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貴虎「何? 再びISの世界へだと?」
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239 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 21:00:03.38 ID:x7MDP7cvO
ウィィィン……
ゴォォォ……
貴虎(これが、電脳ダイブのための装置……)
貴虎(更識の話を整理すると……先ほど、IS学園は何者かのハッキングによって無力化された)
貴虎(コントロール奪還のため、篠ノ之たちが電脳世界に侵入したが……同様に何かしらの攻撃を受け、目覚めることができない状態にある)
貴虎「そこで、私の出番というわけか……」
ピピッ
簪『貴虎……電脳ダイブでの、みんなの救出をお願い』
貴虎「あぁ、任せておけ」
貴虎(ミイラ取りがミイラ、という展開にならなければいいが……) チラッ
貴虎(そのために、万が一の保険として、これをつけた) スッ
カチャッ
貴虎(戦極ドライバー……これが、本当に役に立つかはわからない。だが……)
貴虎(この世界に来てから、いついかなるときも……俺は、このドライバーと共に戦ってきた)
貴虎(大丈夫だ。何かあっても、このドライバーなら……)
簪『気をつけて、貴虎……』
ピッ
『エントリー』
ピカーン
サァァァ……
貴虎(っ……似ている。この感覚は……)
貴虎(俺が、この世界に来たときと……)
240 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 21:10:05.63 ID:x7MDP7cvO
電脳世界
貴虎(ここが、電脳世界……) キョロキョロ
貴虎(何もないな……この5つの扉以外は)
ピピッ
簪『その扉は、それぞれみんなが囚われてる電脳世界へ通じてる』
貴虎「なるほど……つまり、全員を助けるのなら、どれから行っても同じということか」
簪『うん』
貴虎「では……これにしよう」 スッ
ガチャ
ウィィィン……
簪『それは鈴が入った扉。だから……』
貴虎「この奥に広がるのは、あいつの電脳世界、というわけか」
貴虎(入る前に、ひとつ確認しておこう……) ガサガサ
貴虎(……確かにある。俺が、斬月から持ち出してきた装備が)
貴虎(この電脳世界が、どのようなものかは分からない。だが……これがあるなら、ひとまずは大丈夫だろう)
貴虎「さて……行くか」 スッ
シュゥゥ……
ガチャン
簪『お願い、貴虎……』
241 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 21:20:03.98 ID:x7MDP7cvO
ところ変わって、鈴の電脳世界?
貴虎?「可愛いな、鈴……」 サワサワ
鈴「ま、待って……!」
貴虎?「いや、待たない」 グイッ
鈴「あっ……」
貴虎?「いくぞ、鈴」
鈴「たか、とら……」
ガラッ
貴虎「ここは凰の家……かぁっ!?」
鈴「っ! きゃぁぁああああああ!!!」
貴虎?「ん……?」
貴虎「なっ……俺、だと……?」
貴虎「……いや! そもそも何をしている、お前たち!?」
貴虎(なぜ凰は半裸で……俺に至っては全裸なんだ!?)
貴虎(そういうことか!? そういうことなのか!?)
貴虎(というより、なぜ俺と凰がこんなことを!?)
貴虎「何なんだ……この世界は!?」
鈴「た、貴虎……?」
鈴(違う……あれは、IS学園の制服……)
鈴(貴虎は目の前にいて……それが、あたしの理想で……)
鈴(理想……っ、あたしだけの世界……!?)
……
…………
???『ワールド・パージ、異常発生』
???『異物混入、排除開始』
242 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 21:30:10.12 ID:x7MDP7cvO
……
…………
貴虎?「まさか、私の偽物がいるとはな……」
貴虎「偽物だと……それは貴様のことだろう!」
貴虎?「フッ……いいだろう。どちらが本物か……」 スッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎?「決着をつけよう」
貴虎(っ! あれは戦極ドライバー……)
貴虎(それに、あのロックシードは……!)
貴虎?「変身」 スッ
ザシュッ
『ブドウアームズ!』
ピカーン
『龍ッ砲! ハッハッハッ!!』
ガシャン!
鈴「っ!? 何よ、その姿……」
貴虎「……アーマードライダー、斬月……!!」
貴虎?「ハッ!」 バキュン!
貴虎「っ……構わん、貴様がその気なら……」 サッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎「変身!」 スッ
243 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 21:40:05.81 ID:x7MDP7cvO
ガチャッ
キュイン
『ウォーターメロン』
ジジジジ……
ヒュゥゥ……
鈴「もしかして、向こうの貴虎も……!?」
ガチャッ
キュイーン
『ロックオン』
プォォォ……
ザシュッ
『ソイヤッ!』
ヒューン
ズボッ
『ウォーターメロンアームズ!』
ガシャッ
キュイィィィン……
『乱れ玉! ババババンッ!!』
ガシャン!
ガコーン!
貴虎?「ほう、まだ他の装備を持っていたのか……」
貴虎(そうだ。これこそ、俺に残された……戦極ドライバーで変身できる、最後のロックシード)
貴虎(一度だけ使用した、あのスイカ鎧のプロトタイプ)
貴虎(あのときは、体への負担が大きく、使いこなすことができなかった……)
貴虎(だが、ここは電脳世界。ならば……体への負担など関係なく、全力を発揮できるはず……!)
貴虎「覚悟しろ。容赦はしない……!!」
244 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 21:50:05.35 ID:x7MDP7cvO
貴虎?「フン……」 バキュン! バキュン!
貴虎(ウォーターメロンガトリング!) スッ
ガキン! ガキン!
