.06 ID:GZxekZ9a0
ぐだ男「乗っていた子供たちはほぼ死に絶えましたが、ただ一人モードレットだけが
    浜辺に流れ着きました。そこで、ウェールズのよき人に拾われ、育まれることになりました。」

ぐだ子「出エジプト記のリスペクトかな?」

マシュ「一命をとりとめたモードレット卿でしたが、14歳になると旅に出てオークニーに戻り、
    モルゴースの子としてアーサー王の元に出仕します。」


ダヴィンチちゃん「ちなみに…キケロの占星術に曰く、夏至の日に母親の体内に宿った子は、
         水によって害されることがないそうだ。」


ぐだ子「運命が、モーさんを生かしたのね。
    うーん。うちのモーさんもたいがいだけど、この伝説もモーさんも結構
    不憫なのね。」


マシュ「さて、モードレッドさんの出生はこんな感じで記されていましたね。
    では、話をランスロット卿がフランスにもどったところに戻りましょう。」


ぐだ男「うん。アーサー王は、フランスまでランスロットをやっつけに行かねばならないとして、
    甥のモードレット卿にブリテンを託すことにしました。」
226 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:41:58.17 ID:GZxekZ9a0
23
===キャメロット==========



モードレッド「遠征にでる間、オレを宰相に?」


イアソン(ケイ)「ガウェインが遠征を主導する以上、お前以外に任せられる奴はいない。
         引き受ける気はあるか?」


モードレット「見当違いの信頼がこんな事態を招いたってことを王は理解しておられるのか?」


イアソン(ケイ)「さてな。…だが、お前にとっても都合がいいだろう。」

モードレッド「…あん?」

イアソン(ケイ)「ガウェインもコンスタンチンもあの様だ。王の信頼にお前だけがこたえることができれば、
         将来的に王の後継はどうなるだろうかね?」

モードレッド「…わかった。オレはオレの役目を果たす。」

モードレッド(父上は…オレのことをどう考えているんだ?)
227 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:42:42.95 ID:GZxekZ9a0
24

======カーディフ=========



プーサー「それで、モードレッドは?」

イアソン(ケイ)「引き受ける気はあるそうだ。」

ベディヴィエール「モードレット卿は、政治工作に秀でている方です。
         彼が目を光らせれば、大きな騒動は抑えられるでしょう。」

イアソン(ケイ)「問題は、あいつ自身が野心家なことだな。そして何より欲深い。
         全く、一体誰に似たんだろうな?」

プーサー「…ここは甥の手腕に期待するしかない。物資も余裕はないし兵は一体どれくらい出せるか?」

アーラシュ(ルーカン)「そうだな、国内の治安維持や防衛にもまわさなきゃならんし…」

ガウェイン「兵については問題ありません。すでに、6万の軍勢を準備しております。」

228 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:43:15.71 ID:GZxekZ9a0
プーサー「ガ、ガウェイン!?」

ガウェイン「此度の戦はブリテンの命運をかける決戦。多少は無理をしてでもなしとげねばなりませんからね。」

イアソン(ケイ)「…六万か。維持するだけの物資があるか?」

アーラシュ(ルーカン)「当然、長引けば長引くほど負担のしわ寄せは、ブリテンにかかるな。」

ガウェイン「ええ、だからこそ早期に決着がつけられるよう頑張りましょう。」

プーサー「…ああ。」


ぐだ男「ランスロット征伐のため、アーサー王は6万の兵を率いて、艦隊で出発しました。」


ぐだ子「戦争って、お金ばかりかかってむなしいものなのね…。」



229 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:43:47.81 ID:GZxekZ9a0

====フランス==========

ランスロット「我が王は大艦隊にて、こちら側に向かっているようだ。兵数はおおよそ数万規模といったところか。」

メドゥーサ(エクター)「とてもそんな大軍を出す余裕はないはずですが、無理をされるものです。」

ランスロット「全くだな。軍を維持するためにも、このフランス全土で彼らが略奪が行われる可能性も0ではない。
       故に、諸君らは私の代わりにこの領地を治めてほしい。王と和睦できなかったのは、私ただ一人なのだから、
       卿らの支配地となれば我が王も手出しはできないはずだ。」


エミヤオルタ(パロミデス)「それは願ってもない話だな。」

小次郎(ボールス)「有難い話ではある。されど拙者はランスロット卿におともしますぞ。」

ランスロット「頼りになるが、…あまり好戦的にならぬようにな。」

ぐだ男「一方でフランスを支配するランスロットは、自分の領地を協力してくれた騎士達に譲り、
    守備を任せます。そして、一部の仲間とともに、アーサー王が攻めてくれるのを待ちました。」
230 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:44:18.23 ID:GZxekZ9a0


