星空みゆき「とうおるるるる……るんるん♪」

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269 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:16:15.16 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「サニーはわたしと来て。ピースはマーチの援護をしながら戦って!」

サニー「おっしゃ、まかせとき!」

ピース「マーチ、こっちに!」

マーチ「あ、ありがと……」

マジョリーナ「ケェーッ!! そんな付け焼き刃のチームプレイで倒せるほど甘くはないだわさ! アカンベェ、こっちのチームプレイを見せつけるだわさ!」

アカンベェ×7「アカンベェ〜!!」

ハピサニ「ウォオオオオオッッ!!」ゴォオウアッ


270 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:17:14.25 ID:0jLUWhvzO


ハピサニ「プリキュア! ダブルパーンチッ!!」グオゥウッ


アカンベェ1「べっ」パッシィア

サニー「アホな、弾かれたッ!?」

ハッピー「サニー、あぶない後ろッ!」

サニー「へっ……!? っとぉおお!?」ガッシィイ

アカンベェ2「ベベベベ」グググ

サニー「ぐ……コイツら、パワーもスピードもみんなまったく同じや。それが後七体もおるんかッ!」グググ

アカンベェ3&4「アカンベェ〜!!」グワァアッ

サニー「あかん、二体同時やてッ!?」

ハッピー「プリキュアキーッックッ!!」グワキィイッ

アカンベェ3&4「ベッッッ!?」ズヒュゥウン

ハッピー「サニー! 大丈夫ッ!?」

サニー「お、おーきに。って、言うとる場合やあらへんみたいやな……」

アカンベェ×5「アカンベェ〜……」ジリジリ

271 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:18:08.13 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「ご、五体同時はァア〜……ちょっと厳しいね〜……。それにピースたちも……」チラ

アカンベェ×2「アカンベェ〜!」ズドドド

ピース「うわわわわっ」ササッ

マーチ「くっ……上手く動けない……ッ!」

サニー「ぼ、防戦一方やな……。これ、ちょっとまずいんやないか?」


マジョリーナ「わははははッ!! どうだこれが数の力だわさッ! しかもすべてのアカンベェが同じ力を持っているッ!! 昨日今日で結成されたチームじゃ絶対勝てないだわさ!」


マジョリーナ「これが『戦法』だわさ。あたしゃウルフルンやアカオーニのようなマヌケとは違うと言うことがよくわかっただろう!?」

ハッピー「くう、せめてホンモノさえわかればッ!」

マジョリーナ「今度はこっちのばんだわさ。アカンベェ、包囲網を作って一気に攻撃だわさッ!」

アカンベェ×7「アカンベェ〜!!」グォオン

マーチ「囲まれたッ!! ま、まずいィイッ!?」

272 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:19:05.60 ID:0jLUWhvzO

マジョリーナ「こいつで止めだッ! バッドエナジー・ミラージュ・キャノン─────ッッ!!!」クワッ


アカンベェ×7「アッカンベェェェェェェッッッッ!!!」ドッギャオオオン


4プリ「きゃあああああっっっ!!!」ドッグォオオオ


ドササァアア─────ッッ


4プリ「……」グタァアッッ

キャンディ「プ、プリキュアァァ─────ッッ!!」

マジョリーナ「ケェーッ! 他愛ないだわさ。ウルフルンもアカオーニも、なんでこんなやつらに苦戦したのか理解できないだわさッ!」

ハッピー「う、ううっ……つ、つよい……。技もコンビネーションもあっちの方が上……。どうすればいいの……?」グググ

マジョリーナ「……ん? これはなんだわさ?」

ハッピー「!!」

ハッピー「あ……あれは……白雪姫のキャラ札……」

273 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:20:52.47 ID:0jLUWhvzO

マジョリーナ「くだらない、こんなものなんの意味があるだわさッッ!」グワッ

ハッピー「うあ……や、やめて、それは、それはみんなで作ったッッ!」

マジョリーナ「こんなものこうしてやるだわさ─────ッ!!」グッシャァァーーッ




ハッピー「──────!!!!」




プツゥゥ─────ン




274 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:21:46.00 ID:0jLUWhvzO

れいか「……っ」ゾクッ

れいか「う、うう……わたしは……今まで何を……いえ、それよりも」

れいか「(今、肌で感じた……とてつもなく嫌な空気は……いったい、何だったのでしょうか)」

れいか「(そう……『吐き気を催す』ような、邪悪で、おぞましい感覚は……?)」

れいか「あ……そうです、みなさんは、星空さんたちは無事でしょうか……。……星空さんッ! みなさんッ! 大丈夫ですか!?」

れいか「星空さっ……!?」


ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ


ハッピー「……」ユラァァー


れいか「う、あっ」ガクガクガクガク


275 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:23:09.07 ID:0jLUWhvzO

マジョリーナ「なんだおまえ、まだ立つつもりだわさ? たった一人で何ができるだわさッ!」

ハッピー「……」

ハッピー「…………けろ」

マジョリーナ「……ああ〜ん? なんつっただわさ?」



ハッピー「その汚ならしい足をッ! 『退けろ』っつったんだァァァァァッこのボゲがァァァァァァ──────ッッ!!」



マジョリーナ「ひえっ!?」

れいか「あ、あの桃色の方は……もしかして」

れいか「ほ、星空さん……なのですか? そ、それではまさか……プリキュアというのは、あの姿のことなのでは……?」

276 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:24:09.58 ID:0jLUWhvzO



ハッピー「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」ガバッ



ハッピー「『また』だ……『また』……愚にもつかないクソッタレのアホが……わたしのッ! わたしだけの『世界』を壊そうとするッ!」ガクガクガクガク

ハッピー「わたしの『永遠の絶頂』を脅かすッ! どいつもこいつもッ……この世は……アホだらけなのかァ〜〜〜〜〜〜!?」ミシ……ギギ……

れいか「ほ、星空、さん……」


『いーのいーの! こんな楽しいこと中止にしちゃあもったいないよ』

『みんなで明日来るこどもたちををウルトラハッピーにしなくっちゃあねッ!』ハッピー


れいか「あれが、星空さん……?」

277 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:25:42.82 ID:0jLUWhvzO

マジョリーナ「な、なんだコイツ……さっきと様子が……」

ハッピー「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」グリンッ

マジョリーナ「むっ」

マジョリーナ「(コイツ……よく見ると、『目』や『体』が……)」



ハッピー「……」顔を片手で押さえている



ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ

ハッピー?「落ち着けみゆき……キレるな……落ち着いて、敵を倒せ……冷静さを失えば、それは敗北に繋がるぞ……」グリンッ



れいか「……!?」



278 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:26:54.44 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「ボス? ……でも、でも……アイツが! アイツがみんなのハッピーをッ! 台無しにしたんだよっ! ……許せるはずがないッ!!」クルンッ

れいか「一人言……? 『ボス』とは……」

キャンディ「ハッピーがボスと話してるクル〜。しかも、電話もなしで……」

ハッピー?「だから……頭を冷やせと言っている。……わたしの言うことを聞いて、冷静さを取り戻すのだ。」グリンッ

ハッピー?「冷静になれば……『私たち』は無敵だ。……負けることなどありえない。……な? だから落ち着くのだ」ギギ……

ハッピー「……うっ……うっうっ……ボス……」グス

ハッピー?「ああ、わたしのみゆき……泣いてしまって、可哀想に。ほら、安心しろ。みゆきには『わたしがついている』なにも怖がることはない……」

279 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:28:38.92 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「ボス……ごめんなさい……わたし……ちこっとアタマに血が上っちゃったよ……」グスグス

