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屍男「おい、そこのロクでなし」吸血娘「なんだ髪なし」
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124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/17(木) 15:08:28.98 ID:DW39r66uO
楽しみ
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/17(木) 21:44:15.53 ID:BA+msVibO
乙面白くなってきた
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/19(土) 19:05:02.72 ID:DaiUOcJV0
よく裏世界やっていけたなってぐらい口軽くて草
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/19(土) 19:36:04.35 ID:xT14Coado
最強の吸血鬼だし大切に育てられたし多少はね
128 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:27:56.99 ID:hprndwOko
屍男(……あいつ、昨日そんなことがあったなんて一言も聞いてないぞ)
屍男(どうする、この状況。一番恐れていたことが現実に起きてしまった)
屍男(――殺すか)
屍男(……何を馬鹿なことを考えているんだ俺は。とにかく、どうにかして誤魔化すしかない)
屍男(あのおしゃべりがどこまで話したか、だ。それ次第でまだカバー出来る……はずだ)
屍男「……どうして、あいつがヴァンパイアだと分かった?」
129 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:29:11.65 ID:hprndwOko
後輩女「え?どうしてって……実際に腕を噛まれて血を吸われました。ほら」スッ
屍男「……それだけか?他には何もしてないんだな?」
後輩女「……?はい、そうですけど」
屍男(……霧化とあの眷属は見てないのか。腕から血を吸われただけ……)
屍男(……よし、行ける)
屍男「……すまない。あいつが迷惑をかけた」
屍男「ヴァンパイアだのなんだのは……全てホラ話だ。トワイライトという小説を知っているか?」
後輩女「トワイライト?あぁ……映画になってたあれですか?名前だけは知ってますけど」
130 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:33:23.12 ID:hprndwOko
屍男「……そうだ。あいつはあの映画を観て以来、自分がヴァンパイアだと思い込んでいるんだ。トワイライトのストーリーは女子高生とヴァンパイアの恋物語でな」
屍男「向こうでは社会問題になったことがあるほど、疾患者が多い病だ」
屍男「“トワイライト・シンドローム”という病名に聞き覚えはないか?」
後輩女「な、何だか聞き覚えがあるような、ないような……」
屍男「こちらの国でも、似たような病名があったはずだ。名は確か……ちゅ、ちゅ……」
後輩女「中二病、ですかね?」
屍男「あぁ……それだ。間違いない」
屍男「要するにあいつは今、中二病で自分をヴァンパイアだと思い込んでいる精神異常者なんだ。ヴァンパイアなどこの世界にいるわけないだろう」
131 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:34:47.58 ID:hprndwOko
後輩女「で、でも!私は本当に血を吸われたんですよ?それはどういう……」
屍男「……それに関しては、あいつの……性癖に関わる話になる」
屍男「血液嗜好者、ヘマトフィリアという言葉を聞いたことはあるか?」
後輩女「な、ないです……」
屍男「そうか、知らないのも無理はないな。これはパラフィリア障害という精神疾患の病名の一つだ。簡単に言うと……特殊な性癖を持つ人物に対して使われる」
屍男「有名なのはペドフィリア、ネクロフィリアと言ったものだろうな。ヘマトフィリアもその一つで、血に対して性的興奮を覚える症状を指す」
屍男「他にも、ヴァンパイアフィリアという言葉が存在する。別名、吸血病だ。これはそのままの意味で、人の血を吸う性的嗜好を持つ人物を意味する」
屍男「あいつは……この両方の病も持っているんだ。原因は分からんが、幼い頃から血に執着する性格でな……中二病にかかったのも、この体質のせいだ。」
屍男「実際に調べてみるといい。症例は少ないが、確かに存在するものだ。現代社会では中々理解されないのが問題になっている」
132 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:36:22.11 ID:hprndwOko
後輩女「……!?そ、そうだったんですか……?そんな病気があったなんて」
屍男「……それに加えてあいつはレズビアンでもある」
後輩女「え、えぇっ!?レズビアンッ!?」
屍男「お前の血を飲んだ時に、様子が少しおかしくなかったか?」
後輩女「そう言われると……顔が赤かったような」
後輩女「ま、まさかそれって……」
屍男「……あぁ、あいつは女の血を飲むと、その、なんだ……欲情する」
後輩女「そ、そうだったんですか」
屍男(……よし、これでだいぶ説得力が増したはずだ)
屍男(ヘマトフィリアと吸血病だけではあまりに特異過ぎて、現実感がないだろうからな。身近にある言葉を並べることで、よりリアリティが増す)
133 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:37:37.44 ID:hprndwOko
屍男「……ということで、あいつはひきこもりで、中二病で、ヘマトフィリアで、吸血病のレズなんだ。すまないな……隠す気はなかったんだが、これはあまりにも……そう簡単に話してはいい内容ではないような気がしてな」
後輩女「え、あ、はい……わ、私も何かごめんなさい。その……真に受けちゃって」
後輩女「そうですよね。よく考えたら先輩がゾンビなんて……そんなことあるはずないですもんね」
屍男「……あぁ、全くだ。分かってもらえたなら、それでいい」
屍男「では俺はそろそろ失礼する。あいつが腹を空かして待っているだろうからな」
後輩女「は、はい!すみません!呼び止めちゃって!お疲れ様でした!」ペコリ
スタスタ スタスタ
屍男(……ふう。何とかなったな。医学書を読み漁っていた成果が、こんなところで出るとは)
134 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:39:21.80 ID:hprndwOko
屍男(自分で言うのも何だが、よくあそこまでの嘘を即興で考え付いたものだ。多少無理があると思ったんだがな)
屍男(だが……彼女があいつの言うことを本気で信じたのは、血を吸われただけではないはずだ。元から俺に……無意識に、疑念を抱いていた。どこかおかしいと思われていたのだろうな)
屍男(……今回は上手く行ったが、次はそうはいかない。あいつには念を押す必要があるな。もう二度とこんなことを起こすわけにはいかん)
