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「ラブライブ×イナイレ〜11人の女神の奇跡〜」後半
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333 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:12:14.86 ID:1F2wX8AOO
真姫「ふっ」ダンッ!
グルグルグル
真姫【ファイアトルネード!!】ドキュッ!!
ゴォォォォォオ!!!!!
西垣「させるかよ!」バッ
西垣にこ【スピニングカット!】
ズシュゥゥゥゥ……!!!
シュゥゥゥゥ………
角間「こ、これはぁ!!西垣の必殺技を相殺したぁ!?」
西垣「っち……」
にこ「いやーん!お顔が怖いにこ〜」
ゴォォォォォオ!!!
軟山「………!」グッ
334 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:13:00.86 ID:1F2wX8AOO
軟山【タフネスブロック!!】フンッ!
シュルルルルルル!!!!
ボンッ!
角間「これもキーパー軟山、見事なブロックです!!」
勝「よっしゃー!ナイスセーブっしょ!」
真姫「……!」スタッ
ピッピッピーーーーーー
角間「ここで前半終了のホイッスル!両者無得点で前半を終えました!」
335 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:14:01.48 ID:1F2wX8AOO
雪穂亜里沙 ズーーーン………
にこ「あそこだけ負のオーラすごいんだけど……」ゴクゴク
希「こればっかりはなぁ……」パクッ
希「すっぱぁ〜!」
真姫「レモンの蜂蜜漬け……ことりのお菓子スキルには驚かされるわね……」パクッ
真姫「っ……!っ……!」スッパー……!
ことり「あ、ごめん……あんまり蜂蜜に漬かってないところだったのかも……」
真姫「み、水…!!」ゴクゴク
真姫「っ……!!」シワシワ
凛「酸っぱいの食べた後にお水飲んだら口の中キュワってなるよね」
にこ「なにそのわけわかんない擬音は」
凛「うまい擬音が出てこなかったにゃ」
336 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:15:13.83 ID:1F2wX8AOO
絵里「……ほら、レモンの蜂蜜漬けよ」
亜里沙「……ありがと……」しょんぼり
穂乃果「そんなに落ち込んでないで、後半も頼んだよ!」
雪穂「………うん」しょんぼり
絵里穂乃果「………」うーん……
花陽「どうしたの?」
雪穂亜里沙「!」
花陽「二人らしくなかったけど」
亜里沙「………だって…」
雪穂「……花陽さんの抜けた穴は大きかったってことですよ……」
花陽「二人とも……」
フミコ「………」
フミコ「……」コクッ
ヒデコ「……」
ミカ「……」
ヒデコミカ コクッ
337 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:16:35.11 ID:1F2wX8AOO
角間「いよいよ後半が始まります!」
角間「どちらも譲らぬ攻防戦、勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!!」
希「雪穂ちゃんたち大丈夫かなぁ……」
にこ「それも心配だけど、シュートは大丈夫なの?」
真姫「……あのキーパー思ってたより堅いわね」
絵里「【ホワイトダブルインパクト】なら亜里沙に上がってきてもらわないとだけど、守備がかなり手薄になるわ」
海未「……とりあえず、プレイしながら考えましょう」
ピーーーーーーー
ドッ
338 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:17:27.34 ID:1F2wX8AOO
角間「始まりましたぁ!!」
絵里「ことり!」ドッ
ことり「うん!」トッ
茂木 ザッ
ことり「………!」うーん……
タッタッタッ
ことり「……!海未ちゃん!」ドッ!
海未「はっ!」ドッ!
ことり「さすが海未ちゃん!」トッ
角間「南、園田の連携で突破していく!!」
凛「いけー!」
ことり「にこちゃん!」ドッ
にこ「任せなさい!」トッ
西垣「ここで白黒つけてやる!!」ザッ
にこ「かかってきなさい!」
339 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:18:12.71 ID:1F2wX8AOO
西垣【スピニングカット!】
にこ(きた……!)ガッ
ことり(……これ…!)
花陽(相手が技を出す瞬間にバックパス…!)
にこ(にこしか見てないあんたならこれは止めらんないでしょ…!!)
花陽(……でも)
ズシュゥゥゥゥ……!!!!
ブワァァァァァァ!!
にこことり「うわぁぁ!!!」ドサッ
テンテンテン………
340 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:19:05.24 ID:1F2wX8AOO
西垣「俺を甘く見過ぎたな」トッ
にこ「……はっ!花持たせてやったのよ」
花陽(あの人はにこちゃんだけじゃない、にこちゃんの左右、後ろ、全ての可能性を考えてた……)
西垣「努!」ドッ!
花陽(どこにでもいる選手じゃない…)
努「いくぜぇ!!」トッ
雪穂「!」バッ
亜里沙「止める!」バッ
雪穂(私が先に突っ込めば亜里沙がサポートしやすいはず…!)
亜里沙(私が先に行けば……!)
341 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:20:11.43 ID:1F2wX8AOO
ドガァ!
雪穂亜里沙「うわぁ!」ドサッ
角間「またもや衝突…!!大丈夫かぁ!?」
花陽(自分のことに精一杯で周りが見えてない……!)
勝「いくぞ!!」バッ
友「もちろん!」バッ
努「任せろ!」バッ
にこ「穂乃果、来るわよ!!」
穂乃果「……!」グッ……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「木戸川の戦略は……ざっくり言うとUTXと同じよ」
穂乃果「UTX?」
花陽「主力、点取り屋を3人置いて後のメンバーは守備に重点を置くことです」
海未「つまり、UTX並みの必殺技を持っている…と」
にこ「その通りよ」
絵里「で、その必殺技っていうのは?」
花陽「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
342 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:21:06.22 ID:1F2wX8AOO
勝「てゃあ!」ドキュッ!
努「友!」ドキュ!
友「ふんんん!!」ググッ!
勝「んぐぐ……!!」ググッ!
友「はぁ!!」グンッ!
ドキュッ!!!
ゴォォォォォオ!!!!!!
クルクルクル
スタッ
武方三兄弟【トライアングルZ!!】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽「ズバリ、【トライアングルZ】です」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
343 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:21:52.29 ID:1F2wX8AOO
穂乃果(この技……たしかにUTXと同レベルの迫力……!!)グッ
ゴォォォォォオ!!!!
パチッ……パチッ……
穂乃果(……さっきよりもう少しパズルを大きく……)
ググググッ
ギチッ
穂乃果(…!枠の大きさは決まってるから無理やり大きくしちゃうと……)
344 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:23:01.34 ID:1F2wX8AOO
穂乃果【マジン・ザ・バンド!!】
ドシュルルルルル!!!!
勝「いけぇ!!」
穂乃果「…っ…ぐぐ…!!」ズズッ
友努「はぁぁ!!」
穂乃果「…っ…!?」ブワッ!
バチィッ…!
勝「よっしゃぁ!!」
ガァン!
努「げっ……」
角間「高坂吹き飛ばされながらもなんとかシュートを弾いたぁ!!」
角間「ボールはゴールポストに直撃、誰がボールを死守するんだぁ!?」
花陽「ナイスセーブ!」
海未「よく止めましたね、穂乃果」
穂乃果「えっへへへ……」ムクッ
ピクピクッ…!
穂乃果(っ……さっきよりも負荷が…!)
ポーン…!
345 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:23:53.01 ID:1F2wX8AOO
亜里沙友「はぁ!」バッ
ガッ…!!
亜里沙「きゃぁ…!」ドサッ
テンテン……
勝「ナイス友!」
にこ(まずい……)
にこ「また来るわよ!ディフェンス固めて!!」
雪穂「はい!」ザッ
亜里沙「……はい!」ムクッ
勝「そんなザルなディフェンダーに止められるわけないっしょ!」ヤレヤレ
雪穂(……無視無視)
雪穂(この状況、花陽さんならきっとベストな判断を出せる……)
亜里沙(でも……)
雪穂亜里沙(私(亜里沙)にはもう何が正解なのかわからない……)ザッ……
花陽(二人の足が止まってる……!!)
海未「ヒデコ、ミカ!二人のカバーを……」
海未「!」
346 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:24:57.79 ID:1F2wX8AOO
「亜里沙は緑のモヒカン、雪穂はピンクの73をマーク!!」
亜里沙雪穂「!」
ヒデコ「こいつはわたしらに任せて!」
亜里沙雪穂「は、はい!」ダッ!
努友「……っち…!」ジリッ
海未(……私が指示を出す前に……)
勝「……なかなかやるじゃん?」
ヒデコ「あんたらのうち一人でも止めればあの大技は出せないでしょ?」
勝「でもお前みたいな素人に俺を止められるわけない、みたいなぁ!!」ダッ
ヒデコ「止めるのは私じゃないよ」
ヒデコ「ミカ!」バッ
勝「なに…!?」
ミカ「うん!」ダンッ!!
キランッ!
347 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:25:57.69 ID:1F2wX8AOO
ミカ【シューティングスター!!】
ドゴォォォォッ!!!!
勝「ぐわぁぁぁ!!」ドサッ
角間「DF二人の新必殺技でなんとかピンチをしのいだぁ!!」
角間「しかしまだゴールは目の前、油断はできない!!」
ことり「すごい二人とも!!」
穂乃果「ヒデコー!ミカー!ナイスブロックゥゥ!!!」
ヒデコ「頑張るって言ったでしょ!」
ミカ「ふふん…!」ブイッ
雪穂「ヒデコ先輩、ミカ先輩……ありがとうございます!」
亜里沙「ありがとうございます!」
ヒデコ「二人とも焦りすぎなんだよ、ほら、ミカとボール回してるから少し深呼吸しな」ドッ
ミカ トッ
348 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:26:44.64 ID:1F2wX8AOO
雪穂 スゥ……ハァ……
雪穂(……たしかにあの大技にはびっくりしたけど、誰かを止めれば打てないなんて簡単にわかるはずなのに……)
亜里沙(どうして気がつかなかったんだろう……)スゥ……ハァ……
雪穂(前半亜里沙と衝突したのもそう、周りが見えてれば衝突なんて回避できたはずなのに……)スゥ……ハァ……
亜里沙(花陽さんの分も……って、気負い過ぎてたのかな……)スゥ……ハァ……
雪穂亜里沙「………」
雪穂亜里沙 スッ
349 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:27:25.32 ID:1F2wX8AOO
ヒデコ「……ふふ、落ち着いたかな」ドッ
ミカ「助っ人同士、プレッシャーの重さはよくわかるからね」
ヒデコ「正直まだ足震えてるもん」
ミカ「私も」ドッ
ヒデコ「でもやっぱり……」トッ
雪穂「ください!」タッタッタッ
ヒデコ「後輩の前ではカッコよくいたいものなんだよ!」ドッ!
雪穂「ほっ!」トッ
花陽(……がんばれ、雪穂ちゃん)
350 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:28:20.57 ID:1F2wX8AOO
友「多少動きが良くなったぐらいで調子に乗らないことですね!」ザッ
雪穂「………狩の基本って知ってますか?」
友「…は?」
雪穂「決して自分は見つからないこと」フッ
友「き、消えた……!?」
サァァァァァァァ…………
雪穂「木々のざわめきに足音を隠し」ザザッ
友「ど、どこに……!」キョロッ
雪穂「過ぎ行く風に匂いを隠し」
友(声はするのに姿が見えない……)
雪穂「決して獲物に見つかってはならない」
雪穂【ハンターズハイド】
351 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:29:16.79 ID:1F2wX8AOO
タッタッタッ
角間「い、一体何が起こったんだぁ!?」武方友、棒立ちのまま抜かれてしまったぁ!!」
角間「気配を消し、ディフェンダーの目を欺く新必殺技だぁ!!」
勝「なにやってんだよ!!」
友「……消えたんです……」
勝「はぁ!?」
友「……声はするのに……」
勝「…っち…!行くぞ!」ダッ
友「……」タッタッタッ
にこ「……今はあの子らの好きなようにさせるのが一番良さそうね」
希「人が成長する瞬間ってなんでこんなにワクワクするんかなぁ」
にこ「そうね」
希「……いいなぁ」
にこ「?」
352 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:30:00.77 ID:1F2wX8AOO
雪穂 タッタッタッ チラッ
亜里沙 コクッ
雪穂「亜里沙!」ドッ!
亜里沙「うん!」トッ
亜里沙「………」
キッ!
バチィ!
絵里「!」
絵里(……了解)ダッ!
真姫「……?」ダッ
353 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:30:54.74 ID:1F2wX8AOO
亜里沙(……助っ人として、チームの一員として……)
亜里沙(今、最高のボールを出してみせる……!!)ザッ!
絵里 タッタッタッ
亜里沙「………そこっ!!」ブワァァ……!
パキパキパキパキパキ
354 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:31:48.16 ID:1F2wX8AOO
亜里沙【氷の矢!!】
ドキュゥゥゥ!!!!!
角間「こ、これはぁ!?針の穴を通すかのようなロングシュート!!」
角間「一直線に絢瀬の元へ向かって行く!!」
海未「…亜里沙まで新必殺技を…!」
にこ「やるじゃない」
絵里「…っ…はぁ!!」トッ
絵里(あ、やばっ……!)ポーン…!
角間「おおっとトラップミスかぁ!?ポールは高くバウンドしながら木戸川ゴールへ転がって行きます!!」
軟山「……!」グッ
絵里(まずい……!一度トラップして…)
真姫「絵里!そのままダイレクトで行くわよ!!」タッタッタッ
絵里「え、真姫!?」
真姫「はやく!!」
絵里「あぁーもう!わかったわよ!!」ダッ!
355 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:32:27.17 ID:1F2wX8AOO
絵里 ゴォォォォォオ!!!
真姫 ゴォォォォォオ!!!
フワッ………
ドキュゥゥッッッ!!!
絵里真姫「いっけぇぇぇ!!!」
ゴォォォォォォォォオ!!!!!!!
356 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:33:15.91 ID:1F2wX8AOO
角間「こ、これは!?前回の試合で見せた新必殺技です!!」
角間「今回は迷いなくゴールへ向かっていきます!!」
にこ「いけ!!」
希「決まって!!」
軟山【タフネス……】
ゴォォォォォォォオ!!!!!!
軟山「ぅ……うわぁぁ!!!」バッ
ドシュルルルルル………!!!!!
角間「決まったぁぁぁ!!先取点は音の木坂です!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
勝「そんな…….ありえないっしょ……」
友「僕たちが……先制?」
努「……このまま終われるかよ……!」
357 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:34:04.91 ID:1F2wX8AOO
凛「やったぁ!!一点リードだよ、かよちん!!」
花陽「うん、やったぁ!!」
凛「このままいけば……」
花陽「みんな……頑張って……!」ギュッ!
雪穂(……二人とも……)
亜里沙「雪穂、どうしたの?」
雪穂「……!な、なんでもないよ!」
358 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:35:18.66 ID:1F2wX8AOO
希「えりちさっすがぁ〜!!」
絵里「……どうして成功したのかしら……」
希「本人がわかってないんかーい……」
真姫「………」クルクル
にこ「真姫も良くやったわ!!」ガバッ
真姫「ヴェェ!!抱きつかないで!!」クルクルクルクル
穂乃果「あの髪の毛くるくるって嬉しさに比例するんだね……」
海未「犬みたいですね」
ことり「海未ちゃん……」
ヒデコ「やったね、二人とも!」
雪穂亜里沙「ありがとうございます!」
穂乃果「穂乃果は鼻が高いよ!」
雪穂「お姉ちゃんは関係ないけどね」
穂乃果「……雪穂がイジワルする……」
絵里「ごめんなさい亜里沙……せっかくのパスをキャッチミスしちゃって……」
亜里沙「ううん、大丈夫!」
亜里沙「次はもっといいパス出して見せるから!」ニコッ
絵里「あぁぁぁもううちの妹ハラショォォォ!!」ナデナデナデ
にこ「戻ってきなさい」
穂乃果「よし、後半残りもこの調子で行くぞー!!」
みんな「おー!」
359 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:36:31.14 ID:1F2wX8AOO
海未「そういえば穂乃果」
穂乃果「ん?」クルッ
海未「……ナイスセーブ」スッ
穂乃果「…!」
穂乃果「………」
穂乃果「…まあね」スッ、
コツン……!
360 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:37:58.76 ID:1F2wX8AOO
雪穂「あ、ヒデコ先輩!」
ヒデコ「どうしたの?」
ミカ「?」
雪穂「私たちから見て先輩たちはいつだってかっこいいですよ!」
ヒデコミカ「……」
亜里沙「左に同じです!」
雪穂「逆かな」
亜里沙「逆?」
雪穂「まあいいや、それじゃあ!」タッタッタッ
亜里沙「待って雪穂〜!」タッタッタッ
ヒデコミカ「………」
ヒデコ「………もしかして聞かれてたのかなあの時」
ミカ「……だね」
ヒデコミカ「……………………」
ヒデコミカ「ハッズイ……」
タッタッタッ
ヒデコ「……あれ?雪穂たちが戻ってきた」
雪穂「あの!やりたいことがあるんですけどいいですか!?」
亜里沙「ですか!」
ヒミ「?」
361 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:38:35.73 ID:1F2wX8AOO
角間「さあ後半まだ時間は残っております!」
角間「木戸川清修が同点ゴールを決めるか、音の木坂が追加点を決めるか、ひと時も目が離せません!!」
362 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:39:52.50 ID:1F2wX8AOO
木戸川0-1音の木坂
ピーーーーーーー
ドッ
勝「こんな新参校に負けなんて……」トッ
友「僕たちのプライドが許しません!!」
努「俺たちのトライアングルZは無敵だ!!」
にこ(一度止めてるんだから無敵じゃないけどね)
ことり「このまま逃げ切らせてもらいます!」ザッ
勝「俺たち三兄弟の連携を見せてやる!」ドッ
ドッ、クルッ 、ザザッ!
ことり「さ、3人が入り乱れて何が何だか……」
海未「はぁぁ!!」ズザザッ
努「ふんっ!」ドッ
363 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:40:52.56 ID:1F2wX8AOO
ククッ、トッ、クルッ
にこ「こいつら……さっきまでと動きが違う……!」
希「さっきまでは個人技中心だったのに急に連携重視……!」
花陽「……この急激な変化に対応しきれなければ、一気にピンチになる……」
勝「西垣!」ドッ
西垣「おう!」
角間「一度西垣へとボールを戻したぁ!」
にこ「……また会ったわね」
西垣「悪いが相手をする気は……無いんでね!!」ドッ
にこ「なっ……!」
海未「しまった!!」
角間「これは西垣見事なパスだぁ!!敵の意表を突き前線の武方勝へと一直線にボールが向かう!!」
勝「ドンピシャァ……!みたいなぁ!!」トッ
努「いくぜぇ!」
友「覚悟してください!」
にこ「ディフェンスの隙間を……!」
ヒデコミカ雪穂亜里沙「………」
364 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:42:17.59 ID:1F2wX8AOO
ニヤッ
勝「よっしゃー!!【トライアングル……】」
ピピーーーーーー!!
勝「なっ……?」
審判「オフサイド」バサァ!
三兄弟「はぁ!?」
角間「少し攻め急いだか武方三兄弟!!」
勝(いや……この感じは……)
友「やられましたね」
凛「おふさいどとらっぷ?」
花陽「うん、パスの直前、ディフェンスラインを少しあげることによってオフサイドを誘う高等テクニック」
花陽「一歩間違えると相手のチャンスに変わるし、何よりタイミングが難しいの」
凛「へ〜、なんだかすごいにゃー!」
花陽(わからなかったんだね、凛ちゃん……)
365 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:43:02.00 ID:1F2wX8AOO
真姫「いつの間にそんな作戦………」
絵里「前半の堅さは完全に取れたみたいね」
ヒデコ「ナイスタイミングだったね、雪穂」
雪穂「接客業のお手伝いで、花陽さんほどじゃ無いけど人間観察はしてきましたから」
雪穂「成功してよかったです!」
亜里沙「雪穂、ハラショー!」
雪穂「ふふ、ありがとう亜里沙」
角間「音の木坂ボールで試合再開です!」
366 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:44:22.73 ID:1F2wX8AOO
観客席
ツバサ「はやく!試合終わっちゃうわ!」
エレナ「まあそう焦るな、まだ試合時間は残ってる」
ツバサ「でももうほとんど残って無いじゃない!」
あんじゅ「それはツバサが外の屋台でたこ焼きとかアイスとかいっぱい食べてたからじゃない」
ツバサ「そんなことないわ!」(両手にたこ焼き、コーンのアイス、焼きそば)
エレナ「浮かれすぎだろう」
ツバサ「だ、だって前の監督の時は…お祭りとか全然行けなかったから……」
エレナ「……ふぅ…で、試合はどうなんだ?」
ツバサ「そ、そうよ!ええっと……」バッ!
ツバサ「………」
あんじゅ「……ツバサ?」
エレナ「…まさか、負けているのか?」
ツバサ「……1-……0」
ツバサ「勝ってるぅぅ……」ふにやゃぁ…
367 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:46:03.12 ID:1F2wX8AOO
エレナ「ふふ、よかったなツバサ」
ツバサ「もちろんよ、絶対リベンジするんだから!」
あんじゅ「試合時間もそこまで残ってないしこれで決まりかしら?」
エレナ「……いや、こういう時こそ最後の一発が怖いんだ」
ツバサ「全く……穂乃果さんたちがそんなのにやられるわけないじゃない」
エレナ「もちろん私もそう信じてるよ……おや?」
あんじゅ「どうしたの?」
エレナ「小泉花陽と星空凛がいないな……」
ツバサ「ほんとね、どうしたのかしら……」
エレナ「……」
368 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:46:57.95 ID:1F2wX8AOO
勝「今度こそ!」ダッ!
雪穂「止めます!」
亜里沙「ます!」
勝「……来たなザルディフェンダーが…!!」
雪穂(2対1……)
亜里沙(他に味方はなし……)
雪穂亜里沙(花陽さんなら……)
勝「おらぁ!」ダッ!
雪穂亜里沙「……いや」グッ……
369 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:48:01.52 ID:1F2wX8AOO
雪穂亜里沙「亜里沙(雪穂)なら!!」バッ!
勝「なっ…!」
雪穂「はぁあ!!」ズザザッ
勝(スライディング……こんなの跳べば)バッ!
ドッ! ビキビキビキ
勝「……!?しまっ……」
カキーン
シャー……!
雪穂【アイスグランド!】トッ
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「前半噛み合わなかったディフェンスがようやく形になって来ました!」
穂乃果「よーし!このまま押し切るよ!」
みんな「おー!」
370 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:48:43.51 ID:1F2wX8AOO
角間「……さあ、残り時間も少なくなってまいりました……」
角間「一点の重みが増す中、選手たちはどのようなプレイを見せてくれるのでしょうか!」
勝「……もう時間もない……覚悟を決めるしかないみたいだな……」
友「全力の攻撃……絶対とりますよ!」
努「このまま試合終了なんてさせねぇ!!」トッ
海未(……この攻撃が最後の攻撃)
海未「気を抜かないように!!」
ディフェンス陣「はい!!」
勝「おらおらおらぁ!!!」ダッ!
雪穂「止める……!!」ザッ
371 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:49:50.81 ID:1F2wX8AOO
雪穂【ハンターズネット!!】
ブワァァァァァァ!!!
勝「うわぁ!!」ドサッ
雪穂「よし…!」
テンテン……
友「次は僕の番です!」トッ
亜里沙「行かせません!」ザッ
友「…っ!」
亜里沙「はぁ!」ガガッ!
友「ふっ!」ザザザッ
ガッ ザザッ トトッ ザッ
雪穂「亜里沙!」ダッ
友(…!来ましたね…!!)
凛「……!」ピクッ
花陽「ダメ雪穂ちゃん!!」
友(二人をこれだけ引き付ければ……)チラッ
勝努 コクッ
友「……これが僕たちの、全力の攻撃です!!」ドッ!
雪穂亜里沙「…しまった……!」
穂乃果「っ……!!」グッ
エレナ(……小泉花陽と星空凛がいれば今の隙は生まれなかっただろう……)
エレナ(彼女たちの穴は大きすぎる……)
372 :
◆B.QC/MQ7Kc
:2019/04/14(日) 03:50:47.93 ID:1F2wX8AOO
勝「おりゃぁ!!」ドッ!
努「……っらぁぁ!!」ドッ
友「これが僕たちの……!!」グンッ!
ドキュゥッ!!!
ゴォォォォォォォォオ!!!!!
クルクルクルッ
スタッ
武方三兄弟【トライアングルゼェェット!!!】
373 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:51:34.69 ID:1F2wX8AOO
ゴォォォォォォォォオ!!!!
ツバサ「……この技……」
エレナ「……私たちのトライペガサスと同等……いや、それ以上だな」
あんじゅ「最後の攻撃ほど怖いものはない、まさにその通りね」
ツバサ「穂乃果さん……」
にこ「こいつら……どこにこんなパワーを…!!」
希「最後の最後に…」
海未「穂乃果!!」
374 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:55:36.82 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「………」スゥ………
穂乃果「………」ハァ………
穂乃果(……怖いけど……)
穂乃果(みんなと決勝に行くため……)
穂乃果(UTXと戦うため……)
ゴォォォォォォォォオ!!!!
穂乃果「やれることは全部やるんだ!!」バッ
パチッ………パチッ……
穂乃果(……みんな今日までずっと頑張ってきた……)
ギチッ…!
穂乃果(みんなを決勝に連れてってあげるんだ……!!)
ギチチッ……!
穂乃果「穂乃果は……リーダーだから!!」グググッ!!
375 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:56:23.14 ID:1F2wX8AOO
ピシィ……!
花陽「………」
凛「…?どうしたのかよちん?」
花陽「わからない……わからないけど……」
花陽「……嫌な感じ」
376 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:57:11.40 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「ぅ……あぁ……!!」グググッ
穂乃果(結構きつい……けどこれで)グググッ
穂乃果「戦える!!」バッ
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】
ドギュルルルルルル!!!!
武方三兄弟「いけぇぇぇ!!!」
みんな「とまれぇぇーー!!!!」
穂乃果「はぁぁ!!」グググッ
ズズズッ!
穂乃果(押し……こまれる……!)
武方三兄弟「らぁぁぁ!!!」
ギュルルルルル……!!!
穂乃果「……っ…!ああああぁぁ!!!」グッ!
377 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:58:06.54 ID:1F2wX8AOO
ッシュゥゥゥゥ………!
穂乃果「………」
みんな「………」
角間「………」
シーーーン…………
角間「………?」
角間「……っ」ハッ
角間「止めたぁぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!!
角間「武方三兄弟の渾身のシュートを見事、完全に受け止めましたぁ!!」
勝「……冗談っしょ……」
ピッピッピーーーーー!!
角間「ここで試合終了のホイッスル!!決勝へ進出したのは音の木坂だぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
378 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 03:59:38.24 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「はぁ…はぁ……」
穂乃果「あっはは……膝が笑ってる……」ガクガク
穂乃果(……少し亀裂が入っただけでこのダメージ……)
穂乃果(完全に壊れるとどうなるんだろう……)チラッ……
穂乃果「……ありがとう、穂乃果のマジンさん」ニコッ
マジン「………」
ドロッ
穂乃果「……え」
379 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 04:00:50.76 ID:1F2wX8AOO
海未「穂乃果ぁぁ!!」ガバッ
穂乃果「うぶっ……!」
ことり「穂乃果ちゃん!」ガバッ
穂乃果「か、体がぁぁ!!」ミシミシィ…!
希「いやー何だかんだ勝ったね〜」
真姫「…当然よ」クルクル
希「もー素直じゃないな〜真姫ちゃんは〜」ワシワシ
真姫「当たり前のようにワシらないで!!」
絵里「今日は助っ人メンバーがMVPね」
穂乃果「そうだよ!すっごい良かった!!」
380 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 04:01:42.57 ID:1F2wX8AOO
雪穂「そ、そんな……前半迷惑かけちゃったし……」
亜里沙「ありがとうございます!」
ヒデコ「うん、すごく良かった!」
穂乃果「ヒデコとミカもだよ!」
ヒデコ「え?……わぷっ!」ガバッ
穂乃果「日頃からサポートしてくれたり……」
穂乃果「ヒデコたちが助っ人で本当に良かった…!!」
ヒデコ「……も〜、なにそれ?まだ決勝残ってるんだよ?」
穂乃果「わかってるよ!でもとにかく伝えたかったの!」
ヒデコ「はいはい、ありがとう」ヤレヤレ
穂乃果「ひどい…!!」ゴーン
海未「それではみなさん、戻りましょうか」
みんな「はーい!」
381 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 04:02:59.48 ID:1F2wX8AOO
人気のない場所
ヒフミ「……っふー……」ドサッ
フミコ「いやー勝てて良かったね〜」
ヒデコ「最後は少しひやっとしたけどさすが穂乃果だよね〜」
ミカ「わかる〜」
ヒデコ「今日穂乃果にお礼言われたんだ、私たちが助っ人でよかったって」
フミコ「あーそれ私も言われたよ、試合出てなかったのに」
ミカ「普段から支えてくれてありがとうって……ね?」
ヒデコ「穂乃果たちといるだけで毎日刺激的なんだから、こっちこそありがとうだよね」
フミコミカ「ねー」
ヒデコ「あぁ……今になってて震えて来た」フルフル
ミカ「うわ、めちゃくちゃプルプルしてる!」あはは!
フミコ「遅すぎでしょ」
ヒデコ「………」
フミコ「ヒデコ?」
382 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 04:03:53.64 ID:1F2wX8AOO
ヒデコ「……今日、さ……試合出るってわかってたけどすごい緊張しててさ」
フミコ「………」
ヒデコ「もし私のミスで負けたらどうしよう……とか、足引っ張っちゃったらどうしよう……とか」
ヒデコ「嫌な想像ばっかり浮かんでてさ……」
ミカ「……」
ヒデコ「でもいざ試合となったら普段試合に出てる後輩の方が空回ってるんだもん」
ヒデコ「それに気づいてからは緊張なんかより何とかしなきゃって気持ちの方が強くなって……」
ヒデコ「試合が終わってみれば」
ヒデコ「後輩からかっこいいって言われて、みんなからもお礼を言われて……」
ヒデコ「私は……物語の脇役、なのに……」
383 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 04:05:06.25 ID:1F2wX8AOO
ポタポタ………
ヒデコ「こんなに幸せでいいのかなぁ……」ポロポロ
ミカ「……うん…いいんだよ、それで」
ヒデコ「ぅ……っ!ズズッ……」ポロポロ
ヒデコ「すっごい……幸せなんだぁ……」ポロポロ
フミコ「友達なんだから助けて当然って思ってたけど、やっぱり……感謝されると嬉しいもんね」ナデナデ
ヒデコ「…っ……わた、し…!」ポロポロ
ヒデコ「っ………」
ヒデコ「このチームの助っ人でよかったぁ!」
384 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:25:38.86 ID:1F2wX8AOO
にこ「ちょっとお手洗い行ってくるわ」
希「更衣室で待ってるな〜」
にこ「ええ」
凛「アイドルはトイレしないんじゃなかったの?」
にこ「……お化粧直しよ」
凛「でもにこちゃんいつもお化粧してないにゃ〜」
にこ「うぐっ……!」
希「やめとき凛ちゃん、アイドルにも色々あるんよ……」
凛「アイドルの闇は深いにゃ〜」
バシッ!
凛「いにゃ……!?」
希「凛ちゃんが逃げられへんのをいいことに……」
にこ「すぐ戻るわ」スタスタ
385 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:26:40.85 ID:1F2wX8AOO
にこ「えーっと……あ、ここね」スタスタ
にこ「混んでなくて助かったわ……」
「………ちょっといいか?」
にこ「…なによ、今取り込み中……」クルッ
にこ「!」
にこ「……あんた」
西垣「……さっきの試合、俺たちの負けだ」
西垣「約束通り、あの技はお前のものだ」
にこ「……」
にこ「たしかに、私たちが試合に勝ったけど……」
にこ「私はあんたに一度も勝ってない」
西垣「!」
にこ「一勝一敗って事で保留にしといてあげるわ」
西垣「お前……」
にこ「ありがたく思いなさいよ」
西垣「………」
386 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:28:29.34 ID:1F2wX8AOO
西垣「それだと俺の勝ちでよくないか?」
にこ「はぁ!?あんたそういうこと言うの!?」
西垣「だって個人では勝ってるわけだし……」
にこ「あんたがルール決めたんでしょうが!!」
西墻「そうだけど……」
にこ「そうなのよ!!」
西墻「……まあいいか、今日のところは引き分けだ」
にこ「……ええ」
西墻「決勝、頑張れよ」
にこ「任せなさい」
西墻「それじゃあ」スタスタ
にこ「………」
西墻「……やっぱり俺の勝ちで……」クルッ
にこ「早よ行け!!」
387 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:30:13.85 ID:1F2wX8AOO
、
更衣室外
監督「おーい!邪魔にならないように早く行くぞー!」
更衣室
ヒフミ「はーい!」
真姫「ちょっとにこちゃん!私のシーブリーズ勝手に使ったでしょ…!!」
にこ「なによそれぐらいケチくさいわねー、減るもんじゃあるまいし」
真姫「がっつり減ってるから言ってるのよ!!」
希「あ、あれ?胸がきつい……」ググッ
海未「それは私のです!返しなさい!!」バッ
希「ご、ごめん……」
海未「どうせ私は……胸も何もない人間ですよ……」シクシク
希「そこまで卑屈にならなくても……」
絵里「亜里沙、私のマトリョーシカ知らない?」
亜里沙「知らなーい」
388 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:32:40.10 ID:1F2wX8AOO
ことり「ほ、穂乃果ちゃん大丈夫?」
穂乃果「ひ、疲労感が…………」ダルー……
雪穂「まぁ……今日は頑張ったからね、手伝ってあげるよ」
穂乃果「ゆぅぅぎぃほおぉ!!!」ダー…!
雪穂「鼻水汚い」
花陽「あれ…ねえ凛ちゃん、あれって……」
凛「どれ?……あーー!!」
穂乃果「どうしたの凛ちゃん?」
凛「あれ!」
穂乃果「あれ?」
凛「あれ!」
穂乃果「あれれ?」
凛「あ……んふふ………ふざけないで!」
穂乃果「ごめんごめん……って……」
穂乃果「えええええ!?」
「!」クルッ
タッタッタッ
389 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:33:53.07 ID:1F2wX8AOO
ツバサ「久しぶりね」
穂乃果「どうしてここに……」
ツバサ「あなたたちの試合を見に来たに決まってるじゃない」
穂乃果「………やっと……ここまで来れました」
ツバサ「あとで少し、向こうで話せないかしら」
穂乃果「は、はい!今すぐにでも……!!」バッ
ツバサ「……その格好で出るつもり?」
穂乃果「え?……あっ……////」
海未「穂乃果!!なんという格好でそんなところにいるんですか!早く中に戻りなさい!!」
穂乃果「ご、ごめんなさ〜い!!」
穂乃果「それじゃああとで…!」
ツバサ「ええ」フリフリ
390 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:36:38.54 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「えーっと……」キョロキョロ
ツバサ「こっちよ」フリフリ
穂乃果「す、すいません待たせちゃって……」
ツバサ「いいのよ、こっちが急に言い出したんだから」
ツバサ「とりあえず……」スッ
ツバサ「試合お疲れ様、これは私からのプレゼントよ」コトッ
穂乃果「コ、ココア……すみませんまたお奢ってもらって」
ツバサ「ふふ、謝ってばかりね、穂乃果さんは」
穂乃果「あはは……たしかに……?」
穂乃果「穂乃果……さん?」
ツバサ「………?」
ツバサ「………」
ツバサ「……」
ツバサ「…」
ツバサ ハッ
391 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:37:21.76 ID:1F2wX8AOO
ツバサ(あああああああやっちゃったぁぁ!!!!!)
ツバサ(いつもエレナたちの前では穂乃果さんって呼んでたからつい癖で……!!癖で…!!)
ツバサ(絶対気持ち悪い先輩と思われた……うわなにこの人急に下の名前で呼んでんのこわっって思われたぁぁ!!)
穂乃果「………」
392 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:41:38.87 ID:1F2wX8AOO
ツバサ(その沈黙をやめて!!)
ツバサ(あなたはいつも明るいみんなの太陽高坂穂乃果さんでしょ!?どうしてそんなに静かなのよぉぉ!!)
穂乃果「あの………ツバサ……さん?」
ツバサ(ほらーもう私の名前呼ばれてるーーー!!!)
穂乃果「あのー……ツバサさん?」
ツバサ(ほらもう穂乃果さんが呼んでるじゃない私の名前を!!………?)
ツバサ(……私の……名前?)
ツバサ「……え」
穂乃果「やっと反応してくれた」
ツバサ「あ、その……ごめんなさい、急に名前で呼んだりして」
ツバサ「嫌だったら別に……」
穂乃果「う、嬉しかったです!!」
ツバサ「へ?」
穂乃果「なんだか……少し距離が近くなった気がして……」
穂乃果「私もツバサさんって呼んでいいですか?」
ツバサ「…ええ……もちろんよ」
393 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:43:57.72 ID:1F2wX8AOO
ツバサ(えんだぁぁぁぁぁ!!!!)
ツバサ(穂乃果さんと名前で呼びあうことに予想外のタイミングで成功したわ!!)
穂乃果「やったぁ!!嬉しいですツバサさん!」ニコッ
ツバサ(はいはいハラショーハラショー、ベリーハラショーよ、もうなにも思うことはないわ)
ツバサ「…それで話は変わるんだけど……」
ツバサ「小泉さんと星空さんは怪我をしていたの?」
穂乃果「……はい」
穂乃果「でも決勝には出られるので大丈夫です!」
ツバサ「よかった、リベンジするのにメンバーが欠けてたんじゃどうしようもないものね」
穂乃果「リベンジだなんてそんな……」
ツバサ「少なくとも、私たちはそのつもりでここまでやって来たわ」
穂乃果「……」
穂乃果「…試合のスコア、見ました」
ツバサ「試合?」
ツバサ(ああ、私たちのか)
穂乃果「どうやって……あれほど急激に強くなったんですか?」
ツバサ「…………」
394 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:44:59.71 ID:1F2wX8AOO
ニコッ
ツバサ「すごく優秀な監督が来てくれたのよ」
穂乃果「監督?」
ツバサ「ええ、その人は……」
「あ、いた……おーい!ツバサさーん!」
ツバサ「……噂をすればね」
穂乃果(あれ?この声……)
お姉さん「こんなところにいたんだ、エレナさんたちが探してたよ」
ツバサ「えぇ〜……」
穂乃果(どこかで聞いたような………?)
お姉さん「ほら、早く行って来なよ」
ツバサ「……わかりました」スッ
ツバサ「ごめんなさいね穂乃果さん、決勝、楽しみにしてるわ」
穂乃果「は、はい!こちらこそよろしくお願いします!綺羅さん!」
ツバサ「………」
穂乃果「……?」
穂乃果 ハッ
穂乃果「ツバサさん!!」ブンブン
ツバサ「ええ、また来週」フリフリ
ツバサ(ここで流したら次からまた綺羅さんに戻る上に気まずさから二度とツバサさんと呼ばれることはない…)
ツバサ(危なかった………)
395 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:47:11.74 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「………」
お姉さん「ごめんね、話の途中だったのに」
穂乃果「いえ、あの……」
お姉さん「なに?」
穂乃果「どこかで会ったことありましたっけ?」
お姉さん「……」
お姉さん「……ふふ」ニコッ
穂乃果「!」
お姉さん「タイヤのトレーニングは順調?」
穂乃果「タイヤ……?」
穂乃果「………!」ハッ
396 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:48:25.07 ID:1F2wX8AOO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「ん〜…どうすればキーパーの実践的な練習ができるんだろう…」テクテク
???「鉄塔広場のタイヤを使ってみて」ボソッ
穂乃果「へ!?」クルッ
穂乃果「……だれもいない……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「あの時の!!」
お姉さん「やっと思い出してくれたかな」ニコッ
穂乃果「お姉さんのおかげで強くなれました!次の試合、よろしくおねがいします!」ペコッ
お姉さん「まって、これあげる」スッ
穂乃果「これ……チョコ?」
穂乃果(なにか見覚えがあるような……)
お姉さん「食べてみて」
穂乃果「い、いただきます……?」パクッ
お姉さん「あんこ入りだけど」ニヤッ
穂乃果「…!」ムグッ
穂乃果「あんこあきたぁぁ!!」ブンブン
穂乃果「……!」ハッ
穂乃果「……あ、あれ?」キョロキョロ
穂乃果「……どっか行っちゃった……」
397 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:49:40.11 ID:1F2wX8AOO
夜の公園
真姫 ブワァァァァ!!
絵里 ブワァァァァ!!
ドキュッ!!
シュルルルルルル……!
テンテンテン……
真姫絵里「………??」
真姫絵里(……わからない)
398 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:51:09.31 ID:1F2wX8AOO
夜の公園
真姫 ブワァァァァ!!
絵里 ブワァァァァ!!
ドキュッ!!
シュルルルルルル……!