ハッピー?「よしよし……さあ、立ち上がるんだみゆき。『エピタフ』と『右腕』は与えた……そして『5人目』はすぐ近くにいる……」グギギッ

ハッピー?「協力して奴等を『始末』しろ。……速やかに……」ギギィッ

ハッピー「─────一片の澱みもなく」スッ

ハッピー「……」ギンッ

れいか「(星空さんから溢れて出ていたおぞましい空気が、止まった……?)」

ハッピー「青木さん、気がついたんだね」

れいか「あ……星空さん……」

ハッピー「えへ、よかった……元に戻れて……。……もう安心していいよ」


ハッピー「わたしが『戦う』から。戦って……敵を『始末』するから」


ハッピー「『幸福』を奪う者を……わたしは、許さない」


280 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:30:44.58 ID:0jLUWhvzO

れいか「……」

れいか「いいえ、あなただけを戦わせる訳にはいきません」

ハッピー「えっ?」

れいか「詳しい事情はわかりませんが……わたしも『戦い』ます。……自棄になった訳ではありませんよ? ただ、あの方がたの狼藉を見過ごせないと思っただけです」

れいか「この七色ヶ丘中学校生徒会副会長として。……いえ、わたし青木れいか自身として、『許せない』と心が叫んでいる!」

れいか「だからわたしも……『プリキュア』として、星空さん、あなたの戦いに加勢しますッ!」


ビッカァァ─────ッッ!!


れいか「この光は……!」

マジョリーナ「青い閃光ッ! ……ま、まさかあの小娘がッ!?」

キャンディ「5人目のプリキュアクル〜!」

281 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:31:31.32 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「……そっか……やっぱり青木さんがそうだったんだね」

れいか「星空さん……」

ハッピー「スマイルパクトに……デコルを入れて、こう叫んで! プリキュア! スマイルチャージって!」

れいか「……わかりましたッ!」

マジョリーナ「そ、そうはさせるかッ! これ以上プリキュアを増やしてなるものかァァァァァッッ!!」

バグォオンッッ!!

アカンベェ「べェフッ!?」メシャアッ

マジョリーナ「なにっ!?」

ハッピー「エピタフの予知に間違いはない……このタイミングで邪魔が入ることも」

ハッピー「予知できた……もう邪魔は入らない。運命は私たちの味方だよッ!」

282 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:32:12.18 ID:0jLUWhvzO



れいか「プリキュア! スマイルチャージッ!」レディー!!


省略ゥゥ!!


ビューティ「しんしんと降り積もる清き心……キュアビューティッ!」シャラァァンッ


キャンディ「や、やったクル……プリキュアが、プリキュアがついに5人揃ったクル〜!」


ハッピー「キュアビューティ……行くよッ!」

ビューティ「ハッピー……ええ、任せて下さい!」コク


283 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:33:27.39 ID:0jLUWhvzO


推奨BGM:King Crimson 『Red』


キャンディ「ビューティ! キュアビューティのちからは『氷』クル〜!」

ビューティ「氷……理解しましたッ!」


『右腕の力は絶大だ……しかも我々以外には絶対に見えない。そのアドバンテージを活かせ』


ハッピー「了解、ボス……ハァアッッッ!!!」グォン

マジョリーナ「ばかめ、必殺技でもないそんなパンチ恐るるに足らないだわさ!」

ドッグァオッッ!!

アカンベェ3「ベッッッ!?」パリン

マジョリーナ「なにィィィィィ!?」

ハッピー「過小評価しすぎだよ……ボスのパワーはプリキュアに匹敵する」

ハッピー「そして問題なく、十秒後を予知する……『わたしの所に残りのアカンベェが来る』」

284 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:34:26.61 ID:0jLUWhvzO

マジョリーナ「キュアハッピーを先に倒せッ! ただのパンチであの威力は無視できないだわさッ!」


アカンベェ×6「アカンベェェェェェェェェ!!!」


ハッピー「だからわたしたちの『勝利』だ」



ピキィィイイイイン……!!



アカンベェ×6「アカッッッッ!?」バッシィイイイ



マジョリーナ「なああっ!? これはッ! ……氷の壁がッ! キュアハッピーの周囲に展開されて、防御しているだわさッ!?」

マジョリーナ「氷……まさかッ!」


285 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:35:43.43 ID:0jLUWhvzO

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ビューティ「しんしんと、静かに泣く(ジェントリー・ウェイブス)……。すでに氷の壁を作りました。ハッピーを攻撃することは『不可能』です」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ハッピー「たった数秒の間にこれほどの技を生み出すなんて……思った通り、キュアビューティは『賢い』ね」

マジョリーナ「アカンベェ! 一旦距離を取るだわさッ!」


ピキキキキキキ……


アカンベェ×6「べ……!!!」ピキキィィン


マジョリーナ「なァァァァァッッ!!?」

ビューティ「そして『逃がしません』。その氷があなた方の『墓標』となり……」

マジョリーナ「こッこッッッ小娘がァァァァァ!!!」

ハッピー「このわたしが『墓碑銘』を刻むッ!」


286 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:37:20.48 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「ウルトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ!!!」ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ


ハッピー「トラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ!!!」ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ

287 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:38:17.45 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「トラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ!!!」ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン


ハッピー「HAPPUPPUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU─────ッッ!!!」ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ

288 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:38:52.52 ID:0jLUWhvzO


ハッピー「ウル トラ トラ トラ トラ トラ トラ トラ トラ トラ トラ トラ !!!」ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

289 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:39:44.02 ID:0jLUWhvzO


ハッピー「トラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラトラ!!!」ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

アカンベェ「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!!」

290 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:42:14.99 ID:0jLUWhvzO

ハッピー「HAPPYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYEAHHHHHHHHHHHHHHHH─────ァアアアアアッッッ!!!」ドッッグァオォォーーーーン

ハッピー「……」クルッ


ズヒュゥゥゥゥン……


ゴミ収集車『燃えるゴミは月・水・金』


─────ドグシャァアッ!!!


ハッピー「……しまった」

ビューティ「ハッピー、どうかしましたか?」

ハッピー「『鏡』は『燃えないゴミ』だったよ……」

ビューティ「あら……」



………
……
291 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:44:04.13 ID:0jLUWhvzO

れいか『こうして、白雪姫は王子さまと末長く、幸せに暮らしました……。めでたしめでたし』


ワァアアアアア……!!!


