【P5x俺ガイル】八幡「やはり俺の友達は9股するなんてまちがっている」続

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62 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:48:26.96 ID:+9mh/Azpo
志帆「全くもう!蓮に口説かれたってあとで杏に言っちゃうよ?」

蓮「勘弁して」

志帆「うわっすごい早口…ふふっ。あのね、実は蓮の隣のクラスなんだよ。知ってた?知らなかったでしょ?」

蓮「全くわからなかった。そうなのか?」

志帆「そうでーす!お隣さんでしたぁ。これからちょくちょくお話しようね蓮?」

蓮「ああ、よろしくな」

ピロリン
63 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:49:07.16 ID:+9mh/Azpo
志帆「呼び出し…かな?」

蓮「ああ。そろそろ行かないと。じゃあ志帆、また明日」

志帆「うん。またね蓮。今日はお話出来て嬉しかった。蓮とこんなに話したの初めてだし……誰かとじっくりお話したのも久しぶりだったから…」

蓮「…そうか。俺も嬉しかったよ。志帆にまた会う事が出来て」

志帆「私もだよ……///」

蓮「それじゃあまた。次は俺が会いに行くから」

志帆「あははっ。うん、お隣で待ってるね!」
64 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:49:55.63 ID:+9mh/Azpo
ー正門前ー

ざわざわ・・・ざわわ・・・美人だな…ざわ・・・ざわ・・・高そうな車…ざわわ・・・ざわ・・・Sじゃね?ぜってーSじゃね…?

蓮「お待たせしました」

冴「大丈夫よ。さ、乗って」

蓮「はい」

ブロロロロ……

ざわ・・・ざわわ・・・今の人って例の噂の…?ざわわわ・・・ざわ・・・さすが雨宮さんあんな年上美人も…ざわん・・・ざわわ・・・雨宮さんMなんじゃね…?


平塚「さっきの車は……冴…?」
65 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:50:40.90 ID:+9mh/Azpo
ー四茶へ向かう高速 冴の車内ー


冴「真からもチャットあったと思うけど、ついに黒幕の尻尾を掴んだの」

蓮「誰なんですか?」

冴「それなんだけど……ん?猫ちゃんバッグ出たがってるんじゃないの?」

蓮「あ、モルガナ」ジジジジー

モルガナ「ぷっはー!シャバの空気は最高だぜぇ!」

蓮「シャバというか車内だけどな」
66 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:51:30.36 ID:+9mh/Azpo
モルガナ「細かい事はいいんだよ!それより黒幕の正体が判明したんだよな?」

冴「やっぱり何か会話してるように見えるわね。不思議。詳しいことはルブランで話すわ」

蓮「わかりました」

モルガナ「それにしてもあいつら寂しがってたんじゃねえか?ワガハイがいないとなぁ」

蓮「そうかもな」

冴「その猫…何て言ってるの?」

蓮「みんな寂しがってたんじゃないかって」

冴「なるほど。そうね、それは間違いないと思うわ」
67 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:51:56.06 ID:+9mh/Azpo
ールブラン店内ー


カランカラン…

竜司「おー!!!れんれんー!!!」

祐介「久しいな」

双葉「うぉお〜おかえり〜!」

杏「ひっさしぶり!」
68 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:52:29.77 ID:+9mh/Azpo
真「顔を見るとやっぱり安心するわね」

春「元気にしてた?」

惣次郎「おいおい、お前らそんな一気に聞いても答えらんねえだろ。しょうがねえなあ」

蓮「久しぶり、みんな」

冴「じゃあ私は車置いてくるわね」

モルガナ「………ワガハイには何もねえのかよ!」
69 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:52:57.50 ID:+9mh/Azpo
ーれんの現況説明中ー


竜司「んだよそれ……クソが!!」

祐介「無関係な場所にまで前歴か……やりきれんな」

杏「そっちでも居場所がないなんて…」

春「どこもそういうものなのかしら…?」

双葉「ありえねー!そんな事する犯人は公開処刑だ!!」
70 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:53:35.59 ID:+9mh/Azpo
真「噂が出ては消えての繰り返し…相当酷い所みたいね」

蓮「そうでもない。新しい友達も出来た」

冴「まさかそんな事になってたなんて…思ったよりも良い状況ではなかったのね」

モルガナ「まあな。だが何も悪い事ばかりじゃなかったぞ」

竜司「いや悪い事しかねえじゃねえかよ。友達が出来た事ぐれえでよ」

惣次郎「お前も苦労してんだな…ほら、飲めよ」コトッ

蓮「ありがとうございます」
71 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:54:13.10 ID:+9mh/Azpo
モルガナ「まずその友達についてなんだが…なんとあっちの世界の経験者だ」

真「それって…パレスの事?」

モルガナ「ああ。前にカネシロをやっただろ?あの時にアホリュージがイセカイナビ起動させた時に巻き込まれてたんだ」

竜司「マジかよ!?」

祐介「やはり気をつけるべきだったな」

双葉「リュージが悪い」

竜司「うるせぇ!お前そん時まだいなかったじゃねーか!」

杏「そういう問題じゃない!」
72 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:54:56.18 ID:+9mh/Azpo
真「そうね。そういう問題じゃないわ。やはり下手に起動するのは避けないといけないのよ」

春「あの、私はその時の状況がわからないんだけど…どこで起動させたの?」

杏「ハチ公像の前」

全員「………」


双葉「リュージ弁護の余地なーし!」

竜司「うっせ!つかお前らも起動しちまえって感じだったじゃねーか!」
73 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:55:25.42 ID:+9mh/Azpo
祐介「だがちょっと待て。ナビはパレスやメメントスといった”異世界”を認知か認識していないと入れないものじゃなかったのか?」

モルガナ「それは…どうだろう?それだと初めてパレスに入った時のレンとリュージの説明がつかないぞ?」

真「そうよね。ただ何にでも例外はあるから2人の場合は何かが違っただけじゃないかしら?」

竜司「そういや鴨志田ん時に杏がパレス来ちまってたよな?」

杏「うん、そう」

真「どういう状況だったの?」
74 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:56:03.37 ID:+9mh/Azpo
杏「あの時は蓮と竜司を尾行して…それで、2人がビルの隙間で何か怪しい動きしてて…で、気付いたらパレスだったの」

春「やっぱり周囲を巻き込んでしまうのね」

モルガナ「ああ。アン殿がパレスに入って来ちまった時から巻き込み注意しようって事になってたが。リュージがアホだからそれを忘れてカネシロの時にやっちまったわけだ」

竜司「うっせぇ!アホは余計だろが!」

双葉「………」

蓮「双葉どうした?」

双葉「ん?うーん」
75 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:56:36.85 ID:+9mh/Azpo
真「何か思い当たる事でもあった?」

