「ラブライブ×イナイレ〜11人の女神の奇跡〜」後半

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402 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:13:46.56 ID:1F2wX8AOO













『サプライズで全校生徒で応援に行くといっていた件について』


3人「……んん……!?」


『今、全員の出席意志が確認できたこと、チケットが確保できたことをここに報告……え?』


『やばいって……!まだ穂乃果たち教室にいるって……』


ことり「あちゃー……」


『えぇ!?いつもならグラウンドにいる時間じゃ……』


海未「ええ、その通りです」


『絶対穂乃果が寝ぼけてたとかだよ!今日も眠そうだったし!!』


穂乃果「正解」


『ど、どうする?』


『〜〜!!もういいや!言っちゃえヒデコ!』


『…そうだね!』


『………こほん………穂乃果』


穂乃果「……はい!」


『ごめんね、サプライズのつもりだったけど……』


『でもね穂乃果、穂乃果達はすごい、本当にすごいよ』


『メンバーも足りない、試合にも出られない、誰も見向きもしなかった……そんなサッカー部が……』


『全国のトップにまで上り詰めたんだから』


3人「……」


『もう頑張ってるのは知ってるから、頑張れなんて言わない』


『………』スゥ……

403 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:14:48.52 ID:1F2wX8AOO

















『思いっきり暴れてこい!!』


3人「…っ……」













ワァァァァァァァァァァ!!!!!


穂乃果「わっ…!」


海未「学校中から歓声が……」


ことり「すご……」


穂乃果「…………練習行きますか!」


海未「ええ」


ことり「ふふふ」

404 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:16:23.94 ID:1F2wX8AOO














グラウンド


海未「それでは練習を始めたいと思いますが……」チラッ


凛ママ「凛と花陽ちゃんは別メニューな」


凛「えー!?」


花陽ママ「治りたてで無理しちゃうとまたすぐ怪我しちゃうからね〜」


花陽「そんなぁ〜……」


凛ママ「残りのメンバーはいつものメニューをした後、好きな練習してていいよ」


海未「わかりました」


凛ママ「よし、それじゃあ練習開始!」


みんな「おー!」

405 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:18:17.40 ID:1F2wX8AOO















ザッ ザザザッ


海未「ことり、もう少し強引でも構いません」


海未「絶対に取るんだという勢いで来てください」


ことり「で、でもぉ……」


海未「まったく……ことりは優しすぎるんですよ」ヤレヤレ


ことり「うぐっ…!」グサッ


海未「できる限りでいいです、やってみてください」


ことり「う、うん…!」


ことり「………はぁ!」ガガッ!


海未「…!いいですよ、もっとです!」

406 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:19:12.16 ID:1F2wX8AOO














絵里「真姫、希知らない?」


真姫「さあ、どうせお手洗いとかじゃないの?」


真姫「すぐ戻ってくるわよ」


絵里「……それもそうね、練習続けましょうか」


真姫「ええ、だんだんよくなって来てるし」












自動販売機前


希「………」トッ


トントントーン


希「……」トントン


希「……ほっ!」トトン!


ポーン


希 フワッ


希「………」トッ


希「………」


希「……戻ろ」

407 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:20:43.18 ID:1F2wX8AOO














穂乃果(……パズルの最後の1ピースの意味がようやくわかった)


穂乃果(けど問題はそこからだね……)ウーン


穂乃果(その最期のピース自体が一体何なのかがわかんないし)


穂乃果(ほかのピースじゃ代わりにはなれない、その歪みはそのまま穂乃果に反映される……)


穂乃果(穂乃果はいったいどこまで耐えられるのかな?)


穂乃果「………」


にこ「ちょっと!もういい?」


穂乃果「ご、ごめんにこちゃん!」アワアワ


にこ「全く、このにこにーがシュートを打ってあげるのよ!ありがたく思いなさい!」


穂乃果「うん!ありがと!」


にこ「…んぐぅ……!」


にこ(海未といい穂乃果といいなんでこんなに素直な奴が多いのよ……!)


にこ(調子狂うわね……)


穂乃果(にこちゃんなんだかんだ言ってすごく丁寧にシュートしてくれるからね〜)


にこ「いくわよ!」ザッ


穂乃果「こい!」グッ

408 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:22:37.69 ID:1F2wX8AOO














練習終わり


海未「穂乃果は今日もあそこですか?」


ことり「みたいだね〜」


ことり「お店のお手伝いって言いながら反対方向に走っていっちゃったから…」


ことり「せっかくだし飲み物でも差し入れに行かない?」


海未「いいですね、あそこのコンビニで何か買って行きましょうか」


ことり「やったー!」


海未(おや…前からガラの悪い方達が……)


海未(出来るだけ避けて……)スッ


ドンッ!


海未「!?」ドサッ


ことり「海未ちゃん……!」バッ


海未(今わざと…!!)

409 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:23:37.73 ID:1F2wX8AOO














チンピラ1「痛ってぇ〜!」


チンピラ2「うわこれ折れてんじゃね?」


チンピラ1「うわーまじ折れてる……うぉ!?」


海未(私一人なら逃げられますがことりがいるこの状況では……)


チンピラ1「なにこいつめちゃめちゃ可愛いじゃん!」スッ


海未(…!顎に手を……)


チンピラ2「うわーまじだ!!今からカラオケ行かね?」ガシッ


海未(……肩を馴れ馴れしく……)


海未(せめてことりだけでも……)

410 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:24:40.36 ID:1F2wX8AOO














「……ねぇ」


チンピラ1「なんだよ……ってうぉぉ!!連れも可愛いじゃん!」


チンピラ2「やっべーやっべー!」


ことり「………」


海未(……!?)ゾクッ


海未「…………こと、り?」


ことり「……ぶつかっちゃってごめんなさい」ペコッ


チンピラ1「いやいや、謝っても腕は治んねーし?」


チンピラ2「いいから俺ら4人で……」

411 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:25:32.66 ID:1F2wX8AOO



















ことり「ごめんなさい」ニコッ

412 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:26:58.80 ID:1F2wX8AOO














チンピラ1.2「……っ…」ビクッ


海未「……」


チンピラ1「……し、白けちまったな、行こうぜ」


チンピラ2「あ、ああ……」


タッタッタッ













海未「………こと……」


ことり「怖かったよ〜海未ちゃーん!!」ガバッ


海未「ことり!?」


ことり「早く穂乃果ちゃんのとこ行こ?海未ちゃん」


海未「……そうですね」ニコッ

413 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:27:48.27 ID:1F2wX8AOO















夕方凛宅


凛ママ「りーん!ご飯だぞー!」


………………


凛ママ「りーん!」


………………


凛ママ「?」

414 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:29:32.83 ID:1F2wX8AOO















スタスタスタ


ガチャ


凛ママ「凛!さっきから読んでるの聞こえて……?」


凛「………」(イヤホン)


凛ママ「………」


グイッ ピンピンッ


凛「あっ……ちょっと!」


凛ママ「なに聴いてたんだ?」


凛「聴いてるんじゃなくて見てたの!」


凛ママ「……!それ……」


凛「かっこよくない!?」


凛ママ「………」


凛ママ「…ご飯できてるぞ」


凛「すぐ行く!」バッ


タッタッタッ

415 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:30:43.52 ID:1F2wX8AOO










凛ママ「………へぇ」


凛ママ(面白いところに目をつけたな、凛)


ケータイ『最後まで余裕の表情です!!!』

416 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:32:58.88 ID:1F2wX8AOO















穂乃果宅


穂乃果「ちょっと待っててー」


穂乃果ママ「あんたそれ何度目よ!ご飯冷めちゃうじゃない!」


穂乃果「今行くからぁ!!」


ケータイ『圧倒的な実力差を見せつけたUTX高校ですが……』


穂乃果(……本当に、勝てるのかな……)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マジン「………」


ドロッ


穂乃果「えっ……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「……!」ブンブン


穂乃果(決勝が近いから不安になってるだけ!大丈夫!)パンパン


穂乃果(みんなに迷惑はかけられないからね)


穂乃果(リーダーらしく、みんなを引っ張っていかないと)


穂乃果「やるぞー!」オー!


雪穂「オーはいいからご・は・ん!!」バンッ!