後輩女「……」ポチポチ
後輩女「……ほ、本当にあるんだ。吸血病って……聞いたこともなかった」
後輩女「そうだったんだ。先輩はひきこもりで、中二病で、ヘマトフィリアで、吸血病でレズビアンの姪さんの面倒を見ているのか」
後輩女「…………」
後輩女「た、大変だなぁ……」
135 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:40:42.03 ID:hprndwOko
ガチャ
屍男「……」
吸血娘「おうおう、チキン泥棒が帰ってきたぞ」
吸血娘「言っとくけど、私はまだ根に持ってるからな。一週間は言い続けるからな、チキン泥棒が」
屍男「……おい、俺が怪物だということを……言ったのか?あいつに」
吸血娘「あ?うん、言ったけど?」
屍男「……なぜだ。あれだけ釘を刺したはずだ。なぜ喋った」
屍男「まさか、チキンを食われたとかいうくだらない仕返しでやったわけではないだろうな」
吸血娘「いやさすがの私でも、んな理由で言わんし。もっと別な理由だし」
136 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:41:43.72 ID:hprndwOko
屍男「……ではその理由とは何か言ってみろ」
吸血娘「んー……それは無理かな。一応、名誉ってもんがあるし、私の口からは言えない」
屍男「は?」
吸血娘「だから、これはあいつの個人的な事情に寄るから言えない。私もこれぐらいのデリカシーってもんはあるし」
屍男「……どういう意味だ。それは」
吸血娘「まあハゲには絶対分からんだろうな。そういうのに鈍感そうだし。おっと、危うく言いそうになった」ニヤッ
屍男「……」
屍男「どういう事情があったのかは知らんが、こちらは誤魔化すのに大変だったんだぞ。もう二度とあいつには連絡するな。接触するな。言葉を交わすな」
137 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:43:23.81 ID:hprndwOko
屍男「これが守れないなら、俺はもう二度とお前の使いっぱしりはしない」
屍男「チキンも、アイスも、ハンバーガーもコンビニ弁当も一切買わん」
吸血娘「……は?」
屍男「言っておくが、俺は本気だからな」
吸血娘「いや、それだけは絶対無理なんだけど」
吸血娘「だって、私もうあいつの携帯の番号知ってるし。向こうからメッセージ来てるんだけど」スッ
『センパイから事情を聞きました。私も出来る限りのことは協力します』
吸血娘「……つーかなにこれ。事情って、お前何話したの?」
屍男「……」
屍男(こ、こいつ……いつの間に)
138 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:46:56.88 ID:hprndwOko
………………………………………………
……………………………
吸血娘「……は?」
吸血娘「え、なにそれ。つまり私はひきこもりで、血に欲情する性癖で、おまけにレズってことになってるの?え?」
屍男「……そういうことになるな」
吸血娘「……」
吸血娘「とんだド変態じゃねえか!!!!!!!!なに人のことをボロクソに設定してやがんだ!!!!!!」
吸血娘「つーかこんなめちゃくちゃな話を信じる方も信じる方だわ!!!!あいつ馬鹿じゃねえの!?」
屍男「仕方ないだろ。話の流れでそうなった。元はと言えばお前が悪い」
屍男「俺が死者という話より、お前が変態ということの方が信憑性があったということだろう」
吸血娘「吸血病までは理解できる!でもレズってなんだよ!?これ明らかにいらないだろ!!!!!」
屍男「……話の流れだ」
139 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:48:30.31 ID:hprndwOko
吸血娘「私は絶対に嫌だからな!!!!こうなったら直接呼び出して霧化するところを見せてやる!!!!これなら絶対本物のヴァンパイアだって信じるだろ……!」ピッ
屍男「……なら、さっきも言った通り俺はもう二度とお前の好物は買わないぞ」
屍男「自分で足を運ぶがいい。もっとも、そんな体力がお前にあればの話だが」
吸血娘「なっ……!?それは反則だろ!!ズルいぞ!!!!」
屍男「反則でもズルでもない。どうする?選ぶのはお前だ。勝手にすればいい」
屍男「おっと、そういえば今日はこれを買ってきたんだった」ガサゴソ
ハンバーガー『』
吸血娘「!?」
吸血娘「こ、このハゲ野郎……!それを人質に取ろうってのか……!」
140 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:53:50.57 ID:hprndwOko
屍男「別に、ただお前が自分の正体を隠そうとしないと言うなら、このハンバーガーとポテトは俺の胃に放り込まれるだろうな」スッ
屍男「選べ、毎日外へ出て、何百メートルも歩いてまでジャンクフードを買いに行くか。それとも恥を我慢するか」
屍男「無論今後一切ハンバーガーやフライドチキンを食べない、という選択肢もあるがな」
吸血娘「……!」ギリッ
屍男「……」ガサゴソ
屍男「……アー」スッ
吸血娘「!!!!!!」
吸血娘「……チッ、ったよ。隠せばいいんだろ、隠せば」
屍男「それでいい。ほら、受け取れ」ポイッ
屍男「いいか、これは取引だからな。破るなよ」
141 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:55:37.35 ID:hprndwOko
吸血娘「うっせ。わざわざ約束事を破るほど、こっちも世間に染まってないっての」モグモグ
吸血娘(……我ながら、食い物に釣られて変態の汚名を被るというのは何だかとてもマヌケな気がする)
吸血娘(でも、仕方ないじゃん。わざわざ買いに行くなんてめんどいし、背に腹は代えられん。クソッ)
屍男(……相変わらず、こいつの扱いは単純で楽だな)
吸血娘「でもさ、お前これからもずっと、あいつに正体を隠すつもりなの?」モグモグ
吸血娘「私の見立てだと、絶対に他人に喋ったりしないタイプだと思うぞ、アレ。向こうは多少なりとも、お前を慕って――尊敬しているわけだし、そんなやつをずっと騙して罪悪感とかないの?」モグモグ
屍男「…………」
屍男「……これはお互いの為だ。表の人間が、そんな情報なぞ知らない方がいいに決まっている」
屍男「もし話す時が来るとしたら……それは、俺があいつの前から姿を消す日だろうな」
吸血娘「……あっそ」モグモグ
142 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/20(日) 22:57:04.00 ID:hprndwOko
今日はここまで
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/21(月) 05:07:37.74 ID:VG884zSbO
乙
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/21(月) 12:56:45.38 ID:foYhOjKuo
ひきこもり中二ヘマトフィリア吸血病レズ娘に改名しようぜ!