みゆき「よかった、大成功だね♪」

なお「みんな、喜んでくれたみたい」

れいか「みなさーん!!」タタタ

みゆき「あ、青木さん!」

れいか「今日は本当にありがとうございました。……あの、わたし……」

れいか「一度お断りしてしまったんですけど、良かったら……皆さんのお仲間に入れてもらえないでしょうか?」

みゆき「……!!」パァア

292 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:45:26.93 ID:0jLUWhvzO

みゆき「大歓迎だよ! もう青木さんでなきゃありえないって思ってたもん!」

れいか「わたしでいいんですか?」

みゆき「うん! だってわたし、青木さんのこと……れいかちゃんの事、大好きなんだもん!」

あかね「これでプリキュアも5人揃ったってわけやな」

やよい「れいかちゃん、いっしょにがんばろうね♪」

なお「れいか、色々頼みにしてるよ!」

れいか「みゆきさん、……みなさんッ!!」


れいか「……よろしくお願いします♪」ニッコリ


293 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:48:15.85 ID:0jLUWhvzO

れいか「(……みゆきさん、あなたにも複雑な事情があるのでしょうが、今はまだわたしからは聞きません……)」

れいか「(あなた自身から話してくれるまで……わたしは待ちます。もし、その時が来たら……)」

れいか「(わたしは、あなたの力になってあげたい。……そう、友達として)」

れいか「(あなたを、助けてあげたい)」



バ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ン




294 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:52:45.09 ID:0jLUWhvzO

ついにッ5つの光が引力によって集い、輝きはじめることとなったッ!

しかし、その光が進む未来は、本来歩むべく未来とはまったく違うモノとなるッ!

『エピタフ』! 『星空みゆき』!!

『ジョーカー』! 『皇帝ピエーロ』!

暗躍する『深紅の帝王』!!!

そして『幸福』の鍵となる『ミラクルジュエル』!!!

『物語の運命』は複雑に絡み合い、新たなステージへと『進化』するッ!



『第1部 5つの光  完』




←TO BE CONTINUED……////
295 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:54:29.18 ID:0jLUWhvzO



緊 急 特 報




プリキュア15周年ッ! 

新たなる時代の幕開けにッ!

ついにッ!

プリキュア史上最大の『タブー』が破られるッ!




296 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:56:13.43 ID:0jLUWhvzO

なぎさ「ねぇ、ほのか〜」

ほのか「なぎさ、どうしたの?」

なぎさ「前から気になってたことがあったんだけどさ」

ほのか「うん」

なぎさ「わたしたちって、結局……『どっちが強い』のかな?」

ほのか「……!!」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

 All
プリキュア Star
Battle
   『引力のともだち』

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


297 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:57:38.67 ID:0jLUWhvzO

「ハーイ! テレビの前のみんな!元気してる?」

「……あれ、みんな『誰だ』って聞きたそうな表情してるわね。それじゃ、自己紹介してあげるわ!」


「わたしはおせっかい焼きの知念ミユキ! かつてプリキュアにもっとも近い存在と言われた女よ!」バァアーン


ミユキ「プリキュアどうしの戦いに参加するラブたちが心配で着いてきたの!」

ミユキ「……反応が薄いわね」

ミユキ「まあ、『フレッシュプリキュア!』も来年で10周年だし……知らないって人がいてもおかしくないし……時の流れの速さを感じるわ……」

ミユキ「って、そんなことどうでもいいの! 今度のプリキュアのテーマはなんと『みんなの中から一番決めちゃおう』なんだって!」

ミユキ「簡単に言えば『プリキュアvsプリキュア』ッッ! 史上2度目の試みッ!!」バァアーン

ミユキ「正直、誰が一番強いのかって、みんな気になってたんじゃあないの? プリキュアももう50人以上いるんだもの、気にならないっていったら嘘になるわねっ!」

ミユキ「それじゃあ、今回出場するプリキュアを少し紹介するわッ! みんなの知ってるプリキュアは出てくるかな? それじゃあ行くわよ!」


伝説の戦士たちッ!!! 入場ゥゥゥ〜!!


298 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:58:18.19 ID:0jLUWhvzO

わたしの青春はほのかとの青春! 今、その青春に決着をつけるッ!

『キュアブラック/美墨なぎさ』参戦ッ!
おうちに帰りたくなかったら、帰りつかしてやるよッ!



あなたは、今まで食べたパンの数を覚えているナリ?

『キュアブルーム/日向咲』参戦ッ!
わたしはプリキュアをやめるぞーッ! 『先輩(キュアブラック)』! わたしはプリキュアを超越するッ! 先輩、あなたの血でなァー!


299 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:58:53.68 ID:0jLUWhvzO


二人ともぶん殴るつもりだったんだよ。わたし頭わるいからさぁ〜ッ!

『キュアドリーム/夢原のぞみ』参戦ッ!
あなたは、このキュアドリームが仕留めるっ!
とらえたよッ! ダボがァァァァァァ!!


『しあわせゲットだよ!』と心の中で思ったならッ! そのとき既にしあわせは手にいれてるんだよ!

『キュアピーチ/桃園ラブ』参戦ッ!
わたしたち『クローバー』 はそこらで慰めあってる仲良しチームとはちがうッ!


300 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:59:23.39 ID:0jLUWhvzO


あなたの敗因はたったひとつ。たったひとつのシンプルな答え……わたしの『堪忍袋の緒がキレた』です

『キュアブロッサム/花咲つぼみ』参戦ッ!
ぶちかましますッ! おしりパンチッ!


301 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 02:59:52.42 ID:0jLUWhvzO

ミユキ「ま、有名どころを紹介しても知ってて当然って感じよねー」

ミユキ「でも、今回はもっとスゴいわよ! ついに『彼女たち』が『帰ってくる』のっ!」



返り咲く『悪の華』たちッ!



302 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 03:00:25.09 ID:0jLUWhvzO

わたしってさぁ〜〜
やっぱりかっこよくって、美しいよねェエ〜!

『ダークドリーム』参戦ッ!
喜んで『鏡』になるわ。もう一度貴女のために


教祖(メビウス)様復活よォォォォォォォォ!!

『イース/東せつな』 参戦ッ!
毎日の健康の秘訣? そうね、睡眠8時間半と毎朝1杯の(以下略


303 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 03:01:34.54 ID:0jLUWhvzO


万雷の拍手を送れ世の中のボケども!

『セイレーン/黒川エレン』 参戦ッ!
わたしは『反省』すると強いわよ─────ッッッ!!


だがそれが逆にカナタ王子の妹の逆鱗に触れた!

『トワイライト/赤城トワ』 参戦ッ!
当然! 『ヴァイオリン』ですわッ!
祖先から受け継ぐ『ヴァイオリン』ッ! それが流儀ィィッ!


304 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 03:02:03.16 ID:0jLUWhvzO


プリキュアとの戦いで木っ端微塵に爆裂死したはずのルールーがわたしの目の前にいるッ! ウィンウィン

『ルールー・アムール』 参戦ッ!
おのれらッ! プリキュア! このルールーとクライアス社が相手です!


