【アマガミ】橘「コンパに誘われた…けど、僕の心は決まっているさ」

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33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:17:57.53 ID:Y8G3CppB0
真詩(お姉ちゃん、ああいいう顔もするんだ)

真詩(厳しいとこもあるけど、優しいお姉ちゃん…外だと違うのかな…)

真詩(興味あるな〜)

美也「そういえば、あとあんなのもあったなー」

上崎「もっ、もういいでしょ!」

真詩「……」じーっ

上崎「はっ…!」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:18:46.40 ID:Y8G3CppB0
真詩「お姉ちゃん」

上崎「な、なに…真詩?」

真詩「お姉ちゃんすごく楽しそう」

上崎「…そうかな?」

真詩「うん、だって家じゃ見られない表情…顔してるもん」

上崎「え…」

真詩「お姉ちゃんがあのお兄さんを好きなのがよくわかるよ」

真詩「あっお兄さんじゃなくて、もうお義兄さんって言った方がいいのかな?」

上崎「まっ…真詩!?」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:19:22.63 ID:Y8G3CppB0
――――――

美也「もうこんな時間かー」

美也「お腹すいたー、裡沙ちゃん何か作って」

上崎「何であたしが美也ちゃんに…」

上崎(…と、真詩の前では冷静に…)

橘「美也、裡沙ちゃんを困らせるんじゃない」

美也「仕方ない、じゃあ美也が作ってあげますか」

橘「や、やめろ!それはだめだ!」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:19:58.48 ID:Y8G3CppB0
上崎「真詩はもうお昼食べた?」

真詩「ううん、まだ」

真詩「お姉ちゃんが作るの?」

上崎「うん、そうよ」

真詩「わぁ、楽しみ」

真詩「あっ、私も手伝うよ」

上崎「橘君、今ごはん作るからちょっと待っててね」

美也「美也もいるんだけど」

上崎「…うん」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:20:52.98 ID:Y8G3CppB0
美也「ねえにぃに」

橘「裡沙ちゃんの妹もいる前でにぃにはやめてくれよ」

美也「いいじゃん」

橘「…それで、なんだ?」

美也「にぃにって今の裡沙ちゃんのどういうところが好き?」

橘「な…なんでそんなこと妹に言わなきゃならないんだ」

美也「裡沙ちゃんのことは好きなの?」

橘「当たり前だろ」

美也「じゃあどういうところが好き?」

橘「……」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:21:30.24 ID:Y8G3CppB0
美也「もしかして好きなところないの?」

橘「いや、たくさんある」

橘「ありすぎて困る」

美也「じゃあ一つぐらい教えてよ」

橘「……」

橘「優しいところ」

美也「適当に答えないで、もっと具体的に」

橘「何が不満なんだ、裡沙ちゃんは優しいぞ」

美也「…知ってるよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:22:05.08 ID:Y8G3CppB0
橘「具体的にか、そうだな…」

橘「僕のプレゼントに喜んでくれることかな」

美也「…何それ?」

橘「アクセサリーみたいなものでもケーキみたいな食べ物でも喜んでくれる」

橘「それが僕はうれしいんだよ」

美也「うーん、プレゼントもらって喜ぶのは普通じゃないの?」

橘「まあ、何気ないことでも裡沙ちゃんといればうれしくなれるってことだよ」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:22:49.57 ID:Y8G3CppB0
上崎「真詩、そこの下にフライパンがあるからとって」

真詩「えっと…あ、ここか」

上崎「ありがとう」

真詩「好きな人に作る料理ってどう?」

上崎「ぶっ!」

真詩「大丈夫?お姉ちゃん」

上崎「うん…ちょっと驚いただけ」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:23:27.00 ID:Y8G3CppB0
真詩「それでどうなの?」