穂乃果「……はい」

417 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:34:34.49 ID:1F2wX8AOO















試合まで後5日


凛「はぁ……はぁ……」


凛(もう少し……捻るのかな?)


凛「……もう一回!」













穂乃果「ふんんん!!!」


ズザザッ!!!


穂乃果「……はぁ……はぁ……」


穂乃果「…もう一回!」


ブンッ!











真姫 ブワァァァ!!


絵里 ブワァァァ!!


真姫絵里【ファイアブリザード!】


ドゴォォォォォォォ!!!


ォォォ………


テンテンテン……


真姫絵里「……もう一回!!」

418 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:38:11.34 ID:1F2wX8AOO














試合まで後3日


練習後帰り道正門


凛「今日も疲れたにゃ〜……」トボトボ


花陽「もう動きたくない……」とぼとぼ


絵里「……私たちより復帰組の方が疲れてるんだけど……」テクテク


凛「もうスパルタなんてもんじゃないにゃ!」


花陽「練習……練習……エヘヘ」


真姫「大丈夫よ、二人の母親がついてるんだから」テクテク


絵里「明らかに大丈夫じゃないのが約1名ね」


海未「そういえば明日から三連休ですね」テクテク


絵里「強引な話題転換嫌いじゃないわよ」


ことり「あーそういえばそうだね!………ってあれ?」


海未「……はい、普段は開いている学校も、長期休みを除いた三連休以上の場合はずっと閉まったままなんです」


穂乃果「じゃあ試合までの三日間は河川敷かな?」


海未「はい、それがいいかと」


花陽「ちょ、ちょっと待って…」ピタッ


みんな「?」ピタッ


花陽「それじゃあ……」


花陽「このメンバーが音の木坂で練習できるのって、今日が最後なんじゃ……」


みんな「……ぁ……」

419 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:39:26.19 ID:1F2wX8AOO
















海未「……決勝戦が終われば実質三年生は引退になりますし、ここでは最後ということになりますね」


花陽「そんな……」


にこ「何言ってんのよ、ちょくちょく顔出すに決まってるじゃない」


希「えー?でもにこっちにそんな余裕……」


にこ「あるわよ!」


花陽「で、でも……」















穂乃果「学校で合宿だよ!!」


みんな「………は?」


穂乃果「外から入れなくなるなら中にいればいいんだよ!」


海未「……穂乃果、あなたは本当に……」ハァ

420 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:40:42.07 ID:1F2wX8AOO














絵里「……天才ね」


海未「……はい?」


海未「絵里、今なんと……?」


絵里「外から入れないなら中にいればいい……!!パンがないならお菓子を食べればいいじゃない!!」


海未「あの……絵……」


絵里「やりましょう合宿!!」


海未「絵里ぃぃぃ……」ガクッ


希「ごめんな海未ちゃん、たまにおかしくなるんよこの生徒会長」


凛「合宿だって!かよちん、真姫ちゃん!」


花陽「う、うん……!」


真姫「どうしてわざわざ合宿なんて……」クルクルクルクル


海未ことり「……!」フフ


穂乃果「もちろん嫌だったらこの話はなし!」


穂乃果「無理やり合宿してもつまんないしね!いつも通り河川敷で練習だよ」


真姫「……!」


穂乃果「それじゃあ行くよ!」


穂乃果「やりたい人!」バッ


バババババババッ!

421 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:42:02.32 ID:1F2wX8AOO
















みんな「………」


真姫「………」


スッ


穂乃果「……満場一致ということで合宿決てーい!」


みんな「いえーい!」


にこ「あっれー?真姫ちゃんは反対だったんじゃなかったのー?」


凛「出た……!久しぶりの親戚のおじさんモード」


絵里「何度見てもしっくりくるわね」


花陽「あわわわ……!」ハラハラ


にこ「ほらほら、教えなさいよ〜」


真姫「……」

422 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:43:37.21 ID:1F2wX8AOO















真姫「……にこちゃんともっと一緒に居たかったから……ダメ?」


にこ「?……?ぇぇ!?/////」カァァ!


凛「あー!にこちゃん顔真っ赤だにゃー!」


希「にこっちに照れてるー!」


にこ「う、うるさい!見るな!」バッ













真姫 ドヤッ…!


穂乃果「真姫ちゃんもにこちゃんの扱い上手くなったね……」


ことり「役者だね〜」


花陽「真姫ちゃん……」


絵里「照れてるところ申し訳ないけど、にこ」


にこ「照れてない!」クルッ


絵里「合宿の申請、どうしましょう」


みんな「あ」

423 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:45:20.07 ID:1F2wX8AOO














数分後


ことり「うん、うんわかった!!ありがと!!」


ピッ


絵里「どう?」


ことり「申請は1週間前には出さないとダメだったんだけど……」


ことり「もしかしたら自分が確認ミスをしていたかもしれないからって特別に許可してもらえた!」


海未「……ふぅ、さすが理事長ですね」


絵里「ほんとにね……」ヤレヤレ


凛「確認ミスだなんておっちょこちょいだにゃ〜」


希「凛ちゃん違う」


穂乃果「それじゃあ一度家に帰ってからまたここに集合!」


みんな「おー!」


穂乃果「2日分の用意持ってきてね!」


穂乃果「最終日は自分の家でゆっくりするとして……」


穂乃果「晩御飯とお風呂は初日だし済ませてよっか!」


希「てことは今日はもう寝るだけやね♪」


穂乃果「そゆこと!」


穂乃果「それじゃあ解散!」


穂乃果「ヒデコたちには私が連絡しとくね!」

424 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:46:59.01 ID:1F2wX8AOO















解散後、帰宅途中二年生


ことり「合宿楽しみだね〜!」テクテク


穂乃果「うん!いっぱい遊ぼうね!」テクテク


海未「練習です!!」


穂乃果「わかってるよう……」


ことり「それにしても……」


穂乃果海未「?」


ことり「最近の練習ハードだよねぇぇぇ……」ガクッ


穂乃果「あはは……追い込みどきだからかな……」


海未「しかし、確実に力がついているのがわかります、この調子ですよ!」


ことり「ふぇぇ〜〜ん……!ことりはもっと女の子らしくなろうと思ってたのに……」


海未「今でもことりは十分女の子らしいですよ?」


ことり ブンブン!


ことり「足とか腕には生傷が絶えないし筋肉もついて……」


ことり「もっと女子高生っぽいことしたいよぉ〜〜〜………」


海未「例えばどんなことですか?」

425 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:48:36.01 ID:1F2wX8AOO















ことり「みんなで放課後クレープ食べたり…」


海未「してますね」


ことり「学校でおかし食べながらおしゃべりしたり……」


海未「してますね」


ことり「あとはマカロンとかマカロンとかマカロンとか……」


海未「何ですか急に病的なマカロン押しは………」


ことり「ねえねえ、穂乃果ちゃんはどう思う?」


穂乃果「え〜?穂乃果はー……」


穂乃果「………」

426 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/14(日) 17:49:12.13 ID:1F2wX8AOO


















穂乃果「結構楽しいよ」

427 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 18:47:53.56 ID:2Ys6LHLv0















海未ことり「…………」


海未ことり「……ふふ」ニコッ


海未「私もです」


ことり「ことりも〜!」


穂乃果「ほらほら!早く準備しないと遅刻しちゃうよ!」


海未「はいはい、そんなに慌てないでください」

428 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 18:49:39.49 ID:2Ys6LHLv0















「お!今帰りかい?」


海未「?」クルッ


穂乃果「あー!八百屋のおばちゃん!」


おばちゃん「もうすぐ決勝戦でしょう?頑張んなよ!」


穂乃果「うん!頑張る!」


おばちゃん「海未ちゃんとことりちゃんもね!」


海未「はい、もちろんです」


ことり「頑張ります!」


おっちゃん「おぉ……!穂むらさん家の子か!大きくなったなぁ!」


穂乃果「おっちゃんは変わらないね!」


おっちゃん「あっはは!口が上手いねぇ!」


おっちゃん「サッカー頑張ってるんだってな、商店街じゃその話で持ちきりだよ!」


穂乃果「もうすぐ決勝なんだ!応援よろしくね!」


おっちゃん「任せろ!商店街のジジババ集めてみんなで行ってやる!」


穂乃果「それは賑やかそうだね……」アハハ……


穂乃果「……っと…時間詰まってるんだった」


穂乃果「それじゃあまたね!おっちゃんおばちゃん!」


「「「頑張れー!」」」


穂乃果「ありがとー!」


海未ことり ペコリ

429 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 18:51:02.00 ID:2Ys6LHLv0















