【わたモテ×ジョジョ】モテないし漆黒の意志

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102 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 19:57:42.91 ID:lkeYsCRo0

内「くっ・・・ はあ、ふう、この・・・」

加藤「今のあなたの症状、重度の貧血そのもの」

内「ひ、ひっ、はあ・・・」

加藤「もう、いくら呼吸しても酸素を取り入れられない状態のはず」

内「くっ、そうっ・・・・・・・・・・」ギリギリギリ








┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃             \カカカカッ/             \カカカカッ/

┃スタンド名:メタリカ・セルフディストラクト(Metallica ・self-destruct・)
┃本体名:内 笑美莉
┃破壊力 - B スピード - A 射程距離 - C 持続力 - C 精密動作性 - B 成長性 - C

┃本体の血中に存在する無数のウジ虫状のスタンド。
┃全身から鋼鉄の刃を出して相手を切ったり針を放ったりすることができる。
┃さらに本体の肉体を強化し、近距離パワー型スタンドとも格闘できるだけの能力を持たせる。
┃棘を大きく突き出しアンテナがわりにして人の気配やスタンドパワーを感知することも可能で
┃逆に全身に鉄粉をまとい自身の物音・気配・スタンドパワーを遮断するなど多彩な能力を持つ。

┃\カカカカッ/

┃ただしこれらの能力を使用するには自身の体内の鉄分を消費しなくてはいけない。
┃しかも血中のスタンドは出している間ずっと本体内の鉄分を喰い続ける。
┃なので無理に使用しているとあっという間に重度の鉄分欠乏症を引き起こす。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


103 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 19:58:42.86 ID:lkeYsCRo0

加藤「吉田さん、黒木さん。 もう大丈夫、手を貸して」

吉田「おう。よくやったぜ」

黒木「そう? へへへへ」

吉田「加藤のことだバカ、てめえはやりすぎだ!」ボコッ!

黒木「あでっ?!」



 タ タ タ タ タ ・・・



加藤「内さん、今あなたはとても危険な状態。 一刻も早く病院へ」

内「ムダ・・・・・ だよ」

加藤「そんなことない、早く」

内「わたしの血液型・・・ 都内にしか、ない・・・」

加藤「なんですって?!」

内「県内には・・・ ない、もう・・・・・・・・・・ てお、くれ・・・・・・・・・・」ゼヒ ヒィ …

黒木「どうしたの?」

加藤「内さんに輸血できる血液が、近くにはないって・・・」

吉田「なんだって?!」

加藤「内さん! あきらめちゃだめ!」

内「ほうっといて・・・ わたし、もう、死ぬ・・・・・・・」ヒィ ハア ヒィ ・・・

吉田「なに言ってやがる!」

内「最初から・・・ そのつもり・・・」ヒ  イ  ・・・




「あんたら・・・ 殺して、わたしも・・・ 死のうって・・・・・・・」


104 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 19:59:35.96 ID:lkeYsCRo0

黒木「・・・・・・・」

吉田「なんだと・・・」

加藤「内さんなんで、なんでそんな・・・」

内「教える、もんか・・・ ぜ、はっ」ヒク ヒクッ・・・

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「リサーフィス、出て」

「ハイ」 ギ ャ ン !



吉田「お」
    リサーフィス
加藤「黒木さん?」

黒木「おいリサーフィス、やれるか?」

リサーフィス「デキマス。 シカシ・・・・・・・」

黒木「・・・やっぱ、やらなきゃダメ?」



「はっ・・・・・   ・・・・・・・   はっ・・・・・」 ヒ ク ・・・


    チェーンストークス
加藤(交代性無呼吸!)

リサーフィス「一刻ノ 猶予モ アリマセン」

黒木「はいはい」… ス ッ




  ソ  ッ  ・・・

105 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:02:50.80 ID:lkeYsCRo0

吉田「うん?」

加藤「え?」

黒木「・・・くっそ」ソ…



 ──── ギ ュ ッ 。



吉田「お、おい。 何してやがる」

黒木「まだダメ?」

リサーフィス「ハイ」

黒木「これでも?」ギュウ〜〜〜

リサーフィス「ダメデス」

内「は・・・・・・・・・・  ・・・  は・・・・・・・・・・」

黒木「ちっくしょー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「は      は       は」

加藤「黒木さん・・・・?」

黒木「・・・勘違い、しないでね」

加藤「えっ?」

黒木「わたし変態じゃないから」

吉田「はあ?」

黒木「人助けだから、これ」 ス ッ ・・・・・・・







  チ  ュ  ッ  ♡

106 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:03:59.98 ID:lkeYsCRo0

吉田「な」

加藤「  」



 チ ュ ウ ウ 〜 〜 〜 〜 〜 ♡



吉田「な、な、なに・・・」

加藤「          」ピキ・・・

内「               」ビ ク ッ   ブ バ ッ !!

黒木「うおお?!」

内「             」ブププププ

黒木(黄色い鼻血?!)

内「             」ガクンガクンガクン

加藤「くくくくくく、黒木さんっ!! 内さんが死んじゃうっ!!!!!」

吉田「な、なにしてやがんだおめえはっ!!!!」

黒木「くっそー、リサーフィス! これでどうだっ!!」ゴソゴソ バッ!



 ズ ギ ュ ウ ゥ ゥ ゥ ン



加藤「!」

リサーフィス「 perfect synchronization .」

黒木「ああもうっ、内さん!!」



 シ ュ パ ッ !


107 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:04:39.89 ID:lkeYsCRo0

吉田「おっ」

内´「お待たせ」

黒木「加藤さん、リサーフィスの血を使って」

加藤「できるの?!」
              シンクロ
内´「大丈夫。完全に 同 調 したから」

加藤「・・・わかった」シ ュ ル ッ !



 シュルシュルシュル     プ ツ ッ !



内「・・・・・・・は・・・・・・・」

吉田「そんな使い方も出来るのか」

加藤「うん」シュルルル プツッ

吉田(注射針みたいだな)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



吉田「大丈夫か」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「わからない、でもやるだけやってみる」

黒木「大丈夫だよ、きっと」

内´「でも黒木、わかってると思うけど」

黒木「わかってるよ」


108 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:05:05.60 ID:lkeYsCRo0

加藤「なに?」
   リサーフィス
内´「わ た し の血を使うってことは、黒木の血を使ってるってこと」

吉田「なんだって」

黒木「当然だろ」

加藤「黒木さん・・・」

黒木「平気だよ、入れられるだけ入れて」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「黒木さん、大丈夫?」

黒木「大丈夫」… フ ラ ッ

吉田「・・・無理すんなよ」



「・・・・・・・・・・・・・・ん・・・」



吉田「おっ」

加藤「・・・・・・・内さん」

内「あん、たら・・・?」 パ チ リ

黒木「(うまくいった)」 … ホ ッ

内「黒、木・・・・・・・・・・・・・・?」



シュル シュル シュル ・・・


109 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:05:41.21 ID:lkeYsCRo0

加藤「大丈夫、内さん?」

内「黒木・・・ そいつ、あんたの・・・?」

内´「うん」

内「輸血・・・・・・・してるの・・・・・・・?」

黒木「そうだよ」

内「・・・・・・・・・・・・・・なぜ」ギ ロ リ



「死なせて・・・・ くれな・・・・ かったの・・・・」



加藤「・・・内さん」

内「わたしなんか・・・・・・・ わたしなんか」ヒュー ヒュー …

黒木「死ぬことはない 私の血でよみがえるがいい」ドヤッ

吉田「・・・ったく。 てめえこそなんで、わたしたちを」

内「・・・・・・・・・キモかった、から」

吉田「またそれかよ」

内「だって、そうでしょ・・・ 女の子、どうして・・・」

内「あんなに、あんなに、ベタベタして・・・・・・・」




────── わたしたち、女の子だよ?




内「しかも、よりによって、そいつなんかと・・・・・・・」

黒木「は?」

内「そんな、キモいやつと・・・・・・!」

110 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:06:44.39 ID:lkeYsCRo0

黒木「キモくて悪かったな」ブスッ

内「いっつも・・・ わたしのこと、ヘンな眼で・・・ 見て・・・」




────── わたしのこと、そんな眼で見てたの?




吉田「ヘンな眼だあ?」

黒木「じ、自意識過剰だよ」タ ラ ッ

吉田「心当たりあるんだろ」ポコッ!

黒木「あてっ」

内「おかしいよ・・・ あんたら、おかしいよ・・・・!」ギ ロ …




────── おかしいよ、あなたおかしいよ!


───────── こんなの、普通じゃない!


──────────── うっちー、あなた・・・





  気  持  ち  悪  い  。




内「 気 持 ち 、 悪 い ・・・・ 」 フ ラ ッ



 … カ ク ン

111 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:07:21.99 ID:lkeYsCRo0

黒木「あっ」

吉田「お、おい」

内「・・・・・・・・・・・・・・」 ス ウ …

加藤「大丈夫、眠っただけ。 黒木さんも、もう大丈夫だよ」

黒木「・・・よかった。 戻れ」

内´「うん」パシュッ

黒木「はあ、これで一安心・・・ ん」



 パープー パープー パープー



黒木「救急車だ。 タイミングいいね」

吉田「なにのんきなこと言ってやがる」

加藤「・・・あっ」



 ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ …



黒木「あ」… タ ラ ッ

加藤「消防車だね」

黒木「な、なんで」タラタラタラ

吉田「てめえのせいにきまってんだろ」ポ コ ン !

黒木「あたたっ」



 シ ュ ウ ウ ウ ウ ゥ    プス プス プス …


112 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:07:51.04 ID:lkeYsCRo0

吉田「どうやって言い訳すんだよこれ」

黒木「ご、ごめん」

加藤「まあ救急車も来てくれたんだし」クスクス

黒木「・・・とほほ」




 ・・・  ジ ャ リ ッ




黒木「・・・あっ」

吉田「・・・・・・・!」



 ジ ャ リ  ジ ャ リ  ジ ャ リ



吉田(しまった、気を抜いちまった!)

加藤「・・・・・・・・・・・・・・宮崎、さん」




宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




黒木(内さんの友達か)…ゴクン

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・うっちー」

内「・・・・・・・・・・・・・・」…スウ

113 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:08:23.36 ID:lkeYsCRo0

黒木「あ、あの、その」モゴモゴ

加藤「・・・内さんは無事。 ひどい貧血だけれど」

宮崎「何があったの」

黒木「え、えっと、それが・・・」アタフタ

加藤「・・・・・・・よくわからない。 だけど」

宮崎「いったい、なんなの・・・・・・・」ジャリッ



「どうして、うっちーが、ふたりいたの?」



黒木「!」

宮崎「どうして、人形が、荻野先生になったの?」

吉田「・・・・・」

宮崎「どうして、黒木さんがうっちーにあんなこと・・・・・・・!?」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・宮崎さん」

宮崎「わかんない、わかんないよ!!」 ヘ タ リ 。



「おかしい、こんなの、おかしいよ・・・」

「こんなの、普通じゃないっ・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(こ、これ、どうしよう・・・・・・・)



 ・・・ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ       パープー パープー ・・・


114 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga ]:2019/01/28(月) 20:09:34.99 ID:lkeYsCRo0

※第2話 おわり※

次回は明後日予定。
115 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:27:15.06 ID:AMdTxS5a0

※第3話※
116 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:28:50.16 ID:AMdTxS5a0



────── あれから一週間。

内さんは県内の病院に入院。 経過は良好みたい。





あの出来事・・・ 内さんのことは、貧血による一時的な錯乱ってことにした。

みんなのケガは、内さんを取り押さえようとしてついたものだって。





それでその・・・ わたしがやらかしたあれ。

あれは、外にいただれかが、火炎瓶を投げこんだんだってことにしちゃった。





ムチャクチャな言い訳だとはわたしも思う。

加藤さんがいなかったら、絶対信用されてなかったろうな。





そして、今日。 わたしたちは内さんのお見舞いに来ている。

わたしと吉田さん、加藤さん。 それに ─────────







宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

117 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:29:33.84 ID:AMdTxS5a0


 … カリ カリ カリ



宮崎「・・・・・・・」カリカリカリ…

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「これで、いいですか」 ス ッ 。

看護師「はい、それで結構です。 1002号室へどうぞ」

宮崎「はい」

吉田「・・・・・・・」



 コツ コツ コツ …



加藤「・・・・・・・」コツ コツ

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」コツ コツ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」コツ コツ …

