貴虎「何? 再びISの世界へだと?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 20:03:56.83 ID:Bxy//LHYO
鎧武の呉島貴虎とISのクロス
不定期更新

一夏は出ない
ついでに白式も出ない

IS側、呉島主任ともにキャラ崩壊注意
メロニキはオリISに乗るので注意

ISは原作読んでアニメ見てたけど、ぶっちゃけアニメの印象が強い
だから重要シーン以外はごっそりカットするかも知れん

貴虎バッタの一人称は、人前では私
身内には俺


ここまで昔のスレのコピペ
今回はISアニメ2期の話を中心に書いていく

更新はまた少し後に
前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403151591/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1553598236
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/26(火) 20:12:36.76 ID:yLw3vi4+O
懐かしい
期待
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 20:59:12.42 ID:rpk+8QQG0
『プロローグ』

貴虎(森の脅威が去って早5年……沢芽市も順調に復興してきている)

貴虎(あれから、メガへクスの襲来、供界の企み、雅仁との決着……多くの困難があった)

貴虎(だが、その度に乗り越えてきた。世界を蝕む悪意には二度と屈しない、その誓いを胸に……)

貴虎(アイム……あいつらも、トルキア共和国での自由を掴んでいるだろうか)

貴虎(そういえば……あのときも、お前に助けられたな)

貴虎(葛葉紘汰……お前のおかげで、俺は変わることができた。絶望に屈しない心を、諦めない心を……お前から学んだ)

貴虎(お前のおかげで、俺は『変身』できたんだ)

『貴虎……』

貴虎(こうして、お前のことを思い出すと……今もお前の声が聞こえてくるようだ)

『貴虎……貴虎……!』

貴虎(それにしても、今日はやけにハッキリ聞こえるな。もしかして、私も少し疲れているのか……)

『貴虎っ!』

貴虎(……ん?)

紘汰(神)『貴虎ぁっ!!』

貴虎「うわぁっ!?」

紘汰(神)『何度も呼びかけたのに、無視するなよ……』

貴虎「葛葉紘汰……っ!? お前、どうしてここに……」

紘汰(神)『実は、貴虎に聞きたいことがあってな。急を要するから、こうして直接戻ってきたんだ』
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 21:10:12.65 ID:rpk+8QQG0
貴虎「何かあったのか……っ! まさか、また何か侵略者が……」

紘汰(神)『違う。というより、そもそもオレのことでも、この地球に関することでもない。貴虎自身に関することなんだ』

貴虎「何? 私自身に……?」

紘汰(神)『こことは別の宇宙、そこに存在する別の地球の話だ』

貴虎「別の……?」

紘汰(神)『その星が異様に歪んでいて……関係ないとはいえ、気になるから調べてみた』

紘汰(神)『そうしたら……見つけたんだ。その星に隠された、いびつな過去が』

貴虎「どういうことだ? まるで要領を得ないぞ」

紘汰(神)『……その地球には存在しないはずの貴虎が、確かに「存在していた」としか思えない痕跡があった』

貴虎「っ……」

紘汰(神)『ある一定の期間だけ、貴虎の存在が捻じ込まれ、そして隠された……そうとしか思えない、時空の歪みを見つけたんだ』

貴虎「まさか、その地球とは……」

紘汰(神)『貴虎……「IS」って言葉に、聞き覚えはあるか?』

貴虎「っ!」

貴虎(IS……あぁ、ISだと……!)

貴虎(篠ノ之箒、セシリア・オルコット、凰鈴音、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ、織斑千冬……!)

