ナサニエル「もう一度リスタート切ろう」バーティミアス「お前もよくやるな」

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47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 00:55:11.76 ID:Z1jIcDIf0







受け継がれ、成就される願い。






48 :気高き妖霊はエジプト王子の夢を見るか :2019/03/07(木) 00:57:55.93 ID:Z1jIcDIf0






プトレマイオス「やあ、レカイト」

バーティミアス「…」





プトレマイオス「元気かい?」ニコッ

バーティミアス「…ああ。元気だ」

プトレマイオス「僕の願いが成就したようで何よりだよ」

バーティミアス「おいおい…お前何を見たんだ?ひょっとして幻か蜃気楼を見ての感想か?」

プトレマイオス「違うよ」クックッ

プトレマイオス「君と君の今の友人達を見ての感想さ」

バーティミアス「友人達?おいおい!悪い冗談はよせ!」

バーティミアス「いいか、あの野郎は未だペンタクルの枷と体罰を俺に与えたりするし、相変わらず解放は中々されない!」

バーティミアス「キティはお願いという名の無償奉仕を要求してくる!」

バーティミアス「これでもやつらは友人と呼べるか?」

プトレマイオス「君が一番わかってるだろう?」

バーティミアス「…ああ、まあな」




バーティミアス「あいつらはお前を体現した」




49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 01:02:42.33 ID:Z1jIcDIf0


プトレマイオス「そうとも」

プトレマイオス「彼女は僕の後に続いてくれた」

プトレマイオス「彼は僕と同じ事を君にしてくれた」

プトレマイオス「そして、何より彼らといる君は楽しそうだ。──君、よく笑うだろう?」

バーティミアス「そりゃ気のせいだな。知っての通り、俺は生まれつき顔に痙攣を起こしやすい」

バーティミアス「日差しに顔をしかめると妙なニヤケ面に見えてしまう厄介な病気でな」

プトレマイオス「ははっ。それはまた随分懐かしいネタを持ってきたね」クックッ

バーティミアス「くっくっ。お前さんの従兄弟殿が図書館に来た時のな」クックックッ

プトレマイオス「…信じられないよ。あれからもう数千年の途方もない時間が流れたなんて」

バーティミアス「何を。たかが数千年だろう?カウントできるくらいしか経ってない」

プトレマイオス「…」 スーッ…───

バーティミアス「…もう逝っちまうのか?」

プトレマイオス「うん。そうみたいだ」 フフ




プトレマイオス「────後世の魔術師達が僕の後に続いてくれなかったのは残念だけど、」




プトレマイオス「僕は満足さ」 ニコ…




プトレマイオス「バーティミアス」

バーティミアス「なんだ」





プトレマイオス「─────。」

バーティミアス「…ああ。お前も達者でな」

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 01:06:12.53 ID:Z1jIcDIf0





「────い、─────ミアス!」



バーティミアス「…?」パチ




ナサニエル「おい、起きろよ!」

バーティミアス「む…?」

ナサニエル「何?寝てたわけ?」

バーティミアス「…かもしれん」ゴシゴシ

ナサニエル「珍しいね。召喚酔い?」

バーティミアス「そんなもんがあるとは聞いた事がないがな」

ナサニエル「まぁいいや。それより仕事の話なんだけど」

バーティミアス「…」





ナサニエル「で、…って、なんで僕の姿になってんだよ」

バーティミアス(ナサニエル)「ん?ああ、」

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 01:07:34.31 ID:Z1jIcDIf0





バーティミアス「強いて言うなら、俺が未だにプトレマイオスの姿になるのと同じ理由だな」

ナサニエル「ふーん?」




52 :もしもバーティミアスの翻訳が戸田さんならば :2019/03/07(木) 01:11:02.54 ID:Z1jIcDIf0


バーティミアス「俺様はヴァーティムィアス!!」←巻き舌

バーティミアス「ジンのとこのサカル!強面ヤクザなヌゴーソで銀ピカりんな翼がある蛇さんだ!!」

キティ「マジでチョーヤバいって感じよ!」

キティ「このすっとこどっこい」

ナサニエル「地獄に落ちやがれラブレースファック野郎!」

ラブレース「我輩に勝てると思っているのかね?か弱き少年!」


53 :世渡り《パーティー》&戦闘《パーティー》。 :2019/03/07(木) 01:21:39.09 ID:Z1jIcDIf0


〜暴動最前線〜


バーン!!バキューン!バキューン!パラタタタタタ…

「「「おりゃあああああ!!!」」」

フリタング「”地獄の業火”!!」

コーモコドラン「”爆破の魔法”!」

アスコーボル「”振動の魔法”!」

ホッジ「”盾の魔法”!」

ムワンバ「”闇の結び目”!!」

ピューリップ「”ガンジス川の流れ”!」

バーティミアス「そんな魔法ねぇだろ」

ズガガガガガ!!!

コーモコドラン「くっそ、相手も中々手強いな」

フリタング「こっちも成分が大分やられた!ヤツら銀弾を使ってきてる!」

アスコーボル「参ったわねー…アレ、敵側に魔術師が手を貸してるわ」

ホッジ「ああ、アフリートを召喚して暴動に協力する代わりに火事場泥棒させてる」

バーティミアス「おいおい…そりゃつまり小僧の愉快な同僚達どもの中に裏切り者がいるって事か?」

ピューリップ「ふっ、全く。にしてもやはり強い」

ピューリップ「アフリートの彼はまるでガンジス川のように頑強で、あらゆるものを飲み込み、潰していきますね」

フリタング「ガンジス川はいつからブラックホールになったんだ」

ホッジ「うー…インプでも食えたらやられた成分が少しでも回復できるんだが」

ムワンバ「ジリ貧だな。敵は強大。しかも倒すか死ぬかのどちらかしかないとは」

バーティミアス「まぁまぁ。やるしかねぇだろ?なぁに、召喚者の頭の上に巨岩でも一個落っことしてやれば済むことだ」

バーティミアス「誰でもできる簡単なお仕事だ。そうだろ?(ああ、ジャーボウは別で、な?)」

フリタング「おお、そうだ!アフリートなんか怖くねぇ!」

アスコーボル「やるしかないわね」ハァ

バーティミアス「よし…俺の合図で突撃するぞ」

バーティミアス「フリタングは右、コーモコドランは左。アスコーボルは正面からと見せかけて空から」

バーティミアス「ピューリップとムワンバとホッジは裏からまわれ」

ホッジ「ああ」

ムワンバ「む」

ピューリップ「承知しました」



バーティミアス(そして既に瀕死の俺は影に隠れて見てるだけ!!!)どん!


54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 01:44:07.85 ID:Z1jIcDIf0


〜首相官邸、ホール〜



デバルー「それではクリスマスパーティーを始める!」



パチパチぱちぱちパチパチぱちパチパチぱちぱちぱち!!


