ダンガンロンパ ホープロワイヤル

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134 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:03:04.51 ID:eAg+4cOD0



不二咲「大丈夫? 苗木君、霧切さん!」



苗木「不二咲さん!」



135 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:03:32.39 ID:eAg+4cOD0

苗木(おそらく不二咲さんが能力を使ってどうにかしたのだろう)

苗木(光に驚いた大和田君はブレーキをかけて止まっている)



霧切「今の内に逃げましょう」

苗木「うん。不二咲さんはどうするの?」

不二咲「あ、僕も一緒に行かせてもらえると嬉しいな」

苗木「もちろんだよ!」

霧切「そうね……助けてくれたという事は敵対する意思はないと見るわ」

霧切「とりあえず大和田君たちが復活する前に森林地帯に逃げ込むわよ」



苗木(僕たちは突然現れて助けてくれた不二咲さんと共に三人で森林地帯に入っていく)

136 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:04:00.99 ID:eAg+4cOD0

<森林地帯>

霧切「ここまで来れば大丈夫でしょうね」

苗木「木の根が張り巡っていて、バイクが運転できるとは思えないし」

苗木(当面の安全が確保されたという事で……僕は不二咲さんの方を向く)



苗木「さっきは助かったよ、不二咲さん」

不二咲「うん……苗木君たちを助けられて良かったあ」

霧切「しかし、タイミングが良かったわね」



不二咲「あ、そのね。バイクの音が聞こえて何かあるのかな、と思って僕も住宅地にいたんだ」

不二咲「それで見てたら苗木君たちが追い回されてるから能力を発動して助けて……」

苗木「そういえば、不二咲さんの能力って何なの?」

137 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:04:28.28 ID:eAg+4cOD0

不二咲「あ、これだよ」

苗木(不二咲さんは電子生徒手帳を見せる)



『能力:超高校級のプログラマー』

『電子機器を自由に操れる。一日五回まで使用可能』



苗木「なるほど……でもさっきのはどうやったの?」

不二咲「住宅地の夜間用の街灯を限界まで光らせて破裂させたの。ちょうど二人の中間地点にあったんだけど」

苗木「それで光の爆発って思ったのか」



霧切「電子機器を自由に操れる……あの住宅地のように電子機器があふれている場合では使いやすい能力だけれど」

霧切「この森林地帯のように自然に囲まれた場所は不利な能力ね」
138 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:05:00.15 ID:eAg+4cOD0

霧切「さて、ここまでなあなあで済ませてきたけど、この場は戦場よ」

霧切「不二咲さんあなたには二つの選択肢があるわ」

霧切「ここで私たちと別れるか、私たちの仲間になるかよ」



霧切「あなたにも希望があるのでしょう。自分の希望を優先して私たちと一緒に戦えない場合は、助けてくれたお礼にこの場は見逃すわ」

霧切「逆に仲間になるなら、私たちの希望『世界平和』に変更してもらうことになる」

霧切「言っておくけど私たちがあなたの希望に変えるつもりは残念ながら無いわ」



苗木(この場はホープロワイヤル。希望と希望同士の戦いだ)

苗木(霧切さんの言葉は冷たいように見えて、問答無用で排除しないあたり優しい方なのだろう)

苗木(不二咲さんはどうするつもりなのか……いや、そもそも……)



苗木「ねえ、不二咲さん。どうして僕たちを助けたの?」

139 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:05:28.81 ID:eAg+4cOD0

不二咲「僕は……戦いとか争いとか苦手だから」

不二咲「苗木君たちがピンチになってるのを見て思わず助けたんだけど……」

霧切「優しさは美徳だけど、この戦場では命取りだわ」

不二咲「そう……だね」

霧切「それくらいならリタイアすることを――」



苗木「そんな厳しいことばかり言わないであげてよ、霧切さん」

苗木(僕は二人の会話に割り込む)



苗木「ね、不二咲さん。僕たちの希望『世界平和』のために一緒に戦ってくれない?」

不二咲「苗木君……」



140 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:05:55.12 ID:eAg+4cOD0

苗木「戦いが苦手な不二咲さんに酷なことを言っているとは思う」

苗木「でも……僕の勝手な思いこみかもしれないけど、不二咲さんだって『世界平和』になったら嬉しいって思うんじゃない」

不二咲「……うん、いいと思うよ」

苗木「だったら協力してくれると助かるな。戦うのが苦手なら……さっきみたいに僕たちを守る方に能力を使ってさ」



不二咲「守る……そっか。そうだね」

不二咲「ありがとう、苗木君。……うん、僕決めたよ」

苗木(不二咲さんは電子生徒手帳を操作する)



不二咲「よろしくね」

苗木(そこに表示されたのは『希望:世界平和』の文字)



苗木「うん、こちらこそ!」

苗木(こうして僕たちの希望は、三人の希望になった)

141 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:06:22.89 ID:eAg+4cOD0

霧切「はぁ……あなた、本当にお人好しね」

苗木「ご、ごめん……でも霧切さんだって、不二咲さんが仲間になるのは賛成でしょ?」

霧切「…………」

苗木「あ、あれ……?」

苗木(霧切さんは黙っている)



不二咲「えっとマズかったかな……?」

霧切「まあ、いずれ……いえ、今の内に……」

苗木「どうしたの、霧切さん?」





霧切「発動、超高校級の探偵!」

霧切「現在、私に敵意を向けているものを示しなさい!」





苗木「能力を……!?」

苗木(霧切さんがいきなり能力を発動する)
142 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:06:49.97 ID:eAg+4cOD0



苗木「どういうこと、霧切さん!?」



霧切「さて……私の能力、結果を電子生徒手帳にも表示できるの」

霧切「二人も見てもらっていいかしら」



苗木(霧切さんは質問に答えず、僕と不二咲さんに自分の電子生徒手帳を見せる)

苗木(島の全体図には五つの光点が表示されている)



苗木「えっと、この点が今の能力で探した物がある場所ってことでいいんだよね?」

霧切「その通りよ」

不二咲「探したのは敵意を向けているもの……だったよね。だったらこの住宅地にある二つの点は大和田君と石丸君でいいのかな?」

苗木「だろうね。それでちょっと離れた森の中に二つ……これは……?」

霧切「そして最後の一つは……このちょうど私たちがいる地点ね」



不二咲「……え!?」

苗木「誰かがこの近くに……!?」



苗木(慌てて僕は周囲を見回すが……不二咲さんと霧切さん以外に人影は見当たらない)
143 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:07:16.83 ID:eAg+4cOD0

苗木「……? 誰もいないよ?」

不二咲「…………」



霧切「忘れたの、苗木君? 私の超高校級の探偵は探した物の場所は分かっても、高度までは分からない」

霧切「そしてこの場所は森の中」

霧切「高い位置にも木々の枝などで、足場があるでしょう?」



苗木「つまり……?」

不二咲「上?」

苗木(僕と不二咲さんが空を見上げる)



霧切「さっきから視線を感じていたのだけど……」

霧切「本当次から次へと休ませてくれないわね」

霧切「来るわ、注意しなさい」



苗木(霧切さんが警戒するように告げる)

苗木(それと同時に――)

144 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:07:45.13 ID:eAg+4cOD0





苗木(ハムスターが僕たちめがけて飛び降りてきた)





145 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:08:17.16 ID:eAg+4cOD0
苗木(住宅地で大和田君と石丸君の襲撃を受けた僕ら)

苗木(間一髪のところを不二咲さんに助けてもらい、逃げた先森林地帯で『世界平和』の希望に変えてもらって三人目の仲間となった)

苗木(しかし、行き着く暇もなく次の襲撃者が迫る)



苗木「ハムスター……っ!?」

苗木(その正体は小動物、ハムスターであった)

苗木(僕たちめがけて枝から飛び降りてきたみたいだけど……体が軽いから受ける重力も小さくて落ちてくるスピードが遅い)