貴虎?「何っ!?」
貴虎「一撃で仕留めてやる……」 スッ
ザシュッ
『ソイヤッ!』
ギュオギュオギュオギュオ……
『ウォーターメロンスパーキング!!』
キュィィン……!
貴虎(圧倒的な火力で、薙ぎ払う!)
貴虎?「っ……!」 スッ
ザシュッ
『ブドウスパーキング!!』
ドドドド……!
貴虎「無駄だ!!」 カチッ
貴虎?「っ!!」 カチッ
ダダダダダッ!!
バババババッ!!
貴虎「悪いが、パワーが違う……!」
貴虎?「くっ……!」
キィィィ……
ドガーン!!
貴虎?「ぐわぁぁぁぁああああああああ!!!!」 サァァァ……
245 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 22:00:04.33 ID:x7MDP7cvO
貴虎「……」 カチッ
シュワァァ……
貴虎「このロックシードは、返してもらうぞ」 パシッ
鈴「あっ……貴虎……」
貴虎「……大丈夫か、凰」
鈴「うん……」
鈴「貴虎……その、あたし……」
貴虎「……帰るぞ」
鈴「……うん」
貴虎「……話なら、全てが終わったあとに聞いてやる」
鈴「……ねぇ、貴虎」
貴虎「ん?」
鈴「その……ありがとう」
貴虎「……あぁ」
鈴「えへへ……」
鈴(そうよね……やっぱり、貴虎はこうでないと……)
鈴(あたしの理想の貴虎なんて……絶対、あたしが好きになった貴虎じゃないんだから)
246 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 22:10:51.75 ID:UCR3Tj6F0
それから、扉の外の電脳世界
簪『一旦、鈴は帰還を。何らかの攻撃を受けた可能性も、否定できない』
鈴「了解」
簪『貴虎は、他のみんなの救助へ』
貴虎「言われるまでもない」
貴虎(さて……先ほどの戦闘で、わかったことがふたつある)
貴虎(ひとつは、やはりこの電脳世界では、肉体的な負担が存在しないこと)
貴虎(そして、もうひとつは……) チラッ
貴虎(どうやら敵は、俺のロックシードを奪った者と、同一らしいこと) カチャッ
貴虎(どうやって奪ったのか、それは不明だが……)
貴虎(凰の電脳世界に『偽物の俺』がいたのと、その『俺』が奪われたロックシードを使ってきたのは、無関係ではないだろう)
貴虎(もしかすると、この戦いの中で、また新たな手がかりを掴めるかもしれん……)
貴虎「よし……行こう」 スッ
ガチャ
ウィィィン……
簪『そこはセシリアの電脳世界。そこにも、さっきと同じ「偽物の貴虎」がいる』
貴虎「あぁ、そうでなければ困る」 テクテク
シュゥゥ……
ガチャン
247 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 22:20:04.05 ID:UCR3Tj6F0
それから、セシリアの電脳世界?
貴虎「ここがオルコットの電脳世界……なのか?」 キョロキョロ
貴虎(しかし……ここは、どう見ても脱衣所……)
貴虎(つまり、あのドアの通じる先は……)
貴虎「……まさか、な」
貴虎(まさか、この奥に俺やオルコットがいるなど……あり得ない、はず……) ガチャッ
セシリア「……………………え?」 チャポン
貴虎?「……ん?」 チャポン
貴虎「……うわぁぁぁぁああああああああ!!!!」
セシリア「えぇっ!? きゃぁぁぁあああああああ!!!!」
セシリア「ど、どうして……貴虎さんが、もうひとり……!?」
セシリア(いえ、あの姿は……あちらの、貴虎さんこそ……)
貴虎?「騒がしいな、まったく……」
貴虎「黙れッ!! そもそも貴様、なぜオルコットと風呂に入っている!?」
貴虎?「なぜ、だと……?」
貴虎?「フッ……そんなもの、決まっているだろう」 グイッ
セシリア「きゃっ……」
貴虎?「つまり、こういうことだ」
貴虎「やめろっ!! お、俺の格好で……そんな、破廉恥なことを……!」
貴虎「オルコットから! 今すぐ! その手をどけろっ!!」
248 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 22:30:04.56 ID:UCR3Tj6F0
貴虎?「そんなに私が気に入らないのなら……」 ザバァッ
貴虎「っ!? うわぁぁぁああああああ!!!」
セシリア「っ! きゃぁぁああああああ!!!」
セシリア(た、たたた、貴虎さんの……あ、あああれ、アレが……!!)
貴虎「貴様っ、せめて隠せ!!」
貴虎?「今、この場で決着をつけよう」 スッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎「ベルトよりもまずタオルを巻けっ!!」
貴虎?「変身……」 スッ
ザシュッ
『イチゴアームズ!』
ピカーン
『シュシュッと! スパーク!!』
ガシャン!
貴虎「貴様……俺をここまで辱めるとは……!」 スッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎「変身!」 ザシュッ
『ソイヤッ!』
ヒューン
ズボッ
『ウォーターメロンアームズ!』
キュイィィィン……
ガシャン!
『乱れ玉! ババババンッ!!』
貴虎「貴様だけは、絶対に許さん!!」 ダッ
249 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/18(土) 22:30:46.00 ID:UCR3Tj6F0
今日はここまで
続きはまた明日
250 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 20:26:18.25 ID:aH/vc8ct0
少し遅れたけど、投下していく
251 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 20:27:01.65 ID:aH/vc8ct0
貴虎?「……」 ブンッ
貴虎「甘い!」 ガキン!