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/21(月) 13:10:13.17 ID:BfyHZW9yo
略して吸血娘
146 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:21:53.83 ID:5BE/ETfGo
▢▢▢▢ 数日後 ▢▢▢▢
屍男(あれから、数日が過ぎたが、特に俺達の正体については言及されなくなった)
屍男(あいつも上手く演じているのだろう。まあ元はと言えば勝手にペラペラ話す方が悪い、同情の余地は全くないな)
屍男(……しかし少し気になることがある。あいつの“好物”の話だ。やつの好みの血は10代の女の血……長いこと輸血パックの血しか飲んでいない上に、今まで飲んできた大半は不健康な犯罪者の血)
屍男(禁酒中の中年に、キンキンに冷えたビールを差し出すようなものだ。僅かしか飲んでいないそうだが、中毒に近い症状が起こらないといいが……)
「ねぇ、おにーさん。探してる本があるんだけど」
「歴史系の本って、どこにあるか分かるかなァ?」
屍男「……あぁ、それなら――」クルッ
147 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:23:16.54 ID:5BE/ETfGo
屍男「……」ピクッ
「ん?どうしたのかな?」
屍男「……いや、何でもない。歴史と地理はそこを左に曲がったコーナーだ」
「……おにーさん、不思議な“眼”をしているねェ」
「虚ろな色、中身が何にもない。でも意思は感じられる。本当に面白い……今すぐ食べちゃいたいくらい」
屍男「……どういう意味だ」
「フフッ、何だか、おにーさんとはまたどこかで会えそうだねェ。じゃあまた、教えてくれてありがと」フッ
148 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:24:09.10 ID:5BE/ETfGo
スタスタ スタスタ
屍男「…………」
屍男(なんだ、あの少女は……姿を見た一瞬、嫌な気配を感じた。狩人に対面した時と似ていたが、それとはまた違う)
屍男(何か……もっと、こう、本能的に訴えかけてくるような)
ズキッ
屍男(……ッ。気になるな。少し追ってみるか)スッ
シーーーーン
屍男「…………」キョロキョロ
屍男「……いない?」
149 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:24:59.33 ID:5BE/ETfGo
屍男(どういうことだ。確かに、ここの角を曲がったところまでは見た。だが……姿が見えない)
屍男(もう店を出たのか?いや、あり得ない。出入り口は一つだ。位置的に、店から出たのなら俺の視界に入るはずだ。それなのに……)
屍男「…………」
屍男(――――何者だ。あの少女は)
150 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:26:01.68 ID:5BE/ETfGo
………………………………………………………
…………………………………………
屍男「……」スタスタ
後輩女「あ、センパイ。お疲れ様です」
屍男「……あぁ、お疲れ」
後輩女「……?どうかしました?何か変な顔してますけど」
屍男「……そんな顔してるか?」
後輩女「何だか、いつもより顔の影が濃いっていうか、考え事してますみたいな顔してましたよ。私じゃないと気付かないと思いますけど」
屍男「……今日、店で外国人の少女を見なかったか?白いワンピースのような服を着ていて、金髪の髪をしている」
後輩女「外国人の……女の子ですか?いえ、見てないですね。私今日ずっとレジやってましたし、何か買ったのならすぐ気づくと思いますけど」
屍男「……」
後輩女「その女の子がどうかしたんですか?」
屍男「……いや、見ていないのならいい。気にしないでくれ」
151 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:26:51.99 ID:5BE/ETfGo
後輩女「?」
後輩女「あ、そうだ。こちらもちょっと先輩に相談があるんですけど……姪さんのことで」
屍男「……」ピクッ
屍男「……帰りながら、話を聞こう」
スタスタ スタスタ
後輩女「実は今日……姪さんからメールが届きまして」
後輩女「何だか、私の血が気に入ったみたいで、また飲ませてほしいって言ってるんですけど……どうすればいいんですかね?」
屍男(……はぁ、やはりな)
152 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:27:38.49 ID:5BE/ETfGo
後輩女「いや私個人としては、全然かまわないんですけど、一応センパイに話は通した方がいいのかなとか思って」
後輩女「100㎖10万円で買い取るって向こうは言ってるんですけど……どうすればいいんですかね、これ?」
屍男(……馬鹿が、そんな成金みたいな金の使い方をするな。どう見ても不自然だろうが)
屍男「……分かった。俺から話をしておく」
後輩女「……そうだ、私って姪さんとは携帯の番号交換しましたけど、センパイとはしてませんよね」
後輩女「はい、今交換しましょうか。これなら家にいても、すぐに連絡出来ますし」スッ
屍男「……」
屍男「……そうだな。そちらの方が効率はいいか」スッ
153 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:28:28.02 ID:5BE/ETfGo
スタスタ スタスタ スタスタ
後輩女「……はいっ。これでOKですね!」
屍男「……」
後輩女「……?どうかしたんですか?センパイ、後ろに何かあります?」クルッ
屍男「……いや、何でもない」
屍男「すまないが、今日はここで別れる。これから少し用事があってな」
後輩女「あ、そうなんですか。じゃあまた明日!」ペコリ
後輩女「お疲れ様でしたー」フリフリ
屍男「……」
154 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:29:14.67 ID:5BE/ETfGo
スタスタ スタスタ
後輩女「……」ギュッ
後輩女「……つ、ついに……センパイの番号をゲットしてしまった。自分でもびっくり、するくらい簡単に手に入ったな。姪さんには感謝しないと」
後輩女「これは……一歩前進ってことでいいんだよね?うん……よし!」ニヘヘ
155 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:30:12.78 ID:5BE/ETfGo
スタスタ スタスタ スタスタ
屍男「……」
屍男「……」
屍男「……ここら辺でいいか」
屍男「おい、いい加減に姿を現せ。さっきから尾行しているのは気付いているぞ」
屍男「何者だ?お前は」
156 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:31:15.59 ID:5BE/ETfGo
シーーーーン
屍男(……気配が消えた?どこに――)
フッ
屍男「!!!!!!!!!」サッ
ザシュッ!!!!!!!!!
屍男(刀ッ!?グッ、ギリギリ避けるのが間に合ったが、いつの間に背後にっ)
157 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:33:19.21 ID:5BE/ETfGo
「あらん?中々やるじゃない。アタシの一太刀を避けるなんて」
「これまでで、アナタが初めてよ。大抵は反応出来ずに死んで行ったわ」
屍男「その刀……そうか。お前が……ここ最近、辻斬りをやっているとかいう頭のおかしい犯罪者か」
屍男(……あぁ、またこのパターンか。確かに、あの女の言う通り……俺は悪運が強いようだ)グッ
「ご名答、アナタ中々勘がいいのね。いいわ、ゾクゾクしちゃう」
「よく見たら、ハゲだけど顔も中々イケメンじゃない。決めたわ」
フッ……
怪物男「今日のオカズはアナタにしましょうかッ!」ニヤッ
屍男「……ッ!」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/22(火) 23:34:24.23 ID:BdFZK4pzo
男なのか…
159 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/01/22(火) 23:35:44.18 ID:5BE/ETfGo
今日はここまで
ってことでこれにて前半は終了です
後半から一気に話が進んで急展開になると思います
でもごめんなさい…これからちょっと一週間ぐらい更新出来なくなるので、それまで待ってもらえると嬉しいです
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/23(水) 05:54:22.46 ID:ZxUeyWbnO
乙
待ってるぞ
161 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:26:00.02 ID:I2eeJv+no
ダンッ!!!!!!
