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傘を忘れた金曜日には.
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775 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 21:57:05.43 ID:hfXGEpDLo
◇
玄関を出ると、そこにさくらが立っていた。
「遅いです。遅刻しちゃいますよ」
「……さっそく出かけてるのな」
「探検してました。一緒に登校しましょう」
「……ん。まあ」
まあいいか、と俺は思う。
純佳はとっくに家を出ていた。俺はさくらとふたり、学校への道のりを辿る。
「しかし、面白いものだらけですね」
「そうか?」
「そうです。こんな面白いものに囲まれてるなんて、あなたは幸せですよ」
「そうかな」
「そうなんです」
「……そうなのかもな」
でもきっとそれは、
慣れてしまえば……
見慣れてしまえば、きっと……。
けれど、今は……。
776 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 21:57:52.68 ID:hfXGEpDLo
「……もっと楽しんだほうがいいよ、か」
そんな言葉を思い出して、俺は思わず笑ってしまった。
どんな日々を過ごしたって、たぶん結論なんて出ないけれど、おんなじところに行き着いてしまうものなんだろう。
「なあ、さくら」
「はい?」
「俺はさ」
「……馬鹿なことを考えてますね」
こんなことで、本当にさくらの居場所を作ったことになるんだろうか。
俺は結局、さくらに何もできていないんじゃないか。
そんなことを考えたところで、どうせいまさらだとわかってるのに。
「ね、隼。お願いがあるんです」
「ん」
「あのね……」
777 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 21:58:25.45 ID:hfXGEpDLo
◇
部誌を完成させてからまだほんの少ししか立っていないが、文芸部には変化があった。
「これで三通目だね」
と、瀬尾が呟く。
それからじとりと、責めるような目で俺を見た。
「……」
俺たちが完成させた部誌『薄明』はいつものように図書室のスペースを借りて展示・配布されている。
今回、どうやら大野が図書新聞のスペースを借りて宣伝してくれたらしく、けっこう多くの生徒の目に止まっているらしい。
その宣伝というのが、いわゆる「縁結びの神様についての研究」をピックアップしたものだったという。
どうやらその話題に興味がある人間というのは少なくはなかったらしく、結果的にさくらの存在は急速に生徒たちに認知されつつある。
結果、
冗談半分に文芸部の入り口に置いておいた偽物の箱に、恋愛相談の手紙が何通かやってきている、というわけだ。
「願ったり叶ったりですね」
と言うさくらの声は、俺と瀬尾とちせにしか聞こえていない。
「……ったく。どうすんだよ、これ」
呆れたふうに語る大野の隣には市川が座っている。
おまえたちだって恩恵を受けているんだぞ、とは俺は言わないでおいた。
778 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:01:45.73 ID:hfXGEpDLo
「ま、まあまあ。でも、ほら、こういう形でも、部が認知されるのは悪いことじゃないし」
「活動目的に反してるだろ」
事情をいくらか知っている瀬尾が庇ってくれるけれど、大野は俺の方を見ていた。
「……こんなことになるなんて思わないだろ?」
「そりゃそうだが。どうもこの手紙、いたずら半分ってわけでもなさそうだぞ」
「……みんな真剣に生きてるなあ」
「おまえも真剣に対応してやれ」
「俺?」
「そりゃあな」
「なんで。一番不向きだろ」
「おまえが原因だろうが」
「だから……こんなことになるなんて」
「でも、結果としてこうなった。どうするんだよ」
「どうするったって」
……いや。
まあ、そうだな。
779 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:02:13.03 ID:hfXGEpDLo
「……どうにかしてやるしかないだろうな」
俺のその言葉に、大野は少し面食らった顔をした。
「ん……?」
「なんだよ」
「いや、てっきり、知ったことじゃないって言うかと思ったから」
「……まあ」
普通なら、そう言っているところだけれど。
ここまで込みで約束したのだ。
最初から投げ出すつもりはない。
「どうにかやってみるさ」
さくらが笑った気配がした。
そっちを向くと、もうそっぽを向いている。
780 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:02:45.19 ID:hfXGEpDLo
◇
「せんぱい、わたしに秘密にしてることあるでしょ」
部活を途中で抜けてふたりで屋上に来ると、出し抜けに真中はそう言った。
「まあな」
と俺は取り立てて隠さなかった。
「さいきん、せんぱいとちせの様子がおかしい」
「ああ、まあ」
「ちせも関係あること?」
「そうだな」
「わたしには関係ないこと?」
「そういうわけじゃない」
真中はむっとした顔をする。
俺はそれを見て少し笑う。
「なんで笑うの」
「べつに、隠したいわけじゃない。ただ、話してもあんまり信じられないようなことだから」
「……そんなの、もういまさらでしょ」
「ん」
「青葉先輩のこととか、絵のこととか、いろいろあって、いまさら信じられないことなんて、想像つかない」
