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「ラブライブ×イナイレ〜11人の女神の奇跡〜」後半
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33 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 15:58:41.24 ID:wApqZnK+0
にこ「一体いくつシュート持ってんのよー!!」
希「全員がエースストライカー級のシュート力……!!」
雪穂「止めるよ!お姉ちゃん!」ガッ
穂乃果「うん!」
ゴォォォォォォ!!!!!
ことり「あれは……!」
真姫「決勝で【トライペガサス】を止めた……!」
海未「【ホムラ・ザ・ハンド】です!」
花陽「あ、もうそれ決定なんだ」
穂乃果雪穂【ホムラ・ザ………】
「遅いって!!」ダダダダッ
凛「………!」
凛ママ バッ
凛ママ【マッハウィンド!!】ドキュッ!
ゴォォォォォォォォォォオ!!!!!!
穂乃果雪穂「うわぁぁぁぁ!!」
ドシュルルルルル………!!
凛「シュートチェイン……!」
海未「技を出す暇さえ……ないというのですか」
34 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 15:59:50.28 ID:wApqZnK+0
「うーー…………」グデー
花陽ママ「み、皆さん大丈夫ですか〜?」
海未ママ「死屍累々とはこういうことを言うのですね」
監督「これからお前たちには攻撃は星空、守備は小泉に徹底的に鍛えてもらおうと思う」
凛ママ「厳しくいくぞ!」
花陽ママ「よろしく〜」
穂乃果(ここから一ヶ月、地獄の日々が始まりました)
ことり(例えるならそう、私たちの一年生時代の山登りを一ヶ月に凝縮したような……)
花陽ママ「当然ながら、オフェンスメンバーにもディフェンスは学んでもらいます」
凛ママ「自分は守備だからといって攻撃には関係ないと思ってる人〜?」
凛ママ「試合に出てる以上誰にだってチャンスは来るからな〜!」
花陽(正直自分が攻撃するなんて思ってなかったので、聞くこと知ること全てが新鮮でした)
花陽(まあ攻撃なんて花陽には縁のない話だけど……)
ことりママ「ほんとはもっと早く手助けしたかったんだけど、監督がね……」
真姫ママ「自分たちだけで本戦上がるまではダメだって言うんだから」ハァ
希(ということで、みんなの母親のサポートもありながら練習を重ねていきましたとさ)
希(めでたしめでた……)
絵里(終わらないで!!)
にこ(色々あって……色々あったのよホント……)
35 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:00:43.42 ID:wApqZnK+0
花陽ママ「花陽ちゃんにはいち早くその人の特徴を掴む訓練をしてもらいます」
花陽「特徴を掴む?」
花陽ママ「このあいだの試合で見せた【ディフェンス方程式】、あの技の条件はわかるでしょ?」
花陽「その人の情報をできる限り持っていること……」
花陽ママ「でもいつも調べ切れるわけじゃない、データがない人もいる」
花陽ママ「そんな時のための訓練です」
花陽ママ「それと、日常での人間観察も習慣づけること」
花陽ママ「それじゃあ始めましょうか」
花陽「うん!」
真姫ママ「ねえパパみて!真姫ちゃんとサッカーしてきたの!」
真姫パパ「なに…!?それは本当か!?」
真姫「……別に、少し試合しただけ」
真姫パパ「パパともサッカーしに行こう!」
真姫「………練習があるから時間ない」
真姫パパ「あああああぁぁ!!!」ガクッ
真姫、ママ「うるさい」
36 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:03:31.49 ID:wApqZnK+0
真姫「そうだパパ」
真姫パパ「どうした?」
真姫「おじいさんから教えてもらって、どうしてもできなかった技があるんだけど……」
真姫パパ「……なんて技だ?」
真姫「【爆熱ストーム】っていう技なんだけど」
真姫パパママ「……!」
真姫「教えてくれない?」
真姫パパ「……すまない真姫、わたしにはわからない」
真姫「教えてもらってないの?」
真姫パパ「ああ……だがきっとお前なら完成させられるだろう、頑張れよ」ポン
真姫「……うん」
37 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:04:55.01 ID:wApqZnK+0
真姫「そうだパパ」
真姫パパ「どうした?」
真姫「おじいさんから教えてもらって、どうしてもできなかった技があるんだけど……」
真姫パパ「……なんて技だ?」
真姫「【爆熱ストーム】っていう技なんだけど」
真姫パパママ「……!」
真姫「教えてくれない?」
真姫パパ「……すまない真姫、わたしにはわからない」
真姫「教えてもらってないの?」
真姫パパ「ああ……だがきっとお前なら完成させられるだろう、頑張れよ」ポン
真姫「……うん」
38 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:07:05.07 ID:wApqZnK+0
希「お母さんはどれくらいこっちにいるの?」
希ママ「明後日には帰ろうと思ってるけど」
希「なら明日は一緒にどこか行かない?」
希ママ「いいわね!一度そういうのして見たかったのよ」
希ママ「それで今日泊まるところなんだけど……」
希ママ「希ちゃんのお部屋に泊めさせてもらおうかしら」
希「うん、大丈夫だよ!」
希ママ「久しぶりにお風呂一緒に入りましょう!」
希ママ「その膨よかな胸をワシワシと……!」ワキワキ
希「さ、触られるのは勘弁してほしいかなぁ……」
希ママ「あらあら、恥ずかしがり屋さんなのね」
希「そういう問題じゃない!」
希ママ「あ、ちょっと待ってお酒を買って……」
希「ダメ」
希ママ「い、一本だけ…」
希「ダメ」
希ママ「そ、そんなぁ〜……」ショボン
希「今日は……」
希ママ「?」
希「私の友達の話、いっぱい聞いて欲しいから……」ニコッ
希ママ「ぐはっ……!!!」ガクッ
希「ちょ……だいじょうぶ!?!?」バッ
希ママ「かわいい……」
希「え?」
希ママ「うちの子がかわいくて辛い……」ガクッ
希「………」ペイッ
希ママ「いや〜ん!」ドサッ
39 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:08:22.22 ID:wApqZnK+0
真姫ママ「あら、あなたが小悪魔ちゃんね」
にこ「こ、小悪魔?にこが…?」ソワソワ
真姫ママ「あの人の高校生時代とそっくりだわ」
真姫ママ「よく言ってたの、にっこにっこにー!ってね」
にこ「マ……お母さんも言ってたんですか!?」
真姫ママ「子供ができたら絶対にこって名付けてこれを教えるんだって」
真姫ママ「笑顔の魔法なんだって言ってね」
にこ「ママ……」
真姫ママ「あなたはきっと、お母さん以上に強くなれるわよ」
にこ「が、頑張ります!にこ!」
にこ(そういえば、ママが必殺技使うとこ見れなかったわね…)
40 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:11:19.94 ID:wApqZnK+0
本選まであと約一ヶ月のある日の部室
花陽「うわ〜、先生に呼び止められて遅れちゃった……」ガララ
花陽「みんなもう練習始めちゃってるよね」
花陽「私も早く行かないと……」ヌギヌギ
ピキィ
花陽「うぐっ……」
花陽「……やっぱり筋肉痛すごいなぁ……」
花陽「……よし、頑張ろう!」パンッ!
ガララララララ
凛「あ!かよちん遅いにゃ〜」
花陽「凛ちゃん!ごめんね、すぐ行くから」
凛「待ってるにゃ〜!」
凛「えーっと……」キョロッ
花陽「どうしたの?」
凛「ちょっと足挫いちゃって……」あはは
花陽「た、大変!!早く座って!テーピング……!」バタバタ
凛「だ、大丈夫!自分でできるから!」
花陽「お菓子と…えーっと、はい!飲み物と……ゲームもいる!?」バタバタ
凛「落ち着いてってばぁ!!」
41 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:12:44.69 ID:wApqZnK+0
自宅
穂乃果ママ「……ねえ穂乃果」
穂乃果「なぁに?」
穂乃果ママ「穂乃果は初めて【マジン・ザ・ハンド】を出した時、どんな感じだったの?」
穂乃果「どうしたの急に……?」
穂乃果「えーっとね」うーん
穂乃果「………みんなからパワーが集まってきて、それをボールにぶつける感じ……だったかな?」
穂乃果「2回めからはなんとなくブワッと……」
穂乃果ママ(なんとなく……か)
穂乃果ママ「……ひとつだけわかってることがあるの」
穂乃果「なに?」
穂乃果ママ「あなたの必殺技、【マジン・ザ・ハンド】は………」
「まだ完成していない」
穂乃果「……え?」
42 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:14:27.55 ID:wApqZnK+0
穂乃果「ど、どういうこと?未完成って……」
穂乃果ママ「そのままの意味よ」
穂乃果ママ「仲間の力が集まって来て………それは間違ってない」
穂乃果「じゃあ……!」
穂乃果ママ「……本来それができるのはごく一部の人のみ」
穂乃果ママ「普通はみんな、自分の力しか使うことはできない」
穂乃果ママ「でもあなたは周りの力を自分の力に変換する、天性の才能があった」
穂乃果「天性の……才能?」
穂乃果ママ(カリスマ性かな………我が子ながらあっぱれ!)
穂乃果ママ「だからこそ落ちてしまった落とし穴」
穂乃果ママ「足りない最後の1ピース」
穂乃果ママ「それは……」
穂乃果「………それは?」
穂乃果ママ「………」
穂乃果ママ「……じゃあ頑張りなさい」スタスタ
穂乃果「ちょ…!答えは!?」バッ
穂乃果ママ「自分で考えなきゃ意味ないでしょ?」スタスタスタ
穂乃果「………」〜〜〜!!!
穂乃果「これじゃあ今日眠れないよぉ〜!!」
穂乃果(でも、お母さんの技はなんていうか……凄みがあった……)
穂乃果(私の【マジン・ザ・ハンド】には無いような……凄みが)
穂乃果「……….」
パンパン!