上崎「それはもちろんおいしく食べてもらいたいから頑張るし…」

上崎「おいしいって言ってもらえるとうれしいし…」

上崎「橘君のこと考えてるだけでも楽しいし…」

真詩「お姉ちゃんってそういう可愛いところもあるんだね」

上崎「も、もうっ何言ってるの、あんまりからかわないで」

真詩「だって今日だけで、今まで知らなかったお姉ちゃんを見ることができたんだもん」

上崎「……」

上崎「真詩から見て、あたし変だったかな…?」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:24:14.87 ID:Y8G3CppB0
真詩「ううん、そんなことないよ」

真詩「お姉ちゃんのことは大好きだったけど、もっと大好きになったもん」

上崎「なら…よかった」

真詩「でも、お姉ちゃんが一番好きなのはあのお義兄さんなんだよね」

上崎「お、お義兄さんって言い方はちょっと…早いんじゃないかな…」

上崎「いずれはそうなってほしいけど…」ぼそっ

真詩「え?」

上崎「なんでもない」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:25:16.37 ID:Y8G3CppB0
真詩「それでお姉ちゃんはお義兄さんのどういうところが好きなの?」

上崎「いっぱいあるけど…」

上崎「いつもあたしを気に掛けてくれることとかかな」

真詩「優しいんだね、すごく誠実そうだしね」

上崎「誠実…うん、間違ってはいない…そうだね」

上崎(たしかに橘君は誠実…これは間違っていない)

上崎(でも…いや、これは真詩に言うべきじゃないよね)

上崎(あたしは橘君の大好きなところの一つだから気にしないけど、他の人はいい印象を持たないかも…)

真詩「難しい顔して…もしかして何かお義兄さんの嫌なところがあるの?」

上崎「ううん、そんなことない、橘君はすごく…紳士だよ」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:25:59.52 ID:Y8G3CppB0
―――――――

真詩(お義兄さんにも話を聞いてみたいけど…)

上崎「それでね…」

橘「うんうん」

真詩(お姉ちゃんの邪魔しちゃ悪いよね)

美也「……」じー

真詩「……」

真詩(美也…さんっていったっけ?お義兄さんの妹さんよね)

真詩(お姉ちゃんとお義兄さんが仲良くしてるのを呆れてるような、つまらなさそうな目で見てる…)

真詩(きっとお義兄さんのこと好きなんだろうな、よくわかる…)

真詩(でも、なんなんだろう…たまに私の方見てくる…)
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:26:55.22 ID:Y8G3CppB0
真詩(でもたしかに二人があんな感じだとちょっと気まずいよね…)

美也「まんま肉まん…」ぼそっ

真詩「…?」

真詩(今何か言ったような…)

真詩「……」

真詩(美也さんって可愛いな、年は私よりちょっと上ぐらいかな?)

美也「……」ととと

美也「……」じーっ

真詩「あ、あの…」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:27:49.53 ID:Y8G3CppB0
美也「本当に…裡沙ちゃんの妹なんだよね…?」

真詩「は、はい…そうですけど」

美也「あ…あやからせろ〜!」

真詩「み、美也さん!?」

上崎「ちょっと美也ちゃん!真詩になにしてるの!」

美也「だってあやかりたいもん」

橘「美也、無駄なことはよせ」

美也「無駄って何よ!」

橘「今のお前が何よりの証拠じゃないか」すかっすかっ

ブシャッ ギシャッ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:28:24.21 ID:Y8G3CppB0
上崎「橘君!?」

橘「平気…いつものことだから…」

美也「ふんっ、バカにぃに」

美也「裡沙ちゃんだって変わらないでしょ」

上崎「美也ちゃんよりは大きいよ」

美也「大きいって言えるほどでもないくせに」

上崎「なっ…」

上崎「い、いいもん!橘君はこれが好きって言ってくれるんだから」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:29:30.44 ID:Y8G3CppB0
美也「む〜…」

美也「じゃあにぃには同じような体型の美也も好きってこと?」

橘「どういう思考をすればそうなるんだ…?」

橘「……」

橘「い、妹としてな」

橘「ごほんっ…その、そ、そういう意味で好きなのは裡沙ちゃんだけだ」

上崎「橘君」ぱぁぁ

美也「…はぁ、そうだね」

美也「似た者同士の二人だしお似合いだよ」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:30:10.39 ID:Y8G3CppB0
――――――