黒木(・・・・・・・空気が重い)テク テク

宮崎「看護師さん、うっちーの・・・ 内さんの具合は」

内「元気ですよ。 今日はお友達が来るんだって嬉しそうに言ってました」

黒木(友達、か)テク テク テク

宮崎「・・・・・・・そうですか」



 コツ コツ コツ

  コツ コツ コツ …

118 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:30:34.73 ID:AMdTxS5a0

 【 1002号室 】


黒木(・・・うう、いよいよか)ゴ ク リ

黒木(このカーテンのむこうにあいつがいる・・・)ドキドキ

宮崎「・・・・大丈夫だよ、黒木さん」

黒木「え」

宮崎「うっちーは、あなたたちに悪いことしたって言ってたから」

吉田「そうなのか」

宮崎「だから、謝りたいからあなたたちを呼んでほしいって」

加藤「そうだったんだ・・・」

黒木(素直に信じていいもんかどうか)ドキドキ

看護師「内さん、入りますよ」



「はい」



看護師「さあみなさん、どうぞ」

宮崎「・・・・・・・はい」

吉田「入るぜ」… シ ャ ッ

黒木「お、おじゃまします」




「みやちゃん。 ・・・・・・・・・・・・・・みんな」

119 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:31:36.67 ID:AMdTxS5a0

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・うっちー」

内「ありがとう、みやちゃん」

看護師「それでは、わたしはこれで。 帰るときには声をかけてくださいね」



コツ コツ コツ ・・・



内「・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「内、さん。 具合はいいの?」

内「・・・うん。 来週には退院できるって」

加藤「よかった」

内「加藤と黒木のおかげだよ」

黒木「あ、うん・・・」

内「ふたりが助けてくれなかったら、今ごろ。  ・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ッ



「ほんとうに、ごめんなさい」



黒木「・・・・・・・え」

内「加藤、吉田、ケガさせてごめん」

吉田「・・・参ったぜ。 お前、強すぎるんだよ」

加藤「わたしはかすり傷だったから」

黒木(・・・なんか、思ったより素直だな)… ホ ッ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「黒木、あんたにも怖い思いさせたね。 ・・・ごめん」

黒木「・・・おあいこだよ、わたしもあれだけやったんだから」
120 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:32:55.31 ID:AMdTxS5a0

内「あれはひどいよ、ほんとうに死ぬかと思った」

黒木「しょうがないだろ、加藤さんがやられるって思ったんだ」

内「・・・・・・・そうだね、そう。 ごめんね」

加藤「・・・黒木さん」

吉田「言い訳になるかバカ」

内「加藤、髪の毛も切っちゃってごめん」

加藤「大丈夫だよ。 ほら」 サ ラ ッ

内「・・・元通りになるんだ」

加藤「スタンドのおかげなの」

内「学校や警察にも、いろいろ聞かれたでしょ。 ・・・わたしのことで」

加藤「それは・・・ ごめんなさい」

内「なんで謝るの」

加藤「全部、内さんのせいにしちゃったみたいで」

内「『一時的に錯乱して暴れた』。 ・・・ほんとのことでしょ」… ギ ュ ッ



「わたし、おかしくなってた。 わけがわからなくなってた・・・」



黒木「え」ドキッ

吉田「なんだって?」



 ごめんなさい・・・ わたし、ちょっと、おかしくなってた・・・

 なんだか、わけがわからなくなってた・・・



加藤「・・・・・・・・・・・・・・」
121 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:33:43.27 ID:AMdTxS5a0

内「別に、わたしさ。 黒木のこととか、どうとも思ってなかったんだけど」

宮崎「      」 ピ ク リ

内「なんだか、かーっときちゃって。 ・・・ごめんね」

黒木「い、いや。 いいよ、ほんとに」

吉田(・・・・・・・・・・・・・・・・・・「おかしくなってた」?)

加藤(「わけがわからなくなってた」。 ・・・まさか)

内「でも、消防車呼ばれたのはわたしのせいじゃないからね」

黒木「そ、それは」ギクッ!

吉田「ほんとにこいつはムチャしやがる」グリグリ

加藤「ふふふ。 ・・・でも、助けてくれてありがとう」

黒木「へ 、へへっ」 内「・・・ふふっ」 吉田「ははっ」



 ア ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ・・・






 「 ふ ざ け な い で 」



黒木「え」 吉田「なにっ」 加藤「・・・・」

宮崎「ふざけないでよ・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「みんなでわかったふうなことばかり言って」… ギ ュ ッ



「いったい何よ・・・ なんなのよ・・・!」
122 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:35:41.21 ID:AMdTxS5a0

黒木「な、何って、その」… タ ラ ッ

宮崎「うっちーが怪物みたいになっちゃったり・・・ 火だるまになっちゃったり・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「人形が荻野先生になったり・・・ うっちーになったり・・・」

黒木「そ、それは」モゴモゴ

宮崎「もう、わけわからない。 普通じゃない、普通じゃないよ・・・!」

内「・・・みやちゃん、それは」

宮崎「気のせいなんかじゃないっ!」 サ ッ !



[ 荻野!   ・・・先生を呼び捨てにしない! ]



加藤「!」

黒木「な!」



[ ガシャ  ガシャ  ガシャッ ]

[ ビ ュ ッ  ヒ ュ ゴ  ビ ュ オ ッ ]



吉田「・・・おい」

黒木(しまった・・・!)



[ 内さんッッッ!!!  ─ 黒木っ!! ]

[ 戻れッ!    ・・・ひィーはっはっはーーーッ! ]



黒木(こんなとこまで・・・)ドクン ドクン

123 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:36:37.94 ID:AMdTxS5a0

内「全部、撮ってたんだ」

宮崎「・・・渡り廊下の上から」



[ ああもうっ、内さん!!  ─ お待たせ ]


                         あいつ
黒木(わたしのスタンドもは物質同化型。  内 のも・・・)

黒木(一般人の眼にも見えるし、映像にも撮れる!)

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(もしバラされちゃったら・・・!)… ド ク ン 。

宮崎「まだとぼけるつもり?」

内「・・・どうしたいの」

宮崎「全部話して」

内「・・・正直、わたしにもよくわからないんだ」

内「へんな矢を拾おうとしたら指を傷つけちゃって───」

宮崎「そういうことじゃない」 キ ッ !

黒木「へっ?!」



… ギ ロ ッ



黒木(な、なになになんなの? 宮崎さん)

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギ ロ …

黒木(そんなこわい眼で、にらみつけてきたりして・・・)

124 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:37:30.79 ID:AMdTxS5a0

宮崎「うっちー。 あなたさっき、嘘をついたよね」

内「なんのこと」

宮崎「とぼけないで。 黒木さんのこと」

黒木「えっ」



───── 黒木のこととか、どうとも思ってなかったんだけど。



内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「わたしたちがなにもわかってないと思ってた?」

宮崎「いつもいつも黒木さんの話ばっかりして」



 ─── あいつキモいよね。 すぐビクビクおどおどして、上目づかいで見てきて。

 ─── 言葉遣いも文章もキモいくらい丁寧で。字も無駄にうまくて。



黒木「へっ?」

内「・・・・・・・・・・・・・・」



 ─── なんか意外と義理堅くて、なにかしたらかならずお返ししてくれて。

 ─── そうやってまわりの女の子たらしこんでるんだよ、ぼっちのくせに。



黒木(だれが女たらしだ、くそ)ムスッ

宮崎「ちょっといなくなったと思ったら、いつのまにか黒木さんのそばにいて」

黒木「は?」

125 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:38:02.07 ID:AMdTxS5a0

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「授業が終わるたび、休み時間になるたび。 ・・・遠足のときだって」



 ─── うっちーーーーー!! どこーーーーーーーーーー?!

 ─── きれいだね。   あー ・・・うん



 ─── ・・・・・・・・・・・・・・



黒木「そ、そうだったの」

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「・・・・・・・それだけなら、まだよかった。 でも」



 ─── もう近寄らないでよ、うざい。 イラつく。

 ─── みんなだってそうでしょ。 わたし、キモいんだから。



 ─── 黒木? ・・・嫌いだよあんなやつ。 あいつだってそうでしょ。

 ─── いつもいつも女同士でベタベタベタベタして・・・・・・・・



 ─── だからいいでしょ?! ほっといてよ!

 ─── わたしのことなんて 気 持 ち 悪 い んでしょ?!

 ─── いいよ、もう。 ・・・わたし、もう死ぬんだから。




 ─── 死 ん で や る ん だ か ら !!

126 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:39:32.33 ID:AMdTxS5a0

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「つらかった。 すごく、悲しかった」

加藤「・・・そうだったんだ」

宮崎「うっちー、ずっと体が弱かった。 血液の病気で、ずっとずっと入院してた」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「うっちー、まるで、そのときみたいになっていっちゃって・・・」

吉田「・・・そのとき、か」

宮崎「いちばん病気が大変だったころ。 いつも死ぬんだ、死んでやるんだって」

黒木(まるっきりメンヘラだなこいつ)

宮崎「いまは具合が落ち着いて、元気なうっちーに戻ってくれたと思ってたのに・・・」

宮崎「なぜ病院に行かなかったの。 せめて、なんで一言でも相談してくれなかったの・・・?」

内「だからそれは、正直わたしにもよくわからないんだってば」

宮崎「嘘」

内「だからこれはほんとなの」
         ・ ・ ・ ・ ・
宮崎「だから、何 が 嘘 な の?」

内「・・・・・・・・・・・・・・」
      ・  ・  ・  ・  ・          ・  ・  ・  ・  ・
宮崎「『 こ れ は 本 当 』 な ら 、 嘘 は 何 な の? 」

内「・・・・・・・・・・・・・・だから、別に」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしのせい?」

内「なんのこと?」

宮崎「わたしの、せいなの?」

内「・・・・・・・なに言ってるか、わかんない」

127 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:41:35.76 ID:AMdTxS5a0

宮崎「・・・じゃあ、黒木さんのせいなの?」

内「別に」

宮崎「あんなに黒木さんのこと話してたのに?」

内「ヘンな奴だって思っただけ。 別になんとも思ってないよ」

宮崎「・・・・・・・だったら」 ギ ロ リ




   ・・・  こ  の  動  画  。

 拡 散 し ち ゃ っ て い い よ ね ?




黒木「は?!」

加藤「!」

吉田「・・・おい」

宮崎「大丈夫だよ。 吉田さんと加藤さんのはしない」

吉田「なんだと・・・・・・・」

宮崎「もちろんうっちーのもね。 ・・・黒木さんのだけ」

黒木「なっ!!!!」

内「みやちゃん」

宮崎「なんとも思ってないんでしょ」

黒木(や、ヤバい・・・!!)… タ ラ ッ

宮崎「・・・ううん。 迷惑だって言ってたよね」

宮崎「ヘンな眼で見てきたり、ヘンな事したりしてくるヤバい人だって」

黒木(・・・・・・・どうしよどうしよどうしよ・・・!)ダラダラ

128 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:42:55.99 ID:AMdTxS5a0

加藤「・・・宮崎さん」

宮崎「これで安心だよ、もう。 黒木さんは二度とあなたに近づけない ───」

黒木(冗談じゃない!! んなことされたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!)ダラダラダラダラ

内「・・・みやちゃん」ギュッ



「─────── お願い、やめて」



黒木「・・・・・・・え」

吉田「・・・おまえ」

内「みやちゃん、やめて。 それだけは」

加藤「内さん・・・」

内「気が済まないんなら、わたしのにして。 黒木は ───」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・内、さん」

宮崎「・・・・・・・なら、全部話して」

内「そんな、話すことなんて」

宮崎「じゃあ答えて。 黒木さんのこと、どう思ってるの?」

内「・・・ちょっと面白いやつだな、って思っただけ」

宮崎「じゃあなんでコソコソしてたの?」

内「・・・みんな、こんなキモいやつなんて嫌がるかなって思ったから」

内「別にそんな、特別なことなんてなにも・・・・・・・・」

宮崎「うっちー、もう・・・・・・・・!」

黒木「・・・・・・・・」ゴ ソ ッ



… ゴソ ゴソ ゴソ

129 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:45:11.31 ID:AMdTxS5a0

宮崎「!(・・・黒木さんの人形!)」

吉田「おい」ジロリ

黒木「もう、ごまかせない。 加藤さんごめん、カーテン閉めて」

加藤「黒木さん・・・」シャッ

黒木「言い逃れは無理」 ス ッ …



「内さん」

「・・・いいの?」



宮崎「!!!!!」

内「・・・!」

内´「ほんとうによかったの?」

黒木「よくないよ。でもどうしようもない」

内(これが黒木の力。 ・・・改めて見ても、ほんとうにわたしそのもの)

宮崎(鏡を見てるみたい・・・)ゾクッ
           リサーフィス
黒木「宮崎さん、 こ っ ち に聞いて」

宮崎「えっ」
   こいつ  そいつ
黒木「 内´ は 内 より、ちょっとは素直だから」

内「・・・・・・・・え、ちょっと」

内´「わたし、話すなんて言ってない」

黒木「頼むよ、このままだと本当に拡散されちゃう」

内´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やだ」

130 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:48:39.44 ID:AMdTxS5a0

内(・・・ふーん、わたしってこんなふうなんだ)

宮崎(すごい、ほんとにうっちーだ・・・)

黒木「強情だな」
   そっち
内´「笑美莉に言ってよ」プイッ

宮崎(身振りも口ぶりも。 ちょっとしたしぐさもなにもかも)… ゾ ク ッ

黒木「どうしても、どうしてもダメか」

内´「・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ッ



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みやちゃんに、だけなら」



宮崎「・・・うっちー」

内「ちょっと待ってよ。 ・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「当然だな」

加藤「わたしたち、部屋から出てるね」

黒木「じゃ、行こう」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ、もう」

宮崎「えっ」

内「話す。 みんなに話す。 それでいいんでしょ」

吉田「・・・おまえ」
             スタンド
内「話すから黒木。 そ れ 引っこめて」

黒木「あ、うん。 ・・・戻れ」
        わたし
内´「またね、笑美莉」



 ・・・ パ シ ュ ッ

131 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:50:33.01 ID:AMdTxS5a0

宮崎(人形に戻った・・・)

内「便利なやつだね」
    スタンドバトル
黒木「 戦  闘  には使えないけど」

内「戦えればいいってもんじゃないと思う」… ギ シ ッ

加藤「内さん、いいの?」

内「あんたたちだって聞きたがってたでしょ」

内「なんでわたしがあんたたちを殺そうとするのかって」

吉田「まあな」

内「だから教えてあげる」 ギ シ …



「わたしなんか、死んじゃったほうがいいやつなんだってこと」



加藤「内さん・・・・・・・」

宮崎「・・・・・・・うっちー」

内「ごめんね、みやちゃん」

宮崎「そんなこと言わないで、お願い」

内「ごめん。 ・・・でもね、黒木」

黒木「な、なに」ドキッ!