貴虎?「っ!」
貴虎「ハァッ!」 ズバッ
貴虎?「くっ……!」
貴虎「逃がさん……」 チャキッ
貴虎?「っ……ならば!」 ガチャッ
『ロックオン』
キュイィィ……
『イチ……ジュウ……ヒャク!』
貴虎「……」 ガチャッ
『ロックオン』
ゴォォォ……!
『イチ……ジュウ……ヒャク!』
貴虎?「フンッ!」 ブンッ
『イチゴチャージ!!』
貴虎「その振りかぶった隙が……!!」 ダッ
『ウォーターメロンチャージ!!』
貴虎?「っ!!」
ズバァッ……!!
貴虎?「……」 バタッ
サァァァ……
貴虎「……貴様の敗因だ」 カチッ
シュワァァ……
252 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 20:35:02.07 ID:aH/vc8ct0
貴虎(これで、イチゴのロックシードも奪還できたか……) スッ
セシリア「あの……貴虎さん……」
貴虎「……」
セシリア「その……申し訳ございません。わたくし……その……」
貴虎「……無理に言葉にする必要はない」
貴虎「みなまで言わずとも、私は理解している……つもりだ」
セシリア「っ、はい……!」
セシリア「……貴虎さん、ありがとうございます」
貴虎「あぁ……あと、オルコット」
セシリア「何ですの、貴虎さん?」
貴虎「ここであったこと、見たことを……全て忘れろ。今すぐ、絶対に」
貴虎「私の、その……なんだ、ほら……」
セシリア「あっ……えぇ、わかりましたわ」
貴虎「いいか? 絶対にだ。絶対に、だぞ」
セシリア「ご安心ください、貴虎さん。絶対に忘れますわ」
セシリア(忘れられるわけありませんわ……あんなに刺激的な体験……)
セシリア(こんなに恥ずかしがられるということは、つまり……あの貴虎さんは、きっと本物の貴虎さんと全く同じだったということ……)
セシリア(つまり、貴虎さんの裸は……!!)
貴虎「……オルコット?」
セシリア「っ! な、何ですの、貴虎さん?」
貴虎「本当に、忘れるのだろうな……?」
セシリア「も、もちろんですわ! ご安心くださいませ!!」
貴虎「……」
253 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 20:44:34.85 ID:aH/vc8ct0
それから、シャルの電脳世界?
貴虎(本当にオルコットは忘れるだろうか……いや、考えても仕方のないことだ)
貴虎(今はデュノアの救出に専念しよう)
貴虎「この屋敷の何処かに、あいつはいるに違いない……」
貴虎(それも、偽物の俺と共に……)
貴虎(先ほどの世界でも『俺』は、俺から奪ったロックシードを使ってきた)
貴虎(ならば、きっとここでも……)
貴虎「……残るは、この部屋だけか」 スッ
貴虎「……」
貴虎(正直、開けるのが恐い……)
貴虎(凰は俺と……その、情事に至ろうとしていて……オルコットは、あろうことか、俺と入浴していた……)
貴虎(きっと、この世界でも……デュノアと俺が、何かしら破廉恥なことを……)
貴虎「……ええい、ままよ!」 ガチャッ
貴虎?「デュノア……」 ギューッ
シャル「あっ……貴虎……」 モジモジ
貴虎「……」
貴虎(メイド姿のデュノアを……俺が後ろから抱きしめている)
貴虎(ただ、それだけだ)
貴虎(甘い空気が漂ってはいるが、どちらも、ちゃんと服を着ている……)
貴虎「……平和だな、この世界は」
254 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 20:53:02.45 ID:aH/vc8ct0
シャル「ん……? 今の声……」 チラッ
シャル「っ!? 貴虎!?」
貴虎「あぁ……私だ、デュノア」
シャル「なんで……!? だって貴虎はここに……」
シャル(……ううん、違う。この貴虎は……)
貴虎?「おっと……邪魔が入ったか」
貴虎「……お前は、今までの俺に比べて、随分と『まとも』だな」
貴虎?「そういうお前は無粋だな。俺とシャルロットの、ふたりきりの時間を邪魔するとは」
シャル「えっと……」
貴虎?「少し待っていてくれ、シャルロット。この邪魔者を、ここから追い出してこよう」 チュッ
シャル「あっ……」
貴虎「……」
貴虎?「……どうした?」
貴虎「いや……どれだけ『まとも』でも、お前が偽物であることに変わりはないと思っただけだ」
貴虎(首筋にキスなど……俺がするわけがない)
貴虎(……あぁ、しないはずだ)
貴虎?「フッ……では、どちらが本物で、どちらが偽物か……」
貴虎?「決闘で明らかにするとしよう」 スッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎?「変身」 スッ
255 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 21:03:06.34 ID:aH/vc8ct0
ザシュッ
『マンゴーアームズ!』
ピカーン
『ファイト・オブ・ハンマー!!』
ガシャン!
貴虎「あぁ、受けて立とう」 スッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎「変身」 ザシュッ
『ソイヤッ!』
ヒューン
ズボッ
『ウォーターメロンアームズ!』
キュイィィィン……
ガシャン!
『乱れ玉! ババババンッ!!』
貴虎?「フッ!」 ブンッ
貴虎「ハッ!」 ガキン!
貴虎?「ほう、頑丈な盾だ」
貴虎「ハァッ!」 ザンッ!
貴虎?「フンッ!」 ガンッ!
貴虎「くっ……」
貴虎(このマンゴー鎧の装甲は、並大抵の攻撃では傷つけられん……!)