怪物男「ハァッッッ!!!!!!」ブンッ
屍男「っ……!」サッ
屍男(クッ……厄介だな、この刀は。リーチに差があり過ぎる。それに……嫌な気配を感じる。こいつ本体よりも、刀の方が危険かもしれん。そもそも、どこであんな代物を手に入れた)
屍男(……だが、こちらも手がないわけではない。あの女の懸念通りだったな。銃を持ち歩いて正解だった)チャキッ
屍男(弾数は6発、どれだけの効果があるのかは未知数だが、全弾を頭にぶち込めば致命傷は避けられないはずだ)
屍男(確実に当てるには……かなりの至近距離まで近付く必要があるな。防御も回避も不可能な状態に持ち込まなくては)
屍男(……それに、いざとなれば逃走という手段もある。前回の対狩人戦と比べれば勝機はある)
162 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:27:09.40 ID:I2eeJv+no
怪物男「あら?この攻撃も避けちゃうわけ?」
怪物男「おかしいわね……人間の反応速度は優に超えているはずなんだけど。もしかして、アナタも剣道とかやってた?」
屍男(……こいつ、俺が同じ怪物だと気付いていないのか?これは好都合だな)
屍男(ただの人間と思われているならば……不意を突くチャンスがある)グッ
怪物男「まあいいわ。面白いじゃない。アタシも久しぶりに滾ってきちゃったわ」
怪物男「じゃあ……これならどうかしら?躱せる?」スッ
屍男(構えが変わった?一体、何を――)
シュンッ!!!!!!!!!!!
163 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:28:41.66 ID:I2eeJv+no
屍男「!?」
屍男(なっ……速いっ!?これは間に合わな――)
ザンッ!!!!!!!!!
怪物男「……あらら、ごめんなさいね。ちょっと本気になり過ぎたわ」
ピシャッ
屍男「グゥッ……」ガクッ
屍男(な、何とか……身体を逸らし、致命傷は避けたが……肩をやられたか)
屍男(この傷、痛み、やはり……ただの刀ではない。通常の刃物と比べて再生のスピードが遅い)
屍男(もっとも、今急速な再生をするとこちらの正体に気付かれてしまう。これは逆に都合がいいと考えるべきか)
164 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:30:20.14 ID:I2eeJv+no
屍男「……その刀、どこで手に入れた?」
屍男「この国で帯刀が許されていたのは、大昔の話だと聞いていたんだがな……」
怪物男「ん?コレ?あぁ……そうね。確かに、外人さんには珍しいわよね」
怪物男「これが話すと長くなるのよねェ……妖刀って言葉はご存知かしら?」
屍男「……」
怪物男「この刀は“曰く憑き”ってやつで、何でも戦国時代に1000人斬りを達成した武将が持っていたそうなのよ」
怪物男「その武将に斬り殺された侍の怨念ってやつがこの刀に宿っているらしいわ。まあこの話はある寺の住職に聞いた話だから、真相は分かんないだけどね」
怪物男「で、なんでこの刀をアタシが持っているのかっていうと……アタシ、その住職と付き合ってたのよ」
怪物男「いい男だったわァ……でも、突然その彼が別れ話を振ってきてね」
怪物男「妻にアタシ達の関係がバレそうになったから、今すぐ別れてって……勝手な人よね。自分からアタシに声をかけてきておいて」
屍男「……」
165 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:32:17.46 ID:I2eeJv+no
怪物男「ここから先はまあよくある話よ。痴話喧嘩がこじれて、その住職をアタシが殺しちゃったの」
怪物男「今でも後悔してるわ……咄嗟に頭に血が昇っちゃって、包丁でめった刺し」
怪物男「さすがのアタシもヤバいと思ったわ。今更隠すなんてことは出来なかったし、刑務所に送られるのは確実……そんなの耐えられないわ」
怪物男「だってそうでしょ?アソコって化粧もオシャレも許されないのよ?正に生き地獄……だから、死ぬことにしたの。だって醜く老いるよりも綺麗なうちに死にたいでしょ?」
怪物男「どうせ死ぬなら男らしく、切腹でもしてやろうかと思ったわけ。この刀はその住職の寺に奉納されてたモノで、話は聞いていたし」ギラッ
怪物男「そしたらビックリ、目が覚めたら切腹したお腹の傷が治ってるわ、刀の声が聞こえるわ……あ、アタシが死人だってこと、言ってなかったっけ?」
怪物男「世の中には不思議なことがあるものね。日頃の行いが良かったせいかしら?」クスッ
屍男「……」
屍男(……聞いてもいないことをベラベラと、誰に向かって喋っているんだこいつは)
166 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:33:33.75 ID:I2eeJv+no
屍男(だが、おかげで時間は稼げた。肩の傷は……問題ないな。動ける)グッ
屍男(……今がチャンスだ。やつの気がおしゃべりに夢中になっている隙に、仕留める)
怪物男「一番ビックリしたのが、何と言ってもこの肉体よね。一応、前も運動神経には自信はあったけど、それとは比べ物にならないほど上がっているのよ。石なんて発砲スチロールみたいに砕けるし、跳躍力も屋根を飛び越えるほどあるわ」
怪物男「それに……“ソッチ”のスタミナも驚くほど上がっているのよ。フフッ……五回も出しても全然萎えないのよぉ」テレッ
怪物男「まるで中学生に若返ったみたい……アナタ相手に何発出来るか、楽しみだわ……ん?」チラッ
怪物男「……あら?いない?」キョロキョロ
フッ……
屍男「ッッッッ!!!!!!」シュンッ
怪物男「!?」クルッ
167 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:35:43.45 ID:I2eeJv+no
屍男(刀は鞘に収めている。どれだけ斬撃が速くとも、手に取るには0.5秒はかかる)
屍男(その間は無防備だ。武器さえなければ、身体能力は俺の方が上だと、先程の攻防で見抜いたぞ)チャキッ
屍男(弾丸の速度から計算して……この距離なら、やつが手を伸ばす前に着弾する)カチッ
屍男(……終わりだ)
バンバンバンバンバンバンッッッッ!!!!!!!!!!!!
シュンシュンシュンシュンシュン!!!!!!!!!!
屍男「……ッ!?」
怪物男「……ちょっとぉ、ビックリするじゃない。そんな急に来られたら」チャキッ
怪物男「その動き、それにもう動かせないはずの肩の傷が治っている……そういうことね。アタシと同じで……アナタも死者なの?」
168 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:37:21.59 ID:I2eeJv+no
屍男(ど、どういうことだ……弾丸が……全て斬られた、だと?)