305 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 03:02:53.64 ID:0jLUWhvzO

ミユキ「とまあこんな感じで、総勢50名以上にも及ぶキャラが登場する超豪華な仕上がりになってるわッ! こりゃあ買うっきゃないでしょ!」

ミユキ「え、わたし? わたしはプリキュアに対する永遠の奉仕者。知念ミユキはクールに去るわ……それじゃあまたねッ!」


フォーチュン「お姉ちゃんのぶんだァァァァァァッッ!! これも!これも!これも!これも!これも!」ズドドドドドド

パルフェ「これで今夜もくつろいで『熟睡』できるわね……」

マジカル「ルビースタイルは許さない。『ダメよ』」

マカロン「ええ、もちろんウソよ。でも『マヌケ』は見つかったようね?」

スピードワゴン「アルティミット・プリキュア パルテノンハートの誕生だァァ─────ッッ!!」

フローラ「このヘアースタイルがヒヤシンスみてーだと!?」

フラワー「無用! たかが十数年しか生きていない小娘に労られるほどヤワな人生は送っていない!」

エース「ようこそ……『プリキュアの世界』へ……」

メロディ「リズムッ! 明日って『今』だよッ!」

エコー「愛は『無敵』ですもの……!」


306 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 03:03:38.11 ID:0jLUWhvzO










とうおるるるるるるるるるるるるるるるるる…………ガチャ










コツーン…… コツーン……



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨









これは……『試練』だ…… 

過去に打ち勝てという『試練』と

わたしは受け取った……



307 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 03:05:31.14 ID:0jLUWhvzO




タブーの果てにあるものはッ! ドンッ

引力に惹かれあったッ! ドンッ

永遠のともだちッ!! ドンッ



プリキュア All Star Battle 『引力のともだち』



2019年 発売ィィ─────ッッ!!



そこにしびれるあこがれるゥ!!



308 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/04(火) 03:06:38.08 ID:0jLUWhvzO
今回の投下は以上です。
第1部 完ッ! です
これからもよろしくお願いしますッ!
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 07:07:54.78 ID:t/mO2YvJo
クソワロタ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 08:38:12.82 ID:19ozL6AeO

ついに5人そろってここから本格的に始まっていくのか・・・
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 20:34:27.56 ID:XUYGyJZY0

ボスちょっぴり過保護すぎじゃ
312 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:00:56.38 ID:IG7f/l2YO
そろそろ投下します
313 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:43:41.71 ID:IG7f/l2YO
チュン…チュン チチチ……


カチッ


ナナ♪ イロ♪ イロ♪ イロ♪
ナナイロ ガオカ レ〜ディオ〜♪

『あなたの隣人、ジョー岡田の七色ヶ丘レディオ。さて、ラジオネームうさぎショートケーキさんから……』

トントントントントントン……

カシッ カチャッ

……ジュゥゥゥゥゥ……

ジャッジャッ…ジュゥゥゥ……

…………

うむ……我ながら今日もいい出来だ……これなら彼女も満足するだろう。

314 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:44:14.07 ID:IG7f/l2YO

……こんな風に……自ら食事を作るようになって、どれだけの時が経過しただろうか。

わたしが毎朝毎晩『そうしている』ことに彼女は気づいてはいない。それはこれからも変わらないだろう。

彼女が知る必要もない。


…………


……人は自分の心の底を他人に隠したまま生活している……。
しかし、永遠に誰にも自分の本性を隠したまま一生を過ごせるものだろうか……

時々その不安に駆られる自分がいる。しかし、それでもわたしは幸福に生きてみせるぞ

わたしの幸福は誰にも邪魔をさせない……誰にも


315 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:44:52.62 ID:IG7f/l2YO


【Cuoco】……イタリア語で料理人を意味する


316 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:45:43.73 ID:IG7f/l2YO

やよい「プリキュアも5人になってこれからーって時だから」

やよい「みんなでお祝いしよ〜って話になったのはわかるよ? で、でも……」

あかね「どしたん? トニオが張り切ってイタリアンのコースをごちそうしてくれるんやで! 本場のイタリアンなんて滅多に食べれんからなー。めっちゃ楽しみや!」

やよい「うう、フルコースなんてはじめてだから緊張してきたよぉ……」

あかね「だいじょうぶや。トニオの専門は家庭料理やからそんなに肩肘張らんでもええって」

やよい「う、うん」

あかね「ほら、それよりもうすぐ着くで……えーと、ここ……か……?」

317 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:47:06.77 ID:IG7f/l2YO


ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ

『星空』

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ


318 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:48:06.13 ID:IG7f/l2YO

あかね「……」

やよい「ここがみゆきちゃんち……」

やよい「あ、あかねちゃんっ な、なんだか……その……言いにくいんだけど……」

あかね「お、おお……なんやえらい気合い入っとるっちゅうか……」

あかね「『スゴ味』が半端ないやん……」

やよい「得体の知れないオーラが漂ってるよう……」

あかね「ほんとにここがみゆきんちなん? キャンディも居候しとるって聞いてるけど」

やよい「と、とにかく呼び鈴押してみよ……?」

あかね「せやな……ほんじゃ行くでッ!」スッ


カチャッ……


あかね「ふぁッ!!?」

やよい「ド、ドアが開いて……!?」

319 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:49:48.60 ID:IG7f/l2YO



「…………」



あかね「(女の人……? めっちゃ美人や)あ、あのォ〜……星空みゆきちゃんの家はここで合ってますか?」

やよい「わ、わたしたち、みゆきちゃんのともだちなんです。今日は一緒に遊ぶ約束をしてて……(みゆきちゃんのおかあさんかな。ママより美人かも……)」


「……そうですか……みゆきの……『お友だち』でしたか……」ニコ…

「すぐに……呼んできますね……もう少しここで待っててください……」


ガチャ……



あかね「……び、びっくりしたわァァ〜……」

やよい「あの人、やっぱりみゆきちゃんのおかあさんだよね……。うん、あの『スゴ味』はまちがいないよ」

320 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:51:58.37 ID:IG7f/l2YO

ドタドタドタ

みゆき「おはよー! ふたりとも待たせちゃった?」バァーン

あかね「お、来た来た!」

キャンディ「キャンディもいっしょクル〜♪」ピョーン

やよい「えへへ、おはようキャンディ♪」

あかね「そんじゃ、みんな待ち合わせ場所に行くで〜ッ!」


……
…………
321 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:53:01.58 ID:IG7f/l2YO

みゆき「イタリアン〜♪ イタリアン〜♪ ナポリタン〜は嘘の味〜♪」

あかね「なんやその歌」

みゆき「んふふ〜♪ だってだって、本格的なイタリア料理が食べられるんだよォ? しかもッ! 『タダ』でッ!」

みゆき「もう期待と希望でお腹がムンムンペコペコォォ〜ッだよォ〜♪」

やよい「みゆきちゃん、ほんと楽しみにしてたんだね」

あかね「なおなんてこの日のために朝ごはん我慢したってゆうてたしな……あ、うわさしてれば……」

なお「おーい!」ブンブン

れいか「みなさん、おはようございます」

みゆき「なおちゃん、れいかちゃん! ぃよーしこれで5人そろったね♪ それじゃみんなであかねちゃんちにしゅっぱーつッ!!」ドドド

なお「あ、コラコラそんな急いでると……」

みゆき「あうっ!!」コケッ

322 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:53:47.53 ID:IG7f/l2YO


「プリキュアは……キャンディの気配はこっちから来てるでござる!」

「待っているでござるよキャンディ……兄がすぐに向かうでござる!」


323 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:54:40.46 ID:IG7f/l2YO

日野家ッ!



トニオ「いらっしゃいませ〜! 本日はようこそお出で下さいました」バァアーン

トニオ「今日はワタクシ、トニオ・トラサルディーが、日頃の感謝を込めて皆様に料理を振る舞いたいと思いまス。どうぞ、堪能していってくだサイ」

やよい「おお……本物のイタリア人ッ!」

あかね「へへ〜♪ どや、おどろいたやろ?」

れいか「こちらこそお招きいただきありがとうございます」ペコォ

トニオ「いえいえ、あかねお嬢さんのご友人にならばいくらでも腕をふるって差し上げますよ」

なお「やったッ! ううーん、よだれが出てきたよ……!」

れいか「なお、はしたないですよ?」

トニオ「まずは席にご案内します。それでは……」


324 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:55:30.94 ID:IG7f/l2YO


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

トニオ「料理を始めましょうか」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


325 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:56:20.81 ID:IG7f/l2YO

バッドエンド王国ッ!