穂乃果「……よし!がんばる!」ヒリヒリ
穂乃果ママ(あなたならきっと、私がたどり着けなかったところまでたどり着けるわ………)
穂乃果ママ(……頑張りなさい)
43 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 16:16:05.10 ID:wApqZnK+0
タイトルつけ忘れてました……
次からつけます
44 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 20:38:36.63 ID:QKHXCVVDO
1、本選までの出来事
学校放課後
キーンコーンカーンコーン
先生「それではみなさんさようなら」
さよーならー!
絵里「ん〜〜〜……!」ノビー
希「えーりち!お疲れさん!」
希「眠たそうやけど大丈夫?」
絵里「あ、希、ごめんなさい……最近疲れがたまってて……」
希「もーしっかりしてよ?大会も近いんやから」
絵里「ふふ、わかってるわ。練習行きましょうか」
希「あー……えりち?」
絵里「なぁに?」
希「ちょっと寄り道していい?」
絵里「?」
校舎裏自動販売機前
絵里「どうしたの?こんなところで」
希「えりち………」
絵里「?」
45 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 20:39:57.76 ID:QKHXCVVDO
真姫(う〜〜眠い……)テクテク
真姫(飲み物でも買って目覚まさないと…)テクテク
真姫(……!あれは……)ピタッ
真姫「絵里と希?」
絵里希 スタスタ
真姫「自動販売機の方に行っちゃった……」
真姫(なにかコソコソしてたような……?)
真姫「ちょうどいいしついて言って見ようかしら」
真姫「………」
真姫「海未みたいになってきてる気がする……」
真姫(居た……何か話してる……)サッ
希「えりち………」
46 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 20:42:25.79 ID:QKHXCVVDO
希「氷の女王って………なに?」
絵里「……!」
真姫(………!)
真姫「…………」
真姫「氷の女王……か」
絵里「……どうして、それを?」
希「うちが知ってるのは、えりちがサッカーやってたっていうからネットで少し調べた内容だけ」
希「ロシアに突如現れた期待の新星、クールな目つきと氷の技が特徴的な将来を期待された選手」
絵里「………」
希「もしそれだけなら……」
47 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 20:44:47.76 ID:QKHXCVVDO
希「亜里沙ちゃんがあんな風に言うはずない……」
絵里「……!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
亜里沙「氷の女王だったくせに……」
絵里「……昔の話よ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里(試合の時……聞かれてた……?)
希「お願い……教えて、えりち」
絵里「………」フゥ
絵里「……わかったわ」
希「………」ゴクッ
希(もし……えりちの過去に暗いものがあるなら……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「えりちな、氷の女王って呼ばれてたんよ」
絵里「ちょ、ちょっと…!」
希「氷の女王復活やね」
絵里「ちょっ……やめなさい!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希(うちは……)
希(どれだけ残酷なことを悪びれもせずに言っていたのか………)
48 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 20:49:52.88 ID:QKHXCVVDO
真姫(絢瀬絵里)
真姫(小学四年生からサッカーを始めるも、メキメキと才能を伸ばし、すぐに将来を期待されるほどの選手となった)
絵里「でも、ずっとバレエばかりやってきたからか、もともとの性格なのか………」
真姫(絵里は極端にチームプレイが苦手だった)
絵里「レベルの低い相手ならまだしも、強い相手にそれは致命的だった」
絵里「私は……次第にワンマンプレーが増えていった」
真姫(はじめのうちはチームはなにも言わなかった……けど)
絵里「だんだんと煙たがられるようになって……」
絵里「中学3年の夏、サッカーをやめたわ」
絵里「チームは……私のワンマンプレーのせいで負けた」
絵里「それから……」
真姫(生まれ持った鋭い目つき、自分勝手なわがままプレイ、氷の技、それらを踏まえ……)
絵里「侮蔑の意味も込めてこう呼ばれた」
絵里真姫「(氷の女王……と)」
希「……!!」
49 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 20:54:13.31 ID:QKHXCVVDO
希(ウチ………最低やん……)
希(人の感情を読みとるのは得意やと思ってた……でも……)
希(なにも見えてなんてなかった……)
絵里「……」
希「えりち……ウチ……」
希「………ごめんなさい」ペコリ
絵里「希……」
希「………なにもわかってなかった」
希「ちょっとだけネットで調べただけで全部知った気になって………」
希「ほんとに………ごめん」
絵里「…………」
50 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/08(月) 20:55:42.82 ID:QKHXCVVDO
ふふふ
希「…えりち?」
絵里「ふふ……ふふふふ……」
絵里「あっははは!!」
希「え、えりち……!?」
希「ま、まさか………!」フルフル
絵里「ご、ごめんなさい……しおらしい希って新鮮で……!」フフフフ
希「そ、それで……さっきの話……!!」
絵里「ああ、さっき話したのは事実よ」ふふ
希「あ……そう……」シュン
絵里「ふふ……んふふふ」フルフル
希「……もう!なんで笑うん!!」
絵里「だって……あなたがいたから私はまたサッカーを始めようと思ったんだから」
希「……へ?」
絵里「あなたのおかげで………氷の女王は」
絵里「私にとって苦しいものじゃなくなった」
51 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:27:09.38 ID:uZm9d6/XO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3年生初め
希「えりち〜、帰ろ〜!」トテトテ
絵里「ええ、行きましょう」ガタッ
希「さっくら〜もち〜、さっくら〜もち〜、もっちもっちもっちもっちかっしわ〜もち〜」テクテク
絵里「なにその歌?」クスクス
希「うちが作ったお餅の歌!」
絵里「またバカみたいなことして……」
ぐぅ〜〜
絵里「………」
希「………」
絵里「お腹すいちゃった…….」
希「もう、えりちってば」
希(あああ〜〜えりちかわいいなぁぁ〜〜!!!)
希「帰りパフェでも食べよっか!」
絵里「ええ」
〜〜〜……
絵里「あら?何か声が……」
52 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:27:38.80 ID:uZm9d6/XO
希「えりち、そこ職員室やで?」
絵里「いや、何か真剣な声が聞こえたから……」ソー……
絵里「……え?」
希「なになに?」グッ
絵里「ちょっ……!希、重たい!」ヒソヒソ
希「なっ…!レディに対して重たいはあかんやん!?」ヒソヒソ
絵里「レディはお餅の歌なんて歌わないわよ!!」ヒソヒソ
希「いまそれいうん!?」ヒソヒソ
絵里「……!」グラッ
希「あっ……」グラァ
ドシーーン!!
絵里「い……たたた」
希「もう、大丈夫?」よっこいせっ
「貴方達なにしてるの!!」
希「あーあ……」
53 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:29:49.46 ID:uZm9d6/XO
絵里「ち、違うんです!たまたま通りがかったというか……」アワアワ
希「そ、そうです!盗み聞きなんて全く……」ワタワタ
絵里「そうです!廃校なんてこれっぽっちも……」
希「え」
絵里「あ」
先生 はぁ
54 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:30:34.97 ID:uZm9d6/XO
希「はぁ〜……まさか廃校なんてなぁ」テクテク
希(初めて入学から卒業までまともに終われると思ったのに……)
絵里「……まだ決定じゃない」
希「へ?」
絵里「理事長は!」
希「き、今日は用事でもう帰ってこないと思うけど……」
絵里「ぅ〜〜!」
希「あ、でも……」
絵里「なに!?」
希「理事長の娘さんならいるはず」
絵里「どこに!」
希「確か……サッカー部」
絵里「……サッカー」
希「あれ〜?氷の女王さんの血が騒ぐ?」ニヤニヤ
絵里(氷の女王……)ギュッ……
絵里「……なんでもないわ、その子のところに行きましょうか」ザッ
コロコロ……
絵里「サッカーボール……?」
希「あの子らが使ってるやつかな」
絵里(一年生の頃から試合にも出れない人数で毎日練習してる三人組……)
絵里(……変人……)
希「えりち!少し遊んでいかん?」
絵里「……そんなことしてる場合じゃないでしょ」
希「まあまあ、いま体験入部の最中みたいやし邪魔したらあれやん?」
希「ちょうど二人とも運動靴やし」
絵里「……少しだけよ」上着脱ぎ脱ぎ
希「よーし!」上着脱ぎ脱ぎ
55 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:31:53.68 ID:uZm9d6/XO
希「ほっ!」ドッ
絵里「……」タッタッタッ
トッ
希「あれ〜?まっすぐ飛ばんなぁ……」
絵里「相手の方向に送り出すように蹴るのよ」ドッ
希「おー!まっすぐきた!」トッ ポロッ
希「おっとっと」トッ
絵里(相手の方向に送り出すように……か、どの口が言ってるのかしらね)
希「はっ!」ドッ
絵里「……!」トッ
希「まっすぐ行った!」
絵里「……ふふ、やるじゃない」
希「えっへん!」ドヤァ
絵里(パスができただけで……)
えり『えい!』ドッ
『ナイスパス!』
えり『えへへ!』
絵里「………」
56 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:34:22.48 ID:uZm9d6/XO
「………りち」
「……えりち」
希「えりち!」
絵里「……!」ハッ
希「早くボールちょーだい!」
絵里「……ええ!」ドッ
希「……よいしょ!」トッ
希「止めれた!!」
絵里「………ふふふ」
希「あ……!今絶対バカにした!」
絵里「ふふ、ごめんなさい」
希「もー!」プンプン
絵里「………」
希「えりち?」
絵里「希」
希「?」
絵里「一緒にサッカー部入りましょうか」
希「ほ、ほんとに!?」
希(えりちの本気のサッカー見れるかも……!)
絵里「あ、やっぱりあのサッカー部の子達が、『サッカーで廃校を阻止する!』とか言いだしたら入りましょうか」
希「それどんな確率!?」
絵里(もし……もし私がまたサッカー部に入ったら)
絵里(あなたとサッカーをすることができたら……)
絵里「……ふふ」
希「絶対入る気ないやん〜!!」
絵里(また……思い出せるかしら)
絵里(楽しかったあの時を)
57 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:42:40.37 ID:uZm9d6/XO
穂乃果「よーし!穂乃果達で廃校を阻止しよう!」
絵里「!」
絵里(……神様が……やれって言ってるのかしら)
絵里(……あと隣の希がすごく腹たつ……)
希 ニヤニヤニヤニヤ
希「えりちな、氷の女王って呼ばれてたんよ」
絵里「ちょ、ちょっと!!」
絵里(……?いつものモヤモヤがない……?)
