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星空みゆき「とうおるるるる……るんるん♪」
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369 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:03:08.10 ID:eR3BStoPO
トニオ「ヒャウッッッ!!」ビュオムッ
ウルフルン「うおお、包丁を何本も手裏剣のようにッッッ!!」サッ
ドスカカカカァッッッ
ウルフルン「あっぶね……! コラァテメー! 調理道具を武器にしていいんかよー!」
トニオ「問答無用でスッ!!」つ石鹸
ブォオオオムッッ
ウルフルン「ウォオオオオ─────ッッ!?」ガキィイイン
トニオ「フゥウウム……小賢しいオオカミさんデスネ。まだ従わないつもりですか……?」グググ
ウルフルン「ぐ、おおおおおっっ!? なんじゃあコイツのパワーはッ!? とてもコックが持っていいようなパワーじゃあねえ────っ!!」
トニオ「料理人に必要なのは『パワー』デス! 一回真剣に料理したくらいで倒れるような軟弱な人たちとは鍛え方がチガイマスッ!」グググ
トニオ「さあ! 石鹸とバケツを持って掃除しなさい! さもなくば『ブチ殺し』マスッ!!」グググ
370 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:04:34.07 ID:eR3BStoPO
ウルフルン「だッ……! 誰が人間の命令に従ってやるものかよ! 死んでもゴメンだぜェェ────ッッ!!」グォンッッ
トニオ「オオウッ!?」グワーー
ウルフルン「ハァァー……! よーやく脱出できたぜ……! とても認めたくねーが人間の癖に俺を『ビビらせる』なんてよぉ」
ウルフルン「生意気だぜェェ〜ッ!! そして気に入らねえッ!! 俺はテメーをバッドエンドにしなきゃあ気がすまなくなったぜ!」
トニオ「バッドエンド?」
ウルフルン「後悔しなコックが!! テメーもこれでオシマイだァァ────ッッ!!」
ウルフルン「世界よ! 最悪の結末(以下略」ベッタァアー
トニオ「オワァアアアアア!?」ズギューン
371 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:07:45.44 ID:eR3BStoPO
みゆき「なんだか遅いね〜! トニオさん、時間かかってるのかな?」
やよい「そんなに時間がかかるなんて、スッゴク難しい料理作ってるのかなあ」
あかね「うーん……それはなんか違うわ」
なお「あかね、どうしたの?」
あかね「トニオの作る料理は一部の気取ったグルメが食べるような難しいものじゃああらへん。オカンから子どもに受け継ぐような、そんな料理が中心なんや」
れいか「それでは、大がかりな料理を作るとは考えにくいと……?」
あかね「せや。だからこない時間かかるわけないんやけど……」
372 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:08:27.14 ID:eR3BStoPO
ドゴルォオォンッッ!!
あかね「おわあっ!? な、なんや〜!!?」
なお「調理場からだよッ! ……それにこの感覚は」
みゆき「バッドエナジーだァッ!! トニオさんが危ないィィ────ッ!!!」
れいか「みなさん、行きましょう!!」
やよい「あわわ、ま、待ってェェ〜!!」
…………
……
みゆき「トニオさーんッ! だいじょうぶ!?」バタァアーン
みゆき「……ハッ!?」
トニオ「……」ドヨォオン
やよい「トニオさんからFUKOのエナジーが!!」
あかね「ちゃうで、バッドエナジーやっ!」ビシッ
なお「冷静にツッコミしてる場合じゃあないってば」
れいか「バッドエンド王国のしわざですね……!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……その通りだぜプリキュア」
みゆき「オオカミさん!」
373 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:09:14.54 ID:eR3BStoPO
ウルフルン「5人揃ってるってことはよォォ〜……。ここで倒しちまえばオシマイってワケだ……違うか? ええ?」
みゆき「せっかく楽しくお食事会してたのに……こんなのひどいよッ!」
ウルフルン「ケェーッ! 何がお食事会だァァ!? こっちは危うくコックに料理されちまうとこだったんだぜッ!!」
あかね「へ、それって……まさか……」
やよい「メインディッシュってもしかして……」ガタガタ
ウルフルン「何ソーゾーしてんだッ!? いくらなんでも犬を出すわけねーだろーがよ!!」
なお「自分で犬って言ってるよ……」
ウルフルン「ハッ!? ……ま、まあいい。今日こそテメーらを再起不能にしてやるぜ! 覚悟しろよプリキュアァァ────ッ!!」ポーイ
374 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:10:51.89 ID:eR3BStoPO
アカンベェ「アカンベェ〜!!」グワァア
みゆき「ビンのアカンベェ!?」
れいか「よく見ると中にレモンの皮が入ってますね」
やよい「あ、わたしあれ知ってるよ〜。あれってレモンピールの砂糖漬けだね。きっとドルチェに使うんだね」
みゆき「ドルチェ!!」
あかね「てゆーことは」
なお「あれがないと〆のスイーツが食べられないッ!!」ガビーン
れいか「なお、スイーツよりも先にトニオさんを助けないと」
みゆき「トニオさんをバッドにするだけじゃあきたらず、みんなのスイーツを奪うなんて許せないっ」
みゆき「みんなッ! 変身するよッッ!!」クワッ
やよなおれい『YES !!』ビシィィー
あかね「それはあかんってセンパイ的な意味で」
375 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:11:31.61 ID:eR3BStoPO
5プリ「プリキュアッ! スマイルチャージッッ!!」レディー!
省略ゥ!!
ハッピー「はい! ここでみんなに相談デス」
ピース「ど、どしたのハッピー? みんな変身終わったよ……?」
ハッピー「んふ〜♪ あのねピース、わたしたちってさァァ〜、チーム名って決めてなかったよね?」
ハッピー「わたし、いい名前を思い付いたんだけどッ! 決めていいかなァ?」
ピース「チーム名……な、なんかワクワクするねッ! いい、いいよ〜そーいうの〜♪」
ピース「ね、みんな!!」クル!!
サニー「どうでもいい」
マーチ「すこぶるどうでもいい」
ピース「冷たいまなざしッ!?」ガビーン
ビューティ「いえ、ここはお互いの結束を深めるために、チーム名を決めるべきだと思います」キリッ
ピース「ビューティ〜!!」キラキラ
376 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:12:16.26 ID:eR3BStoPO
ハッピー「ぃよォォ〜しッ! 決まったッ! それじゃあこのキュアハッピーが名付け親になってあげるよ!!」
ハッピー「ズバリ、5つの光が導く未来的な意味で
『YES ! プリキュアファ」
サニー「だからそれはあかんって。センパイ的な意味で」
ハッピー「えぇ〜。ぜったいこれだと思ったのに……はっぷっぷー」
マーチ「ハッピー、もっとこう、みんなの幸福を呼び込む感じがいいと思うな」
ハッピー「幸福? ……ンッンーいい響きだねェ〜♪ それじゃあ幸福を呼ぶための一番の方法から取って付けよう」
ハッピー「幸福=スマイル!! 苦しいときこそニヤリと笑え〜からいただこうッ!!」
ハッピー「すなわち『スマイルプリキュア!』『スマイルプリキュア!』と名付けようッ!」バァアーン
ハッピー「それじゃあみんな!ご一緒にィィ〜♪」
ハッピー「5つの光が導く未来ッ!!」キリッ
5プリ「輝け!!!」ザッ
5プリ「スマイルプリキュアッ!!」ドッギャァァーーーーン
ハッピー「決まったァァ────ッ!!」バァアーン
377 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:12:53.11 ID:eR3BStoPO
ウルフルン「……」
ハッピー「待たせたねオオカミさん! このキュアハッピーが、あなたのスマイル取り戻してみせるッ!」キュァアン♪
ウルフルン「キャラが定まってねーぞおまえ……。他にもいろいろツッコミてーとこはあるがとりあえずほっといてやるぜ……」
ウルフルン「やっちまえ! アカンベェ────!!」
ハッピー「ウオオ、負けるかァァ────ッッ!!」
アカンベェ「アカンベェ〜!!」ブォンッッ
ドグシャァアッッ!!