それもそうか、という気もする。
781 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:03:12.25 ID:hfXGEpDLo
「でも、話せないなら、べつにいいよ」
「……いいのか?」
「うん。あのね、せんぱい。わたしがつらいのはね、もっとべつのこと」
俺たちはフェンスに近付いていく。
網目を掴んで、街を見晴らす。
少しだけ考える。
「べつのこと、って?」
「わかんない?」
そう言って彼女は、ふいに俺の方へと手を伸ばす。
その指先が、俺の目尻のあたりに触れた。
「……すごい隈」
「……」
そんなにひどいのかな。
「部誌が完成する前から、ずっとそんなふうだったけど。まだ治ってない」
「……」
「なにか、無理してたんでしょ」
「……べつに、そういうわけじゃない。寝不足には慣れてるし」
「でも、疲れてるみたいだよ」
782 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:03:38.42 ID:hfXGEpDLo
「そうかな。純佳には、元気そうになったって言われたけど」
「それは、前よりは、そうかもだけど。でも、やっぱり、無理してる感じ」
そうなのかなあ、なんて考えてたら、真中は「どうしたの?」というみたいに微笑んだ。
夏の日暮れはやけに遅くて、だから空はまだまだ明るい。
それなのに今が夕暮れみたいな気がした。
もうすぐ夜が来てしまうような、そんな気がした。
「……瀬尾が」
「ん」
「瀬尾がいなくなったのは……俺が、あいつの小説を真似たからだ」
「……そう?」
「うん。俺が、俺の文章を書けなかったから、あいつを真似て、あいつはそれで、ショックを受けて、いなくなった」
発端は、そうだった。
他のいろんな事情が絡まっているにせよ、そうだった。
「だから俺は……早く、俺だけの文章を書けるようにならないと」
「……そんなの、あるの?」
「わからない」
創作は模倣から始まる。
模倣と剽窃からの逸脱が、個性になる。
そういう理屈はわかる。
でも俺は……。
783 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:04:23.11 ID:hfXGEpDLo
「文章が書けるようになりたかったんだ。昔から」
「……書けてたじゃない」
まるで小さな子供を見るみたいな微笑み。そのせいで、気が緩んでるんだろうか。
「書けなかった。だから書こうとして、書こうとして、ずっともがいてた。
それを続けて、その結果、瀬尾を傷つけた。だから……」
「……だから、書けるようになりたい?」
「……うん」
「まさか、それで……部誌が出来上がったあとも?」
「……笑う?」
「……ふふ」
笑われてしまった。
「せんぱいはばか」
「……まあ、なあ」
784 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:05:29.69 ID:hfXGEpDLo
「あのね、せんぱい。せんぱいがどれだけ隠しても、わたしには全部わかるんだよ」
「……へえ? たとえば?」
「青葉先輩がいなくなったときに、せんぱいがすごく心配して、責任を感じてたこと」
「……それはさ」
「それに、大野先輩も言ってた」
「なんて」
「あいつは基本的にめんどくさがりで嘘つきでスカしてるように見えるけど」
ひどい言いようだ。
「でも、困っている人を助けるときには善悪にすら縛られないって」
「……」
「大野先輩が困ってるところ、助けてたんだって?」
「なんのことだ?」
「大野先輩が言ってたよ。文章が書けない自分のために、代わりに書いてあげてたって」
「あれは……」
「青葉先輩も、言ってた。新入部員の勧誘のときだって、結局動いたのはせんぱいだったって」
そんな些細なこと。
そんな些細な……。
「中学の時だって、わたしのことを守ってくれた。守ってくれる理由なんて、ひとつもなかったのに」
「……そんなの、結果論だろ」
「でも、みんなにはそう見えてるんだよ」
「……」
785 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:05:56.80 ID:hfXGEpDLo
「だからね、せんぱい。そんなに自分を追い詰めなくても平気だよ」
「……」
「それがどんなにわかりにくくても、わたしはちゃんとそれを見抜いてあげるから。
それを見抜いている人だって、きっとたくさんいるはずだから」
「……そうかな」
「うん」
そう言って、彼女は俺の頬を撫でた。
どうしてだろう。
泣きそうになるのはどうしてだろう。
「だから、無理をしないで。自分に何かが欠けてるなんて思わないで」
「……」
「せんぱいは、せんぱいのペースで、少しずつ、なりたい自分になっていけばいいんだよ」
「……年下のくせに、偉そうに」
「……元気になった?」
「うるさい」
「せんぱいってさ、嘘つきっていうより……見栄っ張りだよね?」
「……」
「かっこつけ」
「うるさい」
786 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:06:28.99 ID:hfXGEpDLo
真中の肩に腕を回して、引き込むみたいに抱きしめた。
泣きそうな自分を見られたくなかった。
こいつは分かってない。
こいつは全然分かってない。
「……せんぱいは、強がりすぎ」
「そんなことない。弱音吐いてばっかりだよ、俺なんか」
「……そうかも。そうかな。どうなのかな。わかんないけど」