貴虎(忘れるはずがない! あれは……)

貴虎「……あぁ、覚えている。はっきりと」

紘汰(神)『そうか。なら、話が早いな』

貴虎「どうした? まさか、あいつらに何かあったのか!?」

紘汰(神)『誰のことかわからないけど、まずいのは人じゃなくて世界の方なんだ』

貴虎「世界?」

紘汰(神)『貴虎、向こうで何があったのか……話してもらえるか?』
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 21:20:07.73 ID:rpk+8QQG0
……
…………

貴虎「……というわけだ」

紘汰(神)『サガラ……間違いなくそのせいだな』

貴虎「何かわかったのか?」

紘汰(神)『多分、貴虎は長く居過ぎたんだ。あっちの世界に』

紘汰(神)『そのせいで、貴虎の存在は、あの世界に深く刻み込まれてしまった。それをサガラが、無理矢理いなかった状態に戻そうとして……』

貴虎「……歪みが生じた、のか」

紘汰(神)『地震と同じ、って例えるとわかりやすいか。歪んだプレートが力を溜め込んで、それが一定のラインを超えると……』

貴虎「爆発的なエネルギーを放出する……っ! まさか、あの世界も!?」

紘汰(神)『可能性は捨てきれない』

貴虎「どうすればいい!?」

紘汰(神)『手はある。もう一度、あの世界にいくんだ』

貴虎「だが……そんなことをすれば、さらに歪みが……」

紘汰(神)『そして、今度は修正しない』

貴虎「……何?」

紘汰(神)『貴虎の存在を否定せず、正しいものとして組み込むんだ。そうすれば、歪みにはならない』

貴虎「だが、それは……あの世界そのものを、変えるということではないのか?」

紘汰(神)『そうだ。けど、これ以外に手はない』

貴虎「……」

紘汰(神)『貴虎、決断は委ねるよ』
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 21:29:31.44 ID:rpk+8QQG0
貴虎「……やろう」

紘汰(神)『……』

貴虎「もう二度と、俺は世界を見捨てない」

紘汰(神)『貴虎……』

貴虎「今度こそ、諦めず……絶望せず、世界を救う!」

紘汰(神)『……わかった。それじゃあ、準備ができたら教えてくれ』

貴虎「準備?」

紘汰(神)『ミッチに挨拶とか、いろいろ済ませておいた方がいいだろ?』

貴虎「……そうだな、礼を言う」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 21:30:09.05 ID:rpk+8QQG0
……
…………

貴虎「光実」

光実「どうしたの兄さん、改まって」

貴虎「また……しばらくの間、ここを離れることになった」

光実「また、トルキア共和国に?」

貴虎「いや、もっと遠いところだ……」

光実「……兄さん?」

貴虎「連絡も取れないし、いつ帰れるかもわからない。だが……」

光実「……うん、わかった」

貴虎「光実?」

光実「大丈夫だよ、兄さん。ここには僕だけじゃない、ザックや凰蓮さんたちもいる」

光実「だから……安心して。こっちのことは、僕たちに任せて」

貴虎「そうだな……ありがとう、光実」

光実「頑張ってね、兄さん」

貴虎「あぁ、行ってくる」

光実「いってらっしゃい」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 21:40:18.72 ID:rpk+8QQG0
……
…………

紘汰(神)『もういいのか?』

貴虎「あぁ、やってくれ」

紘汰(神)『よし……!』バッ

貴虎(あのときと同じだ……体が、光の粒子に溶けていく……)

紘汰(神)『貴虎。お前の存在を、あっちの世界に刻みつけるために……しばらくの間、向こうの世界にいてもらうことになる』

貴虎「問題ない」

紘汰(神)『歪みが広がらないよう、貴虎が消えた時間の近くに転移させる。こっちとは経過した時間が違うから、注意した方がいい』

貴虎「わかった」

紘汰(神)『あと、何かあっても、オレがサポートするから安心してくれ』

貴虎「心強いな」

紘汰(神)『ただ……ひとつ心配なのは、貴虎が言ってた娘たちの「記憶」だ』

紘汰(神)『貴虎が向こうの世界に現れたとき、彼女たちの記憶が戻るか……それとも、消えたままなのか。それはオレにもわからない』

貴虎「……いいさ。消えたままなら、また1から新たな関係を築けばいい」

紘汰(神)『……あぁ、貴虎ならできるよ』

貴虎「ありがとう……行ってくる」スー……

パッ

紘汰(神)『頼んだぞ、貴虎……』

……
…………
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 21:52:17.39 ID:rpk+8QQG0
『第一話 再会とアクシデント』


パッ

貴虎(久しぶりの異世界か……随分と広大だな)

貴虎(辺り一面、何もない……まるで空の彼方にいるようだ)

貴虎(それに、やけに下から風を感じる……って!?)