双葉「おそらくだが…そいつの場合は蓮たちを認識したままだったから巻き込まれたんじゃないか?ってのが私の仮説」

春「認識?」

真「なるほどね」

竜司「あ?どういうこった?わかるか?」

杏「私にふらないでよ」

祐介「どういう事だ?」
76 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:57:04.20 ID:+9mh/Azpo
双葉「まずそいつが蓮を見る。蓮と一緒にいる全員を見る。あそこに固まって何してるんだ?と見続ける。これはつまり認識だ」

真「その認識を持ったままの状態でナビが起動された…だから私たちを通して異世界を認知する形になって、巻き込まれてしまった。という事ね?」

双葉「そうだ。それなら杏が意識的にしろ無意識的にしろ、パレスに巻き込まれたのも納得いく。つじつまもあーう!」

モルガナ「やるなぁフタバ」

双葉「ふふん!」

冴「マスター。この子たちの話わかります?」

惣次郎「いんや、さっぱりだ」
77 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:57:45.69 ID:+9mh/Azpo
双葉「あっちの世界は認知の産物だからな。私らが気付いてないだけでこれまで巻き込まれた人間がいないとも限らない」

祐介「実際その新たな友人が巻き込まれてしまっているしな」

竜司「あのよ、そいつって…俺らの正体知ってたりすんのか?」

蓮「それはないと思う。あの格好だし、4〜5人が走って行くのを見たという程度だったようだし」

真「周囲にはこれまで以上に用心しないといけないわね」

春「そうね。そのお友達はあっちの世界に入って不安じゃなかったのかな?」
78 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:58:46.88 ID:+9mh/Azpo
杏「いきなり異世界に1人ぼっち……不安じゃないわけないよね…」

全員「………」

祐介「何にしてもシャドウに襲われたりしていなかったのは幸いだな」

モルガナ「そうだな。もしそうなってたらワガハイらの責任はとんでもないものになってたぞ?下手したらこっちの世界で生きてる人間なのにシャドウになってた、なんて事も」

真「そうね…」

全員「………」
79 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 13:59:28.97 ID:+9mh/Azpo
冴「ところで本題には入らないの?そのために彼を呼んだんでしょ?」

真「いけない、そうだったわ」

モルガナ「ワガハイらがいない間もちゃーんとやる事やってたんだろうな?リュージ」

竜司「なんで俺だけなんだよ!ってな、いつもキレ返すとこだが………聞いて驚け!」

双葉「黒幕がどこの誰かがわかったぞ」

蓮「誰なんだ?」
80 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:00:12.84 ID:+9mh/Azpo
竜司「だぁー!!美味しいところ持っていきやがって双葉ぁ!」

杏「竜司うるさい!」

冴「それは私も聞いていなかったのよ。誰なの?」

双葉「ふっふっふ………まあまずはこれを聞け。こないだ真犯人と黒幕の通話を録音したやつだ。説明はまずこれを聴き直してからだ」



??『………終わりましたよ……』
81 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:01:05.16 ID:+9mh/Azpo
ー奉仕部部室ー


結衣「久しぶりにこの3人だけだね!ていうかれんれん帰っちゃったね?」

八幡「何でそれを俺に向かって言うんだよ」

結衣「だって……ねぇ?ゆきのん」

雪乃「ええ。でもあまり触れないであげましょう?由比ヶ浜さん。ほも谷くんが寂しがって泣いてしまうかもしれないから」

八幡「…お前らなぁ…。そんな事より相模の事だ」

結衣「どうするの?あんな噂あのままにしとけないもんね?」

雪乃「私に1つ提案があるのだけれど。聞く気はあるかしら?」

八幡「珍しいな。つかそういう言い方ないだろ…ちゃんと聞く男だぞ?俺は」
82 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:01:41.42 ID:+9mh/Azpo
結衣「ヒッキーがヒッキーらしくない事言った!?」

八幡「別に普通だろこんなの」

雪乃「さすが雨宮くんね」

八幡「何というか…お前の中であいつの扱いやたら上位じゃないか?」

結衣「言われてみれば確かにそうかも!なんで?」

雪乃「えっそれは…」
83 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:02:20.41 ID:+9mh/Azpo
結衣「あ!もしかしてゆきのん…ひょっとして!?」

八幡「由比ヶ浜。残念ながらその先を言っても無駄だと思うぞ」

結衣「え?なんで?」

八幡「おそらく答えはあれだ」

結衣「………あ!後ろの机にパンさん置いてある!」

雪乃「うっ…」
84 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:02:57.99 ID:+9mh/Azpo
八幡「あれは修学旅行ん時のホテルで見たやつだな。雪ノ下の事だから買うとは思ってたが」

雪乃「ええ、そうよ。それが何か?」

結衣「ゆきのんが買ったやつなら別に関係ないんじゃないの?」

八幡「自分で買ったやつならな。だがあれは蓮にもらったもんだ。そうだな?」

結衣「え?そうだったの?」

雪乃「ええ、そうよ。それが何か?」

八幡「お前…自分の分が悪くなるとそんな感じでうやむやに……ってまあいい。それより本題だ。お前のその提案っての聞かせてくれ」

雪乃「こほん」
85 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:03:32.12 ID:+9mh/Azpo
雪乃「今の現状からまずは整理しましょう」

雪乃「海老名さんの依頼は修学旅行の時に解決したわ。よって残るは雨宮くんの依頼のみ」

雪乃「彼の依頼は噂を消滅させたいというもの」

雪乃「これは今の状況ではかなり難易度の高い依頼になってしまっているわね。なぜなら比企谷くんという存在が噂にブレンドされてしまっているせいで、噂の上塗りと更新を続けているから」

雪乃「彼の希望する噂の消滅、最初は前歴という悪い噂に対してのものだったのだけれど、今やその中身はめちゃくちゃね」

雪乃「前歴についての噂はすっかり鎮火したと言っていいでしょう。ただし、今言ったように噂そのものは決して消滅していない」
86 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:04:14.19 ID:+9mh/Azpo
雪乃「ではなぜ彼を取り巻く噂は更新され続けてしまうのか?それは事あるごとに相模さんという病原菌の存在が全ての元凶」

雪乃「インフルエンザ注意報が出ている日の如く、爆発的に噂というウイルスを撒き散らしているわ」

雪乃「なぜ相模さんは自らそんな病原菌を演じているのかしら?それはおそらくあの文化祭に起因していると思うわ」

雪乃「相模さんとその取り巻き2名はあの文化祭以降、密かにその格を落としているようよ」

雪乃「どこかの愚かな姉の一言にまんまと踊らされた結果、自分の器量を勘違いし、周囲に迷惑を振りまいた。私がそれとなく調査した結果、彼女に対する印象は人によって全く違うけれど、方向は似ているという事がわかったわ」
87 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:04:54.67 ID:+9mh/Azpo
雪乃「まず相模さんを知らない人間は彼女に対して当然、何の印象も持っていない。でも文化祭での失態についての違和感は持っている。微々たるものだけれど」