真中の小さなからだは、すっぽりと腕の中におさまっている。
声がそばに聞こえる。
「せんぱい」
「……ん」
「わたしを離さないでいてくれて、ありがとう」
「……なんだよ、それ」
「守ってくれて、ありがとう」
「……」
俺は、
真中を守ってなんか、いない。
787 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:06:56.74 ID:hfXGEpDLo
◆
真中を好きになることはない。
真中を好きになることはできない。
俺は真中を守れなかったんだから、そんな資格があるわけがない。
俺は真中を守ったりしなかった。
真中が傷つくのを眺めているだけだった。
788 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:07:44.78 ID:hfXGEpDLo
◇
それでも、今、真中は俺のそばにいる。
それが奇跡みたいに思えるのは……どうしてなんだろう。
「ときどきね……」
「ん」
「ときどき、変な夢を見るんだ」
「……どんな?」
「わたしが死んじゃう夢」
「……」
「その夢のなかでは、誰も助けてくれなくて、中学の頃のわたしは、とてもつらくて、それで、死んじゃうの。
そういう夢を見るんだ」
俺は、不意に、純佳といつか話したことを思い出した。
789 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:08:19.25 ID:hfXGEpDLo
──……また夢ですか。
──またって?
──……あ、いえ。以前にも、そう、他の人に、同じようなことを言われたことがあって。
──……他の人?
──ええと、兄の知らない人です。
「でも、その世界にもせんぱいはいるの。せんぱいはわたしを守ってくれようとして、でも、わたしは、その手を取れずに死んでしまうの」
「……」
「だからね、わたしは毎朝目をさますたびに、思うんだよ。最近は本当に、強く思う。
ああ、よかった、ただの夢だったんだ。この世界にはせんぱいがいて、せんぱいはわたしを守ってくれたんだって。
だから、せんぱい、気付いてないかもしれないけど、せんぱいがしたことは、わたしにとっては奇跡みたいなことなんだよ」
「……」
うるせえよ、バカ、と、言いかけて、やめた。
「そんなの……」
「ん」
「奇跡なんて、そんなの……」
言葉にするのが嫌になって、真中をぎゅっと抱きしめた。
真中がここにいることが、奇跡みたいに思えるのは、俺の方だ。
「……へへ」
真中は、そんなふうに笑った。俺は、その真中の表情が見られないことを少し悔やみながら、それでも真中を離せずにいた。
790 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:09:03.74 ID:hfXGEpDLo
『薄明』平成四年春季号の冒頭には、江戸川乱歩が好んで記したという言葉が引用されていた。
曰く、
「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」
その言葉の意味も意図も、俺は知らないままでいい。
俺たちは何かを演じているのかもしれない。誰が仕組んだ舞台なのかもわからないまま。
それを仕組んだのが、仮に俺自身だったとしても。
それがどうしたっていうんだろう。
今この腕のなかにあるもの。
それが離してはいけないものだ。
それだけわかっていればいい。
791 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/21(日) 22:10:11.78 ID:hfXGEpDLo
つづく
792 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/21(日) 22:14:17.48 ID:nMQdOy3D0
おつん
793 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:41:50.97 ID:zLydDmoho
◇
「遅いぞ、後輩くん」
学校近くのファミレスで、俺とましろ先輩は待ち合わせた。
「急に呼び出していったい何の……」
言いかけたところで、ましろ先輩が気付いた。
「……さくら」
「ましろ」
俺の斜め後ろから、さくらが顔を見せた瞬間、ましろ先輩は頬を緩めた。
「さくら!」
「あ、先輩。声が大きい」
「なんでさくらが……後輩くん。これは……」
「や。会いたがってたんで」
「会いたがってたって、でもさくらは……」
「隼がなんとかしてくれました」
「なんとかって……」
ましろ先輩が目を丸くしているのを、俺は初めて見た気がする。
「すごいね……」
今度ばかりは、俺の勝ちみたいだ。いつも踊らされてばかりだったから、悪い気はしない。
794 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:42:17.95 ID:zLydDmoho
テーブル席に座ってから、ドリンクバーを頼んだ。
三人分。店員は変な顔をしていたけれど、「あとで来るんで」と言うと頷いてくれた。
俺が三人分のジュースを持って席に戻ると、ましろ先輩は俺のことを見上げた。
「いったい、どんな方法で?」
「企業秘密です」
「……きみに鍵を渡したの、正解だったみたい」
ましろ先輩じゃないみたいな気がした。
彼女は何もかも、いつもお見通しみたいに見えたから。
グラスを二人の前に置くと、さくらは当然のようにストローをグラスにさした。
周囲から見たら、ひとりでに飲み物が減っていくように見えるのだろうか?