苗木(ひょいと避けるとそのまま地面に衝突する)



苗木「………………」

苗木「えっと……」
146 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:08:43.74 ID:eAg+4cOD0

霧切「こんな場所にハムスターがいて、私たちを襲おうとしたのが偶然だとは思えない」

不二咲「たぶん誰かの……いや」

苗木「超高校級の飼育委員、田中眼蛇夢君の能力だよね?」



苗木(僕らの先輩で、いつも4匹のハムスターと行動を共にしているのは知っている)

苗木(おそらく能力として4匹のハムスターを自由に扱えるということだろう)

苗木(それで僕たちを襲って……)



苗木「っ……ということは!」

霧切「ええ。襲撃者はこれだけじゃない可能性が高いわ! 注意しなさい!」



苗木(霧切さんの再度の警告と同時に)

苗木(視界の隅、落ち葉の下に隠れていた二匹目のハムスターが飛び出してきた)
147 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:09:11.13 ID:eAg+4cOD0

苗木「くっ! って…………」

苗木(今度は避けきれず、僕はその体当たりを食らうことになる)

苗木(食らうことになったが……ビクともしなかった)



苗木(そうだ、ハムスターなんだ)

苗木(別に体重も軽く、殺傷能力が高いわけでもない)

苗木(すばしっこいくらいで別に攻撃を食らったところで意味は――)



霧切「何ぼーっとしているの! 狙いは電子生徒手帳よ! 死守しなさい!」



苗木「あっ……!」

148 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:09:37.73 ID:eAg+4cOD0

苗木(霧切さんの言葉にはっとなる)

苗木(この戦いにおける死亡は二種類あるのだ)

苗木(一つは普通に殺されること)

苗木(二つ目は電子生徒手帳を壊されることだ)

苗木(ハムスターの力では前者は不可能でも、後者の電子生徒手帳を盗むことくらいは可能だ)

苗木(そしてその想像通りに、さっき僕に体当たりをしてきたハムスターは僕の懐に入ってきている)



苗木「くっ……このっ……!」

苗木(僕は慌ててハムスターを捕まえようとするが、すばしっこくて上手く行かない)

苗木(僕の体を探るように移動するハムスター。電子生徒手帳の場所を探しているのだろう)

苗木(捕まえようとしてもすんでのところで逃げられる)

苗木(後少し運が良ければ……だったら……!!)

149 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:10:06.04 ID:eAg+4cOD0



苗木「発動、超高校級の幸運!!」



苗木(僕は能力を発動する)

苗木(その結果ハムスターは運良く僕の手に収まることとなり……)



苗木「離れて!!」

苗木(そのまま、ブンッ! と放り投げた)

苗木(投げられたハムスターは空中で宙返りして、すたっと着地する)

苗木(そしてそのまま逃げていった)



苗木「ふぅ……」

苗木(これでどうにか窮地を脱することは出来た)

苗木(他の二人は……)

150 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:10:34.92 ID:eAg+4cOD0



不二咲「ああっ、電子生徒手帳が!」



苗木(見ると不二咲さんの電子生徒手帳を持った二匹のハムスターが森の奥へと去っていくところだった)



苗木「大丈夫、不二咲さん!?」

不二咲「うん、ボク自身は何ともないけど……二匹がかりで電子生徒手帳が……」

霧切「助けには入れれば良かったのだけど、私の方にも最初落ちてきたハムスターが復活して襲ってきていてね」

霧切「私自身はどうにかしたけど」



苗木(つまり四匹のハムスターが霧切さんに一匹、僕に一匹、不二咲さんに二匹襲ってきていたということか)

苗木(霧切さんは自力で、僕は能力で対処したけど、不二咲さんは二匹相手に成す術が無かったと)

151 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:11:00.37 ID:eAg+4cOD0

苗木「ど、どうしよう……電子生徒手帳を盗まれたってことは絶望的だよね……」

苗木(電子生徒手帳はこの戦いにおいて命と同義だ。それを盗まれたということは……)



不二咲「ご、ごめん」

苗木「不二咲さんが謝ることじゃないよ」

苗木(せっかく仲間になったのに……不二咲さんはこのままだと……)



霧切「そうね。絶望的……だけど、まだ終わってはいないわ」



苗木「え……?」

152 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:11:26.25 ID:eAg+4cOD0

霧切「考えてもみなさい。どうしてハムスターたちは電子生徒手帳を盗んでいったの?」

苗木「えっと……一人でも他の参加者を落とすためじゃないの?」

苗木「サバイバルゲームなんだから、自分の希望を叶えるためにどんどん他の参加者を落としていくべきだし」

霧切「ええ、そうね。だったら盗むなんて面倒なことせずに……その場で壊せばいいじゃない」

苗木「……あ、そっか!」



苗木(そうだ、電子生徒手帳を盗まれる……そんな絶望的な状況なのに……)

苗木(まだ不二咲さんは生きている)

苗木(普通なら他人の電子生徒手帳を手に入れた瞬間壊すのがベストなはずだ)