プーサー「さて、いよいよフランスに到着するな。」

アーラシュ(ルーカン)「情報によると、ランスロットは自領の大部分を協力した騎士達に譲ったようだ。」

ガウェイン「殊勝なことですね。では未だランスロットを主と慕う愚か者共を殺し、奪い、焼き尽くしましょう。」

イアソン(ケイ)「…おい、ガウェイン。」

ガウェイン「軍を維持するためにも必要です。それに臆病なランスロットは、
      いまだ女々しく我が王と和睦しようなどと考えているかもしれません。
      もう我々は相容れることはないということを、知らしめましょう。」

プーサー「…やむをえないか。」


ぐだ男「そして、フランスについたアーサー王は、ランスロットの支配下にある町を焼き尽くして
    荒廃させていきました。」

ぐだ子「余裕がないとはいえ、王様も体裁を気にしなくなってるわね。」

マシュ「本心で行っているわけではないでしょうが、ここは悲しいですね。」

231 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:45:13.01 ID:GZxekZ9a0
ガウェイン「…ふっふっふ」

ガウェイン「ハハハハハ。ここまで己の領地を荒らされればランスロット卿も戦わざる
      を得ないでしょう。」

プーサー「…そうだな。」

===一方====

小次郎(ボールス)「このような乱暴狼藉、黙っているわけにはいきませぬな。」

メディア(ライオネル)「待ちなさい。領民たちも覚悟のうえよ。連中に居座り続ける余裕はないのだから、
            こちらは籠城していればそのうち引き上げるでしょう。」


小次郎(ボールス)「では、我らがランスロット卿はどうされるかな?」

ランスロット「…よし。」


ぐだ男「自領を荒らされたランスロット卿ですがやっぱり王と仲直りしたいので、使者を送ることにしました。」

アーラシュ(ルーカン)「おーい。我が王、ガウェイン卿。ランスロットから和睦したい
            って使者がきているぞ」

ガウェイン「斬りましょう。」

プーサー「…待て、ガウェイン。お通ししろ。」
232 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:45:45.93 ID:GZxekZ9a0
29

三蔵(使者)「今回のことで、ランスロットは自分に責任があるって認めているわ。」

三蔵(使者)「だから、あなた達がその…領地の人たちにひどいことをしたのも、
       仕方がないって言っているわ。」

三蔵(使者)「これ以上あなた達にも無駄に血を流してほしくないの。
       お願い、和平して。」

プーサー「ランスロットはそこまで…」

イアソン(ケイ)「懲罰的な意味合いで焼き討ちをしたわけだし、ここらで手打ちにしても
         十分、面目は立つんじゃないか。」

三蔵(使者)「!それじゃ、和睦してくれるのね!」

ガウェイン「ダメです。」

プーサー「ガウェイン、その…」

ガウェイン「ダメ。」

三蔵(使者)「…そんなぁ。」
233 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:46:21.10 ID:GZxekZ9a0

ぐだ男「アーサーは、和平を望むランスロットに感激しますが、ガウェインはどうしても
    それに同意してくれなかったのでした。」

ぐだ子「それにしても、ここまでくるとガウェインも意固地ね…」


ぐだ男「交渉の決裂を受け、とうとうアーサーの軍勢はランスロットの居城を包囲し、
    戦いを挑みます。」


小次郎(ボールス)「さて、ガウェイン卿、先の戦いの決着をつけようでないか!」

ガウェイン「なめるな、未熟者が!」

ズバッ

小次郎(ボールス)「グハッ」

メディア(ライオネル)「ガウェイン卿、いい加減しなさい!こんな無益な
            戦いを望んでいるのは貴方だけよ!」


ガウェイン「黙れ裏切り者!!」

ドスッ

メディア(ライオネル)「きゃあ!」


234 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:46:59.41 ID:GZxekZ9a0

32

ぐだ男「ガウェイン卿は、ランスロット卿の甥のボールス卿や、ライオネル卿など、
    多くの騎士と毎日戦い、倒していきました。」

小次郎(ボールス)「やはりガウェイン卿は一筋縄ではいきませぬぞ」

メディア(ライオネル)「特に日が上っている間は、とてもじゃないけれど太刀打ちできそうになかったわ。」

ランスロット「…ここに至っては、この私が戦わざるを得ないか。」

ぐだ男「ランスロット卿は、とうとうガウェインと直接立ち会うことにしました。」


ランスロット「ガウェイン卿よ!これ以上無益な戦いはよせ!」

ガウェイン「とうとう出てきたな裏切り者め!弟の仇、取らせてもらうぞ!」

ランスロット「まて、何度でも言うが私は卿とは戦いたくない。どうか許してはくれないか?
       卿が取り合ってくれれば、私と我が王は和解することができるだろう。」
235 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:47:35.66 ID:GZxekZ9a0
33