テンテンテン……
真姫絵里「………??」
真姫絵里(……わからない)
399 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 16:52:11.98 ID:1F2wX8AOO
凛宅
凛「………」
凛「……」ピッ
『さぁ始まりましたーーーー世界大会!世界一の称号は一体誰が手に入れるのでしょうか!!』
『ワァァァァァァァァァァ!!!』
凛「………」ジーーーーー
凛「……こう……いや、こんな感じ……?」ブツブツ
400 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:10:08.86 ID:1F2wX8AOO
[7、繋がり]
試合まで後6日
海未「穂乃果、起きてください、練習行きますよ」
穂乃果「やったぁぁテスト100点〜」ムニャムニャ
海未「それは間違いなく夢ですから早く起きてください」
穂乃果「うぅ〜……海未ちゃんがいじめる……」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん、今日のテストは何点だったの?」
穂乃果「………100点…」
ことり「え!?すごい……!!」
穂乃果「……中の22点……」
ことり「あぁ……」ガクッ
海未「早く支度してください」
穂乃果「はぁ〜〜い……」ノソノソ
401 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:11:34.13 ID:1F2wX8AOO
ピンポンパンポーン!
『校内に残っている生徒に連絡いたします』
『現在、全国大会決勝を迎えている、音の木坂学院サッカー部についてですが……』
海未「……?何か聞いてますか?」
穂乃果「いや?」
ことり「なんだろう……」
402 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:13:46.56 ID:1F2wX8AOO
『サプライズで全校生徒で応援に行くといっていた件について』
3人「……んん……!?」
『今、全員の出席意志が確認できたこと、チケットが確保できたことをここに報告……え?』
『やばいって……!まだ穂乃果たち教室にいるって……』
ことり「あちゃー……」
『えぇ!?いつもならグラウンドにいる時間じゃ……』
海未「ええ、その通りです」
『絶対穂乃果が寝ぼけてたとかだよ!今日も眠そうだったし!!』
穂乃果「正解」
『ど、どうする?』
『〜〜!!もういいや!言っちゃえヒデコ!』
『…そうだね!』
『………こほん………穂乃果』
穂乃果「……はい!」
『ごめんね、サプライズのつもりだったけど……』
『でもね穂乃果、穂乃果達はすごい、本当にすごいよ』
『メンバーも足りない、試合にも出られない、誰も見向きもしなかった……そんなサッカー部が……』
『全国のトップにまで上り詰めたんだから』
3人「……」
『もう頑張ってるのは知ってるから、頑張れなんて言わない』
『………』スゥ……
403 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:14:48.52 ID:1F2wX8AOO
『思いっきり暴れてこい!!』
3人「…っ……」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
穂乃果「わっ…!」
海未「学校中から歓声が……」
ことり「すご……」
穂乃果「…………練習行きますか!」
海未「ええ」
ことり「ふふふ」
404 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:16:23.94 ID:1F2wX8AOO
グラウンド
海未「それでは練習を始めたいと思いますが……」チラッ
凛ママ「凛と花陽ちゃんは別メニューな」
凛「えー!?」
花陽ママ「治りたてで無理しちゃうとまたすぐ怪我しちゃうからね〜」
花陽「そんなぁ〜……」
凛ママ「残りのメンバーはいつものメニューをした後、好きな練習してていいよ」
海未「わかりました」
凛ママ「よし、それじゃあ練習開始!」
みんな「おー!」
405 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:18:17.40 ID:1F2wX8AOO
ザッ ザザザッ
海未「ことり、もう少し強引でも構いません」
海未「絶対に取るんだという勢いで来てください」
ことり「で、でもぉ……」
海未「まったく……ことりは優しすぎるんですよ」ヤレヤレ
ことり「うぐっ…!」グサッ
海未「できる限りでいいです、やってみてください」
ことり「う、うん…!」
ことり「………はぁ!」ガガッ!
海未「…!いいですよ、もっとです!」
406 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:19:12.16 ID:1F2wX8AOO
絵里「真姫、希知らない?」
真姫「さあ、どうせお手洗いとかじゃないの?」
真姫「すぐ戻ってくるわよ」
絵里「……それもそうね、練習続けましょうか」
真姫「ええ、だんだんよくなって来てるし」
自動販売機前
希「………」トッ
トントントーン
希「……」トントン
希「……ほっ!」トトン!
ポーン
希 フワッ
希「………」トッ
希「………」
希「……戻ろ」
407 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:20:43.18 ID:1F2wX8AOO
穂乃果(……パズルの最後の1ピースの意味がようやくわかった)
穂乃果(けど問題はそこからだね……)ウーン
穂乃果(その最期のピース自体が一体何なのかがわかんないし)
穂乃果(ほかのピースじゃ代わりにはなれない、その歪みはそのまま穂乃果に反映される……)
穂乃果(穂乃果はいったいどこまで耐えられるのかな?)
穂乃果「………」
にこ「ちょっと!もういい?」
穂乃果「ご、ごめんにこちゃん!」アワアワ
にこ「全く、このにこにーがシュートを打ってあげるのよ!ありがたく思いなさい!」
穂乃果「うん!ありがと!」
にこ「…んぐぅ……!」
にこ(海未といい穂乃果といいなんでこんなに素直な奴が多いのよ……!)
にこ(調子狂うわね……)
穂乃果(にこちゃんなんだかんだ言ってすごく丁寧にシュートしてくれるからね〜)
にこ「いくわよ!」ザッ
穂乃果「こい!」グッ
408 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:22:37.69 ID:1F2wX8AOO
練習終わり
海未「穂乃果は今日もあそこですか?」
ことり「みたいだね〜」
ことり「お店のお手伝いって言いながら反対方向に走っていっちゃったから…」
ことり「せっかくだし飲み物でも差し入れに行かない?」
海未「いいですね、あそこのコンビニで何か買って行きましょうか」
ことり「やったー!」
海未(おや…前からガラの悪い方達が……)
海未(出来るだけ避けて……)スッ
ドンッ!
海未「!?」ドサッ
ことり「海未ちゃん……!」バッ
海未(今わざと…!!)
409 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:23:37.73 ID:1F2wX8AOO
チンピラ1「痛ってぇ〜!」
チンピラ2「うわこれ折れてんじゃね?」
チンピラ1「うわーまじ折れてる……うぉ!?」
海未(私一人なら逃げられますがことりがいるこの状況では……)
チンピラ1「なにこいつめちゃめちゃ可愛いじゃん!」スッ
海未(…!顎に手を……)
チンピラ2「うわーまじだ!!今からカラオケ行かね?」ガシッ
海未(……肩を馴れ馴れしく……)
海未(せめてことりだけでも……)
410 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:24:40.36 ID:1F2wX8AOO
「……ねぇ」
チンピラ1「なんだよ……ってうぉぉ!!連れも可愛いじゃん!」
チンピラ2「やっべーやっべー!」
ことり「………」
海未(……!?)ゾクッ
海未「…………こと、り?」
ことり「……ぶつかっちゃってごめんなさい」ペコッ
チンピラ1「いやいや、謝っても腕は治んねーし?」
チンピラ2「いいから俺ら4人で……」
411 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:25:32.66 ID:1F2wX8AOO
ことり「ごめんなさい」ニコッ
412 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:26:58.80 ID:1F2wX8AOO
チンピラ1.2「……っ…」ビクッ
海未「……」
チンピラ1「……し、白けちまったな、行こうぜ」
チンピラ2「あ、ああ……」
タッタッタッ
海未「………こと……」
ことり「怖かったよ〜海未ちゃーん!!」ガバッ
海未「ことり!?」
ことり「早く穂乃果ちゃんのとこ行こ?海未ちゃん」
海未「……そうですね」ニコッ
413 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:27:48.27 ID:1F2wX8AOO
夕方凛宅
凛ママ「りーん!ご飯だぞー!」
………………
凛ママ「りーん!」
………………
凛ママ「?」
414 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:29:32.83 ID:1F2wX8AOO
スタスタスタ
ガチャ
凛ママ「凛!さっきから読んでるの聞こえて……?」
凛「………」(イヤホン)
凛ママ「………」
グイッ ピンピンッ
凛「あっ……ちょっと!」
凛ママ「なに聴いてたんだ?」
凛「聴いてるんじゃなくて見てたの!」
凛ママ「……!それ……」
凛「かっこよくない!?」
凛ママ「………」
凛ママ「…ご飯できてるぞ」
凛「すぐ行く!」バッ
タッタッタッ
415 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:30:43.52 ID:1F2wX8AOO
、
凛ママ「………へぇ」
凛ママ(面白いところに目をつけたな、凛)
ケータイ『最後まで余裕の表情です!!!』
416 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:32:58.88 ID:1F2wX8AOO
穂乃果宅
穂乃果「ちょっと待っててー」
穂乃果ママ「あんたそれ何度目よ!ご飯冷めちゃうじゃない!」
穂乃果「今行くからぁ!!」
ケータイ『圧倒的な実力差を見せつけたUTX高校ですが……』
穂乃果(……本当に、勝てるのかな……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マジン「………」
ドロッ
穂乃果「えっ……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「……!」ブンブン
穂乃果(決勝が近いから不安になってるだけ!大丈夫!)パンパン
穂乃果(みんなに迷惑はかけられないからね)
穂乃果(リーダーらしく、みんなを引っ張っていかないと)
穂乃果「やるぞー!」オー!
雪穂「オーはいいからご・は・ん!!」バンッ!
穂乃果「……はい」
417 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:34:34.49 ID:1F2wX8AOO
試合まで後5日
凛「はぁ……はぁ……」
凛(もう少し……捻るのかな?)
凛「……もう一回!」
穂乃果「ふんんん!!!」
ズザザッ!!!
穂乃果「……はぁ……はぁ……」
穂乃果「…もう一回!」
ブンッ!
真姫 ブワァァァ!!
絵里 ブワァァァ!!
真姫絵里【ファイアブリザード!】
ドゴォォォォォォォ!!!
ォォォ………
テンテンテン……
真姫絵里「……もう一回!!」
418 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:38:11.34 ID:1F2wX8AOO
試合まで後3日
練習後帰り道正門
凛「今日も疲れたにゃ〜……」トボトボ
花陽「もう動きたくない……」とぼとぼ
絵里「……私たちより復帰組の方が疲れてるんだけど……」テクテク
凛「もうスパルタなんてもんじゃないにゃ!」
花陽「練習……練習……エヘヘ」
真姫「大丈夫よ、二人の母親がついてるんだから」テクテク
絵里「明らかに大丈夫じゃないのが約1名ね」
海未「そういえば明日から三連休ですね」テクテク
絵里「強引な話題転換嫌いじゃないわよ」
ことり「あーそういえばそうだね!………ってあれ?」
海未「……はい、普段は開いている学校も、長期休みを除いた三連休以上の場合はずっと閉まったままなんです」
穂乃果「じゃあ試合までの三日間は河川敷かな?」
海未「はい、それがいいかと」
花陽「ちょ、ちょっと待って…」ピタッ
みんな「?」ピタッ
花陽「それじゃあ……」
花陽「このメンバーが音の木坂で練習できるのって、今日が最後なんじゃ……」
みんな「……ぁ……」
419 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:39:26.19 ID:1F2wX8AOO
海未「……決勝戦が終われば実質三年生は引退になりますし、ここでは最後ということになりますね」
花陽「そんな……」
にこ「何言ってんのよ、ちょくちょく顔出すに決まってるじゃない」
希「えー?でもにこっちにそんな余裕……」
にこ「あるわよ!」
花陽「で、でも……」
穂乃果「学校で合宿だよ!!」
みんな「………は?」
穂乃果「外から入れなくなるなら中にいればいいんだよ!」
海未「……穂乃果、あなたは本当に……」ハァ
420 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:40:42.07 ID:1F2wX8AOO
絵里「……天才ね」
海未「……はい?」
海未「絵里、今なんと……?」
絵里「外から入れないなら中にいればいい……!!パンがないならお菓子を食べればいいじゃない!!」
海未「あの……絵……」
絵里「やりましょう合宿!!」
海未「絵里ぃぃぃ……」ガクッ
希「ごめんな海未ちゃん、たまにおかしくなるんよこの生徒会長」
凛「合宿だって!かよちん、真姫ちゃん!」
花陽「う、うん……!」
真姫「どうしてわざわざ合宿なんて……」クルクルクルクル
海未ことり「……!」フフ
穂乃果「もちろん嫌だったらこの話はなし!」
穂乃果「無理やり合宿してもつまんないしね!いつも通り河川敷で練習だよ」
真姫「……!」
穂乃果「それじゃあ行くよ!」
穂乃果「やりたい人!」バッ
バババババババッ!
421 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:42:02.32 ID:1F2wX8AOO
みんな「………」
真姫「………」
スッ
穂乃果「……満場一致ということで合宿決てーい!」
みんな「いえーい!」
にこ「あっれー?真姫ちゃんは反対だったんじゃなかったのー?」
凛「出た……!久しぶりの親戚のおじさんモード」
絵里「何度見てもしっくりくるわね」
花陽「あわわわ……!」ハラハラ
にこ「ほらほら、教えなさいよ〜」
真姫「……」
422 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:43:37.21 ID:1F2wX8AOO
真姫「……にこちゃんともっと一緒に居たかったから……ダメ?」
にこ「?……?ぇぇ!?/////」カァァ!
凛「あー!にこちゃん顔真っ赤だにゃー!」
希「にこっちに照れてるー!」
にこ「う、うるさい!見るな!」バッ
真姫 ドヤッ…!
穂乃果「真姫ちゃんもにこちゃんの扱い上手くなったね……」
ことり「役者だね〜」
花陽「真姫ちゃん……」
絵里「照れてるところ申し訳ないけど、にこ」
にこ「照れてない!」クルッ
絵里「合宿の申請、どうしましょう」
みんな「あ」
423 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:45:20.07 ID:1F2wX8AOO
数分後
ことり「うん、うんわかった!!ありがと!!」
ピッ
絵里「どう?」
ことり「申請は1週間前には出さないとダメだったんだけど……」
ことり「もしかしたら自分が確認ミスをしていたかもしれないからって特別に許可してもらえた!」
海未「……ふぅ、さすが理事長ですね」
絵里「ほんとにね……」ヤレヤレ
凛「確認ミスだなんておっちょこちょいだにゃ〜」
希「凛ちゃん違う」
穂乃果「それじゃあ一度家に帰ってからまたここに集合!」
みんな「おー!」
穂乃果「2日分の用意持ってきてね!」
穂乃果「最終日は自分の家でゆっくりするとして……」
穂乃果「晩御飯とお風呂は初日だし済ませてよっか!」
希「てことは今日はもう寝るだけやね♪」
穂乃果「そゆこと!」
穂乃果「それじゃあ解散!」
穂乃果「ヒデコたちには私が連絡しとくね!」
424 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:46:59.01 ID:1F2wX8AOO
解散後、帰宅途中二年生
ことり「合宿楽しみだね〜!」テクテク
穂乃果「うん!いっぱい遊ぼうね!」テクテク
海未「練習です!!」
穂乃果「わかってるよう……」
ことり「それにしても……」
穂乃果海未「?」
ことり「最近の練習ハードだよねぇぇぇ……」ガクッ
穂乃果「あはは……追い込みどきだからかな……」
海未「しかし、確実に力がついているのがわかります、この調子ですよ!」
ことり「ふぇぇ〜〜ん……!ことりはもっと女の子らしくなろうと思ってたのに……」
海未「今でもことりは十分女の子らしいですよ?」
ことり ブンブン!
ことり「足とか腕には生傷が絶えないし筋肉もついて……」
ことり「もっと女子高生っぽいことしたいよぉ〜〜〜………」
海未「例えばどんなことですか?」
425 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:48:36.01 ID:1F2wX8AOO
ことり「みんなで放課後クレープ食べたり…」
海未「してますね」
ことり「学校でおかし食べながらおしゃべりしたり……」
海未「してますね」
ことり「あとはマカロンとかマカロンとかマカロンとか……」
海未「何ですか急に病的なマカロン押しは………」
ことり「ねえねえ、穂乃果ちゃんはどう思う?」
穂乃果「え〜?穂乃果はー……」
穂乃果「………」
426 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/14(日) 17:49:12.13 ID:1F2wX8AOO
穂乃果「結構楽しいよ」
427 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 18:47:53.56 ID:2Ys6LHLv0
海未ことり「…………」
海未ことり「……ふふ」ニコッ
海未「私もです」
ことり「ことりも〜!」
穂乃果「ほらほら!早く準備しないと遅刻しちゃうよ!」
海未「はいはい、そんなに慌てないでください」
428 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 18:49:39.49 ID:2Ys6LHLv0
「お!今帰りかい?」
海未「?」クルッ
穂乃果「あー!八百屋のおばちゃん!」
おばちゃん「もうすぐ決勝戦でしょう?頑張んなよ!」
穂乃果「うん!頑張る!」
おばちゃん「海未ちゃんとことりちゃんもね!」
海未「はい、もちろんです」
ことり「頑張ります!」
おっちゃん「おぉ……!穂むらさん家の子か!大きくなったなぁ!」
穂乃果「おっちゃんは変わらないね!」
おっちゃん「あっはは!口が上手いねぇ!」
おっちゃん「サッカー頑張ってるんだってな、商店街じゃその話で持ちきりだよ!」
穂乃果「もうすぐ決勝なんだ!応援よろしくね!」
おっちゃん「任せろ!商店街のジジババ集めてみんなで行ってやる!」
穂乃果「それは賑やかそうだね……」アハハ……
穂乃果「……っと…時間詰まってるんだった」
穂乃果「それじゃあまたね!おっちゃんおばちゃん!」
「「「頑張れー!」」」
穂乃果「ありがとー!」
海未ことり ペコリ
429 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 18:51:02.00 ID:2Ys6LHLv0
学校
穂乃果「みんなお待たせ!」
雪穂「すみません!今日は私のせいで遅くなりました……」ペコッ
絵里「みんな来たところだから大丈夫よ」
亜里沙「雪穂!お泊まり会だよ!お泊まり会!」
雪穂「えへへ……!楽しみだね亜里沙!」
亜里沙「うん!」
穂乃果「ヒデコ達は来れないって〜」
海未「用事があるなら仕方ありませんね」
ことり「それじゃあ鍵開けるね〜」ガチャッ
430 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 18:55:09.87 ID:2Ys6LHLv0
空き教室
絵里「この部屋を主に寝泊まりする部屋にします」
海未「各自荷物をまとめてあそこへ置いてください」
穂乃果「置いた人からみんなの布団を運んでね!」
海未「……っふう」ドサッ
絵里「海未は荷物少ないわね」
海未「ええまあ、自分に特別な手入れは何もしていないので」
海未「最低限の着替えだけです」
絵里(……手入れなしでこんなに肌も髪も綺麗なのね)
海未「絵里?どうしましたか?」
絵里「い、いや…!なんでもないわ、布団敷きましょうか!」
海未「ええ」ニコッ
431 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 18:56:30.31 ID:2Ys6LHLv0
希「よいしょ……っと!」ドサッ
ポロッ
希「……あっ…」
花陽「……?……!」
花陽「可愛いぬいぐるみ!」
にこ「なにあんた、その年にもなってぬいぐるみと一緒じゃないと寝られないの?」ニヤニヤ
凛「希ちゃんも可愛いところあるにゃ〜!」
希「二人も可愛いところあるよ?」ワシワシ
希「あ〜!かわいい!」
にこ「この野郎?いでやる!!」ガバッ!
凛「搾り取ってやるにゃぁ!!」ガバッ!
希「ああああ痛い痛い痛い!!」ギリギリギリ
花陽「……痛そう」
432 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 18:57:43.15 ID:2Ys6LHLv0
真姫「ことり……あなた枕なんて持って来たの?」
ことり「うん♪これじゃないと眠れないんだぁ」
ことり「触ってみて!」
真姫「いったいどんな……」フニッ
真姫「……!なんだかいい感じね」
ことり「超低反発なの!」
真姫「持参する気持ちもわかるわ」
ことり「でしょ〜!」えへへ
433 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 18:59:24.48 ID:2Ys6LHLv0
穂乃果「ゆ、雪穂!穂乃果のアレが……」
雪穂「はい歯ブラシ」スッ
穂乃果「さっすが雪穂!」
雪穂「おねーちゃんのやりそうなことはだいたいわかるからね」
穂乃果「いやーそんなに言われると照れちゃうよ?」
雪穂「悪い意味でだけどね」
穂乃果「ゆぅきほ〜〜!」ガクッ
亜里沙「……ふふ」
穂乃果「あー!今亜里沙ちゃん笑った!?」
亜里沙「ご、ごめんなさい!」アワアワ
亜里沙「雪穂は穂乃果さんの事、本当に大好きなんだなって思って」
雪穂「は、はぁ!?なんで私がおねーちゃんなんか……」
穂乃果「その通り!雪穂はおねーちゃん子だったんだよ?」
雪穂「余計なこと言わなくていいから!」
亜里沙「だから少し雪穂が羨ましいんです」
雪穂「亜里沙には完璧な絵里さんがいるじゃん」
亜里沙「だからなの!」
穂乃果雪穂「?」
434 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:01:11.12 ID:2Ys6LHLv0
亜里沙「おねーちゃんはなんでも一人でできちゃうから…」
亜里沙「穂乃果さんみたいに少し抜けてるおねーちゃんが羨ましいなって!」
雪穂「……」
穂乃果「……」
雪穂「……まぁ、ドンマイ」
穂乃果「ノーガードで右ストレートもらったような衝撃だったよ」
雪穂「上げて落とされたからね」
穂乃果「亜里沙ちゃん……恐ろしい子…!!」
亜里沙「?」キョトン
海未「貴方達いつまでそうしているのですか!」
海未「布団を運んでください!」ドサッ
絵里「……数が凄いわ……」ヨイショ
穂乃果「やっば……!」アワアワ
穂乃果「行くよ!雪穂!亜里沙ちゃん!」
雪穂亜里沙「うん(はい)!」
435 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:02:50.19 ID:2Ys6LHLv0
数分後
凛「これで……最後!」ドサッ
穂乃果「すごーい!」
絵里「流石にこれだけ並べると壮観ね」
穂乃果「………」ウズウズ
花陽「……穂乃果ちゃん?」
穂乃果「〜〜!もう我慢できない!」バッ
ドサッ
436 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:04:38.84 ID:2Ys6LHLv0
穂乃果「くるくるくるくる〜!」ゴロゴロ
海未「な、何をしているのですか!」
にこ「にこも!」バッ
凛「凛も!」
花陽「り、凛ちゃん…!怒られるよ……!」ガシッ
凛「かよちんもやるにゃー!」ガシッ
花陽「……へ?」
穂乃果「ぐるぐる〜!」ゴロゴロ
にこ「あ〜〜〜〜!」ゴロゴロ
凛「にゃ〜〜〜!」ゴロゴロ
花陽「ダレカタスケテー!」ゴロゴロ
海未「今すぐやめなさい!穂乃果!」
穂乃果「海未ちゃんも来なよ!気持ちいいから!」
海未「絶対に行きません!」
437 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:06:10.63 ID:2Ys6LHLv0
数分後
穂乃果「あー楽しかった!」
にこ「子供に戻った気分ね」
希「にこっち見た目はずっと子供痛い痛い痛い」ギリギリ
絵里「ほら、凛と花陽も起きて」
凛花陽「………」
絵里「?二人とも?」
ことり「……!」
ことり「しー……!」
438 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:07:53.64 ID:2Ys6LHLv0
凛花陽「……んぅ…」スゥ……スゥ……
ことり「…寝ちゃったみたい」ヒソッ
絵里「二人とも疲れてたのね……」
海未「復帰してからは遅れを取り戻すために頑張っていましたから」
凛花陽「……くぅ……」スピー
海未「……私たちも寝ましょうか」
ことり「そうだね!」
真姫「……二人が真ん中で寝てるせいで布団に入れないんだけどどうするの?」
穂乃果「雑魚寝しかないでしょ!」
真姫「……本気?」
穂乃果「本気と書いてマジ、だよ!」
真姫「はぁ…」
海未「……今回は仕方ありませんね」
海未「それではみなさん各々好きな場所で寝てください」
439 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:09:22.50 ID:2Ys6LHLv0
亜里沙「やったー!」
亜里沙「おねーちゃん一緒に寝よ!」
絵里「ええいいわよ」
ことり「ことりは穂乃果ちゃんの隣〜!」
穂乃果「えへへ〜!久しぶりだねこういうの!」
海未「………」
穂乃果「あれ〜?海未ちゃんも来たいの?」
海未「そ、そんなわけないじゃないですか!!」
穂乃果「ほらここ空いてるよ?」ホラホラ
海未「………そこまでしつこく誘われては仕方がありません、私も一緒に寝てあげます」
穂乃果「一回誘っただけなんだけど……」
ことり「海未ちゃん…」
海未「全く仕方ありませんね」ニコニコ
穂乃果ことり(すごく嬉しそう)
440 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:10:35.28 ID:2Ys6LHLv0
真姫(……ここでいいかしら)ゴソッ
真姫(………)スヤァ
にこ(真姫は一年二人に紛れ込んだか……)
にこ「あと残ってるのは……」チラッ
441 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:14:00.20 ID:2Ys6LHLv0
希「やーん♪そんなに見つめられたら照れるやん!」
雪穂「……っ…」アセアセ
にこ「雪穂、一緒に寝ましょうか」
雪穂「は、はい!」
希「ちょっ…!ウチは!?」
にこ「あんたは草の上で寝てなさいよ」
希「いや誰が牛や」
にこ「あれ、今日は鼻に輪っかつけてないのね」
希「だから誰が牛や……!」
にこ「今日の乳搾りの出来は……」
希「だから誰が牛やぁぁ!!!」ガーッ!
にこ「………」
希「やめぇやピンポイントで乳牛いじりするの!」
希「ウチだって傷つくし……傷つくんやぁ!!」
にこ「……」
希「なんで黙ってるん!?そっちから仕掛けて来たのに!?」
希「仕掛けたけど思った以上に絡んで来たからめんどくさくなったんやろ!?なぁ!」
にこ「……ねぇ」
希「なに!」
442 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:15:25.90 ID:2Ys6LHLv0
にこ「もう寝ない?」
希「……もういいよ、にこっちはそんな人やったんやね……」
にこ「えぇ……?」
希「……はぁ、離婚前の夫婦ってこんな感じなんやろね」
にこ「いや知んないわよ」
希「おやすみ二人とも、風邪ひかんようにね」
雪穂「お、おやすみなさい……」
にこ「おやすみ〜」
三人「……………」
希「あ、そうやにこっち」
にこ「ん?」
希「寝る前に腰痛に効くストレッチしなくて大丈夫?」
にこ「あー、それをやらないと明日がしんどい……って」
にこ「誰がおばあちゃんよ!!」
希「………」
にこ「めんどくさがるな!!」
雪穂「寝ましょうよぉ…」
443 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:17:20.69 ID:2Ys6LHLv0
試合まであと2日
朝
穂乃果「……んぅ……」ムクッ
穂乃果「………?」シパシパ
穂乃果「……あそっか……合宿……」ボー……
穂乃果「………」キョロキョロ
穂乃果(……みんなまだ寝てる……ってあれ?)
穂乃果「海未ちゃんがいない?」
ガラッ
海未「おや穂乃果、今日は珍しく早いですね」
穂乃果「どこ行ってたの?」ふわぁ〜…!
海未「朝の稽古代わりにランニングをしてきました」
穂乃果「うぇ〜……」
海未「穂乃果も行ってきてはどうですか?」
穂乃果「……おやすみなさぁい」スヤァ
海未「おきなさい……!!」ギリギリ
穂乃果「起ぎる起ぎる起ぎるがらぁ…!!」ギリギリ
444 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:18:41.33 ID:2Ys6LHLv0
絵里「……もうなに?騒がしいわね」ムクッ
海未「絵里、おはようございます」
絵里「おはよう」ふぁ……!
絵里「……!」クンッ
絵里「なんだかいい匂いがするわね」
海未「気づきましたか、実は凛のお母様が朝食を作ってくれているんですよ」
絵里「凛のお母様も来てくださってたの?」
絵里「手伝わなくて大丈夫かしら……」
海未「それより他のメンバーを起こしていただけると助かります」
絵里「わかったわ」
絵里「…んー……!」ノビー
445 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 19:20:04.26 ID:2Ys6LHLv0
絵里「……どうしてにこは顔にキュウリを貼り付けてるのかしら」
海未「おそらく美容のためでしょう、にこらしいです」
絵里「にこから起こして行くことにするわ」
ニコー、オキナサーイ!アサヨー
海未「………それでは私は……」チラッ
穂乃果「ふひぃ……」スヤァ
海未「このラスボスを攻略しましょうか」
446 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 20:03:55.22 ID:2Ys6LHLv0
食堂
凛「お腹すいたにゃ〜」ふぁ〜…!
花陽「スンスン……この匂いは……!」
花陽「魚沼産こしひかり……!!」
にこ「え……?あんた朝からそのテンションで行くつもり?」
花陽「寝ぼけた状態でお米を食べることは失礼に値しますから」キリッ
凛「さっすがかよちんだにゃ〜」
にこ「……はぁ、意味わかんない」
希「にこっちアイドルは朝そんなテンションで大丈夫なん?」
にこ「プロはオンとオフがはっきりしてるのよ」
真姫「にこちゃんはいつもオフじゃない」
凛「プロでもないにゃ」
にこ「やめなさい痛いとこ突くの」
447 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 20:05:46.05 ID:2Ys6LHLv0
ことり「穂乃果ちゃん顔痛くない?」
穂乃果「……うん、らいひょうふ」ヒリヒリ
海未「一体どうしたんでしょうね」
穂乃果「夢で両方のほっぺをつねられる夢を見たよ…」
雪穂「おねーちゃん二度寝するとなかなか起きないからね」
亜里沙「雪穂、このネバネバしたの何?」
雪穂「それは納豆って言って、大豆でできてるんだよ」
亜里沙「ハラショー…!日本には不思議な食べ物があるんだね〜」
凛ママ「よーし!みんな揃ったな!」
みんな「はい!」
凛ママ「それじゃあ手を合わせて!」
みんな パンッ!
凛ママ「いただきます!」
みんな「いただきます!」
448 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 20:07:57.39 ID:2Ys6LHLv0
朝食終了
凛ママ「ごちそーさまでした!」
みんな「ごちそーさまでした!」
凛ママ「30分後、グラウンド集合!」
みんな「はーい!」
30分後
凛ママ「それじゃあ練習を始める!」
みんな「はい!」
ハァ…!! ザザッ
テヤァ! バッ
タッタッタッ
ザザッ ガッ!
449 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 20:10:23.94 ID:2Ys6LHLv0
お昼
凛ママ「おーい!お昼ご飯にするぞー!」
凛「おにぎりだ!」
凛ママ「時間なかったから手抜きで悪いけどな」
穂乃果「お、美味しそう……」グゥ〜〜……
凛ママ「手を洗ってこい!」
みんな「はーい!」
穂乃果「ひ、一口だけでも……!!」
海未「はいはい行きますよ」ガシッ
穂乃果「一個だけでもぉ〜〜……!!」ズルズル
海未「何さりげなく量を増やしているのですか!!」
みんな「いただきまーす!」
凛ママ「そういえばひとつだけ激辛の奴入れておいた」
海未「なんという事してくれたのですか」
凛ママ「遊び心遊び心!」
凛「……はぁ」
450 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 20:13:19.48 ID:2Ys6LHLv0
絵里「これ頂こうかしら」スッ
絵里「海苔を巻いてなくてよかったわ」
希「えりち海苔あかんもんなぁ」
ことり「へぇ〜、絵里ちゃんにも苦手なものがあったんだ!」
絵里「苦手というか……血筋的に海苔を消化できないのよ」
ことり「あー……お腹壊しちゃうんだね」
絵里「そうなのよ、みんな美味しそうに食べるから食べたいんだけどね……」パクッ
ことり「ほかに苦手はものはないの?」
希「あとは確か……梅干し?」
ことり「ザ、日本って感じのものばかりだね……」
希「日本食は独特なのが多いからなぁ」
希「……って、えりちどうしたん?」
絵里「……うえおいあ…」
ことり「え?」
451 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/15(月) 20:15:45.60 ID:2Ys6LHLv0
絵里「梅干しがぁ……」ウルウル
希「あちゃー……」
ことり「よく引き当てたねこの中から……」
希「まだ食べてないしうちのと交換する?」
絵里「あ、ありがと……」パクッ
絵里「………」ピタッ
ことり「今度はなんだったの?」
絵里「………海苔の佃煮」
希「……ブフッ…!」
ことり「ふふ……!」クスッ
絵里「なんでこうなるのよぉ〜……」シクシク
希「まさかうちのが海苔の佃煮やったとはなぁ……」
ことり「ことりのは天むすだったからことりのあげる!」
絵里「ごどりぃぃぃ!!」ダーッ!
ことり「………おむすびを譲ってここまで感謝されたのは生まれて初めてかなぁ……」
希「まぁそうそうないやろなぁ……」
絵里「美味しい……!美味しいわ……!!!」モグモグ
452 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:04:48.81 ID:U+8YvfLIO
花陽「美味しいです!美味しいです!」パクパクパクパク
海未「は、花陽!?そんなペースで食べていたらみんなの分が……」
花陽「美味しいです!美味しいです!」パクパクパクパク
海未「だ、誰かー!」ガシッ
凛「かよちんあるあるだにゃ」
海未「こんなことが頻繁にあってたまりますか!!」
453 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:13:04.28 ID:U+8YvfLIO
真姫 モグモグ
にこ「………」ジーッ……モグモグ
真姫「……何よ」パクッ
にこ「あんたって……一口めちゃめちゃ小さいわね」
真姫「悪い?大きく開けるの疲れるのよ」
にこ「いや、それはいいんだけど……」チラッ
穂乃果「あー……ん!」バクッ!
穂乃果「……おいひぃ!」モグモグ
にこ「正反対だなぁって」
真姫「そんなこと言ったらにこちゃんなんて二つしか食べてないじゃない」
にこ「にこは小食だからぁ〜!そんなにいっぱい食べれないっていうかぁ〜!」
ぐぅ〜〜〜……!
にこ真姫「……」
真姫「……で、本当は?」
にこ「……だってご飯って糖質だし……太るし……」
真姫「ここに最後のおにぎりがあります」スッ
にこ「あっ…….」
真姫「欲しい?」
にこ「…っ…!」ハッ
にこ「…べ、別に欲しくなんて……!!」
真姫「あっそ、じゃあ私が……」あー……
454 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:14:36.00 ID:U+8YvfLIO
にこ「あー………」
にこ「……!」ハッ
真姫「……」ジトー…
にこ「……フンッ!食べたかったら食べればいいじゃない!」
にこ「別ににこはお腹なんて……」
ぐぅ〜〜キュルルル……
にこ真姫「……」
真姫「……はぁ」スッ
にこ「……いいの?」
真姫「私はもういっぱい食べたしね」
にこ「……ま、まぁお腹空いてるわけじゃないけど……」
にこ「真姫がどーしてもっていうから私が最後の一つを……」
穂乃果「じゃあ穂乃果がもらっていい!?」パァァ!
にこ「………」
バクッ!
穂乃果「あー!そんなに仕方なく食べるなら穂乃果に頂戴よぉ!」
真姫「一口で………」
にこ「…………」モグモグ
凛「そういえば結局激辛のおにぎり出なかったね」
にこ「……」モグモグ
海未「誰も被害に遭わなかったのならそれに越したことはありませんよ」
にこ「……っ」モグ……モグ……
凛ママ「あっれー?たしかに入れたんだけどなぁ……」
にこ「………っ…!」モグッ……
455 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:15:40.10 ID:U+8YvfLIO
にこ「……ゴフッ……!」ブフッ
真姫「にこちゃん!?」
にこ「……〜〜〜!!!」ブワァッ!
にこ「ん〜〜〜!!!ん〜〜〜〜!!!!」ジタバタ
凛「にこちゃん大当たりだにゃー!」あはは!
海未「よりによって最後の一つに入っていたとは……」
凛ママ「あっははははは!!!」ヒーヒー…!
にこ「っ……!!っ…!」ゴクッゴクッゴクッ
希「にこっち持ってるなぁ!」あはは!
絵里亜里沙「……フフ」クスッ
花陽「……ん……んふっ…!」プルプル
穂乃果(……横取りしなくてよかったぁぁ……)
にこ(……え、エグい……!!)ヒーヒー
456 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:17:07.01 ID:U+8YvfLIO
凛ママ「よーし!みんな準備はいいか?」
花陽「……にこちゃん今何食べたい?」
にこ「ジェラート」ヒリヒリ
花陽「だよねぇ〜……」あはは
凛ママ「練習再開!」
みんな「はい!」
457 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:18:57.84 ID:U+8YvfLIO
ことり「はぁ!!」ザッ
雪穂「ふっ!」シュバッ!
ことり「あっ…!」
にこ「ことり!!もっとあたり強く!!」
ことり「は、はいぃ〜……!」
絵里 ブワァァァァ!!
真姫 ブワァァァァ!!
ドキュッ!!
絵里真姫【ファイアブリザード!】
ゴォォォォォオ!!
ォォォ………
テンテンテン……
絵里真姫「……」はぁ……はぁ……
絵里(これは……)
真姫(本格的にまずいかもしれないわね……)
458 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:19:46.26 ID:U+8YvfLIO
夕方
カァー!カァー!
凛ママ「これにて練習終わり!」
海未「まだ少し早くないですか?」
絵里「あと1時間は出来そうだけど……」
凛ママ「実はこれから用事があって……夜ご飯作れないんだよ」
花陽「……と、いうことは……」
凛ママ「そう!これぞ合宿の醍醐味!」
459 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:21:01.86 ID:U+8YvfLIO
凛ママ「みんなでご飯作ってくれ!」
みんな「えぇぇ!?」
海未「……用事とあれば仕方がありません」
海未「お任せください」
凛ママ「いやーごめんね……」
凛ママ「それじゃあ頑張って!」タッタッタッ
海未「………」
みんな「………」
海未「……どうしましょう」
ズコーッ!
穂乃果「あんなに自信マンマンだったじゃん!」
海未「だ、だって引き止めるわけにはいかないじゃないですか!!」
真姫「作りに来て貰えば?」クルクル
ことり「作りにって……誰に?」
真姫「シェフに決まってるじゃない」クルクル
凛「とりあえず真姫ちゃんは論外ということで……」
真姫「なっ……!?一番現実的じゃない!」
希「非現実の中での現実的やんなぁ……」
花陽「ご飯……ご飯が……」
460 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:22:12.48 ID:U+8YvfLIO
「しょーがないわねー!」
花陽「…にこちゃん………?」シクシク
にこ「私が作ってあげようじゃない!」
海未「ほ、本当ですか!?」
絵里「ハラショー!これで安心ね亜里沙!」
亜里沙「うん!」
雪穂「……はぁ、無事にご飯にありつけそう……」ホッ
真姫「私ゲテモノはNGなんだけど」
凛「嫌な予感しかしないにゃー」
にこ「あんたらホンットーに可愛げないわね……!!」
海未「ではにこ、お任せしてよろしいですね?」
にこ「まっかせなさい!」ドンッ!
461 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:23:18.45 ID:U+8YvfLIO
調理室
にこ「花陽、これでご飯炊きなさい」ドンッ
花陽「こ、これは……!!」
にこ「あんたにしか頼めない大仕事よ」
花陽「……命に代えても成功してみせます……!!」
にこ「いや重いわ」
にこ「あとはひき肉をレンジでチンして豆腐と豆板醤と……」テキパキ
462 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:24:19.74 ID:U+8YvfLIO
物陰
穂乃果「ほぁ〜……なんだかすごいね」
希「にこっちは下の子が多いからね、家事は手慣れてるんよ」
穂乃果「へぇ〜」
海未「こら凛!自分の分のサラダだけ少なくしない!」
凛「海未ちゃんお母さんみたいだにゃ〜……」
海未「……今日のメインは焼き魚にしましょうか」
凛「ごめんにゃー!」
花陽「あはは……」
463 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:25:31.48 ID:U+8YvfLIO
1時間半後
ガラッ
にこ「できたわ」
凛「いい匂いだにゃ〜!」
にこ「にこにー特製麻婆豆腐よ!」
海未「にこ……すみません私刺激物は……」
にこ「大丈夫よ、甘口で作ったから」
海未「にこぉぉぉ…!!」
にこ「花陽、例のブツは?」
花陽「ふっふっふ……」スッ
464 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:26:53.69 ID:U+8YvfLIO
花陽「完璧だよ!」パカッ…!
ホカホカ……!
穂乃果「わぁぁぁ!」
凛「美味しそうだにゃー!」
絵里「これ……土鍋?」
にこ「ええ、せっかくだからこれでご飯炊いてみようと思ってね」
花陽「おこげも綺麗にできてて……自信作です!」フンッ!
海未「ふふ、楽しみですね」
希「おこげって炊飯器と違って少し工夫がいるんやったっけ?」
花陽「うん!何度も練習して、成功したのを記録してやっと作れるようになったんだぁ!」
絵里真姫「……!」
絵里(成功の……!!)
真姫(記録……!!)
465 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:28:05.55 ID:U+8YvfLIO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里 ゴォォォォォオ!!!
真姫 ゴォォォォォオ!!!
フワッ………
ドキュゥゥッッッ!!!
絵里真姫「いっけぇぇぇ!!!」
ゴォォォォォォォォオ!!!!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ことり「すごいなぁ……」
穂乃果「一体お米の何が花陽ちゃんをここまで駆り立てるのか……」
ガシッ
花陽「……聞きたい?」
穂乃果「へ!?」
花陽「今夜は寝かせないよ」
穂乃果「ひ、ひぃぃ……!」
凛「凛はこんなかよちんも……好きだよ」
にこ「何よ今の間は」
466 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:30:27.93 ID:U+8YvfLIO
ドタバタ!