貴虎「……なぜ俺は落ちているんだ!?」

貴虎「うわぁぁぁぁああああああああ!!!!」 ヒューン

紘汰(神)『悪い、貴虎! 少し座標がズレたみたいだ』

貴虎「葛葉!? なぜ声が……」

紘汰(神)『声だけそっちに飛ばしてるんだ。大丈夫か、貴虎?』

貴虎「大丈夫なわけがあるか!! このままでは……!」

紘汰(神)『思い出せ、貴虎! そっちの世界なら、お前は自由に飛べるんだろ?』

貴虎「何っ!? ……そうか」

貴虎(ポケットの中に……あった!) カチャ

貴虎(この錠前こそ、この世界での俺の翼……!)

貴虎「斬月!」 ピカーン

ドウッ
ビューン!

貴虎(飛んだ……そうだ、この感覚だ……)

貴虎(懐かしい……この白い機体、金の装飾、黒の和風模様……)

貴虎(そして……戦極ドライバー)

貴虎(サガラによって仕組まれた力だが……これは確かに、この世界における俺の象徴……)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/26(火) 21:54:10.16 ID:K8yl469H0
おぉ〜〜!5年ぶり!お懐かしいです!
舞台に出てきてたって言うカチドキ斬月最高にカッコよかった!
前スレでは出なかった楯無先輩や簪ちゃんは出たりするのかな(wktk
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 21:59:24.60 ID:rpk+8QQG0
紘汰(神)『貴虎。その機体だが、お前の記憶をもとに、いくつか装備を追加しておいた』

貴虎「装備を?」

紘汰(神)『後で確認しておいてくれ』

貴虎「わかった。感謝する」

紘汰(神)『いいって。それより、まずは座標の修正をしよう。どこへ向かうのがいいか……』

貴虎「なら、IS学園がいいだろう。場所はわかるか?」

紘汰(神)『あぁ、そのまま東にまっすぐだ。細かいところは、そいつのマップを参照してくれ』

紘汰(神)『そうだ、貴虎。それとーー』 ザザッ

貴虎「……どうした? よく聞こえない』

紘汰(神)『たかーー、なにかーーーー』 ザザッ

貴虎「葛葉? おい!」

紘汰(神)『ーーーーーー』 ザザッ

プツッ

貴虎「っ! 切れた……」

貴虎(一体、何がどうなって……)

ピピッ

貴虎「っ、どうした斬月?」

斬月『所属不明のISが急速接近中』

斬月『ロックされています』

???「……」 ゴォォォ……!

貴虎(何だ、あの漆黒のISは……)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 22:09:55.03 ID:rpk+8QQG0
???「……」 バシュ!

貴虎(遠距離攻撃か!) サッ

???「……」 バシュ! バシュ!

貴虎(っ! 避け切れない!!)

ドカーン!

貴虎「くっ……!」 ヒューン

貴虎(ダメだ……感覚を取り戻していない今、空中戦は俺に不利……)

貴虎(ならば……!) ピッ

貴虎「斬月、全速力でIS学園のグラウンドを目指せ!」 パッ

ピカーン
ガシッ

斬月『装備展開:無双セイバー』

貴虎(ガンモード……) カシャッ

キュィィン……
バキュン!

???「……」 サッ

貴虎「ついて来い!」 ドウッ

???「……」 ゴォォォ……!
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 22:19:20.12 ID:rpk+8QQG0
そのころ、IS学園のグラウンド


箒「はっ! はっ!」 ブンッ ブンッ

鈴「あーあ! 夏休み明け初日から実技テストとか、やってらんないわ」

セシリア「全くですわ。このわたくしの実力が、少し休んだくらいで落ちるわけありませんのに」

シャル「ふたりとも、そんなこと言ってないでやろうよ」

ラウラ「その通りだ。それとも、このテストで底が知れてしまうのが怖いのか?」

鈴「はぁ〜? 言ってくれるじゃない!」 ジャキッ

セシリア「イギリス代表候補生の実力、とくと味わいたいようですわね?」 ガチャッ

ラウラ「やってみろ。それとも、やはり口だけなのか?」 ヴォン!