ガウェイン「この期に及んで世迷い事を!」ギィンッ

ランスロット「私が卿や弟たちの窮地を救ったことは一度や二度ではないだろう?私に貴公等を
       害する思いはないのはわかっているはずだ。」ヒョイ

ガウェイン「貴様になくとも私にはある!覚悟しろ!」バッ

ランスロット「ガレス卿の件は、本当に申し訳ないと思っている。しかし、あれはギネヴィア様を
       お救いするためであり、また自分が生きるための戦いだったのだ。わかってくれ。」ヴン

ガウェイン「だから、仕方なかったとでも言うつもりか?」ペコ


ぐだ男「ランスロット卿はガウェイン卿を説得しようとしますが、ガウェインは許してくれませんでした。
    そこで、ランスロットはとうとう戦うことを決心します。」

ランスロット(やはり戦うしかないか…だが、仮に勝利できたとしてもガウェイン卿を殺めるようなことがあれば王との和解は絶望的だ。
       しかしガウェインは心に隙がある状況で勝てるような相手ではない。)

ランスロット(…ならば!!)
236 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:48:10.00 ID:GZxekZ9a0
34

ランスロット「そもそもガウェインよ。卿はこの私に勝てると本気で思っているのか?」

ガウェイン「何?」

ランスロット「はっきり言っておく。卿は弱い。」キッパリ

ランスロット「貴様の活躍など、所詮その日中3倍になるという神秘の力によって勇敢な騎士達を欺くことで
       なしとげられたにすぎん。」

ガウェイン「な…!裏切り者が!この私を侮辱する気か!!」

ランスロット「侮辱しているのではない、卿の不甲斐なさを指摘してやっているのだ。(よし、冷静さを失ってきたな)」

ランスロット「私は自分が最強であることを理解している。」ドヤァ

ランスロット「ただ唯一トリスタン卿だけが私に匹敵し、またラモラック卿があの若さで私に匹敵しうる素質をもっていた。
       だからこそ私はどのような戦いであれ、相手には敬意をもち、欺くことなく正々堂々と戦ってきた。」

ランスロット「謀略をもって仲間を排除したり、集団で襲撃をするような卑怯な真似は
       決してしなかった。非力さ故に手段を選べぬ貴公と違ってな!」ブンッ
237 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:48:42.31 ID:GZxekZ9a0

ガウェイン「…!ラモラックのことを言っているのか。確かにあの騎士は
      私が殺したが、なぜこの場で引き合いにだす?」ガンッ


ランスロット「…はぁ。まったくガウェインよ、どうしてこの期に及んで見栄を張るのだ?」

ランスロット「『私が殺した』ではなく、『私達が殺した』だろう。そうでなければ、
       貴様如きがあの立派な騎士を倒すことはできなかった。」

ランスロット「研鑽を怠り、神秘の力と姦計をもってしか戦えぬ愚か者が、
       王のことも顧みずただの私怨でこの私に挑むとは、恥を知れ!!」ブンッ

ガウェイン「」ブチィ


ぐだ男「ランスロット卿はガウェインの力を恐れ、あえて彼の過去の失敗をネチネチと繰り返し挑発します。
    怒ったガウェイン卿は、ランスロット卿に襲い掛かりますが、それはランスロット卿の巧妙な罠でした。」
238 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:49:25.44 ID:GZxekZ9a0


===数時間後===========


ガウェイン「ゼーハーゼーハー…まだだ、まだ終わらぬ…」

ランスロット「いや、決着はついた。ガウェインよ。」

ボコー

ガウェイン「ぐはっ!」

ランスロット「ここまでだ。少しは頭を冷やすのだな。」くるっ


ガウェイン「ま…待てランスロット…ころ…せ…私を…早く…とどめを刺せ…」

ランスロット「倒れた騎士を手にかけることはできぬ。」

ガウェイン「ふざける…な。ランスロット…逃げるな…臆病者…め…」ハァハァ

ランスロット「なんとでも言え。だが私は決して貴公を殺めることはしない。
       卿が納得するまで私は何度でも受けて立つ!」

ガウェイン「ま…て…ランス…いく…な…」
239 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:50:06.90 ID:GZxekZ9a0

ぐだ男「そしてランスロットは防戦に徹することにより怒り心頭になったガウェインの猛攻を防ぎ切り、日中3倍の時間が切れ
    へとへとになったところを死なない程度にボコボコにするのでした…と。」