学校


穂乃果「みんなお待たせ!」


雪穂「すみません!今日は私のせいで遅くなりました……」ペコッ


絵里「みんな来たところだから大丈夫よ」


亜里沙「雪穂!お泊まり会だよ!お泊まり会!」


雪穂「えへへ……!楽しみだね亜里沙!」


亜里沙「うん!」


穂乃果「ヒデコ達は来れないって〜」


海未「用事があるなら仕方ありませんね」


ことり「それじゃあ鍵開けるね〜」ガチャッ

430 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 18:55:09.87 ID:2Ys6LHLv0















空き教室


絵里「この部屋を主に寝泊まりする部屋にします」


海未「各自荷物をまとめてあそこへ置いてください」


穂乃果「置いた人からみんなの布団を運んでね!」














海未「……っふう」ドサッ


絵里「海未は荷物少ないわね」


海未「ええまあ、自分に特別な手入れは何もしていないので」


海未「最低限の着替えだけです」


絵里(……手入れなしでこんなに肌も髪も綺麗なのね)


海未「絵里?どうしましたか?」


絵里「い、いや…!なんでもないわ、布団敷きましょうか!」


海未「ええ」ニコッ

431 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 18:56:30.31 ID:2Ys6LHLv0














希「よいしょ……っと!」ドサッ


ポロッ


希「……あっ…」


花陽「……?……!」


花陽「可愛いぬいぐるみ!」


にこ「なにあんた、その年にもなってぬいぐるみと一緒じゃないと寝られないの?」ニヤニヤ


凛「希ちゃんも可愛いところあるにゃ〜!」


希「二人も可愛いところあるよ?」ワシワシ


希「あ〜!かわいい!」


にこ「この野郎?いでやる!!」ガバッ!


凛「搾り取ってやるにゃぁ!!」ガバッ!


希「ああああ痛い痛い痛い!!」ギリギリギリ


花陽「……痛そう」

432 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 18:57:43.15 ID:2Ys6LHLv0















真姫「ことり……あなた枕なんて持って来たの?」


ことり「うん♪これじゃないと眠れないんだぁ」


ことり「触ってみて!」


真姫「いったいどんな……」フニッ


真姫「……!なんだかいい感じね」


ことり「超低反発なの!」


真姫「持参する気持ちもわかるわ」


ことり「でしょ〜!」えへへ

433 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 18:59:24.48 ID:2Ys6LHLv0















穂乃果「ゆ、雪穂!穂乃果のアレが……」


雪穂「はい歯ブラシ」スッ


穂乃果「さっすが雪穂!」


雪穂「おねーちゃんのやりそうなことはだいたいわかるからね」


穂乃果「いやーそんなに言われると照れちゃうよ?」


雪穂「悪い意味でだけどね」


穂乃果「ゆぅきほ〜〜!」ガクッ


亜里沙「……ふふ」


穂乃果「あー!今亜里沙ちゃん笑った!?」


亜里沙「ご、ごめんなさい!」アワアワ


亜里沙「雪穂は穂乃果さんの事、本当に大好きなんだなって思って」


雪穂「は、はぁ!?なんで私がおねーちゃんなんか……」


穂乃果「その通り!雪穂はおねーちゃん子だったんだよ?」


雪穂「余計なこと言わなくていいから!」


亜里沙「だから少し雪穂が羨ましいんです」


雪穂「亜里沙には完璧な絵里さんがいるじゃん」


亜里沙「だからなの!」


穂乃果雪穂「?」

434 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:01:11.12 ID:2Ys6LHLv0


亜里沙「おねーちゃんはなんでも一人でできちゃうから…」


亜里沙「穂乃果さんみたいに少し抜けてるおねーちゃんが羨ましいなって!」


雪穂「……」


穂乃果「……」


雪穂「……まぁ、ドンマイ」


穂乃果「ノーガードで右ストレートもらったような衝撃だったよ」


雪穂「上げて落とされたからね」


穂乃果「亜里沙ちゃん……恐ろしい子…!!」


亜里沙「?」キョトン


海未「貴方達いつまでそうしているのですか!」


海未「布団を運んでください!」ドサッ


絵里「……数が凄いわ……」ヨイショ


穂乃果「やっば……!」アワアワ


穂乃果「行くよ!雪穂!亜里沙ちゃん!」


雪穂亜里沙「うん(はい)!」

435 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:02:50.19 ID:2Ys6LHLv0














数分後


凛「これで……最後!」ドサッ


穂乃果「すごーい!」


絵里「流石にこれだけ並べると壮観ね」


穂乃果「………」ウズウズ


花陽「……穂乃果ちゃん?」


穂乃果「〜〜!もう我慢できない!」バッ


ドサッ

436 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:04:38.84 ID:2Ys6LHLv0















穂乃果「くるくるくるくる〜!」ゴロゴロ


海未「な、何をしているのですか!」


にこ「にこも!」バッ


凛「凛も!」


花陽「り、凛ちゃん…!怒られるよ……!」ガシッ


凛「かよちんもやるにゃー!」ガシッ


花陽「……へ?」


穂乃果「ぐるぐる〜!」ゴロゴロ


にこ「あ〜〜〜〜!」ゴロゴロ


凛「にゃ〜〜〜!」ゴロゴロ


花陽「ダレカタスケテー!」ゴロゴロ


海未「今すぐやめなさい!穂乃果!」


穂乃果「海未ちゃんも来なよ!気持ちいいから!」


海未「絶対に行きません!」

437 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:06:10.63 ID:2Ys6LHLv0















数分後


穂乃果「あー楽しかった!」


にこ「子供に戻った気分ね」


希「にこっち見た目はずっと子供痛い痛い痛い」ギリギリ


絵里「ほら、凛と花陽も起きて」


凛花陽「………」


絵里「?二人とも?」


ことり「……!」


ことり「しー……!」

438 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:07:53.64 ID:2Ys6LHLv0
















凛花陽「……んぅ…」スゥ……スゥ……


ことり「…寝ちゃったみたい」ヒソッ


絵里「二人とも疲れてたのね……」


海未「復帰してからは遅れを取り戻すために頑張っていましたから」


凛花陽「……くぅ……」スピー


海未「……私たちも寝ましょうか」


ことり「そうだね!」


真姫「……二人が真ん中で寝てるせいで布団に入れないんだけどどうするの?」


穂乃果「雑魚寝しかないでしょ!」


真姫「……本気?」


穂乃果「本気と書いてマジ、だよ!」


真姫「はぁ…」


海未「……今回は仕方ありませんね」


海未「それではみなさん各々好きな場所で寝てください」

439 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:09:22.50 ID:2Ys6LHLv0


亜里沙「やったー!」


亜里沙「おねーちゃん一緒に寝よ!」


絵里「ええいいわよ」


ことり「ことりは穂乃果ちゃんの隣〜!」


穂乃果「えへへ〜!久しぶりだねこういうの!」


海未「………」


穂乃果「あれ〜?海未ちゃんも来たいの?」


海未「そ、そんなわけないじゃないですか!!」


穂乃果「ほらここ空いてるよ?」ホラホラ


海未「………そこまでしつこく誘われては仕方がありません、私も一緒に寝てあげます」


穂乃果「一回誘っただけなんだけど……」


ことり「海未ちゃん…」


海未「全く仕方ありませんね」ニコニコ


穂乃果ことり(すごく嬉しそう)

440 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:10:35.28 ID:2Ys6LHLv0














真姫(……ここでいいかしら)ゴソッ


真姫(………)スヤァ














にこ(真姫は一年二人に紛れ込んだか……)


にこ「あと残ってるのは……」チラッ

441 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:14:00.20 ID:2Ys6LHLv0















希「やーん♪そんなに見つめられたら照れるやん!」


雪穂「……っ…」アセアセ


にこ「雪穂、一緒に寝ましょうか」


雪穂「は、はい!」


希「ちょっ…!ウチは!?」


にこ「あんたは草の上で寝てなさいよ」


希「いや誰が牛や」


にこ「あれ、今日は鼻に輪っかつけてないのね」


希「だから誰が牛や……!」


にこ「今日の乳搾りの出来は……」


希「だから誰が牛やぁぁ!!!」ガーッ!