雪乃「では相模さんと親しい人間はどうかというと、一言で言えば上辺だけの付き合いとしか思えない印象ばかりが目立つわ。相模さんがどういう人間かを知る親しい人ほど、彼女に対して心を許していない」

雪乃「最後にあの文化祭実行委員の人間から見た印象。それはもちろん、最悪なもの。ついでに言ってしまうけれど、彼らから見たあなたの印象はそこそこ良いものだったわよ比企谷くん?」

雪乃「以上の事から、相模さんを殺菌するにはとても単純な手札が切れるわ。病原菌には病原菌をぶつけるの」

雪乃「彼女に関する噂を拡散させて雨宮くんの噂を消滅させる方法。その内容はもちろんこれまでの全ての噂を凌駕する内容で。これが一番すっきりと溜飲を下げる方法だと思うのだけれど。どうかしら?」
88 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:05:43.20 ID:+9mh/Azpo
結衣「………えぐい!ゆきのんえぐい!悪のんだ!」

八幡「すげえなお前…マジ悪のんだわ…」

雪乃「あら心外ね?これでもかなり抑えた方よ。それでどうかしら?アイデアなし谷くん。あなたの感想は?」

八幡「なんだそれ逆に呼びづらいだろ…。そうだな、確かに相模を潰すにはもってこいの提案だ」

結衣「でも…いいの?そんな事したら、さがみんしんどいんじゃ…」

雪乃「あまりこういう言葉は使いたくないのだけれど…。由比ヶ浜さん、あなたはどちらの味方なのかしら?」

結衣「え!?」

八幡「まあ…そうなるよな」

結衣「ええ!?」
89 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:06:38.90 ID:+9mh/Azpo
八幡「俺は当然、蓮の味方だ。そもそも相模は嫌いだしな。せっかくお膳立てしてやったのに……恩を仇で返しやがってあのクソアマ…」

雪乃「言葉が汚いわよ汚谷くん。でも私も同感だわ。はっきり言って彼女の肩を持つ理由も道理も利も意味も気持ちもないもの」

結衣「うーん…そうかもだけど…でもぉ…」

八幡「とりあえず由比ヶ浜、お前しばらくここに来るな」

雪乃「そうね、それがいいと思うわ」

結衣「えっ!?そんな…」

八幡「お前のために言ってやってるんだ。お前の事だから俺たちのやろうとしてる事を知れば知るほど1人で思い悩むだろ。いいヤツだからな、お前は」

雪乃「そうね、同感だわ」
90 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:07:12.74 ID:+9mh/Azpo
結衣「ヒッキー…ゆきのん…」

雪乃「いい?由比ヶ浜さん。相模さんは自分の存在を持ち上げたいがためだけに他人の粗を探して噂に仕立てているの。そしてその噂を共通の話題にして勝手に笑いものにする」

雪乃「彼女が周囲と仲良く話しているように見えるとしたら、それは同じ話題で盛り上がっているその場限りのものなの。ならその話題がなくなってしまったらどうなるかしら?」

雪乃「誰も彼女と話さないと思うわ。比企谷くんと雨宮くんのように、親しく話す話題なんていくらでもあるはず。でも彼女にはそれがないの。だから自分が存在していい場所を作りたいがために人を貶め続けるの」

雪乃「言っておくけど今は雨宮くんたちがメインだけれど、あなたや私が噂の種にされてもおかしくないのよ?私たちが相手にするのはそういう人間なの」
91 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:07:48.15 ID:+9mh/Azpo
結衣「………」

八幡「雪ノ下の言う通りだ。今は俺らが話の種。だが誰もがその種にされかねない。種にされたくないから積極的に相模演出の噂を漁り、貪る」

八幡「お前はそれに耐えきる自信あるか?蓮のようにどこへ行ってもヒソヒソされるんだぞ?」

雪乃「由比ヶ浜さんは優しい人だから。だからあんな人間に対しても同情してしまうのでしょう?そういう意味でも、あなたはしばらく私たちと距離を置いた方がいいと思うのだけれど」

八幡「由比ヶ浜、そうしたらどうだ?」
92 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:08:33.39 ID:+9mh/Azpo
結衣「……私…私は……」

ガラララッ


平塚「入るぞー」

雪乃「先生ノックを」

平塚「まあまあ。それよりお客さんだ」
93 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:09:12.17 ID:+9mh/Azpo
城廻めぐり「お邪魔するね〜」

一色いろは「失礼しまぁ〜す」

八幡「………」

結衣「………」

平塚「おや……なんだね?取り込み中だったか?」

雪乃「ええ、すみませんが日を改めて下さい」
94 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:10:04.37 ID:+9mh/Azpo
平塚「まあそう堅いことをいうな。こいつらの話だけでも聞いてやっ」

八幡「平塚先生。すんません、マジ帰ってください。本気で空気読んで下さい」

平塚「………」

めぐり「あの〜…………じ、じゃまたにしましょ?ほらほら、一色さんも」

いろは「あっはい…失礼しましたぁ」

平塚「…わかった。ではな」

ガラララッ……パタン
95 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:10:39.15 ID:+9mh/Azpo
雪乃「まだ考えたいなら時間を与えるわ。と言っても今日この放課後中という程度の時間しかあげられないのだけれど」

八幡「そうだな。明日から俺たちは行動に移す。いいよな?雪ノ下」

雪乃「ええ、もちろんよ。おおよそすべき事も考えてあるわ。何ならこれから仕込みを始められるほどよ」

八幡「そうか。じゃ、いっちょ盛大なブーメランをあいつに返してやるとするか」

雪乃「ええ」

八幡「ここで話すのも何だ、場所を変えないか?」

雪乃「場所ね…と言ってもこれといってめざとい所が思い当たらないのだけれど」

八幡「そうだな…外だと誰に聞かれてるかわからんしな……どこか…」

雪乃「…仕方ないわ。うちにいらっしゃい」

八幡「え!?マジか?いいのか?」
96 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:11:23.23 ID:+9mh/Azpo
雪乃「仕方ないもの。私だって彼に恩があるの。可能な限り早急に決着を付けさせてあげたいと思っているわ」

八幡「そうか…わかった。じゃあ邪魔させてもらうな」

雪乃「構わないわ。そのかわりカマクラくんを連れてこないくせにうちに来るなんてありえないから。そこを忘れないようにだけしてもらいたいのだけれど?」

八幡「よく覚えてやがんな…わーったよ、連れてく。じゃあ一度解散だな。由比ヶ浜、ここの鍵はお前に渡しとく。いいよな雪ノ下?」

雪乃「ええ、そうしましょう。由比ヶ浜さん、これ鍵ね」

結衣「あ…うん……」

八幡「由比ヶ浜」

結衣「なに?ヒッキー…」
97 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:12:01.65 ID:+9mh/Azpo
八幡「いいか?周りをしっかり見て、今の自分の状況から自分のすべきことを導き出せ。敵が前なら味方は後ろだ」