絵里(……ワクワクの方が強いみたい)
絵里(はじめてのシュートチェイン、仲間との連携………)タッタッタッ
58 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:45:14.51 ID:uZm9d6/XO
希『えっへん!』ドヤァ
希『止めれた!!』
絵里「……ふふ」
絵里「みんなでやるサッカー、か」
絵里「……」
絵里「吹き荒れろ………」
パキパキパキパキ
希「氷の女王復活やね!」
絵里「ちょ、やめなさいよ!」
絵里(嫌な感じじゃない……くすぐったいような)
絵里「………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
59 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:46:44.91 ID:uZm9d6/XO
希「………」
絵里「あの日……あなたとボールを蹴りあって、私の中で何かが変わった」
絵里「今私がこうやってサッカーできてるのはあなたのおかげよ、希」
絵里「ありがとう」
希「………違うやん」
希「ウチ、謝ろうと……え?」
絵里「ふふ、今日は珍しい希がいっぱいね」
希「……もう!からかわんといて!」
真姫「………もういいかしら?」
絵里「あら、真姫じゃない、どうしたの?」
真姫「眠たいから飲み物を買いに来たの」
絵里「私たちも眠気覚ましに来たのよ、あたたかくなって来たから眠たくって……」
希「や、やんなぁ〜、これだけポカポカ陽気やとどこでも寝れそう……」スヤスヤ
絵里「ちょ、ちょっと希!?練習始まるから!ちょ………起きなさい!」ググググ
希「ん〜、もう食べれない」スヤスヤ
絵里「希〜〜!!」
60 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:49:03.04 ID:uZm9d6/XO
真姫「………」
真姫(さっきの話の内容が全てだと思ってた……)
真姫(暇つぶしに絵里の母国のサッカーチームのブログを見るまでは……ね)トトトッ
ピッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロシアサッカーU18代表ブログ
みなさんこんにちは、寒い日が続きますね
もうすぐ始まる世界大会、もうドキドキしっぱなしです
みなさんの期待に応えられるよう、頑張りたいと思います
話は変わりますが……
試合の日が近づくといつもある女の子を思い出します
小学校から中学3年生まで一緒だったんです
その子はとても可愛くてサッカーが上手でした
メディアにも取り上げられてたんじゃないかな?
同じチームでプレイするのはとても楽しかったのですが、少しづつ違和感を覚えて来ました
彼女があまりパスを回さなくなったのです
理由はわかっていました
彼女は、いわゆる連携が苦手でよくミスをしていました
個人技はすごかったのですがチームプレーが苦手だったようです
彼女も申し訳なさそうに私たちに相談していました
私たちは特に気にしていませんでした
彼女自身の人柄や、日頃の行動から、悪い子ではなかったからです
61 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:50:13.65 ID:uZm9d6/XO
でも、次第に………なんというか、彼女の纏う空気が冷たくなった気がしたんです
みんな少しずつ彼女と距離を取るようになってしまいました
最後の大会、敵はとても強かったです
唯一対抗できたのがその子だけでした
その子はディフェンスとオフェンスを行ったり来たりして、何人分ものカバーをしていました
みんなボールを取るとその子に回しました
彼女は何度も倒され、傷だらけになりながらも、チームのために走ってくれました
が最終的には負けてしまいました
一点差でした
もし彼女がいなければ目も当てられないほどの結果になっていたでしょう
私たちは尊敬と感謝の意を込めてある称号を彼女に送りました
【氷の女王】と
ところが、私たちのチームの親や周りの人が、傍目にはその子のワンマンにしか見えない試合に怒りを覚え、有る事無い事を言いふらしました
チームがお前を嫌っているだの
お前のワンマンのせいで負けただの
心優しい彼女はそれらの言葉を全て真実として受け止めてしまいました
その子は中学卒業後、ロシアを発ちました
最後に聞いたことがあります
「サッカー、つづけるよね?」
彼女は
「サッカーはもうしない、迷惑かけてごめん」
とだけ返してくれました
私たちがいくら誤解だと言っても彼女は信じてはくれませんでした
ただ謝るばかり、ごめんねと
せめてこちらに怒りを向けてくれればいくらか気は楽になったのに
62 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:51:28.16 ID:uZm9d6/XO
最後に
「一緒にサッカーできて楽しかったよ!!」
と大声で叫んでも、帰って来たのは
「……ごめんなさい」
と、一つのお辞儀だけでした
悲しかったです
彼女にこれほど他人行儀に頭を下げられたのは、小学校から思い出しても初めてでした
私たちがずっとプレイしてきたあの時間、一緒に笑いあって、喜んで、泣いて、悔しがったあの日々全てが
彼女にとっては思い出したくない過去に変わってしまったのです
彼女をそんな風にしてしまったのは私たちの実力不足が原因でした
私たちはその日から必死で練習して、今は国のU18の代表になることができました
それでも、彼女への仕打ちを考えると胸が苦しくなります
…………ところが、最近サッカーで調べていたら面白いものを見つけたんです
なんだと思いますか?
ふふふ、実はですね……
その友達が……日本に行った、我らが【氷の女王】がまたサッカーを始めていたんです!!
もう昔よりはるかに綺麗になってモデルさんのようです!
それにあの笑顔!
あの頃と何も変わっていません
今彼女は高校三年生
二年、間が空いたようですが、また戻って来てくれました!
中学時代の友達にこのことを知らせるとみんな大喜びしてました
国は違えど、同じ空の下であなたを見守っています
ハラショー!ちょっとキザだったかな?
ではこれにてさようなら!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
63 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:53:29.52 ID:uZm9d6/XO
真姫「………」ピッ
真姫(私も……ネットで少し調べただけで全部知った気になってたみたいね)
絵里「ぜー……はぁー……」ヨロヨロ
真姫「絵里、私に任せて」
希 クカー…….クカー……
真姫 イラァ……
ツマミ
希「………ッ」
希「………」
希「…ッ!!」モゴモゴ
希「ぶはーー!!」ガバッ
真姫「おはよう」
希「死ぬやん!!」
真姫「そうね」
希「冷たい!!」
真姫「ほら練習始まるわよ」
希「もぉー……」ググググッ!
希「っはぁー……」ダラン
真姫「それと絵里」
絵里「な、なに……?」ハァ……ハァ…
64 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:55:13.49 ID:uZm9d6/XO
真姫「たまには気晴らしにロシアのサッカーチームのブログでものぞいてみなさい」
絵里「?」
真姫「………何でもないわ」スタスタ
希「真姫ちゃんまって〜!」ガバッ
真姫「ヴェェェェ!?」ググッ
真姫「重たいのよ希!」
希「レディ対して重たいはあかんやん!?」
真姫「レディは人前でぐーすか寝たりしないわよ!」
希「今それ言う!?」
絵里「………デジャブ?」
65 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:56:43.15 ID:uZm9d6/XO
絵里宅
絵里「まったく、一体なんだっていうのよ……」カチカチ
カタカタカタカタカタカタ
絵里(ロシア、サッカー………ブログ、と)タターン!
カチカチ
絵里「あった…」スー……(スクロール)
絵里「こんなの見て何か気晴らしになるのかしら……」スー……
絵里「えーっと?」
絵里「………」
絵里「へぇ、可愛い子がサッカーをしてた……」
絵里「ワンマンが増えて……」
絵里(ワンマン……私みたいね)
絵里「最後の大会、相手チームが強くて………」
絵里(そう、あの時の相手もとても強かった……)
絵里「一点差で負け……」
絵里(もっと私が強ければ……)
絵里「………」
絵里「にしてもなんだか親近感湧いてくるわね、この子」
絵里「なになに?」
絵里(………私たちは尊敬と感謝の意を込めてある称号を彼女に送りました)
絵里(ハラショー!この子は幸せ者ね)スー……
66 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:57:30.89 ID:uZm9d6/XO
【氷の女王】と
絵里「…………」
絵里「は?」
67 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:58:31.61 ID:uZm9d6/XO
絵里「え、どうして………?」
絵里「氷の……え?」
絵里「ここに書いてるの……私?」
絵里「…………」
絵里「も、もう一度初めから……!」カチカチ
絵里「…………」スー……
絵里「………」スー……
絵里「……ッ…」スー……
絵里「……ぁ……」ウルッ
絵里「……うそ……」ウルウル
絵里「うぅ………ぁあ……ッ!」ポロッ
絵里「ああぁぁ……!!」ポロポロ
68 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 00:59:32.75 ID:uZm9d6/XO
私たちがずっとプレイしてきたあの時間、一緒に笑いあって、喜んで、泣いて、悔しがったあの日々全てが
彼女にとっては思い出したくない過去に変わってしまったのです
絵里(全部……覚えてる……)ゴシゴシ
絵里(ゴールを決めてみんなで抱き合ったことも……)
絵里(夏にアイスを食べながら冗談を言い合って帰ったことも……)ウルッ
絵里(試合で負けて、泣きながらみんなでご飯食べたことも………)ポロポロ
絵里(思い出したくないわけ………ないじゃない)ポロポロ
69 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 01:00:43.46 ID:uZm9d6/XO
絵里「あぁ………ぅぐっ……」ヒック
絵里「みんなぁ………」グスグス
絵里「………!」
絵里「そうだ……確か…….」ガサゴソ
カサッ
絵里(ケータイを変えた時、どうしても消し切ることのできなかった……)グスッ
絵里(みんなの……電話番号)
絵里「………」グッ
ガチャ
亜里沙「おねーちゃん、ご飯冷めちゃう……」
ピッ
絵里「も、もしもし?」
『……どなたですか?』
絵里「あ、あの……」
絵里「えっと………」
『……イタズラなら』
絵里「ま、待って……!」
スゥ………ハァ……
絵里「……絵里……です」
70 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 01:02:35.64 ID:uZm9d6/XO
亜里沙「………」
パタン
亜里沙「……まあいっか」
亜里沙「どれだけ冷めちゃったとしても……」
絵里「うん、うん、ブログ……読み……読んだ」
絵里「……うん、久し……ッ……!」ウルッ
絵里「うん……うん……」ポロポロ
絵里「……………」
絵里「ーーー!」ブワッ!