256 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 21:12:03.46 ID:aH/vc8ct0
貴虎?「やはり、我々の実力は互角か」
貴虎?「なら……一撃でケリをつけるしかあるまい」 スッ
ザシュッ
『マンゴーオーレ!!』
ゴゴゴゴ……!
貴虎「あぁ……お前の言う通りだ」 スッ
ザシュッ
『ソイヤッ!』
ギュオギュオギュオギュオ……
『ウォーターメロンオーレ!!』
キュィィン……!
貴虎?「ハァァアアアアッ……!」 ブンッブンッ
貴虎(マンゴー鎧の必殺技は、マンゴー型のエネルギーを相手に投げるもの……)
貴虎(それに対抗するには、シールドにエネルギーを纏わせ……)
貴虎?「ハァッ!!」 ブンッ
ゴォォォ……!!
貴虎(……思い切り、弾き返す!!)
貴虎「フンッ!」 ブンッ
ガキィィ……!
バチッバチッ!
貴虎「くっ……ウォォォオオオオオオ!!!」
貴虎?「っ! まさか……!!」
貴虎「ハァァアアアアッ!!」 ガキン!
ゴォォォ……!
ドガーン!!
貴虎?「フッ……さすがは俺だ……」 サァァァ……
257 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 21:21:06.49 ID:aH/vc8ct0
貴虎「……」 カチッ
シュワァァ……
貴虎(これで、マンゴーロックシードも取り返したか……) パシッ
シャル「貴虎……」
貴虎「……行こう、デュノア」
シャル「……」
貴虎「……デュノア?」
シャル「……貴虎、ごめん」
貴虎「……」
シャル「僕、やらなきゃいけないことがあったのに……忘れちゃってた」
シャル「この世界が、心地よすぎて……」
貴虎「……気にするな。他の連中も、そう変わらん」
貴虎(むしろ、あいつらの方が激しかった……)
シャル「……多分ね、貴虎……あの貴虎は、僕の『願望』だったんだ」
シャル「貴虎と、もっと一緒にいたい……貴虎に、僕だけを見てほしい……」
シャル「そんな……身勝手で、汚い願望……」
258 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 21:30:25.84 ID:aH/vc8ct0
貴虎「……」 ポンッ
シャル「っ……貴虎……?」
貴虎「……誰にでもあるものだ。そのような黒い感情は」 ナデナデ
貴虎「それを受け入れるのは難しい。ときには、呑まれてしまうこともある」 ナデナデ
貴虎「だが……たとえ、そうなったとしても……そのときは、信頼できる仲間が助けてくれる」 ナデナデ
貴虎「今回の、私のように……な」 ナデナデ
シャル「……うん」
貴虎「……」 ナデナデ
シャル「っ……ねぇ、そろそろ……」
貴虎「っ! あぁ、すまない!」
シャル「ううん、全然! その……嬉しかったから……」
貴虎「そうか……」
貴虎(何をしているんだ、俺は……うつむいたデュノアを見ていたら、思わず手が……)
貴虎(どこか、光実に似た部分を感じてしまったのか……庇護欲をそそられてしまった……)
シャル「……貴虎、ありがとう」
貴虎「……あぁ」
シャル「やっぱり、貴虎は優しいね」
シャル(みんなのことも、今みたいに撫でたのかな……それとも……)
シャル(僕だけ……だったり……) チラッ
貴虎「……どうした、デュノア?」
シャル「……なんでもないよ、貴虎」
シャル(もし、そうだったら……すごく嬉しいなぁ……)
259 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 21:41:01.14 ID:aH/vc8ct0
それから、ラウラの電脳世界?
貴虎「さて……次はボーデヴィッヒか」
貴虎(あいつの性格上、これまでの世界とは毛色が違うと考えた方がいいだろう)
貴虎(例えば……偽物の俺と、決着がつくまで延々と闘い続けている……とか)
貴虎(いや……さすがに、それはないと思いたいが……とにかく、今までのような甘い感じではないだろう)
貴虎「……行こう」 スッ
ガチャッ
貴虎?「ラウラ……」 チュゥゥ……
ラウラ「あっ……貴虎……」
貴虎「……」
貴虎「…………」
貴虎「……………………は?」
貴虎?「……」 チロチロ
ラウラ「やめ……舌を……入れ、るな……!」
貴虎「……」
貴虎(お前もか……お前もなのか、ボーデヴィッヒ……)
貴虎(お前は……お前だけは、違うと信じていたのに……)
貴虎?「……ん?」 ピタッ
ラウラ「ん……どうした、貴虎?」
貴虎?「なぁに、客が来ただけの話だ」 ニヤッ
260 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 21:50:13.01 ID:aH/vc8ct0
ラウラ「客……?」 クルッ
ラウラ「っ!? もうひとりの、貴虎だと……!?」
ラウラ(別の貴虎……いや、本当に『別』なのは……)
貴虎?「安心しろ、ボーデヴィッヒ」 グイッ
ラウラ「っ、貴虎……?」
貴虎?「我々のラブラブ新婚生活を邪魔するような虫は、早々に叩き潰してくれる」 スッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎?「変身……!」 スッ
ザシュッ
『スイカアームズ!』
ピカーン
『大玉! ビッグバン!!』
ガシャン!
『ヨロイモード!』
ズガン!
貴虎「っ、厄介なアームズを……!」 スッ
ウィィィン……
カチャン
貴虎「変身!」 ザシュッ
『ソイヤッ!』
ヒューン
ズボッ
『ウォーターメロンアームズ!』
キュイィィィン……
ガシャン!