内「あんたも悪いんだよ」

黒木「へっ??」

内「あんたが悪いんだ。 あんたが ─────」



 あんな『眼』で、わたしを見たりするから ────

132 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:51:32.61 ID:AMdTxS5a0

加藤「『あんな眼』?」

吉田「・・・おい、黒木」

黒木「な、なんのことだか」タラタラ

内「あんたいっつも、わたしのことヘンな眼でみてたでしょ」

内「修学旅行のときとか、シャワーしてるとこ覗いてきて」

吉田「はあ?」

黒木「そ、それは」ギクッ!

内「チアの練習してる時に、スカートの中覗いたりもしたよね」

黒木「そ、それは、その・・・・・・・」ダラダラダラ

吉田「よしわかった」グッ!



 グ イ ッ



黒木「うぐえ?!」

宮崎「吉田さん!?」

吉田「内、こいつはがっつりシメとく。それで勘弁してくれ」ギリギリギリ

内「・・・・・・・勘弁って」

吉田「いっつもそうなんだこいつは、わたしもひどい目にあってる」ギリギリギリ

黒木「      」ヒクヒク…

加藤「ひどい目って?」

吉田「・・・・・・・聞くな」ブスッ

内「・・・・・・・・・・」ギ シ …



「放してやってよ、吉田」

133 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:53:20.22 ID:AMdTxS5a0

吉田「ん?」

内「吉田。 黒木、放してやって」

吉田「あ、ああ」… パ ッ

黒木「ぜ、ぜひ、ひは・・・」ゼー ゼー

内「・・・吉田。 ほんとにこいつって、ヘンなやつなの?」

吉田「ああ、これでもかってくらいヘンな野郎だ」

黒木(余計なお世話だこんちくしょう)ゼハ ゼハ ゼハ …

内「 ふ ー ん 」 ク ス ッ 。

宮崎「うっちー、あなた・・・」

内「うん。 ・・・」ギ シ ッ



「思い出しちゃったの」



加藤「思い出した?」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「あんたがあんまり、ヘンな眼で見るもんだから、さ」

黒木「・・・わたし、が」

内「うん。 昔のこと。 ・・・・・・・みやちゃん、言っちゃっていい?」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

内「ごめんね。 ・・・わたし、バカなことしちゃったんだ」

黒木「バカなこと?」

内「うん、バカなこと」 … ク ス ッ



 思い出したくも 、ないこと ────────

134 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:54:03.01 ID:AMdTxS5a0


…… … ────────────── … ……



 うっちー! おかえりーっ!

 みーやちゃんっ! たーだいまー!



 病院、出てこれたんだね?

 うん! 来週までいいって。



 よかったー。 ・・・じゃ、いっぱい遊ぼ?

 もーちろん! 遊んで遊んで、遊びまくるんだから!






 はあ、はあ。 あー疲れた!

 へへへ 、楽しかったね。 じゃ、そろそろ帰ろっか?

 ・・・まって。 ほら。



 わあ、きれいな夕焼け・・・

 ね、観覧車乗って帰ろ?

 ・・・うん!





  カア  カア  カア …

135 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:57:08.25 ID:AMdTxS5a0



 ・・・すごーい。 街が、あんなに小さい。

 全部、夕焼けの色に染まってる。 きれいだね・・・




 うん。 すごくきれい、天国みたい・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・あ。 ご、ごめんなさい。 そういう意味じゃ。

 ううん、いいの。 本当に天国みたいだもん。

 うっちー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・ね、みやちゃん。

 なあに?



 わたし、大人になれるのかなあ。

 えっ?



 ・・・・・・・一緒に入院してた子、亡くなっちゃったんだ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・わたし、大人になりたい。 まだ死にたくないよ。

 うっちー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

136 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:58:07.87 ID:AMdTxS5a0


 だって、不公平だよ! なんでこうなの?! ひどいよ!

 わたしだって大人になりたい! 恋もしたい、結婚だってしたいのに!!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 死にたくない。 死にたくないよ! こわいよ・・・

 死なないよ、大丈夫。 うっちー、元気になってきたでしょ。



 大丈夫? ほんとに、大丈夫?

 うん、ほんと。 絶対大丈夫だから、ね。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・みやちゃん。

 うっちー?



 わたし、恋、したい。

 え?



 みやちゃん。 ・・・・・・・・・・・・・・

 えっ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





…… … ────────────── … ……
137 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:58:56.72 ID:AMdTxS5a0

黒木「   は?   」アングリ

加藤「・・・・・・え・・・・・・・」ドキドキドキ

吉田「え、えっ。 おい・・・おい」ドギマギ

内「うん。 ・・・・・・・しちゃった」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(こいつガチだった。やっぱりガチだった)ゾクゾクゾクッ

吉田(え、おいおいおい、ウソだろ? そんな、そんなそんなそんな)カーッ///

内「なんだか、さ。 舞い上がってたんだ、わたし」

内「みやちゃんが優しくしてくれてたからって、さ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「だから。 ・・・あんな、キモいことしちゃって」ギ シ ッ

内「みやちゃんに、嫌な思いをさせて─────」






 ────── うっちー・・・・・・・・・・・・・・

 ────── ダメだよ、こんなこと・・・・




 ────── え? えっ? うっちー、あなた・・・

 ────── わたしのこと、そんな眼で見てたの?




 ────── ・・・ううん、好きだよ。 大好き。

 ────── でもわたしたち、女の子同士だよ・・・・?

138 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 22:59:42.69 ID:AMdTxS5a0


 ────── わかるよ、わかってるよ・・・でも。

 ────── こんなの、ヘンだよ、ダメだよ! え・・・・・




 ────── なに言ってるのあなた!? おかしいよ!

 ────── あなたおかしいよ! こんなの普通じゃない!




 ────── うっちー、あなた・・・







 ──────  気  持  ち  悪  い  。





黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・そう、だったの」

内「うん。 みやちゃんに、嫌な思いをさせた」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

吉田(ま、マジか。 こんなことってほんとにあんのか)ドギマギ

黒木(・・・気持ち悪い、か)…ギュッ

内「それでも、さ。 みやちゃん、そのあともずっとわたしと友達でいてくれた」

内「中学も高校もおんなじでさ。 退院してたときはずーっと一緒にいたなあ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

139 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:00:40.91 ID:AMdTxS5a0

内「おかげでわたし、元気になれた。 友達もいっぱいできた」

内「全部みやちゃんのおかげ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それなのに、さ」

内「黒木が、あんな眼でわたしを見るもんだから」

内「わたしも、なんだか・・・・・・・・・・・・・・」




(なにアイツ?! キモい! マジキモイ!)

(なんで裸とかスカートの中とか覗きにくるの?!)



(パンツ盗んだりわたしの身体おかずにしたりするの?!)

(キモいキモいキモいキモい! 気持ち悪い!!)




 ──────  気  持  ち  悪  い  。




(・・・わ、わたしは違うし。 ちゃんと反省したし)

(わたしはもうノーマル。 ふつう。 あんなキモいやつとは・・・)



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?)



(・・・おい、黒木。 あんたどこ行っちゃってるの?)

(加藤とか根元とかガン見して・・・ わたしのことガン無視して・・・)




 ────── みやちゃん? みやちゃん・・・

140 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:04:39.99 ID:AMdTxS5a0


(・・・え、ちょ。 ちょっと待って)



 ────── みやちゃん? ねえ、みやちゃん。

 ────── なんでそんな子と仲良くしてるの?

 ────── わたしは? ねえ、わたしは?



(なんで今、またこんなこと思い出して。 ・・・ちょ、ちょっと)



 ────── みやちゃん・・・・・・・

 ────── み や ち ゃ ん !!!

 ────── ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)



 ────── ・・・・・・・死んでやる 。わたしなんか・・・・・・

 ────── 死 ん じ ゃ え ば い い ん だ !!




(・・・・・・・なんで、こんなこと思い出させるのさ)

(黒木のやつ・・・・・・・)






(あんたのその眼がいけないんだよ!)


141 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:05:40.64 ID:AMdTxS5a0



カッチ コッチ カッチ コッチ …



内「・・・・・・・・・・・・・・こーんな、感じかな」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「ごめんね、みやちゃん。 ずーっと嘘ついてて」

宮崎「・・・嘘、って」

内「うん。 わたし、みやちゃんのおかげで、変われたと思ってた」

内「普通になれたんだって。 ・・・・・・・でも、そんなことなかった」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内「やっぱりわたし、ヘンなやつだった、普通じゃなかった」

内「─────── 気 持 ち 悪 い や つ だった」

宮崎「               」ピクッ

黒木(キモい! マジキモい! こいつもしかしてわたしのこと・・・)ガクガクブルブル

内「勘違いしないで、黒木」

黒木「へっ」
                 ・ ・ ・ ・ ・ ・
内「別にわたし、あんたをそういうふうに見てるわけじゃない」

黒木「そ、そうなの」ホッ

内「あんたみたいなちんちくりん好みじゃないし」 クスクス

黒木(なんだとこらあ!?)ムカッ!

内「でもさ、少しだけ期待しちゃったんだ」ギ シ ッ




 わたしのこと、わかってくれるかもしれないって ─────

142 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:07:40.82 ID:AMdTxS5a0

黒木「え」

加藤「・・・」ピクッ

内「だってヘンじゃん、黒木って」

黒木「な、なにが」

吉田「ああ」

加藤「うん・・・」

黒木(加藤さんまで?!)ガビーン

内「こんなにヘンなやつならさ、わかってくれるかもって思ったんだ」

内「・・・わたしみたいな、変態のこと」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「・・・みやちゃん。 全部わたしが悪かったんだ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・あなたが?」

内「わたしが勝手に思いこんで、勝手に暴れただけ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「だから黒木のこと、勘弁してやって・・・」



  嫌  よ  。



内「・・・え」

黒木「えっ?!」

宮崎「嫌よ、嫌。 絶対に駄目」

内「みやちゃん、悪いのは」

宮崎「うっちーが悪いんじゃない。 悪いのは黒木さん」 キ ッ !

143 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:09:09.64 ID:AMdTxS5a0

黒木(そ、そんなにらまれても)アセアセ
                          ・ ・ ・
宮崎「うっちーをおかしくしたのはやっぱり こ の 人」


                   ・ ・ ・
 ────── ほら、例の あ の 人 。



黒木「(・・・やばい、こいつマジで怒ってる)」… タ ラ ッ 。

宮崎「あなたさえいなければ、うっちーはこんなにならなくて済んだ!」

加藤「宮崎さん、それは」

宮崎「二度とうっちーに近づかないで。 近づいたら、動画を公開する」

黒木「近づくなってったってどうやって・・・」モゴモゴ

宮崎「転校でもしたら?」

黒木「はあ?!」
              おまえ
吉田「・・・・・・・・・おい、宮 崎 。」ギ ロ リ 。

宮崎「あなたたちのは公開しないって言ったはず。 ・・・口出ししないで」

黒木「(じょ、冗談じゃねえぞ!! なんとか、なんとかしないと・・・)」ダラダラダラ

内「みやちゃん、お願い。 黒木のこと・・・」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・大丈夫だよ、うっちー」

内「えっ?」

宮崎「わたしだって・・・ わたしたちだって、きっとあなたのことわかってあげられる」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「大丈夫、全部秘密にすればいい。 その、女の子とのことも、不思議な力も・・・」

内「無理なんだ」 …ゴッ…



 シ ャ キ ン ッ

144 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:10:14.88 ID:AMdTxS5a0

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・!」

吉田「・・・おい」

内「平気だよ、これくらいなら」ゴ ゴ ゴ

宮崎「でもうっちー、血が・・・」

内「大丈夫。すぐ止めるから」

黒木(あの刃、ほんとうに傷口からでてくるのか・・・ 痛い痛い痛い)ゾクゾク

加藤「・・・痛くはないの」

内「平気」

加藤「痛いんだね」

宮崎「うっちー・・・」

内「ダメなんだ、これ」 … チ ャ キ



「勝手に出てきちゃうんだもん」



宮崎「えっ」

内「今のはそうじゃないけど。 でも、あのときみたいに・・・」



 ─── ダメだよ、うっちー!  ・・・うあ?!


 ─── バ ッ !!



内「気持ちが高ぶっちゃうと出てくる。 ・・・どうしても止められない」

宮崎「・・・そんな」
145 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:11:03.41 ID:AMdTxS5a0

内「みやちゃん。 わたし、あなたのこと大好き」

宮崎「わたしもだよ、うっちー」

内「・・・でも、もうわたしのそばにこないで。 お願い」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「わたしきっとまた、あなたを傷つける。 今度はほんとうに殺しちゃうかもしれない」 ギ ュ ッ

内「わたしは、ヘンなやつ。普通じゃない。  だから───」




  ば  か  っ  。




内「えっ」

宮崎「ばか」… バ ッ



 ヒ シ ッ 。



黒木「?!」

加藤「!・・・・・・・」

吉田「お、おい」

内「え、え・・・ みやちゃん、だめ」

宮崎「・・・ばか」… ギ ュ



・・・ ギ ュ ウ ウ ウ ウ ッ
146 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:12:52.08 ID:AMdTxS5a0

黒木「宮崎、さん。 その、あぶない・・・」ヒヤヒヤ

宮崎「ばか、ばか、ばかっ。 うっちーのばか」ギ ュ ウ

内「・・・みやちゃん、ほんとに離れて」

宮崎「ずっといっしょにいたのに。 ほんとの友達だと思ってたのに・・・」

内「・・・・・・・・・・」

宮崎「うっちー、あなた・・・」ギュ…



 そんなに・・・・・・・・・

 そんなに、黒木さんがいいの?



