瑞鶴「私は、あんたに憧れられるような艦じゃない」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/31(火) 23:25:40.62 ID:Z8kgPS9WO

「……さっきは悪かったわね」

「い、いえ。そんな!」

「…ありがと」

「先輩……」



「明日から厳しいけど、覚悟はできてる?」

「も、もちろんです!!」

「そっか、……期待してるわ」

「あっ……」

先輩の手が頭に触れる。

42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/31(火) 23:26:52.86 ID:Z8kgPS9WO

頭に残った感触と
先輩の笑顔が頭から離れず――、

「それじゃ、また明日ね」

「お疲れ様です瑞鶴さん」

「お疲れ様です!」

先輩が立ち去っていく中、

私は、何も出来ず、

ただただ立ち尽くしていたのだった。

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/31(火) 23:27:37.15 ID:Z8kgPS9WO

今日はここまでです。 お疲れ様でした。

44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 12:14:59.91 ID:al7RsIMjo
おつ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/03(金) 18:19:20.16 ID:DmA1naGkO

おつありですー!今日投下予定です
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/03(金) 23:33:57.76 ID:TUBxOOw80
すいません用事のため今帰宅しました…

明日更新します……申し訳ありません…
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/03(金) 23:59:30.68 ID:L7aSZZaPo
了解
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 23:50:07.77 ID:8NSMKItz0

遅くなりました。投下します。
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 23:51:17.66 ID:8NSMKItz0
―――
―――


「はあ……」

ため息が部屋に響く。

「ただいま」

「おかえりなさい、雲龍姉さま…」

「?」

天城が助けてくれと目で訴えてくる。

「……」

目線の先には葛城。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 23:53:21.37 ID:8NSMKItz0


「えへへ、へへ……」

「……」

「……この子ずっとこんな調子なんです」

「……」

「〜〜〜!!へへっ…!」

「……まあ、葛城の気持ちはわかるけど」


ゆっくりと雲龍が近づき。

「葛城」

「ふへ……ぐえっ?!」

鳩尾に目覚まし時計がめり込んだ。

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 23:55:35.32 ID:8NSMKItz0


「――!!?!!?」


突然の衝撃に息が出来ない!!

「ね、姉さま!」

「葛城。目、覚めた?」

「――。 っはぁ!! な、何するのよ!!」

「葛城があまりにも気持ち悪くて、つい」

「理不尽すぎない!?」

「目が覚めたなら早く床の汚れを落としといて」

「え?」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 23:57:17.16 ID:8NSMKItz0


そう言われて床を見ると

「あっ……」

ヨダレが水たまりのように……。

「……て、てへ?」


姉たちのわたしを見る目はものすごく冷えきっていた…






53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 23:58:10.79 ID:8NSMKItz0
―――
―――


「改めて紹介するわ――」


今日は雲龍型の最初の訓練日。





「私が、第一機動艦隊旗艦、瑞鶴よ」



「そして、左から。瑞鳳、秋月、初月」

僕達が敬礼したのを見てから、慌てて敬礼する葛城達。


54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 23:58:58.40 ID:8NSMKItz0


「このメンバーに加え、作戦時にはほかの部隊も加わるわ」


「よろしくね」

「よろしくお願いします!!」

「よろしく頼む」



「よ、よろしくお願いします!!」


55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 00:10:46.15 ID:kaZXJJQo0

初めての訓練は何事もなく終わり、お昼になった。


「ふう…」

僕は初月。

半年前――翔鶴が沈んだその日。

それ以前、秋月姉さんの戦友“だった”、護衛艦の朧や秋雲も沈んでおり、機動部隊は壊滅したといってよかった。

……しかし、上はまだ諦めていない。最後の足掻き、として機動部隊は再編、今に至る。
そんな機動部隊の穴埋めとして……僕はここにいる。




56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 00:12:32.16 ID:kaZXJJQo0


「初月ー、雲龍さん達とご飯食べよ?」


「秋月姉さん。うん、いいだろう」


「漬物も持ってきてるからね!」


…秋月姉さんもほんとは辛いはずなのに、……そんなことを顔にも出さず僕を元気づける。
…姉さんには頭が上がらないよ。
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 00:15:49.77 ID:kaZXJJQo0


「あ、雲龍さん達疲れ様です!!」

普段顔色を変えない雲龍でさえ、表情が歪んでいた。
瑞鶴……本気でしごいてたからな、無理もない。
けど、それも全ては彼女らのため。

「ん……」


「ここの訓練はどうだ?」


「楽勝よ!!わたし達だってただ遊んでたんじゃないんだからね!!」


「葛城、足がガタガタよ」


「ちょ、天城姉!!」


「ふっ…」


58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 00:17:27.64 ID:kaZXJJQo0


新しい空母が来ると聞いて、初めは瑞鶴と同じで心配だったが……
予想以上にやる。
それに、なんだかんだ根性がある。


「午後のためにもたっぷり食べてくださいね!」


秋月姉さんが手作りの弁当を広げる。


59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 00:18:40.88 ID:kaZXJJQo0



「自信作なんですよ!」


「どれ、ん……姉さんの握り飯と漬物は本当にうまいな」


「へへ、そうかな?」


「あ…、おいしい……」


「あ、ありがとうございます、雲龍さん!!」


「!! うま!これいけるわ!」


「秋月さん……今度教えてください!」


「えっ、は、はい!喜んで!」

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 00:21:03.74 ID:kaZXJJQo0


―――




「弁当って……おにぎりと漬物だけ……?」

そんな光景を見て、苦笑いを浮かべる瑞鳳。

「……相変わらずなんか見てて辛いわ」

「はは…質素な生活に慣れてるからねあの子達は……」

「慣れすぎなのよ……」

「今度うちらでなにか奢ってあげよ……」

「そうね……」


61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 00:22:16.58 ID:kaZXJJQo0


今日は以上です! お疲れ様でしたー!