絵里「……あり……がとぉ……」ポロポロ
亜里沙「何度だって温められるんだから」
71 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 10:59:09.92 ID:uZm9d6/XO
学校放課後
キーンコーンカーンコーン
先生「それではみなさんさようなら」
さよーならー!
希「えりち〜、部活いこ〜!」
絵里「え、ええ……」ゲッソリ
希「あら〜、お疲れさんやね」
絵里「ちょっと昨晩……ね」
希「……なんかその言い方やらしいね」
絵里「あなたが思ってるようなことはないから安心して」
希「ん〜?えりちはうちが何を思ってると思ったん?」ニヤニヤ
絵里「だから……はぁ、ダメ」
絵里「今日は本当に寝不足だったのよ……」ぐったり
希「体に気をつけてって言ったばかりやのに……」
絵里「そういうあなたこそ疲れた顔してるわよ」
希「……やっぱりわかる?」ゲッソリ
72 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 10:59:57.82 ID:uZm9d6/XO
ガラララ
「希ちゃーん!校門に他校の男子がきてるよ!」
希「あぁ……うん、ありがと」
「なになに〜?もしかして彼氏?」
希「もしそうならどれほどいいかなぁ……」シクシク
絵里「そんなに嫌なら断ればいいのに」
希「それができたらどれほどいいかなぁ……」シクシク
絵里「……嘘泣き」
希「……ッチ」
絵里「舌打ち……!!」ガーン
73 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 11:51:01.53 ID:fMxQ2xy8O
校門
絵里「……え……えぇ?」
希「………なにしにきたん?」
「なに言ってるんですか、姐さんのサポートですよ!」
希「昨日の夜もたっぷり電話したやん?」
「俺はいつでも姐さんの隣にいますよ!」
希「……はぁ」
「お疲れですか!どうぞ部室へ!案内します!」
希「君は立ち入り禁止やけどね」
「そ、そんな……!!」ガーン
絵里「ちょ、ちょっといい?」
絵里「あなた確か……」
「はい!」
幽谷「尾刈戸高の幽谷です!」
絵里「幽谷……くん?」
絵里「え、こんなキャラじゃなかったわよね?」
希「それがな……」
幽谷「姉さんはオカルトの師匠なんです!」
絵里「お、オカルト?」
幽谷「あの時感じたあの迫力……!」
幽谷「俺、一生姐さんについていきます!」
希「……」
絵里「……」
幽谷「………?」パタパタ
希絵里(尻尾が見える……)
74 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:11:59.42 ID:N7STuT1x0
希「とりあえず今日は帰ってね」
幽谷「そんな……!」ガーン
希「それから、電話もよっぽどの理由がない限り、かけてこないこと」
幽谷「………!!」フラフラ
希「守れるやんね?」
幽谷「………」
幽谷「姉さん……」
幽谷「姉さんは……!!!」グッ
幽谷「俺のことなんてどうでもいいんですか!?」
希「…………」
幽谷「無言!!」ゴーン
75 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:13:49.57 ID:N7STuT1x0
部室前
希「はー疲れた……」
絵里「お疲れ様……」ポン
〜〜!………!!
絵里「あら?部室がなんだか騒がしいわね」
希「なにかあったんかな?」
ガラララ
76 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:15:06.91 ID:N7STuT1x0
にこ「だからさっさと帰りなさいよあんたら!!」
にこ「通報するわよ!!」
「そんなこと言わないでくださいよ!」
「そうっすよ!なにか手伝える事とか……」
「「姉貴!」」
希「………なにこれ?」
真姫「もう、なに入り口で止まってるの?」
真姫「げ」
海未「おや?どなたですか、この方たちは」
「あー!真姫の姉貴!」
「お久しぶりです!姉貴!」
真姫「こんなところまで………」ハァ
真姫「あなたたち……」
真姫「さっさと帰りなさい!!」
「で、でも……」
真姫「女子校に入ってるのがバレたらあなたたち怒られちゃうでしょ?」
真姫「そんなところ……見たくないのよ」キラキラ
「あ、姉貴ぃぃ!!」ポロポロ
「眩しい……!眩しすぎて見えねぇ!!」
「今日は帰ります!」
「また会う日まで……お元気で!」ダッ
77 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:18:05.60 ID:N7STuT1x0
………………
希「真姫ちゃんどこで覚えたんそんなん」
真姫「あんなこと教えるのにこちゃんしかいないじゃない」
にこ「ふっふ〜ん!」ドヤッ
絵里「にこ、多分褒められてないわ」
海未「それで……何者なのですか?あの方たちは」
にこ「………はぁ……」
にこ「……こないだ子供があいつらに絡まれてたから助けたのよ」
海未「にこがですか?」ジー……
にこ「当たり前じゃない」
真姫「私もいたけどね」
真姫「その時は一回追い払ったのよ」
海未「二人でですか?あのお二方、かなり体格がしっかりしてましたが……」
にこ「まあボールがあったからね」
真姫「思いっきりぶつけてやったわ」
希「はー、すごいなぁ」
海未「………」
絵里「海未……?どうしたの?」
78 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:19:05.83 ID:N7STuT1x0
海未「………サッカーボールを、人を傷つけるために使ったのですか」
にこ「え、ええ……」
海未「………それで、どうなったのですか?」
真姫「その時はそれで治ったんだけど、また少ししたらリターンマッチに来たのよ」
にこ「で、また返り討ちにしたってわけ」
海未「………サッカーボールでですか?」
にこ真姫「…っ……」
希「う、海未ちゃん……」アセアセ
海未「すみません、続けてください」
真姫「……倒した後は急に手のひら返したように、『姉貴!姉貴!』ってなって今に至るわ」
海未「………あなたたちが怪我をしなくて本当に良かったです……」
海未「が」
にこ真姫「……!」ビクッ
79 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:20:22.62 ID:N7STuT1x0
海未「サッカーボールで人を傷つけるのだけはやめてください……」
海未「私からのささやかなお願いです……」ペコリ
希(海未ちゃんはもともと争い事は好きじゃない……)
絵里(ましてやサッカーを喧嘩に使うとなると……)
にこ「で、でも!やらなきゃやられてたし……」
にこ「海未は……」
にこ「にこたちとあいつら、どっちが大切なの……!!」キラキラ
海未「にこと真姫ですよ」
にこ「んぅ………ぉお……」モジモジ
希(相変わらず正直者の海未ちゃんには弱いなぁ……)
海未「にこたちの安全が第一です、しかし、それは最終手段にしてほしいです……」
海未「サッカーで……」
海未「誰も傷ついて欲しくないんです……」
にこ「……ごめん……」
真姫絵里希「………」
海未「しかし、二人が無事で本当に良かったです」
海未「もし破廉恥なことをされてたらと思うと……」ワナワナ
にこ「あんた想像ぶっ飛びすぎでしょ……」
真姫「ほんと……」クルクル
希「海未ちゃんはにこっちたちが大好きなんやね」
海未「え?あぁ……違いますよ」
にこ真姫「え」
希「おおぅ……」
海未「その……」モジッ
海未「わ、私は………」
海未「このチームのみんなが……」
ガラララララララ!!!!!!!
80 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:32:30.56 ID:FY1Tog730
穂乃果「おっくれましたぁぁ!!!」
花陽「そ、そんな堂々と……」
凛「海未ちゃんの雷が飛んでくるにゃ〜……」
ことり「ご、ごめんね〜……」
海未「〜〜〜〜〜!!!」ワナワナ
海未「穂乃果ぁぁぁぁ!!!」クワッ!
凛「ほら〜……」
穂乃果「ち、ちが……!ちゃんと理由があるの!!」
海未「やっと来ましたか、さあ、練習ですよ」ニコッ
穂乃果「……へ?」
凛「おお……!珍しく海未ちゃんが怒らないにゃ……」
海未「そんなに嬉しいことを言ってくれる凛には特別メニューを授けましょう」
海未「まさか………断らないですよね……?」ジロリ
凛「は、はいぃ……」ガクガク
凛(終わった)
海未「……私は先にグラウンドへむかっています」タッタッタッ
穂乃果「ほえー……海未ちゃん元気だなぁ」
凛「着替えてなかったけどいいのかにゃ?」
希絵里にこ真姫「……ふふ」
ことり「?どうしたの?」
凛「みんなニヤニヤしてるにゃ……」
穂乃果「穂乃果たちがくる前に美味しいもの食べてたんだね!?」
花陽「違うと思うけど……」
絵里「なんでもないのよ……なんでもね」
絵里「さ、練習よ!!」
穂乃果凛花陽ことり「お、おー……?」
81 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:33:42.92 ID:FY1Tog730
希(出て行くとき海未ちゃん顔真っ赤やったな〜)
絵里(途中までしか聞けなかったけど、嬉しいこと言ってくれるわね)
にこ(自分で言って自分で赤面するなんて………)
絵里希にこ(後輩がかわいい……)
真姫「……」クルクル
海未(うぅぅ〜〜……////////)タッタッタッ
海未(どうしてあのタイミングなのですか……!!!)
海未(穂乃果のおばかぁぁ!!!!!)
穂乃果「………?」ゾクッ
82 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:34:53.67 ID:FY1Tog730
凛「………ッ……」ピクッ
凛「えーっと……」キョロキョロ
花陽「どうしたの?」
凛「学校来る前少し足挫いちゃって……少し痛みが強くなって来たにゃ」
凛「テーピングある?」
花陽「あるよ〜、はい!」
凛「ありがと〜」
花陽「巻いたげるね」シュルル
凛「なんだか恥ずかしいにゃ……」
花陽「えっと……こうかな?」シュルッ
真姫「違うわ、そこの下を斜めに……」
花陽「……こう?」シュルッ
真姫「違う、まずそっちを巻いてから……」
花陽「こうか!」ギュッ
凛「っ……ぐ……!」
真姫「〜〜!!だからぁ〜!!」
花陽「こうだぁ!!」ギュゥゥ!!