……人の認識なんて曖昧なものだ。
誰かが見たとしても、気のせいで済むものかもしれない。
仮に俺が見たら、そう思うような気がする。
795 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:42:53.94 ID:zLydDmoho
さくらに頼まれてましろ先輩を呼び出したわけだけれど、彼女たちはお互いに、何も話そうとはしなかった。
どうしていいかわからないみたいに、ずっとそわそわしてばかりだ。
「さくら」
「はい?」
「なにか、話したかったんじゃないのか」
「え?」
「そうなの?」
「……えっと、そういうわけじゃないです」
てっきりそうだと思っていた。
ということは、まあ、そういうことなのだろう。
796 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:43:22.74 ID:zLydDmoho
「ただ、外に出られるようになったから……ましろに会いたかったんです」
「……」
「迷惑でしたか?」
ましろ先輩は、一瞬、驚いたような顔をして、また笑った。
「何言ってるの。わかるでしょう?」
彼女が笑うとさくらも笑う。
さくらは、不安だったのかもしれない。
「ね、さくら。わたしも何度か、さくらに会いにいこうとしたんだ」
「……そう、だったんですか」
「うん。でも、なんだかそれって……すごく、ひどいことのような気がして」
だから、会いに行けなかった。ましろ先輩はそう言った。
「さくら。……ひとりにして、ごめんね」
そんな言葉で、俺はましろ先輩のことが、少しだけわかったような気がした。
「ね、ましろ」
テーブルを挟んで向かい合って、さくらは先輩の手をとった。
「これからも、ましろに会いにきてもいいですか?」
797 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:43:50.17 ID:zLydDmoho
「……何度だって、会いに来てよ」
「……」
「さくらは、わたしの友達だもの」
俺は、なんだか自分が邪魔をしているみたいに思えたけれど、そんなことを考えた瞬間に、さくらがこちらを見て、
「何をいってるんですか」
と笑った。
「あなたのおかげです」
「……」
そうなのかな。
どうしてか、そんなふうには、思えない。
それなのに、
「ありがとう」とさくらは言った。
泣いているみたいに見えた。
798 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:46:02.93 ID:zLydDmoho
◇
ちせを部員に加えた文芸部は、瀬尾の主導で夏休み中に新たな部誌を作ることに決まった。
「前回は、わたしが消化不良だったからね」と瀬尾は言う。
彼女はときどき『トレーン』に顔を出すようになった。
俺を誘うこともあるし、誘わないこともある。
ちどりと瀬尾は馬が合うのか、すぐに仲良くなって、週末に一緒に遊びに行く話をするようになるまですぐだった。
まあ、趣味だってある程度は共通しているのだろうから、当然と言えば当然だろう。
怜もまた、以前よりも頻繁に『トレーン』を訪れるようになった。
「一度こっちに来てみたら、意外とそんなに遠くないんだと思ってね」
ということらしい。引越し先では上手くやっているというし、実際そうなのだろう。
怜はときどき、何か言いたげな表情を見せることがある。
そのたびに俺は訊ねてみるのだけれど、彼女は首を横に振ってはぐらかすだけだった。
それを話してくれる日が来るのかどうか、俺には今のところ見当もつかない。
改めて『むこう』のことについて話したけれど、怜も茂さんも、やはり、あちらには行けなくなったままらしい。
どうしてそんなことになったのかはわからない。
誰もがむこうにいけなくなったのか、
それとも俺たちが、むこうにたどり着く条件を満たせなくなったのか。
茂さんは、むこうについても、瀬尾についても、あまり多くを語らなかった。
思うところは、きっとあるのだろう。それでも彼は、カウンターのむこうで笑っている。あの覆い隠すような笑みのままで。
いずれにせよ、俺たちをさんざん混乱させた春の出来事は、まるで夢か何かだったみたいに、途絶えてしまった。
カレハや、あいつがどうしているのか、俺にはわからない。
夜からの音沙汰も、今の所はない。記憶しているかぎりは、ない。
少し拍子抜けしているけれど、そんなものなのかもしれない。
799 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:50:36.57 ID:zLydDmoho
さくらは文芸部の部室に顔を出すようになって、他のやつらがいないときには、よく瀬尾やちせと話している。
特にちせとは、ましろ先輩という共通の話題があるからか、だいぶ仲良くなったみたいだ。
とりあえずのところ、仮に俺や瀬尾が卒業したとしても、ちせがいる。