屍男(……不可能なはずだ。あの一瞬に刀を抜くなど……怪物の反射神経でもあり得ない)
怪物男「その銃も……今のはちょっと危なかったわ。もし、この“刀”がなかったら……また、死んでいたわね。ただの銃じゃないでしょ?それ」
屍男「……ッ」
怪物男「どうして防御が間に合ったのか、そんな顔をしているわね」
怪物男「さっき言ったでしょ?この刀はただの刀じゃない、妖刀だって」
怪物男「この子には意思があるのよ。今、動いたのはこの子の方……アタシは何もしてないわ。自動防御ってやつよ。アタシが何もしなくても、勝手に動いて防御してくれる」
怪物男「つまり、二対一の勝負ってことになるわね。ちょっと卑怯かもしれないけど、文句は言わないでよ?“男の子”なんだから」ニヤァ
屍男(……自我を持つ刀、か。あぁ……これは……)
屍男(……想像よりも、厄介だな)
169 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:39:42.67 ID:I2eeJv+no
屍男(……どうする。奥の手である銃は全ての弾を使ってしまった)
屍男(こうなると、この肉体であいつに対抗するしかない。しかし……問題はあの刀だ)
屍男(下手に近付くと、細切れにされるのは確実。四肢を切断されるのもマズい。接合するだけでも完全に再生するには恐らく数分近くかかる)
屍男(しかし、こちらの攻撃手段は近接格闘しかない。あいつを葬るには俺と同じく、再生出来ないほど粉々にするか、脳髄を潰す以外に手段はない)
屍男(……これらの状況から考え得る、生き延びる手段は……)
怪物男「あら?もう撃ってこないの?」
怪物男「それとも、弾切れなのかしら?」
屍男(……戦略的撤退、か)ジリッ
170 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:41:13.03 ID:I2eeJv+no
怪物男「あ、もしかして逃げようとか考えたりするの?」
怪物男「そんなのさせるわけないじゃない。アナタみたいな極上の獲物を逃がすなんて、そんなのアタシも、この子も絶対にないわよ」
怪物男「まあ万が一、逃がしちゃったりしたら……アナタを見つけ出して殺す前に、あの一緒にいたメスを殺すわ」
怪物男「アタシ、鼻がいいのよね。匂いを追跡して殺すのくらいわけないのよ?」フフン
屍男「……」
屍男(逃走も許されないか。仕方ない)
屍男「……」グッ
屍男(やるだけのことはやってやる)
171 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:43:45.81 ID:I2eeJv+no
怪物男「あら!やる気になったのね!いいわぁ!面白くなってきたじゃない!」スッ
怪物男「さぁ……化け物同士、愛し合って……殺し合いマショウッッッ!!!!!!!」ダッ
ザンッ!!!!!!!!!
怪物男「アハハハハハハァ!!!!!ソレッ!!!!!ソレッ!!!!!!」シュンシュン
屍男「クッ……」バッ
屍男(攻撃する隙が無い……!細かい斬撃の嵐、避けるのが精一杯だ。いや、それでも完全に避けきれているわけではない。僅かにだが、着実に小さい傷は増えている。このままではっ……)
屍男(立て直さなくては……!)
ガッッッッ!!!!!!!!!
パララララララッ!!!!!!!!!
怪物男「っ!?」
172 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:45:49.12 ID:I2eeJv+no
屍男(地面を蹴り、コンクリートの破片をぶつける。これで視界は遮られた。この隙に――)
ザシュザシュザシュ!!!!!!!!!
怪物男「アッハァ!!!!!!!」ブンッ
屍男(っ……!?破片を全て斬り伏せただとっ!?)
怪物男「お返しぃッッッ!!!!!!」ブンッ
ダダダダダダダダダッ!!!!!!
屍男「グッ……!!」バッ
屍男(俺と同じように、コンクリートを斬撃でっ……あいつのように、全て防ぐのは不可能だ。前が見え――)
ビシュッッッ!!!!!!
屍男「ッッッ!!!!」ズキッ
ダラッ
173 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:46:46.90 ID:I2eeJv+no
怪物男「フフフ……どう?器用でしょ?」ギラッ
怪物男「“皮一枚”……ってやつよ」クスッ
屍男「……」ダラッ
屍男(……右腕を切断されたか。あいつの言う通り、皮一枚繋がっているが……使い物にならないな)グチャッ
屍男(……よし、接合は問題ない。切断面が綺麗で逆に助かった。感覚が戻るまでは多少時間が掛かるが……)
屍男(戦闘続行可能だ)グッ
怪物男「あら、凄いわねぇ……もうくっ付くの?その腕」
怪物男「どうやら、再生能力はかなりのモノを持ってるようね。いいわ、面白いじゃない」
怪物男「どこまで斬り刻んだら再生しなくなるのか……試してみましょうか」ニマァ
屍男(来るッ!)
174 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:49:11.41 ID:I2eeJv+no
チャキッ
シュンッ
怪物男「ハァッ!!!!!!」
ビシュッ
屍男(くっ……!こいつ、わざと……!)
怪物男「これならどうッ!?」シュンシュン
屍男(急所をわざと外しているッ……まるでその気になれば、腕、脚をいつでも落とせると挑発しているかのように……!)
屍男(……ッ!今だ!)
ガシッ
怪物男「……っ」グッ
屍男(刃を掴んだッ!よし、これならやつに蹴りを――)
クルンッ
ザシュッ
屍男「ッ!?」バッ
175 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:50:45.37 ID:I2eeJv+no
怪物男「フフフ、発想はいいわ。確かに、刃の部分を抑えられたら、こちらは一瞬動きが止まる……」
怪物男「でも、残念。白刃取りってのは両手で芯を固定しないとダメなのよ。片腕なら重心がズレて、簡単に返すことが出来るわ」
怪物男「指、三本貰っちゃったわねぇ」ギラッ
屍男「クッ……」ガクッ
屍男(これは……不味い。両腕共に負傷してしまった。右腕はまだ動かない……)
怪物男「さて、これで腕は潰したわ。次は……」チラッ
怪物男「……脚を貰いましょうかッッッ!!!!!!」ダッ
屍男(……ッ!?脚を狙いに来たか)
屍男(それだけは避けなくては……!身動きが取れなくなってはなす術がなくなるぞ……どうする)
176 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:52:03.12 ID:I2eeJv+no
屍男(……俺一人の力では、“やつら”には敵わない。だが、あいつの力なら――可能なはずだ。ヴァンパイアの力なら……)
屍男(助けを呼ぶか?今なら携帯もある。一時的に戦線を離脱すれば……10分もあれば来られる距離だ)
屍男(……だが、やつの前から姿を消すということは――)
『まあ万が一、逃がしちゃったりしたら……アナタを見つけ出して殺す前に、あの一緒にいたメスを殺すわ』
屍男(……)
怪物男「ヒャアッッッ!!!!!!」シュッ
屍男「……ッ!!!」ダッ
怪物男「!?」
怪物男「ちょっ……ここに来て逃げるわけ!?」ダッ
屍男「ッ……!」ダダダッ
177 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:52:57.40 ID:I2eeJv+no
怪物男(速っ……ちょ、ちょっと待って。このままだとっ……!!)