ファーラー「…はぁ。呑気なものね。街じゃ今まさに暴動が起きてる上に戦争中だってのに」ヒソヒソ

ナサニエル「同意見ですよ。しかも私含め、実働部隊の長達も強制参加とは」ヒソヒソ

ファーラー「私、たまに首相の考えがわからない時があるわ」ハァ

ナサニエル「は、何も考えてないだけでしょう。そりゃわかりませんよ」

ファーラー「よね」フッ

ナサニエル「ええ」フッ




デバルー「やぁ、楽しんでるかい?」ヒョコ

ナサニエルファーラー「「ええ、とっても!」」ニッコリ!



55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ saga]:2019/03/07(木) 01:57:19.70 ID:Z1jIcDIf0
〜最前線〜

フリタング「うわぁあああ!アスコーボルのアスコーボルに当たったァアアアア!!」

アスコーボル「問題ないわ!当たる前からついてないもの!」

コーモコドラン「いいから押せ!押せ押せぇええ!!戦線を押せェェェエエエエエ!!!!」

コーモコドラン「今ここでやらねば俺たちは皆死ぬぞ!!」

ピューリップ「破ァアアアア!!!”ガンジス川の激流”!!」

アフリート「ごばっ!?」

ムワンバ「だから何その新魔法」

壁|ティミアス(うーむ。俺も長期間拘束で瀕死じゃなけりゃ参戦したんだがな)


56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 02:01:32.81 ID:Z1jIcDIf0


〜首相官邸〜

ウィットウェル「ビンゴ!ビンゴビンゴー!」

デバルー「おお!初ビンゴ者だ!」

デバルー「では景品の最新パソコンを!」

ウィットウェル「っしゃああああ!!!見たかゴラァァアアアア!!!」

ファーラー「よっぽど欲しかったのね…あの位のなら普通に買えるくらいの給料は貰ってるでしょうに」ヒソヒソ

ナサニエル「というかそんな高価な景品出せる金があるなら戦争経費に回して欲しいですね」ヒソヒソ

ファーラー「よね。大体このご馳走もかなりの額するわよ」モグモグ

ナサニエル「でしょうね」

ファーラー「全く。何がビンゴ大会よ。ふざけてるとしか言いようがないわよくっだらない」

ナサニエル「全くでs」



デバルー「どうだね、二人ともあとどのくらいでビンゴかな?」

ファーラー「ああん!あと一つなんですよ!あぁ〜当たらないかしら!」

ナサニエル「私はまだ一つも!ああ一つだけでも当たらないかと祈っている最中なんですよぉ!」

デバルー「そうかねそうかね」ニコニコ

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 02:13:11.89 ID:Z1jIcDIf0


〜最前線〜

ホッジ「”爆破の魔法”!!」

アフリート「ぬん!!」

アスコーボル「オルゥアアアア!!!!」ガシッ

アフリート「な、貴様!!」

アスコーボル「今よ!!あたしが動きを止めてる隙に!」

コーモコドラン「”地獄の業火”!!!」

魔術師「ほぱぁあああああ!!!熱い!!あっぅつぅういっっ!」

ピューリップ「”ガンジス川でバカンス”!!」

魔術師「ぐぅあああああああ!!!バカンス気分になるぅううう!!」

フリタング「それ意味あるか?」



〜首相官邸〜


デバルー「なんと!特別ゲストにクェンティン・メイクピースさんをお呼びした!」

メイクピース「やぁ!どうもみなさんお久しぶりですね!」

ファーラー「いけ好かない男だわ。首相に取り入ろうって腹かしら?」ヒソヒソ

ナサニエル「あわよくば、レベルかもしれませんがね。まぁ私は彼と仲が良いですからある程度はわかります」ヒソヒソ

ファーラー「そうかしら?むしろ、自分が成り変わろうとしてるのかも」

ナサニエル「何故です?その根拠は?」

ファーラー「彼の目の奥が私達と同じだからよ」

ナサニエル「…私達と同じ、とは?」

ファーラー「野心ギラギラってこと」フッ

ナサニエル「…」クックックッ




デバルー「おーい、君たち!仲良く話してるとこすまない!彼がこの後新作を劇場で先行公開してくれるそうなんだが!」

ファーラー「まぁ!本当ですか?私『政府転覆!俺が世界の支配者になる!』楽しみにしてたんです!」

ナサニエル「なんだって!?是非!!是非行かせてください!」

デバルー「そうかねそうかね!」ニコッ

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 02:29:34.11 ID:Z1jIcDIf0


〜最前線〜

フリタング「はぁ、はぁ…!なんとか生き残った…!」

アスコーボル「全員満身創痍ね。でも、」

コーモコドラン「ああ。生きてりゃ勝ちだ!」

ホッジ「へっ、俺たちにかかればアフリートなんてイチコロさ」

ムワンバ「うむうむ」

バーティミアス「よし、凱旋だお前ら!」


ピューリップ「ふ、そうですね。ご主人様もこれで──────」



────────

─────

──
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 03:04:31.87 ID:Z1jIcDIf0