にこ「………」


希「やめぇやピンポイントで乳牛いじりするの!」


希「ウチだって傷つくし……傷つくんやぁ!!」


にこ「……」


希「なんで黙ってるん!?そっちから仕掛けて来たのに!?」


希「仕掛けたけど思った以上に絡んで来たからめんどくさくなったんやろ!?なぁ!」


にこ「……ねぇ」


希「なに!」

442 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:15:25.90 ID:2Ys6LHLv0















にこ「もう寝ない?」


希「……もういいよ、にこっちはそんな人やったんやね……」


にこ「えぇ……?」


希「……はぁ、離婚前の夫婦ってこんな感じなんやろね」


にこ「いや知んないわよ」


希「おやすみ二人とも、風邪ひかんようにね」


雪穂「お、おやすみなさい……」


にこ「おやすみ〜」


三人「……………」


希「あ、そうやにこっち」


にこ「ん?」


希「寝る前に腰痛に効くストレッチしなくて大丈夫?」


にこ「あー、それをやらないと明日がしんどい……って」


にこ「誰がおばあちゃんよ!!」


希「………」


にこ「めんどくさがるな!!」


雪穂「寝ましょうよぉ…」

443 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:17:20.69 ID:2Ys6LHLv0















試合まであと2日





穂乃果「……んぅ……」ムクッ


穂乃果「………?」シパシパ


穂乃果「……あそっか……合宿……」ボー……


穂乃果「………」キョロキョロ


穂乃果(……みんなまだ寝てる……ってあれ?)


穂乃果「海未ちゃんがいない?」
















ガラッ


海未「おや穂乃果、今日は珍しく早いですね」


穂乃果「どこ行ってたの?」ふわぁ〜…!


海未「朝の稽古代わりにランニングをしてきました」


穂乃果「うぇ〜……」


海未「穂乃果も行ってきてはどうですか?」


穂乃果「……おやすみなさぁい」スヤァ


海未「おきなさい……!!」ギリギリ


穂乃果「起ぎる起ぎる起ぎるがらぁ…!!」ギリギリ

444 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:18:41.33 ID:2Ys6LHLv0















絵里「……もうなに?騒がしいわね」ムクッ


海未「絵里、おはようございます」


絵里「おはよう」ふぁ……!


絵里「……!」クンッ


絵里「なんだかいい匂いがするわね」


海未「気づきましたか、実は凛のお母様が朝食を作ってくれているんですよ」


絵里「凛のお母様も来てくださってたの?」


絵里「手伝わなくて大丈夫かしら……」


海未「それより他のメンバーを起こしていただけると助かります」


絵里「わかったわ」


絵里「…んー……!」ノビー

445 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 19:20:04.26 ID:2Ys6LHLv0














絵里「……どうしてにこは顔にキュウリを貼り付けてるのかしら」


海未「おそらく美容のためでしょう、にこらしいです」


絵里「にこから起こして行くことにするわ」















ニコー、オキナサーイ!アサヨー


海未「………それでは私は……」チラッ


穂乃果「ふひぃ……」スヤァ


海未「このラスボスを攻略しましょうか」

446 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 20:03:55.22 ID:2Ys6LHLv0













食堂


凛「お腹すいたにゃ〜」ふぁ〜…!


花陽「スンスン……この匂いは……!」


花陽「魚沼産こしひかり……!!」


にこ「え……?あんた朝からそのテンションで行くつもり?」


花陽「寝ぼけた状態でお米を食べることは失礼に値しますから」キリッ


凛「さっすがかよちんだにゃ〜」


にこ「……はぁ、意味わかんない」


希「にこっちアイドルは朝そんなテンションで大丈夫なん?」


にこ「プロはオンとオフがはっきりしてるのよ」


真姫「にこちゃんはいつもオフじゃない」


凛「プロでもないにゃ」


にこ「やめなさい痛いとこ突くの」

447 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 20:05:46.05 ID:2Ys6LHLv0


ことり「穂乃果ちゃん顔痛くない?」


穂乃果「……うん、らいひょうふ」ヒリヒリ


海未「一体どうしたんでしょうね」


穂乃果「夢で両方のほっぺをつねられる夢を見たよ…」


雪穂「おねーちゃん二度寝するとなかなか起きないからね」


亜里沙「雪穂、このネバネバしたの何?」


雪穂「それは納豆って言って、大豆でできてるんだよ」


亜里沙「ハラショー…!日本には不思議な食べ物があるんだね〜」


凛ママ「よーし!みんな揃ったな!」


みんな「はい!」


凛ママ「それじゃあ手を合わせて!」


みんな パンッ!


凛ママ「いただきます!」


みんな「いただきます!」

448 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 20:07:57.39 ID:2Ys6LHLv0















朝食終了


凛ママ「ごちそーさまでした!」


みんな「ごちそーさまでした!」


凛ママ「30分後、グラウンド集合!」


みんな「はーい!」













30分後


凛ママ「それじゃあ練習を始める!」


みんな「はい!」
















ハァ…!! ザザッ


テヤァ! バッ


タッタッタッ


ザザッ ガッ!

449 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 20:10:23.94 ID:2Ys6LHLv0















お昼


凛ママ「おーい!お昼ご飯にするぞー!」


凛「おにぎりだ!」


凛ママ「時間なかったから手抜きで悪いけどな」


穂乃果「お、美味しそう……」グゥ〜〜……


凛ママ「手を洗ってこい!」


みんな「はーい!」


穂乃果「ひ、一口だけでも……!!」


海未「はいはい行きますよ」ガシッ


穂乃果「一個だけでもぉ〜〜……!!」ズルズル


海未「何さりげなく量を増やしているのですか!!」














みんな「いただきまーす!」


凛ママ「そういえばひとつだけ激辛の奴入れておいた」


海未「なんという事してくれたのですか」


凛ママ「遊び心遊び心!」


凛「……はぁ」

450 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 20:13:19.48 ID:2Ys6LHLv0















絵里「これ頂こうかしら」スッ


絵里「海苔を巻いてなくてよかったわ」


希「えりち海苔あかんもんなぁ」


ことり「へぇ〜、絵里ちゃんにも苦手なものがあったんだ!」


絵里「苦手というか……血筋的に海苔を消化できないのよ」


ことり「あー……お腹壊しちゃうんだね」


絵里「そうなのよ、みんな美味しそうに食べるから食べたいんだけどね……」パクッ


ことり「ほかに苦手はものはないの?」


希「あとは確か……梅干し?」


ことり「ザ、日本って感じのものばかりだね……」


希「日本食は独特なのが多いからなぁ」


希「……って、えりちどうしたん?」


絵里「……うえおいあ…」


ことり「え?」

451 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/15(月) 20:15:45.60 ID:2Ys6LHLv0


絵里「梅干しがぁ……」ウルウル


希「あちゃー……」


ことり「よく引き当てたねこの中から……」


希「まだ食べてないしうちのと交換する?」


絵里「あ、ありがと……」パクッ


絵里「………」ピタッ


ことり「今度はなんだったの?」


絵里「………海苔の佃煮」


希「……ブフッ…!」


ことり「ふふ……!」クスッ


絵里「なんでこうなるのよぉ〜……」シクシク


希「まさかうちのが海苔の佃煮やったとはなぁ……」


ことり「ことりのは天むすだったからことりのあげる!」


絵里「ごどりぃぃぃ!!」ダーッ!