屍男「……!!」グルッ
怪物男(まずッ……角を曲がられた。このままだと見失っちゃうじゃない!!!!!)
怪物男「!!!!!」クルッ
怪物男「……」キョロキョロ
怪物男「……」キョロキョロ
怪物男「……いない」
怪物男「……」
怪物男「……」
怪物男「…………チ」
178 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:53:48.77 ID:I2eeJv+no
怪物男「チキショオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!あの野郎!!!!!アタシをこけにしやがってエエエエエエエエエエエエええ!!!!!!」ドンドン
怪物男「あんな極上の獲物は滅多にいないってのに……クソオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」ドンドン
怪物男「ハァッ……ハァッ……」
怪物男「……いいわ。そっちがその気だってなら、地の果てまで追いかけてあげる」クンクン
怪物男「でも手始めに、まずはあのメスから片付けてあげましょうか……悪いのはアナタなんだからね。アタシは警告してあげたんだから」スッ
怪物男「……ん?」クンクン
怪物男(この匂いは……段々近付いてくる……)クルッ
179 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:54:39.69 ID:I2eeJv+no
ブオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!
トラック『』
屍男「……ッ!!!!」
怪物男「!?」
怪物男「あ、あっはぁ!!!!いいじゃない!!!!そうこないと!!!!!」チャキッ
180 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:56:08.11 ID:I2eeJv+no
屍男(どうだッ……!!いくらお前でも、こいつを斬ることは不可能だッ!!)
屍男(このまま轢き殺してミンチにしてやるッ……!!)
ブオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!
怪物男「ッッッ!!!!!!」チャキッ
シュンッ
ザンッ!!!!!!!!!!!!
屍男「……っ!?」
怪物男「……フッ」スッ
トラック『』カパッ
ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!
181 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:58:01.98 ID:I2eeJv+no
パラパラッ……パラパラッ……
怪物男「フフフ……フフ……フフフフフ…………」
怪物男「アーハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!!スゴいわ!!!!トラックを一刀両断しちゃうなんて!!!!!この力は最高だわ!!!!!」
怪物男「もうアタシに敵う者なんて存在しない!!!!警察でも軍隊でも!!!!みんなこの剣で捻じ伏せてあげる!!!!!」ギラッ
ボウッ
屍男「ッッッ!!!!!」バッ
怪物男「!?」クルッ
ガシッ
ギチギチ……ギチギチ……
怪物男「……ングッ!?ごのっ……!!」ググッ
屍男「……!!!!」グッ
182 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 10:59:12.36 ID:I2eeJv+no
屍男(このままっ……首の骨を、いや、頭蓋を砕くッ!!!!!)
怪物男「はなッ……うぐッぐ……!!!!」グッ
屍男(腕力は俺の方が上だ。これだけ接近していれば、刀を振り回すことは出来ない)
屍男(死ねッ……!!!!)
怪物男「グゥッ……!!!!ガァッ!!!!!」パッ
刀『』クルッ
ザシュ!!!!!!!!!
屍男「!?」グラッ
屍男(なっ……か、刀が、独りでにっ!?)
183 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:00:47.89 ID:I2eeJv+no
怪物男「ハァッッッ!!!!!」シュンッ
ブシュ
屍男「ガハッ……!!」グラッ
バタッ
怪物男「はぁっ……はぁっ……ふぅ」コキコキ
怪物男「ちょっと、焦ったわ。まさか、あの爆炎の中から襲ってくるなんて……想定外だった」
怪物男「でも、それはそっちも同じだったみたいね。最後に教えてあげるわ。この刀は数十センチくらいなら自力で動けるのよ。実戦ではほぼ使えない技かと思ったけど、こんな時に役立つなんてね」
屍男「ガァッ……グッ……」ヨロッ
怪物男「左脇腹に10センチの深さの突き、それに肩から胸にかけての刀傷、それに加えてトラックの炎上に巻き込まれたせいで全身大火傷、普通の人間なら致命傷ね。もっとも、アナタなら時間があれば回復するんでしょうけど」
怪物男「それでも、しばらくはそうやって死んだセミみたいに横たわるしかないってところね。これで決着よ」
184 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:01:50.49 ID:I2eeJv+no
ドクドクッ……ドクドクッ……
屍男(血が……止まらん。体も……動く気配がない)
屍男(これは……もう打つ手がない、か。意識が……遠くなってきた)
怪物男「安心しなさい。苦しい思いはさせないわ。今からその首を落としてあげる」
怪物男「あぁ……アナタは本当にいい男だったわ。殺しちゃうのが惜しいくらい。惚れちゃったかも」ポッ
怪物男「……フフフ、殺した後はたっぷりと犯してあげるわ。首も、下も……全部可愛がってあげる」
屍男「……」ピクピクッ
怪物男「じゃあね。色男さん」スッ
185 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:02:50.17 ID:I2eeJv+no
屍男(……刃が、迫ってきた。今回ばかりは……駄目か)
屍男(あぁ……前にも、似たようなことがあったな……あの日、狩人と戦った夜だ……)
屍男(あの時は……どうだったか。確か、手榴弾で全身をズタボロにされ……次に意識を取り戻した時は……拳銃を握っていた。目の前には……無防備な狩人が)
屍男(一体、誰が――あの狩人をあそこまで追い詰めた?)
ドクンッ
186 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:03:18.12 ID:I2eeJv+no
屍男(……いや、そんなのは決まっている。俺が、俺がやったんだ。あの狩人を殺そうとしたのは)
屍男(……あの日、死の瞬間に掴みかけた記憶、その持ち主の……“俺”が)
ドクンッ
187 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:04:20.10 ID:I2eeJv+no
屍男(……このままでは、俺は死ぬ。いいのか、それで)
屍男(何も……成し遂げていないじゃないか。“俺”は……何も……)
ドクンッ
188 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:05:13.32 ID:I2eeJv+no
屍男(そうだ、俺は無力だ。だから……救えなかった)
ドクンッ
ザッ……ザザッ……
屍男(あの日、あの時、俺は……救えなかった。彼女を、彼女たちを……俺は……)
ザザザザザザザッ……
ザザザザザザザッ……
屍男(……?待て、誰だ。その彼女とは……これは……誰の記憶……)
カチッ……
クルクルクル……
189 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:07:29.39 ID:I2eeJv+no
■■■『まったく、君はいつもそんな感じだよね』
■■■『私が――いないとほんとダメなんだから』
■■■『ね?――――』
190 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:08:17.53 ID:I2eeJv+no
屍男(――あぁ、そうか)
屍男(思い出した。全部。そうだ……これは……)
『いてえええええええええええええええええええ!!!!!!!!』
『アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!殺すうううううううううう!!!!!!ぶっ殺すううううううううう!!!!!』
『死ねエエエエエエエエエエエええええ!!!!!!!!』
屍男(――この声の持ち主も)
屍男(そうだ…………俺は…………)
191 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:09:03.66 ID:I2eeJv+no
ドクンッ!!!!!!!!!