シャル「ラウラも、あんまり煽らないで!」

箒「楽しそうだな、みんな……ん?」

シャル「どうしたの、箒?」

箒「なぁ……何だ、あれは?」

ゴォォォ……

鈴「なになに〜……って、何アレ!?」

セシリア「もしかして、ISでしょうか……」

ラウラ「……こちらに落ちてきている」

鈴「えっ!? 嘘でしょ!?」

シャル「本当だ……確かに落ちてきてる!」

セシリア「まぁでも、このグラウンドはシールドに守られてますし、心配はいりませんわね」

箒「だといいが……」

箒(なんだ……この胸の高鳴りは……) ドクッドクッ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 22:30:43.97 ID:rpk+8QQG0
グラウンド上空


貴虎(そういえば、IS学園のグラウンドにはシールドが張られているのだったか……)

貴虎「面倒な……」 ジャキッ

貴虎(斬月に残ったエネルギーを全て込め……振り下ろす!)

貴虎「はぁっ!!」ブンッ

バリーン!

鈴「うわぁっ!? あいつ、シールド割った!!」

セシリア「そんな!?」

ヒュゥゥ……
ゴォォォ……!

ドンッ
ドカーン!!

シャル「っ! うわぁぁああああ!!」

ラウラ「何という衝撃だ……!」

箒「あれは……っ!」

箒(あぁ、そうだ……間違いない……)

箒(あの白い機体、無茶な行動……間違えるはずがない……)

箒(どうして……どうして、今まで忘れていたんだ……)

箒(あいつは……!)

貴虎「さて……まんまとおびき出されたな」

???「……」 ゴゴゴ……

貴虎「誰に送り込まれたか知らないが、覚悟してもらおう」 カチャ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 22:41:33.89 ID:rpk+8QQG0
ガチャッ
キュイン

『メロン』

ジジジジ……
ヒュゥゥ……

鈴「何あれ……メロン?」

シャル「待って……僕、これ知ってる……!」

ガコン
ギュオォォン……

ラウラ「……いや、きっと……ここにいる、私たち全員が知っている」

セシリア「えぇ……どうして、今まで忘れていたのでしょう……」

ガチャッ
キュイーン

『ロックオン』

プォォォ……

鈴「あいつは……」

ザシュッ
ジャキン

『ソイヤッ!』

セシリア「あの方は……」

ヒューン
ズボッ

シャル「彼は……」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 22:49:45.81 ID:rpk+8QQG0
ガシャッ
キュイィィィン……

『メロンアームズ!』

ラウラ「アイツは……」

ガシャン!
テレレン

『天・下・御・免!!』

箒「……貴虎ぁっ!!」

貴虎「……いくぞ」 チャキッ

???「……」 バシュ! バシュ!

貴虎(メロンディフェンダー!) サッ

ガンッ!
ガンッ!

貴虎「悪いが、もうその攻撃は通用しない」

貴虎(無人機なら、手加減はいるまい) ドウッ

???「……」 ブンッ

貴虎「フッ……」ザンッ

ガキィィン……!

貴虎「甘い!」 ズバッ!

???「!」

貴虎「ふんっ!」キンッ!

???「!!」

貴虎「はっ!」ズバァッ!
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 22:59:25.16 ID:rpk+8QQG0
???「……」

シュゥゥゥ……

貴虎「終わりだ」

ザシュッ
ジャキン

『ソイヤッ!』

『メロンスカッシュ!!』

ギュオギュオギュオギュオ……
キィィィン……!

貴虎「はぁっ!!」 ズバァッ!

???「……」

ギギギギギ……
ドガーン!!

貴虎「他愛もない……」 ピカーン

スタッ

貴虎(さてと……ん?)