ことり「………おむすびを譲ってここまで感謝されたのは生まれて初めてかなぁ……」


希「まぁそうそうないやろなぁ……」


絵里「美味しい……!美味しいわ……!!!」モグモグ

452 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:04:48.81 ID:U+8YvfLIO















花陽「美味しいです!美味しいです!」パクパクパクパク


海未「は、花陽!?そんなペースで食べていたらみんなの分が……」


花陽「美味しいです!美味しいです!」パクパクパクパク


海未「だ、誰かー!」ガシッ


凛「かよちんあるあるだにゃ」


海未「こんなことが頻繁にあってたまりますか!!」

453 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:13:04.28 ID:U+8YvfLIO














真姫 モグモグ


にこ「………」ジーッ……モグモグ


真姫「……何よ」パクッ


にこ「あんたって……一口めちゃめちゃ小さいわね」


真姫「悪い?大きく開けるの疲れるのよ」


にこ「いや、それはいいんだけど……」チラッ


穂乃果「あー……ん!」バクッ!


穂乃果「……おいひぃ!」モグモグ


にこ「正反対だなぁって」


真姫「そんなこと言ったらにこちゃんなんて二つしか食べてないじゃない」


にこ「にこは小食だからぁ〜!そんなにいっぱい食べれないっていうかぁ〜!」


ぐぅ〜〜〜……!


にこ真姫「……」


真姫「……で、本当は?」


にこ「……だってご飯って糖質だし……太るし……」


真姫「ここに最後のおにぎりがあります」スッ


にこ「あっ…….」


真姫「欲しい?」


にこ「…っ…!」ハッ


にこ「…べ、別に欲しくなんて……!!」


真姫「あっそ、じゃあ私が……」あー……

454 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:14:36.00 ID:U+8YvfLIO


にこ「あー………」


にこ「……!」ハッ


真姫「……」ジトー…


にこ「……フンッ!食べたかったら食べればいいじゃない!」


にこ「別ににこはお腹なんて……」


ぐぅ〜〜キュルルル……


にこ真姫「……」


真姫「……はぁ」スッ


にこ「……いいの?」


真姫「私はもういっぱい食べたしね」


にこ「……ま、まぁお腹空いてるわけじゃないけど……」


にこ「真姫がどーしてもっていうから私が最後の一つを……」


穂乃果「じゃあ穂乃果がもらっていい!?」パァァ!


にこ「………」


バクッ!


穂乃果「あー!そんなに仕方なく食べるなら穂乃果に頂戴よぉ!」


真姫「一口で………」


にこ「…………」モグモグ


凛「そういえば結局激辛のおにぎり出なかったね」


にこ「……」モグモグ


海未「誰も被害に遭わなかったのならそれに越したことはありませんよ」


にこ「……っ」モグ……モグ……


凛ママ「あっれー?たしかに入れたんだけどなぁ……」


にこ「………っ…!」モグッ……

455 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:15:40.10 ID:U+8YvfLIO














にこ「……ゴフッ……!」ブフッ


真姫「にこちゃん!?」


にこ「……〜〜〜!!!」ブワァッ!


にこ「ん〜〜〜!!!ん〜〜〜〜!!!!」ジタバタ


凛「にこちゃん大当たりだにゃー!」あはは!


海未「よりによって最後の一つに入っていたとは……」


凛ママ「あっははははは!!!」ヒーヒー…!


にこ「っ……!!っ…!」ゴクッゴクッゴクッ


希「にこっち持ってるなぁ!」あはは!


絵里亜里沙「……フフ」クスッ


花陽「……ん……んふっ…!」プルプル


穂乃果(……横取りしなくてよかったぁぁ……)


にこ(……え、エグい……!!)ヒーヒー

456 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:17:07.01 ID:U+8YvfLIO














凛ママ「よーし!みんな準備はいいか?」


花陽「……にこちゃん今何食べたい?」


にこ「ジェラート」ヒリヒリ


花陽「だよねぇ〜……」あはは


凛ママ「練習再開!」


みんな「はい!」

457 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:18:57.84 ID:U+8YvfLIO














ことり「はぁ!!」ザッ


雪穂「ふっ!」シュバッ!


ことり「あっ…!」


にこ「ことり!!もっとあたり強く!!」


ことり「は、はいぃ〜……!」













絵里 ブワァァァァ!!


真姫 ブワァァァァ!!


ドキュッ!!


絵里真姫【ファイアブリザード!】


ゴォォォォォオ!!


ォォォ………


テンテンテン……


絵里真姫「……」はぁ……はぁ……


絵里(これは……)


真姫(本格的にまずいかもしれないわね……)

458 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:19:46.26 ID:U+8YvfLIO













夕方


カァー!カァー!


凛ママ「これにて練習終わり!」


海未「まだ少し早くないですか?」


絵里「あと1時間は出来そうだけど……」


凛ママ「実はこれから用事があって……夜ご飯作れないんだよ」


花陽「……と、いうことは……」


凛ママ「そう!これぞ合宿の醍醐味!」

459 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:21:01.86 ID:U+8YvfLIO














凛ママ「みんなでご飯作ってくれ!」


みんな「えぇぇ!?」


海未「……用事とあれば仕方がありません」


海未「お任せください」


凛ママ「いやーごめんね……」


凛ママ「それじゃあ頑張って!」タッタッタッ


海未「………」


みんな「………」


海未「……どうしましょう」


ズコーッ!


穂乃果「あんなに自信マンマンだったじゃん!」


海未「だ、だって引き止めるわけにはいかないじゃないですか!!」


真姫「作りに来て貰えば?」クルクル


ことり「作りにって……誰に?」


真姫「シェフに決まってるじゃない」クルクル


凛「とりあえず真姫ちゃんは論外ということで……」


真姫「なっ……!?一番現実的じゃない!」


希「非現実の中での現実的やんなぁ……」


花陽「ご飯……ご飯が……」

460 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:22:12.48 ID:U+8YvfLIO














「しょーがないわねー!」


花陽「…にこちゃん………?」シクシク


にこ「私が作ってあげようじゃない!」


海未「ほ、本当ですか!?」


絵里「ハラショー!これで安心ね亜里沙!」


亜里沙「うん!」


雪穂「……はぁ、無事にご飯にありつけそう……」ホッ


真姫「私ゲテモノはNGなんだけど」


凛「嫌な予感しかしないにゃー」


にこ「あんたらホンットーに可愛げないわね……!!」


海未「ではにこ、お任せしてよろしいですね?」


にこ「まっかせなさい!」ドンッ!

461 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:23:18.45 ID:U+8YvfLIO













調理室


にこ「花陽、これでご飯炊きなさい」ドンッ


花陽「こ、これは……!!」


にこ「あんたにしか頼めない大仕事よ」


花陽「……命に代えても成功してみせます……!!」


にこ「いや重いわ」


にこ「あとはひき肉をレンジでチンして豆腐と豆板醤と……」テキパキ

462 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:24:19.74 ID:U+8YvfLIO













物陰


穂乃果「ほぁ〜……なんだかすごいね」


希「にこっちは下の子が多いからね、家事は手慣れてるんよ」


穂乃果「へぇ〜」


海未「こら凛!自分の分のサラダだけ少なくしない!」


凛「海未ちゃんお母さんみたいだにゃ〜……」


海未「……今日のメインは焼き魚にしましょうか」


凛「ごめんにゃー!」


花陽「あはは……」

463 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:25:31.48 ID:U+8YvfLIO













1時間半後


ガラッ


にこ「できたわ」


凛「いい匂いだにゃ〜!」


にこ「にこにー特製麻婆豆腐よ!」


海未「にこ……すみません私刺激物は……」


にこ「大丈夫よ、甘口で作ったから」


海未「にこぉぉぉ…!!」


にこ「花陽、例のブツは?」


花陽「ふっふっふ……」スッ

464 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:26:53.69 ID:U+8YvfLIO













花陽「完璧だよ!」パカッ…!


ホカホカ……!


穂乃果「わぁぁぁ!」


凛「美味しそうだにゃー!」


絵里「これ……土鍋?」


にこ「ええ、せっかくだからこれでご飯炊いてみようと思ってね」


花陽「おこげも綺麗にできてて……自信作です!」フンッ!


海未「ふふ、楽しみですね」


希「おこげって炊飯器と違って少し工夫がいるんやったっけ?」


花陽「うん!何度も練習して、成功したのを記録してやっと作れるようになったんだぁ!」


絵里真姫「……!」


絵里(成功の……!!)