凛「ぎにゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
にこ「代わればいいのに……」
83 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:37:18.33 ID:FY1Tog730
ある日の部室
にこ「ちょ、ちょ、ちょっとこれ見て!!」
ガラララ!!
84 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:38:58.16 ID:FY1Tog730
穂乃果「にふぉふぁんほーひはほ?」もぐもぐ
真姫「相変わらず騒がしいわね……」ハムッ
希「ことりちゃんこれほんまに自分で作ったん?美味しいなぁ」パクッ
凛「これ名前なんていうんだっけ?」モシャモシャ
花陽「えーっとね……」ココマデデテル
ことり「ありがとう希ちゃん!マーマレードっていうの!」
海未「さすがことりですね」もぐもぐ
にこ「あら、美味しそうなの食べてるわね、私ももらうわ」
ことり「どうぞ〜」
にこ「……!」ハムッ
にこ「悔しいけど………おいしい……!」
ことり「ありがと〜!」
海未「これを食べたら練習ですからね、食べ過ぎないように!」ハムッ
穂乃果「ふぁ〜い!」モゴモゴ
海未「……ッ…」ゴクン
海未「あなたに言ってるんです!!」
85 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:39:52.94 ID:FY1Tog730
海未「もう3個も食べてるではありませんか……」
穂乃果「いやでも……」ゴクン
海未「でもじゃありません!」ピリッ
海未「まったく……」パクッ
凛「ねえねえ、海未ちゃんいくつめだっけ……?」ヒソヒソ
希「たしか……」ゴクン
花陽「もう5個目だよぉ……」
凛「えげつないにゃ〜……」
凛「あ、にこちゃんもう一ついっとく?」
にこ「もらうわ、ありがと」ピリッ
ハムッ
にこ「……おいしい」もぐもぐ
86 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:41:12.19 ID:FY1Tog730
花陽「そういえば今何時だろ……ケータイ忘れちゃって」モグッ
にこ「今は15時45分よ」ムグッ
花陽「ありがとにこちゃん」ゴクン
絵里「ところで……」ゴクン
絵里「にこは何を慌ててたの?」
にこ「……っ……!!」ハッ ポロッ
希「絶対忘れてたやん」
にこ「お、おお覚えてたに決まってるじゃない!」モグモグゴクン!
にこ「これを見なさいあんたら!」ピッ
花陽「こ、これは……!」ズイッ
花陽「私も毎日更新を確認してる高校サッカー協会フットボールフロンティア杯のブログ!!」
海未「何かあるのですか?」ズイッ
穂乃果「あ!音の木坂って書いてるよ!」
真姫(……見えない)ぴょんぴょん
にこ「読んであげるわ!」
にこ『大会初出場校ながら強豪校をバッタバッタとなぎ倒し、一躍優勝候補に名乗りを上げた無名校、音の木坂学院』
『なんと予選決勝ではあのUTX高校を逆転勝利で破り、本選へと駒を進めた』
『今大会のダークホースになることは間違いないだろう』
穂乃果「ほわ〜……すごい書かれようだね……」
花陽「さらにコメントも沢山です!」
真姫(見えない……)ユラユラ
にこ「順番に読むわよ?」
87 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:43:39.91 ID:FY1Tog730
『マグレだろどうせww』
『今が一番楽しい時』
『本選ですぐに負けるに一票』
絵里「ふふ、ひどい言われようね」
凛「なんで嬉しそうなの?」
絵里「私たちが優勝したらこの人たちどんな顔するのかって想像するだけでワクワクしてくるわ」フフフ
真姫「あなた結構歪んでるわね……」
にこ「ここ!ここよ!」ツィー……
88 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:44:35.96 ID:FY1Tog730
『正部員9人でとか化け物かよ』
『あれ、後三人いなかったか?』
『助っ人的なポジションだって言ってたぞ』
『マネージャー兼選手みたいな感じか』
『にしてもよく勝ったよな』
『中学生助っ人が強かったんじゃね?』
『言っても決めたのはみんな部員だぞ?』
『キーパーも止めてるしな』
『やべぇ俺もいける気がして来た』
『この9人まとめてなんかないか?』
『神9!』
『お前ネーミングセンスどこで落としたんだよ』
『母ちゃんの腹のなか……かな』
『μ'sでどうだ』
『なんて意味?』
『9人の歌の女神とかそんな感じ』
『[音]の木坂とかけてんのかすげぇな』
『職人現る』
『なんてよむの?』
『ミューズだよバカ』
『みゅーずがんばれー!』
『てか写真見たかよ、全員顔面偏差値高すぎだろ』
『【速報】μ'sまじで女神だった』
『誰かやると思ったwww』
『燃えてきた』
『萌えると掛けたのか』
『いいんだよそんなところ深読みしなくて』
89 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 12:45:31.85 ID:FY1Tog730
穂乃果「おぉ……」
にこ「私たち、ネットで名前つけられるぐらい人気出てきてるってことよ!」
花陽「A- RISEみたいだね!」
凛「μ's……か」
希「雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんが入ってないね」
海未「……私は反対です」
海未「二人あっての音の木坂ですから」
穂乃果「ヒデコたちもね」
真姫「私も反対かしら」
にこ「そうね、もっと気の利いたのつけてくれればよかったのに」
花陽「でも、これで私たちを応援してくれる人がいるってわかったね!」
希「そういう人達がいるってだだけで嬉しいね」
穂乃果「よーし!バカにしてる人たちをギャフンと言わせるぞー!」
「おー!」
穂乃果「応援してる人たちの期待に応えるぞー!」
「おー!」
穂乃果「廃校救って優勝するぞーー!!」
「おーー!!」
90 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 17:46:00.49 ID:fMxQ2xy8O
練習
タッタッタッ
凛「はぁ……はぁ……」タッタッタッ
希「行かせんよ!」ザッ
凛「にゃぁ!!」クルッ バッ!
希「そんな動きあり!?」ガクッ
花陽「………ふっ!」ズザッ
亜里沙「うわぁ!」ガクッ
花陽「ドリブルの時一瞬足元が空いちゃうときあるからそこを気をつけて」
亜里沙「はい!」
海未「はぁ!!」ザザッ!
ことり「きゃぁ…!」ズザッ
真姫「?ぇぇ…!?」ガクッ
海未「二人とも簡単に抜かれすぎですよ!」
ことり「ひぃぃ〜……!」
真姫「ディフェンスってあんまりしたことないのよね……」
海未「たるみすぎです!!」
「それじゃあこのにこにーが相手になるわよ?」ザッ
91 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 17:48:24.16 ID:fMxQ2xy8O
ガガッ!!
海未「…!?」ズズッ
にこ「ほらほら、どうしたのよ海未!」ガガッ!!
海未「…っく…!!」ズザザッ!
海未(ここまで懐に入られるとやりにくいですね……さすがにこです……)
海未(………が)
クルッ
にこ「んなっ!?」ガクッ
海未「もうひと押し欲しいですね」トッ
にこ「……っち、やるわね」
ことり「………ほぇー……」
真姫「……すごい……」
海未「……!」ハッ
海未「何ぼさっとしてるんですか!次はあなた達ですよ!」
ことり真姫「……はい」
ことり真姫(……レベルが違う……)
92 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 17:49:18.72 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「………みんな成長してるんだなぁ……」
ドキュッ!!
穂乃果「…………」ボーー……
「!?穂乃果!?」
穂乃果「……っへ?」クルッ
ドゴォ!!
穂乃果「ヘブチッ!!」
ドサッ
絵里「ちょ……大丈夫?」タッタッタッ
穂乃果「うぅ……だいじょばないぃ……」グズグズ
絵里「どうしてシュート練の時によそ見なんてするのよ……」
穂乃果「だってぇ……」
凛ママ「おーい!次のメニュー行くぞー!」
みんな「はーい!」
絵里「ほら、泣かないの」
穂乃果「ヴヴヴヴヴヴ…………」グズグズ
凛ママ「ちなみに今から本番な、今までのはウォーミングアップみたいなものだから」
みんな「え」
93 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 17:51:23.06 ID:fMxQ2xy8O
練習終わり
ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……
花陽ママ「皆さん明日はいよいよ試合ですね〜!」
凛ママ「がんばれー!」
絵里「試合前に……はぁ、こんなにきつい練習……」ぜぇ……ぜぇ……
海未「明日……大丈夫でしょうか……」ハァ ハァ
穂乃果「もー!みんなどうしてそんなに弱気なの!」
穂乃果「ファイトだよ!」
穂乃果「…………はぁーー……」ガクッ
ことり「無理して強がるから……」はぁ…はぁ…
ことり「起きて〜……!」ツンツン
真姫「水分は……とっときなさいよ……」フラフラ
凛「あ……あぁ……」ズズズッ
花陽「……ニンゲン……クウ……」ズズズッ
にこ「まずいわ、花陽が人間をやめかけてる……」ハァハァ
希「凛ちゃんも限界なんて珍しいね」ハァハァ
凛「秘密兵器の……特訓だにゃ…」ハァ
絵里「へー、なんて技なの?」
凛【かよちんロケット!】
穂乃果「おぉ……!カッコいい!」
凛「でもかよちんが怖がってなかなか進まないんだにゃ〜」
花陽「あれは怖いよぉ……」
にこ「別にどんな技でもいいけど怪我だけはしないようにしなさいよ」
花陽「にこちゃんに私たちの技を授けます……!」
凛「【にこちゃんロケット】だにゃ!」
にこ「熨斗紙つけて送り返してやるわ」
94 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 17:52:21.89 ID:fMxQ2xy8O
放課後公園
絵里「っく……!」ハァハァ
真姫「はぁ……!!はぁ……!!」ぜぇぜぇ
絵里「真姫、大丈夫?少し休んで……」
真姫「もう一回よ!!」ゼェ……ゼェ……
絵里「真姫……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絵里「真姫、ちょっといいかしら」
真姫「どうしたの?」
絵里「私と……合わせ技をして欲しいの」
真姫「【ファイアトルネード】と【エターナルブリザード】を組み合わせるんじゃなくて、二人で一つの技ってことね」
絵里「手本はあるわ」
真姫「【ファイアブリザード】でしょ?」ニヤッ
絵里「ハラショー……!さすがね」
真姫「いいわ、早速明日から始めましょう」
真姫(【爆熱ストーム】はひとまずお蔵入りかしらね)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
95 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 17:54:12.21 ID:fMxQ2xy8O
真姫絵里「はぁぁぁぁ!!!」バッ
ブワァァァァ!! ブワァァァァ!!