あとのことは、『薄明』がどのくらい機能しているかに関わっている。
それについて大野は、
「あの噂がだいぶ広まってるみたいで、ずいぶんみんなに受け入れられてるらしい」
と言った。
「みんな正直だね」と、呆れ調子で言ったのは市川だった。
彼女が見る夢について、俺は詳しい話を聞いていない。
けれど一度だけ、どうしても気になって訊ねた。
「まだ、夢は見るか」と。
市川は、うん、と短く頷いた。それだけだ。
彼女はまだむこうの夢を見ている。
それはただの夢なのだろうか。
それとも、まだ何かがあるのだろうか。
あるのかもしれない。あそこは理外の森だから、俺たちの事情とは関係なく、きっと存在し続けるのだろう。
どこかでぽっかりと口を開けているのだろう。
それは俺にはわからない。
わかるのは、市川と大野の距離が、以前よりも近付いたらしいということくらい。
それについての詳しい話を俺は聞かなかったし、大野も言わなかった。
やけに俺のことを買いかぶっている大野だから、言わなくてもわかると思っているのかもしれない。
800 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:51:03.33 ID:zLydDmoho
部室の前に置いておいた箱の中には、ときどき手紙が入っていることがある。
それの担当は、ひとまず俺ということになった。
といっても、『神様に対する恋愛相談』を果たして俺が覗き込んでいいものか、という問題もあるにはあった。
とはいえ、『代理人』の役目はやっぱり俺だろう、という話もある。
ときどき瀬尾やちせの力を借りつつ、主にさくらの主導で、俺は『縁結び』をやることになった。
手紙には大抵名前も学年も書かれていなかったので、俺達はひっそりと、陰ながら、彼や彼女の悩みに手を貸すことになった。
それは上手くいったりいかなかったりした。それは当然のことだ。
さくらがやっていたときとは違う。
「人は縁がない相手のことも好きになったりするものですから、仕方のないことです」と、さくらは言っていた。
そう言われると、俺は自分がやっていることがものすごいおせっかいなんじゃないかという気がしたが、
「それでも、無駄にはなりませんよ」
とさくらは言っていた。
そうであってくれればいいと俺も思う。
傲慢になるつもりはないけれど、そうでなければ寝覚めが悪いから。
もしそうでなくても……それは仕方ない。
最初からそれは正しいことではないのだ。これは、嘘の上に成り立ったものなのだから。
だから俺にできることがあるとしたら、その嘘を可能な限り誠実なものにするように努めることだけだろう。
801 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:51:39.29 ID:zLydDmoho
ちせはときどきさくらを家に招くようになったという。
それはつまり、さくらがましろ先輩の家に遊びにいくようになった、ということだ。
あのとき話しただけでは話し足りないことが、ふたりの間にはきっとあるのだろう。
それができるのを自分の功績だと誇るつもりはないし、おそらくまだ完全ではない。
二重の風景を見ることがなくなった俺は、不思議と今になって、その事実に寂しさを覚えている。
あいつはどこかに消えてしまったのか。
カレハはどこにいるのか。
それを考えるたびに、俺はあの絵の中の景色に入り込みたくなるけれど、
たとえそれができたとしても、もうむこうには行くべきではないような気がした。
あなたの中の彼と合一を果たして。
カレハはそう言ったけれど、俺は結局、そうはならなかったような気がする。
あの暗い森で、灰のように崩れ落ちたあいつの傍らに、カレハが今もいるような気がする。
そうであってほしいと、思っているだけなのかもしれない。
802 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:52:49.90 ID:zLydDmoho
七月の末近い土曜日に、茂さんは俺を車に載せてある場所へと連れて行ってくれた。
高速道路を二時間走った先には、見渡す限りの森と山があった。
俺と茂さんはふたりで森の中へと入り込み、そこでひとつの廃墟を見た。
草花の気配が古びた建物に侵食して、割れた天窓から差し込む光に、割れたコンクリートの隙間に咲いた花が照らされていた。
「ここだよ」と彼は言った。
「ここがモデルだったんだ」
どうしてそこに、俺を連れて行きたかったのか、茂さんは話してくれなかった。
あのとき、あの絵の中で、茂さんは俺の背後に何かを見ていた。
それはひょっとしたら、かつての自分の姿だったのではないか。
そんな想像をしたけれど、俺にはどうせ本当のことはわからない。
何を言いたくて俺をそこに連れて行ったのか。
ただ、自分がそこに行きたくて、誰かを道連れにしたかっただけなのか。
本当のことなんて、どうせ俺にはわからない。