ウルフルン「なんだかよォォ〜……知らない間にプリキュアの数がよ……また『増えて』いる気がするんだけどよォォ〜?」ピッ

ウルフルン「こいつは気のせいじゃあねェェェェよなァァァァ〜? え? マジョリーナのばあさんよォォォォ〜? あ、それダウトな」

アカオーニ「なにィィィィ!? ま、また……。はっ、さてはおまえイカサマしたオニ!?」

マジョリーナ「ぐっ、ぐぬぬぬ……!!」ギリギリ

ウルフルン「はァァァァ!? なんだあそりゃあ!! おめーがよわっちいのがわりーんじゃねーかッ!」

アカオーニ「俺様はよわっちくないオニ!! よーし、今度は『ババ』抜きで勝負オニ!」

ウルフルン「ウルッフッフッフ!! おもしれーなオイ。いいぜ、次は『ババ』抜きでケリつけたらー」

326 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:57:27.08 ID:IG7f/l2YO

マジョリーナ「さっきから『ババ』抜き『ババ』抜きうるっさいんだわさ! このスカタンども!」

アカオーニ「誰がスカタンオニ! おまえも大口叩いといてプリキュアに負けてるオニ!」

ウルフルン「そうだぞー? 負け犬が何吠えてもむなしいだけだぜェ〜?」

マジョリーナ「犬はてめーだろうがこのボケが……」ボソッ

ウルフルン「聞こえてんぞババァァァァ─────ッッ!! 俺は犬じゃねェェェェ!!」

「はーい、みなさんお悩みのようですねェ〜?」

三人「!?」


327 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:57:57.07 ID:IG7f/l2YO


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ジョーカー「はい! みなさんごきげんよう♪」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


三人「ジョーカーッッッ!!!」


328 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:58:57.66 ID:IG7f/l2YO

ジョーカー「水臭いな〜? 私も作戦会議に混ぜてくださいよォォん?」

ウルフルン「ケェーッ!! てめーなんぞ参加しなくたってな……『答え』は出てんだよッ!」

ウルフルン「人間たちの世界をバッドエンドにしッ!」

アカオーニ「人間たちからバッドエナジーを搾り取りッ!」

マジョリーナ「皇帝ピエーロ様を復活させるッ!」

ジョーカー「グッド! みなさんよーくわかってらっしゃる……そんなみなさんに朗報がッ! プリキュアは5人しかいないんですって!」

ウルフルン「ふーん……意外とすくねーじゃねーの。ま、何人来ようが再起不能にしてやるぜっ」

329 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 20:59:42.95 ID:IG7f/l2YO

ジョーカー「うんうんその意気です。……ですから、理解ってるとは思いますが」

ジョーカー「あーんまり時間をかけないでくださいねェん? ピエーロ様が怒っちゃいますからね〜……」

三人「……!」

ジョーカー「早急に『始末』してください。……頼みましたよォォ〜?」ポワワン

ウルフルン「……ケッ」

アカオーニ「どうやらチンタラやってる時間はねーみたいだオニ」

マジョリーナ「早くプリキュアどもを『始末』しなければッ!」

ウルフルン「上ォォォ等だコラァァァァ!! だったら今度は俺が出てってプリキュアを始末してやるぜェ─────ッ!」

330 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:00:16.13 ID:IG7f/l2YO


だが、この瞬間の選択を彼は激しく後悔することになるッ!


331 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:01:55.53 ID:IG7f/l2YO
場所は変わり、再び日野家ッ!


トニオ「まずはアペリティーヴォ(お飲み物)……『無糖炭酸水』です」


【アペリティーヴォ】
『無糖炭酸水』

イタリアでは通常どこのレストランでもガス入りのアクア・ミネラレ(ミネラルウォーター)が置いてある。ガス入りとガス抜きは客の好みで変えることができる。


332 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:03:36.43 ID:IG7f/l2YO

みゆき「おおー……普通のお水じゃなくて、炭酸水なんだ」

トニオ「最近は日本でも無糖の炭酸水の需要が増えていますが、イタリアやフランスでは昔から種類が多く、レストランの飲み物として親しまれています。スッキリしていておいしいですよ?」

トニオ「それでは、ごゆっくりどうぞ……わたしは次の料理を持ってきます」スタスタ

やよい「へぇ〜、しらなかったよ……。そ、それじゃあいただきますッ!」グィィー

やよい「……あっ……。!!………」ピクッ

なお「こ、この水……おいしい!」ゴクゴク

333 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:04:22.66 ID:IG7f/l2YO

みゆき「え……?」ゴクリ

みゆき「!!」ピキィィィン

みゆき「スッキリとした水の味と爽やかなのど越しッ! い、いままで飲んだどのミネラルウォーターよりもおいしいよッ!」ゴクゴク

あかね「炭酸の粒の一つ一つが弾けるたび口の中に訪れる爽快感! こんな……水がこんなうまいなんてッ!」ゴクゴク

れいか「これは……ここまではっきりと『水』の味を感じたのははじめてです」ゴク


5プリ「「「「「〜〜〜〜〜ッ!!!」」」」」グビグビ

タンッッ



5プリ「「「「「ンまあ〜〜いッ!!」」」」」プハァァーーッ



334 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:05:31.39 ID:IG7f/l2YO

やよい「ハア〜……♪ す、すっきりィィ〜♪」ウットリ

なお「あかね……スゴいよ。水だけでもうこんなに『ハッピー』になれるなんて」ウットリ

あかね「そやろ〜? トニオが厳選した水や、旨ないわけがあらへん。……でも、まさかここまでとはな〜……」

やよい「ハア、ハア……あかねちゃん、わたし、まだ水を飲んだだけなのに感動で汗が出てきたよ〜……」ハアハア

あかね「はは、そなおおげさな」

みゆき「いや、ホントだって……それに何だか……身体中が熱く……」ハアハア

キュルルルルルルル……

れいか「あら? この音は……一体なんでしょうか?」

335 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:06:12.24 ID:IG7f/l2YO

みゆき「!!」バッ

やよい「!?」バッ

なお「ふ、二人ともどうしたんだ。急に立ち上がったりなんかしてさ」

やよい「お、音が……」

あかね「ん?」


みゆき「『血液』ッ! かっ……身体中の『血液』がっ! 音をたてて体内を駆け巡っているゥゥゥ─────ッ!!」ギュルルルルルルルル


あかなお「な、何ィィ─────ッッ!!?」

336 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:07:16.52 ID:IG7f/l2YO

やよい「ふええ〜……な、何これェェ〜!? わたしの体どうなっちゃってるの〜!?」ギュルルルルルルルル

れいか「きッ聞こえますッ! 今はハッキリと、みゆきさんとやよいさんの体内を、血液がとてつもない勢いで循環する音が聞こえますッ!!」

ギュウルルルルルルルルルル!