〜ナサニエルの執務室〜

ナサニエル「よし、来たな。任務報告をしろ」

バーティミアス「ああ、万事上手くやってやったぞ」

バーティミアス「それと報告事項で特筆するなら…暴動のメンバーの中に魔術師がいたってとこだな」

ナサニエル「なんだって?」ピク

バーティミアス「やつらの一人がアフリートを召喚してきた」

バーティミアス「だがまぁレジスタンスに便乗して火事場泥棒してただけだ」

ナサニエル「ふぅん」

バーティミアス「いやしかしさすがに今回は死ぬかと思ったな。なんせ凶暴で力もとんでもないアフリート相手にこっちは妖霊数人」

バーティミアス「まぁだがそこは精鋭の俺たち。そんなヤツ相手でもフルボッコにしてやったさ」

ナサニエル「…うーん、そうかそうか」

バーティミアス「どうした小僧。激ムズ任務を見事に遂行してやったんだから賛辞や感謝、労いと敬意の言葉をくれてもいいぞ?」

バーティミアス「ああ、任務遂行の褒美か?なら悩む必要は皆無だ。即座に俺を解放して一生俺を召喚しないでくれりゃあそれでいい」

ナサニエル「…」

バーティミアス「…おーい?小僧ー?」

ナサニエル「よし、バーティミアス。命令をくだす…」

ナサニエル「今から言う場所に潜行しt」

バーティミアス「はぁ?!おまっ、待て!俺はよくやっただろうが!」

ナサニエル「何言ってるんだよ。これから更に捜査しなきゃならないだろ」

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 03:12:25.66 ID:Z1jIcDIf0

バーティミアス「お前!俺がどんだけ長期間召喚させられてると思ってるんだ?」

バーティミアス「ボロボロだ!もう俺の成分は悲鳴も上げれない状態だぞ!」

ナサニエル「わかったわかった。その内解放するから」

バーティミアス「まともに聴けこの野郎!お前それ絶対やらないパターンだろうが!」

ナサニエル「すまないが私は次の仕事があるから失礼するよ」

バーティミアス「…一応聞いてやるが、それは俺の話と嘆願が無視される事に納得する程の激務なんだろうな?」

ナサニエル「まぁね。これからまたパーティーさ」

バーティミアス「ああそうかい。なんなら俺もお前をブラッドパーティーに招待してやろうか?」

ナサニエル「わかったわかった」

バーティミアス「俺の話を聴け!五分だけでもいい!」





ナサニエル「そう言えばそんな歌もあったな」

バーティミアス「やっとまともな返しをしたと思えばお前」


61 :ナサニエルと賢者のアミュレット。ハリポタ?バーティミアス :2019/03/07(木) 03:22:17.57 ID:Z1jIcDIf0

ナサニエル「僕は”例のあの妖霊”と呼ばれるヌーダの死の呪文を受けて生き残った男の子、ナサニエルだ」

ナサニエル「親戚のアーサー・アンダーウッド夫妻のとこに預けられてはや10年」

ナサニエル「僕の11才の誕生日に妖霊がやってきた」

???『喜べ。お前は魔術師の学校に入学する事ができる』

ナサニエル「魔術師は皆ペット代わりに悪魔を飼うらしいので赤ちゃんインプを召喚した」

ナサニエル「汽車の旅中で友達になったキティとアズマイラと共に魔法魔術学校ホグワーツへ」

ナサニエル「ソロモン校長の前で”組み分け帽子”という新入生の寮を仕分ける魔法の帽子をかぶったわけだが」

組み分けバーティミアス「スリザリン」

ナサニエル「まぁ待とうよ」

組み分けバーティミアス「よし、ウィットウェル先生。次のヤツを」

ウィットウェル「ええ。では次──」

ナサニエル「待てよ」

組み分けバーティミアス「なんだ小僧。何が気に入らない」

ナサニエル「スリザリンに仕分けられた事に決まってんだろ!」

組み分けバーティミアス「はー…いやまぁ、毎年たまーにお前みたいはヤツはいるんだがな?」

組み分けバーティ「自分が希望する所イコール適性があるわけじゃない。上手くやっていけるか、もな」

組み分けバーティ「適性判断基準ってのがあるんだ。お前の場合はスリザリン。それ以外はない」

ナサニエル「なんでだよ!自分が入る寮くらい自分で決めさせてよ!」

組み分けバーティ「悪いがこの学校のルールだ。イヤならお前だけアズカバンに仕分けてやろうか?」

ナサニエル「ふざけるな!グリフィンドールに入れろよ!」

組み分けバーティ「…ちなみになんだが、何でそんなにグリフィンドールに行きたがる?」

ナサニエル「…偉大な人を多く輩出してるじゃないか」

組み分けバーティ「おいおい。スリザリンだって負けてない。ちびっ子大好きグラッドストーンもスリザリン出身だぞ?」

ナサニエル「イヤだ」

62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 03:29:07.69 ID:Z1jIcDIf0

バーティミアス(めんどいから以下バーティミアス表記)「…本当の理由は?」

ナサニエル「…」

ナサニエル「アズマイラもキティもグリフィンドールなんだ」

バーティミアス(ははあ、友達と離れたくないってか?随分ガキ染みた可愛い理由ではあるが)

ナサニエル「それに!!今まで散々ネガキャンされてきたスリザリンなんかに入れられたら僕の世間体イメージが悪くなるじゃないか!!」

バーティミアス「心配するな。お前の世間体イメージなんてスリザリンでもグリフィンドールでも関係なく悪いから」

ナサニエル「んだとコルァア!」

ウィットウェル「早くスリザリンの席に座りなさい!後がつかえてるのよ!」

ナサニエル「スリザリンはイヤだ!スリザリンはイヤだ!」

ナサニエル「せめてレイブンクローに!ソロモン校長と同じヤツで!」

バーティミアス「スゥウウウウルルルルウィズゥアアアアアルゥウウアウウゥウゥイィィィインンンンンヌッフ!!!!」

ナサニエル「巻き舌でダメ押しするなよぉおぉ!!」



そしてこの後、スリザリンでもハブられるナサニエルはその卓越した狡猾さと厨二病と才能と知能によってメキメキと実力を伸ばしていく。

毎年一年が終わる頃にステージボス的なのと闘っていくのだった。

尚ターバン巻いたタローの後頭部からヌーダが生えてたり、ラムスラと闘ったり、アズカバンのラッチェンズ先生救い出したりトライウィザーズトーナメントに参戦したりグレーバックス騎士団の連中に保護られたりファーラーとなんやかんやあったり魔法薬学教授のラブレース先生が裏切ったりバーティミアスと共闘して魔法戦争最終決戦に挑んだりするのはまた別の話。

63 :バーティミアス「お悩み相談室?」ナサニエル「ああ」 :2019/03/07(木) 16:18:24.54 ID:Z1jIcDIf0


バーティミアス「『知らん知らん。自分の事なんだから自分で決めて自分の好きな事をしろ。』それでいいだろうが」

ナサニエル「僕だって面倒だよ。だけど政府のイメージアップのためにって」

バーティミアス「はぁー…くっだらねぇな」



バーティミアス「そんな訳で、ロンドン街中道中の掘建小屋にいるわけだが」



「スンマセーン」

バーティミアス「…どーぞ」

バーティミアス(ったく、さっさと適当にやって終わらすか)