にこ「どうしたの?」
絵里「に、にこ!私たち今からちょっと出かけてくるわ!」
にこ「はぁ!?」
真姫「ご飯は後で食べるから!」
にこ「ちょっ…!待ちなさいっての!」ガシッ
絵里「いいえにこ、今の私たちは何を言われようと止められないわ」
真姫「その通りよ」
にこ「………デザートはチョコレートケーキ」
絵里「……」ピクッ
にこ「サラダには新鮮なトマト」
真姫「……」ピクッ
にこ「……ま、あんたらがそこまで言うなら仕方ないわね〜」
にこ「私たちがあんたらの分まで美味しく……」
ガシッ
絵里真姫「………」
絵里真姫「ごめんやん?」
にこ「うわ腹立つ」
希「二次被害」
467 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:35:20.89 ID:U+8YvfLIO
夕食後
凛「ごちそーさまだにゃー!」
花陽「おこげ……美味しかった……」ホロリ
海未「にこ、ごちそうさまでした。とても素晴らしい料理でしたね」
ことり「美味しかったぁ♪」
にこ「あったりまえじゃない!このにこにーが作ってるんだから」
希「お風呂はどうする?」
海未「シャワーしかないので浴びたい人から浴びていきましょう」
絵里「全員分はあったわよね?」
海未「はい、ですから順番は気にすることはありませんよ」
穂乃果「ゆぅーきほー、お茶〜!」ダルン
雪穂「ちょっとおねーちゃん!家じゃないんだから自分で行きなよ!」
穂乃果「ぶぅー……!」ムクッ
海未「穂乃果はどこにいてもだらしがないのですね……」ハァ
絵里「それじゃあシャワー浴びて、寝たい人から寝ましょう」
穂乃果「それじゃあとりあえず解散!」
みんな「はーい!」
468 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:37:18.15 ID:U+8YvfLIO
就寝
海未「結局みんな同時に寝るんですね」
にこ「はーい、電気消すわよ〜」
凛「ププ……!にこちゃん顔にきゅうりついてるにゃ」
花陽「お腹が空いた時用の非常食かな?」
真姫「花陽以上の食いしん坊ね」
花陽「流石にあんなことしないよょ!!」
にこ「誰が食いしん坊よ!!」
にこ「美容のためのパックよパック!」
真姫「はいはい、電気消してもらえるかしら?」
にこ「ぐぬぬぬぬ……!!」
パチッ
海未「それではみなさん、おやすみなさい」
みんな「おやすみ〜」
469 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:38:21.02 ID:U+8YvfLIO
深夜
スゥ……スゥ……
穂乃果「……ん」モゾッ
穂乃果「……何時…?」
穂乃果「…ぅえ〜……まだ1時じゃん……」
穂乃果「みんなも寝て……?」
穂乃果「何人かいない?」
穂乃果(トイレかな)
穂乃果「………穂乃果も行こっと」ムクッ
ジャー……!
穂乃果「うーん?誰もいないや、別のトイレかな」ガチャ
穂乃果「……目が冴えちゃったし屋上でも行くとしますか」テクテク
穂乃果「開いてるかな〜」ルンルン
470 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 11:39:34.63 ID:U+8YvfLIO
屋上へのドア前
穂乃果「…?ちょっと開いてる?」
穂乃果(誰かいるのかな)ソー……
穂乃果(……にこちゃん?)
にこ「………」
穂乃果「……っ!」ドキッ
穂乃果(………綺麗)
にこ「……!」クルッ
にこ「穂乃果……なにしてんのよこんな時間に」
穂乃果「えへへ……目が覚めちゃって」
穂乃果「にこちゃんは?」
にこ「……眠れなかったのよ」
穂乃果「そっか……隣、いい?」
にこ「ええ」
ストン……
471 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:00:10.02 ID:BoT3XzrT0
にこ穂乃果「…………」
にこ「……いよいよ明後日……いや、もう明日か」
にこ「私たち三年生にとっては最後の大会」
穂乃果「……」
にこ「短かかったけど……色々あったわよね」
穂乃果「にこちゃんが初めはひねくれてたりね」ニヒヒ
にこ「ほじくり返すんじゃないわよ」ピンッ!
穂乃果「あでっ…!」ピンッ!
472 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:01:15.64 ID:BoT3XzrT0
にこ「………私が一年生の頃、サッカー部やってたのは知ってるわよね?」
穂乃果「え?……うん、希ちゃんから聞いた」サスサス
にこ「その頃はこんなに大ごとに………学校のみんなから応援されるなんてこれっぽっちも思ってなかったのよ」
にこ「あり得なかった」
穂乃果「……」
にこ「私たちだけで始まって、誰の記憶にも残らないまま終わって行くんだろうなって思ってた」
にこ「今のメンバーが集まった時も、それは変わらなかった」
にこ「女子校でサッカーなんて流行らないしね」フフ
穂乃果「…….ふふ、そうだね」クスッ
にこ「でもね、気づいたの」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『思いっきり暴れてこい!!』
ワァァァァァァァァァァ!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「気づかせてくれた」
473 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:02:11.85 ID:BoT3XzrT0
にこ「あぁ…….これはもうにこ達だけの物語じゃないんだって」
穂乃果「………」
にこ「このチームも、学校のみんなも、先生も、監督も……」
にこ「一人残らず……この物語の一部なんだって……」
穂乃果「………そっか」
にこ「……ありがと穂乃果、今の私があるのはあんた達のおかげよ」
穂乃果「……え〜?にこちゃんどうしたの?深夜テンション?」
にこ「こういうのは素直に受け取りなさい、バカ」
穂乃果「えへへ〜」
穂乃果「………」
にこ「………」
穂乃果「……頑張ろうね」
にこ「とーぜんでしょ」
穂乃果「ニヒヒ…!」
474 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:03:13.75 ID:BoT3XzrT0
深夜、屋上
にこ「ふぁ〜、夜更かしはお肌に良くないのよね」
穂乃果「にこちゃんはお肌モチモチだね、なにか秘密があるの?」
にこ「洗顔とかは気をつけてるけど…やっぱりきゅうりかしらね」
穂乃果「きゅ……きゅうり?」
にこ「あれをし始めてからお肌の調子が良くなったのよね」
穂乃果「きゅうり、おそるべし……!!」
にこ「そういえば……」
にこ「にこがここに来る前に絵里と真姫が起きて出て行ったけど、どこに行ったのかしら」
穂乃果「さぁ……知らな
ドゴオオォォォォォォオオオ!!!!!!
ビリビリ……!!
穂乃果「な…なに!?」
にこ「グラウンドの方よ!」ダッ!
穂乃果「待ってよにこちゃん!」ダッ!
475 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:04:44.31 ID:BoT3XzrT0
タッタッタッ
にこ「……はぁ…!なんなのよ一体!!」ザッ
穂乃果「にこちゃ……!速い……」ハァ、ハァ
モクモクモク
「ゴホッ、ゴホッ」
二人「!」
「エリー、大丈夫?」
にこ「真姫……?」
真姫「ゴホッ…!……げ、にこちゃん……」
にこ「何よ、げ……って」
絵里「ご、ごめんなさいにこ、穂乃果、起こしちゃった?」
にこ「いや、そうじゃないんだけど……」
穂乃果「二人でなにしてたの?」
絵里「練習したりなかった分をちょっとだけしてたのよ、もう終わるわ」
穂乃果「夜更かしはダメだよ二人とも!」
絵里「ふふ、ごめんなさい」
真姫「シャワー浴びに行きましょう」
絵里「ええ」
スタスタ
穂乃果「ふぁ……穂乃果も寝よーっと」スタスタ
にこ「……」
にこ(……この焦げ跡……)
スッ
にこ「冷たっ……!」ビクッ
476 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:05:39.56 ID:BoT3XzrT0
絵里真姫「…………」ピタッ
グッ……!
477 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:07:13.46 ID:BoT3XzrT0
試合まであと1日
海未「それでは各自自宅に戻って、明日に備えてください」
希「終わってみればあっという間やったなぁ〜」ノビ〜!
凛「ねぇねぇ、昨日の夜なんだか大きな音鳴らなかった?」
絵里真姫「……」ギクッ
にこ「寝ぼけてたんでしょ」
凛「そうなのかにゃ〜?確かに寝起きだったけど……」
花陽「私は聞こえなかったかな…」
凛「じゃあ気のせいだねきっと!」
にこ「信用の差がひどい」
穂乃果「もうこのまま解散にしちゃう?」
海未「はい、練習しようかと思ったのですが、疲労も溜まっているでしょうし」
絵里「明日は万全な態勢で戦えるように、今日はしっかり休みましょう!」
穂乃果「了解しました!」ピシッ!
海未「では穂乃果、お願いします」
穂乃果「コホン……」
478 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:08:11.81 ID:BoT3XzrT0
穂乃果「……今日までいろんなことがあったけど、やっとここまで来た」
穂乃果「明日は三年生が最後の試合……いや…」
穂乃果「このメンバーで戦う最後の試合だよ」
みんな「………」
穂乃果「……後悔の残らない、最高のプレイをしよう」チラッ
希「……!」ビクッ
穂乃果「………」スゥ……
479 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:10:20.35 ID:BoT3XzrT0
穂乃果「勝つよ!!!」
みんな「おおお!!!」バッ
穂乃果「海未ちゃんことりちゃん!クレープ食べて帰ろ!」
海未「はいはいわかりました」
ことり「いこー♪」
雪穂「ほどほどにしないと太るよ〜」
凛「真姫ちゃんかよちん!ラーメン行くにゃー!」
真姫「……朝から?」
凛「アブラマシマシ〜♪」
花陽「……朝から………」ゾッ
亜里沙「おねーちゃん!ファミレスいこ!」
絵里「ええいいわよ、希も行くでしょ?」
希「……」
絵里「のーぞーみ!」
希「…!う、うん!行くよ」
絵里「それじゃあ行きましょうか」
亜里沙「やったー!」
希「……」
480 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:11:42.42 ID:BoT3XzrT0
決戦前夜
にこ宅
にこ「こころー、ここあー、もう寝ちゃいなさい」
こころ「……はい」
にこ「どうしたの?」
こころ「……い、いえ!なんでもないです……」
にこ「……こころ、言ってくれないとわからないわよ?」
ここあ「なになに?なんの話?」
にこ「あんたはいいから、早く歯磨いて来なさい!」
ここあ「はーい……」シブシブ
にこ「……で、どうしたの?」
こころ「……本当に、自分勝手なわがままなのですが……」
にこ「うん……」
こころ「明日、私たちは初めてお母様とお姉様方の試合を見に行きます」
にこ「……ええ」
こころ「そこで………」
481 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:12:41.44 ID:BoT3XzrT0
こころ「……お姉様がシュートを決めるところを……見たいな……と」
にこ「ーー!」
こころ「い、いえ!なんでもないです!」
こころ「は……歯を磨いて来ますね!」タッタッタッ
にこ「………こころ」
にこ(普段から……我が家の家計状況を知ってか知らずか、欲しい、やりたい、食べたい、行きたい……)
にこ(そんな要求をなに一つしてこなかったこころが………)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こころ「……お姉様がシュートを決めるところを……見たいな……と」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「………」
482 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:13:28.99 ID:BoT3XzrT0
凛宅
凛「…………」
凛 トトッ
ケータイ『決まったぁぁ!!!』
凛「……」ジーーーーー
凛「……こう……いや……」ブツブツ……
凛「…!こうか…!」バッ
483 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:14:07.46 ID:BoT3XzrT0
穂乃果宅
穂乃果「………」
穂乃果(明日は絶対、激しい戦いになる)
穂乃果(……どんな無茶をしてでも、勝ってみせる)
穂乃果「…穂乃果は……リーダーなんだから」
484 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/16(火) 20:15:11.10 ID:BoT3XzrT0
希宅
希「………」スッ
ズズッ
希「……ふぅ」コトッ
希「………」
希「……悔いのないように……か」
………ピンッ!
希「どう思う?ぬいぐるみさん」
ぬいぐるみ「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
小学校の友達、Aちゃん「のぞみちゃん!これお互いに買って交換しよ!」
Aちゃん「このぬいぐるみ!」
のぞみ「え…えぇ?どうしてわざわざ……」
Aちゃん「その方が思い出になるでしょ、私の宝物にするんだから!」
のぞみ「……!」
のぞみ(宝物……)
Aちゃん「ほら早く!」
のぞみ「……う、うん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「……呪い……やんなぁ」
485 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:22:42.31 ID:7faCPDqA0
[8、最終決戦]
穂乃果宅
穂乃果ママ「雪穂ー、穂乃果起こしてきてー」
雪穂「もう……こんな大事な日まで寝坊するなんて…!!」スタスタ
ガチャッ!
雪穂「おねーちゃん!今日は大事な決勝戦………ってあれ?」
雪穂「いない……」
雪穂「でも荷物はあるし……どこ行ったんだろ」
486 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:23:42.08 ID:7faCPDqA0
鉄塔
ザッ
穂乃果「こんなに早起きしたのいつぶりだろ」
穂乃果「……っんー!」ノビー
穂乃果「……はぁぁぁー」ダラン……
穂乃果「ここもだいぶ馴染みの場所になってきたな〜」
穂乃果「このタイヤがきっかけだったんだよね」ナデ……
穂乃果「今日が終われば三年生は引退……」
穂乃果「……寂しいなぁ……」
穂乃果「……!」ブンブン!
穂乃果(ダメダメ!こんな気持ちじゃ!)
穂乃果「……頑張れリーダー!」オー!
487 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:24:27.92 ID:7faCPDqA0
にこ宅
にこママ「にこ、今日ぐらいはゆっくり寝てていのに……」ジュー……!
にこ「これはにこのルーティーンなの」ジュー……!
にこ「ママこそ仕事で疲れてるんだから寝てていいわよ」
にこママ「娘の大事な決勝戦に寝坊したらどうするの!」
にこママ「今日のために仕事詰めてやっと勝ち取った有給……!!」
にこママ「にこ達なら絶対決勝戦まで来てくれると信じてたわ!」
にこ「それは良かったわね……よっと!」カカッ!
にこ「はい、卵焼きの完成!」
488 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:25:31.04 ID:7faCPDqA0
こころ「おはようございますお母様、おねー様!」トテトテ
にこ「おはよ」
にこママ「おはようこころ、顔洗っていらっしゃい!」
こころ「はい!」スタスタ
にこ(……こころ)ジュー……!
にこママ「……!?」
にこママ「にこ!卵焼き!」
にこ「へ?……あぁ…!!」カチッ!
にこ「………ギリギリセーフ」フー……
にこママ「珍しいわね、にこがぼーっとするなんて」
にこ「……」
489 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:26:30.96 ID:7faCPDqA0
花陽宅
花陽「………」メガネ
カチャッ
花陽(……コンタクトがあるのにメガネを使うのは、めんどくさいからじゃない)
花陽(他人との間に一枚透明な壁があるような気がして、気が楽だから)
花陽「……でも、もうそんな自分とはさよならしなきゃ」
カチャッ
ペリペリ……
スッ
490 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:27:46.34 ID:7faCPDqA0
希宅
希「………よし、こんなもんかな」
希「あとは……」チラッ
ぬいぐるみ「………」
希「……この子も持っていこうかな」スッ
穂乃果宅
穂乃果「雪穂ー!行くよー!」
雪穂「なんで今日はそんなに早いの…!ちょっと待ってて!」
491 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:32:12.88 ID:7faCPDqA0
穂乃果宅前
海未「……時間より早く来すぎましたかね」
ことり「あれ?海未ちゃん早いね〜」
海未「ことりも随分と早いですね」
ことり「えへへ〜、なんだか落ち着かなくて!」
海未「少し話し相手になってくれませんか?」
ことり「いいよ〜♪」
ガラッ!
穂乃果「……あれ?2人とも早くない!?」
海未「ど、どうしたのですか穂乃果、こんなに早くに……」
穂乃果「ふっふーん!穂乃果にだって早いときぐらいあるんだよ!」
雪穂「胸はって言われても……」
海未「まさか熱でも…!?それとも天変地異の前触れ……」
穂乃果「海未ちゃん朝から失礼だね」
雪穂「日頃の行いでしょ」
穂乃果「なにおう!」
ことり「ふふ、それじゃあ行こっか!」
穂乃果「うん!」
雪穂「はい!」
海未「雨が……いや隕石が降るかも……」ブツブツ
穂乃果「心配しすぎ!!」
492 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:33:39.40 ID:7faCPDqA0
絵里宅
絵里「………」シュルッ
スッスッ キュッ(ポニーテール結び)
絵里「……よし」
ガチャッ
亜里沙「おねーちゃん!準備できたよ!」
絵里「そう、私ももうすぐ終わるわ」ニコッ
亜里沙「………」
絵里「どうしたの?」
亜里沙「………おねーちゃん、試合行きたくないの?」
絵里「どうして?」
亜里沙「バレエの時と同じ顔してる…」
絵里「………!」
絵里「……まぁ」
絵里「行きたくないといえば行きたくないわね」
亜里沙「……!!」
絵里「……本当に楽しかった、この数ヶ月」
絵里「今日が終わると全て終わる」
亜里沙「……」
絵里「……なんてね!」
絵里「行きましょうか」スッ
亜里沙「………ぁ……」
493 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:34:27.17 ID:7faCPDqA0
亜里沙「亜里沙は!!」
絵里「…!」ビクッ
亜里沙「……おねーちゃんと一緒に試合に出られる最後のチャンスだから……」
亜里沙「楽しみ……だよ?」
絵里「……ふふ、ごめんなさい」ナデ…
絵里「もちろんわたしも楽しみよ」
亜里沙「……!」パァァァァ!!
絵里「ほらほら、時間に遅れちゃうわよ」
亜里沙「うん!」タッタッタッ
絵里「……」
絵里「……最後……か」
494 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:35:23.01 ID:7faCPDqA0
にこ宅
にこ「それじゃああんたら、ママの言うことちゃんと聞くのよ?」
こころ「お任せください!」
ここあ「多分〜」
コタロウ「ん〜」
にこ「……こころ」
こころ「?」
にこ「……行ってくるわね」ナデナデ
こころ「え……?は、はい…」
ここあ「ずるいこころばっかり!わたしも!」ガシッ!
にこ「わ、わかったから抱きつかないの!」ナデナデ
にこママ「ふふ、すっかりお姉さんね」
495 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:37:40.75 ID:7faCPDqA0
ピンポーン
にこママ「あら?誰かしら」
にこ「……まさか」スタスタ
ガチャッ
希「やっほー!」
亜里沙「お、おはようございます!」
絵里「最後ぐらい一緒に行きましょう!」
にこ「………」ジトー……
希「いやーん!そんなに熱い視線注がれたらウチ火傷してまうやん!」
ギィィィ……!
ガッ!
にこ「……っ足どけなさいよ!」グググッ
希「いいやん最後ぐらいみんなで行きたい!!」
にこ「………!」ググッ……
絵里「にこ……」
にこ「……はぁ」
クルッ
にこ「行ってきます」
にこママ「行ってらっしゃい、私たちも後か向かうわね」
こころ「お気をつけて!」
ここあ「行ってらっしゃーい!」
コタロウ「しゃーい」ピコッ
496 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:38:27.60 ID:7faCPDqA0
テクテク
希「相変わらずにこっちは素直じゃないなぁ」
にこ「あんたがしつこいから仕方なくよ仕方なく」
絵里「……ふふ」
にこ「何笑ってんのよ」
絵里「いや……」
497 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:39:36.71 ID:7faCPDqA0
絵里「もっと早くから一緒に行けばよかったなぁって」
にこ「………」
希「………」
絵里「……?2人ともどうしたの?」
にこ「……朝からしんみりさせんじゃないわよ」
希「そんなことを言うにこっちにはワシワシの刑が」ワシワシ〜
にこ「亜里沙ガード」スッ
亜里沙「……え?」
希「っく……卑怯な!」
にこ「あっはっは!勝つためならどんな手でも使って見せるわ!」
希「さて、茶番はこの辺にして行こっか、えりち、亜里沙ちゃん」
絵里「ええ」
亜里沙「は…はい!」
にこ「ちょ……!ここで終わったらにこがただの悪者になっちゃうじゃない!」
希「はー緊張するなぁ今日」
亜里沙「それなら人という字を……」
絵里「手に書くのよ?」
亜里沙「わかってるよ!もうっ!」プクーッ……!
希「あはは!プニプニ〜」プニプニ
絵里「ほんとね」プニプニプニプニプニ
にこ「話を聞けー!!」
498 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:40:55.22 ID:7faCPDqA0
真姫宅前
凛「真姫ちゃん遅いにゃ〜」
花陽「いつも早いのにね」
凛「緊張で家から出られなくなったりして」ニシシ
花陽「流石にそれはないと思うけど……」
ガチャッ
真姫「……おはよう」
凛花陽「おはよう!」
凛「真姫ちゃん遅かったにゃ〜」
花陽「その手に持ってるのは……?」
真姫「2人にってママが」
凛「なになに!食べ物?」
真姫「………ッ……ょ」ボソッ
凛花陽「?」
真姫「〜〜〜!!」
真姫「カツサンドよ!」バッ
凛花陽「………」ポカーン……
凛「………ダジャレ?」
真姫「ーー/////」カァァッ!
499 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:42:42.61 ID:7faCPDqA0
花陽「……わ、わー!すごく美味しそう!」
花陽「頂いちゃっていいの?」
真姫「え……ええ」
花陽「いただきまーす!」パクッ!
花陽「……っ!」モキュッ!
真姫「……どう?」
花陽「………お」
花陽「おいひぃ……」パァァァァ!
真姫「……と、当然じゃない!うちのママが作ってるんだから」クルクル
凛「凛も凛も!」バッ
真姫「ちゃんとあるからあわてないの」
凛「早く!早く!」
真姫「……というか花陽、あなたメガネ……」
花陽「う、うん……変……かな?」
真姫「……に、似合ってるわ」
花陽「……!えへへ」へニァ
真姫「………////」カァァ…!
凛「おいしーにゃー!」
500 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:43:54.24 ID:7faCPDqA0
集合場所
穂乃果海未ことり雪穂「……!」ピタッ
絵里希にこ亜里沙「!」ピタッ
凛花陽真姫「!」ピタッ
監督「………お前ら仲良いな」
ヒデコ「3グループ同時だったね…」
フミコ「さ!このバスだよみんな!」
ミカ「乗り遅れないようにね〜」
穂乃果「……よし!行こう!」
みんな「おー!!」
ブロロロ
穂乃果「あーーー!!!花陽ちゃんコンタクトだ!!」
ことり「かわいい!」
花陽「えへへ…!ありがと!」
501 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:46:05.18 ID:7faCPDqA0
決勝戦スタジアム
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
角間「さーついにこの日がやってまいりました!!」
角間「フットボールフロンティア決勝、UTX高校vs音の木坂高校!!」
角間「この組み合わせは地区予選決勝での組み合わせと全く同じですが……」
角間「その際は音の木坂が見事勝利を掴みました!……がしかし、それから両チームがどれほど腕を上げたのかが気になるところです!」
角間「優勝という栄光を手にするのはどちらのチームだぁ!?」
502 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:46:58.71 ID:7faCPDqA0
音の木坂ーー!!!がんばれー!!
生徒会長ー!!
ワーーーーー!!!!
穂乃果「すっご……!」
希「エリチ人気者やん」ニヤニヤ
絵里「お堅い生徒会長がサッカーしてるって物珍しさでしょ」
にこ(え?こいつファンクラブあること知らないの?)
希(前に言ったら「はいはい、そんなドッキリには引っかからないわ」って流された)
にこ「……はらしょー」
おっちゃん「穂乃果ちゃーん!!!がんばれよぉ!!」
おばちゃん「負けんじゃないよ!!」
穂乃果「商店街のみんなも!」
海未「ふふ、賑やかですね」
ことり「人……人……人……」スッスッ
雪穂 ゴクゴクゴク…!
穂乃果「みんなーー!!!!応援よろしくぅ!!!」
ワーーーーー!!!!!
真姫(……人)ゴクッ
503 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:48:24.53 ID:7faCPDqA0
音の木坂サイド
穂乃果「………」スゥ……ハァ……
海未「穂乃果、大丈夫ですね」
穂乃果「……うん!」
希「……?向こうに知らない子がいる」
絵里「髪が長いし……女の子かしら」
にこ「なに、助っ人呼んでるの?」
花陽「それについてはこっちはなにも言えない気が……」アハハ…
真姫「わざわざ決勝戦に出すぐらいだから実力はあるわよね」
ことり「……うん、どうしよう」
穂乃果「それについては前回と同じ!」
穂乃果「今は考えても仕方ないよ!目の前のことに全力を尽くそう!」
みんな「おーー!!!」
海未「…………」
海未「真姫、凛、ちょっといいですか?」
真姫「?」
凛「にゃ?」
504 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:49:43.85 ID:7faCPDqA0
監督「リーダー、試合前に一言頼む」
穂乃果「はい!」
穂乃果「みんな聞いて!」
バッ!
穂乃果「………」
みんな「………」
穂乃果「えーっと……」
海未「……穂乃果?」
穂乃果「えへへ、ごめんね、なんて言えばいいのか………」
にこ「久しぶりに頭使うから錆びついてんじゃないの?」ニヤニヤ
凛「にこちゃん錆止め使う?」
にこ「にこじゃなくて!!」
希「凛ちゃん、錆止めじゃ故障してるものは治らんよ?」
にこ「だぁれが故障よ!!にこはバリバリの受験生!!」
凛「あーそっかぁ……!さすが希ちゃん!」ハッ…!
にこ「納得してんじゃないわよ!!」クワッ!
穂乃果「……ふふ、そうだね、そうしよう」クスクス
みんな「?」
505 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:50:33.74 ID:7faCPDqA0
穂乃果「みんな」
穂乃果「特別なことは何もいらない」
穂乃果「いつも通り、悔いの無いよう全力を出しきろう」
希「………」
穂乃果「勝つよ!!」
みんな「おー!!」
506 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:51:32.35 ID:7faCPDqA0
UTXサイド
ツバサ「あぁ……!待ちに待ったこの試合!」
エレナ「浮かれすぎだバカ」
あんじゅ「エレナは楽しみじゃないの?」
エレナ「……楽しみだ」
あんじゅ「ふふ、正直でよろしい」
507 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:52:54.53 ID:7faCPDqA0
MF3「…えぇ!?これ買うためだけに朝早起きしたんっすか!?」
MF1「紅茶などコンビニで買えばいいではないですか」
DF2「……!」ジュゥゥゥ……!!
プハァッ
DF2「わかってへんなー2人とも」
DF2「あのお店にしか出せへん味っていうのがあるんよ」
MF2「でも朝早起きして買うほどじゃなくないすか?」
DF2「そんなん買ってみんとわからんやん」
DF2「やらずに後悔するよりやって後悔した方が気持ちええやろ?」
MF1「……一瞬でもかっこいいと思ってしまった自分を殴りたいです」
DF2「おうおう、ようやくウチの良さがわかってきたか」
DF1「うわー……すごくわかりやすく調子に乗ってる……」
MF2「お前はどう思う?」トントン
GK「………!」ペラッ
みんな「……」ジッ
GK「……ぁ……えと……」ビクッ
GK「……か、カッコいいです……」
DF2「さっすがかわええ後輩や!!」ワシャワシャ!
GK「あわわわわ……!」ボサァッ
508 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:53:58.66 ID:7faCPDqA0
あんじゅ「みんな、準備はいいかしら?」
ツバサ「あの日のリベンジを、今日果たすわよ」
みんな「おお!!」
???「ボクは初めから出てもいいのかな?」
ツバサ「あなたは途中からって言ったでしょ」
ツバサ「くれぐれも、油断しないこと」
???「神の前には全て無力さ」
ツバサ「………」ハァ……
DF1「高校に入る前にはそれ治しなよ?アフロちゃん」
アフロちゃん?「……アフロではない!」
509 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:55:36.27 ID:7faCPDqA0
アフロちゃん?「ボクの名前はアフロディだ!!」
MF2「はいはいアフロ」
MF1「アフロさん大人しくしていてくださいね」
MF3「アフロちゃん!」
DF2「アフロ」
GK「………アフロ」
アフロディ「アフロじゃない!!」
お姉さん「…………」
お姉さん(さぁ、どうなる……)
FW
絵里、真姫
MF
海未、ことり、にこ、希
DF
凛、花陽、雪穂、亜里沙
GK
穂乃果
510 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:56:45.26 ID:7faCPDqA0
ザッ
ツバサ「………」
穂乃果「………」
角間「両者向かい合い、言葉を交わさず見つめてっています!!」
角間「もはや言葉など不要!!語るならばボールで語り合おうということでしょうか!!」
ツバサ穂乃果(いや普通に緊張してるだけ……)
角間「コイントスの結果、UTX高校ボールでスタートいたします!」
ツバサ「………よろしく」 スッ
穂乃果「………よろしくお願いします」ガシッ!
511 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:57:50.10 ID:7faCPDqA0
観客席
穂乃果ママ「ほら!みんなこっちよ!」
海未ママ「もう始まりますね」
ことりママ「どんな試合を見せてくれるのかしらね」
にこママ「こら!ここあ、じっとしてなさい。こころはコタロウのことお願いね」
希ママ「ん〜……お酒足りるかなぁ…」ガサゴソ
絵里ママ「……没収」ガサッ
希ママ「そ、そんなぁ〜……!!」
凛ママ「勝てるかな〜」
真姫ママ「大丈夫よ、カツサンド差し入れてあげたから」
花陽ママ「……ダジャレ〜?」
凛ママ「ちょっと寒いな」
真姫ママ「なによ!」
穂乃果ママ「ほらほら!もう始まるみたいよ!」
512 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:58:28.49 ID:7faCPDqA0
角間「両者配置につきました!因縁の対決を制すのはいったいどちらのチームだぁ!?」
ベンチ
ヒデコ「あれ…?このぬいぐるみ何?」
ミカ「あー、それ希先輩のだよ」
ミカ「カバンから落ちてたからそこに置いてるんだ」
ヒデコ「なんでぬいぐるみ?」
フミコ「わかんないけどご利益ありそうじゃない?」
ヒデコ「それもそうだね!置いとこう!」
513 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 03:59:21.99 ID:7faCPDqA0
ザッ
ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……
穂乃果「…………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ツバサ「どうも、音の木坂の皆さん」
ツバサ「リーダーの綺羅ツバサよ」
ヒフミ「ウワァァ!!!」ドサッ
凛「あぁぁ!!!」ドサッ
花陽「きゃああ!!」ドサッ
ことり「ふぐぅ……!!」ドサッ
514 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 04:01:27.55 ID:7faCPDqA0
ツバサ「お願い……今更私たちが言えることじゃないかもしれないけど……信じて」
穂乃果「……」
穂乃果「わたしたち、決めたんです」
穂乃果「綺羅さんたちに本当のことを聞くまで信じようって!」
ツバサ「この前とは違う、正々堂々な勝負を!」スッ
穂乃果「よろしくお願いします!」ガシッ
515 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 04:02:27.86 ID:7faCPDqA0
あんじゅツバサ「はぁぁぁぁ!!!」バッ
ドキュルルルルルル!!!
あんじゅ「絶対に……!」ググググ
ツバサ「止める!」ググググ
角間「綺羅と優木がフォローに走っていたぁ!!」
穂乃果「……勝った?」
「「「「「……………」」」」」」
凛「ぃ〜〜〜〜!!!」
「「「「ぃやったぁぁぁぁ!!!!」」」」
海未「やった!やったんですよ穂乃果!」ガッ
穂乃果「い、痛い痛い!」
ことり「穂乃果ちゃぁん!」ガッ
穂乃果「ぎゃぁぁぁ!!!」ガクッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
516 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 04:03:27.47 ID:7faCPDqA0
角間「今……!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ツバサ「決勝で会いましょう!」スッ
穂乃果「は、はい!」ガシッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「………」ブルッ……!
ピーーーーーーーーーー!!!!
ドッ
角間「試合開始で……」
海未「ことり!右サイド……」
517 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 04:04:36.12 ID:7faCPDqA0
ドキュッ!!!
ドシュルルルル………!!!
海未「………」
海未「…….は?」クルッ
518 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 13:59:57.61 ID:7faCPDqA0
シュルルルルルル………!
ズズッ……!
穂乃果「……っぐ……!」シュゥゥゥゥ……
角間「…………」
角間「…………な」
519 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:00:47.97 ID:7faCPDqA0
角間「何というスピードだぁぁ!!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「目にも留まらぬ電光石火、シュートを放つもキーパー高坂見事にキャッチ!!」
角間「これは宣戦布告かぁ!?」
花陽「い、一瞬でゴールまで……」
絵里「面白いじゃない」
ツバサ「さぁ………始めましょう」ニッ
穂乃果「……っ」ゾクッ
520 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:01:42.83 ID:7faCPDqA0
絵里ママ「……敵は随分厄介みたいね」
希ママ「そうよぉ〜、ボール3つ使うなんて反則よぉ〜!」ヒック…!
絵里ママ(いつのまに……)
穂乃果「海未ちゃん!」ドッ!
海未「はい!」トッ
角間「不意打ちを食らいながらも音の木坂、すぐさま反撃の体制!!」
海未「凛!真姫!」ドッ!
真姫「ええ!」トッ
凛「まっかせるにゃー!」タッタッタッ
ツバサ「……!これは……」
角間「ディフェンス陣営から星空が飛び出していましたぁ!!奇襲を読んでいたのかぁ!?」
真姫「凛!いくわよ!」
凛「うん!」
521 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:02:40.09 ID:7faCPDqA0
グッ グッ
ダンッ!ダンッ!
グルグルグル グルグルグル
バッ…!
ドキュッ!!!!
真姫凛【ファイアトルネードDD!!】
ゴォォォォォォォォォ!!!!
522 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:03:45.18 ID:7faCPDqA0
角間「鮮やかなカウンタァァァァ!!!」
角間「前回決勝ゴールを決めたこのシュート、止めることができるのかぁ!?」
GK「………」
あんじゅ「前回だって」クスッ
GK「……」スゥ………ハァ…………
ギラッ……!
523 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:04:36.08 ID:7faCPDqA0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他人と関わるのが苦手だった
嫌いではない
ただ………一人の方が楽だった
GK「……今なんて……」
お姉さん「だからさ」
524 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:05:32.21 ID:7faCPDqA0
お姉さん「君をこのチームから外してもいいかなって」
GK「……嫌です」
お姉さん「でも力不足でしょ?」
GK「……っ」
お姉さん「……ほら、止めてみなよ」ザッ
ドキュッ!!
GK【フルパワーシールド!】
ギュルルルルル!!!!
バリィン!
GK「きゃぁ!!」ブワァ……!
ゴロゴロゴロ……ドサッ!
シュルルルル………!
テンテンテン………
525 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:06:46.83 ID:7faCPDqA0
お姉さん「……じゃ、新しいキーパー探しとくね」スタスタ
GK「……っ待ってください……!!」ズズッ……
お姉さん「……」スタスタ
GK「待って!!」ズズッ
お姉さん「……」スタスタ
他人と関わるのは苦手だ
相手が何を考えてるのかわからないし、気を使うのは疲れる
…………でも
『あなたの目、隠れて見えないわ』
『同じ一年生同士、もっと私にも頼ってよ!』
このチームは、不思議とそれを感じさせない
ここ(GK)は………私の居場所
ここ(GK)が………私の居場所
私の………
526 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:07:33.21 ID:7faCPDqA0
居場所(ナワバリ)
ゾクッ……!
お姉さん「……!」クルッ
GK「……あと一本だけ、お願いします」ムクッ
お姉さん「……負けたら?」
GK「二度とこのチームのキーパーはしません」
お姉さん「……いいね」ジャリッ
527 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:08:13.93 ID:7faCPDqA0
お姉さん「はぁっ……!!」ドキュッ!!
ゴォォォォォォォォオ!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
528 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:09:12.61 ID:7faCPDqA0
ゴォォォォォォォォオ!!!!!
凛真姫「決まれ!!」
穂乃果「いっけー!!!」
GK「………」
GK(私の居場所を侵すのは、何であっても許さない)
DF1「止めちゃえー!」
GK「………」バッ…!
GK【ビーストファング!!】
ガブゥッ……!!
529 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:10:17.10 ID:7faCPDqA0
シュルルルルルル………
GK「……」パシッ
角間「……と、止めたぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「さすがはUTX!!前回の借りをしっかりと返してきました!!」
あんじゅ「ふふふ」ニコニコ
真姫「……完璧に……」スタッ
凛「……止められた……」スタッ
絵里「……!二人とも切り替えて!ディフェンス!」
真姫凛「……!了解!」ダッ!
GK「お願い……します!」ドッ
ポーン……!
530 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:11:28.76 ID:7faCPDqA0
トッ
角間「ボールは統堂が抑えました!」
エレナ「さぁ、攻守交代だ」
花陽「…!」
花陽(まさか…前回の借りを返すためにわざとシュートを……?)
にこ「ことり!」ダッ!
ことり「うん!」ダッ!
にこ(……こころ、見てなさい)チラッ
エレナ「よそ見などしていていいのか?」
にこ「……お気遣いどうも!」バッ
にこ【スピニングカット!】
ズシュゥゥゥゥ………!!!
ブワァァァァァァ!!!!
エレナ「……甘いな」ダッ
ブワァァ……!
角間「なんと統堂、必殺技をものともしない正面突破ぁ!!」
にこ「……」ニヤッ
531 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:14:07.20 ID:7faCPDqA0
ことり「はぁぁ!!」ズザザッ!!
エレナ「ほぅ……!」
角間「矢澤の必殺技が目隠しになり反応が遅れたかぁ!?本命は南のスライディングだぁぁ!!」
にこ「獲った……!!」
凛「いっけー!」
エレナ「……だが」
エレナ「惜しいな」フフ
希「…!!にこっち!ことりちゃん!違う!!」
にこことり「え?」
532 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:15:03.70 ID:7faCPDqA0
MF1「ほっ…!」トッ
角間「技を突破する前にバックパスを出していました統堂!!味方にパスが通ります!」
にこ「なっ…!?あの一瞬で……」
エレナ「目隠しはお互い様だろう?」クスッ
にこ(なんて判断力の速さ……)
にこ「海未!」
533 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:16:03.10 ID:7faCPDqA0
MF1「……!」ピタッ
海未「……あなたには前回の借りがありましたね」ザッ
MF1「……あの頃から互いにどれほど変わったのか………」ジャリッ……
MF1「楽しみですね」ダッ!
海未「そうです……ね!!」ダッ!
ガッ! ザザザッ トトッ
海未「…くっ…!やはりそう簡単にはいきませんか」ガガッ
MF1「ふふ、あなたも前とは違いますね…!」トッ
MF1(間合いの取り方が上手くなっている……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
UTX高校
ツバサ「……で、話って何かしら」
エレナ「自主練習の時間がなくなってしまう」
あんじゅ「そんなに焦らなくたっていいじゃない」まったく……
MF1(三年生)「………」
MF3DF2(三年生)「……」
534 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:16:53.81 ID:7faCPDqA0
MF1「………もう、私たちにパスを回してくれなくて大丈夫です」
あんじゅエレナ「!!」
ツバサ「……訳を聞いても?」
MF1「音の木坂との試合、ボールを奪取されたのはほとんど私たちでした」
MF3「ツバサさんたちがいくら強くても、自分たちが迷惑をかけてちゃ勝てないっすよ……」
DF2「……」
ツバサ「………」
MF1「そういうわけでこれからは……」
ツバサ「なるほど」
535 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:17:50.12 ID:7faCPDqA0
ツバサ「嫌だけど」ズバァッ
エレナ「ほら、もう戻ってもいいだろう?」
あんじゅ「ええ、大したことじゃないみたいだし」
MF1「なっ…!私たちは真剣に……!!」バッ
ツバサ「私はこのメンバー全員で優勝を目指す」
MF1「ですからそのために……」
ツバサ「力が足りないと思うなら、死に物狂いで強くなればいい」
ツバサ「私たちもそのつもりよ」
MF1「……」
ツバサ「何より……」
MF1.3DF2「?」
ツバサ「つまんないじゃない、そんなサッカー」ニコッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
536 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:19:08.07 ID:7faCPDqA0
ザッ ガガガッ トッ
海未(押しすぎるといなされるので一度少し引いて……)ザッ
MF1(………ここ!)ドッ
海未「……へ?」トッ
希「!!」
角間「おおっとこれはぁ!?激しいせめぎ合いの最中、一歩距離をとった園田の胸元へ優しくパスを出しましたぁ!!」
角間「これを丁寧にトラップで……」
海未(なっ……これ……まずっ……!)ビクッ!
MF1「落とさないでくださいね?」クルッ
希「海未ちゃん!!」
537 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:26:30.30 ID:7faCPDqA0
MF1【ジャッジスルー!】ドガァッ!!
海未「うぁぁ!!」ドサッ
角間「これは痛烈!!強力な必殺技が園田を襲います!!」
絵里「あの技は……!!」
希「海未ちゃん大丈夫!?」ダッ!
海未「……?痛く……ない?」ムクッ
希「へ?」
MF1「この技は本来敵を痛めつけるためのものではありません」
MF1「敵の重心を崩すのに効果的な[技術]です」
あんじゅ「くしゅっ…!」
海未「……やりますね」
MF1「どういたしまして」ダッ!
角間「UTXが攻め上がります!」
538 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:27:23.38 ID:7faCPDqA0
花陽「敵の動きに合わせて流すのではなく、崩す……」
雪穂「ということは……」
希「押しても引いても、全て対処されるってことやね……」
希(あんちゃんとは桁違いのキレ……こっちが本家か)
MF1(よし……このまま持ち込んで……)
ゾクッ……!