八幡「お前はアホの子だが、やれば出来る。お前は雪ノ下の好きなものも熟知してるほど仲良いだろ?それにお前はいいやつだからな」

結衣「そう…かなぁ…?」

雪乃「あなたなら大丈夫だと思うわ。またね、由比ヶ浜さん」

結衣「うん…ばいばい……」


ガラララッ………パタン…
98 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:12:55.06 ID:+9mh/Azpo
結衣「ヒッキー……ゆきのん…」

結衣(私だって…一緒に……でも…)



八幡『お前はいいやつだからな』



結衣(えへへ…嬉しいなヒッキーにあんな風に言ってもらえて…)

結衣(私がすべきこと…導き出さなきゃいけないこと…)
99 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:13:49.51 ID:+9mh/Azpo
コンコン…

結衣「はぁい…誰?」

ガラララッ

結衣「あ………」




??「こんにちは、結衣ちゃ〜ん………ククククッ……」
100 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:14:33.07 ID:+9mh/Azpo
ールブラン店内ー


蓮(……あの声、どこかで…)

冴「なるほどね、あの男が黒幕。十分ありえるわ」

惣次郎「………」

祐介「まさに黒幕と呼ぶに相応しいな。地位、権力、人物像と申し分ない」

竜司「よっしゃあ!やっちまおうぜ!!」

モルガナ「意気込みはいいが先にナビを見てみろ。ちゃんとパレスあるんだろうな?」
101 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:15:09.55 ID:+9mh/Azpo
双葉「それならぬかりなし!やつにはちゃーんとパレスが存在してる。あとは場所とキーワードだけだ」

真「場所にキーワードね。どういった思考を持ってるのかしら?」

春「イメージ的には接待とか…そういうのじゃない?」

杏「うわぁ…いかにもな感じ」

蓮「………」

モルガナ「おい、どうしたレン?」
102 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:15:43.78 ID:+9mh/Azpo
蓮「いや、なんでもない。そういえば、杏?」

杏「うん?なに?」

蓮「志帆すごく元気だったよ」

杏「そっかぁ志帆そんなに元気だったんだ?良かったぁ……………じゃなぁーーーーーーい!!!!」

蓮「??」

杏「何よそのキョトン顔は!?どういう事!?なんであんたが志帆のこと志帆って呼び捨てにしてんの!?意味わかんない!!」

モルガナ「落ち着けってアン殿!向こうに行って悪くなかったって事の理由がそれだよ。な!レン?」
103 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:16:19.49 ID:+9mh/Azpo
蓮「びっくりしたよ隣のクラスだから」

杏「はぁ!?よりによって隣のクラス!?何で今までそんな大事な事黙ってたのよ!?」

蓮「流れってあるから」

杏「そんなのどうでもいいっての!!!」

竜司「つか鈴井もそっちだったのかよ…なんだこれ偶然か?何かこえぇな…」

祐介「鈴井さんというのは前に言ってた鴨志田絡みの子の事だな?」

モルガナ「ああそうだ。アン殿の親友だ」
104 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:16:56.72 ID:+9mh/Azpo
真「え…?鈴井さんが転校した先にたまたま蓮も転校?こんな偶然ってあるものなの…?」

春「なんだか…運命めいたものを感じちゃうよね」

杏「だめだめ!志帆はだめ!あんたに志帆はだめだってば!!!」

蓮「あきらめるのか?」

杏「は!?何を!?」
105 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:17:52.89 ID:+9mh/Azpo
冴「鈴井志帆さんというと鴨志田から直接暴力を受けてた子よね?」

惣次郎「なんだ?どういう話の流れになってんだ?おい双葉?」

双葉「私に聞くな!私もよくわからん」

モルガナ「怪我の痕っぽいの見当たらなかったし、ほんと元気そうだったぞ?だから心配いらないぞアン殿!」

杏「モルガナは黙ってて!」

モルガナ「そっそんなぁー…」

蓮「あきらめるのか?」

モルガナ「だから何をだよ!?」
106 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:18:37.28 ID:+9mh/Azpo
春「鈴井さんとどんなお話したの?」

竜司「そうだな。元気そうだったんだろ?どんな感じの再会だったよ?」

蓮「帰ろうとしたら声かけられて色々話した」

双葉「うーん。なんて簡潔な説明」

真「あなたが流暢に話す事なんてあるのかしら?見てみたいわね」

モルガナ「結構シホと色々喋ってたよな?長台詞がいくつもあったぞ?」
107 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:19:17.28 ID:+9mh/Azpo
杏「ちょーいちょいちょいちょい。えっとぉ、なになに?私とはいっつも簡単な話で終わるのに?志帆とは長台詞で話したんだ?へぇ〜?」

真「へぇ、そうなのね?一体どんなお話をしてたのかしら?私もじーーーーーー……っくり話してみたいわ」

春「長台詞ってどれぐらいの長さだったのかなぁ?モナちゃん?」

モルガナ「えっ!?ええぇぇっと………それはそのぉ……すまん、レン。ワガハイ、去る……」

双葉「蓮にデバフが重なるーぅ!モナ退場で蓮のソロプレイ!おまけに包囲でピーンチ!!」

竜司「何かよくわかんねぇけどお前ら楽しそうだな」
108 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:19:59.23 ID:+9mh/Azpo
祐介「ふむ、一匹の獣を囲む3頭の野獣か。この構図…まさに弱肉強食。下書きせねば!」

蓮「くっ…………………ペルソナーァ!!!!」バッ!!

杏「はあ?!ふざけんな!ペルソナッ!!!!!!!!」ブチッ!!

真「許さないんだからね!!!ペルソナ!!!!!!!!」ブチッ!!

春「ペェェェェェェェェェェルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥソォォォォォォォォナーーーーーーーァァァァァァァ!!!!!!!」ブチッ!!