箒「……」

貴虎「……あっ」

貴虎(いつの間に……まさか、はじめからここにいたのか……)

箒「……たか、とら……」

貴虎「っ! 篠ノ之、お前は……」

箒「貴虎……」

貴虎「お前は、憶えて……」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 23:09:45.43 ID:rpk+8QQG0
箒「貴虎ぁ!!」 ダッ

貴虎「っ!」

ギュウーッ

貴虎「ぐぁ!?」

貴虎(急に抱きつかれて、思わず変な声が……!)

貴虎(というか、なぜ急に抱きついて……!?)

箒「貴虎……貴虎っ!」

貴虎「篠ノ之、少し落ち着け……」

箒「今まで……今まで、どこへ行っていたんだ!?」

貴虎「っ、それは……」

箒「急に消えて、また急に現れて!! 私は……私は、どうして今まで……!」

貴虎「篠ノ之……」

箒「……貴虎、お前は……」

貴虎「……心配をかけたな」

箒「……」

貴虎「聞いてくれ。私は……」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 23:20:23.79 ID:rpk+8QQG0
鈴「貴虎ぁっ!!」 ギュウッ

貴虎「っ!? 凰!?」

セシリア「貴虎さーん!!」 ギュウッ

貴虎「オルコットもだと!?」

シャル「貴虎ぁ!!」ギュウッ

貴虎「デュノア……ということは」

ラウラ「貴虎っ!!」 ギュウッ

貴虎「やはりボーデヴィッヒも……お前たち、全員いたのか!?」

ギュウーッ

貴虎「というか、さすがに苦しいから離れろ!!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 23:20:58.95 ID:rpk+8QQG0
それから、しばらく経って


千冬「さて……呉島貴虎」

貴虎「……何だ」

千冬「洗いざらい吐いてもらおう」

千冬「今までどこにいたのか。なぜ急に消えたのか。なぜ再び戻ってきたのか。そして……」

千冬「……なぜ、我々は今まで、お前のことを忘れていたのか」

貴虎「……あぁ、全て話そう」

……貴虎、全てを説明する……

貴虎「……というわけだ」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 23:29:55.18 ID:rpk+8QQG0
千冬「……」

貴虎「……織斑?」

千冬「……つまり、お前は元々別の世界の人間で……その超存在によって、我々の記憶は今まで書き換えられていたと?」

貴虎「あぁ」

千冬「……貴虎」 ガシッ

貴虎「ん?」

千冬「お前、疲れているのか」

貴虎「……は?」

千冬「確かに、今日はいろいろあった。お前が戻ってきたこともそうだが、正体不明のISの襲撃も……」

千冬「そんな日に問いただした、私が間違っていたのかもしれんな」

貴虎「……織斑、私は一言も嘘などついていない」

千冬「何も言うな。疲れのあまり妄想が口をついて出るのは、別におかしなことじゃない」

貴虎「……」

千冬「部屋に戻って休め。この続きは、また後日……精神が良好なときに話そう」

貴虎「……わかった」

貴虎(全く信じていないな……確かに、我ながら突飛な話だとは思うが)

貴虎(しかし、これ以外には説明のしようもない……一体、どうすればいいと言うのだ……)

貴虎(……いや、それ以上に気になることがある)

貴虎(あのときを境に、葛葉紘汰から連絡はない。向こうで何かあったのか、それとも……こちらから、何らかの原因で遮断されたのか)

貴虎(そして、時を同じくして現れた謎のIS……間違いなく、無関係であるはずがない)

貴虎(どうやら、それらの謎を解き明かすまで、帰ることはできなさそうだな……)

貴虎(まぁ、構わない。初めにこの世界に来たときも、俺は最後まで諦めず、向こうの世界に帰ることができた)

貴虎(今回も同じことだ。こちらの世界の歪みを直し、必ず向こうの世界へ戻ってみせる!)
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/26(火) 23:31:00.53 ID:rpk+8QQG0
今回はここまで
次回は『第二話 学園祭』