MF1「……!」バッ!
ことり「………」ジーーーーーー
ことり(海未ちゃんを傷つけるのは許さないよ?)ジーーーーーー
MF1(……全く、人は見かけによりませんね)ブルッ……!
タッタッタッ
539 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:29:42.75 ID:7faCPDqA0
角間「ぐんぐん攻め上がっていくぞぉ!!この勢いを止めることが………」
亜里沙「はぁあ!!」ガッ!
MF1「ぐっ…!!」グラッ…
角間「絢瀬が敵の侵入を防ぎましたぁ!!」
MF1「亜里沙…!」
亜里沙「えへへ……!」トッ
亜里沙「希さん!」ドッ!
希「うん!」トッ
MF3「おおっと、行かせないっすよ!」ザッ
DF2「抜いてみぃエセ女!」ザッ
希「……っ!」
角間「すかさず2対1の状況へと持ち込みました!!」
希(対応が早い……!)
希(【イリュージョンボール】も警戒されてる……なら!)
希「にこっち!」バッ
540 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:31:19.62 ID:7faCPDqA0
にこ「!?」ズザザッ!
希「…なっ…!」ピタッ
希(なんであんなところに……)
絵里「にこ!上がりすぎよ!」
にこ「ーーわかってるわよ!」ダッ!
花陽(……にこちゃんが上がりすぎていたおかげで中盤に隙ができてる)
花陽「……!希ちゃん危ない!」
MF3「もらったっす!!」バッ
【クリエイション……!】
541 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:32:33.68 ID:7faCPDqA0
ドガァッ……!!!!
希「……!!」
MF3【ザ・マウンテン!!】
海未「こ、これは……!」
絵里「この間までとレベルが違う……!!」
お姉さん(もともと素質のある子だったけど、ようやくイメージと実力が追いついたって感じかな)
穂乃果「希ちゃん!!」
希「…っぐぐ…!!」ズザザッ!
希「雪穂ちゃん!」ドッ
雪穂「よし…!」トッ
角間「ギリギリのところで高坂雪穂にボールを戻します!」
雪穂(ここは一度落ち着いて……)トトッ
にこ「後ろ!すぐ来てるわよ!!」
雪穂「……へ?」クルッ
542 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:33:50.45 ID:7faCPDqA0
あんじゅ「あらぁ?少し見ない間に随分顔つきが変わったみたいね」
雪穂「っ…!?」バ ッ…!
雪穂(いつのまに近くに……!!)
花陽(展開が早すぎて後手に回っちゃってる……!!)
あんじゅ「ボールちょうだい♪」バッ
雪穂【ハ、ハンターズハイド!!】
スゥ……!
ドクドクドクドク
雪穂(び、びっくりしたぁ……)ドキドキ
雪穂(優木さんは……)チラッ
雪穂「…!!」
雪穂(ゆ、優木さんがいない!?)
雪穂(いったいどこに……)キョロキョロ
「………」ニヤッ
あんじゅ「みーつけた」
雪穂「後ろ……!!」クルッ
543 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:34:46.87 ID:7faCPDqA0
シュバッ!
雪穂「そんな……っ」ガクッ
ワァァァァァァァァァァ!!!!
穂乃果「雪穂!」
角間「UTX優木、高坂の必殺技を破ったぁ!!」
あんじゅ「相手が悪かったわね、高坂さんの妹ちゃん♪」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ!君が妹ちゃんか〜」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂「……っ!」
ツバサエレナ ダッ!
海未「しまった……!」
角間「綺羅と統堂も前線へ上がります!」
544 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:36:00.80 ID:7faCPDqA0
ツバサ「ふふ、そろそろ仕掛けさせてもらうわよ」タッタッタッ
花陽「させません!」ザッ
ツバサ「あら、コンタクトにしたのね。よく似合ってるわよ」
角間「音の木坂最後の砦小泉、3対1というこの状況、止めることができるのかぁ!?」
花陽(ここで止める……!!)グッ…!
花陽【ディフェンス方……】
ツバサ「あんじゅ!」ドッ
ドッ トッ
ツバサ「悪いわね」ふふ
海未「なっ…!?」
花陽(全然間に合ってない……)
ツバサ「いくわよ!あんじゅ!エレナ!」
あんじゅエレナ「了解!」バッ
545 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:37:13.52 ID:7faCPDqA0
ツバサ「……穂乃果さん」
穂乃果「!」グッ
ツバサ「先取点は頂くわ」
エレナあんじゅ ダッ!
タッタッタッ
ズシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!
ゴォォォォォォォォオ!!!!
花陽「【トライペガサス】……」
絵里「最初から飛ばしてくるわね……!」
凛「大丈夫にゃ!穂乃果ちゃんなら……!」
ことり「…待って……これ……」
希「……何かおかしい」
546 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:39:11.13 ID:7faCPDqA0
ツバサ「ペガサスは今、不死鳥となって蘇る」
ボファアァァァァァァァァ!!!!!
ドッドッドッ
ツバサエレナあんじゅ【ザ・フェニックス!!】
ドゴォォォォォォォォオ!!!!!!
角間「出たぁぁぁ!!!!UTX高校の究極奥義【ザ・フェニックス】!!序盤から飛ばしていきます!」
にこ「【トライペガサス】を進化させて……!!」
絵里亜里沙「ハラショー………」
海未「穂乃果!!」
穂乃果「……任せてよ」
547 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:41:02.33 ID:7faCPDqA0
穂乃果「………」スゥ……
穂乃果「………」ハァ……
穂乃果「…………」
キッ……!!
ゴォォォォォォォォオ!!!!
パチッ………パチッ………
穂乃果「パズルのピースを……」
穂乃果(……もっと……もっと大きく……)
グググッ
穂乃果(………もっと!)
ピシィ…!!
穂乃果「……っぐぐ……!!」ミシィ……
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】
548 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:42:04.25 ID:7faCPDqA0
バチィッ……!!
穂乃果 ドサッ
ドシュルルルルル………!!!
凛「………え」
角間「………き、決まったぁぁぁぁ!!!!」
角間「UTX高校の進化した必殺技に高坂手も足も出ず!!」
角間「先制点はUTXだぁぁ!!」
ツバサ「やっぱりこの技は体力の消耗が激しいわね」ハァハァ
あんじゅ「でもスタートダッシュは切れたんじゃない?」ハァハァ
エレナ「とりあえず及第点だな」ハァハァ
549 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:43:09.89 ID:7faCPDqA0
海未「だ、大丈夫ですか穂乃果?」ガシッ
穂乃果「……う、うん……」ググッ……!
穂乃果「ごめんみんな、粘ることもできなかった……」
穂乃果(これ以上は……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マジン「………」
ドロッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「………」ブルッ…!
ことり「ううん、今のは仕方ないよ」
にこ「【トライペガサス】と比べてどうだった?」
穂乃果「正直……比べ物にならないくらい強かった……」
穂乃果(それなりにリスクを犯しても手も足も出ないぐらい……)
絵里「でも攻撃も守備も思っていたほどの差じゃないわ!」
海未「ええ、これならば勝機は十分にあります」
550 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:44:01.34 ID:7faCPDqA0
凛「海未ちゃんさっきの……大丈夫?」
海未「ええ、本当に痛みがないのでびっくりしました、すごい方ですよ」
凛「……そっか、よかった」ホッ
にこ「なーによ凛、今日は随分としおらしいじゃない」
希「変なものでも食べたんやない?」
凛「………知らない知らない知らないにゃー!!」ダッ!
にこ希「逃げた」
穂乃果「よーし!それじゃあみんな!まだまだこれから、張り切っていこー!!!」バッ!
みんな「おー!!!」バッ!
凛(……だってこのメンバーで試合できるのは今日で最後だから………)
凛(誰も欠けて欲しくないから………)
花陽「凛ちゃーん!始まるよー!」
凛「今いくにゃー!」ダッ!
凛(………なんてね)フフ
穂乃果「………」ギュッ……
551 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:44:55.70 ID:7faCPDqA0
角間「ここでUTXメンバーチェンジです!助っ人のアフロ照………アフロディ?が加わります!」
アフロディ「ふふ、ようやく僕の出番か」ザッ
絵里「ここであの子が出るのね」
ことり「なんだか強そうだね〜」
穂乃果「みんなー!まだまだこれからだよー!」
みんな「おー!」
552 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:46:08.27 ID:7faCPDqA0
UTX高校1-0音の木坂
ピーーーーーーー
ドッ
角間「1点ビハインドで音の木坂ボール!!いったいどのように展開していくのでしょうかぁ!!」
ツバサ「はぁ……はぁ……」
ことり(綺羅さんまだ息が切れてる……)トッ
ことり(これなら……)ザッ
タッタッタッ
角間「後衛から誰かが上がって行きます!一体……」
ことり「お願い!」ドッ!
553 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:47:09.41 ID:7faCPDqA0
亜里沙「はい!」トッ
角間「絢瀬だぁぁ!!」
ツバサ「……亜里沙」……ふぅ
真姫絵里 ダッ!
角間「西木野と絢瀬が上がっています!一体何をするつもりだぁ!?」
亜里沙「はぁ…!!」バッ
パキパキパキ
亜里沙【氷の矢!!】ドキュッ!!
ゴォォォォォォォォオ!!
角間「ボールはフィールドを縦断し一直線に前線へと向かいます!!」
花陽「よしっ…!」
凛「いっけー!」
ツバサ「……そこまでお人好しじゃないわよ」
554 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:48:14.06 ID:7faCPDqA0
クルクルクル
ボファァァァァァァァ!!!!!
亜里沙「っ……!?」
DF1【フレイムダンス!】
ジュゥゥゥゥ………!
テンテンテン………
角間「勢いを完全に止めたぁ!!」
絵里真姫「!」ズザザッ……!
DF1「へっへーん!」ブイッ!
タッタッタッ
DF2「……ちょっ……!前見ぃ前!!」
555 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:49:10.95 ID:7faCPDqA0
にこ「どらぁ!!」ガッ!
DF1「うわぁ!」ドサッ
角間「これはナイスプレー!矢澤、見事ボールを奪い返しました!」
凛「にこちゃんすごいにゃー!」
花陽「うん……すごすぎるぐらい……」
MF2「お前ホント変わってねーなぁ……」
DF1「うぅ〜〜……!!!」プルプル
にこ「……はぁ……はぁ」
絵里「にこ!こっちに……」
にこ「とりゃあ!」ドキュッ!!
真姫「に、にこちゃん!?」
角間「これは矢澤思い切ったプレー!シューとしたボールはまっすぐゴールへと向かっていきます!」
556 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:50:04.13 ID:7faCPDqA0
GK「……!」バッ!
パシッ
にこ「……ちっ」
角間「これをキーパーがっしりとキャッチしました!」
ツバサ「……珍しいわね、矢澤さんがシュートなんて」ハァ……ハァ……
エレナ「ああ、初めて見た」ハァ……ハァ……
絵里「ドンマイにこ、惜しかったわよ」
真姫「全く……どういう風の吹き回し?」
にこ「……ごめん」タッタッタッ
絵里「……にこ?」
凛ママ「だー!!惜しかったなぁ!」
にこママ「どうしたのかしら、らしくないわね……」
こころ「お姉様………」
557 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:51:19.04 ID:7faCPDqA0
DF2「よっしゃ!」トッ
海未「いかせません!」ザッ!
DF2「………」ジッ
海未「……?」ペターン
DF2「……ちっさ」ボソッ
海未 カチン…!
海未「どこの話をしているのですか!!」バッ
DF2「……はぁ」トッ……ザザッ!
海未「……っ…!!」イラァッ…!
海未「なぜ!あなたに!!ため息を!!つかれなければ!!ならないの!!ですか!!」ガッ!ガガッ!ザッ!
DF2 プッ…!
DF2「動揺しすぎやろ」クスクス
クルッ ダッ!
海未「……っく!」ガクッ
DF2「……!」チラッ
DF2「頼んだ!!」ドッ
558 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:52:20.94 ID:7faCPDqA0
花陽「なっ……!」
角間「こ、これは!中盤から前線へのミドルパスです!空高く上がったボールがゆったりと前線へ向かいます!」
にこ「っち…!」ダッ!
希「にこっち!」
希(さすがに深追いしすぎじゃ……)
海未「このボールを取られてはまたシュートチャンスに……」
花陽「!?」
ツバサエレナあんじゅ「はぁ……はぁ……」
海未(A-RISEの三人は動いていない……!?)
花陽(まさか…!!)
559 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:53:18.79 ID:7faCPDqA0
MF1「任せましたよ、アフロさん」
ツバサ「しっかりと決めなさいよ、アフロちゃん♪」
アフロディ「ア・フ・ロ・ディ・だ!」ダッ
角間「アフロディがシュート体勢!!音の木坂完全に裏をかかれたぁ!」
花陽(疲れてあまり動けない綺羅さんたちの代わりの攻撃翌要員……少し考えれば分かる事だったのに……!!)
アフロディ バッ!
花陽(そんな位置からシュートを……!!)ダッ!
アフロディ「いくよ」
穂乃果「こい!!」
560 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:54:34.36 ID:7faCPDqA0
アフロディ「天使の羽ばたきを聞いたことがあるかい?」
バサァ……!
バッ!
アフロディ【ゴッドノウズ・インパクト!!】
ドキュッ!!!
ゴォォォォォォォォオ!!!!!
角間「助っ人アフロディの強烈な必殺技ぁ!!高坂止められるかぁ!?」
穂乃果「………」グッ……
561 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:55:57.04 ID:7faCPDqA0
パチッ……パチッ……
穂乃果(……もう少しだけ大きく……)ググッ
ピシィ…!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マジン「………」
ドロッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「っ……!?」ビクッ
シュゥゥ………
穂乃果(やばっ……びっくりしたせいで力が……!)
ゴォォォォォォォォオ!!!!
穂乃果「……っやるしかない…!!」バッ!
562 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:56:42.85 ID:7faCPDqA0
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
ギュルルルルル!!!!
ズズズズ………!
穂乃果「そ…なっ……!?」グググッ
角間「高坂押されている!!追加点を許してしまうのかぁ!?」
絵里「うちのリーダーを舐めないでもらいたいわね」
海未「あなたなら大丈夫です!!穂乃果!!」
ことり「いけーー!!!」
穂乃果「ぬぐぐぐぐ……!」グググッ
563 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 14:58:29.07 ID:7faCPDqA0
バチィッ
穂乃果「ーーーーッ……」
海未「………穂乃……果?」
ドサッ
角間「ーーーー……っ!」
角間「高坂破れたぁぁぁ!!!ボールは無情にもゴールへ向かって……」
にこ花陽「はぁっ!!」バッ!
ギュルルルル!!!!
ドキュッ!!
にこ花陽「うぐっ……!!」ドサッ
564 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 15:00:01.95 ID:7faCPDqA0
希「にこっち!」
雪穂「花陽さん!」
角間「ここは小泉と矢澤のファインプレー!なんとかピンチを凌ぎました!」
穂乃果「………」
にこ「穂乃果!!早く起きなさい!!切り替えて!!」はぁ……はぁ……
穂乃果「……うん」ムクッ
花陽(……穂乃果ちゃん?)
ポーン……!
凛「っと…!」トッ
角間「こぼれ球は星空がおさえました!」
凛「よし!」
凛(はじめにシュートを打ったのは凛たちなのに、流れを持っていかれてる……)
花陽(凛ちゃんがボールを持ってる、敵は……)
真姫「凛!すぐ来てるわよ!」
アフロディ「神の前には全て無力さ」ザッ
花陽(あ〜もう!考える時間をください!!)
凛「っ…!」グッ
565 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 15:01:14.47 ID:7faCPDqA0
凛【アクロバットキープ!】
ダッ グゥン クルッ!
アフロディ「……ふふ、神をも凌ぐとは大したものだ」
MF2「お前よくそんなセリフが出てくるな」
凛「よし!」
角間「星空抜いたぁ!!」
MF1「あなたには前回の借りが残ってましたね」ザッ
凛「……!」ピタッ
ことり「凛ちゃん!こっちに……」
DF2「させへんよぉ〜」バッ
ことり「……っ!」
566 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 15:02:51.96 ID:7faCPDqA0
MF1「さぁ……お相手願います」
凛(……今までの【アクロバットキープ】じゃダメ……)
凛「なら……!」
凛ママ「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛ママ「………これは…!」
ケータイ『タイムアーーーーップ!!!』
ケータイ『見事時間内逃げ切り成功です!!』
凛ママ(……アクロバット鬼ごっこ……か)
凛ママ「………面白いところに目をつけたな、凛」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛ママ「行け凛!!」
凛 ニコッ
MF2(……来る!)グッ
凛(凛が流れを………変えるんだ!)
567 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 15:04:37.68 ID:7faCPDqA0
凛【アクロバットキープ……】
バッ!バッ!ダッ!クルッ……シュバッ!
凛【パルクール!】
MF1 「ーー…!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「星空またも抜いたぁ!!乗ってきたぞ音の木坂!!」
凛ママ「よっし!!」
にこ「あの動き……!」
絵里「いいわよ凛!」
凛「えへへ…!」
MF1(一見めちゃくちゃに見えますがどこか規則的な動き……)
MF1「さすが……と言いたいところですが」
MF1「前回からのあなたの成長がこれなら……」
MF1「少々期待はずれです」
花陽「凛ちゃん危ない!!」
凛「!」ビクッ
568 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:21:20.09 ID:jN1CLSCPO
ガガガッ……!!
凛「!?」グラッ!
角間「おおっとぉ!?抜かれたかに見えたMF1、粘り強いディフェンスで食らいつきます!!」
凛(なんで……!?抜いたはずじゃ……)
MF1「規則的ということは読みやすくなったということ、簡単には抜かせません……よ!!」ガガッ!
凛「ふぐっ……!」グラァ…!
花陽「凛ちゃん!!」
569 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:22:01.06 ID:jN1CLSCPO
ザッ……クルッ!……トッ……!
MF1「………は?」
角間「………へ?」
凛【アクロバットキープ・カポエイラ】
凛「簡単には止めさせないにゃ〜!」トトッ
角間「星空粘り切ったぁぁぁ!!!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
凛ママ「………そういうことか、凛」
570 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:24:04.49 ID:jN1CLSCPO
監督(1つの種目にこだわらず、雑食に他スポーツの動きを取り入れる)
監督(しなやかな筋肉と身軽な身体、ボディバランス……)
監督「……凛にしか出来ない芸当だな」
監督「……」チラッ
希「………」
角間「星空軽やかな動きで一気に抜き去ったぁ!!流れを手繰り寄せます!」
MF1「……前言撤回です、やはり侮れませんね」
凛「どういたしましてにゃ!」
絵里「凛!」タッタッタッ
凛「お願い!」ドッ!
571 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:24:48.45 ID:jN1CLSCPO
ポーン!
テンテン……!
角間「前線へパスを出すが少し強いかぁ!?」
絵里「真姫!」
真姫「ええ!」
角間「音の木坂シュート体勢!!」
絵里(強すぎなんかじゃない、最高のパスよ、凛)
凛 ニッ
572 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:26:01.98 ID:jN1CLSCPO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合宿夜中
絵里「真姫もわかったんでしょう?」
絵里「なぜ私たちがあの技を完成させられなかったのか」
真姫「ええ」
絵里「私たちはお母様方に比べてキック力が弱い」
絵里「それを補うためには……」
真姫「あのときまぐれで起きたシチュエーション」
真姫「それこそが大切な要素の1つだった」
絵里「……もう説明なんていらないわよね?」ジャリッ……
真姫「ええ」ジャリッ……
凛「……ふぁぁ」ムクッ
凛「……トイレ行こ」キョロッ
凛「ん?あれって……」
573 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:26:51.23 ID:jN1CLSCPO
絵里(いままでの練習とマグレで成功した時との違い……)
真姫(それは……)
凛「………!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里 ダッ!
真姫 ダッ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里真姫(助走の有無!!)ダッ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
574 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:27:27.14 ID:jN1CLSCPO
絵里 ブワァァァァァァ!
真姫 ブワァァァァァァ!
フワッ………
ドキュッ!!!!
絵里真姫【クロスファイア!!】
ゴォォォォォォォォオ!!!!
575 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:28:17.78 ID:jN1CLSCPO
角間「前回よりはるかにキレが増しております!!」
海未「完成したんですね……!」
絵里ママ「へぇ……!」
真姫ママ「真姫ちゃん大きくなったわね……!!」ダーーッ!
ゴォォォォォォオォォ!!!!!
GK「……!」
GK(……その技は準決勝の……)
絵里真姫「いけ!!!」
GK「……止める」スッ
576 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:29:14.97 ID:jN1CLSCPO
GK【ビーストファング!!】
ガブゥッ……!!
ギュルルルルル!!!!!
GK「……!あの時より……威力が!」ズズズズ……
真姫「あんな未完成品と比べないでほしいわね!」
絵里「今度こそいただくわよ!」
ギュルルルルル!!!!
GK「……っぐ……!!」ズズズズ!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
GK「わたし……私!」ポロポロ
ツバサ「ごめんなさい、勝たせてあげられなくて」ナデナデ
GK「ごえ……ごめんな、さい…!!」ギュッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
GK「……!」ググッ……!
GK(もう二度と……あんな思いはしたくない!!)バッ!
577 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:29:59.04 ID:jN1CLSCPO
バチィッ!
絵里真姫「なっ…!」
角間「こ、これはぁ…!?上手く力を上に流し弾いたぁ!」
ツバサ「へぇ…!」
あんじゅ(とっさの判断で……危なかったわね)
希「惜しかったよ!次行ける次行ける!」
GK「まだまだぁ!!」ザッ
あんじゅ「……!」フフ
ツバサ(あの子のあんな声……聞いたことないわね……)チラッ
GK(……早く次のシュートを………次は止めるから……!)ウズウズ……
ツバサ「……っ」ブルッ…
578 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:30:49.57 ID:jN1CLSCPO
ポーン!
角間「上空へ上がったポールは一体どちらがキープするのでしょうかぁ!!」
真姫「絵里!」タッタッタッ
絵里「ええ!」タッタッタッ
角間「こ……これはぁ!?」
ポーン……!
真姫(どれだけ悩んだと思ってるのよ……!)
絵里(私たちの力は…!)
テンテンテン………!
579 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:31:34.55 ID:jN1CLSCPO
ブワァァァァァァ!!!
ブワァァァァァァ!!!
フワッ……
絵里真姫「こんなものじゃない!!!」バッ!
580 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:33:08.91 ID:jN1CLSCPO
ドキュッ!!!
絵里真姫【クロスファイアァ!!!!】
ゴォォォォオォォ!!!!!!
ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!
角間「再度シュートを放ってきました音の木坂ぁ!!」
DF2「アッ………ホかこいつら……!!」ゴーン……!
MF3「あんなシュートを連発するなんてえげつないっすね〜……」
にこ「やるじゃないあの子ら…!」
凛「決まれー!!」
581 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:33:51.09 ID:jN1CLSCPO
ゴォォォォオォォォォォオォオ!!!!!!
ツバサ「さっきよりも威力が……!」
お姉さん(……さすがは絵里さんと真姫さん……)
ツバサお姉さん「でも」
GK「………」グッ
ツバサお姉さん「………そう」
「「あなたの力はこんなものじゃない」」
582 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:35:28.14 ID:jN1CLSCPO
グルルルルル………!
GK「…………っ!!」ググググッ……!!
GK(もっと……もっと感覚を研ぎ澄ませ……!!)カッ……!!
一度敗北を知ったものは、勝利に飢える
583 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:36:09.74 ID:jN1CLSCPO
ダラン……
飢えは加速する
584 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/17(水) 23:37:05.41 ID:jN1CLSCPO
バッ!
ガブゥッ……!!!!
シュルルルルルル………!
パシッ
絵里真姫「……なっ…!」はぁ……はぁ……
GK【ハイビーストファング】
585 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 10:52:04.41 ID:u8AkKt6fO
角間「先ほどよりも威力をあげた【クロスファイア】を今度はがっしりとキャッチィ!!!」
真姫「………どうする?」
絵里「……どうしましょうか」
GK「………」ドッ!
ポーン…!
ツバサエレナあんじゅ「……すぅ……はぁ……」
……スッ
花陽(……っ!呼吸が戻った……!)
海未(ここからが本番ですね)
凛「急いで戻らないと!」ダッ!
586 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 10:53:40.72 ID:u8AkKt6fO
角間「攻撃の連続で音の木坂は敵陣に寄ってしまい、非常にディフェンスが手薄になっています!!」
角間「このピンチ、凌げるかぁ!?」
海未「希!」ザッ
希「うん!」ザッ
ツバサ「……凌ぐ?」
ヒュッ……!
ツバサ「そんな時間は与えない」トッ
海未希「なっ……え?」クルッ
角間「綺羅、あっという間に二人を抜き去りました!」
花陽(この勢いにパスまで加わったらいよいよ止められない……)
花陽(なら…!)
587 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 10:55:10.62 ID:u8AkKt6fO
花陽「亜里沙ちゃんは統堂さん、雪穂ちゃんは優木さんのマーク!」
亜里沙雪穂「はい!」ダッ!
ツバサ「あら、あなたが相手をしてくれるの?」ザッ
花陽「……ここから先はいかせません!」ザッ
ツバサ(あんまり対峙すると余分なデータを取られかねない…)
ツバサ「……」チラッ
ツバサ「……あんじゅのこと、どう分析してる?」
花陽「……へ?」
ツバサ「のんびりしてそうだけどすごいのよ彼女」フフ
花陽「……知ってます」
花陽(隙を見せちゃダメ……)ジリッ…
ツバサ「A-RISEって一纏めにされてるけど、誰もあんじゅがすごいって言ってくれないのよ」トントン…
花陽「セクシー担当って言われてますね」
ツバサ「そんな簡単なものじゃないのだけど……」ジャリッ……
花陽(……くるっ!)グッ
588 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 10:56:24.12 ID:u8AkKt6fO
ツバサ「ほっ」ドッ
花陽雪穂「………なっ…!?」
角間「こ、これは!?完全マークされている優木にパス!?高坂雪穂の真正面だぁ!!」
花陽(一体……何考えて……)グルグル……
花陽「………っ雪穂ちゃん!取って!」
雪穂「は、はい!」バッ
角間「高坂雪穂、当然パスカットの体勢!」
ツバサ「……だから言ってるじゃない」
ツバサ「そんなに簡単なものじゃないって」
あんじゅ「ーーーー……」
589 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 10:57:43.78 ID:u8AkKt6fO
彼女は幼い頃から魅力的だった
男性「私、こういったものですが」
「……子役スカウト?」
男子中学生「俺と付き合ってください!!」
「ごめんなさい」
芸能人はオーラが違うと言われるが、彼女がまさにそうだった
ただ、そのせいで嫌な目にあうことも少なくはなかった
女生徒「いいよねあんたは、生れつきそんなに可愛いんだから」
(……私の苦労も知らないくせに……)
街を歩けばスカウト、ナンパ
ひどい時にはストーカーに付きまとわれたことさえあった
ある人に言われた
「いやー!君は他の子と違って色があるんだよね!」
彼女は憧れた
誰の目も引かない無色の女の子に
590 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 11:13:24.05 ID:u8AkKt6fO
パシッ
雪穂「……へ?」
あんじゅ「マーク、とっくに外れてたわよ?」トッ
角間「ゆ、優木にパスが通りましたぁぁ!!!」
あんじゅ「じゃあね、妹ちゃん♪」ダッ
雪穂「ちょ……え?」
花陽「なんで気づかな……!」ハッ
花陽「………気づこうとしなかった?」
ツバサ「あなたは街ですれ違う人の顔をわざわざ覚えないでしょ?」
ツバサ「あんじゅは意識の隙間に入り込む」
あんじゅ「ツバサ!」ドッ!
ツバサ「存在感を自在に操ることができる」トッ
花陽「しまっ……!」クルッ
591 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 11:15:11.67 ID:u8AkKt6fO
ピューーーーーーイ!!
ドシュドシュドシュドシュ
ギュォォォォォオオオオ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハァ……ハァ……
ツバサ「あと……少しなのに…」
あんじゅ「何がダメなのかしら……」
エレナ「時間から考えて次がラストだな」
3人「………」
592 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 11:16:34.77 ID:u8AkKt6fO
ガタッ
3人「!」クルッ
MF3「ヒッ…!」ビクッ
あんじゅ「どうしてそんなに怯えるのよ」
MF3「いや〜……!」にへへ……!
ツバサ「どうしたの?こんな時間に」
MF3「そ、その……練習を見てて、違和感というか……」
エレナ「改善点か?」
MF3「そんな大それたものじゃないっす!」アワアワ
ツバサ「ぜひ教えてくれないかしら」
MF3「でも……」
あんじゅ「おねがぁい♪」
MF3「うぅぅ……わかったっすよぉ……」
MF3 「えーっと……その……」
3人「……」コクッ
MF3「その必殺技には………」
593 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 11:18:20.88 ID:u8AkKt6fO
MF3「ーーーーーーーー……」
3人「あ」
ザッ
3人「………」
ツバサ「最後、合わせるわよ」
あんじゅエレナ「ええ「ああ」!!」
ダッ!
594 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 11:19:36.50 ID:u8AkKt6fO
ツバサ(……言われてみれば簡単なことだった)ダンッ!
ピューーーーーーイ!!
ドシュドシュドシュドシュ
ツバサ(横のつながりと縦のスピード、今までのこうていペンギンが二次元だとすれば!)
エレナ(さらなる進化を遂げるためには!)
あんじゅ(そこに高さを加えて!)
ギュォォォォオオオオ!!!!
ツバサ「三次元にすればよかったのよ!!」
バッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
595 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 11:20:55.99 ID:u8AkKt6fO
ドキュッ!!!!
ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン3号!!】
ゴォォォォォォォォオオオオオ!!!!!
角間「【こうていペンギン2号】を進化させた必殺技、【こうていペンギン3号】が音の木坂ゴールを狙います!!」
希「また新技……!!」ブルッ
海未「穂乃果!!」
MF3「いけるっす!」
DF1「追加点いっただきー!」
穂乃果「………」
ツバサ「………?」
ツバサ(何か……様子が……)
穂乃果ママ「………」
596 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/19(金) 11:22:10.14 ID:u8AkKt6fO
雪穂(強力なシュート……!!)タッタッタッ
ズザザッ!
雪穂「行くよおねーちゃん!」ガシッ
角間「高坂姉妹【ホムラ・ザ・ハンド】の体勢!!」
穂乃果「………」
穂乃果「離れて」グイッ
雪穂「…へ?」グラッ……
トサッ
穂乃果「………」
雪穂「……お姉……ちゃん?」
597 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:31:23.38 ID:kzOfuUP2O
パチッ………
あぁ、何を悩んでたんだろう
パチッ………
チームを勝ちに導くのが私の仕事なんだから
グググッ……!
怖がってる暇なんてないよね?
ピシィ……!
穂乃果「頑張れリーダー」
バキィッ!!!
花陽「………」
凛「……かよちん……」
花陽「……また………嫌な感じ」
凛「……うん」
598 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:33:49.89 ID:kzOfuUP2O
ゴォォォォォォォォオ!!!
角間「さぁ高坂!これを止めることが……」
メキョォッ……!!
シュルルルルルル………!
穂乃果「…………」パシッ
「……………………」
「……え?」
にこ「と……止めた…の?」
絵里「……なんだか……すごく簡単に」
ことり「す、すごい……」
ツバサ「まさか……あなたがその道を選ぶなんてね」
599 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:37:58.18 ID:kzOfuUP2O
穂乃果「………………っはぁ……!」プルプル
穂乃果「……と、止め……!」
ミシミシミシミシ……!!
穂乃果「……っ……ぐぅぅぅぅ!!」ガクッ
穂乃果ママ(パズルの枠を壊せば限界以上の力を出せる反面、当然リスクもある)
穂乃果(か、身体が………軋む)ギチィ……
角間「見事シュートを受け止めた高坂!」
花陽(あの技、ただの技じゃない……)
亜里沙「……穂乃果さん 」
角間「音の木坂の反撃です!!」
穂乃果「ゆ……雪穂!」ドッ
雪穂「……」トッ
雪穂(……おねーちゃんに聞きたいことは山ほどあるけど、まずは試合に集中しなきゃ…!)
雪穂(そのためにはボールを……)
雪穂「はぁ!!」ドキュッ…!!
角間「これは高坂大きくクリアしました!」
エレナ「いい判断だ」
600 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:40:18.65 ID:kzOfuUP2O
ポーン……!
角間「ポールはUTX陣営奥深くまで飛んで行きます!」
にこ「ふっ!」バッ
DF2「てやぁ!」バッ
にこ(…!小さいのになんてジャンプ力…!!)
ガッ
DF2「よし!とっ……」
「ごめんなさいにこ、ほんの少しの辛抱だから」
601 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:44:06.52 ID:kzOfuUP2O
プワァァ!!ブワァァァ!!プワァァ!
ドッ ピキピキピキ……カキーン!
絵里【スノーエンジェル】
DF2「くっそ……!」カキーン
にこ「にごぉぉ……」カキーン
ポーン!
角間「ボールを弾いたぁ!!」
絵里「海未!」
海未「はい!」バッ!
DF1「させない!」
クルクルクル
ブワァァァァァァ!!
DF1【旋風陣!】
ギュォォォォォォォ!!!
ヒュルルルル………パシッ
602 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:47:16.91 ID:kzOfuUP2O
海未「……そう簡単にはいきませんか」
にこ「回転が止まったとこをを狙うわよ!」
クルクルクル……!
ツバサ「………」ニッ
ツバサ「左サイド、上がるわよ!」
みんな「おぉ!」
タッタッタッ
海未「……作戦をあんなに堂々と……」
ことり「ことりたちもいこう!海未ちゃん!」
海未「え、ええ……」
花陽(何か裏が……でも実際にメンバーは移動してる)
花陽「右サイドには優木さんしかいないし……」
花陽「………」
花陽「………」
花陽「………」
603 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:51:07.39 ID:kzOfuUP2O
にこ「花陽!!右サイド!!!」
花陽「……!!優木さん!!」
ツバサ(気づいた…思ったより早かったわね)
ツバサ「でも遅いわ!」
クルクルクル!!
にこ「回転が加速して……!」
DF1【フレイムダンス!】
ボファァァ!!!
海未「炎の道が…!!」
DF1「あんじゅさん!」ドキュ!
角間「こ、これはぁ!!必殺技を味方へのパスへと繋げましたぁ!!」
角間「フリーの優木へとボールが渡ります!!」
雪穂亜里沙「行かせな……!」
クルッ フワッ!
あんじゅ「おっ先〜♪」スタッ
角間「ディフェンダーをものともしていません!ゴールまでがら空きだぁ!!」
角間「残り時間わずか、これが前半最後のチャンスだぁ!!」
604 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:53:55.94 ID:kzOfuUP2O
ダンッ!
ピューーーーーーイ!!
ドシュドシュドシュドシュ
ギュォォォォォォォオオオオ!!!!
にこ「まずい……」
ことり「お願い穂乃果ちゃん!!」
クルッ
ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン3号!!】
ドゴォォォォォォォォオ!!!!!
605 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:56:32.13 ID:kzOfuUP2O
にこ「もう一度止めちゃいなさい!」
穂乃果「………っ」グッ
ドロドロドロ………
ズズズズズ………!
絵里「……紫の……」
真姫「マジン……」
監督「……」
海未「……何でしょう」
海未「このなんとも言えない胸騒ぎは」
花陽「………!」ゾワッ
花陽(これ……!さっきよりも……)
606 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 09:59:25.49 ID:kzOfuUP2O
ミシミシミシ……!
穂乃果「……っ!」
海未ママ「………懐かしいですね」
ことりママ「ええ、さすが親子ね」
穂乃果ママ「………」
穂乃果ママ(その強大な威力と引き換えに、主にすら牙を剥く)
穂乃果ママ「名付けるなら……そうねぇ」
穂乃果「はぁぁ!」バッ
【魔王・ザ・バンド】
607 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 10:02:35.61 ID:kzOfuUP2O
ギュルルルルル!!!!
穂乃果(…!どんどん調子を上げてきてる……でも!)ググッ
ギュルルル……!!
穂乃果「今の穂乃果には関係ないよ!」グッ!
ッシュゥゥゥ………!
角間「……ま、またもや止めたぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
にこ「よしっ!」
海未「……気のせいだったのでしょうか」
亜里沙「穂乃果さん……」
608 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 10:08:07.56 ID:kzOfuUP2O
エレナ「いいのかツバサ」
ツバサ「……何が」
エレナ「壊れるぞ」
ツバサ「……手を抜けと?」
エレナ「そうじゃない、ただ……」
609 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 10:10:58.38 ID:kzOfuUP2O
ドシャッ……
ツバサエレナ「ッ……!」クルッ
海未「………穂乃果?」
ことり「穂乃果ちゃん……?」
真姫「……?なに?」
凛「え…?え?」
ピーーーーー!!
海未「穂乃果!!」ダッ!
ことり「穂乃果ちゃん!」ダッ!
角間「どうしたのでしょうか、シュートを止めた直後倒れてしまいました……」
角間(前回もこんなことあったような……)
610 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:16:31.18 ID:kcHf9lza0
「……やり……ます」ムクッ
海未「…!!穂乃果!!」バッ
ことり「大丈夫なの!?」
穂乃果「う、うん……少しよろけちゃっただけだから」
監督「できるのか?」
穂乃果「や、やります!」
穂乃果「まだ試合……終わってない!!」
監督「………お前……」
611 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:17:28.56 ID:kcHf9lza0
「再起不能になるぞ」
みんな「!」
亜里沙(……そこまで)
絵里「……」
ツバサ「………」
監督「それでも………」
穂乃果「どうでもいい!!」
監督「!」
海未「ーー……」
トトッ
612 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:18:39.37 ID:kcHf9lza0
穂乃果「今日の試合は特別なの……!!今日最後まで戦えるなら……」
監督「……」
穂乃果「これからなんてどうでも……!!」
「歯ぁ食いしばりなさい、穂乃果」
穂乃果「……へ?」クルッ
ズバァッ!!
ゴォォォォォォ!!!
穂乃果「なっ…!?」
ドカァッ!!!
穂乃果「あぐっ……!!」ゴロゴロ……!!
ドサッ!
花陽「海未ちゃん!?」
613 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:19:34.36 ID:kcHf9lza0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「サッカーで……」
海未「誰も傷ついて欲しくないんです……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里(………海未が)
希(………サッカーボールで)
真姫(……人を傷つけた)
ことり「……」
穂乃果「……っな……なにするのさ!!」ムクッ
海未「……ふざけないでくださいよ」ザッ
614 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:20:24.84 ID:kcHf9lza0
海未「もう…………忘れてしまったかもしれませんが……」
海未「まだ私たちが幼かった頃」
海未「サッカーのルールもよく知らない、まだそんな頃に」
海未「あなたは私に言いました」
穂乃果「……」
海未「大きくなっても私たちとサッカーをしようと」ジャリッ……!
穂乃果「……!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ほのか「ほのかはおっきくなってもふたりとさっかーするの!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「……そんなあなたが……」
615 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:21:07.94 ID:kcHf9lza0
穂乃果『どうでもいい!!』
穂乃果「………」
海未「あなた………」
海未「最低ですね」
616 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:39:07.12 ID:kzOfuUP2O
穂乃果「………」
みんな「………」
パン!
みんな「!」
監督「とりあえず医務室へ行ってこい」
監督「試合に出るか出ないかはそこにいる人が教えてくれる」
穂乃果「教えてくれる?」
監督「いいから」
穂乃果「は、はい……!」
角間「………」ポカーン
ピーーーーー!!!