なお「な、なんか音が大きくなってないか……?」

あかね「みゆきィィッ!! やよいィィ〜ッ!! だ、だいじょうぶなんか!?」

みゆき「うわあスゴいッ! スゴいよあかねちゃんッ! 頭のてっぺんから爪先まで血液のビートが刻まれているみたいだよ〜!」ギュルルルルルルルル

やよい「わあああああああ!?」ギュルルルルルルルル

あかね「ふ、二人とも落ち着くんや! しっかりしぃやァァ────ッッ!!」


337 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:07:43.78 ID:IG7f/l2YO


みゆやよ「ウルトラハッピー……」キラキラキラ


あかね「へっ……?」キョトン


338 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:08:44.46 ID:IG7f/l2YO

みゆき「なにこれ……体全体から『凝り』が消え去っちゃって、疲れが遠くに吹き飛んでいくような感覚が……!」キラキラキラ

やよい「昨日ちょっと夜更かししちゃって寝不足だったのが一発でなくなっちゃった……!」キラキラキラ


みゆやよ「まさにウルトラハッピィィィィ────ッ!!!」キュピィィィン


なお「どうなってんだこれ……」

れいか「お二人の顔が生気に満ち溢れています。でも、なぜ急にこれほどの変化が表れたのでしょうか?」


トニオ「それは『デトックス効果』デス」スタスタ


れいか「トニオさん」

339 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:11:07.13 ID:IG7f/l2YO

トニオ「炭酸水に含まれる二酸化炭素が血管内の二酸化炭素濃度を上げ、対抗して酸素を取り入れようと血管を拡張させる現象でス」

トニオ「そのため『血の流れ』が良くなり、体にまんべんなく血液が行き届くため体の凝りが解消されマス」

トニオ「そして、新陳代謝が上昇することによって身体と精神の疲労を緩和させたのデス」

あかね「炭酸水にそんな効果が……! けど、なんでみゆきとやよいだけあないなごっつい効果が表れたん?」

トニオ「そちらの二人のお嬢さんは顔の『むくみ』と首筋の『腫れ』から、寝不足から来る疲労とストレスが溜まっていると判断しました」

トニオ「デスから、その疲労が回復するように料理をお出ししたトイウわけです……。……そろそろですね」

340 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:12:25.49 ID:IG7f/l2YO

みゆき「な、なんだか急にお腹が減ってきたよ……」キュルルル

やよい「わたしも……」キュルルル

なお「……うん、わたしも」キュルルル

あかね「な、なおも? どないなっとんのや……」キュルルル

れいか「わたしもです……やだ……はずかしい////」キュルルル

トニオ「炭酸水を胃に入れたことで、胃腸が刺激され消化機能が促進されます。みなさん、もうお腹がペコペコでしょ?」

なお「た、確かに……!!」グギュー

みゆき「もう待ちきれないよ〜!」ジュルリ


トニオ「ふふ、では料理を続けましょうか……」

341 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:13:42.35 ID:IG7f/l2YO

トニオ「お待たせしました。アンティパスト(前菜)、『タコのトマトソース煮』デス……」ニコ

5プリ「おォ〜〜〜!!」キラキラキラ



【アンティパスト】
『タコのトマトソース煮』

【材料】
・マダコ(足、明石産) ・にんにく
・トマト ・赤ワイン(サルディーニャ産)
・タマネギ ・唐辛子
・塩 ・胡椒
・オリーブオイル ・イタリアンパセリ

(賞味時期 冷めないうち)

イタリア南部を代表する家庭料理
ぶつ切りにして下拵えしたタコをトマトソースで煮込んだシンプルなもの
イタリアにおいてこの料理はタコがトマトソースの海で溺れている様を連想させるため
『ポルポ・アッフォガート(タコの溺れ煮)』の名で呼ばれ親しまれている。
水ダコではなくマダコを使うのがポイント


342 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:15:06.85 ID:IG7f/l2YO

トニオ「本来この料理はセコンド・ピアット(主菜)向けの料理なのですが、今日はアンティパスト向けに調理した特製になってまス」

みゆき「うわあ、とっても美味しそ〜!!」キラキラキラ

なお「へェ〜……タコか〜! イタリアってタコを使った料理があるんだ」

あかね「うちも最近知ったんやけどな、トニオの故郷のナポリじゃわりと普通の食材なんやて。へへ、うちの故郷の大阪もたこ焼きで使ってるしな。大阪とイタリアの意外な共通点ってヤツや」

トニオ「そのとおり。イタリアはヨーロッパでも珍しくタコを食材として扱っています……。そして、トマトはイタリア料理には欠かせない重要な食材の一つでス」

トマト「わたしの故郷の食材とあかねお嬢さんの故郷の食材……この二つの誇りある食材を使用して作った料理ということデス。どうぞ、御召し上がりくだサイ」ニコ

みゆき「いっただっきまーす!」パク

みゆき「……!!」

343 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:17:18.27 ID:IG7f/l2YO

やよい「こッこれは……まさに絶品ッ!!」パクパク

あかね「さっと塩をふってタコ本来の濃厚な味を引き出しつつ、あっさりトマトソースが何倍にも旨さを引き出しとる! アトを引く味や!」モグモグ

なお「トマトの甘味と酸味を楽しむと同時に、微かに香る赤ワインの上品な渋味とまろやかさ! 食欲をくすぐって何個でも食べられるよ!」ガツガツ

れいか「フォークに簡単に刺さるほど柔らかく煮込まれながらもしっかり感じる確かな歯応えと、噛めば噛むほど溢れ出る旨味! 素晴らしい『仕事』です!」パクパク

みゆき「最高だッ! 文句のつけようがないィィッ! まさに味のゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)ッ!!」ガツガツ


5プリ「ゥんまあ〜いッ!!!」キラキラキラ


344 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:18:50.44 ID:IG7f/l2YO

なお「あかね〜! 最高だよっ! こんな美味しいタコ料理食べたことないよ〜!」ガツガツ

あかね「そーやろ! これで前菜なんて幸せ過ぎる〜! トニオが家に来てくれてよかったァァァァ!!!」ガツガツ

ピシッ……パキィィッ……

やよい「……? ねえねえみゆきちゃん。なんか、音がしない? こう、なんか……乾いた音が」

みゆき「え、音〜? ……そういえばなんだかこっちから」クルゥリ

みゆき「げぇッ!!?」


345 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:19:18.13 ID:IG7f/l2YO


ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ

あかね「旨い! 旨いィィ!!」ピシッパキッ

なお「来てよかったァァ〜!!」ピシシシシ……

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ


みゆき「あかねちゃんッ! なおちゃんッ! か、顔に……『顔にヒビが入ってる』よッ!!?」


346 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:20:20.16 ID:IG7f/l2YO

あかね「へ、何ゆうとるんやみゆき? うちの顔がどうしたって?」ピキパキィッ

なお「ヒビって……なんのこと?」サッ

なお「顔に亀裂がァァァァァァ!?」ピシィ────ッ!

あかね「ほんまやァァァァァァ!? な、なんやコレェェェェェェ!?」パキィィィィン!