真詩「お姉ちゃん、私そろそろ帰るね」

上崎「え、もう帰るの?」

真詩「うん、夕方には帰るって言っちゃってるから」

上崎「そっか…」

上崎「じゃあ送るわ」

上崎「橘君、真詩を駅まで出かけるね」

上崎「あっ、ついでに買い物もしてくるけど、何かほしいものある?」

美也「まんま肉まん!」

上崎「美也ちゃんには聞いてない」

橘「買い物するなら僕もついていくよ」

橘「美也はお留守番しててくれ」

美也「まんま肉まん」

橘「わかったわかった」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:30:44.11 ID:Y8G3CppB0


上崎「じゃあ真詩、気をつけて帰るのよ」

真詩「うん」

真詩「お姉ちゃんもね」

上崎「あたしは橘君がいるから大丈夫よ」

真詩「それならお義兄さん、お姉ちゃんをお願いしますね」

橘「うん」

橘「…お義兄さん?」

上崎「ま、真詩…!」

真詩「あっもうそろそろ電車来る時間だ」

上崎「…まったく」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:31:34.51 ID:Y8G3CppB0
部屋

橘「ただいま」

美也「おかえり〜」

美也「だいぶ早かったね」

橘「早く帰って来ないとせっかくの肉まんが冷めちゃうだろ」

美也「行きに買ったの?」

橘「いや、帰りだよ」

美也「…てっきり二人でどこか行ってから帰ってくるんじゃないかなって思ってたのに」

橘「うーん…僕はそうしたい気持ちもあったけど、裡沙ちゃんが美也がお腹すかせてるだろうからって真っすぐ帰ってきたんだよ」

美也「裡沙ちゃんが?一体どういう…」

橘「あとは僕のお腹がピンチなのもあったんだけど…」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:32:33.77 ID:Y8G3CppB0
上崎「そんな変なこと?」

美也「うん」

上崎「たまには美也ちゃんにもねぇねが優しいってこと見せてあげないと」

美也「まあ、お腹すいてたしありがたいけどね」

上崎「ふふ、そうでしょ」

美也「後はすぐ怒ったりしなければ、もう少しマシになるんじゃない?」

上崎「怒ってるつもりはないけど…とういうよりほとんど原因美也ちゃんでしょ…」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:33:28.98 ID:Y8G3CppB0
美也「あ、それと周りをもう少し見れるようになった方がいいよ」

上崎「美也ちゃんがそれ言うの…?」

美也「真詩ちゃん、びっくりしてたよ」

上崎「それは…」

上崎「うう…せっかく今まで立派なお姉ちゃんでいたのに」

美也「そんなこと言うならもっと落ち着いて行動すればよかったのに」

上崎「誰のせいだと思ってるの」

美也「裡沙ちゃん」

美也「主な原因としては絶対裡沙ちゃんがにぃににデレデレしてたことだもん」

上崎「う…」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:34:04.36 ID:Y8G3CppB0
美也「あの時は美也も真詩ちゃんもいたからあんなものだったかもしれないけど、普段はどうなってるの?」

美也「不安で仕方ないよ」

美也「全く、やっぱりにぃにには美也がついてないとダメだね」

上崎「なっ…橘君にはあたしがいるもん」

美也「だから心配なんだよ」

上崎「どういう意味!?」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:34:43.70 ID:Y8G3CppB0
上崎「だいたいもういい加減橘君にベッタリしてないで、他の人探しなよ」

上崎「いつまでもそんなんじゃこの先どうするの」

美也「別にいいもん」

美也「二人が面倒見てくれるでしょ」

上崎「見ないよ」

美也「え、ケチ」

上崎「普通でしょ」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:35:22.30 ID:Y8G3CppB0
上崎「でも、やっと美也ちゃんがあたしをねぇねと認めてくれたってのは悪い気はしないね」