竜司「今、現実だぞ?ペルソナ出ねぇから…。あとうるせーぞ近所迷惑だ」
109 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:20:49.99 ID:+9mh/Azpo
ー奉仕部部室ー


結衣「さがみん…なんでここに…」

相模「えっとぉ…結衣ちゃんに相談があって来たんだぁ」

結衣「私に相談って…どんなの?」

相模「うん。ほら、うちってさ?何か誤解されちゃってるみたいじゃない?だからぁ、結衣ちゃんに仲を取り持ってほしくって」

結衣「えぇっと…それってどういう意味なのかなぁ?」

相模「うち、雪ノ下さんとちゃあんとお話して、仲直りしたいの☆だから協力して?してくれるよね?」
110 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:21:26.83 ID:+9mh/Azpo
結衣「ええっと…そういう事なら私じゃなくってヒッキーの方が上手くやれるんじゃないかなぁ…って」

相模「だーめ。うちの味方は結衣ちゃんしかいないから…ね?いいよね?」

結衣「いやいやでもほら、私ってバカだし!役に立てないと思うよ!」

相模「そんな事ないよぉ〜!結衣ちゃんだったらうちの味方、してくれるよね?」

結衣「でもほら、どうかなぁ…?あはは……」

相模「……チッ」

結衣「え…舌打ち!?」
111 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:22:03.90 ID:+9mh/Azpo
相模「あーもういいわ。いいから黙って手伝いなさいよ」

結衣「何かさがみんキャラ変わってない…?」

相模「変わってねえよ元通りだよ。うちの素はこっち。わかる?由比バカ浜さん」

結衣「ちょ……ちょっと何それ!何で私がそんな言われ方されなきゃ」

相模「うっせんだよ黙れよ」ギロッ

結衣「ひっ……」
112 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:22:37.98 ID:+9mh/Azpo
相模「いいからあんたは黙ってうちの言う通りにしてりゃいいわけ。そしたらそれなりに良い思いさせたげるからさ」

結衣「………」

相模「ほんとは葉山くん横取りする時のために取っといた作戦だけど…まいっか。あの2人があんなにうちを敵視して何かしようってんなら先にやっちゃうしかないよね」

結衣「まさか…さっきの話聞いてたの!?」

相模「ククククッ……」ニタァ

結衣「ひっ!?」ゾワッ
113 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:23:20.07 ID:+9mh/Azpo
相模「ねえ結衣ちゃん。あいつら酷いと思わない?」

結衣「なんで…?」

相模「だってぇ、なぁんの証拠もないのにうちを犯人にしようとしてるんだよ?これって酷いよね?」

結衣「でもそれは…だってさがみん……相模さんがいけない事するから…」

相模「あぁ?だからさ、その証拠なんかねえだろっつってんのよ!」ドカッ

ガターン!
114 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:23:49.60 ID:+9mh/Azpo
結衣「ひっ!?」

相模「これ雪ノ下さんの椅子だっけ?ごめんね蹴飛ばしちゃったぁ〜。まあいいや。あははっ、こんなの外にぽーい!」ブンッ

結衣「………」


ヒュー…
…ガコッ…
115 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:24:21.78 ID:+9mh/Azpo
相模「あんさぁ、結衣ちゃん。あいつらよりうちに付いた方が身のためだよ。結衣ちゃん空気読めるでしょ?だからどっちに付くべきかわかるよね?」

結衣「私は…」

相模「じゃいいの?あいつらより先にあんたの噂作って流されても。いいっての?」

結衣「そっ…それは!嫌、かも…」

相模「でしょ?じゃどうすればいいかわかるよね?」

結衣「けど…だけど…私は…」
116 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:25:07.69 ID:+9mh/Azpo
相模「………うざいなぁ。ここにうちがいる時点で、あんたに選択肢なんかないんだよ。それぐらいわかんないわけ?」

結衣「………」

相模「あんたはうちの言う通りに動くだけで誰からも変な目で見られたりする事はないわけ。保証してあげる。うち優しいから☆」

結衣「………」

相模「だから。ね?話に乗っときなって」

結衣「………」

相模「あいつらだってさ、あんたが思ってるほどの人間じゃないと思うよ?仲良しと思ってるのはあんただけ。あいつらにとってあんたは沢山いる知り合いの中の1人」

結衣「………」

相模「でも大丈夫だよ?結衣ちゃん。私だけはあなたの味方だから。守ってあげる。約束するよ」
117 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:25:42.78 ID:+9mh/Azpo
結衣「味方…?」

相模「そう、味方。私が味方だからあいつらは敵なの。それぐらいわかるよね?あんたのバカな頭でも」

結衣「敵……味方…」

相模「そろそろ答えてくんない?もちろんうちに協力してくれるよね?」

結衣「………」



八幡『敵が前なら味方は後ろだ』
118 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:26:20.42 ID:+9mh/Azpo
結衣「………」

相模「何?そんなに真っ直ぐ見つめられると照れちゃう〜……ククククッ!!」



八幡『お前は雪ノ下の好きなものも熟知して』



結衣「………」
119 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:27:02.09 ID:+9mh/Azpo
結衣(あれってきっとヒッキーのヒントなんだ)

結衣(ヒッキーの事だからこうなることわかってたんだ)

結衣(だから多分ゆきのんも…)

結衣(ちゃんと考えてみたらおかしいもんね)

結衣(いくらなんでも2人がいきなりあんな風に相模さんの事言ったりするなんて)

結衣(周りを見て………前じゃなくて後ろで……)
120 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:27:45.48 ID:+9mh/Azpo
結衣「………」ガタッ

相模「ん?どしたのいきなり立って。どうするか決めたわけ?」

結衣「うん……」

結衣(………)



八幡『今の自分の状況から自分のすべきことを導き出せ』

雪乃『あなたなら大丈夫だと思うわ』
121 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:28:17.61 ID:+9mh/Azpo
結衣「…わかった。何したらいい?」

相模「そうこなくっちゃ☆」

結衣「でも…噂とかってどうやって作ったらいいかわかんないし…」

相模「いい?面白い噂っていうのはね、事実が1つ混ざってればそれでいいわけ」

結衣「事実?」

相模「そ。例えばだけど、結衣ちゃんは知らないおじさんとほぼ毎日、放課後遊び回ってるらしいよ。って噂作るじゃない?」

相模「その中の事実ってどこに当たると思う?もちろん第三者から見ての話」

結衣「第三者……えっと…わかんない…」
122 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:28:49.68 ID:+9mh/Azpo
相模「その中の事実は放課後遊び回ってるってとこ」

結衣「えっ」

相模「言ったでしょ?第三者から見ての話って。あんたビッチっぽいからさ、他人からしたらそこに噂へ繋がるリアリティがあるわけ」

相模「あんた三浦さんとかとしょっちゅう遊びに行ってるじゃない?おまけに葉山くんと仲良く見えるし戸部とかともね」

相模「男子と仲良く出来るタイプで放課後遊び回る事が多い……そういう女なら知らないおっさんと放課後フラフラしてるかも?と想像を誘導するのは簡単。だからこの噂は本当の事。ほらどう?否定出来る?」

結衣「あたしそんなことしない!」
123 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:29:21.69 ID:+9mh/Azpo
相模「だから例えばだっつってんでしょバカじゃないの?何熱くなってんだよバカ」