トニオ「おォ……効果が表れたようですね……」

あかね「トニオォォォォォォ!! コレは一体どうなっとんのやァァァァ!?」パキキキキ

れいか「あかねさんっ大声を出すと亀裂が、大きくッ!」

347 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:23:28.82 ID:IG7f/l2YO

トニオ「ご心配いりまセン……それは肌の老廃物が自然に剥がれ落ちる前兆です」

トニオ「洗面所に行くことをオススメしまス」ニコ

なお「あかねッ! 洗面所こっちであってる!?」

あかね「せや、早く行かんと!!」ダダダ

やよい「あのォォ〜……トニオさん、あかねちゃんとなおちゃんは大丈夫なんですか?」

トニオ「はい、あの二人は少々肌が荒れぎみでしたので、コラーゲンとビタミンが豊富なタコとトマトを合わせることで、肌の真皮層を刺激して古い皮膚や角質を根こそぎ除去シタのです」



トニオ「ほら、もうすぐ二人が帰ってきますヨ?」

みゆき「あっ、なおちゃんあかねちゃんおかえり〜ッッッ!?」


パァアアアアア─────ッッッ!!!


やよい「光り輝いてるゥゥゥゥ────ッッ!?」

れいか「まっ眩しいッッッ!!」

348 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:26:51.90 ID:IG7f/l2YO

なお「なんだかさぁぁ〜ッッッ! ……スゴい爽やかな気分だよ……」ツヤヤヤァン

あかね「ほんまや……まるで文字通り『脱皮』したかのような清々しい気分や……」キラキラキラァン


あかなお「ウルトラハッピィィィィ────ッ!!!!」キュピィィィン


トニオ「グラッツェ〜♪ 喜んでもらえて光栄でス。それでは私はパスタの茹で加減を見なければいけないので……」クルゥリ

やよい「あ、いっちゃった……ね、ねえ二人とも、ほんとになんともないの?」

あかね「ん〜? すこぶる絶好調やで。ホラ、お肌つるつる〜ん♪」ツルゥン

なお「運動部は肌が荒れやすいからな〜。これは嬉しいッ!」ツルルン

みゆき「うぅ〜む……トニオさんがあそこまでスゴいシェフだったなんて……プリキュアに誘えばよかったかな」ボソリ

あかね「みゆき、なんか今えらいこと言わんかった?」

やよい「でも、あんなスゴい料理を作れる人がなんで日本に来たんだろう……。本場のイタリアでレストランを開いても充分過ぎるほど通用すると思うんだけど」

なお「確かに……この味は何処で出しても三ツ星は確実だよ」

キャンディ「れいか、キャンディもそれ食べたいクルー……」ヒョコリ

れいか「あ、すみませんキャンディ。あまりの美味しさに夢中になっていました……。それでは、トニオさんが来る前にどうぞ」サッ

キャンディ「クル〜♪」パクパク

349 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:28:33.76 ID:IG7f/l2YO

みゆき「うむむ、人にはいろいろな事情があるからねェ〜。なんにしても、トニオさんが日本に来てくれたおかげでこんなに美味しい料理を食べられるんだから」

みゆき「今はそれでウルトラハッピー! ……でいいんじゃない?」

あかね「せやな、考えてもしゃあないし、今は料理をたのしもか!」

なお「うんうん! 次は何がくるのかな〜!?」キュルルル

トニオ「お待たせしました。次はプリモ・ピアット(第一の皿)……パスタ料理デス。その名も……」

みゆき「あ、あれってもしかして……」


350 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:29:19.91 ID:IG7f/l2YO


トニオ「そう、みなさんもご存じ『カルボナーラ』ですッ!!」バァアーン


【プリモ・ピアット】
『カルボナーラ』

【材料】
・タリオリーニ(2〜3o幅の平打ち麺)
・パンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)
・白ワイン(ピエモンテ産)
・卵黄 ・ペコリーノチーズ
・黒こしょう

(賞味時期 お早めに)

イタリアンパスタの王道中の王道料理。
卵、チーズ、黒胡椒で味付けされたこの料理は日本人にも馴染みが深く、イタリアンレストランで置いていない所は無いと言われるほどである
生クリームは使わず、ペコリーノチーズ(羊のチーズ)を使用して甘さと塩辛さを引き出している


351 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:31:29.11 ID:IG7f/l2YO

みゆき「わたし、コレ大好きなんだよねェ〜!!」

なお「奇をてらわない直球勝負で来たか……。気に入ったァァ〜ッッッ!!」ビシッ

れいか「シンプルな料理ほど料理人の腕がはっきりと解ると言いますが、よほど腕に自信があるようですね」

やよい「いや、トニオさんなら期待『大』だよう!」

トニオ「カルボナーラの歴史はそう古いものではありません。それまで卵とチーズを使用したパスタはあっても、明確に『カルボナーラ』と名付けられたのは第二次世界大戦後と言われてまス」

みゆき「ふむふむ」

トニオ「当時、イタリアに進軍したアメリカ軍の若年兵たちが疲労と空腹でホームシックにかかった際、それをみかねたイタリアのシェフたちが振る舞ったのをキッカケに世界に広まったそうです」

れいか「なるほど、アメリカ人はベーコンと卵が大好きですからね」

あかね「なんか、ええ話やなー。敵さんにこんなご馳走するなんて」

トニオ「イタリア人の『食』に対する誇りと執念から産み出された美談というわけデス。……それでは、ごゆっくり……」スタスタ

352 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:35:23.47 ID:IG7f/l2YO

あかね「これもめっちゃ旨そうやな〜。では、さっそく……」

みゆき「……ッ!!」ズビズバー

なお「ッッッ!!」ズビズバー

あかね「もう食べとる……」

みゆき「だっだってコレ、たまんなくいい匂いがするんだもん!」ズババー

なお「ペコリーノチーズの独特な風味が一気に食欲を開花させてるって感じかな!? とにかく、やめられない止まらないィィ!!」ズババババ

やよい「激ウマシコシコのパスタに絡んだ濃厚チーズとベーコンが奏でる三重奏ッ!!! まさにステアウェイ・トゥ・ヘブン(天国への階段)を一気に駆け上がる気持ちッ!」ズババババ

れいか「濃厚でありながらまったく飽きがこないのは、黒胡椒と隠し味の白ワインから来るピリッとした辛味のおかげですね! 何皿でも頂けますッ!」モクモク

あかね「ゴクリ。……あかん、出遅れた……う、うちもいただきまーすッ!!」ズビズバー


5プリ「ゥんまァァ〜〜いッ!! ボーノ」キュピィィィン


キャンディ「クル〜……みんなばっかりズルいクル。キャンディだっていっぱい食べたいクル!」プンスカ

353 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:39:35.43 ID:IG7f/l2YO


……フワァアアアア……


キャンディ「……クル〜……?」クンクン

キャンディ「向こうからいい匂いがするクル!」トテテテテ


354 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:40:06.85 ID:IG7f/l2YO


ウルフルン「プリキュアめ、どこ行きやがったんだァァ〜? この町に全員揃ってるぐれーしかわからねーからな……」

ウルフルン「こーなったら適当にアカンベェ作って暴れさせて……」

フワァアアアア……

ウルフルン「……」ゴクリ

ウルフルン「な、なんかスゲーいい匂いがするじゃあねーかッ! 腹へってきたぜェェ!!」


355 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:41:26.60 ID:IG7f/l2YO

調理室ッ!