真姫絵里【ファイアブリザード!】
ドキュゥゥゥ!!!!!
ゴォォォォォオ!!!!!
ゴォォォォォオ………
シュルルルルルル………
テンテンテン ………
真姫「………!」ギリッ
真姫(ママたちにできて、私たちにできないなんて……)
真姫「………っ」ジャリッ
絵里(真姫のストレスがかなり溜まってる……)
絵里(これ以上は明日の試合に支障が出るわね………)
絵里「今日はこの辺にしておきましょう」
真姫「……!で、でも……!」
絵里「真姫、私たちは優勝を目指してるの」
絵里「そのためには、目先の一戦を甘くみてはいけない」
真姫「………わかったわ」
絵里「ふふ、大丈〜夫よ」ナデ…
真姫「……!」ビクッ
絵里「私だってこのままで終わる気なんてないんだから」ナデナデ
真姫「………ならいいけど」ナデナデ
真姫「………」ナデナデ
真姫「……!」ハッ
真姫「撫でないで!」
96 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 18:29:13.16 ID:fMxQ2xy8O
別の公園
凛「いにゃ!?」ドサッ
花陽「うぐぅ……!」ドサッ
凛「ご、ごめんかよちん!」スッ
花陽「ううん、大丈夫!」ガシッ
凛「……かよちん、ほんとは嫌じゃない?」グイッ
花陽「……私は、凛ちゃんと一緒にできるだけで楽しいよ」ニコッ
凛「かよちん……」
凛「……!メガネ落ちてるよ」ヨイショ
凛「はい、かよちん」スッ
花陽「ありがとう凛ちゃん」スチャッ
凛「………」
花陽「凛ちゃん?」
凛「あ、いや……!……えっとね」アワアワ
凛「真姫ちゃんと一緒にここで練習したなって」
花陽「あの技の?」
凛「うん!何回も何回も大変だったにゃ〜!」
花陽「………」
「あら、ひどい言いようね」
凛「にゃ!?」クルッ
97 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 18:31:01.11 ID:fMxQ2xy8O
にこ「……手伝うわ、人手があったほうがいいでしょ?」
花陽「にこちゃん!」パァァ!
凛「にこちゃぁん!」ガバッ
にこ「んなぁぁぁ………!!」グググッ
花陽「ぁ………」
にこ「降りなさい」ペイッ
凛「うぐっ……!」ドサッ
にこ「さ、始めるわよ」
にこ「何回も何回も……ね」パチン
花陽「うん!」
凛「にゃーー!!!やるにゃー!!」ガバッ
ガラララララララ!!!!!
「ゴラァ!!誰だこんな時間に騒いでんのはぁ!!!」
凛「………にゃ〜」
「………なんだ猫か……」
ピシャリ
凛「………やるにゃー!」ヒソッ
にこ花陽「おー!」ヒソッ
98 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 18:33:18.50 ID:fMxQ2xy8O
[2、本戦一回戦!忍者サッカー]
試合前バス停待ち合わせ
亜里沙「ふぁ〜……」コシコシ
絵里「まだ少し眠い?」
亜里沙「うん、緊張して眠れなかった……」
にこ「で、あと来てないのは……」
海未「雪穂と穂乃果ですね」
海未「大方穂乃果が寝坊したんでしょう」はぁ……
ことり「早くしないとバスでちゃうよぉ〜……」
ドタバタドタバタ!
穂乃果「ぎ、ギリギリセーフ!!!」ズザザザ!
雪穂「アウトだよ……ゲホッ、ほんとすみません……」ハァハァ
穂乃果「……!ハンカチ忘れた……」
雪穂「ちゃんとあるよ、はい、ティッシュも」スッ
穂乃果「ありがとう雪穂〜!」ギュッ
雪穂「次からは気をつけてよね」ヤレヤレ
海未「どちらが姉かわかりませんね……」
絵里「まったく……リーダーが遅刻なんて……」
穂乃果「ぅ……ぅえりちゃぁん……ギリギリ間に合ったから……ね?」
穂乃果「少し大目に……」
凛「10分前集合は基本だって言ってなかったかにゃ?」ニヤニヤ
穂乃果「気にしなくていいよ、凛ちゃん」
凛「自分で言うことじゃないにゃぁ!!」
ヒデコ「おーい!穂ー乃果ー!!」ブンブン
フミコ「こっちだよ〜!」
海未「では行きましょうか」ヨイショ
ミカ「μ's御一行ご案な〜い!」
一同「………ん?」
99 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 18:36:00.86 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「ちょ、ちょっと待って…?」
穂乃果「知ってたの!?」
ヒデコ「ふっふっふ、我らの情報網を甘く見てもらっちゃ困るよ」ドヤッ
ヒデコ「この……」
ザザザッ
ヒデコ「助っ人五人衆をね!」
亜里沙雪穂 フンス…!
絵里「亜里沙……」ハァ
穂乃果「で、でも……!μ'sは9人って……」
穂乃果「私たちは……この14人のメンバーが私たちで」
ヒデコ「とか考えてるんだろうなってみんなで話したんだよ……」
ヒデコ「………穂乃果」
ヒデコ「私たちは助っ人だよ」
フミコ「そう、いわば脇役、サポート係」
ミカ「メインの穂乃果たちが目立たなくてどうするのさ!」
雪穂「みなさんが……μ'sがどこまでいくのか見てみたい」
亜里沙「私たちは、少しでも走りやすくなる手助けができればそれでいい!」
穂乃果「みんな……」
ヒデコ「せっかく吹いてる追い風を止めるなんて真似、絶対しちゃダメだよ」
穂乃果「……わかった」
海未「穂乃果……!」
穂乃果「ただし!」
穂乃果「気持ちはみんな一緒だからね」
ヒデコ「……うん」ニコッ
100 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 18:37:00.11 ID:fMxQ2xy8O
にこ「……」
にこ「なんていうか私たちって………周りに助けられて活動してんのね」
希「おぉ……!にこっちらしからぬ発言……!!」
にこ「たまにはいいでしょ?こういうのも」
希「自覚はあったんやね」
にこ「はっ倒すわよあんた」
凛「μ'sか〜……!」
花陽「実はちょっと気に入ってたり……なかったり…
…」
真姫「これだけ励まされちゃやるしかないでしょー?」
穂乃果「よーし!今日の試合、絶対勝つぞー!」
「おーー!!」
監督「お前ら早くしろぉ!!!バスが来てる!!」
ブロロロロロ!!!
穂乃果「や、やばっ…!」
穂乃果「急げー!」ダッ!
海未「あ、こらっ…!シューズ忘れてます!」
ことり「水筒もだよぉ〜…」
にこ「急ぐわよあんたら!」グイッ
真姫「にこちゃんそれ私の荷物!」
真姫「にこちゃんのはこっちよ!」スッ
希「真姫ちゃんそれウチの!!」
花陽「あれ……!?財布どこしまったっけ!?」ガサゴソ
凛「今かよちんが手に持ってるにゃぁ!!」
絵里「ウイダー忘れた……」ゴーン
101 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 18:38:00.10 ID:fMxQ2xy8O
ヒデコ「……こんなんで大丈夫かなぁ……」
ミカ「もしこれで今日負けたら……」
フミコ「今の一連の流れ……」
(((恥ずかしいよね……)))
監督「はぁ……」
102 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:20:35.47 ID:fMxQ2xy8O
戦国伊賀島 グラウンド
海未「んーっ………!」ノビー
絵里「疲れがイマイチ抜けてないわね……」グイグイ
凛「にゃー!試合だにゃー!」ピョンピョン
真姫「どうしてそんなに元気なのよ……」はぁ……
花陽「ずっと練習ばっかりだったから嬉しいんだと思うよ」
花陽「あ、凛ちゃんこれ……」スッ
凛「絆創膏?」
花陽「凛ちゃん今日歩き方違和感あったから……」
花陽「足少し擦りむいてるでしょ?」
凛「あ、ありがと……」
花陽「ちゃんとケアしないと跡残っちゃうよ?」スリスリ
花陽「せっかく綺麗なんだから」ニコッ スリスリ
凛(見えないとこの怪我なのに……)
花陽「?」スリスリ
凛「って、撫ですぎにゃぁ!」
雪穂「亜里沙、頑張ろうね!」
亜里沙「もちろん!」
絵里「あんまり気負いすぎないようにね」
希「今日の相手は忍者かぁ〜」
にこ「UTXに比べたら可愛いもんよ」
テクテクテク
審判「音の木坂、アップを始めてください」
ことり「は〜い!」
103 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:22:51.96 ID:fMxQ2xy8O
ドッ トッ ドキュゥ! バシッ
凛「ほっ!」ドッ
花陽「よっ……と」トッ
花陽「んっ…!」ドッ
ポーン…
凛「にゃ!?」
花陽「あ、凛ちゃんごめ……」
シュバッ!
トッ
スタン……
凛「あ、ありがとうございます……」
「………」
凛「えっと……まだ何か?」
「絢瀬絵里か西木野真姫と勝負がしたい」
凛「え、えーっと……?」
凛(見ればわかる……)
凛(やばいやつだにゃー……!!)ゴーン
タッタッタッ
にこ「どうしたの?」
凛「この人が絵里ちゃんか真姫ちゃんと勝負がしたいんだって」
にこ「はぁ?……はいはい、とっとと帰りなさい、今ならなかったことにしてあげるから」
「はぁ……」
「負けるのが怖いのか?飛んだ腰抜け集団だな」
凛「そんなわかりやすい挑発に乗る人なんていな……」
104 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:26:02.66 ID:fMxQ2xy8O
にこ「はぁぁん??いいわ、やってやろうじゃない……!!」
凛「にこちゃんは平常運転だね……」トホホ…
にこ「で、あんた名前は?」
「お前に名乗るなはない」ババーン
にこ「……いい度胸してるじゃない」ピクピク…!