美也「なんで?認めてないよ」

上崎「認めてないって何よ…」

上崎「さっき二人がって言ったじゃない」

美也「ああ、あれね」

美也「ねぇねにならなくても美也の将来の面倒ぐらい見てくれるでしょ」

上崎「どんな自己中心的発言!?」

上崎「ねぇねじゃないのなら完全他人じゃない」

上崎「他人が美也ちゃんの面倒見るわけないでしょ」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:36:13.08 ID:Y8G3CppB0
上崎「…まあ、どうしてもって言うならねぇね…として少しぐらい見てあげてもいいかな」

美也「ねぇねじゃないとダメなの?」

上崎「え、話聞いてくれてた?」

美也「他人じゃないでしょ、友だちじゃない」

上崎「えっ友だち…あたしのこと友だちって言ってくれるの?」

美也「当たり前でしょ、裡沙ちゃんはそう思ってくれてないの?」

上崎「美也ちゃん…ありがとう…」

上崎「……」

上崎「いや、友だちでも将来の面倒見るのはおかしくない?」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:37:01.54 ID:Y8G3CppB0
数日後・東寿司

橘「どうもー」ガラガラ

梅原「ヘイラッシャイ!」

梅原「お、大将か」

梅原「今日は一人なのか?」

橘「今日は裡沙ちゃんが遅いからどこかで食べて来てって…」

梅原「なるほどね」

梅原「さっ、じゃあまずは何食う?」

橘「…と思ったんだけど、ここに来て持ち帰ったらちょうどいいぐらいかなと思って」

梅原「なんだよ、せっかくなんだから食べて行けばいいのに」

橘「悪いな、それはまた今度二人で来るよ」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:37:39.21 ID:Y8G3CppB0
梅原「上崎さんとは最近どうなんだ?」

橘「毎日楽しくやってるよ」

梅原「そうか、やってるのか」

橘「いや、違うよ、そういう意味じゃない」

梅原「え?何がだ?」

橘「絶対正しく僕の意思が伝わってないもの」

梅原「じゃあどういう意味なんだ?」

橘「まともな方で考えてくれ」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:39:08.70 ID:Y8G3CppB0
梅原「はいよっ、二人前とちょっとおまけしといたぞ」

橘「ありがとう」

橘「あっ、ちゃんとイカは入ってるか?」

梅原「おう、入ってるぞ」

梅原「お前そんなイカ好きだったのか?」

橘「うーん…なんとなく…かな」

梅原「まあいいや」

梅原「じゃあまた来てくれよな」

橘「ああ」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:40:08.38 ID:Y8G3CppB0
―――――

橘「裡沙ちゃん喜んでくれるかな」

カランッ

橘「ん?」

橘「なんだ空き缶か」

橘「まったく…誰だよポイ捨てなんて」

橘「えっと、ゴミ箱は…」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:40:52.90 ID:Y8G3CppB0
橘「あった」

橘「ん?あの人何してるんだ?」

橘「まあ、いいやこれ捨てて早く帰ろ」

ガンッ

橘「えっ!?」

女性「ほんっとありえないっ!」

橘(な、なんだあの人…ゴミ箱を襲ってる…)

女性「どれだけあたしに頼れば気が済むのよ」

女性「自分の事は自分でしなさいよね!」

ガンッ ガンッ

橘(う、うわぁ…ゴミ箱の形が…)
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:42:19.49 ID:Y8G3CppB0
女性「仕事でしょ?それで稼いでるんでしょ?」

女性「まったく能無しなんだから!!」

ガッシャーーーン

女性「もうっ!何で倒れんのよっ、最悪!」

女性「もっとちゃんと地面に打ち付けておきなさいよね」

女性「あたしが安心して蹴れないじゃない!」

橘(そ、そんな滅茶苦茶な…)

女性「……」

橘(あ、でも自分で拾うんだ…)

橘「……」

橘(散らかってしまった空き缶をゴミ箱に戻してるみたいだけど…)

橘(…て、手伝った方がいいのかな?)

橘「……」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:43:07.80 ID:Y8G3CppB0
橘(どうにも出て行く雰囲気じゃないよな)

橘「……」

橘(うん!見なかったことにしよう)

橘(それがいい!まったく問題ない!)