結衣「…そうやって今までの噂作ったの?それだけ教えて」

相模「そうだよ?ぜーんぶうちの演出。1つの事実をいかに脚色して長持ち出来る話題にするか。どう?すごくない?クククッ!!」

結衣「じゃあ…れんれんとかの噂って…」

相模「当然みーんなうちが演出したもの。ほら、うちってそういう嗅覚に恵まれてるから。ま、あいつについての話が手に入ったのは本当にただの偶然だったけどね」

結衣「偶然?本当に?」
124 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:29:50.93 ID:+9mh/Azpo
相模「それは本当。いやーあいつのおかげで最近すっごい楽しいよ!毎日が!こういうのが充実してるっていうのかなぁ☆」

結衣「そんなの………」

相模「あぁ?何よその目。いいの?うち敵に回したらあんた終わるよ?」

結衣「………」

相模「そうそう。これからは大人しくうちの犬になればいいの。わかった?」

結衣「うん…」
125 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:30:37.83 ID:+9mh/Azpo
結衣「でも…れんれんの噂の事実って…なに?」

相模「私が聞いたのは前歴持ちらしいって事だけ。らしいってだけで十分だし。つか前歴持ちなんて噂そうそうないからさぁ!いやぁ〜楽しかったなぁ…噂考えるの!」

結衣「らしいって…らしいってだけであんな噂流したの!?」

相模「うっさいな。さっきも言ったっしょ?第三者から見たリアリティがあればそれで十分なわけ。それにあの時はうちだけじゃなくってうちの友達2人も一緒だったしね」

相模「ま、あいつの事はもうどうでもいいじゃん。それよりうちに協力してもらうから。いいね?」

結衣「…うん…何するの…?」

相模「うーんそうだなぁ………いっそ…うん………ちょっと待ってて」

結衣「………」
126 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:32:07.56 ID:+9mh/Azpo
相模「………で、あいつを…………………………お待たせ〜☆」

結衣「………」

相模「じゃ説明するね。まず結衣ちゃん、三浦さんと雪ノ下さんを校舎裏でもどこでもいいから人目に付きそうでつかないとこに呼んでもらうから」

相模「そこで2人に言い争いさせるの。あの2人が仲悪いの知ってるからさ。で、そこにヒキタニ呼んで。遅れて来る感じで」

相模「あいつなら多分2人の仲裁しようとするでしょ?で、そこで結衣ちゃんはあえて止めに入らない」
127 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:32:49.82 ID:+9mh/Azpo
相模「あの2人の事だからヒキタニの仲裁なんて聞きゃしない。どんどんエスカレートするよね?2人の言い合いがエキサイトすればするほどうるさくなる」

相模「その場面を第三者に見せる。その第三者はまあ私の友達2人でいっか。そこで結衣ちゃんはヒキタニを押すか突き飛ばすかして雪ノ下さんにぶつかるように仕向けて」

相模「まあ雪ノ下さんじゃなくて三浦さんでもいいけどね。で、結衣ちゃんはぶつかってない方の近くにいく」

相模「それぐらいでいいわ。あんたに全部任せるのは不安だしね。バカだから。とにかくヒキタニが2人のどっちかを押し倒す構図が出来たらそれであんたの仕事はおしまい。撤収。わかった?」

結衣「わかった…でもそれって…」

相模「あ?」
128 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:33:38.18 ID:+9mh/Azpo
結衣「それをどういう噂にするの…?」

相模「ヒキタニが雪ノ下さんを押し倒したのは何と三浦さんによる命令だったのでーす!!」

結衣「…え…?」

相模「ヒキタニは雪ノ下さんが好きだった。でもヒキタニはきもいから雪ノ下さんに嫌われてる。そこに雪ノ下さんの事が嫌いな三浦さんがバックアップ」

相模「三浦さんに良いように誘導され勝手にその気になったバカタニはその場で雪ノ下さんを襲おうとした…というか襲った」

相模「その場を見た結衣ちゃんは絶句。まさかの光景!私どうしたらいいの!?助けなきゃ!でも三浦さんが怖いぃ!!」
129 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:34:15.59 ID:+9mh/Azpo
相模「結衣ちゃんは三浦さんに脅迫されてたって事にしてあげる。そしたら結衣ちゃんは何も悪くないって事になる。そう仕向けるから大丈夫」

相模「雪ノ下さんはヒキタニなんかに襲われたって噂に耐えきれるかな?さすがに耐えられないだろうね!うちがどんどん脚色していくし!」

相模「ククッ………邪魔者全て排除出来る…完璧なプランニング!!!!どう!?うちってば天才でしょお!?あーーーーーーーっははははははははは!!!!!!!」

結衣「………」

相模「ま、今のは雪ノ下さんバージョン。ぶつかったのが三浦さんだったバージョンも説明しとこうかぁ」
130 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:35:05.37 ID:+9mh/Azpo
相模「プランって何もかも思った通りに行くとは限らないからね。だから念のために三浦さんバージョンもあるわけ。ほら、うちあんたと違って頭いいからさ☆」

相模「と言ってもさっきのとあんまり流れ変わらないけどね。ヒキタニは雪ノ下さんの事が好きだっていうリアリティは外せないし」

相模「ヒキタニは雪ノ下さんの事が好きだった。雪ノ下さんは三浦さんの事が大嫌い。だからヒキタニに命令したの、三浦さんを襲えってね。三浦さんの事が大嫌いだから襲ってくれたら少しは見直してあげる、と言った…とか?」

相模「でもこれだと三浦さんは可哀想な被害者…ってだけでつまんないし、何より葉山くんから引き離すって事が出来ない」

相模「だからその時は……結衣ちゃんにちょっと怪我してもらう。あ、心配しないで?ほんとちょっとだけだから。ちょっとカッターで切られるだけ☆」
131 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:35:42.73 ID:+9mh/Azpo
相模「それはうちがやってあげるから大丈夫だよ痛くしないから」

相模「三浦さんは普段からカッターを持ち歩くようなヤバいやつ……って感じの脚色足していけばまあそのうち面白い事になるかな」

相模「本当はもっと三浦さんに対して攻撃力の高い噂にしたい所なんだけど…まあ今消すべき相手はヒキタニと雪ノ下さんだからね。三浦さんはそのうち潰しちゃお☆」

相模「以上だよ。覚えた?」

結衣「うん…」
132 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:36:18.79 ID:+9mh/Azpo
相模「じゃ、決行は明日ね!朝からやっちゃいたいからよろしく。あの2人は明日から何か考えるって言ってたよね?てことは明日中にこっちは事を終えなきゃ」

相模「そういうわけだから結衣ちゃん、明日よろしくね☆」

結衣「うん…わかった…」

相模「朝登校した時点で雪ノ下さんと三浦さんを引き合わせるように細工始めといて。場所はどうしようかな…自販機コーナーでいっか。とりあえず明日中にこのプラン完遂出来ればいいからさ、放課後までには約束取り付けて引き合わせるようにしといて」

結衣「うん…」

相模「じゃ、明日ね。ああそうそう、ここまで来たらもう裏切るなんて出来っこないとは思うけど…念のために釘刺しとくね」

結衣「えっ」
133 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:36:55.92 ID:+9mh/Azpo
相模「うち裏切ったらこの学校にいられなくしてやるからな。ククククッ…」ギロッ