それでいいのかもしれない。
その森の茂みのなかで、俺は跳ねる二匹の動物の影を見た。
そこになにかの面影を重ねたけれど、それは単なる俺の感傷なのかもしれない。
803 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:53:56.45 ID:zLydDmoho
真中にも釘を差されたけれど、俺は毎夜ノートに向かって自分の文章を書こうとすることをやめなかった。
文章を書けるようになりたい。少なくとも、みんなが書ける程度のものを書けるようになりたい。
その欲望は、いつしか最初の理由や目標なんて置いてきぼりにして、欲望だけになってしまったような気がする。
書きたい、書きたい、という、欲望だけになってしまったように思える。
純佳はそんな俺に呆れてため息をつきながら、ときどきコーヒーを差し入れてくれる。
そして朝になると起こしてくれて、弁当まで作ってくれている。
「そろそろ妹離れしてくださいね」
なんて純佳は言う。
それでも「そうだな」と頷くと、少し寂しそうな顔をするのだ。
書くのに疲れて窓の外を見てみると、空にはぽっかりと月が浮かんでいる。
いつか見たときのような恐れのような気持ちは、今は綺麗になくなってしまっている。
そのたびに俺は何かをなくしたような気持ちになって、なんだか自分が長い夢を見ていたような気分になるのだ。
あるいは、こんな日常さえもが、ただの夢なのかもしれない。
本当と嘘の区別なんて、どうせ俺たちにはつきやしない。
だったら、気にするだけ無駄だ。
そんな夜でも眠ってしまえば朝が来て、杞憂だと言わんばかりにあたりまえの明日がやってきた。
804 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:55:09.21 ID:zLydDmoho
部活をサボって屋上で昼寝をしていたある日、真中が勝手にそばにやってきて、寝そべった俺の頭を勝手に自分の膝の上にのせた。
「なんだよ」
「なんでもないよ」
気にしないで、と真中は笑った。
感情表現が豊かになった真中は、近頃めっきりモテるようになった。
嘘から出た真で恋人になった俺としては頭の痛い事実だが、今のところ、不届き者は現れていない。
「もしそんなことになっても、せんぱいじゃ相手が悪すぎるよ」
と、真中が照れもなくそんなことを言うので、
「そりゃあ買いかぶり過ぎだろう」というと、そうではない、と首を横に振って、
「せんぱいは手段を選ばないから、かわいそう」
手段を選ばない。まあたしかに、そうなのかもしれないな、と俺は思った。
その日はとてもいい天気で、俺はそれが、世界の終わりか始まりか、そのどちらかのようにさえ思えた。
けれどそれはあくまでも、どこまでも地続きの日常の一端で、
だから俺はほっとして、真中の膝の上で眠った。
「夏だね」
と、真中がそう呟くのが聞こえて、俺は思わず笑ってしまった。
いつのまに、こんなに明るいところまで来ていたんだろう。
805 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:56:17.49 ID:zLydDmoho
◇
夏休みに入ってすぐのある日、瀬尾がみんなに召集をかけた。
みんなというのは文芸部のメンバーだけでなく、ましろ先輩やちどりや怜、更にはさくらまでもを含む『みんな』だった。
真中とちせが誘ったというので、コマツナまでが来ていたくらいだ。
「お邪魔してよかったんですかね」とコマツナが遠慮していた様子だったが、気にするような奴はひとりもいない。
瀬尾が俺たちを呼びつけたのは、今となっては廃校寸前というくらい生徒数が減少してしまった小学校、
の、旧校舎だった。
野草の生い茂るグラウンドと、周辺を囲うような雑木林のせいで、あたりから隠されているような気さえする。
俺と大野は瀬尾に言われて背負っていたリュックサックを下ろすように命じられた。
彼女はその中からいくつものおもちゃの水鉄砲を取り出した。
「……それは、なに」
「水鉄砲」
「見ればわかる」
「見てわかるなら、しようとしてることもわかるはず」
「……何歳だよ」
「楽しそうでしょ?」
「正気か?」
と言って周囲を見ると、みんなはやれやれという顔をした。
「……なんで誰も文句言わないんだ?」
「三枝くん以外、みんな何するか知ってたからね」
「……こいつら全員ノリノリなの?」
試しに周囲を見てみると、それぞれがそれぞれに自分の得物に手をつけていた。
806 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:56:44.01 ID:zLydDmoho
「……なんだってこんなこと」
「楽しそうでしょう?」
「そりゃ……」
「ね、三枝くん」
「ん」
「もっと、楽しんだほうがいいよ」
そう言って、瀬尾はからりと笑う。
もう、むこうに逃げ込んでいたときの瀬尾とは違う。