前作からだいぶ時期が経ってしまった
今回も最後まで付き合ってくれると嬉しい
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/26(火) 23:34:13.00 ID:3nsEXW630
続編見れて嬉しいです!乙
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/26(火) 23:37:36.65 ID:K8yl469H0
おつー。
あの変身プロセスを忘れる人は、はたして居るだろうか?
またこれからよろしく勇気です!
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 03:31:33.57 ID:y4jMUVlbO

忘れてたのはジオウとタイムジャッカーのせいだな!
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 15:43:33.26 ID:+ufWuUHh0
懐かしすぎて涙出てきた
当時リアタイで読んでたわ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 19:57:29.31 ID:2OibMYGo0
それじゃ、続き投下していく
覚えていてくれる人がいて、主任の人気の根強さを感じる

小説や舞台を問わず、お兄ちゃんが使ったアームズは積極的に登場させるつもり
ハイパーバトルDVDもね
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 19:59:22.33 ID:2OibMYGo0
『第二話 学園祭』


ピピピピ
カチッ

貴虎(久しぶりだな、IS学園の寮で迎える朝は)

貴虎(織斑の話によれば、こちらの世界では、昨日が夏休み明け初日の授業日だった)

貴虎(なるほど、葛葉紘汰の言っていた通り……俺がこの世界を去ってから、2ヶ月ほど経った時期に送られたということか)

貴虎(だが……結局、当の葛葉紘汰との連絡はつかないままだ)

貴虎(やはり、この世界の方に何かあるのかもしれない。少し調べてみるか……)

ピンポーン

貴虎(……誰だ、こんな朝から)

ガチャ

箒「おはよう、貴虎」

貴虎「篠ノ之……?」

箒「起きていたか」

貴虎「あぁ。何か用か?」

箒「朝食でも一緒にどうかと思ってな」

貴虎「構わん」

箒「そう答えると思った」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 20:09:43.50 ID:2OibMYGo0
貴虎「しかし、珍しいな。確か部屋が分かれてからは、あまり一緒に摂ることもなかったような気がするが」

箒「……」

貴虎「……篠ノ之?」

箒「……いこう、貴虎」

テクテク

貴虎「……篠ノ之」

箒「何だ?」

貴虎「……近くないか?」

箒「何がだ?」

貴虎「その……距離が」

箒「わざわざ離れて歩く意味もないだろう」

貴虎「いや、それはそうだが……」

箒「……」

貴虎(何かおかしい……どうしたんだ……?)
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 20:20:03.19 ID:2OibMYGo0
食堂


貴虎「……篠ノ之」

箒「何だ?」

貴虎「……なぜ隣で食べる?」

箒「一緒に朝食を摂ることの何がおかしい」

貴虎「テーブル席に、ふたりが横並びというのはおかしいだろう。普通は対面で……」

箒「私はそうは思わない」

貴虎「……一体どうした?」

箒「何がだ?」

貴虎「とぼけるな。今日のお前は、どこかおかしいぞ」

箒「……」

貴虎「……篠ノ之?」

箒「……あのとき、急にお前が消えてから……私は、お前のことを忘れてしまった」

箒「どうして、そんなことになったのか……わからないし、わかりたくないと思っている自分もいる」

貴虎「……」

箒「だが、お前を忘れた後も……私の中に、ずっと何かがこびりついていた」

箒「あのときの、お前からの信頼が……私の中の、お前への想いが……」

貴虎「っ……」

箒「私はそれを、二度と失いたくない……! もう二度と、貴虎のことを忘れたくない!!」

箒「だから……だから、私は……!」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 20:29:11.01 ID:lCcFViUZO
貴虎「……そうか」

箒「……貴虎、私は……」

貴虎「……すまなかった、篠ノ之。知らないうちに、そこまでお前を追い詰めていたとは」

箒「……」

貴虎「そして……感謝する。私のことを、そこまで想ってくれて」

箒「っ!」

貴虎「安心しろ。これから先、お前が再び私を忘れることはない」

箒「……どうして言い切れる?」

貴虎「それは……」

貴虎(なんと答えればいい……馬鹿正直に『俺の存在をこの世界から消さないからだ』などと説明したところで、理解できるはずもない)