結衣「………」

相模「じゃ、そういう事でまた明日。ばいばーい」

結衣「………」

ガラララッ………バタン



ヨロヨロ……ヘタッ

結衣「はぁっ!…はっ……はぁっ……はっ…っ……こわ…かった………」
134 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:37:37.42 ID:+9mh/Azpo
ー夜 雪ノ下雪乃の自宅ー


雪乃「お疲れ様、由比ヶ浜さん。本当によくやってくれたわ」

八幡「ああ、よくやった。上出来どころか最高の仕事したぞ、由比ヶ浜。お疲れ」

結衣「怖かった…怖かったよぉ……」グスッグスッ

八幡「…つかあいつ、ほんとどうしようもねえな」

雪乃「そうね。度し難い事だわ」

結衣「うぇ…うっ…」グスッ
135 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:38:04.97 ID:+9mh/Azpo
八幡「正直、お前がどこまで俺たちの言った事を理解してるかわからなかったがな。アホの子のくせにやるじゃねえか」

結衣「アホは…余計だし…」グスッ

雪乃「紅茶、飲んだら?」

結衣「うん……」グスッ

八幡「お前が落ち着いたら作戦会議だ」
136 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:43:01.41 ID:+9mh/Azpo
雪乃「由比ヶ浜さんがここに来る途中に尾行はなかったのよね?」

八幡「ああ、大丈夫だ。ありゃ相当浮かれてたな。悪知恵働くやつってのは往々にして策に溺れるもんだ」

結衣「てかヒッキー学校に残ってたってこと?」

八幡「まあな。学校じゃねえけど相模の帰り道を尾行するためにな。雪ノ下じゃ目立つ。その点、俺なら目立たない。慎重な上に用意周到。さすが俺。ちゃんと相模の取り巻きがいないかも確認の上での事だ」

雪乃「さすがね。本人はともかく取り巻きの人間までには頭が回らなかったわ」

結衣「でもヒッキー最近有名人だから…目立ったりしないの?」

雪乃「それは違うわ由比ヶ浜さん。比企谷くんはあくまでいなくていいものなの。主役は雨宮くん。いい?ハンバーグを頼んだら不必要なくすんだ色のブロッコリーが添えてあった、程度の存在なのよ」

結衣「そっかぁそうなんだぁ〜」
137 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:43:35.01 ID:+9mh/Azpo
八幡「誰が付け合せだ。いや実際そうだけどよ。つーかここからだ。まず三浦に説明する必要性が出来ちまったな」

雪乃「全く遺憾なのだけれど」

八幡「遺憾の意は示すだけでいいもんだから便利だよな。お前だって三浦まで巻き込もうって相模の腹にはさすがに引いてんだろ?」

雪乃「全く遺憾なのだけれどね」

八幡「何にせよ、あいつの頭と腹ん中はわかった。謀略をそのまま突き返すぞ」

結衣「でもどうやるの?」

雪乃「それなのだけれど私に考えがあるわ。まず………」
138 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:44:35.32 ID:+9mh/Azpo
ー同時刻 平塚静宅ー


蓮「ただいま。静さん」

平塚「おかえり雨宮。遅かったな。冴と一緒だったそうだね?」

蓮「はい」

平塚「どうだった?地元の友人と久しぶりに会ったんだろう?」

蓮「えらい目にあいました」
139 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:45:01.55 ID:+9mh/Azpo
平塚「そうか。その割には嬉しそうじゃないか?」

蓮「気のせいですよ」

平塚「そうかね?ところで食事は済んだのか?まだなら一緒に鍋でもどうだね?」

蓮「いただきます」

平塚「そうか。では先に風呂にでも入ってきたまえ」

蓮「はい」
140 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:45:35.90 ID:+9mh/Azpo
ー浴室ー


蓮「………」

モルガナ「あいつら元気そうで良かったよな?」

蓮「………」

モルガナ「アン殿…相変わらずいい感じだったよなぁ〜?」

蓮「………」
141 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:46:01.20 ID:+9mh/Azpo
モルガナ「おい、無視すんなよ!」

蓮「よくも俺を見捨てたな」

モルガナ「………にゃあーん。にゃっ、にゃあーん…」

蓮「それでごまかせる相手だと思うのか?」

モルガナ「ほんと、すまんかった…でもありゃ無理だぜ!?」
142 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:46:45.94 ID:+9mh/Azpo
ー食後ー


蓮「………というわけでこれからちょくちょく向こうに戻ります」

平塚「そうか、なるほどな。あまり深く突っ込まんが、十分に気をつけるんだよ?いいね?」

蓮「はい」

平塚「とにかくそういう事であれば先に言ってくれればいくらでも私が対処しよう」

蓮「ありがとうございます」

平塚「ちなみに明日はどうなんだ?行くのか?」

蓮「次また向こうに行くのは明後日になると思います」

平塚「そうか、わかったよ」
143 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:47:17.03 ID:+9mh/Azpo
〜11月28日〜

ー朝 自販機コーナーー


相模「そうなんだ?放課後にここになったんだね」

結衣「うん…」

相模「そっかそっか。やっと……クククッ…」ニタァ

結衣「………」

相模「やだなぁ結衣ちゃん。そんなに怯えなくてもいいんだって。ちゃーんと結衣ちゃんは狙いから外してあるから☆」

結衣「ほんとに…?ぜったい…?」
144 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:47:50.42 ID:+9mh/Azpo
相模「あ?何?信じられないっての?」

結衣「そっ!そんな事ない…」

相模「ククククッ……だよねぇ?わかってるもんねぇ?いくらバカでも敵に回しちゃいけない相手ぐらいわかるもんねぇ?」

結衣「………」

相模「じゃ、後でね………ククッ…」
145 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:48:28.19 ID:+9mh/Azpo
ー教室ー


蓮「おはよう八幡」

八幡「おう蓮。おはよう」

蓮「じゃまたあとでな」

八幡「ん?どっか行くのか?」

蓮「お隣さん」

八幡「お隣さん?」

蓮「ああ。昨日たまたま前の学校で一緒だった子と再会したんだ」
146 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:49:16.94 ID:+9mh/Azpo
八幡「へぇ。ん?それって秀尽のか?」

蓮「そうそう」

八幡「そうか…じゃあ後でな…」

蓮「うん」

八幡「あ、そうそう蓮。あとで奉仕部に来てくれ。昼にでも」

蓮「ああ、わかった。その時は一声かけてくれ」

八幡「いや、すまんが昼になったら先に行っててくれ。ちょっと色々あるからよ」

蓮「そうか、わかった。じゃあとで」

八幡「ああ」
147 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:50:02.19 ID:+9mh/Azpo
ー隣のクラス 扉の前ー