角間「……!」ハッ
角間「ここで前半終了です!!倒れてしまった高坂は、少しふらついただけで後半も出場できるようです!!」
角間「ここまで両者一歩も譲らない試合運び、UTXリードで前半は幕を下ろしました!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
617 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:42:29.24 ID:kcHf9lza0
ベンチ
穂乃果「……」
凛「穂乃果ちゃん、医務室付いて行こうか?」
穂乃果「……大丈夫」
凛「……わかった」
凛(……試合終了の瞬間、穂乃果ちゃんがゴールに立ってないなんて………)
凛(凛ヤだからね)タッタッタッ
穂乃果「………」フゥ……
ツバサ「ため息?」
穂乃果「!?」バッ
ツバサ「……私たちは後半も手は抜かない」
ツバサ「それだけ言いに来たわ」
穂乃果「……ありがたいです」
ツバサ「ただ……」
穂乃果「?」
ツバサ「………いえ、なんでもないわ」スッ
ツバサ「それじゃあ」クルッ
スタスタ
穂乃果「……」
チクンッ……
618 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 15:57:30.30 ID:kcHf9lza0
控え室
監督「後半はメンバーを少し変える、異論は認めない」
凛「でもまだ穂乃果ちゃんと希ちゃんが来てないにゃ」
監督「大丈夫だ、あとで伝えててくれれば」
監督「…それでは発表する」
619 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:01:43.54 ID:kcHf9lza0
通路
希「トイレ〜トイレ〜」テクテク
タッタッタッ
ドンッ
希「うわぁ!」ドサッ
「きゃっ!」ヨロッ ポトッ
希「いっ……ててて」
「ご、ごめんなさい!」スッ
希「いやいや、ウチもよそ見してたしごめんなぁ」よいしょっと
希「何か落として……」
希「!」ビクッ
「気づかなかった……ありがとうございます!」
希(……これ……このぬいぐるみ……)
「……?どうしました?」
希「………A……ちゃん?」
「え……?なんで名前……」
「ってああああああ!!!!」
「希ちゃん!!」
希「……今日は応援にでも来てくれたの?」
Aちゃん「ネットで希ちゃんがサッカーしてるって知ったから……」
Aちゃん「……あの時のこと、謝りたくて」
希「…………」
620 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:03:19.33 ID:kcHf9lza0
希「私は謝ってほしいことなんて何もない」
Aちゃん「……!のぞ……」
希「それじゃ、試合始まるから」クルッ
Aちゃん「待って……!希ちゃん!!」
希「……」タッタッタッ
高校生になる前
東條希の人生には、重要人物が二人いる
一人は東條希の心に傷を負わせ
一人は東條希が再び前を向くきっかけを与えた
621 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:04:21.09 ID:kcHf9lza0
医務室
穂乃果「失礼します」ガラッ
女性「お、やっときたね」
穂乃果「あの……ここに行けって監督が……」
女性「こっちにきて、テーピングだけ巻いてあげる」
穂乃果「は、はい…!」
マキマキグルグル
女性「……」マキマキ
穂乃果「………」チラッ
女性「………なに?」
穂乃果「へっ…!?いや……その……」
穂乃果「怒らないのかな……って」
女性「どうして?」
穂乃果「だって……」
622 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:06:13.09 ID:kcHf9lza0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
女性「でもそのせいで体に障害が残ってしまった時、誰が責任を取るの?」
女性「誰が一番悲しむの?」
女性「私が担当になったからには、そんな子を絶対出させはしない」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
女性「……怪我の影響が残ることが、必ずしも苦しいことじゃない」
穂乃果「…え?」
女性「中には途中退場したことを一生引きずってしまう人もいる」
女性「多分あなたはそういうタイプだと思ったから」
穂乃果「………」
女性「……似てるわね」
穂乃果「え?」
女性「私の両親はね、今の私と同じ仕事をしていたの」
穂乃果「そうなんですか!?」
女性「まだ物心ついたかついてないかって頃、何度か両親の仕事についていったことがあってね」
女性「他のことはなに1つ覚えてないんだけど、あることだけはずっと覚えてるの」
穂乃果「何かあったんですか?」
女性「………」フフ
623 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:08:08.16 ID:kcHf9lza0
女性「居たのよ、あなたみたいな子が」
穂乃果「!!」
女性「その人もボロボロになりながら、でも退場はしたくないって言って戦い続けた」
女性「結局そのチームは優勝、その人は大会最優秀GKとして大会史に名前を残した」
穂乃果「…すごい」
女性「さてここで問題です!」
穂乃果「えぇ…!?」
624 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:09:05.01 ID:kcHf9lza0
女性「ボロボロのその人を退場させることは本当にその人のためになったのでしょうか」
穂乃果「それは……」
女性「……ね?答えは1つじゃないんだよ」
穂乃果「……」
女性「……あなたもきっと、ここで退場した方が後悔が残るだろうから」キュッ
女性「はい!これで終わり!」バシッ
穂乃果「……ありがとうございます!」グッ
女性「もうすぐ時間だから急いで控え室に向かった方がいいかもね」
穂乃果「うわっ…!ほんとだ……」
穂乃果「それじゃあ医務室のお姉さん!いってきます!」
女性「うん、いってらっしゃい」ニコッ
ガララ ピシャン
625 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:10:40.55 ID:kcHf9lza0
女性「……ほんっと……似てるなぁ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
20年近く前、サッカー場医務室
「こんな状態で試合なんて出られるわけないだろう!!」
「嫌だ!!こんなところで退場なんて、絶対しない!!」
「ちょっ…暴れちゃダメだってば」
「落ち着いてください…!」
「うるさいうるさい!!試合に出る!!」
「ダメだ、行かせない」ガシッ
「離してってば!」グッ
ピキッ…!
「っぐ…!」ビクッ……!
626 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:11:44.46 ID:kcHf9lza0
「………」
「……なんで……」ジワァ…
「……あんなに頑張ってきたのに……」ポロポロ
「……」サスサス
「……どうにも…ならないのですか?」
「………」ハァ……
「……どうしても出たいか?」
「うん……」
「………そこに座りなさい、できるだけの処置をしてあげよう」
「……試合……でていいの?」
「その結果、君の体がどうなろうと私は保証できないが」
「出たい!!」
「……即答か」
「よし、時間もない、急ごう」
「はい!」
627 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:13:08.55 ID:kcHf9lza0
シュルッ……マキマキ、キュッ
「よし、これで終わりだ」
「やった……!できる……試合が……!」グッ
「もう……強引なんだから…」
「言い出したら聞かないのはいつものことですよ」
「…すぐ小言……」
「何か言いました?」
「いえべつに……」
「処置はしたがこれはあくまで応急処置だ」
「あまり過信はしすぎないように」
「はーい!」
「ほら、行きますよ」
「全く……ほんと強引ね」
「それじゃあ医務室のおっちゃん!いってきます!」
「……無茶はするなよ」
「はーい!」
ガララピシャッ
628 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 16:15:03.09 ID:kcHf9lza0
「パパ優しいね!」
「…………」ギュゥッ……!
「??苦しいよぉ、パパ〜…!」
「……すまない、もう少しだけこうさせてくれ」
「……?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
女性「……父さんもこんな気持ちだったのかな」
女性(神さま、どうか彼女に不幸が訪れませんように………)ギュッ
629 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:06:31.20 ID:kcHf9lza0
[9、悔いのないように]
角間「さあ、いよいよ後半が始まります!!」
穂乃果「う〜〜……」ヒリヒリ
ツバサ「……穂乃果さん顔腫れてるわね〜」
エレナ「散々やられたんだろうな」
ツバサ「そうみたいね」フフ
穂乃果「いてて……みんな手加減なしなんだもん……」
凛「当然にゃ!」フンス!
花陽「あ…はは…」
630 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:07:59.75 ID:kcHf9lza0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
控え室、
海未「今の穂乃果の状態と亜里沙の体感から考えるに、もう穂乃果にあの必殺技を出させるわけにはいきません」
絵里「紫のマジン……」
真姫「どういうこと?」
亜里沙「おそらく使えば使うほど体を酷使してしまう、わたしの【パンサーブリザード】と同じような感じです」
凛「そんな……」
花陽(やっぱり……)
亜里沙「ひとつ違うのが、私は脚だけでしたが穂乃果さんは全身を酷使しているというところです」
にこ「はー?あいつなに馬鹿なことしてんのよ、一発引っ叩いてやるわ」ガタッ
監督「……」
ことり「にこちゃん!」
海未「落ち着いてくださいにこ」
絵里「そうよ、まず海未の話を聞きましょう」
にこ「……わかった」ストッ
海未「ありがとうございます」
にこ「で、どうするの?」
海未「はい、まず穂乃果に使わないよう伝えます」
花陽「でもあの技、普通とは違う嫌な感じがして………そんなに簡単にいくかな……」
凛「凛もやな感じしたにゃ…」
海未「分かっています、もしどうしてもあの技を出してしまう場合は……」
海未「ーーーーー……」
631 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:09:26.40 ID:kcHf9lza0
みんな「………」
絵里「……私はやるわ」
花陽「わ…私も!」
凛「凛もやるにゃー!」
海未「あくまで最終手段ですが」
にこ「……そっーー!」
にこ「……っ」グッ
監督「……」
海未「そして今、穂乃果が戻ってきたときにやりたいことがあります」
みんな「?」
海未「……」
海未「ほっぺたを力一杯引っ張ってやりたいんです」
632 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:10:45.99 ID:kcHf9lza0
みんな「………」パチクリ
みんな「………ぷっ」
アッハハハハハハハハハハ!!!
真姫「いいわね、それ」
絵里「なんだかワクワクしてきたわ!」
亜里沙「楽しそう!」
凛「はー…!はー…!」
花陽「凛ちゃんがアップを始めました」
ことり「ことりはつんつんしてあげよーっと!」
雪穂「……日頃の恨み、晴らす時……!!」
監督「……話はまとまったみたいだな、後半のメンバーを発表する」
みんな「はい!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
633 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:12:12.78 ID:kcHf9lza0
ツバサ「後半、暴れるわよ」
エレナ「ああ」
あんじゅ「……ん?」ジッ
ツバサ「どうしたの?」
角間「……おや!?音の木坂は二人、メンバーチェンジのようです!」
ムッスーーー………!!
監督「いい加減機嫌直せ」
「……ぬわぁんで……」プルプル
634 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:14:09.63 ID:kcHf9lza0
にこ「なんでにこがベンチに下げられるのよ!!!」
にこ(こころのためにもグラウンドにいなきゃいけないのに……!!)
希「まあまあにこっち」
にこ「あんたも怒りなさいよ!自分も下げられたんでしょうが!!」
希「ん〜……まぁ……」
希「なんとかなるんやない?」
にこ「〜〜〜〜ッああああああ!!!!!」ガー!
監督希「うるさい」
にこ「……ふんっ!」
監督「………どうして下げられたか分からなければ、お前はずっとそこにいることになるぞ」
にこ「……!」
監督「グラウンドの中にいては気づけないこともある、ベンチからチーム全体を見てみろ」
にこ「………」
635 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:17:00.30 ID:kcHf9lza0
角間「今大会特別ルールとして一人につき一度までなら交代した選手も再交代が認められております!」
凛「本当になんであの二人が……」
ヒデコ「まぁ……理由を聞いたらわからなくもなかったけど」
雪穂「なんだったんですか?」
ヒデコ「それは私の口からも言えないよ〜」
ミカ「大丈夫、それに気づけばまた戻ってくるよ」
花陽「それ…?」
穂乃果「……よしっ!」パンッ!
穂乃果「痛っ…!?」ヒリヒリ
クスッ……
穂乃果「……!」チラッ
ツバサ「………」ハッ…!
ツバサ「………」ニコッ
穂乃果「………」ニッ
636 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:19:42.30 ID:kcHf9lza0
角間「前半は激しい戦いを見せた両チーム!」
角間「後半はどのような戦いになるのでしょうか!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「一点ビハインドの音の木坂から試合開始です!!」
UTX1-0音の木坂
ピーーーーーーー!
絵里「ことり!」ドッ!
アフロディ「……ふふ」
637 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:20:50.53 ID:kcHf9lza0
アフロディ「甘いな」ガッ!
絵里ことり「あっ!」
角間「いきなりパスカットをしてきましたアフロディ!!音の木坂隙を突かれたかぁ!?」
海未「早速ですか……!」
エレナ「よこせアフロ」
アフロディ「全く、人使いが荒いな」
ドッ!
エレナ「……」トッ
ドキュッ!!
角間「おおっと!?仲間が誰もいないところにパスを出しました!パスミスかぁ!?」
凛「にゃ〜?」
にこ「……!凛!!気ぃぬいてんじゃないわよ!!」
ツバサ「……!」
638 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:21:46.70 ID:kcHf9lza0
あんじゅ「よっ!」トッ
角間「ボールの先には優木!見事パスが通りました!」
凛「なっ…!いつのまに…」
にこ「ああもう…!」
ツバサ(……今……)
監督「……」
花陽【ディフェンス方程……】
あんじゅ「ほっ!」ドッ!
花陽(……っどうして遅れ……)
にこ「花陽!!パスじゃない!!」
花陽あんじゅ「!!」
MF1「…!」ドッ!
639 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:22:40.60 ID:kcHf9lza0
花陽「はぁ!!」ガッ!
角間「音の木坂小泉、敵のワンツーを見事見破りボールを弾いたぁ!!」
にこ「よし!」
フミコ「にこ先輩今のよく気づきましたね……」
にこ「見りゃわかるわよあんなの」
監督「……」
ツバサ(あんじゅの特性とワンツーの合わせ技が破られるなんてね……)
640 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:23:59.40 ID:kcHf9lza0
角間「ギリギリでピンチをしのいだ音の木坂ぁ!!しかし以前ゴール前!」
エレナ「そうやすやすとチャンスは逃さない」ザッ
花陽「っ…!」ピタッ
花陽(一度下がって……)ジャリッ……
エレナ ジリッ……
花陽「……逃してはくれませんか」
エレナ「当然だ」
花陽「………」フゥ……
エレナ「……!」
花陽(……エレナさんのディフェンス時のクセ、反応速度、戦い方……)
エレナ「体重移動のタイミング、目線の動きと行動の関連性」
花陽「……へ?」
ヒュッ…!
641 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:54:03.46 ID:kcHf9lza0
トッ……
花陽「……なっ…!?」ガクッ
エレナ「………【ディフェンス方程式】……だったか?」トトッ
花陽「うそ……」ドサッ…!
角間「〜〜〜!!」
角間「統堂見事小泉からボールを奪いましたぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
にこ「そんな……」
海未「花陽が………読み負けた…」
監督(………ディフェンスの要、小泉にとどめを刺しにきたか)
凛「かよちん!」
642 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:55:06.27 ID:kcHf9lza0
花陽(フィジカルで負けてる分、読み合いでここまで戦って来た……のに……)
花陽(……それすら勝てないなら……)
花陽「私……私は……」
エレナ「………」クルッ タッタッタッ
花陽「……っ…!」ギリッ
花陽「ああああああ!!!」バッ!
角間「ボールを取られても諦めない小泉!!粘り強いディフェンスだぁ!!」
エレナ「………」
643 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:55:56.25 ID:kcHf9lza0
クルッ
花陽「あぐっ…!」ドシャッ……!
エレナ「……悲しいな」
タッタッタッ
花陽「……っ…ぅぅ…」ギリッ…!!
エレナ「ツバサ」ドッ
ツバサ「ええ」トッ
ピューーーーーーイ!!!
ドシュドシュドシュドシュ
ギュォォォォォォォオオオオ!!!
644 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:56:57.38 ID:kcHf9lza0
ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン三号!!】ドキュッ!
ゴォォォォォォォォオ!!!!!
角間「UTXの必殺シュートが音の木坂ゴールを狙います!!」
海未絵里「……穂乃果……!」
ことり凛「穂乃果ちゃん……!」
645 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 20:58:29.85 ID:kcHf9lza0
パチッ… パチッ…
穂乃果(そうだよ、いつも通り……やれ、ば……?)
ググググッ……!
ドロドロドロ………
穂乃果「そんな…どうして……!」
海未「穂乃果!!」
にこ「っち……!海未の悪い予感が当たった……!」
穂乃果ママ(……パズルの枠とはいわば、あなた自身の器)
穂乃果ママ(限界を超えるために枠を壊したということは、今までの自分を否定したと同義)
穂乃果ママ(…………魔王の支配からは逃げられない)
646 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:02:25.97 ID:kcHf9lza0
ゴォォォォォォォォオ!!!!
角間「凄まじいシュートが音の木坂ゴールへと向かいます!!」
ドロドロドロ……
穂乃果(……ごめん海未ちゃん……)スッ
穂乃果「はぁぁ……!」グッ…!
ズズズズズズッ………!!!!!
角間「高坂構えました!止められるかぁ!?」
穂乃果(たとえ海未ちゃんに嫌われても、ここで入れられるわけにはいかない……)
穂乃果「絶対……決めさせない!」バッ!
647 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:05:13.47 ID:kcHf9lza0
海未「いけますか、凛!!」ザッ
凛「まっかせるにゃー!」ザッ
穂乃果「……なっ…!?」
ドカァッ!!
海未凛「うぁぁぁ!」ドサッ
角間「園田、星空がシュートブロックに入るものの吹き飛ばされてしまいましたぁ!!!」
穂乃果「な…なにして……」
海未「これが……私たちの答えです」ググッ…!
648 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:06:20.86 ID:kcHf9lza0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「まず穂乃果に使わないよう伝えます」
花陽「でもあの技、普通とは違う嫌な感じがして………そんなに簡単にいくかな……」
凛「凛もやな感じしたにゃ…」
海未「分かっています、もしどうしてもあの技を出してしまう場合は……」
海未「私が盾となります」
凛「それじゃあ海未ちゃんが……!」
絵里「穂乃果を助けるために、あなたが怪我をしたんじゃ本末転倒よ?」
海未「……私一人の力では足りないことも分かっています……なので……」
ペコッ
絵里「う、海未…!?」
海未「力を貸してください」
海未「穂乃果のために」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
649 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:08:05.35 ID:kcHf9lza0
ゴォォォォォォォォオ!!
角間「ボールは威力を削がれながらも依然ゴールへ向かっていきます!!
穂乃果「!…穂乃果が……!」グッ
花陽(……武器を奪われた今の私に出来ること……!)タッタッタッ
花陽「はぁぁぁ!!」バッ
ギュルルルルル!!!!
バチィッ……!
角間「小泉止めたぁ!!!音の木坂ディフェンスを固めてきたかぁ!?」
花陽「うぐっ……!」ゴロゴロ……ドサッ!
凛「かよちん!大丈夫?」ゴホゴホッ
花陽「うん…!平気!」ググッ
穂乃果「……なんで……」
亜里沙(………)
650 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:09:22.15 ID:kcHf9lza0
ワーワーキャーキャー!
トッ
角間「再びUTXがボールを押さえました!!」
花陽「行かせません!」ザッ!
ツバサ「……!」
花陽【ディフェン……】
ツバサ「ほっ!」ドッ!
花陽「っく…!」はぁ…はぁ…
花陽(さっきより遅れてる……)
角間「ここは安全にパスが通りました!」
にこ「……」
651 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:10:37.25 ID:kcHf9lza0
エレナ「はぁ!!」ドッ!
角間「統堂ミドルシュート!!コーナーギリギリを狙います!!」
穂乃果「……っ!」グッ
絵里「ふっ!!」ガッ!
テンテンテン……!
角間「FWの絢瀬がDFに戻ってきていました!ナイスセーブ!!UTXのコーナーキックです!!!!」
穂乃果「絵里ちゃん……」
絵里「……なんて顔してるのよ、リーダー」ポンッ
亜里沙(……穂乃果さん)
652 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:11:42.70 ID:kcHf9lza0
角間「UTXのコーナーキックです!」
MF2「よっ!」ドキュッ!
真姫「……ふぐっ…!」ガッ!
角間「これを西木野ナイスクリア!」
絵里「いいわよ真姫!」
凛「ナイスにゃ!」
亜里沙(………見て……)
653 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:15:12.62 ID:kcHf9lza0
ポーン!
トッ
ツバサ「……いつまでこんなことを続けるつもり?」ジャリッ……
穂乃果「…っ!」
亜里沙(……チームを見て)
654 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:16:07.62 ID:kcHf9lza0
ピューーーーーーイ!!!
ドシュドシュドシュドシュ!
ギュォォォォォォォオオオオ!!!!
穂乃果「……わ……私は……」
ツバサあんじゅエレナ【こうていペンギン三号!!】
ドゴォォォォォォォ!!!!!!!
655 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:18:26.68 ID:kcHf9lza0
ゴォォォォオォォ!!!!
角間「強力な必殺技が音の木坂ゴールを襲います!!」
海未「……っぐ…!させま……せん!」ダッ!
絵里「そんなボロボロで行かせるわけないでしょう!!」バッ!
ドガァ!!
絵里「っぐ……!!」ドサッ
海未「絵里!!」
亜里沙 タッタッタッ
亜里沙(……穂乃果さんを想ってくれてる人が、こんなにたくさん……)
ダッ……!
656 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:19:08.99 ID:kcHf9lza0
亜里沙(勝ち負けよりも大切なものが、目の前にありますから)
657 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:21:56.50 ID:kcHf9lza0
ブワァァァ……!!ブワァァァ……!!
ギラン……!
ツバサ「……っ!」
絵里「亜里沙!!」
亜里沙【パンサーブリザード!!】
658 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:22:49.90 ID:kcHf9lza0
ドギュルルルルルルルルル!!!!!!!
亜里沙「……っぐぐぐ……!!!!」ギリギリ…!
角間「絢瀬亜里沙がシュートブロック!!激しいぶつかり合いだぁ!!!!」
海未「亜里沙!!」
穂乃果「亜里沙ちゃん!!!」
亜里沙(……穂乃果さん)チラッ
穂乃果「……!」
659 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:24:30.08 ID:kcHf9lza0
(に)
(げ)
(ちゃ)
(だ)
(め)
(で)
(す)
(よ)
穂乃果「ーーーー……」
亜里沙 ニコッ
660 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:26:08.03 ID:kcHf9lza0
ギュルルルルル!!!
バチィッ!!!!
亜里沙「きゃぁぁ!!!!」ブワァ!!
穂乃果「亜里沙ちゃん!!」バッ
パシッ!
穂乃果「うぐっ…!」ドサッ
ゴォォォォオォォ!!!
ガァン!
角間「絢瀬姉妹による賢明なシュートブロックによってボールはゴールポストへ!」
角間「UTXのコーナーキックです!!」
661 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:27:06.81 ID:kcHf9lza0
穂乃果「だ、大丈夫!?亜里沙ちゃん!!」
海未「亜里沙!」
亜里沙「……うぅ……は、はい、大丈夫です……」ムクッ
穂乃果「よかった……」ホッ
亜里沙「ありがとうございます穂乃果さん、受け止めてくれて」ニコッ
穂乃果「……っ」チクン……
ヒデコ「本当に大丈夫なの?」
亜里沙「はい!ギリギリまで抑えましたから」
ミカ「よかったぁ」
662 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:29:19.67 ID:kcHf9lza0
ベンチ
監督「………どうした、さっきから黙って」
にこ「……どうして今日はこんなにみんなバラバラなのよ」ボソッ
監督「……」
にこ「試合はできてるけどなにかがおかしい………足りない?……いや、でも……」ブツブツ
にこ「………………………噛み合ってない」
監督「……なにか思い当たることがあったみたいだな」
にこ「!」パッ
監督「グラウンドで周りを気にせず自分勝手にプレイしてたら気づけなかっただろ?」
にこ「………はんっ!」
監督「行ってこい、矢澤部長」
663 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:30:31.54 ID:kcHf9lza0
ピーーーーーーー!!
角間「ここで音の木坂メンバーチェンジです、矢澤がMFに復帰しました!」
にこ「……」ザッ
凛「にこちゃん!」パァァ!
絵里「やっと戻ってきたわね」
海未「にこ、何か手はありますか?」
にこ「…………」
664 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:31:45.29 ID:kcHf9lza0
にこ「……にっこにっこにー」
海未「……はい?」
にこ「ほら復唱!」
にこ「にっこにっこにー!」
みんな「……」
海未「………すみませんにこ、今はそういう場合では……」
にこ「じゃあどういう場合なの?」
みんな「!」
にこ「全国の決勝、相手はUTX、観客は満員っていう最高の舞台」
にこ「そして……」
665 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:32:38.68 ID:kcHf9lza0
にこ「後半開始数分、一点ビハインド、敵のコーナーキックから試合再開」
みんな「……」
にこ「思ってるほど絶望的じゃないはずよ」
海未「にこ……」
にこ「はい、わかったらにこにこにー」
海未「どうしてそうなるのですか!」
にこ「いいから!はい!」パン!
海未「……に、にっこにっこにー……」
にこ「みんなも!」
「………にっこにっこにー……」
絵里「にっこにっこにー……」
花陽「にっこにっこにー…」
海未「にっこにっこにー……」
凛「……にっ………ブフゥ…!!」
花陽「凛ちゃん!?」
ことり「ふふ……ふふふふ…!」プルプル
真姫「………」クスッ
666 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:33:38.63 ID:kcHf9lza0
あっはははははは!!
凛「なんでみんな……ふっ…!真顔で……あっははは!!」
ことり「すっごくシュールだよぉ〜」プルプル
花陽「た、確かに……ンプッ…!」
絵里「し…!仕方ないじゃない!そんなテンションじゃなかったんだから!」
凛「はいはーい!海未ちゃんのモノマネ!」
凛「………にっこにっこ……ブフゥッ!!」
海未「りーんー!!」
凛「無理無理!思い出すだけで………あっはははは!!!」
海未「黙りなさい!」ギリギリ…!
凛「にぎゃぁぁぁぁああ!!」ギリギリ…!
にこ「……あと1時間もすればこの時間は終わる」
みんな「!」
にこ「ここにきてよかったって心の底から思いたい」
「……」コクリ
にこ「勝つわよ!」
みんな「おおおおおお!!!」
穂乃果(………すごいなぁにこちゃんは)
667 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:34:46.63 ID:kcHf9lza0
ミカ スタスタスタ
にこ「あ!ちょっと!」
ミカ「!」クルッ
にこ「……ここまでありがと」スッ
ミカ「……お願いします」ニッ
パンッ!
DF2「……あんのアホォ………!」
MF1「亜里沙には毎回ヒヤヒヤさせられますね……」ヤレヤレ
ツバサ「……」
エレナ「亜里沙が心配か?」
ツバサ「……それもだけど……」チラッ
ツバサ「ちょっとめんどくさくなるかもしれないわね」
あんじゅエレナ「?」
668 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:35:53.87 ID:kcHf9lza0
角間「UTXのコーナーキックから試合再開!!両者配置につきます!!」
にこ「……花陽」
花陽「どうしたの?」
にこ「…………」ボソボソ
花陽「……!」
にこ「………」ボソボソボソボソ
花陽「……っ!」グッ
にこ「……返事は?」
花陽「はい!」ニコッ
にこ「……よし」ニコッ
669 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:37:02.03 ID:kcHf9lza0
穂乃果(……)チクン……チクン……
にげちゃだめですよ
穂乃果「…………逃げてなんか……」
670 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:38:39.91 ID:kcHf9lza0
「ほんっと今日は天気悪いわね〜!」
穂乃果「に、にこちゃん!?」
にこ「何よ、幽霊でも見たような顔して」
穂乃果「いきなり目の前にいたからびっくりしてるの!」
にこ「あっそ」
穂乃果「対応が冷たい!!」
にこ「……ねぇ穂乃果」
穂乃果「?」
にこ「あんたはさ……なんでサッカーやってんの?」
穂乃果「……は?」
にこ「だから、なんでそんなにこの試合に勝ちたいの?」
穂乃果「急にそんな……」
にこ「いいから」
穂乃果「……」
671 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:40:17.84 ID:kcHf9lza0
穂乃果(廃校を救うため……?いや、それもだけど……)
穂乃果(バカにしてた人たちをギャフンと言わせるため……?いや、それは成り行きで……)
穂乃果(三年生たちにいい思い出を残してあげたいから?……いやそれだけじゃ……)
穂乃果(………………)
672 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:43:25.87 ID:kcHf9lza0
穂乃果「………リーダーだから」
にこ「……そ、わかった」ザッ
にこ「じゃ、行くわね」スタスタ
穂乃果「………っ」ドクン……
穂乃果(なんとなくわかる、多分ここだ)
穂乃果(ここが分かれ道なんだ……)
673 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:44:48.22 ID:kcHf9lza0
穂乃果「………っ穂乃果!どうすればいいのかなぁ!」バッ!
にこ「……」ピタッ
穂乃果「みんな……頑張ってきたから……!」
穂乃果「穂乃果が迷惑かけるわけにはいかなくて……」
穂乃果「だから無理してでもって……なのにそのせいでまた迷惑かけちゃって……」
にこ「……」
穂乃果「穂乃果はリーダーなんだよ……!!」
にこ「…!」ビクッ…!
穂乃果「みんなを元気付けたり、プレーで引っ張ったりしなきゃいけないのに……なのに……!」
穂乃果「……何もできてない」
にこ「……」
穂乃果「……思ったよ」
穂乃果「さっきみんなを元気付けたのがどうして穂乃果じゃないんだろう」
穂乃果「どうして落ち込ませたのが穂乃果なんだろうって」
674 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:46:20.00 ID:kcHf9lza0
、
にこ「………」
にこ「それで全部?」
穂乃果「……うん」
にこ「……はぁ……」
穂乃果「……こんなのがリーダーでがっかりした?」
にこ「いーや全く」
にこ「強いて言うならそれを誰にも相談してないことにがっかりした」
穂乃果「うぅ……」
675 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:47:19.21 ID:kcHf9lza0
にこ「私たちも人間だから全部察するなんてできない、海未あたりに言われてたんじゃない?相談しろって」
穂乃果「当ったり〜……」
にこ「いっつもバカやってるくせに肝心なとこでは一人で抱え込みすぎなのよあんたは」ワシャワシャ
穂乃果「あわわわわ…!」ワシャワシャ
にこ「あんたは立派にリーダーやってる、頼りにしてるわよ、これでも」
穂乃果「にこちゃん……」ボサァ……
にこ(……みんなで穂乃果を守ろうってなった時、正直あんたに嫉妬した)
にこ(リーダーに必要な素質、そして……)
676 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:48:22.53 ID:kcHf9lza0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そんなにやりたいなら一人でやればいいじゃん」
「そだね、私たちは退部するから」
にこ「ちょ…それじゃあ人数が……!」
「頑張れ〜」フリフリ
ガラガラ…ピシャッ!
にこ「そんな……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ(私が最後まで持ち得なかったものだから)
穂乃果「……?」
にこ「……というか」
にこ「そもそもあんた以外にリーダーは考えらんないのよ」
穂乃果「……監督にも言われた、それ」
にこ「しっかりしなさい、リーダー」バシッ!
穂乃果「いたっ!」
にこ「どれだけつまづいたって立ち止まったっていい、ただ道を踏み外さなければ」
穂乃果「……もし踏み外しそうになったら?」
にこ「何言ってんのよ」
677 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/20(土) 21:49:57.00 ID:kcHf9lza0
にこ「そのために私たち(チーム)がいるんでしょうが」
穂乃果「……!」
にこ「あんたはいっつも先頭走って後ろを振り返らないんだから」
にこ「たまには先輩の背中を黙って見てなさい」ザッ
穂乃果「にこちゃん………」
穂乃果「先輩禁止だよ?」
にこ「空気読め」
678 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:36:15.62 ID:O8cvm9tB0
海未「こっそり全て聞かせていただいていたのですが……」ヌッ
穂乃果にこ「……!!」ビクッ
海未「私にしなかった相談をにこには随分簡単にしたものですね?穂乃果」ギリギリギリギリ……!!
穂乃果「アゥ……アイアンクロゥゥゥゥ……!!!!」メキメキメキメキ
にこ(海未の嫉妬怖……)ゾッ……
穂乃果「うぅ〜……!痛いよぉ……」
海未「自業自得です」
にこ「うぇ……」
海未「……にこ」
にこ「んあ?」
海未「にこはなぜサッカーをしているのですか?」
にこ「は?なにそれ」
にこ「好き以外にないでしょ」
海未「……ふふ、にこらしいです」
にこ「あんたは?」
海未「……わかりませんか?」
にこ「まぁ、あんたは穂乃果だもんね」
海未「ええ」
海未「危なっかしくて見れられませんから」クスッ
にこ(過保護…)
679 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:37:22.75 ID:O8cvm9tB0
ピーーーーーーー!!
角間「後半開始数分!まだまだ時間はたっぷり残っております!」
角間「一点ビハインドの音の木坂!!このピンチをしのげるかぁ!?」
にこ「……フー……」トントン
MF1 ドキュ!
エレナ「はぁっ!」バッ!
角間「統堂ヘディングの体勢!!」
にこ「……!」ザッ
エレナ「…っく…!」
海未「せやぁ!!」ドキュ!
角間「統堂間に合わず!園田が大きくクリアしました!」
凛「海未ちゃんさっすがー!」
エレナ「……やるな」
にこ「どういたしまして」ニッ
ミカ「?今統堂さんどうして飛ばなかったんですか?」
監督「……コーナーキックで全員がボールを見ている中、あいつだけがポジションを取ることだけに専念していた」
フミコ「それって……」
監督「どうせ跳んでも届かないからな」
680 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:38:26.36 ID:O8cvm9tB0
ツバサ「こっち!」
DF1「は、はい!」ドッ!
ツバサ「よし」トッ
花陽「……」ザッ
ツバサ「……」ジャリッ……
ダッ!クルンッ!
ツバサ「悪いわね」タッタッタッ
角間「小泉を抜いたぁ!!」
花陽「……」
681 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:40:09.31 ID:O8cvm9tB0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「……花陽」
花陽「どうしたの?」
にこ「あんたは守備の要なの」
花陽「……!」
にこ「あんたがやられちゃったら私たちのディフェンスは崩壊する」
花陽「……花陽だって頑張ってる!!」
にこ「そんなことわかってるわよ」
花陽「へ?」
にこ「もう一度言う、あんたは守備の要なの」
花陽「……?」
にこ「最後の砦じゃない、要なのよ」
花陽「…!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽「……凛ちゃん!」
凛「うん!」ザザッ!
ツバサ(小泉さんを囮に本命は星空さんのヘルプ……)
ツバサ「……この程度で」
あんじゅ「ツバサ!!後ろ!!」
ツバサ「…っ!?」クルッ
682 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:41:28.02 ID:O8cvm9tB0
花陽「はぁぁ!!」ズザザザ!!
ツバサ(…っ!囮は星空さんで本命はこっち……!)バッ!
角間「UTX綺羅!!見事ジャンプで避け……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「私たちの一人一人の力は強くない」
にこ「でも……あんたがいればどんな強敵にだって立ち向かえる」
にこ「あんたがいなきゃダメなの」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ツバサ「うぐっ…!」グググッ
ツバサ(こ、これは……!)
ツバサ「きゃぁ!」ドサッ
テンテンテン……トッ
雪穂【ハンターズネット】
角間「小泉、星空、高坂の3人で綺羅の攻撃を止めましたぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
683 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:42:11.76 ID:O8cvm9tB0
ツバサ「……めんどくさいわね」
花陽「私は………守備の要ですから」
花陽(3人でなんとか止めたこの人を花陽は一人で止めようとしてたんだよね)
花陽(……過信してたんだなぁ、自分の力を)
監督「小泉は優れた分析力を持っているが故に、少しずつチームを頼るということを忘れていた」
ミカ「頼る………」
監督(……少しずつ、ズレを、歪みを整えろ)
にこ「次!来るわよ!」はぁ…はぁ…
684 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:43:05.80 ID:O8cvm9tB0
ワーワーキャーキャー!
ドッ! トッ ドキュッ! トッ
ツバサ「エレナ!」ドッ!
花陽「亜里沙ちゃん!」
亜里沙「はい!」バッ!
エレナ「…っ…!」トッ ザザッ…!
角間「先ほどよりもディフェンスに勢いがついてきました!簡単にはパスを通させません!」
エレナ(矢澤にこによって小泉花陽が元のプレイを取り戻したか……)
エレナ(………確かにめんどくさいな)
ツバサ(そして何より……)
685 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:44:10.44 ID:O8cvm9tB0
あんじゅ「……」スゥ……
タッタッタッ
にこ ズザザッ!
あんじゅ「くっ…!」ピタッ
角間「優木を矢澤が徹底マーク!これではパスが出せません!!」
あんじゅ「あなたどうして……」
にこ「このにこにーが可愛い子を見逃すはず無いでしょうが」
角間「音の木坂ボールを奪えない!!しかしUTXもシュートまでいけなくなってきました!」
MF1「とんだ伏兵ですね……」
エレナ「ああ、だがそれならそれで打つ手はある」
エレナ「アフロ!」ドッ!
アフロディ「ア・フ・ロ・ディ・だ!!」ダッ!
花陽「あっ……!」
686 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:44:58.23 ID:O8cvm9tB0
バサァ……!
アフロディ【ゴッドノウズ・インパクト!!】
ドゴォォォォォォォォオ!!!!
ゴォォォォオォォオオオオオオ!!!!
角間「膠着状態の中、UTXがゴールを捉えました!!」
穂乃果「……!」グッ
海未「私が止めます!」ダッ!
にこ「あんたはここにいなさいってば」ガシッ
海未「にこ…!?」
にこ「……」スゥ……
687 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:45:38.41 ID:O8cvm9tB0
にこ「行くわよあんたらぁ!!」ダッ!
花陽凛「了解!!」バッ!
角間「矢澤、星空、小泉がUTXのシュートに立ち塞がります!!!」
エレナ「何をするつもりだ…?」
凛(……千羽山戦では凛のせいで……)ザッ
花陽(木戸川清州戦では花陽が……)ザッ
にこ(決勝ではにこのせいで……)ザッ
688 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:46:40.69 ID:O8cvm9tB0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽ママ「今回はね、必殺技についてみんなに集まってもらったのよ」
凛にこ「必殺技ぁ!?」
にこ凛花陽「いやいやいやいや無理無理無理無理」
海未「やると言ったではありませんか」
にこ「そ、そうだけど……」
花陽「流石にこれは……」
凛「限度があるにゃ!」
海未「人間死ぬ気になればなんでもできるんです!!」
海未「チームのためなら一夜で城でも建てられるはずです!」
凛にこ花陽「ひぃぃ……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
689 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:47:46.23 ID:O8cvm9tB0
にこ(……やっと揃った)チラッ
花陽凛 コクッ
にこ「にこ!!!」
凛「りん!!!」
花陽「ぱな!!!」
海未「……!」
クルッ……
スタッ!
ドドン……!!
にこりんぱな【一夜城!!】
690 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:48:37.09 ID:O8cvm9tB0
ギュルルルルルルルルル!!!!!!
角間「こ、これはぁ!?矢澤、星空、小泉によるシュートブロックゥゥゥゥゥ!!!」
にこ「……ッググググ…!!」グググッ
凛花陽「はぁぁぁぁ!!!」グググッ
バチィッ!!
アフロディ「何……!?」スタッ
角間「止ぉめたぁぁ!!アフロディのシュートをまさかの完全ブロックだぁ!!」
にこりんぱな「っらぁぁぁぁ!!」グッ
691 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:49:50.66 ID:O8cvm9tB0
花陽ママ「あらぁ〜♪」フフフ
海未「……ぎゃふんですよ、3人とも」フフ
ことり「海未ちゃん嬉しそうだね」クスッ
海未「ええ、とっても」フフフ
にこ「ほらほらぁ!ボールいったわよ!」
穂乃果「ーーー…」
どうしてだろうか
この日、初めて自分より小柄な先輩を
「……カッコいい」
と感じた
692 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:50:44.63 ID:O8cvm9tB0
にこ「まだまだ時間残ってんのに足止めてんじゃないわよ!」
凛「わかってるにゃー!」
普段、おちゃらけてぶりっ子な一面もあるその先輩は
サッカーに対してはいつも真剣だった
弱い自分と向き合いたくなくて、みんなに迷惑をかけた
無意識のうちに逃げていた
後輩に言われるまでそのことにすら気がつかなかった
本当に……
「………かっこ悪い」
693 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:51:20.23 ID:O8cvm9tB0
『お遊びでやるならさっさとやめなさい!』
何処からか、初めて先輩にかけられた言葉が聞こえた気がした
694 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:52:14.79 ID:O8cvm9tB0
ポーン!
ヒデコ「オーライ!」
ツバサ「ふっ!」シュバッ!
ヒデコ「あっ…!」
角間「はじいたボールは綺羅がカット!!」
にこ(……穂乃果、あとはあんた次第よ)
ピューーーーーーイ!!!
ドシュドシュドシュドシュドシュドシュ
ギュォォォォォォォオオオオ!!!!
クルッ
ツバサエレナあんじゅ【こうていペンギン3号!!】
ドゴォォォォォォォ!!!!!
695 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:53:07.43 ID:O8cvm9tB0
ツバサ「……!」
角間「おおっと!ここまでなんとかシュートブロックでゴールを防いだ音の木坂!!」
角間「しかし誰もブロックに入りません!!キーパーに全てを託しました!!」
穂乃果「………」
ツバサ「……穂乃果さん」
ツバサ「あなたの答え、見せてもらうわよ」
穂乃果「……」グッ…
ドロドロドロ……
ズズズズ……!!
ツバサ「……」
海未「……」
にこ「………」
696 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:54:05.50 ID:O8cvm9tB0
みんなに助けられて
カチッ……
今まで積み上げてきたもの踏みにじって
カチッ…
かっこ悪い、情けない、頼りない
カチッ……カチッ……カチッ……
穂乃果「…….でも」グッ……
カチッ……!
697 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:55:01.74 ID:O8cvm9tB0
穂乃果「それが穂乃果(私)だ!!」バッ!!!
ゴォォォォオォォ!!!!
ツバサ ニッ
海未「穂乃果……!」パァァ……!
ことり「穂乃果ちゃん……!」パァァ……!
にこ「……ったく……ほんと世話がやけるんだから」
穂乃果(弱い自分を受け入れて、前を向け!!)バッ…!
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】
ギュルルルルルル………!!!
……ッシュゥゥゥゥゥ……!
パシッ
698 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:55:51.53 ID:O8cvm9tB0
角間「〜〜〜〜!!!」
角間「止ぉめたぁぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
角間「防戦一方の中、ついにUTXのシュートを掴みました!!」
穂乃果「〜〜〜!」ジンジン…!
穂乃果(……普通にキャッチするのがなんだか懐かしく感じる……)
穂乃果「あぁ……やっぱり楽しいなぁ」ポツリ
ツバサ「………さ、ここから忙しくなるわよ」クルッ
エレナ「少しは隠す努力をしないのか?」
あんじゅ「ニッコニコじゃない」
699 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:56:40.47 ID:O8cvm9tB0
穂乃果ママ「パズルの枠とは自身の器」
穂乃果ママ「弱い自分を受け止め、あなたは人としてひとまわり大きくなった」
穂乃果ママ(まあまだ最後のピースは分かっていないようだけど)
穂乃果ママ「ようやくスタートラインに立てたわね、穂乃果」
穂乃果「みんなー!!!」
穂乃果「謝るのは試合終わったらたくさんするから!!!試合終了までしまってこーー!!!」バッ!