カラン

橘(うわっしまった!)

女性「誰っ?誰かいるの?」

橘(ど、どうしよう…)

女性「えっ…あなたもしかして橘君?」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:43:49.67 ID:Y8G3CppB0
橘「えっとその…」

橘「!」

橘「あ…絢辻さん…?」

橘「……」

絢辻「……」

橘「そ、そっか…絢辻さんだったのか」

橘「たまたま通りかかったら、絢辻さんがあき缶を片付けてて…」

絢辻「え?あ、そう…なんだ」

橘「僕も手伝うよ」

絢辻「あ、ありがとう…」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:44:53.48 ID:Y8G3CppB0
橘「よし、これで最後だな」

絢辻「そうね、本当ありがとう」

橘「ううん、別に大したことじゃないし」

絢辻「……」

絢辻「ねぇ、橘君…」

橘「何?」

絢辻「えっと、さっきのことなんだけど…」

絢辻「もしかして私が空き缶を拾う前に…な、何かしてるとこ見てたかな〜なんて」

橘「え…」

橘(何かって…多分あれのことだよなぁ)

橘「う〜ん、そう…言われてもな…」

絢辻「あ、えっと、見てないなら別にいいの」

橘「そ、そっか」

絢辻「うん、ごめんね、変なこと聞いちゃって」

橘「う、ううん、別にいいよ…」

橘(誰に言うわけでもないしいいよな…)
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:46:01.54 ID:Y8G3CppB0
橘「そ、それにしても偶然だね…絢辻さんに会うなんて」

橘「よく僕のこと覚えてたね」

絢辻「今までクラスメイトだった人はほとんど覚えてるわよ」

橘「へ、へぇ、すごいな僕は半分覚えていられるかどうか…」

絢辻「私のことは覚えててくれたのね」

橘「うん、絢辻さんは高校の時すごかったからね」

絢辻「私はただ真面目に過ごしてただけよ」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:47:22.86 ID:Y8G3CppB0
絢辻「さて、あんまり長話してたら橘君に悪いわ」

絢辻「待ってる人がいるんでしょ」

橘「え?」

絢辻「そのお寿司」

絢辻「一人で食べるにはちょっと大きいようだから、誰かと食べるのかなって思って」

橘「ま、まあその…彼女と…」

絢辻「ふーん」

絢辻「時間とらせてごめんね、彼女さんのためにも早く帰ってあげて」

橘「う、うん、それじゃ」

絢辻「……」

絢辻(わたしの分も幸せにね…)
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:48:28.59 ID:Y8G3CppB0
1か月後

ピンポーン

上崎「はーい」

ガチャ

美也「……」

上崎「美也ちゃん…どうしたの?」

美也「…うん」

美也「…今裡沙ちゃんだけ?」

上崎「そうだけど」

美也「あの…話たいことがあって…」

上崎「?…まあ、中に入って、話しはそれから」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:49:06.88 ID:Y8G3CppB0
美也「……」

上崎「何かあったの?」

上崎「橘君じゃなくてあたしに話があるなんて」

美也「……」

上崎「無理に言わなくていいよ、落ち着くまでここでゆっくりしたらいいわ」

美也「……」

美也「裡沙ちゃん…」

上崎「なあに?」

美也「美也…社会に出て…これからどう生きていけばいいのかな…」

上崎「え…?」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:51:18.11 ID:Y8G3CppB0
上崎「ど…ど、どうしたの美也ちゃん!?」

美也「…なんだか自信がなくなっちゃって」

上崎「ちょっと待って…!」

上崎「どういうことなのかよくわからないよ、詳しく話して」

美也「……」

美也「この胸でどうやって生活していけばいいの…!?」

上崎「え…ええ…?」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:52:37.65 ID:Y8G3CppB0
美也「だって、こんな胸なの美也以外じゃ裡沙ちゃんと逢ちゃんしかいないもん!」

上崎(それ単純に美也ちゃんが大きな胸の人しか見てなかっただけじゃないのかな…)

上崎(あと、あたしの胸は美也ちゃんよりは大きい!…少しだけ)