こんなこと、たしかにちどりは言い出さないだろう。
瀬尾はもう、瀬尾青葉になったのだ。
「……本気かよ」
「チーム戦。じゃんけん、グーパーね」
それで俺たちは、日が暮れるまでずぶ濡れになって踊るみたいに遊ぶことになった。
その日は綺麗に晴れていて、俺達は馬鹿みたいに笑った。
帰り道の途中で、不意の夕立ちに降られても、俺たちはとっくにずぶ濡れだったから、馬鹿みたいにはしゃいだままだった。
たぶん、この日のことを思い出すとしたら、俺はきっと、その、雨に濡れた瞬間のことを、思い出すんじゃないだろうか。
ずっとあとになって思い出す瞬間があるとしたら、きっと、そういう瞬間なんじゃないだろうか。
みんなの濡れた髪や服や、遠くの山に被さる黒い雲の隙間の夕焼けのことなんかを。
やがて、ずっとずっとあとになって、何もかもが過ぎ去ったあとに、ふと思い返すのだとしたら。
807 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:57:11.33 ID:zLydDmoho
◇
部室の隅の戸棚の中に、俺達の書いた『薄明』も並べられる。
これからも俺たちは『薄明』を並べるだろう。
そのたびに、いくらかの注意を要するかもしれない。
その懸念はあるけれど、俺はあまり悲観も心配もしてはいなかった。
いつか、この『薄明』を他の誰かが読むことになるのだろう。
俺たちがそうしたように、いずれ誰かの目に留まるのだろう。
それはべつに、俺達の痕跡になるとまでは言えないだろう。
佐久間茂の『薄明』のような例もあるのだから。
それでもこれを読んだ誰かは、俺達がここにいたのだと想像するのだろうと思う。
誰かがこれを見つけるだろう。
この古い戸棚は化石を隠した地層のように堆積していく。
それはかつて現在だったもの。更に前には未来だったもの。そして今となっては過去になってしまったもの。
これから過去になっていくもの。
俺たちは、そのときちゃんと、誰かにとっての何かになれるだろうか。
そんなことを、俺はときどき考える。
808 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:57:43.92 ID:zLydDmoho
◇
たとえば当たり前に季節が変わり、
船が積荷を載せ替えるように、人々が入れ替わったとしても、
また桜が咲いて、その中で誰かが孤独だったとしても、
あるいは、孤独であるからこそ、誰かが彼女を見つけるだろう。
809 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:58:18.56 ID:zLydDmoho
◇
「もう部活決めた?」
「まだ」
「いろいろあって悩んじゃうよねえ。文化系だっけ?」
「ん。美術部か、写真部か……文芸部にしようかな、と」
「ふうん。なんでその並び?」
「……サボりやすそうだし」
「あはは。文芸部って言えば……この学校の文芸部、変な噂があるんだって」
「噂?」
「なんでも……桜の精霊が……」
「ええ、このご時世にそんな噂?」
「でもなんか、先輩たちが話してるの聞いたんだもん。見える人もいるんだって」
「ふうん……。まさか、信じてる?」
「んー。わたしは自分が見たものしか信じないからなあ」
「友情も愛情も信頼も? 寂しい生き方だね……」
「こら、勝手に人を寂しいやつにするな。そういう意味ではない」
810 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:58:47.78 ID:zLydDmoho
「わかってるよ。……あ」
「ん。どったの」
「校門のところ。誰か立ってる」
「ん?」
「ほら。桜の下……」
「……どこ?」
「え?」
「誰もいないよ……?」
「……そう、なの?」
「うん」
「気のせいかな……」
「……ひょっとして、からかってる?」
「まさか。……早く行こう。移動教室、遅れちゃうよ」
811 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:59:50.53 ID:zLydDmoho
◇
文芸部室の壁には、一枚の絵が飾られている。
淡いタッチで描かれたその絵は、線と線とが溶け合いそうになじんでいて、ふちどりさえもどこか不確かだ。
けれど、描かれているものの境界がぼやけてわからなくなるようなことはない。
鮮やかではないにせよ、その絵の中には色彩があり、陰影があり、奥行きがあった。
余白は光源のように対象の輪郭をぼんやりと滲ませている。
その滲みが、透明なガラス細工めいた繊細な印象を静かに支えていた。
使われている色を大別すると、三種になる。青と白と黒だ。
絵の中央を横断するように、ひとつの境界線がある。
上部が空に、下部が海に、それぞれの領域として与えられている。
境界は、つまり水平線だ。空に浮かぶ白い雲は、鏡のような水面にもはっきりとその姿をうつす。