ラブレース「首相を倒して新政府作ろうと思うんだが…」

バーティミアス「そうか、頑張れよ。その倒した政府と同じ末路を辿らないようにな」





フェイキアール「ちょっとこの世から消したい妖霊がいるんだが」

バーティミアス「奇遇だな、俺もだ」




アンダーウッド師匠「弟子の頭の出来が良すぎてつい他所様のとこで自慢してしまうんですが」

バーティミアス「そうか。その弟子をもっと伸ばす事のみに従事しろ。他ごとには目もくれずな」




タロー「明日魔術師としてのテストみたいなのがあるんだけど、呪文の暗記がなかなかできなくて」

バーティミアス「カンペを上手く仕込むんだな」



ウィットウェル「花粉症が酷いのだけど」

バーティミアス「鼻の粘膜焼くと良いらしいぞ」




クィーズル「ハァイ、バーティミアス。調子はどう?」

バーティミアス「ボチボチだな」

クィーズル「差し入れ持ってきたのだけど…いるかしら?」つ

インプ「助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください」

バーティミアス「悪いな。ありがたくいただいとくぜ」

クィーズル「どういたしまして」ニコ

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 16:23:23.27 ID:Z1jIcDIf0

ファーラー「ライバルを蹴落として私の忠実な下僕にしたいのだけど」

バーティミアス「ここにマンドレイクが気になるあの娘へ綴った書きかけラブレターがある。これ使って脅迫でもするんだな」

キティ「なんとか一般人と魔術師を仲良くさせたいのだけど」

バーティミアス「無理だな。少なくともあと100年は」

キティ「私とあなたは、ナサニエルとあなたは妖霊と魔術師という関係を変えたじゃない」

バーティミアス「何を言ってる。本質的なとこは変わっちゃいないだろ?」

キティ「それでも。最初の一歩を踏み出せたのは大きな事よ」

キティ「私はそれのヒントが欲しいの」

バーティミアス「あー、ならチャリティでもやっとけよ」

バーティミアス「金と食物をタダで貰えれば『コイツとは仲良くしよう』って思うのが人間だからな」

65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 16:25:49.05 ID:Z1jIcDIf0


ヤコブ「やっぱりどうしてもこの皮膚がコンプレックスで」

バーティミアス「整形しろ」

ヤコブ「それと太った体をなんとかしたくて」

バーティミアス「脂肪吸引しろ」




ラッチェンズ「仕事が見つからなくて」

バーティミアス「なら丁度よかった。俺と立場を取り替えあおうじゃないか」

バーティミアス「給料もボーナスも退職金も有給も休みも休憩も無くてミスや上司の機嫌を損なうと体罰食らうステキな職場だぞ」




ヴェロク「セブンリーグブーツを盗まれたんだが…」

バーティミアス「警察いけ」

フリタングに何か投げつけてたガキ「おっさん転ばしてくっさいブーツパクったんだけどあんた買わない?」

バーティミアス「テムズ川にでも投げ捨てときな」




バーティミアス「ふー…疲れたな」

バーティミアス「お、もう終わりだな。帰還して定時連絡の時間だ」

66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 16:31:47.20 ID:Z1jIcDIf0

〜マンドレイク執務室〜



バーティミアス「よう小僧」

ファーラー「あらさっきの」

ナサニエル「あ!バーティミアスお前!」

ファーラー「あら?私の椅子は喋ってはダメでしょう?」ビシ-ン!

ナサニエル「はんっふぅっ?!」

ファーラー「あなたのおかげで楽しませてもらってるわ?」

バーティミアス「そうかい。悩みが解決してなによりだな」

ナサニエル「バーティミアス!!お前覚えてろよ!?」

ファーラー「しゃべんなっつってんでしょ」ベシ-ン!!

ナサニエル「あはんっ!?」


バーティミアス「ところで小僧。俺も悩みを相談したいんだがな?」

ナサニエル「ああ!?」

バーティミアス「連勤続きで成分がボロボロでな?1日ほどバカンスが欲しいんだが上司が休みをくれなくてな」

ナサニエル「この野郎!」




バーティミアス「休ませて貰えるなら何かしら手助けの1つはしようと思うんだがな?」ニヤニヤ

ナサニエル「くっそぉ!」


67 :目覚めろ!その魂! :2019/03/07(木) 16:33:13.83 ID:Z1jIcDIf0


キティ「2巻の貴方って変な髪型よね変な服装よね中2よねしかもなんか口調もキモい」

ナサニエル(なんだコレ…!ハァハァハァハァキティに罵ってもらうとなんでこんなに胸の高鳴りが…?)




ナサニエル(まさか、これが…k)

バーティミアス(ああ、まごう事なきMへの目覚めだな)
68 :おつかれキティさん。 :2019/03/07(木) 16:44:18.30 ID:Z1jIcDIf0



ラブレース「ナサニエルは悪い子!ナサニエルは悪い子!」ベシ-ン!ベシ-ン!

ナサニエル「アッー!!ンギモッチィッ!!」



ウィットウェル「ジョン。あなたは優秀なんでしょうッ!?こんな事くらいすぐ覚えなさい!一回見ただけで全てを理解しなさい!」ベチ-ン!ベチ-ン!

ナサニエル「はぅふぅん!ご、ごめんなさい!師匠ォォォオオオ!!」




ファーラー「私の僕にならない?私、あなたみたいな高慢ちきの鼻ヘシ折るのとか大好物なの」

ナサニエル「な、ならなぃしぃ…///」





キティ「と、恐らくこんなような事があってもおかしくないと思うのよ」

バーティミアス「そうだな」

キティ「つまりね、彼らに特に意味はないけどボッコボッコにしたら彼も私も、気持ちいいと思うの」

バーティミアス「そうかもな」

キティ「は──…」

バーティミアス「…」



キティ「…ごめんなさい。連日仕事続きで私疲れてるわ」

バーティミアス「そうみたいだな。まぁ、休める時にしっかり休め。人間は俺たちと違ってあまりに脆い」

69 :ナサニエル「聖杯戦争だ!」バーティミアス「やれやれ」 [saga]:2019/03/07(木) 16:55:58.10 ID:Z1jIcDIf0
〜キャスター陣営〜

ナサニエル「クラスは?」

バーティミアス「一応キャスターだな」

ナサニエル「…魔力とかそこそこしかないのに?」

バーティミアス「ならお前が供給してくれ。俺の偉大な力の片鱗を使いたいなら、足りない部分はマスター側で補ってもらわないとな」

ナサニエル「うるさい!大した力ないクセに!」

バーティミアス(やれやれ、とんだガキに召喚されちまったな)

ナサニエル「…宝具は?」

バーティミアス「グラッドストーンの杖だな」

ナサニエル「マジで?!」


〜セイバー陣営〜

フェイキアール「宝具は肉切り包丁、クラスはセイバーだ」

キティ「あなたにはバーサーカー攻略時に足止めしてもらうわ」

フェイキアール「足止め?…別に、倒してしまっても構わんのだろう?」フッ...

キティ「…! ええ、ふふっ」


〜バーサーカー&ランサー陣営〜

ラムスラ『pkgyk@tvppob@g)mw!』

ラブレース「やっちゃえ!バーサーカー!」

ラブレース「宝具はサマルカンドのアミュレット!無敵無敵無敵!」

ヴェロク「油断したな…?」ザシュッ!