153 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:11:57.17 ID:eAg+4cOD0

不二咲「じゃあどうして僕の電子生徒手帳はまだ壊されてないの?」

霧切「考えられる可能性は二つ」



霧切「一つは電子生徒手帳を手に入れることが目的だったからよ」

霧切「例えば電子生徒手帳を勝手に操作して、希望を自分のものに変更すれば、不二咲さんは田中君のために戦わざるを得なくなるでしょう?」

霧切「まあこれは不二咲さんは一回しかない希望変更権を『世界平和』に変えるために使っているから、無理だけれどね」



霧切「それでも残った私と苗木君に何らかの交渉をしたり、人質にして誘い出すためなど色々考えられる」

苗木「なるほど……ただ不二咲さんを殺す以上の結果を狙ってってことか」

154 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:12:24.56 ID:eAg+4cOD0

霧切「二つ目は……そもそも電子生徒手帳を壊せないから」

苗木「壊せない……って、どういうこと?」

霧切「考えてみなさい、盗んでいったのはハムスター……小動物に電子機器を破壊するだけの力があると思う?」

苗木「あ……そっか」



霧切「高いところから落として壊すとか、何らかの道具を使って壊すとすることも考えられるけど」

霧切「ハムスターの力では手間がかかる。その間に私たちに追いつかれて、盗み返されては本末転倒だわ」

苗木「だからその場で壊すことは諦めて……ハムスターは運搬することに徹する……」

不二咲「そして持って行く先は……」



霧切「どちらの可能性でも、電子生徒手帳の行方は一つ」

霧切「飼い主の田中君のところよ」

155 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:12:59.90 ID:eAg+4cOD0

苗木たちから少し離れた森の中。

田中「フハハッ! よくやった、破壊神暗黒四天王よ!」

そこにはハムスターを操り苗木たちを襲撃した超高校級の飼育委員、田中と。



ソニア「やりましたね、田中さん!」

超高校級の王女、ソニアがいた。



二人は希望を『ノヴォセリック王国の今以上の発展』と同じくしてチームを組んでいる。

ソニア寄りの希望であるが、これはソニアが田中を自分の希望に変更するように口説き落とした結果であった。

156 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:13:28.05 ID:eAg+4cOD0

田中の能力はこうだ。



『能力:超高校級の飼育委員』

『四匹のハムスターを操ることが出来る。ハムスターとは視覚を共有することが可能』



この能力により離れた場所でも状況を把握出来る。

ハムスターというのは小動物ゆえに見つかりにくい。隠密に索敵するには絶好の能力だ。

そうして苗木たち三人を発見、襲撃して電子生徒手帳を奪ったということだった。



田中「むっ、ジャンPとチャンPの疲労が溜まったか。サンDとマガGに持ち手を変更だ」

現在、盗んだ電子生徒手帳を自分のところに持ってくるように命令している。

が、ハムスターでは電子生徒手帳の重量でさえ重い。

そのため二匹がかりで持ち、疲れたら残りの二人に交代という方式で運ばせているところだった。



ソニア「安全なところから一方的に、これが王族の狩りですね!」

田中「闇に生きるものは奇襲に長ける……当然の結果だ」



こうして作戦は成功。しばらくしてハムスターたちが電子生徒手帳を持ってきて――。

157 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:13:55.84 ID:eAg+4cOD0



霧切「やっぱりここだったわね!」

苗木「不二咲さんの電子生徒手帳は返してもらうよ!」

不二咲「頑張って運んだみたいだけどごめんね……!」



ソニア「っ……!?」

田中「貴様ら……!」



それと同時に苗木たちも襲撃、ハムスターが運搬していた電子生徒手帳が奪われた。



158 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:14:25.42 ID:eAg+4cOD0

田中「何故この時空を……!」

田中「我は僕(しもべ)と同じ闇を見ている! 追跡は不可能のはずだ!」



苗木「えっと……どうしてこの場所が分かった、ハムスターと視覚をしているから尾行には気づけたはず……ってことかな?」



霧切「ハムスターと視覚共有……想定通りね」

霧切「近くに気配がないのに、ハムスターの動きの指示が完璧だと思ったもの」



霧切「そしてどうしてこの場所が分かったのかということだけど……」

霧切「簡単な話よ、それが私の能力だから」



苗木(この襲撃直前に発動した霧切さんの能力)

苗木(霧切さんに敵意を向けているものを探した際に、少し離れた森にあった二つの点)

苗木(ここがそのポイントだ。敵意を向けているという条件に、田中君とソニアさんも含まれていたということだろう)

159 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:14:52.38 ID:eAg+4cOD0



霧切「ハムスターを使って安全なところから一方的に……という算段だったのだろうけど」

霧切「残念だったわね」



苗木「これで形勢逆転、3対2だよ」



不二咲「電子生徒手帳も取り戻したし」



苗木(僕たち三人は二人を逃がさないように取り囲んでいる。これなら――)



160 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:17:39.58 ID:eAg+4cOD0

ソニア「どうしますか、田中さん」

田中「……この場は敗北のようだな」

田中「だが、貴様らの顔しかと覚えたぞ! 必ずやこの借りを返さん!」



苗木「この場は……?」

霧切「逃げるつもりってこと?」

不二咲「でも、こうして三人で取り囲んでいるし……」



ソニア「それは早とちりちゃんですよ!!」

ソニア「まだ私の能力があります!」



苗木「っ……それは……!!」



ソニア「というわけで発動、超高校級の王女!」



苗木(ソニアさんが能力の発動を宣言すると――)

161 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:18:06.36 ID:eAg+4cOD0



苗木(シュン! と音がした後、二人の姿がその場から消えた)



苗木「これは……テレポート?」



『能力:超高校級の王女』

『テレポートが出来る。一日三回まで使用可能』



162 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:18:35.15 ID:eAg+4cOD0

苗木「王女らしくない能力だね……」

霧切「まあそもそも王女らしい能力って何なのかという話にもなるけれど」

苗木「あ、そっか」



霧切「結果的に取り逃したけれど、不二咲さんの電子生徒手帳も取り戻したから良しとしましょう」

霧切「この騒ぎを聞きつけた誰かがいないとも限らないし、移動するわよ」



苗木「うん、分かったよ」

不二咲「そうだね」

163 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:19:01.84 ID:eAg+4cOD0

<夜>

<廃墟地帯>

苗木(あの後、他の生徒と出会うことは無かった)

苗木(そうして時間は過ぎ、ホープロワイヤル初日の夜となる)



霧切「住宅街は人のいる気配がないだけで、住居はしっかり残っていたけれど」

不二咲「この廃墟地帯は壊れた家ばかりで、どこも吹きさらしになっているね」

苗木「でもちょうど残っていた非常食で腹ごしらえ出来たし良かったよ」



霧切「森の中で寝るより廃墟の方がまだマシだから、今日の寝床はここね」

霧切「というわけで本日最後の能力で周辺の警戒と、情勢の把握をしておこうかしら」



苗木「最後……? あ、そうか。霧切さんもう五回目だっけ?」

苗木(超高校級の探偵の枷。一日五回までしか能力を使えない)

苗木(霧切さんは既に武器の位置、僕の潜んでいた住居、逃げ出した僕が森林地帯のどこにいるのか、そして敵意を持ったものの場所で四回使用している)

164 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:19:28.61 ID:eAg+4cOD0



霧切「発動、超高校級の探偵」

霧切「生存している生徒全員の位置を示しなさい」



霧切「今回も生徒手帳に表示したわ。見たいなら見なさい」

苗木(霧切さんの言葉に僕と不二咲さんも覗き込む)

苗木(島全体の地図に、光点がバラバラとたくさん表示される)



苗木「とりあえず……この廃墟地帯には僕たち三人しかいないか」

不二咲「近くに生徒の姿はないね」

霧切「ええ。つまり寝込みを襲われる心配は少なさそうよ」

霧切「まあ遠隔攻撃出来る能力や瞬間移動の能力があるのを見た後だから、気休めではあるけれど」

165 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:20:02.69 ID:eAg+4cOD0

苗木「これが周辺の警戒で……情勢の把握ってどういうこと?」

霧切「希望を共にしてチームを組んでいれば一緒に行動していて、光点も同じ場所にある可能性が高い」

霧切「ここから他の参加者がどれだけチームを組んでいるのか分かるのよ」



苗木「なるほど……」

不二咲「言われてみると、単独の光点もあるけど、2つ3つ4つで固まっている光点がちらほら存在するね」

霧切「既に十神君の嘘、このゲームが個人戦であるということは破られたとみて良さそうね」



苗木(このサバイバルゲームでチームを組むことはメリットが多い)

苗木(単純に一人より二人の方が強いというのもあるし、能力で協力が出来る)

苗木(石丸君が能力を見抜き大和田君のバイクで攻撃、田中君のハムスターで安全圏から攻撃して危なくなったらソニアさんの能力で離脱、とその実例を目の当たりにしたばかりだ)



苗木(でも、だからといってとにかく大人数でチームを組めばいいかというとそれは難しい)

苗木(このホープロワイヤルは希望を一緒にしないとチームを組むメリットが無いからだ)

苗木(大人数が一緒の希望を持つというのは難しいようで、チームを組んでいても2〜4人というのが多い)



苗木(だからこそ――その光景は異常だった)
166 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:20:31.89 ID:eAg+4cOD0

苗木「ねえ、霧切さん……ここなんだけど」

霧切「ええ、分かってるわ。これはおかしいわね」

不二咲「どういうことなんだろう……?」



苗木(島の全体図のある箇所を指したところ、二人ともそれには気付いていたようだ)

苗木(その場所の異常……それは――)



苗木「光点がこの一ヶ所で……10個も集まっている」



不二咲「これって……10人のチームを組んでいるってことだよね?」

霧切「確定ではないわ。場所が分かるだけで状況は分からないから、現在この一ヶ所で10人が争っているだけって可能性もある」

苗木「なるほど」



霧切「とはいえこんな夜中にそんな大人数が争っている可能性も低いし……もしチームを組んでいるとすれば」

霧切「最初の参加者は48人で、現在死体発見アナウンスが開始後すぐに二回、そして夕方頃また二回鳴ってたわね」

苗木「あ、そういえば鳴ってたね」

霧切「だから現在の生存者が44人として……そのチームだけで約4分の1を占める戦力ね」
167 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:21:14.36 ID:eAg+4cOD0