みんな「おーーー!!!!」バッ!
角間「音の木坂が気合を入れ直します!」
海未「野球ではないのですから……」マッタク…
ことり(嬉しそう……)フフフ
700 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:57:31.78 ID:O8cvm9tB0
希「はぁー……すごいなぁ」
監督「……リーダーになるには何が必要だと思う?」
希「んー……チームを引っ張れること、どんな時も諦めないこと、それとー……」ンー…
監督「そいつが困っていたらつい助けたくなることだ」
希「!」
監督「どれだけ問題を起こしてもつい許してしまう、悩んでいたら手を差し伸べたくなる」
監督「そんなやつがリーダーになるんだ」
希「……」
角間「音の木坂の反撃です!!」
穂乃果「よーし!攻めよー!」ドッ!
ポーン!
701 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:58:27.00 ID:O8cvm9tB0
パシッ
穂乃果「あっ…」
海未「なっ…!?」
アフロディ「僕のことを忘れてもらっては困るな」トッ
角間「ア、アフロディのパスカット!!音の木坂全員虚を突かれたぁ!!」
花陽「凛ちゃん!!」
凛「うん!」ザッ
角間「これは素早い対応!アフロディどうする!?」
アフロディ「ふふ、神の力を見せてあげよう」スッ
アフロディ【ヘブンズタイム】パチンッ…!
ピタッ
702 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 14:59:27.81 ID:O8cvm9tB0
スタスタスタ
パチンッ…!
凛「……?あれ?」キョロキョロ
ブワァァァァァァ!!!
凛「へ?へ?……うわぁぁぁ!!」ブワァ!
ドサッ
アフロディ「ふふ、どうだい?神の力は」
角間「こ、これほ……アフロディのドリブル突破!!星空抜かれたぁ!」
にこ「凛!」
アフロディ「さぁ……」トッ
ツバサ「アフロ!」タッタッタッ
あんじゅエレナ タッタッタッ
アフロディ「後は任せたよ」ドッ!
花陽「しまっ…!」
花陽(対応が早すぎる……!初めから狙われてた!?)
ツバサ「進化したのは、こうていペンギンだけじゃない」
穂乃果「!」
703 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:00:19.59 ID:O8cvm9tB0
ダンッ
グルグルグル!!
ヒュォッ……!
ツバサエレナあんじゅ【ラストデスゾーン!!】
ドゴォォォォォォォォオオ!!!!!
ゴォォォォォォオォォァァァアア!!!!!
角間「ま、またもやUTXの新必殺技だぁぁ!!音の木坂凌げるのかぁ!?」
にこ「うっはぁ〜……!」ゾクゾクッ…!
花陽「敵なのに、ピンチなのに、感動しちゃいます…!」ゾワァッ……!
704 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:01:27.15 ID:O8cvm9tB0
穂乃果「させない!!」グッ…!
ゴォォォォォォオォォ!!!!!
角間「高坂も正面から受けて立ちます!!」
にこ「止めなさい!穂乃果!!」
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】バッ!
ギュルルルルル!!!!!
穂乃果(……っ!もう驚かないって思ってたのに……いっつも想像を超えられる……!!)
ズズズズ……!!
穂乃果「っぬぬぬぬ……!!」ググッ…
角間「少しずつ、しかし確実に押し込まれる高坂!!耐え切れるかぁ!?」
海未「………心配はしませんよ、穂乃果」
穂乃果「………」ニッ
タッタッタッ
705 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:02:22.22 ID:O8cvm9tB0
ズザザッ…!
ガシッ
穂乃果「………遅いよ雪穂」
雪穂「……さっきのまだ怒ってるからね」
穂乃果「うぅ……」
にこ(……そう、メンバーに頼ることは、情けないことでも、かっこ悪いことでもない)
にこ(頼れる仲間がいるってことは、すごい事なのよ穂乃果)
穂乃果「………任せたよ、雪穂」グッ
雪穂「うん!」グッ
706 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:03:29.83 ID:O8cvm9tB0
メキメキメキ……!!
ツバサ「……!」ゾクッ
穂乃果雪穂【ホムラ・ザ・ハンド!!】
ギュルルルルル!!!!!!
穂乃果雪穂「はぁぁぁぁ!!!」グググッ
ッシュゥゥゥ……!!
角間「……とっ……止めたぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「二度のピンチを見事に凌ぎましたぁぁ!!」
ツバサ「……はー」
穂乃果(……体に異変はなし……!)グッ
穂乃果「よーし!今度はディフェンスも攻撃だー!みんな攻めるよー!!」ドッ!
角間「今度こそ!音の木坂の反撃だぁ!!」
707 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:04:17.45 ID:O8cvm9tB0
雪穂「いこ!亜里沙!」
亜里沙「うん!」
海未「行きますよことり!」
ことり「ゴーゴー!」
花陽「凛ちゃん!私たちも……」
凛「真姫ちゃんいくにゃー!」グイッ
真姫「わ、わかってるわよぉ!」ダッ!
花陽「あ……」
凛「にゃー!!」タッタッタッ
真姫「………」チラッ
花陽「……!」
花陽 ポツン……
708 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:09:28.50 ID:O8cvm9tB0
行かせないっす!
はぁ!!
うわぁ!!ドッ!
そっち!
まだまだぁ!
おりゃあ!!
角間「これは激しいぶつかり合い!!主導権を握るのはどちらのチームだぁ!?」
709 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:11:42.36 ID:O8cvm9tB0
花陽「……!」ハッ
花陽(何ぼーっとしてるの!せっかくチャンスなのに……)パッ…!
真姫「次は決めるわよ!凛!」タッタッタッ
凛「もちろんにゃ!」タッタッタッ
キュウッ……!
花陽「……っ」ギュッ…
花陽(なんで、今更……大丈夫、もう乗り越えた……)
花陽(……せっかく穂乃果ちゃんが戻ってきたのに……いらない、こんな感情……)
花陽(そんなんじゃない……そんなんじゃ……)
花陽(……………………嫉妬なんか)
710 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:13:56.23 ID:O8cvm9tB0
本当に?
花陽「……!」ビクッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
?花陽「凛ちゃん!真姫ちゃん!」ガシッ! ??
凛「ウブブブ!……ップハ!かよちん苦しいにゃぁ!」ググッ ??
真姫「あはは!」ググッ
??花陽「やったよぉぉ!!」………
凛「真姫ちゃんと一緒にここで練習したなって」
凛「何回も何回も大変だったにゃ〜!」
花陽「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
711 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:14:44.79 ID:O8cvm9tB0
花陽「ーーっ…!」ザワッ…!
花陽「……なんで……こんな……」はぁ…はぁ…
嫉妬してるんでしょ?
花陽「……もう克服した」
否定はしないんだね
花陽「……うるさい」
ほら、あれを見て
花陽「?」
712 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:16:26.51 ID:O8cvm9tB0
いーち!にーい!さーん!パシッ
あーあ、引っかかっちゃった!
花陽「あれは……子供の頃の凛ちゃんと……真姫ちゃん……?」
みんなから外れて一人で座り込んでる子は誰かな?
花陽「……私」
大きななわとび、怖くて入れない
花陽「……運動苦手だから」
凛ちゃんをとられたくないんでしょ?
花陽「…!」
新しい事始めるのは怖いくせに凛ちゃんはとられたくない
花陽「……うるさい」
傲慢だね、わがままだね、醜いね
花陽「……」
キャー!ほら!もう一回!
はなよ「……」
713 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:17:53.56 ID:O8cvm9tB0
……楽しそうだね
花陽「……うん」
……はなよは一人だね
花陽「……うん」
『私もやりたい』
花陽「……」
そんな一言が怖くて言えない
花陽「……やっぱりあなた」
……そう、私は怖がりな花陽
私がいたからあなたは小さな頃から大きな怪我もなく健康に育った
花陽「……挑戦する前に諦めてたから」
正解
でもあなた、少し変わったね
花陽「みんなが変えてくれたのかな」
変わらない方が良かったかも
花陽「そうかもね」
今まで通り凛ちゃんと2人で……
花陽「それは無理だよ」
なんで?
花陽「……だって」
714 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:19:22.79 ID:O8cvm9tB0
花陽「みんなといる楽しさを覚えちゃったから」
……でも、私がいたら凛ちゃんとられちゃうよ?
花陽「縄跳び怖いもんね」
新しい事を始めるのがでしょ
花陽「……」フフフ
クスクス
凛ちゃんと並ぶために、花陽も挑戦しなきゃ
………怖いけどね
花陽「いつまでも子供じゃいられないよ」
私はもういらない?
花陽「だーめ、何があっても一緒だよ」
でもそれじゃああの子はずっと……
はなよ「………」
花陽「大丈夫だよ」
どうして?
花陽「私がいるから」ザッ
!
715 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:21:01.80 ID:O8cvm9tB0
花陽「………ねぇ」
はなよ「!」ビクッ
花陽「こんなところでなにしてるの?」
はなよ「………」
花陽「……みんなの中に入っていくのが怖いんだね」
はなよ「……りんちゃんは……はなよとなかよしなのに……」
花陽「りんちゃん取られちゃったの?」
はなよ「……」コクッ
花嫁「仲間に入れてって言うのは?」
はなよ「……なわとび(新しいこと)……怖い」フルフル
花陽「……じゃあ私と行こっか!」
はなよ「え?」
花陽「二人なら怖くないでしょ?」
はなよ「……うん」
花陽「じゃあほら、手を繋いで……」ギュッ
はなよ「……」ギュッ
花陽「せーの!」
はなよ「……っ…!」
いーれーてー!
716 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:22:51.89 ID:O8cvm9tB0
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「先ほどとは一転!音の木坂がペースを掴みますがあと一歩、押し切れません!!」
海未「ほっ!」トッ
ツバサ「あなたとの1on1懐かしいわね」
海未「……!」ザッ
海未(対峙しただけで伝わってくるこの威圧感……!)ゾクッ
ツバサ「いただくわよ」バッ!
ザッ ガガガッ! ザザッ
海未「……っ!?」グラッ
海未(速……すぎま……!!)
ことり「海未ちゃん!」
海未(なんとか奪われるのだけは…)
あんじゅ「隙あり♪」ガッ!
海未「っぐ……!」
角間「優木、ボールを蹴り出したぁ!!」
海未(いつの間に後ろに……)
にこ「はぁ……はぁ……」
エレナ(元々の身体能力はあんじゅの方が上だ、正攻法なら矢澤にこのマークは怖くない)
あんじゅ(よし、このまま流れを……)
テンテンテン……
717 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:23:49.14 ID:O8cvm9tB0
シュバッ…!
あんじゅ「なっ…!」
花陽「よし!」トッ
角間「DFの小泉が上がってきていました!!見事ボールを奪取です!!」
にこ「いいわよ花陽!」
凛「さっすがかよちんにゃ!」
タッタッタッ
花陽(サッカー部に入るのを迷ってたとき、凛ちゃんが私の手を引いてくれたように)
花陽(何かを始めるときはいつも凛ちゃんが連れて行ってくれた)
角間「小泉ここからどう展開するつもりだぁ!?」
タッタッタッ
花陽(……けど、初めてのUTXとの試合、私は凛ちゃんの背中を押した)
花陽(前を走る勇気もないくせに凛ちゃんを押し出した)
花陽(………だから)
718 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:24:32.55 ID:O8cvm9tB0
パシッ パシッ
花陽「凛ちゃん!真姫ちゃん!いくよ!」
真姫「……遅いのよ、全く」クスッ
凛「ぅ〜〜〜!!テンション上がるにゃー!」
花陽(今度は私が、2人の前を走る番…!!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛ママ「自分は守備だからといって攻撃には関係ないと思ってる人〜?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
719 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:25:10.80 ID:O8cvm9tB0
タッタッタッ
グッ ダンッ……!!
グルグルグル グルグルグル
角間「これはぁ!【ファイアトルネードDD】かぁ!?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛ママ「試合に出てる以上誰にだってチャンスは来るからな〜!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
720 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:27:20.45 ID:O8cvm9tB0
花陽「ふっ!」ダンッ!
クルクルクル
ググッ……ギュフッ……!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽(正直自分が攻撃するなんて思ってなかったので、聞くこと知ること全てが新鮮でした)
花陽(まあ攻撃なんて花陽には縁のない話だけど……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はなよ(今までと違うことをするってとっても怖いの)
でももっと怖いものがあるよね
花陽はなよ(うん)
ダメな自分から変われないこと
721 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:28:16.36 ID:O8cvm9tB0
ドキュッ!!!
真姫凛花陽「いっけぇぇぇぇ!!!!!」
ゴォォォォオォォオオ!!!!!
ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!
角間「小泉が加わりはるかにパワーアップした【ファイアトルネードDD】いや……新必殺技だぁ!!!」
ことり「かよちゃぁぁあん!!!」
にこ「花陽ぉぉぉ!!!」
海未「…【ファイアトルネードTC】……」
あんじゅ「スッゴ……」
穂乃果「いっけー!」
722 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:29:09.67 ID:O8cvm9tB0
GK「……!」ググググッ……!
ダラン……
バッ……!
GK【ハイビーストファング!!】
ガブゥッ……!!!
ギュルルルル!!!!
GK「ッググググ………!!」ズズズッ……!
真姫凛花陽「はぁぁぁ!!!」
GK「っ……!」ググググッ……!
723 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:30:31.45 ID:O8cvm9tB0
バチィッ……!!
GK「きゃぁぁぁあ!!」ドサッ
シュルルルルルル!!!
真姫凛花陽 スタッ
真姫凛花陽「………よし!!」グッ
角間「決まったぁぁぁ!!!!後半残り半分、音の木坂遂に同点!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
角間「試合を振り出しに戻しましたぁ!!」
724 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:31:52.16 ID:O8cvm9tB0
凛「やったにゃー!かよちん真姫ちゃん!」ギューッ
真姫「……当然でしょ!」クルクル
花陽「えへへ……!」はぁ……はぁ……
花陽(や……やった……!)はぁ……はぁ……
海未「ええ、素晴らしかったです」
花陽「海未ちゃん!」
海未「そしてシュートの前、にこ、凛、花陽、雪穂………」
海未「……穂乃果」
にこ凛花陽雪穂穂乃果「!」
海未「最高のプレーでした」
みんな「……!」
凛「にゃ……!?う、海未ちゃんが褒めるなんて……」ゴクリ……!
にこ「縁起でもないわ……」ブルッ…!
海未「どうしてあなたたちは素直に褒められてくれないのですか?」
花陽「あ…はは……」
725 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:32:34.04 ID:O8cvm9tB0
海未「穂乃果」
穂乃果「?」
海未「……笑って終わりましょう」スッ…
穂乃果「……もちろん!」トンッ……!
海未「……」フフ
海未「ついでに聞きたいのですが穂乃果」
穂乃果「どうしたの?」
海未「私ってそんなに恐いですか?」
穂乃果「……エ」フイ……
海未「穂乃果、どうして目をそらすのですか」
穂乃果「……」
海未「穂乃果」
726 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:33:15.88 ID:O8cvm9tB0
GK「………」
ツバサ「気にしないで、次集……」
GK「次は止めます」
ツバサ「!」
GK「ゴールは任せてください」
ツバサ「……もちろん」ニコッ
727 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:34:08.69 ID:O8cvm9tB0
UTX1-1音の木坂
ビーーーーー!
角間「UTXボールから試合再開です!」
ツバサ「いくわよ!!」
みんな「おお!!」
凛ママ「みんな上がってきてるなぁー!」パタパタ
真姫ママ「流れが戻ってきたわね〜」
凛ママ「だなー!」パタパタ
絵里ママ「パタパタしない」
凛ママ「は、はい!すいません……」ピタッ
絵里ママ「あっ……」
凛ママ「も、もうしませんから!」ピシッ
絵里ママ「……そう」
凛ママ「………」シュン…
絵里ママ「…………」
728 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:35:10.38 ID:O8cvm9tB0
絵里ママ(あああぁぁぁ………!!せっかく楽しんでるのに何小言言ってるのよ!!)
絵里ママ(そうじゃないのよ星空さん、あなたを悪く言いたいわけじゃないのよ……!)
絵里ママ(現役の頃からそう……絶対怖がられてるわね)ハァ……
凛ママ「……!」ビクッ
凛ママ(た…ため息……!)ビクビク…….!
凛ママ(また怒らせたかぁ?)
凛ママ(……恐い)ハァ
絵里ママ(ため息……!)ビクッ
絵里ママ(めんどくさい先輩と思われたかしら!?思われた!?)
絵里凛ママ「………はぁ」
絵里凛ママ ビクッ
希ママ(二人の考えてることが手に取るようにわかって面白いわね〜)
花陽ママ(ね〜)
729 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:36:06.61 ID:O8cvm9tB0
ワァァァァァァァァァァ!!!
ドッ!
凛「いっくにゃー!」トッ
角間「星空がボールを受け取ったぁ!!勝ち越しの起点となるかぁ!?」
DF1「いっかせないよー!」ザッ
MF2「たまにはいいとこ見せろよチビっ子!!」
DF1「あーもう、ほんと外野がうるっさいです!!」バッ
730 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:37:13.72 ID:O8cvm9tB0
クルクルクル
ボファァァアァァァアアア!!
DF1【フレイムダンス!!】
角間「DF1が星空を捉えたぁ!!」
凛「あっまあまにゃー!」バッ!
クルクルクル……バッ!クルンッ……
バババッ……!
凛【アクロバットキープ・ブレイクダンス!!】
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「星空捕まらない!!圧巻のキープ力です!!」
DF1「むぅー……」プクー……!
にこ「よっし!!」
凛「海未ちゃん!」ドッ!
731 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:38:06.56 ID:O8cvm9tB0
海未「はい!」トッ
角間「園田にパスが通りました!確実にゴールへとボールを進めていきます!」
MF3「させないっす!!」バッ
ガガッ……!トッ、ザザッ……ジャリッ……!
海未「っ……!あなたもなかなかやりますね」トッ
海未(キープするのがやっと……!)
MF3「褒めても何も出ないっすよ!」ガガッ…!
MF3(特徴があるわけじゃない、シンプルに強いタイプ……めんどくさいっすね)
角間「これは激しい鍔迫り合い!!両者一歩も引きません!」
真姫「海未!こっちに!」
DF2「させるか並乳」ザッ
真姫「並……!?」ゴーン
MF3(……このままじゃラチがあかないっすね)バッ!
海未(……?距離をとった?)
732 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:39:12.10 ID:O8cvm9tB0
【クリエイション……!】
ズズズズズズ……!
海未「……!?分かれ道……」
MF3「さあ、どっちが安全な道っすかね〜?」
海未「……」
海未(何か罠が……いや、ない方が不自然ですね)
MF3「正解は………」
ズザザッ!!! ズザザッ!!!
海未「!?」
ことり「海未ちゃん!!」
733 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:40:38.03 ID:O8cvm9tB0
MF3「どっちも大外れっすよ!!」
ドガァッ……!!
DF1、MF2【ハーヴェスト!!】
海未「うぐぁぁぁ!!!」ドサッ
ことり「ーーー……」
角間「園田からボールを奪ったぁぁ!!」
MF1「………あーあ」
MF1「私は知りませんからね」
MF2「よっし!!」トッ
DF1「先輩!ツバサさん達に……」
ゾクッ……
734 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:41:21.86 ID:O8cvm9tB0
MF2、DF1「……っ」ビクッ…!
ことり「……海未ちゃんを傷つけないでって……」
ことり「言ったよね?」
MF2「……言われてねぇよ!!」ザッ
DF1「初耳だよ!」ザッ
ことり「……」
ことり【アングリーバード】
735 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:44:28.47 ID:O8cvm9tB0
MF2「……?何を……」
あんじゅ「上よ!」
DF1「上…?」バッ
キラン…!
MF2「こ、これは……!?」バッ!
ズガン!!
DF1「うわぁぁ!!」ドサッ
MF2「大丈夫か……!」トトッ
ことり「……外した」
MF2(……今一瞬だけ見えた……あれは…)
736 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:45:45.27 ID:O8cvm9tB0
ことりママ「猛禽類、例えば鷲なんかははるか上空から獲物を捕捉し、襲いかかる」
MF2「鳥型ミサイル……ってことか…!」ジャリッ……!
ことり「あと3発!」バッ……!
MF2(……まぁ)バッ
……ズガン!!
海未「ことり……」グググッ…!
にこ「あんな攻撃的なことり……初めてみたわね」ググッ…!ヨイショ
凛「恐いにゃ〜……」
ことり「……あと2発!!」バッ!
MF2 バッバッ!
ズガンズガン!!
ことり「……!」
海未「そんな……!」
737 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:47:33.87 ID:O8cvm9tB0
MF2「……」ニィッ
角間「MF2 避け切ったぁぁ!!」
DF1「うっわすっごく悪い顔してる」
海未(連続であの攻撃を避けきるとは……何という体捌き……)
ことり「ちょこまかと……!」
MF2「残念だったな」ニシシ
ことり「海未ちゃんにひどいことする人は、私が許さない!」
海未「ことり……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『うぅー……っ』グスッ
『あはは!こいつすぐないておもしろいな!』
『ほのかぁ…ことりぃ……』グスグス
タッタッタッ
ザザッ!
『こらー!うみちゃんをいじめるなー!』
『ほのかがあいてだよ!!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未(……昔はよく……こんな風にことりたちが助けに来てくれましたね)
738 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:48:46.87 ID:O8cvm9tB0
MF2「許さないとどうなるんだ?」
ことり「……やる」ボソッ
MF2「あ?なんだって?」
ことり「…-……ことりの……」
「おやつにしてやる」
ゾッ……
MF2「……へ」
バクッ……!
テンテンテン ……
トッ
ことり【ハングリーバード】
739 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:49:41.38 ID:O8cvm9tB0
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
角間「み、南止めましたぁ!!一度は破られたかの様に見えたが見事敵の進行を防ぎましたぁ!!」
ことりママ(まるで餌を待つ雛鳥の様に下から……)
ことりママ「……いつの間にそんな好戦的な子になったのかしらね」フフ
ことり ダッ!
海未「……すごい」
ことり「………」タッタッタッ
740 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:50:24.45 ID:O8cvm9tB0
海未ちゃんが傷つけられたのを見てついカッとなっちゃった……
今までどれだけ頑張ってもあんな風にできなかったのに
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ザッ ザザザッ
海未「ことり、もう少し強引でも構いません」
海未「絶対に取るんだという勢いで来てください」
ことり「で、でもぉ……」
海未「まったく……ことりは優しすぎるんですよ」ヤレヤレ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
優しいんじゃない、ただ弱いだけ
741 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:51:11.93 ID:O8cvm9tB0
MF2「くっそ……!」ムクッ…!
MF2(上に注意を引いて、本命は下か……やられた)
ことり タッタッタッ
角間「そのままドリブルで敵陣へ切り込んでいきます!!」
海未(敵にすら気を遣っていたあのことりが……)
海未ちゃんを傷つけられたのは激おこちゅんちゅん丸だけど
そのおかげで気づけた
ことり、強くなりたいよ
まだほんの一歩だけど、もっともっと
そのためなら……
742 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:53:11.44 ID:O8cvm9tB0
アフロディ「行かせないよ」ザッ
ことり「どいて!!」ダッ!
ガッ!ガッ!ググググッ…!!
角間「これは激しいぶつかり合い!どちらも譲りません!」
こんな弱さ(優しさ)、いらないよね?
743 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:54:00.03 ID:O8cvm9tB0
ことり「っ……はぁぁぁ!!!」ガッ!
アフロディ「くっ……!」ドサッ
角間「南競り勝ちましたぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
凛「ことりちゃんすごいにゃー!」
穂乃果「いっけーことりちゃん!」
海未「ことり!!」
744 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:55:20.16 ID:O8cvm9tB0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー??
ことり「私は……何もないから」 ??
穂乃果「何もない?」
??ことり「穂乃果ちゃんや海未ちゃんたちと違って……何も…」 ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そしたら
グッ…!
ことり「……ふっ!」ダンッ!
バサバサバサ!
私もみんなみたいに、《何か》を見つけられるかな
745 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:57:29.06 ID:O8cvm9tB0
ドキュッ!!!
ことり【シャイニングバード!!】
ゴォォォォォォォォ!!!!!!
ゴォォォォォォオォォオ!!!!
角間「み、南の必殺シュートです!!なんと鮮やかなシュートでしょうかぁ!!」
ツバサ「……悪いけど、気合ではどうしようもないこともある」
GK「……」グッ
ことり「……自分の実力ぐらい……わかってる…!!」
ツバサ「……!」
ことり「お願い!!」
746 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 15:59:25.71 ID:O8cvm9tB0
真姫「………任された」
グッ……
ダンッ!
ツバサ「………っち……!」
ディフェンス、ドリブル、シュート
西木野真姫はディフェンス、ドリブル、どちらも得意とは言えなかった
幼少期から一人で特訓していたため、対人センスがまるで磨かれていなかったからである
代わりに……
グルグルグル!
ボフォォォォォォオオ!!!!!
角間「西木野のシュートチェイン……いや、これは……!?」
シュートセンスだけは、チームの誰よりも磨きこまれていた
747 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:02:26.19 ID:O8cvm9tB0
真姫「はぁぁぁぁぁ!!!!!」バッ!!
ドキュッ!!!!
真姫【爆熱ストーム!!】
ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!
ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!
角間「西木野と南のオーバーライドだぁ!!!」
西木野ママ「!」
穂乃果「いっけー真姫ちゃん!!」
にこ「決まれ!!」
MF2「意地でも止めろ!!」
GK「……!!」グッ
748 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:03:51.59 ID:O8cvm9tB0
ダラン………
バッ……!
ガブゥッ…!!
GK【ハイビーストファング!!!】
ギュルルルルル!!!!!!!
GK「っぐぐぐぐ……!!!」ズズッ……!
ことり真姫「決まれ!!」
DF2「止めてまえ!!!」
ギュルルルルルルル!!!!
GK「……!」ズズッ……!
GK(この人たちは……なんで、こんなに……!!)
749 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:05:23.31 ID:O8cvm9tB0
GK(試合の中でっ……強くなれるの……!?)グググッ……!
ことり真姫「いけ!!!」
GK(……っ!……もう……限界……!!)ググッ…!
ギュルルルルル!!!!
GK「…………」
GK「………」グッ…!
ことり真姫「!」
GK(……使えるものはなんでも使う)
バチィッ……!
角間「キーパー弾かれたぁ!!」
GK「……腕がダメなら」バッ
ツバサ「!」
GK「顔で!!」
バキィッ……!!!
GK「ブッ……!!」
ブワァ……!!
ゴロゴロゴロ! ドサッ…!
ポーン……!テンテンテン……
750 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:07:11.93 ID:O8cvm9tB0
シーン……
角間「……………し」
角間「凌いだぁぁ!!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
イイゾーー!!ナイスガッツ!!
角間「UTXGK、体を張ったセーブで見事逆転を凌ぎました!!」
DF2MF2「よっし!!」
ことり真姫「なーー!?」ゴーン…!
角間「音の木坂のコーナーキックで………おや?」
あんじゅ「……!」ダッ!
751 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:08:26.12 ID:O8cvm9tB0
ポタポタ……
GK「ゴフッ……!」ポタポタ…!
あんじゅ「大丈夫!?」バッ
ピーーーーーーーー!!
角間「おおっと?UTX高校GKがゲガをしてしまったようです」
ナンダ?ハナジダッテ、ダイジョウブカナ
ザワザワ……ザワザワ……
GK「うぅ……」ダラダラ……
あんじゅ「上むいちゃダメ、鼻血は下を向かないと」
お姉さん「交代の前に軽く止血しちゃうよ」ザッ!
MF1「落ち着いて、ゆっくり呼吸してください」
DF1「痛いの痛いの〜……飛んでけー!」
MF2「そんなので治りゃ苦労しないっての」
お姉さん「…」ガサゴソ
お姉さん(この血の出方……結構深く傷ついてる可能性もある)
お姉さん(試合時間はあと15分ぐらい………もうグラウンドには帰ってこれないかも)
ガシッ……!
みんな「!」
752 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:09:28.22 ID:O8cvm9tB0
GK「………っ」グググッ……
お姉さん「………」
みんな「……」
GK「……」グググッ
フッ……
GK「………」
GK「代わりのキーパーは……誰ですか?」
お姉さん「………」
みんな「………」
「私が変わろう」
お姉さんみんな「!」
GK「……エレナさん?」
エレナ「私がキーパーに入る」
753 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:10:49.42 ID:O8cvm9tB0
ことり「だ、大丈夫かなぁ……」
真姫「あれを顔で止めるなんて……考えたくもないわね」ゾッ…
タッタッタッ
穂乃果「すっごかったよ!!ことりちゃん!真姫ちゃん!」
花陽「うん!バサバサって!」
海未「ことり……一体いつの間に」
ことり「分かんない!」
海未「……ことりらしいですね」フフ
絵里「真姫もよ!!あんなの隠し持ってたなんて!」わしゃわしゃ!
凛「そうやって真姫ちゃんは最後にいいとこ持ってこうとするんだにゃー!」わしゃわしゃ!
真姫「?ぇぇぇぇぇ………!!!!」ボサァ…!
にこ「出し惜しみなんてするんじゃないわよ」
真姫「……ふんっ」
にこ グリグリグリ……!!
真姫「?ぇぇぇぇぇ!!!!」
真姫(……【クロスファイア】はキック力を補うために助走を入れた)
真姫(だから【爆熱ストーム】も、何かがあればできると思った)
真姫(ここまでうまくいくとは思わなかったけど……)
真姫「……ことりに感謝しなきゃね」フフ
754 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:18:07.12 ID:O8cvm9tB0
希「ことりちゃん……真姫ちゃん……」
監督「成長できるのは、かっこ悪くもがき続けたやつだけだ」
希「……言いたいことがあるなら言ったほうがいいですよ」
監督「言う必要があるか?」
希「……!」
監督「お前は全て分かってるはずだ」
希「……」
監督「それに」
監督「俺は二度同じことを言うのは嫌いだ」
希「……そ、ですか」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
監督「凛!!」
凛「は、はい!?」ビクッ
監督「今グラウンドの中で全力で戦っていないのはお前だけだ!!」
監督「やる気がないならグラウンドから出ろ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希(……分かってるよ、そんなの)
希「って……んん!?」バッ
監督「……面白いことになったな」
755 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:19:09.68 ID:O8cvm9tB0
角間「負傷したGKはベンチへと運ばれていきます!」
パチパチパチ!
ヨクヤッタ!!カッコヨカッタゾー!!
角間「………おや…!?」
角間「な、な、何と言うことでしょう!!怪我で抜けたキーパーのポジションに統堂が入りましたぁ!!」
ナンダ?トウドウガキーパー?
マジカヨ!デキンノカ?
角間「残り時間も迫る中、この采配が吉と出るか凶と出るかぁ!?」
オモシロクナッテキタナ!!ガンバレ!!
監督「………」チラッ
穂乃果「はぇ〜……びっくりだねぇ」
にこ「うそ……」
花陽「あり得ないです……」
角間「音の木坂のコーナーキックで試合再開です!」
海未「絶対とりますよ!!」
みんな「おおお!!!」
エレナ「………」コキコキ
音の木坂1-1UTX
ピーーーーーーーー!
ドッ
756 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:20:22.23 ID:O8cvm9tB0
絵里あんじゅ「はぁぁ!!」バッ!
角間「絢瀬と優木が飛びついたぁ!」
あんじゅ「ふっ!」ガッ!
角間「優木競り勝ったぁ!こぼれ球は音の木坂が押さえます!」
真姫「凛!花陽!」
凛花陽「了解!!」バッ!
グッ……ダンッ!
グルグルグル グルグルグル
ギュフッ……!
バッ!
ドキュッ!!!!
真姫凛花陽【ファイアトルネードTC!!!】
ゴォォォォォォオォォ!!!!!
757 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:21:13.82 ID:O8cvm9tB0
角間「音の木坂がゴールを捉えたぁ!!交代直後の隙を突かれたかUTX高校!!」
エレナ「……」
GK「エレナさん……」
エレナ(……まさかまた、ここに戻ってくるとはな)
スッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
幼少期(小学生)
「みんなー!サッカーしよー!」
「いいよー!」
えれな「……私もいい?」
「えー……統堂さんサッカー下手じゃん」
えれな「でも……やりたい」
「キーパーならいいんじゃない?」
「うん!それなら!」
えれな「……ありがと」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
758 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:22:00.82 ID:O8cvm9tB0
グッ……!
バリバリバリ!!!
コォォォォォォォオォオオ……!!!
エレナ【王家の盾!!】
ギュルルルルル!!!!
角間「統堂の必殺ワザです!!」
トメローー!!
ガンバレーー!!
エレナ「っぐ……!!」ズズッ……
GK「エレナさん!!」
エレナ「……!」ググッ……
759 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:23:03.21 ID:O8cvm9tB0
エレナ「はぁぁぁ!!」グッ
バチィ!!
ポーン……!
真姫凛花陽「なっ……!」
エレナ「うぐっ……!」ゴロゴロ……ズザザ!
角間「は、弾いたぁぁぁぁ!!!」
海未「そんな……!」
絵里「3人とも!まだまだこれからよ、すぐに……」
ワァァァァァァアァァァァアア!!!!!
音の木坂「……!」ビクッ…!
ヨクトメターー!!!イイゾートードー!!!
ガンバレUTXーー!!!
ソウダ!!マケンナヨ!!
ユーティーエックス!!ユーティーエックス!!
760 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:33:32.86 ID:O8cvm9tB0
穂乃果「な……なにこれ……」
UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!
海未「会場が……」
UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!
にこ「……っち……」
にこ(GK捨て身のブロック……からの統堂エレナのキーパー交代、セーブ)
UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!
にこ(観客全部持っていかれた……!!)
花陽「っ……!」ぜぇ……ぜぇ……
花陽(しん………どい……!!)ゴホッゴホッ
エレナ「……っ」フラッ…………グッ!
エレナ(……次は……まずいかもな)
ポーン……!
真姫「凛!花陽!!」タッタッタッ
凛「うん!」
花陽「りょ、了解……!!」ハァ……ハァ……
エレナ「!?」
花陽(……弱音は試合が終わってから好きなだけ吐けばいい)ハァ……ハァ……
761 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:34:19.42 ID:O8cvm9tB0
グッ
ダンッ!! ダンッ!!
グルグルグル グルグルグル
ギュフッ
バッ……!
花陽(今…!!目の前のボールに全力を尽くす……!!)
ドキュッ!!!
真姫凛花陽【ファイアトルネードTC!!】
ゴォォォォォォォオォォオオオオ!!!!
762 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:35:30.07 ID:O8cvm9tB0
角間「攻撃意思はどこにも負けない音の木坂!!残り時間も迫る中、失点は避けたいUTX高校!!凌げるかぁ!?」
DF2「……っのアホーーーーー!!!!」ゴーン…!!
エレナ「……はは……馬鹿だろ」タラッ……
トメロートードー!!キメラレンナヨ!!
エレナ「……っ…簡単にいってくれる」グッ
GK「エレナさん!!」
ツバサ「あら、あなたが弱音を吐くなんて珍しいわね」ザッ
あんじゅ「熱でもあるんじゃないの?」ザッ
エレナ「……!二人とも……」
ツバサ「……私ね、意外と負けず嫌いみたい」
海未「!!」
763 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:36:52.25 ID:O8cvm9tB0
ピューーーーーーイ!!!
ドシュドシュドシュドシュ
角間「これは【こうていペンギン】かぁ!?」
あんじゅ「ツバサにばかりいい格好はさせないわよ?」
ピューーーーーーイ!!!!
ドシュドシュドシュドシュ
ツバサあんじゅ【こうていペンギン……】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
?あんじゅ「約束を破ると……怖いわよ〜?」
??フードの子「で、でも!ツバサさんたちも禁止してるワザもってますよね?」 ??
エレナ「もってはいるがそれも同じだ」 ??
ツバサ「一発が限度………わかったかしら?」 ??
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
764 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:39:26.18 ID:O8cvm9tB0
ツバサあんじゅ【1号!!】
ドギュルルルルルルルルル!!!!!!
角間「綺羅と優木によるシュートブロックです!!」
海未「1号……!?」
穂乃果「こうていペンギンは2号と3号だけじゃ……」
亜里沙「これが……ツバサさん達が禁止していた必殺技……!」
765 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:39:53.98 ID:O8cvm9tB0
ギュルルルルル!!!!!
ツバサ「……っ……あの日の悔しさは……!」
あんじゅ「1日だって……忘れたことはない…!」
ビキビキ……!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー??
あんじゅツバサ「はぁぁぁぁ!!!」バッ
??ドキュルルルルルル!!! ??
あんじゅ「絶対に……!」ググググ ??
ツバサ「止める!」ググググ ??
角間「綺羅と優木がフォローに走っていたぁ!! ????????」
ギュルルルルル!!!
??ツバサ「…….っぐ…!」ググッ ??
あんじゅ「……なんて……威力なの!」グッ
?あんじゅツバサ「きゃぁぁぁ!!!」ドサッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
766 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:40:46.41 ID:O8cvm9tB0
ツバサあんじゅ「はぁぁぁぁ!!!!」ドキュゥッ!!!!
ゴォォォォォォォオォォオオオオ!!!!!
角間「はじき返したぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
真姫「うっそ……」
海未「ディ、ディフェンス!!」
ゴォォォォオォォオオオオ!!!!
海未「……!」
角間「全員攻撃を仕掛けていた音の木坂!!誰もブロックには入れません!!」
穂乃果「……!」グッ
767 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:41:39.34 ID:O8cvm9tB0
雪穂「私がいる!!」ザッ
穂乃果「雪穂!」
雪穂【ハンターズネッ……!!】
ゴォォォォオォォオオオオ!!!!
ドガァッ……!!
雪穂「うわぁぁぁ!!!」ブワァッ……!
角間「高坂吹き飛ばされてしまったぁ!!」
穂乃果「雪穂!!」
穂乃果「……!!」ハッ…!
穂乃果(雪穂、飛ばされ………ポスト、ぶつかっ…危)
穂乃果(ゴール、入っちゃう……でも雪穂、が)
ゴォォォォオォォオオオオ!!!
雪穂(やっばい、体制が……!)ブワァッ……!
穂乃果「ーーーー……!!」
768 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:43:14.95 ID:O8cvm9tB0
穂乃果「雪穂!!」バッ!!
雪穂「っ…!」パシッ
海未「!」
希「あ」
ドシュルルルルル……!!!
角間「………は……」
角間「入ったぁぁぁ!!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「残り時間10分!!UTX勝ち越し!!!」
角間「連続攻撃のツケが今!回ってきてしまいました!!」
角間「音の木坂にとっては手痛い追加点だぁ!!!!」
穂乃果「……雪穂!大丈夫!?」バッ
雪穂「……………なに、やってんのさ!!」ガッ!
穂乃果「…っ…」
雪穂「亜里沙の時とは違う……入っちゃったんだよ!!ゴールが!!」バッ!
雪穂「お姉ちゃんはキーパーなんだから……!!今の失点がどれだけ重いか……」
穂乃果「………」
769 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:45:16.92 ID:O8cvm9tB0
海未「よく受け止めましたね穂乃果」ザッ
雪穂「……海未さん……皆さんも……」
穂乃果「……ごめん、ゴール決められちゃった……」ニヒヒ…
海未「あなたはなにも間違ったことはしていませんよ」
海未「仲間を見捨てて得た勝利で喜ぶ人なんてこのチームにはいませんからね」
にこ「今のでもし、穂乃果が雪穂を見捨ててたらあんたのこと軽蔑してたわよ」ハンッ!
凛「あ、これは照れ隠しのにこちゃ痛い痛い痛い」ギリギリギリ……!
雪穂「でも……!」
雪穂(そもそも私がでしゃばらなかったら……)
亜里沙「コウカイアトサキニタタズ!だよ雪穂!」
雪穂「亜里沙……」
亜里沙「終わってないよ!試合!」フンスッ!
雪穂「……………………だめだ私、いつもすぐ弱気になって」ブルブル……!!
パンパン!
雪穂「切り替えます!!!」キッ
亜里沙「ハラショー!」
海未「ふふ、その調子です」
ことり「うん!頑張ろう!」
亜里沙「ドウジョウスルナラカネヲクレ!だね!」
絵里「違う、誰亜里沙に変な言葉教えたの」
770 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:46:12.18 ID:O8cvm9tB0
希「……」スッ
監督「いくのか」
希「……ウチ……」
監督「まだ迷いが見えるが、行きたいと言うのなら止めはしない」
希「……後悔、したくないから」
監督「……そうか」
希「フミコちゃん」
フミコ「はい!」
希「このぬいぐるみ、捨ててきてくれんかな」
フミコ「へ……大事なものじゃないんですか?」
希「……お願い」
フミコ「………わかりました」
希「ふふ、ありがとう」ニコッ
タッタッタッ
771 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:47:31.65 ID:O8cvm9tB0
ツバサ「……不本意だけど、あの時の借りは返したわよ」
あんじゅ「カラダ、バキバキ、マッサージ」
エレナ「わかったわかった、終わったらしてやるから」
MF3「やったっすねツバサさん!!あんじゅさん!!」
MF2「シビれました!!」フンスッ!
DF1「エレナさんもすごかったです!」フンスッ!