ラブレース「グハッ?!」

ヴェロク「…」

ヴェロク「おい!陽動担当はランサー、お前だろう!何インプ食ってる!」

ジャーボウ「そこにインプがいたからだ」モグモグ

ヴェロク「もういい!お前は要らん!令呪で命じる!自害しろ!」

ジャーボウ「ごばっ!」

ナサニエル「ランサーが死んだ!」

バーティミアス「この人でなし!」

ヴェロク「やかましい!」

〜アサシン陣営〜

緑猿「マスター?喰われた」

〜ライダー陣営〜


ホノリウス「ワガハイ自由!」

ファーラー「…ライダーって、あなた何に乗ってるのよ?」

ホノリウス「調子にのってるだろう?」

ファーラー「つまらないわね」ハフー


〜アーチャー陣営〜

アズマイラ「」

ピューリップ「ガンジス川を御存知ですかな?」




70 :『古代の魔術師達は弱体化した現代魔術師より遥かに強い』って設定があったから… :2019/03/07(木) 16:59:30.45 ID:Z1jIcDIf0


カーバ「フンッ!!」ムキムキッ!ムキッムキッ!

お抱え魔術師「ハァッ!!」ムキ-ン!

ソロモン「ホゥゥウゥゥゥゥウウウウウウァアアアァアアア!!!」ムキムキムキ-ン!

アズマイラ「イャァ────!!筋肉ダルマばっかぁ───!」

71 :楽しい時はいつか終わる。 :2019/03/07(木) 17:02:33.26 ID:Z1jIcDIf0



バーティミアス「…ヒトは、脆い」


老人「…」

バーティミアス「ハ、お前もそろそろお終いだな」

バーティミアス「…」

バーティミアス「しっかし、アレだな。俺を召喚してからもう何年経ったんだろうな」

老人「さあ…私ももう忘れたよ」

バーティミアス「…」

バーティミアス「数十年。それなりに退屈しない時間だったぞ?うん」

老人「バーティミアス…」

バーティミアス「なんだ?辞世の句なら残す相手が間違ってるぞ」

バーティミアス「残念だが俺はそんな命令にない事までサービスしてやる気にはならないからな」

老人「…お前は、いい召使いだった…」

バーティミアス「…あー、うむ。お前も中々かっこよかったぞ、うん」

老人「…彼女に、よろしく」

バーティミアス「…自分で言えよ。それくらい」

老人「………」

バーティミアス「…」スゥゥゥゥ...





バーティミアス「…悪いな。お前もわかってるだろうが主人が死んだら召使いは自動的に消える」

バーティミアス「お前の伝言は伝えてやれそうもないな」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:09:58.51 ID:Z1jIcDIf0

───────
─────────
────────────
──────────────────


バーティミアス「…ぬっふぇ?」

ナサニエル「…よーやくお目覚めか?バーティミアス」

バーティミアス「あー…?ああ、すまん。少し召喚酔いしたらしい」

バーティミアス(何だ今の?あー、数百年前の主人の御臨終の時、だったか?)

バーティミアス(それとも、異世界じゃ時間の流れがアレだから…こっちでの未来、とかか?)

ナサニエル「また?お前死ぬとかそういうのやめろよ?」

バーティミアス「お?なんだ?心配してくれるのか。俺が死んだら寂しいのか?ナサげふん坊ちゃん」ニヤニヤ


ナサニエル「バーカ。仕事が滞るから困るって言ってるんだよ」

バーティミアス「…」

ナサニエル「?  なんだよ。こっち見つめて」

バーティミアス(…コイツも数十年後にはああなるんだよな…)

バーティミアス「ヒトは、すぐ死ぬんだよな…」

ナサニエル「何言ってんだよいきなり」

バーティミアス「別に?お前のその地位も若さも儚いモンだって思っただけだ」

ナサニエル「うるさいな。そんなのお前もだろ?」

バーティミアス「あ?」

ナサニエル「ヒトは、死ぬ。ジンも死ぬ。必ず死ぬ」

??ナサニエル「早いか遅いかの違い。いつかは君も僕も死ぬんだ」

バーティミアス「馬鹿か?その遅いか早いかは天と地ほども差があるだろうが」

ナサニエル「それでもだろ。永遠じゃない。感覚が違うだけだろ」

バーティミアス「そうだな、その理屈でいうと宇宙の果てまで行く距離も地球を一周する距離も大して変わらないな」

ナサニエル「と、とにかくだ。お前も他人事じゃないんだから精々気をつけろってコト」

バーティミアス「ああ、俺はいつまでも若くピチピチだが、お前は肌が荒れてハゲてシワ増えて肥えて臭くなって死ぬって事だろ?」

ナサニエル「僕、絶対一生スキンケアとヘアケアと自己管理怠らねえわ」

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:13:16.25 ID:Z1jIcDIf0


バーティミアス「まぁ、ちと思い出してな。昔の主人…?が老衰で亡くなった時に解放された時があってだな」

ナサニエル「…ふーん」

ナサニエル「ようは僕もいつかそうなるってわかってるから寂しいってんだろ?」

バーティミアス「ちがっ///」

ナサニエル「でもいつか必ずその日はやってくる。避けられないんだ」

ナサニエル「だったら、せめて生きてる間くらいは一緒にいればいいだろ」

バーティミアス「…」

ナサニエル「わかってるだろ?僕よりずっと長生きしてきたんだからさ」

バーティミアス「…まぁな」

ナサニエル「さ、仕事仕事。今度はね─────」

バーティミアス「…」




バーティミアス(そんな事くらいわかっていたつもりだったんだがな)





バーティミアス(柄でもないし年甲斐もないが)

バーティミアス(存外俺は小僧達とのこの時間を愛していたらしい)

バーティミアス「…」







バーティミアス「どうだ小僧。今から創作物のラスボスよろしく不老不死目指すってのは?」

ナサニエル「バカ言ってないでさっさと働けよ」

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 17:15:12.35 ID:Z1jIcDIf0


バーティミアス「あー、確かお前が昔中東とか行ってたからその辺りの風習か?」

アスコーボル「ピンポンピンポーン♪」

アスコーボル「フフッ!正解よバーティミアス!」

アスコーボル「今日はね、七夕と言って”タケ”と呼ばれる植物に”タンザク”っていう栞みたいな紙に願い事を書いて吊るすの!」

バーティミアス「はぁ?で?」

アスコーボル「そしたらね、星がその願い事を叶えてくれるのよ!」

バーティミアス「ほーう。そりゃ便利だな。全国どこでも毎日やったらいいんじゃないか?」

バーティミアス「そうすれば俺を含める全国の妖霊が魔術師達にこき使われなくて済むだろうに」

アスコーボル「ああんもう!ロマンがないわねバーティミアス!」プリプリ!

バーティミアス「…せめてサイクロプスの姿止めて、もっと見た目麗しい姿になっておくとかできないのか?」

アスコーボル「なんでよー?可愛いじゃない!サイクロプス!」

バーティミアス「あー、見た目と言動が一致しなすぎてな」

アスコーボル「あたしの可憐さとサイクロプスの筋骨隆々さのミスマッチがサイコーでしょ?」アハン

バーティミアス「すまんがそれについての共感は無理だな。その趣味の悪さは小僧と共通するとこがある」

アスコーボル「んもう!」プリプリ!