『乱れ玉! ババババンッ!!』
261 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 22:00:01.59 ID:aH/vc8ct0
ラウラ「っ! IS相手に、そんな装備で挑むつもりか!?」
貴虎「舐めるな。大きさでは劣るが……」 グッ
貴虎「出力は同格だ!」 カチッ
ダダダダダッ!
貴虎?「……」 ブンッ ブンッ
ガキン! ガキン!
貴虎(っ……馬鹿正直に撃っても、弾かれるだけか)
貴虎(だが、あの巨大な鎧に、無双セイバーで傷をつけることはできない……)
貴虎(やはり、隙を見てガトリングを撃ち込むしか、勝機はない!)
貴虎?「ハァ……ッ!」 ブンッ
ラウラ「やめろ! 家が壊れる!!」
貴虎「知ったことか! ここは電脳世界だ!!」
貴虎?「いや、ラウラの言う通りだ」 ピッ
ウィィィン……
『ジャイロモード!』
ガチャン!
貴虎?「場所を移そう」 ピッ
ダダダダダッ!
ドカーン!
ラウラ「っ、屋根が……!」
262 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 22:10:10.71 ID:aH/vc8ct0
貴虎「……随分とお粗末な偽物だな。それでは本末転倒だろう」
貴虎(そして、詰めが甘い……!) カチッ
ダダダダダッ!
貴虎?「何っ……!?」
貴虎「お前は知らないらしい。スイカの鎧は、確かに飛行することができるが……」
貴虎「その形態では、腹部がガラ空きになることを!」 グッ
ダダダダダッ! ダダダダダッ!
貴虎?「ぐぅ……っ!!」
貴虎「ハァァアアアアッ!!」
ダダダダダッ!
ドガーン!!
貴虎?「グォォォオオオオオオ!!!」 サァァァ……
貴虎「フン……所詮、この程度か」 カチッ
シュワァァ……
ラウラ「……」
貴虎「……ボーデヴィッヒ」
ラウラ「……儚い……夢だったな……」 パタッ
スヤァ……
貴虎「……あぁ。いい加減、目覚めるときだ」
263 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 22:19:14.57 ID:aH/vc8ct0
それから、扉の外の電脳世界
貴虎「最後は……篠ノ之か」
ピピッ
簪『気をつけて。多分、箒の世界にいる貴虎が、一番強い』
貴虎「……なぜ、そう思う?」
簪『おそらく、あの貴虎は、みんなの心にある「秘めた願望」が形になったもの』
簪『対象者の精神にアクセスし、心の奥底にあるソレを見せることで、外界と遮断させてしまおうという、敵の攻撃』
貴虎「……」
簪『けど、結局それは、妄想から生まれたものでしかない。そして、みんなの「妄想の貴虎」より「本物の貴虎」の方が、もっと強かった』
簪『だからこそ、これまでの戦いで、貴虎は偽物に勝ってこれた』
簪『けど……それは逆に言えば「本物の貴虎」に近ければ近いほど「妄想の貴虎」も強くなるということ』
簪『そして、きっと……箒は他の誰よりも、貴虎のことを理解してる』
簪『だから……もしかしたら、今度の偽物は、貴虎と同じくらい強いかもしれない』
貴虎「……そうか。ならば、話が早い」
簪『え?』
貴虎「あいつの想像によって、偽物の俺の強さが変わるなら……」 スッ
ガチャ
ウィィィン……
貴虎「その想像を上回るだけの力を、発揮すればいいだけだ」
シュゥゥ……
ガチャン
簪『貴虎……』
264 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/19(日) 22:20:02.16 ID:aH/vc8ct0
今日はここまで
続きはまた明日
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/19(日) 22:29:17.11 ID:z4GlCdrI0
今更ながら続編の存在を知ってこれは期待大
乙です!
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/19(日) 23:03:37.98 ID:ojTQyBAe0
乙。
267 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 19:59:41.97 ID:X+MbZ9G00
それじゃ、投下していく
268 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 20:00:29.97 ID:X+MbZ9G00
そのころ、箒の電脳世界?
IS学園、道場
箒「……」 グッ
貴虎?「……」 グッ
箒「……」
貴虎?「……」
箒「……ハァッ!」 ブンッ
貴虎?「……」 ブンッ
バシン!
箒「っ!」
貴虎?「面っ!」 ブンッ
パンッ!