192 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:10:01.42 ID:I2eeJv+no
シュウウウウウウウウ……
怪物男「……ん?」ピクッ
屍男「」プシュー
怪物男「……?身体から……蒸気みたいなのが出てるけど、何それ?」
怪物男「隠し芸か何か?それとも、まだ最後の切り札があったりするのかしら」
屍男「」プシュー
屍男「」シュゥゥ
怪物男「!?」ゾクッ
怪物男(ッ……!?傷が……再生している?それも、信じられないスピードで……)
怪物男(これはっ……まずいッ!!!!)シュッ
193 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:11:01.55 ID:I2eeJv+no
ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
怪物男「きゃっ!!!!!」バッ
怪物男(ウソッ!?何コレッ!?蒸気で前が見えない!!!!)
怪物男「クッ……このッッ!!!!」チャキッ
ザンッ!!!!!!!!!!!!
シュウウウウウウウウ……
怪物男「……いない?どこに消えたの?」キョロキョロ
クンクン
怪物男「……!!」クルッ
194 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:13:19.88 ID:I2eeJv+no
ザッ……ザッ……
シュウウウウウウウウウ……
スゥ
屍男「」
怪物男「…………」チャキッ
怪物男(……変わった?)
195 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/15(金) 11:15:32.44 ID:I2eeJv+no
今日はここまで
再開までまたずいぶんと時間がかかりましたね…ごめんなさい
次の更新で分かると思います
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/16(土) 23:18:13.61 ID:50zYiqrNO
乙
197 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:07:42.59 ID:SQAzR+HOo
怪物男「一体、何をしたの?その肉体……さっきと比べたら、ずいぶんダイエットしたように見えるけど。身長も伸びてるし」
怪物男「しかも、あの大怪我が全て完治している……どんな手品を使ったのかしら」
屍男「」
怪物男「……返答なし、ね。そもそも意識があるのかも怪しいけど」
怪物男「アナタ、鏡を見てみたら?その僅かな肉と骨だけしか残ってない姿。正真正銘の化け物よ」
怪物男(筋肉を燃焼させて、そのエネルギーを治癒力に回した、ってところかしら。あんな肉体だとまともに動くことすらも出来ない欠陥形態、本当に追い詰められた最後の手段ってところね)
怪物男「ふん……いいわ。アタシ好みの顔じゃなくなったけど、その最後まで醜くも足掻く、勝利に飢えた姿は嫌いじゃないわ」
怪物男「でも、しつこい男は嫌われるわよ?大人しく……死になさいッッッ!!!!!!!」チャキッ
198 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:09:07.81 ID:SQAzR+HOo
シュンッ
屍男「」サッ
怪物男「!?」
怪物男(なっ……!?この一太刀を避けた!?)
屍男「」グッ
シュンッ
ドゴォ!!!!!!!!
怪物男「ゲボアァッッッ!?」ボゴォ
ドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!
怪物男「ギャッア!!!!グガアラッッ!!!!」ボコボコ
怪物男(こ、この殴打はッ……!?速いッ!!)
怪物男(このままだとッ……このぉ!!!!!)ブンッ
199 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:10:27.57 ID:SQAzR+HOo
ザンッ!!!!!!!!!!!!
屍男「」サッ
屍男「」シュンシュンシュン
怪物男「ハァッ……ハァッ……グッ……」ズキッ
怪物男(な、に……今のは……これまでとは桁違いの速さ、アタシの最速の剣に並んでもおかしくないくらい……)
怪物男(なんで……こんな考えられない程の成長を、変化……!!)
怪物男(まさか、あの肉と骨だけの姿、あれは治癒能力を上げるだけじゃない。アタシに対抗するための手段……)
怪物男(……信じられないわね。とても人間業とは思えないわ。まあもう人間じゃないんだけど……肉を削ぎ落としてスピードを上げるなんて)
屍男「」グッ
200 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:12:00.74 ID:SQAzR+HOo
怪物男「……ッ」チャキッ
怪物男(来る。いいわ、いいわ……興奮してきたわ。滾る、漲る、沸騰する。この全身がまるで勃つような感覚……あぁ、最高)
怪物男(セックスでは決して味わえない快感。やっぱりアナタは最高よ!!!!!今すぐアタシのモノにしてあげる!!!!!!)
屍男「」シュンッ
怪物男「バァッ!!!!!!!」シュンッ
ザンッ!!!!!!!!!!!!
屍男「」スパッ
怪物男(……ぃよしッ!攻撃もこの子に任せれば、真っ向から対面しても、アタシの方が疾イッ!!!!)
怪物男(このまま斬り刻んであげるッ!!!!!!)
201 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:13:35.76 ID:SQAzR+HOo
屍男「」ガシッ
屍男「」ブンッ
パララララララッ!!!!!!!!!
怪物男(また地面のコンクリートを砕いて投げつけてきた?フン、それはもう通用しないって分からないのかしら)チャキッ
屍男「」シュンッ
パララララララッ!!!!!!!!!
怪物男「……ッ」
怪物男(……なるほど。石礫と同時に攻めることで、左右から不可避の攻撃ってことか)
怪物男(考えたじゃない。でも……まだこっちには見せてない奥の手があるのよ)ニヤッ
怪物男「一閃“千手”」チャキッ
202 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:15:06.35 ID:SQAzR+HOo
ヒュンヒュンッ
ズババババババ!!!!!!!
屍男「」ザンッ
怪物男「こっちにも広範囲用の必殺技はあるのヨォ!!!!さァ!!!!これで終いにしましょうか!!!!!」チャキッ
怪物男(アタシの……アタシ達の剣術の中でも、最速、最強の剣、見せてあげるわ。今まで数多の強者を葬ってきた必殺術……!!)
怪物男(瞬閃“明王”)
屍男「」グルッ
屍男「」グチャッ
プシャーーーーーー!!!!!!!!
怪物男「!?」バッ
203 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:16:54.02 ID:SQAzR+HOo
怪物男(口から血飛沫!?前が見えッ……この量、自分で舌を噛み切った!?)
シュンッ
グチャッ
怪物男「ガハッ!?」ビチャッ
屍男「」
ピチャッ……ピチャッ……
怪物男(い、いつの間に背後にィッ……腹を貫かれて……)
怪物男(ま、まだヨオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!)
チャキッ
ヒュンッ
怪物男(超接近戦用必殺術!!!!一閃“金剛”!!!!!!この距離なら回避は不可能!!!!そしてアタシの剣の方が速い――勝ッ)
シュンッ
グチャッ
クルクルッ
怪物男(――――え?)