62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 00:25:18.90 ID:bwJj/JReo
おつー
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 21:08:22.91 ID:kaZXJJQo0

おつありですー!明日更新します!
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/07(火) 08:35:38.42 ID:PBwrQ6n60

寝落ちしてました…申し訳ありません…
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/07(火) 10:59:26.83 ID:Z6kP1LPno
乙、自分のペースでいいのよ
あまりにも来ないと忘れちゃうけどね
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/10(金) 03:12:40.56 ID:mVQAcFya0

土曜日に更新しますm(_ _)m

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/11(土) 23:48:35.37 ID:epHXYcJF0

「おつかれさまでしたー」


今日も一日訓練が終わり、みな帰路につく。

「瑞鶴ー、おつかれ」


「……ん、瑞鳳も」

いつもの部屋でいつものふたり。

「ふぅー……」

「まーた煙草」

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/11(土) 23:49:51.65 ID:epHXYcJF0


「なによ」

瑞鳳が軽く咳き込みながら抗議の目を向けてくる。

「いい加減やめたら?」

「……別に、私の勝手じゃない」

「あんたらしくないから言ってるのよ」

「あっそ」

ふー、と煙を吐く。


69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/11(土) 23:51:10.44 ID:epHXYcJF0


「まあ……そろそろやめてもいいかなって」


「ふふっ。それがいいわ」


「何よその笑みは……」


「んーん、何も」


70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/11(土) 23:54:24.16 ID:epHXYcJF0


「……ん」

唇が触れ合う。

「……やっぱりくさい」

「……悪かったわね」


お互いの体を求め合う。

ここに愛はない。

……ただ、欲を満たすだけ。



71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/11(土) 23:55:06.66 ID:epHXYcJF0


「……瑞鶴」

「ん……」



―――
―――


「何また悩んでるのよ」

「……」

「……今度の作戦のこと?」

「……」

「提督は雲龍ちゃん達も使うみたいだけど」

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/11(土) 23:59:37.74 ID:epHXYcJF0

「……」

「……」

「……まだ早いわ」

「信じるしかないわよ。あの子達も子供じゃないし」

「……」

「頑張りましょ、私達も」



新機動部隊。
私達の初めての任務が、始まろうとしていた―――。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/12(日) 01:05:28.14 ID:WkTcpmq0o
擦れてるずいづほイイ……
おつ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 19:04:28.96 ID:vMUpklEzO
追いついた!

末期瑞鶴スキーとして期待
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/12(日) 19:06:24.82 ID:vMUpklEzO
下げ忘れてましたすいません
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 20:26:12.93 ID:b6LPzjuZO

77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 20:26:53.72 ID:b6LPzjuZO

おつありですー!

ぼちぼち投下していきます
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:28:46.96 ID:b6LPzjuZO


―――
―――


「ええええええ?!」


廊下に葛城の声が響く。


「……まさか聞いてなかったのか?」


「え、いつよ?!」


「……ついさっきだ」


はあ、とため息をつく。


79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:29:38.88 ID:b6LPzjuZO


彼女、やっぱりダメかもしれない……。


「え、え」


「……少し場所を変えよう」

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:30:50.73 ID:b6LPzjuZO


―――
―――

「――以上よ、今日も訓練お疲れ様」


先輩が締めの挨拶をしている。
ああ、瑞鶴先輩……。今日もかっこいいなあ…。



「……雲龍達、よくついてきてるわね。想像以上よ」


先輩の表情が、微かに。
頬が緩む。

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:31:43.22 ID:b6LPzjuZO


――わたしはこの表情に弱い。


クールな表情からのこの笑顔。
ずるすぎるよ先輩。



……ぽけー、と惚けた顔をしていたのだろう。

天城姉につつかれ、現実へと戻る。


82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:34:04.46 ID:b6LPzjuZO



「―――大変な任務になるわ。各自準備をしておくように」


「はい!!」


よーし明日も訓練頑張っちゃおう!!


……ん?あれ?

なにか今、大切なことを聴き逃したような――?



83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:35:56.38 ID:b6LPzjuZO


―――
―――


「あのなあ……」


「ご、ごめんなさい!!」


僕の部屋に葛城を連れ込み、ワケを聞き……
早速項垂れた

84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:43:21.34 ID:b6LPzjuZO


「いいか、もう一度言うぞ」


ため息を何回ついただろう。


今一度作戦について説明をしていく。


……話を進めていくと、
次第に、葛城の顔が強ばっていった。


85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:44:00.98 ID:b6LPzjuZO


「……わたしが?」


「ああ、そうだ。……そして、僕が君を守る」


「わたしが……」


何度も事実を飲み込むように、言葉にする。


「……なんだ?怖気付いたのか?」


86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:44:49.80 ID:b6LPzjuZO


「……冗談」


ニィ、と。


「ようやく先輩の――」



「――みんなの役に立てるってわけよ」


「……ふっ」

思わず笑ってしまう。

まったく……、何度評価をし直せばいいんだ。


87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:45:25.74 ID:b6LPzjuZO


「頼もしい<仲間>が増えたようだ」


88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/12(日) 20:46:19.85 ID:b6LPzjuZO

以上です。
少しずつの投下になりますがよろしくお願いしますm(_ _)m

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/13(月) 10:44:27.94 ID:8ZZJU+b3o
おつおつ
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/20(月) 19:23:54.91 ID:1q2Rgn6s0

盆中忙しく更新出来ずにすいません

明日明後日に更新します。

28.93 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)