バーティミアス「…七夕、ねえ?」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:16:35.39 ID:Z1jIcDIf0








バーティミアス「七夕?」アスコーボル「そうよ?」ウフン?







76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:19:39.46 ID:Z1jIcDIf0

〜アズマイラ&キティの場合〜

キティ「ねぇ、アズマイラは何を願うの?」

アズマイラ「私?私はー、そうね…」

アズマイラ「『現状維持』」

キティ「…」

キティ「い、いい願い事よね。だって今が幸せじゃなかったら願わないものね」

アズマイラ「ええ!」ニコッ!

アズマイラ「キティは?」

キティ「私?『妖霊と人間、同じ人間同士の間で差別や喧嘩がなくなりますように』ね」

アズマイラ「フフッ。キティらしいね」

キティ「そう?」

アズマイラ「でもいいの?彼と結ばれたいと願わなくて?」

キティ「にゃ!?///」ボンッ

アズマイラ「だってあなたはいつも…、ああ、そうね。要らないわね」

キティ「そ、そうよ!?何言ってるのよ!突然!もー!?///」

アズマイラ「だって、わざわざ願わなくてもその内叶うものね」フフ

キティ「そそそそそんなことねーしゅっ!?///」

アズマイラ「どうしたのキティどうしたの」

77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:26:40.39 ID:Z1jIcDIf0
〜妖霊達の場合〜



ピューリップ「私は」

フリタング「はいはいガンジス川ガンジス川」

ピューリップ「失礼な。まだ何も」

コーモコドラン「…今後は紛争地域はいかされませんように、と」

ムワンバ「無理だろーな」

ホッジ「あのご主人じゃーなー…」





「「「「ハァ」」」」





〜ファーラーの場合〜




『私は首相になる』ドン!!!

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:30:01.53 ID:Z1jIcDIf0


〜ナサニエルの場合〜

バーティミアス「よう、小僧」

ナサニエル「なにー?」

バーティミアス「他の奴等は皆吊るしたが」

ナサニエル「よかったじゃん。叶うかどうかは知らないけど」

バーティミアス「いやな、お前の恥ずかしいお願いしてないか見てやろうと思ったんだが」

バーティミアス「お前の分がなかったんだが?」

ナサニエル「書いてないからね」

バーティミアス「オイオイ。相変わらず空気が読めない奴だな?自ら進んで仲間外れになりに行ってるワケだがいいのか?」

ナサニエル「馬鹿馬鹿しい。星に願って望みが叶うなら妖霊は要らないよ」

バーティミアス「…なんだろうな、お前と同じことを言っていたやつを知っているんだが」

ナサニエル「へー」

バーティミアス「だが安心しろ。そいつはたった今それを聞いた瞬間に考えを改めるらしいぞ」

ナサニエル「お前じゃねーか」

ナサニエル「ちぇ。じゃあ僕もお前と考え一緒なんてイヤだから改めるよ」

バーティミアス「ったく」

バーティミアス「あー、じゃあ。じゃあなんだがな、」

ナサニエル「なにさ」

バーティミアス「もし。もし妖霊でも叶えられない願いが叶うなら」

バーティミアス「お前は一体何を願う?」

ナサニエル「……」

ナサニエル「…そうだなぁ、」

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:33:23.88 ID:Z1jIcDIf0


〜バーティミアスの場合。〜

アスコーボル「あらバーティミアス。あなたも吊るすの?」

バーティミアス「俺のじゃないがな」

アスコーボル「あら。じゃあ誰の?」

バーティミアス「小僧の分だ。書いといてやった」

アスコーボル「書いといてって…まぁいいけど」

バーティミアス「よっこらせ」つ

アスコーボル「ねぇ、なんて書いたの?」

バーティミアス「ん?『キティと[ピーーー]したい』だそうだ」

アスコーボル「あらやだお盛んね。皆も見るでしょうに」

バーティミアス「知らん知らん。恥をかくのは小僧だからな」

バーティミアス「…む?悪いな。”召喚”だ。」

バーティミアス「あとでな」


シュン。




アスコーボル「…」


アスコーボル「ほんとにあんな事書いたのかしら?」ヒョイ


アスコーボル「……」


アスコーボル「…ぷっ。」



アスコーボル「やぁね。照れる事なかったんじゃないかしら?バーティミアス?」クスッ

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:34:25.29 ID:Z1jIcDIf0











『小僧の「何時までもこの腐れ縁が続きますように」というふざけた願い事を叶えてやってくれ』








81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 17:36:07.32 ID:Z1jIcDIf0




アスコーボル「〜♪」


赤ちゃんインプ『あれ?なんか上機嫌だね。何かいい事あった?』 スゥッ…


アスコーボル「ううん。微笑ましいのを見たってだけよ」フフフ♪



82 :ナサニエル「1ヶ月遅れのバースデー」 :2019/03/07(木) 18:21:30.41 ID:Z1jIcDIf0


<バタン

バーティミアス「小僧」

ナサニエル「…なに?」

バーティミアス「キティに誕生日を一ヶ月勘違いされてたなお前」

ナサニエル「うるさいな」

バーティミアス「いやぁキティはそういう所はきっちりしてると思っていたんだが」

バーティミアス「久々に面白かったな?」

バーティミアス「『はいっ!誕生日おめでとう!あなたもこれで……え?誕生日、今日じゃ、ない?』」

バーティミアス「『えっ…?一ヶ月、や、やだ私…勘違いしてた?!////ご、ゴメン!!』」

バーティミアス「人間の顔ってやつはあそこまで赤くなるもんなんだな」

バーティミアス「俺もそこそこ長く生きているがあそこまで赤くなった顔は俺が煽りに煽りまくってブチギレた魔術師ランキングでも上位に食い込めるぐらいだ」

バーティミアス「で?一ヶ月遅れでのバースデーを祝ってもらったお前のご感想は?」

ナサニエル「嬉しいさ。素直にね」

バーティミアス「ほう?」

ナサニエル「友達の誕生日がいつか、なんて結構忘れるものじゃないか。めちゃくちゃ仲が良くない限りプレゼントだって渡さないだろ」

ナサニエル「肝要なのは」

ナサニエル「祝ってくれる気持ちだろ」

バーティミアス「小僧、お前…」

ナサニエル「ふん…」

バーティミアス「…そこで悔しそうな半泣き顔じゃなけりゃ『お前でも成長できるんだな』って褒めてやったんだがなぁ」

ナサニエル「な、泣いてない!!デタラメ言うな!」

83 :本編後のif未来な後日談 :2019/03/07(木) 23:03:02.83 ID:Z1jIcDIf0
undefined
84 :本編後のif未来な後日談 :2019/03/07(木) 23:09:33.83 ID:Z1jIcDIf0

グイッ。


バーティミアス(おっと召喚か)

バーティミアス(やれやれ。今度は早く終わるといいんだがな)

────────
────────────
──────────────



魔術師「…」


ギュルルルルル…!