上崎(まあそれは言わないでおくけど…)

上崎「えっと…美也ちゃん?」

上崎「あのね、女の人はここだけじゃないからね」

上崎「ほら、橘君だってこれでいいって言ってくれるし」

美也「だってにぃには裡沙ちゃんのことが好きなんだもん」

美也「それに変態だし」

上崎「別に小さいのが好きな人=変態ってわけじゃないよ…」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:53:28.13 ID:Y8G3CppB0
上崎「とにかく…なに?」

上崎「美也ちゃんの悩みって胸が小さいから、この先不安ってこと?」

美也「うん…」

美也「だから裡沙ちゃんは美也より小さいのに、どうやって社会に出て生活してるのかなって思って…」

上崎(いや、美也ちゃんよりはあるってば!)

上崎「そもそも美也ちゃん…社会に出た後どういう風に考えてたの…」

上崎「心配なのは仕方ないけど、こ…この小さいのが社会で通用しないなら就職なんてできてないよ」

上崎「ほら、美也ちゃんも決まったんでしょ?」

美也「うん…」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:54:41.30 ID:Y8G3CppB0
上崎「たしかにあたしも最初は不安だったよ」

上崎(胸では思わなかったけど…)

上崎「でも安心して、美也ちゃんにはお兄さんがいるでしょ」

美也「にぃに…」

上崎「それに、あたしもいる」

上崎「あたしたちはいつも美也ちゃんのそばにいるし、いつでも味方だからね」

美也「裡沙ちゃん…」

上崎「…だからあたしのことをねぇねって呼んでいいんだよ」

美也「ありがとう裡沙ちゃん、なんかちょっと元気出てきた」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:55:49.73 ID:Y8G3CppB0
橘「ただいま」ガチャ

橘「あれ、なんだ美也来てたのか」

美也「うん、でももう帰ろうかなって思ったところ」

美也「またね、にぃに、裡沙ちゃん」

橘「…なんだったの?」

上崎「ちょっと話をしてただけ」

上崎「…さて、お風呂もごはんも準備できてるよ、橘君」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:56:51.35 ID:Y8G3CppB0
数年後

裡沙「はぁ…今日は月が綺麗だな…」

裡沙(今日、あたしの初恋の人の結婚式があった…)

裡沙(昔からずっと好きだった人…)

裡沙(今日の式で彼を見ても、今でも気持ちは変わらない)

裡沙(彼と結婚できた人は幸せ者だよ)

裡沙「……」

裡沙(今日起きたことは全部本当なんだよね…現実なんだよね)

裡沙(写真もう一度見てみよ…)
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:57:44.99 ID:Y8G3CppB0
裡沙(あーあ、せっかくの式なのに泣いちゃってる)

裡沙(よっぽど嬉しかったんだね)

裡沙「……」

橘「ふぅ…サッパリした」

橘「あれ、それ今日の写真?」

裡沙「うん」

橘「僕にも見せて」

橘「ふーん…あっこれ美也が撮ったやつだな」

裡沙「わかるの?」

橘「裡沙ちゃんがいい笑顔で撮れてる、プロでもこんな笑顔はなかなか撮れないよ」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/24(土) 02:58:47.17 ID:Y8G3CppB0
橘「うん、この新郎は幸運だな」

橘「だってこんなかわいい人と結婚できたんだから」

裡沙「きっと新婦の人も同じ考えだよ」

橘「それはうれしいな」

裡沙「ねえ純一君」

橘「なに?」

裡沙「でぇーじしちゅんさー」

終わり
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 03:00:48.69 ID:Y8G3CppB0

前回からだいぶ期間が空いてしまいました
まだもう少し続けるつもりですが、次回からは早くするようがんばります
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/11/24(土) 03:15:59.67 ID:zccd8g2l0
乙乙
次回作も期待
次はミャーかな?
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 00:46:52.02 ID:zhOthgWSO
乙 絢辻さんが切ない…
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 01:02:55.44 ID:AdLTvFtHo

アマガミss増えろ増えろ…
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