苗木「10人も同じ希望の持ち主がいるのか」

不二咲「どんな希望なんだろう?」

霧切「そして誰がリーダーなのかということね」

霧切「私の能力、探したものの場所が分かっても、それぞれ何なのか詳細は分からないわ」

霧切「だからこの10人が誰なのかは不明ね」



苗木「でも例えばさらに『十神君の居場所を示せ』ってして、この10人の場所に光点が表示されれば、十神君がいるかは分かるよね?」

霧切「そうね。でも今日は能力を制限回数の五回とも使用済みだし、日付を回って制限回数がリセットされてもそれはしないわ」

霧切「あまり能力を使いすぎて、ピンチに陥ったときに使用回数が無くなっているなんてマネ困るもの」

苗木「あ、そっか」



霧切「まあ10人の方は気に留めるだけで良いでしょう。現在はそれ以上対策できないわ」

苗木「うん、分かったよ」

168 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:21:40.11 ID:eAg+4cOD0



霧切「じゃあもう良さそうね」

苗木「あ、うん。いいけど……」



苗木(霧切さんが電子生徒手帳をしまおうとする)

苗木(表示された地図と光点をぼんやりと眺めていた僕は……)



苗木「あれ?」

苗木(その中に何か違和感を覚えて……)



霧切「どうしたの?」

苗木「あ、いや、何もないよ」



苗木(でもそのとき電源が消されたため、その違和感の正体は分からなくなった)

169 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:22:09.07 ID:eAg+4cOD0

不二咲「もうそろそろ寝ようかな? 歩き詰めで疲れたし」

苗木「そうだね、僕も……」

霧切「ちょっと待って。苗木君、あなたの能力について確認したいことがあるから、もう少し付き合いなさい」

苗木「えっと……明日じゃ駄目なの?」

霧切「能力使用回数が余っている今日の内がベストなのよ」

霧切「確か私から逃げるために飛び降りたときと、ハムスターを捕獲するときの二回しかまだ使ってないでしょう?」

苗木「あ、そっか。残しても意味ないし、三回まだ使えるもんね」

霧切「そういうことよ」



不二咲「じゃあごめんだけど、僕は隣の廃墟で寝るね。おやすみー」

苗木(不二咲さんは僕を残してこの場を去る)
170 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:22:37.22 ID:eAg+4cOD0

苗木「それで能力の確認って言ったけど……」

苗木(僕は電子生徒手帳から改めて能力の詳細を見せる)



『能力:超高校級の幸運』

『50%以上の確率を100%に出来る。ただし自分の行動のみ。一日五回まで使用可能』



苗木「霧切さんもルール確認で見たとおり、僕の能力はこうだよ」



霧切「そうね。でも厳密にどうなってるか確認することは悪いことじゃないでしょう」

霧切「ということでさっき見つけた廃墟に落ちてたこれを使って実験するわよ」



苗木(霧切さんが投げ渡したものをキャッチする)

苗木(見てみると片面に○、もう片面に×が書かれたコインだった)
171 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:23:02.81 ID:eAg+4cOD0

霧切「最初に初歩の確認からよ」

霧切「どちらか指定した面を出したい、と能力を発動してコイントスして頂戴」

苗木「えっと……じゃあ○の面が出ますように。超高校級の幸運、発動」



苗木(能力を発動してから僕は親指でコインを弾く)

苗木(空中で何回転もして落ちてきたコインを受け止めると、表側になっていたのは……)



苗木「○だね。能力も発動したはずだよ、何か不思議な感覚があったし」

霧切「○か×が出るのはそれぞれ50%ずつ。ならば能力で100%に出来るということね」

172 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:23:28.81 ID:eAg+4cOD0

霧切「次はこれよ」

苗木(霧切さんは僕にサイコロを渡す。この廃墟の住人って、テーブルゲーム好きだったのかな?)



霧切「今度は指定の目を出すように能力を発動してから振って頂戴」

苗木「えっと……じゃあ6が出ますように。超高校級の幸運、発動」



苗木(能力を発動してから僕はサイコロを振る)

苗木(何回が転がった後止まったサイコロの上面にある目は……3だった)



苗木「まあこれは失敗するよね。能力の感覚も無かったし」

霧切「ええ。出る目の種類は1〜6で、6が出るのは約17%」

霧切「50%無い確率は100%に出来ないということね」
173 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:24:06.30 ID:eAg+4cOD0

霧切「だから『1、2、3のどれかが出ますように』なら発動できるだろうし」

霧切「逆に『絶対に6が出ませんように』っていう風に能力を発動することも出来るわね」

苗木「なるほど……」



苗木「そういえばサイコロで6が出る確率は『6が出るか出ないか』の二択だから100%に出来ないかなー……ってちょっとだけ思ってたんだけど」

霧切「屁理屈な考え方ね。分からないことはないけど」

霧切「でもそれが可能ならこのゲームは破綻しているでしょう?」

苗木「え?」



霧切「だって苗木君はこの戦い『優勝するかしないか』の二択じゃない」

霧切「それを能力で100%に出来れば優勝してしまって終わるでしょ?」

苗木「あ、そっか……」

174 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:24:32.40 ID:eAg+4cOD0

霧切「じゃあ次は……そうね」

霧切「そのコインを使おうかしら」

苗木(霧切さんは僕の手からコインを取る)

苗木(そのままコイントスして手の甲に落とし、もう一方の手で隠す)



霧切「さあ、今私が投げたコインがどちらの面が出たのか……能力を使って当てて頂戴」

苗木「……? 超高校級の幸運、発動。コインは……×の方だよ」

苗木(僕は能力の不思議な感覚に従って宣言)



霧切「ええ、その通りみたいね」

苗木(隠していた手をどけると、そこにあったのは×の面を上にしたコイン)



苗木「そりゃそうだよ。だって○と×で50%ずつでしょ?」

苗木「さっき僕が投げたときと同じだもん」

苗木「何を確かめたかったの、霧切さん?」



霧切「これは次の実験を分かりやすくする為よ」

175 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:25:00.40 ID:eAg+4cOD0

霧切「ということで次は私が今からコイントスするから、どちらの面を出させたいのか先に宣言して頂戴」

苗木「……? よく分からないけど……超高校級の幸運、発動」

苗木「霧切さんは○を出すよ」



苗木(今までと順番が違うけど、結局は50%の確率だ。結果は同じだろう)

苗木(霧切さんはコイントスしてキャッチする。出た面は――)



苗木「え、なんで×なの!?」



霧切「……やっぱりね」

176 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:25:42.30 ID:eAg+4cOD0

苗木「どういうこと? 霧切さんが何かしたの?」

霧切「何もしてないわ。というより不思議なことは全くないもの」

霧切「あなたの能力の詳細をもう一回見てみなさい」

苗木「詳細を……?」

苗木(僕は霧切さんに言われるまま電子生徒手帳を開く)



『能力:超高校級の幸運』

『50%以上の確率を100%に出来る。ただし自分の行動のみ。一日五回まで使用可能』



苗木「特に不思議なことは……あ、『ただし自分の行動のみ』って」

霧切「そういうことよ」

177 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:26:14.48 ID:eAg+4cOD0

霧切「私のコイントス一回目で能力を使ってやったことは『私がしたコイントスの面を、苗木君が当てる確率』の操作」

霧切「でも二回目は『苗木君が言ったとおりの面を、私が出す確率』の操作だった」

霧切「コイントスで○を出すのは苗木君じゃなくて私の行動」

霧切「だから幸運の条件『自分の行動』に当てはまらなかった。だから能力が失敗したのよ」



苗木「そういえば能力を使ったときの不思議な感覚が無かったかも」

霧切「つまり相手の行動の確率を操ることは出来ない」

霧切「これは覚えておいた方が良いわね」



苗木「うん、分かったよ」

178 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:26:42.71 ID:eAg+4cOD0

苗木「ってことで……結局最後幸運の能力発動してないから、あと一回分発動できるけど」

苗木「何か試したいことあるかな、霧切さん?」

霧切「そうね、能力の仕様は大体分かったから実験はいいけれど」



霧切「……ああ、ちょうどいいわ。確認したいことがあるの」

霧切「コイントスしてくれるかしら?」

苗木(霧切さんがもう一度コインを僕に渡す)