貴虎「……根拠はない。だが……だからこそ、私の言葉を信じてほしい」

箒「貴虎……」

貴虎「もう二度と、お前たちが私を忘れることはない。そうならないよう、私は全力を尽くす」

箒「……まったく、お前というやつは……」

貴虎「これでは、納得できないか?」

箒「できるわけがあるか。だが……信じよう。あのときと、同じように」

貴虎「感謝する、篠ノ之。なら、対面に座り直して……」

箒「それとこれとは話が別だ」

貴虎「……」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 20:39:40.16 ID:lCcFViUZO
それから、少し経って


貴虎(昨日から今日にかけて、IS学園では実技テストが行われている。俺がグラウンドに飛来したとき、篠ノ之たちがいたのも、その関係だろう)

貴虎(俺も一応、この学園の生徒だ。となれば、当然このようになる)

鈴「いくわよ、貴虎!」 ピカーン

貴虎(生徒同士の対戦による実技テスト。俺は1組のクラス代表として、2組代表の凰と行うことになった)

鈴「アンタには、聞きたいことが山ほどあるんだから。覚悟しときなさい!」 ジャキッ

貴虎「……変身」 ピカーン

貴虎(そういえば、葛葉紘汰が『装備を追加しておいた』と言っていたな。確認しておくか) ピッ ピッ

貴虎(……ほう、これは。随分と豊富に用意してくれたものだ)

貴虎(だが……ひとつだけ、ロックされている装備がある。まさか、銀の福音[シルバリオ・ゴスペル]のときの『アレ』か……?)

鈴「なーに黙ってんのよ。もしかして、久しぶりの対戦に怖気づいた?」

貴虎「凰」

鈴「……何よ、改まって」

貴虎「お前には悪いが、新しい装備の試用相手になってもらう」

鈴「はぁ?」

貴虎「加減を間違えるかもしれん。注意しておけ」

鈴「加減? ……アンタ、手加減するつもりだったの?」

貴虎「そうでなければ、お前はテストになるまい」

鈴「っ……アッタマきた。その言葉、後悔させてあげる!!」

『それでは両者、試合を開始してください』
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 20:49:33.60 ID:lCcFViUZO
鈴「ハァッ!」 ドウッ

貴虎(やはりそうだ。あいつは、俺が近接が得意なことを理解している)

貴虎(だからこそ、開幕直後に空中へ飛び上がり、俺と距離を取る。そうして遠距離から、得意の龍咆で攻撃を仕掛けてくる)

貴虎(そうくると思ったいた。だからこそ……) ピッ

貴虎(この隙に、俺は準備ができる) カチャ

ガチャッ
キュイン

『ブドウ』

ジジジジ……
ヒュゥゥ……

鈴「来たわね……って、アレ? メロンじゃない!?」

ガチャッ
キュイーン

『ロックオン』

プォォォ……

貴虎(どうやら、あいつも気がついたようだな)

ザシュッ
ジャキン

『ソイヤッ!』

ヒューン
ズボッ

鈴「もしかして……それが『新しい装備』ってこと?」

ガシャッ
キュイィィィン……

『ブドウアームズ!』

ガシャン!
カンカンカァン!

『龍ッ砲! ハッハッハッ!!』
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 21:00:02.91 ID:lCcFViUZO
貴虎(光実の着けている、ブドウの鎧……以前にも、一度だけ試したことがあった)

貴虎(もっとも、そのときは採用を見送ったが……銃より刀の方が扱いやすいからな)

貴虎(だが、新たな問題が発生している以上、今はあらゆる状況に対応できるよう準備しておかなければならない)

貴虎(そして、俺が埋めるべき穴は……!) ドウッ

鈴「っ、飛んだ!」

貴虎(飛行だ!) カチャ

斬月『装備展開:ブドウ龍砲』

貴虎「……」 バキュン!

鈴「しかも銃撃!?」 サッ

貴虎「ハッ!」 バキュバキュバキュン!

鈴「っ、ハァッ!」 バシュン! バシュン!

ドカーン!