ざわざわ・・・あれ?雨宮さんじゃね?ざわわ・・・ほんとだ。ちょっと相談してみようかな…

志帆「…ん?あっ!」

蓮「おはよう志帆」

志帆「うん!おはよう蓮」

蓮「今いいかな?」

志帆「うん平気」タタッ

ざわざわざわっ・・・いつの間に…ざわわわ・・・マジかよ雨宮さんパネェ…
148 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:50:57.80 ID:+9mh/Azpo
ー屋上ー


志帆「ふぅ。ここの屋上って割と景色いいよね」

蓮「そうだな」

志帆「昨日ね、杏からチャット来たよ。びっくりしてたね!あははっ」

蓮「そうだな。志帆と再会したと言ったら竜司も驚いてた」

志帆「そうなんだ?坂本くんもかぁ。そういえば良く一緒にいたもんね?」
149 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:51:26.03 ID:+9mh/Azpo
蓮「まあそうかな」

志帆「だよね?うん…」

蓮「友達いないのか?」

志帆「えっ!?どうしたのいきなり…」

蓮「さっきそっち行った時に少し見てたら寂しそうに1人で座ってたから」

志帆「寂しそうだった?そうかなぁ…」

蓮「ああ。寂しそうにしてた」
150 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:51:58.95 ID:+9mh/Azpo
志帆「………」

蓮「大丈夫か?何があった?」

志帆「うん…あのね、蓮もそうかもしれないけど…。あの秀尽から転入したって知られるとね、すごい反応されちゃうんだ…」

蓮「まあな」

志帆「よくあるのが好奇心。それだけで色々聞かれて…最初はすごくつらかった」

蓮「………」
151 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:52:32.08 ID:+9mh/Azpo
志帆「さすがにバレー部だったっていうのは隠してるけど。それでも秀尽っていうだけで……ね…」

志帆「怪盗団はなんで秀尽を狙ったの?とか…怪盗団紹介して、とか…怪盗団に誰か改心させてって頼んだ?とか…」

志帆「もう本当に嫌になって。一言二言しか返さないようにしてたの。そしたら1人ぼっちになっちゃった…」

蓮「………」
152 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:53:15.10 ID:+9mh/Azpo
志帆「ねぇ、蓮?」

蓮「なに?」

志帆「なんで怪盗団って秀尽を狙ったのかな?」

蓮「………」

志帆「私ね、思うんだ。怪盗団は私たちの味方なんじゃないかって。間近で、身近で、私たちの痛みとかつらさとか苦しみとかを見てたんじゃないかって」
153 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:53:47.02 ID:+9mh/Azpo
志帆「だからね、転校したあと自分なりに怪盗団の事を色々調べたの。初めて怪盗団が出た時期とか、その理由も」

志帆「そしたらね、思ったんだ。怪盗団は私の事をきっかけに表に出る決意をしてくれたんじゃないかって」

蓮「………」

志帆「もちろんこれは自惚れとか、勘違いだって事もあると思うよ。でも…何ていうか…」

蓮「………」
154 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:54:16.87 ID:+9mh/Azpo
志帆「あの時期の様子とか思い返すと……ひょっとしたら怪盗団って…」チラッ

蓮「………」

志帆「ううん、そんなわけないか…」

蓮「志帆は怪盗団が嫌いか?」

志帆「ううん。大好きだよ」ニコッ

蓮「…どうして?」
155 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:54:55.84 ID:+9mh/Azpo
志帆「もしね、怪盗団がいなかったら…私の事なんてもみ消されてただろうし。きっと勇気を出せないまま皆いつの間にか卒業してたと思う」

志帆「あの鴨志田先生だってきっと変わらないままだったと思う…。怪盗団のおかげで、間違いなく私も他の子も…これからの子も救われた」

志帆「だから私、感謝してるんだ。怪盗団に」

蓮「………」

志帆「ちょっと前にさ、オクムラフーズの会見の……があったじゃない?」

蓮「あったな…」

志帆「あの時はびっくりしたよ。怪盗団ってそういう事するの?って。信じられなかった」

蓮「………」
156 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:56:07.80 ID:+9mh/Azpo
志帆「でもなんか悪い方にタイミングがいいんだよね。まるで会見でああなる事が予定されてた感じがする。いかにも悪役のショーって感じだったもん。まあ…ただの想像だけど怪盗団がやった事じゃないと思う」

蓮「志帆は怪盗団を信じるのか?」

志帆「うん、もちろん!怪盗団は私にとって正義のヒロインなんだから!」ニコッ

蓮「そうか…志帆のその言葉できっと怪盗団は救われるよ」

志帆「そうかな?そうだといいな…」
157 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:56:41.77 ID:+9mh/Azpo
蓮「そろそろ授業が始まるな」

志帆「あ、うんそうだね。戻らなきゃね」

蓮「またあとで話そう。志帆」

志帆「うん!またあとでね蓮!」タタッ

蓮「………」
158 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:57:28.67 ID:+9mh/Azpo
モルガナ「…行ったか?」

蓮「ああ」

モルガナ「シホっていいやつだな。さすがアン殿の親友だぜ」

蓮「そうだな」

モルガナ「ああして信じてくれてるやつもいる。ワガハイたちはもう二度と間違えないように気をつけないとな」

蓮「ああ」
159 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:57:57.49 ID:+9mh/Azpo
モルガナ「励みになるよな。あいつらにも聞かせてやりたいぜ」

蓮「まあな。今度行った時に話してやろう」

モルガナ「そうだな。それがいいぜ。そういやお前、ハチマンに呼ばれてなかったか?」

蓮「それは昼の話だな」

ピロリン

モルガナ「お?携帯呼んでるぞ?」

蓮「………」
160 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:59:05.91 ID:+9mh/Azpo
ー放課後 自販機コーナー近くの廊下ー


相模「ククククッ…」ニタァ

取り巻きA「ど、どしたの南?」

取り巻きB「なんかあった…?」

相模「ううーん何でも!それよりほら…あれあれ」

取り巻きA「あれって…雪ノ下さんと三浦さん?」

取り巻きB「珍しい組み合わせだよね。仲悪かったんじゃなかったっけ?」

相模「どうなんだろうね?ちょっと気になるよね〜。近付いてみる?」

取り巻きA「え…やめとこうよバレたら何言われるかわかんないし…」

取り巻きB「うん…やめとこ。この辺でいいんじゃない…?」

相模「あ、やっぱり?そうだよねそうだよねぇ〜!」
161 : ◆OkhT76nerU [saga]:2019/03/17(日) 14:59:54.14 ID:+9mh/Azpo
雪乃「………」

優美子「………」

結衣「………」




相模「……ククッ…」

取り巻きA「なんかずーっと睨み合ってるね?」

取り巻きB「何も話してないよね」

相模「まあまあ…もうちょっと様子見てみようよ」
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