苗木「コイントス? もちろんいいけど……どういう風に能力使えばいいかな?」

霧切「今から私の言う条件でお願い出来るかしら」

179 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:27:13.12 ID:eAg+4cOD0





霧切「不二咲さんが私たちの仲間なら○、敵なら×」

霧切「事実に基づく面を苗木君が出す確率を100%にしなさい」





苗木「分かった、超高校級の幸運、発動………………」

苗木「って、え?」



苗木(予想外の条件に驚いたのは、能力発動もコイントスも終わった後だった)

苗木(空中を回転するコインを僕はキャッチして…………)



180 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:27:40.16 ID:eAg+4cOD0

苗木「霧切さん、どういうこと?」

苗木(僕はコインの面を手で隠したまま、霧切さんに聞く)



苗木「不二咲さんが敵か仲間かって……」

苗木「だって不二咲さんは希望『世界平和』を一緒に持つ仲間なんだよ?」

苗木「なのに……」



霧切「本当に仲間なら○が出ている。それで済む話でしょう?」

霧切「いいからコインを見せなさい」



苗木「そ、その通りだけど……」

苗木(能力が発動した不思議な感覚はあった)

苗木(複雑な条件だったけど、結局は敵か仲間の二択で50%以上と判断されたのだろう)

苗木(つまりこのコイントスの結果は事実を示しているはず)



苗木(僕はおそるおそる手をどける)
181 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:28:07.56 ID:eAg+4cOD0



苗木「そ、そんな……」



霧切「やっぱりね」



苗木(そこには×の面が――不二咲さんが敵であると示していた)



182 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/02(土) 22:29:38.17 ID:eAg+4cOD0
今日はここまで。
これで最新話まで追いつきました。

次の話については2〜3日以内に投下すると思います。
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 23:00:37.14 ID:wl9D4z8n0
だからさぁ、なんでみんな殺し合い受け入れてんのか説明しろよ。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:15:27.63 ID:35fn/E510
http://stardustorbt.web.fc2.com
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:16:01.81 ID:35fn/E510
偽りの守護星、連載中。
少し物語が動いてきたので変更しました。
唐崎麻人(男子二番)と郡山一海(男子四番)。
少しずつ増やしていきたいです。
2種類ランダム表示中。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:17:52.54 ID:35fn/E510
undefined
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:20:01.29 ID:35fn/E510
当サイトは、ユウキナオが管理する、バトルロワイアルの2次創作サイトです。
メインは管理人の書いたオリバトです。
グロテスク・暴力的な文章が苦手な方はプラウザバックぷりーず。
大丈夫という方は下のサイト名からお入りください(^^)





N.enu.






僕と君が出会った日。

僕はあれを、

運命だと疑わない。






Last up → 2009/10/12
since 2004 /03/30
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:20:51.31 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

ケーキ屋長男:男子1番 東十季


「拍手さんきゅ! 髪型が違うのはここだけの特別だってさ!」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:21:24.78 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

学年主席の自由人:男子3番粕谷ミチル

「ぱちぱちー^^嬉しいもんですなぁ!オレ、これからも頑張っちゃうよ!」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:21:57.38 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

恋は盲目!:男子7番 鳴海遊

「拍手さーんきゅっ!まじで嬉しー!!!」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:22:36.19 ID:35fn/E510

拍手ありがとうございます!


クラス1の不良娘:女子11番 元木早紀

「拍手ありがと。すっごい嬉しい!…もうね、キスしたいくらい。」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:23:10.59 ID:35fn/E510
拍手ありがとうございます!

ツンデレ乙女:女子8番 辻沢江里依

「べ、別にありがとうとか思ってないんだから!…嬉しいけど。」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:23:53.60 ID:35fn/E510
男子18番 吉見結渡


ルーズリーフに書いたのでまだ少し線が残ってしまってます;;
男子18番の結渡くん。さりげにメガネを書くのは初めてでした。
シャーペン書きをスキャナで取り込んでちょこっとだけ加工(と言っても明るさとコントラストを変えただけですが;)。
今度はもっと全身書いてあげたいな〜。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:24:32.97 ID:35fn/E510
やってしまいました。紫堂カムジさんとのメガネコラボっ!!もう嬉しくてテンションMAXです。はい。
紫堂さんのオリバトの八嶋愁くんと、うちのオリバトの吉見結渡。各オリバトを代表するメガネっ子ですvv
…それにしてもカムジさんのイラスト!!!美しすぎて目がつぶれそうです。
こうしてみるとさらにあたしの絵のヘタさが…わーっ!カムジさんのイラストで目の保養をどうかっ!!!(笑)
カムジさんのイラストは、ずっとずっと憧れだったのでこうしてうちの伊達メガネさんを描いていただけて本当に嬉しいですww
しかも愁くんとコラボだなんて…!!あわわ、幸せすぎてもう死んでもいいです。冥土の土産にカムジさんの絵を持って逝きます!!

ちなみにあたしの絵(右)は、結渡がかわいい子を指差して愁くんに突っ込まれているという裏設定があったりします(笑)
カムジさんにも「やっぱり女の子がらみなんですね!」と言われましたがそうなのです(^^;

カムジさん、お付き合い本当にありがとうございましたvvやっぱりメガネは最高ですね!!

愁くんもでてるカムジさんの素敵サイトさんはコチラ。
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:26:31.60 ID:35fn/E510
男子1番  飯田一穂(いいだ・かずほ)
部活 サッカー部
支給武器 スミスアンドウエソンM59オート
加害者 木田美由(女子4番)
被害者 なし
死因 喉元を日本刀で刺され、腹部に被弾
登場話 18
外見特徴 ●髪質が柔らかい黒髪
●童顔で背が低い
●くりくりした瞳
備考 明るくお人好しな性格で人を信じやすい。
その性格から友達も多い。
サッカー部では補欠だががんばっている。
津多田信夫(男子11番)と小野真(男子4番)と仲がいい。
+++ ごめんなさい‥。1話しか登場していないうえ美由ちゃんのやられ役になって貰いました。
本当に運が悪い子です(>_<)本当は真とかともからませたかったんですが、連載当初のあたしはなにを思ってたんだか‥;;
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:27:16.69 ID:35fn/E510
女子1番 相田翔子(あいだ・しょうこ)
部活 手芸部
支給武器 グロック19
加害者 江藤千乃(女子3番)
被害者 なし
死因 腹部と肩に被弾・失血死
登場話 3・19・42・43・44・45
外見特徴 ●黒髪で肩までのストレートヘア
●くりくりした瞳・少々垂れ目
備考 誰にでも平等に接することができる素直な子。
少し天然ボケな所もあるが、女の子らしくふんわりした感じ。
黒髪の肩までのストレートヘアに大きめのたれ目。
紺野さつき(女子7番)・江藤千乃(女子3番)・栗原美恵(女子5番)と仲がいい。
不良グループの葉月千と付き合っている。
+++ かわいい女の子を目指して書きました。
翔子ちゃんは、千を想って生きて、千を想って死んだんです。
最後は千くんにどうしても会わせてあげたかったんで、ああいう風になりました。
よくよく考えると元Win○の相田翔子サンと同姓同名なことに気づきました;
雰囲気的にも似ているかもしれません(^^;)
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:28:09.11 ID:35fn/E510
男子2番  宇井哲太(うい・てつた)
部活 バレー部
支給武器 防弾チョッキ
加害者 中野光(男子12番)
被害者 なし
死因 こめかみに被弾
登場話 6・31
外見特徴 ●なにもいじっていないサラサラの髪
●眠そうに見えるが大きめの瞳
備考 思いついたら後先考えず行動してしまうのが長所でもあり短所。
ひそかにナルシストで女好きという噂が流れている。
かっとなったら周りが見えなくなるのがたまに傷。
+++ 設定を生かしきれなかった気がする子です。
上の性格上プログラムに選ばれてしまったことによりかっとなってしまい、柏木さんに歯向かったことによってあんなことに‥
なんだか謝りどころ満載な子です;;
ごめんね、哲太くん‥今度ちゃんとSSかくからね(汗
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/03(日) 06:28:59.16 ID:35fn/E510
女子2番 青田郁(あおた・いく)
部活 バレー部
支給武器 手榴弾5個
加害者 神奈川勇介(男子6番)
被害者 なし
死因 後頭部をナタで強打された。撲殺。
登場話 35・36・37
外見特徴 ●ショートカットで後ろ髪が長い
●軟骨にピアスをあけている
備考 男勝りな性格で、負けず嫌いで熱くなりやすい。
バレー部キャプテンで、部活に燃えている。
ショートカットの髪に、軟骨にピアスを開けている。
鞠村織姫(女子16番)・瀬川茜(女子12番)・栗原萌(女子6番)と仲がいい。
深町純次(男子14番)とは1年で同じクラスになってからの親友。
+++ 郁ちゃんは、大好きな子です。
実は自分の経験をいっぱい入れた子なので想いいれが強い強い;;
うちのキャラで1番自分に近い気がする子です(^^)
純次くんとはきっと、天国でまた仲良く性別を超えたお付き合いをやってるかと。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/04(月) 06:09:20.57 ID:vl3Ho5C90
大北高等学校三年二組、長門勇次。彼は何故かクラスメイト全員と共に狭い部屋の中で目を覚ました。
彼らの目を覚ました直後に、謎のモニターに映った女が言い出したこと。