204 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:18:05.70 ID:SQAzR+HOo
怪物男(ど、どうして……宙を舞ってるの?)
怪物男『』プシュー
怪物男(あ、あれって……)
怪物男「アタシの……カラ…………ダ…………?」
ゴトッ
205 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:19:44.40 ID:SQAzR+HOo
スタスタ スタスタ
屍男「」
怪物男「……ま、まさか……こんなことになるなんて…………」
怪物男「そ、その腕…………そ、そういうこと、ね。僅かに残っていた肉すら全て削ぎ落として、骨だけに、して……アタシの剣の速さを超えたの……ね……」
屍男「」
怪物男「か、完敗だわ…………アタシの……敗け、よ…………」
怪物男「ねぇ…………さ、最後に……お願いがあるの。聞いてくれる…………?」
屍男「」
206 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:20:42.12 ID:SQAzR+HOo
怪物男「アタシを、犯して?」
グチャッ!!!!!
207 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:21:45.01 ID:SQAzR+HOo
屍男「」ベチャ
屍男「」スタスタ
カタカタ……カタカタ……
刀『』カタカタ
屍男「」
刀『』カタカタカタカタ
刀『』カタ
グシャンッッッッ!!!!!!!!!!
パラッ……
208 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:22:50.34 ID:SQAzR+HOo
屍男「」チラッ
怪物男『』
屍男「」キョロキョロ
屍男「」
屍男「」カパッ
グチャッ……グチャッ……グチュグチュ……クチャッ
ゴクンッ
209 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:23:21.20 ID:SQAzR+HOo
………………………………………………
…………………………………
210 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:24:11.89 ID:SQAzR+HOo
吸血娘「そういや、今日はやけにハゲの帰りが遅いな。もう帰ってきてもいい時間なのに」チラッ
吸血娘「残業でもやってのかな。あいつのバイトにそんなのあるか知らんけど」
ガチャッ
吸血娘「あっ、帰ってきたか」クルッ
吸血娘「おい、遅いぞ!どこで道草食って――」
屍男「……」ボロボロ
吸血娘「!?」ビクッ
211 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:25:18.73 ID:SQAzR+HOo
吸血娘「なっ……どうしたっ!?めっちゃボロボロじゃん!!親父狩りにでもあったか!?」
吸血娘「それとも毛刈り隊か!?あ、でもハゲが毛刈り隊に襲われるってのはおかしいか。とにかく!何があったんだよ!?」
屍男「…………」
屍男「……思い出したんだ。全て」
吸血娘「……は?思い出した?何を?」
屍男「…………」
屍男「……いいか、よく聞け」
212 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:26:13.84 ID:SQAzR+HOo
屍男「お前の父を殺したのは俺だ」
屍男「俺が“Shadow”だ」
213 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/17(日) 19:27:03.53 ID:SQAzR+HOo
今日はここまで
「カゲ」は「ハゲ」です
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/17(日) 19:39:14.32 ID:ZNaGiAyd0
乙
まぁ知ってたけど
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/17(日) 20:00:48.78 ID:MpjLjQYz0
おつ
これは流石に知ってたわ
ここからどうなるか楽しみだな
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/17(日) 21:11:11.23 ID:TDboClb1o
やっぱりなー。わかってた
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/18(月) 13:49:40.19 ID:ub+bkoW7o
乙
追い付いた
218 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/20(水) 01:07:03.50 ID:j2w3bDo4o
吸血娘「…………」
吸血娘「……は?」
吸血娘「な、何言ってんだお前……頭大丈夫か?どこか打ったんじゃないの」
吸血娘「自分がShadowだなんて……そんな……じょ、冗談でも許さんぞ」
屍男「…………」
吸血娘「な、なぁ……本当に大丈夫か?お前、今日はもう寝た方がいいぞ。な?」
吸血娘「ほら、肩貸してやるから、一人で歩けるか?」スッ
219 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/20(水) 01:08:12.00 ID:j2w3bDo4o
屍男「お前の一族の弱点は銀だ。純銀製の弾丸を心臓に撃ち込めば、アレルギー反応を起こし死に至る」
吸血娘「……っ!?」
吸血娘「な、なんで…………そのことを…………」
吸血娘「わ、私は……一度も話したことないのに……」
屍男「なぜ知っているかだと?実際に試したからだ」
屍男「お前の父に、銀の弾丸を撃ち込み、その身を灰にしたのだからな」
屍男「これで分かったはずだ。この情報は殺した本人にしか知り得ない。俺がShadowという確固たる証拠だ」
220 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/20(水) 01:09:35.19 ID:j2w3bDo4o
吸血娘「そ、そんな……う、嘘だ……そんなこと……」
吸血娘「な、何かの……何かの間違いだ……」
屍男「お前も気付いているはずだ」
屍男「自分の父が失踪した日と、俺が現れた時期が重なっていることに」
吸血娘「う…………あ…………」
吸血娘「お、お前が…………パパを…………殺した…………」
吸血娘「こ、殺した…………殺した…………」
吸血娘「…………」
吸血娘「ッッッッッッ!!!!!!!」バッ
221 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/20(水) 01:10:16.68 ID:j2w3bDo4o
ドサッ
吸血娘「こ、殺す……!!!!殺してやる……!!!!!」フーッフーッ
屍男「好きにしろ。お前にはその権利がある」
吸血娘「殺す……!!殺す……!!」ギッ
グググッ……
屍男「……」
吸血娘「フッー……!!フーッ……!!」グッ
吸血娘「う、ぐぅぅ…………」ポロッ
屍男「……どうした。さっさとやれ」
222 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/20(水) 01:11:16.96 ID:j2w3bDo4o
吸血娘「な、なんでだよ……な、なんで……よりによって……私のパパだったんだ……!」ポロポロ
吸血娘「他に……他にも!!!!悪党はいただろ!!!!なんで私のパパを殺したんだ!!!!!」
屍男「……」
屍男「順番なんてものは関係ない。ただ、お前の父は人間の社会に影響を及ぼしかねない存在だった」
屍男「だから殺した。それが俺の役目だったからだ」
吸血娘「っ!!!!」
吸血娘「…………消えろ」バッ
223 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2019/02/20(水) 01:12:10.50 ID:j2w3bDo4o
吸血娘「今すぐ!!!!私の!!!!目の前から消えろ!!!!!」
屍男「……殺さないのか」
吸血娘「いいから出てけええええええええええ!!!!!!!」
屍男「……」スクッ
ガチャ
バタンッ
吸血娘「う、うぅっ…………くうぅっ……」ポロポロ
吸血娘「な、なんで……なんでこんなことに……」ポロポロ
吸血娘「どうして……どうしてっ……あいつが……!」
吸血娘「う、うわああああああああああああ!!!!!!!ああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
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