黒木「は?」

加藤「え」

吉田「なっ」

宮崎「わたしが普通だから? 不思議な力がないから?」…ジ ワ ッ

内「み、みやちゃん?」

宮崎「だからわたしよりも、黒木さんがいいの?」

内「だから、そういうんじゃないってば」

宮崎「ひどいよ! わたしたちずっと、一緒だったのに・・・」ギュウウウ

黒木「(もしかして、宮崎さんも?  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」ピ ク ッ

宮崎「ねえ、黒木さんとわたしと、どっちがいいの・・・?」 グ ズ …

内「ど、どっちって・・・(こんなみやちゃん、はじめて・・・)」

黒木「・・・・・・・」ピク ピクピクッ



 ピ  ー  ン  ☆
147 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:14:17.80 ID:AMdTxS5a0

宮崎「ねえ、答えてよ。 答えてよ、うっちー!」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ゴソゴソ ゴソッ



「宮崎さん」

「・・・なに」



宮崎「きゃ!?」

宮崎´「何の用?」

黒木「なんとか、うまくいったかな」

宮崎´「だから、どういう用事?」 キ ッ !

黒木(・・・やっぱり宮崎さん、わたしのこと嫌なんだな)

宮崎(こ、怖い・・・ まるでわたしそのもの)ゴクッ

吉田「何してやがるんだ、おい」

黒木「宮崎´さん。」ジ ー ッ



「あなたも、内さんに言わなくちゃいけないこと。 ・・・・・・あるんじゃない?」



内「え?」

宮崎「!」

吉田「黒木、てめえいったい・・・」

黒木「宮崎´さん、あなたも内さんに嘘ついてない?」

宮崎´「・・・そんなこと」

宮崎(そ、そんなこと・・・)
148 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:14:53.00 ID:AMdTxS5a0

黒木「ないんならいいけど。 ・・・でも内さんはあなたに何もかも話したんだと思うよ」

宮崎´「・・・・・・・・・それは・・・」

宮崎(・・・・・・! それは・・・)

黒木「あなたも、何もかも言っちゃったほうがいいんじゃない?」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも」

宮崎(でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

黒木「・・・・・・・」 ク ル ッ



「内さん、どう?」



内「えっ」

黒木「内さんはどう?」

内「ど、どうって」

黒木「宮崎さんの本音、聞きたくないかって」

内「ほ、本音って。 それは・・・」

黒木「・・・おい、てめえ」ギ ロ ッ

内「てめえ?!」

黒木「どうなんだ、え? こら」ギロリ

加藤「く、黒木さん?」アセアセ

黒木「てめえ今の宮崎さん見てどう思うんだよ」

内「ど、どうって・・・」

黒木「まさかとは思うけど」 ギ ロ ッ



「てめえを気持ち悪がってる『だけ』だって、本気で思ってるんじゃねーだろーな」
149 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:15:52.78 ID:AMdTxS5a0

内「そ、それは・・・・・・・・・・・・・・」モゴッ

宮崎(・・・うっちー)

吉田「・・・・・・おい黒木、もうそのへんにしろ」ジロリ
                              そ い つ
黒木「わかった。 でも、内さん。 もし聞きたきゃ 宮崎´さん に聞いてみて」

内「・・・あんたのスタンドに?」
                                    コントロール
黒木「そいつは宮崎さんのコピー。だからいまはわたしにも 制 御 しきれない」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「少しくらいは言うこと聞いてくれるけど、それでもどうしてもいやだってことはさせられない」

黒木「だからそいつが喋るのは本音。 正真正銘、宮崎さんの本音」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「みやちゃんの、本音・・・・・・・」

黒木「無理に聞けとは言わないけど。 でも、仲直りしたいんだろ」

宮崎「・・・仲直り」…ギュッ

黒木「いま聞いとかなかったら、一生後悔するかもしれないよ」

内「一生、後悔? ・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「邪魔だったら、わたしは出てる。 ・・・じゃ」

内「ちょ、ちょっと、黒木」

吉田「じゃあな」

加藤「・・・じゃ、ね」

内「ちょ、ちょっ・・・」

宮崎「・・・・・・・」



 スタ スタ スタ スタ …
150 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:16:50.05 ID:AMdTxS5a0

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・」

内「聞いてみろ、って。 もう・・・」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・あなた」

内「な、なあに」ドキッ

宮崎「あ、ごめんね。 ・・・あなたのほう」

宮崎´「わたし?」

宮崎「あなた、なんなの?」
              スタンド
宮崎´「・・・黒木智子の幽波紋で、あなたのコピー」

宮崎「スタンド?」

宮崎´「超能力とか、守護霊みたいなもの」

宮崎「その超能力でつくった、わたしのコピー?」

宮崎´「うん」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・わたしの名前は」
        あつこ
宮崎´「宮崎 敦 子」

宮崎「好きな食べ物は」

宮崎´「サイゼのイカ墨リゾット」

宮崎「うっちーはなぜ、わたしのことをみやちゃんと呼ぶの?」

宮崎´「わたしがそうお願いしたから」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「うっちーと同じ理由で」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

151 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:17:47.81 ID:AMdTxS5a0



…… … ────────────── … ……



                     あっこ
 ───── あっちゃーん!  敦 子ちゃーん!

 ───── ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ───── あっこちゃん?

 ───── ごめんエミリ。 わたし「敦子」って呼ばれるの嫌なんだ。



 ───── どうして?

 ───── だって「敦子」って名前、古臭くない? 「エミリ」のほうが素敵だよ。



 ───── ・・・わたしは、この名前イヤ。 読みづらいとかヘンだとかって言われるから。

 ───── そうだったんだ。 ・・・・・・・いっしょだね。



 ───── うーん・・・ それじゃ「宮崎」だから「みやちゃん」なんてどう?

 ───── あ、いいねそれ。 じゃあわたしは「うっちー」って呼んでいい?



 ───── うっちーか、えへへ。 よろしくね、みやちゃん。

 ───── よろしくね、うっちー・・・ ふふふっ。




…… … ────────────── … ……
152 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:18:58.83 ID:AMdTxS5a0

内(・・・・・・・・・・・・・・みやちゃん)

宮崎「全部当たり。 ・・・信じられない」

宮崎「じゃあ黒木さんもわたしのこと、もう全部わかっちゃってるの?」
     わたし    わたし   マスター
宮崎´「宮 崎 ´は 宮 崎 。 黒木さんも、わたしのことはわたしに聞かないとわからない」

宮崎´「それに黒木さんの言った通り、聞かれたら嫌なことは黒木さんでも答えない」

宮崎「それ、ほんとうなの?」

宮崎´「なんでもわかるんなら、動画のことなんとかしようとしてたと思うよ」

宮崎「それもそうか。 ・・・」




「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」




内(みやちゃん?)

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・」

内(ふたりとも、黙っちゃった・・・)

宮崎(・・・・・・・・・・・・・・黒木さん)…ギュッ




 ─── 仲直りしたいんだろ?

 ─── 一生後悔するかもしれないよ。




 あなたなんかに言われなくったって ───!

153 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:19:46.00 ID:AMdTxS5a0



 カア カア カア

  カア カア …



吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・もう、こんな時間」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ



 カア カア カア …



加藤「・・・内さん、宮崎さんと仲直りできるかな」

吉田「どうだろうな・・・ わたしは、ああいうのはちょっとわからねえ」

加藤「そうなの?」

吉田「ああ、その・・・ ちょっと苦手だ」カーッ///

加藤「・・・気持ち悪いって思っちゃう?」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかんねえ」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・そっか。 黒木さんは?」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ

吉田「おい、黒木」スポッ!

黒木「わあっ!!」ビクッ!

吉田「でけえ声だすな、病院だぞ」グリグリ

黒木「(い、いきなりイヤホンひっこぬくから!!)」

吉田「三人でいるのに動画ばっかり見てんじゃねーよ」

154 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:21:39.62 ID:AMdTxS5a0

黒木「・・・・・・・・・・・・・・ごめん、でもヒマだったから」

吉田「ま、いいけどよ。 で、どうする」

黒木「どうって」

吉田「いざってときだよ」

加藤「・・・動画を公開されたら、ってこと?」

黒木「・・・・・・・」

加藤「そこまでしないとは、思いたいけど」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴソッ

加藤「・・・・・・・・・・最悪のときは」

吉田「わたしがやる」

黒木「えっ」

吉田「わたしがあいつらに話をつけてやる」

黒木「・・・吉田さん、でも」
        スタンド
吉田「おまえ幽波紋使いだってバラされたら、わたしらだって無事じゃいられねえ」

吉田「なんとかしてやる。 心配すんな」

加藤「・・・吉田さん。 ほんとうに、ほんとうにいざというときになったら」



 ・・・ シ ュ ル ッ



黒木「・・・!」

吉田「おい」

加藤「わたしが、なんとかする。 ・・・してみせる」シュル シュル シュル…

155 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:23:07.78 ID:AMdTxS5a0

黒木「加藤さん、そんな」

加藤「あなたのためじゃない。 わたし自身を守るため。 だから・・・」 シ ュ ル 。

吉田「・・・・・・・そうはさせねえ」

加藤「ごめんなさい。 でも」

黒木「・・・」ギ ュ ッ



「・・・ありがとう」



吉田「・・・ん」

黒木「ありがとう、ふたりとも・・・・・・・・・・・・・・」ギュッ

加藤「いいんだよ、黒木さん」

黒木「でも、大丈夫だよ」

吉田「・・・・・・・黒木」

黒木「きっと、きっと大丈夫」

加藤「・・・そうだね。 きっと、大丈夫」ニコッ

黒木(・・・・・・・・・・・・・・そう、大丈夫)… ス ッ




[ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ]

[ ─────・・・ ] [ ・・・・・・・・・・・・・・。 ]




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ひ ひ っ 。
156 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:24:06.20 ID:AMdTxS5a0


 カア カア カア …



内(・・・もうこんな時間)

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

内(そろそろ、面会時間終わっちゃう・・・)

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・ね、ねえ」
        わたし
宮崎「ねえ、宮 崎´」

宮崎´「なに?」

宮崎「わたしが、うっちーに『気持ち悪い』って言っちゃった理由は?」

内「え」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

内「み、みやちゃ・・・」

宮崎´「怖かったから」

内「・・・えっ」

宮崎´「・・・怖かった。 普通じゃなくなるのが、怖かった」

内「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「誰にも言えないことをするのが怖かった」

宮崎「・・・うん」

宮崎´「みんなに知られたらどうしようって・・・」

宮崎「うん・・・」

内「みやちゃん。 ごめんね、みやちゃん・・・」クスン

157 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:24:56.72 ID:AMdTxS5a0

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎´「・・・・・・・うっちー、あやまらないで」

内「えっ」

宮崎´「あやまってほしくない。 ほしくないの・・・」

内「・・・・・・・な、なんで」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・なぜなら」ギュッ



「悪いのはわたしだから」



内「みやちゃんが???」

宮崎´「うん。 ・・・・・・・・・・・・・・わたし、嘘をついてた」

内「嘘?」

宮崎´「気持ち悪いなんて、冗談のつもりだったんだよ」

内「・・・・うん」

宮崎´「ほんとはね。 わたし、ほんとは・・・」

内「ほんとは?」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

内「みやちゃん・・・?」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ギ ュ ・・・





 すごく、うれしかった・・・・・・・・・・・・・・・・

158 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:26:25.20 ID:AMdTxS5a0

内「えっ」

宮崎´「・・・え」




宮崎「うれしかったの。 うれしかったんだよ・・・・・・・・・・・・・・」




内「・・・え・・・」

宮崎「・・・怖かった。 けれどすごく、すごく嬉しかった。 ううん、今でも嬉しい・・・・・」
         わたし
宮崎´「・・・・・ 宮 崎 」

宮崎「だから嫌だよ、うっちー。 黒木さんのところになんか行っちゃやだ」

内「そ、それって」

宮崎「黒木さんともう、あんなことしちゃやだ・・・」

内「あんなことってなに?」

宮崎「・・・うっちー」 ス …



 ヒ シ ッ 。



内「・・・・・・・・・・・・・・」ギ ュ ッ

宮崎「うっちー。 ねえ、うっちー・・・」ギュウ

内「いいの? わたし、キモいよ?」

宮崎「そんなことない」

内「わたし普通じゃないよ」

宮崎「それでもいい」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

159 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:28:08.07 ID:AMdTxS5a0

内「みやちゃん・・・」

宮崎「・・・あっ」

内「え? ・・・わあ・・・



 … カア カア カア



宮崎「きれいな夕焼け・・・」

内「すごい・・・ あのときみたい」
                 わたし
宮崎「うん。 ・・・・・・・ねえ、宮 崎´」

宮崎´「うん」ク ル リ 。

内「えっ」

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・誰も、見てない、よ」… ギ ュ ッ

内「みやちゃん・・・・・・・・・・・・・・」ギ ュ ウ






 カア カア カア …






 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 すごい。 街が全部、夕焼けの色に染まってる。




 きれいだね・・・ まるで、天国みたい。

 ・・・うっちー。


160 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:29:42.31 ID:AMdTxS5a0

 ・・・みやちゃん。 わたし、大人になれたよ。 みやちゃんのおかげ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ほんとに、ほんとに。 ・・・ありがと、ね。

 ・・・・・・・・・・・・・・まだ、だよ。




  ギ   シ   ッ   。




 みやちゃん?