ハッピー「あぼっふぇッッ」ズギューン
4プリ「ハッピィィィィィィ!?」
378 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:49:32.84 ID:eR3BStoPO
ハッピー「つ、強い〜……。な、なんで? いままでのアカンベェとはパワーもスピードもけた違いだよ」
ビューティ「どうやら敵も本気で来ると言うわけですね」
サニー「なんや、ようやく本気出したっちゅうわけか。おもしろくなってきたで〜!」
ウルフルン「(いやいやいやまてまてまて。俺が出したのはフツーのアカンベェだぜ。それがなんであんなにツエーんだッ!?)」
ウルフルン「……んん?」
トニオ「マッシモ……」ドヨォオン
ウルフルン「あのコック、陽気なイタリア野郎かと思いきや、なかなか根が深いバッドエナジーを発してやがるッ! だからアカンベェも強いのか……人は見かけによらねーな」
ウルフルン「コイツは意外な掘り出し物だぜッ! 行け、アカンベェ!! プリキュアを始末しろ!」
アカンベェ「アカンベェ〜!!」
ピース「あわわ、来た来た〜!!?」
379 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:50:14.15 ID:eR3BStoPO
ハッピー「ピース、慌てないで! 前と違って敵は一体。落ち着いて必殺技を叩き込めばどうってことはないよ!」
マーチ「ってことは、やることは決まったね! 直球勝負ゥゥ!!」
サニー「ほな、やったるでェェ〜!!」
サニー「プリキュアッ! サニーファイヤー!!」ドゴァアッ
ピース「プリキュアッ! ピースサンダー!!」ズギャァアン
マーチ「プリキュアッ! マーチシュートッ!!」バグォオン
ビューティ「プリキュアッ! ビューティブリザード!!」シャァアアンッ
ハッピー「さあ、コイツでトドメだよッ!」
ハッピー「ウゥルトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ
トラトラトラトラトラトラトラトラトラトラァァァァ!!!」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
アカンベェ「アカンベェ〜!!」パッシィア
ハッピー「ッ!?」ググッ
ピース「うそ、効いてない……!?」
380 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:51:06.69 ID:eR3BStoPO
ビューティ「全員の必殺技を叩き込んだのにですか!?」
アカンベェ「べェェェェ────ッッ!!」ドゴァアッ
5プリ「キャアアァァ────ッッ!!?」
ウルフルン「お、おお〜! これはイケるッ! ベネッ! 予想外にベネッ! 勝てるぞォォ〜!!」
「そこまででござるッ! バッドエンド王国ッ!」
ウルフルン「あ? 誰だァァ〜!? 今いいところだってのによォォ〜?」クルゥリ
ポップ「このポップ、悪党に名乗る名など持ち合わせておらぬでござる!」バァアーン
ウルフルン「……名乗ってんじゃねーか」
ポップ「はッ!? し、しまったでござる!?」
ウルフルン「その頭脳のマヌケ具合からして、おめーメルヘンランドのもんだな? わざわざ何しに来やがった?」
ポップ「ふ、妹の気配とバッドエナジーに惹かれて来てみれば、バッドエンド王国の幹部と伝説の戦士、プリキュアに会えるとは……」
ポップ「手間が省けたでござる! さあ、後はキャンディ、どこにいるでござるか?」
……バリ……ムシャ,ムシャァ……
ポップ「む? そこにいるのは……」
「……」ピタッ
381 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:51:55.20 ID:eR3BStoPO
ポップ「オオッ! やはりそのうしろ姿はキャンディ!! 元気にしていたでご、ざる……か……?」
……ガツ……グチャグチャ……
キャンディ「……オ、ニイ……チャァァァァ〜ン……?(CV楠見尚己)」ドギャーーーー
ポップ「キャンディィィ────ッッ!!?」ガビーン
キャンディ「オニーチャン……。キャンディクルゥゥゥゥ……(CV楠見尚己)」ドギャーーーー
ポップ「え、キャンディ? これキャンディ!? この、まるでアフリカに住む凶暴な猿マンドリルに種の改造を行い、戦闘用に訓練したかのような生物がキャンディ!?」マーチンッ!!
ウルフルン「なげーよ」
トニオ「さすがわたしのセコンド・ピアットデスネ……あれほどの強化が肉体に表れるとは……」ドヨォオン
ウルフルン「コイツはコイツでフツーに話してるしよォ〜……」
382 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 07:52:34.90 ID:eR3BStoPO
キャンディ「フシュゥゥゥゥ。プゥゥゥリキュアッ。プリキュア助けるクルゥゥゥゥ……。キャンディが助けるクルゥゥゥゥ……!」メキメキ
キャンディ「キャンディィィィィもっ!! プリキュアの力にッッ!! なァァァァりたァァァァいクルゥゥゥゥ!!!」ドギャーーーー
ビッカァアァァ─────ッッ!!!!
ウルフルン「ウオオッ!? なんだァァ〜!?」
ポップ「ああっ!? キャンディから発せられたおぞましい『閃光』が死肉に群がる屍生人のようにプリキュアに向かっていくでござるゥゥ────ッ!!!」
ドギャオゴォオアッ!!
メメタァッ!!
パァアア────────ッッ!!!
383 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 09:38:44.52 ID:eR3BStoPO
ポップ「こ、この光はァァ〜!?」
トニオ「まちがいありません……わたしの『パール・ジャム』の身体活性化能力と、子ヒツジさんの力」
トニオ「そして彼女たちの眠っていたパワーが合わさり、かつてない『現象』にナロウとシているのデス」
トニオ「即ち、『武装現象(アームド・フェノメノン)』ッ!!」バァアーン
────バグォオンッッ!!
ウルフルン「な、なんじゃあありゃァァ〜!?」
プリキュアの……
美しき魂がッ!
邪悪な心を『始末』するッ!
5プリ「プリキュアッ! アームド・フェノメノン────ッッ!!」ドッギャァァーーーーンッッ!!!!!
ポップ「違う世界の人たちになったァァ────ッッ!!?」ガビーン
ウルフルン「ぜんぜんプリティーでもキュアッキュアでもねェェ────ッッ!!?」ガビーン
384 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 09:39:42.44 ID:eR3BStoPO
マーチ「一番手、キュアマーチッ行くよッ!!」ザッ
ズー
ズーッ
マーチ「プリキュア(闘技)ッ! 神砂マーチ!!」シュタァッ
ドォアアアン!!!
ウルフルン「関節がありえねえ方向に曲がったァァ!?」
左腕を、関節ごと右回転!
右腕を、関節ごと左回転!
結構呑気してたウルフルンも、拳が一瞬巨大に見えるほどの回転圧力にはビビった!
そのふたつの拳に生じる真空状態の圧倒的破壊空間は、まさに歯車的砂嵐の小宇宙!
ドォアア!!
オパウ!
ゴシャアッ!
アカンベェ「アバ────ッッッ!!?」メシャァアッッ
ポップ「ヒィイイイ────ッッ!? ア、アカンベェが削り取られていくでござるゥゥ!!」
385 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 09:40:20.60 ID:eR3BStoPO
サニー「二番手、キュアサニー……行くでッッ!!」ドギャーーーー!!!!!
サニー「時空を超えるッ! 『太陽球の無限回転エネルギー』!!!」ズアッ
サニー「プリキュアッ! サニーボール・ブレイカァァ────ッッ!!!」
ギャルギャルギャルギャルギャル
ギャルギャルギャルギャルギャル!!!!
アカンベェ「アベカバベベッッベッッベベベ!!?」ギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャル!!!
ポップ「と、止まらないッ! 異様な回転を伴った『太陽球』がアカンベェのエネルギーごとむしりとるように奪い、炸裂したァァ!!」
ドグァオォ───ン
アカンベェ「べー……」ズギューン
ウルフルン「なにやってんだアカンベェッ!! まだまだ来るぞォォ────ッッ!!」
アカンベェ「……ベッ!?」ハッ
386 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 09:40:54.41 ID:eR3BStoPO
────これがッ! ピカ!
────これがッ! ピカ! ピカ!
「これが『キュアピース』だッ!」
「そいつにふれることは死を意味するッ!
『ぴかりん・現象(フェノメノン)』ッ!」ウオオオム
ピース「プリキュア・シューティング・ピースス・スティンガー・フェノメノンッ!!」ドババァァーーーー
ブスブスブスゥゥゥ────ッッ!!
アカンベェ「アギャァアアアアア!!?」
ポップ「意外ッ! それは髪の毛ッ! 硬質化したプリキュアの毛髪が鋭い針のように射出され、アカンベェに突き立てているでござるゥゥ!!」
ピース「ぴかぴかぴかぴかぴか!!」
387 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 09:41:46.25 ID:eR3BStoPO
匂いだッ!