ぐだ子「ガウェインがガチで気の毒になるんだけど…ちょっと扱い悪すぎない?」

マシュ「うーん。アーサー王の死では、悪しざまにかかれていることが否定できません。」

ぐだ男「作者に嫌われたのかな?」

ダヴィンチちゃん「いや、どちらかというと、当時の宗教事情がかかわっているともいわれている。」

ダヴィンチちゃん「ガウェインくんは、ケルト的な性格が強すぎるんだ。」

ぐだ子「けると?」

ぐだ男「そういえば、ガウェインのスキルの説明にケルトの数字って書いてあるね。」

マシュ「はい。アーサー王の伝説が成立しはじめた頃は、ケルト神話などとうまく融合されている面が見られました。
    しかし、時代が進むに従いキリスト教的な価値観が浸透する中で、そのような土着の神話的要素は邪魔なものと
    なっていき冷遇され描かれるようになったといわれています。」

ダヴィンチちゃん「アーサー王の死が書かれたのは初期の伝説から3百年もたったあとだからね。
         ケルト神話における太陽信仰による加護だったものが、聖人の祝福に変更されるように、
         古い伝説のエピソードを新参に奪われたり、いろいろ割りをくっているということさ。」
240 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:50:51.16 ID:GZxekZ9a0

ダヴィンチちゃん「まぁ、これはガウェインくんに限った話じゃないけどね。
         特に一番ひどい扱いになっているのは、モルガンとかになるのかな?」


ぐだ子「アーサー王のお姉さんだっけ?」

ダヴィンチちゃん「そうだ。モルガンの名前の由来は、ケルト神話の女神モリガンといわれている…
         というよりも、スカサハ=スカディのように同一視されているといった方が正しいかな?」


ぐだ子「え?神様なの?」


マシュ「初期の伝説ではモルガンはブリテン全土における守護女神的な存在として描かれています。
    ブリテンのために様々な試練を騎士達に課していき、最後の戦いのあと瀕死になった
    アーサー王を、再び世界が必要とする時まで治療するという役割を担っています。」

ダヴィンチちゃん「アーサー王の死では、異教の女神みたいなものだから、勇敢な騎士を弄ぶのが大好きな
         意地悪おねえさんになっているけどね。」


ぐだ子「こっちのモルガンはどんな人なのかしらね?いずれあうことになるのかしら。」



ぐだ男「さて、話がちょっと横道にそれたけど…ガウェイン卿は敗れた後に治療を受け、
    再度ランスロットに挑みますが、やっぱり負けてしまいました。」
241 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:51:27.92 ID:GZxekZ9a0

====アーサー陣営======

プーサー「…ガウェイン」

ガウェイン「まだです…まだ、私は戦います。双方が生き残ることは決して…」

イアソン(ケイ)「た、大変だアーサー!この報せを見ろ!!」

プーサー「どうした、ケイ卿?…こ、これは!」

ガウェイン「一体どうしたと…(ひょい)。な、なんだと!」


======ランスロット陣営==========

ランスロット「はぁ、ガウェイン卿とはいつになったら分かり合えるのか」

小次郎(ボールス)「ランスロット卿、敵軍の陣営に動きが…」

ランスロット「!!我が王らが撤退している!何かあったのか?」


ぐだ男「ガウェインとランスロットの戦いは、中々終わりが見えませんでしたが、
    ブリテンから、ある報せが届き、アーサー王達は撤退をすることにしました。」
242 : ◆/jG8XyHDyU [sage]:2019/06/09(日) 23:52:17.88 ID:GZxekZ9a0

===少し前のキャメロット=================−


モードレッド「父上が、出征してはや半年…いつまでかかるんだ?諸侯や、民をなだめるにも限度があるぞ。」

マタハリ(モルガン)「ガウェインばかりやる気みたいだけど、他の連中はもう飽き飽きみたいね。」

モードレッド「いくらランスロットが理不尽に強いとはいえ、父上とガウェインがいて討てないって
       ことはないだろうよ。」

マタハリ(モルガン)「なりふり構わずランスロットを[ピーーー]ようなことがあれば、フランスの民に
           どれほどの遺恨が残るかしらね?」

マタハリ(モルガン)「フランスとの国交が断絶したら…今のブリテンの自給率で交易が途絶えたら干上がっちゃうわよ?」

モードレッド「現在進行中で止まってるんだよ!教皇庁が和睦の仲介をしたのにすぐに戦争したって
       諸外国から総スカンくらってるし…大陸のブリテン領はあてにできねえか?」


マタハリ(モルガン)「えーっと、無理ね。ゴールの宿六もなんとかしようとしてるけど、
           周辺諸侯に封鎖されてて弟に合流するのも不可能よ。」

モードレッド「はぁ。どっちにしろランスロットと和睦しなけりゃ詰んでるじゃねぇか。」
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