「今から、きみたちには凶蟲と戦ってもらう」

凶蟲とは五十年前に地球にやってきた大災害であり、今もなお大地を跋扈している怪物の総称である。それゆえに人類は大地を追われ、その数を百分の一ほどに減らし、狭いコロニーの中で暮らしているのだ。
唐突にそんなことを言われても、できるはずがない――そんな彼らに対して、女は言った。

「安心したまえ。きみたちには英雄が宿っているのだからね」

死地に送り出された彼らは、借り物の英雄の力を使って戦う――
200 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:09:57.22 ID:kSn/AzEG0
投下ー。
201 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:14:35.67 ID:kSn/AzEG0

苗木(不二咲さんが○なら仲間であり、×なら敵であるという条件のもと行われたコイントス)

苗木(2分の1を確実に引ける僕の能力によって示された結果は)

苗木(×……不二咲さんが敵であると示していた)



苗木「そ、そんな……」

霧切「やっぱりね」



苗木「やっぱり……って、どこかのタイミングで不二咲さんを疑っていたってこと?」

霧切「ええ。最初から怪しいと思っていたのよ」

苗木「最初っていうと……?」



霧切「大和田君と石丸君が襲撃してきた時点よ」

苗木「そんなときから!? というか不二咲さんと二人が関係あるの!?」



霧切「私の推理では不二咲さんと大和田君、石丸君の三人はチームよ」



苗木「三人がチーム……!?」

苗木「えっ? でも不二咲さんは、二人の襲撃から僕たちを守ってくれたのに……」



霧切「そうね……順序立てて説明していきましょうか」
202 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:15:02.05 ID:kSn/AzEG0

霧切「一連の流れまず最初は住宅街にバイクが侵入してきたことね」

苗木「潜伏しようとした僕たちがいる住居の窓を破って大和田君と石丸君は襲撃してきたよね」

霧切「ええ。そこから違和感を持ってたのよ」

苗木「違和感?」



霧切「何故大和田君と石丸君は私たちが潜んでいた住居をあんなに早く突き止めることが出来たのかしら?」



苗木「あっ……」

苗木(そうだ、僕だってゲーム開始時に住宅街なら家がたくさんあるから、すぐに潜む家がバレることはないと考えていた)

苗木(その後霧切さんに見つかっちゃったけど、それは超高校級の探偵の能力のおかげだ)

苗木(だから……)
203 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:15:30.92 ID:kSn/AzEG0

霧切「二人の内大和田君の能力がバイクの召喚なのは分かっていた」

霧切「だからもしかしたら石丸君の能力が私たちの場所を突き止めるようなものなのかもしれないと思ったけど」

霧切「『見た相手の能力、希望が分かる』であることがすぐに分かった」

霧切「この時点で二人の他に私たちの場所を突き止めた能力の持ち主がいるんじゃないかと推測したのよ」



苗木「でも不二咲さんに僕たちの居場所を突き止めることが出来たの?」

霧切「ええ。超高校級のプログラマー、電子機器を操るその能力で住宅街の監視カメラの映像を入手すれば可能よ」

苗木「そっか……それなら僕たちが入った住居の場所を特定出来る……」

204 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:16:01.11 ID:kSn/AzEG0

霧切「その次が苗木君に銃を渡して、バイクの車輪を打ち抜くように言ったところね」

苗木「不二咲さんが助けてくれて……バイクの音を聞いて駆けつけたって言ってたね」



霧切「まず第一に正直そんな都合良く聞きつけて駆けつけられたのかが疑問よ」

霧切「このゲームフィールドはかなり広いのに、そんな偶然あるかしら?」



苗木「偶然じゃないとしたら……」

苗木「三人がチームなら他二人が僕たちを襲撃することを当然不二咲さんも知っている……ってことか」

苗木「でもだったらチームなのにどうして仲間の邪魔をするように僕たちを守ったのかって疑問が沸くんだけど……」



霧切「それは自作自演の救出劇で、私たちに恩を売るためにやったんじゃないかって推測しているわ」



苗木「自作自演?」

205 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:16:28.64 ID:kSn/AzEG0

霧切「そもそもだけど……不二咲さんが助けてくれなくても、私たちは大和田君たちから逃げ切れたはずだわ」

霧切「能力のアシストがあれば、苗木君はバイクの車輪を打ち抜くことが出来たはずだから」

霧切「そうなればすぐ近くの森林地帯に逃げ込めばバイクが攻撃手段の二人が私たちを倒すのは不可能」

霧切「そんな地の利が悪いのに二人が正面から襲撃してきたのは……襲撃が失敗することは折り込み済みだったから」



霧切「あの襲撃はその途中で不二咲さんが私たちを守り味方だと印象づけることが目的だったのよ」



苗木「確かに守ってくれたから、すっかり味方だと思っていたけど……」

206 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:16:56.41 ID:kSn/AzEG0

霧切「その次は希望の変更ね。私の提案で不二咲さんは自分の希望を『世界平和』に変えたけど」

霧切「もし私から提案しなくても、自分から言い出してたでしょうね」



苗木「あ、それだよ!」

苗木「だってこのホープロワイヤルって希望が一回しか変更できないんでしょ!」

苗木「不二咲さんは僕たちの希望『世界平和』に変更したのに、『くれいじーだいあもんど』の希望を掲げる大和田君たちとチームなわけないじゃん!」



霧切「ええ。普通ならそうね」

霧切「だからこれは例外のパターンよ」



苗木「例外……?」

207 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:18:35.51 ID:kSn/AzEG0



霧切「もし最後まであの三人が残ったとしたら、不二咲さんは自殺する」

霧切「そうすれば『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』の希望は叶うでしょ?」

苗木「……っ!?」



霧切「この戦いの最後までには必ず死ぬ」

霧切「そういう前提で不二咲さんは希望の変更をしたのよ」



霧切「不二咲さんの優しさではこの戦場を生き残れないと私はリタイアを進めたけど……今思えば失礼だったわね」

霧切「こんなに覚悟を決めているというのに」



208 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:21:39.51 ID:kSn/AzEG0

霧切「さて、これは希望チームシステムを逆手に取った策よ」

霧切「敵チームを信用させられるから、スパイするにはとても効果的だけれどデメリットもあるわ」

苗木「デメリット……?」



霧切「それ以外にも希望変更権を使用するからこの策は一回しか使えない」

霧切「その一回を私たち相手に、『世界平和』に使ったってことは」

霧切「よっぽど私たちを警戒しているってことでしょうね」



苗木「…………」

苗木(霧切さんのここまでの推理は全部つじつまが合っている)