はじけるレモンの匂いだッ!
悪いのはこの「アカンベェ」だッ!!
こいつの匂いを止めてやるッ!
ピース「ぴかぴかぴかぴかぴか……ぴか!!」グワ
ピース「プリキュア・ブレイク・ピース・サンダー・フェノメノン!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ
ドッコルナォオン────ッッ!!!
アカンベェ「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!!」ズギューンッッ!!!
ポッシュゥウン……
ウルフルン「ウ、ウソだろ〜!? アカンベェがミンチよりもヒデー状態になるまで『磨り潰され』ちまいやがったァァ〜!!」ガタガタガタ
388 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 10:57:16.24 ID:eR3BStoPO
ウルフルン「お、覚えてやがれプリキュアッ!! 次こそはオメーらをバッドエンドに」
パッキィイイイイインッッ!!
ウルフルン「はがッッッ!?」パキッ
ビューティ「住みよい町を作るために、ちょうど『名所』が欲しいと思っていたところなのですが」
ウルフルン「はぐううおああああああああ!!?」ドリュゥゥ〜ン
ビューティ「『氷のウルフルン像』。不気味な外見とは裏腹に、皆さんに慕われるとは思いませんか?
……超低温は静止の世界。最低温度において、すべての物質は『運動をやめます』」
バァアア─────z______ン
ウルフルン「……アギ」
ハッピー「ダメだよビューティィ〜。いくらナンでもこれは悪趣味だよ……ちゃんと『片付け』なくっちゃあ」
ウルフルン「!!」
389 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 10:58:04.89 ID:eR3BStoPO
ハッピー「ところでオオカミさん……わたしだけその……あれ、アームド・フェノメノンってやつがさァァ〜。
あんまし変わらないンだよねこれが」
ハッピー「みんなと比べてわたしだけね。
……成長性が低いって言われてるみたいでちょっとガッカリだな〜って思うんだけど、
オオカミさんはどう思う?」
ウルフルン「……ッ!?」ハッ
ハッピー「あれ、言えない? それじゃああなたが何を考えてるか当ててあげるね!」
ハッピー「あなたは今こう思っています。
……『もしかしてウルトラハッピーですか』……って」
ウルフルン「────ッッッ」
トニオ「Si!Si!Si! 『Mamma Mia』 」
390 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 10:58:58.10 ID:eR3BStoPO
ハッピー「ウゥルトラトラトラトラトラトラトラトラトラ
トラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ!!!」ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ
ハッピー「HAPPYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
YYYYYEAHHHHHHHHHHHHHHHH─────ァアアアアアッッッ!!!」ドッッグァオォォーーーーン
ウルフルン「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!!」ズギューン
────ウルフルンは思った
カッコつけて一人でうろちょろするんじゃあなかったと
しかし最早後の祭りである
ジョーカー「どじゃああ〜ん!」
ハッピー「!?」
391 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 10:59:42.76 ID:eR3BStoPO
ジョーカー「ウルフルンさ〜ん、お疲れさまでしたァん♪ あなたのおかげでプリキュアのパワーを見定めることができましたよォン!」
ウルフルン「……ア、アガ」
ジョーカー「あなたにはこれからもっと働いてもらわないとッ! ここで再起不能になられては困りますよ〜」
ハッピー「あ、あなた誰!?」
ジョーカー「こーんにちわ〜ん♪ プリキュアのみなさーん。わたくしジョーカーと申します。……偉大なる皇帝ピエーロ様に仕えるモノです」
マーチ「皇帝ピエーロ……?」
サニー「なんや、いきなり出てきて偉そうやでッ!」
ジョーカー「まあまあそう角をたてないでぇん♪ 今日はほんの挨拶と言うことで、プリキュアのみなさん、またお会いしましょうね〜ん♪ ではラリホーッ!!」ヒュルルルン
ジョーカー「(プリキュアの力。そしてあの妖精……ミラクルジュエルのカギはどうやらあれが持ってるようですね〜。くく、面白くなってきました!)」ヒュルンッッ
ピース「あ、逃げちゃった!」
392 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 11:34:40.71 ID:eR3BStoPO
ビューティ「ジョーカー……いままでの人たちとはどこか違う。ドス黒いなにかを感じます」
ビューティ「そして……」クルゥリ
キャンディ「オニーチャンンンン!!」ダキィイッ
ポップ「キャ、キャンディ……放してほしいでござ……つ、つぶれ……」ぎゅううう
ビューティ「キャンディ(?)と、この方は一体……」
393 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 11:35:10.77 ID:eR3BStoPO
トニオ「さ、料理をつづけましょうか!」バァアーン
みゆき「ト、トニオさん、もう平気なんですか?」
やよい「あまり無理しちゃダメですよ〜……」
トニオ「トンでもない! 最後までみなさんを楽しませなければプロの名折れです。みなさん遠慮せずに堪能してくだサイ」
なお「そ、そこまで言うなら遠慮なくいただこうかなぁ」ジュルリ
あかね「なお、よだれよだれ」
れいか「それで、これが最後の料理ですか?」
トニオ「はい!心を込めて作らせてイタダキましタ! 『レモンピールのジェラート』デス」
394 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 11:35:49.43 ID:eR3BStoPO
【ドルチェ】
『レモンピールのジェラート』
【材料】
・レモンピール(アマルフィ産)
・リモンチェッロ(レモンのリキュール)
・牛乳 ・白砂糖
(賞味時期 溶けないうちに)
トニオの故郷、ナポリはアマルフィ海岸の伝統食品であるレモンピールとリモンチェッロを使ったアイスクリーム
トニオ「イタリアでレモンと言えばシチリアと言う人が多いですが、アマルフィのレモンも世界に誇るイタリアのレモンと言えます。
肉厚で甘さのあるこのレモンは菓子づくりにおいて最適なのです」
みゆき「わあ、おいしそ〜♪」
やよい「見た目もスゴくキレイッ!」
なお「トニオさん、パティシエもこなせるなんてスゴいな〜! それじゃ、いただきますッ!」カプッ
あかね「!!」
れいか「!?」
みゆき「────あっ」
395 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 11:36:19.95 ID:eR3BStoPO
その瞬間、みゆきたちの舌の上で『天国』が作られたッ!
それはまさに『メイド・イン・ヘブン』!!
みゆき「舌に広がるレモンの酸味と香りから、見たこともない景色が広がっていく……」
あかね「太陽がサンサンと降り注ぐ海岸沿いに、光をたっぷり浴びて育ったレモン畑が並んどるのがみえる……」
やよい「見たことも聞いたこともないのに、ハッキリと映る情景、イタリアのアマルフィ海岸の肥沃な土地が、脳裏に浮かんでくる!」
なお「そうか、これが……これが『天国』
……わたしたちがたどりつきたかった場所」
れいか「郷愁の想いが広がっては切なく溶けていく……。懐かしくも優しく、そして哀しい味です……」ホロリ
396 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 16:04:35.76 ID:WIHZrbcLO
トニオ「そうです。今日のコースのテーマは『郷愁』……誰しもの心にある故郷の想いを揺り動かす料理を作りました」
トニオ「日本にくるまでに行った修行の日々の合間に、時々思い出し、哀しくなることもありますが、わたしにとっては今でも大切な故郷です」
トニオ「『天国』とは『故郷』なのでは……わたしはソウ考えます。みなさんも自分の天国を大切にして、幸福を掴んでほしいデスネ」
みゆき「……」
…………
……
397 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 16:05:17.92 ID:WIHZrbcLO
トニオ「それではみなさん! 本日はお越しいただきありがとうゴザイマシタ!」
なお「いや、ほんと美味しかったです! 感動しました!