空は澄みきったように青く、海もまたそれをまねて、透きとおったような青を反射する。
海と空とが向かい合い、それぞれの果てで重なり合うその絵の中心に、黒いグランドピアノが悠然と立っている。
グランドピアノは、水面の上に浮かび、鍵盤を覗かせたまま、椅子を手前に差し出している。
ある者は、このピアノは主の訪れを待ち続けているのだ、と言う。
またある者は、いや、このピアノの主は忽然と姿を消してしまったのだ、と言う。そのどちらにも見えた。
その絵は、世界のはじまり、何もかもがここから生まれるような、無垢な予兆のようでもあったし、
何もかもがすべて既に終わってしまっていて、ただここに映る景色だけが残されたのだというような、静謐な余韻のようでもあった。
そこに映る景色には、誰もいない。今はもう誰もいない。
けれどそれは、たぶん絶望ではなかったのではないか。今になって、そんなことを思う。
そこには誰かがいたのかもしれないし、これから現れるのかもしれない。
だからこそ、この絵は、予兆のようでも余韻のようでもあるのかもしれない。
たとえばすべての部品が入れ替わってしまった船があるとしても、
その船を形作ってきた部品たちが、朽ちてしまったとしても、これから朽ちていくとしても、
それは存在しなかったわけではない。
たとえ描いた人間がそう思っていなかったとしても、そういう嘘を、信じてもいいような気がしている。
812 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 01:00:16.76 ID:zLydDmoho
おしまい
813 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 01:07:28.17 ID:HRfqi1PA0
乙でした
怜の案内人のこととかってよく読み返したらわかるんだろうか
814 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/04/22(月) 06:47:12.95 ID:D+ZRSQp00
1年間、ここの更新を確認するのが日課でした
おつかれさまでした
815 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 06:48:55.68 ID:2q9uPnj20
おつでした
816 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/04/22(月) 08:17:24.70 ID:9DNGlqwnO
乙でした〜
まだ理解できなかったところがあるので
読み返します〜!
あと最後の方の後日談っぽい感じが良かったです!
817 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 16:53:24.99 ID:4zgMi7zSO
乙
818 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 20:16:24.47 ID:2zM9mCL8O
おつです。
いい作品を読ませてもらって感謝です。ゆっくり読み返しますわ。
819 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 23:51:22.91 ID:SBeiMLGB0
おつです。お疲れ様でした!
820 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 00:40:25.88 ID:Ap7DvQ/Lo
おつです。
平成最後の名SSをありがとうございます。
821 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/04/23(火) 00:48:12.15 ID:0NhWc7w90
おつでした。書いてくれてありがとう。
822 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/23(火) 18:55:05.75 ID:iiyQ+TdOO
おつ
823 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/25(木) 04:41:11.54 ID:Mbgu3+v2O
出遅れた!終わっとるやんけ!
リアルタイムで追えて良かったです。
お疲れ様でした
824 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/06/29(土) 19:46:39.17 ID:Qp0aUxZmo
また気が向いたら書いてください
応援しています
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