DF2「FWもGKもできるとかほんまに同じ人間かって話やんなぁ……」
MF1「ですが本当に恐ろしいのはここからです」
ツバサ「音の木坂は追い詰めれば追い詰めるほど強くなる」
ツバサ「………げ」
あんじゅ「……ん?………うぇ」
角間「ここで東條がMFに復帰だぁあ!!」
角間「残り時間10分弱!!試合にどのような影響を及ぼすのでしょうか!!」
希「やほ〜!」フリフリ
絵里「希……!」パァァァァ!
希「残り時間も少なくなってきちゃったけど、最後まで頑張るやん!」グッ
海未「ふふ、頼もしいですね」
凛「うん!ね、かよちん!」クルッ
772 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:48:26.78 ID:O8cvm9tB0
花陽「ゴホッゴホッ……!!………え?」ゼェ……ゼェ……
凛「か、かよちんどうしたの!?」
花陽「はは……ちょっと……頑張り……過ぎ、ちゃったみたい」ゼェ……ゼェ……
凛「……試合始まるまでまだあるから、少し休んでおくにゃ!」
花陽「あり……がと……!」ゼェ……ゼェ……
希「……迷惑かけたね」スッ
ヒデコ「……やっぱり私は、この11人が好きです!」スッ
パチッ!
角間「追加点を許した音の木坂!!残り時間も気になる中、どのような攻めを見せてくれるのでしょうか!!」
音の木坂1-2UTX
ピーーーーーーーー!!!
ドッ!
ワァァァァァァァァァァ!!!
773 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:49:10.68 ID:O8cvm9tB0
希「………」チラッ
希「!」バチッ
Aちゃん「……!」ビクッ
希(……Aちゃん……)
774 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:50:17.38 ID:O8cvm9tB0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Aちゃん「のぞみちゃんおさいほーできるのー!?すっごーい!」
のぞみ「う、うん、なんとなくだけど」
東條希は、幼い頃から器用な少女だった
Aちゃん「のぞみちゃん絵すっごく上手だね!」
のぞみ「そ、そんなことないよ〜…!」テレテレ
東條希はあらゆる方面で器用だった
先生「よーし、今日はバスケットの授業をするぞー!二列に並べ!」
のぞみ「バスケット……?」
Aちゃん「のぞみちゃんしたことないの?」
のぞみ「うん、初めて!」
Aちゃん「じゃあ私が教えてあげる!実は私、バスケットクラブに通ってるんだ!」
のぞみ「すごい……!」キラキラ
先生「じゃあ誰か試しに……そこのおしゃべりしてる2人!出ておいで!」
Aちゃん「はい!」スッ!
のぞみ「え、えぇ〜……」スッ……
775 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:51:17.89 ID:O8cvm9tB0
パスッ……!
ワァァァァァ!!
スッゴーイ!アンナノムリダヨォ……
先生「Aは5本中3本か!すごいな!」
Aちゃん「えっへへ!」
先生「次、東條!」
のぞみ「えぇっと……」アワアワ
先生「東條は持ち方からだな、こうやって……」スッ
のぞみ「……こう?」スッ
先生「そうそう!上手いぞ!」
東條希は器用だった
776 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:51:58.83 ID:O8cvm9tB0
先生「で、こう!」ヒュッ
……パスッ!
のぞみ「わぁ……!」パァァァァ!
先生「さ、やってごらん!」
のぞみ「はい!」
東條希は器用だった
777 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:52:45.95 ID:O8cvm9tB0
のぞみ(たしか、こうやって………)ググッ
先生「おっ!いいぞ!」
Aちゃん「がんばれー!」
のぞみ「……こう!」ヒュッ!
東條希は………
パスッ……!
器用すぎた
778 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:54:13.26 ID:O8cvm9tB0
放課後
希「ど、どうして怒ってるの……?」ビクッ
Aちゃん「……バスケット、嘘ついてたの?」
のぞみ「嘘なんかじゃ……」
Aちゃん「初めてじゃないならそう言えばいいのに……!」
のぞみ「ほんとに初めてで……」
Aちゃん「じゃあ………!」
Aちゃん「5本全部なんて入るわけない!!」
のぞみ「それは……」
Aちゃん「心の中で私のことバカにしてたんでしょ!」
のぞみ「し、してない!!」
Aちゃん「……もういい」
Aちゃん「のぞみちゃんとはぜっこうする!!」
のぞみ「……!」
Aちゃん「もう話しかけてこないで!!」ダッ!
のぞみ「まっ……!」
Aちゃん「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
779 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:55:24.30 ID:O8cvm9tB0
希(それからすぐに親の転勤が決まって、本当に離れ離れになっちゃったっけ)
希(あの日からうちは……)
「希!!」
希「……!」ハッ……!
パシッ!
角間「交代直後の東條にボールが回りました!」
DF2「勝負やエセ女ァ!!」ザッ
希「っ……!」
DF2【スーパーしこふみ!!】
ヒュッ……!
希(……ここで奪われるわけには……)ダッ!
780 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:56:24.59 ID:O8cvm9tB0
ガッ……!!
DF2「うぐっ…!」ドサッ
角間「東條強引にディフェンスを抜い……」
ピッ!
希「あ…」ピタッ
角間「おしい!これはファウルになりました!!少し強引すぎたかぁ!?」
DF2「いってて……」
希「ご、ごめんなさい…!」スッ
DF2「んぉ…?ああ、悪いな」スッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ご、ごめんなさい………」オズオズ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
DF2(………あれ?この感じどっかで……)
希「……?なにか?」
DF2「あ、いや、なんもない」ガシッ
グイッ スタッ
DF2「……負けへんからな!」タッタッタッ
希「……」
781 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:57:22.70 ID:O8cvm9tB0
パシッ!
希「いっ…!」
絵里「ほら!シャキッとする!」
希「……わかってるよ!」
にこ「休みすぎて体なまってんじゃないの?」ハッ!
希「……にこっち」
にこ「なに?またおばあちゃんって……」
希「勝とうね」
にこ「……?あんた大丈夫?」
希「もーひどいなぁ……」プクー
希「うちにも真面目な時ぐらいあるんよ?」ポヒュー
にこ「……初耳ね」
希「ワシワシ?」
にこ「悪意がすごい」
782 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:58:28.46 ID:O8cvm9tB0
ピッ!
ドッ!
角間「UTXボールとなりました!一刻も早く点を取り返したい音の木坂!!どうする!?」
ツバサ「上がりなさい!!」トッ
ザザザッ!
海未「くっ……!」
角間「あくまで追加点を狙いに行くUTX!!」
凛(かよちんを少しでも休ませてあげないと……!)ザッ
角間「綺羅の前に星空が立ちふさがります!」
ツバサ「……」タッタッタッ
凛「行かせないにゃー!」バッ!
ヒュッ…クルッ
トッ
海未「……は?」
凛「……え」
ツバサ「ごめんなさいね」
角間「星空をものともしない綺羅!!圧巻のドリブル突破です!」
凛「そんな……!」
783 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 16:59:36.58 ID:O8cvm9tB0
花陽「私……が!!」ザッ
ツバサ「……ふふ」トトッ
ザッザッ!クルッ!
花陽(フェイントからのターン…!)グッ
カクッ
花陽「……っ……!?」ドサッ
ツバサ「体力のご利用は計画的に……ってね?」
角間「小泉足がもつれたぁ!!疲労がたまってきているのかぁ!?」
花陽(考えろ……私で終わりじゃない、私が抜かれた後、誰が……誰を……えーっと……)ゼェ……ゼェ……
花陽(ーーーーーーー…)ハァ……ハァ……
にこ(慣れないシュート3本、プラス、花陽はこの試合中ずっとフルで頭を働かせてた………)
海未(そのツケが今……)
花陽「……っ」ゼェ……ゼェ……
ツバサ「……!」ブルッ
ツバサ(体も頭も限界のはずなのに……)
花陽 キッ…!
ツバサ「……」フフ
角間「ディフェンスラインを突破したぁ!!」
784 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:00:31.46 ID:O8cvm9tB0
ツバサ「あんじゅ!!」バッ!
あんじゅ「ええ!」
にこ「来るわよ穂乃果!!」
穂乃果「…!」グッ
バッ!
ツバサあんじゅ【ユニコーンブースト!!】
ドゴォォォォォォォォオオオオ!!!
角間「シュートを放ったのはUTX高校!!音の木坂凌げるかぁ!?」
にこ「ここに来て新必殺技……!?」
花陽「……でもこれ……」ハァ……ハァ……
785 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:02:20.70 ID:O8cvm9tB0
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】
ギュルルルルル!!!!!
角間「高坂正面から立ち向かいます!!」
海未「穂乃果!!」
雪穂「お姉ちゃん!」
穂乃果「……はぁぁぁ!!!」グッ
シュルルルルルル………!!
穂乃果「……よし!」
角間「とぉめたぁ!!」
ツバサあんじゅ「……くっ…!」
穂乃果「みんなー!!まだまだ行くよー!!」
みんな「おー!!」
角間「音の木坂の守護神高坂、頼もしいプレーでチームを引っ張ります!」
海未(よし、統堂さんが抜けたおかげで攻撃翌力が下がってますね。これなら……)
786 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:03:14.57 ID:O8cvm9tB0
アー!オッシイー!
海未「…!」クルッ
ドンマイドンマーイ!ツギイケルゾー!!
にこ(そこは「ナイスセーブ!」でしょうが……!!)イラァ…!
穂乃果「……っ……希ちゃん!!」ドッ!
希「……!」トッ
角間「東條へパスが通りました!!」
花陽「の、希ちゃん!……きて…ます!」ハァ……ハァ……
希「くっ…!」ピタッ
DF2「行かせへんぞエセ女ぁ…!」ザッ
希「……通してくれんかなぁ」
DF2「エセには刺激が強すぎるもん見せたるわ」
希「?」
787 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:04:06.00 ID:O8cvm9tB0
ダンッ!
DF2「はぁぁぁぁ!!」ググッ
ゴゴゴゴゴゴ……!!!
希「…こ、これは…!!」
ドドーーン!!
DF2【道頓堀・ウォール!!】
希「…!!」グラッ
角間「なななぁんとぉ!!グラウンドに道頓堀が出現いたしましたぁ!!」
にこ「エセVS本家……見ものね」
凛「希ちゃーん!負けちゃダメにゃー!」
788 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:05:14.35 ID:O8cvm9tB0
希(もうやるしか……!)グッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「のぞみちゃんなんかだいっきらい!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「ーーーッ……!」ビクッ
バチィッ!
希「うわぁ!!」ドサッ
角間「東條止められたぁ!!」
DF2「うちの勝ちやエセ女!」トッ
希「……くっそ……」
角間「東條プレーに精彩さがありません!」
希「大丈夫、大丈夫やから……!」ブツブツ
789 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:06:13.37 ID:O8cvm9tB0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中学校
あの一件以来、東條希は周りの目を気にするようになった
周りより飛び抜けていないか、出しゃばっていないか
ただ………東條希は器用だった
ドガァ……!!
希「いっ…!」ドサッ
モブヤン1「……あんたのその済ました態度、なんか腹立つんだよね」
希「……気のせいじゃない…?」ゴホッ
モブヤン2「気のせいじゃないから言ってん……の!」ドゴォッ!
希「?ぇ…!」
周りに合わせた態度が逆に反感を買ってしまうこともあった
希(……私に……どうしろって……)ゴホッゴホッ
790 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:07:20.63 ID:O8cvm9tB0
「うっわ、2対1とかえっぐ」
希「!」
モブヤン1「あ?………ぷっ!小学生かよお前」
モブヤン2「用がないなら帰りなチビちゃん」シッシッ
「……」イラァ…!
「……今うちに言った暴言は100歩譲って許したる」
「でもな……」スッ
モブヤン「!?」
ドゴォッ…!!
モブヤン1「ガハッ……!」ドサッ
「目の前のイジメスルーできるほどできてないんじゃボケェ!!」
モブヤン2「こいつ…!!」ドゴッ!
「いっ……」グラッ…!
「………オラァ……!!」バキィッ……!!
モブヤン2「ブッ……!」ドサッ
「……さっさとどっかいけや」
モブヤン1「……行くぞ…!」タッタッタッ
モブヤン2「っち……!」タッタッタッ
791 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:08:35.16 ID:O8cvm9tB0
「………っはー、痛った……」サスサス
希「あ、あの……!」
「んあ?」
希「ご、ごめんなさい……私のせいで…」
「おー気にすんな、1発だけやしなもらったの」ニシシ!
希(関西弁……)
希「……どうして……助けてくれたの?」
「……多分帰ってから、「あの時行っとけばよかったなぁ」ってなると思ったから」
希「?」
「やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?」
希「……!」
「ウチ好きやねんこの言葉」
希「……やらずに後悔するより……やって後悔……?」
「そ!ただし、全部自己責任でな!」
希「……私は……」
792 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:09:25.33 ID:O8cvm9tB0
『だいっきらい!!』
希「……そんな勇気、ないかなぁ……」
「………」
希「でもありがとう!少しスッキリ……」
モニュッ……!
希「………」
「んー、発展途上といったところやなぁ」モミモミ
希「………」ペシッ!
「いけず!」
793 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:10:35.91 ID:O8cvm9tB0
「……それじゃあウチは帰るけど、あんま考えすぎんよーにな」
希「うん、今日はありがとう」フリフリ
「……さっきよりマシな顔んなったな」
希「……ちょっとだけ勇気もらえたからかなぁ」
「そっか、じゃあな発展途上」
希「発展途上……!?」ゴーン
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希(結局また転勤でその人とはそれから一度も話してない)
希(あの人みたいに強くなれたらって……ずっと思ってた)
希(あの人みたいに……周りの目を気にせず、自由に……)
あの日から関西弁は、[わたし]にとって勇気の象徴となっていた
794 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:11:26.80 ID:O8cvm9tB0
「勇気、出しきれてないよね?」
希「……!」ビクッ
「ふふ、びくってしたね」
希「君は……?」
「わたしはあなたの悩み、のぞみだよ」
希「悩みなのか望みなのかはっきりしてほしいなぁ」
のぞみ「望みじゃなくてのぞみ!」
希「ふふ、はいはい」クスクス
のぞみ「大事な事なのに!」
希「……のぞみちゃん、話の続き」
のぞみ「あ、そうだね!」コホン
のぞみ「……あなた、サッカーは全力でやってるよね」
希「……うん」
のぞみ「でも」
795 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:12:28.09 ID:O8cvm9tB0
のぞみ「隠してることがあるよね?」
希「………」
のぞみ「どうするの?試合終わるよ?」
希「……無理やん」
のぞみ「……?」
希「このチームに嫌われたらウチ、ホントに立ち直られへん」
のぞみ「だからこの悩みは閉じ込めておくって?」
希「……うん」ニコッ
のぞみ「………」
のぞみ「今までわたしは何回もあなたに話しかけた」
希「へ?」
のぞみ「何回呼びかけても見向きもされなかった…………」
希「……!」
のぞみ「どうして今聞こえたんだと思う?」
希「……さぁ」
のぞみ「どうしてあなたはぬいぐるみを捨ててって頼んだの?」
希「……さぁ」
のぞみ「どうして今更になってあの日のことを思い出してるの?」
希「………」
796 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:13:20.15 ID:O8cvm9tB0
のぞみ「あなたが特別なんじゃない」
希「?」
のぞみ「みんな、大なり小なり心に抱えてるものがある」
希「………」
のぞみ「穂乃果ちゃんや花陽ちゃんやことりちゃん、他のメンバーだって悩んでる」
のぞみ「それを乗り越えたから、また前を向けてるんじゃないかな」
希「でも……」
797 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:14:17.47 ID:O8cvm9tB0
のぞみ「しっかりしなさい!」
希「……!」ビクッ
のぞみ「このチームはそんなに簡単に離れていくような人たちばかりなの?」
希「……違うよ」
のぞみ「なら……!」
希「そんな子達だからこそ、離れてしまうのが怖いんよ」
のぞみ「………」
鍵穴がある、鍵もある、あとは回す勇気だけ
『だいっきらい!!!』
幼い頃のたった一言
その一言が今でもこの子を縛り付けている
あぁ、確かにこれは………
呪いだ
798 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:16:12.18 ID:O8cvm9tB0
ワァァァァァァァァァァ!!!!
希「……!」ビクッ
角間「綺羅にパスが回りましたぁ!!ロスタイムまでの時間も残り少ない中、完全にUTXペースだぁ!!」
UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!
穂乃果「時間ないよ!!ぶつかって!!」
みんな「おぉぉ!!!」
ツバサ タッタッタッ
雪穂「亜里沙!私たちで!」ザッ
亜里沙「うん!」ザッ
雪穂亜里沙「はぁぁ!!」バッ!
ヒュッ……クルン……ダッ!
亜里沙雪穂「ぐっ……!」
角間「綺羅再び抜いたぁ!!」
にこ「くっそ……!」
海未(攻撃の糸口が全く掴めない……このままでは……!)
希「っ……」
799 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:20:03.83 ID:O8cvm9tB0
「頑張れー!!音の木坂ー!!!」
みんな「……!」クルッ
希「……………Aちゃん………?」
アノコダレ?サァ……
Aちゃん「ほら!!音の木坂の子達も!」
音の木坂観客「………!」ハッ……!
角間「さぁ、試合の流れはUTXが握っております!このままUTXが……」
音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!
角間「こ、これは……」
800 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:21:36.79 ID:O8cvm9tB0
音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!
Aちゃん「音の木坂!!」
音の木坂観客「音の木坂!!!」
おばちゃんおっちゃん「音の木坂!!!」
角間「音の木坂の応援が会場に響き渡っております!」
ザワザワ……
ソウダ、オトノキモガンバッテルジャン
オトノキザカガンバレー!!
音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!
ナニイッテンダ!コレカテバサンレンパダゾ!!
ガンバレー!!UTXーー!!!
音の木坂!!UTX!!音の木坂!!UTX!!
音の木坂!!音の木坂!!音の木坂!!
UTX!!UTX!!UTX!!UTX!!
801 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:22:57.81 ID:O8cvm9tB0
にこ「…遅いのよ、まったく」
真姫「すご……」
凛「うー!!テンション上がるにゃー!」
DF2「こんなに盛り上がったん、初めて見た……」
MF1「いつもワンサイドゲームでしたからね」
MF3「はぁ〜……!」ゾクゾクッ
花陽「…はぁ……はぁ……」ゼェ……ゼェ……
ツバサ「……?」トッ
耳を塞いでいても聞こえるほどの声援
だが、小泉花陽の耳には何一つ届いていなかった
考えていたのは
花陽(疲れた……ご飯食べてお風呂に入ってあったかいお布団でぐっすり眠りたい……)
試合とはまったく関係のないことだった
ツバサ「……行くわよ!」ダッ!
802 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:23:54.73 ID:O8cvm9tB0
花陽(………来た…綺羅さんのクセ……えっと……)
花陽(なんだっけ?タイミング?……じゃなくてクセ…えーっと……)
花陽(だめ、思考がまとまらない……)
ツバサ タッタッタッ
花陽(あーもう………)
花陽「………めんどくさいなぁ」ボソッ
ツバサ「ーーっ……」
803 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:25:11.66 ID:O8cvm9tB0
トッ……!
ツバサ「…………………………は」
あんじゅ「…え?」
ことり「うそ……」
花陽「………」タッタッタッ
角間「こ、小泉綺羅からボールを奪い取ったぁぁ!?」
ワァァァァァァァァァァ!!!
凛「カヨちーーーーん!!」
海未「【ディフェンス方程式】とは比べ物にならない速度、正確性………」
エレナ(ここに来て……まだ成長するか、小泉花陽……!)ゾクッ
両チームが戦慄する中、当人だけが冷静だった
タッタッタッ
花陽(……?私、取ったの?誰から?綺羅さん?)ゼェ……ゼェ……
角間「〜〜!!〜〜……!」
花陽(解説の人……何言ってるんだろ……)ゼェ……ゼェ……
ハァ……ハァ……
804 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:26:14.65 ID:O8cvm9tB0
MF2「いかせねぇよ!」ザッ!
海未(まずいです……今の花陽では……!)
海未「花陽!こちらに!」
花陽「…ぜぇ……ぜぇ……!」
海未(聞こえていない……!)
花陽「………はぁ……はぁ……!」ザッ
MF2「おらぁ!!」バッ!
花陽「……っ…!」
何度も繰り返し見た憧れのチーム、対戦経験あり、試合終盤
データは完璧に揃っていた
花陽「はぁ……はぁ……!!」
極度の疲労状態の中、思考をやめた小泉が行ったこと
それは………
805 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:27:04.15 ID:O8cvm9tB0
MF1「はぁ!」バッ!
花陽(………多分……右…)バッ!
勘だった
MF2「っ……!」
ただの勘ではない
これまで蓄えたデータを無意識下で分析、選択
それが小泉を最善のルートへと導いていた
花陽「……あああああ!!!」バッ!
【オフェンスコマンド】
806 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:27:59.48 ID:O8cvm9tB0
シュバッ……!!!
MF2「くっ……そ…!」
MF2(動きが速いわけじゃないのに……追いつけねぇ…!!)
角間「小泉抜いたぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
花陽「ぜぇ……!!ぜぇ……!!」タッ……タッ……!
イイゾーー!!コイズミーー!!ハナヨチャーン!!
花陽(観客の声、聞こえる)
花陽「ぁっ……」フラッ
ギリギリまで張り詰めていた糸が切れた瞬間だった
807 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 17:29:10.58 ID:O8cvm9tB0
ポスッ……!
花陽「……希……ちゃん?」ハァ……ハァ……
希「……なんで……そんなになってまで……」
希(穂乃果ちゃんだってそう、なんでそんなに……)
花陽「……後悔……したくないから…」
希「……」
あぁ……嫌だ
花陽「このメンバーで、勝ちたいから……!」ギュッ!
またあの言葉を思い出す
『やらずに後悔するより、やって後悔した方が気持ちええやろ?』
Aちゃん「希ちゃん!!」
希「ーーーっ……」
カチリ………!
808 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 18:41:36.42 ID:O8cvm9tB0
ワァァァァァァァァァァ!!!
角間「残り時間もごくわずか!!」
角間「小泉により勢いを取り戻した音の木坂!!追いつけるかぁ!?」
希「………少し休んどき、花陽ちゃん」
花陽「へ?」ハァ……ハァ……
希「うちに任せて」トッ
花陽「希ちゃん?」ハァ……ハァ……
角間「東條にボールが渡りました!」
MF3「逃げ切らせてもらうっす!」ザッ!
角間「UTXの素早いマーク!プレッシャーをかけてきます!」
希「………」ジャリッ……
809 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/21(日) 18:44:58.38 ID:O8cvm9tB0
希「……フーッ……」トントン
ドクン……ドクン……
希(………お願い)
ドクン……ドクン……
希(どうか[私]を………)
ドクッ……!
希「……嫌いにならないで」
810 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 02:54:53.36 ID:BtQLJMld0
MF3「はぁぁ!」バッ!
海未「希!来てますよ!」
凛「希ちゃん!!」
希「………」
「尾刈戸高校、幽谷」
希【呪い】
ズズズズズ……!
MF3「こ、これは……!」
ことり「あれは……尾刈戸高校の……!」
海未「なぜ希が……」
希「……」
昔から、一度見たことはなんでもできた
意識しなくても、努力しなくても
なんでもできた
できてしまった
811 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 02:56:19.39 ID:BtQLJMld0
幽谷「姐さん……」
ズズズズズ……!!
希「……人を呪わば穴2つ」
花陽「希……ちゃん!」ハァ……ハァ……
希「……ずっと苦しかった……辛かった……」
ズズズズズ……!
希「これ以上呪えるなら呪ってみろ…!」バッ…!
MF3「うわぁぁぁああ!!」ドサッ
角間「東條抜いたぁ!!しかし今のは尾刈戸高校の……?」
希(……みんなの顔を見るのが怖い)
希(でも……もう戻れない)ダッ!
ツバサ(さっきまでの東條さんじゃない…)
あんじゅ(嫌な予感がする……!)
あんじゅ「ディフェンス!」
DF1「行かせない!」ザッ
希「御影専修農業高校、山岸」
812 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 02:57:21.94 ID:BtQLJMld0
希【スーパースキャン】
ザッザッ……ダッ!
DF1「そんな……!」ガクッ…!
角間「今度は御影専農の必殺技だぁ!!東條止まらない!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
希「はぁ……はぁ……!」タッタッタッ
花陽「ど、どういうこと?」ハァ……ハァ……
海未「わかりません……が、今は希が頼りです」
813 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 02:58:45.52 ID:BtQLJMld0
DF2「エセ女ぁぁ!!」ザザッ……!
希「……!」
DF2「なんや変なことしてるみたいやけど、うちは絶対通させへんぞ……!」
……ダンッ!
ゴゴゴゴゴ……!!!
ドドーン!
DF2【道頓堀・ウォール!!】
角間「再びDF2のディフェンスが立ちふさがります!!」
希「……ウチ、決めたん」
DF2「……?」
希「もう……」ジャリッ……
814 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 02:59:42.68 ID:BtQLJMld0
希「[私]に嘘はつかないって…!!」ダッ!!
DF2「ーーっ…」
『……みんなと全力で……サッカーがしたいなぁ……』
パリンッ……!!!
ブワァッ!!!
DF2「……っ!」ブワッ……!
DF2「………強なったなぁ」
希「……え?」
ドサッ……!
角間「〜〜〜……!!!」
815 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:00:44.83 ID:BtQLJMld0
角間「抜いたぁぁぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「東條止まらない止まらない!!怒涛の3人抜きだぁ!!」
あんじゅ「……っはぁ……!はぁ……!」ザザッ…!!
希「…っ…!」ピタッ
角間「今の隙に戻ってきていましたUTX優木!」
希(どうする……ここで止まるわけには……)
816 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:01:48.05 ID:BtQLJMld0
「「希!!」」
希「…!」バッ
ドッ!
ドッ!
パシッ
角間「東條と矢澤のワンツーだぁ!!優木も抜いたぁ!!」
あんじゅ「なっ…!」
こころ「お姉様!」
希「にこっち……」タッタッタッ
にこ「……ふん」タッタッタッ
絵里「ちょっと、私も呼んだんだけど」
希「エリチ……」
角間「残すは統堂のみ!ロスタイムに入る前に同点に追いつきたいところ!!」
希「……えりち、にこっち、力貸してくれん?」
にこ「……はぁ?あんたふざけてんの?」
希「……っ」ビクッ
817 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:03:19.64 ID:BtQLJMld0
にこ「いちいち遠慮してんじゃないわよ」
希「…!」
にこ「っとに……あんたがこんなことできるならもっと作戦だって立てれたのに……」ブツクサブツクサ
絵里「ふふ、私は嬉しいわよ?また一つ希のことを知れたしね?」
希「ごめん二人とも、訳は後で話すから…….」
希「うちに力を貸して!」ザッ!
にこ「ぶっつけ……」ハァ…… ザッ
絵里「私は楽しいわよ?強引な希なんて初めてだもの」ザッ
にこ「あんたのそれなんなのよ!!」
希「……ふふ」ニコッ
エレナ「……!」
絵里(……本当に初めてだもの)
希「行くよ!」
にこ「ええ!」
絵里「任せて!」
こころ「……!」
絵里(希が自分から無茶を言うなんて)
818 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:04:24.78 ID:BtQLJMld0
ガキンガキンガキン!!
アオーーーーーン!
希「ふっ…!!」ドッ!
希(……不思議やなぁ)
にこ絵里「はぁぁ!!」ドキュッ!」
にこ(打ち合わせなんて何もしてないのに……)
絵里(二人の考えてることがわかる……)
ゴォォォ!!!
角間「こ、これは………」
エレナ「本当に……なんなんだ彼女達は……!」ブルッ……!
希「はぁぁぁぁ!!!」バッ!
ドキュッ!!!!
希にこ絵里【グランフェンリル!!】
819 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:05:30.04 ID:BtQLJMld0
ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!
角間「ここまで温存していたのかぁ!?音の木坂の新必殺技だぁぁ!!」
凛「え…!?え…!?すご…!!見てかよちん!あれ!」
花陽「……希ちゃん」ハァ……ハァ……
ことり「あ、頭が追いつかない……」プシュー……
穂乃果「いっけー!希ちゃん!にこちゃん!絵里ちゃん!!」
ツバサ(ここまで温存……?)
ツバサ「……違う」
あんじゅ「……とっさの思いつきで……こんな……」
GK「エレナさん!!」
エレナ「……あぁ……!!」スッ
820 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:06:23.95 ID:BtQLJMld0
グッ……!
バリバリバリバリバリ!!!
コォォォォォォオォォ………!!!!!
エレナ【王家の盾!!!】
ギュルルルルルルルルル!!!!!
エレナ「……っぐぅぅ!!」ズザザザッ……!!
角間「激しい技のぶつかり合い!!この一球を制すのはどちらのチームだぁ!?」
ツバサあんじゅ「エレナ!!!」
「「「エレナさん!!」」」
希にこ絵里「はぁぁぁぁ!!!!」
穂乃果「いっけー!!」
ギュルルルルル!!!!!
エレナ「くっ……そ……!!」ズズズッ……!!
821 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:07:22.42 ID:BtQLJMld0
ポタポタッ……!
お姉さん「ちょ…!あなた鼻血……」
GK「………っ……エレナさん!!!」
ギュルルルルル!!!!
エレナ「……っ……!!」ズ…ズ…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
GK【ハイビーストファング!!】
ガブゥッ……!!!
GK(顔で……!!)
GK「ブッ…!!」
ゴロゴロ……ドサッ…!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
822 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:08:23.88 ID:BtQLJMld0
エレナ(あと少し……あと少しなんだ……!!)
ツバサ「……!」
希にこ絵里「いけぇぇぇ!!!」
エレナ(止めて………!)
グググッ……!
エレナ「勝つんだ……!!」
バチィッ……!!!
ブワァッ!!
エレナ「ーーーーーークソ……」ドサッ
823 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:10:21.55 ID:BtQLJMld0
ドシュルルルルルル…………!!!
テンテンテン………
角間「…………は………」
角間「入ったぁぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!!
音の木坂「らあああああああああ!!!!!」
角間「最後の最後に追いつきました音の木坂!!残すはロスタイムのみとなりました!!」
角間「ロスタイムは………7分です!!」
824 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:12:00.20 ID:BtQLJMld0
こころ「ここあ!こたろう!見て!お姉ちゃんが!すごいすごい!!」ピョンピョン!
ここあ「わぁぁ…!」キラキラ
こたろう「…ねーちゃん…!」ピコッ
こころ「おねーさまー!」ピョンピョン!
にこママ(……仕事で遅くなってもいつも礼儀正しく待っていたこころ)
にこママ(こんなにはしゃいでるのを見たのはいつぶりかしら……)ウルッ…!
にこママ(……ありがとう、にこ)グッ…
エレナ「……」
スッ
エレナ「……?」パッ
ツバサ「……大丈夫?」
エレナ「責めてくれ、惨めになる」
みんな「……」
エレナ「……これでは何のために代わったのかわからないな」ハハ…
ツバサ「………あんじゅ」
あんじゅ「了解!」バッ!
エレナ「?」
825 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:12:56.99 ID:BtQLJMld0
あんじゅ「希直伝…!!ワシワシワシワシーー!!!!!」
エレナ「なっ…ちょ……やめ!!うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
DF2「ええ筋してるな……」フム…
MF2「フム……じゃねーんすよ」
エレナ「……!!…っ……!!」ビクンビクン
あんじゅ「……案外小さいのねエレナ」
エレナ「……!!」ゴーン
ツバサ「まあお遊びは置いといて……」
ツバサ「みんな!」
826 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:14:32.89 ID:BtQLJMld0
MF1「気落ちなどしていませんよ」
ツバサ「!」
DF2「あったりまえや!あのエセ女絶対倒す!!」
MF3「やるっす!!」
DF1「あと7分で終わりかー!」
MF2「体は疲れてんのに、まだまだできそうだな〜」
DF1「……体力馬鹿なだけじゃないですか」ボソッ
ゴチンッ!!
DF1「いっ……!?」
ツバサ「貴方達……」
MF1「私たちは……信じてますから」
ツバサ「……任せなさい」
あんじゅ ナデナデ
エレナ ベシッ
827 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:15:53.73 ID:BtQLJMld0
にこ「はぁ……はぁ……」
にこ(……こころ、やったわよ……!!)グッ…!
こころ「…!」グッ!
凛「3人ともすごいにゃー!!」
海未「ええ、首の皮一つ繋がりました」
穂乃果「希ちゃんもすごかったよー!ごぼう抜きってああいうことなんだね!」
希「うん、そのことで……」
ことり「それはマラソンとかで使う言葉だよ穂乃果ちゃん……」
穂乃果「えー?」
希「えっと……少しいいかな…」
真姫「ちょっと、まだ試合終わってないんだけど?」
希「あの………」
穂乃果「わかってるよーだ!」
真姫「なっ…!何よその言い方は!」
穂乃果「ふんだ!今日大活躍してるくせに!」
真姫「だったら何なのよ!してるならいいじゃない!」
穂乃果「あーほら!またそうやって……」
828 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:18:51.60 ID:BtQLJMld0
希「……ねぇ……!!!」
ビクッ…!
………シーン
絵里「希……」
希「なんで……誰も詮索してこーへんの?」
海未「………」
希「ウチ……隠してた…!……他の子の技、見ただけで真似できるの……黙ってたのに……!」
829 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:20:01.83 ID:BtQLJMld0
凛「だって希ちゃん辛そうだにゃ〜」
希「……へ?」
ことり「何か訳があるんだろうなってわかってるから誰も怒ってないよ」
穂乃果「後悔、しなくて済んだね!」
花陽「ナイスプレイです!」
希「………」
『みんな、大なり小なり心に抱えてるものがある』
『それを乗り越えたから、また前を向けてるんじゃないかな』
希「……はは、敵わんなぁほんと」ヘナヘナッ…
トサッ
絵里「ちょ、希!?」
にこ「腰抜かしてんじゃないわよ、まったく……」
希「にこっち〜、おんぶして〜!」
にこ「じゃぁかしい!!あとちょっとなんだから最後まで頑張りなさい!!」
希「ぶぅ……」プクー……
穂乃果「……さ、みんな!準備はいい?」
みんな「……!」バッ
830 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:21:22.60 ID:BtQLJMld0
穂乃果「いくぞ!!!!」バッ!
「「「おおおおお!!!!」」」バッ!
穂乃果(……ただ……)
ことり(希ちゃんが私たちに合わせていたことに、誰も気づかなかった……)
海未(あの花陽ですら)
希「……」
831 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:23:02.44 ID:BtQLJMld0
角間「敗色濃厚の中、なんとか踏みとどまった音の木坂!!このまま逆転勝利となるか……」
角間「はたまた!!前回の雪辱を果たし、王者としての貫禄を見せつけるかUTX!!」
角間「泣いても笑ってもこれで最後!いよいよ運命のキックオフです!!」
UTX2-2音の木坂
ピーーーーーーーー!
ツバサ穂乃果「勝つ「わ」よ!!!」
「「「おおおおおおお!!!!」」」
ドッ!
832 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 03:23:56.60 ID:BtQLJMld0
お姉さん「ほら、ちゃんとティッシュ詰めて」
GK「ご、ごべんなざい」詰め詰め
お姉さん ガタッ
GK「…?もうすぐ試合終了ですよ、どこ行くんですか?」
お姉さん「ちょっと……ね」
廊下
お姉さん「……うん、順調だよ。そっちは……」
お姉さん「うん、任せて………うん」
ピッ
833 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 13:06:43.28 ID:hPOtUE0nO
ワァァァァァァァァァァ !!!
ことり「くっ……!」ガクッ
タッタッタッ
にこ「止めて!!」
海未「ディフェンス!!!」
角間「先に攻撃を仕掛けたのはUTX!!」
MF2「頼んます!!」ドッ!
あんじゅ「ええ!」トッ
花陽「雪穂ちゃん!!」
雪穂「行かせない!」ザッ
角間「DFの高坂が立ちふさがります!」
雪穂(時間もない、ここで止めないと…!)
あんじゅ「悪いけどここは譲れないわよ、妹ちゃん?」
雪穂「……っ」
あんじゅ「ふっ…!」ダッ!
834 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 13:10:54.71 ID:hPOtUE0nO
雪穂「……っ!」バッ!
ガガガッ!
雪穂(………妹ちゃん妹ちゃんって……)
ザッ! ガガッ…!
花陽(…?雪穂……ちゃん……?)ハァ……ハァ……
私がサッカー部に入ると、みんなは私をお姉ちゃんの……
[高坂穂乃果の妹]として接してきた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ、君が穂乃果ちゃんの妹ちゃんか〜!」
雪穂「あ……はい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂(悪気がないのはわかってるけど、それが本当に嫌だった)
雪穂(だから高校ではサッカーをするつもりはなかった)
ガッ!ガガッ!
あんじゅ「…っ」トトッ
雪穂(でもお姉ちゃんとサッカーはしたかった)
角間「音の木坂高坂!驚異の粘りを見せます!!」
穂乃果「………雪穂……」
835 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 13:19:48.71 ID:hPOtUE0nO
雪穂(高校に入る前の、最後の思い出にしようとこのチームに入った)
雪穂(覚悟してた、また[妹]として見られるって)
雪穂(……でも違った)
ガガッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛「雪穂ちゃんいっくにゃー!」
花陽「頑張ろうね、雪穂ちゃん」
真姫「……雪穂ちゃん」
絵里「ふふ、あなたが雪穂ちゃんね」
希「雪穂ちゃんは将来有望やね〜」ワキワキ
にこ「やめなさい、雪穂怖がってんでしょうが」
ヒデコ「雪穂!」
フミコミカ「雪穂ちゃん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
836 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 13:31:27.40 ID:hPOtUE0nO
穂「ーーーーっ……!!」バッ!
あんじゅ(….来る…!)
雪穂(私のことを[お姉ちゃんの妹]じゃなく[高坂雪穂]として見てくれた)
雪穂(………嬉しかった)
雪穂 ブワァッ!
あんじゅ(【ハンターズネット】……?)バッ!
角間「おおっと?ここで優木が距離をとりました!」
雪穂(逃がさない……!!)バッ!
あんじゅ「こ……のっ…!!」バッ!
海未「雪穂!」
にこ「今までのが設置型だとすればこれは……」
あんじゅ(追尾型捕縛ネット……!!)
雪穂「はぁぁ!!」バッ!
【ハンターズ・ホーネット!!】
837 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 14:23:53.43 ID:hPOtUE0nO
パシュッ…!!
あんじゅ「うぐっ…!」ドサッ
ツバサ「あんじゅ!」
エレナ「…!」
角間「高坂止めたぁぁ!!助っ人の意地を見せつけました!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!
穂乃果「雪穂やるぅ!」
あんじゅ「……やってくれるわね、妹ちゃん」
雪穂「高坂雪穂……です」
角間「さあ音の木坂一刻も早く追加点を狙いたいところ!」
雪穂(時間、ない、攻める、誰にパスを……)
タッタッタッ……パシッ!
雪穂「!!」
838 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 14:44:31.93 ID:hPOtUE0nO
亜里沙「もらうよ雪穂!」トッ
雪穂「亜里沙!?」
ザッ……!
亜里沙「………はぁぁぁ!!!」バッ!
パキパキパキパキパキパキ……
ツバサ(……【氷の矢】)チラッ
DF1 コクッ!
パキパキパキ……!
亜里沙「……まだ……もっと……!」ググッ
雪穂「亜里沙!」
海未(……性格もプレイスタイルもまるで違う二人、それでもなぜか無視できない、意識し、刺激し合う)
海未(これを俗に……)
パキパキパキ……!!!
839 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 14:45:18.15 ID:hPOtUE0nO
海未「ライバルと呼ぶのでしょうね」
カキィィン……!!!
亜里沙「はぁぁぁ!!!!」ドキュッ!!!
【氷の槍……!!】
840 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 15:09:52.27 ID:hPOtUE0nO
ゴォォォォォォオォォ!!!!!
角間「絢瀬亜里沙のロングパスだぁぁ!!!!」
DF1「させないよー!」バッ!
クルクルクル
ボファアアアア!!!!!
DF1【フレイムダンス!】
ジュゥゥゥゥゥ……!
DF1 「なっ……ぐっ……!!」
DF1(威力が上がってる……!)
亜里沙「いっけぇぇぇ!!!」
ジュゥゥゥゥ………!!
841 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 15:10:58.61 ID:hPOtUE0nO
ブワァッ……!
ゴォォォォォォオォォ!!!!!!
DF1「きゃぁぁぁ!」ドサッ
亜里沙「よっし!」
角間「ディフェンスを突破したぁぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
ツバサ(ここに来てまた……!!)
あんじゅ(どんどん後手に回っていく……)
希「あっはは……すっごいなぁ…」
絵里真姫 タッタッタッ
角間「絢瀬と西木野が走り込んでいます!!」
穂乃果「いっけー!」
842 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:38:41.25 ID:BtQLJMld0
パシッ
絵里「えっ……」
真姫「なっ……!」
エレナ「……すまない、リスクを負わずに君たちに勝利しようというのが間違いだった」
ダッ!
角間「と、統堂だぁぁ!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
エレナ ダッ!