あなたはまるで『天使』のような料理人だッ!」
やよい「また食べたいくらい美味しかったです……!」
れいか「ええ、料理でここまで感動したのははじめてです。とてもよい時間を過ごしました」
みゆき「おみやげももらっちゃったし、今日はもうウルトラハッピーだよ〜!」ハッピー
みゆき「あかねちゃん、今日は呼んでくれてありがとね! じゃ、また明日ッ!」
あかね「おー、気をつけて帰りや〜」
トニオ「グラッツェ〜♪」
バイバーイ
デハ,マタアシタ……
あかね「……」
398 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 16:06:02.06 ID:WIHZrbcLO
トニオ「あかねお嬢さん、ドウカしましたか?」
あかね「いやな。なんてか……うちもまだまだやなァって思ってな」
あかね「トニオみたいに、いつか人を心から感動させて、幸せにできる料理人になれるかなあってな……」
あかね「ほんま、長い道のりやな……」
トニオ「……お嬢さん、今日、みなさんに渡したオミヤゲ。なんだと思いますか?」
あかね「へ? ……なんなん?」
トニオ「『ピッツァ・マルゲリータ』……イタリアでもっとも有名なピッツァです」
トニオ「その美味しさに惚れ込んだイタリアの王妃、マルゲリータ妃が自らの名をそのピッツァに与えた……。
そんな逸話があります」
あかね「ほえー……。そりゃまた大層やな」
399 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 16:06:50.53 ID:WIHZrbcLO
トニオ「あかねお嬢さんの『名前』も、いつか自分の料理に与える時が来る。そんな風になると良いでスネ」ニッコリ
あかね「……せやな。そーなるように、うちもたくさん頑張らんと!」
あかね「よし! 明日の仕込み始めるかっ。行くで〜トニオ!!」
トニオ「オ・カピートォ♪ 任せてくだサイ。
……ちなみにあかねお嬢さん」
あかね「なんやー?」
トニオ「明日は何曜日でしたか?」
あかね「『ドメニカ(日曜日)』」キリッ
400 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 16:07:18.34 ID:WIHZrbcLO
キャンディ「オニーチャン……ZZZ……」ギュウウウウ
ポップ「拙者……もしかして忘れ去られてるでござるか……?」ギュウウウウ
←TO BE CONTINUED……////
401 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2018/12/21(金) 16:08:08.39 ID:WIHZrbcLO
今日はここまでです
ぶっちゃけバオーをやりたかっただけ
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/21(金) 17:35:59.72 ID:79bvSTd6o
乙乙
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/12/21(金) 20:15:07.56 ID:REFA70Jg0
乙
笑うなという方が無理だこれは
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/01(火) 21:23:33.77 ID:MipiI2AvO
レモネード先輩……
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/22(火) 00:22:29.11 ID:Lxo5T8QSO
保守
406 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:11:40.98 ID:ABcTus3vO
皆さんお久しぶりです
本日投稿します。
ちょいとキツいシーンもあるけど『覚悟』すれば問題ないッ!!
407 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:13:04.12 ID:ABcTus3vO
とうおるるるるるるるるる……
もしもし? ボスですか? ……はい、わたしです、みゆきです
……はい、はい……デコルは順調に集まってるよ。うん、もうすぐ女王様も復活するって言ってた。うん……みんなのおかげだよ
え、今はデコルを集めることに専念……?よくわからないけど……ボスが言うなら間違いないよねッ!
任せてボス! わたし、がんばるから! だから……『みんなで幸福に』なろうね?
ガチャ
……
…………
408 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:13:50.89 ID:ABcTus3vO
……
…………
『みんなで幸福に』か……
みゆきよ……『誰かの幸福は誰かの不幸』という法則で出来ている……この世とはそういうものだ
皆が皆、幸福を掴むことなど……出来はしないのだ……
しかし……それでも幸福は……私たちにこそふさわしい……
物語の『主役』だけが幸福に至る……
『バッドエンド』など『悪役』のような末路はあってはならない……当然だ
私たち……だけが幸福を掴めるのだ……
409 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:14:51.73 ID:ABcTus3vO
バッドエンド王国
マジョリーナ「もうずいぶん人間どもからバッドエナジーをしぼりとったと思うけど、ピエーロ様はいつ復活するんだわさ?」
アカオーニ「しらねーオニ、ピエーロ様の様子は全部『アイツ』が知ってるオニ。アイツに聞けばいいんじゃあねーかオニ?」
マジョリーナ「ケェーッ! あたしがアイツを嫌いなのを知ってて言ってるのかい?」
アカオーニ「ふん! アイツを好きな奴なんてそもそもいるわけねーオニ。……それにしても気に入らねーオニ、いつになったらピエーロ様は復活するオニ?」
マジョリーナ「そうだわさ。早く『世界をバッドエンド』にしないと、このままじゃあたしたちの存在が……」
ジョーカー「はぁーい、お二人ともお元気ですかぁん?」バァアーン
アカマジョ「ジョーカーッッ!!」
410 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:16:31.62 ID:ABcTus3vO
ジョーカー「仲良くおしゃべりですかぁ? さすが幹部は余裕があっていいですねぇん♪」
アカオーニ「けっ、いちいち勘にさわる言い方オニ。で、何しにきやがったオニ!?」
ジョーカー「いえいえ♪ ただの報告ですよォ〜? みなさんのお陰でバッドエナジーが順調に集まってますからね〜。……そろそろ復活するんですよ」
マジョリーナ「ハッ……!?」
ジョーカー「ピエーロ様が」ニヤァリ
アカオーニ「な……なにッッ」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ジョーカー「そぉ〜う♪ まもなくピエーロ様は復活なされます……そして世界をバッドエンドにしてくれるのです。よかったですねぇ〜♪」
マジョリーナ「そうかっ! ようやくこれで……」
アカオーニ「俺たちの時代オニッッ!!」
ジョーカー「た、だぁ〜〜しッッ!!」
アカマジョ「!?」
411 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:17:48.64 ID:ABcTus3vO
ジョーカー「我々の邪魔をするうっとうしい方々がいますよねェエ〜? どうもその人たち……『プリキュア』との戦いは良くないらしいですが? んん〜おかしいな〜?」
アカオーニ「ぐ、ぬぬぅ〜……!」ギリギリ
マジョリーナ「痛いところを……!」
ジョーカー「ハイ! そんな困ったあなた方に私から便利なモノをプレゼントしちゃいます! それがコレ……『青っぱな』です」ス……
アカマジョ「青っぱなァア〜〜?」
ジョーカー「これは今までの赤っぱなとは違い、デコルを変化させたモノではありません。つ、ま、り〜〜……プリキュアの技では浄化されないのです!」
マジョリーナ「ほう……そいつは便利だわさ」
アカオーニ「そいつをつかってプリキュアをぶっ潰してやるオニ!」
ジョーカー「あぁ〜ですが、気を付けて下さいねぇン?