鈴「面白いじゃない……アタシに空中で、それも銃撃戦を仕掛けてくるなんて」

鈴「この甲龍(シェンロン)の装備と特徴、忘れたわけじゃないんでしょ?」

貴虎「……」

鈴「いいわ。だったら、お望みどおり……」

鈴「アタシの龍咆、嫌ってほど味あわせてあげる!!」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 21:00:49.28 ID:lCcFViUZO
ところ変わって


真耶「2学期初の実戦……気合い入ってますね、ふたりとも」

千冬「……あぁ」

真耶「この試合も、いつも通り、呉島くんが優勢ですね」

千冬「いや、どうだろうな」

真耶「え?」

千冬「これまであいつが圧倒的な強さを発揮してきたのは、地上での接近戦。だが今、あいつは空中で銃撃戦を仕掛けている」

真耶「えっと……つまり、実力が発揮できていないということですか?」

千冬「あいつ自身も、その『実力』とやらを知ろうとしているのだろう」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 21:09:45.10 ID:lCcFViUZO
アリーナ


鈴「ハッ!」 バシュン! バシュン!

貴虎「……」 サッ サッ

貴虎「……っ!」 バキュバキュン!

鈴「っ、ハァッ!」 バシュン!

ドガーン!

貴虎(甘い弾は避け、避けきれない弾は龍咆で相殺する。そして、こちらが隙を見せれば、すかさず龍咆の追撃……)

貴虎(やはり俺が勝つには、懐に飛び込む必要がある。そのためには……) ドウッ

貴虎(銃撃を加えつつ、一気に飛んで距離を詰める!) バキュバキュバキュン!

鈴「っ……ふーん、そういうこと……」 バシュン! バシュン!

鈴「けど……甘いわ!」 ピカーン

ガシッ

貴虎(来たか、凰の近接武器……)

鈴「いくわよ!」 ドウッ

貴虎(あの2本の青龍刀を、無双セイバーのみで凌ぐのは難しい。だが、他のアームズに変更する暇もない)

貴虎(ならば……) ピカーン

ガシッ

斬月『装備展開:無双セイバー』

貴虎(凰の『実力』にかけてみるか)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 21:20:24.87 ID:2OibMYGo0
鈴「そんな刀一本じゃ、この双天牙月は防げないわよ!」

貴虎「誰が防ぐと言った」

鈴「えっ?」

貴虎「この距離なら、避けれまい!」 ガチャ

貴虎(ウェポンの撃鉄を引き、エネルギーをチャージ……!)

貴虎(そして……至近距離で、放つ!!)

キィィィ……!

鈴(刀を装備したのは、フェイントってこと!?)

貴虎「ハァッ!!」 バキュゥウウ!!

鈴「っ! 舐めんなぁ!!」 バシュン!

ドガーン!!

鈴「ハァ、ハァ……どうよ、当たらなかったわね!」

「あぁ、期待通りだ」

鈴(っ! 後ろ!?) グルッ

貴虎「……」 チャキッ

『イチ……ジュウ……ヒャク!』

鈴「なんで、いつの間に……!?」

『ブドウ・チャージ!!』

貴虎「ハァッ!!」 ズバァッ!

鈴「きゃぁぁああああ!!」ドーン!

ブーッ

『試合終了。勝者、呉島貴虎』
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/29(金) 21:29:43.36 ID:2OibMYGo0
貴虎「大丈夫か、凰」 ピカーン

鈴「ねぇ……最後のアレ、何?」

貴虎「お前の実力を利用させてもらった。あの一撃は確かに本気だったが、お前なら防いで見せるだろうと信じていた」

鈴「……最初っから、アタシに龍咆で相殺させて、その爆煙と爆風を利用するつもりだったのね。そうやって目隠しして、その隙にアタシの背後へ回り込んだ」

貴虎「その通りだ。銃撃戦では、お前に勝つのは難しい……そう判断せざるを得ないほど、お前は強かった」

鈴「……勝者のアンタに言われても、何か複雑だわ」

貴虎「悔しいのなら、また挑んでこい。いつでも相手になってやる」 スタスタ
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