ズドーン!!!!ビャオオオオオオオオ!!!!


バーティミアス「ウォオオオオオオオオオ!!!!!」

バーティミアス(今回の登場は嵐と雷を渦巻き、ミノタウロスに腕を8本生やして全部の腕に武器を持ってみた)

魔術師「…」

バーティミアス(なんだかパッとしない奴だな…普通のスーツ姿のビジネスマンって出で立ちだ)

魔術師「…」

バーティミアス(なおノーリアクション。つまらん)

魔術師「初めまして。それではお名前を確認させていただきます。バーティミアス様でよろしいでしょうか」

バーティミアス「は?」

魔術師「…名前を確認します。バーティミアス様でよろしいでしょうか」

バーティミアス「あ?ああ。ウルクのバーティミアスだ。ジン族のサカル、強面ヌゴーソにして銀の翼を持つ蛇だ」

バーティミアス(なんだ!?わざわざ名前を確認するのは何千年も前から変わらん茶番だが、『バーティミアス“様“』だぁ?!何千年と生きて来たがそんな風に言われたのは初めてだぞ!?)

バーティミアス(自分からはよく言って来た口上だが他人から、それも魔術師から言われると寒気しかしないな!意味がわからないぞ!)

魔術師「ではどうぞそちらの椅子におかけになって話をお聞きください」

バーティミアス「…」

バーティミアス「はあ?」

魔術師「あっ、別に立っていていただいても」

バーティミアス「いやそうじゃない!そういうことじゃない!なんだお前!?」

魔術師「? 申し訳ありません。何かお気に触る事がありましたでしょうか?」

バーティミアス「やめろ!オイなんだその言葉使い!なんか気持ち悪い!」

魔術師「はぁ、左様でございますか」

バーティミアス「なんなんだ…全く…あーもう!ほら、早く仕事の内容を言ってくれ」

魔術師「ハイ。ではこちらの資料をお読み下さい」つ

バーティミアス「ああ?別に仕事内容くらい口で言ってくれれば憶えて…」

バーティミアス「ん?」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 23:11:29.70 ID:Z1jIcDIf0

魔術師「どうなされました?」

バーティミアス「…ペンタクルに枷が無い?」

魔術師「え?ええ。そりゃあありませんよ?」

バーティミアス「」

バーティミアス「はぁ?!お前…食うぞ!?遠慮なく食うぞ?自殺志願者かお前!」

魔術師「その時は防御させていただきますが…」

バーティミアス「…意味がわからん。なんで枷をつけない?」

??魔術師「え?いやそりゃあ『枷』なんてつけたら妖霊労働基準法とか妖霊保護法とかに抵触しますし」

バーティミアス「なんだそのゲフンマイオニーな法律は」

魔術師「まぁ簡単に言うと『妖霊に酷いことしちゃダメ』って法律です」

魔術師「当然“罰“も禁止ですしセクハラやパワハラもアウトですね」

バーティミアス「俺が知らない内にそんなものが…?時代は変わったな」

バーティミアス(…フェイキアールなら小躍りしながら人間を襲ってたかもな)

魔術師「ええ。あ、その資料に此方に滞在していただく間の器と労働時間、休憩、休日、賃金等の取り決めが書いてありますので」

バーティミアス「は?」

魔術師「はい?」

バーティミアス「賃金?労働時間?オイオイ…なんの冗談だ?」

魔術師「な、何か問題が?」

バーティミアス「いや…いやそうじゃなくてだな、」

魔術師「えっと…もしお気に召さない点がありましたらお断りして帰宅していただいても」

バーティミアス「はぁ!?拒否できるだと!?帰っていいだと!?」

バーティミアス「だったら今すぐ本当に帰るぞ!?いいのか?!」

魔術師「ええ。当然此方が妖霊さん達の都合なんて御構い無しに勝手にお呼びしてますし」

魔術師「ただ、恐らくバーティミアス様が最後に召喚された時より待遇等がだいぶよくなっているかと思いますし、人間妖霊間の関係改善の為にもお話を聞いていただいてからの方が、と」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/07(木) 23:17:05.23 ID:Z1jIcDIf0


バーティミアス「…なんだコレ」

魔術師「どうされますか?」

バーティミアス「…」

バーティミアス「…まぁ、聞くが…」

?バーティミアス(…なんだろうな、この感覚)

バーティミアス(一抹の寂しさ、そして)

バーティミアス(プトレマイオスやキティが実現しようと努力してた事が本当になったのに素直に喜べん)

バーティミアス(俺は…“あいつらが“成し遂げたのが見たかったのか)

バーティミアス(それに…なんというか、自分の5千年分のキャリアとノウハウが一気に消滅した時の虚無感…)

バーティミアス「…」

魔術師「どうしました?」

バーティミアス「…ってくれ」

魔術師「はい?」

バーティミアス「罰してくれ!“宇宙の万力“でも“死のコンパス“でもいい!」ガシッ!

魔術師「!?」

バーティミアス「なんなら焼尽の呪文でも使え!」

魔術師「どうしたんですか!?」

バーティミアス「なんか違うんだよ!!!モヤモヤするんだよ!」

魔術師「えっと、それはマゾヒズムみたいな、」

バーティミアス「そうじゃなくて!!」

バーティミアス「ああああ!!!小僧ぉおおおお!!!カムバァァアアアッック!!!!」ドゴシャァアアアン!!