青っぱなのアカンベェは確かにプリキュアの技は効きませんが、代わりにパワーとスピードは少〜し劣ります。
そこのところ頼みますよ?」
412 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:18:59.45 ID:ABcTus3vO
ジョーカー「あ、それと……『ウルフルンさん』はどちらにいらっしゃるのですかぁン? さっきから姿が見えませんが」
アカオーニ「ウルフルン? ああ、アイツなら……」
マジョリーナ「部屋に引きこもってるだわさ。だけど、アイツはもうダメだわさ。完全に心がポッキリ!」
ジョーカー「ほほう、それは……なぜそのようなことに?」
アカオーニ「前にプリキュアにボッコボコにされたショックだオニ。まったく情けねーヤツオニ!」
ジョーカー「それはなんと痛ましい! しかし、困りましたね。大切な戦力が減るのはいただけません。……ちょっと『お話』しないといけないかも知れませんねェエ〜?」ニヤァリ
413 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:19:47.94 ID:ABcTus3vO
ウルフルンの部屋
ジョーカー「ウルフルンさーん♪ お元気ですかァア〜? 私です、ジョーカーです!」コンコン
……………
ジョーカー「ん〜……返事がないですね。あー……いいですか? 勝手に入らせてもらいますよ?」シュンッッ
ジョーカー「ハイ、この通り。瞬間移動でぇす!」パッッ
ウルフルン「なッッ!?」
ジョーカー「ダメじゃないですかぁ〜? せっかくみんなで『プリキュア』を倒すための作戦を練っていたというのにッ」
ウルフルン「プ、プ、プリキュア……!?」
ジョーカー「うん?」
414 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:20:57.21 ID:ABcTus3vO
ウルフルン「プリキュア……プリッキュアッッ……!!」ブツブツ
ウルフルン「────きゃぁああああああああッッッッ!?」クワッ
ジョーカー「おやおや、叫ぶほど嫌ですか? 『プリキュア』の名を聴くのが」
ウルフルン「そそそその単語を言うんじゃあねェェ─────ッッ!?」ガタガタ
ジョーカー「そんなに怖がらなくたっていいじゃあないですか。ここに『プリキュア』はいないんですから」スタスタ
ウルフルン「やめろぉぉこっちにくるなああ─────っ!!」ビクビク
415 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:22:08.80 ID:ABcTus3vO
ジョーカー「……はァア〜……これは重症ですねえ、かわいそうに……。ですが、いいのですか? ウルフルンさん」
ジョーカー「あなた、また『昔』に戻りたいのですか?」
ウルフルン「うッッ」ビク
ジョーカー「ピエーロ様はまもなく復活なされます。その時にあなたがそんな様では、はてさてどうお叱りを受けることやら」
ジョーカー「もしかしたら『全て取り上げて』しまうかも……。あなたのだけね」
ウルフルン「ぬ、ぐ……!」
ジョーカー「そうなりたくなかったらキッチリ働いてくださいよ? タダで手に入れられる『安息』なんて……ありえないんですから」
ウルフルン「……」
416 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:23:29.95 ID:ABcTus3vO
ジョーカー「ま! そこまで心が『再起不能』では見込みも薄いでしょう! どうぞ落ち着くまでゆっくりと休んで下さいね〜? ……永遠に」
ウルフルン「待てコラ……」
ジョーカー「はい?」
ウルフルン「プリキュアは怖い。認めたくねーが……あそこまで恐怖したのは事実だからな……死にかけたし……そこは認めるぜ……」
ウルフルン「だけどな! 昔に戻ることのほーがよっぽど『怖えー』ぜッッ! プリキュアなんか目じゃねーくらいにはなァァ────ッッ!!」
ジョーカー「ではぁ、やる気になってくれたんですね?」
ウルフルン「ケェーッ! ここまできたらもうなんだってやってやるぜェェ────ッッ!!」
ジョーカー「それはすばらしいッッ!! ではあなたには特別な『任務』を与えることにしましょう!」
ウルフルン「任務だぁあ〜?」
417 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:25:17.03 ID:ABcTus3vO
ジョーカー「任務は『二つ』。ひとつはメルヘンランドに伝わる伝説の秘宝、なんでも願いを叶えると言われる『ミラクルジュエル』の捜索です」
ウルフルン「ああ〜あれか……そういやそんな話があったな……て、あれはおとぎ話じゃあなかったのかよ」
ジョーカー「いいえ、ミラクルジュエルは確実に存在します。そして、それがプリキュアの手に渡ったらどうなるか……かなり厄介でしょうねえ」
ジョーカー「なんとしてもプリキュアよりも早く私たちが手に入れなくてはなりません。わかりますね?」
418 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:26:26.17 ID:ABcTus3vO
ウルフルン「お、おう。それで、二つ目はなんなんだよ」
ジョーカー「はい、これはある意味ではもっとも重要な任務ですねェエん♪ それに、この任務はあなたにこそふさわしいと思っているのですよ」
ウルフルン「だぁからなんだってんだよ」
ジョーカー「なに、いたってシンプル。────キュアハッピーの『抹殺』です」
ウルフルン「……!!!」
ジョーカー「フフッ♪」
419 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:27:01.32 ID:ABcTus3vO
【Rapsodia】……イタリア語で狂詩曲を意味する
420 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 12:27:43.97 ID:ABcTus3vO
冒頭終わり
続きはおやつの時間に
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/01/24(木) 12:42:32.94 ID:o7J87MM5o
乙乙
422 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:16:04.69 ID:ABcTus3vO
続きを投下します
423 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:16:32.94 ID:ABcTus3vO
わたし、星空みゆきです! 中学二年生、スマイルプリキュアのキュアハッピーやってまーす!
わたしたち5人がプリキュアになってけっこう時間が経ちました。みんなだんだん慣れてきたかな?
そんなある日、わたしたちのところにメルヘンランドの使者、ポップがやって来たの! 色々あって自己紹介が遅れちゃったけど、なんでもプリキュアは何のための存在か伝えにきたみたい。それで、プリキュアっていうのは……
────プリキュアとはッ!
ひとつ 伝説の戦士なり!
ふたつ ロイヤルクイーンの力の欠片であり!
みっつ クイーンを復活させる存在である!
よっつ あらゆる自然現象の能力を兼ね備え
しかも その能力を上回る!
そして その形は川村敏江のデザインのように美しさと可愛らしさを基本形とする。
424 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:17:37.28 ID:ABcTus3vO
みゆき「つまりわたしたちはッ!」
やよい「スーパーヒーローッ!」
みゆき「うんうん、メルヘンランドの女王様を復活させるためのね。それで、デコルをいーっぱい集めなきゃならないんだよねっ」
やよい「伝説の戦士、プリキュアの絵本の主人公がわたしたちで……その絵本のページはまだ途中、白紙! 続きは主人公のわたしたちに託される。……なんか話ができすぎてる気がするー……」
みゆき「そうかな? わたしはぜったい『運命』だと思うなァ〜。この町に来て、キャンディに出会って、一気に物語が進んだんだよ」
やよい「みゆきちゃんはそれが運命だって信じてるの?」
みゆき「うん! こうしてやよいちゃんとも友達になれたのも、あかねちゃんもなおちゃんもれいかちゃんも、みんな『運命に選ばれた』んだと思うの。それってなんだか素敵じゃない?」
425 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:18:15.93 ID:ABcTus3vO
やよい「うーん、よくわからないけど……わたしはみゆきちゃんと友達になれて良かったって思ってるよ」
みゆき「えへへ、わたしもやよいちゃんのことだーいすきっ!」ガバッ
やよい「きゃっ! ふ、ふええ……恥ずかしいよみゆきちゃん……」
みゆき「まあまあ遠慮しないで〜♪ それで、今日は何して遊ぶ〜?」
やよい「え、えと、せっかく不思議図書館に出入りできるようになったから、そこでデッサンでも描こうかなって」
「あ、あの、星空さん!」
みゆき「ん?」クルゥリ
男子生徒「こ、こ、これ、受け取ってください!」つ手紙
みゆき「あ、どうも」ヒョイ
やよい「……」
426 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:19:10.82 ID:ABcTus3vO
男子生徒「そ、それじゃッッ!! 返事お願いしますね!!」ピューン
みゆき「ああ〜……また受け取っちゃったよ。返事書くのってけっこう頭使うんだよねー」
やよい「……みゆきちゃん、それ、今月入って何通目……?」
みゆき「うーん、40……あれ? 50だったかな?」
やよい「す、スゴい……。みゆきちゃんって、かなり男子に人気あるよね……わたし一通ももらったことないよぉ」
みゆき「そうかなぁ、最初はみんな怖がってたみたいな気がしてたけど、最近急にもらうようになったんだよね。ふしぎー」
やよい「不思議だね……(黙ってれば美少女だし、それに……奇妙な魅力……フェロモンってのかな?出てる時があるような……。
ある意味れいかちゃんより人気かも……)」
427 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:20:24.67 ID:ABcTus3vO
やよい「そ、そういえばみゆきちゃん、この七色が丘に『岸辺露伴』先生がいるってウワサがあるんだけど、ほんとかなあ?」