凛「にこちゃんの血管が持ちますように」
「じゃあ二人のうちどっちを……」
にこ「花陽よ」
………………
「……ん?」
凛「へ?」
にこ「花陽ー!出番よー!」
花陽「え?え?」タッタッタッ
にこ「あんた、こいつと勝負しなさい」
花陽「……まじですか……」
にこ「大マジよ」
「お、おい…!話が違うだろ!」
にこ「はぁぁん??あんたの要求飲んでやったんだから人ぐらいこっちで選ばせなさいよ」
「で、でも……」
にこ「はぁぁぁんんん???」
「………」
凛「あれアイドル志望の顔じゃないよね?」
花陽「凛ちゃんシーー……!!」アワアワ
105 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:27:49.80 ID:fMxQ2xy8O
海未「まったく、何をしているのかと思えば……」
真姫「……どっちが勝つと思う?」
凛「カヨちんにラーメン一杯にゃ!」
希「うちも花陽ちゃんにお米一粒!」
ことり「もう少し奮発してあげようよぉ〜……」
希「米俵一俵!」
ことり「やりすぎだよぉ……」
雪穂「花陽さーん!がんばれー!」
「ルールは簡単だ」
「ドリブルで向こうのラインまで走って行って、Uターンして返ってくる、いいな?」
花陽「は、はい……」
にこ「じゃいくわよ?」
にこ「位置について……」
ジャリッ
にこ「よーい……」
グッ
にこ「……ふ……」ムズッ……
106 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:28:31.18 ID:fMxQ2xy8O
にこ「フェックシュン!!」
ダッ!
にこ「ちょ、ちがっ……ああもう!」
希「あっはははは!!!」
にこ「うるっさいのよあんた!」
希「あはははは!!!斬新すぎやんにこっち!」
ことり「ふふ……ふふふ……!」プルプル
穂乃果「ナイスくしゃみだよ!にこちゃん!」
亜里沙「ハラショーです!」
にこ「うるさい!!」
107 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:30:36.02 ID:fMxQ2xy8O
花陽「………なんか盛り上がってますね」タッタッタッ
「そうだな」
花陽(ここでUターン……)
クルッ クルッ
絵里「ここまでは互角ね」
穂乃果「がんばれー!花陽ちゃーん!」
霧隠(こいつ……遅くはないが特別速いわけじゃない……)
(ハズレをつかまされたか……)
「………ッチ」
花陽「ヒッ……!」ビクッ
(こうなったらぶっちぎって勝ってやる……!)
グンッ!!
花陽(……!格段にスピードが上がった…!)
花陽(……私だって!)グッ
グンッ
「……その程度か……」
「がっかりだ」ダッ!
花陽(追い……つけない…!!)タッタッタッ
フッ
108 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:32:33.38 ID:fMxQ2xy8O
シュバッ
「なっ……!」
花陽「だ、誰!?」
「……勝手なことをするな」
「試合前に……」
「……邪魔するな」
風磨「戻るぞ霧隠」
初鳥「すまなかった」ペコッ
霧隠「……ちっ」
ドロンッ!
花陽「え?……は、はい……」キョトン
109 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:34:31.66 ID:fMxQ2xy8O
花陽「……」トボトボ
にこ「お疲れ花陽」
希「お疲れさん、花陽ちゃん!」
海未「まったく……試合前にわざわざ疲れることをするなんて……」
花陽「ご、ごめんなさい」ショボン
審判「音の木坂ー!整列してください」
絵里「さ、行きましょう」
穂乃果「みんなー!絶対勝つよー!」
一同「おーー!!!!」
110 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:36:56.15 ID:fMxQ2xy8O
花陽「ねえにこちゃん……」
にこ「どうしたの?」
花陽「どうして……花陽を出したの?」
花陽「絵里ちゃんと真姫ちゃんが疲れないため?」
にこ「……あんた」
にこ「自分が捨て駒に使われたと思ってるの?」
花陽「………」コクリ
にこ「……はぁー…」ポリポリ
にこ「いや、説明しなかったにこが悪いわね」
花陽「?」
にこ「……向こうのエース、どうだった?」
花陽「………?」
にこ「あんたが一番得意でしょうが、情報収集」
花陽「……!は、はい!」
花陽「スピードは凛ちゃんと同じかそれ以上、近くで見た感じフィジカルはそんなに強くなく負けず嫌い」
花陽「あとは細かい癖が少々……」
にこ「ふふ、さすが花陽ね」
花陽「にこちゃん……」
111 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:38:33.13 ID:fMxQ2xy8O
凛「二人で何いちゃいちゃしてるにゃーー!!」
真姫「もう………整列よ?」クルクル
にこ「はいはいただいま〜」スタスタ
花陽「ま、まってぇ〜!」タッタッタッ
角間母(以後角間)「始まりましたフットボールフロンティア本選第一回戦!!」
角間「一体どちらのチームが次の対決へと駒を進めるのでしょうかぁ!!」
FW
絵里、真姫
MF
海未、希、にこ、ことり
DF
雪穂、亜里沙、花陽、凛
GK
穂乃果
角間「なぁんとぉ!!UTXの助っ人、絢瀬亜里沙が音の木坂の助っ人へと移りました!!」
角間「これからの活躍に期待です!!」
ピーーーーーーー!
角間「今、試合開始のホイッスルが鳴らされました!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!!
112 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:41:18.09 ID:fMxQ2xy8O
予選決勝次の日
ウィーーン
ゾロゾロゾロ
ツバサ「……なにか御用でしょうか?」
監督「……何かじゃないだろう?」
ツバサ「音の木坂に敗北したことでしたら本戦で………」
監督「俺は決勝で……」
監督「音の木坂を潰せと言ったはずだ」
ツバサ「……」
監督「それができないなら手足をもがれてでも勝てと……」
ツバサ「……はい」
監督「よくわからん助っ人も入れて結局負けるとはな……」
ツバサ「………」イラァ
監督「………」フゥ……
監督「………お前たちはもういい」
一同「……!!」
ツバサ「………用済みということですか」
監督「その通りだ」
113 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:43:43.58 ID:fMxQ2xy8O
MF2「〜〜〜!!」
MF2「ふざけんな!!」ガンッ!
DF2「……やめーや」スッ
MF2「なんで止め……!」
DF2 ……
MF2「……っ…」
あんじゅ「今のメンバーより強い子達なんているの?」クルクル
エレナ「……考えられないな」
監督「……それはこちらで判断する」
MF1「いないのでしょう?」
MF3「いるわけないっすよね」
MF3「今から新しい子を入部させようとしても規定で出場はできないっす」
MF3「残りのメンバーでは音の木坂には勝てない」
MF3「手詰まりっすよ、監督」
DF1「自分のいうこと聞く駒が反抗的になったらやめさせるとか……」
DF1「バ〜〜〜ッカじゃないの?」
GK「……!!……!〜〜!」
あんじゅ(隣からものすごくか細い声が聞こえる……)
監督「貴様ら……」ガタッ
ツカツカツカ
スッ
ツバサ「………」
監督「……誰に向かってそんな口を聞いている?」
ツバサ「あなたですよ、監督」
監督「……いいだろう、貴様ら全員……」
「はーい、ちょっとそこまで」
114 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:47:07.84 ID:fMxQ2xy8O
一同「……!?」バッ
「ここからは私が仕切らせてもらうよ」
ツバサ(いつの間に部屋に……)
あんじゅ(ドア……開かなかったんだけど……)
エレナ(……気配すらしなかった……)
(まるで……)
115 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:48:20.96 ID:fMxQ2xy8O
(突然現れたようだ………)
GKDF1「……」フルッ……
あんじゅMF2「……」スッ マエニタツ
GKDF1「……!」ギュッ スソツカミ
監督「貴様……誰の部屋に無断で入っていると思っているんだ?」
「え?えーっと……」
「私?」
監督「俺の部屋だ!!」
「?だってここ、UTX高校サッカー部の監督の部屋でしょ?」
監督「だから俺の……」
「私が監督になったから」
監督「………は?」
「みんなにも自己紹介しないとね」
コホン
116 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:49:51.04 ID:fMxQ2xy8O
「今日から監督になることになりました!よろしくね!」
一同「………」
「あれ……何か間違った?」
監督「間違いだらけだ!!」
監督「なん……なんだ?」
DF1「ぷぷ、監督テンパってる……」
MF2「やめとけバカ」
「ちゃんと理事長から許可ももらってるよ」ピラッ
監督「なっ……!」
「自分がうまくチームをまとめられないからってこの子たちに当たるのはちょっとお門違いなんじゃないかなぁ」
「このチームはまだまだ強くなる、あなたがいなければね」
「さっさと出て行きなって」
監督「………!!」ダッ
ガンッ
監督「っぐ……!」ヨロッ
ウィーーン
タッタッタッ………
117 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:54:11.19 ID:fMxQ2xy8O
「………さて、何か質問はある?」
ツバサ「なにから聞けばいいかわかりませんが……」
ツバサ「私はまだあなたを信用したわけじゃありません」
「……それでもいいよ」
エレナ「私たちはこのまま試合に出て良いんだな?」
「うん!決勝で音の木坂と戦ってもらわないと!」
あんじゅ「随分具体的ですね?」クルクル
「それが私の目的だからね」
DF1「はいはーい!名前教えてください!」
「じゃあ……おねーさんって呼んでね!」
MF1「……お名前は」
「おねーさんで」
DF2「やから名前……」
「おねーさんだよ」
MF3「必死っすね……」
お姉さん「高校生の君たちが眩しいんだよぉ……お姉さんでいさせてよ……」
MF3「なんか悲しい話になってきたっすね」
お姉さん「ま、まあそれは良いとして……」コホン
お姉さん「君たちに特別メニューを授けるよ」
一同「?」
118 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:55:21.08 ID:fMxQ2xy8O
お姉さん「一回戦勝ったらね」
ズコー!