 うっちー。 恋、しよう。  ・・・大人になっちゃおう。

 ・・・・うん。




 もう一度・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ふたりで。





・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・





宮崎´「                」カチリ




  シ  ャ  ッ  !!
161 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:30:46.80 ID:AMdTxS5a0

宮崎「きゃ?!」

内「なっ?!」




黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




内「く、黒木?!」

宮崎「い、いやっ!!」

宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい」

宮崎「えっ」

加藤「黒木さん?」タタタ

吉田「黒木! てめえ、いったい・・・」ダダダッ

黒木「戻れ」



 シ ュ パ ッ



内「え」

宮崎「あっ」

黒木「・・・・・・・こいつはわたしの切り札」ヒョイ



「ムーディ・ブルース1号さ」

162 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:31:51.22 ID:AMdTxS5a0

内「なんだって・・・」

黒木「目には目を、歯には歯をだ」ゴソゴソゴソ



 カ チ ャ ッ



内「!」

宮崎「それは・・・!!」

内(隠しカメラ?!)

黒木「いまの、全部撮らせてもらったから」カチャ…



[ もう一度・・・・・・・・・・・・・・・・・   ・・・・・・・・・・・・・・・・・ふたりで ]

[ ・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・]



内「なっ・・・・」

宮崎「い、いやああ!!」

黒木「もしわたしの動画を拡散したなら、わたしもこいつを全世界にバラまいてやる」

吉田「てめえっ!!」バッ!!



 ガ シ ッ



黒木「うぐぇ」

吉田「このドグサレがっ・・・!!!!!」ギリギリギリ

黒木「だから・・・ だい、じょうぶだ、って・・・ いった、ろ」ニ タ ッ

163 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:33:05.31 ID:AMdTxS5a0

吉田「その携帯よこしやがれ!!」ギリギリギリギリ

黒木「いや、だね」ニタニタ

吉田「腕ずくでやられてえか!!」

黒木「けけけ。 もう、おそ、い」… ス ッ

吉田(携帯?!)
   うち
黒木「家の・・・ PCに、てんそう、ずみ」

吉田「なんだと・・・」

黒木「わたしが・・・ このゆび、はなしたら、 そのしゅんかん、ぜんせかいに・・・」ニヘラニヘラ

吉田「 こ の ク ソ ガ キ !!! 」

加藤「吉田さん、落ち着いて!」

宮崎「いや、いや! いやあああ!」ウワアアアン

内「 黒 木 !  き さ ま ! ! 」シャキンッ!

黒木「みんな・・・ おち、つけ、よ・・・ そら」



 カツ カツ カツ カツッ



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」



 シ ャ ッ !



「みなさん、お静かに願います!」




 シ  ー  ー  ー  ン  。

164 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:35:38.26 ID:AMdTxS5a0

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ピ キ ッ

宮崎「・・・すみません」 ピ ク …

看護師「そろそろ面会時間も終わりですから」

加藤「はい・・・」

吉田「・・・・・・・」ビキビキビキ

看護師「まわりの患者さんにご迷惑にならないようにしてください」

黒木「はい。 申し訳ありません」ウルウル

看護師「お願いしますね」…コツッ



 コツ コツ コツ コツ



黒木「やれやれだぜ」

宮崎「(ひどいよ、黒木さん!!)」

黒木「目には目を歯には歯を、って言ったろ。 お互いさんだ」ニヤニヤ

内「・・・黒木」 ゴ ゴ ゴ

黒木「だから落ち着けって。 これで立場はイーブンなんだから」

内「なにを言ってる」ゴゴゴゴゴゴ

黒木「取り引きしようって言ってるんだ」

内「取り引き?」

黒木「ああ。 おまえら、要するに」 ニ タ リ 。



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「誰にもバレなきゃ、それでいいんだろ?」
165 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:37:26.54 ID:AMdTxS5a0

宮崎「え。 えっ・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
    ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
黒木「わたしなら、それができるんだぜ?」ニタニタ

吉田「おい、てめえ・・・!」 ゴ ッ !

内「吉田、待って」

加藤「内さん?」

内「話を聞かせて」

黒木「単純な取り引きさ」 フ ッ 。




               ス タ ン ド
 お 互 い の 血 と 幽 波 紋 を や り 取 り し て

 互 い の 秘 密 を 守 り あ う 。





内「・・・・・・・・・・・・血と、スタンド」
        メタリカ
黒木「お前の幽波紋をわたしによこせ」

黒木「いつでもどこでもわたしを守れ、お前の血を使ってな」
                 リサーフィス
黒木「そのかわりにわたしの幽波紋を、お前たちに貸してやる」

内「・・・・・・・・・・・・黒木の人形を?」

黒木「使った血はこいつからもらえばいい、それにだ」

黒木「こいつはアリバイ作りには最高の能力だぞ」ニ ヤ ッ

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「そしてお互いがお互いの秘密を守る。 どうだ?」

166 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:38:44.74 ID:AMdTxS5a0

宮崎「そ、そんな・・・」

内「・・・・・・・・・・・・考えさせて」

宮崎「うっちー?!」

黒木「いい返事を期待してるよ、じゃあな」 シ ャ ッ !

吉田「お、おい! お前!」タッ!

加藤「じゃ、じゃあ」タタタ



 カツ  カツ  カツ  …



宮崎「うっちー・・・・・・・・・・・・」

内「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 … カツ カツ カツ カツ



黒木「・・・なんとかなったかな」

吉田「なにがなんとかなっただ、てめえ」

加藤「黒木さん、あなた、なんてことを・・・・・」

黒木「・・・ふたりがやろうとしてたことだって、いいことじゃないだろ」

加藤「え」吉田「・・・・」

黒木「どうしようもなくなったらお願いする。 ・・・だから」ギュッ

吉田「このクソ野郎が」

黒木「・・・ふん」



 カツ カツ カツ カツ …
167 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:42:10.74 ID:AMdTxS5a0

こうして、黒木智子は敵スタンドの攻撃から友達を守り切った。

そして頼もしい味方を得た。



内さんが退院したあと、わたしは改めて内さん宮崎さんと契約を交わした。

吉田さん、加藤さんに立会人になってもらって。



お互いのスタンドをいつでも貸し与えること。

内さんがいつでもわたしを守るかわりに、わたしはいつでも血を内さんに与えること。

そして互いの秘密を守りあうこと。


                   チーム
そうして内さんは、わたしたちの仲間に加わった。

いまはスタンド能力の特訓にも参加してる、もちろんわたしの血を使って。


                                                メタリカ
吉田さんと互角以上に戦える戦闘力を持ち、それ以外にも多彩な能力を秘めた幽波紋。

それがいつでもどこでもわたしを守ってくれる。


                                   リサーフィス
こっちも契約通り、あいつが宮崎さんとデートするときには幽波紋を貸してやってる。

結構いい仲になってるみたいだ。 ・・・・・・・けっ。



こうしてわたしの優れた発想力と交渉力で、すべてが丸くおさまったのだった。

チャンチャン♪






・・・・・・・・・・・・・・・なんてうまい話があるはずもなく・・・・・・・・・・・・・・・
168 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/30(水) 23:43:37.96 ID:AMdTxS5a0

※第3話 おわり※

ラストは明日透過予定。
169 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 20:46:51.20 ID:wUYCblno0
ラスト、第4話投下。
170 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 20:47:53.03 ID:wUYCblno0

【2週間後】



キーン コーン カーン

 キーン コーン …




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴ ゴ ゴ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」… ゴ …





 ────── ヒ ュ ン ッ





「──────────!」





  ビ   シ   ッ
171 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 20:50:03.20 ID:wUYCblno0

黒木「おおっ!」

加藤「・・・やった」




 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ




吉田「・・・・・・・・・・・・・・ふう」

内「さすがだね」

CP「・・・・・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ…



 ───── ガ シ ッ 。



黒木「真剣白刃取りだ」

吉田「ありがとよ、内。 手加減抜きでやってくれて」 ニ ッ 。

内「ほんとに殺す気でやってくれって、無茶言うんだから」

吉田「それでほんとにやってくるお前だって無茶だぜ」

内「ふふふっ」 ス ッ



 チ ャ キ ッ



吉田「槍かよ、はじめて見たぜ」

内「だろうね、はじめて使ったから」

172 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 20:50:57.21 ID:wUYCblno0

黒木(なんかこいつら、妙に仲良くなってんなー)

内「振り回すより、こいつで一突きするほうが確実でしょ」
    クレイジープリンセス
吉田「 こ  い  つ じゃなけりゃ串刺しだぜ」ニ ヤ ッ

内「あんたじゃなかったら、こんなことやれないよ」 ニ ヤ リ

黒木(あれか? バトル系漫画でありがちなやつ)
        とも
黒木(互いを強敵と認めあう的な・・・・・・・・・・・・・・)

内「それじゃ、黒木」

黒木「えっ」

内「みやちゃん、誰か来てない?」

宮崎「・・・大丈夫」ムスッ

内「 そ う 」 ニ ヤ リ 。



 … ジリ   ジリ   ジリッ



黒木「ちょ、ちょっと」ズザ…

内「取り引きでしょ」… ジ リ ッ
           リサーフィス
黒木「待って、いま内´さん出すから」ズザ ズザ …

内「要らないって言ったでしょ」… ジリ ジリ

内「あんたたちのおかげで、いろい試してみることができたからね」

宮崎「    」ピクッ

加藤「    」ピクリ

173 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 20:53:53.05 ID:wUYCblno0

内「すぐ終わるから、早く」

黒木「こ、こころの、準備が」ガタガタガタ

内「      」 ゴ ッ



 ― サ ッ !




黒木「うわお?!」

内「つかまえた」ガシッ

黒木「は、はなせっ・・・」

内「大声出したら、人が来ちゃうよ」ニヤニヤ

黒木「く、くそ・・・!」

内「さあ観念して。 こっちのほうが、あんただって楽なはずなんだから」

黒木「ち、く、しょっ・・・」… カ ク ン

内「うん、いい子だね。 それじゃ」ク ワ ッ 。




「 い た だ き ま ー す 」




 カ  プ  ッ  ♡




黒木「うひぃ」

内「ん、んく、んく」チュル チュル
174 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:00:07.42 ID:wUYCblno0

        メ タ リ カ
・・・わたしの幽波紋は「人体の鉄分を操る」能力。

自分のだけじゃなく他人の体の中のも操れる。 直接触ってないと無理だけれど。



内「ん、んく、んんっ」チュルチュルチュル…

黒木「あ  あひ  あひい」



でも、こんなことができるだなんて思ったなかったなあ。

直接、鉄分だけを人から吸収できるなんて。



内「んーーーーー、んーーーーー・・・」ジュルジュルジュルジュル

黒木「ら らめ らめらめらめえ」



口から注射針のように鋼鉄の管を生やす。

それを黒木の血管に突き刺して、血中の鉄分だけをいただく。



内「ん、ん、ん、ん」レロレロレロレロ

黒木「あ  や   なめちゃ やだあ」ヒクヒクヒクヒク




んー、コリコリ弾力ある頸動脈に触っているよ黒木ぃ♪

    あたたかい       ここちよい
この キ モ い 弾力♪  キ モ い 感触♪



      たまらない
・・・あー、キ モ い ♡

175 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:01:09.56 ID:wUYCblno0

内「ごちそうさま」テカテカ

黒木「な・・・ なめるなって・・・ 言ったのに・・・・・・・」アヘアヘアヘ

加藤「      」ピク  ピクッ

内「傷口ふさいでやっただけじゃん」ツヤツヤ

宮崎「      」ビキ…

吉田(・・・く、くそ。 いちいち気持ち悪い・・・ ん?)




宮崎「      」ビキビキ

加藤「      」ピクピク





吉田(なんだ、あいつら)

黒木「へ、はっ、あへえ・・・」ヒク ヒクヒク

吉田「いつまでへばってんだ、次はお前だぞ」

黒木「わたひ・・・ もう無理・・・」

内「がんばんなよ。 ・・・ねえ」ニヤリ



「リサーフィス」

「ハイ」 ゴ ッ !



加藤「え?!」

吉田「おっ」

リサーフィス「・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ
176 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:02:24.70 ID:wUYCblno0

黒木「はあ?!」

内「もうひとふんばりできる?」

リサーフィス「ヤレマス」ゴゴゴゴゴ

黒木「な、なんで?! わたしのスタンドなのに!」

内「知らなかったの?」
            シンクロ
リサーフィス「完全ニ同調シタオ方ハ ワタシヲ操ル事ガ デキルノデス」

黒木「なんだってえ?!」

加藤「えっ ───────」

宮崎(あのときの ─────)





 チ ュ ウ ウ 〜 〜 〜 〜 〜 ♡♡♡





宮崎「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギリギリギリギリ

加藤「       」ピ キ …

黒木「そ、そんなの、聞いてない・・・」

リサーフィス「聞カレナカッタノデ・・・」

内「あ、そうだ。 こんなこともできるって言ってた」 サ ッ

黒木「人形?! まさか!」

内「ねえ、黒木」

リサーフィス「  」シュパッ!