真姫(記録……!!)

465 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:28:05.55 ID:U+8YvfLIO


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


絵里 ゴォォォォォオ!!!


真姫 ゴォォォォォオ!!!


フワッ………










ドキュゥゥッッッ!!!


絵里真姫「いっけぇぇぇ!!!」


ゴォォォォォォォォオ!!!!!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー













ことり「すごいなぁ……」


穂乃果「一体お米の何が花陽ちゃんをここまで駆り立てるのか……」


ガシッ


花陽「……聞きたい?」


穂乃果「へ!?」


花陽「今夜は寝かせないよ」


穂乃果「ひ、ひぃぃ……!」


凛「凛はこんなかよちんも……好きだよ」


にこ「何よ今の間は」

466 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:30:27.93 ID:U+8YvfLIO














ドタバタ!


にこ「どうしたの?」


絵里「に、にこ!私たち今からちょっと出かけてくるわ!」


にこ「はぁ!?」


真姫「ご飯は後で食べるから!」


にこ「ちょっ…!待ちなさいっての!」ガシッ


絵里「いいえにこ、今の私たちは何を言われようと止められないわ」


真姫「その通りよ」


にこ「………デザートはチョコレートケーキ」


絵里「……」ピクッ


にこ「サラダには新鮮なトマト」


真姫「……」ピクッ


にこ「……ま、あんたらがそこまで言うなら仕方ないわね〜」


にこ「私たちがあんたらの分まで美味しく……」


ガシッ


絵里真姫「………」

















絵里真姫「ごめんやん?」


にこ「うわ腹立つ」


希「二次被害」

467 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:35:20.89 ID:U+8YvfLIO













夕食後


凛「ごちそーさまだにゃー!」


花陽「おこげ……美味しかった……」ホロリ


海未「にこ、ごちそうさまでした。とても素晴らしい料理でしたね」


ことり「美味しかったぁ♪」


にこ「あったりまえじゃない!このにこにーが作ってるんだから」


希「お風呂はどうする?」


海未「シャワーしかないので浴びたい人から浴びていきましょう」


絵里「全員分はあったわよね?」


海未「はい、ですから順番は気にすることはありませんよ」


穂乃果「ゆぅーきほー、お茶〜!」ダルン


雪穂「ちょっとおねーちゃん!家じゃないんだから自分で行きなよ!」


穂乃果「ぶぅー……!」ムクッ


海未「穂乃果はどこにいてもだらしがないのですね……」ハァ


絵里「それじゃあシャワー浴びて、寝たい人から寝ましょう」


穂乃果「それじゃあとりあえず解散!」


みんな「はーい!」

468 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:37:18.15 ID:U+8YvfLIO













就寝


海未「結局みんな同時に寝るんですね」


にこ「はーい、電気消すわよ〜」


凛「ププ……!にこちゃん顔にきゅうりついてるにゃ」


花陽「お腹が空いた時用の非常食かな?」


真姫「花陽以上の食いしん坊ね」


花陽「流石にあんなことしないよょ!!」


にこ「誰が食いしん坊よ!!」


にこ「美容のためのパックよパック!」


真姫「はいはい、電気消してもらえるかしら?」


にこ「ぐぬぬぬぬ……!!」


パチッ


海未「それではみなさん、おやすみなさい」


みんな「おやすみ〜」

469 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:38:21.02 ID:U+8YvfLIO













深夜


スゥ……スゥ……


穂乃果「……ん」モゾッ


穂乃果「……何時…?」


穂乃果「…ぅえ〜……まだ1時じゃん……」


穂乃果「みんなも寝て……?」


穂乃果「何人かいない?」


穂乃果(トイレかな)


穂乃果「………穂乃果も行こっと」ムクッ












ジャー……!


穂乃果「うーん?誰もいないや、別のトイレかな」ガチャ


穂乃果「……目が冴えちゃったし屋上でも行くとしますか」テクテク


穂乃果「開いてるかな〜」ルンルン

470 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 11:39:34.63 ID:U+8YvfLIO














屋上へのドア前


穂乃果「…?ちょっと開いてる?」


穂乃果(誰かいるのかな)ソー……


穂乃果(……にこちゃん?)















にこ「………」


穂乃果「……っ!」ドキッ


穂乃果(………綺麗)


にこ「……!」クルッ


にこ「穂乃果……なにしてんのよこんな時間に」


穂乃果「えへへ……目が覚めちゃって」


穂乃果「にこちゃんは?」


にこ「……眠れなかったのよ」


穂乃果「そっか……隣、いい?」


にこ「ええ」


ストン……

471 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:00:10.02 ID:BoT3XzrT0















にこ穂乃果「…………」


にこ「……いよいよ明後日……いや、もう明日か」


にこ「私たち三年生にとっては最後の大会」


穂乃果「……」


にこ「短かかったけど……色々あったわよね」


穂乃果「にこちゃんが初めはひねくれてたりね」ニヒヒ


にこ「ほじくり返すんじゃないわよ」ピンッ!


穂乃果「あでっ…!」ピンッ!

472 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:01:15.64 ID:BoT3XzrT0


にこ「………私が一年生の頃、サッカー部やってたのは知ってるわよね?」


穂乃果「え?……うん、希ちゃんから聞いた」サスサス


にこ「その頃はこんなに大ごとに………学校のみんなから応援されるなんてこれっぽっちも思ってなかったのよ」


にこ「あり得なかった」


穂乃果「……」


にこ「私たちだけで始まって、誰の記憶にも残らないまま終わって行くんだろうなって思ってた」


にこ「今のメンバーが集まった時も、それは変わらなかった」


にこ「女子校でサッカーなんて流行らないしね」フフ


穂乃果「…….ふふ、そうだね」クスッ


にこ「でもね、気づいたの」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『思いっきり暴れてこい!!』


ワァァァァァァァァァァ!!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


にこ「気づかせてくれた」

473 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:02:11.85 ID:BoT3XzrT0


にこ「あぁ…….これはもうにこ達だけの物語じゃないんだって」


穂乃果「………」


にこ「このチームも、学校のみんなも、先生も、監督も……」


にこ「一人残らず……この物語の一部なんだって……」


穂乃果「………そっか」


にこ「……ありがと穂乃果、今の私があるのはあんた達のおかげよ」


穂乃果「……え〜?にこちゃんどうしたの?深夜テンション?」


にこ「こういうのは素直に受け取りなさい、バカ」


穂乃果「えへへ〜」


穂乃果「………」


にこ「………」


穂乃果「……頑張ろうね」


にこ「とーぜんでしょ」


穂乃果「ニヒヒ…!」

474 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:03:13.75 ID:BoT3XzrT0














深夜、屋上


にこ「ふぁ〜、夜更かしはお肌に良くないのよね」


穂乃果「にこちゃんはお肌モチモチだね、なにか秘密があるの?」


にこ「洗顔とかは気をつけてるけど…やっぱりきゅうりかしらね」


穂乃果「きゅ……きゅうり?」


にこ「あれをし始めてからお肌の調子が良くなったのよね」


穂乃果「きゅうり、おそるべし……!!」


にこ「そういえば……」


にこ「にこがここに来る前に絵里と真姫が起きて出て行ったけど、どこに行ったのかしら」


穂乃果「さぁ……知らな





















ドゴオオォォォォォォオオオ!!!!!!


ビリビリ……!!


穂乃果「な…なに!?」


にこ「グラウンドの方よ!」ダッ!


穂乃果「待ってよにこちゃん!」ダッ!

475 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:04:44.31 ID:BoT3XzrT0














タッタッタッ


にこ「……はぁ…!なんなのよ一体!!」ザッ


穂乃果「にこちゃ……!速い……」ハァ、ハァ


モクモクモク


「ゴホッ、ゴホッ」


二人「!」


「エリー、大丈夫?」


にこ「真姫……?」


真姫「ゴホッ…!……げ、にこちゃん……」


にこ「何よ、げ……って」


絵里「ご、ごめんなさいにこ、穂乃果、起こしちゃった?」


にこ「いや、そうじゃないんだけど……」


穂乃果「二人でなにしてたの?」


絵里「練習したりなかった分をちょっとだけしてたのよ、もう終わるわ」


穂乃果「夜更かしはダメだよ二人とも!」


絵里「ふふ、ごめんなさい」


真姫「シャワー浴びに行きましょう」


絵里「ええ」


スタスタ


穂乃果「ふぁ……穂乃果も寝よーっと」スタスタ


にこ「……」


にこ(……この焦げ跡……)


スッ


にこ「冷たっ……!」ビクッ

476 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:05:39.56 ID:BoT3XzrT0















絵里真姫「…………」ピタッ


グッ……!