DF1「今でいいじゃん!」
MF1「もったいぶりますね……」
お姉さん「さ、みんな!今日は帰った帰った!」
マーオオゴトニナラナクテヨカッタナー
ジュウブンナッテルトオモウケド
…….ソレモソウデスネ
お姉さん「あなたは帰らなくていいの?」
ツバサ「いえ……」テクテク
ピタッ
ツバサ「勘違いでしたらすみませんが……」
ツバサ「……どこかで会いましたか?」
お姉さん「……いや?」
ツバサ「……そうですか」テクテク
ウィーーン
ツバサ「……今日はありがとうございました」ペコリ
ウィーーン
お姉さん「………」ッ…ハァーーー……
お姉さん「ツバサさん勘鋭すぎでしょ……」フゥ……
お姉さん(私ですら怪しまれるなんて……)
119 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 22:57:38.45 ID:fMxQ2xy8O
戦国伊賀島vs音の木坂、試合会場
ワァァァァァァァァァァ!!!!
角間「………」
角間「後半もいよいよ大詰めを迎えておりますが…………」
角間「これは一体どういうことでしょうかぁ!!」
にこ「想像以上……ね」ハァ…ハァ…
海未「これほどとは……」ハァ…ハァ…
0-3
花陽「はぁ……はぁ……」ハァ…ハァ…
霧隠「…………」
霧隠「………」ギリッ
戦国伊賀島0-3音の木坂
角間「残り時間わずか、ここまで危なげなく進めているぞ音の木坂ぁ!!」
120 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:00:39.40 ID:fMxQ2xy8O
初鳥「霧隠!」ドッ
霧隠「ああ…!!」トッ
花陽 ザッ
霧隠「……!」ビクッ
霧隠(またこいつ……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
花陽【ディフェンス方程式!】
シュバッ!
霧隠「……くそ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
霧隠「ッ……邪魔なんだよ!!」バッ
霧隠「伊賀島流忍法……」
121 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:01:38.17 ID:fMxQ2xy8O
霧隠【ざんぞう!】ブゥン
花陽「……はぁ、はぁ」ダッ!
霧隠「っ……!よしっ!」タッタッタッ
霧隠「うぶっ……!?」
ググググ……!ブワァ!
霧隠「ぐっ……!」ドサッ
テンテンテン……
雪穂【ハンターズネット】トッ
角間「またもや止めたぁぁ!!未だ一度もディフェンスラインを突破されていない音の木坂!!一体何が起こっているんだぁ!?」
海未「やはり今……」
にこ「ええ、花陽が意図的に相手を抜かしてコースを限定させていた」
希「そこにあらかじめ罠を張った……と」
海未「花陽がいるだけでここまで守備のレベルが上がるんですね……」
ことり「かよちゃんすごい!」
雪穂「希さん!」ドッ
希「ほいほ〜い!」トッ
石川「せめて追加点は……!」バッ
希「ふふ……」ニコニコ
石川「ッ……!……笑うな!!」
122 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:05:04.09 ID:fMxQ2xy8O
石川【しこふみ!!】ドォッ!!
グラグラグラ!!
希「……もっと強いの知ってるからなぁ……」グラグラ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
DF2【スーパーしこふみ!】
ドゴォォォォォォォ!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
希「ごめんね」ダッ
石川「くそ……!!」
希「えりち!」
絵里「ええ!」タッタッタッ
高坂「いかせるか!!」バッ
123 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:05:40.59 ID:fMxQ2xy8O
高坂【かげぬい!!】
絵里「きゃぁ!」ドサッ
テンテンテン……
高坂「初鳥!」ドッ
初鳥「霧隠!」ドッ
霧隠「……ああ!!」トッ
角間「おおっと!!先ほどとは反対のサイドから展開するつもりだ!!」
亜里沙「はぁ!」バッ
霧隠「ふん……!」クルッ
亜里沙(甘い…!)ジャリッ
霧隠「っ……ちっ…!」ピタッ
霧隠(うざったい)ジロッ
花陽「………!」ハッ
124 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:06:50.03 ID:fMxQ2xy8O
花陽(あの目……さっきまでと違う……危険な感じ……)
霧隠 スゥー……
花陽(あの動作……事故に見せかけての肘打ち……?)
亜里沙(いける!)バッ
花陽(亜里沙ちゃんは気づいてない…)
花陽「どうしよう……!」キョロキョロ
凛「………にゃ?」キョトン
花陽(ッ……もうやるしかない!)
花陽「凛ちゃん!」
凛「な、なに!?」
花陽「花陽を亜里沙ちゃんのところまで飛ばして!」
凛「え……?い、今?」
花陽「今!」
凛「で、でも……!」アタフタ
花陽「いくよ凛ちゃん!」バッ
凛「〜〜!よく分からないけど分かったにゃ!」バッ
花陽「ほっ!」バッ
ググググ!!!
125 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:10:04.83 ID:fMxQ2xy8O
花陽(あ、待って、めちゃめちゃ怖い)
花陽「り、凛ちゃん、そんなに全力じゃなくても……」
凛【かよちんロケットォォォ!!!!】グンッ!
花陽「ダ……」
花陽「ダレカタスケテー!!!」ピューン!
霧隠(このまま自然に……)グワッ!
「ダレカタスケテー!」
霧隠「……ん?」
花陽「亜里沙ちゃぁん!!」ガバッ
亜里沙「うわぁぁ!!」ガシッ
ゴロゴロゴロ!!
霧隠「っ……!」ブンッ
亜里沙「……!」ゴロゴロ!
亜里沙(今の動き……)
霧隠「……!」ハッ
霧隠「俺……今……」
霧隠(何しようとしたんだ……?)チラッ
亜里沙「………」
霧隠「ッ……」ダッ
角間「霧隠がついにディフェンスを突破したぁ!!」
126 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:13:58.92 ID:fMxQ2xy8O
霧隠【つちだるま!】ドキュッ
ゴロゴロゴロ!!バキィン!!
ゴォォォォォオ!!!!
穂乃果 バッ
ゴォォォォォオ!!!!
穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】
ギュルルルルル!!!!
ドシュルルルルル……!!
穂乃果「………?」
ピッピッピーーーーーーーーーー
角間「ここで試合終了!!勝ったのは音の木坂だぁ!!!」
ありがとうございましたぁ!!
127 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:15:10.98 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「………」グーパーグーパー
ヒデコ「一回戦突破おめでとー!」
穂乃果「…!う、うん!やったよ!」
絵里「疲れは残ってたけど思ってたより動けたわね」
凛「それよりなんでかよちんは亜里沙ちゃんに突っ込んで行ったの?」
ことり「すごく飛んでたね」
花陽「それは……その…」
亜里沙「……?」
亜里沙(どうして言わないんだろう……)
海未「……まあ良いではありませんか、だれも怪我がなくて良かったです……ね?」パチッ
花陽「……!う、うん!」
128 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:16:30.92 ID:fMxQ2xy8O
「……その……」
花陽「あなた……!」
凛「………どうして大きなたんこぶ二つもつけてるの?」
風魔「こいつがラフプレーしようとしてたからな」
初鳥「ほら、ちゃんと謝れ」グイッ
霧隠「……すまなかっ……」
ゴチンッ!!
霧隠「ッ…!!ほ、本当にすみませんでしたぁ!!」土下座 ポロポロ
花陽「なんであんなことしたんですか?」
霧隠「つい……かっとなって……」
霧隠「止めてくれて助かった、ありがとう」ペコリ
にこ「そーよ、花陽に感謝しなさい」
絵里「大事にならなくて良かったわ」
海未「またサッカーしましょう」
花陽「みんな……気づいてたの?」
真姫「もちろん」クルクル
ことり穂乃果凛(気づかなかった……)
霧隠「次の試合……俺たちの分も頼んだ」
風魔「勝ってくれよ」
初鳥「よろしくたのむ」
ザッザッザッザッ
129 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:17:45.28 ID:fMxQ2xy8O
雪穂「ぅ〜〜……!!」ググーッ……
穂乃果「疲れた?雪穂」
雪穂「おねーちゃんはほとんど動いてないから疲れてないのか……」ジトー
穂乃果「今日はみんながすごかったからね!」ドヤッ
雪穂「頼むよ?おねーちゃんは最後の砦なんだから」
穂乃果「うん!まかせて!」ドンッ
雪穂「はぁ……帰ったらすぐ寝れそう……」
穂乃果「みんなー!雷雷軒いく?」
「…………」
穂乃果「あれ?どうしたの?」
絵里「穂乃果……私たちね…」
花陽「もう……限界です……」
雪穂「みんな疲れてるんだよ……」
監督「………今日は解散だな」
穂乃果「そっかぁ……じゃあみんなの荷物持つよ!頑張ってくれたお礼に!」
海未「それじゃあお言葉に甘えて………」ドサッ
絵里「ええ……」ドサッ
にこ「落とすんじゃないわよ」ドサッ
ドサッドサッドサッドサッドサッドサッ
穂乃果「お、多くない?」
ヒフミ「私たちもー!」ドサッドサッドサッ
穂乃果「むしろ手伝って欲しいんだけど!!」ゴーン
130 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:19:07.22 ID:fMxQ2xy8O
夕方鉄塔
穂乃果「ふーっ……重たかったなぁ」ザッ
穂乃果「みんな本当に持たせるんだもん……」ムゥ……
穂乃果「流石にヒデコ達は手伝ってくれたけど」フゥ…
穂乃果「………さて、やりますか」
グッ
ブンッ!
フワァ
………ゴォォォォォオ!!!
穂乃果「……っ!」グッ
ズザザザザザ!!!!!
穂乃果「………」ピタッ
穂乃果(……いや、考えたくないけど違和感がずっと頭から拭えない……)
穂乃果(認めたくない、そう思いたくないけど……)
穂乃果「………まさか」
131 :
◆7NyoAqShyg
:2019/04/09(火) 23:19:56.15 ID:fMxQ2xy8O
穂乃果「穂乃果そんなに強くなれてない?」
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/04/10(水) 00:07:19.28 ID:NvquJAlAO
あ
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