苗木(でも……)



苗木「その証拠は無いよね?」

苗木「大和田君たちが僕らを見つけられたのも、不二咲さんが僕たちを助けられたのも運が良かっただけで……」

苗木「不二咲さんの希望変更は本当に僕たちの希望に心を打たれたから……って可能性もあるはずだよね?」



霧切「……まあ、そうね」

霧切「苗木君の言うとおり証拠は無い。証拠のない推理は絵空事よ」

霧切「だから私は能力を使った」

209 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:22:05.21 ID:kSn/AzEG0

苗木「霧切さんの能力……? えっと、どのタイミングのこと?」

霧切「不二咲さんが希望変更したすぐ後の『私に敵意を向けているものを示しなさい』のことよ」

霧切「この能力で五つ対象が見つかったのは、電子生徒手帳から見せたから分かってるわよね?」



苗木「うん。住宅地にあった二つが大和田君と石丸君で、少し離れた森の中にあったのは田中君とソニアさんだった」

苗木「最後の一つは枝の上にいたハムスターで………………あれ?」

苗木「でも能力がハムスターに反応したのなら……他の三匹にも反応しないとおかしいよね……?」



苗木(今さら気付く。田中君のハムスターは四匹いる。なのに示された光点は一つだけ)

苗木(これは……)



苗木「あの反応は……ハムスターじゃなかったってこと?」
210 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:22:36.07 ID:kSn/AzEG0

霧切「ええ、そうでしょうね」

霧切「そもそも敵意をもつものという条件にハムスターは当てはまらない。田中君に操られて私たちを襲っただけだから」



霧切「だったらあの光点は何を示していたのか」

霧切「私の能力は座標が分かっても高度は分からない。あのとき地上には私たちしか居なかったから枝の上って言ってみせたけど……そのまた逆で本当は地上に対象はいたのよ」



苗木「あの位置にいたのは……僕たち三人」

霧切「そして条件は『私』に敵意を向けるものだから、残る候補は二人」

霧切「そうね、苗木君も当てはまるのだけれど、私に敵意を向けているのかしら?」

苗木「そ、そんなことはないよ!」



霧切「ええ。だから残るのは一人。不二咲さんだけ」

霧切「仲間であるはずの私に敵意を向けている理由……それは」



苗木「不二咲さんは僕たちを倒すために仲間になった……スパイだから」
211 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:23:02.34 ID:kSn/AzEG0

霧切「ということで以上を証拠とし、不二咲さんを私たちの敵と認定するわ」



霧切「おそらくこの後の不二咲さんたちの動きは……そうね」

霧切「もう十分に私たちの信頼を得られたと考えて、不二咲さんは大和田君たちとあらかじめ決めておいたポイント――」

霧切「バイクの能力とプログラマーの能力を十分に発揮できる……この付近だとビルが建ち並び道路が舗装されている商業地区かしら」

霧切「そこに私たちを呼び出す」

霧切「森林地帯が近くに無いから前回みたいに逃げ込むことも出来ないし、仲間だと思われている不二咲さんが確実に先制出来るからかなり高い確率で私たちを倒せると……そういう想定でしょう」



苗木(霧切さんは不二咲さんを敵と想定して、その先を考えている)

苗木(でも僕は……)
212 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:23:28.37 ID:kSn/AzEG0

霧切「だから私たちとしてはスパイに気付いた利点で、このタイミングで不二咲さんを倒すことも出来るのだけど……」

霧切「ちょっと苗木君、聞いてるのかしら?」



苗木「……うん、ちゃんと聞いてるよ」

苗木「でも……僕は不二咲さんを信じてみたい」

苗木「僕たちの希望、世界平和に賛同してくれた不二咲さんを……信じてみたいんだ」



霧切「……そう」

霧切「あなたはそういう人だったわね」



苗木「ごめんね。霧切さんこうやって推理してくれたっていうのに」

霧切「構わないわ。ならばこのまま不二咲さんを仲間として扱う」



霧切「でも一つ約束して。敵である可能性も考慮して、もし正体を表したら動揺せずに対処すると」

霧切「不二咲さんを信じたい気持ちも分かるけど……私の推理も信じてほしいわ」

苗木「分かった」
213 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:23:55.76 ID:kSn/AzEG0

<翌朝>

苗木(その後僕たちは夜も遅かったため眠り……夜の間に誰かに襲われるということもなかった)

苗木(無事朝を迎えて朝食として廃墟に残っていた非常食を食べる)



霧切「朝になって能力使用回数も戻った」

霧切「存分に動いていけるわね」

苗木「じゃあまずはどこに向かおうか?」



不二咲「それならちょっと行ってみたいところがあるんだけど……」

霧切「どこかしら?」



不二咲「僕の超高校級のプログラマーって、電子機器がないと効果を発揮しなくて」

不二咲「昨日の森林地帯でハムスターに襲われたときみたいに周りに電子機器がない場所だと無力だから」

不二咲「何か身に付けて使用できるものがないか探しに行きたくて」



苗木「あ、いい考えかもね!」
214 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:24:23.76 ID:kSn/AzEG0



不二咲「うん、だから……この近くの商業地区に行ってみない?」



霧切「いいでしょう」

苗木「…………」



苗木(霧切さんはさすがのポーカーフェイスで頷く)

苗木(でも僕は何も言えなかった)



苗木(そこは霧切さんの推理だと……僕たちを襲撃する絶好のポイントで……)

苗木(……いや、不二咲さんを信じると決めたんだ)

苗木(これくらいで疑ったら不二咲さんにも霧切さんにも失礼だ)
215 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:24:53.67 ID:kSn/AzEG0

<商業地区>

苗木(しばらく歩いて目的地にたどり着く)

苗木(舗装された道路、高いビルに囲まれた都市然とした雰囲気の商業地区だ)

苗木(今まで自然溢れる島だと思ってたけど、こんな場所もあるんだな)



霧切「さて電子機器というと家電量販店を探すのがまず最初かしらね」

不二咲「見つかるといいんだけど」



苗木(僕ら三人は通りに並ぶ店を見ながら歩く)

苗木(店員はいないのに店の作りはしっかりしているのが少々不気味だった)

苗木(住宅街の時も同じようなことは思ったけど)



苗木(僕たち生徒が様々な状況で戦うことが出来るようにと希望ヶ峰学園がゲーム会場にいろんなエリアを設定したのだろう)

苗木(単一のエリアだと様々な希望が争うという状況にそぐわないし……)



苗木「あれあっちから誰かが近づいて来て……」

苗木(そんなことを考えながら歩いていると――向かいに二つの人影が見えた)
216 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:25:23.23 ID:kSn/AzEG0



不二咲「超高校級のプログラマー、発動!!」



苗木「っ……!?」

苗木(そして不二咲さんは唐突に能力を発動)



苗木(ちょうど通りすぎた建築途中のビル)

苗木(その資材運搬用の超高層クレーンを能力で操作して鉄骨の山を僕たちの背後に落とす)

苗木(ガラガラッ! と轟音が辺りに響いた)



苗木「不二咲さん、何を!?」

霧切「苗木君、約束よ!!」

苗木「っ……!!」

苗木(不二咲さんに近寄ろうとした僕を霧切さんが止める)
217 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:25:51.50 ID:kSn/AzEG0



不二咲「その様子だと……バレてたみたいだね」

霧切「ええ、そうよ」



苗木(背後でようやく轟音が収まる中、不二咲さんは少し悔しそうにしている)