477 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:07:13.46 ID:BoT3XzrT0














試合まであと1日


海未「それでは各自自宅に戻って、明日に備えてください」


希「終わってみればあっという間やったなぁ〜」ノビ〜!


凛「ねぇねぇ、昨日の夜なんだか大きな音鳴らなかった?」


絵里真姫「……」ギクッ


にこ「寝ぼけてたんでしょ」


凛「そうなのかにゃ〜?確かに寝起きだったけど……」


花陽「私は聞こえなかったかな…」


凛「じゃあ気のせいだねきっと!」


にこ「信用の差がひどい」


穂乃果「もうこのまま解散にしちゃう?」


海未「はい、練習しようかと思ったのですが、疲労も溜まっているでしょうし」


絵里「明日は万全な態勢で戦えるように、今日はしっかり休みましょう!」


穂乃果「了解しました!」ピシッ!


海未「では穂乃果、お願いします」


穂乃果「コホン……」

478 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:08:11.81 ID:BoT3XzrT0













穂乃果「……今日までいろんなことがあったけど、やっとここまで来た」


穂乃果「明日は三年生が最後の試合……いや…」


穂乃果「このメンバーで戦う最後の試合だよ」


みんな「………」


穂乃果「……後悔の残らない、最高のプレイをしよう」チラッ


希「……!」ビクッ


穂乃果「………」スゥ……

479 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:10:20.35 ID:BoT3XzrT0














穂乃果「勝つよ!!!」


みんな「おおお!!!」バッ


穂乃果「海未ちゃんことりちゃん!クレープ食べて帰ろ!」


海未「はいはいわかりました」


ことり「いこー♪」


雪穂「ほどほどにしないと太るよ〜」


凛「真姫ちゃんかよちん!ラーメン行くにゃー!」


真姫「……朝から?」


凛「アブラマシマシ〜♪」


花陽「……朝から………」ゾッ


亜里沙「おねーちゃん!ファミレスいこ!」


絵里「ええいいわよ、希も行くでしょ?」


希「……」


絵里「のーぞーみ!」


希「…!う、うん!行くよ」


絵里「それじゃあ行きましょうか」


亜里沙「やったー!」


希「……」

480 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:11:42.42 ID:BoT3XzrT0














決戦前夜


にこ宅


にこ「こころー、ここあー、もう寝ちゃいなさい」


こころ「……はい」


にこ「どうしたの?」


こころ「……い、いえ!なんでもないです……」


にこ「……こころ、言ってくれないとわからないわよ?」


ここあ「なになに?なんの話?」


にこ「あんたはいいから、早く歯磨いて来なさい!」


ここあ「はーい……」シブシブ


にこ「……で、どうしたの?」


こころ「……本当に、自分勝手なわがままなのですが……」


にこ「うん……」


こころ「明日、私たちは初めてお母様とお姉様方の試合を見に行きます」


にこ「……ええ」


こころ「そこで………」

481 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:12:41.44 ID:BoT3XzrT0















こころ「……お姉様がシュートを決めるところを……見たいな……と」


にこ「ーー!」


こころ「い、いえ!なんでもないです!」


こころ「は……歯を磨いて来ますね!」タッタッタッ


にこ「………こころ」


にこ(普段から……我が家の家計状況を知ってか知らずか、欲しい、やりたい、食べたい、行きたい……)


にこ(そんな要求をなに一つしてこなかったこころが………)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こころ「……お姉様がシュートを決めるところを……見たいな……と」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


にこ「………」

482 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:13:28.99 ID:BoT3XzrT0














凛宅


凛「…………」


凛 トトッ


ケータイ『決まったぁぁ!!!』


凛「……」ジーーーーー


凛「……こう……いや……」ブツブツ……


凛「…!こうか…!」バッ

483 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:14:07.46 ID:BoT3XzrT0














穂乃果宅


穂乃果「………」


穂乃果(明日は絶対、激しい戦いになる)


穂乃果(……どんな無茶をしてでも、勝ってみせる)


穂乃果「…穂乃果は……リーダーなんだから」

484 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/16(火) 20:15:11.10 ID:BoT3XzrT0













希宅


希「………」スッ


ズズッ


希「……ふぅ」コトッ


希「………」


希「……悔いのないように……か」


………ピンッ!


希「どう思う?ぬいぐるみさん」


ぬいぐるみ「………」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


小学校の友達、Aちゃん「のぞみちゃん!これお互いに買って交換しよ!」


Aちゃん「このぬいぐるみ!」


のぞみ「え…えぇ?どうしてわざわざ……」


Aちゃん「その方が思い出になるでしょ、私の宝物にするんだから!」


のぞみ「……!」


のぞみ(宝物……)


Aちゃん「ほら早く!」


のぞみ「……う、うん!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


希「……呪い……やんなぁ」

485 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:22:42.31 ID:7faCPDqA0
















[8、最終決戦]



穂乃果宅


穂乃果ママ「雪穂ー、穂乃果起こしてきてー」


雪穂「もう……こんな大事な日まで寝坊するなんて…!!」スタスタ


ガチャッ!


雪穂「おねーちゃん!今日は大事な決勝戦………ってあれ?」


雪穂「いない……」


雪穂「でも荷物はあるし……どこ行ったんだろ」

486 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:23:42.08 ID:7faCPDqA0













鉄塔


ザッ


穂乃果「こんなに早起きしたのいつぶりだろ」


穂乃果「……っんー!」ノビー


穂乃果「……はぁぁぁー」ダラン……


穂乃果「ここもだいぶ馴染みの場所になってきたな〜」


穂乃果「このタイヤがきっかけだったんだよね」ナデ……


穂乃果「今日が終われば三年生は引退……」


穂乃果「……寂しいなぁ……」


穂乃果「……!」ブンブン!


穂乃果(ダメダメ!こんな気持ちじゃ!)


穂乃果「……頑張れリーダー!」オー!

487 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:24:27.92 ID:7faCPDqA0














にこ宅


にこママ「にこ、今日ぐらいはゆっくり寝てていのに……」ジュー……!


にこ「これはにこのルーティーンなの」ジュー……!


にこ「ママこそ仕事で疲れてるんだから寝てていいわよ」


にこママ「娘の大事な決勝戦に寝坊したらどうするの!」


にこママ「今日のために仕事詰めてやっと勝ち取った有給……!!」


にこママ「にこ達なら絶対決勝戦まで来てくれると信じてたわ!」


にこ「それは良かったわね……よっと!」カカッ!


にこ「はい、卵焼きの完成!」

488 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:25:31.04 ID:7faCPDqA0















こころ「おはようございますお母様、おねー様!」トテトテ


にこ「おはよ」


にこママ「おはようこころ、顔洗っていらっしゃい!」


こころ「はい!」スタスタ


にこ(……こころ)ジュー……!


にこママ「……!?」


にこママ「にこ!卵焼き!」


にこ「へ?……あぁ…!!」カチッ!


にこ「………ギリギリセーフ」フー……


にこママ「珍しいわね、にこがぼーっとするなんて」


にこ「……」

489 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:26:30.96 ID:7faCPDqA0














花陽宅


花陽「………」メガネ


カチャッ


花陽(……コンタクトがあるのにメガネを使うのは、めんどくさいからじゃない)


花陽(他人との間に一枚透明な壁があるような気がして、気が楽だから)


花陽「……でも、もうそんな自分とはさよならしなきゃ」


カチャッ









ペリペリ……


スッ

490 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:27:46.34 ID:7faCPDqA0














希宅


希「………よし、こんなもんかな」


希「あとは……」チラッ


ぬいぐるみ「………」


希「……この子も持っていこうかな」スッ
















穂乃果宅


穂乃果「雪穂ー!行くよー!」


雪穂「なんで今日はそんなに早いの…!ちょっと待ってて!」

491 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:32:12.88 ID:7faCPDqA0














穂乃果宅前


海未「……時間より早く来すぎましたかね」


ことり「あれ?海未ちゃん早いね〜」


海未「ことりも随分と早いですね」


ことり「えへへ〜、なんだか落ち着かなくて!」


海未「少し話し相手になってくれませんか?」


ことり「いいよ〜♪」


ガラッ!