箒「……」 スッ
貴虎?「……」 スッ
箒「ありがとうございました」
貴虎?「ありがとうございました」
箒「やはり強いな、貴虎は」
貴虎?「箒も、中々やるようになった」
箒「ありがとう……少し疲れたな」
貴虎?「では、部屋に戻るか。私たちの部屋に」
箒「そ、そうだな……」
269 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 20:10:50.01 ID:f3nUjgOTO
箒(もうすぐ、私たちはここを卒業する。鈴やセシリアは、それぞれ自国の代表として、国に帰るらしい)
箒(そして、私と貴虎は……日本代表として、同じ道を歩む……)
貴虎?「……」 ジーッ
箒「っ、なんだ……どうした、貴虎?」
貴虎?「箒を見ていた」
箒「っ! やめろ、恥ずかしい!」
貴虎?「いい加減、慣れろ。恋人になってから、どれだけ経つと思っている?」
箒「そっ、そういうことを臆面もなく言うな!」
貴虎?「フッ……すまん。箒の可愛らしい反応が見たくて、つい……な?」
箒「まったく、貴虎は……」
貴虎?「……箒」
箒「……なんだ、改まって?」
貴虎?「これからも、ずっと……私と供にいてくれるか?」
箒「何を急に……と、当然だ」
箒「私も、その……貴虎と、ずっと一緒にいたい」
貴虎?「……ありがとう、箒」
箒「あぁ、もう!! 何なのだ、さっきから!」
貴虎?「何、決意を固めただけだ」
箒「決意?」
270 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 20:20:16.86 ID:X+MbZ9G00
貴虎?「あぁ……箒。私は、お前が望む限り、お前の側にいる」
箒「っ、貴虎……」
貴虎?「そのために……」 チラッ
貴虎?「この世界を脅かすものは、徹底的に排除する」
箒「……どういう意味だ、貴虎?」
ガラッ
箒「っ、誰だ?」 クルッ
貴虎「……」 スッ
箒「なっ……!?」
貴虎「やはりここにいたか、篠ノ之。そして……」 チラッ
貴虎?「……」
貴虎「……俺も」
箒「なんだ、貴様……なぜ、貴虎と同じ姿を……」
貴虎?「……来たか」
貴虎「……まるで、待っていたかのような言い方だな」
貴虎?「待っていたとも。お前が来なければ、始まらない」
箒「何を言ってるんだ、貴虎……お前、こいつが何者なのか、知ってるのか!?」
貴虎?「下がっていろ、箒。これは、私同士の問題だ」
箒「私、同士……?」
271 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 20:30:06.81 ID:f3nUjgOTO
貴虎?「お前を待っていた……ここで、お前を討つために」
貴虎「……」
貴虎?「私はお前を倒す。箒のために」
貴虎「篠ノ之のため……だと?」
貴虎?「そうだ。箒の幸福を守るため……そして、それを与え続ける、この世界を守るため……」 スッ
貴虎?「俺は、お前を倒す」
ウィィィン……
カチャン
貴虎「……そうか。では、私も言おう」
貴虎「私はお前を倒す。篠ノ之のために」
貴虎?「……」
貴虎「篠ノ之を目覚めさせるため……そして、偽りの夢を与え続ける、この世界を壊すため……」 スッ
貴虎「俺は、お前を倒す」
ウィィィン……
カチャン
貴虎?「……変身」 カチャッ
貴虎「変身……!」 カチャッ
ガチャッ
キュイン
『メロン』
『ウォーターメロン』
ジジジジ……
ヒュゥゥ……
272 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 20:40:18.32 ID:X+MbZ9G00
『ロックオン』
『ロックオン』
プォォォ……
ザシュッ
『ハッ!』
『ソイヤッ!』
ヒューン
ズボッ
『メロンアームズ!』
『ウォーターメロンアームズ!』
キュイィィィン……
ガシャン!
『天・下・御・免!!』
『乱れ玉! ババババンッ!!』
テレレン
ガコーン!
貴虎?「ハァァ……ッ!」 ブンッ
貴虎「……ハァッ!」 ブンッ
ガキィィ……!
ガキン!
貴虎「ハッ!」 ブンッ
貴虎?「……」 スッ
ガキン!
273 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 20:50:02.66 ID:X+MbZ9G00
貴虎?「フッ!」 ドガッ
貴虎「っ……」 ヨロッ
貴虎?「ハァッ!」 ブンッ
貴虎「……」 サッ
貴虎?「っ!」 スカッ
貴虎「ハァッ!」 ズバッ
貴虎?「くっ……!」 ヨロッ
箒「なんだ、この戦いは……」
箒(ふたりの貴虎……どちらの実力も、全く互角……)
箒(一体、どっちが本物なんだ……!?)
ガキン! ガキン!
貴虎?「お前もまた、箒のために戦うと言ったな! 本当にそう思っているのなら……」 チャキッ
貴虎?「なぜ、この世界を否定する!!」 ブンッ
貴虎「なぜ、だと……!」 スッ
ガキィィ……!
貴虎?「この世界は幸福だ。箒の望むものが、望むままに手に入る」 ググッ
貴虎?「箒にとって、これ以上に幸福な世界はない! それを……」
貴虎?「なぜ、貴様は否定する!!」 ブンッ
274 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:00:07.93 ID:X+MbZ9G00
貴虎「決まっている!!」 ブンッ
ガキン!
貴虎「お前は今、これ以上の幸福はないと言ったな! だが、それは違う!!」
貴虎「この世界は、そもそもが偽り……泡沫の夢に過ぎない!」 グッ
貴虎「そんな都合のいい幻に沈むことが、幸福などであるものか!!」 カチッ
貴虎?「幻で何が悪い!!」 スッ
ダダダダダッ!
ガン! ガン!
貴虎?「現実にあるものは、恐れと不安! そして……理不尽な悪意ばかりだ!!」
貴虎?「貴様とて、それに幾度も曝されてきただろう!?」
貴虎「っ……!」
貴虎?「そのようなものを、二度と箒に味あわせない! 二度と、箒の笑顔を失わせない!!」 ザシュッ
貴虎「ぐっ……!!」 ヨロッ
貴虎?「そのために……この世界で、永遠の幸福を与え続ける。それの……」 チャキッ
貴虎?「一体、何が間違っている!!」 ブンッ
貴虎「っ、ウォォオオオオッ!!」 スッ
ガキィィ……!
貴虎「そうか……それが貴様の考えか」 ググッ
貴虎「ならば教えてやる。恐れや不安のない、永遠の幸福など……死んでいるのと変わらん!!」 ガキン!