みゆき「へ!? き、岸辺露伴って、あの『超』人気漫画家の……? なんでまたそんなグレートな有名人が……ッッ」
やよい「ウワサだとね、どうも家が火事になったり、破産したり……『色々不幸なことが』重なって……気分転換に旅行してるんだって」
みゆき「でもでも、なんでこの町に? もっと良いところなんていっぱいあると思うけどなあ」
428 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:21:11.41 ID:ABcTus3vO
やよい「……あのねみゆきちゃん、実は露伴先生、この町にある『ウワサ』に興味があるみたいなの」
みゆき「『ウワサ』ァアア〜?」
やよい「突然空が暗くなったり、ピエロのお化けが暴れてる幻覚を何人も見てたり」
やよい「それと戦う5人の女の子の姿を目撃したり……」
みゆき「……それって」
やよい「わたしたちだよ……ねェエエエエ? それに、これってさァアア〜? みゆきちゃんの言う……『運命』だと思うんだッ!! うん」ズイ
みゆき「運命!!」
429 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:21:51.71 ID:ABcTus3vO
やよい「だから今度一緒に会いに行こーよォォォォ!! 一人じゃ怖くて行けないのォォォォ!!」ビエエ
やよい「滞在してる間に1度だけでもいいのッ! 露伴先生と会って握手! サイン!! できれば漫画のアドバイスとかァァ!!」
みゆき「わ、わかった、わかったよやよいちゃん。うん、今度ね? わたしも前から漫画家さんって興味あったからね、一緒に行こ?」
やよい「ありがとみゆきちゃんッッ!!」ダキッ
みゆき「よちよち」
430 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:22:55.51 ID:ABcTus3vO
七色ヶ丘図書館ッ
みゆき「えーと、確か本棚があればどこからも入れるんだったよね。なるべく人が見てないところから入んなきゃね。ついでになんか借りよっかな〜?」
やよい「み、みゆきちゃん、今日は本を借りにきたんじゃなくって」
みゆき「あぁ〜だいじょぶ、だいじょぶだよぉ〜? ただね? せっかく図書館にきたんだからさ、ちょっぴり珍しい本でも、無いかな〜って思っただけだよ……」
やよい「みゆきちゃん、心から本が大好きなんだね……なんだか尊敬しちゃうなあ」
みゆき「ふふ、それほどでもないよ。ただ暇があったらお休みの日はいつもここにいるだけだからね……」
みゆき「……うん?」
ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ
みゆき「なんだろ……こんな本図書館にあったっけ?」スッ
431 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:23:44.40 ID:ABcTus3vO
やよい「あったっけって……も、もしかしてここにある本を全部知ってるの?」
みゆき「そうだよ、ここのコーナーに置いてある本は全部読んじゃったし、何が置いてあるかは大体分かってたはずなんだけど……」
みゆき「なにこれ……『ヤギとオオカミ』の絵……?」
ウルフルン「見つけたぜェエ〜……キュアハッピー……!!」
みゆき「!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ウルフルン「よぉ、久しぶり……だな……」
みゆき「オオカミさん……」
やよい「バ、バッドエンド王国!?」
432 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:25:15.31 ID:ABcTus3vO
ウルフルン「テメーだ」ビシィッ
みゆき「え?」
ウルフルン「テメーに会ってからだ……全部『ケチ』がつきはじめたのはよォォォォ……」
--
ウルフルン『キュアハッピーの抹殺だぁあ〜!? なんであんなのに構うんだよ』
ジョーカー『考えてもみてくださぁい? 彼女がすべての始まりであり、同時に……あなたが今そんな風になっている原因でもある……。そうは考えられませんか? え?』
ウルフルン『!!』
ジョーカー『キュアハッピー……星空みゆきさんがプリキュアになってからの行動は恐ろしく速い……』
433 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:26:07.26 ID:ABcTus3vO
ジョーカー『いち早く仲間を集め、プリキュアチームをまとめ、リーダーシップを取り指示を出して戦う……。あるんですよ、彼女には、あの平凡な顔の裏に隠された……』
ジョーカー『支配者の顔が』
ウルフルン『……』ゴクリ
ジョーカー『思い当たるふしがあるのではないですか〜? 追い詰められた他のプリキュアを……誰が叱咤し、誰が励まし、誰が支えてきたか……。
そう、他ならぬキュアハッピーです』
ジョーカー『チームの精神的柱ほどやっかいなモノはありません。
何度痛め付けても、ああいうムードメーカーを兼ねたリーダーがいると、しつこくチームがよみがえってしまうんですよねェエ〜? ほんと、困った困った!』
434 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:27:22.27 ID:ABcTus3vO
ウルフルン『……ってことはよー、アイツさえぶっ殺しちまえば……』
ジョーカー『はい、柱が崩れればあとはバラバラ♪ プリキュアはおーしまい♪ 我々の勝利でェェーすッ!!』
ウルフルン『……そうか……言われてみりゃあ確かに……』
ウルフルン『そうだよなあァァァァ!?……確かにその通りだぜ、アイツと会ってから……』
ウルフルン『まっったく! 良いことがねえッ!! 1度もだッ!
ムカつくがよォォォォ……やっとわかってきたぜ。……俺にとって、アイツこそがッ!』
ウルフルン『なんとしてでも倒さなきゃあならねえ『宿敵』だってことがなッッ!!』
435 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:29:00.91 ID:ABcTus3vO
--
ウルフルン「テメーを始末すりゃあよ……俺はもう一度返り咲けるんだ……だから……何がなんでもテメーを……」
ウルフルン「ぶっ殺すぜッッ! プリキュアッ!! さあおっ始めようじゃ」ピシィッ
司書「図書館ではお静かにィィッッ!! ……ね。 二度も言わせないでくださいよ?」ガッ
みゆき「……」
やよい「……」
ウルフルン「……お、おっ始めよーじゃあねーかァ〜?」ヒソッ
みゆき「無理しなくてもいいよ?オオカミさん」ヒソッ
やよい「かわいい」ヒソ
ウルフルン「うるせっ! ……ん?」ヒソ
ポゥウウウ……
ウルフルン「なんだあ? そのピカピカ光ってる本は? 珍しいじゃあねーかよおい」
みゆき「え? わ、わ、なにこれ? 本が光ってるッ!?」
436 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:30:26.09 ID:ABcTus3vO
やよい「みゆきちゃん! な、なんか変だよその絵本〜!」
ウルフルン「絵本……まさか……プリキュアに関係が……」
ウルフルン「……まさかッ! その絵本が『アレ』なのかよ!? 『ミラクルジュエル』ってえのはよォォォォ!!」
みゆき「『ミラクルジュエル』……?」
ウルフルン「へ、ちょうどいいじゃあねーかよコラ……テメーを始末するついでにミラクルジュエルまで手に入れちまえばよォォォォ?」
ウルフルン「もう俺の天下だッ! 誰にも文句は言わせねー……ジョーカーであっても黙らせてやるぜ────ッ!!!」ガバァッ
みゆき「いやぁああああああ!?」
やよい「みゆきちゃああああああん!?」
437 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:31:40.37 ID:ABcTus3vO
ウルフルン「オラッ! とっととそれ渡せコラッ!! 放しやがれェェ────ッ!」グイグイ
みゆき「ちょ……ッ!? だ、だめだってば! そんなに引っ張ったら本が破けちゃうよぉ!」グイグイ
やよい「端から見ると子どもが取り合いっこしてるみたいだよ……」ヤヨーン……
ウルフルン「いい加減放しやがれテメェェ……!!」グググ
みゆき「だから引っ張っちゃダメだってば……!!」グググ
つるぅぅんッ!
みゆき「はぅわあっっ!?」ステーン
ウルフルン「ウオワッッあぶねッ!?」ツルーン
やよい「ああッ!? みゆきちゃんがこんなときに出さなくてもいいドジっこ性能を出したッ! これはあざといィィ!!」
みゆき「いや、やよいちゃんに言われたくなああああああああああ!?」
ウルフルン「おおおおおおおっっ!?」
ドシィィン……
438 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:33:17.20 ID:ABcTus3vO
ウルフルン「イテテ……! こ、こらテメー……! だいたいなにもねー所でスッ転んでンじゃあねッ…………ッッッ!?」フニン
ウルフルン「………!!!」
フニン フニン
やよい「みゆきちゃん、だいじょ……!? は、はわわわわわわわ……!?」カァァ
ウルフルン「(こッ……この『感触』はッ! うっすら『ふくらみ』のある柔らかい『感触』はッ!)」フニフニ
ウルフルン「(先っぽにコリコリと弾力のある心地よい感触の『これ』は、まさかァアッッ!!?)」コリコリィ
みゆき「オ、オオカミさん……っ。 んッ」ビク
ウルフルン「うおああああああああ!?」ガバァッ
みゆき「うう……」
ウルフルン「ち、違う! これは俺のせいじゃあねェェェェェェ!! オ、オメーが転んだせいで────」
みゆき「オオカミさん……」
ウルフルン「はッ……!?」
439 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:34:25.83 ID:ABcTus3vO
みゆき「……痛いよ……」グスッ
ウルフルン「──────!?!?!?」ピシャァアアン
この時! ウルフルンの全身を電流が走った!
それは彼が今まで感じたことのない『奇妙な感覚』であった。
まさに『黄金体験』ッ!!
440 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:39:24.54 ID:ABcTus3vO
みゆき「……」ジー
ウルフルン「うお、お、お……な、何みてんだよ……」
みゆき「……じー」
ウルフルン「わ、わかったよ……その、なんだ……わ、わり」
やよい「いい……スゴクいい!! いいラブコメ!!