キャンディ「おなかすいたクル〜……。くんくん、こっちから甘酸っぱいいい匂いがするクル!」クンクン


トニオ「……」ユラァア


キャンディ「あ、トニオさんクル! 今度はなに作ってるクル〜?」

トニオ「おや、あなたは……」

キャンディ「あああっ!? いけないクルー! キャンディの正体ばらしちゃダメクル! またみゆきがキレちゃうクル〜!」

トニオ「……フム、しゃべるラム肉とは珍しいデスネ。……ちょっと、あなたコレ、食べてみます?」スッ

キャンディ「クル?」

フワァアアアア……

キャンディ「そ、それ、スゴくおいしそうな匂いクル〜……」ヨダレダバァ

356 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:43:20.21 ID:IG7f/l2YO

トニオ「この『仔牛肉のサルティンボッカ』はシンプルな料理ですが、ソースの調整が難しいので、味見役が欲しかったのですが……」

キャンディ「キャンディ! キャンディがあじみするクル! 食べたいクル〜!」

トニオ「おーそうデスカ! それはちょうどよかったデス。では、どうぞお召し上がりください……」


【セコンド・ピアット】
『仔牛肉のサルティンボッカ』

【材料】
・仔牛フィレ肉 ・生ハム
・マッシュルーム ・塩
・コショウ ・セージ
・小麦粉 ・オリーブオイル
・無塩バター ・白ワイン(ヴェネト産)
・じゃがいも ・インゲン

(賞味時期 約15分)

サルティンボッカとは『口に飛び込んでくる』という意味
あまりにも簡単で、短時間に作れることからこの名前が付いたと言われている
仔牛肉の下味は薄めにし、主に生ハムの塩気とソースの味を同時に楽しむ北イタリア出身の家庭料理である

357 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:48:02.56 ID:IG7f/l2YO

キャンディ「いただきまーすクル〜!」ガブリィィ

フワァアアアア……

キャンディ「クル!? 口にいれたとたんにお花のようないい匂いが広がるクル〜!」キャッキャ

トニオ「ソースに使っているヴェネト産白ワイン、『ソアーヴェ・クラシコ』は、花のような芳醇な香りと共に優しい甘味と酸味を楽しませてくれマス」

キャンディ「クル〜♪ お肉と生ハムだからもっと重いかと思ってたけど、やわらかくっていくらでも食べれるクル〜!」パクパク

トニオ「仔牛と生ハムの間にある『セージ』が両者の脂をサッパリさせ、食べやすくしているのデス。さらに抗菌、消臭効果で肉のわずかな臭みを取り除いてマス」


トニオ「まさに、『肉で肉を食べるための肉料理』と言えるノデス」


358 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:51:26.40 ID:IG7f/l2YO

キャンディ「す、スゴいクル〜……。こんなにガッツリ食べてるのに、ど、どんどん、お腹が減ってくクル。ま、まだまだ食べたいクル!」ガツガツ

トニオ「おや、やはりあなた! 食生活が偏ってマシタか。お菓子ばかり食べてるから体の栄養バランスが崩れてます。もっと野菜やお肉を食べなきゃダメデスよ?」

キャンディ「に、肉の旨みと生ハムの旨みが同時に襲いかかってくるとおもえば、白ワインソースとセージのつややかな香りが優しく包み込んで、喉を通る度にハッピーを感じるクルゥゥ!!」ガツガツ

キャンディ「こ、これはまさに『天国』! キャンディは今、ヘブンズ・ドアー(天国への扉)を開いたクル〜!!」パァアアアアア


キャンディ「ゥゥんまァァ〜いッ!! クルッ!」キュピィィィン


359 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:53:32.53 ID:IG7f/l2YO

トニオ「クックック……いいぞ……いい食べっプリだ……この『仔牛肉のサルティンボッカ』は成功だ……」

ウルフルン「なんだァァ〜? せっかくいい匂いに誘われて来てみりゃあもう食っちまってるじゃあねーか!」

トニオ「!!」

ウルフルン「まあいいか、そこらにあるもんでも漁って食っちまえば……お、こりゃなんだ? レモンの皮か?」ゴソゴソ


トニオ「………………」


ウルフルン「皮なんてゴミみたいなモンを後生大事にビンなんかに入れてよォォ〜? バカじゃねーのかギャハハハハ!」ベタベタ

360 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 21:58:20.75 ID:IG7f/l2YO


────ヒュオンッッ……

ドカァッッッ!!!


ウルフルン「あひゅっ!? な、なんじゃあっっ!?」


ビィィィイン……


ウルフルン「ほ、包丁……? ハッ!?」クルゥリ


361 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 22:00:47.50 ID:IG7f/l2YO


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

トニオ「…………」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


ウルフルン「て、テメーいきなりなにしやがんだぁぁっっ!?」

362 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 22:02:15.81 ID:IG7f/l2YO

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ

トニオ「私は……『ギャング』ではありません……。ですから、『ブッ殺す』と心の中で思っても、既に行為は終わってるなんて物騒なことはシマセン……」

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブ


ウルフルン「お、おまえ……ッッ」


トニオ「だから最初にちゃんと警告シマス」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

トニオ「手を洗いなさい。『ブッ殺しマス』よ?」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



363 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/15(土) 22:02:45.10 ID:IG7f/l2YO
今日はここまでです
メシテロ万歳
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/16(日) 00:03:54.76 ID:sOQmP5qBo
乙ゥ〜
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/16(日) 00:07:48.59 ID:B9/Qc2mE0

途中途中でネタがちょっとずつ入っててクスッと来てしまうw
366 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/21(金) 06:44:29.25 ID:eR3BStoPO
おはようございます
続き投下します
367 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/21(金) 06:46:45.28 ID:eR3BStoPO


「キャンディ……こっちからキャンディの生命エネルギーを感じるでござるッ!
この感覚、もうすぐとみたでござる」

「しかし、同時に感じたドス黒いエネルギー。これはバッドエンド王国のもの! キャンディが危ないっ」

「キャンディ、待ってるでござる〜!!」

368 : ◆S0pw.EDnyA [saga]:2018/12/21(金) 06:47:45.36 ID:eR3BStoPO

調理室ッ!



ウルフルン「なんだテメーはァァ〜? いきなり包丁ぶん投げといて『手を洗いなさい』だとぅ?
それがよォォ〜……人にものを頼む態度かッ!? ええ!?」

トニオ「おや、あなた犬の被り物をしているのではないのですか? てっきり泥棒かなにかと思ってイタのですガ」

ウルフルン「俺は犬じゃあねええッ! オオカミだッ! テメー調子乗ってるんじゃねぇぇーぞコラァ!!」

トニオ「調子に乗ってるわけではアリマセン。
この調理場を任されたシェフとして、清潔を保つのは『当然』のことデス」

トニオ「それをさっきからあなた……周りをベタベタ触って、何を考えてるんデスカ! バイ菌は調理場の最大の敵なんですよ!?」クワッ

ウルフルン「あ、ああ……?」

トニオ「調理場においては清潔第一!!例外はアリマセンッ!!『手を洗ってちゃんと掃除するまで』許しませんッ!」


トニオ「ドーシテモ嫌だというなら仕方アリマセン、『覚悟』してもらいマスッ!」シャキィィン


ウルフルン「な、なんだこのコックの迫力! とてもコックが発していい迫力じゃあねえッ! ナニモンだァァ〜!!?」

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