黒木´「・・・なんだよ絵文字」
177 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:03:12.40 ID:wUYCblno0

黒木「!!!!!!」

加藤「あっ!」

吉田「おっ?」



黒木´「勝手に呼ぶんじゃねー・・・」



内「なに、絵文字ってわたしのこと?」

黒木´「絵文字みてーな顔だろ」

内「よけいなお世話よ」ムカッ

黒木「う、うそ、うそ・・・」

加藤「そんな・・・・・・・・」

内「ねえ、ついでに聞いとくけど。 あんた、エッチなこと好きなんじゃなかったの?」

黒木「は?!」

内「なんで首すじ噛まれたくらいでいちいちへろへろになっちゃうのさ」

黒木´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ブスッ

黒木「や、やめろ! 答えるな!!」

黒木´「…わたしはするのが好きなだけ」ボソッ

吉田「はあ?」

加藤「!」

黒木´「されるのが好きなわけじゃない」ボソボソ

内「へえー。   い い こ と 聞 い た 。 」 ニ タ リ 。

吉田「て、てめえら! いつまでもじゃれてんじゃねえ!」カーッ///

内「はいはい、戻っていいよ」ニタニタ

黒木´「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くそっ」シュパッ

178 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:04:41.71 ID:wUYCblno0

黒木「く、くそっ・・・・・・・」ヘタッ
                                キモ
内「ふふふ、あんたのスタンドほんっとキモい。 あー可愛い」

吉田「ほら、立てよ。 一本行くぞ・・・」

内「・・・ね、吉田。 今日は黒木、あんまりしごかないでやってよ」

吉田「あん?」

内「頼むよ。 ・・・ね?」チラッ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」///ポッ///

黒木(さかってんじゃねーバカップル)イラッ

吉田「・・・ち、ちっ。 勝手にしやがれ」カーッ///

内「ありがと。 じゃーね、みんな」

宮崎「・・・さよなら」

内「黒木ー、鉄分いっぱい摂っとくんだよー」

黒木(ちくしょー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ムスッ



 タッ タッ タッ タ …



加藤「       」ピク ピク

黒木「えらい目にあった・・・」ヘロヘロ

吉田「自業自得だ、ったく」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「内、か。 ・・・ヤバいやつだぜ」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・うん」シ ュ ル



 シ ュ ル ・・・
179 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:06:05.55 ID:wUYCblno0



 スタ スタ スタ

  スタ スタ スタ …



内「・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」スタスタスタ

内「みやちゃん、速くない?」

宮崎「別に」

内「・・・怒ってる?」

宮崎「何も」
             あいつ
内「何回も言うけど、 黒 木 との付き合いはただの取り引き」

宮崎「嘘」

内「体だけの割り切ったお付き合い」

宮崎「変態」

内「もう・・・・・・・」



 ピ ロ リ ン ☆



内「あっ」ピッ

宮崎「あ」ピ!



[ 黒木 ]

[ リサリサ ]
180 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:07:23.60 ID:wUYCblno0

内(黒木からだ)

宮崎「・・・リサリサ」



[ そろそろ予定を教えて ]

[ それにあわせてリサーフィスを送る ]



内「・・・・・・・・・・・・・・」ピ ピピッ

宮崎「・・・・・・・」ピ ピ ピ



[ 今日はわたしの家にみやちゃんが来る だからみやちゃんの家にスタンドを送って ]

[ 1時間後にお願い 気をつけてね、リサリサ ]



内「よし、と」ピッ

宮崎「・・・・・・・・・・・・・・」ピッ

内「ねえ、みやちゃん。 なんでリサリサなの」

宮崎「『リサーフィス』だから『リサリサ』でいいでしょ」

内「そういうもんなの?」
    ス タ ン ド
宮崎「『幽波紋』とか『リサーフィス』なんて呼ぶんじゃかわいそうだよ、女の子なのに」

内「あれ女の子だったの」

宮崎「さ、早く」スッ

内「はいはい」キョロキョロ …ギュッ



 ・・・・・ キ モ ォ ー ー ー ー イ


 ─────── ス ウ ・・・
181 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:08:12.50 ID:wUYCblno0

黒木「・・・よし、と」ピッ

加藤「ふたりと連絡取ったの?」

黒木「・・・うん(リサリサってなんなんだ? お師匠さんか??)」

黒木「んじゃ、わたしも帰る・・・」ヨロヨロ

吉田「待てよ」ガシッ

黒木「な、なに」

吉田「リサーフィス、お前も出ろ」

リサーフィス「ハイ」ゴッ!

加藤「吉田さん?」

黒木「な、なんだよ、もう・・・」

吉田「おい黒木」…グイ



「あのヤバい人形、ひとつ残らずよこせ」



黒木「・・・え」

吉田「全部だ。 今すぐ出せ」グイ…

黒木「嫌だ。あれがなかったら身を守れない」

吉田「だからってあんなことやるんじゃねえ!」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「・・・リサーフィス。 てめえも何か言ってやれ」

リサーフィス「・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「・・・おい?」

182 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:09:10.75 ID:wUYCblno0

リサーフィス「・・・・・・・・・・・・・・」…ゴ:…

吉田「・・・どうしたんだ」

リサーフィス「吉田サマ アナタノ気持チ トテモ嬉シイ」

吉田「ふん」

リサーフィス「ダケレド」 ゴ ッ !



         リサーフィス     わたし
 ───── ワ タ シ ハ  智 子 ヲ  守 リ タ イ 。




吉田「・・・なんだって」

リサーフィス「守レルヨウニ ナリタイ」ゴ ゴ ゴ

加藤「あなた・・・」

黒木「そいつとはちゃんと相談したんだ。 こうしたいああしたいって」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「もちろん喜んじゃいなかった。 わたしだって好きでやってるわけじゃない」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・うん」

黒木「でも、しょうがないだろ。 わたしだって殺されたくないし・・・」

リサーフィス「出来ルコトナラ ワタシタチノコトデ オ二人ヲ 巻キコミタクナイ」




吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

183 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:12:50.95 ID:wUYCblno0

リサーフィス「出来ルコトナラ ワタシハ 足手マトイニハ ───」

吉田「・・・・・・・・・・・・・・それでも、だ」

リサーフィス「・・・・・・・」

吉田「おまえはわたしが守ってやる」

リサーフィス「・・・・・・・吉田サマ」

吉田「命がけで守ってやる。 ・・・だからもう二度と、あんなことはするな」



────── くらってくたばれ!

────── ・・・ごめんなさい



黒木(ちっ、勝手なことぬかして)

吉田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒木(あいかわらずリサーフィスには優しいんだからな、こいつは)

吉田「黒木、おまえもだ」

黒木「は?」
                           リサーフィス
吉田「おまえはわたしが守る。 だからもう、こ い つにあんなことさせるな」

黒木「え・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「・・・・・・・吉田さん、わたしも」

吉田「そうか」

加藤「黒木さん。 わたしたちが、あなたを守る」

加藤「あなたがわたしたちを守ろうとしてくれたように」



───── ごめん、ちょっとだけがまんして! 逃げたらすぐ治すから・・・

───── 加藤さんがやられるかもって、思ったんだ。

184 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:13:53.09 ID:wUYCblno0

黒木「・・・・・・・」

加藤「あなたの気持ちは嬉しい。 でも、黒木さん」

加藤「わたしたちを頼って。 ・・・・・・・・・・・・・・信じて」

吉田「絶対に守ってやる。 だからもう、あんなのはやめろ」




     ヒ  ャ  ァ  ァ  ア  ア ー ー ー ー ー ー ッ !
 ── H E E E E E E Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y !





黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ムスッ

吉田「やめろ。  ・・・・・・・やめてくれ」

黒木(なんだよ、こいつ。 ちくしょー・・・・・・・)ムス…




 そんな顔してんじゃねーよ、くそっ。

 いつもはあんな乱暴なくせして・・・




吉田「・・・・・・・・・・・・・・黒木」

黒木「・・・はいはい、わかったよ。 もう」ゴソゴソ

加藤「・・・黒木さん」

黒木「これ、これ、それからこれ・・・」ヒョイヒョイ

加藤「えっ」

黒木「あとここ、ここ、ここにも」パッ パッ パ

加藤(服の中、靴の中? 髪の中にまで・・・)

185 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:15:56.43 ID:wUYCblno0

吉田「・・・・・・・おい・・・・・・・」

黒木「あとは鞄。 ・・・よいしょ」ドサドサドサドサ

加藤「きゃあ」

黒木「これで全部」バサバサ



 ・・・ ド ッ チ ャ リ 。



吉田「どれだけ持ってやがったんだ・・・」

加藤「黒木さん、普通のお人形さんはいいと思うよ」

黒木「これ全部特製なんだ」

加藤「そ、そうなの」ポカーン

黒木「こいつがスタンガン入りのチリペッパー1号、こっちは目つぶしガス爆弾人形つるぎくん1号」

吉田「てめえってやつは・・・」
                かいえんのう
黒木「それでこっちは全部 怪 焔 王 。 2号、3号、4号・・・」

吉田「こんな危険物いくつ用意してやがるんだ」

黒木「結構簡単に作れるんだよこれ」

吉田「これだけ作っていったい何に使うつもりだったんだよ」

黒木「                             」ピ ク リ

吉田「んっ?」

加藤「黒木さん?」

黒木「       」 ピ ク …





「                                    ・・・」

186 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:18:47.10 ID:wUYCblno0

吉田「・・・・・・・おい?」

加藤「          黒木さん?」 ピ ク リ 。

黒木「          ・・・ごめん、なんでもない」

吉田「なんだよ、ったく」

黒木「燃料が余ったから、つい作っちゃっただけ」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

吉田「じゃあこいつは預かっとく。 またヘンなもん作るんじゃねえぞ」

黒木「あ、一個だけ残しといて。 帰るまで丸腰ってのも不安だから」

吉田「普通の人形はねえのかよ?」

黒木「・・・ない」

吉田「ちっ。 ・・・・・・・・・・・・・・」ゴソゴソ

加藤「吉田さん?」

吉田「おら、こいつでいいだろ。 返すぜ」ズイッ

黒木「え、でも、これ。 ・・・あんなに喜んでたのに」

吉田「飽きた。 もういらねえ」プイッ

黒木「じゃあ、帰ったら返す」

吉田「返すっつってんだろ」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・ありがとう、ごめん」ゴソッ

吉田「約束だからな」

黒木「うん」




キーン コーン カーン

 キーン コーン …

187 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:19:46.14 ID:wUYCblno0

【翌朝 内家】




 タッ タッ タッ タッ タ…



「・・・・・・・・・・・・・・」



 ピン ポーン 。




内母[ はい。 ・・・あら ]

「おはようございます」

内母[ おはよう、みやちゃん。 あがってちょうだい ]

「ありがとう、お邪魔します」



 ・・・ ガ チ ャ リ 。



内母「ごめんなさいね、あの子まだ寝てるのよ」

「お部屋入っちゃっていいですか」

内母「ええ、起こしてあげて」

「はい」タッ タッ タ 。



 ・・・ コン コン コン 。



宮崎´「うっちー、開けて」

188 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:20:42.34 ID:wUYCblno0



・・・・・・・・・・・・・・・・




宮崎´「うっちー。 ・・・・・・・」コンコンコン



 ガ チ ャ 。



宮崎´「おはよ」

宮崎「(・・・・・・・・・・・・・・・・そこに誰もいない?)」ソーッ

宮崎´「(うん)」

宮崎「(入って)」



 パ タ ン   ガ チ ャ リ



内「・・・・・ん・・・・・」ムニャ…

宮崎(おはようリサリサ)

宮崎´(おはよう、わたし)ゴソゴソ

内「黒、木・・・・・・・ 来たの・・・?」

宮崎´(はいこれ。着替えとメイクセット)

宮崎(ありがと。 急がなくっちゃ)イソイソ

宮崎´(あとこれも)

宮崎(蒸しタオル? ふふ、気がきくね)
189 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:21:50.11 ID:wUYCblno0

内母「みやちゃん、笑美莉は起きたー?」

宮崎´「はい、いま下に降りますー」

内「まだ眠いのに・・・」ムニャムニャ

宮崎(いいから早く行って、もう)フキフキ

内「はーい・・・」 ノ ソ ノ ソ



 ・・・ ガ チ ャ リ    バ タ ン 。



宮崎(もう、うっちーったら)フキフキ

宮崎´(髪はこんな感じでいい?)シュルシュル

宮崎(うん、リサリサとそっくり同じ)キュッキュ

宮崎´(じゃあ背中ふくからタオル貸して)

宮崎(お願い、リサリサ)



 ゴ シ  ゴ シ  ゴ シ



宮崎(・・・んー、気持ちいい)シュッシュ

宮崎´(メイクは終わりそう?)ゴシゴシ

宮崎(あとちょっと。 ・・・いつもありがとう、リサリサ)チョンチョン

宮崎´(ううん。 わたしのことだから)キュッ キュ

宮崎(ふふ、そっか。 ・・・はい終わり)

宮崎´(服、たたんでるね)



 ゴソ    ゴソ ゴソ …

190 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:22:40.48 ID:wUYCblno0



 シ ャ ワ ー ー ー ー ー ー ー ・・・



内「・・・ふー・・・」シャワー…

内母「早く出なさーい、ご飯できるわよー」

内「ふあーい。 ・・・・・・・」ムニャムニャ



 シ ャ ー ー ー ー ー ・・・



内「・・・・・・・・・・・・・・」



 ── うっちー。 うっちー・・・・・・・



内「・・・・・・・・・・・・・・んふ」



 ── うっちー、好き。  ・・・好き、大好きっ



内「むふふふふふ」

内(んー、みやちゃん可愛かったー♪)

内(あーもう、なんて充実した朝) ス ッ キ リ 。



  ・・・ ワシャ ワシャ ワシャ ワシャ



内(ほんっと、黒木のおかげだなー)ワシャワシャ
191 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:27:07.81 ID:wUYCblno0

内(・・・あいつ、なんでわたしなんか助けたんだろ。 ヘンなの)

内(わたし、あんたたちのこと本気で殺そうとしたのに)

           マジ
内(まああいつも、本気でわたしのこと殺す気だったんだろうけど)

内(・・・なんでそこまでしたやつに、あんなことできるの?)