シチュエーションといい甘酸っぱさといい、こういうの良好! はかどる! ベネ!」シュババババババ
ウルフルン「オメーはスケブにナニ描いてんだァァ────ッッ!?
やめろ描くんじゃねェェ────ッそして忘れろォォォォォ!!」
ビッカァァアア─────ッッ!!
みゆき「うわあっっ!?」
ウルフルン「ウオオ!? な、なんだぁァアア〜!?」
やよい「ほ、本がッ!? 今までよりももっと強い輝きをッ!?」
441 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:40:54.17 ID:ABcTus3vO
ウルみゆ「うきゃあああああああああ!?」ズキューン
……………
………
……
…
やよい「う、うう……なにが起こったの〜……? ねえ、みゆきちゃん……?」
やよい「……あれ?」
ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ
やよい「みゆきちゃん、どこ? あれ、オオカミさんも……」
ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ
442 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:43:05.16 ID:ABcTus3vO
………
……
ウルフルン「…………」
ウルフルン「う、うう……!? 俺は一体……なにが……」ググ
ウルフルン「そうだ……『キュアハッピー』だ……! キュアハッピーのおっぱ……って違う!」
ウルフルン「アレだッミラクルジュエルッ! 何処へ行きゃあがったんだコラッ!?」
ウルフルン「……『何処へ』?」
443 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:43:55.81 ID:ABcTus3vO
ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ
ウルフルン「……こっ……ここはっ!」
ウルフルン「ここは何処だァァァァ────ッッ!!?」
444 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:45:32.77 ID:ABcTus3vO
再び図書館ッ!
やよい「ふ、二人ともどこいっちゃったのォォ〜?」オロオロ
やよい「とつぜん『光』が……ば────ってなって……それで……うう、何がどうなってるのかわかんないよ……」グスッ
キラッ
やよい「うん?」
絵本「」ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ
やよい「みゆきちゃんが持ってた絵本……も、もしかしてこれが原因……!?」
やよい「もし、こ、これが原因なら誰かに……そうだ! ポップに見せればなにかわかるかも……!! は、はやく行かなくちゃッ!」
チョイチョイ
やよい「だれっ!?」
445 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:46:21.16 ID:ABcTus3vO
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
司書「……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
やよい「ひいいっ!?」ビクゥーン
司書「このメスガキが俺をなめてんのかッ!? 何回言わせりゃあ理解できんだコラァ!!」クワッ
司書「ド低脳がァ────ッ!!」グワァアア
やよい「ごごごごめんなさァァ────いッッ!!?」ピューン
446 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:47:19.89 ID:ABcTus3vO
七色ヶ丘市名所そのA
『七色ヶ丘図書館』
行き方:おせーて! おせーてくれよォ!
市内で唯一の図書館
閑静で古風な雰囲気が味
みゆきはひまがあればここに来て絵本を読んだりしている
絵本コーナーだけでなく、古い童話集などのコーナーも充実している
最近、司書が物静かで知性に富むが非常にキレやすい美青年に替わったらしい
447 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 15:48:01.77 ID:ABcTus3vO
いったんここまでです
続きは夜の予定です
448 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:32:17.54 ID:QUHUVAerO
続きを投下します
449 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:33:14.54 ID:QUHUVAerO
その頃、ウルフルン!!
ウルフルン「じょ、冗談……じゃ」ゼェゼェ
ウルフルン「ねェェ────ぞォォォォッッ!!
なんなんだここはァァァァ!? 歩いても歩いても木、木、木ィィィィッッ!!」
ウルフルン「……おいおいおいどーなってやがんだこれはよォォォォ〜? 俺は確かに図書館に居たんだぜ……それがどーしてこんな森ん中に居るんだッ!?」
ウルフルン「やっぱりあの本……『ミラクルジュエル』とは関係ねーのかぁ? でも、あれのせいとしか思えねーが……」
450 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:34:00.97 ID:QUHUVAerO
ウルフルン「……んん? なんだぁありゃ」
ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ
それは! 森にそぐわぬ一軒家!
まるで中世ヨーロッパの童話から飛び出したかのような趣がそこにはあったッ!
ウルフルン「なんでこんな……『森の奥』に家があるんだ……? おかしいぜこりゃあよ」
♪〜♪♪〜……
ウルフルン「誰か出てきやがった……! っておい、アイツ……」
みゆき「わたしは〜♪ おかあさんヤギ〜♪ みんなのやさしいヤギのおかあさん〜♪」ランラン
451 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:34:49.72 ID:QUHUVAerO
ウルフルン「キュアハッピー! アイツもここに……つーかなんだあの格好は? 頭に角が生えてるぜぇぇ〜? ケケケ、まるでヤギだなありゃ」
ウルフルン「……」
ウルフルン「ヤギ?」
ウルフルンは気づいていなかった! 自身の運命が示す避けられぬ出会いを!
これから自分に待ち受ける過酷な試練の始まりを!
452 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:35:35.83 ID:QUHUVAerO
不思議図書館ッッ!
あかね「……で、これがその絵本てわけか? なんや怪しいもん持ってきたなあ」
やよい「うん、スゴい光がこれからバーって光って、気がついたら二人とも……」
なお「これ……もしかしなくてもメルヘンランドのものだよね……。
みゆきちゃんと、バッドエンド王国のオオカミもこれのせいでどっかに行っちゃったんだ」
キャンディ「クル〜……みゆき心配クル〜……」
れいか「問題は、これが一体なんなのか、そしてみゆきさんは無事なのか、です」
キャンディ「れいか……」
453 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:36:31.34 ID:QUHUVAerO
れいか「今、ポップさんがメルヘンランドからこちらに向かっています。なにかわかれば良いのですが……」
あかね「せやな……こればっかりはうちらにはどうにもならへん。こーいうのの専門に調べてもらわんと」
やよい「ポップ……まだかなあ」
ポップ「皆の衆! 待たせたでござる!」
4プリ「ポップ(さん)!!」
ポップ「話は聞かせてもらったでござる。しかし、これはやっかいなことになってしまったでござる……」
あかね「ポップ、みゆきは一体どこに行ってまったん?」
やよい「みゆきちゃんは無事なのッ!?」
454 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:37:18.82 ID:QUHUVAerO
ポップ「落ち着いて。みゆき殿なら無事でござる。そして……みゆき殿はこの中にいるでござるッ!」つ本
なお「ほ、本の……中ッ!?」
れいか「ポップさん、どういうことですか?」
ポップ「これはメルヘンランドに伝わる『はじまりのオオカミと七匹の子ヤギ』でござる」
4プリ「『はじまりのオオカミと七匹の子ヤギ』?」
ポップ「このページを見るでござる」パラッ
みゆき『わたしィィ〜はやさし〜いおかあさん〜♪』ランラン
あかね「み、みゆきやッ!!」
455 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:37:56.09 ID:QUHUVAerO
ポップ「みゆき殿はオオカミと七匹の子ヤギの世界に入り込んでしまったでござる」
れいか「ポップさん、この本は一体……」
ポップ「この本は世界中のオオカミと七匹の子ヤギの本と繋がっていて、その全ての絵本の幸せの源なのでござる。
もし、この本が悪者の手に渡ってしまったら……」
なお「ね、ねえちょっと……これって……もしかして……」
れいか「なお、どうかしましたか?」
やよい「ま、まさか……!?」
456 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:38:39.72 ID:QUHUVAerO
ウルフルン『ここは何処なんだァァァァ────ッ!?』
あかね「オオカミがアイツやァァァ───ッ!?」
ポップ「バッドエンド王国ッ!? まさかもうこの本の結末を変えようとしているでござるか!?」
なお「結末を変えるって……どういうことなのさ?」
ポップ「もしも、このはじまりの本の結末をバッドエンドに変えてしまったら、世界中の全ての『オオカミと七匹の子ヤギ』の結末がバッドエンドになってしまうでござる!」
やよい「そんな、それじゃどうすればバッドエンドにならなくて済むの?」
ポップ「物語の結末通りに話を進められれば問題ないでござるが……バッドエンド王国の者が必ず邪魔をしに来るでござるな」
れいか「それでしたら、やることは決まっていますね」
457 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:39:41.47 ID:QUHUVAerO
あかね「れいか、なんかええ考えでもあるんか?」
れいか「『私たちも物語の世界に行く』……これがベストな判断だと……思います」
やよい「わたしたちもッ!?」
なお「……まあ、みゆきちゃんを放っては置けないからね」
れいか「ポップさん、可能でしょうか?」
ポップ「確かに……皆の衆が一丸となって事に当たれば、バッドエンドから守れるかも知れないでござる」
キャンディ「お兄ちゃん、そうじゃないクル」
ポップ「キャンディ?」
キャンディ「ここにいる皆は『みゆき』が『大好き』で、『心配』なんだクル。キャンディもみゆきが大好きクル。
物語の筋書きはどうしようもないかも知れないけど、みゆきのいのちには替えられないクル!」
ポップ「キャ、キャンディ……そのような立派な考えを……! 兄は嬉しいでござる!!」
458 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:40:50.48 ID:QUHUVAerO
あかね「せやな、何はさておき今はみゆきや! うちらの大切なともだち、はよ助けに行かんと!」
やよい「そうだね! みゆきちゃんには今までいっぱい助けてもらったんだから、今度はわたしたちが助けなきゃ!」
なお「ともだちは助けなきゃッ! 筋を通すなら今だと理解したよ!!」
キャンディ「みんなでみゆきを助けに行くクル〜!!」
れいか「みなさん、少々お待ちを。見てください、どうやら物語に動きがあったようです」
あかね「ん、これは……?」
459 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:41:43.96 ID:QUHUVAerO
……………
………
……
…
ある所にお母さんヤギと七匹の子ヤギが暮らしていました。
ある日、お母さんヤギは街へ出かけることになり、子ヤギたちに「誰が来ても、決してドアを開けてはいけませんよ」と注意して家を出ました。
みゆき「じゃあ、みんな! わたしはこれから街に買い物に行くから、いいこでお留守番しててね♪」
みゆき「あ、後ね、誰が来ても決してドアを開けちゃダメだからね!