穂乃果「……あれ?2人とも早くない!?」


海未「ど、どうしたのですか穂乃果、こんなに早くに……」


穂乃果「ふっふーん!穂乃果にだって早いときぐらいあるんだよ!」


雪穂「胸はって言われても……」


海未「まさか熱でも…!?それとも天変地異の前触れ……」


穂乃果「海未ちゃん朝から失礼だね」


雪穂「日頃の行いでしょ」


穂乃果「なにおう!」


ことり「ふふ、それじゃあ行こっか!」


穂乃果「うん!」


雪穂「はい!」


海未「雨が……いや隕石が降るかも……」ブツブツ


穂乃果「心配しすぎ!!」

492 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:33:39.40 ID:7faCPDqA0














絵里宅


絵里「………」シュルッ


スッスッ キュッ(ポニーテール結び)


絵里「……よし」


ガチャッ


亜里沙「おねーちゃん!準備できたよ!」


絵里「そう、私ももうすぐ終わるわ」ニコッ


亜里沙「………」


絵里「どうしたの?」


亜里沙「………おねーちゃん、試合行きたくないの?」


絵里「どうして?」


亜里沙「バレエの時と同じ顔してる…」


絵里「………!」


絵里「……まぁ」


絵里「行きたくないといえば行きたくないわね」


亜里沙「……!!」


絵里「……本当に楽しかった、この数ヶ月」


絵里「今日が終わると全て終わる」


亜里沙「……」


絵里「……なんてね!」


絵里「行きましょうか」スッ


亜里沙「………ぁ……」

493 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:34:27.17 ID:7faCPDqA0














亜里沙「亜里沙は!!」


絵里「…!」ビクッ


亜里沙「……おねーちゃんと一緒に試合に出られる最後のチャンスだから……」


亜里沙「楽しみ……だよ?」


絵里「……ふふ、ごめんなさい」ナデ…


絵里「もちろんわたしも楽しみよ」


亜里沙「……!」パァァァァ!!


絵里「ほらほら、時間に遅れちゃうわよ」


亜里沙「うん!」タッタッタッ


絵里「……」


絵里「……最後……か」

494 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:35:23.01 ID:7faCPDqA0














にこ宅


にこ「それじゃああんたら、ママの言うことちゃんと聞くのよ?」


こころ「お任せください!」


ここあ「多分〜」


コタロウ「ん〜」


にこ「……こころ」


こころ「?」


にこ「……行ってくるわね」ナデナデ


こころ「え……?は、はい…」


ここあ「ずるいこころばっかり!わたしも!」ガシッ!


にこ「わ、わかったから抱きつかないの!」ナデナデ


にこママ「ふふ、すっかりお姉さんね」

495 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:37:40.75 ID:7faCPDqA0












ピンポーン


にこママ「あら?誰かしら」


にこ「……まさか」スタスタ


ガチャッ


希「やっほー!」


亜里沙「お、おはようございます!」


絵里「最後ぐらい一緒に行きましょう!」


にこ「………」ジトー……


希「いやーん!そんなに熱い視線注がれたらウチ火傷してまうやん!」


ギィィィ……!


ガッ!


にこ「……っ足どけなさいよ!」グググッ


希「いいやん最後ぐらいみんなで行きたい!!」


にこ「………!」ググッ……


絵里「にこ……」


にこ「……はぁ」


クルッ


にこ「行ってきます」


にこママ「行ってらっしゃい、私たちも後か向かうわね」


こころ「お気をつけて!」


ここあ「行ってらっしゃーい!」


コタロウ「しゃーい」ピコッ

496 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:38:27.60 ID:7faCPDqA0














テクテク


希「相変わらずにこっちは素直じゃないなぁ」


にこ「あんたがしつこいから仕方なくよ仕方なく」


絵里「……ふふ」


にこ「何笑ってんのよ」


絵里「いや……」

497 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:39:36.71 ID:7faCPDqA0














絵里「もっと早くから一緒に行けばよかったなぁって」


にこ「………」


希「………」


絵里「……?2人ともどうしたの?」


にこ「……朝からしんみりさせんじゃないわよ」


希「そんなことを言うにこっちにはワシワシの刑が」ワシワシ〜


にこ「亜里沙ガード」スッ


亜里沙「……え?」


希「っく……卑怯な!」


にこ「あっはっは!勝つためならどんな手でも使って見せるわ!」


希「さて、茶番はこの辺にして行こっか、えりち、亜里沙ちゃん」


絵里「ええ」


亜里沙「は…はい!」


にこ「ちょ……!ここで終わったらにこがただの悪者になっちゃうじゃない!」


希「はー緊張するなぁ今日」


亜里沙「それなら人という字を……」


絵里「手に書くのよ?」


亜里沙「わかってるよ!もうっ!」プクーッ……!


希「あはは!プニプニ〜」プニプニ


絵里「ほんとね」プニプニプニプニプニ


にこ「話を聞けー!!」

498 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:40:55.22 ID:7faCPDqA0














真姫宅前


凛「真姫ちゃん遅いにゃ〜」


花陽「いつも早いのにね」


凛「緊張で家から出られなくなったりして」ニシシ


花陽「流石にそれはないと思うけど……」


ガチャッ


真姫「……おはよう」


凛花陽「おはよう!」


凛「真姫ちゃん遅かったにゃ〜」


花陽「その手に持ってるのは……?」


真姫「2人にってママが」


凛「なになに!食べ物?」


真姫「………ッ……ょ」ボソッ


凛花陽「?」


真姫「〜〜〜!!」


真姫「カツサンドよ!」バッ


凛花陽「………」ポカーン……


凛「………ダジャレ?」


真姫「ーー/////」カァァッ!

499 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:42:42.61 ID:7faCPDqA0


花陽「……わ、わー!すごく美味しそう!」


花陽「頂いちゃっていいの?」


真姫「え……ええ」


花陽「いただきまーす!」パクッ!


花陽「……っ!」モキュッ!


真姫「……どう?」


花陽「………お」


花陽「おいひぃ……」パァァァァ!


真姫「……と、当然じゃない!うちのママが作ってるんだから」クルクル


凛「凛も凛も!」バッ


真姫「ちゃんとあるからあわてないの」


凛「早く!早く!」


真姫「……というか花陽、あなたメガネ……」


花陽「う、うん……変……かな?」


真姫「……に、似合ってるわ」


花陽「……!えへへ」へニァ


真姫「………////」カァァ…!


凛「おいしーにゃー!」

500 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:43:54.24 ID:7faCPDqA0















集合場所


穂乃果海未ことり雪穂「……!」ピタッ


絵里希にこ亜里沙「!」ピタッ


凛花陽真姫「!」ピタッ


監督「………お前ら仲良いな」


ヒデコ「3グループ同時だったね…」


フミコ「さ!このバスだよみんな!」


ミカ「乗り遅れないようにね〜」


穂乃果「……よし!行こう!」


みんな「おー!!」











ブロロロ


穂乃果「あーーー!!!花陽ちゃんコンタクトだ!!」


ことり「かわいい!」


花陽「えへへ…!ありがと!」

501 : ◆7NyoAqShyg :2019/04/17(水) 03:46:05.18 ID:7faCPDqA0














決勝戦スタジアム


ワァァァァァァァァァァ!!!!!


角間「さーついにこの日がやってまいりました!!」


角間「フットボールフロンティア決勝、UTX高校vs音の木坂高校!!」


角間「この組み合わせは地区予選決勝での組み合わせと全く同じですが……」


角間「その際は音の木坂が見事勝利を掴みました!……がしかし、それから両チームがどれほど腕を上げたのかが気になるところです!」


角間「優勝という栄光を手にするのはどちらのチームだぁ!?」

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