魔術師「お、落ち着いてぇぇえ!!」
87 :バーティミアス「逆バレンタインデー?」ナサニエル「そうだ」 :2019/03/08(金) 01:36:45.41 ID:JKzNw19J0


ナサニエル「ハァイ!あたしナサ子!ピッチピチの28才!」ミ☆

バーティミアス「言葉も年齢ももうピチピチじゃないな」

ナサニエル「近年、そもそもバレンタインデーの渡し方は多様化したよねっ!」

ナサニエル「女→女とか、友チョコ、世話チョコ、社交辞令の塊チョコとか!」

バーティミアス「ああ、お前はゼロだったがな」

ナサニエル「だからね、従来の慣習に縛られず、男→男でとか、男→女へとか、友チョコとか世話チョコとかあってもいいと思うの!」

バーティミアス「受け入れずらい若干キモいって思っちまう俺は柔軟な考えが出来ない年寄りだからか?」

ナサニエル「そんなわけで今年はバレンタインの時、逆に渡してみたの!」

バーティミアス「なぁ小僧?ひょっとしてお前アスコーボルが中に入ってるとかじゃないよな?」

ナサニエル「せっかくだから女の子の気持ちになるために女言葉で話してるの☆」

ナサニエル「あっ、ちなみにバレンタインはこんな感じだったわ!」

バーティミアス「小僧?妖霊だって吐き気くらいはあるんだぞ?」

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/08(金) 01:43:52.81 ID:JKzNw19J0

〜キティの場合〜

ナサニエル「はい。ハッピーバレンタイン」

キティ「え?」キョトン

ナサニエル「製菓会社は売れればいいんだし、結構バレンタインデーって渡す人の範囲って広がってるだろ?男から女の子へ渡すのもありかと思ってさ」

キティ「ふーん…?まぁ受け取るわ。ありがとうナサニエル」

ナサニエル「…なあ、君からはあったりしないのかい?」ソワソワ

キティ「ごめんなさい。今仕事が忙しくてそれどころじゃなかったのよ」

キティ「ホワイトデーで埋め合わせするわ」

ナサニエル「ほんと?楽しみにしてるからね」



89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/08(金) 01:54:38.57 ID:JKzNw19J0

パイパーの場合



ナサニエル「かくかくしかじか妖霊召喚」

パイパー「え!いいんですか?ありがとうございます大臣!」

パイパー「申し訳ございません。私も用意しておくべきでしたね」

パイパー「その、大臣はそういうイベントにはご興味がないかと思っておりましたので…」

ナサニエル「うん大丈夫気にしてない。来年から気をつけてくれ」

パイパー「あ、えっと…はい…来年こそは、渡します」

バーティミアス「…」

バーティミアス(憧れてる、んだったか?アイツは小僧に)

バーティミアス(だったら後ろ手に小包を抱えてるぐらいなら渡せよ。むしろ俺には渡さない理由がわからんぞ)

バーティミアス(だが小僧がいい思いするのも癪だし、パイパー自身が勇気出すまでは余計なお節介はしないがな)

90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/08(金) 02:03:24.94 ID:JKzNw19J0


ナサニエル「かくかくしかじか」

アズマイラ「マルマルモリモリというわけね」

ナサニエル「君には質より量かと思って…ほら、」

アズマイラ「?」

ナサニエル「業務用の袋いっぱい1口チョ───」

バーティミアス「よおぉし小僧ちょっと待てよ?」ガシッ

ナサニエル「なんだよ」ズルズルズルズル…

アズマイラ「?」

バーティミアス「お前、お前な?アイツだって女なんだぞ?」

ナサニエル「知ってるよ!見ればわかる!」

バーティミアス「いーや、お前はわかってない。たぶん本当にわかってない」

ナサニエル「何が言いたいんだよ」

バーティミアス「お前、『デリカシー』って言葉を知ってるか?」

ナサニエル「当たり前だろ」

バーティミアス「どこの世界にバレンタインで業務用チョコプレゼントする奴がいるんだよ」

ナサニエル「ここにだよ」

バーティミアス「なんでちょっとドヤ顔してるんだ殴っていいかコラ小僧」

ナサニエル「いやだって彼女が」

バーティミアス「おい!他にはないのか?まともなチョコだ!」

ナサニエル「あるにはあるけど…」

バーティミアス「よし、ならそれを出せ」

ナサニエル「なんでお前に指図されなきゃいけないんだよ!」

バーティミアス「あまりにもあんまりだろうが!」

ナサニエル「はー…もう、わかったよ」

アズマイラ「ねぇ何の話?」ヒョコ

ナサニエル「あ、えっと、」

ナサニエル「ハイ。ブラックチョコレートなんだけど」

アズマイラ「いいの?ありがとう!」

アズマイラ「でもマンドレイク。私、もっといっぱいあるのがよかったわ」ビリッバリッ!モッサモッサ

バーティミアス「…」

ナサニエル「だから言ったろ」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/08(金) 02:07:52.37 ID:JKzNw19J0

バーティミアス「…オイ」

アズマイラ「?」モッキュモッキュ

バーティミアス「あー、俺からもだ。食え」つ

ナサニエル「あっ!?おまっ」

アズマイラ「え?いいの?」

バーティミアス「ああ。食え。」

アズマイラ「ふふっ!ありがとうバーティミアス!大事に食べるわね!」ニコッ!

ナサニエル「…」ジト

バーティミアス「えっ゛ふん!げふん!」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/08(金) 02:10:41.88 ID:JKzNw19J0
>>90〜アズマイラの場合〜
を1番上につけて読んでね
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/08(金) 02:18:09.72 ID:JKzNw19J0


〜ファーラーの場合。 〜



ナサニエル「かくかくしかじか師匠師匠というわけでしてー」

ファーラー「あら毒入りかしら?」ニコッ

ナサニエル「まさか。入ってたとしたら買ったお店の管理に問題があったってことですよ」

ファーラー「ふぅん?あなた私に気でもあるの?」クスクス

ナサニエル「さぁ?でも私は恋人に後ろからさされるのはゴメンですね」

ファーラー「食えない人ね。…いただくわ。ありがと」















〜女子トイレ〜

ファーラー「うごぉおおおおお!!!!あ、あの野郎!!やっぱり一服盛ってやがったぁあああああ!!!」

ウィットウェル「ちょっと!早くトイレ出てくださる!?私も限界なのよ!?」ドンドンドン

ファーラー「覚えてなさいよ!!?マンドレイク!!!」

ウィットウェル「あっ…」プチッ






バーティミアス「お前ホント敵にはえげつないな」

ナサニエル「ライバルは潰せる時に潰しておかないとね」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/08(金) 02:23:39.63 ID:JKzNw19J0


〜ラブレースの場合〜

ナサニエル「お前の~♪お墓の~♪まーえでー♪」

ナサニエル「チョコ垂らしてやるよ~♪」ダパダパ

ナサニエル「そーらたんとお食べー」

バーティミアス「あーあ。墓がチョコフォンデュだな。」

ナサニエル「こんな小さな復讐をする僕は器が小さいかな」

バーティミアス「そうだな」



───────
────────────
───────────────────



ナサニエル「そんな感じでホワイトデーよっ!」

ナサニエル「ナサ子楽しみっ☆」

バーティミアス「まぁまず間違いなく2人からはお返ししてもらえるだろうな、ああ」
95 : ◆3rfPz4lVbmKs :2019/03/08(金) 02:24:39.70 ID:JKzNw19J0
一応抽出完了。加筆修正をチラホラ。続きとかはその内。では。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/14(木) 19:31:56.85 ID:58Oj/8yt0
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