不二咲「霧切さんの推理力を侮っていたみたい……」

不二咲「でも、ここまで付いてきてくれたのは……苗木君が僕を信じようとしてくれたからかな?」



苗木(そのまま不二咲さんは歩いていく)

苗木(そのとき近づいてきていた二つの人影の姿が分かってきた)



218 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:26:18.63 ID:kSn/AzEG0



大和田「よくやったな、不二咲」

石丸「うむ、いい働きだったぞ!」

不二咲「ありがとね、大和田君、石丸君」



苗木(大和田君と石丸君は近づいてくる不二咲さんを称える)

苗木(つまり……全部霧切さんの推理通りだったのだろう)



苗木「ごめん……霧切さん」

霧切「謝らなくて良いわ」

霧切「この状況逆にチャンスとも言えるもの、三人を一網打尽にする」

219 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:26:47.08 ID:kSn/AzEG0

大和田「強気だな」

石丸「まあ君たちに逃げ場は無いからな! 僕たちを打ち破るしか手段が無いとも言えるだろう!」



苗木(石丸君の言うとおりだ)

苗木(左右はビルに挟まれ、今歩いてきた背後は鉄骨の山が出来て通れず、正面には大和田君たちが立ち塞がる)

苗木(かなりのピンチだ)



苗木「…………」

苗木(霧切さんと約束した、不二咲さんが敵でも動揺しないと)

苗木(ここは不二咲さんが敵だと認めて、どのように戦うか考えるべきなのだろう)

苗木(それでも……戦う前に聞いておかないといけないことがあった)

220 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:27:15.34 ID:kSn/AzEG0

苗木「ねえ、不二咲さん」

不二咲「どうしたの苗木君?」

苗木(不二咲さんは大和田君たちに近寄る歩みを止めて振り返る)



苗木「君が希望変更するときに言ってくれた言葉……僕たちの世界平和の希望に賛同するという言葉は嘘だったの?」

不二咲「……そうだね」

不二咲「丸っきり嘘ってわけではないよ」

不二咲「でも僕の胸の内にはそれ以上に強い希望……大事な友達である大和田君の『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』って希望を叶えたい気持ちがあるから」



不二咲「だから、ごめん。ハムスターに襲われたときに助けてもらった恩を仇で返すことになるけど」

不二咲「苗木君たちにはここで退場してもらうよ」



苗木「……分かった。その言葉だけで十分だよ」

221 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:27:47.84 ID:kSn/AzEG0

苗木(不二咲さんは歩みを再開して大和田君と石丸君のところまでたどり着く)

苗木(そして今度こそ振り返って……僕たちと対峙する)



霧切「ここにはプログラマーの能力の対象がたくさんある」

霧切「さっきのクレーンもだし、街灯を私たちを助けてくれたときのように爆発させるかもしれない」

霧切「消火栓やビルの内部のものを操って何かをするかもしれないし、全方位に注意しなさい」



霧切「そしてバイクはやはりあなたが頼りよ」

苗木「分かった」

苗木(霧切さんから銃を受け取る)

222 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:28:14.30 ID:kSn/AzEG0



霧切「絶対に勝つわ!」

苗木「やってみせる!!」



石丸「覚悟したまえ!!」

不二咲「『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』を叶えるために!!」



苗木(そして圧倒的ピンチな状況による3対2の戦いが――――――)



大和田「『暮威慈畏大亜紋土を世界で一番の族にする』か」

223 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:28:42.19 ID:kSn/AzEG0





大和田「そんな希望はもうどこにも存在しないぞ」





不二咲「え……? くっ……!?」 グサッ!



苗木(――始まらなかった)



苗木「……………………は?」

霧切「なっ……!?」



苗木(何故なら……大和田君が隠し持っていたナイフで不二咲さんの無防備な背中を刺したからだ)



224 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:29:08.61 ID:kSn/AzEG0

苗木「…………」

苗木「ど、どういうこと……?」



苗木(どうして大和田君が不二咲さんを攻撃するのか?)

苗木(やっぱり不二咲さんは大和田君たちと敵対していた?)

苗木(いやでもそうしたら不二咲さんが仲間だと思って近づいた意味が分からない)

苗木(だったら大和田君が裏切った?)

苗木(でもそんなことするメリットもないし……)



苗木「一体、何が起きて…………」



霧切「っ……そうだわ」

霧切「もっと早めに気付くべきだった」

225 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:29:34.24 ID:kSn/AzEG0



霧切「大和田君、どうしてあなたはバイクに乗っていないのかしら?」



大和田「…………」



苗木「バイクに……」

苗木(そうだ、二つの人影は歩いて近づいてきていた)

苗木(バイクに乗る隙を見せないためにも、バイクに乗って近づいた方がいいはず)

苗木(音を聞かれて逃げられる心配も無いわけだし)



苗木(だったらどうしてバイクを出していなかったのか)

苗木(そして戦いが始まるというこの段階になってもバイクを出さないのか?)

226 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:30:04.95 ID:kSn/AzEG0



霧切「発動、超高校級の探偵!」

霧切「大和田紋土の位置を示しなさい!!」

霧切「………………」



霧切「石丸清多夏の位置を示しなさい!!」

霧切「………………」



霧切「……駄目なようね」



苗木「駄目っていうと……」



霧切「能力使用回数が減っていない」

霧切「つまり……このサバイバルゲームのフィールドに現在二人は存在しないのよ」

227 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:30:35.38 ID:kSn/AzEG0

苗木「存在しないって……でも、今目の前に二人はいるんだよ!?」



霧切「ええ。だからあの二人は偽物よ」



苗木「偽物……!?」



大和田(?)「ったくよう。霧切、おまえは気付くのがはえーんだよ」

石丸(?)「その通りだ! もう少し戸惑う姿を見たかったぞ!!」



霧切「二人のマネして不愉快だわ。さっさと姿を現して頂戴」



大和田(?)「ノリが悪ぃな……おいっ」

石丸(?)「分かっています」



苗木(大和田君の呼びかけに、石丸君が対応)

苗木(すると二人の姿が光に包まれて――)

228 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:31:02.78 ID:kSn/AzEG0



江ノ島「というわけで劇場『裏切りの味』主演はアタシ、江ノ島盾子と!」



白銀「メイクリスト兼助演の白銀つむぎでしたー!!」



苗木(大和田君の立っていたところに江ノ島さんが)

苗木(石丸君の立っていたところに白銀さんが姿を現した)





『能力:超高校級のコスプレイヤー』

『自分か他者を指定した他人の姿、声に変えることが出来る。ただし変身には時間がかかる。一日三回使用可能』

229 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 09:31:37.48 ID:kSn/AzEG0
続く。
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 06:49:56.49 ID:E+GlLt8c0
奈良敬子
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 20:34:25.86 ID:E+GlLt8c0
ぺこ@出番16ケ31b
@gggarnet
成人済腐。動物か食べ物か腐った妄想の話か。hrak敵、八斎會、炎ホ炎。(link: http://pixiv.net/member.php?id=) pixiv.net/member.php?id=…裏垢
@rkgkpeco
犬小屋(外)
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 12:20:45.57 ID:EAYg2HKn0
みずかね@オリバト垢
@OrbtStardust
オリジナルバトルロワイアル(オリバト)サイト「Star☆Dust」の管理人によるオリバト垢です。更新情報などなどを発信します。発信用のため原則フォローはいたしませんのでご了承ください。現在9作目更新中。
stardust0302.fc2web.com
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 12:23:22.71 ID:EAYg2HKn0
梟の天麩羅-ドラクエ垢
@Kamyukunukeoshi
略してふくてんです 成人済
DQB2-主シドリクアネ DQ11-主カミュグレホメ 固定厨リバ不可 他カプも×
背後注意絵クッションなく上げます。18歳以下は回れ右?ギャグとエロしか描かない
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