貴虎?「何っ……!?」
貴虎「恐れがあるからこそ、人は他者と絆を紡ぐ……不安があるからこそ、人はそれに立ち向かう……!」
貴虎「それこそが……『生きる』ということだ!!」 ブンッ
貴虎?「っ、綺麗事だ!!」 ブンッ
ガキン!
275 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:10:04.87 ID:X+MbZ9G00
貴虎?「それはただ、理不尽な悪意を……絶望を受け入れているのと変わらん!!」
貴虎「違う! 絶望を受け入れたのは、貴様の方だ!!」
貴虎?「何だと……!」
貴虎「貴様は篠ノ之を、この偽りの世界に閉じ込めた。それは現実との戦いを……絶望との戦いを憂い、諦めたからだ!!」
貴虎?「っ……!!」
ググッ……
貴虎「俺は知っている……絶望を受け入れた先に待つものを……」
貴虎「そして……希望とは、絶望に立ち向かうことでしか、生まれないことを!」
貴虎?「っ、ぐぅ……っ!」
貴虎「貴様が本当に『俺』なら、それを理解しているはずだ!!」
ガキン!!
ズザァァ……!
貴虎?「……だとしても、俺の決意は変わらない……」
貴虎「……」
貴虎?「現実との戦いは、辛く苦しいものだ。終わりも見えず、勝ち目すら見出せない……」
貴虎?「そのような苦しみから、箒を救い出せるのなら……!」
貴虎?「どんな絶望だろうと、俺は受け入れる!!」
貴虎「……そうか。それほどのものなのか、貴様の想いは……」
276 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:20:32.04 ID:X+MbZ9G00
貴虎?「俺は箒を守る……現実から、絶望から……」
貴虎?「そのために……ここで貴様を討つ!!」 スッ
ジャキン!
『ハッ!』
ギュオギュオギュオギュオ……
『メロンスカッシュ!!』
貴虎「あぁ……よくわかった」
貴虎「決着をつけよう」 スッ
ザシュッ
『ソイヤッ!』
キュィィン……!
『ウォーターメロンスカッシュ!!』
貴虎?「ハァァアアアア……!!」 ダッ
貴虎「……ハァッ!!」 ブンッ
キンッ!
ズバァ……ッ!!
貴虎?「……」
貴虎「……」
貴虎?「……わかっていたとも」
貴虎?「間違っているのは……」 シュワァァ……
貴虎?「俺の方だと……」 バタッ
貴虎「……」 カチッ
シュワァァ……
277 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:30:23.09 ID:X+MbZ9G00
箒「おい……貴虎?」
貴虎「……」
貴虎?「……」
箒「決着は、ついたのか……? 一体、どっちが『本物』なんだ!?」
貴虎「……俺たちの想いは、どちらも……」
貴虎?「……」
貴虎「……確かに『本物』だった」
ゴゴゴゴゴ……
箒「っ、地震が……!」
貴虎?「行け、箒。この世界は、まもなく消える」
箒「だが……!!」
貴虎?「行け!!」
箒「っ……」 クルッ
タタタッ
貴虎「……」
貴虎?「……箒を頼むぞ」
貴虎「……あぁ、任せておけ」
貴虎?「フッ……感謝する」 サァァァ……
貴虎「……さらばだ、あり得たかもしれない『俺』……」
278 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:31:07.78 ID:X+MbZ9G00
そのころ、とある電脳空間
???「ここが、システム中枢……」 フワフワ
スタッ
???「これが、束さまの言っていた……織斑千冬専用機『暮桜』のコア……」 スッ
ピカーン
キュイィィン……
279 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:40:05.36 ID:X+MbZ9G00
そして、箒の電脳世界?
ゴゴゴゴゴ……
貴虎(『俺』の言っていた通り、この電脳世界は崩壊し始めた)
貴虎(だが……俺はまだ、ここを動かないでいる)
貴虎(来る気がするからだ……今回の、黒幕が)
貴虎(なぜかはわからない。だが、確信が……っ!)
貴虎「……やはり、来たか」 クルッ
???「……」
貴虎「……何者だ?」
???「お初にお目にかかります。私の名は、クロエ・クロニクル」
貴虎「なぜ、わざわざ俺の前に現れた?」
クロエ「こちらを、お返しするために」 スッ
貴虎「っ、そいつは……!」
貴虎(白い服を纏った少女……間違いない。あのとき、俺の前に現れた……!)
少女「……」 フラッ
貴虎「斬月!!」 ガシッ
少女「……」 スゥゥゥ……
貴虎(っ、戦極ドライバーの中に……)
280 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:50:16.50 ID:X+MbZ9G00
クロエ「主の使いは果たしましたので、此度はこれにて、退場いたします」 フワッ
貴虎「っ! 待て!!」
貴虎「貴様の目的は何だ!? なぜ俺から斬月を奪った!? 貴様の『主』とは……」
パッ
貴虎「っ……逃げたか……」
貴虎(クロエ・クロニクル……あの女、一体……)
貴虎(亡国企業[ファントム・タスク]の一員か、それとも……)
貴虎「……」
貴虎(なぜ、この世界の『俺』は、あそこまで篠ノ之に執着した?)
貴虎(篠ノ之の『願望』によって生み出されたから……本当に、それだけか?)