 ─── 加藤さん、リサーフィスの血を使って



内(殺されそうになったってのに。 殺そうとしてたくせに・・・ ほんと、キモい)



 ─── チ  ュ  ッ  ♡



内(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)シ ャ ー ー ー

内(・・・・・・・・・・・・・・ま、いっか)キ ュ ッ



 シ ャ キ ン ッ



内「・・・・・・・・・・・・・・・」 タ ラ ッ …



 ・・・ ピ チ ャ ッ





                いのち
 黒木、あんたからもらった 血 。

 あんたのために使ってあげる。

192 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:28:26.82 ID:wUYCblno0


 シュッ プチ プチン



宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「(・・・・・・・・・・ねえリサリサ、ヘンじゃない?)」クルッ

宮崎´「(うんバッチリ。 ・・・ありがとうね)」

宮崎「(なに?)」

宮崎´「(仲直りしてくれて)」

宮崎「(・・・・・・・・・・・・・・)」



「(仲直りなんかしてない、わたしはリサリサと友達になっただけ)」



宮崎´「(え)」

宮崎「(黒木さんは嫌い、でもあなたのことは好き)」ニ コ ッ

宮崎´「(・・・でも、わたし。 あのとき)」

宮崎「(おあいこだから、もういいよって言ったよ)」

宮崎´「(ありがとう)」

宮崎「(黒木さんには仕返ししてやりたいけどね)」

宮崎´「(ふふ、思いっきりやってあげて)」

宮崎「(・・・前も聞いたけど、ほんとにいいの?)」

宮崎´「(傷つけさえしないなら手伝う)」

宮崎「(本気みたいだね)」
     マ ス タ ー
宮崎´「(黒木さんのことはわたしが一番よく知ってる)」ニッコリ


             マスター
(ほんっとうに最低。 本 体じゃなかったら言うことなんて聞かない)
193 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:29:33.49 ID:wUYCblno0

宮崎「(大変そうだねー)」
          マ ス タ ー
宮崎´「(うん。 黒木さんには一回、痛い目みせてやったほうがいい)」

宮崎´「(でないとナメられちゃうよ、そういう人だもの)」

宮崎「(そうなんだ。 ・・・それなら)」・・・ ス ッ



 ス ・・・



宮崎´「・・・・・・・・・・・・・・」

宮崎「(・・・イヤ?)」

宮崎´「(イヤじゃ、ないけど)」
            ・ ・
宮崎「(あなたへの刺激は、黒木さんにも伝わる)」

宮崎´「(うん)」

宮崎「(黒木さんはこういうの、苦手なんでしょ)」 ニ コ 。

宮崎´「(でも、あなたも、『感覚の共鳴』を───)」

宮崎「・・・・・んっ」





 ・・・・・・・・・・・ チ ュ ッ 。










黒木「うおお?!」 ゾ ワ ッ !!


194 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:30:31.95 ID:wUYCblno0

宮崎「ん・・・・・・・うっ」

宮崎´「う・・・・・・・うん」




 ・ ・ ・  ド  ク  ン




「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」




 ドクン ドクン ドクン ・・・




 ・・・すごい、なにこれ。

 これが、感覚の共鳴?




黒木「うあは あはあ あへえ」ビクンビクン





 リサリサとわたしの感覚が、つながって・・・

 どこまでもどこまでも、ふくらんでく ─────





黒木「もう もう らめえええええ」ガクガクガクガク

智貴「朝からうるせーっ!」ドンッ!

195 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:34:23.74 ID:wUYCblno0

宮崎「・・・・・・・・・・・・」…ドクン

宮崎´「・・・・・・・・・・・」ドクン…

宮崎「(・・・ありがとう。もういいよ)」 ス ッ 。

宮崎´「 perfect synchronization .」

宮崎「(えっ? あなたにしてでもよかったんだ)」
           マ ス タ ー
宮崎´「(うん。・・・黒木さん、めちゃくちゃになってたよ)」ニコッ

宮崎「(ふふっ。 あー、すっとした。 ・・・じゃあね)」

宮崎´「(じゃ、またね)」シ ュ パ ・・・

宮崎「(あ、ちょっとまって)」サッ

宮崎「(え? ・・・携帯?)」

宮崎「(・・・これ)」…スッ

宮崎´「(あの動画・・・)」




[ 消去しますか ]


[ ▷はい ] ピッ!




宮崎´「・・・・・・・・・」

宮崎「(黒木さんの動画も、間違いなく消すように言ってね)」

宮崎´「(・・・うん。 ありがとう)」

宮崎「(消さなかったらもう一度やるって言っておいて)」

宮崎´「(ふふふふふ)」

196 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:36:53.45 ID:wUYCblno0

宮崎「(・・・それじゃまたね、リサリサ)」

宮崎「(またね、わたし)」 シ ュ パ ッ



 ・・・  コ  ロ  ン  。



宮崎「(・・・人形になっちゃった)」ヒ ョ イ

内母「みやちゃーん、ご飯よー」

宮崎「はーい(・・・・・・・・・・・・・・ああ、もう)」



こんなの、普通じゃない。 うっちーも黒木さんも。

それに、わたしも。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ガチャリ  バタン



あーあ、普通じゃなくなっちゃったなあ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それなのに。



 ・・・ トッ トッ トッ ト



それなのに・・・  あーもう、なんでわたしってば。

こんなにドキドキしちゃってるんだろ、もう。



 トッ トッ トッ ・・・
197 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:37:56.41 ID:wUYCblno0

【原幕高 体育館】



    ワー    ワー ワー   ワー

  …ダダダダッ  バン バン バン



内「・・・・・・・・・・・・・・」ボソボソ

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」ヒソヒソ




 ワー ワー…     ヤッター ドンマーイ

 モウ イッ ポン !  モウ イッ ポン !




黒木「(・・・・・・・・・・・・・・わたしはあの子)」ヒソヒソ

内「(・・・・・・・わたしは向こうの子)」ボソボソ

黒木「(あいつ? ガリガリだろ)」

内「(それがいいんじゃん、見なよあのすらっとのびたほっそい足首、絶品でしょ)」

黒木「(わかってねーな)」

内「(わかんないのはそっちでしょ、あーそそられる)」ジュルリ

黒木「(ジャージをぱっつんぱっつんにする張りのいい尻のよさがわからんのか)」

内「(わかるわけないでしょ。 あーキモい)」





根元「・・・・・・・・・・・・・・」

ナツ「・・・・・・・・・・・・・・」

198 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:39:47.60 ID:wUYCblno0

内「(肉が好きなら大人でいーじゃん)」

黒木「(子供が大人の身体をもてあますのがいいんだ)」

内「(あのきゃしゃな体を愛でられるのは今のうちだけなのに)」




根元(すごい内さん、クロのオヤジトークについていってる)ドンビキー

ナツ(すごい黒木さん、うっちーのセクハラトークについていってる)ドンビキー




黒木「(レズでロリコンなんて最悪だなお前)」

内「(あんたに言われるとは思わなかったよオッサン)」

黒木「(だれがおっさんだおら)」

内「(あんた下の毛もオッサンでしょ)」

黒木「て、てめーだってチョビヒゲだったろーが!」

内「ああん?! 言うなって言ったろキモい!!」




根元(なんだかんだ似た者どうしなんだね、あのふたり)

ナツ(・・・まあ、うっちーが楽しそうだからいっか)






吉田「・・・ったくあいつらは」カーッ///

宮崎「   」ピクピク

田村「・・・・・・・・・・・・・・」ムスッ

199 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:41:19.15 ID:wUYCblno0



  ワー  ワーワー

 ドンマーイ モウイッポン…



内「(いい具合にみんな汗かいてきたね、うなじを流れる汗が素敵)」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・おい、絵文字」

内「そうやって呼ぶなって言ってるでしょ」

黒木「いいかげんに降りろ」

内「ちょうどいいんだもん、あんたの頭」

黒木「首が折れる」

内「折ってやる」グリグリ
         うつ
黒木「(レズが伝染る)」
    うつ
内「(伝染してやる)」ゴリゴリ



… スタ スタ スタ



黒木「あっ」ブンッ

内「うわあ」ドテッ!

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ

黒木「か、加藤さん」テレテレ

内「あたた・・・」

加藤「ふふっ、仲がいいね」

内黒木「「いや全然」」

加藤「・・・・・・・ふふふ、息ぴったり」

200 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:42:50.77 ID:wUYCblno0

黒木「そ、そんな。 そんなこと」テレテレ

内(鼻の下伸ばしてる。ちょーキモい)キリキリキリ

加藤「ところで、黒木さん」…スッ

黒木「(あ、はいっ)」ソッ



  ・・・ ヒソ ヒソヒソ ・・・



加藤(今日は特訓、する?)ヒソヒソ

黒木(きょ、きょうは、ちょっと、その・・・)ゾクッ

加藤(都合悪いの?)ヒソヒソヒソ…

黒木(きょうは・・・ その、たむらさんと・・・)ゾクゾクゾク

内(耳に吐息かけられて身もだえしてる。 めちゃくちゃキモい)ギリギリギリ

黒木(よ、よしださんもいっしょで・・・)アヘアヘ

加藤(・・・そうなんだ、残念)…スッ



 … ス ッ ク 。



加藤「じゃ、今度ね。 黒木さん」

黒木「ひゃ、ひゃい」アヘアヘアヘ

内「ったく、黒木は加藤には弱いんだから」

加藤「ふふ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




 スタ スタ スタ …


201 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:45:08.70 ID:wUYCblno0


 キーン コーン カーン

  キーン コーン ・・・




根元「あーちゃん、おつかれさま」

岡田「・・・・・・・ふう。 疲れた」




 スタ スタ スタ …




根元「あ」

岡田「ああ、明日香」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スタ スタ スタ

岡田「・・・明日香?」

加藤「・・・・・・・ごめんなさい」スタスタスタ

岡田「お、おい」

加藤「急いでるから・・・・・・・」スタスタスタ



 スタスタスタスタスタ…



岡田「どうしちまったんだ、あいつ」

根元「・・・・・・・・・・・・・・・」
202 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:45:53.11 ID:wUYCblno0



 … コツ コツ コツ コツ




加藤「・・・・・・・・・・・・・・」




 コツ コツ コツ コツ …




加藤「・・・・・・・ここ」 コ ツ ッ 。




  シ  ー  ン   ・・・




加藤(北校舎と南校舎のさかい・・・ 渡り廊下)

加藤(宮崎さんはここから、わたしたちのことを撮っていた)




 ・・・ ザ    ザ ザ ・・・




加藤(あの立派な木が、なかばまで炭化してしまっている)

加藤(黒木さんはなんてものを作ったんだろう)




 ───── ネットで調べた。 案外簡単に出来たよ

203 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:47:44.92 ID:wUYCblno0

加藤(できるからって普通は作ろうなんて思わない)

加藤(まして、人間に向かって投げるなんて。   ・・・・・・・・・・・)




 ───── これだけ作っていったい何に使うつもりだったんだよ

 ─────                              ・・・




加藤(まさか、とは思った。 そんなわけないって。 でも、もしやとも思った・・・)

加藤(・・・わたし、なんてことを考えてしまったんだろう)



 ・・・ シ ュ ル ッ



加藤(でもはっきりわかった。 確信した)

加藤(吉田さんに訊かれたときの黒木さんの顔を見て────)




              ・  ・  ・ ・  ・  ・  ・  ・ ・
 ─── 加藤さん! ス タ ン ド 引 っ こ め て ーーーーーーーー!!!



                 にんぎょう
 黒木さん、あなたは、あの 爆  弾 を。








 わ た し に 使 う た め に 作 っ た 。

204 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:48:59.38 ID:wUYCblno0
    ラブ・デラックス   メ タ リ カ
加藤( わ た し  と 内 さ ん は、よく似てる)

加藤(どっちも自分の肉体を媒体とする能力。 だけれど・・・)



  シ ュ ル ッ 。



加藤(内さんは体内の鉄分を使って物体を作る。 爪や角みたいなもの)

加藤(でもわたしは、スタンドそのものを髪の毛にとりつかせて出している)



 シュル シュル シュル



加藤(だからスタンドを出してる最中に髪を切られれば、本体に傷を負う)

加藤(100本や200本じゃ、ダメージにはならないけれど)



 ──── ボ ボ ボ ボ ボ ッ



加藤(生木さえ焼きこがす炎を、広範囲にまき散らす爆弾)
                ラブ・デラックス
加藤(目前で使われたって、わ た し には炎を防ぐ手段なんて無い)

加藤(ましてあのときみたいに、山中に髪をはりめぐらせたときに使われたら)




 ──── バ オ オ オ オ オ オ ッ


 ──── うあ ああ あああっ




・・・・・・ ゾ ク ッ 。
205 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:50:57.73 ID:wUYCblno0

 黒木さん、あなたはとても弱い人。 痛みにも怖さにも耐えられない人。

 そして、あなたは感受性豊かな人。 人の痛みを自分の痛みと感じる人。

 だからあなたは自分を守るように親しい人を守る。



───── ごめん、ちょっとだけがまんして! 逃げたらすぐ治すから・・・

───── 加藤さんがやられるかもって、思ったんだ。



 命がけで吉田さんを背負ったように。 内さんに血を分け与えたように。

 ・・・必要があれば人をだますことも、殺すことでさえできる。

 たとえ相手が親しい相手その人であってでも。



 ───── くらってくたばれ!