悪いオオカミさんが来て、みんな食べられちゃうから!」
みゆき「じゃ、いってきまーす!!」ランラン
ウルフルン「……」コソッ
460 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:42:57.70 ID:QUHUVAerO
ウルフルン「……やっぱり、これってよぉ……アレだよなあ? うん、『アレ』」
ウルフルン「オ、オオカミと七匹の……くっ、お、俺が出る話じゃあねーかッ! 胸くそわりーぜチクショウがッ!」
「ねぇねぇオオカミさん」
ウルフルン「しかも、よりによってッ! アイツが……キュアハッピーがメスヤギだとォ〜? 主役じゃあねーか、ますます気に入らねェェェェぜッ!!!」
「ねぇねぇねぇったら、オオカミさん」
ウルフルン「うるせーぞッ!! 今考え事してんだよおおおおおおああああああああ!?」ビクゥーン
みゆき「えへー♪」
461 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:44:16.67 ID:QUHUVAerO
ウルフルン「ななななんでオメーここにッ! ここに居やがるんだァア!? 街に行ったんじゃあねーのかコラァアッ!?」
みゆき「だってぇ〜、オオカミさんいつまで待っても家に来ないんだもん。ほら、早く『家を訪ねなきゃ』それが『筋書き』だよ?」
ウルフルン「筋書きっておまえ……今、この状況がどんだけおかしいか分かってんのか?」
みゆき「ヤギのおうちに狼がやって来ますが、狼のがらがら声で『お母さんですよ』と言っても子ヤギたちにはすぐに見破られてしまいます」
ウルフルン「おい、オメー話聞けよ」
みゆき「そこで狼は店でチョークを買い、それを食べてがんばって声を変えます。……子ヤギたちを騙すために」
ウルフルン「お、おい」
462 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:45:15.93 ID:QUHUVAerO
みゆき「はい、オオカミさんチョークだよ♪ ちょっと早いけど買ってきたの♪」ス
ウルフルン「なんでオメーがこんなモノをッ!? つーかバカかオメーは!! チョークで声が変わるわけねーだろ!!」
みゆき「」うるうる
ウルフルン「ハッ!?」
みゆき「……オオカミさん、イヤなの……? ダメだよ、悪いオオカミさんは『チョークを食べる』の。筋書き通りに……」うるうる
ウルフルン「いやオメー……でもチョークはさすがによぉぉぉ……」
みゆき「うぅー」うるうる
ウルフルン「……ま、まあどーしてもってゆーならよぉぉぉ……
……食ってやっても……いいぜ……な、なんて」
みゆき「ほんと!?」パアア
ウルフルン「う、うむ」
463 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:46:52.32 ID:QUHUVAerO
みゆき「オオカミさん、ありがとうッ!」ダキィッ
ウルフルン「お、おお、わかったからよ、さっさと寄越せよなオメー」
みゆき「じゃあこれ全部食べてね♪」ジャラジャラ
ウルフルン「ブフォウウッッ!?」
みゆき「一本じゃあ足りないと思って、いっぱい買ってきたんだ〜♪」
ウルフルン「ちょ、待ておま、その量は……ッ」
464 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:47:59.93 ID:QUHUVAerO
みゆき「声を変えるって筋書きは辿らなくっちゃあダメなんだよ……? だって、それが物語なんだもん。
ホラ、『いっぱい買ってきたから』がんばって食べよう? ね?」ジャラジャラ
ウルフルン「」
みゆき「食べようね♪」ニコォ
ウルフルン「」ゾォォ
465 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:48:58.30 ID:QUHUVAerO
ウルフルン「じょ、ジョーダンじゃあねーぜっ!? 付き合いきれるかってんだ!!
第一よく考えたらなんでオメーの言うこと聞かなきゃあならねんだコラァア!?」
ガシィイイイイッッ!!
ウルフルン「ウオオオオオオオオオッ!?」
みゆき「ダメだよ……いっぱい買ってきたんだから……食べなきゃ。ね?
だいじょうぶ、ちょっとガマンすればいいの。すぐ終わるから」グググ
ウルフルン「ムグゥウウオオオオオオ!?(コイツ、変身してもいねーのになんてパワーだ!? ビクともしねェ────ぞ!?)」グググ
466 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:50:30.63 ID:QUHUVAerO
みゆき「はい、アーンして♪ アーン♪ アァァァァァァン♪」グイグイ
ウルフルン「ウグオアアアアやめろオオオオおおおおおお!!! 口を開けるんじゃねェェェェ────ッ!!」グイグイ
グパアアアア
ウルフルン「はがァアああああああ!?」クパー
ジャラジャラジャラジャラァァァァ
ウルフルン「ウグオエエエエッッ!!? オグウフオゥウウ」ジャラジャラ
みゆき「はい、よくかんで食べてね? カーミカーミしようね♪ カーミカーミ、カミカミ♪」グイグイ
ウルフルン「ウゴゲエエエエエエ─────ッッ!!?」バリボリバリ
467 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:51:34.28 ID:QUHUVAerO
みゆき「はい、ごっくん♪ ……ん、良くできました! これで声も良くなるよ、オオカミさん♪」
ウルフルン「ぼへぇえあっっ!? ふ、ふざけんな……声なんて変わるわけ……」ゼェゼェ
みゆき「あれ、おかしいなあ? 声が変わってない……まだ『足りない』のかな」ハテ
ウルフルン「─────」
ウルフルン「……な、なんてこった!? 声がまるで天使のようなソプラノボイスにッ!(夢の国のネズミ風)」
みゆき「わぁあああスゴォオオオオオイッ!! グーだよオオカミさんとってもグー♪」
みゆき「はい、それじゃあ玄関まで行ってきて、おかあさんヤギの真似してね? あ、逃げちゃあダメだからね、逃げちゃ」
ウルフルン「お、おぉぉぉう! 任せとけ。
うん、スゲー任せとけよなァアびしっと決めて来るぜチクショー!(よぉぉぉぉしっ逃げんなら今っきゃねーぜッ!)」スタスタ
468 :
◆S0pw.EDnyA
[saga]:2019/01/24(木) 19:52:21.90 ID:QUHUVAerO
ウルフルン「(まずはコイツからなるべく距離を取ってから、一気にトンズラして……)」スタスタ
みゆき「えへへ♪」スタスタ
ウルフルン「……お、おう、なんでオメーまで一緒に付いてきてんだよ?」
みゆき「オオカミさんがちゃんと筋書き通りにするかどうか見てあげるんだよ?」ウデクミィ
ウルフルン「────」
みゆき「がんばって! オオカミさん♪」ニコォ
ウルフルン「……へ、へへへ」
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