貴虎(あいつは、他の世界の『俺』とは、明らかに異なっていた)
貴虎(他の偽物が、それぞれの願望を強く表していたのに対し……あいつは、何よりも『篠ノ之を守る』ことに固執していた)
貴虎(もしも……それが、あのクロエという女の……ひいては、その『主』の意思を反映しているとしたら……)
……やぁ、初めましてだね。世界で唯一ISが使える男、呉島貴虎くん……
貴虎「……」
281 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 21:51:06.51 ID:f3nUjgOTO
それから、現実世界
箒「ん……」 パチッ
シャル「あっ、箒!」
箒「……みんな……」 ムクッ
箒「そうか……私たちは、敵の攻撃のせいで……」
シャル「貴虎のおかげで、僕たちは戻ってこれたけど……」 チラッ
セシリア「肝心の貴虎さんが、まだ目覚めませんの……」
282 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 22:00:04.95 ID:f3nUjgOTO
箒「っ、何っ!?」 ガバッ
タタタッ
貴虎「……」
箒「貴虎……」
鈴「目、覚まさないわね……」
セシリア「もしかして、わたくしたちと同じように……!」
簪「それはないと思う。システムはもう、解放されたから」
シャル「じゃあ、なんで……」
ラウラ「……キス、だな」
シャル「……え?」
箒「……はぁっ!?」
鈴「キ、キスってねぇ! アンタ、唐突に何言ってるのよ!?」
ラウラ「知らないのか? 昔から、眠れる者を醒ますのは……キスだ」
シャル「それ、お伽話のお姫様限定でしょ!?」
ラウラ「何を言う。副官がさっき言っていたぞ」
鈴「その副官、クビにしなさいよ!」
セシリア「お待ちになって! 試さずに否定するのは間違ってますわ!」
シャル「いや、これは試す必要ないと思うけど!?」
箒「な、なんだ……人口呼吸的なものだな!」
シャル「箒!?」
283 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 22:21:40.30 ID:X+MbZ9G00
簪「なら、私も立候補する」
シャル「簪まで!?」
簪「勘違いしないで。私は決して貴虎とキスしたいのではなく、状況を鑑みて、何やら早急な対応が求められていると判断し、ひとつの打開案として、やや強硬な姿勢を取ってみてはどうかなと思ってみたものの、自分の意思を他人に押し付けるわけにもいかず、道徳的な観点からも……」
シャル「長いよ! しかも、ちょっと理屈っぽいし!」
鈴「本当よ! セシリアの縦ロール並みにグルグルしてんじゃないわよ!!」
セシリア「鈴さん、今なんと?」
簪「だって! 私だけワールド・パージにかかってないわけで……」
簪「本当は私だって、みんなみたいに貴虎と……!!」
箒「かかりたくて、かかったわけではない!」
簪「そのわりには、みんな嬉しそうだった!」
ギャーギャー
284 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 22:22:21.19 ID:X+MbZ9G00
それから、しばらく経って
保健室
貴虎「……」 パチッ
貴虎「……今、何時だ?」 ムクッ
ガサガサ
貴虎「ん?」 クルッ
「貴虎くん、起きたの?」
貴虎(カーテンの向こうに人影……声から察するに……)
貴虎「更識か」
楯無「そう、お姉さんよ」
285 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 22:30:04.93 ID:X+MbZ9G00
貴虎「……傷が深そうだな。点滴の影が見えている」
楯無「いやん! 貴虎くんのエッチ!」
貴虎「何がだ……」
楯無「簪ちゃんから聞いたのよ? 電脳世界で、好き勝手にいやらしいことしてたんでしょ?」
楯無「私に無許可で! 生徒会に無許可で!」
貴虎「誤解だ。それは私ではなく、敵に作られた偽物で……」
楯無「フンだっ」 プイッ
貴虎「何を拗ねている……」
楯無「……ねぇ、貴虎くん」
貴虎「……何だ?」
楯無「ありがとう、助けに来てくれて」
貴虎「……あぁ」
楯無「嬉しかったよ」
貴虎「……」
楯無「……あのさ、貴虎くん。私の名前……『楯無』っていうのは、更識家の当主の名前だって、言ったかしら?」
貴虎「……いや、初耳だ」
楯無「貴虎くんには……私の本当の名前、教えとくね」
貴虎「……」
楯無「……更識、刀奈」
貴虎「……いい名前だ」
楯無「……ありがとう」
286 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 22:35:06.25 ID:X+MbZ9G00
そして、後日
倉持技研
貴虎「世話をかけたな」
ヒカルノ「いいってことよ。結局、動くようにはなったけど、その原因は分からず終いだしねぇ」
貴虎「……そうだな」
貴虎(斬月が動かなくなった原因。それはあの女……クロエ・クロニクルと、その『主』によるものだった)
貴虎(またひとつ、新たに調べなければならないことが増えてしまった……)
貴虎(だが……それらが、全て独立した問題だとは思えない)
貴虎(亡国企業[ファントム・タスク]と織斑マドカ。無人機とクロエ・クロニクル。そして……)
貴虎(真実に近づけば、それらの黒幕との対峙は、避けられないだろう)
貴虎(だが、そこにこそ……俺にとっての『希望』があるに違いない)
貴虎(ならば、絶対に諦めず、それを掴むだけだ)
貴虎(そして必ず、元の世界へ戻ってみせる!)
287 :
◆QNL99VWo9I
[saga]:2019/05/20(月) 22:35:42.50 ID:X+MbZ9G00
今回はここまで
次回は『第五話 修学旅行』
内容的にアニメ2期の最終話まで書くけど、このssとしての最終話は別に用意するつもり
今回ほど遅くならないよう努力したい
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/05/07(木) 16:24:06.73 ID:KXGJDeNa0
再開はもう望めないよなぁ
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