 ───── 目には目を、歯には歯をだ



 だからあなたは内さんを殺そうとした。 そして、内さんを助けた。

 あなたは親しい人でも殺せる人。 殺せる人とでも親しくなれる人・・・



 ───── きれーな火がともってやがる!

 ───── バースデーケーキのキャンドルみたいになァ!



 ほんとうに、きれいだった。 火にまかれて踊り狂う内さん。

 黒木さん、あなたは・・・・・・・・・・・・・・



 わたしのことも、あんなにきれいにしてくれるつもりだったのかな?

206 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:53:24.73 ID:wUYCblno0


 黒木さん。 あのときのあなたの眼。 大きくてまっ黒い、すいこまれそうなあの瞳。



        ヒ  ャ  ァ  ァ  ア  ア ー ー ー ー ー ー ッ !
 ──── H E E E E E E Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y Y !




 荒れ狂う炎が映ってて、まるでまっ黒い炎が燃えさかってるようだった・・・




 ──── さ ァ ァ ァ い こ う だ ァ ァ ア ァ ー !!




 あなたは親しい人を守るためなら、どんなことだってできる。

 自分の身を投げ出すことも。 人をだますことも、殺すことも。

 いざとなれば、その親しい人自身でさえも迷わずに。



        あ ひ ゃ ア !  あ ひ イ ィ  !  あ ヒ ッ !
 ──── A H Y Y Y !  A H Y Y Y  !  A H Y  !

        う ひ ょ オ  ー ー ー ー ー ー ッ !!
 ──── W H O O O O O H H H H H H!!




 きっとそれは、あなたが教えてくれたあの言葉。 そう ────────






  しっこく   い し
  漆 黒 の 意 志 。

207 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:55:17.19 ID:wUYCblno0

 黒木さん。 ああ、黒木さん。

 ずるくて怖い黒木さん。 臆病で残酷な黒木さん。


 あなたってほんとうに、ほんとうに素敵。

 あなたならきっと、わたしのこと、わかって・・・



 ─── あんたなら、わたしのこと、わかってくれるかもしれないって。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ─── 前からあんたのことは気に入らなかったんだ!



 奇遇だね、内さん。



 … コ ツ ッ 。



 わ  た  し  も  だ  よ  。



  コツ  コツ  コツ



 ─── ちょうどいいんだもん、あんたの頭。



 ・・・内さん。 あなたはなぜ、あんなにも黒木さんのそばにいるの?

 なぜあなたはあっというまに黒木さんのそばにいってしまったの?
208 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 21:58:59.60 ID:wUYCblno0

 ・・・田村さんや根元さんなら、仕方ないと思える。

 ふたりはずっと黒木さんのそばにいたんだから。

 でもあなたは、遠巻きに眺めていただけだったのに。




──── すう。 すう、すう・・・

──── スーハースーハースーハースーハー




 なぜ黒木さんは、あなたに肩を許したの? 気にもかけていなかったの?

 あの黒木さんが。 とても繊細で人見知りの黒木さんが。




───── 今・・・ すぐ ふくんで あわわわ




 わたしだって・・・ わたしだって黒木さんに、そうしてもらいたいのに。

 何も気にしないで、お付き合いしてほしいのに・・・・・・・




───── チ ュ ッ ♡




 あ な た み た い に し て ほ し い の に !!




 ・・・ ザ ワ ッ

209 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 22:00:11.03 ID:wUYCblno0


 憎い、ああ、憎い。

 内さん、あなたが憎い。



  ザワ  ザワ  ザワ



 あなたなんて、いなくなってほしい。

 あなたがいる場所を奪い取ってやりたい。



  ザワ ザワ ザワ ザワ …



 憎い。 憎い。

 憎い憎い憎い。



  ゾワ ゾワ ゾワ ゾワ ゾワ ゾワ

  ぞわぞわぞわぞわぞわぞわ



 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い




  お   ぞ   っ   。




 ───── 殺 し て や る 。

210 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 22:01:43.04 ID:wUYCblno0



・・・・・・・・・・・・・・ふふふ




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




あいつ、あんな顔もできるんだ。 おもしろーい。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ フ ォ ン 。




いつものすました顔よりよっぽど似合ってるよ。

ふふふふふっ、おもしろくなってきたー♪




 ・・・・・・・・・・・・・・ フ ォ ン

 フ ォ ン ・・・・・・・・・・・・・・




まだちょっと物足りないけど・・・ もうちょっとのしんぼうかな?

やれ! やっちゃえ!




 フォン  フォン  フォン  フォン

  フォン  フォン  フォン  フォン







 み ん な ケ ン カ す れ ば い い ん だ ! !







                                              /|_________ _ _
                                             〈  To BE CONTINUED…//// |
                                              \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄

211 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 22:03:13.56 ID:wUYCblno0

※おまけ※


\カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:リサーフィス(resurface)
┃本体名:黒木智子
┃破壊力-D スピード-D 射程距離-D 射程距離-D 精密動作性-D 成長性-B


┃人形ほか人の形をしたものに憑依して記憶にある人間の姿に変身・実体化するスタンド。
┃変身した人形は相手と全く同じ身体・精神を持つが、肉体の性質は基になった人形の性質に準ずる。
┃金属製の人形であれば硬質の肉体となり、機材を仕込んでおくと変身後も使用可能。

┃変身中のスタンドは変身相手とある程度意志や感覚を共有している。
┃また変身中はスタンドの感覚が変身対象へも多少フィードバックされる。
┃その感覚が一定以上強まると対象者との間で「感覚の共鳴」が生じ、
┃互いの感覚に受けた刺激を互いに大きく増幅して感じ取ってしまう。

┃なお人形にとりつかせずに直接出すことも可能だが、スタンドパワーをかなり消費する。
┃スタンドの能力も一般人よりなお劣る程度にしかない。
┃ただその状態から人形に憑依することは可能。

┃(続く)
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212 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 22:05:12.46 ID:wUYCblno0

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┃(続き)

┃リサーフィスは本体である黒木智子が知っている人間であれば誰にでも変身できる。
┃ただしその精度は本体がもつ情報量に依存し、情報量が少ないとコピーの精度・
┃変身後の能力などが低下する。
┃完全に同期を果たすためには親愛の情と直接的な肉体の接触が必要不可欠で、
┃もっとも同調率を高めるのは暴力的・性的な刺激である。
┃また相手が心を開いている状態であればあるほど同調率の上昇も早くなる。

┃なお一見自立型のスタンドに見えるが、リサーフィス自身は一切の自我を持っていない。
┃彼女自身の思考に見えるものはすべて本体である黒木智子の思考の断片である。

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213 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 22:07:59.66 ID:wUYCblno0

\カカカカッ/

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┃スタンド名:クレイジープリンセス(crazy princess)
┃本体名:吉田茉咲
┃破壊力 - A スピード - A 射程距離 - D 持続力 - C 精密動作性 - A 成長性 - A

┃筋骨隆々とした堂々たる体躯の女性の姿をした近距離パワー型スタンド。
┃圧倒的なパワーとスピードを誇り、またスタンドの五感もきわめて鋭敏。
┃視覚聴覚はもちろん「気配」と呼ばれる微弱な生体電波をとらえる感覚も鋭い。

┃ただしその能力は自身の精神状態に大きく左右される。
┃わずかでも傷つけたくないと思っている相手には攻撃力が極端に低下し
┃全力で殴っても大きな衝撃を与えるにとどまってしまう。

┃またスタンド自体の防御力も高いほうではなく、それでも大きな衝撃などには耐えられるが
┃触るだけでも危険なような攻撃だとダメージは免れない。
┃そのような攻撃にはいかに本体の精神を集中して回避するかが重要になる。

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\カカカカッ/

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┃スタンド名:ラブ・デラックス -ノー・オルディナリー - (love deluxe -No Ordinary-)
┃本体名:加藤明日香
┃破壊力 - E スピード - C 射程距離 - B 持続力 - A 精密動作性 - A 成長性 - D

┃自身の髪の毛に憑依して実体化するスタンド。
┃パワーはないが精密性に優れ、1本単位から微細に正確に動かすことが可能。
┃髪は優れた触覚で先端の状況を把握でき、スタンドの言語を伝達させることもできる。

┃またスタンドを実体化させた髪はすぐれた張力と強度を持つようになる。
┃さらに切られてしまってもあるていどなら再生させることも可能。
┃それでもあまりに大きい力・鋭い刃・高い温度には耐えられないし
┃切断されれば当然本体のダメージにもなる。

┃攻撃方法は相手の皮膚感覚を刺激して痛みを与えたり混乱させたりするのが主で
┃締めあげるといった直接攻撃を行えるほどのパワーはない。
┃速度もそれほど速くはないので動きの速すぎる相手をとらえるのは苦手。

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214 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 22:10:22.29 ID:wUYCblno0

\カカカカッ/

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┃スタンド名:メタリカ・セルフディストラクト(Metallica ・self-destruct・)
┃本体名:内 笑美莉
┃破壊力 - E(B) スピード - E(A) 射程距離 - E(C) 持続力 - C(E) 精密動作性 - D(B) 成長性 - C
┃※スタンド自体の数値、()内は能力を使用した場合の数値

┃本体の体内全体に分布する蛆虫状のスタンド。
┃本体の血中に含まれる鉄分を核としてスタンドパワーを結晶・実体化し、体内から発生させる能力を持つ。
┃これにより生じた物質はスタンドと物質両方の性質を持つ。
┃なので一般人含めた通常の物質でも視認や接触などが可能で、敵スタンドに触れる・傷を負わせることも可能。
┃また一般的なスタンド同様、物質に干渉するかしないか任意で選べるため、
┃アヌビス神と同じように物体を通り抜けてその向こう側を攻撃してしまうこともできる。

┃.攻撃手段としては刃を生じさせ振り回す、弾丸や槍を作り出し遠距離攻撃するなど。
┃.また防御手段も豊富で、鉄分で装甲や盾をつくりだして攻撃を防いだり
┃.メタリカと同様全身に鉄粉をまとい姿を消すこともできる。
┃.この微細な鉄粉は光を屈折させ光学迷彩のように全方位への迷彩として機能する。
┃.また音も吸収し「気配」と呼ばれる微弱な生体電波、さらに自身のスタンドパワーまでも完全に遮断してしまえる。
┃逆に自分の体内から針状にアンテナを伸ばし他者の気配やスタンドパワーを探知することも可能。

┃.さらに本体に接近・接触しようとする物体・スタンドに対しては、体内から刃が飛び出し反撃を行う。.
┃.これはスタンドを出している限り完全自動で発生し本体が眠っていようと気絶していようと発動する。
┃.ただあまりに微小な物質や熱や電気といったエネルギーには反応しない。

┃(続く)
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215 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/01/31(木) 22:15:15.52 ID:wUYCblno0

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┃(続き)

┃.以上の能力は、全身のどこからでも発生させることができる。
┃.さらに体内全体に存在するスタンドは本体の肉体にスタンドパワーを及ぼし、
┃.近距離パワー型のスタンドと格闘できるだけの超人的な能力を与える。
┃また小さい・きれいな傷であればスタンドを用いて塞いでしまうこともできる。
┃(体内から生じた刃は体を突き破って出てくるが、この能力で傷をふさいでいる)
┃これらの能力はすべて接触していれば他者に使うことも可能。

┃.ただし自分の血中の鉄分を使っている上に.スタンドで作り出した物質からは鉄分がどんどん分離していく。
┃しかもこのスタンドは体内に発現しているだけで鉄分をどんどん消費してしまい
┃鉄分が少なくなってくると本体の赤血球や肝臓などを破壊して鉄分を食いつくすため
┃無理に使用しているとあっという間に重度の鉄分欠乏症を引き起こす。
┃.もちろん体内の鉄分が不足していると上記の能力はすべて使えなくなってしまう。
┃またスタンドとはいえ実体の鉄分を核としているため、通常の電気が通電してしまったり
┃熱や磁力の影響を受ける、レーダーに探知されてしまったりするといった弱点もある。


┃本体の自己に向けられた嫌悪と憎悪、さらにそこから生じた「すべてを消して私自身も消えてしまいたい」
┃という自身含めたあらゆるものへと向かう破壊衝動が具象化したスタンド。

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216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/01(金) 19:55:51.48 ID:SRGDyYQV0
サバイバー似合いすぎワロス
けどあれ自衛できないよなあ<●><●>
217 : ◆HWAyM/47A/f9 [saga]:2019/02/01(金) 20:23:52.84 ID:3tGpbTpX0
半分当たり
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