GK「エレナさん!?」
MF3「えぇえ!?」
角間「統堂がペナルティエリアを飛び出し攻め上がっている!?」
花陽「あ、あり得ないです……」ハァ……ハァ……
にこ「あの堅実な統堂エレナが……」
絵里「みんな戻って!!」
海未「にこ!ぼーっとしない!!ディフェンス!!御三方をマーク!!」
にこ「…!わかってるわよ!!」
ディフェンス「はい!」
843 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:40:07.54 ID:BtQLJMld0
エレナ タッタッタッ
UTXメンバー ダッ!
花陽(他のメンバーにとっても予想外なことのはずなのにすぐ切り替えた…!)
ツバサ(でもまだ完全には切り替えきれてない…)
花陽ツバサ(この勝負……)
((対応しきれなかった方が負ける……!!))
844 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:41:33.00 ID:BtQLJMld0
ことり「はぁぉ!!」ズザザッ!
エレナ「…ふっ…!」バッ!
エレナ「……」チラッ
MF2「……!」ギクッ
エレナ(まだ準備できていないか)トッ
海未(…!隙ができた…!)ガッ!
エレナ「…ぐっ…!」チラッ
ツバサ コクッ
にこ「……!」
エレナ「ツバサ!!」ドッ!
にこ「させない……!!」ダッ!
角間「矢澤読んでいたのかぁ!?絶好のタイミングだぁ!!」
花陽(……無理だよにこちゃん…)
845 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:42:31.80 ID:BtQLJMld0
ギュゥゥゥゥン…!!
海未「……!ボールが曲がって……」
エレナ「来ると思っていたよ、君なら」
角間「おおっとこれは厳しい!ボールは矢澤から遠ざかるように弧を描いていく!!」
にこ「ぐっ……!」タッタッタッ
花陽(前回と同じ……パスカットじゃ統堂さんには敵わな……)
にこ「なーんていうわけないでしょうが!!」ダッ!
エレナ「!?」
花陽「にこちゃん!?」ハァ……ハァ……
にこ「凛!!」
凛「にゃ!?」
にこ「私を飛ばしなさい!!」
凛「……?………!」ハッ
凛「おまかせにゃ!」バッ!
花陽「あれは……!」ハァ……ハァ……
にこ「ふっ…!」バッ!
846 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:43:37.28 ID:BtQLJMld0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛「秘密兵器の……特訓だにゃ…」ハァ
絵里「へー、なんて技なの?」
凛【かよちんロケット!】
穂乃果「おぉ……!カッコいい!」
にこ「別にどんな技でもいいけど怪我だけはしないようにしなさいよ」
花陽「にこちゃんに私たちの技を授けます……!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ凛「ぬぐぐぐぐ……!!」グググッ…!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
凛「【にこちゃんロケット】だにゃ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
847 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:44:54.56 ID:BtQLJMld0
凛「いっけぇぇぇ!!!」ドッ!
にこ「にごぉぉぉぉぉ!!!」ピューン!
【にこちゃんロケット】
エレナ「くそっ……!」
エレナ(小泉花陽は警戒していたが矢澤にこがあの技を使うのは想定していなかった……!)
ギュゥゥゥゥン!
ピューーー!!
エレナ(追いつかれる……!)
にこ(よし…!これなら……)バッ!
花陽「にこちゃん……!!」パァァァァ…!
あんじゅ「ナイスパス?」トッ
にこ「……なっ…」
エレナ「あんじゅ…!」
花陽「そんな……」
角間「これは統堂見事な策略!音の木坂の虚をついたぁ!!」
にこ「クッソ……!」ゴロゴロ……ズザザ!
848 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:46:11.83 ID:BtQLJMld0
あんじゅ「……まったく…」チラッ
エレナ(助かった…)ゴメン
あんじゅ「ツバサ!」ドッ!
ツバサ「……やっぱりあなたが立ちふさがるのね」トッ
花陽「私だけじゃ…はぁ、ないです…!」ハァ……ハァ……
雪穂 ザッ!
ツバサ「あら奇遇ね」
【クリエイション!】
ズズズズ……!!
花陽「雪穂ちゃん!」
雪穂「花陽さん!」
ズズズズ……!ガコンッ…!
ツバサ「私も仲間がいるのよ」ニコッ
花陽「っ…」
エレナ(ツバサは派手に見られがちだが、基本は堅実だ)
エレナ(詰め将棋のようにじわじわ相手の選択肢を奪っていく………ヤラシイ奴だ)
角間「小泉と高坂を分断したぁ!!綺羅と小泉の1on1だぁ!!」
ツバサ「いくわよ…!」ダッ!
花陽「……っはぁぁ!!」バッ!
849 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:48:15.60 ID:BtQLJMld0
花陽【ディフェンスコマンド!!】
シュバッ!
ツバサ(……!!一瞬で懐に……)
花陽(まだ動ける……最後の一滴まで振り絞れ…!!)
ツバサ(警戒してたのに……動き出しが速すぎる)
花陽(綺羅さん反応しきれてない…)
ツバサ(重心を移した瞬間に……!バランスが……)グラッ…!
花陽(取った……!!)バッ!
ツバサ(取られ……!!)フッ…!
850 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:50:07.32 ID:BtQLJMld0
ツバサ「ああああ!!!」クルンッ!
花陽「はぇ……!?」スカッ…!
花陽「うぶっ…!!」ドサッ
角間「綺羅抜いたぁぁ!!!間一髪!!」
DF2「よっしゃぁ!!」
花陽(あの体勢から無理やり重心を引き抜いた……!?)ゼェ……ゼェ……
ツバサ「危……ないところ、だったわ…」ハァ……ハァ……
ツバサ(あの一瞬でここまで読み込まれるなんて……)
花陽「人間技じゃ……ない……」ハァ……ハァ……
ツバサ「……あなたもね」ダッ!
角間「ゴール前はガラ空き、完全にフリーだぁぁぁ!!!」
穂乃果「……!」グッ
851 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 17:51:37.39 ID:BtQLJMld0
タッタッタッ
ズシュゥゥゥゥ……!!
ボフォォォォォォォオオオオ!!!!!
角間「UTX【ザ・フェニックス】の体勢!!勝ち越しを決めるかぁ!?」
穂乃果(前半のリベンジ……!)グッ
ツバサ「……試合の中で成長する」
穂乃果「…?」
ツバサ「あなたたちからは学ぶことが多いわね」ニコッ
穂乃果「…っ…!!」ゾクッ…!
852 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:25:25.32 ID:BtQLJMld0
ツバサ「アフロディ!!」
アフロディ「ふふ、本当に人使いが荒い人達だ」タッタッタッ
穂乃果「まさか……!」
角間「アフロディが走り込んでいます!!一体……」
アフロディ バサァッ…!!
ツバサ「いくわよ!!」グッ…
エレナあんじゅ「おお!!」グッ…
ダンッ…!!
雪穂「嫌…嫌……!!」
ことり「……待ってよ」
ツバサエレナあんじゅアフロディ「はぁぁぁぁぁ!!!!!!」バッ!
853 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:26:35.56 ID:BtQLJMld0
ドキュッ!!!!!
【ゴッド・フェニックス!!!】
ゴォォォォォォォオオオオ!!!!
ゴォォォォオォォオオオオ!!!!!
角間「残り時間はもう残っていません!!音の木坂万事休すかぁぁ!?」
音の木坂「………っ………」
海未「何ですか……これ………」
花陽「こんなの、止められるわけ……」
854 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:27:36.17 ID:BtQLJMld0
穂乃果「さっ…………こぉおぉぉぉおぉぉぉい!!!!!!!!!」バッ!
ツバサ「……!」
真姫「穂乃果……」
ことり「穂乃果ちゃん…」
穂乃果「勝利の女神は………!!」
穂乃果「最後まで諦めなかった方に笑うんだよ!!」グッ
ツバサ「……面白いじゃない」ニッ
海未(……そうでした、あなたはそういう人でしたね)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
真姫「シュートへの流れですが……絶対の前提条件は敵のシュートを止めることです」
穂乃果「!」
凛「あんなシュートを……?」
ことり「いくらなんでもそれは……」
穂乃果「無理?」
ことり「い、いや!そういうことじゃ……」
海未「できますか?」
穂乃果「……確証はないよ、でも……」グッ
穂乃果「止めなきゃ気が済まない!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
855 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:28:42.89 ID:BtQLJMld0
海未(どれほど絶望的な状況でも、あなたは私たちに勇気をくれた)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「……….」ズキズキ
穂乃果「それは任せて」
穂乃果「穂乃果が止めるから!」
海未「穂乃果……」
穂乃果「ファイトだよ!」グッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未(ならば私たちのすべきことは一つ……)スゥ……
海未「お願いします!!!穂乃果!!」
海未(あなたに全てを託します)
にこ絵里真姫「穂乃果!!!」
凛花陽希ことり「穂乃果ちゃん!!」
雪穂亜里沙「お姉ちゃん!!」「穂乃果さん!!」
穂乃果「……!」ブルッ……!
856 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:29:57.35 ID:BtQLJMld0
穂乃果(この感じ……懐かしい……)
穂乃果(初めて【マジン・ザ・ハンド】を出した時みたいな……)
穂乃果「……不思議な感じ……」
穂乃果ママ「………」
ゴォォォォォォオォォ!!!!!
穂乃果「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果ママ「足りない最後の1ピース……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果(なんとなくわかるんだ)
穂乃果(きっと答えは……そう遠くないところにあるって)
トプン……
857 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:30:44.40 ID:BtQLJMld0
海未『……ようやく気づきましたか』
穂乃果「う、海未ちゃん!?」
海未『はい、私です』ニコッ
穂乃果「なんで……え?」
凛『凛達もいるにゃー!』
穂乃果「みんなも……どうして?」
海未『パズルのイメージの延長線上のようなもの……ですかね』
穂乃果「??よくわかんない……」
海未『難しく考えず、いつものように、私たちの力を使ってください』スッ
パチッ
穂乃果「……!」
858 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:32:51.98 ID:BtQLJMld0
ことり『ことりもー!』スッ
パチッ
花陽『ご、ごめんなさい…!花陽のはみんなよりとっても小さいんです……』
海未『しかし、その形に合うのは花陽だけですよ。引け目を感じることはありません』
花陽『う……うん!』スッ
パチッ
希『希パワーちゅーにゅー!はーいプシュ!』
パチッ
絵里『全く希ったら……』
パチッ
にこ『にこの力貸してあげるんだからありがたく思いなさいよ』
パチッ
真姫『ナニソレ、イミワカンナイ』
パチッ
凛『にこちゃん今日も絶好調だね』
パチッ
859 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:33:59.24 ID:BtQLJMld0
穂乃果「……!」グッ
角間「守護神高坂の代名詞【マジン・ザ・ハンド】VS UTX最高の必殺技【ゴッド・フェニックス】!!」
角間「一体どちらに軍配が上がるのでしょうかぁ!!!」
海未「穂乃果!!」
穂乃果「……っ…」
この瞬間、穂乃果の脳内にある映像が流れた
UTXの必殺技に手も足も出ず吹き飛ばされた、自分の未来の姿が
860 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:34:49.78 ID:BtQLJMld0
穂乃果「……みんな………ありがと……」
穂乃果「でもほら、あと一つ……わかんないんだ」
みんな『………』
穂乃果「みんなが力を貸してくれてもこれじゃ……」
穂乃果「やっぱり穂乃果、リーダーなのに情けないね」アハハ……
海未『………一度……リーダーということから離れてみてはどうですか?』
穂乃果「へ?」
海未『リーダーのあなたは素晴らしいと思います』
海未『チームのために、みんなのために戦う姿はあなたがなんと言おうと立派なリーダーです』
穂乃果「海未ちゃん…」
海未『しかし私は……』
861 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:35:43.72 ID:BtQLJMld0
海未『あなた自身、[高坂穂乃果]としての気持ちが聞きたいです』
穂乃果「私自身……?」
海未『リーダーでもGKでもないあなたに聞きます』
海未『あなたはこの試合、どうしたいのですか?』
ゴォォォォオォォオオオオ!!!!
監督「……」
監督(…お前が初めて俺に見せた【マジンザハンド】)
監督(仲間がいない中、お前は一人で【マジンザハンド】を出した)
監督(ピースは揃っているんだ、気づいていないだけで)
862 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:37:09.89 ID:BtQLJMld0
穂乃果「……勝ちたいよ」
海未『……[リーダーとして]ですか?』
穂乃果「それは……」
海未『例えばですが』
海未『あなたをリーダーから解任して私がリーダーになったとしましょう』
穂乃果「えぇ!?」
海未『仮にですよおバカ』
穂乃果「うぅ…」
海未『…リーダーを解任されたあなたは、もう勝利を目指さないのですか?』
穂乃果「へ?」
海未『そうでしょう?リーダーだからチームのために勝ちたい、と言うのであれば』
海未『リーダーではなくなったあなたはもう勝ちなどどうでも……』
863 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:38:07.45 ID:BtQLJMld0
穂乃果「そんな訳ない!!」
海未『……』
グググッ…!
穂乃果「勝ちたいに決まってるよ!」
ググググッ…!
穂乃果「リーダーなんて関係なく……」
グググググッ…!
穂乃果「穂乃果がこの試合に勝ちたいんだよ!!」
864 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:39:37.94 ID:BtQLJMld0
……………ポンッ…!
穂乃果「…!これ……」
海未『……ふふ、それがあなたの……最後のピースですか』
穂乃果「………これが……穂乃果の……」
海未『リーダーだから、チームのために、誰かのために、立派だと思います。すごく』
海未『責任感の強いあなただから、普段はだらしがなくとも私はあなたを信頼してきました』
穂乃果「海未ちゃん……』
海未『しかし、今はそんなものは余計なものでしかありません』
海未『様々な雑念、責任、プライド、余計なものをそぎ落とし、最後に残った純粋な想い』
海未『それこそがあなたという最後のピースです』
穂乃果「……」スッ
キラキラ…!
865 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:41:01.54 ID:BtQLJMld0
ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!
角間「さぁ…!!運命の一瞬です!!」
穂乃果「………」
穂乃果「……ありがとう海未ちゃん、みんな」スッ
海未「……!」
穂乃果「……はぁぁぁぁ!!!」グッ
ゴォォォォォォオオ!!
角間「高坂構えたぁ!!」
海未『一度、リーダーということを忘れて』
海未『あなたのワガママを想いの限りぶつけてください』
パチッ……!
866 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 18:43:54.47 ID:BtQLJMld0
穂乃果【………マジン・ザ・ハンド………】
ズズズズズズ………!!
穂乃果ママ「……!」ゾワッ…!
穂乃果【焔(ホムラ)】
867 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/22(月) 19:12:47.17 ID:BtQLJMld0
ボフォォオォオォォォォオオオオ!!!!!
ジワァァ……!
絵里「……!穂乃果のマジンが……」
真姫「紅に染まっていく……」
穂乃果 ニッ
ツバサ「…!」ゾクッ…!
MF1「…………」
MF1「彼女は一体……何者なのですか?」
海未「……彼女は高坂穂乃果」
海未「私たちの太陽ですよ」
868 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:16:36.36 ID:BwcYhLMPO
ボフォォォォォォオォォオオオオ!!!!
ツバサ「…っ…今更驚かないわよ穂乃果さん…!」
エレナ「ああ……!望むところだ!!」
あんじゅ「勝つのは私たちよ!!」
アフロディ「ふふ……」
穂乃果「はぁぁぁ!!!!!」バッ!
ギュルルルルルルルルルル!!!!!!
穂乃果「………!!!」グググッ……!!!
角間「前半とは違い高坂踏みとどまっている!!!リーダーでありGK!!その重圧は重く、重くのしかかっていることでしょう!!」
穂乃果(……そんな大層なものじゃないよ)
グググッ…!!!
穂乃果(ただ……)
869 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:17:28.89 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「勝ちたいだけ!!」グググッ!!
ブチブチッ…!!
ハラリ……
凛「…!テーピングが……」
MF3「いけるっす!!!」
DF2「入ってまえ!!!」
ツバサエレナあんじゅ「いけぇぇ!!!」
穂乃果(……全力でぶつかってくれる好敵手[ライバル]がいる)
870 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:18:12.74 ID:BwcYhLMPO
ギュルルルルルルルルル!!!!!!
海未「………っ……!」
海未「穂乃果ぁ!!!」
ことり「穂乃果ちゃん!!!」
「「「「穂乃果(ちゃん)!!!!」」」」
穂乃果「………!」グググッ…!!
ズザザッ!
穂乃果(……応援してくれる仲間がいる)
871 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:19:07.92 ID:BwcYhLMPO
雪穂「お姉ちゃん!!」
ガンバレー!!イケルゾー!!
穂乃果「………っ」ズザザッ……!!
穂乃果(……あぁ、穂乃果)グッ…!
ギュルルルルル!!!
穂乃果「幸せ者だなぁ……」ポツリ
ギュルルルルル!!!!
ギュルルル……!!!
シュルルルル……
ルルル……
ルル…
パシッ…
872 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:25:56.39 ID:BwcYhLMPO
角間「………」
音の木坂「………」
UTX「………」
観客「………………止めた」
角間「……!」ハッ
角間「止まったぁぁぁぁ!!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!!
音の木坂「よぉぉぉっし!!!!!」
UTX「はああああああ!!??」
873 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:26:48.20 ID:BwcYhLMPO
エレナ「〜〜〜!!」ガシガシ…!
あんじゅ「うそ、でしょ……」ゼェ……ゼェ……
ツバサ「……」チラッ
ツバサ「……!!エレナ!」ハァ……ハァ……
穂乃果「…!」トッ!
音の木坂に感化されたUTX
それによって行われたキーパー統堂のドリブル突破
その統堂エレナの予想外のプレーによって全員の頭からあることが抜け落ちていた
いつもなら絶対に見落とさない至極当たり前のことを
角間「の、残り時間は………」
874 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:27:50.09 ID:BwcYhLMPO
角間「5秒だぁ!!!」
穂乃果「いくよ!海未ちゃん!!ことりちゃん!!」ダッ!
海未「任せなさい!!」ダッ!
ことり「いけいけー!」ダッ!
角間「音の木坂カウンタァァァァァァァァ!!!!」
ツバサ「戻って!!ディフェンス!!」ゼェ……ゼェ……
エレナ「くっ……!」ダッ!
MF3「早く戻るっす!!」ダッ!
MF1「わかってますよ!!」ダッ!
角間「高坂ボールを持って駆け上がる!!両チーム共全員サッカーで勝ちを狙います!!」
試合終了間際なら、時間を使い切ってシュートを打つのがセオリー
しかし、忘れていた
ツバサ「……はぁ…はぁ…」タッタッタッ
875 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:28:44.71 ID:BwcYhLMPO
ツバサ「……ふふ」ハァ……ハァ……
いつぶりだろうか
試合時間を気にする暇がないほど[今]に熱中したのは
ツバサ「楽しいわね、あんじゅ」ハァ……ハァ……
あんじゅ「……否定はしない」ハァ……ハァ……
角間「ここで残り時間終了!!正真正銘ラストアクションだぁぁ!!」
絵里「穂乃果!こっちに……」
にこ「待って!」バッ!
絵里「にこ?」
にこ「……やらせてあげましょう」
絵里「?」
876 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:29:56.66 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「付いてきてる!?二人とも!!」タッタッタッ
ほのか『わーーー!!!』タッタッタッ
海未「お待ちなさい穂乃果!」タッタッタッ
うみ『ま、まってください〜!』タッタッタッ
ことり「二人とも元気だよ〜……」タッタッタッ
ことり『はやいよふたりとも〜!』タッタッタッ
877 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:30:52.92 ID:BwcYhLMPO
MF2「いかせてたまるかよ!!」ザッ
角間「ディフェンスが立ちふさがりま……」
ドッ!トッ……クルッ!ザザッ…ダッ!
トッ…!
MF2「はぁ!?」ガクッ…!
穂乃果「止まるなー!いくぞー!」タッタッタッ
海未ことり「おー!」タッタッタッ
角間「こ、これは鮮やかな……連携プレイ…?」
エレナ「……はは」
あんじゅ「まるで………公園で遊んでるみたい……」
ツバサ「楽しそう……」フフ
ほのか『おそいよふたりとも!』
うみ『まけませんー!』
ことり『ふぇぇ……うみちゃんまでぇ……』
878 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:32:29.95 ID:BwcYhLMPO
ドッ…!ザザッ クルッ…!トトッ
DF2「なんっ……やこいつら…!?」ガクッ!
MF3「くっ……!」ガクッ!
穂乃果「まだまだー!」タッタッタッ
海未ことり「おーー!!!」タッタッタッ
凛「あ、あんな海未ちゃん初めて見た……」
花陽「はっちゃけてるね……」アハハ…
角間「独特なリズムで敵を寄せ付けない!!高坂、園田、南、共に敵陣へ切り込んでいきます!!」
角間「息のあったコンビネーションで的を絞らせません!!」
真姫「多分あの3人の頭には、止められたら終わりなんてこと、これっぽっちもないんでしょうね」
希「すっごい……楽しそう」ふふ
879 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:34:19.64 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「はぁ……はぁ……」タッタッタッ
穂乃果(誰かに言っても、信じてもらえないだろうなぁ……)
海未「もうバテているのですか穂乃果!」タッタッタッ
穂乃果「ま、まだまだぁ!!」タッタッタッ
穂乃果(一年生の頃は部員3人しかいなかったのに……)
ことり「海未ちゃん元気だね〜……」タッタッタッ
穂乃果「ね〜…」タッタッタッ
穂乃果(今はこの大舞台であのUTXと競い合ってるなんて)
エレナ「……っ来い!!高坂穂乃果!!」ザッ!
角間「統堂ゴールまで戻りきったぁぁ!!」
MF3「ギリギリ……間に合ったっすね…!」ハァ…ハァ…
穂乃果「はぁ…!はぁ…!」ザッ!
海未ことり ザッ!
880 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:36:10.50 ID:BwcYhLMPO
穂乃果(ここまで長……いや、あっという間だったなぁ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジキル「マーレーマーレーマレトマレ!!」
幽谷「ゴーストロック!!」
「「「にっこにっこにーーー!!!」」」
パァァァァァァァァァァァァ!!!
海未「もう必殺技は諦めてしまうのも一つの手ですが……」
にこ「……いやよ!にこは諦めない……」
凛「希ちゃん!凛と一緒に飛んで!」
希「え……えぇ!?」
穂乃果「サッカーは……もっと、こう……心の底から熱くなれるものなんです」
穂乃果「どうして杉森さんたちは、ゴールを決めても笑顔にならないんですか」
杉森「そんなものはサッカーに必要ないだろ」
穂乃果「……!」
881 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:37:43.87 ID:BwcYhLMPO
漫画家「どんな手を使っても……僕たちは勝たなければいけないんだ!!」
ノベル「勝てばいいのだよ勝てば!!」
ことり「月に変わって、お仕置きです!」
「「グフゥ……!!」」
亜里沙(これが……お姉ちゃんを越えるために編み出した、私だけの必殺シュート…!!)
亜里沙【パンサーブリザード!!!】
パンッ!
ツバサ「……っ…」ヒリヒリ…
絵里「…ごめんなさい」
ツバサ「……いえ、むしろ叩いてくれてホッとしたわ」ニッ
絵里「……」スッ
ツバサ「……敵わないわね」
パンッ!
882 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:40:23.90 ID:BwcYhLMPO
霧隠「……すまなかっ…」
ゴチンッ!!
霧隠「す、すみませんでしたぁぁ!!」
海未「誰も怪我がなくてよかったですよ」
霧隠「俺たちの分も、勝ってくれよ」
穂乃果「任せてよ!」
海未「私たちはそんなに頼りないですか?」
凛「え……?」
海未「たった一試合を任せられないほど私たちが頼りないですか?」
凛「ち、違うの…!!そうじゃなくて……」
海未「なにが違うのですか?」
凛「だから……えっと……」
海未「今なら別に怒りませんから正直に言ってください」
凛「ち、違うって……」
海未「凛!!」
凛「違うんだってば!!!!」
883 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:42:07.86 ID:BwcYhLMPO
女性「無理をすれば小泉さんも星空さんも試合に出られるかもしれない」
にこ「!」
女性「でもそのせいで体に障害が残ってしまった時、誰が責任を取るの?」
女性「誰が一番悲しむの?」
にこ「………っ」
女性「私が担当になったからには、そんな子を絶対出させはしない」
友「これが僕たちの…!!」
クルクルクル……スタッ!!
【トライアングルゼェェェット!!!】
にこ「その頃はこんなに大ごとに………学校のみんなから応援されるなんてこれっぽっちも思ってなかったのよ」
にこ「あり得なかった」
穂乃果「……」
にこ「私たちだけで始まって、誰の記憶にも残らないまま終わって行くんだろうなって思ってた」
にこ「女子校でサッカーなんて流行らないしね」フフ
穂乃果「…….ふふ、そうだね」クスッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
884 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:44:51.24 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「……そっか」
穂乃果(あの時は茶化しちゃったけど、今ならわかるよにこちゃん)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『思いっきり暴れてこい!!』
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
おばちゃん「もうすぐ決勝戦でしょう?頑張んなよ!」
おっちゃん「サッカー頑張ってるんだってな、商店街じゃその話で持ちきりだよ!」
おっちゃん「商店街のジジババ集めてみんなで行ってやる!」
「「「頑張れー!」」」
885 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:46:12.09 ID:BwcYhLMPO
音の木坂ーー!!!がんばれー!!
生徒会長ー!!
ワーーーーー!!!!
穂乃果「すっご……!」
おっちゃん「穂乃果ちゃーん!!!がんばれよぉ!!」
おばちゃん「負けんじゃないよ!!」
穂乃果「商店街のみんなも!」
穂乃果「みんなーー!!!!応援よろしくぅ!!!」
ワーーーーー!!!!!
にこ「あぁ…….これはもうにこ達だけの物語じゃないんだって」
穂乃果「………」
にこ「このチームも、学校のみんなも、先生も、監督も……」
にこ「一人残らず……この物語の一部なんだって……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
886 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:48:48.07 ID:BwcYhLMPO
穂乃果(……これは……みんなで叶える物語)
穂乃果(……みんなで叶えてきた物語)チラッ
海未ことり「……」コクッ
にこ(……色々な人に支えられて、色々な人のおかげでここまできた)
穂乃果(応援してくれる人、冷やかす人、味方、敵……)
にこ(楽しかったこと、腹が立ったこと、悔しかったこと、不安だったこと)
穂乃果(全部全部……糧になってる)
にこ(私たちだけじゃここまで来れなかった)
にこ(……でも……)
887 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:49:15.70 ID:BwcYhLMPO
にこ「でもね穂乃果」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「うぅ……クモさん……」
穂乃果「よーし!私たちの伝説はここから始まるんだ!!」
穂乃果「音の木坂サッカー部!始動!!」
ことり「おー!」
海未「おぉぉ……」
にこ「……ばっかみたい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
にこ「あんたらがいなかったら、何も始まってなんかいなかった」
888 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:50:24.47 ID:BwcYhLMPO
角間「残すは統堂だけだぁぉ!!」
穂乃果(これは……)
にこ(……っ…!)
スゥ……!
にこ「あんた達が始めた物語よ!!あんたらで決着つけなさい!!」
穂乃果「………おう!!」グッ
ギュォォォォォォォ……!!!
海未ことり「…っ……!」ゾワゾワッ!
海未ことり(メンバーの……みんなの気持ちが一つに集まって……)
海未(これが……穂乃果がいつも感じている世界)
穂乃果「……海未ちゃん」
海未「?」
889 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:51:45.27 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「あの時穂乃果を真剣に叱ってくれてありがとう」
海未「穂乃果……」
穂乃果「ことりちゃん、今日まで穂乃果の無茶にずっとついてきてくれてありがとう」
ことり「穂乃果ちゃん……」
穂乃果「……叶えよう、私たちの……みんなの夢を!!」
海未ことり「ええ「うん」!」グッ!
ギュォォォォオオオアアアア!!!!!
890 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:54:03.14 ID:BwcYhLMPO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽「こ、小泉花陽です」
希「ウチたちも……」
絵里「チームに入れて!」
にこ「あんたたち面白い子捕まえたわね」
にこ「いいわ、入ってあげる」
真姫「しょ、しょうがないから入ってあげるのよ!!」
真姫「勘違いしないで!!」クルクル
凛「これからかける迷惑は自分で取り戻すから……」
凛「メンバーの一人にしてください…!!」バッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
891 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:55:37.32 ID:BwcYhLMPO
グッ…
ダンッ……!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雪穂「姉がいつもお世話になってます!」
雪穂「助っ人に入らせていただく、妹の高坂雪穂です!」
監督「……絢瀬亜里沙は、助っ人としてチームに入ってもらう」
花陽「ルール上は問題ないので大丈夫です!」パラパラ
亜里沙「ツバサさんの勧めで来たんだよ!」
フミコ「試合には出なくても何かサポートしたいなって」
ヒデコ「マネージャーみたいな?」
ミカ「怪我した時用の控えとか!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
892 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:56:54.43 ID:BwcYhLMPO
コォォォォオォオオオ………!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ことり「それにしても……」
穂乃果海未「?」
ことり「最近の練習ハードだよねぇぇぇ……」ガクッ
海未「しかし、確実に力がついているのがわかります、この調子ですよ!」
ことり「足とか腕には生傷が絶えないし筋肉もついて……」
ことり「もっと女子高生っぽいこともしたいよ〜……」
海未「例えばなんですか?」
ことり「ーー……」
海未「……ーー…!」
穂乃果「……」
サァァァァァァァ……!
ことり「……ねぇ」
ことり「穂乃果ちゃんはどう思う?」
穂乃果「え〜?穂乃果はー……」
穂乃果「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
893 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 00:58:11.76 ID:BwcYhLMPO
にこ「………いけ」
おっちゃんおばちゃん「いけ……!」
音の木坂「いけぇぇぇぇ!!!!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「……結構楽しいよ」ニッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドキュッ!!!!
穂乃果海未ことり【ジ・アース!!】
ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!
894 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:00:47.88 ID:BwcYhLMPO
ゴォォォォォォオォォオオオオ!!!!!
角間「音の木坂勝ち越しのシュートを放ったぁぁ!!!凄まじいパワーだぁぁ!!これで決まってしまうのかぁぁ!?」
エレナ「……」
DF1「……っ」フルッ…
MF2「……」ギュッ…!
ツバサ「ほら、そんなに不安そうな顔しないの」ザッ
あんじゅ「ポーカーフェイスはどこにいったのよ」ザッ
エレナ「二人とも……」
ツバサ「……あなたって全然人に頼らないわよね」
エレナ「……」
ツバサ「こういう時ぐらい頼りなさいよ、友達でしょ」ザッ
エレナ「!」
あんじゅ「全く、世話がやけるんだから」ザッ
エレナ(ーー………)
895 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:04:10.94 ID:BwcYhLMPO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いけー!パスパス!
えれな「………」ポツーン
しゅーと!
えれな「あ……!」
パシッ
えれな(…と、とれた…!)
はやくボールだして!
えれな「え…あ、うん……」
ドッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エレナ(私はただ……[友達と]サッカーがしたかったんだな……)
896 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:05:17.14 ID:BwcYhLMPO
ツバサ「準備はいい?エレナ」
あんじゅ「ぼーっとしてたら置いてくわよ」
エレナ「何か手があるのか?」
ツバサ「いや?」
あんじゅ「なんとかなるんじゃない?」
エレナ「……はっ、なんだそれ」ニッ
GK「エレナさん!!」
エレナ「……信じてるさ、二人とも」グッ
ゴゴゴゴゴゴ………!!!!
穂乃果「…!」
海未「そう簡単には終わらせてくれませんか…!」
ことり「……負けない!」
エレナツバサあんじゅ「はぁぁぁぁ!!!」
897 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:07:07.14 ID:BwcYhLMPO
ガコンッ……!
エレナツバサあんじゅ【王家の神殿!!】
ギュルルルルルルルルル!!!!!!
エレナツバサあんじゅ「ぐっ……!!」ズズッ…!
穂乃果海未ことり「いけぇぇぇ!!!」
ギュルルルルル!!!!
にこ「決まれ!!」
希「入って!!!」
GK「破られ……ない!!」
DF2「負けるかぁ!!」
ギュルルルルル!!!
角間「最強と謳われたUTX高校!!今音の木坂が、その喉元まで迫り寄っています!!」
ツバサ「……最強……か」
898 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:09:40.36 ID:BwcYhLMPO
ツバサ(……中学の頃、私たちはあの人(前監督)に拾われた)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お前の才能を俺が引き出してやる」
ツバサ「私の……才能?」
「おい、そこのお前」
あんじゅ「……スカウトですか?それなら……」
「スカウトだ、サッカーのな」
あんじゅ「………はい?」
「お前、キーパー楽しいか?」
エレナ「……知らない大人とは話さないようにしてるんだ」
「FWやってみないか?」
エレナ「……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
899 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:10:47.47 ID:BwcYhLMPO
あんじゅ(言われた通り、私たち三人は天才と言われるほどに成長した)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お前たちは俺の最高傑作だ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エレナ(私たちは、私たちこそが最強と疑わなかった)
ツバサ「彼女たちが現れるまでは」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【デスゾーン!!】
穂乃果「はぁぁぁ!!!」バッ!
ギュルルルルル!!!
シュゥゥゥゥ……!
ツバサ「……!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
900 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:13:06.02 ID:BwcYhLMPO
ツバサ「……ねぇ二人とも」ググッ…!
あんじゅ「っ…あ"?」プルプル
エレナ「……っなんだ…」ググッ…!!
ツバサ「………」
ツバサ「私、あなたたちとチームメイトでよかったわ」
あんじゅエレナ「……は」
ツバサ「楽しかった」ニッ
901 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:15:47.53 ID:BwcYhLMPO
あんじゅ「………」ググッ
エレナ「……」ググッ
ツバサ「………」ググッ
エレナ フッ
あんじゅ ハァ……
902 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:16:48.75 ID:BwcYhLMPO
バチィッ………!!
ブワァッ……!!!
私も[だ]よ、ツバサ
ドシュルルルルル……!!!
ツバサ(ーーー………)スッ
903 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:18:43.57 ID:BwcYhLMPO
角間「………き」
角間「決まったぁぁぁぁ!!!!!」
ワァァァァァァァァァァアアアア!!!!!
UTX「…………………」………
音の木坂「……………」
ピッ、ピッ、ピーーーーーーーー!!!!
角間「ここで試合終了のホイッスル!!」
角間「長い長い戦いを制し、2年連続王者の座に君臨するUTX高校を破ったのは!!」
角間「今大会本選初出場の………」
角間「音の木坂高校だぁぁぁぁ!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
ヨクヤッターー!!オツカレサマー!!
パチパチパチ……!
904 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:19:33.26 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「………」ハァ…ハァ…
ツバサ「………」ハァ…ハァ…
スタ…スタ…スタ……
ガシッ…!
海未エレナ「……」ガシッ…!
ことりあんじゅ「……」ガシッ…!
905 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:21:14.05 ID:BwcYhLMPO
ハァ…ハァ…
テクテク……
MF1「ツバサさん……」
ツバサ「………みんな、ごめんなさい」
あんじゅ「…負けちゃった」テヘペロッ
エレナ「……」
MF3「……終わっちゃったんっすね」
MF1「…今の一年生に、優勝をさせてあげたかったですね」
DF2「ツバサさんたち抜けるから来年からはきつなるぞ〜」ニヒヒ
MF2「そういうこった、ちんちくりん」ポンッ
DF1「……なんで……」
906 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:22:57.30 ID:BwcYhLMPO
DF1「どうしてみんな悔しがらないんですか!!」
みんな「……」
DF1「強がっちゃってばっかみたい!!悔しいなら悔しいって言えばいいのに!!!」
MF2「……」
DF1「来年だとか、これからなんてどうでもいいんですよ!!私は、先輩たちと……!!!」ジワァッ……!
ギュッ…!
DF1「うぅぅ…!」ポロポロ
MF2「……やめとけ馬鹿」ギュッ
DF2「……三連覇を逃した……とか、そんなんやなくて……」
MF3「あぁ、[終わり]なんだ、って」
MF1「………楽しかったですよね」
MF3「……はい」
MF1「もっと……みんなで……」
MF3「……そのくだり、前も…したじゃないっすか」
MF1「2回目は……寒いですか?」ズズッ….
MF3「……はい、寒いっす」ズズッ…
MF1.3「あっはは…!」ポロポロ
907 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:25:48.39 ID:BwcYhLMPO
タッタッタッ
エレナ「!」
GK「……エレナ、さん」ハァ…ハァ…
エレナ「……すまなかった、君の努力を無駄にしてしまった」
GK「エレナさんがGKできるなら、もっと……もっと教えてもらいたいことがたくさんありました」
エレナ「……」
GK「もっと早く……知ってれば……!」ジワァ…!
エレナ「……君はわたしにないものをたくさん持ってるよ」
GK「でも……!!」バッ!
エレナ「居なくなる奴の影ばかり追いかけるな」
エレナ「これからのUTXは任せた、UTXの正ゴールキーパーさん」ポンッ
GK「ーーー…っ…!!」ブワァッ…!
908 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:26:46.46 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「……はぁ…はぁ…」テクテク
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「今年の入部は穂乃果たちだけかぁ…」
海未「仕方ありませんよ、来年期待しましょう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
909 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:27:46.28 ID:BwcYhLMPO
海未「……」ハァ…ハァ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果「海未ちゃん!今年は!?」ガラッ…!
海未「……0人……ですかね」
ことり「……ま、まだ迷ってるのかも……」
海未「一応夕方まで待ってみましょうか」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
910 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:28:22.94 ID:BwcYhLMPO
ことり「………」ハァ…ハァ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カァー、カァー
ことり「……来ないね」
穂乃果「……」
海未「……今年もまた、3人ですかね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
911 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:30:06.63 ID:BwcYhLMPO
「おーい!」
穂乃果海未ことり「!」
凛「こっちこっち!」ブンブン!
穂乃果「……」
誰に言っても、誰も信じないだろう
一年前まで3人だった部員が
にこ絵里希花陽真姫凛雪穂亜里沙
「お疲れ様[です]!」ニッ
これほど素晴らしい仲間に囲まれているということを
穂乃果「っ……」ジワァ…
海未「………」グッ
ことり「うぅぅ……」ポロポロ
912 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:31:49.14 ID:BwcYhLMPO
ワーワーキャーキャー!
団体から抜け出し感動に浸る人物が一人
にこ「……はぁーーー……」
プルプル…!
にこ(……にこ……にこたち……やったのよね。夢じゃ……ないのよね)ムニー
期待に胸を膨らまし入部したサッカー部
待っていたのは苦しい現実
仲間に出ていかれ、一人途方にくれた一年生
意地を張り、しかし諦めきれなかった二年生
もう一度、仲間を信じようと駆け出した三年生
その先に待っていたのは……
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
音の木坂ーー!!!!優勝おめでとー!!!
ピューーーイ!!!!イェーーイ!!!
にこ「………っ…」ポロポロ
913 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:33:24.92 ID:BwcYhLMPO
穂乃果「ありがとー!」ブンブン!
凛「ありがとにゃー!」ブンブン!
真姫「どうしてあの二人あんなに元気なのよ……」
角間「えー、これにてフットボールフロンティアを終了したいと思います!!」
角間「30分後に表彰式が行われますので選手の皆さまは一度、控え室にお戻りになるようお願いいたします」
海未「ほら、戻りますよ穂乃果」
穂乃果「えー…もっとこの雰囲気味わってたいよぉ〜…!」
希「あぁ〜……気持ちはわかるかなぁ」
花陽「人生で滅多にない経験だもんね」エヘヘ…!
ゾロゾロ
海未「ほら、UTXの方々も戻っています!私たちも行きますよ!」
穂乃果「はぁ〜い…」シブシブ
914 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:34:09.75 ID:BwcYhLMPO
ブワンッ……!
穂乃果「……へ?」
海未「な、なんですかあれは……」
空間を割いて現れたのは……まるでSFの世界から飛び出してきたかのような大きな乗り物だった
角間「な、な、な……」
『マインドコントロールモード』
915 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/23(火) 01:44:53.17 ID:BwcYhLMPO
ありがとうございました、これにて後半は完結とさせていただきます
詳しいことは
ラブライブss イナイレパロ 技募集
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1518886800/
の
>>332
に書かせていただきました
感想などあればどなたでも書いてくれたら嬉しいです
拙い作品でしたがありがとうございました
916 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/27(土) 20:07:52.01 ID:iMmuCl/wO
いや本当に素晴らしい作品でした、時間も忘れて読みました!乙です
917 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/28(日) 01:52:26.68 ID:sdfNvtRD0
ありがとうございますm(_ _)m
ホントにめちゃくちゃ嬉しいです
918 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/28(日) 02:04:06.60 ID:sdfNvtRD0
訂正です
角間さんが「勝ったのは音の木坂高校だー!」って言っていますが正しくは「音の木坂学院だー!」ですね
919 :
◆7NyoAqShyg
:2019/05/10(金) 21:37:26.62 ID:9zqNheMJ0
続きは今のところ書くつもりです!
あとこの作品見た方本当に一言感想ください!
寂しくて寂しいです!!
920 :
◆7NyoAqShyg
:2019/05/11(土) 13:48:55.91 ID:HnWIjR0u0
一応本編に書きたかったけど流石に長くなりすぎるのでカットしたモブメンバーの生い立ち?載せていきます
よければ
921 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/05/12(日) 01:15:40.45 ID:GWY5/roSo
楽しかったよ〜
続き頼みます
922 :
◆7NyoAqShyg
:2019/05/12(日) 21:23:04.65 ID:fBid3VyeO
ありがとうございます!頑張ります!
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